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2008-03-28 第169回国会 参議院 総務委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十年三月二十八日(金曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  三月二十七日     辞任         補欠選任      榛葉賀津也君     大島九州男君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         高嶋 良充君     理 事                 加藤 敏幸君                 那谷屋正義君                 内藤 正光君                 河合 常則君                 末松 信介君     委 員                 梅村  聡君                 大島九州男君                 加賀谷 健君                 行田 邦子君                 武内 則男君                 外山  斎君                 長谷川憲正君                 吉川 沙織君                 礒崎 陽輔君                 岸  信夫君                 世耕 弘成君                 二之湯 智君                 吉村剛太郎君                 魚住裕一郎君                 弘友 和夫君                 山下 芳生君                 又市 征治君    国務大臣        総務大臣     増田 寛也君    事務局側        常任委員会専門        員        高山 達郎君    政府参考人        総務省情報通信        政策局長     小笠原倫明君    参考人        日本放送協会経        営委員会委員長  古森 重隆君        日本放送協会経        営委員会委員長        職務代行者    多賀谷一照君        日本放送協会会        長        福地 茂雄君        日本放送協会副        会長       今井 義典君        日本放送協会理        事        日向 英実君        日本放送協会理        事        八幡 恒二君        日本放送協会理        事        永井 研二君        日本放送協会理        事        大西 典良君     ─────────────   本日の会議に付した案件政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認  を求めるの件(内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 高嶋良充

    委員長高嶋良充君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、榛葉賀津也君委員を辞任され、その補欠として大島九州男君が選任されました。     ─────────────
  3. 高嶋良充

    委員長高嶋良充君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省情報通信政策局長小笠原倫明君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 高嶋良充

    委員長高嶋良充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 高嶋良充

    委員長高嶋良充君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、日本放送協会経営委員会委員長古森重隆君外七名を参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 高嶋良充

    委員長高嶋良充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 高嶋良充

    委員長高嶋良充君) 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。増田総務大臣
  8. 増田寛也

    国務大臣増田寛也君) 日本放送協会平成二十年度収支予算事業計画及び資金計画につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  この収支予算事業計画及び資金計画は、放送法第三十七条第二項の規定に基づきまして、総務大臣意見を付して国会提出するものであります。  まず、収支予算について、その概要を御説明申し上げます。  一般勘定事業収支につきましては、事業収入が六千五百七十五億円、事業支出が六千四百七十二億円となっており、事業収支差金百二億円のうち債務償還充当を差し引いた収支過不足六十八億円については、財政安定のための繰越金に繰り入れることとしております。  一般勘定資本収支につきましては、資本収入資本支出が共に八百四億円となっております。また、建設費が七百六十九億円となっております。  また、改正放送法に基づき、平成二十年度収支予算から、新たに番組アーカイブ業務勘定を設けて、区分経理実施することとしております。  次に、事業計画につきましては、放送番組の一層の充実地上デジタル放送普及改正放送法に基づく新たな国際放送による海外への情報発信充実等が盛り込まれております。  資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金需要及び調達に関する計画を立てたものであります。  これに付する総務大臣意見につきましては、協会平成二十年度収支予算等について、これを着実に遂行すべきものと認めるが、本年一月、職員によるインサイダー取引が発覚したことは、報道機関としての信頼性を揺るがす重大な問題であって、誠に遺憾であり、協会においては、国民視聴者からの信頼を早急に回復すべく、抜本的な再発防止策推進全力で取り組むとともに、職員の高い倫理意識の確立に努めることが必要であるとしております。あわせて、新たな不祥事が受信料収入影響を及ぼす可能性も考慮し、一層の業務効率化に努めることが必要であるとしております。  その上で、収支予算等実施に当たり、一、改正放送法を踏まえ、実効性あるガバナンスの実現に組織一体となって全力で取り組むこと、二、平成二十三年のデジタル放送への全面移行のために欠くことのできない中継局整備共同受信施設デジタル放送対応等にできる限り前倒しをして取り組むこと、三、我が国の文化、産業等発信を通じて我が国対外イメージ向上等に資する外国人向けテレビ国際放送実施することなど、特に配意すべき点を付記しております。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いをいたします。
  9. 高嶋良充

    委員長高嶋良充君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。福地日本放送協会会長
  10. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) 本年一月二十五日付けでNHK会長を拝命いたしております福地でございます。  議題となっております日本放送協会平成二十年度収支予算事業計画及び資金計画の御説明に先立ちまして、まず、三人の職員が関与いたしました株のインサイダー問題につきまして深くおわびを申し上げます。第三者委員会による調査が精力的に行われておりますが、関係者を厳正に処分し、再発防止策の策定に全力で当たってまいります。その上で、内部統制機能整備によるコンプライアンスの徹底を図り、視聴者から一層信頼される公共放送を目指してまいります。  平成二十年度は、三か年経営計画最終年度でありますとともに、デジタル時代の新たな公共放送の基礎を築く重要な年度であると考えております。  事業運営基本となる放送においては、放送自主自律を堅持し、信頼されるニュースと多彩で質の高い番組を制作し、視聴者の要望に的確にこたえてまいります。また、幅広い視聴者層、とりわけ若い世代に向けた番組や地球環境問題に継続的に取り組む番組地域放送充実等に力を注ぐとともに、報道取材体制強化、第二十九回オリンピック北京大会北海道洞爺湖サミット等取材放送に万全を期してまいります。さらに、地上デジタル放送普及国際放送による海外への情報発信充実に努めてまいります。  協会の主たる財源であります受信料につきましては、公平負担に向けて一層効率的な契約収納活動推進いたしますとともに、訪問集金廃止等の新たな施策実施と、より公平で合理的な受信料体系への改定を行います。  また、改正放送法趣旨を踏まえ、番組アーカイブ業務実施に向けた取組を着実に進めてまいります。  これらの実施に当たっては、引き続き徹底した業務改革スリム化推進に取り組み、効果的かつ効率的な業務運営を行ってまいります。  建設計画におきましては、平成二十三年の地上デジタルテレビジョン放送への完全移行に向け、放送設備整備などを計画的に実施いたします。  以上の事業計画に対応する収支予算につきましては、一般勘定事業収支におきまして、受信料などの収入六千五百七十五億円、国内放送費などの支出六千四百七十二億四千万円を計上しております。事業収支差金百二億五千万円のうち、三十三億七千万円につきましては債務償還に使用し、残り六十八億七千万円は翌年度以降の財政安定のための繰越金とすることといたしております。  資本収支につきましては、支出において建設費など総額八百四億七千万円を計上し、収入には、それに必要な財源として、減価償却資金など総額八百四億七千万円を計上しております。  最後に、資金計画におきましては、収支予算及び事業計画に基づいて資金需要及び調達を見込んだものであります。  以上、平成二十年度収支予算事業計画及び資金計画につきまして、そのあらましを申し述べさせていただきましたが、今後の事業運営に当たりましては、協会改革に向けたこれらの施策を一つ一つ誠実かつ着実に実行し、視聴者皆様の御期待にこたえていく所存でございます。  委員各位の御理解と御支援をお願いし、あわせて、何とぞよろしく御審議の上、御承認賜りますようお願い申し上げます。  以上でございます。
  11. 高嶋良充

    委員長高嶋良充君) 以上で説明の聴取は終わりました。  この際、古森日本放送協会経営委員会委員長から発言を求められておりますので、これを許します。古森日本放送協会経営委員会委員長
  12. 古森重隆

    参考人(古森重隆君) おはようございます。古森でございます。一言お話をさせていただきたいと思います。  昨年十二月二十日の当総務委員会におきまして、いわゆる備忘録に関する質問に対しまして、私ども議事録を取っており、これを見ていただければ備忘録の記述が誤っていることがお分かりいただけるはずとの趣旨発言をいたしました。それは、議事録を御覧になっていただければ手続に沿った議事運営がなされていることが御理解いただけると考えまして申し述べたものでございます。  その後、当総務委員会から当時の議事録提出を求められ、指名委員会議事録理事会提出いたしましたが、その内容人事案件であるため簡便でありまして、備忘録正確性を判断するには不十分であるとの御指摘をいただきました。  私の発言によりまして、質問者はもとより委員各位会長選任に関する指名委員会の詳細な議事録が出てくるような印象を与え、結果として円滑な委員会運営の支障になりましたことに対しまして、質疑における私の説明が不十分であったということであり、深く反省し、今後発言には注意してまいりたいというふうに考えます。  今後の経営委員会議事運営に関しましては、経営委員長といたしまして今まで以上に気を配りまして、適切な議事運営を進めてまいりたいと考えております。  以上であります。
  13. 高嶋良充

    委員長高嶋良充君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  14. 内藤正光

    内藤正光君 おはようございます。民主党の内藤正光です。  本日は、本日というか、もう年度末であります。国会の日程によるものとはいえ、本来は一日で審議を済ませるべきところを半分に分けまして、今日、そして来週の月曜日というNHK予算案に関しての審議となってしまいました。お忙しい中、会長そして委員長には二度も足をお運びいただくことになりますが、どうか御容赦をいただきたいと思います。  さて、特に福地会長はこれまでアサヒビールの経営者としてずっと経験を積まれてきたわけでございます。新たに二か月前の一月末にNHK会長に就任をされたわけでございます。率直に言って、私たちは一つ不安を抱いております。これまで公共放送、あるいはまたマスメディア、そういった分野での経験は皆無でございます。しかし、他方期待も持っております。今までNHKにいなかったということで、しがらみにとらわれることなく斬新な経営者としての感性NHK改革邁進をしていっていただけるんではないか、そういった期待他方では抱いております。  そこで、まずはそういった経営者としての感性でもってこれからNHK改革をどのように邁進をしていっていただけるのか、そういった基本認識をまず中心お尋ねをしたいと思います。  そこで、まずは公共放送NHK使命役割についてなんですが、ちょっと古い記事なんですが、二〇〇五年の日経新聞にこういうような記事が載っているんですね。どういう記事かというと、NHKなくなっても困らないという人が、アンケート結果なんですが、五七%、六割にも上っているんです。特に若い人たち中心に、もうNHK要らないじゃないかというような声が決して少なくはないと。  しかし、私はNHKよく見ております。最近、私はずっと大河ドラマ見ているんですが、今では「篤姫」ですよね。本当に、見られないときはビデオに取って見ているんですが。数か月前だったんでしょうか、ワーキングプアという番組がありました。私は本当に大変質の高い番組だったなというふうに感嘆をしております。当然、政治家ですからワーキングプアの存在、そしてその問題、理解をしているわけなんですが、あのように映像を通じて見せられると本当にその深刻さが改めて実感されたわけでございます。そして、このワーキングプアという番組、本当にテーマは重くて深刻なものでしたが、一方で私は、受信料収入で支えられているNHKだったからこそできた番組だなというふうに思っているわけなんです。  そこで、まず福地会長お尋ねをしたいのは、公共放送NHKが果たすべき使命、そしてまた役割は一体何だとお考えでしょうか。お答えをいただきたいと思います。
  15. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) NHKに参りましてちょうど二か月が経過いたしました。参ります前の前職時代は、お客様満足とか顧客目線ということを最大軸足にして仕事に取り組んでまいりました。NHKに参りましてから、その目線視聴者視点視聴者目線ということに軸足を置いて物事を、経営を進めていく、経営に取り組んでいくことを心掛けております。  とりわけ、公共放送としてのNHK受信料でございますけれども、所得の大小にかかわらず視聴者皆様からひとしく平等に受信料をいただくということでございます。そういったことの中から、特定の利益に左右されることがなく、また自主自律を貫くと。そして、信頼される確かな情報とか迅速でかつ正確な報道、それから良い番組、これを貫いて、社会全体に分け隔てなく御提供することが公共放送としての最大使命だと心得ておりますし、また視聴者皆様の御期待におこたえすべく、また視聴者国民の知る権利に奉仕することこそ公共放送としてのNHK使命であり役割だと心得ております。  以上でございます。
  16. 内藤正光

    内藤正光君 しっかりその線を、といいますか、本当に会長を前にして大変申し訳ない言い方なんですが、その初心をしっかりと貫徹をしていっていただきたいというふうにお願いを申し上げます。  さて、今こうして私たちNHK予算案審議しているんですが、そういった審議の最中、こういうことを言うのは申し訳ないんですが、予算案国会審議されるNHKにとって、政治からの独立というのは本当に大きな課題だと思います。  公正中立、そして不偏不党を旨とするNHKにとって、この政治からの独立性というのは核心とも言えるべき大きな問題ではないかなというふうに思っているわけですが、そこで会長に次の質問をさせていただきたいのは、NHKはもう法律上その予算が毎年こうして国会審議をされる、そういったことを通じていろいろな政治的な影響を受ける可能性を秘めているわけなんです。可能性を持っているわけなんです。避けられない宿命ともいうべきものかと思いますが、そういった中、政治からの独立を確保するために具体的にどういう思いを持っているのか、あるいは施策を持っているのか、お尋ねをしたいと思います。
  17. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) 御指摘のとおり、公共放送としてのNHKは、この立場自主自律ということは何よりも重要だと心得ております。NHKは、何人からも干渉されず、不偏不党立場を守って、放送による言論と表現の自由を確保していくということでございます。この立場は、放送法に基づいてNHKが制定いたしました国内番組基準というのがございまして、その冒頭でもうたっております。平成十八年三月に新放送ガイドラインを作成いたしまして、そこにも自主自律の堅持を掲げました。  そのために、私どもといたしまして、常に自らの足場と申しますか立場と申しますか、それが自主自律であるかどうかということを自らやっぱり確かめると。それから、中央番組審議会でございますとかあるいは各地の番組審議会、あるいは海外放送に関する番組審議会、またこの組織の中には考査室というのがございますが、そういうところに参りますお客様視聴者からの意見で絶えずやはり自律を検証していくということが私たちの毎日の行動の中で大切なことだというふうに心得ております。  以上でございます。
  18. 内藤正光

    内藤正光君 そこで次の質問は、経営委員長並びに会長にお伺いしたいと思います。  経営委員会執行部というものがNHKには存在するわけですね。それぞれの役割責務というのは決まっているんですが、さきの改正放送法でも更にそれが明確化されたわけなんです。  そこでお尋ねをしたいんですが、日々の報道編集業務において、経営委員会、そして執行部、それぞれの責務、あるいは役割とは何なのか、そしてまたさらには経営委員会執行部のあるべき関係、それについてそれぞれから御所見をお伺いをしたいと思います。
  19. 古森重隆

    参考人(古森重隆君) お答え申し上げます。  NHK経営方針その他の重要事項を決定する権限役割を持っているのが経営委員会でございます。そして、業務執行監督も行うというのが経営委員会役割でございますけれども、片一方で、NHK業務執行という役割を持つ執行部は、公共放送の発展のためにこの両者は緊張関係を持ちつつ互いに連携協力し合いまして、それぞれ職責を十分に果たしていくことが重要であるというふうに考えております。  改正放送法では、経営委員会監督権限明確化監督機能強化が盛り込まれるとともに、監督執行役割がより明確になったものと承知しております。こうした放送法改正趣旨も十分踏まえていく所存であります。  日々の報道編集業務会長以下執行部責任を持って行うものと認識しており、個々の番組編集については経営委員会としては関与するものではないということを承知しておりますことを併せて申し述べたいと思います。  以上でございます。
  20. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) 公共放送NHKを適切に運営してまいりますためには、経営委員会の方は基本事項の決定と監督、そして執行部業務執行という、それぞれの役割責任を担っております。  日々の報道編集業務につきましては、経営委員会があらかじめ議決いたしました番組基準とそれから編集基本計画に基づきまして、このNHK業務を総理いたします会長責任権限の下で執行部が全責任を持って執行していくものと心得ております。  以上でございます。
  21. 内藤正光

    内藤正光君 経営委員会並び執行部は互いに良い意味での緊張関係を保ちつつ、そして同時に、意見交換もしっかりしながらNHK改革に共に邁進をしていっていただきたいと思います。お願いをいたします。  さて、次にまた会長に、基本認識ということではこれが最後質問になろうかと思いますが、お伺いをいたします。  福地会長会長になられてまだ二か月しかたっておりませんが、ただ、この二か月間精力的に全国現場回りを続けていらっしゃるというふうに聞いております。さすがやはり営業出身だけあるなというふうに思っているわけなんですが、そこで、長年の経営者としての感性NHKを見たときに、やはりここは変えていかなきゃいかぬな、ここはどうしてこんなことをやっているんだろうというふうに率直に思われた点、数々あるんではないでしょうか。  そこでお尋ねしたいのは、まあ問題点挙げてくださいと言ったらたくさん挙がってしまうのかもしれませんが、少なくともこの会長としての期間中に何としてもこれはやり遂げたい、変えていかなきゃいけない、そういう強い思いを持っている改革すべき事項、三つ挙げてくださいとお願いしたときに、何と答えられますでしょうか。
  22. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) NHKに参りまして最初に感じましたのは、一般企業経営と比べまして非常に、経営資源と申しますと人、物、金、情報と申しますけれども、人、人材につきましても、物、NHKというブランドにつきましても、金、受信料をちょうだいしております、情報は、情報を取り扱っております。人、物、金、情報というものには極めて恵まれた組織だということを感じました。その次に、組織図、このピラミッド型の組織図自体には、これはほかの企業と何ら組織と変わらない。  そういってみますとほかはどこも変わらないんですが、一番最初に感じましたのは、どこの組織も多少そういった点はございますけれども、縦型の組織縦軸組織が余りにも強過ぎる。そこに適宜な横ぐしと申しますか、横の組織間のコミュニケーションができておればすばらしい組織だと思うんですが、その横風が入らない、横のインフォーマルのコミュニケーションができていないというふうに感じました。  したがいまして、私は、よく前職時代から、トップ同士、それからミドル同士、そして現場同士という三層コンタクトというのが横ぐしとして一番大切だということをかねがね心掛けております。そういったことで、まず始めるのはトップからだということで、実は後ろの理事の皆さんには申し訳ないんですが、全部個室を召し上げまして、大部屋で今仲良く生活をいたしておりますが、まずトップの横風を良くすることに心掛けました。  二番目の問題は、関連事業でございますが、関連組織でございますけれども、どこの今企業、どういった産業でもグループ経営というものが志向されて、グループとしての一番の効率的な経営といいますか、グループとしての力を発揮するということが求められておりますけれどもNHKはいい関係関連団体、子会社とあえて言わないことにしておりますが、持ちながらグループとしての総合力を生かされていない、これが私の二番目の取り組むべき課題だというふうに思いました。  三番目の課題は、いろんな見方がございますけれども、今日もこの予算の御審議基本計画事業計画の御審議をいただいております。問題は、これができた後、これを全職員が共有をして、それできっちりとしたPDCA、プラン・ドゥー・チェック・アクションを回していくということが大切なことでありますが、この辺がやはりいかがなものかというふうなことを、まだこれ感じでございますが抱いております。  これから先こういったこと、気の付いたことをすぐに始めるということから心掛けていきたいと、かように思っております。  以上でございます。
  23. 内藤正光

    内藤正光君 以上、会長のいろいろなNHK改革に懸ける基本認識をお伺いをさせていただきました。しっかりとその思いNHK改革、経営委員会委員長と共に邁進をしていっていただきたいと思います。  さて、次はちょっと具体的な話をさせていただきたいと思います。  去る三月十一日、今月の十一日なんですが、中期計画、三か年計画を策定するに当たって、経営委員会からこういうことを重点的に注意しながら策定をしてくださいねという重要検討事項のまとめが提示をされました。この中で八つのポイントが具体的に示されたわけなんですが、重立ったもの、一つ一つ取り上げながら会長の御所見を確認をさせていただきたいというふうに思います。  まず、この冒頭、八つのポイントのうちの冒頭なんですが、先ほども三つ改革すべきものの中で挙げられたわけなんですが、グループ経営の最適化というものが挙げられております。それを見てみますと、事業ドメインの明確化だとか子会社の再編等々にも言及をされております。  子会社、私は子会社だけを聞くつもりはないんですが、子会社の問題、いろいろ言われております。これ天下り先になっていやしないかとか、あるいはまた、余りにも随意契約が多過ぎやしないかだとかいろいろ言われておりますが、このグループ経営の最適化というものを経営委員会から受け止めて、これを具体的に施策にしていくのは会長のお仕事ですが、具体的にどのような施策を打ち立てていこうと考えていらっしゃいますでしょうか。まだでき上がってないかもしれません、素案を作るのは五月ですから、まだ数か月先ですから。ただ、現時点での会長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  24. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) ただいまも申し上げましたとおり、グループ経営としての最大効率化というのは大変重要な事項だと心得ております。そのグループ経営の中でも特に見直していかなければいけない点は、グループ会社とNHKとの間の契約、随意契約、それからグループ会社とその先の随意契約、その契約状態、とりわけ競争入札の場合にはよろしゅうございますけれども、随意契約の中身をきっちりとやっぱり透明度を増していく、そしてそこで効率化できるものは効率化を進めていくということが一番大事だと思います。  ただ、その場合に、そういった機械物と違って、番組の品質、報道の品質というものが極めて、クオリティーというものが問われるだけに慎重な取組を要しますけれども、まずはこの問題はすぐに取りかかりまして、三月末までにできる随意契約の金額の見直し、そういったものは三月末までに取り組むことにいたしております。  それから、番組の制作のように極めてクオリティーとの関係のあるものにつきましては秋まで掛かりますが、これはこの明年度から始まります中期計画の中できっちりと織り込んでまいりたいと思っております。  以上でございます。
  25. 内藤正光

    内藤正光君 子会社との間の随意契約、本当に長年にわたっていろいろ指摘をされておりますので、会長が先ほど答弁された方向性でしっかりと実行していっていただきたい、改革を実行していっていただきたいとお願いを申し上げます。  さて、この重要検討事項の二項目めにコンプライアンス体制の確立が掲げられております。  残念ながら、数年前、NHKは大きな不祥事を起こしてしまった。そして、その後も本当にいろいろな問題が露呈をしてきたわけでございます。そして、そういった改革をしていって、そういった問題に対処していってどうにかNHK信頼が取り戻しつつあるかなといったところで、またインサイダー株取引の問題が出てしまった。残念ながら、さきの橋本会長がもう退任をされる本当に直前のことだったんですね。  そこで、特にインサイダー株取引の問題をいうならば、数年前に日経新聞が同じような問題を起こしているわけなんですね。私が会長に申し上げたいのは、会長というかNHKに申し上げたいのは、あの日経新聞によるインサイダー取引、あれをただ単に対岸の火事としてしか見てこなかったのかということなんです。同じメディアとして同じような問題を抱えているかもしれない、そういうリスク管理意識を持たなかったのかということなんです。  私は、コンプライアンス体制の確立というのは国民信頼を取り戻すためにまずNHKが早急に取り組んでいかなきゃいけない問題だと思っておりますが、そこで会長お尋ねをします。経営委員会からも言われました、コンプライアンス体制をしっかりと確立していくようにと。そこで、具体的にどのようにこの問題に対処していくお考えなのか、お述べをいただきたいと思います。
  26. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) NHKでは、平成十六年の不祥事発生以来、いろんな形で、コンプライアンスの担当役員を設置したり、あるいはマニュアルを作ったり、倫理プランを作ったり、そういったいろんな形づくりには努めてきた形跡が見受けられます。  しかし、それでも不祥事は絶え間なく起こってまいりました。ある不祥事の再発防止策を立てますと違う形の不祥事が発生する、要するにモグラたたきの状況が続いてきたわけでございますが、いろんな対策が私の目から見ますとあるいは形だけにとどまって、その形の中に不祥事を起こさないという職員の熱い心が欠けていたんじゃないかというふうな感じがいたします。公共放送人としての高い倫理観が求められる、そういったものが欠けていた、緊張感が欠けていたというふうなことが一つの原因ではないかと思います。  これから先は、あらゆるリスクに対応していけますように、四月一日から総合リスク管理室というふうなリスクマネジメント全体として取り組む組織をスタートさせます。もちろん最高の責任者は私でございます。  そういった組織づくりとともに、一つは、倫理観を植え付けるということは一片の通知だけではできません。これから四月一日を始めといたしまして、毎月、月の初めに私からいろんな方法で全職員に話しかけていくというふうな機会を持って、そういったものを絶え間なく発信していきたい、そういうふうに心得ております。  以上でございます。
  27. 内藤正光

    内藤正光君 続きまして、この重要検討事項の三項目めなんですが、フルデジタル化時代の公共放送の在り方というものが示されております。この三か年計画の終着点というのは、これまた会長がおっしゃったと思いますが、たまたまなのかもしれませんが、地上波デジタル化の完全実施の二〇一一年に当たるわけです。軌を一にするわけなんです。となると、当然インターネットも視野に入れながらこの公共放送ビジョンというものを検討していかなきゃいけないんだとは思います。  そこで、会長お尋ねをしたいのは、フルデジタル化時代における公共放送の将来ビジョン、どのようなものを描かれているのか、お示しをいただきたいと思います。
  28. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) まさに、これから取り組みまして明年度からスタートいたします第二次の中期計画は、まさにフルデジタル化時代に向けたNHKの将来の夢を描く、将来の事業ドメインを描く中期計画になろうかと思っております。  そういった中で、一層広がりを見せておりますインターネットやブロードバンドを活用しながらフルデジタル時代公共放送の在り方について中期計画の中に織り込んでまいりたいと思っています。これは全組織を挙げて検討を続けてまいりたいと思います。  それから、NHKの、私、放送技術研究所を視察いたしましたときに、すばらしい技術のシーズを目の当たりにいたしました。こういったシーズがNHKの優れた番組作りとかあるいは迅速かつ正確な報道に生かされている。こういったものを生かしながら視聴者サービスの充実に向けた取組を続けていきたい、こういうふうに考えております。  以上でございます。
  29. 内藤正光

    内藤正光君 私も実は大学時代、研究者でした。本当にそういった研究所のつくり出す、あるいは研究所が持っている様々なシーズ、本当に大きな可能性を秘めているものだと思います。実際、私は何度も砧の研究所等にも足を運んでおりますが、すばらしいものを持っております。そういったものを生かして、いかに視聴者サービスの向上につなげるのか、そういった点、大事でございますので、しっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。  さて、七番目には受信料公平負担というものが提示をされております。残念ながらまだまだ三割近くの未納者が存在をするわけなんですが、これを放置しておいたらまさに受信料制度の根幹を揺るがす大きな問題となっていくわけなんです。  確かにNHK受信料というのは、ほかの公共料金、水道だとか電話だとか電気とは違う側面を持っております。引っ越しをしたら、そういったものを使いたいときは引っ越しをした人がその会社に電話をしてくる。ところが、残念ながらNHKというのは、電波というのは空中を飛んでいるわけですから、別に申込みをあえてしなくても見られちゃうわけですね。ですから、引っ越しを機に受信料をもらい損ねちゃう、こういう事例が数多く出ているというふうに聞いております。だから、契約すべき母数の把握すら難しいというのが実情ではないんでしょうか。  そのほか、いろいろあります。そういった問題に対して私たち民主党もいろいろ提言を申し上げております。他の公共料金と併せて徴収するのはどうかとか、あるいは引っ越しの際、郵便局に何か連携を取って工夫をすることはできないんだろうかとか、いろいろあります。  そしてまた、ホテルの問題もあります。ホテル、なかなか何十台、何百台と抱えていながら受信料徴収できない。そこで今回、二分の一にするということになったわけなんですが、BBCは最初の十五台を一契約、それ以降の十台を二契約目としてカウントしていく。これ、理にかなっているんじゃないかなとも一方で思うわけなんです。というのは、ホテルに置かれた一台と家庭に置かれた一台が本当に同じ価値を持つのかということなんです。これもしっかりと検討していかなきゃいけない問題だと思います。  そういった意味で、時間の関係でこれが最後質問になろうかと思いますが、受信料公平負担を進めるための具体的な施策について、会長のお考えをお聞かせをいただきたいと思います。
  30. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) 受信料公平負担を徹底して不公平感を解消するということは、私どもNHKにとって極めて重要な課題と認識しております。  具体的な施策といたしましては、事業所割引の導入、今御指摘をいただきました。それから家族割引の拡大、それから障害者免除の拡大、そういったことで、より公平で合理的な受信料体系整備を今進めております。また、訪問集金の廃止などによりまして営業改革を進めまして、効率的な、効果的な契約収納体制を構築いたしまして、この収納にかかわる営業活動を強化してまいりたいと思います。それから、市場化テストに準じました収納、委託の仕組みを今検討いたしております。そういったこととか、あるいは未契約者に対する民事訴訟等の施策についても新たに取り組んでまいりたいと思います。  こうした施策を実行して公平負担の徹底を図ってまいりたいと思います。  以上でございます。
  31. 行田邦子

    ○行田邦子君 民主党・新緑風会・国民新・日本の行田邦子です。  私は昨年夏に初当選をするまでは広告代理店に勤務をしておりました。民間放送局、いわゆる民放と非常に近いところで働いておりましたけれども、この民放とNHK予算の点で大きく違うところというのは、民放は一般企業等スポンサーから広告収入を得る、一方NHK国民皆様受信料によって支えられている、この点かと思っております。  そこで、その受信料についてお伺いいたします。  平成二十年度予算では、受信料収入を六千三百五十億円、前年度予算ベースで三・六%増見込まれています。一方、受信料収納の効率化ということで今年の十月から訪問集金の廃止を予定されています。契約件数の約一三%、件数にして約四百八十万件の訪問集金を廃止してもこの受信料収入の見込みを達成できるとお考えでしょうか。福地会長お尋ねいたします。
  32. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) まず、おかげさまで、現在までのところ、インサイダー事件によります受信料収入への顕著な影響はないものと考えております。しかし、今回のインサイダー事件は報道機関としての根本的な姿勢を問われる問題だけに、受信料収入への影響があるかどうかを慎重に見極めていきたいと思います。  御指摘のこの二十年度の六千三百五十億円は容易に達成できる数字ではございませんけれども、良質な番組放送でありますとか信頼回復に向けた理解促進活動の推進、あるいは営業現場での活動強化などによりまして、明年度受信料収入は是非とも達成したいというふうに考えております。  以上でございます。
  33. 行田邦子

    ○行田邦子君 民間の御出身である福地会長にはしっかりとかじ取りをお願いしたいと思っております。  受信料についてもう一点お伺いいたします。官公庁等の受信料契約についてです。  平成十七年度決算において、会計検査院から、官公庁等との受信料契約を促進する上で必要な官公庁のテレビ設置状況の把握が適切になされていなかった、こういう指摘を受けています。NHKが官公庁等から受信料を収納するには、まずそれぞれの官公庁のテレビ設置状況を把握しなければいけません。NHKが各官公庁に立入調査をするわけにはいきませんので、お手元にお配りをしております一枚目の資料ですけれども、こういったテレビ調査票、こちらを各官公庁にお配りをして、そして各官公庁に記入をしていただく、このテレビ調査票のデータを基にNHKは官公庁から受信料を徴収する、こういった自己申告制度になっています。  その上でお尋ねしますが、平成十七年度について、省庁の地方支分部局、省庁の地方の出先機関ですけれども、地方放送局が担当している約四千三百か所のうち、何か所分のテレビ調査票をNHKは保管をしていましたか。
  34. 大西典良

    参考人(大西典良君) お答え申し上げます。  本部と地方放送局との間の連絡が不十分で、なかったため、地方放送局分等の約千九百か所分しかテレビ設置状況調査が保管しておらず、テレビの設置状況を的確に把握しているとは言えない状況となっていたと会計検査院から指摘を受けました。  NHKでは、この指摘につきまして真摯に受け止め、それに沿った改善を行い、会計検査院で処置済事項として報告をされています。現在は、毎年、本部と地方局の担当を明確に定め、その担当一覧を地方局に送り、それに基づいて契約の対策を現在進めているということでございます。
  35. 行田邦子

    ○行田邦子君 四千三百か所のうち千九百か所のテレビ設置状況を把握できていなかったということですけれども、千九百か所しか把握できていなかったということは、残りの二千四百か所、全体の半分以上についてはテレビの設置状況がきちんと把握できていなかった。ということは、受信料をきちんと徴収できていなかったということかと思いますが、いかがでしょうか。
  36. 大西典良

    参考人(大西典良君) 調査票の保管がされていなかったということでございます。それぞれの担当の部署で各放送局が各県の調査をそれぞれ行っていたということが一番問題であったということでありまして、会計検査院の指摘を受けまして全国を統一をした調査票あるいはその保管というものを改善をして、会計検査院の報告では処置済みという事項で改善が成っているというふうに御理解いただけたらというふうに思います。
  37. 行田邦子

    ○行田邦子君 よく分からないんですが、調査票が保管されていなかったということは、記録としてテレビの設置状況が残っていない、ということはやはり受信料をきちんと徴収できていなかったというふうに私は思えるんですけれども。  それでは、現在では先ほど改善されているとお話がありましたけれども、省庁の出先機関でのテレビ受信機の設置状況、きちんと把握できているんでしょうか。具体的に数字でお示しください。
  38. 大西典良

    参考人(大西典良君) 地方の役割と本部の役割を明確にいたしました。独立行政法人、それから国立大学法人、地方団体についても会計検査院の指摘を受けて改善をしております。地方支分部局も含めて、テレビ設置状況調査につきましては、各営業現場が独自に先ほども申し上げましたように作成していたものを本部で統一をして明確に把握できるように定めました。さらに、全国の共通の意識を持つために、本部に担当者を集めて、テレビ設置状況調査の記載あるいはその他適切に行う周知事項を徹底をしてまいったということであります。  今後とも、本部と地方の担当区分を明確にしながら、十分こたえていきたいというふうに考えております。
  39. 行田邦子

    ○行田邦子君 もう一度お聞きしますけれども、省庁の出先機関でのテレビの設置状況、具体的に今何件把握されているんでしょうか。
  40. 大西典良

    参考人(大西典良君) 中央省庁での十九年度の御申告といいますか契約は現在五千件であります。全国の出先も含めての現在のお届けが七万件ということになっております。
  41. 行田邦子

    ○行田邦子君 それはすべて受信料を徴収できているということですよね。
  42. 大西典良

    参考人(大西典良君) 受信料を徴収いたしております。
  43. 行田邦子

    ○行田邦子君 私がこのことをなぜお調べしたかといいますと、NHKのテレビ調査票に対して各官公庁が非常に非協力的である、だからNHKさんは官公庁からの受信料の徴収に対して非常に御苦労されているだろうというふうに思いまして、今日この場をお借りしまして、各官公庁には是非NHKさんのテレビ調査票に協力するように、そして受信料をきちんとお支払いするようにということを増田大臣を通してお願いをしようというふうに思っていたわけですけれども、どうもお話を伺っていますと、肝心のNHKさんが地方とそれから中央ときちんと連絡が取れていなくて、そしてこの受信料の徴収状況、なかなか把握できていないという状況かと思います。これでは救いようがないのではないかと私は思っております。官公庁からの受信料の徴収について、官公庁からの受信料は免除してもいいのではないかという御意見もあるかと思いますが、このような議論をする上でもしっかりと官公庁のテレビ設置状況、そして受信料の契約状況をこれからももっともっと把握していっていただきたいというふうに思っております。  今のお話をお伺いしていて、福地会長、この状況をどうお思いになっているでしょうか、そしてこれからどのようになされていくおつもりでしょうか。
  44. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) 会計検査院の検査は、御指摘は真摯に受け止めております。以前は本部と地方局との連携が不十分でございまして、現在はそういった体制を整えまして、今後は会計検査院の御指摘を待つまでもなく、課題があれば直ちに是正できるような不断の改善を図ってまいりたい、かように思っております。  以上でございます。
  45. 行田邦子

    ○行田邦子君 それでは、確認のためお伺いしますけれども平成十九年度の総務省及び本省全体での受信料契約件数はそれぞれ何件でしょうか。
  46. 大西典良

    参考人(大西典良君) お答え申し上げます。  中央省庁の本庁分、本省分ということでありますけれども、総務省は二百八十三件、それから本省分でありますけれども、中央省庁は五千七十三件ということであります。
  47. 行田邦子

    ○行田邦子君 これも確認のためお伺いしますけれども、これは受信料が有料となる受信機台数一〇〇%の契約と理解してよろしいでしょうか。そして、特別割引とか官公庁特別料金といったものはなく、すべて公平公正に徴収されていますでしょうか。
  48. 大西典良

    参考人(大西典良君) 中央省庁に対しましては、毎年テレビ設置状況調査を行い、その結果に基づく全数分を締結していただいており、適正であるというふうに考えております。
  49. 行田邦子

    ○行田邦子君 このテレビ設置状況の把握、そして受信料の徴収状況の把握というのはこれからもしっかりと行っていただきたいと思っております。そして、来年度からは事業所割引が導入されます。その上でもこの把握というのは大切なことかと思っております。  次に、国際放送についてお伺いします。  四月一日から外国人向けテレビ国際放送を行う子会社が新しく設立される予定です。この新会社の準備状況をNHKさんにお伺いをしたところ、皆様に、お手元にお配りをしております二枚目の資料ですけれども、この文書、ペラ一枚をいただきまして、これ以上のことは決まっていないという御回答をいただきました。  四月一日というと、今日は三月二十八日ですので、今から四日後になります。私はこの新会社の先行きを大変心配しております。四月一日に準備会社として設立をして、そして資本金五千万円、NHKの一〇〇%出資、その後、この秋には業務を開始、業務の開始後にはNHKの出資を一億五千万に増資、さらには民間企業から一億五千万円の出資を募る、出資者の一部からは人材の派遣も要請するということになっているようですけれども、このような要請というか、もうこれはお願い事だと思うんですけれども、このお願い事を快く受け入れてくれる民間会社のめどは立っているのでしょうか。  また、視聴者からは料金を取らず広告収入を得る民放のような事業形態も予定されているとお聞きしておりますけれどもNHKにとっては新しいビジネススキームを構築しなければいけない、そのためには広告収入を得るとかスポンサーを募るとか、こういった外部の協力、外部のノウハウが不可欠かと思いますけれども、この新会社の準備状況についてお聞かせください。
  50. 今井義典

    参考人(今井義典君) お答え申し上げます。  NHK国際放送は、二十年度大幅な予算増額をいたしましてテレビ国際放送の体制を強化してまいります。これに併せて、御指摘外国人向けテレビ国際放送の子会社を設立するわけですが、四月の段階、今御審議いただいている予算承認をいただくことができれば、四月に株式会社日本国際放送を設立いたします。この子会社は当面は企画会社としてスタートいたします。そして、今年の秋、民間からの出資それから人材を受け入れまして、体制を強化して事業会社に移行して本格的な業務に入るわけであります。  この企画会社から事業会社に移行する間、事業化準備室を速やかに立ち上げまして、この中で具体的な事業計画、それから事業を展開していくためのスキーム、民間放送の方々との協力体制、民間資本をいただく民間産業界とのお話、そういったことを進めながら番組の制作の体制を確保してまいる、そういう計画でおります。  それから、この子会社のもう一つの重要な役割は、テレビ国際放送を各国、各地域で手軽に見られるように受信環境の整備を進めることでもありまして、これはNHK国際放送と協力して進めてまいります。  それから、番組のCMなどの受入れにつきましては、目下、民間放送の皆さん、民間企業の皆さんとともに鋭意計画につきまして検討の研究会をつくっているところであります。これから本格的に事業への参加、協力をお願いしていく手順になっております。
  51. 行田邦子

    ○行田邦子君 是非、国民皆様受信料が原資となっていますので、この投資が無駄な投資とならないようにしっかりと事業計画を練っていただきたいということをお願いを申し上げます。  国際放送について、もう一点お伺いします。  昨年末の法改正で命令放送は要請放送に変わりました。平成二十年度の要請書、今回も「北朝鮮による日本人拉致問題に特に留意すること。」という文言が入っています。  この問題を考えるに当たって、拉致問題に関連する過去の放送実績をNHKに問い合わせをいたしました。お手元の資料の三枚目に当たりますけれども平成十八年の十一月に当時の菅総務大臣からNHKに対して拉致問題に特に留意するよう命令が出されましたが、その命令の前後の放送実績はというと、命令後に増えているという見方よりも、むしろその時々で報道すべき出来事や発言があったかどうかにかかわっていると言えます。このNHKの姿勢というのは、国際放送においても自らの放送の自由、番組編集の自由を守るということで、報道機関として正しい判断をされたと私は思っています。  増田大臣がもし本当にこの拉致問題について国際理解を得たいとお思いであれば、NHKに対するこういった要請放送という形ではなく、むしろ政府が主体となって情報発信を積極的に海外に向けて行っていく、さらには国内外の報道機関にこの拉致問題についてもっと取り上げてもらえるような情報発信を行っていく、そのことの方がより実効的ではないかと私は思っております。  命令放送、四月一日からは要請放送に変わります。今まではこの制度、端的に言ってしまえばNHK国際放送の交付金を与える名目としての制度だった。ところが、一昨年十一月の菅前大臣の行いによって、この制度が大臣自らの政治姿勢や政治理念をアピールする、何か大臣のパフォーマンスに利用されてしまった、そして大臣が替わり増田大臣になられても、なぜかこの菅前大臣のアピールが残ってしまっている、このように私は受け止めております。  増田大臣、いかがでしょうか。
  52. 増田寛也

    国務大臣増田寛也君) まずこの国際放送関係ですけれども、特に北朝鮮の拉致に関する問題、これは国として当然諸外国に自ら発信をしていかなければいけない、これはもう当然のことであろうというふうに思います。  あわせまして、NHKにおかれましても、この国際放送内容といいますのは、邦人の生命、身体、財産の保護に関する事項、それから当然国の重要な政策に関する事項放送するものでありますけれども、こうしたものは当然国として必要な放送を確保する必要がございますので、NHKの方に要請をすると。これはNHKの判断というより、やはり国としての判断でNHKの方に要請をする事項であるというふうに考えております。  今回、拉致の内容について特に何か進展があったということではなくて、全く同じ状況が続いておりますので、前大臣は前大臣としての判断でやられたんだと思いますが、当時は改正放送法の施行以前でございましたので命令という形でございましたが、私ども、もとよりNHK番組編集権は、これは常に尊重しなければいけないというふうに思っていますし、この場でいろいろ真摯な御審議で命令放送が要請放送という形に放送法内容が変わりましたけれども、その趣旨も十分に踏まえながら、今回要請をさせていただいたものでございます。
  53. 行田邦子

    ○行田邦子君 増田大臣は四方八方気を遣われて、何かと御苦労が多いかと思いますけれども、是非ともNHK報道の自由、編集の自由にももっともっと気を遣われていただくことをお願いを申し上げたいと思います。  最後になりますけれども、今こうして審議をしている平成二十年度収支予算事業計画が仮に予算どおり、あるいは計画どおりに達成できなかった場合、NHKの中での最終責任はどなたが負うのでしょうか。経営委員会でしょうか、それとも会長でしょうか。民間企業の場合は経営の最高責任者は代表取締役、多くの場合はこうなるかと思いますけれどもNHKの場合、この最終責任はどなたが負うものとお考えでしょうか。
  54. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) 予算とこの事業計画が御承認をいただきました以上は、未達の場合には、執行責任者としての私が最高責任を負うべきだと考えております。  以上でございます。
  55. 大島九州男

    大島九州男君 民主党・新緑風会・国民新・日本の大島九州男でございます。  まず最初に、私がここに立たせていただいておりますのも、多くの御支援をいただきました皆様のおかげさまと、静岡県選出の榛葉賀津也参議院議員、そして総務委員の皆さんの温かいお心と心から感謝を申し上げまして、質問に入らせていただきます。よろしくお願い申し上げます。  福地会長、本当にこの厳しい中に御就任をいただきまして、その心に私は心から敬意を表させていただきたいというふうに思っております。  私事でございますけれども、妻が小倉商業の同窓生で、九州の紫水会の皆さんが、大変皆さんに会長は御信頼が厚い。その皆さんが本当に支援をされる会長にちょっと厳しい質問で申し訳ないんですが、インサイダーの問題でございます。  この問題がなぜ起こったかということについて、会長の見解をよろしくお願い申し上げます。
  56. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) まずは、平成十六年の不祥事以来いろんな対策を形づくりをしてきたにもかかわりませず、こういった、放送人として、公共放送に携わる者として、あってはならないこのインサイダー事件が起こったわけでございますが、やはり一番大きなものは、形がありながらそれに心が込められていない倫理観の欠如と、それからやっぱり緊張感が欠けていたということに尽きると思います。そういったこと、それがまさに企業風土、組織風土にまでそういったものはつくり上げないとこういったものは絶えていかない。その企業風土、組織風土をつくり上げるのがトップとしての私の責任であろうかと思っております。  以上です。
  57. 大島九州男

    大島九州男君 会長が衆議院の総務委員会におきまして御答弁をされましたその中身にも、心と、この心が大事なんだ、形に心を込めなければならないというふうにおっしゃっていらっしゃいます。その心とは、コンプライアンスに懸ける職員一人一人の熱い思いと信念であると。私はこの言葉を大変有り難く受け取ったんですが。  私も現場主義でございます。NHK職員の方にお話を聞かせていただきました。そうしたら、まず、あのインサイダー事件が起こったのを聞いたときに、ああ、こんなことではNHKがもう本当に駄目になるというふうに思ったという方がいらっしゃいました。その方に、なぜそんなふうになったんでしょうねとお聞きをしましたら、閉塞感じゃないでしょうか。なぜそういうふうに感じられたんですかと聞きましたら、千二百人の職員をどんどんどんどん三年間でずっと削減をされてきた、そして地方では記者の人が自分で一人でビデオを回しながら取材をしているようなこともある、こんなこともあったんでしょうかねというのをぽそっと言われたんですね。  私は、その人たちのその心、ああ、本当に、何かそういった現場の声がいろいろ上に伝わっていなかったのかなという思いを感じさせていただいたわけですが、先ほどの御答弁で現場の声をしっかりと聞きたいというふうにおっしゃっていらっしゃった会長が具体的にその現場の皆さんと触れ合う方法はどのような形をお考えでしょうか。
  58. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) 私は、前職にありますときから、現場で現物を現実にという三現主義と申しましょうか、現場主義を貫くことを自分のモットーにしてまいりました。  NHKに参りまして、もちろん現場は全然違います。しかし、まずは現場を知ることが大事だと思いましたので、私、就任いたしましたのは一月二十五日でございましたけれども、就任前の一月十日に、前職の近くにありました上野の営業センター、これ突然、訪問いたしますと十五分前に電話をしてお邪魔しました。  一月十七日に不祥事が表に出ました。一番これは、視聴者からの電話が、おしかりの電話が集中するのはコールセンターでございます。たしか一月の二十日の日曜日だったと思いますが、これもいきなりでございますけれども、コールセンターに行きまして、おしかりの電話を受けている職員たちに、御苦労さんです、しかし大事なことだから真摯に受け止めて声を聞いてくれということを伝えてきました。  就任いたしまして、放送の現場というのは何よりもニュースの現場でございます。まだ朝の四時半のニュースは行っておりませんが、六時四十分に出社をいたしまして、七時の「おはよう日本」、それからお昼のニュース、それから夕方の十九時の「ニュース7」、この報道現場はきっちりと視察してまいりました。  それから、何よりもやっぱり、先ほどから御指摘のあります、受信料の収納する、来年もそうでございますけれども、六千三百五十億円の受信料をいただいてくる営業現場が一番大切でございます。東京は庁内も、センターの中の営業センターもそうでございますけれども、大阪の千里のセンター、天王寺のセンターとか北九州のセンターとか、いろんなところの営業現場を見てまいりました。それから、先ほども行きましたような研究所も見てまいりました。  そういった中で、できるだけやっぱり現場の人たちの声を聞く、そういったことに心掛けてまいりたいと思いますけれども、しょせんこれは、何ぼ回りましても数は限られております。そういった中で、やはりいろんな組織を通じて現場の声を聞く、会長だけでなくて、理事が手分けをして現場の声を聞くことこそやっぱり大事かなと。その先頭を走るのが私だと、そういうふうに心掛けて、これからも現場主義を大事にしていきたいと思っております。  以上でございます。
  59. 大島九州男

    大島九州男君 ありがとうございます。その対話の大切さと。  私、会長がこちらに御就任になられる前に同窓会、紫水会の同窓会に出られたときに、一生懸命一人一人の皆さんにビールをついでいらっしゃると。私はそれを聞いたときにアサヒビールの営業活動かと思ったんですが。やはり一つのビールをつぐというその心が、おいでになった方たちに本当に喜んでもらおうと思う心でおつぎになられていたんだなというのが今確信を持って思いました。といいますのが、その人に触れる、やはり心と心が触れて初めて心が通い合う。  私は、今日二十八日なんですが、実は今日の一言というところを、ちょうど朝、毎日、日めくりのカレンダーがあるんですが、そこを見ましたら、愛される極意は愛することにあり、説得の極意は聞くことにありという言葉が今日の言葉だったんですね。まさにその聞くという姿勢がやはりトップにあったら、本当にNHK一人一人の職員の皆さんの声がしっかりととらえられて、そしてそういう不祥事もなくなっていくんではないかという、私はそういう思いがあるわけであります。  そういった意味では、現場に会長が行かれて、いろんな人にアサヒビールをつぎながらでも交流を深められるということは非常に大切なことだなというふうに思っております。  そして、ちょっと具体的に質問をさせていただきますが、NHKの、公共放送使命、この関係についてちょっと具体的例を引きながら御質問したいんですが、塾というと、総務大臣会長、イメージってどういうイメージか、一言でお答えいただけますか。
  60. 増田寛也

    国務大臣増田寛也君) そうですね、突然の質問なので。塾はいろんな今評価があると思うんですけれども、しかし私は、教育の中で塾というのは、義務教育の系列には入っていませんけれども、一定の役割を果たす場であろうというふうに思っております。
  61. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) 私の学生時代は塾がございませんでしたからよく分かりませんが、今の子供たちは大変だな、しかし学力を補うにはこれはやむを得ないことだなというふうに思っておりますけど。
  62. 大島九州男

    大島九州男君 ありがとうございます。  塾といいますと、大体、東大とかいいところに入るために、鉢巻き締めて受験戦争をあおっているのが何か塾だというイメージをお持ちの方が多い中に、そういう御見識をいただいたのは大変有り難いんですが、実はそういうイメージが付くのも何かといいますと、やはり一番大きな原因はテレビですよね。テレビで報道されるのを見ると、多くの国民の皆さんはやはりそういうイメージが付いていくというのを認識しているわけです。  では次に、また同じような質問で申し訳ないですが、柔道整復師というふうに言われてどういうのかというのは、ぱっと、一言で言うと分かられますか。
  63. 増田寛也

    国務大臣増田寛也君) これは、私は岩手県の知事のときに岩手県の柔道整復師の団体の皆さん方と毎年一回ぐらい必ずその会に出ておりましたので、たしかきちんとした国家資格をお持ちになっておられますし、それから、試験ですかがあって、国家資格をお持ちになって、柔道をやっておられた方が、御経験された方が多いと思ったんですが。それにしても、それ以外の方もおられて、そして保険の中にも治療行為がたしか入られておられ、大変いろんな意味で、こういったスポーツなどをやってけがされた方の回復のために大変活動を、もちろんお仕事としてですけれども、やっておられる皆さん方だというふうに理解しております。
  64. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) 申し訳ございませんが、私はこの柔道整復師という言葉も内容も全く存じ上げません。
  65. 大島九州男

    大島九州男君 まさしく私も実は知らなかったんです。この柔道整復師と言われてもぴんとこなかったんですが、大臣はもう県知事時代にそういう方と触れていらっしゃるんで、非常に大変お詳しく御存じなんですが、世間一般の人もほとんど御存じないと思うんです。接骨院というと、あっ、接骨院かというふうに、ああ、そういうことねとおっしゃる方いらっしゃるんですが。  実は、いろんな宣伝がたくさんされているのは、リラクゼーションとかいろんな形で、カイロとかいろいろありますね。そういったものはどんどん宣伝がされるので、私も最初、柔道整復師というのはそういうマッサージをするリラクゼーションの人たちのことかと思いましたら、実は、先ほど大臣がおっしゃったように、国家資格をきちんと持たれていらっしゃる方で、普通のマッサージ、そういう方たちは無資格なんだそうですね。そういうことを私は初めて学んだわけですよ。  そして、もうちょっと専門的に言います。  先ほど保険の関係がありましたけど、じゃこれ会長、交通事故とか、そういったところで治療されますよね、いろんなところで。当然外科とか整形外科へ行ったり。接骨院に行くと保険がもらえるかもらえないかというのはよく議論されているんですけど、保険もらえるとか御存じですか、もらえないとか、それ一言で。
  66. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) 保険の対象になるということは聞いたような気がいたしますが、私も接骨院のお世話になったことがございませんので、よく分かりません。
  67. 大島九州男

    大島九州男君 実は多くの方がそういって、交通事故では柔道整復師へ行っても保険もらえないと思っている人たくさんいて、実はちゃんと請求するといただけるんですよね。  私は何が言いたいかといいますと、多くの国民の皆さんが、世間の風評といいますか、そういったもので何か固定概念を持っているんですね。そして、専門的な人、特にそういう業界に詳しい人とかそういう人たちはそれが分かるんです。大臣のように毎年その柔道整復師の人と触れた、そういう方はしっかり理解できるんですけれども、実はそういった直接触れる数は非常に少ない。  そうすると、NHK公共放送使命は、そういった世間の人が何か余り知らないようなこと、そういうものをしっかり知っていただくことというのはもう当然だと思うんです。  私、職員の方と触れさせていただいたときに閉塞感ということをぽっと言われたところが非常に心に引っかかったんですが、実は私は、NHK職員の皆さんというのは本当にプライドを持ってしっかりとした仕事をされるべき立場なのに、なぜそういうふうな言葉が出たのかなというのが私はすごく自分なりに考えました。それは、もしかしたら、自分たちが本当に伝えたい、本当に皆さんにそういうことを伝えたいという、そういう放送がもしかしたらできていないんじゃないか。その理由が何なのか、それは内部でしっかり検証していかなければならないと思います。例えば人員が駄目なのか、そういう仕組みができていないのか。  本当に信念持ってこのNHKに入って、多くの国民の一人一人の人に正しいことを伝えたい、そういう心で皆さんお入りになったと思うんですけれども、それが今現場でなされないから閉塞感というような言葉になったのかなという気がしたんですが、それについて、会長、どういう御見解をお持ちでしょうか。
  68. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) この千二百名の職員の人員の減の問題はいろんな形で行われております。二十年度が三年目に入りまして、四百二十八名が退職する格好になります。これは、そのまま減員でございませんで、かなりの、約半分の人間が仕事を持ってグループ会社に行くという格好で、人間も減りますけれども仕事も減っている。  ただ、そういった中で、私が常々厳しく言っておりますのは、一律で減らしてはいけないということで、対象をよく見ながら、やっぱりその四百二十八名、差引きいたしますと四百二十名になりますが、そういった取組をすべきだというふうに考えております。  いずれにいたしましても、御指摘のように、公共放送としてのNHK最大使命はやはり視聴者の知る権利にきっちりと奉仕していくことだと。先ほどからの一連の御質問に対しまして、そういうふうに認識をいたしております。  以上でございます。
  69. 大島九州男

    大島九州男君 ありがとうございます。  今会長がおっしゃられた、人が減れば仕事も減る。それは、仕事の業務と量としてはいいかもしれないけれども、そこに何が崩れるのか。それは人と人との心のきずなが切れていくんです。その心のきずなをしっかりと結んでいただくことを忘れないでそういう業務をしていただければ必ずNHKは再生するという、私はそういうふうに思いたいし、私はこの国会へ送っていただいて本当に感じたことといいますか、私はお役人さんとか大臣さんというのはうそとかまやかしは言うものじゃないというふうに思ったんですが、年金の社会保険庁の人たちといろいろ議論していると、えっ、こんなことを何で言うのと思ったことがあったんです。  実は、私が本当に尊敬する方が二大政党と政治浄化が必要だというふうにおっしゃった。その意味を私はずっと自分なりに考えてきて、そしてこの国会へ来てよく分かったのは、政治というのは水と空気のようなもので、あることに対する感謝というのはなかなか日々ないんですよ。ところが、何かあったときに、えっ。すべてが、この暫定税率の問題にしても何にしても、税金もすべて政治で決まるんです。しかし、このことは何かがあったときにしか感じないんです。水とか空気って本当になきゃ生きていけないんですけれども、そのままずっと置いておくと腐っちゃうんですね。まさに今この日本の政治というものは、水と空気の入れ替えしないでずっと五十年近く置いてあったんですよ。だから、この水と空気の入れ替えをすることが必要なんだということを感じたんです。  NHKも、やはり長い間の体質に水と空気がよどんでいるのかもしれない。まさに臭いにおいに、最初に入ったときは臭いと思うけれども、そのままずっといると同じにおいで分からなくなってしまっている。まさに政界もNHKも同じようになっているんじゃないのか。  そこに二大政党というのはなぜ必要なのかと思ったんです。それは、与党と官僚がずっと一緒に仲良くやっていますとそこに空気がよどんでしまう。そのよどんだ空気の中でいるとそれが分からなくなってしまう。それが今の官僚の天下り、いろんな税金の無駄遣い、そういうことになってしまった世の中だと。もしこれが二大政党という形で野党、与党が本当にバランスを持った力を持ったら、官僚は中立でこの位置にいるわけであります。まさにこれが日本のためにとっていいし、また我々人間は心が弱いですから、どうしてもしがらみやそういう自分たちが有り難い楽なところに流れている。その心をしっかりと救ってくれる制度だというふうに私は認識したんです。  NHKもそういった意味で今までずっと空気と水の入替えがなかったんじゃないかという気がしているんですが、私は個人の思いはそうなんですけれども会長、短い間にどう思われますか。
  70. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) 今までの先輩の会長も心掛けてきたものとは思いますが、よくその辺は分かりませんが、私といたしましては、そういったやっぱり人心の一新ということは大変必要なことだというふうに考えております。  以上です。
  71. 大島九州男

    大島九州男君 それでは、最後でございますけれども、まさに今日、直接会長といろいろお話を聞かしていただきまして、会長の人となりと、そして心を大切にしながらNHK改革を進めていかれようとされるそのお心は私も感じさせていただきました。  まさに私たちやはり政治立場、そしてまた公共放送という本当、国民に真の正しいものを直接ありのままにお伝えをしていただくNHKのその使命が果たされたとき、まさにNHK一人一人の職員の皆さんはその仕事に誇りと自信を持ち、そして自分の仕事が生きがいとなる。仏様からいただいた一人一人の命のその使い方の役割が本当にその人たち役割として認識をされたときにNHKの不祥事はすべて消えると、私はそのように認識をさせていただきます。  まさにその心は、一人一人の国民を自分の家族と思うその心、家族に正しいことを伝え、家族を思いやるその心でNHK放送をされて、そして本当に正しいことを一人一人の国民が正しく受け取ったとき、この日本は大きく変わるのではないかというふうに心掛けたいと思いますし、二大政党の実現のためには民主党が一度政権を取らしていただいて、そして新しい国がスタートし、また水と空気がよどんだら、そのときは自民党さんに政権を返すような、こういうバランスの取れた国がつくれるような公共放送にしっかりと邁進をしていただきますことを心からお願い申し上げまして、質問を終わります。  どうもありがとうございました。
  72. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 民主党の吉川沙織でございます。  総務委員会では初めての質疑ということになります。どうぞよろしくお願い申し上げます。  私自身、会長、そして今日お越しいただいております大西理事と同じ営業のずっと仕事をさせていただいておりました。しかも、会長はアサヒビール時代に大阪支社長、そして大西理事の方も大阪でずっと受信料担当のお仕事をされていたということで、私自身、社会人のスタートを切ったのは大阪の地で、大阪の地でお客様を一軒一軒訪ね歩くところから会社員人生がスタートをいたしました。そういう観点で、視聴者主義、お客様主義という観点から、いろんな御質問をさせていただきたいというふうに思っております。  三月上旬、会長の方が民主党の総務部門会議において、お越しいただいたときに話されたこと二点、すごく強く印象に残ったので、少しお話をさせていただきます。  福地会長、今申し上げたとおり営業の御出身で、おっしゃったこと二点。一点目が、モットーは現場で聞き耳を持つ、周りの知恵を生かすこと。そして二点目におっしゃったことが、最も現場に近い営業の声を聞き、これを吸い上げていくこと。このお話を伺って、現場の声を本当にとても大切にされる会長であるということを若い世代の一視聴者としてすごくうれしく感じました。  ただ、会長が現場主義者であることを深く理解をさせていただいた一方で、視聴者主義、視聴者視点というメッセージの発信が少し若干弱いのかなというような印象も同時にわき上がりました。  先ほど冒頭の質疑の方で、今までのお客様主義、顧客主義から視聴者主義というところに軸足を移すというような御発言ありましたので、それは理解をしたんですが、もうちょっと、現場主義を発信をするのもいいんですけれども、もっと視聴者視点であるということも同時に発信をしていただきたいというふうに思っています。  例えば、一月二十五日の就任会見の際、こうおっしゃっておられます。NHK受信料に関し、「公平負担のための努力を進めなければならない。営業現場の意見を聞きながら、現場の実態を踏まえた営業改革に取り組んでいく。」ことを述べられています。営業現場の声を聞くということは、つまりは視聴者皆様の声を聞くということになるのかもしれませんが、トップの方が視聴者皆様に対する発信をするメッセージをお聞きしたいと私自身願っております。NHKが成り立つ根本は視聴者皆様からいただく受信料であり、その受信料視聴者の方の貴重な資源です。  そこで、お伺いをいたします。会長御自身が考える視聴者主義、視聴者視点というものはどのようなものか、お聞かせいただければと思います。
  73. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) 私が現場主義という言葉をよくいたしますのは、営業現場が一番お客様に接しているという面で、最終的にはお客様目線、それを一番接しているのが営業現場だという意味で言っておりまして、必ずしも別のことではなくて裏表のことだというふうに思っております。  そういった中で、トップとしてお客様に接していく、これは数千万の視聴者の方に接するわけにはいきませんが、しかし毎日毎日必ず視聴率の問題が上がってきます。番組に対する評価が上がってきます。それから、考査室の方でモニターの声が上がってきます。毎月毎月、全国発信番組につきましては中央番組審議会で、それから各地域の番組につきましては、例えば関東地区でありましたら関東の番組審議会というのがございまして、そこにいろんなお立場の消費者の方が集まって、まず年間の放送の方針について御審議をいただく。それと同時に、毎月毎月の放送された内容の結果について評価をいただく。それについてはほとんど私も出席をして、そういったお声を耳にすることにいたしております。そういったことで視聴者との接点ということに心掛けております。  以上です。
  74. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 ありがとうございます。  会長が現場主義であると同時に、視聴者皆様の視点に立って改革をされようという姿勢をすごく感じました。  平成十八年六月十九日、前会長のときですけれども会長の諮問機関として設けられましたデジタル時代NHK懇談会の報告書というものがございます。これの中に私がいいなと思った表現がありました。公共放送視聴者のものであり、視聴者のためにあり、そして視聴者のみに責任を負うという信念である、その信念が貫き通されるのなら、たとえどんな困難にぶつかろうとも、そのときは視聴者公共放送を励まし、支えてくれるだろう、こういう文言のくだりがございました。  今、会長の御決意と今の取組を伺ったので、視聴者主義そして視聴者視点軸足を移されているということをすごく分かりましたので、もっと何かの折につけて強くメッセージを発信をしていただければというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  続きまして、経営効率化視聴者視点NHKどうあるべきかという観点から、この十月一日から廃止をされる予定になっております訪問集金の廃止について幾つか質問をさせていただければと思います。  受信料の契約業務、これは二つの側面があるのではないかと考えております。一つ目が、公共放送としての自主自律財源面から支えるために、公平負担の徹底により公共放送財源を確保するということ、そして二つ目が、日常の契約収納業務訪問集金視聴者皆様に接する中で、厳しい意見や批判、期待を受け止め、これを事業運営番組制作に反映していくための視聴者との接点の役割を果たすこと、この二つの側面があるというふうに考えています。  もちろん効率的に契約収納活動実施するということは社会の要請であるということは間違いないことだと思います。ただ、視聴者第一主義、そして視聴者との接点を確保するという点、そして契約収納関係費の削減幅が、訪問集金の廃止、平成二十年度から打ち出されているにもかかわらず、平成十九年度のその契約収納関係費の削減幅が余り大きくない、比較的小さい、小幅であるということを考えれば、訪問集金の廃止に関して議論すべき点が多いのではないかと考えています。  そこで、お伺いをいたします。訪問集金は支払全体のいまだに一五%、五百七十一万件がある。そして、一連、残念ながら不祥事ございました。その後、訪問集金の件数が増える傾向にある。今後、万一、残念ながら万一再び不祥事が発生してしまった場合、訪問集金の場合はもうすぐに抗議の意思を示すためにやめて、また回復状況を見て払い出すということが容易にできますが、それ以外の支払方法ですとなかなかNHKさんに対して抗議の意思を表示するということが難しくなるといういろんな問題があります。  そしてまた、私自身ずっと営業をさせていただいておりましたから、私自身の経験をもってすごく思っているんですが、この担当者が来てくれるから受信料を払う、あなたが来るから、あなたがここに足を運んでくれるから払ってくれる、そういう側面もあるのではないかと思います。これは、徴収担当者が訪ねた際にNHKさんに対する意見、批判、期待をじかに伝える場になっているという側面を大きく持っているからだと思います。  十月一日の訪問集金の廃止後も契約開発や未収回収のための訪問活動は強化されるというふうに書かれていますが、視聴者との接点という役割が大きく後退するのではないかと思いますが、このことについて会長の御所見をお伺いしたいと思います。
  75. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) 御指摘の件でございますが、現在、訪問集金の対象となっておられる視聴者の方は全体の大体一二%、これは今年の九月末の見込みで一二%と見込んでおりますが、この方々に定期的に集金にお伺いすることはなくなるわけですけれども、一方で、今後も未契約とかあるいは未払の方に対しての訪問活動は引き続き実施していくわけでございます。その際に、それぞれの地域の視聴者のニーズでございますとか視聴者の意向をお聞きする、放送事業に反映していくという基本姿勢は今後も変わるものではございません。  NHKが十八年度に年間六百二十万件を超える御意見等を視聴者の方からいただいておりますが、その受付方法は主として電話とファクシミリと電子メールなど、訪問集金のとき以外にお聞きすることが件数としては非常に多うございます。そういったものが大体九〇%を占めております。今後も、そういった視聴者の方々の声をお聞きするということの面では、むしろ訪問集金のときよりもそういったコールセンターを通じてお客様の声を聞く利便性を一層高めていきたい、そういうふうな方向にいたしております。  それから、先ほども指摘ございましたが、NHK職員、これは役員も含めまして、視聴者との触れ合いを通じてお声を拝聴するというNHKふれあいミーティングというのがございまして、これが十八年度は全国で千九百七十三回、延べ四万八千四百八十四人、よく調べております、こういった御参加をいただいておりますが、今後もこういった取組を強化いたしまして、先ほど来御指摘をいただいております視聴者との接点、視聴者の声を謙虚に耳にするということには心掛けてまいりたいと思っております。  以上です。
  76. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 今、ふれあいミーティングや電話やメール、ファクスというお話、そして訪問集金をなくしたとしてもちゃんと視聴者との接点は確保される、そういう努力をされるという御回答だったと思います。  ただ、今、受付で、電話、メールとかで大体九〇%というふうに御答弁をいただきましたが、平成十八年度視聴者の意向件数の受付方法別内訳を拝見をいたしました。そうしましたところ、一番が電話、二番がメール、そして三番目が、割合としては当然違いますけれども、一番目電話、二番目メール、三番目が集金時等という統計が出ています。少なくともふれあいミーティングよりは圧倒的に意向を把握している受付別の方法としては高いというような状況にもあります。  さらに、少し話を踏み込んで、受付方法別から受け付けた意見の中でどんな内容だったかというところに目を転じますと、実はこれは受信料関係が約五〇%というような形にもなっています。ということは、受付方法別で電話、メールに次いで集金時等が多いということ、そしてその内容受信料関係が五〇%、約五〇%を占めるということは、この二つの相関関係は結構高いのではないかとも考えられます。  さらに言えば、ふれあいミーティングもかなりたくさん開催をされて、積極的にNHKさん変わっていこうというような取組は物すごく強く感じたんですけれども、ふれあいミーティングで意見を申し述べている人の割合がすごく少ないということ、そして積極的にそこの場に出かけていって意見を言うということは比較的NHKさんに対して好意を持っている、関心を持っている視聴者皆様であるということ、そして、電話、メール、ファクスにしても、こちらが能動的にどうしても意見を言いたい、やむを得ないから意見を言いたいという場合はそのアクセスを通じて視聴者の方は意見を伝えるでしょうけれども、本当にごくごく一般視聴者の方で二か月に一遍、半年に一遍足を運んで来てくれる担当者の方に本当の意見、不祥事が起こって残念だけれども是非頑張ってくださいというようなそういう意見、聞いていると思うんですね。  だから、難しいんですけれども訪問集金廃止というところは致し方ない結論だったのかもしれませんけれども、今後、代替手段としてもっと一般視聴者のこと、声を聞くような仕組みというものを是非つくっていただきたいと思っています。  そこで、会長質問です。平成十九年の十一月十五日から平成十九年十二月六日にかけて訪問集金の廃止、事業所割引の導入、そして家族割引の拡大についてパブリックコメントをNHKさん出されています。会長、御就任前ですので、もしかしたら御存じないかもしれませんが、「「訪問集金の廃止」に対するご意見NHKの考え方」というのが、こういうパブリックコメントの結果が今NHKさんのウエブページからダウンロードできるような形になっていまして、私自身これすべて拝読をさせていただきました。会長は御覧になりましたでしょうか。御覧になったか、なってないかだけの回答で結構でございます。
  77. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) どういうものか、まだ目にした覚えはございませんが、就任以来いろんな書類を目にいたしました。それ一つを今取り上げて、定かに記憶はございません。
  78. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 是非、御就任以来すごく多忙な毎日を送られていらっしゃるということは私も重々承知しておりますので、ただ、これ本当にいろんなお声が載っています。顔を見るから、足を運んでくれるから受信料を払う、もしこれが訪問集金廃止になったとするならば、もう多分意見を言う場が、直接の対話の場がなくなるからもう払うのをやめよう、そう思っているというような意見がたくさんありました。もちろん、廃止に賛成だ、経営効率化のためには必要不可欠だという意見もたくさんありました。でも、それと同じぐらい、やっぱりいきなり廃止という結論にたどり着く前に何らかの工夫をすべきだったのではないかというような意見もかいま見れます。  一つすごく印象に残ったのがあります。もう高齢者の方でずっと家にいる方が、テレビの話題を話す人もないから集金に来られる担当者の方に話をするのがすごく楽しみで、ほとんど毎日NHKを御覧になっている方の意見で、パソコンを購入をしたので是非これ意見を言いたいということで書かれている内容がありました。そういう視聴者の声を受け止めて、こういう結論になったことは致し方ないと思いますけれども、もっと何らかの形でごくごく普通の人の声を吸い上げていただきたいと思っております。  質問に移ります。  訪問集金の廃止に伴って、この業務に就いておられた千二百人の方を業務転換ということになっています。この業務を転換するということ、今まで収納業務一筋で来られた方を別の契約開発や未収回収の対策に当たるということになれば、ある程度研修等が伴うということになると予想されます。これについて、業務転換に伴う研修等に掛かる期間とコストについて、もし御計算があるようでしたらお教えいただきたいと思います。
  79. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) 先ほども申し上げましたように、訪問集金の廃止によりまして千二百人の委託契約収納員が異動するわけですが、これまでの訪問集金業務から契約の取次ぎとかあるいは未収対策の業務お願いすることになるわけですが、訪問集金業務におきましても、契約取次ぎとかあるいは未収対策業務におきましても、各家庭を訪問して公共放送受信料制度の意義を誠心誠意御説明する、御理解とお支払をお願いするということは、これはもう基本でございまして、これは変わりございません。業務に必要なスキルはそう大きくは変わらないというふうに聞いております。  ただ、業務変更となります委託契約収納員の活動には、これは十分に配慮をして、必要があれば職員が現地で一緒に行動して指導、支援を行っていく、そういったOJTが必要かというふうに心得ております。こうした指導、支援というものは日常活動の一環としてこれまでも行ってきておりますが、今後もそれに邁進していきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  80. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 分かりました。  ただ、OJT等を伴うのであれば、正の職員の人も必要ですし、ある程度日にちも掛かるというふうにとらえています。そうなった場合、経営効率化の観点からこういう形を取ったのがどうなるんだろうな、意味があるのかないのかというところも含めて、私自身の私見ですけれども、いろんなメリット、デメリットというものがあるのではないかというふうに思っています。  NHKさん、平成二十四年度には年間三十万件の支払者数の増加、百七十億円の受信料収入の増を図ることが可能というふうにされているが、根拠がいまいち不明です。  この根拠についてもし分かれば、簡潔に御答弁をいただければと思います。
  81. 大西典良

    参考人(大西典良君) 先ほどの御質問の件も少し補足をさせていただけたらというふうに思いますけれども訪問集金の廃止については、地方局においては、契約を取り次ぐこと、それから集金を取り次ぐことは同じ人がやっていらっしゃいまして、その集金をする業務を、パワーシフトを契約の方にし替えるということでございます。大都市圏のところについては分業にしておりますので、職員が一緒になって帯同していきたいと。具体的にそのことを進めまして、より、未収者であるとかあるいは契約者であるとかというところにパワーをシフトして図っていきたいというふうに考えております。  以上です。
  82. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 いろんな御努力をされているということ、対策をされているということを非常に理解をいたしました。  最後に、これを申し上げておきたいと思います。  先ほども引用させていただきました十八年六月十九日の報告書の中にこのような記述がありました。「柔軟で公平感のある受信料体系と徴収システムを構築することは、公共放送NHKの存立に欠かせないが、それを財政的意味のみで考えるべきではない。」、ちょっと中略をして、「受信料徴収の場が、多くの人たちのあいだでじわじわと衰えている公共意識や社会性の意義を互いに再認識し、活性化させる機会となるような工夫を凝らすことを怠ってはならない。」という文言がございました。本当の視聴者、ごく一般的な視聴者との接点の役割を担っていたと思いますので、今後もそのことをどこか頭の片隅に置いて経営に当たっていただければと思っております。  ここまで、できる限り視聴者との接点という観点に立って質問をさせていただきました。私自身思いますのは、視聴者の方を大事にするということは現場で働く人を大事にするということであるという思いから、三か年計画で掲げた要員削減について御見解を伺いたいと思います。  この平成二十年度経営に示された人員削減千二百名達成されることになります。昨年五月に約束評価委員会から出された十八年の評価では、職員のモチベーションの低下が懸念をされる、次期経営計画の考え方によれば、放送の質の向上や多様なジャンルの番組を制作するためには、高い専門性を持った一定規模の人材が必要、今後は二十年度職員規模を基本にするという旨の記述がございました。  私自身、NTTに勤めておりましたとき、大規模な経営効率化をしなければならないような過渡期に現場で働いておりましたので、経営効率化は重要ですけれども、それに伴って職員のモチベーションが下がるようなことがあってはならないと思っています。  現場で働く職員の方が番組制作に打ち込める環境構築が必要不可欠であると考えますが、削減計画が到達となることを踏まえ、今後の考え方を簡潔にお答えいただければと思います。
  83. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) この三か年計画に基づく千二百名の削減はこの二十年度内に終息するわけでございますけれども、約半分の減員は仕事を持って関連会社の方に行くということになります。したがって、番組の制作、例えば今NHKの教育テレビで出しております番組というのはほとんどNHKエデュケーショナルが担当しておりますが、そういうふうなことで、より専門性を高めた関連分野で仕事をする。NHKの中でむしろあれもこれもやるよりは、ある専門性を高めた分野で仕事をさせる方がより高度な番組ができるということもございますので、そういう全体を見直しながらの人員の削減であると同時に、ある面では人員の異動だというふうにも心得ております。  そういったことで、もちろん大事なのは、先ほども指摘がございましたけれども、そういった異動の中で職員のモチベーションをどうやって高めていくか、落とさないかということは配慮しなければいけない問題だというふうに心得ております。  以上です。
  84. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 平成二十年度の達成計画、目標の達成をするということ、そして、次期経営計画の考え方に二十年度職員規模を基本にするという記述がございますので、職員のモチベーション向上のためにも是非前向きに検討いただければと思います。  最後に、視聴者主義、そして視聴者視点に立った公共放送の実現、そして視聴者皆様からの信頼の回復、そして現場で働く皆さんのモチベーションの向上、誇りを持って上を向いて仕事ができるような環境がある、そういうNHKにこれからもっとなっていただきたいということを、若い世代の視聴者の一人として心から願い、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  85. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 国民新党の長谷川憲正でございます。  今日は、私、二つのことをさせていただきたいと思っております。二十三分間の時間しかございませんので、どこまでできるか分かりませんが、御協力をお願い申し上げたいと思います。  一つは、NHKの新しい幹部の皆様方が、今日はせっかく全国放送がされているというふうに伺っておりますので、視聴者の皆さんの前でどういうお考えをお持ちなのかということをきちんと表明をしていただきたいということでございます。  私たちNHK放送を通じて世の中の森羅万象をいろいろ見させていただきますけれどもNHKの内部は見えないわけでございます。しかしながら、NHK国民受信料で成り立っている放送会社であるわけでございますから、それはもう言ってみれば国民の皆さんが株主であるようなものでありまして、しかも、先ほど来御指摘がありますように、不祥事が続出をいたしました。その結果として、経営委員長も替わられ、そして会長も替わられたわけでございまして、こうした方々のお考えというのに国民の皆さんは大変な関心を持っておられるだろうと、そこを是非お示しをいただきたいと思っているわけでございます。  ただ、二十三分間でございますので、本当は、まず総務大臣にお聞きをして、それから会長にお聞きをして、それから経営委員長にと考えておりましたんですが、総務大臣、いつもテレビに出ていらっしゃいますので割愛をさせていただきまして、また、福地会長、先ほど来たくさん答弁をしていただいておりますのでこれも失礼をさせていただきまして、恐縮でございますが、古森経営委員長、新しい体制になられて非常に大きな役割を負っておられる、自信もお持ちでございましょうし、決意もおありだろうと思いますので、視聴者の方々を意識して御発言をいただければ有り難いと思います。
  86. 古森重隆

    参考人(古森重隆君) 古森でございます。  まずNHK役割でございますけれども、これはやはり、先ほど来多くの方がおっしゃっておりますけれども、公正で正確な報道をする、そして国民に上質の情報発信していくという、これに尽きるというふうに思います。その線に沿いましてNHKは努力しているわけでございますけれども、一方で、やはり皆さんの受信料をちょうだいしているわけでございますから効率的な経営も目指さなきゃいけない、この二つを両立させていくことが非常に肝要なことであろうというふうに考えております。  経営委員会執行部でありますけれども経営委員会NHK経営方針その他重要事項を決定する権限役割を持っております。そして、業務執行監督をする役割を担うものと理解しております。  公共放送として信頼される確かな情報や多様性で質の高い番組を社会全体にあまねく提供することがNHK使命でありまして、これはそうした業務執行責任を負う執行部がするわけでありますけれども、この執行部とともに経営委員会公共放送の発展に向けまして緊張感を持ちつつ互いに連携協力していく、それぞれの職責を十分に果たしていくことが重要であるというふうに考えております。経営委員会といたしましては、中長期経営計画の策定に当たりまして、放送という点では効率的かつ強力な制作体制の構築、国際放送地域放送強化等を重要な柱として要請したところであります。  さらに、今後も、経営委員会国民視聴者期待を十分踏まえつつ、ガバナンスを発揮してNHK経営改革推進してまいりたいと、かように考えておる次第でございます。  以上であります。
  87. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 どうもありがとうございました。大きな期待をいたしております。  今日はあとお二人お伺いをしたいと思うんです。と申しますのは、会長には副会長がおられますし、経営委員長には代行がおられるわけでございますが、全国の視聴者皆様からしますと、どんな方なのかというのがなかなか見えにくいわけでございますので。  まずは今井副会長。大変国際経験が豊富な方で、テレビにもいっぱい出ておられましたから昔の姿は視聴者の皆さんも御存じだと思いますが、副会長としてどのような役割をお果たしになるのか、お考えを伺いたいと思います。
  88. 今井義典

    参考人(今井義典君) NHKは、民間の厳しい競争の中を勝ち抜いてきた福地会長の指導力、対応力、そして決断力、こうした中で経営改革職員の意識改革を進めつつあります。既にNHKの中でこのカルチャーショックが浸透を始めていると私ども感じております。  その中で私の最大責務は、これまでのジャーナリストとしてのNHKでの経験を生かしまして、公共放送自主自律を守りつつ、会長を補佐していくことであると承知しております。つまり、この経営改革の中で、放送内容の面、それから放送のサービスの在り方につきましても、経営改革を生かして時代の変化に対応していく公共放送を進化させていくことだというふうに承知しております。  もう一つ私の大きな責務は、外国人向けのテレビ国際放送を成功させることにあると承知しております。  衛星放送の技術が進む中で、世界的に国際テレビ放送は日常化しております。そして、今世紀に入って特に拍車が掛かって、先進国、新興国を問わず、国際発信強化しております。  今の国際社会におきましては、多様性をお互いに認め合うことがますます重要になっております。日本とアジアの様々な情報を自由に手に入れることができる広場を世界の中につくっていく、そして信頼される、尊敬されるアジアの声となることに決意をしております。これによって日本固有の文化、そして社会のすばらしさを世界に示して日本への評価を高めることが大事な責務であると承知しております。
  89. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 ありがとうございます。活躍を期待しておりますので、頑張っていただきたいと思います。  もうお一人、多賀谷経営委員長代行でございますが、今回は改正放送法の下で監査委員を兼ねて常勤となるというふうに承知をしているわけでございます。役割がまた一段と重くなると思いますが、お考えをお伺いをいたしたいと思います。
  90. 多賀谷一照

    参考人多賀谷一照君) 四月一日に施行される予定の放送法において経営委員会監督機能明確化強化が盛り込まれ、監督執行役割がより明確なものになります。また、そうした改正放送法趣旨に沿い、経営委員会のガバナンスをより一層機能させるための方策として委員の一部常勤化が図られたものと認識しております。  私はこれまで既に二年間非常勤の経営委員としてNHK経営に参与してまいりましたけれども、今後は常勤の委員として執行部とのコミュニケーションを日常的に図ることにより、月二回開催する経営委員会説明だけでは不十分であったような業務執行状況の把握をより詳細にし、経営委員会として役員の職務の執行監督を十分に果たそうと考えております。  また、他方、お互いに緊張感を持ちつつも、経営委員会執行部との意思疎通に努めることにより、地上放送の完全デジタル化へ向けてのNHKの主体的取組、放送・通信融合時代において中高年のみならず若い世代にも受け入れられる公共放送の在り方、地域放送充実など、より一層協力して取り組んでいくことが可能になると考えております。いずれにしろ、常勤の委員としてできる限りの役割を果たしていきたいと思います。  また、常勤の委員は現在のところ一名と聞いておりますので、私は同時に監査委員として役員の職務の執行を監査する役割を担うことになります。監査委員としては、与えられている報告徴収権並びに調査権を適正に行使していくことにより、コンプライアンスの徹底、リスク管理制度の導入などにより視聴者から早期の信頼回復を図りつつ、また随意契約の見直しなり番組のアーカイブ管理、二次使用権の促進などを含む広い意味での会計制度の見直しを通じて、限られた資源をどう有効に使って良質の公共放送を実現していくかの方策を検討していきたいと思います。  以上申し上げた監督と監査のそれぞれの趣旨を十分に理解して、それぞれの役割を的確に果たしていきたいと考えております。  以上であります。
  91. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 どうもありがとうございました。  大変失礼ながら割愛をさせていただきました増田大臣、そして福地会長を含めて、今お話しをいただいたお三方、合計五名の方々でこれからのNHKをつくっていかれるのだと私は思っております。NHKに対する批判もいろいろあるわけでございます。不祥事がありましたから当然だろうと思いますが、しかしそれもみんなNHKに対する期待感の大きさからくるものだと私は思います。日本の放送全体を考えたときに、やっぱり公共放送たるNHKに頑張ってもらいたい、頑張ってもらいたいと思っているのに一体これは何だと、そういう思いから皆さん方いろんな発言をなさるんだというふうに私は思っておりまして、これ激励でございますので、是非これをきちんと受け止めていただいて、本当に国民皆様期待をされる立派な公共放送NHKをつくっていただくようにお願いを申し上げたいと思います。  今日、私やらせていただこうと思っておりますもう一つのことがございますが、それは、これからNHKがどういう放送をどんな考えの下に重点を置いてやっていこうとしておられるのかということをお聞きをしようと、このことでございます。  私は、NHKは、もちろんインサイダー取引などというようなことがあってはいけませんし、実は事前にここ数年間のNHKの中での不祥事一覧表というのをちょうだいをしたわけでございます。たくさんあります。くだらない、くだらないというのは、NHKそのものに責任があるというよりも、社会人として、一個の人間として許し難いというような事件もたくさんございますが、しかしこれはどこの世界にもあるわけであります。NHKだけではなくて、もちろん民間放送にもたくさんありますし、最近は政府の中での社会保険庁の、先ほども御紹介ありましたが、いろいろな使い込みでありますとか、それから道路特定財源をめぐってもいろいろと無駄遣いが指摘をされたり、防衛庁の次官そのものの犯罪とかいろんなことがあります。ですから、政府にもあります。民間会社にあります。どこにもあります。それをしかし乗り越えて整々とした規律のある体制をつくっていただく、これが大事なわけでございますが、しかしそれですべてが終わったのかというとそうじゃございませんで、仕事はそこから始まるものだというふうに思っております。  放送法の第二章はわざわざ日本放送協会という章が立っているわけであります。その冒頭であります第七条に目的、NHKの目的が書いてあります。NHKは「公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内放送を行い」云々と、こう書いてありまして、それが目的だと書いてあるわけでございます。いい放送をするための組織であります。したがって、その経営体質を変えていただく、財務体質も確実なものにしていただくということを前提にした上で、これからお取り組みをいただく放送の中身についてお話を伺いたいと思います。  会長にお伺いをいたします。NHK公共放送として今後どのような分野にどのように力を入れて取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。
  92. 福地茂雄

    参考人福地茂雄君) この放送と通信の融合が進みます中で、膨大な量の情報量がはんらんいたします。そういった中で、NHKに求められる放送といいますのは、まずは信頼できる情報だと思います。信頼できる情報の中で、番組につきましては、NHKならではできる、NHKだからしかできないような優れた番組を作ることがまず第一だと思います。  次に、二番目に、NHKの特徴は、持つべきその強さは報道にあると思います。その報道も、とりわけ災害報道、これを迅速かつ正確な報道、災害報道をするということじゃないかと思います。  三番目は、今年もそうでございますし、これからの中期計画にも織り込んでまいりますが、地域放送強化ということで、今中央と地域の格差が広がりつつある中で、地域からの情報、しかも優れた地域が発想した情報をどれだけ全国に、あるいは国際的に流していき発信していけるかということにあろうと思います。  四番目は、先ほども指摘ございましたけれども、今テレビ離れ、とりわけ若者のテレビ離れが進んでいる中で、若者に対してどういうふうな情報番組とか報道をしていくかということ、これは現在も随分と力を入れておりますが、とりわけ関心を持っていかなければいけないところだと思っております。  そのほかに、環境問題、これは今年もこれから中期計画の中でも織り込んでいきます。環境に関しての情報中心に重点を置いて展開してまいります。それから、高齢者とかあるいは障害を持った方々に対しての文字放送でございますとか、あるいは解説放送というのがございますが、そういったところにも配慮をしていく。  要するに、この放送法に定められましたあまねく方々に広く情報が行き渡るということが公共放送としての、今までもそうですし、これからも求められる使命ではないかというふうに心得ております。  以上でございます。
  93. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 ありがとうございます。  もし時間がありましたら今お話をいただいた重点につきましても一つ二つお聞きをしたいと思いますが、その前に私はもう一つ指摘をさせていただきたいと思いますのは、放送技術の開発なんですね。  私は、NHKはたくさんの役割をしょっておられると思いますけれども、その中の非常に大きな役割の一つに技術の開発というものがあるというふうに思っております。放送技術の個々の要素というのはメーカーが作ったりなんかしておられるのは承知をしておりますが、それをやはり映像技術にする、あるいは映像を伝送する技術につなげるというところはやはりNHKなんですね。そして、世界の中でも、今までNHKがこの放送技術の開発で果たしてきた役割というのは、ハイビジョンという大きな例がございますけれども、非常に高く評価されているわけでありまして、私は、幹部の方々はお替わりになりましたけれども、是非、この技術の分野につきましては、高い認識をお持ちになって重点を置いてお取り組みをいただきたいと考えている者の一人でございます。  そこで、今後どのようにこの技術開発に取り組んでいかれるのか、お尋ねを申し上げたいと思います。
  94. 永井研二

    参考人(永井研二君) お答えします。  先生御指摘のとおりに、これまでNHKでは、ハイビジョンであるとか、それから衛星放送もそうであります、そして今取り組んでいるデジタル放送も我々のところでいろいろ研究をさせていただいて取組を始めたというところであります。これらの技術が言わば先導的役割ということで放送メディアの、言わば放送文化の発展に大きく貢献しているのではないかと我々も考えております。結果として、先生御指摘のとおりに世界の先導にもなっているのではないかというふうに思っております。  このような新しい技術を開発するというのは非常に時間が掛かることであります。御指摘のハイビジョンでも、実は昭和三十九年、一九六四年の東京オリンピックの直後に着手して、三十年掛かってようやく実用化ができたというところもあります。それから、何よりも視聴者の視点に立って、どういう技術が必要なのかというのを我々トータルとして、カメラのところから放送に出るまでを研究させていただいてこのようなことが実現したものと思っております。これは一般企業の研究所とか大学の研究所とかいうものでなくて、やはり公共放送としての研究所として取り組んできた成果ではないかと我々考えております。  現在、技術研究所では、スーパーハイビジョンというようなものや、立体テレビという次の世代のテレビと申しましょうか、視聴者にどういうものを送り届けるのかということを検討をしております。通信・放送融合時代ということもありますが、その中で我々も視聴者にとって何が必要かということを考えながらしっかりと研究をしていきたい、開発をして、そして普及をさせていきたいというふうに思っております。  またあわせて、その際には国際的な連携も欠かさずということで、もう既にBBCと一緒に連携をしたりということも始めております。そういうことも忘れずに取り組んでいきたいというふうに考えております。
  95. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 残りの時間が切迫してまいりましたけれども、もう一つお伺いをいたします。  先ほどの会長の重点を置かれるというお話の中に、若者向けの番組というのがありました。最近の青少年犯罪の多発を見ておりますと非常に心が痛みます。NHKも、茶の間に直接情報を伝えるものでございますので、是非大いに取り組んでいただきたいというふうに思いますが、何か来年の一月で教育テレビが五十周年を迎えられるというふうに伺っております。そうした、若者向けといっても娯楽だけでなくて、青少年の教育に重点を置いたお取り組みをいただければ大変有り難いと思いますけれども、こうした教育テレビ分野での今後の目指す方向等につきまして、青少年番組を含めて御説明をいただければ有り難いと思います。
  96. 日向英実

    参考人(日向英実君) お答えいたします。  教育テレビは、今おっしゃったとおり、来年で五十周年を迎えます。教育テレビは今まで、子供向け番組、それから福祉分野、それから学校教育及び生涯教育の分野で様々な番組放送してまいりました。この方針は基本的に大きく変わりません。  ただ、今御指摘がありましたように、特に若者向けですね、二十代前後の世代に向けた番組を今後強化していきたいというふうに考えております。特に、例えば生き方を考えるヒントになるような番組とか、それから様々な仕事を紹介する番組、それから職場でのスキルを上げていくそういうハウツーを紹介する番組とか、そういうものを更に拡充をしていきたいなというふうに考えております。
  97. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 時間になってしまいました。災害関連のことでありますとか、いろいろお聞きをしたかったんですが、また別の方の質問にゆだねたいと思います。  先ほど申し上げたように、NHKはいい放送をするということを目的にして集まった集団でございます。どうぞ皆さんで力を合わせて立派な成果を上げていただきますように御要望申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
  98. 高嶋良充

    委員長高嶋良充君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後零時十分散会