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2008-06-04 第169回国会 参議院 少子高齢化・共生社会に関する調査会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十年六月四日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  五月十五日     辞任         補欠選任      森田  高君     大河原雅子君  六月三日     辞任         補欠選任      相原久美子君     行田 邦子君      大久保潔重君     轟木 利治君     ─────────────   出席者は左のとおり。     会 長         田名部匡省君     理 事                 大石 尚子君                 岡崎トミ子君                 前川 清成君                 有村 治子君                 南野知惠子君                 鰐淵 洋子君     委 員                 岩本  司君                 植松恵美子君                 大河原雅子君                 行田 邦子君                 津田弥太郎君                 轟木 利治君                 藤谷 光信君                 蓮   舫君                 石井みどり君                 礒崎 陽輔君                 古川 俊治君                 丸川 珠代君                 義家 弘介君                 山本 博司君                 紙  智子君                 福島みずほ君    副大臣        内閣府副大臣   中川 義雄君    事務局側        第三特別調査室        長        吉住 芳信君    政府参考人        内閣男女共同        参画局長     板東久美子君        警察庁長官官房        審議官      井上 美昭君        法務大臣官房審        議官       黒川 弘務君        法務大臣官房審        議官       始関 正光君        法務大臣官房審        議官       三浦  守君        法務大臣官房審        議官       澤田 健一君        法務大臣官房審        議官       二階 尚人君        厚生労働大臣官        房審議官     村木 厚子君        厚生労働大臣官        房審議官     木内喜美男君        厚生労働省保険        局保険課長    岩渕  豊君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○調査報告書に関する件 ○中間報告に関する件 ○少子高齢化共生社会に関する調査  (配偶者からの暴力防止及び被害者保護に  関する法律現状課題)     ─────────────
  2. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) ただいまから少子高齢化共生社会に関する調査会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、森田高君、大久保潔重君及び相原久美子君が委員辞任され、その補欠として大河原雅子君、轟木利治君及び行田邦子君が選任されました。     ─────────────
  3. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) この際、御報告いたします。  本調査会は、毎年、調査に関する中間報告書議長提出することになっております。  理事会において協議の結果、お手元配付少子高齢化共生社会に関する調査報告書中間報告)案がまとまりました。  以下、その概要について御説明いたします。  本調査会は、第百六十八回国会平成十九年十月に設置されました。  調査テーマにつきましては、「コミュニティ再生」と定め、第百六十八回国会におきましては、政府から説明を聴取し、質疑を行いました。  第百六十九回国会におきましては、コミュニティ再生のうち外国人との共生について、四回にわたり参考人出席を求め、意見を聴取し、質疑を行うとともに、政府に対し質疑を行いました。  参考人からは、外国人労働者に係る諸問題、多文化共生における地域企業等連携重要性地方公共団体における外国人との共生に向けた諸施策実態在日ブラジル人から見た在留外国人の諸問題、経営者から見た外国人労働者をめぐる諸問題への対応外国人労働者を直接雇用している企業現状外国人子女教育に係る諸問題、外国人子女教育に関する地方公共団体取組現状外国人学校現状等について意見が述べられました。  また、五月十四日には、これまでの調査を踏まえ、本報告の取りまとめに向けて、調査会委員間の自由討議を行いました。  調査会委員からは、我が国の人口動向を想定した上での外国人労働者受入れの議論の必要性、多文化共生庁等設置外国人住民への情報提供に関する国の積極的関与研修技能実習制度の再検討外国人学校の取扱い、外国人に対する医療提供在り方等指摘されました。  これらの点を踏まえ、本調査会として意見を集約し、外国人との共生について提言を取りまとめました。  提言の主な内容は、第一に、外国人との共生に向けての政策として、外国人政策の再検討在留管理制度見直し外国人住民に対する情報提供在り方関係閣僚会議及び外国人施策を行う総合的機関設置等であります。  第二に、労働者としての外国人との共生として、外国人労働者に係る労働関係法規の遵守、研修制度の再検討等であります。  第三に、外国人子女に対する教育体制整備として、学習言語としての日本語重要性を踏まえた第二言語としての日本語教育在り方外国人子女の不就学の実態把握必要性外国人学校への法制上、税制上の配慮外国人児童生徒を受け入れている公立学校への配慮等であります。  第四に、外国人生活環境整備として、外国人医療保険加入促進外国人の診療における通訳の整備等体制づくり行政サービス提供にかかわる多文化ソーシャルワーカーの育成、配置等であります。  以上が調査報告書中間報告)案の概要であります。  調査報告書提出についてお諮りいたします。  お手元配付少子高齢化共生社会に関する調査報告書中間報告)案を本調査会中間報告書として議長提出いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) この際、お諮りいたします。  ただいま提出を決定いたしました調査報告書につきましては、議院の会議におきましても中間報告をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) 次に、少子高齢化共生社会に関する調査を議題といたします。  本日は、配偶者からの暴力防止及び被害者保護に関する法律現状課題について内閣府から説明を聴取し、その後、質疑を行うことといたします。  なお、質疑につきましては、あらかじめ質疑者を定めず、自由に質疑を行っていきたいと存じます。  また、説明質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございます。  まず、内閣府より説明を聴取いたします。中川内閣府副大臣
  8. 中川義雄

    ○副大臣中川義雄君) それでは、配偶者からの暴力に関する取組状況について御説明いたします。  初めに、配偶者暴力防止法改正法の円滑な施行に向けての取組についてであります。  配偶者暴力防止法につきましては、保護命令制度の拡充や市町村における基本計画策定及び配偶者暴力相談支援センター設置努力義務化などを内容とする改正法が昨年七月十一日に公布、本年一月十一日に施行されております。  配偶者暴力防止法では、都道府県市町村策定する基本計画指針として内閣総理大臣国家公安委員会法務大臣及び厚生労働大臣基本方針を定めることとされておりますが、法改正が行われたこと、また、基本方針に定める見直しの時期を迎えていることを踏まえ見直しを行い、改正法施行に合わせ本年一月十一日に告示いたしました。  検討に際しましては、男女共同参画会議に置かれている女性に対する暴力に関する専門調査会で御議論いただいたほか、国民からの意見募集を実施し、いただいた御指摘や御意見を踏まえて見直しを行ったものです。  見直し後の基本方針におきましては、まず法改正を踏まえた地方公共団体役割について、都道府県被害者支援における中核として、市町村は身近な行政主体窓口として被害者支援に取り組むことを基本的な考え方として提示しております。また、様々な手続の一元化や同行支援といった先駆的な都道府県市町村における好事例を望ましい取組として提示しております。このほかにも、都道府県及び市町村基本計画策定するに当たっての基本的な考え方や、保護命令発令後の被害者の安全の確保等について記述しております。  関係省庁におきましても、関係機関などに通知等を発出し、改正法施行基本方針改定を踏まえた円滑な施策推進に努めております。  改正法内容周知につきましては、新聞やラジオなど各種メディアを活用してPRを行うとともに、改正法内容を踏まえたリーフレットを作成し、都道府県市町村を始め関係機関等に広く配布して周知を図りました。さらに、昨年八月に都道府県などを対象とした改正法についての説明会を開催しました。  また、基本方針改定につきましては、本年一月に都道府県などを対象とした説明会を開催したほか、本年一月から二月にかけ、全国四会場におきまして市町村を主な対象としたブロック別説明会を開催したところであります。  次に、配偶者からの暴力に関する現状取組状況について御説明いたします。  まず、被害者からの相談等についてでありますが、全国配偶者暴力相談支援センターに寄せられる相談件数は年々増加し、平成十九年度は六万件を超えており、そのほとんどが女性からの相談となっております。また、都道府県警察におきまして、配偶者からの暴力事案認知対応した件数増加傾向にあり、平成十九年には二万件を超えております。  次に、被害者保護につきましては、厚生労働省調査によりますと、全国婦人相談所において一時保護した女性のうち夫等暴力を理由とする者は、ここ数年は約四千五百人規模で推移し、同伴する家族を除いた女性全体の約七割を占めております。  さらに、配偶者暴力防止法に基づく保護命令事件処理状況は、最高裁判所が取りまとめたところによりますと、直近三年間は年間二千七百件余りとなっており、このうち保護命令が発令されたものは約八割となっております。  このような状況を見ますと、配偶者暴力防止法施行後、配偶者からの認知度が高まり、被害者相談しやすい環境整備が進んだものと考えられますが、その一方で、実態調査の結果等から、配偶者からの暴力は依然として潜在している被害も多いと認識しております。  こうした現状を踏まえ、関係省庁におきましては、配偶者からの暴力についての一層の広報啓発被害者が安心して相談をし、支援を受けられるための相談対応の質の向上、被害者保護に係る体制整備配偶者からの暴力事案に対する厳正な対処、保護命令制度の適切な運用などに取り組んでいるところであります。  また、配偶者からの暴力被害者保護された次のステップとしての自立支援も重要な課題であります。関係機関連携を強化し、被害者生活支援就業支援住宅確保など様々な支援に取り組むとともに、地域において被害者ニーズに合致したきめ細かな支援が行われるよう、地方公共団体への情報提供などに取り組んでまいります。  次に、配偶者からの暴力に関する市町村における取組についてでありますが、今回の法改正努力義務となりました市町村における配偶者暴力相談支援センター設置基本計画策定につきましては、まだ緒に就いたところであります。被害者が身近なところで相談をし、支援を受けることができるようにという改正法の趣旨を踏まえ、地域における取組支援していくことが重要であると考えております。このため、基本計画策定についての市町村への情報提供地方公共団体における先進的な事例の普及などに取り組んでまいります。  今後とも、改正法及び基本方針に基づき、関係省庁連携の上、政府全体として、配偶者からの暴力防止及びその被害者保護自立支援に関する施策充実に努めてまいりたいと考えております。本調査会の皆様のお力添えを賜りますようよろしくお願いいたします。
  9. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。質疑はおおむね午後三時十五分をめどに終了させていただきます。  なお、質疑者及び答弁者に申し上げます。質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を受けてから御発言をいただくようお願いいたします。  また、一回の質問時間は答弁及び追加質問を含めて最大十分とし、できるだけ多くの委員発言の機会を得られますよう、質疑答弁とも簡潔に行っていただくよう御協力をお願いいたします。  それでは、質疑のある方は挙手を願います。  岡崎トミ子君。
  10. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 市町村取組支援でありますけれども、市町村取組は今回の法改正では努力義務というふうになっておりますけれども、市町村の一番の相談、一番最初に駆け付けるところという意味では大変重要だというふうに考えております。  そこで、具体的な自立支援についてお伺いしたいと思いますけれども、この自立支援につきましても、被害者生活支援をしなければいけない、就業支援住宅確保など、それぞれの被害者ニーズに合致したきめ細かな取組が行われるようにという次のステップについて示されておりますけれども、私は広域連携ができるかどうかについてお伺いしたいと思います。  例えば、仙台市と広島市が連携をして、そして、窓口でこういう人がいる、内閣府の方にデータベースで、居住するあるいは仕事がある、ワークライフバランスの感覚でもって、データベースがあって、それで必要とした人たち市町村に行くと、広島にはこういう旅館があって子供と一緒に行くことができますよと、そういうようなことで受入れ体制ができる。というのは、この間徳島で起きた事件は、近いために殺人というそういうような状況になってしまいましたけれども、ちょっと被害者を遠くにやるというのは胸の痛いことなんですけれども、そういうことも可能で広域連携ができて、自治体協力内閣府のデータベースで何とか自立支援就業支援と住むところが確保できるような、そういうことができるかどうかをお伺いしたいと思います。
  11. 板東久美子

    政府参考人板東久美子君) ただいま委員の方からお話がございましたように、都道府県あるいは市町村を超えて広域的な支援に関する連携保護に関する連携を図られていくというのは非常に重要なことであると考えております。  我々も、そのためにということもございますけれども、関係者一堂に会していろいろな情報共有を図ったり、連携推進のためのネットワークをつくっていこうということで、今年度から新たに関係者集めての全国会議を開かせていただこうと思っております。例えば、自治体関係者あるいは省庁関係者あるいはNPOなどを始めとした民間で取り組んでおられる方々、そういう方々を集めての全国会議を開きまして、関係者でのいろいろな事例情報交換、それからネットワークづくりに資するようなものを考えていきたいというふうに思っているところでございます。  ただいま委員の方から御指摘がございました、内閣府でいろんな情報を集めて言わばコーディネート役を果たしたらどうかというお話がございましたけれども、これに関しましては、正直申しまして、内閣府の役割それから人員その他のいろいろな資源を考えますと、なかなか直接的にそういった役割を果たしていくというのはかなり難しいのではないかというふうに考えておりますけれども、関係者の間での連携が進んでいくような形で努力をしたいというふうに思っております。
  12. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 せっかくの自立支援ということを推し進めていかなきゃならない次のステップが示されているわけなんですけれども、今の全国会議の中には企業との連携というのがなかったんですが、企業の方でも仕事を提供したいという場合には、受入先研修をしっかりしていくですとか、あるいは住民票なしでも行けることですとか、秘密の保持をしっかりしていくことですとか、そういうことはしっかりやっていってほしいなと思いますけれども、企業との連携ということについてはいかがでしょうか。
  13. 板東久美子

    政府参考人板東久美子君) 企業も様々な形で今委員指摘のように就業という点でも関係してまいりますし、あるいは民間などで支援をしているような組織に対する更に支援をしているというような実例もございます。今、委員指摘のように、そういう企業関係者に対しても理解、関心を持っていただくというのは非常に重要だと思いますので、会議をやる際にはそういったところにも呼びかけをさせていただきたいと思います。
  14. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 市町村との連携というのはなかなか内閣府直で難しいのかなというふうに私も思っているんですけれども、本当は自治体の方で一時保護された場合に生活保護受給権とともに移動するということになるんですけれども、その自治体が直で内閣府にいろんなことを連絡するという、それは今はできる状況にありますでしょうか、どんな状況でしょうか。そういう道筋をつくることができるかどうか。
  15. 板東久美子

    政府参考人板東久美子君) 今の御質問は、生活保護など個々の具体的な事例についてというお話でございますけれども、それはかなり難しいのではないかというふうに思っております。現実に自治体間で連絡をし、やり取りをしているということでございます。
  16. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 先ほどもなかなか私の提案は難しそうだったんですけれども、市町村でやりました場合には、どうしても仕事といいますとハローワークという状況になってきますが、今ワークライフバランスということで仕事も家庭もというそういう観点から、内閣府がいろいろ責任を持ちながらそういう方向性を出していくということの要望をしておきたいというふうに思っております。  それで、次に警察庁にお伺いしたいと思いますが、DV対応マニュアルを作って、そして全職員に携帯させて研修を義務付ける、こういうことがとても大事だということを前にも様々な議員の方からも提案があったかと思いますし、またDV被害者が安全に相談できるように女性警察官を配置するという、この点についてもある程度体制ができているだろうと思いますが、この点に関して具体的に体制をお知らせいただきたいと思います。
  17. 井上美昭

    政府参考人井上美昭君) まず、研修どの程度やっているかということについて御説明をしたいと思います。警察では、警察官として新たに採用したときにそれぞれ研修をしておりまして、例えば一番最初のときには二十時間程度研修をさせていただいています。それから、昇任時にもそれぞれ同程度研修をさせていただいています。それから、マニュアルの点につきましては、平成十五年に既に配布をしておるところでございます。  それから、女性警察官なり女性警察職員対応についてでございますけれども、基本的には各警察本部あるいは警察署警察官あるいは警察職員が、被害者対策でありますとかこういう事案とか、そういうことで対応するようにしております。専属の場合となかなか専属確保されないという場合もありますけれども、基本的には女性警察官被害者女性の場合は対応できるようにという指示をしておるところでございますし、女性だけの研修についても各都道府県警察、工夫をしてやっておるところでございます。  以上です。
  18. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 四千五百件以上ですかね、大変な数ですので、女性警察官なり相談体制というのはまだまだ足りないという考え方、今の時点では。
  19. 井上美昭

    政府参考人井上美昭君) 先生御指摘のとおり、まだまだ足らないと。これはDVだけではなくて、ストーカーの問題もございますし、一般的な女性からの相談も多い。あるいは、検挙したときも女性であればやはり女性警察官対応するというようなことで、いろんな意味女性警察官あるいは女性警察職員ニーズが多いということでありまして、各都道府県警察におきましては、女性警察官あるいは女性警察職員採用枠を増やすように努力をしておるところでございます。
  20. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 それでは、警察庁としてこれから見直しに向けて抱える問題点について御指摘いただきたいと思います。
  21. 井上美昭

    政府参考人井上美昭君) やはり私ども一番大事なことは相手の身になった相談をできるかということでございますので、先ほど申しましたように、研修制度をより充実をさせていきたいと思っています。それから、やはり担当だけではなくて、全警察官に基本的な知識を植え付けるということもやはり大事な課題ではないかというふうに考えております。  二点目は、やはり関係機関との連携であろうかと、こういうふうに思います。市町村あるいはいろんなボランティアの方々との連携、これが非常に大事でございます。連携といった場合に、ただ単に会議をやってよしというのではなくて、お互いが情報交換ができるようなところまで連携ができるように、是非各都道府県警察を指導して内容充実強化させていきたいと、かように考えておるところでございます。  以上です。
  22. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 ありがとうございました。
  23. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) 次に、福島みずほ君。
  24. 福島みずほ

    福島みずほ君 先に質問させていただいて申し訳ありません。  この共生社会に関する調査会DV防止法を作り、その後二回の改正が行われ、そして現場でというか行政努力していただいていることに心から本当に感謝をいたします。  まず初めに、市町村DV基本計画及びDVセンター設置努力義務についてお聞きをいたします。  事前にいただいた資料で、市町村計画を立てているのが千葉県野田市と島根県の松江市の二市に限られているというデータをいただきました。市町村は何をどうすればいいのか基本的な情報もないままではないか。男女局の「共同参画創刊号には、ワンストップサービス事例が掲載されておりますけれども、グッドプラクティスの共有情報交換が余りにも少ないのではないか。市町村、まだ二市に基本計画策定がとどまっていることをどう考えているか。また、都道府県基本計画改定は、いただいた情報で三市に限られております。ですから、基本計画内容の吟味は男女局で行われているのかということなど、お聞かせください。
  25. 板東久美子

    政府参考人板東久美子君) ただいま委員の方からも御紹介いただきましたように、我々の方でも広報誌を使う、あるいは先ほど副大臣の方から御説明をさせていただきましたように、この法律施行に先立ちまして様々な資料を作って提供したり、あるいはその施行後も含めまして説明会を開き、それから基本方針の御説明も含めまして、関係各方面、自治体関係者に対する御説明を何回かさせていただいたところでございます。  ただ、委員指摘のように、まだまだいろいろな事例について知識共有されていないというところもあろうかと思いますので、先ほどお話し申し上げましたように、この秋を予定させていただいておりますけれども、全国会議を開きまして、市町村都道府県関係者、あるいは民間団体、それから関係省庁などを含めまして、関係者に多く集まっていただき、好事例も含めてあるいは様々な課題も含めて、関係者意見交換情報交流をしていきたいというふうに思っております。  そういう中で、少しずついろいろな好事例が積み重なっていくものと思いますし、我々も積極的にそれを収集し、提供していきたいというふうに思っております。
  26. 福島みずほ

    福島みずほ君 茨城県つくばみらい市で、ドメスティック・バイオレンスの講演会が抗議等により中止に追い込まれるという事態が起きました。この事態をどう考えていらっしゃるか、お聞かせください。
  27. 板東久美子

    政府参考人板東久美子君) 委員質問のように、今年の一月でございますけれども、つくばみらい市の方でDVの講演会を開催を予定しておりましたところ、中止になったという事例がございました。  これにつきまして、個別の事案に見解を述べるということは、内閣府として述べることは差し控えさせていただきたいと思っておりますけれども、一般的に申しまして、配偶者からの暴力の問題につきまして、広報啓発が非常に重要だと、地域方々あるいは関係機関方々に対して様々な情報を提供し、この問題に取り組んでいく重要性について理解をしていただくということは大変重要だというふうに思っております。  この広報啓発推進ということについて、我々も自治体を、こういった活動に取り組んでいる市町村などに対する支援を含めまして、様々な関係の機関へも支援を行っていきたいというふうに考えておりますし、配偶者からの暴力のない社会の実現に向けまして、自治体と一層の連携を図っていきたいというふうに思っております。
  28. 中川義雄

    ○副大臣中川義雄君) 市町村の問題につきまして、的確な指摘だと思います。  私といたしましては、やっぱり市町村がこういうことをしっかりやるためには財政的な支援が何よりも必要ではなかろうかと思っております。そのため、やった市町村に対しては特別交付税でこれを見るというような形をしっかり確保していきたいと思っております。
  29. 福島みずほ

    福島みずほ君 明言してくださってありがとうございます。市町村DVセンターを設置する場合、財政支援がないと相談業務だけになってしまいますので、力強い副大臣発言、本当にありがとうございます。私たちも精一杯応援していきたいと思います。ありがとうございます。  自立支援についてお聞きをいたします。  精神的ダメージからの回復支援を含めたトータルかつ継続的な支援のモデルを、どこかの例えば自治体が国からの財政支援を行ってできないかと。というのは、DVに遭った女性はなかなかやはり難しくて、今こういう不況の状況の中での就労支援が困難であると、そういう計画についてはいかがかということと、厚生労働省DV被害者自立支援と母子家庭福祉政策との連携をどのように行われているのか、その二点をお聞かせください。  後半は厚労省です。前半は内閣府にお願いします。中川大臣、言ってください。お願いします。
  30. 板東久美子

    政府参考人板東久美子君) 申し訳ありません。前半部分、もう一回ちょっと確認をさせていただいてよろしいでしょうか。
  31. 福島みずほ

    福島みずほ君 トータルな例えば国が財政支援を行って、継続的な支援のモデル事業の、例えばある自治体に託すとか、そういうプログラムができないかということです。
  32. 中川義雄

    ○副大臣中川義雄君) 今のところそういう具体的な取組考え方はないようであります。しかし、先ほども申しましたように、これをしっかりやるためには財政支援がどうしても必要だと、そういう観点から前向きに検討させていただきたい、こう思います。
  33. 福島みずほ

    福島みずほ君 ありがとうございます。
  34. 村木厚子

    政府参考人(村木厚子君) DV被害者の方の自立支援につきまして、母子家庭等就業自立支援センターの活用でございます。  これにつきましては、平成十六年の十二月から施行されたその際の一部改正法におきまして、被害者自立支援が国、地方公共団体の責務となったわけでございます。この際に、大変同じような状況にある女性方々支援をやっている母子家庭の自立支援センター、これが活用をできるということで支援対象としたところでございます。そういう意味で、この母子家庭等就業自立支援センターがDV被害者方々に対しても機能を発揮していくように私どももしっかりやっていきたいと思っております。  このセンター、十九年度までは中核市までに設置ということでございました。十九年度の段階で全自治体をカバーができたんでございますが、さらに二十年度はできるだけ身近なところでやりたいということで、一般の市においてもこのセンターの事業ができるようにいたしましたので、こういったことも活用してしっかり支援をしていきたいというふうに考えているところでございます。
  35. 福島みずほ

    福島みずほ君 啓発などについてお聞きをします。  医師や医療機関での発見が多いので医師や医療機関の啓発が必要だと考えますが、いかがですか。また、婦人相談所から情報が漏れたり、裁判所の書記官がうっかり住所をDV加害者と思われる人に送るなど問題が起きていて、まだまだ啓発が不足していると思いますが、内閣府、いかがですか。
  36. 板東久美子

    政府参考人板東久美子君) 今の御質問のように、医療機関における取扱いを改善をしていくというのは非常に重要なことであると考えております。特に医療機関で実際に診療を受ける中でDVの問題が浮かび上がるというようなケースはかなりあるわけでございます。その場合の医師の対応とかあるいは提供する情報が十分であるかというところについて、まだまだいろいろな意味で医療機関の対応について促進をしていく必要があるのではないかと思っております。  我々といたしましても、医師会を含めまして、医療関係のところにDV関係について積極的な対応広報啓発などを図っていただくようにお願いをしておりますし、それから自治体の中でも、地元の医師会などと組んで例えばマニュアルを作ったり広報啓発を行ったりというような事例も出てきておりますので、それを積極的に促進、支援をしていきたいというふうに思っております。
  37. 福島みずほ

    福島みずほ君 時間ですので、終わります。
  38. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) 次に、鰐淵洋子君。
  39. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。  中川大臣始め関係者の皆様、大変にありがとうございました。  本調査会では、外国人との共生ということで一つのテーマとして調査を行ってまいりまして、その中で参考人の方から御指摘がございました。最近、夫が日本人で妻が外国人というケースも増えている。その中で被害者外国人というケースも増えてきているけれども、実際に地域では、そういった外国人被害者の方がなかなか相談に行けてないというか、こういったこと自体も知らない、支援が行き届いてないのではないかという、そういった御指摘もございました。  もし分かったらで結構なんですが、外国人被害者相談件数など、現状が分かりましたら教えていただきたいと思います。あわせまして、この現状外国人被害者に対する支援が行き届いていると言えるのかどうかというか、それも含めてどのような御認識なのか、お伺いをしたいと思います。
  40. 板東久美子

    政府参考人板東久美子君) 外国人相談件数ということでございますけれども、これはちょっと全部ということではないかと思いますけれども、配偶者暴力相談支援センターに寄せられました日本語が十分に話せない被害者からの相談件数ということでございますけれども、これが最新の数字で千三百九十八件、約千四百件ぐらいということになっております。これ以外にもいろいろなところに相談に行ったりしているケースはあるかと思いますけれども、今申し上げたような相談支援センターに寄せられているものだけでもこういったことはあるかと思います。  外国人の場合、言語の問題それから様々な外国人に対する情報が十分に提供されているかどうかという問題、そういったところも含めましてきめ細かな対応というのが必要になってくるのではないかというふうに思っております。
  41. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございました。  現場で活躍されている方から伺ったお話で今ちょっと御紹介させていただいたんですが、実態はなかなか進んでいないのではないかと思いますので、是非、そういった現場で活躍されている方とか、あと地方自治体の、特に外国人の方が多い地域もありますので、そういった方々の御意見も伺いながら、まず周知徹底からにはなると思うんですが、きめ細やかな支援を引き続きしっかりと対応していただきたいと思いますが、要望として申し上げておきたいと思います。  もう一点だけお聞きしたいと思いますが、加害者に対する対策ということで、被害者を出さないためには加害者の対策も重要だと思うんですが、加害者の中には、自分が加害者であるという自覚がないというか気付いていない方もいらっしゃると思います。そういった方に対する、そういった加害者を更生させていく支援、これも大事になってくると思うんですけれども、加害者を更生させるための支援現状と今後の方向性、これからのほとんど課題になるかと思うんですが、加害者に対する支援が今後どのような方向に持っていかれるのか、その点をお伺いをしたいと思います。
  42. 板東久美子

    政府参考人板東久美子君) 加害者の更生、加害者に対する対応につきましては、内閣府の方でも調査研究をずっと続けておりまして、例えば海外における様々な事例を分析をしたり、それから国内におきましても、幾つかの自治体にお願いを申しまして加害者更生のプログラムの試行とその検証というのをやらせていただいたところでございます。  加害者更生につきましては、諸外国も含めて現実に効果の点では必ずしも十分な効果は上げられていないんではないかというような点もございまして、この問題は確かに御指摘のとおり非常に重要な問題であるかと思いますけれども、なかなか方法論としても難しいところがございます。  我々としても調査研究を更に進めていきたいというふうに思っておりますし、またそれぞれのセンターなどにおける加害者対応についても様々な課題があるというふうにお聞きしておりますので、そういったところについても、どういった在り方を考えていくべきかということについて更に研究していきたいというふうに思っております。
  43. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございました。  先ほども申し上げたんですが、やはり被害者を出さないための一つの取組としても、この加害者の対策も大変重要だと思います。これもやっぱり個人差もあると思いますので、本当に全く気付いていない方に関しては、その部分を教えることによって変わってくる部分もあるかもしれませんので、是非この点も引き続き、調査研究ということでしたが、早急に同時進行で被害者支援と併せて進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  以上で終わります。
  44. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) 次は、紙智子君。
  45. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  この調査会、超党派でこのDV法を作り上げて、そして二〇〇一年に成立をさせ、その後も関係者の皆さんの意見を聴きながら、二〇〇四年、昨年と改正を続けてこられたということには心から敬意を表したいと思います。それで、立法府と関係者がみんなで作って育ててきている法律なわけですけれども、改正の要求もまだまだあって、それにやっぱりこたえていかなきゃいけないというように思うんです。  それで、最初内閣府にお聞きしたいんですが、私が質問しようと思っていたことを先に質問されているのもありまして、ちょっと確認もしたいんですけれども、市町村における配偶者暴力相談支援センター設置ということで、これが努力義務になって、非常に重要だと思うんですけれども、増設されてアクセスしやすくなったということですとか、やっぱり被害者保護も進むことになるわけです。  それで、この実効性を上げるためには市町村のやる気だけということでもいかないので、やはり人と予算という問題があって、先ほど副大臣が後押しということで特別交付税という話をされたので、これは力強いと思っているわけですけれども、ちょっと改めて、確認の意味でそこのところを御認識をお伺いしたいと思います。
  46. 中川義雄

    ○副大臣中川義雄君) 先ほど特別交付税という言い方をしたのは、一般の交付税ではこれはちょっとまずい。積極的に活動をしようという市町村とそうでない市町村では違うわけですから、一般の交付税ですと、してもしなくてもすべての町村に一定の乗数に基づいて事前払いになるわけであります。  しかし、私は、先ほど特別交付税と言ったのは、特別交付税は決算払いでありまして、実際にやった、こういうことをしたということを出した上で財政当局に申請すれば、財政当局がそれに応ずるよう、我々、総務省としっかりと打合せしたいと思っています。  ですから、こういうことを実施したところはきちっと支援を受けるという体制にした方が私はいいと思って、先ほど特別交付税という言い方をしたわけであります。
  47. 紙智子

    ○紙智子君 分かりました。  私の地元の札幌市で話を聞きますと、やっぱり政令都市でさえも単独で事業を進めるというのは非常に大変だということを言っていまして、是非国としてきちんとした運営費の裏付けをしてほしいということが出ておりまして、補助金の要請などの要望が出されていました。それで、被害者保護全国どこでも一定の水準でできるようにするためにも、国からの補助ということは不可欠の課題でもあるんです。  それで、厚生労働省にもお聞きしたいんですけれども、シェルター関係者の一番大きな要望は、何といいましても被害者保護の最前線で頑張っている民間シェルターへの一時保護の委託費それから運営費への助成なんです。  それで、一時保護委託費の総額支給実績の状況現状がどうなっているかということを一つ聞きたいのと、それからもう一つは、委託単価の抜本的な増額についても更に検討していただけないかという要望が挙がっているんですけれども、これについてお願いいたします。
  48. 村木厚子

    政府参考人(村木厚子君) お答え申し上げます。  一時保護委託費の予算でございますが、本年度、二十年度の予算で三億三千百万円でございます。前年の十九年度が二億八千万円ということでございましたので、総額としては、まあこれでもまだ不十分ということではありましょうが、増額をしております。  これは、先生おっしゃいましたように、非常にこの委託費の増額については御希望が多かったところでございます。それで、二十年度はこの単価につきまして、被害者一人一日当たりでございますが、十四日以内のものにつきましては、これまで六千四百九十円であった単価を七千六百五十円、それから十四日を超えての部分ですが、ここの上がり幅の方が大きゅうございますが、五千百十円であったものを七千五百円に引上げを図ったところでございます。  まだ不十分なところもあるかと思いますが、今年度予算的には努力をさせていただいたところでございます。
  49. 紙智子

    ○紙智子君 今お答えあったんですけれども、現実には掛かっている費用の大体半分ぐらいなんだそうです。それで、被害者一人一人に、行ってみますと、電話掛かってくるわけですけれども、非常に丁寧に、一人一人本当に丁寧なケアをしていて、長時間、何度もあるわけですよね。ですから、本当にそれに対応して、しかもいろんな、例えば自立のために役所に行かなくちゃいけない、手続取りに行かなきゃいけないというようなことになると、そういったことも含めて同行していきますし、それから遠いところとの連絡を取ったりとか、そういうことなんかも含めると本当に時間とお金が掛かっていて、もう手弁当でやっているというのが今現状で、だからそういう意味では、やっぱり委託費だけでは到底運営費は賄えないということで、寄附金だとか会員の会費なんかで賄っているんですけれども、もう台所は火の車というのが実態だと思うんです。  ですから、こういう状況を、今も非常に希望が多いということをおっしゃられて御存じだとは思うんですけれども、是非実態に見合った援助、運営費の補助を検討していただきたいなと、更にアップしていただきたいなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
  50. 村木厚子

    政府参考人(村木厚子君) 私ども一生懸命努力はしておりますが、特に私ども厚生労働省で予算化をするときにはどうしても一時保護ということに着目をした委託費という形で出ておりますので、そこをまず単価アップをするということで努力をしております。  恐らく、それだけではなくて、相談ですとかシェルターの基盤になるような運営費のところにそれぞれの民間団体大変御苦労されているというところで、自治体でも随分財政支援をしてくださっている自治体もあるようでございますので、こういったところが何がしかの形で支援ができるようになればということで、内閣府の方でも特別交付税の要求なども毎年していただいているというふうに伺っております。  そういったことで、関係省庁とも協力をしながら、更なる施策充実について一生懸命やっていきたいと考えております。
  51. 紙智子

    ○紙智子君 あと、内閣府が昨年、恋人間のDVについて、いわゆるデートDVですね、調査研究をまとめたわけですけれども、これもなかなか深刻で、例えば北海道なんかの場合でも低年齢化という問題も指摘されているんですけれども、札幌市の例えば女子中学生が、交際中のこれは高校生ですね、男子高校生に別れ話をした際に、憤慨してガラス瓶を壁に投げ付けて、死んでやるということで脅されて別れられないということで、保護者からそういう相談が入ってきたりとか、その他ほかにもいろいろ、本当に若いところでそういう事態にもなっているということがあって、スペース・おんの近藤恵子さんが代表を務められているところでお話しだったんですけれども、相談窓口は受皿にはなるんだけれども、職場や学校や家庭などの関係機関をつなぐ救済システムがまだできていないと。そういった意味では、学校での予防教育も非常に必要だという話もされているんですよね。  ですから、実際にそういうことで教材作りですとかやっていたり、あるいは取り組んだところでは、何がDVなのかということそのものの認識が分からない中で、それが分かるだけでも全然違うということも出されていて、是非こういうことを内閣府としても今後の取組として強めていく必要あると思うんですけれども、どのようにされているでしょうか。
  52. 板東久美子

    政府参考人板東久美子君) 今御質問のように、子供たちから、若い層からの予防教育というのは非常に重要だと思っております。  若い世代の理解を深めるための様々な取組をしているところでございまして、今委員の方からも御紹介いただきましたように、昨年は、配偶者暴力に関する問題を取り上げているシンポジウムの中で、若い世代の恋人間の暴力の問題などを取り上げまして、若い方々の理解を更に深めようという取組もしたわけでございます。  予防啓発プログラムの作成ということにも取り組んでおりまして、平成十八年度、十九年度におきまして、若年層を対象とした予防啓発プログラムの開発を自治体に委嘱をして、幾つかの自治体調査研究を行っていただいたということがございます。  平成二十年度、今年度におきましては、こうした自治体における調査研究の結果を踏まえまして、予防啓発に対する教材の作成をしていこうと。それを提供し、学校現場やいろいろな場所において取組を進めていきたいというふうに思っております。関係者連携を強めていきたいというふうに思っているところでございます。
  53. 紙智子

    ○紙智子君 時間ですので、終わります。
  54. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) それでは、質疑のある方はどうぞ挙手を願います。  石井みどり君。
  55. 石井みどり

    石井みどり君 少しお聞きしたいことがあるんですけれども、例えばこのDVで、逃れた時点で発覚することが一番、子供の転校時の手続、それと医療機関を受診したときのこういう際に、やはり加害の夫の方へ通知が行ったりして発覚するケースが多いんですね。  先ほど医療機関との連携というところが答弁の中にありましたが、その辺り、医師会等の医療関係団体への研修というところをきちんと財政措置をとられているのか。  それから、例えば受診する際に健康保険証の手続が取られてないことが多いんですね。それをすると発覚してしまうということで、それで非常に受療を控えられることがあるんですが、例えば震災時に特例として、そういう保険証がなくてもというような支援がありましたですよね。そういうことがこのDVにおいても支援の措置がとられているのかどうかということと、それと自立支援、これは市町村の事業ということですが、例えば職業訓練を受けている際に、生活費等の支援、これは生活保護を受けるということになるのかと思うんですが、ただ、生活保護費を受給するに際して非常に資格で限定される、要件が非常に厳しいということがあるんですけれども、そういうことに対してきちんとした支援体制が取られているかどうか、その辺りをちょっとお教えいただきたいんですが。
  56. 村木厚子

    政府参考人(村木厚子君) まず、医療を受けた際の問題でございます。  医療機関の方は、私ども、DVを発見していただくという意味でも大変大事な専門家だと思っていますし、それからどうしても医療が必要になった場合にその扱いをどうするかという意味でも大変大事な問題だというふうに思っています。  それで、今度新しく作られました基本方針の中で、都道府県において医療関係者向けの広報や研修、それから医療関係者対象とした対応マニュアルの作成、配布ということが計画に盛り込まれております。国としましては、それの財政的な支援をするということと、それから私どもから日本医師会の方にお願いをして、そのため日本医師会からさらに各都道府県の医師会等を通じてこのDVに対する取扱いの仕方等々について周知広報をし、また協力を仰いでいると。特に、研修を受けていただくとかマニュアルを一緒に作っていただくとか、そしてそのマニュアルを配布をしていただくということについて去年から特に力を入れて今お願いをしているところでございます。  それから、自立支援につきまして、特に就業、非常に大事になってまいります。職業訓練とか講習を受けたいということなどもございます。生活の面ではやはり基本的には生活保護になりますが、それだけではなくて、例えばお子さんがいれば保育所に入るとか、それから職業講習を無料のものを受けられるとかいうようなことが非常に大事になってまいりますので、これは先ほどの御質問にもございましたが、母子家庭等就業自立支援センターで母子家庭向けにやっているような施策をこの方々がしっかり受けられるようにと、それをそのまま伝えるようにということでやっておりますので、こういったものや、最終的には生活保護といった施策を組み合わせながらこの方々自立支援をしっかりやっていくという方向でやっております。
  57. 石井みどり

    石井みどり君 一時的な受療の際の支援というところがちょっとお答えがなかったのと、それと対応マニュアルというところで、研修ですね、医療機関等、医療関係団体を通じて日本医師会から都道府県の医師会という、これ医師会だけではないんですけれども、医療機関であればですね。なぜかというと、子供たちは必ず年に一回学校健診で受けて、そしてそれを報告しなければいけませんので、大体歯科の医療機関も受診するということがありますので、その辺りの例えば研修、そしてマニュアルも一緒に作るということですが、それがどれぐらい実施されているかということの実施状況のチェック、これをどうされているか、それをちょっとお教えください。
  58. 村木厚子

    政府参考人(村木厚子君) 医療の受診については担当の局からまた説明をさせていただきますが、医療機関との連携につきましては、私どももまだ個別にそれぞれの県が、進んでいる県についてどういう取組をやっているかという個別事例を集めているような状況でございますので、それぞれの県でどこまで何ができているかということについての実態把握、これからしっかりやってまいりたいと思います。
  59. 岩渕豊

    政府参考人(岩渕豊君) 健康保険の適用の関係について御説明申し上げます。  配偶者から暴力を受けた方、こういった方が健康保険の被扶養者である場合の取扱いが問題になるわけでございますが、被害者保護の観点から、平成十六年に保険課長通知を出しまして、一般には被保険者から届出を受けて被扶養者から外れるということになるわけでございますけれども、被害者婦人相談所等の発行する証明書を添付して申し出れば、これは被保険者の届出がなくても被扶養者から外れることができるという取扱いにしたところでございます。  今年二月に、今般の配偶者暴力法の改正、それから基本方針を告示されました。これを受けまして、さらに被害者保護の観点から二点措置を追加しております。  一点目が、緊急に受診した場合の扱いなんですけれども、配偶者からの暴力被害者につきましては、ただいま申し上げたとおり、申出により被扶養者から外れる手続をするわけですけれども、それまでの間、緊急的に医療機関に受診して金銭的負担を負わなければいけない場合があるということでございます。このような場合にも保険診療が可能であるという取扱いを今般、通知で連絡をしたところでございます。被害者がまた緊急に受診する必要があって、被保険者証を持っていないようなケースにつきましては、婦人相談所等の証明書に基づきまして保険者等が資格の証明書を発行できること等もしております。  さらにまた、情報の管理といいますか、そういった点につきましても一点措置を追加しておりまして、例えば健康保険の制度におきましては、加入者に掛かった医療費の額をお知らせする医療費通知という制度がございますけれども、これが被保険者のところに通知が行ってしまうということがあるわけでございますが、この通知をすることによって受診した医療機関から被害者の居所が加害者である被保険者に知られることがないように、被害者からの申出があれば、当該被保険者あての医療費通知には当該被害者に係る情報を記載せずに、被害者等に係る医療費通知は被害者から申出のあった送付先に送付するなどの適切な対応をするように保険者に求めているところでございます。
  60. 石井みどり

    石井みどり君 今言われたようなことですが、是非その通知を徹底していただきたいんですね。かなりお役所の方は紙一枚通知出したからやったというふうにおっしゃるんですけど、現実はそういう通知が行き届いてなくて、やっぱりそこから発覚するというケースが出ておりますので、是非それを徹底していただきたい。  それと、やはり日本中どこででもこのDV被害あるわけですから、先進事例を取り上げるだけでなくて、本当にどこに住んでいてもこういう被害に遭ったら被害を防ぐというところの手だてを、やはり実施状況を徹底させる、チェックをしていくということをお願いしたいと思います。  ありがとうございました。
  61. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) あと、どなたか御質問ございましたらどうぞ。  有村治子君。
  62. 有村治子

    ○有村治子君 自由民主党の有村治子でございます。  やっぱりDVという大変な物理的にも脅迫を受けながら、また絶望のふちにある人々とともに心を合わせて現場で頑張ってくださっている方々、また今日答弁に立ってくださっている方々の御貢献に心から敬意と感謝を申し上げ、質問をさせていただきたいと存じます。  DVというのは、公で行われるいわゆるバイオレンス、暴力にはない複雑性を絡みます。やはりドメスティックといった以上、親族、肉親、夫婦関係の中で生じるバイオレンスでございますから、私のつたない経験則から申し上げても、人間関係というのは、なかなかやっぱり関係性に起因するものというのは、よっぽどのことがない限りその関係性というのはなかなか構造的にすぐに改善するものではないというような印象を持っております。  そんな中で、DV法を施行されてから、そしてその前線で御活躍いただく中で、それでもかなりうまくいったよというケースも幾つかは出てきているんだと思います。離婚とかあるいは和解、仲裁とかというような、そういう関係性を変えるというのではなくて、元のさやに戻ってうまくいったというケースがあるとすれば、そういういい事例から学ばなきゃいけないというふうに思うのですが、いい事例は、結局はどこが変わっていったのか、どうやってまた家族が家族の機能と希望を取り戻していったのか、そのようないわゆるグッドプラクティスというか、ベストプラクティスのいいパターンなりあるいはノウハウ、傾向など把握していらっしゃいましたら、その部門から発表いただきたいと存じます。  以上です。
  63. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) どなたに対する質問ですか。
  64. 有村治子

    ○有村治子君 どなたかの指定が私、分かりませんので、そのようなノウハウを把握していらっしゃるところからの発表をいただきたいと思います。逆に、どなたからも答弁がないとすると、そういうノウハウが日本の省庁にはたまっていないという認識になるかと思いますので、私の希望としては、どなたかが勇気を持っておっしゃっていただけると大変助かるなという思いでございます。
  65. 板東久美子

    政府参考人板東久美子君) 今、委員質問の個々の事例について、どういうふうに家族を支援し、あるいは加害者に対して対応していって、いい状況を導いていったかというようなことについては、恐らく相談の現場について個々にいろいろな事例はあろうかと思います。  ただ、やはり政府全体の施策としまして、特に、DV事件を通じまして、被害者保護、それから先ほどからお話が出ております自立の支援とか、その辺りの課題について非常に緊急性が高いというのも事実であろうかと思います。  被害者保護自立支援につきまして様々な施策を展開してきているということで、先ほどから御質問がございますように、どちらかといえば、加害者に対する対応についてはまだまだ調査研究の途上という点が多いのではないかと思っておりますけれども、そういった点も含めまして、それから先ほどちょっと御質問に答えさせていただきました、やはりそういう事件を起こしていかないような例えば男女の平等の考え方なり、暴力、人権に対する考え方なり、そういったところについての地道な教育の展開ということが非常に重要ではないかというふうに思っております。
  66. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) 丸川珠代君。
  67. 丸川珠代

    ○丸川珠代君 日々、現場でDVへの対処が体制として更に進むよう御努力をなさっている皆様方に今日お話を伺えて、本当に有り難いと思っております。  資料の中から一点ちょっとお伺いしたいことがございました。この少子高齢化共生社会に関する調査会の四ページに、配偶者暴力防止法に基づく保護命令事件の既済件数ということで過去六年間の数字が出ておりますけれども、過去三年間の保護命令の発令の件数がほぼもう一定になっているというふうに見受けられますけれども、一方で、副大臣お話の中には、実態調査の結果から配偶者からの暴力は依然として潜在しているというふうな言葉がございます。これは数字からすると、恐らく何かの理由で発覚が頭打ちになっているのか、もっと本当は出てこなければいけない人たちが表に出られない状況になっているのか、その辺の事情を法務省と男女共同参画の方に伺いたいと思います。  それが一点と、もう一つは保護命令に関してなんですが、どちらかの相談所、駆け込み寺みたいなところに行って保護命令が出た。その後さらに、これは身近な事例であったことを振り返ると、自立支援の段階でもなお保護が必要な状況というのが往々にしてあるかと思いますけれども、その辺りの、かなり長い期間にわたって保護が必要な場合の体制というのがどうなっているのか、教えていただけますでしょうか。
  68. 始関正光

    政府参考人始関正光君) お答え申し上げます。  確かに委員指摘のとおり、ここ数年、保護命令件数は高止まりの傾向にございます。ただ、それが、出るべきものが十分出ているからなのか、まだ出るべきものが何らかの事情によって出ていないのかということはちょっと私どもでは分かりかねるところでございます。  なお、昨年の改正によりまして、平成二十年から新しく、脅迫による場合あるいは親族等への接近禁止とか、そういうものが新しく付け加えられておりますので、そこでまた事件が増えていくという可能性はあると思っておりますので、今後とも事件の動向を注視していきたいと思っております。
  69. 板東久美子

    政府参考人板東久美子君) 配偶者暴力実態が十分に表に出てきているのかというところの御質問でございますけれども、平成十七年度、三年前に内閣府の方で行いました調査によりますと、配偶者から身体的な暴行とかあるいは心理的攻撃、性的強要、そのいずれかを一つでも受けたことがある人がどれぐらいかということにつきましては、大体女性の場合は三分の一ぐらいから受けたことがあるというお答えが出ておりましたし、それから何度もあったという方でも女性の場合で一割あったということでございます。それに比べますと、実際に先ほど御紹介がございました相談件数とか保護に関する手続に乗ってきているケースというのは少ないかと思います。  ただ、実際どれぐらい深刻なものについてお答えになっているのかということがございますので、保護命令などに上ってくるケースというのも含めましてかなり幅広いものをDVというふうにとらえているわけでございますので、この調査結果の数字というのは先ほど申しました保護命令なんかの件数と直接結び付くものではないと思っております。今年はちょうど三年たちましたのでまたそういった調査をやらせていただきたいと思っておりますので、実態について分析をしていきたいというふうに思っております。  いずれにしましても、法律ができたことによりまして、今まで対応していただけなかったようなケースあるいは今まで相談できなかったようなケースが相当相談しやすくなったあるいは対応していただきやすくなったということになっていて、数字が増えているという面も多いのではないかというふうに思っております。
  70. 丸川珠代

    ○丸川珠代君 先ほど質問させていただきましたことを繰り返しますけれども、自立支援の段階でもなお長期間にわたって保護が必要な場合においての体制というのがどうなっているのかを、警察庁の方に伺えばいいんでしょうか、どなたに伺えばいいんでしょうか。
  71. 井上美昭

    政府参考人井上美昭君) 自立支援の段階での警察対応という部分については、ちょっと実態的に我々警察が一義的に対応しておる問題ではないのかなと、こういうふうに思いますので、ちょっと先生の御質問に対して今的確なお答えができない状況であります。もし、何かそれに答えられるようなあれがありましたら、後でお答えをいたします。
  72. 丸川珠代

    ○丸川珠代君 ほかにお答えになれる方がいらっしゃったら答えていただきたいんですが。
  73. 村木厚子

    政府参考人(村木厚子君) 保護命令を受けた方々のその後の安全云々という問題ですとちょっとお話が違うかもしれませんけれども、先生、自立支援というふうにおっしゃいましたので。  例えば、一時保護を受けて、あるいは私どもの施策で婦人保護施設にそういった方々保護をしていてそこから自分で暮らしていくというようなことについては、やっぱり非常にその後のアフターケア、サポートが要るだろうというふうに思っております。そういう意味で、特に婦人保護施設を中心にでございますけれども、新しい住まいや職場を訪問したりして継続的にアフターケアをするというようなことができるように予算措置を講じましたり、それから、あとは身元保証の仕組みにつきまして、これは実はDV被害者だけではないんですが、しっかりとした仕組みを昨年度からつくりましたので、そういった形で、住まいとか就職とかという、これから先の人生設計にかかわるしっかりした基盤のところをつくるお手伝いをするように施策を少しずつ強化をしているところでございます。
  74. 井上美昭

    政府参考人井上美昭君) 保護という観点におきましては、警察的には一時的な対応が終わった後も引き続き例えばパトロールをしたり、そういう形で継続をする場合もございます。  それから、避難場所についていろいろ関係機関と御相談をして、シェルター的なところをいろいろ御紹介をさせていただいているというようなケアというのはそれぞれやっておるところでございますし、結構連携をして効果的な避難場所を提供しているという事例報告も受けておるところでございます。
  75. 丸川珠代

    ○丸川珠代君 最後に一点だけ。  新しい生活を始めるために別の地域に移り住んで生活を始める方もいらっしゃると思うんですが、そういう方への地域をまたいだサポートの橋渡しというようなことはやっていらっしゃるんでしょうか、警察庁の方に伺います。
  76. 井上美昭

    政府参考人井上美昭君) 基本的には、いろんな取扱いにおいて、警察においては関係する都道府県あるいは関係する部署について逐一連絡をするようにしております。一つの都道府県で完結することばかりではございませんので、他府県にまたがることもございます。それから、時間たってからまた戻ってくるというようなこともございますので、その辺の連携はしっかりとするようにさせていただいておるところでございます。
  77. 丸川珠代

    ○丸川珠代君 ありがとうございます。是非、その御努力を引き続きよろしくお願いしたいと思います。
  78. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) 紙智子君。
  79. 紙智子

    ○紙智子君 加害者対策について、まずちょっと内閣府にお聞きしたいと思うんです。  一昨年、徳島で、接近禁止の保護命令を発令されていた加害者が妻を刺殺した事件、これはもう本当に衝撃だったわけですけれども、今年も一月に、実家に逃げ帰っていた妻が、被害届を出して三日後に夫から殺される事件も起きたわけですよね。こういう悲惨な事件をいかにして食い止めるかというのがすごく大事なわけですけれども、加害者対策もそういう意味ではすごく大事だと思うんです。  それで、まずは犯罪なんだと、罪とやっぱり向き合わせるという、適切な逮捕ということも必要だと思いますし、そこをまずやるというのは前提だと思うんですけれども。  同時に、昨年のDV法の改正案の審議のときにも議論になっているんですけれども、警察DVセンターが協力をして、保護命令発令の期間中にこの加害者に対しての研修を行うことが考えられないかという、再教育プログラムなどの義務付けということで検討するべきじゃないかというのがやり取りされていて、それに対して立法者の南野議員がこれに答えて、加害者の更生のための指導の方法について調査研究の推進に努めるというふうに御答弁をされていたわけです。  それで、基本方針にもあるんですけれども、内閣府はこの加害者対策の調査研究の重要性についてどういうふうに認識をされているのか、また、警察などほかの機関と連携した教育プログラムについて関係省庁の中心となって検討すべきじゃないかと思うんですけれども、これについてお願いします。
  80. 板東久美子

    政府参考人板東久美子君) 加害者の更生のための調査研究につきましては非常に重要な施策であると思っておりますので、我々といたしましては、先ほどもちょっと御紹介をさせていただきましたけれども、諸外国における実態調査とかあるいは国内で実施をしました試行、そういった結果を分析をしているところでございます。  これについては、配偶者からの暴力の加害者更生に関する検討委員会というのも以前設けまして、そういった加害者更生プログラムの可能性と限界ということで検討をしたわけでございますけれども、その結果といたしまして、平成十八年六月に報告書も出しております。その中で、こういった加害者更生の問題非常に重要なんですが、プログラムについて、必ずしも効果だけではなくいろいろな課題もあるということも浮かび上がってきておりまして、この問題は重要であるというのは御指摘のとおりだと思っておりますので、更に調査研究の推進を図っていきたいというふうに思っております。  基本方針の方においても、御指摘ございますように、この調査研究の推進ということを盛り込ませていただいているところでございます。
  81. 紙智子

    ○紙智子君 警察庁にお聞きしたいと思います。  保護命令が発令された加害者に対して、DVの犯罪性や保護命令内容などについて加害者に徹底するために、各警察署は加害者にどのような対応や接触をしているのでしょうか。
  82. 井上美昭

    政府参考人井上美昭君) 基本的には、これは罪になりますよとか、あなたはこういう状態で警告を受けていますよということを相手方にしっかり認識をさせることが大事だということでありまして、そういうふうに指導をしておるところでございます。
  83. 紙智子

    ○紙智子君 あらゆる機会をとらえて、加害者に対してはDVの犯罪性について知らせていくというのは非常に大事だと思うんですけれども、加害者に接することが最も多いというのは、やっぱり警察、多いわけですよね。  それで、昨年の審議でも出されていましたけれども、警察DVセンターが協力して教育プログラムを行ってほしいという要望があります。この教育プログラムを義務化するというためには法改正というのが必要になるわけですけれども、例えば保護命令が発令された加害者、又はその配偶者への暴行や傷害などで逮捕された加害者や、保護命令違反で逮捕された加害者、ここに対して、勾留されている期間も利用などして、そして加害者教育を行うことを検討すべきじゃないのかと、そういう指摘について警察庁としてはどのように受け止めておられるでしょうか。
  84. 井上美昭

    政府参考人井上美昭君) 刑事訴訟法において、やはり逮捕、勾留というのは捜査のための期間というふうに決められておりまして、それを大きく外れるわけにもいかないというのも事実だろうと、こういうふうに考えております。しかし、取調べの段階において罪であることを認識させたり、警告のときに、これは駄目なんだよということは大事なことだろうと、こういうふうに思っております。  ちょっとそれを超えたということにつきましてはこれから議論がやはり必要な部分ではないかと、これは個人的な意見でありますが、そういうふうに感じております。
  85. 紙智子

    ○紙智子君 政府全体が調査研究、ここに是非協力をして、そういう方向で検討いただきたいなと思うんです。  保護命令の発令件数が、平成十五年の段階で千四百六十八件が、平成十九年に二千百八十六件に対して、保護命令違反の検挙数というのは、平成十五年が四十一件、平成十九年が八十五件というふうになっているわけですね。違反者が少ないのであればいいわけですけれども、保護命令違反に対して警察が厳しく対応してないんじゃないかという批判も出ているんですけれども、これ厳しく対処していただきたいという声があるんですけれども、これについて一言最後にお聞きします。
  86. 井上美昭

    政府参考人井上美昭君) 保護命令違反検挙の件数は、例えば平成十八年は五十三件でありますが、平成十九年は委員指摘のように八十五件ということで、かなり増えておるところでございます。  基本的には、犯罪ありと思料するときには警察として厳正に対応するというのは基本でございますので、今後も徹底してまいりたい、かように考えておるところでございます。
  87. 紙智子

    ○紙智子君 終わります。
  88. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) どなたかこの際、御発言ありますか。よろしいですか。  それでは、他に御発言もないようですので、本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後二時二十二分散会