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2008-04-23 第169回国会 参議院 少子高齢化・共生社会に関する調査会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十年四月二十三日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  四月十六日     辞任         補欠選任      森田  高君     大河原雅子君  四月二十三日     辞任         補欠選任      山本 博司君     渡辺 孝男君     ─────────────   出席者は左のとおり。     会 長         田名部匡省君     理 事                 大石 尚子君                 岡崎トミ子君                 前川 清成君                 有村 治子君                 南野知惠子君                 鰐淵 洋子君     委 員                 相原久美子君                 岩本  司君                 植松恵美子君                 大河原雅子君                 大久保潔重君                 木俣 佳丈君                 津田弥太郎君                 蓮   舫君                 礒崎 陽輔君                 古川 俊治君                 丸川 珠代君                 渡辺 孝男君                 紙  智子君                 福島みずほ君    副大臣        法務副大臣    河井 克行君        文部科学大臣  池坊 保子君        厚生労働大臣  西川 京子君    事務局側        第三特別調査室        長        吉住 芳信君    政府参考人        法務大臣官房審        議官       始関 正光君        法務大臣官房審        議官       二階 尚人君        法務省矯正局長  梶木  壽君        法務省人権擁護        局長       富田 善範君        法務省入国管理        局登録管理官   高岡  望君        文部科学大臣官        房審議官     前川 喜平君        文部科学大臣官        房審議官     久保 公人君        文部科学省国際        統括官      木曽  功君        文化庁文化部長  尾山眞之助君        厚生労働大臣官        房審議官     森山  寛君        厚生労働大臣官        房審議官     草野 隆彦君        厚生労働大臣官        房審議官     村木 厚子君        厚生労働大臣官        房審議官     木内喜美男君        厚生労働大臣官        房審議官     木倉 敬之君        厚生労働大臣官        房審議官     間杉  純君        厚生労働省職業        安定局高齢・障        害者雇用対策部        長        岡崎 淳一君        厚生労働省政策        統括官      薄井 康紀君        社会保険庁運営        部長       石井 博史君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○少子高齢化共生社会に関する調査  (「コミュニティ再生」のうち外国人子女  等の教育及び労働者社会保障)     ─────────────
  2. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) ただいまから少子高齢化共生社会に関する調査会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日までに、森田高君及び山本博司君が委員辞任され、その補欠として大河原雅子君及び渡辺孝男君が選任されました。     ─────────────
  3. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) 少子高齢化共生社会に関する調査のうち、「コミュニティ再生」を議題とし、外国人子女等教育及び労働者社会保障について、おおむね午後三時まで質疑を行うことといたします。  議事の進め方でございますが、あらかじめ質疑者を定めず、自由に質疑を行っていきたいと存じます。  質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を受けてから御発言をいただくようお願いいたします。  また、一回の質問時間は答弁及び追加質問を含めまして最大十分として、できるだけ多くの委員発言機会を得られますよう、質疑答弁とも簡潔に行っていただくよう御協力お願いいたします。  なお、質疑及び答弁とも着席のままで結構でございます。  それでは、質疑のある方は挙手を願います。  岡崎トミ子君。
  4. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 民主党・新緑風会・国民新日本岡崎トミ子でございます。  まず、法務省伺いたいと思います。  いわゆる入国管理制度一元化についてお聞きしたいと思います。  的確な住民サービス提供するために登録制度を改めてほしいという自治体側からの要求が出るのは自然だと思っておりますが、一方で、外国人住民の中には入国管理制度一元化が単なる管理強化になってしまわないかという懸念もあると聞いております。例えば、今議論されております仮称在留カードの常時携帯が義務付けられ、一見して外国人と分かる方が度々警察に呼び止められて、在留カードを持っていないと厳しい扱いを受けるということになったりしては、外国人住民コミュニティー一員として受け入れられないという気持ちをあるいは疎外感を感じさせることになってしまうと思います。  現在検討中の入国管理制度一元化について、住民サービス提供こそが眼目でありまして、その方向制度設計を進めること、間違っても外国人住民疎外感を覚えさせたり、あるいは不合理な不利益を被らせることのようなそういう運用にしてはならないと思いますけれども、そこのところの認識と、具体的にそうした観点からどのような議論をしているのか、さらに、現時点での方向性をお聞きしたいと思います。  質問を続けたいと思います。  次に、外国人住民教育の問題についてで、学校教育制度に関する情報提供の改善について、文部科学省伺います。  参考人質疑を通しまして、外国人住民が適切なサービスを受けてコミュニティー一員として参加できるようにするためには、必要なサービスは、場合によっては彼ら、彼女自身がコミュニティー一員として貢献するために必要な情報をタイムリーに得られることが大事だということがうかがわれました。  政府は、外国人住民子供たち教育を受ける権利を保障するための最大限の努力をすべきだと思います。まず第一に、入国管理制度一元化を待たずに、入国したときに直接又は就業先就職先ですね、そこを通じて学校就学支援制度を含めた教育制度に関する情報多言語提供するように、関係機関協力して行うべきではないかと思います。  それから、厚生労働省伺います。  社会保障の問題として、職場での社会保険加入を促すために、その施策ですけれども、どのようなものが可能か、お教えいただきたいと思います。  一つ短く聞きたいと思いますけれども研修技能実習制度についてなんですけれども、今これが安い労働力として中小企業や農業あるいは人手不足分野に低コストの労働力を供給する仕組みになってしまっている面がありますので、この研修生実習生人権という観点からもいろんな問題が出てきております。  そこで、何としても、本来の国際貢献の一環として行われる研修技能実習制度について一つ、それからもう一つは別枠で労働条件のルールも整えてきちんとした形で受け入れるべき、この原則を打ち出すことが必要ではないかと思いますけれども、その点についてもお伺いします。
  5. 河井克行

    ○副大臣河井克行君) まず、最初質問をいただきました新たな在留管理制度についてでございますが、御承知のとおり、今年の三月二十六日に法務大臣の私的な懇談会から提出をしていただきました報告書、私も大臣諮問のときに同席をさせていただきました。  先ほど先生から御指摘をいただきましたことにもかんがみますけれども日本人外国人お互いお互いを尊重し合って支え合い、助け合いながら共に生きていく、そういう共生社会の実現を目指すために今回の新しい制度をつくり上げるわけでありまして、的確な在留管理必要性日本適法に在留する外国人利便性向上、この両者の要請に均衡の取れた内容になっていると考えておりまして、先生ちょうど今御指摘をいただいたような一方のいろんな懸念、表明をしていただきましたけれども、決してそういうことがないように、両方ともしっかりと両輪として支え合っていかなくちゃいけない、そのように考えております。  それから、外国人在留管理のことにつきまして、特にコミュニティーの中の一員としてしっかり受け入れる、私は、その中でも特に子供就学支援というものについてしっかりとやっていくべきだというふうに考えておりまして、今回のこの制度におきましては、生活者としての外国人支援する政策が推進されるとともに、在留期間の更新などにおいて義務教育の年齢にある外国人子供が不就学、現実ではたくさんあります、私も以前調査をしたことがありまして、不就学がたくさんある実態を知っておりますけれども、そういうものを知った場合には市区町村と連携して不就学の解消に向けた対応を行うと、こういったことも今回の制度には、この提言の中にしっかりと入っているものだというふうに考えております。
  6. 池坊保子

    ○副大臣池坊保子君) 文部科学省といたしましては、外国人子弟日本に参りましたときに速やかに就学できるようにということで、公立義務教育学校への無償の受入れ日本語指導教員の配置などを行っておりまして、外国籍子供公立義務教育学校への就学機会を逸することのないように、日本教育制度就学手続などについてまとめた就学ガイドブックポルトガル語中国語等言語で作成し、教育委員会に配付するなどの就学支援を行っております。  平成十九年度からは、これに加えて、地域における就学支援のためのモデル開発のための調査研究事業や、外国人のための日本語での教科指導のためのカリキュラムの普及促進などを実施しております。そしてまた、それと並行いたしまして、有識者による検討会などの様々な検討も行っているところでございます。  そしてまた、外国人子弟を受け入れるのは市町村でございますので、帰国・外国人児童生徒受入促進事業においても外国語の分かる地域人材指導補助員として学校に配置するなど、なるべくきめ細やかに市町村レベルでもきちんとした対応をしていきたいというふうに考えております。  日本語指導というのが一番大切かと思いますので、教科指導に当たっては児童生徒一人一人に応じたきめ細やかな指導を行うこと、また言語生活習慣の違いなどによる不適応の問題が生じないよう当該の児童生徒への接し方や学級経営に配慮すること、並びに外国人児童生徒の有する外国での貴重な生活経験等教科学習や総合的な学習の時間での学習活動で生かせるようにというような努力もいたしております。  児童生徒用の教材や教員用指導資料の作成、教員に対する研修会の開催なども行って子弟教育のために力を貸しております。
  7. 西川京子

    ○副大臣西川京子君) 厚生労働省の方から申し上げます。  岡崎先生から外国人労働者の問題についての御質問がありましたが、まず、受入れの基本的な考え方といたしまして、日本の場合、外国人労働者については、我が国産業高度化経済社会活性化観点から、専門的、技術的分野外国人労働者就業促進というのが片方ではあります。そして、やはり単純労働者に関してはかなり慎重という立場でございますけれども、その中で、やはりEPAその他外交的考慮国際貢献立場、そういう意味からの外国人研修制度というのを今設けております。  その中で、外国人研修技能実習制度におきましては、労働力の確保ということだけでなくて、技能移転を通じた開発途上国への国際協力ということを大きな目的としているところでございます。その中で、一部、受入れ企業あるいは受入れ団体におきまして大変不適切な研修が行われていると、外国人労働者の方が大変低賃金で過酷な労働を強いられる、そういう状況実態が間々見られたことは事実でございます。  そういう中で、実習生に対する賃金未払等の事案が発生しています。このことに関する適正化対策といたしまして、財団法人国際研修協力機構、JITCOと申しますけれども、そこを通じた受入れ機関に対する自主点検及び受入れ団体企業に対する巡回指導などの強化を行っております。それから、入国管理局労働基準監督機関との連携等を通じまして、制度の適正な運営に努めているところでございます。  それからまた、この制度自体をもう少し見直そうという動きもありまして、研修生への法的な保護を図る観点から、労働関係法令適用することも含めまして、遅くとも平成二十一年通常国会までに関係法案提出等措置を講ずる、これは規制改革推進のための三か年計画、昨年の六月に閣議決定をされておりますが、そういう状況でございます。  以上でございます。
  8. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 職場での社会保険加入に関しての答弁が抜けておりますので。
  9. 岡崎淳一

    政府参考人岡崎淳一君) 企業で雇われている方々については、社会労働保険、ちゃんと入っていただくことが必要というふうに考えております。  昨年、雇用対策法改正をしていただきまして外国人雇用指針というのを作りましたが、その中でも、事業主はきちんと労働者の方に社会労働保険制度を説明するとともに必要な手続を取らなければいけないと、こういうことを定めてこの周知に努めております。  また、外国人雇用状況届出制度も併せてつくっていただきましたが、この届出事業所につきまして、そういうことがきちんと行われるようにきちんとした指導をしていきたいと、こういうふうに考えております。
  10. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 ありがとうございました。
  11. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) 次に、礒崎陽輔君
  12. 礒崎陽輔

    礒崎陽輔君 自由民主党礒崎陽輔でございます。  私もちょっと一括してお伺いをいたします。通告がないので、簡単な順で行きたいと思いますけれども、まず法務省にお伺いいたします。  在留管理制度改正、この前も質問いたしましたけれども、これ法務省総務省が一生懸命協力して今やっていただいておりまして、内容的にもいい方向で動いているのだと私は考えておりますけれども一つの問題がスピード感でして、ちょっと我々立法側考えているのよりもやや遅い感じがしております。  まず、法案提出については、まだ役所側は来年の通常国会と言っておりますけれども、我々はできたら臨時国会ぐらいに出してほしいですし、それから、その後の施行のまだめどが立っていないと、施行をいつごろにするかと。これはコンピューターの整備とかあるいはそういったプログラムの整備、そういうものが要りますので一定期間は掛かるとは思うわけですけれども、余りこれは先延ばしされますと、外国人管理者、特に地方公共団体との関係では本当に急いでくださいという意見が物すごく強いんですね。何年というのは私は聞いておりませんが、是非とも副大臣の方からの御指示で、もっと急ぐようにと役所の方に督励いただきたいと思いますが、よろしくお願いをいたします。  次に、厚労省の方にお伺いをいたします。  この調査会の中で、外国人国民健康保険の未加入問題がよく議論されます。年金の問題もありますけれども年金は長期的な問題ですから、これも考えなきゃいけませんけれども健康保険の問題はもっと身近な問題であろうと思います。  言うまでもなく、外国人健康保険に入っていないために医療が受けられないということは当然これは考え得ることでございまして、いろんな対策を講じていかなければならないと思うんですが、なかなかまだ対策が十分ではないというのを参考人報告の中でも私ども聞いておるわけであります。  一体、厚生労働省はこの問題、外国人の未加入問題についてどういう努力をなされておるのか、あるいは今後どういう努力をなされる考えなのか、役所側のお考えをお伺いをいたしたいと思います。それは非常に大事な問題でありまして、我が国はもう皆保険ですから未加入はこれは明らかに違法なわけですから、これだけの実態をいつまでもほっておくわけにはいかないと思います。また、所得に応じた負担ですので、日本の場合はそんなにひどい負担でもないと思うんですけれども、もう少しやはり役所として努力をなされるべきではないかと思いますが、その辺のお考えをお伺いいたしたいと思います。  それから、三つ目文部科学省にお伺いをいたします。  これもこの調査会の出張時に知った話でありますけれども外国人学校寄附金の問題がありますけれども、なかなか、多分財務省文科省、どっちが言っているのか知りませんけれども特増法人に認めてもらえない、したがって企業の方の寄附が控除を受けられないと、そういうような問題があると聞いております。  なかなかこれ、難しい問題がある背景も私は全く分かっていないわけではないわけですけれども、やはり現場へ行って聞きますと、かなりこれは深刻な問題なようでございまして、何かやはり隘路を見付けて、我々としても必要なところの寄附がより集まるように政府としても支援をしていく、そういう必要があると考えるんですが、どういう問題があって、今後文科省がどのようにお取り組みなさろうとなさっておるのか、その辺のところをお伺いをいたしたいと思います。
  13. 河井克行

    ○副大臣河井克行君) 先生には前回のこの調査会でも御質問いただきまして、御関心をいただいております。  そもそもこの新たな在留管理制度なんですけれども自由民主党平成十七年の三月に治安対策特別委員会で小委員会設置をしていただきまして、六月に、新たな入国管理政策への提言という形でお取りまとめをいただいて政務調査会で御決定をいただいておりまして、政府としましては、それを受けていろいろと動きを行っております。  法務省では、平成十九年の二月に法務大臣在留管理専門部会設置ということでございますので、党側から御提言いただきましてから一年半年後ぐらいに具体的な動きが始まったということでありまして、早く法案を出せということでありますけれども、できるだけ急ぐように、これ、あくまでも先生、遅くとも平成二十一年の通常国会までに提出ということでありますが、いろいろと課題もあるようでして、例えば法務省データシステムなどの構築の研究とか検討、それから一番やっぱり厄介なのが、市区町村その他関係者との十分な調整が法案を出すまでに必要になってくるだろうと思われますが、せっかくの先生の御指摘でありますので、法務省おしりをしっかりたたいて督励をいたします。  施行日についてなんですが、これも見えていないじゃないかということなんですけれども住基ネットが約三年掛かったんですね、公布から施行まで、住基カードが約四年掛かっておりますが、それと比較して短くなるように、一、二年ぐらいでできるようにしっかりとおしりをたたいていきたいと思います。  以上です。
  14. 西川京子

    ○副大臣西川京子君) 御質問健康保険制度についてお答えさせていただきます。  我が国におきましては、社会保障制度、これはもう国民生活を守るセーフティーネットとして大変重要なわけでございまして、これは原則として、適法に滞在されていらっしゃる外国人に関しましては国籍にかかわらず日本人と同様に適用する、そういうことになっております。  その中で健康保険は、適用事業所常用的使用関係にある場合は社会保険加入することとされております。このため、第一義的にその使用者であります事業主の責任において保険者に対し資格取得届出が適正になされなければならないものでございますけれども社会保険庁におきましても、適用事業所事業主に対して適正な届出の奨励、この指導を行っております。それから、特に外国人労働者等が多いと見込まれる事業所に対しましては重点的な事業所調査の実施などの対策を行っており、引き続き社会保険の適正な適用に努めてまいりたいと思っております。  仮に他の公的医療保険制度適用を受けない者であっても、在留資格を持って我が国に滞在し、外国人登録法に基づく外国人登録を行っており、かつ一年以上の在留期間を認められた者については国民健康保険適用されるということでございます。
  15. 池坊保子

    ○副大臣池坊保子君) 外国人学校寄附税制上の優遇措置についての御質問でございます。  各種学校でございます外国人学校に関しましては、通常寄附と同様、一定額まで損金算入することができます。準学校法人と言われますような短期滞在外国人子女を多く受け入れている一部の各種学校設置する法人について、対内直接投資の促進という政策目的を達成するため、特に寄附金損金算入範囲拡大などが認められております。  また、指定寄附金とか特定公益増進法人対象になりますものは、委員も御存じのように優遇措置がとられておりますけれども、その対象外のものは今のところは税制上の優遇措置というのがございません。これを、新たに外国人学校範囲拡大を行うには、新たな政策目的やその目的を効果的に達成するための制度的基準などについて検討が必要かと思いますので、これからも研究をしてまいりたいと思っております。  私ども文部科学省研究をいたしますあるいは検討をいたしますとともに、財務省の理解も得なければこれは図れないというところがちょっと私どもとしてはつらいところでございますが、これからも外国人学校寄附税制上の優遇措置拡大できるように尽力してまいりたいと思っております。
  16. 礒崎陽輔

    礒崎陽輔君 法務省は、じゃその方向でよろしくお願いを申し上げます。  厚生労働省国民健康保険の問題は御努力なさっているようですけれども、なかなかまだきちっと一人一人の外国人までそのメリットの広報が行っていないという意見がありましたので、一層の御尽力をお願いをいたしたいと思います。  それから、文科省の問題、私も難しい問題あるのはよく分かっておりますけれども、今後、与党の方でも少し文科省と御議論をさせていただきたいと思いますので、是非御協力お願いをいたしたいと思います。  終わります。
  17. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) 次、鰐淵洋子君。
  18. 鰐淵洋子

    鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。  本日は大変にありがとうございます。私の方からは、外国人児童生徒教育について三点にわたりまして質問させていただきたいと思います。  本調査会におきまして、現場方々現場外国人児童教育に携わっている方々自治体方々、また専門家方々、そういった参考人の方からいろいろ御意見を伺ってまいりました。  まず最初に二つ、現場の方からいただいた声を基にお伺いをしたいと思っておりますが、この外国人子女子弟教育の問題につきましては、外国人児童生徒と併せて、かかわってくださる現場学校先生方にも大きな問題というか課題があるかと思います。  ほとんどの先生方は、一般的には外国人児童とかかわることのない、そういった経験のない方が現場に携わっていらっしゃるということですので、そういった外国人児童生徒がどういった環境の中で育ってきたのか、またどのようにかかわったらいいのかということが、ほとんどの方がそういったことを知らない状況現場に行かれるというのがほとんどかと思います。ですので、先生方にしてみますと、ほとんどの方が戸惑いであったりまた負担になっている部分もあるのではないかと思いまして、そういった意味でも現場で頑張ってくださっています先生方の環境整備支援体制ももっとしっかりとつくっていく必要もあるかと思っております。  そこで、参考人の方からいただいた御意見にもあるんですけれども教員養成の中で外国人児童のかかわり方、外国人児童はこういった問題というか課題を抱えているとか、そういったかかわり方、心構えのようなそういったものをこの教員養成の中にしっかりと取り入れていただいて、現場でしっかりと先生方がそういった子供たちとかかわれるような環境整備をした方がいいんではないかという御意見をいただきました。  今後、この教員養成の在り方も含めて、先生方の働きやすいというか頑張っていける環境整備についてどのようにお考えになっているかということをまずお伺いをしたいと思います。  二点目に、日本語指導が必要な外国人児童生徒ということで、こちらも文部科学省の方で調査を行っていただいておりますが、実際にどのような児童生徒日本語教育が必要なのかということで、その明確な基準というか定義がないのではないかという、そういったお話もございました。ですので、基本的には現場で、現場学校がそれぞれ判断をしていらっしゃることですので、一般的には学校で日常生活の会話ができるようになれば、これは予算の問題もあると思うんですが、この日本語指導というのが基本的には打ち切られるというか、これが実態だと思います。  ですので、本当に授業に付いていける、授業を理解できるまでの日本語を習得しようと思ったときにどういった教育が必要なのか、児童に対して日本語教育が必要なのかという定義というか認識をどのように文部科学省が持たれているのか、その点をお伺いをしたいと思います。  最後に、先日、中央教育審議会から、教育振興基本計画について答申が発表されております。その中で、特別なニーズに対応した教育を推進するという項目がございまして、その中で、外国人児童生徒など特別なニーズを有する者に対応した教育を推進する、こういった部分がございました。実際に具体的にどのような取組を考えていらっしゃるのか、取り組みになるのか、その点をお伺いをしたいと思います。
  19. 池坊保子

    ○副大臣池坊保子君) 外国人児童生徒に対して専門的な教員が必要なのではないかというような意味を込めての第一の御質問であったかと思います。  外国人児童生徒指導に当たっては、通常教科などの指導とともに適応指導日本語指導を行うことができる教員を確保することが必要ではないかと思っております。  このために、文部科学省においては、独立行政法人教員研修センターとの共催によって、外国人児童生徒指導に当たる教員等を対象に実践的な日本語指導法等に関する研修を既に実施いたしております。また、小学校、中学校教員等を対象にして、教科学習を行いながら学習言語能力の育成を図るための指導資料であるJSLカリキュラムの普及を図ることとし、このための研修等を内容とするJSLカリキュラム実践支援事業を平成十九年度から開催いたしました。  今、有識者による懇談会も設けておりまして、外国人児童生徒指導を担当する教員の資質向上対策について検討を進めております。今年の夏ごろにはその方針を出していきたいというふうに思っております。  それと、今おっしゃいました中にございましたように、生活していく上に必要な言語とともに、学習言語と申しまして、授業に必要な、例えば三角形の何のと、算数とか理科とか入りますと細やかな学習言語というものも必要になってまいりますので、併せて生活言語だけでなくて学習言語も学ぶことができるようにということで、きめ細やかな教員研修を行っているところでございます。  日本語が必要な外国人児童生徒受入れ状況に関しまして、平成十三年度、きちんと調査をいたしました。日常生活で、今申し上げましたように、日常会話が十分にできない児童生徒、それからまた、日常会話はできるけれども学年相当の学習言語が不足して学習活動への参加に支障が生じている、そのための日本語指導が必要な生徒ということもきちんと明確化を図って指導しているところでございます。これは、学校とか教育委員会関係者にこの内容をしっかりと周知していかなければいけないと思っておりますので、周知していきたいと思っております。  中教審においてどのようなことを言われていて、それは具体的にどのようなことになるのかという御質問であったと思います。  教育基本法が改正されまして、今教育振興基本計画を作成中でございます。その作成に際しまして、中央教育審議会の答申をいただきましたけれども、その中においても、外国人児童生徒等の指導に当たる人材の確保や資質の向上、指導方法の改善、就学促進等の取組を推進することということが盛り込まれておりますので、これに照らし合わせまして具体的にこれから計画を立ててまいりたいと思っております。
  20. 鰐淵洋子

    鰐淵洋子君 大変にありがとうございました。  外国人子弟教育につきましては、これはもう学校現場だけの問題ではなくて、地域又は地域自治体そして企業等、本当に社会全体の課題としてしっかり取り組んでいかなければいけない課題と思いますが、是非とも、先ほど申し上げましたが、先生方の環境整備も含めて、しっかりまた現場の声を聴いていただいて、本当にこの外国人教育問題、私たちもしっかりと取り組んでいきたいと思いますが、文部科学省におきましても、現場の声をまずしっかりと聴いていただいた上で、引き続きしっかりと対応お願いしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  ありがとうございました。
  21. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) 紙智子君。
  22. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  私は、最初厚生労働大臣にお伺いしますけれども外国人社会保障の問題の中でも特に医療問題というのはすごく深刻だと思います。急いで対応しなければならないというふうに思うわけですけれども、例えば雇用主である派遣元、業務請負業者が保険負担をやはり避けるということで、健康保険加入させないケースも現実にあると。先ほど、適正にされるように指導を強めていくし調査もしているという話もあったんですけれども現場ではやっぱり加入を拒まれると。それから、オーバーステイの場合は健保、国保共に加入をできないで、緊急の場合でも生活保護の医療扶助は適用されないと。そういう中で、多くの外国人医療保険制度から除外されて医療にかかれないということもあるわけです。  先週、先々週と参考人質疑やられましたけれども、AMDAの小林医師もいろいろ紹介されていましたけれども医療機関で医療費が回収できないという事態も含めてあるということで、そういうやっぱり問題は放置できないわけですけれどもね。  それで、ちょっとお聞きしたいのは、何らかの事情で健康保険加入できない人には国民健康保険加入を勧めると。せめて緊急に医療が必要な場合、緊急ですね、せめて緊急に医療が必要な場合、在留資格のあるなしにかかわらず生活保護を適用し、急迫保護としての医療扶助の適用は必要じゃないかということなんです。  これは、先週、参考人の方に聞いたときに、いろいろ考え方はおありのようですけれども、ドイツやイギリスやフランス、アメリカなどの諸外国状況を見ても、やはり緊急医療に関しては在留資格にかかわらず保障されると。この資料ありますけど、この中見ますとそういう外国の例ということで結論的にそういったことも書かれているわけです。少なくとも、命にかかわるそういう緊急医療は保障されるということが先進国の姿じゃないのかなと。我が国もそういう点では早急に検討すべきだということがあります。これについて、いかがでしょうか。
  23. 西川京子

    ○副大臣西川京子君) 外国人の救急患者にどう対応すべきかという問題にお答えしたいと思いますが、基本的には、まず短期滞在者で我が国を出国することが見込まれる外国人については、生活の本拠地がなお母国にあるというようなことから、民間の医療保険対応すべき。あるいは、長期に滞在している不法滞在者その他、そういう方については、生活保護も適用されないといういろんな状況があって今のような状況が出ているんだろうと思います。  その中で、やはり何といっても医療に関しては生命にかかわることでございますから、まず医療機関の方に受け入れていただくという指導その他は私も必要だと思っております。  その中で、何としてもこの未収金の問題というのがやっぱり医療機関で一番大きいことなんだろうと思うんですね。それで、外国人の救急患者に関する未収金問題について国はどうするかということでございますけど、平成七年に外国人に係る医療に関する懇談会報告書を受けまして、平成八年には外国人に係る救急医療において、生命に直結するような緊急かつ重篤な疾病について必要な医療提供する救命救急センターに対し財政措置を講じているところでございます。これにつきましては、やはり全部にというのはなかなか厳しいところがありまして、二十万円以上になった場合、これはもう厚労省の方から予算を最低補てんすると、そういうシステムで一応対応させていただいております。  これから様々な中でそういういろんな状況が出てくるかと思いますけれど、これから適切に対応、できるだけ努力したいと思います。
  24. 紙智子

    ○紙智子君 やはり少なくとも先進国という我が国において、是非早急にそういう体制というか、現実にはやっぱりなかなか対応し切れていないということですので、それは急いで検討していただきたいというように思います。  次に、文部科学大臣にお伺いいたします。  国際人権規約、そして子どもの権利条約などの国際条約上でも子供教育を受ける権利というのは保障されているわけです。ところが、我が国の場合は、外国籍子供たち我が国教育行政では、すべての外国人子供の学ぶ権利というのは保障するというふうにはなっていないわけですね。すべての子供というふうにはなっていない。やる気のある人はいいですよとなっているけれども、すべて網羅できるとなっているわけじゃないと思うんです。  それで、南米日系人を始めとしてのこの外国籍子供たちの多くが、言わば親が置かれている不安定な労働環境に左右されて、学ぶ機会を奪われてしまっていたり劣悪な環境の中で学ばざるを得ない状況に置かれているわけです。四月十六日の参考人質疑の中でも不就学の深刻な事態が示されていて、国としての実態掌握ということでは、さっきもちょっと出ていましたけれども、一応外国人が住んでいる集住地区の自治体に委嘱した調査はあるんだけれども、でも全体としてはやれていないと思うんですよ。ですから、全国的な不就学実態調査をすべきじゃないかということがまず一点です。  それからもう一つは、ブラジル人学校を始めとした南米系の外国人学校は、非常に学齢期の子供たちが学ぶ重要な場所に実質的になっているわけですけれども、やっぱり財政基盤が非常に大変だということで、ブラジルの教育省の認可校であってもつぶれてしまっているという例が報道されているわけですよね。やっぱり現実に親の負担も大変で、義務教育だったら基本的には無償なわけだけれども外国人学校の場合はそれこそ授業料、給食費、それから学用品、親の負担も大きいし、辞めざるを得ない事態もあるわけです。  それで、実際に多くの子供たちを今抱えてやっているというわけですから、それに対してつぶれていくのを放置できないというふうに思うわけで、国の支援がやっぱり必要だというのはひとしくというか、参考人の方も言われていたと思うので、これについてどのようにしていくのかということについて、二点お伺いします。
  25. 池坊保子

    ○副大臣池坊保子君) 今、紙委員がおっしゃいましたように、外国人については、その保護する子に憲法及び教育基本法上の義務教育を受けさせる義務は課せられておりませんけれども、国際人権規約あるいは子どもの権利条約などを踏まえまして、日本子供と同じように無償で受け入れるということにいたしております。  不就学外国人児童生徒支援事業の一環といたしまして、外国人が多数住んでおります自治体は、今委員がおっしゃいますように、戸別訪問による実態調査をいたしているところでございます。それ以外のところにおいても、全国すべてにおいて子供の不就学状況について把握したらという御質問でございます。  これを全国的に実施いたしますのは、親が雇用されている企業にきちんと届出をしておりますところは私どもも把握することができます。けれども、そうでございませんで、あちこちと転居する場合には戸別訪問でその実態調査をしなければなりませんので、自治体側の体制とか負担の問題などを考えますと慎重に判断する必要があるんじゃないか。もちろん、それによって全国の不就学外国人子弟の数を把握できますことは次のステップに向かっての大切なことだとは思いますけれども、実際問題として自治体負担が極めて大きいのではないかというふうに考えております。  外国人就学援助において、外国人児童は大変に生活も苦しい、そういう子供たちの教材とか就学支援はどうなっているかという御質問だと思います。これは、就学援助の具体的な実施内容は、御存じのように、実施主体でございます市町村が定めるところでございますので、外国人児童生徒の家庭を対象とするか、しないかというのは市町村地域の実情に応じて判断しているところでございます。  文部科学省としては、市町村に対して、公立学校、中学校に在籍する外国人児童生徒に係る就学援助については、日本人子女の場合に準じて同様の取扱いをするようにと通知をしてお願いしているのが現状でございます。複数の市町村から聴き取り調査をいたしましたところ、外国人児童生徒の家庭も就学援助の対象としている給付の実例も、北海道の札幌市とか、群馬県伊勢崎市とか、兵庫県、あるいは熊本県熊本市、兵庫県は西宮市でございますけれども、そういうところがございます。これからも市町村にそれを促してまいりたいと思っております。
  26. 紙智子

    ○紙智子君 やはり考え方の基本に、日本子供たちはもちろん日本の中でやるけれども外国人についてはその国で基本的にはやりなさいというのが基本にあるんだと思うんですよ。でも、実際に、日本のような国の場合は財政力も結構ある方だと思うんですけど、そうじゃない国からの子供たちの場合はなかなかできないということが現実にあるわけで、その子が、じゃ学ぶ機会がなくていいかというと、やっぱりそうじゃないと思うんですね。  そういう意味で、やっぱり本当に抜本的な強化ということでは考えていく必要があるんじゃないかということをちょっと申し上げて、私の方からは時間になりましたので終わります。
  27. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) 木俣佳丈君。
  28. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 民主党の木俣でございます。  三人の副大臣伺いたいと思いますが、外国人労働者問題という私名称も余り好きではなくて、やはり労働のためにだけ日本に来ていただくというのもすごく何というか偏狭というか狭い感じがしまして、つまりは移民政策ですね。移民政策というのは、私この日本で二十一世紀最大の課題だという認識をしております。これをとにかく門戸を開放して、やはり質のいい外国人をどういうふうに日本が受け入れていくかということが二十一世紀の日本決定的になるだろうという認識でありまして、もっと門戸を開くべきであるという立場にあります。  ただ、一方で、研修生の問題ということで、問題たくさんあるわけでございますね。これは九〇年代、具体的に言うとJITCOのポジションペーパーなんかを私ども作った者として非常に反省も含めて今いるわけでございます。  いずれにしましても、人口減少を踏まえて日本の国力をどういうふうに維持していくか、国力というのは別にハードの労働力ということだけじゃなくて、やっぱりブレンドをしていく中でソフトパワーというか、というものをどう維持していくか、日本がどう変わっていくかということであると私は考えております。  その前提に基づきまして、一つ政府がどんな会議があるかというと、外国人労働者問題関係省庁連絡会議というのが設置をされているわけでございます。これは多分、後ろにいらっしゃる方々がお出になっている会議でありますが、しかしこれ実務会議が昭和六十三年にできて、それからずっと実務会議しかないんですよ。私の認識では、当然ながら閣僚懇談会とか閣僚会議というものが必要だと私は思いますが、三人の副大臣に、まずその辺りの認識、どういうふうにお考えかというのを一点。それから、この閣僚会議が必要かというのが一点。  それからもう一つは、先ほどの私の認識でありますけれども、つまり国力を、国力というのはハード、ソフト両面でありますが、維持するためには、やはり外国人方々にとにかくたくさん、世銀の報告なんかだと毎年五十万人は要るじゃないかなんという報告もありますね、今の経済力を維持するためにはですね。そこまでいくかどうかはともかくとして、相当な勢いでその移民政策を転換していく必要が私はあると思いますけれども、その辺りの認識を短く三者から伺いたいというふうに思います。  以上です。
  29. 河井克行

    ○副大臣河井克行君) たしかせんだってのある新聞に、今委員が御指摘になりました外国人労働者という呼称自体が課題を含んでいるんじゃないかということを私も興味深く拝見をさせていただきました。  今後の日本社会の活力を維持する上で門戸を開放すべきか否かという御指摘でございますけれども、私は基本的には慎重にすべきだというふうに考えております。  それは、つまり日本経済の底力というのはあくまでも民間企業の活力なんですね。確かに、それは私の地元でも外国人労働者の方がたくさんやってきていただいて、いろんな現場を支えていただいているという実態はよく承知をしているつもりであります。ありますが、やはり私は企業の経営ということを考えたときに、もっと高い付加価値を日本企業社会はつくるように常に目標を高く、志を高く持っていくべきだと。  ゆめゆめ安価な労働力外国から移してきて、それに言わば依存する、頼っていく、そういうことで現状をしのいでいくという発想ではなくて、そういうふうな現実ももちろんあることは承知しておりますけれども、やはり私は、それに加えて、もっと日本企業でしかつくり上げることができない高い付加価値をつくるべきであるという観点から、私はこのより一層の開放ということについてはまだいろいろと議論をしていく必要があるというふうに思っております。  閣僚会議のことについては今初めて御指摘をいただきまして、またしっかりと勉強していきたいと思います。
  30. 池坊保子

    ○副大臣池坊保子君) 今、委員がおっしゃいますように、外国人が多く日本に来られて、日本語能力が十分でないために地域社会との間であつれきや摩擦が起こっている、あるいは、それとともに、地域社会活性化しているという面も大きいのではないかと思います。  それらの問題を解消するために、内閣官房に設置されております外国人労働者問題関係省庁連絡会議など各種会議はございます。それを閣僚会議までするべきではないかとおっしゃることに関しましては、今ちょっと私はここではお答えできないと存じますけれども、その関係省庁連絡会議を受けまして文部科学省といたしましては、生活者としての外国人のための日本語教育事業というのをいたして、平成二十年度もしっかりと今予算を取ってやっているところでございます。  私は外国人子弟教育について勉強会をやっておりまして、今何が問題なのか、そしてそれを解決するにはどうしたらいいかということを各方面からヒアリングを行っております。その中で感じますことは、もちろん国策としても、これから教育をきちんと受ける、子供たち社会に出て日本で生きていくわけですから、この教育はしっかりやらなければならないと思いますけれども、また受け入れる企業の、雇用をなさる方の企業の問題もあるんじゃないか。企業主との連携というのが大切だというふうに感じておりますので、これからも経済産業省や法務省と連携を取りながらこうした問題に対して取り組んでいきたいと思っております。
  31. 西川京子

    ○副大臣西川京子君) お答えさせていただきます。  今の移民政策というお言葉がありましたが、この問題は、我が国の産業のみならず、社会生活、国民生活すべてのことに関して大変総合的に考えなければいけない問題だとまず思っております。  その中で、厚労分野に限りますと、労働力の不足のために外国から労働力を入れると、こういうことに関しては今、結局ヨーロッパ社会を皆さんも御覧になるとよく分かると思うんですが、それぞれの国において大変な社会問題化している。むしろ、それぞれの国内での格差を拡大しているような方向に行っている大きな要因になっていることは事実です。そういう意味で、医療社会保障あるいは教育地域社会、そういう様々なことについての影響の中で、治安という問題も含めて、これはかなり慎重に考えていかなければいけない問題ではないかなと私は思っております。  その中で、厚生労働省としては、専門的あるいは技術的専門分野、スペシャリスト、いろんなそういう立場の方は主に歓迎して入れるということ、そして単純労働に関してはやはり今慎重な、研修制度その他いろんな方策を考えながら少しずつそれを広げていけばいいのかなという、そういう状況の中にあります。  その中で、確かにこのままでは、日本の人口がどんどん減っていく中で手をこまぬいていていいのかと、そういういろんなお考えもあると思います。もちろん、国際的な融和という、そういう大きな問題もあると思います。その中で、やはり今のままの産業構造がいくわけではないわけですから、やはり産業構造自体がいろんなことに変わっていく中で、日本の人口動態とその辺は密接にかかわっていく中で、やはり長期的スパンの中でこれは慎重に対応していくべき問題だと思っております。  その中で、当然、今でも関係閣僚の会議の中でも他省庁と連携しながら私ども考えておりますので、鋭意御相談させていただきたいと思います。  以上です。
  32. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 以上です。
  33. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) 古川俊治君。
  34. 古川俊治

    ○古川俊治君 それでは、自由民主党、古川俊治の方から、最初厚生労働大臣の方に御質問させていただきます。  参考人のここでも御意見を聴取いたしまして、そのときにあるクリニックの先生がいらっしゃいました。外国人医療提供につきましてはやはり様々な支援が要ると考えられます。その先生は、通訳を自ら雇って患者さんのために自前でやられていたということでございますが、支援には患者さん、医療を受ける側への支援、これは言葉を中心とした様々な文化的な背景の違い等に関する支援もあると思います、そういった情報支援。それとともに、医療側、今度は医療提供する方については、これはまず一つが、情報のツールという意味では、やはり医療従事者はもちろん言語が分かりませんので、そういうツールが、情報支援あるいは言語支援ということが考えられると思います。  それと同時に、特に提供側には、先ほどの紙委員から御質問がございました、これと同趣旨なんですが、特に現在の応招義務の世界ですと、これは医療現場は受けなきゃいけないんですね、緊急の医療というのはすべて受けています。ですから、これが実際実施されていて、ところが財政的な支援がないものですから、まるで医療機関にそれを投げて負担させているのが現状なんですね。そういう意味では、これ外国人をなかなかうまく、インセンティブも働かないし、受け付けてみようという気が起こらないのが事実であります。  そういう現状につきまして、財政的な支援という意味では、どの程度現状はお取り組みいただいているのかについて伺いたいと思います。
  35. 西川京子

    ○副大臣西川京子君) 今、古川先生から御質問いただきました。確かに、この医療現場においては外国人日本人関係なく、即対応するのが医療のもうそのものでございます。その中で、確かに、その後のいろいろな医療費の問題その他で大変あちこちでトラブルが起きているというのも現状でございます。  そういう中で、先ほど紙委員にも御説明させていただきましたが、救急救命センター、これは全国で二百九か所、一応、各自治体で一般財源で対応しているところでございまして、その中で、一件につき二十万円を超えるものは厚生労働省の予算で対応すると、今それが現状でございます。この中で先生からの御意見もちょうだいしながら、これからなおかつもうちょっとしっかりした対応ができるのかどうか、しっかりと対応してまいりたいと思います。
  36. 古川俊治

    ○古川俊治君 情報的なツールの支援についてはいかがでしょうか。それは、患者さんの側あるいは医療提供側、両方について教えていただきたいんですが。
  37. 西川京子

    ○副大臣西川京子君) 我が国医療の質を確保するためにも、もちろん外国籍のお医者様というのも二千三百七十七人いらっしゃるんですが、その対応と併せて同じことかと思いますが、そういう意味で、きちんと会話ができるその通訳の確保、これは大きな問題でございますので、この辺のところをしっかりと予算措置をして考えていきたい、そういうことを思っております。
  38. 古川俊治

    ○古川俊治君 ありがとうございます。  現状で申し上げますと、例えばいろんな症状を指し示すような一つのガイドブックでも医療機関に配付していただければ、それだけでかなりのツールとしては有用なんですね。そのぐらいは多分すぐ検討会ででも作っていただければできることだと思いますので、そういった是非医療機関にもツールをいただきたいというように考えています。
  39. 西川京子

    ○副大臣西川京子君) ありがとうございます。  一つの今の通訳の問題もですが、外国語の五か国語ぐらいのパンフレットとか、そういうものはかなり今用意しております。その中で今の、そういう症状を訴えるための具体的なパンフレットのようなもの、そういうものもしっかり対応してまいりたいと思います。
  40. 古川俊治

    ○古川俊治君 それと同時に、私が診療現場におりますと、外国人方々はやはり産業、特殊なけがをされたり、病気が関与したりということが結構あるんですが、労働安全衛生の立場から、今地域の中小都市に数多くの外国人がいらっしゃるという状況においては、産業医等の管理というものがなかなか適切に運営されていないんではないか。それから、都内でも現にそういう状況がございますので、この辺について今の調査状況、さらには改善すべきことをどうお考えなのかについてお答えいただきたいと思います。
  41. 西川京子

    ○副大臣西川京子君) ちょっと細かい点になりますので、参考人からいいでしょうか。
  42. 岡崎淳一

    政府参考人岡崎淳一君) 外国人労働者方々につきまして、企業におきます安全衛生の確保、健康診断とかそういったことを含めての問題でございますが、これも外国人指針の中で、事業主対応すべき事項としまして、安全衛生教育でありますとか健康診断の実施、さらには今おっしゃいました産業医の関係につきましても、産業医や衛生管理者を活用して外国人労働者に対して健康指導、健康相談を行うよう努めること、こういったことを指針には書いてあるわけでございますが、これを十分周知しながら、今おっしゃいましたような外側のいろんな利用できるツールを含めましてきちんとした対応をするように、この法律、せっかくできた法律でございますので、きちんとした対応をしていきたいと、こういうふうに考えております。
  43. 古川俊治

    ○古川俊治君 ありがとうございます。  指針にはいつも書いてあるんですけれども、それが実際運用されているかどうかが重要な点でございますので、その点もしっかりフォローアップしていただきたいというように思っております。  それでは、文部科学大臣伺いたいと思うんですが、外国校でもやはり外国人子弟教育の問題がいろんな参考人から御意見ございました。その中で一つ、特に補習というのが有効ではないかという御意見がございまして、確かに我々日本人外国に行った場合に、北米等では、平日は現地校に行って、土日に補習校に通うというのがかなり多いパターンではないかと思うんですけれども、その場合に、かなりうまくそこで教育ができていて、そして現地校に溶け込めたという成功例もあるようなんですが、こういった体制を強化させるというようなお考えがあるのかどうか、いかがなものでしょうか。
  44. 池坊保子

    ○副大臣池坊保子君) 先ほど申し上げましたように、外国人子弟に必要なのは生活習慣における言語並びに学習言語も必要でございます。この学習言語に関しましては、学校においても補習などで先生が教えたりいたしております。  私は、更に放課後子どもプランとか地域支援学校支援をいたします住民の方々あるいは保護者の方々のお力をいただきながら、これは主として部活のお手伝いだとか登下校の安心、安全の助けをいただくわけですけれども、それぞれが持っていらっしゃる能力を学校現場の中で出していただけたらというふうに思っておりますので、そういうことも更に考えていきたいというふうに思っております。おっしゃるようにきめ細やかな、日本語教育だけでなくて学習言語教育も必要かと思っておりますので、放課後外での補習に力を入れていきたいと思っております。
  45. 古川俊治

    ○古川俊治君 ありがとうございます。是非お取り組みいただきたいと思います。  最後ですけれども一つの御意見で、やはり大きな問題として、外国人ですので教育の義務が親に課せられていないというような点を挙げられた参考人もいらっしゃいました。  それで、我が国は、先ほど先生がおっしゃいました人権規約あるいは子どもの権利条約といったものも締結していて、もちろん外国人に直接の義務を課すことは恐らく難しいとは思いますが、そういった意味付けをどこかでできるんではないか。これはもう周到に、子供たち皆さんが就学できるように御支援をいただいているということですが、親の方の認識のために何かされていることがあるのかどうか、この点についていかがでしょうか。
  46. 池坊保子

    ○副大臣池坊保子君) 外国人児童生徒学校での受入れに当たっては、学校と保護者の意思の疎通を図って子供教育に連携し合っていくことが必要ではないかと思っております。特に小学校段階では、保護者が子供をしっかりと見詰めて、地域学校に入れたい、あるいは今持っている子供の能力を少しでも発揮できるような環境整備をその地域方々と連携をしながら図っていかなければできないのではないかと思っておりますが、そうするためには、まず外国人である保護者の日本語能力が十分でなければならないと思いますので、学校外国人子弟の保護者とのコミュニケーションがなぜ取れないかといいますと、これは日本語がしゃべれないからというようなこともございます。  文部科学省では、帰国・外国人児童生徒受入促進事業において、平成二十年度より、外国語の分かる地域人材指導補助者として学校に配置し、日本語指導する教員の補助や学校と保護者との連絡などを行う取組を実施しております。これからも、外国人子弟ということは言うまでもなく、保護者との関係にも力を注いでいかなければいけないと思っておりますので、そういうことにも注目してまいりたいと思っております。
  47. 古川俊治

    ○古川俊治君 ありがとうございます。  現状ではなかなか厳しさが増しているようでございますので、これからも積極的にお取り組みをお願いしたいというように考えております。  以上で質問を終わります。
  48. 田名部匡省

  49. 福島みずほ

    福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  まず、教育についてお聞きをいたします。  今回、この調査会で現地、静岡、愛知へ行きまして、やはり子供教育がどうしても置き去りにされがちだということに心を痛めました。労働力というふうに着目して導入をした制度があったとしても、子供の問題がとても残っていて、やっぱり教育に心を砕くべきだというふうに思いました。  それで、以前から取り組んで解決していないのが、外国人の、例えば中華学園や朝鮮総連系の朝鮮学園など、様々ないろんな学校日本学校との関係です。  御存じのとおり、小学校六年の段階で日本学校に在籍していなければ日本の中学校に行けない、あるいは日本学校に行っていなければ日本の中学校の卒業が与えられないという問題があって、子供たちが小学校六年、中学校三年で学校を変わるというのは、子供からいっても便宜のために変わる、要するに入学資格を得るために学校を変わるということで、子供の人間関係をやっぱり無視していると思っています。  それで是非、池坊さんが副大臣なわけですから、先ほどから勉強会をやっていらっしゃるというのは、努力してくださっているというのは理解できますが、もうこの多元的な社会、国際社会の中で、文科省は一歩足を踏み出すべきだというふうに強く思っております。  その点について、後ろからペーパーが来ていますが、それと関係なく、是非、副大臣考えで踏み込んでくださるよう、よろしくお願いします。
  50. 池坊保子

    ○副大臣池坊保子君) 私が分かっておりますこともすべてペーパーが来るように、そういうシステムになっているようでございますから、それは是非御了解いただきたいと思います。  おっしゃいますように、日本の小学校を卒業していれば自動的に中学校に入学できます。今おっしゃいますように、外国人学校子供たちは小学校から自動的に中学校に行くことができないから、小学校の六年の三学期で日本学校に入るというようなことになっておりまして、これは確かに様々な問題を抱えていると思っております。  副大臣で、すべての権限がございまして、できますことならばすぐにやりたいことの懸案事項はたくさんございますけれども、周りとの調整等もございますが、今委員がおっしゃるように、確かに優れた外国人学校もございますし、日本公立の小学校、中学校に値するだけの勉学を担保している学校もございます。これからそういう学校に対してどのような道を付けていくかということは大きな課題ではないかと思っております。  参考までに、もう委員も御承知だと思いますけれども、今は規制がございまして、すべての外国人学校に行かれないとなっておりますので、その辺は課題としてしっかりと重く受け止めたいと思います。
  51. 福島みずほ

    福島みずほ君 ありがとうございます。  子供たちが受けたい教育がやっぱり受けられるようにもうすべきではないかと。日本学校行ったり、いや外国人学校に行ったりという、途中で悩んだり行き直したりする子もいるわけですから、そこがどうしても、余りに障壁が高いというのは問題なので、これは是非変えていただけるよう心からお願いを申し上げます。  二点目に、研修生の問題についてお聞きをいたします。  研修生についても厚生労働省労働法を適用するということに決めましたけれども、じゃ研修生労働者なのかというと、ノーと言います。この辺りはどういうふうに考えていらっしゃるのでしょうか。
  52. 西川京子

    ○副大臣西川京子君) おっしゃるように、確かに研修制度という形で労働者を受け入れているというのは大変、一つの苦肉の策というんでしょうか、いろんな思いの中で実現した制度なんだろうと思います。一年間の研修を受けて、その後実地訓練をするということで、労働者として二年間はいいと。そういう中で、やはり災害保険適用その他いろんな社会保障問題に関して今様々な検討が行われております。  その中で、同制度における外国人の技能実習生については、一定期間研修を経た上で、受入れ企業との雇用関係の下で技能を習得するということですから、労働基準法の適用があるわけですね、その間。ところが、研修の段階ではなかなか、これは研修であるからやはり労働法の適用はできないと、そういう仕分になっておりました。  そういう中で、やはりこの制度自体をもう少しきちんと考えようと、研修というきちんとした枠組みはあるんだが、労働法の適用はそちらまで入れようという一つの判断、その辺の方向に今向かっていることは事実でございますので、御理解いただきたいなと思います。  この辺は法務省とのいろんな条件その他突き合わせが必要かと思いますが、外国人研修生が研修範囲を超えて就労を行った場合については、個別具体的な実態によって労働基準法の適用をすると、そういう判断に今はなっております。
  53. 福島みずほ

    福島みずほ君 実態的に労働者であれば、労働法の適用がされることは当然です。しかし、今回、一体厚労省はどう考えているのか分からないわけです。研修生労働者ではない、しかし労働法の適用がある。  つまり、懸念をするのは、安価な労働力として実際中国人研修生など使われていることから、もう労働法の適用をしないとにっちもさっちもいかない状況に実はなってきているんだと思うんですね。三百六十五日本当に休みなく働かされ、残業手当も付かない。過酷な奴隷労働が実際は行われているから、幾ら何でも労働法の適用ありとせざるを得ない、しかし労働者としてはやはり認めないという、労働者じゃないけど労働法の適用ありというのは、もうそこの矛盾が噴き出してきている。  とすると、外国人労働者のもう少し労働力として輸入すべきだというときに、きちっと覚悟して、労働者であり、かつ家族も連れてくるから教育についても日本政府は責任を取るのだではなく、安易な労働力としてやはり足りないところに入れてくるというような形になれば、これは責任取れないことをやることになるんではないかと私自身はちょっと懸念を持っております。  法務省としては、研修生問題やこの点についてどうお考えでしょうか。
  54. 河井克行

    ○副大臣河井克行君) 参議院の法務委員会でも、今、福島委員指摘の点については繰り返しそれぞれの委員から御質問、御指摘をいただいておりまして、私も実態質問を通じて伺って、まあひどいもんだなと、そのように本当に心配もし、また胸を痛めております。  受入れ機関がいろんな悪さをしているということでありますけれども法務省としては積極的な実態調査を実施をしております。不適切な対応が取られている事案につきましては不正行為というのに認定をしておりまして、例えば平成十九年では合計で四百四十九件、不正行為の認定をしておりますが、特徴的なのは、企業単独ではなくて団体監理、特に第二次受入れ機関が四百四、不正行為として認定をされているということでございまして、研修・技能実習生受入れ三年間停止の措置等を講じておりますし、不正行為の認定に至らない点についてもしっかりとした指導を行っていかなくちゃいけない。  いずれにしても、せっかく夢と希望に胸膨らませて日本国を訪れていただいて一生懸命現場で働いている人々、その人たちの本当に気持ちをしっかり体したそういう仕組みづくり、また指導強化をしていかなくちゃいけないと思っておりまして、一つ付け加えさせていただきますと、いろんな背景がありまして、中には外国資本の機関が外国人労働者を言わば搾取するというふうなところもせんだって法務委員会で御指摘をいただきまして、本当にひどい状況だなというふうに感じた次第であります。
  55. 福島みずほ

    福島みずほ君 あと一分だけ、十六分までなので、最後に池坊大臣お願いをします。  是非、在任中に外国人学校の問題に関して文科省が一歩前進してくださるようによろしくお願いをいたします。
  56. 池坊保子

    ○副大臣池坊保子君) 今、福島委員がおっしゃることはしっかりと受け止めたいと思っております。  ただ、外国人学校の中等部を卒業した者が高等学校に入ります場合には、日本人日本に居住する外国人の間では同等の扱いをいたしております。例えば、具体的には、中学校卒業者とか外国において九年の課程を修了した者、あるいはまた文部科学大臣が認定した在外教育施設の修了者、そしてまた中学校卒業程度認定試験の合格者などを規定いたしております。  ですから、外国人学校については、おっしゃるように、現行制度教育内容が全く自由でございまして、一定教育水準をどのように担保をしているかというのがまだ制度的に保障されておりませんが、これからそれも、きめ細やかに学校現場を見ながらしっかりと問題解決に向かっていきたいと思っておりますが、外国人学校卒業者に関しましては、中学校を卒業いたしました時点においては、中学校卒業程度認定試験を受験し、合格した方は高等学校に入学することができることにはなっております。小学校、中学校との引継ぎはどういうふうになっているかというと、先ほどの御質問のとおりでございますので、これらのことをすべて総合的に判断し、検討してまいりたいと思っております。
  57. 福島みずほ

    福島みずほ君 以上です。ありがとうございます。
  58. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) 蓮舫君。
  59. 蓮舫

    ○蓮舫君 民主党・新緑風会の蓮舫です。  当調査会では、日本で暮らし、働き、育つ外国人について本当に今どのような状況に置かれているのかを、様々な専門家方々から貴重な御意見を賜って調査してまいりました。  そこで、まず法務副大臣にお伺いしたいんですが、日本で暮らす外国人がどんどん増えている昨今において、法務省としてはあるいは副大臣個人のお考えでも結構なんですが、外国人の参政権についてはどのようにお考えでしょうか。
  60. 河井克行

    ○副大臣河井克行君) 私個人の意見というのは、ここには法務副大臣として出席をお許しをいただいておりますので、政府が現在考えている方針どおりだというふうに申し上げたいと存じます。
  61. 蓮舫

    ○蓮舫君 政府考え方はどういうものでしょうか。
  62. 河井克行

    ○副大臣河井克行君) 先般、韓国の李明博大統領が御来日されたときにも、首脳会談でこのことは議題の一つとして韓国側から提起をされたということは承知をいたしておりますが、なお、いろいろと検討すべき課題があるということで正論を得るには至っていないと承知しております。
  63. 蓮舫

    ○蓮舫君 よく納得ができないんですが、もうちょっと勉強していただきたいと思います。  次に、池坊文部副大臣にお伺いいたします。  外国人子女等教育、様々な論点でこの調査会でも意見交換をさせていただきました。池坊大臣におかれましては、一昨年そして昨年、この参議院の教育特別委員会におかれまして、当時は多発していたいじめを原因にした自殺の子供たちの問題等がありまして、この問題解決に向けて極めて御尽力をいただきました。  この問題は、事件が少なくなってきたからやめるべきものではなく、持続可能性というのが非常に大事だと思っておるんですが、スクールカウンセラー等を多用しまして、子供たちの心の問題に学校の中でも対応していくという対策を取られておられますが、外国人子女に対してのこういうセンシティブな問題はどのような方向で対処していけるとお考えか、聞かせていただけますか。
  64. 池坊保子

    ○副大臣池坊保子君) 蓮舫委員がおっしゃいますように、副大臣になりましてから、いじめによる自殺者も結構、私から見れば多く出て大変不幸なことだと思いまして、子供を守り育てる体制づくりを立ち上げまして、いじめの問題に対しても様々な対策を取ってまいりました。  その中では、二十四時間いじめ相談という電話、いつでもどこでも電話すれば子供たちの相談に乗ってあげる、これは大体三万六千件ほどございまして、特に夜間とかそれから土日に多いということでございます。  ただ、じゃ十分に言葉がしゃべれ意思の疎通が図れるかと申しますと、ちょっとこれは御参考までに、もう委員御存じかもしれませんけれども文部科学省平成十八年度に日本語指導が必要な外国人児童生徒受入れ状況等に関する調査というのをいたしまして、我が国公立の小中高等学校及び特別支援学校等に在籍する日本語指導の必要な外国人児童生徒数というのは二万二千四百十三人なんですね。平成十四年度の調査よりも千七百二十一人増加しておりまして、この日本語指導が必要な外国人生徒を言語別に見ますと、ポルトガル語が八千六百三十三人、あと中国語、スペイン語というふうになっております。  日本語が十分でなければこのホットラインにも電話ができないんじゃないかということもございますので、私も今朝、チャイルドラインの支援議員連盟、御一緒に出席させていただいて、これはどこか一か所で、ポルトガル語だとか英語だとかそういうものが、全国の中で一か所そういうところがあれば子供たちが救われるなということを思った次第です。
  65. 蓮舫

    ○蓮舫君 文科省の行っているそのいじめの電話相談、大切な私は仕事だと思うんですけれども平成十九年度は十億予算を確保していたにもかかわらず、実績が二億だったんですね。結果、平成二十年度は二億まで削減されてしまったんですよ。これは非常にもったいないことだと思いまして、なぜ実績が上がらなかったのかの分析を詳細に進めて、今副大臣がおっしゃっていただいた外国語専用ダイヤルの併設というのも私は今後考えていただきたいと思っております。  次に、西川大臣にお伺いいたしますが、日本労働者の全体の三分の一が今やパート、アルバイト、派遣契約、非正社員、いわゆる不安定雇用という実態があります。これは外国の方も日本の方もそうなんですけれども。その中で、中には自分の生き方としてそうした働き方を選ぶ方もおられますが、正社員になりたいのになれなくて不安定雇用で働かざるを得ない方たちもいる。この方たちのその思いというのをどういうふうに受け止めていくかというときに、例えば同じ会社でも、正社員と同じ働き、それ以上の働きをしても派遣でしかなくて、やはりそこは不平等感があるんですが、どういうふうにこの不平等感を正していくかというときに、大きな考え方を伺いたいんですが、例えば社会保障や福利厚生というのは正社員を中心とした働き方を考え制度設計をされてきた。年金なんかは、モデル世帯は一つの会社に四十年働き勤めるお父さんという絵なんですけれども、今はそうではなくなってきているんですね。  そのときに政府はワーク・ライフ・バランスとおっしゃいますが、そのワーク・ライフ・バランスの先にある絵というのは、安定雇用で全員を正社員化していこうとするのか、それともこの多様な働き方で制度を多様な働き方に合わせていこうとしているのか、どちらなのか教えていただけますか。
  66. 西川京子

    ○副大臣西川京子君) 大変重い御質問だと思います。言わば高度経済成長の後の中で、また日本がバブルがはじけて大不況時代のちょうどあの時代に、まさにグローバル化という中で日本企業がどんどんリストラをして首を切っていった。その中で、まあそれが突破口といえばあれなんですが、そういう中で、日本の終身雇用制度が崩れた中で、このパートあるいは派遣、こういう労働の形態というのが定着してしまったわけですね。  そういう中で、日本の会社の中で、一種の日本的な、社会的ないろんな構造も変化してくる中で日本的なるものを守るというそういう思いもあれば、またグローバル化に対応しなければいけないという中で、会社そのものがまたこのごろ技術の継承その他で、やはり常用雇用化をしないとこの日本の経済の中での物づくりのシステムその他が崩れてしまう。そういう方向の中で、実はパートか派遣かという流れを、ちょっと待てよ、今またそっちに少し、そうじゃないだろう、常用雇用化しなきゃいけないだろうという思いと、もちろん今の少子化対策の中で、若い人たちの将来に対する不安解消とかそういういろんな社会的なニーズもあると思いますが、その方向と、今まさに、ううんというところだと思うんですね。  私は、一つの多様な働き方にここ十年ぐらい行っていたと思うんですよ、流れとしては。ところが、今やある程度企業の方からちょっと待てよという動きが出てきている中で、正直、厚生労働省としては、今きちんと社会動きその他をもう少し慎重に見詰めたいと、そういう状況だと私は思っています。
  67. 蓮舫

    ○蓮舫君 厚生労働省が見詰めている間に、働き方ってやっぱり随分流動化すると思うんです。やはり政治家の指導力であったり、内閣としての大きな方向性というものは私はお示しいただきたいなと思うんですが。つまり、多様な働き方に制度を設計していくのであれば、あるいは正社員化に持っていくのであったとしても、今、宙に浮いた年金問題であるいは社会保険庁の不祥事で、百年の年金制度設計そのものも実は私はぐらついていると考えていまして、国民年金の納付率がなかなか上がらない、皆年金制度が実質上私は崩壊していると思うんですが。  そうすると、この非正社員の方たち、国民年金に入らない方たちを、今後厚生年金にしていくのか、それとも年金制度そのものをもう一度政府が見詰め直すときがあるのか、その部分はいかがでしょうか。
  68. 西川京子

    ○副大臣西川京子君) この年金制度に関しては、今までは社会保険庁そのものはやはり保険制度でやってまいりました。その中で、もちろん民主党さんその他、税でやるべきだという議論もあります。  そういう中で、実は基礎年金というところでは一緒だと思うんです、それを税でやるか保険料でやるかという問題だと思うのですが、できればそこの部分と、今、厚生労働省としては、それぞれの御意見伺いながらという立場政府としては取っております。今厚生労働省としては、保険料、保険制度で今やっていると。しかし、いろんな御意見がありますから、いろんな御意見をちょうだいしながら検討していくという非常にあいまいな答えで申し訳ございませんが、政府立場はそういうことだと思っております。  一つの選択肢として、ポータビリティーな年金制度その他も考えの中にもちろん全く考えていないということではありませんし、パートその他の常用でない方々にも年金制度をきちんと入れていかないといけないという、そのことは今視野の中には入っております。
  69. 蓮舫

    ○蓮舫君 政府の姿勢があいまいというのは、非常に答弁が難しい今お立場におられるのかなと思いましたが、今こそ、年金制度への信頼が揺らいでいる中で確たるものを出さなければいけないときに、検討しているという答えでは、私は国民の信頼というのはなかなか回復するのは難しいと思いますので、是非そこは強い意思を持って主張していただきたいと思います。
  70. 西川京子

    ○副大臣西川京子君) ありがとうございます。  今の政府としては、もちろん日本年金制度保険制度を基本としているということはそのままでございます。ただ、そういう御意見を真摯に受け止めるという立場でございます。
  71. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) 次に、渡辺孝男君。
  72. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男です。  今日は外国人との共生というようなことでテーマを伺っておりますけれども、アメラジアンという沖縄の、アメラジアン・スクール・イン・オキナワですか、学校があるわけですけれども、このアメラジアンというのは、在沖縄米軍の父とそして日本人の母親の下に生まれた子供さんたちをアメラジアンというような形で呼ばれていることがあるわけであります。  どうしても言葉の障害があったり肌の色の問題とかでいじめ等が起こってしまうことがあると。様々な形で不登校になってしまった子供さんをアメラジアンの母親たちが学校をつくって教育をしているということでありまして、きちんと学校として認めていただきたいということで、これまで公明党の方も力を注いできまして、学校として、中学校として認めていただいたと。そして、二〇〇三年ですか、春には学校もきちんと政府支援でつくっていただいたということでありますけれども。  ただ、まだ課題が残っているということでありまして、地元の方、学校方々等にお伺いをしますと、どういう課題が残っているかといいますと、一つは、沖縄県が行っているそういう日本語教員の派遣事業というものをきちんと継続をしていただきたいというような要望が一つありまして、それから、やはり新学校はできたんですけれども、どうしてもほかの国内の中学校等から比べればまだまだ手狭である、教室も不足していると。通っているお子様も人数も増えてきているということもありますので、そういう教室の不足等を解消していただきたいと、そういう要望があります。  それからもう一つ、これ大きな課題なんですけれども公立学校に無償配付されている各教科学習指導書というものがまだ無償でないというようなことで、昨年、これを無償化して提供していただきたいというような要望があったようなんですが、もう既に今年度実現されているかどうか分からないんですが、もし実現されておらなかったらこの点を御配慮いただきたいということであります。これ、要望みたいな形になりますけれども池坊文部科学大臣の方にお願いをしておきたいということであります。  それから、そういうアメラジアンの子供さんは、やっぱりいろんな意味で、社会的に人権侵害というわけではありませんけれども、なかなか差別感ということで心の傷になってしまうようなこともあるわけですね。そういう方々をきちんと人権にも配慮して、修学旅行とかいろいろな国内での活動を支援をしていきたいというそういう思いもあるわけなんですが、たまたまその学校子供さんが、私、山形県に住んでいるんですけれども、喜多方市の方で、公明党の党員の皆さんがそういう方々を受け入れながら、リンゴを送っていこうというような活動をしておりました。その子供さんたちのイニシャルをリンゴにテープ張ると名前が残るわけですね、赤くなったときにリンゴの元の地が出ますのでイニシャルが付きます。そういうものを送りながら激励をし交流を深めているというような活動もしておるわけなんですが、私も参加をさせていただきました。  そういう意味で、やっぱり子供さんですからいろんな面で、そういう背景にあると嫌な思いもしたり、いじめに遭いやすくなったり、区別をされたりとか、差別を受けたりとかいうことがあるんで、そういう市民がそういう子供さんたちをきちんと受け入れられるように、さらにはそういう人権問題あるいは教育上の配慮等をしていただきたいと思うんですが、そういう方面はかなりもう強化されていると思うんですが、文部科学大臣にお伺いをしたいと思います。
  73. 池坊保子

    ○副大臣池坊保子君) 先ほどの答弁とちょっと重複するかと思いますけれども外国人子弟教育に関しましては、文部科学省では、小中学校教員等を対象にJSLカリキュラムによる指導の向上を図るための研修等を行い、JSLカリキュラム実践支援事業を平成十九年度より実践しております。その事業を通じて、外国人児童生徒指導に当たる教員へのJSLカリキュラムの普及をもっともっとこれからも進めていきたいと思っております。  また、平成二十年度の予算においては、児童生徒支援加配のうちの九百八十五人を外国人児童生徒への日本語指導対応分として積算いたしております。各都道府県の配置については各都道府県の申請に基づいて、外国人児童生徒の在籍校の状況を勘案しながら予算の範囲内で教員定数を加配していきたいというふうに思っております。  また、外国人子弟が心身共に健全であるためにということにも私たち文部科学省は力を注いでおります。言語や文化などの生活背景が異なりますので、日本人児童生徒外国人児童生徒との間にはやはりあつれきとかそごを生じることもございます。教育活動全般を通じて国際理解教育というのを進めております。  私どもは、外国人子弟だけではございませんけれども、いじめについては、スクールカウンセラーとかスクールソーシャルワーカーなどの配置によって教育相談体制の一層の充実の取組を図っております。また、外国人児童生徒の、さっきも申しましたように、言葉が余りスムーズにいかないから意思の疎通を欠いて、なおいじめなどが起こるということもございます。学校において配置を進めている外国人の母国語の分かる支援員を活用して対応するなどの取組も今検討しているところでございます。  アメラジアンは、御一緒に私も二〇〇三年に学校として認可されるように尽力いたしました。大変に懐かしくもそして思い入れもございます。これからも見守って支援してまいりたいというふうに思っております。
  74. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 英語もお話しできるあるいは日本語もお話しできるというようなそういう子供さんもいらっしゃるわけでありますので、そういう就職に関しても、今は逆にメリットになる場合もあると思うんですね。ただ、やはり様々な偏見等がどうしても起こりやすいということでありますので、そういう偏見等が起こらないように、またそういう方々の優れた能力をきちんと我が国で、あるいは場合によっては海外でお仕事をするような方も出ていらっしゃると思うんですね。そういう方々が本当に日本でこういう教育を受けて良かったと思えるような支援をしていただきたいと思います。  以上で終わります。
  75. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) 次に、大河原雅子君。
  76. 大河原雅子

    大河原雅子君 民主党の大河原雅子でございます。  この調査会のテーマが本当に重いなというのを日々実感しております。外国人の皆さんとの共生ということでは、地域で本当に生活者としての外国籍子供たちの問題について伺っていきたいと思うんですが。外国人労働者の姿は次第に見えてきたんですが、そこに伴われている子供たち実態というのは、やはり教育ですとかそういう学校のところでは見えてきているんですが、生活全体がなかなかまだ把握されていないんじゃないかというふうに思います。  そこで、三副大臣伺いたいんですが、それぞれの省で、外国籍生活者としての子供たち課題、そして各省これを取り組んでいくという目玉の取組といったらおかしいですが、こういうことをやっていくという決意と今の段階での計画を是非初めに伺っておきたいと思います。法務副大臣からよろしくお願いします。
  77. 河井克行

    ○副大臣河井克行君) 今から数年前、私が外務政務官のときに、調査会の皆さんも視察をされたと存じますが、群馬県、私も太田市役所、ずっと視察をさせていただきました。主に日系ブラジル人、ペルー人がたくさん住んでいるところでありまして、本当に教育のはざま、日本語もひょっとしたら習得が困難、母国語も習得が困難という子供たち、そして親御さんが引っ越し、転勤した後、その引っ越し先で教育に十分あずかっていない可能性、そして法務省観点からいえば、そういった子供たちが大きくなる過程で様々な犯罪にかかわっていくということはもう容易に想像ができるんですね。  それで、やっぱりこういった点につきましては法務省としてもしっかりと関心を持ち、先ほども答弁申し上げましたが、新たな在留管理制度の中で、この在留期間の更新等において義務教育の年齢にある外国人子供さんが万が一にも就学していないということが分かった際には、市区町村と連携して不就学の解消に向けた対応をしっかりやっていかなくちゃいけないと。先生指摘のとおり、これは本当に私は重要な問題だというふうに考えております。
  78. 大河原雅子

    大河原雅子君 河井大臣、もう一つそれでは伺いたいんですが、たしか法務省には法務大臣が指定をする子ども人権オンブズマン、地域においでになると思うんですね、東京都でも。そういう方たちの活動というのがなかなか見えていないんですが、そういうものを把握を省としてされておりますでしょうか。恐れ入ります、簡単にお願いいたします。
  79. 富田善範

    政府参考人(富田善範君) 今のは子ども人権専門委員のことかと思っております。  法務省では、人権擁護委員の中から、主に子供人権の擁護のために子ども人権専門委員というものを指名して地域において活動していただいております。地域によっては、もう外国人も含めて子供人権相談あるいは人権教室といったことで活動しているところでございます。
  80. 大河原雅子

    大河原雅子君 それでは、続けて、例えば国連子どもの権利委員会に出すレポートが遅れております。もう二年近く遅れているわけなんですが、この点は、例えば今のことは反映されたレポートを用意されているというふうに理解してよろしいんでしょうか。
  81. 富田善範

    政府参考人(富田善範君) 政府全体としての進捗について、ちょっと必ずしも承知しておりませんが……
  82. 大河原雅子

    大河原雅子君 いや、法務省ので結構です。
  83. 富田善範

    政府参考人(富田善範君) 私どもとしては、そういった活動についてレポートを作成して、提出してやっております。
  84. 大河原雅子

    大河原雅子君 遅れていると聞いているんで、法務省はもう二回目のレポートは準備されたということでいいんですね。
  85. 富田善範

    政府参考人(富田善範君) じゃ、その件につきましてちょっと、もう一度また確認してみたいと思います。失礼いたします。(発言する者あり)
  86. 大河原雅子

    大河原雅子君 今、法務省伺いますが、あと文科省にも厚生労働にもお伺いします。  国連子どもの権利委員会へのレポートが遅れております。それで、各省どこまで進んでいるのか、進捗状況をお聞かせいただきたい。そして、その中に今、生活者としての外国籍子供たちのことについてもきちんと触れられているのかどうかについてもお話をいただきたいと思うんですが。  時間がちょっとなくなってしまうので、先にお尋ねしておきます。それでは今の、法務省はもうお出しになったという理解でよろしいんですね。
  87. 富田善範

    政府参考人(富田善範君) お尋ねの点について、ちょっと確認させていただきます。
  88. 大河原雅子

    大河原雅子君 確認が必要ですか。
  89. 富田善範

    政府参考人(富田善範君) はい。
  90. 大河原雅子

    大河原雅子君 それでは、文科省池坊大臣、よろしくお願いします。
  91. 池坊保子

    ○副大臣池坊保子君) 答弁が重複いたします点はお許しいただきたいと思いますけれども、まず最初の御質問の、各省庁で何をしているかという御質問でございました。  私どもは、やはり一番は日本語をしっかりと習得していただくことが大切なのではないか。それから、意思の疎通を図ったりすることができるというふうに考えておりますので、平成十九年度からは生活者としての外国人のための日本語教育事業というのをいたしております。これは、例えば日系人等の定住外国人対象とした母国による日本語教室の設置、さっきも申し上げましたように、ポルトガル語、中国語、スペイン語と多岐にわたっております。それからまた、退職教員日本語能力を有する外国人日本語指導者として養成する事業でございます。これらのことを通して、まずは外国人方々日本語教育を習得していただけたらというふうに思っております。  また、文化庁がやっております国語分科会日本語教育委員会においても、多文化における日本語日本語教育に対してどのようにしていったらいいのか、それから今後、連携はどうしていったらいいかとか、地域における体制整備というようなことを審議を今いただいておりまして、これはまたきちんとした答申をいただきながら進めてまいりたいというふうに考えております。  それから、二つ目の子どもの権利条約について提出したか否かという御質問に関しましては、今、私ちょっと初めて聞きましたので、また戻りましてしっかりと調査してお答えしたらというふうに思っております。  これはちょっと、ごめんなさい、今資料が来まして、文科省としては外務省に回答済みだそうでございます。子どもの権利条約に関するレポートは外務省で取りまとめて出しているようでございます。ちょっと今、私ども、知っているかと聞きましたら、事務局も分からないということでございましたが、しっかり調べましたらこういうことで、内容についてはまだ把握いたしておりませんので、しっかりと読んでおきたいと思っております。
  92. 大河原雅子

    大河原雅子君 この調査会でも、国際人権規約それから子どもの権利条約にのっとった施策を取っていきたいという御発言が続きましたので、やはりここへのレポートはしっかりと出していただきたいと思います。  そして、文科省、今、池坊大臣学習言語の大事さということもおっしゃっていただいておりますが、例えばノルウェーなどでは、少数言語子供たちについては、その親が当事者としているわけですけれども、その親御さんが、お父さんやお母さんがその少数言語の教師になるというようなこともできますので、海外事例からも学んでいただければというふうに思います。  それでは最後に、恐れ入ります、厚生労働大臣お願いいたします。
  93. 西川京子

    ○副大臣西川京子君) 今の子どもの権利条約の件に関しては、実は一昨日、イギリスのエインスリー・グリーン子ども弁務官という、イギリスでは大変いろいろ児童虐待その他、ネグレクト、非常に状況が厳しい中で、言わば大人社会というイギリスの中で、子供のそういういろんなものが政治テーマとして非常に低かったらしいんですね。その二十年の御努力で、そういう一つ政府とはまた外に大きな弁務官という地位を与えられて、言わば大臣級の扱いで私は頑張ってまいりましたという御訪問を受けまして、意見交換させていただきました。その中で、日本は出ていないというおしかりをいただきましたので、厚生労働省としても鋭意しっかり調査して報告したいと思っております。  この外国人子供の問題については、実は労働省の方で受入れをするという、そういう視点からのどうしても対策になりますので、子供の福祉ということが主になることを御理解いただきたいと思います。  その中で、子供の実は保育に非常に欠けている部分、こういう報告が十六例ぐらい、それから虐待の問題が結構出てきております。そういう中で、保育対策としては、保護者の就労、疾病等の保育に欠ける要件に該当することが必要であるが、国籍要件は一切認めず、住民票、戸籍票がある場合は市町村でしっかりと対応すると、そういうことでございまして、その中で、今回、保育指針というのが新しくなりましたけど、十分に子供人権に配慮しながら、国籍の違い、文化その他、そういうものにも配慮するように保育をということの指導をいたしているところでございまして、この後も保護者との連携を保ちながら、各自治体指導その他やってまいりたいと思います。  それと、一つ児童虐待についてでございますけれども児童虐待防止法において、その国籍にかかわらず必要な支援を実施することとなっております。そういう中で、民間のシェルターのようなものが、実は外国人の通訳を持っている民間シェルターというのが東京都で三か所ぐらいしかないんですね。そういうことも踏まえまして、外国人の方が多いのは北関東の辺りが主に多いということで、一応今はそれで対応しておりますが、この後、少し大きな都市にはそういうことも必要かなという思いを持っております。  以上でございます。
  94. 大河原雅子

    大河原雅子君 ありがとうございました。  やはり国連子どもの権利委員会へのレポートの遅れというのは大変国際的にも恥ずかしいことでございますので、是非十分にやっていただきたいことと、これだけ遅れているんですから、例えばNGOからの聴き取りも含めて、見直してからお出しになった方がいいんじゃないかというふうに要望もさせていただきます。  ありがとうございました。
  95. 河井克行

    ○副大臣河井克行君) 御指摘のことにつきましては、法務省としても外務省には回答済みということですが、先生指摘の部分についてはっきりまだいたしませんので、至急調べてまたお答えさせていただきます。失礼しました。
  96. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) 大石尚子君。
  97. 大石尚子

    ○大石尚子君 民主党の大石尚子でございます。  まず、法務副大臣にお尋ねいたしたいと思います。  私ども、派遣調査あるいは参考人先生方からいろいろお話を伺いまして、この課題について勉強させていただいてまいりましたが、その間にほとんど触れるチャンスのなかったことがございます。それが、外国人の両親に連れられて日本に来ている子供たちの犯罪についてでございます。  それで、学校教育にあるいは家庭教育にあるいは社会に不適応を起こしてそれで自分の居場所がなく犯罪に走る、そういう子供はいるはずでございます。それと同時に、これから、残念ではございますが、これは決してこのままで少なくなる、なくなるとは思えない、ますます増えてくるのではないか。  そこで、今実態としてどのような子供さんたちがどういう犯罪を犯してどう処遇されて、そして多分久里浜の少年院辺りにもお世話になっている子供があるかと思うのですが、その概要を、時間が短くて申し訳ないのでございますが、簡単に御説明いただきたいと思っております。  続きまして、文科副大臣お願いいたしたいと思います。  いろいろお話を伺っておりますと、本当に母国を離れて日本に来て暮らしながら働きながら子供を育てる、大変な苦労をしょっている外国人が多いということを肌身にしみております。  そこで、先日の参考人のお話にもございましたのですが、多文化ソーシャルワーカー、いわゆる日本人にとりましてもカウンセラーが足りない、ソーシャルワーカーが足りない、これが現実でございますけれども、今なお外国人方々にとっては相談する相手がない、聞いてもらえる相手がない。そこで、そういうソーシャルワーカーあるいはカウンセラー、外国人方々の相談に応ぜられるような資質を持ったそういう人たちの養成をしていく必要があるのではないか。その実態と、それから、これからどういう計画をお持ちになられてその養成に当たっていくお考えがあるか、それを伺わせていただきたいと思います。お願いいたします。
  98. 河井克行

    ○副大臣河井克行君) 先生指摘いただきました、別にこれは日系人に限ったわけではありませんけれども外国人子弟方々の犯罪傾向、これは大変大きな関心を持っておりまして、さっきも言いましたように、教育がなかなかはざまで難しい、ですからなかなかいい職にありつけることができない、勢い同じような環境の子供たちと犯罪傾向に走ってしまうと、こういう傾向がございます。  来日外国人少年犯罪、これは総検挙件数は平成二十年発表ですが千百件でありますが、そのうちブラジル国籍の少年の検挙件数は約五百六十件ということで全体の半数を占めております。  今ほど先生から久里浜少年院という名前をおっしゃっていただきましたが、全国で日本人と異なる処遇を必要とする外国人少年の処遇コースは十四か所少年院で設けておりますが、そのうちでも特に久里浜少年院は、日本語の理解力や表現力が特に劣るですとか、あるいは犯罪傾向が特に進んでいる、それから日本人と著しく違う風俗、習慣を有している、そういった方々を収容圏域全国対象として収容をさせていただいております。  全国の少年院で四月二十一日現在で収容されている少年は三千四百八十人でありますが、そのうち来日外国人の数は六十二名、そのうち更にブラジルが三十四名、久里浜には来日外国人の六十二名のうち十二名が収容をされております。ほかの処遇コースに加えまして、様々な点について、積極的な矯正、そして日本語教育の実施も含めて鋭意指導している最中であります。
  99. 池坊保子

    ○副大臣池坊保子君) 大石委員がおっしゃいますように、子供たち学校生活に適応していくためには、日本語指導のみならず様々な角度からのトータルな支援が必要なのではないかと思っております。外国人児童生徒への指導は、学校生活への適応を図るとともに、外国における生活経験を生かすなど適切な指導を行うことが必要かと思っております。  じゃ、適切な指導というのはどういうことなのか。具体的には、教科指導に当たり児童生徒一人一人に応じたきめ細やかな指導をしてほしい、また言語生活習慣の違いなどによる不適応の問題が生じないように児童生徒への接し方とか学級経営にも配慮してほしい、また三つ目には、外国人児童生徒の有する外国での貴重な生活経験等教科学習や総合的な学習の時間での学習活動で生かせるように工夫することということを各学校に求めております。その子供が母国でどんな生活習慣を有しているか、それを日本学校現場で生かすことによって子供たちも自信を持って友達と適応していくことができるのではないかと思います。  各学校においては、これらを踏まえまして適切な指導が行われるように、文部科学省としては児童生徒用の教材や教員用指導資料の作成、教員に対する研修会の開催などを行っております。  また、小学校、中学校を経ましたら、中学校は当然卒業する、したならば進学とか就職という問題を控えております。言葉や文化が違いますから、日本人児童生徒と比べても生活環境の問題もあり厳しい状況にあるのではないかと思います。それらのことを踏まえまして、文部科学省では、従来よりモデル事業を地方公共団体等に委嘱し、その中で外国人生徒及びその保護者への進路ガイダンスの開催や、職業安定所の協力を経て就職相談をするなどの取組を実施いたしております。また、都道府県レベルでは、高等学校の入学者選抜に当たって外国人生徒のための特別枠を設けたり、試験教科を減らすなどの方法で入学試験を実施するなどの取組を実施いたしております。  また、高等学校や大学への進学に当たっては、永住者や定住者等の在留資格を有する外国人児童生徒に対して、保護者の所得状況によって都道府県や独立行政法人日本学生支援機構等の奨学金を貸与したり、授業料減免の措置を受けられるなどの取扱いをするようにというふうに私ども指導しているところでございます。
  100. 大石尚子

    ○大石尚子君 ありがとうございます。  多文化ソーシャルワーカーのことでございますが、これは子供たち対象とするだけではなく、やはり親御さんそのものの御生活にそういう機能を必要としているのではないかという感じがいたします。もちろん、一人一人の子供の人生をしょっているわけでございますから、きめ細やかに対応していかなければいけないのだとは思いますが、これはもしかしたら厚労省の方の御担当にも係ってくる仕事かとは思います。時間があとわずかになってまいりましたので、もし、厚労副大臣、何か御所見ございましたら一言伺いたいと存じます。  あと、法務副大臣には続いてお伺いしたいのですが、ちょっと時間が参ったようでございますので、またのチャンスに是非よろしくお願いいたします。
  101. 西川京子

    ○副大臣西川京子君) 先ほども申し上げましたけれども一つ厚生労働省労働者対策ということでやっておりました中で、確かにソーシャルワーカーという視点がちょっと対応としてまだ抜けていたと私も思っております。特にその中で、実は児童相談所という場所ではありますが、各自治体にこの外国の親御さんからの相談システムの場所は置いております。その中で、外国人向けのパンフレットとか通訳を置くとか、そういう対応の確保、これは各地域の、余り住んでいらっしゃらないところに全部にということはちょっとあれですが、外国人労働者の多いところには確実にこれから配備するように、そういう整備の仕方をしていきたいと思っております。  ちなみに、外国人の相談受付件数が十八年度、東京都では三万件のうち約千件近くあります。そういう中で、もちろん子供の問題、教育の問題、いろんな問題がありますけれども、そこにソーシャルワーカーさんもできればという、そういう先生の御発案にこれから検討してまいりたいと思います。
  102. 河井克行

    ○副大臣河井克行君) 一点だけ、追加で答弁させてください。
  103. 田名部匡省

  104. 河井克行

    ○副大臣河井克行君) 先ほど委員から、久里浜少年院に入院している人たちの非行名についてお尋ねがあったと思いますが、多いものは窃盗、強盗、以下、傷害、覚せい剤という順であります。
  105. 大石尚子

    ○大石尚子君 ありがとうございます。
  106. 田名部匡省

    会長田名部匡省君) 質疑も尽きないようでございますが、予定の時間も参りましたので、本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時一分散会