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田村耕太郎君 では、
道路が必要だというような議論をさせていただきたいと思います。
必要な
道路を造るということは民主党さんも言われていますから、今日までの議論をいろいろずっと私も聞かせていただいているんですけれども、ただ、どの
道路が必要であってどの
道路が必要でないということをまだ明確にされていないのでなかなか議論がうまくいかないんですが、必要な
道路はしっかり造る、これはもう当然のことだと思うんですね。ただ、これはもう一部の政治家の方かもしれません、一部のメディアの方かもしれません、今
道路建設性悪説みたいなのが結構広まっているような感じもするわけですね、これは私の個人的な感情ですけれども。
しかし、
道路というのは僕は経済発展に絶対欠かせないものだと思うんです。純粋経済理論的に
考えて、経済の成長というのは、人、物、金、これをできるだけ速いスピードで動かすことだと思うんですね。貨幣の流通速度が速いほど経済成長は実現するわけです。これは貨幣だけじゃなくて、これは人でも物でもそれが言えるわけですね。
道路よりブロードバンドという議論がよくされますけれども、それはデジタル化できるもの、お金だけに言えることであって、デジタル化できない人や物にはなかなかそれは当てはまらないと思うんです。やっぱり物理的に人間を動かす速度を上げていくためには
道路が必要だと思うんですよ。
例えばアメリカ。アメリカは世界ナンバーワンの経済ですよ。
日本の三倍のGDPですよ。あの国の
道路予算というのは十八兆円ですよ。
日本の三倍ですよ。しかも、
道路特定財源でやっています。平たんで地震が少ないので、一キロ当たりの建設費というのは
日本の半分ですよ。つまり、
日本の六倍のスピードで
道路を
整備しているわけですね。お隣の中国。去年一年間で、先ほどまで胡錦濤首脳と会談、御苦労さまでした。中国は、もう
総理に申し上げるまでもなくて、去年一年間に八千キロ
高速道路を造っているんですよ。
日本は六十年掛けて七千四百キロですよ。それを一年間で八千キロ造っている。新興国も、代表的な新興経済成長国も、G7の代表格であるアメリカの経済も、
道路を非常に大切にしているんです。じゃヨーロッパはどうかというと、市町村道まで含めた
道路密度で比較してみますと、まだ
日本の方が二割ぐらい少ないんですよ。ですから、まだまだ主要先進国と比べても、経済が急成長している国と比べても、
日本は
道路建設まだ不十分であると。もちろん、必要なものをできるだけ効率的に造るというのは当然のことです。
ですから、僕は
道路建設というのが悪だと思わないし、もっと具体的に言えば、道州制の議論というのは
国会の中でもされています。自民党の中で今やっていますし、各政党さんでもやられていると思います。例えば道州制、なるかならないか分かりませんよ、しかし、どの案を見ても、例えば鳥取県、鳥取県は中国地方で
一つになるか、中国と四国地方で
一つになるか、そういう案しかないんです。しかし、広島と鳥取ですよ、
道路を走ったら五時間半ですよ。時間距離でいえば羽田—ハワイみたいなものですよ。こんなところが
一つの自治体になれといっても、なかなか難しいですよ。地方自治のために、その自治体を拡大して権限を与えるためにも、絶対に広域行政が可能な
道路交通網の
整備というのは不可欠だと思います。
あと、地方の自立ということがよく言われますよ。地方の自立のためには、観光客を引っ張ってくる。鳥取県にも引っ張ってこようと思います。しかし、こんなに遠いとなかなか来てくれない。自然がそのまま残っていますけど、時間距離でいうと本当に
日本のチベットみたいなところになっていますから、なかなか来てくれないわけですね。そしてまた農産物、農産物もしっかり世界に売っていきたい。しかし、その農産物を売っていくにも、新鮮なまま早く市場に出せる、例えば大阪に出す場合でも、鳥取、いいものを作っているんですけど、なかなか負けるわけですよね。
そして、裏
日本って今まで言われましたけど、裏って言われていた理由は、太平洋がずっとアメリカとの経済で栄えてきたんですけど、今度はアジアが成長センターですから、裏が表になる可能性あるんですよ。しかし、航路をつくるにしても、航空路をつくるにしても、つながっている
道路がないと観光客も工場も経済
自体の活力も来てくれないわけですね。ですから、まだまだ必要なわけです。
ですから、私は
道路建設は必要だし、世界がそうやって
道路とともに成長しているんです、新興国も先進国も。そして、
日本の現状を見ても、これからのどういう設計図を書いてみても、まだまだ必要なんですから、一部のメディアの偏向報道に惑わされないで、
総理はしっかり自信を持って
道路建設まだ必要であるということを訴えて
道路建設進めていただきたいと思うんですが、
総理、決意のほどいかがですか。