運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2008-05-09 第169回国会 参議院 財政金融委員会、国土交通委員会連合審査会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十年五月九日(金曜日)    午後一時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。    財政金融委員会     委員長         峰崎 直樹君     理 事                 大久保 勉君                 辻  泰弘君                 円 より子君                 愛知 治郎君                 田村耕太郎君     委 員                 尾立 源幸君                 大塚 耕平君                 川合 孝典君                 川崎  稔君                 富岡由紀夫君                 平田 健二君                 水戸 将史君                 森田  高君                 横峯 良郎君                 尾辻 秀久君                 小泉 昭男君                 椎名 一保君                 田中 直紀君                 中山 恭子君                 森 まさこ君                 荒木 清寛君                 白浜 一良君                 大門実紀史君    国土交通委員会     委員長         吉田 博美君     理 事                 長浜 博行君                 室井 邦彦君                 谷川 秀善君                 鶴保 庸介君                 鰐淵 洋子君     委 員                 池口 修次君                 川上 義博君                 輿石  東君                 田中 康夫君                 田名部匡省君                 羽田雄一郎君                 平山 幸司君                 広田  一君                 藤本 祐司君                 山下八洲夫君                 佐藤 信秋君                 伊達 忠一君                 長谷川大紋君                 藤井 孝男君                 山本 順三君                 脇  雅史君                 西田 実仁君                 浜田 昌良君                 渕上 貞雄君    国務大臣        内閣総理大臣   福田 康夫君        財務大臣     額賀福志郎君        国土交通大臣   冬柴 鐵三君    内閣官房長官        内閣官房長官  岩城 光英君    副大臣        財務大臣    遠藤 乙彦君        国土交通大臣  平井たくや君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       山本 順三君    事務局側        常任委員会専門        員        大嶋 健一君        常任委員会専門        員        伊原江太郎君    政府参考人        総務大臣官房審        議官       高橋 正樹君        総務省自治財政        局長       久保 信保君        財務省主計局次        長        香川 俊介君        国土交通省道路        局長       宮田 年耕君        国土交通省自動        車交通局長    本田  勝君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○道路整備費財源等特例に関する法律の一部  を改正する法律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────    〔財政金融委員長峰崎直樹委員長席に着く〕
  2. 峰崎直樹

    委員長峰崎直樹君) これより財政金融委員会国土交通委員会連合審査会を開会いたします。  連合理事会協議により、本日は、財政金融委員長及び国土交通委員長が交代して連合審査会会議を主宰いたします。  道路整備費財源等特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  3. 辻泰弘

    辻泰弘君 民主党・新緑風会・国民新日本辻泰弘でございます。  今日は三十分と限られておりますけれども、道路整備費財源特例法改正案につきまして国土交通大臣並びに財務大臣に対しまして御質問をさせていただきたいと思っております。  さて、少しこの法案の若干陰に隠れていると言っては恐縮でございますけれども、実は、大きな問題として、七条に日本高速道路保有債務返済機構債務の一部を一般会計に承継させると、こういったことがあるわけでございます。それで、冒頭、国土交通大臣にお伺いしたいんでございますけれども、この七条が目指している目的、また政府方針意味合いについて簡潔に御説明いただきたいと思います。
  4. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) これは高速道路の利便の増進に関する事業ということで、既存の高速道路の利用というものにつきましてこれを国民が使いやすいように、例えば夜間走る人たちにとってもう少し割引をしてもらうとか、あるいは並行する国道が渋滞する場合に上へ上がってもらうために料金を引き下げるというようなこと、そういうことをねらったものでございまして、これは平成十九年十二月七日の政府与党申合せによりまして二兆五千億を限度としてこういうものに使うということで定められたものでございます。
  5. 辻泰弘

    辻泰弘君 そういった目的政府としてお考えになっているわけですけれども、それについての予算措置財政措置につきまして、私は予算委員会また財政金融委員会における予算委嘱審査でも質問したわけでございます。すなわち、二兆五千億もの多額の金を一般会計に担っていただくと、こういうことですから、極めて大きな意味を持つわけでございます。国民の税金に帰するということになるわけでございます。  そういった意味で、かねがね申し上げてきたわけですけれども、実は、私が資料を作成させていただいているその中に穴埋めしてくれというような形で出して、結局、予算委員会理事会に配付されたという形になっているんですけれども、しかし結果として議事録にも残っておりませんし、政府としての国会提出資料にもつながっていないわけでございまして、この二兆五千億の国の財政措置がどうなったか、どうなっているのかということを、ここをはっきりと議事録に残しておきたいと思いますので、財務省の方からお答えください。
  6. 香川俊介

    政府参考人香川俊介君) 債務承継二・五兆円の内訳でございますが、日本高速道路保有債務返済機構債券承継国債が八千百四十三億八百十万円、それから日本高速道路保有債務返済機構借入金が一兆五千二十三億五千六百九十九万九千円、それからこれらに係る利息が千八百三十三億三千四百八十万九千円でございます。
  7. 辻泰弘

    辻泰弘君 実は、その内訳資料で私出しているわけですけど、一応そこも読んでおいてください。スピードでいい、速くていいですから。
  8. 香川俊介

    政府参考人香川俊介君) 予算委員会提出資料でございますけれども、先ほどの日本高速道路保有債務返済機構債券承継国債八千百四十三億八百十万円のうち、七千三百五十三億八百十万円につきましては、財政法二十八条等による平成二十年度予算参考書類日本国有鉄道清算事業団債券等承継国債平成二十年度末見込額として記載されております。両者の差額の七百九十億円は、国債費のうちの予算繰入れとして平成二十年度一般会計予算に計上されております。  それから二番目の日本高速道路保有債務返済機構借入金一兆五千二十三億五千六百九十九万九千円のうち、一兆四千六百二十億六千八百五十八万八千円は、財政法二十八条による予算参考書類に記載されている借入金五十七兆五千八百五十六億三千六百十七万円の平成二十年度末見込額内数でございます。差額の四百二億八千八百四十一万一千円は、国債費のうちの予算繰入れとして二十年度一般会計予算に計上されております。  それから、これらに係る利息でございますが、千八百三十三億三千四百八十万九千円でございますけれども、これらの債務に係る利息は十年間で、ああ、今これは申し上げました。そのうち、二十年度においては公債利子等九十八億八千七百六十七万円、借入金利子九十四億一千九百三十三万円の合計百九十三億七百万円が国債費として平成二十年度一般会計予算に計上されております。
  9. 辻泰弘

    辻泰弘君 これは、私が資料を作らせていただいて、それに穴埋めしていただいて予算理事会に配っていただいたという経緯なんですけれども、結果として正規の国会議事録にも残っておらないことなので、あえて読んでいただいたわけですが、私が申し上げたかったことは、まず、これ資料お配りしておりますけれども、一番上の八千百四十三億のうちの七千三百五十三億については財政法二十八条資料に載っているんだけれども、名目が違っているわけなんですね。違う名目で載っているわけです。裏のただし書にそれが入っていると書いてあるんだけど、小さい字で書いてあるわけです。それから、二つ目高速道路保有借入金ですけれども、一兆五千億のうち一兆四千六百二十億は借入金トータルの五十七兆の内数だというんですけど、その一兆四千億は全く出ていないわけなんですね。  ですから、私は、二兆五千億もの債務一般会計に担わせておきながら予算書に全く何も言及されていない、実質的にですね。そのことをずっと訴えてきたわけですが、そのことについて実は本質的な答えといいますか、今後の方針につながっていないということになっているわけです。  それで、財務大臣に時間もあれなので簡潔にお伺いしたいんですけれども、やはり本来これぐらいの多額債務一般会計に担っていただくならば、当然当初の予算の何らかの資料なり予算本体に明記されてしかるべきだったと思うんですけど、財務大臣、いかがですか。
  10. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 御指摘を踏まえまして、国会に提出している予算関係書類においてどういったお示しの仕方ができるのか、先生の御指摘もありましたので、今後検討させていただきたいと思います。
  11. 辻泰弘

    辻泰弘君 いや、そうじゃなくて、私が言ったから出たんです。出した資料がそれなんです。だから、出ているんです。これ以上何か出してくださるならまたいいですけれども。  私が申し上げたいのは、こういったことが今後あっていいかどうかは別にしてですよ、とにかく一般会計に二兆五千億もの債務を承継させることをしておきながらですよ、私が言って初めてこういう形で出たんだけれども、元々、財務省の基本的な姿勢として、予算書に載せる、予算総則なりに示す、あるいは関連資料としてこういうものを最初から用意していると、そういうものであるべきだという、このことを申し上げているんですけど、どうですか。
  12. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) できるだけ分かりやすくするのが我々の務めであると思っております。
  13. 辻泰弘

    辻泰弘君 そういった意味で、私は、今後こういったことがあるかどうかというのはあれですけど、あり得る話だと思うんですけれども、一般会計債務承継などがある場合は、予算書に何らかの形、予算書本体にあるべきだと私は思っております。そのことについてやはり是非、財務大臣としてお約束いただきたいと思うんですが、いかがですか。
  14. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今申し上げましたように、どういうふうな書き方をするか、検討させていただきたいと思っております。
  15. 辻泰弘

    辻泰弘君 毎年あることかどうかは分かりませんけれども、私は二十八条資料というのは基本的には一つの情報として立派な資料だと思っていますけれども、その中に、名目が違っていたり、トータルの中の内数だと、説明はそれはできますよ。しかし、二兆五千億もの数字がこことこことここを足したらこうなるということにもなっていないという、これはやはり根本的な問題だと思いますので、その点については問題点として指摘をし、今後このようなことがあるときには必ず予算上明記すべきだと、あるいは明記できない事情があるならば、それは単独の資料として作成し国会にあらかじめ配るべきだと、このことを申し上げておきたいと思います。  それから、時間の関係で次の点に移りますけれども、一つは、今日お配りしている二ページ目の資料、これは前回もお配りした資料でございますけれども、政府与党決定法案との相違についてということでございます。  閣議決定の方は来週の火曜日になるかというふうなことですけど、来週火曜日、閣議決定一般財源化される予定なんですか、国土交通大臣
  16. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 今日、審議をしていただきまして、それからどういう決議をしていただくか、それから月曜日に本会議でどういうふうにしていただくか、その後の話でございます。
  17. 辻泰弘

    辻泰弘君 それで、まず大臣に確認したいと思いますけれども、片や四月十一日の政府与党決定がございます。これは、道路特定財源制度は今年の税制抜本改革時に廃止し二十一年度から一般財源化すると、こういうものでございます。  そして、今審議対象となっている法律、これは要綱で示しておりますけれども、二十年度以降十か年間は、毎年度、次に掲げる額の合計額に相当する金額を道路整備費財源に充てなければならないということになっているわけですが、これはいずれも国土交通大臣として尊重するというお立場ですね。
  18. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) もちろん、決まれば尊重するのは当たり前でございます。尊重させていただきます。
  19. 辻泰弘

    辻泰弘君 決まればというか、片っ方では決定しており片っ方は御提示されているわけですから、両方、決まればじゃないですね。
  20. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) そこに、ずっと読んでいただいたら分かりますけど、その条文だけではなしに、その前にずっと書いてあります。したがいまして、今回の法案というものは衆議院で二十一時間の審議を重ねて、衆議院では可決をされて送られてきている法案であります。私どもはこれを、国会法五十九条に基づきまして、修正も取下げもできないんですね。したがいまして、これは一日も早く成立をさせていただきたい、こういうふうに思っておるところでございます。
  21. 辻泰弘

    辻泰弘君 もう一点確認させていただきます。  四月二十八日に自民党と公明党で合意をされておるわけですけれども、この合意は四月十一日の政府与党決定と同一の内容で、それを具体化したものだと、こういう理解でよろしいですか。
  22. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私はそのように理解いたしております。
  23. 辻泰弘

    辻泰弘君 そこで、国土交通大臣にお伺いいたしますけれども、国土交通大臣はかねがね予算委員会あるいは財政金融委員会での答弁の中で、道路特定財源制度は今年の税制抜本改正時に廃止し、二十一年度から一般財源化と、こうおっしゃっているわけでございます、これは一対でございますと、このようにおっしゃっておられます。また、私の質問に対しても、平成二十一年以降の一般財源化するという文言は、いわゆる今年の抜本的税制改革の中で議論される話でありまして、秋以降の話ですと、こういったことをおっしゃっているわけです。  そこでお伺いしますけれども、国土交通大臣のお考えとしては一般財源化というものは税制抜本改革が前提であると、こういう御認識でしょうか。
  24. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) そのように思います。
  25. 辻泰弘

    辻泰弘君 ということは、税制抜本改革なかりせば特定財源のままであると、こういうお考えですね。
  26. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 税制抜本改革時に道路特定財源制度は廃止され、二十一年度以降は一般会計とされるという方向で決められるであろうと。しかし、現在はまだ決まっていないわけでございまして、このように今の法律が通らないと、地方道路整備臨時交付金もみんな待ってますけれども配れないわけです。したがって、まずこれをしていただいてから後にこの税制抜本改革の中で一般財源にしようということでございます。
  27. 辻泰弘

    辻泰弘君 私は、一般財源化を図る、すなわち道路特定財源一般財源化を図る、また使途の見直しを行う、そのこと自体が実は税制改革の抜本的な改革だと私は思うんです。国土交通大臣はそうは思われませんか。
  28. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 抜本改革はいろいろなテーマがあります。その中で、今まで長年特定財源とされてきたものを一般財源化するというのも、これも大きな抜本改革一つであります。
  29. 辻泰弘

    辻泰弘君 どうも、やはり抜本改革税制抜本改革ということを間に挟んで、それの帰趨によっては必ずしも雲行きどうなるか分からぬという、そんなふうに受け止めざるを得ないわけでございます。  そこで、今お配りしております二つ方針があるわけですね。これは、最初の方は二十一年度から一般財源化するということでございますから、この意味するところは二十年度は特定財源が基本的に残るという意味合い、そして法案の方は二十年度以降十か年間ということでございますから、二十年度は同等でございますけれども、二十一年度以降二十九年度までの九年間は政府与党決定と違って特定財源が基本に残ると、こういうことでございますから、二つは基本的に両立しないといいますか、乖離をはらんだものだと、このように理解しますけど、このこと、この九年間の相違については認識されている、確認をされますね、国土交通大臣
  30. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 相違しているというよりは、現在、私提案しているのは十年間となっているわけですが、これはその後に改正はできるわけですから、したがいまして、今年限りで切るという改正は十分できるわけでございます。
  31. 辻泰弘

    辻泰弘君 確認いたしますけど、ですから、そういった意味で、改正しなければならないという意味合いにおいて九年間のそごが生じていると、その二つ方針には食い違いがあると、このことについての認識がおありだということですね。
  32. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 時系列に並べれば、一つ矛盾はしていないということを申し上げます。
  33. 辻泰弘

    辻泰弘君 いや、ですから、私は時系列のことは前もお伺いしましたので、それはそれで理解しております。  時系列じゃなくて、現時点に立てば二つ政府方針があるわけですね。それの中心的な御担当の責任者たる大臣であるわけですから、その二つがやはり相矛盾するといいますか、両立はしないと、その九年間についてはそうであると、そのことについての御認識をお伺いしたいんです。
  34. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 時系列的に考えれば、矛盾は一切いたしておりません。そのような認識でございます。
  35. 辻泰弘

    辻泰弘君 まあストレートに答えていただけないわけですけれども。  そうすると、その差というものが時系列なるがゆえに出てきているということは、それは客観的事実でしょう。しかし、現時点に立てば政府方針二つあることも事実でございます。そのときにその二つをどうやって埋めていくのかと、このことをどうやって埋めていかれますか。
  36. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 政府方針も、今年の税制改革と書いてあります。今年の税制改革、今やっているわけではありません。したがいまして、これは繰り上げてでもということを総理はおっしゃっていますけれども、通常は秋以降、十二月に大体、税制改革というのは行われてきました。  したがいまして、それ以前に繰り上げてやるにしても、今、今日、これ締めくくり総括やっていただくんじゃないですか。そこと、その間には時間的な差がございますから、時系列的に考えれば、矛盾はいたしておりませんということを申し上げているわけであります。
  37. 辻泰弘

    辻泰弘君 さっき申し上げました四月二十八日に自公両党の合意がございまして、それはもう当然大臣も御存じだと思うんですけれども、二項目めに、平成二十一年度からの一般財源化等平成二十年四月十一日の政府与党決定道路関連法案等の取扱いについて」に基づき、必要な法改正について年内に成案を得、国会に提出し成立を図ると、このように書いているわけですけれども、そういった考えでやっていかれると、こういうことでしょうか。
  38. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) はい、そのとおりでございます。年内でございます。
  39. 辻泰弘

    辻泰弘君 といたしますと、この今審議されている法律案成立ということが、政府のお立場としては成立後に再改正をすると、こういったお考えですか。
  40. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) そのとおりでございます。
  41. 辻泰弘

    辻泰弘君 時期についてはどのようなお考えでしょうか。
  42. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 与野党協議を通じまして、そこで合意を得て、そして議員提案になるのかどういう形になるのか知りませんけれども、政府提案もできるでしょう、これが成立した後であれば。この法律が参議院にかかっている間はこれ変更も取下げもできませんけれども、成立した後には、これは政府改正することもできます。  したがいまして、どういう手続になるか分かりませんけれども、我々の合意では、与野党協議というものを通じてそれを煮詰めた上で改正をすると、そういう合意になっていると理解をいたしております。
  43. 辻泰弘

    辻泰弘君 もう一度確認いたしますけれども、そうしますと、国土交通大臣の御認識としては、一般財源化というものは、あくまでも税制抜本改革があり、また与野党協議がある、こういったことを踏まえてのものであると、こういう御認識でございましょうか。
  44. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 数次の合意与野党あるいは、で行われておりますけれども、そのとおりに、政府与党との話合いもあり、あるいは総理の発言もあり、記者会見もありますが、すべてそのように言われていると理解をいたしております。
  45. 辻泰弘

    辻泰弘君 私は、次の論点に行かざるを得ませんけれども、やはり今のことも次につながりますけれども、国土交通大臣一般財源化というものを、本当にそのこと自体を追求されているのかと。政府方針としての一般財源化というものを、そのお立場としてできれば回避したいといいますか特定財源を継続したいという、そういう思いを持っていらっしゃるように受け止められて仕方がありません。  少なくとも、現時点において矛盾乖離を残したままの立法化というものについては我々は到底賛同できないと、このことを申し上げておかなければならないと思いますし、一般財源化の本当の成否、道筋も不明確であると、このことを申し上げておきたいと思います。  そして、三点目に入りますけれども、一般財源化の定義、内容、範囲についてお伺いをしておきます。  これについては私が四月十六日に本会議で御質問申し上げましたけれども、そのときに総理は、一般財源としての使途の在り方については、新エネルギー開発地球温暖化対策緊急医療体制整備少子化対策など様々な政策に使えるようにすべきと考えると、このようにおっしゃっておりますけれども、国土交通大臣はこの認識、全く共有されると理解していいでしょうか。
  46. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) これは、これまで揮発油税収等全額を毎年度の予算道路整備に充てることを義務付けておりました。今回の法案ではこの仕組みを改めまして、揮発油税収等全額道路整備に充てることを原則としつつ、真に必要な道路整備を見極め、道路整備費を上回る税収については道路整備に充てる必要がないことを規定することとして、このように一般財源化が部分的に実現したのは、この法案の趣旨でございます。
  47. 辻泰弘

    辻泰弘君 おっしゃった内容はよく分かっております。それで、恐縮ですけれども、質問に答えていただきたい。  総理は、使途の見解ということで、一般財源としての使途の在り方については新エネルギー開発地球温暖化対策緊急医療体制整備少子化対策など様々な政策に使えるようにすべきと考えると本会議で答えていらっしゃるんです。そのことを全く同じ認識に立つかどうかをお伺いしているんです。イエスかノーかです。
  48. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 総理と私との認識には何の差もございません。
  49. 辻泰弘

    辻泰弘君 国土交通大臣は四月十六日、これまた私の質問に対して、一般財源化した場合には道路整備以外の様々な政策にも活用できると、このようにおっしゃっております。そのことの意味、必ずしも同じではないわけですけれども、はっきりしていただきたいんですけれども、総理がおっしゃっている新エネルギー、地球温暖化、環境ですね、救急医療、医療、少子化、こういったものに使うんだと、そういった意味合いでの一般財源だと、こういう認識かどうか、はっきりさせてください。
  50. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 今年の税制抜本改革時に廃止し、二十一年度から一般財源化するとされておりますので、与野党協議会を設置し、一般財源とする使途の在り方なども協議、決定するとも合意されているわけでありまして、現行の課税の趣旨から考えると納税者たる自動車ユーザーの理解が必要であるとは考えていますが、このような観点も含め、今後の税制抜本改革における論議の中で具体的な検討がなされるものと理解をいたしております。
  51. 辻泰弘

    辻泰弘君 だから、同じだとおっしゃいながら、総理とは言い方が違うわけですよ。総理は生活者の目線で使い方を見直す、生活者財源へと改革していくと記者会見でおっしゃっているわけですよ。そういった意味での使途はエネルギーとか環境とか医療だとか少子化だとか、そういったものに使う、すべきだとおっしゃっているわけです。だから、そうだ、そうだと、それは同じかと言ったら同じだと言うけれども、直接聞けば別のことをおっしゃるわけです。だから、その点についてはやはり一貫した、共通したものがないというふうに思わざるを得ない。  財務大臣にお伺いしますけれども、財務大臣総理の見解と全く同じですか。
  52. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 政府内部では全く変わっていることはありません。  今後、与野党協議の中で、あるいは与党協議の中でユーザーの理解を得ながら議論をしていかなければならない。それは、課税の根拠、そしてまた使い道、あるいはまた税率水準、我々は維持をしていただきたいと思っておりますけれども、そういうことをきちっと議論をしていくことが大事であるというふうに思っております。
  53. 辻泰弘

    辻泰弘君 一般財源化というものを純粋に追求するならば、それは何の費目にも使えるというのが本来の姿でございます。財務大臣は必ずしもそうじゃないということなんですね。
  54. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 一般財源使途を限定しているわけではありません。ただ、道路特定財源一般財源化することでありますから、この課税の根拠についてこれまでのユーザーの皆さん方の理解を得るための根拠を示していかなければなりません。それから、使い道のことについても、幅を広げていくわけでありますから、そういうことについて、あるいは税率水準についてしっかりと議論をしていくということが大事であると思っております。
  55. 辻泰弘

    辻泰弘君 二十年度のいわゆる政府からするところの一般財源化については、四百二十七億ですけれども、この分については財務大臣はかねがね、余った分は道路に関連する分野、環境、信号機、交通事故関係などに使わせていただくと、このようにおっしゃってきたわけでございます。また、今日お配りしている三ページ、四ページ目の資料も、国土交通省、財務省資料ですけれども、いずれも一般財源として、まあ国土交通の方は「一般財源(自動車関連)」と書いているわけでございます。そういった意味ではある意味で共通するのかもしれませんが、あくまでも一般財源というのはそういったこと見合いのことであると、そういうお考えですね、財務大臣
  56. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) それは、これまでの改正案の中で、道路整備を上回る分について一般財源化をするというその概念の上に当たっては、これまで一般財源化をしたお金の使い方は、ひも付きではありませんけれども、これまでは信号機だとか自動車関連に使っていたお金が二千億円弱ありますので、その範囲内にありますから一般財源化しても御理解を得られるのではないかというのは政府案の中身の説明でございました。  これから年末、今秋の、秋に道路特定財源は廃止をし、来年度から一般財源化を図るというのはまた違った意味を持つものでございまして、先ほど言っているように、課税根拠とか使い道とか税率水準を改めてきちっと国民の皆さん方に理解してもらえるように議論をしていかなければならないということです。
  57. 辻泰弘

    辻泰弘君 財務大臣、今おっしゃったことで確認しますけれども、すなわち、二十年度において一般財源化というものは自動車関連であるというふうなことで終始されてきたわけですが、今総理が提起され閣議決定されようとしている一般財源化というのはその範疇、枠組み、範囲ではないと、もっと広いものだと、こういうことですね。はっきりおっしゃってください。
  58. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) そのとおりであります。
  59. 辻泰弘

    辻泰弘君 国土交通大臣にお伺いしますけれども、その点について今財務大臣がおっしゃったことと認識は共有、全く一緒ですか。
  60. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 閣内は一致しておりまして、一緒でございます。認識は一緒でございます。
  61. 辻泰弘

    辻泰弘君 そうすると、おっしゃる一般財源化という意味は、福祉や教育や環境とか、そういったものにも使える、私どもが言っている純粋な一般財源化というふうなお考えだというふうに国土交通大臣のお立場としておっしゃいますか。
  62. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 一般財源という法律の定義はありません。どこにもありません。しかしながら、今までは受益者、受益と負担の見合いで、自動車ユーザーに道路を造るからということで沿革が始まっていたわけでございます。これが今回、一部ではあるとはいえ一般財源化するという話、改正になり、これを全部一般財源化するという場合にどういうふうなことが起こるのか、これはこれから議論をしなきゃならないことであると思います。
  63. 辻泰弘

    辻泰弘君 財務大臣は、一般財源化というのは二十年度における御説明とはやはり違ってくるということをおっしゃったわけです。私もそのように思いますが、国土交通大臣、その点についてはどうですか。
  64. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 今言われているような意味では、それはもう違ってくるというふうに思います。財務大臣と同じ考えであります。
  65. 辻泰弘

    辻泰弘君 財務大臣に確認させていただきます。  改めて、今年の一般財源化で示した使途を自動車関連に絞るという方針は今後は放棄するということになるかと思いますが、それでよろしいですか。
  66. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) そういう方向でこの秋に、税制の抜本改正時に道路特定財源を廃止をし、来年度から一般財源化を図るという考え方をお示しをし、与党内あるいはまた与野党の間でしっかりと議論をしていただきたいということでございますので、民主党の間でもしっかりと議論をして決めていくことが大事なことであると思っております。
  67. 辻泰弘

    辻泰弘君 今回の道路整備費財源特例法改正案の三条には、将来の枠取りといいますか、取り戻しといいますか、余剰分の、余った部分は取り返せるといいますか、そういったこともあるわけですが、この考え方も放棄することになると思いますけれども、財務大臣、いかがですか。
  68. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) ちょっともう一回いいですか。
  69. 辻泰弘

    辻泰弘君 要は、将来、余剰分を取り戻すといいますか、枠取りをしている、二重取りと私は申し上げましたけれども、その年の自動車、将来も余った分は取り戻す、その考え方はもう放棄されるという考えでいいですね。
  70. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは、もう言ってみれば二重取りということはしていないので、ひも付きの一般財源化とは言っておりませんので、二重取りとは我々は解釈をしておりませんけれども、いずれにしても、この秋に道路特定財源は廃止をして一般財源化を図ると。その際に考えなければならないことは、二十年度予算改正案と二十一年度以降の改正案、新しい中身というものは変わっていくものと思っております。その際に、その課税の根拠をきちっと今までと違ったユーザーの理解を得なければならない、説明をしなければならない、使い道も理解を得ていかなければならない、それから税率水準も理解を得ていかなければならない、そういうことを議論していただきたいということであります。
  71. 辻泰弘

    辻泰弘君 この最後の資料国土交通省と財務省が出している資料では、一般財源の括弧の中に自動車関連というのが入っている、入っていないとあるんですけれども、財務大臣は今まで自動車関連とおっしゃっていたわけですが、確認しますけど、一般財源は、括弧の、国土交通が書いている自動車関連と、これが二十年度だと、こういうお立場ですね。
  72. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 我々は、説明をしてきましたのは、二十年度予算一般財源というのは二千億弱でございますけれども、それは今までの一般財源化の中から道路関係予算に使ってきた範囲でありますからユーザーの皆さん方にも理解をしていただけるだろうと、そういう意味で御説明を申し上げてきたわけでありまして、決してひも付きの二千億円ではないということも併せて説明をしてきたつもりでございます。
  73. 辻泰弘

    辻泰弘君 時間が参りましたので終わらなければなりませんけれども、やはり国土交通大臣の御答弁をお伺いいたしましても、与野党協議あるいは税制改革抜本改革、こういったものを前提とされる、また、一般財源化についても、ストレートに総理がおっしゃったような純粋な一般財源化を求めていらっしゃるのか、疑問が残るわけでございます。  その点について御指摘を申し上げまして、室井議員に時間を譲りたいと思います。
  74. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 民主党・新緑風会・国民新日本、室井でございます。よろしくお願いを申し上げます。  早速でありますけれども質問に入らせていただきますが、この私の質問に対して冬柴大臣は答える必要はないというふうにまず最初に申し上げます。ちょっと苦言を申し上げたいということで。  これは、私が前回の三月二十七日の国土交通委員会で、冬柴大臣にこのような質問を行いました。東京で直下型地震が起きた場合、どのような対応をされるんですかというような、御準備があるのですかという質問に対して、大臣は、宿舎に備えてある自転車によって十八分で登庁できるというような旨の答弁をされたわけであります。私も大臣も阪神・淡路大震災で直接に悲惨な思いをしておりますから、そのような答弁があったということ。  その後、幸か不幸か、一週間後の日経新聞、四月三日で、東京で直下型地震が起きた直後、都内の道路はラッシュどきの満員電車と同じ混雑をする、そして、救急活動の遅れや二次災害についての対策が緊急の課題だと、このように中央防災会議のシミュレーションが発表されたわけであります。もう少し掘り下げますと、一平方メートルに、一メーター、一メーターのところに六人の人間がひしめき合う、このような状況を想定してください。二百万人の人たちが路上で三時間以上立ち往生する。  こういう現状の中で、大臣は、宿舎から自転車で十八分で駆け付けるというこの甘い、わきが甘い、全く危機管理が分かっていない。六万人以上の職員のトップの方が、そしてまた、一億二千万人の国民の命を守る立場の人がこのような発言をされたわけであります、答弁を。このことは非常に重きことでありまして、是非国土交通大臣としてしっかりと認識を深めていただきたい、このことを一言冬柴大臣に苦言を申し上げ、質問に入らせていただきます。
  75. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 委員長
  76. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 答弁結構です、一度答弁されていますから。
  77. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) ここ、やり取りでしょう。
  78. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 じゃ、どうぞ。
  79. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私は赤坂に引っ越しをいたしましたから、歩いてもっと早く行けます。もちろん自転車は持っていっております。  それから、阪神・淡路大震災のときに、私は、家の中がひっくり返っていたけれども、自分で自動車で選挙区を回りました。全部回りました。そのときには道に六人もいません。私は、それなりにやることはやりました。そういうことを申し上げます。
  80. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 何もしていないとは言っていないんですよね。私もそのときは兵庫県の警察常任委員長として阪神・淡路大震災を処理しましたから、そんなむきにならずに、何をしたって、私があなたに質問しておるんでしょう。もう少し冷静にならなきゃ。  じゃ、続けさせていただきます。  冬柴大臣は、今のお立場、行政府の所管大臣としてお座りになっておられます。そして、一方では公明党の所属議員でもあるわけであります。ですから、私がお伺いしたいのは、この法案、公明党としてどうして賛成されたのかお聞かせ願いたい、このように思います。
  81. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私は、国家国民のために、今から十年間が本当にこの国にとって大事なときだと思います。本格的な人口減少社会を迎えるんです。そして、経済のいわゆる高度成長期に造った道路、すなわち橋梁、トンネルは高齢化を重ねているわけです。そういう中にあってまだ、私はほとんど休みのときには地方へ出かけておりますが、道路整備ができていないところはたくさんあります。  長くなりますからやめますけれども、そういうものは、あなた方も真に必要な道路は造らなきゃならないと言っているじゃないですか。じゃ、どこが不要なんですか。どこが不要なのかをはっきり言ってから、これは無駄だからやめろと、こういうことだったら分かりますよ。しかしながら、道路一般をやめたらいいとか、そういうことは、私は、子供や孫たちのことを考えたときに真に必要な道路はこれは造っていかなければならないというふうに思っておりますし、私はそういうふうに思います。  ただ、そちらも言われましたけれども、その渦中にあって、これをお願いしているときに無駄遣いがありました、指摘されました。私は、本当に許せないと思います。私は、これは公明党の議員とかそういうことではなしに、庶民の目線に立って不快と思われるものは、たとえ適法であっても、これは、福利厚生費はつくらなきゃならない、それから行政庁の長、私が長ですけれども、それは職員のために福利厚生を図らなければならないという法律の規定がありますよ、それに基づいて予算を計上しているんですが、その使い道が一般庶民の目から見て不愉快に思われるようなものに使われていたことは大変残念であり、私は心からおわび申し上げるとともに、そういうものについては、私は、今後一切支出をしない、そういう決定もしてきたところでありまして、私は公明党議員というよりも国会議員の一人として、私は一つも恥ずべきことはしているつもりはありません。これを、この法律を賛成しておかしいとおっしゃるのは、それは一つ考え方でありまして、私は、これは必要な法律である、これは心から信じております。
  82. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 いやいや、よく分かったような分からないような答弁なんですが、公明党として賛成される理由ということで、そういうことが理由として賛成されたというふうに解釈をさせていただきます。  続きまして、冬柴大臣は、私は、このような大きな問題、また次から次へとうみが出てくる、もう止めどもない、また、恐らく今まで出た事例は氷山の一角と、私はそのように思っております。そういう面からお尋ねいたしますが、冬柴大臣国土交通大臣、約、国土交通省には、六万人を超える職員のトップとして、そしてまた多くの官僚の皆さん方の努力の上に大臣が活躍をされている、こういうことでありますが、世の中にはよくこういう言葉が言われます。官僚支配そしてまた官僚主導型の政治、このような言葉がよく言われ、自民党政治は官僚依存型の政治だと。これが六十年間続いてきたから、このような独立行政法人、公益法人が数千、数万とできてしまったと、このようにされるわけでありまして、真の改革は郵政改革じゃなくこの独立行政法人、公益法人だ、このように私は思っているところでありますが。  これからの質問は、そういう立場でおられる大臣が、官僚の操り人形そしてまたそのような官僚組織にコントロールされていない、そういう政治家でないとやはり国会議員としては失格である、このように私は思っておりますが、この六万人の官僚を適切に使命感を持たせ、そして行動させるにはどのようなお考えで挑んでおられるのか、是非お考えをお聞かせください。
  83. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) その前に、操り人形は撤回してください。理事会で諮ってください。そういう失礼な言葉はやめてください。  私は、国土交通省で私と一緒に仕事をしている人たちは本当に国士として、国士というのは、いわゆる自分の利害よりも国の利益を優先させるという崇高な、崇高な精神でやっておられますよ。私はそう思います。  しかし、一部辞めた人たちの中に、辞めて、そしてOBが、そういうことをした人たちが、ですから私は、そういう人たちに対してはそういうことがもうできないように改革をしたつもりでございます。よく読んでいただきたいと思います。私の改革案をよく読んでいただければ、私はこれで、これだけのことをよくやったと評価をしていただけると私は思います。
  84. 峰崎直樹

    委員長峰崎直樹君) 大臣から、ただいまの室井君の発言中に不穏当な言辞があるとの御指摘がありました。委員長といたしましては、後刻理事会等において速記録等を調査の上、適当な措置をとることといたします。  質問を続けてください。
  85. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 続いて、道路財源の使用法、またこのことについても、先ほど申し上げましたけれども、非常に不可解な事例がまた出てまいりました。これはどうしても申し上げなくちゃいけない、またお答えいただかなくてはいけないということでありますので、私は、また同じことの繰り返しになるようでありますけれども、一点お聞きをいたします。  それは、重量自動取締り機、この件でありますけれども、一年間でたった二十四時間しか稼働していない。そして、これを全国の道路に五十一台付けている。約これに対して百億円以上の国民の血税が投資されている。このことについて、またかと、大臣も大体ワンパターンの答弁でしょうけれども、これをどのようにお考えなのか。そしてまた、この記事にも、本当に理解ができない、これは大臣の答弁でありますが、もう少し早くきちんとやるべきだった、このようにこのことについて答えられているわけでありますが、これは平成七年以降、全国の主な道路に合わせて五十一台を設置した。そして、運用開始は平成十六年ということになっていたわけであります。最初の設置から十三年もたっているにもかかわらず、大臣の答弁は、もう少し早くきちっとやるべきだったという、全く認識不足というか、どのようになっているのか。  それともう一つ、ついでに申し上げますけれども、三車線道路、これを計画し調査をして三車線道路を工事をする、決定したにもかかわらず、結果二車線道路に化けてしまったと。このようなことについても非常に腹立たしく思うわけでありますけれども、この過積載監視装置というこのことについてちょっとお考えをもう一度お聞かせ願いたい。
  86. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 平成六年より車両重量自動計測装置を設置し、過積載あるいは重量超過の車両に対して警告表示を行うなどの……(発言する者あり)
  87. 峰崎直樹

    委員長峰崎直樹君) 御静粛に願います。
  88. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 指導、取締りに活用しようとしました。平成十七年度からは違反車両の識別が自動的に行える装置の導入を行い、平成十七年から十九年度に、従前からの装置の改修も含めて三十八基を整備をいたしました。  本装置の運用につきましては、無許可車の車検証データとの照合システムの構築、センサー機器の精度の管理などシステム運用上の課題があり、結果的に本格運用の遅れが生じた、これについては私も心からおわびを申し上げなければならないと思います。今後、早急に調整を終了し、本年中に運用を開始したい、このように思っているところでございます。
  89. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 一基七百万ということでありますが、国民の血の出るような税金であります。このようないいかげんな計画で、確かに今回の財源の問題で地方が二兆六千億で非常に厳しい状況で苦しんでいるというようなことをおっしゃっておられますけれども、その前に、やはり国民を泣かせるような、国民の目線でしっかりとやはりこのような予算を的確に使っていただきたい。  そしてまた、このことについてこのようなことも言われております。確かに、マッサージチェア、野球の用具などに、道路以外関係なところにそういうものを、予算を使っているということは本当に不適切ということが言われるわけでありますが、この道路に関連した本来の目的でさえもこのようないいかげんな無駄な使い方をしているということ、本当に唖然とするわけであります。しっかりと指導していただかないと。それでも十年やるということは到底考えられない、このように私は思うわけであります。  時間がございませんので続けて質問をいたしますが、今度は、今先ほど私は官僚支配、このような政治に、実際的な結果、このように官僚が主導型、国会議員を操っているというか、むしろ国会議員が実際官僚に実権を握られているというのか、そのような見方もできるわけであります。ただ、ここで組織の改革をまた見直さなくては、先ほど申し上げましたように、こういう事例は氷山の一角であります。ですから、根本的に改革をしていかなくちゃいけない、そういう観点からお尋ねをしたいわけでありますが、この官僚、官僚OB、そして関連企業、この癒着が国民の貴重な税金を無駄に使っている、こういうところに結果がつながるわけであります。  じゃ、どうすればいいのかということでありますが、これは情報公開が全く不十分であるということ、それと、何よりもその情報を公開する官庁が自ら都合の悪い情報を公開するはずがない、これは子供でも分かるような事情であります。  このことについて国土交通大臣として、今後このようなことが二度と起きないように、行われないような組織、構図というものをいかにお考えであるか、お聞かせ願えませんですか。
  90. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 道路関係業務の執行のあり方改革本部最終報告書というのを平成二十年四月十七日に明らかにいたしております。その中に私の考えは書かれてあります。
  91. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 いや、もう一度ちょっと、もう一度お願いします。
  92. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) お尋ねのことにつきましては、これ読み上げてもいいですけど、時間がありません。この中に私の考え方はすべて盛り込まれてあります。  御指摘のように、OBあるいは公益法人、あるいはその下にある株式会社等がいろんな癒着があって、そして特定財源を無駄遣いされた、こういうことが今回の審議により、本当に熱心な野党議員、民主党の各議員の中には本当によく勉強された方がありました。私どもは、その指摘を本当に真摯に受け止めて、私は悪いと思ったことにつきましては直ちに、官僚に操られているとあなたはおっしゃいましたけれども、官僚なんかに私は意見も聞くことなく直ちにやめさせた使途もありますし、それからこれを支出を全部止めたやつもあります。そういうことがすべてここに書かれてありますので、よく読んでいただきたい、このように思います。
  93. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 次の質問に移らせていただきます。  民主党は、二〇〇七年です、百六十六回通常国会にて天下り根絶法案を提出をするなど積極的に我々は活動をしてきたわけであります。その中で、冬柴大臣の所属する公明党は、教育、福祉、平和というこの三本柱で公明党が立ち上がったというふうに仄聞をしているわけでありますが、このような官僚支配、官僚天国がもたらす税金の無駄遣いに厳格な対応をされる党というふうに私は認識をしているところであります。  そこで、冬柴大臣は、あるテレビ番組で、司会者の質問から、池田大作会長はどのように思われているんですかというふうな質問に対しまして、冬柴大臣は、今世紀最高、最大の天才的指導者というふうに池田大作会長のことをおっしゃられました。これがどうつながるのかということでありますが、そこで、一つの提案なんです、そこの一つの提案なんです、私の。  公明党の支持基盤である創価学会の皆さんの調査能力、その規模、詳細な調査方法、内容というものは私は身にしみて私自身知っております。その調査能力をもって、全国の道路財源、税金無駄遣いの調査をして冬柴大臣に情報提供すれば、官僚支配、官僚のロボットなどと言われない立派な国土交通大臣として働いていただけるのではないかと思うわけでありますが、このことについて、いかがでしょうか。  もう一点、小泉前総理のときの公明党の立派な坂口厚生大臣は、小泉さんとともに百年先まで安心できる年金制度ということを言われてから、坂口さんが引退されて百年たったのかどうか私は定かではありませんが、どうか汚名挽回にもしっかりとした私の質問に対してお答えをいただきたい。
  94. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) またロボットというところは、これは撤回してください。よろしくお願いします。  私は、すばらしい提案だと思いますよ。そういうことを、調査能力がどうあるかは別として、きちっと調査をして無駄があるということが分かれば、私は指摘されるまでもなく本当にそれに改革に取り組むのが私は公明党の使命だろうというふうにも思いますよ。それはすばらしい提案だと思います。  しかしながら、あなたはすぐロボットとか、それから、池田名誉会長を尊敬を私していますよ、心から。それがどうして悪いんですか。そうでしょう。そういうことをなぜこういう場で言うんですか。そうでしょう。  政教分離というのは、いいですか、国又はその機関が国権行使の場面において宗教に介入してはならないという、そういう原則なんですよ。あなたは今、国権の最高機関としてのこの場で、なぜ介入するんですか、そういうことを。それは、私は十分考えていただきたいと思います。それ以上は申し上げませんけれども、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
  95. 峰崎直樹

    委員長峰崎直樹君) ただいまの大臣の提案についても先ほど同様に対処していきたいと思います。
  96. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 私は、批判とかそういうことは一切しておりません。むしろ評価して、そのすばらしい組織力をそういう方向で御協力を願えればどうでしょうかという提案でありますので、それほどむきになって言われなくとも、私は冷静にそのようなことでお尋ねしたまでであります。誤解をしないでください。  以上で終わります。    〔委員長退席、国土交通委員長吉田博美君着席〕
  97. 森まさこ

    ○森まさこ君 自由民主党・無所属の会の森まさこでございます。  私は財政金融委員会の委員でございますが、なぜか道路法案財政金融委員会に付託をされまして、昨日の夜中に、審議が始まるということで、大変道路行政の勉強になりました。  しかし、やはり委員会制度というのは、専門的な識見を持つ委員又は専門的に勉強していく委員会において、他の関連法案などとの整合性も考えながら委員会で専門的な法案審議していくということでございますから、このような委員会制度の趣旨からいたしますと、国土交通委員会ではなく財政金融委員会に付託されたということは委員会制度の趣旨を没却するのではないかという疑問を頭に置きながら質問に入らせていただきたいと思います。  それでは初めに、先ほどの本法案と四月十一日、政府与党決定の整合性について私からも御質問をさせていただきたいと思います。  暫定税率が復活をいたしました。そして、本法案成立をいたしますと、ようやく地方に予算が行くということになります。今凍結されている各種事業がようやく始められるということになります。  私が財政金融委員会において民主党の法案の提案者の方に質問をさせていただいたときにも申し上げましたけれども、今年度にいきなり地方が予算執行をできなくなるということはひどいのではないかと、大変地方が困っているのではないかという質問をいたしました。民主党の提案者の方のお答えでは、キャッシュフローの点で考えますと今ある現金を使ったらいいのではないかと、先ほど議事録も読み返してきましたが、そのような御答弁がございました。さらには、どんなことが起ころうとも、つまり、暫定税率が延長されないということも、地方自治体においてはそういう事態に備えて予算を組んでおかなければならないんだと。いったんは地方自治体の怠慢であるという御答弁がありましたが、私がもう一度追及したら、怠慢という言葉は言い過ぎでしたということで撤回をしていただきましたが、この議事録を読んで、各地方自治体から大変な反響が私の方にありました。やはり大変苦しんでいると、大変待っていると。一日も早く本法案成立しなければならないという、そういうことで、先ほどの本法案を一日も早く成立をさせると。もう既に十年間ということで、さきに提出をされていた法案ではございますが、早く地方に予算を行かせるためにという、その趣旨はよく私も理解できます。  ただ他方、先ほど御指摘がありましたように、その後、総理平成二十一年度から一般財源化するという御決断をして、そして四月十一日に政府与党決定もなされたことでございます。これについては、先ほどの御答弁を聞いておりますと、どのような形でかは分かりませんが、成立をする場合にはその成立と同時に閣議決定をするということ、そしてその後、二十一年度から一般財源化するということについてしかるべき必要な法整備を行っていくというふうに理解をしましたが、それで間違いはないでしょうか。
  98. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) その御理解で結構だと思います。  この法律成立しませんと、委員もおっしゃいましたように、私の方へ本当に地方からもまた業界からも、業界というのは道路工事をやっている人たちです。一日も早くこれを成立をさせ、そして具体的には七千億の臨交金、これは事業量にしては一兆二千億の規模です、こういうものの発注業務が滞りなく行われるようにしてもらいたい、そういうことをおっしゃっているわけです。  これからまた、今回発足する、五年間でありますけれども、五千億の道路整備の貸付制度というものもこの中に盛られているわけであります。これは非常に地方にとっては渇望している制度だと。それからまた、高速道路の料金についても、社会実験等をやっておりますが、一日も早く実情に合った引下げをしてもらいたいというのも国民の声であります。そういうものの根拠がこの法律の中に規定されているわけです。  したがいまして、一日も早く私としては成立をさせ、そして税収は入るようになったわけですね、しかしながらそれをお分けすることができない、根拠がなくなっているわけです。したがいまして、この法律成立させたい、こういうことであります。
  99. 森まさこ

    ○森まさこ君 ありがとうございます。  先般、この私たちの財政金融委員会で北九州市の方へ道路の視察に伺いました。急な提案で、日曜日からでしたので、子供を預ける手当てを急いでして行ったんですが、そのときに北九州市長の北橋さんが、予算が執行止められて大変に混乱をしているとおっしゃっていましたので、本法案成立して予算が行きましたら、北九州市長北橋さんも大変喜ぶことであろうと思います。  さあ次に、一般財源化した後の道路整備についてお伺いをしたいと思います。  さきの政府与党決定によりますと、平成二十一年度から一般財源化する、その後も必要とされる道路は着実に整備をするということです。私が民主党法案の提案者に御質問をしたときにも、必要な道路整備しますということはお答えをいただきました。  私はこのゴールデンウイーク、地元の福島県の道路を見て回りまして、奥会津の昭和村というところにも行きました。子供を連れて家族四人でキャンプ場でキャンプをしてまいりましたが、なるべく道路を使わないで行けるところまで行ってみようと思いまして、電車で行きまして、浅草から行きますと三時間で会津田島駅というところに乗り継いで着くんですが、そこから先は車でないと行けません。四十五分から一時間、国道四百号線であります。曲がりくねった細い道でございます。冬は雪で凍結をされてしまいます。(発言する者あり)
  100. 吉田博美

    委員長代理(吉田博美君) 御静粛に願います。
  101. 森まさこ

    ○森まさこ君 村の人々は買物にその田島駅まで行くのですが、雪になって凍結をして通行止めされてしまうと買物も行けません。今は生活も違っており、村を支える農業が年々苦しい状況にあります。兼業をして働きに出なければ生活ができません。ところが、冬季、道がないと働きにも行けないところであります。  ここに来年トンネルを造るという予定になっていました。トンネルができれば、全部は不便が解消できませんが、冬の通行止めを回避できる日数が多くなります。また、村には産婦人科がありません。小さな診療所しかありません。一年に十人生まれる子供を大切に育てています。(発言する者あり)
  102. 吉田博美

    委員長代理(吉田博美君) 御静粛にお願いします。
  103. 森まさこ

    ○森まさこ君 このような生活道路、そして出産時や緊急時の道路、災害の道路、こういう道路は必要であると思います。  こういう村が、それでは子供を産む出産道路がなくてだんだん人口が減っていってなくなってしまったらどうなるでしょうか。この村は非常に森林が豊かで、キャンプ場でも私たち家族は森林浴をしてきましたが、森林によって環境を守り都市にきれいな空気や水を供給してくれているんです。道路を造ったら環境が汚染されるという意見もございますが、短い距離のトンネルを造ってそしてこのような村を存続させていく、森林を守ってくれている村を存続していく、そういう道路は必要であり、造っていくべきだと思います。  そこで、大臣の方に、政府与党決定に書いてあります必要な道路は造っていくという部分の御決意をもう一度お伺いしたいと思います。
  104. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 道路の中期計画を作成するに当たりまして、昨年の四月から七月までいろいろな方の御意見を伺いました。実に、一般の方から、十一万人を超す人から、十万一千人かな、を超す人たちの御意見をちょうだいしましたし、すべての首長さんからも意見をちょうだいすることができました。また、二千九百人を超える学識経験者の方々からも意見をちょうだいいたしました。  そういう意味で、この多くの人々のニーズというものを分析をいたしまして、十六の政策課題としてこういうものを早急にしなきゃならない。その中には、今地方のことをたくさんおっしゃいましたけれども、例えば東京には六百七十三の踏切がある。そこで渋滞があり、そしてまた環状道路は、ほかの近隣諸国の首都あるいは先進国の首都はほとんど環状道路を持っている。ほとんど概成しています。東京は今四六%しかできていません。今一生懸命やっていますよ。そういうことで、東京ですらそういう状況なんですね。  したがいまして、地方に行きますと、例えば高知なんかを見ますと、阿南と安芸か、その間は本当に海に接したところに道路がありまして、ちょっとあらしが来た場合に大きな石がその上に転がって通れなくなるという、そういう道しかないところもあるんですね。  私は、そういうことを考えたときに、こういうところの、住んでいる、本当に、はちきんさんという女性の方がはっぴを着て我々のところへ、大臣室へお見えになりまして、涙ながらに、私たちの世代は辛抱しているけれども、次の子供たちが本当にこの村から出ていってしまうんじゃなしにここで住み続けるためにもこの道路を造ってください、本当におっしゃいましたよ。そういうのが日本にあるんです。  だから、必要な道路というのは、いろんな人の意見を聴いて、その中から優先順位は決めなきゃいけない。けれども、たくさんのものがあるんです。それで、もし無駄な道路だと言われるのなら、どこが無駄なのか言ってほしいんです、そういうふうに言ってほしいんですよ。(発言する者あり)本四架橋はと今言われたけれども、満場一致でこれ法律作ったんじゃないんですか。そういうことなんですよ。
  105. 吉田博美

    委員長代理(吉田博美君) 御静粛に願います。
  106. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私は、これから道路というものについて誤りなきようにしなきゃならない。けれども、あつものに懲りてなますを吹いてはいけません。これから道路を全然造ってはいけないようなことを言ってしまったら、この国の国際競争力は落ちますよ。私はそういうことを申し上げているわけでありまして、真に必要な道路は造っていかなきゃならぬ。  これについては多くの人の意見を集約をして、子供たちの通学路は、いいですか、四万四千キロについて歩道がないんですよ。路肩を歩いているんですよ、子供は。そういうものを我々はほっておくわけにいかないじゃないですか。こういうことが皆さんの御意見でございます。
  107. 森まさこ

    ○森まさこ君 大臣から必要な道路は造っていくという御決意を伺いました。この点について、私、民主党の提案者の方に、どこが無駄であるのか、各地方、選挙区から民主党の先生方の御意見をいただきたいというお願いをしてみたのですが、それについてはしてくださるというお答えがいただけませんで、大変残念な思いをいたしました。  それでは次に、支出の無駄についてお伺いしたいと思います。  先ほども大臣が、無駄な支出、大変許せないとおっしゃいましたが、私も同感でございますし、国民もみんな怒っていると思います。これについて、政府与党決定によると、公益法人や道路整備特別会計関連支出の無駄を徹底的に排除、是正すると言っていますが、一体、具体的にはどのような方法で無駄を省いていくのか、その具体的なところが国民に分かるように御説明をいただければと思います。例えば、今申し上げました公益法人もそうですが、ミュージカルでありますとかマッサージチェアでありますとか、車両もこの間御指摘がございましたし、宿舎の問題、タクシー使用についても問題がありました。そういった問題等について具体的にどのように無駄を省いていこうと考えておいでなのか、御答弁をお願いします。
  108. 平井たくや

    ○副大臣平井たくや君) 本当に民主党の先生方も熱心にいろいろと細かくチェックをしていただきましたので、その無駄の在りかというものに関しては本当に幅広くチェックをできていると思います。ただし、言うのは簡単なんですが、それをなくすのはなかなか大変な作業でありまして、言うことも大事です、しかしやることの方がもっと重要です。  ではそこで、どのようにやっていくかということですが、外部有識者、要するに、この無駄な作業というものに関して、法律違反をしているわけじゃありませんから、物差しがなかったんです。それを大臣の御指導の下にこの二か月間で我々なりの物差しをつくって、今回改革のプランを取りまとめました。ですから、政治主導でつくりましたから官僚にとっては大変厳しい、これがほかの公益法人に広げられたら困るというようなこともあると思います。(発言する者あり)
  109. 吉田博美

    委員長代理(吉田博美君) 御静粛にお願いします。
  110. 平井たくや

    ○副大臣平井たくや君) そういう物差しをつくって、しかもそれをちゃんと実行に移すということは、我々にとっても大変な大きな課題だと思っています。ですから、常にモニタリングをして、フィードバックをして、この改革本部の内容は特別監査の対象にもさせていただいています。ですから、我々政治家が替わったとしても、ずっとチェックし続ける体制がこれからできると思います。そして、これは与党、野党を超えて、また国民もみんな含めて常にこういうものを監視して改めていかないと、これは常に完全に、パーフェクトにできるかどうかということにはやはり大きなハードルもあると思います。  そして、公益法人に対しては、大臣の指導監督権限を越えて、今回我々は支出を止めるということを一つの武器に、法人のスリム化とか給与を減らしたり人数を減らしたり、そういうことに取り組んでいるんです。  ですから、今回の改革プランの特徴は、数値目標を決めていること、そして期限を決めていること、そのやり方も決めているわけですから、まずこれができることによって大きなスタートが切れるのではないかと思っています。  具体的な細かい内容につきましてはそのペーパーの中にもありますのであえて説明をいたしませんが、ここに書いてあることをすべて完璧に実行できれば、これは大きな公務員制度改革の一歩になるし、公益法人改革の第一歩になると我々は確信をしております。
  111. 森まさこ

    ○森まさこ君 今の副大臣の御答弁にありましたペーパーというのは、道路関係業務の改革方針についての改革本部最終報告書のことでございましょうか。御答弁願います。確認です。
  112. 平井たくや

    ○副大臣平井たくや君) その最終報告書であります。また、この内容につきまして、また今後新たな論点等々も指摘されることも含めて、想定して改革本部を存置いたしまして、定期的に外部有識者の意見を聴きながら更にその質を高めていこうと考えております。
  113. 森まさこ

    ○森まさこ君 この改革本部最終報告書の概要を少し読ませていただきますと、公益法人に対する支出の削減目標が数値で設置されておりまして、業務の見直しによる公益法人への支出の取りやめが十八億円、民間企業への参入可能な業務を分離発注するなどの民間移行の促進で二百三十億円、コスト縮減四十億円などの数値目標が設置されていて、大幅な削減になっているということだと思います。  それから、先ほど私が指摘しましたミュージカル、マッサージチェア、連絡用車両などについてもそれぞれ認めない、削減していくということで記載がされております。宿舎についても、タクシー使用についても記載がされておりますし、それ以外のものについても不断のフォローアップをしていくというふうに書かれておりますが、間違いないでしょうか。
  114. 平井たくや

    ○副大臣平井たくや君) この改革案のポイントは、まず特命随契から企画競争へ、これは九四%から四%に減らします。そのことによって、この支出に関しては相当競争の中で全体の額も圧縮できると思っています。  公益法人への支出は、六百七十三億円を平成二十二年までに半減以上やっていこうということですし、法人は五十法人から十六法人に減らすということでありますが、もう基本的に、蛇口を閉めますので、残ったものに対してもスリム化しないと残っていけないようになるはずであります。  役員数、総人件費というものは、そういうパッケージで同じように、厳しい状況の中で今回は給与もカットしてほしいと、そしてその中身を発表してくださいということにしています。これも、我々初めて、すべての公益法人に対して、今回の対象法人に対してそういう要請をしておりますので、その要請にこたえていただくように更に強く求めなければならないと考えています。  また、整備局の支出に関しても、今徹底的に議論をいただきまして、そして、我々がその適正化を求めていこうと考えております。
  115. 森まさこ

    ○森まさこ君 大変すばらしい内容だと思います。これは国民との約束事でございますので、必ず実行をしていただきますように、大臣、副大臣、必ず実行していただきますようによろしくお願いします。  それでは、このような無駄が今後また生じたときにはどのような処分を行うのか。その責任の所在を明確にし、厳格な対応をしていくということについて、お聞かせください。
  116. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私は、これについて、過去に起こったことでありますけれども、現在その職にある者に対して、責任を明らかにしようということで、私は給与三か月を返納いたしました。今の平井副大臣も一か月、それから担当政務官も、金子善次郎さんも一か月を返納をしていただきました。また、本省では事務次官は訓告と給与三か月十分の一、それから技監、文書厳重注意と給与一か月十分の一、大臣官房長、これも文書厳重注意と給与一か月十分の一、それから道路局長、訓告と給与三か月十分の一、それから道路局次長、文書厳重注意、給与一か月十分の一、それから審議官、文書厳重注意と給与一か月十分の一をするとともに、地方も北海道始め東北、関東、北陸、中部、近畿、中国、四国、九州の局長整備局長をそれぞれ本局に呼びまして文書厳重注意とともに給与一か月の十分の一を返納をしていただくことにしました。  私は、それはもう厳しく大臣室で、こういうことを、国民に対する背信行為をやった、そしてそういうことが部下であったとしてもやったということは責任が重い、こういうことで注意をしたわけであります。  また、現場の人たちにつきましても、私は逐次本省に集めて、こういう恥ずかしいことをやることによって、一生懸命今日も徹夜でやっている人がたくさんいるわけです、今日のために夕べは徹夜している人たくさんいるんです。そういう人たちを裏切るようなことをなぜ今までやったのか、そういうことは一切許さないということで私は注意もし、自らも身を正していかなきゃならない、私はそういうふうに思っている次第でございます。  それから、平井副大臣が余り細かいから言わなかったと思いますけれども、職員の慰安旅行等について、私は、それは行うのはいいけれども、普通であれば大体一か月二千円とか三千円を積立てをして、そしてそれに見合うようなものを会社が出してあげてやるということは日本で広く行われていることだけれども、我々はこれについては半分以上を、いいですか、過去五年間で半分以上やったというものについては返していただくということで、まあ辞めた人もあり、それから一年生二年生の若い子から取り上げるわけにいかないから、いわゆる管理職以上で割り勘で全部返しなさいということで、返していただいたものは国庫に寄附することにいたしております。そういうこともすべてのところで私はやっております。
  117. 森まさこ

    ○森まさこ君 ありがとうございます。厳しい御対応をなさったということはよく分かりました。  そして、今後のことなんですけれども、今後また同じことを起こしてしまった場合、これが制度的にきちんとその現場の人間、決裁権を持ってそういったことをした人間に責任を取らせるということを制度化をしておくということにしないと、今回は明るみに出て、そして大臣が御決断なさって自らそしてまたみんなに厳しい処置をした。ところが次からはまた繰り返されるという、保証がないわけです。そういった国民からしますと責任の所在を明確にし厳格な対応をするということを制度的に保証をしていただきたいというふうな要望があると思いますが、この点について御検討いただけないでしょうか。
  118. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 検討はさせていただきますが、我々の方にはそういうものを浄化する制度というのはあるんですけれども、なかなかそれが働かなかったということは残念でございます。したがいまして、そういうものが十全に働くように我々は検討をさせていただきます。
  119. 森まさこ

    ○森まさこ君 是非よろしくお願いしたいと思います。  次に、この本案ですけれども、これが成立しなければどのような支障が生じるかということで、冒頭申し上げたとおり、地方道路整備臨時交付金などが活用できないということになると思います。これについては、地方が使いたい道路に使えるというそういう意味で、地方分権を推進する観点から活用をますます進めるべきだと思いますし、都道府県、市町村の補助事業の約半分を占めておると認識をしておりますので、これを使っていって地方を発展していくということについてのお考え、それから補助事業であっても裏負担、いわゆる裏負担がきついということでなかなか地方が苦しいということについてどのような御手当てをなさっているのか、御説明いただきたいと思います。
  120. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 現在百十七路線で七百三十八か所で工事をやっているのがこういうことで止まったり渋滞したり、そしてまた新しいものが発注ができなくなったりしているわけです。  したがって、一日も早くこの法律が通ることにより正常化をしてあげないと、中小企業多いわけですから、そういう人たちに対して順調に支払ができるように、そしてまた計画どおりにできるように、そういうふうにしていかなければならないと思います。そういう意味で、私どもは一生懸命頑張らなきゃならないと思います。  ちょっと私の方の道路局長からもお尋ねについて答弁をさせます。
  121. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) お尋ねがございました二点について御説明をさせていただきます。  臨時交付金でございますが、これは都道府県に対する一括交付金で従来からやっておりますが、今回の財源特例法の中で更に使い勝手がいいように……
  122. 吉田博美

    委員長代理(吉田博美君) 簡潔にお願いします。
  123. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) やろうということで、都道府県が管理する一般国道を追加いたしております。  それから、御指摘のように裏負担が非常に大変だということで、臨時貸付金、無利子貸付けでございますが、これを創設してございます。
  124. 森まさこ

    ○森まさこ君 ありがとうございました。  終わります。
  125. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 私は、まずこの法案に関連いたしまして、旧道路公団ファミリー企業の余剰金の問題について一問、お尋ねいたします。  これは、道路公団を民営化する際、まあ公団自体には借金があったわけですけれども、ファミリー企業には余剰金が残っていたと。これは本来は利用者の払った通行料でありますので、元々は、利用者に還元をすべきである、こういうことを政府で決定をいたしましたし、また民営化の際の法律成立の附帯決議でも国会でこれを促進すべし、このように決議をしております。  私は、予算委員会でもこの問題を取り上げ、このことがうやむやにならないように追及してまいりましたし、また三月二十七日の国交委員会では我が党の鰐淵委員が更に具体的にこれを問うております。  これを前提にお尋ねいたしますが、従来は百億円規模の利用者還元ということが、昨年末の決定では二百億円ということに拡大をしたということはすばらしいと思いますが、ただその還元をしている事業内容は、AEDを設置をするとかオストメート対応トイレを整備する等、従来、当初から、当初というのはもう平成十五年当時から言われていたメニューとさほど変わりはないわけでありまして、なかなか利用者に還元をされているという実態が分かりません。しかも、二百億円といいましても、去年の十二月の決定では今後の一年間の拠出は十三億円ということですから、このペースでいきますと、十億円にせよ十三億円にせよ、十五年とか二十年ぐらい還元するのに掛かるということで、これでは改革の意義がきちんと理解されないと思うんです。  そこで、大臣には、まずこの還元をするメニューをもっと抜本的に拡充してもらいたい。鰐淵委員が先般の質疑の際にはドクターヘリ関連への施策への拠出ということを言っておりますけれども、これは昨年法律成立しまして、厚労大臣に登録をした法人に寄附をできるという、こういう仕組みも整うわけですね。そういうことも含めて、抜本的に還元メニューの拡充と、この還元のスピードをそんな二十年も掛かるような話じゃなくて加速してやるようにしっかりと指導していただきたいと思いますが、いかがですか。
  126. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 努力さしていただきます。  ただ、委員も法曹ですからよくお分かりだと思いますけれども、私は強制するあれがない、手段がないんですね。ですから、理解を求めながら、今おっしゃっていただいたように、私もこういうものについてはそんなゆっくりやられるべきものではないというふうな認識をいたしておりますので、今日の委員会での質疑も踏まえて努力をさしていただきたい、このように思います。
  127. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 是非、そういう意味では要請ベースにはなるんでしょうけれども、それは所管大臣がおっしゃれば大分違うわけでありますから、しっかりと要請を続けていただきたい、このように思います。  そこで、本法案ですが、先ほども先行委員から話がございました。十年間、道路特定財源を延長するというこの法案成立をさせることと、四月十一日の政府与党の決定、道路特定財源は今年の税制抜本改革時に廃止し、二十一年度から一般財源化する、これが矛盾するんではないか。これはマスコミでもそういう指摘がありますし、確かに一見分かりにくい点はあるんですけれども、私もよくこれは両決定なり法案を見てみれば矛盾をしていない、このように思います。  四月十一日の政府与党の決定というのは、道路特定財源を廃止をして二十一年度から一般財源化するということですから、今年の秋なり年末に二十一年度以降も続く道路特定財源があるということを前提にこれは決定しているわけですね。そういう何もしないと続いていく道路特定財源があるんで、これを廃止して二十一年度から一般財源化するということでありまして、今審議をされている法案成立をすることを前提にこの政府与党の決定はされているということが明確でありまして、先ほども時系列的にというお話がありましたけど、まさに私も全くこれは整合性がある法案政府与党の決定になっていると思うんですね。  ただ、国民の間にはやはりまだそういう一般財源化が後退するんではないかという疑念というのもありますし、大臣に改めて、この一般財源、この法案成立させることと、この四月十一日の決定が矛盾しないということをもう一度御説明願いたいと思いますし、また、この法律成立をしましたら、成立させたいと思っているんですけど、成立をしましたら、やはり内閣として、一般財源化についてはこの道筋を明らかにして、改革が後退しないというメッセージをしっかりと国民に発していくべきであると考えますが、この二点、いかがでしょうか。
  128. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 政府与党決定も、その前文を読んでいただきましたら、この今審議していただいている法律案成立することを前提としてということが書かれているんですね。したがいまして、まず前提としての法律成立することにより、現在の混乱、例えばさきの森委員からの御質問にも答えましたけれども、臨時交付金等、これはもう一日も早くしていかなきゃいかぬ。  私は、民主党との我々との違いは、一般財源化についてはもうたった一点、この二十年度をどうするのかということについて、私どもは、二十年度は地方もこれを前提に予算を組んでいるわけだし、これはこうさせてほしいということを申し上げているわけですね。しかしながら、民主党の場合は、いや、二十年度から一般会計にしてもらわなきゃ困ると、この一点が相違しているんだろうと思います。  私は、次の問いでございますけれども、福田総理があそこまで言っているんですよ。しかも書面まで作っているんですよ。私もその内閣の一員として、これは全面的に支持をしなきゃなりませんよ。したがいまして、これを虚妄にするような、うそにするようなことをしたら、これは内閣つぶれるどころの話じゃないですよ。政治全体が不信になりますよ。私はそんなことができるはずがないですよ。いいですか。  ですから、これはまず通していただき、そして、その改革について、二十一年度からこれを一般財源化するということについては、これについても、それは野党ももっと意見言っていただいたらいいと思うんですよ、これ。どういうふうにして使うのかと、どういうものに使い道はするのかとか、そういうことを言っていただいて、それを盛り込んで、合意の上でこれをやるということが理想だと思います。しかし、それができなくても、私は、福田内閣ある限り、これはもうとにかくやらなきゃおかしいですよ。すぐに始めますよ。私はそういうふうに思っております。
  129. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 私も、それは二十年度からばしっと一般財源化できるんであれば、それはその方がいいかもしれません。ただ、これは改革にはやっぱり激変緩和措置といいますか経過措置が要るわけでありまして、今この時期であるということを考えれば、これはもう平成二十一年度からの一般財源化以外あり得ないわけであって、この一年間、暫定税率が続くからといって、今回の福田総理のこの改革の宣言の意義が何らこれは損なわれる、色あせるものではない、このように思います。  そこで、これは、私、額賀大臣にも聞きましたので、今日は冬柴大臣に尋ねたいんですが、私も九州に委員派遣で参りまして、私からは一般財源化するということに、来年度からの一般財源化について首長あるいは責任者としてどう思うかということを聞きましたら、おおむねこれは意義は評価されているんですけれども、ただ、本当に地方にきちんと必要な財源が回ってくるかという、このことを非常に心配されていたのが残っております。  そこで、先ほども森委員がお尋ねになりました地方道路整備臨時交付金、これは改革されて更に使いやすいものになったということです。それから、新設されます地方道路整備臨時貸付金、無利子の貸付け、また、スマートインターチェンジですとか高速道路料金の引下げを行うための高速道路利便増進事業、これも新設ですね、こういうものがあるわけです。これは当然、特定財源ということを前提にしておりますから、特定財源制度を廃止をすればこれも存在の根拠がなくなってしまうという、こういうことになろうかと思いますけど。  ただ、そうしますと、地方としてはこういうものを今期待をして道路整備をしよう、一年でできるわけじゃないわけですね。五年、六年と掛かるものについてこういうメニューを利用しようというときに、来年度からはもうこれがすぱっと白紙に戻ってしまうというんであれば、これは大変地方の期待を裏切ることになると思うんですね。私は、何もそんな特定財源制度を維持せよと言っているわけじゃもちろんないわけですけれども、ただ、やはりこの経過措置といいますか激変緩和措置ということで、やはり一般財源化するにしましても、今回のこういう三つのメニューも含めて、地方が困らないような、地方が真にそういう必要な道路整備ができるような配慮をやはりしっかりした上でやらないと、これはこれで大変な混乱が起こると思いますけれども。  ちょっとこれは大臣お答えになりにくいかもしれませんが、この見通しなりお考えをこの今の段階で伺っておきたいと思います。
  130. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 特定財源一般財源化するというのは、これはもう福田内閣総理大臣がおっしゃり、そして支える与党もそれについてきちっとしているわけですから、それはもう当然にこの法律が通ってもその点については必ず一般財源化する、これはもう明らかです。その余の点については今後私はそのまま残るものである。それが残らなければ、昨日、おとついだったかな、知事さんも、愛知県知事も皆来ましたよ。それで、是非早く臨交金をやってもらわにゃ困るとか、いっぱい言っていかれましたよ。今そのために努力しているんですよということを申し上げましたけれども、そういうものが全部廃止になるというようなことはだれも考えていないと思います。
  131. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 最後に、やはり国土交通大臣に、この四月十一日の政府与党の決定には新たな整備計画、五年に短縮して新しいデータでやる新たな整備計画は二十年度予算の執行にも厳格に反映をするということで、もちろん無駄な道路はないわけですけれども、だから、この本年度の道路予算の執行にも反映させるということは、切り詰められるものは、全部使い切るんじゃなくてそういうこともするという、こういう趣旨だと思いますけれども、これは具体的にどう実現されるのか。
  132. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 少なくとも今後新たに、今未着手だけれども着手するような道路につきましては、BバイC、新たな、この秋にでもつくろうということで今一生懸命やっているところですけれども、こういうものもつくり、またそれの方法についても今検討をしていただいているわけです。その結論が出れば、そういうものを踏まえてこの新しい基準でやり直すということ。  それからもう一つは、今工事をやりつつある部分についてももう一度評価をし直しますということも約束をいたしました。したがいまして、そういうものを反映して、そしてなお一層、始末できるものについては始末をしてやっていこうというのが私どもの今の考え方でございます。
  133. 荒木清寛

    ○荒木清寛君 以上、終わります。    〔委員長代理吉田博美君退席、委員長着席〕
  134. 大門実紀史

    大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。  今日で審議が終わりということでございますけれども、私、この財源特例法、なぜこんな法案審議しているのかと非常に不思議に思いながらずっと審議をしてまいりました。七年間国会におりますけれども、こんな変な法案、初めて審議しているんじゃないかと私は思います。  冬柴大臣が言われたとおり、確かに衆議院では可決をされました。しかし、その後総理の提案があり、また政府与党の新しい提案があり、したがって一般財源化していくという方向が明確に出されたわけですね。ところが、この法案はもう何度も触れられているように、十年間特定財源を続けると。とにかく、今となっては、これとにかく通してくれと、とにかく通してくれの一点張りで、いろいろ、本当は私は与党がもっと大胆な修正案を出すべきだと思っておりますけれども、いずれにせよこういう根本的矛盾がある、現状と方向と根本的な矛盾がある法案国会審議してくれとおっしゃっていること自身、私は大変国会に対して失礼だと思うんですけれども、最後ですから、ちょっとお聞きしたいと思いますが。
  135. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) この法律は三月の十三日、衆議院で二十一時間の審議を重ねて、いいですか、国土交通委員会で二十一時間やったんですよ、採決の結果、そこでして、参議院へ送ってきたんですよ。大門さん、すぐに審議始まらないじゃないですか、全然始まらないじゃないですか。五月になってからじゃないですか、これ。これ二回目ですよ、二回目。おかしいっておっしゃるけれどもね、それは始まらない方がおかしいんじゃないですか。前代未聞ですよ。その間に、その間に三月が、切れちゃったんですよ。こんなことはいまだ、国会始まってないんです。
  136. 大門実紀史

    大門実紀史君 いや、冬柴大臣のおっしゃっていることは違うんですよ。それは運営の経過だけで、私の申し上げているのは、提案している法案がもう既に政府が目指している方向と根本的矛盾ができてしまっていると、このことを申し上げているので、いつから入ったとか何だとか、そういうことではなくて、それでも通そうとされているということが大変これは異常なことではないかということを申し上げているわけでございます。  さて、いずれにせよこれ一般財源化はもう確定的でございますから、中身はともかく一年後あるいは一年以内に、今審議されているこの法案そのものは改正されるか廃止されるかどちらかになるわけですよね。それはそういうことですね。
  137. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) それは、改正されなきゃ二十一年からそういうことになりませんよ、一般財源は。そうでしょう。改正されるんですよ。改正なんです。これが通ってから改正なんです。  私は……(発言する者あり)ちょっとおかしいですよ、あなた方しゃべって。こちらはまじめに議論しているわけですから、そう次から次へやめてください。そうでしょう。おかしいでしょう。
  138. 峰崎直樹

    委員長峰崎直樹君) 不規則発言には答えないでください。  御静粛にお願いします。
  139. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 衆議院ではそういうことないです、本当に。ありませんよ。これはおかしいです。まあひとつ。  私は、本当にこれ参議院で早くやってくれ、早くやってほしいということで、しかし、なかなか動かないから、総理が本当に思い切った案出されたんですよ。だけれども、綸言汗のごとしでしょう。もう口の中に入れるわけにいきませんよ。  ですから、言ったことですからきちっとやりますと言っているんです。ですけれども、これは我々もう撤回も修正もできないじゃないですか、私の方は。国会法五十九条があるじゃないですか。私はそれを言っているわけですよ。
  140. 大門実紀史

    大門実紀史君 いや、別に私は大臣の愚痴を今更聞こうと思っているわけじゃないんですよ。要するに、そういうもう改正されるのが分かっている法案審議して通してくれということそのものが国会に対して大変失礼だということを申し上げているわけでございます。  しかし現時点では、今の時点でいいますと、この法案は四月一日から失効しております。失効しております。したがって、今の状態はどういう状態かというと、これは法的には、法律的には一般財源化されている状態です、今の状態ですね。にもかかわらず、それをわざわざまた特定財源を復活させる法案を通そうとされているわけですね、法案の中身からいって。そんなことをやらなくても今一般財源化されている状態なんですから、もちろん、先ほどもありましたいろいろ手当てしなきゃいけない問題あるのは十分承知しております。その所要の措置をとれば、何もこの法案を無理に通さなくてもいいんではないかと思いますが、いかがですか。
  141. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 今地方は大混乱していますよ。あなたの地元も混乱しているでしょう。ですから、これは通してくださいと、二十一年からだけにしてくださいということを僕も申しているわけです。分かります。
  142. 大門実紀史

    大門実紀史君 大臣、私、時間短いので聞いたことにお答えいただけますか。  そこはみんな一致しているんですよ。手当てしなきゃいけないことがあると。だから、それはやりましょうと。そういう協議もこの参議院の現場でやるべきだと野党からも提案していましたし、現場ではやろうという話もあったんですよ。ところが、何ですか、民主党さんの案にけちばっかり付けるだけで。中身として一緒にやろうよ、取りあえずの手当ての問題はと。できない、できないとかばっかりじゃないですか。そうじゃなくて、手当ては所要の措置をとればいいんですよ。しかし、この法案は通す必要ないんですよ。そう思われませんか。
  143. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 臨交金は切れてしまっていますよ、交付する。臨交金。切れてしまっていますよ。だから、これどうするんですか。今、そのままほうっておいたら、これ大変なことになっちゃうじゃないですか。どうするんですか。だから、我々は、余った金を回して、回すには根拠が要りますよ、ちゃんと。法律がなければ回せない。だから法律通してくださいと言っているわけです。そうしたら回せます。
  144. 大門実紀史

    大門実紀史君 来年から一般財源化するとすると、そして法改正をするとすると、もう秋から年内には法改正の準備というか法案を作らなきゃいけない、そういう作業もうすぐ始まりますよ。今、もうすぐ夏ですよ。それを今やって何が悪いんですか。今、そういう所要の幾つかの立法措置も必要かも分かりません。そういうことも含めて財源措置も含めて、所要の措置を今から与野党協議をして作れば、この法案は、こんな十年も特定財源をやるというようなこんなことを決めた法案は何の意味がないわけですから、こんなもの通さなくても、これを取り下げられたら、取り下げられてその所要の措置と立法措置の協議をやろうということをやればいい話で、何もこんなもの、ましてや再議決までしてですよ、通すような、恥ずかしいですよ、こんな法案、中身と提案が違うんだから、中身と政府の提案が違うんだから。そう思いませんか。
  145. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 今、取下げというのは撤回の話ですか。だれが。したらいかぬと書いてあるじゃないですか、国会法に。国会法五十九条に、一つの院が可決した法律は、政府は、提案者は撤回したり修正してはならないと書いてあるじゃないですか。だからできないんですよ。
  146. 大門実紀史

    大門実紀史君 いや、そういう細かい理屈を言っているわけじゃないんですよ。だったら再可決しなきゃいいじゃないですか。そういうお気持ちがあるなら再可決しなけりゃいいじゃないですか。いかがですか。
  147. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 京都の知事さんだって困っているんですよ、あなたの。(発言する者あり)まじめにやっていますよ。みんな、あなたの地元の知事だって、みんな早く、一日も早く何とかして臨交金早くやってくれと。そして、今請負とか土木やっている人だって本当に困っていますよ。このままでしたら倒産しますよ、これ。それはいけませんよ。  だから、私どもはこれで、とにかくこの法律を通していただくことにより、臨交金も渡すことにより、一兆二千億の工事ができますよ、これ、事業量。そういう契約ができるようにしてください。それができた後には、この夏と言われました、夏ですよ、骨太にこれを書き込むということまで言っていますからね、もう議論は始まるんですよ。それでいいじゃないですか。
  148. 大門実紀史

    大門実紀史君 一般財源化という中身が与党と野党とが実は、後でこれから明らかになると思いますけれども、違うんじゃないかと。本当に一般財源化するつもりあったら、私は今から、もう今は既に一般財源化の状態なんですから、その上で措置をとるというのが筋ではないかと、ましてや再可決やるなんということは全然その後の方向が違うんじゃないかという危惧を申し上げて、私の質問を終わります。
  149. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。御苦労さまでございます。  今問題になっております道路財源の問題について、これまでの自動車ユーザー側から道路整備のためとして税を取ってきましたね。政府は受益者負担論で課税根拠と今までは説明をしてきたわけです。で、一般財源化する場合に課税根拠をどうしようとしておるのか。政府一般財源化は納税者の理解が得られないという主張をこれまでして、特定財源維持の姿勢を堅持をしてきたのは間違いないことだと思いますが、どのように納税者に対して理解を得ていこうとしておるのか御説明いただきたい。
  150. 峰崎直樹

    委員長峰崎直樹君) どちらの大臣ですか。
  151. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 財務大臣
  152. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは渕上委員も御指摘のように、受益と負担で道路特定財源としてユーザーの皆さん方の立場から道路に特定した形で財源を使わせていただいたというのが今日までの過程でございます。  我々が今回二十年度の改正案で出させていただいたのは、道路整備も今日までもう五十年余り造り続けてきましたから相当進んだと、そういう流れの中で、道路整備を上回る分については一般財源化をしようではないかという考え方で改正案を出させていただいているわけでありますけれども、その場合もユーザー側の御理解を得なければならないということで、今までは、例えば二十年度予算でいえば一般財源化二千億円弱になっていますが、信号機だとか道路関係一般財源から二千億円ぐらい使っておりますので、その範囲ならば理解をしていただけるのではないか、ひも付きではないんだけれども、そういう考え方でこの二十年度予算では御説明をしてきたわけでございますが、今度この秋に、税制の抜本改正時に道路特定財源を廃止をし、二十一年度から一般財源化をするということを国民の皆さん方にお約束をしているわけでございますから、その際はこれまでと違った形で課税の根拠というものをどういうふうに示していくのか、あるいはどういうふうな形で使い道を示していくのか、税率はどうしていくのかと、そういうことについて国会の場で議論をしていこうと。今度は一般財源化でございますから、使途が限定されていかない形でいくので、そこのところは国会で十分与野党の間で議論をしていただきたい、あるいは与党の間でも詰めて考え方を整理をしていきたい、そういうことでございます。
  153. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 大変これ、ユーザー側からの意見があることはもう承知の上での答弁だと思いますけど、やはり納税者が理解をしていくためには完全な一般財源化する前に私はやるべきことがあるのじゃないかと、このように思っているところでございまして、一つは持続可能な交通関係の社会資本の整備をしていく、これは最も大事なことだと思っております。それは、道路であれ鉄道であれ、空港であれ港であれ港湾であれ、そこら辺をきちっと整備をしていく。  それから二つ目には、生活交通の維持確保というのは今の地方の状況を見ていただくとお分かりのように最も大事なことでございまして、地方のバス、地方の鉄道、LRTへの運営の支援とかですね。  三つ目に、やはり今問題になっております交通バリアフリーの推進というのは最も大事なことでございます。少子高齢化社会、とりわけ高齢化社会における交通バリアフリーの問題は大事なことでございますし、社会的な問題になっております交通事故被害者の対策の充実もこれまた大変必要なことでございます。今年七月にはサミットもありますし、環境に優しい公共交通の利用促進、公共交通の活性化、こういうことも大事だろうと。次に、やはり環境問題に加えて低公害車の普及、それから環境対策に重点的にやはり振り向けていく。  そういう工夫があって納税者に対する理解というものを示していくことが政府としての役割、任務ではないかと、このように思っているところですが、交通大臣、いかがでございましょうか。
  154. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 全く同感でございます。これは本当に大事な視点でございまして、納税者である自動車利用者の理解を得つつ、道路と公共交通機関が連携をし、バランスの取れた交通体系の構築に努めるということは誠に重要であります。  お話ありましたように、これまでもそのような考えの中から、LRT、新交通システムのインフラ部分の整備について道路特定財源を活用させていただいて支援を行っております。これにより公共交通機関の整備促進が図られていると考えています。さらに、鉄道、空港、各公共交通機関へのアクセス道路整備、あるいは駅前広場におけるバリアフリー、あるいは交通結節点の整備、バスの走行空間の改善事業、低公害バスの導入支援など、これまでもこのように公共交通の利用促進に資する事業につきまして道路特定財源を活用して実施をさせていただいているところでありまして、これは理解が得られた範囲だというふうに思っております。  今後とも、このように納税者である自動車利用者の理解を得つつ、道路と公共交通機関とが連携の取れた交通体系の構築に努めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
  155. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 私は、さきの連合審査のときにも、ここで協議会をつくってすべきではないか、それはこの前の冬柴大臣からの答弁で、国会法の五十九条でどうにもならぬと、しかし修正はできるわけですから、その協議、参議院としてやるべきではないか、このように思っていたんです。  それはなぜかというと、この法案が通ってしまえば十年間五十九兆というのが残るわけですよ。今まで政府は大したことはないと、公約なんかは大したことはないと、守らなくてもいいじゃないかと言った総理大臣もおられますね。そういうことを考えますと、何ぼここでいろんなことを言っても、一般財源化するとかなんとか言っても変えないのではないかというやはり不信があるわけですよ。  ですから、本当に変えようという意思があるのかどうか。十年は十年ではありませんよと、五十九兆は五十九兆ではありませんよと、お答えいただきたいと思います。
  156. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) これはこの法律が通った後の話でございますが、その後は、十年ではありません、五年というふうに明らかにしておりますし、それは自動的に五十九兆というのは上限なんです。五十九兆を超えないものとすると書いてある。したがいまして、五十九兆、五十九兆、みんな言われますけれども、超えないものですから。しかしながら、十年が五年になれば、五十九兆を維持するということは、超えないという言葉を付けても維持するべきものではない、私はあなたのおっしゃるとおりだと思っています。
  157. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 これから先の議論にもまちたいと思いますが、そこのところも約束は約束でございますんで、公的、そこの点もよろしくお願いを申し上げます。  最後の質問になると思いますが、揮発油税は財源特例法で道路特定財源となっております。財源特例法の期限が切れたということは、揮発油税の税収特定財源ではなくなっているという理解でよいものかどうか、その点いかがでございましょうか。財務大臣お願いします。
  158. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは委員がおっしゃるように、一時的には適用がない状態だと、こう思っております。しかし、特別会計法には、一般会計から繰入れすることができるということ、それから一般会計からの繰入金は道路整備事業に要する費用で国が負担するものということも規定されておりますので、これは道路財源として使えないわけではないというふうに理解をしております。
  159. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 終わります。
  160. 峰崎直樹

    委員長峰崎直樹君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  161. 峰崎直樹

    委員長峰崎直樹君) 速記を起こしてください。  これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  162. 円より子

    ○円より子君 民主党・新緑風会・国民新日本の円より子でございます。  持ち時間が三十分ですので早速質問に入らせていただきますが、大まかに二点どうしても今日は総理にお聞きしたいんです。  このところ国民の間でも、道路特定財源の話、それを一般財源化する話、皆さん大変関心をお持ちでございます。そのときに、今、半世紀以上も前にできたこの道路特定財源制度を今後更に十年間延長する、それも五十九兆円で延長するというこの法案と、総理が三月の末に、いや一般財源化しますよとおっしゃったそのことと余りにも矛盾をしておりますので、この矛盾点を今日は確かめたいんですが、ただ今までもそれは追及されておりますので、総理一般財源化するとおっしゃった提案と、そして四月十一日に道路特定財源制度は今年の税制抜本改革時に廃止し、二十一年度から一般財源化するとなっている、これをどう担保なさるのかをまず一点お聞きしたいんです。  それから次に、どうも私たちが考えている、民主党だけではなく国民の方もそうですが、一般財源化というものと与党政府考えておられる一般財源化意味が随分違うように思うんですね。昔、数学で必要条件にして十分条件のという、両方が重なってしっかりできるところはほんの少ないことを勉強したことがありますけれども、どうも同じ日本語なのに全然意味が違って、本当重なるところは少ないんじゃないかと思いますので、その一般財源化の中身についても今日はお聞きしたいと思っております。  まず、そもそも一般財源化するとおっしゃっていながら、なぜこの法案を廃案になさらないのでしょうか。総理です。(発言する者あり)この法案、今審議している法案です。
  163. 峰崎直樹

    委員長峰崎直樹君) もう一度済みません、質問してください。
  164. 円より子

    ○円より子君 この十年間、五十九兆を使って半世紀も前にできた道路特定財源制度を延長するというこの法案ですね、これをなぜ廃案になさらないのですか。総理のおっしゃっている一般財源化と全く矛盾しますよね。
  165. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) 特例法案審議をされているということをちょっと失念いたしまして申し訳なかったです。  この特例法案を存続するということは、二十年度は、二十年度はさせていただきたいと、しかし二十一年度以降は、これは一般財源化するんだということはもう再三申し上げているわけですね。ですから、この法案、出ています法案は、これは是非よろしく御審議を賜り、そして通していただきたいというのが私どもの考え方なんです。是非それはよろしくお願いいたします。いいですか、それで。
  166. 円より子

    ○円より子君 総理がいらっしゃる前に、冬柴国土交通大臣が、総理がもう本当にしっかりとおっしゃっていると、だから内閣でも閣内一致しているから、福田政権が続く限りは大丈夫だというふうにおっしゃったんですね。でも、国民の方々は、国民じゃなくてもだれでもそうですけれども、いつまでそんな続くかなんということはだれも分からないわけです、別に失礼な言い方ではなくて、永遠に続くなんということはあり得ないわけですから。そうしますと、やはりこの総理の提案の担保がされなければいけないときに、こういう十年間すると、今おっしゃいましたが、二十年度はこれでやってほしいとおっしゃったけれども、廃案にしても、それから否決なさっても、どうにでもその臨時交付金のこととかいろいろ、総理ほど賢明な方だったらお知恵が幾らでもございますでしょう。ですから、今すぐ廃案にすることはできると思いますよ。
  167. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) まあしかし、もう二十年度入っているんですよね。予算も執行しているんです。しかし、この道路関係については、特に特例法案関係する分については執行できないということがありましてね、このことについては地方に大変な御迷惑を掛けている、そういう状況ですよ。  廃案にしろとおっしゃるけれども、そう簡単に廃案にすることはできない。混乱をもたらすだけですよ。予算案そのものも替えなきゃいけなくなるんじゃないですか、そうなりますと。そうでしょう。歳入が、これの裏付けがなくて予算案なんてないですよ、それは。架空のお話をするわけにいかないんでありますので、ですから私どもはこの二十年度、もう入っちゃっているんですから。それも、もっとはっきり申し上げれば、なかなか結論出してくださらないじゃないですか。もっと早く結論出していただければそういう可能性があったとしても、今はもう無理ですよ、それは。ただただ国民生活また地方に御迷惑をお掛けするだけであるということになるんじゃないでしょうか。  それからもう一つ、これは私の政権が替わったらどういう担保があるのかと。これは政府与党の決定なんですよ。私だけで決定したわけじゃない。与党としても決定している。その与党というのは公明党も入っているんですよ。ですから、そういう政府与党で決めたものをそうそう簡単に変えるわけないじゃないですか。もしそれを変えるようなことがあれば、それは国民の信を失いますよ、本当に。そういう問題だと思います。
  168. 円より子

    ○円より子君 廃案になさるなり、それがルールでできないというふうにおっしゃっていますから、そうすれば否決をして再可決をなさらなければ、憲法五十九条は両院の議決が違うときにもう一度三分の二で可決することができるともちろんなっておりますけれども、あれはできるとなっているだけで、しなければならないと書いてあるわけではないんです。ですから、否決なさって、そして、総理がおっしゃっているように地域に混乱をもたらしているというんなら、私たち一緒になって、否決なさって、これは廃案になるのと同然ですから、そうなれば一緒に知恵を出して、地域の混乱を幾らでも、混乱にならないような知恵は出せますから、是非そうなさっていただきたいと思うんですね。  それで、質問なんですが、与党政府合意書を作られたとおっしゃっていますが、総務会ではもちろん決定なさったんですね、自民党の。総理です。
  169. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) 自由民主党の内部のことについては余り御心配いただかなくてもいいと思いますけど、総務会で決まっております。
  170. 円より子

    ○円より子君 今しているとおっしゃったんですね、総務会で。  臨時総務会でも異義なく了承されたと産経新聞に小さく出ているんですが、その後で伊吹幹事長がどうもちょっと違うような意味のコメントを出していらして、それで確認したかったんですね。  なぜ確認したかと申しますと、総務会で了承されたということは党議決定されたということでよろしいんですね。
  171. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) 党議決定というのは一体何なのかよく分かりませんけれども、具体的に。それは与党の最高決定機関が決めたと、そして幹事長もそれを了承し、総裁もそれを了承しているということですから、これ信用しないということになりゃ、一体何を信用したらいいかということになりますね。
  172. 円より子

    ○円より子君 私は人間福田さんは大変信用しておりますが、総理としてこれは、先ほど党内のことまで御心配いただかなくてもというようなことをおっしゃいましたけれども、これは大変国民にとって大事なことなんですね。それで、党内のことを心配しているわけではなく、確認させていただいたんです。  といいますのは、政党政治ですから、党議決定がないということは、内閣、総理が替わればほごにすることもできるのではないかという懸念が国民にあるわけです。ですから、党議決定があったんですねということを確認させていただいたんですね。  それから、平成十八年の骨太方針、これは二〇〇六年の七月七日に出ました。ここに、小泉さんが総理のときですが、一般財源化を図ることを前提に、早急に検討を進め、納税者の理解を得つつ、年内に具体案を取りまとめると書かれているんですけれどもね。このときもっと本当は小泉さんは一般財源化をしっかり推し進めたかったと思うんですけれども、なかなかそれが党議決定されなかったというふうに聞き及んでおります。  新聞等によりますと、当時の自民党の道路特定財源見直しプロジェクトチームが二十九日に公表した中間取りまとめは、年内に必要な具体案をまとめるとのみ書かれてありまして、何も具体案は書かれてませんし、そのときの石原伸晃党道路調査会長はこのようにおっしゃっています、総裁がだれになるかによっても受け止め方が違うと。  それで私は心配しておりまして、党議決定がちゃんとあって、これは党内みんなちゃんと了解なさっていることで、内閣が替わってもおやりになることなのかということなんですが、例えばどうも、自民党の今の道路調査会長もこんなふうにおっしゃっているんですね。必要な道路は着実に整備するというようなことをおっしゃっていますし、一般財源化の中身が随分違うんじゃないかなという気がするんですね。  このときも、二〇〇六年のときもそうですし、そしてそのときの二〇〇六年の骨太方針で書かれて、そしてやっと十九年度中に新しい中期計画を作成することが十二月八日の閣議決定になり、次の年の十九年、去年ですね、八月二十四日に十年間と、今まで五年ごとの中期計画だったのが十年間ということを織り込んだ骨子案ができました。  これはどうも一般財源化という言葉が出てきたことによって、何とか族と呼ばれるような方たちがこれは大変だと、道路をこれは十年計画にして五十九兆で造り続けなければ大変なことになると、決定しようということで、十年間と五十九兆円と暫定税率維持、これを十年間維持という三点セットを、一般財源化するということを、さらに十九年十二月七日、政府与党が決定をし、二十年、今年の一月二十三日に閣議決定をされたんです。だから政府与党で十年間暫定税率維持それから五十九兆、そういうものをちゃんと決定なさったと、このどちらも、政府与党合意閣議決定もこれは福田総理になられてからですよね。  そうすると、つまり二年前の小泉さんが国民理解を得て一般財源化していこうという方向性と私は違っているのに、なぜこういうものを閣議決定なさったのか不思議なんですが、いかがですか。
  173. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) 昔の話になりますけれども、当時は一般財源化する、それは特定財源の枠組みの中で一般財源化すると、そういう意味合いであったんじゃないですか。ですから、それは将来的には特定財源を廃止して、そして一般財源化するということも視野に入れておられたかもしれませんよ。だけれども、当時の情勢からいえば、そうじゃなくて、一定の枠組みの中でどれだけ一般財源化するかと、そういうことに努力をしていこうという、そういうことを言っておられたんだというふうに思います。  ですから、そういう意味において、今回は、私が申し上げたのは、これは特定財源を廃止してそして一般財源化しようと、まさに清水の舞台から飛び降りたような決断をしたわけでありますから、それはもう全然違うんですよ、従来の考え方と。ですから、それは一緒にされない方がよろしいんではないかと、このように思っております。
  174. 円より子

    ○円より子君 私は、小泉さんの方がこの点に関してはもっと前向きに全体を一般財源化しようと思っていらした、ところが党に戻ったらそれは駄目で、閣議決定ではあいまいな形になってしまったというふうに思いますが。  この間の三月二十八日の予算委員会で、総理は我が同僚議員の直嶋さんの質問に答えてこういうふうにおっしゃったんですね、一般財源化するということは、いわゆる社会資本整備特会の道路整備勘定をなくす、つまり特別会計をなくすということですねと、そうすると、総理は即座に、はい、そのとおりでございますとお答えになった。これは総理が多分一般財源化した方がいいと思われたときに、それが当然のことだと、自然のことだと思われたからそうお答えになったんだろうと私は思うんですね。ところが、この予算委員会の最後に、いや、訂正しますと、どなたに言われてか分かりませんが、全く今のは違いましたというふうに訂正をなさっているんですよね。特会の勘定については一般財源化によりまして自然になくなるものではございません。訂正をさせて、本当は総理は特会もなくさなきゃいけないと思っていらしたのに、どうも与党内も閣内にも抵抗勢力がいらして屈辱的に訂正をさせられたのではないかと私は同情申し上げているんですけれども、これがまず私たちの一般財源化の話と違います。  それから、暫定税率も、一般財源化するんだったら特別会計と同様に暫定税率も廃止すべきだと思うんですが、ここも違う。総理の言う一般財源化というのはどの程度、先ほど冬柴大臣がお答えになっていましたが、十年を五年にする、五十九兆はそのまま五年間で使う、道路のキロメートルも同じという、そういうことなんでしょうか、中身をちょっと具体的に話してくださいますか。
  175. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) 会計の勘定の問題は私は知りませんけれども、よく聞いてください、財務大臣に。  要するに特定財源を、要するに道路及び、まあ道路にまつわる、関係するような分野に集中的にその特定財源を使うという制度をこれを廃止するということは、要するに一般財源化するということなんですよね。一般財源化するということは、ほかの例えば社会福祉とか教育とか防衛とか、そういったようなものと一緒の一般財源に入れて、そしてそれを振り分けていくと、毎年の予算のときに振り分けていくと、こういうことなんです。それは、そのときの政権の考え方とか、それからそのときのいろいろな社会情勢、経済情勢等によって判断するわけでありますので、最終的にはその政権がどういうふうに判断するかと、こういうふうな問題になるわけです。  いずれにしましても、この財源をいかに有効に使っていこうかということが趣旨なんですよ。今でさえ、今財源は非常に逼迫しているわけですね。ですから、その逼迫している中でもって、いかにしたら一番有効な方法があるのかということ。それから、将来的に言えば地方分権でしょう。地方分権の世界の場合には各地方がどうやって決めるかといったようなこともあるわけでありまして、今回の一般財源化というのはそういうものもにらんだ上で考えていくべきものだというように私は思っております。
  176. 円より子

    ○円より子君 そもそも十年間五十九兆円、そして暫定税率十年維持というのを閣議決定されたときは、それが最善の法案だと思っていらしたんだと思うんですね。だから、何度もこれは最善だとおっしゃっていますが。じゃ、なぜ一般財源化しようと総理は思われたんですか。
  177. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) それは、提出するときはそれが最善だと思いますよ、だから提出したんで。じゃ、何でこの委員会があるのかということになりますよね。やっぱり、委員会、委員会ですよ、この議会があるのかと。それは、皆さん方がその予算案には問題があるということを指摘されたからでしょう。私どもはそれを謙虚に、真摯にそれを受け止めたんですよ。そして、少しでも改善しようと、そういう気持ちを持って対応しているわけでありまして、いたずらに気まぐれでやったとか、そんなふうな話じゃないんです。ましてや、今の財政状況の逼迫とかいったようなことを考えますと、いろいろ工夫していかなければいけないということもありますよね。  まあ、いろんなことを考えながら今回こういうような一般財源化に踏み込んだと、こういうことであります。
  178. 円より子

    ○円より子君 私どもが一般財源化したい、しなきゃいけないと思っていますのは、今総理がおっしゃっているように、財政は地方も国も大変厳しいです。国民もみんなそのことを知っています。何を自分たちがこれからの子供たち、孫たちに残していけるか、どういう国づくりをしていくかというときに、もう五十年間、ほかの国に比べても十分な道路、もちろんまだ必要だと言う人もいるでしょう、必要なところもあるでしょう。でも、そうしたら後期高齢者医療だって必要だし、介護も必要だし、教育も必要だし、ありとあらゆるところに必要なものがあるわけですよね。  例えば、御存じだと思いますけれども、日本は例えば公共事業投資の対GDP比率は先進国主要国の中でも最も高くて、三・七%なんですね。これに対して、知的立国投資、これは高等教育と研究開発への政府投資の合計ですけれども、これは対GDP比一・一%と、最も低いんです。こういう公共事業投資に占める知的立国投資の比率を各国で比較しても、日本が一だと、米国は日本の二・二倍、スウェーデンは二・八六倍。こういうふうに、明らかに日本は公共事業投資に偏り過ぎなんです。  国民もみんなこういうことを知っておりまして、もっと子育てしやすい、そして子供たちの教育や、そして日本をこれからもっと立て直していくための研究だとか高等教育だとか、それから高齢者がたくさん増えてきますから、そうしたときの医療、介護、年金が大事だと。でも、全部を、総理も多分悩んでいらっしゃると思いますけれども、すべてに言われたとおりの予算をそれは配分することはできませんよね。だから、じゃ、もう今までどおりの土建国家と言われるようなコンクリート造りはやめて人づくりの政策に大転換しようというのが、私たちがこの道路特会をやめて一般会計にして、そしてそういうものに使っていこうということだったんですよ。  総理が今、あいまいな気持ちでやったわけじゃないとおっしゃいましたが、私は実はそこで総理から、総理も私たちと同じような思いでこの国を変えていきたいから生活財源に使いたい、その思いでいたけれども、総理になられたばっかりの閣議決定のときには様々な抵抗勢力があってできなかったけど、今度は民主党の応援も得てやれると思って私は出されたんだと思って、国の将来を考える方向性は同じじゃないかと思っているんですよ。応援したいくらいなんです。だから廃案にして、この法案をですね、ちゃんと手当てはして、やりましょうと言っているんですが。  総理がおっしゃっているのは、何だか矛盾のところを何とか、閣議決定だとか骨太二〇〇八、九ですか、そこに書き込むことによって何とかなるよとおっしゃっているけれども、党内では一般財源化したって道路は幾らでも造れると思っていらっしゃる方々が余りにも多い。総理の党ですよ、総裁をやっていらっしゃる党ですよ。そういうときに、もし本当に全員が私たちと同じことを思っていらっしゃるなら廃案になさればいいじゃないですか、否決なさればいいじゃないですか。そして、知恵を出し合って、臨時交付金とか地域の方々にきちんと手当てをすればいいことで。  本当に、党議決定があり閣議決定があっても、いつまで福田総理の内閣があるか、皆さん懸念なさっているんですよ。それから一般財源化の中身も、一般会計にはしない、特別会計はそのままだということであれば、全然違うんですね、私たちが思っているのと。それをだから担保してくださるのはどういうことかと先ほどから聞いているわけです。総理がおっしゃっている生活財源としては環境もあるでしょう、教育もありますよね、福祉もありますよね。そういうものを何割ずつ、じゃ一般財源化したときにお使いになるつもりなんですか、具体的に教えてください。
  179. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) 考え方が同じではなかろうかと、将来的に。恐らくそうなんだろうと思いますよ。同じような方向を目指しているということですね。それで応援してくださるというんであれば、それだったら御党の方から修正案を出していただければよかったんですよね。私は三月二十七日にこういう提案をいたしました。三月二十七日ですよ。今を去ること、四、五、もう一月半ですよね、一月半。この間、修正案を出してくれないかなと思って待ち焦がれていたわけですよ。私どもは与党ですから、政府としてこれ修正はできないんですよね。ですから、与野党協議をしましょう、その場で修正のお考えを出してくだされば、よっぽど破天荒なことでなきゃこれは私ども応じたい、そういう気持ちでおりました。だけど、いまだにそういうことをしていただけない。これ協力してくださっているというようにはとても私には見えないんですね、残念ながら。今すぐでもひとつ間に合いますから、よろしくお願いいたします。
  180. 円より子

    ○円より子君 総理は一か月以上もこんな延びて困った困ったとおっしゃっていますけれども、そもそも、参議院で去年、私たち民主党が第一党になりました。衆参共に今まで数を持っていらしたときと同じような運営をどうも、まあ変わらなきゃいけないと思っていらっしゃるんですけれども。  私は、ねじれ国会という言葉はマイナスのイメージがあるみたいで余りいい言葉とは思いませんが、でも、それによって国民がようやく、こういう道路会計というものがあって、特別会計がたくさんあって、塩川さんがおっしゃったときはみんな、おお、そうかと、一般会計のところではみんなおかゆを食べているのに、そういうところではみんなすき焼き食べているという、そういう言葉どおりみんなおかしいと思われたけれども、これをやっぱり変えていかなきゃいけないと思っている。そういうときに、特別会計はそのままで一般会計にはしませんというその総理一般財源化提案が国民に私は受け入れられないと思うんですよ。そういうことをしっかりなさるのであれば、私たちは前提条件がまるっきり違いますから修正ができなかっただけで、今からでも遅くないんですよ。  今日の、残念ながらこの後、もう採決をしなければいけませんけれども、私たちは必ず否決になると思います。そうしましたら来週再議決なさると、まあ既定路線のようになっていまして、こうやって審議することも本当にむなしいような気持ちなんですが、それでも総理にきちんと、総理がわざわざ私たちと同じような方向にこの日本の国を持っていこうとなさっているのかなと思って、それだったら何とか応援したい、でも、その担保もきちんと国民のために今日聞かなきゃいけないということで総理においでいただいたんですけど。  国民は今、一般会計にせず特別会計を残すことに納得すると思いません。それからまた、どうしてそういうことだといいますと、例えば受益と負担の関係ということをよく言われますけれども、道路によって受益しているのは、例えば地方に行ったら一家に三台も四台も車を持っていらっしゃる方もいらっしゃいますよね。その車を買った人とか、車のガソリン税払っていない赤ちゃんでも、だれでもみんな道路を使っているわけですよね。そうしますと、私は、ほぼすべての国民道路によって益を受けている、受益をしている。厳密な意味で自動車関係諸税を負担した人がその見返りのサービスを受けている仕組みとは思えないんです。ですから、この道路は特別会計になじまないと思います。これはみんな国民はそう思っていると思いますよ。  ですから、半世紀も続いたこういう硬直的な制度を今こそ改めて、貴重な税金を総理のおっしゃっている一般財源化するためには、国民の参加しないところでの議論で道路だけに使うんじゃなくて、道路をいつまでも聖域にせずに、これからの新しい時代を切り開くために柔軟に使うように特別会計から一般会計に決断なさってほしい。そうすれば、私たちもちゃんと修正協議もしますし、地方の混乱をすぐにでも何とかできるような知恵をお互いに出し合おうと思いますけど、それをせずに、なぜ修正してくれないんだ、待っていたと、待ち焦がれていたとおっしゃっても、それは余りに総理としてこのねじれ国会をどう運営するかの認識が甘過ぎるのではないかと思います。
  181. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) いい提案であれば協力をするというふうにおっしゃったのは、ねじれ国会とかそういうことは関係ない話ですよね、まず第一にね。  それから、今お話伺っておりまして、二十年度、二十年度についてのことをおっしゃっているような感じがするんですが、そうですか。今のガソリン税、暫定税率を下げなさいと、こういうふうなお話なんですか。そういう意味じゃないんですか。ちょっとそこら辺がよく分からない。(発言する者あり)
  182. 円より子

    ○円より子君 総理、もう一度聞いてくださいね、そちらのやじの方ではなくて。  一般財源化するとおっしゃったのは、総理は今後ずっととおっしゃっているんですよね、二十一年度以降。それだったら、特別会計を一般会計にすべきじゃないですかと申し上げているんですね。それから暫定税率もやめた方がいいんじゃないですかと申し上げているわけです。それが当然のことなんですね。そして、そのことを二十一年度からするということに関しては閣議決定と骨太方針に書くとおっしゃるけれども、福田内閣がなくなったときにそれはどう担保されるんですかと、この三つをお聞きしているんです。
  183. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 特定財源とそれから特別会計のことに委員がお触れになっておりますけれども、一般会計にすれば、概念的には一べつの下に分かりやすくなるような印象を与えますけれども、この道路特別会計というのは、国税のほかに地方税もあるし、借入金もあるし、そういうものが全部混じり合っておりますから、これはやっぱり特別会計できちっと区分整理をした方が国民の皆さん方からは透明性を持っていくわけでございまして、その意味一般財源化をした後も特別会計システムの方がいいんではないかと、そういうことを申し上げているわけであります。
  184. 円より子

    ○円より子君 もう時間もなくなってまいりましたけれども、せっかく三十分総理に御質問させていただいたんですが、福田内閣がいつまで続くかということはだれも分かりませんし、その後の、本当に一般財源化するということの担保ができなかった。残念です。そして、一般財源化の中身も違って、これでは骨抜きになり、去年偽装という言葉がはやりましたけれども、一般財源化というのも形だけで、骨抜きになって偽装一般財源化というふうになるのではないか、国民が大変懸念しておりますので、是非、来週、再議決などなさらないようにお願いいたしまして、私の討論を終わります。
  185. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 民主党・新緑風会・国民新日本の藤本でございます。  福田総理を中心に今日は幾つか質問をさせていただきたいと思うんですが、一時からの、十三時からスタートしましたこの連合審査を聞いていて、やはり政府与党決定と今の法案に大変矛盾があるということを我々は指摘をしています。ただ、冬柴大臣に問うと、これは矛盾がないんだというところなんですが、非常にここのところが分かりにくいなというところでございまして、そこの辺り少し質問をしたいと思うんですが。  冬柴大臣、これが道路の中期計画ございます。この道路の中期計画というのは、まあ基本的には計画年度が十年間であると。そして、最初は六十五兆円というのがあって、それを絞り込んで五十九兆円を、先ほど上限だというお話がありましたが、この計画というのは重点目標を達成する上で真に必要な道路、まあよく言われますが、その真に必要な道路計画、整備計画を表したものがこの中期計画であるという理解でよろしいんでしょうか。
  186. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私はそのように理解をいたしております。
  187. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 その場合の財源は、この時点では当然道路特定財源財源として、それで十年間で五十九兆円ということでいいんですね。
  188. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) これはその年度年度で整備する範囲というものが決まってくるわけであります。したがいまして、これをこの今審議をいただいている法案成立をいたしますと、今後は、そのような形になっておりますが、総理はその後にこれを五年間として見直すんだと、BバイC等の新しい物差しを用いてもう一度見直すんだということをおっしゃっていますから、これはその瞬間にこの十年間の道路の中期計画というものはもう一度考え直さなきゃならないと思いますが、しかしながら、目標として必要と判断される、これは我々が勝手に判断したんじゃなしに、多くの国民、それから首長、そして学識経験者も加えた方々の意見を伺いながら、別に高速道路だけを造っているわけではなしに、子供たちの通学路から渋滞対策から全部十六の政策課題について我々は考えているわけです。  しかしながら、その総額はどうだと言われたら、五十九兆というお金は、もう五年間と言われたらこれはできないじゃないですか。税収がないじゃないですか。したがいまして、それは一般財源となった後におきましても、財務大臣考えながら、必要と判断される道路をこの年はどれぐらい造れるのかと、そういうことになっていくと思います。
  189. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 この道路の中期計画を作ったときは道路特定財源というのがあったわけだから、それを基に十年間で上限で五十九兆円、これは上限です。ただ、今大臣がおっしゃるように真に必要な道路を、まあいろんな意見を聴きながらということをおっしゃいましたが、真に必要な道路整備計画を見ると、やはり十年間で五十九兆円掛かるんだよということを表したものであると、そこはまあ多分そのように理解できると思うんですが。  四月十一日の政府与党決定道路関連法案等の取扱いについて」の、これは八項目あるうちの三番目なんですが、総理道路特定財源制度は今年の税制抜本改革時に廃止し二十一年度から一般財源化する、その際、地方財政に影響を及ぼさないように措置する、また、必要と判断される道路は着実に整備すると。この必要と判断される道路は着実に整備するということ、これは政府与党決定であるということでよろしいんですね、こう書いてあるとおりで。
  190. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) そのとおりでありますけれども、その必要とされる道路というものを、これをどうやって決めるかということも一つ問題があるんです。プロセスがあるわけですね。私どもの方の期待といたしましては、与野党協議というものを行ってその道路の建設必要量というものも決めたいと、こういうように考えたわけであります。
  191. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 その辺りの一般財源化をするということであるけれども、やはり必要と判断される道路は着実に整備をするということになると、普通に考えると、一般財源であろうと道路特定財源であろうと、今、先ほど冬柴大臣は十年間で五十九兆円の事業量は必要であるというふうに考え道路中期計画を作ったということであるならば、総理が今おっしゃった、その与野党協議ということはあるにしても、必要と判断される道路というのは着実に整備するということになれば、やはり十年間でほぼ五十九兆円に近いものが、政府与党としてはですよ、掛かるのではないかなと。  つまり、必要であるということで考えれば、中期計画で必要と、真に必要な道路であると言っていて、政府与党決定で必要とされる道路は着実に整備するということであれば、十年間五十九兆円が使うというのであれば、やはりここでも十年間五十九兆円を使うということに変わりがないんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  192. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私としては現在提案しているものが最良だと思いますけれども、ここの、ずっと一月二十六日からの審議を踏まえて、一日も早くこういう混乱を、地方で混乱しているじゃないですか、それをどうするかということを総理考えて提案されているわけです。  したがいまして、私どもは今後の予算編成の中で、今までのように安定した財源があるわけじゃありません。いろんなニーズをその中に盛り込みながら道路にどれだけ割くことができるのかということは、そのたびごとにこれは協議してもらわにゃいかないと思いますよ。したがいまして、その累計が五十九兆になるのかどうか、それは今全く分かりません。
  193. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 全く分からないというのは、いや、冬柴大臣国土交通省の大臣として、真に必要なものでこれだけつくったと言うんであれば、これはやっぱり必要なんだということは大臣は思っているんだろうと。それぐらいのことを言っていかないと、いや、これもしかしたら必要じゃないものも入っているよと、そういう話になってきてしまうんじゃないかなと思うんですね。  だから、真に必要な道路と言っている冬柴大臣の言っていることと、総理の必要と判断される道路というのが、何が違って何が同じなのかというのがそこが全くちょっと理解できないので、総理ちょっとお願いします。
  194. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) それは、私が一般財源化とこういうふうに申し上げたその中でもって、これ与野党協議会を設置して、与野党ですよ、一般財源としての使途の在り方、そしてまた道路整備計画などを協議、決定すると、こういうふうに書いているんですよ。それは政府与党決定ですけれども、しかし、これは公表されておりますんでね。ですから、これ、やり方は今までも野党の皆さんの御意見も伺った上で国幹審という中で決まっているということもありますけれども、しかし、それはその決め方についても野党と一緒に協議しましょうということも入っているというように御理解いただきたいと思います。ですから、それは全然やり方が変わってくるということもあり得るわけですよね。
  195. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 そうすると、この道路の必要性については与野党が一緒になって、それでこれが必要かどうかと一本ずつそれを決めていく、そういう決定プロセスに入り込むんだと。そういう意味合いでこの七番目の項目があると、そういう理解でよろしいですか。
  196. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) 私ども申し上げているとおりでございます。
  197. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 これ、決める決め方についても恐らくいろんな、地方が言っているから全部必要かと、そういうことではないんだろうと思いますし、今までずっとBバイCの話も出てきていますので、交通需要量というのもやはり見なきゃいけないんだろうと思うんですが、その交通需要量の予測ということ自体も厳格かつ客観的に評価をしなきゃいけないんだろうというふうに思っておるんですが、それについて総理、この厳格かつ客観的な評価方法というのは具体的にはどういうものが考えられるんでしょうか。
  198. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 現在、今年の秋までを目標に学者もお願いをして審査をしているわけです。将来交通予測、そういうものについての、これも平成十七年の交通センサスに基づいてこれをやる。  それから、BバイCについても、どういうものが便益として適当かということについても、今やっているのは平成十五年の分ですから、ちょうど今年は平成二十年になりまして五年たっておりますので、もう一度作り直そうじゃないかと。それで、そういうものについて、ここでの審議議事録などもみんな見ていただきまして、そして学者にも、学者にです、ほとんど学者です、学者にこういうものを考えていただこうと、こういうことで今やっているわけです。そういうものも基づいて、参議院でちゃんと、野党から言われたから、私、それは全部やりますと言ったじゃないですか。今やっている分までもう一度やりますと言ったじゃないですか。私は、そういう意味できちっとやっていきますということを申し上げているわけであります。
  199. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 交通需要予測というのは予測ですのである程度の誤差が出るということは、もうこれは致し方がない。需要予測の限界というのがあると思うんですが、相当、衆議院、参議院の予算委員会なんかでもいろんな交通需要予測がどんどん変わってきているということがあります。  ちょっと一つだけ、余り時間がないので一個だけ例に取って説明をしていただきたいと思うんですが、東京湾アクアラインというのがあります。これはもう十年たっておりますが、東京湾アクアラインのその計画時の需要予測値、これ初年度と十年後、その計画値。計画値ですよ、計画したときの需要予測値として、初年度そして十年度がどのくらいあったのか、そして現実の実績値がどのぐらいあったのか、それをちょっとお答えいただきたいと思うんですけれども、大臣
  200. 峰崎直樹

    委員長峰崎直樹君) どっちですか。  冬柴国土交通大臣
  201. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) これは大きく予測が狂っております。もちろんそれは……(発言する者あり)いや、客観的にそうです。昭和六十三年のGDPは……(発言する者あり)ちょっと待ってくださいよ。違うでしょう。GDP六%だったんですよ。したがいまして、そのときのGDPは四%で推移するだろうということの予測の下にこれをやっているんですね。ところが、その後はマイナスがずっと続きました。したがいまして、お尋ねの……(発言する者あり)
  202. 峰崎直樹

    委員長峰崎直樹君) 御静粛にお願いします。
  203. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) いいですか。建設当初、昭和六十二年です。平成十九年度の計画交通量は、五万四千二百台、一日、としておりました。実績の交通量は、一日当たり一万九千七百台、約四割となっております。  それで、料金につきましては、料金はいいですか。料金いいですか。
  204. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 料金はいいです。要らないです。
  205. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) はい。  したがいまして、GDP等の予測は非常に、六十三年は六%だったんですね、その後急激に落ちましたね、そして長引く十年、こういうものがありましたので、そういうことでございます。
  206. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 需要予測というのは、これだけ、四割、四〇%という、ここまで外れるというのは、どうやったらこのぐらい外れるんだろうというふうに思うぐらい外れる。大体誤差率なんというのは、五%前後であれば、まあ何とか五%ぐらいの違いというのはあってもいいと思うんですが、これ、実際に通行料金を当時よりも値下げをして、何段階か、二段階かな、三回、二回かですか、値下げをして、それでもこういう状況になっているというのは、相当この需要予測というのは甘かったんですよ。それは甘いんですね。  これ、テクニカルな話なので宮田道路局長で結構なんですが、実際このときに費用便益、この間からBバイC、BバイCと言って、いわゆるベネフィットとコスト、これ、何をベネフィットと見て何をコストと見ていました。
  207. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。  一般論で申し上げますと、便益でございますが、走行時間便益、それから走行費用減少便益、それから交通事故減少便益、これの便益でございます。(発言する者あり)一般論として私は申し上げていると申し上げました。  費用については、完成に要した実績額、それから年間の維持管理費用、そういうものが費用でございます。
  208. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 アクアラインのときはそんな状況で、多分やっていないんだろうと思うんですけれども、この維持管理費というのは単年度の維持管理費を組み込んだということなんだろうと思うんですが、道路というのは多分一年で終わるわけではなくてずっと続くので、そこのところはやっぱり累積をさせないといけないということと、あと最近の、これは提案になるんですが、今後、公共事業、とりわけ道路建設事業というのはいわゆる自然破壊あるいは建設後の周辺の騒音公害とか排ガスに伴う環境悪化、こういったところの費用というのは絶対に入れていかないといけない。これはもう欧米では当たり前の話なんですが、この辺りについてちゃんと検討しているかどうか、ちょっと大臣、お答えください。
  209. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) いろんな国会での御議論を踏まえまして、費用対効果、費用便益分析についての再度の委員会を発足をさせる予定です。今委員が御指摘のようなことも含めて、今まで御議論があったことも含めていろいろ検討をして、秋に向けて取りまとめていきたいと考えております。
  210. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 要するに、私が申し上げたいのは二つございまして、最新データを使うよということを、ずっと我々の参議院に移ってから平野委員が指摘をして、冬柴大臣が最新データの最新センサスを使ってやりますということをおっしゃっていました。しかし、推計モデル自体が間違っていたら、これ、どんな新しいデータを使ってもでたらめな話になってしまうということと、あと、今までなぜこういうことが起きてきたかというと、やはりある意味政府寄りの有識者、学者がそれを全部、いわゆる御用学者といわれる方、全員とは言いませんが、そういう方々が基本的にこのモデルでいいよということを言ってしまう、本当は違うなと思っても言ってしまうというようなことがありまして、相当これはいろんな批判があるはずなんです。そこのところはやはりしっかりと真摯に受け止めて、モデル自体もやはり改めていかないといけないんだろうというふうに私は思っておりまして、ここの政府与党決定で、中計五年、最新の需要推計などを基礎に新たな整備計画を策定するときには、ここのところは全くもう違ったモデル推計を使っていかないと意味がないということを申し上げておきたいなというふうに思っております。  時間も足りなくなりました。そこのところは是非今後、与野党協議といいますが、野党の意見というのもしっかり入れて、BバイCなんかも含めて検討していただきたいというふうに思っております。  それと、まだ幾つかあったんですが、一つ申し上げたいと思いますが、福田総理、御地元、高崎とか藤岡だというふうに認識をしていますが、過疎地域なんか中心に路線バスの廃止あるいは地方鉄道の経営悪化、こういうことがもう全国いろんなところで出てきているんだろうと思いますが、これはバス事業者の経営の問題があるのか、それともそれ以外の交通を取り巻く環境の問題があるのか、どういう理由でそうなってきているというふうにお考えになりますでしょうか。
  211. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) これは、前国会でも審議をお願いして通していただきましたけれども、一番大きい問題は自家用車の普及がすごいということです。  昭和五十年は、自家用車で移動していたのが五〇%、残りは公共交通でした。現在どうなっているか。バスが八%、それから電車が八%、一六%。残りが、八四%が乗用車による移動でございます。したがいまして、お客さんが激減しているんですね。  私どもは、そうではあるけれども、交通弱者である高齢者とか学童たちにとって公共交通は是非必要なんです。したがって、こういうものを守らなきゃならないということで、新しい法律を制定をお願いして通していただいたというのが現在の状況でございます。
  212. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 車の普及、車が普及することはそんな悪いことではないと、日本の自動車産業というのは経済を引っ張ってきたというそういうこともありますので、それを全部否定するものではないんですが、そろそろその辺りの考え方というのを検討する時期には来ているんだろうなというふうに思います。  総理ね、これちょっと、これは総理にお答えいただきたいんですが、ここに新たな生活交通の創造というのが、本がございまして、これ発行が群馬県なんですね。中身見ると結構充実をしているものなんですが、これ、実は私がUFJ総研のときに群馬県から委託調査を受けてやったものなんですが、別に宣伝ではございません。  そのときに話が出たのは、群馬県というのは、もう十年前の話なんですが、十年前、一世帯当たりの車の保有台数というのは群馬県が日本一、全国一だったんですね。このときに話があったとき、百五十メーター先、二百メートルぐらいのコンビニにでも車を使って行くという話がありました。これは地方はどこでもある意味似たり寄ったりのところがあると思うんですが、そうなってくると、例えば駅前の開発なんかも、車は平行に移動しているけど人間は上ったり下りたり上ったり下りたり、そういうような町づくりがされているわけです。  ですから、車が普及した、便利になった、東京はむしろ公共交通が便利だから車の保有台数が少ないということだけではなくて、やはり百五十メーター先のコンビニへ行くというのはこれは習慣性の問題なんですよ、習慣。  だから、ここのところもやはり考えていかないと、これからの高齢化あるいは地球環境といったことを考えたときにはやはりマストラということも冬柴大臣さっきおっしゃいましたが、総理も、マストランスポーテーション、いわゆる鉄軌道系あるいはバス、こういったところをもっと普及させる、むしろ不便にするということも、車の、ある意味必要なのかなというふうに思っています。  ところで、車とか鉄道とか船、飛行機、いわゆる交通モードいろいろありますが、これは二酸化炭素の排出量、総理御存じでしょうか。バスは鉄道の四倍です。自家用車は、車はバスの三・四倍、鉄道の九倍と、これだけのものがあることを考えると、多少の不便を覚悟してでも車優先の社会から少しずつでも脱皮させていかないといけない。  そういう時代の中で、道路は必要だから道路は優先して造りましょう、車走るために造りましょうというのはちょっと時代が遅れてしまっているんじゃないか。しかも、先ほど円委員もおっしゃいましたけれども、それこそほかの教育であるとか福祉であるとか、そういったところを優先できるような一般財源化というところを考えていかないと、全くこれ時代に逆行して取り残されてしまうような気がしてならないんですが、車最優先社会をそのまま、このまま続けていこうとしているのか、いや、そこは多少ブレーキを掛けていこうとしているのか、その辺りをやっぱり政策誘導をしていかないといけないんだろうと思うんですが、総理、いかがでしょうか。
  213. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) 確かに車社会でございまして、車社会になった理由はやはり便利なんですよね。家族で一緒に行ける、子供も乗っけていけるとか、そういうようなことがありますんで、今までは車で、車を持つということはそれは社会のステータスみたいなというふうなものもございましたし、しかし、そろそろそういうマインドは切り替えていかなければいけないという時代になってきているというように思います。  もちろん環境の問題もございますけれども、車だけに依存していいのか。車ですと、年寄りが使えないとかいったようなこともありますし、やはり公共交通機関というもの、マストランスポーテーションというのはこれは今後どうしても必要とされるものだと思います。ですから、政府も路面電車を取り入れようという、そういう都市には支援していこうというような、そういう体制も今取っておるところでございます。  それはそれとして、車の有用性というのは今でも変わらないですね。ここ当分変わらないと思いますよ。ですから、そういう場合に、車を使うときにはなるべくガソリンを使わないようにするとか、高いということもありますし、CO2の問題もある、電気自動車にする、その過程としてはハイブリッドもあるというようなことで、そういうような工夫をしていくということはまずは必要である。そうしますと、やっぱり道路も必要なんですね。やっぱりある程度道路がないと、それは生活に非常に不便であると。車の台数は減ったけれども、しかし、車が一台も通れなくなっちゃうような、そういうような道路も困るわけですね。  ですから、そういうものはやはり地域のためにもこれからも建設していかなければいけないという必要性は当然あると思いますから、その辺のバランスをどうやって取っていくかというのはこれからの考えなければいけないことであり、そういうようなことについても与野党協議をしたいなというふうに思っておるところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  214. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 もうちょっとその話をしたいところですが、時間がありませんので、最後の質問に移りたいと思うんですが。  総理、小泉元総理は郵政民営化一本、この一本だけで解散をしました。あのとき参議院で否決されたものを衆議院で解散をした。どうですか。テロ特の問題もあり、この法案の問題もあり、参議院で、直前の民意というのは参議院だというふうに我々は思っておるわけなんですが、そこで参議院で否決をしたということで、やはり国民の皆さんにこの問題について本当に是か非かというのを聞くために、やはり当時の理屈を合わせると、小泉さんのときの理屈を合わせますと、ここでやはり解散をして本当に皆さんの民意を問うということが私はあってしかるべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
  215. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) それは対立するテーマがあればいいんですよ、解散するほどの。しかし、まだ野党の方から、じゃ一般財源化はこういうふうにするんだとかいったようなお考えまだ聞いておりませんから、ですから対立にもならない、議論にもならないと、こういう状況なんですね。是非そういうような議論をさせていただきたいと思っているところです。
  216. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 終わります。  ありがとうございました。    〔委員長退席、国土交通委員長吉田博美君着席〕
  217. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 日本で唯一、高速道路が県庁所在地に直結していない鳥取県選出の田村耕太郎です。  本当に皆さんもったいないですよ。立派な議論されていますし、すばらしいやじですよ。もっといっぱい聞きたかったですしね。是非次回からはしっかり議論していただきたいと思います。  それで、民主党の先生方というのは、もう御覧のとおり、総理、あか抜けたセレブな方ばかりですから、私のような地方出身の、地方で生まれ育った人間の道路に対する気持ちというのがなかなか分かっていただけないかなと思ったら、意外とそうでもなくて、鳥取県と宮崎県は特別だから道路造ってやれという声が聞こえてくるんですよ。皆さん、よろしくお願いしますね。  そういうふうに、私も、地方で道路が必要であると、そういう実感を持って育って、そういう方々から選んでいただいて代表にならせていただいていますんで、そういう強い思いを持って、後半で特に道路の必要性についてはしっかりと議論させていただきたいと思うんですが、前段ではちょっと無駄遣いの話、これちょっとさせていただきたいと思うんですね。  残念ながら、私の選挙区のような道路がまだまだ整備が必要な鳥取県でも、やっぱり無駄遣いに対する困惑というか怒りというのがまだありまして、ミニ集会とか国政報告会なんかをやってみますと、こういう議論になっているんです。  こういう議論といいますのは、今日は冬柴大臣一つ一つ厳しい表情で指摘されながら、平井副大臣も対策を言われましたが、ああいう使い方が長年放置されてきたから鳥取県になかなか道路できなかったんだと、そういう論が今結構すとんとみんなに落ちているような状況でして、またこういう議論をさせたら天下一品の先生があの辺にいらっしゃるんですよね。ですからなかなか我々も苦労しているんですけど。  やっぱり、ここはしっかり総理に、もう無駄は絶対許さぬと、そういうのをこれからあったら絶対成敗すると、それぐらいのことを言っていただきたいのと、それは我々も、国会議員も、与党国会議員の仕事でもあると思うんですね。  大体、政府与党と一体化して言われるんですけど、自民党の中での議論しか僕は分かりませんけど、自民党の中の議論では結構政府と対決しているんです。今日の昼も国際調査会で財務省さんと激しい議論をやらせていただきました。これは民主党さんが得意な埋蔵金みたいな話ですけど、やっぱり外貨準備とかその特別会計の中、もっと使えるものがあるんじゃないかという激しい議論をさせていただいているんですけど、なかなかそれが表に出てこないから、政府与党というのは一体化していつも身内を守っているんだというような印象があるんですけど、これは我々、更に積極的に、国民に選ばれていますし、政府も第一の顧客は国民ですから、国民の皆さんの目線でしっかりとして議論をやっていって、民主党さんの出番を奪うぐらいの、もう自民党の中でしっかり議論したら民主党さんも追及するところがなくて我々を褒めるしかないと、それぐらいの議論を自民党の中でもやっていきたいと思うんですよ。  ですので、総理も、その無駄遣いに対する強い決意と、自民党総裁として、僕も思いっ切りやっちゃっていいですか、もうそのお許しをいただきたいと思います。よろしくお願いします。
  218. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) 大変意気込みに対して敬意を表したいと思います。  いいですよ。もう結論先言えば、もうできるだけ、できるだけですよ、その無駄を排すことについて御尽力いただきたいと思います。  政府の方も、無駄ゼロという、こういう取組をしようということで、それをスタートさせているところでございますので、政府と一緒になって、また政府の足りないところはしりをたたいていただくと、そういう役割をしていただきたいと思います。
  219. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 無駄を指摘することも大事なんですが、僕は中長期的にこういうことをなくしていくためにはもっと長いスパンでしっかりとした改革をやっていかねばならないと思うんですね。ですから、これはもう公務員制度改革ですとか教育改革ですとか日本の労働慣行とか、言わば今国益と、公務員の方、もう公務員の方でも立派な方たくさんいらっしゃいます。私も仕事を一緒にさせていただいて、志も高くて有能な方たくさんいらっしゃいます。そういう方の方が多数を占めていると思うんです。ただ、残念ながら制度的に、国益に直結する仕事をするのが本当に自分たちが幸せになる、自分たちが豊かになることと直結しているのか、公務員の方々。それよりも、省益ですとか課益ですとかそういうことを大事にする方がいいのか。その制度のねじれみたいな、インセンティブのねじれみたいなものがあるから今のような問題がずっと起こってきたと思うんですね。それを根本的に解決しない限りは無駄を幾ら指摘してもゼロにはなかなかできないと思うんです。  ですから、これは公務員制度改革で、国益のために一銭も無駄に税金を使わずにしっかりやることが自分の幸せにも成功にもつながるんだというような公務員制度改革、教育改革、そして日本全体の労働慣行の変化も含めてそういうことをやっていかなければならないと思うんですが、総理、その辺りの決意と思いを聞かせていただきたいと思うんですが、いかがでしょう。
  220. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) 今までのお金の使い方、これはこれから随分変わっていくと思います。その一つの理由は、やはり世の中が変わってきているということですね。ですから、そういう世の中の変化に対応してお金の使い方を変えていくということは当然あるわけです。それから、行政における無駄も、これもあると思います。非効率な行政もあるんだろうと思います。また、こういうふうにしたらもっとお金が掛からないで済むという簡単なことがやられていないということもあるんだろうと思います。そういうことに政治家としてしっかりと目を見張らし、そして対応していくということが大事だと思います。  今、政策の棚卸しというのを始めたんですよ、政策の棚卸し。これは何かと申しますと、これは、昔つくった制度がそのままずっとつながって今でもやっている、しかし昔つくった制度だから今の状況に合っていない、しかし惰性でもってずっとやってきている、そういうようなことはよくあるんですね。ですから、政策は全部棚卸しして、そして評価してみようと、こういう考え方なんですけれども、これもその方策の一つであると、こういうふうに思っていただきたい。  いろんな方法を取りながら合理化していきたいというように思っております。
  221. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 では、道路が必要だというような議論をさせていただきたいと思います。  必要な道路を造るということは民主党さんも言われていますから、今日までの議論をいろいろずっと私も聞かせていただいているんですけれども、ただ、どの道路が必要であってどの道路が必要でないということをまだ明確にされていないのでなかなか議論がうまくいかないんですが、必要な道路はしっかり造る、これはもう当然のことだと思うんですね。ただ、これはもう一部の政治家の方かもしれません、一部のメディアの方かもしれません、今道路建設性悪説みたいなのが結構広まっているような感じもするわけですね、これは私の個人的な感情ですけれども。  しかし、道路というのは僕は経済発展に絶対欠かせないものだと思うんです。純粋経済理論的に考えて、経済の成長というのは、人、物、金、これをできるだけ速いスピードで動かすことだと思うんですね。貨幣の流通速度が速いほど経済成長は実現するわけです。これは貨幣だけじゃなくて、これは人でも物でもそれが言えるわけですね。道路よりブロードバンドという議論がよくされますけれども、それはデジタル化できるもの、お金だけに言えることであって、デジタル化できない人や物にはなかなかそれは当てはまらないと思うんです。やっぱり物理的に人間を動かす速度を上げていくためには道路が必要だと思うんですよ。  例えばアメリカ。アメリカは世界ナンバーワンの経済ですよ。日本の三倍のGDPですよ。あの国の道路予算というのは十八兆円ですよ。日本の三倍ですよ。しかも、道路特定財源でやっています。平たんで地震が少ないので、一キロ当たりの建設費というのは日本の半分ですよ。つまり、日本の六倍のスピードで道路整備しているわけですね。お隣の中国。去年一年間で、先ほどまで胡錦濤首脳と会談、御苦労さまでした。中国は、もう総理に申し上げるまでもなくて、去年一年間に八千キロ高速道路を造っているんですよ。日本は六十年掛けて七千四百キロですよ。それを一年間で八千キロ造っている。新興国も、代表的な新興経済成長国も、G7の代表格であるアメリカの経済も、道路を非常に大切にしているんです。じゃヨーロッパはどうかというと、市町村道まで含めた道路密度で比較してみますと、まだ日本の方が二割ぐらい少ないんですよ。ですから、まだまだ主要先進国と比べても、経済が急成長している国と比べても、日本道路建設まだ不十分であると。もちろん、必要なものをできるだけ効率的に造るというのは当然のことです。  ですから、僕は道路建設というのが悪だと思わないし、もっと具体的に言えば、道州制の議論というのは国会の中でもされています。自民党の中で今やっていますし、各政党さんでもやられていると思います。例えば道州制、なるかならないか分かりませんよ、しかし、どの案を見ても、例えば鳥取県、鳥取県は中国地方で一つになるか、中国と四国地方で一つになるか、そういう案しかないんです。しかし、広島と鳥取ですよ、道路を走ったら五時間半ですよ。時間距離でいえば羽田—ハワイみたいなものですよ。こんなところが一つの自治体になれといっても、なかなか難しいですよ。地方自治のために、その自治体を拡大して権限を与えるためにも、絶対に広域行政が可能な道路交通網の整備というのは不可欠だと思います。  あと、地方の自立ということがよく言われますよ。地方の自立のためには、観光客を引っ張ってくる。鳥取県にも引っ張ってこようと思います。しかし、こんなに遠いとなかなか来てくれない。自然がそのまま残っていますけど、時間距離でいうと本当に日本のチベットみたいなところになっていますから、なかなか来てくれないわけですね。そしてまた農産物、農産物もしっかり世界に売っていきたい。しかし、その農産物を売っていくにも、新鮮なまま早く市場に出せる、例えば大阪に出す場合でも、鳥取、いいものを作っているんですけど、なかなか負けるわけですよね。  そして、裏日本って今まで言われましたけど、裏って言われていた理由は、太平洋がずっとアメリカとの経済で栄えてきたんですけど、今度はアジアが成長センターですから、裏が表になる可能性あるんですよ。しかし、航路をつくるにしても、航空路をつくるにしても、つながっている道路がないと観光客も工場も経済自体の活力も来てくれないわけですね。ですから、まだまだ必要なわけです。  ですから、私は道路建設は必要だし、世界がそうやって道路とともに成長しているんです、新興国も先進国も。そして、日本の現状を見ても、これからのどういう設計図を書いてみても、まだまだ必要なんですから、一部のメディアの偏向報道に惑わされないで、総理はしっかり自信を持って道路建設まだ必要であるということを訴えて道路建設進めていただきたいと思うんですが、総理、決意のほどいかがですか。
  222. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) 私も道路の必要性というのは十分承知しておりますよ。  やはり、道路網というけど網になってないんですよね。分断道路という状況が全国にあるということがあります。これはやはりつなげなければいけない。じゃなければ本来の意味はないんだろうというふうに思いますし、また、どこの地域に行ったって人は住んでいるんですね。そういう人を無視することはできないし、また、道路がなくて経済が活性化しないなんというふうなこともございますし、やはり地方の経済のことを考えても、基幹道路また必要な道路というものは、これは当分造り続けなければいけないんだろうというふうに思います。  ただ、それはその必要度というものがありますから、優先順位というものもありますから、そこのところは冷静に判断して造っていくということが必要なんだろうと思います。ましてや、財政逼迫の折ですから、そういうことに意を用いなければいけないということは当然のことでございますけれども、しかし、道路は必要だということは私も重々承知いたしております。
  223. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 あと、一般財源化の話で教育や福祉に回すべきだという議論が出ているわけですね。それは、例えば教育なんかでも、やっぱり高等教育の国庫に対する予算比というのは日本低い方ですから、また社会保障も少子高齢化が進んでいますから、必要な財源を手当てするということは必要だと思うんですね。だったら僕は減税すべきじゃなかったと思うんですね。何で減税してしまったのかと。暫定税率維持して一般財源化ということも、選択肢もあったかもしれないわけですね。  ですから、それと、もっと大きなことでいえば、財務大臣にちょっと通告してないんですけど、もしお答えできる範囲であればと思うんですけど、こういう教育や福祉の話は国民負担率全部の中でやるべき話じゃないかと思うんですね。国民負担率で見ますと、日本というのは中福祉低負担の国ですよね。四二ぐらいですよね。三九がアメリカで、その次ぐらいに低い。ヨーロッパの国というのは、大体EUに入っている国というのは五〇台中盤、そして北欧の国なんかは六〇台ですよ。だから、福祉や教育がいい国というのはそれなりの社会保険料とか税金を国民に負担してもらっているわけですよ。しかし、日本は中福祉をやっているのに低負担だから財政赤字ができているわけですね。  ですから、社会保障とか教育の話は、僕は道路財源でどうのこうのする話じゃなくて、全体的な国民負担率の問題で議論すべきだと思うんですけど、財務大臣、どう考えられますか。
  224. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 先ほど円委員も教育の問題等々についてお話がありました。  確かに、OECD諸国の中で、GDP比で全体の教育費を比較すると日本は少なめになっておりますけれども、これ、一人当たりの子供の数でいいますとこれは全く遜色がありません。日本は児童が少ないわけでありますから、一人当たりにどれくらい教育費が充てられているかというのが、これは実質的な、相対的な判断をするときは重要な要因だというふうに思っております。  それから、公共事業費というのは平成十年からもう既に四〇%減っております。そういう中で、我々は今度、この秋の税制改正のときに、委員がおっしゃるように、やっぱり教育はどうするのか、社会保障はどうしていくのか、それから新しいリーディング産業はどこに求めていくのか、そういうことを総合的に考え日本の国の在り方を考えていくことが大事だというふうに思っております。  その際に、やっぱりこの道路特定財源も含めて、消費税だとか所得税だとか法人税だとか、総合的に判断をしていただきたいというふうに思っております。
  225. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 最後に、総理一つ提言、最後かどうかは分かりません。済みません、間違えました。次は総理に提言をさせていただきたいんですけど、僕がよく自民党の中の部会で主張しているのが、財政から金融の時代になったというやつですね。  財政というのは何かというと、これは社会保険料とか税とか国債発行によって調達したお金のことです。金融というのは何かといったら、これは民間にある、民間の金融機関や金融市場にあるお金のことですね。僕は、これからインフラ整備道路建設なんかも財政から金融でやる時代になったんじゃないかなと思うわけですね。  これ、いい例がお隣の韓国。これは九七年のIMFショックでもう大分、財政が一回破綻してしまいましたので、韓国の新しい有料道路や海底トンネルや架橋というのは大部分が金融でやられている、金融で調達された金でやられている。  これ、なぜ可能になったかというと、昔は財政の方がはるかに規模が大きかったんですけど、今はもう、サブプライムローンもこの流動性のだぶつきから生まれた話なんですけど、世界中に財政を上回る巨額のお金があって、それが超長期で運用できるようになっている。十年、二十年、三十年で兆単位のお金を調達して運用できるようになっている。これは、日本のような世界第二の経済大国の財政システムにも負けないぐらいのお金の運用を民間でもできるようになってきた、力が付いてきたわけですね。それで、民間でやることですから、これはもう採算が取れないといけませんから、採算が取れるような分野に限っては、有料道路とか港湾とかトンネルとか、アメリカの西海岸の新しい道路も、これ財政ではなくて金融でやられるような時代になってきています。  ですので、僕は、一つ考えとして、財政がこれだけ困っている中で道路が建設が必要であれば、金融という手法を、金融という手段で調達したお金をしっかり使っていく、これは一つの手だと思うんですね。これは、調達の手段であると同時に、運用の面でも非常にいい面があると思うんですね。  これは、箱根のターンパイクというところを民間の金融機関が建設して運用していますけど、韓国の有料道路やトンネルを見ても、造った後は、それはもう投資を回収しなきゃいけませんから、できるだけ交通量を確保するように様々な工夫をするわけですね。道路を建設したら、その道路だけじゃなくて、その道路がきちんと使われるように、通行量を、ニーズをつくり出すように、近くにショッピングセンターを置いたり工場を置いたり、すべてをトータルパッケージで考えるのが民間の考えであって、つまり、我々がここで議論している、無駄なく効率的に一番低いコストで、しかししっかりとしたものを造るという理念にかなうと思うんですよ。  お金もしっかりある、そしてそういう必要なものを無駄なくやるという思想そのものである、長期的な運用もできる、こういうことで財政から金融の時代になってきていると思うんですけど、総理、これ、また、一回目の提言ですので、何だ、漠として変なことを言っているなみたいな感じかもしれませんけど、次回も具体的に提言する機会があったらまたやっていきたいと思いますので。財政から金融でインフラを整備する時代になった、そうあるべきだと私は思うんですけど、総理、感想で結構ですので、いかに思われますか。
  226. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) 民間金融を活用するという方法、これはPFIで、これでもって既に始まっておりますけれども、今の御提言ですが、公共的な場合には収益性のあるところとないところとあるんですね。鳥取県だったらどこに自動車道路を造ってももうかりますけど、しかし、そうでないところもあるんですよね。そういうときに、じゃ民間のお金投入するかというわけにはなかなかいかないんだろうというように思います。  ですから、そういうふうなリスクをどういうふうに分担していくかということも併せ考えながら、是非、鳥取県で収益性の高いところを御紹介いただきたいと思っております。
  227. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 さっき最後と言いましたので、以上で終わります。  どうもありがとうございました。
  228. 白浜一良

    ○白浜一良君 公明党の白浜一良でございます。  今日は福田総理をお招きして、いわゆる締めくくり総括ということで、懸案の道路財源特例法が議了し、採決すると。当然といえば当然でございます。しかし、歓迎するべきことでもございます。  ということで、若干所感を先に私から述べさせていただきたい。  三月十三日に衆議院成立して参議院に送付されたわけでございますが、私、この間の経緯を見まして、二つだけはこれは我々議会人として戒めないかぬ、こういうことが思うわけでございます。  一つは、三月十三日に衆議院成立して本院に送付されて間もなく六十日になるわけでございますが、昨日まで実質審議は二時間でございます。賛否どういう理由があるにしろ、私たち議会人としては、議論する場でございますからきちっと議論すべきだと。してこなかったという事実はこれは残るわけでございまして、このことだけは戒めにせないかぬと、これが一つ感じることです。  もう一つは、議会というのはそれぞれルールがございまして、少なくとも、この道路特例法の法案国土交通省の所管なんです。当然、国土交通委員会審議するというのが本筋でございますが、なぜか財政金融委員会に付託をされたということで、こういうことをやればルールというのはどうなるんだと、恣意的に変えていいものなのかと、こういうことになるわけでございまして、この二つだけは、私はこの法案審議を通して、与党、野党関係ございません、議会人としてこれは戒めないかぬと強く私は感じているわけでございますが、総理、何か所感がございましたら、このことに関しまして、これは私の所感を言ったわけでございますから、このことに対しまして何かお考えございましたらお述べいただきたいと思います。
  229. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) 私は、それは参議院のことでございますから、私からそれをとやかく申し上げる立場にありませんけれども、普通と違うなという感じはずっと持っております。
  230. 白浜一良

    ○白浜一良君 これは本院のことなので、それ以上は総理立場で言いにくいかも分かりませんが、私としては戒めないかぬということで私の考えを述べさせていただきました。  それで、こういう事態になったわけでございますけれども、何としてもこの法律成立させないかぬと。これは当然、政府としても強い意志を持っていらっしゃる。私たちもそういう同じ考えでございます。それは国民生活にとって大事だということをこれは説明する責任がございます。  いわゆるこの法案の中には、こういう原油高で大変運輸業者も悩んでいらっしゃる、だから少なくとも深夜の高速道路料金を下げようという内容も含まれているわけでございますが、是非ともこの法律成立させなあかんという意味で、総理、分かりやすく、もうこういうことでこれはせないかぬのだということを端的に国民の皆様に御説明をいただきたいと、このように思います。
  231. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) ただいま御審議いただいております道路整備費財源特例法案、これは結局、平成二十年度、もう今二十年度になってしまったんですけれども、財源特例法の未成立、この法案が未成立になりますと、これを根拠としております七千億円の地方の道路整備臨時交付金、これが使えないんですね。そして、その結果、地方の生活幹線道路整備ができない、またその波紋はほかの分野にも及んでくるというようなことで全国の自治体が大変困っておるということで、私も再三、地方の自治体の長から何とかしてほしいという、そういう陳情を受けております。  私は、こういうような状況の中で一刻も早く交付したいという思いを持っておりますので、できるだけ早く御審議をいただいて結論を出していただきたいと思ったんですけれども、もう本当にぎりぎりになってしまったわけでございますけれども、今の景気の情勢見ましても、それはいいというふうにいっていませんね。ですから、こういう景気の足を引っ張るようなこともしたくないと、こういう気持ちも強く持っておりますので、ここのところはそういうことも含めて考えていただきたい、御賢察をお願いしたいと、このように思っているところでございます。
  232. 白浜一良

    ○白浜一良君 遠慮していろいろおっしゃらなかったんですけれども、七千億弱のいわゆる交付金が含まれていて、もう既に各地方ではそのことを前提にした予算を三月に決めていらっしゃるわけで、これに穴を空けるわけにいかないということも当然ございますし、それから、裏打ちする資金がないんで、五千億を融資しましょう、貸し付けましょうという内容も入っている、当然そういうことも随分地方の皆さんは期待をされておるということもございますし、もっともいわゆるインターチェンジも、大型のじゃなしに簡単に出入りできるような便利な、各地域が便利なようにこういうものを造ろうと、こういう事業内容も含まれているということで、だから必要なんだということを、私が言うのもおかしいんですけど、総理の答弁に付け加えまして申しておきたいと思うわけでございます。  ただ、問題は、もう今日の議論もずっとそうでございますけれども、この法律は本来は三月末、年度末に予算、歳入法案と一体で成立すべきものであるわけでございますけれども、ここまで至っているわけでございまして、ただ、その審議の中で一つ大きな懸念されているのは、今日も一貫して議論されていますが、この法案の中に十年間のいわゆる道路中期計画が含まれていて、だから、まだそれをやり続けるんじゃないかと、こういう御懸念があるわけでございます。今日いろいろ答弁をされていますけれども。  ここを、総理、きっちり政府与党のいわゆる合意文書にも書かれています。二十一年度からは一般財源化するんだということを言われていますが、本当にそうかといういろんな、そういう懐疑的な意見もあるのはこれは事実でございまして、ですから、この点、こういうこの一点が大変、いわゆる疑問を持っている方も多いわけで、そうじゃないんだということを、総理立場でもう一度明確にお述べいただきたいと。二十一年度からは一般財源化するんだと、この方針には変わりないんだということも含めてお述べいただきたいと思いますが。
  233. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) 先般の政府与党決定もございましたけれども、私どもとしましては、平成二十年度については、予算も、それから歳入も一緒にこれを決めていただいて、そして、それをそのとおり使わせていただくということが最善であるというように考えておったわけでございます。予算の方は、幸いにして三月中に通過いたしましたけれども、その裏付けになる歳入法案の方は、これはさっぱり通らないというようなことで、これは予算執行できないわけですね。すべてとは言いませんけれども、特に道路関係のことについてはそれは執行できないと。  しかし、道路だけということでなくて、この影響というのは、地方自治体のやりくり算段の中でほかの分野にも影響が出てくる。例えば教育とか福祉とか、そういったようなものにも影響が出てくると、こういう懸念がありましたものですから、是非この二十年度についてはお認めいただきたいということは、もう再三再四、もう何度も何度もお願いをしてきたということでありますけれども。  もう今日は五月の八日ですか。九日になっていますね。本当にこれだけ経過しましていまだに決まらないというのは、本当に残念であるというよりか、先ほど来申し上げているように景気に対する影響もあるし、また各地方自治体の困窮の状況も聞いておりまして、これは何とかしなきゃいけないという焦るような思いをいまだに持っておるわけでございます。是非何とかしてほしいと、こういうように思っております。  ただ、論点が平成二十一年度、来年度ですよ、来年度以降のことはどうなのかと。これは一般財源化するのかしないのかみたいなことでございますけれども、これはもう明白に来年度、二十一年度からは今までの道路特定財源というのは廃して、そして一般財源化するということを、明確に何度もこれは申し上げておるということでございまして、政府与党の決定もあります。そしてまた、その政府与党決定のときに、是非この次の新しい仕組みについて野党の方にも協議をするような場をつくっていただきたいと、こういうことも再三再四申し上げているということでございますけれどもそれもかなわなかったと、こういうようなことでございまして、これは非常に残念に思っております。  本当に野党が一般財源化をしたいというのであれば、私どもの呼びかけに直ちにこたえていただくというのが本当のところではないかというふうに思いますけれどもね。そういうふうにしていただけなかったというのは本当に残念でありまして。まあ、とはいうものの、全体の責任を持つ私としては、こういうような状態になったということについて大変責任を感じておるところでございます。しかし、そういう中においても野党の御理解をいただいて正しい方向に進んでいっていただきたいなと、こういうふうに思っておるところでございます。
  234. 白浜一良

    ○白浜一良君 歴代総理がこの一般財源化というのは言葉にして言うと簡単なことでございますが、なかなか決断できなかったことを福田総理がお決めになったということは高く私も評価したいし、そういう確かな流れをつくられているということに対しましても敬意を表したいと、このように思うわけでございます。  その上で、合意の中でいわゆる新しい五か年計画を作るということがあるんですけれども、これは冬柴大臣にお伺いしたいんですけれども、今のこの十年計画は十年計画で、それはそれで決してインチキだったとは言いませんけれども、新しく組まれるんで、二つだけ私、提案したいんです、その五か年計画をもう一度作られるときに。  一つは、今日も議論出ておりましたけれども、やっぱり最新の、今年そういう交通需要のいわゆる統計取られるということをお伺いしたんですけれども、そういう最新の要するに統計に基づいたいわゆる計画を作ると、これ一つ大事だと思うんですが、この点をまず。
  235. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) そのとおりにしたいと。そしてまた、そういうこともつとに明らかにここで述べているところでございます。  現在、一万四千キロとよく言われますが、正確には一万四千四十五キロですけれども、これは昭和六十二年に公にしたものです。その中には先ほどの田村さんの鳥取の山陰自動車道も入っているわけですね。ところが、全体には六七%が供用されています、現在まで。ですけれども、あそこは四四%しか、鳥取県は……
  236. 白浜一良

    ○白浜一良君 時間がないので。
  237. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) はい。  ですから、私は、それでどこを選ぶのか。今事業中は二二%あります。そして、まだ未着手のところが一一・四九%残っています。この一万四千四十五キロ取ってですよ、どこを選ぶのか、これは大変です。  しかしながら、私は新しい評価の物差しでもう一度全部して、地方ともよく話し合いながら、優先順位決めなきゃこれはできないです。だれが押し付けてできる話ではありません。そして、それを作るについても、その優先順位に従って財務省とその年その年の協議をしながら決めていくわけでございますから、今までのようにグロスで、十年間だ、五十九兆を超えない、上回らない額だ、そんなラフなことはもう全くできない状況になりました。
  238. 白浜一良

    ○白浜一良君 もう時間がないので、二つ目に言いたかったこと。私は、少なくとも今答弁ございましたように、地方の意見とかいわゆる国民を代表するような立場の方々の意見も集約する形で作っていただきたいと、このことを要望だけしておきます。  最後に、冬柴大臣にもう一点だけ。  四月十七日にいわゆる改革本部をつくられて、それなりの改革案を出された。しかし、これで甘んじて私いけないと思うんです。それを踏まえて、よりやっぱり、これだけ道路財源で無駄遣いがあったということはこれ国民は全部知っている、この審議を通して。ですから、襟を正すというのがこれ一番大事なことでございまして、十七日出されたことですべてと、こう言うんじゃなしに、更にやっぱりやっていくべきだということで、この辺の決意をお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
  239. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私は、これは出した以上は必ずやらなきゃいけないと。そのためには、もっとやらなきゃならないと言うけれども、これは、私としてはこの時点ではもう上限まで、本当に上限までやったと、私はそう思っています。誇りにも思っています。したがって、あとはこれが虚妄にならないように確実に、ここには金額も入れてあります、それからその時間も決めてあります。したがって、それに沿ってきちっと、できれば前倒しでやっていくということが大事だと思います。  それから、公務員の天下りについては論及していません。これは今政府全体でこれを取り組んでいますから、この中でそれはきちっとやろうということでございます。
  240. 白浜一良

    ○白浜一良君 終わります。    〔委員長代理吉田博美君退席、委員長着席〕
  241. 大門実紀史

    大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。  本日、この連合審査の後の財政金融委員会でこの法案は否決されるであろうと、その法案を来週与党衆議院で再可決をするであろうという流れになっておりますけれども、総理は参議院で示された意思、つまりこの法案は否決をして直ちに一般財源化すべきだという参議院の意思と、十年の法案をとにかく通して続けると、この衆議院の示されるであろう意思、どちらが国民の民意を示していると総理はお考えか、まずお聞きしたいと思います。
  242. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) 参議院の結論がまだ出ていない今、何か言えというふうに言われてもそれは困ることではございますけれども、しかし、ただいまお願いしている法案については平成二十年度の、これの歳入にかかわることですね、そしてまたその使用にかかわることです、この法案が通りませんと地方に対する七千億円の財源の執行ができないんですね。これ七千億円の効果だけではありませんよ。この事業量でいきますと一兆二千億円になるんですよ。そういうような、予算執行ができないというような事態が来るというのは大変困ることだというように思います。地方自治体も困りますよ。日本全体の景気に悪い影響を与える、ひいては国民生活にも悪い影響を与えると、そういうことになると思いませんか。ですから、是非これには御賛成願いたいと思います。
  243. 大門実紀史

    大門実紀史君 もうその議論はさんざんしてまいりました。申し上げているのはそういうこと、そういう理由で提案されているのはもうよく知っております。それに対して、野党は違う方法はあると言っているわけです。そのどちらに民意があるかと思われるかという、国民はどこを支持しているかと総理認識されているかということをお聞きしているわけです。理由を聞いているわけではございません。
  244. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) ですから、どういう結論を出されるのか、私は参議院の良識を信じております。
  245. 大門実紀史

    大門実紀史君 国民世論は、どの世論調査を取ってもこのままの法案を通すべきではないという方が多数であるということはもう御存じの上でお答えになっているんだというふうに思います。  最後ですので、もうあとは前向きな議論をできるだけしたいと思うんですけれども、先ほど田村委員の質疑で、一般財源化された後何に使われるのかという点がちょっとますます心配になってきましたのでお伺いいたしますけれども、総理のお考えをお聞きしたいんですけれども、一般財源化した後その財源を何に使うのかという点ですけれども、私は、道路が必要かどうかという議論はさんざんありましたが、問題は限られた財源をどこに優先的に使うのかと、こういう緊急性の問題じゃないかというふうに思っております。  そういう点では、衆議院で二月二十六日に参考人質疑があって、なかなかいい議論がございました。我が党の佐々木憲昭議員が参考人皆さんに同じことを聞いたんですけれども、現時点で社会保障と道路建設のどちらに緊急性があるかという質問に対して、立場の違う、道路建設必要だと言う方もいらっしゃいます。そういう立場の違う参考人四人の方がすべてが、緊急性という点では社会保障だということを明確にお答えになりました。  総理は、この点、緊急性という点では、道路か社会保障かといえばどういうふうにお考えですか。
  246. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) そのどちらが緊急性があるかといえば、両方とも緊急性はありますよ。みんなあるんです、緊急性はね。そして、例えば一般財源化すれば、地球温暖化対策とか救急医療体制の整備とか少子化対策とか、みんな緊急性あるんですよ。それを分けてどうかというふうに聞かれても、ちょっと困ります。
  247. 大門実紀史

    大門実紀史君 ですから、今日の議論、この委員会として初めて総理のお考えを聞くことになるわけで、もっと早く聞きたかったわけですけれども、どうも一般財源化といっても考えている先が違うんではないかと。あれもこれも必要と言われると、そもそもその道路に多大な無駄を生みながら使われてきたものを社会保障やほかの今緊急性のあるものに回すべきじゃないかと、これが国民の声で、いろんな議論があったわけですが、あれもこれもと言われると、一般財源化しても道路にやはり重点を置くということもあり得るわけですし、やはり与党考えている一般財源化と野党が考えているのは違うというふうにこれどうしても感じてしまうわけでございます。  もう少し具体的に言いますけれども、例えば拠点空港から、拠点空港あるいは港湾からですか、アクセス道路を建設しようという中期計画がございます。これ十分間短縮すると。実際には、調べてみると、数分未満とか、ふだんそもそも車が余り通っていないというようなところも含めてですけれども、十年間で十五か所、六千三百億円使ってやるという計画がございます。これ、一年間にすると六百三十億円も使うことになります。六百三十億ですね。効果があるかどうか分からないこういうものと、例えば今障害者自立支援法が一割負担になって障害者の方々から悲鳴が上がっておりますけれども、あれを元に戻すのは約五百億円でできます。  例えばこういう、具体的にお聞きいたしますけど、この二つ比べてどちらも緊急性があるというふうに総理はお考えですか。──いやいや、総理考え総理考え総理の。
  248. 峰崎直樹

    委員長峰崎直樹君) ちょっと済みません。委員長、指名しております。
  249. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) 具体的にそういう例を挙げてどっちが大事かという、それは比較できるんですか、そういうことは。(発言する者あり)できるんですか。私は、ジャンルでいって、そういうような比較をすべきでないと思いますよ。質と量、いろいろな状況がありますから、そういうものを総合して考えるべきことなんですよ。  よく御党は、自衛隊要らないじゃないかみたいな議論されますけれども……(発言する者あり)
  250. 峰崎直樹

    委員長峰崎直樹君) 静粛に願います。
  251. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) そんなことはないんでしょう。それと社会保障、どっちが大事か、こんなふうな議論というのは私はお答えすることできません。両方大事なんですよ、あえて言えば。
  252. 大門実紀史

    大門実紀史君 総理、これ大事なことお聞きしているんですよ。緊急性はどちらかと。  道路、それ、実際に国交省言うとおり十分短縮するかも分かりません。それと、今実際に障害者自立支援法で障害者の方どんな目に遭っているかと、どれだけ自民党に、与党にだって声が来ているかと。これと比べて、これと比べてどちらも判断できないなんて総理大臣がいますか。道路が大事なら大事と言えばいいじゃないですか。
  253. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) 道路工事をあるところでしていますと。そのそばで交通事故が起こって、そして、けが人が出た。道路工事をしている人は、自分たちは道路工事が大事だと、だから道路工事続けるんだというように考えますか。やっぱりそのけがした人を助けるために病院に連れていくとかそういうことをするわけでしょう。そういうようなことを聞いているわけですか。それはもう答え、当然じゃないですか。
  254. 大門実紀史

    大門実紀史君 総理の全体としての政策のスタンスにもかかわるからお聞きしているんですよ。  例えばもう一つ聞きましょう。もう少しじゃマクロでお聞きしましょう。  社会保障の自然抑制二千二百億ですよ、毎年。これは厚労大臣でさえも悲鳴を上げておられます、これ以上は無理だと、これ以上削るのは無理だと。こういうところに、道路特定財源は年間四・四兆ぐらい国費で使っていますよね、二十分の一回せば自然増の抑制やらなくても済みます。こういうことについても御判断できないんですか。
  255. 峰崎直樹

    委員長峰崎直樹君) 福田内閣総理大臣。(発言する者あり)  ちょっと、駄目です。総理大臣やってください。
  256. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) 全体の財政との関係ですから、財務大臣から答えていただきます。
  257. 大門実紀史

    大門実紀史君 そういうことを総理が、総理大臣でしょう、お答えできないんですか、御自分で。一般財源化して、いや、総理のお考え聞いているんですよ。一般財源化してそれをほかに使っていこうとおっしゃった意味は何だったんですか。自分で決断できないんですか。あれもこれも必要だと、あれもこれも必要なんですか。総理のお考えちゃんと述べなさいよ。財務大臣関係ない、財務大臣関係ない。何を言ってるんだ。
  258. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) 今一般財源化とおっしゃったけれども、二千二百億円のこととどういうように関係してくるんですか。二千二百億円、要するに社会保障費が足りないということをおっしゃりたいわけですか。
  259. 大門実紀史

    大門実紀史君 いやいや、どこにお使いになるかを聞いているんです。
  260. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) どこに使うか。それは二千二百億円を削って、それは何も使わない。それは財政の規模を減らすということだけですからね、何も使ってないんです、そういう意味においては。ただ、削るという意味において、ほかのところも全部削っているんですよ。全部削った上で、その全体の構成を見て社会保障費もこれも削る。削るといったって実際の総額は増えているんですよ、毎年。増えているんですよ。計画値に比べて減らそうというようなことで、それは合理化なんです。しかし、その合理化も、例えば薬価を下げるとかいろいろな工夫をしてやっているわけですよ。  ですから、単にそれは二千二百億円削ったから、だから社会保障費を見てないとか、そういう話じゃないということを申し上げておきます。
  261. 大門実紀史

    大門実紀史君 じゃ、もう終わりますが、私が聞きたかったのは、総理は具体的に言わないとお答えにならないから幾つかの例を申し上げたんです。要するに、一般財源化して社会保障に回していくと、そのお気持ちがあるかどうかを聞きたかったわけでございますので、そういうことが今示されなかったということに厳重に抗議を申し上げて、私の質問を終わります。
  262. 峰崎直樹

    委員長峰崎直樹君) 委員長から閣僚の皆さんに申し上げます。  必ず委員長が指名しますので、それに従って答弁してください。
  263. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。  福田総理に御質問申し上げますが、通告しておりませんけれども、道路財源をめぐる今の国会の状況、一体国民はどう受け止めているか。私は、非常に静かに怒っていると、こういうふうに思っております。そのことにやはり、福田総理の政治信条として、国民立場に立ってとか国民の目線で政治を行っていく、こういうふうに何回も、事あるごとに言われておったというふうに思うんでありますが、今最も国民が政治に対して不信が増大しているときはないのではないか。  したがって、ここではやはり、先ほど自民党の同僚の議員の方から激励の言葉もありましたけれども、総理はやはり与党から激励を受けちゃいかぬと私は思います。やはりこの今の国会の状況というのをきちっと考えてみると、以前であれば与野党逆転なかったわけですが、それでも与党としては野党に対して四分六とか七分三分で国会運営やってきたと思いますよ。ねじれてきた以上は、やはり野党八、与党二ぐらいの運営をやらない限りうまくいきませんよ。それぐらいのやっぱり決断力、胆力があって私はいいと思うんであります。したがって、ここのところはやはり自民党をぶっ壊すと言った人の方が国民から人気が出てくるような状況になっている。  こういうことを考えると、やはり国民というのは今の政治に対して非常に不安と怒りというものを感じていると思うんでありますが、総理はいかがに認識しておられるか、まずはお伺いしたいと思います。総理の政治姿勢についてお伺いします。
  264. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) 今のような国会の状況、衆参で議決が違うという状況、これが最大の問題ですよね。ですから、そういう状況の中でどうやって国会を運営していくかということは大事なんだと思いますよ。それをうまくやれなければ、これは、私の方の責任とおっしゃったけれども、野党だって責任問われていると思いますよ。両方問われていると思いますよ。だから政治不信と、こういうふうに言われたんでしょう。両方駄目なんですよ。何とかしたいと思っていますよ、私は。(発言する者あり)
  265. 峰崎直樹

    委員長峰崎直樹君) 静粛にお願いします。
  266. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) ですから、私は、道路特定財源一般財源化ということについても従来の方針を覆して、これはもうまさに野党のおっしゃっているとおりのことを提案しているんですよ。だったらば、少しはこれに協調するような姿勢を見せていただいてもいいんじゃないのかなというように思います。  是非、今からでも遅くない、与野党協議に応じてほしいと、こういうふうに思います。そして、これを進めていきたいと思います。そのことが国民のためになるんだというんであれば、信念を持ってそれをやっていただきたいと、そのように思っております。
  267. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 今の総理の決意は分かりました。だけど、具体的にどこでどういうふうにやっていくかということはないじゃないですか。そこら辺りがやっぱり問題じゃないでしょうか。
  268. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) ですから、それは、私どもは提案として、与党だけで進めようと思っていないんです。野党ともしっかりと協議をして、話合いをして、野党の納得のいくような形でもって進めていきたい。これが衆参ねじれの国会の状況の中で進めていくやり方だというふうに思いましたから、そういう提案をもう既にしているわけですよ。それを公表しているわけでございます。是非よろしくお願いいたしたい。
  269. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 できる限りやはり与野党協議をした上で、再可決などをやらないような状況というのを生み出していくのは、必ずしも与党だけではない、私たちも真剣に考えますよ。ですから、やっぱりそこのところは考えていきたいと、このように思いますし、政府の方も、総理の方もしっかり考えてやっていただきたいと思います。  ただ、具体的な質問に入りますけれども、相変わらず、一般財源の問題についてきちっと確認をしておきたいと思うんでありますが、総理一般財源化の問題について誠心誠意こたえていきたいと何度もお答えになっております。恐らくそうなるだろうと思うし、そうならなければならないと思っております。  ただしかし、少しだけ振り返ってみますと、二〇〇八年のときでしたか、骨太方針の中でいろんなことを言われた総理がおりましたが、守られませんでしたね。そのことに対するやはり私どもは不信があるわけですよ。事情変更だとかという言葉を使いながら守られないということがある。そのことに対して不信があるものですから何回も何回も同じような意見を聞かざるを得ない。したがって、本当に一般財源する決意についてお伺いしたい。
  270. 福田康夫

    内閣総理大臣(福田康夫君) ちょっと私も御質問の趣旨よく分からないんですけれども、二〇〇八年の骨太のことをおっしゃられているんですか。二〇〇七年ですね、そうしますと。  それはあれのことですか。それをほごにするようなことはしていないつもりでございますけれども、二〇〇七年の骨太でもって道路特定財源の中で一般財源化をするということを言っていますね。それは実行しているんですよ。この間の予算案でも前年に比べて千何百億かの増枠を一般財源化いたしましたので、それはしているんです。それが少ないと言われれば、少ないと、これはもう価値評価の問題ですからね、言われたらそれはもうしようがないんですけれども。しかし、それはやっているんです、増額しているんです。ただ、道路特定財源という枠組みの中でしているものですから、ですからそういう程度になりましたけれども、今度はその道路特定財源という枠組みを取っ払っちゃうわけでございますから大幅にできる、それは二十一年度からだというように考えておるところでございます。
  271. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 今回提案をしておられます法案政府与党が決定をした、〇九年度から一般財源化と五年間の中間計画を打ち出しておりますけれども、今出されておる法案との関係で私矛盾があると思いますね、考え方にね。今の間、十年間五十九兆というのは明確になっているわけですが。  それで、政府与党が出されておるそういう決定されたことについて、十年間五十九兆というのは拘束されることになるんですか。その点、いかがでございましょうか。
  272. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 通ったこの法律成立をしたその瞬間、あるいはそれが否定されるまではおっしゃるとおりです、十年間です、五十九兆です、を超えない部分。しかしながら、その後、これを改正しますということを言っていらっしゃるわけです。総理が言っているわけですよ。また、我々閣僚もそれには従いますと言っているわけですよ。そして、我々与党もそのようにしましょうと言っているんですよ。  したがって、その後の、(発言する者あり)それは何回も何回も言っているでしょう。今、今の状況でこれ全部やめてしまったら、地方が混乱しているじゃないですか。中小企業倒産しますよ。これは、七千億の、先ほど総理もおっしゃいましたけれども、七千億の臨交金は、ただ七千億じゃないんです。事業量では一兆二千億の工事なんですよ。そういうものが、今発注が渋滞しているんですよ、渋滞しているんですよ。それに対して、一日も早くやってほしいというのが地元からもう私の方へ毎日毎日あるじゃないですか。  私どもは、そういうものをきちっとした上で、いいですか、きちっとした上で、来年度に向かってこれから頑張りましょうということを言っているわけです。これ、改正しましょうと言っているわけです。それが改正されれば、十年も、そういうものは全部これは新しく決めたものに従うことになるじゃないですか。そういうことを申し上げているわけで、一つ矛盾はしていないと私は思います。
  273. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 矛盾はしていないと言いますけれども、現実、皆さん方が与党で決めたことと提案していることは矛盾しているわけですよね。そこを言っているわけですよ。ですから、何ぼそこを説明しようとしても、なかなか理解が得られない。したがって、明確に国民に対してやはり一般財源化すると、そこまではいいですよ。  だから、今言われた時間の中で、これからでもやったらいかがですか。その点、いかがですか。
  274. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) やるというのは、国会法五十九条で私どもは撤回もできなければ修正もできないんです。そうすれば、先生の野党から出されたらよかったんですよ、修正を。そうでしょう。出さなかったじゃないですか。そうでしょう。今回二回目ですよ、審議は。衆議院では国土交通委員会で二十一時間やって採決したんですよ。こちら、今日入れて六時間目じゃないですか。そうでしょう。  ですから、私どもはそれを申し上げているわけです。
  275. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 時間ですから終わります。
  276. 峰崎直樹

    委員長峰崎直樹君) 他に御発言もなければ、本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  277. 峰崎直樹

    委員長峰崎直樹君) 御異議ないと認めます。よって、連合審査会は終了することに決定いたしました。  これにて散会いたします。    午後四時五十九分散会