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大門実紀史君 それでは、次の
質問に入ります。
政府系ファンドの問題でございます。
先ほど田村さんからも、一々逆らう気はありませんけれども、夢のような話がございました。自民党はあれですか、国家戦略本部でしたっけ、立ち上げて、前
金融担当
大臣の山本さんが議連をつくられて、私もお誘いを受けたことございますけれども、田村さん非常に熱心にやられているのは私もよく知っておりまして、問題意識はよく分かります。百兆円のお金があって、無為無策の運用がされていていいのかということですよね。それをもっと運用して運用益稼いで、国のため、
財政のために使うべきではないかという、そういう熱い思いはよく分かるところです。私も外為の在り方は、ドルが暴落したらどうなるかということも含めて何度も
質問してきて、このままでいいとは思っておりません。
ただ、じゃすぐばんばん運用してしまおうよと、こういうことに行くのかどうかというのは、私、この前
予算委員会の公聴会でもそういう問題意識がありましたので、田村さんの後、違う
立場で公述人にお聞きをしたわけですけれども、もう少し言えば、この間、年金積立金も株式運用していますけれども、十九年度の第二・四半期、第三・四半期で合わせて四兆円の、株式運用の部分ですね、マイナスを出しております、サブプライム以降ですね。次のが出れば恐らく六兆ぐらいのマイナスになるんじゃないかと思いますんで、それほど甘い
世界ではないというふうにまずとらえた上でですが、私はまず、安全かどうかということだけで
議論すべきではないんではないかと。やっぱり国の、まさに国の富をどうするかという意味でのファンドの問題ですので、運用益とかだけで考えていいのかなというふうに思う点です。
なぜならば、この間、なぜこの問題が
日本でもやろうやという話になってきたかというと、まあ田村さんは前からそういう先見の明あるかと思いますが、どうしてこんな騒ぎになってきたかというと、やろうやろうとなってきたかというと、やっぱり中国とかロシアとか、あるいはアラブのUAEとか、そういうところが運用しているのががあっと表面化してきて、
日本と同じように中国は外貨準備が多い、アラブはオイルマネーが余っている、ロシアもオイルマネーがあると、そういう何かお金が余っているところがばんばんやっているんで、
日本も外貨準備余っているんじゃないかと、やろうじゃないかというふうに、ちょっと乗っちゃう人が結構いるんじゃないかなと思いますが。
そういうふうに見ると、中国とロシアあるいはアラブも、単に運用益だけではなくて、それぞれ国家戦略的にいろいろなことを考えてやっている部分も併せて見ておかなければいけないと。ですから、
G7とかG8では、この間、
政府系ファンドについても透明性を確保しようじゃないかという話に
ダボス会議でもなっているのは、本音でいえば、そういう国の本音でいえば、中国は何考えているんだろう、アラブはどうしようと思っているんだろう、ロシアは何考えているんだろうと、その辺ちょっと透明化させようというのが実は本音であるというふうに思うわけです。
そういう点では、国の百兆円のお金を、ただ運用益稼ぐだけじゃなくて、
日本は、どこに
投資をして、どういうふうに
日本の国の在り方としてやっていくべきかと、まずこういう理念の
議論をきちんともしやるとしてもやらなければいけないということを
一つ思うわけですね。
もう
一つは、ファンドの
世界というのはやはり一定の秘密性があるから、
情報を握って
投資をしてもうかるという、こういう部分があるわけですけれども、透明化すればするほど、なかなか高い利息、リターンが稼げないという
世界でもあるわけですね。つまり、透明性と高いリターンというのは矛盾する部分があります。
これは国でやるとしたらどういうことになるかというと、例えば
日本でそういうファンドをつくってやった場合、今でも、先ほどもありましたけど、外貨準備の中身を明らかにしろと、こうなるわけですから、どこに
投資しているのかということを
国民がチェックをする、明らかにしろとなると。
ノルウェーのようにすべて公開するようになるかどうかは別として、なるわけですね。そういう民主主義的なチェックが働くものです。そうすると、思ったほど、ロシアとか中国とかアラブのような余り民主主義的チェックの働かない国が一定の人数で決めてばっと
投資をしてもうける、こういうシステムはなかなか
日本では成り立たないと。そうすると、もう田村さん言われるように、余り夢のような運用益は難しいんではないかというふうに、その辺もリアルに見る必要があると思っているんですね。
申し上げたいことは、よく
議論をすればいいと私は思っておりますけれども、ただ運用益だけで考えるんじゃなくて、国が国の戦略とかあるいは民主主義チェックシステムということを考えると、ほかの国とは違うんだということも併せてこの問題は考えるべきだというふうに思っているところですけれども、額賀
大臣はいかがお考えでしょうか。