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2008-03-27 第169回国会 参議院 国土交通委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十年三月二十七日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         吉田 博美君     理 事                 大江 康弘君                 長浜 博行君                 谷川 秀善君                 鶴保 庸介君                 鰐淵 洋子君     委 員                 池口 修次君                 川上 義博君                 輿石  東君                 田中 康夫君                 田名部匡省君                 羽田雄一郎君                 平山 幸司君                 広田  一君                 藤本 祐司君                 室井 邦彦君                 山下八洲夫君                 佐藤 信秋君                 伊達 忠一君                 長谷川大紋君                 藤井 孝男君                 山本 順三君                 脇  雅史君                 西田 実仁君                 渕上 貞雄君    国務大臣        国土交通大臣   冬柴 鐵三君    副大臣        国土交通大臣  平井たくや君        国土交通大臣  松島みどり君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       金子善次郎君        国土交通大臣政        務官       谷  公一君        国土交通大臣政        務官       山本 順三君    事務局側        常任委員会専門        員        伊原江太郎君    政府参考人        総務大臣官房審        議官       御園慎一郎君        水産庁増殖推進        部長       重  義行君        国土交通大臣官        房長       宿利 正史君        国土交通大臣官        房総合観光政策        審議官      本保 芳明君        国土交通大臣官        房運輸安全政策        審議官      福本 秀爾君        国土交通省総合        政策局長     榊  正剛君        国土交通省国土        計画局長     辻原 俊博君        国土交通省都市        ・地域整備局長  増田 優一君        国土交通省河川        局長       甲村 謙友君        国土交通省道路        局長       宮田 年耕君        国土交通省住宅        局長       和泉 洋人君        国土交通省鉄道        局長       大口 清一君        国土交通省自動        車交通局長    本田  勝君        国土交通省海事        局長       春成  誠君        国土交通省航空        局長       鈴木 久泰君        国土交通省政策        統括官      伊藤  茂君        国土交通省政策        統括官      鈴木 勝康君        気象庁長官    平木  哲君        海上保安庁交通        部長       米岡 修一君    参考人        中日本高速道路        株式会社代表取        締役社長     高橋 文雄君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○国土整備交通政策推進等に関する調査  (国土交通行政基本施策に関する件) ○平成二十年度一般会計予算内閣提出衆議院  送付)、平成二十年度特別会計予算内閣提出  、衆議院送付)、平成二十年度政府関係機関予  算(内閣提出衆議院送付)について  (国土交通省所管)     ─────────────
  2. 吉田博美

  3. 吉田博美

    委員長吉田博美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。     ─────────────
  4. 吉田博美

    委員長吉田博美君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国土整備交通政策推進等に関する調査のため、本日の委員会中日本高速道路株式会社代表取締役社長高橋文雄君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんでしょうか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 吉田博美

    委員長吉田博美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。     ─────────────
  6. 吉田博美

    委員長吉田博美君) 国土整備交通政策推進等に関する調査を議題とし、国土交通行政基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
  7. 大江康弘

    大江康弘君 おはようございます。  今、身内の方からたくさん拍手をいただきましたが、恐らくこれは拍手からブーイングに変わっていくんではないかなと、そんな思いがいたしますけれども大臣、おはようございます。また、副大臣政務官皆さん、おはようございます。また、政府関係皆さん、ありがとうございます。  一年余りの間を空いた質問ですから、質問の仕方を忘れてしまいまして、そこから始めないけませんけれども、いよいよいろんな意味で佳境に入ってまいりました。大臣、本当に連日答弁を聞いておって、御苦労いただいているな、本当に矢面に立って頑張っていただいているなということを、本当に私は心から感謝とお礼を申し上げたいと思います。本当です。心から思っております。  そういう中で、大変残念に思うのは、一月の中旬に国会が始まって、委員会審議が始まるの今日なんですね、これ。何でこんなことになってくるんだろうということを私は国会議員の一人として大変残念に思う一人でありますけれども、いずれにしても、今日は、その中でも限られた時間でありますから、自分思いをどれだけ大臣皆さん質疑ができるか分かりませんけれども、本来ならばいろんなことをもっと言いたかったんですけれども道路問題に集約をして聞かせていただきたいと思います。  まず大臣に、一連の予算委員会あるいは国土交通委員会衆議院の方ですけれども、そういう委員会を通じて感じられたことといいますか、いろいろ質疑応答されて、答弁をされて、本当に、今日のこの状況の中で日本の一番大事な国家政策である私はやっぱり社会資本整備、なかんずく道路というもの、このことの整備をどうしていくのかという部分の中で何か感じたことがあれば、最初ですけれども、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  8. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) ありがとうございます。  二つのことを感じました。一つは、道路整備は依然としてこの国の骨格を成すものとして必要であるということが一つでございます。  もう一つは、私にとっても全く意外であったわけでございますけれども、このような厳しい状況の中で拠出をいただいている道路特定財源が心ない使われ方をしているということが次々に、しかも野党の方々の大変な勉強の結果明らかにされたということでございまして、私は、与党なり政府の方がもっと率先してやらなきゃならなかったことでございますが、そういうことが次々と指摘をされました。  私は、率直におわびも申し上げ、これを改善するということで今私が本部長となって取組を進めておりまして、できるだけ早急にその改善策を明らかにしようと、断行しようと、こういうふうに思っているわけでございますが、各種新聞紙上等世論調査を見ますと、国民はやはりこういう使われ方というものに対する反発を、当然でございますが、お持ちでございます。したがいまして、私がさきに申しました道路整備必要性というものがどうもそのようなものに隠されてしまって、世論調査ではガソリンの値下げという形の方に傾斜をする、非常に私としては焦燥を感じ、残念な思いでおります。  私自身は、道路整備がなぜ必要かということについてはいろいろと申し述べてきましたけれども、本当に少子高齢社会、そして我が国が本格的な人口減少時代を迎えようとしております。あと十年もたてば、年間八十万人、大きな都市一つ消えるぐらいの人口が減っていくというような推定もされているわけでございまして、私は、こういうものを一つ。それからもう一つは、高度経済成長時代に造られた道路というものが大変、あと十年もたてば命数を迎えて本格的な代替整備というものに迫られるということがあります。したがいまして、あと十年というのは、道路整備を進める上においては、我が国にとって誠に大事な残された十年のように思われるわけでございます。  一方、地方も私行かせていただきました。委員地元和歌山県も、もちろん私も近畿地方でございますからよく知っておりますが、つい先日、田辺まで高速道路が、もう二十何年も前に決められた近畿自動車道紀勢線というものがそこまで延びていますが、そこから先の部分が全く紀勢線については本当にちょぼちょぼと新宮周辺でやられているだけでありまして、大体ができていません。また、近畿地方、北の方へ行きますと、京都の方で宮津から豊岡、鳥取というような非常に大事な部分が全く手が付けられない。あるいは九州でいけば、東九州自動車道は、東国原知事もおっしゃいますように、宮崎県では三三%しか供用率がない。こういうところが日本には残されているわけです。  私は、そのような幹線道路、四国もありますけれども、そういう幹線道路がみんな四車線で造らなきゃならないということではないと思います。確定二車線でもいいし、ある場合には現道も利用させていただいて、とにかく幹線道路を途切れることなく自動車で走れるような骨格をつくっておかないと、日本のこれからの国際競争力の強化とか、あるいは成長力を確保するとか、あるいは地方経済が大変低迷しているわけでございますが、そういうところを活性化するためにはこのような道路のネットワークというものがつくられなければならない、そういうふうに思うわけでございます。  そういう意味で、私ども道路中期計画というものを出しました。総額は十年間で五十九兆円、非常に大きなお金でございますが、実は、平成十五年から十九年までの五年間では三十八兆円だったわけでございます、五年間で。したがいまして、これを十年に延ばしますと、実に七十六兆円が本来の姿であると思います。事実、私が道路中期計画で拾ったところを全部整備しようと思えば、もう百兆円を優に超えてしまうようなものであるわけでございますが、現在の財政状況を考えたときに、集中というようなことを考えながら、そしてまた、できるだけ始末もしながら造っていくということで五十九兆円に抑えているわけでございまして、金額は大きいけれども、必要な額としては私どもとしましては本当に身を切るような中で設定している金額でございます。私はそれを国民方々国家百年の計なんですから是非御理解くださいということを声高に申し上げているんですが、なかなかそれが届かない。  私は、今後も誠心誠意、この必要性というものをお訴えしまして、今ガソリンが物すごく上がっていて苦しいときではありますけれども、我々の子供や孫たちのために、安全、安心の国土をつくるために是非御理解をいただきたいということを申し上げなければならない、そういう心境でおります。
  9. 大江康弘

    大江康弘君 随分丁寧にありがとうございました。  大臣が今ちょっと触れていただいた私の地元那智勝浦道路が土曜日に開通式するんですね。これはマスコミで何か我が党の衆議院議員が二階道路なんていう、こんなばかな呼び方をしまして、そして地元へ視察に来るといって来たわけですね。そして、この道路はまるでルイ・ヴィトンだエルメスだというような、こんなばかなコメントをしまして、こんな道路は必要ないと。ほっとけという話なんですね、私に言わせれば。人の選挙区に来て、もう私も五十四年、和歌山県で住んで、まあそれだったら、我が党首の小沢さんのところに行って地元でこの道路は要らぬなんて言う勇気があるんだったら、私は、自分のふるさとの道路を要らぬと言われたら、それはそれなりに考えないかぬなと思うんですけれども、菅さんだ、鳩山さんだと、こういう地元へ行ってなかなかそういうような言葉は吐けなかったわけですね。ですから、今でもいろいろ、少し後ろから言葉が出てきましたけれども、私はこの二十五円を下げるということは今でも反対であります。ですから、もうイエローカードいただいていますから、いつレッドカードをもらうか分からない立場でありますけれども。  しかし、これ二兆六千億、先ほど大臣が少し無駄なことも触れられました。私も大変あの議論を聞いていて残念でしたね。幾ら法律で認めてあっても、やはりそこは時代の流れ、その時々の社会情勢を考えたときに、やはり自主的にそういうことに対してブレーキを掛けたりあるいはやめたりする、そういう勇気というか理性というか、そういう判断が働かなかったのかという点は非常に大です。しかし、これはそのことをもってすべて駄目だという、私はそういう議論にはくみしません。悪ければ直したらいいんであって、自制をしたらいいんであって、国民にいかに理解してもらうかという努力を私はこれからしたらいいんです。これからの努力目標であると思うんですね。  これ二兆六千億円、今こういう形で、かつて物品税というのがありましたですね。我々、料理食べたって一〇%。そういう税制が難しい、フラット化せないかぬというところから消費税が出てきてこの物品税というのはなくなった。しかし、それに類するもので残っておるのがたばこ税酒税であるかなと。酒税は約一・五兆円、たばこ税は約八千億円、〇・八兆円と聞いておりますけれども、それにこの道路特定財源が五兆六千億。ですから、その五兆六千億の今二兆六千億がやめようと。あと残りの三兆円余り目的税一般財源化せよ。  じゃ、道路はどうするのか。それは我が党の案からいえば、何か裏負担をやめて、一兆円とか、臨交金の今の四分の一の負担の七千億を二分の一にするんだ。四分の一を二分の一ということは倍ですね、これ一兆四千億要るわけですね、これで二兆四千億円。そして、あと二兆六千億ですから、これ五兆円の私は穴が空いてくる。じゃ、一体どういうふうにしてこれ道路を造っていくんだろうか。  松島大臣予算委員会で随分丁寧な答弁されておしかりを受けたようですけれども、あの中身は私は決して間違っていなかったと思うんですね。やはりこれから道路というのは、我々、造ることにしかいきませんけれども、戦後やっぱり百二十万キロという道路を我々は造ってきた、上は高速道路から下は町村道まで。このメンテをどうするかという話ですね。副大臣が触れられた話のあの橋梁の話、アメリカのあの去年落ちたミネソタのミネアポリスというのはたかだか四十年。しかし、一九七〇年から八〇年後半までアメリカは、日本のような議論になって道路予算がほとんど行かなかった。それで、維持管理ができなかった中で、ハトのふんが原因であのトラス橋の立派な橋が落ちるという。  我々は、こういう事実に対してどう学んでいくのかということもやっぱりしていかなければいかぬわけですね。今日明日落ちたって不思議でない五十年以上の橋が八千九百橋あるという。これが二〇一六年になったら二万七千六百、そして二〇二六年になったら六万八千橋という、この数字を聞いただけでも、我々は本当は政治の場でどうしなければいけないのかということを考えなければいかぬわけでありますけれども。  この二十五円安いという、我々はこれ、私だって言いたいですね。一般財源化しろなんていう、選挙区で私は言ってみたいですよ。それが言えないのが勇気があるのかないのか私は分かりませんけれども、しかしいずれにしても、私はこの今の状況の中で、恐らく四月パニックと言われておるようなことが想定をされるということならば、私は、政府が早々とこの暫定税率をまた戻さなければいけない、そういう方向だということを今朝ほど新聞で見ましたけれども、いずれにしても、目前に控えた四月パニックの中で、そうはいってもやっぱり一月余りいろいろと混乱が起きるわけですね。その間どうしていくのかということも考えなければいけないし、私のところに自治体皆さんがたくさんお見えをいただきました。皆さんは、道路を造る、維持をするということもさることながら、もうほとんど大体当初議会終わりました。終わった中で、暫定税率というものを組み入れて予算編成をしておる。これまた我が党の言っているような流れになって、恐らくなるであろうということで、なったときに私は自治体というのは大変混乱をすると思うんですね。  そこで、少し、総務省、今日は来ていただいていると思うんですけれども、これ、基金を持っているようなそういう裕福な自治体であれば、当面は基金を利用して足りない部分を補って、そして六月の補正ででもそれをやり直してというようなことは技術的には可能なんですけれども、これはどの自治体もこれだけ熱心に陳情に来るというのは、やはりお金がない、そういう資金がない、いわゆる財政がないからこれ自治体皆さんが真剣に陳情に来られるのであって、私は何も、巷間言われておるように、国交省が裏で行かしてなんて、こんなばかなことを今のこの時代にするようなことは私はないと思っております。皆さん必死の思い陳情に来られておるわけですから。  ですから、そういう中で、もし四月に入ったときに自治体というのはどんなになるんですかね、これ。総務省、一回ちょっと答えてもらえませんか。
  10. 御園慎一郎

    政府参考人御園慎一郎君) 地方団体の対応の問題でございますけれども、今委員指摘のように、地方団体道路財源の税収は全体で二兆一千億ありますけれども暫定税率分がこれ九千億ありまして、これが減収になるということを今非常に地方団体は心配しているわけであります。  御指摘ありましたように、ほとんどの団体が現状の新年度予算におきましては、この今申し上げました減収分見込まないで予算を作っておりますので、仮に今申し上げましたような多額な歳入不足が生じるということになれば、それは事業の執行だとか予算編成在り方というものをもう一回見直さなければならないということになるわけであります。  地方団体は、道路事業というのは、過去の道路整備公債費負担とか、それから削減することができない維持補修というものも含めて、道路財源だけで対応しているわけではありません。多くの一般財源とか地方債を活用しながら事業を執行しているところでありますので、今申し上げましたように、削減が困難な維持補修だとか公債費負担が大きい団体では、暫定税率廃止によって、道路以外の分野の財源をそっちに回して公債費償還に充てるとか維持補修をするということをせなければならないのではないかということで、今非常にその予算編成をどうするかということで大変頭を悩ましておる状態だと思います。  事態の推移がどうなるのか、本当にかたずをのんで見守って、また、仮にこうなったらどうしようというシミュレーションを今必死でやっている状態だというふうに承知しております。
  11. 大江康弘

    大江康弘君 まさにそうなんですね。審議官おっしゃられたように、これ大変な、千八百四十七の都道府県というのは混乱をするんですね。二兆六千億、これ消費税にすれば一%ですね。それは、今そういう一つ議論がこれ同時進行でなされていくのであるんなら、私はそれはそれでと思いますけれども。  しかし、八百兆円とも一千兆円とも言われる日本の借金の、抱えている我々の、財政の中で、私はある意味大臣、この日本というのは、やっぱり民主主義社会というのはコスト社会だと思うんですね。やっぱり応益負担自分がどれだけやっぱり、それだけの受益を与えていただいたら。  ですから、この日本道路政策というのは、一方で有料道路というものの料金体系、そして道路特定財源というこの二本柱で私は日本道路政策というものがつくられてきたと思います。これは私は大変、今までよく田中角栄先生の名前が出ますけれども、そういった当時の政治家あるいはまた官僚の皆さん始めやっぱり知恵があったんだなと、先見性があったんだなと。欧米より三十年遅れたと言われる道路在り方の中で、そういう中で我々がつくり上げてきた。  だけど、今降ってわいたように昨年の十月ぐらいからこういう議論が起きて、今まさに我々はこれ一体どういう選択をしたらいいのかという、非常に混迷のふちといいますか、そういう中にある中で、一番我が党もこれ、地方分権を言っている。地方分権を言うんであれば、もう少し私は、自治体に、困らすような、困難させるようなことをしないのが私は、我々が言っている地方分権地方を大事にしろというところにいくと思うんですけれども。今審議官が言われたようなこういう混乱の中で、私は、大臣、これは本当に我々は政治家として真剣にこれ受け止めて対処をしていかなければいけない。  その中で、先ほど中期計画大臣触れられました。私は、この中期計画というのは、この道路特定財源在り方というのは僕はガラス細工だと思うんですね。もう本当にガラス細工のように組み上げられて作り上げられていると。だから、そこに一つ穴が空けばもうばらばらになって崩れてしまうというほど、私はそういうものだと、自分はそういうふうに思っているんです。  そういう中でこの中期計画というものが、いろいろとこれ質疑がありましたけれども、私は、それなり国家政策として、国土交通省道路をどうするという大きな基本計画、その中に、自治体がやっぱり自分たち道路をどうしてほしい、どうするのかということのいろんな陳情とか積み上げがあって中期計画が私はでき上がったと思うんです。ですから、決して私はあれは間違った計画ではないと思っておりますし、今こういうような、こういうようなというのは暫定税率廃止をして、これ一般財源化みたいな議論になっていったときに、その中期計画そのもの自体が全くゼロになる話であります、と僕は思います。  そして、先ほど言いましたように、百二十万キロの補修維持をこれどうしていくのかという、一方でこういう問題も抱えている。そして、自治体は、この道路特定財源というものに対してやっぱり起債を償還をしたりあるいは義務的経費に使ってきたという、まさに今日明日の問題を抱えてきておるわけでありますね。  ですから、いろいろ申し上げましたけれども、私はやっぱりそういう中で中期計画というのは、道路局長、私は、しっかりこれは僕はもう少し国民皆さんに説明をして、まあ随分説明しました、しかしマスコミというのはなかなか一面的な部分しかとらえませんから、あれだけ大臣皆さんがしっかり答弁をしても思いが伝わっていない。  ですから、私は先ほど道路必要性国民に理解されたんですかということを大臣に聞こうと思いましたけれども大臣の気持ちをおもんぱかれば、なかなかやっぱり半分以上も理解されていないんではないかという、私はそういう残念な思いがあるんではないかと思うんですが、やっぱり政策担当として道路局長が、私はその分しっかりと説明責任を果たしていかないかぬと思うんですね。  ですから、あの中期計画というのは、大枠においては間違っていないんだということをもう少ししっかりと説明を私はしなきゃいかぬと思うんですけれども、あの中期計画そのもの自体は、今の時点でこれ局長はどういうふうに考えておられるか、ちょっと聞かせてください。
  12. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  昨年の十一月十三日に素案を発表させていただきました。それまでいろんな、大臣答弁申し上げましたが、たくさんの方々に意見を聞いてやってまいりました。要対策箇所というのが中期計画の中に出ておりますが、そこを概算ではじきますと、百兆を優に超えます。それはとても現在の財政上から見て困難だろうということでございます。  他方、最終的に政府・与党で五十九兆という、五十九兆を上限とするという数字になりましたが、今事業中の道路の残事業、これの総額は三十九兆でございます。安全上の措置、交通安全等を含めた維持的費用というのが十年間で十五兆、こういうふうに見込まれます。足し算をいたしますと五十四兆でございます。五十九兆を上限とするという中で、事業中それから維持的経費を足し算しますと五十四兆ということで、そのすき間というのは極めて少ない中期計画だというふうに認識をしております。  単年度予算で見た場合、申し上げますと、平成十九年度は当初予算と補正予算を合わせて六兆一千億でございます。単純に掛け算すると六十一兆になります。それから見ても五十九兆という数字はどういう数字かというのはお分かりいただけるかと思います。  先ほど、素案の話触れましたが、国民各層に御意見を賜りました。十万件を超える御意見でございました。それから、すべての都道府県知事、市町村長、千八百七十四名から意見をいただきました。そういう意見を踏まえまして、十六の政策課題に整理をして十年後の目標を立てました。それについても意見をお伺いをしたところでございます。  そういう目標を達成するために、先ほど申し上げました重点対策箇所数、これはもう具体的に一か所一か所が明示できる箇所でございますが、要対策箇所、済みません、要対策箇所は具体的に明示できる箇所でございますが、それを重点対策箇所数というところまで絞り込みまして、平均単価を乗じて、最初六十五兆、政府部内で五十九兆といったところでございます。これも先ほど大臣答弁申し上げましたが、現計画、五年間で三十八兆でございますので、単純に掛け算、二倍しますと七十六兆。五十九兆はこれに対しまして約二二%減の計画でございます。  したがいまして、いろんな政策課題で目標を明確にして積み上げて、そうした五十九兆でございますが、こういう数字から見ても絞りに絞った計画だというふうに理解をしております。  さらに、少し長くなりましたが、もう一点だけ、これはまさに受益と負担の関係を表す中期計画だというふうに考えてございます。
  13. 大江康弘

    大江康弘君 もう時間がありませんから、やっぱり我々、これ大臣地方に住んでいる者にとって、よく我々は持続ある地域社会づくりと言うんですね。持続ある地域社会というのは何だろうかなと。やっぱりこれ、子供や孫が地元に住んでもらわにゃいかぬわけですね。じゃ、そのために我々はどうしたらいいのかといったら、やっぱり田舎におったら、来る企業が一つのまあそこに立地できない条件として一番挙げるのが道路なんですね。  先般、大臣があるところでごあいさつをされて、この間、第二名神ですね、三重の方から、あれは亀山から大津ですか、あの五十キロ開通するところを僕は調べてみたら、その五十キロを見込んで三重には七十四社、そして滋賀には五十五社誘致をされたと。こういう事実を我々地方で指をくわえて見ておったら、本当にやっぱり道路というものが生み出してくれるチャンス、機会、可能性、やっぱりこういうことを本当に私は、北海道から沖縄の石垣島まで、ある意味競争の原理というのはやっぱりまずスタートラインが平等でなければいけない。  その今の社会のありようを見ていたときに、本当にこれが平等なのかと言われたら、私はまだまだやっぱりそこで不公平な部分。ですから、そういう不公正な、不公平な部分の中で、やっぱり一番その可能性として挙げられるこの道路整備というものに対して、我々はどういう地域に、田舎にチャンスを与えてやるかということは、私はこれは政治のやっぱりやらなければいけない責任だと思うんですね。  確かに、今の税体制というのは、もうそろそろ日本も成熟した車社会に入ってきましたから、九つのこの税金の取り方の在り方、いわゆる揮発油税やこの自動車取得税のタックス・オン・タックスの話も、やっぱりこれは見直していかなければいけない一つの私はこれは課題であると思います。  今日は少し触れたかったんですけれども、離島の私はガソリン対策をちょっと質問したかったんですが、今日はもう時間がありません。今、小笠原の母島で二百七十三円なんですね、このガソリンが。父島で二百五十二円で、石垣で今百六十二円というんですから、まあ本土のハイオクと同じぐらいの値段と。ですから、こういうことをいえば、それじゃ二十五円安いじゃないかという、私はそういうために今言ったわけではないんです。いわゆる、私はこういうガソリンが高い安いというのは、これはやっぱり政府が物価対策でしっかりと対応していかにゃいかぬ僕は問題だと思うんです。それを目先の二十五円を下げて、いわゆる国策である社会資本整備をやめていくということと、私は同じレベルにやっぱり置く話ではない。  ですから、私は大臣にお願いをしたいのは、まあ一バレル百ドル超えてと驚きますけれども皆さん、今から二十八年前に一バレル四十ドルだったんですね。あれからインフレ率がどれだけかというと、二・四倍になっているんですね。いわゆるドルの価値が二・四分の一になっているんです。ですから、今の我々が生活をしておるインフレ率の換算をして、一バレル四十ドルのときのあのときに計算をしたら、何と一バレル九十七ドルなんです。ですから、我々は百ドルで驚いていますけれども、もうそういうようなことを実態として三十年近く前に、あの第二次オイルショックの後経験しているんですね。ですから、私はやっぱりそういうことを、ガソリンが安くなる目先のことでということのやっぱり議論というのは、私は政治家の逃げだと思う。  ですから、私はしっかりとそこの物価対策の部分と、やはり社会資本整備をしっかりやっていくんだというところをやはりそこは区別をして、私は大臣にお願いをしたいのは、そういうことを政府の中でやはり大臣のお立場で、この議論は違うんですよ、これは我々が政府の責任としてやっていくんですよということをやっぱり主張していただきたいな、それを私はお願いをしたいわけであります。  もう時間がありません。どうか一つ大臣、私は思いは一緒であります。まあ、こういうことを言えば、おまえは離党だと私は言われるんですけれども、政権政党を担おうかという政党がやっぱり余り意見が全部一緒というのも私はこれもおかしいなと、幅広い意見もあってもいいんじゃないかと私は自分で思っておりますけれども、しかし私は政治家でありますから、最後は自分の信念でどうするかということは決めたいと思いますけれども、私はいたずらにやっぱり国民にあらぬ不安や心配を掛けないように、今こそ私は政府がしっかりと根性を入れてやっていくときではないかと思いますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。
  14. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 委員長、一言。
  15. 吉田博美

    委員長吉田博美君) 短くお願いいたします。
  16. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 離島のこと、ありがとうございました。  私も離島振興を担当させていただいております。小笠原群島あるいは奄美群島振興も担当させていただいておりますので、今お話のありましたことは肝に銘じて頑張ってまいりたいと思います。  ありがとうございました。
  17. 大江康弘

    大江康弘君 終わります。
  18. 長浜博行

    ○長浜博行君 長浜博行でございます。  久しぶりに大江節を拝聴しまして、会長もおられましたけれども、大変民主党も幅広い政党で、本当にイデオロギーというよりは政策論争を闊達に行って、なかなか第一党になるためにはいろんな議論をしていかなければいけないんだなというのを横に座りながら考えていた次第でございます。  大臣所信について質疑をいたしますけれども、様々、予算委員会とか衆議院質疑が行われておりましたので、当然道路が、あるいは特定財源と言ったらいいんでしょうか、あるいは暫定税率と言ったらいいのか分かりませんが、その問題が論じられることは、ここにいる国土交通、参議院の委員会のメンバーもそれを拝聴して、そうだなと思ったり、ここは違うんだなと思ったりするときがあります。なかなか、冬柴大臣がお一人で答弁をされる機会が多かったので、大変だなというふうに私は正直言って思いました。というのは、これは本当に道路の問題なのか、社会資本整備と言ってもいいんですが、それとも税制論議をやろうとしているのか、あるいはもっと言えば国の在り方をどう変えるかと、こういう議論の中の深まりと言ったらいいんでしょうか、それをある意味では国土交通大臣が一人で受けるケースがあるということの大変さを私は違う立場で見ていて思った次第でございます。  何が言いたいかというと、私どもも次の内閣というのがありまして、NCと言っておるんですが、やはりそこで例えば国土交通の担当であれば、道路を造るか道路を造らないかと言われれば、道路を造る担当大臣なんですね。道路は造らないという前提の建設大臣とかあるいは運輸大臣、まあ昔のですね、担当所管からいえばそんなことはあり得ないわけで、道路は造りますよと、自分の所管ですからと。そういったときに我が党の場合どういうことが起きるかというと、マニフェストにも書いてあることですけれども、今、先ほどの大江さんのお話にもありましたけど、これだけ借金を抱え、あるいは年金、医療等の問題、様々な問題を抱える状況の中で、例えば、長浜さん、あなたは道路道路と言いますけれども、それで財源はどこから出てくるんですかと、逆に言えば、今ある財源が保障されているからあなたはそういうことが言えるんじゃないですかというような、他の大臣から様々な御意見が入ります。私どもの場合は、別にこの道路特定財源のこの時期の問題だからと言っていることではなくて、前々から、先ほど申し上げましたマニフェストの中における一般財源の問題あるいは暫定税率が三十年続いているような問題、こういった問題については既に述べてまいりましたものですから、理論的には整備をされていると思うんです。  さはさりながら、あれはだれでしたか、菅さんか何かの質疑のときに、全国の首長さんのほぼ全員という形のがありましたね。原本は多分冬柴大臣のところにあるんですね。今日、重いんで持ってきませんでしたけど、コピーは私のところにあるんですよ、物すごい重いのが。これが千七百八十八人で、全市町村の九九・三%の首長さんから、中期計画の策定、暫定税率延長等に関する市町村長の賛同者名簿という形でいただいておりますので、担当になってみますと地方道路必要性というのはすごく感じるわけです。  この状況の中で、先ほど申し上げましたような道路を造る、造らないというだけの問題ではなくて、国づくりの在り方として税制論議を含めてこの問題をとらえていかないと、何のために、与党もそうですが、野党もこれだけエネルギーを使ってやっているのかというのが分からなくなるということをまず最初に申し上げたいというふうに思っております。  大臣所信も拝聴をしておりまして、特にその中で述べられました、時代の要請にふさわしい国土交通行政ということは大臣も述べられたわけでございます。  道路の問題でいえば、昭和二十九年当時、道路の舗装率はわずか一・五%であったと、それから自動車の保有台数は〇・〇四人に一人というような状況。それから、暫定税率がつくられました四十九年、これはオイルショックの後、どちらかというと、道路財源を確保するというよりは物価高騰対策で導入されたと思いますが、暫定税率が導入されたときにおいても道路の舗装率は二八・六%、そしてまだこのときにも自動車所有台数は一人になりません、〇・七九でしたですね。今は大体道路の舗装率は八〇%を超えているというふうに思いますし、あるいは一世帯当たり自動車は一・五台というふうな状況での時代的な変化もあります。  こういった、今申し上げたのはたまたま自動車の件、道路の件でありますが、時代の要請にこたえられる国土交通行政ということをどういうイメージでお話しになられたのか、お願いをいたします。
  19. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 国土交通行政は大変広い場面を担当させていただいております。国土政策、そしてまた社会資本整備の政策、その中には道路整備道路、港湾、空港等がありますが、そのほか観光政策あるいは海洋政策等々でございます。それらについて共通しているのは、大きな時代の流れというものがございます。  今、日本は大変な経済財政関係で窮迫をしているという背景がございますけれども、しかしながら次世代、我々の子供や孫たちが自信や誇りを持って安全、安心な国土というものを維持していけるのかどうかという観点から見ましたときに、我々はどういう選択があるのかということだと思います。私は、それは本格的な人口減少社会を迎えるということになりますと、どうしても経済が萎縮をし、そしてまた成長力も止まってしまう、地方はなお低迷する、こういうことが予想されるわけでございます。  そういうことから、私はいろんな政策、国土政策にしても交通政策にしてもそうですけれども、窮迫した財政状況の中ではあるけれども、しかしながら国際競争力を強化するということは非常に生き残っていく上には大事だし、それから成長力維持しなければならないということも、これも異論はないだろうと思うわけであります。  そして、地方について、私は、経済が低迷しております。そういうところに活力、あるいは日本全国が平等にというわけにはなかなかいかないにしても、我々が目配りをしながら本当にそういう機会を与えていく、こういうことが私は時代の要請にふさわしい国土交通行政であると、こういうふうに思っているわけでございまして、大変道は狭いけれども、それをやはり選択をしていかなきゃならない、このような思いでございます。
  20. 長浜博行

    ○長浜博行君 所信の中で、今のお話にも関係しますが、真に必要なという表現を三回ほどお使いになっております。それは主には道路のこと、あるいは社会資本整備ということで真に必要な道路という言い方をされました。  しかし、これは文脈の中において、必要な道路でも何ら矛盾をしないといいますか、あえて真にと付けられているその意味は、今おっしゃられた部分の中において、一つには必要な道路というその判断の主体はだれなのか、それから真にとなぜあえてそこに付ける、こういう議論を行うのか、それについて簡潔にお願いいたします。
  21. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 例えば、通学路ですが、日本道路は百二十万キロありますが、子供たちが通学路に日々使っている道路は十九万キロでございます。しかしながら、そのうち四十人以上の子供たちが使っている道路は十一万キロです。このうち四割の四万四千キロが歩道がありません。こういうものはどうして出したかといいますと、全部ナビゲーターを百二十万キロについてやって出したのがこれでございます。したがいまして、その十九万なり十一万キロがどこにあるかということは全部我々資料があります。しかし、それを全部整備する、歩車道の区別を付けるということには莫大な金額が要ります。したがって、そのうち、四万四千キロのうち九千キロは歩道を付けてあげないと危ない、そこを子供が、四十人以上の子供が列を成して行くところを自動車が、大型の自動車が行き交っているという事実を知っているわけです。  したがって、私は、四万四千キロ全部やりたいけれども、そのうち九千キロだけはこれは早くやらなきゃならない。これは真に必要な社会資本整備じゃないでしょうか。  私は、必要なということになれば、私はこの四十人以上の子供が使っている十一万キロの道路が本当に安全、安心な道にしなきゃならない義務があると思うんですけれども、それには余りにも大きな財政支出が必要とする。したがって、選択と集中によってこれを四万四千キロに絞り、そのうち歩道を、拡幅しても歩道を造らなければならない九千キロというものを我々はこれは選んでいかなきゃならない。真に必要なんだというふうに思っております。
  22. 長浜博行

    ○長浜博行君 決して揚げ足を取るつもりはありませんが、私はその真にという判断をする主体はどこだということに関しては、いわゆる風上の部分といいますか、中央国家、大きな国土交通省、あるいは善意で冬柴大臣は、今歩道の通行されている皆さんが心配だからということでお話をされましたが、この真にという意味の主体は、やはり国民が判断をする、もっと言えば、国民が最小基礎単位はどこにあるかといえば、多分市町村だと思います。そういった基礎自治体の中で判断をできる裁量権を与えていく。裁量権は何かといえば、お金。そのお金が本当に道路にしか使えない財源がいいのか、あるいは自由に使えるのかということが、私はこれ、一般財源化議論の基本であるように思うんですね。  ですから、冬柴大臣の真にの解釈が間違っていると言うつもりはありません。ただ、私が申し上げたい真にというのは、先ほど申し上げましたように、税制論も絡む、この中における、地方分権の中における主権者というか、主体者と、判断の主体者と言ったらいいんでしょうか、それを地域住民に求めるところではないのかなというふうに思うわけでございます。  そしてまた、官民協働の新たな公という、その公による地域コミュニティーの再生というようなことも所信の中で述べられております。これも、地域の中における、かぎ括弧まで付けて新たな公、まあ文章とすればかぎ括弧ですね。大臣が述べられている最中に、かぎ括弧、新たな公、かぎ括弧閉じるとはおっしゃいませんでしたが、文章として配付されるとこういう状況になっておりますけれども、新たな公ということはどういう概念でしょうか。
  23. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) これは、国土形成計画法に基づいて、今全国計画というものを答申をいただき、閣議決定を近くしていただこうという中に使われた言葉で、そこではまさにかぎ括弧が付いて新たな言葉として定義をされております。  私は、先ほど委員もおっしゃいましたように、何もかもお上が決めるということではないと思うんです。したがいまして、これは、その地域において今NPOとか地域で活動される方々がたくさんいらっしゃいます。これは、企業もあれば多様な民間主体の地域づくりの担い手というものがどんどんできてきているわけです。したがいまして、これらの多様な主体が協働、共に働く、共に意思と行動を一緒にして、そして活動を行うことによって地域住民の生活を支える、あるいは地域の活力を維持するという機能を果たしていただきたいと、そういう願いを込めての言葉でございます。  例えば、今はもう全部乗用自動車で動きますので、地域のいわゆる公共交通手段というものが大変困難になっておりますね、維持することが。それではお年寄りや学童は大変な、もう生活できなくなるわけです。したがって、そのときに、今あちこちでNPOとかあるいはそういう人たちが寄って、一つの、乗用自動車でみんなを巡回して乗せていこうとか、そんな働きまで出てきているわけです。  我々としては、そういうものに頼るわけにはいきませんけれども、しかしそういう自然発生的なものを支持し、そしてその地域でそれが一番使いやすい、そういうようなものをやっていくという意味で新たな公、従来のお上ということじゃなしに新たな公ということが住民生活を支えていく一つのいい方法だろうということでこのような言葉を使っているわけでございます。
  24. 長浜博行

    ○長浜博行君 その御配慮自体がやはり新たな公の概念とは私はちょっと違うように思えてならないんですね。  経済学の功績というのは、市場とかマーケットメカニズムの中での均衡点を見出して、それが極大な効用を生み出すというようなマーケットメカニズムの中で解決できるというのが大体経済学の基本的な物の考え方ですが、しかし、公共経済学になると、市場の失敗といいますか、マーケットに任せておくと達成できないという部分をどう解決していくかというのがいわゆる公共とか公益性の概念だというふうに思うんですね。  しかし、それだったら全部国がやればいいのか、あるいは官がやればいいのかというと、それはそうではないですね。そうじゃない形で、後で御質問をしますけれども、じゃ民間のタクシーはこれは公共交通という概念になるのかどうか、あるいは日本航空も昔は官がやっていましたけれども今は民であるとか、あるいは国鉄、JRというのもいわゆる民を利用しながら、しかし公共という概念の中でどうとらえるかと、こういう問題を整理していかなければいけないときに、やはりその地域の、大臣もおっしゃられたとおり、NPOに任すにしろ、それは国家単位のNPOではなくて、その地域地域の事情に応じた中における裁量権を増やしていくためには、先ほど来何度も申し上げて恐縮でございますが、民主党の場合は地方に一括交付金というような形で、この事業をやるためにこの補助金を上げますよ、この事業のための補助金ですよと。それは全員でやっているんです、元は。こうした方がいいというふうに思ったから中央から地方にやっていたんだけれども、今、認識がもし共通をするとしたら、地域の時代になったのだから自由に裁量権の中で使えるという、まあお金がなきゃ何にもできませんからね、会社も自治体もそうですが。そのお金のベースの問題がこの新たな公共という概念の中にも入ってきているのではないかなというふうに思うわけでございます。  この公共交通、今ちょっと話が出ましたが、公共交通等の安全と信頼の確保ということも述べられました。公共交通等というその等の意味は何を指しておられるんでしょうか。
  25. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 公共交通は、鉄道、バスといった人が利用する公的輸送機関を意味することが一般でございますが、しかしながら、安全あるいは信頼の確保というものにつきましては公共交通に限定することなく行う必要がございます。  具体的に言えば、運輸安全マネジメント制度あるいは保安監査におきましては、トラックあるいは貨物船というものも対象としているわけであります。したがいまして、この等というものはトラックあるいは貨物船というようなものを指しております。
  26. 長浜博行

    ○長浜博行君 その公共交通等の安全と信頼の確保で、陸海空の事故原因究明機能の高度化ということがそれに続いて述べられているわけでございます。御承知のように、空でいえば新千歳の、二月ですか、重大インシデントの問題がありましたし、海に関していえば、私の千葉県のところで先般「あたご」と清徳丸の件がありました。陸の場合、今トラック等のお話が出ましたけれども、陸の場合は、鉄道事故調査委員会等々を含めて鉄道という概念が頭にあるんですが、この陸の部分の運輸安全委員会、そのうち法案が出ておりますから議論することになると思いますが、この部分の陸の部分というのはいわゆる陸上交通、鉄道以外の一般公共車両を含めての事故対策とかそういうことになるんでしょうか。
  27. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) かねて民主党のマニフェストではそういうことも、自動車も含めるべきだということを言っておられることは存じておりますが、自動車事故は年間百十万件以上起こっております。そして、現在におきましては、その事故原因は警察等におきまして相当な人数を掛けて、また科学警察等でその原因究明がなされているわけでございます。したがいまして、我々が扱う陸海空、この運輸安全委員会という法案を提出させていただきますが、その中の陸というものは鉄道でございます。
  28. 長浜博行

    ○長浜博行君 そうすると、多分、ここでは深入りしませんが、所信で述べられたフレーズからすると、当然今のその前の答弁の公共交通の概念の中におけるトラック等々を含めて、やはり車両に関する問題をどう扱うかということが多分ある種の議論をしておく必要はあるのかなというふうに思っております。  と同時に、私見でありますけれども、この運輸安全委員会について述べられる前に観光庁のことも所信の中で述べられております。観光庁、日本の観光政策を国土交通が所管をしながら共管官庁とともにこれからやっていこうという、こういう大事な観光庁の設置、あるいは運輸安全委員会もこれも新たな形で設置をする状況の中において、私の私見ですが、これは国土交通省の設置法案の一部改正案というような形での法案の取扱いというよりは、観光庁設置法とかあるいは運輸安全委員会という、せっかく意気込みを持って取り組まれるんですから、国交省の設置法の一部改正といったって何だか分かりませんよ。読めば分かります。内容は読めば分かりますので、こういった法案の取扱いについてももう少し配慮があってもいいのではないかなというふうに思ったわけでございます。  それから、海の問題ですね。私もなるべく現地に行くようにしておりますが、ああいった事故でありましたものですから、捜査あるいは検証の邪魔になってはいけないということで、海には出ましたけれども、一応海技免許を所持をしておりますので海には出ましたが、あの状況の中において、たしかあの事故の二日ぐらい前にも、あれは米軍の基地の問題だと思いますが、神奈川側でアメリカの船舶が入ってくるために今しゅんせつ工事を行っていると。そのしゅんせつ工事を行っている土砂を当該海域近くに捨てるような状況もあって、それを千葉の漁民の皆様との安全を確保するために防衛省とあるいは千葉県漁協だと思いますが、打合せをされていたようであります。  それから、知事にももちろん会いましたけれども、長浜さん、四時間も私に連絡なかったのよという話を知事はされておりましたけれども、一体、海洋担当大臣でもおありになりますし、今回のは防衛省側の事故究明の問題が割と脚光を浴びていますが、こういう事故を起こさないために、東京湾及び、あれは野島崎の南の状況でありますけれども、特に東京湾の中における海上保安庁を所管する国土交通として、地域の自治体あるいは漁業関係者あるいは防衛省、こういったところと海難事故を防止するために何か積極的な役割を担っておられるのかどうか、その点はいかがでしょうか。
  29. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 国土交通省は海難を扱っております。年間四千五百件も、みんなびっくりされるんですけれども、海難事故があります。そういう際に、救急救命ということでヘリを飛ばして、海難に遭っている、座礁している船の中へ、荒れる海の中にヘリからロープを伝って、もう命懸けです、降りて、そこにいる人たちをつり上げて救出するというような作業をやるのも海上保安の仕事でございます。  それから、海上における犯罪、この捜査、これは司法警察員と、あるいは司法警察職員の立場で刑事訴訟法に基づいて犯罪捜査をする権限を与えられております。  私どもは、そういうことでそこに、海における安全、安心というものを担う官庁でありますから、そこは関係者とそれぞれに協議会をつくって、そこで協議をしてこの安全というものを確保しようという流れは持っております。けれども、外洋とか外航になりますとこれは別です。  そういうことで、今のお尋ねについて的確な答えになるかどうか知りませんけれども、特に漁協とかそういうところと、それから今、東京湾の羽田空港第四滑走路、D滑走路というやつを埋立てするために千葉の方から土をいただいておりますし、土運船とかそういうものが行き交っていて大変ふくそうしております。それに対しては、海上交通センターができておりまして、そこで一定の大きさの船舶以上についてはその動向というものを交信をしながら衝突しないような配慮もしているわけでございますが、今後も、衝突事故とかあるいはそういうようなことでなくてもトラブルが発生しないように頑張っていかなければならないと思います。
  30. 長浜博行

    ○長浜博行君 おっしゃるとおり、「あたご」の事故とは直接関係しませんが、いわゆる内海における海上衝突予防法とか、プレジャーボートも随分多いようでありますので、こういったところで是非、事故が起きてからどうするかではなくて、起きないような形での、東京湾だけじゃありませんね、全国には内海はいっぱいありますから、ところで徹底をしていただければというふうに思います。  それから、改正建築基準法の問題、特に、大臣認定プログラムを作られたと、コンソーシアム作られたという状況でありますが、時間が余りありませんが、どういう状況なのか説明をいただけますか。
  31. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 大変、大臣認定プログラムは、これを用いればダブルチェックをするような大きな建物につきましても、現在七十日と、申請から建築確認まで七十日という規定があるんですが、それを用いれば三十五日以内でできる、そういうことでございますから、大変皆さんからいつ出るんだということで言われておりました。それを一月の二十二日に、大臣認定、仮認定をいたしまして、一番たくさん申請していらっしゃるんですが、その中で最も進んでいるNTTデータのものにつきまして仮認定をして、それから一か月、これについての不具合がないかどうかということを関係者、申請側あるいは審査側あるいは会社、もちろん国土交通省も入りまして一か月やっていただきました。そして、大変遅れたんですが、三月の二十五日に最終認定に基づく製品が販売をされることになりました。したがって、これによってこれからはスピードアップして認定が行われるだろうというふうに思います。  なお、付言すれば、ほぼ建築着工あるいは建築確認申請、それからそれの建築確認ですね、この三つのものにつきまして、それぞれ対前年度比で、まあマイナスではありますけれども一けたまで、マイナス五・五%とかそこら辺まで回復をいたしました。  前年ですけれども、百二十八万戸余でございまして、これは、最近では最高のものであったわけでございますから、その最高レベルにそこまで迫ったということはほぼ、ほぼ正常化しつつあるということでございまして、今後も、この大臣認定プログラムの発売を受けてこれからもっとダブルチェックの部分についても進んでいくだろうと思いますし、また全力を挙げてそれについては取り組んでまいりたいと思っております。
  32. 長浜博行

    ○長浜博行君 中小零細の現場ではまだそういったほぼ回復をしてきたという状況にはありませんので、今日は時間がありませんからまた一般質疑等々の場でもこの問題はお尋ねをしたいというふうに思っております。  それから、入札契約制度改革とかあるいは規律の保持、当省職員による不祥事ということもあえて言及をされました。そしてまた、今日は、ある新聞によりますと、二・三兆円、国交省人件費に道路特別会計を使うということも報じられているような状況でありますけれども、これは前回の、まあ余り細かく申し上げませんが、衆議院で問題になった、指摘をされたからやめますという状況で問題は解決をしているわけではありませんので、法的に問題がなければやり続けることも何ら問題はないわけで、それをあえて、まあ当初の状況と違って法的に問題がないがやめられる。  今回のこの人件費が道路特定財源から出され続けているというこの状況の問題もおやめになるんでしょうか、あるいは何か対処を取られるんでしょうか。
  33. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 今日のある、まあ著名な新聞ですけれども、二・三兆円が道路特定財源から人件費として支出されていると。これはもちろんやめるわけにいきません。これは道路整備特別会計の中で、道路整備に携わる職員の給料はそこから払うべき、仕分しなさいと書いてあるわけでして、これを読みますと、たしか平成二年ぐらいからのオール人件費を全部積算して、足し算して、その金額が二兆三千億になったと。いわゆる公務員の給料の総額がそこに書かれているんで、私はなぜこういう記事になったのかは、ちょっとまだ詳しく読んでいませんので論評はしません。論評はしませんけれども、内容はそういうものであったと私は思います。  したがって、やめるんかと言われますと、それはやめるわけにはまいりません。
  34. 長浜博行

    ○長浜博行君 確かに今朝の状況でありますから、こういった問題も含めてもう大臣自身がよく認識をされていると思いますけれども、今国土交通省の多分状況というのは、運輸省、国土庁あるいは建設省合併当時の巨大官庁のひょっとしたらどこを見直さなければいけないのかと。これも今道路のこと言っているんじゃないかと言われるかもしれませんが、そうじゃなくて、まあ道路局長さんは大変毎日お忙しいようでありますが、住宅局とか河川局とか、様々な部局の中において、今省庁の中での道路財源をきっかけとしながら、何か見直しの活動といいますか、チェック体制を取られているわけですよね。  これは、もちろん本気でやっておられると思いますが、本気でやらないと、この省庁を守ることが大臣のお仕事ではなくて、大変僣越でございますけれども、その省庁の中における今まで変えられなかった部分を変えていく。何とかをぶっ壊すと言ってすごい人気を得た総理大臣もいますけれども、そういった状況をつくらないとこの種の問題はずっと起き続ける、そういう危険を私は感ぜざるを得ません。ずっと質疑を聞いておりましてそう思います。  最後に、本当に時間がなくなりましたけれども、タクシー料金の値上げ行って、これはタクシーの方の人件費といいますか生活状況が向上するためにあえてやったと思いますが、私がタクシーに乗る限りにおいては、お客さんは減ったし、全然生活良くならない、どうなっているんだという話が多いんですが、その点についてはいかがですか。
  35. 本田勝

    政府参考人本田勝君) 昨年来実施をされておりますタクシー運賃改定についての御質問でございますが、御指摘のとおり、大変厳しい運転者の労働条件の改善を目的として行っております。  各地域でその増収率がかなり幅がございますが、いずれにいたしましても、増収分に見合った労働条件の改善を確実に行っていくということが今回の改定の趣旨からどうしても必要だと思います。  具体的な事例を御紹介いたしますと、昨年四月に実施いたしました大分、ここは一〇%の運賃改定を行いまして、結果においては実は二%ぐらいの増収でございましたけれども、大分の運転者の方々の労働条件、賃金については五%の増加になっております。ただ、これは個々の企業を見てみますと、実は運転手の労働条件が下がった企業もやはりございますので、私どもはそうした企業に対して、どうしてそういったことになるのか、ここは十分事情を聴いた上で必要な措置を講じてまいりたいと、かように考えております。
  36. 吉田博美

    委員長吉田博美君) もう時間ですから。
  37. 長浜博行

    ○長浜博行君 どうもありがとうございました。  今、多岐にわたって御質問させていただきましたが、道路財源の問題以外にも国土交通行政にかかわる問題が山積みしておりますので、民主党は積極的に質疑でこれからもチェックをさせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。  ありがとうございました。
  38. 田中康夫

    田中康夫君 民主党・新緑風会・国民新・日本の一員であります新党日本代表田中康夫でございます。  小泉純一郎さんのときに公共事業費は四割削減されたわけでございます。しかし、私どものこの日本には五十二万社という土木建設業の企業がございます。五百五十二万人ほどの方がその業で働いていらっしゃるという。御家族を入れますと、人口の六分の一くらいはそうした土木建設業の関連の方であります。四割公共事業費を削減をいたしましたが、しかしながらすぐには構造転換できないような方々、私も知事時代に、例えば、そうした方々が森林整備に携わったり、あるいは道路維持補修の舗装工事を分割発注をして直接発注をするということで、従来の八掛けの金額でもきちんと採算が取れるような形にするとか。こうしたことを国のレベルにおいては余り行わないままに公共事業費を削減してまいりました。  私は、ジョン・メイナード・ケインズという方が、まさにこの方は、不況のときには減税をして、そしてまた公共投資をせよと。しかし、このケインズの言ったことは、実はイギリスにおいて、大英帝国であったはずのロンドンのイーストエンド、ベスレムグリーンと呼ばれるようなところには、クーリーと呼ばれる移入をされてきた方々のところは下水道すらない非人間的な生活であると。その場所の下水道をきちんと整備することこそが新しい公共事業在り方だと。オックスブリッジと呼ばれる田園都市空間へ行く間の景観というものが非常に荒れ果てている、それをコンクリートジャングルにするというようなことではなく、イギリスらしい田園空間を再生することこそが、雇用を生み、そして景気を浮揚すると言ったのではないかと思います。  すなわち、私どもが今後公共事業ということを考えるときに、まさにフェア、公正であって、そしてオープン、オープンというのは政府・与党の方が以前もおっしゃっていましたけれども余りオープンでないと世界からそしりを受けておりますが、フェアであってオープンであって、そして論理的である、ロジカルであることが必要であろうかと思います。このことが新しい公共事業在り方、地域密着型であり、二十一世紀型の雇用を生む経世済民の公共事業というものを、国土交通省が率先して、デザインを描くだけでなく推進することで、公共事業というものが良い意味で納税をされている生活者の方から理解され、国土交通省及びそうした事業に携わっている方々が良い意味日本に暮らす方々から支持されるという、そうした社会を目指さねばならないというのが私の基本的な考えでございます。  こうした中において、私は、政府・与党の方とは違って、道路特定財源暫定税率というものは、これは廃止をすべきであるというふうに考えております。私も知事をしていたのであれば、声を高らかにそう述べたところで、野党の方々と一緒に共闘したところでございますが、全国知事会の方々は、二十日の祭日の日に緊急会議を開かれて、そして暫定税率が下がるとパニックになるだろうとおっしゃっております。私はそんなことはないとは思っておりますが、国土交通大臣であられる冬柴鐵三さんが、まさに福祉をより良くするために政治の道にお入りになられたであろう冬柴さんは、このパニックになるというふうにおっしゃっている方々がいることに関してどのように思われるか、あるいはもしそのようなお考えであるとするならば、具体的にどのようなパニックが起きるというのであるか、私のような浅学非才の者に是非お教えをいただきたいということであります。
  39. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) パニックといいますか、私は混乱が生ずるだろうということは認識をいたしております。何といっても二兆六千億、そのうち九千億の税収が地方で失われます。それから、七千億のいわゆる臨交金と言われる地方道路整備臨時交付金でございますが、その額は七千億でございますが、これをお渡しする根拠を失いますから、七千億も地方へ回りません。  そういうことを考えますと、なぜならば、今私の方は衆議院で可決し、参議院へ送っておりますけれども、その法案、財特法はまだ審議されていただいておりませんので、その中にこの七千億の臨交金をお渡しするという根拠はあるわけですけれども、それが通らないと四月一日には失効しますとお渡しできなくなるということが起こります。それから、今百十七路線で七百か所に及ぶ工事を我々の直轄事業で行っておりますけれども、我々の方もそれを支える税収を失うということになりますと、これを止めざるを得ないことになります。  そういうことで、道路をめぐる混乱がそこに生ずるだろう。それをパニックというかどうかは別としまして、大変地方自治に責任を持つ知事、市町村長におかれましては、そのような財源を失うということは、当然入るということを予想していたそのような税収がなくなるということは非常に大きな混乱ということが生ずるだろうというふうに思います。
  40. 田中康夫

    田中康夫君 そのようにおっしゃっていらっしゃいますが、日経ビジネスという、比較的日本の経済というものを理論においてもまた実務面においても把握しているだろう方が読んでいらっしゃる雑誌の読者の調査においては、七六%の方が日経ビジネスの読者は暫定税率廃止しろと、このように言っているわけでございます。私も昨日、日刊ゲンダイの私の連載の中でこのことを引用いたしましたが、なぜそう言っているかというと、道路特定財源の使途に対するチェックが不十分で無駄が多いから廃止すべきだと言っているわけでございます。すると、このような考えの者が私同様に浅学非才ということになりますと、日本の経済の現場で支えている日経ビジネスの読者というものは世の中を分かっていないというお話になります。  ただいま冬柴さんは暫定税率が減らされると地方パニックになると言いましたが、地方自治を経験いたしました私は、先日もCS日テレという番組で当時総務大臣を務めていらっしゃった片山虎之助さんに申し上げました。今回の暫定税率、二兆六千億円と言っておりますが、実は地方分は九千億円でございます。昨年度の例でいえば九千六十四億円と、九千億円でございます。  他方で、先日、予算委員会でも申し上げましたように、なあんちゃって小泉・竹中へなちょこ改革のときには地方交付税は毎年幾ら減らされていたのか。九千六百億円毎年地方交付税は減らされていたんです、皆さん。そして、片山虎之助さんが大臣であられたときの平成十四年から十五年に替わるときは何と地方交付税は一兆五千億円もやおら減らされたんです、三位一体の改革という美名の下において。  そして、これを伝えられたのはいつだったか。総務省や財務省から各自治体に伝えられたのは一月の二十日過ぎであります。二月の冒頭には都道府県、市区町村の議会が開かれる。当初予算は既に組み終えている。にもかかわらず、そのときは、まさに破壊はやめないとおっしゃっていた前の前の総理大臣のマジックに、麻薬にかかっていたのか、皆さんひいひい言いながらSMのように予算を組み替えたわけでございます。何の混乱は起きなかったわけでございます。これは、福祉や医療や教育や環境や、あるいはもちろん農業や林業や水産業や、あらゆる分野に影響した交付税のやおらの削減であった。  皆様が行っていることは、道路特定財源ではなく、最近では道路不特定、不透明財源というふうにもやゆされておりますが、少なくとも道路に関連したことでございます。したがいまして、このようなパニックが起きない。そして、ガソリンスタンドにおいての価格に関して、きちんとその価格に関して蔵出しのところでの混乱を起きないようにするということを既に野党は法案としても提出をしているわけでございますから、ボールは既に政府・与党に投げられているわけでございます。  仮に、混乱が起きたとすれば、このような混乱ができない手だてを具体的に政策立案能力また政権担当能力のある野党が提出したものを、皆さんが手をこまねいていたということによって混乱は起きると、政府・与党の責任であるということをまず改めて申し上げておきたいと思います。  そして、他方でそのことを糊塗するがために、今日の新聞辺りによりますと、減収補てん債を二千億円組むと言っております。しかし、先ほど申し上げましたように地方分は九千億円でございますから、十二か月で割れば七百五十億円でございます。今日の新聞報道によれば、一か月分の当面として二千億円の減収補てん債を組むと言っているけど、これこそ皆様は夜陰に乗じた焼け太りをしようということではございませんか。日本の借金を更に増やして財政破綻の道に持っていくということでございます。  是非、この点に関しては、福祉を充実させるために政治の道を志した冬柴さんにおかれましては、トップダウンにおいてこのような不透明なことが四月の夜陰に乗じて行われないように厳重に指導監督をいただきたいと思います。  ところで、道路がないと病院まで行けないというふうに言われております。しかし、道路を造るには、拡幅するのにも五年、十年掛かります。少子高齢社会の中で、五年、十年の中で天寿を全うされる方もいます。今生きていらっしゃる方の問題がまさに私たちの、大臣も所信でおっしゃった国民の生命と財産を守ることでございます。  こうした中、幾つかの県において、十三道府県において十三機のドクターヘリというものが導入をされております。このドクターヘリというものこそが、私は、すぐには道路が直らない場所、実は日本の面積は変わりません。先ほど大臣が、これから日本は八十万人ずつ人口が減少すると、私が予算委員会で言いましたことを、大変有り難くも学習効果をいただいて引用いただきまして大変感銘を受けておりますが、面積が変わらない。北方領土が戻ってきても一%しか面積は増えないんです。よその国に侵入していくようなことは我が国は平和の国ですからしません。  面積が変わらなくて人口が八十万人ずつ、東京の世田谷区と同じ、鳥取県は五十九万人ですから、鳥取県は一年を経ずしてそれを上回る人数、こちらに川上さんがいらっしゃいますが、になります。ですから、私たちが今することは、道路を造り続けて、国滅びて道残るではなく、今あるものをきちんと維持修繕していく必要がございます。しかしながら、維持修繕は国からのお金というのはほとんど直接にはございません。  ある県の外部監査において今回出たのは、舗装の耐用年数を四十五年とすると毎年八十三億円が維持修繕費として必要になるのに、現在組めているのはその半分でしかないと言っています。先ほども長浜さんの方からもありましたように、橋やトンネルが維持修繕の点検費用が足らないためにそのインターバルが長くなってアメリカのように壊れていくだけでなく、私たちはこれから、私たちの体はこれからもはやもう伸びないんですから。日本は、しかし私たちは高齢社会の中で歯や骨は痛んでまいります。歯や骨を治す。今ある道路をきちんと修繕する。あるいは電線地中化する必要がございます、これはちょっと後ほど聞きますが。  ドクターヘリというものに関して、これは私は、すぐに道路が改修工事ができない場所における福音でございます。この点に関して、国土交通省は運輸行政も航空行政も携わっております。大臣のお考えをちょっとお聞きしたいと思います。
  41. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) ドクターヘリにつきましては、私の出身である公明党、大変一生懸命やってきたことは自負できます。  それについては、厚生労働省が主体になって進めておられるものと理解しておりますけれども国土交通省におきましても、その導入が円滑に進むように平成十二年に航空法施行規則を改正し、飛行場以外の場所においても緊急時において離着陸の許可なく飛行できるように措置をしております。国土交通省としましても、緊急時以外の病院間搬送時における離着陸の許可に係る期間、これは三か月を一年に延ばすなど、厚生労働省と協力して今後もドクターヘリの導入が円滑に進むように努めてまいりたい、このように思っております。
  42. 田中康夫

    田中康夫君 福祉を充実したいと思って政治を志されたわけです。すなわち、ドクターヘリが増えていくということは、これは同時にそうした人員の方々の雇用にもなるわけでございます。そこで働く医師の雇用にもなります。  私は知事時代に、大変広い県ですが、当時国の支援がございませんでしたが、ドクターヘリをこちらにいらっしゃる羽田さんの地元でもあります佐久総合病院というところに設けました。現在、冬柴さんが所属されている公明党はこれから五十機のヘリを入れていくと言っております。一都道府県に一機でございます。しかし、例えば長野県のようなところは全国四番目の広さで、木曽谷だけでもこれは大阪府や香川県と同じ大きさでございます。人の命には優劣がないとするならば、なぜ各県一個置けば事足れりというふうにお考えなのか。むしろこうしたところにきちんとヘリを導入することを厚生労働省だけではなくて国土交通省という国民の生命と財産を守るところが積極的にやったらいかがでございますか。  私は、愛知医科大学のドクターヘリの稼働が少し余裕があるということをお聞きして、木曽谷や伊那谷の部分には愛知県からヘリが飛ぶようにいたしました。そのヘリが愛知医大に戻ることもあれば、飯田市立病院に降りることもあると。ドクターヘリが着陸できるような場所を各小学校のそばに設けることで、またそこを芝生を緑化するということになれば、これも歓迎される公共事業でございます。  改めて決意のほどをお聞きいたしたいと思います。
  43. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 大変聡明な知事として高名でございます。その方がおっしゃることですから、私も前向きに取り組ませていただきます。
  44. 田中康夫

    田中康夫君 大変心強い御発言をいただきました。  同時に、日本財政は緊迫しております。あれもこれもというバイキング方式ではいかないわけでございまして、その意味においては、国土交通省が主体的にドクターヘリを各地にくまなく配備をする。実は伊那谷は委員長吉田博美さんの選挙区でもございます。そこの方々にも愛知医大のヘリが飛ぶことで喜んでいただけました。まさにそうしたことが拍手される私は国交省の新たな公共事業在り方ではなかろうかと、このように感じております。  ところで、観光庁というのができると。字を間違えればまた官公庁といって、第三セクターのように肥大化するかと言われますが、まさにこの山紫水明、四季折々の美しい自然の日本をビジット・ジャパンで来ていただく必要がございます。皆様も様々、日本は森林が七割占めている森林県でありますが、同時に四方を海で囲まれている海洋国でございますので、そうした活用をどのようにするかと。国土交通省がお配りになっている資料の中にも、例えば門司の辺りの旧税関の建物を活用して、そこを観光の場所にしていくというのがございます。  私は、世界において今、日本食が大変に注目をされております。日本は実はアメリカよりも魚介類を三倍食べております。ノルウェーのような海洋国よりも二倍食べております。そして、それがおすしに象徴される日本食が健康に良いということになっているわけでございまして、こうしたソフトパワーを更に発信をする。そのために、今ロシアから飛行機をチャーターして銀座のすし屋に借り切りで来るというような一部の好事家の方だけではなく、多くの方々日本食がすばらしい、日本は美しいと思っていらっしゃる方が東京にお越しになって今行かれるのは、大臣、どこだと思われますか。築地でございます。築地という言葉はもはや交番と同じくらいな世界用語になってきている。しかしながら、現在、新銀行東京と称する問題を居直っていらっしゃる東京都知事は、この築地の市場を豊洲のガス工場跡地に移転を強行すると言っているわけでございます。この問題は大変に大きな、まさにビジット・ジャパンを揺るがせかねない問題だと私は思っております。  こちらを御覧いただきたいと思いますが、(資料提示)実はこの移る場所は東京ガスが過去三十年にわたって石炭から都市ガスを製造していた場所でございます。LNGガスのような形で当時は来ませんので、石炭から造っておりました。そのことによって、あの水俣病の悲劇を生んだ水銀が環境基準値の二十四倍、砒素ミルク事件の悲劇を生んだ砒素が四十九倍、青酸カリの一種でありますシアンが四百九十倍、そして発がん性物質であるベンゼンが千五百倍でございます。そして、この水銀やベンゼン等は気化をする、蒸発をするものでございます。東京ガスは東京都に売却するときに、この場所はこのような危険な場所であるから使途に関してはくれぐれも考えてほしいというただし書を付けている。芝浦工業大学に最初どうですかと東京都が言ったのですが、さすがに科学の大学でございます、そのような危ない場所は嫌だとおっしゃった。にもかかわらず、築地の市場をこのような場所に移転を強行すると言っております。  気化をするものは、上にアスファルトを張っても、土盛りをしても、その間から出てまいります。魚は半日しか置かないと言うかもしれませんが、風評被害がございます。そして、そこで働く方々は、幾日も一年中働くことによって、その方々の出産されるお子さんにも影響が出てまいります。そして、ひいてはビジット・ジャパンと言っている日本のその聖地である築地という場所、この場所を汚くて、危なくて、狭いなどと言って、市場を外に移そうとしている。  この問題に関して、観光行政を所管されるトップリーダーであります冬柴さんの御見解を伺いたいと思います。
  45. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 観光行政と築地市場、大変難しい。築地市場は築地市場で考えられるだろうと思います。  私は、観光は二十一世紀の日本の政策、大きな政策課題だというふうに思っております。したがいまして、衆参の議員立法、全会一致でございまして、これで観光立国推進基本法を成立させていただき、そしてまた六月二十九日には観光立国推進基本計画も閣議決定していただきまして、私は、その大臣として、観光立国担当大臣として観光を進めていきたい。  私は、そういう中で、外国からのお客さんがエスケープするような場所を日本の中に造るということは、これは私は重大な問題としてとらえますけれども、しかし、今お示しのような有毒物質についてそういうものが地中にあるところの上にそういうものを造るかどうかという問題につきましては、それぞれ東京都知事始め所管の人たちが、また科学的に、今おっしゃったことも科学的なんでしょうけれども、専門家の御意見を伺いながら、そこでいいのかどうかということは判断されるんであろうというふうに思います。
  46. 田中康夫

    田中康夫君 東京都自身の調査でもこのデータを更に上回る数値が出てきているわけです。そして大臣は、観光行政をつかさどる、その前に日本を愛する一人の方であります。極論すれば、私たちの水産国家の象徴的場所が汚染にまみれた場所に移るということは、極論すれば京都の銀閣寺や金閣寺がそこを住宅にした方がいいと壊すような話、あるいは富士山のところを半分切って住宅にしましょうくらいなとんでもないお話でございます。  是非、改めてお一人の、まさに日本をより良くするために政治の世界にお入りになられた冬柴さんの忌憚なき御見解を、あるいはこのような場所で扱われるお魚を大臣は日々食べるということに関して、中国のギョーザの問題も大きな問題となったときに、このような場所で扱われるお刺身を大臣はお食べになる勇気があられるかどうか、まず、それに関してイエス、ノーでお聞きいたしたいと思います。
  47. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私は科学の知見がありませんが、そこを造っても大丈夫だという知見の下に造られたものであれば、私はお魚大好き人間でございますから、そこで売られた魚であろうが食べます。イエスかノーかですから、食べます。
  48. 田中康夫

    田中康夫君 そして、その実際に売られているお魚が夏の暑いときに気化してきたもので検査をしてこのような水銀や砒素が出てきたときも、御家族あるいはお孫さんと一緒にお食べになるということでよろしゅうございますね。
  49. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) そんなことは言っていませんよ。そこで蒸発して、それによって魚が汚染されておれば私は食べません。
  50. 田中康夫

    田中康夫君 そのような状況になると幾人もの科学者が言っていて、環境基準値を、環境省が決めた基準をはるかに一五〇〇も上回るようなデータが東京都の調査でも出てきているわけです。それをまさに内閣の一員として、そしてこのような場所でお魚が売られれば、これは日本の観光の大いなる損失であります。  この点に関して、御同意されるかいかがか、改めてお答えください。
  51. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) そこへ築地市場が移転するかどうか、そして、それに対して私が職務上どう関与するのか私分かりませんので、お答えのしようがございません。  ただ、それについては、もし東京都が、知事が幾らやろうとしても、東京都にも議会があるわけでございますし、東京都民の人たちがどう判断されるかということもございますので、私がここでそれに対して賛成とか反対とか言う、そういうコメントをするのは差し控えさせていただくべき事項であろうというふうに思います。
  52. 田中康夫

    田中康夫君 それでは、東京都民の負託を受けている松島さんにも同様の御質問松島さんの選挙区にもこうした業に携わる方々はたくさんいらっしゃると思います。これらの方々が、実際にこのような場所に移ったら我々の仕事が終わってしまう、そして日本の水産物が終わってしまうと言っております。
  53. 松島みどり

    ○副大臣松島みどり君) おっしゃるとおり私は東京選出の国会議員でございますが、今日この場には国土交通大臣として座っておりますので、そしてまた、今おっしゃいました東京ガスの調査が東京都庁のどのような判断に影響を及ぼしているか、今即座に分かりませんので、回答は控えさせていただきたいと思っております。
  54. 田中康夫

    田中康夫君 いずれにいたしましても、築地の市場が汚くて危なくて狭いのではなく、あの場所をきちんと皆さんが、この門司港の再生のパンフレットがあるように、れんが建てのフィッシャーマンズワーフのような形にすれば、それこそ東京にいらっしゃった国内外の方々の観光庁ができたときの象徴的な観光の場所になるということを改めて申し上げておきたいと思います。  そして、こうした方々がより多く日本に訪れていただく。一千万人というふうに所信でおっしゃいました。首都圏には横田基地の軍民共用、防民共用といいますか、に先駆けて百里基地というところが共用になります。しかしながら、この場所は果たしてどれだけ使われるのかというふうにも言われております。  成田は離発着料が九十四万円ですが、しかしながら、他の国々、例えばバンコクのようなところは離発着料は三万円、四万円といったような形でございます。イギリスにおいても、ロンドンにはヒースローあるいはガトウィックだけではなく、スタンステッドやルートンというような空港がございます。ルートンには整備基地も設けることで、近距離のBAeのような飛行機を扱っている会社が皆来るようになりました。スタンステッドという少し離れた場所も、良い意味でフェアでオープンな空港にしたことによって、ライアンエアを始めとするノーフリルの会社が来て、イギリスはヒースローが世界最大の利用旅客数だけでなく、ロンドンにロンドンシティー・エアポートも含めて五つもある空港がそれぞれ活性化をしているわけでございます。  箱を造るだけでは、これは良い意味でのコンテンツにはなりません。箱をどう利活用するかと、その意味においては、こうした空港の離発着料を茨城県の判断に任せるだけでなく、観光庁ができた国土交通省が良い意味で、利用者の視点に立って、消費者の視点に立ってトップダウンで共にデザインを描いていくということが必要だと思います。  もう一点、川崎の埋立地のところを災害が起きた場合のために七十億円を掛けて緑地化をいたしました。しかし、地震列島の日本は、中南海地震も、東南海地震も、あるいは近畿地区でも起きるとも言われております。なぜ川崎だけなのか。  私たちは、川崎だけでなくて、千葉においても空き地を緑化をする、あるいは名古屋においても、神戸のポートアイランドの空いている土地も、そしてこの場所を液状化現象を防ぐようなことが一か所七十億円でできるのであれば、このことこそ、一か所あるいは二か所のモデルケースではなく、弾力的にまさに機動力を持ってデザインを描いて行うということこそが納税をされている方々から拍手をされる、新しい二十一世紀のケインズの考えに基づく公共事業ではなかろうかと思います。  こうした意味においても、私たち民主党・新緑風会・国民新・日本は、暫定税率という不透明なものを廃止をしてもパニックなどは起きない、このことは地方自治の現場の実践からも明らかでありまして、そして一方で、まさに大臣がおっしゃった国民の生命と財産を守るという観点を二十一世紀の視点に立って提示をしていただくということをこの今国会中においても行っていただくことを要請をし、質問といたします。
  55. 佐藤信秋

    ○佐藤信秋君 自由民主党・無所属の会の佐藤信秋でございます。  これまで、大変格調の高い御質疑がございました。私の方は、実務的な面も含めまして、少しこれからの国土交通行政について前向きの話をできるだけしていただければと思っております。  国土交通大臣には大変真摯に、また率直に御答弁をしていただき、そして私もおととしまで勤務しておりました国土交通省道路を含めて至らざるところ、大変おわび申し上げ、また大変感謝、敬服申し上げる次第でございます。  所信に対する質疑でございますので、所信の順番に従いまして多少御質疑をさせていただきたいと思います。  最初に、大地震や豪雪等の災害が大変起きた、昨年はと、こういうことであります。中国が有史以来のといいますか大変な豪雪だったと、今年、という報道でありました。この中国の豪雪で百二十人の方が亡くなられたという報道があったと記憶しております。その後増えているのかもしれません。日本の場合には、平成十七年の豪雪で百五十人以上の方が亡くなられました。いかに日本という国が大変自然的、気象的に厳しいのかということが端的に表れている数字だと思います。  そういう意味で、最初に、昨年と限らずに近年、大地震や豪雪等について、あるいは豪雨等について災害の実態、この認識をまずお伺いしたいと思います。
  56. 甲村謙友

    政府参考人(甲村謙友君) 近年の災害の実態についてのお尋ねがございました。  近年の主な災害といたしましては、平成十九年には、震度六強を記録いたしました能登半島地震や新潟県中越沖地震といった大規模地震が発生しております。また、平成十八年には、先生今おっしゃったように、各地で年間の最深積雪の記録を更新した平成十八年豪雪や、九州地方から関東地方にかけての広い範囲に被害をもたらした梅雨前線豪雨が発生したところでございます。さらに、平成十七年におきましても、福岡県西方沖地震や九州、四国、中国地方を中心に激甚な災害をもたらした台風十四号などの災害が発生しております。  このように自然災害に対して脆弱な国土条件、気象条件下にある我が国におきましては、毎年大きな被害が発生しているところでございます。国土交通省が所管しております公共土木施設の各年の被害報告額は、国、地方公共団体合わせまして、平成十九年が二千五百五十億円、平成十八年が四千百三十三億円、平成十七年が三千二百七十四億円となっております。
  57. 佐藤信秋

    ○佐藤信秋君 被害額に伴いまして単純に災害を復旧する、これだけでは駄目だ、収まらないと、こういうことで災害の関連事業等で程度を上げた復旧復興をする、これがまた大事な問題だと理解しています。  そういう中で、そういう災害の非常に厳しい、自然条件厳しい日本、この中で、どうしても最近地方の元気がなくなってきた、これがまた大問題であるわけでありまして、格差と言われたりしておりますけれども、格差の以前に、それぞれの地域を見るといろんな課題抱えている。中でも、いわゆる中心市街地がシャッター通りになってきた、これはもう随分長い間の課題でありまして、十年、十五年と対策を打ってきたところであります。近年で申し上げれば、中心市街地の活性化の基本計画というものを作りながら具体的に町並みの再生というのを目指してきた。  その進捗状況と、これからどんなふうな方向を目指そうとしているか、これについてお教え願いたいと思います。
  58. 増田優一

    政府参考人増田優一君) お答え申し上げます。  中心市街地の活性化、これはまさに現下の我が国の最重要課題の一つだというふうに認識しておりまして、商業機能、商店街の活性化のみならず、町中居住の推進、公共交通機関の利便の増進、それから公益施設等の都心機能の集約化、それから市街地の整備改善、様々な視点から総合的、一体的な取組が必要であるというふうに考えております。  国土交通省といたしましては、市町村の創意工夫を生かした取組に対しまして、まちづくり交付金でありますとかあるいは地域住宅交付金等様々な支援を行っているところでございまして、特に御指摘のありました中心市街地活性化基本計画の認定を受けた自治体に対しましては重点的な支援を行っているところでございます。  ちなみに、先生御地元の新潟市におきましては、去る三月十二日にこの基本計画の認定がなされました。非常によくできた計画でございまして、にぎわい、交流の促進、都心型雇用の創出、町中居住の促進、そして中心市街地内の三つの地区の交通の連携、そういった目標を掲げて計画が策定されております。国土交通省といたしましては、先ほど申し上げましたまちづくり交付金、地域住宅交付金、オムニバスタウン整備事業等を活用して積極的に支援してまいりたいと考えております。  それから、お尋ねの中心市街地活性化基本計画の認定状況でございますが、平成二十年三月十二日現在で全国で三十二件認定がなされておりまして、現在、更に六十を超える自治体が内閣府の担当室に相談しているという状況でございます。
  59. 佐藤信秋

    ○佐藤信秋君 計画を作るだけでは駄目だと、こういうことであるとは思いますが、作った計画をフォローする。それから、今のお話だと、三十二と六十足しても九十二。それぞれ県庁所在地も大変なシャッター通りが増えてきているというのが実態でもあります。もちろん、中心市街地の活性化計画あるいはまちづくり交付金等だけでやっていけるということではありませんが、それぞれの地域の自主的な取組とそれを応援する、この和が全部やっても九十二、百まで行かないという意味ではまだまだ頑張っていただく必要があるんだろうなと。そのためには、今までできた計画に基づいてしっかりと仕事をしたら、事業をやったら、ああやっぱり戻ってきたと、これはソフトを含めての議論だと思います、ソフトも含めての議論だと思いますが、戻ってきたというような事例を積み重ねていく、是非そうしたことを実行していただきたいと思う次第であります。  ところで、中心市街地のシャッター通りというのも問題ではありますが、地域の抱える課題という面でいうと、地域の基幹産業というのが大変な状況になっているというのも確かであります。私は、地域の基幹産業というのは三つ、もちろんたくさんあるんですが、ベーシックには三つ大事にせないかぬのがあるなと。一つは農林水産業、もう一つは観光産業、そしてもう一つが建設産業、こういうことだと思っています。全国見て回りますと、この三つが一緒になって元気出そうということでないと本当の意味の地域力というのが出てこない。今のふるさとと地域の疲弊というのがこの三つのサイクルがうまく回っていない、回らせるためにはいろんなことをやらないけないという問題だとは思います。先ほど田中先生から、全国五十二万社、六分の一の就業人口を抱えるんではないのか、人口の六分の一が関与しているんじゃないか、建設産業、大変な厳しい状況であることもまた確かであります。  国土交通省調査というか、保証会社の、建設業の保証会社の調査によりますと、平成十八年で県の全部の経常利益の平均、総資本経常利益率が県平均で、極端なのを除いてですが、県平均で赤字になっているというところが二十二県あるんですね。定義が若干違うところもありますが、四十七県のうちに二十二県が建設産業、五万九千社が対象ですが、県全体の平均で赤字になっている。こういう状況では、仕事をしても利益が出ない、税金も払えない。県全体としてそうなっているという大変厳しい状況で、十九年、二十年ともっと厳しくなってきているんじゃないかなと、実感としてはそんなふうに思うところであります。  建設産業の再生、こういう問題について、どんな方向性を考え、どういうふうに行動しようとしているかという点についてお聞かせ願いたいと思います。
  60. 榊正剛

    政府参考人(榊正剛君) 御指摘のように、我が国の建設産業、建設投資の急激な減少によりまして厳しい経営環境に直面をいたしております。  御指摘のように、建設業の利益率が低水準で推移しておりまして、倒産件数、負債総額とも依然として高水準という状況でございます。特に、地域の代表的な建設会社でございます建設業協会の会員企業の倒産件数も近年増加傾向にありまして、実は平成十九年には五年ぶりに四百件を突破するということでございますので、全建の企業が一日一社は倒産していると、こんな状況でございまして、地方を中心に大変厳しい状況に置かれているというふうに認識をいたしているところでございます。  ところが、建設産業、先生の御指摘のように、我が国のGDP、全就業者数、それぞれ一割を担うという基幹産業でございますし、住宅・社会資本整備を通じて我が国の経済社会の発展に貢献していくということが望まれておるということでございます。また、災害発生時には率先して復旧復興に御尽力いただいていると、こういう産業でございますので、何とかこういう産業を伸ばしていきたいと。特に、技術と経営に優れ地域に貢献する地元企業が生き残って成長できる環境整備、これを努めるのが私どもの責務だというふうに思っているところでございます。  昨今の状況をかんがみまして具体的なことを申し上げますと、まず総合評価方式でございますけれども、特に市町村において導入、拡充が遅れている状況がございますので、この年度内にすべての公共発注者に対して、総務省、財務省と連携いたしまして、年度ごとの実施目標の設定を入札契約適正化法に基づいて要請をいたしたいというふうに考えております。  それから、公共団体におきまして、防災協定の締結とか地域の建設業の地域貢献ですとか、施工実績、工事成績を評価するような特別簡易型総合評価方式が活用されつつありますので、こういったような方式を含めまして市町村が一層総合評価方式を導入しやすいようにということで、この三月一日に手続の簡素化を内容とする自治法施行令を施行したところでございますが、これに加えまして、公共団体向けの総合評価実施マニュアルを改定をいたしたいというふうに考えております。  それから、ダンピング受注につきましても、公共団体に対して、総務省と連携いたしまして、予定価格や最低制限価格の事前公表の見直し、最低制限価格及び低入札価格調査基準価格の適切な見直しと、それから総合評価方式におきます低入札価格調査と価格による失格基準の併用といったことにつきまして、これも入札契約適正化法に基づきまして近々要請をいたしたいというふうに思っておるところでございます。
  61. 佐藤信秋

    ○佐藤信秋君 建設産業の再生というのは、これから安全、安心、災害対策と、こういう面で考えても大変重要な問題として、厳しくなればなるほどもっともっと重要性を増してくる、こんなふうにも思いますので、よろしく取り組んでいただきたいと思います。  私が申し上げた基幹産業三つのうちもう一つ、もう二つ残るわけですが、農林水産業と観光産業。観光産業についてお伺いしたいと思います。  観光庁の創設ということで意欲的に国土交通省には取り組んでいただいています。観光立国推進ということで、二〇一〇年だったかと思いますが、二〇一〇年までに外国からのお客様を一千万人にしよう、こういうことで目標を立てやってきたところだと理解しています。  現状では、どのぐらいの外国からのお客様がおいでになられたか、あるいはこれまでの努力と、それから更に増やしていくために、先ほどの田中先生のお話にありましたようにいいものを育てていかなきゃいけない、こういう問題であると思いますし、そういう意味でトータルな取組というのをこれからどんなふうな方向で考えていこうとするかという点について、お聞かせいただきたいと思います。
  62. 本保芳明

    政府参考人本保芳明君) 先生御指摘のように、観光は地域の基幹産業でございますし、また、二十一世紀の成長産業ということで大事な国づくりの柱だと、このように考えております。  こうした観点から、先ほど冬柴大臣の御答弁にもありましたように、平成十八年末に観光立国推進基本法を成立させていただきまして、これを受けて、先ほど先生御指摘の数字も含めました観光立国推進基本計画というものを昨年六月に閣議決定していただいております。  これに基づきまして観光政策の推進を政府を挙げて強力に推進しているところでございますが、このうち国際観光につきましては、昨年の訪日外国人旅客数が、一千万人の目標に対しまして、これ二〇一〇年でございますが、過去最高の八百三十五万人に達しております。大変順調に伸びていると言ってよろしいかと思いますが、外国人旅行者の訪日を更に促進するためビジット・ジャパン・アップグレード・プロジェクトとして我が国の魅力の一層の発信に取り組むほか、国際会議の開催、誘致というものも推進してまいりたいと思っております。  また、国内旅行につきましては、一人当たりの宿泊数を二〇一〇年度までに年間四泊にすると、こういう目標を掲げているところでございまして、このため、宿泊を伴う滞在型観光の促進のために、地域の関係者の創意工夫を生かした魅力ある観光地づくりの取組を積極的に支援すると、こういう観点から、観光圏の整備による観光旅客の来訪及び滞在の促進に関する法律案を今国会に提出させていただいているところでございます。また、御指摘ありましたように、観光行政に責任を持つ組織を明確化して、観光立国の実現に向けた施策を強力に推進するということで、そのための核となる組織といたしまして国土交通省に観光庁を設置することといたしまして、そのための法律案も提出させていただいているところでございます。  国土交通省といたしましては、各省庁との連携を強化いたしまして、住んでよし、訪れてよしの国づくりのために全力を尽くしてまいりたいと、このように考えております。
  63. 佐藤信秋

    ○佐藤信秋君 十九年で八百三十万人とおっしゃいましたですかね。
  64. 本保芳明

    政府参考人本保芳明君) 昨年です。
  65. 佐藤信秋

    ○佐藤信秋君 昨年、十九年、八百三十万人。目標の千万人に行くには、そうするとこれから年間また七、八十万人、三年で八十万人ずつぐらい増やさないといかぬと、こういうことですか、という大変厳しい目標ではあると思いますが、是非目標を上回って達成していただく。そして、日本を多くの外国の皆様に御紹介申し上げて、本当にいい国だなということをお知りいただく。ただ、先ほど申し上げましたように自然状況が大変厳しい、災害も多い、こういうことでもありますから、そうした点についても、その克服努力ども御紹介いただくということも一つの大事な方策かなと思ったりしているところであります。  ところで、羽田も成田もこれ以上発着枠を増やすことができないほどに大変な混雑状況であることもまた確かであります。もちろん羽田、成田だけではなくて、関西空港にしろ中部空港にしろ、それぞれ国際空港として活用していく仕方を考えていく、これは大事な問題だと思います。関空も二期ができました。そういう意味では、ハードといいますか、とてもとても枠が足りないというのが羽田と成田の実態であろうと、こう思っているわけであります。  拡幅拡張計画がそれぞれ四期と二期と、延伸しですね成田の方は、なるわけでありますが、現在の進捗状況といいますか、いつごろまでに何とかなりそうか、どのぐらいがと、こういう点についてお尋ね申し上げたいと思います。
  66. 鈴木久泰

    政府参考人鈴木久泰君) お答えいたします。  委員指摘のとおり、首都圏の航空需要、大変伸びておりますので、羽田、成田の二大空港では今満杯でこれを受けられないという状況でございます。この二大プロジェクトを今鋭意進めておるわけでありますが、まず羽田に四本目の滑走路を整備いたします再拡張事業、これは昨年の三月末に現地着工をいたしまして、現在二十四時間三百六十五日、突貫工事で進めております。現在、埋立部につきまして地盤改良工事をほぼ終えまして、護岸の工事に取りかかっておるという状況でございます。また、桟橋部につきましては一部もう海面に姿を現しておりまして、これをどんどん広げていくというような段階になっております。それから、成田の暫定平行滑走路の北進二千五百メーター事業、これにつきましては平成十八年九月に着工いたしまして、現在、延伸部分の直下にあります国道のトンネルを切り替えて補強するという工事をほぼ終えまして、滑走路本体の造成工事に入ってございます。  両事業の完成目標時期は羽田が二〇一〇年の十月、成田が二〇一〇年の三月でございますが、この二〇一〇年というのは明治四十三年、一九一〇年に徳川大尉と日野大尉によって我が国で初めて動力飛行がなされてからちょうど航空百周年に当たります。この記念すべきときに是非とも二大プロジェクトがきちんと完成いたしますようにしっかりと工事を進めてまいりたいと思っております。
  67. 佐藤信秋

    ○佐藤信秋君 二〇〇九年度で頑張っていたんでしたかね、だから二〇一〇年三月と、片一方二〇一〇年十月ということで、是非、今の航空百周年、そういう意味では間に合わせていただきたいな。そして、それをまた世界中の皆様に航空百周年を一緒にお祝いいただくようなことも大事なことだろうと、こういうふうに思っておりますので、是非よろしくお願い申し上げたいと思います。  世界に誇るといいますか、最先端を走るという意味で、昨年御議論していただいたというか、させていただいた緊急地震速報、これが、せっかく用意はしました、ちゃんと活用できているのかなと、それがちょっと気になりました。そういう意味では、緊急地震速報の活用状況について、その後、具体的にどうなっているか教えていただければと思います。
  68. 平木哲

    政府参考人平木哲君) お答え申し上げます。  先ほど御指摘ありましたとおり、昨年十月一日から緊急地震速報を広く国民への提供として開始しております。昨年十二月一日からはこの緊急地震速報を地震動の予報・警報として位置付けたところでございますが、現在まで震度五弱以上が予想される警報となる緊急地震速報は発表しておりません。震度四以下の予報につきましては、三月二十七日十一時、本日でございますが、現在まで百五十七回発表しているところでございます。  緊急地震速報はテレビ、ラジオのほか様々な手段、場所において国民に広く伝達されております。例えば、全国の百貨店約二百六十店舗のうち約八十店舗では館内放送を開始あるいはその準備をしていると聞いております。また、緊急地震速報に対応しました携帯電話の端末が少なくとも四百万台、ケーブルテレビ回線を利用した専用端末が約二万台販売されているとも聞いております。さらに、鉄道事業者三十七社が導入しておりまして、緊急地震速報の利用は着実に拡大しております。  今後とも、関係機関の協力を得まして、緊急地震速報の利用の心得の普及を中心としまして、周知広報活動を行いつつ、利用の拡大に努めていく所存でございます。
  69. 佐藤信秋

    ○佐藤信秋君 世界的にもこの緊急地震速報なるものをこうしてしっかりと出しているという国はないわけでありますので、是非国際的に、日本ではこんなふうな活用をしているんだということを、今のような数字も含めてどんどん発信していただくのが大事なことかと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。  地震と関連いたしまして、また先ほど長浜先生の御質問にもございました、建築基準法の改正の問題であります。  現在の状況は先ほど大臣にお話しいただきました。大臣認定プログラムについて、NTTドコモのが最も早く実用化ができたと、こういうことだと理解しておりますが、問題は、たくさんのプログラムが、いろんな選択肢があるということがまた大事なことになろうかと思っております。そういう意味で、他のソフト会社の開発状況といいますか、をちょっと気になるのでお伺いしたいなと。  実は、耐震計算のプログラム自体はいろんなものがある、成立し得るわけでありまして、私も多少プログラム見てみました、今までのプログラムですね。これ、みんな物すごく不親切なんですよ、プログラムが。プログラムそのものを見ても、それからそのアウトプットを見ても、どこがどれだか分からないというような、元々そういう書きぶりになっているんですね。  なぜかというと、これは結局、知的財産という面で、分かりやすくするとほかの人に開発されてしまう、取られてしまう、これが一つの問題だというふうに私自身は理解しました。そう書いてあるわけじゃないんですけどね。プログラムそのものもアウトプットもほとんど記号と数字の羅列で、どれを、何の計算をしているかみたいなことが手順で分かるようになっていない。  したがって、一つのプログラム、今度は大臣認定プログラム、一つのプログラムというよりは幾つものプログラムが、こっちの方が便利ですよとか分かりやすいですよとか使いやすいですよとかいって出てくるということがまた大事なことだろう、私はプログラムの問題についてはそう思っています。今までのプログラムでもそうした説明をしっかりとすればかなり使えるんだろう、早くも見れるだろうと。ただ、そういう知的財産の問題があるので極めて不親切になっていると。そうだとすると、新しい大臣認定プログラムは一つではなくて幾つかの信頼できるプログラムが市場に供給されることが望ましい。そういう観点から、他のプログラムの開発状況等についても教えていただければと思います。
  70. 和泉洋人

    政府参考人和泉洋人君) お答え申し上げます。  委員指摘のように、複数のプログラムがあった方が望ましいと、こういった状況でございまして、第一号はNTTデータでございましたが、現在その性能評価機関に正式に申請している会社が三社ございます。当然、開発会社の進捗状況に応ずるわけでございますが、性能評価機関の方には、その状況に応じて的確にかつ速やかに性能評価をして、そういったプログラムが世の中に出るように要請しているところでございます。
  71. 佐藤信秋

    ○佐藤信秋君 是非よろしくお願い申し上げたいと思います。  今日はたくさんの部局の方から出ていただきました。国土交通行政、大変幅広いということで、大変恐縮でありますが多くの皆様においでいただきました。最後の方になりますが、税の問題について多少触れさせていただきたいと思います。  我が国の税収というのが大変長い間余り増えてきていない、これが一番の問題だろうと私自身は思っています。先ほど交付税を切ると、こういう話もありました。税全体として増えてこないことにはなかなか厳しいところがあるなと。平成元年度、国と地方の税収全部合わせて八十八兆円なんですね、八十八・九兆円。平成十年度八十七・一兆円、十年間で逆に下がっています。そして平成二十年度、当初の今の予算でいきますと九十六・三兆円ということで、平成十年度よりは九兆円ほどですか、増えている。  ただ、これでは言われておりますように七百兆を超えるような国と地方合わせた債務、この返済もしながらちゃんとした予算を組んでいくということがいかに厳しいかという問題だろうと思っています。平成元年にはGDP比に対して二一%の国と地方を合わせた税があったんですね。国税と地方税合わせますと二一%、GDP比に対して。今はこれが一八%ですから、まあ大変厳しい状況ということに変わりがない、こういう問題であります。  そういう中で、増税、減税あるわけでありますが、トン数標準税制、これは日本の海運、こういうことを考えたときにこのままでいいんだろうか。日本は四海、海に囲まれて海運国家日本、こう言っていたのが、いつの間にか外国人の船員さんがたくさんになって、外国船籍もたくさんになって日本独自のといいますか日本がしっかりと自ら船を持ち運用するという形でなくなってきた。これがまた一つの大きな、日本という国が世界から見たときに衰退しているんじゃないかなというふうに見られる一つの要因でもあろう。  そういう意味で、このトン数標準税制、もちろんこれだけではありませんが、これだけではありませんが、海運の再生、こういう面からいって取っかかりとして期待している、こういうことだろうと思いますが、その効果について御説明をお願い申し上げたいと思います。
  72. 春成誠

    政府参考人春成誠君) お答えを申し上げます。  ただいま先生御指摘のように、我が国の経済なり国民生活にとりまして、この貿易量のほぼ九九・七%を輸送しております外航海運というものは極めて重要な役割を担っておるわけでございますけれども、その外航海運の実態が我が国において非常に憂慮すべき状態になってございます。その安定輸送の中核となるべきなのはやはり日本籍船であり日本人船員であるわけでございますけれども、国際競争の激化、とりわけプラザ合意以後の円高によることによりまして、コスト競争力上競争力を失ったものですから、極めて激減しておる状態でございます。  いささか数字で申し上げますと、最も多かった日本籍船につきましては昭和四十七年でございます。このときが一千五百八十隻でございますが、現在ほぼ九十五隻。それから、日本人船員につきましても最も多かったのは昭和四十九年の五万七千人でございますけれども、現状は約二千六百人という状態になってきてございます。  私ども、こういった状態を打開すべく、また、海洋基本法も施行されまして、その中でも安定輸送の確保ということがうたわれてございますけれども、長年来、トン数標準税制の導入に向けてお願いをしてまいりました。  これは、世界の大体トン数ベースで見まして約六割強の国がこれを導入してございまして、いわゆる法人税の特例でございますが、これを私どもにおいても導入させていただくということによりまして競争力を回復させていきます。その回復した競争力によりまして、その余力をもちまして日本籍船あるいは日本人船員を確保、育成していくという目的を、効果を私どもねらっておるわけでございます。ひいては安定輸送の確保ということを確保してまいりたいと思っております。  具体的な制度設計につきましては、私ども、今国会に所要の法案を提出をさせていただいております。こちらの方で具体的な制度設計を図ってまいりたいと思っております。
  73. 佐藤信秋

    ○佐藤信秋君 所信に従いまして順番に伺ってまいりました。  最後、一言だけ道路の特定財源問題につきまして触れさせていただきたいと思います。  先ほど、田中先生の方からは地方財政にそう影響はないよと、こういうお話ありました。大江先生からは、暫定税率は断固として継続すべきであると、こういう力強い御発言もいただきました。地方財政、具体的にはまた特定財源審議があろうかと思います。  今日は、公共団体負担という問題について市町村長さんが大変心配しておられる、それはなぜかという点について、私、気が付いた数字一つだけ挙げさせていただきたいと思います。  総道路投資という弁でいきますと、平成二十年、七兆七千億円なんですね。七兆七千億円で、このうち一般の道路事業と言われるものと有料道路事業と言われるものと、そして地方の単独事業ということで、三つの種類で分かれているわけでありますが、大きく分ければです。地方負担金といいますか、地方が補助事業や直轄の負担金、それから自分で独自におやりになる事業、これの合計が、地方負担すべき額というのが三兆八千億円見込まれているんですね。地方負担金が三兆八千億、単独事業も含めて財源として必要と。この三兆八千億円の中で二兆一千億円が特定財源、その二兆一千億円から九千億なくなる。こういうことで一兆二千億になるものですから、三兆八千億円を賄おうとすると、実は一兆二千億円しかない。これが地方の実態、都道府県と市町村と合わせたですね。  問題は、市町村の場合には、都道府県もそうなんですが、既に借りた公債費の返還、これが実は特定財源の大部分を占める。そうすると、実は一般財源入れようとしても、今度は入れようとすると起債になりますから、起債の担保がなくなるんですね。公債費の分の返還に充てようとすると、特定財源を充てている、それが足りなくなるんで、さて借りようとすると今度は担保がなくなる。
  74. 吉田博美

    委員長吉田博美君) 時間が来ていますので簡潔にお願いいたします。
  75. 佐藤信秋

    ○佐藤信秋君 はい。  したがって、ほとんど維持管理しかできない。維持管理もできなくなるぐらい。こういうことが市町村長さんたちが動いている一番の原因かなというふうに思います。  またこの議論は別の機会にということになろうかと思いますが、最後にそうしたことを指摘させていただいて、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  76. 吉田博美

    委員長吉田博美君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午後零時十八分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  77. 吉田博美

    委員長吉田博美君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、国土整備交通政策推進等に関する調査を議題とし、国土交通行政基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  78. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。  午前中より、国民の皆様の生活にかかわる問題、課題につきまして、様々御意見もいただきまして、また審議も進められております。私の方からは具体的に提案をさせていただきながら質疑をさせていただきたいと思っておりますので、大臣始め関係者の皆様、どうぞよろしくお願いしたいと思います。  まず始めに、公共交通におきます障害者の対応について伺ってまいりたいと思います。  先日、予算委員会の方でも、内部障害者の方への対応ということで、厚生労働省と内閣府の方に質問をさせていただきました。この内部障害者といいますのは、体の内部に、例えば心臓、腎臓、膀胱、直腸、呼吸器、体の内部のこういった機能に障害を有する方々のことを指しておりまして、ですので障害によっては症状は様々なんですが、一つ共通点として、外見から全く分からない、分かりにくいというのがこの障害者の一つの特徴であるかと思います。  こういった特徴がありますので、特にこの内部障害者の方からいただく声の中で、公共交通を利用する際に大変に心身共に御苦労されているという、そういった声もいただいております。  例えば、優先席で内部障害者の若い方が座られたときに、若いのに何で座っているのだろうかと、そういった目で見られたりとか、あとそのほか、心臓にペースメーカーを入れられている方がこの優先席を利用した際に、そこには携帯電話を電源を切ってくださいという、そういった表示はあるんですが、そこの近くで携帯を利用している方とか、そういう方がいたりとかということで、心身共に苦労されているところと。あと命にもかかわるようなことにもなるかと思いますので、こういった内部障害者の方の周知、なかなか社会的に認識が低いということもありますので、この周知に関しましては、内閣府や厚生労働省の取組ではあるんですが、是非公共交通におきましても、この内部障害者を始め障害者の皆様が安心して利用できるような環境づくりを更に推進をしていただきたいと思っております。  この内部障害者は身体障害者の中で約四分の一を占める、これぐらい多いんですね。また、これから高齢社会も進んでいきますので、ますますこういった内部障害者の方が増えることも考えられます。そういった意味でも、繰り返しになりますが、内部障害者の方を含めたこういった障害者の方が安心して外に出れるような、また公共交通を利用できるような対応ということで、是非周知徹底も含めて積極的な対応をお願いしたいと思いますが、まず一点目、これをお伺いしたいと思います。
  79. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 内部障害者の方は身体障害者の中の二六%、約四分の一強を占めていらっしゃる、八十六万人もいらっしゃるということを承知いたしております。この方たちの特徴は、今委員もおっしゃいましたように、外見分からないというところなんですね。  ですから、妊娠初期の女性がマタニティーマークというものを体に付けて、そして優先席を譲っていただくというように、こういう人たちについても、そういう身体の、まあ心疾患、ペースメーカーをしているとか腎疾患があるとかいう方について外見から分かるようなものを、表示も必要じゃないかと思います。  それで、そういうことで、そのような取組を進めていただいている事業者もいらっしゃるわけでございますけれども、我々としましても、ハードの面で、公共交通のしかるべき場所に内部障害者を配慮した優先席マークの例を参考にしてもらったりしているんですけれども、外からは見えないためにそういう方が使われることにちゅうちょしたり、あるいはほかの人も何で使っているんだろうと思われる点もありますので、是非そういう面でも、政党もそうですけれども、我々も考えて、その人たちが十分に使っていただけるような、そのような配慮をしていかなければならないと思いますし、今後も頑張っていきたいと思います。
  80. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございます。  今大臣にもおっしゃっていただきましたが、マタニティーマークのようなああいっただれから見ても御理解をいただけるような、ああいったものがあれば更に進んでいくとは思うんですが、それが今後の課題と思っておりまして、私自身もまたこれからも内閣府、また厚生労働省、また国交省の皆様と連携取らしていただいて、こういった取組が更に進むように頑張ってまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  もう一点、公共交通におきまして、女性専用車両なんですけれども、これも今首都圏におきまして中心に大きく拡大をされておりまして、利用者の皆さんにも喜んでいただいておりますが、実はこの女性専用車両も、これを障害者の方が利用できるようになっておりまして、障害者の方も利用できるということで喜んでいただいているんですが、この件につきましても、周りの利用者の方が障害者も使えるということをまだ御存じない方が多いということもありまして、特に男性の障害者の方が利用した際にまたこれも白い目で見られるということで、そういった声をいただいておりまして、是非、今積極的に進めていただいている女性専用車両、これは障害者の方も使えるということを再度鉄道事業者の皆様の御協力もいただいて周知をまた広く取り組んでいただきたいという要望なんですけれども、この点につきましてはいかがでしょうか。
  81. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) これも今さっきの内部障害者の方とよく似たものだと思いますが、女性専用車両は首都圏、あるいは関西では物すごくよく使われていまして、特に一番いい場所に二両ですね。ホームにもここ女性専用車両の乗り口ですと書かれてあって、我々そこに立つのは、立てないですよ。そういうぐらいきちっとやっていただいているけれども、案外、その女性専用車両に小学生以下の男の子それから男性の障害者及びその介護者、これは性を問わずに使ってもよろしいということのようでございますが、そこら辺がなかなか周知されてない。  これは、京急がこのように、女性専用車両も、女性専用車両の御案内という中に、女性専用車は小学生以下の男の子、お体の不自由な方とその介助者の男性も乗車いただけますというようなことをやっていただいているところもありまして、私どももそういう観点が是非必要だということで、特に昨年四月に首都圏の鉄道事業者に集まっていただきまして、更なる改善、そしてまたあわせて全国の導入事業者に対しても、文書でも、男性の障害者等の御利用について適切に周知するようということを指導はさせていただいております。  引き続き、十分な周知、案内が図られるように事業者にも働きかけていきたい、このように思っております。
  82. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 よろしくお願いいたします。  では、次の質問に入らせていただきますが、平成十六年の道路公団民営化の際に、この参議院の国土交通委員会におきまして附帯決議が付されておりまして、その中に、ファミリー企業の剰余金については、利用者への早期還元の拡大が図られるよう努めること、このような点がございました。この附帯決議に基づきましてその後どのような対応になっているのか、伺ってまいりたいと思います。  まず、この旧道路公団のファミリー企業の剰余金、平成十六年度時点でどのくらいあったのか、また、その後この剰余金を高速道路利用者にどのように還元してきたのか、還元額と還元内容についてお伺いしたいと思います。
  83. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  最初のお尋ねでございますが、平成十六年度におきます旧日本道路公団関係ファミリー企業の剰余金の額は九百八十五億円でございました。二つ目のお尋ねでございますが、還元についてでございます。先生御指摘のように、平成十六年の六月の参議院の附帯決議を受けまして、平成十七年八月に有識者、高速道路会社三社の社長、ファミリー企業等により成ります高速道路関連社会貢献協議会が発足いたしまして、全体で百億円の事業規模の還元策を公表いたしました。  その後、平成十七年度、十八年度それぞれ十億円の事業費によりまして、サービスエリアにおきますAED、自動体外式除細動器三百七十か所の設置、あるいはオストメイト対応トイレ二百五十七か所の整備等を実施してございます。  さらに、昨年の十二月でございますが、全体規模を百億円と先ほど申し上げましたが、二百億円に拡大をいたしまして、SAに非常用救援物資の備蓄、道路美化活動等への支援十三億円の事業を決定してございます。  国土交通省といたしましては、引き続き、早期の利用者還元が図られますよう高速道路会社に働きかけてまいる所存でございます。
  84. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございました。  平成十九年度までに約三十億円還元するというふうにも私も伺っておりますが、先ほど申し上げたこの附帯決議に付されているように、早期還元とは言い難いのではないかと思っておりまして、今後この対応をどのように進めていくのか、参考人の方にお伺いしたいと思います。
  85. 高橋文雄

    参考人高橋文雄君) お答えいたします。  ただいま道路局長からも御説明ありましたが、去る平成十九年十二月十七日の高速道路関連社会貢献協議会の総会におきまして、約二百億円の社会貢献事業を行うこととする方針を決定したところでございます。今後、これらの実施事業につきましては、有識者などからのアドバイスを受けまして事業内容を決定し、協議会においてそのスケジュールなどを早々に具体化するよう働きかけてまいりたいと思っております。
  86. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございました。  これまでも協議会におきまして様々な、この剰余金の還元策含めていろいろ検討も重ねてきていただいているようですが、これも重ね重ね恐縮ですけれども、やはりこの早期還元ということで、この対応と、また先ほどは有識者の方にも参加していただいてということでございましたが、是非ともこの還元策の中で、この高速道路利用者の方のニーズに合った、そういった対応もできるように、その点も是非重視していただいて対応もしていただきたいと思っております。  この具体的な還元策ということで、協議会の中でもドクターヘリの講習会の費用ということで、そういったことも盛り込まれていると伺っておりますが、そこで具体的に私も、先ほど午前中、田中委員の方からもドクターヘリということで質問が出ておりましたが、私自身はドクターヘリ、特に高速道路上での交通事故におきまして、このドクターヘリの活用は大変に重要というか大きな役割を果たしてくるかと思いますので、例えば、高速道路沿線上の自治体のドクターへリポートの整備とか、また、これからドクターヘリを定着させるために法人が設立される、そういった予定もございますので、こういった運営基盤を担っていく上でのこういった部分に還元できるのではないかと思っておりまして、ちょっと繰り返しになりますが、是非とも利用者のニーズに合った、そういった対策も引き続き検討していただきたいと思いますが、これに対する御見解をお伺いしたいと思います。
  87. 高橋文雄

    参考人高橋文雄君) お答えいたします。  これまで、先ほど申しました社会貢献協議会の事業メニューといたしましては、サービスエリアなどへのAEDの設置あるいは日本航空医療学会が実施するドクターヘリ講習会への支援など、高速道路における救命救急対策などへの支援事業を実施してまいりました。  今後の事業につきましては、ただいま鰐淵議員から御提案をいただきましたが、真摯にそれを受け止めまして、高速道路を利用されるお客様のニーズあるいは社会情勢を踏まえまして、協議会で検討するよう積極的に働きかけてまいりたいと思っております。
  88. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございました。  再度、恐縮ですが、早期還元ということと利用者のニーズに合った対応ということで、還元策ということで引き続きしっかりと努力をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  今、ドクターヘリのお話をさせていただきまして、午前中に田中委員の方からも強く要望もございました。重なる点もあると思いますが、私の方からも是非、大臣の方にこのドクターヘリの活用ということで質問させていただきたいと思いますが。  特に高速道路におきます交通事故ということで、警視庁の調べによりますと、平成十七年、十八年ですけれども、それぞれ大体約一万三千人ぐらいいらっしゃるということで、そのうち負傷者が約二万二千人、また死亡者が二百六十人から二百八十人、こういった結果が出ております。これは高速道路での事故なんですが、こういった高速道路での事故を減らそうということで、もう御存じかと思いますが、ドイツでは大変にこのドクターヘリ進んでおりまして、三十八年前からこのドクターヘリを導入をして、全国配備に向けてドイツは取り組まれております。  当初、ドイツの方では、交通事故が二万人近くいらっしゃったのが、最近では五千人に減少したということで、一つのドクターヘリを活用した交通事故における救急の対応ということで大きな効果が出ているかと思いますが、そういった意味日本におきましても是非、特に交通事故というのは時間との闘いになりますので、命を救うという点と、もう一つは、やはり後遺症を少しでも軽くして社会復帰ができるような対応ということで、やはりこのドクターヘリの活用というのは大変に大きな役割があるかと思います。  これも、先ほど大臣の方が、厚生労働省と連携を取ってという御答弁もございましたが、是非とも厚生労働省、また警視庁、そういった関係機関とも連携を取っていただいて、このドクターヘリの、特に地域によって課題は様々かと思います。都心ではなかなかヘリコプターが着陸できるようなところも少ないですし、地域によっても様々課題はあると思いますが、是非とも、少しでもドクターヘリを活用して高速道路での交通事故の対応が少しでも進むように、引き続き国土交通省としてもしっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、この点に対して大臣から御見解をお伺いしたいと思います。
  89. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 今委員からるるお話があった同じ思想の下に、平成十七年八月に警察庁、消防庁、厚生労働省と国土交通省との間で、関係四省庁で高速道路本線上のドクターヘリの離着陸について取りまとめを行い、現在、十三都道府県において運用をされているところでございます。  現在までに、高速道路本線には過去十回降りております。これは交通遮断したりいろいろせにゃいかぬわけですから。そして、ただし、サービスエリアとかパーキングエリアへはもうほとんど毎月のように離着陸をやっておりまして、サービスエリアにはヘリポートを併設しているところもありまして、私どももこういうことでどんどん進めていかなければならない、このように思っております。  今後も、このような高速道路会社ともよく協議をしながら、そういう機会を増やしていきたいというふうに思っております。
  90. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございました。是非、積極的な対応をよろしくお願いしたいと思います。  では、次の質問に移らせていただきますが、緑化対策、環境問題の対策の一つといたしまして緑化対策の推進についてお伺いしたいと思います。  このヒートアイランド現象の緩和、またCO2削減ということで、これまでも屋上緑化とか壁面緑化とか、そういった取組を推進してきておりますが、本当にこの京都議定書目標達成のためにも、地道な取組ではありますが、こういった緑化の推進、更に強力に推進していくことが重要であると思っております。  そこで、具体的に提案というか、させていただきたいと思いますが、敷地の緑化ということで、一つ、駐車場の緑化も今後取り組めるのではないかということでちょっとお話をさせていただきたいと思いますが、駐車場の緑化の取組ということで資料をお配りさせていただいておりますが、これ、冬柴大臣地元の兵庫県の福祉センターの方で、芝生化駐車場推進事業ということで、モデル的にこういった事業をされております。(資料提示)ちょっと見にくい部分もあるかもしれませんが、全面芝生にしているところと、あとコンクリートをリサイクルして、それを転用して使っている保水性のあるものだそうなんですが、こういったものと芝生を合わせて造ったりとか、こういった形で様々今技術も進んでいるようで、兵庫県の方ではこういったモデル事業をしていると伺っております。  このような形で、駐車場、都心もそうですし、地方の方にも駐車場ありますし、こういった敷地、駐車場を中心とした敷地の緑化を、更に緑化を進めていくことも一つの今後の対応になるのではないかと思っております。  そういった意味で、まず、これも御提案なんですけれども国土交通省の前に駐車場がございますが、是非ともこういった敷地の緑化の推進ということで、是非とも国土交通省の前の駐車場からこういった緑化の推進ということでモデル的に実施をしてはどうかということで一つ提案をさせていただきたいと思います。  その次の段階として、今後、地方公共団体や病院等、学校も、病院含めて、こういった公共施設の駐車場の緑化も進めていくような方向で、これからのまちづくり、また環境対策という視点からもこういったことが大事ではないかと思っておりますが、この二点につきまして御見解をお伺いしたいと思います。
  91. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 緑化というのは地表面の温度の低減効果が非常に高いんですね。私どもの方の国土交通省の屋上にも屋上緑化はもちろんしておりまして、表面が六十五度まで上がるんですが、その緑化した地面は三十度低い三十五度に抑えられているんですね。そういうこともありまして、官庁街ではできるところはもうすべてやろうということで一生懸命今取り組んでいるところでございます。  ただ、駐車場の場合、この整備コストが高いのと、その後の管理費が高く付くんですね。そういうところで若干難点はあるんですけれども、そういう経済性にも留意しながら導入は是非検討していかなきゃならないと思います。  国土交通省の前庭を提案されましたので真剣に考えさせていただきますが、ただし、整備費用は思う以上に高く付くんです。後のメンテナンスも高く付くということが若干難点かなと思います。しかし、せっかくの御提案でございますので、熱心に真剣に検討させていただきます。
  92. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございました。もう是非とも検討を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  今、屋上緑化のお話も出していただきましたが、やはり屋上緑化の、特に民間施設で取組が進むように補助制度などもつくっていただいておりますが、是非この駐車場におきましてもこの緑化が、駐車場を含めた敷地の緑化ということで、これが進むような補助制度というような、そういったものも行く行くは是非とも検討していく必要があるんではないかと思っております。例えば、東京都とか大阪府の方ではこういった駐車場の緑化推進のための補助事業を十九年度から創設をしたと伺っておりまして、こういった補助制度の創設を含めてこの緑化が更に、駐車場を含めた緑化の推進が更に進むような具体的な対応も是非併せて検討していただきたいと思いますが、この点について御見解をお伺いしたいと思います。
  93. 増田優一

    政府参考人増田優一君) お答え申し上げます。  今、大臣から御答弁させていただきましたように、駐車場緑化そのものは、この兵庫県の例にありますように、これちょうど三十六区画実証調査をやったわけですが、一応合格点が付いたのはそのうち八区画ということでございまして、まだまだ普及に向けては課題が多いということで考えておりまして、私ども国といたしましては、整備、管理に関するまずは技術開発に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  お尋ねありました敷地全体の緑化の推進ということに関しましては、平成十六年度に都市緑地法の改正を行いまして、新しい都市計画制度、これ緑化地域制度という制度を取り入れました。これ、一定規模以上の建築物、敷地に対しまして緑化を義務付けるという制度でございまして、現在、名古屋市及び横浜市において全市域を対象にこの緑化地域の指定をしようということで検討していただいておりますので、まずはこの制度の普及をやっていきたいと思っております。  それから、お尋ねの支援措置でございますが、これは実は平成二十年度予算案でこれ初めて国として、借地により一般に公開される民有地への緑化につきまして助成措置を盛り込んでおりますので、今後ともそういった助成措置の拡充につきまして検討をさせていただきたいと思います。
  94. 鰐淵洋子

    ○鰐淵洋子君 ありがとうございました。  引き続き私も、少しでも進むように、環境問題という視点からも取り組ませていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  時間が少し残っておりますが、以上で終わらせていただきますが、引き続き重要な課題が山積しておりますので、与野党の皆さんしっかりと力を合わせて頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  以上でございます。
  95. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 社会民主党の渕上でございます。  私は、安全問題、それから地域公共交通の活性化の問題について幾つか質問をしたいと思いますが、その前に、今最大の政治課題になっております道路財源の問題について大臣質問申し上げたいと思うんでありますが、大臣もさっき同僚の質問に対してお答えを願っておりましたように、心ない使われ方、それ以上に国民は納税者の立場から、連日報道される道路財源にまつわる無駄遣いの問題について怒り心頭に達していると思いますね。  ですから、大臣も所信の中で明らかにいたしましたように、道路財源の支出について国民の不信を招いていることを重く受け止めと、このように表現をされておりました。そこで、大臣は、その国民の不信を招くようなことがなぜ起きたのかとお考えになっておられるのか、そこのところの原因をきちっと解明をいただきたい。  そして、その上で、責任はどこにあると考えられておるのか、その責任をやはり明らかにすべきではないかと思うんでありますが、いかがでございましょうか。
  96. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 全くお説のとおりだと思います。私は、この道路行政を所管する責任者として非常に思い責任を感じているところでございますし、これは特定財源という貴重な財源から、これが法律的には支出が許されているそのものであったとしても、その支出の内容が国民の目線に立ったときに不快感を感じるようなもの、そういうもの、あるいは私が聞いていて恥ずかしいような、そのような使い方というものについては、私は厳しくこれは改めなければならない、そのように決意をしているところでございまして、そのような質問を受けたときに、直ちに私は役所の人には諮ることなく、直ちにこれはやめる、やめさせますということで、このように言ってきたところでございますが、今我々、大臣、副大臣が二名、政務官が三名、政治家が六名この国土交通省にはいます。  したがいまして、これ政治主導で、なぜこういうことが起こったのか、そのまずは点検をいたしまして、道路財源からの支出というものが相当であったのかどうかというようなことをよく調査をして、我々の国民の目線から見て、立って考えたときに、これは不相当である、あるいは受け入れてもらえないんじゃないかというようなものについては早急に改めるというふうに、これは四月中にはそれの全貌をきちっと明らかにしたいというふうに思っているところでございますし、それまででも決めたものについては早急にこれを改めていきたいというふうに思っております。  なぜ起こったのか、それから責任者はどうかという話になりますと、非常に長い期間にわたっております。我々が今資料が集められるのは過去五年のものでございまして、五年のものにつきましては我々も点検を重ねているところでございますが、それ以前の問題まで、今日の新聞にもそのような相当古い部分までさかのぼった調査をしておられますので、我々としましても、内部にこういうものもできるだけ古くまでさかのぼって、そしてそれがなぜそういうふうになったのかということの原因も究明をしていきたいというふうに思います。  当面、その責任の問題につきましては、まあそれは懲戒とかいろいろあるんでしょう。けれども、私は、今これをまず改めるということに注力することがその責任の取り方であろうと私は思っております。しかし、一段落着いたら私は、自ら私は処分をしなきゃいけない、このような覚悟でおります。
  97. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 やはり行政上の運営上起きてきた問題でございますから、その辺もひとつ原因究明の中にきちっと明らかに入れて、法律上過ちじゃないけど運用はどうなのかというところまでひとつよろしくお願いを申し上げておきたいと思います。  それから、道路財源問題については、法案が提出をされておられますので、詳細については後ほどまたその時点で質問をさせていただきますが、少し違った角度から、今起きているこの道路財源問題にまつわる国民の不信に対して、その信頼回復について大臣はどのような手だてをやろうとしているのか、どのようにして国民から信を得られようとしているのか。そのことをやはり納税者の立場で、最も汗水、一生懸命働いて納めた税金がこういう形で使われているということは、もう不満とかなんとかじゃなくて怒りですよ。もう国民の怒りにまでなっている。ここのところの信頼回復をどのようなふうにして回復しようとしておられるのか、御意見をお伺いしたいと思います。
  98. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) これにつきましても衆参の予算委員会でのお尋ねの中で私申し上げましたけれども、例えば慰安旅行といいますか、こういうものに、これは我々本省ではなしに、我々の方から、契約の相手方となった財団法人、そういうところが、その財団法人が従業員、職員の慰安旅行に、まあ普通の社会ではそういうものについては、慰安旅行はどこともやりますけれども、平素積立金をして、そしてある程度の積立金を元に会社からも補助を出してするというのが普通だと思います。それは普通だというのは、税務上も調べますと損金扱いをすることができるわけですね、会社として補助した額については。ということは、そういうものが一般に行われているということです。  しかしながら、我々は、元は、先ほど渕上委員おっしゃいましたように、一生懸命働いた方が納めた税金が回り回ってそこへ来ていると。この牽連関係がはっきりしているんですよね。したがいまして、そういう税をそうする場合にどれぐらいが適当なのかということが問題になると思います。  私は、そういう意味で、指摘をされたものについてはその半額を、半額を返してもらうと。これは一つは、職員からはいただくわけにいきません。けれども、理事あるいは管理職の方々に、ある法人でございますけれども、三十名いらっしゃる、一人三十五万ずつ返してもらってくれということで、それは応じていただきました。あわせて、代表者の方も、まあ古くから行われているんでしょうけれども、現在の代表者は自らの意思で退任をいたしますというような責任の取り方をされたと。これは予算委員会のやり取りの中で私が明らかにし、そしてそのようにそれも処理がされたということでございます。  そのように、私は、行き過ぎたものについては、今ここにいる平井副大臣を中心に学者の方、あるいは経済団体連合会から御推挙をいただいた方、あるいは公認会計士が二名、弁護士が一名、この弁護士も高等裁判所の長官をお務めになった方ですけれども、そういう方々の、第三者に入っていただいて、この方々の意見を伺いながら、今の改善策について、どうしたら国民の信、破ってしまった信を回復することができるのかという観点から今本当に毎日検討をさせていただいているというところでございます。
  99. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 では、具体的に質問をさせていただきますが、鉄道、バスは身近な交通機関として親しまれてきました。しかし、御案内のとおり、自家用の増大に伴いましてかなり公共交通の衰退というものが明らかになってきました。  そこで、政策として打ち出された規制緩和というのが出てきたわけですが、では、規制緩和した結果、多少利用者が増えるとか経営が安定してくるとか利便性になってきたとか、そういうことが良い面として表れてきているなら話は別でありますけれども、どうもそうではないというのが地方における鉄道、バス、逆にそこは路線の撤廃だとか路線の廃止だとか、非常に不便な乗り物になってきているというのが私は現状ではないかと、このように思うところでございまして、規制緩和が逆に、今度は安全面で多少問題が出てきているということが起きておりまして、安全運行に対する問題というのは運輸行政にとって最も大事なことでありますし、そこのところが少しおろそかになってきているのではないかと、このように思っています。  その具体的な表れが昨年の二月に起きましたスキーバスの衝突事故ではないかと思います。国土交通省は、その後、検討委員会を設けて再発防止の取組を進めているようでございますが、その間、取られた施策とその成果についてお教え願いたいと思います。
  100. 本田勝

    政府参考人本田勝君) お答え申し上げます。  貸切バスに関する安全等対策検討会、この検討会の報告書が昨年十月にまとまりました。  例えばの例を幾つか申し上げますが、交代運転者の配置基準が不明確だということで、乗務距離に基づく基準の在り方について検討するという提言がなされておりますが、その点につきましては、現在、関係者との調整を行っておりまして、近々、調整がまとまり次第、通達を発出したいと考えております。  また、貸切りバスの安全に関する諸規制などについて、とりわけ、貸切りバスの場合には旅行業界にも十分理解をいただく必要があります。そういう意味で、両業界の相互理解を図るための場を設置するということが提言されておりますが、この点につきましては、昨日、三月二十六日でございますが、両業界の実務者レベルの意見交換の場が設置されまして、今後、連携を深めてまいりたいと、こう考えております。  また、利用者の皆さんが安全、安心なバス、これを選択できるように、事業者評価制度を構築するといった提言もされております。この点につきましては、平成二十年度予算案におきまして、貸切りバス事業者の安全性等を評価、公表する制度を構築するための予算を計上させていただいております。  他の項目につきましても、実施できるものは逐次実施してまいりたいと、かように考えております。
  101. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 ただいまも予算の関係について報告がございましたけれども、貸切りバスに関する安全対策検討委員会では、今もお話ありましたように、貸切りバス事業者を選択できる仕組みを構築しようと。事業者の安全等に対する取組の状況について、評価、それから公表する仕組みを検討するということになっておりますけれども、具体的にどのように考えられているのか、御説明いただきたいと思います。
  102. 本田勝

    政府参考人本田勝君) 御指摘の貸切りバス事業者の評価・認定制度、安全確保のための取組が優れた貸切りバス事業者を客観的に認定、さらには公表することによって利用者の皆さんがそういった安全、安心なバス事業者を選択できるように、また、こうした取組を通じてバス全体の安全性の向上を促したいと、こう考えております。  ただ、具体的には、制度の検討に当たりまして、評価項目をどうするのか、あるいは評価主体はだれがするのか、そして利用者にどういった情報提供をしていくか、様々な検討すべき課題が多うございます。このために、先ほど申し上げました、二十年度の予算案で調査費を計上させていただくことにしておりまして、今申し上げました点につきまして具体の検討を進めてまいりたいと考えております。  また、調査を進めるに当たって大切なことは、貸切りバス事業者のみならず、旅行業者を含めた関係者の方々の御意見、これを幅広く伺いながら検討を進めてまいりたいと、こう考えております。
  103. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 私は、ただ単なる情報公開ではなくて、やっぱり内部での意思統一は大事なことだと思いますし、やはり外部に対してどのように知らせていくかということも大事なことではないかというふうに思います。  バス車両についても安全評価が分かるようにされてはどうかと、このように思うわけです。利用者がバスの車両を見れば、事業者の安全基準の結果がすぐ分かるようにしてはどうかと、このように思うんですね。いいレストランであれば三つ星で、味がいいか悪いかとか、うまいかどうかとかという表示ができるような形で、見れば分かるように、言うならば、利用者が見ればすぐそのバス会社はバス運行についてちゃんと安全基準に達しているかどうか、そういう評価が得られているかどうかというのは、僕は、利用者が見て分かるといったら、バスのボディーかどこかにちゃんとそういう印を付けることというのが一番安心感を与えるのではないかと、このように思うんですが、利用者が一目瞭然、分かるような形で表示してはいかがと思いますが、そういうことも一つ検討の中に入れていただきたいと思うんですが、その点いかがでございましょうか。
  104. 本田勝

    政府参考人本田勝君) この制度につきましては、まさに利用者の方々が分かりやすい制度、これが最大に重要な課題だと思います。その意味では、車体へのマーク、あるいは旅行商品のパンフレットでどう掲示するかといった点、御指摘を踏まえて検討してまいりたいと思います。
  105. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 じゃ、よろしくお願い申し上げておきます。  先ほど、午前中にも同僚議員の方からも御質問があっておりましたけれども、ちょっとすっきり、胸にすとんと落ちないといいましょうか、どういうことをイメージすればいいのか、話を聞いただけではちょっと分かりませんでした。したがって、もう一度お尋ねをいたしますが、規制緩和以降、いわゆる地方鉄道では営業路線の廃止だとか、乗り合いバスの、空港連絡バスは増便になったけれども、一般的な地域生活交通のところは非常に疲弊しているというのが実態でございまして、一般の路線に新しい企業が参入をしてきたというのは今まで皆無ではないかというふうに思っております。それが実態ではないかというふうに思われますし、地方にとっては生きるか死ぬかというぐらい、言うならば、限界集落というふうに言われるように、公共バスも来ないと、地方バスも来ないというような状況が生まれてきていることなどを考えますと、やはり、大臣もいつも言われますように、自動車社会における、同時に高齢化社会、少子化社会というものが今日の公共交通の問題点の一つの大きな原因になっているのではないかと、このようにも分析されておりますし、そのことが結果として経営が非常に深刻な状況になってきております。  このような実情の中で、公的な支援がやはり行われるということは、私は非常に大事なことではないかと思いますし、今までの支援があるからこそやはり地域における路線が守られているし、地域のそこで生活する方々が安心して生活できるという状況になってきておるところでございますが、とりわけ大臣は所信の中において、人口減少・高齢化の著しい地域に対しては官民協働の新たな公による支援によって生活する足の確保をするというふうに言われておりますけれども、前段の部分は過疎地域を重点にして理解をすればいいんですが、後段の部分の新たな公、これは午前中も説明がありました。  先ほど申し上げたとおりでございますが、私はやはり今公共サービスというのが現代的に見て大変重要な意義を持っておるというふうに思うんですね。格差問題、それから中央と地方の問題、とりわけ地方の疲弊の問題等を考えると、なかなかそこに、先ほど申し上げましたように、限界集落が生まれてきたりしている状況などを考えると、公的なサービスをきちっとすることによって、そこで生活の保障をきちっとしていくということが非常に大事なことではないかと思うんです。ですから、新たなるやはり現代的な公共サービスというものを考えて、その新たな公というふうに考えたのではないかと、このように私は理解をしておりましたが、そうではどうもないような答弁でもあったように思いますので、いま一度その大臣の言うところの新たな公の概念について分かりやすくどうか説明いただければと思います。
  106. 辻原俊博

    政府参考人(辻原俊博君) 午前中の審議の中で大臣からも答弁がありましたけれども、こういった新たな公というような概念が出てきました背景でございますが、少子高齢化が進む中で、これまで地域レベルで見ますと、従来、官でやっておりましたことがなかなかきめ細かに手が届かないということがございます。しかしながら一方で、じゃ個人でこれを解決できるのかといった場合に対応が難しいという問題も増えてきておるわけでございます。また一方、従来そういう役割を担っておりました地域社会が崩壊する一方で、NPOとか企業といったような新しい地域の担い手というものが地域社会の問題にかかわってくるというような動きも出てきておるわけでございます。  そういった中で、今後の国土行政を進めていく上でこういった様々な主体が自発的に参画して地域の問題を解決していくということが非常に重要でありまして、かつ有効であるというふうに考えておりまして、そういった意味で、国土形成計画の案においても今後推進していくべき考え方として位置付けたものでございます。  したがいまして、午前中も御説明がありましたように、地域交通というような問題もございますし、子育ての支援といったようなこと、それから環境の面での環境リサイクルといったような問題等々非常に幅広い問題について地域の課題に即して、地域の自発性に基づいて地域の方々が協力してこの問題を解決していくというのがこの問題の考え方でございます。  ちなみに、午前中出ましたタクシー……
  107. 吉田博美

    委員長吉田博美君) 時間が過ぎていますので、簡潔に答弁を願います。
  108. 辻原俊博

    政府参考人(辻原俊博君) はい。  タクシーの件につきましても、関係者が協議会で十分話合いを行ってこういうシステムを組み上げているところでございます。  以上です。
  109. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 終わります。
  110. 吉田博美

    委員長吉田博美君) ありがとうございます。  本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  111. 吉田博美

  112. 吉田博美

    委員長吉田博美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  113. 吉田博美

    委員長吉田博美君) 昨日、予算委員会から、本日一日間、平成二十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、国土交通省所管について審査の委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。  予算の概要について政府から説明を聴取いたします。冬柴国土交通大臣
  114. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 国土交通省関係の平成二十年度予算について、その概要を御説明申し上げます。  まず、一般会計予算につきましては、所要の国土交通省関係予算を計上し、その歳出予算額は五兆八千九百三十億円です。  また、社会資本整備事業特別会計、自動車安全特別会計及び特定国有財産整備特別会計に所要の予算を計上しております。  なお、北海道、離島及び奄美に係る公共事業予算については、他省関係の予算を含めて、国土交通省予算に所要額の一括計上を行っております。  次に、財政投融資計画については、当省関係の独立行政法人等分として三兆六千四百六十一億円を予定しております。  国土交通省におきましては、厳しい財政状況の下、限られた予算で最大限の効果の発現を図る観点から、国際競争力の強化と地域の活性化、地球環境問題と少子高齢化への対応、国民の安全、安心の確保などの課題に対応するための事業、施策を重点的に推進してまいります。  また、政策評価を予算の効率化等に適切に反映させるとともに、社会資本の戦略的維持管理、コスト構造改革の推進、ハードとソフトの連携、PFI手法の活用等により、成果目標の達成に向けて効率的な施策展開を図ります。  次に、主要事項につきまして御説明申し上げます。  第一に、国際競争力の強化と地域の活性化です。  大都市圏や地域の拠点的な空港、スーパー中枢港湾、国際物流に対応した幹線道路網の整備等を推進します。また、安定的な物流コストの確保等を図るための高速道路料金の引下げを行います。  地域の活性化を図るため、自立的な広域ブロックの形成や地方都市におけるまちづくりを推進します。また、地域の公共交通等への総合的な支援や整備新幹線等の鉄道ネットワークの整備、港湾を核とした地域活性化プログラムの推進等に取り組みます。加えて、歴史、文化資産を保全、活用したまちづくりを推進するとともに、ビジット・ジャパン・キャンペーンの高度化や国際競争力の高い魅力ある観光地の形成等を通じた観光立国の実現を図ります。  第二に、地球環境問題と少子高齢化への対応です。  地球温暖化対策として、地区・街区レベルの環境負荷削減、住宅、建築物の省エネ性能の向上、自動車からの排出されるCO2の削減等を推進します。また、だれもが暮らしやすい生活環境を実現するため、住宅の寿命を延ばす二百年住宅への取組を推進します。併せて、住宅セーフティーネットの充実や総合的なバリアフリー化を推進します。  第三に、国民の安全、安心の確保です。  地震、火災に強い住宅、市街地の形成や公共交通機関の耐震化の推進、増大する自然災害リスクへの予防対策の充実等により、防災・減災対策を強化します。また、公共交通の安全、保安対策や道路等の既存の社会資本ストックの戦略的維持管理を推進します。さらに、巡視船艇、航空機等の緊急整備を、空き巡視艇ゼロを目指した複数クルー制の拡充とともに進めるほか、安定的で効率的な海上輸送の確保対策等を推進し、海洋立国の実現を図ります。  また、道路特定財源については、都市地方を問わず道路整備必要性が依然として高い状況や厳しい財政事情、環境面への影響に配慮し、現行の税率水準を維持しつつ、真に必要な道路計画的な整備高速道路料金の効果的な引下げ等を進めてまいります。  国土交通省としては、これらを始め、社会資本整備や総合的な交通政策を着実に推進するために必要な事業、施策を推進してまいる所存です。  以上をもちまして、国土交通省関係の平成二十年度予算につきましての説明を終わります。  よろしく御審議のほどお願いいたします。
  115. 吉田博美

    委員長吉田博美君) 以上で予算の説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  116. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 民主党の室井邦彦でございます。  早速質問に入らせていただきますが、私は最初に阪神大震災の自ら経験した問題で、日本国土の形成というところから御質問をさせていただき、そしてまた、二点目は今国会で最大の論点となっている道路特定財源の関係の事件、問題について触れさせていただき、最後は明石海峡で起きた瀬戸内海での三隻の船舶の衝突の事件、これは兵庫県、冬柴先生、私たちも同じところで、瀬戸内海に対しての安全航行についての質問、以上、約六つの質問を用意しておりますので、もう単刀直入にどんどん進めさせていただきたいと思います。  まず最初に、先般の予算委員会でこのような発言が総理がされておられました。我が民主党の委員の、先生の最後の部分でありますけれども日本の東京は、やはり一極集中がいいのか、国土の均衡ある発展がいいのか考えてほしい、どうですかという質問に対し、福田総理大臣はこのように答えられておられます。  私も、東京に集中している、また、東京中心の、近県に集中している状況というのは、決して好ましいことではないと思っております。東京は国際都市ですから、それなりの体制というのは必要かもしれませんけれども、過度に東京に集中したときに、例えば災害が起こったときはどうなのかといったこと一つ考えても、非常に心配があるわけですね。そして、そういうふうなことはかねてから心配でありまして、首都移転とかいったようなことが言われておった。また、今先生がおっしゃったように、国土の均衡ある発展という言葉がございました。今、なくなっちゃったんですね、そういうことが。非常に残念なことだと私は素直に思っておるところでございますという答弁があったわけでありますけれども。  私はここで阪神・淡路大震災を経験した一人として、またその後の対応、また震災の後の処置、そのころ私は自民党の県会議員の警察常任委員長という立場でしておりましたからいろいろと諸問題がたくさんあって、その問題には時間がありませんので触れませんが、そういう角度から国土交通省の果たすべき役割というものは極めて重要である、このように私は思っておるところであります。  そういうところから、大臣の所信でも多少触れておられますけれども、私は別の観点で、国家の危機管理という問題についてどうお考えをされておられるのか、御所見を持っておられるのか。また、内閣として総合的にこれを検討すべき課題だということで対応されておるのか、その点をお聞きしながら、まず第一問目の質問にさせていただきます。
  117. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 東京圏のみに諸機能が集中することは、国土の適切な利用の観点からも、また災害発生時等の危機管理の観点からも好ましいものとは考えてはおりません。  このため、大規模震災等を想定した都市構造の強化、また経済社会の中枢機能のバックアップ体制の強化のための交通、情報通信網におけるリダンダンシー、代替可能性ということでしょうか、の確保や事業継続計画、BCPと申しますが、の策定などに取り組むことが喫緊の課題である、このように考えております。  一方、中長期的な観点からは、御指摘のように東京への一極集中という国土構造を是正していくことが必要であります。このため、現在策定中の国土形成計画、全国計画では、広域ブロックを単位とする地方がその有する資源を最大限に生かして地域戦略を描き、自立的に発展する国土構造を目指すことといたしておるところでございます。これは内閣を挙げて取り組んでいるものでございます。
  118. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 二、三、私の理解できない横文字か何か難しい言葉が出たんですが、また後ほど御指導いただくといたしまして。  くどいようでありますけれども、直接に阪神・淡路大震災を経験しながら、もし、もしですよ、今この東京で阪神・淡路大震災のような直下型地震が起きた場合、想定したときに、日本の国はどうなんでしょう。全く道路またすべてのものが分断されると。そうすると、日本の国、アジアが止まってしまう、このような思いがあるわけでありますけれども、その点、大臣の感じたことだけで結構ですから、お答えいただけませんか。
  119. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) そういうことに備えて代替、首都圏の移転とか首都機能の移転とか言われているわけでございますが、それぞれに、例えば国土交通省におきましては、そういうことが起こった場合にどのようにそれぞれが行動を取るかということ、先ほどBCP、事業継続計画ということでございますけれども国土交通省の建物がおかしくなったら大変でございますので、それについてはもちろん免震構造をやってありますし、私自身がそのような震度五強以上が来た場合には直ちに駆け付けるように宿舎に自転車を置いて、自転車で登庁すると。十八分で来れます。  そういうことでいろいろな備えはしておりますが、これは国家の中枢機能でございますから、それぞれのところでそれぞれの代替措置というものが講じられるように今やられているところでございます。
  120. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 それではよろしく対応を、一億二千万国民が安心に暮らせる日本国土づくりのために、一極の集中ではないそういう計画を実践的に、また素早く実現できるように御検討、御努力をお願いを申し上げます。  続いて、いよいよ今国会で最大の論点となっております道路特定財源の関係の質問をさせていただきますが、これ毎日毎日もうあらゆる国土交通省の、どう表現したらいいんでしょうかね、だらしのなさというのか、ルールがないというのか、今日もテレビで放映をされておりました。  今本当にこの情けない思いがするのはこういう、もう皆さん方も御承知だろうと思うんですが、念のためにせっかくのこういう機会、チャンスを与えていただきましたので少し触れさせていただきますが、まず国税の使途、国民の九割が何だというふうにこれデータが出ているんですよね。そして、政治家、官僚の信用度一八%。このような状態で十年間五十九兆円を道路にくれ、その間の十年間の国土交通省の役人の人たち、一切このような不始末を起こさないのかという、こんな思いがするわけでありますけれども、まず信頼度を勝ち取ってからこのような十年の計画国民皆さん方の税金を五十九兆円、もう道路だけに使わせてくれというまず説得力が非常に欠けているんじゃないか。  まずは官僚、役人の目線じゃなく国民の目線で政治は進めていかなくてはいけない。そう考えると、こういう記事、こういうものは一体国土交通大臣として、こういう状況の中でまず、まだあしたあさってにもこういううみがまた出るかも分からない。このことについて御所見をまずお聞きをしながら諸問題に触れさせていただきたいと思います。
  121. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 暫定税率維持国民の皆様方にお願いする以上、国民の不信を招くようなことがあった、これについては直ちに改めなければならない、私はそのように深く感ずるところでございます。  そういうことから、私を本部長とする改革本部におきまして、道路関係業務の総点検と改革方針の検討を今進めているところでございます。この機会に、国民の目線から見てふさわしくない点、改革すべき点があればちゅうちょなく改めるということが国土交通省に課せられた責任でありまして、私自身の責任でもあり、私自身が先頭に立って改革の実現に取り組み、国民の信頼の回復に努めたいと、このような覚悟でございます。
  122. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 いや、本当に大臣のお立場を同情いたしますけれども、本当にくどいようですけれども情けないですよね、このように頭を下げて、国交省職員が逮捕とか、こんな記事があちこちに出るということ。本当にもう耳にたこができるという言葉ありますけど、目に何というのかな、たこができるということは言わぬでしょうけれども、本当に記事を見るのがもう嫌になるというような状況であります。  それで、お尋ねをしたいことはこういうことなんですね。大臣がいろいろと今回の特定財源に対して、私はこれに対して是非お願いしたいということを強硬におっしゃっておられ、あらゆる障害、あらゆる問題を抱えながら事を進められておるわけでありますが、地元の、確かに私は道路は否定しません。必要なところには道路も必要だ、そして必要なところには病院も必要だ、このようなことを同じ土俵に投げて審議をしていきながら優先順位を決めていくと、こういう方法でも間違いじゃないのかな、いいんじゃないのかなというふうにも思うわけでありまして。  一つの例、私、室井邦彦、冬柴先生の尼崎、これはもうお分かりでしょうけれども、ここの白井文市長、サインはしておりません。なぜなんだ。これは、我々阪神・淡路大震災を経験した者として、この子供たちの、まあ人づくりは国づくり、国づくりは人づくり、そういう観点からいきますと子供は宝物であります。その阪神・淡路大震災の経験をした町に各公立高等学校、小中高等学校の耐震率が非常に低い。道路どころか、まず、もう一度あのような地震が起きたときに、子供が学習しているときに子供がどうなるんだ、半分以上の公立高等学校と小中学校が崩壊をしてしまう。道路よりもこちらの方が先なんだというのが白井市長のサインをしなかった理由なんですね。まだまだありますよ、挙げてみれば。  そういう町もあるということ。これを十分に認識をしていただきたい。そして、そういうことに対してのお金の使い方、予算の使い方、学校などは自治体がということも聞いておりますけれども大臣、どうでしょうか。足下の市長さんがそういうお願い、そういう思いを持っておられるということについていかがですか。
  123. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 六人の市長さんがそれぞれの理由で署名をされなかったということがございました。それ以外の市長さんは全部、市町村長さんは署名をされましたけれども、六人。そのうちの一人が白井文さんでしたけれども、その文さんは、二十年一月、私あてに、道路特定財源諸税の暫定税率の延長と地方道路整備臨時交付金制度の継続が図られるよう格別の御配慮を賜りますようお願い申し上げますという書面を私の方へ届けていただいているということは申し上げなければならないと思います。
  124. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 もう一点の質問をちょっとお答えいただきたいんですけれども、この阪神・淡路大震災の被害を受けた地域の公立高等学校、学校の耐震強度の見直しが非常に特に遅れているという非常に矛盾した現象が起きているわけでありますが、私はこの尼崎に限って小さな範囲の虫眼鏡で物を見るような表現をさせていただいて申し訳ないんですが、やはり尼崎といえども五十万近い市民が住んでおる、その町に道路よりもそういうものを優先してほしいということについての御理解度というものは、大臣、いかがなんですか。
  125. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私は、年初、白井文市長と私との対談ということが行われました。その中で、財政的に厳しくて耐震の、いわゆる施設に、特に学校等の耐震整備が県下最低だということを恥ずかしく思いますと。しかしながら、今ここで十年計画というものを立てて着実に実行しているということを申し上げたいと思いますということをおっしゃっていました。  そのときに道路財源のことは先ほど書面で私に出していただいておりますので論及されませんでしたけれども、向こうから、いわゆる耐震というものについて、参議院で尼崎市を名指しで、あなたのところは一番最低だということを参議院の議員から指摘をされました。そのことを彼女は非常に恥ずかしく思い大臣がそのような答弁に立たれるというところで申し訳なかったという話もしていただいたわけでございまして、それは多くの、震災後、多くの行政需要の中で本当に彼女としても頑張って、ラスパイレス指数を九八まで、それはもう一〇〇をずっと超えていたんですけれども、そこまでやりました。それから、職員の解雇もやっておりますと。しかしながら、そういう耐震というところで、非常に古い時代に、尼崎は経済が非常に発展したときに人口が物すごく増えたので、そのときに造った学校がほとんどだと。そういう意味で耐震まで手が回らなくて、恥をかかせたようなことで申し訳ありませんでしたということをおっしゃっていただきました。
  126. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 ありがとうございます。  くどいようでありますけれども、最後にもう一点だけ。白井文市長も一生懸命頑張っておられます。ちなみに、尼崎は耐震化率、兵庫県下、四百六十七校のうち、ワーストワンであります。その点を十分に御記憶にとどめていただいて、いろんなお力添え、また御指導を是非頼みたい、このように思います。  じゃ、次の質問に。これもまた同じような質問なんですが、通告をしておりますので、これは大臣じゃなくてももちろん結構でありますから、担当者にお答えをしていただきたいわけでありますが、まず事実かどうか確認をさせていただきたい。  昨日、私が担当者を呼びながら、この質問をするよ、またそういう打合せをしておりました。まさか、タイミングが良過ぎて、これから質問をすることが今日の午前中のテレビで放映されたというようなことでありまして、これはしっかりと事実確認をお聞きをしておかないかぬなと。  また訳の分からない行為をしておるわけでありまして、ちょっとこの文書を読ませていただきますが、中部地方整備局北勢国道事務所。災害時の仮眠施設として建てられた宿泊所、六千五百七十万円は、災害用としては何も使用されず、職員の親睦会、宴会、私的のための宿泊として利用されていたが、昨年、新聞記事になると、突如四月から中部建設協会の執務室として使用している。また、テニスコートには資材置場の看板を立てて、昼休みに退庁後、日祭日は官宿舎の職員が使用していた。このようなことであります。続けて文書ありますけれども、一々読みません。  もう一点、道路法四十七条二項の特殊車両通行許可の業務を中部地方整備局北勢国道事務所と中部建設協会で随意契約を行っているが、平成七年と平成十九年、比較すると申請件数が六七%も減じているにもかかわらず、担当者数が三倍に増えていると、こういうことであります。  まだいろいろとあるわけでありますけれども、治水特別資金の無駄遣いもここにあるわけでありますが、取りあえずこの二点、事実確認をしたいわけでありますけれども、お願いします。
  127. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  お尋ねのまず仮眠施設でございますが、平成十年三月に設置をされまして、ふだんは会議室、災害時は職員の待機所、仮眠施設、そういう意味で設置をされております。御指摘の昨年四月からも同様に、平時は会議室として、災害時には職員の待機所、仮眠施設としておりました。  二つ目のお尋ねでございますが、平成十九年七月下旬から十二月末までは道路管理課の特殊車両通行許可業務における臨時の審査作業場所として使用しまして、その際に、作業の補助として既に契約をしておりました中部建設協会の職員が作業を行っておりました。  三つ目のお尋ねでございますが、平成十九年度、その協会への委託金額平成十七年度と比較して高いという御指摘でございますが、確かに平成十七年度、十九年度を比べますと、平成十七年度の件数が多く、十九年度が少なくなっております。それなのに十九年度、委託金額が多いというお尋ねでございますが、平成十九年度は前年度の業務量をかんがみまして業務委託を設定いたしました。しかしながら、北勢国道事務所におきまして申請件数が減少したために、年度途中におきまして契約金額の減額変更を実際は行ってございます。  今後とも、業務量に応じまして契約金額の見直しを行い、適切に処理してまいりたいと考えております。
  128. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 そういうことでいろんな方面から指摘をされておるわけでありまして、是非また同じせりふしか申し上げることができないんで、しっかりとそういう管理、こういうことはもう思いっきりすべてのうみを出し切ってしまう、こういう気持ちで正々堂々としっかりと隠さずに答弁をしていただきたい、このように思いますし、私も昨日、こういう書類をまた私の関係者から届き、また私も調査しましたけれども、どうぞしっかりとこれからこういうものをもう一度見直しながら、私もちょっとこの点に関し、またあと幾つか理解のできない点を聞いております。あえて今日は、それはまだしっかりと確認しておりませんので、今日のこの時点では質問を差し控えさせていただきますけれども、後日いろいろとまた来ていただきながら説明をまたしていただきたい、このように思っております。  もう一点だけ。これも悲しい話で、道路特別会計、これを人件費に充てておられる。正論化されても結構ですが、正当化されても結構ですが、児童手当にも創設以来、この四十九年間で人件費で二・三兆円も国交省の人件費に充てていたという、これもまともな神経じゃ理解のできない点であります。一つ御所見を聞かせてください。
  129. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 道路整備特別会計では、道路整備に携わる職員の給料は特別会計から支出するという規定があるわけでございまして、その中に児童手当とかそういうものは諸手当も当然人件費に含まれているわけでございますから、それを違法と言われるのは僕はがえんずることができないと思います。  そして、それが二兆何千億といいますけれども、それは期間が何年ですか、それは国家公務員の給料を全部足せばそれは何兆円になりますよ。私は、それはそうじゃないんじゃないかと思います。私は、私の今の立場でもう本当に反論はすることができない立場かも分かりませんけれども、説明申し上げればそういうことでございます。
  130. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 大臣のおっしゃることも、私は分かるとは申しませんが、まあマスコミはこういうふうに書き立てるんですよね。その答弁をマスコミにどうされるのか。我々は、それらの報道機関、新聞の信用度というのは六九%というふうに評価されていますけれども、まだ政治家、官僚を信頼できるかの信用率に対しては、新聞、マスコミは、やはり我々は信頼している国民が多いんですよね。そういうマスコミがこういうふうに書き立てるということ、これはどこに原因があるかということもよくお考えをいただきたい、このように思います。  それでは、あと三分しかございませんので、通告した職員の方々には、役人の方々には申し訳ないですけれども、ちょっと一つ飛ばしまして、これ、皆さん方も御経験があるかも分かりませんが、冬柴大臣も御経験されておると思いますけれども道路の補修工事。  これもまた地元のことで申し訳ありませんが、この数字をお示しします。国道二号線、尼崎、西宮、神戸、この国道二号線の道路、何と三年間で千八百九十三か所掘り返しているんですよね、同じところを。そして月末、年末になると、慌てたかのように国道二号線は交通渋滞。あちこちでまた道路を同じところを掘り返す。この間そこを掘り返したばかりじゃないかと言うと、いや、今度は電話線なんです。その前は、いや、ガス工事でしたとか、まあやたら同じところをはつったり掘ったり埋めたり。  この件につきまして、一年間で四百七十か所を掘り返している、こういう計算になるわけでありますけれども、この点の計画性というもの、それぞれガスも電気も電話局も、いろいろと一年間の事業計画、五年計画、十年計画はいろいろとされておると思うんですよね、それだけの一流企業でありますから。そして、国土交通と、このようなところで国道二号線のこの百メートル間をまた掘り返す、またこうするというようなことをお互い情報提供しながら、一つの穴を掘れば一つのそういう工事が成り立つというような、そういう計画性のあるものができないのかと。  これは、国道二号線は二車線であります。まともに一キロ走れない。どこかが工事中、工事中で、常に渋滞を繰り返して二酸化炭素、CO2をまき散らして、地域住民は非常に迷惑をしている。金は掛かる、時間掛かる、スピードは出せない。こういう二号線だけじゃなく、それは各国道の、同じようなことだと思うんですが、この点、ちょっと思い付きで工事されているような印象しか我々素人は持てないんですよね。その点の改革というか見直しというか、積極的に取り組もうという姿勢はないんでしょうかね。
  131. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  おっしゃるとおり、国道二号の四十二キロの区間で三年間、千三百九十三件の路上工事がございました。占用企業者、ガスそれから電気、水道、これの工事が全体の八五%でございました。  いろいろ計画を調整してございます。年二回、占用企業者の工事と道路工事が集約して計画的に実施されるよう工事関係者が一堂に会しての調整会議をやってございますが、その実が上がっておらない原因がちょっと二つございます。  一つは、神戸市域は、平成十六年の台風二十三号で国道二号が冠水しましたために、下水道の雨水幹線工事が行われております。それからもう一つは、大阪ガスが東海・東南海地震に備えてガス管の更新をやってございます。そういうことで、占用企業者の工事が多くて、できるだけそこの工事は調整しておりますが、それが終わりますと全体的な下水、ガスというところが神戸市域では収まってくるのかなと。もう一つ、尼崎から神戸市域でございますが、これは電線共同溝の設置をやってございます。この電線共同溝の設置が終わりましたら電力とか電話線、これの掘り返し工事は抑制されると思います。  いずれにいたしましても、ばらばら工事をやっているということが問題だと思いますので、いま一層、占用企業者とその道路管理者が一体となって計画を作り、やってまいりたいと思います。特に、工事時期の調整とか共同施工、それから舗装工事後の五年間の掘り返し抑制、そういうこともやってまいりたいと考えてございます。
  132. 吉田博美

    委員長吉田博美君) 時間が参りましたので。
  133. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 ありがとうございました。  積極的に是非取り組んでいただくようにお願い申し上げて、質問を終わります。
  134. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 民主党・新緑風会・国民新・日本の藤本でございます。  国土交通委員会は昨年に続いて二回目というか二年連続なんですが、何かとても久しぶりに質問するような気分でございまして。というのは、昨年の通常国会のときは理事をやらせていただいて、毎回のように附帯決議付けていたものですから、あらしのような附帯決議を付けておりまして、その関係で毎回発言をしていたことに比べると何かとても間が空いたかななんというような感じをちょっと持っているところなんですが。  今日の様々な午前中からの質問をお聞きしていると、道路のところが一番テーマとしては多かったのかなというふうに思いますけれども、それだけではなくて、相当いろんなやはりテーマに、多岐にわたっていると。長浜委員もおっしゃっていたとおり、国土交通行政というのは本当に複合的あるいは総合的なテーマを扱わなきゃならないということで極めてテーマが広いなというところを改めて感じたわけなんですが。  そういう意味で、ちょっと今日は交通のことと観光のところをお聞きしようと思っております、時間のある限りで。交通といっても道路、いわゆる車、自家用車の車あるいは貨物輸送ということだけではなくて、いろんな交通モードというのがあるわけでございまして、その交通モード全体でやはり総合的あるいは複合的な交通というのを考えていくような時期であろうと。これはもう十年ぐらい前から言われているんですが、なかなか進んでいないかのように感じておるということで、複合性あるいは総合性といったところでお聞きをしたいというのが一点ございます。  もう一つ、御承知だと思いますが、私もこの参議院議員になる前、十五年弱なんですが、シンクタンクにおりまして、その間、会社の名前が二回変わりました。十年、十五年で劇的な社会経済情勢が変化がありまして、民間企業というのはそういうところでもかなり大変な思いをしながらその変化に対応していくということを考えておりますと、比較的この世界というか政治の世界、政治の世界というのか官僚の世界と言っていいのかどうか分かりませんが、今はやりのスローライフみたいなところがございまして、非常にゆったりと動いているかなというような感じが正直しております。  朝令暮改という言葉がございますが、朝令暮改というのは昔は余りいい言葉で使われてはいませんでしたけれども、最近はこれだけスピードアップして変化がある中では、朝令暮改はむしろ進めて考えなければいけない、これはむしろいい言葉であるというようにとらえられていると。その中で、十年間の計画というのはなかなか想定ができないようなことが多分道路なんかでも出ているんじゃないかと。今ニーズがあるというふうに言われても五年後にはもうニーズなくなっているかもしれない。あるいは逆に、今全く想定していないようなニーズが生まれるかもしれない。そういうことを考えると、大変この五年あるいは十年の中で計画をしていくというのは大変難しいことなんだろうなというふうに思っておりまして、その辺りもやっぱり含めて今想定できるものをできる限り取り込んだ形で計画なり政策を立てていくということが求められている。そこは大変昔と比べると相当難しい部分なのかなというふうに感じております。  それでは具体的な質問をさせていただきますが、最初に総合的、複合的というところでお聞きしたいと思いますが、交通行政ということを考えると、やはり様々なモードがうまく連携をする、あるいは複合的にかみ合っていくということが必要なんだろうと思うんですが、予算なり施策を見ますと、まだまだどうしても、この書き方の問題があるのかもしれないんですが、道路道路、鉄道は鉄道、港湾は港湾とか、河川は河川と、こういう非常に縦割りの形で予算というのは大体出てくると。その中で、若干横ぐしで、例えば環境対策とか安心、安全とかという形でやってはいるんですけれども、それぞれの施策を見るとまだまだ、要するに、交通でいえばモードごとでの施策ということが非常に強く出ていて、もっと効率の良い、あるいは使い勝手の良い交通というのはどういうふうにしたらいいのかというところがちょっと見えにくいんですね。  多分、それは国土交通省としては十分考えて連携をしているというような話になるんだろうと思いますが、空港と駅との例えば道路とか、そういうハード面ではそういうことがあるのかもしれないんですが、もっとソフトの面も含めて、予算あるいはそれに対する施策で、複合的なモード間の連携というものを打ち出しているものがあれば、ちょっとそこのところを御説明いただきたいと思うんですが。
  135. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) お説のとおりでございまして、特に交通機関の場合、その特性を生かして十分な連携を図る、また各交通機関の競争を通じて利用者の自由な選択が可能になるということが必要だろうと思います。  国土交通省では、事業間の連携を一層深めることにより、総合的な交通ネットワークの整備を重点的、効果的かつ効率的に推進するために社会資本整備重点計画を策定をいたしております。この中には九つの項目があるわけですけれども、もちろん、道路、それから交通安全施設、空港、港湾、都市公園、下水道、治水、急傾斜地、海岸というような九つの部類に分類をいたしまして、しかしながら、一体的に社会資本整備ということで重点的にどういうふうにやっていくかということの策定をいたしているところでございます。この計画では、例えば空港や港湾と都市とのアクセスを円滑にする道路、鉄道等の整備が位置付けられておりますし、同計画に定められた事業横断的な重点項目の目標の達成に向けて、事業間の連携の強化や予算の重点化を図りつつ、総合的な交通ネットワークの整備を推進しているところでもございます。  また、ソフト政策といたしましては、例えば地域公共交通の活性化、再生に関する法律、先国会で通していただきましたが、これに基づいた基礎ストックの有効活用による公共交通サービスの改善と公共交通の走行空間及び徒歩、自転車の移動空間の整備等、交通事業とまちづくりが連携したソフト、ハード両面からの総合的かつ戦略的な交通施策を推進する、そのようなことを考えて施策を進めているところでございます。
  136. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 多分、言葉として、いろんな地域間の連携であるとか交通モード間の連携というふうに言われているんですが、予算面なんかを見ますと、結局、数年間ずっと道路整備予算であるとかそういう各予算ごとの項目がシェアがほとんど変わらないものですから、今までどおりの、そのまま動いてきているというようにしか思えなくて、さあここへ来て、数年前ぐらいから、もうちょっと連携を進めましょうよというふうに言っているものがなかなかちょっと見えにくくなっていると。  もしかしたらやっていらっしゃるんだろうというふうには想定はできるんですが、それがとても見えにくいなというふうに私なんかは思うんですけれども、その辺り、もうちょっと工夫をされる、あるいはそれをこうだということをもう少しPRできるような打ち出し方というのができるのかなというふうには思っているんですけれども、その辺りいかがでしょうか。
  137. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 社会資本整備計画の中で、重点計画の中で、道路は五年間で三十八兆でございました。これ十年に引き直せば七十六兆です。しかしそれを、こういう時代でもあり、特に道路については、非常に大きいものですから、これをいろいろ積み上げて六十五兆まで切ったわけです。七十六兆を六十五兆にして十年で提案したわけです。それをなお、財務とかあるいは政府・与党の中で五十九兆を超えないものとするということで最終的にはこういうふうになっているわけでございまして、決して道路だけが安定的に伸びてきているわけではなしに、道路はいっときから見ればほぼ半額まで削っていますよ。これは、私も経済財政諮問会議の席へ呼び出されまして、これから三%ずつずっと五年間削れと言われたんですよ。しかし、これは、それは僕は約束できないということも申し上げたのは、一%から三%ということで我々は相当かんかんがくがくの議論を経てそうしたんですよ、切るのは本当にもう限界に来ているんですよということを申し上げながら、一から三%ということを納得いただいたけれども、しかし例年は二か三%を超える削減を私は受け入れているわけでございます。  そういうことで、決して、そのシェアが余り変わらないという批判もよく受けるんですけれども、事道路については本当にばさばさ切っているということが現実でございます。
  138. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 今日は道路のことだけを聞くつもりではございませんので、ちょっとほかの質問をしたいので移りますけれども、先ほどこの国土交通省関係予算概要説明の中で、第二にということで地球環境問題と少子高齢化への対応ということで幾つか説明がございました。地球環境問題と少子高齢化が並列で第二に並んでいること自体ちょっとおかしいかなというふうにちょっと思ったんですが。  それはそれとして、環境という点から少し交通のことについてお聞きしたいと思うんですが、当然、環境負荷の低減ということで何らかの取組をしていかなきゃならないという、そういう姿勢が出ていると思うんですが、ちょっとここでお聞きしたいのは、いわゆるトンキロベースでの飛行機、いわゆるモードごとですね、飛行機なりトラック貨物輸送、あるいは船舶、鉄道と、特に物流の面なんですが、二酸化炭素の排出量ですね、トンキロ当たり、これどのぐらいの差がモードごとであるのかどうか、ちょっと教えていただきたいんですけれども
  139. 榊正剛

    政府参考人(榊正剛君) ちょっと二〇〇五年のデータということになりますが、貨物を一トン、一キロ運ぶのに排出するCO2の量でございますけれども、営業用のトラックは百五十三グラム、船舶三十八グラム、鉄道二十一グラム、こうなっておりまして、航空機ですと千四百八十二グラム、こんな感じになっております。営業トラックと比べますと、鉄道は七分の一、船舶は四分の一ということになりまして、鉄道、船舶は環境に優しい輸送モードと、こんなことが分かる状況になっております。
  140. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 大臣がいらっしゃらないと、ちょっと質問の順番を変えざるを得ないんで。  今物流のお話をさせてもらいました。今度、人の輸送ということで、いわゆる自家用車であるとかバスあるいは鉄道、この辺りについての二酸化炭素排出量というのはどうなっているのか、まずお聞きしたいと思います。
  141. 榊正剛

    政府参考人(榊正剛君) やはりこれも二〇〇五年のデータということに相なりますが、人の移動でございますけれども、人を一キロ運ぶのに排出するCO2ですが、自家用乗用車が百七十三グラムでございまして、航空機が百十一グラム、バスは五十一グラム、鉄道は十九グラムというふうになっております。先ほどと同じようにトラックと自家用車ということで、自動車ということですので、自家用乗用車と比較しますと、バスは十分の三、鉄道は九分の一という形の低CO2型の輸送機関と、こんな状況でございます。
  142. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 ということで、やはりCO2の削減、地球環境問題ということを考えたときには、やはりできるだけ環境負荷の低いものにシフトしていく、いわゆるモーダルシフト、複合一貫輸送というか、というところに進めていく必要があるんだろうと。これは以前から国土交通省もずっと言ってはいるんだけど、なかなかそこのところが進んでいかないかのような気がしてならないんですね。  特に最近では、いわゆるフードマイレージという言葉があるとおり、いわゆる食料品、食品を運ぶ、そのためにどのぐらいのCO2が出るのかということを表したものでございまして、簡単に言えば十トン当たり、十トンのものを五百キロ運べば五千トンキロメートルということになって、日本のフードマイレージを考えると九千億トンキロメートルというふうに言われております。これはアメリカの三倍、韓国の三倍、イギリスの五倍という非常に高いものでございまして、これは食料自給率が低いから外から運んでこなきゃならないということもあるんでしょうし、日本の食生活が随分変わって、美食家が多いというのか雑食家が多いというのか、とにかくほかの国と比べると非常に多くの食材が入り込んできているということとか、そういうことを含めて考えないといけないことではあるんですけれども、やはりフードマイレージを低くしていくということも、いわゆるモーダルシフトを進めるということも必要なんだろうというふうに思うんですけど、その辺り国土交通省としてどういう施策、お考えになっていらっしゃるんでしょうか。
  143. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 食料自給率が四〇%を切って三九とか言われると、残りは全部外国からいわゆる外航海運によって運ばれているわけでございまして、本当に長い距離を。ですから、我々が食べる食料が長い距離を運ばれている、フードマイルが物すごく長い、もう御指摘のとおりでして、そのような発想から我々としても今後も考えていかなきゃならないと思います。  このフードマイレージにつきましては、我が国のように食料自給率の低い国は大きな数値となるものと思われますが、この点については単なる輸送部門の問題だけではなしに、少なくとも国内における食料輸送に関するモーダルシフトやあるいはトラック輸送の効率化等、民間における様々な取組を幅広く支援をして、そういう意味でできるだけ短くする。それから、もちろん農業政策とかそういうものにもう深くかかわる問題であろうというふうに思いますが、国土交通省といたしましては、今申し上げたように、日本の四千トンキロですか、それに米国の五百トンと、これはもう八分の一ですかね、そういうことを考えたときに、やはりこれは国を挙げて取り組まなきゃならない問題だろうと思います。
  144. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 物流の面ではそういうことで、多分輸送だけの問題ではないということも承知しておりますけど、それだからといってほうっておくわけにもいかないだろうというふうに思います。  それで、人の流れ、人流のことを考えても、やはりマストランスポーテーションというのが、先ほど渕上先生からのお話がありましたが、路線バス、地方鉄道というのがどんどん、マイカーが増える、そちらが便利になればなるほど逆に言うと公共交通機関というのが不便になっていくという、そういう相反する結果になっているわけでございますので、そこの辺りも、いわゆるマストランスポーテーションの見直しというか、そちらへの整備あるいはそちらへの重点的な予算配分、施策を打っていくということも必要なのかなというふうに思うんですけれども、その辺りについては、先ほど物流のお話ししましたが、今度は人の流れとしてマストラへ転換するような、大きく転換するような、あるいはもちろん車は便利ですから、それをいわゆるTDM、交通需要マネジメントなんかも含めてちょっとそこを総合的に考えていく必要というのはあるんだろうと思いますけど、その点について御所見いただけますか。
  145. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 旅客分野の交通体系、これは各交通機関の連携と競争を通じた利用者の自由な選択を反映して形成されることが原則ではありますけれども、これは地球温暖化対策の観点からは、低公害車、単体の開発普及ですね、低公害車の開発普及、それからまた渋滞対策等交通の円滑化、あるいは鉄道等環境負荷の小さい交通機関の整備等による公共交通機関の利用促進など様々な施策を講じていかなければならない課題だというふうに思います。また、そのような観点から我々としては国土交通行政を進めているところでございます。  さらに、国土交通省では昨年十月に施行されました地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の活用等によりまして、地域のバス交通や地方鉄道の活性化やバスの定時性、速達性の向上、乗り継ぎの改善など地域の取組について総合的に支援することといたしております。今後とも環境に優しい交通体系の構築に向けて積極的に取り組んでまいらなければならないと、このような覚悟でおります。
  146. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 本当は観光の方も質問したかったんですが、ごめんなさい、観光はこの後、観光庁とか観光圏とかいろいろありますのでそういった中で質問させていただくとして、最後までちょっと交通のことだけで、あと四分ですので、質問させてもらいたいと思いますが。  今日の午前中からのいろんな答弁を聞いておりますと、コンパクトシティー、いわゆる何といいますか町中居住というか、その辺りについての取組もされると。これも、要するに移動というのはある地点からある地点に移動するから交通というのは必要なんだけれども、そこに移動する必要がなければ、あるいは移動する回数が減れば交通というのの量というのは減るということを考えると、そのコンパクトシティーなり町中居住ということになってくれば、むしろ徒歩とか自転車とか、そういうところの頻度が多くなるということになると、そこもCO2の削減にも多分役に立ってくるんだろうというふうに思うんですけれども。  最後にちょっと一つお聞きしたいのは、いわゆる道路中期計画の見直しということで、この間、冬柴大臣が我が党の平野委員質問の中で、高規格幹線道路については平成十七年度の道路交通センサスをベースとしてそれを見直しますよというお話をいただいたと思っております。ですから、そこのところのちょっと確認を一つさせていただきたいということと、そういう解釈でいいのかどうかということと、もう一つ道路中期計画というのは基本的には今までの今後の人口の予測であるとか、そういうことも含めてだと思いますけれども、いわゆるトレンドを伸ばしていく、今までのあったものをそのまま伸ばしていって、現時点の交通量なりをそれに加味した形で十年後あるいは五年後、十年後というのを見出していくという需要量、交通量を想定していくという考え方でいいのかどうか、この二点ちょっと確認をさせていただきたいと思うんですが。
  147. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 前の部分道路中期計画素案、これですけれども。その中には百八十七の道路の区間についてのBバイC等が書かれております。それだけではなしに外部も。これはこのままでございます。なぜならば、これを書き換えるということではありません。こうじゃなしに、今後まずは整備する道路についてその時点で、整備を始める時点で最も新しい交通センサス及びそれに基づく交通予測、将来予測ですね、そういうものを用いてもう一度BバイCをきちっと測り直しますということが一つです。  それからもう一つは、これ参議院の予算委員会に来てから野党の委員質問に答えて私は、現在、現在整備工事中のものについても行いますということを申し上げました。これが付け加えた。ですから、ここに書かれたものはなぜこれが作られたかといいますと、もう御案内のとおりですけれども、要するに暫定税率維持しながら道路を造っていくかというときに、その御負担をお願いするわけですから、それに対する受益というものを明らかにしなきゃならない。それは真に必要な道路を造りますだけではそれは説明にならないから、もう少し具体的な姿が見えるように作らなきゃならないということを私が申し上げたわけです。  それを作るんであれば平成十九年中に作れと、こういう話になったわけです。したがいまして、これはもう春から始まっていますけれども、十九年の春から作業をずっとやっているわけですけれども、十九年の十一月十三日にその約束に基づいて作ったものです。したがって、そのときに最も新しい交通センサスとかあるいは交通の将来予測というものは平成十一年のセンサスであり、十四年のこの将来予測が使われているわけで、それがその時点では最も新しいといいますか、最もそのものがそれなんでございまして、したがってこれはそれに用いて作ったわけでございます。これはこの中に書かれています。  したがいまして、これを書き換えるということではなしに、これから着手するもの、あるいは今工事中のものについてもBバイCをもう一度新しい資料で取り直しますということを約束を申し上げたということがその前者の問題でございます。後者は何だったかな。
  148. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 ですから、その交通量は今までのトレンドというものを、それをそのまま生かしていくような形で交通量需要がされるかどうかということです。
  149. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 将来交通量予測というのは、従来のトレンドで直していくものではございません。これは新たな問題として、最近は女性あるいは高齢者も免許取得者が非常に増えているんです。それが一つ。  それからまた、都心、特に首都圏等では都心居住というものが非常に多くなりまして、そしてそういう人たちが道路を車で使わない、いわゆる公共交通使われる方が増えると、こういう問題と、また地方は、先ほど来いろいろ議論がありましたけれども道路を使う人たちが多いわけでございますが、乗っている時間が非常に長くなっているということとか、そういうものがいろいろと組み合わさっておりますので、将来の交通予測するためには、こういうようなものも加味したもので測らなければならないということがあるわけでございます。
  150. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 五秒、五秒だけ。
  151. 吉田博美

    委員長吉田博美君) 五秒。どうぞ、言ってください。特別、特別。
  152. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 済みません。  やはり新しいいろんなテーマ、想定できるものが、要因が出てくると思います。先ほどモーダルシフトを進めますよと言ってあれば、モーダルシフトを進めたときにどうなるのかということを加味してやはり交通量というのはつくっていくべきであろうというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。  ありがとうございました。
  153. 西田実仁

    ○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。  まず、今日は二つほどお聞きしたいと思っておりまして、一つは利根川水系の堤防強化事業について、そしてもう一つは生活道路につきまして、二点お聞きしたいと思っております。  一昨日でございましたけれども政府の中央防災会議におきまして専門会議が開かれました。そこで、利根川が決壊した場合にどのような影響を与えるのかという、国内では初めての堤防決壊による被害想定というのが行われたわけであります。  そこでは、カスリーン台風並みの大雨が降った場合に堤防が決壊し一都五県に対しまして大変な大きな影響を与える。最悪六千三百人の水死というような衝撃的な被害想定というものが出されました。二百年に一回とされるような大変な雨、三百二十ミリを超えるような雨ということを想定して、六か所の地点で、私地元は埼玉でございますけれども、埼玉の大利根町なども含めて六か所決壊した場合にどういうような影響があるのかということが推定をされたわけでございます。このうち、埼玉県の大利根町で仮に堤防が決壊した場合に、首都圏での死者数というのは最大四千五百人になると、こういう数値が出されました。  私は平成十六年に初当選をさせていただきましたが、その翌年の十七年三月に行われました予算委員会におきまして、当時北側大臣でございましたけれども、北側大臣に対しまして、この大利根町また栗橋町といった埼玉の地点で、利根川中流域になりますが、ここが決壊した場合、大変な被害が起きるということで、大臣からは、そうした利根川中流域というのは本当に急所のところである、またしっかりと重点的に整備しなければならない、また緊急的な対策としてしっかりやろうと、こういう御答弁をいただいたわけでございます。  そして、そのときに作られましたパンフレットが手元にございますけれども、カスリーン台風の悲劇を繰り返さないようにと、こういうことで作られた平成十六年のパンフレット、ここを見ますと、首都圏氾濫区域堤防強化事業と、こういうふうにタイトルが付いてございまして、そのはんらんした場合の被害額は三十三兆円、これは埼玉のみならず東京また首都圏、一都五県にまたがる大変大きな被害が起きると、そういうパンフレットになっておりました。  そのパンフレットの中の一部分でございますけれども、首都圏氾濫区域堤防強化事業ということで、ここの重要度があり、平成十六年度からおおむね十年をめどにこの堤防強化事業を行っていくという記載に加えて、特に破堤した場合の被害が大きくなる東北自動車道から下流の区間については五年間をめどに緊急的に整備を実施すると、こういう、特に利根川中流域で緊急度が高いところについては平成十六年から五年をめどにして堤防強化事業を行うと、こういう記載が平成十六年版のパンフレットにはあったわけでございます。  ところが、最近私も知ったことなんですけれども、このパンフレットには平成十九年版というのがあるらしくて、この平成十九年版を見ますと、今申し上げました特に東北自動車道から茨城県の五霞町に至る利根川中流域、緊急的に整備を要すると平成十六年版のパンフレットで出されていた地域についての記載がすっぽり抜けておりまして、結論的に残ったものは、平成十六年度からおおむね十年間をめどに整備を行うという記載のみが残ったわけでございます。  まず最初にお聞きしたいと思いますが、この平成十六年版また十九年版とで異なっておる記載、特にめどを五年間、十年間という、五年間と決めていた緊急的に整備すべきところを外して全体を十年間というふうに変化があった、変わった理由は何なのか、河川局長にお聞きしたいと思います。
  154. 甲村謙友

    政府参考人(甲村謙友君) お答え申し上げます。  御指摘の利根川の首都圏氾濫区域堤防強化対策事業でございますけれども、はんらんすると首都圏まで利根川の水がはんらんしてくる、利根川中流部の右岸五十キロにつきまして堤防拡幅によって治水安全度の向上を目指すものでございます。十六年度から事業を開始しておりまして、そのうち特に対策が急がれる埼玉県羽生市の東北自動車道から茨城県五霞町までの間、約二十四キロを緊急箇所に位置付けまして早急に整備すべきと考えていたところでございます。  事業に入りまして、地域の方々の十分な御理解を得るために百二十回に及ぶ全地区における説明会の実施やまた農地転用手続に不測の時間を要したことから、二十年三月現在、完成しています箇所は延長で一・四キロでございますけれども、説明をしました結果、現在全地区においておおむね事業の御理解をいただいたところでございますので、地域の皆様の御理解と御協力を得ながら、現在全地区で用地調査、用地買収、工事を進めているところでございます。
  155. 西田実仁

    ○西田実仁君 要するに、当初五年間でやろうと思っていたという、緊急的に整備すべきところについて住民の意向を確認をして丁寧にやっていただいているということの説明でありましたが、これがこの五年間という緊急的に整備すべきところというのは何か変わったということなんですか。五年間ではできないということになったんでしょうか。
  156. 甲村謙友

    政府参考人(甲村謙友君) お答えいたします。  当初、事業を始める十六年度の当初は五年間でやりたいという意気込みを持っておったわけでございますけれども地元の皆様の御理解を得るための説明あるいは移る際の農地転用に時間が掛かりましたので、現段階では当初申しました五年間では難しいと考えておりますけれども、いずれにいたしましても緊急を要する箇所でございますので、皆様方の了解をおおむね得られておりますので、今後更に集中投資、ピッチを上げてやっていきたいと考えております。
  157. 西田実仁

    ○西田実仁君 まさにこの地域は当初から緊急的に整備を要するところという、その被害想定が大きくなるということ自体は変わっていないということですよね。変わっていないわけですから、これはスタートが農振の転用ということの手続も一年に一回しかないとか様々手続上の問題も、スタートを切るのが遅くなったというのは理解できますけれども、しかし、緊急に整備を要するという客観条件は何も変わっていないわけでありますので、これはもう本当にスピードを上げて進めていただかないと、万が一の場合に、優先すべきと言っているにもかかわらずカスリーン台風並みの大雨が降った場合に、スタートが遅れたから間に合わなかったと、決壊してしまったと、それで災害の死者がこんなにも出るというようなことがあってはならないと思うんですね。  そういう意味では、そのスタートは遅れたかもしれませんけれども、しかし、中央防災会議が想定しているように、被害が大変起きる可能性のある危険な箇所であるので、緊急的に整備する具体策を是非ともこれ考えなきゃいけないと、そしてそれを強力に進めなければならないと、こう思いますが、もう一度御答弁ください。
  158. 甲村謙友

    政府参考人(甲村謙友君) お答え申し上げます。  当該箇所でございますが、昭和二十二年のカスリーン台風で実際利根川の堤防が破堤しておりますし、先生おっしゃるように、一昨日の中央防災会議の大規模水害対策に関する専門委員会の想定におきましても、その箇所が切れると首都圏まで、東京まで水が来るという非常に大事な箇所でございます。  緊急箇所二十四キロにつきまして、厳密な事業管理、事業マネジメントを行いまして、地元の皆様の御理解と御協力を得まして、集中投資を行ってできるだけ早期に完成させるべく頑張ってまいりたいと考えております。
  159. 西田実仁

    ○西田実仁君 是非集中投資して早く完成してほしいと。  いつまでに完了するという意気込みなのかということを御答弁いただきたいことと、あわせて、集中投資をするんですけれども、万が一の場合に、今すぐできることが何かあるんじゃないかと。そういうことも含めて是非御答弁をもう一度いただきたいと思います。
  160. 甲村謙友

    政府参考人(甲村謙友君) お答え申し上げます。  先ほどの埼玉県羽生市から茨城県五霞町までの緊急箇所、約二十四キロでございますけれども平成十六年度の事業を開始しております。今、既に四年たっております。残りあと五、六年で完成させたい、それ以内で完成させるべく頑張ってまいりたいというふうに思いますし、また実際、洪水が出た際には、水防団の活動、それには、大臣の所信でも申し上げましたけれども、万一の場合にテックフォース、緊急災害援助隊等をもちまして被害拡大を防ぎたいというふうに考えております。
  161. 西田実仁

    ○西田実仁君 この堤防強化、川表と川裏とありますけれども、集中投資して堤防強化をしていくには四年から六年というお話がございましたが、あわせて、この川表の方をやはり緊急的にも、万が一のことを考えて大規模な堤防強化とはまた別にやるべきことがあるんじゃないかと、こう思います。もう一度、最後、お聞きします。
  162. 甲村謙友

    政府参考人(甲村謙友君) お答えいたします。  この堤防強化対策は、堤防の川側の補強と、それから堤防の農地側、市街地側の補強、両方やる予定でございます。市街地側の補強をやる際には用地買収が必要でございますけれども、先生おっしゃるように、緊急に必要な箇所につきましては、用地買収の必要のない川表側、川側の補強を優先してやってまいりたいとも考えております。
  163. 西田実仁

    ○西田実仁君 是非、万が一のことを考えて優先整備ということが既に政府の中央防災会議で言われているわけですので、是非実行してもらいたいと思います。  もう一つ、最後でございますけれども、町道、生活道路についての御質問でございます。  先ほど道路の問題がございましたけれども、様々、道路予算がばさばさ切っているとさっき大臣が言っていましたけれども余り切られ過ぎてしまって、幹線道路が、ネットワークが未完であるということによって小さな町の町道、生活道路に大変大きなしわ寄せも来ているということを最近、私は地元の松伏町という町がございまして、そこの町道を見たときに大変実感いたしました。  その町道は大変に傷みが激しくなっておりまして、そもそも町道ですから生活道路でございます。その地域はゆめみ野という名前も付いているぐらい非常に名前もいい、生活環境のいいところでございますが、そこに住んでいる住民の方々は毎日が震度三あるいは震度四と驚くほど、大型車がとにかく振動が激しい。大型トラックが確かに行き交っておりましたし、道路はもう陥没しかけてひびが入っているところが何か所もあると。修繕は部分的オーバーレイで対応せざるを得ないと。  町道ですから本来は生活道路で、こうしたことは起きにくいわけでありますけれども、なぜこうなっているのか。それは、近くを通る東埼玉道路という道路がございますが、この側道がまだ部分開通でございまして、そのネットワークが未完なために、国道四号線に出るために、まだ未完ですから、その町道を通って、本来は国道四号線に出るためには東埼玉道路が完成していれば町道を通らなくてもいいんですけれども、通り抜ける道として町道を生活道路を大型車が通過しているわけでございます。  事実、この交通量は平成十六年当時の七倍、大型車の混入率は全国平均よりも高い二八%もあると。そのうち東埼玉道路からの通過車両、通過するだけの車両が日に四千台もある、車両通過のうち大型車両はその五割を占めると。その結果、事故は大変に多くなっておりまして、松伏町平均の事故の十八倍もあると。人身事故の発生件数も年二十八件も起きていると。  さらに、この傷んだ町道の修繕に多額の費用が掛かっておりまして、大型道路が通るものですから、道路延長当たりの管理費を比較しますと、この町道七号線ですけれども、管理費はほかの町道の四十五倍も掛かっているということでございました。もう町には予算がないものですから、今や黄色い、減速のお願いという、減速走行という看板を立てるのみしかできないと、こういう状態に今なっているわけでございます。  こうしたことは、決してこの町だけではなくて、他にも当然起きていることだろうというふうに思っております。具体的にこの町道について、激しく傷んだ町道の修繕方針についてどう考えているのか、また、国としてどういう支援をするのかということでまずお聞きしたいと思います。
  164. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) お答え申し上げます。  委員指摘のように、平成十七年、東埼玉道路がこの町道の付近で部分開通しましたので、大型車の交通量が約三十倍増えたという状況でございまして、その結果、御指摘のように舗装の損傷が激しくて、騒音、振動あるいは交通事故という諸問題が発生しているというふうに認識しております。  町道の管理者でございます松伏町は、平成十九年十二月、昨年の十二月に舗装修繕を行うための準備に入られておりまして、そのための損傷状況調査、あるいは修繕のための設計を行うために、地方道路整備臨時交付金、こういうものを今年度申請されて、実際、八千万の事業で行われてございます。  今後、この詳細設計が行われますと、来年度に向けて実際の舗装修繕の工事に入られる予定と聞いております。平成二十年度におきましても町から引き続き臨時交付金の御要望がありましたら、国土交通省としても積極的に御支援をしてまいりたいと考えてございます。
  165. 西田実仁

    ○西田実仁君 是非、この新しくできる交付金によって、やはりこうした、町に何か責任があるんであれば別ですけれども幹線道路が未完であるということでそのしわ寄せが小さな町に来て、生活道路が大変な状況になっているということを御理解いただき、国としてもできる限りの支援をすべきであるというふうに思いますが、根本的には、でも東埼玉道路というこの未完のネットワークをどう今後つくっていくのかということが問われておりますし、予算のない中で、しかし側道だけでも例えば規格を縮小するなりしてでも完成させていくと、完了させていくということがこうした小さな町の生活道路にしわ寄せを行かせないということにつながってくるんだろうというふうに思っております。  最後に大臣に、こうした東埼玉道路につきまして、整備促進ということについてお聞きしたいと思います。
  166. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) いや、もう何回も陳情を受けておりますので私の頭の中に入っておりますが、本当に大型車両がそういう小さいところへ入っていって道を壊す、生活を乱す、こういうことで、非常にこの東埼玉道路、国道四号、これを早く整備をしてほしいということの陳情を再々にわたって受けているところでございますが、現在はまだ調査中ということでございますので、この必要性は私もよく認識しておりますので、是非調査をし、そしてまた、県におかれまして都市計画決定をし、環境アセスをして、その上で我々ということでございます。我々も積極的に取り組ませていただく。困っておられることよく分かっておりますので、よろしくお願いします。
  167. 西田実仁

    ○西田実仁君 終わります。
  168. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。  離島における生活交通でありますバスの運営が大変疲弊しているわけでありますが、したがって、そこで少し大胆なことになるかもしれませんが、無税にするとか、多少補助金をもう一回見直すというようなことをやって離島のバスを守ってもらいたいと思うのでありますが、その点いかがでございましょうか。
  169. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私も離島振興、特に奄美群島振興とか小笠原群島振興とかいうことがありまして、離島はいろいろと行かせていただいておりますが、その離島の船ですね、船の問題とその島の中のバスの問題、非常に重要だと思っております。  そういうことから、昨年の末には、十九年度の補正には、私も一生懸命頑張りまして五億四千八百万の補正を、バスの運行のための補正をいただきましたし、あるいは二十年度には七十三億五千万という相当大きな予算を今お願いしているところでございます。  したがいまして、こういうものを通じて、是非離島の方々の足を守るということは大きな使命だと思っておりますので、よろしくお願いします。
  170. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 よろしくお願い申し上げたいと思います。  次に、タクシー問題についてお伺いしますが、規制緩和以降深刻な状況が生まれておることについては大臣十分御理解のことだと思います。したがいまして、規制緩和と相まって、いわゆる結果として出てきた供給過剰状態が高進をしておりますし、値下げ競争が進んでおります。運転手の賃金は相変わらず低いし、労働条件は悪いということについては変わりがありません。格差社会の象徴的な問題として当時取り上げられました。  これに対して、やはり地方の経済も疲弊していることもありまして、地方自治体から何か対策を講ずるべきではないかということで、先日は新潟県知事がわざわざ上京されて陳情、要望されていると聞いております。岩手県では、県議会で、県内の多くのタクシー業者の深刻な問題についてタクシー規制緩和の見直しを求める意見書というのが採択されたと聞いておりますが、大臣は御存じでございましょうか。
  171. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) もちろん私も、私あてに岩手県議会議長より提出されたものでございまして、内容も存じ上げております。  地域のタクシー事業が著しい供給過剰状態にあり競争が激化している中、運転者の労働条件の悪化、あるいは安全への懸念を招いているとして、需給調整規制の復活や同一地域同一運賃の実施など、平成十四年に実施した規制緩和の見直しを求めるということが述べられていると認識をいたしております。
  172. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 今お答えになりましたように、そういう要望が出ていることに対して、国土交通大臣としてどのようなお考えで、どのような政策を実施しようとしているか、聞きたいと思いますが。
  173. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) この十四年の規制緩和、これにはいろいろな面が、光と影があると思いますが、規制緩和後のタクシー事業につきましては多様な運賃、例えば定額運賃とか、大阪では五千円超えれば一万円でも超えた分は半額にする、七千五百円で走るというようなものが出てきたり、コインタクシー、五百円で走るタクシーとか出ていますが、高齢者割引も行われております。それから福祉タクシー、これは非常に増加いたしました。十三年度末では二千三百三十七台でございましたが、十八年度末には一万五百八十台に増えておりまして、そのように利用者にとって一定の成果が現れているものと考えておりますが、他方、長期的に輸送需要が減少している中で運転者の労働条件の悪化、これは目を覆うばかりのものでございますが、問題が生じております。  国土交通省としては、緊急調整地域の指定基準を見直しまして、その結果、本年一月から、いわゆる二千台だったものが千台増えた仙台ということで、仙台市を緊急調整地域に指定いたしました。従来の特別監視地域制度を大幅に見直し、安易な供給拡大を抑制する措置を試行的に導入するなど、規制緩和後に生じた問題に対し適時適切に必要な対策を講じているところでございます。  また、昨年の運賃改定を契機といたしましてタクシー事業をめぐり様々な議論が出されたことを受けまして、本年二月より年内に結論を得ることを目途に交通政策審議会の場で今後のタクシー事業在り方について御審議をいただいているところでございます。この場においても御指摘の御意見書にあるようなタクシー事業の規制の在り方について審議をいただくこととなるものと考えておりますが、いずれにしろ、規制緩和の良い点は生かしながらマイナスの面の是正を図っていく必要があると考えているところでございます。
  174. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 その点はひとつよろしくお願いを申し上げておきたいと思います。  次に、航空安全の確保の問題についてお伺いをいたしますが、今年に入りまして航空管制をめぐるトラブルが三件発生をしております。いずれも管制官の指示に反して航空機の滑走路誤進入、離着などが行われたわけですが、これはやはり管制官と乗務員の交信ミスが主な原因ではないかと思いますが、しかし一方で、その背景にあるものは、やはり発着回数の増加、それから過密化する空港が一般機をさばく余裕がだんだんだんだんなくなってきているんじゃないかという実情があるのではないかというふうに思われますが。  そこでお伺いしますけれども、実際、この間の発着回数が増えているかどうか、この十年間の発着回数と管制官の人数、ともに発着回数の多い空港、それから上位十空港で結構ですが、発着回数の伸び率と管制官の人数の推移についてお知らせいただきたいと思います。
  175. 鈴木久泰

    政府参考人鈴木久泰君) お答えいたします。  十年前と比較して空港の発着回数と管制官の人数の変化でございますが、平成九年の全国の空港の発着回数の合計は約百七十七万回でございまして、これに対しまして平成十八年、十九年はまだ確定値がありませんので、平成十八年は約二百三万回ということで、一五%の伸びとなっております。また、管制官の人数は平成九年が千七百五十名で平成十八年は千九百七名となっておりまして、約九%の伸びとなってございます。  そのうち、発着回数が最も多い羽田空港につきましては、平成九年が二十二万回、平成十八年が三十二万四千回でございまして、四八%の伸び、管制官の数でいきますと、平成九年が百三十五名で十八年は百三十九名と、三%の伸びになってございます。  二番目が成田空港でございまして、これが平成九年が十二万五千回、平成十八年は十九万回で、五二%の伸び、管制官の数は平成九年が九十七名で、十八年は百二十三名となっておりまして、二七%の伸びとなっております。  羽田の方の管制官の伸びが少のうございますのは、滑走路三本はそのまま数は変わっておりませんのでそれほど伸びておりませんが、成田の方は御承知のように平成十四年に暫定平行滑走路ができまして一本が二本になりましたので、その関係で管制官の数の伸びが目立っております。  以上でございます。
  176. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 今お話ありましたように、やはりここ十年間の発着回数は飛躍的に伸びておりますけれども、管制官の数は余り伸びていないというか、余り変わらないというのが実情でございます。  したがって、この間のやはり管制トラブルが発生をしている空港では、新千歳それから関空、中部国際などの発着回数が特に今も報告ございましたように多い空港ばかりでございますので、一歩間違えば大変な重大事故になるわけでございまして、これらのことに対して国土交通省の対応、対策についてお伺いをいたします。
  177. 鈴木久泰

    政府参考人鈴木久泰君) お答えいたします。  関空、中部、新千歳で起きましたいわゆる滑走路の誤進入事案につきましては、発生に至る原因、背景等がそれぞれ異なっておりますので、航空局としてはその都度パイロットと管制官のそれぞれに対して、交信内容に疑義がある場合の確認の徹底、管制指示に対する復唱の確認の徹底等、速やかに対応措置を講じてきたところであります。  また、全体として、現在、航空局におきまして滑走路誤進入防止対策検討会議を設置いたしまして、現場のパイロット等の実務者の意見も聞きながら更なる改善策を取りまとめていろいろと検討を行っているところでありまして、今月中にもその取りまとめを行うこととしてございます。
  178. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 事安全に関する問題でございますから、どうかひとつ慎重に確実にやっていただきたいと思います。  先般、気象庁が毎日二回、気球を使って上空の風や気温などを測っている全国十八か所の高層気象観測網のうち、仙台と那覇の二か所は三月いっぱいで観測を打切りを計画しているという報道がございました。気象庁は二か所の観測打ち切っても全般的な影響はないと言っておりますけれども、これはあくまで気象業務の上のことでございまして、航空関係者においては観測データがなくなるとやはり飛行中の強い揺れに備えたり危険な空域を避けたりする上で支障があると述べております。特に、仙台空港、仙台の上空は大気の状態が複雑で、パイロットの皆さんは大変気を遣っているところであるというふうに言われております。観測データがなくなることへの不安が述べられております。  パイロットが心配しているわけでございますが、このようなことを廃止するということは、安全を担保する上では大切な観測だと考えますが、気象庁は別にいたしましても、国土交通省の考えはいかがでございましょうかね。とりわけ航空の安全問題にかかわるそういう観測の問題でありますから、予算上で六千万円、年間ですね、というふうにも聞いておりますし、安全と引き換えるなら六千万円ぐらいの金額問題ではないと思うんですが、その点いかがでございましょうかね。
  179. 鈴木久泰

    政府参考人鈴木久泰君) お答えいたします。  委員指摘のとおり、気象庁では全国十八か所でラジオゾンデというのを打ち上げまして高層気象観測を行っておりますが、そのうち仙台と那覇の二か所につきましては本年度末で打ち切るということを伺っております。残りの十六か所はそのまま継続ということでございます。  ただ、気象庁におきましては、電波を使用した地上施設による観測や航空機等から入手する観測データを統合的に解析する新しいシステムの導入を進めて詳細な気象の把握が可能となっており、引き続き航空の安全運航に必要な情報の提供がなされると聞いておりまして、私どもも今エアラインから聞いている限りでは、この二か所の廃止によって特段の問題は生じないのではないかというお話を伺っているところでございます。
  180. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 他のところは廃止しないと言っているわけですよ。ここだけ廃止すると。将来とも廃止しないのかと言ったら廃止しないとこう言っているんで、やはり必要ではないかと思うんですが。  大臣、どうですかね。そこら辺り再検討してみて、安全運航が絶対大丈夫だというようなことは、私、やらないと、パイロットが心配しているということになるとそこ問題だと思うんですが、その点いかがですかね、大臣
  181. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 気象庁とよく相談してみます。
  182. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 終わります。
  183. 吉田博美

    委員長吉田博美君) 以上をもちまして、平成二十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、国土交通省所管についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  184. 吉田博美

    委員長吉田博美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十五分散会