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2008-04-24 第169回国会 参議院 厚生労働委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十年四月二十四日(木曜日)    午前十時三分開会     ─────────────    委員異動  四月二十三日     辞任         補欠選任      姫井由美子君     大島九州男君  四月二十四日     辞任         補欠選任      大島九州男君     風間 直樹君      中村 博彦君     佐藤 正久君      若林 正俊君     塚田 一郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         岩本  司君     理 事                 家西  悟君                 谷  博之君                 蓮   舫君                 衛藤 晟一君                 渡辺 孝男君     委 員                 足立 信也君                 大河原雅子君                 大島九州男君                 風間 直樹君                 小林 正夫君                 櫻井  充君                 津田弥太郎君                 中村 哲治君                 森 ゆうこ君                 石井 準一君                 石井みどり君                 岸  宏一君                 佐藤 正久君                 島尻安伊子君                 塚田 一郎君                 中村 博彦君                 西島 英利君                 南野知惠子君                 山本 博司君                 小池  晃君                 福島みずほ君        発議者      谷  博之君        発議者      中村 哲治君        発議者      櫻井  充君        発議者      森 ゆうこ君    委員以外の議員        発議者      金子 恵美君    衆議院議員        修正案提出者   大村 秀章君    国務大臣        厚生労働大臣   舛添 要一君    副大臣        厚生労働大臣  西川 京子君        厚生労働大臣  岸  宏一君    事務局側        庶務部長     古賀 保之君        常任委員会専門        員        松田 茂敬君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官        兼厚生労働大臣        官房技術総括審        議官       上田 博三君        警察庁長官官房        審議官      五十嵐邦雄君        外務大臣官房地        球規模課題審議        官        鶴岡 公二君        文部科学大臣官        房審議官     田中  敏君        厚生労働省医政        局長       外口  崇君        厚生労働省健康        局長       西山 正徳君        厚生労働省医薬        食品局食品安全        部長       藤崎 清道君        厚生労働省労働        基準局長     青木  豊君        厚生労働省職業        安定局長     太田 俊明君        厚生労働省雇用        均等・児童家庭        局長       大谷 泰夫君        厚生労働省保険        局長       水田 邦雄君        農林水産大臣官        房審議官     谷口  隆君        経済産業大臣官        房技術総括審議        官        塚本  修君        経済産業大臣官        房審議官     稲垣 嘉彦君        経済産業省製造        産業局次長    照井 恵光君        資源エネルギー        庁電力ガス事        業部長      西山 英彦君        中小企業庁次長  岩井 良行君     ─────────────   本日の会議に付した案件政府参考人出席要求に関する件 ○社会保障及び労働問題等に関する調査  (新型インフルエンザ対策に関する件)  (感染症対策における人権の尊重に関する件)  (米国産輸入牛肉安全性に関する件)  (労働者派遣制度の見直しに関する件) ○感染症予防及び感染症患者に対する医療に  関する法律及び検疫法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○障害者自立支援法及び児童福祉法の一部を改正  する法律案(第百六十八回国会谷博之君外六名  発議)(継続案件)     ─────────────
  2. 岩本司

    委員長岩本司君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、姫井由美子君が委員辞任され、その補欠として大島九州男君が選任されました。     ─────────────
  3. 岩本司

    委員長岩本司君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省健康局長西山正徳君外八名の政府参考人出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 岩本司

    委員長岩本司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 岩本司

    委員長岩本司君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 家西悟

    家西悟君 皆さん、おはようございます。本日も座ったままで質問させていただくことをまず各委員先生方にお許しいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。  それでは、本日は、二十一世紀感染症時代だという認識で、迫りくる新型インフルエンザ対策及びHIV結核マラリアなど、三大感染症問題を中心質問をさせていただきます。  これらの質問をする前に、肝炎問題に関連して一つだけ質問します。今年四月から実施されています厚生労働省肝炎総合対策におけるキャラクターについてです。各厚生労働委員先生方御存じでしょうか。お手元に配付しているものです。検診、肝炎治療パンフレット医療費助成説明など各方面に登場します。何も感じない方が多数だと思いますが、肝臓病を長く患い、治療に当たっている患者家族への無神経さ、配慮のなさを私は強く感じます。このキャラクターについて、まずは御説明ください。
  7. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 肝炎対策、これはとにかく一人でも多くの方にまず検査を受けていただいて、肝炎であるということが分かれば、この治療費は出ますから治療をして、一日も早くこの治療の実を上げたいと。それで、何とかこの広報を助ける意味で愛らしいキャラクターはないかということで、省内でみんなで知恵を絞って、家西委員キャラクターについてというこの説明にもありますように、肝臓というのは沈黙の臓器で、ほかの臓器だと痛いというのはなるんですけれども、全く痛みを感じない、そういうことでとにかく検査に行ってくださいというようなことで、そういう意味でお作りを申し上げたわけでありますけれども、今委員がおっしゃったように、実際に肝臓を患っている方々に非常に不快な思いをこのキャラクターがするといたしましたら、こちらの本意ではございませんけど、それは大変残念で申し訳ないと思っています。  是非、これは肝炎弁護団の方、それから原告方々とのもう定期協議の場もありますし、実際そういう方々の御意見も賜りまして、こういうマスコットみたいなものは外してしまうか、ただ国民啓発のために、これはたまたま肝臓の形になっているものですからそういうことがあると思いますので、もっと違うキャラクターにするか早速検討させていただいて、特に今肝炎で苦しまれている方々意見を尊重しながら改善を努めてまいりたいと思います。  ただ、元々はそういう、何とか皆さんに受けていただきたいという善意からでのことであったということは御理解いただければと思います。
  8. 家西悟

    家西悟君 あなたたち厚生労働省は、長い間、薬害肝炎を放置してきた、何もやってこなかったんじゃないんでしょうか。また、最高裁で予防接種によるB型肝炎感染の国の責任が明らかになったにもかかわらず、いまだに謝ろうともしていない。先天性患者には同じ製剤を投与したにもかかわらず、救済の対象すらでないという悩ましい問題が残っている。このようにすべての患者が悩んでいる。  また、肝炎インターフェロン治療受給者証らしきものには、これはパンフレットがあります、ここに。(資料提示)何かプレゼントをしたような気分でもおられるんでしょうか。ここに、賞状のようにして、大臣、ちょっとお見せいただいたら。受給者証と書かれて、交付をしますと。そして、賞状のようにして、赤いリボンでくるくると丸めてリボンが掛かっています。  こういう発想、何かプレゼントでもしているおつもりなんですか。これ私は非常に違和感を感じるし、無神経過ぎるということを言っているということも御理解いただきたい。違うんじゃないんでしょうか。プレゼントじゃありません。賞状みたいにして渡されるものなんですかね。ということを指摘をさせていただいているということですので、どうぞ大臣、この件についてどうお感じになりますか。
  9. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 皆さん方のお力もいただいて総合的な肝炎対策第一歩を踏みましたけど、まだ残された課題は山積しております。そういう意味で、今この肝炎原告方々弁護団方々との検証委員会も今立ち上げようとしていますし、そういう意味で、今後更に、これまでの反省の上に立って、きちんとしかるべき施策をやっていきたいと思っています。  そういう中で、こういう今、家西委員がおっしゃったようなそういう配慮に欠けたり、若干、上から何か恵みでも与えるような形でというのはこれは非常によろしくないと思いますので、こういう図のかき方を含めて、きちんと襟を正して、今後、これまでの反省の上に立って、さらに肝炎対策、そのほか薬事行政についてきちんとした展望を開いてまいりたいと思います。
  10. 家西悟

    家西悟君 是非とも再考していただきたいとお願い申し上げます。  二十一世紀感染症時代と言われています。世界では、HIVエイズ結核マラリア感染症だけでも年間六百万人の人々の命を奪っています。政府は二〇〇〇年の沖縄サミットでこの三大感染症への世界的な取組を呼びかけ、その後世界基金が創設され、その基金活動で、この間二百五十万人の人々の命が救われたと聞いています。  そこでまず、世界HIVエイズの現状、世界基金の今年度の活動計画、概要を簡潔にお話しください。
  11. 上田博三

    政府参考人上田博三君) お答え申し上げます。  国連エイズ計画、いわゆるUNAIDS報告書におきまして報告されました平成十九年末現在における世界状況について申し上げますと、全世界HIV感染者数は三千三百二十万人、そのうち子供、これ十五歳未満でございますが、子供HIV感染者数は二百五十万人、年間新規HIV感染者数は二百五十万人、年間エイズによる死亡者数は二百十万人、また地域的傾向でございますが、とりわけサブサハラと言われるサハラ以南アフリカにおける状況が深刻でございまして、HIV感染者及び新規HIV感染者はいずれも同地域が全世界の三分の二以上を占めております。さらに、子供につきましては九〇%が同地域に集中をしていると、このような状況で、大変深刻な状況と考えております。
  12. 家西悟

    家西悟君 舛添大臣、いかがでしょうか。新型インフルエンザにかかわらず、現在は感染症との闘い。私も世界基金日本委員会のタスクフォースメンバーとして活動していますが、日本はこの国際的な保健分野に、特に感染症取組については先進的な指導的な役割を果たしています。それは評価しなければならないと考えています。  そこで、この活動を踏まえて提言したいのですが、この夏、洞爺湖サミットが行われるわけですけれども、環境問題と併せて一層のこの分野主導権を発揮してほしいと考えています。小泉総理は大変熱心だったし、小泉総理時代はアメリカ、フランスに次いで頑張っておられました。舛添大臣総理に御提言してみてはいかがでしょうか。
  13. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) この感染症の問題というのは国際問題の中で極めて大きな問題です。  先般、京都である国際会議開かれまして、私も感染症のパネルに出て発言をさせていただきました。今、委員質問に対して審議官の方からお答えしましたように、とにかく地図で見ますとサブサハラ以南真っ赤に染まる、本当に結核にしろHIVにしろ感染症すさまじい状況であって、これは本当に地球全体の問題であります。そういう意味で、先ほど引用していただいた沖縄イニシアティブ沖縄サミットのときにこれ日本が打ち出して非常に高く評価されて、アフリカ方々ともお話をいたしました。本当に彼らも感謝しております。  そういう意味で、TICADもありますし、洞爺湖サミット、これは政府全体でこういう問題に取り組むべきだと思いますので、総理始め外務大臣と、きちんとこれはサポートしながら今の委員の提案をお伝えしたいと思います。
  14. 家西悟

    家西悟君 是非政府としても取り組んでいただきたいと思います。  次に、質問ですけれども、今国会にも関連法案である感染症予防及び感染症患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律案が提出されています。衆議院でも審議が行われ、本日の衆議院会議で採決がされると聞いていますので、この法律に関連して質問をさせていただきます。  私たち民主党も、いち早くこの法案を成立させ、早急な対策を講じなければならないと考えていますし、医療機関や自治体を始め、国民協力を求めるとともに、何よりも国民の命を守るために、官民の協力はもとより国民一人一人の理解と協力を求めなければならないと思っています。  これらの観点から、まずこの新型インフルエンザ対策について、舛添大臣の御見解をお伺いいたします。
  15. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) これはまさに国家の危機管理として全力を挙げて準備をし、取り組まないといけない問題だというふうに思っています。  全く未知のこの病原体が、それが来る、その感染症により、これも爆発的に非常に毒性の強い症状が現れた場合に、どうして国民を救うのかと。これは、本当に全力を挙げて国のセキュリティーの問題として、国民の生命、財産をどうして守る、そういう観点から全力を挙げて取り組んでまいりたいと、そういうふうに思っております。
  16. 家西悟

    家西悟君 大臣、そもそもこの感染症予防医療法法律正式名感染症予防及び感染症患者に対する医療に関する法律ができたのか、御存じでしょうか。この法律平成十年、一九九八年十月に法律となりました。当時、閣法で出された同法案前文が付きました、これ。党派を超えて作りました。私もその中心の一人として前文作成に深く携わりました。  そこで、伝染病予防法を廃止し、そして八〇年代のエイズ予防法の下で厳しい差別偏見を持たれ、HIVエイズ患者そしてハンセン病患者に対する一世紀以上にわたる差別偏見反省をし、二度とこのような感染症患者へのいわれのない差別偏見が存在しないという、事実を重く受け止め、この法律ができました。  この法律一般法ですが、前文があります。舛添大臣、この前文をお読みいただけないでしょうか。
  17. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) この感染症の問題に関して、患者人権を守る、差別はさせないと、そういう願いがしっかりとこもった前文であります。感染症予防及び感染症患者に対する医療に関する法律前文を読ませていただきます。  人類は、これまで、疾病、とりわけ感染症により、多大の苦難を経験してきた。ペスト、痘そう、コレラ等感染症の流行は、時には文明を存亡の危機に追いやり、感染症を根絶することは、まさに人類の悲願と言えるものである。  医学医療の進歩や衛生水準の著しい向上により、多くの感染症が克服されてきたが、新たな感染症の出現や既知の感染症の再興により、また、国際交流進展等に伴い、感染症は、新たな形で、今なお人類に脅威を与えている。  一方、我が国においては、過去にハンセン病後天性免疫不全症候群等感染症患者等に対するいわれのない差別偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である。  このような感染症をめぐる状況の変化や感染症患者等が置かれてきた状況を踏まえ、感染症患者等人権を尊重しつつ、これらの者に対する良質かつ適切な医療の提供を確保し、感染症に迅速かつ適確に対応することが求められている。  ここに、このような視点に立って、これまでの感染症予防に関する施策を抜本的に見直し、感染症予防及び感染症患者に対する医療に関する総合的な施策の推進を図るため、この法律を制定する。  以上でございます。
  18. 家西悟

    家西悟君 ありがとうございます。  この法律の大きな意味がこの前文にあります。この前文を十分に認識して、感染症予防及び医療、そして感染症患者への人権問題を十分周知し運用してほしいと考えます。  一昨日も与党議員より、もし、いやおれは嫌だと、何でそんなことまでして家にいなきゃならないのかとおっしゃった場合に何か考えられることはあるのか、要するにまき散らしていく可能性があるわけですよね、このような質問がありました。このまき散らすということを聞いて、八〇年代のエイズ予防法時代のことが私は頭をよぎりました。  私は、HIV患者いわれのない差別偏見を受けてきました。例えば、私たち仲間は、診療に行って、入院をされて、病院のベッドで何をされたか。傘の柄で、ちょうど手元にあった傘を取って、その傘で胸元を開いた医師がいます。そして、私たち治療を受けたい、診療をしてほしいと言ったときには、そんな患者が来ると病院はつぶれる、断れというふうに言われて、私たち医療機関にもかかることが難しい状況にもなりました。  そして、発症し入院をさせてほしいという子供さんおられても、病院側は、外来診療は構わないけど入院は困る。そして、そのお子さんは、家で治療を受けるというか、家で寝て、そして生活が厳しいために、その子供さんを家に置きながらお母さんは後ろ髪を引かれる思いで行っていたわけです、仕事に。そして、まくら元には水とバナナを置いて仕事に行く。こういう状況なのになぜ入院させていただけないのかと、何度も何度もお願いをして、やっと入れていただいて一週間後に亡くなったという状況。  そして、まだHIVエイズという問題が多く、広く認識されていないころ、私の仲間も亡くなったとき、伝染病予防法の下に解剖され、そしてひつぎに入れられました。私はひつぎを開けたときに驚きました。ミイラ状態です。顔も全く見れない。そして、ひつぎの上には、ビニールで覆われて、一切開けないでくれ、一級伝染病の扱いです、開けてはいけないと。いや、もう亡くなっています、HIVはそういった空気感染飛沫感染するような病気ではありませんということで、開けてください、顔だけでも見せてあげてください、親御さんにと私が頼んだときに、許されません、それは、ということを言われて、埋葬する、二十四時間以内に埋葬しなければならないということで埋葬しました。  こういったことが現実に起こり得るわけです。そして、患者たちは何をしたのか。正しい知識を持ってほしい、そしてそれしか方法ないんですということをしきりに言って、周り説明をしても言えない社会状況でした。  私たちエイズ予防法のときもそうでした。反対というビラを日比谷公園のところでまかせていただいても、ビラすら受け取ってもらえない。エイズという活字を見ただけで手が引ける、引いてしまう。そして、国会にも要請に来させていただいて、ある秘書さん、与党、今も与党議員でおられる先生の方の秘書さんから聞きました。我々に会っていただいたときに、ほかの先生から言われましたと。よくそんな人と会うね、お茶出すの、紙コップでとか。そんなことないよというふうに、その先生や事務所の人たちが大丈夫だというふうに言っていただいても、周りというのはそういう状況になります。  だからこそ、こういう法律の施行においては慎重にやっていただきたいし、そしてその患者だけではなくて、家族周り人たちを巻き込んでいきます。今回、鳥インフルエンザに対して、未知のウイルスです。何が起こるかは確かに分かりません。だからこそ、人権という問題、最大限に尊重して行うことは大事だと思いますし、国民皆さんパニックを起こさないということが前提で、非常に大事なことだと私は感じています。  そして、その人は好きでなったわけじゃありません。感染症であって、そして自分はならないわけじゃありません。自分家族もならないわけじゃない、なる可能性があるということを前提でこういうことの運用というものをしっかりやっていただかないと困るということを私はお願い申し上げておきたいと思いますし、大臣の所見をお伺いできればと思います。
  19. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) ハンセン病にしてもこのHIVにしても、先ほど法律前文を読ませていただきましたけれども、いわれのない差別が続いてきたわけであります。きちんと正しい情報国民に伝えることがいかに重要かということでありますし、それはもう学校教育から始まってきちんとやらないといけないと思います。  今回、非常に新型インフルエンザ空気感染ということで感染力が非常に強い、毒性も非常に強い、国民の命をどうして守るかと、そういうことで法律で規制をする。例えば、あるところにきちんと泊まっていただいてそこで治療をすると、こういうことは必要なことだと思います。しかし、いたずらにただパニックをあおるということであってもいけないと思いますので、正しい知識の普及ということをきちんとやっていきたいと思います。ホームページも既に活用していますけれども、さらにパンフレットを作る、それから是非これは報道機関皆さん方にも御協力をいただいて、正しい情報を流したい。  私は、何度も申し上げていますけれども、厚生労働省改革のまず第一歩として取り組みましたのは広報体制を強化すると。国民情報を共有する、そのことがなかったために薬害にしてもどんな悲劇が起こってきたかと。それで、各部局に担当者を私が直接任命して広報委員というのを決めて今活動を展開しております。  そういう、それも一環としてきちんと周知徹底する、そして国民と正しい知識を共有する、これがすべての厚生労働行政、特にこういう感染症なんかについての基本だと思いますので、それはしっかり守った上で更に全力を挙げてこのための努力をしてまいりたいと思いますし、今委員がおっしゃったように人権ということをきっちりと考え、いわれのない差別、こういうところがない、そういう社会を目指して頑張りたいと思います。
  20. 家西悟

    家西悟君 是非ともそのようにお願い申し上げたいと思いますし、私自身も、空気感染でというよりも飛沫感染だろうというふうに言われているわけですし、一定の拘束はしなきゃならないと思いますけれども、そのために無用な混乱、無用な差別が起きないように是非ともお願い申し上げたいと思います。  それから次に、鳥インフルエンザH5N1型の各国の発生状況をお尋ね申し上げます。  韓国では警戒レベルを注意から一段階上げて警戒へと引き上げたと聞いています。いわゆる韓国の危機警報レベルで上から二番目に当たると報じていますが、感染地域には韓国国防軍の兵士を出動させ、鳥を埋める作業を行っているとも聞いています。その兵士が感染症状を引き起こしているという報道もされていますし、その警戒レベルは感染地域のみならず韓国全土だそうですけれども、日本政府はこのような韓国の状況を把握しておいででしょうか、お尋ね申し上げます。
  21. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 全世界におきまして、現在、鳥インフルエンザの感染者三百八十一名で、そのうち死亡者が二百四十名になっております。中国、ベトナム、インドネシアは感染者が多くて、それぞれ三十人、百六人、百三十二人となっています。  今お尋ねの韓国でございますけれども、まだ人への感染事例は確認されていないというふうに承知しております。議員が御指摘になりましたように、四月に入ってから家禽の農場におきまして鳥インフルエンザH5N1が発生し、これまでに十一例が確認されているということで、今議員が御指摘になりました国防軍の出動等々については、新聞報道上私どもも承知しております。
  22. 家西悟

    家西悟君 大変申し訳ございません、これ新聞報道でしか情報収集されていないんでしょうか。これほど危機的な状況になりながら、政府としては新聞報道、マスコミ報道でしか情報収集をされておられないんでしょうか。これが危機管理と言えるんでしょうか。ある種、これこそ国民に正しい情報を提供しなければならないはずの政府がそのような程度でしか情報収集されていないのでしょうか。韓国と政府間同士の情報交換はされていないということと理解してよろしいんでしょうか。
  23. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 私ども、外務省、大使館から情報を得ておりまして、今申し上げたようなことが私どもの方に情報提供されております。
  24. 家西悟

    家西悟君 では、外務省、おいででしょうか。  この辺についての情報政府間としてしっかりと取り組まれているのか、お尋ね申し上げます。
  25. 鶴岡公二

    政府参考人(鶴岡公二君) 鳥インフルエンザにつきましては、ここ数年来、世界的にパンデミックの危険がある、非常に注目すべき感染症のおそれのあるものとして国際社会においても注目しておりまして、御承知のとおり、国連におきましては、鳥インフルエンザの担当官、デビッド・ナバロという者が任命されておりまして、政府といたしましては、ナバロ鳥インフルエンザ担当官の下で国際的な情報交換のネットワークを構築しております。随時国際電話を通じた会議を行いつつ、各国の状況については把握をしております。  国別に情報を詳細に交換をしたり、あるいは対応策、また資金需要などについても随時情報を交換し、年に一度は閣僚レベルの会合において今申し上げたような情報の整理と今後の対応についての打合せをしてきているところでございます。
  26. 家西悟

    家西悟君 じゃ、今、先ほどの厚生省の局長の御答弁からすると、そういった情報が、厚労省とのやり取りがどの程度されていたんですか。お聞きしていると、どうもその辺十分ではないというふうにしか聞こえないんですけれども、これでいいんですかね。
  27. 鶴岡公二

    政府参考人(鶴岡公二君) 外務省、感染症そのものについての知識はもちろんございませんので、専門的な知見を持っております厚労省の専門家の方々と二人三脚で情報の収集及び分析については当たってきております。  今申し上げました連絡会議につきましても、外務、厚労双方が出席をしております。最近もジュネーブにおいて同様の会議があり、厚労本省からも出張者が出ております。
  28. 家西悟

    家西悟君 WHOはもとより、二国間又は発生国など多国間でしっかりとした連携や協力体制を築いてほしいと私は考えます。  今週、東京で国際専門家会議が行われましたが、どのような議論がされたのでしょうか、お尋ね申し上げます。
  29. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) お尋ねの会議ですけれども、今週の四月二十一日から二十五日まで国立感染症研究所におきまして、第二回の西太平洋及び東南アジア地域ナショナルインフルエンザセンター会議、こういう名称の会議がWHOの西太平洋地域事務局との共催により開催されております。アジア地域におけるインフルエンザサーベイランスの強化とナショナルセンターの対応などの向上について議論がされたと。二十八か国ぐらいが出席されたというふうに聞いております。
  30. 家西悟

    家西悟君 二十八か国で協議されたということですけれども、では、内容についてはどういうような議論をされたんでしょうか。これ、厚労省所管でしょう、国立予防衛生研究所でされたということは。
  31. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) そのとおりでございまして、私も月曜日の八時半からの会議の冒頭に担当局長としてあいさつに参りました。  その後でございますけれども、本会議には、アジア各国のインフルエンザセンター長、それからサーベイランスの関係者等々が世界中、百名程度が参加したと。  会議の内容でございますけれども、ちょっと私まだ承知しておりません。済みません。
  32. 家西悟

    家西悟君 ちょっと今日、衆議院でこの関連する法律も通るし、具体的な対策はこういった会議、国際的な専門家会議で行われて、その方針に基づいて指針が作られ、そしてそれを国民の皆様に周知徹底をしていただくことだろうと私は思っておりましたけれども、どうもそうじゃなくて、勝手におやりだというふうな話なのかなというふうに思えてきますけれども、再度お尋ね申し上げます。
  33. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 申し訳ございませんでした。  この会議の開催ですけれども、アジア太平洋地域で新興感染症新型インフルエンザでありますけれども、地域全体で備えるためにアジア太平洋新興感染症戦略、APSEDを策定していると。この中身につきまして、アジア地域におけますインフルエンザサーベイランスの強化とナショナルセンターの対応能力の向上、こういったことが新型インフルエンザのリスクに備える上でも非常に重要だというふうなことを中心に議論がされたというふうに聞いております。
  34. 家西悟

    家西悟君 APSEDとは一体何なんでしょうか。
  35. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) アジア太平洋新興感染症戦略は、例えばラボラトリーレベルでの検査技術の向上、それからその同定技術の向上、それからそういった検査員の方々たちの技術の向上を中心に議論されているということでございます。
  36. 家西悟

    家西悟君 そういったところでの情報というものは、やはり広く国民に周知していただきたいし、新型ということで、未知のウイルスがこれから発生するかもしれない。そして、今回お聞きする話では、この法律案では二類に分類され、そして指針では一類との間ぐらいの権限を持たすということになろうかというふうな話もお聞きするわけですけれども、ちょっと今の御答弁からすると、逆に国民パニックを起こすんじゃないんでしょうか。こういう場で明確に答えていただきたかったなと。通告ここまでしていませんでした、正直言って。もう少しこの情報を周知されているものと思っていましたけれども、先ほどから聞いていますと、新聞報道であったりとか、そのような話を聞いているとか、その程度でおやりになるというのは非常に危険性があるのではないかなというふうに私自身感じてしまいます。  鳥インフルエンザ新型インフルエンザに変異をした場合にどれほどの被害が発生するのか、どれほどの経済損失が起こるのかということで、危機管理的に対策をお急ぎになられているというふうに私も認識をし、そして我が党も認識をし、何とかゴールデンウイークまでに法律を制定させるということをお互いに協力し合おうというところでやってきているわけですけれども、現場の方々がどうもそこまでの危機意識がおありなのかなというふうに思えてくるのは私だけでしょうか。舛添大臣、いかがでしょうか。
  37. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 引き続き国際協力もやっていく、日中韓では厚生労働大臣の間での協議の枠組みもつくってありますし、七月の会議を受けて日中韓で共同訓練をやろうというような話も今進んでおります。そういう情報も生かし、また国内でも専門家会議、先週やりました。私自身、先週、国立感染症研究所に行って、非常にセキュリティーレベルの高いラボにも入らせていただいて、研究の最前線のぞかせていただきました。そういうことを早急に積み重ねていって、きちんと正しい情報国民に与え、そして危機管理を全うしたいと思っております。
  38. 家西悟

    家西悟君 是非ともしっかりと情報収集してください。でないと、これは危ないです、正直言って。無用な混乱、差別偏見をもたらす可能性が十分あるということ。  そして、西山局長はいつも、人権配慮をしという御答弁、こういった問題については言っていただいていることにはこれは敬意表したいと思っています。すごくそういった問題は関心を高くとらえていただいている局長かなというふうに私この席からいつもお聞きしていたわけですけれども、ちょっと今の御答弁からすると将来怖いなというふうにも思う部分、あっ、御答弁いただけますか。
  39. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 誠に不勉強で申し訳ございません。  この会議ですけれども、あしたまで開催されます。あしたまで私どもの担当官が出ていますので、私もしっかり勉強しますので、どうか御勘弁いただきたいと思います。
  40. 家西悟

    家西悟君 それはそれで一つと思いますけれども、法律の内容についてはまた具体的に法案が提出、付託された後から議論が始まろうかと思いますけれども、是非とも、そういった点、情報収集ということを前提におやりいただきたいと思いますし、担当される担当官の方々是非ともしっかりと情報を収集いただいて知識を得、そして正しいものを国民に提示いただきたく思います。  そして、今ほどから申し上げている法律に関連して二点だけ質問させていただきたいと思います。  一つ目は、この法律で言う疑似症患者及び無症状病原体保有者の定義がありますが、この疑似症患者、無症状病原体保有者の具体的な症状が国民に分かりやすく説明するときにどのように御説明されるのか、お尋ね申し上げます。
  41. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) お答え申し上げます。  まず、疑似症患者でございますけれども、感染症の疑似症を呈している者と定義されております。現在、発熱ですとかせきを症状とするというようなことで考えております。感染症法第十二条に基づく医師の届出基準によってお示しをしております。  それから、無症状病原体保有者でありますけれども、インフルエンザでございますから発症までの潜伏期間がございますから、症状がない方でありまして、何らかの検査でウイルスが保有されているというふうに同定された方で、外見上全く症状をお示しでないという方でございます。
  42. 家西悟

    家西悟君 皆さん、今の説明国民皆さんが分かると思いますか。私は、非常にこれ疑似症とか無症状病原体保有者と言われてもなかなか分からないし、発熱とかいろいろというふうに言われますけれども、あなたは疑似症患者であるからとか言われてもなかなか理解できないと思うんです。ここは、国民の代表が集まって議論している場です。国民説明する場でもあるわけですから、もう少し分かりやすく説明をいただきたくお願い申し上げたいと思います。
  43. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 具体的に申し上げれば、疑似症患者についてでありますけれども、三十八度以上の発熱及びせきを主症状とする呼吸器症状を呈している方であります。  それから、無症状病原体保有者は先ほど申し上げたことに尽きるわけですけれども、ちょっと言葉が法律上難しく書いておりますけれども、潜伏期間にある方というふうに御理解いただきたいと思います。
  44. 家西悟

    家西悟君 まだ分かります、今の方が。要するに、せきがあったり、熱があったりすることを疑似症であるということというふうにとらえて、ただしこれは風邪でも同じような症状出ます。そういったときに、あなたは疑似症というふうに言われるのかどうかというところももう少し丁寧な説明が必要ではないかなということ、今後、法律が施行されて運用されるときにはそういったこともお願い申し上げておきたいなと思います。  それから、先ほど、この法律前文と関連しますが、これらの患者や保有者は新型インフルエンザにかかる、こういうことで病原体を保有している者はそれに該当するわけですから、その辺でしっかりとした国民に分かりやすい丁寧な説明、啓蒙啓発、何よりも差別偏見をもたらさないようしっかりと周知していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  45. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 感染症予防する、そしてこれに対策をするという観点をしっかりしながら、しかし今委員がおっしゃったようないわれのない差別のないように人権もきちっと守る、この二つの目的を両立させるように全力を挙げてまいりたいと思います。
  46. 家西悟

    家西悟君 次に、二つ目の法律に関連してですけれども、水際対策についてお伺いいたします。  この中で、検疫実施空港・港湾を四つの空港、三つの港に集約すると聞いています。また、そうすると、感染のおそれのある者を宿泊施設に十日間程度停留させる。これはウイルスの蔓延防止のためにという措置ですが、私自身もその措置には賛成いたします。しかしながら、なぜそのような措置をしなければならないかを十分に知らせて、国民皆さんに知ってほしいと思います。  具体的には、実施空港や港湾、自治体、ホテル、各ホテルですね、とか旅館組合のリストアップや事前協議は今現在進めておいででしょうか、お尋ね申し上げます。
  47. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 新型インフルエンザの水際対策中心にしてのお尋ねですけれども、基本的には、ウイルスの侵入防止を徹底して国内での蔓延を防止すると、限りなく防ぎたいということであります。  一つ目、検疫所でございますけれども、おっしゃるように、新型インフルエンザ発生時には検疫を集約いたします。その中で、現在行っておりますサーモグラフィーに加えまして、PCR検査、これを行いまして新型インフルエンザ患者の早期発見に努める。あるいは、感染のおそれのある方の停留や入院措置を行うと。あるいは、発生国からの外国人の入国を制限する等々でございますけれども。  二点目のお尋ねの停留先につきましては、今回の法律で、恐らく医療機関だけでは足りないだろうと、成田空港近隣でもホテルだけでも七千室しかないということでありますけれども。現在、私どもホテルの管理者といろいろ議論していまして、一つの議論のポイントとしては、そういった方々をどういう条件であれば受け入れていただけるのか、あるいはホテルの方々に対する新型インフルエンザについての知識をしっかり持っていただくための研修をどうやってやったらいいのかというようなことについても議論をしている最中でございます。
  48. 家西悟

    家西悟君 私は、あれもこれも言うことは余りしませんけれども、感染症対策は無用な混乱とパニックを起こさない、そのためにしっかりとした情報公開が原則だと考えます。科学的な客観的なデータや情報を基に情報の公開を徹底して行うことだと私は考えます。そうしていただかないと、本当に私たちが苦しんだような無用な差別偏見、これがなくなったわけじゃありません、いまだにそういうふうに差別をされています。  なぜかというと、自分の外にいる場合、自分のテリトリーの外にいる場合は割と皆さん冷静に受け止めていただける。しかし、自分のエリア内に入ってこられると慌てふためくというのが強いて感染症の問題だというふうに私は日ごろから思っています。そういうことのないよう是非とも情報をしっかりと提供していただきたい。そして、その情報を得るためには、マスコミ報道ではなく自分たちの行動で進んでいっていただきますようお願いを申し上げたいと思います。  そうでないと、我々こういうことが繰り返されるのではないかなというふうに思いますけれども、最後に大臣のこの点についての御所見をお伺いし、質問を終わりたいと思います。
  49. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 国民情報を共有する、それが改革の第一歩だと思いますし、その原点で人権ということを、いわれのない差別、これを避けるためにも必要な情報、正しい情報をきちんとこれは国民に周知徹底させたいと、そういうふうに思います。
  50. 家西悟

    家西悟君 よろしくお願いします。  質問を終わります。
  51. 石井準一

    石井準一君 自由民主党の石井準一であります。感染症法等改正案についてお伺いをしていきます。  世界は今、だれも免疫を持っていない新型インフルエンザの出現とその大流行に恐れております。また、日中の交流、北京オリンピックを控えている中で、昨年十二月上旬、中国において初となる鳥インフルエンザの人から人への感染の疑いのある事例が発生をいたしました。結果的にそれ以上の広がりはなく、新型インフルエンザの発生ではないことが確認をされましたが、新型インフルエンザはもはやいつ発生してもおかしくない状況にあると言えます。  大変な事態が想定される新型インフルエンザ対策としては、政府は二〇〇五年十二月に流行の発生に応じた行動計画を策定をし、二〇〇七年三月には検疫、医療体制、事業所、職場、十三分野にわたるガイドラインをまとめ、総合的な対応をあらかじめ定められているようですが、具体的に、まず人から人への感染が起こり、フェーズ4、国内非発生となった場合のシナリオ、また、例えば新型インフルエンザ発生国から帰国した人が国内で発症した場合のフェーズ4、国内発生のシナリオについて改めてお聞かせをいただきたいと思います。
  52. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) お答え申し上げます。  まず、フェーズ4で海外発生の場合、国内非発生の場合でありますけれども、これは水際対策中心になります。家西議員にもお答え申し上げましたけれども、現在行っているサーモグラフィーによる体温測定に加えまして、健康質問票の配付、回収を行うとともに、PCR検査を導入すると。それから、感染のおそれのある方の停留や入院措置、検疫港の集約等々の対策を行うこととしております。  それから、国内で新型インフルエンザが初めて発生した場合でございますけれども、これは直ちに内閣総理大臣を長とする新型インフルエンザ対策本部を官邸に設置しまして情報収集を努めます。その後でありますけれども、発症患者入院措置、それから患者が居住する地域住民に対する不要の外出を控えるように呼びかけ、それから接触した方々への積極的疫学調査の実施、あるいはその感染の、そのような方についての健康サーベイランス等を講じることにしております。
  53. 石井準一

    石井準一君 次に、水際対策、いわゆる検疫におけるチェック体制についてお伺いをいたします。  説明を聞いてまず頭に浮かぶのは、国外発生時における検疫による水際対策が現実的には非常に難しい状態になるだろうということであります。明らかに発症している者に対しては万全な対策が取られるでしょうが、新型インフルエンザは、さきの質問でも大臣が答えられたように、感染していても潜伏期間中は症状が現れないことが想定されるため、検疫を通過してしまう場合があるのではないかと危惧をされます。  実際に感染のおそれがある者かどうかの見極めは非常に難しいのではないかと考えますが、まず、今回の改正で検疫におけるチェック体制が改めてどのようになるのか、今回の改正で新型インフルエンザを水際で食い止めるための確率がどれぐらい上がると考えているのか、お伺いをいたします。
  54. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) お答えが重複いたしますけれども、今回の法改正ですけれども、発生直後から対策を実施できるよう新型インフルエンザ感染症及び検疫法に位置付けるということで、最長で十日間まで停留を可能とし、また停留先に医療機関以外の施設も可能としたわけであります。また、停留の必要はないまでも、新型インフルエンザに感染したおそれのある方を確認した場合には、すぐに都道府県知事に通知しまして、知事が健康サーベイランスを行うと。これにより、健康状態に異常のある方が確認された場合には迅速な対応が可能となるわけであります。  ただ、潜伏期間中の方が、やっぱり水際対策やってもこれは分からないわけですから、擦り抜けてくる可能性がございます。そういった意味で、都道府県知事による健康サーベイランスを徹底していくというふうな考えでございます。  また、どれだけ効果が上がるかということでありますけれども、これについては様々なケースが想定されますので、一様に申し上げられる状況にはございません。
  55. 石井準一

    石井準一君 食の安心、安全、中国産の冷凍ギョーザのときにもやはり検疫体制が大切であるというような答弁をいただいておるわけでございます。人員の配置、そうした検疫に対するいろいろな研修等もこれからしっかり行っていただきたいなというふうに思います。  家西委員からも質問がありました停留先となる宿泊施設の確保数、手続、準備、補償、この件についてお伺いをしていきたいと思います。  今回の検疫法改正案では、新型インフルエンザの感染のおそれのある者として停留が必要と判断される者が多数に上がる場合が想定されることから、停留先として、感染症指定医療機関に加え、宿泊施設もその対象とされております。停留先となる宿泊施設について必要数はどの程度想定しているのか、ダブりますが、御答弁をいただきたいと思います。また、現在までどの程度数を確保されているのか、あわせて、実際に停留が行われる際にはどのような手続で行うのかもお答えをいただきたいと思います。
  56. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) まず、検疫空港の集約でありますけれども、新型インフルエンザ発生時には検疫を行う空港を四つ、成田、中部、関空、福岡に集約し、停留させる場合に備え、周辺にあるホテル等医療機関以外の宿泊施設の確保について調整を進めているところであります。現在、集約を行う四空港周辺で調整を行っている宿泊施設の部屋数でございますけれども、約一万五千室でございます。十日間停留していただくにしても、一日当たり一千五百人の受入れ能力を確保するということで調整をしております。  それから、空港周辺の宿泊施設が不足する場合につきましては、例えば自治体や企業の研修・保養施設の活用ですとか、あるいは遠隔地の宿泊施設のバスの輸送等々の方策を検討する必要があります。  今後の手続でありますけれども、現在、ホテル等の管理者と議論をしておりまして、どういう条件であれば引き受けていただけるのかというような議論を行っているところでございます。
  57. 石井準一

    石井準一君 停留先となる宿泊施設では、停留の受入れに備え様々な準備をする必要があるのではないでしょうか。宿泊施設における医療器具、治療薬の用意、マニュアルの作成、スタッフの研修などを事前に進めておく必要があると考えますが、先ほどの家西議員質問にも重なりますが、その具体的な方法についてお伺いをしていきたいと思います。
  58. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) お答え申し上げます。  停留措置を行う際に際しまして、マニュアルの作成や宿泊施設等のスタッフの研修など事前に様々な配慮が必要であることは御指摘のとおりでございまして、こうした点を含めまして、停留に支障を来さないよう、今後、宿泊施設管理者と更に協議を重ねていきたいというふうに考えております。  お尋ねの医療用具ですとか治療薬の用意、医療法との関連もございますので、私ども政府部内でも早急に検討してまいりたいというふうに考えております。
  59. 石井準一

    石井準一君 私の選出の千葉県は成田空港を擁しておるわけでございます。周辺のホテルに七千の客室があるというような話もありましたが、果たして受入れに同意をしてくれるのか、またいろいろな意味での営業上の問題があるわけであります。  そこで、お伺いをしていきます。この停留先となる宿泊施設では、停留の受入れに伴い通常の営業は多分不可能になると思います。また、風評被害が起こることも考えられ、宿泊施設における損失の発生は避けられないものと考えられますが、宿泊施設への補償はどのような場合、どの程度行うのかを伺いたいと思います。
  60. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 今回の法改正の大きな改正点であります医療機関以外への宿泊施設への停留でございますけれども、まずその人的協力が必要だろうと、ホテルのスタッフの方に協力していただくと。そういう方々に対する安全対策や、あるいは停留施設におきます費用負担、こういった問題につきまして関係自治体や関係団体と協議を進めておりまして、今後、先ほど来申し上げていますように、具体的な調整を進めてまいりたいというふうに考えております。
  61. 石井準一

    石井準一君 そうした受入れを快く同意をしていただいた宿泊施設に対し、万全な行政での対応を行っていただきたくお願いを申し上げる次第でございます。  次に、専用ダイヤル設置の必要性についてお伺いをいたします。  国外で患者が発生した場合には、保健所は発熱相談センターを設置することとされております。しかし、実際に保健所が三百六十五日、二十四時間体制を取れるでしょうか。また、状態が急変した場合、とっさに一一九番通報を行うのではないかと思われます。新型インフルエンザ患者を特定し感染を防ぐのが目的であるならば、三百六十五日、二十四時間通じる新型インフルエンザ相談通報専用ダイヤルを設置し対応すべきではないかと考えますが、大臣に見解をお伺いをいたします。
  62. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 委員御承知のように、例の中国産のギョーザの問題が起こったときに必ずしも保健所の対応が十分でなかったと、そういう反省から、これは二十四時間、三百六十五日徹底してやれという指導をしておりまして、まだ完璧には残念ながらできていませんが、少しずつそういう体制に今変わりつつあります。    〔委員長退席、理事谷博之君着席〕  まだ少し不十分なところがありますけれども、今後とも二十四時間対応ができるように、今委員おっしゃったように、発熱外来の相談センターになりますから、ここが拠点になりますので、二十四時間体制、三百六十五日体制、きちんと徹底したいと思います。
  63. 石井準一

    石井準一君 研修シナリオの工夫、改善、意識の高揚、そうしたものをしっかりと高めていっていただきたく思います。  次に、指定医療機関等の数についてお伺いをいたします。  発熱外来を受診した者のうち、感染者及び感染が疑われる者については入院措置が行われることとされております。まず、現在の指定医療機関結核病床を持つ医療機関の病床数についてお伺いをいたします。
  64. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 平成十九年三月時点の病床数でございますけれども、特定感染症指定医療機関が八床、三医療機関、第一種感染症指定医療機関が四十九床、二十六医療機関、第二種感染症指定医療機関が千六百三十五床、三百十五医療機関でございます。また、結核病床を持つ医療機関の病床数でございますけれども、一万三千九百七十一床、三百七医療機関となってございます。
  65. 石井準一

    石井準一君 次に、病床数の確保についてお伺いをいたします。  先ほども述べましたとおり、政府の推計では、新型インフルエンザ流行時には、最大で一日当たり十万一千人が入院するとされております。当然病床数が足りない事態が発生すると思われますが、どのような対応を取るのか、大臣にお伺いをいたしたいと思います。
  66. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) まず、医療機関のレベルでは一般病床も使うと、これがまず第一の対応であります。それから、もうこれは患者の数が増えて医療機関が使えないというときには別の施設に行っていただいて、そこで医療を提供すると。さらに、その症状によりけりですけれども、御自宅で治療が可能な方は御自宅にとどまっていただいて、そこに往診、薬剤をそちらにお持ちするというような体制、こういうことを総合的にやりまして、これは各自治体とも協力していただくということが必要ですので、万全の体制を取ってこの治療に当たるためのベッドというか場所の確保をしたいと思っております。
  67. 石井準一

    石井準一君 次に、入院治療か在宅療養かの振り分け、在宅療養者への対応についてお伺いをいたします。  パンデミック時には、重症者のみ医療機関での入院治療を行い、軽症者については在宅療養となることとされております。その振り分けについてはどのように行うこととなるのか、お伺いをいたします。  また、多数の者が在宅療養となることが想定をされますが、在宅療養者への薬の投与などの対応はどのように計画されているのか、併せてお伺いをいたします。
  68. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) まず、入院治療でございますけれども、確かにパンデミック時でございますので、患者数が医療機関の収容能力を超えてしまう、あるいは地域の中でもベッドがほとんど満床になってしまうというようなことは想定をしております。その場合には、やはりトリアージといいますか、重症者と在宅療養が可能な方を医師を中心にして分けていただかなきゃ動かないだろうというふうに考えています。担当する医師は個別の患者の症状を見て判断していただくというふうなことでございますけれども、具体的な振り分けの基準については現在専門家に聴いているところでございます。  また、在宅療養でございますけれども、おっしゃるとおり、軽症の方といってもやはり新型インフルエンザの方でございます。したがって、新型インフルエンザガイドラインに記載されているとおり、往診をしていただく、あるいは訪問看護、訪問薬剤、電話相談や薬剤の受渡しなどを通じて医療が提供できるよう、引き続き医療体制の整備を地方自治体と一緒になって考えていきたいと、推進してまいりたいというふうに考えております。
  69. 石井準一

    石井準一君 次に、新型インフルエンザの総合訓練、情報伝達体制の整備についてお伺いをいたします。  昨年の十一月に新型インフルエンザ総合訓練が実施をされました。千葉県及び成田空港検疫所におきまして実動訓練が行われました。これは私の地元であります。訓練を踏まえ、今後更に検討すべき事項の一つとして、本省のみならず支部局、地方公共団体、学校、民間企業など、第一線の現場への情報伝達及び現場における関係機関の連携の在り方が指摘をされております。  訓練において何が課題とされたのか、それを踏まえてどのような改善を行ったのかを具体的にお答えをいただきます。  また、新型インフルエンザ発生時には各関係機関において相当な混乱が生じることが予想をされます。正確な情報が迅速に伝達されるための体制整備についてどのように考えているのか、お伺いをいたします。
  70. 上田博三

    政府参考人上田博三君) まず、訓練から明らかになった課題について申し上げますと、昨年末に公表しました訓練の実施結果に関する報告では、御指摘のとおり、情報伝達や関係機関の連携の在り方といった課題が指摘されているところでございます。  具体的には、本省から現場の関係者に至るまで、どの部署のどの担当者がどのようなルートで責任を持って正確に情報や指示を伝達するのか、あるいは、本省間では連絡ができているものの、現場レベルでは本当に関係機関間の緊密な連携がうまく図られているのか、このようなことが必ずしも明確になっていないという問題意識を持っているところでございます。これらの問題解決のために、現場への情報伝達については主要省庁におきましてそれぞれ対策本部を設置をいたしまして行動計画やガイドラインを策定するとともに、それについて地方支分部局や関連業界、団体に対して情報提供を行うなど、意思決定の体制、情報や指示の伝達ルートなどの整備を進めているところでございます。  また、訓練を踏まえまして、現場における関係機関の連携については、先般まとめられました初動体制の案におきましても、まず新型インフルエンザ発生国からの入国者の把握に際しての検疫と入国管理との連携をいかにするか、また地域封じ込め対策の実施に当たっての都道府県衛生部局と消防、警察との連携、さらに都道府県や市町村が公共交通機関への運行自粛を要請することなど、関係機関の役割分担と連携体制を明確にし、第一線の現場がより行動しやすいように図っているところでございます。  次に、情報伝達のための体制整備についてお答えを申し上げます。  昨年十月の閣議決定によりまして、新型インフルエンザ発生時には内閣総理大臣を本部長、全閣僚を構成員とする新型インフルエンザ対策本部を設置し、総理が先頭に立って政府全体の対策を進めていく体制を整備したところでございます。    〔理事谷博之君退席、委員長着席〕  また、先般、関係省庁対策会議におきまして新型インフルエンザ発生時の対処要領案をまとめました。政府内の情報伝達ルート、意思決定の体制、対策本部の運営の在り方等について明確化をしたところでございます。  新型インフルエンザの対応には、国のまさに危機管理の問題でございます。政府内や現場において混乱が生じないようにするためには、事前に計画やマニュアルを十分に整備して、発生時には関係者がそれに沿って落ち着いて行動していくことが重要であると考えております。今後とも、自治体、民間団体等との連携協力の在り方を含め、迅速かつ正確な情報の収集と伝達が行われる体制の整備に努めるとともに、広く関係機関を含めた訓練の実施についても検討してまいりたいと考えておるところでございます。
  71. 石井準一

    石井準一君 特に国民への情報提供の在り方、特にワクチン接種や薬の流通の在り方、これに対してはやはり周知徹底をしていただきたいと思います。  そこで、国民への周知徹底についてお伺いをいたします。  関係機関の訓練だけではなく、国民一人一人に対し、新型インフルエンザに感染した場合の症状、感染力の強さ、感染の疑いのある場合や発症した場合にまず何を行えばいいのか等について事前に周知徹底を図ることが必要ではないでしょうか。また、このことが大変重要であると認識をしております。  その際、子供や高齢者にも分かりやすく伝えることが大切であると考えますが、周知のための具体的方策について大臣にお伺いをいたします。
  72. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 先ほど来、家西委員との議論もありましたように、情報国民がきちんと共有する、正しい情報を周知徹底させると、こういうことが必要だというふうに思いますので、そのためにマスメディアの皆様方の協力もいただかないといけないし、それから厚生労働省のホームページを使う。それからできれば、今お子さんとか御高齢の方というお話が出ましたけれども、分かりやすい小冊子のようなものを作る。例えば、小児科なんかに子供用の絵本が置いてありますけれども、絵本のような形で分かりやすく子供さんに説明する。様々な工夫が可能だと思います。  四月一日に新型インフルエンザ対策推進室を厚生省の中に設置いたしました。そこにこのリスクコミュニケーションの専門家も配置しましたので、そういうことも含めて、国民に対して情報提供体制をしっかりと構築していきたいと、そういうふうに思っております。
  73. 石井準一

    石井準一君 特に、年金問題であるとか後期高齢者医療制度でお年寄りや子供たちに分かりやすい広報厚生労働省の方から発信をしていく、やはりこのことが大切ではないかと思います。是非ともしっかりと取り組んでいただければ有り難い、また取り組んでいただくべきであると思うわけであります。  警察庁による対策委員会の概要についてお伺いをいたします。  事前の訓練や国民への周知が十分になされていたといたしましても、新型インフルエンザの発生時には空港や駅の混乱、混乱に乗じた犯罪の発生等が危惧をされます。警察庁は、そのようなパニックを防ぐために対策等を協議する委員会を近く設置することを決めたとの報道がありました。委員会の概要、具体的な協議内容をお聞かせいただきたいと思います。
  74. 五十嵐邦雄

    政府参考人五十嵐邦雄君) お答えいたします。  新型インフルエンザが発生した場合における諸対策を推進するに当たりまして、警察の総合力を遺憾なく発揮をいたしますため、昨日付けで警察庁次長を長とし、各局部長等を委員とする警察庁新型インフルエンザ対策委員会を設置をいたしたところでございます。  今後は、この委員会中心といたしまして、関係機関との連携の下、警察職員の感染予防等治安維持機能の保持はもとより、警戒警備等各種混乱への対応、各種犯罪の予防及び捜査等について検討を進め、国民の安全の確保に万全を期すよう努めてまいる所存であります。
  75. 石井準一

    石井準一君 警察庁におきましても、過去のサリン事件が大きな教訓になっておるとも聞いております。是非とも国民の生命、財産、身体を守る上でも徹底した委員会での議論がなされることを期待をいたします。  次に、学校閉鎖についてお伺いをいたします。  パンデミックが起きた際に、小学校、中学校、高校の学校閉鎖によりピーク時の患者が四割以上減るという推計を英仏の研究チームが発表したとの報道がありました。学校閉鎖により感染リスクを減らすことは有効な手段だと思われますが、学校閉鎖はどのような手順で実施をされることが想定をされるのでしょうか。  また一方では、流行が冬の受験時期や資格試験などと重なった場合において、後日の受験を可能とするような受験生に対する救済策が必要ではないかと考えますが、併せて見解をお伺いをいたします。
  76. 田中敏

    政府参考人(田中敏君) 御説明を申し上げます。  学校の休業は、学校保健法第十三条におきまして、「学校の設置者は、伝染病予防上必要があるときは、臨時に、学校の全部又は一部の休業を行うことができる。」と規定されているところでございます。  文部科学省といたしましては、国内でインフルエンザの第一例が判明した場合には、内閣官房等からもたらされる情報に基づきまして、全国の教育委員会あるいは私立学校担当の知事部局へ情報提供をいたしますとともに、児童生徒や教職員等に新型インフルエンザ患者が発生した場合には、学校の全部又は一部の臨時休業の措置を講じることについて直ちに検討し適切に対処をすること、あるいは患者と接触をしていた者が関係する発生地域の学校等におきましては、学校の全部又は一部の臨時休業の措置をとることについて必要に応じ検討をすること、臨時休業の範囲あるいは期間は、ウイルスの感染力等の情報を総合的に判断する必要がございますため、国及び地方公共団体から発表される情報に十分留意することなどを要請することといたしてございます。  本要請を受けまして、発生している地域の教育委員会は直ちに適切な措置をとるということになってございます。  また、国内でパンデミックが生じている場合には政府から非常事態宣言が発令される予定になってございまして、直ちに文部科学省としては、学校の閉鎖を行い、極力外出を控えることと併せて、閉鎖期間中の措置ということについても全国の教育委員会、私立学校担当の知事部局へ要請することといたしてございます。これを受け、全国の学校は休業ということを行うというふうに考えているところでございます。  なお、新型インフルエンザの流行による出席停止あるいは学校休業等に伴いまして不利益が生じた場合の学生等に対しましては、各学校が試験を延期するなどの適切な救済措置をとることが重要だというふうに考えてございまして、具体的には、感染症ではございませんけれども、自然災害の場合については同様の措置がとられているところでございます。  文部科学省といたしましては、新型インフルエンザの流行により不測の事態が起こった場合には、その具体的な状況も踏まえて必要な配慮を行うよう学校の設置者に要請をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
  77. 石井準一

    石井準一君 ありがとうございます。  一月二十六日の読売新聞の記事に、新型インフルエンザが流行ならば医療従事者の二六%が転職を考えていると、非常にびっくりするような記事が載っておったわけであります。看護師の転職が三一%、医師は一七%、事務職が二三%。こうした記事自体が国民に不安をあおるような現状、また情報発信をしているんではないかと危惧をされるわけでありますが、やはり予防に関する知識が必ずしも十分でなく、不安が先行していく可能性があるわけであります。  まず、厚生労働省の行政に関する国民の評価はどのようなものであったのか。昨日も、国民生活・経済の調査会の中で、やはり政治が、行政が国民に信頼をされることが一番であるというような参考人からの意見を聴取をいたしました。まさにそのとおりであるわけでございます。  私たち政治家も一人一人が与野党を問わず、こうした問題に対しましては万全に国民に信頼をされるような活動や行政の運営をしっかりと監視をしていく、このことが大切だろうということを申し述べまして、私の質問を終わらせていただきます。
  78. 山本博司

    ○山本博司君 公明党の山本博司でございます。  本日は、新型インフルエンザに関する問題についてお聞きをしたいと思います。国民にとって分かりやすい説明をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。  近年、海外では鳥インフルエンザが鳥から人に感染する事例が増加をしており、さらに、人から人へ感染する形に変異する新型インフルエンザがいつ発生してもおかしくない状況にあると言われております。今国会におきましても、感染症法及び検疫法の改正案が提出をされておりますが、現時点ででき得る対策を早急に講じていかなくてはならないと思います。  そこで初めに、新型インフルエンザが海外で発生をしてウイルス侵入を水際で防止しなくてはならない場合、政府挙げての取組が必要であると思いますが、この水際対策の基本的な考え方はどのようになっているか、御説明をいただきたいと思います。
  79. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) お答え申し上げます。  新型インフルエンザが発生した場合、内閣総理大臣を本部長とした新型インフルエンザ対策本部が設置されます。関係省庁間の迅速な連絡体制を築くことになります。  先般、新型インフルエンザ及び鳥インフルエンザに関する関係省庁対策会議におきまして、昨年の訓練等を踏まえました、これは成田で行ったわけでありますけれども、新型インフルエンザが海外で発生したときの水際対策について基本的な方針の案が取りまとめられました。  一つでございますけれども、海外で発生した初期の水際対策については、帰国を希望する在外邦人の速やかな帰国とウイルスの侵入防止を図るということで、感染性や病毒性、発生地域等により航空機の運航自粛、濃厚接触者に対する停留、在外邦人の帰国、外国に対する査証、ビザでありますけれども、発給制限等の考え方について示されたところでございます。また、今国会に提出いたしております改正法案におきまして、新型インフルエンザの発生直後から、発生地域からの入国者に対する検疫措置を開始できるとしてきているところでございます。  いずれにいたしましても、厚生労働省としても広く関係省庁と連携し、発生に備え対策に万全を期してまいりたいというふうに考えております。
  80. 山本博司

    ○山本博司君 ありがとうございます。  海外で発生した場合はこういう初期段階での情報収集が大変重要となりますので、外務省とも連携をして万全の体制を講じていただきたいと思います。  次に、今回の法案では、水際対策の一環として、停留先施設に医療機関以外の施設を追加する措置がとられておりますが、これはどういった理由からでしょうか。  また、地方公共団体の施設や民間のホテルなどの宿泊施設に感染したおそれのある者を停留することになるので、これらの施設に関しまして、協力要請とかまた補償をどのように考えているかも併せてお答えをいただきたいと思います。
  81. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 今回、医療機関以外に停留先施設を設けさせていただく法案検疫法第十六条として提出しておりますけれども、これは、新型インフルエンザにつきましては強い感染症感染力が想定されております。停留対象者の数も膨大になることが想定されておりまして、限られた医療資源は実際に何らかの病気に罹患している者等必要な者に使用されるべきものであるというふうに考えております。  また、もう一点でありますけれども、停留時点ではその方はいわゆる症状がないというようなことでありますので、停留先としては医療機関以外のホテル等の宿泊施設を使用できないかというふうなことでございます。  現在、先ほども御答弁したとおり、各空港及び各港の自治体や関係団体等に対しまして、新型インフルエンザが発生した場合に停留措置を行う趣旨の説明ですとか、あるいは必要な協力要請、その中で安全対策あるいは風評被害に対する対策、費用負担等様々な課題が出ておりまして、協議を進めておるところでございます。
  82. 山本博司

    ○山本博司君 ありがとうございます。  一度に大量の感染者が出た場合のシミュレーション、これを十分に行う必要があるかと思います。また、民間事業者に協力を求める際には、公益性の観点から十分な理解を得ることが大事だと思いますので、情報提供や使用料の支払を含めた対応をしっかりとお願いをしたいと思います。    〔委員長退席、理事蓮舫君着席〕  また、感染のおそれのある方に関しましては、医療施設や宿泊施設等において停留などの措置がとられることがあり、場合によっては監視などの物理的制限もあると聞いております。入院や停留措置された方々への人権への配慮規定はどのようになっているのでしょうか。先ほど家西委員からの指摘もありましたけれども、この点に関しましてお答えをいただきたいと思います。
  83. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) お尋ねのとおり、検疫所が行う停留は検疫法に基づく強制措置でございます。しかしながら、可能な限り人権を尊重する観点から、停留対象者に対しましては適切な説明を行う、人権への配慮を行った上で措置を実施することとしております。また、停留対象者の個人情報の取扱いについても、個人情報保護の観点から最大限の配慮を行いたい、このように考えております。
  84. 山本博司

    ○山本博司君 国民の理解を得るための十分な配慮をよろしくお願いを申し上げたいと思います。また、感染者の個人情報の保護に関しましても万全を期していただきたいと思います。  さらに、新型インフルエンザが発生した場合、関係省庁や団体の間での情報の共有の連携、大変重要となってまいります。政府では新型インフルエンザ発生を想定をしてこれまでに訓練を三回実施してきておりますけれども、訓練の実施状況はどのようなもので、どういう成果があったのか、御説明をいただきたいと思います。
  85. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 特に二回目に徳島県が参加した訓練の内容を事例として説明させていただきます。  一つ目として、徳島県では、送付されたシナリオに合わせて県の対策本部の設置あるいは患者の搬送体制、指定医療機関での診療患者家族等への積極的疫学調査、これは感染した方ほかにもいるということで、積極的な疫学調査を実施すると、そういう意味でありますけれども、それから発熱外来の設置等につきまして、机上訓練ではなくて実動訓練を行っております。発生時の対応の検討、確認がされました。    〔理事蓮舫君退席、委員長着席〕  この訓練におきましては、早期対応に重点を置くというようなことで、新型インフルエンザ発生の初期の段階、すなわち行動計画におきますフェーズ4及び5の範囲における状況を想定したわけであります。  私どもと徳島県と協力いたしまして訓練の総括的な評価を五段階で求めたところ、おおむね良い結果であったというような評価を県からいただいております。県の方で評価しております。ただ、問題としては、動作に不慣れな点があるように感じたとか、あるいは発熱外来での対応者の感染防護対策が疑問であるなど多数の課題がございまして、これらの課題について私どももいろいろと勉強している、解決策に取り組んでいるところでございます。
  86. 山本博司

    ○山本博司君 ありがとうございます。  こうした実際行われた訓練が実際に生かされるように、これまでの対応を検証していく、更なる改善を目指していく、このことは大変重要でございますので、よろしくお願いをしたいと思います。  次に、治療薬やワクチンの備蓄状況についてお聞きをしたいと思います。  予防効果があると言われておりますタミフルなどの抗インフルエンザウイルス薬やプレパンデミックワクチンの備蓄状況に関しまして、現在どのようになっているのでしょうか。また、今後の備蓄目標をどのくらいに設定しているのか、地域ごとの備蓄状況も含めて教えていただきたいと思います。
  87. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) お答え申し上げます。  新型インフルエンザが発生した場合に備えまして、国及び都道府県におきまして抗インフルエンザウイルス薬及びワクチンを備蓄しております。  まず、抗インフルエンザウイルス薬でございますけれども、タミフルにつきましては、流通、備蓄と合わせて二千八百万人分を備蓄目標とし、国においては治療用に一千五十万人分、予防投与用に三百万人分を備蓄目標とし、平成十八年度に備蓄を完了したところでございます。また、各都道府県におきましては、治療用に総計一千五十万人分を備蓄目標としまして、平成十九年度に備蓄をすべて完了したところでございます。  一方、ワクチンでございますけれども、医療従事者等に接種することとしておりますプレパンデミックワクチンを、平成十八年度にベトナム・インドネシア株について約一千万人分、それから平成十九年度、この前の補正でございますけれども、中国安徽株について約一千万人分を備蓄したところでございます。
  88. 山本博司

    ○山本博司君 これまで輸入に全面依存をしていた抗インフルエンザウイルス薬ですね、最近になって国内の医薬品各社が国内生産に乗り出しており、新型インフルエンザ対策にも効果が期待ができると思います。必要なときに供給できる体制を十分確立をしていただきたいと思います。  次に、事前接種についてお聞きをしたいと思います。  四月十六日に行われました新型インフルエンザの専門家会議では、この国が備蓄している二千万人分のプレパンデミックワクチンの一部を医療従事者や検疫担当者など約六千人に事前に接種する方針が明らかとなりました。この事前接種は世界初の取組と言われておりますけれども、この事前接種を実施をする理由はどのようなものでしょうか。今年度から始まる臨床研修の概要について御説明をいただきたいと思います。
  89. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) お答え申し上げます。  お尋ねのワクチンでありますけれども、既に薬事法の承認、治験が終わっております。有効性、安全性について確立されたというふうに考えておりますけれども、ただ治験のときの対象者数が少なかったということも併せまして専門家会議で御議論いただきました。やはり、臨床研究として更なる安全性、有効性の検討を行う必要があるだろうということで、今後のワクチンの備蓄方針や効率的な利用方法を判断するためのものであると、これが目的でございます。  内容としましては、副反応の確認による安全性、それから先ほど申し上げましたように、インフルエンザワクチン、株が異なりますと効き方が違うというふうなことでございますので、異なるウイルス株に対する交差免疫性、これを確認すると。それから、免疫がどのくらい持続するのか、これを確認すると。それから最後でありますけれども、一回打ちまして二回目打つということがインフルエンザでありますけれども、そのときの追加接種、いわゆるブーストと呼んでいますけれども、その効果について調査を行うと。このような計画を今しているところでございます。
  90. 山本博司

    ○山本博司君 接種をすることで一定の免疫力を持つ、このように言われておりますけれども、その有効性と安全性に関しましては十分確認をしていただきたいと思います。  そこで、事前接種について、高い水準で安全性が確認をされた場合は一般国民にも対象を拡大する方向で検討されることでありますけれども、プレパンデミックワクチンの備蓄量を増加させるためにも国を挙げて制度、体制を強化すべきと考えますけれども、現状はどのようになっているのでしょうか、教えていただきたいと思います。
  91. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) お答え申し上げます。  新型インフルエンザに対するプレパンデミックワクチンの製造ですけれども、我が国では国内四社が行うことができるというようなことでございます。ただ、四社合わせても我が国民の必要量には全然足りないわけでして、それにつきまして総合的に検討しております。  新型インフルエンザに対するパンデミックワクチン、あるいはパンデミックが起こったときのワクチンの製造でありますけれども、四月十六日の専門家会議で御議論いただきましたパンデミックワクチンを早期に確保するための方策として、細胞培養等の技術開発、これに取り組むと。米国も五年間で細胞培養技術を確立するというふうなことで発表しております。私ども日本としても、細胞培養の技術確立を図りたいというふうなことで御提言を受けまして、予算要求をしていきたいというふうに考えております。
  92. 山本博司

    ○山本博司君 国内でこのワクチンを製造できる、大変限られているということで、飛躍的な製造体制の強化がないと国民全体には行き届かないというふうに思っております。体制強化に是非とも取り組んでいただきたいと思います。また、新型インフルエンザに対応できるパンデミックワクチンも発生したらすぐに製造をしなくてはならないことがございますので、期間の短縮など製造技術の確立にもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  また、この新型インフルエンザ対策に携わる研究の中心施設として国立感染症研究所がございます。先日、舛添大臣も視察されたとのことでございますけれども、ウイルスの分析やワクチンの実用化を早めるための研究など、今後の対策に重要な役割を担っていると思います。新型インフルエンザ関連の分野に人員の拡大や予算の増額などを行い、研究開発への支援を拡充すべきと考えますが、舛添大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。
  93. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 今委員おっしゃってくださったように、国立感染症研究所に行ってまいりました。  一つは、卵、鶏卵、有精卵によらない形でメーカーはワクチンを作る、そのための細胞培養技術の確立、それから注射型ではなくて鼻から噴霧器で入れる形の経鼻型の摂取方法、この開発、これはまだしばらく時間は掛かりますけど、この二つが完成すればワクチンの準備が相当早まると思います。そういう意味で、これはきちんと予算も付けないといけない、人員も確保しないといけない。  ちなみに、平成二十年度からは新型インフルエンザ対応室を設けまして、五名の人員を配置することにいたしました。予算的には、試験研究費二億円のアップということをいたしておりますけど、来年度予算の概算要求に向けてこの点も念頭に置いて更に充実を図りたいと思いますので、委員各位の御協力をお願いしたいと思います。
  94. 山本博司

    ○山本博司君 ありがとうございます。  是非とも実効性のあるものに、大臣よろしくお願いをしたいと思います。  さらに、新型インフルエンザが発生する危険性が高いとされております東南アジア地域各国とは緊密な情報交換を行うとともに、我が国の優れた研究機関の技術提供や保健衛生や医療分野の支援を通じて爆発的な流行を抑制することが重要と考えますが、諸外国との協力体制はどのようになっているのか、お答えをいただきたいと思います。
  95. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 御指摘のとおり、新型インフルエンザは国境を超えた世界規模の感染拡大が懸念されております。アジア諸国との情報交換や国際協力は我が国の国民を守る上でも重要なものと考えております。  システムでありますけれども、海外の情報を迅速に把握するために、国際保健機関、WHOと今お話出ました国立感染症研究所等の各国の研究機関との構築していますネットワーク、グローバル感染症対応ネットワークと呼んでおりますけれども、ここが中心となって新型インフルエンザ情報収集をしているところであります。  また、外務省を通じての在外公館からの情報収集あるいはアジア諸国との政府研究機関との連携の強化等々について、引き続き連携を強めてまいりたいというふうに考えております。
  96. 山本博司

    ○山本博司君 ありがとうございます。  被害の拡大を未然に防止できるような我が国がリーダーシップを発揮していく、非常に大事なことでございますし、諸外国との連携を強化をしていただきたいと思います。  最後に、新インフルエンザ対策、いつ発生するか予測できない、そういうことで、被害を最小限に食い止めるためには、随時見直しを行って常に最新の対策を取らなくてはなりません。行動計画の中では、医療機関を受診する患者数が最大で二千五百万人、死亡者数が最大で六十万人、こう想定しているために国民の不安が増大をしている面もあると思います。そうした国民の不安を払拭をして、いざ発生したというときに機動的な対応ができるように、ふだんから国民に対して正しい知識を伝え、情報の周知徹底を行う必要があるのではないでしょうか。  この点も踏まえまして、新型インフルエンザ対策への舛添大臣の御決意をお聞かせいただきたいと思います。
  97. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 正しい情報国民一人一人が正確に持っていると、これが危機への対応の前提だと思いますので、今委員御指摘になりましたような点も踏まえまして、リスクコミュニケーションに対するガイドラインを作る、それから四月一日に新型インフルエンザ対策室を設けました。その中にメディアの出身者の方、リスクコミュニケーションの専門家も入っております。そういう知恵も動員しながら、また厚生労働省のホームページを使う、先ほど申し上げましたような小冊子とか子供向けの絵本とか、こういうものを動員しながら国民に正しい情報を迅速に伝えていく、そしてこの新型インフルエンザ対策に万全を期したいと、こう思っております。
  98. 山本博司

    ○山本博司君 以上で質問を終わります。  ありがとうございました。
  99. 小池晃

    ○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  冒頭、昨日、アメリカ産牛肉の特定危険部位である背骨、脊柱の付いた肉が吉野家の倉庫で発見されるということがありました。これ、アメリカの管理、検査というのがいかにずさんであるのかと。それから、日本の方も全箱検査やめて抜取り検査にしたことによって安全が守れないということが私、事実ではっきり証明されたと思うんですね。  大臣、これ、二〇〇五年に一回発見されたときは輸入禁止の措置を直ちにとりました。これは、このままでは国民の命を守れないんですから、直ちに輸入の禁止措置をとるべきじゃないですか。
  100. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 今回のこの件を調査いたしました。システマティックな不正があったりシステマティックなミスがあったというよりも、これは箱の内容とその表示については一致しています。そのレベルはこれはオーケーだと。ただ、日本向けに出荷すべきでない箱を何らかのミスで日本向けにしてしまったと。それを事前にチェック体制をきっちりやるということで今回発見をしたわけであります。  今とりました措置は、その出荷した工場について原因きちんと究明できるまではストップすると、こういう措置を今とっております。そして、これは百トン以下の量であると全部検査、全箱検査するんですけれども、二年前の七月の輸入の再開からの実績をずっと見ています。千トン以上の輸入実績があるところ、今回のところは今まで全く何の問題もなかった、それに対しては抽出して調べると。その抽出率を今度ぐっと十倍ぐらいに上げて、そして更に厳格な検査をして万全を期したいというふうに思っていますので、今のところはそういう形で対応をしておりますので、今後また新たな事態、新たな事実、そういうことが解明し、必要な対策を取る必要があれば断固としてそういう対策を取ってまいりたいと思っております。
  101. 小池晃

    ○小池晃君 いろいろ今おっしゃったことは、それは検討をする必要はあると思うんだけれども、まずは禁止をして、ストップをさせて、そしてそういったことがきちっと行われているかどうかを調べるというのがやり方の筋じゃないですか。だから前回もそうやったわけでしょう。  私はいったんこれは直ちに輸入禁止措置をとると、当然のことだと思います。これはやるべきだと。何でやらないんですか。
  102. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) その出荷した工場からのものは輸入禁止を今取っております。しかし、全部アメリカからのをすべて今止めるかということについていうと、先ほど来申し上げたようにいろんな状況を勘案して、それは牛肉が全く入ってこないということのマイナスもあります、しかし食の安全ということをしっかり守らないといけない。そういうことを総合的に勘案して、国民の食の安全を守るためには今の措置、これをとるということを決断したわけであります。
  103. 小池晃

    ○小池晃君 あのときあれだけ大騒ぎして安全だと確認したから入れたというのに、それが否定される事実が出たんだから、これはいったん止めるというのが筋なんですよ。それで実態を調べるということをやるべきだ、私はそのことを強く要求したいというふうに思います。  それから、ちょっと今日は乳幼児医療費の無料化の問題聞きたいんですが、これは国の制度として実現せよということを何度も言ってまいりましたが、保険局長に、六歳未満の未就学児の医療費の無料化を費用の二分の一を国庫負担で行った場合、費用総額幾らになるのかお示しください。
  104. 水田邦雄

    政府参考人(水田邦雄君) お答えいたします。  平成二十年度におきます未就学児に係る医療保険の自己負担額の総額は約二千百億円と見込んでおります。仮にその自己負担を無料化した場合、一定の仮定の下で試算をいたしますと、平成二十年度におきまして、医療費の波及増も含めて医療保険の給付費は約三千百億円増加するものと見込まれるわけでございます。また、議員のおっしゃるとおり仮にその二分の一を国庫負担するということにいたしますと、必要額はその二分の一、約千五百億円程度と見込まれます。
  105. 小池晃

    ○小池晃君 地方財政厳しい中でも各地でこの拡大が進んでいるんですね。何らかの形ですべての自治体が軽減措置をとっています。子育て世代への応援策としても、内閣府の意識調査では、一番は保育料、幼稚園費の軽減で、二番目は乳幼児の医療費の無料化なんですね。  大臣、これ国の制度として、今あったように例えばということで千五百億円、これ国の制度でやるべきじゃないですか。
  106. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 子育て支援、様々な施策をやっていまして、今年からは自己負担割合の二割という、この対象年齢を就学時前まで、それまで三歳まででしたので、それを引き下げる、それから出産一時金を三十万から三十五万と、少しずつ限られた予算の中で施策をやっております。そしてまた、地方においては本当にそれぞれの努力でそれに上乗せすることをやっておりますが、子育て支援施策の一環として、さらに今委員が提起された問題も含めて、できれば、それはもう予算が潤沢にあればそういうこともやる努力をいたしますが、いかんせん二千二百億円の限られた、この二千二百億円のマイナスシーリングが課せられた中で、その中で様々な施策をやっているところでありますので、一気にはできませんが、一歩一歩理想に向かって努力を今後とも展開していきたいと思っております。
  107. 小池晃

    ○小池晃君 私は、これはやっぱり子育て応援のすごい強いメッセージになると思うんですね。やっぱり政策効果としては非常に大きいと思うんです。やるべきだと。ところが、国は、現物給付で医療費を無料化している自治体に国保財政に対する減額の調整をやっています。この自治体数と減額額を示していただきたい。
  108. 水田邦雄

    政府参考人(水田邦雄君) 御指摘の医療費の調整措置は、これは制裁措置ではございませんで、国庫負担を公平に配分する観点から行っているものでございます。  お尋ねの乳幼児医療費の軽減措置を行って国庫負担額が調整されている市町村数は平成十八年度で千三百七十四、調整額は約六十五億円となっております。
  109. 小池晃

    ○小池晃君 大臣衆議院の予算委員会で、私の住んでいる世田谷でも区長が頑張って医療費無料化しているので大変助かっているというふうに答弁されたんですよ。大変助かっていると言いながら、これやったところにはこれはお仕置き、減額で六十五億円、これ筋通りません。やめるべきじゃないですか、せめて。理屈いろいろと言わないで、何でやるのかとかそんなことはいいですからね。これは、だっておかしいじゃないですか、大変助かっていると大臣おっしゃったのに、そういう自治体には六十五億円減額しているんだから。やめたらどうですか。
  110. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) これは理屈を言わざるを得ないんで、個々の立場にとってはそれは助かっていますが、国全体の財政、地方全体の財政、そして地域間格差をどう埋めるかという話になるわけですから、そういう形で調整していただいたお金は補助が行かないようなところに何らかの形で回すというようなことで、今の問題はやっぱり地域の格差の問題にもかかわってくるので、これは総合的に政策をやらざるを得ないので、個人の思いはありますけれども、私は国全体を見て施策を展開したいと思っています。
  111. 小池晃

    ○小池晃君 こんなのは直ちにやめることを要求します。  それから、最後、労働者派遣法の問題、聞きたいんですが、改正提案を私どもは発表いたしました。大臣にもお届けをいたしました。私たちは、これ派遣労働者を保護する法律に抜本的に改める、労働者派遣は常用型を基本にして、登録型は例外として厳しく規制をするということを基本にしております。今日の日雇派遣、スポット派遣という実態はまさに九九年の原則自由化が生み出したものだから、それ以前の段階に戻すことが必要だというふうに考えております。  大臣の見解を伺います。
  112. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 私も常用雇用、これが基本であるべきであると思っています。ただ、通訳なんかの場合にやっていく、そういうことを含めて、この前委員からのこの法律案もいただきました。今そういうことも受けまして、二月に研究会を設置いたしまして、ポジティブリストで、この前二十六でしたか、これとこれと決めてやる限定するやり方にするという意見もあれば、むしろそういうことじゃなくて、全く何も決めないで自由にやらせるという意見もあります。それを七月をめどに取りまとめて、そしてどういう形で具体化するかということを決めたいと思っております。
  113. 小池晃

    ○小池晃君 大臣、それを進めるには、私たちも専門業務はこれはあっていいという、そういう提案ですからね、通訳なんかについては。ただ、原則としてやはりきちっと規制していくということが我々の提案なんですね。  大臣に、今研究会で検討しているとおっしゃるので、私は提案したいことがありまして、先日、キヤノン、松下プラズマディスプレイ、光洋シーリングテクノなどで偽装請負等の問題を告発してきた労働者と、民主党、社民党の国会議員さんと一緒に厚生労働省に伺って交渉しました。こういう労働者というのは、検討するというふうにおっしゃるけれども、今の瞬間も仕事に就くことができずに大変な苦労を強いられているわけです。先日、岸副大臣にはお会いいただいた。彼らは何と言っているかというと、この法律で一番苦労している私たちの話を是非聞いてほしいと。私もそのとおりだと思うんですね。  是非大臣大臣が直接聞くことも含めて、そして、今研究会やっているのであれば、こういう偽装請負で本当に大変な目に遭っている労働者の方是非呼んで実態と話を聞くということを是非やっていただきたいと思うんですが、大臣、いかがですか。
  114. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) この研究会のヒアリング実績、ちょっと調べてみました。そうしますと、ヒアリングのスケジュールが既に終わっていまして、三月三十一日に例えば派遣ユニオンというような方々とともに、今度は四月十一日に派遣元企業とともに、派遣労働者、常用雇用、日雇、各一名のヒアリングが終わっています。しかし、今委員おっしゃったように様々な、これも三名ですから全部を代表しているわけではありません。現実にこういう問題がありますよと、こういうことを是正していただきたいというような要望があれば是非いただいて、そういうことも参考にしながら、きちんとこの七月をめどに政策をまとめたいと思っております。
  115. 小池晃

    ○小池晃君 その話を厚生労働省に言ったときに、そういうのをやっていると伺ったんで、そこに参加している人たちは、だったらおれたちの声を聞いてくれよという話になったんですよ。だから、是非、今参考にするとおっしゃいましたので、私、呼びかけますので、そういった方の意見を持っていきますので、是非そういったことを検討して、見直すというのであれば、やっぱり一番大変な思いをしている方の声、実態を聞くのが私は一番大事だと思いますので、是非やっていただきたいということをお願いします。  以上で質問を終わります。
  116. 福島みずほ

    福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  私も、今日冒頭、新聞の一面に載っておりますBSE、特定危険部位が吉野家の工場で発見されたということについて、質問通告をしてないんですが、お聞きをいたします。  二〇〇六年七月にまた解禁して以降初めてのケースですが、大臣はこの事件、ケースをどう受け止めていらっしゃいますでしょうか。
  117. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) こういうことはあってはならないことなので、大変残念だと思っております。しかし、それを受けて、それを出荷した工場からの今輸入を一切行わないと、そういう措置をとり、原因の究明をやっているところであります。
  118. 福島みずほ

    福島みずほ君 この解禁に当たっては、非常に与野党、特に対決、対立をいたしました。野党は、アメリカの工場視察などを踏まえ、危険であると、解禁するべきではないと強く主張し、安全性が確保されないと言ったんですが、解禁されました。現に言っていたとおり危険部位が発見されると。これはやはり解禁に問題があったというふうに私は、社民党は考えます。  大臣、先ほどからもあるんですが、やっぱり言っていたとおりじゃないかということについてはどうですか。
  119. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) それは日本とアメリカの間で、かくかくしかじかのものは輸入していいですよ、輸入しちゃいけませんよと、そういうことに真っ向からこれは守っていないということであれば、それはもう全面的にこれは問題ですよということなんですけれども、そうではなくて、内容表示もきちんとしている、そして、まさに積むときに積む方向を間違えたという、ある意味でのケアレス、人為的なミスであるわけですから、しかし、その原因をもっときちんとやってくださいということで、その工場、そういうミスを犯した工場からは今止めてあります。しかし、この前の十八年の一月の事案のように、これはそもそも問題ですよと、アメリカと日本のルール違反をやっているんですよと、システマチックですよと、そういうことではないんで、アメリカ全体からやめるということはやめたんです。  何度も申し上げますように、食の安全ということは、これは全力を挙げて守ります。しかし、片一方では私たちの食料供給をどうするかということについてもやはり配慮をしないといけない。ルールに基づいてきちっとやる。そして、問題を起こした工場に対しては出荷停止をやり、原因究明はする。そういう対応をしてまいりたいと思っています。
  120. 福島みずほ

    福島みずほ君 特定危険部位が入っていたのはルール違反ではないんですか。
  121. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) それは何度も申し上げていますように、それは人為的なミスで、日本向けに出荷してはいけないものがそれに入ったと、今回それをきちんと検査して発見したということであります。
  122. 福島みずほ

    福島みずほ君 特定危険部位が入ってはいけないにもかかわらず入っていたわけですから、明らかにこれはルール違反です。しかも、日本の場合は特定危険部位入ってないけれども、アメリカの場合、危険部位を出荷したりやっている部分もあるわけで、ダブルの意味で危険だと思います。  大臣鳥インフルエンザと午後議論する感染症の問題も重要ですが、BSEも食べ物の問題ですから極めて重要です。私は、いったんやめてやはり検査をすべきだと考えますが、いかがですか。
  123. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 先ほど来申し上げていますように、日本向け輸出の中にそういうことがあったならば、これは大問題であるしシステマティックであるんですけれども、個別のケースで、まさにトラックであるか船であるか、右側のトラックに積まないといけないのに左に積み間違えたということでありますから、そういうことをやった工場を止めてそこを徹底的に調べる、それがまず第一段階であります。  一気にこれを全部止めるということの全体的なプラスマイナスを考えて、私は今のこの対応で問題ないと思っております。
  124. 福島みずほ

    福島みずほ君 サンプル調査はやっているわけですけれども、野党は当時きちっと全部やるべきだ、あるいはアメリカでの工場の処理がずさんであると思うので解禁すべきでないという主張を非常にしました。現にこのような問題が起きているわけで、これは気が付いたから、たまたま気が付いたから良かったものの、実はそうでないかもしれない、あるいは氷山の一角かもしれない、これについてどうですか。
  125. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 例えば、今から新しい工場が出荷してくる、日本に来ます。全部見ます。そして百トン以下、今まで一昨年の七月から輸入した中で百トン以下ぐらいの実績ないところは全部見ています。しかし、一千トンを超える、そして何にもそれまで問題がない、まさに今回がそういう工場でした、それは抽出して調べてみるということで対応してきたわけであります。つまり、全部見るということ、しかし過去の実績、それをきれいに比例させながらやってきた。しかし今回のことが起こった。だから、千トン以上についても抽出率を上げて、もっと厳しい検査をすると、こういう対応をした次第であります。
  126. 福島みずほ

    福島みずほ君 この件について早急に報告書をまとめると同時に、やはり重大な事態で、食の安全については国民関心高いですから、私は、いったん直ちに中止をして、報告書をきちっと出し、納得がいく結論があるんであればそこでまた再開をするなど措置をとるべきだと思いますが、いかがですか。
  127. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 農林水産省、それから我々の厚生労働省、既に発表しているような措置をとっておりますけれども、まずはその工場について原因究明をやる。その上で、政府全体として更なる手を打つかどうか、それは食の安全にかかわるわけですから、政府全体として今後の検討課題といたしたいと思います。
  128. 福島みずほ

    福島みずほ君 BSE、アメリカ産牛肉について解禁すべきでないと主張した原点に戻って、強く直ちに中止すべきだと主張します。  労働者派遣法の改正についてお聞きをいたします。  社民党の骨子を今日お手元にお配りをしております。  四月一日から指針を施行したことで日雇派遣の実態は改善されたのでしょうか。情報公開、雇用期間の長期化、派遣元会社が定期的に派遣先を巡回することなどが書かれていますが、具体的な効果は発生しているのでしょうか。
  129. 太田俊明

    政府参考人(太田俊明君) お答えいたします。  今の日雇派遣の指針でございますけれども、本年二月二十八日に制定しまして、その後、全国の都道府県労働局で説明会を開催するなど周知啓発を行って、四月一日より施行したところでございます。ですから、まずはその指針の趣旨の徹底、今お話ございましたが、情報公開、雇用期間の長期化、あるいは派遣元が定期的に派遣先を巡回する等々の趣旨を徹底すること、そしてその遵守を派遣元事業主及び派遣先に求めているところでございます。  それから、さらには、この指針の公布を機に策定しました緊急違法派遣一掃プランにおきましては、日雇派遣を行う派遣元事業主及び派遣先に対する重点的な指導監督を行うこととしているところでございまして、日雇派遣指針に違反する者につきましては厳正に指導し、改善を図ってまいりたいと考えているところでございます。
  130. 福島みずほ

    福島みずほ君 日雇派遣労働者への日雇手帳の交付件数並びに失業給付金の給付件数は、チラシを配付してから増大したのでしょうか。印紙を張る企業が少しも増えていないと考えますが、いかがですか。
  131. 太田俊明

    政府参考人(太田俊明君) 今のリーフレットの配付につきましては、一月末に指示して、二月から三月にかけて派遣元事業主に対しまして配付して、その周知徹底を図ってきたところでございます。  具体的な状況でございますが、三月末現在で日雇の手帳の交付件数が二件、それから給付金の給付件数はゼロ件ということでございまして、リーフレットの配付以降はまだ増加していない状況でございます。  私どもとしましては、今後とも、日雇派遣労働者に対する雇用保険の適用につきまして、これは派遣元事業主に対する派遣法に基づく指導監督がございますので、その指導監督とも一層連携しながら、適切な加入が図られるように引き続き周知、指導を実施してまいりたいということでございます。
  132. 福島みずほ

    福島みずほ君 チラシを見ましたが、非常に分かりにくい形式的なもので、労働局から配ったとしても現場の労働者には本当に行っていない。今回答したとおり、特に改善が見られていないんですね。これに関しては派遣会社への指導がそもそも足りないということを申し上げます。  日雇派遣の禁止、これは各野党全部主張を訴えています。指針で終わらせるのではなく、やはりさっき大臣審議会の中での議論おっしゃいましたけれども、何で日雇派遣ができるのか、それはやはり製造業や単純なものに関しても全部解禁をしたからだというふうに考えます。是非この具体的な対策を聞かせてください。
  133. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 緊急にこの違法派遣を一掃しようということで今そのプランに基づいて徹底指導をしているところです。そして、先ほど来話していますように、研究会の中で何とかこういう問題についての方向付けをやり、七月をめどに一つの政策をまとめたいと思っています。  何度も申し上げますけれども、やはり常用雇用が基本である。その上で、先ほどの専門職、そういうものは必要なのがあるとしても、余りにやっぱり問題が多い実態であればこれは改善すべきだと思いますので、徹底的にそういう方向を目指して改善の努力をやってまいりたいと思います。
  134. 福島みずほ

    福島みずほ君 専ら派遣については、通知書やいろいろありますけれども、実効性が上がっていないというふうに考えます。専ら派遣に関して、厚生労働省は違反実態をどのように把握しているでしょうか。
  135. 太田俊明

    政府参考人(太田俊明君) 今のいわゆる専ら派遣につきましては、これは派遣法の七条第一項第一号におきまして、派遣事業の許可基準として、専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行われるものでないこと、こういうふうに定められているところでございまして、専ら派遣の場合はそもそも許可がなされないものでございます。  したがいまして、専ら派遣を含めて法令違反が確認された場合には、都道府県労働局において厳正に指導を行っているところでございまして、今後とも、法違反が認められた派遣元事業主に対する厳格な対応を徹底して、その防止、解消に努めてまいりたいと考えているところでございます。
  136. 福島みずほ

    福島みずほ君 専ら派遣について、違反ケースは何件報告されていますか。
  137. 太田俊明

    政府参考人(太田俊明君) 平成十八年度のこの法七条違反による文書指導件数が十三件でございますが、このうち専ら派遣にかかわるものは三件でございます。
  138. 福島みずほ

    福島みずほ君 実態とそれはずれていると思うんですね。専ら派遣、つまり子会社をつくって、出資をそこにしてそこから派遣する、あるいは審議会でも議論になったようですが、検討課題として、分社化をしてそこから派遣で派遣をさせる、こういうことなど極めて問題だと思いますが、いかがですか。
  139. 太田俊明

    政府参考人(太田俊明君) 今御指摘の専ら派遣につきましては、先ほどの今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会においてヒアリングを行った際に、例えば労働者の団体から、一つは、社員をリストラするときに別会社の派遣会社に移籍させている例があるということ。それからもう一つは、新卒採用の場合にグループ内の派遣会社で採用した人を親会社に派遣する例があるということがありまして、派遣のメリットを生かすのではなくてコスト削減だけのためにやっているのでないかというような指摘があったところでございます。  こういう指摘も含めて、専ら派遣につきまして、労働力の需給調整システムとして適当であるかという観点から研究会において検討をしていきたいと考えているところでございます。
  140. 岩本司

    委員長岩本司君) 時間でございますので、おまとめ願います。
  141. 福島みずほ

    福島みずほ君 はい、済みません。  フリーター百万人正社員化計画がありますが、具体的にどうするか、実は見えてきません。ディーセントワーク、人間らしい労働については常用で直接雇用だと舛添大臣は主張してくださっています。  今こそ派遣法の抜本改正など必要だと考え、私の質問を終わります。
  142. 岩本司

    委員長岩本司君) 本日の調査はこの程度にとどめ、午後一時三十分から再開することとし、休憩いたします。    午後零時四分休憩      ─────・─────    午後一時三十一分開会
  143. 岩本司

    委員長岩本司君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  感染症予防及び感染症患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省健康局長西山正徳君外九名の政府参考人出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  144. 岩本司

    委員長岩本司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  145. 岩本司

    委員長岩本司君) 感染症予防及び感染症患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。舛添厚生労働大臣
  146. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) ただいま議題となりました感染症予防及び感染症患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  現在、H5N1型の鳥インフルエンザが鳥から人へ感染する事例が東南アジアを中心に増加しており、これが人から人へ感染する新型インフルエンザとなって、世界的に大流行し、国民の生命及び健康に重大な影響を与えることが懸念されております。  新型インフルエンザによる被害を最小限に食い止めるためには、検疫や患者入院等の蔓延防止策を発生直後から迅速に開始することが重要です。  このため、新型インフルエンザの発生直後から検疫の強化や患者入院等の措置を実施できるようにするとともに、新型インフルエンザの想定される感染力の強さを踏まえた蔓延防止策の充実を図ることとし、本法律案を提出することとした次第でございます。  以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。  第一に、新型インフルエンザとなることが懸念されているH5N1型の鳥インフルエンザを二類感染症とし、国内で発生した場合の患者入院等の措置を可能とし、その蔓延防止を図ることとしております。  第二に、新型インフルエンザ入院、検疫等の措置の対象となる感染症に定め、発生直後から、国内への病原体の侵入を防止するための水際対策の強化、国内で発生した場合の患者入院等の措置を可能とすることとしております。  第三に、新型インフルエンザ感染力が強いと想定されていることを踏まえ、新型インフルエンザにかかっている疑いのある者に対し都道府県知事が健康状態の報告や外出自粛を要請することができるものとし、発症を迅速に把握し、速やかな蔓延防止策の実施につなげることを可能とすることとしております。  第四に、新型インフルエンザ感染力が強いと想定されていることから、検疫において新型インフルエンザにかかっている疑いがあるとして一定期間停留させる者が大量となる可能性を踏まえ、停留先に医療機関以外の施設を追加し、水際対策の実効性を担保することとしております。  第五に、検疫における停留には及ばないものの新型インフルエンザにかかっている疑いが否定できない者については、検疫所長が都道府県知事に報告し、報告を受けた都道府県知事において必要な蔓延防止策を実施できるようにするなど、水際対策と国内感染症対策との連携の強化を図ることとしております。  最後に、この法律の施行期日は、公布の日から起算して十日を経過した日としております。  以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要でありますが、この法律案につきましては、衆議院において修正が行われたところであります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  147. 岩本司

    委員長岩本司君) 次に、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員大村秀章君から説明を聴取いたします。大村秀章君。
  148. 大村秀章

    衆議院議員大村秀章君) ただいま議題となりました感染症予防及び感染症患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律案衆議院における修正部分につきまして、御説明申し上げます。  修正の要旨は、第一に、無症状病原体保有者について、新型インフルエンザ感染症患者とみなすこと。第二に、国は、新型インフルエンザ感染症に係るワクチン等の医薬品の研究開発を促進するために必要な措置を講ずるとともに、これらの医薬品の早期の製造販売の承認に資するよう必要な措置を講ずるものとすること。第三に、国は、新型インフルエンザ感染症の発生及び蔓延に備え、抗インフルエンザ薬及びプレパンデミックワクチンの必要な量の備蓄に努めるものとすること。  以上であります。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  149. 岩本司

    委員長岩本司君) 以上で趣旨説明の聴取及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。  修正案提出者は御退席いただいて結構でございます。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  150. 小林正夫

    ○小林正夫君 民主党・新緑風会・国民新・日本の小林正夫です。  早速質問に入ります。被害の想定が妥当かどうか、この点について質問をいたします。  政府は、平成十七年の十二月に行動計画を作成して発表しました。その内容が二〇〇五年の十二月の「厚生労働」というこの雑誌に細かく記載がされておりまして、私もこれをよく読みました。その中で、流行規模の想定として、医療機関で受診数が最大で二千五百万人、入院患者数が二百万人、死亡者数は六十四万人に達するとしてあります。  しかし、これはこの資料を読んでいきますと、一九一八年、大正七年に発生したスペイン風邪を前提に推計したと、このようになっているんですが、九十年前の状況前提に被害想定するのが妥当かどうか、ここに私、疑問を持っているんです。改めて被害推計を見直す必要があるのではないか。  九十年前と現在と比べれば、移動も飛行機で大量に移動したり、あるいは都市に大きい人口が集中したり、まあ逆に言えば衛生面での進歩というんですかね、そういうことは大分改善されたなと、このように思うんですが、本当にこの九十年前のスペイン風邪を前提にした今の被害推計というのが妥当かどうか、大臣、いかがでしょうか。
  151. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 委員おっしゃるように、この推定をどうするかというのは非常に大きな問題で、研究者の意見もまちまちに分かれております。一つの目安は第七回のヨーロッパのインフルエンザ会議、これの専門会議で二五%という罹患率を出し、それからスペイン風邪の例を見て、二%の致死率というのを使ってこういう数字が出ているということであります。  ただ、今委員おっしゃったように、片一方では医学の水準も上がっていますけれども、もう飛行機で移動できる、それからこれだけ人の交流、グローバル化が進んだときに、一人、菌を持って入ってくれば立ち所に広がっていくわけですから、そういう意味で本当にどこまで正確な推計ができるのかなというのはあります。  だから、これとこれという条件でこうだという数字は出ると思います。したがって、想定以上の被害が起こったときにも対応できるように万全の危機管理をすると、これが重要でしょうし、まず水際作戦をしっかりやって、そしてしかるべく想定以上の数字が出たときも対応すると、こういう心構えで万全の準備をしていきたいと思います。委員の御指摘はまさにその想定からくるこの困難さということを御指摘なさって、私もその点は共感しております。
  152. 小林正夫

    ○小林正夫君 確かに、これから起き得ることを、推定ですからこれは大変難しいとは思いますけど、今大臣もおっしゃったように、一回決めたからもうこれでいくんだということではなくて、新たにどんどん情報も入ってくると思いますので、やはり私たちはきちんとしたその時代に合った推定というのをしていかなきゃいけないと思いますので、これから先も大いに検討はお願いしておきたいと思います。  そして、今日の午前中の一般質疑でも質問があったんですけれども、なぜこの時期に予防接種をするのかと、この質問をしたいと思います。  四月の十六日の専門家会議で、まず医者や看護師など六千名の方に予防接種をして、その後、対象者を一千万人に拡大する方針を固めたと、こういうことが言われたんですが、私の事務所にも、何でこの時期にやるんだろうかと、本当はもっと危機が迫っていて政府が何か国民に隠していることがあるんじゃないか。世界に先駆けて日本予防接種を始めるということですから、確かに二年、三年前からこのような機関誌を通じて新型のインフルエンザが発生したらこれは大変になるぞと、こういうことは言ってきましたけれども、やっぱり予防注射を世界に先駆けてやるという報道が流れたときから、何があるんだろうかと、この心配が、パニックにはなってないんですよ、なってないんだけど、何か政府が隠していて国民の知らないところで何か重大なことが今でも起きているんじゃないかという心配が実は私の事務所に寄せられていることは間違いないんです。  そういう意味で、もう一度、なぜこの時期に予防注射をやると、このことを決めたのかどうか、国民皆さん、心配している方もいらっしゃいますから、分かりやすく説明をいただければと思います。
  153. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) この新型インフルエンザの脅威については、例えば出版物も今たくさん出ています。そういうことを基にしたテレビ局のシミュレーション番組も出ています。大変国民の関心も高まっていますけれども、何といっても、アジアの周辺地域を見ますと、インドネシア、ベトナム、そしてお隣の中国、そしてまた韓国で今鳥インフルエンザがはやっています。それで、先ほど来、人の往来がこれだけ自由になったときに、いつ何どき来るか分かりません。そして、何らかの予防措置ができるかなということで、準備として、まずプレパンデミックワクチン、これを備蓄をもう既に始めています。そしてタミフル、これは治療の方、これも二千八百万人分ぐらい備蓄をしています。  そういう中で、いろんな研究者の意見も分かれていまして、例えば、ちょっとみんなに打つっていうのはやり過ぎじゃないかという意見も外国の研究者にはあります。しかし、備えあれば憂いなしということで、とにかくこのワクチンが安全だという治験については既に終わっていますから、実際に打ってみたときに、六千人規模で打ってみて、それは本当に医療従事者だとか検疫官とか、もう最前線に立っておられる方にやってみる。そして、この夏ぐらいから始めたいと思いますけれども、安全性や有効性、そういうもののデータをきちっと取って、そしてその上でやはりライフラインを守っていく、それは電力やガスもそうですね、そういう方々も含めて一千万人分をきちんとやる。それで、さらに、じゃ私は打ってもらえないのかという方がおられるといけないので備蓄を増やしていき、準備をしていって、そして希望する方には全員打てるように、これは予算措置とかいろいろな問題があります、そういうことをやりたい。そして、今、国立感染研究所に行きましたけれども、だんだん研究も進んできています。  そういうことで、何かを隠していて、もう目の前まである危機を例えば私が知っているんだけど知らせないでということではなくて、これ今すぐ、今日打ってあした効果があるというものじゃないですし、今言ったように半年、一年、こういう計画で、実際に一千万人の方々が打たれるのは来年になって、二十一年度になってからで、予算措置もまだ決めていません、そういう意味では。だから、本当にこれはもう危機管理上申し訳ない話なんですが、仮にあしたどこかで、日本のどこかで発生すれば、ある意味でお手上げなんです。  だから、何か隠していて、持っていてあしたというならそれは何かやるでしょうけれども、そういうことではなくて、早くて来年ですから、しかし備えあれば憂いなし、できるだけ早く準備を進めておきたいと、そういうことでありますので、是非そこのところは理解をしていただいて、万全の体制を取りたいと思いますので、国民皆さん方の御協力もいただきたいと思います。
  154. 小林正夫

    ○小林正夫君 今の関連について後ほどまた触れたいと思いますけれども、今の大臣の回答とダブるかもしれませんが、この機会にもう一度、これからどのような工程で予防接種を進めていくのか、またどのような人を対象に予防接種をするのか。予防接種を受けさせるにしても、対象の医者や看護師に地域的な偏在が起きないかどうか。それと、予防接種を受ける人にどう理解を求めていくのか。これは本人の承諾というか、本人が理解した上でということになると思いますから、この辺について改めて、どう進めていくのかということをお尋ねします。
  155. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 御説明を申し上げます。  今大臣が申されましたように、専門家会議の御議論の結果、四月十六日でありますけれども、臨床研究の実施が新たな方針として示されました。  現在、国立病院機構の三重病院長の庵原先生が主任研究者になっていただきまして、六千名に対しまして、免疫の持続性ですとか、あるいは半年たってからの二回目の接種による免疫の効果、ブースト効果と呼んでいますけれども、そういった効果についての研究をすると。  対象の方でございますけれども、現在私ども、検疫所の職員ですとかあるいは感染症指定医療機関の職員ですとか、そういう方々を考えていまして、同意を得られた方を対象にしまして倫理審査委員会を設けまして、審査や研究、参加者の募集、対象者への接種、データの収集、解析、こういうものを進めていきたいと。  さらに、地域的な偏在ということでございますけれども、そのようなことが生じないように引き続き主任研究者と御相談を申し上げたいと、こう考えているところでございます。
  156. 小林正夫

    ○小林正夫君 いずれにしても、国民の方が誤解しないようにあらゆる情報を提供していくことが必要だと思いますので、そのことはお願いをしておきたいと思います。  そこで、今日は資料一を用意をいたしました。  これは、厚生労働省にお願いをして、タミフルなどの備蓄目標と現在どのぐらいの備蓄がされているのかということ、それと有効期間がどうなのか、この有効期間が切れる時期ですね、これを厚生労働省の方に一覧表としてまとめていただきました。備蓄目標イコール現在の備蓄数ということですから、これは目標どおり今現在備蓄されているということがこの表で分かりました。  それで、有効期間なんですが、例えばタミフルが五年ということになっておりまして、この今あるもののうち、平成二十二年度末で二百五十七万二千六百人分のタミフルの有効期限が切れると、二十三年度末には一千九十二万七千四百人分のタミフルの有効期限が切れると、こういう表を厚生労働省に作っていただきました。  これは、補充をどういうふうにやっていくのかということをまず聞きたいということ、それについてお答え願いたいと思います。
  157. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) お示しいただいた資料でございますけれども、有効期間五年でございます。この五年が切れた場合にはこれは廃棄処分するというふうなことしかないわけでして、その後については私ども検討いたしますけれども、基本的にはまた補充していくんだろうということを考えております。  ただ、一点申し上げれば、この有効期間でありますけれども、申請の企業からこの五年という有効期間を七年にしたいというふうなことで申請が今、薬事法の申請がございました。もしもこれが承認されれば、やはり同等の製品なものですから、七年に二年間延びるというふうなことも情報としてございます。  したがいまして、結論から申し上げれば、やはり有効期限が切れた場合には即補充するんだろうというふうに考えております。
  158. 小林正夫

    ○小林正夫君 補充するんだろうというお話でしたけど、必ず備蓄目標数は確保していくと、こういうことでいいですか。
  159. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 失礼しました。その予定でございます。
  160. 小林正夫

    ○小林正夫君 そこで、今日も午前中質問がありましたけれども、この備蓄目標の数、これでいいのかと、もっと高くすべきじゃないか。前回の厚生労働委員会の一般質疑でもこのような懸念が示されて、これは専門家の皆さんに検討してもらうんだと、そして検討を待ちたいと、こういう参考人のお話でした。  この辺について、改めて私も、この備蓄目標これでいいのかと、先ほど言ったように、九十年前のスペイン風邪を基にして云々というところもあるものですから、ここについて、私はもっと高い備蓄目標数を決めていかなきゃいけないんじゃないかと思いますけど、この辺についてはいかがでしょうか。
  161. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) おっしゃるように、この備蓄目標は、先ほどの推定値を基に二千八百万人備蓄しておりますけれども、例えばWHOの専門家会議では、今の用法、用量がやはり少ないんではないかと、二倍量を更に五日間じゃなくて十日間打つ必要があるんじゃないかというふうな研究も進められていまして、そういう研究の動向を踏まえてこの備蓄量の数字については見直しが必要だろうと。ただ、現時点ではこの数字でございますけれども、将来的には、近い将来的には見直しが必要だろうという点が一点と、このリレンザでございますけれども、タミフルに対する耐性が生じた場合に使うわけですけれども、果たして百三十五万人でいいのかというようなことも専門家会議で今議論している最中でございます。
  162. 小林正夫

    ○小林正夫君 いつごろ専門家の皆さんに結論を出してもらおうという考え方なんでしょうか。
  163. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 私ども、WHOのその今申し上げた量ですとか、それから期間ですとか、そういうものが遅くとも夏ごろには結論が出ますので、それを踏まえて耐性のリレンザについても検討してまいりたいというふうに考えております。
  164. 小林正夫

    ○小林正夫君 先ほどの大臣の答弁に関係する話を続けさせてもらいますけど、なぜこの時期に予防注射をやるのかという話なんです。  この表、資料一の下の方に、ワクチン原液の政府備蓄というのが二千万人分今用意がされていると。これも有効期限が三年程度と考えている。したがって、今政府が備蓄している二千万人分のワクチンの有効期限が切れるのが、平成二十一年度末に一千万人分、二十二年度末に約一千万人分、このように有効期限が切れていくんですね。  私、今回、この予防注射、予防接種をする理由の一つに、今備蓄している二千万人分のワクチンがこのような年度で有効期限が切れていくから、これを活用するんだという考え方も今予防接種をする理由の中にあるのではないかなと私は思うんですが、このことについていかがですか。
  165. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 私どもは、そういう考え方でございません。  こういった有効期限が切れたものについては廃棄処分になるだろうと思いますけれども、やはり何といっても、もう既に東南アジアで鳥インフルエンザはやってきていますし、お隣の韓国でも、先ほど御議論しましたように、鳥のですけれどもインフルエンザがはやっているというふうなことで、非常に危機感が高まっております。  したがって、一千万人分といいますけれども、その前に、医療従事者等に対しましてやはりもっと安全性を確認するというようなものが早急に求められているんではないかということで、今回専門家会議先生方も同じ意見でしたので、そういう方向で今調査研究を今年度やりたいと、こういうことでございます。
  166. 小林正夫

    ○小林正夫君 私も実は、私が今言ったようなことをちょっと思いました。  過日の報道でも、今回六千人の医者に対して予防注射をやっていく、一千万人の方に拡大していくという中には、このように有効期限が切れていく、こういうものも活用するということが今回の予防接種をやるという理由の一つじゃないかという、そういうふうに書いている報道もあるんですね。  私、有効期限が切れちゃうから、それを使うのはいけないなんて言ってるんじゃないんです。その今言った、私が言ったことは全く理由にないんだというふうにおっしゃるけれども、私はそういう理由があってもおかしくないと思うんです、実は。ならば、ないと言うんだからしようがないんですけれども、私は、このように時系列的に見ていくと、それは備蓄したワクチンが期限が来れば切れていくことは間違いないんですから、これから先もね。だから、そういうものも有効に使うということも必要だという、私は、むしろそういう理由も少しはあった方が何か納得できるのかなと、このように思うんですが、大臣、いかがですか。
  167. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) これまで、何でもっと早くプレパンデミックワクチンを打ってくれないんだというようなことはありました。  先般も、皆さんも御覧になったこのNHKのシミュレーション番組でもそういうことを厳しく訴えられていて、あの番組が放映されてからもう毎日のように厳しい意見が、早くしろというのは私のところにも来ていまして、ただ、やはりこれはきちんと安全性を確認しないと副作用が出てくる。それで、予防接種はしたはいいが、それで脳脊髄麻痺を起こしたということであるとこれは困りますので、そういう意味で、きちんと時間を掛けてもそれはまず六千人にやって、そして一千万人、それから更に拡大しようと言っているわけですから、この一千万人分じゃ足りません。  ですから、基本はそういう方向でやるということであるわけですから、こういうものは使わなくて済めば一番いい、使わなくて捨てられれば本当は一番いいわけですから、私どもが計画を立案するときにそういう観点は入れずに、国民危機感、これに対してきちんと対応したいと、そういうことで立案したわけであります。
  168. 小林正夫

    ○小林正夫君 無理やりこういう理由を入れろと私言っているんじゃないんです。報道でもそういうふうにうたわれている報道があるものですから、やっぱり国民皆さんに、今大臣言ったことが一〇〇%の理由だということならば、報道ではされている部分もありますから、きちんとメッセージを間違いないように発信していくことが必要だと思います。  もう一点、大臣にお聞きします。  最近では後期高齢医療制度を長寿医療制度とかいろいろ名前を変えているんですが、私これは個人的に思っているんですが、新型インフルエンザ、おとといも論議がありましたけど、余り危機感を持っていないというのが正直なところだと私は思うんです。  それで、私自身も毎年秋になるとインフルエンザの予防注射しますから、インフルエンザという言葉自体はもう私たちは慣れて使っていますね。新型というと、家電製品だとか携帯電話だとか新しいものができるというそういうイメージもあって、したがって、私正直言って、余り新型、この表現に危機感を感じないと私自身は感じているんです。  ですから、例えば、最近天気予報を見ていますと、爆弾低気圧だとか、こういう表現で、ああ、今までの低気圧と違ってすごい低気圧が来るんだな、いや、それは大変気を付けなきゃいけないなという感覚になるわけですよ。だから、爆弾インフルエンザとか何かそういうネーミングにして、短い言葉で国民の方に、やっぱりこの新型というのは危険がいっぱいあるんだよと、そういうふうに私は、理屈をこねるんじゃなくて、短い名前の中にそういうものを、思いを込めて、俗称でもいいからそういう呼び名を考えていく必要があると思うんですが、大臣、いかがですか。
  169. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 貴重な小林委員意見として承りますが、私はむしろ専門家と話しているときは、パンデミック、パンデミックと言っていて、パンデミックと言った方が何となく新しい言葉だし、エピデミックという言葉ありますね。だから、それとの発想で、本当に何か怖いもの来たという感じは私はするんですが。  ただ、普通の日本人にパンデミックと言ったって、それ何なのということになるので、やっぱりインフルエンザというのは皆さん知っている。だから、新型だけでパンチがなければ何かいい言葉がないかを考えますけど、かなり新型インフルエンザというのも人口に膾炙してきたかなという感じもしますので、引き続き検討させていただきます。
  170. 小林正夫

    ○小林正夫君 今私が言ったことがいいのかどうかも分かりません。ただ、その名前を聞いただけで、ああ、普通とは違う、危険だな。だって、小さい子からお年寄りまで、みんなこのインフルエンザにかかったら大変なことになるわけですから、是非その辺も考えて、国民に世論喚起というんですかね、そういうことをやっていく一つじゃないかなと、このように思いますので、是非検討していただければ有り難いと、このように思います。  次に、経済産業省に今日は来ていただきました。ライフラインの関係について中心的にお尋ねしたいと思います。  インフルエンザが発生した場合に最も影響を受けるのが企業活動ということになります。そうした中で、資料二を見ていただきたいと思うんですが、この資料二は経済産業省の方から所管している団体などを一覧表で出していただいたものなんです。ページ数が多かったものですから、その中から一ページと十六ページと十七ページ、今日は資料として用意をいたしました。  それで、この資料の三枚目なんですけれども、行動計画策定要請先十七が書いてありまして、ライフラインのところの団体などに対して行動計画策定を要請したと、こういう一覧表なんです。これのところに、本当にライフライン関係者が抜け落ちていないか、ちょっとその辺が私心配をするんです。  例えば、電気系統でいうと、全国の系統電源に占める割合が二・八%もある卸供給事業者あるいは直接発電したものを一般の家庭に売る特定規模電気事業者、こういうことがどうなっているのか。それと、共同火力という発電所もあるわけなんですが、こういうものが今回示されたこの行動計画策定要請先十七に入っていないんじゃないかと私は思うんですが、この辺はどうしていくんでしょうか。
  171. 西山英彦

    政府参考人西山英彦君) 先生がお挙げになりました電力の分野につきまして申しますと、私どもとしては、まず電気事業者の中でも重要な、すなわち供給義務を負う十電力、それから電源開発と日本原電という大手十二社に対して行動計画の策定を要請いたしまして、昨年の四月までに行動計画を策定していただいております。  先生が言われましたIPPとかPPSというもの、それから共同火力などの中小の電気事業者につきましては、まず今申し上げたその行動計画を作って、国民に直接の供給義務を持っている主要な事業者の方々がこれから詳細に計画を展開していく中で、新型インフルエンザの発生時の電力の安定供給などに与える影響なども勘案しながら、行動計画の策定要請など必要があるかどうか、検討しているところでございます。  いずれにしましても、この新型インフルエンザが発生した場合でありましても、ライフラインである電力等の安定供給が確保されますように、関係事業者を適切に指導してまいるという考えでございます。
  172. 小林正夫

    ○小林正夫君 ライフラインの確保ということになると、正直言って、電力会社もガス会社もその本体だけじゃもちろん供給事業ができなくて、今の社会の仕組みというのは、メーカーがあったり、関係会社に協力をもらったり、そういうことで大分すそ野の広いそれぞれの業界で安定供給に頑張っていると、こういう姿だと思うんですね。  したがって、ライフライン事業者というのは、本社というか元の電力会社、ガス会社だけじゃなくて、実際に技術的にやっている仕事というのは、今言ったメーカーさんだとかあるいは協力企業さんたちを含めて私はライフラインを維持している人たちだ、このように私は理解しているんですが、今のお話ですと、そういうところに対してもこれからどうするのかという、検討したいという趣旨のお話でしたけれども、私はライフライン関係事業者にそういうところもしっかり含める必要があると。また、ライフライン事業者というのはどういうものなのかという定義的なものも明らかにしていかないと、それぞれが勝手に、私はそうじゃないと思ってみたり、私はライフライン事業者だと思ってみたり、この辺に混乱が生じるんじゃないかと思うので、この辺の指導あるいは基準的なものを示す必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。
  173. 西山英彦

    政府参考人西山英彦君) 先生おっしゃいました電気事業についてまた例を取って申し上げますと、確かに供給義務を負う電気事業者以外につきましても電気の安定供給を確保するために必要な事業者というものはございます。しかし、いずれにしても、最終的にはその電気事業者のところでまとめていただいて、供給義務を負う中で供給していただくということになりますので、先生のおっしゃったポイントは非常に重要だと思いますので、経済産業省といたしましては、その電気事業者の計画の詳細な展開をよく見ながら、話をよく聞き、そうした先生が御指摘のような事業者も含めまして、引き続き周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
  174. 小林正夫

    ○小林正夫君 是非漏れがないように、抜けがないようにしていくという趣旨で私も今質問しているんですが、その辺これから検討するということであれば、しっかり現実を見極めながら一つの結論を出してもらいたいと、こう思うんです。  そして、すそ野の広がっているところに対して行動計画を作って、なおかつ具体的にはマスクを用意したり、いろんなことを要請するようになるんですが、その費用はどこが負担するんでしょうか。
  175. 西山英彦

    政府参考人西山英彦君) この新型インフルエンザ対策の費用ということでございますけれども、これにつきましては、現時点では各事業者とも地震などの自然災害を含めました危機管理の一環といたしまして必要な措置をそれぞれにとっていただいているということでございます。
  176. 小林正夫

    ○小林正夫君 国が面倒見ろというのじゃこれは大変なことなんですが、地震とかそういうのは自然災害として、それぞれの事業者がその発生に備えてということもあるんですが、これは中小含めていろんなところが対応しなきゃいけないということもあって、その費用的なものも一口でそれぞれの会社がみんな面倒見ろと、こういうことでいいのかなと、このように私は少し思っているんです。中小企業の関係で後で聞きますので、その点について、改めてまた質問をいたします。  次に、それぞれ想定をした中で、安定供給のための要員確保がされて、電力ならばしっかり安定供給ができるように、ガスならばしっかりガス供給ができるように、このような体制を取るはずなんですね。ただ、そのときにインフルエンザにかかってしまった人もいるというこういう想定になりますから、例えば三十人で回す職場で五名ぐらいの方がインフルエンザにかかって休んでいると。そうすると、残りの元気な人がそういう業務に対応するということで安定供給はぎりぎり大丈夫だと、こういうことの想定ができるんですね。  そうしたときに、例えば少ない人数でやるわけですから、ふだん私は労働基準法を守らなきゃいけないと言っている立場なんですが、この異常事態ということを考えると、時間外労働だとか労働基準法に触れるような働き方が想定されると。さらには、発電所など見てみた場合に、定期点検という法定的に決まっている点検インターバルが来る。これもその場でなかなか人数が少ないために頑張っているということからして、その法定点検どおり少しいかないということも考えられるのかなと、このように思うんですね。  そういう点について、どうそれを乗り越えていくのか、あるいは少しは規制緩和的なものを非常事態ということで考えていくのかどうか、労働基準法については厚生労働省、法定点検については経済産業省にお聞きをしたいと思います。
  177. 青木豊

    政府参考人(青木豊君) 委員が御指摘のように、労働基準法では法定労働時間一日八時間、週四十時間、それから法定休日週一日又は四週四日というものが定められているわけでありますけれども、その例外といたしまして、災害その他避けることのできない事由によって、臨時の必要がある場合には、使用者は、労働基準監督署長の許可を受けて、又は事態急迫のため許可を受けるいとまがない場合には、事後に届け出て、その必要の限度においてこの法定労働時間を超えて労働させることができ、法定休日に労働させることができるというふうにされているところでございます。  実際にそういったような事態が起きた場合には、このような規定を踏まえながら具体的な状況に応じて判断されるということになるだろうというふうに思っております。
  178. 稲垣嘉彦

    政府参考人(稲垣嘉彦君) 定期点検のことでございますけれども、現在、原子力発電所につきましては、電気事業法等に基づき、十三か月を超えない時期ごとに国の定期点検を受けるということが義務付けられております。  一方、火力発電所につきましては、事業者が自ら定期的に検査を行うこととなっておりまして、その時期は設備ごとに二年から四年以内に定められております。  原子力安全・保安院といたしましては、安全確保が大前提ではありますが、例えば火力発電所につきましては、災害その他の非常の場合には検査開始時期の変更を認めることを可能としております。
  179. 小林正夫

    ○小林正夫君 もう非常事態ということになります。ただ、電力供給がストップしたりあるいはガスの供給がストップしたり、そうなると本当にパニックが起きたりあるいは大変混乱すると、こういうことになると思いますので、この辺は、今からこうするということはなかなか難しいでしょうけれども、やはりその場に合った方策なども、その場その場で考えていくということも必要だと思いますので、この辺についてはいろんな想定をしながら今から検討していく必要があるんじゃないかということを指摘したいと思います。  そして、ちょっと中小企業の関係に戻りますけれども、先ほどの資料二の二ページ目なんです。ここに、経済産業省から出していただいた中小企業庁関係三十四、これは団体としていいと思いますけれども、こういうところに注意喚起をしたと、こういうことだと私は思います。ただ、中小企業庁の中小企業白書、これでいうと、二〇〇七年度版で四百三十二万六千三百四十二社、中小企業としてはあると。これは経済産業省が明らかにした、白書の中で出ている数字ですね。この中小企業庁関係が三十四という、こういう団体の関係でここにすべて四百万を超える中小企業が含まれていて、こういう団体から注意喚起がしっかりされているんだと、こういうふうにこれは理解していいんですか。
  180. 岩井良行

    政府参考人(岩井良行君) お答え申し上げます。  先生御指摘のその二ページ目に、私どもの方から注意喚起をした団体を挙げてございます。  団体それぞれ大きさございますけれども、例えば、お配りいただきましたリストの左側の真ん中辺にあります全国中小企業団体中央会、ここは約三万三千の組合をカバーしておりまして、延べになりますけれども三百万事業者ぐらいをカバーしているということでございます。その四つ下にあります全国商工会連合会、これは主に町村部にある団体でございますけれども、約百万の事業者をカバーしてございます。  また、私どもの局ではございませんけれども、一ページ目の産業政策局関係のところで日本商工会議所がございます。これは大企業も含まれますけれども、約百四十三万事業者ということでございまして、単純に足しますと五百万ぐらいになるわけでございますが、こういったその規模に着目した団体だけではなくて、業種ごとの団体、工業会その他の団体にも中小企業の方多く参加されておられます。その意味では、この間に、省略されたページにあるのでございますけれども、例えば製造産業局の方から六百五十五の団体の方にも通知をしておられまして、業種・規模別にもなってございます。  もちろん、建設業その他、私どもの所管でない業界もございますので、関係省庁と手を携えてできるだけ多面的に中小企業の方に情報が届くように努力をしているところでございます。
  181. 小林正夫

    ○小林正夫君 先ほど言ったように、抜け落ちたら駄目だと、したがってきめ細かくそれぞれのところに注意喚起がなると、そういうことでないといけないなと思っているものですから、今言ったように、こういう団体を通じて注意喚起をしていると、こういう趣旨だと思うんですが、きちんとそれぞれの団体がやっているとは思うんですが、経済産業省が全部、四百万から超える会社に対して直接やれと言うこともこれもなかなか難しいとは思うんですが、きちんとそれぞれの中小企業までこういう注意喚起が行っているかどうか、やっぱりある意味ではチェックもしなきゃいけない、こういうふうに思うんですが、この辺の確認はどのようにやっていくんでしょうか。
  182. 岩井良行

    政府参考人(岩井良行君) お答え申し上げます。  悉皆的な確認はなかなか難しいところでございますが、まず、その傘下の団体あるいはそれに参加しておられるところに是非徹底をお願いしたいということをお願いしてございまして、私ども既に確認したところでも、そういうような文書を出しておられるようなところもあれば、広報紙に載せる、あるいはセミナーその他の機会をとらえてやるというような方法を取っていただいておると承知しております。  ただ、念には念を入れ、できるだけ情報が伝わるようにということでございますので、今後も引き続き、これらの団体を通じてどのような形で情報が伝播されているのか、私どもも一緒に考えて頑張っていきたいと考えております。
  183. 小林正夫

    ○小林正夫君 次に、経済産業省が今言ったようにライフライン事業者あるいは中小企業団体に注意喚起などをやっていく、そのための経済産業省としての行動計画があるわけなんですが、これを見直す場合に経済産業省としてはどういう手続をもって見直していくのか、この辺についてお聞きをいたします。
  184. 塚本修

    政府参考人(塚本修君) 行動計画の見直しでございますけれども、行動計画は、昨年の三月の二十七日に経済産業大臣を本部長とします経済産業省新型インフルエンザ対策本部を開催して決定しております。したがいまして、見直す必要がある場合にはこの本部を開催をして見直していくと、そういうことになろうかと思っております。
  185. 小林正夫

    ○小林正夫君 今日は経済産業省に来ていただきました。先ほど聞いていると、例えば鉄道関係は国土交通関係の方からこういう指示徹底が図られているのかなと、このように思うんですね。ですから、本来ならば各省に来てもらわなきゃいけないんですが、今日は経済産業省に来ていただきました。  そういうことで、厚生労働大臣、それぞれ所管している中小企業を含めてたくさんの企業から成り立っているのが日本ですから、そういうところにきめ細かくやっぱり注意喚起なり国が考えている指示などが行かなきゃいけない、こういうふうに思いますので、私は、そういう意味でも世論喚起、先ほど言ったような英語的な言葉だと小さい子だとかお年寄りはなかなか理解できない。短い言葉の中にやっぱり危険なんだということを、そういうネーミングもう一度お願いしますけれども、そういうものも考えながら、やっぱり漏れがないようにやっていかなきゃいけない、このことを強く思うんですが、時間も来ますので、最後に大臣にその辺の取組と決意についてお聞きをして、質問を終わりたいと思います。
  186. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 委員御指摘のように、国、地方自治体だけじゃなくて民間の皆さん方協力も賜らないといけない。特に、企業単位でやっていただくというのは非常に有効だと思いますし、そういう意味で、ここのリストに挙げられた、例えば中小企業の団体の中央会であるとか商工会議所、こういうルートも使って周知徹底を図りたいと思います。そのためにも適当なパンフレットのようなものを作る、これは政府全体で見ていきたいというふうに思っていますので、その面も含めて考えたいと思います。  爆弾という言葉がいいか、例えば猛毒と付けた方がいいか、ただ、またこれはちょっと誇張し過ぎるという批判もあるかもしれません。しかし、こういう議論をすることがまさに国民の注意を喚起するというふうに思いますので、私もちょっといいアイデアを考えますので、皆さん方のまた御提案を待ちたいと思います。
  187. 小林正夫

    ○小林正夫君 これから起きるだろうということを想定しながらの対策になりますので、大いにいろんな意味で幅広く検討して国民が混乱しないようにやっていただくことをお願いをして、質問を終わりたいと思います。
  188. 中村哲治

    中村哲治君 民主党・新緑風会・国民新・日本中村哲治です。  本日は、新型インフルエンザ対策について、まず第一にパンデミックワクチンについて、第二にプレパンデミックワクチンについて、第三にナショナルセキュリティーの問題について、順にお尋ねをさせていただきたいと思います。  その前に、新型インフルエンザという名前がなかなか一般的でないという話を聞いておりまして、今大臣は、パンデミックという言葉を使っているんだがなかなか一般的に使われていないということなんですけれども、私多分、一つ例としてあるのは、メタボリックという言葉ありますよね。一回聞いたときには、これ何の言葉だと。だけれども、今ではもう当たり前のようにメタボ、メタボと中学生でも高校生でも言っているような状態になっています。ある種、大臣がこれからいろいろなところでパンデミックなりパンデミックフルーというような言葉を使っていただくことによって今年の流行語大賞が取れるんじゃないかなというふうに思うんですが、まずその点だけ一点指摘させていただいて、質問に入らせていただきたいと思います。  まず第一に、パンデミックワクチンについてでございます。  昨日、四月二十三日の衆議院厚生労働委員会において我が党の長妻昭議員が、パンデミックワクチンについては新型インフルエンザ発生後六か月以内に作るという政治目標を立てるべきだと、そしてそこから逆算して対応策を作るべきだという主張をいたしました。それに対して大臣はこのようにお答えになっております。これは衆議院の議事速報、未定稿でございます。少しこれは条件整備のための時間をいただいて、その上で大体どれぐらいでできるかということをこれは政府全体で検討したいと思います。このように大臣は述べられております。  しかし、私たちが主張しているのは、いろいろ条件整備のための時間を政府に与えて、その後で大体どれぐらいでできるのかということを、その条件整備ができるような状況を踏まえながら期間を判断するということではなくて、まず六か月以内にという目標を立てるべきなんじゃないかと私たちは主張しているんです。  そして、その大臣の答弁を受けて、だからこそ長妻委員は、六か月以内ということだったらどういう方法がありますかと政府参考人に聞いているんです。その政府参考人、国立感染症研究所ウイルス第三部長の田代眞人氏はこのように答えていらっしゃいます。現行の発育鶏卵を使用したワクチン製造方法ですと、最悪の場合一年半以上掛かる可能性があります。というのは、これは数億個という数の有精卵を短期間に供給することが現時点では時期的に非常に難しいという状況があります。これを解決する一番根本的な方法は、有精卵に依存しない新しい組織培養を利用したワクチンの製造というのが一番現実的であると思います。ただし、日本では残念ながらまだそれに必要な組織培養の開発が進んでおりません。その組織培養を使用した場合には、新型インフルエンザが出てきてから六か月でワクチンの供給が可能になると思います。このように田代政府参考人は答えられております。  政治目標だと思うんですね。六か月で作ると。それを目標にすることによって、それだったら方法はあるのか。例えば、田代参考人は、それは六か月ということであれば、組織培養の方法を取ることによって六か月でできるようになると。  ここはやっぱり大臣、政治目標を私たち政治家が設定すべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
  189. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) あることを実現するのにいろんな手法があると思います。一つの政治的にある目標を掲げてやると。それは、例えば過去の歴史を見てみても、第二次世界大戦が始まる前にヒトラーがこういう再軍備計画を立てると、何年以内にスターリンに対して戦えるようにやると、こういうことをやった例はたくさんあります。しかし、フィージビリティー、可能性のスタディーというのもやらないといけません。  それで、私は先般、国立感染症研究所に行って、今引用していただいた田代さんとも議論をし、長谷川さんという、これは経鼻、つまり鼻側を経由してやる噴霧型のワクチンの研究者とも話をし、それから普通入らせてもらえないラボに入って、まさに細胞培養を顕微鏡で見てみたんですね。これができると、今おっしゃったように一年半が半年に減るわけで、ただこれ、じゃいつできるんですかと。こういう難しい条件あります、こういう難しい条件ありますと。私はプロじゃないから、見て、なるほどなと聞いているだけですけれども。  仮に、これいつ新型のインフルエンザがはやり始めるか分かりません、そのときに、例えば今日からお金と研究者と研究費を使ってやって、半年後にその細胞培養技術が確立するかどうかというとこれは不明であるし、今のところは。じゃ何年掛かるんですかといったら、まだ七、八年掛かりますということなんですね。  だから、七、八年掛かるのを一生懸命、例えば三年に短縮するとかいうことは可能かもしれないんですけど、そういう研究開発というのは、幾らお金を投入しようと幾ら研究者がいようと、ある日突然エジソンみたいな特別の天才が出てきて発見するかもしれないし、何らかの触媒を使うことによって急激にできるかもしれない。ただ、これは委員、何か月という工程表が作れない話なんです。  したがって、そういうものを今私はいろいろと研究をして、計算できるものがあれば積み上げることができると。だから、今度の場合には、先ほど来申し上げていますように、もしあしたこれが起これば本当に準備ができていません。だから、それでなお少しでも早くということをやっているんで、そういう意味で万全の体制を取って、今できる可能性の限りでやっていきたいと。  したがって、先ほどの細胞培養なんかにしても経鼻ワクチンの開発にしても、私はやっぱりもう少し研究費を付けると促進できるなという感じがしますから、そういう方向で努力をしたいというふうに思っております。
  190. 中村哲治

    中村哲治君 確かに経鼻ワクチンの方は七、八年掛かるということは言えると思います。まだ世界でもだれもやっていないことですから。  それはそうだと思いますが、細胞培養の方はどうなのかということなんですね。海外のワクチンメーカーでは四か月から六か月でこれができるようになるということを言っているところもあります。だから、ここは政治決断をするところだと思うんです、目標ですから。目標どおりにできるかどうかということは必ずしも、それは神のみぞ知るとか、また科学の発達がどれぐらい進むのか分からないという、そういうファクターがあると思います。要素があると思います。  しかし、目標を定めてそれに努力する、できるかどうか分からないけれども六か月でできるようにしようと。大臣が、若しくは総理大臣が、そういう国のトップがそういう目標を設定することによって全体はそのように動きます。だからこそ大臣大臣のおっしゃっていることもよく分かるんです。実現可能性を考えて目標は設定しないといけないということは分かるんですけれども、まず目標を設定していただくことによって、それに伴って予算がどれぐらい必要なのかということも出てくる、どういう手段を取るべきなのかということも判断できる、そうして国会で議論をさせていただいて、予算についてもその部分に関しては野党も納得できるよねと、そういう話になっていくわけですから、だから、是非大臣、この六か月という、そういう目標期間については、大臣の口からそういうのを目指したいと答えていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  191. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 繰り返しになりますけれども、研究開発ということでなかなかそういう期間の設定は難しい。しかし、できるだけ早くやるということで、細胞培養だけじゃなくて鶏卵、有精卵の増産体制を図るというのも一つの手でしょうし、それから今やっぱり日本のメーカーの生産ラインの数が少ないですから、メーカーさんに既にお願いしてあるし、メーカーも少し動き出してくれていますので、生産ラインを上げるという、そのキャパシティーですね、それを上げるということ。それから、海外のワクチンが事前購入できないか、これも検討に入っています。  ただ、もうこれはどういう形で世界的に流行するかなんですけど、やっぱりみんなナショナルセキュリティーにかかわっているものですから、余りに海外に依存したときに、じゃ売ってあげませんよと、これはもうライセンス生産もさせてあげませんよということであれば問題があると思いますので、私は専門家じゃないですけど、これは間違っていればまた専門家の意見も聴きたい、専門家もいろんな御意見があるものですから。細胞培養について、世界的にもまだそんなには進んでいないという認識を持っています。ですから、この分野是非日本世界に伍していけるようにやっていきたいと思いますが。  繰り返しになりますが、とにかく今はフィージビリティースタディーというか、どういう状況であって、今言った有精卵の増産体制、メーカーの増産体制、それから外国から購入できる可能性、こういうものを総合的にやってできるだけ目的を達成するようにしますけど、この問題に限って、私の感じとして、パンデミック起こって六か月以内にというのを設定して、それによって例えば予算を全部集中したらそれで全部可能かというようなこともありますので、その御提案を受けて更に具体的にできるかどうか検討させていただきたいというふうに思います。
  192. 中村哲治

    中村哲治君 できるだけその結論については早く出していただきたいと思います。  今御答弁の中にありましたように、海外のメーカーに対して事前購入契約ないしは事前購入予約ということを検討するとおっしゃっております。そういういろいろな複合的な対応を取るとおっしゃっていただいているので、そういう方向で是非早く目標を設定していただいて取り組んでいただきたいと思います。  第二のプレパンデミックワクチンについて伺います。  私は、まず接種の順番について伺いたいと思います。これは、基本的に希望者に接種ということが一番大事だろうと思っております。そして、まず医療従事者等、これは社会機能維持者という言葉をもう使わないということになりましたので、医療従事者等(医療従事者等ライフラインにかかわる職種)と、そういう用語をこれから使われるということでございますが、この医療従事者等に接種する場合でも、希望者に接種するということでよろしいですね。
  193. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) これは強制力を持ってやるわけではありませんので、任意ですから基本的に希望者ということです。
  194. 中村哲治

    中村哲治君 その次の人たちに接種する順番としても、希望者に接種するということが基本になると思います。  第七回専門家会議の資料によると、今年三月末までに七十万人分の製剤化が完了しているということでございます。今までの政府の回答によると、製剤化したプレパンデミックワクチンは六か月から一年で有効期限が来るということでございます。そうすると、今年度中に七十万人を使い切る必要はあるのかなと、私も専門家ではありませんのでそういうふうに思うわけです。  一昨日、四月二十二日の参議院厚生労働委員会質疑によると、舛添大臣は、西島英利参議院議員に対してこのように答弁されております。  六千人を対象にこのプレパンデミックワクチンを事前に接種して研究して、これ安全性、有効性を確認できれば、医療従事者等に一千万人打っていくと、そして、さらに希望者に渡るように、これは今後拡大する方向で努めていくと、このように答弁されております。七十万人マイナス六千人ということになると六十九万四千人です。これについては今年度中に使用期限が来るということになりますから、これはどのように接種していかれるおつもりでしょうか。
  195. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 使用期限が切れたものは廃棄処分にすると、そういうことであります。
  196. 中村哲治

    中村哲治君 ということは、七十万人は作っているけれども、六千人だけ使って、あと六十九万四千人分はもう捨てちゃうということでよろしいですか。
  197. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 使用期限が切れたら使えないということですから、そういうふうになります。
  198. 中村哲治

    中村哲治君 いや、それだったら、よく分からないのはなぜ七十万人も製剤化したのかということなんですね。多分、一千万人って多い数なんで七十万人ぐらいやろうかなと。でも、使う数は六千人ですよね。けたが二つ違うわけです。やっぱり前倒しにやっていくという、そういうお考えがあったのかなというようなことを思ったんですが、いかがなんですか。
  199. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 御説明をさせていただきます。  この六千人と七十万人というのは全く何の関係もありません。  要するに、バルクというか、原液に入れていますと、これは三年ぐらいはもつわけです。ちょうど我々が、ボトルの飲料でもふたを開けなければかなりもつ、しかし、いったん開けちゃうと保存期間は短くなりますね。いったん開けちゃって、それで小ちゃく製剤化して置いてあります。本来ならば、それから数か月掛けて国家検定を受けて、つまり原液もちゃんと検定を受けてオーケーですよと言っているんですけれども、ふたを開けて分けたときに何か変なものが入ったりして小分けしたものが使えなくなったらいけないんで、もう一遍実は検査をするんです。  七十万人というのは、要するに、医療関係者などに全員にこれを何か緊急事態が起こったときにすぐ使えるようにということのための七十万人であって、したがって、例えば、本来ならそこでも検定をやる、しかし、本当にフェーズ4のような大変な状況になったら、もう緊急事態ですから、検定をしないで、原液が安全なんですから、それを使うということの前提でやっていて、それは十九年度の予算で七十万人製剤化して、いざのときの備えは医療関係者等のために取ってあると、最前線に立たれる方々の。それで、その上で、先般の専門家会議で六千人に実験をしてみてやろうということですから、七十万という数と六千人というのはそういう意味で全く別の論理の下に成り立っていますんで、特別の両者の関係はございません。そういうことです。
  200. 中村哲治

    中村哲治君 七十万人というのは、今起こったときにすぐ使えるための準備だという答弁がいただけたということで確認させていただきたいと思います。  そして、これ今起きたらどうするのかということを考えていく必要があると思います。私は、大臣と立場が少し違うのかもしれませんが、二十一年度中に一千万人ということではなくて、できるだけ早く前倒しにしていく必要があるのではないかと思っております。だから、七十万人分もそれを有効に、できれば今年度中に使えるようにした方がいいんではないかと考えております。  ところで、私は、そのプレパンデミックワクチンをまず医療従事者とライフラインにかかわる職種の方のうち希望者に接種をするというのは、それはそれでいいと思っています。しかし、その後は、希望者みんな平等に接種するという形が望ましいんではないかと考えております。  この間の社会機能維持者の議論で津田議員質疑されている中で、私たち政治家や公務員が社会機能維持者に含まれると考えるという局長答弁がありました。しかし、本当にこれで理解してもらえるのかなと。私は政治家をやっていて、私たち政治家や公務員の方々が一般の方々に優先して接種を受けるということは政治的にはできないんじゃないかなと考えているんですが、大臣はいかがお考えでしょうか。
  201. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 最終的にはですよ、願わくば備蓄が全国民分プレパンデミックワクチンの需要を満たせるだけなってから起こってくれればというか、問題ないんですけれども、その過程において、三千万人分しかありません、ああ、次で四千万増えました、五千万と、一気になかなかできません、一気にできればいいんですけれども。そのときに、お医者さんとか看護師さん、救急隊員、検疫官、これはもうだれもが最初にやってくださいと言うでしょうけれども、そこから後どういう優先順位をつくるか。御高齢の方と子供さん、そっちが先なのかどうなのか、じゃどの職業が先なのか。  これはやっぱり国民みんなが納得する形できちんと優先順位というのを議論して決める、例えば国会で決めるとか、国会が決めた専門委員会で決めるとか、そういうことがないといけないと思います。ただ、公務員が駄目かといったら、保健所の所長さんというのは公務員ですから、この人なんかはまさに一番最初に患者皆さんたちが飛び込んできてその相談窓口になるわけだから、この人は絶対必要でしょうということになりますから、それは国民皆さんがどうしても優先順位を付けないといけないときには、そういう順序でよろしいですよというコンセンサスを得た上のことだと思います。  恐らく私は、厚生労働大臣で現場にも飛ばないといけないだろうし、最前線で指揮をしないといけないでしょうから、私は打たなかったらしかられる、しかられるというか、私が打つことはだれも文句は言わないと思いますが、じゃ厚生労働委員会委員先生方はどうですかと。それは、皆さん方一番大事な国権の最高機関で、この厚生労働委員会で決まるわけですから、いろんな法律なんか。それは私は、そして視察にもやっぱり行っていただきたいと思いますよ。私の目だけで見てもそれは十分見えない部分がありますから、お医者さんもおられますし。そうすると、私は厚生労働委員会委員皆さん方は、やはり職務上これはプレパンデミックワクチンは優先して打たれてしかるべきだと考えております。  したがって、そういうことを、国民はそれを納得していただけると思いますので、国民的なコンセンサスを得れるような議論をしたいと思います。
  202. 中村哲治

    中村哲治君 私は、だから一千万人、二千万人という規模じゃなくて、希望者にできるだけ早く打てる体制を取れば私たちも一般希望者として出してもらうことができるわけですよ。そういう考え方が必要なんじゃないかと。現場に行かなくちゃいけないというのは私たちだけじゃないですから。  それから、今保健所の所長さんとおっしゃいましたけれども、多分この方々というのは公務員の中でもまず医療従事者等に入ると思うんですね。だから、私が申し上げているのは、その後の次の話なんです。そこをまず大臣、認識はしていただきたいと思います。だから、やっぱり大臣がおっしゃっていることもそのとおりだとは思うんですけれども、だからこそ優先順位をいかに付けていくのかということが大事なんです。そのためには国民的な議論が必要です。  新聞広告とかインターネットとかも言われていますけれども、私は、大臣が記者会見等々いろいろ出ていかれるときにどういう言葉を使われるのか、さっきもありましたけど、パンデミックとかパンデミックフルーとかいう新しい言葉を使われておっしゃることで、何だろうなと、国民皆さんが、優先順位付ける議論を始めましょうよと大臣がおっしゃったときに、それじゃどういうふうにしていったらいいんだという国民的な議論って自然にわいてくると思いますし、それに皆さん協力されると思います。そういう議論が多分一番必要だと思います。大臣の発信力強いですから、そのことの御自身の力をもう一度再認識していただいたらと思います。  この順番について、今から少しずつ聞いていきたいと思います。  子供についてはサイトカイン・ストームという過剰免疫反応が新型インフルエンザについては考えられ、私たち大人よりも接種の優先度が高いと考えられます。今年四月から子供に対する治験を始めるということです。十二月に結果が出るということでございますが、その後、親御さんの中には自分子供への接種を希望するという方が現時点でもたくさんいらっしゃいますので、そういう方が希望された場合にいつごろ提供できればいいかなと考えていらっしゃるでしょうか。
  203. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 実は昨日、衆議院厚生労働委員会でお医者さんの委員の方から御質問がございまして、逆に慎重にやってくださいと。例えば、いろんなワクチンで副作用がありますね。副作用はやっぱり子供の方が激しくなって、脳に障害が起こったり、現在これだけの数の方が障害起こっていますよということを御指摘になって、逆に大臣これは急がないでくださいと、慎重にやってくださいと。それで、特に、子供が私打ってくれって言わないですから、お母さんがうちの子供お願いしますと。ところが、打った結果、不幸にして副作用で脳に障害が起こった。そうすると、私があのときにああ言ったばっかりにうちの子がこうなったという悲劇が生まれてくる。だから、そういうことをしっかり考えてくださいよという議論を随分昨日やりました。  私は、取りあえず六千人の臨床研究というのは大人ですよね、医療関係者の。それでやって数字、安全性を見る。そして、治験と臨床研究は別ですけれども、小児、それから例えば妊娠している御婦人の方々、御高齢の方々、こういう方々それぞれにどういう手を打っていくかというのは、やっぱりきちんと安全性、有効性をある程度実証研究してからの方がいいんではないかなというふうに思いました、昨日の議論で。ですから、ただ拙速で早めればいいということでもないんで、これは専門家の御意見もいただいた上で、やっぱりまずは大人での実験を見てだろうというのが今の私の考えであります。
  204. 中村哲治

    中村哲治君 大臣、ここに専門家会議の資料七というのがありまして、百二十例で子供に対する治験を始めるという、それが十二月までの結果が出ると書いてありますので、そこは大臣、踏まえた上で多分おっしゃっているんだとは思うんですけれども、そういうことだと思います。  それで、先ほど大臣おっしゃったように、まず親御さんが自分子供に打ってくれと、接種をしてくれという話になるんだと思います。だから、十分インフォームド・コンセントをして危険性についても知らせた上で、それでもなお希望する方たちに接種するという、その選択肢は用意するべきだと思うんです。そこでやっぱり危険性があるからやめておこうという親御さんもいらっしゃるでしょうし、どのリスクに対する優先順位をその人が選ばれるかということだと思うんですね。だから、そこは大臣、昨日の質疑も私は理解するんですけれども、選択肢を用意すべきなのではないかということなんですけれども、いかがですか。
  205. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 非常にそこの判断が難しいところで、専門家の皆さん方は小児に治験を始めようということでありますけれども、ただ、ちょっと待ってくれという意見衆議院厚生労働委員会委員方々から数名からあったものですから、そういうことを踏まえて少し慎重に対応させていただきたい。  それで、やはりこれは治験は治験としてきちんとやるにしても、例えば大人に対する治験は既に終わっている。しかし、これは六千人、実際どうだというのは打ってみてのことなんで、やっぱりある程度データの積み上げが必要じゃないかなという感じがしております。  ですから、選択肢を早く示せ、用意しろと、これは正論なんです。しかし、生身の体を使ってある意味で実験をするわけですから、特に小ちゃな子供の場合には少しの慎重さはあっていいかなというのが今の私の結論です。
  206. 中村哲治

    中村哲治君 治験については百二十例でこの十二月までやるということですよね、子供について。だから、そこはそういう話だと思うんです。  ちょっと時間もなくなってまいりましたので、指摘だけさせていただきたいと思うんですけれども、予算的な措置が難しいのであれば、例えば実費等三千円程度の今の従来型インフルエンザのワクチンを接種するときの手数料、実費を取るとか、そういう方法も考えられますし、もし希望者が多数であれば抽せんをするということも方法の中に入れてもいいと思います。また、補完的に、国産だけじゃなくて、このプレパンデミックワクチンの輸入も検討すべきではないかと思います。こういったことを組み合わせていけば、希望者にかなり早くの段階で渡っていくんじゃないかと思います。  最後に、第三のナショナルセキュリティーの問題について触れさせていただきたいと思います。  大臣は、四月二十二日の質疑において新型インフルエンザの問題に対して、国家の危機管理、ナショナルセキュリティーの問題としてとらえるべきであり、そのことを前提として予算措置を獲得する努力をしたいという答弁をなさいました。もう私そのとおりだと思うんです。  具体的に予算規模としてはどれぐらいのことを考えていらっしゃるでしょうか。
  207. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 一千万人分のプレパンデミックワクチンの原液を買うのに五十億円掛かりました。そうすると、一億二千万人、単純に計算しますと六百億円と、単純計算ですけれども。例えば、これさっと一気に集まるかどうかは別として、それだけ一気に備えようとすると、プレパンデミックワクチン国民全員分の購入費だけで六百億円という数字になります。  それから、危機管理体制を整備するためには本当にいろんな予算が必要で、病院の病床の数が足りなければ、じゃ成田空港周辺のホテルを押さえて病院代わりにするかと、じゃそのお金も必要ですね。ですから、それは今から積み上げていかないといけないと思いますので、来年度概算要求に向かって、その積算も今からきちんとやってみたいと思っています。だから、今幾らということは言えませんが、一つの例としてワクチンの購入代といったら六百億円という数字が出ます。
  208. 中村哲治

    中村哲治君 細胞培養等を考えると、もうけたが一つか二つぐらい上で考えないといけないんじゃないかと思うんですね。おととい西島議員も、命を守るという安全保障の視点では、もし使われなかったときは無駄じゃないかということを考える必要は全くないんだと、そういうふうにおっしゃっておりました。私も同じような考え方です。多分、議員ほとんど同じ考え方だと思うんですね。だから、一けた、二けた違うという認識で要求をしてください。  終わります。
  209. 足立信也

    ○足立信也君 民主党の足立信也でございます。  冒頭、午前中に家西理事が国際会議のことをおっしゃったですね。ちょっと本題とは外れるんですが、これは今日まで会議がある西太平洋及び南東アジア地域ナショナルインフルエンザセンター会議、この情報をそれほど得ていないということに対して叱責があったわけですが、大臣はどうかということも気になるところで、今話題になっている後期高齢者医療制度、これ二年前の本会議の私反対討論で申し上げたんですけど、二〇〇四年にOECD加盟国の保健大臣会合を開きまして、世界医療制度改革という本を出しているんですね。二年前のときに、当時の川崎大臣は読んだことないということがありまして、この点、今日は局長に対する質問が多いので大臣にお聞きしたいのと、もう一つ、修正案の提案者の大村衆議院議員がいらしたら聞こうかと思ったんですが、今第三次試案が出ています医療安全調査委員会、これもWHOの医療事故の報告制度のガイドラインというのがあるわけですね。それを読まれているかどうか。そこだけ、世界医療制度改革とWHOの。
  210. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) WHO、それから西太平洋の担当の方々としょっちゅう会います。それで、研究者との交流あり、今言った全体の改革案、WHOについてはこれは直接細かいものは読んでいませんけれどもそういう交流の中で教えてもらっています。それからOECDなんかについても、事務局長と親交がありますからいろんなところでそういうことをやっていますけれども、逆に委員大臣になってからもう全く書籍を読む時間がほとんどない状況で、もうレジュメ、レジュメを読むぐらいが精いっぱいなんで、是非休みが取れましたら精力的にそういうこともやっていきたいと思っております。済みません。
  211. 足立信也

    ○足立信也君 日本独自のというのは確かにいいんですけれども、世界の流れといいますかその協調性というのは非常に大事なことであって、世界がどの方向に向いているかということを把握が大事なことだと思いますので、あえて言わせていただきました。  では、感染症予防法と検疫法についてなんですが、これもやっぱり二年前に改正案がありまして、そのとき私、宿題みたいな形で指摘したことがありました。これは、二年前の改正というのは新たに病原体を一種から四種に分類したわけですね。元々、病原体の種別には関係なく感染症というのは一類から五類まであって、そしてその方々入院する指定医療機関というのが、一類感染症が一種感染症指定医療機関、二類感染症が二種感染症と、せっかく病原体で種というのを新たに設けたら、一類が一種に行くんだというんでは分かりづらいと、特に現場の人がですね。しかも、全く病原体の分類と関係ないわけです。例えば、二種病原体と二類感染症というのは全く関係ないわけで、結核菌は三種か四種病原体で、結核症は二類感染症なんです。そして、入院するのは二種感染症指定病院なんです。だから、これやっぱり混同すると思うのでということを指摘したんですね。そうしたら、その後検討したということを聞きました。その結果どうなったのか、ちょっとお聞かせ願えませんか。    〔委員長退席、理事家西悟君着席〕
  212. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) その後検討してまいりました。この感染症の類型につきましては、やはり一類から五類という考え方で、今回新たに新型インフルエンザというのは別類型に付けたわけでありますけれども、指定医療機関の区分も一種、二種、特定、それから結核と分かれています。これをいろいろといろんな角度から今検討していますけれども、例えば重度感染症医療機関とか、いろんな名称を考えたりもしていますけれども、今のところ今の時点ではまだこれが一番ぴったりするというようなところまで至ってないというようなところが現状でございます。
  213. 足立信也

    ○足立信也君 これは余りしつこくは言いませんが、現場の人というのは、病原体をまず見付けて届け出なきゃと思うわけです。それで、一種、二種、三種とあったときに、それが指定医療機関の一種、二種と全然関係ないということなんですよ。だから混乱する。この点、引き続き検討してもらいたいと思います。  ところで、二年前のときは、第一種感染症指定医療機関ですが、これ四十七都道府県中二十二の都府県にしかなかったんですね。二十五医療機関、二十二の都府県で二十五の医療機関。それから新型インフルエンザのこともあり、鳥インフルエンザのこともあり、やはり対処されてきたと思うんですが、現在は幾つなんですか。
  214. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) その当時はいわゆる国立病院や国立大学などの国立の医療機関がそういう医療機関に指定できなかったと、いわゆる地財法上の問題でありますけれども。総務省の行政監察の指摘を受けて政令改正を行いまして、国立病院や国立大学の医療機関に対してもできるようになったというようなこともありまして、実は数については、第一種感染症指定医療機関は現在二十三ですから一つ増えたと、一県増えたと。それから、医療機関については二十五医療機関が二十六医療機関になったと、一か所増えております。
  215. 足立信也

    ○足立信也君 この二年間取組で一か所なんですよ、増えたのが。長野県立須坂病院なわけですけれども、じゃベッド数は幾つになったんですか、一種の方々入院する。
  216. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) ベッド数につきましては、一種が四十九、現時点でトータルで申し上げれば、指定医療機関が一千六百九十二と、このような状況になっております。
  217. 足立信也

    ○足立信也君 一種が四十九しかないんですよ。四十九という現状です。  じゃ、ついでに聞きますけど、今回の改正で二類感染症鳥インフルエンザH5N1が指定されたわけですよね。じゃ、第二種感染症指定医療機関入院されるわけですか、もし発生したら。じゃ、第二種指定医療機関というのは二年前から比べてどれだけ増えたんですか。
  218. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 医療機関数については、三百十から三百十五ということで五つ増えております。感染症のその病床ですけれども、千六百四十三床から千六百三十五床と、八床減少しております。
  219. 足立信也

    ○足立信也君 これだけ騒いでいて、八床減少しているんですよ。そういう事態なんですね。    〔理事家西悟君退席、委員長着席〕  医療機関が五つ増えて、ベッドが八床減っているということは、恐らく医療機関も相当入替えがあったんじゃないかと私思いますし、これはやっぱり何といっても、現場の医師不足、看護師不足から対応できないという医療機関が相当出ているんですよ。これが先ほどの予算措置の問題にダイレクトに響いてくるわけで、これだけ騒いでおきながらベッドは減ってますじゃ、説明付かないですよ。  そのことが、何としても私はやはり財政措置、予算措置は少なくとも附帯決議には盛り込みたいと思っておったんですが、なかなか難しいようではありますが。やはり先ほど大臣ちらっと触れられておりましたけれども、これだけ話題にしながら準備はできていませんよと言っているようなものですよ。やっぱりこの点はもう一度そこの財政措置、予算確保、特にこれ医療機関、多分医師不足、看護師不足からこれきているんですよ。そこのところをもう一度強調してもらえませんか。
  220. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 今、私の下にある安心と希望の医療ビジョンで取りまとめをやっております。そういう中で、明確に医師が不足しているという前提に立って、それをいかにして増やしていくか、どういう数値目標を立てるか、そういうことを含めて最終の取りまとめをしているところであります。  そして、福田総理もそういうビジョンをきちんと受けて、これを政府のビジョンにするということを先般おっしゃっておりますので、何といっても予算措置がなければ医師不足に対応できない。まさに全体の医師不足、医療資源の供給が十分でないということがこの問題にも来ているわけで、ですから、私は今、この感染症の議論をしている中で、これもまさに日本医療体制の問題点が露呈したところで、皆さん、だから早くワクチン打ってくれと言うけれども、じゃ、どこにそのベッドがあるんですかと。千六百しかない、千七百しかない、一種、二種合わせてもということになりますから、これは最終的には、それは財政の負担になります。国民皆さんの御理解をいただかないといけません。しかし、予算配分ということから見たら、そういう意味での、私は常に申し上げていますように、二千二百億円の削減というのはもう本当に限界に達している、その限界の一つがこれであろうというふうに思っております。
  221. 足立信也

    ○足立信也君 まさにそのとおりなんですね。  それとあと、それも、予算のことももちろん今指摘したとおりなんですが、例えば今パンデミック、それからプレパンデミックのワクチンのこと出ていますが、注射するにしても、医師だけに頼っていてはとてもできることではない。看護師さんとか、あるいは私は今、院外処方薬局は全国津々浦々というか、できていますね、そこで対応できることはないのかというようなことも検討課題だと思います。その点、申し上げておきます。  それから、先ほど小林委員質問にありました、国民の二五%が、これH5N1の話ですけれども、そこから変異が生じた場合の話ですけれども、新型ですが、二五%が感染、つまり三千二百万人、そのうち二千五百万人が医療機関を受診するだろう。二年前は、この差の七百万人はどうするんですかと聞いたら、無症状だというとんでもない話がありましたけれども、私は受診する間もなく亡くなるんじゃないかと思っていますけれども、それはおいておいて、ところが、今回の、最悪の状態の最悪の事態を想定するといいながら、死亡者六十四万人と推定している。これ、発症数からいくと二%ですよね。この二%の根拠。先ほどスペイン風邪のことを言いましたけれども、スペイン風邪の統計でいくと二・五%以上の死亡率だというふうに書いていますよ。なぜ二になったのか、そこの根拠。
  222. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 私ども、スペイン風邪のデータも持っていますし、それからアジア風邪、アジア風邪だとか香港風邪におきますところの死亡率というのは〇・五とか〇・六とか、そういう数字でございます。したがって、スペイン風邪の二・五と、それからアジア風邪の〇・五とか六とかいう数字と、大体平均といいますか、二%程度じゃないかというようなことで二%程度というふうに表現しております。
  223. 足立信也

    ○足立信也君 いや、すごいアバウトな話ですからね。  私も、スペイン風邪は弱毒性ですよね、弱毒型。今、話題になっているH5N1は強毒型。これがそのまま感染力を持ってヒト型に変異するとは思っていません。感染力はもっと強くなるはずです。しかし、死亡率は、これはやっぱり当然下がっていくと思っています。でも、六三%ですよ、今死亡率、ですよね。三百八十一人中の二百四十人ですか。六三%が二%というのは、いかにも、いかにも、のうてんきと言ったら失礼かもしれませんけれども、ちょっとこれは、先ほどの爆弾型かどうかは別にして、やっぱり周知というか危険なんだということの認識がちょっと違うという気がしております。恐らく当たらないでしょう。  そこで、次に行きます、もう当たらない、二%では済まないと思っていますので。  次に、これ先ほど中村委員質問した件なんですが、これ当然、前回ちょっと違った見解の委員もいらっしゃいましたが、これは新型あるいは今のH5N1の場合も、免疫反応の強い、免疫力の強い若年者、子供が死亡率高いと考えられているわけです。であるならば、子供の件はさっき出ました、若年者に対しても特段の配慮というのが必要なはずなんです、次代を担う人ですからね。その特段の配慮というのが、あるいは措置というのが、どういうふうに考えているか。  さっき大臣は慎重論をおっしゃいましたが、これは恐らく、ワクチンに対して医薬品副作用被害救済制度があるじゃないですか、これをしっかり使いなさいという意味で僕は質問したんじゃないかと想像しますよ、衆議院は。これを担保できていればということで、その前提で、若年者、子供に特段の措置が必要だと思いますが、何か考えていますか。
  224. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 今でもその医薬品の副作用機構、このシステムは使えます。それから、予防接種法でやれば、こちらはこちらで補償はあります。ただ、これは阿部委員なんですけど、衆議院の、そういう観点からおっしゃったんではありません。まさに、慎重にしないと副作用起こったときに大悲劇が起こると、余りに急がないでくれということで、補償のことは既に議論はしてあります。ですから、まさにそういう議論がありましたんで、私は慎重論。  今もし足立委員の方で、同じお医者さんの立場で、そうではないと、むしろ、逆に治験を急いで一刻も早く若年者に対する施策を展開すべきであるという意見であれば、それは賜り、そして、これは本当にお医者さんや専門家によっていろいろ意見違って、私が判断が不可能なんですね。ですから、むしろ、幸い衆参両方の厚生労働委員会にはお医者さんが、専門家の方がおられますから、是非こういうところで、もし昨日の阿部委員と私とのやり取りで疑義があればこの参議院の委員会で正していただく、ないしは御意見いただければ幸いでございます。
  225. 足立信也

    ○足立信也君 じゃ、局長のその特段の措置というのを。
  226. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 先生御指摘のように、若年者が死亡率が高いということであります。私どもとしては、さらにその若年者の死亡率が高いかどうかについては疫学的、臨床的な研究が必要だと思っています。  特段の措置と申しますと、やはり何といっても学級閉鎖ですとかあるいはワクチン接種だとか、そういう通常のツールになるわけですけれども、それについても今後更に検討してまいりたいというふうに考えております。
  227. 足立信也

    ○足立信也君 そうですね。集団を形成しているのが恐らく多いでしょうから、マスクを始めとする一般的な感染に対する予防対策ということが重要だと思いますね。  先ほどの大臣の件は、それはもう何を重要視して話をするかというのは人によって違うでしょうから。しかし、やはり感染症予防研究所の方々も、これは一刻も早くということを考えながら動かれている方がやっぱりほとんどなわけですよね。やっぱりその方向性は正しいんじゃないかと私は個人的な意見を申し上げたいと思っています。  そこで、次に行きます。  私が今回のことで一番気にしていることなんですが、要は、今回の改正案というのは、元々の改正案ですよ、新型インフルエンザの流行が日本で初めて起きるという想定がないんだと思うんです。海外から発生したものが日本に来ることに対する対策がほとんどメーンというか、それすべてであって、日本で起きるという感覚が最悪の状態の最悪の事態というところで欠けていると、私は法案読んでそう思ったんです。  この点が弱いから修正を求めたわけでして、このケースというのは三通りあるんですよ。日本国内で鳥インフルエンザに感染し、新型に変異する場合、これ一個ですね。もう既に日本国内に鳥インフルエンザ発生していますからね。これが一。それから二番目が、海外で鳥インフルエンザに感染し潜伏期に帰国する、そして日本で変異する、これが二番目ですよ。その間、感染力を持ったまま物すごく広範囲を移動するかもしれませんよ、その人は。これが二番目。三番目が、海外で新型インフルエンザに感染し潜伏期で帰ってくる場合、これはもっと多くの方に感染している可能性があります。  この三通りなんですよ。この点についてが落ちていたと私は認識している。だから修正が必要だと思ったわけです。感染力のある潜伏期に対応、結局、無症状病原体保有者という表現にしております。これ、新型については先ほどの修正案で新型インフルエンザと同等の扱いになると、これはよかったなと思っておりますけれども、先ほど二番目に私が申し上げた、海外で鳥インフルエンザに感染して潜伏期に帰国する、そして日本で変異する、これが残っているわけですね。  これは、前回ですか、一年半前の審議でもこの可能性があるだろうということはお認めになりました、政府も。であるならば、それに対する対応がやっぱり必要で、その場合は、無症状であった人本人と、その本人が感染力のある発症一日前に接触した人への対応が両方必要なんですね。結局、それがどういうふうにやらなきゃいけないかというと、その鳥インフルエンザに感染した可能性のある方が本当に感染しているのかどうか、鳥に感染、人に感染、あるいは全くなし、これを調べたらその先はもう決まっちゃうわけですよ、動きは、行動は。  ですから、これ今検疫法検査はできます、そのような方々に、海外の鳥インフルエンザの発生があるところから帰国した方に無症状でも検査はできます。検査を言い出されたらこれは義務的にやられます。じゃ、なぜその後、結果が出るまでに帰っていいんですか。可能性がある、その方が例えば成田に帰ってきて、東京を通り横浜まで帰る、次の日に発症した、物すごい数に感染している可能性あるわけですね、可能性としてはですね。  だとしたら、検査が今義務でやれるわけですから、少なくても結果が出るまで、もう大丈夫ですという結果が出るまでは待つべきじゃないですか。その点についてどうですか。
  228. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 幾つかお尋ねありました。  それで、鳥インフルエンザH5N1については、人への感染は限定的であるというようなことから、患者と接触したにすぎない者まで検疫法に基づく強制的な停留措置の対象とする必要はないというようなことで提案させていただいております。  今先生おっしゃいました感染力が強まった場合、鳥インフルエンザが変異して新型インフルエンザになる可能性があると、あるいは患者との接触など感染のおそれのある方についても、結果等が出るまで待機していただいたり、また自宅においてできる限り外出を自粛していただくと、協力を強くお願いしたいというふうに考えております。
  229. 足立信也

    ○足立信也君 恐らく大臣はお分かりになっていると思います。  三つ私ケース挙げたうちの、日本で発生する、初めて、鳥から新型、ヒト型に変異する、この可能性を、やっぱりそこで落ちているんですよ、今の。鳥であれば人に感染力がないと今おっしゃったけれども、変異している可能性があるわけです。それは今、咽頭ぬぐい液か何かのPCRで六時間あれば分かるわけでしょう。だとしたらその六時間は待つべきですよ。これ、その間に移動して、移動してですよ、さっき言った例でいうと、千葉から東京、横浜に広げたら、その人こそ犯人捜しされちゃいますよ。だから、せっかく検査をする、義務でやるんだから、結果が出るまでは私は待つべきだと思います。  それ以上の多分答えはないと思いますが、どう思われます。
  230. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) もう今の法律の枠組みでは検疫法はそういうふうになっていません、これに対しては。  しかし、運用を含め、ガイドラインをきちんと決めて、それでほぼ強制的にやるということは十分できると思いますので、検討に値する御提案だと思いますので、やる方向でちょっと検討させてください。
  231. 足立信也

    ○足立信也君 ありがとうございます。  そこで、またこれ二年前から問題になっていることなんですが、結果が出たとします、検疫所で、結果が出たとします。それで、結果が出た場合に、まだ発症していない、潜伏期の状態で大量の方に感染している可能性があるわけですよね。その方々への対応をどうするかというのを、恐らく今度の法改正で新型については停留させてというふうになったんだと思っていますが、さっきの理屈で、鳥に関しても感染した可能性がある、変異がそこで起きた場合、変異が起きていたらの話ですよ、ここも、その人たちに対してはやはり検査する必要があると私は思いますが、同じ理屈でそう思いませんか。
  232. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) お尋ねのことで専門家の間で検討していただきました。インフルエンザ積極的疫学調査ガイドラインの改定が了承されました。  これは、先生おっしゃるように、インフルエンザの感染、発病者が日本で、国内で発生した場合、このガイドラインに基づく接触者の発見に努めまして、抗インフルエンザ薬の予防投与を行うというようなことでガイドラインを出しているところでございます。
  233. 足立信也

    ○足立信也君 それじゃ、もう一つ、これ検討会議でやっぱり検討しますと言われた重要なことなんですが、さっきは感染が高いと思っている人たちに対する検査、新型は停留があると。先ほど大臣がやる方向で検討すると言ってくださった鳥の場合もあると。ところが、それを擦り抜けて、おそれがないと思っていた方が帰国した後発症した場合、しかもそれが一日前であった場合に、やはり同じ飛行機の中で感染している可能性あるわけです。この人たちはどうするんですか。
  234. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) やはり非常に難しい問題です、それは。無症状性のキャリア、いわゆる潜伏期間の方ですから、そういう方が国内に入って発症して、その後に積極的な疫学調査をするというようなことになろうと思いますけれども、なかなか対応的には一概にこうだという決め手はないように考えています。
  235. 足立信也

    ○足立信也君 そうなんですね。今、隣からあるように、最悪の状態の更に最悪の事態をということになると、やっぱり日本で発生した場合ということの、これは弱いということを今後お互いに検討すべきだと思いますし、是非その方向性で、漏らさないで検討していってもらいたいと、そのように思います。  ところで、現状でも無症状病原体保有者、さっきから私が一番気にしているこの人たちは、一類から四類感染症のすべて、その人たちを見付けた場合に医師が知事へ届け出て、知事から大臣へ報告制度になっていますね。これ、具体的にどうやって見付けるというふうな通達が出ているんですか。あるいはその判断基準ですね。実際、一類から四類まではそうしなきゃいけない、医師にはそれだけの義務を今は負わされているわけですけど、実際どういう判断でしょう。
  236. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 感染症法の第十二条の医師の届出に関しましては、今お尋ねの無症状病原体保有者判断基準、恐らく、恐らくという言葉は、これからでありますけれども、専門家の意見を聴く中で、症状がないわけですから検査方法についてのガイドラインを出したいと。特に分離・同定による病原体の検出ですとか、あるいは検体から直接のPCR法による病原体の遺伝子の検出、あるいは検査材についてはどういうものを使うかというようなガイドラインを審議会で決めていきたいというふうに考えております。
  237. 足立信也

    ○足立信也君 大臣、既にこういうことはやらなきゃいけないようになっているんですよ。だから、先ほどのことなんですけど、検査をやったら結果が出るまではやっぱり危ないと、対処をするべきだと思います。そこだけまた強調します。  最後に、これ、新型インフルエンザ対策全般についてなんですが、先ほどからよく出ます国立感染症研究所あるいは地方の衛生研究所ありますね。その公的なところの話がよく出てくるんですが、例えば大学あるいは民間の研究所、こういうところとの全体のネットワークとしての情報の共有も含めて、研究開発も含めて、ここら辺の取組というのがどうなっているんでしょう。それを教えてください。
  238. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 研究機関でありますけれども、この新型インフルエンザに関しましては、研究とそれからサーベイランスというようなことで行っています。  サーベイランスにつきましては、現在、感染症の発生動向調査というものがございまして、簡単に申し上げれば、お尋ねの国立感染症研究所が中心になりまして、自治体並びに地方衛生研究所と情報を集約、分析すると。  それから、研究につきましては、これは文科省になりますけれども、各大学非常に熱心でございます。各大学と私どもの国立感染研究所、あるいは国際的な連携強化を含む調査研究を現在実施していると、このような状況でございます。まだまだこれは不足でございますので、これからまた十分にそういった研究活動を進めていただきたいというふうに考えております。
  239. 足立信也

    ○足立信也君 往々にして今のトピックスに走る傾向が研究者というのはありまして、隠す面も結構出てくるかもしれないので、やっぱり情報共有、どこまで進んでいるというのを全体としてリードしていく感覚が必要だと思います。  もう時間ですから重ねて申し上げますが、やっぱり最悪の状態の最悪の事態を更に想定するということを、本当にその考え方で衆知を集めて取り組むべきだということを申し上げて、それをできるだけこの委員会の決議として表したいと思いますので、皆さんの御協力もよろしくお願いします。  ありがとうございました。
  240. 南野知惠子

    南野知惠子君 ありがとうございます。自民党の南野でございます。よろしくお願いいたします。  感染症予防及び感染症患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律案に関しまして御質問させていただきたいと思います。  多くの先生方が今までに質問されておられますので重複することが多いと思いますが、なるべく重複しないように、与えられました時間、責を果たしたいと思っております。  まず、感染症対策に係る我が国の国際貢献という観点から、結核HIVエイズマラリアその他の疾病の蔓延の防止を目標の一つに掲げる国連ミレニアム開発目標の中間年に当たり、この節目の年に我が国が主催するG8北海道洞爺湖サミットが開かれることはまたとない機会と考えます。これについては前回も質問させていただきましたが、この四月に東京でG8保健専門家会合が開かれたと聞いておりますが、こうしたG8のプロセスにおいて、今後の厚生労働省取組及び決意、大臣の御決意はどのようなものか、お伺いいたします。
  241. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 今委員おっしゃったように、今年は国連ミレニアム開発目標の中間年であります。TICADⅣは第四回アフリカ開発会議、それに北海道の洞爺湖のサミットが開かれます。今委員おっしゃったように、エイズマラリアその他の疾病含め、この人類共通の課題に積極的に取り組んでいくと、こういうことで国際的な保健協力、外交ですから外務省主体ですけど、厚生労働省としてもきちんと下支えをしていきたいと思います。  今御指摘いただいたG8の保健専門会合、これは我が省からも人を出しましたけど、ここでは感染症対策、母子の保健、保健システムの強化のために包括的で全員参加型の協力に向けた指針を打ち出すと、そういう方向が議論されておりますし、こういうことを国際的な協力として今後とも続けたいというふうに思っています。  是非このTICADⅣ、洞爺湖サミットを成功させて、日本のこの分野における国際的貢献をしっかりと国際的にアピールし、また今後とも努力をしてまいりたいと思います。
  242. 南野知惠子

    南野知惠子君 是非日本の姿を見せていただきたいというふうに思っております。  母子保健の大切さということを今大臣お話しになりました。国を左右するのは母子保健、国の力を左右するものというふうに思っております。  次は、結核についてでございますが、我が国における新規患者数は近年減少しているとも言われておりますが、途上国を中心世界的にはまだまだ猛威を振るっております。HIV感染で免疫が低下した人が結核を発病するという複合感染、また薬剤耐性菌の問題も深刻化されております。  我が国においても、外国籍の結核患者さんが二十歳代を中心に増加しているというふうにも聞いておりますが、結核感染、発病予防策、それを充実していく必要があると考えておりますけれども、どのような施策を講じておられるのか、健康局長にお伺いいたします。
  243. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 結核対策でございますけれども、官民一体となった取組によりまして、年間の新登録結核患者数は大幅に減少してきております。ちなみに、昭和二十六年では約六十万人だった患者さんでありますけれども、平成十八年では二万六千人ということであります。  しかしながら、結核は依然として我が国の主要な感染症でありまして、特に近年の特徴といたしましては、抗結核薬に対する耐性を有する多剤耐性結核の発生、それから住所不定者や外国人など結核ハイリスク層の結核感染の問題、さらには、これは従来から言われていることでありますけれども、高齢者における結核再発の問題と、こういったことがございまして、結核対策の一層の充実強化が求められております。  このような課題に対応するために、新規の抗結核薬の開発、新たな治療法や診断法の開発、結核対策従事者に対する研修など、調査研究、人材育成、国際協力等を積極的に推進しているところでございます。  最後に、平成二十年度より、多剤耐性結核菌の発生など近年の重要課題に対応するため、地域の実情に応じました直接服薬確認療法、DOTSといいますけれども、等による対策を重点的かつ積極的に推進しているところでございます。
  244. 南野知惠子

    南野知惠子君 ありがとうございます。  結核というのは一番恐ろしい病気と我々は思っておりますし、体力の問題、生活習慣から発生してくる問題、また免疫からくる問題、いろいろなものが総合されているというふうにも思います。  先ほどもお話ししました、大臣からもお答えいただきました国連のミレニアム開発目標では、結核のほかに、HIVエイズの蔓延を二〇一五年までに食い止め、その後減少させることをターゲットとして、一つ目は十五歳から二十四歳の妊婦のHIV感染率、それから避妊具普及率におけるコンドーム使用率、又は十歳から十四歳のエイズ孤児ではない子供の就学率等に関するエイズ孤児の就学率を指標として挙げております。HIVエイズ蔓延防止に向けて検討されていると思います。  また、我が国におけるHIV感染の状況というものを見てみますと、平成十九年には新規感染者数は初めて一千件を超えております。新規患者数を合わせて過去最高を記録したというふうにも伝えられております。  我が国におけるHIV感染の状況及びその動向についてお伺いいたします。また、HIVの感染拡大を食い止めるためにも、感染した方が早期に適切な治療を受けられるような体制整備を図るためにも、今後どのような施策を取っていかれるのか、健康局長にお伺いいたします。
  245. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) お答え申し上げます。  我が国におきますエイズ患者HIV感染者はお尋ねのとおり増加し続けております。平成十九年の一年間に新たな報告されたHIV患者エイズ患者は、速報値でございますけれども、年間で合計千四百四十八件、累積数では一万三千八百四十二件となって、予断を許さない状況が続いています。  私どもとしましては、感染拡大防止のために、一つ目としては、エイズに関する正しい知識の普及啓発に努める、二点目としては、土日祝日を含めた検査相談体制の充実などの取組を進め、早期発見、早期治療を推進しているところでございます。  また、医療提供体制につきましては、御案内のとおり、全国三百七十五か所のエイズ治療拠点病院のほか、国立国際医療センター、エイズ治療・研究センターやブロック拠点病院での診療体制に加えまして、平成十八年度から新たに高度なエイズ診療が行える病院として都道府県ごとに中核拠点病院の整備を進め、総合的な医療提供体制の構築を図っているところでございます。
  246. 南野知惠子

    南野知惠子君 本当にエイズがこれだけ増加しているということを一般の国民は肌でまだ感じてないのではないだろうか、我々の周知の仕方が足りないのではないか、そこら辺をどう予防していくのかということが大きな課題にもなってくるだろうというふうに思っております。  次にお尋ねしたいのは、医政局長様にでございますが、ハンセン病に関連いたしております。  私も厚生労働大臣をしておりましたときに、鹿児島の鹿屋の星塚敬愛園を訪問させていただきました。ちょうどそのときが七夕でございましたので、七夕のひとときを入所者の皆様方と過ごしたということを思い出しておりますが、国立ハンセン療養所に入所しておられる方々は高齢化が進み、鹿屋では七百人ぐらいおられるんですが、その中で、もう百歳以上が五名になるのが来年だというくらい高齢化が進んでおります。  国立ハンセン療養所に入院している方々医療や介護が切実な問題となっております。その一方で、入所者の減に伴いまして、医師、看護師などの職員も減っていると聞かされております。十分な医療や介護の確保が大きな課題となっているという要望なども昨日されたところでございますが、療養所に入所している方に十分な医療・介護サービスを行える体制整備、また職員の配置をどう確保していかれる御計画なのか、厚生労働省の現状認識と対応策をお伺いしたいと思います。  また、国立ハンセン療養所につきましては、現在利用が入所者に限られており、敷地内への福祉施設などの併設も認められておりません。ハンセン病療養所を地域に開放し、地域人々との交流の機会をつくるとともに、入所者のニーズに応じた福祉施設などを併設できるような体制整備が必要だと思います。  この点につきましては、議連が今日つくられるようでございますし、またその中で議員立法の検討も進められていくと思います。今後、これらが制定されれば、厚生労働省におかれてもしっかりと取り組んでいただきたいと思うところでございます。  前半の質問について、お答えをお願いいたします。
  247. 外口崇

    政府参考人外口崇君) 国立ハンセン病療養所の入所者の状況でございますけれども、平成十九年五月一日現在で二千八百九十人、平均年齢は七十八・九歳と高齢化が進んでおります。入所者の方々へのより良い医療・介護体制を整えた療養環境の確保は重要な課題と認識しております。  このような認識の下、ハンセン病問題対策協議会の確認事項も踏まえ、各療養所内のプライマリーケア、リハビリテーション等の充実を図るとともに、療養所内で対応できない専門医療については、療養所外の医療機関と連携して行う委託治療の充実にも努めているところであります。  また、療養所の看護、介護の体制については、現在職員と入所者の方の比率がほぼ一対一となる配置となっております。なお、平成二十年度においては、入所者の高齢化等に対応するために、入所者が減少する中ではありますが、看護師の増員を行ったところであります。
  248. 南野知惠子

    南野知惠子君 先ほど、私は星塚敬愛園の数を間違えていたんじゃないかなと思いますが、二百六十八名おられるようでございまして、訂正させていただきたいと思っております。  その星塚敬愛園では胎児の方々の慰霊祭も行われていると。皆様の感じが本当にいい方向に向かっていっておられるときかなというふうにも思っておられますので、敬愛園の方々又はハンセン病で悩んでおられる方々に対しても、我々意を尽くしていかなければならないというふうに思っております。その点、よろしくお願いしたいと思って、先ほどの後半のお願いについてはよろしくお願いしたいと思っております。  次は、感染症に関することですが、目下喫緊の課題であるという新型インフルエンザ、もう多くの先生方が御討議されたことでございますが、改正案では、ここにありますが、感染症法律第五十条の二第一項に、新型インフルエンザ等「感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者」との定義が、また検疫法第十六条第一項に、「感染症病原体に感染したおそれのある者」との規定が置かれることになりますが、新型インフルエンザなど感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者、新型インフルエンザ感染症病原体に感染したおそれのある者とは具体的にどのような者を指すのか、健康局長にお伺いいたします。
  249. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) お答え申し上げます。  感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者という表現でございますけれども、これは感染症法において健康診断等の要件になる者を指します。例えば、感染症患者と接触した者等がこれに含まれるというふうに考えております。  また、感染症病原体に感染したおそれのある者は、検疫法において停留の要件となる方で、同じく感染症患者と接触した者というようなことを想定しております。  両者、表現異なりますが、感染症において感染しているおそれがあり、感染症を広げる可能性を否定できない方々という点で大きな違いはございません。
  250. 南野知惠子

    南野知惠子君 ありがとうございます。  定義の問題点については今御説明ありましたので理解できるところでございますが、感染症にかかっているかどうか分からない人々に対してその前線で活躍するのが我々医療従事者でございます。そういう者の感染対策ということも一番大きな課題かと思います。それについてはマンパワーの問題、また、ひいては給料の問題にもなってまいりますので、その点もお含みおきいただければというふうにも思います。  次でございますけれども、建物等の措置又は交通の遮断などについては国民の生活に与える影響が非常に大きい、人権観点からもその発動には慎重な検討が必要であることは当然のことです。しかし、どのような場合に適用するか具体的なケースの積み上げがないと、いざというときに迅速な意思決定ができない、効果的な対策が打てずに蔓延を拡大する結果にもなりかねないと。あらかじめ想定される複数のケース、要件を具体的に示し、専門家や国民の間でオープンな議論を行う必要があるのではないかというふうに思っております。  また、過去のスペイン風邪などでは、発生初期に外出の制限等を行った都市では感染が最小限に抑えられたという事例が報告されております。もとより、人権配慮が最優先されるべきは当然でありますけれども、新型インフルエンザ蔓延防止のために国民皆さんに外出の自粛などの協力をお願いすることも検討に値するのではないかというふうに思いますが、この点についての御意見をお伺いいたします。  また、何より大事なのは、国民の皆様が新型インフルエンザについて正しい知識と理解を持っておられることであろうかと思います。先日もインターネットを通じた情報提供などについて御答弁がございましたが、インターネットを通じた迅速かつ正確な情報提供は大変重要であると思いますけれども、インターネットを利用しない方や子供やお年寄りにも理解していただく情報提供の仕組みが必要ではないかと思います。国民皆さんへの正しい知識の普及、その方策について健康局長の御見解をお願いいたします。
  251. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) お答え申し上げます。  新型インフルエンザ発生時におきましては、政府、都道府県等が迅速に初動体制を整えまして適切な措置を実施することが重要でございます。同様に、今言われましたように、国民一人一人が正確な理解に基づく冷静な対応をしていただくというようなことが不可欠だと考えています。現在の新型インフルエンザ対策ガイドラインでは不要不急の外出の自粛を国民に求めることになるため、発生前からそうした知識の普及に努めることは重要なところでございます。現在、私ども、情報提供につきましてはリスクコミュニケーションのガイドラインを作成しまして、厚生労働省のホームページにおきまして発生状況等の情報提供、QアンドAを用いた正しい知識の普及等の感染予防対策の周知を行っているところでございます。これ、インターネットでございますので、今委員御指摘のインターネットを使わない普及媒体ということで、パンフレット等についても作成の検討をしていきたいというふうに考えております。  さらに、この四月一日から新型インフルエンザ対策推進室を設置しました。何度か答弁させていただきましたけれども、こういったリスクコミュニケーションの専門家、マスコミ出身者などに来ていただきまして、どのような情報提供をどのようなタイミングで伝えたらいいのかというようなことについて専門的な広報体制に強化してまいりたいというふうに考えております。
  252. 南野知惠子

    南野知惠子君 インターネットを使わない方々への御配慮も今お聞きいたしましたけれども、子供たちが理解できるような形、それをまたどこに配付するのかということ、また学校でどのような生活、教育がされているのかというようなことなども厚生労働省の方からの御注意をよろしくお願いしたいと思っております。  次は、鳥インフルエンザのH5N1につきましては、四月十七日現在、確定症例数が三百八十一に対し死亡例数二百四十と、極めて高い死亡率を示しております。また、年齢別に見ますと、十歳から三十九歳の人々で死亡率が最も高く、高齢者で最も高い死亡率が見られる通常のインフルエンザとは異なる傾向を示しております。若年成人において死亡率が最も高くなることが懸念されております。  新型インフルエンザ対策におきましては、こうした高い死亡率、とりわけ若年婦人の高い死亡率を踏まえることが重要だと考えますけれども、こうした点は国の行動計画やガイドラインに具体的にどう取り込まれているのか、また、こうした点を踏まえ、今後どのような対策を講じていくお考えか、健康局長にお伺いいたします。
  253. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 足立委員にもお答えしたとおり、議員指摘のとおり、新型インフルエンザにおきましては若年成人での高い死亡率を記録する可能性もございます。また、想定以上の被害が広がっていくというふうなことも想像できます。  現在、私ども、ガイドラインでございますけれども、あらゆる状況を想定しながら、政府一丸となって万全の対策の整備に努めていきたいわけでありますけれども、若年成人につきましては、先ほど御答弁申し上げたとおり、例えば学級閉鎖ですとかあるいは外出の自粛ですとかそういう方法、あるいは、先ほど来議論していますワクチンの安全性を確認した後にワクチンの接種ですとか、そういう形で若年成人の方々の健康を守っていきたいというふうに考えております。
  254. 南野知惠子

    南野知惠子君 これから申し上げることも我が議員石井議員の方からの質問とも重なるかも分かりませんが、新型インフルエンザが発生した場合の医療体制についてでございます。  新型インフルエンザが発生した段階で保健所ごとに発熱相談センター、これを設置するとともに、都道府県内で発生した段階では患者の振り分けを行う発熱外来を設置することとしておられるようです。こうしたセンターや発熱外来の設置は、医療機関を介して二次感染が広がるのを防ぐ観点からも有効であるというふうには考えられます。こうしたセンターや発熱外来の設置について住民の方々に十分周知されている必要があると考えます。また、発熱外来に多くの方々が診察を待っておられる間、事によって、かえって患者様方の、また集まってこられた方々の容体悪化や感染拡大するようなことがあってはならないと、そのように思います。  十分な体制整備と人員確保が必要と考えますけれども、発熱相談センターや発熱外来の設置のための準備状況について健康局長にお伺いいたします。
  255. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) お答え申し上げます。  まず最初に、発熱相談センターでございますけれども、患者が事前に連絡せずに直接医療機関へ受診することによるほかの患者さんへの感染の防止、それから地域住民への心理的なサポート、あるいは特定の医療機関に集中しがちな負担の軽減というようなことを目的としまして、各都道府県が保健所などにおきまして整備をしていただくというようなことで、現在、地方自治体で整備を進めていただいております。  また、発熱外来は、今も御指摘になりましたように、一度に患者さんが一般の病院に来てしまうと、いろんな方が感染を、それで被害を受けるというようなことを防ぐために患者さんの振り分けを行うというようなことを目的としております。感染拡大の防止を図りますとともに、新型インフルエンザ診療を効率的に、また混乱なく行うために設置したものでございます。今後、引き続き各医療機関におきまして、こういった発熱外来についての整備を進めていただきたいというように考えております。
  256. 南野知惠子

    南野知惠子君 本当に、待合室等でのコンタミネーションが起こるということは大変悲しいことでございますので、そこら辺の整理、十分していただきたいというふうに思います。  今はインフルエンザ等のこのような危険な感染症の話をさせていただいているわけですが、感染症といえばこれだけではありません。そういう意味では、国民一人一人の日常の健康管理が必要だと思います。可能であれば生まれたときから、赤ちゃんには免疫を与えるというのは母乳で栄養をすると、自然に免疫を与えること又は食育を含めた日ごろの体力を付けることなど、十分に健康教育の中で備えておく必要があろうかというふうにも思いますが、今話題となっている新型インフルエンザ、これはイフではなくホエンの問題と言われてからもう既に相当の期間が過ぎております。新型インフルエンザ対策は待ったなしの時期を迎えているところでございます。  この間、国の方でも様々な形で総合的なインフルエンザ対策を進めてこられておりますけれども、本日の質疑等々でも明らかなように、まだまだやるべきことが山積していると思います。新型インフルエンザ対策にかかわる大臣の御決意を最後にいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
  257. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) これは本当に国家の危機管理ということが必要な大問題であります。これまでも私を本部長とする対策推進本部を設けたり、各省庁との連携をやってきております。さらに、先ほど来申し上げていますように、プレパンデミックワクチン、これの接種に向けての計画の立案、タミフル、リレンザの備蓄、こういうこともやっておりますので、この法案が可決、成立しました暁には、都道府県、各省庁すべて連係プレーをして、一度訓練、実地の訓練、シミュレーションをやり、更に問題点があれば改善していくと、そういう方向で、着実に皆さん方協力も得ながら、この新型インフルエンザ対策全力を上げてまいります。
  258. 南野知惠子

    南野知惠子君 大臣は体力の要るお仕事を今続けておられます。是非、体力を蓄えながら、このインフルエンザにも向かっていきたいと思いますが、どうぞよろしく御健闘をお願いしたいと思います。  終わります。
  259. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男です。  内閣提出感染症予防及び感染症患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律案並びに衆議院における修正部分に関連して、質問をさせていただきたいと思います。これまで多くの質問があり、重複するものは一部省略して質問をさせていただきたいと思います。  まず最初に、世界でのH5N1型鳥インフルエンザウイルスによる鳥の感染の状況並びに鳥―人感染、人―人感染の状況について、それからウイルスの変異があるわけでありますけれども、その点も含めて農林水産省、そして厚生労働省にお伺いをしたいと思います。
  260. 谷口隆

    政府参考人(谷口隆君) お答えを申し上げます。  お尋ねの、家禽ですね、鳥、家禽での高病原性鳥インフルエンザにつきましては、現在、世界で五十四の国及び地域での発生が確認をされているところでございます。人―人につきましては厚労省の方からお願いします。
  261. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) インフルエンザH5N1ウイルスについては、遺伝子の変異によりクレードと呼ばれる分類がされています。例えば、クレード1はカンボジア、香港、タイ、ベトナムで、クレード2・1はインドネシアで、クレード2・3は中国、フランス、ミャンマー、ベトナムという形でございまして、人への感染を起こしているウイルスでございます。それぞれ代表的な株といたしましては、ベトナム株、インドネシア株、安徽株、中国でありますけれども、挙げられます。  それで、インフルエンザの鳥―人感染は、二〇〇八年の四月十七日現在で感染者三百八十一名、死亡者が二百四十六名と発表されております。また、インフルエンザの人―人感染につきましては、ベトナム、タイ、インドネシアなどにおいては、血縁関係者等の間で濃厚接触による感染が疑われておりますが、現在のところ、新型インフルエンザと、人―人感染という形での発症は認められていないと、このような状況になってございます。
  262. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 先ほど農水省の方から、五十四か国・地域というお話ございましたけれども、世界の五大陸の中ではどのような分布になっているのか、その点も追加をしながら、そのH5N1型の鳥インフルエンザの我が国及び海外諸国・地域への伝播の原因解明がどこまで進んだのか、また渡り鳥による伝播の可能性についてはどう解明されているのか、この点を農林水産省にお伺いをしたいと思います。
  263. 谷口隆

    政府参考人(谷口隆君) お答えを申し上げます。  大陸によります分類でございますけれども、アジアにおきましては、ASEAN諸国を始め中国、北朝鮮、インド等二十四か国での発生が報告をされております。また、欧州におきましては、英国、ポーランド等十か国というふうに報告がなされております。そのほか、アフリカにおきましても十三か国の発生が報告をされているところでございます。  次に、感染経路のお尋ねでございますけれども、高病原性鳥インフルエンザの感染原因でございますとか経路につきましては、感染をいたしました生きた家禽等の移動による場合のほか、渡り鳥の関与が指摘をされておりまして、アジアやヨーロッパの各国におきましては、渡り鳥から高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認された例が報告をされているところでございます。  また、日本の例で申しますと、昨年、我が国で発生をいたしました高病原性鳥インフルエンザの感染経路究明につきまして、専門家から成ります調査チームにより報告書が取りまとめられておりますけれども、その中では、外国から国内へまずウイルスの侵入ということにつきましては渡り鳥により持ち込まれた可能性があること、それからいったん国内に入ったウイルスにつきましては、それが農場に入る際には、人為的な原因ということではなくて、野鳥でございますとか野生の動物、こういったものにより持ち込まれた可能性があるというふうな指摘がされまして、農場における野生生物等の侵入防止対策の強化でございますとか、飼養衛生管理の実施状況の再チェックを行うなど、バイオセキュリティー対策の徹底を図ることが重要であるという報告をいただいておるところでございます。
  264. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 日本発の鳥―人感染から人―人感染、そして新型インフルエンザが発生しないように油断なく対応する必要があると、そのように思っております。  そういう意味で、H5N1型の高病原性鳥インフルエンザの家畜伝染病の防疫体制の現状について、農林水産省にお伺いをしたいと思います。
  265. 谷口隆

    政府参考人(谷口隆君) お答えを申し上げます。  高病原性鳥インフルエンザにつきましては、家畜伝染病予防法という法律に基づきまして、高病原性鳥インフルエンザに関する特定家畜伝染病防疫指針を策定をいたしまして、都道府県等の関係者が連携をして、本病の侵入防止と万一の発生時の迅速かつ円滑な蔓延防止措置が講じられるよう危機管理体制を構築しておるところでございます。  昨年の一月、本病が発生をいたしました際にも、今申しました指針に基づきまして防疫措置を講じ、清浄国に早期復帰をしたところでございますけれども、さらにこの発生を踏まえまして、防疫指針の見直しを行いますとともに、防鳥ネット、鳥を防ぐネットでございますが、防鳥ネットの整備でございますとか、養鶏場への都道府県の立入検査による飼養衛生管理の改善指導、また早期発見、早期通報の徹底によります危機管理体制の強化などを行っているところでございます。  また、水際での侵入防止対策といたしまして、本病の発生が確認をされた地域から直ちに家禽肉等の輸入を停止をいたしますとともに、空港や海港におきまして、発生地域からのすべての入国者及び車両に対しまして、動物検疫所の方で靴底消毒でございますとか車両消毒といったようなものを実施をしておるところでございます。  こういった点を含めまして、引き続き我が国への高病原性鳥インフルエンザの侵入防止及び発生予防に万全を期してまいりたいと考えております。
  266. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 次に、新型インフルエンザ地域封じ込め対策について質問をさせていただきたいと思います。  地域封じ込め対策を行うかどうか、その場合だれが決定をしていくのか、また、どんな条件の場合に地域封じ込め対策を行うことになるのか、また、新型感染症確定後、発生したという確定後、どれくらいの期間内にそれを行うことになるのか、この点を厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
  267. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 新型インフルエンザが発生した場合に、内閣官房が速やかに新型インフルエンザ対策本部の新型インフルエンザ対策専門家諮問委員会を招集いたします。この対策本部のメンバーは、内閣総理大臣、官房長官、それから私、厚生労働大臣ほかすべての閣僚がメンバーとなっております。  そして、この専門家の諮問委員会にこの地域封じ込めの可能性について意見をまず聴取いたします。可能かどうかというのは、離れ島なんかは非常に可能ですから、そういう人口密度が低く、交通遮断が比較的容易な地域で発生した場合など限定的な場合のみが可能となるというように考えておりますけれども、直ちに現地の調査をし、諮問委員会の検討を経て、対策本部でもし可能であれば地域封じ込めを決定いたします。  そして、方針決定は、最初の症例が発生したときから七十四時間、おおむね三日程度で決定することを考えております。
  268. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 その場合に、全国民に対して、また地域封じ込め対策を行う地域の住民に対してどのような周知を行っていく方針か、この点を舛添大臣にお伺いをしたいと思います。
  269. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 国民への周知徹底をだれが実施するかということを、まだ今の段階では未定ですけれども、厚生労働省としては、これは政府新型インフルエンザ対策本部、これが行うというふうに今考えております。  昨年三月に新型インフルエンザ専門家会議が取りまとめましたガイドラインがあります。これによりますと、新型インフルエンザが国内で発生し地域の封じ込めを行うとした場合、地域封じ込め対策に関する情報を各種メディアを通じて発生地域以外の人々に適切に国が情報提供をするということになっておりますんで、そのガイドラインに基づいた対応を取ろうと思っております。
  270. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 パニックにならないように、また人権侵害にならないように、ここは早めに十分検討をしていただいて、もう万一、いつ起こるか分からないということでありますんで、これはしっかり検討をしていただいて、早めに決めていただきたいと思います。  次に、新型インフルエンザ地域封じ込め対策が難しい場合、大都市部で発生してくる、首都圏、阪神圏あるいは中京圏などで発生した場合に、この発生からどれくらいで日本全国へ蔓延してしまうのか、この点、どのように検討をされているのかお伺いをしたいと思います。厚生労働省です。
  271. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 大都市での新型インフルエンザ患者が発生した場合の蔓延のスピードでございますけれども、ウイルスの感染力、症状の重篤性により異なっております。正確に推定することは甚だ困難でございますけれども、首都圏で第一例目が発生してから全国にどのように感染、伝播していくのかを一定の仮定においてシミュレーションした研究報告によれば、第一例目の発生から二週間後、十四日目には日本全国に感染を拡大すると推定されております。
  272. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 二週間後ですか、そういうことであるということであれば、その発生から交通手段等々コントロールしても全国伝播を防げないのかどうか、その点について確認をしたいと思います、厚生労働省から。
  273. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) お尋ねの大都市で患者が発生した場合には、発生を察知した時点でのその患者は、潜伏期間中に既に交通機関を利用して移動していると多くの方に感染を広げていっている可能性があることから、その時点で仮に交通手段をコントロールしたとしても、新型インフルエンザの全国伝播を阻止するというのは難しいだろうというふうに考えております。
  274. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 そうなると、そういう場合はもう全国規模で各地域でもう感染者の治療、感染拡大防止対策を行うということになるわけでありますけれども、なかなか具体的イメージがつかみにくいんですが、例えば集合住宅で感染者が出たと、その場合、その患者さんが、患者さんまだ分からない時点だと思いますけれども、エレベーターに乗ってせきをしてしまったと、そういう場合、だれもいなかった場合、そのウイルスがどれくらいエレベーターに残っているものなのか、感染力がある形でですね。あるいは、同乗した人、何人か同乗してしまったと、その場合にどれくらい感染する可能性があるのか。また、集合住宅内で、大きさにもよりけりだと思うんですが、大体どれくらいの人が感染をしてしまう可能性があるのか。そういうシミュレーションがあればお伺いをしたいと思います。
  275. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) まだそこまでのシミュレーション研究をしておりませんけれども、やはり専門家にお聞きしたところ、インフルエンザの感染経路というのは不明でありますけれども、いずれにしても飛沫感染だというようなことから考えれば、エレベーターのような閉鎖空間でせきをすれば同乗者には感染するだろうということは容易に想像できます。それから、飛沫感染であれば、同乗者がいない状況でせきをしてもエレベーターの外にいる方や後から乗ってきた方に対して感染性を持つことは考えづらいのではないかというふうに考えております。  集合住宅についても、感染拡大の状況については住民の方の行動様式などに影響を受けます。一概に予測することは困難でありますけれども、私ども、集合住宅であるか戸建てであるかを問わず、同じ生活空間を共有していれば感染する危険性は極めて高いというふうに判断した方がよいのではないかというふうに考えております。
  276. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 本当に、病原性にもより、また伝播力にもよると思うんですけれども、なかなか具体的なイメージがつかみにくいと、またその危険性についても過度に考えてしまう、あるいは軽く考えてしまうというようなこともあるので、いろいろなことを考えながら対応していく必要があると思います。  次に、これまでの日本でいろいろスペインインフルエンザ、アジアインフルエンザ、香港インフルエンザ等が発生しているわけでありますけれども、そういうときに国会機能の維持対策がどのように行われたのか、またその結果についてどのような状況であったのか。例えば、今日委員会やっておりますけれども、国会議員がそういう感染を起こして定足数に足りないとか、法案も今忙しく審議しているんだけれども、ちょっと審議ができなくなってしまうとか、そういうことが起こり得ることを考えて、何か前にインフルエンザが発生したときにこれまで国会がどのように対応してきたのか。この辺で、この点に関して参議院の事務局の方から、これまでの資料等を踏まえてお答えをいただきたいと思います。
  277. 古賀保之

    ○参事(古賀保之君) 先生お尋ねの新型インフルエンザ流行時の国会機能の維持対策でございますが、参議院の会議録、その他保管されております資料を調べました限りでは、具体的な対策が講じられたという記録は残っておりません。
  278. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 諸外国においては、今回新型インフルエンザ起こり得る危険性が高まっているということで、そういう国会機能の維持のための対策がどのように検討をされているのか、この点も、資料があればお伺いをしたいと思います。
  279. 古賀保之

    ○参事(古賀保之君) 公表されております資料を調べました限りでは、主要国について具体的な対策が講じられている例は見当たりません。
  280. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 ないということでありますけれども、我が国としてやっぱり何らかの対応を考えなきゃいけない時期かなというふうに私自身はそう思っているんですが、今後、国会機能の維持のために例えば新型インフルエンザ対応の訓練等について検討をされていれば、その点も事務局の方にお伺いをしたいと思います。
  281. 古賀保之

    ○参事(古賀保之君) 衆議院、関係省庁等関係機関との連携、連絡、情報共有体制の在り方等、事務方として検討し、また先生方の御意見も踏まえつつ今後検討を進めてまいる必要があると考えております。
  282. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 厚生労働省でも検討を行う必要があると私は思っておるんですが、政府全体としてはそういう訓練等されておると思うんですが、厚生労働省としてはどのような省内のインフルエンザ対応訓練を実施しているのか、あるいは今後どういう形で実施をしていくのか、この点を大臣にお伺いをしたいと思います。
  283. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 新型インフルエンザの訓練としましては、平成十八年九月、平成十九年二月、それから私が大臣に就任した後は昨年十一月に三度、対策訓練を実施いたしました。そのことによって、各省庁との連携、地方自治体との連携、そういうことを強化しているところであります。この法案が可決しましたら、その後、少し大規模な実地の訓練を含めて、先ほど小林委員からありましたように、民間企業の特にライフライン維持者も含めて少し国民皆さん方とも協力してこのことを実行したいというふうに思っています。  それから、先ほど全体の、国会含めての政府取組ですけど、直接、新型インフルエンザについてはどうということはないですけど、例えば閣僚が欠けたときにどういう順番でやるとかそういうのは、どの国も基本的な危機管理のマニュアルというのはあると思いますので、これは新型インフルエンザだけじゃなくて災害の場合も、あってはならないことですけど外国からの侵略というようなことについても、そういうことのための危機管理の基本的なマニュアルというのはやっぱり国家としてないといけないと思いますので、今後の政府全体としての検討課題にもしたいと思いますし、また是非、国権の最高機関である国会の場においてもそのためのマニュアル作りというのはやっぱりあってしかるべきかなと、そういう気がしております。
  284. 渡辺孝男

    ○渡辺孝男君 これまでもいろいろ質疑、今日もあったわけでありまして、以上で公明党としては質疑を終わらしたいと思いますけれども、今回の法案につきましては、当然喫緊の課題でございますので賛成をしていきたいと思っております。衆議院での修正部分も基本的に大事な修正でございますので、賛成をしていきたいと考えております。  以上でございます。
  285. 小池晃

    ○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  二〇〇三年以降、鳥インフルエンザH5N1がアジアを中心世界に広がる中で、人から人へ感染する新型インフルエンザ発生への不安が広がっております。H5N1型の指定感染症の政令指定が六月に失効するわけで、今回の改正は、衆議院での修正も含めて、鳥インフルエンザへの対応の継続とともに新型インフルエンザが発生した場合の必要な対策を行うための法改正であり、賛成です。  歴史を振り返れば、過去にも世界的な流行、いわゆるパンデミックはあったわけですが、新型インフルエンザについてはミシガン大学のマイケル・オスターホルム教授が、世界経済が高度に連携した中で初めて迎えるパンデミックになると指摘をしておりますが、そのように壊滅的な、急速な甚大な被害が生じる危険があるわけで、国境を超えた対策が必要だと思います。  そこで、幾つかお聞きしたいんですが、今日も議論になっていますけど、プレパンデミックワクチンの問題で、これは二千万人分備蓄をし、更に一千万人分の検討ということです。しかし、全国民分なければ、一定の段階では必ずこれは優先的な接種ということになってくるわけで、これはいかにその合理的な基準をつくったとしても、国民感情からしたら必ず混乱が起こるだろうというふうに思うんですね。  スイスなどでは全国民分備蓄をしている、しかもそのフェーズ4になったらもう打ち始めるというふうにも聞いているんですけれども。何といいますか、お金の問題で大臣おっしゃっているんですが、何かお金があったらちびちび積み上げていくというんじゃなくて、やっぱりきちっと戦略を持っていくべきものではないかなと。もちろん安全性の検証は必要なんですけれども、きちっと国家目標として全国民分備蓄するなり、あるいはカナダなんかは、そうじゃなくてもうパンデミックを急いで作るということでその戦略を持っていると聞きますけれども、やっぱりそれは明確にする必要があるんじゃないですか、日本はこうするんだということを、と思うんですが、いかがでしょうか。
  286. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) ダブルトラックというか、二つの方式でやりたいと思っています。片一方ではプレパンデミックワクチンを、先ほど来申し上げているように、六千人の臨床研究から始まって一千万、そして今おっしゃったように、全国民に向けてそれを準備する。それで、片一方準備しながら、しかし今度起こった場合の、それで株ができるわけですから、それをもとにしたパンデミックワクチンを早急に作る、先ほどの中村委員の御質問にあったように、一年半をいかにして縮めるかという、そのダブルトラックでいくという方向で今のところいきたいと思っています。  先ほど来申し上げていますように、いろんな条件がありますから、現場も視察しながら、そういう条件を勘案しながら来年度の予算措置に向けて積み上げを今からやろうと思っております。
  287. 小池晃

    ○小池晃君 全国民分目指すんだという方向はお示しいただいたというふうに受け止めました。  さらに、先ほどもあったんですが、原液なんですね、今のプレパンデミックワクチンは。製剤化するのには一、二か月掛かるというふうに聞いておりまして、これ現時点で製剤化されているのは七十万だと。これ、もし発生した場合に、日本に入ってくるまで一か月、二か月待ってくれる保証はないわけですから、すべてというんじゃないにしても、やっぱり一定規模の可能な限り製剤化するということもきちっと計画、戦略を持って臨んでいくということが必要なんではないかと思うんですが、これ局長、いかがですか。
  288. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) おっしゃるとおりでございまして、現在は約七十万人分製剤化しております。今年度六千人に対する臨床研究をやるというようなことであります。議員おっしゃるように、この製剤化についても更に増やしていく必要があるだろうというふうに考えております。
  289. 小池晃

    ○小池晃君 本当に国民の安心のための措置だと思うんで、よろしくお願いしたいと思っております。  それから、病床の問題なんですけれども、これ指定医療機関への入院勧告措置を実施できるわけですが、これも今日議論ありましたが、陰圧施設を持っている病床が全国で特定機関八床、第一種で四十九床、第二種で九百八十床、結核病床を持つ医療機関で三千三百五床で、ごく限られたものであるわけです。  水際対策が奏功せずに蔓延し始めれば、こうした病床は直ちに満床になってしまうだろうというふうに思うんですね。これ満床になってしまった場合には、ガイドラインを見ますと、都道府県が入院勧告を中止するというふうにしております。この中止というのは、一体いかなる判断で、これ結構大事な判断だと思うんですが、判断基準というのはあるのか、そしてその決定権者というのは、これは都道府県になるのか国になるのか、お伺いします。
  290. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) おっしゃるように入院勧告を行うことにしていますけれども、患者数がある一定程度増加しまして、もはや病床に入院させる勧告を行うことによっても蔓延が防げないというふうな判断、これ何人までになったらどうのこうのという、その基準はまだございませんけれども、その地域地域で判断していただくと。ただ、その判断していただく主体としては都道府県、都道府県が国と協議した上で入院勧告の中止を行うと、このようになっております。
  291. 小池晃

    ○小池晃君 ちょっと今のだと基準がよく分からないんで、やっぱりこういうのはきちっともう少し整備をしておく必要が今後の課題としてはあるということを申し上げておきたいと思います。  そもそも大臣、やっぱり今、日本医療機関というのはもうぎりぎりのベッド運営を強いられているわけですね。もう満床状態じゃなきゃ経営が成り立たないようなそういう診療報酬になっている中で、パンデミックになったら受入れしろなんて言われたって、これはできないのが実情なわけですよ。そういう意味ではもっと対応可能な、こういう陰圧施設なども含めて、やっぱり何か計画を持って伸ばしていくということをしっかりやるべきじゃないですか。そこはいかがでしょう。
  292. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 先ほど、足立委員質問にお答えしたように、一月以内ぐらいに医療体制の再構築のためのビジョンを数値目標も出しながらやっていきたい。  その大前提は医師の不足、そして医療サービスの提供が十分でないと。その医療サービス提供の中にもこの病床の数も入り、今回、今議論になっているこういうパンデミックの場合の対応ということも入りますから、そのこともきちんと入れた上でのこの目標というのを立てて、来年度概算要求に向けて努力をしてまいりたいと思います。
  293. 小池晃

    ○小池晃君 ちょっとここで、その病床の問題で国立病院機構の南横浜病院の問題をちょっと取り上げたいんですが。四月八日に国立病院機構が廃止を表明しまして、これ理由は赤字だということなんです。赤字を理由にした廃止というのは、閉鎖というのは初めてだそうです。  今日、先ほど現地で発表があって、十二月一日に閉院するということが発表されたと。これ、突然の表明で、入院患者始め利用者も非常に不安が広がっているし、余りにも拙速だという批判起こっています。  神奈川県知事が国立病院機構が発表した翌日の九日に申入れやっています。この申入れ文書には、新型インフルエンザ対策における協力医療機関としての貴職の役割をかんがみますと極めて遺憾であるということで、三点申し入れている。一つは、混乱が生じないように横浜市と十分に調整する。二つは、横浜市域の結核病床の不足のおそれがあり、市内の医療機関入院できるよう調整し、国立の神奈川病院の増床も検討すべきだと。三つ目に、国立病院機構として新型インフルエンザ対策に積極的に対応すべきだ。これ、当然の申入れだと私は思うんですね。  神奈川県というのは、そもそも結核だけで見ても全国第三位の発症数、結核病床数は全国第五位ですから、一ベッド当たりの患者数、発生数は全国で最も高い、そういう地域。  局長、神奈川県の結核病床の許可病床数と、それから医療計画上の基準病床数と、それと実際に運用されている病床数、現時点の数字、示してください。
  294. 外口崇

    政府参考人外口崇君) 神奈川県内における結核病床の状況でございますけれども、平成二十年三月に公表された平成二十年度からの基準病床数が二百六十七床でございます。平成二十年三月末現在の許可病床数及び稼働病床数が、それぞれ三百三十四床と二百十五床であります。それから実態でございますけれども、十九年度の平均入院患者数が百五十人弱となっております。
  295. 小池晃

    ○小池晃君 実際、神奈川県内の結核病床数、実際には二百十五床ということですから、南横浜病院に四十九床あるので、これがなくなると百六十六床になるということなんですね。現行の基準病床数ですら達していないのに、赤字を理由に更に減ってしまうと。  局長、おとといの質疑で、国立病院機構は神奈川病院含めた連携でやると答弁したんですが、神奈川病院結核病床はベッド増やすんですか。
  296. 外口崇

    政府参考人外口崇君) 最近の結核治療状況で、治療の進歩とか検査法の進歩で入院患者数が減る傾向にあります。そういったことを含めての検討になると思いますけれども、実際に運用してみて必要があれば神奈川病院の増床ということも検討することになります。
  297. 小池晃

    ○小池晃君 無責任だと思うんですね。私、神奈川県が不安表明するのも当然だと。  南横浜病院には、聞きますが、陰圧化施設を持っている病床はどれだけあるんですか。
  298. 外口崇

    政府参考人外口崇君) 四十九床でございます。
  299. 小池晃

    ○小池晃君 だから、この結核病床四十九床、陰圧病床なんですよ、全部。  一方で大臣、さっき言ったじゃないですか。これで足りないと、増やすんだと言いながら、国立病院機構がせっかく持っている感染症病床を、陰圧施設も持っているところをなくしちゃおうというんですよ、今。いいんでしょうか。  そもそもこの御時世に、医療、本当に医師不足だ、病院不足だと言われているときに、神奈川県の横浜市の港南区、都市近郊で三万平方メートルの敷地を持っている医療機関ですよ。これが、国が率先して閉めてしまう、畳んでしまう。私、国家的損失じゃないかと。しかも、今あったように、結核病床、陰圧施設も持っていると。だから、赤字だったら閉院するって、だれでもできるんですよ、こんなことは。でも、やっぱり今こういうパンデミック時の医療体制をどうするかという議論しているときに、私、多少今赤字だったってこれは国家戦略に位置付けて維持しておくと。いざというとき本当にこれ活用できるんじゃないですか、こういうところを持っておけば。  私はそう思うんですが、こんなふうに十二月一日にこの病院畳んでしまう、このままやってはいけないと思うんですが、いかがでしょうか。
  300. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 国立病院機構全体として今後どうするかという問題があります。片一方では、今のような委員の要請もありますけれども、収支の改善の見通しが全くないまま改革の努力を続けていかないでいいかというと、やっぱりこれは努力を続けないといけない。  そういう中で、医療資源の集約化、ネットワーク化ということを図る。先ほど来局長からも答弁あるように、神奈川病院とか横浜医療センターで対応できてそこに集中できれば、そして、今実際に結核患者も減っている、しかしどうしてもそれで必要になれば、今言った集約化されたところの病床の数を増やすという選択肢もあるわけですから、そういう中で、つまり、収支の改善をする、経営の改革をやるという要請と危機管理に対応する要請、それをやっぱり全国的に大きなシナリオを書いてみないといけないんで、すべての病院を今あるがままにそのまま置いておくということは改革でも何でもない。  最終的にどういう形で国民の命を守るのがいいのかということをそれはきちんと検討する結果で、いろんな専門家の方々の検討が入ってこういうことになったということでありますから、それで現実に集約化してみて、集約化されたところに病床が足りなけりゃそれは増やしていく、そういうきめの細かい手を取りたいと思っております。
  301. 小池晃

    ○小池晃君 だから、私が言っているのは、大臣は、だって今の医療体制は不足していると、それは伸ばしていかなきゃいけないというふうに一方で言いながら、肝心の自分たちのおひざ元になると、これは経営だと、収支だと。つぶしていたら、じゃ、ほかの民間病院病院畳んだって何の指導も文句も言えないじゃないですか。  もうおかしいと。国が持っているんだから、これは責任持って、これは国家戦略としていろんな、多少赤字あったとしても、それは改善する努力をするなとは言っていない、すればいいんですよ。そういう中で、将来まさにこの感染症に対する戦略の中でそれは拠点として位置付けるとか、そういう戦略持ってやるべきで、赤字だからといって畳みますと、こんなことだけでいいんですかと私は言っているんです。
  302. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) そういう配慮だけではなくて、医療サービス全体の提供体制を増加するということを申し上げているんで、ただ医師の数を増やす、病院の数を増やすといったって、お医者さんいません。お医者さんの養成十年掛かります。そうすると、開業医と拠点病院、つまり病院診療所、その間の連携をやる。それから、先ほどこれも足立委員がおっしゃったのか、コメディカル、薬剤師も含めて、看護師、薬剤師、助産師、こういう方々がお医者さんをサポートするスキルミックスをやる。こういうあらゆる手を取って、そしてやはり病院の集約化という、拠点病院というのをつくっていかないと。  神奈川の場合は今言ったような決定を下したわけで、何もただ赤字だからどうだということじゃなくて、全体の大きな改革の中に位置付けて不備がないようにしますということでありますから、御理解をいただければと思います。
  303. 小池晃

    ○小池晃君 いやこれ、集約化でも何でもないんですよ、ただつぶしちゃうんですよ、これは。新たに、だって、さっきだって神奈川病院のベッド増やすかどうかだって見てみないと分からないということですからね、ただ単に閉鎖してしまうというだけであって。  私は、本当にこんなことはやるべきでないし、きちっともっと位置付けるべきだし、地域住民や職員に対してもきちっと理解を得るような努力をされていないというふうにも聞いていますので、感染症対策に逆行するようなやり方は取るべきでないというふうに思っています。  重ねて、ちょっと体制の問題について聞きたいんですけれども、検疫の体制です。  今日資料をお配りしておりますが、新型インフルエンザ発生した場合に、ガイドラインでは、発生国からの旅客機の受入れは成田、関空、中部、それから福岡空港に集約して、客船については横浜、神戸、門司港と。  それぞれの現在の検疫官の人数を、もう資料にありますが、ちょっと数字だけ言ってください。
  304. 藤崎清道

    政府参考人(藤崎清道君) お答え申し上げます。  ただいま先生御指摘の空海港において従事する検疫官の人数につきましては、平成二十年度において成田空港検疫所で八十二名、中部空港検疫所支所で十九名、関西空港検疫所で四十五名、福岡空港検疫所支所で十八名、横浜検疫所で八名、神戸検疫所で七名、門司検疫所支所で五名となっているところでございます。
  305. 小池晃

    ○小池晃君 やっぱりいかにも貧弱な体制ではないかなというふうに思うんですね。新型インフルエンザ発生した場合には集約化するんだと、応援体制取るんだと言うけれども、ほかの検疫所でも第三国を通じた入国なんかもありますから、そんなにたくさんの人を集中させるということは現実にはできないだろうというふうに思うんです。  この体制については、実は二〇〇三年の五月に私この委員会で当時坂口大臣に対して、ちょうどSARSの問題が大問題になったときで、検疫体制これでいいのかということを御指摘をしまして、これ例えば関空で四十人というと、二十四時間体制ですから本当にもう大変な膨大な業務量になるんだという実態も示して、増員すべきじゃないかという質問を私ここでやったんですよ。  その結果が何があったかというと、二枚目見ていただくとこの間の推移が出ております。ちょうどこの二〇〇三年のところで三百六十六人となっていて、これ実は二〇〇三年始まったときは三百四十五人だったんです。SARSが出ていろんな議論があって、国会でもその増員を要求して、緊急増員二十名して三百六十六人になったんですね。ところが、今回資料を出してもらったらば、その後また減ってきているんですよね。だから、何というか、もう本当にのど元過ぎれば熱さ忘れるってこういうことじゃないかなという感じがするんです。  大臣、そもそも一九八九年から見れば三十人ぐらい減っているわけですよ。この間、日本への入国者数ってどうなっているかというと、八九年には千二百六十八万人が昨年二千六百三十五万人ですから、二倍以上になっているわけですね。入国数は二倍以上になっている、経済グローバル化しているというときにこんなふうに減ってきている。しかも、SARSでいったん伸ばしたけどまた減らしている。これでいいのかな。  私は、もちろん応援体制、集約体制で、もう必死の努力でいざというときそれはやっていくというのは、それは承知しているんですが、そもそもやっぱり日本を守る、国を守るというんであれば、こういう実態でいいのか、もっとこういう分野こそ手厚い人的体制取るべきじゃないかというふうに思うんですが、大臣、どういうふうにこれを見てお考えになりますか。
  306. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 今委員がおっしゃったとおりで、出入国者の数は増えております。もちろん、それはいろんな先端的な機器があり導入していますから、その分だけ少しは仕事の負担が減っているかもしれませんけれども、やはりこれでは今まさにパンデミックが来るというときに私は十分でないと思います。  ただ、どうしても全体の公務員削減するという、そういう全体の大枠は掛かるんですね。それは予算についてもそうです。しかし、これはやっぱり国民のコンセンサスで、危機管理というものにはコストを掛けるという発想をきちんとやらないといけない時期に来ていると思いますから、私はそういう発想で政府の中でこれから発言をしていきたいと思います。
  307. 小池晃

    ○小池晃君 SARSのとき増やして、その後また減ってきて、何だと言ったら今大臣おっしゃったとおりで、国の行政機関の定員の純減方針が出たので減らしました。これはやっぱり本当に、何も中身も顧みずにただただ減らせというのは私は本当に乱暴ですし、これで犠牲になるのは国民の命なわけですから、やっぱりこういったところは本当にもっと考え直さなきゃいけないというふうに、大臣もそういう立場で言うと言ったので、是非言っていただきたい。  それから、あと一点、そのパンデミックのときに医療機関への受診をできるだけ避けるために発熱相談センターというのをつくるということなんですが、これは電話回線どのくらい確保する想定なんでしょうか。
  308. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 電話回線については、現在のところ基本的には検討をしていますけれども、各保健所に一台ずつというふうに考えております。  ただ、これは地方自治体の、保健所は地方自治体ですから、地方自治体とも相談しながら検討していきたいと思います。
  309. 小池晃

    ○小池晃君 ねんきんダイヤルであれだけ大騒ぎになっているときに、パンデミックになって、だって保健所って五百か六百しかないんですからね。こんなんじゃ無理なんですよ。保健所全体として体制どんどん削っているというのがあるわけで、私今日、ベッドの問題も言ったし、それから検疫官の問題も言ったし、保健所の問題も言った。こういうのはなってからではやっぱり遅いわけだから、もっと事前にきちっと体制を取るべきだ。  大臣、どうですか、今の電話体制で。発熱相談、もう電話掛けたら発熱しそうになっちゃうじゃないですか、これじゃ。いいと思いますか。
  310. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 私はやっぱり、例えば一般の予算の別枠的な発想で危機管理予算というのが必要な時期が来ているというふうに思うんですね。私たち自分の家計の予算でも、例えば百分の一ぐらいはいろんなときのために備えをしている、日常生活分は使う以外にそういうのがあっていいんじゃないかと。  ですから、それは国民のコンセンサスをいただいて、私は何でもかんでも小さい政府で競争原理でやればいいとは思っておりません。必要なところに必要なお金を付ける。それは最終的には国民の税金ですから、例えば国家予算八十兆円あるとすれば、一%で八千億円になりますか、例えばそういうものを危機管理予算としてやるという発想もこれからは必要だと思いますから、これは国会の場を含めて皆さんと議論をしていって、しかるべき対策は取りたいと思っております。
  311. 小池晃

    ○小池晃君 幾ら法律作っても、体制が全くなければ絵にかいたもちになる。お金のことで今大臣おっしゃいましたけれども、例えばアメリカは二〇〇五年にブッシュ大統領、まあブッシュ大統領私大嫌いですけれども、でもブッシュ大統領は七十一億ドルをこの新型インフルエンザ対策に要求して、これは議会は五十六億ドル、こういう規模でどんと、六、七千億円になるんですかね、当時のレートで言えば、こういうことでやっている。  そういう意味でいえば、まさにやはりこれだけ国民の重大関心事にもなっているわけですし、もう本当に別枠で考えるぐらいの思い切った対策をこの分野については取って、法律だけじゃなくて実際の実効ある体制を取っていただきたいし、国が率先してこの感染症の病床を減らすなどということは金輪際絶対にやめていただきたい、それは改めて中止を求めます。  以上で質問を終わります。
  312. 福島みずほ

    福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  感染症の前に、後期高齢者医療制度のことについて大臣にお聞きをいたします。  今日社民党は、社民党後期高齢者医療制度・怒りの声ホットラインというのをやりました。一時から四時までの三時間なんですが、六十件、三本しか電話を引いていないんですが、六十本連絡がありました。本当にみんな怒っています。  例えば、後期高齢者という、後期ということで、今更長寿と言われても名前を変えていないんだから意味がないと、終わりが近いと政府に言われる筋合いはないという声にどうお答えになられますか。
  313. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) いろんな御批判の声は謙虚に承って、しかし、この新しい制度のメリットについてもまた周知徹底を図っていきたいと思っております。
  314. 福島みずほ

    福島みずほ君 負担増に苦しむ、生活が苦しくてもうとんでもないという声も非常にたくさん具体的に来ました。年金から医療保険と介護保険料が天引きされると月千八百円しか手元に残らない、これでは生活できない、私の周囲に大勢いると。年金は月七万五千円、ここから天引きされるととても苦しい、子供には頼れない、生きていく自信がない。青森県の方、扶養している母が八十八歳、母は六十歳から国民年金、二か月で六万三千円、そのうち介護保険で八千三百円、後期高齢者医療制度で六千七百円、天引きが一万五千円だと。六万三千円のうち一万五千円天引き、二か月で。母がかわいそうだと。あるいは、百一歳の母に対して天引きはおかしいじゃないかというものもあります。  これらの声をどう聞かれますか。
  315. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 支払方法の問題ですから、もし保険料が幾らと決まってそれを支払わないといけないなら、今のような形でやるか、それか御自分で郵便局か銀行に持っていくか、そういう手間暇を考えれば、払わないでいいということであればそれはいいんですけれども、お支払いになるときにはやっぱり利便性ということもあるわけですから、是非そういう制度の中身についてもよく御理解をいただければと思います。
  316. 福島みずほ

    福島みずほ君 利便性ではなく、具体的なホットラインでは、負担が増えたという怒りの声も大変あります。例えば、夫婦で合わせて妻の分が上がってしまったと、合計で二人で合わせて年間三万四千円上がると、車を売ったり生活を切り詰めているんだけれども、みじめだと、舛添大臣は七割の人は負担が減ると言われたけれども、明らかに増額だと、特に夫婦の場合に、妻は今まで払ってなかったけれどもこれから払わなくちゃいけなくなると、それがとても負担であるという声もあるんですけれども、それはどう聞かれますか。
  317. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) その保険料についてはいろんなケースがあると思います。そして、これは忘れてならないのは、今まで各市町村、自治体で独自に補助を与えたところもあります。ですから、保険料三千円だった方が二千円に実は減らしても、今まで三千円だったうちの更に二千円を補助で減っていれば本人の負担は千円だったわけです。それを例えば名古屋市のようにもうやりませんということになってしまったら、三千円から二千円に減っているんだけど本人の負担は千円から二千円に増えたということになる、こういう例もありますから、きめの細かい対応を取っていきたいと思います。  ただ、新しい制度に移行するときに、高度経済成長で若者の数がどんどん増えてという時代ではありません。そうすると、万人にとって完璧に皆さんプラスですよというプラスサム的な解はだれがやってもできません。そういうときに、個々の方々にとってプラスがあったりマイナスがあったり、しかしそれを最大限、この凍結措置や激変緩和措置を入れる形でそういうことがないようにきめの細かい手を打った、しかしそれは非常に制度として複雑になって分かりにくいものになったという反省はございます。ただそれは、分かりにくくしたくてしたんではなくて、きめの細かい個々に対する対応をやったからだということも御理解いただければと思います。
  318. 福島みずほ

    福島みずほ君 しかし、具体的に負担増の声がやっぱりとても強いんですね。それから、やっぱり地域格差の問題も大変出ています。福岡県の五十六歳の女性、福岡は最も保険料が高い、御近所の高齢者が泣きながらお話をされる、廃案へ向けて頑張ってほしい。栃木県、四十三歳男性、国の保険は公平でないと駄目なのに保険料の地域格差は憲法二十五条の侵害だという声もあります。  それからまた、年金との関係でいえば、国民年金の十年分が未記録になっていた、社会保険事務所に問い合わせ、認めたが対応が不十分、半年掛かる、五、六月に払えると思うなど、反省と誠意が感じられない、年金でこうした不備があるのに今回年金から天引きされた、怒りを覚える。もう具体的にこういうの来ているんですね。どうですか。
  319. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 年金記録問題についても今きちんとこの対応をしております。そのことと今回の新しい制度とは、それは制度は別の話でありますから、怒りのホットラインですからいろいろ怒りも来ると思いますけれども、私のところには保険料が下がってよかったという喜びの声も来ております。
  320. 福島みずほ

    福島みずほ君 本当に喜びの声が七十五歳で切ってあるんでしょうか。  あともう一つ、今日、ホットラインをやってとても切実だと思ったのは、障害者の人たち御存じ問題です。六十五歳以上の重度一、二だと、後期高齢者と同じに入らせられる。三月三十一日までに選択ができたわけですが、そういうことを知っている人は本当にいなかった。ですから、妻が障害者なんだけれども、障害者から年金取るのか、あるいは六十五歳以上が取られるって今度ようやく分かったという声も非常に強いんです。結局、七十五歳以上の人と六十五歳以上の一定の障害者を込みで制度をつくったというのは、やっぱり人は弱い者切捨てというふうに思うのですが、いかがですか。
  321. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) それは、制度については選択肢を与えてありまして、谷委員との先般の議論でもありましたけど、十ばかりの道県においてそれが周知徹底していなかった、そういうことはこれはきちんと周知徹底いたします。  昨日、全国知事会と私は会議を持ちまして、これまでの周知徹底体制については反省すべきは反省し、そしてまた都道府県の御協力も得て、今のような問題が起こらないようにきちんと対応してまいりたいと思っております。
  322. 福島みずほ

    福島みずほ君 しかし、三月三十一日までに、あなたは今まで障害者のままでの保険でいくのか、後期高齢者医療制度に移行するか選択しなさいだったわけですね。でも私は、三月三十一日までにそういうふうに選択するものだと思って知っていた障害者の人はいないと思うんですよ。ほとんどの人、恐らく九九%ぐらいの人は、後期高齢者医療制度に本人は分からないまま強制的に移動しちゃったわけです。これは、今から啓発しますよ、広報しますよと言ったって遅いじゃないですか。  例えば、こういう声も寄せられました。保険証が送られてきて、びっくりした。見えにくい、小さい字、薄い、通院して回るが傷みやすい。私もサンプルもらいましたが、ぺらぺらなんですね。それからこういう声もありました。仮徴収額決定書をもらったが、年寄りには分かりにくい書類だ、愛知県、七十七歳。収入が保障されている政治家には分からないだろうが、こんなひどいやり方はない、うば捨て山だという、この声をどう聞かれますか。
  323. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) どういう形の保険証にするか、カードにするかは各自治体の自由であります。そして、先般、西島委員からありましたように、老眼鏡を掛けても見えないような小さな字で書くようなところは立ち所にこれは改善していくというような手を打っておりますので、いろんな御不満に対してはきめの細かい対応をしてまいりたいと思っております。
  324. 福島みずほ

    福島みずほ君 この後期高齢者医療被保険者証には、後ろにこう書いてあります。「特別の事情がないのに保険料を滞納した場合、この証を返還していただくことがあります。また、特別の事情がないのに納期限から一年間経過しても保険料を滞納している場合、この証を返還していただきます。」。  御存じ、高齢者の人たちは老齢者保健で、払わなくても保険証を取り上げられることはなかったけれども、今度この後期高齢者医療制度になれば取り上げられる。でも、これが取り上げられるというのは物すごく大変なことだと思いますが、それは若い人とやっぱり事情が違う。いかがですか。
  325. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) 保険制度というのは、保険から成り立っているすべての保険制度についてそういう制度があります。そして、これは何も切り捨てるためではなくて、払えない、是非窓口に来て御相談ください、あなたの場合だったらこういう減免措置がありますよと、そういうことのためでもあります。  やはり、これは、西島委員はこんなものは保険じゃなくて保障だということをおっしゃいますけれども、しかし、一割であれ、きちんと本人が払っているという保険の自助、共助、公助という大きな理想がそこにあるわけですから。何度も申し上げます。天からお金が降ってくるならだれも苦労しません。みんながどういう形で財源を負担してこの国民皆保険という制度を守っていくか、そういう大きな議論もやってほしいと思います。
  326. 福島みずほ

    福島みずほ君 確かに天からお金は降ってきません。でも、変な言い方ですが、私たち厚生労働省の応援団です。社会保障費のカット二千二百億円やめろとやればいいじゃないですか。道路特定財源の無駄遣いや天下りに人は怒っている。厚労省が高齢者の人のために医療費を使い、医療を充実させることについては、私たちは応援団ですよ。いかがですか。
  327. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) いろんな応援は有り難くお受けいたします。
  328. 福島みずほ

    福島みずほ君 この怒りのホットラインは、高齢者だけでなく若い人たち、働き盛りの人もやっぱり怒りでホットラインに寄せてくれました。  今、説明聞きゃいいじゃないかってあったけれど、八十歳、百一歳で歩いていくのも大変なんですよ。だから結局、私は、家の中に閉じこもってしまうという状況が起きてしまうんじゃないか。病院に行けない、節約するという声が実際寄せられています。一つ一つの数字、自分の年金はこれぐらいだがこれぐらい掛かって大変だという声を真摯に厚生労働省は聞いていただきたいというふうに思っております。大臣、いかがですか。
  329. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) いろんな批判については謙虚にこれは受け止めます。特に、周知徹底の努力が十分でなかった、そういうこともこれは反省しないといけない。  しかし、やはりこういう問題についてはきちんと議論をする、二年前にきちんと議論して法律を成立させたはずなんですね。それから二年たって、しかし、その間に皆さんそれぞれ選挙区に帰られて、いろんな問題もある。したがって、凍結措置や何かをやりました。しかし、いろんなメリットがある点についてもこれはきちんと議論をした上で、最終的に、お年を召されても、長生きをして健康を保たれて、そして、ああ、日本人として生まれてよかったなと、そういうような日本をつくるために私も努力をしたいと思います。
  330. 福島みずほ

    福島みずほ君 ここは参議院の厚生労働委員会で、二年前、二〇〇六年六月に与党が強行採決をしました。問題点は野党側はきちっと、きちっと指摘をしてきました。それを途中で打ち切って強行採決をして、今問題が起きたというわけです。これはもう廃案にするしかないということをこれからも強く求めていきます。この人々の声をやっぱり厚生労働省は聞いてほしい、そう思います。  感染症指定医療機関の増強あるいはベッド数確保増などの対応についての整備方針についてお聞きをします。
  331. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) お答え申し上げます。  感染症指定医療機関は、感染症入院患者に対する適正な医療を提供するとともに、感染症の蔓延防止策を図る感染症対策において重要な役割を果たしているものであります。このため、感染症指定医療機関の整備及び運営に対しまして国庫補助を行うなど、その整備の促進を図っているところでございます。  また、新型インフルエンザ発生時におきましては、患者診療を担う感染症指定医療機関医療従事者の感染防止のため、平成十九年度補正予算におきましてマスクやゴーグルなどの個人防護具の装備を図ったところでございます。
  332. 福島みずほ

    福島みずほ君 先日、私は南横浜病院の廃止のことについてお聞きをいたしました。国立病院はこれ以外は廃止しないという答弁がありましたが、残念ながら南横浜病院は今日廃止という発表がされました。  ところで、感染症指定医療機関は三医療機関、八床、第一種感染症指定医療機関は二十六医療機関、四十九床、第二種指定医療機関が三百十五医療機関、千六百三十五床、結核病床のある医療機関は三百七医療機関、三千三百五床。本日、四月二十四日、廃止が公表されましたけれども、期日が公表されましたが、結核病棟のある医療機関が一つ、四十九床減り、三百六医療機関、三千二百五十六床になります。  感染症予防及び感染症患者に対する医療に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議、平成十八年では、衆議院、参議院共に結核対策は緩めないように、弱くならないようにちゃんとやってくれというのが附帯決議で付けられています。  とすれば、やっぱり感染症の問題に関してプロフェッショナルなわけですよね。感染症患者治療、療養に長年かかわってきたのが例えば南横浜病院であると。その医療従事者は想定される新型インフルエンザ患者への対応に最も適した人材であると考えます。これの見直し、あるいは極めて問題だと思いますが、いかがですか。
  333. 外口崇

    政府参考人外口崇君) 結核対策全般につきましては、医療の進歩とか検査の進歩で一般の結核患者さんは入院の日数が少なくなっているということがあります。それから、一般論として、多剤耐性結核とかそれから外国人の方の結核の問題とか、こういった個別の問題にも対処していく必要があります。そういったことを総合的にとらえて結核対策は充実していく必要があると思っております。    〔委員長退席、理事家西悟君着席〕  なお、御指摘の南横浜病院につきましては、これは先日もお答え申し上げましたけれども、特にこの病院に固有の状況といたしまして、周辺に大きな病院が幾つもあることや、それから結核患者さんが減少しているということを通じまして病院の経営が厳しくなってきたということでございまして、こういったことも含めて、実際に今入っている結核患者さん中心に、そういう方たちに無理の掛からないように地域病院等と連携して円滑な廃止ということを今進めているところでございます。
  334. 福島みずほ

    福島みずほ君 結核患者は減少していません。  大臣、私はやっぱりもったいないと思うんですね。つまり、医療従事者で長年感染症にかかわってきた、宮崎の国立病院もそうですが、空港のすぐそばにあって、一般病院ではなかなか取り組めない感染症や、極端に言えば空港に来た人間をぱっと連れてくるとかということもできるし、長年感染症治療にかかわってきた、これは一般病院がないノウハウであり、非常にだから、本当に果実と思っています。    〔理事家西悟君退席、委員長着席〕  だとすれば、一般病院があるからいいじゃないかではなくて、これは今後いろんな感染症が将来発生するかもしれない。ですから、むしろ再建し、強化をし、不測の事態、さっき不測の事態に備えて準備すべきだと大臣おっしゃいましたよね。国立病院のこういうノウハウは私はすごい財産だと思いますが、いかがですか。
  335. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) それは、社会保険病院、厚生年金病院、労災病院、それから国立病院機構、いろんな意味で様々な改革はやらないといけないです。この改革の努力を手を緩めてはいけないと思います。  しかし、片一方で、地域医療に支障を来してもいけない、それから危機管理もやらないといけない、そういう総合的な対策の中で集約化、ネットワーク化ということもやらないといけない。そういう中で今回のこういう決定をしたわけですけれども、それが直ちに今後の危機管理に大きな穴を空けることにはならないと思いますので、更にいい体制になるように、今後大きな医療ビジョンの下に再編成をやっていきたいと思っております。
  336. 福島みずほ

    福島みずほ君 あらゆることに改革は必要です。しかし、病院をつぶして更地にしちゃうというのはやっぱりもったいないですよ、今医療が本当に危機なのだから。ということを私は聞いているわけです。廃止は再考してほしいと改めて今日また申し上げます。  雇用の継続確保についての所見を改めて問います。
  337. 外口崇

    政府参考人外口崇君) 南横浜病院医療従事者の方が雇用継続どうかという御質問でございますけれども、独立行政法人であります国立病院機構におきましては、職員の雇用はこれは国立病院機構が決めておりますが、南横浜病院の職員の方は約九十名おられます。この方々の雇用の確保の問題につきましては、現在、国立病院機構の病院全体の中で対応する方針と聞いております。
  338. 福島みずほ

    福島みずほ君 雇用の確保はされるということでよろしいですね。
  339. 外口崇

    政府参考人外口崇君) 基本的には、国立病院機構内で継続して雇用ということを中心にお話合いをされると考えております。
  340. 福島みずほ

    福島みずほ君 しつこいですが、雇用の確保はなされるということでいいですね。
  341. 外口崇

    政府参考人外口崇君) 南横浜病院の職員の方については、これは身分が国家公務員でございます。本人が希望している以上、国立病院機構内で継続して雇用することになると思います。
  342. 福島みずほ

    福島みずほ君 プレパンデミックワクチンの投与が検討されているのが医療従事者と社会機能保持者です。  ちょっと改めてまたお聞きをいたします。  治安を維持する者は警察官、自衛隊。ライフラインを維持する者は消防隊員、緊急隊員、水道、電気。国又は地方公共団体の危機管理に携わる者、国家公務員、地方公務員、国あるいは地方自治体議員国民の最低限の生活維持のための情報提供にかかわる者はメディア、通信事業者。ライフラインを維持するために必要な物資を搬送する者、航空運輸、船舶関係者のことということでよろしいでしょうか。
  343. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 治安を維持する者とは、今先生言われた警察官、自衛隊だけではなく、消防士、海上保安官、矯正職員等も含まれます。それから、ライフラインを維持する方々は、水道、電気だけではなくて、ガス・石油事業者、食料販売関係者も含まれ、救急隊員は医療従事者に分類されております。それから、国又は地方自治体の危機管理に携わる方々は、国家公務員、地方公務員、国あるいは地方自治体議員だけでなく、都道府県知事、市町村長を含めた方々危機管理に携わる方が含まれます。国民の最低限の生活維持のための情報提供にかかわる方々は、メディア、通信事業者を指しております。ライフラインを維持するために必要な物資を搬送する方々は、航空運輸業者、水運業者、貨物運送業者、道路旅客・鉄道業者等を指しておりますが、いずれにいたしましても、今後、関係省庁の中で議論が進められるところでございます。
  344. 福島みずほ

    福島みずほ君 ワクチンの重要性ということは理解ができるんですが、ちょっと裁判の中では、御存じ予防接種禍訴訟が起きているものもあり、不幸にして、ワクチン投与したときの体の状態や様々な点で、むしろそれで感染してしまったという、裁判例ではこの予防接種禍訴訟というものが御存じ争われているわけです。  ですから、ワクチンの有効性というのはまだ分かるんですが、副産物が起きる可能性もあるわけで、むしろその被害もちょっと判決を読んだりするといつも思うのですが、その点についてどう対処される、あるいはどう予防されるかについてお聞かせください。
  345. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) おっしゃるとおり、予防接種の場合にはその副反応について最小限に抑えるというようなことが重要でございまして、そのために今回、プレパンデミックワクチンにつきましては、もう薬事法の認可は下りていますけれども、新たに今年度から六千名の方々に対して臨床研究を行って、より安全性の高いものにしていこうじゃないかというようなことで、その結果を待って今後検討していきたいというふうに考えております。
  346. 福島みずほ

    福島みずほ君 ちょっと素朴な質問で済みませんが、中国で初の人から人への感染が疑われる鳥インフルエンザが、発症例が報告されたということで激震が走ったわけですが、厚労省としては、人から人へのこの発症の例やこの事態の深刻さ、あるいは問題点についてどう把握されているか、最後に教えてください。
  347. 西山正徳

    政府参考人西山正徳君) 先生の御指摘のケースは上海のケースだと思いますけれども、実は人から人への感染というのは今世界中にございませんで、その確定は遺伝子変異を見ながらWHOが決定するというふうなことであります。したがって、現在上海のケースも現実的には新型インフルエンザではないという結論になっております。失礼しました、南京のケースでございますけれども。
  348. 福島みずほ

    福島みずほ君 終わります。
  349. 岩本司

    委員長岩本司君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。     ─────────────
  350. 岩本司

    委員長岩本司君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、中村博彦君、若林正俊君及び大島九州男君が委員辞任され、その補欠として佐藤正久君、塚田一郎君及び風間直樹君が選任されました。     ─────────────
  351. 岩本司

    委員長岩本司君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  感染症予防及び感染症患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  352. 岩本司

    委員長岩本司君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、蓮舫君から発言を求められておりますので、これを許します。蓮舫君。
  353. 蓮舫

    ○蓮舫君 私は、ただいま可決されました感染症予防及び感染症患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党・無所属の会、公明党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     感染症予防及び感染症患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、発生が時間の問題とされている新型インフルエンザの脅威から、国民の生命及び健康を守るため、次の事項について対策を講ずるべきである。  一、新型インフルエンザが発生し、国内で大流行した場合の感染者数、受診患者数及び死亡者数等の推定については、諸外国の研究事例等を参考とし、様々な感染力や病原性を持つウイルスを想定したシミュレーションも行った上で試算を行い、これに基づいて行動計画及びガイドラインの点検を定期的に行うこと。  二、プレパンデミックワクチンについては、その有効性や安全性を研究するとともに医療関係者等優先接種対象者への優先順位や接種体制、接種時期等の接種の在り方について、早急に検討すること。また、これらの者以外であって接種を希望するすべての者に対する接種について、ワクチンの安全性や接種体制の確保等を踏まえ、検討を行うこと。プレパンデミックワクチンの備蓄について、財政措置を含め必要な量の確保に努めること。なお、副作用被害については、医薬品副作用被害救済制度の活用を周知すること。  三、新型インフルエンザの感染予防対策の重要性にかんがみ、ワクチンの経鼻粘膜投与技術及び細胞培養による大量生産技術の開発等を推進すること。また、新型インフルエンザが出現した場合に、速やかにワクチンを大量に生産できるよう、必要な有精卵を確保するため、これらを生産する養鶏業者に対し、鳥インフルエンザ等の感染予防対策を支援するなど、財政措置を含め必要な対策を講ずること。さらに、新型インフルエンザ感染症の流行時において、全国民を対象に迅速かつ適切にワクチン接種ができるよう、薬剤師及び保健師等を活用した投与の在り方についても検討すること。  四、抗ウイルス薬について、必要に応じ、新型インフルエンザへの一人当たりの投与量の見直しを検討した上で、必要な者への投与が可能となる備蓄量の確保を図るとともに、備蓄体制及び配布方法等を見直すこと。併せて、期限切れによる無駄等が生じることのないよう、安全性・有効性を担保しつつ有効期限の延長について検討すること。  五、都道府県における感染症指定医療機関の指定及び協力医療機関の確保を支援し、必要な医療提供体制を整備すること。その際、これらの医療機関における院内感染防止策等入院患者の受入体制の整備や人工呼吸器等必要な医療機材の確保について必要な支援を行うこと。また、新型インフルエンザの流行初期における診断・治療体制を確立するため、都道府県による発熱相談センター及び発熱外来等の設置準備の進捗状況を総点検するとともに、これらに従事する医療関係者に対する研修・訓練等を実施すること。  六、鳥インフルエンザ(H五N一)の患者又は鳥インフルエンザ(H五N一)ウイルスに感染したおそれのある者については、そのウイルスが変異して新型インフルエンザとなる可能性があることにかんがみ、我が国への入国に際し、人権配慮しつつ、必要に応じ検査の結果が出るまでの一定期間の待機への協力を求めるとともに、都道府県と連携し、国内における居所、健康状態等についての報告、質問等を徹底するなど、新型インフルエンザの発生の予防及びそのまん延の防止に努めること。  七、新型インフルエンザ及び鳥インフルエンザに係る海外の情報収集については、WHO及び諸外国の関係機関との一層の連携を強化し、最新の情報の入手・分析体制を確立するとともに、都道府県、保健所及び検疫所等の関係各機関相互の情報ネットワーク化を強化すること。また、緊急の場合において、各機関が適確情報収集及び分析を実施できるよう体制を整備すること。  八、国民に対して、随時、ホームページの掲載等により新型インフルエンザに係る情報を提供するなど積極的な広報活動に取り組み、国民の理解と協力を促すとともに、その不安感の軽減に努めること。また、水道、電力等基盤産業や国及び地方の行政機関等によるライフライン機能等に係る活動の維持に不可欠な業務を継続するための計画について、当該機関に対して周知徹底を図り、策定を促すこと。さらに、事業者が新型インフルエンザの流行に備えた計画の策定等の事前準備を行うことに対して、支援に努めること。  九、医療機関のみならず企業及び学校等集団生活を行う場においてもマスク等医療資材の確保に努めるよう普及啓発を図るとともに、必要な支援を講ずること。特に、感染による健康への被害が大きいと考えられる子ども及び若年者に対して、家庭、学校、地域において総合的な新型インフルエンザ対策を推進すること。  十、都道府県が策定した行動計画に基づく新型インフルエンザ対策の準備・進捗状況について、実践的訓練の実施結果も踏まえて総点検し、必要に応じて当該行動計画の見直しを含めた指導及び支援を行うこと。  十一、海外からの新型インフルエンザウイルス感染者の入国を水際で防止するため、各国際空港・海港における検疫所、入国管理局及び税関等関係機関の連携・協力体制を強化すること。また、検疫所においては、新型インフルエンザの発生状況に応じて機動的な対応が可能となるよう、サーモグラフィ等の機器の効率的な活用及び検疫官の応援体制の整備等により体制の強化に努めること。  十二、国立感染症研究所について、人員の配置等や地方衛生研究所等との連携の強化及び研究の支援等体制の強化を図るとともに、東南アジア諸国の感染症研究の支援・研修交流を推進すること。また、大学、民間研究機関等との連携を図り、官民一体となった新型インフルエンザに関する研究を推進するよう努めること。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  354. 岩本司

    委員長岩本司君) ただいま蓮舫君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  355. 岩本司

    委員長岩本司君) 全会一致と認めます。よって、蓮舫君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、舛添厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。舛添厚生労働大臣
  356. 舛添要一

    国務大臣舛添要一君) ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。
  357. 岩本司

    委員長岩本司君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  358. 岩本司

    委員長岩本司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  舛添厚生労働大臣は御退席いただいて結構でございます。     ─────────────
  359. 岩本司

    委員長岩本司君) 障害者自立支援法及び児童福祉法の一部を改正する法律案を議題といたします。  発議者博之君から趣旨説明を聴取いたします。谷博之君。
  360. 谷博之

    ○谷博之君 ただいま議題となりました障害者自立支援法及び児童福祉法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の趣旨及び主な内容を御説明いたします。  平成十八年四月に施行した障害者自立支援法により、それまでの支援費制度で障がい者の負担能力に合わせたサービス利用体系が大きく損なわれてしまいました。障がい福祉サービスの定率一割負担という言わば応益負担という概念が取り入れられ、障がい者の負担増の影響でサービス利用の中止や利用制限が起き、障がい当事者の自立と社会参加が損なわれるという弊害が生じています。  そもそも障がい福祉制度に、あるいは障がい当事者が利用する福祉サービスに応益負担という概念は、相入れない概念であります。現在、制度下では障がい者は低い額の年金や諸手当しか受けておらず、一般就労が極めて困難な状況にあるため、他の制度と同様の定率負担、すなわち応益負担を課すること自体に無理があると言わざるを得ません。したがって、障がい当事者の負担能力に応じた応能負担という概念を明確にする必要があるのです。  また、障がい福祉サービス事業者等は、日割り制の導入と報酬単価の引下げにより、急激な収入減が生じ、その結果として、人員削減や給与引下げ、施設閉鎖や新規計画の頓挫を余儀なくされており、このままでは障がい福祉サービスが円滑に提供されない事態が危惧されます。  さらには、障害者自立支援法における検討条項のうち、障がい者等の所得の確保に係る施策の在り方の検討が極めて重要であるにもかかわらず、今日に至るまでほとんど行われていないなど、障がい者の福祉に係る法制度の見直しが急務となっていることも挙げなければなりません。  民主党は、このような自立支援法によって生じた障がい福祉の危機状況に対する緊急避難的措置として、この法律案を提出し、障害者自立支援法施行後三年の見直しを待つことなく、障がい者等がより安心して地域で生活し社会参加できるよう制度改正を行うことといたしました。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一に、介護給付費又は訓練等給付費の額に関する暫定措置であります。障害者等が障害福祉サービス等を受けたときに支給する介護給付費等の額は、障害者等の経済的負担の軽減を図るため、当分の間、障害福祉サービス等に要する費用の額から、障害者等の負担能力に応じ厚生労働大臣が定める基準により算定した額を控除して得た額とすることとしております。  なお、障害者等の負担能力に応じ厚生労働大臣が定める基準は、この法律による改正後の障害福祉サービス等に要する費用に係る障害者等の自己負担の額が、障害者自立支援法による改正前の身体障害者福祉法等の規定に基づく障害福祉サービス等と同様のサービスに要する費用に係る自己負担の額を超えないように定めるとともに、現行法の規定により算定された自己負担の額をも超えないように定めるものとしております。  第二に、指定障害福祉サービス事業者等に対する支援に関する暫定措置であります。国及び地方公共団体は、当分の間、障害福祉サービスの円滑な提供の確保を図るため必要があると認めるときは、指定障害福祉サービス事業者及び指定障害者支援施設の設置者に対し、財政上及び金融上の支援を行うものとしております。  第三に、障害者自立支援法の附則の検討条項の改正であります。まず、障害者等の所得の確保に係る施策の在り方の検討については、早急に行うものと改めております。  また、障害者自立支援法の施行後三年を目途として行う検討については、二年を目途として行うものと改めるとともに、障害程度区分及びその認定の在り方、指定障害福祉サービス等に要する費用の算定の単位となる期間の在り方並びに地域生活支援事業に関する費用負担の在り方を検討対象として追加し、検討を行うに当たっては、障害福祉サービスの利用の実態等について調査を行うものとしております。  さらに、政府は、これらの検討等を行うに当たっては、障害者等、障害福祉サービスを行う者、自立支援医療を行う者、学識経験者その他の関係者による協議の場を設け、その意見を聴くものとしております。  なお、この法律は、平成二十年一月一日から施行することとしておりますが、この施行期日を経過してしまいましたので、改めて施行期日を定める等の規定の整備を行いたいと考えております。  以上がこの法律案の提案の趣旨及び主な内容でございます。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  361. 岩本司

    委員長岩本司君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時七分散会