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2008-04-21 第169回国会 参議院 決算委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十年四月二十一日(月曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  四月十八日     辞任         補欠選任         舟山 康江君     加賀谷 健君      仁比 聡平君     大門実紀史君      山内 徳信君     又市 征治君  四月二十一日     辞任         補欠選任         加賀谷 健君     舟山 康江君      武内 則男君     梅村  聡君      鰐淵 洋子君     遠山 清彦君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         小川 敏夫君     理 事                 神本美恵子君                 藤本 祐司君                 柳澤 光美君                 浅野 勝人君                 中村 博彦君                 荒木 清寛君     委 員                 梅村  聡君                 大久保 勉君                 加賀谷 健君                 加藤 敏幸君                 風間 直樹君                 金子 恵美君                 川崎  稔君                 行田 邦子君                 外山  斎君                 舟山 康江君                 牧山ひろえ君                 愛知 治郎君                 石井みどり君                 塚田 一郎君                 西島 英利君                 野村 哲郎君                 牧野たかお君                 丸山 和也君                 遠山 清彦君                 浜田 昌良君                 大門実紀史君                 又市 征治君    国務大臣        国土交通大臣   冬柴 鐵三君    副大臣        内閣府副大臣   山本 明彦君        財務副大臣    遠藤 乙彦君        国土交通大臣  平井たくや君    事務局側        常任委員会専門        員        桐山 正敏君    政府参考人        総務大臣官房審        議官       御園慎一郎君        総務省人事・恩        給局長      藤井 昭夫君        財務省主計局次        長        香川 俊介君        国土交通大臣官        房長       宿利 正史君        国土交通大臣官        房総合観光政策        審議官      本保 芳明君        国土交通大臣官        房技術審議官   佐藤 直良君        国土交通大臣官        房官庁営繕部長  藤田 伊織君        国土交通省道路        局長       宮田 年耕君        国土交通省住宅        局長       和泉 洋人君        国土交通省自動        車交通局長    本田  勝君        国土交通省航空        局長       鈴木 久泰君        国土交通省政策        統括官      伊藤  茂君    説明員        会計検査院事務        総局次長     増田 峯明君        会計検査院事務        総局第三局長   真島 審一君    参考人        独立行政法人都        市再生機構理事        長        小野 邦久君        独立行政法人住        宅金融支援機構        理事長      島田 精一君     ─────────────   本日の会議に付した案件平成十八年度一般会計歳入歳出決算平成十八  年度特別会計歳入歳出決算平成十八年度国税  収納金整理資金受払計算書平成十八年度政府  関係機関決算書(第百六十八回国会内閣提出)  (継続案件) ○平成十八年度国有財産増減及び現在額総計算書  (第百六十八回国会内閣提出)(継続案件) ○平成十八年度国有財産無償貸付状況計算書(  第百六十八回国会内閣提出)(継続案件)  (国土交通省及び住宅金融公庫の部)     ─────────────
  2. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る十八日、舟山康江君、仁比聡平君及び山内徳信君が委員辞任され、その補欠として加賀谷健君、大門実紀史君及び又市征治君が選任されました。  また、本日、武内則男君及び鰐淵洋子君が委員辞任され、その補欠として梅村聡君及び遠山清彦君が選任されました。     ─────────────
  3. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 平成十八年度決算外二件を議題といたします。  本日は、国土交通省及び住宅金融公庫決算について審査を行います。     ─────────────
  4. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これら決算概要説明及び決算検査概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  速記を止めてください。    〔速記中止
  6. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 速記を始めてください。     ─────────────
  7. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 行田邦子

    行田邦子君 民主党・新緑風会・国民新・日本の行田邦子です。  本日は、平成十八年度の決算ということで、道路整備特別会計から公益法人への支出について質問させていただきます。冬柴大臣はもう耳にたこができるほど質問を受けているかと思いますけれども、御辛抱いただければと思います。  まず初めに、平成十八年度に国交省から五百万円以上の支出があった所管公益法人の数と随意契約割合をお教えください。
  9. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) お答え申し上げます。  まず、国土交通省所管公益法人の数でありますが、千百五十三法人であります。それから、道路特会から一件当たり五百万円以上の支出を受けている公益法人は五十であります。なお、この五十のうち、道路特会による一件当たり五百万円以上の特命随契件数は二千二百八十九件、六百三十五億円ということになっております。
  10. 行田邦子

    行田邦子君 国交省道路特会から五百万円以上の支出があった所管公益法人の数は五十と。これら五十の公益法人平成十八年度における随意契約割合をもう一度お聞きします。
  11. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 答弁は速やかにお願いします。
  12. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 件数は今申し上げたところでありますが、随意契約割合は九四%でございます。
  13. 行田邦子

    行田邦子君 御承知のとおり、この随意契約について各省庁平成十八年に緊急点検を行っています。お手元にお配りした資料一、これが国交省緊急点検の結果です。  一番左を御覧いただきたいと思いますが、平成十八年六月に公表した見直しでは、平成十七年度に交わされた所管公益法人等との随意契約が本当に随意契約でなければならなかったのか見直した結果、八〇%以上の随意契約について競争性のある契約方式に移行するべきものだったと認めています。そして、この契約形態見直し実行平成十八年十月から順次実施すると報告をしています。さらに、真にやむを得ないものを除き、遅くとも平成十九年度からすべて一般競争入札等に改めるものとも約束をしています。  それでは、平成十八年度についてお伺いしますが、競争性のない随意契約平成十七年度は金額にして九九%、件数にして九八%でしたけれども、これを平成十八年度には何割に減らしましたか。
  14. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 平成十八年度の実績でございますが、競争性のない随意契約件数で八一%、九八%が八一%になりました。金額ベースで十八年度が九〇%でありますから、前年度の九九%から九〇%になったということであります。
  15. 行田邦子

    行田邦子君 平成十八年度は見直し途中ということかと思いますけれども、この見直し実行が遅いように思われます。  それでは、平成十九年度はどうでしょうか。平成十九年四月から七月の期間に所管公益法人等随意契約の一種である公募方式によって締結した契約は一千八百十八件でした。お手元資料一の一番右側を御覧ください。このうち、複数者応募のあったものは何件だったでしょうか。
  16. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 恐れ入ります。ちょっと今手元複数応募件数がありません。至急確認してお答え申し上げます。
  17. 行田邦子

    行田邦子君 それでは、時間が限られていますので、御通告はしているかと思いますけれども。これ国交省さんが自ら発表している数字ですので、すぐにお答えできるかなとは思ったんですけれども公募方式による契約はすべて一者応募ということでした。それで間違いないでしょうか。平成十九年十二月二十六日に国土交通省さんが自ら発表した随意契約の総点検見直しについてそのように記されています。いかがでしょうか。
  18. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 速記を止めて。    〔速記中止
  19. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 速記を起こしてください。
  20. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 失礼いたしました。公募方式によるものについては、契約のすべてが一者応募でございます。
  21. 行田邦子

    行田邦子君 去年の十二月二十六日に国交省さんが自ら随意契約の総点検見直しをして、私の手元にあるのは記者発表資料で、これホームページからダウンロードしたんですけれども、そこに公募方式による契約はすべて一者応募だったというふうに書いています。これ通告をしたと思うんですけれども通告していなくてもすぐにお答えいただきたいというふうに思います。  それで、この一千八百十八件すべてが、すべての公募において、実際には応募契約者一者しか行っていないと。どうしてこのようなことが起こるかというと、これも国交省さん自ら点検した結果で分かったことなんですけれども民間企業では要件を満たせないような困難な応募要件を設定して、実質民間参入を締め出していたんです。応募要件として、例えば、国交省地方整備局からの受注実績が求められていたりとか、民間企業に属する技術者では取得が不可能な資格要件が求められていたりとか、こういった応募要件を設定して、公募というと聞こえはいいですけれども、特定の公益法人にしか実質発注ができないようなこういう抜け道をつくっていたのです。  これは国交省さん自らが発表しています。実態競争を排除した手の込んだ特命随契にすぎないんです。改善しているかのように見えますけれども実態は何も変わっていないんです。そもそもの国交省さん自らの約束は、平成十九年度からやむを得ない場合を除き直ちに一般競争入札等に移行すると約束していました。このことを改めて指摘をしておきたいと思います。
  22. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) この点につきましては、民主党前原誠司議員だったと記憶いたしますが、具体的な事例を挙げて衆議院で質問をちょうだいいたしました。  私もこれはとんでもないということで、総理も同席をしておられましたが、事実上こういう企画競争とかいろいろなことをしても、それが、例えば過去にこういう工事をやったことがある人とか、ある一定の資格を持った技術者がいるかどうかとか、それはもうほかにいないということも指摘されまして、私はこれは駄目だということで、総理のお勧めもありましたけれども、十二月二十六日、こういうことは一切もう禁止するということで、年が変わり二十年が始まれば、準備ができない部分もあるかも分かりませんが、こういうことを、非難を受けるようなことはしないということを明確にそのときに答弁をした次第でございます。十二月二十六日にそのように省内でもきっちりとその点を決めて、そして今回の改革委員会報告の中にもその旨を明記したといういきさつがございます。これは決して偽装とかそういうふうに国民から見られるということはいけないということを申し上げました。  それから、例外は、例えばパテント関係ですね、特許権を持っている者、こういうものについて契約しなければならない場合にはこれは合理性国民にも認めていただけると思いますけれども、そういうもの以外はもうそういうことはしてはいけない。それから、ある者が持っているところを賃借りしなきゃならない、そういうものも、これは競争入札するわけにはまいりませんが、そういうふうに国民から見て、国民の目線から見て合理性が認められるものについてはもちろんそうだけれども、それ以外は駄目だと。  そうしますと、先ほど官房長から答弁ありましたように、九四%が随意契約であったものを四%まで縮減できるというふうに想定したわけでございます。
  23. 行田邦子

    行田邦子君 先般、四月十七日に、冬柴大臣本部長とする道路関係業務の執行のあり方改革本部最終報告でこの随意契約についても触れられているかと思いますけれども、是非ここで示されたルールを守っていただきたいというふうに思います。  それでは、道路特会に絞ってお伺いします。  今申し上げましたこの改革本部最終報告書が四月十七日に発表されました。以降、最終報告書と呼ばせていただきますけれども、この最終報告内容とも照らし合わせて質問をさせていただきます。お手元資料二の、A3の、細かくて恐縮なんですけれども、一覧を御覧ください。  平成十八年度に五百万円以上道路特会から支出があった所管公益法人道路関係公益法人と呼ばせていただきますが、この五十法人支出額平成十八年度で六百七十三億円です。また、先ほどお答えいただいたとおり、随意契約率は九四%と非常に高い割合となっています。さらに、内部留保についてですけれども、十八年度末で何と五百五十五億円にも上っています。この内部留保額についてですが、平成八年九月に閣議決定された公益法人設立許可及び指導監督基準運用指針では、年間予算額の三〇%内にとどめることが望ましいとされています。ところが、内部留保額が三〇%を超える部分合計で百二十四億円にも上っています。法人の数で十法人となります。このことを指摘していきたいと思います。  さらに、もう一点、これら道路関係公益法人への国交省OBの再就職、いわゆる天下りについてですが、これもお手元の表の右側の方に加えさせていただいております。今年三月十三日において、所管公益法人五十法人常勤役員数百七十七人のうち百三十人が国交省OBでした。全体の七三%が国交省からの天下りです。このいわゆる天下りについて、先ほど触れた指導監督基準では、所管する官庁出身者理事現在数の三分の一以下とするというふうにされています。これは平成八年に設けられた基準です。にもかかわらず、非常勤を含む役員のうち国交省OBが三分の一を超える法人はいまだに十七法人もあります。閣議決定による指導監督基準というのをどのようにお考えなのでしょうか。  また、同時にお伺いしますけれども、四月十七日の最終報告書では、公益法人への再就職天下りの給与や定年、全体の総理事数、こういったことには触れていますけれども天下り役職員割合については何も制限していません、何も触れていません。あえて触れていなかった理由をお教えください。
  24. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 天下りというふうに言われるんですけれども、当省では六万三千人の職員がおります。そして毎年、定年で退職する人、あるいは定年以前で退職する人、自己都合で退職する人、合計すると千八百人からに上るわけです。そのうち、定年、六十歳以前で辞めていく人が九百人いられます。それから、定年で辞める方が六百人、そして自己都合で途中退職される人が三百人、こういう割合なんですね。この方々も職業選択の自由があります。そして、生活を何よりもしていかなければなりません。そういうことから、今までの、これは悪習なのかも分かりませんけれども勧奨退職というのがあるんですね。本人は勤めたいのかも分かりませんけれども定年、六十歳までに辞めていただくというようなことが行われてきました。  こういう問題をパッケージで考えて解決するということが、今、改正の国家公務員法で論議をされておりまして、六十五歳からしかいただけない共済年金、それを受け取る前に辞めなきゃならないという人たちが今後どういうふうにして生きていかなきゃならないのか、そういうことも人生のライフサイクルというものを十分考えて、こういうものを考慮するということで今進んでおります。  私どもは、この取組に全面的に賛同して、今後これが、そんなに先の話ではありませんので、例えば官民人材交流センターというものができれば、それを用いてどういうふうにしていくのか、こういうことを考えなきゃならないという大問題を抱えておりますので、御指摘のこの報告の中に、いわゆる天下りというものを記載することができなかった、そういうことでございます。
  25. 行田邦子

    行田邦子君 私は、やはり天下り割合についても規定すべきだったというふうに思っています。これ抜け道になってしまうというふうに思うんですね。  今、冬柴大臣がまさにおっしゃられた、私も同感なんですけれども、何でこの天下りがなくならないのか。その背景には、六十歳の定年まで省庁にいれない、定年前に退職せざるを得ない、先ほどおっしゃられた早期勧奨退職という慣行があるわけなんですよね。ここにメスを入れない限り天下りというのはどうしてもなくならないというふうに私は思います。この慣行を変える、公務員人事制度を変えることをしなければ、天下りだけなくすというのは、本当に今省庁で働いていらっしゃる公務員の方の立場を考えると、まさにかわいそうな話なんですよ、実質定年まで勤められないわけなんですから。  それで、この点について、公務員制度改革担当されている内閣行政改革担当に御所見をお伺いしたいと思います。時間が限られていますので手短にお願いします。
  26. 山本明彦

    ○副大臣山本明彦君) いわゆる国家公務員の再就職に関する法律は、委員承知のように、昨年の通常国会におきまして国家公務員法が改正されました。その中で、官民人材交流センターが設置されることが決定をしております。この中で、今までは各省庁あっせんでやっておりましたけれども、これからはこの官民人材交流センターで一元管理すると、こういったことに決まっておりますので、御承知いただきたいと思います。
  27. 行田邦子

    行田邦子君 分かりました。  私たち民主党としては、官民人材交流センターというのは省庁別あっせんをなくすだけであって、天下りをなくすことにはならないというふうに考えています。そのことを申し上げておきたいと思います。  次に、公益法人との随意契約による業務における再委託について質問をさせていただきます。  平成十八年度の決算で、会計検査院は、公益法人随意契約受注をした業務を再委託している件について、随意契約とした理由との整合性に関して疑義がある事例として、疑いがある事例として次の事例を取り上げています。  国交省東北地方整備局酒田河川国道事務所では、十七年、十八年度に、当該業務について、高度な専門知識と豊富な経験を有する唯一の法人であることを理由社団法人雪センター随意契約を行っていた。契約金額は二年度合計で約八億円です。仕様書等では、簡易な業務については再委託承認の必要がないとされていることから、雪センターは、簡易な業務であるとして発注元である国交省承認を得ずに民間コンサルタント会社に再委託していた。しかし、再委託されていた業務の中には技術的に高度なものが含まれると考えられることなどから、雪センター随意契約の相手方とした理由との整合性疑義がある。  この会計検査院指摘に対してどのような対応を行ったのか、国交省事前にお尋ねをしたところ、本省担当者からは、軽微な作業なので再委託事前承認は要りませんというお答えでした。それでは、本当に再委託内容が軽微な作業だったのかどうか、どのような確認をしているのかお尋ねしたところ、確認しているかどうかも分かりませんということでした。  会計検査院疑義がある、疑いがあると指摘していることに対して、それは違うと反論をするのであれば、事前にきちんと確認を行ってからするべきではないかと私は思うんですけれども大臣にお伺いします。この会計検査院指摘に対して、国交省としてどのような対応を行われましたでしょうか。
  28. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) まず、会計検査院指摘がありまして、直ちに雪センターに、私どものところに雪センター理事長に来ていただきまして、会計検査院指摘に対しまして改善措置を速やかに実施に移すようにという指導を最初に行いました。  これに対しまして、雪センターの方からは、再委託承認を受ける必要があるものについては適切に発注者に申請するなど、調査業務を適切に執行する等について業務改善を進めていくという旨の報告を受けて対応しているところであります。
  29. 行田邦子

    行田邦子君 私が先週金曜日に国交省本省の御担当の方からお伺いしたときには、対応しているかどうか分からないということだったんですね。その後、いや、そんなはずはないでしょうということで、この指摘をされた酒田河川国道事務所責任者に聞いてくださいということを、その後、聞かせていただきました。そうしたところ、やはり何も対応を行っていないというお答えでした。  私が事前にお聞きしたレクとそれから今の御答弁がちょっと違うと思うんですけれども、もしきちんと対応しているというのであれば、普通であれば、この再委託先民間コンサルタント会社がどこなのか、そしてどういう契約書を交わしているのか、再委託の条件どういうふうにしているのか、そしてどういう業務を再委託しているのかということを普通であれば事務所責任者確認した上で、きちんと今後直しますというふうに言うと思うんですね。そういったことを確認を行わないまま、これからきちんとやりますと言うだけでは、これではやっぱり不十分だと思います。このことを指摘していきたいと思います。  本当にその確認はされたんでしょうか。もう一回お伺いします。
  30. 佐藤直良

    政府参考人佐藤直良君) 官房長答弁させていただいたように、雪センターに対しては、理事長本省に呼びまして、対応策改善策、これを求めたところでございますが、一方、道路局の方で、私ども、全体としてこの雪センター業務に関して、今先生おっしゃった、具体的にどこに再委託しているのかと、こういう調査も実施しております。  具体に申し上げますと、例えば十八年度、指摘された冬期に関する道路施設等評価検討業務、これについては株式会社建設技術研究所に再委託率五五%で再委託をしているという結果が得られております。
  31. 行田邦子

    行田邦子君 それでは、先週金曜日に私が受けたレクは何だったんでしょうか。おかしいということで、もう一度この酒田事務所に、ちゃんとしかるべき人間に確認してほしいと言って、先週金曜日の夜に、いや、済みません、やっぱり対応していませんでした、大臣からもそういう答弁になりますけどいいですかというところまで聞いています。これ矛盾するんではないかと思うんですね。こういうことが今後起こると、事前レクというのは何だったんだろうというふうに思わざるを得ませんということを指摘しておきます。  そして、次に移りたいと思います。  四月十七日の最終報告書内容について質問させていただきます。  道路関係公益法人は五十法人でしたけれども、そのうち引き続き道路特会から支出をする公益法人は十六法人に削減するとなっています。一見すると大幅削減、大胆な整理に思えるのですが、これは引っかけ問題のようなものだと思うんですね。残りの法人のうち十五法人道路特会から支出をしないだけで、公益法人のままそのまま残すことになっているんです。しかも、表の二を御覧いただくとお分かりになるかと思いますけれども、表の二の真ん中辺になっていますけれども、これら十五の法人は元々道路特会への依存率が低いんです。平均すると道路特会への依存率は〇・四%にすぎません。金額にすると十五法人合計で約十二億円です。元々この道路特会から道路以外の業務を発注していたのでしょうから、道路特会から支出しなくて道路特会以外の一般会計等に勘定を替えるだけというのは、これは国交省さんにとってはそれほど大変なことではないと思うんですね。ですから、これは引っかけ問題のようなもので、大胆な整理に見えるんですけれども実際はそうではないというふうに私は印象を受けました。  また、大臣にお聞きしますけれども最終報告書で示されている役員定年制や給与の三割から五割カット、総役員数の削減、役員の兼職の禁止、情報公開の徹底、内部留保の吐き出し、福利厚生費支出の適正化、こういった取組の対象となるのは引き続き道路特会から支出を行う十六法人のみであって、道路特会から支出をしないとしている十五法人は対象外ということでよろしいんでしょうか。
  32. 平井たくや

    ○副大臣平井たくや君) 今回は道路特定財源から支出をする法人に対して特に厳しいハードルを設けて、それを実施してもらうように要請をすると。今お話しになっていたのは、要するにその外れたものはどうなるかということですが、これは当然、この十二月から実施される公益法人改革の中で公益認定基準を勘案しながら当然検討しなきゃいけない問題だと思いますし、公益法人全体の改革の中で今回我々が作ったことをやっぱりベースにしてチェックをする必要があると考えています。
  33. 行田邦子

    行田邦子君 この十五法人について、役員数のうち国交省OBが占める割合がいまだに三分の一を超えるものが三法人あります。そして、内部留保率三〇%を超える法人も五法人あります。道路特会から支出しないということであっても、これはきちんと守っていただきたい、基準どおり守っていただきたいというふうに思います。  そして、今の御答弁をお聞きしていますと、道路特会から支出をしない十五公益法人の温存策というふうに私には受け取られるんですね。今回はとりあえず時間もないことだし道路特会に絞っての見直しということにして、問題を先送りしているように思えてならないんです。随意契約については、真にやむを得ないものを除き、遅くとも平成十九年度からすべて一般競争入札等に改めると国交省自らが見直し計画を作成しておきながら、守っていない。内部留保天下りについては閣議決定による基準を守っていない。今までことごとく守られてきませんでしたけれども、四月十七日に発表した最終報告書で示された方針やルールはこれで本当に守られるんでしょうか。
  34. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 内閣のしている割合というのは今年の八月までにやるということなんです。それは先延ばししているわけじゃなしに、それぞれに評議員会とか社員総会とか総会とか、そういう手続を経なければできない仕事があります。したがいまして、今までも私は、もう辞任という形で辞めていただいた方もありますけれども、しかしながら、今の内閣が示している割合につきましてはこの八月までということですから、大体六月の総会その他ですべて充当することにいたしております。  それから、留保金が大きいという問題については改革委員会でも十分議論をしたつもりでございますし、出ている分については本来はその中で公益目的に使うというのが普通なんですけれども、私は、ここまで指摘されたものをもう一度そこで公益目的を設定して使うことによって減らすということでは国民の御納得は得られないと。これは、出た分については少なくとも国庫に返していただくと、そういう方法できっちり後始末付けたいと思っております。そして、それについてもそれぞれの法人の中で手続が必要なんですね。それも取っていただいて、私はこの二十年度内に全部国庫に返していただくという方向で取りまとめているところでございます。
  35. 行田邦子

    行田邦子君 大臣自らが御答弁いただきましたので、今回のこの四月十七日の最終報告書内容は必ず守っていただけるものと確信をしたいと、信じたいというふうに思います。  今回質問をさせていただくに当たって、国交省さんに御協力いただいていろいろと資料を提出していただきましたけれども、私の率直な感想を申し上げますと、何でこんなに単純な資料が出てこないんだろう、普通の民間企業であれば、社員がイントラネットか業務管理ソフトか何かで検索すれば簡単に出てくるような数字が待てど暮らせど出てこない。どういうことなのか純粋に疑問を抱きまして国交省さんに確認をしたところ、外部への業務委託や発注状況を国交省さん全体として把握する部署が存在しないというふうに言うんです。そしてまた、こういった外部への発注状況や契約状況を照会できるような管理ソフト、管理ツール、イントラネットシステム、いろんな言い方しますけれども、こういった管理インフラが整えられていないというふうに皆さんお答えするんです。私にはにわかに信じ難いんですけれども、本当なんでしょうか。  国交省平成二十年度の予算は八・四兆円にも上ります。この規模は企業でいうとソニーや松下といった企業の連結売上金額に匹敵するわけです。これほど巨額の金額を使う組織が外部発注状況を組織全体、国交省さん全体として把握する部署がない、発注管理インフラが整備されていないというのは本当なんでしょうか。この場で再度確認させていただきたいと思います。
  36. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 御指摘の情報の管理、それから国民の皆様への提供の問題でありますけれども、これは従来からいろいろ御指摘をいただきながら改善はしております。  しかしながら、今、行田委員から御指摘ありましたデータの管理提供の仕方になお不十分な点があることは間違いありません。現在は、発注機関別にデータを整理しております関係で、国交省全体で一覧して御覧いただけるようになっておりませんので、こういった点については今後更に御覧いただきやすい、使い勝手がいいようなものに改善をしていきたいと、このように考えております。
  37. 行田邦子

    行田邦子君 非常に遅いと思うんですね。世の中の平均からして非常に遅れているという印象を抱かざるを得ません。こういったあらゆる角度で支出を管理するようなインフラが整っていなければ、税金を納めている国民の皆様への説明責任が果たせないんではないかと私は思うんです。  最後にもう一点。  今申し上げた管理インフラについてなんですけれども、実はいろいろ調べている中で分かったんですが、国交省さんの中で既にそういった試みを行っているようなんです。国土技術政策総合研究所、これは本省の中に位置付けられている研究所なんですけれども、ここが仕組みやツールを開発していて福岡と長崎の二つの事務所でツール導入のテストを行ったようなんですね。それで、このツールに対する要望を福岡と長崎の二つの事務所職員にヒアリングして改善すべき点をレポートする、こういった業務をこの研究所は平成十九年二月に財団法人先端建設技術センター、道路関係公益法人ですね、ここに随意契約発注をしています。  お手元資料の三と四が成果物の一部です。事務所職員から出てきた要望。例えば、入力した数字が一覧で見れないとか、そういった要望に対しては、じゃ改善策としてエクセルにダウンロードできるようにしましょうとか、そういったレベルのことなんです。作業期間は一か月。発注額は二千万円です。システムの開発をしているわけではありません。これ確認したんですけれども、システムの開発は先端建設技術センター、公益法人では行っていません。  これが国交省さんから御提出いただいた報告書なんですけれども、分厚い立派な報告書だと思われるかもしれませんけれども、このうち私が見たところ、この後半部分のここからここですね、この後半部分の六百ページは、お手元資料の五を見ていただくと付いているんですが、データベース定義書とプログラム仕様書のコピーなんです。この公益法人は自らシステム開発を行っていません。自分たちが作成していない仕様書を六百ページも添付する必要が何であるのか私には疑問です。  そして、またこの報告書の真ん中の部分なんですけれども、ここからここまでですね、約百三十ページあるんですけれども、これ何かというと、業務発注元である国総研、国交省の研究所ですね、国交省の研究所が作成した企画書やマニュアルなんです。発注元が作成した企画書やマニュアルを報告書に添付する、何が意味があるのか私にはよく分からないんですけれども、単なる紙の無駄遣いだと思います。報告書の正味は、この前半の百ページにすぎません。しかも内容は、添付させていただいている三と四、こういったレベルの内容なんです。一か月の作業で発注額二千万、随意契約です。  さらに、この随意契約契約書なんですけれども、お手元資料の一番最後の紙なんですが、びっくりしました。土木設計業務委託契約になっています。この仕事のどこが土木設計なんでしょうか。皆様のお手元には付けていませんけれども契約書には、土地への立入りについてとか地すべりや高潮など天災があったときの業務中止についてといった条項はあるんですけれども、肝心の業務内容については何も記されていないんです。こんな契約書を交わして本当に許されるんでしょうか。  調べれば調べるほど国交省の税金の無駄遣いの底なし沼にはまった感じがします。冬柴大臣、是非国交省の意識改革を促していただきたいと思います。それができるのは大臣だけだと思います。国交省支出をしている莫大なお金は、今更申し上げるまでもないんですけれども、この莫大なお金、平成二十年度の予算は八・四兆円にも上ります。これはすべて国民の皆様の税金であるということを肝に銘じていただいて、国交省の意識改革を促進していただきたいと思います。  このことをお願いして、私の質問を終わります。
  38. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 御指摘ありがとうございます。  私は、ゼロベースで全部見ていただきまして、平井副大臣をキャップにしまして、私はこちらの答弁も忙しかったものですから平井副大臣を主任として、ほかのもう一人の副大臣、それから三人の政務官にそれぞれ分担をしていただきまして、ゼロベースから見直していただきました。  そういう中で、こういう、今の発注による調査あるいは今示されたようなものが本当であれば、あなたがおっしゃるとおりであれば、本当に恥ずかしい報告書だと思います。そして、そんな金額はとても似つかわしいとは私は思いません。  そういうことから、これからこういう問題についてはまずゼロベースで見直して、そして道路に直接関係がある部分とそうでない部分、見直す。それから、そうであってもその支出については半減する、六百七十三億ほどありましたけれども、これは半減しようということでやらせていただくということにしておりますので、誠実にそこの報告書に記載したものを履行するということを申し上げまして、今の御指摘答弁にさせていただきます。
  39. 行田邦子

    行田邦子君 大臣自ら御答弁いただきましたので、これは守っていただけるものというふうに私は確信しております。  そして、ちょっと更に補足ですけど、一点。  先ほど私が申し上げた国総研という研究所なんですけれども、ここが開発しているPMツールという、今申し上げた受注管理ソフトになるものかと思うんですけれども、これ是非お調べいただきたいと思います。これがもし本当に使える有効なものであれば、これを国交省さん全体として使って、そして受注管理ということがスムーズにいけるのではないかなというふうに思っています。  国総研のホームページ、今朝見たんですけれども、写真ニュースというところに平井副大臣のお写真がありましたので、頻繁に来所されているようですので、是非副大臣、調べていただけたらと思います。  終わります。
  40. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 答弁要りますか。
  41. 行田邦子

    行田邦子君 答弁は結構です。
  42. 川崎稔

    ○川崎稔君 民主党・新緑風会・国民新・日本の川崎稔です。本日は質問の機会をいただきましてありがとうございます。  私からは、大きく分けて二つの問題について国土交通省さんにお尋ねをしてまいりたいというふうに考えております。  まず一点目は、やはり道路について、避けて通れないと思いますので、道路整備特別会計について取り上げたいというふうに存じます。  先週、道路に関する改革ということで最終報告書を発表されました。特に道路事業、道路行政に関する広報広聴の問題について、もう本当にさんざん有名になりましたけれども、「みちぶしん」などというミュージカル、あるいは様々な道の資料館などに多額の血税を使っていたということで、今回の国会でも何度も議論になったわけであります。  そこで、今回の最終報告地方整備局等における広報広聴、この問題に関しまして、平成十八年度の決算ベースで九十八億円支出されていたということでありますけれども、実は先ほどの行田委員の話の中にも情報の問題ございました。  実は、私もこの金額について中間取りまとめが出たときに件数を教えてくださいというふうに国土交通省さんにお聞きしましたら、件数は分かりませんという実は回答がありまして、金額が分かってなぜ件数が分からないのかなというような、非常に情報の管理という点で世間一般の常識からすればちょっと懸け離れているなという印象を持ったんですが、いずれにいたしましても、今回のその最終報告という中でのこの広報広聴の問題、冬柴大臣、精査されてみた結果についてどうお感じになられたでしょうか、率直なお気持ちをお聞かせください。
  43. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) ミュージカルのことをお尋ねになられたときも、即座そこで以後一切こういうことには支出をしませんという約束をその委員会で申し上げたように、もちろん道路というものについて国民の理解、あるいはそれに対する協力の気持ちというものがなければ、多くの道路には地権者の方々、あるいは道路を整備する過程でその周辺の方々に大きな迷惑を掛けるわけでございます。騒音とか降塵とかいろんな問題があります。そういう意味で、ある程度の広報広聴というものは必要としても、このように数億円を費やして何百回もこのようなミュージカルをやるというのはそれとどういう関係があるのかと、なぜこういうことができたのかということで私は内部でも強く申し上げたところでありまして、こういうものについては一切もう支出は許さないということもそのときに申し上げたとおりでございます。  そういうことから、この執行のあり方改革本部におきまして、道路特会からの支出について、業務上の必要性を徹底的に検証し無駄を一切省くという視点から総点検を行いました。広報広聴経費につきましては、十八年度の支出総額は川崎委員もおっしゃいましたように九十八億円でありました。それで、今後は、ミュージカルなど国民の目線から見て不適切なものは今後一切支出しないと。その他の広報広聴につきましても、必要性を厳格にチェックしてその費用を十分精査し、高額とならないように適正な金額で実施することといたしました。  具体的には、ホームページの作成や開通式典などの定型的な広報に要する経費は三割削減する、広告啓発活動に要する経費につきましては半減させていただくなどの基準を作成して、平成二十年度から広報広聴経費を半減することを目指します。また、広報広聴のための支出につきましては、決算期に支出内容等をホームページで公表するなど透明性の向上にも努めるようにいたしたいと、このように思っております。
  44. 川崎稔

    ○川崎稔君 ありがとうございます。  見直しの、今の御答弁いただいた内容で経費三割削減とか、あるいは広報啓発活動に関しては半減だとか、その根拠は実はよく分からないんですけれども、ちょっとまず資料一を御覧いただきたいんですね。  これは毎日新聞の朝刊に掲載されている広告であります。内容を御覧いただくとお分かりのとおり関東甲信地方のスマートインターチェンジ、このPR広告ですね。これはまだ一か月たっていません。実はこれは三月の三十一日、年度末、この朝刊に出たんです。年度末の朝ですよ。この広告についてまず御説明をいただきたいのは、この広告の目的、何のための広告かということについて御説明をいただきたいと思います。
  45. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。  これ前段が、委員には御説明したと思いますが、大宮国道事務所の発注でございますが、全体は大宮国道事務所のホームページの更新と、それから三月二十九日に圏央道が開通をいたしました。その圏央道につきまして事業内容とか効果等を紹介する広報活動を実施する、それから開通告知等のための広告を出す、それから開通道路を示した地図を含むパンフレット等の制作、そういうことで業務を十月に出しております。  委員指摘の三月三十一日ということでございますが、まさに三月二十九日に圏央道が開通しておりますので、あらかじめ日にちを指定して広告の枠取りをするというのは非常に高額になりますので、二十七日、二十八日、二十九日それから三十一日、そういうものの枠取りをいたしました。そこの一環で、この三芳インターチェンジ、スマートインターチェンジがこの圏央道に連結をしておりますので、そのスマートインターチェンジ、非常に分かりにくいという御指摘もありまして、全体を圏央道の開通に合わせて広報するという内容でございます。
  46. 川崎稔

    ○川崎稔君 圏央道に関するいろんな情報発信ということなんですが、この広告御覧いただくと圏央道って出てこないんですね。どこにも書いてないんです。  実は私は、事前に、この広告について何のための広告でしょうかということでレクをいただきましたときは、そのちょうど真ん中にあります波志江パーキングエリア、三月二十九日から利用可能と書いてあるんですが、ここの利用可能のタイミングに合わせてこの広告は出しましたというふうに説明を受けたんですが、今の御答弁だとちょっと違っているんですけれども、いかがでしょうか。
  47. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 改めて申し上げますと、三月二十九日に圏央道が開通するというお話はいたしました。これに合わせて圏央道等をより有効に活用してもらうよう、近隣にありまして圏央道と利用開始日が同じ波志江パーキングエリア、今委員指摘のパーキングエリア、同じ日でございます。さらに、全体、同じ埼玉県内にある三芳パーキングエリアのスマートインターチェンジを始めとした甲信地域のスマートインターチェンジを広く道路利用者の方々にお知らせをしたということでございます。
  48. 川崎稔

    ○川崎稔君 今の御説明で、いま一つちょっと広告の内容と御説明がかみ合わないなというふうに思っております。  まず、なぜ三月三十一日なのか。実は二十九日というのは土曜日です。三十一日は月曜日です。普通に考えればちょうど春休みの週末、土曜日に開通するんであればその日に週末使ってくださいということで広告を打つのが普通の感覚ですね。それをわざわざ週明けの月曜日、三十一日に年度末ぎりぎりにこういう広告を出すということについて非常に国民の感情とのずれというか、それを感じるんですが、いかがでしょうか。
  49. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 先ほども答弁少しお話をいたしましたが、新聞広告を出すに当たりまして、契約業者に対しまして開通予定日の二十九日付近で広告枠を確保してほしいということを指示をいたしました。毎日新聞の二十九日それから三十一日に掲載する枠が確保でき、この両者の中から二十九日に開通広告を出した、それからスマートインターチェンジの広告を三十一日に出したということでございます。  先ほども言いましたが、一般的に掲載日とかあるいは掲載面、そういうものを特定いたしますと料金が割増しになります、広告を出すときに。で、枠取りを早めにそこを指示をしたということでございます。
  50. 川崎稔

    ○川崎稔君 やはり、大変言葉は悪いんですけれども、予算消化が目的というふうに見られても仕方ないんじゃないかということが私のこの広告を見たときの直感なんですね。やっぱりこれは非常に違和感あるんですよ。なぜかと。ちょうど三月三十一日に暫定税の失効という問題で国民の多くの皆さんが国会の状況について非常に注視をされておられた。その中で、三月三十一日に、なぜこの時期に、どうしてもこの日じゃなければいけない広告とは思えない。一般的には、三月三十一日というふうな年度末の特定日というのは広告は割高なんですね。そういうときにこういう広告を出さなければいけないということについて違和感を感じるということなんですが。  ちょっと資料の二の一と二をごらんいただきたいんですね。実は、先ほど御説明をいただいた大宮の国道事務所がこの新聞広告を含めて契約をされているわけですが、その仕様書、契約の内訳がそこに書いてあります。この契約について、総額お幾らでしょうか。
  51. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 昨年の十月二十二日に契約を結んでおりまして、当初契約が四千九百九十九万ということでございますが、変更後八万円減額で四千九百九十一万でございます。
  52. 川崎稔

    ○川崎稔君 総額約五千万だということですが。それで、この新聞広告、この三月三十一日の新聞広告については広告料は幾らぐらいでしょうか。
  53. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 三月三十一日の広告はたしか五百万、五百万でございます。
  54. 川崎稔

    ○川崎稔君 総額五千万に対してこの広告は五百万ということですね。  この仕様書自体気になるんですけれども、まず、総額五千万、この五千万という数字はどこから出てきたんでしょうか。
  55. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 先ほども業務全体の話を申し上げましたが、一つは大宮国道のホームページの再構築、それから開通予定の圏央道を紹介するパンフレット、それから各種イベントのパネル展、それから今委員が最初お触れになりました三環状道路に関する広告ということで、トータル五千万でございます。  内訳を申し上げますと、ホームページの再構築が約四百万、パンフレット等が千三百万、パネル展等が千三百万、それから三環状に関する広告等が千三百万、そのほか諸経費等をトータルいたしまして五千万ということでございます。
  56. 川崎稔

    ○川崎稔君 総額五千万のうち、そうすると新聞の広告関係ということで約一千三百万ぐらいですね。ちなみにこの一千三百万、今の三月三十一日の五百万の広告以外には、いつどういったものを出されていますか。
  57. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 全部で四つ出しておりまして、あと埼玉新聞、それから毎日新聞が二つであります。埼玉新聞が二つでございます。トータル千三百万でございます。
  58. 川崎稔

    ○川崎稔君 そのトータル四つの掲載の日付をちょっと確認したいんですが。
  59. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 一つが、三月二十六日、埼玉新聞でございます。それから、三月二十九日が毎日新聞と埼玉新聞でございます。それから、最初御指摘の三月三十一日、毎日新聞でございます。
  60. 川崎稔

    ○川崎稔君 もう一つ、三月二十六日と二十九日、三つ掲載されていますね、その冒頭の三月三十一日以外に。これの広告の内容はどういったものでしょうか。
  61. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 三月二十六日、埼玉新聞の広告の掲載はエコドライブの促進ということでございます。それから、三月二十九日はいずれも圏央道、済みません、埼玉新聞は三月二十八日でございます。申し訳ありません。これも開通の前日でございますので、圏央道の開通ということで出してございます。
  62. 川崎稔

    ○川崎稔君 そういう意味では、全体の四つのうち、圏央道に直接関係があるものというのは三月の二十八、二十九だけのものですね。三月の二十六日はエコドライブということであれば、圏央道には直接関係がない。また、三月三十一日、冒頭にお示しした広告についても、少なくとも素人目から見れば圏央道に直接関係がある広告とは読めないわけです。そういう意味では、広告の契約と実際の使われ方というのは非常にずれがあるなというふうに思うわけですが。  ところで、この三月三十一日の広告をよく見ますと、国土交通省さんとNEXCO東日本、NEXCO中日本の三者による広告ということになっていますが、費用分担はどうなっていますでしょうか。
  63. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 費用分担、結論を申し上げますと、これは国土交通省関東整備局大宮国道が費用を全額出しております。スマートインターチェンジの管理機関がNEXCOでございますので、併せて名前を出して、問い合わせがそちらに行きますので、併せて名前を出したということでございます。
  64. 川崎稔

    ○川崎稔君 済みません、問い合わせがNEXCOさんの方に行くからといって、広告の費用を国土交通省さんが全部持つというのは非常におかしいんじゃないかと思うんですが。  たしか十八年度の決算会計検査院指摘の中でも、そのスマートインターチェンジの費用負担をめぐって指摘が一つあったと思うんですが、そういう意味で、この三月三十一日の広告について、費用分担の在り方、会計検査院の方から御覧になって、いかが御覧になりますでしょうか。
  65. 真島審一

    説明員(真島審一君) 検査を踏まえずに個別の事柄についてここでお話し申し上げることは差し控えたいと思いますが、会計検査院といたしましては、貴重な税金が法令や予算に従って正しく使われることが肝要であると考えておりまして、今後の検査に当たりましては、ただいまの御議論も念頭に置いて取り組んでまいりたいと思います。
  66. 川崎稔

    ○川崎稔君 本当に、特別会計の支出について本当に厳格にやっていただきたいという思いであります。  なぜこの新聞広告を取り上げたのか。毎年度、国民から見ると、年度末に道路の工事をやっているということで、予算消化をやっているなという目で見るわけです。そういう目で見ていると、三月三十一日にこういう広告を出すということが、やはり同じように見られるんじゃないかという思いであります。三環状道路に関する情報発信だということで今回の大宮のこの国道事務所の広告契約されているわけですが、実際に本当にその目的に沿っているんだろうかと言わざるを得ないわけですね。  今回の最終報告で、事務所長の決裁権限、広報広聴だと一千七百万というふうなことに改めますということが内容的に出てくるんですけれども、非常に一千七百万というのがなぜそんな中途半端な数字なんだろうかなというふうにちょっと感じたんですね。各事務所に対するこれもしかしたら予算配分の額かなと。要するに、各事務所に広報広聴予算として一千七百万ずつ配分するというふうにも取れなくもないんですけれども。  先ほど冒頭申し上げたように、経費の半減ということも、なぜ半減なのか。通常であれば、民間であれば、まず何のために広告を出すのかという目的があって、それに対して幾ら支出するという順番になるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、国土交通大臣の方に、今回のこの広告に関してもう一度ちょっと所見をお伺いしたいと思います。
  67. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) なぜ半分かと言われますとつらいんですけれども、私は、本来六月ぐらいまでもう少し細かく精査をし、そしてヒアリングをきちっと行ってやりたかったんですけれども総理からも、こういうものは早くやれと、四月に繰り上げてやれというお話もありまして、私はそれはそのとおりだと。そうであるならば、えいやっ、とにかく半分あるいは三分の一とか、そういう金額しか出てこないんですよ。  ただ、もちろんそれはこちらが一方的に決めたわけじゃなしに、半分にした場合に本当に回っていくかどうかということは、それは聞きました。何とか努力をしますというお話もありまして、私はそういうふうに設定させていただいて、とにかくそれを前提にこれから組み立ててもらおうということでございます。  したがって、役員報酬を三割から五割というのも、これは荒っぽい話なんです、実際。ですけれども、これは国民の目線に立ったときに、こういうものをやはりきちっと、細かい数字よりは分かりやすくきちっとこれはやるという気持ちなのかなと、分かっていただくようにして、そしてあとはそれを必ず守る、守るようにちゃんとウオッチングしていくと、今後も。そういう気持ちで設定をさせていただきました。緻密に計算したものではございませんので、申し訳ありません。
  68. 川崎稔

    ○川崎稔君 ありがとうございます。  とにかくミュージカルとか、そういう道の資料館とか、内容的あるいは目的だけではなくて、今申し上げたように、まさに執行の細かいやり方、もう本当に民間だったらきめ細かい費用管理をするわけですから、もう本当に血税ということで適正に支出をしていただきたいという思いであります。  ちょっと時間がございませんので、大きな二点目のテーマであります自動車損害賠償保障事業特別会計、この問題について取り上げたいと思います。  なぜこの特別会計を取り上げるかといいますと、もう御承知のとおり、多くの現預金、いわゆる余剰金あるいは積立金を抱えている特別会計の一つであります。そういう意味で、道路整備特別会計だけではなくて、本当に特別会計というものを見ていく上でこの特別会計もきちんと見ていかなければいけないというふうに思っているわけでありますが、この特別会計、御承知のとおり保障勘定あるいは自動車事故対策勘定、そして保険料等充当交付金勘定、そういった三つあるわけですね。  実は十八年度決算会計検査院の検査で指摘された事例、これは衛星を利用したタクシーの運行管理・配車システム、これに補助金を出しているというものがあるんですが、これがその補助の対象外に出していたといったことで指摘を受けているわけであります。  この問題について、なぜ自動車事故対策勘定でなければいけないのか、その辺についてちょっと説明をお願いいたします。
  69. 本田勝

    政府参考人(本田勝君) お答えを申し上げます。  旧自賠特会におきましては、今先生御指摘のとおり、一つは自動車事故の被害者の方々の保護、それから、やはり自動車事故を防止していこうということから自動車事故対策勘定を設けまして、その中で自動車事故対策費補助金を交付してまいりました。  今御指摘になりました衛星を利用したタクシーの運行管理・配車システム、これは平成十一年度から開始しまして平成十七年度までの間ございましたが、端的に言いまして、都市交通の安全、円滑化という観点、具体的に申しますと、タクシーのとりわけ事故につながりやすい空車走行、これを抑制する。それから、運転手に対して衛星を使った形で適時適切な指示が自動的に参って、運行管理というのが非常に合理的になるということからこの補助金の対象とさせていただきまして、今申し上げましたように十一年度から十七年度まで実施をさせていただいたところでございます。
  70. 川崎稔

    ○川崎稔君 十七年度までということは、今はもうその補助はおやめになったんでしょうか。
  71. 本田勝

    政府参考人(本田勝君) 基本的に先駆的な事業に補助をさせていただくということでございまして、かなり普及が図られたものですから、十七年度をもって補助事業としては廃止いたしております。
  72. 川崎稔

    ○川崎稔君 これも、本当に国民の目線で考えたときに、タクシーの空車走行を減らすためにGPSを利用した運行管理システムに補助を出すというのが、いわゆる自賠責の保険料を原資とした勘定からなぜ出るんだろうというのは非常に不思議だと思うんですね。それで事故が減るということに直接なるのかどうか。これは不思議なんですけれども、いかがでしょうか。
  73. 本田勝

    政府参考人(本田勝君) 基本的に自動車事故を防止するための補助金ということで、そのほかにも幾つかさせていただいておりますが、平成十四年二月に、自動車損害賠償保障法に基づきまして、こうした事業に充てるべき対象につきましては、自動車事故対策計画というものをきっちり作って、そこに記述されたものに限定して、しかし自動車事故を防ぐという観点からは安定的に補助を行うという仕組みが、先ほどの補助は十一年度からでございますが、十四年二月ですので、十三年度からそうした体制を取っております。その中におきましても、公共交通機関の利用促進又は効率化を図ることにより自動車事故の発生を防止するために必要な施設、機器を整備するということは自動車事故の発生の防止対策として具体的に明記してございまして、そうしたことを背景に実施をさせていただいておるところでございます。
  74. 川崎稔

    ○川崎稔君 自家用車と公共交通機関の間で事故について差異があるんでしょうか。今の御説明だと、公共交通機関の方が事故を減らすために有効だという理屈になると思うんですが。
  75. 本田勝

    政府参考人(本田勝君) お答えが少し偏ったかもしれませんが、公共交通機関に対してだけ補助をしておるわけではございません。一般的な自動車事故の防止対策について、必要な事業につきまして全体としては補助をさせていただいておるところでございます。
  76. 川崎稔

    ○川崎稔君 いずれにしても、実はこの自動車事故対策勘定、十八年度の決算ベースで二千六百二十九億円積立金があるんですね。これほど巨額の積立金が本当に必要なのかどうか。独立行政法人である自動車事故対策機構、こういった法人を維持するためにこの積立金が温存されているんじゃないかという気がするんですが。  実は、この積立金、過去にたしか一般会計への繰入れというのが一度行われていると思います。これ以上積立金を活用する余地がないのかどうか、この点についてちょっと財務省さんの方にお伺いしたいんですけれども
  77. 遠藤乙彦

    ○副大臣(遠藤乙彦君) お答えいたします。  自動車事故対策勘定積立金につきましては、国交省から今答弁があったとおりでございますが、特別会計に関する法律等に基づきまして、自動車事故による重度後遺障害者等の被害者救済対策、あるいは今説明がありました交通事故対策等に安定的に実施するために積み立てたものでありまして、基本的には本勘定において保有させることが適当と考えております。  いずれにしましても、自動車事故対策勘定につきましては、特別会計改革の趣旨を踏まえまして、事務事業の見直しを求めるなど今後とも十分に精査してまいりたいと考えております。
  78. 川崎稔

    ○川崎稔君 いや、もうおっしゃっている趣旨はよく分かるんですけれども、要は、そういった事業を行うためにいわゆる積立金の運用益を充てるというやり方が本当にいいのかなと。今も莫大な積立金があるわけですね。これを何十年にもわたって運用して利息で事業をやっていくというやり方が、今私たちが行っている政策運営の中で本当にやり方としていいのかどうか。それは一考の余地があるんではないかというふうに思っております。  もう一つ、この自賠責の特別会計については保障勘定というのがあります。  保障勘定についてお伺いしたいんですが、実はこの保障勘定ですべての事業、要するにほかの勘定の業務の取扱い、要するに経費をここから全部出しているんですね。人件費、物件費、十八年度だけで合わせて十二億四百万。これは、財源としては賦課金、要するにその自賠責の保険料から一部行っていたり、あるいはほかの勘定から繰り入れられたり、あるいはその積立金が財源となっているということですが、ちょっと国土交通省様の方に、またかというふうに思われるかもしれませんが、資料三にこの特別会計からのタクシーチケット、確認をさせていただきました。  なぜこの特別会計についてタクシーチケットの確認をさせていただいたのかということなんですが、実は国交省さんが所管される特別会計の中で過去五年間、一人当たりのタクシーチケットの支出額が一番高いのはこの会計なんです。これ見ると大体、上位十人をお示ししているんですが、この十人で約七百万ぐらいになります。これ、平成十九年度、この十一か月間全体ではタクシーチケットお幾らぐらいだったでしょうか。
  79. 本田勝

    政府参考人(本田勝君) 平成十九年四月から二十年二月までということでございますが、自動車損害賠償保障事業特別会計のタクシー代は本省、地方合わせまして一千三十八万七千五百三十円でございます。
  80. 川崎稔

    ○川崎稔君 ということは、全体で一千万使っているうち、この上位十名の方で八百万近くを使っているということですね。  ちなみに、最高で二百三十二万円使っていらっしゃる方がいらっしゃいますけれども、この方はどこからどこまで主に使っておられるのか、その必要性はということについてはいかがでしょうか。
  81. 本田勝

    政府参考人(本田勝君) 先生からお示しの資料の一番上にございます、私ども本省保障課の係長級でございます。ここにあります百三十五回のうち、調べましたところ、公務で都内の移動に三回を利用しております。そのほかは深夜残業により神奈川県内の自宅に帰宅するためのもの、これが百三十二回、平均利用額がそういった形で一万七千三百円となっております。  なお、この職員は国会対応、それから自賠責特別会計の経理事務、そういったことを行っている状況にございまして、一年を通じて極めて多忙な職員でございます。この一月を除き、毎月十回以上タクシーによる残業を強いられていると、こういう状況でございます。
  82. 川崎稔

    ○川崎稔君 ちなみに、タクシーの利用に関してこの会計で規定はありますか、内部規定。
  83. 本田勝

    政府参考人(本田勝君) タクシーの利用に関しては、元々私ども大臣官房会計の方で平成十七年にタクシーの使用についてというルールがございます。
  84. 川崎稔

    ○川崎稔君 今回提出をいただいたのは十九年度の十一か月間のタクシーチケットの利用状況なんですが、十八年度以前分からないというふうに言われたんですが、本当でしょうか。
  85. 本田勝

    政府参考人(本田勝君) 過去五年の数字につきまして申し上げますと、数字は把握しております。
  86. 川崎稔

    ○川崎稔君 いや、数字じゃありません。この上位十名の同じような明細、利用明細ですね、これがこの平成十九年度以外は、この十一か月間以外は分かりませんというふうに事前レクで伺ったんですが、そうでしょうか。
  87. 本田勝

    政府参考人(本田勝君) トータルの金額については把握しておりますが、個々の今回整理してお出しいたしましたような意味での数字は今把握しておりません。
  88. 川崎稔

    ○川崎稔君 たしか、実は聞くところによると、道路整備特別会計のときも最初は分からないというお答えが、だんだん過去にさかのぼって分かっていったという経緯だったんではないかと思いますが、本当にございませんか。
  89. 本田勝

    政府参考人(本田勝君) 基本的には、タクシーチケットのいわゆる半券というのがございますけれども、半券について現時点ではこの十九年度分一年分のみ保管するという形で運用されてきておるものですから、そこについての個々の使用実績に関しての確認ができていないというところでございます。
  90. 川崎稔

    ○川崎稔君 なぜ過去のことをお伺いするかというと、先ほど数字は分かるとおっしゃいましたですよね。過去五年間のタクシーチケット、年間平均で一千三百万ぐらいなんです。一千三百万ですから、かなり振れはあるにしても、今回この平成十九年度の一千万というのは非常に少ない部類なんですね。ですから、過去はもっと使っていたかもしれないんですが、その内訳は分からないということでちょっと確かめようがないんですけれども、絶対にございませんか。
  91. 本田勝

    政府参考人(本田勝君) 半券との確認ができないということになろうかと思います。  念のため、今先生がおっしゃいました過去の数字でございますが、既にお示ししておるかと思いますけれども、確かに例えば平成十五年度は一千六百九十七万円ということでありますが、翌年度、十六年度においては九百九十四万円という形で、正直やはり年々の業務によってどうしても変動をいたします。その点はちょっと御理解を賜りたいと思います。
  92. 川崎稔

    ○川崎稔君 いずれにしても、そういったものの要するに費用の支出の管理について資料の提出というのは引き続きいろんな形で求めていきたいんで、この問題についても、その半券の存在、改めて確認をお願いしたいと思います。  いずれにしましても、資料四を御覧いただきたいんですが、この特別会計、歳入歳出を示しております。この保障勘定というものを見ますと、毎年剰余金を受け入れています。十八年度で、横線、アンダーラインを引っ張っていますが、六百六十三億円。本来であれば毎年の保障料、保障費、約五十億円ちょっとの保障費と、それに対して収入が賦課金、これがバランスすることが本来であれば望ましいわけですが、約六百億円の剰余金、いわゆる貯金、蓄えでその経常経費、先ほど申し上げたようなタクシーも含めていろんな経費を出していくということになると、無駄遣いというのが、やはり温床になるわけですね。  そういう意味で、自動車ユーザーに対して、自賠責の保険料でこれまでたくさんの現金をいただいていながら、この六百億円、これについて一般的な財源として活用する余地はないのかどうか、改めてちょっと財務省さんにお伺いしたいんですが。
  93. 遠藤乙彦

    ○副大臣(遠藤乙彦君) 特別会計の剰余金等につきましては、特別会計に関する法律に基づきまして、現下の厳しい財政状況にかんがみ、一般会計に繰入れを行うなど、財政健全化のため最大限活用していることは御承知のとおりであります。  御指摘の保障勘定の剰余金につきましては、自動車ユーザーから徴収した賦課金の未支出分でございまして、今後の政府保障事業にかかわる被害者への保障金支払の原資として、一般会計へ繰入れを行わず、翌年度の保障勘定の歳入へ全額繰り入れているところであります。  特に、この保障事業は、御承知のとおり、ひき逃げですね、ひき逃げとか無保険者、具体的な数字を言いますと、十八年度の場合、ひき逃げが三千六十五人、無保険者による事故が六百四十四人、これに対して五十九億円を支出いたしておりますので、こういった非常に深刻な事態へ対応するためには是非この保障勘定の歳入に全額繰り入れるということが必要であると考えております。  いずれにしましても、保障勘定の剰余金につきましては、その趣旨や目的をも踏まえつつ、今後とも十分に精査してまいりたいと思っております。  それから、先ほどの自動車事故の特別対策の件で……
  94. 川崎稔

    ○川崎稔君 手短にちょっとよろしくお願いします。時間がありませんので。
  95. 遠藤乙彦

    ○副大臣(遠藤乙彦君) 一言ちょっと付言しておきますと、運用益だけでは実は対応できませんで積立金を崩しておりまして、支出が百五十二億円、運用益が五十億で、積立金取崩しが百二億円でありまして、やはりそういった意味でも積立金を残す必要があるというふうに考えております。
  96. 川崎稔

    ○川崎稔君 済みません、時間がありませんので、最後に一言だけ申し上げたいんですけれども、要はどういうことかというと、毎年二十数億円ずつ赤字を出していっているんですね。その二十数億円ずつ赤字を出して、この六百億円強の剰余金を取り崩していっていると。要するに、二十年以上にわたってそういう形でこの特別会計を使っていこうという形になってしまっているわけです。果たしてそういうやり方がいいのかどうか、これはもう問題の指摘ということで、私の発言を終わらせていただきます。  済みません、一点だけ。  先ほどのタクシーチケットの半券について、その調査結果について、委員会あて報告をお願いいたします。
  97. 本田勝

    政府参考人(本田勝君) 承知いたしました。
  98. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 民主党牧山ひろえです。  今日は、東京国際空港、以後、羽田空港と言わせていただきます、羽田空港の再拡張、国際化に伴う国、国土交通省の認識や今後の方針について伺いたいと思います。冬柴大臣、どうぞよろしくお願いいたします。  さて、空港整備は世界各地で進んでいます。アメリカではデンバー国際空港などのハブ空港が有名ですが、アジアでは韓国の仁川国際空港、シンガポールのチャンギ国際空港などが大規模な整備を終え、国際ハブ空港としての機能を発揮しております。まさに各国は国際ハブ空港の主導権を握ろうと国家プロジェクトで空港の整備を推進していると言えます。  特に注目すべきは中国国内の空港整備で、今年八月八日に開幕する北京オリンピックを契機として猛烈な勢いで整備が進んでおります。北京にある首都国際空港は二月二十九日に新ターミナルの供用を開始し、首都の空の玄関口として経済成長で急増する旅客需要に対応するほか、チャーター機の受入れもするとのことです。中国の国内では百件近い空港整備計画があるとのことで、まさにハブ・アンド・スポークの航空網が着々と生まれつつあります。このように、世界各国、とりわけアジアにおいては経済成長に伴って人と物の動きが活発になっております。  では、そうした中で、日本の空港整備は増大するアジアのニーズに対応できるでしょうか。この点については後で述べたいと思いますけれども、私は必ずしもアジアの航空ニーズに対応する体制にはなっていないと思います。今こそこうした現状を踏まえて、我が国の航空行政について、再考も含めてビジョンを示すべきときであると思います。  航空行政の概要として、国交省の航空局は、航空輸送の果たす役割を国際交流の拡大、観光立国の推進、地域間交流の拡大、地域の活性化、都市の再生、我が国の経済社会の活性化、国際競争力の向上と説明しております。言うまでもなく、すべての項目についてそれぞれの重要性を確認できるのですが、特に本日議題としたい国際交流の拡大や観光立国の推進、国際競争力の向上など、明確に政府のビジョンを示さなければならないと思います。  まず、大臣から、我が国の航空行政の現状と今後の課題について、特に国際交流の拡大、観光立国の推進、そして国際競争力の向上の点を中心に御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  99. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) アジア・ゲートウェイということで、我々の航空政策もその中に盛り込まれております。  首都圏では成田が国際拠点空港、そしてまた羽田が国内拠点空港であって成田を補完する、国際線もそこから比較的近距離には飛ばすということでございます。そしてまた、関西国際空港は我が国では初めての二本の滑走路を持った二十四時間供用のできる国際規格の国際拠点空港であります。そのほか中部国際空港、これも、一本しかありませんけれども、国際空港としての役割を担っております。  それ以外にもたくさんの空港が、我が国には地方空港がありますけれども、これについては国際的には今までのように航空協定というものを結ばなければ入れなかったわけですけれども、我々といたしましては、ここを開放いたしまして、航空会社の判断によって乗り入れが可能とするような開かれた航空政策を取ることとしているわけでございます。    〔委員長退席、理事神本美恵子君着席〕  観光につきましては、羽田、成田は、二〇一〇年の三月に成田は拡張、二本目の空港が拡張を遂げることができます、二千五百メートルですけれども、そして羽田につきましては、同じ年の二〇一〇年の十月に、今D滑走路、四本目の滑走路が造られつつありますけれども、ここが十一万回年間で増やすことができまして、そのうちの三万回を国際線、近距離の国際線に、近距離というのはどうもいろいろもっと飛ばすべきだという議論がそこへ出てくるものですから、なぜ私が近距離と申しますかといいますと、成田との関係でございます。  それで、我々は、千葉と埼玉と東京と神奈川、この四都県とそこにあります四つの政令市、この八つの政令市と国土交通大臣も入りまして、成田と羽田との役割分担、これを協議した文書があります。その中で、先ほど言いましたように、成田は国際拠点空港、そして羽田は国内拠点空港ということを原則としつつ、羽田につきましても成田を補完するという意味で、日本の一番遠い空港、羽田から一番遠いところ、これは石垣空港に当たります。一応、おおむねそこを基準として円を描いたときにその中に入るあるいは周辺に入るところというようなところへは、羽田から、定期便の話ですが、飛ばしてもいいのではないかということが合意をされたわけです。  したがいまして、私はその合意というものを大事にしておるわけでございまして、もしそれを変更するならば、ここから例えばシンガポールにも飛ばすべきである、ムンバイまで行くべきだというような議論もありますけれども、それは、そういうところの合意というものをそれは見直すことができればその結果そういうことは起こり得るけれども、現在の時点ではやはりその八者の協議というものを大事にしていかなければならない、こんなふうに思っているところでございます。  私どもは、そのような枠組みの中で、この観光、四面環海の我が国におきましては、すべて人流、物流共に海を越えて来ていただかなければならないわけですから、その玄関であります空港あるいは港湾というものがきちっと整備されなきゃならない。空港については、先ほど申し上げましたようなアジア・ゲートウェイという構想に基づいて、大枠は現在、先ほど述べたような形でやろうということでございます。  なお、私は、上海の虹橋空港という、これも国内拠点空港だったわけですけれども、そこへ羽田から定期チャーター便を飛ばすこと、昨年の九月二十九日でございましたけれども、日中国交正常化三十五周年の記念日に第一便を飛ばすことが成功いたしまして、私も日帰りで行ってまいりましたけれども、今大いにそういうところを中心に観光客がこちらからも向こうからも往復をしているということでございまして、できれば北京についてもそういうことができればというふうに思っているところでございます。
  100. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ありがとうございます。  いずれにしても、やはり航空行政のみならず、政府、関係団体が一丸となって我が国の国際競争力の維持と向上を図るべく、今後も航空行政の御努力に期待したいと思います。  ところで、外資ファンドによる空港会社への参入が去年の十一月ごろ議論になったところです。羽田空港の旅客ターミナルを管理する日本空港ビルデングの株式を外国の投資ファンドが買い進めたことが話題になりました。三月七日、政府は、空港に対する安全保障上の規制の在り方について引き続き検討し、年内に結論を出す方針としましたが、外資ファンドによってこれまでの空港の安全基準を保つことが困難になってしまうことなどがないよう、今回の件を教訓により一層の安全保障対策を求められるところであろうと思います。いずれにしても、国内最大の空港が増大する航空需要を適切に処理し、旅客の安全な航行を担保できることを要望します。  この件に関連して確認をしたいのですが、現在羽田空港の敷地にはターミナルの運営会社である日本ビルデング株式会社や駐車場を管理する財団法人があると思うのですが、この羽田空港の空港敷地はだれの所有となっているのでしょうか。お答えいただければと思います。よろしくお願いいたします。
  101. 鈴木久泰

    政府参考人(鈴木久泰君) 羽田空港につきましては、私どもが直轄で管理をさせていただいております空港でございまして、その敷地は国有地となってございます。
  102. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 分かりました。  羽田空港の敷地は国有地であるということが確認できました。つまり羽田空港内にある跡地も国有地でありますから、その敷地の有効的な活用方法については是非とも国がリーダーシップを発揮して、先ほども申し上げましたように国際交流の拡大や観光立国の推進、国際競争力の向上などに資する施策を実施していただきたいと思います。  では、羽田空港の再拡張、国際化について議題を進めていきたいと思います。  御存じのとおり、羽田空港は既に能力の限界に達しており、首都圏における将来の航空需要の増大、また国際的に見ても羽田への乗り入れ要請が増加しており、早急に対応しなければならないと各方面で言われております。現在、先ほど大臣がおっしゃっていたように、二〇一〇年十月の供用開始を目指して四本目の滑走路が建設されているとのことですが、この羽田空港の能力の限界が解消されると期待されています。  ここで、この再拡張工事の進捗状況について、完成の見通しと供用開始時期などの御報告をお願いいたします。
  103. 鈴木久泰

    政府参考人(鈴木久泰君) お答えいたします。  羽田空港の四本目の滑走路を造ります再拡張事業でございますが、若干漁業補償交渉等に手間取っておりましたがこれもまとまりまして、昨年三月三十日に現地で本格着工をいたしました。それ以後、二十四時間三百六十五日の突貫工事を進めてきております。これは現空港の三本の滑走路を使いながらの工事でございまして、この運用の安全を図りながら、確保しながらやっておりますので、夜間は滑走を止めてみたりしながら進めておるわけであります。  その中で、埋立部と桟橋部と大きく二つに分かれております。多摩川の河口に掛かる辺りは川の流れをせき止めないように桟橋構造にしておりますが、この桟橋の部分につきましては、陸上でジャケットという大きな構造物、最大千三百トンぐらいの構造物を製作しておりまして、それを現地で海中深く九十メーターぐらい、固い地盤まで打ったくいの上に設置をするという工事をやっております。この桟橋部分のジャケットの設置工事は今年の一月九日に初めて一基設置されまして、今大体全体の一割ぐらいの設置が進んでおる状況にございます。それから、埋立部分につきましては、まず地盤改良が要りますので、その地盤改良をずっとやっておりましたが、これが完了いたしまして、現在護岸といいまして、枠の部分の築堤工事に取りかかっているところでございます。  いずれにいたしましても、二〇一〇年十月末が供用開始目標でありますので、それに向けて引き続き着実に工事を進めてまいりたいと考えております。
  104. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ありがとうございます。  では、ここで羽田空港の国際化について、訪日外客数の視点に立った議論に進みたいと思います。  御存じのとおり、好調なアジア経済、特に中国経済は猛烈な成長を遂げています。これに伴ってアジアから日本を訪れる外国人はますます増加していると、こうした報道が最近よく聞かれます。国際観光振興機構、JNTOによると、今年二月の訪日外客数の推計値では約七十万人の外国人が日本を訪れているとのことですが、そのうち中国からが八万五千人、香港からが五万六千人、シンガポールが一万一千人、タイからが一万人などとなっており、いずれも前年比で一〇%から三〇%の高い伸びを示しております。そのほか、オーストラリアやカナダからの訪日外客数も高い伸びを示しています。  そこで、お伺いしたいのですが、最近アジア諸国、特に中国からの訪日外客数が高い伸びを示していると想定されますが、例えばここ数年間で訪日外客数はどれほど増加したのでしょうか。
  105. 本保芳明

    政府参考人(本保芳明君) お答え申し上げます。  訪日外国人誘致のための運動をビジット・ジャパン・キャンペーンという形で展開しておりますが、これがスタートいたしましたのは二〇〇三年でございまして、その時点で五百二十一万人の外国人がいらっしゃっていましたが、それから二〇〇七年まで六〇%増えまして、八百三十五万人になっております。  その中で地域別に見てまいりますと、一番高い伸びを示しているのがアジアでございまして、七五%でございます。国別で申し上げると、中国が最大の伸び率で、同じ期間で一一〇%でございます。ただし、国別に見ていった場合に、ボリュームの面で申し上げれば実は韓国が最大の量的伸びでございまして、百十四万人この間で伸びておりまして、この間の全体の増分が三百十四万人ですから約三六%が韓国と、こういう状況になっております。  いずれにしましても、アジア全体の伸びで現在訪日外国人に占める約七割がアジアからおいでになっていると、こういう状況でございます。
  106. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ありがとうございます。  では、冒頭でも議題となった観光立国のテーマについても伺いたいと思います。  経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二年に基づき、外国人旅行者の訪日を促進するグローバル観光戦略が平成十四年十二月に発表され、その後、今お話にもありましたビジット・ジャパン・キャンペーンが実施されています。このキャンペーンは、当時、日本人の海外旅行者が約千六百万人であるのに対して、我が国を訪れる外国人旅行者がその三分の一以下であったことから、その差をできる限り早期に是正することを目的としてあったものであったと記憶しております。  このキャンペーンの目標は、二〇一〇年までに一千万人の訪日外国人誘致を実現することであり、現在もその目標に向かって様々な努力をされていると認識しております。去年日本を訪れた訪日外客数は、JNTOのデータによると八百三十四万七千三百人で、前年比一二・七%増えました。このデータを見る限り、政府のビジット・ジャパン・キャンペーンは予定どおり目標数に向かっているかと推測されます。    〔理事神本美恵子君退席、委員長着席〕  この点に関して質問いたします。  これまで政府は、ビジット・ジャパン・キャンペーンにお幾らぐらい投資をして、その結果どのような効果が得られたとお考えでしょうか。二〇一〇年に一千万人との目標達成までの見通しも含めて御答弁いただきたくお願い申し上げます。
  107. 本保芳明

    政府参考人(本保芳明君) お答え申し上げます。  ビジット・ジャパン・キャンペーンの予算でございますが、二〇〇三年に二十億円でスタートをしておりまして、今年度予算は三十四・五億円ということになりまして、この間の伸び率は七二・五%と申し上げていいと思います。ただいま申し上げている数字は国費でございまして、国際観光の振興は地方との連携が非常に重要でございますので、地方連携事業ということで、自治体あるいは地元の観光業者さんと一緒になったキャンペーンを実施しております。この関係で十億円ぐらいの地元の負担があるものと思いますので、トータルではこれを足した形で数字を御覧いただければ有り難いと思います。  この予算によりまして、本格的な海外のプロモーションが展開できておりまして、対象国・地域のマーケティングに応じたメディアを通じた情報発信でありますとか、海外の旅行会社を日本に招いてのツアーの実施というような形でプロモーションを展開しているところでございます。  この結果、先ほど申し上げましたように、我が国の認知度が相当大幅に向上したと考えておりまして、四年間で約三百万人、六割の増加が得られたものと、このように見ております。最近少し円高に振れつつあるところがありますけれども、一千万人の二〇一〇年までの目標は何とか達成できるんではないかということで努力してまいりたいと思っております。
  108. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ありがとうございます。  観光は日本の次なる主要な産業にもなり得る重要な産業ですから、是非とも目標の達成に向かって御努力いただきたいと思います。さらに、観光庁の設置も近いと思いますので、日本は欧米の諸国に見習って観光産業からの収入ももっと増やしていくべきであろうとも考えます。  先ほどの御答弁で、中国はもとより、韓国、タイなど多くのアジア諸国からの訪日外客数が高い伸びを示していることを確認できました。本日は韓国の李明博大統領が訪日中ですが、この際、ビジット・ジャパンのホームページに掲載されているキャンペーン対象市場及びターゲットの内容が現状と合っていませんので、更新してはいかがでしょうか。  このホームページは、韓国からは若年層と熟年層、アメリカからはシニア層と高所得者層、香港からは二十代から四十代の有所得者などとターゲットが具体的に示されています。ところが、中国からは私企業経営者、ホワイトカラー、専門職となっています。これは当時のデータあるいは経済情勢を参考にして一覧化したのだと思いますが、やはり最近の中国人観光客の訪日ぶりを見ておりますとちょっと違うと思います。  最近では、銀座や新宿、秋葉原で買物を楽しむ姿や、箱根、日光、ディズニーランドなどに向かう事例が多くお見受けいたしますので、富裕層のみならず様々な所得層や年齢層の中国人観光客が訪日していると言えます。先ほどのデータでも確認できるとおり、今や中国人は日本の観光産業にとっては大切なお客様なのです。ですから、そろそろビジット・ジャパンのホームページも近年の実情に合わせた内容に更新してみてはいかがでしょうか。  ついでですが、「ようこそ!美しい国、日本へ」のキャッチフレーズも変更の必要があると思うのですが、いかがお考えでしょうか。ビジット・ジャパン・キャンペーン実施本部の本部長国土交通大臣でありますから、御意見ありましたらお聞かせください。
  109. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) ホームページについて御意見をいただきました。  日中はやっぱりほかの国と違いまして、まだそこまで成熟していないんです、我々の受入れが。要するに行方不明になられるといかぬというようなところから、大変、五十人単位の団体旅行というところが主だったわけです。私はそれはもうないんじゃないのかなということで、できれば家族連れあるいは友達で来ていただく、そしてその場合でも添乗員を日中双方で一人ずつ付けるというと大変な負担になっちゃうんですね。これを一人にしていただきたいというようなことで、いろいろ警察庁あるいは外務省に働きかけまして、今年になってから初めて夫婦と子供さんで中国から来ていただきました。そういうことで、これからは広がっていくだろうと思います。  それで、韓国の場合はノービザなんですね。ですから、二百六十万人というすごい数で日本に来ていただいた、去年はですね、来ていただいているわけでございまして、そういうちょっと国情とかいろんな面であるんですけれども、昨年は先ほど言いましたように日中国交正常化三十五周年という佳節を刻んだわけです。したがいまして、これを日中観光交流年としようということにしまして、日本から中国には十九の都市の空港に定期便が飛んでいます。したがいまして、その一つの空港に対してほぼ千人単位で旅行客を送り込みますということを私の方から向こうの観光大臣に申しまして、向こうからは日本には十七の地方空港へ、あるいは首都もありますけれども、定期便が中国から飛んでいます。したがいまして、そこへ千人ずつというのはちょっと無理かも分からないけれども、来てもらいたいということで、いわゆる三万人の相互交流計画というものをやったんですが、これは大成功になりまして、日本からは二万四千七百人、そして向こうからは、ちょっとはっきりしないんですが一万人は必ず超えていまして、一万三千人という説と一万二千人という説がございますが、したがいまして大成功を収めることができたわけです。  そのように、いろいろ角度を変えて、その都市都市の特徴をとらえて、ある場合は、もちろん三国志に出てくるような都市もありますから、そういう歴史探訪もありますし、あるいは音楽交流とか書道の交流もありました。それから、子供さんが、千葉県の学童が上海へたくさん行かれるとか、そういうところにも私も立ち会いましたけれども、非常に着実に草の根の交流が行われつつあると。それで我々も、このビジット・ジャパン・キャンペーンやるからには、こういうものを定着をさせて、そして大人だけではなしに子供たちが行くということが、交流するということが非常に大事だということで進めているところでございます。  先ほど、ビジット・ジャパン・キャンペーン以外に、美しい自然も大賛成でございまして、日本は歴史、伝統、文化、そして美しい自然、それから食べ物がおいしいですね、そういうようなものを外国に大いに宣伝をしていきたい。それにふさわしいあれがあれば、御提案いただければ採用させていただきたいと、このようにも思います。
  110. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ありがとうございます。  次に、国際線の就航距離に関してお伺いしたいと思います。  羽田空港は国内線の、成田空港は国際線の拠点であることを基本としている政府の考え方は先ほどもお伺いしました。ですが、この羽田空港の再拡張後には、将来の国内航空需要に対応した発着枠を確保しつつも国際定期便の就航を図ることが各方面で確認されています。  具体的には、羽田空港から最も長距離の国内線である石垣島との距離の千九百四十七キロメートルを目安とした二千キロメートル圏内の国際線枠があると聞いておりますが、これはさきに述べましたように、羽田空港への乗り入れを希望する航空会社の需要に合うものなのかどうか検討の余地があると思います。いわゆるペリメーター規制ですが、国土交通省資料を参考にしますと、アメリカではワシントンDCのレーガン・ナショナル空港、ニューヨークのラガーディア空港、イタリア・ミラノではリナーテ空港など、都心に近い空港でも例外を設けて高需要路線の就航を許可しているということが分かります。  このように、世界各地のいわゆる中心地に近い空港においても需要と供給のバランスを加味したペリメーター規制を行っていることから、羽田空港の国際化に関しても同様の措置が必要であると考えますが、この点について政府はいかがお考えでしょうか。
  111. 鈴木久泰

    政府参考人(鈴木久泰君) お答えいたします。  羽田と成田の役割分担の問題も絡むわけでございますが、御承知のように首都圏の航空需要は大変旺盛でございまして、現在羽田空港も成田空港も満杯でございます。新しいプロジェクトが完成した後もすぐまた十年後ぐらいには満杯になってしまうということで、その役割分担をよく考えないかぬわけでありますが、今のところは羽田は国内、成田は国際ということで分担をしておったわけでありますが、羽田の四本目の滑走路ができますと十一万回ほど容量が増えるということで、国際も少しお手伝いできるんではないかということで、近距離国際線をまず年間三万回お手伝いしようということになったわけでございます。  その近距離の目安として、大臣が冒頭御答弁させていただきましたように、地元八都県市と私どもの協議会で、羽田発着の国内線の最長距離、羽田―石垣の千九百四十七キロというのを一つの目安とするという考え方がまず示されておりました。ただ、その後アジア・ゲートウェイ構想、昨年五月に安倍前総理の下でまとめられましたアジア・ゲート構想においていろいろ議論がなされまして、これまでの距離の基準だけでなく、需要や路線の重要性も判断し、羽田にふさわしい路線を近いところから検討し、今後の航空交渉で確定するということにされたわけでございます。  これはどういう意味かと申しますと、その千九百四十七キロという距離だけを絶対的な基準で線を引いて、その内側が全部当選、その外側は駄目ですよということにしますと、上海が一番その内側で遠いところになります。韓国は全部入りますが、中国は上海ぐらいまでということになります。北京が二千九十三キロ、台北が二千百八キロということで、若干その当選圏のすぐ外にあるわけでありますが、そこら辺までは行かないということになります。  ただ、羽田にふさわしい路線というのをきちっと選んでいく、例えば観光中心の路線などは成田から行っていただいてもいいんじゃないかとか、あるいはその需要がそれほど多くない都市は成田から行ってもらうとか、そういうことでその中を選んでいけば、先ほどの三万回という枠の中で余裕ができるかもしれない。そうすると、少し外側のところも繰上げ当選といいますか、そういうのが可能になるかもしれないという意味も込めまして、こういう考え方が示されております。  ただ、これはこれから相手国と二国間で交渉をして、合意をしていく必要がございます。そういうことで、韓国とか中国とかとまずよく話合いをして、慎重にこの路線を選んでいきたいと思っておる次第でございます。
  112. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ありがとうございます。  羽田空港の再拡張、国際化は、東京、神奈川のみならずEPA、経済連携協定などのことも視野に入れますと、まさに日本の国益に直結する重要なプロジェクトだと思います。視野を広げるならば、アジアにおいて日本がリーダーシップを発揮することができるかどうか問われているプロジェクトでもあると思います。そうした中で、この羽田空港の再拡張、国際化についての周辺インフラの整備に関しては各協議会で議論が重ねられているところですが、今のところ具体的な整備計画が示されていないのが現状であるかと思います。  しかしながら、最初に申し上げましたとおり、アジア各地では国策で拠点空港の整備が進められ、既に運用を開始しているのです。これ以上日本が遅れを取ることは、ここにいるだれもが望まないことだと考えます。この羽田空港の再拡張、国際化に伴い人の往来や航空貨物が増大し、結果として周辺インフラの交通量が増えることは確かです。確実です。  ところが、現状では東京都と神奈川県を結ぶ道路は慢性的な渋滞を引き起こし、経済的な損失を余儀なくされています。羽田空港の再拡張、国際化に併せてこの現状をどのように克服するか、まさに早急な対策が必要であると思います。  そこで、大臣にお伺いしたいと思います。  この空港と物流拠点を結ぶアクセスを円滑にするためにはインフラの整備が欠かせないと思います。この空港アクセスについて、また交通渋滞の回避策として政府はどのようにお考えか、お答えいただければと思います。
  113. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 神奈川県の羽田空港に隣接する地域を神奈川口ととらえまして、これを核とする町づくり、神奈川から羽田へのアクセス改善といった事項を含む神奈川口構想につきましては、国土交通省が主体となりまして、神奈川県知事、横浜市長、川崎市長及び国土交通大臣である私を構成員とする神奈川口構想に関する協議会というものを設置をいたしまして、検討を重ねてきたところでございます。  このうち多摩川の川崎市側と羽田空港を結ぶ連絡路につきましては、平成十八年二月七日に開催された第四回神奈川口構想に関する協議会におきまして、関係者間でその必要性について共通認識の下、引き続き幅広く検討を進めることが確認された次第でございます。  このため現在、関係者間で検討を進めるために、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市、関東地方整備局及び東京航空局を構成員とする京浜臨海部基盤施設検討会において同連絡路のルート、その構造等について幅広く検討を重ねているところでございます。
  114. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ありがとうございます。  いずれにしても、国際化に伴う必要なインフラ整備については早急に実現に移していかなくてはいけないと思いますが、その一例としてこの神奈川口構想は視野に入れていただいていると考えてもよろしいでしょうか。
  115. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) そのとおりでございます。
  116. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 五月に開催されるTICADⅣや洞爺湖サミットでも、神奈川口構想を含む国際化に不可欠なインフラ整備について政府が前向きである、是非実行に移したいと考えていることをアピールする必要性があると思いますが、いかがでしょうか。
  117. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 大臣答弁申し上げましたように、一昨年の二月七日の神奈川口構想に関する協議会で、必要性について共通認識を持って具体化を図るということでございます。今まさに委員お尋ねの、跡地をどうするかということと、このルートがどの位置であったらいいか、あるいは構造、橋にするのかトンネルにするのかというのをどうしたらいいかというのは、まさに喫緊の検討すべき課題だと思っております。先ほどの検討会の方で今鋭意詰めているところでございますので、前向きというふうに御理解いただいて結構かと思います。
  118. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ありがとうございます。  今日は、羽田空港の再拡張、国際化についての議題を通して、最初に申し上げましたように、国際交流の拡大や観光立国の推進、国際競争力の向上など多くのテーマを実施することが我が国の国益につながると主張してまいりました。  私はこれまで世界各国の空港を利用してきましたけれども、日本の空港ほどサービスが行き届いて、かつ安全な施設はないと思います。私の親しい韓国の友人は日帰りで日本でのビジネスをしていますし、やはりアジア圏内では日帰り出張も多いと聞きます。この羽田空港の国際化がもたらすアジアへの影響力については疑問の余地がないと思います。また同時に、陸海空のインフラが隣接する工業地帯は世界的に見ても珍しく、京浜臨海工業地帯の活性化こそ世界の産業を牽引する原動力になるのではないかと思います。  先日、東京港、横浜港、川崎港が統合を視野に広域連携策の検討に入るなど、港湾面での国際競争力の強化策が報道されました。この広域連携が実ると、コンテナの取扱量で世界十三位に浮上し、韓国の釜山に匹敵する規模の港湾へと生まれ変わるとのことです。このように空港と港湾については整備が着々と進められる予定となっており、物流のかなめとなるアクセス道の整備計画だけが待たれるところです。  最後になりますが、この羽田空港の再拡張、国際化に併せて、神奈川口構想の実現に向けて政府、関係団体が一丸となった取組をしていただきたく要望を申し上げ、終わらせていただきます。ありがとうございます。
  119. 西島英利

    ○西島英利君 自由民主党の西島でございます。  本日は、三点ほど御質問をさせていただきたいと思います。  昨年の現地時間でいいますと八月の一日に、アメリカ中西部のミネソタ州のミネアポリスで、市内を流れるミシシッピ川に架かる高速道路の橋が突然崩落をしたという事件がございました。これは大きく報道されましたので、皆さん方まだ記憶に新しいところであろうというふうに思います。走行中の車が多数水中に転落をして、そして橋に取り残された車両数台からも出火をしたということでございまして、テレビでも大きく報道され、死亡者も何人か出られたということで、非常に悲しい事故ではございました。  これにつきまして、国土交通省が昨年九月に、四十七の都道府県と千八百十六の市区町村が管理します一万三千百九十一か所の長さ二メートル以上の国道橋について点検結果の取りまとめを行われたと聞いております。その結果、約四割が、速やかに補修が必要な損傷等があるというのが直轄の橋梁の三九%あったと、それから、緊急対応の必要があるというものがその中でも一%、百三十本あるということでありまして、これは大変なことだなと私自身も当時思ったわけでございますけれども、この取りまとめの結果につきまして国交省の認識をお伺いをしたいと思います。
  120. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。  委員指摘のように、昨年九月に取りまとめました結果でございますが、緊急に対応する損傷が見付かったものが百橋でございまして、速やかに補修すべき損傷が見付かったのが四千七百橋、トータルが一万二千六百橋でございますので、御指摘のように約四割でございます。この四割の橋梁に重度な損傷が発生するということでありまして、橋梁の高齢化に伴って損傷の発生率が高くなると、こういう認識を持ってございます。損傷の早期発見と早期補修、こういうことで予防的な保全を徹底して寿命を長くするということが肝要かなと思っておりまして、更新の時期を平準化する必要があるというふうに考えてございます。  ちなみに、緊急対応する損傷を持った橋百橋についてはすべて補修は完了いたしました。速やかに補修する損傷四千七百橋のうち平成十九年度末で約千橋が補修をしておりまして、五年以内にこれを完了しようという計画でございます。
  121. 西島英利

    ○西島英利君 今五年以内というようなお話でございますけれども、今にぎわしております、じゃその財源をどうするのかというお話もあろうかと思います。そして、このミネソタ州のミネアポリスの事故、その後の続報を見てみますと、やはりその橋が損傷をかなり受けていてそれの修理をしなきゃいけないんだけれども、十分な予算が付けられていなかったというようなこと等も報道がされたわけでございますが、その五年計画という中での必要な予算をどういうふうに措置をしていこうとお考えになっているのか、併せてお伺いをしたいと思います。
  122. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 昨年の十一月十三日に中期計画の素案を発表させていただきました。先ほども答弁申し上げましたが、寿命をできるだけ長くするということが肝要でございますので、百年以上に長寿命化するという目標を掲げまして、今後十年間で三万八千橋について修繕や更新をペースを上げて実施をするということでございます。ちなみに、橋梁の修繕につきましては約四倍のペース、今よりも四倍のペース、更新につきましては二倍のペースで更新をするということでございまして、総額これに掛かる費用を三兆円というふうに見込んでございます。  もう一つ課題は、直轄国道は先ほどの調査の中で点検をどういうふうにしているかということも聞いておりますが、直轄あるいは都道府県の方は定期的に点検がなされておりますが、市町村の方は点検が十分でない、定期的に点検しているのが一割ということでございますので、そういうまず橋の状況を知るための点検計画、そういうものを市町村において的確に作っていただくというのが長寿命化の原点だろうというふうに考えてございます。
  123. 西島英利

    ○西島英利君 今御答弁をいただいたように、点検をしている、これは都道府県、政令市ではほぼ実施をされているというふうに聞いておりますけれども、市区町村ではもう本当に約八三%、これが実は実施をしていない状況だということも明らかになっております。  そこで、市区町村の実施していない理由を問うたアンケートの結果がございますけれども、約六五%が技術力の不足、約六二%が財政的な問題があるということでございまして、さらには約五〇%が技術者の人材不足というような、そういうような結果も出ているわけでございます。  そこで、やはりこういうものを、今まさしく財源が非常に厳しい中で市町村もかなりやっぱり人材を削減をしている状況ではないかなというふうに思うんですけれども、今のような状況で市町村にそういう点検の責任といいますか、そういうことをこういう状況の中で負わせることができるのかなというふうに私自身実は感じているところでもございます。  実は、ここに一つの資料がございまして、宮崎県のある町の報告書でございますけれども、ここはこういうふうに書いてございます。  町村、特に私たちの小さな村では、土木技術職員というのはいないのが現状であります。技術職の採用もほとんどなく、現職員の建築課の半数以上が一般事務職採用であります。職員数は減少傾向であり、現場としては事務であろうが技術であろうが三年から五年では異動しなければなりません。税務課から建設課へと異動する場合も珍しくありませんし、一人を異動すれば前任、後任と三名が異動となり、職員数が少ないからこうなっていくこともあります。  また、高卒で技術職で採用しても、実際の工事現場の理解には三年掛かりますし、安定計算を必要とする工事に至っての相当の経験と勉強が必要です。さらに、担当者は工事現場管理ばかりでなく住民の要望から用地交渉など一人で多くをこなしていかなければなりませんというようなことで、非常に厳しい状況がこの文章から読み取れるわけでございます。  そして、国、県も、市町村が発注しているのだから市町村が責任を持ってやりなさいというふうに、これはもう当然ではありますけれども、しかしこれまで述べたように、市町村では技術力が不足しているのが現状でありますと。  こういう状況の中で、さらには、財政難のために維持修繕を実施する費用というのも非常に厳しい状況が今も起きているということでございまして、結果的に、必要は認めるけれども、財政的には後回しをしなければいけないというようなことも起きているということでございます。  このように、道路財源が今後一層削減されれば、維持修繕もおぼつかないというようなことで、点検はしたけれども修理ができないという状況の中でやはり重大な事故が起きる可能性も非常に高まって、地元住民の不安も高くなってくるのではないかなというふうに思います。  このような町村の状況というのを国土交通省は把握していらっしゃるのかどうか。また、どのようにして定期点検の実施率及びその実効性を高めていけるとお考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
  124. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。  地方公共団体の状況把握でございますが、先ほど申し上げた調査の中で、委員指摘のように、技術者がいない、それから財政的に極めて難しい、そういう状況というのが把握できました。  特に財政それから技術力というところでございますが、一つは財政的支援ということで、まず計画策定への補助制度、先ほど申し上げましたように現状がどうかという点検すら行われていないということでございますので、そういう点検をして将来の維持更新計画を立てていただく、これがまず重要だろうと思います。そのための計画、点検という調査もして計画を作るという補助制度をつくっております。  それからもう一つは、実際そういう計画に沿って事業を展開するときの財政的な支援ということが次に問題になろうかと思います。  点検あるいは計画をするにしても技術者がいないあるいは技術力が乏しいということでございますので、一つは、簡易に健全度を把握する要領、そういうものを作って提供を申し上げる、あるいは、実際今やってございますが、いらっしゃる技術者に対して講習会を開いて技術的な支援をするということが肝要だろうと思っております。  いずれにしましても、たくさんの橋を予算を非常に平準化しながらもっていくというのが今からのストックが老齢化に向かう中で最も重要だと思いますので、技術的な問題それから財政的な問題、そういうものも市町村と一緒になって対応してまいりたい、それが肝要だと考えてございます。
  125. 西島英利

    ○西島英利君 今の答弁にも財政的な支援というのは非常に重要だというお話でもございましたが、これはやはり国土交通省だけではできる話ではないと思うんですね。  例えば、市町村を管理といいますか、いろんな形で支援、指導しているのは総務省が当たっておられるというふうに思うんですけれども、先ほどのそのアンケートの中では財政難のために実施できないんだと回答した市町村が六割を超えるということで、こういう状況の中で総務省としても何らかの財政的支援といいますか、それができないんだろうかと。つまり、一緒になってやらないことには、一方では確かに国土交通省指導等々があるのかもしれませんが、やはり一緒になってやらなければ、とてもとてもこういうものは前に進まないだろうというふうに思うんですけれども、総務省としてのお考えがあればお教えいただきたいと思います。
  126. 御園慎一郎

    政府参考人御園慎一郎君) 委員指摘のとおり、道路橋の定期点検について非常に市町村における実態が厳しいものであるということは私ども承知しております。また、その理由の大きな一つとして、自治体の財政問題が挙げられているという認識でございます。  市町村におきましても、道路関係事業全体が減少する中で、義務的な維持管理経費の確保にも苦慮しているという実態がここでも現れているというふうに思っているわけですけれども、一方、地方の道路関係事業の財源につきましては、道路特定財源が占める割合が約二割と低い水準にとどまっている状態でありますし、さらに、地方債を維持管理経費に充てられないものですから、そういう地方債を発行して財源を賄えない中で、非常に厳しい財政状況の中で一般財源により対応せざるを得ない中で、その優先順位の付け方に苦慮をしているというふうに認識しております。  これからも更にその道路の維持管理については重要性が高まってくるということは認識しておりますので、その道路等の特性を踏まえて、定期点検を含めた維持管理経費が充実するためには、まずは安定した地方税財源の充実が必要でありますし、また併せて地方の道路のための財源の確保が何よりも必要不可欠であるというふうに認識しているところでございます。
  127. 西島英利

    ○西島英利君 今、財源が非常に重要だということでございますけれども、今まさに大きな問題になっている部分だろうというふうに思っております。  それで、これは何も橋だけに限らず、道路関係の維持修繕費というのも当然、今後どんどんどんどんやっぱり急増していくものだというふうに思います。道路を造れば造るほど、当然補修、修繕は必要になってくるわけでございますから、この財源をどうしていくのか。そして、特にこの維持費とかこういう修繕費というのは安全確保上、何にも増してやっぱり最優先でなければならないというふうに思っております。  ですから、そういう意味での必要な道路予算というのはしっかりと確保していく必要性があるだろうというふうに思うんですが、今まさに議論が行われようとしております、参議院の方ではですね。道路特定財源関連の暫定税率廃止等々が今いろんな意味で議論になっておりますけれども、この廃止でどのような影響があるのか。広くこの国土交通行政それから地方行政に及ぶ影響について、今ちょっと総務省からも地方行政の話も出ましたけれども、幅広く国土交通省の方からお伺いをしたいと思います。
  128. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 道路は造る方も非常に長い時間が掛かります。そして、関係者が非常に多く、そしてまた費やす金額も巨額に上ります。  ちょっと一例挙げますと、前も言ったかも分かりませんけれども、今年の二月二十三日に部分開通した第二名神というものがありますが、高速道路、亀山ジャンクションから、これは三重県でございますが、から滋賀県の草津インターチェンジまで四十九・七キロが開通されました。これには十四年の歳月が掛かっておりまして、そして金額としては四千六百五十三億掛かったと記憶しております。これだけのものが掛かって、そして多くの地権者との交渉があり、またその工事を進めるにおいては多くの方々に御迷惑も掛かるわけでございまして、長い間ですね、したがって、こういうものを造るためには相当大きな安定した財源というものが要求されるわけでございます。したがいまして、これまで道路特定財源ということで、長年月にわたりましたけれども、税をそこに用意をしていただいてそしてやってきた、こういうことでございます。  また、「荒廃するアメリカ」という著者のパット・チョートさんと私もお会いする機会がありまして、お話をさせていただき、これは新聞にも要旨が掲載されましたけれども、これは民主党の衆議院議員の古賀一成さんがこの本を邦訳をされた名著でございます。この中で、先ほど冒頭触れられましたような、橋梁の老朽化によって大変多くの事故がアメリカで起こりました。それに対する警世の書でありまして、それまで公共事業投資をアメリカが削っていたわけです、道路予算を。ところが、この警世の書によって時の政府は予算を増額をするというふうに転じまして、現在はそのときの予算よりも三倍近くも伸びているわけです。  そういうことを考えますと、パット・チョートさんが私と話したときにも、「荒廃するアメリカ」を書いたときにアメリカがやっていたような政策を日本も今やっていると、これは将来大変なことになるよと。特に道路橋、橋は早く手入れをしないとアメリカのようなことが起こるということを警告をされました。  私も、そういう中にあって今国土交通大臣に拝命をしているわけですけれども、道路予算をめぐるいろんな議論がなされている。まだ必要な道路はたくさんある。私は、この道路は高速道路だけではなしに生活道路、例えば子供たちが通っている道路、通学、毎日毎日通っている道路ですら四万四千キロに歩道がないんですよ、歩道が。子供たちはその路肩を一列に並んで歩いているというのが日本の今現状なんです。それも四十人以上の学童が使っている道路ですよ。そのうち、十一万キロが使われているんですが、そのうち四万四千キロには歩道すらない、路肩を歩いている。私は、これは、この道路整備は是非進めなきゃなりませんし、また東京二十三区でも六百七十三の踏切があります。こういうものが交通渋滞を巻き起こし、また都市の環境を悪くしているということを考えますと、道路整備は、本当に真に必要な道路整備というものはまだまだ残されていると私は思うわけでございます。したがいまして、この道路予算というものを国民全体でやはりしっかり考えていかなきゃならないのが今だというふうに思います。  特に橋梁のことを取り上げていただきましたけれども、日本の高度経済成長期の昭和四十年代、五十年代に造られたものは寿命を迎えつつあるわけです。これのいわゆる道路ストックに対する維持更新費用というのは年々圧力を増しつつあるわけです。したがいまして、これから必要な道路というものを造れる期間、残された期間は、私はもうこれから十年ぐらいしかないんじゃないか、そういう危機感も覚えながら、今いろんな議論というものに参加させていただいて私の考えを述べさせていただいているところでございます。  長くなりましたけれども、道路予算というのはそういういろんな問題がある。  もう一つ付け加えれば、今の新名神を造ったことによって、三重県側で七十四の企業が出ています。それは、一つはシャープの液晶工場もそれでございます。それで、滋賀県の方は、甲賀には六十六の企業がもう進出していますよ。したがって、道路を造ることは地方のいわゆる再生、活性化には本当に決め手になるなということを感じている次第でございます。
  129. 西島英利

    ○西島英利君 先ほど、牧山ひろえ委員も羽田空港へのアクセス道路の充実のお話がございました。そういう意味では、やはりしていかなきゃいけないところというのはまだまだたくさんあると思うんですが、先日、参議院の財政金融委員会が北九州の方へ議論をしに来られました。私も実は北九州の出身でございまして、なかなか道路の整備ができていないところでもございます。しかも、非常に鉄の不況のときに、その北九州はどういう形で経済活性化図っていこうかというときに、当時の市長が国土交通の出身といいますか、元建設省でございますけれども、この出身でございまして、まあ次から次に道路、空港等々を造ってきたわけですね。その結果どうなったのかといいますと、完全に産業の転換が行われまして、今はカーアイランドといいますけれども、自動車の工場がたくさんいろんな形で来ておりますし、様々な工場の誘致が行われたわけでございます。  そのときに、その説明をした北橋現市長でございますけれども、これは前の民主党の衆議院議員だった方でございまして、やはり前市長が道路、港湾の整備に力を入れた結果であるということで、更にこれを推進していかにゃいけないということをおっしゃったというふうに、私はその場にいませんでしたけれども、そういうようなメモをいただいたところでもございます。  そういう意味では、やはりしっかりとした御決意を持っていただいて、この財源を確保していただいて、やはり特に地方は大変なんですね、経済活性化をしていくためには。だから、そういう意味での是非この強い御決意をお願いを申し上げたいというふうに思います。  次に、質問を移らせていただきますけれども、これは昨年の九月の十二日にマスコミ報道された部分でございますが、恐らく九月の十一日に国土交通省が発表された部分だろうというふうに思いますけれども、全国で災害復旧の拠点となる中央省庁などですね、もし数字が間違っていたらごめんなさいですけれども、三百九十二棟が耐震強度不足である、拠点施設以外でも百六十七棟が建築基準法上の基準を満たしていなかったということが公表されたと。例えば、北海道警察学校旭川方面分校本館及び石垣島地方気象台の強度は基準のわずか一七%であったと。このほか、海上保安庁千歳航空基地格納庫など四棟の強度は基準の二五%未満であったと。こういうふうなことで、もしこれが大震災が起きたとしたらこの建物そのものが実は倒壊をしてしまうというところで、本来のその目的といいますか、本来の機能が発揮できない状況が起きるのではないかなというふうに思うんですね。  私も、阪神・淡路大震災のときに救援隊として神戸に参りました。そのときに見たのは、神戸市市役所が三階がくしゃってしまっているんですね。それで、一番復旧が遅れたのが水道だったんですね。なぜかといいますと、そういう水道管の配置図がその中にあって、ですから、それがどうしても取り出せなくて復旧が一番遅れたというふうなことも聞いております。本来、指揮所になっていかなければならないところがそういう形で倒壊をしてしまうということであれば、やはりその地域の安全というのは私は守れないし、この万一の災害のときには役に立たないという状況も起きるのではないかなと。  早急にこの対策を講じる必要があるというふうに思うんですが、国土交通省はこういうすべての施設について平成二十七年度末までに一般基準を上回る強度にするという方針をお持ちのようでございますけれども、今後の実施スケジュール及び必要な予算をどう確保していくのかというお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  130. 藤田伊織

    政府参考人(藤田伊織君) お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、官庁施設は災害時において応急対策活動の拠点として機能しなくてはいけません。そういうこともありまして、昨年、一昨年に官庁施設の耐震診断の結果を公表させていただきまして、その上で強力に耐震化の促進に取り組むことを決意させていただいたところでございます。  国土交通省におきましては、建築物の耐震改修の促進に関する法律等に基づきましてこのような診断を行ってまた公表して耐震化を進めているところでございまして、先ほど委員指摘の、特に耐震性能が低いというものにつきまして現状を申し上げますと、北海道の警察学校の旭川分校など、予算措置済みあるいは工事中、それから工事終了というところで、私どもとしては一番耐震性の厳しいものから鋭意耐震化の促進に努めてまいっているところでございます。委員指摘のとおり、平成二十七年度末までにはといいますと少し長いスパンでございますけれども、建築基準法に基づく耐震性能を確保するということを目標としまして、特に災害応急対策活動に必要な施設から重点的に耐震強化の整備を進めてまいっておるところでございます。  今後とも、関係省庁と連携して、できるだけ早期に耐震化を進めるとともに、所要の予算の確保に努めてまいる所存でございます。
  131. 西島英利

    ○西島英利君 是非、これも速やかに対応をお願いしたいというふうに思っております。  最後に、新型インフルエンザのことについて一問御質問させていただきたいというふうに思います。  今、世界的に新型インフルエンザが大流行したらどれだけの人たちがこのインフルエンザによって亡くなるんだろうかということで試算がされているわけでございますが、日本でも二十万人近くが亡くなるのではないかということで、日本の国としても様々な対策が今立てられているところでございます。まだまだ完全なものではないということでございまして、特に国土交通省は非常に重要な位置付けにあるのではないかなというふうに思うんですね。  それは、一つには水際作戦といいますか、外国から入ってくる可能性が非常に強いわけでございますから、それに対して対応しなければいけない。それから、国内に入ってきて、そして大流行の兆しが見えたときにそれをどう防ぐのか。恐らく、これは交通機関をどうするかというのも非常に重要なことであろうというふうに思うんですね。  ところが、交通機関をどういう形で、まあ止めるのかどうかということも含めてでございますけれども、そうなったときにどうなるのかということは、何らかのやっぱりシミュレーションをしていかないことにはその中に潜んでいる課題が出てこないだろうというふうに思うんですが、少なくとも、私も今、与党のプロジェクトチームでその議論をさせていただいているわけでございますけれども国土交通省のお考え、特にこのシミュレーション、まあ東京でやるというのはこれは大変なことだろうというふうに思うんですが、どこかでやれば何らかの課題は出てくるだろうというふうに思いますけれども、これを早急にやっぱりしていく必要性があるだろうというふうに思いますので、その辺りの御見解をお聞かせいただければと思います。
  132. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 封じ込め対策を行わなければならなくなった場合のシミュレーションを事前に行っておくということは非常に大切だと思います。したがいまして、今後、関係省庁とも連携を取りながら、早急にシミュレーションの実施をすること、その方向で検討をさせていただきたいと思っております。
  133. 西島英利

    ○西島英利君 本当に国民の命の問題でございます。これが広がってしまうと本当に数十万人という規模での死亡者が出るということでございますので、是非速やかな御対応をお願いを申し上げたいと思います。  終わります。
  134. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 自由民主党の塚田一郎でございます。  本日は、道路特定財源とまた住宅金融公庫、現在の住宅支援機構の決算を主に論点として質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  まず初めに、質問の前に少し国土交通大臣にお伺いをしてみたいと思うんですが、先週、四月十六日の水曜日の本会議でいわゆる道路整備費の財源等の特例に関する法律の改正法、これがいよいよ審議がスタートいたしました。私としては、ようやく、やっと審議がスタートしたのかなという印象で本会議、聞かせていただきました。  この本会議においても冬柴大臣が法案の趣旨説明を行われ、質問答弁にも立たれたわけであります。当然、この法律案の審議は所轄である国土交通委員会で審議をされるものと私は理解をしておったわけですが、実際には、この法律が付託をされたのは財政金融委員会だということであります。これはどういうことなのかなと。私、まだ新人議員で詳しく分かりませんものですから、参議院規則第四節、常任委員会、第七十四条というのをちょっと読ませていただいたんですが、ここを読む限り、やはりこれは国土交通委員会で本来、付託されるべきものではないかなというふうに私自身は理解をいたしました。  その点について、これは国会の問題ですから大臣に御答弁を求めるということではないのかもしれませんが、やはり本会議大臣もこうした趣旨説明をされた、そんなお立場の中でどんな感想をお持ちなのか、お答えいただける範囲でお話しいただければと思います。
  135. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 国会に提出された法案をどの委員会に付託するかということは、すぐれて国会の各院におきましてお決めになることでございますので、委員もおっしゃいましたように、私の口からコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思います。  ただ、この法案は衆議院では国土交通委員会で審議をされ、私、もちろん答弁をさせていただき、そして可決してこの当院、参議院へ送らせていただいた法案でございますので、私が本会議における趣旨の説明、答弁をさせていただきました。したがいまして、参議院でも国土交通委員会で審議されるのかなというふうには思っておりましたが、これは院で財政金融委員会に付託されたということでございますから、そのままそれは受け取るべきだと思います。ただ、これまではこういうことはなかったわけでございまして、それぞれ過去に改正を行った際には参議院でも国土交通委員会で、その前身は建設委員会でございますが、付託をされてきたという歴史はあります。  いずれにしましても、地方財政、国民生活の混乱を回避して真に必要な道路整備を着実に進めるためには財源特例法案の一日も早い成立が必要であると考えておりますので、私はその努力をいかなる委員会になろうとも尽くさせていただきたいと、こういう気持ちでおります。
  136. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 ありがとうございます。本当にお答えしにくい内容をお伺いしたのかもしれませんが、お答えいただいたことに感謝を申し上げます。  その点についてはこれからまたいろいろな議論があるかもしれませんが、私は、良識の府でありますから、参議院は、余り常識を超えたような対応がまかり通るようになっては困るなというふうに個人的に思っておりますので、その点は一言申し上げさせていただきます。  それでは、質問の本題に入らせていただきます。  道路の特定財源、これ今様々な議論が国会の中でも、そして国民の中でもあります。私は地方に住む立場として、これ道路はやはり必要だというふうに思っております。しかし、その一方で、多くの国民の皆さんは道路の財源が無駄に使われていることはやはりそれは許されない、こういう気持ちを大変多く持っていらっしゃると思うんですね。ですから、国民が本当に必要な道路を造ってもらいたいという気持ちを理解していただくためにも、やはり税金の無駄遣いというのは徹底的に排除していくというスタンスで臨んでいただきたい、そんな思いで今日は質問をさせていただきたいと思います。  まず、今失効している状況の暫定税率、これが失効してどんな影響があるのか、この点についてお伺いをしたいというふうに思います。  四月現在で三十六の都道府県が道路予算の執行を保留したというふうに言われております。単に道路整備が遅れているというだけではなくて、道路歳入の、予算の歳入欠陥によって予算執行を見合わすというような、そういう影響も出ているというふうに伺っています。  それで、総務省にまずお伺いをしたいんですが、自治体の財政等についての影響、例えば今月十一日の政府・与党の道路特定財源見直しに関する合意案でも、ガソリン税などの暫定税率の失効期間中の地方の減収は、各地方団体の財政運営に支障が生じないよう国の責任において適切な財源措置を講じるというふうにうたわれております。四月分だけでも税収として地方分で約六百億円不足すると言われておりますけれども政府はこの辺についてどのように対応するのか、総務省にお聞かせをいただきたいと思います。
  137. 御園慎一郎

    政府参考人御園慎一郎君) 今御指摘ございましたように、道路特定財源の暫定税率の失効に伴いまして地方団体への影響は、地方税、譲与税全体で二兆一千億のうちの九千億が減収となりますが、これは四月分だけで単純計算しますと委員指摘のとおり六百億でありまして、今日一日という、またこれも単純計算をしますと二十億減収になっているというような状況でありますし、これだけではありませんで、地方道路整備臨時交付金七千億なりあるいは道路関係補助金五千六百億ほどがございますから、こういうものの地方への、地方はこれを前提としてほとんどの団体が本年度の予算計画を立てておりますので、影響というのは計り知れないものがあるだろうというふうに思っております。  また、こういう状況の中で、先行き不透明でございますから、今各団体がどのような対応を取っておるか、四月十五日現在で四十七都道府県とそれから十七の政令指定都市の対応について緊急調査を行いました。  そうしたところ、都道府県では御指摘のとおり三十六道府県でありますし、政令市でも十七のうち十二の政令市が何らかの事業の執行を保留するという対応をせざるを得ないと言っておりますし、さらに、都道府県でも三十六分の十一が、十一の府県、それから政令市の中で三政令市が、道路関係事業以外の事業まで影響を出さざるを得ないといったような答えを出している状況でありまして、非常に地方公共団体、不安な状態の中にいると思います。  言うまでもなく、四月十一日の政府・与党の取扱いでも記載されておりますが、私ども大臣が三月三十一日に、今委員お述べいただきましたように、各地方団体の財政運営に支障が生じないように、国の責任で適切な財源措置を講じる必要があると考えているというメッセージは出したところでありますが、なるべく早くこの中身を私どもとしても具体的にお示しをしたいと考えておるところでありますけれども、ただ、具体的な対策を決めるということになりますと、暫定税率の失効による影響額が幾らになるのかとか、それから、今申し上げました補助事業なり直轄事業の取扱いがどうなっていくのかというようなことを見極めないとこれは対策を立てられませんので、そういうものを見極めながら財務省と相談して、その具体的な内容について地方の意見も十分尊重しながら検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  138. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 今お話があったとおり、財源がこれからどこまで不足をしていくのかがまず見えないとなかなかきちっとした対応もできないというような御指摘なんだと思いますが、それは当然のことでありまして、しかし、やはり地方はもう毎日財源不足、これは起きているわけですし、もう失効してから時間がたっているわけですから、仮に今後これが戻るとしても、もう過去の分については財源は戻ってまいりません。したがって、何らかの形で、一か月間であれ、この財源については手当てをしていただかないと地方としては大変困ったことになるということだと思うんですね。  そこで、お伺いをしたいんですが、財務省にお伺いをしたいんですが、このような税収減を政府として財源措置を講ずる場合にどのように財源を担保するのか。例えば、場合によっては建設国債を発行するような事態になるのか、国の厳しい財政の中でどういうふうに今財務省としてお考えなのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
  139. 遠藤乙彦

    ○副大臣(遠藤乙彦君) お答えいたします。  暫定税率を維持できなければ、国、地方の平成二十年度予算におきまして二・六兆円の歳入不足が生ずることは御指摘のとおりでございます。もしこういった事態になれば、道路予算を減らすか、あるいは社会保障や教育を含む道路以外の予算を減らすか、公債を増発するかによらざるを得ない状況になるわけであります。  しかしながら、こういった事態になった場合、道路予算削減による場合には、国におきまして地方に対する交付金等を維持しますと、直轄事業につきまして維持管理を除きましてすべての建設事業を凍結せざるを得ません。また、その他の予算を削減する場合には、社会保障給付や教育など国民に対する行政サービスを低下せざるを得ず、極めて深刻な事態が避けられないわけであります。また、国、地方を合わせた長期債務残高が現在七百七十八兆円になると見込まれる中にありまして、公債の増発は将来世代に更なる負担を負わせることになりますので、こういったことはいずれの対応も極めて困難と言わざるを得ない状況にあるわけであります。  政府としましては、こうした事態を避け、財政健全化に向けた着実な取組を進めていくためにも、暫定税率を維持することが是非とも必要とまずは考えております。  なお、暫定税率の失効によりまして日々財源を失う状況に今あるわけでありまして、失効期間がどの程度になるかによって大きく状況は変わることから、現時点でどのような対応をするかを申し上げることはできないわけでありますけれども、まずは一日も早い成立を図ることにより、減収額を極力小さくすることが重要であると考えております。
  140. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 ありがとうございます。  道路の予算をなくしてしまうということ自体が地方は困るわけですけれども、それによってまたほかの予算に影響が出るということはもっとこれは大変なことだと思うんですね。地方自治を運営していらっしゃるお立場では、これはどの自治体も同様だと思います。  しかしその一方で、国が穴埋めをするからといって、七百七十八兆円ですか、今借金がある中で、これをまた建設国債等に依存をしていくということは、財政の均衡を何とか保っていこうという流れの中で私は非常に逆行することで、それはやっぱりやってはいけないことだというふうに思います。  この前新聞に出ていましたが、財務省は十八日に、地方財政の健全さを測る実質公債費比率を国に当てはめると、国の場合八〇・四%になると。これは北海道夕張市が三八・一%ですから、もうとても比較にならないほど国の財政の状況は今既に悪化をしていると、地方自治であればもう破綻をしているような状況だということでありますから。もちろん、単純に地方の財政力指数と国のものは比較をできないのかもしれませんが、いずれにしても、こういう状況の中で、私は、そういう建設国債に頼らざるを得ないような状況にならないようにきちっと何か対応をしていく、それにはやはり暫定税率というものを復活をさせていくということは重要な要素だというふうに思っています。  次に、国土交通大臣に今度お伺いをしたいんですが、同じようなことでありますが、これが地方に、財政面だけでなく、道路整備の遅れもさることながら、いろんな雇用への悪化も含めて、建設業界もそうでしょうし、いろんなそこから波及する経済そのものへの影響が大変に出てきていると思うんですね。今般のその失効の影響をどのように国土交通大臣としてとらえていらっしゃるのか、御説明いただければと思います。
  141. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) もう言い尽くされておりますが、この二・六兆円の減収ということが大きな波紋を広げております。  去る十七日に、日比谷公会堂で市町村長を中心とする会合がありまして、私も呼ばれて出席をさせていただきましたけれども、これは僕は、あの日比谷公会堂、何回も行きますけれども、見たことがない、本当に立錐の余地がないほど入っていました、熱気に包まれていました。そして、その人たちは暫定税率復帰を求めるということで大変なことでございまして、その中で、代表のあいさつとかいろいろな人のあいさつの中に、先ほど総務省から発表がありましたように、四十七都道府県の四分の三に当たる三十六の府県ではもうこれを受けて道路の執行停止をせざるを得なくなっていると、あるいは、それを進んで、他の福祉や教育まで一部止めるというようなところまで出ているというようなことが述べられまして、本当に大変なことだというふうに思っております。  それで、私の方には全国の建設業組合の方からも、これを止められますと、現在百十七路線七百三十八か所で直轄工事を行っておりますが、これが継続している部分は今若干残っておりますが、これ止まるんですね。そうすると、次のものがなければ我々は本当にもうやっていけなくなるという建設業あるいは土木業の団体から私の方に強い申出がありまして、一日も早く事態を解決をしてもらいたい、もらうべきであるということを私には申してこられているわけでございます。  そのほか市民レベルでも、私の方に多くの署名簿を持ち寄りまして、自分たちの道路ができる可能性が出た直前にこういうことが起こるのは誠に残念だと。これは必要な道路は何としても造るべきである、造ってほしい、造らなければならないという強い要望も日々受けている次第でございまして、これが私の感覚でございます。
  142. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 ありがとうございます。  建設産業の皆さんは今非常に肩身の狭い思いをされているんじゃないかと私は思うんですね。建設産業に対していろんな誤解があるように思われます。私は、やはり税金の無駄遣いが非難されるべきであって、それを道路予算に使うこと、あるいは建設産業の皆さんが産業としてきちっと自立できるようになることというのは、これは少し違う議論で考えていかないといけないんではないかなというふうに思っています。  例えば、道路のことだけじゃないんですけれども、災害が起きたときに、大変にやはり建設産業の皆さんというのは頑張っていただくんですね、復旧復興で。私の場合、地元が新潟県でありまして、もうこの三年足らずの間に、大変不幸なことに二度の大きな地震に見舞われました、中越地震、中越沖地震と。こういう状況になると、本当に自衛隊の皆さんにも、これはもう大変なお力をいただいて救援をしていただくわけですが、やはり壊れたふるさとの地を再建するためには建設産業の皆さんに本当に頑張っていただかないといけないわけです。ですから、そういう点も含めて、やはり必要な道路は造ってもらうということもそうですし、建設産業も一つの国を支えていただく有効な私は産業だと思いますので、こうした皆さんのこれからのこういう暮らしについてもきちっと考えていくべきだというふうに思っています。  そうはいいながらも、また本論に戻るわけですが、かといって道路財源の税金の無駄遣いはやっぱり許されるべきじゃない、これもきちっと徹底して解明をしてメスを入れていただきたいというふうに思います。  国交省でもそうした方針を踏まえていらっしゃるというふうに伺いますが、実は今月十一日に、政府・与党としても道路特定財源見直しに関する合意案をまとめております。この細かい内容については申し上げませんが、この中の合意に沿って少し御質問をさせていただきたいと思うんですが、合意案の中に、道路中期計画は五年として、最新の需要推計などを基準に新たな整備計画を策定する、もちろん、必要な道路は着実に整備するという文言も盛り込まれているわけですが、これをどのように受け止めていかれるか。  例えば、総事業費、平成二十年から十年間で五十九兆という道路整備中期計画の案によると、やはり今までの国会の審議であったとおり、最新の道路推計が使われていないんじゃないかと、中期計画の積算根拠がやはりちょっとあいまいであるんではないかという指摘もありますし、事業採算の前提条件である費用収益分析の積算基準が不適切であるんではないかというような指摘もあります。  しかし、やはり本当に必要な道路は着実に整備をしていくという視点に立つと、こういう流れの中で、国民の前にもっと明らかに必要な道路の基準というものをしていっていただく必要があるんではないかと思いますが、この点についてどのようにお考えになるかお話しいただきたいと思います。
  143. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 四月十一日の政府・与党決定というものを時系列的に整理しますと、その前文は、二十年度については租特も道路整備の財特の方も早急に成立をさせるということがうたわれております。それが一番最初に来るんだろうと思うんですね。  そして、そこと競合して、要するに、無駄遣い、委員がおっしゃった無駄遣いは徹底的にこれは排除するということ。  そして、その次に、今年度の税制抜本改革において、道路の特定財源制度というものを見直しというか廃止をして、そして来年、二十一年度から一般財源化するということがうたわれているわけでございます。その際に、必要と判断される道路は着実に整備するということもうたわれております。  そして、暫定税率につきましては、野党の御意見も入れながら、そしてその使い道等も配慮するわけですけれども、しかし、今の環境問題とか、あるいは地方、国の道路の問題というものを十分に考慮しながら、その税率についてはそこで決定していくということも書かれていると思います。  そして、その次に、今言われたように、この道路の整備計画を今、中期計画として、私どもは昨年の十一月十三日に道路中期計画として、今後十年間に整備すべき道路というものの姿を国民に広く示しまして、そしてタックスペイヤーに払っていただく、十年間ですね、暫定税率を含む税を払っていただくこと、これは負担でございますから、それに見合う受益の姿というものをそこで示したわけです。これには、本当に今後、整備していこうとすれば、もう百兆円を優に超えるものが必要になるんです。  直近の平成十五年から二十年までの道路整備のボリュームは三十八兆と決められておりました。したがって、十年に延ばせばこれは七十六兆になるんですね、七十六兆に。それを我々は厳選して六十五兆というふうにして示したんですけれども政府それから与党のいろんな検討、財務省の検討とかで、そのおおむね一割を削って五十九兆を上回らないものとするということにされたわけです。  したがいまして、その枠組みの中で、我々としてはいろんな点で合理化あるいは集中と選択というものでこれを実現していこうとしていたわけですが、今回の決定によってこれを五年間ということになりますと、本当にどれを選んでいいのか、これから作業は進めなきゃいけません。  それから、最新のデータでもう一度見直すということは、私も、参議院のこれは予算だったと思いますけれども約束をしました。工事中のものも全部BバイCを取り直すということも約束しました。  このBバイCも、実は、平成十一年の交通センサスというもので十四年の将来交通需要予測というものをデータに道路の中期計画を作っているわけですね。BバイCはそれでやっているわけです。それは古過ぎるじゃないかという議論がたくさんありました。しかしながら、昨年の十一月十三日が最終でございますが、それを作るために用いなければならないデータというのはそれが最新だったわけです。その後、平成十七年に交通センサスはやっていますけれども、これはそれに基づく膨大な作業の結果、その将来交通需要予測が出てくるのは今年、平成二十年の秋以降になるんです、秋以降に。したがいまして、これに基づいてこのBバイCを取るとするならばそれ以降になります。  もう一つ、BバイCをつくる、何を便益と見るかという一つのもの、いわゆるBバイCの取り方、それについても平成十五年の基準でやっておりますので、五年たった二十年、この秋には改めたいと思っております。もう今学者にもいろいろお願いして作業に入っているところでございますが、そういうものを用いて今後五年間にどれだけのものをするかということになってくるわけでございますが、大変困難な、ちょっとその見当も付かないほど困難な作業が待っているような気がいたします。  というのは、いろいろ、どの道路が不要と言えるのか、これはだれも言えないですね。真に必要な道路という言葉は何ぼでも言えます。しかしながら、セレクトしてこれは造らなくていいという道路はどこなのか。それぞれ選挙区持っておられますよ。委員も新潟県の中で、今挙がっている道路の中で、中期計画の中に挙げてありますよ。どれをカットしますか。そういうことを考えたときに、非常に困難な作業になりますが、約束約束ですから、その時期になれば、これはまだ来ていませんよ、時期は、来ていませんけれども、そうなれば我々は困難だということで作業を放擲するわけにはまいりません。  いずれにしましても、これは我々国土交通省だけじゃなしに、政治家全部あるいは日本国民全部が考えなきゃならない重大な問題じゃないでしょうか、私はそういうふうに思います。
  144. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 ありがとうございます。いや、大変に重要な御指摘でもあると思います。  やはり地元に帰ると、道路が必要だという声は圧倒的に多いですね、これはもうどこに行っても日本全国一緒だと思うんですが。その中で、限られた財源の中で道路を造っていかなければいけないという、これは難しい二つのテーマだと思うんですが、やはり何とかそこを、できる限り予算の執行の仕方とかそういった点も考えながら、今の状況の中でも御苦労あると思いますが、これからも国民が理解を得られる道路予算というものを目指していっていただきたいなというふうに思います。  次に、改革の具体的な内容について、道路関係公益法人等の見直し、これは非常に重要なテーマであります。  例えば、その道路財源、今地方の少しでも道路を造らなきゃいけない、こういうものの財源を捻出するについても、やはり削れるところは削っていくということですから、ここは不要じゃないかというところには大きくメスを入れていただいて、ずばっとやっぱりやっていただきたい。平井副大臣は、今朝、テレビでも道路財源のことで大変にそういう意味ではアピールをされていたんだと思いますけど、私もテレビ見させていただきましたが、そんな意気込みも踏まえてちょっと御答弁をいただければと思うんですが。  国土交通省所管の五十の公益法人、十八年度の支出額が約六百七十三億円に上ります。これまでの内部留保が総額が五百五十億円ということであります。内部留保三〇%超だけでも結構な数字になるわけですが、全体像としては五百五十五億円、三〇%超でも百二十四億円というふうに言われています。また、この公益法人常勤役員数百七十名の中で百二十八人が国交省OBで占められているというようなことの指摘もあります。  与党は、道路特別会計からの支出の適正化、効率化を図る観点から、四月三日に先ほど申し上げた見直し案を出しています。その中で、道路関係公益法人道路整備特別会計関連支出の無駄を徹底的に排除するということをうたっているわけです。  まず、その中の指摘の一つに、道路特会からの支出を半減以上削減できるんじゃないかというようなポイントがあります。例えば、委託調査研究業務を始めとして、あらゆる支出をゼロベースで洗い直して削除できるものは削減をしていく必要があると思うんですが、この点についてどのようにお考えになっているか御説明いただきたいと思います。
  145. 平井たくや

    ○副大臣平井たくや君) 今度のこの改革プランの案のベースは、やっぱり道路特会から公益法人に行くその支出を削減することによって公益法人の改革を加速させると。人も減らすし給与も下げるというのは、そのパッケージで進めないと、実は国土交通大臣の権限だけで法人の解散というのは容易にできるものではないということが分かったんです。ですから我々は、今回の改革プランは、トータルで一番その結果が出るような方向性に持っていこうということで取りまとめさせていただきました。  今、委員質問の六百七十三億円の削減についてですが、これはまずあらゆる支出をゼロベースで見直し業務見直しによる支出の取りやめ、次に民間企業の参入可能な分野を分離発注するなどの民間移行の促進をします。また、この分離発注とかというのも、今まで役所に必ずしも的確なノウハウはなかったので、そういうものも今回はできるだけ整理をして整合性を持たせたいというふうに思っています。そしてまた、業務内容の徹底的な見直しによってコスト縮減をしたいと思います。  これらの措置だけではなく、これまでの特命随意契約企画競争などの競争性の高い契約方式に移行し、多数の民間企業が参加可能となる環境整備等により民間企業の参入をできるだけ促進をしていこうと。これはそっちの方向へ、完全に方向性としては一般競争入札の方へ向かわせようということであります。  こうしたものを全部取り組めば、平成二十二年度までに道路関係公益法人への支出のその半額以上の大胆な削減ができるはずだと我々が考えています。
  146. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 ありがとうございました。  今、御説明の中にも一般競争入札を視野にということなんですけれども、次の御質問がまさにその点で、非常に、先ほどの議論にも出ていたんですけれども随意契約も含め契約がどうなのかなと、競争性が疑問がある点が大変に多いわけですね。この点をどれぐらい例えば具体的に、今の状況の中でより競争力のある入札制度に見直していけるような見通しで今考えられているのか、それをちょっと御説明いただきたいと思います。
  147. 平井たくや

    ○副大臣平井たくや君) 契約の適正化につきましては、昨年の十二月二十六日に、大臣の方からの指示で、応募要件見直し民間参入の拡大を図ること、公募方式は限定し企画競争などより競争性の高い契約方式に移行すること、第三者機関の監視対象を全品目に拡大し、特に今後一者応募のものは重点的に監視すると。つまり、実際やってみて一者しか応札がないというようなケースがあって、そのことをやっぱり徹底的に検証した上で、ではどうするかという対策を考えていかなきゃいけないということであります。  これらの改革措置は、絶え間ない改善を図りながら、いろんなことをフィードバックさせながら進めていかなければならないと思います。そのために、今回の改革案のいろんな措置をフォローアップしていくということが実は非常に重要だと、そのように大臣からも指示を受けている次第であります。  そのフォローアップをするという中で、特に第三者機関のチェックというのも非常に重要だと思います。ですから、そのようなことをこういう作業の流れの中に入れていきたいということと、もう一つは、発注計画の事前公表を始めとする情報提供の充実や民間事業者への業務説明、応募要件の設定等に関する意見募集など、民間の方々との情報のやり取りを更に増やしていきたい、そのように考えております。
  148. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 ありがとうございます。  是非、やはり結果が現れてこないと掛け声だけではということになってしまいますので、その点、平井副大臣を中心に大変に今取り組まれているということに対しては理解をしておりますが、やはり国民にとってきちっと理解できるような改革の進行状況を示していっていただけるようにこれからも頑張っていただきたいというふうに思うんです。  引き続きになりますけれども公益法人に関しての与党の提言の中に、例えば総人件費の抑制、あるいは三〇%の基準にこだわらない内部留保の徹底的な見直し、また法人ごとの組織形態の見直しなど厳しい指摘も当然あるわけですが、こういったことについて具体的にどのように対応されるのか、御説明いただきたいと思います。
  149. 平井たくや

    ○副大臣平井たくや君) 我々は、委員指摘の四月八日の与党からの申出を重く受け止めまして、また外部有識者の皆様方にも相談をさせていただきながら今回の最終報告を取りまとめました。  その中で、外部の皆様方からもいろいろ御指摘を受けながら我々が最終的な結論に至ったのは、まず、総人件費の抑制に関しては、やっぱり六十歳を超える国家公務員出身の役員給与に関しては減らしていかなきゃいけない。どのぐらい減らすかという基準に関しても、やっぱり年齢との見合いとかいろいろあるんです。その法人の財務状況とかいろいろある。しかし、世間相場からいえばみんな高いというふうに思われているわけで、その辺りのところをできるだけ透明性を上げていきたい。ですから、各法人理事には三割から五割削減した。公務員国家公務員出身の役員に関しては給料を公開しろということを我々が要望させていただいています。  そういう中で、全体の人件費は抑制される。それはなぜかというと、今回は、常勤、非常勤の大幅な定数の削減もさせていただいています。これは、つまり国土交通省からの天下りを三分の一にするという同じ枠組みを当てはめたまま、実は理事も削減をしていくということなんですね。ですから、天下り先はそれで随分私は減ると考えています。  この人件費の問題はそういうことで各理事の皆様方に頑張っていただくようにお願いをするとして、内部留保に関しては実はいろいろな考え方があって、この三割という基準が導き出されたときも、これは統計的なデータで三〇%以下が望ましいということだったんです。それを八月までに改善しなさいということだったんですが、この十二月から公務員制度改革は更にこの五年間を掛けて大幅に変わっていく中で、内部留保というものは三〇%というものにこだわらず我々は中身を徹底的に検証しようというふうに考えております。午前中の委員会でも大臣答弁されておりましたとおり、国に返してもらうということを基本線に考えていきたいというふうに思います。  また、組織形態の見直しに関しては、これは解散とか合併とか非公益化法人、また民間会社、株式会社化とかいろいろあるんですが、今回の要するに我々の作ったプランはいつまでにやるかということを決めています。ですから、その期限を絶対に守ってもらうということを常に我々は監視すれば、必ず彼らが自らその一つの方向性を自分で決めていただけるというふうに思っています。  この案は、特に道路関係の支出のある公益法人に関しては、与党の申入れをもう十分に反映させたものになっていると思いますし、特に厳しい改革案になっていると私は思います。
  150. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 ありがとうございます。  特に人件費については、よくある話ですけど、組織が変わるたびに幾つも退職金が支払われたりとか、大変何度もこの決算委員会でも指摘があるような状況があるわけですね。どこまで国土交通省としてそういったものをきちっと削減できるのか、なかなか難しい点もあると思いますが、やはりそういう方向性をきちっと示していくということが大事だと思いますから、国交省OBの方は、そういうような点も含めてやはり総人件費については特に私は頑張っていただかなきゃいけないのかなというふうに思います。  また、三〇%にこだわらないで内部留保を徹底的に見直すというのはこれは大変に結構なことですので、是非その点も国への返還ということを明確に今お話をいただいていますので、大臣からも、推し進めていっていただきたい。  三番目の、法人ごとの組織形態の見直しに若干関連するんですが、いろいろ公益法人を見ていると、特に建設弘済会の関連団体というのが非常に内部留保的にもそれぞれ内部留保を、金額は具体的に一つ一つ申し上げないまでも持たれていますし、内部留保に限らず、この公益法人というのは非常にいろんな意味でデータ的にも目に付くのかなというふうな感じがあります。  具体的にこうした全国にある建設弘済会についてはどのように見直しをされるというふうに考えられているのか、御説明を願います。
  151. 平井たくや

    ○副大臣平井たくや君) 実は、この建設弘済会の問題は我々にとって一番やっぱり悩ましい問題でもあります。というのは、元々国がやっていた業務を大幅にアウトソーシングした結果、ここにいろいろな業務がたまってしまったと、しかもそれが現場に近い業務が多くなってしまったということで、ここをある日突然全く機能しない組織にしてしまった場合、言わば国土交通省の現場が回らないというようなリスクも実はあるんです。  そういうことも考えながら、今回は営利を目的とする株式会社か営利を目的としない一般社団法人の方向で考えてもらって、そして民間の会社と同じイコールフッティングでこれから国土交通省の仕事の競争入札に参加してほしいというふうに考えています。  しかしながら、これよくいろんな方々言われるんですけど、今度株式会社になると、それは創業型天下りとかという用語もあるようで、そんなふうな形になって、一体どの形が一番いいのかというような議論もこれから詰めていかなきゃいけないんですが、まず一番我々が考えているのは、完全に国土交通省とは切り離して、完全な民間のところでやってもらいたいというような気持ちであります。  そのためには、平成二十年度において、非公益法人化の前提となる資産の棚卸しや時価評価、本当に出資者や譲渡会社が見付かるか、業務体制や雇用が確保されるかといったことを検討しながら、株式会社化の実現性について総合的に検討をしていこうということであります。今言ったいろいろな作業を全部含め、また所要の手続を経て、平成二十二年度中に移行を完了したいと考えております。
  152. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 株式会社化も視野にというのは、私は大変に踏み込んでいただいているのかなと思います。いろんな問題点は当然あるんでしょうけれども、そこをやはりやることが改革でありまして、目に見える形で変化を出していっていただきたいという思いで是非その点も頑張っていただきたいなというふうに思います。  一応道路の話は大体こういう形ですが、最後に道路の改革に関して、やはり今回思い切って国交省が改革の最終報告を出したということは、私大変高く評価できることだと思います。ただ、問題は、やはりそれをきちっと実行をしていただくという結果を出していくということが一番やっぱり重要なことなので、これがきちっと、決意を国土交通大臣、当然冬柴大臣は不退転の決意でということだと思うんですが、その点の、本当に今回のこの最終報告を着実に結果につなげていくという大臣の決意をお聞かせいただきたいと思います。
  153. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 一応最終報告を出させてはいただきましたけれども改革本部をそのまま存置する、存置したいということで合意をいただいたわけでございます。  そして、この案を作るについては、第三者、いわゆる学識経験者の先生方にお世話になったわけでございます。五人の立派な先生方でございまして、こういう方々にも、御面倒だけれども、今回も短期間であるにかかわらずここまでやらせていただいたのは、本当にお忙しい中をいろんな知恵をいただきました。それを、今後これがどういうふうにでき上がっていくかを見届けるために、これを、改革本部は存置することを決めたので先生方も何とか留任をお願いしたいということを申し上げまして、御快諾をちょうだいいたしました。  したがいまして、今後は、私どもがこの報告国民にさせていただきましたけれども、これを着実に実行していくというものを見届けながら、適時国会にも報告をさせていただき、御批判もちょうだいしながら、いいものにしていきたいというふうな決意でございます。
  154. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 ありがとうございます。大臣の不退転の決意を示していただいたんだというふうに思いますので、是非頑張っていただきたいというふうに思います。  続きまして、もう一つの論点であります住宅金融公庫、住宅金融支援機構についての決算についての御質問をさせていただきます。  住宅金融公庫は、昨年四月一日から独立行政法人住宅金融支援機構となり、国が継承する資産を除き、公庫の権利及び義務は独立行政法人に継承されました。  公庫の最終の決算は十八年でありまして、この状況を見ますと、繰越欠損金が百九十二億円に上っています。これは、十七、十八両年度の融資金利、調達金利の差とか、保険事故、債券発行の諸費用等によるものというふうに説明をされているんですが、前年度比で、七十七億円ということで百十五億円もの増加をしていると。これはちょっとどうなのかな、問題があるんではないかなというふうに思われます。また、一方で公庫のリスク管理債権を見ると、三兆三千八百七十四億円、これも貸付金残高及び買取り債権残高に占める割合が七・四%と高い水準だと思われます。  このような財務状況、いわゆる今の住宅支援機構の財務状況についてどのようにお考えになるか、お聞かせをいただきたいと思います。
  155. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) まず、御指摘住宅金融公庫平成十八年度の決算におきまして、委員指摘のように、繰越損失金が七十七億円から百九十二億円に増えております。  原因でございますが、これもまた委員が御指摘になりましたが、現在の住宅金融支援機構、過去、住宅金融公庫の時代にもやっておりましたが、証券化支援事業が柱でございます。この証券化支援事業と申しますのは、当初の証券化をする際の発行費用、これが膨大になります。その回収は、その後の金利収入でカバーされます関係上、当初はいわゆる損失金が多く発生している、これがメーンの理由でございます。  しかしながら、平成十七年に比べまして、十八年度の短期の損失金は、十七年度、百十五億円に対しまして八十九億円と減少している、こういったことでございますので、今後、金融支援機構の業務の効率化、あるいは主要な事業でございます証券化支援事業の的確な実施、こういったことを通じてこの財務状況の改善に努めてまいりたいと思っております。  もう一点のリスク管理債権でございますが、これ、住宅金融公庫が公的な金融機関であるために、いわゆる会社が倒産する等のケースにおいてかなりきめ細かな返済困難者対策をします。そういったことがある関係上、いわゆる貸出条件の緩和債権が非常に増えて、その結果として、今委員指摘の七・四二%となってございますが、この返済困難者対策も平成十五年がピークでございまして、経済状況もあったかと思いますが、平成十五年は実に三万六千五百七十件、こういった件数で各消費者の状況に応じて貸出条件を緩和したわけでございます。その数値も年々歳々減ってまいりまして、直近の平成十八年では一万四千件余でございます。  経済状況が大きく影響するわけでございますが、住宅金融支援機構の公的金融機関としての任務と、一方で、こういったリスク管理債権が増えることについての懸念、こういったことのバランスを取りながら注視してまいりたいと、こう考えております。
  156. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 独立行政法人といえども、やはりリスク管理体制がきちっとできているということは当然不可欠なことでありまして、民間の金融機関であれば、常にROEというか、リスクをどれぐらい持っているのか、これは不良債権問題が大変大きな問題となったわけでありまして、日本の金融機関にとっては。こういうことはやはり常にチェックをしていただいているわけですから、当然その辺についてはくれぐれも、政策上のいろいろな特性はあると思いますけれども、特にこのリスク管理債権というのは不良債権化してしまうリスクがあるという債権なわけですから、その点についてはよく注視をしていただきたいと思いますし、繰越欠損がいろんな理由はあってもどんどん増えていくなんということがあってはいけないわけですから、その辺はよくマネジメントしていただくように御指摘させていただきたいというふうに思います。  もう一点、整理合理化計画における住宅金融支援機構の在り方についてなんですが、昨年十二月の閣議決定で、独立行政法人整理合理化計画によると、住宅金融支援機構については、証券化支援業務見直しのほか、法人形態の見直しに関して、特殊会社化も含め機構の在り方を検討し、二年後に結論を得ることとされているということであります。  二年後に結論を得るということは、ちょっとやっぱり先送りされているんではないかなという感もあるわけですけれども、この間、政府の中でもいろいろなやり取りがあったと思うんですが、その点も踏まえて、そういった経緯も踏まえて、こうした問題は先送りにされているのかどうかということについてどのようにお考えになるか、御説明いただきたいと思います。
  157. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) 御指摘の住宅金融支援機構につきましては、昨年末の合理化計画の中で、ちょっとかいつまんで申し上げますと、環境対応住宅政策の推進、住宅の耐震化、高齢者、子育て世帯等の社会政策的な配慮などの新たな住宅政策の方向性を踏まえて、特殊会社化を含め機構の在り方を検討し、二年後に結論を得ることが定めてあります。  この計画は、行政減量・効率化有識者会議などにおける議論、あるいは政府内における調整を経た上でまとめられたものでございますが、そういった議論の中で、私どもとしましては、独立行政法人が特殊会社化すると、懸念事項として、市場からの資金調達コストが上がる、結果としてお客様にお貸しするローンの金利が上がるんじゃないか、これが一点ございます。  もう一点は、独立行政法人という仕組みの中で証券化支援をしていることが一つの原因で、細かくは申し上げませんが、先ほども議論のありました返済困難者対策、こういったものについても機動的に対応できる、そういったことができなくなるんじゃないか、こういった話をしまして、それでは、そういったメリット、デメリットを十分検討して、二年以内に、可能性としては特殊会社化も否定しないで、その中でしっかりと議論しよう、こういった整理をしてもらったわけでございまして、私どもの理解としては、決して先送りではなくて、様々な議論をきちんと整理して、本当に国民のためになる住宅金融支援機構の在り方を検討する時間をちょうだいしたと、こう考えております。
  158. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 環境対応住宅政策の推進、住宅の耐震化、高齢者、子育て世帯等の社会政策的な配慮などの新たな住宅政策の方向性を踏まえてと言われると、そうだなと思うんですが、それが本当の理由なのかなという点もやはりあるわけでありまして、そういった点、大臣、どうなんでしょうか。これは当然、そういういろんな理屈があって、いろんな理由があって、今二年間見直しを考えさせてもらっているということなのかもしれませんが、特殊会社化も含めて、やっぱりきちっとした結論を早めに出していただきたいということもやっぱりあるわけで、その点について大臣の御所見をいただきたいと思います。
  159. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) まず、固定金利制ということを慫慂するためにはこういうものが必要である、私強く総理にも申し上げました。  それと、余り朝令暮改されると、この支援機構としたのが去年の四月ですか、それをまたやると、これ約その間に三兆円ほどの証券を発行しているんです、債券を。だから、それをすぐやるというのはどうなのかなということと、それから、ここは、先ほどリスクの話がありましたけれども、住宅ローン債権というのはすべて担保が入っていますね。そして、借主が亡くなっても生命保険まで入っているんですよね。ですから、比較的きちっと堅実にそのようなものは返済されることが期待されるわけですね。そういうものをこの支援機構が買い取りまして、そしてそれをすぐそのまま売るんではなしに、自分の方に留保しながら、この支援機構そのものが証券を発行して市場に売るんですね。これは、ですから大変信用度が高くて、アメリカのスタンダード・アンド・プアーズがスリーA付けていますよ。  したがって、この調達金利は十年物の国債に若干毛が生えた程度のもので資金が集められているんですね。したがって、そういうもので、例えば総理のおっしゃいます長くもつ二百年住宅ですか、まあ二百年までいかなくても、五十年のローンは我々が組むことができると思うんです。しかも固定金利でやれる。一般の銀行は変動金利が原則ですよ。借りる方にとっては、自分の将来のいわゆる所得とかそういうものは見通すのはなかなか困難ですね。そういう中にあって、固定金利でしかも低利であるということは非常に有り難いわけですね。今三十五年物というのを出していますけれども、こういうことができるのは、こういういわゆる住宅金融支援機構という形を取っているからできるわけであって、株式会社にしてしまえばこれはできないですね。  私はそういう意味で、先ほどいろいろなことを申しましたけれども、具体的に言えば、これからサラリーマンが住宅を建てるときにも、長期でしかも金利が固定金利であるということは非常に有り難いですね、低利であるということも有り難いですね。そういうことと、それから、申し上げましたように、国がここで関与した形がちゃんと残っているということも非常に信用を高めていると思います。私はそういうことで、踏まえながら、どういう形がいいのかを、残された日にちは短いんですけれども、二年以内に考えて、国民が安心できるような、そういうものをここで残していきたいなと、そういうふうな気持ちでおります。
  160. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 ありがとうございました。  時間になりましたのでこれで質問を終わらせていただきますが、引き続き道路の問題も含めて大臣に頑張っていただきたいということを申し上げて、終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。     ─────────────
  161. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、加賀谷健君が委員辞任され、その補欠として舟山康江君が選任されました。     ─────────────
  162. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。  ちょっと風邪を引いておりましてお聞き苦しいかもしれませんが、御容赦いただきたいと思います。  最初に、国土交通省の談合、課徴金の国庫納付につきましてお聞きしたいと思います。  風邪を引いて声が出ないので、済みません。  十八年度の会計検査で、本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項といたしまして、談合があった場合の違約金等に係る国庫補助金の国への返納が指摘されております。これは、平成十四から十八年度の五年間、二十都道府県が発注しました国土交通省所管事業三十事業のうち、十九年三月時点で談合の事実が確定しました千八百五十九工事、契約額計約七百二十億円、国庫補助金三百三十六億円を対象としたものでございます。  これらのものについての違約金の扱いは二種類ございまして、一番目には、違約金は徴収していますが、国庫補助相当については国に返納されていないと、これが九百二十五工事、未納の国庫納付分が八億三千万円あります。二番目の類型が、違約金の徴収すら行っていないものが三百八十九工事、国庫補助金は八十一億三千万相当であります。このような金額の大きさから、今まで国庫納付の返納を見過ごしていたとするならば大きな問題と考えております。  そこで、会計検査院質問したいと思いますが、十八年度の会計検査では談合違約金の国庫納付について初めて調査がなされましたが、なぜこのような重大案件がこれまで検査なされてこなかったのかについて御説明いただきたいと思います。
  163. 真島審一

    説明員(真島審一君) お答えいたします。  会計検査院では、従来から、入札契約の実施状況等について、合規性、経済性等の観点から検査を実施しております。  そして、談合等によって被った損害につきましては、その速やかな回復を図るよう特定検査対象に関する検査状況等で検査報告に掲記しているところでありまして、平成十五年度決算検査報告には、国立大学病院及び国立病院における寝具の賃貸借契約について、十七年度決算検査報告においては、高速道路の建設事業、成田国際空港株式会社における空港施設等の整備事業並びに防衛施設庁における建設工事及び委託業務について掲記しているところでございます。  違約金につきましては、入札契約適正化法に基づいて策定されている指針がございまして、これが平成十八年五月に改正され、違約金特約条項等により不正行為の結果として被った損害額の賠償の請求に努めるとされたところでございまして、この点を踏まえまして、十九年次におきまして、国庫補助事業につきまして地方公共団体において談合があった場合の損害の回復状況等を検査し、指摘したところでございます。
  164. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ただいまの御説明によりますと、法改正によりまして違約金に関する国庫納付が行われるということでございますけれども、そういたしますと、今回の検査院報告では二十都道府県が対象になっておりますけれども、残りの二十七府県についての調査状況について国土交通省にお聞きしたいと思います。
  165. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) お答えを申し上げます。  国土交通省では、昨年の検査院報告を受けまして、八月二十八日付けですべての都道府県等に対しまして、談合等に伴う国庫補助事業等の損害回復に努めるべきこと、併せて、各都道府県等が違約金等を収納した場合の国庫補助金相当額の国への返還についての具体的な取扱いを周知徹底いたしました。  残りの二十七府県の調査につきましては、現時点で悉皆的な調査はやっておりませんけれども、それぞれの各事業局より談合等の事件に関する報告を求めること、それから関係文書を保存しておくこと、それから違約金等の請求を行った旨の報告を私どもにしてもらうように通知をしております。すべての都道府県知事あてに通知をしております。  その結果、現時点で把握しているところでは、福島県を始め八県におきまして、既に国に返還すべき国庫補助金等がある旨の報告を受けております。また、福島、群馬、秋田につきましては既に国庫納付の手続は終わっているということでありまして、私どもといたしましては、引き続き国庫補助金等の適正な執行に努めてまいりたいと考えております。
  166. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ただいまの御説明で、福島、群馬等の八県については違約金の国庫納付があり得るという話ですが、その合計額は幾らぐらいでしょうか。
  167. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 恐れ入ります。今のところ、ちょっと合計額は把握できておりません。
  168. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 それでは、合計額ではなくて、既に納付された三県の合計額は幾らでしょうか。
  169. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) この三県につきまして、今この時点で合計額を把握しておりません。確認しまして御報告させていただきたいと思います。
  170. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 国庫納付というのはこれから重要な業務でありますし、そういう意味では、一応各県から報告を得ているということだけではなくて、その金額を着実に把握していただいて、厳正に運用していただきたいと思います。  また、国土交通省におきましては、国直轄の事業も抱えておられますが、それらの違約金についての既に確実に国庫納付もされているのかについて御答弁いただきたいと思います。
  171. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 私どもの直轄の公共工事につきましては、平成十五年の六月以降、いわゆる違約金条項を付しておりまして、請負代金の一〇%相当の違約金を納付させる契約上の措置をとっております。  具体的な談合等に係る違約金の納付状況ですけれども平成十七年に発覚をいたしました情報表示設備工事をめぐる談合事案では約七億円の違約金請求を行っております。また、同じく平成十七年に発覚しました鋼橋上部工事をめぐる談合、いわゆる橋梁談合事案でありますが、この事案につきまして約五十八億円の違約金請求を行っております。さらに、昨年発覚をいたしました水門設備工事をめぐる談合事件でございますけれども、約十三億円の違約金請求を行いまして、いずれにつきましてもその全額が既に国庫に納付されております。
  172. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今御説明いただきましたように、十三億、五十八億、七億円と、非常に大きな金額でございます。  そういう意味では、こういう談合があった場合の違約金の国庫納付は確実にやっていくことが重要と思いますが、ただ、これは国土交通省だけではなくて、農水省、文部科学省などもあり得るものと考えておりますが、これら他の省庁の事業についてはどのような対応をなされているのか、会計検査院にお聞きしたいと思います。
  173. 増田峯明

    説明員(増田峯明君) お答えを申し上げます。  私ども会計検査院では、検査報告において指摘いたしました不適切な会計経理につきましては、全省庁に対して検査報告説明会を開催するなどいたしまして、同種事態の再発防止の徹底を図りますとともに、会計検査院として必要な検査を行うことといたしております。  委員お尋ねの談合違約金につきましては、会計検査院指摘を受け、国土交通省で談合等の不正行為に係る違約金等の取扱いについて各都道府県に通知を発したので、各省庁においても同様の措置をとるようにといった内容の事務連絡が昨年の九月に財務省から発せられたところであります。  会計検査院といたしましても、国土交通省以外の各省庁における対応状況を確認するなど必要な検査を行っているところでございます。
  174. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ただいまの検査院の事務次長から御答弁いただきました財務省主計局法規課長名の通達でありますが、これが九月の三日に出ておりまして、いわゆる国庫補助事業等の談合等の不正行為に係る違約金の取扱いについてというものでございますけれども、これを受けまして、逆に財務省にお聞きしたいんですが、これを各省庁に通達を出されましてどの程度の国庫納付が行われましたかについて、財務省としてフォローアップをしているのか、その状況について御回答いただきたいと思います。
  175. 香川俊介

    政府参考人(香川俊介君) 国の補助事業等に関しまして、談合等の不正行為があって地方公共団体等において違約金等が収納された場合には、所管省庁は補助金等適正化法の定める手続に従い当該違約金等に係る国庫補助金相当額について速やかに返還を求めるべきものと考えておりまして、財務省としても、今委員から御指摘ありましたように、九月の三日に各省庁に対して適切な措置を講ずるよう連絡をしたところでございます。その後も補助金等適正化中央連絡会議におきまして改めて周知徹底を図ったところでございまして、既に補助金等を所管する農林水産省、文部科学省、さらに経済産業省、厚生労働省などにおきましても国土交通省と同様の通知を出したものというように承知しております。  これらを踏まえまして、所管省庁及び地方公共団体において適切な対応がなされたものと考えておりますが、国土交通省では、先ほど御答弁ありましたように、会計検査院の検査対象となった都道府県以外の八県におきまして既に返還すべき国庫補助金等がある旨の報告を受けておられるというように伺っております。他の省庁におきましては、現時点では当該通知に基づき国庫への返還を求めた事例はないというように伺っておりますが、財務省としては、今後とも引き続きフォローアップをしてまいりたいというように思っております。
  176. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ただいまの御答弁では、国土交通省に関しましてはチェックをされて既に国庫納付されていると、ただ、ほかの省庁については通知は出しているけれども国庫納付はなされていないという状況とお聞きしましたので、これについては本当にないのか、フォローアップは十分にされていないのか、その点を見極めていただいて、引き続きお願いしたいと思います。  次に、地方整備局における不適切な福利厚生費につきまして質問を移りたいと思います。  これにつきましては、道路特定財源の国会質疑を通じまして不適切な福利厚生費が明らかになりました。広報関連では道路整備ミュージカルで九十五回で五億七千万、物品費関連でマッサージチェア二十三台、約四百五十九万円、スポーツ用具に二百三十四万円などであります。これを聞いて不審に思いますのは、なぜこれまでの会計検査によりこれらの不適切な支出が明るみに出てこなかったかであります。  そこで、会計検査院にお聞きしますが、特定道路財源の不適切な福利厚生費については、なぜ今までの検査では明るみにならなかったのか、御答弁いただきたいと思います。
  177. 真島審一

    説明員(真島審一君) 道路整備特別会計の予算規模というものは毎年多額に上っておりまして、検査に当たりましては、予算に占める割合の大きい一般国道の新設、改築、修繕等の道路整備事業を重点に実施してきているところでございます。また、これらのほか、従来より物品の購入など基本的な会計経理についても検査してきたところでございます。  お尋ねの不適切な福利厚生費につきましては、レクリエーションに使用する道具の購入などのことを御指摘かと思いますが、これらにつきましては、福利厚生費が職員厚生経費として予算上認められていること、当局が行っていることを否定する材料や根拠が見受けられなかったことなどから特段指摘するには至っていなかったものでございます。  しかしながら、近時、道路特定財源の使途につきまして国会等の場で様々な議論がございまして、会計検査院といたしましては、これらの議論等を踏まえ、お尋ねの支出国民の目から見て貴重な税金の使い道としてふさわしいか十分検査を実施してまいりたいと、かように考えております。
  178. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 同じ福利厚生費でも、世の中の流れによりまして、国民の意識によりまして、適正か適正でないかという判断も変わるかもしれません。そういう意味では、今後引き続きお願いしたいと思っております。  また、三月十日の読売新聞によりますと、無駄遣いが隠されていたものは舞台が全国の百十か所の国道事務所であったからだと言われております。つまり、各事務所では三億を超える工事や一千六百万円を超える車両購入費以外の支出、例えば広報費や物品購入費については上限規定がなく、すべて現場所長の判断にゆだねられていると報道されております。  この報道は事実なのか。また、事実であるとするならば、四月十七日に発表していただきました改革方針でどのように改善されたかについて平井副大臣にお聞きしたいと思います。
  179. 平井たくや

    ○副大臣平井たくや君) 報道は事実でございます。  今まで地方整備局事務所等に係る支出については、車両等の購入や調査、設計等の委託を除き、事務所長等の契約権限については金額の上限が設定されておりませんで青天井になっておりました。  この問題に関して、冬柴大臣の指示により、現場の仕事との関係、つまり現場への権限委譲とチェックというものと仕事の効率性というものは非常にバランスを取るのが難しいところがあるんですが、このたび広報広聴関係を含む役務に係る経費については一千七百万未満に限定、車両管理に係る契約については一億円未満に限定、物品購入等に係る契約については一千万円未満に限定して権限を縮小することにしました。  あわせて、五百万円以上の広報広聴経費、道路事業、道路行政との関係を確認する必要がある広報広聴経費、車両の購入、車両管理業務経費については、事務所等に権限が残るものであっても個別の支出内容について本局が事前にチェックすることとして、支出の適正化をより一層確保していくことになります。
  180. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ただいま平井副大臣に御説明いただきましたように、新たに広報費については一千七百万が上限、また物品購入費には一千万を上限とされたわけでございますけれども、このような権限委譲は国土交通省だけではなくて他の省庁でもあるんだと思います。そういう意味では、こういう支部分局にどこまでの上限を与えるかについては今後検討が必要な課題だと思っておりますが、この点につきまして検査院の御見解をお聞きしたいと思います。
  181. 増田峯明

    説明員(増田峯明君) お答えを申し上げます。  道路特定財源からの支出につきまして、国会等の場において様々な議論がなされていることは私どもといたしましても十分認識しております。また、福利厚生費につきましては、ただいま御指摘がありましたように他の省庁でもあると考えられますことから、私ども会計検査院では、国土交通省だけでなく他省庁の検査においてもそういった今御指摘のありましたような議論を十分に念頭に置きながら検査を実施しておりますし、これからも実施してまいりたいというふうに考えております。
  182. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございます。  国土交通省のこのような出来事は大変残念であったかもしれませんが、これを奇貨といたしまして、他の省庁等も含めてより良い行政システムをつくっていくのが我々の責務だと考えております。  続きまして、公益法人改革について質問を移らせていただきます。  国土交通省によりますと、道路特定財源から五百万以上の支出があった公益法人が五十団体と。そこに道路特定財源から六百七十三億が流れ込んでいたわけでありますが、これらの常勤役員数は百七十七名で、うち百三十名が公務員OBと、七三%でございます。一般に、理事の中でいわゆる公務員OBの比率は三分の一とあるんですが、これは非常勤を含んでおりますので、常勤だけを見ると非常に高い比率になっているわけでございます。  このOB理事には秘書、車、また事務所、そういう費用を含めれば、間接を含めればかなりの金額になるんだと思います。そういう意味では、この天下りの構図をどう変えていくかというのがこの公益法人改革の中でも重要なポイントだと思っております。  このような状況の中におきまして、先般、四月十七日に、国土交通大臣道路関係業務の改革方針を発表されました。その内容は非常に意欲的でございまして、政治主導でまとめられた成果だと私は評価しております。  問題は、この改革方針どおりに事務方が実施するか否か、これが大きなポイントであると思いますので、与党PTでも一緒に作業をさしていただきました平井副大臣に幾つかお聞きしたいんですが、まず、道路関係公益法人五十団体について、今までは特命随契が九四%であったものを、本年度から、地財の関係等でどうしても特命随契にしなければならない四%に限ると、あとはすべて企画競争に変えていくという話でありますが、この企画競争が隠れ特命随契にならないか、そうならないようにするためにどのような対策を考えておられるかについて御答弁いただきたいと思います。
  183. 平井たくや

    ○副大臣平井たくや君) 委員の御指摘のとおり、平成十八年度に道路特会より一件当たり五百万円以上を支出していた約六百七十三億円のうち、特命随意契約は九四%となっておりました。今回の改革によって、著作権を有する法人等に限定して四%まで削減するということにしました。また、昨年十二月二十六日の随意契約の改革措置として、応募要件見直し民間参入の拡大を図ること、公募方式は限定し、企画競争などより競争性の高い契約方針に移行すること、これは第三者機関、これは公正入札調査会議、入札監視委員会の監視対象を全品目に拡大し、今後、特に一者応募のものに関しては、もうこれは徹底的に監視をしていこうというふうに考えております。  このようにして導入する企画競争が御指摘の隠れ特命随契とならないように、これらの改革措置の的確な実施を確保しつつ、絶えずフォローアップを行い、必要な改善を図りながら民間参入を促進していく。そして、先ほど冬柴大臣から話もありましたとおり、改革本部を存置して、我々はこの問題に関していろいろ検証しながらそれをフィードバックして実効性を上げたいと考えております。
  184. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございました。  是非、一者入札等につきましては第三者機関でしっかり目を光らせていただきたいと思います。  次に、業務組織形態の見直しでございますが、この道路財源関係五十団体のうち、解散、株式会社化などにより三分の一以下の十六法人となるわけでありますが、道路財源からの支出を取りやめる十五法人というのがあります。今般の政府・与党決定によりますと、道路関係法人だけではなくて、一般の公益法人についても、特に行政と密接な関係のある法人については集中点検を行うということにもなっております。  そういう意味では、この地方道路財源はいかないんですが、この十五法人についてはもう一段踏み込んで、OBの削減等もう一段の見直しをお願いしたいと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
  185. 平井たくや

    ○副大臣平井たくや君) 先ほど委員の方からお話がありましたとおり、行政と密接な関係にある公益法人については、六月末を目途に集中点検を行うということになっております。つまり、これは国からの補助金や委託費の支出に依存している法人ということだと思いますから、当然その十五法人も対象になると私は考えております。  今回は特に、暫定税率をお願いしている道路特定財源の使途に関して国民に御理解を得るために、我々から見ても大変厳しい改革措置をそのプランの中に入れさせていただきました。この問題に関しては、従来の公益法人に対する指導監督等々をはるかに上回る厳しさですから、その意味で、この問題に関してそれを実行に移していくということが何よりも重要だと考えております。
  186. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございました。  次に、先ほども議論になりました建設弘済会の問題でございます。  これにつきましては株式会社化も含む民営化と、つまり非公益法人化するというわけでございますが、確かにすぐに株式会社に移りにくいという意見もありますけれども、やっぱりなかなか非公益法人化しても、一種の一般社団という場合でも、やっぱり何となく今までの密接感が残ってしまうのかなと。そういう意味では、この機にばっさりと、もし可能であればやはり株式会社というものを目指された方が私はいいと思いますが、副大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
  187. 平井たくや

    ○副大臣平井たくや君) これも我々本当によく考えなきゃいけないところなんですが、本当に利益を追求する株式会社がいいのか、それとも一般社団がいいのか、これは議論が実は本当は分かれるところでもあるんです。  要は、民間と全くのイコールフッティングで競争をさせるというところが必要だと思っておりますので、この問題に関しても、外部有識者の意見を十分に承りながら一つの方向性を出していきたいと考えております。
  188. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 確かに悩ましい問題でございますが、外部有識者の方々の意見を是非聴いていただいて、透明性のある議論で結論を導き出していただきたいと思います。  次に、国土交通省から提出いただいた道路関係法人役員の報酬の上限額調査というのがあるんですが、この中では、五十法人の中で多くの法人が報酬規程が決められていなかったり、また役員の報酬の公開規程がないというものがあるんですが、これらについて国交省の見解をお聞きしたいと思います。
  189. 宿利正史

    政府参考人宿利正史君) 今回の道路関係公益法人の改革につきましては、先ほど来お話が出ているとおり、道路特会からの支出を取りやめる十五法人を除く三十五法人を対象に、役員給与水準の抑制措置や情報公開の徹底について特に厳しい措置を求めることとしております。  この三十五法人の中で役員報酬規程等を公表していない法人が二十三法人現時点ではありますけれども、これらの法人につきましては、今回の改革本部最終報告書に基づきまして、今年度中に役員報酬規程等の策定、公表を行うように先般各法人に対して要請をしたところであります。
  190. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 これを契機に規程の作成また公表を挙げていただきたいと思います。  また、次に、人件費の引下げの問題でございますが、今般の改革方針によりますと、原則定年を六十五歳とされまして、六十代のOB役員報酬については三割から五割削減という方針を出されております。これは非常に踏み込んだ私は方針だと思います。私自身、役所のOBでありますけれども、こういうことは今までありませんでした。  しかし、この六十五歳を超えた方々についてはそのままでいいわけじゃないんだと思うんですね。やはり三割から五割以上の削減があってしかるべしですし、また、それじゃ五十代の方々、大体平均を見ると一千五百万ぐらいの年収がある方です。この方々については、役員報酬について今後どう考えるか。  役所の立場からいうと、私もいましたんで、現給保障ってあるんですね。当時役所を辞めたころの給料を何とか保障するという発想もあります。しかし、それが今後も続いていいかどうなのか難しい問題ですが、今後どのように検討されるのかについてお聞きしたいと思います。
  191. 平井たくや

    ○副大臣平井たくや君) 五十代でお辞めになってよそに行って現給保障というのは、まあ勧奨退職のときにそのような形になろうかと思います。  しかしながら、今、公務員制度改革全体の議論の中では、もう六十歳まで働いてもらったらいいんじゃないかという議論があろうかと思います。そういう中で、全体として賃金体系がちゃんと整合性の取れるようなものにしていかないといけないし、そういう意味では、今回の公務員制度改革はそういうものにも大きな影響をするだけの内容を我々は盛り込んでいるのではないかなというふうに思っております。  六十五歳を超えるOB役員という者に関しては基本的にお辞めいただくと、例外的な方を除いてですね。これも独立行政法人に倣って我々が今回導入をさせていただくんですが、公務員制度全体の人事の在り方にも影響をしてくるのではないかと、そのように思っております。
  192. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございます。  公務員の方も、昨年度、今年度からですか、スタッフ職というものが導入されるんですね。いわゆる給与カーブについては、一本ではなくて二本に、長く専門職としていると、給与は安いと、そういうことも導入されますので、OBにおかれましても一本だけではなくていろんな種類の給与カーブで、低く長くいる人もあってもいいと思いますので、御検討をまたいただきたいと思います。  次に、時間もございませんので、独立行政法人の都市再生機構についてお聞きしたいと思います。  年末に閣議決定されました独立法人整理合理化計画によりますと、平成十八年度末において、このURについては、四千九百五十五億円の繰越欠損金を抱えているにもかかわらず、株式会社日本総合住生活を始め関連子会社に剰余金が生じているものがありますが、それはどの程度であるでしょうか。また、財団法人住宅管理協会についても独法本体として連結して公表すべきと考えますが、大臣の御見識、いかがでしょうか。
  193. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 都市再生機構の特定関連会社及び関連会社二十八社の剰余金等の総額は、差し引きいたしますと三百七十一億円あります。と申しますのは、欠損金のある関連会社が二社ありまして、これが、それを差し引きいたしますと三百七十一億になります。また、住宅管理協会につきましては、整理合理化計画に従い組織形態を見直すことによりまして連結決算を行うなど、都市再生機構との関係等について情報を公開し、透明性を確保してまいりたい、このように考えております。  なお、関連会社の剰余金につきましては、同業種の平均的な自己資本、このようなものの水準を参考にしまして業態に応じた企業経営上の必要な水準について検証をしたい。それで、その上で、水準を超えている剰余金につきましては、これまでも機構の賃貸住宅の居住者サービス向上のための活用をしているところでございますが、今後とも機構の政策目的にふさわしい活用方策、例えばエレベーターとかそういうようなものを積極的に、早急に取り入れていただきたいと思っております。
  194. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 大臣から力強い御答弁ありがとうございました。是非、同業他社との剰余金の水準を比べていただいて、使えるものについてはより質の向上に使っていただきたいと思います。  次に、もう一問大臣にお聞きしたいと思いますが、年末にまとめられました整理合理化計画によりますと、事務及び事業の見直しといたしまして、高齢者、子育て世帯等の政策的に配慮が必要な者への適切な賃貸住宅の供給に重点化すると、こうあるわけでございます。今後どのようにこういう方向に重点化するのか、平成二十年度予算につきましてもどのような配慮がなされているかについてお聞きしたいと思います。
  195. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) URには七十七万戸の賃貸住宅、いわゆる公団住宅と昔言われた古い五階建て、原則ですよ、エレベーターのない四角い五階建ての住宅がたくさんあるわけです。この中に入っていられる方は、そのうち三五%、三三から三五というのは、三分の一は六十五歳以上の高齢世帯でございます。それから、二五%ぐらいが子育て世帯でございます。この人たちの所得は、まあ失礼でございますけれども下から二〇%以内という低額所得者でございます。  こういうことを考えますと、現状においてそうでございますので、あと十年先のことを考えれば、大変な住宅を取得するについて考慮を必要とする人たちがそこにあるわけですね。この建物もそのままでは、いわゆる高度成長時代に造った建物でございまして、ほとんど耐用年数過ぎてきましたね。それを建て替えるときには、これはやはり高層にしてエレベーターも付け、できれば床暖房もしたようなものを広くなくても造らなければならないというのが今の時流だろうと思います。  そうしますと、今入っておられる方々に今と同じ家賃で提供できるかというと、非常に困難なことになってきます。私は、これを、URをもし民営化するというふうなことになりますと、これは大変なことになると思います。私どもは、戻り入居と申しますか、もう一度建て替えたところへ、今までの方に入っていただく方には、原則としてその新しい期待される家賃の五五%以内にし、かつ低額所得者、高齢者等については家賃補助等も考えて、そこへ入っていただけるような住宅のセーフティーネットとしての役割をこれに是非続けてもらわなければならない。建て替えによって追い出しをするようなことは絶対に許されない、私はそのように思っているわけでございます。そのために、二十年度の予算におきましては四百億円というものを要求して、これは決定していただきまして、そういうもので、今申し上げたような今住宅が困窮しておられる方々の家賃補助とか、いろんなことをそこでやっていきたい。  それからまた、建て替えますと空き地ができます。これは厚生労働省等とも相談をいたしまして、安心住空間創出プロジェクトという形で、ここにいわゆる福祉施設、団地のバリアフリー化や介護、医療、子育て支援等の施設を誘致促進し、地域の福祉拠点として団地を再生していきたいと、こんなふうに考えているところでございます。
  196. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございました。  まさにURが求められている高齢者また子育て世帯という、政策的に必要な分野により特化していっていただくことは重要であると思っております。  一方、同整理合理化計画によりますと、人員につきましては、平成二十年度末目標の四千人を五年間で更に二割削減となっておりますが、これにつきましては、どのような形で人員削減を行っていただくのかについて都市再生機構の理事長にお聞きしたいと思います。
  197. 小野邦久

    参考人(小野邦久君) お答え申し上げます。  人員削減の関係でございますけれども、私ども平成二十年度末目標四千人ということにいたしておりまして、これを更に五年間で二割削減したいというふうに思っておるわけでございますが、どういう形で実施をしていくのかということでございますけれども、一つは、やはり業務を徹底的に外部委託を推進するということ、それと同時に、退職者に対しまして補充する職員数を極力抑制するということ、あるいは職員の効果的な、効率的な配置というのは当然でございますけれども、こういったようなことに努めながら着実に実行してまいりたいというふうに思っております。  平成二十年度末で四千人、これを更に五年後に二割削減ということでございますので、これは大変な数字でございますけれども、あらゆる手段を講じてその達成に努めたいというふうに思っております。
  198. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございます。非常に厳しい目標かもしれませんが、是非取り組んでいただきたいと思います。  最後に、大臣にお聞きしたいと思います。  先ほどの御答弁の中でも組織形態をどうするかという話ございました。このURについては三年後に見直しになっておりますが、重要な政策目的を持っている私は法人だと思っております。それを今後、どのような方向で組織形態を念頭に置きながら改革を行っていかれるのか、決意をお聞きしたいと思います。
  199. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) URの理事長も来ていらっしゃいますけれども、重要な仕事をしていらっしゃるんですね。それは、大きく分ければ三つぐらいあるんだろうと思います。  今の賃貸、これはもう繰り返しません。  それから、密集住宅の解消ということが非常に喫緊の課題なんですね。特に東京、大阪はすごい密集地帯があるんです。ここがもし地震とか震災を受けたり、あるいは火災ということになりますと大変な被害が起こります。人的被害も予想されます。私どもはこれを早急に解消しなきゃなりませんが、URにおきましては、密集地の中にある狭い道路を、例えば六メートルの道路を十六メートルにする、十メートル広げるということは、立ち退き等多くの手続、困難な手続があってとても民間ではできない仕事のように思われます。こういうことをやっていただいております。  それから、もう一つは都市再生です。これは大きく、もう六十近く大都市圏でもやっていただいておりますし、ほとんどが都市再生緊急事業というものはURにお願いをしたいというところが多いわけです。私事ですが、私の地元の兵庫県尼崎市のJRの駅前も二十三ヘクタールの緑遊新都心、緑に遊ぶ新都心というものはURによって、もう随分の時間掛かっていますけれども、来年の九月完成ですけれども、やっていただいている。それはもう全国各地にあるんですね。  そういう仕事、大きく三つですね。こういうものに、これは国民の御意見を聴きながら、残された期間そう長くはありませんけれども、これは過ちなきようにしなければならないと。国民の大きな財産だと思いますので、そういうふうに思っております。
  200. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございました。  終わります。
  201. 大門実紀史

    大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。  今日は決算委員会ということですので、今までの道路投資と地球温暖化対策の効果についてお聞きしたいというふうに思っておりますけれども、本題に入る前に、与党からも先ほど、今の問題、これからの問題について質疑がありましたので、私も先に、大臣の当面の問題等について、今直面している問題について率直なお考えをお聞きしたいと思います。  道路については、従来、暫定税率の必要性を説明する観点から中期計画を作って、そして事業量の総額、これを閣議決定してきたというふうな、それが今回の私所属しています財政金融委員会にかかっている財源特例法の根拠でございますが、一般財源化するということは、今までのように道路だけ別途に事業費、事業量、総額を閣議決定をするというふうな必要性とか根拠がなくなるんではないかと思いますが、その点、大臣いかがお考えでしょうか。
  202. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 道路も社会資本でございますので、社会資本の整備というのは計画的かつ確実に、着実に進めていかなきゃならないわけです。したがいまして、今まで社会資本の中でもたくさん、河川とか港湾とかいろいろありますが、道路については今までのようなシステムで、先ほども申しましたけれども、道路を造る場合には非常に長い期間を必要とすることとか、あるいはそれが非常に高額、巨額の資金が必要であるとか、それから関係者が多数存在されます。そういうことから、安定的でかつ確実な財源というものを確保して初めて計画的、着実にこれができるという特質があります。  したがいまして、こういう制度でやってきたわけでございますが、もしこれからの手続の中で、この年末の財政の抜本的改革という中で今までの道路特定財源制度というものが廃止されて、そして来年度から、二十一年度から一般財源化されるということになった場合にでも、でもですね、必要と判断される道路は着実に整備されなきゃならないわけです。  したがいまして、それにふさわしいそのような仕組みというものは今後その中で必ず考えていかれるであろうし、またそれは必要である、私はそのように思っております。
  203. 大門実紀史

    大門実紀史君 ダムにしても空港にしても同じように何年も掛かって、その辺はそれほど変わらないと私は思うんですが、いずれにせよ、総理の新提案とか政府・与党の提案では中期計画を十年から五年というのがございますけれども、一般財源化するならば、今まで道路だけの特別の中期計画というのはやはり余り根拠がなくなるんではないか。むしろ、新しい社会資本整備計画、重点計画、その中の一つとして組み入れても当然そうなるんじゃないかと私は思うんですが、その辺もうちょっと、どうしてまだ特別に計画を作らなきゃいけないのか、全体の社会資本整備計画、重点計画の中に組み入れてもいいんじゃないかと思いますが、いかがですか。
  204. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) いや、その場合でも、過去五年間の社会資本整備では三十八兆円だったんですよ。ですから、十年に引き延ばせば七十六兆というものが道路に予定されていたわけですよ。そういうことを考えれば、社会資本整備、社会資本の中にもちろん繰り入れても道路はどれぐらい、もちろん何年間でどれぐらいということは今後も考えていかれるだろうし、それにふさわしい制度というものが考えられるであろうと思います。  なお、お言葉ですけれども、空港と港湾も確かに大きいですけれども、しかし場所が限られますよね。しかしながら、道路の場合は、東名にしても名神にしても、名神だけでも六都府県をまたがって造られるわけでありまして、これは大変な金額と予算が必要になります。そういうことも考慮に入れていただきたいと思います。
  205. 大門実紀史

    大門実紀史君 いずれにせよ、来年度から一般財源化するならば、十年先まで規定するような今回の財源特例法というのはわざわざ国会で無理して通す必要はないと、私はこう思いますし、野党との立場、違うとは思いますが、少なくとも政府・与党の提案に合わせるとしたら、やはり一年限りの法案に修正をするとか、十年は要らないわけですね、今年一年でいいわけですから、修正するとかですね、そういうものが、そうじゃないと整合性が取れないんじゃないかなと思っておるところでございます。  もう一歩突っ込んで言えば、政府・与党の提案の中にそれが入っていないのが私は不思議なくらいでございまして、あえて言うなら現場でそういう修正協議をしてくれたらいいと。現場というと、今財政金融委員会に付託されていますからその現場なのかと思いますが、その場では一切そういう修正の話は与党からも提案がございません。なぜ政府・与党はこの一年の修正をやらないのかと。国会でやってくれという話は何度も聞いておりますけれども、今度は政府・与党としての提案が出てきたわけですから、なぜそういう修正の案が与党から出てこないのか。いかがお考えですか。
  206. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私は、この議論は不思議に思えてしようがないんですね。一流新聞の社説でもそのようなことを言われますし、代表的な政治家もそのような演説をされるんですが、これは国会法五十九条を読んでもらったら、我々は修正できないんですよ。一院で可決された法律案は撤回したり修正したりすることができないという規定が、明文があるんですよ。ですから、我々はできません。  しかしながら、これはいろいろ国会でその余の手続もあるでしょうから。ですけど、私は提案者ですから、現在においてはそれが最良だということで審議をお願いしている立場ですから、修正したり撤回したりするということには論及はできません。
  207. 大門実紀史

    大門実紀史君 私が申し上げているのは、前はそういう質問があったときに、なぜ政府として出さないのかと、修正案をですね。で、そういう答弁をされてきましたけど、政府・与党一緒になって案を提案をされたと。もう一緒ですから、もちろん政府は、一遍衆議院で可決したものを修正して出せないというのはもうよく知っております。何で与党の中で、公明党さんも含めて、与党の中でそういう修正提案が現場でやれと言うならば現場に出てこないのかと、そういうことを申し上げたわけでございます。  いずれにせよ、〇九年度改正云々という話がございましたけれども、しかし、ともかく、いずれにせよ一般財源化するとしたら一年限りになる。つまり、この財源特例法は一般財源化されたら廃止されるということだけは間違いないと思いますが、その点いかがですか。
  208. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 大門さん、時系列的に整理すれば私は全く何の矛盾もしていないと思っているんですよ。  まず、平成二十年度につきましては、我々は現在提案しているものをそのまま成立させていただきたいと。それは、現在、地方もそしていろんな人たちがこの問題で大変混乱もし、そしてまた苦しんでいらっしゃるんです。ですから、この二十年度はそうしてくださいと、それがまず一つですよ。  だから、そこで十年という法律案は修正なしに成立をさせていただいたとしても、この秋の税制抜本改革において道路特定財源制度は廃止をして、そして来年の二十一年度からは一般財源化するということを言っているわけでありまして、時系列的に並べれば秋、大体税制抜本改革というのは秋以降ですよ、毎年。そうでしょう。ですから何の矛盾もないんで、その合意ができればそれに即応した法の改正なり法の手当ては当然されるわけです、そのときに。十年と決めていても一年に直すというのはそこで行われるべきであって、今まだ与野党協議が始まったところでしょう。これを、今の十年という提案を一年にせよとかどうとかいうことを提案するわけにいかないじゃないですか。そういうことです。
  209. 大門実紀史

    大門実紀史君 私は、もうそういう議論を聞いた上でお聞きしているんですけれども。  ですから、時系列的に言って一年後に来年度から廃止するならば、そのときにはこの財源特例法はないんではないですかと、時系列的に言って一般財源化したらなくなるんじゃないですかと、このことをお聞きしているんですけど。
  210. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) もうそれは当然でございまして、国会がお決めになったことについては当然従いますし、だれもそれ否定することはできないと思いますよ。
  211. 大門実紀史

    大門実紀史君 まだ財政金融委員会では暫定税率の議論をしておりますけど、その財源特例法、付託されてまだ、やっと何か審議が始まるそうで、冬柴大臣も来ていただけるような話になってきているようでございますが、議論の焦点は、その暫定税率の税制関連もこの道路特定財源も、やっぱり来年からやると言っているのに何で十年だろうというところが繰り返し議論になっておりまして、それがなかなか、何度答弁されても納得、説明が付かないというところなんですけれども。  私は、ずっと議論聞いていて、これはただ一年と十年のことだけなのかと、この一年間大変だから取りあえず通してくれということだけなのかなというのをちょっといろんな議論を聞いていて思うんですけれども。つまり、与党が描く一年後の一般財源化の姿と野党が描く一般財源化の姿がどうも違うんじゃないかなというのをこの間思って、大きな開きがあるんじゃないかと思っております。  例えば総理の新提案の四項目めに、暫定税率分を含めた税率というのは、環境対策、地方道路整備などを考えて検討するということがあります。つまり、税率を考えるというのは何らかの新しい税制に税率も含めて移行していくというお考えがここに出ているわけで、私はこの問題を財政金融委員会で額賀大臣に率直にお聞きしたら、額賀大臣はもうはっきりと、今の税収を維持してそれを新たな税に移行をしていくと、こういう方向をお示しになりましたし、ほかの委員にも新たな税、恒久税として整理をしてほしいというふうな、これはもちろん協議を与野党でやるわけですけど、額賀大臣といいますか財務省はそういう見通しといいますか希望を持っているという点でおっしゃったんだなと思います。  つまり、私たちは、とにかくいったん全額一般財源化すると。予算配分の中でいろんな社会保障とか必要な道路とかを考えていく、基本的にはですね、そういう考えなんですけれども、そうではなくて、政府の方は税率を維持して連続的に新しい税制に移行するというふうなことを財政金融委員会では額賀大臣なんかお考えをお示しになりましたけれども冬柴大臣はその点、いかがお考えですか。
  212. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私は、今提案している、もうこんなことを言ったら怒られますけど、十年間、暫定税率も含めた現行の税率が維持されて道路が整備されることが最も望ましい形であるというふうに思っていますから、それを後からどういうふうにしていくかということは、これは総理始め政府・与党で決定したというものがありますから、一応そうではあるけれども、その後の合意によってどういう形になるかはそこで決まる。  政府・与党の合意の中には、それは、それを何というんですか、ひもとくといいますか読み解くといいますか、ものがたくさんあります。それは、その一つが、そこで税率を維持しつつ、そして新しい環境対策とか、あるいは国、地方の道路の必要性とか、あるいはこの二兆六千億の税源を失うというようなことが現在許されるのかどうかというようなことを考えながら、それはその時点で決定するという、そういうことがうたわれているわけですね。ですから、暫定税率は、今のガソリン一リッター当たり二十四円三十銭というものはそのままにしながら、これを環境とかどこか振り向けるという、そういうことを考えているのかなということは考えます。  しかし、そうなると、私のところには違う意見が物すごい来ているんですね。それはタックスペイヤーですよ。もし違うことをするんであれば減税せよと、こういうことですよ。それは、我々がそういうものを負担するわけにいかないということを明確に、一千万人を超える署名を添えて申入れがあります。非常に難しい話ですけれども、しかしながら、そこにうたわれていることは、税率を維持しつつですよ、これはもう小泉さんのときからですよ、小泉さんもそうだったし、安倍さんも、現行税率を維持しつつ一般財源化の方向で納税者に十分説明をして、その理解を得つつ具体策を作りなさいと私言われたんですよ。これは物すごい難しい。だから、道路の中期計画を出したわけです。そういういきさつがありますので、これはなかなか難しい話ですが、しかしそのようなことをおっしゃっていると私は思います。
  213. 大門実紀史

    大門実紀史君 なかなか率直な御意見を言ってもらってよく分かります。  この四項目めに書いてあるのは、素直に読みますと、暫定税率を含めた税率は、これは町村官房長官なんかの発言も含めて考えると、やっぱり新しい税制にその税収分を移行していくというふうなお考えのようでございます。この四項目めには、じゃ何に使うかというところで、環境問題への取組と地方の道路整備の必要性と、だから、その移行した新しい税の仕組みの中では環境と地方道路の整備などに使いたいというのが、これは政府・与党の決定ですから、そういう見通しといいますか、今のところそういう御提案をされているというふうに解釈してよろしいんでしょうか。
  214. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 安倍総理のときには現行税率を維持しつつと明確に言われたんですよ。しかし、今回の総理の提案と政府・与党の合意は、暫定税率分も含めた税率はというのが主語です、主語。それで、これこれこれこれを踏まえて、今年の税制抜本改革時に検討すると、検討するとなったので、維持するとは言っていないんですね。ですから、税率も含めてそういうことを検討するというふうに変わったんだろうと私は思います。
  215. 大門実紀史

    大門実紀史君 確かに税率はそのままとは書いてありませんから、しかし、今の水準をそれほど崩さないで環境問題あるいは地方道路整備に使っていきたいというふうなことが示されているんだと思います。  この次に、一般財源化の後にある世界でいきますと、民主さんとうちは少し違うかも分かりませんが、いずれにせよ、新たに環境税というものをよく検討して、いったん全額一般財源化した後、新たに創設していくというふうな流れを考えているわけですけれども政府の方は、もう余り継ぎ目がなく連続的に移行して環境とか地方道路の整備に使うような税の仕組みを考えたいというふうなことでおっしゃっているんだと思います。  環境税、環境対策の環境税というのか、そういう新税、新しい税の概念というのは二つございまして、いずれにしろガソリンに課税するわけですから、一つは、ヨーロッパなんかでありますけれども、ガソリンの使用を抑える、抑制することが目的と、使途は、使い道は全額一般財源と、こういう考え方が一つございます。もう一つは、車に乗る人は環境に負荷を与えているから若干その責任論が、責任があるから税金を課すと、その代わり使途は環境対策に使うと。抑制するだけが目的だから、使い道は全額一般財源と、こちらは環境に負荷を掛けたことに対する責任論みたいなものがあるから、その代わり環境対策に使うと。こういうふうに分かりやすく言えば分かれるんだと思います。その後者の方になりますと、これは目的税の部類に入る話になります。  私は、町村官房長官が記者会見で、新しい税について言われたところでお考え分かってきたんですけれども、ガソリン税だから納税者の理解を得る理屈や根拠が必要だと、なぜ税金取るのか理解してもらわなきゃいけないと。そうなると、さっき後者の方の使途を環境対策に取りますけど環境に使いますというふうな、先ほど申し上げた点でいえば目的税的なことを町村官房長官おっしゃっていますけれども冬柴大臣の先ほどのお話伺いますと、そういう暫定税率の税率は若干どうなるか検討がありますけど、環境対策、地方の道路整備にできれば使っていってほしいというのは、目的税的なイメージで次の新税を考えておられるのかどうか、お考えがあったらお聞きしたいと思います。
  216. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 現在、私、提案者ですからね。それから外れたような話は今ここでするのは差し控えさせてください。私は、ここに書かれた政府・与党の合意、これについては、私、利害関係者、ここにおったわけですから、それは論及できますけれども、しかしながら、これには時系列的にまだ到来していない、まだ到来していないことを予測的に言うのはいかがかと思いますので、現時点では今提案している財金にかかっている私の財源特例法が、なるべく早く通してほしいということの立場でございますので、それから外れた議論は差し控えさせていただきたいと思います。
  217. 大門実紀史

    大門実紀史君 総理は全額一般財源化するとおっしゃっておりましたので、目的税化していくような話だとちょっと違うんじゃないかという問題意識を持っているものですので、お伺いいたしました。  目的税になりますと、要するに地方道路の整備のための、今よりちょっと規模は小さくなると思いますが、同じような道路財源の目的税になってしまうという点もありますので、そういう議論だと違う方向に行きつつあるんじゃないかなということを御指摘をしておきたいというふうに思います。  本題に入ろうと思いましたけど、もう時間がなくなりましたので、財政金融委員会で来ていただけるというようなことですので、環境、CO2の問題は当該委員会でやるということにして、終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  218. 又市征治

    又市征治君 私が最後ですから。どうも何度聞いてもよく分からない、そういう意味ではまとめ的に大臣に幾つかお伺いしたいと思います。  道路特定財源問題で、政府・与党決定がようやく四月の十一日になって出た。両院議長のあっせんもあって、本来ならば年度内にやられるべきだったのが、こんな格好になってきたからいろんな混乱している、こう言わざるを得ぬと思うんですが。  多くの同僚委員がお聞きになりましたけれども、まとめてお伺いしたいのは、一つは、道路特定財源制度は今年の税制抜本改革時に廃止をして二〇〇九年度からは一般財源化するというふうにこれは言われているわけですが、だけどそれは十年間の長期にわたるこの財源特例法案の一日も早い成立を前提として取りまとめたんだと、こう書かれているわけですね、その文書の中には。とすると、一般財源化とこの問題はどういう関係になるのか。先ほど来の話を聞いていても、どうもその意味するところは、道路特定財源を一般財源化してもその大半はやはり道路に使いたい、こういうことを意味しているという意味ですか。だとすると、野党の側が求めている一般財源化という意味が全く違ってくるな、こういう気がしてならないわけですが、この点、明快に一つは御答弁をいただきたいというのがあります。  それから、総理はこの中期計画を五年としたというふうに言っておられるわけですが、これは国会の論議などを経てそうしたんだと、こうおっしゃっているわけですけれども、だとすれば、先ほど来出ていますが、特定財源を十年間維持するとしたこの特例法案、全く修正をして出すのが筋じゃないかと、こう言ったら、大臣さっきおっしゃったように、だって一院通っているものと、私がこれを出したんだからと。こうおっしゃっているんですが、だとすると、与野党協議でやってほしいと、こう言っているわけですから、はてさて政府・与党と合意されたわけですから、どういう参議院段階における与党側の努力がなされているのか、その点は逆に教えていただきたい。与党側の努力を教えていただきたいと、こう思う。  三つ目に、総理は地方財政のためにもこの本法案の一日も早い成立をと、こう述べておられて地方財政問題を盛んに言う。そうすると、これ、政府・与党決定の八項目め、暫定税率失効期間中の地方の減収は国の責任で適切な財源措置を講ずると、こう言っているのに、地方財政のためにもと、こうおっしゃっている。地方に脅しを掛けているんじゃないかと、こう見えてしようがないんですが、これはいかがかと、こう思いますが。  以上の三点について、大臣、まとめてもう一度分かりやすく御説明ひとつお願いしたい。
  219. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) まずこれ、四月十一日政府・与党決定の冒頭の前文を読んでいただいたら分かりますけれども、地方財政や国民生活の混乱を回避するため、今混乱しているという認識です、平成二十年度歳入法案、財金にかかっていますが三法案、二法案と、総務委員会ですか、かかっているこの三法案を一日も早く成立させてほしいということです。それを前提としてと書いてありますよ。これを前提として、道路関連法案・税制の取扱いについては、総理の指示を踏まえ、政府・与党として、以下の方針を踏まえて、与野党協議を鋭意進めると、こういうことなんですね。  ですから、まず成立させていただきたい。そしてそれは、それがまず前提ですと。しかしながら、その取扱いについては、総理の指示もあるから政府・与党として以下の方針、八つの方針がありますが、それに基づいて、この方針を踏まえて協議を進めたいということでございます。  ですから、別に矛盾していないということを僕がさっきから申し上げているのは、この前文は現状です。そして、その後にですよ、いいですか、この三項なり四項なり五項なりが出てくるんだろうと思います。ただし、一と二は、これは、無駄を排除するということはどんなことがあったって、これはこの前提では全くありません。  私は、したがいまして、どこがどうなろうとこの改革は進めるということで、改革本部を私自らが本部長となって立ち上げて、そしてその最終報告を出させていただいたわけでございます。今後も、これはウオッチングしながら完全に履行されるようにやっていくというのが私の考えです。  しかしながら、八項に、何か地方の減収について云々ということがあるのは矛盾じゃないかと御指摘ございますが、これも矛盾じゃない。というのは、もう今失効しているわけです。地方は一日にして約二十億円の減収がもう生じているわけです。国は四十億円の減収が生じているわけです、毎日、今日も。そういうものが内容が確定しないと、これはある程度見通しが立たないと、どこにどれだけの損害があって、どういうふうにそれを補てんしなきゃならないのかというのはできないというのが先ほどの総務省の答弁でございました。私もそのように思います。  したがいまして、各地方団体の財政運営に支障が生じないように国の責任において適切な財源措置を講じるということはそういうことでして、今日も生じているけれども、今日、だからというわけにはいきません。そういうことを御理解いただきたいなというふうに思います。
  220. 又市征治

    又市征治君 ちょっと、私、質問の仕方失敗したかなと思って聞いていました。私が聞いているのに全然お答えになっていないんでね。  一般財源化と、こうおっしゃるけれども、これは一般財源化しても大半は道路に使う予定なんですかと、こう聞いたのに、何にもお答えになっていない。それから、国会法五十九条の規定があるから、それは当然のこととして修正、政府としては出せない。だけれども、それは、与党側としては、じゃ参議院段階でどんな御努力なさっていますかということをお聞きしたんだけれども、これも全然お答えになっていない。  どうも先ほど来からの話を聞いていると、だから私はそのように聞いたんですが、納得できない。どうもやっぱり衆議院の再議決に向けて単に努力はしていますよというポーズにしか見えないと、こんなふうに、だから、それこそ先ほど大臣もおっしゃったように多くの社説までがそんなふうに言って、これにまともに答えていないじゃないかということだと思うんです。  その点、これからの協議になりますけれども、残念ながら、こんな姿勢では、私も党の責任者の一人でありますけれども、これじゃもう疑念は払拭できない、こう申し上げざるを得ない。大臣に聞くのが適切なのかどうかということはこれはありますよ、今おっしゃったようにね。おれはこの法案出した責任者だと、こうおっしゃるから、なかなかそれは難しいのかもしれません。  そこで、こんなことをやっているとまた全然本題に入れませんから、少し聞いてまいりますが、私どもは、この道路計画五十九兆円の見直し、縮減そして一般財源化、地方分権化というものを三位一体で進めるべきだと、私たちはそう思っています。すなわち、一般財源化や、それに先立って、できることなら私どもの言う総合交通会計制度によって現在の道路関係諸税の使途をやっぱり広げていく、と同時に、道路建設の可否決定そのものをもっと自治体に移管すべきじゃないかという考え方でいます。  そこで、まず、そのことと逆行する例ですけれども、地方としては国費を出してほしいために過去の地方道の国道昇格運動というのをやって、いわゆる三けた国道というのが増えてきたわけですが、この三けた国道の現状について少し要約、説明してください。
  221. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。  現状でございますが、一般国道が現在四百五十九路線、約五万四千キロございます。そのうち三けた国道でございますが、欠番が六路線ありますが、百一号から五百七号まで四百一路線、約四万キロでございます。
  222. 又市征治

    又市征治君 これは時代の変遷を経て次々と三けた道路がどんどん造られてきた、地方自治体は何だろうと国に金出させりゃいいという、こういうことでやってきたということがあるわけですが。  ところで、四月八日の地方分権改革推進委員会で道路関係のヒアリングが行われたわけですけれども、ここで国交省の一般国道の範囲を限定する方向で見直しを行うという回答について検討がされていますね。委員長代理の西尾さんが、いかなる基準で限定するのか、第一次分権改革では国直轄二けた国道までとしていたのだから今回も限定の内容を示すべきだと、こうただされたのに対して、国交省は、何か意味が分からぬのですが、影響が大き過ぎるので口に出せないと、こういうふうに答えられたと、そのメモがありますね。そこで西尾さんから、更に線引きの基準を先に決めるべきだとまた強く求められたと。  要は、道路財源先にありきで国が権限を抱え込んで国道を増やすのではなくて、逆に、建設と管理の分権をして、それに並行して財源も地方に移管すべきだということなわけですよ。そうなれば地方の側も、国道にしてしまえば負担が助かるという、こういう従来の考え方をむしろ転換をさせることになるんだろうと思います。  そこで、この分権委員会に出すべき国道の限定の基準というのはどのようにお考えなのか。例えば第一次改革で示された二けた国道までという範囲との比較でも結構ですから、その辺の考え方を述べてください。
  223. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。  委員指摘のように、四月八日の推進委員会では、国と地方の適切な役割分担の下、国民生活や経済活動に支障が生じることがないよう留意した上で、国が自ら新設、改築、維持、修繕等を行うべき一般国道の範囲を限定する方向で所要の見直しを行うと回答いたしました。  これはもう委員御案内のことでございますが、平成十六年の三月に、分権推進計画の趣旨を踏まえまして、一般国道のまさに直轄指定区間の指定基準を法令化いたしました。これを具体化することだと思っております。  その際、今、かつての一けた国道、二けた国道ということ、そういう単純ではないかなと思っていますが、いずれにしても、そこに書いております国が自ら整備・管理を行うべき範囲、きっちり見直したいというふうに考えてございます。
  224. 又市征治

    又市征治君 どうも私は、皆さん方よくおっしゃるのは地方の意見を聞いてからとか、そんな格好で分権に随分後ろ向きだな、財源と権限を握っていたい、こういう感じがしてならぬのですが。同時に、やっぱりすべての道路を国が決めるのではなくて、国道を減らして分権化すべきだと、こう西尾さんも言っているし、私たちもそういう主張をしてまいりました。  少し具体的にお聞きをしてまいりますけれども、国が必要以上に権限を抱え込んでいると、こう思うんですが、地域高規格道路について、法制度上、どういう位置付けになっているんですか。
  225. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 地域高規格道路、結論から申し上げますと、法律的に位置付けはございません。平成五年度からの十一次道路整備五か年に盛り込まれて、平成六年、平成十年の都道府県からの要望を踏まえまして候補路線、計画路線の指定を行っております。  なお、平成十年に閣議決定されました二十一世紀のグランドデザイン、この中に位置付けられている、それに基づいて今申し上げた都道府県からの要望を踏まえて、候補路線、計画路線等を具体的にやっておるということでございます。
  226. 又市征治

    又市征治君 つまり、法的にも政令にもこれは定めがないわけですよね。だから、このあり余る特定財源に合わせて道路計画を増やしているんじゃないのか、こういう批判がやっぱりあるわけですよ。だから、分権改革委員会もそういう観点で物を言っている。  実態は、この多くが既存の道路と並行して計画されたりしているわけでして、本当に建設が必要かどうか、これはもうそれぞれのところから財政負担も含めて疑義が出されているわけですが、少し例を挙げてお伺いしたいと思うんですけれども、私の、富山と高山の関係の道路のことですが、富山高山道路、現在工事中の部分について、事業費、そのうち地方負担額、県別の長さ、完成年度など、どういうふうになっていますか。
  227. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 今、委員指摘の富山高山連絡道路、全体延長は八十キロで、そのうち富山県内の区間が二十キロ、岐阜県内の区間が六十キロでございます。このうち雨等によります事前通行規制区間であります富山市の楡原から小糸の間六・六キロにつきましては、平成九年度より猪谷楡原道路としまして一般道路の規格として整備を、事業を実施をしてございます。この中でも、北側区間の富山市楡原から庵谷の間三キロを優先的に整備をする区間と位置付けまして、用地買収を既に完了しておりまして橋梁工事を進めてございます。  この猪谷楡原道路全体事業費はおおむね二百六十億円でございますが、富山県による負担、後進地特例、ここでいろいろ変動はありますが、約八十億円になると、こう見込んでおります。供用時期でございますが、今申し上げましたように橋梁工事に入っているということでございまして、早期に完了を目指して工事を進めてまいりたいと考えてございます。
  228. 又市征治

    又市征治君 この費用便益計算、BバイCは全通した場合を前提にしますけれども、岐阜県側は富山路線よりも石川路線を重視をしていまして、富山高山道路は岐阜県の構想に今載っていないわけですね、これ。つまり、まあ富山県の方の片思いなんですね。全通は絶望的なわけですが、これは三月十二日、富山の県議会で明らかになりました。しかも、新たに二つの橋を架ける、それは暫定路線でまた後日別の工事をする、こういう計画のようであります。もちろん、現在の国道が増水で通行止めになる不便というのはもうこれは当然減らすべきですけれども、しかし、新道を造らずとも、現道に改修を施せば、危険を減らして住民の利便性にこたえることはできるのではないかと思うんですね。  そこで、大臣、全国的に地域高規格道路に指定された百七十本のうち、未完成、未着工のかなりの部分がこれと同様に、今申し上げたように全く、国土交通省はそれは計画立てているけれども、県によって全然意見が違う、こういうことなどもあるわけで、財源消化のための無駄な計画じゃないのかと、こういうことが批判をされているわけですが、今回の再検討の対象にこういうことも全部なさるべきじゃないか。大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
  229. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 地域高規格道路につきましてはいろいろとたくさんあります、六千九百五十キロもあるわけですから。その中でも、例えば京都府の宮津から兵庫県の豊岡そして鳥取を結ぶ、これは大変重要な場所であるにかかわらず、これは自動車専用道路の予定はありません。国道の自動車専用道路の、ありません。ここは地方のこの道路として整備をしようということになっていますが、地元は本当に熱望していますよ、これは。  それから、高知から徳島のところも……
  230. 又市征治

    又市征治君 ほかのところはいいんです。
  231. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) ですから、そういう皆さんの要望物すごい強いところがその中にありますということを申し上げたいわけです。そういうことですよ。
  232. 又市征治

    又市征治君 全然、大臣答弁になってないんで、私は、百七十本のうち未完成だとか未着工の部分について一面では再検討の対象にされたらどうですかと聞いているんですよ。そんな必要のあるところを、私ら道路なんか全然不必要だなんて一遍も言ったことないですよ。必要なものは必要なんですよ、それは。  だから、その必要なものを全部見直せと私は言っているんじゃないんですよ。現に未完成や未着工のところをこれは再検討する対象にすべきじゃないのかと、こう聞いているんです。もう一遍答えてください。
  233. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 財務省の査定を受けながら必要なもの、例えばそれは造る場合に、国が勝手に造るわけじゃないんですよ。その地方が都市計画をし、そしてアセスメントもやり、そして地域住民の意見も全部そろえて我々の方へ持ってこられるんですよ。そして、自分の方もその地域も大きな負担されるわけですよ。そういうものがそろったところで、たくさん全国にあります、そういうものを財務省とも相談をしながら、そして今後は、これは国土交通省だけではなしに、いわゆる審議会の御意見も伺いながら我々は決められるような方向、そして、ある場合はその大きな部分については国幹会議報告をするとか、そういうものを今検討させております。そういうことで透明性をはっきりさせていきたいと思います。  見直しというよりも、できないですよ、本当に。全部できないですよ、できない。できるように条件が整ったところから、そして財源もきちっと手当てできたものから手を付けるしかないんです。そういうことです。それで、国が積極的に押しかけてやっているわけではございません。全部地域からの、熱い熱い申出によって検討をしているというのが事実でございます。
  234. 又市征治

    又市征治君 だから、私は、富山県は熱い熱い思いでやったんだと思いますよ。しかし、岐阜県の方は全然熱くも何にもない、石川県の方につないだ方がいいと、こう言っているわけで、なっていないから、そういうことを含めてちょっと具体的な例を申し上げているので。あなたの話を聞いていると、何だろうと全部やらにゃいかぬと、こういう話に聞こえてしようがないので、そうすると、やっぱり道路財源というのは何ぼあっても足りないと、こんな話になってしまうじゃないですか。そんなことをあなたもおっしゃっているわけじゃないと思いつつ、少しやはりもうちょっと冷静に答えてくださいよ。  そこで次に、大臣が一生懸命力を入れられた、大変に私はこれ何度も申し上げた、本当に大臣も御苦労なことだと、こう申し上げたが、国交省の改革の最終報告を出されましたね。新聞報道は残念ながらかなり厳しい批判、これはある。姿勢だけのメスだと、身内も批判をしているとか、無駄遣いを生む財布だとかとこんな批判がいろいろとあるんですが、そんなことはともかくとしても、私自身、見させていただいて、三法人の解散など公益法人の統廃合にどうも絞られている、こんな感じがします。その基準もあいまいだし、数量的にも小さいし、何よりも国交省本体の業務にメスが入っていないんじゃないのか、こういう気がしてなりません。  報告書の中で、地方整備局における支出の事業にも触れられていますが、広報広聴費については三区分して、うち六十九億円は定型的だから三割だけ減額をする、四億円は不適切だからやめる、中間の二十五億については明記しておりませんが、広報啓発活動は半減すると、こういうふうにある。  四月九日の決算委員会で私は、官房長官にあのタウンミーティングのやらせ発言だとかの問題をただしました。これだけの御批判を受けたんだからゆめその間違いを繰り返さないように行っているというふうに答弁をされて、その際、各省庁に対しても官房長官の基本方針に沿った運用がなされるように努めているというふうにも実は答えておられます。  国交省も、道路建設のための広報啓発活動というこの項目に限定をして半減するというだけにとどまらずに、やらせ的な広聴活動は当然廃止されるべきものと、こんなふうに思いますが、少し具体の例を挙げて大臣にこれはお答えをいただきたいと思います。  先日、我が党の福島党首が聞きました。みちづくり女性モニター事業では、具体的には、近畿整備局が局に出入りのS社というコンサルタント業者の女性幹部を核にしてモニターを動員して、全体会議だの、ワークショップだの、みちカフェだの、植樹会だのアレンジさせて、道路はこんなに必要だと盛り上げを図っているわけですね。随意契約で年額三千万円で三か年以上にわたっていますからざっと約一億円、こういうことになるわけですが、随契の理由書を見ますと、公共事業は合意形成がますます難しくなっていると書いてあって、そのため参加者自らが継続的に活動するために女性モニター活動の企画検討及び実践を行うというふうに書かれています。そして、NPOまでつくらせるとあるわけですね。  まさにこれ、やらせ、随契、官製の道路造り運動、官製広聴じゃないですか。これらについては今度やめる事業の方に当然含められると思いますが、この点のお答えをいただきたい。
  235. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) ちょっとその前に、事実関係だけ答弁をさせていただきたいと思います。  この今委員指摘の女性モニターでございますが、これは国道百七十六号の名塩道路の事業残地、ここをどう使うかということでモニターを募集して四十回のワークショップを開催をいたしました。周辺景観と調和をした植栽計画の検討、作成、苗木の育成、そういうものをやっておったということでございまして、本体の話でございますので、ちょっと全体、今御指摘の話と違う点がございます。それだけ答弁させていただきました。
  236. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いします。
  237. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) ああそうですか。  女性の方がたくさん私の方へ、大臣室へお見えになります。高知のはちきんというグループも来られましたし、それから六国をきれいにしようと、これ大変なことだと思いますけれども、そういうことをやって、子供さん、中学、高校生にも、そういうことをして道路を清掃し、そしてまた花を植え、そういうことをやっている婦人もありまして、そういう人たちが自分たちの道路を守ろうということで一生懸命やっておられますよ。私は、それをやらせとか言われるんであれば、きちっとしたこれは裏付けがなければ、私はそういう、その人たちの表現の自由もあるわけですし、それを私どもがやらせたということは、その人たちにとっては大変な侮辱だろうと思います。私はそうではないと思います。  もちろん、そういうことがもしあるとするならば、これは平謝りしなきゃなりませんけれども、現在、そういう純粋に運動しておられる御婦人に対して、これは大変私は、私にとってはショックな話です。
  238. 又市征治

    又市征治君 時間が来ていますから。  現実に、随意契約の結果及び契約内容ということで国土交通省が出している中身の随意契約によることにした理由の中にそうした、さっき私が申し上げたような意味が入っているじゃないですか。この問題は、更に引き続き我々としては、じゃ、追及してまいります。  終わります。
  239. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 他に御発言もないようですから、国土交通省及び住宅金融公庫決算についての審査はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時二分散会