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2008-04-09 第169回国会 参議院 決算委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十年四月九日(水曜日)    午前十時二十五分開会     ─────────────    委員異動  一月二十四日     辞任         補欠選任         武内 則男君     梅村  聡君  一月二十九日     辞任         補欠選任         大久保 勉君     辻  泰弘君      舟山 康江君     木俣 佳丈君  一月三十日     辞任         補欠選任         木俣 佳丈君     舟山 康江君      辻  泰弘君     大久保 勉君  一月三十一日     辞任         補欠選任         金子 恵美君     平野 達男君      牧山ひろえ君     相原久美子君      仁比 聡平君     大門実紀史君  二月一日     辞任         補欠選任         相原久美子君     牧山ひろえ君      行田 邦子君     内藤 正光君      平野 達男君     金子 恵美君      西島 英利君     河合 常則君      大門実紀史君     仁比 聡平君  二月四日     辞任         補欠選任         内藤 正光君     行田 邦子君      牧山ひろえ君     友近 聡朗君      河合 常則君     西島 英利君  二月五日     辞任         補欠選任         金子 恵美君     内藤 正光君      友近 聡朗君     牧山ひろえ君  二月六日     辞任         補欠選任         内藤 正光君     金子 恵美君  三月十日     辞任         補欠選任         大久保 勉君     室井 邦彦君  三月十二日     辞任         補欠選任         室井 邦彦君     大久保 勉君  三月十七日     辞任         補欠選任         外山  斎君     川合 孝典君      仁比 聡平君     大門実紀史君  三月十八日     辞任         補欠選任         大久保 勉君     那谷屋正義君      川合 孝典君     外山  斎君      大門実紀史君     仁比 聡平君  三月十九日     辞任         補欠選任         川崎  稔君     松野 信夫君      那谷屋正義君     浅尾慶一郎君      牧野たかお君     荒井 広幸君      仁比 聡平君     大門実紀史君      又市 征治君     近藤 正道君  三月二十一日     辞任         補欠選任         浅尾慶一郎君     大久保 勉君      松野 信夫君     川崎  稔君      荒井 広幸君     牧野たかお君      大門実紀史君     仁比 聡平君      近藤 正道君     又市 征治君  三月二十四日     辞任         補欠選任         浜田 昌良君     渡辺 孝男君  三月二十五日     辞任         補欠選任         渡辺 孝男君     浜田 昌良君  三月二十六日     辞任         補欠選任         衛藤 晟一君     山谷えり子君  三月二十七日     辞任         補欠選任         山谷えり子君     衛藤 晟一君  四月三日     辞任         補欠選任         衛藤 晟一君     河合 常則君      西島 英利君     末松 信介君      松村 祥史君     荒井 広幸君  四月四日     辞任         補欠選任         荒木 清寛君     渡辺 孝男君  四月七日     辞任         補欠選任         荒井 広幸君     松村 祥史君      河合 常則君     衛藤 晟一君      末松 信介君     西島 英利君      渡辺 孝男君     荒木 清寛君  四月八日     辞任         補欠選任         大久保 勉君     中村 哲治君  四月九日     辞任         補欠選任         中村 哲治君     大久保 勉君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         小川 敏夫君     理 事                 神本美恵子君                 藤本 祐司君                 柳澤 光美君                 浅野 勝人君                 中村 博彦君                 荒木 清寛君     委 員                 梅村  聡君                 大久保 勉君                 加藤 敏幸君                 風間 直樹君                 金子 恵美君                 川崎  稔君                 行田 邦子君                 外山  斎君                 舟山 康江君                 牧山ひろえ君                 愛知 治郎君                 石井みどり君                 塚田 一郎君                 西島 英利君                 野村 哲郎君                 牧野たかお君                 松村 祥史君                 丸山 和也君                 遠山 清彦君                 浜田 昌良君                 仁比 聡平君                 又市 征治君    国務大臣        総務大臣     増田 寛也君        法務大臣     鳩山 邦夫君        財務大臣     額賀福志郎君        文部科学大臣   渡海紀三朗君        厚生労働大臣   舛添 要一君        農林水産大臣   若林 正俊君        経済産業大臣   甘利  明君        国土交通大臣   冬柴 鐵三君        国務大臣        (内閣官房長官) 町村 信孝君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(金融)        )        渡辺 喜美君    副大臣        内閣府副大臣   山本 明彦君        財務大臣    遠藤 乙彦君        経済産業大臣  中野 正志君         ─────        会計検査院長   伏屋 和彦君        検査官      山浦 久司君         ─────    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局刑事局長   小川 正持君    事務局側        常任委員会専門        員        桐山 正敏君    政府参考人        内閣審議官        兼内閣大臣官        房政府広報室長  高井 康行君        総務大臣官房審        議官       須江 雅彦君        総務省行政評価        局長       関  有一君        総務省情報通信        政策局長     小笠原倫明君        法務大臣官房審        議官       三浦  守君        財務省主計局次        長        香川 俊介君        財務省理財局長  勝 栄二郎君        財務省理財局次        長        藤岡  博君        文部科学省初等        中等教育局長   金森 越哉君        厚生労働大臣官        房長       金子 順一君        社会保険庁運営        部長       石井 博史君        農林水産省農村        振興局長     中條 康朗君        経済産業大臣官        房長       松永 和夫君        経済産業大臣官        房審議官     鈴木 英夫君        資源エネルギー        庁長官      望月 晴文君        資源エネルギー        庁電力ガス事        業部長      西山 英彦君        原子力安全・保        安院長      薦田 康久君        国土交通大臣官        房長       宿利 正史君        国土交通大臣官        房総括審議官   桝野 龍二君        国土交通大臣官        房技術審議官   佐藤 直良君        国土交通省河川        局長       甲村 謙友君        国土交通省道路        局長       宮田 年耕君        国土交通省住宅        局長       和泉 洋人君        国土交通省鉄道        局長       大口 清一君    説明員        会計検査院事務        総局次長     増田 峯明君        会計検査院事務        総局第一局長   諸澤 治郎君        会計検査院事務        総局第二局長   小武山智安君        会計検査院事務        総局第三局長   真島 審一君    参考人        独立行政法人都        市再生機構理事  尾見 博武君     ─────────────   本日の会議に付した案件理事補欠選任の件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○平成十八年度一般会計歳入歳出決算平成十八  年度特別会計歳入歳出決算平成十八年度国税  収納金整理資金受払計算書平成十八年度政府  関係機関決算書(第百六十八回国会内閣提出)  (継続案件) ○平成十八年度国有財産増減及び現在額総計算書  (第百六十八回国会内閣提出)(継続案件) ○平成十八年度国有財産無償貸付状況計算書(  第百六十八回国会内閣提出)(継続案件)     ─────────────
  2. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、武内則男君が委員辞任され、その補欠として梅村聡君が選任されました。     ─────────────
  3. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事荒木清寛君を指名いたします。     ─────────────
  5. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) この際、伏屋会計検査院長及び山浦検査官からそれぞれ発言を求められておりますので、これを許します。伏屋会計検査院長
  6. 伏屋和彦

    会計検査院長伏屋和彦君) 二月十五日付けをもちまして会計検査院長を拝命いたしました伏屋和彦でございます。  会計検査院に対する国民皆様期待も大きくなっており、重い責任を感じておる次第でございます。微力ではございますが、誠心誠意務めてまいりますので、御指導、御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
  7. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 次に、山浦検査官
  8. 山浦久司

    検査官山浦久司君) 二月十二日をもちまして検査官に就任いたしました山浦久司でございます。  就任後二か月が経過しましたが、その間、会計検査院に寄せられる国民期待を改めて受け止めているところでございます。今後とも、会計検査院に対する国民の負託にこたえ、また国会検査要請等などにも迅速に対応しながら、この職責を誠心誠意全うしていく覚悟でございます。  委員皆様におかれましても、よろしく御指導、御鞭撻をお願いいたします。     ─────────────
  9. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成十八年度決算外二件の審査並びに国家財政経理及び国有財産管理に関する調査のため、必要に応じ政府参考人出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 御異議ないと認めます。  なお、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  12. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成十八年度決算外二件の審査並びに国家財政経理及び国有財産管理に関する調査のため、必要に応じ政府関係機関等役職員参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  15. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 平成十八年度決算外二件を議題といたします。  本日は、平成十七年度決算に関する本院の議決について政府の講じた措置並びに平成十七年度決算審査措置要求決議について政府及び最高裁判所の講じた措置について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  16. 神本美恵子

    神本美恵子君 おはようございます。民主党・新緑風会・国民新・日本の神本美恵子でございます。  本日は、〇五年度決算に対して本院が発しました警告決議及び措置要求決議に対して政府が講じられた措置についての質疑であります。  質疑の順番をちょっと変えたいと思います。官房長官が四十五分には記者会見でお出になるということですので、まずタウンミーティングに関してお伺いをしたいと思っております。  この政府が講じた措置ということについては、無駄遣いが排除されるような措置が講じられたかという点が最大の眼目でありますけれども、それだけでは十分と言えず、同じようなことが繰り返されないように、再発防止という観点から政府が講じた措置に対する監視ということも重要ではないかというふうに私は考えております。  その観点から、まずタウンミーティングについて、これは、小泉内閣において〇二年度から内閣府において行われてきたものでございますけれども、一昨年、特に教育基本法改正にかかわっての議論の中で、これが膨大な無駄遣いをしている、無駄遣いの中身も不正経理契約等も含めて行われておりましたけれども、もう一つ、やらせ質問という、政府がこんなことをやるのか。政府政策国民に宣伝するといいますか、言葉が悪いですけれども、政策理解を深めるという目的で行われていたことですけれども、その行き過ぎがやらせ質問という形になっていたということもございます。そういった観点から、〇二年度から〇六年度まで約二十億円の予算を使って行われている。  これについては、会計検査院検査を、警告決議を発し、検査院検査をし、それについての報告が出たわけですけれども、政府はこれについて措置を講じられまして改善をしている。その改善が行われていることは私もよく理解をしているんですけれども、これが発覚するまでの間、こういった問題について気付く余地はなかったのか、機会はなかったのかということで見てみますと、実は〇四年度に政策評価が行われているんです、このタウンミーティングについてですね。  その政策評価を見てみますと、効率性というところに、業者選定一般競争入札で行う、運営費用効率化に努めている、また達成状況としては達成できた、総括として、引き続き同水準継続実施が必要な施策であるというふうに自己評価がなされております。まさにこの無駄遣いが行われ、やらせ質問等がこの時期に行われていたかどうかは今ちょっと定かではありませんけれども、こういう自己評価がなされている。  この政策評価は実態と全く懸け離れているのではないかと思いますけれども、これについて内閣府の方、御説明お願いしたいと思います。
  17. 山本明彦

    ○副大臣山本明彦君) 神本委員の御質問にお答えさしていただきます。  委員指摘タウンミーティングについて、事後評価がしっかりしてなかったんではないか、いいかげんだったんではないかという御指摘でありますけれども、そもそもこの政策達成目標というのが二つでありまして、一つがおおむね二回の開催を達成することということと、もう一つが一回当たりの平均発言者数は十・五人にすること、この二つ目標として定められておりまして、したがって、事後評価の方もそちらの方に重点を置きました。この二つにつきましては、確かに数字的には目標が達成できたという形であります。  ただ、今御指摘のようにコスト縮減等効率性につきましてどうかといいますと、これはやはり今先生指摘のように、業者選定一般競争入札で行いましたよとか、安い単価の会場、公共の会場を使いますという程度のことで、だからこれは政策目標を達成できたと、こんなような結論になっておるわけであります。  しかし、会計検査院にも指摘がありましたように、先生指摘にもありましたように、よく見てみますと、中で実際に業者の方がどれぐらい人数が来たとかチェックも一切行っていなかったというようなこともありまして、そうした意味効率性についてはチェックが行われていなかったことは事実であります。  したがって、そういった意味で、政策評価において効率性観点からいうと評価が不十分だったと言わざるを得ないというふうに思っております。
  18. 神本美恵子

    神本美恵子君 この政策評価の基準といいますか、達成目標測定目標といいますか、が発言回数とか開催日数開催数ですね、そういうところに置かれているというところが、この政策評価在り方そのものについて、これでいいのかという大変大きな疑問符が持たれます。  また、効率性についても、今おっしゃったように、後での会計検査院指摘と随分違う内容になっている。法令違反もあるというようなことになっておりますので、これについて、政策評価については、これは総務省がいわゆる二次評価と言われるようなものをやっていると思うんですけれども、総務省評価としてはこのタウンミーティングはどのようになっているんでしょうか。
  19. 関有一

    政府参考人関有一君) お答え申し上げます。  政策評価は、政策評価法などに基づきまして各府省がその所掌する政策について自ら評価を行うことが基本となっております。  総務省といたしましては、政策評価の客観的かつ厳格な実施を担保するために、各府省が自ら実施した政策評価につきまして、目標が明確であるかなど、評価として備えるべき水準に達しているかを点検することとなっております。  内閣府のタウンミーティングを対象とした政策評価につきましては、達成目標設定の考え方、それからその根拠が不明確であるという点検結果を平成十七年十月に内閣府に対して通知し公表したところでございます。
  20. 神本美恵子

    神本美恵子君 総務省評価としては、達成目標のその目標を設定した根拠が不明確だという指摘があるわけですけれども、その目標そのものの立て方の問題についてここでいろいろ言うちょっと時間がございませんので、この政策評価在り方について問題意識を持っているということを申し上げたいのと、あと、会計検査院も、検査在り方として、有効性観点からその政策評価状況についても留意して検査を行うというふうにされております。  このタウンミーティング検査に当たって、この政策評価という観点からはどのような見解をお持ちか、お伺いしたいと思います。
  21. 諸澤治郎

    説明員(諸澤治郎君) お答え申し上げます。  会計検査院は、平成十九年二月に参議院から、国会法第百五条の規定に基づきまして、平成十三年度から十八年度までの間に内閣府が実施したタウンミーティング運営に関する請負契約につきまして、契約方法契約手続などの状況契約金額支払金額など契約執行状況会計事務処理状況、この三事項について会計検査を行い、その結果を報告することを求める御要請を受けたところでございます。  私ども会計検査院といたしましては、御要請検査事項につきまして、合規性経済性等観点から検査を行った結果、十九年十月に行った報告におきましては、内閣府が今後の事業実施に当たり留意すべき点といたしまして、法令遵守徹底等再発防止策を講ずること、コスト意識が十分であったとは認められず、今後、事業が一層経済的に実施されるよう努めること、今後の請負契約においては必要な記録の整備等が的確に行われるよう会計機関が必要な指示や態勢整備を行うことを所見として記述しているところでございます。
  22. 神本美恵子

    神本美恵子君 自ら行う政策評価について会計検査院が、それに対してはどのような見解をお持ちかということについてお答えいただいていないようなんですが、官房長官の時間限られておりますので、この問題について最後に、無駄遣いの排除ということと併せて、その政策そのものが妥当であるのかということも含めた政策評価を経て二十億円の無駄遣いをし、この無駄遣いした二十億円はもう戻ってこないのかなと、どうやって国民にこれは返すことができるのかなということも疑問なんですけれども。  もう一つ大きいのは、先ほど申し上げましたように、これは特に教育基本法改正のときに、タウンミーティング国民の多くが賛成している、こんな意見を持って賛成していると言われたその根拠として取り上げられたこんな意見が、実は文科省内閣府の皆さんが作った質問意見事項でやらせとして発言されて、この教育基本法改正、まあ私は改悪だと思っておりますが、に至っているわけですね。  こういう政策の、まあ私の意見から言わせていただければ、ゆがみの根拠となったタウンミーティング在り方について、せっかく政策評価というシステムがありながらそれが十分に機能していなかったことについて、今後の在り方も含めて官房長官の、こういうことを二度と起こさない、基本方針を出されて、今、別の組織をつくって、推進会議をつくってそこできちっとやるということはもう承知しておりますので、そこの詳しい説明は必要ありませんので、決意と国民に対してこの二十億円の無駄をどうするのかということについてお伺いしたいと思います。
  23. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 委員指摘のようないろいろな問題、あったことはよく認識をいたしております。また、会計検査院からの昨年の十月の報告につきましてもよく認識をしております。政府の方でも、当時の林副大臣を中心にいろいろな検討を行い方向性を示したところであります。  福田内閣全体といたしまして、この厳しい財政状況にかんがみまして、やっぱり無駄を省いていくということ、これは今国土交通省の関係でもいろいろ御指摘をいただいております。全省庁的にも今そうした無駄をいかに省いていくのかということを内閣一つ基本といたしましていろいろな取組を始めているところでございまして、透明、公正、簡素に運営をしていこうということで様々なコスト削減等をやっております。  今、福田内閣になりましてからは各大臣が各地に出向きまして、今年の一月からかな、舛添大臣と語る希望と安心の国づくり等々、ごめんなさい、去年からやっておりました。安倍内閣のときから福田内閣に替わりましたら、上川大臣と語る希望と安心の国づくり、福田内閣としての第一回目以降数回開かれておりまして、従前は、金額だけの問題ではないと思いますが、一千万円ぐらい掛かっていたのを昨今は大体百万円以内に抑えようというようなことでやっておりますし、また、どういうんでしょうか、参加人数がとにかく多ければいいということでもなかろうということで、大体参加人数も常識的な範囲になってきております。また、職員も、全部一括請負に出すのではなくて、土曜日、日曜日であっても内閣府の職員が出向いていってできるだけの実務を担当する等々の努力をしております。  そのような改善をしながら、しかしやはり国民の皆さん方と大臣等が出ていって直接会話をし直接お話を聞き、それをまた行政に反映させていくということは、これは私は大切なことだし、今後ともやらなければいけないことだろうと思っておりますが、ただいまの委員の御指摘あるいは検査院等々の御指摘も踏まえながらしっかりとやっていきたいと考えております。
  24. 神本美恵子

    神本美恵子君 政策評価在り方も、せっかくこういうシステムがありながらそれが機能していなかった。その時点でこういうコスト、無駄遣いということや運営の仕方が、発言回数や参加人数じゃないだろうということにその時点で自ら評価して総括していれば無駄遣いが半分で済んだかもしれないし、その時点でやり方も変えられたかもしれない。  今に至って、確かに一回の分いろいろ工夫して、それからアンケートの取り方も工夫をされているようにお伺いしていますので、それはそれで是非やっていただきたいんですけれども、繰り返さないためには自らの評価を厳しく真摯にやっていくということについても是非やっていただきたいと思います。  一言だけおっしゃって、あとはもう結構でございます。
  25. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 各省がそれぞれ自らの行政を評価する、まず基本がそういう姿勢でなければなりませんし、それと同時に、総理府の行政評価局あるいは会計検査院等々のそうした直接担当でないところの評価というものもやはりきちんとしなければいけない。ただ、その評価の視点そのものがやはり不十分であったということは、これは反省をしなければならないことであろうと、こう受け止めておりますので、今後こうした皆様方から御批判が受けるようなことがないように十二分に意を用いてまいりたいと考えております。
  26. 神本美恵子

    神本美恵子君 官房長官、ありがとうございました。御退席なさって結構です。  次に、年金施設の売却の問題ですが、これについても社会保険庁の不祥事事案ということで、政府としてこれについては、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構というものを立ち上げて売却に今当たっているということを承知しております。  国が年金保険料を投じて建設した年金福祉施設、これを現物出資という形で、二〇〇五年十月一日に設立された整理機構ですね、ここで五年間で売却をするということですが、現在、この機構への出資施設数と出資価格と、この三年間の売却実績について、まず参考人にお伺いしたいと思います。
  27. 石井博史

    政府参考人石井博史君) お答え申し上げます。  委員おっしゃいましたように、平成十七年十月に、五年間の時限ということで独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構という組織を設立いたしまして、現在、年金福祉施設についての譲渡、売却、そうしたものの取組を進めているわけでございます。  それで、お尋ねでございますけれども、十七年十月に発足したこの機構に国の方から出資した施設数でございますけれども、三百二施設でございます。そして、出資時点におきます出資価格でございますが、合計額で約二千十七億円というような数字になってございます。  他方、その機構によります売却実績の方でございますけれども、本年、平成二十年三月末現在で申し上げますと、百六十四施設を売却いたしまして、その売却金額は合計で八百九億円という金額になってございます。ちなみに、この金額は不動産鑑定評価などに基づき算出されます出資額、これ六百六十六億円という数字になってあるわけでございますけれども、これに対しましてプラス百四十三億円、そういうような形での売却実績ということになっているわけでございます。
  28. 神本美恵子

    神本美恵子君 今、この三年間での売却実績についてお話ございましたが、厚労大臣、この今時点での売却実績について、どのように評価されておりますでしょうか。
  29. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) この機構、いわゆるRFOと申しますけど、これで、競争原理で整理をしていくということで、今御説明ありましたように八百九億円の売却額、そのときの出資額に比べれば百四十三億円のプラスということでありますので、機構の目的に沿って着実に仕事を進めているというふうに思います。  今後とも、適切な価格で計画が進められるよう期待をしているところでございます。
  30. 神本美恵子

    神本美恵子君 着実に機構としては仕事を進めているというふうな評価をなさいましたけれども、このRFO、整理機構の資料によると、平成十八年度実績及び平成十九年度計画の概要等についてということで記載されておりますが、機構発足以来、十八年末までの一年半の売却額合計は三百四十九億五千六百万で、簿価対比約二倍、出資価格対比一・四倍と、大幅にプラスとなりましたというふうにあります。  確かに、出資価格と比較する、あるいは簿価と比較すれば、それよりもプラスとなった売却ができたという点では大臣評価もいいんですが、果たしてこれが本当にそういう評価をしていいのかどうかということですね。  元々この年金福祉施設は、どれだけの土地購入や建設費、もちろん減価償却はあるにしても、どれだけ掛かって、それがこれだけに売れたということで評価しなければいけないと思うんですけれども、これは新聞報道ですが、新聞報道によりますと、売却廃止が決まった四百十二物件で約一兆四千億円の建設整備費が掛かっているということなんですね。一兆四千億円の建設整備費が掛かっているにもかかわらず、資産価値、出資価格は二千億余にすぎないということですが、そもそも新聞報道で一千四百億というふうにありますが、この売却された施設の土地購入費を含めた施設整備費はどのくらいになるのでしょうか。レクを受けたときには分かりませんというふうに聞いたんですが、お伺いします。
  31. 石井博史

    政府参考人石井博史君) お答え申し上げます。  これまでに出資を機構の方にいたしております年金福祉施設等にかかわる建設費等でございますけれども、これは個別施設ごとの建設費ということでお尋ねがございますとすれば、これについては、大変恐縮でございますけれども社会保険庁の文書保存規程の関係もございまして、保存期間五年ということでその建設当時の資料が残っておりませんので、個別ということでの建設費用についての御説明を申し上げることができないという状況ではございます。  しかしながら、今回の出資対象施設に関しまして投入いたしました保険料、これを基に平成十六年度までの決算を基に推計をするとということでございますが、施設整備費それから土地取得費合わせますと、年金福祉施設で約一兆二千六百億円、それから政府管掌健康保険の保健福祉施設、こちらの方で約一千四百億円ということで、合計約一兆四千億円と、こういう保険料の投入金額ということになってございます。
  32. 神本美恵子

    神本美恵子君 総額で一兆四千億円ということですので、そうしますと、それが現在の資産価格としては二千億の評価になっている、それを売っている、今売却進めているわけですよね。そうしますと、それが少し多く売れた、簿価対比二倍に売れた、出資価格対比一・四倍とプラスになったという評価ではなくて、元々使ったお金が、保険料から使ったお金が一兆四千億円、そのうちのこれだけ売って、今売却が進んでいる。  そうしますと、整理機構としては努力をして着実にやっているけれども、厚労省なり厚労大臣、社会保険庁としては、これだけのお金を掛けて、無駄遣いではないかと。グリーンピアはこの対象外ですけれども、無駄遣いの象徴と言われたあのグリーンピアを見ても分かるように、これだけお金を掛けて回収できるのは二千億。最大努力してそれに少しプラスをするだけで、これが大幅にプラスしましたというような総括ではいけないんじゃないかと私は思うんですけれども。  国民に対してきちんとこれだけの無駄遣いをしたということを明らかにするためには、私は、今総額じゃないと分からないと言われましたけれども、総額で言うんであれば、全部売れてしまった後でこれだけ無駄遣いの跡が残ってしまいましたということを国民にきちんとおわびをしなきゃいけないと思います。RFOのこれ見ますと、大幅にプラスしましたということで、いかにもこれだけ回収できた、頑張りましたというふうに聞こえてしまうんですけれども、厚労大臣、この点について是非おわびをしていただきたいと思います。
  33. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) こういう問題は、社会保険庁を大改革するという一環で四年前に与党の協議会、私も積極的に参画してこれを見直すと。  昔は、例えばホテルなんかが高ねの花だったときに、福利厚生施設がある。私も、子供のころを思い出すと、厚生年金会館で芝居見させてもらったり、まあ病院はちょっと別ですけれども、厚生年金病院にお世話になったり、いろんないい施設がありました。しかし、だんだん時代が変わってきて、時代のニーズが変わってきているときに、このままでいいんだろうかということで四年前抜本的にRFOに移ると、移すということをやったわけであります。  ですから、かつてはやはりそれなりの意義はあったと思いますけど、だんだんそれが薄れてきている。そういう中で、二度と国民の大切な年金の掛金をこういう施設に使わない、そういう決定をいたしたわけなんで、これはかつてはそれなりの意義はあったし、年金を掛けている国民の皆さんに福利厚生施設で還元しようと。ところが、それは天下りの温床になる、いろんな問題点が出てきた、無駄なものを買う。  ですから、これはきちんと襟を正して四年前にこういうことをやりましたんで、今後ともそういう方針で整理を進めるとともに、新しい社会保険庁をこの日本年金機構によみがえらせると、そういう努力を今後とも続けてまいりたいと思っております。
  34. 神本美恵子

    神本美恵子君 政府が、こういう問題が起きて批判を浴びると必ず別組織をつくって、そこで頑張ってやり直しをします、改善しましたというふうにして本当の責任の所在がうやむやになってしまうという政府のやり方というのはあちこちに、といいますか、今日取り上げましたタウンミーティングもこの年金施設もそうですけれども、これについてはきちっと、元々政府としてやってきたことに対する国民の批判であり指摘でありますので、それについてはきちっとした対応なり責任を感じてやっていただきたいということを申し上げたいと思います。  時間がもうなくなってきたんですが、会計検査院にお伺いしたいと思います。新しい院長で初めての質問でございますけれども、もう時間がありませんので一問だけですね。  検査報告でたくさん指摘をしていただいていますが、実地検査や書面検査をして疑義があった場合にはそれに対して関係省庁に書面で質問をされるというふうに聞いております。照会文書とも言われるというふうにお聞きしていますが、その書面質問が今回八百余事項あったと。正確な数字が分からないんですが、これが幾つの省庁にまたがっているとかいうのもちょっと知りたいんですけれども、検査をしてここに掲記されるものと掲記しない、書面質問もしたけれどもここに掲記するまでもないというふうな、何らかの判断で、基準で掲記するものしないものという取扱いされていると思いますが、その基準はどのようなものになっているんでしょうか。
  35. 伏屋和彦

    会計検査院長伏屋和彦君) お答えいたします。  今先生言われましたように、会計検査院では基本方針を立てて、検査基本方針を毎年立てまして、計画に基づいてそこの中で実地検査すべきところを抽出しているわけです。その検査状況はいずれ決算検査報告になるわけですが、その掲記する基準をどう考えているかという御質問だと思います。  それは、実際の実地検査又はいろいろ書面等提出していただいたものを調べた上で、事実関係とか規模、それからやはり内容によっては質的な面も含めまして、重大性それから発生原因、今後ともまた引き続き起こるんではないか、そういうようなこと、事態の広がり等を検討いたしまして、そこは総合的に判断して決算検査報告に掲記をしているところでございます。中には、ですから、掲記をしないといっても引き続き事態を見守りながら検査を進めるというものもございます。そういうようなことで判断していると御理解いただきたいと思います。
  36. 神本美恵子

    神本美恵子君 ちょっと時間がありませんので、余り今のでは納得できないんですけれども、掲記されなかった、疑義を持ったけれども掲記されなかったものについて、私は、国民の皆さんにも私たち委員にも是非公表していただきたいという気持ちを持っておりますので、引き続きこの点についてはまたやり取りさせていただきたいと思います。  以上で私の質問を終わります。
  37. 風間直樹

    ○風間直樹君 民主党の風間直樹です。  最初にちょっと確認だけさせていただきますが、国交省所管の公益法人で、問題になりました日本観光協会、これ以外に都道府県から出資金を受けている団体があるかないか、御答弁お願いします。
  38. 桝野龍二

    政府参考人(桝野龍二君) 私の方からお答えいたします。  日本観光協会は、これは社団法人でございまして、会費、寄附金、拠出金等で賄われておりまして、済みません、先生、出資金という実は範疇はございません。そういう意味では、出資金を受けている社団法人というのは多分ないと存じております。
  39. 風間直樹

    ○風間直樹君 済みません、確認します。観光協会は出資金を都道府県から受けていると。ちょっと今聞き取りにくかったものですから、もう一回お願いします。
  40. 桝野龍二

    政府参考人(桝野龍二君) 日本観光協会が行っています広域観光事業に対して賛同いただきまして、拠出金という形、名前は交付金となるかもしれませんが拠出金という形でいただいております。
  41. 風間直樹

    ○風間直樹君 それでは、ほかの団体でその拠出金を受けている団体はございますか、都道府県から。
  42. 桝野龍二

    政府参考人(桝野龍二君) 名前が拠出金などの、県から事業に対して補助金的なものとして受けているものを調べますれば、過去五年間では十四年度で二百二十法人へ四百十八億円、あと十五年度、十六年度、十七年度、大体約二百法人に四百億円内外、十八年度は精査中でございますが二百五法人へ四百三億円となっております。
  43. 風間直樹

    ○風間直樹君 相当出ているんですね。びっくりしました。  これは、日本観光協会は内部留保が問題になりましたが、今おっしゃった法人での内部留保、一番直近の年度末で残高どれぐらいあるんでしょうか。
  44. 桝野龍二

    政府参考人(桝野龍二君) 法人の数が多いので全体でまとめさせていただきますれば、精査中でございますけれども、内部留保は実はマイナスになっておりまして、マイナスの四百七十億円内外となっております。
  45. 風間直樹

    ○風間直樹君 これ、法人数が二百を超えていますので一々お伺いするわけにはいきませんが、例えば一つ二つ名前を挙げていただきたいんですけれども、具体的な。
  46. 桝野龍二

    政府参考人(桝野龍二君) 十八年度でいえば、例えば一番大きいのは東京バス協会でございます。これは内部留保は、留保水準でいえばゼロでございます。上の方から参りますと、例えばトラック協会が、東京都トラック協会はマイナスになっております。大阪府トラック協会は一四%という数字になっております。
  47. 風間直樹

    ○風間直樹君 このトラック協会は以前も、全国的なトラック協会なんでしょうか、相当の拠出を受けているということが報道されましたが、これ、ちょっとリストを委員会あてに提出していただけますか。その上で、また後日の決算委員会で審議を深く行いたいと思います。  いずれにしても、これは初めて伺いましたので相当問題だと思いますが、ちょっと一つお尋ねします。これ、どういう名目で拠出金を受けているのか、どういう目的なのか、お答えください。
  48. 桝野龍二

    政府参考人(桝野龍二君) 幾つかの実は拠出金の種類がございますが、例えば観光につきましては、先ほど申しましたように全国の観光事業を行っている日本観光協会の事業に対して賛同をいただいて、会費的なもの、分担金的なものとして出していただいています。  また、トラックに対しましては、運輸振興助成交付金制度という形の中で、各県トラック協会が行う、輸送の効率化でありますとか輸送の安全確保の問題でありますとか、そういう事業に対する補助金的なものとして支出されているというふうに理解しております。
  49. 風間直樹

    ○風間直樹君 これ、当然二百を超える法人に対して国交省を退職された方々が天下っているわけですね。そこに対して都道府県から拠出金を出してその天下りを支えていると、こういう構図だというふうに理解するんですが、この拠出金というのは都道府県にとっては任意なんでしょうか、それとも事実上の強制なんでしょうか、どっちですか。
  50. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 桝野審議官、少しゆっくりおしゃべりいただくようお願いいたします。
  51. 桝野龍二

    政府参考人(桝野龍二君) 申し訳ございません。  法律的な強制ではございません。そういう事業に賛同していただいて、過去継続的にいただいている制度でございます。
  52. 風間直樹

    ○風間直樹君 そうしますと、例えば都道府県の中で自治体の財源も厳しい折もう拠出はやめたいと、こう申し出る都道府県が出てきた場合、それを止める権限は国交省にはございませんね。
  53. 桝野龍二

    政府参考人(桝野龍二君) 過去ずっといろいろなところでお願いをしてまいりまして、そういう意味ではずっと継続していただいているというふうに理解しております。
  54. 風間直樹

    ○風間直樹君 大臣、これ大変大きな問題だと思います。初めてこの場で明らかになった事実なんですね。これだけ都道府県財政が厳しい折から、こういう拠出金を事実上任意ではなく半ば強制で国交省が各都道府県に対して求めていると。それに応じざるを得ない都道府県の事情もあると思うんです。  大臣、これどのようにお考えになるでしょうか。
  55. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 強制ではないということを彼は今答えているわけで、強制ではございません。  それで都道府県、一県では行い得ないような事業、共同して行うような事業、これを都道府県の人たちが集まりまして、そしてこういうものをやろうじゃないかということでお決めになって、そしてそれをそれぞれが分担をして、そしてやっていらっしゃるわけでありまして、決して強制とかそういうことではないと私は思いますし、それなりの意味があるから各都道府県は協賛をして、そしてこれも社団のメンバーだと思うんですよ、そういうことで出していらっしゃると私は思います。
  56. 風間直樹

    ○風間直樹君 大臣、私もかつて地方議員を務めましたのでこの辺の事情がよく分かるんですが、これ、都道府県の方々にとっては事実上お断りができないんですよ。こういう拠出を国交省からお願いをされたときに、それを断るということは非常に心理的に難しいんです。今回の特定財源の問題あるいはガソリン税の問題でもそれが言えるんですね。  私もいろんな首長さんとお話をしますが、やはり皆さん気にするのは、自分たちが国交省の方針に反対したときに、反する言動を取ったときに、どういうふうに国交省から見られるかと、このことを非常に気にするんです。ですから、この問題は特に、やはり大臣が明確に、こういうことはもう今後都道府県にとって任意にするんだと、強制ではないという建前を取っているけれども、今後都道府県からこれを拠出をやめたいと言ってきた場合には、それを認める用意があるということを明確にしていただく必要があると思います。  大臣、いかがでしょうか。
  57. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) これは都道府県が決められることじゃないですか。都道府県が構成員となってつくっておられる団体のことを、そこで決めることじゃないですか。それが財政で厳しいからもう抜けたいという人は抜けていただいて結構ですよということをそこで決めていただければ、それでいいんじゃないですか。私はそのように思いますが。
  58. 風間直樹

    ○風間直樹君 こういう建前的な構図の中に、やはり私は問題があるんじゃないかなという気がいたします。  この部分は今後より掘り下げをさせていただきまして、今大臣指摘になった、都道府県が自発的につくっている団体がどういう趣旨の団体なのか、それも調べました上で、また後日お尋ねをしたいと思います。  続きまして、ちょっとお尋ねの順序は変わりますが、高速道路の建設にかかわる件でお尋ねをいたします。  四月四日の本会議で、我が党の大塚耕平議員が、民営化会社と債務返済機構の関係について問題提起をされました。すなわち、高速道路会社が計画、建設した道路と、それに要した債務は、丸ごと債務返済機構に移管できる仕組みになっている。それを財務技術上可能としているのは、高速道路事業等会計規則第七条に登場する仕掛かり道路資産だと、こういう指摘であります。  私、これを非常に不思議に思いまして、国交省にこの本会議の後お尋ねをしてみたんですが、この民営化会社が債務返済機構に道路と借金を丸ごと移管する、このおそれを当然防ぐ必要があると思うんですね、債務が雪だるま式に膨らんでいくことを防ぐ上でも。その防止をどのようにやっていらっしゃるんですかと、このようにお尋ねしましたら、民営化会社と債務返済機構が結ぶ協定によってそれをチェックしていると、こういうお答えでございました。  私、協定を入手して調べてみたんですが、どの部分でこれが担保されているか分からないんですよ。どの部分なんでしょうか、御答弁お願いします。
  59. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 協定本文である事例でございますが、工事の内容の第四条というところで、会社が行う高速道路の管理のうち、新設又は改築に係る工事の内容は、別紙何々のとおりとするということで、第五条には、新設又は改築に係る工事に要する費用に係る債務であって、機構が会社から引き受けることとなるものの限度額は別紙何々から何々までのとおりとするという、まさにここで限度額を定めている、協定で定めているということでございます。
  60. 風間直樹

    ○風間直樹君 局長、これあくまでも目録ですよね。つまり、両者の間で民営化会社が建設する道路はこことここですと、それを債務返済機構も確認しますという目録ですよね。この目録の内容が、本当に無駄な道路を含んでいないかどうかというチェックが必要ではないかと私は思うんですが、そのチェックはどこでやっていらっしゃるんでしょうか。
  61. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 目録というお尋ねでございますが、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法、ここの第十三条の中でまさに協定の内容を定めてございます。第十三条の第一項の第三号で、前号に規定する工事に要する費用に係る債務であって、機構が会社から引き受けることとなるものの限度額、これを定めよということが債務返済機構法に書かれておりまして、これに沿って協定が結ばれているということでありまして、約束とかそういうものではなくて法律に基づく行為でございます。
  62. 風間直樹

    ○風間直樹君 それでは、その限度額として定められた債務、その債務が適切かどうかという判断はどの組織のどの部署でされているんでしょうか。
  63. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) これはまさに、協定を結ぶ際に機構とそれから会社がチェックをいたします。高速道路会社が建設する高速道路に係る債務については、機構が会社から引き受ける限度額、債務引受限度額が協定において事業単位ごと、供用区間ごとに定められており、この限度額の範囲内で機構は会社からの債務を引き受けることになっております。機構は、会社から引き受けた債務を含めて四十五年以内に計画的に償還するということになっておりまして、まさに償還の中、償還ができるかどうかということで債務引受限度額が決まっておりまして、そこでチェックがなされているということでございます。
  64. 風間直樹

    ○風間直樹君 さきの本会議で総理はこのように答弁されているんですね。仕掛かり道路資産も当然に将来償還すべき債務として扱っている民営化の枠組みは、全体として国会の議決を経たところでありますと。これは、私、壮大なからくりだというふうに理解をしているんです。つまり、道路公団を民営化するときに、莫大な債務が当時既にあった。大ざっぱで結構ですが、幾らあったでしょうか。
  65. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 六会社になりました高速道路公団、首都公団、阪神公団、本四公団、そこに係る全体の有利子債務がたしか四十兆だったと記憶しております。
  66. 風間直樹

    ○風間直樹君 この四十兆の債務をそれ以上増やしてはいけないという国民的なやはり世論があって、その上で道路公団の民営化がされたという経緯なわけです。しかし、民営化されてみたら、実はその債務の増加を防止する手だてというものが実態的にはなかったというのが、この仕掛かり資産に隠された実は会計技術上のからくりなんですね。私はこれ大変大きな問題だというふうに思います。  局長、お尋ねしますが、この総理答弁で、全体として国会の議決を得たところなんだと、こういうふうに答えられているわけですが、じゃ、その国会で可決した法律のどの部分にこの仕掛かり資産というものが規定されているのか、お答えいただけますか。
  67. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 突然でありますので、法律的にどうかということで、法律の条文までにわかに分かりませんが、仕掛品の道路資産というのは、高速道路会社の毎年度の財務諸表、そこの中に記載されることになってございます。そこでチェックはできます。
  68. 風間直樹

    ○風間直樹君 済みません、ちょっと意味が分からないんですが、もう一回答弁お願いします。
  69. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 高速道路が保有します仕掛かり道路資産の額というのは各会社の財務諸表に明記をされておりまして、公表されております。それで、そういうものが供用になる資産と債務、委員指摘のように移りますが、仕掛かり道路資産に係る債務については完成後に機構の債務に承継される。その協定の償還計画にこれが盛り込まれておりまして、隠れた債務というのは当たらないと思います。
  70. 風間直樹

    ○風間直樹君 私がお尋ねしたのは、仕掛かり資産という仕分項目を設定することが法律案の中に当時規定されていたんですかというお尋ねなんです。
  71. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 独立行政法人の、先ほど申し上げました高速道路保有・債務返済機構法の第十五条でございますが、ちょっと長くなってよろしゅうございますか。  第十五条は、機構は、高速道路に係る道路資産が道路整備特別措置法第五十一条第二項から第四項までの規定により機構に帰属するときにおいては、前条第一項の認可を受けた実施計画に定められた機構が会社から引き受ける新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に係る債務の限度額の範囲内で、会社が当該高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために負担した債務を引き受けなければならないということで、ここで仕掛品の明記がございます。
  72. 風間直樹

    ○風間直樹君 これ、当時の小泉総理が行われた小泉構造改革の中でも私は最も欠陥品の一つだと思っています。これだけ無駄な道路を造り続ける構図が、まさにあれだけ大山鳴動して置かれた民営化委員会の中で出てきて、そしてそれが決まったと。  この道路公団の民営化問題に当初から深くかかわっていらっしゃった櫻井よしこさん、評論家、このように書かれています。  道路建設にかかわるすべての借金も機構が引き受ける、機構が資産も債務も経営権もすべて握るわけだ、道路会社は資産もない代わりに借金を背負わない、彼らは機構から道路をリースして運用し、料金を徴収して会社の維持管理費用を払う、各会社は利益を上げてはならないとされているため経営努力をするインセンティブはない、この仕組みを上下分離方式と言う、上下分離方式の下で道路会社はせっせと道路を造り続ける、採算が合わなくても道路を完成させた途端に道路も借金も機構が引き受けるのであるから、全く気にならないと。これが実態なんですよ。  大臣、この実態をどのように認識されているでしょうか。
  73. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 千九百九十九キロに及ぶものを日本道路公団が造るということで、ほぼ二十兆円掛かるということは言われていたわけで、それはおかしいんじゃないかということで、この道路をどうするかということが議論が始まったと思うんですね。  九千三百四十二キロのうちの千九百九十九、これをどうするか、二十兆でいいのか。それを仕分をしまして、千百七十七キロは新しい道路会社で造ると。それは、二次にわたる改革の結果、十兆五千億まで圧縮したわけですよ、いわゆる六車線を四車線にするとか、道路の構造を改革するとか。そして、その残り八百二十二を新直轄方式として国が税金で造る、これは三兆とすると、そういう合意がされておりまして、千百七十七キロという限度ありますよ。そして、しかもそれは十兆五千億という限度もあります。  そういうものの中で、それをだれがどう造っていくか。これは道路会社がそれぞれ債務返済機構との間で協議をしながら、先ほど局長が言ったとおりでございまして、それで造っていくということで今行っているわけでございまして、限度なくどんな道路でもどんどんどんどん会社が造っていくということにはなりません。
  74. 風間直樹

    ○風間直樹君 この道路建設の総キロ数には限度があるという御答弁でありますが、今回、国会での審議の過程を見ましても、その限度というのが果たして本当に限度なのか、こういう指摘が多々あるところでございます。  もう一点、これは問題があるんですね。つまり、この民営化会社が新規の道路を造っている間、一体どれぐらいの債務がそこにたまっているのか、実は明確に把握する手だてがないということなんです。  例えば、これも櫻井よしこさんの指摘ですが、今、第二東名の工事が進行中だ、全体で九兆円の工事となる、ただこの数字はあくまでも大ざっぱな目安であって、道路官僚らが実に巧妙に、非常に分かりにくい方法で工事発注や会計処理を行っているため第二東名の全容をつかむのは至難の業だと、こういう指摘をされています。  この指摘について、どんな感想をお持ちでしょうか。
  75. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 先ほどから答弁を申し上げておりますが、協定の中に償還表というのがございます。償還表の中に、例えば第二名神については何年にでき上がって、ここで債務がどのぐらいになるということが明記されております。  したがいまして、例えば第二名神の先日供用しました道路につきましては、予定より約一年早まって開通をいたしましたが、協定上、償還表の中には来年の、今年のいついつに債務が入ってくる、でき上がるというのが書かれておりまして、それに合わせて、会社が発足したときに協定を結んだ後に、この道路はいついつまでに供用します、更に申し上げれば、先ほど申し上げました仕掛品、仕掛かり債務、それにつきましては会社の方で毎年度財務諸表で明記をしておりまして、それは限度額は協定の中で定まっておるということで全部数字についてはオープンになっておりますし、限度額というところで機構と債務の中でコントロールされておると、そういうふうに理解しております。
  76. 風間直樹

    ○風間直樹君 そうすると、その限度額を実際工事が終わってみたら超えていたということは一切あり得ないということでよろしいですね。
  77. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 限度額でありますので、それ以上では機構は引き受けないということを協定の中で明記をしたものでございます。
  78. 風間直樹

    ○風間直樹君 会計検査院にお尋ねをいたしますが、このようにこの債務が一体幾らなのかという実態が、道路民営化会社から債務返済機構に移管されて初めて認識されるという指摘があるわけです。一方で今、国交省局長さんから答弁いただきましたように、いやそうじゃないと、限度額として協定の中に明記されていてそれ以上は絶対超えないと、超えても引き受けないと、こういう御答弁があった。  これ、国の諸機関の会計を検査する検査院会計検査上あるいは会計法上、こういう債務移管の在り方、問題あるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
  79. 真島審一

    説明員(真島審一君) 御答弁申し上げます。  高速道路株式会社法に基づき設立されております各高速道路会社及び独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構は、いずれも現在会計検査院検査対象となっておりまして、その債務も会計検査院検査対象であります。  これまでのところ、御指摘の債務の引受けにつきまして検査の結果、不当と認めた事項あるいは改善を必要と認めた事項はございません。
  80. 風間直樹

    ○風間直樹君 これまではないと。では、これから出てくるおそれもあるわけですので、そこは厳しくチェックをしていただくようにお願いをいたします。  その上で、この問題は非常に私今後もウオッチをすべきものだと思いますので、引き続き様々な場で質疑を続けたいというふうに思っておりますが、大臣、最後に、今局長から、この協定で示された限度額、債務の限度額を超えて機構が引き受けることは絶対にないという御答弁がありましたが、それ、よろしいかどうか、御答弁をお願いします。
  81. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) それは協定でございますので、そういうことはあり得ないと思いますし、あり得ません。そして、そうじゃなければ見直し規定もあります。そして、四十五年で完済するという計画もあります。したがって、それを超えてしまいますと、四十五年というものが変わることになります。それは重大であります。したがいまして、そういうことがないように会社と機構との間でよく協議をして、そういうふうにならないと、超えないということで頑張っているところだと思います。  しかし、長い期間ですから、四十年ということになれば長い期間ですから、その間にいろいろな社会的、経済的な変動その他がありましょう。そういう場合には、それに対する見直し規定もございます。ちゃんと用意されております。したがって、そういうものを通じて円満、円滑に四十五年で完済されるようにみんなが頑張ることであるというふうに思います。  したがって、超えるようなもので引き受けるということは、その合意がない限りありません。あり得ません。
  82. 風間直樹

    ○風間直樹君 では、続きまして、費用便益の分析マニュアルについてお尋ねをいたします。  配付しました資料ですが、このマニュアルの一部、維持修繕費の原単価という資料です。ここにおいて、一般国道の直轄の原単位と、ほか一般国道補助あるいは都道府県道の主要地方道、一般、それぞれのこの単位がけた数が違う。この理由、なぜでしょうか。
  83. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。  今委員指摘の道路維持管理費の算出に当たりましては、既存の路線での実績を参考にいたしまして、交通量、構造物比率、雪氷対策の必要性等を考慮して設定するということでございまして、まさにこういうことでマニュアルに道路種別ごとの年間維持費、管理費の全国平均値を示しております。  どうして違うのかという御質問でございますが、今、実態に即してここを定めるということ、あるいは別表で示しているということでありますが、委員の御地元の新潟県の実例で申し上げますと、直轄国道と補助国道、道路幅、道路の幅員でございますが、直轄国道は十八メートル平均、それから補助国道は十メーターという実態でございます。それから、交通量の平均でございますが、直轄国道の方は一日当たり二万一千台、補助国道の方は六千五百台。交通量それから道路面積が広いというのが一つございます。もう一つは、パトロールとかあるいは清掃とか除雪の頻度がございます。どういうふうに道路の施設を点検するか。これが、大体県とそれから直轄を比べますと四倍ぐらい頻度が、具体的に申し上げますと、パトロールは直轄国道、日に一回でございますが、県の方では平均しまして、一日に直しまして〇・一回から〇・三回というのが実態でございます。それから、舗装修繕の方、これも、打ち替えでございますが、それの頻度が平均直轄は七年ごと、それから補助国道等につきましては十五年から二十年。  るる、ちょっと長く、申し訳ありません、そういう実態を踏まえて出しているということでございます。
  84. 風間直樹

    ○風間直樹君 これ、平成十年に決められたものが平成十五年に改定されたと、その際の改定案だというふうに伺っているんですが、平成十年から十五年というとデフレ期なんですね。しかし、この一般国道の直轄の欄、上から二つ目に、改定案、二十七という数字と、その下に三一%という変化率が出ています。つまり、三一%上げたと。デフレ期なのに何で上げたんでしょうか。
  85. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) この現行というのが平成十年でございます。それから、改定案というのが平成十五年ということでございますが、平成十年当時の資料というのが残っておりませんので、推測も含めてでございますが、主に直轄国道で整備が本格化してまいりました低騒音舗装、雨が降ったらすぐ浸透する、それから、車が走りますと……
  86. 風間直樹

    ○風間直樹君 簡潔に。
  87. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 済みません。
  88. 風間直樹

    ○風間直樹君 もう時間がないので。
  89. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) はい。  そういう舗装が増えたということでございます。
  90. 風間直樹

    ○風間直樹君 ちょっとその御答弁は納得できません。この平成十年から十五年にかけてのみ増えたということも理解できません。これはちょっとおかしいと思いますので、また後刻、委員会で取り上げさせていただきます。  以上、終わります。
  91. 川崎稔

    川崎稔君 民主党・新緑風会・国民新・日本の川崎稔です。本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  私は、まず最初に、特別会計の剰余金及び積立金の更なる活用という点から質問をさせていただきたいと思います。  本日は、額賀大臣に御出席いただきまして、ありがとうございます。  平成十九年の六月十一日の本委員会におきまして、特別会計の剰余金及び積立金の財政健全化のための更なる活用、これが措置要求の決議ということで議決をされたわけであります。これは百六十六回国会、こちらで特別会計に関する法律が成立して、一つは、例えば剰余金について一般会計への繰入れ、これが共通ルール化されたというわけですが、にもかかわらずこれが少額にとどまっていると。あるいは、積立金について、各特別会計予算の積立金明細表に公表されるという扱いになったわけですが、そのほとんどが抽象的にとどまっていると。さらには、特別会計の数、これが減少したわけですが、多くの勘定が実際はそのまま存続しているといった問題が存在するということで、本委員会として特別会計の不断の見直しに努めるようにということを求めたわけであります。  この点につきまして、改めてということになりますが、大臣の方でどういった措置を講じたのか、もう一度確認をさせていただきたいと思います。
  92. 遠藤乙彦

    ○副大臣(遠藤乙彦君) お答えいたします。  特別会計の改革につきましては、行革推進法に定められた改革の方針を実行に移すために、まず特別会計の統廃合について、平成十八年度時点で三十一あったものを平成二十三年度までに十七に縮減ということです。それから、剰余金の一般会計への繰入れのルールを定める等、一般会計と異なる取扱いの整理等を内容とする特別会計に関する法律を提出をいたしまして、平成十九年三月に成立したところでございます。  この法律等に基づきまして、平成二十年度におきましては、まず平成十九年度時点で二十八ありました特別会計数を七つ減少して二十一会計とし、また財政投融資特別会計の積立金九・八兆円を国債整理基金特別会計へ繰り入れるとともに、五の特別会計の剰余金等約一・九兆円を一般会計に繰り入れるとの措置を講じたところでございます。  今後とも、引き続き特別会計の徹底した見直しを進めてまいる所存でございます。
  93. 川崎稔

    川崎稔君 要するに、二十年度で政府の講じた措置というのは大きく三つあるわけですね。一つは特別会計、数でいえば二十年度は二十一になったと。予算として見ると、一般会計に剰余金を一・九兆円繰り入れた、あるいは財政投融資の特別会計の積立金、これ、九・八兆円取り崩して国債整理基金に繰り入れたというわけでありますが。  本年一月の二十八日あるいは二月の十三日の衆議院の予算委員会におきまして、我が党の細野議員の方が、霞が関埋蔵金と呼ばれる特別会計の積立金あるいはその余剰資金、総額で約九十六兆円に上るのではないかという試算結果を示されて、その有効活用を求められました。  この場合、特別会計の埋蔵金相当額というのは六十八兆円ということで、例えば赤字の特別会計とか年金、厚生保険あるいは国債整理基金を除いて、十六特別会計の財務諸表の資産から負債を差し引いたもの、これが六十八兆円になるのではないかと。そのほかに、例えば独立行政法人の余剰金だとか、あるいは独法の関連会社、あるいは公益法人の余剰金といったものを加えてトータルとして九十六兆円と試算されているわけです。  これに対しまして、福田総理の方は、その特別会計の積立金にそれぞれ目的があると、無駄があるとは理解していないとおっしゃっていますし、額賀大臣の方も埋蔵金というものはないということでおっしゃっておられますが、この点について大臣の御所見を改めてお願いいたしたいと思います。
  94. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 川崎委員がおっしゃるように、衆議院の予算委員会で細野委員から埋蔵金があるんじゃないかという御指摘があって、質疑のやり取りがあったことは、そのとおりでございます。  細野委員の出された資料は、川崎委員がおっしゃるように、黒字の十六の特会のみに着目した計算でありまして、一般会計と赤字を含めた特別会計を通じて国の資産、負債全体の状況を考慮いたしますと、十七年度末で資産、負債の差額は二百八十九兆円の赤字になります。  その上で、十六特別会計の資産債務差額が黒字であるといっても、その資産はまず、現に公共の用に供されている、あるいは公的な機能を果たしている、そういったものが大半でありまして、具体的に言えば、国有林野事業特別会計約七兆円における森林、国営土地改良事業特別会計約六兆円、空港整備特別会計二兆円等におけるダムとか空港用地とか、そういういずれも公共性が強く、売却して財源に充てられるものではないと、充てたとしても一過性のものであるということであります。また、川崎委員がおっしゃるように、将来のリスクや支出に備える性格を有する資産、具体的には財政融資資金特別会計、外国為替資金特別会計の積立金等が過半を占めているわけでございます。  おっしゃるように、財政事情が厳しいものですから、特別会計に関する法律等に定めたルールに従いまして、財政融資特別会計の積立金から平成十八年度で十二兆円、二十年度予算で九・八兆円を国債整理特別基金に繰り入れたわけでございます。それによって国債の残高を圧縮させていただいたということであります。  また、外為特会については、最近の円高で現在高はほとんど差引きゼロの状況であります。しかしながら、過去十年間で十五・八兆円ぐらい一般会計に繰入れをさせていただいているわけでございます。  いずれにいたしましても、今後も特会の積立金等については状況をよく見ながらきちっと財政健全化に役立てていきたいというふうに思っております。
  95. 川崎稔

    川崎稔君 大臣がおっしゃるように、確かに、例えば積立金という形で、ある目的のために蓄えていると、あるいは、今おっしゃったように国有林とかダムとかいろんな形で公共の用に資されている、そういう資産として活用されているんだということですぐ売却できるものでもないと、それはもっともだと思うんですね。  大臣もよく埋蔵金というのはないと、すべてオープンなんだというふうなことを答弁されてこられていますけれども、私の方も、既に公表された資料だけを見て、ちょっといろいろ特別会計どうなっているのかなというのを眺めてみましたのが、お手元に配付させていただきました資料一であります。  これは特別会計二十年度で二十一あるわけですけれども、差し当たり剰余金などがすぐに活用できるんじゃないかといったものを取りあえず三つのグループに分けております。  表の見方としましては、一番左側に今回の二十年度予算の剰余金等の活用、どういった繰入れを行ったかと。その右側に十八年度の決算の剰余金、これは歳入から歳出を引いた歳計剰余金。その右側にさらに十七年度時点での同じ剰余金、あるいはその財務諸表の数字といったものをお示ししているわけであります。  一番上のグループですが、これは公共事業あるいは行政的事業といわれる八つの特別会計、これを一つグルーピングしてみたのですが、御覧いただけるとお分かりのとおり、もう十八年度、十七年度、いずれも二兆円程度の剰余金が存在するわけですね。これは十七年度の資産と負債の差額でいえば十八兆円程度の資産超過になっているわけですが、私も財務諸表見て、そのほとんどが固定資産だなというふうに見まして、そうすると流動性のある資産というのは一番右側の現預金なんですね。これが約二兆円あると。大体剰余金に相当する額なんですね。この辺りについてはいかがでしょうか。
  96. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 川崎委員のおっしゃる、この社会資本整備事業特別会計といった公共事業等を扱う会計年度の剰余金というのは、主に毎年工事が発注されるわけでありますけれども、その翌年度の歳出に充てるために工事ができなくて繰越しされるものが主要なものではないかというふうに思っております。用地買収が進まなかったとか様々な要因があって、もう目的が決まっておりまして翌年度でちゃんと繰り越されている額というのは結構多いわけでありまして、それがだから剰余金として滞留しているわけではない、ちゃんともう使途が決まっているんだと、そういうふうに是非理解していただくのが正しいのではないかというふうに思っております。
  97. 川崎稔

    川崎稔君 多分そういうふうにおっしゃるだろうなというふうに思っておったんですが、ただ、これが毎年毎年、例えば公共事業の特別会計、道路の整備もそうなんですけれども、決算してみたら毎年二兆円ずっと残っているということになると、ある意味で特別会計というお財布の底に常にたまっているんじゃないかと。これは、長年の数字見ているとそうなっているんですね。だから、道路だって余っているんじゃないかという議論になっているわけであります。  ちょっと時間がありませんので、例えば次の二番目のグループ御覧いただきたいのですが、これは保険事業と言われる六つの特別会計で、年金は除いております。  十七年度、一番右側の数字を御覧いただくと、現預金というのは約十三兆円あるわけですが、もちろん保険の性格上からいえばその支払に備えなければいけないと。全部活用できるわけではないですね。そうすると、そういう意味では積立金として約十二兆円近く積み立てているんですが、活用可能ではないかなと思いますのは、その剰余金として、先ほどと同じように約三兆円弱、十七年度で二・六兆円、十八年度で二・八兆円、留め置かれているわけですね。  さらに、この剰余金を含めた資産と負債の差額、約六兆円あります。これがある意味では過去の利益の蓄積というか、内部留保、そういった形で活用できるのではないかなというふうに思うわけであります。この点については指摘にとどめたいというふうに思っております。  さらに、その一番下の三番目、これが先ほど来話が出ております、例えば財政投融資あるいは外国為替資金といった会計ですが、もちろん大臣がおっしゃったように、為替差損の問題等でいろいろあると思いますけれども、それをもし言い出すとすれば、特別会計全体で含み資産、含み損だけではなくて含み益を持つものもあるわけですから、それは全体としてどうなんだということになるのではないかと思います。  ただ、いずれにしましても、例えば財投あるいは外国為替のこの特別会計、御覧いただくとお分かりのとおり、剰余金でいえば二兆円から三兆円、積立金はいずれも十七兆円規模、もちろん今回の二十年度の予算で捻出をしたわけですけれども、繰り入れたわけですけれども、何しろ金額が大きいわけですから、例えばちょっと見直すだけでもすぐ一兆円、二兆円というふうな規模の財源になってしまうわけですね。  そういう意味では、この点の更なる活用の余地がないのか、大臣にちょっとお伺いをしたいと思います。
  98. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 川崎委員がおっしゃるように、この二番目の労働とか共済の保険の場合は、将来これは支払うための準備みたいなものでありますから、おっしゃるようにこれを取り崩すなんということはとてもできない、運用もどうしても慎重にならざるを得ないということだと思っております。  それから、三番目の財政投融資資金それから外国為替資金については、先ほども申し上げましたけれども、これは将来金利が上がったときに逆ざやになっていくから、その金利の変動準備金としてきちっとしておこうという形で積立金がなされていく。もちろん、運用をきちっとすることによって、先ほど申し上げましたように、一般会計というよりも、国債整理基金の繰入れにして債務の圧縮に役立てるという基本的な考え方の下でこの財政投融資の運用がされているわけであります。  外為特会については、毎年積立金をして為替の変動のために準備をしておくと。また、私どもは、今度の急激な為替の変動によってその評価損が生まれてプラス・マイナス・ゼロになっているという状況でありますから、これはやっぱりきちっと安定した形の積立金を考えていかなければならないというふうに考えておるわけであります。  いろいろ運用を図っていったらどうだという考え方もありますけれども、やっぱり何としても、これは積立金がまだ不足しているわけでありますから、積立金をかさ上げしていく中で、これが大きな金額になっていったときどうするかということはあり得ると思いますけれども、今の段階ではそういう次元ではないというふうに思います。
  99. 川崎稔

    川崎稔君 今の大臣の答弁について、やはりちょっと違和感があるんですね。といいますのは、例えば積立金まだ足りないというふうにおっしゃったわけですけれども、果たして積立金の規模が適正な規模はどれぐらいなのか。これはやはり意見の分かれるところでありまして、今のが足りないと言い切れるかどうか、これはもう本当に専門家によっても見方は分かれると思います。  そういう意味では、またここの委員会でそういった議論も引き続き行っていきたいと思いますし、先ほどの繰り返しになりますけれども、例えば含み損と為替の差損とかいった問題に触れ出すと、一方で含み益があるものはあるんじゃないかという議論に必ずなります。この点についても、例えば個々の特別会計を精査していってまた議論を深めていきたいというふうに、私どもの委員会では進めていきたいというふうに考えております。  時間がございませんので、特別会計の件については以上で結構でございます。大臣の方、もう外していただいても結構でございます。  次の、諫早湾干拓工事の費用対効果の点について質問させていただきたいと思います。  本日は、若林農林水産大臣、御出席ありがとうございます。  私がこの諫早湾の干拓の問題について取り上げるというのは、四月から営農が始まったということで、もちろん有明海の再生という観点から見ますと、私、個人的には中長期の開門調査を行ってほしいというふうに考えているわけですが、本日はそれとは多少ちょっと違った観点からこの問題を取り上げたいと、具体的には費用対効果ということであります。  といいますのも、最近の道路の問題にしましても、この費用対効果と、BバイCというものが大変議論になっているわけでありますが、そういう意味で、この公共事業における費用対効果、この算定というのは何だろうかというふうに思ってしまうんですね。その一つとして、この諫早湾の干拓工事の問題を取り上げさせていただきたいというふうに考えたわけであります。  資料の二に諫早湾の干拓工事の表をお配りをさせていただいております。  諫早湾の干拓工事、これは総額で二千五百億円以上の事業費で費用対効果というのが〇・八台ということで、土地改良法が求める事業要件、これは基準が一・〇を上回らなければいけないわけですが、これを下回っているということが明らかになっているわけであります。  私が今回この問題について非常に不思議だなと思いましたのは、農林水産省さんからいただいた資料を見ていまして、その資料で御覧いただくと分かるんですが、昭和六十一年に当初計画を決定して、平成十一年、平成十四年と二回にわたって事業計画を変更されております。当初計画、事業費一千三百五十億円、これが第一回目の変更で二千四百九十億円と二倍近くに事業費が増えているんですね。第二回目の変更はそういう意味では小規模な変更なんですが、この第一回目の事業変更、工事変更というのは内容的にはどういったものでしょうか。
  100. 若林正俊

    国務大臣(若林正俊君) 委員がお配りになりました資料にございますように、当初は千三百五十億円、第一回の変更で二千四百九十億円の事業費ということになっております。なお、最後第二回の変更が二千四百六十億円という事業費でございます。この費用対効果は、ここにございますように、当初計画は一・〇三、第一回の変更が一・〇一、第二回の変更、これで最終を迎えるわけでございますが、〇・八三と、こういうことになっております。  委員の御質問は、第一回の変更の内容がどういう内容であったかということでございますか。
  101. 川崎稔

    川崎稔君 どういう理由で変更されたか。
  102. 若林正俊

    国務大臣(若林正俊君) この第一回の計画変更は、当初想定をいたしました地質条件が異なるということが判明いたしましたので、潮受け堤防、外側にずっと大きな堤防を造っておりますが、潮受け堤防の基礎工事の工法を変更せざるを得なかったこと。二つ目は、環境それから施工上の観点から、潮受け堤防の締切り方式を漸縮方式から瞬時締切り方式に変更したこと。三つ目として、河川管理者との調整を行ったわけでございますが、潮受け堤防の排水門を一門であったものを二門に変更をしたこと。それから、潮受け堤防の動態観測などの設計業務を追加したことなどによりまして事業計画内容、事業費の変更を行ったということでございます。
  103. 川崎稔

    川崎稔君 要するに、今のお話を伺っていますと、例えば地盤の基礎工事のやり方を変えたとか、あるいは例の潮受け堤防をギロチン方式に変えたわけですね、瞬時切替えということですので、工事のやり方を変えたというふうに受け止められるのですけれども。  今回私がなぜ不思議に思ったのかというと、それは、事業費はそうやって増えた、一方で費用対効果の数字は変わらないということは、効果の方も倍になったということになってしまうんですね。今伺った内容は、工期、工事の方法を変えたわけですから、それによって効果が変わるわけではないのではないかというふうに思うわけであります。事業費が倍になれば単純に考えれば費用対効果は半分になる、これが単純な数式なんですけれども、これ変わらなかったというのはなぜでしょうか。
  104. 若林正俊

    国務大臣(若林正俊君) この当初の計画から、第一回の変更までに約十年経過しているわけでございます。当初の事業を決定した時点において費用対効果分析を行って、先ほどお話ししましたように一・〇三という経済的妥当性を確認した上で事業に着手したわけであります。  今申し上げました理由によりまして、第一回の計画変更をいたしました。その際の経済効果の算定に当たりましては、なぜこんなに事業費が伸びたのに、経済効果、費用対効果について言いますと一・〇一ということになっているのかという御疑問だと思いますけれども、これは作物の生産効果の基礎となります導入作物とか作物の単価、単収というものを見直しております。二つ目は、災害防止効果の基礎となります背後地がございます。その背後地の防災の観点からいいまして、その資産の数あるいは価格などが大きく変わって増えているということでございます。平成十年度を基礎とした当時の最新データに基づいてこれを見直したものでございます。効果の算定についても、現在でも一般に用いられている算定方法で見直しております。  そういうような経済効果の算定、今申しましたような基礎によりましてやった結果として、事業効果、妥当投資額が増加するということになった結果でございます。
  105. 川崎稔

    川崎稔君 今の御説明ですと、例えば作物の作るものによって効果が変わったというところもあるわけですが、その資料も実は費用対効果の内訳を示しております。これは農林水産省さんからちょうだいした数字を基に算出したんですが、逆に作物の生産効果の部分は、当初〇・三二ぐらいあったものが第一回目には〇・一九と、大幅に減っているんですね。そういう意味では、ここの部分はむしろ費用対効果を押し上げるふうには働かないわけであります。  しかも、今、経済的な部分で、後背地の問題とかいろんな経済的な効果の算定の部分おっしゃいましたが、例えばここで言う昭和六十一年と平成十一年の間、要するに当初計画と第一回目の計画の間、物価で見ますと、国内の企業物価というのはこの間、私見たんですけれども、八%下がっているんですよ。要するに、デフレ、失われた十年と言われたこの期間で、むしろ物価が下がっていく中でなぜ効果の方が増えるのか、算定の上で。この辺についてはちょっと納得できないなということで、今日質問をさせていただきました。  時間がどうしても足りないので、この点についてまた引き続き、例えば省庁別審査等の中で同僚議員の方からも質問させていただくかもしれませんが、いずれにいたしましても、公共事業の費用対効果、この算定がやっぱり恣意的であってはいけないと思うんですね。要するに、着工ありきではなくてやはり客観的にやらなければ、費用対効果が一を上回る、上回らないということを議論したってしようがないわけです。そういう意味で今回の事例というのは、資料をいただきましたときに、なぜこういうことが起きるのか。やっぱり事業費が倍になっているだけにかなり大きいんですね。  そういう意味で、非常に私としては、今後税金の無駄遣いをどう考えていくかということに対してこの費用対効果というのは絶対に避けて通れない議論でありますので、諫早湾の干拓工事、この問題を取り上げさせていただいたわけでありますが、最後に一点。  大臣、この費用対効果ですね、内訳、先ほど申し上げましたけれども、当初、作物生産効果は〇・三二を予定していたのが、最終的には〇・〇九になったんですね。一方、災害の防止効果というのは〇・四九ぐらいあったのが〇・六〇ということで、ほとんど工事としては災害防止、これが中心の事業になっているわけでありますが、農林水産省を所管される大臣として、この点についてどう認識をされておられるのか、最後にその点をお伺いしたいと思います。
  106. 若林正俊

    国務大臣(若林正俊君) まず、委員がお配りになりました資料の中のまず作物生産効果の部分でございます。作物生産効果は、率としてはこのような落ち方をしておりますけれども、額でいいますと、作物生産効果は、当初計画が四百三十億でありましたのが、第一回の変更の時点では四百八十億というふうに計算をいたしております。なお、第二回は、この面積を半分にしましたので、その効果は二百十億と減っております。  一番大きな効果としては、委員もお話ございました災害防止効果でございまして、これは当初計画は六百六十億でございましたが、第一回の変更では千五百二十億と、そして第二回の最終でも、この背後地の防災効果でございますので、計算をしまして千四百七十億ということでございます。  なお、そのほかに国土造成効果として、当初は二百四十億でありましたものが第一回の変更では五百三十億と。これは地価が上がってきているということでございます。そして、第二回の変更は、面積が半分になったということがありまして三百八十億という計算をしたところでございます。  そして、このような中で非常に防災が大きいということは一体どうなんだと、こういうことであります。  国営の諫早湾の土地改良事業は、これは、複式の干拓方式によって潮受け堤防を設置をする、それで調整池、そしてその調整池を水源とするかんがい用水を確保する、そして農地を造成する、生産性の高い農業を実現する、そして潮受け堤防の背後地にある低平地の防災機能を強化すると、そういう土地改良事業として実施したものであります。  この土地改良事業は、干拓事業として実施するということでございまして、この干拓事業というのは、まさに背後地におきます防災効果を含みますものが干拓事業であるというふうに定義付けられておりまして、当初からこのような防災効果を念頭に置いた干拓事業としてこれを実施したものでございます。  こういう土地改良事業の中における干拓という事業は、今申し上げましたように、そういう地域の背後地におきます防災機能というものも含みます事業としてこれを実施するということでございます。この運用の面では、そういうような防災の事業につきましても農業上の受益の部分が大体、これは法令上規定されているわけじゃありませんが……
  107. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 大臣、時間もちょっと過ぎておりますので簡略にお願いいたします。
  108. 若林正俊

    国務大臣(若林正俊君) 運用上は半分を超える程度のことを念頭に置いてこの採択をしてきているということでございまして、そのような計算の基礎を持っているものでございます。
  109. 川崎稔

    川崎稔君 終わります。  ありがとうございました。
  110. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 午後零時四十五分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時二分休憩      ─────・─────    午後零時四十五分開会
  111. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成十八年度決算外二件を議題とし、平成十七年度決算に関する本院の議決について政府の講じた措置並びに平成十七年度決算審査措置要求決議について政府及び最高裁判所の講じた措置について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  112. 大久保勉

    大久保勉君 民主党・新緑風会の大久保勉です。  まず最初に、委員長、そして理事の皆さん、質問の機会をいただきまして、感謝申し上げます。  本日は最初に、河川情報センターへの国土交通省OBの天下り、随意契約、無駄遣いに関して質問をする予定でありましたが、残念ながら河川情報センターの理事長が出席されないということでございまして、この件は次の委員会で質問したいと思います。ただ、今回の予告編として、河川情報センターというのはどういうところかということで簡単に御説明します。  お配りしました資料から申し上げますと、こちらは産経新聞の記事ですが、「職員、日当四万円」ということで、国交省の危機管理訓練を独占受注しております。一人当たり四万円の高コストの事業の受注があった。さらに、随意契約ということなんです。  次のページ、資料二。こちらはいわゆる丸抱え職場旅行をしていたということです。その金額が、平成十五年から五年間で一千三百五十万円です。全額、河川情報センター持ちということです。非常にすごい数字だと思います。  さらに、資料三ページ。平成十四年から平成十八年度のタクシーチケットの利用総額ということで作ってもらいました。合計で一億五千万円です。平成十四年は六千三百五十三万。こちらは職員が百二十二名ですから、割り算しましたら一人五十二万。  極めて大きいところなんです。非常に福利厚生が充実している公益法人です。皆さん是非就職したいと思われるかもしれませんが、ここで確認したかったのは、理事十五人中五人が国交省天下り。そのうち常勤五人はすべて国交省。非常勤のみが非国交省です。さらに、監事は国交省天下りと日本土木工業協会理事、いわゆる準国交省が押さえていると。平成十八年の職員百十二人中、国交省OBが四十七名、プラス国交省から五名出向しているということです。事実上、公益法人といいますよりも国交省の省益法人だと思います。  こういった公益法人の理事さんは民間ということで、ここに来てもらえないという状況です。こういった事実を指摘しまして、次の委員会で是非お呼びして質問したいと思います。  続きまして資料の四、こちら特別会計の無駄遣いに関して御質問しようと思います。  資料の四を見てもらいましたら、これは国交省の大臣官房会計課からファクスをいただきまして、その資料であります。  国交省全体、七つの特別会計と一般会計の人件費、残業代、タクシー代、これを分析してもらいました。一番下に一般会計の数字がありまして、約、人件費が三千五百三十億です。それに対して特別会計は二千五百十億円が人件費です。比率を見ていきますと、一般会計職員に対して特別会計職員一人の人件費といいますのは〇・九なんです。ところが、残業代になりましたら〇・九七に上がります。さらに、タクシー代は二・〇二に上がっていくという、こういった数字なんです。どうして職員の人件費は、特別会計は低いのに残業代が増えるか、更にタクシー代が増えていくのか、このマジックを今日解明したいと思います。  では、最初の質問として、資料の五を見てください。産経新聞と毎日新聞がこのトリックを明かしております。いわゆる一般会計の職員がタクシーチケットは道路特別会計から使っていたということです。ある人は一人で年間百九十回、五百万円使っていた。さらに、残業代も一般会計職員は特別会計からもらっていたと、こういった実態が明らかになっています。  そこで、最初に冬柴大臣に対して質問します。  どうして人件費区分が一般会計の職員が残業代、そしてタクシー代、この費用を道路特別会計から支給されることができるのか、このことに関して質問します。
  113. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 道路特別会計は、道路整備特別会計法という法律によってどのように処理するかということが決められております。  道路特別会計の職員か一般会計の職員かを問わず、道路整備のため残業した職員に対しては道路整備事業に要する費用として超過勤務手当を支給することができることとされております。したがって、一般会計職員が道路整備事業のための業務を行うことにより残業をした場合には、道路整備特別会計から超過勤務手当を支給することは特定の業務に関する経理の明確化を図ろうとする特別会計制度の趣旨にも合致するものでございまして、一概に否定されるものではないと思っております。
  114. 大久保勉

    大久保勉君 私は非常に分からないんですが、恐らく国土交通省にはカメレオン職員がいるんじゃないかと思うんです。昼間は一般会計の色をしていて、六時を超えたら道路特定財源に変わると、いわゆるカメレオンみたいに変色していくと。もちろん、この一般会計の職員は仕事の内容は全く昼間も夜も一緒ですね。確認します。大臣、お願いします。
  115. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) ちょっと聞こえにくかったので、最後、語尾が分かりません。
  116. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 質問をもう一回言ってください。
  117. 大久保勉

    大久保勉君 どうぞ、参考人
  118. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。  道路整備事業に従事いたします地方整備局の職員につきましては、主として道路整備費の執行に関する指導、予算配分等の業務を行っている職員を道路特会職員といたしまして、それ以外の職員を一般会計職員としておりまして、共に道路整備事業に従事をしております。  したがいまして、一般会計職員であっても正規の勤務時間も時間外も同様に道路整備事業に関する業務を行っておりまして、道路整備事業のために超過勤務を行っているのであれば、給与は一般会計で支出するにしても超過勤務手当を道路特会から支出できるものというふうに考えております。
  119. 大久保勉

    大久保勉君 資料の七の一を見てください。二ページ後です。実態を調査してもらいました。一般会計職員で超過勤務手当を道路特別会計から支給された上位十名ということで具体的な数字です。これ、なかなか資料が出てこなかったんですが、こういった作業をしてもらってありがとうございます。よく見えるようになりました。  例えば平成十四年、一位の方は、近畿地方整備局の方でありますが、残業時間が千五百五十九時間、四百五十四万の残業手当をもらっています。さらに、右側を見てください。百十四時間残業をして、これは一般会計で残業をして三十三万七千円残業手当をもらっていると。要するに、千七百時間残業して、五百万以上の残業手当です。  さらに、一番右側を見てください。相当忙しいのかなということで出してもらった数字ですが、十一時四十五、これは何かといいましたら、この方が朝来た時間です。つまり、十一日間、時間有給という制度がありまして、朝遅く来ましても給料は、有給ですから給料は付いて重役出勤ができると。ですから、本当だったら残業する必要あったんですかということなんです。さらに、この方は番号が一ということは、平成十五年の四位、平成十六年の四位並びに平成十七年の一位です。いずれも十一時台に出勤しているという実態です。こういった実態に関して、大臣管理責任上問題はないでしょうか。
  120. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私も、この大久保委員の資料請求を通じまして、大変これは労働強化、こんなに働けば健康管理の部分でも大変な問題だということで詳細に調べましたけれども、不正行為はないんですね。そして、その人の帰る時間というのは夜の二時とか四時になるときもあるんですね。その仕事の内容というのは本当に、忙しいというか、私は、もうすぐに転勤させいと、そうじゃないと死んでしまうよと、これは、というぐらいの労働時間でありました。それで、ですから、ただ、朝遅いという指摘も今ありましたけれども、それは四時に帰ればなかなか出てこれないということも分かるわけですが、夕方になってから仕事が本当にそういう管理職のところに集中するんですね。そういう事実があったことは申し上げます。  ただ、私は、こういう超過勤務手当、これは金銭の管理意味でも問題があると思いますし、それから、これほど労働が長時間に及ぶということは本人の健康管理にも大きな問題になりますし、我々としては非常に心から反省をしているところでございます。
  121. 大久保勉

    大久保勉君 超過勤務手当、若しくは残業を請求していることは事実でありますが、本当に残業しているかどうか精査してください。といいますのは、毎日六時間、七時間残業しているということでしたら、いつ食事をしているのか、夜食は取っているのか、そういった実態も踏まえてください。それがちゃんと残業時間になっている可能性もありますし、また、こういった超過勤務をしている箇所というのは近畿が多いんですよね。ほとんど九州とか中部はないということで、非常にばらつきがあるという実態です。また、一人の人が慣行的にいつも残業手当を大量にもらっていると、こういう実態です。さらには、一般会計の職員なんですが、一般会計からは残業手当は支給されてなく、すべて道路特別会計です。やはりカメレオン職員は許すべきじゃないんじゃないですか。もし残業したら一般会計からきっちり払う、これが必要だと思います。  続きまして、後に戻ってもらいたいんですが、資料のこちら六ですね。じゃ、残業しているんだったらタクシーをいっぱい使っているんじゃないかということでいろいろ調べてみました。こちら、平成十九年度のタクシーチケットの利用上位十名です。こちら、すべて道路特別会計から支払われております。ここで見てもらいたいのは、人件費区分というのがございますが、一般会計の人でも道路特会からタクシー代が出ているケース、道路特会の方が道路特会からもらっているケースもあります。  ベストテンの人を挙げてもらいました。一番の方は関東整備局の方で、回数は百九十回タクシーを利用し、総額が四百九十万です。これは昨年の四月から二月末、十一か月の数字です。朝は十一時十五分に来ています。この方の勤務状況に関して説明願えませんでしょうか。
  122. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。  この職員につきましては、今資料でお話しになりましたように、タクシーの利用回数が百九十回、総額四百九十万、休暇が、時間休暇を取得した日は十一か月で二日ということでございまして、始業時から時間休暇を取得した日の平均登庁時間、二日でございますが、十一時十五分ということでございます。
  123. 大久保勉

    大久保勉君 これ、よく見てください。あえて新しいデータを出してもらいましたが、この方の残業時間は二百九十五時間です。百九十回タクシーを使うということは、ほぼ営業日数で毎日、タクシーを使っているんですが、二百九十五時間割るところの百九十で割りましたら約一時間半。六時から残業時間ですから、毎日七時半まで残業して、深夜しか使えないタクシーを利用していたということが分かると思います。  これはどういうことなんでしょうか。
  124. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 今委員指摘の者は、関東整備局の道路部におきまして総括的な立場にありまして、本省等の関係機関との連絡調整、予算の取りまとめ、事業進捗の管理等々業務をやってございますが、この職員につきましては、関東地方整備局において保存されております使用済みのチケット等によってタクシーが適切に利用されたことを確認しております。当該職員の勤務実態につきましても、深夜勤務が連日に及んでいたことを確認しております。  今御指摘のいわゆる時間外勤務の状況につきましては、職員が所属する課の課長等が命令簿により適切に把握しておるところでありますが、限られた予算の中で執行している、そういう状況でございまして、実態としては、特に管理監督の立場にある職員については、命令を受けた範囲を超えて時間外勤務が行われた場合であっても、その職員の申告に頼っている部分があるのも実情でございます。  いずれにいたしましても、今後、時間外勤務の縮減も含めて、適正な時間外勤務がなされるように努めてまいりたいと考えております。
  125. 大久保勉

    大久保勉君 先ほど重要なポイントがありまして、限られた予算内ということですが、あなたは恐らくは虚偽答弁をしているんじゃないですか。  毎日新聞の今日の記事で新しいデータが出てまいりましたが、この方は関東整備局道路計画第一課に所属されております。そうですね。
  126. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) はい、さようでございます。
  127. 大久保勉

    大久保勉君 この表の中で、関東というのが一番、二番、四番、六、七、八、九、七名いますが、毎日新聞によりますと、この七人というのは同じく道路計画第一課の方です。この第一課のタクシーの使用料は、年間で二千二百万、十一か月ですから、月二百万使っているということです、七名が。少なくとも七名が使っています。  こういう使い方をしているところがどうして残業手当のみ限界があるんですか。実際にこの課の職員は、ある人は六百七十七時間残業をしています。ある人は七百四十五時間残業しています。ちゃんと残業手当は付けているんですね。  恐らくこの方は、役所としてオフィシャルに認めた残業は二百九十五時間で、で、深夜帰っているということは、その間に夜飯を食べに行く、お酒を飲む、若しくはぶらぶらしていると、私的な時間を使っているということでしょう。イエスかノーかでお答えください。つまり、残業手当、超過勤務命令されているか、されていないか。イエスかノーかでお答え、お願いします。
  128. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) 先ほど答弁申し上げたとおりでございまして、超過勤務、本人の申告によればそういうことでございますが、実態の勤務は違うということでございます。
  129. 大久保勉

    大久保勉君 それはだれが違うと認めたんですか。それは調査をされているんですか。
  130. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。  この職員については、退庁時間が平成十九年度記録をされておりまして、しかも課の中で仕事をしているという実態でございます。
  131. 大久保勉

    大久保勉君 途中、中抜けしていろいろ私的な時間を使って役所に戻って、出るときに名前が載っていたと。でも、よくよく聞きましたら、タイムカードもないということです。ですから、一か月まとめて名前を書くとか、朝来たら判こだけ一か月出勤簿を押す、こういったことが可能な状態、可能な職場が国交省であります。これは間違いないですよね。タイムカードがあるか、ないか。
  132. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) タイムカードについてはございませんが、この関東整備局については出社、出庁、退庁の時間が記録されております。
  133. 大久保勉

    大久保勉君 この辺りは大臣自ら陣頭指揮を執って調べてください。若しくは、この十名、大臣室に呼んでいろいろ聞いたらどうですか。さらに、残業時間が多い全国のトップ十人、一生懸命働いているんでしょう。でしたら、大臣室に呼んで表彰状を渡したらどうですか。もしかしたら、こちらに来まして、感謝申し上げたいと思います。是非、特定の人に対してどういう勤務をさせているか調べてください。  こちらの表の三番、見てください。  こちらはタクシーチケット、三百九十万使っています。二百二十七回使用していて、八百五十五時間の残業時間、まあ忙しいんでしょう。ところが、年間で八十八回朝遅く来ています。平均十時ということです。こういった実態が国交省の状況です。さらに、こういったタクシー代は道路特定財源から使われているという実態です。道路を造ることと五百万のタクシー代を使うことというのは私は関係ないように見えます。  大臣、組織の長として、若しくは政治家としまして、是非、こういった実態に関してあなたはどう思うか。特に、選挙区に帰って、五百万残業手当をもらっている人がいました、五百万タクシー代を使っている人がいました、こういった人が適正であると一〇〇%言えますか。
  134. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 御指摘を踏まえまして、私は、タクシー券をどのような手続で受け取り、そしてそれがどう管理されているのか、どう記録されているのか、そういうものを全部調べさせました。ところが、その扱いがまちまちでありましたので、私が三月中に全部その扱いを統一をした指示をいたしまして、それで四月一日以降はタクシーのチケットの管理は行うということにいたしました。手続が細かくありますけれども、不正が行われないように、そしてまた、後刻それがきちっと検証できるような書類を残すということにいたしました。  したがいまして、今、大久保議員からの御指摘は本当にいろいろな面で問題があることを指摘されているわけでございまして、我々としても重く受け止めて、改革すべき点があればこれはもうすぐ改革するという方向で今やっているところでございます。
  135. 大久保勉

    大久保勉君 大臣発言は非常に重いと思います。  私は、半歩前進ですが完全じゃないと思います。  タクシー使用規則を見ました。ところが、最大の問題は、いわゆるタクシーの利用簿、いわゆる半券というものです。こういうものです。これは一年しか保存しませんと。私は五年間保存すべきと、何度も何度も事務の方に言いましたが、いや、一年だと。  どうしてこの半券が必要か。これは実際に河川局の職員のものです。この方は百七十万使ったんですが、これを一つ一つ見ましたら、例えば同じ日に一万五千円あるいは一万七千円、七月二十五日に使っている。多いときは一万九千円使っている。さらには、同じ日に一万五千二百三十円、同じ日に一万五千九百五十円使っている、こういった実態が見えてきます。  よくよく見ましたら、すべて経路は霞が関からになっています。スタンプが押してありますから、配るときに全部霞が関になっているんです。もし、銀座でスタートしても、若しくは別の、新宿から乗ったとしても霞が関しか見えないんですよね。実際に同じところに帰っていますが値段が違うと。場合によっては通行料も違うケースもあります。こういった実態が見えてくるんです。  ですから、是非、タクシー使用者上位十名の半券を要求しますし、またこの半券は五年間最低でも保存してもらうようにお願いしたいと思います。大臣、御答弁をお願いします。
  136. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私が指示したもの、四月一日からの帳簿、それについては、きちっとそれを管理する者、そしてそこに記載すべき事項等もきちっとありますし、そしてそのチケットを渡した時間、日にちも書くことになっております。したがいまして、そのタクシー会社から月末に請求するときに付いてくる半券その他は一年間保存をするということにいたしております。  しかしながら、その帳簿を見れば、五年間保存を帳簿はしますから、その中で今、大久保委員指摘されたような事項はそこに書かれることになりますので、それで私はいいんではないかと。  随分たくさんいろいろなものが倉庫に残るわけでございます。したがいまして、一年間は残しますけれども、五年間は帳簿の記載によって分かるように、証拠がきちっと残るように指示をいたしてあります。
  137. 大久保勉

    大久保勉君 まず、こちら百八枚のチケットです。わずかこれだけの分量です。倉庫がいっぱいになるはずがありません。また、この半券がなかったら、経路が霞が関、この霞が関はスタンプであるという情報は残りません。また、これは昭島と書いていますが、この字体が微妙に違うんですね、若しくは数字が違うとか、新たなデータが消えてしまうんです。ですから、後から不正があったということで調べようとしても全く見えない状況になります。  ですから、是非大臣、ここで決断してください。半券五年残す、このことぐらいはしてください。是非大臣の答弁お願いします。これは政治家として大臣にお願いします。
  138. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私が答弁したとおりでございまして、そこに手書きできちっと書くことにいたしておりますので、もう一度見てください。  また、四月一日からそうやっていますので、資料を要求していただければお渡しいたしますから、それで見てください。
  139. 大久保勉

    大久保勉君 ここで問題にしたいのは、これまで五百万もタクシーを使っている、使い方が怪しい、証拠を残せと言っても残さないと、これが国交省の実態ですか。私は非常に遺憾に感じます。もう一度、大臣
  140. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) ですから、証拠を残すことにしているわけです。帳簿をきちっと残すことにしてありますから、それでその帳簿の担当者の名前も分かりますし、それを見ていただいてから御批判をいただければと思います。
  141. 大久保勉

    大久保勉君 時間が来ましたので、次の委員会でまた続きをやりたいと思いますが、是非それまでに検討してもらいたいと思います。また、会計検査院及び財務省、是非こういった点もきっちり見てもらいたいと思います。  今日、甘利大臣に来てもらいましたが、時間が配分が適切でなく、済みませんでした。また次の機会に質問したいと思います。よろしくお願いします。  終わります。
  142. 松村祥史

    松村祥史君 自由民主党の松村祥史でございます。引き続き、決算委員会質問を続けさせていただきたいと思います。  まず、私は、特殊法人の独立行政法人化に係る会計処理の透明性の向上について、額賀大臣に御所見をお伺いしたいと思いますが、今回、本院からの内閣に対する措置要求決議に対して、政府は会計処理に関する情報公開の一層の充実に努めることとし、各法人及び所管府省に対して、特殊法人の独立行政法人化に伴っての政府出資額の増減に加えて、その理由を公表することを要請し、これを受けてホームページにおいて公表がなされたと理解をしております。  このことは、これまでも決算委員会を始め、それぞれの院で独立行政法人の財源論、また在り方論については様々な議論がなされ、その都度、きちんとした対応や議論がなされてきたところではございますが、特殊法人の独立行政法人化に際して国の出資の金額が大きく減少しているとの指摘がなされております。  今回の本院措置要求決議を受けて、出資金額の減少等についてどのように明らかにされておられるのか、詳しくお尋ねをしたいことがまず一点。また、出資金の減少が多い上位三法人についてはどこなのか、詳しく御説明をいただきたいと思います。
  143. 藤岡博

    政府参考人(藤岡博君) お答え申し上げます。  国の出資金につきましては、従来から、企業会計原則に基づく出資法人の財務諸表の作成、公表、国有財産法に基づきます国有財産の増減の国会への報告等を通じまして、その会計の処理の透明性の確保に努めてきたところでございます。  そこで、ただいま委員から御指摘のございました本院の措置要求決議に関しましてでございますが、ただいまお話をいただきましたとおり、財務省等が連名で要請を行い、特殊法人等の独立行政法人化等に当たっての国の出資額の増減のみならず、増減した理由等につきましても各法人及び各主務省のホームページにおいて今般公表されることになったところでございます。  さらに、もう一つのお尋ねでございます。こうした国の出資金の減少につきまして、国有財産台帳価格の価格を基に独立行政法人ごとの計数を見まして上位三法人でございます。第一が日本原子力研究所及び核燃料サイクル開発機構、第二が宇宙開発事業団及び航空宇宙技術研究所、第三が雇用・能力開発機構となっているところでございます。
  144. 松村祥史

    松村祥史君 次に、独法の会計制度について少しお尋ねをしたいと思いますが、独立行政法人の繰越欠損金とは別に、十八年三月末で約六千億の隠れ損失が生じているのではないかという指摘がございます。独立行政法人会計基準によると、特定資産については減価償却を計上しなくてもよいとの特別規定があり、損益計算書に載らないものが相当あると聞いております。独法は企業経営とは違いますし、民間でできないものを運営していかなくてはならないと理解しておりますが、やはり今この国会また政府として必要なことは、この独立行政法人のやっぱり透明性、効率性、これをいかに高めていくかということであろうと考えております。  その観点から考えましても、民間の経営感覚を持って目的遂行のための運営が必要だと考えております。そうでなければ、実際、その運営体としての健康状態といいますか、企業でいうところの健康状態、また、資本不足にはなりはしないかというその対策、こういったものが即座に打てないんではないかと、このように考えておりますけれども、これまでも企業会計の観点でこういった努力はしていただいていると認識はしておりますが、依然としてまだまだ分かりにくい状態であると私は認識をしております。  そこで、独法の業績をきちんと評価できるようにするためにも、会計基準を更に企業的な観点からの会計をやっていく必要があると思っておりますが、このことについて財務大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  145. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは松村委員が御指摘のとおり、独法の会計基準についても透明性を確保していくために、原則として企業会計原則によるものとしているわけでございます。  独法法人は営利を目的としているわけではないんでありますが、営利企業を対象とする企業会計原則をそのままの形で適用することができないということもありまして、必要な修正が行われているということでございます。例えば、運営費交付金を受領したときに、収益として計上せずに債務として計上しているとかの例があるわけであります。  一方で、独立行政法人会計基準について、独法法人の財政状態、運営状況をより正しく表示する観点から見直しを行ってきているわけであります。例えば、固定資産について減損会計を導入するなどの最新の考え方を可能な限り取り込んでいるということでございます。  いずれにしても、国民に対する説明責任の観点及び業績の適正な評価、情報開示、そういうことが行われるように努力をしていきたいというふうに思っております。
  146. 松村祥史

    松村祥史君 是非、大臣、民間経営とは申しませんが、その感覚を持ってやっていただきたいなと。ただ、今必要なのは無駄な部分をしっかりと削っていくことでもありましょうが、やはり必要なものにおいては投資的経費という観点からどんどん逆に投入するべき点もあるかと思っております。その評価をしっかりとやっていただいて、是非、運営に御尽力をいただきたいと思っております。  次に、原子力発電所の臨界事故等のトラブル隠しについて御質問させていただきます。  昨年の電力各社の原子力発電所における総点検の結果、臨界事故隠しなど、悪質な法令違反を含むトラブル隠しやデータの改ざん等が明らかになったことは、本院指摘のとおり、大変遺憾なことであると思っております。政府においては、国民の信頼確保に努めるべく、安全のための検査制度の実効性をより高め、再発防止と安全確保に万全を期すよう要望を出したところでありますが、実際、国はどのような再発防止策を講じられてこられたのか、具体的にお示しいただきたいと思います。
  147. 薦田康久

    政府参考人薦田康久君) お答えいたします。  ただいま御指摘のございました発電設備の総点検の結果を踏まえまして、原子力安全・保安院では、平成十九年五月七日に発電設備の総点検に係る今後の対応三十項目の具体化のための行動計画を公表いたしまして、これに基づいた対策を講じてきたところでございます。  具体的には、法令に抵触し安全に影響があった事案が見出された事業者、今御指摘のありましたような臨界事故等でございますが、原子力について見れば四事業者であったわけでございます。こういう事業者に対しまして、重大事故が経営者に直ちに報告される体制を構築することなどを内容といたします、まず保安規定の変更というものを平成十九年五月七日付けで命令をしております。そして、同年九月七日までにすべての認可を完了したというところでございます。  また、保安規定に安全文化を醸成するための体制に関する記載を義務付ける等のために、平成十九年八月九日付けで実用発電用原子炉等の設置、運転等に関する規則というものを改正しております。これに基づきます各社の保安規定の変更も既に終了したところでございます。  さらに、事業者から提出をされました再発防止対策が着実に実施されているかどうかを保安検査等によって確認してきたところでございます。  こうした取組につきましては、定期的に原子力安全委員会にも報告をし、また公表させていただいているところでございます。
  148. 松村祥史

    松村祥史君 先日、総点検に係る再発防止対策の一環として実施されてきた特別な保安検査の終了を三月末に発表されたと聞いておりますが、具体的にはどのような特別な保安検査実施されたのか、お示しいただきたいと思います。
  149. 薦田康久

    政府参考人薦田康久君) お答えさせていただきます。  原子力安全・保安院といたしましては、先ほど申し上げました事業者再発防止対策の取組状況を確認するために、法令に抵触し安全に影響があった事案が見出された事業者に対しまして、各発電所に特別原子力施設監督官というものを派遣いたしまして、保安検査の体制強化、それから保安検査期間の延長を行うなどとした特別な保安検査というものをこの一年間にわたり実施してきたところでございます。  この中では、各事業者が策定をいたしました発電設備に係る再発防止策の行動計画に記載されております個々の具体的な再発防止策、例えば東京電力でいえば七十六項目がこの行動計画に記載されているわけでございますが、こういうものが着実に実行されているかどうかなどを監督官自らが確認をしてきたというところでございます。この特別な保安検査によりまして、不正を許さない取組が経営層の実質的な意識改革や改善努力の下で適切に実施されることを確認したところでございます。  このために、平成十九年第四回目の保安検査、つい先日終わりましたけれども、これをもちまして特別な保安検査を終了したというものでございます。
  150. 松村祥史

    松村祥史君 いろいろな検査体制を構築されて、システムの構築については非常な努力をされているなと、こう思っておりますが、実際は、再発防止のためには検査の厳格化というのは大変重要な観点であろうと思います。  この点についてはどのようにお考えなのか、お尋ねをしたいと思います。
  151. 薦田康久

    政府参考人薦田康久君) お答えいたします。  まさに今先生指摘のように、今回、この特別な保安検査で各社が取り組んできた改善というものを確認してきたわけでございますけれども、こういうものが、今後、不正が二度と行われないような再発防止のためには、これまで各社が取り組んでまいりましたこの再発防止策が確実にまず定着化しているかどうかというものを国自らが見ていくことがまず大事なわけであります。  このために、まず保安院といたしましては、原子力に関します企業文化であるとか、それから組織風土の定着状況について、今後とも引き続き年に四回やっております保安検査を通じまして厳格にフォローアップをしていくということがまず一つであります。  それからもう一つは、やはり検査の実効性を強化するために、実際に我々自らが見ていくということが非常に重要でございます。そのために、原子炉の起動、停止に関しましては、現地に常駐をしております原子力保安検査官というものがございますが、彼らが立会いを、保安検査をして見ているというように、検査をより厳格にしているところでございます。  また、こういうものにつきましては、平成十九年八月九日付けの省令、規則をもって、規則を改正して対応しているというところでございます。  今後とも、今申し上げました常駐の原子力保安検査官、全国に約百名おりますけれども、こういう検査官が徹底的な検査を行うことで今先生から御指摘のございました安全の確保に努めてまいりたいと、かように考えているところでございます。
  152. 松村祥史

    松村祥史君 是非、再発防止に関しては、より慎重に、かつ迅速に今後も対応していただきたいと思っております。  それでは、最後になりますけれども、一連のデータ改ざん問題なり、失われた原子力に対する信頼をどう回復してくるかと、こういった観点から、中野副大臣にもおいでをいただいておりますので、質問させていただきたいと思いますが、電力会社の発表の遅れやデータの改ざんによりまして、やはり何といっても国民の皆さんの信頼を損ねたというのは大きなことであろうと、こう思っております。  電力会社の企業的な観点というのは、やはりモラルの問題であったり、それぞれの会社の体質、こういったものをどんどん改善していかなければいけないと、改善するだけで、じゃ良くなるのかと、そういう問題でもないと、こう思っております。電力会社によってはそのことの責任を取って、軽微な事故にもかかわらずトップである最高責任者が引責辞任をされたところもあります。しかし、最高責任者がその職にとどまっておられる場合もあります。責任を取るやり方というのはそれぞれの企業の感覚でもございますから、一概にいい悪いとは言えません。しかし、会社として果たしてそれで変わったのかと、こういう観点が一番重要であろうと思います。そのことを御指導いただいている、所管をお務めいただいている中野副大臣にも御所見を少しお伺いしたいと思います。  また、今後一番大事な、再発防止もさることながら、資源のない我が国において、やはりこの原子力というのは一番安全で安心して、かつ我が国にとってはとても重要なことであると、このことを国民の皆さんに深く理解をしていただき、やはり御支援をいただくことも大事であろうと思っております。この国民の皆さんの信頼を回復していくためにどのようなお考えで進まれるのか、御見解をお伺いしたいと思います。
  153. 中野正志

    ○副大臣(中野正志君) 松村委員の御指摘、ごもっともでございます。  今回の総点検は、一つには過去の不正を前提に記録を改ざんし続けていくというこの悪循環を断ち切ること、それから二つ目には不正を許さない仕組みを構築すること、三つ目には事故やトラブルの情報を共有して再発防止に努めること、それからこのような活動を着実に進めていくことにより電力会社の体質を改善することと、この四つの甘利大臣の指示を実施をされたところであります。  評価結果につきましては、原子力、火力、水力を合わせて三百十六事案、うち法令に抵触し安全に影響があったもの、いわゆる評価区分Ⅰと言っておりますけれども、これは原子力は計十一事案でありました。ただし、平成十五年十月の新検査制度の適用開始以降に法令に抵触する事例は報告はされておりません。なお、水力は二十一事案、火力は十八事案となっておりまして、その後の対応また行政処分につきましては、先ほど院長が話されたとおりであります。事業者の方でも行動計画をしっかりと策定をされまして、事業者自身が二度とこういうことはしないという再発防止対策に今も一生懸命努力をされております。  こうした不正を許さない仕組み、こういったものがちゃんと構築をされて自律的に改善がなされているなということにつきましては、特別原子力施設監督官による特別な保安検査、あるいは現地に常駐している原子力保安検査官実施している保安検査等で確認をいたしておるところであります。  今後とも、こうした取組状況について徹底した情報公開を進めていきます。同時に、地元を始めとして国民皆様方には丁寧な説明を申し上げていくことで、原子力に対する国民皆様の御期待にもこたえ、また国民皆様の信頼回復にもしっかり努めてまいりたいと、こう思っております。
  154. 松村祥史

    松村祥史君 力強い御答弁をいただきまして本当にありがとうございます。本委員会の役割というのは、決算委員会の中でそれぞれの指摘をし、そのことをいかに改善をしていくかと、特に原子力においてはあってはならぬことであろうと、こう思っております。是非、厳格な審査再発防止に向けて今後も御尽力いただきますようにお願いをしたいと思います。  少し時間も残しておりますが、この決算委員会というのは、やはり参議院において、決算の参議院であると、院としての重みを持って当たっているところでございます。そういう意味では、今回このような指摘をいたしましてそれぞれに御対応いただいていることと思っておりますが、特に今冒頭で申し上げました私どもの、政府におかれても、今必要なことは独立行政法人やそれぞれの無駄をなくしながらいかにしっかりとやっていくかという観点が大事であろうと、その観点から見ましてもこの決算というのはとても大事なところであろうと思っております。そのことを御指摘させていただいて、少し時間を残しましたけれども、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  155. 丸山和也

    ○丸山和也君 自由民主党の丸山和也です。  何点かあるんですが、まず生命保険会社並びに損保会社における保険金の支払漏れについて、これはもう新聞紙上でもさんざん報道されて、金融庁の方も大変御努力いただいてかなり改善が進んでいるというふうに伺っておるんですけれども、これについて、再度、そういう状況もお聞きしたいと思いますので質問させていただきます。  まず、生命保険会社に関しましては、昨年十一月末までに全三十八社が調査を完了して金融庁に報告書を出したということでございまして、それによりますと、三十八社ベースで、件数で百三十一万件、総額約九百六十四億円、支払漏れがあったと。そしてこれについて、さらに金融庁としては、この調査報告に対して更に精査、分析を進めて、今後の対策あるいは処分も含めて検討されているというふうにお聞きしているんですけれども、こういう事実に間違いありませんでしょうか。
  156. 渡辺喜美

    国務大臣渡辺喜美君) 今委員が御指摘になられた事実のとおりでございます。
  157. 丸山和也

    ○丸山和也君 そうしますと、これでほぼ調査も完了したと。これから金融庁としていかなる処分をなされるおつもりなのか、また、今後こういうことが再発しないために、処分以外にどういう金融庁としての指導といいますか、そういうことをされるおつもりなのか、基本的な考え方で結構でございますけれども、大臣の方からお答えいただいたら大変有り難いと思っています。
  158. 渡辺喜美

    国務大臣渡辺喜美君) 保険会社が保険金を支払わないでどうするんだと私は申し上げました。当然、契約にのっとって適切な支払を行っていただかなければなりません。  保険会社において具体的な業務改善の事例としては、例えば保険金の支払管理体制について、請求から支払までの全事務工程のシステム化などを行うとか、あるいは商品開発から保険金支払までの業務全般に係る部門横断的な管理部署を設置をするといった業務改善が行われております。  また、処分の実績と今後の対応はどうかと、こういう御質問でございます。  生保会社に関しましては、不適切な不払について平成十七年七月に報告を求め、多数不払が認められました。一社に対して業務改善命令及び一部業務停止命令を発出しました。また、不払事案が認められたその他の社についても業務の改善を促してまいりました。引き続き、各社の支払管理体制の整備、改善状況についてフォローをしてまいります。  また、支払漏れについては十九年二月に報告を求め、先ほど御指摘いただいた十一月末までに調査を完了し、報告の提出が行われました。これについては、各社からの報告内容の精査、分析を現在進めているところでございます。それぞれ、把握された実態や事実関係に応じて適切に対応をしてまいります。  損保会社については、付随的な保険金の支払漏れについて十七年九月に全社に報告を求め、同年十一月に支払漏れが認められた二十六社に対して業務改善命令を発出いたしました。第三分野商品に係る不適切な不払については、十八年七月に全社に報告を求め、十九年三月に十社に対して業務改善命令を発出しました。さらに、そのうち六社に対して一部業務停止命令を発出するなど、業務の改善を促してまいりました。  今後とも、各社の取組状況をフォローしてまいります。  保険金の支払というのは、保険会社の基本的かつ最も重要な責務の一つであります。金融庁としては、適時適切な保険金の支払が行われるよう、引き続き各社に対して再発防止策の策定、実施など、業務改善に向けた取組を促してまいります。
  159. 丸山和也

    ○丸山和也君 ありがとうございました。  かなりこの間、金融庁のもう鋭意御努力によって改善が進んでいるというふうに私も結構肌で感じていまして、期待をしておりますんですが、とにかく大臣がおっしゃったように、保険会社が保険金を払わなくてどうするんだと、まさにそれに尽きると思うんですね。保険金を受け取るために保険契約は入っているわけですから、それを集めておいて、実際忘れたというか、組織的に払わないとか、あれこれ、できるだけ払わないようにしたとか、そういうことが散見されるということは、しかもこれだけの金額、これだけの件数があるということはゆゆしきことで、まさに、例えば保険庁の職員がそれを窓口で横領したのに匹敵するぐらいのかなり際どい、犯罪性があるかなと思えるぐらいの非常に倫理的にもとる、劣る行為でありますので、これは二度とこういうことが起こらないように、是非とも今後ともこの改善状況が更に進展するように御努力いただきたいと思います。  それから、詳しく説明していただいたんで損保のことについては再度お聞きしませんが、昨今、やっぱり金融庁というのはいろんな役所の中でも一つの非常に脚光を浴びているし、国民、消費者全般に対して非常に視点がそちらを向いた輝かしき実績を収めている役所じゃないかと思うんですね。そこら辺に、渡辺大臣の個性とそれから姿勢とそれから哲学といいますか、行動力ももちろんあるんですが、輝いていると。これがあってのやっぱりこういう業績だと思っていますので、それで是非継続していただきたいと。  それから、これは今後のことで、そういうことにならなきゃいいんですが、昨今といいますか最近ですけれども、新銀行東京ですか、これがやっぱり大変大きな問題になりまして、今は金融庁がどうこう言っている段階じゃないんでありますけれども、知事の方は再建のめどが付いたと、だからこういう、整理、清算じゃなくて積極展開をやるんだということで、この前、都議会の方も、四百億でしたか、増加出資をすることに決まったわけですけれども、こういうことに関しても、今からどうこうということじゃありませんけれども、万が一あるいはそういうことが起こらないように、金融庁としても、今の段階でどこまでできるか分かりませんけれども、是非、渡辺大臣に、大きな問題でありますから、渡辺大臣ならでは、知事に対してもずばりお話ができる方だと思いますので、是非しっかりやっていただきたい。期待しております。  この問題はこのくらいにさせていただきます。大臣、ありがとうございました。  それで、予定していた大臣が来られていませんのでちょっと順番をずらさせまして、国交省の地方公共団体における国交省所管の国庫補助事業について質問させていただきたいと思います。  いわゆる地方公共団体の国交省所管の国庫補助事業について、談合等があった場合に、違約金等の返還、国庫補助金相当額の国への返還、これがどのように行われているか、また行われていないか、これについて質問させていただきたいと思います。  会計検査院検査報告によりますと、先般、約二十都道府県における三十事業主体が発注した国土交通省所管の国庫補助事業に係る工事及び測量、設計等の委託業務に関し、受注者等が談合を行ったとして、十四年度から十八年度までの間に独禁法違反とか刑法違反とか談合の事実が確定した千八百五十九工事、契約額、総計ですね、七百二十億四千九百八十五万円、このうち国庫補助金相当額三百三十六億一千七十三万円余りを検査の対象として検査をしたと。  それで、検査の結果、驚くべきというか、やっぱりかという感じもするんですが、まず十六府県における二十三事業千三百十四工事、契約額計五百六十億三千九百二十六万円、国庫補助金相当額二百六十二億一千七百二十二万円、これについて、違約金は収納されているが、これに係る国庫補助金相当額の国への返還が行われていないものとしてといいますか、十六事業主体、計九百二十五工事で国庫補助金相当額八億三千百五十六万円、これが国庫に返還が行われていないという事実が指摘されているのでありますけれども、これについては、どうしてこういう状況が起こっているのか。談合等があったということは、またそれは別の問題でありますけれども、国庫への返還が行われていない。  これだけの検査対象においてこれだけの金額が返還が行われていないということについて国交省としてはどのような御見解を持たれているのか、お答え願いたいと思います。
  160. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 丸山議員が挙げられたとおり、会計検査院から国土交通省所管の補助事業等につきまして、事業主体である地方公共団体と、それからそれを受注したところとの間でこういう違反行為等が確定した場合には、損害賠償の予定と我々言いますけれども、損害賠償の予定をした契約がなされている場合、まあするように我々指導しているわけですが、そういうふうな損害賠償の予定がされている契約の中で、今御指摘のように、それが犯罪あるいは公正取引委員会に基づく審決が確定したというようなもの、すなわち予定事項が、条件が成就した部分ですね、それについて、地方団体はその損害賠償を受け取りながら、本来、国に納めるべきものが納められていないという指摘がされました。  それは十六事業主体について行われまして、我々の方としましては、昨年の八月二十八日付けで、その当該都道府県に対して、その事実の確認と、そういうものがあるんであればすぐに返納しなさいという申出をいたしましたところ、十二事業主体についてはすぐに返納してくれました。これは、検査院から改善意見を表示したところ国交省は迅速な措置をとったということをすぐ内閣府に報告をしていただいたものでございますが、残念ながら残り四事業残っておりますが、これについても返還に向けた手続を今取りつつあるところでございます。  なお、市町村なんかでは、損害賠償の予定をしていない契約があるんですね。そういうものにつきましては、我々きちっとそういうものをしてほしいということの要請をしているところでございまして、我々、対等、平等ですから、国と市町村は。したがいまして、指導というわけにいきませんが、そのようにしていただかなければならないということを要請をしているところでございます。
  161. 丸山和也

    ○丸山和也君 すると、これからは、もちろん談合そのものが発生がなくなるということが最大の目的でありますけれども、仮にそういうことが公取なり刑法で指摘されて事実が確定された場合に、やはり違約金なり、あるいは条項がなくても損害金を算定して返還させると、国庫補助金相当額にも比例する割合で返還させるということで、それを返さないというのは、はっきり言って正当な根拠のないのを懐に入れると。幾ら地方財政が大変だといってもそれはもう不届き者でありますから、是非、冬柴大臣の強力なパンチで是非もう進んで返させるように指導していただきたいと、こう思います。  それともう一つ、そういう都道府県、市町村においてそういう違法な談合があっても、その違約金相当分、補助金に相当するですね、返還請求もしていないというところも、ほったらかしのところも結構あるようなんですね。それを見ますと、やっぱり七事業主体で三百八十九件、契約額百七十一億幾らと、これに係る補助金相当額が八十一億幾らあるんですけれども、まあこのうち返還すべきものといったら恐らくやっぱり一〇%としたら八億ぐらいあるんじゃないかと思うんですけれども。  やはり、事業主体、地方自治体もそういう意識のかなり低いところもあると思うんですね。どうせ国に返すんだったらもう請求しなくていいやみたいなところもあるんじゃないかと思われますので、そこら辺も含めて、是非、国交大臣として、所管庁として、そういうやっぱり違法な金、違法な金のやっぱり違法な、そのままとどまっているというようなことはおかしいんだよという当たり前のことを指導してやって、進んで自ら返還すると。それが返還するからこそまた補助金が正当に来るんだという当たり前のサイクルを頭にたたき込むというか、やってやっていただきたいと期待しております。  それから、もう一つ私は思ったんですけれども、もし本当に都道府県、市町村においてそういうことが非常にやりにくい何か地方的な事情があるならば、例えばその返還請求権のようなのも例えば国の方で譲り受けるような形で国が行使するということも考えられないのかなと。まあこれは若干法律家的な発想なんですけれども、そういうことも含めてどうかなと思っておるんですけれども、大臣、一言お答えいただいたらと思います。
  162. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 委員も弁護士でございますので、代位請求可能だと思いますね。  この七の事業主体は二県五市なんでございますが、それぞれ議員が言っておるように違約金条項は設定されているようなんですね。それでいて請求をしていない。ごめんなさい。今はそのように我々して違約金条項が入っているようですけれども、ところが当時、当時は一市を除いて六つの団体は違約金条項入っていなかったんです。そうすると、この損害の立証はこれは大変難しいですね。そういうことから請求されていないと。  しかしながら、今ちょっと私、間違えましたけれども、この七団体ともその後は違約金条項がきちっと入っていますので、これからは入ってくるというふうに思います。
  163. 丸山和也

    ○丸山和也君 冬柴大臣の顔をじっと見たら金を返さぬという自治体はまずないと思いますんで、是非御努力をお願いしたいと思います。ありがとうございました。  それで、法務大臣がいらしていただきましたので、次の問題に移らせていただきたいと思います。  たまたま私、今日、前から読んでいた本なんですけれども、「アメリカ人のみた日本の検察制度」といって、これは四年ぐらい前に発刊になっているんですけれども、デイビッド・ジョンソンというのが書いているんですけれども、なかなかいい本で。  この本にも結構指摘されているんですけれども、日本の特に刑事裁判なんですけれども、検察ですから刑事裁判なんですが、公平に行われているんだろうか、あるいはその仕組み自身が公平に成り立っているんだろうかというようなやっぱり疑問を呈しているんですね。  そこで、一か所だけ読ませていただきますと、裁判所は検察官が起訴した事件に有罪判決を行うだけでなく、検察官が望むであろう量刑を科している。日本の検察官はいかなる決定あるいは判決に対しても、不服申立てする法律上の権利を有するが、それを行使することはまれであると。一九九二年には、地方裁判所及び簡易裁判所は五万五千四百八十七人の刑事被告人に判決を行った、第一審判決ですね。検察官が高等裁判所に控訴したのはわずか九十三件、つまり第一審判決五百九十七件につき約一件の割合にすぎない、同年、日本の八つの高等裁判所は、検察官が控訴した三十六の無罪判決のうち二十九件、約八〇・六%を覆し、無罪から有罪に覆したということですね、かつ他の検察側控訴五十六件のうち三十三件、約五八・九%の量刑を引き上げた。  つまり、これは何を言わんとしているかというと、検察官が起訴し、求刑もするわけですね、起訴した事件については、ほぼ有罪になり、ほぼ望んだとおりの量刑が想定された範囲で科されると。それにもし違うような例があって検察官が控訴すると、八〇%の事件は覆ってしまう。やっぱり、検察官の望むようになるということで、彼はその後に、やっぱり一つの彼の感想を書いているんですけれども、実際、戦後の検察官と裁判官の関係を要約すれば、検察官が裁判官をコントロールしているという言葉を使いたくなると、日本の検察制度を見て、裁判制度を見て書いているんですね。  それで、どうしてそういうことが生じているのか、これは歴史的背景がいろいろあると彼は見ているんですが、私はそういうアメリカ人から見た指摘も受けながら、自分の若干三十五年間弁護士やってきて幾つかの刑事事件もやった中から、一つ提言といいますか、させていただきたいと思うんですけど。  やはり、日本の刑事裁判というのは、例えば東京地裁刑事何部とかありますね。そうすると、その裁判官、裁判長を含め、おられます。それで、公判担当検事とありまして、そのやっぱり裁判官と検事が一つの車輪の両輪になって、ペアになって、一種のチームなんですね、それで裁判が行われている。そこに毎回、事件ごとに違う弁護士が入っていくわけですよ。それで一件一件やるんですよ。一つのチーム対弁護士というような、そういう構造的な仕組みになっている。  すると、どうしても裁判所も検察官の意向を尊重するし、また検察官も裁判所に受け入れられやすいような方向に、起訴状を作るというと変ですけれども、起訴もし、また裁判所が望みやすいような量刑も求刑もする。そういうことで非常にあうんの呼吸で検察と裁判がうまく、ある意味じゃ非常にうまく回転しているんですけれども、非常に弁護側から見ると、客観的であるべき裁判所がどうも検察庁寄りの訴訟指揮、証拠の採否、それから有罪無罪の判定、それから量刑までしてしまう、そういうぬぐいがどうしても取れないと。  それで、彼自身も、日本の裁判というのは、刑事裁判というのは、ややそういう、ややというより、かなりそういう傾向が強いんじゃないかという指摘をしているんですが、ここら辺について、私はもう時間がありませんので、法務大臣の御意見もお聞きするのと同時に、私の提案なんですけれども、例えば、多分、小川委員長はもっと強烈な意見じゃないかと思うんですけれども、裁判ごとに担当検事を替えるとか、あるいは半年ごとに公判担当検事を、検察官を替えるとか、そういう入替えといいますか、そういう流動化させるといいますか、そういう方策は取れないものかどうか、またそういうことを取ることについての大臣としての御意見とか御所見とか、その是非を含めて、いただけたら有り難いなと思っているんですけれども。
  164. 鳩山邦夫

    国務大臣(鳩山邦夫君) 先生指摘の件は、確かに、時によって大分仕組みは変わってきているようですが、例えば東京地検と地裁の関係でいうと、例えば五人一組ぐらいの検事が公判に専従する公判担当で、裁判の方の二つの部ぐらいと大体やると、担当するということになっているようですね。  その最大の理由はスケジュールらしいんですよね。やはり、これ全部入れ替えていると、みんな掛け持ちしておりますから、結局、検事と判事の日程が合わないと。大体この五人とこの何人かが、ペアというわけじゃないんですけれども、お互い担当し合っていると、じゃ、月、火、木でいくかとか、そういうようなスケジュール調整の関係でそういう形になっているというふうに聞いております。  検察官は法と正義と証拠に基づいて適正に判断をして行動していると思いまして、その人的なつながりによって結果が左右されると、いつも顔見知りだからというので検事と判事がなあなあになって、そのために結果がおかしくなっているのではないかということはないものと思っておりますが、しかしながら尊敬する丸山先生の御提案であれば、一つの考え方としてこれは参考にして考えてみる価値はあると思っております。
  165. 丸山和也

    ○丸山和也君 ありがとうございました。  先般、割かしヒットしました「それでもボクはやってない」という映画で、有罪率九九・八%は日本の刑事裁判の特異性って、あれは算定が若干アメリカなんかと違いまして、アメリカの場合は起訴前に有罪の答弁をすれば起訴されませんから、ちょっと単純にそう比較はできないと思うんですが、それにしても、やはり若干そういう、僕はあの映画は、だから欠陥はそこだと思っている。その仕組みについてまで切り込んでいない。やっぱり素人の作った映画だなと思っているんですけれどもね、非常にいい映画でしたけれども。あれを見て、僕は、だから今のような仕組みの問題を指摘すればあの映画はアカデミー賞を取れたんじゃないかなと、まあ余計なことではありますけれどもそう思ったぐらいでありましたので、一つの検討材料だとおっしゃっていただいたことに非常に感謝しております。  それでは次に、最後になりますけれども、裁判所の裁判員制度が五月二十一日かな、来年の五月から施行されることが決定したようでありますけれども、それに関しまして、最高裁の方でもPR用の映画とかパンフレットを作ったりいろいろ御尽力いただいておるんですが、世論調査を見ましても、約六割ぐらいは参加すると。ただ、本音は、その六割のうちの四割の人は、できれば参加したくないけれども義務だから仕方なく参加する。かなり進んで参加してみようという人は約二割前後じゃないかと思います。  そういう意味では、まだ周知徹底がこれからかなり必要じゃないかと思うんですが、その中で、検査院指摘によりますと、三十五ミリ映画をたくさん作られたようですけれども、なかなか活用がされてなくってお蔵に眠っているというようなことが指摘されているんですけれども、今後、これの三十五ミリフィルムの活用も含め、どういうふうに最高裁としては、こういう有効活用といいますか、されて、PRをされていこうとされているのか、お答えいただいたら有り難いと思っているんですが。
  166. 小川正持

    最高裁判所長官代理者小川正持君) お答え申し上げます。  会計検査院から三十五ミリフィルムについて取得の目的に沿った利用がされていないなどと指摘を受けましたことにつきましては、誠に申し訳なく思っております。  指摘を受けた後の三十五ミリフィルムの活用状況や今後の活用予定について具体的に申し上げますと、最高裁判所といたしましては、最高裁判所講堂におきまして、これまで五回上映会を実施いたしました。今後も、本年度中に五回上映会を予定しているところでございます。また、東京商工会議所の国際会議場におきまして、東京商工会議所会員企業の方を対象にした上映会も実施しております。その他、地方裁判所の企画におきましても、これまで数回、上映会が実施されており、今後も上映会の開催が予定されているところでございます。  裁判所といたしましては、裁判員制度の施行まで残り約一年となったことも踏まえ、引き続き三十五ミリフィルムの活用を積極的に図っていく所存でございます。  また、委員指摘のように、国民の参加の意向についての御意見、御指摘がございました。なるほど、義務であれば参加することもやむを得ないという方が多いということでございますが、そういう方も含めますと、六割以上の国民が参加意向を示しております。また、裁判員裁判について、認知項目数と裁判員として参加する場合の心配、それから支障並びに参加意向との間には相関関係がございまして、認知事項が多いほど心配及び支障が低いと、参加意向も高いということが認められております。  裁判所としては、このような結果を踏まえまして、制度施行までの残り約一年間、引き続き関係機関と連携いたしまして、国民の疑問や不安に応じた具体的な情報を提供する広報活動を展開し、国民の参加意向の一層の向上に努めてまいりたいと考えております。その一環として、三十五ミリフィルムを含め、委員指摘のように、裁判員制度広報に関する制作物の利活用を積極的に図っていきたいと考えております。
  167. 丸山和也

    ○丸山和也君 ありがとうございます。ちょうど今が一年前の勝負どころだと思いますので、是非これが前進するように気合を入れるためにも、広報を含めて頑張っていただきたいと思います。  質問を終わります。
  168. 牧野たかお

    牧野たかお君 自由民主党の牧野たかおでございます。  今日は、舛添大臣、大変お疲れのところを御出席していただきましてありがとうございます。  まず、都道府県労働局におきます不正経理について質問いたします。  この問題は、昨年の参議院本会議で連続三回目の内閣への警告が決議されたということ自体、まさに前代未聞のことだというふうに認識しております。私は昨年の選挙で当選したものですから、その平成十七年度の決算報告書を改めて読ませていただきました。  その内容を大まかに再度検証いたしますと、会計検査院の二年間にわたる検査によって、古くは平成七年度、多くは平成十一年度から平成十七年度までの全国四十七都道府県にある労働局の支出や委託事業費で七十八億四千四百万円余りの不正又は不適切な会計経理が発見されたというものであります。  特にこの中で問題なのは、会計法令に違反した不正支出による目的外使用に分類されるもので、合わせて十二億二千四百万円余りに上っています。この事例では、虚偽の内容の書類を作成したり物品の購入をしたように見せかけて、いったん支出した公費を業者に返金させるなどの庁費等の不正支出が十三労働局で六億二千四百万円余り、存在しない相談員を雇用する形式で謝礼金を払ったように見せかけた不正支出が十一労働局で一億六千六百万円、このほか、空出張などの旅費の不正支出が十五労働局で八千万円余りというふうに、もちろん七十六億円余りの全体の不適正な会計処理もあってはいけないものでありますけれども、以上に述べた不正支出というのは言わば犯罪でありまして、これらの行為を各労働局で長年にわたって行っていたということは行政としての機能と倫理が完全に破壊していたと言ってもいいと思います。  さて、こうした不正を防止するためには、この不正の原因を私は突き止めることだと思います。会計検査院報告書では、国家公務員でありながら都道府県知事の指揮命令の下にあった地方事務官制度時代の慣行が平成十二年度から労働局へ移行した後も引き継がれて、組織的な不正経理が行われていたと指摘されております。  それでは、その慣行がどのようにして生まれたのかということでありますけれども、私は、不正支出のその内訳をちょっと探っていくことが一つの背景を知ることだと思っております。その会計検査院報告の中で別途経理資金というのがありまして、そこで四億三千九百万円余りが使われたというふうになっております。その内訳が、職員の懇親会費が四六%に当たります二億二百九万円と一番多くて、物品購入費九%、三千八百十三万円となっております。  ただ、内容がまだ分からないようなものもございまして、交際費が三千七百七十六万円、その他が五千九百五十一万円というふうになっておりますけれども、この交際費とかその他というものは一体どういうものだったのか、まず会計検査院に伺いたいと思います。
  169. 小武山智安

    説明員(小武山智安君) ただいま先生の方からお話ございましたように、平成十七年次及び十八年次の二か年にわたりまして実施した全国四十七労働局に対します会計実地検査の結果につきましては、十七年度の決算検査報告に特定検査対象に関する検査状況として掲記しておりまして、不正又は不適正な会計処理により支出されるなどした金額が約七十八億円であることを記述しております。  また、不正支出等により捻出しました別途経理資金五億六百万円の使途のうち、四億三千九百万円が使用済みとなっておりましたけれども、ただいま御質問のありました、交際費とその他として分類した使途の例といたしましては、交際費は、慶弔費とか関係団体との会合費、またその他の方につきましては、除草・清掃代とかアルバイト代、またレクリエーション補助というような項目になっております。
  170. 牧野たかお

    牧野たかお君 このことはまた後ほどお聞きしますけれども、それとまた、この使途の中で使途不明というものが三千七百四十一万円もありますけれども、不正経理で捻出したお金が使い道が分からないというのもまた変な話じゃないかなと思いますけれども。  この使途不明なるもののお金というのは、会計検査院で調べてもどういうものか全然分からなかったということですか。それともう一つは、今申し上げたみたいに、使途不明ということが実際そういうことで結論付けていいのかどうか。実際にもう使っちゃっているわけですから、使っていて何に使ったか分からないというのは私は変だと思うんですけれども、その点はいかがですか。
  171. 小武山智安

    説明員(小武山智安君) 別途経理資金の使途につきましては、領収書等の具体的な資料が既に廃棄されているとのことで、詳細につきましては件数も含めまして正確に確認することができませんでした。  ただ、関係職員から聴取するなどいたしまして可能な限りの調査を行ったところでございます。委員質問の使途不明のものにつきましては、関係者の記憶等によっても内容を特定できなかったものなどでございます。
  172. 牧野たかお

    牧野たかお君 またそれは後ほど聞きます。  本来、労働局というのは、さっき申し上げたみたいに、平成十一年度までは地方事務官という身分でそれぞれの都道府県に採用、その都道府県ごとに採用されてその都道府県の中でしか私は異動できない、ほとんどの人が異動しないというふうに認識しておりますけれども、要は、北海道から沖縄まで各県単位になっているのに、同じような不正が同じようなやり方で北海道から沖縄まで起きていると。私はすごく変だなと思いますし、この報告書の中では、関係書類の廃棄とか紛失の状況、また、こういったものはまさに証拠隠滅とか隠ぺい工作に私は近いと思いますけれども、こういったことももう全国同じようなことが起きています。  なぜそのように、本来、言葉がちょっと正しくないかもしれませんけれども、その県単位である意味遮断されている地方労働局でどうして同じことが、共通性がある同じことが全国各地で起きているのか、私は内部監査を行った厚生労働省として何らかの結論を出しているんじゃないかと思いますけれども、その点はいかがでしょう。
  173. 金子順一

    政府参考人金子順一君) お答え申し上げます。  まず最初に、委員から冒頭御指摘ございましたけれども、都道府県の労働局におきます不正経理につきまして三度にわたる警告決議がなされるということで、誠にあってはならない事態であったわけでございます。私ども、今これを深く反省をいたしまして、二度とこのような事案を起こさないよう、今内部統制の強化等に取り組んでいるところでございます。  それで、今委員から御指摘のあった点でございますが、私どもやはり、今委員の御指摘にもありましたように、労働局の人事は基本的には各県の労働局の単位で行っているということで、これは今後改めるということでもう既に決めておりますけれども、この間そういうことが行われていたということでございます。それにもかかわらず、同種の事案が同時多発的に起きているという背景ということだろうと思います。  それで、すべての労働局でこういった不適正が行われていた事案の幾つか見てみますと、一つは、支出金を業者に預けまして、後日これを利用して、契約とは異なるような物品を納入させているという、言わば業者に預け金をしているようなケース、あるいは契約した物品が納入される前にこれらが納入されたこととして支出する前払と、先払いといったようなケースがすべての労働局で見られたわけでございます。これは誠にお恥ずかしい話ではございますけれども、職員の中に予算を使い切るといった誤った意識の下で基本的な会計法令の遵守をおろそかにしたという辺りが基本的な原因ではないかと考えております。  加えまして、私ども本省の方から予算を配賦いたしますときに、どうしても年度末の方に寄ってしまうというような、そういったことも遠因の一つではないかというふうに思っております。  あと、今御指摘のございました証拠文書が、出勤簿、休暇簿などにつきまして、多くの労働局で廃棄をされていたという問題でございますけれども、これ実は、私ども本省の方の指示がやや舌足らずで足りなかったということもございますことを御理解いただきたいと思います。  一つは、給与簿、出勤簿につきましては、これは人事院規則で五年と定められておるわけでございますけれども、私どもの地方課長の方から全局の労働局長に出した通知の中に、職員の給与に関するものの保存期間は三年というような書き方をしたものですから、この給与簿、出勤簿はこれに含まれるんではないかというような誤解をしたような節もございまして、こういったことも背景にあったのではないかというように考えているところでございます。
  174. 牧野たかお

    牧野たかお君 こういう不正、私は本当に不思議に思うのは、さっきも申し上げましたけれども、同じような手口で同じようなことが、しかも同時多発的とおっしゃいましたけれども、更に言えば、こんなに長く不正が続けられてきたというのは、これはもう組織の中の体質そのものではないかと思いますけれども。  例えば、さっき申し上げたみたいに、ある意味遮断されている都道府県単位の労働局でありながら、中には、それじゃまともにずっとやっているところがあったっておかしくないと思いますけれども、ほとんどのところで何らかの要するに不正が行われている結果が出ていますよね。だから、これはもう本当にそこの単位で、そこの一単位の労働局の話でなくて、私は、北海道から沖縄まで、これはある意味で現場の私はネットワークがあったんじゃないかと思います。それじゃないと、こういう長い不正というのは恐らく続くことがないというふうに思います。  そこで、私は、いろいろちょっと資料を取り寄せたりなんかして調べさせていただきましたけれども、本来、地方労働局というのは、労働省の職員組合、全労働省労働組合、全労働でありますけれども、この組織率が非常に高い。本省も合わせますと組織率で八五%。出先の労働局、その監督の下にあります労基署、職業安定所ですと八八%の組織率になっているわけですよね。  言うならば、私は、先ほどの使途の中で出ていましたけれども、関係団体の会合費とか、そして職員のレクリエーション費ということ、もっと言えば、その前私が申し上げた職員同士の懇親会費二億二百九万円使われているといっても、職員の八八%がここの労働組合の組合員で、職員同士の会合費というのは、飲食代というのは、そこで使われた、不正に使われたお金というのは、言うならばほとんど労働組合の組合員同士の飲食と言ってもいいんじゃないかと私は思うんですが。  そういうことを考えますと、さっき申し上げたみたいに、北海道から沖縄までの本来遮断されている地方労働局でありながら同じようなことが起きているというのは、一つのネットワークの元になっているのが、先ほど申し上げた現場では八八%の組織率の全労働と全く私は無関係だとは思いませんけれども、その点についてはどうお考えになりますか。
  175. 金子順一

    政府参考人金子順一君) 今回の労働局におきます不正経理に関しまして、職員団体の関与があったというような事実については、私どもとしては把握をしていないところでございます。  先ほど会計検査院の方からも御説明がありましたが、不正金の使途不明といった部分についてもどういった形のものかということが確認をされていないということでございまして、労働組合の関与ということにつきましては確たることを申し上げられる状況にはないということを御理解いただきたいと思います。  そういう中で、長年にわたってこういった不正経理というのが行われてきたという職場体質の問題、これは様々な要因が作用していた可能性が高いと考えております。そういう中で、あえて一点申し上げるとすれば、人事のシステムが、委員から御指摘ございましたように、大半が県内異動という人事システムを取っているものですから、大変内向きになる、あるいは牽制作用が適切に機能してこなかったという組織風土にあったという点が大きな点ではないかと考えているところでございます。  それで、これに加えまして、これは私ども調査をした上でのことではございませんけれども、労働局単位で人事は行っておりますが、ブロックの単位で業務に関するいろいろな打合せをやるということは、これはございますので、そういったようなところで何らかの情報交換みたいなものがあった可能性ということについては、これは否定できないのではないかなと、こんなふうに考えているところでございます。
  176. 牧野たかお

    牧野たかお君 それでは、ここの検査を二年間にわたって行われた会計検査院報告書にはそういうことは一切書いてありませんでしたけれども、会計検査院はどうしても報告書だと、それもちょっと言葉が足りません、足らないかもしれませんが、表面上の事実については書かれておりますけれども、なかなか、本来、何でこういう不正が行われたかという本当に深い真相をある意味では会計検査院の方で探り出さなければ、こういう不正というのは私はなかなかなくならないと思うんですが、今回、二年間の検査を行った会計検査院では、今申し上げた労働組合との関連というのはどういうふうにとらえているんでしょうか。
  177. 小武山智安

    説明員(小武山智安君) 労働局におきます不正経理の原因につきましては、決算検査報告に、本院の所見の中で記述しておりますとおり、十一年度以前におきます職業安定行政が地方事務官制度により担われていたことから、これを背景として組織的な不正経理が行われ、その慣行が労働局への移行後も引き継がれていたことなどによるものというふうに考えられます。  不正の背景として労働組合の存在が関係あったかなかったかという御質問でございますけれども、私ども検査した限りにおきましては、そのような事実を把握するには至っておりません。
  178. 牧野たかお

    牧野たかお君 それでは、また関連で後ほど社会保険庁のときにもう一回戻るかもしれませんが、取りあえずこの不正に対する処分について今度は伺います。  政府が講じた措置という参考資料が出ておりますけれども、これによりますと、八ページに書いてありますけれども、処分者の総計が三千五百三十一名、このうち懲戒免職から戒告までの懲戒処分者が二百七十八名となっておりますが、まずこの懲戒処分者の内訳、懲戒免職十四名はどのような行為をしたのか、以下、停職者十一名、減給九十五名、戒告百五十八名についてはどうなのかということを伺いますが、手短に簡潔に言っていただきたいと思います。
  179. 金子順一

    政府参考人金子順一君) 職員の処分でございますが、これは人事院が定めました懲戒処分の指針というのがございますので、これを参考として行ったものでございます。  懲戒免職につきましては、不正経理によって公金を私的に着服した者、あるいは給付金を窃取した者、又は納入物品を横領した者、こうした者を懲戒免職としております。停職につきましては、不正経理金の捻出を実行した者、あるいはその上司の管理監督責任者。減給につきましては、同様に不正経理の捻出を実行した者とその上司の管理監督責任者でございます。戒告につきましても同様な形ということで、不正経理の捻出を実行した者とそれから上司の管理監督責任者、それぞれがございます。
  180. 牧野たかお

    牧野たかお君 懲戒免の十四名というのが私的着服で、これは犯罪も犯罪、当たり前の処分だと思いますけれども、管理監督責任者と不正経理の実行行為者が停職だったり減給だったりというふうに分かれておりますけれども、そういう同じことを、同じ立場の人とか同じことをした人で処分が分かれているんじゃないかと思いますけれども、その分かれているところの基準みたいなのがあるかどうか、こういうことと、この懲戒処分者二百七十八名、不正経理を実行した行為自体が厳密に言えば、法律で言えば、私より専門家の丸山さん隣にいますけれども、公文書偽造だとか詐欺に当たると思いますけれども、そういう方たちに対して、方という敬語を使う必要ないな、そういう人たちに対して刑事告発はされたんですか。
  181. 金子順一

    政府参考人金子順一君) まず、一点目の管理監督責任と不正経理の実行行為者がそれぞれの量定のところにいろいろ分かれている点についてでございますけれども、これは例えば同じ裏金をつくったといったようなことがありましても、例えばその非違行為の重大性といいますか、例えば兵庫労働局のように大変大規模にしたところと比較的金額的には少なかったところ、あるいは実際に管理監督者の責任ということになりますと、全体の総括責任者でございます労働局長あるいは安定所長といったようなことで、その職責の大きさも加味いたしまして、管理監督者でも兵庫労働局のケースについていえば停職処分にしたというようなこともございまして、こういった形で量定が割れているということで御理解を賜れればと思っております。  それから、もう一点ございました。二百七十八人懲戒処分者のうち何人を刑事告発したのかということでございます。  これは、今回の不正経理に関する調査の過程の中で、私的に着服、私的着服を行うといったような犯罪事実がないか、多くの関係者から聴き取りを行うなど綿密な調査を行ったところでございます。その上で、犯罪の事実が明らかとなった個人につきましては告発を行ったところでございます。  具体に申し上げますと、広島、秋田の二労働局で計四名を刑事告発しております。これに加えまして、他の労働局では、刑事告発すべき内容ではあったわけですけれども、事前に私どもの調査の前に捜査機関に逮捕されたといったようなケースもございます。あるいは、職員が失踪して警察に出頭したといったようなケースもございまして、こういったものも今申し上げました四名の刑事告発のほかにあったということでございます。
  182. 牧野たかお

    牧野たかお君 そうすると、告発をしなくても捕まっちゃった人もいるし、自分で自首した人もいるということですけれども、少なくとも懲戒免職十四人、まあ十四名は懲戒免職にしているわけですよね、私的着服で。だから、刑事罰を受けたか、要はその対象になるように司法当局に告発するか、司法当局の方で捜査によって捕まえたか。十四名と、要は刑事の部分の人数というのはどういう数になるんですか。
  183. 金子順一

    政府参考人金子順一君) 十四名につきましては、今私が申し上げたものの中にすべて含まれているということでございます。
  184. 牧野たかお

    牧野たかお君 分かりました。  それでは、返還のことについて伺います。  報告書の八ページにありますけれども、国庫に損害を与えた十一億七千六十一万円を全額返還するというふうになっておりますけれども、これは当然だと思いますが、まだ一億三千二百九十万円ほどが返還されず民事訴訟で係争中だというふうにこの報告書に書かれておりますけれども、これはどういう内容なんでしょうか。
  185. 金子順一

    政府参考人金子順一君) 今回の不正経理によりまして国庫に損害を与えた十一億七千六十一万円につきまして、これは個人着服を行った職員、業者、これにつきましては、その着服分を返還させる措置を講ずる、それからそれ以外の者につきましては、事案が発生をいたしました当時の管理責任がある立場にあった者を中心にいたしまして返還をさせると、こういう方針で対応してきたところでございます。  このうち、個人着服にかかわりますものの一部がまだ返還をされていないということでございまして、それが御指摘の一億三千二百万円余の金額でございます。このうち一億二千八百九十五万、大部分は兵庫の労働局において当時の職員や業者が着服を行ったものでございまして、今、民法上の共同不法行為といたしましてこれらの者に対しまして四件の損害賠償請求訴訟を提起をいたしまして、現在三件について係争しているところでございます。
  186. 牧野たかお

    牧野たかお君 それでは、地方労働局をいったんここで終わらせていただくための最後の質問をしますけれども、大臣に御質問させていただきますが。  今まではちょっと地方労働局の不正経理についてのやり取りをさせていただきましたけれども、これはなかなか組織が変わったから、じゃ、こういう不正がなくなるかというのは、本当に私は組織の中の体質だと思います。この体質を変えていかなければやっぱりこういう不正というのはまたいつか起きてくるでしょうし、また別の形で起きる可能性が私は非常にあると思います。  舛添厚生労働大臣に、こういうとんでもない不正経理を二度と再び起こさないための再発防止へどういうふうに取り組まれるのか、お聞きしたいと思います。
  187. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) 厚生労働省としては平成十七年の七月に、今いろいろ事案、委員がお挙げになったような、不正な金銭を作出した者に対しては懲戒免職を原則とすると、こういう厳しい処分方針を出しました。  今お挙げになった大部分の件はその前のことでございまして、その反省を含めまして、外部専門家から成ります法令のコンプライアンス、遵守の委員会を設置しまして、内部の点検、内部監査を実施すると。さらに、私が大臣になってからも、二度とこういうことが起こらないように再発防止に万全を期し、本当恥ずかしいことですから、会計検査院指摘されると、そういうことがないように今後とも万全の努力を行ってまいります。
  188. 牧野たかお

    牧野たかお君 それでは、年金のずさんな記録管理の方の問題に入っていきたいと思います。  舛添大臣はもう至る所で御答弁をされておりますので、御苦労されている姿を見て、私は、大臣が本当に一生懸命やっているのに、果たして現場の社会保険事務所の皆さんはそれにこたえる意思があるのかどうかというふうに疑問に感じるところもあります。  正直申し上げて、私の家内の年金も漏れていました。さっき聞いたら、石井みどりさんのも漏れていたそうです。あと何人か参議院の中でも漏れていた方がいらっしゃると。それも、私の家内も、結婚して名字が変わったら、その前の、同じ会社にいましたけれども、全部飛んでいました。  だから、そのぐらいの状況で飛んでいる人が、漏れている人がいるということは、これは本当に根が深い問題であるし、私はその一番の問題は、問題というかこの原因は、本当にこれも先ほど申し上げた地方労働局と同じように、全国の社会保険事務所が本当にしっかりしていればこんな問題は全く起きなかったというふうに思います。  そういう中で、今回の検査報告の話をさせていただきますけれども、これもちょっと、つい最近新聞に出た話ですが、社会保険庁の労働組合がやみ専従を行っていたということで三月の十七日付けの読売新聞に出ていますけれども、これ中身は、要は、本来、組合の専従ですから休職届を出して公務員としての給料をもらわないのが当たり前ですけれども、そういう専従でありながら公務員の給与をもらっていたと。それがどうやら、不正給与六億円と書いてありますけれども、ちょうどこの年数で見ると平成九年から平成十六年、やはりこれも地方の事務官であった時代が入っております。ですので、私はこれ、社会保険庁も地方労働局も、当時の省庁は違いますけれども、やっぱり地方事務官という制度の中で同じようなことがあったんじゃないかなというふうに思っております。  このやみ専従の話をちょっとしますけれども、要は、今回のやみ専従という中で、これ新聞で私は読んだだけでございますけれども、今後この処分というのはどういうふうにされるのか、それをまず伺いたいと思います。
  189. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) 今御指摘いただいたように、東京で十七人、大阪で十二人のいわゆるやみ専従、無許可専従を行っていたということでありますけど、その前に、委員おっしゃったように、私も今この年金記録問題を担当していて、毎日新しい問題が起こってくる、本当にこれ根が深いなと。時間があれば、どういうことが複合的な原因なのか、いずれ本にまとめればこんな厚い本が書けるぐらいだというように思いますけれども。  そういう中でやっぱり、先ほど労働局についても地方事務官ということをおっしゃいました。三層構造で、その地方事務官そしてまた労働組合が、国民のためじゃなくて自分たちがサボるためにやっていたと、そういうことであります。  それから、いかにサボるか。一日にキータッチ五千以上やらないとか、三十分ですよ、五千というのは。そういうことをやっていたということ、こういう確認文書は全部破棄させました。その上で、こういうことが二度とないように厳正な処分をまず行う。そして、日本年金機構を今からつくり上げますので、このときにはもう能力、使命感が欠如した者は一切採用しないと、そういう方針で立て直していきたいというふうに思います。  本当にこれは根が深い問題なので、そういうことを一掃して新しい組織にし、何とか国民の年金に対する、政府に対する、国家への信頼を取り戻すと、そのために日々努力をしているところでございます。
  190. 牧野たかお

    牧野たかお君 大臣の御苦労とそして決意のほどは、自民党、内閣支持率が低くても舛添大臣に対する支持率が高いというのはそれが出ていることだと思いますけれども、私はちょっと自分のことでバッジを取って社会保険事務所に行きました。相手も、私も余り有名じゃないですから、社会保険事務所の人も私が国会議員と多分知らなくて応対したんでしょうけれども、正直言って、これだけ国民から叱責を受けて批判を浴びている中であっても、実際窓口へ行くと、私は、余り以前と変わっていないようなというか、親切に応対しようというのは、どうしても受付に行っても余り感じられないようなところがございます。  それから、年金の相談窓口、実を言うとレクのときに来てくれた人たちにも言いましたけど、要するに看板を立てて、ここで丁寧に応対しますよというような看板も出ていないし、要するに何か本当に前と変わらないなと。私も何回か行ったことありますけれども、本当にお役所仕事だというイメージだったんですが、この時期になっても変わらないというのは一体どういうことかなと、そのとき感じたわけです。それがある意味では、私は、さっき申し上げたみたいに、そこの現場の組織の体質がもう染み付いちゃって、なかなか変わらないんじゃないかなと思います。  それで、地方労働局の方の話にちょっと戻しますけれども、このやみ専従の問題が社会保険庁で明らかになったんですが、これだけ不正経理を行ってきた地方労働局に対しても、やみ専従があったかどうか調べるお考えはありませんか。
  191. 金子順一

    政府参考人金子順一君) 労働局におきます労使関係におきまして不適切な内容がないかどうか、この点でございますけれども、私ども今、ここ何年間か各労働局の責任者から私ども本省においてヒアリングをしておりまして、直近では十九年の十一月に文書による調査も行ったところでございます。その結果では、すべての労働局において本来締結し得ないような覚書のたぐいでございますとか、いわゆるやみ専従といったような違法な慣行はないということで報告を受けているところでございます。
  192. 牧野たかお

    牧野たかお君 文書で回答しろとか、多分ヒアリングしてもそういうことは、たとえあってもそういうことは出てこないと思いますよ。恐らく、社会保険庁の方のこういうものが発覚したというのは、大体平成九年から平成十六年まで、こんなに長くやっているわけでしょう。だから、今これが出てくるというのは、三年も四年もたってから過去のことが出ると。不正経理もそうだったんですが、そのとき幾ら形で形式的に、じゃ文書で答えなさいとか、ヒアリングで呼び付けても、答えなさいと言っても、それはなかなか皆さん、答えればこんな不正経理もなければやみ専従も私はないと思いますよ。  だから、調べるということは、本当に中に入って徹底的に、言うならばそこにいる事務所の職員なら職員を全員聞くぐらいでなければ絶対そんな答えは返ってこない。私も報道記者やっていましたから分かりますけれども、端緒というのは、要するにどこかの末端のことが端緒なんですよ。それからたどっていって、その一番上に、一番核心に迫っていくわけですよね。だから、始めから大網投げて、それでもう分かるかといったら、そんなこと絶対こういうものは分かりません。ですので、やっぱり調査するというのは、そういう調査をしなければ私はいけないと思っております。  ですので、その調査をやるかどうかは厚生労働省のお考えですから私がやれとは言えませんが、もしやるんでしたら地方労働局もやっていただきたいし、そのやり方も徹底した調査を私はやるべきだと思います。それでないと、本当に不正経理がなくなった、こういう体質がなくなった、もう再発防止ができたということには私はならないと思いますが、いかがでしょう。
  193. 金子順一

    政府参考人金子順一君) 今御指摘いただいた点も含めまして、よく省内において検討させていただきたいと思います。
  194. 牧野たかお

    牧野たかお君 最後に、舛添厚生労働大臣に御所見を伺いたいと思いますけれども、とにかく今大変な、国民の皆さんの信頼を回復するということが最優先でありますし、また一日一日少しでも、まだ不明な年金記録をどなたのものか解明していくのが今の最優先の年金に関する仕事だと思いますけれども、私は年金の問題は、先ほど申し上げたみたいにサボタージュしていたことが大きなという、一番の最大の原因だと思っています。  じゃ、サボタージュしたのは、そしたら責任がなくていいのか、責任の要するに追及を受けなくていいのかというと、私はそうじゃなくて、やっぱり年金記録のこれだけずさんな管理をしていて、そして国民の皆さんの信頼を失わせて不安に陥れたというその責任は、横領したのと私は同じぐらいの重さがあると思います。ですので、サボタージュをしてきたこういう過去の要はこの体質、そしてまた今の状況を引き起こした職員の人たちの責任は、私は、やがて組織が変わるといっても、どこかの時点で私はその処分をやっぱり出さなきゃいけないと思いますけれども、今後、もちろん今やっていらっしゃる国民の皆さんの信頼を取り戻すのが一番でありますけれども、それがある程度のめどが付いたら私は厳しい処分をやっぱり出すべきだと思いますけれども、舛添大臣のお考えを伺って、私の質問を終わります。
  195. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) 先ほどの地方の労働局の話もそうですが、ここまで自浄作用がなくなったときには外からのメスが必要だということで、検証委員会も総務省に置いてやった。相当頑張ってやっていただいて、今の三層構造とかいろんな問題点を摘出してくださった。しかし、何月何日にだれがどういうことをやったからどうだというところまで、例えば文書が五年間しかないとかいろんなことがあって、そこまでトレースできない。これは組織全体の問題であるという形での検証報告しか出ておりません。  しかしながら、地方においていろいろ、明確に横領したりとか、そういう事案が出てきたときには、これは私はすべて刑事告発するということで刑事告発をずっとしてまいりました。そういうことを含めて、これはやっぱり組織改革のときに、そしてそういう処分を受けた者はもう採用しないと、こういう方針も決めておりますので、全力を挙げて新しい組織にするということであります。  それで、最後、ちょっと私が先ほどの積年の病弊の中で、やっぱり年金というのは、例えば三十歳の人だったら三十年後にしかもらわないものですから、我々もそんなに気にしない。私も気にしていませんでした、若いころ。社会保険庁の問題のある職員たちも、どうせ三十年後なんだと、そのときにばれるはずない、全部先送りなんですね。自分のときにやらない。  それからもう一つ、制度が継ぎはぎになっていますから、紙台帳からパンチカードから磁気カードからコンピューター、そのたびに複雑に変わっているけれども、例えば五十嵐さんという名前をゴジュウランというので打ち込むシステムになっているので分かるはずない。そのときに、ゴジュウランなら五十嵐だというのの申し送りをちゃんとやってくれれば、そのときは機械はそれしかできませんから、そしたら苦労しないんです。今何やっているかといったら、残された二千二十五万件のうちの百万以上がそういう数なんです。それを今やらざるを得ない。  ですから私は、そういう意味でみんなで協力する。そして、実はこれはもう与野党を超えてやるとすれば、各会派がそれぞれ自分の支持母体を持っております。その母体に対して一番厳しくやると。  私は、全体の公務員制度の改革の中で、労働組合の問題も含め、管理者の問題も含め、これは私たちは、国会議員は国民の代表ですから、これできちんとやっていく、そういう思いがありますんで、これは党派を超えて、私も全力を挙げますんで、是非、国民の信頼を政治が、政治家が回復するんだと、そういう思いで、また皆さん方に厳しい御批判とともに御協力も賜りたいと思います。
  196. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 暫時休憩いたします。    午後二時四十五分休憩      ─────・─────    午後三時五十五分開会
  197. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成十八年度決算外二件を議題とし、平成十七年度決算に関する本院の議決について政府の講じた措置並びに平成十七年度決算審査措置要求決議について政府及び最高裁判所の講じた措置について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  198. 浜田昌良

    浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。  本日は、福祉の問題をいろいろな角度から質問させていただきたいと思っております。  最初は、不登校、フリースクールの問題でございます。  一昨日、NHKのドキュメンタリーで愛美さんが教室へ戻れる日という、そういうのをやっておりました。渡海大臣、御覧になったでしょうか。これは不登校児を抱えた親御さん、また本人、先生が本当に苦労をされて戻っていただくということを描いたテレビでございました。  数字で言いますと、小学校では不登校児が二・四万人、全体の〇・三三%、中学校では十・三万人、二・九%ですから、中学校では必ず一クラスで一名はいるという状況でございます。  この不登校児の抱えておられる御両親等に聞いた話では、不登校児の中にはLD、学習障害であったり、またアスペルガー症候群の方もおられるということで、必ずしも元の学校に戻ること自体が解決にならないという場合があります。逆に、戻ることによってまたいじめに遭ってしまうということもあると聞きました。  よって、この生徒児童のペースで学んでいけるフリースクールというのが一ついい場だと私は理解をしています。フリースクールの学習形態を公的教育の中でちゃんと位置付けしながら、そこで徐々に学習の形態を取りながら、そして最終的に学校に戻っていっていただけるということが重要と思っております。  文部科学省におかれましても、不登校等への対応におけるNPO等の活用に関する実践研究事業というのを平成十七年度からスタートをしていただいていまして、地元の学校、教育委員会との連携を進め、あわせて年間約二十団体にモデルカリキュラムの開発という形でフリースクールの助成を行っておられます。現実に、全国の公立小中学校の児童生徒でフリースクールに通っている方は二千四百四名と聞きました。また、その三割の七百五十五名に対してはフリースクールの出席指導要録上の出席扱いになっていると、こう聞きました。今後、この今三割の出席扱いの方々をいかに比率を上げていくかというのが大きな課題だと思っております。  そこで、文部省に質問させていただきますが、小中学校の不登校児のうち、いわゆるフリースクールへの出席が小中学校の出席扱いになっている生徒児童は大体週何日程度通っていて、またその授業料はどれぐらい負担しているのか、お聞きしたいと思います。
  199. 金森越哉

    政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。  国公私立の小中学校の不登校児童生徒のうち、いわゆるフリースクール等の民間施設や民間団体で指導などを受けて指導要録上出席扱いした児童生徒数は、平成十八年度七百七十一名でございます。これらの児童生徒が民間施設や団体に週にどの程度の日数を通っているかにつきましては、大変申し訳ございませんが、把握ができていないところでございますが、授業料につきましては、平成十八年度に民間施設や団体等で指導などを受け指導要録上出席扱いした不登校児童生徒が通所する当該施設、団体について幾つかの都道府県を抽出して調査を行いましたところ、授業料は一万円から三万円の範囲の施設、団体が三一%と最も多く、次いで三万円から五万円が二八・七%、また無料が一六・一%となっているところでございます。
  200. 浜田昌良

    浜田昌良君 ありがとうございます。  今の御答弁で、十八年度七百七十一名と、かつ授業料については一万円から三万円が三一、三万円から五万が二八ですから、大体五割くらいが一万円から五万円ということだと思います。  このいわゆる費用でございますけれども、一方、憲法二十六条ですべての国民の教育を受ける権利が規定されておりまして、義務教育は無償となっているわけでございます。確かに、都道府県においては各自治体ごとに教育支援センターというのをつくっていただいて、そこで不登校の方々を対応しているということも聞きました。しかし、実際にその不登校児の方にお話を聞くと、学校のにおいのするところに行きたくないんだと、こういう御発言があったんです。そういう意味では、逆にこの月一万から五万円以下という授業料を負担するときにどういう形で国は支援できるんだろうかと、こう考えたわけでございます。  憲法八十九条には、公の支配に属していなければ教育には助成できないという規定もございます。そういう意味でも、今後このフリースクールに通わざるを得ない児童生徒で指導要録上の出席扱いとなる場合とか、今回の調査のようなフリースクールに対して文部科学省が教育プログラム等開発を委託をしている場合には、憲法上の公の支配に属しとみなしてフリースクールの学費の一部、例えば二万円であれば二万円を上限にして、その二分の一ぐらいの費用を国と地方自治体で補助していくことが今後重要と考えますが、こういう点について文科大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  201. 渡海紀三朗

    国務大臣渡海紀三朗君) この不登校の問題、これはいろんな問題がございまして、教育という観点からいろんな対応をしっかりとやっていかなきゃいけないと考えているところでございます。  今議員がお話しになりましたフリースクール、このフリースクールが不登校の問題に関して一定の役割を果たしていただいているということは我々も理解をしておるわけでございますが、今委員が御指摘をいただきました観点、憲法八十九条の公の支配に属するということをどのように考えていくかというのは、これはやっぱり慎重に、これは憲法にかかわる問題でございますから、扱っていかなきゃいけないというふうに考えております。  基本的には、私立学校等には所轄庁がその学校法人の解散命令を発することができるなどというのが学校法人法等にしっかりと法律上も定めておりますし、そういった監督権とか解散権ですね、そういったものがしっかりと設定をされているわけでございます。  一方、フリースクールというのは、これは民間の自由な活動といいますか、そういった活動でございますので、例えばそういう権限も国とか地方自治体というのは持ち得ないわけでございますから、公の支配に属するという、そういった解釈をするのは非常に難しいというふうに考えております。  また一方、支援でございますけれども、フリースクールに通所する不登校児童生徒等に対してその学費の一部というものを国や地方自治体が支援をすることについては、この二十六条の規定との関係が出てくるというふうに考えております。小中学校における通常の学校においては授業料無償、これはいわゆる義務教育の負担でございますが、無償でやっておるわけでございますけれども、このフリースクール、先ほど申し上げましたように、民間の自由な活動というものまでを公費で負担するということまでは二十六条も実は解釈上も含めないんじゃないかというふうに考えておるところでございます。  いずれにいたしましても、この支援の対象とする不登校の範囲とか、またフリースクールの活動というもの、非常にいろんな実態がございますから、どのような学校外の学習、授業というものに対して支援を行っていくかということは、今も申し上げましたような課題も踏まえ慎重に検討していく必要があるというふうに考えておるところでございます。
  202. 浜田昌良

    浜田昌良君 ありがとうございます。慎重でありながらも、そういうことで苦しんでおられる御両親や家族の方が光が見えるような方向で前向きに検討をいただきたいと思います。  次に、小中学校で不登校で、フリースクールに通わざるを得ない児童生徒で指導要録上出席扱いになっていると、こういう例があるわけですね。ところが、高校の場合は余りそれがないんですよ。高校の場合の不登校の人数を調べますと、五・九万人、一・六五%と、中学生より半減したように見えるんです。ところが、これは半減ではなくて、その方がやめてしまうだけなんですね、不登校じゃなくなって。  そういう意味では、不登校の高校生を学校から離すんではなくて、フリースクールに入れながらも元々の高校との関係を保っていく、そしてその人のペースによって単位を取得して卒業していただくということが私は一つ重要だと思っております。そういう意味では、小中学校でやっておられるように、高校についてもフリースクールの一定の教育のものを高校の単位として考えていくということについては大臣、御見解いかがでしょうか。
  203. 渡海紀三朗

    国務大臣渡海紀三朗君) これも実は大変難しい問題だと思っております。  私も、随分いろいろとこの問題も実は考えました。そして、何らかの道が開けないものかということについても検討いたしましたけれども、やはり学年制を取って、そして義務教育という形で行っているという小中学校と、今まさにお話しになりました単位制というか、校長が、一定の修業をし、なおかつ単位を取得したということで、どういいますか、卒業認定を与えるという高校では同じ扱いというのはなかなか難しいなというのが今のところの私なりの理解であり、検討結果でございます。  しかし、委員がおっしゃいましたように、やはり不登校の問題、これは大きな問題でございますから、いろんな意味で、先ほども申し上げましたように、学校へ復帰していただく支援といいますか、そういった観点から物事はやっぱり考える必要があるんではないかと考えておりまして、そういったことは、地域もございますし、また保護者の問題もあるわけでございますから、学校側、地域、保護者一体となって、どういった支援をできるのか、このことをしっかりと考えてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  204. 浜田昌良

    浜田昌良君 ありがとうございました。  高校生につきましても、高校を離れずに何とか卒業していくというようなことの方向で御検討いただきたいと思います。  次に、不登校でフリースクールに通わざるを得ない児童や生徒で学校の出席扱いになっている場合はフリースクールへの通学に対して学割が使えるという話がございます。そういう意味で、これは非常にすばらしい制度と思いまして、そういう方々が是非使ってほしいと思っておりますが、また、学校の出席扱いになっていないんだけれども、やっぱりこういう不登校のように、どうしても部屋に閉じこもりがちな人が毎日どこかに出かけていくということだけでも立派な、非常にいい効果を生むと思うんですが、フリースクールへの出席者を学割の対象として更に拡充していくということについて、まず文部科学大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
  205. 渡海紀三朗

    国務大臣渡海紀三朗君) この問題、実は衆議院で随分、文教委員会で議論になりまして、そしてJR等とも我々も直接交渉もさせていただき、何らかの道が開けないかということで努力をしてまいりました。  一義的には、これはやっぱり最終的にお決めになるのはJR側でございますから、これは民営化いたしておりますから、しかしそこを何とかということでかなりの努力はさせていただいたわけでございますが、これもやっぱりどこまでの範囲ということを決めていくことが非常に難しいというふうな問題がございまして、現在のところ、残念ながらまだめどが立っていないという状況であります。  しかし、これは衆議院の委員会でもかなり強い御希望もありました。そういったことも踏まえ、なお私としては、あきらめることなく、何らかの、やれるようにするためには何が必要なのかという発想で考えていきたいと。ただ、なかなか、これは何度も交渉もいたしましたし、これでは駄目か、あれでは駄目かということ、それからフリースクールの側にも、最低限こういう要件を実はそろえていただけないかといったような交渉もしたわけでございますが、なかなかそちらもかなわないという状況でございまして、現在のところちょっと、残念ながら何とかしますというふうにお返事ができない、めどが立っていないという状況であるということを御理解をいただきたいというふうに思います。
  206. 浜田昌良

    浜田昌良君 ありがとうございます。  本件については冬柴大臣にもJR各社に御要請をお願いしたいと思うんですが、一言で結構でございますので、御答弁お願いします。
  207. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 文部科学大臣が大変御努力をいただいて、平成四年の九月の文部省通知というところで出席扱いとする道が開けました。そういうことから、平成五年四月から当該児童生徒、これは義務教育段階にある方に限りますが、本来在籍する学校長の申請に基づき、鉄道事業者においては通学定期乗車券を発売するということになっております。  残念ながら、これを義務教育を超えて高校とか、あるいは出席扱いとすることができないような子供については、これが適用外になっております。これも、先ほども文部科学大臣がおっしゃいましたように、民営化されたJR各社の鉄道事業者の営業判断になるわけでございますけれども、我々としては、今の述べたところまでは御協力はいただいているところでございますが、それ以上については非常に難しいというのが現状でございます。
  208. 浜田昌良

    浜田昌良君 難しい課題だと思いますけれども、いわゆる閉じこもりがちな子供たちが安価な交通費で毎日通っていけると、そういう習慣を付けることは非常に重要だと思っておりますので、引き続き御検討をお願いしたいと思います。  次に、障害者自立支援法の関係で質問をさせていただきたいと思います。  本年度はこの法律が成立しまして三年目の見直しの年になるわけでございますが、当時、この法律で精神障害者対策が身体や知的障害者政策のように充実すると、三障害同一だと、こう期待する方もたくさんおられたわけでございます。しかし、幾つかの点についてはそうなってないという問題がございまして、具体的な例を挙げて質問をさせていただきます。  まず、総務大臣にお聞きしたいと思いますが、NHKの受信料、これについては、知的・身体障害者の場合は全額又は半額が免除されるというのがございました。ところが、精神障害者については今まで免除はなくて、やっと皆さんの期待にこたえていただいて本年十月から導入されるという話があったんですが、本年十月と言わずに、もう少し早めに申出があれば対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  209. 増田寛也

    国務大臣増田寛也君) お答えを申し上げます。  精神の障害をお持ちの方のこの受信料の関係でございますが、これは私も、他の身体や知的の皆さん方と同じように、やはりできるだけ早く免除の対象にしなければいけないというふうに思います。  実はこの話を聞きまして、今年の十月からということを聞いたんですが、すぐ事務方の方に指示して、そういうことで一応スケジュールとしては組んであるんだろうけれども、もっと前倒しを、先生お話のように前倒しをできないのかと。これは相手、NHKでございますし、それからあと一応市町村の方に照会をしたりというようなことがあって、十月という半年の期間をいただいて十月から実施をすると、こういう万全の準備をしてからということで考えているようですが、ただ、私はやはり、これは本当にいいことですし世の中から望まれていることなんで、できればもっと早く何か工夫できる道ないのか、NHKの方にすぐ行って御相談をきちっとするようにということを指示をしておきました。  ですから、この場ですと本当にこの九月とか八月にできるかどうかお約束はできかねますけれども、NHKの方にもよく検討していただいて、可能な限り前に少しでも早く前倒しをできればというふうに思っております。その点について極力努力をいたしたいというふうに思います。
  210. 浜田昌良

    浜田昌良君 ありがとうございます。大臣の前向きな対応に感謝したいと思います。  次に、冬柴大臣にお聞きしたいと思うんですが、JR、私鉄の割引運賃の問題でございます。  身体・知的障害者には写真を張った手帳があるものですから、運賃が五割引きというのがあります。ところが、精神障害者にはこういう特典がありませんでした。その理由の一つとして挙げられたのが障害者手帳に写真がないからだと、本人確認できないということが言われました。  しかし、この手帳については一昨年十月から写真貼付ができる、こういう手帳も出始めまして、その方には是非運賃の低減策を適用していただきたいと思いますが、冬柴大臣、お答えいただけないでしょうか。
  211. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) そのような道が開けましたので、私どもといたしましては、平成十八年十月、精神障害者保健福祉手帳制度において写真を貼付するという制度の改正が行われたことを機会に、厚生労働省からの御要請もございましたので、鉄道事業者に対して手帳制度の改正の内容を周知するとともに、精神障害者に対してより一層の支援策を講じることを検討していただくように要請をしている、理解と協力を求めているところでございます。  今後とも、引き続き、今日の御質問もございましたし、鉄道事業者理解と協力を求めてまいります。
  212. 浜田昌良

    浜田昌良君 ありがとうございます。  そういう意味で、いわゆる知的・身体障害者の方々と同じようなメリットが受けられるということで精神障害者の方が喜んでおられるんですが、これちょっと通告はしていなかったんですけれども、この手帳の関係で新しい写真付き手帳に切り替わっている比率というのはどれぐらいか分かるでしょうか。
  213. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) 精神障害者保健手帳制度でございますけれども、これは平成十八年度末現在、四十万の方に交付してありますけれども、委員がおっしゃったように、十八年の十月一日から写真を付けるということで、今のところこの具体的な数というのはまだ把握をいたしてございません。
  214. 浜田昌良

    浜田昌良君 実は、障害者の方でもそのことを知らない人が多いんです。是非、新しい手帳に替わって写真を貼付すればそういう鉄道料金の割引が受けられるということを是非周知していただいて、新しい手帳に替わっていただくことをお願いしたいと思います。  次に、医師の意見書の発行というわけでございます。  精神障害者の方々は、精神保健福祉法の時代には資格の更新のための医師の意見書は二年に一回でございました。しかし、障害者自立支援法では他の障害者と合わせて毎年の確認となりました。しかし、精神障害者の場合は一回目からすべて有償、有料でありますけれども、身体障害者の場合は二回目以降は無償という形になっております。  そこで、舛添大臣にお聞きしたいんですが、精神障害者の医師の意見書の交付に関して、今までの精神保健福祉法と同様二年に一回にするとか、又は二回目は無償にするとか、何らかの低減策が考えられないでしょうか。
  215. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) これは、障害者支援の制度を一本化するという見地から種別、別のものを一本化したことに伴ってこういう制度にいたしました。それに、負担額の上限の設定の関係から所得というのを証明するものを出さないといけない。そうすると、これは毎年の証明なのでそれに合わせて診断書も毎年ということにしております。  それから、これはもう精神、知的、身体、それぞれの障害者、個々のケースの特性によりけりだと思いますけれども、新しい制度で今のところ一元化したということで、ちょっと一年をまた二年に戻すというのは非常に困難かと思います。ただ、二年目に有償を無償化できるかどうか、これはちょっと検討課題とさせていただければと思います。
  216. 浜田昌良

    浜田昌良君 ありがとうございます。  是非、二年目を無償化するという方向も是非今年の検討課題として入れていただきたいと思います。  さらに、本年度の見直しの中で是非検討していただきたい点があります。それは精神障害者の入院助成についてでございまして、確かに精神障害者を入院漬けにすることは良くないと、そういうことが分かっております。現在、三十二万人いる入院患者のうち、今後十年間で七万人を地域に帰していくということは重要と思っております。  しかし、急性期の患者など、早期入院治療をした方が回復が早く、結果として国の負担が安くなると、こういう場合もあると思います。例えば、子育てでうつになった主婦の方、そういう方がどうしても家事に追われて症状が良くならない、そういうときにある期間入院をして治していただいて戻っていただくと。そういうことによって、そういういろいろな公費負担が最終的には合計が少なくなるということもあり得ると思っております。  そういう意味で、こういう場合の急性期については、身体障害者の場合は更生医療、育成医療という形での助成制度もありますので、それとはレベルは違いますけれども、同じように入院についての助成制度について御検討をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  217. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) これは、今委員が入院漬けというお言葉をおっしゃいましたけれども、やはりずっと入院しているんじゃなくて、地域の中で生活してもらうと、そういうことで今の入院医療に対しては制度を変えたわけであります。  ただ、今急にうつ病になった方というような、その急性期については、これは診療報酬改定をやりまして、そういう急性期には評価を重点化するとともに、かかりつけ医に今のお母さんの例のようなうつ病に関する専門研修を今行わせておりまして、必要な急性期医療はきちんと対応するようにしたいと思っていますけれども、委員問題意識も、これもきちんと受け止めたいと思います。
  218. 浜田昌良

    浜田昌良君 ありがとうございます。  それでは次に、雇用保険の適用という問題について質問させていただきます。  現在、日雇い派遣という、こういう言葉があります。非常に不安定な若者の雇用が増えております。いつ仕事が切れるか分からないと、そういう状況に至っているときに、本来重要なのがやっぱりセーフティーネットなんだと思うんですね。何らかのセーフティーネットがあれば安心であると。しかし、失業給付の条件がどうなっているのかと調べますと、派遣の場合は、実際の派遣先ではなくて派遣元となる人材派遣会社と本人が雇用保険を納めることになっているとお聞きしました。  しかし、問題は雇用保険の適用労働者の条件がありまして、一つは週二十時間以上雇用という、これは多分これを満たしている場合が多いです。もう一つが、一年以上の雇用見込みというのが入っているんですね。よって、派遣業の現場はどうなっているかと言いますと、一週間二十時間以上は同じ派遣元から派遣されて働いているのに、この一年以上の雇用見込みがないとしてほとんどの派遣労働者の雇用保険が納められていないとも聞きました。十八年度決算検査におきましても、不当事項として、労働事項の保険料の未徴収額が四億四千万と挙げておられました。しかし、これは氷山の一角だと思っております。  是非、そういう意味では、人材派遣には人材派遣の方の法律もお持ちですから、その法律をお使いになって、全国二万数千社あります、そういうところについてさかのぼって、一年間本当に派遣されて登録されていなかったのかと。実際に一年間以上の登録があれば本来は雇用保険の対象になるはずだと思いますので、そういう全国点検をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  219. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) 二十時間一年以上ということを申し上げているのは、雇用保険制度というのは、自らの労働によってその賃金を得、それで生計を維持している労働者が急に職を失ったと、そのときの担保でありますので、そういう制度を決めております。  一方、派遣労働者のアンケート調査を十七年にやりましたら、派遣労働者で雇用保険に加入している人の割合が八八・七%なので、かなりカバーはしているのではないかと考えております。それから、労働者派遣事業においても、これは被保険者資格を有する労働者について当然雇用保険に加入手続を行うべきであって、これは派遣元の事業主が必ず講ずべき措置ということで指針を出しております。  今後とも、そういうことをやってもらうように、きちんと手続をやってないところをまず把握し、そういう派遣元の事業主に対してはこれを指導すると、そして労働者派遣法に基づく指導を通じまして、適正でない場合には厳しく指導していくと。それから、派遣労働者から、実は入っていないんだというようなことがあったら、これは公共職業安定所において対応するというような方策を今後とも取ってまいりたいと思います。  ただ、今委員が御指摘のように、様々な形の新しい労働形態が生まれていますから、先ほどの、冒頭申し上げた二十時間、一年という一つの決まりがありましたけれども、やはり今後、この雇用保険制度自身をどうするかというのは大きな課題でございますんで、労働政策審議会におきましてもそういう議論を行っております。それで、委員問題意識も受けまして、新しい雇用形態に伴う雇用保険の対応については今後とも更に検討を進めてまいりたいと思います。
  220. 浜田昌良

    浜田昌良君 ありがとうございます。  是非、この雇用保険の条件、特にこの一年以上の雇用見込みというのが今の若い方々の雇用の形態と少しずれている問題もあるかもしれませんので、とはいうものの、大臣がおっしゃったように、あくまで自分が働いて、そして保険料を納めて、そして失業給付を受けるのが前提だと思っております。働いてもいない人に出すのはおかしいわけでありますが、それが途切れ途切れになっている場合もありますんで、一つの会社じゃなくて複数の会社と、そういうものも合計すれば一年間ぐらいあるということであれば、うまくそれが回っていくようにお願いしたいと思います。  次に、女性専用車両の件について御質問させていただきたいと思います。  これにつきましては、我が党は非常に熱心でございまして、二〇〇五年の二月に署名運動もさせていただきました。そして、当時の北側国土交通相に対して早期普及を申し入れさせていただきました。  そこで、質問させていただきますが、まず事務方で結構ですが、現在首都圏の大手十二社のうち、女性専用車両の導入状況はどうなっているでしょうか。
  221. 大口清一

    政府参考人(大口清一君) お答え申し上げます。  首都圏における女性に配慮した車両、いわゆる先生がおっしゃった女性専用車両でございますけれども、輸送サービスにおける快適、安心な車内空間の提供という観点から、利用者の御理解あるいは御協力の下に今広がりつつございます。  具体的には、首都圏におきまして、JR東日本、それから大手民鉄九社、それから公営交通、これ二事業者、合わせまして十二の事業者におきまして、いずれかの路線で導入をしております。現在、これらを合わせまして全八十八路線ございますが、三十八路線で導入が進んでおるという状況でございます。
  222. 浜田昌良

    浜田昌良君 ありがとうございました。  大手十二社について広がっているという話で、心強い限りなんですが、一方では、この女性専用車両について問題も起きているんです。それは何かというと、本来であれば、女性専用車両に小学校以下のお子さん又は障害者、またその付添いの方というのは乗れるんですよね。ところが、その表示がされていないと。女性から突き出されたという例が何例かあったんですよ。  そういうのがありましたんで、私は個別の鉄道会社にお願いして、この三月から実はポスターを張ってもらいました。そうしないと、最初のころはアナウンスでやっていますけれども、間がたっていますし、しかもホームページに書いてあってもしようがないんですね。できれば車内、車内のよく広告が載っているところに、簡単なもので結構なんですよ。各社に聞いたら、シールを張り替えるタイミングになったらと言っているとなかなか来ませんから、一枚だけ広告の代わりに、障害者の方また小学生の方、付添いの方は大丈夫ですよと、車両にいても大丈夫ですよという話を是非入れていただきたいと思うんですが、冬柴大臣の御見識をお伺いします。
  223. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 女性専用車両の普及に非常に委員始め各議員が協力をされている、非常に働きかけをしていただいていることに対しては敬意を表しております。  今おっしゃったとおり、各社とも女性専用とはいうけれども、小学生以下の男児、男の子供さん、それから男性の障害者及びその介助者についても御利用いただける扱いになっているんですね。しかしながら、これに関する周知、案内が十分じゃないということで、昨年の四月ですけれども、首都圏の鉄道事業者に集まっていただきまして更なる改善要請し、あわせて、全国の導入事業者に対しても文書でも男性の障害者等の御利用について適切に周知するように指導はいたしました。  各鉄道事業者におきましては、今おっしゃったような御案内という、こういうものをホームあるいは乗車位置あるいは車内ステッカーというところにも張っていただきまして周知に努めているものと承知はいたしておりますけれども、国土交通省としましても、なお、車内のステッカーの掲示等、これが一番いいと思いますので、十分な周知、案内が図られるように事業者に対してはもうしっかり指導をしていきたい、このように思っております。
  224. 浜田昌良

    浜田昌良君 ありがとうございました。  実は、私自身もいろいろ調べてみましたら、車内に張ってあるというのは、二月まででいうと相鉄線だけだったんですね。三月から今示された京浜急行をこれを付け加えていただきました。これは、実は突き出された鉄道会社、そこなんですけれども。そのほかに、横浜の市営地下鉄では乗り場の方にあります。そういう意味では、なるべく鉄道の中側に張ることをできれば強く御要請をお願いさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  225. 仁比聡平

    仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  私は、独立行政法人改革につきまして、国から独法への天下り、独法から関連企業への天下りの全面禁止を始め天下りと談合の問題にメスを入れることが肝心であって、市場競争万能主義の下でそれに耐えられるものしか存続を許さないといったような一律的な見直しをすべての事務事業に同じ土俵で押し付けると、そうやって国民の身近なサービスや安全、福祉にかかわる分野を壊してはならないということを昨年十月のこの委員会でも求めてきたわけです。  今日は、関連しまして、UR賃貸住宅事業、公団住宅について、大臣並びに都市再生機構にお尋ねをしたいと思います。  まず大臣、公団住宅はこれまで国民の居住を安定させるために大変重要な役割を果たしてきたと私は思います。そこを大臣がどのように認識しておられるか。そして今日、格差と貧困が深刻化する中、今後もこの公団住宅の役割は大きいと私は思いますけれども、今後どのように取り組んでいかれるか、大臣の思いを聞かせていただきたいと思います。
  226. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私も委員と同じような考えでおります。  公団住宅は、URが持っているのは七十七万戸にも及びます。そして、そのうち、入っておられる方の三三%、三分の一強は六十五歳以上の高齢者の方です。これは、公団住宅ができたときに、いわゆる高度経済成長時代に地方から上京された働きバチですね、そのときは若い人たちが公団へ入ったんですね。そういう人たちも三十年、四十年の年を重ねて、今高齢期に入っていらっしゃる人が多いんですよ。そして、その人たちの、それともう一つは、子育て中の今の若い人たちが二五%入っていらっしゃいます。  現時点においてもそういうふうに今三五と二五ということになりますと大変な数なんですが、割合ですが、その人たちが、所得を調べますと、これ失礼ですけれども、下の方から二〇%以内に入る人たちなんです。  したがいまして、こういう公団の住宅というものを私は民間に任すということは、その人たちに対する、住宅に対するセーフティーネットを失ってしまうんじゃないかと、そういう危機感も持っておりまして、実はそういう独立行政法人とか、あるいはそういうものを民営化をするということで、私にもいろいろありましたけれども、私はそのことをこのURについては強く申し上げました。何か抵抗勢力みたいにやられましたけれども、私は誤っていないと思いますし。  そして、こういう住宅は、もう御存じのとおりですけれども、大体五階建てで真四角の旧式ですよね。エレベーターもありません。若いときは五階まででもいいけれども、今六十五歳以上になって五階まで上がると、あれ何段あると思いますか、片道六十二段あるんですよ。それは、私もあいさつ回りしますからよく知っていますけれども、これはやはり建て替えなきゃならない。そして、建て替えることによって、高層化することによって内容も良くなります。  しかし、家賃が上がりますね。そうすると、今入っておられるお年寄りの方が入れなくなるというおそれがあります。そういうことから、我々は今年の予算に四百億円を要求して、そしてこういうものを基金にして、こういう方々がいわゆる戻り入居される場合に従来の家賃で入れるような方途も講じているわけでございまして、そのように、政策の塊のようなものが私はこれだと思っております。  したがって、今後これについても、民営化は三年後もまたこれは結論を出さなきゃいけませんけれども、そういうものを十分に住宅のセーフティーネットとしての役割を果たす。そして、いろんなことを改革をするにしても、こういう弱い立場にある人たちを追い出すような政策には、断固これはそういうものは阻止しなきゃならないと私は思っているところでございます。
  227. 仁比聡平

    仁比聡平君 大臣の前段とそれから最後の、つまり居住者の安定ですね、居住の安定、それからその中での公的賃貸住宅の今後も強まる役割というそこの御認識は私も重く受け止めているわけですが、半ばといいますか後段にちょっと語られました高層化、一般的に高層化がどうこうではありませんが、建て替えあるいは再編、再生という計画の中でどんなふうになっていくのか。これから今住んでいる団地がどうなっていくのか。それから、家賃の問題も、これまで市場化していくということで近傍同種家賃などという形で大変大きな負担が居住者に掛かってくるというような経過があるわけですね。ここをどうするかというのは、私、やっぱり正面から問われているというふうに思っているわけですね。  少し伺っていきたいと思うんですけれども、そのような議論が、つまり民営化などというようなことも含めた議論が様々あって、年末閣議決定がされまして、その下で年末に個別団地ごとの再生・再編計画案が都市機構から発表されて、例えば用途転換あるいは団地再生といった名前で団地の丸ごとあるいは一部の売却、削減というものが含まれている計画が立てられて、二〇一八年度までに約十万戸の再編に着手をする、その中で約五万戸を削減したいというふうにしていらっしゃるわけですね。  年明けから団地での掲示だとかチラシの全戸配付だとか自治会への説明だとかがされてきたわけですが、その中で、やっぱり団地と戸数の大幅削減、それで生まれる土地の売却が目的ではないのかという厳しい反対の声が私上がっているのが現実だと思うんですよ。  居住への不安は大変深刻でございまして、私の地元は九州ですが、機構の九州支社に三月までに寄せられた問い合わせがどのようなものかと資料をいただきましたら、この問い合わせだけで二百六十四件に上っているわけですね。その中には、いつまで住めるのか、どの時点で建て替え、除却をするのか、家賃はどうなるのか、そういった自治会とはまた別に団地の居住者の方々個々から直接の問い合わせが相次いでいるようです。  そこで、まず確認をしたいんですけれども、独法の国への財政依存度というのが閣議決定でも問題にされていますけれども、機構の賃貸住宅事業は、これは黒字で特に大きな問題があるわけではないと私思うんですよ。保有資産の総額やあるいは賃料収益、こういった点で事業決算の概要がどうなっているか、機構理事にお尋ねしたいと思います。
  228. 尾見博武

    参考人(尾見博武君) お答えを申し上げます。  都市機構の賃貸住宅は全国で約千八百団地、七十七万戸でございます。その資産総額は、平成十八年度決算において約十二兆円ということになっております。  この賃貸住宅の平成十八年度決算における収支状況でございますけれども、これは家賃等の収入によって必要になる修繕等の経費を支弁しているわけでございますが、その結果として、利益として発生した額は約六百億円になっております。減損会計というものを導入しておりますから、その減損会計損失というものを除きますと三百四十四億円という数字になります。この六百億円の額が総資産の額十二兆円に対して約〇・五%ということですので、私どもは収支相償っているというか、収支とんとんだというふうな認識をしております。
  229. 仁比聡平

    仁比聡平君 つまりそういう状況でやってきているわけで、何か特段ここを攻撃される筋合いは私はないと思うわけですよ。元々公的賃貸住宅という大切な政策なんですから、採算が取れる取れないとはその政策目的はかかわらないといえばそうなんですけれども、収支という面でも今理事から紹介をされたような状況にあると。  ところが一部に、一等地の採算のいい団地だけ民間に売り渡せと、こういったたぐいの論者がおられるようで、だけれども、一体的に運営されてきたからこそ公的賃貸住宅の国民的な要求にこたえてくることができたのであって、もうけだけは民間によこせなんという、こんな議論は言語道断の暴論だと私は思います。  大臣、感想ございますか。
  230. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) グロスで今の財務が成り立っているわけですから、いいところだけ売ったらあとは成り立たなくなりますね。  都市再生機構はいろいろな事業をやっていらっしゃるんですよ。例えば密集住宅の、もうこれは早く解決しないと、震災とか火災ということになると大変ですよ。そういうところで、例えば世田谷区の一等地に近いところでも、六メートルしか幅がない、幅員がないところで、周りにくしの目を並べたような家が建っているところがありました。それを十六メートルに広げるために相当な長年月を掛けてURはこれを広げたという、そして、それもいろんな、駆使して防災のための道路とか防災施設が造られた。そういう仕事も片やあるわけです。それからもう一つは、いわゆる都市再生ですね。緊急都市再生等で都市再生法によって五十以上の地域が再生する、そこも、これは大変なノウハウでして、機構にお願いしようというところが大半です。  そういうものの中にこれがあります。ですから、そういう事業ごとにどういうふうにするのかということは今後慎重に検討するわけですけれども、私は、公団住宅の中でもちろんセーフティーネットとしての役割を果たしている部分について、これがなくなるようなことはもう絶対できないと私は思っています。これ、今でも先ほど言った比率ですよ。これ、十年たったらどうなりますか、この人たちまた年いくんですよ。ですから、私は、十年と言わぬでも三年たったら三年年いかれるわけですから、そういう人たちがお住まいのところは安心して住んでいただけるような、そういう政策の塊のような部分は、私はその一部分を売り飛ばすというようなことは許すべきではないんではないかと思っております、まだ具体的に検討する段階ではありませんけど。
  231. 仁比聡平

    仁比聡平君 公団住宅の事業、これを売り飛ばすようなものではないというところは、私はもう全く同感でございます。  他の機構の事業については、都市再生事業も始めとして、私自身には抜本的な見直しをするべきところがあるんじゃないかという意見がありますが、これは別途議論させていただきたいと思うんですね。  そういった中で、再編計画案の説明が個別団地で始まって、どんな声が出ているのかということに進みたいと思うんですけれども、北九州市では、門司区、若松区から、七つ今あるんですが、その公団住宅団地をこれすべて廃止してしまう、市内の九団地、八百二十四戸を用途転換するという方針が示されまして、これはもう大変な衝撃が広がっております。いずれも高齢者が大変多いわけです。  門司区の藤松ひかり団地という団地では、チラシが配布されてから、今さらほかに移りたくない、年金が少ないので少しの家賃値上げも困るといった声が次々に上がって、団地自治会が支社に団地存続のお願いという要請書を出していらっしゃいます。これを拝見しますと、世帯主の五五%が七十歳以上で、団地に住まれてから二十年以上になる方が七五%に上るんですね。アンケートを取り組まれると、二十四世帯のうち二十世帯が回答して、そのすべてがずっとこの団地に住み続けたいとおっしゃっています。独り暮らしの八十歳代の女性がいらっしゃいますけれど、どうしてもほかに移らないといけないのだったら、ここの人みんなで同じところに移してもらいたい、顔見知りのいないところは絶対嫌だと自治会長さんにおっしゃったというわけですね。  先ほど、公団住宅がどんな方々の住まいとして保障されてきたのかというお話、大臣からございましたけれども、まさに今こういった高齢の老後の生活を迎えていらっしゃる方々にとって、ついの住みかにほかならないわけです、第二のふるさとだというふうにおっしゃっているわけですね。これを無理やり引きはがしてほかのところに移すなんというようなことは、これは絶対に許されないと思うんです。この自治会は、私たちがずっと住み続けられるよう都市機構住宅として存続してくださいと要望していらっしゃいます。五市合併で北九州ができまして、人との大切なつながりやかかりつけの病院などを考えますと、別の区に移転しろというのは元々無理な話なんですよね。  門司の町中にある柳団地という団地がありますけれども、ここの自治会は、町づくりの観点からも計画の再考を強く要請するというふうに要請書で訴えています。これ北九州の市議会でも取り上げられまして、市も居住の安定が図られるようURの対応をしっかりと見守っていきたいというふうに答弁しているわけです。  こういった中で、北九州の例を紹介しましたけれども、用途廃止でもあるいは団地再生でも、それぞれの団地ごとあるいは類型ごとで条件は違うでしょうけれども、どこの団地でも居住者の住まいへの思い、安定を願う思い、それはどこでも同じはずだと思います。  今、自治会や住民に示されているのは、個別団地の再編計画案でございます。案であって、理解を求めるとずっと言ってこられているわけですが、機構が例えば、これから例えば用途転換というふうに類型があるからといって、これを一切変えませんという対応で臨むなら、これは案ではなくて無理やり押し付けるのと同じことになります。案であるなら、今後の話合いの中でこの類型を変えるということもまた選択肢でないと筋は通らないと思いますけれども、尾見理事、いかがでしょうか。
  232. 尾見博武

    参考人(尾見博武君) 今回の団地のURの賃貸住宅ストックの再生・再編計画でございますけれども、全体としてこれから人口減少社会に入っていくと、例えば北九州の数字でも見ますと、二〇〇五年に百万人だったものが二〇三〇年ですと八十四万人というようなことで、将来的にこのストックがやっぱり需要の面で大変厳しいものがあるということは事実だと思います。  それから、現時点におきましても、先ほど言いましたように全体としては収支償っておりますが、比較的採算のいいところが採算の悪いところをカバーすると、こういう構造になっているわけでありますね。これをこのまま、そういう環境の変化する中でそのままの形で温存するというのはやっぱり厳しいのではないかということで、一つ一つの団地についていろいろな角度から検討して、類型を決めさせていただいたというわけでございます。  今お話がありましたように、居住者の方々にとって、特に高齢者、所得の少ない方、そういう方々にとって、あるいは長年住み慣れていた団地の中で住み替えをお願いするというのは大変厳しいことだというふうには私ども承知しております。したがって、これを居住者の理解と協力を得ながらやっていくためには、できるだけの具体的な居住者措置だとか、そういう内容はもとよりのこと、十分にいろいろ御説明をする機会、御相談を受ける機会をつくって、その中でお話を続けるというのが基本だと思っております。  今の類型案は絶対に変えないのかと、こういうお話でありますが、世の中に案であるものは変わらないはずはないという面もあるとは思います。ただ、我々は、それなりにいろんな角度から検討して、一応の私どもの考え方をお示しをしました。したがって、まずはそれをきちっといろいろな角度から御説明をして、居住者の御希望とか御意見を聞いて、じゃ具体的に解があるのかどうか、そういうようなことを御相談させていただく中で、必要があればというような世界ではないかと思いますが、今の段階でそれを変える余地があるんだなということを、私の、今の段階で申し上げるということは私は適切でないというふうに思っております。  以上でございます。
  233. 仁比聡平

    仁比聡平君 今提示をされて話合いが始まっているところなわけですから、今の段階でという尾見理事のお話はそういったものとして受け止めるしかないかなといいますか、今日はそういうふうにお伺いをするわけですけれども、案である以上はこれは変わらないものではないと、だから案なんだと、これは当たり前のことでございまして、もしこれを今後一切変えないと、そうおっしゃらなかったからあえて申しませんけれども、案だけれどもとにかくこれなんだというふうに決め付けるということだったらば、それはもう中止、撤回していただくしかないというふうに私は思うわけです。  それで、用途転換でいいますと、これ用途転換という案は廃止するという案なわけですから、だから、住み続けられるようにするためにはいろんな手だてを取らなきゃいけないわけでしょう。例えば、北九州の市議会の議論でも一定の住棟を残して移ってもらうこともあり得るのではないかというような議論もあります。あるいは、門司、若松でいえば全廃ではない道を検討することもあり得るのではないのかという議論もあります。一般論ではなくて、そういった具体的な場面においてどのようにお考えですか。
  234. 尾見博武

    参考人(尾見博武君) 用途転換の類型は、比較的小規模で、特に経営的にも厳しいというような団地について対象としております。  そこで、私どもは、その実施に当たって居住者の方々の理解と御協力が先ほど言いましたように大前提になりますので、移転先の住宅の確保、その団地の中できちんと移転していただくということは用途転換に当たってはなかなか厳しいわけで、周辺の団地ということに相なりますが、そういうことについて移転先の住宅の確保、あるいは引っ越し代の支払、移転先での家賃額の減額という措置を講じていきますが、どうしても住み替えが困難な居住者の方々もいらっしゃる可能性があるというふうに思っておりますので、そういう場合には、ある一定の住棟について同一団地内に一定期間お住まいいただける住棟を設けて、そこに移っていただくというような形で生活環境に配慮させていただくというようなことを考えているところでございます。
  235. 仁比聡平

    仁比聡平君 門司、若松でいいますと全廃するという提案なんですけれども、これはあくまで変えないということになるんですか。
  236. 尾見博武

    参考人(尾見博武君) 再々申し上げておりますように、私どもとしてはこういう用途転換の御提案をさせていただいているところでありまして、それから先、具体的な中身についての御相談をこれから続けてまいります。居住者の方々の御希望とか、そういうものを具体的に伺っていく中でいろんな解が出てくるんだろうと思っております。  そういうことですから、これからまだそのステップに入る前の段階でございますので、変える変えないというようなことについてお答えをするのは控えさせていただきたいと思っておりますが、今申し上げましたように、そういう枠組みの中でもどうしてもその団地の中から移れないというケースもあるんではないか。そういうことを想定して、一定期間その団地の中に、よそに移っていただく、よその団地へ移っていくのが基本ですが、その団地の中に住んでいただけるための住棟を残すと、一定期間ですが。そういうことを今は考えておるということでありまして、この提案がまた居住者の方々との間でどういうふうに理解されるか、それは分かりませんけれども、今後そういうことについて、鋭意できるだけ丁寧に居住者の方々の事情も酌み取って努力していきたいというふうに思っている次第であります。
  237. 仁比聡平

    仁比聡平君 これからの話合いの次第だということかと思うんですよね。  この協議や理解を十分得るということの重要性について、大臣も昨年十月の私の質問に対して、具体的に転居していただくときには十分に納得していただくと。同意をいただくということはもう必須でございまして、そうじゃなければ進めることはできません、強制執行で出ていただくということをするわけないしできないと、そういった強い口調で答弁をなされました。  その立場はもちろんお変わりないと思うんですけれども、そうしますと、その上に立って、個別団地ごとの事業計画をどうしていくのかと。つまり、機構が今おっしゃるように、これから話合いを進めていくというわけですけれども、この中で、居住者やそれから関係する自治体、ここの意見をよく聞いて進めていくという、そういう場をつくると、これもすごく大切なことなんじゃないかと思いますが、この点についての大臣の御意見を伺いたいと思います。
  238. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 私の考え方はいささかも変わっておりません。もう繰り返しませんけれども。  それで、完全に同意ができなくて追い出すようなことできませんよ。そうでしょう。ですから、今URの方も答弁していられるように、一人一人と十分に協議をして御同意をいただかなければ追い出すようなことできないですよ。それで、都市再生機構法作ったときの附帯決議にもきちっと書いてあります、そういうことが。ですから、私はそういうことは一切するつもりはありませんので。  ただし、私の地元にもありますよ、尼崎市、兵庫県ですが、武庫北団地というところが。広いところがありました。しかし、円満に建て替えやっていますよ。みんな入った人が喜んでいますよ、建て替えられた住宅に。そこはパークタウンという名前になりまして、公園の近くですばらしいものができていますよ。だから、みんな入っているんですよ、喜んで。そして、お年寄りには負担を強いないようなことも配慮してやっているんですよ。ですから、頭からこれは駄目だとかどうだとか言わずに話を聞いてあげて、そして十分納得されるように、仁比先生も、仁比さんもそういう御努力をしていただくべきだと思いますよ。私はそう思います。
  239. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 仁比君、質問時間が超過しております。
  240. 仁比聡平

    仁比聡平君 お答えがちょっとなかったんですが、時間がなくなりました。  事業計画を個別に進めていく上で、私は、今大臣がおっしゃられたような趣旨を踏まえる上でも具体化する上でも、居住者はもちろん、自治体、自治会、そういったところとの協議の場を町づくりの観点も含めてちゃんとやっていくということ大事だと思うんですよ。先ほど機構から八十四万人になるんじゃないかと、北九州市の人口が、というみたいな予測だけ一方的に言われましたけれども、そうなるかどうか分からないじゃないですか。そんなこと北九州の市民みんなに言ったら怒られますよ。やっぱり、そういったことを含めてしっかり議論をしていく場を是非つくっていただきたい。その中で、再編計画を無理に押し付けることによって居住の安定を脅かすようなことは絶対にあってはならないということを強く申し上げまして、質問を終わります。
  241. 又市征治

    ○又市征治君 まず、警告決議タウンミーティングの問題について官房長官内閣府にお伺いしたいと思います。  私は、昨年十月二十九日、決算委員会官房長官にもお伺いをいたしました。美しい国づくり政策に、半年で二回の会議とアンケートで四千九百万円の支出があった。こうして安倍内閣の下でも乱脈支出が連続したということでありまして、長官は、しっかり前車の轍を踏まないようにやっていくと、こういうふうに答弁なさったわけですが、これをフォローするために、副長官、全副大臣による会議を開かれたようですけれども、いつ行われてどのようなチェックが話し合われたのか、例えばサクラ動員だとかやらせ発言だとか丸投げ、つまり再委託などについてどのような防止策を考えられたのか、まず御紹介いただきたいと思います。
  242. 高井康行

    政府参考人(高井康行君) お答え申し上げます。  今先生指摘国民対話推進会議でございますけれども、この会議の中では、開催テーマの決定のほか、開催結果を受けてのフォローアップを行っております。  これまで八回推進会議実施いたしておりまして、昨年の五月から今年の三月まで八回開いているところでございますけれども、御指摘タウンミーティングの反省を踏まえて、やらせや動員についてはチェックをしていくと、あるいは経費が高過ぎないかという観点からもチェックを行っていると、こういう状況でございます。
  243. 又市征治

    ○又市征治君 そこで、六回、国民対話ですか、やられたようですけれども、入札結果のうち三回がメディア・ゲート・ジャパン、あと三回がステージというこの二社独占になっているようですけれども、また応札した企業数も一回目の六社からだんだん減って、もうとうとう三社になっている。これで一体競争入札と言えるのかというのが一つあります。  二つ目に、この仕様書を見させていただきましたが、結構細目にわたって、面倒な中身だろうとこう思うんですが、えてしてこういう詳細な仕様書というのは、落札予定者が下書きを作って役所にこっそり提出をする、つまりは官製談合になるわけですが、こういう事実上の締め出しとか随意契約というのは、特定企業の契約回数が増えるほど多くなるという、こういう傾向を持っているんですが、この詳細な技術面を含めた仕様書を本当に役所側が単独で書いたのかどうか、そんなことも調査なさったのか、この二点。
  244. 高井康行

    政府参考人(高井康行君) まず一点目の、入札の結果、二社に結果的になっていると、こういう御指摘でございます。  一般競争入札実施してきたわけでございますけれども、結果的にこの二社になっておりますけれども、手続には特段問題はなく、会計法令にのっとってやっていると、こういうことでございます。  その仕様書の方でございますけれども、先生指摘のように専門的な部分がございます。これは、政府インターネットテレビに動画を乗せるというようなことからその様式を決めないといけないということでございまして、私どもの職員がこの技術的な部分については外部からアドバイスを受けて、実際には、その仕様書を作るに当たりましては、類似業務であります今申し上げた政府インターネットテレビの仕様書を参考にして我が方の職員が作成しているということでございます。
  245. 又市征治

    ○又市征治君 そこで長官にお伺いしますが、長官決定の中に、国民対話で出された意見を別途行う世論調査のテーマや設定の参考にする、こういう方針がありました。しかし、私が聞いたところ、長官決定の後行った世論調査においては、従来と趣旨、仕様、予算の変化はありませんと、こういう回答なわけで、そうすると決定をされたことと違うんじゃないのか、こう思うんですが、ここのところはどうですか。
  246. 高井康行

    政府参考人(高井康行君) お答え申し上げます。  先生、お尋ね、以前にいただきまして、この趣旨や仕様、予算につきましてどうかということでございました。世論調査の枠組みの御指摘かと思いまして従来どおり変更がないと申し上げたのでございますけれども、今御指摘基本方針においては、テーマの選定あるいは設問については国民対話の結果を参考にしていくと、こういうふうに決められておりまして、実際それは、世論調査を各省庁からテーマでありますとか設問を要望を受けて調整していく際には、私どもの方から各省庁に対しても確認をする等の基本方針に沿った運用がなされるように努めているところでございます。
  247. 又市征治

    ○又市征治君 官房長官は後のどうしても大事な用事があるということでありますから、この後御退席いただいていいんですが、私は懸念をしているのは、のど元過ぎると熱さを忘れるという格好になりはしないかと。さっき申し上げたような応札業者も減ってくるとか、仕様書もひょっとすると怪しいなとかというこういう問題がございますから、そこのところの決意を最後にお伺いして、大臣退席いただいて結構です。
  248. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 御配慮ありがとうございます。  これだけの御批判を受けたタウンミーティングでございました。ゆめその間違いを繰り返さないようにということで、福田内閣になりましてから数回開いているところでございますが、土日であっても職員を動員をするとか、あるいは開催する場所もできるだけ安いところでする。ただ、インターネット放送というんでしょうかね、そこだけ少し数十万円お金が掛かるようでございます。全体としては、大体一回百万円とか八十万円とか六十六万円とか、かなり少なくともコストという面では改善をしておりますし、また、できるだけ参加した方には発言をたくさんしてもらおうということで、余り数を何百人も集めるというようなこともなく、大体参加者も百人前後というような感じでございます。  こうしたことは過去のタウンミーティングの反省を踏まえて行われているということでございますので、当又市委員あるいはこの委員会の御指摘も踏まえて、今後しっかりと国民との対話を進めていきたいと、かように考えているところでございます。
  249. 又市征治

    ○又市征治君 次に、警告決議の原発の臨界事故等のトラブル隠しの関連で幾つか伺ってまいりたいと思いますが、せんだって、二月十七日のTBSの報道特集見てちょっとびっくりいたしました。  その中で報じられている点を若干かいつまんで御紹介いたしますと、中越沖地震で柏崎刈羽原発からわずか十四キロの海中に震源があった。最大加速度は、想定が二百七十三ガルだったのに実際は六百八十ガルだった。地震後、この柏崎刈羽原発の中のPRセンターは、この原発二十キロ以内に活断層はないというパネルを展示をしていたけれども、これを覆い隠した。まあ、あったわけですからね。東電は、活断層は想定していなかったというが、建設前に地質学者の権威である生越先生は、原発直下を含めて四本あると指摘したのに、専門家会議は一番遠い一本しか評価の対象にしなかった、こう述べておられるわけですね。  振り返ってみますと、一九七七年の科学技術庁の活断層の定義は、四十万年から五十万年以降とされておったのが、七八年、何と一年後には今度はこの指針はわずか五万年前に縮められたと。それから今度ちょっとたつと、二〇〇六年の指針で十三万年前にまで拡大されたと。もう二転三転しているわけですね。  柏崎の評価をした三人の地質学者の一人、松田東大名誉教授は、当時活断層は社会の厄介者扱いで、おまえの一言で何百億円負担が掛かる、発言に慎みなさいと、月夜ばかりではないと言われたと、脅かされましたと、こうテレビの中で言っているわけですね。まあ、びっくりしました、これね。  現在、原子力安全委員会の鈴木委員長は、今考えると不十分だった、中越地震は想定外の断層によるものだったと述べておられますし、また、東電の武藤立地副本部長は、二〇〇六年の基準を受けて再度調査し、今後の対策も考えると、こう述べているわけです。松田教授によれば、活断層かどうか分からないものは活断層だと想定をしてやるべきだと、こういうふうにその番組の中で提唱されているわけで、大変これは耳を傾けるべきことなんだろうと思うんです。  このことを前段紹介させていただきながら、そこで、中越地震で、東京電力柏崎刈羽原発の破損、放射性排水の漏れが起こった、この七基は今も停止中と、こういうことですが、能登地震の影響はこれまた志賀原発にも及んだわけですね。それぞれ想定外の規模だった。二〇〇六年に改定された指針に従ってようやく今年三月末までに原発の地震動の想定が引き上げられて、保安院へそれぞれ届出が出されているわけですが、原発各社はどういう構造あるいは設備面、ソフト面での対策を届け出られているのか、お伺いしたいと思います。
  250. 薦田康久

    政府参考人薦田康久君) お答えいたします。  今回出されましたのは、平成十八年九月に改定されました耐震設計の新しい審査指針によるものでございまして、ここでは、従来の耐震指針に比べまして、今先生から御指摘ありましたように、まず活断層の評価期間を従来の五万年以降というものから十二ないし十三万年以降に変更している。そして変動地形学的調査やあるいは海上音波探査による徹底した調査を行うこと。そして、ここは特に重要なんですが、不確かさの考慮。例えば断層が二つ近くにくっついているときにはこういうものを一緒に動くものとしてやると、このようなものを求めたところでございまして、今回電気事業者から出てまいりましたのは、まさに今申し上げましたような新しい審査指針に基づきまして新たにもう一度各社、各原発地域を調査いたしまして、そしてその結果、どのぐらいの震動があるのか、そしてそれに対しまして、上に造っております発電所、止める、冷やす、閉じ込めるというものがもつのかどうかということを提出されたわけでございまして、この三月末に各社からこの中間報告というものが出されたものでございます。  結果的に、各電力会社から提出されました報告書では、新たな知見に基づいて当然活断層と評価をし直すというものもございました。今申し上げましたように、近接した活断層は連続した断層として評価するなど、より安全側に評価をされておるところでございます。その結果、すべての原子力発電所での基準地震動が引き上げられまして、おおむね二割ないし六割程度は引き上げられておるというところでございますけれども、他方、各電力会社は、先ほど申し上げました、止める、冷やす、閉じ込めるという観点からチェックをいたしまして、いずれも耐震安全性は確保できるとしているところでございます。  なお、ただ、今申し上げましたのはあくまでも電気事業者の方の評価でございまして、原子力安全・保安院といたしましては、しっかりと調査を行いまして評価するようにとの大臣からの指示もございまして、それぞれの評価結果の妥当性につきまして専門家から成る委員会に諮りながら厳正に確認をしていきたいと、かように考えているところでございます。
  251. 又市征治

    ○又市征治君 結局どこも、どの社も改修など必要ない、こういうことなんですね。  そこで、これは甘利大臣はこの安全問題非常に注意を喚起をなさり、また努力をいただいてきているわけですけれども、こうした電力会社の姿勢だとすると、以前の断層調査で問題ないと、こう言うんなら、何で一体全体、柏崎刈羽でこんな地震の事故で起きたのか、なぜ止まっているのかということになるわけでありまして、こんな姿勢だと、もっと大きな原発地震災害が起きるんではないか、こう国民が懸念を持つのは当たり前だと思うんですね。  で、知られていながら無視していた断層など、原発が地震の震源のすぐ上や近くに立地しているということを、こういうことが先ほども紹介した中身でもあるわけですが、中でも直下に断層があるのは福井県の「もんじゅ」と関西電力美浜原発だそうでありますけれども、これは是非大臣にお願いしたいのは、既存の原発の地震対策の見直しと、そしてやっぱり新設については立地そのものを白紙から見直すくらいの安全性確保というものに努力をすべきじゃないのか、その点についての御見解を伺いたいと思います。
  252. 甘利明

    国務大臣(甘利明君) 新指針に基づく耐震安全性評価、いわゆるバックチェックであります。これによりまして、すべての原発の耐震安全性評価というのを見直しをさしているわけであります。今その各電力会社からバックチェック報告が、中間報告でありますが、来ております。その結果、新指針に基づく評価においても耐震安全性が十分確保されていると。これは私も、地震の大きさが想定をかなり上回ると、それについての耐震安全性について、つまり基本的な、止める、冷やす、閉じ込めるが基本的な一番大事なところでありますが、それについていろいろと聴取をいたしました。  原発は、想定される地震に対して耐震安全性を確保すると、それも相当な余裕を持っている設計になっておりまして、施工がまた相当余裕を持ってなされているわけであります。でありますからバックチェック報告に関しても十分な安全性は確保されていると。しかし、余力の問題でありますから、そうではあるけれども、更に補強をせよということで、更に余裕を積み増すということで補強をさせているわけであります。  加えまして、私が保安院に指示をしましたのは、今のは事業者からの報告、問題ないと、今度は保安院が、第三者チェックというか新たな視点というか、保安院としての視点でチェックをするわけであります。その際には、独立性が担保されるようにしっかりとやれという指示を先般もいたしました。  それはどういうことかというと、例えば活断層を調査する際に、その電力事業者が使った同じ調査会社じゃないものを使えというようなことで、向こうの調査と独立して、並立してといいますか、調査が行われて、その結果がちゃんと検証できるようにせよという指示をしたところであります。  原発というのは安全性が担保されないと設置ができないわけでありますし、安全なおかつ安心という心理的な安心感も地元でしっかり確保されないと推進がなされないわけでありますから、その点についてはしっかりとチェックをしてまいります。
  253. 又市征治

    ○又市征治君 是非、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  せんだっても、北陸電力が運転許可を得てやったら途端にまた止まってしまったと、原因もよく分からぬとこう言っているわけで、そういう問題しょっちゅうあるんで、是非しっかりと取り組んでいただくことを求めておきたいと思います。  もう一つ、この原発関連で、昨年私は、高レベル廃棄物処理に関連して高知県の東洋町のことについてお聞きをいたしました。以来、代わって公募に手を挙げる自治体がないのに、廃棄物対策であるNUMO、原子力発電環境整備機構の広告活動費が大きく膨らんで、二〇〇五年度は十一億円が昨年度は三十二億円、今年の予算は四十三億円と倍々ゲームで増えていると。何でこんな格好で増えるのか。また、資源エネルギー庁の放射性廃棄物等の広報対策費も増えている。これは一体全体なぜ増えているのか、その理由を明確にしていただきたい。
  254. 西山英彦

    政府参考人(西山英彦君) お答え申し上げます。  高レベル放射性廃棄物の処分事業を着実に推進するためには、国民全般の方々それから関係する地域の方々の相互理解を深めることが重要でございます。そのための広報活動をNUMOも行っているということでございます。  まずNUMOのお話について説明申し上げます。  NUMOの二千……
  255. 又市征治

    ○又市征治君 中身なんか要らない、その説明だけにして。何で増えてきたのか。
  256. 西山英彦

    政府参考人(西山英彦君) はい。二〇〇七年度の広報活動予算の増加理由といたしましては、二〇〇七年一月に東洋町からの文献調査の応募がありました。この際、私どもとしても、処分事業に関心が高まっておりますので更なる応募獲得を目指しまして、新聞広告とかテレビCMといったマスメディアを利用した広報活動の強化のために努力したところでございますけれども、NUMOといたしましても、そのために予算を投じたわけでございます。  また、二〇〇八年度の広報活動予算につきましては、総合資源エネルギー調査会の放射性廃棄物小委員会というところで取りまとめられました強化策を踏まえまして、第一に、処分事業の必要性とか安全性を分かりやすく伝えるためのマスメディアを利用した広報活動の強化、第二に、電気事業者との連携を強化いたしまして、PR施設での処分事業にかかわる展示の充実、それから第三に、NPOと連携したワークショップの開催といった、こういった双方向のコミュニケーション活動の強化、これらの形で取り組むために予算を増加したというふうに聞いております。  それから、資源エネルギー庁の方でございますけれども、資源エネルギー庁の方におきましては、処分地の選定に向けまして、昨年の通常国会での最終処分法の御審議の際に、広報活動について検討するような附帯決議もなされたところでございます。  そこで、今申し上げました放射性廃棄物小委員会の審議会の審議も踏まえまして、処分事業を推進するに当たりまして、国が前面に立つべきこととか、広報を拡充すべきことなどが報告書として取りまとめられているわけでございます。  そういったことで、この広報活動を達成するための予算を充実させてきたというところでございまして、今後とも着実に努めてまいりたいと考えております。
  257. 又市征治

    ○又市征治君 全く納得できないんで、こんなにばかばかと倍々ゲームで増やさなきゃならぬほどの根拠があるとは思えない。まあ、今日はこれ以上追及しませんが、この問題は更に引き続き調べてまいりたいと、このように思います。  いずれにしても、札束で住民のほおをなぜるようなというかひっぱたくような、そういう原発政策というのは必ず行き詰まりますから、その点はここでは申し上げて、終わりたいと思います。  次に、国土交通省、警告決議では水門談合を挙げているわけですけれども、今日は、先ほども出ました道路問題、道路特会について若干触れたいと思います。  もう冬柴大臣大臣になられて大変な思いをなさっている。これだけ次から次とよくぞ無駄遣いだと言われるものが出てきて、私も新聞の切り抜きやいろんなもの持ってこようと思ったら、こんなにもなってたまったら、もう嫌気差しているんだろうと思うんですが。これだけの批判が出ているわけですが、何を具体的に、大変な御努力なさっているのは私評価した上で聞いているんですが、何と何をすぐに改めるというふうに決められたのか、この点、改めて御紹介いただきたいと思います。
  258. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) もう道路特会からの支出につきましては、国民皆様の不信を招いたことに誠に遺憾でありまして、もう私は何回も謝っていますが、今日も謝らなければならないという思いでいっぱいでございます。  これまで何やってきたのかと。まあいろいろと野党の先生方も随分勉強していただきまして、そして新しい、私はもう絶句するようなそういう支出も指摘されました。そういうときに、私はその場で、これは直ちに打ち切りますということを表明してきたんですが、今まで指摘された中では、レクリエーションのための経費や健康・運動器具の購入のための経費については一切支出しないということにいたしました。それから、広報広聴経費、ミュージカルをやった、これなんかも今後一切支出しないということにいたしました。また、公益法人に対する支出につきましても、既に今年度から、例えば財団法人海洋架橋・橋梁調査会の海峡横断プロジェクトに関する調査は一切行わないことにいたしました。それから、社団法人国際建設技術協会や財団法人駐車場整備推進機構に対する道路特会からの支出も、これは一切行わないということにいたしました。そのほか、この法人をどうするかということも決めましたが。それから、財団法人道路保全技術センターのMICHIシステムの業務のうち、著作権にかかわらない作業は民間企業へ委託することにより委託業務量を必要最小限にするということも決めました。早速実行をいたしておりますし、今後もそれは変えることはありません。  それから、これらは国民の目線から見て、私は国民の目線から見て、それが違法か適法かとかじゃなしに、妥当か、その線で私は判断しなきゃならないというふうに思っておりまして、改めるべきはちゅうちょせずに改めると、こういうことでやってきましたし、それから、その集大成は四月の末までに明らかにしようということで今副大臣始め政務官、六人の政治家でこれはやろうということで頑張っているところでございます。
  259. 又市征治

    ○又市征治君 引き続き、そういう意味ではいろんなものが次々と出てまいります。  例えば私の地元で、富山市でも、たった六分か七分朝渋滞するからといって高架にします、二百三十億円掛けます、こんな格好で、地元は反対をしている。もちろん賛成の人も出てくるんですよ、当然。これは全部が一斉に反対だったらこんなものなりっこないんだが。しかし、現実問題としては大変大きな問題がある。だけど、六分や十分の朝の渋滞を解消するために二百三十億円もつぎ込む必要があるだろうかどうか、これは大変な論議を呼びます。そういうことを、計画があったから無理やりやっていくとか、こういう問題まで含めてやっぱりむしろ踏み込んでほしい、そういうふうに思います。  そこで、もう一つだけ申し上げておきたいのは、こうした、ちょっと、その前にあなた答弁していただければいいんだけど、無駄遣いもありますけれども、その道路特会そのものの運用が会計秩序を乱しているということがあるわけですね。つまり、予算五兆円の規模のうち、毎年約二割の一兆円という多額の繰越金が計上されている。これについては、財政制度審議会の特別会計小委員長だった富田教授が、まるで旧帝国憲法下の臨時軍事費のようだというふうに酷評しているわけですよね。私が言ったんじゃないんですよ、富田さんがそう言っているわけですが。年度の使い残しを一般会計に返納すべきだと、こう説いておるわけで、総理が一般財源化をタイムテーブルにのせようというときだけに、そういう意味では、旧態依然の巨額の繰越しというのはやっぱり私は逆風をあおるばかりだ、こう思うわけで、法改正を待たずに大臣の裁量で、さっき申し上げたようなことなども含めながら、本当に直すべきところは直ちに直していく、こういう努力を是非すべきではないかということを含めてお尋ねして、終わりたいと思います。
  260. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 時間が来ていますので、答弁は簡略にお願いします。
  261. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) ああ、そうですか。  連続立体交差、うちらが押しかけていってやっているんじゃないですよ。地元の自治体からの申請によってセレクトして、そして我々はそれが正当だと思えばこれをやるということでございますので、それが一つと。  それから、もう一つの繰越額が大きいという御指摘は、これはもう又市議員が今までも言っていただくことでありまして、私もこれはもう、いろいろ手続はありますよ。財政法上、繰越明許費ということで、これは個々具体的に繰越しの理由を明らかにして、国会でも議決をいただいて翌年以降に使えるようにしていただいているわけです。しかしながら、道路を造るということになりますと、本当に土地の買収とかその支払がどうしても年度をまたいでしまうとかいうものがあるわけでございます。  そういうこともあって、工事に必要なほかの機関との協議やあるいは関連工事との調整の遅れた、あるいは工事着手後に判明する地質状況等の施工条件の違い、あるいは年度末に配分された補正予算というものが翌年以降に支出されるような事態とかが生じてきまして、何しろ扱う金額が大きいものですから、こういう繰越明許についても大きくなっていることについては反省をいたしまして、これを改めるようにしようと思っておりますので、ただ、そういう弁解は申し上げさせていただきました。
  262. 又市征治

    ○又市征治君 終わります。
  263. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。  次回は来る十八日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十七分散会