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2008-06-05 第169回国会 参議院 環境委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十年六月五日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  六月四日     辞任         補欠選任      西岡 武夫君     大久保潔重君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         松山 政司君     理 事                 岡崎トミ子君             ツルネン マルテイ君                 中川 雅治君                 橋本 聖子君     委 員                 小川 勝也君                 大石 尚子君                 大石 正光君                 大久保潔重君                 轟木 利治君                 広中和歌子君                 福山 哲郎君                 荒井 広幸君                 神取  忍君                 川口 順子君                 矢野 哲朗君                 加藤 修一君                 風間  昶君                 市田 忠義君                 川田 龍平君    国務大臣        環境大臣     鴨下 一郎君    副大臣        財務大臣    遠藤 乙彦君        環境大臣    桜井 郁三君    大臣政務官        経済産業大臣政        務官       荻原 健司君        環境大臣政務官  並木 正芳君    事務局側        常任委員会専門        員        加藤 堅一君    政府参考人        内閣官房総合海        洋政策本部事務        局長       大庭 靖雄君        金融庁総務企画        局参事官     私市 光生君        総務大臣官房審        議官       御園慎一郎君        外務大臣官房審        議官       田辺 靖雄君        外務大臣官房参        事官       大江  博君        財務大臣官房審        議官       川北  力君        財務省国際局次        長        中尾 武彦君        文部科学大臣官        房総括審議官   合田 隆史君        文部科学大臣官        房文教施設企画        部技術参事官   岡  誠一君        厚生労働大臣官        房審議官     木倉 敬之君        農林水産大臣官        房総括審議官   伊藤 健一君        農林水産大臣官        房国際部長    山下 正行君        農林水産省総合        食料局次長    平尾 豊徳君        農林水産技術会        議事務局研究総        務官       小栗 邦夫君        林野庁林政部長  島田 泰助君        経済産業大臣官        房審議官     伊藤  元君        資源エネルギー        庁省エネルギー        ・新エネルギー        部長       上田 隆之君        資源エネルギー        庁電力ガス事        業部長      西山 英彦君        環境大臣官房廃        棄物・リサイク        ル対策部長    由田 秀人君        環境省総合環境        政策局長     西尾 哲茂君        環境省地球環境        局長       南川 秀樹君        防衛大臣官房長  中江 公人君        防衛省運用企画        局長       徳地 秀士君    参考人        国際協力銀行理        事        星  文雄君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○地球温暖化対策推進に関する法律の一部を改  正する法律案内閣提出衆議院送付) ○環境及び公害問題に関する調査  (北海道洞爺湖サミットに向けた地球温暖化対  策の促進に関する決議の件)     ─────────────
  2. 松山政司

    委員長松山政司君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件及び参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  地球温暖化対策推進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房総合海洋政策本部事務局長大庭靖雄君外二十二名の出席を求め、その説明を聴取することとし、また、参考人として国際協力銀行理事星文雄君の出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松山政司

    委員長松山政司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 松山政司

    委員長松山政司君) 地球温暖化対策推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 大石正光

    大石正光君 おはようございます。久しぶりで質問させていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  地球温暖化に関する法律案にございますが、この地球温暖化対策推進に関する法律は、ちょうど十年ほど前に京都議定書が初めて成立したとき、私も衆議院環境委員長のときでありました。それから既にもう四回の改正になるわけでありますが、この十年間の四回の改正で何が達成できて、どのように変わったのか、是非ひとつ大臣からお答えをいただきたいと思います。
  6. 鴨下一郎

    国務大臣鴨下一郎君) 先生おっしゃるように、この地球温暖化対策推進法につきましては、これ平成九年の京都議定書の採択を受けて、平成十年の制定以降、平成十四年、十七年、十八年と改正をやってまいりましたけれども、その中で、平成十四年には京都議定書の的確かつ円滑な実施を確保するための京都議定書目標達成計画の策定について、あるいは平成十七年度には温室効果ガス排出量算定報告制度の創設、さらには十八年は京都メカニズムを活用するための登録簿整備、こういうようなものを具体的な措置として定めてまいったわけでありますけれども、我が国京都議定書目標達成するための政策基盤が着実に整備されてきたと、かように考えているわけでございます。  また、今回さらに、御審議をいただいている改正案につきましては、これはもう御承知のように、業務部門あるいは家庭部門排出量がまだまだ基準年に比して大幅に増加している、こういう状況をかんがみまして、京都議定書の六%目標達成を確実にする、こういうようなために算定報告公表制度企業単位フランチャイズ単位に見直すと、こういうようなことでカバー率を上げるということでございますし、また排出抑制等の指針を策定して公表することなどの措置を盛り込んでいるところでございます。  累次の改正によって整備は着々と進んでいると思いますが、これを一つのまたきっかけに目標達成するためにしっかりと努力をしていくと、こういうようなことでございます。
  7. 大石正光

    大石正光君 大臣の御答弁で、十八年の第三回目の改正のときもたしか私、参議院の環境委員長をやっているわけで、地球温暖化に非常に関係してきたわけであります。そういう点では、この京都議定書地球環境を守るということと生態系の保全という基本的な精神を持っておられるのでどうかということがまず一つ。  それから、地球を守るということを中心にしたきちっとした柱がないために、実は、法律行政で活用してはいるけれども、その場しのぎ部分的な改正になっているのではないかということが大変心配でございます。  また、今回の改正案では、平成二十一年四月から法律が施行され、企業に対する報告義務はその一年後の二十二年から開始になっておりますけれども、今国会で採択されれば来年の四月から約九か月間の周知期間があるわけであります。既に京都議定書の第一約束期間は始まっているのに、なぜそんな悠長なことをされているのでしょうか。また、この違反をした人の企業に対しては罰金がわずか二十万ということは一体どういうことなんでしょうか。その辺のお答えをいただきたいと思います。
  8. 南川秀樹

    政府参考人南川秀樹君) 大石委員指摘のとおりでございますが、悠長過ぎないかということでございます。御指摘のとおり、二十二年度に報告をいただくということにしますと、西暦でいいますと二〇一〇年ということでございます。それこそ中間年に当たるということで、遅いという御指摘だと思います。  ただ、現にもう二十年度に入っております。今国会で仮に法案をお認めいただきますと、私どもは、それの後直ちに具体的に企業単位フランチャイズ単位排出量算定方法報告事項報告手続など、これから準備を急ぎたいと思っております。また、その上で、フランチャイズ本部を始めとして、これまで算定報告を行っていなかった事業者に対する十分な周知を急ぎたいと考えております。その上で、来年の二十一年四月から施行されまして、これでその一年間を算定の測定に充てていただくと。そして、その一年間の結果積み上げたものを二十二年度のできるだけ早い機会に御報告をいただくということで考えております。  したがいまして、遅いという御指摘については、私も気持ちとしてはよく分かるんでございますけれども、行政をやっていく上で、段取りを踏んで、きちんと周知をして、準備をして、算定をして、きちんと算定をしていただくとそういう年度に掛かってしまうということについては是非御理解をいただきたいと思います。  それから、過料の問題でございます。  過料二十万ということでございますけれども、仮にこれをもう少し重くするということでしますと、一般的には刑罰にするようなことがあると思いますけれども、一般的に刑罰にしますと、それ自体が一般通念上の道義に反するとか、あるいは社会性を欠くということが必要でございます。内閣の中で様々な横並びを整理しますと、現状の法規の並びの中では二十万円以下の過料ということが妥当だろうということでこういう整理をさせていただいたものでございます。
  9. 大石正光

    大石正光君 ここ数日、NHKのテレビで環境問題、食料問題を大変大きく取り上げておりまして、そういう点ではその映像を見ておりました。  ちょうどその映像の中で、鈴木俊一環境大臣環境庁長官の時代に、実は、経済産業省から実は鉱物資源輸入に対する要するに特定の課税部分の中で、環境庁に、当時庁でしたけれども、是非応援をいただきたいといって、多分課税部分の問題がありました。ところが、環境省の中では、それをやることによって環境税部分影響を及ぼすからそれは反対するべきであるというたしか行政部分の、役人の皆様の反対が強かったわけでありますが、最終的に鈴木俊一長官がオーケーをしてサインをして、現実にそれが実現された。環境の問題で三百億、環境庁部分環境に対する影響でそれを使えるという話でありました。  その映像は具体的には、質問の中には書いてありませんけれども、ところが、現在に環境税環境省がそれを提案したときに、その問題があるから当然環境税は要らないんではないかということで経産省から反対を受けたということがありました。  そういう部分の中で、非常にあいまいであると同時に、環境省が本来予算を取るべきなものなのに、なぜ経済産業省環境予算として取られている部分、要するに環境省の主体のない部分に結局は全部取られてしまっているという感じが非常にあるわけでありますが、そういうあいまいさが今まできたために、環境省政策が何もきちっとした柱になってこなかったと私は非常にその映像を見て感じました。  実は質問はありませんけれども、そのことに対して環境税というとらえ方をこれからどうされるのか。質問内容にはありませんけれども、もしそういう部分の中でお答えすることができれば、そういう事実があったことと同時に、ひとつ御答弁いただければ有り難いんですが、いかがでございますか。
  10. 南川秀樹

    政府参考人南川秀樹君) 大きな質問でございますが、当時の経緯を知っている者としまして、当時の経緯にかんがみて私なりの考え方を述べさせていただきますと、当時でございますけれども、石油石炭輸入に掛けるということで、経産省と一緒になってその予算要求して温暖化対策に役立てようということで話がまとまりました。当時、鈴木俊一大臣でございました。  ただし、そのときも省内で議論いたしましたけれども、環境省の中における整理としましては、当然ながら、石炭あるいは輸入石油石炭に掛けることについて、それ自身が大きな価格効果を持ってCO2の発生を抑えるような、環境税に代替するものではないと、環境税環境税としてきちんと整理をして要求をしようという整理を行ったというふうに私自身は考えております。  その後も、したがいましてその後、環境税要求環境省として行っておるわけでございます。残念ながらいろんな議論がございまして実現しておりませんけれども、その石油石炭税のこととは別にして、環境省としては環境税をきちんと整理して考えていきたいというのは変わっていないというふうに思います。
  11. 大石正光

    大石正光君 もう既にでき上がったことですから、そのことを掘り返してどうこうということはできないと思いますが、実はそういう課題がいっぱいありまして、先ほどの質問のように、きちっとした将来の展望がないまま、その場でいつも政策が変わり、方向が変わることがこのような失敗につながっていくのではないかと私は感じているわけであります。  今年になってから、世界各地の気温の変化が非常に激しく、こちらも、日本でも暑くなったり寒くなったり、何か非常に変化が激しくなってまいりました。そういう変化の激しい中で、人間としても非常に激しく体調の調整が難しくなってきている中で、世界の中での農作物の生育に及ぼす影響がこの気象変化で大変どうなるかという心配が非常にあります。  そういう面において、世界異常気象に、作物に及ぼす影響について実際に調査をされたことがあるのかどうか、多分農林水産省だと思いますが、どうかということと同時に、またそれに対する対策はどうなっているのか、是非お答えいただければと思いますが。
  12. 小栗邦夫

    政府参考人小栗邦夫君) 異常気象農業に及ぼす影響についてでございますが、昨年IPCCで公表されました評価報告書によりますと、今後、地球温暖化が加速度的に進行することによりまして、農業生産にも深刻な影響を及ぼすものと予測されております。  例えば、オーストラリアやニュージーランドでは、干ばつや火事が増加し、二〇三〇年までには農業や林業の生産が減少する。あるいは、ラテンアメリカにおいても、乾燥地域では、農地におきます塩類の集積やあるいは砂漠化によりまして農作物や家畜の生産が減少するということが予測されているところでございますが、また近年におきましても、異常気象によりまして記録的な干ばつ各地発生をしております。二〇〇二年のカナダであるとか、あるいは二〇〇六年のオーストラリア、記録的な干ばつによりまして麦類が大幅に減産をしているわけでございます。  一方、我が国におきましても、例えば近年、高温によりまして、例えば水稲……
  13. 大石正光

    大石正光君 短くていいんですよ、何もそんなこと説明しなくて。やっているかどうかだけで。
  14. 小栗邦夫

    政府参考人小栗邦夫君) はい。  農林水産省といたしましては、このような状況に対しまして、昨年、地球温暖化対策総合戦略というものを策定いたしまして、これに基づきまして、まず適応策といたしましては、現在発生しております当面の被害に対応いたします作付け時期とか水管理、そういったものの現場におきます普及、指導、そういったものと併せまして、中長期的には、やはり品種の開発、そういった栽培技術開発、そういったものに重点的に取り組んでいくというふうに考えているところでございます。
  15. 大石正光

    大石正光君 いろいろ取り組んでいらっしゃるという御説明でございましたが、ちょうど福田総理が、ローマ食料サミットがちょうど開催をされております。国連事務総長大変心配をされて開催をされたようでありますが、その内容について、日本政府福田総理はどのようなことを含めてやられているのか、その内容がよく分からないので、御説明いただければ有り難いと思いますが。
  16. 田辺靖雄

    政府参考人田辺靖雄君) 現在、ローマで行われておりますFAO国連食糧農業機関主催世界食料安全保障に関するハイレベル会合につきましてお尋ねがございまして、福田総理はこの会議に参加をしておるわけでございます。この会議は、一昨日、六月三日から日本を含めまして主要国の首脳が出席いたしまして、現在、特に開発途上国に大きな影響を与えております食料価格高騰問題などについて議論が行われておりまして、本日、六月五日でございますが、最終日国際社会協調行動についての政治的メッセージとして宣言が採択される予定でございます。  福田総理は、一昨日、六月三日に、G8の議長国といたしまして、食料価格高騰について日本国際社会による取組について演説を行いました。  具体的には、まず緊急、短期の対応として、本年既に実施済みの八千五百万ドルに加えまして約一億ドルの緊急食料援助を七月までに実施するということ、それからまた、貧困農民に対する食料増産支援として、本年既に実施済みの約一千万ドルに加え更に五千万ドルを早急に実施することを明らかにいたしました。さらに、当面、政府の保有する輸入米のうち三十万トン以上を放出する用意があることを表明した上で、各国が備蓄している食料国際市場への放出や農産物の輸出規制等措置の自粛を関係国に呼びかけました。そのほか中長期的な対策として、各国が自らの潜在的な資源を最大限活用して農業生産を強化することも呼びかけたわけでございます。  このようなメッセージをG8議長国として福田総理は発せられまして、ここでの議論を受けまして、この成果を踏まえまして来月の北海道洞爺湖サミットでまたこの食料価格高騰問題につきましてもしっかりと議論を行い、力強いメッセージを共同で発出していきたいと考えているところでございます。
  17. 大石正光

    大石正光君 そういう面では、食料を確保して発展途上国に対する生活を守っていくということでは大変これから課題としてありますが、私もケープタウンに数日前まで行っておりました。食料サミットではありませんけれども、JICAが実は今ケープタウンでも同じような食料問題で協議をされているようであります。  そういう面では、食料安全ということから穀物価格の上昇と収穫量の減収についてどのように考えていらっしゃるのか。特に農作物の出来不出来ではなくて、トウモロコシのような穀物がエタノールというものの原料に使われているなど、実際に生産している人たち食料として生産するのではなくて、経済中心のそういう原料として作っている考え方が非常に増えてまいりました。そのために今までの輸出国輸入国関係が大きくこれから変わるだろうと思います。特に、これまで日本が非常にWTO食料の問題、農業分野において大変協議をしておりまして、途上国発展の問題など、これからのWTOの在り方については協議の仕方がまるっきり変わってくるという根本的な問題が起きてくるのではないかと思いますが、その点についてどのように考えていらっしゃるでしょうか。
  18. 伊藤健一

    政府参考人伊藤健一君) お答えいたします。  世界食料需給でございますが、今委員の御指摘のとおり、基本的には中国ですとかインドのような非常に人口の多い国の需要増というもの、そういうものが基調にありますけれども、それに加えまして、バイオ燃料食料が利用されるということが需要面での一つの大きな要因になっているというふうに指摘されております。この点はローマ食料サミットでも大変な議論になっております。また、先ほどいろいろ答弁にもございましたけれども、供給面でも、豪州の干ばつですとか地球温暖化等気候変動影響といったことがありまして、大変今逼迫をいたしているということでございます。  私ども、こういう価格高騰につきましては、このほかに投機資金の流入といった問題、それから輸出国による輸出規制の広がりといった問題も影響しているかと思いますが、基本的にはやはり需給逼迫構造、こういったものが影響しているというふうに考えておりますので、中長期的に続く構造的なものではないかというふうに考えております。  こういったことを踏まえてのWTO対応につきましては、国際部長の方から答弁させていただきます。
  19. 大石正光

    大石正光君 短くお願いします。
  20. 山下正行

    政府参考人山下正行君) WTO農業交渉に関するお尋ねでございますけれども、我が国は、従来より、食料安全保障などの農業多面的機能や異なる条件下にある各国農業が維持、存続できる基盤を重視し、多様な農業の共存、これを基本理念とした貿易ルールの確立を目指して積極的に取り組んできたところでございます。  また、現在行われておりますドーハ開発ラウンド交渉として貿易を通じて途上国開発を促すことをこれは主要な目的の一つとしておりますが、途上国に対する貿易のための援助についても重視されているところでございます。  さらに、昨今の世界的な食料需給逼迫傾向食料価格高騰を背景に、食料を緊急に必要とする国への援助を始め、より一層途上国への配慮が求められているところでございます。  我が国途上国との関係につきましては、平成十七年十二月のWTO香港閣僚会合政府が発表した開発イニシアチブに沿いましてLDC産品に対して無税無枠を提供したほか、途上国産品について生産現場から輸出先食卓等に至るまでの過程を包括的に支援するなどの取組実施しているところでございます。  また、昨今の世界食料事情を踏まえまして、先ほどもお話がございましたように、FAOハイレベル会合においても途上国に対する援助の方針を表明したところでございます。
  21. 大石正光

    大石正光君 もういいですよ。  今ヨーロッパでは、食料が足りなくなると言ってヨーロッパ全体が減反政策を見直しをやっているほど対応が非常に積極的にやっております。ところが、日本は、相変わらず決まりであるということだけで何にも進んでおりませんね。  昨年の食料年間生産量が約、世界で二十一億トンという収穫で非常に多かったと。ところが、要するに需要供給のバランスで結局需要供給を上回って価格が上昇しておりますね。特にここ一、二年では小麦、トウモロコシが二、三倍に上がっている。平均しますと穀物価格は十年間で二、三倍になっているという話をよく聞いております。そういう意味においては、特にここ二、三年、経済優先投機的対象になっているということが現象に見えるようであります。  時間がないので、もう一つ付け加えておきますが、食料投機対象にしているゆえにおいて、エネルギー原料、要するにバイオエネルギーとして経済的価値生産国に非常な利益を特にアメリカやブラジル等に上げておるわけですね。そういう意味において、一体、食料としてこれから確保するものなのか、エネルギー原料として作っていくものなのか、これから大変難しい選択を迫られるわけでありますけれども、そういうことに対して、その現象と同時にどのように考えて政策を立てられようとしているのか、その辺を是非お答えいただきたいと思います。
  22. 小栗邦夫

    政府参考人小栗邦夫君) 世界バイオ燃料生産についてでございますけれども、近年では、アメリカではトウモロコシの約三割、ブラジルではサトウキビの約五割がエタノール用の原料に仕向けられているわけでございます。  これは、現場生産者がその時々の価格水準によりまして、家畜なりえさに仕向けるか、あるいはエタノール原料に仕向けるかという判断をした、その結果このような状態になっているものと理解しておりますが、私ども農林水産省といたしましては、やはり食料の安定供給影響、こういったものを十分配慮しながら慎重に進める必要があるというふうに考えておりまして、このため、例えば稲わらとか間伐材、こういった食料と競合しないセルロース系の原料を、言わばこれ日本型のバイオ燃料と称しておりますけれども、こういったものを中心生産拡大をしていきたいということで、各種の実施事業など、あるいは情報発信などを行っているところでございます。  こういったもの、日本型のバイオ燃料中心食料との競合関係にも配慮しながら進めていきたいというふうに考えております。
  23. 大石正光

    大石正光君 沖縄や各地で既にそういうバイオエネルギーをつくろうという一つのモデルケースが生まれてきております。ところが、技術的には既にもう、わらとか草からできる技術はもう既にでき上がっているわけでありまして、それを実際に具体的に大量生産できるかどうかの部分、そういう助成をしていけば、そういう進むわけであります。そういう前向きの積極的なことを是非これからもやっていただきたいと思います。  今、日本においては世界中の自然エネルギー、特にヨーロッパは自然エネルギーでできた電気を非常に高く買い上げて、そして価格を一般消費者にやっております。日本の場合は、非常にヨーロッパの地域と違って余り風が平均的に強く吹いている部分が少ないので、風力発電の部分はなかなか発電量が増えることはないけれども、しかし、太陽光発電については、ずっと太陽が出ているわけでありますから、非常に効率的にヨーロッパと含めても十分対応できるだけの太陽エネルギーができるわけであります。  日本はたしか、太陽熱を利用する発電の設備の新しい新築に対しては助成金を今まで出してきたわけでありますが、それがなぜか助成金が切れたような感じの話を聞いております。そして、日本は太陽光発電で世界一だと言われておりましたけれども、今年になってドイツが急激に太陽光発電に対する助成を増やしてトップになりました。日本は極端に、二位に落ちてしまった。なぜ、このようなクリーンエネルギー需要が大切な時期なのに、どうしてこのような政策のあいまいさをもって中途半端に進めてきたのか、その辺のお答えを、これ経産省か環境省か分かりませんが、多分経産省だと思いますけれども、お答えいただきたいと思います。
  24. 上田隆之

    政府参考人(上田隆之君) 住宅用の太陽光補助金を打ち切った理由に関するお尋ねかと思いますけれども、この住宅用太陽光補助金でございます。  平成六年から平成十七年度までの十二年間、予算総額で一千三百二十二億円というのを実は投入してまいりました。この補助金を始める前、平成五年ぐらいは、実は太陽光パネルというのは約一軒当たり三・五キロワットのパネルで一千三百万円したわけでございますが、補助制度等もございまして、最終年度の平成十七年度には五分の一以下の約二百三十万円ぐらいになったわけでございます。また、導入量も助成開始前に比べて六十倍に増加をしたと。補助金額も当初は三百万円ぐらい助成したわけでございます。その後定額になりまして、最終的には七万円ぐらいに下がったと。相当程度市場というのが成長してきたといったことを踏まえまして、実は平成十七年度でこの住宅向け太陽光補助金を終了させていただいたと、こういうことが経緯でございます。  しかしながら、御指摘のとおり、太陽光につきましては様々な御指摘をいただいてございまして、現在、資源エネルギー調査会新エネルギー部会で太陽光発電を含めましてこの新エネ政策について御議論いただきまして、これを含めて今後検討してまいりたいと考えております。
  25. 大石正光

    大石正光君 自動車税とかそういう部分は積極的にとらえて税金を取ろうとしておりますけれども、逆に、国民に対して地球温暖化をいかに防ごうかというふうに積極的にやっている中において、そういう逆行することは私は非常に矛盾するような感じがしてならないわけでありますけれども、この部分について、環境省はどのように経済産業省対応して説得をして話をするのか、それとも何もしないで今まで来られたのか、その辺質問内容にありませんけど、ちょっとお答えできればと思うんですが。
  26. 南川秀樹

    政府参考人南川秀樹君) まず、住宅用の支援につきましては経産省で行っていただいておりましたが、環境省としましても、当然ながら新エネの中でこの太陽光発電、非常に重要なものだというふうに当然認識をしております。したがいまして、小さな財布の中ではございますけれども、例えば街区丸ごとのその新エネルギーの事業とか、それから商業施設とかあるいは公的施設の屋上とか壁面の太陽光パネルの設置と、そういったことについての支援は今年度も含めて環境省は継続をしております。そういう意味で、太陽光発電などの新エネの普及が必要だという姿勢については、全く変わるところございません。  残念ながら、住宅については経産省の方の補助金切られております。私ども、今答弁されました上田部長ともよく連携しながら、何とかこの太陽光発電が進むような方策を考えていきたいと思います。
  27. 大石正光

    大石正光君 実は、日本環境に対して積極的にやっているということで世界にアピールをしてこられました。しかし最近は、日本環境に対して後進国だと、要するに後ろ向きに動いているということが非常に言われている現実にあります。  さきに幕張で行われたG20というんでしょうか、気候変動、クリーンエネルギー及び持続可能な開発に関する対話という会議では、経済界への環境規制が議題であったために経産大臣中心でやられておりました。そして、私はそのテレビをよく見ておりましたが、隣に環境大臣が座っていらっしゃったわけであります。ところが、ヨーロッパの多くの国では環境大臣地球温暖化や様々な問題、産業界に対しても環境大臣が主導権を持って積極的にやっていらっしゃるというふうに私は感じておるわけでありますが、なぜ日本環境大臣世界の信頼あるリーダーとして、日本が積極的にリーダーのことを捨てているような感じにしか見えないわけでありますが、大臣は一体何をお考えでいらっしゃいますか。
  28. 鴨下一郎

    国務大臣鴨下一郎君) 千葉でのG20の対話は、これグレンイーグルス・サミットでの合意に基づいた、気候変動問題への解決に向けての世界の温室効果ガス主要排出国、これ環境大臣及びエネルギー担当大臣と、この両方が参加するわけであります。  幕張で私も参加させていただきましたが、内容は、技術、資金及び投資、さらには二〇一三年以降の将来枠組みの在り方、これに焦点を当てて議論をしたわけでありますし、先生御指摘のような、じゃそのときに経産省あるいはエネルギー担当大臣主導だったかというと、私はそういうふうには思っておりませんし、具体的には、例えば将来枠組みについてもセクター別のアプローチについて様々な御意見ありましたが、最終的にはトータルですべてをまとめていく上ではセクター別アプローチが国別総量目標を代替するものではないと、こういうようなことを私から基調講演の中ではっきりと言いまして、それで何とか全体がまとまったというふうに私なりには認識しておりますから、せいぜい環境大臣も一生懸命存在感を示すために頑張ったと、こういうようなことを申し上げたいと思います。
  29. 大石正光

    大石正光君 日本の国の事情で環境大臣が主に立つことがなかなか難しい、そんなことはある程度日本内閣としてあるんだろうと想像するわけでありますが、実はあと一か月後の七月には北海道洞爺湖でG8の環境サミットが始まります。環境サミットという名前であると同時に、実際にこれだけ食料温暖化の問題で中心になるわけでありますから、当然総理大臣と経産大臣中心になって推進することではないんでしょうね。当然、環境大臣が総理大臣と一緒になってその会議中心的な役割を果たすべきだと思います。是非そうなっていただけることをまずもって期待すると同時に、当然だと私は思います。  昨年のIPCCの気候変動に関する政府間パネル、いわゆるバリ会議での会議中で多くのいろんな賞状がいろんな団体から受けました。日本は何か化石賞をいただいたという話でありますね。日本は化石賞というのは、一位から三位までを独占していると、いろんな分野ごとに。その理由は、法的拘束力のない制度を提案しているということであるということでありますが、先日の参考人の招致の実際に会議に、地球環境、大気を考える全国の市民会議の早川光俊さんが我々に説明をいただきました。誠にうれしいのか恥ずかしいのか、何とも言葉に出ない言葉でありますが、この受賞を大臣はどのようにお感じでいらっしゃるでしょうか。
  30. 鴨下一郎

    国務大臣鴨下一郎君) 今御指摘のあった、バリで昨年、各国のNGOから化石賞というのがあるようでありまして、それについて日本が何回かその賞を賜ったと、こういうことでありますけれども、先生がお話しになっているようなニュアンスというよりは、私はやはり、例えば京都議定書を超えるというメッセージがある意味で誤解を招いて、日本京都議定書をほごにするんじゃないかと、こういうような趣旨に受け止められていたようでございます。ですから、そういうようなことで、NGOにとってみれば日本は極めて京都議定書に後ろ向きだと、こういうようなことで化石賞というのを受賞したと、こういうふうに思っております。  ただ、そのバリでの化石賞の話、あるいはジャカルタ・ポストに各国の首脳が後ろ向きな首脳だということで日本もその中に例示されましたけれども、そういうのが一つのばねになって、これからの日本環境行政の在り方、政策の在り方というのにかなり逆に応援をしていただいたというようなこともあったと思います。  ですから、私は、こういうようなものを糧にしてここのところで急速に進んだという認識がありますので、是非前向きにとらえていただきたいと思いますし、私たちもそういう不名誉な賞をいただいたということを一つの糧に踏ん張ってまいったと、こういうようなことでございます。
  31. 大石正光

    大石正光君 是非それをばねに頑張っていただきたいと思います。  終わります。
  32. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 民主党の岡崎トミ子でございます。よろしくお願いいたします。  昨日、民主党がまとめました地球温暖化対策基本法案、参議院に提出をいたしました。主な内容は、二〇二〇年までに二五%、二〇五〇年より早い時期に六〇%以上の温室効果ガス排出削減、二〇二〇年までに一次エネルギー供給量の一〇%導入、二〇一〇年度の国内排出量取引制度の創設、地球温暖化対策税の創設、そして技術開発とともに明確にいろいろ打ち出しておりますけれども、日本温暖化を抑えるために責任を果たして世界でリーダーシップを取っていくために必要な内容をきちんと法案の中で明確に示せたというふうに考えております。  今日、夕方から民主党環境シンポジウムを開きまして、中身を説明をして、そして制定に向けて議論を進めることにいたしておりますので、大臣もよろしくお願い申し上げます。今日は御意見を伺う時間がありませんので、失礼しますが。  温対法の質疑もいよいよ最終盤でございますが、改めて法案の内容とその周辺、政府がどのように考えているのかを確認しまして、最後に今後に向けて重要な論点についてただしていきたいと思います。  まず、二十条の三でありますけれども、ここで規定されております地方公共団体実行計画の拡充であります。おととい、轟木議員も質問をしておりました。現行法では地方公共団体実行計画の策定はすべての自治体に義務付けられておりますけれども、実際の策定状況は四割程度ということで驚きました。策定状況を改善する努力を行うということですので、しっかりやっていただきたいと思います。  気になるのは、策定状況はもちろんでありますけれども、実績だと思います。轟木議員への答弁でも、実行計画を策定した自治体について、それぞれの基準年から、五%以上の排出削減ができた市町村が一割とちょっと、〇%から五%を削減したのが五六%ちょっと、三〇%強が増加したという説明でありましたが、この数字を環境省は継続的に把握しておられるんでしょうか。何より関心を持った市民が自分の住む自治体に関して自治体がどんな取組を行っているのかを知る、そういう情報などについても材料をきちんと提供できるようになっているんでしょうか。  定量的な実績も含めまして実行計画の進捗状況はどういう形で公開されているのか、お聞きしておきたいと思います。
  33. 南川秀樹

    政府参考人南川秀樹君) これにつきましては、率直に申しまして、把握はしておりましたし、県単位でまとめての情報はずっとフォローしておりました。ただ、私ども、具体的にじゃ法律上義務付けられているのに対応していないという、特に市町村の小さなところが多かったんでございますが、これにつきましては県を通じてお願いするということでございまして、必ずしもその努力が十分でなかったというふうに考えております。  これにつきましては、各、今度は策定してない市町村に対してじかにお願いするということもやっていきたいと思いますし、また当然ながら各地域の住民の方が分かるような広報も充実をしていきたいと考えているところでございます。
  34. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 今回の法案では、都道府県並びに指定都市、中核市そして特例市の指定都市等に温室効果ガスの排出の規制を行うための施策に関する事項を定める、そして手続に関する規定を設ける、これを義務付けようとしているわけなんですけれども、具体的には、自然エネルギー導入の促進、地域の事業者、住民による省エネそのほかの排出削減の推進、公共交通機関、緑地そのほかの地域環境整備、改善等についての事項を定めるということを義務付けようとしているわけなんですが、どれほどの内容を求めるのかということによりましてこの規定の意義は大きく変わっていくだろうというふうに思いますが、いずれにしましても、ここまで具体的な法律へ明記するというのは、少なくとも最近では大変異例ではないかというふうに思っております。  そこで、地方自治あるいは地方分権との関係でどういう議論があってどういう整理をされたのか、お伺いしておきます。
  35. 南川秀樹

    政府参考人南川秀樹君) まずこの実行計画でございますけれども、自治事務ということでございますし、当然ながら今回追加されるものについても自治事務ということで、各地方公共団体の責任で策定していただくという法的位置付けは変わっておりません。  ただ、今回私ども、特に内容をいろいろ具体的に掲げました。これにつきましては、これまでも熱心な自治体については様々な計画を作っていただいておりますけれども、やはりより国を直接巻き込まないとできないもの、あるいは事業者を直接巻き込まないとできないものと、対策が多いわけでございます。どちらかというとこれまで地方公共団体では普及、啓蒙を中心にやっていただきましたけれども、やはりそれを超えてやっていただきたいということでかなり具体的な、かなりというか、ある意味で異例に具体的な内容を掲げてお願いをしております。また、その反面でございますけれども、まずその計画を作るときには協議会をつくって、環境省などの出先などもそれに一緒に協力しますし、また逆に国の協力が不十分なときは具体的な協力なり資料の提供を首長さんが求められることができるということもしたわけでございます。  そういった事後の対策がうまく回るような、うまくできるような、うまく回るような仕組みも含めて整備することによってこうした具体的な提案が生きると、そういうふうに考えた次第でございます。
  36. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 既に少なからぬ自治体が地球温暖化対策地域推進計画を策定しているわけなんですけれども、今回の拡充はその推進計画の内容と非常に重なることが想定されているわけなんですけれども、この今までやっていること、これよりは超えるということでしょうか、あるいは推進計画のようなもので想定しているんでしょうか。ちょっとここもはっきりしておきたいと思います。
  37. 南川秀樹

    政府参考人南川秀樹君) 既に二十九、推進計画でございますけれども、四十七の県全部、それから特例市については九十六分の二十九の市が作っていただいております。それから、更に小さな市町村につきましては千六百九十九分の三十一ということでございます。特例市以上では一三%、それ以下では二%という数字でございます。  内容でございますけれども、やはり情報提供関係が多うございますし、それから例えば環境配慮型事業所の認定とか表彰制度、あるいは環境家計簿の普及とかレジ袋削減キャンペーンとか、あるいは環境教育、アイドリングストップとか、そういったものが多うございます。  したがいまして、随分熱心にやっていただいて、県、市町村によっては更に突っ込んだ対策も入れていただいておりますが、私どもとしましては、より目に見える効果のあるものも今回お願いしたいというふうに考えているところでございます。
  38. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 地元の宮城県、仙台市でもそれぞれ推進計画を持っているわけなんですけれども、それぞれ二〇年には九〇年比で県民一人当たり排出量を二・四%削減、市民一人当たりは七%削減という数値目標が盛り込まれているという状況なんですが、これまでのところ、各自治体の推進計画ではどのような数値目標が盛り込まれているか、足し合わせてどれくらいになりますでしょうか。進捗状況の把握は国としてやっておりますでしょうか。お伺いします。
  39. 南川秀樹

    政府参考人南川秀樹君) 自治体の方での努力、様々ございます、多岐にわたっておりますが、基本的に推進計画自身は自主的なものでございます。したがいまして、私ども、拝見は全部しておりますけれども、具体的にその定量的な把握は行っていないというのが現状でございます。特に、自然エネルギーなど把握が難しいものもございますし、そこまでは至っていないという状況が率直に言いますと現状でございます。
  40. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 様々な自治体は大変努力をしているという状況だと思うんですね。先日、参考人においでいただいた名古屋もそうでしたし、東京都も目覚ましいものがあると思っております。  意欲を持った自治体がもっとやろうと思いましても、存分に取り組める状況にあるのか疑問がございます。自治体が思うように策定を進めていくためには、十分な権限、財源を持っている必要があるわけなんですが、実際に自治体の選択肢は、既に今あるものの中から選ぶしかない、限られてしまうというふうに思います。例えば、自然エネルギーを活用することは、そのこと自体、効果とともに大変に重要でありますし、拡大するというのも大変意義深いと思いますけれども、自治体からしてみますと、現実に許容可能なコストで導入できなければ導入に二の足を踏まざるを得ません。  そこで、現実を見てみたいわけなんですが、これまで推進計画によってどの程度自然エネルギーの導入がされたか、活用が促進されたのか、お伺いします。
  41. 南川秀樹

    政府参考人南川秀樹君) これまでの地域計画の中で、多くの自治体が新エネ利用に関する事項というものを入れていただいております。ただ、具体的にじゃどう進めるかということについてまでなかなかきちんとした形での計画には至っていないというのが現状かと思います。定量的なことにつきましては、一部の自治体を除くとなかなか把握ができないということでございます。  ただ、私ども、太陽光発電とか小水力とか、非常に是非自治体に頑張っていただきたい部分も多うございます。これからこの計画を策定をお願いする中で、環境省としてもその計画作りの中に協力をして、各省への要求も含めてそれが進むようにしていきたいと考えております。
  42. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 協力をしてくださるということではきちんと国も把握しておく必要があるだろうと思いますが、より根本的には、自然エネルギーや自然エネルギーを活用するための技術の提供、事業者に対して国としては、研究開発ですとかあるいは価格の抑制のための支援をするとか、積極的に自治体を財政的に支援するという措置が必要だというふうに考えておりますが、この財政措置にする考え、今の時点でのお考えはいかがでしょうか。
  43. 南川秀樹

    政府参考人南川秀樹君) 私どもとしまして、是非可能な範囲での支援はしたいと思っております。これまでも自然エネルギーの普及に熱心な自治体につきましては、再生可能エネルギーの導入加速化事業とかあるいはメガワットソーラーとか、そういった形の支援は行っております。それから、技術開発関係も支援しております。ただし、当然ながら小さなパイの中でやっておりまして、常に不十分という状況でございます。これからも可能な範囲では行っていきたいと思います。  ただ、これからいろいろ議論の中でと思いますけれども、何せ私どもとしましては、当面仕組みをつくって、そして具体的なニーズというものを是非自治体から出していただきたい、その上で、自治体の声も聞きながら様々な措置を検討したいと考えております。
  44. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 都市計画につきましても温室効果ガスの排出抑制に配慮することを求めているわけなんですが、具体的にはどの程度のことを求めているのか、お伺いしたいと思います。  それから、環境省地球温暖化対策とまちづくりに関する検討会、昨年の三月にまとめられましたけれども、この報告書は大変示唆に富んだものだというふうに思っております。この報告書の成果を自治体が生かすためには、都市計画法の改正、より短期的には特区制度の活用、これも必要とされているのではないかと思います。  いずれにしましても、本当に何かやろうと思えば、分権や規制改革あるいは環境省以外の所管の法律改正なども必要になってくると思います。何が必要なのかを把握するには、まず自治体の方から、どうせやるんだったらば、それが必要、これが必要、あれが必要、こういうものについて意見や要望はもらわなかったのかどうか、今後そういった、ひとつ次元の違う議論でも取組を進めていただきたいと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
  45. 南川秀樹

    政府参考人南川秀樹君) 今回の法改正におきまして、先ほど岡崎委員から御指摘もありましたように、かなり異例の細かな計画作りの内容を示しております。また、そのメニューを示した中で、そのメニューを実際に生かすためには、都市計画、農振計画、そういった施策についても協力をしてもらうんだということを特記しておるわけでございます。これ自身が実はかなり異例なことだというふうに思います。私どもとしましては、こうした条項を閣内で議論して出そうということでお認めいただくわけでございますので、是非これを具体的に生かしたいと考えております。  ただ、具体的には、現状で都市計画法とか特例、特区について私ども述べる立場にございませんけれども、協議会をつくる中で、環境省の地域機関も参加し、また本省レベルでも必要な連絡を取りまして、これが、法律の趣旨が現に生かされてどんどんその地域が変わっていくようにしていきたいと思います。  それから、町づくりについては非常に重要なポイントでございます。やはり一度その計画を作りますと、町づくりにつきましては五十年単位で変わらないと変わっていかないという点がございます。そういう意味では、歩いて買物ができるとか、そういったコンパクトシティーという概念もございますし、地産地消の町づくりとか様々ございます。是非そういった視点を入れていきたいと思います。  それから、意見、要望につきましては、何というんですか、建前上の意見はいろいろ聞く機関がございますが、私どもとしては是非現場で本当に汗をかいている人の意見というものをこれまで以上にくみ上げる努力をしていきたいと考えております。
  46. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 次に、学校の改修についてお伺いします。  中国四川省の大地震、この被害の大きさに胸を痛める毎日でありますが、地元宮城県でも地震の被害は人ごとではありません。三十年の間に九九%の確率で地震が起きるという予測がされているという状況でございます。  いずれにしましても、学校の耐震改修が課題になっておりますが、この耐震改修に限りません。学校が新改築した際に断熱材と太陽光パネルの設置を併せて進めるべきではないかと考えておりますが、この作業のプロセスに保護者や地域住民、生徒らの参加を得て環境教育の場とすることも考えられるのではないかと思います。私ども民主党が岩手県の葛巻町に視察に参りましたときにも、町全体がこの地球温暖化の問題について取り組んでいると同時に、高校には太陽光パネルの設置がありまして、その環境教育もすばらしいということで、町に若い人たちが残っているという現状も聞いてまいりました。  本来、自治体それぞれが地域の団体等の協力を得ていろいろ行うべきものと考えておりますけれども、文部省もソフト面、それから財政面の支援ができるのではないかと思いますので、文部省にもお伺いしておきたいと思います。
  47. 岡誠一

    政府参考人(岡誠一君) お答えいたします。  先生御指摘のように、学校施設の耐震性の確保は非常に重要でありまして、文部科学省はその推進に取り組んできているところでございます。また、地球温暖化等環境問題への取組が重要となっている中、学校施設においても環境を考慮した施設造りが求められていると認識しているところでございます。  このため、従来から文部科学省におきましては、環境を考慮した学校施設、いわゆるエコスクールにつきまして国庫補助を行うなどその推進を図っているところでございます。具体的には、学校施設の改修整備等に併せて断熱化や太陽パネルを設置するなどの場合についても国庫補助の対象としているところでございます。また、エコスクールの整備に際しては、学校、家庭、地域等の参画を得て、環境教育にも活用できる学校施設を計画することが重要であると考えているところでございます。
  48. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 それで、環境省の技術的な支援を強化していただきたいということについてもお伺いしておきたいんですが、現状では地方財政措置の強化なども大変必要だというふうに考えておりますが、環境省はこの技術的支援を強化する用意があるのか。ノウハウ等の開発や収集や蓄積、分析、これをしっかりやっていただきたいと思いますけれども、必要としている地方自治体に的確にそれを伝える必要もあるだろうと思います。  そこで、環境省と総務省に伺いたいと思いますが、まずは、環境省の技術的支援の強化については何を考えているか、具体的にお知らせいただきたいと思います。  民主党としましては、地方の税財源の抜本的な強化を引き続き目指していきますけれども、当面の措置としましては、地方財政措置の強化が必要です。自治体がこの温室効果ガスの排出削減に取り組むことの意義を考えて、自治体に対して国の財政的な支援強化についてはどのように総務省は取り組んでいくのか、お知らせいただきたいと思います。
  49. 西尾哲茂

    政府参考人(西尾哲茂君) 今お尋ねになった事柄、ちょっと幾つかございますけれども、一つ、まずは環境教育の方につきましては、私ども学校エコ改修ということで、先生御指摘のように、エコ改修そのものをやっていくということと、それからそれを教材にするということをどういうふうにリンクしてやっていくかということで、十七年から学校エコ改修という事業をやっておりまして、現在十六の地域でモデルとして着手しております。  その中では、今の技術のことでいいますれば、そもそも計画を作るときから、地域の建築をやっている方だとか、それから地域住民の方だとかPTAの方がみんな入っていただいて、どういうエコ改修をしていくと効果的だとかということをやります。そういうモデル事業をやりまして大体軌道に乗ってきていますので、そこでそういうエコ改修をやったりする場合の技術的なノウハウというのも各地で蓄積されております。これまた、文科省ともいろいろ、あるいは関係省庁とも連携いたしまして、そういう知識が広がっていくということを努力いたしたいと思っております。  それから、ささやかではございますけれども、例えばほかのいろいろな地域での環境対策技術でございますが、これにつきましても、各地の自治体で言わば環境センターあるいは公害センター、昔の、そういうものがございます。そこでいろいろ研究もしておられます。そういう方々との連携ということも努力しているところでございます。
  50. 御園慎一郎

    政府参考人御園慎一郎君) 地球温暖化対策に対する地方の財政措置についてお答えさせていただきたいと思います。  温暖化対策というのは地域においても非常に重要な課題であることは間違いないことでありまして、その点に関しては私ども総務省としても認識しておりますし、先生御承知のとおり、各自治体においても懸命な努力しております。昨今のことでいいますと、環境モデル都市を指定するしないというようなことを公募したところ、多くの四十幾つかの団体が必死に、また新たに自分のところでの取組を検討し直して努力をされておられる姿がありまして、私のところにもこういうことを考えているというようなことを持ってきていただいてもおります。そういうことに対して、私どもとしても環境保全対策ということで、例えば計画策定だとか、それから市民の皆さんへの普及啓発、啓蒙啓発経費は交付税措置をさせていただいております。  この地球温暖化対策の重要性というのはこれから更に大きくなっていくことは間違いないことであることは認識しておりますので、引き続き環境省あるいはその関係方面と私ども十分協議をさせていただいて、支援策の在り方検討し、また措置を続けていきたいと思っておりますが、極めて厳しい地方財政の状況でございますので、まずは、先ほど御指摘もありましたように、安定的な税財源を地方としても確保していくということが喫緊の課題ではないかというふうに考えているところでございます。
  51. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 なかなかお金が回っていかないと説明されたような気がしますけれども、是非その御努力を更にお願いしたいと、ここでは時間がないのでそれしか言えないんですけれども、よろしくお願いしたいと思います。  さて今回、二十条の五で事業者に対して、温室効果ガスの排出削減等に資する設備を選びなさい、そして排出量が少ない方法でこういった設備を使うように努力をしなさいということを求めているわけなんですね。大変結構なんですけれども、これも実効性だと思うんですね。どう考えるのか。指針を設けるということですけれども、それで足りるのかどうか。消費者の皆さんたちが商品を選ぶ際に、その商品に関連する温室効果ガスに関する情報を得られるということが大事ですし、前提として消費者や事業者自身の意識を喚起すること自体、大変に有効だと思いますけれども、事業者の選択を促すような何らかのインセンティブが必要ではないかと思いますが、この点についていかがですか。
  52. 南川秀樹

    政府参考人南川秀樹君) まず、インセンティブ、それにつきましてでございますけれども、税制と予算措置とあると思っております。税制につきましては、省エネ設備などへの減税措置ということを講じておりますし、これからも充実をしていきたいと考えております。  それから、予算面につきましては、一部ではございますけれども、先進的な設備を先行的に導入するということについての助成も行っておりますし、あとは、自主排出量取引に参加していただけるところにつきましては、効果が大きい事業場を選びまして、三分の一程度を目途に費用効果の高いものを選んで支援を行っております。  それから、企業が使っていただけるような研究開発についても、それを実施して、その成果を公表するということを行っているところでございます。
  53. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 消費者の皆さんに対する情報提供ということなんですけれども、例えばライフサイクルコストあるいはライフサイクルエミッションという、この排出量についての情報も必要だというふうに思うんですね。原材料を集める、あるいは移送する、そして組み立てる、使う、廃棄する、そのトータルでどのぐらいCO2が出てしまうのかについての情報も必要だというふうに思います。  この点について、事業者自身が消費者に情報の入手が可能なようにする、これも必要だと思いますが、いかがですか。
  54. 南川秀樹

    政府参考人南川秀樹君) 岡崎委員指摘のことは、まさしく私ども、今回の二十条の六の第二項でそういったことを是非実現したいと考えております。ただ、順序がございまして、やはり当面分かりやすいところ、効果が期待できるところからやっていって、順次充実をしたいと考えております。  したがいまして、製品について申しますと、利用に際してガスの排出量について把握がしやすい、把握ができるような形にしていきたいと。この機械を一時間使えばどれだけCO2が出るのかとか、使い方によってどれだけ出方が変わるとか、そういったことがまず中心になろうと思っております。その上でライフサイクル全体の問題に広げていきたいと思います。  また、サービスの役務の問題がございまして、例えばクリーニングとか宅配便を考えますと、様々な努力を今されております。宅配便も、末端ではリヤカーを使うような努力もございますし、クリーニングも、熱の削減プラス、背広なんかとかワイシャツでもそうですけれども、一々ビニール袋に入れるのを最近やめるとか、それからハンガーを出しても、ハンガーで洗い終わったものを返してもらって、そのハンガーを十個持っていくとごみ袋に替えてくれるとか、そういうサービスもございますので、そういったことが分かるようなものを是非つくっていきたいと思います。
  55. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 いずれにしましても、その指針を設けるということでありますけれども、その指針についてもしっかりとチェックをしていきたいなというふうに思っているところなんです。  つまり、それだけで事足りるのかということですからね。排出抑制などその指針をしっかりと作っていく、そして価格によるインセンティブが大きい、結局のところは環境税の導入というのが必要ではないかというふうに思っておりますし、民主党の場合には地球温暖化対策税ということで制度設計をしていきたいというふうにも考えているわけなんですが、ここからはちょっと大臣にお伺いしたいと思いますが、基本的な考え方を確かめていくという点で、環境税の点について大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  56. 鴨下一郎

    国務大臣鴨下一郎君) かねてから私も申し上げていますけれども、環境税は炭素に価格を付けると、こういうようなことについては大変意義が深いというふうに思っております。  市場メカニズムを通じまして低炭素社会を実現すると、こういうようなことにおいては極めて重要な政策手段だと、こういうふうに考えており、環境省としても、これまでも、広く化石燃料に課税して、事業者や消費者といった幅広い主体に対して、排出を抑制することがインセンティブになるような、こういうような環境税の創設を要望してきたところでございます。  神戸で開催されたG8環境大臣会合においても、市場メカニズムを活用した手法については、一層の排出削減を進める上で効果的かつ有効な手法との認識が共有されたところでございます。  地球温暖化対策全体の中での具体的な位置付け、その効果、あるいは国民経済や産業の国際競争力に与える影響、それから諸外国における取組の現状などを踏まえまして、更に総合的な検討を進めていきたいと思っておりますが、環境省としては、あるいは私としては、その意義について引き続き訴えてまいりたいと考えております。
  57. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 総理が海外に行かれましたときに温暖化の問題でいろいろ発言をされますけれども、なかなかそれが官邸サイドあるいは外務省と一緒、環境省とはなかなか別なところでということでありまして、大臣がいろいろと発言されたことについての確認は前にもお伺いしたことがございますが、今回総理がメルケル首相とお会いになっていろいろと発言をされておりますけれども、そうした会談の際の発言の趣旨というものについては、鴨下大臣は確認をされているんでしょうか。
  58. 鴨下一郎

    国務大臣鴨下一郎君) 確認をしているところもありますし、総理が発言をなさったということについては、我々は後でフォローすることもございますけれども、基本的には、内容についてはすべて報告を受けつつ、しっかりとフォローはさせていただいております。
  59. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 済みません、その中期目標についてはいかがですか。
  60. 鴨下一郎

    国務大臣鴨下一郎君) 中期目標については、総理もいろいろと報道では踏み込んだ発言のこともあるようでありますけれども、これ国際交渉の中でそれぞれ慎重に戦略的に考えたいという趣旨のことであるというふうに私は理解しております。
  61. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 そこが、これから二〇五〇年よりも非常に注目されることですし、世界の方でもそのことを日本に求めていくのだろうというふうに思っておりますので、その点について鴨下大臣のまたリーダーシップもよろしくお願いしたいと思いますが。  排出量の取引制度について、企業にとりましてもこれは予測可能性が必要でありますし、はっきりとした指針、方針を打ち出すべきではないかというふうに思いますし、導入を前提として、多くの関係者に納得が得られる、公平で実効性がある、その仕組みづくりに力を入れていくべきだというふうに考えておりますが、多様な利害関係がありますので、その関係の信頼関係をしっかりつくることが大事だというふうに思います。そのためには、様々な課題があることも率直に認めて、懸念される点について列挙をして、それぞれについての慎重な立場を持つ人たちと一緒になって話をする、克服する、そういう議論に入っていくことが有効なんだなということを感じてまいりました。  今回の環境省が提示しましたたたき台、それはこの排出量取引制度の議論に資するものとなっているのかどうなのか、その点についても大臣にお伺いしておきたいと思います。
  62. 鴨下一郎

    国務大臣鴨下一郎君) 今先生お話しのように、各ステークホルダーそれぞれいろんな考え方がございます。ただ、我々としては、これも国内の排出量取引制度、CO2削減というようなことにおいては極めて有効な政策手法だというふうに認識しております。  既に御存じのように、国内排出量取引制度検討会、これ本年の初頭より開催しまして、具体的な制度設計の在り方について掘り下げた検討を行いまして、これには様々な分野の方々も参加していただいておりまして、そして、今般、その制度のオプション、これは四つのオプションを含めた中間取りまとめを公表しました。  この中間取りまとめにつきまして、検討会において産業界を含めた様々な立場の委員から意見をいただいたわけでありますけれども、それを一つのきっかけに、今、東京を皮切りに全国で公開ヒアリングを始めたところでございます。各方面から幅広い意見を聴取して、そして排出量取引についての言わば国民的な意識を高めていきたいと、こういうふうに考えているところでありまして、特に先生おっしゃるようにこれからサミットもございますので、国際的な動向も踏まえて、我が国の実情に合った国内排出量取引制度、具体的な制度設計について検討を加速していきたいと、こういうふうに考えております。
  63. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 数十秒残っているだろうと思いますが、国内対策中心とすることの必要性、これも再確認をして、終わりたいと思います。
  64. 鴨下一郎

    国務大臣鴨下一郎君) 国内対策は、もう何度も申し上げていますけれども、我が国世界の先例になる低炭素社会への転換、これを進めて、国際社会を先導するために、まずは自らが率先して京都議定書に掲げる六%削減、これを確実に達成することが不可欠だろうというふうに考えております。  改正京都議定書目標達成計画におきましても、国内対策中心として七十ぐらいの対策を盛り込んでいるところでございまして、是非、適宜適切に計画の進捗、こういうようなことをチェックしつつ、しっかりと点検を行い、場合によっては機動的な見直しをし、なおかつ新たな手法も導入すると、こういうようなことを迅速にするべきだというふうに思います。
  65. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 ありがとうございました。
  66. 川口順子

    ○川口順子君 おはようございます。鴨下大臣を始め皆様には日ごろから大変にお疲れさまでございます。  まず質問を、私は岡崎トミ子委員が今なさった質問と実は同じ質問から始めようと思っておりましたが、ダブりますので、といいますのは、情報提供について今度の温対法で規定されておりまして、重要だと思っております。政府としてどのような情報提供、提供につきましてどのように今後進めていかれるおつもりかということと事業者に何を期待をするのかということを実はお伺いをしようと思ったんですが、同じ質問が岡崎委員からありましたので、付け加えることがあれば環境省から伺いたいと思います。補足することがあればということです。
  67. 南川秀樹

    政府参考人南川秀樹君) 私どもとしましては、製品それから役務双方につきまして、できるだけ事業者が分かりやすいものにしたいと思っております。事業者向けの、事業者、事業活動そのものにつきましては、やはりどういう業態であれば一般的に望ましい対応として、どういう施設を入れていただく、またどういうふうに管理していただく、それによって原単位がどうなるかということも出したいと思っております。  それから、事業者が日常生活に関連してやっていただきたいこととしましては、CO2がどれだけこの製品を使うと出るかとか、同じ製品であってもどういう使い方で出方が変わるとかいうことも出していただきたいと思っておりますし、サービスにつきましても、先ほど宅急便とか、それからクリーニング申しましたけれども、事業者も分かりやすいし消費者も分かりやすいと、そういうものをとことん追求したいと考えております。
  68. 川口順子

    ○川口順子君 情報提供というのは、やっぱり国民の皆様の意識、行動に大きな影響を与えますので、是非しっかりやっていただきたいと思います。  次の質問に移らせていただきます。  荻原政務官には、お忙しい中ありがとうございます。  国の地球温暖化防止活動方針の中で、再生エネルギー、再生可能エネルギーにつきまして大きく普及させようということになっているわけですけれども、中でもとりわけ太陽光発電、これにつきましては大きな期待が寄せられているわけでございます。  現在、我が国世界で有数の太陽光発電の普及国でして、大体全体の九割が個人の屋根の上でなされているということだと理解をしております。  大臣及び政務官質問をさせていただきたいと思いますけれども、最近、市田委員からも実は質問がこの間出ましたけれども、二〇〇六年に、個人の住宅の太陽光発電への国の補助金が廃止になった、終わったということでございまして、その後日本の太陽光発電の設置は減ってきまして、ドイツに累積では一位を抜かれ、単年度でもドイツやスペインに抜かれてしまったということになっているわけで、普及が減速をしたわけです。  それで、国内の太陽光発電の普及、これにつきまして、もっと力を入れるべきだと私も思っております。経産省とそれから環境省大臣、政務官、それぞれ、今の支援措置で十分だとお考えか、それからもし支援が不十分であるというふうにお考えでしたらば、何らかの形で個人の住宅の太陽光発電に対する支援を復活をする、それを国として進めるべきではないかというふうに考えておりますけれども、そのことについてお伺いをいたしたいと思います。まず大臣に伺って、それから政務官にお願いします。
  69. 鴨下一郎

    国務大臣鴨下一郎君) 太陽光発電等の再生可能エネルギーの導入、これはもう先生が今もおっしゃっていたように、低炭素社会の実現、こういうようなことも含めて不可欠であるというふうに考えております。  特に足下の京都議定書目標達成計画においては、二〇一〇年度までに太陽光発電の利用を進めることにより二百五十五万トンCO2の削減を行うこととしております。しかし、二〇〇五年度の実績では七十五万トンCO2と、こういうようなことの削減しか達成できないと、こういうようなことでございますので、この目標達成のためにはこれまで以上に普及のための施策を進めることが不可欠と、こういうような認識でございます。  これにつきましては、今後とも、太陽光発電の導入について関係省庁ともしっかりと連携をして、更なる導入促進に向けて積極的に取り組んでいくことが重要だろうというふうな認識でございます。
  70. 荻原健司

    大臣政務官(荻原健司君) 太陽光発電についてはかつては非常に高価なものでした、これもう先生よく御存じだと思いますけれども。そういうことでなかなか普及が進まなかったと。やはり、その普及させるために我々は補助金をこれまで用意をしていたわけでございます。平成六年から平成十七年度までの十二年間、予算総額で一千三百二十二億円を投入してまいりました。  そこで、かつては、補助金助成開始当初、平成五年は、太陽光発電のシステムを住宅に設置するとおよそ一千三百万円掛かっておりました。そこで、私どもはそこに三百十五万円の助成金を出していたわけなんですが、これ平成十七年度には五分の一以下、およそ二百三十万円という設置費用になっておりまして、そこでおよそ七万円の助成額を出していたわけでございます。こうした価格の大幅な低下によりまして、導入量というのは平成五年の導入開始時に比べますとおよそ六十倍になったわけでございます。また、最近では一部の住宅メーカー、これはもう太陽光パネルをセットして住宅を販売をしてしまうという傾向もございます。そういう状況の中で、先生今お話がありましたけれども、平成十七年度で補助事業というのは終了しております。  しかしながら、その補助事業が今完全になくなったというわけではないんですけれども、まず先生よく御存じのRPS法、電気事業者が新エネルギーで一定の割合を電力を生み出さなきゃいけない、こういうところに補助事業を行っておりますし、またあるいは産業や公共用の助成制度、こういうところにもやっております。  いずれにしても、助成制度が復活、どう考えるかということなんでございますけれども、まずやはり、現在は総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会で太陽光発電を始めといたします新エネルギー対策の抜本的強化に向けて御審議をいただいているところでございまして、今後どのような対策あるいは支援ができるか、よく検討していきたいと思っております。  以上です。
  71. 川口順子

    ○川口順子君 大臣からは積極的に取り組むということで、また荻原政務官からは今、新エネ部会で抜本的な強化策を検討しているということでございましたけれども、需要サイドから見れば、光発電の普及というのは新エネの普及という意味で重要ですし、同時にこれは日本の産業の国際競争力の問題でもありまして、非常に重要なテーマだと思います。是非、両省連携をきちんとしていただいて、この補助金について復活をさせていただきたいというお願いを申し上げておきます。  それで、先ほど二百三十万円に値段が下がったということで、これは普及してくればもっと下がることになると思うんですが、今の段階ですと、これを個人が導入をしたときに電力会社に売電をするということで、まあ言ってみれば元を取るということには二十年以上掛かってしまうんですね。とても長い期間が掛かりますので、これに投資を何も支援措置がない下でやっていくというのは非常に勇気のある投資をするということになるかと思います。  今カーボンオフセットの動きが進んでいるわけでして、これは光発電との関係では非常に重要な動きだと思いますけれども、私はこのカーボンオフセットの取組の中で個人が屋根に乗せている太陽光発電装置に対する経済的な支援をつくり出せるのではないかというふうに思っておりますので、この点について質問をさせていただきたいと思います。  オフセット、これは釈迦に説法なので説明はいたしませんけれども、基本的に自分が出した、イベントやいろんなことで出したカーボンを他の箇所で生じた環境改善価値といったもの、つまりCO2の削減をしたりあるいはCO2を出さない発電をしたりということですが、そういったものを購入して相殺あるいは減殺をするという制度でもあるわけです。  どなたかが太陽光発電をしてくださるとして、その方は二酸化炭素を出さないで発電をしているわけですから、その発電量に比例をした数値を記載しているグリーン電力証書、これを購入することによってオフセットをするという取組が非常にポピュラーなやり方だと思います。ほかに、木を植えたりとか途上国でCDMクレジットを買ったりとかそういう方法もありますけれども、太陽光に基づくグリーン電力証書を買うという行為が非常にポピュラーであるというふうに思っております。  証書を売る側から見ますと、例えばその一キロワットアワー分が七円から二十円ぐらいで売れているわけですから、その年間の自家消費に回された発電量に見合う環境改善効果、つまりその環境価値をグリーン電力証書化するとざっと一万円、まあいろんな前提を置いていますが、一万円ぐらいの収入に年間なる。したがって、二百三十万円ぐらいの設備を設置して、年間グリーン電力証書で一万円ぐらいの収入があるということになるわけです。これはその太陽光発電の投資回収年数が数年分短くなるというかなり大きな支援効果があるわけでして、これをどんどん進めていくというのが一つのやり方であるかなというふうに思っております。  それで、これは経産省の事務方にお伺いをいたしますけれども、グリーン電力証書やそれからカーボンオフセットについて、五月二十六日に夏の省エネ対策会議というのが開かれてそこで取り上げられたというふうに理解をしておりますけれども、太陽光発電を進めていらっしゃる方々の、要するに個人で進めている人たちですね、その団体がかねてからPVグリーンという名前で太陽光の発電を証書化するという仕組みをつくってその証書を販売しているということなんですけれども、それについては御存じでいらっしゃいますか。
  72. 荻原健司

    大臣政務官(荻原健司君) よく知っております。文京区に事務所があって、今およそ会員さんが一千九百名ぐらいと伺っているわけなんですが、要は個人住宅に太陽光パネルを設置して発電をされている方がいわゆる発電所になられて、横のつながりというんでしょうか、皆さん手と手を携えて地球温暖化対策一緒にやっていこうと。いろんなところでイベント等を開催されていると伺っておりますし、かつ本を出版されているというようなことも伺っております。よく存じ上げております。
  73. 川口順子

    ○川口順子君 ありがとうございます。  このPVグリーンは既に過去三年間活動してきておりまして、証書の売上げが百四十万キロワットアワー分、百四十万、合計三千三百万円ぐらいになっているんですね。  それで、今カーボンオフセットがどんどん盛んになってきていますから、これが追い風になって個人の太陽光発電、もっともっと進んでいくんじゃないかと思っておりましたら、話を聞いてみますと、実は現実は逆なんだということを聞きました。おかしいんじゃないのと、もっと進んでいいんじゃないか、何とかならないのかなという観点で質問をさせていただきたいと思います。政務官に御質問を申し上げたいと思います。  それで、逆風といいますのはどういうことで起こってくるかといいますと、グリーン電力証書などの発行については計量法の検定済みの電力量計による発電量の正確な把握が求められているということなんだそうです。それで、これは一面、オフセットする証書あるいはグリーン電力証書、これの信憑性というか信頼性という意味で大事であるということなんですけれども、問題は、この計量法検定付きの電力量計がこれまで個人の方が設置をしていらっしゃった太陽光発電システムにあらかじめ組み込まれていないということなんですね。それで、四十万人が既に屋根に乗っけているということでして、事後的に別途その電力量計を付けると約三万円掛かってしまうということで、個人にしてみたら結構これは大変大きな金額で、そう容易にじゃ付けましょうということにならないという出費であると思います。  そういうことがあるので、せっかくそのオフセットの制度があって、グリーン電力証書がこれから進もうというときにそれが障害になって進まないということがあるということでして、それから新しいその商品について、そういう電力計がシステムとして組み込まれたものがじゃもうすぐ出回るような状況になっているかというと、それもそうではないということなんだそうです。これでは本当にしばらく動かなくなってしまうんじゃないかという危惧が私にございます。  そこで、提案を申し上げたいんですけれども、新規に売られる太陽光発電システムのほぼ全数が計量法の検定付きの電力計、これをあらかじめ組み込んでいるという状況になるまで、この計量法検定のない、まあ簡単なのは当初から今現在は付いているわけですが、それによることで差し支えないというようなことにできないだろうか。言い換えますと、しばらく猶予、そういう機械が出回るまで猶予をするということにならないだろうかということでお伺いをしたいと思います。
  74. 荻原健司

    大臣政務官(荻原健司君) 今先生お話しのグリーン電力証書またグリーン電力、この普及拡大に当たっては、今もう既に先生お話ありますけれども、しっかり正確に測れるというところがやっぱり肝なのかなと。あるいは何か不正がないか、公平性とか透明性、これをどういうふうにして高めていくかということがやはり将来のグリーン電力市場の拡大につながっていくんだろうというふうに思っています。現在はパブリックコメント手続中でございまして、このグリーン電力証書ガイドライン案におきましても計量法検定済みの電力量計を使用するということにはなってございます。  いずれにしましても、経済産業省といたしましては、やはりその実態というのがあると思うんです。やはり実態を十分に踏まえまして、グリーン電力証書の第三者認証機関、財団法人日本エネルギー経済研究所のような第三者機関とも緊密に連携を取りながら、グリーン電力証書制度が円滑に運用されるように周知をしっかりしていきたいというふうに思います。
  75. 川口順子

    ○川口順子君 という御答弁になるだろうなとは思っておりましたけれども、問題は、そのオフセット、これは一万円なんですよね、年間一万円程度の電力証書なんですね。  オフセットを進めるための、これはまあ繰り返し言いませんけれども、非常に温暖化対策としては個人にかかわる部分で非常に大事な役割を果たす。もちろん企業もありますけれども、意識を変えていく、そこに個人が参加をするということを促進をするということですから、すべてに、大きなメガソーラーが発電をするときの信頼性と一万円程度のオフセットをするのに同じ信頼性が必要かどうかということは、私は一つ大きな問題なんだろうと思っているんですね。  これは個人が加われるような状況にしておく、個人が買ったり売ったりそこでできるということが重要なので、すべて、全数を全部同じ、一人の個人と資本金が何百億の会社と同じ扱いにしなさいというふうに考えるというのは私はいかがなものかというふうに思っておりますので、パブコメでいろんな御意見が恐らく出てくるんだろうと思いますけれども、是非そこを、その点をお考えいただいて、その方針を貫かれるということでしたら御再考いただきたいというお願いをさせていただきます。  もし何か御感想があれば。
  76. 荻原健司

    大臣政務官(荻原健司君) 法の運用というところで考えますと、やはりこれはしっかりやっていかなきゃいけない問題ということと、今先生おっしゃった、ソーラーパネルを設置すれば、その計量器というんでしょうかそれはやっぱりセットで今までくっついてきたわけですから、それを、何というんですか、三万円のコストというのはやっぱり相当大きなものだと思いますので、それをやってまで計量器替えなきゃいけないのかどうかというのは、やっぱり我々もしっかり実態を見なきゃいけないと思っておりますんで、またそういう実態をしっかり見つつこれは取り組んでいきたいというふうに思っております。
  77. 川口順子

    ○川口順子君 ありがとうございます。  是非実態を見ていただいて、それからオフセットを広める観点、光発電の普及を促進する観点、個人の意識を変える観点、それからコストですね、小さいものでも同じことをやるというんではコストが本当に掛かっていってしまいますので、そういうことを考えていただいて対応をしていきたいというお願いをいたしておきます。  それで、環境省にお伺いをいたしたいと思います。  環境省でVERの研究会というのを開いているというふうに私は聞いていますけれども、これがカーボンオフセットなどで取引をされるクレジットにかかわること、今政務官もおっしゃった第三者機関の在り方とかそういうことも含めて、あるいは取引ルールとかそういうことも含めて検討しているというふうに承知をいたしておりますけれども、この研究会で、今、私が今まで質問をいたしました、個人が太陽発電装置を屋根に乗せて発電をした電力をグリーン電力証書化するということについて、その在り方を、それも含めて検討していらっしゃるかどうかというのをお伺いをしたいと思います。  それで、済みません、一遍にやっちゃいますけれども、もし仮に入っているとして、個人の住宅の零細なシステムから生み出す少量のクレジット、これについてどのように考えていらっしゃるのか、どういうふうにあるいは今後検討なさるおつもりかということをお聞かせいただければ幸いです。
  78. 南川秀樹

    政府参考人南川秀樹君) 私ども、二月にカーボンオフセットの在り方についての指針をまとめましたが、その際にやはりVERの認証というものをどうするのかということが非常に大事だということでございました。  したがいまして、三月からカーボンオフセットのVERの認証基準に関する検討会を設置しまして、オフセットに用いることができる排出削減・吸収量としてのVERの在り方について検討をしております。年内に中間まとめをしたいと思っております。  その中で、当然ながらでございますけれども、グリーン電力証書についても検討の重要な事項でございます。これにつきまして、現在行っていますのは、換算係数の在り方とかあるいは認証機関、管理の在り方、そういったことでございます。  それで、これまでの検討状況でございますけれども、個人かどうかというところまで実は余り視野に入れておりません。もう少し一般的なことで検討しておりますけれども、状況でございますけれども、基本的には、グリーン電力証書がVERとして市場を通して流通して、市場の中で値段が決まって金銭をもって取引されるというようなものであれば、これについては第三者機関による検証を経た排出削減としての価値を担保する必要があるだろうと。  ただし、逆に市場を通さないと、そういうところで値段が決まってこなくて、比較的小規模な中で、限られたエリアの中で行われるようなカーボンオフセットの取組に用いられるということであれば、第三者機関による検証を簡易に行うということも考えられるというのが現状でございます。  御指摘のような個人がどうかというところまでは実はこれまで視野に入れておりませんでしたので、次回、そういったことも委員会の方に相談をしてみたいというふうに考えているところでございます。
  79. 川口順子

    ○川口順子君 是非、個人が活動をすることが、削減行動をすることが温暖化問題の対応にはもう非常に大事なことなんだということを頭に入れていただいて、環境省のその研究会の検討についても、それから経産省においても考えていただきたいと思っております。個人であればもっと簡易な認証というのを考えるべきではないかというのが私の立場でございます。  それで、ちょっと質問といいますかテーマを変えたいと思います。  先ほど岡崎委員から御質問ございましたけれども、排出量取引について少し議論をさせていただきたいというふうに思っております。  炭素に価格を付けるということが大事だというふうに私は思っております。炭素に価格が付くからこそ、例えばカーボンオフセットという取組も広まるし、ほかのことも、市場メカニズムも働くということになるんだと私は思います。  先ほど鴨下大臣が引用なさっていらっしゃいましたG8の環境大臣会合、この議長総括においても、排出量取引あるいは環境税といった経済的な手法は、炭素に価格を付け、排出削減を進めるに有効な手法であるというふうにされているわけでございますけれども、私は、炭素に価格を付けるということは、削減に努力をした人間が評価をされて、それからそうでない、努力をしなかった人間が評価をされない社会、これは私は低炭素社会の根本だと思いますけれども、それを、低炭素社会を構築する上で最も基本的な基盤である、炭素に価格を付けるということですね、と思いますけれども、炭素に価格を付けるということにつきまして、どのような意味をそこに見出していらっしゃるか、ちょっと抽象的な質問で恐縮でございますけれども、を大臣と政務官にお伺いをしたいと思います。
  80. 鴨下一郎

    国務大臣鴨下一郎君) 地球温暖化対策全体の中で、私たちはもはやCO2を含めた温室効果ガスを大気中に排出するということそのものにコストが掛かるんだというような認識は共有されつつあるわけでありますけれども、そういう中で、先生おっしゃるように、これから我々は、国内排出量取引の導入も含めて炭素に価格を付けていくということは非常に意義があるというふうに考えております。  国内排出量取引制度検討会の中間まとめの中にも書かれておりますけれども、「炭素への価格付けを通じた取組促進・社会全体のコストの低減」と、こういうような項目の中に、炭素の排出に価格を付与されることにより、費用対効果の高い対策技術の導入を始めとする排出削減行動を行うインセンティブが働くと、こういうようなことが一つ大きなことです。これにより、排出削減に要する社会全体としてのコストを低減させることが期待される、また炭素制約の強化、価格の上昇に応じてより費用の高い対策技術の導入が促進される、また長期間にわたる目標を適切に設定することにより技術開発を促進することも期待されると、こういうようなことを書いてあるわけでありますけれども。  加えまして、この京都議定書の第一約束期間のマイナス六%も大変我々にとっては最大の努力を要することでありますが、加えて、これから二〇五〇年までに向けて低炭素社会を実現するということでありますから、そういうときに経済的な言わば手法をしっかりと日本の経済そのものに組み込んでいくというようなことが削減努力そのものにインセンティブを与え、低炭素社会に向かっていく最大の行政的な手法になるというふうに私どもは考えているわけでありまして、そういう意味で、もはやCO2を排出するということはコストが掛かるんだと、こういうような認識がすべての国民に共有されるということが重要だろうというふうに思います。
  81. 荻原健司

    大臣政務官(荻原健司君) 私ども経済産業省政府の一員として、環境省と同じようにやはり地球温暖化対策というのは一生懸命取り組んでいるところでございます。  そこで、炭素に価格を付けることにどういう意味があるかということなんだと思いますけれども、やはりそれによりまして、例えば企業がその一トン当たりのCO2の削減するコスト、いわゆるコストというものを意識するようになれば、他の例えば省エネ対策等で掛かっているコストと比較をしながらどういう対策が一番有効であるかという、そういう意味では非常に有効で期待をされているものだと思っています。  ただし、これは、そういう市場というものがやはり適正に機能すればということだと思います。やはり、いろんな懸念の声もあります。その市場が適正に機能しない場合にはどうなってしまうのか、大丈夫なのかということだと思いますので、先ほど鴨下環境大臣の方からも御答弁ありましたけれども、やはり費用対効果、かつ先生がおっしゃられました努力した人はきちんと報われると、こういう仕組みをきちんとつくっていく必要があると思っておりますし、炭素に価格を付けるかどうかということだけにとらわれずに、幅広い観点から総合的に検討しなければいけない課題だと思っております。
  82. 川口順子

    ○川口順子君 価格の持つ意味について、鴨下大臣とも、それから荻原政務官とも理解を共通にすることができて大変に良かったというふうに思います。  もはや炭素といいますか温暖化ガスを自由に排出することができるまさに産業革命以降の考え方が通用する時代は終わったんだという、まさに大臣がおっしゃったように認識をきちんと持って、じゃどうしたら低炭素社会をつくることができるのか、どういった政策手段が効果的なのかということを考えていかなければいけないと私も思っております。  それで、先ほど荻原政務官が、市場が適切に機能をしているというふうに言われました。私もそれは大事な点だというふうに思っております。それで、それがどうやったらできるのかというふうに考えていていいのかどうかということに関連して、ちょっと次の質問をさせていただきたいというふうに思います。  御案内のように、これも釈迦に説法ですけれども、欧州、EUですね、それからアメリカの州、全部ではありませんが幾つか、それからあとは豪州とかそれからノルウェーも入っていますけれども、ICAPという、これはインターナショナル・カーボン・アクション・パートナーシップというグループですけれども、ここで国際的な排出量取引の枠組みづくりについて議論を今既にいたしています。  それで、これは政府及び州政府、地方公共団体の入れる場ということであるわけですけれども、ここで、今、東京都は正式なメンバーになるべく手続中であるというふうに理解をしていますけれども、日本政府はオブザーバーでしかないということを聞いております。  それで、実はなぜオブザーバーなのかということなんですけれども、これは調べてみますと、これは二つ要件があって、総量削減に対して義務的制度を有している又はその導入を目指すことを明確にしている国や地方政府ということでないと入れないということで、それをその国あるいは地方公共団体の首長さんがアナウンスをするということが条件のようなので、我が国はまだそれをしていない、国としてはしていないのでオブザーバーにしかすぎないということであります。  そこで、実は質問という形で提示をしていませんでしたので、答えの方を私の方で申し上げますけれども、オブザーバーだとどういう困ったことがあるのかということなんですけれども、これは国際会議でいろいろ皆さん御案内だと思いますけれども、裏でたくさん会合がある、正式なメンバーでないと参加できない会合がたくさんあるわけで、現にICAPの場でもそういうふうになっている。日本の知らないところで排出量取引、適切な排出量取引の市場が必要だとおっしゃった、その取引の市場の国際的なリンクの話が話し合われて、日本はそこに参加できない、あるいはそのお仕着せの、これを日本は受け取ってくださいと言われて受け取らざるを得ないということになりかねない。  私は、日本が確保すべき点というのは非常に大事なことがあると思うんですね。例えば原単位でやるということが大事だと。私はこれはとても重要な考え方だと思うんですけれども、そういうことを正式メンバーとしても主張できない。それから、細かくなりますけれども、例えば電力をどのような方法で測るか、直接排出か間接排出か、日本は間接排出と言っていますが、ほかの国は直接排出と言っている。そういう大事な問題に日本が正式メンバーとして議論できない状況で決まっていっているというふうになるわけでございます。  私はこれは大きな問題であると思っておりますけれども、鴨下大臣に、もし、質問という形では申し上げておりませんでしたので、よろしければそういったことについてのお考えを伺わせていただきたいですし、もしも可能ならばで結構ですが、でなければ事務方でも結構ですが、荻原政務官にも、もし御感想が何かあれば、なければ結構ですけれども、お伺いをさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
  83. 鴨下一郎

    国務大臣鴨下一郎君) 今先生おっしゃることに基本的に私も考えは同じわけでありますけれども、御指摘のように、現在、日本からは環境省がオブザーバーでは参加しておりますけれども、正式なメンバーではないと、こういうようなことのために、ICAPの運営や議題設定、こういうような言わば舞台回しの部分については関与できない、こういうようなことでもございますし、サブスタンスにかかわる議論についても意思決定に参加ができないと。こういうようなことで、言わば国際的なルール、こういうようなものを作っていくところに直接的に関与ができないというようなことは、これは大変残念なことだろうというふうに思います。  我が国がこれから将来にわたって国内排出量取引制度を導入すると、こういうようなことであって、加えて国際的なリンクを志向すると、こういうようなことであれば、これはもう当然のことながら国際的なルール作りに早い段階から参画をして、そして我が国の実情を踏まえた、今先生おっしゃった例えば過去の努力、ベンチマーク、こういうようなものをどういうふうに位置付けるのか、こういうようなことも含めて国策にかなうような、こういうようなことをしっかりとビルドインしていくというようなことは重要なことだろうというふうに思っております。  他方、場合によって、もう既に国際ルールができ上がった後に、我々がただそのルールに従って参画していくというようなことは、これはもう相手のルールの中に唯々諾々と入っていくと、こういうようなことにもなるわけでありますから、是非そういう意味で、いよいよその状況は煮詰まってきているわけでありますので、我々としては何としても国内的な合意をつくって、そして積極的に参加をしていきたいと、こういうようなことを強く考えているところでございます。
  84. 伊藤元

    政府参考人伊藤元君) お答え申し上げます。  まず、ICAPについてでございますけれども、これは基本的にEUが主導する形で行われている非公式な枠組みでございます。したがいまして、先ほど川口先生から御指摘ありましたとおり、総量キャップを入れるというEU型のものを入れたのが基本的なメンバーシップになっておりまして、今環境大臣から御指摘のございましたいわゆるベンチマークに基づいたような排出権取引制度、例えばこれカナダにおいてはこれを一つの基本的考え方として進めているわけですけれども、参加する資格がないあるいは参加しても仕方がないということでカナダはメンバーに加わっていないという状況でございます。  それから、アメリカの各州でございますけれども、御承知のとおりアメリカの各州には条約制定権というのはございませんので、国際的な枠組みづくりについては、やはりアメリカの連邦政府がどういう形で加わっていくかということが重要であると認識をしております。  それから、現に機能しておる排出量取引制度としては、まさに日本が積極的に参加をしております京都メカニズムというのが動いておりまして、これについての詳細なルールメークということについては、国連の下でのCDM理事会を通じて大変積極的に行われておりまして、そこには日本政府も積極的に参画をしているところでございます。
  85. 川口順子

    ○川口順子君 国際交渉、温暖化についての国際交渉というのは、私は複数のトラックで行われているというふうに思います。  日本政府が非常に積極的な役割を果たしていらっしゃるAPPというのもその一つで、私はこれを非常に評価しておりますけれども、同時にICAPもまたその一つ。おっしゃった枠組条約に基づく場とかCDMの議論の場とかもういろいろありますけれども、すべてが大事で、それぞれのところで国益を言っていかなければいけない。国際交渉というのは、基本的に世界のためにいいことをやるということですけれども、国益の反映なしにはあり得ないというのが国際交渉であると私はまた思っております。  原単位を中心にし、なおかつ私は、ICAPと整合性の考え方と、整合性のあるような枠組みというのはつくれると個人的には思っておりますし、全体としての世界の場で日本の発言をするということが重要だというふうに認識をいたしております。  いずれにしても、この排出量取引については、どのような日本に適した形があるかということについての議論はきちんとやっていかなければいけません。これは非常に重要なことだと思いますが、同時に、日本が知らないところで、あるいは日本が決めたときに見てみたら、日本の決めたことは世の中で、世界で受け入れられないような状況になる、そういうようなことにならないように政府としてリードをしていっていただきたいということを、これも要望したいと思います。  それから、時間、大分減ってきましたけれども、ちょっと違うまた質問をさせていただきたいと思います。  厚労省と文科省においでをいただいておりまして、目達計画、これの進捗状況のうち、学校と病院、それについての削減状況を伺いたいと思います。  学校ということは、大学まで含めて、これはエコ、まさに教育、自分が行動計画を作ってそこに取り組んでやっていくということが教育の一環でもありますから、しかも若い人たちが自分たちの将来起こることについて手ずから加わって変えていくことができるという意味で非常に大きな役割を果たすと思いますので、これは私は前に予算委員会の場でお伺いをいたしましたら、そのときに伊吹大臣から御答弁をいただきまして、そこで、ちょっと今紙が見付かりませんが、のお話では、学校ではまだ削減量を十分に把握していないんだというお話があって、いささかびっくりした記憶がありますが、その後しばらく、一年ぐらいたっておりますので、当然に進んでいるというふうに理解をいたしておりますけれども、そこについてお伺いをしたいと思います。  それから、病院についても熱と電力を使うということで削減の効果が大きいと思いますので、病院についてその後どのような動きになっているか、削減しているか、伺わせていただきたいと思います。どちらからでも結構です。
  86. 合田隆史

    政府参考人(合田隆史君) 国公私立大学、学校の実行計画、自主行動計画の策定状況についてのお尋ねでございますけれども、まず国立学校につきましては、平成十九年四月時点でございますけれども、これは附属学校も含めまして国立大学法人が八十七ございますけれども、その中で三十七法人で実行計画を策定済みでございます。この把握しております範囲でございますけれども、国立大学法人の平均排出量、年間約一・九万トンCO2でございまして、削減目標値は対前年比で約一・一%減という状況になってございます。  それから、公立学校につきましては、設置者、それぞれの公立学校の設置をいたしております地方公共団体等が策定する実行計画の中で定めるということになっておりますけれども、この地方公共団体の策定状況につきましては、現在、環境省におきまして調査中でございまして、間もなく調査結果がまとまるものというふうに伺っております。  それから、私立学校に関しましては、平成十九年の十月に、これは全私学連合という、幼稚園から大学までの私学団体幾つかございますけれども、それらが加盟をしております私学団体の連合体でございますが、この全私学連合におきまして自主行動計画が策定をされております。この計画におきましては、CO2排出量の実績値、これは私学全体でございますが、約三百三十万トンCO2、平成十八年度でございまして、削減目標は二十年度から二十四年度の間におきまして毎年度対前年比で一%減ということとされております。  私どもといたしましては、国立大学法人に対しましてその後いろいろ通知の発出でございますとか関係会議での周知をいたしております。また、公立学校につきましては都道府県教育委員会に対しまして地方公共団体の実行計画の策定等に協力するようにお願いをしております。また、全私学連合の自主行動計画につきましては関係審議会において確認をするなどの取組を行っておりますけれども、今後とも、これらの取組、一層充実に努めてまいりたいというふうに考えております。
  87. 木倉敬之

    政府参考人(木倉敬之君) 病院関係についてお答え申し上げます。  病院のCO2対策につきましては、日本医師会及び病院関係団体が検討委員会、私立病院における地球温暖化対策自主行動計画策定プロジェクト委員会というものを立ち上げておりまして、この中で検討が進められまして、本年三月にはほぼこの目標設定は報告書としてまとまったところでございます。現在、この報告書、最終的に微調整が行われておりますけれども、間もなく策定を完了するということで、自主行動計画の策定がなされるというふうに伺っております。  このプロジェクト委員会報告書によりますと、二〇〇六年度での全国の私立病院の温室効果ガス、CO2の排出量は約八百十七万トンということでございまして、対前年度比で一・八%の減少を見ておるところでございますけれども、今後の削減目標案といたしましては、このCO2の排出原単位、延べ床面積当たりのCO2排出量につきまして、二〇〇六年度の基準年に対しまして二〇一二年度までに年率一%の削減をすることを掲げておるところでございます。  また、国立病院機構の方でございますけれども、これは二〇〇六年度の排出量は約五十二万トンでございますけれども、既に自主行動計画を策定いたしまして、こちらの方も二〇一二年度までに総排出量をおおむね六%削減ということで目標を掲げ取り組んでいるところでございます。
  88. 川口順子

    ○川口順子君 自主行動計画がありませんとか把握をしていませんという御答弁をいただいた一年前の予算委員会から比べると、行動計画ができたということは大きな進歩であるというふうに思いますけれども、それは話の始まりにしかすぎないわけでございまして、削減の目標というのももっと志が高くていいというふうに思いますし、それから計画を作っただけであとそのフォローをきちんとしていくということもお願いをしたいと思います。  一部の企業が非常によくやっている、ほかはやらない人はやっていないということが起こってはいけないので、是非引き続き両省におかれてはこれをきちんとフォローをしていただいて更に削減をしていただきたいというふうにお願いをいたしておきます。  質問を終わります。
  89. 加藤修一

    加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。  まず最初に、大臣にお伺いしたいと思いますけれども、報道によれば、二〇五〇年までに英国は一九九〇年比で六〇%削減と、ドイツは八〇%、フランス、カナダなども独自の目標を示していると。アメリカがブッシュ大統領、二〇二五年までに排出量の増加を止めると、そういうことでありますけれども、大臣はブッシュ大統領がそういう見解を示したことに対して踏み込み不足であると不満を述べられたというふうに、報道ではですよ、報道ではそういうふうになっておりました。  それで、現段階では数値目標日本は提示していないわけでありますけれども、せんだって大臣からは野心的なという、そういう表現がされまして、これは精神論じゃないと私は思っております。野心的なという表現で、ちょっとほかの国でいいますと、EU辺りは野心的なという、そういう表現を使って二〇二〇年までに三つの二〇だというふうに言っているわけでありまして、二〇%削減とか二〇%再生可能エネルギーを導入する等々含めて言っているわけでありますけれども、そういう野心的なという意味合いを踏まえて二〇二〇年とか二〇三〇年、中期的な目標あるいはさらに長期的には二〇五〇年ということでありますけれども、その辺の大臣のお考えを改めてお願いしたいと思います。
  90. 鴨下一郎

    国務大臣鴨下一郎君) 我が国の昨年五月のクールアース50及び本年一月のクールアース推進構想、これにおきまして世界全体の排出量を二〇五〇年までに半減という長期目標と、今後十年から二十年で排出量をピークアウトをさせると、こういうようなことを打ち出しているわけであります。これらを実現するためには、我が国としては野心的な中期目標の設定が必要と考えています。  中期目標としては、国別総量削減目標の設定に当たってはセクター別アプローチが公平性の確保と相場観の形成と、こういうような観点から有効な手段として考えております。また、長期目標やピークアウトの実現のために必要な排出削減レベルとセクター別の積み上げによる削減ポテンシャルとの間にギャップが生じる、こういうような場合には、更なる排出削減の模索によってそのギャップを埋めるということにより、言わば野心的かつ実効的な中期目標の設定が可能であると考えているわけでございます。  今後は、適切な中期目標が設定されるよう必要な検討を加速すると、こういうようなことが不可欠だというふうに思います。また、加えまして、バリ行動計画における交渉期限であります二〇〇九年末、これはコペンハーゲンでのCOP15、これまでに実効ある次期枠組みの合意に至りますように、我が国としてもこの中期目標を含めまして最大限の貢献をすると、こういうようなことが極めて重要だというふうに考えております。
  91. 加藤修一

    加藤修一君 これは、この関係は当然のことながら外交でありますので、環境外交というふうに言っていいわけですけれども、先ほど川口委員からも話がありましたように、国益を反映したという、そういう表現も非常に私は大事だと考えております。  EUが野心的なこういう数字を出してきている背景は、別の意味の野心的なということも当然あるだろうと思います。京都プロトコールの関係では、そのときはEU十五か国でありますけれども、今は十二足してEU二十七と。EU二十七全体では二〇パー削減というのは簡単にできる数字ではありませんが、まあまあ、東ヨーロッパを含めての話になってくると何とかやり通せるという、そういった意味では、十五か国から十二増やした形でやろうとしている。ここはまた一つ議論になるということでないかなと、そんなふうに思っておりまして、そういう意味も含めた野心的というふうに私は理解していいんじゃないかなと、当たっているか当たっていないかは別にして、そんなふうに考えてございます。  それでは次に、内閣官房、外務省にお願いでありますけれども、海水面が今後上昇してくる可能性は極めて高いわけでありますので、以前にもこれは取り上げております。日本のある島の関係になりますけれども、排他的経済水域と極めてかかわってくると。それが海没してしまうと四十万平方キロメーターの排他的経済水域がなくなってしまうということでありますので、これは非常に国民の資産というのがなくなってしまうという話に当然なるわけでありますので、やはりそれを防護、再生するプロジェクトというのをやはり関係省合同でそういう検討会を設ける必要が私はあると思っております。  そこで、この関係について、内閣官房としてどういうふうに取り組んでいくか。海洋基本法の元締でありますので、是非こういった面についてしっかりと答弁していただきたいと思います。
  92. 大庭靖雄

    政府参考人大庭靖雄君) お答え申し上げます。  我が国の海域に広く展開いたしております離島は、我が国の広大な管轄区域を設定する上での重要な根拠をなすものでございます。また、海上交通の安全の確保とか海洋の開発利用、さらには海洋環境の保全などの面でも重要な役割を果たすものでございます。  我が国の海洋政策におきまして、広大な排他的経済水域の的確な管理、開発利用を行うためにこのような離島の役割を十分に認識して離島を保全していくということは大変重要でございます。また、そのような離島によって根拠付けられております海域について、我が国の権益を確保し、権利を行使する、そういうことを積み重ねていくことが重要であると考えております。  このような考え方から、先般政府が策定をいたしました海洋基本計画におきまして、離島の保全、管理を行うこと、大陸棚の限界を適切に設定をすること、海洋資源開発など計画的に推進すべきことなどを定めております。  御指摘の点に関しまして、まさにこのような意味合いにおいて重要な事項でございまして、これまでそのために必要な護岸整備などに取り組んできているところでございます。  地球温暖化に伴う海面上昇の可能性を踏まえた問題に関しまして、様々な影響が懸念されているわけでございますけれども、他方、また同時に、地球温暖化対策による緩和策も検討されているというわけでございます。これらの影響を科学的に解明していくことがまずは重要ではなかろうかと認識しているものでございます。
  93. 加藤修一

    加藤修一君 答弁もらってないように思いますけれども、ある国といいますか地域といいますか、そこは、その島に輸送機C130が着陸できるぐらいに、ある意味での防護というか、しっかりとしたものを造り上げたという話なんですね。  私の質問は、環境省、外務省、内閣官房など、関係する省がそういう検討会を持ってしっかりとやっていくべきであると、こういう趣旨の質問ですので、もう一度お答えください。
  94. 大庭靖雄

    政府参考人大庭靖雄君) 地球温暖化に伴う海面上昇の可能性を踏まえた問題に関しまして、今後の海岸保全施設の在り方をどうしていくのか、あるいはサンゴの増養殖技術の開発とか、その効果をどう見ていくのかとか、あるいはこのような問題について国際的な認識の広がりがどのようなものであるかとか、そういう多方面の情報収集をいたしましたり、あるいは海面上昇に伴う問題の科学的な解明を行うことが必要であろうと存じております。  いずれにいたしましても、このような離島の問題につきまして政府が連携をして取り組んでまいりたいと思っております。
  95. 加藤修一

    加藤修一君 関係省庁の合同の検討会を設置してもらえるという前提でちょっと質問いたしますけれども、これは外務省に対して質問をしますけれども、今情報の整理等々含めて懸命にやっているという話でありますけれども、同様なリスクを抱える島嶼国ですね、国内の話だけじゃなくて海外、国外の話もございます。情報共有、そういったことも含めて、連携協力の在り方、これをやはり検討会で検討をする、研究するということも非常に大事でないかと思っていますけれども、外務省の見解をお願いしたいと思います。  それと、関連して、国連の海洋法との絡みで、これは非常に大きな課題といいますか、課題になるかもしれませんが、新しい条項について考える必要があるんではないかなと、私はそう考えておりますけれども、そういうことを含めて研究、推進していくことではないかと思いますけれども、どうですか。
  96. 大江博

    政府参考人(大江博君) まず、私の方からは島嶼諸国の問題についてお答え申し上げたいと思います。  御案内のように、島嶼諸国の問題、今気候変動問題の中で非常に大きな問題になっておりまして、我々もどういうふうに対応していくかということを検討しているところでございます。  ODAを通じた地球温暖化対策については、二〇〇二年に持続可能な開発のための環境保全イニシアティブというのを作成いたしましたが、その中においても、我が国の経験と科学技術の活用というものを基本方針の一つに掲げて取り組んでいるところでございます。  海面上昇との関係で申し上げれば、例えばモルディブ・マレ島の高潮対策のため我が国の無償資金協力により整備した護岸及び離岸堤、これは二〇〇二年に完成いたしましたけれども、これなどは我が国の技術、知見を生かした協力の良い例であって、二〇〇四年末のインド洋津波の被害を最小限に食い止めるために効果を発揮したというふうに認識しております。  また、今年一月に福田総理が発表しましたクールアース・パートナーシップの下では、緩和対策等に並んで途上国温暖化影響に適応するための対策ということを実施していくこととしております。この関連で、既にツバルに対しては本年三月に調査団を派遣するとともに政策協議実施して、具体的な支援策について検討しているところでございます。  今後とも、我が国として、我が国の技術、知見を活用して島嶼諸国との連携協力を強化していきたいというふうに考えております。
  97. 田辺靖雄

    政府参考人田辺靖雄君) 海洋法条約に関する委員の御指摘でございますが、委員指摘のその国連海洋法条約におきまして島というものを定義をしておりまして、これは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるものというふうに定義をされております。このような島を基点として排他的経済水域、大陸棚等を設定することを認めておるわけでございます。一方、こうしますと、高潮時などにおいて水面上に残る陸地部分がないような地形ですと、この国連海洋法条約上の島とは言えなくなるわけでございます。  全世界で島嶼、島が数々ございまして、海面上昇によりまして水没の懸念があるというところがあるわけでございます。そうした中で、ある時点におきまして国連海洋法条約上の島の条件を満たしていた地形が海面の上昇などによって水没したことをもって直ちに国連海洋法条約上の島の地位を失うのか、またそして、これを基点として設定しております排他的経済水域、大陸棚等を失うことになるかといったような点につきまして必ずしも明確ではございませんで、今後そのような関係国のこの国連海洋法条約の国内実行の蓄積を見極めながら判断していくということになるものと考えております。  いずれにいたしましても、この国連海洋法条約は、一九七三年から開始されました国連海洋法会議において百か国を超える多数の国の参加を得て、長い交渉の末に一九八二年に作成された条約でございまして、いろんな国々の多様な利害のバランスの上に成り立っておる条約でございます。このような条約を現時点で具体的に新しい条項を入れる、盛り込む、考えるといったようなことにつきまして、もちろん我が国が海洋国家であるということからくる国益の下に判断すべきことであろうと思いますけれども、このような国連海洋法条約、難しいバランスの上になっておる条約について新しい条項を盛り込むということがその日本の国益に直ちに現実にうまくつながるかどうかということについてはよくよく慎重に判断、検討していかなければいけないものと考えております。
  98. 加藤修一

    加藤修一君 様々な課題があることを私もよく分かっているつもりでありますけれども、そういった今のことも大きな課題だと思います。そういったことを踏まえて、関係省とも連携して、是非あるべき我が国の姿を明確にしていくべきでないかなと、そんなふうに考えておりますので、今後ともどうかよろしく進めていただきたいと思います。  それで、今のケースは、これはもう気候変動の適応政策としてどういうふうに対応していかなければいけないという、その一つであると私は考えておりまして、もう一つは、これから取り上げる話は、やはり保険の機能をいかに適応政策一つとしてもっと積極的に使っていくべきでないかなと、こんなふうに考えております。  アメリカのいわゆる巨大なハリケーンだけじゃなくて、中国やあるいはオーストラリア干ばつ、洪水とか、日本なんかでも熱波とか寒波の関係含めて非常に大変な異常気象発生しているわけでありまして、そういう異常気象による被害、特にインフラ整備が十分とは言えないそういう途上国は被害が非常に大きいと。先日のサイクロンのミャンマーに対する打撃というのももう大変な状況でありますので、そういった意味では、農業に対する依存度の高い地域ではやはり農村社会それ自体がもう崩壊してしまうと。場合によっては、一国の経済に対して極めて大きな影響を与えてしまう場合もあると思うんですよね。  そういった意味では、防護するという意味でももうこの適応に対しては相当の資金が必要になってくるわけでありますけれども、ただそれは急を要する問題でも当然考えなければいけない。やはり途上国農業従事者や農業企業を経済的な損害から速やかに復旧し、生活を安定化させる仕組みが必要であると。そういった意味では、膨大な資金を有する適応策関係について、やはり各国の公的資金、それをてこにして民間資金をどう動かすかと、さらには保険機能を十分活用して、保険と同時に金融の関係で融合的に考えていくという、そういった視点も大事かなと思っておりますけれども。  以上の点を踏まえて、JBIC、国際協力銀行に質問でありますけれども、農業天候保険の有用性、有効性ですね、それに対する見解と、途上国の関心というのはこれはどうであるかと、さらにもう一つ関連して、この関係で金融機関の取組状況等いわゆる今後どういう課題を考えられているか、その辺についてよろしくお願いいたします。
  99. 星文雄

    参考人(星文雄君) お答えいたします。  農業部門は、委員指摘のとおり、気候変動影響を最も受けやすい部門の一つでございます。特に、農業への依存度が高い途上国経済もその影響を受ける可能性がございます。  その対策といたしましては、かんがい設備を始めとするインフラ整備等に加えまして、平均気温や降雨日数など天候データが決められた水準に達した場合に補償金が受け取れる、いわゆる天候デリバティブを組み合わせることも考えられるのではないかと思います。  天候デリバティブは、気象異常による農家の被害に迅速に対応し、その影響を軽減する有効な手段と考えられております。天候デリバティブにつきましては十分な気象データが必要など課題もございますが、農業への依存度が高い途上国中心に関心が高まっておりまして、日本の民間金融機関などによる協力や事業展開の可能性があると私どもは理解しておるところでございます。本行、JBICといたしましても、日本の金融機関などともこの分野に関する知見を高めて対応していきたいというふうに考えております。  さらに、ほかの国際機関、金融機関等の取組状況についての御質問でございますが、これは、世界銀行それからアジア開発銀行は、天候デリバティブによる民間資金を動員しつつ、迅速に適応問題に対応することに関心を持っていると私どもは承知しているところでございます。世銀は既にインド、タイ、カリブ諸国でパイロットプロジェクトを実施しておりまして、民間金融機関が天候デリバティブを商業的に広範囲に利用することを期待しているものと私どもは承知しております。  また、天候デリバティブは、民間資金を活用した手法でありますところ、やはり広範な規模で利用するためには、気象データの収集や解析、それから民間だけでは対応困難なリスクの引受けの仕組みなどが今後の大きな検討課題として残っていると私どもは理解しているところでございます。
  100. 加藤修一

    加藤修一君 大変ありがとうございます。思った以上に、こういった面の国際的な枠組みといいますか、世銀を含めて進んでいるということが分かりました。もう是非JBICもこういった面について積極的に対応をしていただきたいと、とりわけアジアの諸国に対してはお願いをしたいと思います。  ありがとうございます。  それでは次に、遠藤財務大臣に来ていただいておりますのでよろしくお願いしたいわけでありますけれども、せんだってシンポジウムで、二〇〇八年サミット財務大臣会議に向けてという中で基調講演をされておりますけれども、私は非常に重要な内容であるととらえております。今JBICの星理事から話がございましたが、それとも関連する内容でないかなと思っておりまして、その背景と、大意といいますか真意といいますか、その辺のことについてよろしくお願いしたいと思います。
  101. 遠藤乙彦

    ○副大臣(遠藤乙彦君) お答えいたします。  気候変動対策世界全体で膨大な資金が必要だということは委員もるる御指摘のとおりでございます。ただ、こういったことに財政資金だけで対応することは極めて困難でありまして、今後いかに民間資金を動員していくかということが大変重要な課題であると考えているところであります。特に我が国の場合、こういった省エネとかクリーンエネルギー、高い技術を有しておりまして、言わば比較優位があるわけでありまして、こういった分野で民間の技術と民間の資金が手を携えて活躍をすることは、ひいては我が国の成長力の強化にもつながりますし、また国際貢献という点からも意味があることと考えておりまして、大変注目をしており、また期待をするところでございます。  じゃ、具体的に民間の金融機関にどういったことが期待できるかということなんですが、一つは、省エネとかクリーンエネルギーの事業に対して民間の金融機関が出資、融資を行うことがあります。また第二に、環境投資の資金調達のための債券発行等の多様な金融手法を活用することも期待をされております。また第三に、金融機関が環境配慮ガイドライン、最近赤道原則といったネーミングが言われておりますけれども、こういったことでやることは融資先の企業地球に優しい行動を導くことに意味があると思っております。こんなことを先月のシンポジウムで私の基調講演で申し上げたわけでございます。  財務省といたしましても、こういった環境金融の支援に積極的に今取り組んでおりまして、例えば、本年四月にはJBICでアジア・環境ファシリティを創設をいたしまして、省エネ分野等の投資ファンドや個別プロジェクトについて、JBICの出資、保証によりまして民間の出融資を支援しておりまして、こういった分野で触媒的役割を果たすことを期待しているわけであります。  また、これは、つい昨日記者発表を行ったわけでありますけれども、JBICにおきまして地球温暖化に関心を有する投資家の社会的責任投資のニーズにこたえた商品設計を施しましたJBIC環境支援ボンドの発行準備を進めております。これ、地球環境問題への貢献ということを起債のコンセプトにしたものでありまして、こういったことが民間における環境投資のための資金調達の良き先例になるものと期待をしておりまして、財務省といたしましても積極的にこういった面に取り組んでいるところでございます。
  102. 加藤修一

    加藤修一君 非常に積極的な展開をされようとしておりますので、是非、力強く思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  いわゆる環境金融ということでありますけれども、環境省が数年前からこれは主張しておりまして、懸命にやってきた点だと私は深く認識している一人でございますけれども。  それで、財務省にもう一点、いわゆる千五百兆円に及ぶ日本の個人金融資産があるわけでありますけれども、さらに最近のデータによりますと、二百五十兆円に上る対外純資産、これがあるわけでありますけれども、これを、その一部でありますけれども、環境金融としてどう使っていくかということが極めて重要だと思うんですね。この関係についての誘導策をどう考えるか、どのような展望が、あるいは仕組みとしてどういうふうにしていけばここが環境金融の方法として使っていけるかどうか、その辺のことについての御見解をいただきたいと思います。
  103. 中尾武彦

    政府参考人(中尾武彦君) お答えいたします。  今先生おっしゃったとおり、我が国の家計部門の金融資産は昨年の末で千五百四十五兆円、我が国の対外資産、純資産残高も二百五十兆円となっております。  我が国の税金を使った施策もいろいろございますけれども、民間のこういう資金をどういうふうに国内への気候変動対策の投資、あるいは海外への気候変動対策の投資を促進していくのに使っていくのかということが非常に決定的に重要でございまして、議員御指摘のとおりだと思います。  具体的には、特に民間のセクターにおいて、例えば電力業界、製造業などの産業界がクリーンな技術に投資をしていくことが重要ですけれども、民間の金融機関の融資や、あるいは直接個人が株式を買ったりする、あるいは社債を買ったりする、そういうところでより多くの資金がクリーンテクノロジーに回っていく。それから海外に対する投資についても、よりクリーンなテクノロジーの方に投資を仕向けていく必要がある。そういう意味では特に、今副大臣説明いたしましたように、ローンに当たってエコローンというようなものをつくって環境に適合した融資を促進していく、あるいは資金調達に当たってもエコボンドというようなもので環境に適合した資金を調達していくというようなことが考えられると考えております。  また、民間金融機関の役割は非常に重要ですけれども、民間金融機関が事業に融資する際に環境や社会に十分配慮した融資活動を行っていくことによって、またこれも民間の資金を環境に適応したものにしていくということで、そういう様々な活動を通じて全体としてその家計の貯蓄というようなものが有効に活用されていくようなことが大事だと思っております。  以上です。
  104. 加藤修一

    加藤修一君 答弁の中に様々な活動を通してという話がありましたが、そういう様々な活動がより拡大していけるようにいかにインセンティブのある施策展開を行うかというのは極めて重要だと思いますので、こういった点についても財務省に更なる積極的な展開をお願いしたいと思います。  それで、金融庁にお願いでありますけれども、今の関係含めて、いわゆる所掌する部分については、例えば監督指針というのを出しているわけなんですけれども、金融教育の関係とか、あるいは、これは、金融庁の設置法の第四条の二十六には、「金融の円滑化を図るための環境整備に関する基本的な政策に関する企画及び立案並びに推進に関すること。」ということで金融の円滑化、まあこれは私は読み替えて、その一部ということでありますけれども、環境金融の円滑化というふうにも当然入ってくるわけでありますけれども、その金融教育といわゆる金融の円滑化の観点で環境金融についてどういうふうにお考えか、その辺について開示をお願いいたします。
  105. 私市光生

    政府参考人(私市光生君) お答えいたします。  金融庁といたしましては、民間金融機関がその社会的責任を果たす観点から環境に配慮した取組を行うことが重要と考えております。もとよりこうした取組企業が自ら経営判断で行うものでございますけれども、金融庁といたしましては、先ほど来御紹介がありましたような様々な優れた事例を承知しておりまして、環境に配慮した取組も含めまして、金融機関が自らの社会的責任を果たすために行っている様々な取組につきまして金融機関のCSR事例集として公表することで同様の取組を他の金融機関にも促しているところでございます。  次に、金融教育について申し上げますと、将来を担う若い世代に対する金融経済教育は重要であると認識しております。金融庁では、文部科学省の協力を得まして高等学校向け副教材を作成し、全国の高等学校に配付しております。この副教材には、金融とか経済の基本的事項はもとより、投資家が企業の社会的活動や環境に対する活動などを考慮して投資する社会的責任投資、あるいは企業が社会的責任を全うするために行う取組についても盛り込まれているところでございます。  金融庁といたしましては、今後とも関係各省とも密接な連携を取りつつ、こうした取組に引き続き努力してまいりたいと考えております。  以上でございます。
  106. 加藤修一

    加藤修一君 では、よろしくお願いしたいと思います。  時間がなくなってまいりましたので、最後の質問に入りたいと思います。  国会の中には、国際連帯税、これを何とかということで議連が立ち上がっているわけでありますけれども、まあ細かい説明は省きます。リーディンググループに対しては日本はオブザーバーの立場にいるわけでありますけれども、そういうオブザーバーの立場から、やはりしっかりとそこに入ってやっていくべきであろうというふうに考えておりまして、これは外務省それから財務省、両省にお聞きしたいと思います。
  107. 大江博

    政府参考人(大江博君) ミレニアム開発目標達成世界開発需要対応するためには、ODAに加えて民間資金を含めた幅広い開発資金の動員が必要だという認識をしております。この観点から、開発資金のための連帯税に関するリーディンググループで取り上げられている様々な革新的資金調達メカニズムにも注目しておりまして、従来より、今お話があったように、同グループにオブザーバーとして参加して情報収集を行ってきたわけでございます。  当省としては、これまで得られた情報に基づき種々検討した結果、同グループへの正式参加について、関係省庁と協議しつつ、前向きに検討することとしたいと考えております。
  108. 川北力

    政府参考人(川北力君) お答え申し上げます。  私ども税制当局といたしましては、本件、このリーディンググループへの加盟につきましては、今外務省からも御答弁ございましたが、税制の是非という観点からではなくて、幅広い観点で御検討されるということでございますので、今後外務省を中心に御検討されることになるという認識でございます。
  109. 加藤修一

    加藤修一君 外務省が中心になるということはそうでしょうけれども、財務省もしっかりと、それは単なる今までのオブザーバーから別の立場になるわけでありますから、積極的にそこは進めていただきたいと強く要望しておきます。  以上です。
  110. 松山政司

    委員長松山政司君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時三十六分休憩      ─────・─────    午後一時三十一分開会
  111. 松山政司

    委員長松山政司君) ただいまから環境委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、地球温暖化対策推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  112. 市田忠義

    ○市田忠義君 今回の法改正に当たって、私は、出身地である京都府、滋賀県あるいは滋賀県野洲市、京都府地球温暖化防止活動推進センターなどの方から直接話を伺ってまいりました。改めて地域の取組の重要性を痛感しました。  そこで、初めに確認したいんですが、今回の法改正で地方自治体の取組の充実を図ることが柱の一つになっていますが、どうしてそういうことを強調したのか、その趣旨なり目的について簡潔にお述べください。
  113. 南川秀樹

    政府参考人南川秀樹君) 事業活動、日常活動、日常生活含めまして、地域に密着した対策が必要であるということでございます。特に、様々な活動の基盤になります都市あるいは地域の社会資本といいますのは、一度できてしまいますと、もう数十年以上ある意味で二酸化炭素の排出構造を固定するわけでございます。歩いて暮らせるコンパクトシティーを始め、様々、地方公共団体が主体となって低炭素な町づくりに取り組むという必要性を痛切に感じたからでございます。
  114. 市田忠義

    ○市田忠義君 前回の質問でも取り上げましたが、全国知事会の専門部会から環境省あてに出された要望についてお聞きしました。その要望書によりますと、次のようなくだりがあります。温室効果ガス排出量算定報告公表制度は国の事務になっているが、地方自治体として温暖化対策をきめ細かく推進するため、事業者ごとの報告データを県に提供するとともに公表することと、こういう強い要望を出しておられます。  今回の法改正では、地方公共団体実行計画において区域の事業者の排出抑制活動の促進に関する事項を定めることとしていますが、各自治体における排出削減の取組を促進しようと考えるならばこの知事会の専門部会の要望は当然だと思うんですが、環境省、いかがでしょう。
  115. 南川秀樹

    政府参考人南川秀樹君) 私ども、要望があれば、開示請求があれば直ちに即日に交付するということでございまして、特に現状において問題が生じていると考えておりません。
  116. 市田忠義

    ○市田忠義君 開示請求があればというのは、大変消極的だと。  そこで、お聞きしますが、温対法に基づく排出算定報告公表制度の第一回報告データで明らかになっている、千葉県に所在する特定排出事業者の合計排出量が、直近の千葉県全体の排出量の中でどれだけの割合を占めているか述べてください。
  117. 南川秀樹

    政府参考人南川秀樹君) 千葉県全体が八千百六十七万トンCO2でございまして、今回私ども把握しております法律に基づく算定、公表によりますと、全体が五千二十九万トンCO2でございます。六割強でございます。
  118. 市田忠義

    ○市田忠義君 今の数字を聞けば明らかなように、大口排出事業者排出量が所在地の市や県全体の排出量に占める割合は非常に大きいものがあります。  各県が排出削減に取り組む上で、その自治体に所在する大口排出事業者の排出データというのは非常に重要な意味を持っています。それなのに、先ほど御答弁がありましたが、要請があったらデータは出してやると、協力もしてやるから余り支障はないという御答弁でしたが、私そういう姿勢では駄目だと思うんです。国が地方公共団体に対して、主体的に、地域全体として排出削減に取り組むことを本気で期待するというんなら、知事会の専門部会の要望にあるとおり、事業者報告データは県に提供するとともに公表すべきというふうにするべきだというふうに思いますが、これは南川さんにもう一度聞いても一緒ですから、大臣の見解をお聞きします。
  119. 鴨下一郎

    国務大臣鴨下一郎君) 基本的には、先ほど局長からお答えしましたように、これは事業所ごとの情報については、これ法律上、何人も開示請求を行うことができると、こういうようなことでございますので、それに従って開示を行っているわけであります。  環境省に対しても開示請求があった場合には、そういうような趣旨において即日申請者に手交すると、こういうようなことも含めて請求者の利便向上を極力進めたいと、こういうふうに考えております。
  120. 市田忠義

    ○市田忠義君 知事会がこぞってそういう要望をしているわけですから、やっぱり事業者報告データが県に提供されるように、前向きな努力をお願いしたいと思います。  それから、当委員会で別の委員指摘がありましたが、非開示の問題も私は重要だと思います。  例えば、温対法に基づく報告制度の第一回報告データで非開示になった新日本製鉄君津製鉄所、ここは、気候ネットワークの推計例を基に計算しますと、千葉県全体の排出量の約二四%を占めています。私が直接話を伺ってきた滋賀県や京都府でも、定量的なデータは議論のベース、そうおっしゃっていました。やっぱり、国として京都議定書の六%削減約束を確実に達成すると、さらに、第一約束期間以降の更なる長期的な、かつ継続的な排出削減のために自治体の取組は重要と考えるならば、この要望について真正面から真剣に検討をすべきだということを重ねて求めておきたいと思います。  次に、排出量報告制度と関連して、第四十二条の二の配慮規定について、条文にはその内容まで書き込まれていないわけですが、配慮の内容について、分かりやすく簡潔にお述べいただきたいと思います。
  121. 南川秀樹

    政府参考人南川秀樹君) この配慮の内容、現在では私ども二つ考えております。  一点目が、算定報告公表制度におきまして、京メカクレジットなどを反映させた電気事業者の排出係数や特定排出者の算定排出量についても報告、公表させることを可能としたいということでございます。  二点目は、京都メカニズムクレジットの取得などにつきまして、個別相談への対応、ガイドラインの提示などによる情報提供などの支援策を講じると、そういった二つを考えております。
  122. 市田忠義

    ○市田忠義君 電事連の自主行動計画を見てみますと、目標達成の蓋然性として京都メカニズムなどの活用で排出単位を五ないし六%向上させると、そう書かれています。二〇〇八年から二〇一二年度の五か年平均値の使用電力量見通し、これは九千二百十億キロワットアワーですが、この九千二百十億キロワットアワーに同期間の五か年平均の排出原単位見通しである〇・三七を掛けて出てくるCO2排出量、これと京都メカニズムを活用して五ないし六%向上させた場合の排出原単位を掛けて出てくるCO2排出量の差はどれぐらいになるか、お答えいただけますか。
  123. 西山英彦

    政府参考人(西山英彦君) 委員指摘の前提に基づき計算をいたしますと、二〇〇八年から二〇一二年度の五か年平均のCO2排出量は約三・四億トンとなり、京都メカニズムクレジットを反映した場合のCO2排出量は約三・二億トンとなりますので、その差は〇・二億トンでございます。
  124. 市田忠義

    ○市田忠義君 〇・二億トンもの差があるということを今答弁でお話しになりました。  この計算では、京都メカニズム分を配慮した排出原単位を活用すると直近の排出原単位で算定した排出量よりも〇・二億トン少なくなると。これは電力分野からの排出量を少なく見せるための一種の私はごまかしだと言われても仕方がないと思うんです。また、電力の排出係数は、電力を使用しているあらゆる分野の排出量の計算の母数となるわけですから、温対法に基づく大口排出事業者の排出算定報告公表制度の計算母数に使うと二種類の数字が出てくることになります。  先日伺った京都府の話によりますと、そんな話は聞いていないと、大変驚いておられました。また、二つも数字が出るのは分かりにくいということもおっしゃっていました。私、先ほども指摘しましたが、定量的なデータは排出削減取組の言わば基礎となるものであります。ただの数字ではなくて、言わば地方自治体にとって非常に大きな意味を持つ問題であります。  そこで、お聞きしたいんですが、この件について事前に自治体の意見はお聞きになったんでしょうか、いかがですか。
  125. 南川秀樹

    政府参考人南川秀樹君) 今回、法改正を企画するにつきまして、私ども様々なものまで市町村などについての意見交換しております。また、知事会の、先ほど御指摘があった検討会にもメンバーが加わって議論をしております。もちろん、その審議会におきましても地方の代表が出ていただくということで、そういう意味での議論はしております。  ただ、具体的にこの条文をこう書くといったことにつきましては政府の責任で行うということでございます。
  126. 市田忠義

    ○市田忠義君 具体的には聞いていないということじゃないですか。  しかも、法改正案内容環境省のホームページでも公開されていますが、そのことについて特に意見も届いていないという答弁もありました。実際に聞いていないから、地元の意見、自治体の意見を、自治体の力を本当に発揮させようと思えば、当然そういう具体的な問題について一般論で意見は聴取しているということで済ませないで、やっぱり新しいこういう問題についてよく関係の自治体の意見を聞くということが私基本だということを指摘しておきたいと思います。  これは大臣にお聞きしますが、昨年十一月の当委員会で、私は電力の排出原単位に京都メカニズムを活用するという構想について私が次のように指摘したことに対して、私はこう指摘しました。実際の排出量より出てくる数字が少なくなるのでおかしいではないかと、そう指摘しましたら大臣は、おっしゃるとおりのところもございます、今後少し検討させていただきたいと答弁されました。今日は、その後どういう検討をされて、現在どういう認識かということを後で聞きたいと思うんですが。  審議会でも慎重意見が出ましたが、結局電力業界の意見に押し切られた。算定報告制度の趣旨には次のように書かれています。排出者自らが排出量算定することにより、自らの排出実態を認識し、自主的取組基盤を確立するとともに、排出量の情報を可視化、見えること、可視化することにより、国民、事業者全般の自主的取組を促進し、その機運を高めることを目指すと、そういうふうに算定報告公表制度の趣旨として明記されています。何より、地方自治体の取組の支障になるようなことは私はやるべきではないと思うんです。  前回の質問のときに、おっしゃるとおりでございます、今後少し検討させていただきたいという答弁大臣はおっしゃったわけですから、私は、やっぱり報告公表制度京都メカニズムクレジットを反映した電力の排出原単位を使うということはやめるべきではないかというふうに思いますが、大臣の御認識をお聞かせを。その後の認識の発展も含めて、検討するとおっしゃっていましたから。
  127. 鴨下一郎

    国務大臣鴨下一郎君) 確かに昨年の十一月に市田委員の方からそういうようなお話をいただきました。それも含めまして、私たちとしてもいろいろと検討をさせていただきました。  事業者が各種の対策を行った場合に、それでも足りないという部分について京都メカニズムクレジットを取得すると、こういうようなことは地球温暖化対策上意義があると、こういうことでございます。国としては、適切な配慮を行うことが必要であるというふうには考えておりますが、このため、今回の改正を機に、温室効果ガス排出量算定報告公表制度において、京都メカニズムクレジット等を反映させた排出量についても報告、公表されることを可能としていると、このことについては御指摘のとおりでございます。ただ、その際に実態に即した排出量も公表されることが重要と環境省としては認識しておりまして、原則として、京メカクレジットを反映した排出量と、それから反映前のいわゆる実排出量も併せて公表すると、こういうようなこととさせていただきたいと思います。  これらの公表の方法についても、今委員からも御指摘ありましたように、国民にとって分かりやすいものとなるように更なる検討をしたいと、こういうふうに考えます。
  128. 市田忠義

    ○市田忠義君 前回の答弁よりも一歩前向きの答弁をしていただいて有り難いと思っています。あのときは、たしか南川さんは、国際的にも補完的という点でこの数が決して無理ある数字ではないという答弁があって、私はかなり怒りを込めてやり取りしたことを覚えておるわけですが、今の大臣答弁をそのとおり前向きに実践していただきたいということを付け加えておきたいと思います。  地方の努力の問題に関連して少し具体的なことを述べたいと思うんですけれども、一九九五年以来、環境と経済が両立する地産地消のまちづくりに取り組んでいる滋賀県野洲市というところがあります。ここでは、市民が一口千円の地域通貨券「すまいる」、これが実物なんですけれども、こういうものを購入しますと千百円分が交付されて、加盟店での買物の際におおむね、店によって若干違うんですけれども、五%程度の割引券として使えると。すなわち、この地域通貨券の売上金は全額太陽光発電に投入されて、必要額に達したら太陽光発電の建設が始まると。これまで文化ホールの駐輪場の屋根など二か所に太陽光発電パネルを設置して、現在三基目をこの野洲市では計画中であります。  地域通貨券で地域の活性化にも貢献して、新たな雇用も生み出していますし、その商店街で物を買うわけですから、物もこれまで以上に売れやすくなるという大変ユニークな積極的な取組だと思うんですが、ただ、ここでお伺いしたときに、やっぱり野洲市でできることには限界があると、国のビジョンが見えないという厳しい指摘がありました。これは、京都府地球温暖化防止活動推進センターでも同じような意見でした。こうおっしゃっていました。今や理想だけでは駄目だと、具体的にどう削減していくのかという方向性をしっかり示すことが重要だと。  大臣は、今度の法案の趣旨説明の際に、今後、地球温暖化対策を念頭に置いた地域づくりが各地で進められることが期待されますと、そうお述べになりました。しかし、実際に意欲的、積極的に取り組んでいる自治体やセンターの方々のお話では、今の国の姿勢が更なる取組の障害になっていると、今こそもっと国が積極的な姿勢を示すべきじゃないかと。  そこで、私、大臣に総括的に、別にこの野洲のことについてあれこれ、個別のことですから言及していただかなくて結構ですが、やっぱり今こそ国が確実で大幅な削減の方向性や施策を示すことが自治体の取組を一層意欲的にさせることにつながるんではないかというふうに思うので、その点についての大臣の所見をお願いします。
  129. 鴨下一郎

    国務大臣鴨下一郎君) 改正案では、これは特例市以上の地方公共団体に対して、地域の自然的、社会的条件に応じた施策についても地方公共団体実行計画に定めると、こういうようなこととしております。さらに、都市計画等との連携に配意すると、こういうようなことも触れております。  地方公共団体が地域の特性に応じた取組を進めると、こういうようなことは、今委員から御指摘があったような地域通貨あるいはエコポイントのようなものも含めまして、特に生活に密着した分野での地球温暖化対策推進のために重要だということはもう言うまでもありません。特に、各地域において、例えば木質バイオマスの利活用など、それぞれの地域に存するといいますか、存在するエネルギー資源を利活用して低炭素型の地域づくりを進めること、あるいはまた、様々な都市機能を集約して公共交通機関を十分に整備することなど、歩いて暮らせる活力のあふれたコンパクトな町づくり、こういうようなインフラからソフトにまで及んでそれぞれの創意工夫が必要だろうというふうに思っております。  そういう中で、環境省としては、このようなポイントを明らかにしまして、できるだけ効果的な計画が策定、実施されるようガイドラインの策定等を通じた支援を行ってまいります。
  130. 市田忠義

    ○市田忠義君 終わります。
  131. 川田龍平

    ○川田龍平君 地球温暖化対策推進法改正に関しては、既に参考人質疑を含め先輩方の質疑も聞かせていただいて、ここに座っているだけでも本当に大変多くのことを学ばせてもらっています。  それで、今日はまず防衛省の地球温暖化対策について質疑させていただきたいと思います。  環境省にお伺いします。地球温暖化対策については、すべての政府関係者がその削減計画の対象になっていると理解してよろしいのでしょうか。
  132. 南川秀樹

    政府参考人南川秀樹君) 政府の実行計画ございます、内閣府が取りまとめて、私どもが実質的な事務局をやっております。これにつきましては、国民に呼びかける以上は政府が自らやろうということで、率先実行だということでございます。そして、社会全体へのこの温暖化対策の普及を促進、牽引しようということでございまして、原則として政府の各行政機関が行うすべての事務事業を対象としております。そして、省庁再編の次の年からでございますけれども、各省八%、そういった目標を掲げて排出削減を進めておるところでございます。  ただ、例外がございまして、自衛隊の訓練などの部隊活動につきましては、平和と独立、安全確保という極めて特殊な事業だということでございますので、全く例外的に削減目標対象とはしておりません。ただ、自衛隊につきましても、防衛省につきましても、本省あるいは地方支分部局はもとより、自衛隊の学校とかそういったところについては削減目標対象となっております。
  133. 川田龍平

    ○川田龍平君 それでは、防衛省にお伺いいたします。  防衛省の地球温暖化対策としてのこの温暖化ガス削減計画のこれまでの現状と今後の計画、そしてこの五年度と六年度実績では九〇年比でどれくらい削減されていることになっているのかをお伺いしたいと思います。
  134. 中江公人

    政府参考人(中江公人君) お答えをいたします。  政府の実行計画を受けまして防衛省におきましてもCO2削減のための具体的な実施計画というものを定めておりまして、これに基づいて様々なCO2抑制のための取組を行っているところでございます。  この結果、基準年次である平成十三年度と比較をいたしますと、この十七年度のCO2の排出量につきましては約一二%上回っておりますけれども、この政府の実行計画の目標年次である十八年度におきましては、平成十三年度比で約一九%、約二万二千トンCO2の二酸化炭素排出量の削減を行っているところでございます。
  135. 川田龍平

    ○川田龍平君 この削減計画対象となる施設などはどのような防衛省施設でどのような範囲のものが入っており、その対象となる施設などの一年間の平均の排出量の総計はどれぐらいになるのでしょうか。
  136. 中江公人

    政府参考人(中江公人君) 防衛省の実施計画におきましては、自衛隊も含めてCO2抑制のためのいろんな取組を行うということといたしております。  ただ、削減目標対象ということにつきましては、内部部局を始めまして各機関それから自衛隊の学校など全部で約二十五機関を対象といたしておりますが、各自衛隊の現場の部隊の施設等は対象とはいたしておりません。削減目標対象とはしていないということでございます。
  137. 川田龍平

    ○川田龍平君 それの年間の総排出量というのは大体幾らぐらいになりますでしょうか。
  138. 中江公人

    政府参考人(中江公人君) 失礼をいたしました。  平成十九年度における二酸化炭素の排出量でございますけれども、中央調達による燃料調達数量というものに基づいて試算をいたしますと、排出量約三百五十二万七千トンCO2と推計されるところでございます。
  139. 川田龍平

    ○川田龍平君 ちょっと想定した数字と違ったんですが、年間の施設の、先ほど申しました二十五機関の年間の総排出量をお聞きしたんですけれども。一年間の約平均ですね。
  140. 中江公人

    政府参考人(中江公人君) 失礼をいたしました。  削減目標対象としております二十五機関の二酸化炭素の排出量でございますが、これは平成十八年度でございますけれども、九万三千七百二十二トンCO2でございます。
  141. 川田龍平

    ○川田龍平君 先ほど、先に述べられた三百五十二万トンというのが、実はこの次に聞こうと思っていた防衛省の燃料調達の総量でして、その装備にかかわる燃料の調達をしている全部の燃料の総量として三百五十二万トンという数字が出ています。それが今回の二酸化炭素排出量としてあるわけですが、今回その施設ということで削減の対象となっているものは九万というお答えでしたので、大体この年間の総量の三百五十二万トンから九万トンということですと、引いて三百四十三万トンがこの燃料でほとんど、防衛省が排出している自衛隊も含めた総量のうちの本当にわずかでしかないわけです。  そう考えますと、装備や燃料に掛かってくる燃料の換算というものは換算に入っていなくて、削減計画の対象が九万トンというだけの数字ということは、ほとんど九七%以上が、削減といっても肝心のものには、本体には手が付いておらず、軍縮という観点それから温暖化という観点からも当然ここは削減対象とすべきではないかと考えるんですが、これについていかがでしょうか。
  142. 中江公人

    政府参考人(中江公人君) 川田委員指摘のように、削減目標対象に自衛隊の言わば活動に伴う分というのは含まれておらないわけでございます。文書の実施計画の中では自衛隊も含めていろんなCO2抑制のための、昼間の消灯でございますとかあるいは空調の運転期間の短縮とかいろんな取組をしておるわけでございますが、削減目標対象としては挙げていないと。  これは、やはり自衛隊の活動につきましては、国の安全確保ですとかあるいは任務の遂行それから部隊の練度の維持向上の観点からやっておるわけでございますので、なかなか一律に削減目標対象とすることは非常に困難であるというふうに私どもは考えている次第でございます。
  143. 川田龍平

    ○川田龍平君 今回テロ対策ということでインド洋でのアメリカ軍への給油をしてきましたけれども、アメリカ軍だけではありませんでしたが、二〇〇一年より供給量の合計と二酸化炭素排出量は幾らになるのか、また給油した艦船自身が出港から停泊、帰港までの消費燃料とその二酸化炭素排出量というのは幾つになるのかをお伺いしたいと思います。
  144. 中江公人

    政府参考人(中江公人君) 平成十三年度以降ということで、このインド洋における給油活動で、まず給油をした量でございますけれども、これは十三年度から各年度を申し上げてよろしゅうございますか。
  145. 川田龍平

    ○川田龍平君 総量で結構です。
  146. 中江公人

    政府参考人(中江公人君) 総量といいますと、十三年度から今日までということでよろしゅうございますか。  十三年度から十九年度までで約四十九万キロリットルの給油を行っております。他方で、油の調達数量が約八十一万キロリットル全体でやっておりまして、この八十一万キロリットルから今の給油をした数量を差し引きますと、約三十二万キロリットルになります、十三年度から十九年度までですね。この約三十二万キロリットルが海上自衛隊の艦船が自分で消費をした量というふうに推計されるところでございます。
  147. 川田龍平

    ○川田龍平君 そうしますと、四十九万キロリットルだとすると、排出量は百二十七・九万トンということで、その数字はこの防衛省の一年間の総排出量の約三分の一に当たる量をインド洋での給油に使ってきたということであります。  これは、大きなCO2の排出ということになりますが、先日の環境委員会大臣は、国家にとって従来の優先順位からいえばもちろん安全保障、経済だったが、今や環境問題が一番、二番に来る、安全保障に匹敵すると加藤委員質問答弁されておりました。  その観点からすれば、温暖化防止のために地球環境を守ることが安全保障にイコールになるわけではないでしょうか。装備品を削減対象にしないということを放置できないと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  148. 鴨下一郎

    国務大臣鴨下一郎君) 防衛省におけるCO2排出量の大宗は、これは国の安全の確保に直結する、こういうような自衛隊の部隊活動に伴うものであります。他の政府機関や民間事業者などの排出量と比較して一概にその多寡について論ずるというようなことはなかなか難しいところもあるんだろうというふうに思っております。  他方、例えば今御議論がありましたように、事務庁舎や一般公用車などを含めた、いわゆる国の平和と独立、安全の確保に支障が生じない範囲での取組と、こういうようなことについてはしっかりと取り組んでいらっしゃるというふうに承っております。  また、今、川田委員がおっしゃった安全保障とそれから環境、これはどちらが上でどちらが下ということじゃございません。むしろ本来的に両方とも大事なことでありますから、両立をしなければいけませんし、加えて、今までは環境は二の次、三の次になっていたのが、国の安全保障と同じような重みを増してきたと、こういうようなことで申し上げたわけでございます。
  149. 川田龍平

    ○川田龍平君 環境省にお伺いしますが、幾つかのNGOなどでは軍縮を語らない温暖化防止キャンペーンとして厳しい批判も出されております。  B52戦略爆撃機が一時間当たり石油消費量は一万一千四百リットルで、二酸化炭素排出量は約三十トンと一時間で言われています。経済産業省は排出権取引を棚上げして、国民に対して省エネ家電の強制購入まで方針表明をしておりますが、環境省は国民の自主的な削減運動も呼びかけております。ところが、飛行機がひとっ飛びするだけで大量の二酸化炭素を排出します。実際の戦闘場面でいうと、イラク戦争で一週間当たり三十一万八千キロリットルの石油が消費されたといいますが、三十八・八万トンの二酸化炭素の排出量に当たります。これは実際の戦闘場面だけでなく、訓練においても同じだけの排出がされます。やはり削減対象にすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  150. 南川秀樹

    政府参考人南川秀樹君) 政府としまして様々な議論をいたしましたが、やはり防衛省の、特にこの自衛隊の安全に直結する問題だけは別扱いだということで合意ができております。様々な批判ございますけれども、これについては政府としては特段対応を変える必要はないと考えております。
  151. 川田龍平

    ○川田龍平君 防衛省に改めてお伺いします。  今年一月の、テレビのTBSの「一秒の世界」という報道番組では、スウェーデンの研究機関の調査として、戦車一台一秒間に〇・八キログラムを排出していて、これは自動車の二百台分に当たると、さらに戦闘機の一機が三十八キログラムも一秒間に出していて、自動車にあれすると一万台に匹敵するというふうに指摘をテレビの中で言っていました。削減対象にする必要はないのかを改めて防衛省の方にお伺いしたいと思います。
  152. 中江公人

    政府参考人(中江公人君) 自衛隊、現場の部隊におきましても、CO2抑制のためのいろんな取組はしていかなければならないというふうには思っております。  ただ、削減目標対象とすることにつきましては、先ほど申し上げましたように、やはり国の安全確保の問題ですとかあるいは自衛隊の任務の遂行それから部隊の練度の維持向上という面から見てなかなかほかの一般の事務庁舎とか公用車といったことの取組と同列に論じることは難しいというふうには考えております。  ただ、防衛省としましても、このCO2の抑制というのは大変重要な課題だというふうに認識をしておりまして、今回の新しい実行計画を受けまして、私ども新しい実施計画も定めまして、その目標に向かって自衛隊の現場も含めていろんなCO2抑制のための取組をしていきたいというふうに考えております。
  153. 川田龍平

    ○川田龍平君 最後に、この問題について大臣に、地球温暖化対策推進法改正では見える化ということが修正されております。  私はそうした、この防衛省の問題については、削減は難しくても見える化ということについては是非していただけないかと思うんですが、どうでしょうか。
  154. 鴨下一郎

    国務大臣鴨下一郎君) 自衛隊の部隊活動そのものは国の平和と独立、安全の確保、これに直結するわけでありまして、その本来目的を達成するために見える化が果たして妥当なのかどうかということは慎重であるべきだろうというふうに思っております。  全体的にやはり化石燃料を減らしていくという国民的な高まり、これはそのとおりでありますけれども、それぞれの分野で本来目的を達するためにそれぞれあるべき姿というのがあるんだろうというふうに思っておりますので、まあ何もかもが自衛隊の場合に見える化ということがふさわしいかというところについては私は慎重であるべきだというふうに思っております。
  155. 川田龍平

    ○川田龍平君 それでは次に、廃棄物の問題について質問させていただきます。  先日も、三月二十五日の環境委員会で取り上げさせていただいたんですが、この問題では、全体としてごみの排出量が各種リサイクル法や国民の意識レベルの向上によって減量あるいは横ばい状態にありますが、しかしながら廃棄物のCO2の排出量は九〇年比で六〇%も増加しているというこの現状をどのように、増大している現状をどう受け止めているか、お願いします。
  156. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 我が国の廃棄物の発生量は二〇〇五年度におきまして約四億七千五百万トンということでありまして、一九九〇年度に比べまして〇・七%の増加にとどまっております。一方、二〇〇五年度におけます廃棄物分野からのCO2排出量は約三千六百七十万トン、CO2換算でありますが、ということになっておりまして、一九九〇年度に比べまして約六割増加をいたしております。  このようにCO2の排出量が増加した原因としましては、廃プラスチックの排出量の大幅な増加、一九九〇年度では埋め立てられていた廃棄物、廃プラスチック類が、最終処分場の逼迫を背景にその後焼却処理されるようになったことなどが考えられます。  環境省としましては、廃棄物分野におけます温室効果ガスの排出を抑制するためには循環型社会と低炭素化社会の統合的な取組が重要と考えておりまして、こうした観点から、3Rの一層の推進に取り組むとともに、廃棄物発電の導入等によりまして熱回収の徹底等を進めてまいりたいというふうに考えております。
  157. 川田龍平

    ○川田龍平君 低炭素社会と循環型社会ということの統合、結び目のところにこの廃棄物分野の焼却によるCO2発生があります。この有機質、廃棄物発電については有機質なのでCO2排出量にカウントされないということになっていますが、こうしたこともこのCO2の削減を遅らせる原因になっているのではないかと危惧しております。  それについてと、それからこのバイオマス燃料についてですが、地球エネルギーシステム研究所長の佐野寛さんは、このCO2の発生量イコール成長によるCO2固定量といういわゆるこの炭素中立性ということについては、一律免責にするのではなく、温帯林の再生期間二十五年というのを基準にして、その免責率を一として、再生復活に百年掛かる例えば亜寒帯の林は〇・二五にするべきではないかとの主張をされています。その意味では、実はこの化石燃料も元をただせば生成に二千五百万年掛かってバイオマス起源ということになるんですが、免責率が限りなく小さいということになります。  こうした発想で、有機質であったりバイオマスの燃焼というのがCO2にカウントされないということが果たして厳密に考えるといいのかどうかということについてお伺いしたいと思います。
  158. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) まず、廃棄物の方からお答えさせていただきます。  廃棄物分野におきますCO2の削減を進めていきますためには、焼却等の処理以前に廃棄物の発生抑制や再使用、再利用に優先的に取り組んでいくことが重要だというふうに考えております。このために、食品リサイクル法におけます発生抑制の取組や、リデュース、リユースの重視の国民運動の展開、レジ袋の削減のためのマイバッグ運動などの施策を講じていくこととしております。  いずれにしましても、御指摘のように生ごみ等の焼却に由来するCO2がカウントされないこと、そのことをもちまして廃棄物分野における温暖化対策を遅らせているものではありませんで、環境省としましては、今後ともこの廃棄物分野におけます温暖化対策に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  159. 川田龍平

    ○川田龍平君 それではもう終わりますが、今大きなテーマとなっているバイオ燃料についても、現在開催中の食料サミットでもバイオ燃料に対する批判が続出しています。先日のボンでの生物多様性をめぐる国際会議の中で、鴨下大臣出席されていますが、バイオ燃料については国際的な枠組みの中でコントロールしていく必要があるとの合意がなされました。世界的にも、この今大プランテーションなどで森林を伐採し焼き尽くした上でこうしたバイオ燃料を栽培しようというこういった動きに対して、今のこのバイオ燃料についてやっぱり慎重に、こういった炭素中立ということで、有機物だからとか有機質だからとか、そういった理由でこの二酸化炭素の問題を解決できるかのような今の議論に対してやっぱり慎重になっていただいて、特にこの廃棄物の問題についてはやはり排出抑制、そして3Rを徹底していただきたいと思います。  本当にありがとうございます。質問を終わります。ありがとうございました。
  160. 松山政司

    委員長松山政司君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  本案の修正について市田君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。市田忠義君。
  161. 市田忠義

    ○市田忠義君 私は、日本共産党を代表して、議題となっています地球温暖化対策推進法の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨を説明いたします。  修正案は既にお手元に配付されておりますので、詳細な説明は省かせていただきます。  その修正の第一は、法の総則に、工業化が開始した年代から二度以内に抑えるため、国際社会において我が国の占める地位を踏まえ、目標達成することを明記し、二〇二〇年までに三〇%、二〇五〇年までに八〇%という中長期目標達成を規定しました。さらに、基本方針で、政府は、社会経済の持続可能な発展を図るため、現在の持続不可能な社会経済のシステムの転換を図ることを掲げました。そのことによって、日本が、京都議定書以後の温暖化対策の国別総量目標を明確にして持続可能な発展のシステムに転換することを示したものです。  第二は、基本方針に、政府は、事業者団体との間で温室効果ガスの排出削減を定めた協定を締結することを明記し、温室効果ガスの排出枠を割り当てるとともに、その取引を認める国内排出量取引制度を設けること、温室効果ガスの排出の量に応じ税を賦課する制度を設けること、削減協定を締結する事業者団体に対して税を軽減することを盛り込みました。このことによって、国内排出量の約八割を占める産業部門の大幅削減を堅固なものとし、京都議定書の削減目標及び中長期目標を確実に達成しようとするものです。  第三は、基本方針に、再生可能エネルギー供給量を二〇二〇年までに二〇%とする目標を明記し、一定の価格で電気事業者に買い取らせる制度を設けることを規定しました。これによって、化石燃料依存のエネルギーから再生可能エネルギーの大幅な供給に転換することでエネルギー自給率を引き上げ、地域経済と雇用を拡大するものです。  第四は、削減協定及び国内排出量取引制度の適正な実施を担保するための第三者機関を設置することを盛り込むことによって、透明で効果的な削減ができるようにするものです。  その他、事業活動に伴う排出抑制の目標を温室効果ガスの排出量とすること、排出量報告は都道府県知事を経由して主務大臣報告することなどの修正を行っています。  以上、委員の皆様の御賛同をお願いして、趣旨の説明を終わります。
  162. 松山政司

    委員長松山政司君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  163. 市田忠義

    ○市田忠義君 私は、日本共産党を代表して、地球温暖化対策推進法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。  反対する第一の理由は、今年四月から京都議定書第一約束期間が始まり、日本が六%削減目標を必ず達成しなければならない正念場となっているにもかかわらず、その確実な目標達成にふさわしい抜本的な改正案になっていないことであります。  我が党は、三月に欧州温暖化対策調査団を派遣しましたが、EU各国では、IPCCやスターン報告に基づいて切迫感を持って気候変動対策に当たり、先進国としての責任を着実に果たしています。  これに対して、我が国温暖化対策の中核である京都議定書目標達成計画は、日本経団連の自主行動計画に頼り、京都メカニズムを大規模に活用するなど、産業界や国外に依存したものであります。しかも、産業界の反対で、削減に有効な排出量取引制度や環境税の導入を先送りしています。総排出量の八割を占める産業部門の自主的な取組では限界に来ており、この延長線上での取組では六%削減約束の達成は困難です。また、先進国日本が責任を果たすべき中期目標の水準を到底示せないものであり、国際的要請に全くこたえられないものであります。  反対する第二の理由は、本改正案が産業界での実排出量の削減をあいまいにするなど、産業界に配慮した改正内容となっていることであります。  本改正案では、温室効果ガス算定報告公表制度に基づく報告制度京都メカニズムクレジットを評価した排出量の公表を行いますが、これは電力業界を始め産業部門の強い要望で盛り込まれたもので、排出実態を少なく見せることになります。  また、事業所単位から企業単位報告にすることは、事業所の排出実態を覆い隠すことになり、事業所単位にキャップを掛ける排出量取引制度の導入に障害となります。  さらに、排出抑制指針の目標値は、排出量が増加している産業界が採用している排出原単位とするもので、排出総量を目標値にする流れに逆行するなど、実効ある削減をあいまいにするものです。  以上、我が国の排出増加の状況を直視するならば、十年前に制定された現行の排出抑制の枠組みでは国際的な削減約束を達成できないことは明らかです。京都議定書の削減目標を確実に達成するためには、公的削減協定の締結、排出量取引制度や環境税、再生可能エネルギー買取り制度の導入など、現行の枠組みの抜本的な転換を図ることが不可欠となっています。  よって、日本共産党は本改正案反対することを表明して、討論とします。
  164. 松山政司

    委員長松山政司君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  それでは、これより地球温暖化対策推進に関する法律の一部を改正する法律案について採決に入ります。  まず、市田君提出の修正案の採決を行います。  本修正案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  165. 松山政司

    委員長松山政司君) 少数と認めます。よって、市田君提出の修正案は否決されました。  それでは、次に原案全部の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  166. 松山政司

    委員長松山政司君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  大石君から発言を求められておりますので、これを許します。大石尚子君。
  167. 大石尚子

    大石尚子君 民主党の大石尚子でございます。  私は、ただいま可決されました地球温暖化対策推進に関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党・無所属の会及び公明党の各派並びに各派に属しない議員川田龍平さんの共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     地球温暖化対策推進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。  一、排出抑制等指針の策定に当たっては、京都議定書の削減約束を国内対策中心として確実に達成し、さらに長期的かつ継続的な排出削減のための基盤整備するために十分に有効な内容のものとすること。  二、地方公共団体実行計画の拡充に際して、特例市未満の市町村における温暖化防止の取組が後退することのないよう配慮するとともに、市町村が行う脱温暖化の地域づくりの取組に必要な支援を行うこと。また、市町村における温室効果ガスの排出量等の情報について、その精度の向上に努めること。  三、事業所の温室効果ガス排出量について、地方自治体の条例に基づいて開示したにもかかわらず国の制度で非開示としたものもあることにかんがみ、算定報告公表制度における権利利益保護請求の取扱いについては、地方の実情把握に努めるとともに、適切かつ合理的な運用が図られるよう努めること。  四、事業者による温室効果ガスの排出量その他の事業活動に伴って排出する温室効果ガスに係る情報に関し、投資、製品等の利用その他の行為をするに当たって当該情報を利用する事業者、国民などに対する提供の在り方について検討する際には、公平かつ統一的なものになるように情報提供の方法の検討を行うこと。  五、家庭、業務部門における二酸化炭素排出量削減の必要性にかんがみ、家庭、オフィス、事業所における二酸化炭素排出量の少ない日常生活用製品等の普及促進と啓もうを図るために、省エネ効果の高い家電製品等への買換えが消費者にとってメリットが感じられるような新たな省エネ促進のスキームの構築の推進に努めること。  六、温室効果ガスの少なくとも半減を目指すためには強力な施策が必要とされることから、排出量取引、環境税等の導入についても必要な検討を総合的かつ早急に行うこと。  七、温室効果ガスの排出を大幅に削減していくためには、低炭素社会へと確実に転換していかなければならないことから、生産の仕組み、ライフスタイル、都市や交通の在り方などあらゆる制度を根本から見直す検討を進めるとともに、温暖化対策における環境エネルギー分野の技術革新の重要性にかんがみ、その研究技術開発とその普及を強力に進めること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。  ありがとうございます。
  168. 松山政司

    委員長松山政司君) ただいま大石君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  169. 松山政司

    委員長松山政司君) 全会一致と認めます。よって、大石君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、鴨下環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鴨下環境大臣
  170. 鴨下一郎

    国務大臣鴨下一郎君) ただいま御決議ございました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、努力する所存でございます。
  171. 松山政司

    委員長松山政司君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  172. 松山政司

    委員長松山政司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  173. 松山政司

    委員長松山政司君) 次に、環境及び公害問題に関する調査を議題といたします。  この際、便宜私から、北海道洞爺湖サミットに向けた地球温暖化対策の促進に関する決議案を提出いたします。本決議案は、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党・無所属の会、公明党及び日本共産党の各派並びに各派に属しない議員川田龍平君の共同提案によるものであります。  案文を朗読いたします。     北海道洞爺湖サミットに向けた地球温暖化対策の促進に関する決議(案)   地球温暖化は、気候のみならず人間社会の経済活動や安全を図る上で最も重要な生物の多様性に対して様々な悪影響を及ぼすことが予測され、その対策は、今や人類共通の最優先の重要課題である。昨年十二月に決定されたバリ・ロードマップにおいては、全ての国が参加する次期枠組みの交渉の場が立ち上がるとともに、本年五月に行われたG8環境大臣会合では、世界温室効果ガス排出量の半減のためには、先進国が大幅な削減を達成することによって主導しなければならないとの議長総括がなされた。   本年七月には北海道洞爺湖サミット開催され、地球温暖化対策が主要テーマとなり、温室効果ガスの少なくとも半減を目指した新たな枠組みづくりに向けて、議長国である我が国のリーダーシップが必要である。   議長国としてのリーダーシップを発揮するためには、第一約束期間内の六%の温室効果ガス削減を国内対策中心にして達成することが不可欠であり、京都議定書目標達成計画の確実な実行が求められる。その手段としての排出量取引、環境税等の導入に向けた検討を行うべきである。   また、地球温暖化対策を実効性あるものとする上で開発途上国の協力が必要不可欠であることにかんがみ、排出削減に努める開発途上国及び気候変動で深刻な被害を受ける開発途上国に対しては技術面・財政面において積極的にその排出削減及び適応の取組の支援にあたらなければならない。   よって、政府は、右記施策の実施に努めるとともに、洞爺湖サミットの議長国として、共通だが差異ある責任の原則に基づいて、主要排出国が全員参加する実効性のある公平な枠組みと目標設定について責任をもって取り組み、温室効果ガスの排出削減については、中長期にわたる国別総量目標を掲げ、その実現に向けて最大限の努力を行うべきである。    右決議する。  以上でございます。  本決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  174. 松山政司

    委員長松山政司君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。  ただいまの決議に対し、鴨下環境大臣から発言を求められておりますので、これを許します。鴨下環境大臣
  175. 鴨下一郎

    国務大臣鴨下一郎君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、努力する所存でございます。
  176. 松山政司

    委員長松山政司君) 本日はこれにて散会いたします。    午後二時三十分散会