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2008-03-27 第169回国会 参議院 外交防衛委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十年三月二十七日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  二月二十九日     辞任         補欠選任         植松恵美子君     喜納 昌吉君  三月二十四日     辞任         補欠選任         牧山ひろえ君     森田  高君  三月二十五日     辞任         補欠選任         森田  高君     大石 尚子君  三月二十六日     辞任         補欠選任         大石 尚子君     牧山ひろえ君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         北澤 俊美君     理 事                 浅尾慶一郎君                 犬塚 直史君                 藤田 幸久君                 佐藤 昭郎君                 山本 一太君     委 員                 喜納 昌吉君                 佐藤 公治君                 徳永 久志君                 白  眞勲君                 牧山ひろえ君                 柳田  稔君                 秋元  司君                 浅野 勝人君                 木村  仁君                 小池 正勝君                 佐藤 正久君                 浜田 昌良君                 山口那津男君                 井上 哲士君                 山内 徳信君    国務大臣        外務大臣     高村 正彦君        防衛大臣     石破  茂君    副大臣        外務大臣    木村  仁君        防衛大臣    江渡 聡徳君    大臣政務官        外務大臣政務官  小池 正勝君        防衛大臣政務官  秋元  司君    事務局側        常任委員会専門        員        堀田 光明君    政府参考人        外務大臣官房審        議官       小田 克起君        外務省北米局長  西宮 伸一君        外務省中東アフ        リカ局アフリカ        審議官      木寺 昌人君        外務省領事局長  谷崎 泰明君        海難審判庁海難        審判理事所長   横山 鐵男君        防衛大臣官房長  中江 公人君        防衛省防衛政策        局長       高見澤將林君        防衛省運用企画        局長       徳地 秀士君        防衛省人事教育        局長       渡部  厚君        防衛省経理装備        局長       長岡 憲宗君        防衛省地方協力        局長       地引 良幸君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○証人守屋武昌告発後の経過に関する件 ○外交防衛等に関する調査  (外交基本方針に関する件)  (国の防衛基本方針に関する件) ○政府参考人出席要求に関する件 ○平成二十年度一般会計予算内閣提出衆議院  送付)、平成二十年度特別会計予算内閣提出  、衆議院送付)、平成二十年度政府関係機関予  算(内閣提出衆議院送付)について  (外務省所管防衛省所管及び独立行政法人国  際協力機構有償資金協力部門)     ─────────────
  2. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) ただいまから外交防衛委員会開会をいたします。  委員異動について御報告をいたします。  去る二月二十九日、植松恵美子君が委員辞任され、その補欠として喜納昌吉君が選任されました。     ─────────────
  3. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 守屋武昌告発に関するその後の経過について御報告をいたします。  当委員会は、去る一月十五日、証人守屋武昌君を偽証の疑い濃厚なものと認め、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律第八条の規定により告発することを議決し、告発状作成及び提出手続等については、委員長に御一任をいただきました。  委員長は、同日、外交防衛委員長名をもって、最高検察庁検事総長あて告発状提出をいたしましたところ、最高検察庁は、同日、本件東京地方検察庁へ移送いたしました。  東京地方検察庁は、去る一月二十二日、守屋武昌君を議院における証人宣誓及び証言等に関する法律違反の罪で起訴し、同日、外交防衛委員長あて処分通知書によってその旨の通知がありました。  本処分通知書は、本日の会議録に掲載することといたします。  なお、告発状につきましては、既に本委員会の一月十五日の会議録に掲載をいたしましたので、念のため申し添えます。     ─────────────
  4. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 外交防衛等に関する調査議題といたします。  まず、外務大臣から外交基本方針について所信聴取いたします。高村外務大臣
  5. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 外交防衛委員会の開催に当たり、北澤委員長を始め委員各位に謹んでごあいさつを申し上げますとともに、所信を申し述べます。  我が国国益である、我が国国民の幸福及び我が国の平和と繁栄確保は、世界の平和と繁栄実現なくしてあり得ません。我が国は、日米同盟の堅持と国際協調外交基本とし、近隣諸国国連等とも緊密に協力してまいります。  日米同盟我が国外交のかなめであり、日米同盟を一層強化するため、政治、安全保障経済を含む幅広い分野米国と緊密に連携していきます。また、将来の日米関係基盤強化すべく、日米交流強化してまいります。在日米軍再編についても、沖縄等地元の切実な声に耳を傾けつつ着実に進めていく考えです。先般の在日米軍人による暴行被疑事件は極めて遺憾であり、綱紀粛正再発防止に向け、米側に一層真剣かつ継続的な取組を求めていきます。  中国との間では、今春の胡錦濤国家主席の訪日も念頭に、戦略的互恵関係具体化に努め、アジア世界の安定と発展貢献する関係構築します。同時に、軍事面における透明性向上等も働きかけていく考えであります。食の安全についても、両国政府協力しながら鋭意取り組みます。  北朝鮮については、すべての核計画の完全かつ正確な申告等の第二段階の措置や六者会合共同声明完全実施に向けて、関係国と緊密に連携しながら拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して日朝国交正常化実現すべく、全力で取り組んでいきます。  また、韓国との協力を緊密にし、李明博新政権との間で日韓新時代を開いていきます。  アジア太平洋地域への関心を強めているロシアとは、関係をより高い次元に引き上げるべく、領土問題の解決に向け交渉強化し、併せて幅広い分野での関係を進展させます。  インドとの戦略的グローバルパートナーシップを引き続き発展させるとともに、豪州との間でも幅広い分野関係発展させてまいります。  日米豪戦略対話も引き続き推進してまいります。  また、東アジア首脳会議等の枠組みを活用し、ASEAN等とともに地域共通課題に取り組んでまいります。メコン地域諸国との関係も一層強化します。  また、国際社会の安定と繁栄に向けて、EU及び欧州諸国との連携協力を更に発展させてまいります。  本年、我が国は第四回アフリカ開発会議北海道洞爺湖サミットを開催します。環境気候変動や、開発アフリカ世界経済、不拡散を始めとする政治問題の解決に向けリーダーシップを発揮してまいります。  途上国の安定と発展のためにODAを積極的に活用していくことは、我が国自身にとっても利益であり、我が国外交政策において重要な課題です。我が国外交政策を反映させた国際協力実施に一層努め、我が国にふさわしい国際的責任を果たしてまいります。  また、平和協力国家として平和な世界をつくるため、テロとの闘いやイラクアフガニスタン復興支援、中東和平問題やアフリカ等における平和構築への貢献強化してまいります。  現行法上可能な人的貢献を更に強化するとともに、国際平和協力のための一般的な法律整備検討していきます。  また、WTOドーハ・ラウンドの年内妥結を目指すとともに、インド豪州などとの経済連携協定交渉を始めとする経済外交に取り組みます。  最後に、外交政策推進のためには、情報の収集・分析能力及び情報防護体制強化並びに外交実施体制の抜本的な強化が不可欠であることを強調し、私の所信といたします。  北澤委員長を始め委員各位の御支援と御協力を心よりお願い申し上げます。
  6. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 次に、防衛大臣から国の防衛基本方針について所信聴取いたします。石破防衛大臣
  7. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 北澤委員長始め委員皆様所信を申し述べます。  まず、二月十九日に生起いたしました護衛艦「あたご」と漁船清徳丸衝突事案について申し上げます。  このような事故はあってはならないことであり、心より申し訳なく思っております。本件については、防衛省自衛隊としても原因を究明する必要があるとの観点から、三月六日以降、艦船事故調査委員会において調査を行ってまいりました。いまだ当直員の一部については聴取できていない状況にありますが、二十一日には、同委員会が行ってきた聴取で確認されたその時点における内容について、捜査に支障のない範囲で公表いたしました。引き続き、事故原因徹底的に究明するとともに、今般取りまとめた報告の中で既に判明している点も踏まえながら、今後二度とこのような事故を起こさないよう再発防止に万全を期してまいる所存であります。  防衛事務次官という極めて重い職責にあった者が収賄容疑により逮捕されたこと、海上自衛隊における特別防衛秘密流出事案において逮捕者が出たことなど、昨年明らかになった様々な不祥事は、防衛省自衛隊に対する国民信頼を大きく損なう極めて深刻な事態であり、改めて心より深くおわびを申し上げます。  防衛省としては、捜査中の事案について引き続き検察当局に最大限の協力を行うとともに、自らもこれまで問題となった一連事案の事実関係原因等徹底的かつ速やかに明らかにすべく調査を進めてきたところですが、イージスシステムに係る特別防衛秘密流出事案護衛艦「しらね」の火災事案については、三月二十一日に、防衛省に設置した各事案調査委員会によるこれまでの調査の結果を公表いたすとともに、事案関係者に対する処分実施いたしました。  これらに加え、給油量取り違え事案、航泊日誌誤破棄事案装備品調達水増し請求事案などの一連事案や、今般発生した事故への対応体制の不備は、それぞれが単発的なものではなく、その根底には構造的、組織的な問題があるものと私は認識をいたしております。  過去にも幾つもの不祥事や重大な事故が発生し、そのたびに改善を図ってまいりましたが、必ずしも十分な実効を得ることができなかったとの反省の下、この際、新たな防衛省自衛隊の在り方について白紙的に徹底した議論を行い、改革案国会並びに国民皆様の前にお示しし、御議論を賜りたいと考えております。抜本的な改革案を果敢に実行に移すことこそが国民信頼回復につながる方途であると私は信じます。  一連事案を踏まえ、文民統制徹底、厳格な情報保全体制の確立、防衛調達透明性向上につき、首相官邸に設置された防衛省改革会議において有識者の方々を交えて高い見地から議論が行われておるところであり、今後取りまとめられる改革基本的方向性を受けて、防衛省内に設置した各種検討会等においても、実務レベル議論を進め、早期に防衛省改革のための具体的施策をお示しできるよう最善を尽くしてまいります。  国民財産である自衛隊を用いて国益確保するとともに、国際社会における我が国責任を果たすべく国際活動が本来任務として定められ、政府部内において一般法についての検討が開始された今こそ、国民財産である自衛隊をどう正しく用いるか、どうすれば誤った用い方がなされないか、そして、民主主義的文民統制見地からそれにふさわしいシステムとはどのようなものかが議論されるべきであると考えます。  冷戦後、そして九・一一米国同時多発テロ後の安全保障環境は従来のものとは全く異なるものとなったとの私の認識はかねてから申し上げておるとおりでございます。我が国は、領土問題等の伝統的な国家間の関係から大量破壊兵器等拡散国際テロなどの新たな脅威や多様な事態に至るまで、様々な課題に直面しております。また、北朝鮮の核・ミサイル問題など、周辺の安全保障環境は引き続き厳しいものがあります。  このような安全保障環境において我が国は、専守防衛軍事大国とならない等の防衛政策基本は堅持しつつ、新たな脅威や多様な事態実効的に対応すべく、多機能で弾力的な実効性のある防衛力整備しなくてはなりません。そのためには、法制、装備運用、それらすべての面からの検証が必要であります。  弾道ミサイル防衛については、昨年十二月十八日、イージス護衛艦「こんごう」による迎撃ミサイル発射試験に成功したところであり、引き続き迎撃ミサイル搭載イージス護衛艦の配備や地上迎撃システム改修等を着実に進めるとともに、米国との緊密な連携の下、運用実効性向上に努めてまいります。  テロや大規模災害などの様々な緊急事態により迅速かつ的確に対応できるよう、危機管理体制も一層強化し、国民の安全と安心を確保してまいります。  防衛省は、本国会防衛省設置法等の一部を改正する法律案提出しております。防衛学校及び防衛医科大学校における研究の位置付けの明確化陸上自衛隊学校の生徒の身分の新設自衛官勤務延長及び再任用に係る期間の伸長等措置を講ずるとともに、情報保全機能強化するための自衛隊情報保全隊新編等組織改編を行います。  日米安全保障体制及びそれを中核とする日米同盟は、我が国の安全の確保のみならず、アジア太平洋地域の平和と安定のために不可欠な基礎となっており、国際的な安全保障環境改善のためにも重要な役割を果たしております。  在日米軍再編は、抑止力を維持しつつ、関係地方公共団体地元方々負担軽減を図ることを眼目としております。沖縄など地元の声によく耳を傾け、地域の振興にも政府全体としてきめ細かく配慮し、誠心誠意対応することにより、これを着実に進めてまいります。先般の在日米軍人による暴行被疑事件は極めて遺憾であり、綱紀粛正再発防止に向け、米側に一層真剣かつ継続的な取組を求めてまいります。  また、新たな安全保障環境において、日米両国が多様な課題に適切に対処し、抑止力を維持するため、日米認識共有化を図り、役割任務能力に係る検討を進め、日米同盟実効性の更なる向上に努めてまいります。  我が国は、国際的な安全保障環境改善するため、二国間、多国間の防衛交流国際機関などが行う軍備管理軍縮分野での取組への協力推進するとともに、国際社会の一員として国際社会の平和と安定に積極的、主体的に取り組んでおります。海上自衛隊による補給活動は、国際社会が取り組むインド洋における海上阻止活動の重要な基盤であり、各国からも高い評価を受けております。本年一月十一日にテロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動実施に関する特別措置法が成立したことを受け、一月下旬に補給艦「おうみ」、護衛艦「むらさめ」がインド洋に派遣され、二月二十一日より現地で補給活動を再開いたしました。活動に当たっては、国会で御指摘いただいた事項を踏まえ、更なる法の趣旨徹底情報の公開に努めてまいります。  また、イラクにおいては、航空自衛隊輸送活動を通じて、イラク国民によるイラク国家再建のための努力国際社会とともに支援しております。  我が国国益確保するとともに、国際社会における責任を果たすため、今後とも国際活動に主体的、積極的に取り組んでまいります。  自衛隊のユーザーはあくまで主権者たる国民であります。我が国として過去の過ちを繰り返すことなく、防衛省自衛隊がその任務を適切に遂行するためには、国民皆様の御理解と御協力が不可欠です。そのために、自らが積極的に説明責任を果たさねばならないことを痛切に感じております。  北澤委員長を始め委員各位の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
  8. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 以上で所信聴取は終了をいたしました。  本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。     ─────────────
  9. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  平成二十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管防衛省所管及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門についての審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務大臣官房審議官小田克起君外十名の出席を求め、その説明聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  11. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 昨日、予算委員会から、三月二十七日の一日間、平成二十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管防衛省所管及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門について審査の委嘱がありました。  この際、本件議題といたします。  審査を委嘱されました予算について、順次政府から説明聴取いたします。高村外務大臣
  12. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 平成二十年度外務省所管予算案について概要説明をいたします。  平成二十年度一般会計予算において、外務省は六千七百九十三億七千百万円を計上しております。これを前年度と比較いたしますと一・三%の増額となっております。また、ODA予算は、外務省所管分として、対前年度比三・〇%の減額の四千四百七億二千九百万円となっております。  外交は、中長期の観点を踏まえ、国益確保することを目的とするものです。我が国国益である我が国国民の幸福及び我が国の平和と繁栄確保は、世界の平和と繁栄実現なくしてあり得ません。平和な世界をつくるため、平和協力国家として我が国外交を積極的、機動的に進めるためには、外交基盤整備強化しつつ、関係国国際機関等との協力を安定的に継続することが不可欠であります。  このような考え方に基づき、平成二十年度については、以下の三つの柱から成る重点外交政策を踏まえて予算案作成させていただきました。  第一の柱は、我が国の平和、安全の確保アジア近隣諸国との協力強化であります。  まず、日米安保体制基盤とする日米同盟関係を基軸としつつ、中国韓国ロシア等アジア近隣諸国との対話協力を一層強化していきます。また、基本的価値を重視する外交を進めつつ、イラクアフガニスタンにおける平和の構築中南米諸国との関係強化についても積極的に取り組み、外交の地平を拡大していきます。  第二の柱は、グローバルな課題への責任ある取組です。  議長国を務める本年の北海道洞爺湖サミットは、国際的な諸課題解決に向けて我が国が積極的なリーダーシップを発揮する絶好の機会です。環境気候変動開発アフリカ、保健、世界経済、不拡散を始めとする政治問題などの重要課題について前向きなメッセージを発信していくよう取り組みます。  また、我が国は、成長の加速化、人間の安全保障環境気候変動重点項目として第四回アフリカ開発会議を開催します。そうした取組の中で、ODAの効果的な活用に努めるとともに、ODA事業量の百億ドルの積み増しといった国際公約の着実な実施を始め、我が国にふさわしい国際的責任を果たしていきます。  第三の柱は、力強い外交のための基盤強化であります。  我が国国際社会の諸問題に機動的かつ的確に対応し、国益を踏まえた力強い外交を展開するため、総合的な外交力強化を図ります。特に、定員機構については、合理化努力を一層進めると同時に、必要な人員、体制を整えるべく、定員の九十九名の純増及び五大使館、二総領事館の新設を図ります。また、我が国メッセージを戦略的に発信するための体制強化推進していきます。  以上が、平成二十年度外務省所管予算案概要でございます。  また、当省関係政府関係機関収入支出予算について申し上げます。  独立行政法人国際協力機構JICAは、平成二十年十月に国際協力銀行海外経済協力業務を承継し、新JICAが発足します。新JICAにおける有償資金協力部門として、収入千二百二十三億三千六百万円、支出五百七十億六千四百万円となっております。  以上、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  13. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 次に、石破防衛大臣
  14. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 平成二十年度の防衛省関係予算について、その概要を御説明申し上げます。  平成二十年度予算については、安全保障環境を踏まえた防衛力近代化政策立案機能情報保全機能強化するための組織づくり国際社会の平和と安定のための取組効率性優先度を踏まえた防衛力整備推進弾道ミサイル防衛システム運用基盤充実強化など、必要な事業はおおむね確保できたと認識しております。  予算作成に当たっては、財政事情が引き続き厳しく、また防衛装備品調達に係る信頼が揺らいでいる状況にあり、これまでにも増して合理化効率化努力を行い、国民皆様の御理解をいただけるよう努めました。  平成二十年度の防衛省所管歳出予算額は四兆七千七百九十六億五千万円で、前年度の当初予算額に比べますと二百十六億五千七百万円の減となっております。  新たな継続費の総額は千四百十九億四千四百万円、また、国庫債務負担行為限度額は一兆七千九十九億千五百万円となっております。  次に、平成二十年度の防衛省予算において特に重点を置いた施策について御説明申し上げます。  第一に、安全保障環境を踏まえた防衛力近代化です。海洋の安全確保のため、哨戒能力向上させた次期固定翼哨戒機P1を導入いたします。また、防空能力強化のため、現有のF15戦闘機近代化改修を促進いたします。さらに、最先端技術重点を置いた航空機技術研究として、高運動ステルス機技術システムインテグレーション研究実施いたします。  第二に、政策立案機能情報保全機能強化するための組織づくりです。給与課新設等を通じて政策立案機能強化いたします。また、我が国防衛上必要な情報を適切に管理、保全するため、三自衛隊情報保全部隊を統合した部隊新編等実施いたします。  第三に、国際社会の平和と安定のための取組です。これまでの国際平和協力活動の実績を踏まえ、装備品改善充実実施するとともに、国際平和協力活動に係る常日ごろからの教育広報体制充実等を図ります。  第四に、効率性優先度を踏まえた防衛力整備推進です。一括調達等活用による効率性優先度の追求や、新素材を用いた艦齢の延伸によるライフサイクルコストの低減を図ります。また、部隊能力の維持を図りつつ、総人件費改革推進いたします。  第五に、弾道ミサイル攻撃への対応であります。弾道ミサイル防衛システムについて、迎撃システムの取得が進捗したことを踏まえ、運用基盤充実強化を図ることにより、運用実効性向上させてまいります。  以上に加え、新たな脅威や多様な事態等への対応在日米軍再編のための取組、機動戦闘車の開発を含む研究開発事業情報通信態勢の構築、人材強化取組環境対策の推進、基地対策等の推進などの諸施策実施してまいります。  安全保障会議の経費については、平成二十年度よりその他事項経費として組替え要求をいたしております。  また、平成二十年度防衛関係費に関連し、防衛省の所掌事務をより効果的かつ効率的に遂行し得る体制整備するため、自衛官の定数及び即応予備自衛官の員数の変更、防衛学校等における研究の位置付けの明確化陸上自衛隊学校の生徒の身分の新設自衛官勤務延長及び再任用に係る期間の伸長等措置等を内容とする防衛省設置法等の一部を改正する法律案提出し、別途、御審議をお願い申し上げております。  これをもちまして、平成二十年度の防衛省関係予算概要説明を終わります。
  15. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 以上で説明聴取は終わりました。  この際、お諮りをいたします。  外務省及び防衛省関係予算の大要説明につきましては、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  17. 徳永久志

    ○徳永久志君 おはようございます。民主党・新緑風会・国民新・日本の徳永久志であります。  まずは、三月十五日、中国チベット自治区ラサ市に起きましたデモ隊と中国当局との衝突の問題について質問をしたいと思います。  日本にいますと様々な情報がるるいろいろな形で流れてきているわけなんですが、まず最初に、政府としてこのチベットの現在の情勢というのをどのように認識、把握をされておられるのか、そしてまた政府として中国側にどのようなメッセージを出されてきているのか、そして旅行者を含む邦人保護にどのように対応をされてきているのかについて、大臣に伺いたいと思います。
  18. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) 現在のチベット情勢につきましては、死傷者一つを取ってみましても幅のある発表がなされておりまして、情報も極めて限定されている現段階におきまして、政府として確たることを申し上げることは困難でありますが、引き続き懸念を持って情報を注視していく考えです。  最初に市民と当局との衝突が発生したラサ市の情勢は既に沈静化しつつあると思われますが、その周辺地域の甘粛省や四川省等のチベット族自治州においては、最近も市民と当局の衝突が発生しているといった情報が出ています。政府としては、引き続き事態が早急にかつ平和裏に沈静することを強く期待するとともに、事態の推移を注視しつつ適切に対処していく考えであります。  次に、現在のチベット問題についての日本政府対応ぶりでありますが、我が国としては、チベット自治区ラサ市において市民と当局の衝突により死傷者が発生したことが確認されました直後の十五日、情勢を懸念し、注視するとともに、関係者の冷静な対応を求め、事態が早急にかつ平和裏に沈静化することを強く期待する旨の外務報道官談話を発出いたしました。こうした我が国の立場については、外交ルートを通じて中国側にしかるべく申入れをするとともに、邦人の安全確保を要請してきたところであります。  さらに、中国側に状況について透明性確保を促しますとともに、状況改善のために双方が受け入れられる形で関係者相互間の対話が行われるのであれば、それは歓迎すべきことであるとの立場についても外交ルートを通じて累次伝えてきております。引き続き、事態の推移を注視しつつ、適切に対処していく考えであります。  なお、邦人保護につきましては、既にほとんどの邦人が安全な地域に移っておりますし、必要に応じて情報等を提供して安全を図る予定であります。
  19. 徳永久志

    ○徳永久志君 今回の衝突事案について、これ平和的なデモ行進を武力で抑圧をしているのか、あるいは商店などを暴徒が襲撃する暴動のたぐいを取り締まっているのかという形で、日本のテレビの映像で見る限りは、後者を殊更強調するシーンが流れているなという感じがします。また、先ほど副大臣も御答弁いただきましたとおり、死亡者につきましても、中国政府は十数名程度と話しているのに対して、チベット亡命政府側は百四十名近くに及んだんだというような発表もしているわけであります。  一番問題なのは、現地の正確な情勢、情報というものが伝わってこないなということだろうと思います。何か中国政府によるプロパガンダ的情報のみが垂れ流されている状況かなと。不当な弾圧はなされていないと中国側が主張する以上、やっぱり自由な言論と報道を認めて、国際社会が見守る中で事態の収束を図っていくべきなんだろうと思います。  報道、表現の自由がない中での取締りというものは、やっぱり一方的な弾圧という疑義を持たざるを得ません。やはり、ここは日本政府として、外国メディア及び政府関係者のチベット自治区への立入りや、自由な報道がなされるということを強く中国側に申し入れるべきだというふうに思いますけれども、御見解はいかがでしょうか。
  20. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 既に国会において、あるいは記者会見において、私は中国のためにも透明性をもっと増してほしいと、そしてオープンにしてほしいと、そういうことを数度にわたって申し上げているわけでありまして、そういうことは外交ルートを通じても伝えているわけでございます。
  21. 徳永久志

    ○徳永久志君 このチベットの問題の背景には、自治の問題とそれから信教の自由を始めとする人権の問題があるんだろうと思います。前者はやはりこれ内政問題に深くかかわることでもありますので立入りはできないかとは思いますけれども、後者の人権の問題についてはこれは黙っているわけにはいかないんだろう。  フランスのサルコジ大統領は、北京オリンピックのボイコットの可能性についてあらゆる選択肢があり得るとも述べています。これをボイコットしろと言っているわけではないんですが、ただ、平和の祭典オリンピックの開催国にふさわしい対応を求めるということも必要だろうと思いますし、また胡錦濤中国国家主席の訪日も計画をされているわけですが、日本国民が胡錦濤さんの訪日を歓迎することができる、そういう状況をつくりなさいよという強いメッセージというものも是非発していただきたいと思うわけですけれども、いかがでしょうか。
  22. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) まさに、私たちはオリンピックが成功してもらいたいと、こう思っているんです。そのためにも、先ほど申し上げた中国がこの問題について透明性を発揮してもらってオープンにしてもらいたいと、こういうことを言ってきているわけであります。  強いメッセージというのはどういう意味かよく分かりませんけれども、必ずしもメディアを通じてののしることが強いメッセージだとは私は思ってないんです。私のメッセージは静かに強く中国側に伝わっていると、こう思っております。
  23. 徳永久志

    ○徳永久志君 そこで、欧米の国々を中心に、中国政府に対して、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ十四世との対話を求める声が強まってきているということであります。幸い、ダライ・ラマ法王の方も暴力に訴えないように人々に訴えるとともに、中国との話合いの必要性も認めておられるわけであります。  そこで、今日ちょっと民主党の外交防衛部門会議の方で資料をちょうだいをしたんですけれども、G8政府首脳とダライ・ラマ法王との会見はどのようになっているのかという資料であります。アメリカの方は、ブッシュ大統領はもう三度にわたって会見をされていますし、ライス国務長官も二〇〇五年十一月に会見をされている。イギリスも外務大臣が二〇〇四年、ドイツは首相が二〇〇七年、イタリアは外務大臣が二〇〇六年、カナダは総理大臣が二〇〇七年、それぞれ会見をされているわけなんですが、まず、こうしてダライ・ラマ法王とも会見をしながらそういうチベット問題について意見交換をしていく必要性はあるんではないかなと思うんですけれども、その辺りいかがでしょうか。
  24. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 基本的にこの問題は、中国の内政問題という問題と、一方で、先ほど委員が指摘された、国際社会全体が関心を持つべき人権問題という面と、双方があるわけであります。  そういう中で、今、日本の政府関係者がダライ・ラマ十四世と会って話すことが、プラスの面とマイナス面とどっちが多いかというと、私はプラスの面というのは余りないんだろうと、こういうふうに思っております。むしろ、私たちが申し上げたいことは、中国政府に対して申し上げたいことが多いというふうに思っておりますから、中国政府にいろいろ我々のメッセージが届くようにしたいと。  そのメッセージはどういうメッセージかといえば、先ほど言った、透明性をもっと増してくださいと、そしてオープンにしてくださいと、こういうことですね。そして、間違っても世界から人権についての懸念をそう受けないような形にすることがオリンピックを成功に導くことにもなるんですよと、そういうメッセージ中国側にするということが大切なことだと。  今、私たちがダライ・ラマ十四世に忠告すべきことというのは余りないんだろうと、こう思っております。
  25. 徳永久志

    ○徳永久志君 ダライ・ラマ十四世と会見をされてもプラス面がそんなにあるのかなという御答弁でしたけれども、ただ、同じ仏教国として、あるいは儒教文化圏にいる者として、こうしたダライ・ラマ法王と中国当局との対話の橋渡し役ということはやっぱり日本として一つの役割にあるのかなと思ったりもするわけなんですけれども、その辺、いかがでしょうか。
  26. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 私たちは、ダライ・ラマ十四世と中国当局が話し合われるということは大いに結構なことだと思っております。そういう私たちの気持ちは中国側に伝わっていると、こう思っております。
  27. 徳永久志

    ○徳永久志君 是非、今後とも、大臣なりの強く深いメッセージですか、送り続けていただきたいと思います。  次の質問に移りたいと思います。  次に、イージス艦「あたご」と漁船清徳丸との衝突事故について質問をいたします。  まず、三月二十一日付けで防衛省がお出しになられた艦船事故調査委員会による調査についてを一読をさせていただきました。第一義的には「あたご」の非を認めておられるんだなというのを印象として持ったわけなんですけれども、こういう理解でまずはよろしいのかどうか、伺いたいと存じます。
  28. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 第一義的に非を認めたというお言葉の趣旨をちょっと正確に理解できていないで答弁を申し上げているとしたら恐縮でございますが、この艦船事故調査というのは、自衛隊の艦船側における事故原因を究明し、事故の防止に資するということを目的として行っているものでございます。逆に申し上げれば、相手側船舶の過失の有無であるとか程度であるとか、そういうものを究明するということを目的としておるものではございません。  仮に、非ということが関係者の刑事責任という意味でおっしゃっておられるとするならば、あるいは誤解があったら恐縮ですが、海上保安庁の捜査とこれに続く司法手続において、これは厳格かつ公正な判断がなされるというものでございます。非ということが、清徳丸の過失の有無の程度との関係において「あたご」のそれがどうかということであれば、これは海難審判等で厳格かつ公正な判断がなされると、そういうようなものだと私は考えておるわけでございます。  ですから、私どもとしてどうであったかということを考えましたときに、見張りあるいは回避措置についてどうだったかという評価をしたものでございまして、これは非を認めた云々かんぬんということとはちょっとニュアンスが異なる。ただ、我々としてどうであったかということを調べ公表したというものだということを御理解賜ればと存じます。
  29. 徳永久志

    ○徳永久志君 今大臣の御答弁にもありましたけれども、これは報道レベルですけれども、与党の一部に、一方的に「あたご」が悪いわけではない、清徳丸にもそれなりの大きな過失があるのではないかというような議論がなされたと聞いています。相手側船舶の云々ということは防衛省としてはやらないということでありましたけれども、こういう相手側船舶の過失があるんだという認識については、これは海難審判庁としてはお持ちだということでよろしいんでしょうか。
  30. 横山鐵男

    政府参考人(横山鐵男君) 本件につきましては、事態の重大性にかんがみまして、重大海難事件に指定いたしますとともに、横浜地方海難審判理事所に特別調査本部を設置しまして、護衛艦「あたご」及び漁船関係者からの事情聴取、船体検査並びに証拠収集を実施しているところでございます。  現在、このように調査中でありますので、事故原因などにつきまして申し述べることができる段階ではございませんが、所要の調査作業等を速やかに進め、早期に原因究明が行われ、事故再発防止に寄与できるよう努めてまいる所存でございます。
  31. 徳永久志

    ○徳永久志君 それでは、ちょっと観点を変えまして、これもまた報道レベルで大変恐縮ですけれども、清徳丸のお二人の捜索に協力をしていただいた地元の漁協の方々に対して、その経費を政府が負担する考えがあるんだというふうな報道がなされたことがあります。前回の本委員会でも、犬塚先生の方から同趣旨の質問をされたときに、大臣の方からは、もう必要、不必要というか、そういった国家賠償の大学論文みたいなことは言うなとおしかりをされたということも覚えておりますけれども、それに沿って対応していただいたのかなというふうに思います。  まず、この点、この報道というのは事実かどうかということをまず確認をさせていただきたいと思います。
  32. 中江公人

    政府参考人(中江公人君) 今回の事件におきまして、関係漁業組合並びに関係漁業者の皆さんに連日早朝から自主的に捜索に加わっていただいたことに対しまして、当省としても大変感謝をしているところでございます。  これらの方々に対しまして、当省としていかなる対応がなし得るか真摯に検討を行っているところでございます。燃料代等の経費の負担を含めまして、御協力をいただいたことに対するできる限りのお礼を行うという方向で現在関係省庁とも調整を行っているところでございます。
  33. 徳永久志

    ○徳永久志君 御協力をいただいた方々に対するお礼という表現を使われますと、ちょっとまた分からなくなってくるんですけれども。  経費といっても、大きく二つに今回の場合分かれるんだろうと思うんですね。例えば、捜索のために漁船を一隻出していただくに当たっては、燃料費その他で一日十万円掛かるんだというようなお話もお聞きをしていますし、また、捜索をして、協力をしていただいている間は当然漁は休んでいただいているわけですから、その間のある意味休業補償的な部分もあるんでしょうということですから、この二つについての考え方に絞りますと、どのような御答弁になりますでしょうか。
  34. 中江公人

    政府参考人(中江公人君) 御指摘の点につきまして、防衛省として、現在、どのような範囲でお礼を行うのか、まだ確たる方針を決めているわけではございませんが、いずれにしましても、防衛省としてできる限りの、そしてどのような誠意をお示しすることができるかどうか、現在真摯に検討を行っているところでございます。
  35. 徳永久志

    ○徳永久志君 そうしますと、以前、民主党の外交防衛部門会議では、防衛省の方がこの問題についてはこういう、今お礼という表現を使われましたけれども、そういう負担することの、負担の必要性、必要か不必要かという部分を含めて検討するんだという答弁の後、今真摯にお答えいただいたんですが、お礼という表現を使われたわけで、ちょっと前向きになっていただいたのかなという思いがしますけれども、じゃ、そのお礼の中には、私が先ほど申し上げました二つ、休業補償的な部分といわゆる燃料費等の経費の部分も含めてお礼という言葉を使われていると解釈してよろしいですか。
  36. 中江公人

    政府参考人(中江公人君) その点につきましては、先ほど申し上げましたように、まだ私どもとして確たる方針を決めているわけではございません。公費を使ってどのような枠組みでどのようなお礼といいますか、私どもの誠意というものをお示しすることができるか、今真摯に検討を行っているところでございます。
  37. 徳永久志

    ○徳永久志君 お礼とそれから今誠意という言葉を使われると余計にちょっと分からなくなってくるんですけれども、大臣、これはどう理解したらいいんですか。
  38. 石破茂

    国務大臣石破茂君) ここは官房長も今かなり気を付けて気を付けて答弁をしておるわけでございますが、その積算根拠なるものが、今委員御指摘の実費あるいは休業補償的なものというのは、それも全くないわけではありません。当然それは、一体どういう形で、私は省内で言っているのですが、これは向こうからかくかくしかじかこういうものを払いなさいと言われて払うものではないでしょうと。これは私どもとして、本当に、自主的に漁を休み、出ていただいて、捜索をしていただいたことに対していかなる誠意の示し方があるだろうかということから話は始めなければいけないと。そこにおいては、本当に、何というんでしょう、これが十分な誠意なのだというのは、それはもう言われてやることじゃないと思うんですね。そのときに、何がそうなのだろうということは、やっぱりそれを考えますときに、委員がおっしゃるような要素は当然入ってまいります。当然入りますし、それがどれぐらいだろうということはもちろん考えます。  ただ、それで締めてお幾らというようなものになるのかどうか、そしてどの費目からそれを出すべきなのか。やっぱり国民の税金を使ってやらせていただくわけですから、その辺りは関係省庁ともよく調整の上やっていかねばならない。私どもとしては、本当に漁協関係者方々が国は誠心誠意やったねというふうに言っていただけるために、いろんな角度から早急に検討を詰めておるところでございます。
  39. 徳永久志

    ○徳永久志君 是非、最後に大臣おっしゃいました、国は誠心誠意やっていただいたというふうに漁協の方々が思っていただける、そのような対応を早急にお願いをしたいというふうに思います。  今回のこの衝突事故で私真っ先に思い浮かんだのは、昭和六十三年七月に起きました潜水艦「なだしお」と釣り船第一富士丸の衝突事故でありました。このときには三十名もの尊い命が失われたわけであります。この「なだしお」の事故以降今日に至るまでの二十年間に九件の衝突事故があったわけでありますが、幸いにもけが人は出ませんでした。ただ、今日に至るまでこうした「なだしお」のこの教訓というのが十分に生かされ続けてきたのかなという思いはいたします。  この「なだしお」の事故を受けて、昭和六十三年八月二十四日付けで当時の防衛庁が艦船等の事故再発防止策等についてを出しています。ここでも様々な対策を講じるんだということで、強い決意がちりばめられている文書なわけですけれども、本当にこれ徹底をされてきたのかなと。例えば今回の件と「なだしお」と比べてみましても、防衛庁長官、大臣への連絡は、「なだしお」のときが約一時間後、「あたご」が一時間半後、海上保安庁への連絡も、「なだしお」が二十一分後、「あたご」が十六分後、発見後の回避行動も両者とも一分前ということになると、本当に徹底がされ続けてきたのかなという思いがするわけですけれども、まず大臣の御見解を賜りたいと存じます。
  40. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 報告書で申し上げましたように、見張りというものについて、あるいは回避措置というものについて、私どもとして問題があるというふうに思っております。  「なだしお」は潜水艦でございますし、これは水上艦でございますので、潜水艦に特有のセールの部分で非常に狭うございますので一人しか上がっていなかった、それはどうだというようなことも問題意識としてあったのですが、そこで出したのには水上艦に共通する部分もございました。本当に見張りの徹底ということがきちんと行われておったとしたならば、こういう事故は避け得たのではないだろうかという意識がございまして、私どもとして、「なだしお」の教訓というものが徹底されていたにもかかわらずこういうことが起こったというような分析は、それはいかがなものかなというふうに正直言って私自身思っております。  もう一度、徹底されていたのかどうか、その体制はどうであったのかということは、これは謙虚にきちんと検証をしてみる必要があるというふうに考えております。  もちろん、「なだしお」の事故以降そういうことが相当に徹底されたということは私認識をしておるところでございますが、本当にそこが徹底という言葉が当てはまるものであったかどうかは、これはもう一度同じことを申し上げますが、謙虚に虚心坦懐に検証してみなければならないと思います。
  41. 徳永久志

    ○徳永久志君 今、見張りの強化というところについて大臣も言及をしていただきましたけれども、この「なだしお」の事故の後の艦船等の事故再発防止策等についてのこの報告書によりますと、やはり同じようなことが述べられているわけですね。  東京湾等船舶ふくそう水域等における航行安全対策の強化とありまして、具体的措置として六項目が挙がっていると。その一つの具体的措置として、見張り等の要員を増強した航行体制整備というものがしっかりと挙がってきているわけであります。したがって、この辺をとらまえて先ほどの大臣の御答弁にもなるのかなと思います。  そこで、ちょっと具体的な話なんですけれども、もうるる衆議院の方でも答弁をされていたんでしょうけれども、やはりちょっとお聞きをしておきたいのが、このCICの当直体制七人でありますが、交代前の当直は、許可を得ないまま、前半の一時間は三名、後半の一時間は四名しかいないと。その結果、二台のレーダーのうち一台は継続的に要員が配置されていなかったという報告でありますが、もうこれはちょっとにわかには信じ難い状況が起こっているわけなんですけれども、これはどう理解したらいいんですか。
  42. 徳地秀士

    政府参考人(徳地秀士君) お答えを申し上げます。  「なだしお」の事故の教訓、反省といたしまして、御指摘の艦船等の事故再発防止策等についてという文書におきましても、見張りの重要性が指摘をされていたところでございます。  しかしながら、今回の事故におきまして、御指摘のような点も含めまして、艦全体として見張りが適切に行われていなかったということは、過去の教訓がしっかりと生かされていなかったというふうに言わざるを得ないと認識をしておるところでございます。  海上衝突予防法第五条が「常時適切な見張りをしなければならない。」というふうに規定をしておるとおり、見張りは十分に余裕のある時期に衝突を避けるための回避措置を行う上で大変重要なものであるというふうに考えております。  「あたご」におきましてこのように不適切な見張りが行われていたということにつきましては更に調査をする必要がございますが、今後、海上自衛隊全体としても、見張りの徹底を含めた安全航行について、体制に万全を期してまいりたいと考えておるところでございます。
  43. 徳永久志

    ○徳永久志君 この見張りの件についてもう一点。  またこれも信じられないことなんですけれども、見張り員は通常艦橋両わきのデッキにてそれを行うというのが常であるというふうに聞いております。しかし、通り雨があって見張り員は艦橋内にいたということであります。これも、雨が降ったら艦橋内で見張りを行うというのは、これもしかして一般的なんですか、違うんでしょうね、ちょっとその辺確認をさせてください。
  44. 徳地秀士

    政府参考人(徳地秀士君) お答えを申し上げます。  見張り員の立ち位置についてでございますが、例えば海が荒れていたりとか、それから豪雨などによりまして艦橋の中の方がより適切な見張りができるという場合以外は、視覚あるいは聴覚を活用できる艦橋の外の左右のウイングで行うということが基本でございます。  それから、通り雨の件がありますけれども、通り雨があったような場合、雨具の装備のために一時的に艦橋の中に入らせることはありましても、その後は再び左右のウイングに出て見張りを行わせるということが一般的でございます。
  45. 徳永久志

    ○徳永久志君 ただ、当直員が勤務していた時間帯、二時から四時の間に通り雨があったということではありますけれども、じゃ、この衝突寸前の時間帯に本当に雨が降っていたかどうかというのも、これも確認されてないわけですよね。これはいかがですか。
  46. 徳地秀士

    政府参考人(徳地秀士君) お答えを申し上げます。  先ほど申し上げましたとおり、通り雨があった場合には、一時的に艦橋内に入りまして雨具の装備というようなことはするということはあるということでございますが、その後は再び左右のウイングに出て見張りを行わせるということが一般的であるわけでございまして、今回の「あたご」の事例のように、通り雨がやんだ後におきましても引き続き艦橋の中で見張り員を配置するということは、私どもといたしましても不適切なものというふうに考えておるところでございます。
  47. 徳永久志

    ○徳永久志君 いや、そうなってくると、これは、あれですか、通り雨が過ぎ去った後も艦橋内で見張り員がいたんだということは今お認めになったということでよろしいんですか。
  48. 徳地秀士

    政府参考人(徳地秀士君) お答えを申し上げます。  私たちの今のこれまでの事故調査委員会によります調査状況におきましては、今先生御指摘のようなものだと考えております。
  49. 徳永久志

    ○徳永久志君 そうなると、実は今日も、民主党外交防衛委員会で、この通り雨のあった時間帯はどうなんですかという文書で回答を求めたんですが、その詳細な時間については確認できないと文書で回答をいただいているんです。となるとどっちが本当なんですかということになるんですが、これはもう委員会で御答弁をされたように、衝突のときにはもう雨が降っていないにもかかわらず艦橋内に見張り員がいたんだという理解をさせていただいていいですね。再度確認です。
  50. 徳地秀士

    政府参考人(徳地秀士君) お答えを申し上げます。  先般公表をさせていただきました文書におきまして、見張りの勤務位置につきましては、前直の当直時に通り雨がありというふうに書いたところでございます。この前直の当直時と申しますのは午前二時から四時までの間でございます。そして、この二時から四時までの間の具体的にいつごろかということにつきましては詳細は分かっておりませんが、いずれにしても、ここで申します通り雨は前直の当直時のことでございます。
  51. 徳永久志

    ○徳永久志君 いずれにしましても、雨がやんでいるにもかかわらず艦橋内にいたということは事実のようでありますから、これは本当に厳しく対処していただかないと、一体何なんですかという話になろうかと思いますので、御指摘をさせていただきたいと思います。  次に、艦長の行動についてでありますけれども、この艦船事故調査委員会による調査についての記述によりますと、艦長は十九日零時三十分ごろ艦長室内で仮眠を取ることとしたという表現があります。その下の副長のところに行きますと、零時過ぎに副長室で就寝したとあります。  寝るという同じ行為に対して、艦長は仮眠、副長は就寝とあえて使い分けておられるように思うんですが、これはどういう理解したらいいんでしょうか。
  52. 徳地秀士

    政府参考人(徳地秀士君) お答えを申し上げます。  御指摘の先般の公表内容におきましては、艦長の行動につきましては、十九日の零時三十分ごろ艦長室内で仮眠を取ることにしたというふうに書かれております。それから、副長の行動につきましては、零時過ぎに副長室で就寝しというふうに記述をいたしておるところでございますが、ここでそれぞれ仮眠あるいは就寝という記述をしておりますのは、それぞれ艦長、副長の供述の内容をそのまま記述したものでございまして、仮眠と就寝という言葉を厳密に区別して定義をした上で使っているものではございません。
  53. 徳永久志

    ○徳永久志君 そうなると、一般の言葉の解釈でいくと、仮眠というのは、まあまあ、仕事とかをしていて、ちょっと余りにも眠くなったのでちょっと横になろうかねというような状況だろうと思うんですね。就寝というのは、この時間からもう寝ますよという、お休みなさいということになるんだろうと思うんですね。となると、この十九日ゼロ時三十分ごろ仮眠ということは、表現を使っているということは、一般的な解釈でいくと、艦長は本来は任務に就いていなければならないにもかかわらず、ちょっと余りにも眠いので横になったよというふうに取るのが一般的な解釈だと思うので、この仮眠と就寝とはどう違うんですかという聞き方をしているんですが、もう一度そこを、じゃ、この艦長が十九日ゼロ時三十分から衝突までの間、仮眠なのか就寝なのか、寝ていることについては、これはどう理解をすればいいわけですか。
  54. 徳地秀士

    政府参考人(徳地秀士君) お答えを申し上げます。  先ほど御答弁申し上げましたとおり、ここでそれぞれ仮眠あるいは就寝というふうに記述をしておりますのは、それぞれの者の供述の内容をそのまま記述をしたものではございますけれども、いずれにいたしましても、当日、「あたご」の艦長、副長が、この艦船事故調査委員会の確認したところでは、三月二十一日に発表いたしましたとおり、それぞれの供述によりますと、二人とも同じ時間に寝ていたということはそういうものというふうに考えられるわけでございます。  このことと今回の事案との直接的な関係ということについてはどう考えるかということにつきましては、さらに今後捜査なり調査状況というものを踏まえる必要はあるんだろうというふうに考えておりますけれども、一方で、もうそろそろ東京湾に入ろうというような時点におきまして、艦長それから副長というものが、言葉はどうであれ、共に寝ていたということは決して望ましいものであるとは考えておりません。
  55. 徳永久志

    ○徳永久志君 この仮眠という言葉になぜこだわるかといいますと、これ、艦長がこのゼロ時三十分から衝突までの間寝ていたということは、これは当初から予定、予定というか計画というか、日課というんですかね、海上自衛隊では、に定められて、そのスケジュールどおりの行為であったというのか、それか、任務中であるにもかかわらずうたた寝をしてしまったということになるのか、そこを明確にお答えをくださいと、もう仮眠、就寝はいいですから。この寝ていたという行為は、当初からあらかじめ日課として定められた行為をそのままやられただけなんですよと言われるんでしょうか。そこはもう一度明確にお願いします。
  56. 徳地秀士

    政府参考人(徳地秀士君) お答えを申し上げます。  護衛艦の日課につきましては、海上自衛官の勤務時間及び休暇に関する達というものがございまして、これに定める海上部隊の通常の日課基準に基づきまして艦長が任務、訓練等の実態に応じて決定をしておるところでございますが、この日課基準におきましては、例えば冬場、つまり十月から三月といったころの平日におきましては二十二時に消灯、六時三十分起床というふうにされておりまして、通常はこの時間帯に睡眠を取るなど適宜体を休めるということになっておるわけでございます。  護衛艦の艦長は、自衛艦乗員服務規則に定めるところによりまして、一艦、つまり一つの艦の首脳として艦務全般を統括して忠実に職責を全うするという責任を有しておりますので、睡眠を取る際には、当直士官等に対しまして、一定のポイントに達した場合や指定した時間となった場合には艦長を起こすなどといった必要な指示を行うということが通例でございます。
  57. 徳永久志

    ○徳永久志君 ですから、じゃ今、私もその達というやつを持っておりますけれども、冬期の時間帯は二十二時消灯で朝六時半起床という形になっておりますから、これはもう明確に当初からもう寝る、その日課に基づいての艦長さんの行動であったという理解をさしていただいていいわけですね。確認です。
  58. 徳地秀士

    政府参考人(徳地秀士君) 今、先ほど申し上げましたのは、その日課基準に基づいて、通常は、先ほども申し上げましたような時間帯というものに体を休めるということが通常になっておるということでございます。  ちなみに、艦長につきましては、先ほど申し上げましたように、零時三十分ごろ艦長室内で仮眠を取ることにしたということではございますけれども、報告書に書いてございますとおり、二時半ごろ目標を避航するため右よりのコースで航行するというようなことを航海長から報告があったということでございますので、その意味でこの間の航行につきまして適宜報告を受けているというような状況にあったものと理解をしておるところでございます。
  59. 徳永久志

    ○徳永久志君 私は何も艦長は寝るなとは言っていないんです。生身の人間ですからそれは十分に睡眠を取っていただいてしっかりとした状況で勤務をしていただきたいと思います。  ただ、この事故があったこの海域というのは非常に言わば交通量が多い危険な海域であるということは、認識は皆さんお持ちだったと。そういう中で、もし艦長さんが寝るという行為が当初からの日課に基づいていたものだったとすれば、これは余りにもそういう危機管理能力というかそれに欠けている行為ではないのかなと。あるいはそれ以外だったら、この艦長さんが寝るという、この危険な水域に入ることが分かっている時間帯に仮眠をするという行為はどう理解したらいいのか。その辺りのところを是非お聞かせ願いたいということなんですが、ちょっと、大臣、教えていただけますでしょうか。
  60. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 艦長が仮眠を取っておったということとこの事故が起こったということとの関係について、まだこうだと断定できる状況にはありません。ただ、局長が申しましたように、適切ではなかったというふうに判断しております。艦長も副長も一緒のそういう状態であったということは望ましくないというか、というよりも、よろしくないということだと思います。  ですから、もう東京湾に入る直前、とにかく太平洋のど真ん中行き交う船とてなしという状況ではないわけですから、その時間はべき論としてはやはりブリッジに上がっているべきであっただろうと、そしてそこのコンディションなるものを良好に保つための措置というのはほかにもあっただろうということであって、委員御指摘のように、とにかくこの時間からこの時間は日課としてというかルーチンとしてというか、寝ていますということをもってしてこれが正当化されるというような話ではない。  私は、艦において、この時間は艦長はたとえ消灯から起床までの時間であったとしても、私はもうこの消灯時間ですから寝ていますというようなことが、それは一般の船において常態として行われているものではないし、そしてまたそうあるべきものだとも私は思っておりません。これはもうそれぞれの船についてどのような状況であるかということもこれはちゃんと点検をしてやっていかねばならないことだと認識をいたしております。
  61. 徳永久志

    ○徳永久志君 時間になりましたので終わります。
  62. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 牧山ひろえです。  本日は三十数分間の質問時間をいただいておりますが、この三十数分間で実に七百四十人ぐらいのアフリカの子供たちが亡くなっていくのです。三秒に一人のペースで幼い子供たちがアフリカで亡くなっております。つまり、アフリカ支援は緊急を要する重要課題であり、同じ地域に生きる人間として待ったなしの問題であることを質問に先立ち申し上げたいと思います。では、どうぞよろしくお願いいたします。  今日は、五月二十八日から三十日まで横浜市で開催される第四回アフリカ開発会議、TICADⅣについて外務大臣に伺いたいと思います。  このところ、新聞紙面でもTICADⅣ関連の記事が目立ち始め、いよいよこのTICADⅣの開催日が近づきつつあるのだと実感しております。先週二十日には、ガボンの首都リーブルビルでアフリカ開発会議の準備会合が開催されました。大臣はこの会議に議長として出席するために五十時間近く掛けて会場に向かったと聞いておりますが、お疲れさまでございます。  まず、では早速ですが、準備会合ではTICADⅣで採択される予定の横浜宣言の案が披露されたと聞いておりますが、残念ながらこの資料は私ども野党にはまだ配付されていないようです。横浜宣言の内容は各方面から、あちこちから伝わっているところですが、大臣、この横浜宣言にはどのような項目が列挙されているのですか、教えてください。
  63. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 横浜宣言自体は首脳が出すんですね、TICADⅣで。それを、首脳に対してこういうものを出したらどうですかというものを準備会合で一応のものを決めてこれ出しているんで、ということを御理解をいただきたいと思います。  主要項目、大体申し上げますと、成長の加速化、それからミレニアム開発目標の達成、これは人間の安全保障経済社会的側面でございますが、あるいは平和の定着とグッドガバナンス、これも人間の安全保障の政治的側面とも言えると思います。それから、環境気候変動の対処。アフリカ自身もCO2の排出等に考えていただかなきゃいけませんけれども、それ以上にアフリカ自体がそういうことに対して脆弱で被害を負う、その脆弱性をなくそうというようなことも含めております。あるいはパートナーシップの拡大、それから今後の道筋。ごく大まかに言うとそういうようなことをもう少し細かく決めて、それを、まだ完全に詰まっているわけじゃなくて、一応大筋の了承が得られて、これを事務局で更に点検した上で、そのTICADⅣの会議において首脳に示して、そしてまた会議を、首脳の間でそれでいいかどうか、あるいは付け加えるところがあるのかないのか、そういうようなことで、最終的には横浜宣言は首脳の間で決まる、そういう性質のものでございます。
  64. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 この横浜宣言については、今大臣が答弁されたとおり、インフラ整備を通じた経済成長の加速化、平和と開発の両立による人間の安全の保障などの重要項目があると認識しておりますが、やはりMDGs、ミレニアム開発目標の達成が最大の関心事であると思います。  MDGsは、二〇〇〇年九月、ニューヨークで開催された国連ミレニアムサミットで採択されたもので、二〇一五年までの十五年間であらゆる数値目標を掲げて平和と安全、開発と貧困、環境、人権とグッドガバナンス、良い統治などの諸課題解決していくものであると認識しております。今年はこの十五年間の開発目標の中間点でもあると言えますので、そろそろ具体的な成果を示さなければならない時期であると思っております。  資料の一をまず御覧ください。これは、このMDGsの中間報告とも言える目標項目ごとの進捗度合いを示した一覧表でございます。緑は達成できそう、黄色は達成に向けた努力が必要、赤は達成が困難であるということを示しています。  御覧のように、アフリカ状況は大変厳しく、二〇〇〇年よりむしろ悪化していることが分かります。保健分野での状況が特に厳しく、目標の達成自体が困難であるとも読み取れます。まさにMDGsは、十五年間の活動の折り返し地点においてなお一層の努力が必要であると言えます。  この現状を踏まえて、大臣、実際に現地ガボンで議長をされたとのことですが、この横浜宣言を参加各国の担当者に披露してどのような反応が得られたでしょうか、雑感も含めて御報告いただければと思います。
  65. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) TICADⅣに期待するものは非常に大きかったと思います。そういう中で、様々な要求といいますか、こういうことをしてほしいといろいろ出ましたけれども、それはいわゆるミレニアム開発目標についてもありますし、開発についてもありますし、必ずしもそのミレニアム開発目標についての要望が各国の代表から多かったということではなかったと思います。ただ、ミレニアム開発目標は、これはこういう目標を立てたんですから、立てた以上はそれは実現しなきゃいけないわけで、そういうことはこのTICADⅣの中でも大きな課題としてきちっと対応していきたいと思います。  それで、このミレニアム開発目標を達成することとこの成長の加速化ということはこれは無縁ではないんですね。お互いが助け合うことにもなるんだと、こう思っています。全くそれぞれがばらばらの目標だとは私は思っていません。成長することがミレニアム開発目標の達成にも資するし、それからミレニアム開発目標を達成していくことがそれは成長の基盤にもなることだと、そういうふうに思っております。  委員が求めたこととちょっとそごがあるかもしれませんが、そういうような感じを私は持っていると、こういうことでございます。
  66. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ありがとうございます。まさに、折り返し地点の今こそ、MDGsの目標を達成するための更なる努力が必要なものであると思います。  実は私はODA委員も務めておりまして、昨年の十二月にベトナムを訪問する機会がございました。ベトナム訪問の目的は、日本のODAで建設されていたカントー橋が建設途中に崩落してしまった現場を視察するためでした。御案内のとおり、このカントー橋は日本の大手建設会社らが中心となり建設途中ではありましたが、崩落事故により非常に残念ながら現地の方々五十数名がお亡くなりになりました。実際に現地に赴いてみると、やはり橋の建設には細心の注意が必要であったのだと痛感させられました。  私は元々、苦しんでいる方、あしたまで生きていられるかどうか分からないという方を助けたい、そんな思いでボランティア団体を結成して長年にわたって活動してまいりました。その活動をもっと大きな形で実現させたい、もっとたくさんの人を救いたいとの思いがあり国政にチャレンジした経緯がございます。ですから、今回のアフリカ支援の在り方についても、できるだけ現地のニーズに的確に対応できる良い支援となるよう意見を発していきたいと考えております。  ところで、大臣、TICADⅣへの首脳級の参加を表明しているアフリカ諸国は、二月二十日の時点では四十三か国と聞いております。具体的な国名についてはあらゆる配慮があるでしょうが、差し支えない範囲で結構ですので、本日まで参加国数に上積みはあったのでしょうか。今後の進展も含めて、御担当の方、御答弁ください。
  67. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) TICADⅣに招待しているアフリカの諸国は五十二か国でありますが、ほぼすべてが参加するものと考えております。  なお、そのうちに首脳級が参加される国につきましては、現在のところ四十四か国と考えておりますけれども、その具体的な国名等につきましては、まだ流動的な部分があり、当事国との関係がありますので、発表は差し控えさせていただきたいと思います。
  68. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ありがとうございます。せっかくですから、多くのアフリカ諸国の首脳に来ていただいて、活発な議論が展開できればと思います。  大臣、可能であれば、私自身もTICADⅣに参加して、かねてから実現したいと思っていた大きな形での人道支援活動に携わりたいと考えていますが、いかがでしょうか。
  69. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) TICADプロセスというのは極めて開かれたプロセスで、日本一国とアフリカ諸国と、こういう形になっておりません。例えば国連、あるいは世界銀行、あるいはNPO、市民社会、どういう形かは別に、どうぞ委員にも参加していただきたいと思います。市民社会にも参加していただくというのがこのTICADⅣの本来の趣旨でありますから、どうぞ参加していただきたいと。どういう形かはちょっと相談させていただきたいと思います。
  70. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 TICADⅣに限らず、こうしたイベントは行政が主役となって開催される傾向にありますので、やはり大臣がおっしゃるとおり、市民レベルの参加ができるイベントとしてTICADⅣを盛り上げていければと思います。  また、同様に議員外交についても、この際活発な取組をしてみてはいかがかと思います。私が所属しているODA特別委員会が適所だと思いますので、是非アフリカの首脳を御招待して意見交換会を開催できればと思っているのですが、この点、いかがでしょうか。実現可能性も含めて御答弁いただければと思います。
  71. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) それこそ行政がそれがいいとか悪いとか言う話ではないかと思いますが、やっていただくのは大変結構なことだと思います。ただ、スケジュールが物すごく各首脳込んでいるということはありますが、具体的にされるということであれば、国会の側でされるということであれば、それに対応できるのかどうか、時間的に対応できるのかどうか、そういったことについても我々がお手伝いすること、やぶさかではございません。
  72. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 さて、やや頭の痛い問題もあることも事実です。  資料二を御覧ください。我が国ODA予算の現状を示した図表です。政府ODA予算平成二十年度の案で七千二億円と、過去十一年間で四割も減っています。また、特筆すべきは、資料の左下に示すほかの主要経費との比較です。御覧のとおり、一般歳出は平成九年を一〇〇として常に一〇〇を超えるレベルになっていて、同じく防衛関係費もほぼ変わらず費やされています。ODA予算に関しても、平成九年をピークに今年度予算案では六〇%にまで落ち込んでいます。また、防衛関係費のように旧態依然として費やされているケースもあり、この際再考する良い機会ではないかと感じます。  高村大臣石破大臣の手前やや言いづらいかとは思いますが、血税を支払う納税者の立場に立って、今こうしている間にもアフリカの子供たちの命が失われている現状も踏まえて、何か御意見はございますでしょうか。
  73. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) よろしく応援をお願いいたします。  確かに、財政が厳しいと、どうしてもタックスペイヤー、委員がおっしゃるようなタックスペイヤーだけなら大変うれしいんです。アフリカで人が亡くなっている、そういうことは大変だと感じてくれるタックスペイヤーばかりだったら大変うれしいんですけれども、我々だって苦しいんですよ、何で外国を支援するんですかというようなタックスペイヤーもいるというのも現実なんですね。  そういう中で、私たちはやはり世界の中の日本として、責任国家として、本当にそこに貧困や紛争があって大変苦しんでいる子供たちがいる、子供でなくても大人でも同じですけれども、そういう人たちを助けるためにいろいろしなければいけないと、こういうことを言って頑張っているつもりですが、残念ながら、おっしゃるように十一年間で四〇%削減されたというのがこれ事実でありますから、そろそろ底打ちさせて、更に増やす必要があると思っています。是非応援をよろしくお願いをいたします。
  74. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 この予算については、大臣がおっしゃるとおり様々な御意見があるところですが、せっかくTICADⅣとサミットが開催される年でありますから、政府におかれましては、ODA予算の増額を契機に外交に注力することも良いのではないかと思います。  例えば、防衛装備品の水増し請求事件など不祥事が続く防衛省に対して、せめて数%の予算を四兆八千億円の中から節約してアフリカなどへの人道支援やあるいは社会保障に充てるというのもアイデアではないかと思います。これこそ国民理解を得やすい措置であり、これぐらいの方策を図らないと国民理解は得られないのではないかと思います。  また、さきのテロ新法でも再三議論された国際貢献ですが、支援の方向を油ではなくアフリカに向けたとしたら、期待以上の成果と国民理解を得られたかもしれません。  いずれにしても、厳しい財政状況の中予算編成がされるわけですが、何とかしてODA関係費を増額すれば日本の存在感を広く世界に伝えることができるのではないかと思います。  こうした予算の柔軟な使い方について、通告はしておりませんが、石破大臣にもこの件に関して、防衛予算の節約と無駄遣いの徹底的な洗い出しは可能かどうか、お考えをお示しいただければと思います。
  75. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 先ほど予算説明を申し上げました。私どもも、昨年と比べまして二百十六億五千七百万減を立てております。例えば一括で調達をいたしますとか、今までそういうこともほとんどやったことがなかったわけですね。どうすれば効率的な予算が組めるかということについて省内でかんかんがくがく議論を行い、いろんな意見もある中で最大限の努力をしたつもりでございます。  特に、今、旧態依然という御指摘をいただきました。そういうことにならないように、とにかくこれ、もうそろそろ耐用年数というか、それが切れたからまた次買おうというような形ではなくて、どのようなものが本当に必要なのか、どのようなものを何のためにどこにどれだけ置くかということについてぎりぎりの議論はしていかねばならないと思っております。  防衛省として本当に必要な予算を出しまして、節減の努力をしました上で、そこで出てきたお金を国家全体の国益のためにどう使うかということは政府全体で議論されるべきものだというふうに私は思っております。  委員御指摘のように、いろんなお金の使い道がある。テロ新法とかイラクとか、委員のお考えと私の考え、違うところがあるのかもしれませんが、本当にどうすれば日本が世界における責任を果たすことができるのかという観点から、更に御意見を承り、私も議論をさしていただきたいと思っております。節減の努力というものは、本当にいろんな目から、いろいろな切り口から徹底的にやっていかねばならないものだという認識は私は委員と共有できるものだと考えております。
  76. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ありがとうございます。是非、国民に分かりやすい形で無駄遣いの徹底的な根絶をよろしくお願いいたします。  ではここで、支援の中身に議論を進めていきたいと思います。  昨夜、外務省の担当者に対アフリカ向けの分野別の援助実績額を示していただきました。資料の三を御覧ください。資料作成の都合上ここ四年間の実績値にとどまっていますが、日本がアフリカに提供したものの区別ができます。やはりインフラに係る経費が多く、全体の半分以上を占める結果となっています。再三申し上げますが、食糧難で亡くなる方が多くいることが分かっているのに、なぜかインフラ整備への拠出額が医療と食糧に比べ極端に伸びているのです。  やはり、アフリカといえば食糧難と感染症の克服こそが次なる成長へとつながる第一歩であると思うのです。御存じのとおり、アフリカでは年間一千万人の子供が貧困や感染症で死亡しているのです。先ほども申し上げたとおり、三秒で一人の子供がこの世に生まれながらも亡くなっているのです。子供だけでも三秒に一人です。その光景たるや、想像を絶するものです。  こうした子供たちが食糧難と感染症を克服して成長していけば、やがて国を支える力となり、結果として成長の糧となるはずです。つまり、衣食住、どのレベルでそれぞれの国を支援していくべきなのか、更なる議論が必要であると思うのです。  生命の危機にさらされている人々が多くいるアフリカにおいて、やはり支援の配分を食糧や医療などに重点的に持っていくことが必要なのではないかと考えますが、大臣はいかがお考えですか、御所見をお聞かせください。
  77. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) おっしゃるように、サハラ以南でいいますと、生まれてから五歳の誕生日を迎えられない子供が千人に百六十六人いると、こういうふうなことを聞いております。こういうところに、そこに貧困がある、そこに感染症がある、そういうことに責任国家として、あるいは人道国家としてきっちり手当てをしていきたいと、こう思っております。  ただ、インフラも必要なんでして、三十年前、四十年前、日本がアジア支援したときに、やはりインフラ支援なんて役に立たないじゃないか、何でそんな貧富の差を広げるようなことをやるって一部に非難されましたけれども、今やそのアジアが、経済がテークオフ、離陸して、そして立派な経済を自助努力によってつくって、そしてそういう国が今や援助する側に回っているんですね。そういうこともあるんで、一概にインフラが駄目なんだ、NPOによっては、成長なんということがいけないんだ、そんなことはどうでもいいからともかく食糧を渡せと、こう言う人もいます。  目の前に大変な人がいるから食糧を渡すこともこれは大切。委員がおっしゃるように、食糧、医療、大変大切ですけれども、ともかく食糧、医療を渡してそこに成長がないということであれば、五十年後、百年後も援助をし続ける、そちらのアフリカからいえば援助を受け続ける、そういう国であっていいのか。やはり、アジアで成功したみたいに、そのアジアの国々が今や援助をする側に回ってくれている、そういうような援助も同時に必要なんだと。私はこの数字を見て、バランスがどうだとかというのを直ちに分かりませんけれども、両方必要なんだと、こういうふうに考えております。
  78. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 では、一概にインフラが駄目でないということでありましたら、アフリカのインフラの内容をなるべく分かりやすく、詳しく納税者に納得がいく形でお示しいただければと思いますが、いかがでしょうか。
  79. 小田克起

    政府参考人小田克起君) 今、手元にちょっと資料がございませんので、改めて整理をして先生の方にお届けしたいと思います。
  80. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 では、次に、よろしくお願いいたします。  例えば、紛争が続くパレスチナ自治区全域で、日本の母子健康手帳をお手本にしたアラビア語の手帳が妊婦に配られている事例がございます。JICAなどが協力してパレスチナの保健庁が二年半前から準備してきたプロジェクトで、かかりつけ医以外の病院で緊急に出産せざるを得なくなった場合でも、手帳があれば安心であり、現地では命のパスポートと期待されているそうです。  手帳には、血液、尿検査など、妊婦健診の結果に加え、子供の成長の記録が五歳になるまで記載できるとのことで、イラストを多用し、夫婦で話し合って育児の準備ができるよう工夫してあるとのことです。  日本政府の資金援助で十二万冊の母子手帳が準備されているとのことで、これこそまさに真の国際貢献であり、日本が経験があり、得意とする分野であると思うのです。  資料三に戻りますけれども、対アフリカ分野別実績値では医療に対しての比率が低いのではないかと思います。同様に、人間が生きていくための必要最低限の支援として食糧が必要であり、この点に関しても一覧表では低い比率となっています。  私は、日本が得意とするこうした分野での支援重点的に行うべきであると考えますが、例えばアフリカ各国でこの母子健康手帳を広めることもよいと思いますが、高村大臣はいかがお考えでしょうか。
  81. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 国際社会におきましては、アフリカにおける母子保健の改善の重要性というのは、これは広く指摘されているところでございます。五月に開催されるTICADⅣにおきましても、最も脆弱な立場にある女性と子供に焦点を当てた母子保健について議論を深めていく考えであります。  特に、御指摘の母子手帳は、健康一般についての母親の知識を高めることによって妊産婦の死亡率、乳幼児死亡率を大幅に改善することができる優れた制度であるというふうに認識をしております。こうした観点から、我が国、これまでにパレスチナやインドネシアで母子手帳の普及に取り組んでいるところでございます。  一方で、保健所の設置及びアクセス、保健医療従事者の育成といった保健システム向上や母親の識字率の改善と相まってこそ効果が発揮されるということであり、アフリカにおいては、このような協力を進めるとともに、母子保健の理念や考え方が浸透するよう議論を深めていきたいと思います。  私、数か月前にグローバル・ヘルス、保健についての政策演説をやったんですが、そこでも母子手帳のことを日本が広めるべき大きな柱として一つ掲げ、具体的に掲げてしたわけでありますが、今日、委員と同じ考えを持っていることを確認しまして大変有り難く思います。応援してください。
  82. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ありがとうございます。  アフリカ人は日本人に対して特別に良い印象を持っていると聞きます。また、欧米諸国がアフリカに行う支援は言わばチャリティー的な要素が高く、日本が行っている草の根的支援とは違うとの意見を聞くことがございます。恐らく、アフリカ諸国は日本に対して相当良い印象を持っているのです。  ですから、日本がアフリカ諸国に行うことができる支援は様々ですが、やはり食糧援助、医療、保健分野での援助を柱に、ほかのどのカテゴリーよりもまず人が生きるための第一歩の支援を地道にしていくべきだと考えております。日本がODA支援している国には食べ物には比較的困らない地域もあるでしょうけれども、しかしながら、多くのアフリカ諸国は、食べるのに困り、生きるのに困っている、命の危険にさらされている国なのです。であるのならば、支援の在り方をゼロベースで見直す覚悟も必要であると思います。  こうしためり張りのある援助の在り方について、是非TICADⅣで議論をしていただいて、援助されるアフリカ諸国が真に望む支援策を導き出せることを期待しておりますが、いかがでしょうか。
  83. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 先ほどODA予算減っているという御指摘がありましたが、こんな減っているままにしておくつもりはありませんけれども、いずれにしても、底打ちし、増えるにしても限られた予算でするわけでありますから、委員がおっしゃるように、めり張りを付けて支援をしていくということは必要だと思っております。  そのめり張りを、TICADⅣの中でどういうめり張りを付けるかということと、それから、国内の二国間のODA政策の中でどういうめり張りを付けるかというのは、また両方あるんだろうと思うんですね。TICADⅣの中でめり張り付けてこの国はいい、この国は悪いというのは、全アフリカ国家から成っている中でなかなか難しい話だとは思いますが、そういう中でも、分野別についてはそれぞれアフリカの希望もよく聞いて、そして、そういう中で、我々は第一に人道的ということを考えておりますけれども、日本人の税金でやる以上は国益ということも考えざるを得ない、そういうすべてのことを絡ませてめり張りを付けた使い方をしていきたいと、こういうふうに思っております。
  84. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 さて、今回のTICADⅣは横浜市で開催されますが、外務省は横浜市との緊密な連絡体制をしいていて、TICADⅣの成功に向けてどのような取組をしているのでしょうか。御担当の方で構いませんので、現在の取組とTICADⅣ開催に向けた問題点をお示しください。
  85. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) TICADⅣの開催地である横浜市とは開催準備に当たって緊密に連携協力をして進めております。特に、広報面で横浜市には大変積極的に貢献していただいているところであります。例えば、一つの学校に一つの国を割り当てて研究させ、それを会場にいろんな形でイラスト等を掲示する等の努力を進めておられるようでありまして、それに従ってこれを事前に公表するというようなことをされております。  TICADⅣの成功に向け、またアフリカを含む世界各国からの参加者を温かくお迎えできるよう、引き続き外務省と横浜市が一体となってしっかりと準備を進めていく考えでございます。
  86. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 まだまだ国民に知られていない状況であると感じておりますので、是非よろしくお願いいたします。  質問を終わりたいと思います。
  87. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  イージス艦「あたご」による衝突事故についてお聞きをします。  防衛省は、先日、事故調査委員会による調査の中間報告を発表いたしました。マスコミからも、事故原因の特定には程遠い内容とか、内容を伴わない報告書という批判もされております。私もこれを読みますと疑問が幾つかわいてまいります。  具体的にお尋ねしたい。  防衛省は、事故当日、「あたご」の航海長を呼ぶ一方で、護衛艦隊幕僚長を「あたご」に乗り込ませて調査をしております。それに基づく当初の発表では、衝突二分前及び十二分前に灯火が確認をされていたとしておりました。ところが、この中間報告では、この点について情報が得られていないということで触れていないわけですね。これでは、大々的に報道された最初の大臣の発表は何だったのかということになるわけですね。  そこで、なぜ情報が得られていないかお聞きするわけですが、調査委員会調査で、この二回の灯火の確認について証言をした乗員に接触できていないということなのか、それとも接触したけれども乗員の証言が変わったということなのか、これどちらでしょうか。
  88. 徳地秀士

    政府参考人(徳地秀士君) お答えを申し上げます。  三月二十一日に防衛省の方から公表いたしました艦船事故調査委員会による調査という文書につきましては、そこにも書いてございますとおり、現在、当直員の一部について、海上保安庁との調整により、委員会による聴取実施できていないという状況にございます。そして、調査の対象となっているすべての乗組員に対する聴取実施できていない状況の下で、現時点までに調査委員会調査により明らかになった事項として公表をさせていただいておるわけでございます。  そして、その中で、当直員による漁船の視認状況という項目の中にありますとおり、二月の十九日三時五十五分ごろの状況でありますとか、あるいは四時五分ごろ「あたご」の見張り員が右方向に緑色の灯火を視認したというように二月の段階で公表をしたところにつきましては、委員御指摘のとおり、現時点において委員会調査においてこれらに関する情報は得られていないという状況でございます。  そして、御質問の趣旨は、具体的にこの事故調査委員会が、具体的に乗組員のだれに対して調査ができていて、それからだれに対して聴取ができていないかということにかかわるものでございまして、これにつきましては、個別の事件におきます捜査機関の具体的な活動内容ということにかかわる事項でありますので、私どもの方からのお答えは差し控えたいと考えております。
  89. 井上哲士

    ○井上哲士君 私は具体的にだれかということを聞いているんじゃないんですね。最初の情報をもたらした人に接触できているのか、それとも証言が変わったのかと。  これは、要するに最初の航海長からの報告や幕僚長からの報告の信憑性にかかわる問題なんですね。大臣の発表の信憑性にかかわる問題なんです。ですから、できた上で表現が変わったのか、できていないのか。具体的にだれということは言ってもらう必要はありませんから、それを明らかにしていただきたいと思います。
  90. 徳地秀士

    政府参考人(徳地秀士君) お答えを申し上げます。  先ほど申し上げましたとおり、当直員の一部について事故調査委員会による聴取ができていないという状況にございます。  そして、先ほどの、当初の発表内容について証言していた乗員に対して調査ができていないのかどうかということにつきましては、これは具体的にだれに対して聴取ができているかということにかかわる話でございますので、これを明らかにいたしますと個別の事件における捜査機関の具体的な活動内容にかかわってくることでございますので、私どもの方からお答えを差し控えさせていただきたいと考えております。
  91. 井上哲士

    ○井上哲士君 全く納得できません。  だって、航海長もだれから聴いたかということを明らかにしていないんですよ。ですからそれを言ったとしても全く特定にならないわけですね。  じゃ、聞きますが、だれの証言に基づいてこの二つの灯火が確認をされたかという証言者は特定できているんですか、できてないんですか。
  92. 徳地秀士

    政府参考人(徳地秀士君) 航海長からの聴取に基づきまして私どもの方として二月の十九日に公表をさせていただいておるわけでございますけれども、具体的に航海長がどのように「あたご」の内部におきまして聴き取りといいますか情報収集したかということにつきましては、私どもの方といたしまして、現在のところ具体的なところまでは承知をいたしておりません。
  93. 井上哲士

    ○井上哲士君 つまり、だれから聴いたか分からないような情報に基づいてじゃ大臣が会見をしたということになるんですかね。私は、そんないいかげんなことだったのかということを改めて思うわけですね。とっても納得できません。  じゃ、その当日の航海長に対する事情聴取の中身そのもののまさに信憑性にかかわってくるわけですね。そちらにお話進めますが。  複数の報道では、当日の防衛省での聴取の席上で、航海長は事故時の状況とともに、交代前に前方海域に複数の船影が水上レーダーのモニターに映っていた、このことも説明をしたとされておりますけれども、これ、大臣、事実でしょうか。
  94. 徳地秀士

    政府参考人(徳地秀士君) 二月十九日の日に「あたご」の航海長が市ケ谷に参りまして、事故の当時の状況について説明を行っておりますけれども、その際、航海長から御指摘のような説明があったというような事実はございません。
  95. 井上哲士

    ○井上哲士君 この中間報告によりますと、三時三十分以降に当直員が右三十から五十度の方向に数個の灯火を視認をした、そのことを当直士官に報告したというのがこの中間報告に出てくるわけですね。  これは前直の当直士官はこの航海長なわけですから、彼は報告を受けているはずなんです。その話も出なかったんでしょうか。いかがでしょうか。
  96. 徳地秀士

    政府参考人(徳地秀士君) 航海長が市ケ谷におきまして事故当時の状況について説明は行っておりますけれども、そのような説明はなされておりません。
  97. 井上哲士

    ○井上哲士君 事故前にどうだったかということを歴々の防衛省の幹部がいながら聴かなかったということは私は到底信じられないんですが。  じゃ、航海長が当日その場で明らかにした情報はすべて発表したのか、それともその中から取捨選択して大臣は発表されたんでしょうか。この点、大臣からお願いしたいと思います。
  98. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 取捨選択というようなことは行っておりません。そこで航海長が述べたことを整理をして発表したというものでございまして、そこで航海長が述べたことを整理はいたしておりますが、取捨選択というような、つまりこれは言わないでおこうとか、そういうようなことは行っておらないものでございます。
  99. 井上哲士

    ○井上哲士君 では、航海長が持ってきたメモというもの、説明の際に使った手書きのメモについては、それ自身は大臣は手に取って御覧になっているんでしょうか。
  100. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは、大臣室におきます航海長からの聴き取りの際に、航海長がそのようなものを持参をしておったということは私は見ております。  しかしながら、航海長はそこにおける説明は口頭でいたしておりました。そのメモに基づいて説明をするということはございませんでしたので、私は彼がそのようなものを持参しておったということは見ておりますが、内容を見たものではございません。
  101. 井上哲士

    ○井上哲士君 普通、それちょっと見せろというふうに私はなるんじゃないかなと、事実を本当に把握しようと思ったらと思いますが。  このメモが、海保の説明によりますと、二月二十八日の午前十一時三十五分にファクスで送られてきたということでありますが、なぜこれ九日間も海上保安庁に提出をしなかったのか、そしてこの日に提出をするということにした理由、その判断の人物、これはどうでしょうか。
  102. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは、私今申し上げましたように、内容は見ていませんが、そういうメモを持っておったということは承知をしておるわけでございます。また、そのことにつきまして海上幕僚監部より、それが存在しているということについても説明を二月二十八日、今委員が御指摘の日にちに受けておるものでございます。これは海上保安庁が行う捜査の参考にはなるということでございますので、私の判断により、これは海保に送りなさいということを申し上げたものでございます。
  103. 井上哲士

    ○井上哲士君 ですから、聴取から九日間経過をしていたのに、なぜその日まで送らなかったのかと、この点はいかがでしょうか。
  104. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは、当日に公表しております、つまり航海長が申し述べたことを整理して発表したというものがこれはすべてなんでございますが、それの基、基といいますか、航海長がいろいろなメモをした、それは何らかの参考になるのではないかということでありまして、私自身、あれ送りましたか、たしかそんなものありましたねというようなことを申し上げ、これは送ってないのであれば、それは何らかの参考になるかもしれない、ならないかもしれませんよ、ならないかもしれないけれど、私どもとして、これは海上保安庁に提供すべきものだという判断をその時点でしたものでございます。  もっと早く判断をして送らせる、それを海保に送らせるということはあるべきだったかもしれません。なぜ遅らせたかというようなところに、意図的に遅らせたというものではないということを申し上げたいのでございます。
  105. 井上哲士

    ○井上哲士君 この航海長に対する事情聴取がマスコミで報道されたのは実は二十六日なんですね。それに基づきまして、二十八日に当委員会がありました。私その際に、その日の午後でこの問題を質問して、その場で大臣は、航海長は手書きのメモで話をしたということを国会の場では初めて認められたんです。実は、その直前の午前中にこれが海保に送られているということなんですね。  私は、やはり一連経過を見ておりますと、結局、なるべく事実は隠して、出そうになってきたらもう出してつじつまを合わせていくというようなことが繰り返されているんじゃないか、こういう思いを持たざるを得ないんです。  そこで、この航海長が持ってこられたメモ、最初の、これ是非提出をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  106. 徳地秀士

    政府参考人(徳地秀士君) お答え申し上げます。  今このメモは、先ほど大臣からお話ありましたとおり、二月の二十八日に防衛省の方から海上保安庁の方に送付をされております。そして、これは海上保安庁が行う捜査の参考になるというふうに考えて送ったものでございます。そして、この当該メモが捜査の参考とされている以上、この内容についての公表は差し控えたいと考えております。
  107. 井上哲士

    ○井上哲士君 そうすると、捜査上重要かもしれないものという認識を持ちながら九日間も当局に出してなかったということになるわけでありまして、私は、これはやっぱり事実をつまびらかに国民の前に明らかにするという姿勢に欠けていると、こういうことだと思うんですね。  実際には、海上幕僚監部は事故当日に記者会見をして、当時の吉川海幕長が海保と緊密に協力をしていくと、こういうことを言っているわけですね。ところが、その同じ時間帯に、既に海保の了解を得ずに航海長を呼び幕僚長を乗り込ましていたと、こういうことがありますし、その後も手書きのメモについて九日間実際上存在を隠していたと言っても私は仕方がないと思うんですね。  やはりこういう姿勢を正して、国民の前にすべて事実を明らかにすると、こういうことなしに事態の解明とそして再発防止はできないと思います。  その点、改めて強く求めまして、時間ですので終わります。
  108. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) この際、私の方から申し上げますが、今の議論を聞いておりまして、メモそのものがもうこれだけ海保へも渡したりしておる中で、局長の判断でこれを提出することができないという答弁がありましたけれども、大臣、そういうことですか。
  109. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは局長の判断ではございません。当省としての判断であり、そのことの責任は私にございます。  これは、局長から答弁を申し上げましたように、このメモというものが海上保安庁に今行っております。それが捜査にどれぐらいプラスになるか、そして捜査においてどれだけ決め手になるかということについては、私どもとして知る立場にございません。そのことについて当省の判断でこれを出しますとか出しませんとか、そういうことは申し上げられない。  現状においてそれが捜査に支障を及ぼすかもしれない、あるいは核心に触れるものがあるかもしれない、それはあくまで、しれないというものでございまして、そういうような段階におきまして、当省としてこれをお出ししますということが申し上げられないということを局長が申したのでありまして、これは私の責任においてそのような答弁をしておるものでございます。局長の判断ではございません。
  110. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 今御丁寧な御答弁がありましたけれども、防衛省として、この真相を究明しようとしている委員会に対しても同じことですか、要求があった場合に。  はい、どうぞ。
  111. 石破茂

    国務大臣石破茂君) それは理事会において御判断をなさるべきものかなというふうに僣越ながら思っておりますが、これは捜査当局において判断、今事故原因というものを調査をしている、それは捜査当局のそのような権能に基づいて事情を聞き証拠を集めて行われているものだというふうに承知をいたしております。そこが持っておるものについて私どもとしては判断ができないものでございまして、委員会がどうお取扱いになるかはまた理事会等々の御判断、そしてまたその場においてそれぞれの立場からそれぞれの意見を申し述べることはございましょうけれども、委員会の御判断、理事会の御判断かと存じます。
  112. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) はい、承知いたしました。
  113. 井上哲士

    ○井上哲士君 いいですか、もう一言。
  114. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) いや、終わったって宣言されましたね。
  115. 井上哲士

    ○井上哲士君 理事会での協議をお願いしたいと、一言だけお願いします。
  116. 山内徳信

    ○山内徳信君 社民党・護憲連合の山内徳信でございます。  二月に、沖縄及び北方特別委員会は、二日間にわたって沖縄の産業経済あるいは基地問題の調査で参りました。その場でも強い要請がございましたが、また今日も、私から普天間飛行場の一日も早い閉鎖、撤退、返還を求めての質問を行います。  なぜ閉鎖、撤退、返還かといいますと、その理由から申し上げたいと思います。  その一つは、普天間飛行場は米海兵隊の基地であることは防衛大臣外務大臣もよく御承知のとおりでありますが、宜野湾市の市街地の真ん中に基地がありまして、これは異常な基地でございます。したがいまして、異常とも言える、あるいは殺人的な爆音が朝早い時間から夜の十一時までもまき散らされている。ヘリコプターの爆音でございます。そういう爆音被害がございまして、今裁判も提起をされておる最中でございます。御承知のように、ヘリの墜落も沖縄国際大学の構内にありましたし、さらに米兵による事故、事件も日常的に市民生活を恐怖にさらしておるのがこの普天間の海兵隊基地でございます。  そういうこともありまして、日米政府は一九九六年の十二月に、普天間飛行場の移設をせぬといかぬと、こういうことで合意を見て動き始めたわけでございますが、もうあれから十二年の歳月がたっておりますが、今日までずっと居座り続けておるのが実態であります。アメリカの前国防長官でございましたラムズフェルドも、一度この普天間飛行場の実態を見るために沖縄を訪ねておりますが、飛行機から市街地の真ん中にあるこの飛行場を御覧になって、これは大変な基地だ、世界一危険な飛行場だと、こういう御指摘をしてアメリカに帰られました。そういうこともありまして、閉鎖への動きが始まってきたわけでございます。  私は、ここで一点だけ防衛大臣のお気持ちを聞いておきたいと思いますが、この普天間飛行場の安全確保のために設けられたクリアゾーンというのがございます。クリアゾーンと申し上げますのは、土地利用禁止区域でございます。そのクリアゾーン内に普天間第二小学校があるんです、小学校が。一九九二年の海軍省太平洋局から出された海兵隊航空基地普天間飛行場のマスタープランには、その小学校の存在は伏せられておりまして、今でいいますと、偽装といいますか隠ぺいといいますか、そういう偽装のマスタープランになっておるわけであります。したがいまして、これは大変危険な、危険性を隠すためのそういうマスタープランであると。  まず、このことを、防衛大臣のお気持ちをちょっとお聞きしておきたいと思います。こういうことが許されることなのかということです。どうぞ。
  117. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 今御指摘の点につきましては、飛行場の騒音でありますとか安全面に関する措置を規定をしたものだというふうに承知をしております。私どもとして、アメリカが定めました基準についてコメントするというような立場には私ども今ないものでございます。立場としてそうなのであります。  ですから、いずれにしても、この普天間飛行場に係る問題点、先ほど委員が御指摘になったラムズフェルド長官の発言も私もよく承知をしておりますし、ラムズフェルドとこの点について話をしたことも何度もございます。ですからこそ、この移転というものを早く進めていかなければいけないということだという認識を私自身持っておるものでございます。
  118. 山内徳信

    ○山内徳信君 少なくとも、主権国家、独立国家の日本国内におけるアメリカの海兵隊の飛行場がこのような、滑走路の向こうの方に、いわゆるクリアゾーン地域に小学校があるということはこれは大変異常な状況でございますから、外務大臣防衛大臣もこの深刻な状態を認識をしていただきたいと思います。  前に進めてまいりますが、二月十三日、ホワイトハウスの報道官、ペリノという報道官は、基地は撤退を求められれば撤退する、撤退しないのは求められていないからだと、こういう発言をしております。これはAFP通信からそういう情報が入っております。  市民を代表いたしまして宜野湾市の伊波洋一市長は、先月、外務省防衛省にも要請に伺っておりますが、恐らく大臣には直接要請の機会はつくれなかっただろうと思います。そういうことで改めて私から申し上げますが、安全基準を満たしていない普天間飛行場は直ちに運用を中止し、グアムを含めた米国内への撤退による閉鎖、返還を求めるというのが市民を代表しての伊波市長の要請の趣旨でございました。  したがいまして、私は、この恐怖にさらされている市民の生命、財産、安全を何よりも優先して守るのが政府責任であると思っております。そういう意味で、改めて今日も、大臣の、普天間飛行場を早期に閉鎖をして、撤退をして返還に向けた動きをしていくという、そういう決意のほどをこの場で伺っておきたいと思います。──いや、防衛大臣から先にお願いします。
  119. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 今御指摘のクリアゾーンのお話でございますが、私も正確にすべて知っておるわけではございませんが、アメリカ海軍のホームページを見ますと、これは飛行場の騒音でありますとか安全面に関する措置を規定したものだと、そしてまた、米軍飛行場の存在がその周辺にその雇用者の住居でありますとか関連企業の発達を促す傾向にあることにかんがみ、軍の運用確保しつつ周辺住民の安全、厚生を図る観点から地元の都市計画当局に対してガイドラインを示すものでありまして、最終的に土地使用の制限の在り方を決めるのは地元当局の責任であるというふうに書かれておるというものだと承知をいたしております。  今委員御指摘の、このクリアゾーンに立地しておる、安全基準に違反している、だから撤退を求めよというお話でございますが、クリアゾーンというのはこういうものではないかというふうな認識を今のところ私は持っております。  そして、もう一つは、であらばこそ、このクリアゾーンの問題はともかくといたしまして、危険な基地である、だからこそ移設を急がなければいけないというのが私どもの立場であり、そのことについて地元に御協力をいただいているものでございます。  今の報道官のお話ですが、これはアメリカが累次申しておることでございまして、これはラムズフェルドもよく言っておりましたが、我々アメリカは望まれないところにいるつもりはないということは言っておるわけでございます。合衆国として本当に日本の独立と平和、そしてまた極東の平和と安全、そのために置いているのであって、これは私どもとして、日本国としてトータルな国益考えましたときに米軍の駐留は必要だという判断をいたしておるものでございます。  ですから、前段の質問にお答えすれば、早く移設をしなければならぬということ。じゃ、アメリカの基地は必要なのかということを問われました場合には、それは必要であると。報道官が言っておりますのは、それはずっとアメリカの変わらぬ主張を言っておるだけのことでございまして、特に事情が変わったという認識は持っておりません。
  120. 山内徳信

    ○山内徳信君 クリアゾーンについての今説明もございましたが、いずれにしろ、この普天間飛行場というのは、アメリカ軍が上陸をしてきて、そして早い時期にそこに九つもあった集落を全部そこから立ち退きをさせて飛行場できていくんですね。そして、その向こうの方に飛行場ができて、その近くに小学校ができると。こういうふうにあれからもう六十三年もたって、世の中もここまで落ち着いてきておるわけです。ですから、そういう意味で、やはり危険な飛行場ということにはもう間違いがないわけでございますから。  それで、一度は石破大臣もラムズフェルドと同じように、那覇空港に来られてヘリコプターで、できたら私も、喜納昌吉地元の外防の委員も一緒に乗りまして、いかに普天間飛行場が危険な飛行場かを一緒に検証すると。そのぐらいやらぬと、アメリカの大臣は来て見るのに、日本の大臣は、外務大臣もどこか嘉数の丘から御覧になったことあると思いますが、嘉手納の安保の丘からそこら辺の基地の状況は御覧になったかもしれませんが、一度やはり実態を御覧になっていただきたいと、これが一つ。  そして、だから移転の動きをしておるんだとおっしゃっておりますが、あれから十二年たっておるんです、あれから。この話は橋本首相のときにこういう方向付けができるんです。あれから総理大臣防衛大臣外務大臣も、もう何名も替わっていらっしゃる。なぜそれが思うように動かぬのかについては、私は先週の質問で、具体的にこういう理由があってなかなか動かないんですよ、動いていないんですよということを申し上げたんです。  したがいまして、宜野湾市民も、あるいは市長も、やはり辺野古の新たな基地とこの普天間のこの問題とは別個なんだと。やはりこれは、八千名も沖縄からグアムに海兵隊が移っていくならば機能も全部引っ提げて行くんであって、辺野古は、新しく機能を備えた飛行場をアメリカ軍は、アメリカ政府は手に入れたいと、こういうふうなものだということをずっと指摘をされてきておるわけであります。  そういう意味で、ひとつ大臣、一度早い機会にこの普天間の実態を一緒に空から見ましょうや。是非これ約束をしていただきたいと思います。  あと三分とありましたが、もうあと一分ぐらいになっておると思います。  そういう意味で、やはり沖縄の県民の生命とか財産とか安全を守ると、そういうところにも早く手を打ってほしい、そのためにグアムを含めたアメリカ領に移してほしいというのがずっと市長が訴えておることでございます。  時間、残っておりますか。
  121. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 答弁はいいんですか。答弁の時間も残さないと。
  122. 山内徳信

    ○山内徳信君 はい。じゃ大臣、一緒に飛行機乗りましょうという。
  123. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 私、前、防衛庁長官やっておりましたときに、普天間基地は実際参りました。また、ヘリに乗って、その上空を直接ということではなかったかもしれませんが、状況も見ております。また、防衛庁長官になる前も普天間基地の視察というのは一度したことがございます。  ただ、それから四年以上たっておりますので、直近の状況がどうであるのかということは、確かに委員御指摘のように変わった点もあろうかと思います。事情が許せば、それは、現地を見るということは私は職責としてやらねばならないことだと思っておりますし、ただそのときには国会の先生方とよく御相談をさせていただきました上でどういう形が望ましいか、また御教示を賜りたいと存じます。
  124. 山内徳信

    ○山内徳信君 よろしくお願いします。  終わります。
  125. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 以上をもちまして、平成二十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管防衛省所管及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  126. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十分散会