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2008-03-28 第169回国会 参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十年三月二十八日(金曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  三月十九日     辞任         補欠選任      武内 則男君     高嶋 良充君      藤谷 光信君     大島九州男君  三月二十七日     辞任         補欠選任      高嶋 良充君     相原久美子君  三月二十八日     辞任         補欠選任      大島九州男君     榛葉賀津也君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         市川 一朗君     理 事                 喜納 昌吉君                 小林 正夫君                北川イッセイ君                 伊達 忠一君     委 員                 相原久美子君                 家西  悟君                 金子 恵美君                 主濱  了君                 榛葉賀津也君                 藤原 正司君                 横峯 良郎君                 島尻安伊子君                 中村 博彦君                 橋本 聖子君                 義家 弘介君                 遠山 清彦君                 渡辺 孝男君                 紙  智子君                 山内 徳信君    国務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣沖縄及        び北方対策))  岸田 文雄君    副大臣        内閣府副大臣   中川 義雄君        外務大臣    木村  仁君        防衛大臣    江渡 聡徳君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        西村 明宏君        経済産業大臣政        務官       荻原 健司君    事務局側        第一特別調査室        長        藤崎  昇君    政府参考人        内閣府政策統括        官        原田 正司君        内閣沖縄振興        局長       清水  治君        内閣北方対策        本部審議官    佐久間 隆君        外務大臣官房参        事官       片上 慶一君        外務省北米局長  西宮 伸一君        国土交通大臣官        房審議官     小川 富由君        国土交通省航空        局飛行場部長   室谷 正裕君        環境大臣官房審        議官       白石 順一君        防衛省地方協力        局長       地引 良幸君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○平成二十年度一般会計予算内閣提出衆議院  送付)、平成二十年度特別会計予算内閣提出  、衆議院送付)、平成二十年度政府関係機関予  算(内閣提出衆議院送付)について  (内閣府所管内閣本府(沖縄関係経費)、北  方対策本部沖縄総合事務局)及び沖縄振興開  発金融公庫)     ─────────────
  2. 市川一朗

    委員長市川一朗君) ただいまから沖縄及北方問題に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る十九日、藤谷光信君及び武内則男君が委員辞任され、その補欠として大島九州男君及び高嶋良充君が選任されました。  また、本日までに、高嶋良充君及び大島九州男君が委員辞任され、その補欠として相原久美子君及び榛葉賀津也君が選任されました。     ─────────────
  3. 市川一朗

  4. 市川一朗

    委員長市川一朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 市川一朗

    委員長市川一朗君) 去る二十六日、予算委員会から、三月二十八日午前の半日間、平成二十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち内閣本府(沖縄関係経費)、北方対策本部沖縄総合事務局及び沖縄振興開発金融公庫について審査委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。  まず、審査委嘱されました予算について岸田沖縄及び北方対策担当大臣から説明を求めます。岸田沖縄及び北方対策担当大臣
  6. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 平成二十年度内閣沖縄関係予算及び北方対策本部予算について、その概要を御説明いたします。  初めに、沖縄関係予算について御説明いたします。  内閣府における沖縄関係平成二十年度予算総額は、二千五百五十一億三千三百万円、前年度当初予算額に対し九六・六%となっています。  このうち、基本的政策企画立案等経費予算額は二百四十二億八千二百万円となっています。沖縄自立型経済構築等を目指すため、沖縄情報通信産業をより高度化するための沖縄IT津梁パーク整備事業沖縄雇用最適化を支援するための経費や、沖縄の将来を担う人材を育成するためのアジア青年の家に係る経費とともに、世界最高水準科学技術大学院大学設置推進するための独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構実施する研究事業等に係る経費沖縄離島情報格差を生じさせないための先島地地上デジタル放送推進に係る経費等を計上いたしました。  また、普天間飛行場など返還予定駐留軍用地又は跡地の利用推進に係る経費及び北部地域特別振興対策に係る経費等を計上いたしました。  次に、沖縄振興開発事業費等予算額は二千三百八億五千百万円となっています。その大宗を占める公共事業予算については、国全体と同様に抑制されたものとなっていますが、空港、港湾、道路等の総合的な交通体系整備を始め、防災・減災対策や学校・医療施設整備など、緊急性重要性の高い事業については着実な推進を図ることとし、沖縄持続的発展を支える基盤づくりのための所要予算を計上いたしました。  また、独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構実施する施設整備に係る経費のほか、沖縄の置かれた特殊な諸事情を踏まえ、不発弾処理等の戦後処理に係る経費離島、へき地の医師確保対策及び赤土対策等に係る経費を計上いたしました。  続きまして、北方対策本部予算について御説明いたします。  内閣北方対策本部平成二十年度予算総額は、十億五千五百万円、前年度当初予算額に対しまして九七・七%となっております。  このうち、北方対策本部に係る経費は、二億一千五百万円、前年度当初予算額に対し九八・四%であり、元島民後継者対策に資する推進経費や、返還要求運動教育現場の声を踏まえて、この運動すそ野の広い国民運動として定着させる新たな手法や取組を検討するための経費等を計上いたしました。  次に、独立行政法人北方領土問題対策協会に係る経費は、八億四千万円、前年度当初予算額に対し九七・五%であり、北方領土問題の解決促進のため、全国的な規模で行う啓発事業後継船舶確保も含めた四島交流事業北方地域居住者に対する援護措置等を行う業務等に係る所要予算を計上いたしました。  以上で、平成二十年度の内閣沖縄関係予算及び北方対策本部予算説明を終わります。  よろしくお願いいたします。
  7. 市川一朗

    委員長市川一朗君) 以上で説明聴取は終了いたしました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 小林正夫

    小林正夫君 おはようございます。  民主党・新緑風会・国民新日本小林正夫です。  早速質問に入ります。  今日は、日米地位協定について、二つ目北方問題について、そして三つ目に、本委員会で二月に実施をいたしました沖縄県での実情調査結果を基にした質問、この三つに分けて質問をさせていただきたいと思います。  まず、日米地位協定についてお聞きをいたします。  私たち沖縄実情調査に行く二日前の二月の十日の日に在沖米海兵隊員による女子中学生暴行被疑事件発生をいたしました。また、三月十九日には神奈川県横須賀においてタクシー運転手が刺殺されているのが発見をされました。横須賀署特捜本部は、容疑者と接点があるとして任意の事情聴取に応じるように在日米海軍司令部要請をしておりますけれども、特に米軍においては、脱走の罪で身柄を拘束された米兵について今米軍の方では拘束していると、こういう状態が発生をしております。  このような状況を受けて、参議院予算委員会福田総理は、地位協定を今改正することは考えていない、いかにして運用改善するかに力を入れていくと、このように述べておりますけれども、政府は具体的にどのような改善を目指す考えなのか、このことをお聞きをいたします。
  9. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) 二十四日の参議院予算委員会において福田総理大臣が、日米協定に関してはいかにして運用改善するかということに力を入れていると発言されましたが、その趣旨は、日米地位協定については、その時々の問題についてより機敏に対応していくためには運用改善により対応していくことがより合理的であるとの考えを述べたものであります。どのような運用改善を行っていくかは、まさにその時々の問題につき対応していくことで決まるものと考えております。  昨今、米軍関係者による事件事故が相次いで発生しましたことは大変遺憾でございます。このような事件事故発生を防ぐために今重要なことは、より現実的かつ包括的な再発防止策を講ずることであります。このために、御承知のように、二月二十二日に事件事故再発防止対策に関する当面の措置を発表したところでありますが、その具体的な内容は、ワーキングチームによる米軍との連携強化、あるいは米軍サイドにおいてはリバティーカードの制度の充実、さらに防犯カメラ設置の積極的な推進、あるいは区域地域外居住米軍関係者状況の通知、そして地元警察米軍との共同巡回等沖縄の視点が反映された内容としての米軍教育プログラム等が含まれております。  引き続き日米間で十分協力し、継続的に弾力的に実施してまいる所存であります。
  10. 小林正夫

    小林正夫君 この種のいろいろ事件あるいは事故が起きると運用改善ということが出てくるんですが、やはり基本的にはこの日米地位協定を改定をしていく、こういう強い気持ちを持って私は進めていくべきだというふうに思います。特に、民主党は社民党、国民新党とともに刑事裁判手続を定めた第十七条についていろいろ検討しておりますけれども、一つとして、米軍が第一次裁判権を有するものを米軍基地内の犯罪に限定をする、二つ目は、日本側から起訴前の身柄引渡し要求があれば米軍は同意する、こういう内容協定の改正をすべきだ、こういう考え方を持っていることだけ今日の段階でお話をしておきたいと思います。  さらに、日米地位協定についてもう一問質問をいたします。それは、基地外居住者管理についてでございます。  沖縄事件では、私たち実情調査をした折、防衛省沖縄防衛局から、基地外にどういった階級の米兵がどれだけ居住しているかは正確に把握できていない、基地外にどれだけの米兵が居住しているか米側に照会したことはあるが回答がなされていない状況である、こういう説明を現地で受けました。  再発防止のための当面の措置、これは二月二十二日の日に出されておりますけれども、米側は、日本政府要請を受けて、年に一度、施設区域の所在する市町村ごと施設区域外居住者について情報を提供することになっているが、居住者数だけで効果が上がるのか。基地外居住者に関して日米地位協定第九条では、米軍人軍属家族外国人登録及び管理に関する日本法令から除外されているが、これらの人々が日本に住んで生活している以上、居住者数といったことだけでなく、適切な情報が提供される必要があるのではないか。その点においても、日米地位協定第九条、派遣国軍人軍属及び家族の出入国の自由は見直していく必要があると考えますが、この点いかがでしょうか。
  11. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) 米軍人等は、日米地位協定に基づき我が国に入国し滞在しているものでございます。日米地位協定九条には、米軍人等外国人登録及び管理に関する日本国法令の適用から除外されていることは御承知のとおりであります。  外国人登録法は、在留外国人身分関係等を明確ならしめることを目的としたものであります。米軍人等は、日米地位協定に基づき身分証明書を携行する義務を負わされており、米軍人等について外国人登録を行っていないこと自体に問題があるとは政府考えておりません。  一方、施設区域外に居住する米国人等に関しましては、地元からその実態を把握することや規律強化について要望をいただいております。こういう要望を踏まえまして、二月二十二日に発表した再発防止に関する当面の措置においては、御指摘のとおり、米軍側日本政府要請を受けて、年に一度、施設区域の所在する市町村ごと施設区域外居住者数について情報を提供することとし、日本政府はこれを適切な方法で関係自治体と共有することにいたしました。  既に二月二十七日、防衛省から平成十九年三月現在の市町村施設区域外居住者の数を公表すると同時に、各地方防衛局から関係地方公共団体にお知らせしたところでありますし、二十年三月末現在の数字についても現在作業を進めております。  現在、到達しました協議の結果がこの時点でございまして、御指摘のように、地域行政主体としては、居住している本人の名前等も必要であるという要請はございますので、そういう点についてもなお協議中であると申し上げておきたいと思います。  この協議の場は、日米合同委員会等において協議を続けているということであります。
  12. 小林正夫

    小林正夫君 私は、居住者数だけを把握をしていくという基本的考え方、これだけでは改善に到底結び付かないと、このように思います。したがって、私は、基地内外に居住する軍人軍属外国人登録及び管理について日本国法令が適用なされるべき、こういうふうに協定を改正していく必要があると考えております。  またこの日米地位協定については別の機会に論議をさせていただきますので、そのように考えているということだけ申し伝えておきたいと思います。  次に、北方問題について質問をいたします。  まず、北方領土返還運動でございます。  新聞報道によりますと、ロシア側から福田総理プーチン・ロシア大統領会談を提案してきた、こういうふうな報道がされておりまして、これに対して、福田総理は同大統領の任期が切れる前である五月の初旬にロシアを訪問することを検討している、こういうことが報道されております。  福田総理訪ロすることになった場合に、領土問題解決のためには世論喚起世論による後押しが非常に私は重要であると、このように思います。返還運動の役割を担ってきた元島民平均年齢が七十四歳を超えて、また半数以上の方が他界されているという現状でございます。返還運動停滞ぎみであり、世論の盛り上げも十分ではない、私はこのように認識をいたします。福田総理訪ロ領土問題解決を促進させるためには返還運動を盛り上げることが重要であります。  岸田大臣は、担当大臣としてこの世論の盛り上げについてどういう認識を持っておられるのか、またどのように対応していくのか、お聞きをいたします。
  13. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 北方領土返還、実現するためには、この北方領土問題につきまして正しい理解認識の下に多くの国民皆さんにこの返還運動に参加していただくこと、大変重要だと思っております。  その際に、この返還運動を盛り上げる一つの要素としまして、これからの時代を担う若い世代にしっかりとこの運動に対する理解を深めてもらい参加していただくという点、大変重要だというふうに考えております。  是非新たな力をいただきながらこの返還運動を盛り上げていかなければいけないというふうに考えておりますが、その際に、北方領土教育ですとかあるいは次世代啓発充実が大切だというふうに考えておりまして、私も先月、都内の中学校に足を運びまして実際に北方領土教育授業を見させていただきまして、そしてその授業の最後に中学生皆さんに直接語りかけさせていただきました。北方領土問題を是非自分自身の問題だととらえて考えてもらいたいということを申し上げたわけであります。  是非、様々な機会をとらえまして、関係団体との緊密な連携の下にこの返還運動、若い世代にも御参加いただきたいというふうに考えております。こうした考え方も含めまして、効果的な返還運動在り方、あるいはすそ野の広い返還運動の展開、こういったことにつきましても是非関係者連携を図りながら考えていきたいと思っております。
  14. 小林正夫

    小林正夫君 是非日本国民の悲願でありますし、当然日本領土と、こういうものですから、世論喚起を含めて実効ある対応をしていただくように求めておきたいと思います。  そして、今年の七月に洞爺湖サミットが行われましてロシア次期大統領日本に来られると、このように私、思っております。そこで福田総理会談するということも予想がされるんですが、サミットにはロシアを始めとして主要国の要人が日本にたくさん来ると思います。そのときに、このロシアとの領土問題がまだ解決をしていないと、このメッセージをきちんと各国皆さんに伝えていく、またそのことが返還運動の一助を成すと、私はこのように考えますが、このサミットに向けて多くの方が日本にお見えになる、こういうチャンスをとらまえて、領土問題が解決をしていない、このことをどういうふうに訴えていくのか、また、この辺の考え方についてお考えがあればお聞きをしたいと思います。
  15. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) サミット等外交交渉の場でどのようなやり取りがされるか、これは外務省所管の話だというふうに思っております。  ただ、こうしたサミット機会を通じて、マスコミを始め様々な関係者世界各国から日本に足を運び、また注目を寄せてくると考えております。是非、そういった中でありますので、日本国民として、この北方領土問題についてどのように考えているのか、こういったことをどういった形で示すのか、これは地元自治体ともしっかり連携しながら考えていくべきことだというふうに思っております。是非、どうあるべきなのか、しっかりとした検討をしたいというふうに思っています。
  16. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) サミット所管省から補足して御説明を申し上げます。  ロシア側領土問題の存在を認めまして日ロ二国間で領土交渉が本格的に行われるようになりまして以来、政府としては、ロシアと二国間で強い意志を持って交渉していくことが重要であると、こう考えております。  したがって、政府といたしましては、このような考えに基づいて、一九九二年のミュンヘン・サミットより後のサミットでは成果文書等北方領土問題を取り上げてはおりませんで、北海道洞爺湖サミットにおいても同問題を議題として取り上げる予定はございません。  なお、北海道洞爺湖サミット機会日ロ首脳会談が行われることになろうと思いますが、そういった機会には北方領土問題は当然取り上げることになると思いますし、他の二国間協議の中でも話題にはなると考えております。
  17. 小林正夫

    小林正夫君 七月のサミットの詳細についてはまだ私たち承知おきしておりませんが、今、外務大臣お話ですと、北方領土問題は議題に上がらないと、こういうお話でしたけど、ええっ、こんなことでいいのかなと、私は強く思います。それは是非政府として北海道でやるサミットの意味合い、北方領土問題解決していない、このことを私は本当に訴えるいいチャンス、このように考えておりまして、今の副大臣の発言については政府としては考え直していただきたいと、このように申し述べておきたいと思います。  次に質問移ります。  今後の北方四島の交流についてお伺いをいたします。  北方四島へのいわゆるビザなし交流で使用する船舶が老朽化しております。その対応が求められていたところ、昨年の十二月に四島交流等実施及び後継船舶確保に関する件が関係閣僚で申し合わされ、後継船舶平成二十四年度を目途として供用開始に努めることになった、このようにされております。  この確保に関する件に関して何点か質問をしたいと思います。  まず一つですけれども、四島交流については、平成四年に始まって以来、実に十六年が経過をしています。この間、ロシアはその持てる資源を活用して経済復興を遂げており、平成四年当時の状況が本当に変わってきている、このように思います。また、地元の根室ではマンネリ化しているのではないか、こういう声も聞こえてきております。そこで、四島交流に関して、問題点改善の必要な点、こういう点について岸田担当大臣はどのように認識をされているのか、御所見をお伺いいたします。
  18. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) この四島交流事業につきましては、平成四年度から十九年度まで十六年間、約一万四千七百名の方が相互訪問交流を行っております。当初は、この四島在住ロシア人の方々の中に、日本及び日本人への先入観とか誤った認識が見られたというようなことも聞いておりますが、しかし、交流を重ねることで次第に率直な対話ができるようになってきているという評価を認識しております。そしてさらには、この四島住民の間に、両国間に領土問題が存在すること、あるいはこの問題を解決日ロ間に真の友好関係を確立すべきであるという認識、こういった認識も広まっているというふうに感じております。  この十六年間、そうした成果は上がっているというふうに思っていますが、しかし、未来に向けて、やはりより一層関心を高めてすそ野の広いこうした活動にしなければいけないというふうに思っておりまして、御指摘の昨年十二月の四島交流等実施及び後継船舶確保に関する方針、これに基づきまして、北方四島交流事業等関係省等推進協議会、この協議会におきまして、円滑な四島交流実施ですとか参加の在り方、そして四島交流に参加する専門家活動在り方等事業改善、こういったものの検討を進めていきたいというふうに思っております。  こうした協議会での検討等も行いながら、未来に向けて改善すべき点、しっかりと実施していきたいというふうに思っております。
  19. 小林正夫

    小林正夫君 その確保に関する件、この資料を見ますと、四島交流交通手段としての北海道の本島と北方四島との間に冬の時期における航空機利用可能性が挙げられておりました。飛行機利用する場合の可能性があると。こういう場合は具体的にどういうことなのか、また、飛行機利用する場合の可能性検討するに当たって解決すべき諸課題はどういうものがあるのか、この点についてお聞きをいたします。
  20. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) 申合せの中で、冬季における航空機利用可能性検討についても言及をいたしております。  この四島交流等の移動手段としての航空機利用につきましては、高齢化する元島民への配慮や元島民の希望等を考慮いたしまして、我が国の法的立場を害さないことを前提として検討をしているものでありまして、具体的には、船舶による訪問ができない冬季における四島交流での利用、それから、北方四島からの救急患者の受入れ等に際しましてこれを利用することを想定して、我が国の法的立場を害さないということを一つの眼目にして検討しているところであります。
  21. 小林正夫

    小林正夫君 次に、後継船舶についてお尋ねいたします。  先ほど言ったように、平成二十四年度を目途に使用開始に努めると、こういうことがうたわれたわけですけれども、これから二十四年に向けて予算措置、あるいは今考えている船の規模、ビザなし交流以外に活用できるようになるのかどうか、現状における検討状況についてお聞きをしたいと思います。
  22. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 後継船舶につきましては、先ほども話が出ました、昨年十二月に申合せが行われました四島交流等実施及び後継船舶確保に関する方針、この方針に基づきまして、独立行政法人北方領土問題対策協会が民間企業との間で長期用船契約を締結する、そして平成二十四年度を目途に後継船舶の供用を開始するように努めるということにしております。  この後継船舶の規模につきましては、事業に必要な定員、あるいは宿泊施設及び集会スペース等を有し、かつ四島周辺の海域に対応する喫水の浅い中型の旅客船、こうした船を想定しております。具体的な仕様につきましては今検討中ということでございます。  そして、予算につきましては、事業者の選定を行って、そして契約若しくは協定を締結するための経費、こうした経費平成二十年度予算案に計上しております。約七百万の予算を計上しているところでございます。是非こうした形で後継船舶確保を進めていきたいと考えております。
  23. 小林正夫

    小林正夫君 私も機会があれば今年の夏を中心とした時期にビザなし交流に参加をしてみたいと、このように思っております。  参加をされた人々からお話聞きますと、船そのものも先ほど言った老朽化していて、割合年齢の高い人たちも参加をされる。したがって、船の構造自体もバリアフリーであった方がいいなとか、いろいろ今までの経験で御意見が寄せられておりますので、せっかく造るんですから、大いにそういういろんな方の意見を聞いていい船が造れるように頑張っていただきたい、このことをお願いをしておきたいと思います。  そこで、ビザなし交流後継船舶については今のような計画ができたわけなんですが、墓参のときの交流における手段なんですけれども、私の把握している限りでは、今まで使っていた水産大学校の船が使えなくなってしまっていて北海道大学の船舶を借りる予定であると、このように聞いているんですが、この後継船舶が多分二十四年にできれば墓参にも使えるような船になるのかなと私は思っているんですが、それまでの間、墓参に対する交通手段確保について、今言ったような状況があるとすれば本当に大丈夫なんでしょうか。この辺についてお聞かせください。
  24. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 墓参事業船舶ですが、ここ数年、この北方墓参事業に御協力いただいていた水産大学校の所有船耕洋丸ですが、この耕洋丸が平成十八年度限りで廃船となりました。  こういったことから、代わりの船舶ということで国が所有する他の船舶の便宜供与の依頼等、関係各省に行ったわけですが、所有船が減っているとか定員の問題ですとか実習日程ですとか、様々な要因から、今、墓参事業に供与できる船舶確保は難しい状況になっております。  御指摘のように、平成二十年度の墓参事業につきましては北海道大学に御協力をいただくということとしておりますが、二十一年度以降の事業につきまして、事業主体であります北海道連携を取りながら、今、墓参事業に支障がないよう使用船舶確保、最大限努力をしている、これが現状でございます。
  25. 小林正夫

    小林正夫君 是非、こういうものに支障がないように政府としては全力を挙げて取り組んでいただきたい。  それで、今の段階でこういうことを言っては失礼かもしれませんが、後継船舶の関係で平成二十四年というのが一つのめどになったわけなんですが、あくまでも予定ですから、本当にこの計画どおりできるのかなと、こういう心配も正直あるんです。したがって、この辺の確実性はどの程度なのか。むしろそういうことを乗り越えてしっかりやっていくんだという大臣の決意をお聞きしたいと思いますけれども、いかがですか。
  26. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 後継船舶確保につきましては、昨年十二月の方針において関係閣僚の中で申合せを行ったところであります。  北方対策担当大臣としましては、この方針に従って予定どおり確保できるよう最大限努力をしたいと思っております。
  27. 小林正夫

    小林正夫君 次の項目の質問に入ります。  本委員会市川委員長以下、メンバーで二月に沖縄県の実情調査に行ってまいりました。その報告は過日のこの委員会で私の方から報告をさせていただきました。  今日は、その調査結果を基にした質問を何点かさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。  まず初めにお聞きをしたいのは、普天間飛行場の関係です。これは移転をするということが決まって、地元としてはそれは理解をされておりました。そして、新たに移転先として予定されているV字滑走路で話題になっているところも私たちも視察をさせていただきました。  ただ、県民の人から話を聞くと、移転されるということについては非常にいいと思うけれども、それが終わるまで相当な時間が掛かると。だから、それまでの間、三年ほど前にヘリコプターも落ちた、あるいは市街地の中に普天間飛行場がある、こういう不安を解消してもらう策を講じてもらいたいと、こういう要望が県知事始めとして強く私たちも受けてまいりました。  この辺についてどのような対策を取り組むのか、お聞きをしたいと思います。
  28. 江渡聡徳

    ○副大臣(江渡聡徳君) 小林委員にお答えさせていただきたいと思います。  まず、騒音関係の方の関係でございますけれども、我が防衛省といたしましては、この普天間飛行場周辺における航空機騒音対策といたしまして、周辺住民の方々への御負担をできる限り軽減するために、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律等に基づきまして、学校、病院等の防音工事並びに住宅防音工事の助成をそれぞれ実施してきているところでございます。  学校、病院等の防音工事の助成につきましては、これまで地元自治体等の要望を着実に実施してきたところでございまして、平成十八年度までにおきましては百八十一施設の防音工事を実施してきたところでございます。また、引き続き、平成十九年度におきましても地元自治体等からの要望を着実に実施しているところでございます。平成二十年度予算案におきましても、地元自治体からの要望のあった新規の二施設、そしてまた継続十一施設というものを計上させていただいているところでございます。  また、住宅防音工事の助成につきましては、対象世帯約一万二千世帯に対しまして、平成十八年度までにおいて新規防音工事を約一万一千三百世帯実施しました。進捗率としては九二%でございます。また、追加防音工事においては約七千九百世帯、こちらは進捗率六四%でありますけれども、実施してきたところでございまして、平成十九年度においても、引き続き、当面辞退しておりました世帯からの新たな希望に対する防音工事等を現在着実に実施しております。  また、平成二十年度予算におきましても約四億円を計上いたしまして、引き続き住宅防音工事の着実な実施に努めるとともに、また、そういう形でやりますと、平成二十年度の予算ベースにおきましては、新規防音工事につきましては一万一千六百世帯、進捗率九五%、追加防音工事につきましては約八千五百世帯で進捗率六九%を見込んでいるところでございます。  他方、普天間飛行場の移設・返還につきましては、これはもちろん沖縄県民の負担を軽減させるためには一日でも早く実現するということが大切なことでありまして、このことに対しましては最大限努力をしているところでございますけれども、やはり委員が御指摘のとおり、完成までには期間を要するということはございます。このため、防衛省といたしましては、普天間飛行場周辺における航空機の騒音対策につきまして、引き続き地元自治体及び周辺住民等からの具体的な御要望を踏まえつつ、最大限努力してまいりたいと思っております。  また、今委員の方から危険性の除去のお話がございましたけれども、そのことについてもお答えさせていただきたいと思います。  平成八年に日米合同委員会におきまして承認された、普天間飛行場に係る場周経路の再検討及び更なる可能な安全対策につきましての検討に関する報告書に盛り込まれました安全対策につきまして日米間で鋭意協議した結果、二月十九日の日米合同委員会におきまして、航空保安施設の機能向上及びクリアゾーンの拡充について日本政府が行うということで合意したところでございます。  また、本件の普天間飛行場の飛行運用及び周辺住民の安全を更に確実なものとするためにも、日米政府が最大限努力して取りまとめた措置一つであるわけでございます。  具体的には、飛行経路に係る安全上の向上ということは、これ、沖縄県等から要望がありまして、ここについてはもう既に実施済みでございます。また、クリアゾーンの拡充につきまして、場内の樹木の除去につきましては本年の三月二十四日に工事契約をいたしまして、これから工事に掛かる予定です。また、場内の不要工作物の除去におきましても、同じく本年の三月二十四日に契約し、工事に着工でございます。また、航空保安施設の機能向上におきましては、滑走路の末端の識別灯の新設、これも本年の二月十九日に基本合意いたしまして、この三月二十四日に契約を行いまして、工事ということでございます。  あと、済みません、先ほど平成八年と発言しましたけれども、昨年八月の誤りでございます。申し訳ございません。  以上のようなことを行わせていただいているところでございます。
  29. 小林正夫

    小林正夫君 引き続き副大臣にお聞きをいたします。  もう一つ、キャンプ・ハンセン、これは米陸軍複合射撃訓練場の移設、こういうところにも、現場を見させていただきました。さらには、訓練近隣の金武町伊芸区の住民の方からも説明を聞いて、訓練場があって高速道路があってこちら側の地域だと、そこにも行かせていただいて、お話も聞いたりいたしました。  そのときのお話ですと、早朝や夜間の訓練は中止するという約束も履行されていない、騒音や流弾の危険性に不安を感じている、したがって、ここでも複合射撃訓練場移設ということにはなったんだけど、それまでの間、今の状態じゃ大変不安を感じながら生活をせざるを得ない状態になっていると。このことを何とかしてほしいという大変強い要望を受けてきましたけれども、この件についてはいかがでしょうか。ちょっと時間の関係で、短くポイントでお話しいただければ幸いです。
  30. 江渡聡徳

    ○副大臣(江渡聡徳君) 今委員指摘のことに対してお答えさせていただきたいと思いますけれども、この件につきましては、もう委員承知のとおり、代替施設を建設するということで平成十七年の九月に日米合同委員会で合意したところでございまして、防衛省といたしましても、できる限り早期に代替施設を移設するとの考えに基づいて努力してきたわけでございますけれども、米側の射場運用と並行して工事を実施することにつきましては、安全性の確保に問題が生じること、及び米軍が現に使用している既存レンジでは日米安保条約の目的達成のための必要不可欠な訓練が実施されていることから、順次各レンジごとに工事を実施せざるを得ない、どうしても玉突き的な形で工事をしなきゃいけないということで、ですからこそ、最終的にレンジ4の移設ということはいましばらく時間が掛かるということは委員が御指摘のとおりでございます。  ですから、防衛省といたしましては、移設が完了するまでの間、米軍がレンジ4で必要不可欠な訓練を継続する必要があると認識しておりますけれども、地元伊芸区の方々から特に苦情が多い早朝、深夜における爆発音等を伴う訓練につきましては周辺住民への影響が大きいことから、これらの訓練については訓練時間の調整を行い、できる限りその時間帯を回避すること、そしてまた、訓練の所要からやむを得ず早朝、深夜に訓練を行う場合の沖縄防衛局への事前通報を要請するなど、地元負担軽減について米側に求めているところでございます。  これにつきまして米側からは、やむを得ず早朝、夜間に訓練を行う際には、今後、沖縄防衛局へ事前通報を行う旨の回答がありまして、その旨のことを地元の伊芸区長にもお知らせさせていただいたところでございます。  いずれにしても、できるだけこの訓練等においての地元からの要望、このことに対して、防衛省としては引き続き米軍に対して同様に働き掛けを行っていきたいと思っていますし、また、工事の実施に当たっては、日米間で継続的な調整を行いながら、可能な限り早期に完成させるように努力してまいる所存でございます。
  31. 小林正夫

    小林正夫君 とかく計画を作って、あと何年後、あるいはここまで来たらやるよと、こういうことを決めることは決めて、ただその間何にも手を打たないんじゃ駄目なんですよ。このことに対してしっかり沖縄県民は手を打ってくれと、この大変強い要望があるということを改めて申し述べておきたいと思います。  次に、宮古島のE3の件についてお聞きをいたします。  宮古島に行きまして、今のガソリンに三%エタノールを混ぜる、こういうことを研究開発をして普及させたいと、こういう実態を見てきました。ところが、石油業界からなかなか思うような協力が得られないと、で、そういう計画が少し行き詰まりそうだというお話も聞いてきましたけれども、この関係について政府はどのように認識をして、E3の普及についてどう取り組んでいくのか、お聞きをしたいと思います。
  32. 荻原健司

    大臣政務官(荻原健司君) 当初十九か所、島内すべてのスタンドでやりたいというところだったわけなんですが、現在四か所ということになっております。やはり石油業界の皆さんの懸念というのがありまして、品質をどういうふうに確保したいか、特に水分が混ざると大変危険だ、また環境に悪いガスを排出してしまう、こんなところが懸念でありまして現在四か所というような状況になっているのではないかと思っております。  いずれにしましても、この四か所につきましても石油業界さんからガソリンを供給をいただいているというような協力はいただいておりまして、頓挫したのではないかという声も聞かれますけれども、必ずしもそういうことではないと申し上げたいと思っております。  いずれにしても、我々といたしましては、揮発油等の品質の確保等に関する法律などを改正してその品質確保などに取り組んでまいりたいと思っておりますし、また地元皆さん、石油業界の方々との調整を積極的に行ってその環境整備に努めてまいりたいと思っております。
  33. 小林正夫

    小林正夫君 是非、荻原政務官にお願いをしたいんですが、やはり資源がない我が国ですから、いろんな知恵を使って工夫をしていく、この技術は大変なものだと私は思います。石油業界からすれば、自分たちがやってきた仕事の一部が変化していくということに対していろいろ抵抗があるか分かりませんが、是非そのことを克服してもらいたいと。是非政府の力で頑張って、少なくとも宮古島におけるE3の普及が全島に広まるように私はやっていく、そして日本全体に広めていくことができるのかどうかということを検討していく必要があると思いますので、そのことをお願いをしておきたいと思います。  次に質問いたします。  若年層の雇用の確保と労働条件の改善という点についてお聞きをいたします。  沖縄県の完全失業率、平成十九年で七・四%という数字であります。全国平均が三・九%ですから、沖縄県の失業率は全国平均と比べて一・九倍も悪くなっているという、こういう状況でございます。  そして、IT関連施設なども今回の視察で見させていただきました。確かに四百四十名ぐらいの若い方がそこで働いている姿も見てまいりましたけれども、いろいろ意見交換をしてみますと、やはり契約社員という形を取っているところが多いんです。それと、これから一定の年齢が来て就職をしたい、仕事をしたいという年齢の人たちがまだまだこれからいっぱいいるわけですから、その人たちに対する雇用の創出をどうしていくのか。そして、今回のITの関連のところに限らず、ITの関連で言うならば派遣社員という形を取っているケースが多いものですから、年齢とともに自分が技術力が上がったにもかかわらず給料が上がっていかないというようなことが考えられて、本当に生活できる賃金がもらえるような労働環境になっていくのかどうか、私はすごく不安を持ちました。  その辺について、若年層の雇用確保と労働条件の改善について沖縄県全体の問題としてどのように考えているのか、お聞きをしたいと思います。
  34. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 沖縄の雇用状況につきましては、今御指摘になりましたように、失業率、全国平均と比べましても大変高い状況にあります。その中でも、若年層、若者の失業率ということで見てみますと一二%台ということでありますので、本当に若い世代の雇用の状況、大変厳しいものがあると認識をしております。  こうした状況に対して、まずは雇用全体の枠を広げなければいけないということで、沖縄の優位性あるいは地理的特性を生かした産業の振興ということで様々な取組を行っております。御指摘のIT産業を始め、様々な産業を振興させることによって雇用全体の枠を広げていくという努力をしなければいけないと思っております。  そして、その中で、特に若い世代の雇用ですとか若い世代の雇用の形態ということになりますと、やはり企業側の努力も大変重要だと認識しておりまして、沖縄県におきまして様々な企業への働きかけ等、努力をしていると承知をしております。  内閣府としましても、若者の就業意識の改善ですとかあるいは雇用のミスマッチ解消に向けた県の取組、しっかりと支援をしていかなければいけないということで努力をしているところですが、引き続きまして、こうした県の連携の下に、若い世代の雇用につきましても成果を上げていきたいと考えております。
  35. 小林正夫

    小林正夫君 時間が来ましたのでこれで終わりますけど、あと幾つか質問を用意をいたしました。今日お越しいただいた方に対して質問ができなかったことをおわびを申し上げたいと思いますけれども、また別の機会質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  ありがとうございました。
  36. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 自由民主党島尻安伊子でございます。  本日は、特に在日米軍基地の問題に絞って質問をさせていただきたいというふうに思っております。  その前に、私は沖縄県の選出国会議員といたしまして、岸田大臣のゆんたく会議など、大臣が小さな島々も大切に回ってくださって島民と親しく話をする姿勢を大変に評価いたしております。大臣のこの姿勢は、沖縄のみならず北海道にも足しげく訪れていらっしゃいますけれども、その大臣の現場主義を今後とも貫いていただいて、諸問題の解決に御奮闘いただきたいというふうに思っております。  それでは、質問に移ります。  先月十日の在沖米軍人による暴行事件以来、立て続けに事件が起こっております。国会でも多くの議員から質問がされておりまして、先月二十二日には政府も当面の事件再発防止策を出して、綱紀粛正プログラムの見直しとか実効性のある措置を目指すということをおっしゃっておりますけれども、このことについてお聞きをいたしたいというふうに思います。  まず、在沖米軍基地についての確認をしておきたいというふうに思います。  この基地の存在は、国防上あるいは安全保障上、我が国にとって少なくとも現在不可欠な施設と言わざるを得ません。すなわち、在沖米軍基地日本国のために存在しているという認識を持っております。ここで、この基地の存在でありますけれども、在沖米軍基地に限ってでございますけれども、沖縄県のためだけに存在しているということではないということを確認したいのですけれども、この点についてお聞かせいただきたいと思います。
  37. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) 在日米軍は、日米安全保障条約に基づき、日本の安全及び極東における国際の平和と安全の維持に寄与するために我が国に駐留しております。したがって、御指摘のとおり、沖縄にいる米軍は、沖縄のためだけでなく、我が国全体の安全のために駐留していると認識いたしております。
  38. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 そういたしますと、米軍基地から発生する事件又はトラブルは、当然国が責任を持って対処しなければならないということになると思いますが、この点、岸田大臣、いかがでしょうか。
  39. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 沖縄における米軍の存在、今ありましたように、我が国の全体の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定に貢献する一方、在日米軍施設区域の約七五%が沖縄に集中している。沖縄県民の皆さんには大変大きな御負担をお掛けしているというふうに認識をしております。  こうした米軍の存在あるいは状況を踏まえまして、政府としまして、米軍施設あるいは区域の存在に起因する事件あるいは事故につきましては米軍に働きかけなければいけない、また地元自治体の協力も得ながらしっかりと政府として対処していかなければいけない問題だというふうに認識をしております。
  40. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 ありがとうございます。  同じ質問外務省の方にも投げかけたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
  41. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) 御指摘のとおり、国の責任において対応しなければいけない問題であると考えております。
  42. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 これまで米軍人の関与するトラブルというものは大変に数が多くて、その内容についても様々なものがございました。被害者そしてその家族、ひいては沖縄県民にとって大変に屈辱的な事件の扱いだったということもございまして、これは御案内のとおりだというふうに思います。このような事件が起こるたびに、政府は米国側と協議をして綱紀粛正プログラムということの措置を行っておられますけれども、残念ながらどれも実効性に乏しいという感がございます。そうとしか言いようがないということでございます。  政府は、このような事件に対する防止策として、その防止策をこれまで何を基に作成してこられたのか。そして、今回立て続けにまた事件が起きておりますけれども、これを目の当たりにして、何が原因で何が不足なのかということをお聞かせいただきたいというふうに思います。
  43. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) 先般、沖縄において暴行被疑事件発生いたしましたこと、またその後も米軍関係者による事件事故が引き続いて発生したことは大変遺憾に思っております。事件事故の原因を完全に特定することは困難ですが、政府としては、まず、これまでに行われてきた教育プログラムや外出規制などの再発防止策が十分実効的であったかどうか、また、対象となる米軍人の範囲が包括的なものであったかどうかという点を再点検いたしまして改善する必要があると考えております。  先般、二月二十二日に発表した事件事故再発防止策に関する当面の措置は、以上のような観点の意見も踏まえつつ米側協議を行って策定したものでありまして、引き続き日米間で協議し、再発防止策を着実かつ継続的に実施してまいりたいと考えております。
  44. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 このような事件が起こるということを、もちろん米軍側の皆様も当然のことながらよくは思っていないというふうに思うわけでございます。言い方は少々きついかもしれませんけれども、日本の美学にある恥を知れという感覚が、外国人米軍人軍属に通じるものかどうか、その点、そういう精神があるかどうかは分かりませんけれども、きっと軍の関係者はこれに似た思いであろうというふうに考えております。  外務省から出された外交青書によりますと、米国の大義は自由な社会と平和の防衛であるというふうに書いてございました。つまり、自らをピースキーパーだというふうに言っているわけでございますけれども、このような大変に立派な大義に基づく米国の軍人がこのような不祥事を起こしているわけでございますから、今後、アメリカ及び米軍は自らの誇りを守るためにも真剣に対処していただけるのではないか、そうあってほしいというふうに強く願うところでございます。  いずれにいたしましても、私が特に政府に申し上げたいと思いますことは、これまでの政府対応は、事件発生してからの対処であるということであって、つまり事件の未然防止策ではないということでございます。  確かに、各議員から出されておりますが、地位協定の改定若しくは改正ということについては重く考えなければならないことだろうということは私も否定はいたしません。私自身もこれについては重く受け止めたいというふうに思います。  しかしながら、これはこれで今後議論すべき問題として、しかし、現実的に起こっている事件をどう防ぐのかと。もっと現実的に考えたときに、スピード感を持って対処しなければいけないというのは、事件の未然防止、つまり住民の安心、安全をいかに早く担保していくかということであると考えております。  先般の事件のように、少年少女が巻き込まれる犯罪、少年少女といいますと、これから縦横無尽に伸びていくべき未来のある子供たちでございまして、たとえこの犯罪についての犯人が検挙されて重罰に処せられたとしても、被害に遭った人の心若しくはその体に残る傷というのは一生いえることのない深い傷であるということは皆様も異論がないということだというふうに思います。  直ちに取り組むべきは、実効性のある未然防止策であります。先般の暴行事件では、被疑者宅の地域住民からその前兆となるSOSが発せられていたという事実がございます。しかし、残念ながらこの声をすくい上げることができなかったというのが一番の問題なんだというふうに私は思うことでございます。  ここでお聞きいたしますけれども、この地域住民からのSOSというものを政府はどのように把握していらっしゃるんでしょうか。お聞かせいただきたいと思います。
  45. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 米軍軍人による犯罪行為についての通報でありましたならば、地元警察を通じて警察当局が対応することになると存じます。また、米軍施設区域からの騒音等に対する苦情ということであるならば、沖縄防衛局を通じて防衛省が把握していくということになると存じます。  しかしながら、米軍人による犯罪行為に至らない行為に対する苦情、こうした犯罪行為に至る前の事柄についてのSOSに対しての対応ということになりますと、地元自治体の苦情窓口において把握するというケースはあるとは存じますが、政府として直接そういった声を吸い上げるシステムは今は存在しないというふうに承知しております。
  46. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 では、それをつくらなければいけないというふうに思うんですが、率直にいかがでしょうか。
  47. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) こうした事件、立て続けに発生しております米軍軍人による事件等を見ておりますときに、改めて地元県民の皆様方の不安の大きさを痛感しているところであります。政府としましても、あらゆる対策を講じて県民の皆さんの不安の除去に努めなければいけないと考えております。  今回の事件につきましても、まずは政府としましても再発防止策、取りまとめたわけでありますが、今委員指摘のように、犯罪行為に至る前の様々な事象を受けて県民の皆さんが発せられる不安な思いあるいはSOSに対して政府として何ができるか、こういったことも今後ともしっかりと検討をしていかなければいけない、そのようには感じます。
  48. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 ここで一つ御提言をしたいというふうに思うわけでございますけれども、事件を未然に防止するためのホットラインを設置していただきたいというふうに思っております。簡単に言いますと一一〇番的なものでございまして、今大臣もおっしゃいましたが、違法行為に至る前の、私は不良行為というふうに言いたいわけでありますけれども、不良行為が起こったときに住民が電話を掛ける、そういったホットラインの構想でございまして、こういうものがあれば、何かあったらここに電話を掛ければいいという、一つ住民の安心といいますか、そういうものが引き出すことができるのかなというふうに思っているところでございます。  といいますのも、違法行為については県警の一一〇番に電話をすれば警察が対処をしてくれるということでございますけれども、それ以前の不良行為については、結局、事件性があるかなしかとか、そういうことでもって県警の足が鈍るということも、これ事実否めないというところでございまして、そこから地位協定云々に発展していくわけでございますけれども、実効性のあるものとしてやはりこういったホットラインは必要なんだろうというふうに思っております。  御提案の中でなんですけれども、むしろ不良行為に関しては、軍の憲兵若しくはCPと呼ばれる方々に対処していただくのがいいのかなというふうに思っているわけでございます。今、例えばアメリカ軍と地元自治体との合同パトロールについても論議されているようでありますけれども、効率よくパトロールするためにもこういったホットラインに集められる情報に基づいての行動がいいのではないかというふうに思っているところであります。  何といいますか、パトロールといいますと、ややもするとパフォーマンス的なものになってしまわないように、その対策が必要なんだというふうに思っているわけでございますけれども、私自身といたしましてもこのパトロールについては全然意味のないものだとは思っておりませんが、このパトロールを実効性のあるもの、意味のあるものとするためにも、やはりこういった地元住民の情報を受ける場所が必要なんではないかというふうに思うんですが、ここまでのことで大臣の御意見を伺えたらというふうに思います。
  49. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) ただいまの委員のホットラインの構想につきましては、まず大変興味深いアイデアだと感じております。こうしたアイデア、是非検討することができないかというふうには思っております。  そして、今お話伺う限りは、もしそういったホットラインをつくろうとして、そして情報を集めるということになりますと、かなり幅広い分野にわたっていろんな関係者の協力が必要になってくるのかなと、また様々な施設予算等も掛かってくるのかなと、こういった様々な課題もあるのかなというふうに感じました。  ですから、幅広い関係者の協力が必要ということになるということであれば、やはりこういったアイデアにつきまして関係者皆さんの中で協議することが必要なんではないか。そして、協議するということになりますと、例えば地元関係者あるいは米軍関係者を交えた会合でありますワーキングチームというものがありますが、こういった関係者が参加する場でこういった議論をしてみることも一案ではないかなと感じております。  こういった場を通じて委員のこのアイデアが賛同を得て具体化するということであるならば、そういったシステムもつくることができるんではないかな、こんなことは感じております。
  50. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 一つお願いでございますけれども、このワーキングチームの存在なんですけれども、今はその会議が開かれるのが不定期だというふうに聞いておりますが、ある程度定期的に開いていただくことによって地元状況を細かくすくい上げる、そしてそれをワーキングチームに参加している皆さんの共通の認識といいますか、それを取っていただきたいというふうに思うわけでございます。  場当たり的に、事件があったから怒る、それでどうしようかというのではなくて、先ほどからお話をしておりますとおり、未然防止ではないですけれども、危機管理的な要素も是非持たせていただきたいというふうに思うところでございますが、率直にいかがでしょうか。
  51. 西宮伸一

    政府参考人西宮伸一君) 島尻委員の大変率直な御意見、ありがとうございます。  お尋ねのワーキングチームでございますけれども、御指摘のとおり、開催頻度が必ずしも多くはないという嫌いがございまして、他方、まさに沖縄地元の様々な関係者が一堂に会する貴重な機会であるというふうに感じておりますので、是非先生の御意見も参考にさせていただきながら、もう少しワーキングチームの活用の仕方があるのかないのかということも真摯に検討させていただきたいと思います。
  52. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 ありがとうございます。  是非、危機管理それから未然防止というところをもっと重要視していただいて今後頑張っていただきたいというふうに思うところでございます。  ちょっと時間も迫っておりますのでこの辺で終わりたいというふうに思いますけれども、是非このホットライン、米軍基地日本国の国防、そしてその安全保障のためにあるわけですから、あくまでも国が責任を持って対処していただきたいというふうに思うところでございます。地方自治体に投げるのではなくて、是非国が中心となってこういう施策に取り組んでいただきたいというふうに思います。  その中で、何度も繰り返しになりますけれども、あくまでも地元の実情に合った、そしてあくまでも住民の立場に立った、そして実効性のあるホットライン的なものを早急に設置をしていただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいというふうに思います。  ありがとうございました。
  53. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。  私、持ち時間が少ないので、答弁は簡潔によろしくお願いいたします。  まず一点目の質問でございますが、国土交通省に伺います。  沖縄県の那覇市にあります武道館では、今月三十日、もうあさってでございますけれども、建設業界の関係者が主催で「現場からの悲鳴」総決起大会という大会が開催される予定でございます。この大会の実行委員会の方々、私会いましたけれども、一万人結集を目指すと言っておりまして、少なくとも数千人規模の大きな大会になるのかなと思っております。  この開催の背景には、昨年の六月二十日に施行されました改正建築基準法によりまして建築確認の手続の審査が厳格化されて、沖縄県内で確認件数が激減、そして住宅着工数も激減をしたために、沖縄県の基幹産業である建築業及びその関連企業が大打撃を受けているということがございます。沖縄県の全就労者の一二%が建設関係に従事をしております。もちろん、この建築確認の問題は全国の他の都道府県にもある問題でございますけれども、昨年下半期の国土交通省の改善措置によりまして他の都道府県は大幅に改善をしてきております。しかし沖縄改善していないと。  これまず数字で確認をしたいと思いますが、今年一月の住宅着工戸数、建築着工数、建築確認数及び確認申請件数について前年同月比の増減率を示してください。
  54. 小川富由

    政府参考人小川富由君) 建築の着工の状況でございますけれども、本年一月の住宅着工戸数、それから建築確認件数、建築確認申請の件数ということにつきましてそれぞれ、八万六千九百七十一戸、これは対前年同月比で五・七%減でございます。また、確認の件数が三万八千百八件、これも対前年同月比で四・五%減。それから、申請件数が三万九千三百六十三件、これも対前年同月比三・九%減ということでございます。  一方、沖縄県につきましてでございますけれども、対前年同月比という形で見ますと、住宅着工につきましては五六・七%減、それから確認の件数ということで二九・〇%減、また確認の申請の件数で三八・九%減ということで、一月の状態を見ても、依然として住宅着工あるいは建築確認等が大幅に停滞している状況でございます。
  55. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 岸田大臣、後ほど質問しますけれども、これは非常に厳しいんですね。今すごい分かりにくい答弁の仕方でしたが、要するに、住宅着工戸数は全国平均はマイナス五・七%、沖縄はマイナス五六・七。建築確認件数も、全国はマイナス四・五、沖縄はマイナス二九。確認申請件数も抑制が掛かって、全国はマイナス三・九ですが、沖縄はマイナス三八・九と。十倍以上数字が悪いということでございます。  引き続いて小川議官に聞きますが、なぜ沖縄だけ突出してこんなに数字が悪いのか。国土交通大臣は私の公明党から出ておるので、いろいろありますね。しかし……(発言する者あり)いや、批判すべきは批判するんです。なぜ沖縄だけ突出して悪いのか、簡潔にその理由を国交省として言ってください。
  56. 小川富由

    政府参考人小川富由君) お答えをいたします。  まず、沖縄の特殊な事情ということで、戸建ての住宅を含めて鉄筋コンクリート造の建物が大半を占めていると。さらに、いわゆるピロティー形式、一階が柱だけで、その上に建物が乗るというような、そういう一階に壁がない構造の建物が多いということでございまして、ほかの地域と比べましていわゆる高度な構造計算が必要となるという、そういう建物が非常に多いということが挙げられると思います。  また、県内の構造技術者の不足、それから高度な構造計算をチェックをいたします構造計算適合性判定機関の業務体制、この辺りの充実が余り見られていないと、そういったことが原因ではないかというふうに考えております。
  57. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 今御指摘あったとおりだと思います。鉄筋コンクリート造りが多い。それから、一階がピロティー形式ですから、沖縄では二階建ての建物が実質上三階建てになってしまって、普通の戸建て住宅も厳しいチェックを受けなきゃいけない対象の建物になると。それ以外にもいろいろ問題あるわけですが。  私は今月二回、沖縄県の建設業界の中核の方々と率直な意見交換を行わせていただきました。その意見交換の中で、私自身も新聞で読んだり雑誌で読んだり等して知っていましたけれども、直接伺って、大変厳しいと。もうまさに沖縄は九九・九%中小企業ばかりで、建築関係も同じなんですけれども、昨年の六月以降、新規の確認が下りた物件がゼロという企業がたくさんございました。ですから、六月からゼロですので、もう十か月ぐらい新規の仕事がないと。その前の確認が下りたものだけで食いつないでいるという状況を聞いたんですね。  今お手元にお配りしているかと思いますが、別紙で、この意見交換の中で得たいわゆる向こうの業界の方々の声を基に、建築確認手続の迅速化、円滑化に関する申入れを公明党沖縄県本部として冬柴国土交通大臣に厳しく行わせていただきました。三月十二日でございます。  この項目、どれもすごく重要ではありますけれども、時間の関係もございますので、まず国交省の方に、この四番の、まさに今御指摘があった、沖縄の特徴に配慮をして手続簡略化の措置を講ずべきだということを申し入れさしていただいたんですが、これについての対応について簡潔に御答弁ください。
  58. 小川富由

    政府参考人小川富由君) お答えいたします。  そういう特殊事情にかんがみて、また構造計算の技術者が不足しているということで、私どもといたしましては、一つの方策といたしまして、国土交通大臣があらかじめ安全であるというふうに認定をした一定範囲の構造について、通常の構造計算書の代わりに大臣が指定した簡略な計算書をもって確認申請図書とするということができますいわゆる図書省略認定制度というものがございます。これを活用して、鉄筋コンクリート造の戸建て住宅などについては確認手続の簡素化を図れることができるのではないかということで協議をさせていただいております。  沖縄県住宅供給公社がそういった一定のルールでの図書省略制度を出したいということで申請準備を進めてきたところでありますし、本日、同公社から、まず二階以下の鉄筋コンクリート造の戸建て住宅について申請がされたというふうに聞いております。三月中にこういった認定を行いますし、また四月に向けて、更にもうちょっと複雑な構造あるいはもうちょっと高い建物についてもより広範な設計が可能となるように、第二、第三の申請を受け付けていきたいというふうに考えております。
  59. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 今の御答弁は非常に重要だと思います。つまり、沖縄の特徴に配慮した、大臣があらかじめ認定した構造に準じて建てていけば迅速化が図られるということで、今日、第一弾の認定がされたということでございまして、ただ、今、後段で審議官おっしゃっていましたけれども、標準的なモデルを大臣が認定するということは、裏返して言うと、建築設計とかデザインの芸術性とか自由度が損なわれるという負の側面もあるわけでございまして、それを勘案して四月には第二弾の認定をしていただけるということで、これ是非しっかりやっていただきたいと思います。  続いて、私たちが申し入れた申入れ書の五番のところですけれども、これは適合性判定員の数が非常に沖縄は少ないということが指摘されているわけでこういう申入れをさしていただいたんですが、これについてどういう御対応か、お答えください。
  60. 小川富由

    政府参考人小川富由君) お答えします。  まず、先ほどの認定の件でございますが、今日、申請がいただいたということで、今月中に認定を行うということでございます。  それから、構造計算の適合判定の業務体制でございます。  先般から御要望いただきまして、沖縄県あるいは県が指定する機関が二つございます。そちらの方との協議を進めているところでございます。判定員につきまして、沖縄県建設技術センターというところで今年一月から常勤一名を確保した、また株式会社沖縄建築確認検査センターといったところでも四月からまた常勤職員を一名増員をする予定というふうに聞いております。また、業務範囲を拡大をすることで要望対応するということも検討をお願いをしているところでございます。  国土交通省といたしましては、今後とも、このような要請に沿いまして、確認手続の円滑化に向けて沖縄県と十分協議をし、また適切な助言を行っていきたいと思っております。
  61. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 岸田大臣にお伺いしたいと思います。  当然、この建築確認をめぐる一連の問題は、政府内においては一義的には国土交通省が責任があるわけでございまして、今一部御答弁あったように、いろんな改善措置がとられてきたわけです。ただ、現場ではまだ改善が見られてない。そういう中で、あさって日曜日に武道館に数千人集まって現場からの悲鳴総決起大会が行われると、これ今の現状でございます。  その大会が行われる前に大臣のお耳に是非この問題入れておきたいと思って今日取り上げさしていただいているわけですが、一つ私、今回の問題対応する中で感じたのは、国土交通省は、少なくとも今月は非常に危機感を持って動いていただいたわけですが、沖縄県の側の危機意識が非常に低かったんですね、地元の県庁であるにもかかわらず。  私、沖縄担当大臣である岸田大臣にもこの問題認識していただいて、是非、側面支援で結構ですから、いろんな形で、沖縄県だけが全国平均から見て十倍悪いというこの状況を脱する、事態を打開するために御支援を賜りたいと思いますけれども、御感想あればいただきたいと思います。
  62. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 沖縄におきます建築確認の状況につきましては御指摘のとおりでありまして、これは大変憂慮すべき状況だと認識をしております。  地元沖縄県におきましても、従来から国土交通省とも連携しながら対応されているとは存じますが、今国土交通省からも説明がありましたような対応をこれしっかりと沖縄県も踏まえていただきまして、より連携を深めていただきながら対応していただければというふうに思っております。私も機会をとらえて、是非沖縄県にもこうした問題に適切に対応をしていただくようお願いをしたいと考えております。
  63. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 それでは、次の問題に移ります。  これも岸田大臣に続けて伺いますが、沖縄には未解決の戦後処理問題として旧軍飛行場用地問題というのがございます。これは、第二次世界大戦中に旧日本軍によって飛行場用地等の土地が接収されたその方法とか代金の支払、並びに終戦後には米国政府によるこれらの所有権認定作業時の不公平な取扱いということで、旧地主たちがいろんな補償を求めている問題でございます。昨年九月には仲井眞沖縄県知事より岸田大臣要請がございました。私たち公明党も、昨年の十二月に、この問題の解決のために内閣府の中に担当の窓口を設置するように要請をいたしました。  現在、八つの旧地主会が沖縄県内ございます。そのうち三つの地主会についてはいわゆる個人補償、個々人に現金で補償してほしいというような個人補償方式を主張しておりますけれども、五つの旧地主会については団体方式解決というものを了承をしております。これは、具体的な中身は、この旧地主の方々が住んでいる地域の振興に寄与する具体的な事業をやっていただくことでこの問題を処理しようということでございますけれども、来年度この事業をするということは無理かもしれませんが、私は再来年度から実施されるべきではないかというように思っておりまして、そのためにどういう対応を今内閣府でされているか、大臣、お答えいただきたいと思います。
  64. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) この旧軍飛行場用地問題に関しましては、内閣府としまして、沖縄振興計画の取りまとめあるいはフォローアップを行う、こうした総合的な観点からの窓口として沖縄県の報告を伺う、こうしたことなどを通じて関心を持って見守っているところでございます。  御指摘のように、この問題、今様々な団体、立場で検討が行われております。沖縄県、関係市町村、旧地主会、様々な検討が行われているわけですが、内閣府のスタンスとしましては、地元から具体的な提案が行われた場合、その提案の内容を十分検討した上で、どのような対応が可能なのか、こうしたことを検討していく、こうしたスタンスでこの問題に対応しております。  それぞれ、いろいろな地主会を始め関係者の皆様方、御意見、要望があるようです。具体的な要望、寄せられた段階で具体的にどう対応するのか、このような対応内閣府としては考えているということでございます。
  65. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 前向きな御答弁ありがとうございます。  是非、これは土地の関係なものですから財務省もかなり関係がございまして、地元の方では財務省と内閣府両方に対応してきていただいているということなんですけれども、是非内閣府の中で、ある程度一元的にこの事業の問題について今後対応していただけるように、これはお願いということで付言をしておきます。  時間が余りないので、大臣に、もうお答えは結構でございます、要望だけ、観光振興に関して二点申し上げたいと思います。  沖縄は、昨年の入域観光客数五百八十九万人ということでまた過去最高を更新したわけでありまして、いよいよ年間六百万人が視野に入ってまいりました。地元では今年、暦年で今年は六百二十万人達成したいということなんですが、その柱の一つ外国人客の誘致、それからもう一つの柱が国際会議などのコンベンションの誘致促進というのが入っております。  私、外国人の誘客については国際線を増やさなきゃいけないと。来月から香港と沖縄の直行便が就航いたします。最初は週三便、一か月たつと週六便になるということで大変喜ばしいんですが、是非、タイのバンコクと那覇を直行便でつなげることを実現したいと私考えておりまして、大臣の御協力をいただきたいと思っております。  あわせて、国際会議でございますが、大臣の御尽力でG8の科学技術大臣会合が沖縄で今年六月中旬に開かれるということで、これは喜ばしいんですが、昨年も私、高市大臣に申し上げたんですが、太平洋・島サミットという国際会議、二回連続沖縄で開催されております。是非、次回二〇〇九年のこの会議も再び沖縄で開いていただいて、できれば沖縄で永続的にこのサミットは開くという形にしていただきたいということで、この点についても大臣の御協力をいただきたいと思っております。  最後に質問でございますけれども、石垣島の観光振興についてでございます。  石垣島、小さな島でございますが、現在、観光入域客数、年間七十七万人超えてまいりました。平成二十三年に新しい空港できますので、年間百万人も夢じゃないということになってきているわけです。石垣島の最大の魅力は、海洋レジャーの拠点として国際的にも今高い評価を受けております。ところが、私も石垣島、定期的に行っておりますけれども、ヨットやダイビング関係の小型船の係留施設整備が進んでいないために飽和状態になっております。これを何とかしなきゃいけないと思いますが、内閣府としてどういう御検討をされているかお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
  66. 清水治

    政府参考人清水治君) 御指摘の石垣港でございますが、近年、八重山圏域における入域観光客の増加に伴いまして、クルージング、フィッシング、ダイビングなどの海洋レジャーの活動も活発化しております。  海洋レジャーに必要なプレジャーボートなどを係留、保管する場所につきましては、現在、石垣港の浜崎町地区、登野城地区において四百隻程度の収容が可能でございます。しかしながら、今後の海洋レジャーの需要の増加が見込まれることに伴いまして、プレジャーボートなどのための係留施設であるマリーナ、港湾法で言いますところの小型船だまりが不足することも予想されます。また、利用者の利便性、安全性の確保の観点から、マリーナの整備が必要となっていると存じます。  一方で、港湾管理者でございます……
  67. 市川一朗

    委員長市川一朗君) 答弁は簡潔にお願いします。
  68. 清水治

    政府参考人清水治君) 石垣市が策定しております石垣港湾計画において新川地区にマリーナが計画されておりますが、種々の検討が必要であると認識しております。  内閣府といたしましても、石垣市とともに石垣港全体の利用開発計画を踏まえた上で、マリーナの整備計画の検討など、海洋レジャーへの対応方針を検討してまいりたいと考えているところでございます。
  69. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 終わります。
  70. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子です。  先月、沖縄県の北谷町で起きた米海兵隊による女子中学生暴行事件、これに本当に強い怒り、私も感じますし、ちょうど委員会委員派遣で現地に二日目に行きましたけれども、そこでやっぱり肌でその怒りというものを感じました。その後、被害者がもうそっとしておいてほしいということで告訴を取り下げたと。私は、ここにどれほど深い傷をこの女子中学生が負わされたのかということを考えますと、本当に胸が痛みます。  こういう事件が起きるたびに、政府は、綱紀粛正、再発防止ということを言ってきたわけですけれども、その直後にも、今回も米兵による女性強姦致傷事件あるいは民家や事務所への侵入と相次いでいるわけです。とにかく繰り返されてきているという実態だと思うんですね。  米兵による性犯罪というのは米軍にとっても重大な問題になっていて、米国防総省は二〇〇四年から年次報告をまとめて実態を把握しています。二〇〇七年会計年度の報告では、米軍全体で報告のあった性暴力事件というのは二千六百八十八件と。この数字さえ被害の全体のごく一部と言われているわけですけれども、立件のための親告を行った数で見ると、その六割がレイプなんですね。民間人への暴行が五百七十四件で六百二十三名、基地外での暴行が七百四十九件となっているわけです。  大臣も年次報告御覧になったと思うんですけど、こういう米兵の性犯罪の実態についてどのように思われますか。
  71. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 米国防省、三月十四日にこの年次報告を発表しまして、二〇〇七年度の米軍人が関与をした疑いのあった性犯罪の件数あるいは国防省及び各軍が実施している予防策の取組を公表したということ、承知しております。これ国防省が米軍人等による性犯罪の防止に向けた取組の一環として、性犯罪に関する透明性をできるだけ高めるという趣旨で毎年行っているものと認識をしております。  こうした、米国防省がこの問題を深刻にとらえて、そして透明性を高める、こうした取組を行うということ、是非これからもこうした取組を行ってもらわなければならないと考えております。
  72. 紙智子

    ○紙智子君 我が国の犯罪統計の強姦とか強制わいせつの認知件数というのは、人口一万人当たりで発生率が〇・八件ということなんですけど、米兵の性犯罪の発生率というのは一万人当たりで十八件ということで、二十二倍になるわけですね。  沖縄には基地の七五%が集中していると。それで、基地内外に居住しているけれども、とりわけ海兵隊員の比率というのが多いというのが特徴なわけです。沖縄には、戦争の言わば真っただ中から帰ってきた、そういう兵隊、それから、これから従軍する兵士が集中していると。世界にもなかなかそういうところというのはないんじゃないかと思うんです。  ジミー・マッセーという元海兵隊員が書いた地獄のカウボーイという本があるんですけれども、余りにも衝撃的な中身で米国内では出版されていないということなんですけれども、それによると、沖縄の海兵隊員は自分の人生の中で出会った最悪の人間だと。海兵隊がいるところ、安全な人間、安全なものは何もないということが書かれているわけです。  日常的にやっぱり殺人、そういう訓練をしている、そういう海兵隊。沖縄がこういう海兵隊を多く抱えているということについて、大臣認識をお聞きしたいと思います。
  73. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 兵力の編成につきましては、地域の情勢に即した兵力編成により、米軍の抑止力によって我が国の安全を確保するということだと承知しておりますが、結果として、沖縄に駐留する米軍のうち海兵隊員の占める割合が高くなっているということだと思います。こうした中で、米軍兵士、海兵隊員による様々な事件発生しているということであります。  こうした事案を防止するためには、まず我々としてもこうした兵力編成を前提として再発防止策を講じなければいけない。こうした兵力編成を前提とした再発防止策日米協力してしっかりと講じていく、こうしたことを考えなければいけないと考えております。
  74. 紙智子

    ○紙智子君 ちょっと余りにも認識が甘いというか、やっぱり親しい隣人じゃないわけですよ。もう事は、やっぱり本質がそういう殺人をするということの中で、そういう精神状況を持ってやっている、訓練をしているというわけですから、そういうものに対する感覚というのか、そういう認識がやっぱり本当に日本政府というのは甘いんじゃないかというふうに思うんです。  それで、県議会の抗議決議でも、米軍基地の整理、縮小を図るとともに、海兵隊を含む米軍兵力の削減推進というのをはっきり掲げているわけですよ。沖縄の基地の世界に例を見ない実態をやっぱり深く認識してほしいという思いも非常にあるわけですよ。  米軍は、イラク戦争以降、特に深刻化している性犯罪の対策を取るために報告書をまとめているんですけれども、被害者の国籍、事件発生地を公表はしていないわけです。日本や韓国やNATOの諸国など世界各国に駐留しているわけですけれども、それぞれの地域の被害実態というのは秘匿しています。隠しているわけです。表に出していません。  それで、九五年の少女暴行事件沖縄でありましたけれども、その際に、アメリカの地方紙でデイトン・デイリー・ニューズというのがありますけれども、この新聞社が一九八八年から九五年の二月にかけて、米海兵隊、海軍の軍法会議の記録を情報公開で求めた。十万件以上の犯罪記録を分析をしたんですね。  その分析の結果、その期間に裁かれた性犯罪というのは千八百三十二件あったと。そのうち、在日米兵が裁かれた性犯罪というのは二百十六件なんですよ。それで、スペインが二十四件、イタリアが十六件、アイスランドが十二件、英国が十件と。日本が異常に多いんですね。それで私、ほかでもそういうふうになっているのかと思ったら、けた違いというか、突出して日本が高いんじゃないかというふうに思うわけです。欧州なんかは現在も八万五千人という米軍の最大の駐留地なわけですけれども、性犯罪の被害ということではそんなに日本みたく多くないということでもあるんですね。  国防総省に被害実態を、やっぱり詳細に被害者の国籍や事件発生地域も含めて明らかにさせると。そうやっていくことが日本、とりわけ沖縄において被害の実態をリアルに把握することにもなると思うんです。そういう意味では、きちっと要求してそれを出させるということが大事じゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  75. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 米国防省において、この問題を深刻に受け止めて透明性を高めるということで自主的にこうした公表を行っているわけですが、この公表の仕方についていろいろと申し上げるのは控えたいと存じますが、ただ、その中で我が国において発生した米軍関係者の犯罪については、我が国としまして、しっかりと米軍情報を共有して、そして再発防止に向けて緊密に協議していかなければいけないと考えております。  我が国において発生した犯罪についての情報、これにつきましてはしっかりと把握していきたいと考えています。
  76. 紙智子

    ○紙智子君 大臣は、今回の事件後、県知事と会談をされていますけれども、その際に、沖縄県民の皆様の怒り、いかばかりかと推察申し上げると、アメリカに対し強く働きかけなければならないというふうに述べられたと思います。  それで、外務省が二月の事件後に米側に照会、聞いたところが、国別の統計は作成していないと言ったと。そうですか、分かりましたということではなくて、やっぱりどれだけ過酷な状況にあるのか知る意味でも詳細なデータを出してほしいということで求めるべきだと思うんですよ。ドイツにも五万七千人が駐留しているということなんですけれども、ドイツの場合は、広大な米軍基地というのは市街地から遠く離れていて、森の中にあって、そもそも民間人とは接触しないような場所だということでもあるんですね。  ですから、そういうことを含めて、やっぱりよく詳細をつかんでやっていく必要があると思うんです。そのことについてお聞きしたいと思います。
  77. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) まず我が国としては、我が国における犯罪の状況はしっかり把握しなければいけない、先ほど申し上げたとおりであります。そして、ほかの各国状況につきましても、我々はこうした問題に適切に対応するため、情報収集はしっかりしなければいけないと思っています。
  78. 紙智子

    ○紙智子君 しっかり情報収集して、言うべきことはきちっと言うと。日本だけが突出しているというのはやっぱりおかしいですよ。いや、どこでもない方がいいに決まっていますけれども、そういうことを是非厳しくやっていただきたいということと、それから、沖縄の県民集会が先日開かれているわけですけれども、その中では、基地があるからこその被害だと、やっぱり基地の被害によって人権が侵害され続けているんだということを訴えているわけです。そういう声が渦巻いていると。沖縄の痛みをなくすには、やっぱり基地撤去しか道はないんだというのが思いだと思うんですね。基地の整理、縮小にしても、日米地位協定の改定に向けても、やっぱり沖縄の実態を明らかにするために強く交渉していただきたいということを重ねて申し上げたいと思うんです。  最後にもう一つ聞きたいのは、沖縄県が野村総研に委託をして駐留軍用地跡地利用に伴う経済波及効果等検討調査報告書というのが昨年出されました。まとまったものが出されて、読まれているかと思うんですけれども。この報告書なんですけれども、見てみますと、基地の跡地三地域での人口の増加率、商業・サービス活動、それから販売額などを調査していて、プラスマイナスを分析しているわけですね。これによりますと、那覇の新都心地区、それから小禄金城地区、それから北谷町の桑江地区、北前地区、いずれでも経済効果が上がっているという報告が出ているわけです。  長年、一方で基地に頼らなければ成り立たないようなそういうことも、見方も言われていたわけだけれども、基地に頼らずとも自立したやっぱり経済の発展ができるということの実例として非常に中身的には内容を示しているというふうに思うんです。  この点に対しての大臣の所見を伺いたいと思います。
  79. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 御指摘のありましたこの調査につきましては、沖縄県が平成十八年度に内閣府の大規模駐留軍用地跡地等利用推進費に係る補助事業によって実施をしたものであります。本調査では、嘉手納以南の既に返還された跡地も含めて、今後返還予定の跡地についてその経済波及効果を推計しておりますが、米軍基地の大規模な返還により沖縄の社会経済が大きな影響を受けるであろうということを改めて数字で示したものと認識をしております。  今後、嘉手納以南の米軍基地返還が具体化する場合において、地権者及び地元市町村等の主体的な跡地利用、取組に対して、国としても沖縄振興につながる土地利用が展開されるように、こういった視点から様々な土地利用が展開されるように支援をしていかなければいけないと考えております。
  80. 紙智子

    ○紙智子君 各地からの予算要望も出されましたけれども、是非今後とも振興を進めて、やはり基地撤去ということを強く進めながらやられることを是非心から指摘をしまして、質問を終わります。
  81. 山内徳信

    ○山内徳信君 社民党・護憲連合の山内徳信でございます。  私は、二月十二日から十四日にかけまして沖縄及北方問題特別委員会は、沖縄の振興開発及び基地問題等に関する実態調査ということで沖縄に参りました。そういう実態調査をしていただきました委員会皆さん方に、沖縄出身の国会議員の一人として心から感謝を申し上げております。  沖縄の抱えておる産業振興と雇用問題、過重な基地負担、普天間飛行場の問題、少女暴行事件問題、日米地位協定の抜本的改正の問題、あるいはキャンプ・ハンセンにおける伊芸区からのレンジ4への移転の早急な実現等々、大変胸の痛くなる、そういう訴えがございました。離島宮古に参りまして、医療問題が関係者から強く訴えられております。本当に深刻な思いで、委員皆さん、私はその訴えを聞いておりました。  沖縄のどの問題を取り上げても、私の持ち時間は十五分でございますから言い尽くせませんから、問題を内閣府に絞って、そして現実の苦しさを克服しながら少しでも自立型に近付ける道はないのかという思いで、私は最初にジュゴンの保護区を提起をしてまいりたいと思います。  沖縄本島北部の東海岸は太平洋でございます。東海岸の辺野古や嘉陽の海域には天然記念物ジュゴンが生息しております。そのジュゴンの保護区を設定をし、オーストラリアやニュージーランドの海域のように沖縄本島北部東海岸に海洋観光資源としてジュゴンを保護育成をし、人間と海生動物が共生共存していく、そういう海域をつくり上げることができぬだろうかということであります。  このジュゴンの保護区の設定をすることには、やはり今自然環境を守っていこうと、こういうふうな考え方とも一致していきます。二十一世紀型の新しい海洋観光資源をつくり出していくことによって、そこに絶えず雇用が問題として取り上げられている沖縄において、私は、一つのやはり雇用の場、産業の場にも発展していくだろうというふうに考えております。そういうことについて担当大臣の決意のほどをお伺いいたしたいと思います。  私は、あらかじめ申し上げておきますが、大臣と私との生の声でのやはり質疑応答をさせていただきたいと思います。担当職員が長々と書いてきたものを読み上げられると十五分はあっという間になくなりますから、よろしくお願いいたします。決意のほどをお伺いいたします。
  82. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) まず、ジュゴンにつきましては文化財保護法によって天然記念物に指定されております。国としても、この適切な保護に取り組むこと、大変重要だと認識をしております。そして、今委員の方から、こうしたジュゴンの保護というものが沖縄の振興ということについても大変重要だと御指摘がありました。こうした御指摘についてもしっかりと重く受け止めたいというふうに思っております。  そして委員、御質問の中で保護区の設定というお話がありましたが、保護区の設定につきましては私の所管外ということになると思いますので、具体的なことについてはちょっと控えさせていただきますが、いずれにしましても、今申し上げましたような点でジュゴンの保護、大変重要であると認識をしております。
  83. 山内徳信

    ○山内徳信君 二番目に、中部の市町村長会から少女暴行事件問題と、そして普天間飛行場の早期返還が強く訴えられておりましたし、その中で特に絞って最後に訴えておりましたのが、沖縄県中部市町村長会から強い要請のありました事項として、沖縄振興中部国際文化交流センター建設構想の件がございました。  内閣府として、沖縄振興の観点からその実現に向けた御努力を是非お願いをして、その実現によって基地が集中しておるこの中部全体の振興、発展に寄与することができるだろうと、こういうふうに考えて、ここで大臣の決意を伺っておきたいと思います。よろしくお願いします。
  84. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 御指摘沖縄振興中部国際文化交流センターですが、こうしたセンターにつきましての要望、この要望につきましては承っております。ただ、そのセンターの構想の中身については、もう少しちょっとお伺いした上で具体的なものを考えていかなければいけないと考えております。  是非、しっかりとお話を伺わさせていただいた上で、この地域の振興に資するものということであればしっかりと応援をさせていただきたいというふうに思っております。
  85. 山内徳信

    ○山内徳信君 大臣予算の概要説明の中にもございましたが、離島、へき地の医療確保対策ということが強調されてございました。  沖縄本島の離島、宮古群島とか八重山群島、そして北部の市町村たちお話合いをしましたときにも出てまいりましたのが医療の問題でした。とりわけ、宮古に参りましたときに、産科の医者がいないと、そういう自治体がございました。ところが、その自治体は日本一出生率の高いところと。赤ちゃんを産むのにその島からさらに次の宮古島市に船で移らなければいけないと。そういうような深刻な医師不足のことが切々と訴えられておりました。  そういうことで、医師の確保問題は行政にとっても、今や沖縄だけじゃなくて日本全体そういう医療の崩壊現象があります。その原因を申し上げる時間はありませんから申し上げませんが、これは日本国民として、あるいは行政に携わっておる者にとっては死活の問題でございます。  そういうことで、内閣府として離島の医師確保の問題、そういうのがどのぐらい具体的に取り組まれようとしておるのか、そういうことをお伺いしたいと思います。
  86. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 離島における医師の確保、医療の問題につきましては、私も離島を回らせていただきまして直接多くの島民皆さんからお話を聞かせていただき、いかに切実な思いを持っておられるか、強く感じているところであります。  この離島、へき地において不足している医師の確保、これはやはり最優先で取り組むべき課題であるというふうに認識をしております。そして、このために内閣府におきましては、離島、へき地への医師の派遣ですとか、離島、へき地勤務医の養成の支援ですとか、離島、へき地の中核病院への専門医派遣事業、こういった事業を行っているところですが、こうした事業を通じまして一定の成果は上がっているというふうに思いますが、引き続きましてまだ多くの不安の声、要望の声が寄せられていると認識をしております。  是非、これからも引き続きこの沖縄県の取組等をしっかり支援する形でこの問題に取り組んでいかなければいけないと考えております。
  87. 山内徳信

    ○山内徳信君 私が通告いたしましたのはその三点でございます。  もう少し持ち時間残っておりますから、あと一点ぐらい付け加えて質問をいたしますが、私は、読谷に二つ飛行場がありまして、日本軍の造った旧読谷飛行場、米軍の造ったボーローポイントという飛行場がございます。ボーローポイントは約百八十ヘクタール、そういう返還をずっと求めてまいりました。そして、読谷飛行場についても返還を求めて、今跡地利用の真っ最中でございます。その御支援もいただいておるわけでございます。  そこで申し上げたいんですが、普天間飛行場の跡地利用については、内閣府のこの予算の概要説明にも跡地利用あるいは返還という言葉が出てきております。  なぜこの問題が一向に前に進まないかのことを少し申し上げておきたいと思いますのは、これは、アメリカは八千名の海兵隊が沖縄からグアムに移ると、こう言っているわけです。ところが、グアムに移るのに、普天間におる海兵隊はグアムに移ると言っておるのに、もう一つ沖縄の辺野古の方に新しい飛行場を海も埋めて陸も一部取り壊して造れと、こう言っているわけです。  これは、実は沖縄日本復帰をする前、アメリカのベトナム戦争のころに計画されたものが、蔵の中にぶち込まれていたマスタープランが生き返って今表に出てきたということです。そして、辺野古への移設が実現しなければ普天間飛行場返還しませんよと、嘉手納飛行場から南の米軍基地返還しませんよというパッケージになっておるというわけです。アメリカがあるいはペンタゴンがどれほど、転んでもただは起きない。グアムに移るといっても、沖縄に全く新しい自由自在に使える基地を造らせて移ろうと。この魂胆を外務省政府関係者、見抜き得ていないからアメリカの言いなりになるんです。  したがって、市街地の中に基地がある宜野湾の伊波洋一市長から内閣府にもその件の要請はあったと思います。グアムを含めたアメリカ領に普天間飛行場を移す。そうすれば、宜野湾市民の日常的なあの基地からの恐怖は解除されていく、除去されていくわけです。辺野古に新しい基地ができるのを待っていたんでは、そのうちまたヘリコプター落ちますよ。何機も落ちてきたことを、普天間と嘉手納飛行場の周辺に住んでいる私としては何機も見てきておるんです。ですから、急ぐべきです。内閣府も、やはり早く移すのが、向こうにはアンダーセンという嘉手納飛行場とほぼ同じ大きさのがあるんです。したがいまして、そういうふうにしていただいて、普天間の跡地利用を急ぐことによって沖縄県民のためになると思います。  以上、問題提起を申し上げまして、終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  88. 市川一朗

    委員長市川一朗君) 以上をもちまして、平成二十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち内閣本府(沖縄関係経費)、北方対策本部沖縄総合事務局及び沖縄振興開発金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  89. 市川一朗

    委員長市川一朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四分散会