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日森委員 社民党の
日森文尋でございます。
最初に、ちょっと大きな話になりますが、現場で頑張っている教師の
教育実践というのは何を目的にして行われているのかということについてお聞きをしたいのと同時に、現在教師が置かれている現場の
状況、環境、これは
教育実践が目指している崇高な目的を実現するのに十分な環境条件になっているのかということについて、ちょっとお聞きをしたいと思っているんです。
私は、
教育基本法が新しくなって、若干疑問を持っているんですが、しかし、基本的には、教師の
教育実践の基本的な目的というのは、子供たちの成長と人格形成、学力の問題、さまざまな問題がありますが、これに直接現場の教師が責任を負っているということだと思っているんです。
しかし、そういう本当に大事な任務を持っている、したがって、みずからもきちんと律していかなければいけないし、もちろん日々研さんを重ねていかなければならないような教師、こうした教師が置かれている現場の
状況は実に悲惨だ、本当に人間的な現場、職場になっていないというふうに言わざるを得ません。
先ほど来、多くの
委員から話がございました。平成十九年十二月、
教育委員会月報というのを出されまして、これは先ほ
どもありましたから詳しくは触れませんが、これによりますと、平成九年から十八年まで、在職者数、つまり
教員の数はずっと減り続けました。一方で、病気休職者数、これは増加の一途をたどっていますし、平成九年度から十八年度を比べると約二倍になっている。その休職者数のうちの精神疾患、これは平成九年は三八・六%だったのが六一・一%に上がっている。これはもう
皆さん御
指摘されたとおりなんです。
これは、一般の職場と比べても高いですよ、比率が物すごい高いんです。なぜこんなことになっているのか。これはきっちりメスを入れていかないと、本当に、
教育実践が目的としている子供たちのための
教育、人格の形成などとてもできないような現場になっちゃうんじゃないかという心配を私はしております。
同時に、自殺者、これもふえています。
大臣も御存じのとおり、東京で二十三歳の新任の教師がみずから命を絶ちました。自分の責任だといって亡くなったんです。しかし、実際には、月百時間も残業を強いられていたし、やっていかなければならないような環境があったんです。経験豊かな先輩の教師に相談をしようとしても、その先輩も忙しい。そういう同僚意識、仲間意識みたいなものが職場で希薄になっていて、相談もできない。一人で悩んで悩んで悩んで命を絶ってしまった。今、労災の申請か何かをしているようですが、こんな事例もあります。
申し上げると、例えば残業時間、これは一般
教員でも平均月四十時間超えていますよ。中には過労死ラインと言われる月八十時間を超える
先生も一割ぐらいいらっしゃる、そういう統計もあるわけですよ。さらに、休みのときに自宅に仕事を持ち帰って仕事をしている、平均三・五時間ぐらいやっていらっしゃる。そうすると、そういう教師の
皆さんは睡眠時間がやはり六時間を切っちゃうというんですよ。こんな悲惨な、非人間的な環境の中で、本当に、子供たちに接して、子供たちの気持ちをしっかりと受けとめて、一緒に成長していくような
教育ができるのかという疑問がございます。
だからこそ、一方では、もうこれ以上やっていられないといって、早期退職者、
大臣も御存じのとおり、これもどんどんふえているでしょう。六十歳までやっていられませんというわけですよ。
こういう現状について、ぜひ
大臣のお考えを最初にお聞きしておきたいと
思います。