○泉
委員 今の
説明、ちょっと私も、この件について質問をするということについては、きょう外務省さんにお伝えをしたものですから、
答弁がまだ完成されていないという状況も多少ありますけれども、二月にこの条約草案が
提出をされて、きょうまで目立った
日本の態度表明というのがなされていないのではないかというふうにも思っております。
きょうこうしてお越しいただいております
提案者の皆様も、やはり主眼は民生
利用、
宇宙の健全な
開発ということがメーンであって、逆に言えば、それがおかしな形で制約も受けちゃいけないし、曲がった方向に行ってはいけないというような考え方を持っておられるというふうに思います。その
意味では、ひとつやはり、この
宇宙軍縮の中で民生部門をどう育てていくか、そういったことをぜひ考え方の中に含んでいただきながら、外務省の方にもぜひ積極的な御提言を行っていっていただきたいというふうに考えております。
今回ロシアと
中国から
提案があったこの条約は、確かに、条約の名前あるいは中身を見れば、一応それは表向きには
宇宙軍縮の先鞭になるのではないかという考え方もありますが、一方で、こういった軍縮
会議の場というものも当然さまざまな戦略の場としてとらえられているわけでして、一年前の軍縮
会議のときには、ちょうど
中国がまさに衛星の爆破を行って、スペースデブリを相当
宇宙に拡散させてしまったということもあるわけでして、その辺はいろいろな意図があるというふうに思います。しかし、やはり、そういういろいろな意図の中で、
宇宙軍縮という考え方、
日本はその先頭に立って歩んでいく国であるんだということは、私は強調をしていきたいというふうに思います。
先ほど
細野委員からもお話がありましたが、災害については、直近でいうと、あのミャンマーのサイクロンの際の沿岸部の映像が明確に出てきたことによって、
日本の中でも恐らく、あの映像を見て、大変な被害が起こっている、これは募金活動なりNGOに協力をしようということでの
国民の世論というのは大分盛り上がってきているのではないかなというふうに思いますし、そういった
意味での衛星
技術というのは大変大きいというふうに思います。
また、つい先日、ゴールデンウイーク中ですけれども、岩手県では、
JAXAと一緒になって、空から、衛星から、いわゆる産業廃棄物の不法投棄を防ぐということで、地球
観測衛星「だいち」は四十六日ごとに同じ場所を通過して、そして不法投棄がないかをチェックする。森林の多いああいった岩手県のような場所では、
一つ一つの山に入って
開発ですとか不法投棄を確かめることが大変難しいけれども、こういったことが衛星によって可能になるというのは大変すばらしいことだというふうに思っております。
ついでに申せば、私の地元の京都では、この秋、十月末に、京都の円山公園というところに育っている桜の種がアメリカのスペースシャトルで運ばれるということになっております。
子供たちがこの種を採取して、全国十カ所ほどの桜が採取をされて、
宇宙で、
宇宙桜の種として半年ほどそこに置かれて、そしてまた
日本に帰ってきて各地に植えられる。
こういった、先ほどから再三話があるように、
人材の育成の根本、大もとにはやはり
子供たちの関心を高めていくということもあるわけでして、こういったことも、本当に
宇宙というのはすばらしい夢とロマンを与えてくれる場所でもあるというふうに思います。
そういったことと、一方での
宇宙軍縮の考え方、和やかなお話と、一方で本当に生死にかかわる問題、両方抱えているというのが
宇宙であるというふうに
認識をしております。
そういう中で、先ほど
近藤委員から最後にお話がありましたけれども、
宇宙の
平和利用について、私も改めて見解を伺いたいというふうに思います。
宇宙の
平和利用についてなんですが、昭和四十四年に
平和利用決議というものがあった。これは、「平和の目的に限り、」というのは、当時の
答弁では、非軍事という形でスタートをいたしました。しかし一方で、
加藤紘一防衛庁長官の時代の一般化理論というものもあり、そういった中で、例えば、一九八五年であれば海上自衛隊の衛星受信設備、こういったものであるとか、あるいは九八年の偵察衛星の導入、こういった中においても、常にこの一般化理論というものを踏まえながら現実的な対応は行ってきたというふうに私は解釈をしております。
ですから、その
意味では、平和の
利用に限りということそのものは、
日本が
平和利用決議を行って以降は、常に専守防衛という枠の中で、判断を現実的になされてきたのかなというふうに考えております。
ただ、ひっかかるのは確かにこの一般化理論のところでありまして、一般化理論というのは、朝日新聞のちょうどけさの報道によると、民生部門において一般化されたものに
利用を限ってきたということでありましたが、確かに、この一般化理論についても、今
技術の
進展が非常に速いということ、また一度
開発をされれば拡散が非常に速いということ、ともすれば国家よりもテロ組織ですとか小グループの方がその運用が早い可能性もあるということ、こういったことからいうと、この一般化理論についてはやはり多少検討しなければならないのかなというふうに思います。
いずれにしても、専守防衛の枠をしっかりと守っていくということについては何も揺らぎがないというふうに考えておりますが、改めて
提案者の御
答弁をお願いしたいというふうに思います。