○古賀(一)
委員 外国向けの、対中国のビザの問題、こういうところがやはり本当に一番効くんだと思うんですね。やはりユーザーサイドが何を隘路と思っているか、そういうところは、建物に行政サイドから補助金を出すよ、そういう供給サイドの条件
整備ばかりで、補助金やる、どうのこうのだけじゃないんです。やはり、最終的には国民なんですよ。国民がそこに対しても常に
観光政策を
一つの柱として目をやっていただきたい、私はかように思います。
最大の需要サイドの政策は、やはり日本人の休みのとり方だと思うんですよ。
私も国
会議員で、たまには温泉に行きたいなと思う。しかし、予定が立たない。行けない。年末ぐらい行けるだろうと思っても、大体十二月の二十日過ぎに、ちょっと大丈夫だと。すると、もう全部満員です。満員でも、ついでに値段を聞く。そうすると高い。結局、みんなピークで行くものだから、めちゃ高い。それで、泊食分離じゃない。二日泊まったら、げっぷが出るほどの料理が出る。こういうパターンで
観光がもつはずないわけです。
連休システムもありましょうけれ
ども、今後はやはり、有給休暇のとり方で、
観光で人間がリフレッシュをする、そういう
意義を説いて、会社あるいは組織に、骨を休めるということの
意味を説いて、有給を本当に活用するというのは、価値観を広げていくことは
観光政策の一番大きい柱だと実は思っております。
最後に、もう時間がなくなりましたので、ぜひ申し上げたいことがあと一点ございます。
一応土台はスタートしたこの
観光政策、
観光庁設立ということですけれ
ども、今後これでどう花が咲いていくかというところは、やはり知恵だと私は思うんですね。残念ながら、お役所の
皆さんは、ある面では一番
旅行していない人種ですよ。海外
旅行も少ない。海外
旅行に行っても
会議でトンボ返りということで、本当の
意味で
観光という楽しさをある面では一番知らない人種だと思うんですよ。我々国
会議員もそれに近いかもしれない。こういう
人たちが幾ら法律をつくったって大した運動にはならないと思うんですよ。
それで、今後どうやって民間の知恵を吸収していくかというところに最大の問題があると私は思うんです。そこで、この関連
審議会を調べましたところ、三つあるんですね。交通政策
審議会
観光分科会というのがあります。九人の
委員、六人の臨時
委員がおられる。そして、
観光立国推進戦略
会議というのがあって、これは十二人の
委員がおられる。もう
一つ、できたてのほやほやですけれ
ども、この四月十日に
観光に関する懇談会というのができた。これは、総括
審議官の私的諮問
会議のように聞いております。これのメンバー全員を見ました。大学教授が各
委員におられる。経団連とか同友会とか、そういう組織代表も相当おられる。そして
観光産業に携わる方も何人かはおられる。
しかし、これを見ると、お役所の
皆さんと一緒ですが、外国へ行っても
観光地を見ることは決してなかろうなという方ばかりですよ。新幹線に乗って風景を眺めたり、温泉につかるような人はほとんどおられない。新幹線でも原稿を書いたり本を読んでいるような感じの人ばかり。こういうメンバーで本当に、先ほど言った需要サイドですよ、国民がこういう
観光施策があったらいいな、ここはすてきだな、ここの
地域のこの宿の配慮はすばらしかったとか、そんなものに全然気づく機会がない、行ってもそれに気がつく感性がない。そんな人をずらずら並べて、本当に楽しい、国民にわかる、ブームが起きるような
観光政策になるんだろうかと私は
心配をいたします。
ここで、もう時間が来たのであれなんですけれ
ども、
皆さんに
一つ、きつく提言をしたいんです。
一人だけ、私は存じ上げないんですが、マリ・クリスティーヌ、女性の方でしょうね、異文化コミュニケーターという方がおられる。実は私も、かつて建設省の道路局のときに、これからの道路はいかにあるべきかと日本人に聞いても
意味がないと、私は、ドイツ人と渡辺文雄さんという、日本じゅうを回ったこのお二人を
審議会に入れたんです。そのとき局長から、おい、
外国人は
審議会の
委員になれるのかと言われて、私は調べもせずに選んだものだから、若いころ慌てたことがありましたけれ
ども、それは何の支障もなかった。
私は、やはり
国際観光といったら、日本人が、霞が関とか経団連、経団連を批判するわけじゃないけれ
ども、旅というものを楽しむことを知らない偉い人が集まって
議論しても
意味がない。むしろ作家であるとかカメラマンであるとかエッセイストであるとか、まさにいろいろな旅をして、日本とは違うここの
地域に心を打たれたとか、そういう感性を持った人を、少なくも、今後は
観光庁もできるんだから、私的諮問機関においてはこういう人を入れるべきだと私は思う、冒険家とか、カメラマンとか。私はそういう発想がないのがおかしいと思う。
だから、今後、三つも
審議会がありますよ。ダブっている人もいる。しかし、これは恐らく、ほとんど旅の喜び、その
地域の本当の輝く
観光資源に気がつかない、気がつく感性を持っていない
人たちと言ったらちょっとあれですけれ
ども、でも恐らくそうだと思う。私は、今後、
観光行政をもっと生き生きとしたものにしていくためには、ここの
審議会はこういうタイプではない
審議会に、これをつぶせとは言わない、本当の楽しい
審議会の人選をしていくことだと思いますけれ
ども、
大臣いかがですか。