○阿部(知)
委員 このメタボ健診をやらねばならないとされた
保険者のうち、とりわけ国民健康
保険の
保険者は今大混乱であります。なぜなら、もともと
受診率も低いです、国保の皆さんは。それから、大きな企業が中心になる組合健保等々ではその全体を把握するのに有利です。やりやすいです。だから、さっき言ったように、両方努力したけれども結果においては差が出て、努力した結果ペナルティーが来る。私はそういう発想をもう一度、
大臣はこれの結果をとおっしゃいましたが、私は根本を問うています。
もっと根本を問えば、
大臣、
後期高齢者医療制度は、実は七割、八割女性です。うば捨て山
保険という
言葉、私もそこに入るのかもしれませんが、私が入るときまでにはやめてもらいたい、即刻やめてほしいです。そういう
制度ですが、メタボ健診をやったとして、男性と女性では健診の有所見率と申しますか、指導に回る率で二倍の差があります。男性の方が多いんです。すなわち、
後期高齢者医療制度の大半である女性は、メタボ健診によってそれがひっかかり、でも
治療されずに放置されて、糖尿病になったか何になったかとか言われますけれども、もともと圧倒的に発生する数が少ないんです。
ただ、この次に申し述べますように、高脂血症のようなものを、脂質が高いというものを勝手な基準でやれば、女性の高脂血症はがんとふえます。その基準のイカサマさは後ほどちょっとやらせていただきますが、もともと後期
高齢者には女性が多く、またメタボ健診等々でひっかかってくるのは男性が多いんだということであります。どのくらいのエビデンスで、こんなペナルティーまで科して、
計算式にかかわってくるわけです。こんなものを取り入れるのか。
先ほど
山田委員の御
質疑の、あの法制化もされていない尊厳死問題を現場に投げて、現場の医師は、私は嘱託殺人の共犯者にはされたくありません、法もないのですから。だれがそこにかかわったことを保護してくれますか、いざとなったら。
この健診もそうです。エビデンスが全くない。さっきの男性と女性の比率からいってもそうです。ただ、お金になるから
市場は動き出しました。そして、実は、そのことの基準をつくる指針作成医の中に、薬剤メーカーや皮下脂肪をはかる会社からわんさわんさ寄附を受けた医師
たちが九割だという
実態がございます。
メタボ健診については、
大臣がもっとよく考えるとおっしゃってくださったとみなして、私は、これは、こんな経済的インセンティブ、
支援金のインセンティブになるようなエビデンスは全くないということを本日は
指摘させていただいて、最後に取り上げたい、基準作成の指導医のうちの九割が企業から献金を受けていた問題に移りたいと思います。
三月三十日の読売新聞によると、高血圧やメタボなど主要四十
疾患の診療指針をつくった国立大学医学部の医師の九割が製薬会社から寄附金を受領していたという事実が明らかになりました。これは、読売新聞社が各大学に情報公開を用いて、個別の医師にどのくらい寄附金が来ているかを調べたものです。
なぜこういうことを調べるに至ったかというと、実は、〇五年の四月に、メタボリックシンドローム診断基準
検討会、学会の中に置かれたものですが、これがつくられて、その中のお一人である松澤先生、このときは阪大の先生ですが、この先生には、二〇〇〇年に九千五百七十九万円、二〇〇一年一億四千六百四十七万円、二〇〇二年一億四千五百六十一万円、二〇〇三年一億六千八百二万円の、関連の薬剤会社あるいは機器メーカーからの寄附があったということが情報公開からわかったわけです。
私は、
大臣も大学におられたからわかると思います。寄附はあっていいと思います。ただ、それが利益相反、すなわち、自分が
検討会で基準をつくっている、おなかの腹回りが幾らだ、皮下脂肪が幾らだを決めなきゃいけない基準づくりに参加しながら、この松澤さんだけではないですが、個人を取り上げて恐縮ですが、この方が三共製薬から年次にわたって多額の寄附金を受けておられました。
大臣のお手元の、ページでいうと四ページでございます。これも全部情報公開法を用いて引っ張り出したものであります。ちなみに、松澤先生の三共というのは、メバロチンという高脂血症のお薬です。山之内製薬というのも、同じようにリピトールという、これも高脂血症のお薬の販売メーカーです。N2システムというのは、皮下脂肪、特に、皮下ではなくて内臓脂肪をはかる機械のメーカーです。どんなものかというと、その次のページにちょっと例示してございます。
まず、
大臣、私は前の柳澤
大臣にはお
伺いしました、利益相反は問題だ。特に、これからいろいろな
研究、指針づくりなどには、そうした寄附金を受けているか受けていないか明確にしてくれなければ、国民は最大限これは怪しいと思います。なぜその教授に億の単位のお金が行って指針づくりに関与しているのか。
大臣には、このことをどう思われるかと、もう一つ、時間の
関係でこれも、両方で恐縮ですが、国立大学病院は、現状においては寄附の総額しか情報公開されておりません。どこから幾ら寄附があったかをホームページにアップできるように、というのは、国民が知る必要があります。情報公開をやっても、ここには二年間かかったんです。これでは、事は進んで、指針はできて、国じゅうメタボ健診で、しかし、変だ、おかしいと思ったとき、国民からとめられません。
情報公開は、まず、今こんなツール、インターネットを初めとしてIT技術は進んでおります。文科省と相談して、国立大学病院の寄附をきちんとホームページ上、どこから幾らであったかを載せるように
検討していただきたい。いかがでしょう。