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牧委員 つまりは、これは国の
施策のすべてではないんでしょうけれども、およそ二千数百億を使って緑の
保全を図っているという
理解でいいと思うんですけれども、一方で、もし
工場立地法の
規制が緩和されて、
緑地がどんどん失われていく、一方で
国民の
税金を使って
緑地をつくっていくというのは、
政府全体の
政策からしたら
整合性がとれない話だと私は思います。
今、
平成十七年現在ですか、
工場の
立地の中で約一五・五%という数字が出ておりましたけれども、先ほど私が申し上げたように、
工場を閉鎖した後はもう分母に入らなくなるわけですから、一五・五%に伸びたから喜んでいる場合じゃなくて、
工場を閉鎖した後に
土壌汚染対策みたいに新たな
規制をかけて
緑地だけ残すなりなんなり、極端な話、そういうことをやってもいいぐらいの
政策的な
取り組みを期待したいと私は思います。
これについては、もう時間も過ぎておりますのでこの辺にしておきたいんですけれども、ぜひその辺の
取り組みを、単なる景観とかそういうことだけじゃなくて、やはりきちっと
生物多様性、種の保存、そういうことを念頭に、ぜひとも経産省としても
検討をしていただけますように
お願いを申し上げて、この件についてはこの辺にさせていただきたいと思います。
さて、
特商法、
割賦販売法に話を移したいと思います。
そもそも、
特商法で扱われるというのは、何か世の中で後ろめたい
商売をしているかのような印象を抱く方もいらっしゃると思うんですけれども、そういう懸念があるということは、言っても差し支えないのかなと。善意の
消費者の弱みにつけ込んで不当な利益を得ようとする者をきちっと
規制しなければならない、そのための
法律だというふうに私は
理解をさせていただいております。
その中で、特に経産省の
行政としては、これは
社会の
変化とともに
新手の
商法が出現するわけですから、常に
イタチごっこのようなことを繰り返さなければならないということも、これは一方で私もよく
理解ができます。ただ、立法に当たっては、やはり
現象面だけにとらわれずに、せっかくこういう
審議の時間もございますから、その
本質にきちっと迫ることも必要じゃないかなと私は思っております。
いろいろな
商売のやり方があると思いますけれども、例えば、私が
高校時代に古文で習った
今昔物語だとか
宇治拾遺物語の説話の中にも、ちょっと出典ははっきり覚えていませんけれども、都で魚の行商をする人がいて、大変おいしい魚だといって評判で飛ぶようによく売れた、ところが後になったらそれが蛇の肉だったことがわかったというような
お話がどこかにあったような記憶が私あるんですけれども、まさにこれなんかは、
食品偽装の話が当時からあったのかなと思うわけです。
商売というのは、いろいろ
新手の
商売というけれども、
人間の
本質は変
わらないわけで、いろいろなところにもそういったことは見出せるんじゃないかなと思っております。
宇治拾遺の中に
わらしべ長者の話がありますね。天の
お告げで、とにかく
最初につかんだものを持っていろと。転んで、
わらしべをつかんだ。それを持って歩いていたら、その
わらにアブがとまって、それをそのまま持って歩いていたら、
子供を連れたお母さんが来て、
子供があれを欲しいというので、持っていた
ミカンと交換したんですね。今度、
ミカンを持って歩いていたら、のどが渇いた人が来て、この私の布と交換してくださいと。その布を持って歩いていたら、今度馬と交換するのかな。
最後、大きな屋敷を手に入れるわけです。
これも、いろいろなことがそこから読み取れるわけで、天の
お告げに素直に忠実に従った
人間が
最後は
長者になったという単純な
理解もあるでしょうし、もう
一つ、私がこの話を見て思ったのは、そのときの
ニーズに合ったものであれば、仮に交換する価値がかなりアンバランスなものであっても、
相手の
ニーズにマッチしたものであれば相当高く売れるという真実もこの話の中には隠されているんじゃないかなと。
商売の極意というか、
相手の
ニーズにマッチすれば必ず高く売れる、これが
本質だと私は思います。
認知症の人をだますとか、あるいは
相手の不安をあおり立てる、これはある
意味詐欺に通じる話かもしれませんけれども、ただ、極めて際どい話というか、ぎりぎりのところの話というのもあるんですね。
それは、例えばの話、ちょっと私もいろいろ思い描いて列挙したんです。例えば、定年退職したばかりの人。私の父はもう既に他界しましたけれども、
会社を定年になったその瞬間に、
骨とう品屋さんやらいろいろな人が来て、
退職金をもらったでしょう、記念にこの掛け軸はいかがですか、そういう人が来たのを覚えています。一、二点買ったと思います。そういうことにけちをつけるのも余りあれなので、黙って見ておりましたけれども。
そういう人ですとか、例えば
お金は持っているけれどもアカデミックなバックグラウンドがない人。こういう人は、何か学位が欲しいとか資格が取りたいとか、そういう
ニーズがある人もいっぱいいると思います。それから、結婚したいけれども異性と縁のない人とか、いろいろあると思うんですね。健康上の不安を抱えている人、あるいは既に健康を害している人。また、例えば自分の容姿にコンプレックスを持っている人ですとか、あとは老後の心配がある人。これは今、
国民の大多数かもしれませんけれども。こういった、
相手の
ニーズを考えて
商売をすれば、かなりの確率でうまくいく。
無理やり
相手の
ニーズをつくり上げる場合もあろうかと思います。
大臣、
映画の「ペーパー・ムーン」という、昔あったのを
ごらんになっていないですか、なっていない。
委員長、
ごらんになりましたか、
ごらんになっていないですか。
ライアン・オニールとテータム・オニールの親子が出演して、
聖書を売って歩くんですね。新聞の
死亡広告を見て、そこの家を訪ねていくんです。
聖書に金箔で名前まで入れて、そこの家に行くと
奥さんが出てきて、これは御
主人から注文の
聖書ですと。そうしたら、
主人は亡くなりましたと言うんですね。ああ、そうですか、では、多分亡くなる前に奥様にということで、こんな
署名までありますよと。
奥さんはもう感激して、それは買わせていただくと、高い
お金で買うわけですよね。
映画の中にそういう話があったわけです。
それなんかは、まさにピン
ポイントで行くわけですね。本人がそれにいい思い出だけを持ったままでいれば、それは別に
詐欺といってもそんなに悪質とは言えないと思うんですけれども、まさにピン
ポイントで
相手を攻めることができればいろいろな
商売が成り立つ。そういう
一般論から、やはり
名簿というのが非常に重要なキーワードになってくると思います。
個人情報保護法の話にここでちょっと言及したいと思うんです。
今回の
消費者保護の
観点というのは、そういったこととはまた別次元の話だと思います。事が起こってしまった後でどういう救済ができるかということにやや重きが置かれていると思うんですけれども、
個人情報の
保護という
観点から
消費者保護をどう考えるか、そういう視点から、ちょっと
大臣の所見をお述べいただければと思います。