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篠原委員 いろいろミックスしなくちゃいけないんだろうと
思います。世の中を動かしていくには、迂遠なようでいて一番大事なのは、啓発というか
教育だろうと
思います。もう
一つはあめです、こういういいことをしたらこういうことをしますよというもの。それともう
一つは、規制だと
思います。私は、
環境の分野ではどういう手法が一番とられるべきか、どれが効果的か、どういうふうにしていくかということを
考えたら、圧倒的に規制が必要なんだろうと
思います。
例えば、通りの景観を統一しようといったときに、自主的にとか
教育してというのではだめですよ。
パリの町並みは非常にきれいなわけです。信じられないですよ。道路の広さに応じて、ここは八階建て、ここは五階建て、狭い道路だったら三階建てと。二階建ても許されないわけです。三階建てに全部しなくちゃいけないんです。だから遠近法の絵ができる。
日本なんか、近くの建物は小さくて遠くの建物はでっかくなったりしているから、全然遠近法の絵が描けないわけですね。
僕は、
環境問題というのは強制していかなくちゃだめだろうと思うんです。自主行動計画が、ちょうどいいというのに何かもっともらしい理屈を
考えて、主体が
創意工夫によりすぐれた対策ができると、自主的にだからですね。高い
目標に取り組む誘因がある、
政府と実施主体の双方の手続コストをかけない、これは何か後づけの理由ですね。勝手にやっていった方が何でもスムーズにいくなんという、そんなことはないわけです。それだったら行政とか政治とかは要らないわけでして、やはり
目標を定量化していかなくちゃいけない。
さっき局長の答弁にもありましたけれども、二回チェックすると、いろいろなことを自主行動計画なんかで。それはちゃんと
法律で評価して、達成しちゃったりしたものについては、さらに高い
目標を掲げてそっちに向かってもらうと。もちろん、正直者がばかを見るというのじゃよくないですから、一生懸命やったところのものは評価して、そのあとはやらなくたっていいというようなのも必要であると
思います。そういう中で、
田島委員が十五日に言っていられましたけれども、情報開示とかいうのも私は非常に大事なことなんだろうと
思います。
国内のことをいろいろ申し上げましたけれども、これは国際的な問題、グローバルウオーミングということで、この問題は国際的な問題なんだろうと私は
思います。
海の向こうの動きですけれども、いろいろな動きがあるわけですけれども、我々が注目しているのは、やはり
アメリカの大統領選です。共和党と民主党といろいろ意見が違ったりしていますけれども、
地球温暖化防止については、民主党、共和党の候補とも非常にきちんとした態度をとっておられるんじゃないかと
思います。
最近の情報では、クリントン、オバマも、両方とも非常に厳しいことを言っているんですね。例えば、
日本では信じられないことですけれども、NAFTA、北米自由貿易協定、自由貿易自由貿易一辺倒でどうもおかしい。具体的な内容までは、USAヤフーなんかで調べてみましたけれども、出ていませんでしたけれども。
環境条項と労働条項を入れて直さなければNAFTAからは脱退すべきだというのを両候補とも言っているんですね。
要するに、エコダンピングとソーシャルダンピングです。
環境基準が弱い。それから、社会労働というか社会条件が劣悪な、そんなところの低賃金でつくった製品をどんどん輸出している、それはよくないということなんです。
それで、
地球温暖化防止問題についても、マケイン・リーバーマンの
法律、上院の気候変動問題の法案がありますね、それをオバマ候補は当然支持しています、強烈な支持をしております。
余談になりますけれども、オバマ候補の
環境問題の懐刀のダニエル・エスティーを私は個人的に知っていまして、エール大学の教授ですけれども、OECD代表部に勤務していたころ、貿易と
環境とか、何とかの
環境とかいうのを、余りやる人もいないし、そこそこ関係があったので、私はその
環境関係の会合に
出席しておりまして、
環境省では高橋康夫さんと一緒に出たわけですけれども、
アメリカの代表として来ていたのがそのダニエル・エスティーさんでして、彼が参謀役になって、オバマ候補の
環境問題の
取り組みの提言をまとめているんですね。最近気がついたんですけれども、何でこんなにいいことばかり言っているのかと思ったら、ちゃんとした参謀がついているんです。それが、
日本では余り報じられませんけれども、
アメリカでは争点の
一つになっているんですよ。こういうのがあるわけです。
そうしたら、先ほど、各省庁に働きかけるというものの
一つに、
外務省なり、よく敵対する経済産業省があるわけです。やっつけてください、こういうところは。
自由貿易自由貿易というので、通商戦略もなしにEPA、FTAと。私はダボハゼEPA、入れ食いFTAと言っていますけれども、何でもかんでも食いついて数だけふやせばいいというので、弱小国と締結しては、いっぱいやった、いっぱいやったと言っているんです。それで、ひたすら自由貿易というんです。しかし、
アメリカではそこに歯どめをかけると。
もう
一つ言っているんですよ。これはここの
環境に直接関係ありませんけれども、食品安全条項も加えるべきだと。
日本こそ、中国ギョーザ事件なんかがあるから、それを言っていかなくちゃいけないんです。それは、貿易を阻止する非関税障壁とかじゃないんですよ、
日本の
国民の健康というか安全を守るためなんです。
条約絡みで、
環境省は、それについても、
環境条項を加えていくべきだ、グローバルウオーミングのことを
考えていくべきだというような働きをされておられるんでしょうか。そして、その成果も、出たのは
一つでも二つでもあるんでしょうか。