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2007-11-19 第168回国会 参議院 決算委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十九年十一月十九日(月曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  十一月二日     辞任         補欠選任         牧山ひろえ君     千葉 景子君  十一月五日     辞任         補欠選任         千葉 景子君     牧山ひろえ君  十一月六日     辞任         補欠選任         加藤 敏幸君     白  眞勲君  十一月七日     辞任         補欠選任         白  眞勲君     加藤 敏幸君  十一月九日     辞任         補欠選任         松村 祥史君     木村  仁君  十一月十二日     辞任         補欠選任         木村  仁君     松村 祥史君  十一月十六日     辞任         補欠選任         加藤 敏幸君     白  眞勲君      金子 恵美君     青木  愛君  十一月十九日     辞任         補欠選任         青木  愛君     金子 恵美君      仁比 聡平君     大門実紀史君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         小川 敏夫君     理 事                 神本美恵子君                 藤本 祐司君                 柳澤 光美君                 浅野 勝人君                 中村 博彦君                 荒木 清寛君     委 員                 青木  愛君                 梅村  聡君                 大久保 勉君                 風間 直樹君                 金子 恵美君                 川崎  稔君                 行田 邦子君                 外山  斎君                 白  眞勲君                 舟山 康江君                 牧山ひろえ君                 愛知 治郎君                 石井みどり君                 衛藤 晟一君                 塚田 一郎君                 西島 英利君                 野村 哲郎君                 牧野たかお君                 松村 祥史君                 丸山 和也君                 浜田 昌良君                 大門実紀史君                 又市 征治君    国務大臣        総務大臣     増田 寛也君        財務大臣     額賀福志郎君        文部科学大臣   渡海紀三朗君        厚生労働大臣   舛添 要一君        防衛大臣     石破  茂君        国務大臣        (内閣官房長官) 町村 信孝君        国務大臣     渡辺 喜美君    副大臣        内閣府副大臣   山本 明彦君        外務大臣    木村  仁君        財務大臣    森山  裕君        防衛大臣    江渡 聡徳君    事務局側        常任委員会専門        員        桐山 正敏君    政府参考人        内閣審議官        兼行政改革推進        本部事務局次長  青木 一郎君        内閣審議官        兼内閣大臣官        房政府広報室長  高井 康行君        総務省行政管理        局長       村木 裕隆君        外務大臣官房審        議官       木寺 昌人君        外務大臣官房審        議官       田辺 靖雄君        外務大臣官房審        議官       小田 克起君        財務省主計局次        長        香川 俊介君        財務省理財局長  勝 栄二郎君        財務省理財局次        長        藤岡  博君        文部科学省初等        中等教育局長   金森 越哉君        文部科学省スポ        ーツ・青少年局        長        樋口 修資君        厚生労働大臣官        房審議官     草野 隆彦君        厚生労働省職業        安定局長     太田 俊明君        国土交通大臣官        房長       宿利 正史君        防衛省防衛参事        官        小川 秀樹君        防衛大臣官房長  中江 公人君        防衛省運用企画        局長       高見澤將林君        防衛省人事教育        局長       渡部  厚君        防衛省経理装備        局長       長岡 憲宗君    説明員        会計検査院事務        総局第一局長   諸澤 治郎君        会計検査院事務        総局第二局長   小武山智安君    参考人        独立行政法人国        際協力機構理事  上田 善久君        独立行政法人国        際交流基金理事        長        小倉 和夫君        日本放送協会会        長        橋本 元一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○国家財政経理及び国有財産管理に関する調  査  (国会法第百五条の規定に基づく本委員会から  の会計検査要請に対する結果報告に関する件  )  (会計検査院法第三十条の二の規定に基づく報  告に関する件)     ─────────────
  2. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る十六日、加藤敏幸君及び金子恵美君が委員辞任され、その補欠として白眞勲君及び青木愛君が選任されました。  また、本日、仁比聡平君が委員辞任され、その補欠として大門実紀史君が選任されました。     ─────────────
  3. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国家財政経理及び国有財産管理に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣審議官内閣大臣官房政府広報室長高井康行君外十八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国家財政経理及び国有財産管理に関する調査のため、本日の委員会独立行政法人国際協力機構理事上田善久君、独立行政法人国際交流基金理事長小倉和夫君及び日本放送協会会長橋本元一君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 国家財政経理及び国有財産管理に関する調査のうち、国会法第百五条の規定に基づく本委員会からの会計検査要請に対する結果報告に関する件及び会計検査院法第三十条の二の規定に基づく報告に関する件を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 大久保勉

    大久保勉君 民主党・新緑風会・日本大久保勉です。  まず最初に、テロ特措法関連したインド洋給油燃料調達に関しまして質問したいと思います。  衆議院で指摘されましたアメリカの軍備関連機関DESCホームページに、顧客リストの中に日本国政府が三件載っております。その中の一つとしまして、不朽の自由作戦があります。米国は、日本政府燃料供給していることをホームページでわざわざ表明しております。また、DESC顧客日本政府以外に多くの民間企業も載っております。  そこで質問したいのは、どうして日本国政府は、燃料供給会社A社B社という名前で呼ばれておりますが、どうして名前を出さないのかということです。これまでの質問でしたらテロリストにねらわれるということですが、本当にそうか、このことに関して大臣質問したいと思います。
  9. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 委員指摘のように、DESCホームページのフォーリン・ガバメント・カスタマーの中にFBジャパン、エンデュアリング・フリーダムという記載はございます。  で、海上自衛隊が行いますテロ特措法に基づき各国に対して提供している艦船用燃料現地調達についてでありますが、日本商社二社と契約調達をしております。で、この契約相手方企業から聴取をいたしましたところ、調達燃料DESCを含む米軍から供給を受けている事実はない、企業から購入している、この旨確認をいたしております。また、海上自衛隊が直接DESCから当該燃料調達という事実はございません。  で、本件海上自衛隊が行います現地調達契約相手方の個別の名称につきましては、これが公になることにより正当な利益を害するおそれがあるということで、お答えを差し控えるというのは従来どおりでございます。  で、これで何でそれを公にできないのだということでございますが、これも繰り返しになって恐縮でありますが、東京地方裁判所平成十五年九月十六日付けの判決が出ております。つまり、本件契約相手方企業名情報公開請求の訴訟におきまして、不開示といたしました当時の防衛庁の判断について、これを支持するという司法判断がなされておりまして、その後上訴はなされておりません。そういうことだと私は承知をいたしております。
  10. 大久保勉

    大久保勉君 裁判の結果とA社B社、開示する、しないというのは別物じゃないかと思います。  例えば、委員の皆さんに配りました資料がありまして、資料の七、これは後ろのページから三枚目になっていますが、これ、たまたま防衛省天下りリスト調査するときに石油関連会社への再就職状況ということで出してもらった資料です。この中にはA社B社があると確認できています。  で、この中に、大企業もありますし、どうも何か余り有名じゃないような会社もありますし、政治家名前と非常に近いようなところもありますし、例えば中川物産とかカメイとか、いろんなところがありますが、どうももしかしたらこれ表に出したら利権が出てしまって困ると、こういった疑義もあるんですね。そういう観点から是非質問したいと思います。  実は、この燃料調達に関しましては、平成十四年から毎年一回公募しておりますが、六回ともA社B社しか名のりを上げていません。私はどうしてか分からないです。じゃ、どの程度A社B社利益を上げているか。これは後で説明しますが、まずは公募の結果、A社B社しか名のりを上げなかった理由、そしてA社B社とはいつも随意契約調達していた理由、この点に関して大臣質問します。
  11. 小川秀樹

    政府参考人小川秀樹君) 御質問テロ特措法現地調達契約のことでございますけれども、特措法に基づく現地調達でございますけれども、活動開始当初の平成十三年末に石油会社商社等、計十八社を対象に現地での燃料供給能力に関する調査を行いまして、その十八社中二社のみが現地での部隊運用との連接性即応性を確保しながら安定的、確実に供給する能力があると判断されたということで、当初二社間で指名競争入札を実施したところでございます。その後、供給量それから供給確実性といった観点から供給能力を安定的に確保するために二社による供給がどうしても必要ということで、当該二社との間で随意契約を締結したわけでございます。  公募方式でございますけれども、十八年に公共調達適正化政府の方針が定まりまして、これにのっとって十九年度に公募方式を導入したところでございます。  先生指摘のとおり、この公募方式では、契約しております二社だけの応募があったところで、能力審査の上二社と随意契約を締結したところでございますけれども、公募内容といたしましては、もう先生に御説明しておりますけれども、二月に現地調達する燃料燃種数量契約方式等内容につきまして横須賀地方総監部公募を行ったわけでございまして、燃種は、軽油二号又は米軍規格、ミルスペック、F76でございますけれども、数量は一回当たり平均一千から三千キロリットル、月当たり納入回数二から六回、契約方式、おおむね二か月ごとということで、納入場所は官が指定する中東諸国の港湾の沖合錨地納入形態はタンカーによるシップ・ツー・シップ納めということで、もちろん隔てなく公募を行ったところでございまして、適正な手続を行っておるということでございます。
  12. 大久保勉

    大久保勉君 私は、この取引、後で明らかになりますが、非常に高収益の商取引なんですね。まず為替手数料を取り、そして原油の売買利益を取っています。合計平均で五・五%と言われておりまして、三百億で五・五%、十六億円の利益が出ています。こういったおいしい取引なのにどうして二社しか応募しないのか、私は非常におかしいと思っています。  じゃ、まず為替でどのくらいもうかったかということで、A社B社為替取引に関しましては、A社TT仲値プラス一円で決済をしております。B社TT仲値プラス七十五銭です。非常に業者にとっておいしい取引なんです。最近為替取引は一般化しておりまして、個人でもほとんどゼロ円なんですね。例えば、外国為替FX比較ということでホームページで調べましたところ、個人でありましても、例えばひまわり証券とかオリックス証券若しくは三菱商事関連三菱商事F証券、いろんなところがありますが、全部為替手数料無料なんです。個人無料なのに、商社が一円取っているのはおかしいんですね。  じゃ、そこで質問しますが、A社B社為替幾ら利益を上げているのか。もし、前提としましてTT仲値為替決済ができると、上乗せ分として幾ら利益が上がったのか。この点に関して参考人質問します。
  13. 小川秀樹

    政府参考人小川秀樹君) 先生指摘に沿いまして為替相場をドル百十円と仮置きしました上で、平成十八年度の艦船用燃料現地調達分A社B社への対価につきまして、その精算為替レートを御指摘TTMに仮に置き換えた場合の対価A社B社に対して実際に支払った対価との差額をA、Bそれぞれの会社について試算いたしますと、A社が約二千五百万円、B社が約二千万円ということに相なります。
  14. 大久保勉

    大久保勉君 こちら詳しい資料がありますので、資料の三ページを見てください。これは三週間掛けましてやっと出てきた数字です。  一般輸入契約で十八年度に代金確定した契約契約相手方上位二十社に対する決済為替レート幾ら利益が上がったかということでつくった数字です。二十社合計が三億四千四百万です。  じゃ、議事録を残すために上位四社を読み上げてください。また、A社B社利益額を読むだけで結構ですから読み上げてください。
  15. 小川秀樹

    政府参考人小川秀樹君) 御指摘資料でございますが、まず一般輸入契約契約相手方契約金額上位二十社のうちの四社でございますけれども、一番が伊藤忠アビエーションでございまして、決済レートでよろしゅうございましょうか。
  16. 大久保勉

    大久保勉君 決済レートと一番右側の変動額
  17. 小川秀樹

    政府参考人小川秀樹君) 決済レートからTTMを引いた値が〇・五二円でございます。仮にTTMで外貨決済したと仮定した場合の契約額との差額でございますけれども、約六千二百二十万円ということでございます。二番手、二番目でございますけれども、三菱商事株式会社決済レートからTTMを引いたものが〇・五〇、先ほどと同じ差額でございますけれども、約三千九百万円でございます。三番がユーロヘリ株式会社でございまして、TTM米ドルの方を申し上げますと、TTMの差ですけれども、〇・五〇、金額は五十四万九千円、ユーロの方でその差が〇・四七でございまして、約二千二百万円でございます。四位が山田洋行でございまして、米ドルが〇・五〇、ユーロが〇・七五で、米ドルで約三千百万円、ユーロで三百五十万円でございます。  それから、テロ特措法A社B社でございますけれども、決済レートからTTMを引いたものでございますけれども、A社が一円、B社が〇・七五円でございまして、それぞれ、先ほど申し上げましたが、A社が二千三百六十万円ほど、B社が一千九百万円ほどということでございます。
  18. 大久保勉

    大久保勉君 この表で私も唖然としましたのは、個人でもほとんど無料というのに商社が非常にこういった為替利益を上げているということです。  例えば島津製作所、こちらはTTMプラス十銭で決済しております。メーカーはきっちりやっているんですが、商社でしたら平均TTMプラス五十銭です。例えば十一位の双日エアロスペース社、ポンドに関してはTT仲値から四円六十五銭、これで一千五百万円利益を上げています。同じく、日本エアロスペース仲値プラス三円八十銭、こういったものになっていまして、もう少しここは改善をさせるべきだと思います。これだけ高く防衛省調達している、税金の無駄ということです。この辺り、是非検討してもらいたいと思っております。  もう一つ指摘は、その中でA社B社というのは金額為替レート、群を抜いているんです。ですから、A社B社というのは名前を明らかにしていませんが、名前を明らかにしたら、こんなに利益を上げていいんでしょうかと、こういった疑義があると思います。  じゃ、この点に関して石破大臣為替に関して改善要求したいと思いますが、大臣の御所見を聞きたいと思います。大臣、お願いします。大臣、お願いします。
  19. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 改善の方法がありますれば、委員の御指摘も踏まえて検討してまいりたいと思います。
  20. 大久保勉

    大久保勉君 続きまして、じゃ、A社B社燃料売買幾ら利益を上げたのか。この燃料というのは、F76軽油といいまして特殊な軽油です。これは、A社B社は実際製造設備がありませんから、バーレーンとUAEの製油会社から買い取って、そして現地で、いわゆるバージ、はしけ会社調達して自衛隊まで運んでいます。つまり、A社B社というのは設備がありませんし、書面だけで利益を上げております。  じゃ、幾ら利益を上げたのか。ここは資料の二、次のページを見てください。こちら、平成十七年度、十八年度、十九年度、資料請求をして、これもう三週間掛かってやっと出てきた数字です。なかなか出したくない理由が私にも分かりました。  といいますのは、A社平成十七年から十九年まで平均的に二・三四%の利益が上がっています。B社に至っては七・四一%です。つまり、五十二億一千万の売上げなんですが、原価としましては、五十二億一千万で調達をしたものを防衛省に五十六億円で売っていますから、三年間で四億一千七百万利益が上がっていると。七・四%利益が上がっています。先ほどの為替とは別です。  じゃ、A社B社平均で四・八%の利益を上げています。この数字に対して、大臣、どう思われます。これは通告しておりませんが、率直な御意見を聞きたいと思います。大臣、お願いします。
  21. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 大臣が感想聞かれていますが。石破防衛大臣
  22. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 利益が高いのではないか。これは粗利ということで考えてみますと、現地調達します燃料につきましては、先ほど来るるお答えをしておりますように、部隊運用との連接性あるいは安定して燃料納入することが要求をされておるわけであります。  これは委員海外ビジネス長くいらっしゃいますから御存じだと思いますが、海外に所在する事務所などを活用しなければなりません。現地に適時に担当者を派遣しなければなりません。あるいは、油槽船やタンクの借り上げ、運用検査等、相当の事務の調整を要するものでございます。現地において納入する燃料品質確認、積出しの際の検査納入時の検査や立会いなどしておりまして、事務所経費のほか人件費通信費が相当発生しておるというふうに考えるのが普通でございます。  そのように考えてまいりますと、不当に利益が高いのではないかということでございますが、一般的な商社の粗利の率から考えた場合に、この差額が必ずしも高いというふうに私自身考えておりません。当然、燃料相場の下落による損失を被る、そのようなリスクを負っておるわけでありますし、あるいは今般もそうでございますが、撤退をするということもあるわけでございます。企業としては、その部分のリスクも当然計算をいたしまして商売をするわけでございまして、私自身、この数字を見て必ずしも高いという印象は持っておりません。
  23. 大久保勉

    大久保勉君 まあ大臣とは余り、感覚が違うかもしれませんが、私は高いと思います。燃料売買書面上で四・八%の利益、さらに為替A社B社平均は大体TTMプラス八十何銭ですから約〇・八%。四・八%プラス〇・八%ですから、五・六%の利益があります。  さらに、こういったおいしい取引、三百億円ですから、五・六%ですから十六億円。これだけ利益が上がる取引を六年間でわずか二社しか手を挙げていないと。で、二社に半分ずつ、シェアがちょうど半分ずつに分かれていると。これこそが防衛利権じゃないですか。  じゃ、今日は額賀大臣がいらしていますから、財務大臣という立場から、是非こういった無駄遣いに見えるところをきっちりやってもらいたいと思います。財務省としましては、将来消費税アップ等も考えていらっしゃると思いますから、まずは税金無駄遣い防衛利権の究明が最初ではないかと思います。是非、御意見をいただきたいと思います。
  24. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは大久保委員のおっしゃるとおりでございまして、我々は来年度予算編成の今真っ最中でございますけれども、まず無駄をなくし、そして効率的に予算配分をし、そして歳出削減に努力をしていく、その中で、おっしゃるように、きちっと財政再建を成し遂げていきたいと。一方で、経済の成長も大切でありますから、やっぱり成長分野にはしっかりと技術力あるいはまた様々な競争力を付けるために配分もしていかなければならない、そういうふうに感じているところでございます。
  25. 大久保勉

    大久保勉君 じゃ、A社B社の最後の質問ですが、先ほど言いました石油関連会社二十六社のリストがありますが、この中にA社B社が入っております。ここに対しまして、国会議員親族若しくは、まあ親族の意味は親兄弟、おじさん若しくは奥さんの親族、親兄弟も含みます、こういった会社があるかないか、これだけは教えてもらいたいと思います。是非、答弁お願いします。
  26. 小川秀樹

    政府参考人小川秀樹君) 御指摘の点でございますけれども、各企業政治家との関連の有無につきまして、防衛省として当該企業契約を締結するに当たって何ら判断材料ではございませんで、基本的に防衛省として把握する立場にございません。  なお、現時点におきまして、A社及びB社の双方が公表しております役員の中には、国会議員と思われる名前はないというふうに承知をしております。
  27. 大久保勉

    大久保勉君 資料七を見てもらいましたら、二十六社があります。専門家が見たらよく分かると思いますが、為替TTMプラス一円ないしTTMプラス七十五銭を使わざるを得ないようなところというのは、エクソン、新日本石油、コスモ石油、出光石油、大手はないと思います。また、川鉄商事、日商岩井、丸紅等もございませんから、消去していったら大体分かると思うんですね。  新聞記者、いろんなメディアの方は、もうこの企業ではないかということで実際に名前が挙がっていますが、私はまだ分からないということで、この中に、二十六社の中に入っているということ、もしかしたら、テロ対策で絶対に名前を明かしたくないというのは、そういった言い訳でもって石油利権政治家とのつながりを明らかにしていないのかなと、そういう疑義もありますので、是非ここは、政治家との関連がないということをもう一度聞きたいと思います。じゃ、もう一度お願いします。
  28. 小川秀樹

    政府参考人小川秀樹君) 恐縮でございますけれども、防衛省といたしまして、企業政治家ないし政治家の家族の方との関係の有無について、契約相手方の選択あるいは契約内容条件におきまして何ら参酌するところではございません。そういったことで、基本的に政治家との関連について把握する立場にないということを御理解いただきたいと思います。
  29. 大久保勉

    大久保勉君 分かりました。  テロ特措法が失効して一番困るのはA社B社ですね、五・五%の利益が入りませんから。その取り巻きの、もし関係者がいるとしたら困りますから、その観点からもきっちり調べてもらいたいなと思います。  じゃ、次に行きます。  本日は、わざわざ額賀大臣決算委員会に御出席していただいておりますから、一点質問したいことがあります。  先週、守屋氏の証人喚問で明らかになりました額賀大臣の宴席の出席に関する質問です。  守屋氏は、二年ほど前、元米国防衛省日本部長のジェームズ・アワー氏が日本に来たときに、何人か東京神田の料亭に集まったときだった、私が行ったら宮崎さんが来た、それから額賀先生が来て最初に帰ったと述べました。  まず、防衛省質問します。  二〇〇五年、二〇〇六年の二年間に元米国防衛省日本部長ジェームズ・アワー氏が日本国内で防衛省幹部と会った記録はございますか。質問します。
  30. 中江公人

    政府参考人(中江公人君) 防衛省に残っております面会票で確認をいたしますと、御指摘のジェームズ・アワー氏は二〇〇六年におきまして計三回、防衛省幹部へ面会のために防衛省を訪問した記録が残っております。  その内訳は、平成十八年六月二十六日午前に当時の額賀防衛庁長官、それから同年八月七日午後に当時の守屋事務次官、同年十二月六日午後に当時の久間防衛庁長官でございます。
  31. 大久保勉

    大久保勉君 日程が確定しておりますから、是非その前後の公用車の運行記録、防衛長官の公用車及び守屋前次官の公用車の運行記録を後で提示してください。また、接待等を行った場合の記録もお願いします。  このことをきっちりやってもらうために、是非小川決算委員長にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
  32. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) まず、提出する気があるかどうか、確認してください。
  33. 大久保勉

    大久保勉君 はい。  じゃ、提出できますでしょうか。
  34. 中江公人

    政府参考人(中江公人君) 御指摘の運行記録については確認をしてみます。  それから、会食部分等につきましては、少なくとも委員指摘の二〇〇五年、二〇〇六年におきまして、会計検査院に提出しております支出証拠書類というのがございますが、これを見る限り、防衛省として何か会食に支出をした記録は残っておりません。
  35. 大久保勉

    大久保勉君 きっちり出してもらうために、是非決算委員会委員長あてに出してもらうことを約束してください。よろしいでしょうか。
  36. 中江公人

    政府参考人(中江公人君) その運行記録及びそれから支出証拠書類については提出いたしたいと思います。
  37. 大久保勉

    大久保勉君 じゃ、続きまして、週末にたっぷり時間があったと思いますので、額賀大臣質問します。  この件、大分整理がなされたんじゃないかと思います。二〇〇六年の六月、八月、十二月、もしかしたらその辺りの記憶を取り戻し、また事務所にスケジュールがあると思いますから、きっちり調べられていると思いますが、現時点で記憶の方は戻ったでしょうか。
  38. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今、大久保委員のおっしゃることでございますけれども、先週、守屋証言によりまして、私が一昨年ごろジェームス・アワー氏を囲む会に守屋さんや当時山田洋行の宮崎専務とともに宴席に出席をされたということでございましたので、私もそういう記憶は全くないという話をしておったわけでありますが、今日まで私の事務所の私に関する日程表、それから当時防衛庁長官時代の日程、それから運行表、それからジェームス・アワー氏との私のかかわり合い、そういうことについて昼夜を分かたず夜を徹して調べました。その結果、私が、ジェームス・アワー氏あるいはまた守屋氏そして宮崎氏、ともに宴会に出席をしたという記録はありません。  守屋証言が行われた翌日、私は弁護士を通してジェームス・アワー氏に電話をし、そしてジェームス・アワー氏から代理人を通して、私と面識はあるけれども一回も会食をしたことはないという報告を受けております。  ジェームス・アワー氏とは、当然防衛庁長官時代に、六月二十六日に私の大臣室にお訪ねになったことも事実でございます。と同時に、その後私が調べた限りにおいて、平成十七年十月十九日に議員会館にもお越しをいただきました。そして、十八年六月二十六日には、今おっしゃったように防衛庁長官室に来られました。また、最近では平成十九年七月二日にも議員会館に来られました。  私は、ジェームス・アワー氏とは数年前から知っておりますけれども、いろいろな日米同盟関係、アジアの情勢等々について意見交換をしたりすることはありましたけれども、会食をしたことはありません。と同時に、先ほども言いましたように、ジェームス・アワー氏を囲んだ席で守屋さんや宮崎さんとお会いしたことは記録がありませんし、私はそういう覚えはないと。いずれこのことは分かってくれるものと思っております。  私は、最近の様々な報道がありますけれども、国民の皆さんやあるいはまた多くの皆さん方にも、私としては、それならば、いつどこでそういう三人と、あるいは三人を含んだ仲間たちとお会いしたということについて教えていただければ、しっかりと調査をしていきたいというふうに思っております。
  39. 大久保勉

    大久保勉君 じゃ、平成十七年十月十九日と平成十八年六月にジェームス・アワー氏と会ったということですが、どういうことを話をしたか覚えていらっしゃいますでしょうか。
  40. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) ジェームス・アワー氏は一人で来られたのではなくて、当時私どもが抱えておったのは米軍再編の問題でございましたので、山口県の岩国市の方々と来られて、状況の報告を受けたり、あるいは状況のことについていろいろと聞かせてくれたと、私は当事者でありますから、そういう人たちの言うことを聞いただけであるということでございます。  それはどういうことかというと、厚木基地の艦載機が岩国基地に移転する話がありましたので、いろいろ問題点が整理されつつあった当時のことでございましたので、主にそういう米軍再編のこととか、あるいはまた日米同盟関係の将来のこととか、そういうことの話でございました。
  41. 大久保勉

    大久保勉君 分かりました。  取りあえずこれで結構ですが、しっかり調べてほしいとおっしゃいましたから、是非防衛省の方にお願いしたいのは、防衛省の方からジェームス・アワー氏に正式に連絡をしまして、二〇〇五年、二〇〇六年に日本に来たかどうかの確認、さらには防衛省の中で、二〇〇五年も含みまして、当時は額賀防衛長官ですから、そのときの公用車の運行状況、さらにはスケジュール等を是非確認していただきたいと思います。よろしいでしょうか。確認をお願いします。
  42. 中江公人

    政府参考人(中江公人君) 御指摘の点については、検討してみたいと思います。
  43. 大久保勉

    大久保勉君 検討じゃなくて確約をお願いします。
  44. 中江公人

    政府参考人(中江公人君) ジム・アワーさんとどのような形で接触して御指摘の点について問い合わせをするかも含めまして、検討させていただければと思っております。
  45. 大久保勉

    大久保勉君 これは決算委員会としてお願いしたいと思いますので、小川委員長の方に是非お渡ししまして、決算委員会の方で検討してもらえますでしょうか。正式に決算委員会から防衛省の方にお願いするということでよろしいでしょうか。
  46. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) ただいまの大久保君の申出につきましては、後刻理事会で協議いたします。
  47. 大久保勉

    大久保勉君 何かございますか、額賀大臣若しくは石破大臣。もしございましたら。
  48. 石破茂

    国務大臣石破茂君) ジム・アワー氏が防衛省、当時の防衛庁を訪問したかどうかは、面会票の記録を今官房長から答弁を申し上げたとおりでございます。  そのほかのことにつきましては、理事会で御協議の上、また私どもの方に提示を賜りたいと存じます。
  49. 大久保勉

    大久保勉君 分かりました。  じゃ、続きまして山田洋行との取引に関しまして質問したいと思います。  山田洋行は、二〇〇一年三月、英国BAEシステムズ社、チャフ・フレア・ディスペンサーの契約に絡みまして、メーカーの目論見書を改ざんして防衛省に水増し請求したことが明らかになっています。山田洋行は、BAEの許可なくBAE社のレターヘッドを使って五十七万六千ドルの見積書を作成し、資金を請求しております。同種の別取引も含めまして約三十万ドル高い費用請求を行っております。また、同様な取引はございまして、総額は一億九千万高い請求をしたということです。  委員の皆様には資料を付けまして、こちら、資料八、後ろから二ページ目、こちらは防衛省からいただいた資料です。これは、BAEシステムズIDS社の方から防衛省に対してEメールを送っていまして、具体的に申し上げますと、米印がございますが、これらの書簡はIDSレターヘッドに記載されており、IDS代表者の署名があります。しかし、弊社ファイルを確認したところ、これらの書簡は実際にはIDSの書類ではなく、記載された単価はIDSの見積価格を上回っておりました。実際、メーカーが明らかにしたことです。  調査をして分かった内容といいますのは下線を引いておりますが、一、IDS見積りである不正に提示された書類は山田がIDSの関知及び承諾なく防衛庁の予算過程において作成したものである、二番、山田が弊社に提示した防衛庁との最終契約に用いられた価格は実際のIDSの見積りと一致していた。要するに、防衛省には高い数字を出して、メーカー側の方には前の見積りの金額を提示していたと、その差額がいわゆる水増し請求だったと、こういった資料が二〇〇二年二月五日に出ています。  ところが、こういったことはうやむやになっておりまして、何かが起こったんです。言われていますのは、守屋氏がこの件に関与しているかしていないのか。防衛省の方で調査されていると思いますが、どういう認識か、質問したいと思います。
  50. 小川秀樹

    政府参考人小川秀樹君) まず御指摘の点でございますけれども、変更契約でございますが、十三年三月三十日に三件の契約合計八億一千万で締結しておりまして、その後、平成十四年五月に、合計で一億九千万円を減額する変更契約が行われたところでございます。  御指摘のチャフは二種類ございまして、SH60J用十八セットとP3C用六セットでございます。  本件変更契約に至る調査の過程におきまして、今御指摘のBAEからの書簡、ただ、今資料に含まれておりますこの和文は、恐縮ですが当省から提出したものではございませんで、二月五日の英文の書簡そのものは提出をさせていただいております。  書簡におきましては、ここに趣旨書いてございますとおりで、十二年度に山田洋行契約したチャフ・フレアの当初契約におけるBAEの見積書とされた書類がBAE社の関知又は承認なく山田洋行が作成したものであること、この山田洋行が作成した見積書の製品単価はBAE社側の見積単価より高いことなどの点が述べられていたわけでございます。  他方、その後、三月二十日でございますけれども、同じくBAE社から防衛庁の当時の米国駐在員に対しまして書簡が送られまして、その内容でございますが、最終的な調査の結果、平成十二年度のチャフ・フレア射出装置の当初契約におきまして、山田洋行防衛庁側に提出した見積りはBAE社のデータベースから発行されたことが確認されたと。この当初契約の見積単価は技術支援費を製品価格に上乗せしたものだったが、その後、技術支援費は別途予算化されると知ったため、技術支援費を減額する変更契約防衛庁に要請すること、その上で平成十四年二月五日付けの書簡は抹消をしてほしいことなどのことが記されておったわけでございます。  当時、このため、防衛庁の担当といたしましては、BAE社の二月五日の書簡の内容がこの同社の三月二十日付け書簡をもって取り消されたというふうに考えまして、減額理由であった技術支援費につきましてもBAE社が履行の準備をしていたというような事情を聞いたことから、意図的、作為的な過大請求とまでは断定するに至らず、変更契約を締結するにとどめた模様でございます。  ただ、今日時点で見まして、この三月二十日付けの書簡につきましても信頼性に疑義もある、そういった意味で、当時の判断が適切だったのかどうか、当時の調査を追認するということではなくて、白紙的に現在、当時の調査の過程を詳細に洗い直して、事実関係の解明に努めておるところでございます。  最後に、御指摘の前次官の報道されているような事実でございますけれども、当方の方で現時点まででそういった事実関係は確認に至っておりません。
  51. 大久保勉

    大久保勉君 三月二十日の書簡は、いわゆるだれかが強制してBAE社に書かせた可能性もあるということで、今白紙に戻してチェックされているということですね。  実際に私も調べましたところ、この鈴木さんといいますのは、防衛庁ニューヨークオフィスの鈴木さん、この人が発見したんですが、その人は実は飛ばされたんですね。いわゆるニューヨークから別のところに戻されまして、別の担当者が入ってきまして事態の収拾を図ったという疑いもあります。是非、事実関係を究明してほしいんです。  私は、防衛省を通じましてBAE社の方に、見積書すべてを出してくれということを二週間程度、再三にわたってお願いしていますが、出てきていません。つまり、BAEの見積書のサインを見ましたら、どれが本当か。さらに、BAE社といいますのは代理店を山田洋行から住友商事系の会社に変えていますから、BAEが発行した見積書が全く同じでしたら偽造はされておりませんが、もしかしたら、チェックしたら内容の偽造が見えてくると思いますから、この辺りを是非出してくるようにということでお願いしておりますが、まだ現時点では出てきておりません。  また、鈴木さんに是非お話を聞きたいと思いますので、鈴木元専門官を政府参考人としてこの委員会に招集することを小川委員長にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
  52. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) ちょっと、最初資料の点も含めての話ですか、その専門官だけの喚問の件ですか。
  53. 大久保勉

    大久保勉君 専門官だけです。
  54. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) では、ただいまの申出につきましては、後刻理事会で協議いたします。
  55. 大久保勉

    大久保勉君 いわゆる防衛商社の書類の偽装といいますのは山田洋行だけではないんですね。昨年、富士インダストリー社が水増し請求をしておりまして、実際に発表はされて取引停止が行われていますが、幾ら水増ししたのか、刑事告発したのか、こういった点に関しては一切発表がございません。この富士インダストリー社の水増し事件に関して、経緯及び現状を説明してもらいたいと思います。
  56. 小川秀樹

    政府参考人小川秀樹君) 御質問の富士インダストリーズの件でございますけれども、昨年十一月九日に、この株式会社富士インダストリーズが防衛庁向けの輸入品価格について過大請求行っていたと事実が発覚したところでございまして、そういう報告を受けたところでございまして、防衛庁といたしましては、直ちに調査に入りまして過大請求の事実を確認をすることができたため、十一月二十四日付けで富士インダストリーズを厳重注意するとともに取引停止処分を行って、事実関係の全体の解明、調査を続けておるところでございます。  当然、幾つか見付かった過大請求だけではありませんで、富士インダストリーズとの間で行っている全契約について過去さかのぼられる限り調査をしておりますので、この調査につきましては、過去の例から見ても一年とか一年半とか掛かるわけでございます。  そういうことで、取引停止がずっと続いておりまして、その中で、全体の損害額といいますか、これを今算出するための調査を続けておるというのが現状でございます。
  57. 大久保勉

    大久保勉君 是非、刑事告発してほしいんですが。  国民の税金を無駄に使っている、若しくはだまして使っているということになりますから大変重大な問題ですが、防衛省はこの問題に関して非常に取組方が甘いように感じてならないんですね。もしかしたら、防衛省の方からこういった業界に天下りをしているから、その手前なかなかできないと、厳しい検査及び厳しい政策を出すことができないと、こういうふうな疑いもありますが、この点に関してどうなんでしょう、大臣大臣の御意見を聞きたいと思います。
  58. 石破茂

    国務大臣石破茂君) いずれにしても、選良であります委員からそのような御指摘を受けておるということは、これはきちんと認識をしなければならないことであるというふうに思っております。  このチャフ・フレアの問題につきましては、これは私、今朝も会議で申し上げたことでございますが、防衛省として、五年前のことではございますけれども、何でこういうことが起こるのかということについて白紙的にもう一回、参事官申しましたように、現状を追認するのではなくて、どうしてこのようなことが起こっているかということ、担当者も全部替わっておりますし、書類も全部残っておるかどうかも含めまして、すべて白紙的に調査をいたします。  その上で、事実関係というものをきちんと明確にした上で、委員の御指摘も踏まえながら今後検討をいたしてまいりたいと思っております。うやむやにするつもりはございません。  また、政治家の関係者が就職をしておるとか、あるいはOBが天下りをしておるとか、そういうことで国民の税金が無駄に使われておるということがありとせば、それは絶対に許されないことだという認識は、私は委員と同一にするものでございます。
  59. 大久保勉

    大久保勉君 是非大臣の方にリーダーシップを期待しております。  実際に中日新聞の記事を資料として付けましたが、これは資料の四です。  山田洋行に関しましては、これはさきの外交防衛委員会でも紹介しましたが、山田洋行が組織的水増し。で、工作は社内でマークアップと呼ばれ、印刷業者に依頼してメーカーが使用しているのとそっくりの用紙を用意。原本の字体を使って水増しの単価を記載するなどの方法で四倍から五倍の値段を付けることもあったと。さらには、偽造請求書に山田洋行の社員がメーカー側責任者のサインに似た字体を記入していたということも書いています。  次のページは、資料五、CXエンジンの五台の見積書です。これは同じGE社が出しているものですが、レターヘッドも違いますし、フォントも違いますし、サインの方はどうも違っているようにも見えますが、この辺りを今調べてもらっている最中です。  実際に先週、米津社長にこの問題はどう思うんだと、いや、私は知りませんということなんでしたんですが、たまたま今日の中日新聞にも、「米津社長、水増し決裁か 防衛装備品で山田洋行」ということで、関係者の話では米津社長自らがこういったことに関与していたというような観測もあります。大手新聞社ですから、全く実態にないことは書かないと思いますから、是非きっちり調べてもらいたいと思います。  そこで一つ提案なんですが、山田洋行に関しまして、山田洋行が提出した見積書、このうち私は実は無作為に十一社のメーカーを選びました。防衛省の方に直接そのメーカーに見積書を送ってくれと、そしてその数字が正しい、さらには自分たちが発行したということを証明してくれと、またバックマージンを払っていないことを証明してくれと、こういうことを依頼しております。  一週間前から行っておりまして、今どういう状況にあるかというのが資料六です。これは防衛省からいただいた現状報告でありまして、どういう会社があるかといいましたら、先ほどのGE社以外に、グラマン社、EADS、ロッキードマーチン、オートロニクス社、ニコ・パイロテクニック、無作為に十一社選んだんですが、直接今話をしてもらっている最中です。  私は、メーカーと直接話をして、山田洋行が偽造しているかしていないか、このことを明らかにすることが是非とも必要だと思います。是非大臣のこのことに対する御所見を聞きたいと思います。
  60. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 現在、山田洋行との間の契約につきまして、四十社ほどの海外メーカー各社に、御指摘のような見積書の真正性、これを確認するための見積書をメーカーに送付をいたしまして、確認を求める調査作業に着手しておるところでございます。  まず、指摘を受けておりますBAE社のチャフ・フレア関係の契約またCXエンジンの契約につきまして十一月初旬に調査に着手し、これに加えまして、十一月十五日から、メーカーの異なる契約十一件につきまして、山田洋行から提出を受けた各メーカーの見積書の真正性等につきまして関係メーカー十一社に対する問い合わせを開始したということでございます。これの問い合わせの回答というものを、こちらの方としても督促をしていかねばならぬというふうに思っておるところでございます。  バックマージンがあったかどうかということの確認は極めて難しいと承知をいたしておりますが、また、バックマージンの意味するところ、ほぼ必ずしも定かではございませんが、いずれにいたしましても、そのような不明確なことがないのかどうか、きちんと調査をし、結果を早急にといいますか、まとまり次第きちんと御報告をしなければいかぬということで、本日改めて指示を出しておるところでございます。
  61. 大久保勉

    大久保勉君 是非よろしくお願いします。  バックマージンの中には販売手数料も入っていると思います。例えばエイベック社、これは山田洋行海外で使っているいわゆる問屋です。非常に巧妙になっているやに聞いていまして、エイベックはアメリカ国内で物を仕入れまして、山田洋行を販売代理店としまして防衛省に納めています。もし、エイベックが国内で買った品物、仮に十ドルとしましょう、十ドルの物を五十ドルという形で見積書を作って山田洋行経由で防衛省に渡しましても今回の捜査では分かんないんですね。  といいますのは、防衛省はエイベックに、この見積書は五十ドルで正しいんですかと。それは正しいんです。でも、エイベック社と山田洋行では、これは新聞等のニュースですから確認はしておりませんが、国内の利益に対して七五%を販売手数料としまして山田洋行に戻すということをうたっているということです。これは山田洋行日本ミライズの裁判の中で明らかになってくると思います。これこそがバックマージンだと思います。  なぜならば、防衛省にとりましては、本来アメリカでしたら十ドルで買えるものを五十ドルで買っているんです。それも随意契約です。こういった構造をきっちり調べない限りは軍備関連利権というのは明らかにならないんです。もし、こういった利益の中から一部は賄賂、贈収賄に使っている可能性もあります。このことを警告したいと思います。  特に、アメリカにおきましては、FCPAという法律があります。海外腐敗行為防止法、これに関しまして防衛省の方、参考人の方に質問しますが、どういったものか簡単に説明してもらってよろしいでしょうか。
  62. 小川秀樹

    政府参考人小川秀樹君) 御質問でございますけれども、恐縮でございますが、防衛省がその米国の海外腐敗行為防止法について責任を持ってお答えする立場にはないということでございまして、御質問でございますので、公表資料から得た、我々にとっては未確認の情報でございますので、ごく概要を触れさせていただきますと、米国の法律で海外腐敗行為防止法でございますけれども、米国内にある企業など、またその指示などを受けた仲介業者等が商取引を獲得する等の目的で外国公務員に不正に金銭などを提供する行為等を禁止しておるということで、違反企業に対して二百万ドル以下の罰金が科せられるというようなふうに公表されておるところでございます。
  63. 大久保勉

    大久保勉君 これに関して質問したいんですが、もし山田洋行に関しまして贈収賄事件が成立した場合、山田洋行が例えばアメリカの会社の独占的代理店として機能した場合、米国の産業の方はFCPAの定義するエージェントとして米国の企業が処罰されるかどうか、この点に関して確認したいと思います。これはもう先週から調べるようにということを言っていましたので、分かっていると思います。
  64. 小川秀樹

    政府参考人小川秀樹君) 大変恐縮でございますけれども、法律の内容、一般論は先ほど公にされたベースでお示ししたとおりでございますけれども、当省がこの米国の海外腐敗行為防止法について責任のある立場でもございませんで、そういう個別の案件につきまして、かなり難しい法律ないし条約の解釈の絡む問題でもあると思います。恐縮ですが、答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
  65. 大久保勉

    大久保勉君 是非調べてもらいたいと思います。ここではもう結構です。  ただ、山田洋行の宮崎氏が守屋氏に贈賄をしたと、その結果、GEのCXエンジンが防衛省納入されたと。この場合、山田洋行はGEのエージェントとして機能したんじゃないかと、こういう疑義もございますし、また、山田洋行は少なくともアメリカの十数社の会社の独占的代理店、いわゆるエージェントですから、そういった観点でも見ていく必要があります。ここはきっちり調べておかないと、国際的な問題になります。是非この辺りはきっちり調べてもらいたいし、また、防衛省が過去の調査時におきまして非常にあいまいな対処をしたということが問題を拡散、拡大していると思います。この点も申し上げまして、私の質問は終わりたいと思います。  じゃ、最後に大臣、この点に関しまして御所見をお聞きしたいと思います。
  66. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 個々の案件につきまして、私ども司法当局でもございませんので、また外国のことでもございます。今、参事官からお答えをしたとおりでございますが、合衆国の法律等々をよく知悉をしておくことは重要なことであるというふうに考えております。  また、このチャフ・フレアの件について、ほかの場合と比べてペナルティーがなぜ科せられないのかということにつきまして、これもきちんとした御説明が必要だというふうに思っております。その辺りにつきまして先ほども答弁申し上げたところでございますが、過去にさかのぼりまして、追認という形ではなくて白紙的に、防衛省をお預かりする者としてきちんと調査をするように指示をいたしておるところでございます。  委員の御質問に的確に答えられますよう、今後とも努力をしてまいります。
  67. 大久保勉

    大久保勉君 終わります。     ─────────────
  68. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、青木愛君が委員辞任され、その補欠として金子恵美君が選任されました。     ─────────────
  69. 白眞勲

    白眞勲君 民主党・新緑風会の白眞勲でございます。  まず、額賀大臣にお伺いいたします。  大臣は、山田洋行又は山田洋行関連会社あるいは宮崎さん、さらには山田洋行の関係者から過去にパーティー券を購入してもらったり、あるいは寄附をお受け取りになったことというのはあるんでしょうか。
  70. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) まず、寄附を受けたことはありません。  パーティー券と寄附の行為は、白先生も御存じのように性格が違うものでございます。パーティー券は対価を伴ってそして催物を行う行為でありまして、これは政治団体が主催をし、その収益については政治活動に使われるということでございます。寄附は、言ってみれば一方的な利益、無償資金の供与みたいな形になっておりますから、寄附とパーティー資金は全く質の異なるものであるというふうに思っております。したがって、寄附を受けたことはありません。  パーティー券は購入をしていただいております。
  71. 白眞勲

    白眞勲君 そうしますと、パーティー券、大体幾らぐらい、いつ幾らぐらい購入していただいたんでしょうか。
  72. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) パーティー券は、これまでの経緯からいたしますと──正確を期していくためにちょっとお待ちください。事務所に保存されている記録は平成十六年から十九年三月まででございます。それの資料によりますと、その過程で朝食勉強会という形でパーティーを行っておりますけれども、十回行っております。いずれの会においても十枚、それぞれ二十万円分を購入していただいております。  平成十六年より前の分は正確な資料がありませんものですから、山田洋行に問い合わせをいたしましたところ、平成十四年から平成十九年までの間で合計二百二十万円購入しているという返事をいただいております。これは弁護士を通じて調べたものでございますけれども、それ以上にまた山田側で、山田洋行側で分かることがあれば連絡をしていただきたいというふうに言ってあります。  と同時に、こういう社会問題化しておるものですから、私は全額を返還させていただきました。
  73. 白眞勲

    白眞勲君 全額はもう返還、既にされたということでございますか。
  74. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 返還をさせていただきました。
  75. 白眞勲

    白眞勲君 そうしますと、今、山田洋行から、また新たにもし山田洋行側から分かったものがあったならば連絡してくれというようなことを依頼したという趣旨のことをおっしゃったと思うんですけれども、その場合にはこの当委員会に御報告をいただくことはできますでしょうか。
  76. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 先ほど申し上げましたように、平成十六年から十九年三月までの資料は残っておりますけれども、それ以前のものについては資料がありませんから、山田洋行側に問い合わせをいたしまして、お調べをいただきましているところであります。それについては、きちっとまた私どもに連絡があれば御報告はさせていただきたいというふうに思います。
  77. 白眞勲

    白眞勲君 私もちょっと官報の方を拝見させていただきまして、額賀大臣が、大体、大臣、一年間に四回ぐらい、今、朝食会を兼ねた勉強会というんでしょうか、まあパーティーを行われているということで、私もずっと見させていただいたんですけれども、すごい大きなパーティーをされているなという印象を受けまして、特に大臣防衛庁長官だった当時、二〇〇五年十月から二〇〇六年九月までの間、合計四回程度やられているのかなというのが私あるんですけれども。金額ですと、ちょっと私の計算ですから誤りかもしれませんけれども、五千七百十万円、四回でですね。パーティー券が今二万円ですね、今大臣がおっしゃったことによると。二万円だとすると、五千七百十万円ですから大体二千八百名、人数にすると約二千八百名がパーティー券を買ったということになるんですけれども、これ相当大きいパーティーだと思うんですけれども、大臣、どうお考えですか。
  78. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 平成十七年十月三十一日から平成十八年の九月二十六日の間は長官在任中でございました。この間に、平成十七年十二月十二日それから平成十八年三月二十七日、平成十八年六月二十六日の三回ですが、朝食勉強会をさせていただいております。  それぞれ、一回目が千八百十万円、二回目が千四百九十六万円、三回目が一千四百三十六万円でございます。一回目の千八百十万円というのは、十七年分の報告に、十二月に行ったことでありますから年明けてからも振り込みがあったりしたことがありますので、若干増えているということであります。  私は、大臣、長官時代に大臣自粛というか、そういう申合せがあることは承知をしております。大規模なパーティーは自粛しましょうということであると思っておりますけれども、私が行っているのは朝食勉強会で、百人から百二十人ぐらいでございまして、小規模な形で朝の勉強会をさせていただいているということであります。  と同時に、この各購入をしていただいている方々には、長官あるいは大臣就任前から言ってみれば購入をしていただいているものですから淡々と御案内を申し上げて購入をしていただいているということでございますので、私どもといたしましては、従前から継続的に、定期的に、しかもなおかつ、一般的にホテルで飲食やアルコールを出して大々的に社交的なパーティーをするものとは性格が違っているという思いでありますし、人数も百人前後の小規模なものであるということで、大規模なパーティーではないというふうに思っております。
  79. 白眞勲

    白眞勲君 今、日付、ずっとお話しされていたんですけれども、これ官報によると、九月の二十五日にも一本九百六十八万円という数字が載っておりまして、額賀福志郎君と新しい時代を創造する会、今おっしゃいました六月とか三月とか十二月と一緒のタイトルの、恐らくこれも想像するに朝食会、大臣のおっしゃる朝食会じゃないかなという感じがするんですけれども、その関係でちょっと合計金額と回数が違ってくる可能性もありますけれども。
  80. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 九月の二十六日もあります、はい。
  81. 白眞勲

    白眞勲君 そうしますと、やっぱり四回ということでよろしゅうございますね。
  82. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 通例、春夏秋冬、四回させていただいておりますけれども、それまでは、山田洋行に対してはそれまでは三回ぐらいの御案内しかしていなかったのを、大臣に就任する前にこれは案内を申し上げておったものですから、四回になったということでございます。
  83. 白眞勲

    白眞勲君 ちょっと今の、私、理解に欠けたんです。もう一度御説明願いたいと思います。
  84. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 通常は年四回をさせていただいておりまして、それまでは山田洋行に対しては三回でありましたけれども、四回目の案内もさせていただいたということが、先ほど申し上げた平成十七年の三月二十八日ですね。僕が申し上げたのは、十七年十二月十二日それから十八年の三月二十七日、平成十八年の六月二十六日そして九月の二十六日、平成五年ということで、四回あるということはそのとおりであります。
  85. 白眞勲

    白眞勲君 四回あるのは分かったんですけれども、今三回とか、山田洋行には三回お願いしてということはどういうことなんでしょう。ちょっとその辺、御説明願いたいと思いますが。
  86. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 三回の案内状を出しておったのを、通例どおり四回目も出させていただいて四回になったということでございます。
  87. 白眞勲

    白眞勲君 結局、四回のパーティーに四回案内状を出したということですね。
  88. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今までは、一般の企業に対しては四回でありますが、山田洋行さんに対してはならして三回に、例えば十八年は二回になっておりますので、そうすると三回ずつという形になるんですけれども、これは防衛庁長官時代の話をしております。通例は、きちっと説明させていただきますと、通例は四回を案内させていただいているということです。
  89. 白眞勲

    白眞勲君 そうしますと、今私申し上げましたように、これ、合計金額、足し算すると五千七百十万円で、パーティー券が約一枚二万円とすると約二千八百名がパーティー券を買ったという形になるわけなんですね。これ、計算上ですね、一枚二万円ですから。  ところが、今大臣おっしゃると、大体一回当たり来るのが百人程度だよと、だからちっちゃいんだと言っても、普通パーティー券買うというのは、当然これ、例えば二万円で十人ですから、十人分来なきゃ、来る前提として売っているものですよね、普通は。つまり、そうすると二千八百名の、四回として二千八百名ですから、それだけの会場を用意して普通はパーティーを開く。もちろん、中には御都合があって来れない方もいらっしゃるでしょうけれども、どう考えても百名で四回分ですと約四百名、延べですね。そうすると、二千八百名と四百名でやけにこれ違うなという感じするんですけれども、その辺はどうお考えでしょうか。
  90. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは、我々はそういう企業に対しまして御案内状を出させていただいて、これを購入するかどうかは相手の判断でございます。我々は、パーティーでございますから、勉強会をしたり、あるいはまた講師を呼んで話をしたり、あるいは自らの研究成果を御報告をしたりすることにしているわけでございます。  その席に出てこられている方々が百人から百二十人ぐらいであるということが、定例的に、継続的にやっている中でそういう傾向がございましたので、我々は多くの人が来てくれることを期待しておりますけれども、早朝、朝が早いものですから、恐らく百人から百二十人程度なのではないかというふうに思っておるわけでございます。
  91. 白眞勲

    白眞勲君 いや、大臣、それはちょっと不思議だと私思うんですね。  七百枚ですね、一回当たり一千四百万円ですから七百枚ぐらいパーティー券を売っておいて、来るのは早朝早いから百人ぐらいなんだと。それをずっと繰り返しているというのは、これはお客さんにとってみても私失礼だと思いますし、これは大規模なパーティーだというふうに私はやっぱり認識せざるを得ないなというふうに思って、これ大臣規範に違反するんじゃないかというふうに思うんですけれども。  町村官房長官、ちょっとお聞きしたいと思いますけれども、大規模なパーティーは自粛するようにということが大臣規範としてあるというふうに聞いておりますけれども、今のお話聞いていらっしゃって、これ大規模なパーティーというふうに認識されませんか、以上、どうでしょうか。
  92. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) 大規模パーティーというのは歴代内閣では禁止を、禁止というか自粛をするということになっております。大体千人程度をめどにしてそれを考えているということのようでございます。
  93. 白眞勲

    白眞勲君 そうしますと、この場合は大規模パーティーに当たらないという御認識なんでしょうか。
  94. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) 今、額賀大臣の答弁を聞いていると、私はそのように認識をいたします。
  95. 白眞勲

    白眞勲君 大臣の御就任の間、別に地元でパーティーというのはされているんでしょうか。
  96. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは、もう僕が代議士になって何年くらいになりますか、郷里で多くの後援会の皆さん方とともに、忘年会を兼ねるような形でそういう国政報告会あるいはまた資金パーティーが行われてきたことは事実であります。
  97. 白眞勲

    白眞勲君 そうしますと、大臣の在任中にもおやりになっていたということでしょうか。
  98. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは以前から継続的にやっていることでございますので、やっていたことがあります。
  99. 白眞勲

    白眞勲君 これは、茨城県の茨城県報を見ますと、これ平成十七年度の記録かもしれませんが、21世紀茨城を創造する会という会が、これ額賀大臣が恐らくおやりになっているところだと思うんです、対価支払者数千二人と書いてあるんですね。  このパーティーは大臣の御就任中にやられたパーティーなんでしょうか。
  100. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 日取りは今覚えておりませんけれども、これは継続的に行っているパーティーでございまして、恐らく出席者も、今、私は数百人ではないかというふうに思っております。
  101. 白眞勲

    白眞勲君 大臣の御就任の際、在任中におやりになったパーティーかどうかの御記憶ありますか。
  102. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これはあいまいな返答ではいけませんから、よく調べた上で御報告します。
  103. 白眞勲

    白眞勲君 今、大久保委員からもお聞きしました、例の守屋前事務次官が元アメリカ国防総省日本部長のジェームズ・アワー氏が来日した際に、山田洋行の元専務の宮崎さんと神田の料亭で宴席に同席したと証言したことに対しまして、先ほど大臣は、ともに宴席に出席した記録はないということを、いろいろ調べてみたところそうだったと、ジェームズ・アワー氏を囲む会にも出たことはないんだというようなお話をされましたけれども、これ新聞各紙は、山田洋行の宮崎元専務も額賀大臣と当時宴席で同席したと証言したと報じていることは、もう当然これは額賀大臣も御存じのことだと思うんですけれども。守屋さんも証人喚問でお認めになったということですから、大分食い違いがあるわけですけれども、それについてはいかがお考えでしょうか。
  104. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) だから、先ほども申し上げましたけれども、守屋証言があった後に、私も事務所の日程表、それから防衛庁長官時代の運行日程、それからジム・アワー氏とのこれまでのかかわり合い等につきまして本当に昼夜を分かたず今日まで調べをいたしました。その結果、ジム・アワー氏を囲む会に宮崎さんとか守屋さんと一緒に出席をしたことはありませんということが分かりました。今の時点でどこから調べても我々はそれが出てこないものですから、できるならば私は、いつだったのか、どこだったのか教えていただいて、そして国民の皆さん方に本当のことをお知らせしたいというふうに思っているのが率直な本当の気持ちなんです。これは、私もうそをつくことはやってはいけないと思っておりますので、そういう日程表等につきまして真剣にこれまで調査をした結果、そういうジム・アワーさんを囲む会で宮崎さんとか守屋さんと同席をした記録は全くなかったということなのであります。  と同時に、先ほども申し上げましたけれども、私の弁護士を通じましてジム・アワーさんにも電話をさせていただき、ジム・アワーさんからは代理人を通して、額賀さんとは安全保障の問題等で面識はあるけれども、会食したことは一回もないという返事でございました。  それから、私どもも、例えば守屋さんが神田でそういう集まりがあったのではないかという話もなされておりましたので、神田に行ったことがあるか、いろいろ運転手にも聞いたけれども、思い当たらないということでございます。  そういうように、今の時点で私は四方八方いろいろと調べているので、本当に日時とか場所とかきちっと教えていただきたいというのが本当の気持ちでございます。
  105. 白眞勲

    白眞勲君 教えてもらいたいのは私たちも一緒でございまして、そうしますと、宮崎さんの話、あるいは守屋さんは証人喚問でそのようなお話をされたわけですから、そうしますと、これうそだという、守屋さんの言っていることはうそだということなんでしょうか。
  106. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) それは私からコメントすることはできませんけれども、私が守屋証言を聞いていたときには、もう一回きちっとした言葉を点検しなければならないと思いますけれども、印象的には、確実に覚えている、覚えていないところもあるけれどもというような表現もあったのではないかと思っておりますが、それは、だから私からコメントすることではないというふうに思っております。
  107. 白眞勲

    白眞勲君 今の、大臣はジェームズ・アワーさんを囲む会ということをおっしゃったんですけれども、別に守屋さんは囲む会ということはおっしゃっていなかったような記憶があります。来日した際にということで、来日したころに、だから、その宴席にジェームズ・アワーさんが出たかどうかというのは、私の記憶では、その場所にいたか、だからそのころにということで、だからまあ簡単に言えば雪が降ったころにみたいなもので、ですから、そういう感じで考えると、これどうでしょうか、ジェームズ・アワーさんのいらっしゃった、いらっしゃらないか別にして、宮崎さんと大臣が宴席に出たということはないんでしょうか。
  108. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 私と守屋さんは、当時同じ、防衛庁長官時代二回経験いたしましたから、それぞれの役職は違いますけれども、一緒に会食をしたりしたことはあります。  しかし、守屋さんと宮崎さんと三人で会食したことはありません。
  109. 白眞勲

    白眞勲君 そうしますと、宮崎さんと、もう一度聞きますけれども、少人数ですね、例えば十人前後とかあるいは二、三人で、宮崎さんがいらっしゃるところで守屋さんがいなくて、例えば宮崎さんと額賀大臣が食事をしているということはあったんでしょうか。
  110. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 宮崎さんとは四、五年前から知っているわけでございますから、まあはっきり年時は分かりませんけれども、パーティーか何かで紹介をされてよく知っています。  しかし、今おっしゃるように、宮崎さんと守屋さんと一緒に食事はしたことないけれども、三年ぐらい前でしたかね、防衛関係、防衛政策について何人かの専門家の人たちと勉強会をした中で宮崎さんがおられたことはあります。それは、私がそういう専門家の人たちと勉強会をしたときにでございますから昼飯を食べながら催したものでございまして、その席にそういう専門家の方々と一緒に宮崎さんが来られたことはあります。
  111. 白眞勲

    白眞勲君 そうしますと、夜に、夕方から夜にかけて宮崎さんのいらっしゃるところに一緒に額賀当時長官が神田近く、神田あるいは日本橋も含めてということで聞きたいんですけれども、日本橋何とか町というところまで含めて行ったことはないということでしょうか。
  112. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 宮崎さんが主催をした会合とか、そういうところに出席したことはありません。
  113. 白眞勲

    白眞勲君 いや、別に宮崎さん主催しなくていいんですけれども、要するに宮崎さんもいらっしゃった、出席をしていたんですね。宮崎さんも出席をしていたそういう夜の会合に額賀長官、当時の長官として行かれたことは、神田あるいは日本橋何とか町辺りでありますかと聞いているんですけれども。
  114. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今までの調査ではありません。
  115. 白眞勲

    白眞勲君 防衛省の中江官房長にお聞きいたします。  額賀さんが防衛庁長官時代、長官の車の運行記録に、神田は何かこの前答弁されているようですけれども、日本橋と書かれた町ですね、その辺りの町辺りの運行した記録というのはあるんでしょうか。
  116. 長岡憲宗

    政府参考人(長岡憲宗君) 御指摘の点でございますけれども、防衛庁長官車の運行状況を確認をいたしましたが、平成十七年十月から十二月までの間、日本橋かいわいに運行した記録はございませんでした。
  117. 白眞勲

    白眞勲君 大臣は、宮崎さんとは、今、勉強会でランチを食べながらも会ったんだということをお話しされたんですけれども、今、四、五年前から大臣は宮崎さんと関係だと、関係で会ったことがあるということでよろしゅうございますか。
  118. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) パーティーか何かで紹介されて、四、五年前から知っているということは事実であります。
  119. 白眞勲

    白眞勲君 ちょくちょくやっぱりお会いしていたんでしょうか。
  120. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) ちょくちょくお会いすることはありません。
  121. 白眞勲

    白眞勲君 そうしますと、例えば宮崎さんと一対一でお会いになったことというのもあるんでしょうか。
  122. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) それは、二〇〇五年でしたか、山田洋行のオーナーのお嬢さんが結婚式をするということで招待状をお持ちになった、会館に招待状をお持ちになったことがあります。そのときはもちろん秘書の方もおられたと思いますけれども、一対一で会ったというのがそれくらいだと思います。
  123. 白眞勲

    白眞勲君 そのオーナーさんの結婚式というのも一つの話題になっているんですけど、二十万円お車代で大臣は受け取ったというふうに御答弁をされていらっしゃいますけれども、この結婚式、東京の港区内であったと、こういうふうな報道もあるわけでして、いや、お車代で二十万円もいただけるのかなと、都内の結婚式でですね。ちょっと私は、新札で置いていったというふうに大臣はおっしゃっているんですね。まあ余りにもやっぱり、百万円という報道もありましたけれどもね。でも、二十万円だとしても余りにも額が私は多過ぎるんではないかなということで、大臣はさきの国会答弁でも、もし百万円もあるような大金だったら常識外れで、すぐに返却しただろうと言うんですが、私だったら二十万円でもやっぱり返却するんじゃないかなというふうにも思えるんですけれども、やっぱりこれ大臣、常識から逸脱していると思いませんか。
  124. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 宮崎専務が当時参りまして、山田洋行のオーナーのお嬢さんが結婚式を挙げるので是非出席をしてほしいということでございました。  私も政治家になってから、もっと以前は年に百組ぐらい結婚式に御招待をされていたこともあります。ほとんど会ったこともない人にも出席することはよくありました。できるだけ多くの人に接し、そして多くの人に、そういうめでたいことでありますから、お祝いを申し上げることはまあ結構なことであるという思いで結婚式等の催し事にはできるだけ参加させていただきたいと思っておりました。  そのときに、宮崎専務が招待状と一緒にお車代というものを置いていったものですから、後でその中身を調べたところ、おっしゃるように大体二十万円ぐらい置いていったものですから、私もこれは大変だと思っていたんだけれども、角を立てないように、すぐに秘書に命じて、これは結婚式当日にそのままお返ししなさいという形で持たせていたわけで、保管をさせたわけでございます。そして、その後、防衛庁長官に就任したものですから、立場上、私は自分の妻に代理出席をさせて、そのままその約二十万円だったと思われるお金もお祝いの気持ちでお返しをさせていただいたということでございます。
  125. 白眞勲

    白眞勲君 つまり、二十万円をお車代でいただいたけれども、大臣は今度はびっくりしちゃって、お立場大臣出席できないからということで奥様が出席をし、そして二十万円を御祝儀としてお出ししましたということですけど、そうしますと、もらって返してプラス・マイナス・ゼロですよね。ゼロで結婚式に出席されたということですね、そうすると。
  126. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) まあ結果としてそういうことでございます。
  127. 白眞勲

    白眞勲君 大臣は、宮崎元専務が山田洋行から日本ミライズに移ったということを御存じでいらっしゃいましたでしょうか。
  128. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) それは新聞とか見て知りました。
  129. 白眞勲

    白眞勲君 大体いつごろ知ったんでしょうか。大体で結構でございますが。
  130. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) あんまりそういうことに関心持っておりませんから、いつ、何日ごろ変わられたとか、そういうことについては承知しておりません。
  131. 白眞勲

    白眞勲君 そうしますと、宮崎さんの方から直接、日本ミライズに移りましたというような話というのはなかったわけですね。
  132. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) ありません。
  133. 白眞勲

    白眞勲君 そうしますと、あと山田洋行日本ミライズが代理契約に絡む訴訟に発展していたと、訴訟をしていたと。代理店契約に絡んで日本ミライズ、山田洋行が訴訟に発展しているような関係になっていたということについては御存じでいらっしゃいましたか。
  134. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) それは、新聞で報道されるようになったころに、そういうことを聞いたことがあります。
  135. 白眞勲

    白眞勲君 それ、聞いたのは、どなたから聞いたんでしょうか。
  136. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 聞いたというよりも、見たことがあったわけであります。
  137. 白眞勲

    白眞勲君 つまり、新聞で読んだということでしょうか。
  138. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 新聞か、まあ週刊誌か分からないけど、そんなことにあんまり関心持っておりませんので、あなたみたいに詳しくはありません。
  139. 白眞勲

    白眞勲君 一九九八年に守屋さんは官房長に抜てきされたわけですけれども、ちょうど額賀大臣が当時防衛庁長官だったときであったわけで、言うならば額賀大臣が守屋さんを事務次官候補にしたとも言えなくはないという中で、今、大臣はこの守屋さん、どういうふうにお考えでしょうか。
  140. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 九八年に防衛庁長官になったときは、当時調達本部の事件がありまして、私も防衛庁の体質を改善しなければならない、再びこういう不祥事を起こしてはならないという思いで、調達本部を解体して再出発をさせたという思いがあります。そのときに、おっしゃるように守屋官房長にしたわけでございます。そして、体質改善をする、主張すべきは主張し、そして防衛庁として、政策官庁としてしっかりと立ち上がるようにというふうに言ってきたわけでございますけれども、最近の報道を見て、そういう様々な、ゴルフをしたりとかいうことを見て唖然とした思いでございました。こういうことがあってはならないことであるというふうに思っております。
  141. 白眞勲

    白眞勲君 先週の山田洋行の米津社長の参考人質疑の際に、守屋前事務次官が官房長になった年の九八年四月から二〇〇六年の三月までゴルフ三百回以上という発言がありましたが、その間、額賀大臣防衛庁長官を二度ほど御経験されているわけですが、守屋さんがこれだけ多くのゴルフをしていたということは御存じでいらっしゃいましたでしょうか。
  142. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 全く分かりませんでした。
  143. 白眞勲

    白眞勲君 守屋さんが飲食の接待、マージャンなどの接待も度々受けていたということは御存じでいらっしゃいましたでしょうか。
  144. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 知りません。
  145. 白眞勲

    白眞勲君 週末にもし連絡されたと、携帯に連絡してもですよ、例えば守屋さんがそれだけ頻繁にゴルフしていたら、ゴルフ場で連絡が付かないことというのもあったんじゃないかなというふうに思うんですけれども、やはり週末はほとんど連絡しなかったということなんでしょうか。
  146. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) それは、いろんな問題が起これば、それは夜を問わず昼を問わず仕事するのが我々の世界でございます。したがって、私たちは、防衛庁みたいなところは緊張感を持って対応していくことが当然でありますから、何かが起これば当然連絡をしたはずでございます。
  147. 白眞勲

    白眞勲君 携帯が通じなかったということはなかったということでございますね。
  148. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 何も連絡するのは携帯だけではありませんから、それはもう日曜日に連絡したこともあったかもしれませんけれども、きちっと覚えているわけではありません。
  149. 白眞勲

    白眞勲君 守屋さんと一緒にゴルフをされたことはありますか、大臣は。
  150. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) あります。
  151. 白眞勲

    白眞勲君 何回ぐらいされたんでしょうか。
  152. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) そんなに数えるほどやったことはありません。二、三回だと思います。
  153. 白眞勲

    白眞勲君 二、三回というのは合計ですね、全部合わせて二、三回。年に二、三回ということではなくてということですね。
  154. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは数えているわけではありませんから正確な数字はありませんけれども、そんなに守屋さんとゴルフをやったという覚えはありません。
  155. 白眞勲

    白眞勲君 山田洋行の宮崎元専務と一緒にゴルフはされたことはあるんでしょうか。
  156. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これも、そんなにゴルフを宮崎さんとやったというような思いはありません。
  157. 白眞勲

    白眞勲君 やってないんでしょうか。
  158. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) いやそれは、もういつごろであるかというと、最近はやったことないし、宮崎さんとやったという思いが浮かんできません。
  159. 白眞勲

    白眞勲君 そうしますと、守屋さんの御自宅には大臣は行かれたことがございますか。
  160. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 行ったことはありません。
  161. 白眞勲

    白眞勲君 防衛省防衛政策局の河村防衛政策課長が守屋前事務次官から投資目的で四千五百万円の資金を預かったという問題の現在の真相について、どうなんでしょうか。防衛省の方、お答えください。
  162. 中江公人

    政府参考人(中江公人君) 河村前防衛政策課長からのこれまでの聴き取り並びに証人喚問における守屋氏の証言を通じまして、これまで防衛省としまして把握しております事実関係は以下のとおりでございます。  平成九年に、当時長官官房審議官であった守屋氏が、防衛局計画課先任部員であった河村前課長の投資のために貸してほしいとの申出に応じて、六月に二千五百万円、七月に二千万円を河村前課長が守屋氏から借り受ける旨の書面が作成されております。この四千五百万円は守屋氏が仙台市にある土地を売却して得た約五千万円から充てられたもので、河村前課長の父親の関係者である同課長の知人に預けられましたが、その後、河村前課長が当該知人から、投資の失敗により全額を直ちに返済することが不可能となった旨の連絡を受けました。河村前課長は平成九年の十二月までに守屋氏に対して三千万円を返済し、その後、残余の一千五百万円につきまして順次返済を行い、平成十四年八月に一千百万円を返済し、総額の返済を終えたということでございます。
  163. 白眞勲

    白眞勲君 その投資先とか、そういったものというのはどうなんですか。
  164. 中江公人

    政府参考人(中江公人君) 河村課長本人に確認をしておるところですけれども、河村課長自身も投資先についてはよく承知をしていないということでございます。
  165. 白眞勲

    白眞勲君 それも変な話だと思うんですね。事務次官に投資話を持ち掛けているというんですから、普通一般的に考えても非常に常識外れだなというふうに思うんですけれども。  もし仮にですよ、やはり友人同士でもし何か投資を、本当の友人とかあるいはまして上司だということになったら、当然、安全、確実、有利な方法で確実に増やすということがない限りはなかなかそういう話は持っていけないというふうに私は思うんですけれども。  何か河村課長は更迭したというふうな話が来ているんですけれども、これはなぜなんでしょうか。何かやましいことがあったということなんでしょうか。お答えください。
  166. 中江公人

    政府参考人(中江公人君) 河村前防衛政策課長につきましては、この同課長が守屋氏との間で高額の金銭のやり取りを行ったことについて報道においても大きく取り上げられ、また、国会においても審議をされ厳しい御指摘をいただいたということもございますので、防衛政策課長としての公務の正常な遂行に支障を生ずるおそれが強くなったと考えることから、本日付けで大臣官房付といたしたところでございます。
  167. 白眞勲

    白眞勲君 今日、私は河村課長をこの国会にお呼びしているわけですね。その途端更迭するというのは、非常に私としても不本意な部分があります。  委員長にお願いを申し上げます。  防衛省の河村防衛政策課長、まあ今、官房付になったということですから、ちょっとその辺は、前、前かもしれませんが、を証人としてお呼びしたいと思いますが、よろしくお手配のほどお願い申し上げます。
  168. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) ただいまの白君の申出につきましては、後刻理事会で協議いたします。
  169. 白眞勲

    白眞勲君 防衛大臣にお聞きいたします。  大臣は、今回の一連の問題を受けまして、防衛省内に抜本的対策検討委員会というものを立ち上げられたというふうにお聞きしております。その中には当然、今までの調達の仕方の見直しというものも当然含まれるというふうに私は見ているんですけれども。  実は、私も常々主張している中に、取引の中にオフセット取引というものを是非やってみたらどうでしょうかということは常々私も申し上げているわけなんですけれども。オフセット取引といっても委員の皆さんの中にもよく御存じない方もいらっしゃると思うんですけれども、要するに、武器等の輸出の際に相手の政府とか企業に対して経済的な補償を約束するものだと。具体的には、相手国の企業に対して共同生産への参加とかライセンス生産、下請生産、技術移転など、あるいは工業製品あるいは農産品ですね、の反対売買とか国際投資を約束するという、その相互の関係を使うことによって、装備品の取得に必要な外貨の削減とか、あるいは同盟国の工業レベルの向上というものも目的としているらしいんですけれども。  これ、アメリカの商務省ですと、米国企業というのはオフセット関連として九三年から二〇〇三年まで、これ十年間で三十六か国で七百九億ドルの輸出をして、輸出契約の七〇%以上の五百七億ドルがこれをしていると。イギリスとかフィンランド、隣の韓国などもこういったことをやっているということなんですね。ですから、例えばこれは、FA18のスペインへの販売に関連しては、マクダネル・ダグラス社がスペイン製の鉄製品、化学製品を逆に米国で販売することを合意したと、こういう取引方法なんですけれども。  こういうことをして、やはり皆様の大切な税金、これ少しでも安く、そしていいものを買おうという取引なんですけれども、どうでしょう石破大臣、この考え方いいと思いませんか。ちょっとお答えいただきたいと思います。大臣だよ、大臣だよ。
  170. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 委員指摘のように、まず問題になるのは、武器輸出三原則との関係どうするんだという話がございます。これはいろんな御議論があるでしょう。もう是非議会でいろんな御議論をお願いしたいと思います。  それ以外に、じゃ、どういうことになるか。つまり、これが本当に歳出の削減にきちんとつながるかどうかということについて、アメリカでもそういうことが行われていることは承知をいたしておりますが、これが本当に歳出の削減につながっているかどうか、ちょっと私どもとして、今、確たる感触、これが得られておりません。むしろ、装備品の調達に必要な収入の創出といったねらいを持っているのではないかと思っております。アメリカ合衆国もああいう国でございますから、もう国民の税金をいかにして安くするかということと同時に、どのようにして自らのいろんなものを売っていくかというようなことについても、政府がいろんなところに目を配ってというのか何というのか、そういうことをやっておるわけでございます。  私どもといたしまして、そのほかに会計法上の問題、財政法上の問題、そこも研究をしていかねばなりません。極めて我が国においては困難な課題であると承知をいたしておりますが、大野当時の長官が積極的に検討したいというふうに答弁したということも承知をいたしております。もう一度、それこそ白紙的に、どうなんだということを、それはもう一般論として、これ導入を前提としてとかそういう話ではございませんが、利害得失あることをよくもう一度検討してみたいと思います。
  171. 白眞勲

    白眞勲君 いや、正に本当そうだと思うんですね。いろいろな、やっぱりまだまだ乗り越えなければいけない、まず第一はその武器輸出三原則の絡みもあるだろうけれども、やはり逆に日本独特のいわゆるオフセット取引というものも考えられなくはないんじゃないかと、考えられなくないんじゃないか、だと私は思うんですね。  例えば日本の農産品、すばらしいもの一杯あるわけですから、そういったものの輸出というものをより何というか奨励する絡みで、政府全体として、やはり会計法上の問題もある何とかということになるとそういうふうになるだろうということですから、町村官房長官にちょっとこの辺りでお聞きしたいなというふうに思うんですけれども、政府全体としても、こういった取引というものを積極的に検討する必要性はあるんじゃないかというふうに思いますが、官房長官の御見解はいかがでしょうか。
  172. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) それぞれの国にはそれぞれの考え方があるんだろうと、こう思います。  問題は、こういう契約を導入することが法令上可能か、コスト削減に有効かといったようなことを考えると、これ導入はなかなか難しいんだろうと率直に思います。
  173. 白眞勲

    白眞勲君 そこをやはりどういうふうにやっていくかというのが私は重要だと思っているんですね。今正に石破大臣は、白紙としてということでお話をされたわけですから、是非房長官、その辺は検討はお願いできないだろうかというふうに思います。官房長官、御答弁願います。
  174. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) まあ大変難しい問題があるということだけを私は申し上げておきます。
  175. 白眞勲

    白眞勲君 今回政府も、防衛省内の検討委員会とは別に防衛省改革の有識者会議を設置するようですけれども、この二つの整合性というのは、防衛省で設置したものとどういうふうに、どこがどういうふうになっているんだろうなというのがあるんですけれども、その辺についてお答え願いたいと思います。官房長官、お願いします。
  176. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) これは、まず一義的には防衛省の方でしっかりとお考えをいただくということで既に防衛省内でいろいろな検討、いろいろな問題についての検討の場が設けられているところでございます。そうした検討結果も私どもも大いに踏まえながら、これはやはり政府全体でしっかりといろいろなことを考えなければいけない。特に調達の問題等々、考えるべき課題がございますので、専門家の皆さん方に集まっていただいてより幅広い観点から検討をしていこうということで、防衛省の検討と相まって政府全体としての取組ということを示す意味からも、内閣官房の方にそうした検討の有識者による場をつくったところでございます。
  177. 白眞勲

    白眞勲君 ただ、官房長官そうおっしゃいますけれども、政府は二月に何か結論を出すようなことをおっしゃっていて、防衛省は三月だということですけれども、今の話ですと、防衛省の結論を踏まえて政府がというようなお話だと、これ、ちょっと矛盾しないんでしょうか。
  178. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) 時期のことは、そこは相談をしながらやっていきますので、しかるべきタイミングで政府全体としても結論を出していこうと思っております。
  179. 白眞勲

    白眞勲君 そうしますと、まず防衛省の結論が出た後でそういった形で政府としてもやっていくということで、そういう形での整理ということでよろしゅうございますか。じゃ、石破大臣、ちょっとお答え願いたいと思います。
  180. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 今官房長官からお答えがあったとおりでございますが、これはもう私どもとして、より高い見地から有識者の先生方に賜る御議論というものを踏まえて防衛省内で実務的な議論もしていく、またその検討結果を有識者会議にお返しをしてまた御議論をいただく。その時期が、今委員指摘のように二月、三月というようにずれておるというふうに聞こえるかもしれませんが、その時期はやはり合わせていくべきものだと思っております。  ただ、問題が問題ですから、ぴしっと細部に至るまで結論が出るというものではございません。まず方向性というものを示していくということが肝要なのだと思っております。文民統制の在り方についても、情報の問題についても、調達の問題についても、これは相当に幅広い議論、これはまた国会の御議論も踏まえながらやっていかねばならぬことでございますが、今回は本当に日本国全体としてどうあるべきかという確たる方向性を出したいということで、総理の御指示もあり、官房長官の下でそういうような会議が設けられるというふうに私は承知をしております。
  181. 白眞勲

    白眞勲君 次に、平成十九年の九月十日、今年の九月十日の外務事務次官の記者会見で、これ、ちょっと外務省の方にお聞きしたいと思いますが、パキスタンの海上阻止活動への参加の意味について、事務次官が、パキスタン海軍の船と自衛隊供給する油、これは自動車でいえばハイオクを使わなければならないという関係にあるわけで、これを提供するのは今自衛隊の補給艦しかないという状況と発言されていますが、それって本当なんですか。
  182. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) そのような配慮をして我が国の補給艦が油を補給していたという事実があって、それをパキスタン政府が大変尊重していたということであると考えております。
  183. 白眞勲

    白眞勲君 いや、これは、事務次官はハイオクを使わなくてはならないとおっしゃっているんですよ。配慮をしてじゃないですよ、これは使わなくてはならないとおっしゃっているんですよ。これはちょっと変じゃないんですか。もう一回お聞かせください。
  184. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) ハイオクを使わなければならないと事務次官は言ったかもしれませんけれども、事実は、そのような清浄な油を給油していることが日本が給油することのメリットであるという認識があるということであると私は承知をいたしております。
  185. 白眞勲

    白眞勲君 いや、事実はじゃなくて、使わなくてはならないというふうにこれは事務次官がおっしゃっているんですよ。今副大臣が、いや、私の認識はそうだということを言っても、これは使わなくてはならない、つまり、こういう言われ方をすると、これはハイオクを使わなければ動かないということではないですか。
  186. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) 動かないということはないと私は思います。非常に支障が生じたりすることが多いと、そういうことで発言されたと私は理解しております。
  187. 白眞勲

    白眞勲君 いろいろな支障ってどういう支障でしょうか。
  188. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) エンジンにいろんな不純物が入ったりすると良くないわけで、そういうことを言っているのであると私は理解をいたしております。
  189. 白眞勲

    白眞勲君 私、先日テレビ見ていましたら、パキスタン海軍の艦艇の艦長らしき人物や水兵さんが出ていまして、はっきりと油なら何でも大丈夫だって言っているんですよ。  そもそもパキスタンの艦艇というのは、これは元々イギリス海軍の艦艇だったということで、昔七つの海を制覇したというイギリス海軍ですから、海上自衛隊の補給艦しかできないというのはにわかに信じられないんですけれども、本当にそうなんですか。いかがでしょうか。
  190. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) 私が先ほどから答弁しておりますように、にわかに動かなくなることはないと思います。ただ、いろんな支障が出やすいから日本供給する油を有り難いと思っていると、こういうことであったと思います。
  191. 白眞勲

    白眞勲君 もう一回事務次官の発言を読みますね。パキスタン海軍の船と自衛隊供給する油、これは自動車でいえばハイオクを使わなくてはならないという関係にあるというわけで、これを提供するのは今自衛隊の補給艦しかないという状況、こう言っているんですよ。今、副大臣のおっしゃっているのと違いますよ、これで、御答弁が。
  192. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) 私はそのように理解をいたしております。
  193. 白眞勲

    白眞勲君 私はではなくて、事務次官が違うということは、それは要するに違うということですね。うそを言ったんですね。
  194. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) 事務次官の発言の本意は私は分かりません。
  195. 白眞勲

    白眞勲君 じゃ、事実、どっちなんですか、これ。事務次官がうそを言ったのか、それとも副大臣が認識が違うのか、その辺どうなんですか。ちょっとちゃんとしてください、その辺。不一致ですよ。
  196. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) 事務次官もこれの方面の専門家ではないわけでありまして、私の認識とは違うかもしれませんが、どちらが正確なのか私には今判断できませんので、またよく調べて御返答を申し上げます。
  197. 白眞勲

    白眞勲君 いや、専門家ではないなら元々こういうことを言わないでほしいんですよ、ハイオクだとかなんとかということは。専門家でないのに、じゃ何でこれ発言したんですか、こういうことを。お答えください。
  198. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) 私には分かりませんので、よく真意を確かめて後日お知らせ申し上げます。
  199. 白眞勲

    白眞勲君 ちょっとこれ答弁ね、ちょっと不誠実でこれ以上ちょっとね、今ちょっと調べてください。
  200. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) 調査の上、先生にお知らせをいたします。
  201. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  202. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 速記を始めてください。
  203. 白眞勲

    白眞勲君 じゃ、その件については確実に報告をしていただき、後日いただけることを委員会報告をしていただけるということでよろしゅうございますね。
  204. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) ただいま国会のこの委員会における答弁ではないということでございますので、ちょっと調べないと分かりませんから、調べて後日、後日できるだけ早く委員にお知らせを申し上げます。
  205. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 委員ではなくて委員会にと質問者は言っておりますが、調査報告を。
  206. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) 委員会報告をいたします。
  207. 白眞勲

    白眞勲君 パキスタンの船は今動いているんでしょうか。
  208. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) いろいろな各国の援助をもらいながら動いていると承知しておりますが、もう我が国は一応一段手を引きましたので、それを詳しく調査する状況にはございません。
  209. 白眞勲

    白眞勲君 つまり、ハイオクを、自衛隊の補給艦しかないという状況というふうに事務次官がおっしゃっていて、今、もうすぐ「とわだ」だったかな、今補給艦は日本に帰ってくるという状況の中で船が動いているというのはどういうことなんですか。
  210. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) 先ほど私が御答弁申し上げましたように、動かないことはないということでありますから、あるいは他の国から日本供給していたのと同じような処理をした油をもらっているかもしれませんし、あるいは我慢して他の国からの油で動いているかもしれません。その状況を把握する立場には我々はありません。
  211. 白眞勲

    白眞勲君 私、まじめに聞いておりまして、船が我慢して動くとかそういう、ちょっと問題だと私は思うんですね。それちょっといかがなものかというふうに私は思いますので、もう一度ちょっと御答弁願いたいと思います。そういう非常に不誠実な御答弁やめていただきたいと思います。
  212. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) これまで我が国の補給に依存して活動を行ってまいりましたので、パキスタン政府は、日本の活動の一時停止により否定的な影響を受けるとしつつも、関係国との間の調整によって代替的な補給を得て、海上阻止活動への参加は継続しているというふうに理解しております。
  213. 白眞勲

    白眞勲君 この問題、非常に、額賀大臣の長官時代のことについてはまだまだいろいろな聞きたいこともありますし、また、この補給の問題についてもそうですので、これからも継続してやっていきたいということを最後に申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  214. 石井みどり

    石井みどり君 自由民主党の石井みどりでございます。  初めに、タウンミーティング関連に関して御質問をしたいと存じます。  タウンミーティングの運営に関しましては、既に昨年の十二月十三日に委員会報告が出されております。そこに、その運営に関して、今後のこの運営に関しての教訓と提言が示されております。これらの教訓と提言について、十月二十七日には、新しく国民対話、上川大臣と語る希望と安心の国づくりというものが開催されておりますが、この教訓と提言に基づいて、それがどのように生かされたのか、そしてまた、今後の国民との対話の実施にどう生かしていかれるのか、そのことをお聞かせいただければと思います。  特に、双方向でのやり取り、一方的に政府側だけが広報するのではなく、広く国民の声を、国民各層から多様な声をお聴きするということが大事でございますので、はっきり申し上げて、従前のタウンミーティングの運営の失敗をどう今後生かしていかれるか、そして、お示しをいただいた国民との直接対話の推進に係る基本方針の中できっちり基本理念が示されておられますが、それをどう生かして、政府としての今後の取組に生かしていかれるのかを教えていただければと存じます。
  215. 山本明彦

    ○副大臣(山本明彦君) 石井委員質問お答えをさしていただきたいと思います。  今、委員指摘のように、タウンミーティングにおいてはいろんな点で御批判がございました。特に、やらせ発言が十五回ぐらいありまして、いわゆる動員が七十一回もありましたし、そういった意味では非常に御批判いただきましたけれども、これも、なかなか役所でやったんではうまくできないんじゃないかという心配の下に大勢の動員をお願いしたりとか、答弁も質問も少なくちゃいかぬという心配もあってやったことだと思いますけれども、これはやはり反省をしていかなければいけないということで、本年の五月の十八日に改善策が、官房長官の決定でありますけれども、改善策が発表されました。  簡素な開催をすると、まず簡素な開催をするということ。それから、今お話がありましたように、募集につきましても、参加募集も公明、公正、透明に行うということ。そして、今お話がありましたように、お互いに行き来がなけりゃいかぬ、やり取りがなけりゃいかぬということで、テーマは選定段階から国民の皆さん方からテーマの募集も行いまして、そして、そうした意見募集を経て決定をさしていただいておりますし、出された意見をこれからまた適切にフィードバックする。  そんな形を考えておりまして、今お話ございましたように、福田内閣で今まで二回開催をされておりまして、お話あったとおりでありまして、上川大臣の国民対話を、テーマも今までとちょっと変わりまして、タウンミーティングから変わりまして、○○大臣と語る希望と安心の国づくり、福田内閣が希望と安心と言っておりますので希望と安心の国づくり、こんな形で開催をさしていただきまして、大変活発になりまして、参加者が百九人でした、少し規模も小さくいたしまして百九人でして、発言者が十六人、正にやらせなしで十六人から発言がありまして、手を挙げた人は何か半分以上あったそうでありますので非常に活発な議論ができたと、こんなふうに自負をしております。
  216. 石井みどり

    石井みどり君 生かされてきたというふうに理解をいたしました。  その運営に関する費用に関して伺いますが、今までタウンミーティング、百七十四回されて二十二億円掛かっております。一回当たりが約千二百万程度掛かっていたということでありますが、今お答えいただいた十月二十七日に開催された上川大臣と語る希望と安心の国づくりでは八十五万円しか掛からなかった。ただ、従前のタウンミーティングの運営でも、一回千二百万円、約一回が千二百万円であっても、例えば神奈川県で実施したタウンミーティングは八回で三百六万円、一回当たりが三十八万円という、まあお金だけを比較するわけではありませんが、非常に彼我の差があるといいますか、国民感情からいくと、国民感覚からいくと、正に驚愕の差だというふうに思います。  随分運営の仕方自体でコストは変わってくるというふうに思います。NPOあるいは民間活力、その辺りを利用するだけでも随分コストが変わってくる。やはりコスト意識を持っていただくということが重要だろうと思うんですが、さっきタイトルも変わったというふうにおっしゃられた今後の国民との直接対話に関して、コスト削減をどういうふうに進めていかれるのか、その辺をお聞かせいただければと存じます。
  217. 山本明彦

    ○副大臣(山本明彦君) 委員おっしゃるとおりでして、今まで一回当たり千百八十二万円掛かっておりまして、前回の上川大臣のときが八十六万円ということで、激変ですよね、本当に。  何が違うんだということですけれども、全部違うんですね。簡単に言いますと、手作りで行ったというのが一言で言えばそういうことでありますけれども、広告代理店がいいか悪いかは別にいたしまして、やはり見積書を見ましてもなかなか分からないですよね、何に幾ら掛かったって。明細はありますけれども実際にはよく分からないというのが実感でありますが、それを手作りで行いまして、まず業者に委託するのをやめました。スタッフはほとんど政府の職員が対応いたしました。参加者数も、先ほど申し上げましたように、規模を小さくした方が安上がりだろうということもありまして、三、四百人の規模を百人程度という目標にいたしました。会場内の案内看板なんかも手作りということで、ほとんどもう手作りでやりまして、何を外注したかというと、警備と託児と動画の作成と議事録、これだけを外注に出したわけでありまして、先ほど、今神奈川県の八回で三百六万円というお話がございましたが、一回当たり三十数万円になると思いますが、それよりまだそれでも高いじゃないかということでありますが、この動画の作成だけで六十万掛かっておりますので、これはやはり我々素人ではできませんので、これは外注で六十万円掛かったということでございまして、残りでいきますと二十六万円でありますから、本当に安上がりにできたというのが今回であります。  これからもこうした形で公明正大で簡素でやっていきたい、手作りでやっていきたいと思いますけれども、ただこの点、内閣府というのは外局がないものですから、これから外でやった場合に、支分局がないものですから、外局じゃありません、支分局がないものですから、これから例えば農水省の管轄であれば農政局を使うとか、いろんな出先を使って正に手作りで我々だけでやっていきたいと、こんなふうに考えております。
  218. 石井みどり

    石井みどり君 随分工夫をされてコスト削減に図られたということでございますので、民間であれば当然やっている努力でございますので、是非政府も、国民の税金を使って運営をされているわけですから、その辺りをしっかり認識をしていただいて今後もお取り組みいただきたいと存じます。  今、政府の職員で手作りだったので、いわゆるアド業者とかそういうところを使わなかったので安くなったということでございますが、直接国民が閣僚と対話をするというような機会は本当に国民の方々にとって貴重な機会だと思うんですね。一部の人しか知らない、そして一部の限られた人しか参加しないというのではせっかくの取組が効果が半減するというふうに思いますが、国民各層から様々な人が、ちょっとお買物の帰りにでも今日はこの町でやっているから寄ってみようと、政府はどう考えているんだろう、私たちが生活でどれほど困っている、今こんなことを思っているというようなことを聞いていただくという、そういうようなチャンスにするために、やはり広報といいますか周知ということが大事だと思うんですが。  今、政府の職員とおっしゃいましたが、いわゆる地方自治体、都道府県あるいは開催する市町村との連携、その辺りはどのようになっているのか。あるいは、すぐホームページで知らせているとかおっしゃるんですが、地方の高齢者の方がどれほどホームページを使っておられるんですか。どれほどITを活用されているんでしょうか。大変私は、不親切な発言だというふうに思えてなりません。  やはり、普通のお年寄りでも元気で歩いていけるお年寄りであれば、長い間税金も納めてこられた方々ですので、やっぱり政府の、今の政府が何を考え何をしているかということを知っていただくためにも参加をしていただきたいと思うんですが、そういうためにも、さっき申し上げた地方自治体を活用する、公共施設に置いてあるチラシ等、あるいはよく広報紙すべて持っていますから、地方自治体、そういうところでも取り上げてもらう。あるいは、本日NHK会長お見えですが、今地方局は非常に地域のニュースを取り上げるように努力をされておられます。そして、それも民間の方というか、視聴者の方が参加する参加型の番組を持っていらっしゃいますので、皆さんそれぞれのグループは御自分たちの取組とか催しとかを、時間にすればほんの何秒というところでも大挙して出られてアナウンスメントされていますけれども、そういうものも是非NHKの地方ニュースとかでも取り上げてもらう等の努力が必要ではないかというふうに思っています。  幅広く国民の方々からの意見を聴かれて、是非政策に生かすということが大事だと思いますけれども、その辺りはどうお考えでございましょうか。
  219. 山本明彦

    ○副大臣(山本明彦君) お答え申し上げますが、まず最初に、今委員から御指摘を受けまして、非常にお年寄りに分かりにくいところから始まるわけでありますけれども、やはりホームページ、国民対話のホームページだとかメルマガですね、福田内閣のメルマガがまず最初に出てきております。それから、新聞広告をやっております。そして、開催地周辺の参加希望者へ周知徹底するということのために、その開催地の都道府県庁の記者クラブへ資料を配付をしておる、こういった形でマスコミへの情報提供もしておるわけでありますけれども、今せっかく石井委員からお話ございました、隣にたまたまNHKの会長がお見えになりますので、私からもここで要望をまずさしていただきたいと思います。NHKでもしっかりと各地方で取り上げていただきたいというふうに思います。  これからもこうした開催地それぞれ、今までは東京周辺が多かったわけですけれども、東京周辺の場合はどうしても地域の皆さん方も余り関心がないなということがあったかも分かりませんけれども、地方へ出ていけば、さっき委員指摘のように、大臣となかなかお話しする機会がないということで大変興味を持っていただけると思いますので、特に地方へ行けば行ったときほど、その地域の自治体を通じまして、さっき申し上げました県政記者クラブ等を通じましてしっかりと宣伝広告をしていきたいというふうに、そんなふうに考えておりまして、これから、委員指摘を受けまして、親しみの持てるそうした会に是非していきたいと思っていますので、よろしく御指導もお願いしたいと思います。
  220. 石井みどり

    石井みどり君 是非幅広く国民からの御意見を賜って、そしてそれを政策に生かすということは、今、こういうのは間接民主主義でございますが、それを補完する意味でも大変重要なことであるかというふうに思います。そして、その御意見が政策形成というところに生かされるように、どうも政策評価ということがなかなかされておりませんので、今後はプラン・ドゥー・チェックのチェックの辺りも是非していただければというふうに、より御期待を申し上げたいと存じます。  それでは、続いてNHK関連のところでお聞かせをいただければと存じます。  NHKの一連の不祥事に関しましては本委員会でも度々取り上げられ、お答えをいただいておりますが、私は医療者でございますので、人間は過ちを犯す、犯すからこそそれをチェックしていく、できるだけミステークを少なくするという努力が必要だというふうに思っています。正にリスクマネージメントだというふうに思っていますが、一連の不祥事を受けて、当然原因を分析して検証しているとは思いますが、そのリスクマネージメントとしてのとらえ方、どういう体制を取っておられるのか、経営の中にそのシステムをどう取り入れておられるのかをお聞かせいただきたいと思います。  と申しますのも、私は今医療者であると申し上げましたが、歯科医師ではありますが、地方の高齢者への介護サービスの評価というところの仕事をしておりました。そうしますと、介護保険、保険料を払っておられる高齢世帯の方々がその介護保険、十分許容度がある使える範囲でもほとんど使われない、私どもから見たら栄養状態どうなんだろうか、食事の内容も非常に不十分ですけれども、それでも、そういう世帯であっても玄関のところにはきちんとNHKのマークがあって、受信料をちゃんと払っておられるんですね。そういう方々にとってやはりNHKの番組を見る、これは本当に、大げさでなく、生きていく上での大きな喜びであろうかと思います。  私自身も、私の私的なことで非常に恐縮でございますが、団塊の世代でございますので、NHKの放送とともに大きくなったといいますか、若いころは余り面白くないと思っておりましたが、最近は年を取ったせいか非常にNHKの品質の高い、すばらしい番組を放送していただいていることに対して、年とともにその有り難みが分かってまいりましたので、本日は応援団のつもりで質問をさせていただきます。  是非、今後、不祥事が続発した原因を分析して、二度と起こさないということの御覚悟とかシステムとかのところをお答えいただければと存じます。
  221. 橋本元一

    参考人橋本元一君) お答え申し上げます。  大変、御支援ありがとうございます。  石井委員指摘のとおり、やはりNHKの場合には視聴者・国民の信頼というものがまず第一でございます。したがって、過去のいわゆる不正経理から発した不祥事、これはやはり我々、再発をしてはいけないということで、実は二つ大きな行動を起こしました。  これは、もう海外ブランチも含めて全局の業務調査、徹底的に経理の帳票あるいは業務の帳票等を過去七年分、全部局調べまして、およそ三百万件ぐらいに及ぶ、こういうふうなものを全数調査しましてチェックしたと。またあわせて、そういうことで過去のうみを洗い出すということと同時に、一番大事なのは、委員指摘のように、済みません、三百万件ということでありますが、大変な数ですが、そういう中でやったのと、それからシステムを、ごめんなさい、三千万件でございます、システムとしてそれをいかに業務の中へPDCAとして埋め込むかと、これが一番大事だということで、まずは不正経理に特化しまして、それが再発できないような名寄せシステムとかこういうものを、いわゆるCOSOフレームワークの手法等も導入しまして、まずは経理システムのコンピュータープログラムを書き直しました。  こういうことで、十八年度以降、こういうふうな不正経理発生しておりませんけれども、更に我々しっかりと信頼性を確保するためには、業務全体、これは経理業務だけじゃなくて全体の日常行う業務も含めて、いわゆる内部統制システムというものを経営の中にしっかりと作り込むということで、今その作業をしております。これはもう既に私を長とするプロジェクトで行っていまして、二十一年度には全組織までこれを達成したい、運用できる状態にしたいということで、段階的でございますけれどもこれを行っているところであります。  それからまた、こういうふうなシステム化だけでは当然ながら用を足さないという職員、役職員全体の意識改革というものがまず大事だということで、これについては、当然ながら新入社員から現在各段階にいる職員まで研修というものを定常的に行っています。それから、我々自身が、管理者含めて、管理者から若手を含めて対話集会というものを持ちまして、その中で、過去のつらい経験を再び起こしてはいけないということで、いろいろモラルの向上あるいは意識改革という点でも努力しているところでございます。  やはり、一番経営にとって今後大事になりますのは、どういう組織でもそうですが、組織体のイメージ、これをとにかく信頼を落としてはいけないということをモットーにそういうふうな作業を続けているところでございます。
  222. 石井みどり

    石井みどり君 様々努力をされておられるということですが、是非、具体的にもう目標を立てられて、そしてそれの達成具合をチェックをされるという、民間企業では当然のことでございますので、やはり経営マインドを持たれてお取り組みをいただきたいというふうに思いますが。  橋本会長、十月二十九日の本委員会におかれまして、関連団体との随意契約の見直しに関して、業務を分解して、できるところから競争原理の考え方を取り入れていくという旨の御答弁をされておられます。ただ、関連団体との業務委託契約に関しては、やはり今おっしゃられたような見直しをきちんとしていただいて、これも目標の設定をしていただいた上で達成度のチェックが必要かというふうに思っていますが、その辺りをどう、業務を分解されあるいは設備も分解されるというふうなお答えだったと思いますが、分解して細分化して、そして競争入札ということにどのように取り組もうとされているのか、お聞かせいただければと存じます。
  223. 橋本元一

    参考人橋本元一君) 御指摘のように、我々できるだけこの競争的な契約手法というものを目指して取り組んでいるわけでありますが、これまで包括的な業務というものはやはり業務を分解して、あるいはその契約の対象のものをいろいろ内容を分解しながら、それぞれの競争契約になじむ部分と、それから当然ながら大変NHK特有のノウハウ、スキルというものが必要な部分と分けて全体の積み上げを図っているところであります。  今、そういうふうな業務全体については、当然業務の仕方含めて、あるいはその対象の契約内容というものも一つ一つこれ契約内容を分解しながら、その中で目標度というものを、目標達成の度合いというものをどう設定できるかということも含めて、できるだけそういうことをやれるように、また全体目標が立てるように、そういうふうな構造をつくるべく作業を進めているところでございます。できるだけ早くこういうふうな目標的なチェックアクトというふうなこのサイクルが動かせるような仕組みというものを、これもつくってまいりたいと思っております。
  224. 石井みどり

    石井みどり君 今のお答えですと、競争原理になじむところはきちんと見直すと、しかしNHKマインドといいますか、なじまないものに関しては、これは二十九日の御答弁でもなかなか委託ができないというようなお答えがされておられますが、やはり先ほど、一番大事なことは、幾らシステムをつくっても運営していくのは人間ですから、職員の意識改革がこれが一番前提だろうと思います。  そういう意味で、やはり民間を使うということ、民間を導入するということは大きな刺激にもなります。どっぷりぬるま湯につかられたNHKの職員の方、そうした関連会社へ天下っていかれている、ほとんど八五%がNHKの職員である方という、こういう大きな本当に最大のぬるま湯構造といいますか、そこをやっぱり刺激を与えていかない限り、大変大きな金額を国民から預かって運営をしていらっしゃるわけですから、そこを関連会社でなければいけないというところへ余りにも固執されないで、やはり民間企業を取り込んで、お互いが刺激してより良い番組制作を目指すべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  225. 橋本元一

    参考人橋本元一君) 石井委員おっしゃるとおり、そういうことは大変大事なことだと思っております。今NHKが、言ってみれば業務の改革の方向というものはやはりそういう視点で改革していかなければならないと思っております。したがって、この番組制作等につきましても、できるだけこれは外部プロダクションも含めてもう既に行っていることでありますが、番組の企画というものを提案してもらって、これをいわゆる企画提案を競争的に行うことによって一品一品の番組というものもまず採用するというプロセスを踏んでおります。その結果、そこで企画提案で提案されたもので一番いいものを契約手法上随意契約という形で行っていますけれども、まずその前段のところで競争方式のこの考え方を導入して、関連会社だけでなくて外部のプロダクションにもこの割合を増やしていこうということで、現在その幅を広げるということを行っております。  それからまた、そういうことができるために外部プロダクションを、やはり何といっても経費だけが安いだけで、そのクオリティーというものも当然大事でございますから、ただ単に安いだけでなくて、やはり企画内容というものが一番大事でありますから、そういうものが十分競争体制の中でできるようにプロダクションを含めて我々ノウハウ、スキルというものを提供する、こういうことも併せてやっているところでございます。
  226. 石井みどり

    石井みどり君 やはり、徹底した経営の効率化を図っていただきたい。  それと同時に、これも既に御質問が出ていることですが、関連団体の利益剰余金に関しても一般固定資産を含んで八百八十六億円あると。ただし、その中の現金同等物としては四百二十億円である、その中で配当に充当できるものは二百億程度があるんではないかということで、今後また大型配当をしていくというふうにお答えになっておられますので、是非、やはり今どこも、かつての国立大学ですら稼がないと予算が付かないとか、そんな時代でございますので、NHKもできるだけ受信料を下げるという方向でできるだけ御努力をいただきたいと思います。  今、外部の民間プロダクションを活用というようなことをお話ししていましたが、少し視点を変えまして、NHKは皆様のNHKですので、一般企業の模範となるようなそういう社会的理念というところでも大きな役割を果たされると思いますので、男女共同参画関連でちょっとお聞きしたいと存じます。  特に、少子高齢化、人口減少社会であれば、女性の就労を高めてその労働環境を整備するということは大変重要であろうというふうに思っておりますが、実は、NHKの女性職員の方の割合とかを見ましたら、NHKでは正規の職員の採用が全体の一一・六%と低いんですね。逆に、非正規の職員に関しては、逆に女性が六二・七%、高くなっていると。これは正に女性を安いコストで使って、しかも雇用の調整弁にしているんではないかということを私などは疑ってしまうんですが、やはりせめて一般企業並みに女性の採用を増やしていくということが求められるんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  227. 橋本元一

    参考人橋本元一君) 実は、大変この点では確かに遅れていると思います。私も実は技術職場でずっとやってまいりましたけれども、NHKのこの女性雇用率を下げている一つに技術職場というのがございましたけれども、私も実は女性を積極的に採用しようとする技術の責任者になって、大幅に採用を増やす計画を作りました。  そういう中で、採用そのものでいえば、最近二五%以上、年間ですね、二五%以上、場合によっては三十数%の女性採用率ということございますけれども、やはり実際に勤めている職員でいえば平均的に大変低い数字で、これは残念だと思っていますけれども、これから新しい採用の方々がどんどん増えてまいる、そういう状況でございますし、今後とも、またスタッフの方、当然今のような高い数字になっている、こういうふうな一種のバランスといいますか、これについては積極的に是正してまいりたいというふうに考えております。
  228. 石井みどり

    石井みどり君 是非会長が率先して、リーディングカンパニーであると、特に民間業界辺りは、民間放送の現場の悲惨な話も聞いておりますので、是非積極的に女性を登用する。特に管理職の登用に至っては女性は二・八%でありますので、その辺りも十分今後登用していただくようにお図りいただきたいと存じます。  そのためにも、やはり就労環境、働く労働環境の整備ということが大事だと思いますが、育児休暇に関しては女性の取得率は九五%でございますが、男性は平成十七年が一人、十八年度が三人でございますね。正に、局内でニュースになるようなレアケースだというふうに思うんです。これは、やはり男性の職員であっても育児休暇を取りやすくする環境づくりがあれば女性の方ももっと働きやすいというふうに思いますが、いかがでしょうか。  それとあわせて、特に介護休暇に至っては女性でも平成十七年度は一人、十八年度四人しかいません。私なんかはもう正に親を介護している世代でございますので、女性が長く有用な管理職として残るためにも、このことも大事なことだというふうに思いますが、いかがでございましょう。
  229. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 橋本会長。なお、答弁は簡略にお願いいたします。
  230. 橋本元一

    参考人橋本元一君) はい。  この点についても協会内の制度的な環境というものは整っていると存じます。他に先んじて整っていると思いますが、実際にそういうふうな制度的環境を使える意識改革あるいは職場そのものの雰囲気、こういうものは、是非これからもいろんな手を尽くして意識を盛り上げていきたいというふうに考えております。
  231. 石井みどり

    石井みどり君 ありがとうございました。
  232. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 自由民主党の塚田一郎でございます。今日は幾つもの質問を用意してまいりましたので、早速始めさせていただきたいと思います。  初めに、ODA事業の執行状況に関する監査検査報告等についてお伺いをさせていただきます。  スマトラ沖地震のノンプロ無償資金援助に関する給付未完了案件の割合が高いという点についてまず御質問をしたいと思います。  ノンプロ無償資金については、インドネシア、モルディブ、スリランカ等で二百四十六億円、これについては、十九年三月末現在、契約締結率については前年比で上昇してきているということが見えます。しかし、一方で契約締結件数に占める給付未完了の件数を見ますと、インドネシアでは百六十八件中三十九件、モルディブでは二十件中五件、スリランカでは九十五件中四十一件と、全体で約三〇%の案件が未完了となっているわけであります。  こうした状況をかんがみて、相手国政府等への働き掛けなど、給付の早期完了に向けた具体的な取組について木村大臣の方から御説明をいただきたいと思います。
  233. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) 御指摘のように、平成十六年十二月二十六日に発生したスマトラ沖地震及びインド洋津波被害に際しまして、被害各国において膨大な支援の需要が生じておりましたので、ノンプロジェクト無償資金協力として、翌年の一月十九日に、インドネシア、スリランカ、モルディブに対し、それぞれ百四十六億円、八十億円、二十億円を拠出いたしました。  本無償資金協力による支援については、甚大な被害を受けましたことから施設の復旧や再建に係る案件が非常に多くて、調査の開始から各工事の完了までに相当の期間を要しております。これまでに、インドネシアにおいては学校、保健所、道路、スリランカでは小中学校や橋梁、モルディブにおいては配管設備や下水道処理施設などが順次完工をいたしておりまして、災害により甚大な被害を受けた地域社会の再建や被災民の生活機能の改善に大きく貢献いたしております。    〔委員長退席、理事神本美恵子君着席〕  政府といたしましては、給付の完了に至っていない案件については、被援助国政府と緊密な連絡をし、協議を行いながら実施しつつ、各案件の着実な進捗を図っているところでございまして、本年三月末から九月末に至るこの半年間の間に全契約のうち給付が完了した契約の占める割合が七〇%から八〇%に向上しております。今後とも、より一層早期の案件完了に向け、引き続き緊密に政府に働き掛けてまいりたいと考えております。
  234. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 ありがとうございます。  引き続き、是非こうした給付の完了が進むように御尽力をいただきたいというふうに御要望させていただきます。  また、会計検査院の所見にもあるとおり、ノンプロ無償資金、これは緊急援助として本来速やかに災害の復旧復興等に使われるべきものの性質に考えられていると。今回の支援の性格からすると、正にこの災害の復旧復興ということになるわけですけれども、そもそもこうした援助案件は緊急性のあるものに限定をされるという意図だというふうに理解をしておりますが、ノンプロ無償資金援助の手法を選択できる案件というのをどのように選定をされているのか、この点を御説明いただきたいと思います。
  235. 小田克起

    政府参考人(小田克起君) 案件の選定につきましては、在外公館を通じ、被援助国政府の実施機関と緊密な協議を行いつつ、被災地におきます支援の需要に応じて実施する案件を決定しているということでございます。
  236. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 具体的に、災害の復旧復興の場合、大体どれぐらいの期間を援助の期間として考えているのか、その点、具体的な考え方があれば御説明いただきたいと思います。
  237. 小田克起

    政府参考人(小田克起君) この支援の進捗、事業の進捗でございますけれども、今回支援対象となっておりますスマトラ沖地震それからインド洋津波、これによる被害、かなり甚大な被害を受けておりますので、対象となりますプロジェクトが、施設の復旧、再建という、かなり工事を伴う案件が中心で多くなっております。こうしたことから、調査の開始から各工事の完了まで相当の期間が掛かるだろうというふうに考えておりますが、これまで大体三年掛かっておりますけれども、順次工事が完工してきていると。全契約に占める完工率、先ほど副大臣からも御説明いたしましたように、八割まで今来ているということでございます。今後、給付に至っていない案件については、更に着実な進捗を図っていきたいと、こういうふうに考えております。
  238. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 ありがとうございます。  国内においても同時期に中越地震が発生をいたしました。約三年経過をして、今回のこのスマトラ沖の地震についてもこの年の年末で約三年という時期になるわけであります。大体、ふるさとの中越地震に関しても、ほぼインフラ関係の復旧復興は進んできたのかなというふうに考えています。したがって、やはり三年ぐらいというのが、いろんな国の実情等はあるでしょうけれども、一つのやはりこうした復旧復興支援の時期としてはめどなのかなというふうに理解をしているわけですが。  ちなみに、今回の、この本件の援助全体の終了の時期を、大体いつごろまでにこうした完了をしようということで今考えられているのか、その点、御説明いただきたいと思います。
  239. 小田克起

    政府参考人(小田克起君) 終了の見通しでございますが、先ほども申し上げましたように工事に係る案件が多いということもございまして、今後どういうことが起きるか分からないということはございますが、今回の対象事業につきましては、地震、津波の発生から御指摘のとおり約三年三か月となります来年の三月ごろまでにおおむねすべての契約が完了するというふうに見込んでいるところでございます。
  240. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 是非そうした意味で、もちろん必要な支援はこれ続けていっていただかなければなりませんけれども、いつまでもこうした復旧復興事業が続くということも、やはりきちっとした対応をしていく必要もあると思いますので、その点引き続き、来年三月ごろということでお伺いをしましたので、きちっとした対応をしていっていただきたいというふうに思います。  また、これに関連をしまして、外務省ではスマトラ沖地震発生から一年に当たる十七年の十二月に支援の実情についての中間事後報告を行っていらっしゃいます。来年三月ぐらいということですけれども、当然、最終的な評価も行われるというふうに思いますが、そうすると事後評価、いわゆる最終的な案件終了後の事後評価というのはいつごろを大体考えられているんでしょうか。
  241. 小田克起

    政府参考人(小田克起君) 事後の評価でございますが、すべての案件が完了しました後、数か月以内を目安にして実施をするということを考えております。事後評価を実施しました後、報告書の取りまとめをして、その後、その結果を公表したいというふうに考えております。
  242. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 よろしくお願いいたします。  それでは、これに関連して会計検査院にも一応御確認をさせていただきたいと思いますが、本件のノンプロ無償事業に対する事後評価を踏まえて援助の有効性について会計検査院としても評価を速やかに是非行っていただきたい。これはまず御要望をさせていただきます。  特に大事なことは、こうした援助が、最終受益者である被災地の住民にきちっと援助が行き渡っているのかということを確認をしていただく、これが非常に重要なことだと思うんですね。    〔理事神本美恵子君退席、委員長着席〕  その点について、会計検査院の方針そして御見解をお伺いしたいと思います。
  243. 諸澤治郎

    説明員(諸澤治郎君) お答え申し上げます。  会計検査院といたしましては、ただいま先生指摘のとおり、この緊急援助の最終受益者である被災地の住民に援助が届いているのか、中長期的に事業効果が発現されているのか、こういったことを、外務省が行う事後評価を踏まえた上で今後の利活用の状況についても引き続き検査を行っていく、これは非常に重要なことでございまして、このような有効性についての評価を速やかに行ってまいりたいと考えているところでございます。  具体的には、事業が完了した後に外務省が事後評価を行うわけでございますので、外務省から施設や機材の使用状況に関する資料でございますとかデータの提出を受けて、これらをまず国内において十分確認検査をいたします。また、必要に応じまして本院の職員を相手国に派遣いたしまして、相手国事業実施機関から協力を受けまして、使用状況に関する資料の提出や説明を受けたり事業現場の確認を行ったりいたしまして、実地に調査することもしたいと考えているところでございます。
  244. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 今、現地の方にも出向いて具体的にチェックをというようなお話がありました。是非、そうした点を踏まえてきちっとした対応をお願いしたいと要望させていただきます。  次に、前回の決算委員会のときにも質問がありましたが、カントー橋の崩落事故の原因究明についてお伺いをしたいと思います。  我が国の円借款で建設をされているベトナムのカントー橋が本年九月二十六日に崩落をして、五十人以上が死亡、負傷者も百人近くに及んだと、非常にもう歴史的な大惨事ということであります。当該事業の施工監理あるいは建設を行ったのは我が国企業であり、徹底した責任追及、補償等もやはり考えていくべきではないかなというふうに思います。  前回の決算委員会において木村大臣は、原因究明に当たってはベトナム国政府が行い、我が国はベトナム国政府から要請を受けて専門家を派遣しその行方を見守るというように御答弁をされていたというふうに思いますが、やはりこれは日本の事業として起きた事故でありますし、日本政府として、もう少しやはり主体的に積極的な徹底した原因究明を今やはりしていくべきではないか。例えば橋の強度の設計がきちっとした形で行われていたのか等、主体的な原因究明を行う必要性があると思うんですが、この点について副大臣、いかがでしょうか。
  245. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) 御指摘のとおり、我が国の政府といたしましては、九月二十六日に本件事故が発生しましてから直ちにベトナム政府側と緊密な連絡を取ってきておりますけれども、現時点でまだ事故の解明は尽きておりませんで、原因が十分明らかになっておりません。  御指摘のように、事故原因の究明は、本件事業の実施主体はベトナム政府でありますので、ベトナム政府が国家事故調査委員会を設置して取り組んでおりまして、我が国もベトナム政府要請にこたえる形で同委員会日本人橋梁専門家を派遣し協力を行っているところでございます。  また、政府といたしましては、ベトナム側により究明される事故原因を検証する必要があるということから、また今後の円借款事業に係る案件の監理の改善点や同種事故の再発防止等を検討しなければいけませんので、カントー橋崩落事故再発防止検討会議を立ち上げまして、十三日に第一回会議を開催いたしました。このころ、実はベトナム政府の原因究明の中間的な報告が出るのではないかと考えられておりましたけれども、それがまだ出ていないのでございます。  政府といたしましては、やはり施主がベトナム政府でありますので、実施しているのは日本企業でありますから重大な関心を持っておりますけれども、まずベトナムの原因究明の結果を見ながら、それを検証し、検討会の結論等も更に踏まえながら、同種の事故発生防止に努め、本事故が我が国ODAに関する信頼を失墜することのないように、悪い影響が及ばないように最大限の努力をさせていただきたいと考えております。
  246. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 是非よろしくお願いをしたいというふうに思います。ベトナム側の方のまだ調査も進んでいないのかもしれませんが、やはり日本としてもきちっとした対応、その辺を早く進めていただくことも含めてお願いをしていきたいというふうに思っています。  仮に、これからその原因究明が行われるわけですけれども、もしその中で施工監理を行っていたコンサルタントあるいは受注企業に対して何らかの責任が生じてくるようなことがあった場合、どのような対応をお考えになっているのか、この点についてもお聞かせいただきたいと思います。
  247. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) 本事業の受注業者である大成、鹿島、新日鉄から成る共同企業体は正式な補償をする準備があると言っておりますが、それに先駆けて十月四日に、まずお見舞金として九十億ドン、約六千三百万円を拠出することを発表するとともに、当日、十億ドンの見舞金を交付しております。あと八十億ドンは遺児の育児基金でありますけれども、これも既に支払ったと承知いたしております。また、十一月二日には、大成建設等が社内で集めた義援金を相当額を被災者や遺族へ寄贈したと承知しております。  これから、法律に基づく補償につきましてはこれからの問題でありまして、見舞金とは別に、受注業者である我が国の企業がその責任の範囲内においてベトナムの法律及び世界的基準にのっとった誠実な対応をするように心掛けていると聞いております。我が国政府としては、これらの企業がそうした考えを確実に実施していくように政府及びJBIC、JICAを通じてしっかり指導してまいりたいと考えております。
  248. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 是非よろしくお願いをしたいというふうに思います。大変に日本のODAに対しての今後の活動にも大変影響がある案件になってくると思いますので、そうした点をお願いをさせていただきます。  次に、我が国政府開発援助における無償資金の関係、会計監査等についてまた御説明をお願いします。  今般の会計監査の結果、いわゆる入札参加者の平均が二・四者と少ないこと、また一般プロジェクト無償における落札平均率が八九・八八%と高くなっていること、また不落随契の全体に占める割合が四分の一に当たる二五・三%を占めていることなどが明らかになっているわけであります。  こうした点を考えると、やはり無償資金協力というのはこれは貴重な税金で賄われているわけでありまして、その透明性、競争性、こうしたことはきちっと確保していただかなければいけないと思いますが、こうしたことを踏まえて、今後の具体的な取組について、外務省そしてJICAからそれぞれ簡単で結構ですが、御説明いただきたいと思います。
  249. 小田克起

    政府参考人(小田克起君) 無償資金協力事業の入札におきます公正、自由な競争の確保という点に関しましては、入札参加者の拡大を図る、それによって競争性をより向上させていくことが重要だというふうに考えております。  これまでも入札期間の延長、契約の細分化、入札参加資格の緩和などの措置を通じてこうした競争性の向上に取り組んできておりますが、今般、会計検査院からの指摘も踏まえまして、さらに国民の更なる理解を得られるよう、契約の競争性、透明性の向上のためにより一層努力を引き続き行っていきたいと、こういうふうに考えております。
  250. 上田善久

    参考人上田善久君) お答えします。  私どもとしましても、競争性の向上を図るためにはやはり一者でも多くの応札者が入札に参加することが重要であると、こういうふうに考えております。  ただいまの御答弁とダブりますけれども、ここ一、二年のうちに、例えば入札公告内容改善による告知効果の向上、新規参入企業向け説明会の実施、入札参加資格審査基準の大幅な緩和それから基本調査、設計調査報告書の一定期間不開示、こういった措置を既に実施済みでございます。  引き続き、今後につきましても競争性、透明性の向上について更なる具体的な制度改善の検討を行っていく所存でございます。
  251. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 いろいろな取組を行っていただいているということは今の御答弁からも理解ができるんですが、要は本当に改善をしてきているかということが重要な点だというふうに思います。  十五年度以降の入札参加者数をちなみに見てみますと、十五年が二・五者、十六年度は二・四者、十七年度は二・五者、十八年度は二・二者です。これ、ほぼ横ばいであります。平均落札率に関しても、十五年度以降はほぼ九〇%前後の横ばいの状況になっていると。残念ながら、目に見える改善結果が余り出てきていないのかなと、まあいろんなことをやられているんだと思うんですけれども。  こうした状況だと、やはり抜本的に入札制度についての考え方を変えていくことも必要なのかなと思います。例えば、入札参加者をいわゆる日本人、邦人ですか、に限定していること等、こうしたことも含めて、もう少し現状を考え直していく。現在の無償資金協力の実施体制の抜本的な改革をしていかないと、こうしたところで実績を上げていくことはできないのかなというふうにも思うわけですが、この点について外務省の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
  252. 小田克起

    政府参考人(小田克起君) 一般プロジェクト無償につきまして、その主契約業者を日本企業に限定しているというのは先生指摘のとおりでございます。  この背景といたしましては、やはり限られた工期を遵守していただくということがあります。それから、やはり我が国の顔の見える援助を実施するという観点もございます。そうしたことから主契約業者を日本企業に限定しているということがございます。ただ、主契約業者は日本企業ではございますけれども、この契約業者は、契約の履行に当たりまして必要な資機材の調達は必ずしも日本国内ではなく世界から調達することも可能という、そういうことでございます。  私どもとしましても、こうした一般プロジェクト無償の特性がございますので、そうしたことを踏まえながら更に契約の透明性、競争性の向上のために何ができるか、引き続き検討していきたいというふうに考えております。
  253. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 是非、実効力がある形で、結果にこうした透明性の確保が現れてくるように、引き続き最善の方法をいろんな形で取り入れていただくことを御要望いたします。  次に、時間もだんだん限られてきましたので、PMU関連の御質問をさせていただきます。  PMU関連で、ロンミー橋という橋の設計変更に関して、ここもまたPCI社が出てくるわけですけれども、度々この委員会でも取り上げられております。PCIは、設計変更について軽微な変更であると判断をして、JICAへの報告を行わないままに設計を変更して契約業者に施工を行わせていたことが明らかになりましたと。これは明らかにガイドライン違反となるというふうに理解をいたします。  この事案に関して、PCIへの処分の方向性について、外務省そしてJICA、それぞれちょっと御見解を伺いたいと思います。
  254. 小田克起

    政府参考人(小田克起君) 御指摘の事案でございますけれども、おっしゃるとおり、設計変更に際しまして承認を得るという手続を省略されていたということでございます。  JICAが定めます無償資金協力のガイドラインによりますと、外観が一見して異なるような設計変更の必要が生じた場合にはコンサルタントは設計変更の届出を行い承認を得るということになっております。結局それが行われていなかったということは、会計検査院の報告にありますとおり、そのPCIの方の理解が十分でなかったということではないかというふうに考えております。  なお、本件に関しまして、JICAがPCIを招致の上、この設計変更につき詳細に事情を聴取して精査しましたところ、設計変更の内容及びそれに伴う工事量の増減につきましては特に不当、不明瞭な点はない、また、この設計変更によって国損、何ら損害が生じていないというふうに判断されたというふうに私どもはJICAから報告を受けております。  しかしながら、こうした設計変更手続が適切に行われていなかったということは事実としてございますので、JICAからPCIに対し厳重に注意するとともに、再発防止を命じたというふうに聞いております。
  255. 上田善久

    参考人上田善久君) ただいま外務省から御答弁がありましたとおりでございます。  私ども、PCIから事情を聴取しましたけれども、設計変更の内容、工事量の増減については不当、不明朗な点がないということでございました。もちろん、手続違反ということがございましたので、JICAからPCIに対し厳重に注意するとともに、再発の防止を命じたところでございます。
  256. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 PCIに関しては、もう度々のことでありますので、くれぐれもそうしたことも踏まえて、きちっとした対応を御要望させていただきます。  もう一点ですけれども、このPMU18に関して、国道十八号の改良事業において、二事業二契約における六台、車の購入の契約があったというふうに伺っています。そのうち四台分の車両購入について、仕様書とは異なる車両を購入していたことが判明をしたということですが、この車両四台の具体的な車種、どうしてこれが仕様書と異なっていたのかについて御説明をいただきたいと思います。  会計検査院でよろしいですか。外務省でも結構ですが、お願いします。
  257. 小田克起

    政府参考人(小田克起君) 御質問のその具体的な車種でございますが、JBICからは、ベトナム側が、トヨタ・カムリ二台それからBMW、メルセデス・ベンツを購入していたという報告を受けたというふうに伺っております。
  258. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 ありがとうございます。  工事管理のための車両で四輪駆動ということがそもそものこの四台の仕様だったというふうに理解をしておりますが、実際買ったのはベンツとBMWとカムリということで、これは、そうしたものが工事管理に必要な車両なのかということは言うまでもないわけでありますけれども、是非こうしたことが起きないようにこれからもきちっと管理をしていただかなければというふうに思います。  これについて、当該車両についての貸付資金等の利息を含めた返還は行われているというふうに理解しておりますけれども、ベトナム政府に対しての抗議をどのようにやっていらっしゃるのか。今後の再発防止も含めて、簡潔で結構です、外務省から御説明いただきたいと思います。
  259. 小田克起

    政府参考人(小田克起君) まず私ども外務省からでございますけれども、政府間協議の場等におきましてベトナム側に対して遺憾の意を重ねて伝えております。今後も、そういう機会があれば遺憾の意を伝えていきたいというふうに思っております。  また、本件円借款の担当、JBICでございますけれども、JBICからも、ベトナム側に対して円借款制度に係る理解を深めるため、案件のベトナム政府実施機関との間で様々な協議を行っているということでございます。
  260. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 もう時間になりますので、最後の質問をさせていただきます。  こうした今のお話等も踏まえて一つお伺いしたいんですが、政府は、十九年一月に提出した十六年度決算審査措置要求について講じた措置において、ベトナム政府から、日本のODA資金を用いたすべてのプロジェクトについては、資金の不正使用及び流用はなかったと判明したと伝達を受けたと説明をしているというふうに言われています。しかし、実際に今回の検査報告によって、先ほどお話をした設計変更が行われていなかった事案、あるいは仕様書と異なる車両が購入をされていた不適切な事案等が発覚をしているわけであります。  こうしたことも踏まえて、我が国ODA資金の不適切な使用を防止するための今後の取組に対する決意を最後に木村大臣からお伺いをしたいと思います。
  261. 木村仁

    ○副大臣木村仁君) 御指摘のように、国民の税金等を原資とする我が国のODAは、開発途上国の経済社会の発展、復興のために適正かつ効果的に事業を実施することが必要でありまして、援助資金が不正に、不適正に使用されることは断じて避けなければならないと、こういう立場に立って、日ごろから外務省、JICA、JBIC等においてプロジェクトガイドラインを定め、それに従って適切に行われるように相手国政府、実施機関に対してガイドライン手続を説明しつつ、その遵守を要望しているところでございます。  今般発生したコンサルタントの設計変更の無届けを受けて、JICAではコンサルタント業界団体との協議の中で設計変更の手続を徹底するよう指導しているところでございます。また、仕様書と異なる車両等の購入に関し、JBICでは調達手続等に関するセミナーを開く等、再発防止に努めております。  今後とも、我が国のODAに関しこれらの取組が実効的なものとなるよう、全力で努力をしてまいりたいと思っております。
  262. 塚田一郎

    ○塚田一郎君 これで終わります。ありがとうございました。
  263. 丸山和也

    ○丸山和也君 まず今日は、この決算委員会というのは、ある意味で額賀大臣にとっても晴れの舞台になるか土砂降りになるかという際どい舞台だと思うんですけれども、そういう舞台で私が質問させていただくということは非常に有り難いと思っています。だから、気合を入れて、ただ時間が短いんで、わずか三十分ぐらいですけれども、気合を入れてやらせていただきたいと思いますので、大臣も気合を入れてお答えいただきたいと思います。  まず、今回、参議院の十五日の委員会で、外交防衛委員会ですか、そこで守屋さんが証人喚問という中で、大臣と神田の料亭ですか、料亭で宮崎さんと三人で会ったことがあると、こういう爆弾発言といいますか、ありまして、それから世間も非常ににぎやかになっておるわけでありますけれども、今日、大臣は、先般に引き続いて一切そういうことはなかったという明確な否定の答弁をされたんですけれども。  私も聞いていて、良かったと思う反面、ちょっと大臣の答え方がやや、もう少しお聞きしたいと思いましたのは、いろいろ徹夜をして調べたけれどもそういうことはなかったと、やれやれほっとしたということなのか。それとも、失礼ながら大臣は一九九八年に当参議院においての問責決議を受けておられますね。これは誠に申し訳ないんですけれども事実ですから、このときには、当時は大臣は所管事項じゃなかったんですけれども、後任の大臣として調達問題に、職員が二人、刑事事件で有罪になっています、これの腐敗の究明とそれから改善に対する十分なあれをしなかったと。はっきり言えば、決議の内容は、余り力を入れてやっていなかったと、こういう形で問責決議が可決されてしまったと。こういう誠にお気の毒というか、そういう目に遭われているんですけれども。  そういうことを体験された大臣として、今回も守屋証人がああいう証言をしたことについては、大臣自身も、単に驚いたというより、前回そういうやっぱり防衛庁の問題に関して苦い体験をされた御自身として、あれを聞かれて正直、記憶にあるかどうかというレベルの問題であったのか、それとも、とんでもないことを言うなと、こいつはと、そんなところにおれがのこのこ行くはずないじゃないかという、そういう怒りを持って聞かれたのか、そこら辺はどういう御心境でしたか、率直にお聞きしたいんですけれども。
  264. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 私も、おっしゃるように九八年の防衛庁の調達本部事件がありまして、とてつもない事件に発展をいたしました。特に、防衛庁の職員が書類を持ち出したり、書類を焼いてしまったり、証拠隠滅があったわけでございまして、そういう、指導監督が不行き届きであるということで問責決議案が出されて可決されたということは、よく骨身にしみて分かっております。  当時と今と同じようなことが防衛省で起こっているということは、誠に残念至極に思っております。しかも、なおかつ防衛庁のトップであった守屋次官が、いわゆる国民の皆さん方の信頼を失墜するようなことが行われていたということについては、私も二回防衛庁長官を経験した者として誠に残念に思っております。  それから、先週の守屋証言についてでございますけれども、私もテレビを見ておりました。ジム・アワー氏とともに、守屋さん、そして宮崎さん、ほか多くの何人かの人たちが同席している中で、私が遅れて行って、すぐにというか最初に出られたということを聞かされて、全くそういうことは頭の想定になかったものですから、びっくりいたしました。  そこで、すぐさま私の事務所の日程とか長官時代の日程、それから車の運行表、そしてジム・アワー氏との私のかかわり合い具合について夜を徹していろいろと調べてみました。その結果、多くの人にも話を聞いたりしたわけでございますけれども、そういう事実関係はないということでございます。そういう、また私が調べた限りの記録もないわけでございます。  したがって、私は、先ほども申し上げましたけれども、そういう日程とか場所とかはっきりさせていただければ、更にきちっと調査をして、本当の姿を皆さん方にお知らせをしたいというのが本当の気持ちでございます。
  265. 丸山和也

    ○丸山和也君 最後の、更に詳しい日時とか場所をもし知らせていただけるんなら自分で調べてみるとおっしゃるのは、ちょっと聞きようによっては分かりにくい点があるんですけれども、要するに、そんなところへ自分はのこのこ行ってはいないという自信があって、例えばですよ、本当にそういうことを言っているんなら日時と場所とか具体的に出せと、出せたら行っていないよとはっきり反論するよと、こういう意味の御発言なんですか。それとも、もしかするとまた別のときに行っているかも分からぬなというような、そういうことなんですか。そこが大臣は望洋と答えられるから、ちょっと分かりにくいんですよ。そこをもう一回お聞きしたいんです。
  266. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) ジム・アワー氏、それから守屋さん、それから宮崎さん、ほか皆さんとともに宴席に出席した記録は全くありません。
  267. 丸山和也

    ○丸山和也君 記憶は。
  268. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 記録、記録は全くありません。私も、だから、そういう印象はないし、それから行ったということもいろいろ調べたけれどもないということなのでございます。
  269. 丸山和也

    ○丸山和也君 そうしますと、かなり、記憶もないし記録もないし、そんなところへ行くはずがないという御答弁のように思うんですけれども、そうすると、この守屋証人の証言というのは、かなり大臣にとっては屈辱的というかひどい証言だと思うんですよ。  すると、今後のことですけれども、例えばの話、このままだと平行線になっていますから、一方は会ったと、一方は行ったこともないと。すると、大臣としては、これは、やるやらぬは別にしても、例えば偽証罪とか名誉毀損で訴えるとか、場合によってはそういうこともやろうかと、いや、やる必要があるかというようなところまでお考えですか。それとも、かつての部下だった者に対してそこまでやるつもりはないと。だから、いずれ真実は分かるというようなことでそこまでは考えていないという、今の心境で結構ですけれども。
  270. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 先ほども申し上げましたように、現在の心境は、守屋証言があってからまだ一週間もたってない時点でありますので、私がこれまであらゆる調査をし、調べた結果、そういう記録もないし、行った記憶もないし、そういうことはあり得ないというふうに思っているわけでありますけれども、今後その事実関係が必ず明らかになってくると思っておりますので、私は今の時点でそこまでは考えておりませんが、真相が明らかになるように懸命の努力をしたいというふうに思っております。
  271. 丸山和也

    ○丸山和也君 基本的な姿勢は分かりました。  ただ一点、少し追加の意味でお聞きしたいのは、ジェームズ・アワー氏にもこの件で電話をして確認したとおっしゃいまして、代理人から通じて、いや、会ったことはないという返事をもらったということだったんですけど、これは大臣が直接ジェームズ・アワー氏にお話をされたということではないんですか。代理人に話しして、代理人の取次ぎでそういう返事が来たというふうに理解していていいんでしょうか。
  272. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) それは、私が直接ジェームス・アワー氏に電話したのではありません。私の弁護士がジェームス・アワーさんに電話をしまして、ジェームス・アワーさんの方からこの人に話をしてもらいたいということで、その代理人の方がその連絡をよこしたということであります。もちろん、ジェームス・アワーさんは日本語も分かりますし、弁護士の方から用件はジェームス・アワーさん本人に伝えたわけでございます。その上で、後に代理人を通して返事が来たということでございます。
  273. 丸山和也

    ○丸山和也君 じゃ、その件はそのぐらいにしまして。  やはり、今回この事件がこれだけ大きく問題になっているというのは、僕はこういう意味があると思うんですよ。例えば、かつて二・二六事件というのがありましたね、昭和十一年でしたかね。あのときに、青年将校が立ち上がった理由一つに、政官財というか財閥、当時は、とのやっぱり癒着、腐敗ということに対して憤りを持って、彼らなりに、いい悪いは別にしてですよ、正義感もあったわけですよ。  今回見ていますと、防衛省のトップが昼日中もずっとゴルフしていると、ずっとじゃないにしても、しょっちゅうゴルフしていると。それで、やっぱりこの前の証人喚問で涙流して言っていましたよ、それから、もうほかの職員は一生懸命働いておるんだと、私だけの特例なんだと。何を言っておるのかと思いましたね。あんな涙を見て、みんな喜んでいる隊員一人もいないですよ、もうずっと分かっていてゴルフしているわけですから。  そういう姿を見ていて、まあ今回、幸い大臣が会食もしていないということだし、私はほっとしたんですけど、もしそういうことがあると、政治家も役人のトップも、あるいは納入業者と一緒になってこういう堕落した生活をしているんだとなると、やっぱり自衛隊員の行く先って二つですよ。一つはモラルの低下、じゃ、おれたちも好きなことをやろうじゃないかと、これは元気のないグループですね。本当に元気のあるグループは、シビリアンコントロールなんてどうだっていいじゃないかと、じゃ、おれたちが決起してやろうかということにもなりかねませんよ、これ。いや、本当の話。三島由紀夫事件だって起こりましたでしょう。だから、これは上の腐敗というのは大変な問題なんですよ。  だから、そういう意味で僕は額賀大臣に、潔白であるにしても、もう少しびしっとしてほしい。びしっとしてほしいというのは、例えば守屋とゴルフを何回かやられましたね。でも、守屋があれほどゴルフ三昧、ゴルフ気違いだとは思わなかった、失礼、そういうことはおっしゃっていませんけれども、ゴルフばっかりやっていることは気付かなかったと。これは気付いてほしいですね。部下がこんなにゴルフばっかりやっているようなことは、やっぱり大臣として少しは、おまえ、ちょっと生活は大丈夫かというぐらいの目配りというか、怖さを示すというか、そういうことを是非やってほしい。恐らく守屋氏にしては、大臣の人柄が非常にいいから、おおようで部下に対して細かいこと言わないから、この大臣の下ならおれはしょっちゅうゴルフをやっていても大丈夫だなというふうに思ったんだと思うんですよ。そこは大臣の人柄の良さですけれども、人柄がいいだけでは大臣は務まらぬと思うんですよ。そういう意味で、もう少し示しを付けてほしい、そこが是非ともお願いしたい。そうしないと、やっぱり隊員はぴりっとしないですよ。失望につながります。  是非、ですから、これからは立派な、今度省庁は違いますけれども、是非そういう姿勢でやっていただきたいとお願いしておいて、この防衛省の問題は終わりまして、次、やっぱり額賀大臣、もう一つあるんですよ、お聞きしたいのは。  ちょっとこれ、道路特定財源の一般財源化の問題に関しまして、国土交通省は、ほとんど道路事業に使い切るからもう残りは残らぬのだよというふうに言っていますんですけれども、やっぱりこれは安倍内閣でも、財政改革あるいは改革の一つの柱になっていましたね。これから予算編成とかいろいろとあると思うんですけれども、やっぱり財務省として、これを厳しく査定といいますか見ていただいて、是非ともこの防衛省問題でちょっとイメージがダウンした分をこっちの分で、額賀大臣ここにありという形で厳しく判定をしていただきたいと思うんですが、その心意気はいかがでしょうか。
  274. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今、丸山委員がおっしゃるように、先般、国土交通省から真に必要な道路について中期計画が発表されました。  私どもは、昨年の閣議決定において、この中期計画が出された後に最終的に今後どうするかということを決めていくことになっておりますけれども、その前提条件として暫定税率を維持するということ、もう一つは、高速道路の料金を下げるなどのサービスを向上させるということと同時に、道路財源に充ててきた予算を上回るものは一般財源化をして、道路以外のものに使えるようにして財政再建なりほかのサービスに充実をさせるということでございますので、私どもは、しっかりとこの問題をこれから審議をしていき、そしてまた、同時に納税者の皆さん方にも理解をしていただく、そして、貴重な国民の皆さん方の税金を有効に使っていくようにしなければならないということ。  それから、せっかく改革をしていこうという中で、この我々の考え方が整理されていくわけでありますから、改革が後退をしたというような印象を与えることがないようにしなければならない、そういうふうに思っております。
  275. 丸山和也

    ○丸山和也君 是非、期待をしておりますので、よろしくお願いします。  では、時間の関係上、次の質問に移らせていただきますけれども、各省庁における随意契約の問題についてお聞きしたいと思います。  契約全体で約六二%と言われている。それで、落札率が九七・三%と言われている。非常に各省庁の契約においては随意契約が多くて落札率も高いと、こういうことで、いろんな問題が起こっております。  例えば、今日渡辺大臣もおられますのでお聞きしたいんですけれども、とりわけ独立行政法人における関係法人との随意契約の割合の高さということについてお聞きしたいんですけれども、これ、会計検査院の報告によりましても、関連公益法人や関連会社のある独立行政法人十六法人を検査した結果、そのうち十三法人で関連公益法人等との契約があり、その契約方式を見ると件数で約九割、金額では九九・五%が随意契約である。まあ正直言って全部随意契約というふうに、もうほとんど一〇〇%に近いような数字が出ているんですけれども、これは、いわゆる役人の天下りという問題とも無関係では決してないと思うんですけれども、こういう観点から、どういうふうにこれを、競争入札にするとか役人の天下りという面も含めて、どういうふうに改善をしていくべきだと思われているのか、渡辺大臣の方からお聞きしたいと思います。
  276. 渡辺喜美

    国務大臣(渡辺喜美君) 随契の問題は後ほど総務大臣からお答えがあろうかと思いますが、天下り規制については、さきの通常国会において各省のあっせんを四年後に全面的に禁止をすると、こういう思い切った見直しを行ったところであります。その見直し対象の中には、非営利法人すなわち独立行政法人、認可法人、特殊法人、公益法人、こういったところもすべて含むということにしたわけでございます。天下りの八割以上がこうした非営利法人でございますから、この改革は大変ドラスチックなものであったということが言えるかと思います。  これが二〇一一年にスタートをいたします。その移行期間においても、我々は天下り問題を根絶をするという立場からいろいろな改革を進めているところであります。もう既に独立行政法人の天下り規制が実行されておりますが、更にこの規制を強化をすべきではないかという観点から、今その議論を進めているところであります。
  277. 丸山和也

    ○丸山和也君 いわゆる天下り禁止法案といいますかね、それで官民人材交流センターをつくってやると。非常にこれはある意味じゃ画期的な大改革だと思いますし、また渡辺大臣にとっても腕の振るいどころだと思うんですけれども、見ようによっては、政府自身が天下りの調整する機関をつくっているんじゃないかという批判もあることは御存じだと思うんですけれども、これは正に運用をどうするかという問題に懸かっていると思うんですけれども、そこら辺については大臣として、これでやれる、あるいはこれが取りあえずの改革なんだと、さらに次のステップを考えていると、そこら辺はどのようなのか、簡潔で結構ですけれども、お答えいただきたいと思います。
  278. 渡辺喜美

    国務大臣(渡辺喜美君) 御案内のように、国家公務員には身分保障が付いているわけですね。公務の中立性とか公正さを確保するためであると、こういう理由が述べられています。  こうした身分保障付きの国家公務員をリストラをしようと思っても、なかなか難しいんですね。したがって、勧奨を拒否をした場合、民間だったら恐らく給料が下がるとか、そういったことがあり得るわけです。しかし、国家公務員の場合には拒否をしても身分保障がございますので、そのまま居座ってしまえば給料は上がり続ける。つまり、年功給与でやっているわけですからね、今のところはですよ。したがって、全くリストラが進まないと、こういうことになりかねませんので、この際、能力・実績主義を導入をする、年功序列をやめる、給料は能力・実績に応じて上がる人もいると、昇進も能力・実績に応じてやっていくと、そういう制度を導入をすると同時に、各省あっせんを全面禁止をすると。言わばその代償措置として官民人材交流センターを設計をしているところでございます。  したがって、これは今までの天下りとは根本的に異なる。つまり、今までの天下りは各省が人事の一環としてはめ込んでいくやり方、まあ例えてみれば統制価格での天下りなんですね。しかし、人材センターを通す再就職支援というのはマーケットバリューでやっていくわけでございますから、当然これはリスクを取ると、そういう再就職になっていくわけでございます。その点が根本的に今までの天下りシステムとは異なるものであるという観点から、今最終的な制度設計に向けて議論を進めているところであります。
  279. 丸山和也

    ○丸山和也君 ありがとうございました。是非、これはもう大改革というより本当にやらなきゃいけない改革だと思いますし、渡辺大臣のような気骨のある大臣じゃないとできないと思いますので、それこそ命を懸けてやっていただきたいと思います。  それから、あと四分じゃろくな質問もできないんですけれども、時間使い切る意味でもう一つだけ出させていただきますけれども、国土交通省という役所が、今も私出しましたけれども、やっぱり随意契約の話なんですけれども、随契を見直して競争入札しなきゃいけないという、これは内閣の方針でもあり、去年もそういうことが言われていて、見直しを全面的にやっているという流れだと思うんですけれども、その中でやっぱり新聞記事なり会計検査院のあれを見ますと、十九年度ですね、今年ですね、国土交通省の八地方整備局、公募方式により天下り法人に独占発注していたと。つまり、公募という方式に、随契から公募を取り入れて改めたと言いながら、公募の参入条件を過去三年間の実績があるとかいろんな制限を付けて、実質的には公募に応募者がないからやっぱり随契だと、形だけの随契の見直しをやっていると。まあ、これ偽装見直しですよね、はっきり言いまして。こういうことがやられていることが新聞報道でも随分出ていまして、こういうことであれば随契の見直しというものは実質的には骨抜きになってしまって効果は上がらないと思うんですね。  それで、防衛省の問題もありますけれども、これはもう各省でそういうやっぱり見直しをして、本当に実効性のある見直しをやっていかなきゃいけないと思うんですが、とりわけ、どうなんですかね、国土交通省というのは財務大臣から見られて、何というんか、言うことの聞かぬ役所なんですか。大臣が悪いのかどうかは知りません。大臣がやる気がないのかは、まあ冬柴さんおらぬからちょうど言いやすいんですけれども、気合が入っていないのか、どうなんですか。それとも、国土交通省というのはやっぱり、まあ何といいますか、一つの聖域みたいになっておるんでしょうか。ここらはどのように、どうしてこういう骨抜きのことがどんどん行われているんでしょうか。額賀大臣、いかがですか。
  280. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 随意契約については、これまで三・何兆円かあったのを我々も努力をしてこれを二・何兆円か、そういうことがないようにして今政府を挙げて努力をし、無駄を省き、そういうことをやっているわけであります。  国土交通省に対しましても、我々はしっかりとこれを守っていくように、政府もそういう姿勢でありますから、これから国民の皆さん方に批判が起こることがないようにするようにお互いにやっていきたいというふうに思っております。
  281. 丸山和也

    ○丸山和也君 ありがとうございました。  とにかく、口で一生懸命やります、どうこうやりますと言ったって、要するに気合が入っている、本気にやっているかどうかだけなんですよ、最後は。ですから、大臣というのはやっぱり気合を入れて、とにかく命懸けでやってくださいよ。とにかく、経費削減といったって、みんな削減したくない人ばっかりなんですし。  それから、とにかく命懸けでやるとなかなか大変だと思うんですけれども、そのために大臣になられておるんですから、どうか額賀大臣も、本当に僕は額賀大臣の望洋とした人柄好きなんですよ。いや、望洋としてね。そんな、ばかか賢いか分からないというような意味じゃないんですよ。人柄が望洋として包み込むような、すばらしいんだけれども、やっぱり気合が入っているんだというところでは気合を示してほしいんです。防衛省もぴりっとなるし、財務省もぴりっとして、これで初めて政府は真剣にやっておるなと。また、自民党も真剣なんだなということになって、がたがた言われている自民党ですけれども、何とかなるんじゃないかと思いますんでね。皆さんの肩に掛かっておるんですよ。我々一年生議員がどんなに頑張ったってどうもならぬのですから。とにかく、しっかりやってくださいよ。  財務大臣、今日のあれは何とか切り抜けたようですけれども、まだまだ逆風は厳しいと思いますんで、ここは気合を入れてやってください。お願いします。  ありがとうございました。
  282. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。  この決算委員会では最初質問となりますが、今回の検査院の随時報告が議題となっております。そのテーマの一つに、独立行政法人の運営についてが上がっております。  会計検査院の対象は、いわゆる移行独法、特殊法人から移行した法人であって、この十九年度末に中期計画を迎えるもの、二十五法人が対象となっておりますが、一方、目を転じますと、今、独法全体百一法人について整理合理化計画を作ると、年末までに作るという時期になっておりまして、まさしく今年は独法大見直しの年だと思っております。我が党は、この独法の見直し、行革に非常に熱心でございまして、実はこの九月五日には渡辺大臣また増田大臣に申入れをさせていただきまして、いわゆる人と随契、随契と天下りの関係をはっきりさせようと、また事業見直しによってゼロベースから業務を見直そうということでエールを送っている次第でございます。  まず最初には、今回の会計検査院の対象となりました文科省の関連の独法からお聞きしたいと思います。  それは、日本スポーツ振興センターという独法がございます。独法通則法は御存じのように、独法の業務は国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されていないおそれがあるもの、これが業務の対象となっておりますが、このスポーツ振興センターが運営しております代々木第一体育館は、この独法の目的には必ずしも関連しない利用件数が六割、利用収入でいうと八割を上回っております。つまり、スポーツと全く関係のない文化的行事、物品販売、製品の展示会に使われているわけでございます。  そこで文科大臣にお聞きしますが、このスポーツ振興センターが運営している代々木第一体育館につきましては、その利用状況が目的外であるという観点から、その売却を検討すべきではないでしょうか。また、もしそうなった場合の売却の見込額はどの程度と期待されるでしょうか。
  283. 渡海紀三朗

    国務大臣渡海紀三朗君) お答えをいたしますが、委員指摘の代々木の第一体育館でございます。  今、六割がいわゆる目的外というお話があったわけでございますが、利用件数からいいますと、実は過去五年間で六五%がスポーツ目的で利用されております。ただ、確かにおっしゃいますように収入は八割はそれ以外ということでございますが、これは本来の目的であるスポーツに関しては非常に廉価で提供をするということ、むしろそれ以外のイベントに関しては五、六倍から八倍ぐらい、それぐらいの価格で実は使用していただいているという状況から生じてきているものでございます。  確かに、時間数でいいますと、スポーツは、本来スポーツの建物でありますから、準備のための時間が短いということでありまして、それ以外のときにちょっと、使っている日は多いということではございますけれども、これはあくまでスポーツに支障がないという範囲で運用をいたしておるわけでございます。稼働率も、目標稼働日数がこの中期目標を上回っている日数を毎年堅調に推移をしているということでもあります。  そういうことからして、非常に世界的ないろんな競技会、世界バレーボール選手権とかこういったものにも使われているということを考えますと、この法人を、この法人というよりこの体育館を今後とも同じような運営形態でやっていく方が、むしろスポーツに関するいわゆる場として提供しやすいというふうに考えているところでございまして、現在のところ売却ということは考えていないところでございます。  また、今、実は売却すればという仮定のお話がございました。これは大変算出が難しいわけでございますけれども、平成十五年に独立行政法人に発足をしたときのいわゆる出資した資産評価によりますと、土地が三十二億円、建物が五十億円ということに実はなっておるわけでございます。  ただ、実はこの場所というのは二重三重に制限が掛かっておりまして、例えば文教地区であると、都市計画公園の中にあり、しかも用途制限が非常に強く実は掛かっておるわけでございますから、なかなかいろんなことに利用するということは難しいという点がございます。また、第二種の風致地区ということでございまして、高さ制限も十五メーターを超える建物は建てられないとか、簡単に申しますけれども、東京都がいわゆる災害のために指定している場所と、いろんな制限があることから、実際に売却するということになったときに果たしてこういう値段になるかどうかということはなかなか難しいというふうに考えているところでございます。
  284. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今、大臣から法人の目的で使っている場合が過去五年間で結構多いというお話がございましたが、今回検査院がまとめました表で、この五年間六〇%、つまり目的には必ずしも関連のない利用件数の比率が六〇%を上回っているのは十三年度、十五年度、十六年度、十七年度、十八年度、つまり一年度だけが四割以下でありますけれども、ほとんどが六割以上が目的外であります。かつ、その収入につきましても、ほとんど、黒い数字が見えると思いますが、八割以上、そういう状況の中で、ほかの体育館までもとは言いませんけれども、それはやはり独法の、民間がこういう事業を行うことができない実際にはおそれがあると、私は認められないと思います。  この点につきまして、本件につきまして渡辺行革大臣に感想をお聞きしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  285. 渡辺喜美

    国務大臣(渡辺喜美君) 独法というのは、やはり行政が本体でやらなくとも、言ってみれば外側に切り出すことによってより効率的な運営ができる、また、今までのやり方を改めて、ある程度自由度を確保し、予算の面においても単年度の予算ではなくて、年度を越えた予算をもって経営の効率性を図っていくというところが大事なポイントではなかろうかと思います。  そういった観点からいたしますと、こうした日本スポーツ振興センターの運営においては様々な問題点が指摘をされていると考えます。今、浜田先生が御指摘になった問題も一つでございますし、また、世間的には非常に有名かつ問題の多いサッカーくじのtotoですね、この問題についても私どもの減量化会議においては大いに議論をしているところでございます。
  286. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 是非、このスポーツ振興センターについては、独法の「資産債務改革について」という表の中ではまだ宿舎しか上がっておりませんので、是非代々木のこのスポーツセンターも御検討いただきたいと思っております。  このような、いわゆる不動産を多く持っている独法が数多くあるんですが、幾つか問題点があります。これは産経新聞の十月三十一日の記事でありますけれども、印刷局、土地譲渡収入二百八十二億、国庫返納三十三億のみと。なぜかといいますと、これは法制度の不備で国庫納付が簿価分がなされないという状況があるわけでございます。  しかも、これはこの件だけではなくて、例えば同じ国立印刷局でいいますと、虎ノ門近辺に約二十七件の資産がありまして、合計額が簿価額で一千七百二十億円というわけでございます。また、造幣局も同じように、池袋近辺の庁舎及び工場で四百五十億円という資産があるわけでございます。これらの資産を売却しようとしますと、現在の独法通則法また個別独法のほとんどでは、この売却益のうち簿価分が国庫納付できないという条項になっているんですが、今、年内に独法整理合理化計画を作ると、そういうスタートをするに当たりまして、来年度の通常国会で独法通則法の改正又は個別独法一括改正によって、この各独法で不動産売却益が出た場合には全額国庫に納入できるようにすべきと考えますが、まず増田総務大臣の見解をお聞きしたいと思います。
  287. 増田寛也

    国務大臣(増田寛也君) 今、先生から具体的な事例についてお話がございましたんですが、この独法制度をつくりましたときに、この独法が業務を確実に実施するために必要な財産的基礎を有しなければならないということになっておりまして、今私が申し上げました財産的な基礎の内容というのは個別の法人ごとに異なりますので、法律の立て方としては全部個別法でいろんなことを規定すると、こういうふうにした経緯がございます。  そして、そういう中で、政府で年内にこの独法の整理合理化計画の一環として、御承知のとおり資産・債務改革に今取り組んでいるわけですが、今後、複数の法人において、これはかなり今後、数上ってくると思いますが、持っております土地建物等の実物資産の売却、あるいは今先生からお話ございました国庫返納等を行う、こういう場面が想定をされるだろうと私どもも思っております。  そこで、今、やはりそうした実物資産、印刷局の例も今お話がございましたけれども、こういうのは国庫返納というのがやはり考えられると思いますので、私ども、どのような法的手当てがこれから必要なのか、やはり個別の法人ごとにいろいろ事案それから個別法の規定に即して考えていきたいと、政府としてもそうした際の内容についてはどういう法的手当てをしてそれを実現していくのか、その点について今後検討していきたいと、このように考えております。
  288. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今の件について渡辺大臣、いかがですか。
  289. 渡辺喜美

    国務大臣(渡辺喜美君) 今、増田大臣が話されたように、個別法の世界になっているんですね、こういう仕組みが。そうすると、やはり各省ひも付きの天下り機関という国民の批判がいつまでたっても払拭できないではないかという批判が当然出てくるわけでございます。  したがって、八月十一日の閣議決定においてはっきり明言しておりますように、事務事業の見直しに応じて不要となった土地建物等の実物資産の売却、国庫返納等を行うなどの観点から見直しを進めていくことが大事でございまして、先ほど申し上げた減量化会議等と連携をしつつ、計画の策定に向けて精力的に今取り組んでいるところでございます。
  290. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 是非、次の通常国会でこの部分についてはよく両省で話し合っていただいて実現をお願いしたいと思います。  あと、文科省関係もう少し聞こうと思ったんですが、時間が大分掛かっていますので、ここで文科省関係は以上でございますので、渡海大臣、退席いただいても結構でございます。済みません。またそのとき聞きますから、いずれ。  次、厚労関係に移りたいと思っております。  我が党は、昨年、行革の関係で公益法人に造成された基金ってあったんですね、これを全部チェックしようということでチェックしまして、二〇〇七年度から三年間で一千七百億円以上を捻出したんですよ。これをベースにして実現したのが児童手当の乳幼児加算だったんです。つまり、行革で捻出したお金を社会保障に回すと、こういう考え方は我々の党は非常に重要と思っております。  一方、政府の二〇〇六年の骨太の方針では、過去五年間で社会保障の伸びを一・一兆円削減した実績を踏まえ、二〇一〇年までの五年間についても同様に増額を一・一兆円、つまり一年当たり二千二百億円削減するということを決めているわけでございます。そして、これらを実現するために、与党としては高齢者医療費や母子加算、母子家庭の児童扶養手当の負担増というのが決定されてきたわけでございますが、これらについては選挙を経て見直しとなっているわけでございます。  さらに、これらの二つの財源で約千五百億程度の多分財源が要るだろうと、これを何とかしにゃいけないと思っておる、シーリング外でしにゃいけないと思っておるわけでございます。  また、今回、肝炎対策もまとめられまして、年間約二百五十億の、七年間で一千八百億の金が要るという状況もございます。私は、社会保障に無駄があってはならないとは思いますが、それ以前に特別会計や独立行政法人等の行財政改革の徹底を進めるべきであると考えております。  そこで、一度閣議決定されました骨太の方針でありますが、あえて社会保障の分野の見直し、新たなニーズが発生していることに対し、厚生労働大臣及び行革大臣質問したいと思います。
  291. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) 浜田委員の問題意識は極めて的確だというふうに思います。やはり無駄を徹底的に省いていく、そしてそれを財源に充てる、これが基本だと思いますが、しかし、しからばすべて絞り出すだけで財源が賄えるかというと、とてもやっぱりそういうことではないだろうと。相当の努力をしています。  今年の二千二百億円、御承知のように、片一方では薬価基準を引き下げる、もう一つは被用者の保険の間のやりくりをやる。例えてみれば、へそくりをたたき出してこれでもかこれでもかと、本当にもういよいよ出ないぞというところまで行っています。そして、二〇一一年にプライマリーバランスの黒字化をやると、この目標がある。それで、人件費二・六兆円を切るというようなことをずっと決めていっています。  ですから、我々は、政府・与党、この骨太の方針でこれ決めましたので、少なくともこれは政府の方針として粛々とやっていかざるを得ない。そのために知恵を働かせ、医療の効率化、合理化を図っていくし、いろんな無駄を排しています。しかし、委員がおっしゃるように、私はやっぱりそろそろこれは限界に来ているかなと。今年はもうその方針ですから、ですから、この国会においてきちんと議論をして、やはり必要な負担は国民に求めた上で、低福祉低負担、高福祉高負担ということをやっぱり国民の皆さんにも御理解を賜りたい。したがって、きちんと消費税の議論を含めて財源議論をやるべきであると、そういうふうに思っております。
  292. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 渡辺大臣、いかがでしょうか。
  293. 渡辺喜美

    国務大臣(渡辺喜美君) 行革大臣立場としては、行革推進法の理念に基づいて極力無駄を省いていく、後世代にツケ回しをしない、こういう精神が大事であると考えております。  もう既にいろいろな改革に手を付けております。例えば、特会改革においては、財融特会の準備金十二兆円、これを一般会計に返していただくということはもう既に決めております。また、総人件費改革にも取り組んでいるところであります。二〇一〇年までに五・七%の純減という目標を設定をし、これを進めているところでございます。  また、独法改革は私に与えられたミッションでございますが、これも聖域なき改革として百一独法を全面見直しをしているところでございます。事務事業の全面的な見直しと同時に、人、資産、お金、こういう観点からの無駄を極力省いていこうという精神で頑張っているところでございます。
  294. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 先ほど舛添大臣から、そろそろ限界に来ているというお話もございました。我が党としても、税制議論とともにこの社会保障の今後の在り方、つまり骨太の方針の中での在り方を、新たな抑制目標を作った方がいいんではないかという議論もありますので、是非広く議論をさせていただきたいと思っております。  それで、先ほど実は質問一つ飛ばしてしまったんですが、今、渡辺大臣から資産という話もあって思い出したのが、この資産の譲渡をする場合の価格の問題なんですね。これは国有財産や独法の財産を地方公共団体に売却する場合、簿価の一定額まで減額できるよという規定があるんですよ。  これは舛添大臣是非聞いてほしいんですけれども、これで使ってやったのが年金福祉事業団のグリーンピア、あれは何と十三件で簿価が千百二十三億あったんですよ。売った価格が幾らかというと、地方自治体などに売ったのが四・二%の四十八億円、こういうのが本当に許されるのかと私は思っているわけでございまして、確かに地方自治体だと分かりますけれども、国よりも割と裕福な自治体が多い中で、こういう国有財産、独法財産を処分する場合であっても基本的には最高利益を得ることを基本とするべきと考えますが、まず財務省の見解を聞きたいと思います。
  295. 森山裕

    ○副大臣(森山裕君) 浜田議員の御指摘のとおり、国の財政状況は大変厳しいところであります。  また、行革推進法や閣議決定をされました基本方針二〇〇六におきましても、売却が可能な国有財産の売却は促進をするということとなっております。国有財産の売却に当たりましては、財政法第九条の趣旨に照らしまして、適正な対価なくしてこれを譲渡してはならないということを基本としながら、不動産鑑定士の鑑定評価等を基に算定をいたしまして、時価により売却することを基本としているところであります。  地方公共団体に対する売却を含めて、財務省としても引き続きこのような考え方で対応してまいりたいと思っております。
  296. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 よく分からなかったんですが、適正な対価ということですが、実は増田大臣にはこの質問は通告していなかったんですが、いわゆる独法を持っておられる、また地方自治体を持っておられる、そういう観点から、この売却額についてもし個人的な見解がございましたら一言いただけませんでしょうか。
  297. 増田寛也

    国務大臣(増田寛也君) やはりそれだけお金を使って建てたもの、これは確かに相手、公共団体でありますけれども、有効活用しておられるんだろうと思いますが、その間にある大変大きなギャップ、これに対してやはり国民の目線ということから考えるといろいろ問題が含まれているんではないかと、私の感想になりますけれども、そういうふうに思うところでございます。
  298. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございました。  増田大臣、以上でございますので、退席いただいて結構でございます。  次に、厚労省関係の個別独法の話に移らせていただきたいと思います。  前回の本委員会でも野村委員から質問がございました雇用促進住宅でございますけれども、これについて当初三十年で廃止だったものを十五年にすると。しかし、今進んでいないのをちゃんと進めるという岸副大臣の決意もお聞きしたわけでございますが、十五万戸残っているんですね。この評価額、簿価が四千七百億、仮に一・七倍で売却できるとすれば約八千億以上で、十五年で達成するとしても毎年五百億程度の売却益が出るんじゃないかと期待しています。そんなにいいものばっかりじゃないんですが、たまには品川に一戸六千万円程度で売れるというのもあるようでございます。  ところが、そういう弱者に対して追い出すのはけしからぬじゃないかという声もあるんですが、この移転就職者という言わば弱者が占めているんじゃなくて、そういう人たちはもう二割以下なんですね。ほとんどは一般入居者八割になっていると。  そこで厚労大臣にお聞きしようと思いますが、雇用・能力開発機構の雇用促進住宅を今後十五年で最大収益を確保する方針で売却していくに当たり、売却益はどの程度になると予想されているのかと。また、特別会計の当該売却益を母子家庭や障害者の就労支援等、現在一般会計で賄われている他の社会保障事業に財源として活用するにはどの程度の予算額がそれで使えると思うかと。また、それともそれができないのであれば保険料を再引上げするのが妥当であるか、御見解をお聞きしたいと思います。
  299. 太田俊明

    政府参考人(太田俊明君) 今お話ございましたように、雇用促進住宅につきましては、規制改革推進のための三か年計画、閣議決定されたものによりまして、平成十九年度から十五年間で譲渡、廃止することになっております。これは民間シンクタンクより提出されました住宅の早期事業廃止に向けた報告書を踏まえて決定されたものでございまして、この報告書によりますと、十五年間で譲渡、廃止を完了した場合の売却収支は約百四十一億円と試算されているところでございまして、年平均にいたしますと約九・四億円となるわけでございます。  また、続きまして、御指摘いただいた母子家庭の母や障害者等の職業的自立に向けての就労支援につきましては、これは国民全体で支えていくべきという観点から、これらの経費につきましては租税を財源とする一般会計で措置しているところでございます。  これに対しまして、先ほどの雇用促進住宅は、事業主の共同連帯の考え方に基づきまして、事業主が拠出しました保険料を財源とする雇用保険三事業により整備したものでございまして、この売却収入を、同事業の考え方とは関係なく、直接的に就労支援とか他の社会保障の財源として充当することは必ずしも適当ではないと考えているところでございます。  したがいまして、今、雇用保険は二事業になっておりますけれども、この保険料につきましては、その収支状況に応じて弾力的に保険料の引下げを行う仕組みとなっておりまして、本年の法改正におきましても継続して保険料を引き下げることが可能となっているところでございまして、実際に十九年度も千分の三・五から千分の三に引き下げておりますし、また、来年度におきましても継続して千分の三に引き下げていきたいというふうに考えているところでございます。
  300. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今の答弁で変な数字があったんですよね。雇用促進住宅を売却しても合計百四十一億円という話がありました。どういう計算でしょうか。これは独法の資産債務改革で、いわゆる行革事務局でやっているデータなんですけれども、雇用・能力開発機構の雇用促進住宅のバランスシート上の価格は四千六百七十億なんです。なぜそれが百四十一億でしか売れない、どういう計算ですか。
  301. 太田俊明

    政府参考人(太田俊明君) これはプラスマイナスの収支を総計した全体の数字でございまして、住宅を売却する際に立ち退き料でございますとか、あるいは建物の取壊し費用などの経費を控除して計算しておりますので、全体として最終的な収支が、この報告書を見ますと約百四十一億円になるということでございます。
  302. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 その立ち退き料が問題なんですよ。実はこの立ち退き料、今後十五年払うんですけれども、まず、本当の移転のために入ってきた人は二割しかいない。働くために入っているという普通の人に対しても何で払う必要があるんですか。二割でいいじゃないですか。また、十五年間で払うにしても、最初百万円払うけれども、早く出ていってほしいんだから次はだんだん減らしていくというのが民間のやり方ですよ。最後まで残っても百万もらえるなら残っちゃうという、そういう発想をしているから国に金が残らないと思いますけど、大臣、いかがですか。
  303. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) 御指摘の点は、正に民間の考えからいくとこれはちょっとおかしいなと思えると思いますが、どういうルールで、どういう規則でこういうものをやっていくのか。つまり、売却するときに売却する側で非常に自由裁量が利くのか、それとも一定の一つのルールできちんと縛りがあって、例えば今の立ち退き料は一定でやらないといけないという決まりがあるのか、そこによりけりだと思いますので、それはまたきちんと精査した上でお答えを申し上げたいと思います。
  304. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 是非精査をしていただいて、少しでも国の資産が残る形で、しかも残った資産が国庫に入って本当に福祉のそういう分野に流れていくようにお願いしたいと思います。  その上で、なかなか厚労省だけで特会で回していくと回らないかもしれませんので、次、財務省にお聞きしますけれども、特会法の八条の剰余金の処理、二項を使えば、法律上、特別会計のどんな剰余金もあらゆる分野に流用可能と考えますが、それでいいでしょうか。また、今までその適用例があるでしょうか。財務省に御答弁願います。
  305. 香川俊介

    政府参考人(香川俊介君) 特別会計に関する法律第八条におきましては、事業を行う特別会計の決算上の剰余金が出ました場合に、まず積立金として積み立てる必要がある金額を控除いたしまして、さらに、当該特別会計の翌年度の歳出の財源に充てるため、翌年度の歳入に繰り入れる必要のある金額を控除いたします。それで、残余につきまして、各特別会計の財政状況等も考慮しつつ、予算で定めることにより、一般会計に繰り入れるという剰余金の処理に関する特会共通のルールを定めているところでございます。この規定の趣旨に沿いまして、各特別会計の決算上の剰余金から、予算で定めるところにより、一般会計への繰入れを行うことが可能となっておりまして、繰り入れられた金額は一般会計歳出全体の財源に充てられるということとなります。  十九年度予算におきましては、特会の事業を行うすべての特別会計につきましてこれらの精査をいたしまして、七つの会計から合計一兆八千億を一般会計へ繰り入れることとしたところでございます。
  306. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 十九年度に七つの会計から一兆八千億、かなり大きな額だと思っています。そういう意味で、特会の中で剰余金をなるべく多く出して、そしてこの特会法の条文を使って、使えるものは福祉の分野なりに回していくということで、是非新たな抑制目標に変えていただきたいと思います。  もう一つ個別の問題なんですが、独法からのいわゆる天下りと、そして随契の関係が問題になっているわけです。それは、雇用・能力開発機構でいえば、雇用促進住宅の管理、修繕を行っている雇用振興協会という財団があるんですね。ここには毎年三百億前後の巨額の随意契約がなされていると。常任理事、監事四名はすべて天下り、労働省、財務省からの天下り。職員七百三名のうち、管理人とかもおられますけれども、それも含めて二割、百四十九名が防衛省なり厚生労働省からの天下り又はOB、また独法からの天下りも少しおられると。  しかも、この随契三百億円の七八%が再委託になっているということで、私は、この契約は、たまたま北海道から沖縄まですべての雇用促進住宅を管理せいと言うがゆえにこういう随契になるんじゃないかと。もう少しブロック別とか都道府県別に住宅を分ければ一般競争入札ができると思いますが、この点について大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
  307. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 質問者、局長でよろしいですか。
  308. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 できれば大臣
  309. 太田俊明

    政府参考人(太田俊明君) テクニカルな問題から、私の方でちょっとお答えをさせていただきたいと思います。  この契約方法でございますけれども、今現在は、雇用促進住宅、勤労者等への住宅の提供という機能を有しておりますので、全国一元的に公共的な運営を行うということが望ましいことから、全国組織を有する雇用振興協会に管理、運営を委託しているところでございます。ただ、御指摘のようなこともございますし、今後、雇用促進住宅の譲渡、廃止を加速していく中でこの契約方法の見直し等を予定しているところでございます。  具体的には、入居者の退去の促進等、管理業務以外の譲渡、廃止促進のための援助部分も含めて、効率的、効果的な方法を企画、提案してもらうこと等を考えておりまして、このため、企画競争によりまして委託先を決定することとしたいと考えております。それに当たりましても、全国一元的ではなくて、どういう単位が本当に効果的なのか、効率的なのかを十分検討していきたいということでございます。
  310. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) 浜田委員おっしゃるように、これもうとにかく十五年掛けてなくしていくやつですね。やはりこの機構は常識的に考えていろんな問題があります。最後、この仕事を全うするプロセスにおいても、やはり見直すべきものは、今の随意か一般かということも含めてきちんとやらないと、もうこれ廃止するんだから廃止の仕方がどうでもいいというわけにいかないと思いますので、貴重な御提言賜りましたことを受けて、きちんとまたこれは検討させていただきます。
  311. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございました。是非御検討いただいて、いい形での契約、また、それによって国民が雇用・能力開発機構や厚生労働省に対する信頼が出てくるんだと思っております。  もう一点、最後に質問したいと思いますのが、この借家契約の関係でございまして、実はこの廃止が決まりましたのが、平成十三年十二月にこの雇用促進住宅が廃止が決まったと。しかし、その定期借家契約ですね、いわゆる期限を定めて借家契約を結ぶというのが導入されたのが平成十五年十一月と、約二年間遅れたわけでございます。この間に、少なくとも二万六千戸の方が廃止期限を前提とした定期借家契約を結んでこなかったということが実態があるわけでございます。  私自身は、本来であれば、こういう廃止が決まっていたわけでございますので定期借家契約を結ぶべきだったと。それを見過ごしたその担当の独法の方また厚労省の方は、それなりのやっぱり負担をこれについては考えるべきじゃないかと。つまり、これは単なるこの独法の剰余金とか売却益だけじゃなくて、何らかのそういう方々の負担を考えてはどうかと思いますが、大臣、御見解いかがでしょうか。
  312. 太田俊明

    政府参考人(太田俊明君) 今お話ございましたとおり、雇用促進住宅につきましては、平成十三年の十二月に閣議決定で廃止が決まったわけでございますけれども、そのときには、現に入居者がいることを踏まえた早期廃止のための方策を検討して、できるだけ早期に廃止ということが十三年十二月に閣議決定されております。  これを受けて、不動産や法律等の専門家等により構成されました雇用促進住宅の基本問題検討会が厚生労働省に設置されまして、十五年の五月にこの検討会の報告におきまして、具体的に三十年程度を目途に事業廃止に努めることが適当とされまして、またそのときにこの研究会で、今後の新規入居者につきましても定期借家契約とすることが適当とされたわけでございまして、これを踏まえて十五年十一月に定期借家契約を導入したものでございます。  したがいまして、十三年十二月に特殊法人等の整理合理化計画が閣議決定された時点におきましては、この明確な譲渡・廃止期限が定められておらず、また、譲渡までの間、雇用促進住宅につきましてどのような運営管理を行っていくのが適当かどうかという検討を行っていたことから、それまでの運営管理方法を変更しなかったという経緯がございます。
  313. 舛添要一

    国務大臣(舛添要一君) まあ、その雇用促進住宅というようなものをもう国がやる時代は私は終わっていると。そういう意味で、きちんとこれは整理していかないといけないと思いますし、新しい定期借家権というのが生まれたら、それはすぐ取り入れるような行政における柔軟性も必要だと思いますんで、多々反省すべき点があると思いますんで、今後の施策に生かしていきたいと思います。
  314. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 以上、終わります。  ありがとうございました。
  315. 大門実紀史

    大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。  額賀大臣質問をいたします。先ほど、うまく切り抜けたというお話がありましたけれども、まだまだ油断なさらない方がいいんではないかというふうに申し上げておきたいと思います。  今日は、額賀大臣に、山田洋行よりももっと大きな会社の話を質問したいと思っておりましたけれども、先ほどパーティー券の問題で幾つかやり取りありましたんで、一つ二つだけ聞いておきたいというふうに思います。  あれは、山田洋行は一人二万円の朝食会というふうにおっしゃったわけですけれども、相当高い朝食会だなと思いますが、平成十四年から十九年で二百二十万円のパーティー券を山田洋行に買ってもらったと。若干我が党のカウントとは違うんですが、いずれにせよ、その答弁を中心にして聞いておきたいと思いますけれども、実際は何人がそのパーティーに山田洋行から参加されましたか。
  316. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは政治資金パーティーでございますから寄附金とは違うわけでございまして、我々は、多くの友人や企業に御案内状を出させていただいております。そして、そのパーティー券を買っていただくかいただけないかは相手側の判断で決まるわけでございます。  したがって、その朝食会の席に来られる方々は、先ほども申し上げましたけれども、百人から百二十人前後であると、平均的に言うとそれくらいであると。その都度、どういう人が、どこの人が来られるかということについて記録を作っておりません。その来られる方の一人一人のお名前を全部記録しているわけではありません。
  317. 大門実紀史

    大門実紀史君 我が党はパーティーとかやりませんけど、通常は参加名簿があるんじゃないかと思うんですよね。  いずれにせよ、先ほどの白先生の話からすると、全体として実際の参加者は何分の一かだと、パーティー券を買ってもらったうちのですね。そうすると、この山田洋行に関して言いますと、実際に参加した一人分はまあ二万円として高いとしても、まあそれはそれとして、券だけ買ってもらって参加されなかった人の分は、私は当然お返しすべきだと思うんですが、そういうことはされているんでしょうか。
  318. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 政治資金パーティーというのは、対価がある中で、研究成果を報告したりあるいはまた学識経験者の講師を招いていろいろと見識を広めてもらったり、そういうことで催物がされているわけでございまして、その収入から経費を引いたものについては主催者が政治活動費として使えることになっているのは御承知のとおりでございます。一方的な利益を与える、いわゆる無償資金供与みたいな寄附とは違うわけでございます。  したがいまして、参加する方々あるいはまた買っていただける方々については、私どもが考えるというよりも、相手の方々の判断でなされているわけでございます。
  319. 大門実紀史

    大門実紀史君 私は、実質的なことをお伺いしているわけです。買ってもらって、来なければもう紙切れに山田洋行はお金を払ったと。その分はもう実質的に言えば献金とみなされても仕方がないと思うんですね。  合法的かどうかお聞きしているんではありません。倫理上、それは献金と何も変わらないと私は思いますが、実質的な意味でいかがですか。
  320. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 政治資金パーティーは禁止されているものではありません。
  321. 大門実紀史

    大門実紀史君 明確に、恐らく二百二十万だと一人二万とすると百十人分。しかし、山田洋行はほかの企業と違ってそんなにたくさん参加するわけありません。したがって、少なくとも半分以上は額賀さんに対する献金に該当すると言われても仕方がないし、こういうふうな企業になっているわけですから参加名簿がないことは絶対ないと思います。お調べになってお返しすべきだし、その事実を実際のところ、私は二十二日も財政金融委員会で御質問しますので、それまでに調べて御回答いただければというふうに思います。  今日の本題の方に入ります。  資料をお配りいたしました。これは既に十一月六日の財政金融委員会で取り上げて、東京新聞ほかで全体像を含めてこのまま報道していただいております。それに新たな事実を加えたものでございます。作り直した表でございます。  もう繰り返し、初めてお聞きになる方もいらっしゃると思いますが、今まで明らかになったのは、一つは、この日米平和・文化交流協会ですけれども、昨日、今日の報道によれば、とうとう東京地検特捜部がこの協会に捜索に乗り出したとのことでございます。防衛利権も少し本丸に近づいてきたというふうに私は思っております。  税金の使い方も関係するので決算委員会で取り上げるわけですけれども、一枚目めくっていただけると、この二つの交流協会と安全保障議員協議会、両方の役員名簿を付けておきました。ほとんど国会議員メンバーはダブると、裏表の関係にあるという組織でございます。しかも、今焦点になっていますが、秋山直紀さんという方ですね、これは防衛利権の疑惑の中心人物ではないかと言われている方でございますけれども、交流協会も安保議員協議会も、そしてアメリカ・アドバック社も、みんなこの人が仕切っていると。しかも、このそばですけれども、永田町パレロワイヤルの一一〇四号、同じ部屋でやっていると。まあこれは一緒くたにやっているわけですね。ただし、今は九〇一号に、交流協会の方は批判があって部屋だけ取っておりますが、実質的には今も同じようにやられております。  そして、外務省の独法であります国際交流基金から助成金がトンネルで、交流協会に出されたはずの助成金が安保議員協議会にトンネルで流れているということも、これは外務省にも確認をして、既に指摘して明らかにしたところでございます。  ちなみに、外務省は〇五年に立入検査をやっておりまして、この交流協会あるいは安保議員協議会、この間のお金のやり取り、あるいは協会そのものの財政支出の在り方について厳しい指摘をしております。手元に立入検査通知と大臣命令というのを持っておりますけれども、この中で指摘されているのは、この秋山氏が、〇三年、〇四年当時は非常勤であるにもかかわらず、非常勤に対価を、報酬を払っちゃいけないということになっているにもかかわらず、一千二十万円の報酬を受けているということも外務省が厳しく指摘しているところでございます。十年分の決算資料等、いろんな書類を全部入手いたしましたけれども、今もこの安全保障議員協議会と交流協会の間で頻繁にお金のやり取りが行われています。ですから、今自身もいろんなトンネルになっている可能性があるということでございます。  もう一つは、全体ですけれども、協会も安全保障協議会も、日本防衛企業防衛企業から相当のカンパ、寄附を受けております。守屋次官と宮崎氏のゴルフも問題になりましたけれども、この安全保障議員協議会主催のゴルフというのがかなり開かれております。もちろん会議もやっているでしょうけど、ゴルフとか宴会というのを相当やっております。その経費を賄っているのが日本防衛企業からの寄附、カンパということになっているわけです。非常におかしな組織が国会議員中心になってつくられているということでございます。  さらに、今日、新しい事実として明らかにするのは、防衛庁からこの交流協会が仕事の受注をしています。国土交通省からも仕事の受注をしております。防衛庁は、福岡県苅田港の老朽化学兵器の無害化処理に関する調査事業を交流協会に委託しております、九百八万二千五百円。このときの防衛庁長官は石破さんでございます。国土交通省は、五千八百三十六万円の仕事をこの交流協会に、神奈川県の寒川地区の化学兵器絡みの危険物質調査ですけれども、随契で発注をしております。これも内容が非常に不可解な委託事業でございます。  さらに、この交流協会は、決算書、収支報告書を全部調べましたけれども、こういう仕事を受注して収益事業をやっているにもかかわらず、税金を支払っていない可能性があります。決算書に出てまいりません。  さらに、この交流協会の収入全体も調べてみましたけれども、大変おかしな事態になっておりまして、恐らく、東京地検特捜部が注目しているのはその部分ではないかと思います。〇二年に秋山氏が、渦中の人ですけれども、秋山氏がこの交流協会の専務常勤理事になってからお金の使い方が変質してまいります。  もう細かい数字、時間の関係で申し上げませんが、〇二年から〇六年までこういう企業防衛企業からの収入が一気に増えて、〇七年の予算分を加えると二億四千万円ぐらい企業から収入があります、〇二年から〇七年までの統計ですけれども。特に〇六年に九千四百万円、ほかの年に比べて異常な金額がこの交流協会に入金されています。私は、東京地検特捜部が追い掛けているのはこの部分ではないかというふうに思っておりますけれども、そういうお金の入り方、出し方に非常に不可解なものがあります。  秋山氏はどういう人物かといいますと、このアドバック社で賃金不払裁判があったんですけれども、その被告になっておりまして、原告側が裁判の場で秋山氏の言葉を引用しておりますけれども、秋山氏は、三菱なんかうちの下請だと、山田洋行なんか後回しにしろと、川崎重工なんか待たせておけ、うちがなければ石川島播磨なんて何の仕事も取れないというふうな、まるで防衛企業を仕切る、受注を仕切るような発言をしている人物でございます。これも裁判資料であります。  秋山直紀氏には、私、公益法人の事務局長的役割ですから、私のところに説明に来るようにということで求めましたけれども、来れないということで、外務省を通じて、先ほどのトンネルの問題、いろんな問題を本人に確認をいたしました。また、二回電話で本人と話をいたしました。先週の金曜日にやはり直接会って話をしたいというふうに言いましたけれども、アメリカに行くのでしばらく会えないということを言いました。  東京地検の捜査の関係もあるのかも分かりませんけれども、これは国の助成金も絡む問題でございますから、是非、参議院の決算委員会としてこの秋山直紀氏を証人として呼ぶように、委員長、理事会で協議をしていただきたいと思います。
  322. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) ただいまの大門君の申出につきましては、後刻理事会で協議いたします。
  323. 大門実紀史

    大門実紀史君 要するに、この交流協会、安保議員協議会、アメリカのアドバック社、これが混然一体とマンションの一室で仕事をしているし、中身も何やっているか、もう不可解な部分がまだまだ残されているということでございます。  国の助成金の関係に話を戻しますが、この組織に関係する会議がアメリカで、日米安全保障戦略会議というのが開かれております。これも今マスコミでいろいろ取り上げられ始めておりますけれども、これは憲法を変えていこうということとか、集団的自衛権の問題から、ミサイル防衛から、武器輸出三原則の見直しから、どうも日米の軍需産業が仕事が増えるような議論が、議事録を点検いたしましたけれども、されている。同時に、驚くべきことに兵器の見本市も開催されるという大変きな臭い、生臭い会議だというふうに思います。いずれにせよ、任意団体が主催している会議でございます。  どういう国会議員が参加してきたか、手元に全部名簿を持っておりますけれども、要するに先ほどの、一々言いませんが、先ほどの安全保障協議会議員、役員、このメンバーの中で入れ替わり立ち替わりこのアメリカの戦略会議に参加をしているということでございます。  スケジュール表もその後に付けておきました。この交流協会は、この戦略会議に国会議員が参加する、そのための費用として、先ほど言いました国際交流基金から助成を受けて、助成金をもらって国会議員が参加するという形を取っております。  先ほどのスケジュール表を見ていただいて分かるとおり、大体、いろいろ見積りもいたしましたけど、百数十万円掛かるのに対して、秋山氏が私に言ったのは、議員からは、先生たちからは二十万円の参加費をもらうだけだというふうに言っております。差引き百万円以上は国の助成金、それでも足りなければ日本防衛企業からの寄附で賄っているということです。しかも、各議員が本当に二十万払ったのかも定かではございません。  四枚目に付けておきましたけれども、この助成金をもらうための申請して、そして事後報告書を、会計報告を国際交流基金出すわけですけれども、これもずさんな支給がされております。真ん中の方に助成金の金額があって、下の方に四百万と書かれておりますけれども、大体、毎年腰だめで四百万、五百万が払われているというわけですけれども、実際の支給基準は参加人数掛けるエコノミークラスの飛行機代ということですから端数が必ず出るはずなんですが、右側の実際の支出金額というのは年によっていろいろ違うんですけれども、この助成金だけはどういうわけか四百万、五百万で、腰だめで端数が出ない数字で、後から中で適当に仕分をして端数があるように見せ掛けているということで、これは国際交流基金も私の追及に対して説明不能という事態になっているわけです。  いろいろ申し上げましたが、大変不可解なことでお金が出されて、国民の税金が使われて、そして、こういう会議に国会議員の参加にお金が、国民の税金が使われているということでございます。  額賀大臣にお聞きをいたしますけれども、これはもう東京地検特捜部が捜索も入っている段階の公益法人でございますけれども、この理事を額賀さんは〇五年、〇六年、〇七年、三年にわたって続けてこられました。また、左側の、これ表裏一体の組織ですけれども、裏表ですけれども、安保議員協議会の役員も務めてこられました。秋山氏とも周知の仲だというふうに思いますけれども、前回私は委員会質問したときに、この交流協会と安保議員協議会が一体の組織とは知らなかったというようなことを、まああり得ないと思いますが、答弁をされましたが、いずれにせよ、これは公務でもない任意団体が主催するアメリカのワシントンの会議に参加するために自分が理事をやっている公益法人を通じて国からの助成金を受けて渡航されるというのは、私は、大臣以前に国会議員としておかしいのではないかと、責任を感じられないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  324. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは、日米平和・文化交流協会が日米関係あるいは安全保障問題について米国や日本でシンポジウムを開いたりセミナーを開いたりしていくときに、我々その趣旨に賛同する者が参加費を払って、その公共、公益性のある事業をしているというふうに認識をしておるわけでございまして、それはまた、日本の安全と、それからこの地域の安全にもプラスになる、そういう考え方で同調し、賛同している者が参加されているというふうに理解をしております。
  325. 大門実紀史

    大門実紀史君 勉強するのも何でもいいですよ。自分で金払って行きなさいよということを申し上げているわけでございます。明確に国の助成金で、あなたは何回もアメリカに渡航されているということでございます。  また、スケジュール表にあるとおり、アメリカへ行きますと、アメリカの軍需企業が連日、昼夜の食事会という接待をしておりますし、日本で開催したときは日本企業が同じような、国会議員やあるいは防衛省関係者、ペンタゴン関係者の接待をしているようでございます。こういうことも、接待という感覚を持たれないでずっと参加されてきたということが、私は、守屋次官も三百回もゴルフやって接待の感覚が麻痺していたとおっしゃったように、額賀さんも麻痺しているんじゃないかということを指摘しておきたいと思いますが、時間の関係で次の問題に行きますが、山田洋行どころか、日本で最大の軍需防衛企業は三菱重工、三菱電機含めた三菱グループでございます。  私が十月三十日に額賀さんに伺ったところ、三菱グループとの宴席をともにしたかというふうに聞きましたら、安全保障議員協議会などの忘年会で参加したというようなことをおっしゃいました。会費は払っていないようなことをおっしゃいましたけれども、安保議員協議会の主催だったらば、これそのものが三菱重工を始め軍需企業の、防衛企業の寄附や賛助会費で運営されている組織でございます。そういうお金で飲み食いしたことになります。あるいは三菱重工に払ってもらったら、これは明確に接待ということになります。会費は払われたのでしょうか。
  326. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 安全保障協議会というのは、自らが参画するときはそれぞれが自己負担をしたりしているわけでございます。
  327. 大門実紀史

    大門実紀史君 そういうものは会計報告の書類には出てまいりません。  もう一つお聞きいたします。  大臣は、私が前回委員会質問して、すぐ分からないということなので調べておいてくださいと申し上げましたけれども、三菱グループは港区高輪に開東閣という接待施設、三菱の迎賓館と言われていますけれども、そこを持っております。ここは、少なくとも人を招いておいて会費をもらうという施設ではございません。これは紛れもなく三菱グループの接待場所でございます。  この前お聞きしたら、かつて行ったことがあるということですけれども、会費を払ったかどうか、払うわけないと思いますが、調べておいていただきたいと申し上げましたが、いかがでしょうか。
  328. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは一回行ったことがあるという話をいたしましたけれども、私が役職を持っているときではないんでございまして、日常の活動、あるいはまた人と人と会うのが我々の仕事でございますから、そのことについてコメントするのは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
  329. 大門実紀史

    大門実紀史君 じゃ、会費は払っていないということで理解してよろしいですね。もう再三伺っているわけですが、調べられたと思うんですけれども、そもそも払うような場所ではありませんけれども、いかがですか。
  330. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) だから、我々は日常の中で様々な人と会食をしたりするわけでございまして、それは自分が払う場合もあるし、あるいはまた払ってもらう場合もありますけれども、その時々のことについて私はコメントする必要はないと思っております。
  331. 大門実紀史

    大門実紀史君 三菱重工は、三菱電機と合わせて防衛省から四千億円という全体の三割ですよ、最大の受注企業です。そのことについて答えられないというのはおかしいと思いますので、再度調べて二十二日、当該委員会お答えいただくようにお願いしたいと思います。  最後に、時間がなくなりました。石破大臣に、お願いだけしておきたいと思います。  改めて詳しく取り上げようと思うんですけれども、先ほど、防衛庁からこの協会が受注したのは、その仕事の中身ですけれども、中身を調べてみると、有識者会議をこの安全保障協議会が開いて、そこでいろいろ、そこに防衛庁の職員に出てきてもらって話をしてもらう、アメリカ軍に出てきて話をしてもらう、それで報告書をまとめる。これだったら僕は、当時の防衛庁が自分で有識者会議をやればよかったじゃないかと。しかも、この事務局長が、このときの仕切ったのが秋山直紀さんです。  名簿があるんですけれども、名簿はあるんですが、事務局長名前だけ個人名じゃなくて、安保研究所という名前になっております。大変不可解な事業でございますので、これは、こんな調査委託事業をするのはおかしいと思います。当時の長官も石破さんでございましたので、是非これが適正な事業なのかどうか調べて、御報告をいただきたいと思います。いかがですか。
  332. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 御指摘をいただきました件、当省で調べております。  委員指摘のように、そういう能力がないのではないかという御指摘でございますが、私が聞き取りをいたしましたところでは、いろいろと、どういうところがそういう能力を持っているか、そういう調査もきちんとしたと。この研究所がそういう能力を持っておるということで、ここに委託をしたというふうに承知をいたしております。  委員指摘の点、今後また御質問があればきちんとお答えをできるようにいたしておきます。
  333. 大門実紀史

    大門実紀史君 じゃ、もう終わりますが、とにかくこれは、研究所が能力持っているわけありません、幽霊研究所です、秋山一人でやっている研究所でございますから。そんなところに能力があって頼んだというのはおかしいと思いますので、引き続き当該委員会で追及していきたいと思います。  ありがとうございました。
  334. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  本来は、今日はさきの検査院七報告に基づいて防衛省関係の随意契約にかかわる問題について質問する予定でございましたが、そんな関係で事前通告もしてあったんですけれども、今の防衛省疑惑問題中心にお尋ねをしてまいりたいと、このように思います。したがって、中身は違ってまいりますんで、お二方の大臣にお聞きをいたしてまいりますが、是非お聞き取りよく、よろしくお願いしたいと思うんです。  まず、額賀さんにお伺いをいたしますが、あなたは一九九八年、いわゆる四社過大請求事件と石油談合事件で大変、当時にしてみりゃ、もう額賀さんむしろ犠牲者なのかなと、こう言わざるを得ぬ、こういう問題があり、かつまた二〇〇六年、土木建築官製談合事件、こういう問題、防衛庁長官として在任中にこういう事件がありました。一度は問責決議が出されて可決されて辞任をなさるという事態があり、そしてまた、この防衛庁関係の幹部を処分をする、こういう事件がありました。そういうことを経てきて、いずれも官製談合事件ですよね、当時まだこの法律ができてなかった時代もありますけれども。あなたはこの三つの事件を身をもって体験をされたわけですけれども、はてさて、その上に立って今この守屋問題と、こうなってきているわけですね。  一体、防衛省と業者と、場合によれば政界との癒着構造、どうも私は構造的な問題だと言わざるを得ない。後からもちろん質問してまいりますが、これを断つために、これを断絶をするために今何が必要だというふうに、今財務大臣ですから、逆に言うならば、その点を経験なさった、貴重な経験を踏まえて何をなすべきだというふうにお考えか、まずその点をお聞きしたい。
  335. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今、又市委員がおっしゃるように、九八年、調達本部事件がありました。私も、この問題を解決するためにはどうしたらいいのかということで、又市委員のおっしゃるように、構造的な問題であると。それはまず、戦後の自衛隊の存在というのは、やっぱり第二次世界大戦の後の国民の受け取り方、それから厭戦気分、平和志向、様々な要因の中で、あるいはまた憲法上も問題があるんではないかみたいな中で自衛隊が誕生してきたわけでありますが、その中で、やっぱりどちらかというと、問題が起こったときにはそのふたをして、発覚しないようにあるいはまた表ざたにならないようにという体質があったような気がいたしました。  したがって、これからは、その当時ですが、その当時私が思ったのは、何かが起こったときは国民に説明をして、そして何が問題であるかということを理解していく中で改革をしていかなければならない、そういう体質改善を図ることが必要であるというふうにまず思いました。  と同時に、組織的にも、言ってみれば調達本部を解体をさせて風通しを良くしなければならない。そういうことで組織の解体と組織の変革が起こったわけでありますが、おっしゃるように二〇〇六年に施設庁の不祥事が起こった。そのときも私が長官であって、一体、九八年の事件は何が教訓として生かされたのかということを改めて反省させられたという思いがありました。そこで、ここでも組織的な問題がありまして、施設庁は結果的に解体をしたわけであります。  その上で、やっぱり防衛庁職員それから隊員の皆さん方も、これは国民の信頼を取り戻していかなければならないということで立ち上がったのが、その九八年のときもそうだったし二〇〇六年のときもそうだったと思っております。そして、そのチェック体制をどういうふうにつくるかということが組織的な一つの課題でありまして、外部から第三者を招いて監察体制を強化をさせていただいたというのがこれまでの経緯だったと思います。  自衛隊のあるいは隊員の皆さん方の意識は、私は相当、従前と比べると透明性を持ち、しかもなおかつ責任感を持って私は国家国民のために汗をかくという、そういう方々がほとんどであるというふうに信じておりますし、またそうであります。そういう中で、やっぱりそれぞれの部署部署が自らの問題として緊張感を持って意識改革を図っていくと同時に、その透明性を持っていく形を是非つくってもらわなければならないというふうに思っております。  私は、今後、防衛省に昇格をし、そして国際社会の中で日本が安全と平和を構築していくための新たな問題意識あるいはまた新たな使命と責任があるわけでありますから、きっちりとそういう新たな出発をしていただきたい。その中で守屋前次官の接待問題が起こったわけでございますけれども、これも私は、自分の長官時代も全く気が付かなかったわけでありますけれども、知らなかったわけでありますけれども、やっぱりこういう体質をきちっと変えていかなければならないというふうに思っております。
  336. 又市征治

    ○又市征治君 そこで、今回の問題についてもう少し突っ込んでお伺いをしたいと思うんですが。  あなたは先ほど来、山田洋行からこれまで献金を受けたことはないと、ただしパーティー券は買ってもらった、こうおっしゃっているわけで、このパーティー券は総額で二百二十万円だと、こういうふうにお答えになっているわけでありますけれども、私が調べたところによりますと、この山田洋行の献金リストによりますと、額賀議員の政治資金管理団体、福志政経懇話会へ献金をされた金額が、二〇〇二年十月三十一日二十万円から始まって二〇〇六年三月二十四日まで十一回、計二百二十万円、こういうふうになっているんですが、パーティー券の購入ですから、これとは全く別の話ですね、先ほどの話は。
  337. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 私が御報告を申し上げましたのは、いずれもパーティー券を購入していただいたということでございます。
  338. 又市征治

    ○又市征治君 そうしますと、今私が申し上げた山田洋行からの献金リストでの、あなたのこの福志政経懇話会というのは、これは政治資金管理団体に間違いございませんね。だとすると、これは正に政治資金規正法第二十一条に該当する、これに抵触する脱法行為ということになるんじゃありませんか、こういう寄附が一方でやられているとすると。この点についてはどうお考えですか。
  339. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 政治資金パーティーというのは、対価の代わりに様々な研究成果を発表したり、あるいはまたお互いに知識を向上させるために催物を行うことによって、その収入については政治資金管理団体、その主催者側が政治活動費として使われるというのがこの政治資金パーティーでございまして、これは許されている行為なのであります。  一方的に無償資金供与のような寄附とは性格を異にするものでございまして、我々はそれにのっとって適法、適切にパーティーを開かせていただいてきたということでございます。
  340. 又市征治

    ○又市征治君 それだと、これは一体全体、パーティー券の購入を政治資金管理団体でなさっているということですね。そういうことですね。
  341. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 政治資金パーティーは政治資金管理団体が主催をして行っておりますので、それは当然、先ほど言ったような趣旨で政治活動費としてその収入は使えることができるようになっているわけでございます。
  342. 又市征治

    ○又市征治君 これ、届出されていますか、そうすると。当然のこと、政治資金管理団体ですから届出をされなきゃならぬはずですけれども、届出がされていませんじゃないですか。
  343. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは適法、適切に処理をされているというふうに聞いております。
  344. 又市征治

    ○又市征治君 届出されていないですよ。  届出されているのかと、こう聞いているんですよ。
  345. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 届出をしていると聞いております。
  346. 又市征治

    ○又市征治君 これは是非調べていただいて、改めてこの委員会に御報告をお願いしたい。私の調べでは届出がされていないと、こういうふうに調べておりますので、これはそごがあっては額賀さんも困るでしょうから、是非ともこの委員会に御報告いただくように、これはお願いしたいと思いますが、よろしいですか。
  347. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 私は、事務所報告を受けたところ、適法、適切に処理されていると聞いておりますので、問題がないというふうに認識をしておりますけれども、又市委員がそういうことでありますから、同じことを繰り返すことになるかもしれませんけれども、御報告はいたします。
  348. 又市征治

    ○又市征治君 どう考えても、今日、委員の皆さんはずっとお聞きだったわけですが、朝飯パーティーといって会費二万円、しかし現実問題は、お一人かお二人か、あるいは参加をされない企業などを含めて大変な多額の金が集められていて、これがそういう意味ではもう資金集め、献金とみなされて当然じゃないか、おかしいじゃないかというふうにみんなお考えなんだろうと思うんです。いずれにしても、そういうどうも疑念が私はぬぐえません。  そこで、もう一つ、あなたの方から先ほども出ましたが、五月の安全保障議員協議会訪米団、これは額賀さんが団長で、国会議員が七名御参加になり、そして随行と言うべきか、先ほど来問題になっています秋山さんを中心としながら、三菱重工、川崎重工、石川島播磨重工、NEC、日立製作所、三菱電機、三菱商事、住友商事、伊藤忠商事、双日、丸紅、そして山田洋行、二人参加されていますが、十二社、十七名随行なさっているわけでありますけれども、さてこの訪米団、これの中で、一体全体、額賀さん自体は一体幾ら経費をそういう意味でお支払いになられたのか、現実に、そういう意味ではこの日米平和・文化交流協会から一体全体、額賀さんに係る問題では幾ら負担があったのか、その点について明らかにできればしていただきたいと、こう思います。
  349. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは先ほども申し上げましたけれども、日米平和・文化交流協会が日米の安全保障の問題あるいはまた地域の安全保障の問題等について、アメリカであるいはまた日本でセミナーやシンポジウムを開いております。  そういう中で我々は議論をし、勉強をし、そういう中で米国の知識人や様々な方々と意見交換をしたり議論をして、日米同盟の将来のこと、あるいは又はアジア太平洋地域のこと、世界の安全保障のことについてお互いに議論をしていくことは、我が国にとってもまた米国にとってもそれぞれ国益に利するということで賛同をし、その事業展開に我々も参加をさせていただいているということでございます。したがって、この日米平和・文化交流協会の行事に参加費を払って参加をさせていただいているということでございます。
  350. 又市征治

    ○又市征治君 私がお聞きしたのは、だから、あなたはこの五月の、まあ四月二十七日から長期間になっているわけですが、行かれたときに幾ら負担金はお払いになられたのですかと、こうお聞きしたんです。
  351. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 我々は、参加費用として二十万円を負担をさしていただきました。
  352. 又市征治

    ○又市征治君 それじゃ、一体全体これは、先ほど大門さんからもお示しになりましたが、私も別の形のものを入手しておりますけれども、こうした四月の三十日、ロッキード社、五月の一日、ボーイング社、あるいは五月の四日、ノースロップ社ですか、こういうところとのパーティー、こういったところなどの費用は、これは一体全体、日本側、お支払いになっているわけですか。全くこの会社持ちじゃないんですか、向こう側の、軍需産業持ちじゃないですか。
  353. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 我々は、この社団法人日米平和・文化交流協会のそういうイベントあるいはまたシンポジウム等の行事についての日程に従って動いているわけでございまして、その詳細について知っているわけではありません。
  354. 又市征治

    ○又市征治君 いずれにしましても、先ほどの参加費としては二十万円支払ったと、大変高いホテルにお泊まりになり、こうした夕食なども大変なパーティーがあり、こういう格好で二十万円で済むわけがない、こういうふうにだれもが受け取ると思うんですが、そういう意味では、アメリカの軍需メーカーと直接の飲食というのが国民から極めて疑惑を招く、少なくとも、あなたがおっしゃった日米安保政策の意見交換という本来の趣旨を全く逸脱している、大変国民に疑惑を招くものじゃないのかと、そういうふうに私は思うんですが、あなたはそれは当然のことでいいんだと、こういうお考えですか。
  355. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 我々は、防衛政策あるいは防衛に対してどういうふうに考えていくのか、あるいは各国の情報はどういうふうに整理されているのか、そういうことが日本の安全とこの地域の安全に政治家として必要である、そういう考え方の下にこの事業展開に賛同して参画をさせていただいているわけでございまして、我々は、お互いにそういう世界の国々と国際協調しながら、そして世界がどういう状況に置かれているのか、そういうことを知るためにも非常に私は有意義なシンポジウムであったりセミナーであったというふうに思っております。
  356. 又市征治

    ○又市征治君 せっかく国民の皆さんにね、額賀さん、いろんな疑惑を持たれた問題を解明できる場で、だんだんむしろ疑惑を深めておいでになるんじゃないんですか。  私がお聞きしているのは、こうした軍需産業側が主催をするパーティー、夜の夕食会、ここにお出になっているのに、それは食事会の会費をお支払いになっているのかと。また、そういう意味では、あなたがおっしゃる安保政策の意見交換と言うけれども、直接軍需メーカーとの飲食というのは逆の意味で疑惑を招くんじゃないですかと、こう申し上げているんですが、全くそらされている。こういう格好ですから、これは疑惑は全然深まっていくだけじゃないですか。  もう一つお聞きをしておきたいと思うんです。  あなたは記者会見で、先般、いや全く記憶がない、これまで宮崎氏や守屋氏から接待を受けたことはないと、こう全面否定をなさっているわけですが、宮崎さんは東京地検でそのことを供述をなさっているというふうに報道がされています。守屋さんは、御存じのとおり国会の証人喚問であなたと宴席での同席を証言をしている。つまり、これは偽証罪に問われるおそれがあるということを当然踏まえた上で証言をなさっているわけですから、かなり私たちは信憑性が高いものと、こんなふうに思うんですが、改めてもう一つお伺いしておきたいのが、接待を受けたことは全くないんだという断言をなさっているのか、いや、むしろそういう接待を受けたかどうかというのは記憶にないんだというふうにおっしゃっているのか、この点もう一度お聞かせください。
  357. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 私が言っておりますのは、山田洋行関係者から接待を受けたようなことはないということ、それから宮崎さんが主催されるような会合に出たことはないということ、したがって今度の接待問題とは全く関係がないということを言っているわけでございます。  それから、守屋証言については、先ほども申し上げましたけれども、ジム・アワー氏が参加する中で宮崎さんや守屋さんもおられて、私もその多勢の中で出席をしていたということについてはすべて、自分の日程とかジム・アワーさんとのかかわり合いとか、本当にしっかりとこれまで調べまして、その結果そういう記録は全くなかったということで先ほど御報告をさせていただいたということなのでございます。
  358. 又市征治

    ○又市征治君 これは委員長にお願いを申し上げたいと思うんですが、私も実は、時間がなくなってくるものですから、少なくともこの決算委員会としては、独立行政法人国際交流基金から、先ほど大門委員が追及をいたしましたけれども、助成金がここに出されている、こういう問題になると極めて重大な問題でもありますから、決算委員会で引き続き、この問題については更に引き続いてやっていただくことを、是非取り扱っていただくようにお願いしたいと思いますが。
  359. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 委員会の持ち方等につきましては、また理事会で協議いたします。
  360. 又市征治

    ○又市征治君 そこで、時間がなくなってしまいました。どうも説明が釈然としない、先ほども申し上げたとおりでありまして、引き続きやっていただく、そのことをお願いをしてまいりますが。  最後に、石破大臣にお伺いをしたいと思うんです。  一番冒頭に額賀さんにお聞きをした、こうやって防衛省、前の防衛庁を含めて、こうした官製談合とか幹部のこうした不正問題がずっと起こってきたと。そこへもってきて、とうとう官僚のトップ、これが今こういう疑惑が起こってきているという問題ですね。そして、既に幾つも伝えられていますけれども、例えば、石破さんが大臣になられる直前かどうか、一回目のときになられる直前かどうか、この山田洋行の装備品の水増し問題ということなど、今から六年前ですかね、五年前ですかね、明らかになりました。ところが、これはほかのところなんかでこういう問題、あるいは防衛庁の時代も、そんなことあった場合には入札参加停止、当たり前のことですよ。こういうことなどをやられてきているわけですが、これが処分もされていないという問題が現実に起こっているということなど含めてあるわけですが、さっき額賀さん、それなりに自分では頑張った、努力したと。何とか、こんなことは構造的な問題だから、なくすために努力したと、こうおっしゃったんだが、現実問題としては、もうそれこそ事務方のトップにまでこういうところに来て、そして、それこそ一千五百万円からに上るゴルフ接待がありましたと、こういう話まで出てきている。今申し上げた、こうした処分もないという問題も起こっているということなどあるわけですが、今現在、本当にこんな構造的な問題を変えるために、防衛大臣としては何を今すぐしなきゃならぬとお思いなのか、この点を、今の時点の問題をお聞きしておきます。
  361. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 当省、まだ防衛庁時代からいろいろと不祥事がございました。そのたびにいろんな対策は打ってまいりましたが、最近で申し上げますと監察本部というものをつくったと。私は、党におりますときにこれをどうするかという議論を相当いたしましたが、とにかくもう抜き打ちで監査を行う、監察を行う、そして相手が次官であろうがだれであろうが、それは抜き打ちで、相手はだれであれきちんとした監察体制をしくということで今回も特別監察を行ったところでございます。あるいは、警務隊の体制をどうするかということはこれからきちんと議論をして、きちんとしたそういう体制を確立をしていかねばならないと思っております。  また、更に申し上げれば、この防衛省という、日本である意味最大の組織でございます。それを統制するのが政治ということになっておりますが、防衛大臣、副大臣、政務官二人という体制で本当にこれで足りるのかという議論はやはりしておかねばならないことだと思います。  そして、文民統制というのは何も大臣だけが行うものではございません。国会による文民統制というものもあるはずです。あるいは、司法による文民統制というものもあるのであって、情報開示の仕方というものも併せて本当に文民統制がなされているか、特に議会、それから行政、政治という意味ですね、それによる統制というものの在り方はこれでいいのかということは、町村長官も先ほど委員会お答えになりましたが、官邸主導という形でやってまいる、防衛省としてもきちんと検討してまいる、一度本当にこれでいいのかということを徹底して議論をする必要があろうかというふうに私は思っております。
  362. 又市征治

    ○又市征治君 時間が参りましたから、今日のところはこれで終わりたいと思います。
  363. 小川敏夫

    委員長小川敏夫君) 本日の調査はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時八分散会