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2007-12-04 第168回国会 参議院 外交防衛委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十九年十二月四日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  十二月三日     辞任         補欠選任         徳永 久志君     榛葉賀津也君      牧山ひろえ君     大久保潔重君      山内 徳信君     近藤 正道君  十二月四日     辞任         補欠選任         大久保潔重君     米長 晴信君      榛葉賀津也君     徳永 久志君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         北澤 俊美君     理 事                 浅尾慶一郎君                 犬塚 直史君                 藤田 幸久君                 佐藤 昭郎君                 山本 一太君     委 員                 大久保潔重君                 喜納 昌吉君                 佐藤 公治君                 榛葉賀津也君                 徳永 久志君                 白  眞勲君                 柳田  稔君                 米長 晴信君                 秋元  司君                 浅野 勝人君                 木村  仁君                 小池 正勝君                 佐藤 正久君                 浜田 昌良君                 山口那津男君                 井上 哲士君                 近藤 正道君    国務大臣        内閣総理大臣   福田 康夫君        外務大臣     高村 正彦君        防衛大臣     石破  茂君        国務大臣        (内閣官房長官) 町村 信孝君    内閣官房長官        内閣官房長官  岩城 光英君    副大臣        外務大臣    木村  仁君        防衛大臣    江渡 聡徳君    大臣政務官        外務大臣政務官  小池 正勝君        防衛大臣政務官  秋元  司君    事務局側        常任委員会専門        員        堀田 光明君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       福島 克臣君        内閣官房内閣審        議官       鈴木 敏郎君        法務省刑事局長  大野恒太郎君        外務大臣官房審        議官       梅本 和義君        外務大臣官房審        議官       本田 悦朗君        外務大臣官房審        議官       草賀 純男君        外務大臣官房参        事官       伊原 純一君        外務大臣官房参        事官       羽田 浩二君        外務大臣官房参        事官       廣木 重之君        外務大臣官房広        報文化交流部長  山本 忠通君        外務省北米局長  西宮 伸一君        外務省中東アフ        リカ局長     奥田 紀宏君        外務省国際法局        長        小松 一郎君        防衛省防衛参事        官        小川 秀樹君        防衛大臣官房長  中江 公人君        防衛大臣官房技        術監       佐々木達郎君        防衛大臣官房審        議官       門間 大吉君        防衛省防衛政策        局長       金澤 博範君        防衛省運用企画        局長       高見澤將林君        防衛省人事教育        局長       渡部  厚君        防衛省経理装備        局長       長岡 憲宗君        防衛省地方協力        局長       地引 良幸君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の  実施に関する特別措置法案内閣提出、衆議院  送付)     ─────────────
  2. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) ただいまから外交防衛委員会開会をいたします。  委員異動について御報告をいたします。  昨日、山内徳信君、牧山ひろえ君及び徳永久志君が委員辞任され、その補欠として近藤正道君、大久保潔重君及び榛葉賀津也君選任をされました。     ─────────────
  3. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動実施に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官福島克臣君外二十一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────
  5. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動実施に関する特別措置法案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。榛葉賀津也君
  6. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 民主党榛葉賀津也でございます。  本日は、総理並びに関係大臣にいわゆる新テロ特措法給油新法と言われるものについて質問をさせていただきたいと思いますが、総理がおっしゃるように、インド洋での活動日本が油を給油することも大事でありましょう。しかし私たちは、それ以前にもっと大切なものがある。それは、油を出す前に防衛省に絡むうみをしっかりと出さなければならないということでございます。  実は、本日、私は、この質問に際しまして、額賀財務大臣に御質問をさせていただきたいと要求をいたしましたが、これを断られました。むろん、額賀大臣が出る出ないは政府関係事項ではなくて、委員長を中心とする外交防衛委員会理事会によってお決めになることでございますけれども、私は面白半分で額賀大臣にこの場所に来ていただきたいと言ったわけではございません。九八年の調本問題、そして昨年の防衛施設庁の談合問題、このときの担当大臣が正に額賀先生でありまして、そのときの反省がどうなっているのか、何でこんなとんでもないことが三たび起こらなければならないのか、そのことをしっかりとお伺いしたいために額賀財務大臣お願いをしたんですが、結局額賀大臣はこの場所に現れませんでした。  総理お願いをいたします。  党派を超えてこの防衛省の問題はきっちりと私は真相究明しなければならないと思っています。是非とも、自民党総裁として全力を挙げて、この国会の場においても、立法府の場においてもこの真相究明をすることに対して御尽力を、そして御理解をいただきたいと冒頭お願いをしておきたいと思います。  さて、四年以上にわたりまして我が国防衛安全保障のいわゆる事務方のトップでありました守屋氏が逮捕をされました。そして、事もあろうに、国防の司令塔である市ヶ谷の防衛省東京地検特捜部が入って、何と十二時間にも及ぶ家宅捜査が行われた。それがリアルタイムでテレビを通じてお茶の間に流れていった。国民は大きなショックを受けると同時に、とんでもない怒りを私は覚えたと思っております。今捜査によって真実が明らかになると思いますが、政府も、そして私たち国会も真剣にこの問題を扱わなければならない、まずこの真相究明をすることが最重要課題であると私は思っております。  さきの参議院選挙民主党は勝たせていただきました。しかし、先輩方に怒られるかもしれませんが、私は、決して民主党のマニフェストが自民党のそれよりもより優れていたから国民民主党を支持しただけではないと思っております。消えた年金、増えた税金、与党のおごった政治、何とか還元水ばんそうこうを張った大臣もいた。それ以上に、国民に広がる真剣な格差問題、教育、医療、地域、様々な問題で今国民が悲鳴を上げている。官僚も含め、与野党を超えて、広義での政治が今こそしっかりと襟を正さなければならないときにこのとんでもない不祥事が起きたわけであります。国民への裏切り、防衛省外交安全保障に対する国民信頼は今、地に落ちているわけでございます。加えて、二十七万とも言われている自衛官を含む防衛省職員の問題、彼らのプライドはずたずたになりました。  総理はこの問題の言わば最高責任者として、まず国民にしっかりとおわびをし反省をするべきだと思いますが、総理、いかがでしょうか。
  7. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 今般、我が国と申しますか国家としての基本的な役割を果たす、そういう部門を担っている防衛省においていろいろな不祥事が生じたということは誠に遺憾なことだと思っております。特に、これらの問題が過去にもあった、そしてその反省を踏まえてという、そういう中で起こったということは極めてこれは重大なことだというように思っております。  そういうようなことが再発をしないように、これはもう根本から防衛省、改めていかなければいけないと、このように思っているところでございまして、この問題の重要性認識した上で、政府において防衛省改革会議というものを立ち上げたところで、昨日、その第一回の会合を開きました。そして、その中で様々な討議をしていただき、そして原因の究明も併せてやっていただくということになっておりますので、この結論をまずは待ちたいというように思っております。  しかし、そうはいっても、事態は刻々と動いておるわけでありますから、現在、そういうような問題は問題として、現在起こっていることに対する対処、これはしっかりやらなければいけないということで、防衛大臣に、気を引き締めてこれらの問題に当たり、なおかつ防衛省の、また自衛隊の運営に支障の起こらないようなそういう対応をするようにということを求めておるところでございます。
  8. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 防衛省はかつて防衛庁と言われておりました。この役所は、国民の生命と財産を守るという最も大切な使命を帯びた役所でありながら、必ずしもそれに見合う評価をいただいていなかった歴史もあるやに存じております。庁を省に昇格して、国民からきっちりと信頼をされ、そこで働く職員自衛官が誇りを持って働ける役所にしたい、私たちも野党ながら、微力ながらこの問題にも尽力をさせていただきました。しかし、一連のこの問題は、正に私は長年の大親友に裏切られた気持ちがするわけでございます。  反省幾らでもできます。会議幾らでも立ち上げることができる。過去もそうでした。ウィニーによる情報流出のときも、私は集中審議質問をさせていただいた。事務次官通達を何回も出していた。規律を守れ、内規を守れ、しっかりしろ。しかし、その指示命令を出していた張本人がですよ、自衛官が新潟での災害復興に汗を流している際に、ゴルフやって、焼き肉食べて、カラオケやっていたんです。こんなばかなことがあっていいものかと。怒りを通り越して、あきれるほどでございます。  今回の逮捕によって、先ほど言いました、まじめに頑張っている現場自衛官や、それを守っている御家族、そして国民からの失墜は恐ろしいものがある。何よりも、現場で頑張っている自衛官の士気がこれで本当にもつのかどうか。防衛大臣、どう思いますか。
  9. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 今防衛省をお預かりする者として、本当にこのような事態は、国民、そして委員指摘のように、本当に日々歯を食いしばって全身全霊で働いている自衛隊員自衛官に対して本当に申し訳のないことだと思っております。これは心からおわびを申し上げる次第であります。申し訳ございません。  私は、全部モラルに帰すつもりはないのです。モラルに帰すつもりはないけれど、私は、前長官のときも今も、この自衛隊員の服務の宣誓というのをポケットから離したことがない。これは、事に臨んでは危険を顧みず、身を挺して職務の完遂に務め、もって国民負託にこたえる、これを本当にみんなが理解していますかということだと思う。カードを持っているだけじゃ駄目で、国民負託にこたえるということがどうなんだということをきちんと見なければいけない。  ですから、この九月に監察本部というのをスタートをさせました。監察は抜き打ちで行います。そして、事務次官であろうが統幕長であろうが、それは関係ありません。すべて抜き打ち的に行い、そして規律厳正に保ったところはそれなりの栄誉を与え、そうでないところは罰する。信賞必罰のシステムがきちんとできていなくてなあなあだったのではないかと思います。  ですから、精神面システムのものもそれはすべて白紙的に見直すということをやらなければとても信頼が回復できるものではない、そのことは私自身、重々存じております。
  10. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 平成十五年、二〇〇三年、この守屋氏を事務次官に任命したのは、石破さん、あなたでございます。この責任は極めて重いと言わざるを得ないわけでございますが、先ほど総理がおっしゃったように、昨日、防衛省改革会議、第一回が開かれましたが、その要旨を今朝部会で拝見させていただいたんですが、緊張感が伝わってこないですね。こういう会議は何回もやっているんです。だからこそ今日は額賀先生に来ていただいて、調本事案のときの反省は何だったのか、昨年の防衛施設庁の談合問題あれだけ議論してなぜまたこういうことが起こるのか、政府が真剣にこの問題を解決しようと思うのであるならば、きちっとこういった国民の目の前で、今日はNHKテレビも入っていますから、こういうところでしっかりとオープンな、フェアな議論をしなければならないと思うんです。  正に他人事のようにこの問題をとらえているように私には見受けられるわけでございますが、総理、なぜこれだけ、七八年のダグラス・グラマン事件、九八年の調本事案、そして九九年のジェット機燃料問題、そして六年の防衛施設庁談合問題、ウィニー情報流出もあった。これだけ不祥事が連続、連続続いているにもかかわらず、また起きた。なぜこの改革が、今までの改革が、総理、機能しなかったんでしょうか。
  11. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) これはやっぱり、私もいろいろ考えたんですけれども、ほかの省庁と違う問題もあるのかなということも感じております。  それは、自衛隊という、日本の国内における、国民の中における自衛隊に対する認識の問題もあったのかな、こういうように思います。自衛隊が海外で活動する、そういうときには、必ずと言っていいくらい、そういうことは問題があるというこういう指摘、それも憲法との関係でといったようなことまで言われて、本当に胸を張って自衛隊員一人一人がその活動を自信を持ってできるかどうかということもございますし、そういうような、戦後のですね、まだ戦後が終わっていなかったんじゃないのかなと、こういったような問題も精神的な問題としてあるんではないかなと、こんなふうに感じておりまして、そういうところからして、もうそろそろその時代は過ぎたんだという、そういう認識自衛隊自身又は防衛省全体として持つ必要があるんではないかと、こんなふうにも思っているところでございます。
  12. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 正に人ごと、他人事防衛庁体質そのものだ。特殊な省庁だから、これじゃ何にも解決しないじゃないですか。今までと全く変わりませんよ。あと三か月でこれまとめるというんでしょう。何回会議をやるか分かりませんけれども、恐らく想像できますよ。  守屋さんがこのような事件を起こした。恐らく上も下も知っていたはずなんだ、何らかを感じていたはずなんです。小池大臣は、御自身安全保障担当首相補佐官だったころからこの守屋氏に対する様々な疑惑を耳にしていたってインタビューに答えていらっしゃる。多分、石破大臣もそのほかの議員も、そして背広組も感じていたはずなんです。しかし、それをほったらかしてきた。  年間五兆円という防衛予算にまつわるこの防衛利権やみの深さというのは、とんでもないものがあるように思えてならないんです。山田洋行やこの日本ミライズは氷山の一角ですよ。戦闘機からカップラーメンまで約三万件の防衛装備品年間二兆円、そのうち何と七割から八割が随意契約という。防衛商社はやりたいことをやったり接待漬けにして水増し請求をする、役人はそれを見逃す代わりに天下り先を確保する、政治家は献金やパー券の利益を被る。この政官業の癒着にメスを入れるというのは、総理、物すごい覚悟が必要です、相当のやみと闘うということですから。  つい先日、私の尊敬する外交官のお一人でありますアイルランド大使林景大使が私の事務所にごあいさつに来てくださいました。大使が一言、榛葉さん、この防衛省に絡む軍需のスキャンダルやいわゆる腐敗問題とまともなしっかりとした安全保障議論をごっちゃにしては駄目ですねと大変有り難い御指導を私賜りました。そのとおりだと思っているんです。しかし、この問題をきっちりと片付けないと、まともな議論の妨げになっているんです。  例えば、米軍再編の問題や普天間に関連する沖縄基地の問題、これは一刻を争う問題であり、一日も早く沖縄を始めとする基地の問題を解決しなければならない。しかし、防衛省がこんなことばっかりやっているから、とんでもないこれはマイナスの影響をこの米軍再編にも与えていると思うんです。  外務大臣、どうでしょうか。
  13. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 米軍再編の問題は、正に抑止力を維持しつつ、そして沖縄を始め基地を抱えている人たち負担を少しでも少なくしようと、これはやらなければいけない問題であるわけであります。  そういう中で、少しでもそれに係る経費が、これは国民税金で賄われているわけでありますから、それが適正に使われたということは国民にはっきり示していかなければいけない、透明性を確保していかなければいけない、そのことは委員がおっしゃるとおりであると思います。ただ、必要なことは進めなければいけないということは是非理解をいただきたいと思います。
  14. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 私がなぜこの米軍再編の問題を言ったかというと、前々からこの沖縄に絡む防衛利権の問題が問題視されていたんです。一部で三兆円とも言われている在日米軍再編経費、この不正を徹底的に究明しなかったら、このコストの大部分を負担する日本国民納税者が到底納得するわけがないんです。  例えば、在日海兵隊グアム移転経費もしかりであります。総額百二・七億ドルのうち日本負担するのは六十一億ドルですから。びっくりするのは、これに絡む様々な不透明なコストなんです。同僚の浅尾委員が以前指摘をしたように、日本負担する米軍家族住宅グアムでの家族住宅の一戸当たりコストが、大臣、八千万円するって見積りしているんですよ。普通、グアムで二千万円もすれば立派な家買える。しかし、同じスリーベッドルームでその四倍の八千万円。同じ構図があるのではないかと国民みんな思っているんです。なぜ四倍の八千万円も掛かるのか。  こういった問題は、質問すると、私も本会議でやりました。浅尾委員委員会でやりました。答えはこうであります、防衛機密関係する問題であるから、この問題は詳しくはオープンにできないという。何かあれば必ず防衛問題、秘密の問題、軍事上の問題だ、オープンにできません。先ほど総理が御答弁になったとおりであります。  総理、もうこういった国民の国税に絡む問題、税金にかかわる問題、コスト負担の問題、これを防衛にかかわる問題、機密上の問題だと、そういう言葉で逃げないでいただきたい。そして、出せるものはきちっと情報公開をしていただきたいと思うんですが、総理、お約束をしていただきたいと思います。(発言する者あり)
  15. 北澤俊美

  16. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 御指名をいただきました。  事実関係について御説明を申し上げます。  米海軍プレスリリースによれば、二百四戸の米軍家族住宅が三千五百九十、百万ドル単位でございますが、これで落札をされております。一戸当たり平均単価は約十七・六万ドルになるという点でございます。米側に事実関係を確認いたしました。以下三点の説明がございました。  このプロジェクトは二期に分かれている。一期工事は九十六戸で落札価格は三千五百九十万ドル、二期工事は百八戸で落札価格は四千二百六十八万ドル、この結果、二百四戸の落札価格は合計で七千八百五十八万ドルであり、一戸当たり平均単価は約三十九万ドル。このほか、調査設計費として千百四十八万ドルが支出されており、これを含めた一戸当たり平均単価は四十四万ドルということでございます。  他方、海兵隊グアム移転事業では、三千五百戸程度の家族住宅建設費は、民活による効率化が見込まれる四・二億ドルを除き約二十一・三億ドルであり、一戸当たり平均単価は六十一万ドルとなるということでございます。  この差が何で生ずるかといいますと、海兵隊住宅は新築である、しかし指摘の新プロジェクト台風被害による建て替えでありますということであります。  で、私が思っておる、昨日も省内で指示を出したところですが、きちんとした説明ができるようなものでなければ、これは私どもとして払うことは一切できない。何でこんなお金になるのか。委員指摘のように、そんな金があれば大豪邸が建つはずなんです。しかしながら、台風襲地帯なので、どれぐらいのものが必要であるのか、そういうことを全部精査して、これがなぜこの価格になるのということについての情報公開をすべて行った上で、本当に予算を御審議いただく国会に御納得がいただけるものでなければ、私ども国民税金を使うつもりはございません。
  17. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 是非情報公開をしていただきたい。機密もあるでしょう、当然、防衛問題ですから。しかし、出せるものはきちっと私は出すことを約束していただかないと、国会チェック機能、ひいては文民統制が利かないということであります。  国民が怒っているのは、税金の無駄遣いもしかりですが、更に国民が心配しているのは、この国の防衛省は、政治防衛官僚自衛官をコントロールしているのではなくて、防衛官僚政治家を実はコントロールしていたのではないか、本当にこの国にシビリアンコントロール、文民統制が利いていなかったのではないか、ユニフォーム、制服組だけの文民統制ではなくて、きちっと守屋氏を含めた、防衛官僚を含めた広義の中での自衛隊、これを政治がどうチェックしていくか、本当の意味での文民統制が利いていなかったのではないかという不満と不安が国民の中に蔓延しているんです。  今までこの国は、背広組制服組をコントロールするという文官統制文化はあっても、広い意味でのきちっとした立法府国民チェックをする文民統制が利いていなかった。この反省をしっかりと私は、総理、踏まえるべきだと思っているんです。  しかし、総理、これ大問題なんです。守屋氏一人が事務次官をお務めになった四年間で、事務次官指示命令を出す最高責任者たる防衛庁長官若しくは防衛省大臣が七回も替わっているんです。四年で七回も。石破さん、大野さん、額賀さん、久間さん、小池さん、高村さん、そして石破大臣。七回替わっている。長くて一年しかやっていない。短い人は一か月。高村大臣一か月でした。そして小池大臣は五十日。防衛省になって十一か月がたとうとしております。この一年足らずで、何と四人も大臣が替わっているんです。  文民の代表である大臣事務次官を含む防衛省をコントロールできないなどは当たり前の話なんですね。大臣がころころころころ替わって、無責任な管理体制になっている。言葉が下品かもしれませんが、役人になめられてるんです。そして、大臣を任命するのは総理大臣ですから、総理大臣、こういった政治文化を私変えていかなきゃならないと思うんです。総理、どうでしょうか。
  18. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 改めて、防衛庁長官防衛大臣がそう頻繁に替わっているということについて数字言っていただいて、本当に私も正にそういうことがこういう問題を引き起こしている一つの原因をつくっているかなと、こう思っております。これは何も防衛省だけに限ることではない、日本の各省大臣についても似たようなことがある。そういうことを言えば、最近は比較的長い総理大臣もいらしたけれども総理大臣すらしょっちゅう替わるという、こういう日本政治情勢の中で、担当大臣が頻繁に替わるという、これは、これはあり得ることですよ。ですから、そういうことも踏まえて、我々としてどうすべきかと、政治的にどういうふうにすべきかということは考えておるわけです。  そういう意味でいって、私は石破大臣を今回任命いたしましたのは、そういう意味があるんですよ。前に大臣を、長官をしていた、よく承知している、そしてその大臣が改めてもう一度担当大臣をするということによって、防衛省の、今おっしゃられたように、防衛省の役人に支配される、動かされるというんじゃなくて、もう自ら十分にその内容を熟知しておられる、そういう大臣大臣の思惟としていろいろ統裁される、これは非常に大事なことだというように思いまして石破大臣お願いをしたと、こういうふうな経緯もございますので、そういうことに向かって私もやっておるということを御理解いただきたいと思います。
  19. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 のれんに腕押し、福田総理質問と。  本当に、自衛隊というのはいわゆる実力を持って、海外にも自衛隊という組織が派遣できる、いわゆる武器を使いながら行動できる組織なんです。他の省庁だって同じじゃないですかと言うけれども、この組織にきちっと文民が統制を利かす、シビリアンコントロールを利かす、大臣に優劣があるわけではないけれども防衛大臣防衛省に関してはより大きな責任とこのシビリアンコントロールという問題があるんです。  ほかの省庁もころころ替わっているからしようがないではないかというような、そのような答弁では困るわけでございまして、正にこの守屋さんの問題も、守屋氏というとんでもない役人がいて幾つかの防衛商社とつるんでいた、こんな単純な一人の問題ではないんです。この国全体の文民統制とこの国の体質の問題なんです。だから総理の覚悟が必要なんです。  私たちがこの新テロ特措法で問題視をしているのが、正にこの文民統制なんです。二〇〇三年二月に海上自衛隊の補給艦「ときわ」が米補給艦のペコスに給油した六十七万五千ガロン、これを二十万ガロンと担当者が誤って入力して、気が付いた海幕防衛課長が上司に報告もせずに、結果として、当時官房長官だった福田さんや防衛庁長官でいらっしゃった石破大臣がとんでもないうその答弁、誤った答弁をして大恥かいたんです。中には意図的に数字を変えたんではないかというような報道もあった。  そのほかにあった。補給艦「とわだ」の航泊日誌が、保存期間中にもかかわらず、艦長の許可も得ずにですよ、勝手に捨てられちゃってたんです。資料を出せと言ったら、ありません、うっかり捨てちゃいました。その責任はどこにあるんですかといったら、いまだに不明。だれがどう責任取る、いまだに未定。いつ決まる、分からない。こんな体質で、大臣、本当にいいんですか。
  20. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 私は、この二十万ガロンと八十万ガロンの取り違えは実は大きな問題を含んでいると認識しています。  それがなぜ上がらなかったのか、海上幕僚監部の中で防衛系統と燃料系統が違うからということできちんとチェックが働かなかった、あるいは内局にきちんとした相談があったのかどうなのか、そして、事が起こった後で、いやいやということで、こういう言い方はいけないのかもしれませんが、責任那辺にありやみたいな話になっている。私は、内局と各幕が、車の両輪と言いますけれども、それが本当にお互いにきちんと補佐できる体制とは何なのだということをきちんと今回議論していかなければいけないと思う。  そして、委員指摘のように、政治の体制というのが、二十七万の防衛省自衛隊大臣、副大臣、政務官二人、これで統制していくということが本当にできることなのか、委員よく御存じの防衛事官制度というのは本当にこのままでいいのかという議論を、申し訳ないが私は前回長官のときにきちんと完結しないままに終わってしまいました。私は、本当に委員防衛省自衛隊のことを御理解あることは私よく存じています。  では、どうあるべきなのか、文民統制の体制とはどうあるべきなのか、私ども議論をしながらこの国会に出してまいります。本当に文民統制というもののあるべき姿、大臣の補佐体制、制服と背広、これがどうあるべきかについて抜本的に見直していかなければ今回の教訓を生かしたことにならない。精神論だけで済むとは私は思っておりません。
  21. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 大臣、今、車の両輪と言いました。背広と制服、この車の両輪がしっかり動いているかどうか、それをチェックするのが政治であり、国会であり、それが文民統制なんです。しかし、それが機能していないんです。  石破防衛大臣は自他ともに認める防衛の専門家、大臣ほど武器や様々な問題に詳しい大臣いない。これ大事なことなんです。政治がきちっとこういった装備品を含めた武器の問題や組織の問題を役人と議論できなければなめられるんですから。しかし、その石破大臣であってもこのようなことが起こってしまったことに私たちは大きなショック受けているんです。  私たちは反対のための反対しているんじゃない。こういう問題をきちっと説明してほしいんだけれども、数字を入れ替えたり隠ぺいをしてみたり、全然国民国民の代表たる我々を説得してないじゃないですか。国民は、このインド洋での給油活動が実はイラクでの戦闘行為に関与したんではないか、ひいては憲法の禁ずるところの集団的自衛権の行使に抵触しているのではないか、その疑念が持っているからこういう情報をきちっと出してくださいと言っているんですが、一向に出てくる資料は、消えてしまった、間違えて入力したんです、これでは文民統制は利くと到底思えませんし、うっかりミスでは済まされないんです。  パネル出してください。(資料提示)  米国の国防省の兵たん局の下にDESC、ディフェンス・エナジー・サポート・センター、和訳すると防衛エネルギー支援センターということになると思うんですが、そのDESCが外国政府の顧客リスト出しているんですね。アメリカは情報公開が徹底されていますから、こういうの、インターネットですぐ調べることができます。そのお客様リストの中にエンバシー・ジャパン、日本大使館が入って、そこの口座名が何とエンデュアリング・フリーダム、不朽の自由と書いてあるんです。いつこの口座が開かれたというと、二〇〇一年十月七日に開始をされたアフガニスタンに対する米英の軍事攻撃の後、その直後にこの口座が開かれた。正確に言いますと、旧テロ特措法が施行されたその十日後にこの口座が開かれているんですが、外務大臣、これ一体何取引しているんですか。通告していますから。ジャパン・エンバシーになっていますから。
  22. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 私としては通告を受けたように承知をしていないんで、申し訳ありませんが、また改めて政府委員から答弁させます。
  23. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 時間止めてくれ、ちょっと。  通告しているんですから、困りますよ、これ。政治責任でしっかり答弁してもらわなきゃ困るじゃないか、こんなのは。
  24. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  25. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 速記を起こして。  継続してください。  質疑者からはきちんと通告してあるということでございますので。高村外務大臣
  26. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 防衛大臣の方が答えると、こういうことを申し上げています。
  27. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 外務省に聞いているんですから。
  28. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 引き続き、高村外務大臣。(発言する者あり)高村外務大臣、御答弁を願います。
  29. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 参考人でもいいですから。
  30. 北澤俊美

  31. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 政府参考人でいいですよ。
  32. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 参考人に指名するならば、高村外務大臣の方からそのような御発言を願います。
  33. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 政府内で防衛省の方から答弁すると整理したと承知をしておりますが、どうしても外務省から答えろということであれば、政府参考人から答弁させます。
  34. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 結構です。  私たちは、このDESCから恐らく油を買っているんじゃないかというふうな想像が容易にされるわけでありますけれども、以前、石破大臣は衆議院での議論で、いや、絶対買ってない、そう言うんですね。しかし、不朽の自由作戦、以前のテロ特措法が公布された十日後に不朽の自由という項目でDESCに口座が開かれて、日本大使館が取引を始めている。それでも政府は認めない。じゃ、どこから油を買っているんだ。日本の商社、A社、B社から買っているというんですね。  お伺いします。A社、B社はどこですか。
  35. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 政府に申し上げますが、事前通告制度の中でこのような混乱が起きることは極めて遺憾であります。早速に整理をしていただきたいと思います。高村外務大臣
  36. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 先ほど答弁いたしましたように、政府内部でこの点について答弁は防衛省が行うということになっておりますが、外務省に、どうしても外務省に答弁する、言えということであれば、政府委員から答弁させます。
  37. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 石破先生で結構です。A社、B社。
  38. 石破茂

    国務大臣石破茂君) お答え申し上げます。  DESCについてでございますが、DESCから調達したという事実はございません。そのことをお答えを申し上げておきたいと存じます。  A社とB社でございますけれども、これはかねてから衆議院でもお答えをいたしておることでございます。当委員会でもお答えをいたしましたが、これを明らかにすることによって企業の正当な利益を害することから開示は差し控えたいということを申し上げておる、これはもう委員御承知の上で質問をなさっておられると思います。  これは、これも委員会でお答えをしておりますが、これを明らかにすることによって、これがテロの標的になる。それは、相当以前のことでございますが、防衛省自体に対してもテロとおぼしき攻撃があったということは御案内のとおりです。  裁判所において、これを開示しないことに正当な理由ありというふうに裁判所で判示をされ、それがその後上告もされておらない。そういう状況において私どもがあえてこれを開示をするということは、司法における判断に行政が反対する、逆らうという立場を明らかにすることになることでございます。したがいまして、私どもとしてはこの開示はできないということを判断をしておるところでございます。
  39. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 いろんなものを防衛省は商社をかませて買っているわけであります。直接買えばよっぽど安く買えるのに、わざわざ商社を絡めて利益を乗っけて、日本の商社を通して買っている。この油もそうであります。なぜどこから買っているかということがテロのターゲットになるのか私はよく分からないんですけれども国民も疑問に感じていますよ。正にいろんなものがこうやってテロのターゲットになる、軍事上の機密だと。先ほど言ったじゃないですか。出せるものは出しましょうよ。  百歩譲って、このA社、B社、名前は結構です。じゃ、これ、競争入札でやっているんですか、随意契約でやっているんですか。
  40. 江渡聡徳

    ○副大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。  当初、スタートの段階においては約百八十六社だと記憶しておりますけれども、その段階において一般競争入札させていただいたわけでございますけれども、その後、一社のみで供給体制を整えるというのはいかがかという内部の話合いによりまして、二社に対して指名入札して行ったと。その後、この二社に対しては随意契約で行っているという現状でございます。
  41. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 随意契約なんです。言い値で買っているんです。チェックが入らないんです。  では、外務大臣にお伺いします。  OEF—MIO、これテロリストを海上で取り締まる、それに対して自衛隊は油を給油しているんですが、今までに何人のテロリスト、どういったテロリスト、タリバン、アルカイダ、具体的にどういったテロリストが何人、いつ拘束をされて、どのような成果を上げているんですか。
  42. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 委員に御理解をいただきたいんですが、OEF—MIOの目的というのは、基本的に抑止活動なんです。抑止活動ということは、何人捕まえたかとか、どれだけ押収したかとか、そういうことが二の次三の次の話で、要するにテロリストの自由の海にさせない、そういうことをOEF—MIOでやっている活動でありますから、そういうことを御理解いただきたいと、こういうふうに思います。  各作戦活動は原則として、原則として各国は公にしないということでありますが、その中でも、今までどうしてもということで聞き出したことについて、全体の中の一部でありますが、十数件については既に明らかにし、民主党にもお示ししているところでございます。
  43. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 油に関する入札やその商社、金額等も不明で言えない、機密だ。そして、七百六十億も使って費やしたその成果は、軍事上の問題で言えない。しかも、確かに抑止があるのは当たり前であります。しかし、具体的に何人か拘束しているはずであります。若しくは、していなかったらおかしいんです。その数が少ないから我々は文句言っているんじゃないんです。そこにあるからいわゆる抑止が効いて少ないかもしれない。しかし、少なくとも一切情報が言えないというのは、納税者が納得するわけがないじゃないですか。  一つの問題で、私があえて次の質問として、国会承認の問題についてお伺いしたいと思います。  我々は、これに対してしっかりと国民チェック、そして国民の代表者たる国会がこの活動を承認することが求められているシビリアンコントロールをきちっと担保することだと思っております。しかし、この法律には国会の承認が入っておりません、国会承認。  なぜ入っていないんですか、総理
  44. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 総理でいいですか。──町村内閣官房長官
  45. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) 委員御承知のとおり、これまでの旧テロ特措法での国会承認の対象というのは、基本計画に定められた協力支援活動、捜索救助活動又は被災民救援活動実施することでございました。今回の補給支援特措法では、こうした旧テロ特措法における国会承認の対象に相当するものについては、まず活動の種類、内容を補給に限定をする。今までは国会承認事項を法律に書きました。また、派遣先の外国の範囲を含む実施区域、この範囲についても、これまでは承認事項でございましたが、今回は法律に明記をしているわけでございます。  したがいまして、この法案を御審議をしていただく、可決あるいは否決別にして御審議をいただく。もしお認めをいただけるならば、そのことがすなわち国会の承認そのものであるわけですから、したがって成立後重ねて国会の承認を求める必要はない、こう考えておりますから私ども国会承認規定を設けていないわけでございます。
  46. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 私は民主党の先輩や執行部に怒られるかもしれませんが、私が個人的に一番大事だと思っているのはこの国会承認なんです。この国会承認をきちっと担保することは、イコール何か間違いがあっても我々がブレーキを掛けることができる、シビリアンコントロールを利かすことができる。だから、国会承認を私、外せないと思っているんです。周辺事態法やイラク特措法、テロ特措法、そして本来任務として本来業務に自衛隊が部隊として参加する際のPKO法、これ全部この国会承認が入っているんです。  確かに、今官房長官おっしゃるように、新法では活動が給油と給水、そして実施区域もインド洋と限られていますから、国会の承認事項が全部法案に入っているのだから要らないよというのは一見なるほどなと思うかもしれませんが、私は、今まで国会承認の意味するところは、自衛隊の海外派遣に対して衆と参両方の賛成が必要だということだと思っているんです。しかし、今回は、この国会での議論がイコール国会承認だというふうに変えてしまうと、我が国の二院制の特性を生かした文民統制、これ同意人事と同じなんです。きちっと衆と参両方認めないと駄目なんです。政府の言う審議イコール国会承認というと、参議院と衆議院が異なった結論を出した場合、いわゆる六十日ルールや三分の二のルールといったように、我々参議院の意思、文民統制がいわゆる無視をされて、衆議院の結論だけがこの自衛隊を海外に派遣する給油新法国会承認となってしまう。  私は野党だからこれを厳しく言っているのではなくて、一人の参議院議員として、院の独立の立場から、衆と同様に参もきっちりとシビリアンコントロールを利かせる。だから、法律の承認ではなくて、きちっと国会承認を参議院にも与えるべきだ。そのことを、総理、どう思いますか。
  47. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) 私どもは、今申し上げた理由から、正にこの国会審議、これ以上のシビリアンコントロールはないと思っているんです。法律の審議そのものがシビリアンコントロールなんです。  そして、それならば、あえて、まあこちらからお聞きしてはいかぬのかもしれませんが、これだけすべて国会議論にゆだねているわけですから、もし承認承認とおっしゃるなら、一体何を承認事項にしたいとお考えなのか、具体にお示しをいただきたい。
  48. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 承認事項は様々あります。私は、三権分立の立場から、また参議院としての独立の立場から、これだけシビリアンコントロールが問題になっているんですよ、全然利いていなかったんだから。現場では、資料破棄しちゃう、データを誤入力する、事務次官が勝手なことやっている。国会が、立法府がきちっとこれを、シビリアンコントロール利かせる。ですから、ほかの法案とは別に、実力部隊を海外に送ることですから、きちっと、私は、参議院としてのこの国会承認を是非総理、入れてください。それでないと、我々参議院の存在にもかかわる問題であります。  同じ問題が国会報告の問題、総理国会報告。これは、国会報告は、この活動の終了したときに国会報告すると書いてあるんですね。ところが、これ活動、任期は一年です。延長認めています。私、正直、こんな一年なんかでいいのかなと思いますよ、テロとの戦い、本当にやるんだったら。衆議院議員の長島先生ともよく議論するんですが、二十年、三十年、息の長い真剣なテロとの戦いやらなきゃいけない。しかし、国会報告はこの活動が終わってから。これ、延長していったら、ずっと報告しなくていいんです。  私は、一年ごとにきちっと、PKO法に準じて、いわゆるPKO法が恒久法であるわけでございますけれども実施の状況を毎年報告している、しかも文書で。これに準じて、私は、総理国会にきちっと報告してくださいよ。
  49. 北澤俊美

  50. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) よろしいですか。
  51. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 質疑者はどうですか。
  52. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 いいです。
  53. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) お許しをいただきまして、私からお答えをいたします。  この法律、今委員指摘のように、有効期間一年と、一年たったところでまた必要があれば、改めて法律を出してその延長をお願いをすると。正に一年ごとのまあ棚卸しをして、そこで国会で御議論をいただいて、延長すべきか延長すべきでないかと。これ、国会報告以上の意味が法案審議ということはあるわけですから、そこで十分その必要性、内容等について法案審議の過程で活動の実態というものをどうぞ御審議いただく、これ以上の報告はないと私は思っております。
  54. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 長官、逃げないでいただきたいと思います。  この国会承認や国会報告は、我々が与党や防衛省自衛隊活動の揚げ足取るためじゃないんです。きちっとシビリアンコントロールを利かせる、何か問題点がないだろうか、それを、今さんざん問題になっているんでしょう、文民統制が。  総理政府のトップとして、国会承認入れてください。そして、国会報告も文書で提出する、担保してください。是非総理の御決断をお伺いしたいと思います。
  55. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 国会報告、これ、必要性については今官房長官から答弁したとおりでございまして、法案審議そのものが、これが、内容まできちんと決めているわけですから、まあそれで十分なんだろうというふうに思います。  ただ、その活動が一年終わって、国会報告、その結果について報告しろと言うのであれば、これはいつでも報告できるわけですよ。委員会開いて、それ要求していただければいいわけでございますから、そのようにしていただきたいと思っております。
  56. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 何のために昨日この防衛省改革会議第一回やったんですか。主な三本柱の第一が文民統制の徹底ですよ。今、先ほど、総理反省している、抜本的に改革する、言葉だけじゃないですか。具体的に法律に書き込んでください。シビリアンコントロールしっかり利かせましょうよ。国民が納得していません、今。  官房長官に引き続きお伺いしたいと思うんですが、日本はアフガニスタン復興支援の援助として今日までに十二・四億ドル支援を実施し決定しました。総額の約束、プレッジが十四・五億ドルですから、大分実行してきたと思うんですが、先日の海外経済協力会議、町村長官が十一月一日にした記者会見で、アフガニスタンとパキスタンへの支援強化表明したんですね。これ、残り二・一億ドルしかないんですが、この中で強化するんですか、それとも新しい予算を付けるんでしょうか。
  57. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) 十一月一日、海外経済協力会議でアフガニスタンの問題を議論をいたしました。確かに、今お約束した金額と残っているものがそう多くもないわけでございまして、これで十分かどうかということも議論をいたしました。今後、非合法の武装集団の解体、DIAGと言っておりますが、その活動でありますとか、あるいは農業・農村開発への協力でありますとか、道路等のインフラ整備、さらには特に教育分野、こうした分野について重点的に今後も支援活動をやっていきたいと思っておりますが、お金がどうも足りないかもしれないということもあるものですから、当面、今、補正予算で具体に何ができるかということを今検討中でございます。まだちょっと補正全体の規模も決まってきていない、その中身を詰めているところでございますけれども、いずれ補正予算を決める際には、このアフガン支援の拡充強化というものも是非盛り込むようにしたいと、こう思って検討を進めているところでございます。
  58. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 予算は限られていますが、是非、この現地での人道復興支援、これに御尽力いただきたいと思うんですが。  私が特に心配しているのは、アフガニスタンでのケシ栽培、これ大変な問題になっていまして、最近も日本国内で、芸能人だけじゃないです、これ麻薬が蔓延しちゃっているんですね。この多くが実はアフガニスタン関連の麻薬ではないかということが前から言われているわけでありまして、是非この問題はしっかりやっていただきたいと思うんです。  といいますのも、以前、私がミャンマーに行きまして、このミャンマーもケシの問題、いわゆるゴールデントライアングルで大問題になった。当時のある自民党の幹事長経験者が蕎麦協会の会長で、ケシをソバに替える、代替作物としてソバ持っていったんですけれども、持っていったはいいが、後そのまま売り先もなければ何も知らないという、結局もうパアになっちゃって、ミャンマーの現地の農家の皆さん、実は、ああいう国民性ですから文句は言いませんが、相当不満に思っていらっしゃる。息の長い、きちっとした責任を持った支援を是非していただきたいと思います。  総理にお伺いいたします。  この新テロ特措法、いわゆる給油新法が通らないと大変なことになる、防衛大臣総理も言っていらっしゃいました。自衛隊がインド洋から撤退をして給油ができなくなるとパキスタンを中心にこのオペレーションそのものが大変なことになると言っているんですね。自衛隊が撤退して一か月がたちました。今どれだけ大変なことが、総理、起こっているんですか。
  59. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) やっぱり国際社会の中でもって日本が何をすべきかと、どういう貢献をすべきかということは常日ごろ考えておかなければいけないことだと思います。そしてまた、こういう九・一一のテロ発生以来、国際社会、多くの国々がこの問題に真剣に立ち向かっているわけですね。そういう中で日本もそれなりの貢献してまいりました。それなりというか、もう日本としては相当な努力をしてきたわけでございますけれども、イラクも航空自衛隊は残っておりますけれども陸上自衛隊は撤退する、そしてアフガニスタンにおいてもこのテロ対策ということでやっていた艦隊が引き揚げる、こういうふうなことになりました。  そういうことが日本の外交姿勢、そして国際社会の一員としての責任を果たしているかどうかといったようなその全体的な立場から考えて、私は、こういうことについて日本ができ得る活動についてはできるだけのことをしていくという姿勢は崩したくない、そのように思っております。それが私は日本のこれからの生きる道の一つであるというふうに考えておりますので、この活動是非復活をしたい数少ない活動の一つなんです。ですから、是非これは再現させていただきたい。この法律を通してくださるように御協力をお願いしたいと思っております。
  60. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 それともう一つ。この給油法に賛成してもらわないと、若しくはインド洋から自衛隊が撤退すると、日米同盟若しくは日米の信頼関係に甚大なダメージがあると、高村大臣の言葉をかりれば今日までの十五年の努力が水泡に帰すというんですね。  連日連夜、総理にアメリカから苦情が殺到しているんでしょうか。
  61. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) アメリカとの関係において申し上げれば、先般も私はブッシュ大統領ともお話ししました。ブッシュ大統領は、日本がやっていることについて大変なその協力に対する謝意というものを言われておりました。だからしろとかいうようなことを言っているわけじゃありません。  しかし、しかしですね、やっぱり我が国の立場として、それじゃそれでいいのかと、何もしなくてよろしいのかということなんですよ、問題はね。そういうことも含めて、全体的に考えて、我が国の国際社会における活躍の場を与えられたと、その場を放棄していいのかどうか、そういう問題だというふうに思っております。
  62. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 総理のおっしゃるとおりだと思うんです。日本には日本のできることがある。そして、日本の貢献も大切でしょう。そして、給油もその中のワン・オブ・ゼムだったかもしれない。  しかし、今防衛省に関する様々な不祥事もある。信頼も失墜している。冷静になって、日本ができること、そして日本は中東地域、中央アジアにおいて欧米とは違った評価や歴史を持っておりますから、その日本の特異性や日本のメリットを十二分に活用した人道復興支援や様々な活動がしっかりあるはずです。是非、この問題、防衛省改革と並行してこの問題をしっかりやっていただきたいと思います。  そして、委員長に提案があるんですが、この一連の防衛省改革、私は何とかしなければいけないと思っているんです。  一つは、我々立法府や議員にも責任があるんです。なぜかといったら、武器や兵器、そして様々なオペレーションといった問題に具体的な専門的な議論が欠けていた。ですから、私は、外交防衛委員会できちっと装備品を含めた集中審議や小委員会等をつくってきちっと議論をして、役所とも対等に議論できるような我々が議員や委員会にならなければいけない。  石破大臣は専門家で、よく報道でオタクとかマニアと言われますが、一人の専門家がいるとオタクと言われる。しかし、みんないたら専門家集団なんです。私たちは専門集団となって、防衛省官僚が勝手なことをできないように立法府チェックしなければいけない。是非このことを委員会として検討していただきたいと思います。
  63. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) ただいまの榛葉君の提案につきましては、後刻理事会で協議をいたします。
  64. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 長官、いいですね、前向きに、いかがですか、大臣
  65. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 是非そういう、今委員長が引き取られましたが、委員会を、小委員会でもつくっていただきたいと思います。  大変なお金が掛かります。それはおもちゃではないんだ、それがすべて抑止力になる、それにもし欠けるところがあれば、この国の独立と平和が損なわれるとするならば、兵器の性能、その値段、そしてその調達方法、我々政府委員会がきちんとした真摯な議論ができる、それが文民統制にとって極めて重要なことだと思うんです。
  66. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 それが私の改革への一つの提案。  二つ目の提案、これは国民の皆様へお願いでございます。  是非、政権を民主党に託してください。最大のこのやみにメスを入れるのが、政権が替わることです。私たちは、自民党を政権から降ろしたいとか、民主党が与党の座に座りたいとかではなくて、究極のチェックが政権が替わること。政権が替わることによって自然に防衛省のうみも出るし、不正も明るみに出るし、そして野党もいつまでも机上の空論や反対のための反対、責任が生じますからしなくなるんです。この国のために、私は是非、我々民主党に政権を託していただきたい。それが防衛省改革の一番の早い私は道のりだと思っています。  最後に、この給油新法民主党は反対のための反対をしている、給油の停止を訴える民主党は無責任だというような声があるんですが、とんでもないことでありまして、防衛長官を経験した大野功統先生が自らのホームページでこう言っていらっしゃいます。私が防衛庁長官のころにも、海上自衛隊のインド洋における活動は停止すべきとの意見があった、小泉総理からも活動を中止できないかとの御下問があった、私は早速シーファー大使と交渉した。時の総理大臣防衛長官までインド洋から撤退することを真剣に議論していた、このことを御披露して、同僚議員に私の質問を譲りたいと思います。
  67. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 関連質疑を許します。白眞勲君。
  68. 白眞勲

    ○白眞勲君 民主党・新緑風会・日本の白眞勲でございます。  本日、テロ新法についてお聞きをいたします。  九・一一テロを契機に、今まで日本は国際社会の貢献のためにテロ特措法を制定しました。そして、この十一月一日まで六年間、海上給油活動をしてきたわけですけれども、ここでまず総理にお伺いいたします。  今まで政府は、九・一一テロによって日本人も二十四名の死者、行方不明者が出ていると説明をしているし、本当にそれは御冥福をお祈りしなければいけないと思うんですが、ここでお聞きしたいのは、日本はアルカイダによるテロ攻撃で標的になったと総理は御認識されているんでしょうか。
  69. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) ニューヨーク、またワシントンDCですか、の九・一一テロがございました。そのときに、私も当初はこれは飛行機事故かなと思った。しかし、ワシントン、ペンタゴンまで攻撃するということになりまして、これはもしかしたら戦争かなというふうに一瞬思ったくらいでございまして、やはり世界に与えた衝撃というのは極めて大きかったというように思います。そういう中で日本人も二十四名もその場で亡くなられたというようなことがございまして、やっぱりこのテロの規模の大きさを考えて、そしてまた、テロということに対する認識というもの、このことについて思いを新たにした、そういうことでございます。  そしてまた、御質問のことでございますけれども、そのテロがどこに、原因が最初分からなかった、ですからどこに行くのか分からない、一体どういうことなのかという、そういう原因究明とかそういうことを一生懸命やりましたけれども、アルカイダというようなことがだんだんと浮き彫りになりまして、私どもも、そういう方面における国内の予防と申しますか、検疫体制の強化とか、そういったような国内体制も引き締めたということはございました。  ですから、当時、そういう可能性、どこでいつ起こるか分からない、こういうテロの特異性から考えて、我々も十分にその可能性は考えて対応措置をやってきたということはございます。
  70. 白眞勲

    ○白眞勲君 正に総理がおっしゃいましたように、可能性を考えなきゃいけないということだと思うんですけれども、そこで官房長官にお伺いしたいと思います。今現在、日本はアルカイダあるいはその他のテロ組織から標的になるという情報は入っているのでしょうか、お答えください。
  71. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) いろいろな人がいろんなメディア等を通じてアナウンスをしていることがあるんですね。例えば、オサマ・ビンラディンが二〇〇三年十月声明を出した中には、アメリカ、イギリス等々等々、日本も含めてですが、報復する権利を有するというような宣言、あるいは、二〇〇四年五月にやっぱり同じくオサマ・ビンラディンが、日本国民を殺害した人には金五百グラム、七十五万円相当を報酬として与えるといったようなことを言ったり、あるいは、ザワヒリというイラクのテロリストが、イスラエルの生存を助けている国、一杯並んである中に日本も入っているんですが、これらに対しては抵抗を始めなければならない。ほかにもこの種のテロの警告とかあるいは声明というものは随時かなり多数出されている。  そういう意味で、いつ何どき日本にもその影響が及ぶかも分からないという意味で、今、福田総理が申し上げたようなことで、おさおさ怠りなくしっかりとしたテロ対策を我が国の国内でもやらなければいけないということでございます。
  72. 白眞勲

    ○白眞勲君 テロといえば、九・一一テロもそうですけれども、先ほど福田総理はアメリカに行かれてブッシュ大統領とこのテロ特措法、給油問題についてもお話し合いになったということですけれども、同様に、私たち日本人にとってみますと、北朝鮮による日本人の拉致問題というのもテロの一つだということだと思うんですけれども、私たちにとっては拉致問題、アメリカによる北朝鮮のテロ支援国家指定解除の問題というのは私たちにとって看過できない問題だと思うんですね。  そういう中、ブッシュ大統領は、テロ支援国家指定解除をしないでくれとおっしゃったのかどうかということについて、どうも何か、いろいろ報道によると直接的にはそんなようなことはお話しにならなかったということなんですね。  これ何で言わなかったのかなと私非常に疑問に思うんですけれども、自国民の生命と安全の問題、これ極めて重要だと思いますが、これ何で言わなかったのか、御答弁願いたいと思います。
  73. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) そういうような話についてしたかしないかということは、首脳同士の話合いで余人を交えずに話をしたことでございますので、ここで詳細について申し上げるということは、これはひとつ御勘弁を願いたいと、こう思っております。  しかし、十一月十六日の首脳会談において、私はテロ支援国家指定解除の問題をブッシュ大統領との間でしっかり話し合ったということは、これは既に発表しております。私からは、我が国が北朝鮮に対して拉致問題での進展を求めているときに特に被害者の帰国を重視していることなどを具体的に説明をいたしました。これに対してブッシュ大統領からは、拉致問題の日本における重要性理解していると、日本政府日本国民の間には米国が拉致問題を置き去りにして北朝鮮との関係を進めるのではないかという心配があると理解しておるが、拉致問題を決して忘れることはない、北朝鮮は完全かつ正確な申告を含め非核化措置をきちんと実施しなければならない、日朝関係の改善も核問題と並行して進めていく必要があるというような発言ございました。日米間で今後緊密に連携をしていくということで一致をしたわけでございます。  私ども政府として、拉致問題を始めとする諸懸案を解決して日朝関係を進めるための真剣な努力を行っているところでございまして、米国も我々のこうした努力を最大限支援するということを明らかにしております。今回のブッシュ大統領の私に対するそういう今申し上げたような発言は、こういうような米側の姿勢を伝えるものであるというように考えておるところでございます。
  74. 白眞勲

    ○白眞勲君 総理、私、ちょっと今、榛葉委員の話のときには、給油の関係についてはブッシュ大統領はだからしろということは言わなかったんですよというふうに今おっしゃったばかりなんですよ。具体的におっしゃっているんですよ。何でテロ支援国家指定解除については、具体的な話については差し控えたいというふうにおっしゃらなきゃいけないのか。こっちの方はそういうことまで言っていないよということまで言っているのに対して、拉致問題について何も言っていない、いや、具体的に言う必要がないというようなことというのは、私はちょっとおかしいと思うんですね。  ですから、その辺はやはりきちっと言ってもらう必要があるんじゃないのかな、あるいは言ったのか言わないのかということはやっぱり国民に対して言う必要があるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、どうでしょうか。
  75. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 首脳会談のやり方は、大勢のいる会談もあるんですよ。その場と、そうでない二者だけで話をするという会談の場所もあるんです。ですから、これは首脳同士のいろいろな自由な発言の中でそういう会談をしたわけでございまして、そういうことについて、もしその話を表に出すということであれば相手の了解も取らなきゃいかぬという外交上の配慮というのは当然あるわけで、そういうことはいつでもあるんですよ、そういうことは。それは御理解いただかなきゃいかぬですね。
  76. 白眞勲

    ○白眞勲君 総理は、ブッシュ大統領に新テロ特措法、給油関係については早期成立に全力を尽くすというふうにおっしゃったと、決意までお話しされている。じゃ、拉致問題に対しても、忘れないってブッシュ大統領は言ったというんですけれども、全力を尽くすって言ってもらうようにしてもらったらよかったんじゃないかなというふうに思うんですけれども、何で拉致問題は忘れない、そしてこちらからは全力を尽くす、ちょっとこちら側が前のめりになっているような感じがするんですね。  この拉致問題を忘れないということは、共同会見では、記者会見でこう言っているんです。これですと、テロ支援国家は解除するけれども、まあ、でもやっぱり拉致問題は忘れませんよねということ、そういうふうにも受け取れなくないんですね。この辺についていかがでしょうか。
  77. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) バランスの問題でおっしゃっているようでございますけど、本来比較すべきことではないと私は思います、そもそもね。それは別の問題である。しかし、日米関係という中で話し合われたということであれば、それは共通の問題というふうに言えるかもしれませんけれども、しかし、それは、先ほど申しましたように、話をする場も違ったということでございますし、相手には相手の立場があるということも考えなければいけない、そういうふうに私は思っております。
  78. 白眞勲

    ○白眞勲君 正に相手には相手の立場があるんですよ。日本には日本の立場があるんですよ。ですから、バランスじゃないですよって、やっぱりバランスって重要な私は外交的なやっぱりツールだというふうに思うんですね。拉致問題を忘れないと向こうが言うならば、こちらも給油についても忘れない、これでよかったじゃないですか。どうですか、もう一度。
  79. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) まあそれは、いろんなことをおっしゃいますけれども、私の方は日米関係信頼関係というものに立ってこの問題も解決できるというように思っておるところでございますので、ひとつそういうことで御理解いただきたいと思います。
  80. 白眞勲

    ○白眞勲君 全然私、理解できないんですけれどもね。  そういう中で、拉致被害者家族会の方々が福田総理の訪米の前にアメリカに行かれました。それでその後また、成田空港でお帰りになってからの記者会見で、家族会副代表の飯塚さんが我々家族だけでは力が及ばないことを実感したんだというふうにおっしゃっているわけなんですね。もっと政治の力で、断固たる気持ちでブッシュ大統領とこういった問題について交渉されるべきだったんじゃないのかなというふうに思うんですけれども総理、いかがでしょうか。
  81. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 私はこの問題をおろそかにしているつもりは全くありません。そのことは御理解、まずしていただかなければいけない。その上で、いろんな交渉をしています。それを一々お話ししなきゃいかぬのですか。そういうことをすれば本来できる交渉もできなくなります。そういうことは分かってくれなきゃ困るんですね、政治家としてね。
  82. 白眞勲

    ○白眞勲君 できる限り、やはりこういうことをやっているんだよということはおっしゃっていただいた方がやっぱり我々としてもいいんじゃないかなというふうに思って、もちろん言えないことがあるのは分かりますよ、それは。それは分かりますけれどもね。  その中で、報道によりますと、アメリカはテロ支援国家指定解除の条件として、これ外務大臣に聞きたいと思うんですけれども、新たにプルトニウムの抽出量やウラン、そして核移転の三点の明示を求める方針とアメリカが決めたという報道があるんですけれども、それは事実でしょうか。
  83. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 具体的にどういうことを今アメリカと北朝鮮が話しているかということは必ずしもつまびらかにしませんが、アメリカが一貫しているのは、このテロ支援国家指定解除をするか否かということは、まず一義的に非核化の進展具合であると、そしてその際に拉致問題も考慮に入れると、こういうことを一貫して言っているわけであります。  これは、全くそういうことはアメリカはぶれていないと。その中の一環として総理との会談で忘れないということをブッシュ大統領がおっしゃったと承知をしております。
  84. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうしますと、アメリカはぶれていない。だったら、今までのいろいろな御答弁からしても、拉致問題の進展とは関係なくアメリカがテロ支援国家を解除しちゃうということもあり得ないということなんでしょうか、お答えください。
  85. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 先ほどから答弁していますように、忘れない、考慮に入れると、こういうことであります。ただ、一義的には非核化の進展次第であると。我々は、そういうことでこの指定国家解除の問題についても緊密に連絡を取り合っていきたいと。  この問題については、目的は何かといったら、拉致問題の解決であり、解決なんですね、解決に至ると、これが目的なんです。そして、その手段として私たちは、日本とすればテロ支援国家指定解除してもらわないで、そのことをてこに使いたいという強い気持ちを日本としては持っているわけであります。そういうことで、それをてこにして指定解除のときに、あるいは解除しないでてこに使うか、解除するときにてこを使うか、いろいろ緊密に協議をしていきたいと、こういうことであります。
  86. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、そうしますと、今の高村外務大臣の話でいうと、テロ支援国家指定を解除してからもてこで使って拉致の解決を図っていくんだという可能性もあるということですか。
  87. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 解除してなければてこに使えるわけですよね、解除してなければてこに使える。それから、解除する際にてこに使って動かすということもあり得るわけですよね。ただ、解除しちゃったらその問題はてこにはならないと、こういうふうに思います。
  88. 白眞勲

    ○白眞勲君 外交防衛委員会で、私の質問に対し高村外務大臣が、拉致の進展とは、数人の方が帰るということは解決ではないものの進展にはなり得るかもしれないと、こうおっしゃっていたわけですけれども、町村官房長官も同じ認識だということだったんですが、それは総理も同じ認識だということですね。
  89. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 実態がどうなのかということを確認した上でそういう数字が出てくるんだろうと思います。今の段階で具体的にそういうことを申し上げるという状況にはないと思っております。
  90. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、でも高村外務大臣は数人の方が帰るということは解決ではないものの進展になり得るかもしれないと言っているんですね。ちょっとおかしいんじゃないですか、それは。もう一度御答弁願いたいと思います。
  91. 高村正彦

  92. 白眞勲

    ○白眞勲君 総理ですよ、総理お願いしますよ。
  93. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 質疑者はどちらですか。
  94. 白眞勲

    ○白眞勲君 総理です。
  95. 北澤俊美

  96. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 私は今お答えしたとおりです。
  97. 白眞勲

    ○白眞勲君 じゃ、高村外務大臣お願いします。
  98. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 進展になり得るかもしれないと答えたとおりでありまして、総理のお考えと全く矛盾してないと思っています。
  99. 白眞勲

    ○白眞勲君 じゃ、その数人の方ということの中には特定失踪者も入るんでしょうか。
  100. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 今から入るとか入らないとかいうことをここで議論することにそれほど意義があることだと思いませんし、私たちは解決に向かって、解決に向かって、一遍に解決すればそれにこしたことはありませんが、それに向かって進展させるために全力を尽くすと、こういうことであります。
  101. 白眞勲

    ○白眞勲君 近いうちに何かそういった進展、何人か帰ってくるということはあるんでしょうか。
  102. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) そうなればすばらしいことだと思いますが、そんなに楽観的に私は考えているわけではありません。
  103. 白眞勲

    ○白眞勲君 ところで、ブッシュ大統領に対して、補給活動の早期再開に向けて全力を傾けるとおっしゃった割には、私は、あの安倍内閣の当時から今まで政府のこの法案の取扱い方って、それほど気合いの入ったものではないような私は感じがしたんですね。  それで、今日ですか、報道ですと、今、榛葉議員も言ったんですけれども、アフガン支援では難民・農業対策を柱に支援二百四十億円だという記事も出ているわけなんですよ。今、町村官房長官も、中身は詰めているけれどもそういった方向性だということを考えますと、やっぱり給油よりも、私たち民主党が主張しているのはそこなんですね。軍艦に油を入れるよりは一般庶民に水を出しましょうと、それを我々は主張しているわけなんですよ。ということは、私たちの主張にだんだん合ってきたなというふうに、非常に有り難い気持ちになったわけなんですね。  ちなみに、この二百四十億円という数字なんですけれども、大体そんなような数字なんでしょうか。町村官房長官お願いします。
  104. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) 新聞報道の二百四十億というのはどうも意味が分かりませんが、どうも既にお約束をした千六百四十億円、十四・五億ドルのうち、既に千四百億円を実施してまいりましたので、その差額が、ちょうど残っているのが二百四十億なんですね。ちょっとそれとごっちゃにされた新聞記事ではないのかなと思ったりもしております。いずれにしても、厳しい財政の中でございますが、補正の中で私どもは可能な限り必要な予算を確保していきたいと思っております。  ただ、せっかくの機会でございますから、私ども、もちろんこうした民生支援、重要だと思っております。ただ、それだけで十分かといえば不十分であるということでこの給油活動、給水活動の必要性を述べているわけでありまして、今委員が私たちの考えに近づいてきたとおっしゃいました。どうぞその私たちの考え方というものをきちんとお示しをいただきたいんです。断片的にいろいろなお話は聞こえてくるんですが、これが民主党のテロ対策なんですというものを残念ながら一度として衆議院の段階でも、また参議院のこの質疑に始まるに至っても、残念ながらその私たちの考えというものを民主党から一向にお示しがないところが私どもは残念なことであり、是非是非、白眞勲先生、おまとめをいただいて、これが民主党の考え方なんですということをおっしゃってください。そうでないと建設的な議論になってこないんです。
  105. 白眞勲

    ○白眞勲君 我々、考え方を今申し上げたじゃないですか。正に言ったじゃないですか。油を出すよりは水を出すと言ったじゃないですか。そういったものも紙に書いてまとめていますよ、私たちは。  いいですか、我々は言っているのはそこなんですよ。つまり、対案を出せ対案を出せと言う前に、今、榛葉委員も言ったように、まずその対案を出す前に、こんなふうに防衛省がこんなような状況の中で出していいんですかと、そこをまず議論しましょうというところからスタートなんですよ。すぐに対案対案と言うのはおかしな話だというふうに思うんですけれども。  私は申し上げたいんですね。今、政府テロ特措法の本当にこの給油に対してやる気があるのかなというのは、これを見れば分かると思うんですね。(資料提示)七月に選挙がありまして、八月七日から臨時国会。そして、このときに法案を出しておけば、ここの点々点々に書いてあるように、成立したんですね、この十一月一日の延長期限までに。これは石破大臣も当時八月の段階で、あるいはマスコミに言っていました。石破大臣はまだ当時大臣じゃなかったかもしれないけれども、大分わあわあ言っていましたよね。大変だ大変だということを言っていた、おっしゃっていました。おっしゃっていて何で出さなかったんだろうなと。で、自衛隊の自衛艦は帰っちゃったんですよね、帰ってきちゃった。何ででしょうね。おかしいと思いませんか、これ。  本気にこれやる気あったんでしょうか。総理、どうなんですか。
  106. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) たまさか私は、安倍内閣八月二十七日に改造されたとき、外務大臣に就任をいたしました。そして、その時点から、正に安倍総理が退陣表明をされたのが九月の上旬、十日前後であったかなと思いますが、その時点もまだ閣内で、私は外務大臣でございましたが、関係大臣の一人として当時の防衛大臣あるいは官房長官と一生懸命議論をしておりました。まだその時点では我が内閣あるいは我が党の議論も残念ながら、どうしようか、こういう考えもある、こういうアイデアもある、いろいろ議論しておったんです。  ですから、先日どなたかが言っておられたけれども参議院選挙が負けた七月二十九日の翌日に法案を出せばよかったではないかとおっしゃるが、そう簡単に法案の中身というのはそう詰まるものではございません。いろいろいろいろ七月、八月、議論をして、そして私どもはまとめたんです。したがって、私が申し上げたいのは、何も提出を遅らせたわけでも何でもない。  逆に、同時に、皆さん方も参議院選挙が終わって十分今日まで時間があるわけですから、先ほど民主党の皆さん方が意見をまとめたとおっしゃるが、一度として、書き物にしてきちんとしたこれが民主党の考えですといって国会に出されたこと一度もないんですよ。そのことを白眞勲先生、どうぞ御認識の上御発言をいただきたい。
  107. 白眞勲

    ○白眞勲君 今、どうだこうだといろんな議論をしていたんだというふうにおっしゃいましたけれども、十一月一日に期限が切れることは分かっているんだったら、新しい法案を出すならば、別にこの七月の下旬から考えなくたってよかったんですよ。そういうことを考えれば、この十一月の一日という期限にうまく間に合わせるように法案だって出せたはずなんですよ。政府はずっと、六十年間ほとんど同じ政府がやっているんですから。ここからスタートしたんじゃないんですよ。それを考えていただきたいというふうに思うんですね。  と同時に、与党が何か民主党が時間延ばししているんじゃないかみたいなことも主張されていますけれども、そんなことないんですよ。全然そんなことない。だって、法案来ないじゃないですか。法案来ないでどうやって審議するんですか。私は逆に政府の怠慢だと思いますよ。  いいですか、この法案、今日から参議院で実質審議入りしたんですよ。それでいて、十一月三十日に記者団に向かって総理は、会期内に決着してほしいと。審議入りしていないのに会期内で決着しろ。自民党の伊吹幹事長に会期内成立を目指すように指示だと報道もされている。つまり、我々まだ審議しないうちにもう決着しろ、採決してくれ、そういうふうに言うって、私、これ自民党の皆さんも怒んなきゃいけないと思う、参議院の自民党の皆さんも。やっぱりそれちょっと私はおかしいと思うんですけれども総理はいかがでしょうか。
  108. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) お言葉でございますけれども、私自身、参議院で十二月十五日までにひとつ可決、成立するようにお願いをしたいとひたすら低姿勢でお願いはしたことはあるけれども命令らしき言葉を一言も言ったことはありません。  今日からでも、今日からでもまだ日にちたくさんあるんですよ。日にちは十二月十五日までに毎日あるんです。毎日あるんですから、ひとつどうぞ、そういう、皆様方も大事な、ここまでこだわって反対していらっしゃるというのは大事な法案だということでこだわっていらっしゃるんだろうと思いますので、是非毎日でも御審議をいただきたいと、こう思っております。
  109. 白眞勲

    ○白眞勲君 福田総理は低姿勢で低姿勢でとおっしゃっていたんですけど、福田総理幾らおっしゃったって、やっぱり我々、幾ら低姿勢だと福田総理が考えたって、我々は高姿勢に見えるんですよ、総理なんだから。そういうことだと私は思うんですね。  この中で、インド洋の海上補給活動がそれほど重要な意味を持っているならば、私、一回聞きたいんですね。なぜ総理は十一月二十四日の海上自衛艦の給油艦「ときわ」の帰還に際し晴海埠頭まで出迎えに行かなかったのか、私は疑問なんですね。何ででしょうか。  私でさえ、法案の賛否は別にして、任務をきっちり遂行した自衛隊員の皆様には敬意を表するべきだと思って出迎えに行っているんですよ。だから、やっぱり私としては、それこそ家族と離れ離れで現場で汗を流している隊員に対して無事に祖国に戻ってきた、本当にお帰りなさいという気持ちなんですよ。  なぜ総理は出迎えに行かなかったのか、お答えください。
  110. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) ちょっとその事情をよく覚えていませんけれども、官房長官も、もちろん防衛大臣も行かれると。そしてまた民主党の方にも行っていただいたそうですね、もちろん自民党も参りましたけれども。与党の皆さん、たくさん参ったんですね。そういうことで歓迎の意は十分尽くされているだろうというふうに思っておったわけでございます。  私も、いや、行って歓迎するということがあってもいいと思いますよ。でも、そういう皆さんが行ってくだすっているんですから、そういう方に花を持たせるということもあるじゃないですか。
  111. 白眞勲

    ○白眞勲君 防衛大臣とか官房長官が行くのは私は当たり前なんです、官房長官はこの法律の責任者なんだから。でも、私は、自衛隊の最高指揮官ですよ、観閲式のときには訓示をなさるのは総理、あなたなんですよ。  そういう中で、いや、もちろん全部そういう自衛隊の行事に総理は参加しろということを私は申し上げるつもりはございません。しかし、意味合いが違うじゃないですかと。そうおっしゃっているじゃないですか。諸外国の首脳にも会って説明したり、アメリカの大統領にまで全力を尽くします、そうおっしゃったわけですよね。  ですから、それほど重要な事柄と本当に認識しているならば、やはり隊員の皆さんやその御家族に本当に御苦労さまだったね、ねぎらいの言葉掛けてさしあげると同時に、いかにこの任務が国際社会への貢献とテロとの戦いに重要かをアピールする絶好の機会だったと私は思いますよ、逆に。ですから、きっと、まあこの法案というのはその程度の法案だよという認識総理の潜在意識の中にあるんではないかなというふうに思うんですよ。  私、ああ、もしかしたら総理はきっとお忙しい日だったんだなと、いろいろな公務が、いろいろ多忙な方ですからしようがないのかなと思って、新聞に書かれている首相動静見たんですよ。そうしたら、この日は、午前中来客なく、東京の野沢の私邸で書類整理などして過ごす。行けたじゃないですか、これ。やっぱり行く気なかったということじゃないかと思うんですけど、ちなみに福田さんのライバルの麻生さんもいらっしゃった。どうなんでしょうか。
  112. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 総理大臣、官房長官は、これ役割分担なんですよね。ですから、そういうことで極めて常識的に考えたつもりでございます。
  113. 白眞勲

    ○白眞勲君 このフリップ見ていただきたいと思います。(資料提示)恐らく国民の皆さんも何じゃこりゃということだと思うんですね。これは、テロ特措法に係る協力支援活動実績というものを出してくださいと言って、実は私たち、この法案というのはずっと毎年毎年お話をしていたんです、お願いしていたんです。今年やっと私たちが選挙でお力をいただいて、それで出てきた資料がこれですよ。十二ページ、本当はこれ全部です、全部、全部これ。もう一枚ありますか。もう一枚も見せましょう。こういう感じです。そしてもう一つ、こういう感じ。もうこれ以上やるとフリップ代がもったいないからやめました。  これだけ多くの、もうどうにもならないじゃないですか、これ。資料さえ出さないで、何をやっているか、どうやってやっているかも全然教えてくれないで、どのように私たち国会が審議をして、そして早く採決しろというのか。私ちょっと変だと思うんですね。おかしいでしょうというふうに思うんですね。  これ、どうでしょうか、防衛大臣
  114. 石破茂

    国務大臣石破茂君) その資料、結局なぜそういうことになるかというと、我が国だけがやっている活動ではございません。多くの国の艦船に補給をしている。そして、そういう状況の中で、どの地点でどの船が何をやっているかということを明らかにすることが本当にできるかどうかでございます。それはそれぞれの、アメリカ合衆国だけではございません、パキスタンもあれば、そういう国々の了解というものが取れるかどうかの問題。  ただ、委員指摘のように、これでは余りにひどいであろうということももちろん感情としてあるわけです。ですから私ども情報公開のやり方として、本当にそれぞれの国と、これは出してよいか、そしてアメリカではどのような情報公開がなされ、イギリスではどのような情報公開がなされ、ドイツではどのような情報公開がなされ、これから私どもとして、本当にもっと明らかにできるものはあるのではないか。軍事機密であるとか外交とのかかわり合いとか、そういうことで出さない、出さないということで来たのではないか。外国との了解と、そして外国との基準を合わせるという点から、公開の基準というものは私はもう一度見直していくべきものだと思っております。
  115. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、大臣、本当に前向きな答弁ありがとうございます。  そのとおりだと思うんですね。やっぱり出せるものはどんどん出していかないと。でもここは駄目なんですというところのめり張りを利かせていただかなきゃいけない。今の表で見れば、何でもかんでも、回数まで、回数以外、日にちから何から何まで全部駄目。こういう書類を出して、いいんだこれでということだったんですね、今までは。ですから、例えばいろいろな秘密の漏えいの事件もありました。あれだって、多くの資料があって、その中の一部が本当は、本当にばれちゃいけないところがあったけれども、全部駄目ということによって、逆に秘密に対する一般の職員の皆さんの、何というんでしょうね、慣れというか、そういったものが私は起きてきたということをやっぱりここでしっかりと指摘したいというふうに思うんですよね。  そういう中で、やっぱりこれ、じゃ、来年、今回もしこの法案が、この法案ですね、今回はもっとこれ、次回以降はもう少しこれ良くなるということを意味しているんですか、今回の法案では。
  116. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 外国との調整、そしてそれぞれどのような公開をしているかということを今調べておるところでございます。もう少し透明性の高いものにならなければいけませんが、ただ、その何を出して何を出さないかという基準は、世界統一基準があるわけではございません。それぞれの国が海軍の運用の仕方も違うわけでございます。そういたしますと、我が国独自の基準というものも作らなければいけないが、委員指摘のように、あれも出せないこれも出せないということがかえって情報に対しての感覚を麻痺させてしまったところがありはしないかという反省は私は持っております。  ですから、これはなぜ出せないのかということをぎりぎりと詰めた上で、前、総理からも御指摘をいただいたことでございますが、出せないときはなぜ出せないということをきちんと説明をする、それができなければ出すべきだというふうに変えるべきだと私は思っております。
  117. 白眞勲

    ○白眞勲君 総理自身でさえ、この給油量の取り違えの際には結局迷惑を被ったわけですよね、総理自身が、官房長官の時代に。被害者ですよ。総理自身も被害者だったかもしれない。きちんとやはり情報を出させるということが重要だと思いますけれども総理はどういうふうにお考えになるか、御答弁願います。
  118. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 何年もたってそれが虚偽であるということが分かったんですけれども、私ども現場信用してやっております。ですから、そういう数字が出てくれば、それは事実と思って言っているわけでありまして、しかしそれがそうでなかったということがあり、そしてそれがまた恣意的にそういうことが起こったということについて、これはもう大変申し訳ないと思いますし、また大いに反省もして、そういうことがないようにするということについて大いに留意していくべきことだというふうに思っております。
  119. 白眞勲

    ○白眞勲君 やっぱりそこの部分なんですね。結局、私たちは分からないわけですよ。海の向こうに行って何をしているか分からないんですよ。例えば、御主人が出張に行ってますと奥さんに説明しました。何やっているのと。いや、それは相手の、取引先との関係があるから言えないんだよ、ちゃんとやっているんだ、それだけ言われちゃう。それは奥さん疑いますよ、それは、だんだん。いや、ちゃんとやっているんだ。だんだん何か、ちゃんとやっているんだよと言っている、それだけしか、そういうことなんですよ、結局。だったらあなた帰っていらっしゃいよというふうになっちゃう。私は、そういうふうに思うんですね。  ですから、例えば、これ見てください。これ、説明資料です。これは何を、これは防衛省が作った「国際テロの根絶と世界平和のために」というパンフレットがあります。国民の皆さんに給油活動理解をしてもらおうということで出した資料です。  ところが、よく見ますと、この艦番号、船には横に番号が付いている、番号がきれいに消えているんですよ。普通はこういったものというのは消してはいけないものではないのかなと私は思うんですね。これは、いいですか、一般向けに、DVDもそうなんですよ。こういったものというのは、これ事務方で結構です、これ何で消したんだということに対して、これ答えてくれないんですね、全然、この前委員会でやったんですけれども。何でですか。じゃ、防衛大臣お願いします。
  120. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは委員からも前、別の委員会で御指摘をいただきました。これは、(発言する者あり)この委員会ですか、ごめんなさい、消す必要がなかったというものだと思います。  ただ、私どもとして、ここはもう抑制が利き過ぎたのか、相手国に御迷惑を掛けてはいかぬと。つまり、艦番号が明らかになることによって、どの国のどのタイプの船が日本から補給を受けていたというような情報が明らかになってはいかぬだろうということで、これは配慮のし過ぎだった点があろうと率直に私は思います。  だとするならば、これから先は、相手国の同意を得るということは必要だと思いますが、艦番号というものは相手国の同意を得た上でこれはきちんと明らかにしなければ、これはかえっておかしなことになると反省いたしております。
  121. 白眞勲

    ○白眞勲君 これは深刻な問題なんですね。これ軍艦ですね。軍艦ということは、これは相手国の主権の及ぶ範囲なんですよ。言うならば、今これやっているというのは、どこかの大使館の写真から勝手に看板を消しているようなものなんですね。そういうことですよ。だったら、いや、もちろん、それは秘密の問題があったりなんなりするならば、それは消してますと言って、わざとモザイクを掛けたり黒いペンで塗ったりするんだったらまだ話は分かるんですよ。こうやってきれいに消したというのは、これは逆に言うと、国民に対してだましたことになるんですよ。そういうことだということなんですね。  ですから私は、いや、ここで私が申し上げたいのは何かといったら、外交防衛委員会でこれ聞きました、私は。それで、これに対してどういう、防衛省として考えていらっしゃるんですかということを聞いたにもかかわらず、そのとき防衛大臣は、いや、これは調査して報告しますというふうに言っていらっしゃるにもかかわらず、何にも言ってこないんですよ。  それで、なおかつ昨日も、それについて今日じゅうに答えてくれないかと、委員会でこれをまた取り上げられるのもなんだから、昨日ですよ、昨日、事前レクでこの問題について調査結果教えてくれないかと言っても、ナシのつぶてですよ。連絡一本ないですよ。それでこういうことを言うというのは、やっぱりちょっと私は誠意に欠けるんじゃないかなというふうに思うんですけど、いかがでしょうか。
  122. 石破茂

    国務大臣石破茂君) そういうことがあったという御指摘です。心からおわびを申し上げます。ごめんなさい。申し訳ありません。  で、その今委員指摘の、大使館の看板消しちゃうようなものじゃないかという御指摘ですが、それは私は少し違うのではないかと思っております。この船はイギリスのフリゲートのアーガイル、艦番号Fの二三一というものであると承知しております。前回この委員会で御指摘していただいたときに、私、これパキスタンの船じゃないですかというようなことを申し上げました。パキスタンの船はイギリスの船からセカンドハンドで入れておりますので、あながち全然間違いでもなかったと思いますが、その船の国旗あるいはどこの国の船か分かるというものを消してしまうということと艦番号を消すというのは少し違いがあるというふうに思っています。  艦番号であれば、どのような性能のものがどこにいてみたいなことが分かるのでというふうなおもんぱかりがかなり過ぎたかなと思っております。これから先、相手国の了解は得ますが、艦番号というものは出す、それは委員の御指摘を踏まえて私ども改めさせていただきます。不行き届きな点はおわびを申し上げます。
  123. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、私は、艦番号、艦番号って、別に数字が書いてないじゃないかということのいわゆるある意味細かいことを聞いているわけじゃないんですね。そのいわゆる防衛省の私たちに対する態度が誠意に欠けるんじゃないんですかということを私は申し上げているんですね。  それで、それに関連して、私、この前、九月十日に外務省の谷内事務次官が記者会見で発言した内容について申し上げたいと思うんですね。これ、どういうことかというと、要するにパキスタンの船はハイオクを使わなければならない、いわゆるね、だから自衛隊の補給艦しか今ないんだという状況なんですね。今も防衛大臣はパキスタンの船に給油しているんだと、この写真はというふうにおっしゃいました。  私、ああ、そうなんだと、私も素人ですから、ああ、パキスタンの船というのはハイオクガソリンを使わないと動かないんだなと。そしたら、この前、テレビで見ていたら、パキスタンの艦長が出てきて、船の艦長が出てきて、いや、燃料だったら何でも動くよと言っているわけです。おかしいじゃないの。間違いなく動くわけですよ。間違いなく動くじゃないですかということをこの前、決算委員会で言ったんです。そしたら、副大臣がこういうふうに言ったんです。赤い字で、いや、動いているんだと、動いているけど、ほかの国から日本が供給していたのと同じような処理をした油をもらっているかもしれませんし、あるいは我慢して動いているかもしれないと。これ、ごまかしですよ。こういう答弁、国会でやられる。私ちょっとどうしようかと思いましたよ、そのとき。どうですか。
  124. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 私ですか。だれ、私ですか。
  125. 白眞勲

    ○白眞勲君 防衛大臣。あっ、外務大臣外務大臣。済みません、外務大臣ですから、済みません、外務大臣に。
  126. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 質疑者に申し上げますが、しっかり答弁者を指定してください。
  127. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) どこの国の油でも動かないことはないと承知をしております。ただし、パキスタンの軍船においては、軍艦におきましては純度の高いものを使わないとエンジンに不具合を起こす可能性があるので、サンプリング検査をして不合格になることがよくあるそうであります。そして、日本の場合は清浄こしを使ってずっとやっていたので不合格になることがなかったということで、最後のころはパキスタンの船は大体日本から補給を受けると、こういうことでやっていたと、そういうふうに承知をしております。
  128. 白眞勲

    ○白眞勲君 私も、この軽油二号というんですか、F76という油、どんな油なんだろうなと、分からなかったんで、私聞いてみたんですね。そしたら、ほとんどこす必要もないぐらい、そもそも普通の船に比べると、重油を使っている普通の船に比べても非常にいい油なんだそうですよ。ですから、今の大臣の御答弁というのはちょっと変だなというふうに私は思うんですね。  ただ、それ以上に重要なことは、私たちが言いたいのは、何を言いたいかというと、自衛隊の補給艦しかないと言う、ないんだというふうに言っているにもかかわらず、今パキスタンの船は動いているじゃないですかということは、この事務次官、これ、どういうこと。我慢している、だけど動いている、しかも動いているって、おかしいということなんです。これはでたらめ、うそを言ったんじゃないんですかということなんですけれども
  129. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 必ずしも正確ではなかったかと思いますが、うそまで言ったということではないんだろうと思います。  要するに、純度の高いものをパキスタンが要求していることは事実でありますし、必ず受ける前にサンプリング検査をしているということもまた事実だと承知をしております。そういう中で、ある国の補給艦が補給をしようとしたときにサンプリング検査に合格しないで断念したという事実もあるやに聞いております。  そして、そういう中で、今パキスタンの船は動いてやっているということは委員がおっしゃるように事実でありますけれども、場合によっては補給を受けられないで港まで帰って補給を受けざるを得ないというようなこともあるし、それが、場合によってはじゃないですね、むしろ今基本的にそういうことをしていると。そして、場合によっては、今までの任務の海域から離れたところまで行って補給を受けているという場合もあると。そして、今効率が四〇%ぐらい日本から受けていたときから低下していると。  こういうことでありますので、必ずしも正確ではなかったかもしれませんが、うそまで言ったということではないと、こういうことで御理解をいただきたいと思います。
  130. 白眞勲

    ○白眞勲君 一番重要なことは、これは実は日本の給油艦がいなければパキスタンが大変なことになるんですよという、そういう内容として事務次官がおっしゃったんだと私は思うんですよ。  でも、今実際にパキスタンの船は動いていると。ただし、その稼働率が下がっているよということでしたらば、その具体的なデータというのも出していただきたいと思うんですね。それを是非委員長お願いしたいと思います。
  131. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) どうですか。石破防衛大臣
  132. 石破茂

    国務大臣石破茂君) パキスタン政府は、現在、活動効率が四〇%低下しているというふうに言っておると承知をいたしております。じゃ、何で四〇%なのという数字でございますが、パキスタン艦船が一定期間内に任務海域を離脱せざるを得ない日数が海上自衛隊から補給を受けていた時期に比べまして著しく増大しているということで四〇%というふうに承知をいたしております。  委員御存じのことだと思いますが、海上自衛隊は、自分の船に使うような油、つまり一回清浄してきれいにした油、これをパキスタンの船に補給をしてまいりました。つまり、自分の船で使う油、それはきれいでなければ動きません。しかし、ほかの国の船に対しては、自分の国で使うようなフィルターを通さないでそのまま補給をしておった。それをパキスタンの船は自分の船でこすかどうか、そこに何の問題があったかは私どもはつまびらかではございませんが、先ほど外務大臣がお答えをしておられるのは、それは本当にきれいな油というものを私どもは提供してきた。そして、それが検査において不合格になったということは、これは事実としてございます。この点はどうか御承知おきいただきたいと存じます。
  133. 白眞勲

    ○白眞勲君 いずれにしましても、この件についてはまた外交防衛委員会防衛大臣と一緒に仲良くやっていきたいなというふうにも思うんですけれども。  最後に、今、有識者会議、調達に関する有識者会議が始まったということですけれども、私は、商社を通すとか通さないとかいろいろ様々な議論があると思いますし、それをどんどんどんどん大いにやっていただきたいというふうに思うんですね。  そういう中で、是非これも検討に入れてほしいというのが、私言っているのが、最近言っているのがオフセット取引というやつなんですよ。このオフセットというのは世界で結構やっているわけでして、どういうことかというと、こちらから例えば百億円のものがあったとします。その百億円のものを買うときに、オフセット何%と決めちゃうんですね。決めると、相手国はそれに応じて、例えばオフセット八〇%というと、相手国の何かの商品を買わなきゃいけないという取引を一緒にやっていくんですよ。そういうことをやってお互いに節約といいますかね、その会社が例えば百億円、今だともう武器というのはもう言い値だというふうにも言われている場合があるわけ。それをやはり低減させるためにこういったオフセット取引なんというものも是非この有識者会議とかいろいろな様々な場面を通じて御検討いただきたいというふうに思うんですね。  例えば、どこかの飛行機を、戦闘機を買うときに、日本政府がオフセット何%、五〇%といって、百億円の品物を五〇%、五十億円日本の商品買ってください、米でもいいしリンゴでもいいですよ、そういったものを買ってくださいということによって日本のいわゆる地域社会も潤うんですよ。そういったことをどんどんやっていって、それでオフセット取引というのを考えていただきたいと思う。  これ、世界で結構やっているんですね。例えば、隣の国、韓国でも結構やっているし、幾らだったかな、一千八百億円やっていますね、韓国では。イギリスではアメリカに対して五十億ドル、つまり五千五百億円、このオフセット取引やっているんですよ。  ですから、私は、こういった、もちろんいろいろ会計法上の問題もある、武器輸出三原則の問題もある、いろいろな問題がある。しかし、それを是非総理、一つの考え方として検討していただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
  134. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) 委員長
  135. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 町村官房長官
  136. 白眞勲

    ○白眞勲君 総理にお伺いしたいんですけれども
  137. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) 防衛省改革会議、調達問題、一つの大きなテーマとして取り上げることにいたしております。装備品の調達をできるだけ公正、透明かつ効率的に行っていく、その際にできるだけ低コストで調達をしたいということは委員指摘のとおりであろうと思います。  その際に、今オフセット契約という話がございましたが、私も必ずしもこのこと詳しくないわけでありますが、今委員おっしゃったとおりに、防衛装備品を安く、例えば半値で買って、あとの半分は日本のリンゴを輸出する、まあそういう取引というのは確かにあり得るのかなと思うんですが、さあそのときリンゴを売るのか、お米を売るのか、何を売るのか、これ日本政府が決めることもなかなか難しゅうございますし、そういうことが本当に日本の会計法令上できるかどうか。もうちょっと言いますと、それは防衛省予算は確かに一見そこは少なくなるけれども、逆に、民間から買い上げる、リンゴを買うお金というのはまた別途要るということになるわけですから、これはちょっと、これは先般、参議院の決算委員会でも委員から御指摘があって、私は非常に難しいということを申し上げるのは、また同じことを申し上げるのは恐縮でありますが、なかなかこれは難しいところがあるんじゃないのかなという気がいたします。
  138. 白眞勲

    ○白眞勲君 今、日本はもう本当に財政赤字が大変な状況です。何とかやっぱり安くいいものを買おうというのは、これ、与野党関係ないんですよ。難しいのは分かっているんですよ、私も。分かっているけど、果敢にそれに対して取り組む姿勢ということも今私は必要なんじゃないかな、そういうときがもう来ているんじゃないか。  会計法もそうなんですよ。三十機を買うのに六機ずつ五年間で買って高い買物をするよりも、三十機をですよ、戦闘機を買うときに一遍に買って、ついでにおまけも一機よこせ、そういう交渉、そういったことも私はこれからやっていく。会計法も柔軟に対処していかなきゃいけない、そしてオフセットも考えていかなきゃいけない。もう今までの、いわゆる聖域はこれだからこれからは超えられませんよというのをもう超えていく段階に来たんじゃないか。  総理、どうでしょうか。その辺、お考えちょっとお聞かせください。
  139. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 白委員のお気持ちはよく分かります。  今回、改革会議におきましても、装備品の調達についての仕方、在り方、どうあるべきかといったようなことについても議論をしますので、そういうものをよく拝聴しながら最も良い方法を考えてまいりたいと思っております。
  140. 白眞勲

    ○白眞勲君 最後になりますけれども、様々な不祥事が今防衛省のみならずいろいろな官庁であるわけなんですね。それは我々政治家も、あいつらけしからぬ、けしからぬと言っているような状況じゃないと思うんです。私たち自身も今までのチェックに対して反省する点もあったかもしれない。だから、みんなで一緒になって知恵を絞って今後どうやっていくかということをまず考えてから給油ということを考えていくというのが私はいいんじゃないか。それとこれとは別じゃないんです。まずここからスタートするということを私たちは考えて、民主党としてはそれを考えて、これからもこの法案をしっかりと審議をしていきたいというふうに思って、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  141. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十三分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  142. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) ただいまから外交防衛委員会を再開をいたします。  委員異動について御報告をいたします。  本日、大久保潔重君が委員辞任され、その補欠として米長晴信君が選任されました。     ─────────────
  143. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 休憩前に引き続き、テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動実施に関する特別措置法案を議題とし、質疑を行います。  関連質疑を許します。柳田稔君。
  144. 柳田稔

    ○柳田稔君 民主党・新緑風会・日本の柳田でございます。  この臨時国会、九月十日に始まりました。もう三か月ぐらいですか、たちました。総理にまずお伺いしたいんですけれども、この臨時国会の最重要テーマは一体何だとお考えでございますか。
  145. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 私は、この国会の最重要テーマと言われますとちょっと困るんでありますけれども、いろいろな政策課題ございます。私、所信表明演説で、国民の目線に立った政治、行政の実現、また実態をしっかりと見据えた構造改革の継続、それから持続可能社会への転換、また日米同盟をかなめとする積極的な外交の展開と、こういうふうなことを申し上げたんですけれども、そういう中に、外交の分野において、この今お諮りをしておりますこの補給活動新法というものがあるわけでございまして、これはこれで大変大事な外交課題だというように心得ているわけであります。
  146. 柳田稔

    ○柳田稔君 今日までの政府なり与党の自民党の発言を聞いていますと、この臨時国会の唯一の最重要テーマはこの新法だと、そういうふうにおっしゃっておられます。  ただ、今総理の答弁を聞きますと、国民の目線でと、そういうことを私は所信で申し上げたと。そこで、今国民の皆様はどういう生活実態なのか、その中でも社会的弱者と言われていますけれども、どういう生活をされているのか、どういう思いを持っているのか、国民の目線で今総理が感じていることをおっしゃっていただきたいと思います。
  147. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) これは、私、さきの参議院選挙で与党が大敗をしたということを受けて私が自民党の総裁になり、そしてまた総理大臣に任命されたという、そういうことを考えますと、やはりこの参議院選挙でなぜ与党が大敗をしたのかといったようなことは、これは忘れることはできないんです。当時と今、国民が思っておられること、これはそんなに変わってはいないと思います。  そういう意味で、そういう観点から申し上げれば、国民の皆さんはやはり今までの改革に対する問題がありまして、それは、例えばそれによって格差が生じたんだというような思いを持っておられるのであれば、それも大きな問題だというふうに思いますし、実際は私、改革だけによって起こった格差ではないとは思っておりますけれども、この数年間の間に社会情勢も随分変わってきたわけです。社会情勢の変化によって起こった問題も当然あるわけでございますので、そういう現在の状況、またこれからどういうことになっていくのかといったようなことについて、国民の皆さんが分からないところ、そして不満のあるところ、将来についてどうなっていくのかなといったような漠たる不安をお持ちであろうといったようなことも感じるわけでございまして、そういうようなことも、そういうものに対して回答を示してこなかったというのも一つの選挙で負けた原因ではなかったのではないかというふうに思っております。  ですから、これはということではありませんが、そういうもろもろの状況を察知して我々は対応していかなければいけない、そういう中で、我々としては将来のあるべき姿というものをあくまでも追求していく、そして国民の皆さんにそういう状況というものをお話しし、そして理解を求めていくということが大事なんだろうというふうに思っているところでございます。
  148. 柳田稔

    ○柳田稔君 参議院選挙が行われたのは七月二十九日でした。今日は十二月四日です。臨時国会が開かれて三か月以上過ぎました。選挙の反省をされたと、しなければならないことも分かっていると。  ではお聞きしますけれども、この三か月間以上の臨時国会で、政府国民生活にかかわる大きな法案というのをお出しになりましたか。もしお出しになったんなら、どういうものをお出しになったか、お答え願いたいと思います。
  149. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 政府として、今我が国としてどういうことをなすべきであるかということはいろいろ考えております。そういう中で、先ほど申しましたように、国民目線に立って考えると、今までの政治、行政の在り方が正しかったのかどうか、まあ今までは正しかったとしても、今のような客観情勢の中で、また将来、例えば高齢化が進んでいくと、進行していくという中で、今までのやり方でいいのかどうか、これを続けることはできるかどうか、そういったような観点から、いろいろな考え方を整理して、そして政策に結び付けていかなければいけない、そのように思っております。ですから、そういうふうなことを我々としては真剣に取り組んできたということがございます。  この国会において、そういう意味において国民生活に関係するようなこと、これ野党の御協力もいただきまして、最近になりまして大分法案が仕上がりました。国民生活にも関係するようなこと、たくさんございます。被災者生活再建支援法、身体障害者の補助、消費生活用製品の安全法と、そういうような国民生活に関係のある部分について数多くございます。また、大きな取組については、今検討して、そしてこれから法案として出す用意はいたしておるところでございます。
  150. 柳田稔

    ○柳田稔君 今総理がお答えになった法案の内容は、参議院選挙の結果を受けて、我々民主党がこの参議院に議員立法として提出をしました。それに対して与党の方も、あっ、これではいけないということで議員立法で法案をお出しになった。結果として何本か成立しましたけど、その中身は、参議院選挙の前に自公の皆さんが言っていたことと方向転換をされてできた法案もありました。  私たちは、国民生活というのは、今総理が答えたようにのんびり構えていられるような状況じゃないんじゃないかと。選挙が終わって、何回も言いますけど、三か月以上たった。なぜ手を打ってくれないんだと。いいですか、保険料の値上げ、税金の値上げ、さらには今の原油高でいろんな物価が値上がってきた。しかし一方、給料は上がらないんですよ。その中の苦しい生活を見て、総理はおっしゃいました、国民の目線で。なぜ何にもやらないのか、それ以上にテロ新法が大切なのか、私は分からない。  我々民主党は、選挙が終わった後、臨時国会ございました。既に出した法案が十一本です、議員立法で。今日三本出しました。計十四本、国民生活に関する法案を議員立法として提出しました。  我々は、国民生活が今非常に大変なんだと、それが緊急課題だと。ところが政府の方は、いやそうじゃないと、インド洋のガソリンスタンドが大切なんだと。私は、その差は理解に苦しむ。このことは、テレビを見ている人やラジオを聴いている人、国民が判断されるでしょう。どっちの政治判断が、どっちの国会での活動国民の目線なのか、国民の立場に立っているのか、そのことは国民がしっかりと判断されると私は思っています。  何か、総理、ございますれば。
  151. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 今、柳田委員からそういうお話ございますけれども、私どももそういうことを考えていないわけじゃないんですよ、考えているんですよ、真剣に。  ただ、あえて申し上げれば、あえて申し上げれば、野党の方々もこれら法案を国会に出すといったって、最近出されたものが多いと。今日でしたか、三本出されたといっておっしゃられましたね。そういうように大分遅れているわけですよ。  私は、そういう意味においては、国会審議というのは、国会審議というのは与党、野党の協議の上に立って行われているわけですから、ですから、一方が、一方が一方的にという、そういうことでもないわけでしょう。そしてまた、例えば最低賃金法のようなことも、これも与野党協議でそして合意してできたわけでしょう。ですから、こういうものは積極的に取り組もうという姿勢が両方にあればできるんですよ。是非そういうふうにしていただきたいというふうに思っております。
  152. 柳田稔

    ○柳田稔君 国民は、今の生活を考えたときに、もう待てないんですよ。何かやってほしいと、現実的にやってほしいというのが今の思いだと私は思っているんです。ですから、参議院選挙終わってもう四か月ですよ。何かできたのかというのが多分多くの国民の私は思いだと思うんです。まずそのことを私はこの場で政府に申し上げたい。あくまでも自民、公明の政権はテロ新法だと、我々は違うと、国民生活だと、そのスタンスの違いだけははっきりと言っておかなければならないかと思います。  次、テロ新法の関係に移りますけれども、このテロ新法の前のテロ対策特措法というのがございました。インド洋から、十一月一日ですか、給油艦が撤退しました。  そこで私は聞きたいんですけれども、このテロ対策特措法、前の法案ですね、十一月一日に期限が切れるということを自公政権は分かっていたんですか。
  153. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) 委員の御指摘をまつまでもなく、当然分かっております。
  154. 柳田稔

    ○柳田稔君 不思議なことなんですけれども、先週の水曜日に初めてですよ、この参議院で新しい新法が審議になったんです。ね、不思議だと思いません、何で僕、先週の水曜日にやっと参議院で審議なんだと。その原因は一体どこにあるんだろうか。私は、すべての責任は自公にあると思います、政府にあると思っていますけれども総理はそうお思いになりませんか。いや、総理です。
  155. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) これは、この法案は出ておるわけです。既に出ておるわけでありますし、それが早い遅いということについては私から国会運営上のことですから申し上げません。  是非、私から申し上げたいことは、十二月十五日がこの国会の期限でございますから、それまでに慎重審議かつ迅速に行っていただきたい、そして結論を出していただきたいということをお願い申し上げておるところであります。
  156. 柳田稔

    ○柳田稔君 いや、総理のこの新法に懸ける思いは先ほどの質問でもよく分かりました。何をおいても新法だという思いからすると、どうにか仕上げてほしいと、そういう思いは分かるんです。  しかし、参議院選挙は七月二十九日に終わりました。この臨時国会は九月十日に始まったんです、約三か月前にね。途中、前総理辞任劇もありました。やっと新総裁そして総理が決まって、福田総理の所信があったのは十一月一日ですよ、一日。そして、このテロ新法が国会に提出されたのは十月の十七日です。そして、衆議院を通過したのは十一月十三日なんです。いいですか。  ということは、十一月一日に間に合わない、間に合わなかった、撤退せざるを得なかった、新法の審議がここまで遅れている、これはどう考えたって自公政権政府責任じゃないかと思わざるを得ないんですけど、総理どうですか。──いや、官房長官じゃないですよ。総理ですよ。(発言する者あり)いや、事実関係いいです。
  157. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 総理が答弁しながら、官房長官に振っていただいて結構でありますから。
  158. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 十月十七日に法案の閣議決定して国会に提出しましたね。そうですね。  ですから、いろいろなことございました。もちろん、例えば自民党の総裁選挙あったとか、それから総理大臣辞任したとかいったようなことございました。こういうふうなことについて国会に御迷惑をお掛けしたということ、これは率直に謝らなければいけないと、こう思っております。そういう趣旨ではもう何回も謝っているんですけれどもね、国会で。  ただ、政府として十月十七日に法案提出しまして、衆議院でも御審議いただいた。いよいよ参議院に回ってきたわけでございますので、是非この国会中にこの問題、法案については可決するように御尽力いただきたい、心からお願い申し上げる次第でございます。
  159. 柳田稔

    ○柳田稔君 時間がもったいないんで再度言うのは嫌なんですけれども、衆議院を通過して参議院に送られた日が十一月十三日なんです、総理。我々参議院が、何か民主党が抵抗して審議がここまで遅れたとよく言われていますけれども、ほとんどの期間は与党の責任でしょう。  ちなみに申し上げますけれども、我々はイラクから自衛隊撤退しろという法案も出しました。それを提出したのが、実は十月十八日に提出したんです、国会に、この参議院に。ところが、審議に入って、審議したのは先週の火曜日なんです。我々民主党国会に提出した法案、それに何で与党さんは審議してくれなかったのか。しっかりしておけば衆議院から送られてきたら即審議できたんですよ。それを、遅れているのは民主党責任だと言われても私は困ると思う。  我がこの参議院の外交防衛委員会は、淡々とかかった法案については審議してきたんですよ、これは事実でやっているんですから。私は、今日まで遅れたのは、すべての責任とは言いませんけれども、ほとんどの責任は、それは自公の責任でしょう。そのことだけは、総理、はっきり分かっておいてもらいたい。──いやいや、官房長官はどうでもいいんです。総理……(発言する者あり)いやいや、総理どうですか。(発言する者あり)よくはないですよ。
  160. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) ちょっと待ってください。  質疑者の要求を受けて、細部について官房長官に振っていただくのは結構でございます。
  161. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 国会運営にかかわることでございますので、この方面を私よりもよく承知しております官房長官から答弁をいたします。
  162. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) さっき委員、これはまあ単純なお間違いだと。十一月一日に総理所信表明とさっき御発言をされたが、十月一日でございますからね。そんなに幾ら何でも総理の所信が遅れることはございません。ちょっと事実だけはまず申し上げさせていただきます。  その上で、それは国会でお決めになることですから、余り、今総理が申し上げたように、どちらの責任でどうこうということは私もあえて申し上げません。しかし、何か自民党、公明党が一方的に審議を遅らせてきたかのごときの御発言だが、それは明らかに事実に反すると。これはもう、私は自民党参議院国会対策委員会関係者の皆さんが今の柳田委員の御発言を聞いたら、冗談ではないということを声を大にしておっしゃると思うんですよ。  それはそもそも、まあそれはイラクからお始めになっても結構、どうぞイラクの審議をお始めにと言っていただければよかったんです。それを別に自民党がやるなと言ったことはございません。それはもう自民党の国対の皆さん方が一番よく御承知のことであって、この委員会はこれは委員長の指揮の下で仕切られているわけですから、しかも野党の、失礼しました、野党第一党、いや、参議院第一党の民主党の皆さん方はかなり自由自在に国会の審議日程を現にお決めになっておられるじゃないですか。どうぞ、この新しいテロ特措法をやりたいとおっしゃるんなら、もっと精力的に毎日やっていただいてもいいのではあるまいか。そんな期待を持ちながら、しかし、これはまあ委員長なり理事がお決めになることですからこれ以上は申し上げませんが、しかし、一言だけ申し上げれば、全部自公の政権の方が悪いんだという言い方は、それは、大変恐縮ですが自公国対の皆さんに代わって私からそれは事実に反すると申し上げます。
  163. 柳田稔

    ○柳田稔君 我々が出した法案を審議しましょうと我々は申し上げているんです。ところが、それは駄目だといって、国会の用語で言いますとつるしていたのは、まだ審議に入れないよと言っていたのは自公なんです。つるしていたのは自公なんです。我々は審議をしてくれと頼んだ。しかし、それがどんどんどんどん遅れてきて今日に至ったというのは事実ですよ。これは我々、現場のいる委員会でそういうことがよく分かっているわけですから、そのことだけは理解しておいてください。  次に質問を移ります。  先ほど榛葉議員の方からもありましたけれども、撤退したら大変な影響が出るんだと政府はおっしゃっていましたね。給油艦が撤退したら日本は大変な状況になるんだとおっしゃっていましたけれども、一月たってどんな影響が出ているのか、お答え願いたいと思います。答えていないから聞くんです。具体的に答えてくださいよ。
  164. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 現実に運用面で大変な影響が出ていると、こういうふうに聞いております。例えば、パキスタンの阻止活動については、先ほどもお答えいたしましたように……
  165. 柳田稔

    ○柳田稔君 日本に対する影響です。
  166. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 四〇%の効率の低下と、こういうことが起きているということを申し上げました。  そして、委員に申し上げますが、信用の喪失というのをどのくらい大きく考えるかというのは、私はそれは大変な話だと、こう思うわけであります。信用を築いてきて、そしてこれが、日本はテロとの戦いに熱心ではないのではないかと、こういうふうに思われると。今、陸上を含めて四十か国ぐらいの国が軍隊を出してアフガニスタンの再建のためにいろいろ努力している。そういう状況の中で、日本がただ一つ海上阻止活動の給油活動をやっていた。そこから撤退をすると。そして、そのインド洋を通っていくタンカーの数は日本が一番多い。そういうような状況を見ていて各国がどう思うか。具体的にと言いますが、我々は定性的にその信用の失墜がどれだけ大きいかというのは想像に難くないところだと、そういうふうに思います。
  167. 柳田稔

    ○柳田稔君 それは今の政府が感じていることですね、信用の失墜、喪失。  じゃ、聞きますけど、イラク、大量破壊兵器を持っている、拡散する、それを阻止しなくちゃならない。参加しろ、参加しましょう。あれは二〇〇三年でしたよね、最初は。二〇〇三年当初から参加をしていない国があるんです。ドイツ、フランス、ほかにもあります。最初から参加してないドイツ、フランス。ほう、じゃ参加しなかったから、じゃドイツとフランスの国際的な信用は失墜しているのか。私はそうじゃないと思うんですけれども。失墜しているんですか、参加しなかったら、総理
  168. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 確かにドイツ、フランスはイラクのときには参加しなかった。しかし、そのためにアメリカとドイツ、アメリカとフランスの関係というのはぎくしゃくしましたね。そのことはドイツ、フランスも気にしていたと思いますよ。  しかし、しかし、それに代わると言っちゃなんですけれども、アフガニスタンの場合にはフランスもドイツも参加したんですよ。そして、ISAF、OEFで参加して大変な活動をしているわけですね。今でもしているんですよ。どんな犠牲を払っているか。フランスだってISAFの活動で十一人死んでいるんですよ。それから、ドイツも二十五人死んでいるんですよ。しかし、手を引いているということはありませんね。今でもやっている、忍耐強くやっているんですよ。それほどやはりこの問題については真剣な取組をしている。  そういう現場から日本が撤退しちゃうということは、どうしてもやっぱりそういう国々から見ると期待を損ねることだというように私は思っております。決してフランス、ドイツが何もしていないというわけじゃないんですよ。
  169. 柳田稔

    ○柳田稔君 撤退したり参加しなかったりすると信用が失墜するとおっしゃったから。国連決議があって各国が参加したイラクに参加しなかったドイツ、フランス、ああ、世界から孤立しているのか、経済的な大打撃を受けて大変になっているのか。決してそんなことはないじゃないですか。  今回のインド洋から撤退したって、それほど世界は日本に対する信用が失墜するのか。私はないと思う。だから、具体的に聞いたら信用の失墜とおっしゃったから、じゃ一方のイラクに参加してない国は信用が失墜したのかと。  じゃ、ちなみに聞きます。イラクに日本は参加していますね。参加していないドイツとフランスに対して日本政府は信用しなくなったんですか。
  170. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 外務大臣でいいんですか。
  171. 柳田稔

    ○柳田稔君 いや、総理ですよ。
  172. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) それは部分部分を取り上げて言うのは適切かどうかということはありますよ。ただ、ほかの国と違う、ドイツ、フランスと違うというところを申し上げれば、ドイツ、フランスは、これはあらゆることをしているんですね。あらゆることをしている。金も出している、そして人も出している。実戦に参加しているんですよ。日本は実戦に参加してないんですよ。それだけやはり日本活動というのは、まあ軽微だというふうには私は言いませんよ、言いませんけれども、限られたところでやっているんです。そういう働く場所、協力する場所を探すのはこれは大変なんです。イラクでもそうでしたよ。あのサマーワを見付けるのに大変苦労したんです。そして、結果としてあれだけの活動をし、しかし、自衛隊にだれも死者は出なかったということでやってきたわけですよ。ほかの国はみんなそういう人命の損傷、そういうふうなことも顧みずやっているんですね。そこのところが根本的に私は違うところなんじゃないのかなと思います。  日本日本のできる範囲でできることをやって国際的に、国際社会の一員として協力、共同作業をしていると、そういうことでございます。
  173. 柳田稔

    ○柳田稔君 そうなんです。日本日本ができることをすればいいんです。できないことまでしろと海外は言わないんです。できることをする、当たり前なんです。  ちなみに、質問の順番を変えるようになりますけれども、私は平成二年にこの国会に来ました。湾岸戦争がありました。そして、いろんな経過を踏んでPKOという法案を、自民党と、当時私民社党でしたけれども、公明党、出して成立をいたしました。あのときまでは自衛隊を海外に出しちゃいけないというのが政府も含めた世論だったんです。しかし、そうは言ってもということで、PKOには日本は参加すべきだという考えの下にあの法案を作って提出させてもらいました。そして、成立しました。で、海外にたくさん活動に行っています、PKOは。そのことで国民たくさん、多く、数多く、数多いですよ、一つや二つじゃないんですから。だから、それで認められてきたんです。  ただ、そのときに、これは政府もそうですが、我々もそうでしたけれども自衛隊を、まあ軍隊ですね、これは。実力部隊ですから軍隊ですね、世界から見ると、自衛隊というのは。自衛隊を海外に出すときは慎重じゃなきゃならないと、これは与野党を超えた一致だったんです。そのときに、どういう歯止めをつくるか、原則をつくるかということで大変な議論をしました。その一つが国会の承認だったんです。石破大臣は当時いたからそういうことよく御存じだと思いますけれども。なぜ国会承認を付けたかというと、それぐらい歯止めを付けないといけないという認識があったからですよね、我々に共通して。ところが、小泉総理になられてイラクに派遣、そして今回のインド洋に派遣。国会承認は一体どこに行ったのかなと、私は不思議でならないんです。いつから変えたんだろうと、それが分からないんです。  そこで質問なんですが、その一番大本にあるのがシビリアンコントロールだというふうに私は思っています。そのシビリアンコントロールをいかに担保するかということでいろんなことを歯止め付けましたよね。一番いい例が国会承認でした。  お伺いしたいんですけれども総理の考えるシビリアンコントロールって一体何なんですか。(発言する者あり)
  174. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) そうです。おっしゃるとおり。まあ言葉どおりに言えば文民統制でございます。  その前に、日本はできることをすればいいというお話ありましたんで、そのことにちょっと触れさせていただいてよろしいですか。  確かに日本はできることをしているんですよ。できないことをしちゃいかぬということで、これはもう厳に守っているわけです。イラクにおいてもサマワで活動しました。これも、場所の選定については、また仕事の内容については本当に苦労して探し出したものです。非戦闘地域というそういう考え方に基づいて、憲法九条に違反しない、武力行使に抵触しないというようなことでその活動をしたわけですけれども、結果としてどうだったか。これは、サマワの人もそうです、それから中東の人々も皆さん今言っていますよ、日本が中東に関心を持って、そして中東で福祉活動をしてくれた。大変評価してくれているんですよね、今。あれやらなかったらどうだったのかなと。中東に関心の薄い、関心のない日本、そういうように映ったんじゃないでしょうかね。そんなこともやっぱり考えなければいけないんじゃないかと思いますよ。  そういう意味において、私はイラクにおける活動というのは大変成功した事例だというふうに思います。もちろんシビリアンコントロールというのはこれは大事でございますんで、そういうことが完全に実行されるように、防衛省改革を今いろいろ議論しておりますけれども、そういう中でも解決してまいりたいと思っております。
  175. 柳田稔

    ○柳田稔君 総理総理の考えるシビリアンコントロールというのは一体何かと聞いたのが私の質問だったんです。前の内閣の外務大臣防衛大臣、お名前言いませんけれども、前の内閣のお二人の考えるシビリアンコントロールは一体何なんですかと聞きました。そうしたら、こういう答えでした。予算を審議しているから、それがシビリアンコントロールだと。予算さえ審議すればそれがシビリアンコントロールになるのか。というお答えでしたけれども総理のシビリアンコントロールというのは一体何なんですか。
  176. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) これも、文民統制、シビリアンコントロールとは、民主主義国家における軍事に対する政治の優先、軍事力に対する民主主義的な政治統制を意味するものでございます。我が国においても、国会、内閣、防衛大臣という様々なレベルで文民統制が制度的に担保されております。
  177. 柳田稔

    ○柳田稔君 政治の優先、そのとおりです。具体的には何ですか。
  178. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 政治の優先ということは、政治が、若しくは政治家が統治するということです。
  179. 柳田稔

    ○柳田稔君 何年か前でしたか、ちょっと忘れましたけれども、周辺事態法の法案の審議だったか、ちょっと忘れたんですけれども、当時、野中官房長官、同じ質問をさせてもらいました。今の内閣が考えるシビリアンコントロールとは一体何なんですかと質問させてもらいました。こうお答えになりました、国会の関与だと。具体的に言えば承認だということなんです。国会の関与はシビリアンコントロールだとおっしゃったんです。私は個人的にはもう一つあると思っています。それは内閣総理大臣、この二つだと私は思っています、最低限。国会の関与、国会の承認、これが答弁だったんですよ。ちょうどそのときに後ろにいた政府委員守屋さんでしたけれどもね、記憶に残っているんですけれども。  国会の関与、国会の承認、いつから変わったんですか。
  180. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) これ私先ほど答弁申し上げました。内閣、そして国会ですね、それから防衛大臣という、そういうようないろいろなレベルにおいてシビリアンコントロールの機能が果たされているということであります。
  181. 柳田稔

    ○柳田稔君 国会の承認がシビリアンコントロールだと。同時に、言葉を換えますと、我々国会責任を持つということなんです。これがシビリアンコントロールだと私は考えていますし、当時の野中官房長官はそうお答えになりました。今の内閣はそういう考えはないということですか。
  182. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) いや、そういう話しているわけじゃないですよ。  国会というのは、国会の正にここで議論しているわけでしょう。ここで議論しているでしょう。そのためにここに皆さん集まっているわけでしょう。これが大事なんですよ。内閣というのは総理大臣が統帥しているわけでありますから、それは具体的に、そういうふうに言われるんだったらそのとおりであります。
  183. 柳田稔

    ○柳田稔君 国会は衆議院と参議院があるんです、御存じのとおり。法案の可決というのは、もう既にテレビや新聞でいろいろ報道されていますから、六十日ルールとか三分の二のどうのこうのおっしゃる、というのはもう多分分かっていると思います、国民も。  ところが、承認は一院だけでは決められないんです。衆議院は承認した、しかし参議院は承認しなかったとなると、国会は承認しなかったことになるんです、承認というのは。法律は、さっきも言いました、衆議院の優先権があります。これが法律と国会の承認と違うんです。  我々は参議院です。我々も自衛隊を海外に出す以上責任を持たないといけないんです。うまくいったから良かった、それで済む問題じゃないんです。責任を持つことが我々のシビリアンコントロールなんです。  この法案の最大の欠点は、なぜ、特に参議院のシビリアンコントロールを、我々の責任を無視するような法案に変えてきたわけですよ。法律と国会承認は違うんです。だから、私は言いたいんです。いつから、今の政府はいつから国会の承認、シビリアンコントロールという考えを変えたんですか。総理にお聞きしたいんです。
  184. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) 委員長
  185. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) いいですか。
  186. 柳田稔

    ○柳田稔君 いえ、法案、説明したとおりじゃないですか。承認事項ないんです。いいです。総理です。結構です。いつから変えたのか聞いているんです。
  187. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) それは、国会のルールに基づいて決めて、国会国会として決めてくださるということでありますからね。衆議院で可決されて参議院で否決されたらば、衆参で協議をしていただく、衆議院で場合によってはもう一度採決をすると、こういうふうなこともきちんとルールとして決まっているわけでありますから、そのルールに基づいて行われるということでありまして、これが絶対に決まらないんだと、国会として決まらないんだということじゃないと思います。
  188. 柳田稔

    ○柳田稔君 法律案と国会の承認、これはよく分かっていただけましたよね、違いは。法律は、それは参議院がもし否決した場合でも、衆議院が三分の二か又は六十日ルールを使ってやれば成立します。それはそれで結構なんです。それを私は否定するものでも何にもないんです。ただ、シビリアンコントロールということについては国会責任を持たないといけない。総理大臣責任を持つのは当然です、これは。と同時に、国会責任を持つということが私はシビリアンコントロールだと考えていましたし、さっきも言いましたように、以前官房長官をされた方はそうお答えになったんです。  だから、なぜ、いつ、どういう理由で、いつはいいですわ、どういう理由でここの国会承認を、自衛隊を海外へ出すときには国会承認が最大の歯止めだと言ったことをいつ変えたんですかと、方針をと。
  189. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) 委員はどうもその具体の案件の承認ということをおっしゃる。それがシビリアンコントロールだとおっしゃる。それはそれも含まれますが、しかし基本は、やっぱり国会というのは法律を制定する場所なんです。国会の法律の制定そのものが正にシビリアンコントロールなんです。プラス予算とか、それはいろいろありますよ、補完するものとして。しかし、今までの国会答弁も法律の制定ということを申し上げてきたんです。承認だけを取り上げて、承認という行為だけを取り上げて、それがシビリアンコントロールだなんて答弁を国会、しておりません。それは恐縮だけれども、柳田委員の記憶違いだと思います。  私は、歴代の答弁を見て、国会で法律を制定すること、すなわちこれがシビリアンコントロールなんです。そして、そして、この今までの国会承認事項、この前法案の承認事項は今回すべて国会の法律の中に盛り込んだんですから、これ以上の承認行為はないんです。これ以上の承認行為はないんです。  で、先ほど御質問があったから、それで承認が必要だとおっしゃるのならば、具体に何を承認事項としてお求めになるんですか、それをおっしゃってくださいと言っているんですけれども、それは何もお答えもなく、ただ承認が必要だ承認が必要だと。私どもは法律の中に承認すべき事項を全部書いたんですから、(発言する者あり)書いてあるんですよ。それを何を一体求めているんですか。中身もなく承認だ承認だと言ったって、これ何も意味ないじゃないですか。こういうことを承認事項で盛り込めとおっしゃるならそれは建設的な御議論ですが、それは民主党としてしっかりと法案という形で提出を国会にしていただく。それなくして思い付きでいろいろ言われても困ります。
  190. 柳田稔

    ○柳田稔君 国会承認、私が以前この場所議論したことと今の政府のやり方は変わったんだということはよく分かりました。私はあくまでも言います。衆参の承認を得て国会責任を持って自衛隊を海外に送り出す、私はこれがシビリアンコントロールだと思っていましたけれども政府もそう考えていると思っていたんですが、ああ、変わったんだなとよく分かりました。このことは多分国民が判断されると私は思っております。  ちなみに、ちなみに、対案を出せとおっしゃいました。撤退したからいいんじゃないんですか。それが対案ですよ。撤退したからそれでいいんですよ。イラクについても我々は、我々はイラクについても撤退しなさいという法案出しました。今回のインド洋における給油はやめなさいというのが我々の考えですよ。それ以上に何があるんですか。それ以上に何もないと私は思っております。どうぞ。
  191. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 官房長官に申し上げますが、少なくとも内閣が責任を持って本院に法案を提出しております。その質疑の中で思い付き何やらの発言をすることは慎んでいただきたいと思います。
  192. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) 今、法案がもうなくなったんだからそれが対案だと今おっしゃった、撤退が対案だとおっしゃった。しかし、私どもは、少なくとも衆議院の議論では、今対案をまとめつつあります、近々お示しすることができますと、民主党委員がそうおっしゃったんですよ。ですから、それが一体いつ出てくるのかと私どもはお待ちをしているんです。しかし、一向にそれが出てこないから、一体どうなったんでしょうか。柳田議員の個人の御意見は分かったが、党としてやはり意見をこれ今闘わせているわけですね。党として、私ども政府・与党と一体になって法案を出している。やはり野党の皆さん方、民主党なら民主党として、じゃこれが対案だということをお示ししてください。それを出すとずっと衆議院では言ってこられたんです。  だから、個人の御意見ではなくて、どうぞ党としての御意見をまとめて、これが私どもの考えるアフガニスタン対策であり、テロ対策なんだということを、願わくば法案という形で、よしんば法案でなくても考え方をまとめて出していただきたいと言っているのに、いや、もう撤退したんだからこれが対案なんだとおっしゃるのは、いかにも今までの民主党さんの議員と違い過ぎるのではないんでしょうか。そのことを申し上げたんです。
  193. 柳田稔

    ○柳田稔君 インド洋に給油艦を送ることは我々は反対です。それに対して政府は給油艦をもう一回送ってほしいと、送らせてほしいとおっしゃっているわけでしょう。それに対しては我々は駄目だと言っているんです。何がおかしいんですか。官房長官の発言は相当おかしなことをおっしゃいますけれども、インド洋に給油艦を送るというのが今回の法案の本旨でしょう、本旨でしょう。それに対して私たちは送る必要はないと言っているのが対案じゃないですか。ただし、ただし、アフガンの復興支援については我々も考えなきゃならないと。復興ですよ。給油をしろと言っているんじゃないんです。復興についてはいろいろと党内で議論をしています。それは対案と言うと僕は思っていませんよ。それは我々の考えをまとめていると言っているんです。  そうしたら聞きますよ、官房長官、官房長官、じゃ給油以外に、この法案に給油以外に何が入っているんですか、じゃ。
  194. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) 給油、給水、補給活動、これは自衛隊のオペレーションとして可能なテロ対策でございます。同時に、私どもは累次申し上げている車の両輪だということを言っております。車の両輪というのは、すなわち様々な民生活動、幅広い民生活動、これについては私ども予算措置ということでやっている。それらをパッケージとして私どもはこれがテロ対策でありアフガン対策だと言っているんです。  でありますから、どうぞ、自衛隊を使わないのなら使わないで結構ですから、これが民主党のテロ対策であり民主党のアフガン対策だというのを、法案でなくてもいいですよ、どうぞまとめて出してくださいと言っているんです。それが出てこないから議論がなかなか深まらないんじゃないですかということを申し上げたんです。どうぞ、法案でなくてもいいから、自衛隊が絡まなくてもいいから、皆さん方のお考えをどうぞお出しいただきたい。
  195. 柳田稔

    ○柳田稔君 ですから、さっきも申し上げましたでしょう。この法案は給油、給水以外に何があるんですか。ほかに何もないわけですよね。ですね。だから、その法案に対する対案は行かなくてよろしいというのが我々の対案ですよ。ただし、何か復興支援に協力する手だてはないかということで我々議論はしていますよ。この新法に対する対案はしっかり示しているじゃないですか。私は何もおかしなことはないと思っております。  石破大臣にも答弁を求めたいんですが、もう時間がないもので申し上げませんけれども。  この法案は、私は先ほども申しましたように、自衛隊を、これは実力部隊の軍隊ですから、これを海外に出すときには相当慎重であるべきだと、その慎重という具体策の歯止めをしっかり考えていかないといけないのではないでしょうかと私は思っています。だれかおっしゃっていましたね、自衛隊が行くところは安全なんだと、だから行かすのだと。そんな理屈で行かれたんじゃたまらないと私は思っています。同時に、アメリカに言われたから、はい、行きますというのも分かりません。  私は、この際、シビリアンコントロールというのを政府も十分認識されて考えていただきたい、そのことを申し上げて質疑を終わります。  ありがとうございました。
  196. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 次に、山本一太君。
  197. 山本一太

    山本一太君 自民党山本一太でございます。  最初に総理に御質問をする予定でしたが、ただいま、個人的には尊敬をする柳田委員がアフガンに対する政策について少し私の理解と違うことをおっしゃったので、その点について少し町村長官に確認をさせていただきたいというふうに思います。  長官民主党がこの新テロ対策、新テロ特措法を通じてのインド洋での海上自衛隊自衛艦の給油、給水、これに対する対案が全く出てきていないかというと、それはそういうことはなくて、対案のようなものは出てきているんです。これがどこまで党の正式な決定で出てきた文章かは分かりませんが、恐らく浅尾慶一郎ネクスト防衛大臣か何かが中心になって、このアフガンに対する対策の骨子を練った、それが文章として出ていまして、私の手元にもあります。  私が今、柳田委員の御意見を聞きながら大変一つ疑問に思ったのは、民主党の方はいろんなお考えがあって、このインド洋での給油、給水については反対だと。それは一つの考え方かもしれませんが、私は、民主党の方から対案が出てきたと、アフガニスタン国内の活動、すなわち民生支援に関する対案が出てきたということは、民主党側も、ただインド洋の活動をやめるだけではなくて、やっぱり何か日本としてこれはアフガニスタンにおけるテロの戦いに貢献をしなくてはいけないと、そういうことであの対案が出てきたんだというふうに理解をしておりました。  しかし、今の、今の……(発言する者あり)ちょっと黙っていろ。今の……(発言する者あり)ちょっと場外発言を整理してください、あの人。ちょっと柄悪いですよ、あなた。  今の民主党からのこの民生支援の対案、これは、この後質問に立つ私の同僚の佐藤議員の方からもう少し詳細に議論をしてもらいますけれども、私は、民主党の方々も何かアフガニスタンにしなきゃいけないと……(発言する者あり)これは大事なんですよ、質問関係するから。何かしなければいけないということであの対案が出てきたというふうに理解をしておりますので、この点については是非民主党の皆さんにも、アフガニスタンに対する貢献は日本はやらなきゃいけないと、その対案として民生支援を出しているんだと。民主党の対案がインド洋での、インド洋での海上自衛隊の給水、給油をやめる、やらないということだということについては、これは是非、もしそういう考え方であれば考えを変えていただきたいと、このことだけまず申し上げておきたいと思います。  さて、それでは総理大臣に御質問させていただきたいと思います。  福田総理総理は十一月中旬にアメリカを訪問されました。ブッシュ大統領と初めての首脳会談に臨まれました。この首脳会談、大変和やかな雰囲気の中で行われたというふうに伺っておりますけれども、まず最初に総理にお伺いしたいことは、総理としてなぜ初めての訪問先としてアメリカ合衆国を選ばれたのか、その理由をお聞かせをいただきたいと思います。
  198. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 私が総理に就任して初めて外国に参りましたのは米国なんです。  やはり日本は、日本の外交というのは日米関係というものをきちんとしておかなければいけないのではなかろうかという考え方を私はかねてから持っております。しかし同時に、日本はアジアの一角におるわけですね。アジアの近隣諸国との関係、これ抜きにして日本の将来の外交、今までもそうですけれども、これからの外交はあり得ないんです。そういう国々ときちんと外交を進めていくという上においても、日米関係というものはこういうものだということを整理した上でアジアの国々との外交を進めていくということは私は大変大事なことだと、手順として大事であり、そしてまた、将来のことを考えまして、そういうような我が国の位置を考えたときに、日米同盟、そしてアジアとの緊密な関係と、こういうものを両方にらみながらこれから日本の外交を進めていく、そういうことをすることによって日本の外交の幅が広がっていくんだと、こういう考え方をしております。
  199. 山本一太

    山本一太君 両首脳が会談をされたと。報道によりますと、その会談の冒頭に、ブッシュ大統領もまた福田総理も、父親が大統領と総理大臣だったと、あるいは同じく石油業界の出身だったと、幾つかの共通点についても意見交換をして、かなり和やかな雰囲気になったということも伺っております。  今回の総理の訪米の最も大きな目的は、ブッシュ大統領の任期あと一年でありますけれども、アメリカ大統領と総理との間に個人的な信頼関係を築くと、私はこの一点に尽きると思っておりますけれども総理が、今回幅広い問題について意見交換をされたわけですけれども、ブッシュ大統領と今回会って、個人的な信頼関係をつくる第一歩をきちっと築けたと思っておられるかどうか、その点について率直な感想をお聞きしたいと思います。
  200. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 私はブッシュ大統領とは何回かお会いをしております。ですから、個人的な信頼関係というのはある程度できているんではないのかなと、こんなふうに思っておりまして、しかし、私は総理という立場になったわけでございますから、そういう立場でもってブッシュ大統領と忌憚のない話合いをする、そのことによって、日米関係のみならず、先ほど申しましたアジアとの外交の問題、そしてまたそれ以外の、例えば地球温暖化の問題、そして、あと、来年の洞爺湖サミットにおいて保健衛生の問題も両国で扱っていこうではないかといったようなことも話をしました。  そういうように、何も日米だけのことではなくて、世界全体をにらんで、そしてアジアをにらんで、これから日本が何をすべきか、何をしていくのが一番適切なのか、要するに日本の外交姿勢をどういうふうに保っていくかといったようなことについて日本のその考え方をまとめるという意味において、大変有意義な会談だったというふうに思っております。
  201. 山本一太

    山本一太君 今、福田総理がおっしゃったように、首脳会談では大変幅広い分野について議論をされたということだと伺っております。日米関係全般、日米安保、米軍再編の問題、さらに、今総理がおっしゃったグローバルな問題でいうと、地球環境、気候変動の話、あるいはまたアジア情勢、また恐らく米国の輸入牛肉の問題等々、こういういろんな議論総理がブッシュ大統領との間で率直に交わしたというふうに伺っております。  特に、先ほど民主党委員の方々の質問にも出てきておりますけれども総理が、このインド洋における海上自衛隊のオペレーション、給油・給水活動に関する、今日審議入りした新しいテロ特措法について、ブッシュ大統領に対して、できるだけ早くこれを成立させるために最大限の努力をすると、こういうことを表明をされたと。そして、それに対してブッシュ大統領も感謝の言葉を述べられたというふうに報道されておりますが、一体この両首脳の間でどういうやり取りがあったのか、改めて福田総理の口から直接御説明をいただければと思います。
  202. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 具体的な言葉、例えば、全力でとか、今何とおっしゃったかな、そういう言葉、正確に覚えておりませんけれども、いずれにしましても、残された会期のこともございますけれども、これは、我々としては、我々の国際社会に対する義務としてやらなければいけない課題だと、こういうふうな話をしました。ブッシュ大統領もその辺はよく承知をしていると、日本政治情勢もよく分かってたんじゃないかと思いますけれどもね、日本がそういう気持ちでやるということについては賛成であるというふうに言われました。あれをしろこれをしろと、こういう言い方は一切されなかった。しかし、それだけに私は、我が国としての立場を考えて、この課題には全力で取り組む必要があるというようなことを思ったわけでございます。
  203. 山本一太

    山本一太君 今のお話でも分かるように、福田総理がブッシュ大統領との会談の中で、どういう表現かは正確にははっきり覚えてないということですが、とにかくこのテロの法案についてはできるだけ早く上げて、このインド洋での活動を速やかに再開をさせたいという意味のことをおっしゃったということを直接総理のお口からお聞きをいたしました。  福田総理は、その後の東アジア・サミットでもいろんなアジア諸国の首脳と会談をされたわけですが、その中でも、アジア諸国のリーダーたちからも、日本の国際貢献に対する謝意あるいはこうしたアフガンに対する日本の貢献についての評価、こういうものを恐らく感じられたんではないかというふうに思っています。  総理は再三、衆議院の特別委員会でも、あるいはいろんな機会を通じて、このインド洋での日本のオペレーションの重要さを訴えてこられましたし、さらにまた、今国会、この法案を成立させる重要性についても繰り返し言及をしておられます。是非一言、総理の決意を再びお伺いしたいわけですけれども、今国会で、このインド洋のオペレーション、私、これは日本の国益にかかわる大変大事な問題だと思いますけれども、不退転の決意でこの法律を成立させると、そういうお気持ちでリーダーシップを発揮していただけると、このようなお気持ちでよろしいんでしょうか。
  204. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 私は、この法律は大変大事な法律だというように思っております。  日本が戦後こうやって繁栄をしてこれた、経済的にも、またいろいろな意味日本のその立場というのは国際社会からも評価され、それだけ日本の企業が海外に行っても仕事をしやすいということになったのは、やっぱり日本がいろいろなことで国際的な協力関係を築いてきたからだというふうに思います。そういうことであるならば、やはりこれからもそういう立場というものは堅持していかなければいけないと思っております。  これはただ今だけの話じゃないんです。将来、日本がどういう国になるか、どういう国になりたいかといったようなことも含めて考えていくべきでありますから、これは私は将来に向かって大変大事な判断だというふうに思います。大変大事な法律であるということを申し上げたいと思います。
  205. 山本一太

    山本一太君 今大変総理の力強いお言葉いただいたわけですが、総理、私、この法律は、先ほども申し上げたとおり、日本の国益にかかわる大事な法律だというふうに思っております。これは、やはり安全保障というものを政権与党としてずっと考えてきた与党、特に我々自民党、日米同盟重視、国際協調重視、そして日本が繁栄するために世界の平和と安定が必要だと、その状況をつくり出すために国際貢献をしなければいけないと、こういうことを言い続けてきた我々自民党にとって、党のレーゾンデートル、言わば存在意義にもかかわる私は問題だと思っておりまして、もちろんこの委員会でも濃密な質疑を通じて国民の皆様にこの法案の意味を御理解をいただくように努力をいたしますけれども、引き続き総理の強いリーダーシップを期待申し上げたいというふうに思います。  そこで、質問通告はしておりませんが、オールマイティーの町村長官ですからお答えいただけると思うんですが、先ほどから民主党の対案の話が出ております。今日は午前中に野党民主党委員の方々が何人か質問に立たれました。国会承認の話や報告の話等々がありました。その国会承認についての政府の立場は私も十分理解をしておりますし、町村長官説明は御理解できるんですけれども、もし民主党の方から対案としてきちっと法律案が上がってきたならば、私はこれは個人の希望ですけれども、この参議院の外交防衛委員会北澤委員会できちっととにかく審議をすると。国会承認のことについては当然、屋上屋を重ねるという議論もあるかもしれませんけれども、もし、これはなかなか難しいかもしれませんが、民主党の方々が第一党を成しているこの参議院でこのインド洋のオペレーションに御理解をいただけると、この補給支援活動特措法でしょうか、これに御理解をいただけるということであれば、もし参議院の独自性ということで言うのであれば、例えば国会承認も含めてこの参議院の委員会で修正をして妥協案を探ると、こういう道も、もしこのインド洋でのオペレーションということがきちっと確保されるんであれば私は考えてもいいのではないかというふうに個人的には思っておりますが、それについては町村長官はどのような御感想をお持ちでしょうか。
  206. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) 先ほど来申し上げておりますように、民主党から仮に、今委員、仮定の御質問ですが、法案という形で御提示があり、そして結論としてこうした補給活動が認められるということであるならば、その中で、もちろんこれは委員会での修正、今まで幾つも例があるわけでございます。理事同士でお話合いになり、こういう修正でどうだということになるならば、私ども、弾力的に常に対応する用意があるということを政府として申し上げる次第でございます。
  207. 山本一太

    山本一太君 今のは大変重大な御発言をいただいたというふうに私は思っています。  私は、この法案について与野党でいろいろと考え方の違いがあるということは、これは仕方がないと思っています。ただ、私が一番不愉快なのは、これはテレビ、新聞、もちろんあらゆるメディアでもそうなんですが、もう今日から審議入りして、この参議院のこの外交防衛委員会でこれから濃密に、いろんな衆議院でカバーできなかったところを議論をしようとしているこの時点で、様々なメディア、マスコミがもうあたかもこの法案は最初から参議院で否決されることが決まっているかのような報道をしていると。何のために我々はここで委員会質疑をするのかということを思うと、私は大変実は不愉快に思っております。  ここは、民主党委員の方々もそれぞれ意見はあると思いますが、最後はたとえ反対の採決ということになったとしても、この委員会でやはり必要によっては衆議院とは違う修正もすると、そうやって、どうやって日本がアフガニスタンに対して、あのアフガニスタンに対して意味のある貢献ができるかと、こういうことをぎりぎりまでここで議論をすると、こういうことを是非我々もやっていきたいと思いますので、是非、官房長官、今のお言葉を忘れずに参議院の議論をしっかり見守っていただきたいというふうに思います。  さて、それでは次の質問に移りたいと思いますが、先ほど質問に立った民主党の白委員の方から、総理が首脳会談でブッシュ大統領と交わしたテロ、アメリカのテロ国家、テロ支援国家、テロ支援指定国家、(発言する者あり)テロ支援国家指定、ありがとうございます、テロ支援国家指定の解除について総理の御答弁がありました。これはいろいろと突っ込んだ話合いがあったかもしれませんが、首脳同士の信頼関係、一対一の外交の場で話されたことだということで、なかなか詳細について説明ができないという総理の立場は私は理解をいたします。  ただし、先ほど高村外務大臣もおっしゃったように、これは日本の力で左右できることではありませんが、少なくとも北朝鮮問題、北朝鮮政策については、日米連携ということを基に北朝鮮に対して外交を仕掛けている日本にとってアメリカ政府が決めるこのテロ支援国家指定が数少ない外交カードの一つであるということは、これは間違いないというふうに思っています。  今、そのテロ支援国家指定が解除されるんではないかとか、いろんな議論というか懸念が日本でも広がっているわけですけれども総理に一つお聞きしたいのは、もしこのテロ支援国家指定が外れたとしたら、これは日本がてことして使えない前に外されたら大変困るんですが、万一外されたとしたら、一部の方々はこう言います、このテロ支援国家指定がなくなったらアメリカと北朝鮮が一気に近づくんじゃないかと、米朝が一気に接近をして、ブッシュ大統領が総理との首脳会談でおっしゃった拉致問題を置き去りにして米朝が行ってしまうんじゃないかと、こういう指摘をする人がおりますけれども、私は必ずしもそうだとは思っていません。  これは総理がおっしゃったわけではなくて、マスコミの報道で、アメリカの政府関係者がブッシュ大統領は、いやいや、まだ解除するつもりはないと言ったとか言わないとか、北朝鮮の方のまだ努力が十分じゃないと言ったとか言わないとかいう情報もあります。三つぐらいの条件をクリアしないと駄目だというようなことを言ったというような報道もありますけれども、万一この米朝が停滞したときに、ここで恐らく日本の外交戦略を振るうもしかすると私は場面が来るんではないかというように思っています。  そこで、総理は就任以来、拉致問題について、この解決について並々ならぬ熱意を示しておられますけれども、場面が、そういう場面がやってきて条件がそろえば、これはもう拉致問題、時間との闘いだと思いますので、例えば条件がそろえば総理自身がもう一度訪朝をして日朝の首脳会談を行うと、そういう選択肢まで考えてこの問題に当たられるのかどうか、そのことについて率直な御意見を伺いたいと思います。
  208. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 私が訪朝して交渉するかどうかというお尋ねですけれども、その前に、テロ支援国家指定解除、これは米朝関係の核にまつわることですね。私は、それはそれで大事なことです。核の無力化ということについて、若しくは非核化ということについて、これは進めばいいと、こういうように思っておりますけれども、しかし、拉致問題というのはこれとは関係ないんですね。関係ないって、関係はあるんだけれども関係ないんですね。拉致問題は拉致問題で、これは人道問題として解決をしなきゃいかぬ問題なんですよ。ですから、私は、それはそれとして、拉致の問題はこれは一生懸命やらなければいけない。それも随分時間たっていますからね、できるだけ早く解決するということが我々の務めだろうというふうに思っておりますので、そういうことで今努力をしている最中でございます。  そういうような諸問題が解決した場合に、もちろん日本としては拉致だけじゃありませんよ、例えば国交を正常化しようと思えば、拉致は解決する、そして核の問題もミサイルの問題も解決するというようなことがあって初めて正常化という道が開けるわけでありますので、そういうような段階になってくれれば、早くなってくれればいいなと思っておりまして、そのときに私が行くか行かないかというのはまだ考えていないですけれども、そういうふうなことも全くないというように断言をする必要もないと思っております。
  209. 山本一太

    山本一太君 ありがとうございました。  北朝鮮については、対話と圧力のアプローチを組み合わせながら北朝鮮のいろんな姿勢を変えさせていく、拉致問題はもちろんですけれども、核やミサイルといった日本にとって非常に重要な問題についても北朝鮮の姿勢の変化を促していくと、こういう戦略で、福田総理には今おっしゃった御決意でこの問題の解決に取り組んでいただきたいというふうに思います。  さて、石破防衛庁長官に、防衛大臣に、失礼しました、石破防衛大臣にここで御質問をさせていただきたいと思います。  午前中の野党委員質疑の中でもありました、今回のこの新テロ特措法の審議にこの防衛省をめぐるスキャンダル、この不祥事が大きく影を落としたと。守屋さんという防衛省のトップを四年も務めた前事務次官逮捕されると、こういうところにまで至ったこの防衛省をめぐるスキャンダルが今回の新テロ特措法議論に大きく影を落としたということは、これは間違いないと思います。  先ほど大臣が真摯にここでおわびをしておられましたけれども、これは国民防衛省に対する信頼を大きく失墜をさせたということは間違いありませんし、これはひとえに石破大臣責任というよりは、私も与党の国会議員としてこういう体質を見抜けないでいたということを本当に恥ずかしく思います。  そこで、この防衛省をめぐる、特に防衛産業をめぐる癒着の体質、あえてこういうふうに言わせていただきます。何回、何回改革しても同じような不祥事が出てくる、やはりそれは防衛省文化そのものに問題があると言うしか私はないと思っています。その点について、石破大臣の肝いりだと思いますが、九月一日でしょうか、防衛監察本部というのが立ち上がって、今、法令遵守の取組をしているというふうに伺っています。  ちょうど九月から三か月たちましたけれども、今この防衛監察本部での取組がどうなっているのか、そのことについて大臣の方から御説明をいただければと思います。
  210. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 倫理観を高めろといっても、これはなかなか、人間ですから、いろんな人がいるんだろうと思います。今回の守屋前次官のことも正直言って私が任命したのでございます。それが見抜けなかった不明を恥じろと言われれば、それは私として不明を恥じなければいけないと思っています。  ただ、私は、モラルを高めろというときに、それを口だけで言うのでは駄目で、やはり今委員指摘のように、本当にそれが守られていますかという体制をきちんとやらなければ駄目なのだと思っています。  九月一日に監察本部ができました。これは、施設庁事案を受けてどうするんだという議論委員にも参加していただいて自民党でいたしましたね。監察本部というのをつくろう、そして監察監、トップには外部から来ていただこうということで、検事の高い地位まで行かれた方をお迎えをいたしました。  そこで、私が委員とともに議論しましたのは、監察というのは抜き打ちでやらなきゃ駄目だと。そして、次官だろうが統幕長だろうが、だれのところにでも行かなきゃ駄目だと。そして、監察監はある意味で嫌われ者に徹しなければ駄目だと。できれば穏やかな監察をして、変な言葉ですけれども目こぼしをして、あの人はいい監察監だねと言われるのでは駄目で、本当に嫌われて嫌われて、ここまでやるかという監察制度を確立しなければ駄目だということで、今特別監察実施をしておるところでございます。  理事会のお許しを得まして、コンプライアンス・ガイダンス、横文字で申し訳ありません、法令遵守ガイドと言ってもよろしいのですが、これを作りました。是非委員の方々には、これ一回だけでも結構です、お目通しをいただきたいと思います。あるいはホームページに載せておりますので、是非テレビのごらんの皆様で、どんなことが書いてあるのかなという方がおありになれば、是非防衛省のホームページにアクセスしていただきたいと思います。  私、一番心を打たれたのは、この何ページ目かにありますが、コンプライアンス・テストとありますね。あなたが今やっていることは家族に胸を張って話せることですか、見付からなければ大丈夫だと思っていませんか、そして第三者としてニュースで見たらどう思いますか、この三つを自分の中で反すうしてみたときに、私はこういうカードも作らせました。これ何が利害関係者ですか、何をしちゃいけませんか、そのことを書いたカードです。持っているだけじゃ駄目で、ちゃんと理解できているかどうかもこれからちゃんとチェックします。  そしてもう一つは、委員よく御案内の服務の宣誓です。事に臨んでは危険を顧みず、これもコンプライアンス・ガイドの一番最後のページに載せさせていただいている。だけれども、一番問題なのはこの三つ、コンプライアンス・テスト。見付からなければ大丈夫だと思っていませんか、そういうのがあるんじゃないだろうか。そして、ここの、私は本当にこのコンプライアンス・ガイドというのはよくできているなと思っているのですが、これを本当に部隊の第一線の隊員に至るまで理解させる、それが一番大事なことだと思っています。  特別監察、今やっています。報告がやがて出ると思います。ですけれども、それと同時に一般の監察もやります。そして、監察本部に命じているのは、あるいは担当当局に命じているのは、これが本当に二十七万自衛隊員の一人一人に徹底できるまでやってくれ、そこからだと。防衛省モラル改革あるいは機構の再生、いろんなこともやります。ですけれども、これが本当に徹底できるかどうか。私はまず全力を尽くしてこれをやりたいと、このように思っております。  と同時に、長くなってごめんなさい、本当によくやった部隊、これはきちんとそれなりの栄誉を与えるべきだと思います。同時に、これが徹底されていない部隊、ああ、こんなの来たけれども、まあいいや、そんな部隊、私はないものと信じますが、そんなものがあったとしたら、それは厳に、懲戒とは言いませんけれども、そういう何というんでしょうかペナルティーの対象になる。私はそこまでやらなければ駄目だというふうに思っております。
  211. 山本一太

    山本一太君 今、石破大臣の御決意を伺ったわけですが、私は、石破大臣、この防衛省の問題を見て、こういうことを言うとまたおしかりを受けるかもしれません、どうせ毎日偉い方におしかりを受けているのでもう慣れてしまいましたが。防衛省、この装備、何兆円というこの装備の世界なんですが、これをもしめぐる不透明な政官業の癒着の構造、やみみたいなものがあれば、私はもう徹底的にここは疑惑を解明するべきだというふうに考えています。  特に、こういうことが頻発をする、もしかしたら、随意契約とはいっても、秘密保持というものが防衛省の兵器産業には掛かるので、なかなかそこはほかのもしかすると政府調達とは違うというところもあるのかもしれませんが、これはもう防衛省文化を変えなければいけないということだと思います。その点については、是非そのお覚悟を持って石破大臣に進めていただきたいということだけ申し上げておきたいと思います。  さて、私に与えられた時間があとちょうど三十分ぐらいになりました。このテロ新法、衆議院の方でも四十時間審議されました。これはインド洋でのオペレーションの意義とか成果とか実績とかあるいは法律上の問題とかあるいは給油転用問題とかあるいはアフガンでの民生支援の問題とか、様々な議論が衆議院でもなされました。もちろん、まだまだカバーできていないところはこの参議院外交防衛委員会で一つ一つきちっと議論をしていけばいいと思いますが、あと三十分でこの法律について関係大臣に御質問をするに当たって、私は論点を二つに絞りたいと思います。  一つは、この日本がインド洋で行っている活動に対する国際的な評価ということなんです。  高村大臣が衆議院の委員会の答弁で何度か、このインド洋での海上自衛隊の給油、給水のオペレーションはローコスト・ハイリターンだということをおっしゃっています。やはり外交リソースというものが限られているということを踏まえれば、やはり外交をやるときには費用対効果を考えなきゃいけない。湾岸戦争のときに、石破大臣がこれもたしか衆議院の答弁でおっしゃっていましたが、国民一人一万円も出したと、新しい税金までつくって一兆何千億もお金を出してちっとも感謝されなかった。これは人的貢献がなかったからだと思いますが、やはりこの活動をやることによって各国からどういう評価を受けるか、国際社会からどういう評価を受けているかということが大事だと思います。  これまでも答弁でもいろいろと出てきておりますが、少し丁寧に、あと三十分ありますので、一つ一つ区切ってその効果、日本活動に対する評価、あるいはこの活動が中断していることによる負の影響を少し解き明かしていきたいと思います。  まず、国連におけるこの日本活動に対する評価、これは、国連はこのインド洋での日本活動をどう評価しているのかということについて、福田総理に伺いたいと思います。
  212. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 国連の潘基文国連事務総長、こういうことを談話で言ってくれていますけれども、十一月六日の談話でございますけれども、アフガニスタンに関する活動に従事しているすべての政府が現在のコミットメントを継続することを強く望むと、こういうことでございますので、それなりの期待を持っておられるというふうに理解しております。
  213. 山本一太

    山本一太君 国連安保理決議一七七六だったでしょうか、日本が参加しているこの海上阻止活動に対する謝意といいますか評価の一文があったと思いますが、その点について改めて外務大臣の方から御説明いただけるでしょうか。
  214. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 委員がおっしゃるように、一七七六において海上自衛隊の補給活動を含む海上阻止活動について評価されたわけであります。  それ以上何か、取りあえずそれだけお答えしておきます。
  215. 山本一太

    山本一太君 済みません、今のお答えを外務大臣からいただくと大変説得力があるものですから、大変失礼いたしました。国連の安保理決議でもこの日本が参加している海上阻止活動のことが言及をされているということを確認をさせていただいたということです。  続けて外務大臣の方にお聞きしたいと思いますが、このインド洋における海上自衛隊の給油・給水活動、海上阻止活動から日本が離脱した、こういうことについて日本と国連との関係で何か負の影響というものが考えられるでしょうか。先ほど高村大臣は、なかなか目に見えない、信用の失墜ということをおっしゃいましたけれども、もう少し、この国連安保理の議論を含めて、このインド洋でのオペレーションを中断していることによる影響というものについて、もしお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。
  216. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) なかなか具体的にこれでこういう損害を被ったよというのはなかなか難しいわけでありますが、やはり人間の社会というのは、国際社会だろうが国内の社会だろうがあるいは国連の安保理の中であろうが、今、日本は安保理に入ってないわけでありますが、そういう社会でやっぱり言いたいことを言うんならやることやってこいよと、こういう感じは人間社会どこでもあるわけでありますから、やはり世界の国が、ほとんど主要国がアフガニスタンのテロとの戦いに参加している中で、それは主要国の一つである日本がたった一つ、自衛隊を出してやっていたたった一つの仕事である海上補給活動から撤退したということは、それは日本の国際的影響力といいますか、国連の中での影響力にもかなり負の影響があったと、こういうふうに考えております。
  217. 山本一太

    山本一太君 今のお話を踏まえると、高村大臣は、日本は長年にわたって安保理改革を主張してきた、特に常任理事国入りというものを求めてきたわけですけれども日本が国際社会、特に国連から評価をされているこのインド洋での活動から離脱をするということで、将来の安保理改革議論における日本の発言力とかあるいは日本の常任理事国入りにもこれは少なからぬ何らかのやはり負の影響があると、そのように大臣はお考えになっているということでしょうか。
  218. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) インド洋から撤退したことが少なくともプラスに評価されることはないと思っています。何らかのマイナスはあったと思います。
  219. 山本一太

    山本一太君 ありがとうございます。  続けて、当事者といいますか、国際社会の支援を受けているアフガニスタンについて続けて外務大臣にお聞きしたいと思います。  もういろいろなところで、大臣、この件については言及されていますけれども、アフガニスタン政府がこの日本のインド洋におけるオペレーションに対してどのような評価をしているのか、それについて伺いたいと思います。
  220. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) アフガニスタン政府につきましては、カルザイ大統領が九月、日本に来られて、日本に来られてというのはちょっとあれですが、カルザイ大統領が九月、当時の町村外務大臣との会談で、日本のインド洋における補給活動は大変有意義である、是非給油活動を継続していただきたいと、こう述べておられます。また、旧テロ特措法の失効を受けて、十一月二日、アミン駐日大使が新聞社の会見で、活動の継続を希望していたので残念に思う、タリバンやアルカイダとのテロとの戦いにおいてとても貢献してきたと、こういうふうに述べておられます。また、十一月十九日、アハディ財務大臣が私との会談において、国際的なテロとの戦いは継続されており、国際社会における取組が多くの国によって行われている、日本がその中で果たしている役割を高く評価しており、インド洋における補給支援を含む各種活動が継続されることを期待している旨述べました。  このように、アフガニスタン政府から、我が国活動に対する高い評価とともに、活動再開に向けた期待が表明されているわけであります。
  221. 山本一太

    山本一太君 今のは支援を受けている、国際社会の支援を受けているアフガニスタン、当事者であるアフガニスタンが日本のこのインド洋のオペレーションをどう評価しているかということだと思うんですけれども。  高村大臣も衆議院の委員会等々でも答弁をされていますが、アフガニスタンにはこれは国際社会の支援が引き続き必要だということは、これはもう言をまたないことだと思います。治安情勢は依然として非常に厳しいということはこれは事実だと思いますが、この二〇〇一年から六年にかけてアフガニスタンに対する国際社会の支援はアフガニスタンにいいことももたらしているということですが、これは例えば経済成長とか教育とか医療の改善、これには大変成果があったというデータが出ておりますけれども我が国がこのインド洋でのオペレーションから離脱すると、これもまたやはりアフガニスタンにおける日本の評価にかかわってくる、影響してくると、このように大臣はお考えになりますでしょうか。
  222. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) アフガニスタンの中からの評価という意味ですか。それは、先ほど申し上げたように、多くのアフガニスタンの要人が期待をしていたわけですから、その期待していたことが中断されているわけですから、当然に評価にかかわってくると、そういうことだと思いますし、アフガニスタンのマスコミにおいてもそういうことが言われていると承知をしております。
  223. 山本一太

    山本一太君 それでは、続けてお聞きをしていきたいと思います。  今度は先ほどから話題になっているパキスタン、これももう何度もいろんなところで大臣言及されていますが、改めてお聞きしたいと思います。パキスタン政府はこの日本のインド洋でのオペレーションをどのように評価をされているか、大臣の方から御説明いただきたいと思います。
  224. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) ムシャラフ大統領から八月、当時の小池防衛大臣に対して、日本の補給活動はテロ対策活動を継続する上で不可欠との発言がありました。  また、先般の我が国による補給支援活動の中断を受け、パキスタン政府からは、日本のOEF—MIOへの有用な貢献、特に当該海域で活動しているパキスタン海軍に対してなされた支援を評価している旨述べた上で、日本活動の一時停止はパキスタンが継続中の活動に否定的な影響を与えるであろう、日本が早期にOEF—MIOにおける重要な役割を再開することができることを希望する旨のプレスリリースが発出されております。  また、有志連合軍、CTF150司令官であるパキスタンのハシャーム准将は、貴国による補給活動が中断し、代替の補給艦を確保することも難しく、有志連合内で各種調整に苦慮しているとまで述べているわけであります。
  225. 山本一太

    山本一太君 ありがとうございます。  これまで国連における評価、あるいは支援を受けている当事者であるアフガニスタン政府からの評価、さらに今パキスタン政府からの評価について伺いました。  政治は、国際関係政府政府がつくりますから、日本活動が少なくとも多くの国の政府から評価をされているということでいうと、このインド洋のオペレーションは極めて費用対効果が高いということを私は言えるというふうに思います。  続けて伺いたいと思いますが、このパキスタン、二〇〇五年だったと思いますが、日本とパキスタンの共同宣言で両国の共通の挑戦の取組の柱はテロとの戦いだというふうに宣言されていたというふうに記憶をしておりますけれども、正に補給支援はその象徴だったということで、これもまた、先ほど石破大臣の方から、パキスタンの船に日本の海上自衛艦が給油できないということで、四割近くその効率が落ちているという話がありましたけれども、これもやはり日本とパキスタンの関係に負の影響をもたらすと、大臣はそのようにお考えでしょうか。
  226. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 当然そのように考えております。  正にパキスタン自身も、この海上阻止活動に今までも参加してきたし、これからも参加していきたいと、こういう気持ちを持っているわけで、そういう中で効率が四〇%も低下しているということでありますから、パキスタンとすれば早く戻ってきてほしいと、こう考えているのは当然だと思いますし、大きく日本とパキスタンでともにテロとの戦いをやろうと、こういうことを言っているわけでありますから、それに対してパキスタン政府については失望感があるということは否めないと、こういうふうに思っております。
  227. 山本一太

    山本一太君 それでは、更に続けさせていただきたいと思います。  中東諸国はどうか。サウジアラビアですね、これは日本にとっては原油輸入三一%を依存する中東の国ですけれども、このサウジアラビアはこの日本の海上自衛隊のオペレーションについてどのような評価を下しているのか、お聞きしたいと思います。
  228. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) サウジアラビア政府からは、バンダル国家安全保障会議事務局長が十月二十二日付けの福田総理あて書簡にて、テロリズムに立ち向かう国際的同盟を支援するための貴国が傾注されている積極的で偉大な努力に対するサウジアラビア王国の真摯な評価の意を表すると、こう述べている等、海上自衛隊による補給活動に対する高い評価が示されているわけであります。
  229. 山本一太

    山本一太君 繰り返して高村外務大臣に負の影響についてもうちょっとお尋ねをするのはやめたいと思いますが、やはりサウジは御存じのとおり依然としてテロの脅威と直面をしております。たしか二年前にもアルカイーダと言われているようなテロが起きていると。やはり、この中東地域の平和と安定に資するテロの戦いから日本が身を引くということは、もちろん日本とサウジアラビアの関係にとっても私はマイナスだと思いますし、恐らく大臣もそのようにお答えになるんじゃないかというふうに思います。  それでは、続いていきたいと思います。インドはいかがでしょうか。
  230. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) インドは、テロとの戦いに対する我が国の取組を一貫して支持をしております。  十一月二十一日、シンガポールを訪問中の福田総理に対しシン首相は、アフガニスタンでのテロとの戦いはインドにとっても極めて重要な課題であり、日本のテロとの戦いに対する貢献を支持していると、こういうふうにおっしゃっておられました。
  231. 山本一太

    山本一太君 外務大臣、何度も何度も申し訳ありません、外務大臣のお口からこういうことをお聞きしたいものですから。  それでは、アメリカですけれども、アメリカ政府がこの日本の海上自衛隊活動について高い評価を下している、これはもう福田総理とブッシュ大統領の首脳会談で明らかですけれども、それでは、今インド洋でこの日本の海上自衛隊活動が中断していることによる、さっき高村大臣が信用の失墜というお話をしましたけれども日本がこのオペレーションができない、アフガンとのこのテロの戦いから離脱せざるを得ない状況になっているということが日米関係に及ぼすであろう負の影響についてはどのようにお考えになっているでしょうか。
  232. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 同盟関係というのはお互いに、こちらが期待することを必要なときに相手がやってほしいと、こう思う関係であるわけであります。あるいは北東アジアで、いざというときには日本はアメリカがきちっとした安全保障上の役割を果たしていただかなきゃいけないわけで、この海上補給活動日本自身が主体的にやっていることであるわけでありますけれども、アメリカとしてもこれは非常に同盟国として有り難いと当然のことながら思っていた活動であるわけであります。それが中断しているという状況は非常に残念だと。これは、単にブッシュ政権、共和党というだけじゃなくて、アメリカの、民主党も含めたアメリカの全体の世論、そういうものだと、こういうふうに思っております。
  233. 山本一太

    山本一太君 今大臣の方から、ブッシュ政権のみならず民主党も含めたというお話ありましたけれども、アメリカ議会は民主党が主導しているということでございまして、大臣御存じだと思いますが、今、次期アメリカ大統領として最も有力だと言われているヒラリー・クリントン上院議員が先般フォーリン・アフェアーズに発表をした論文の中で、米中関係こそ次の世紀最も重要な二国間関係だというふうに明言をしている。私、そのフォーリン・アフェアーズの論文を原文で何度も見ましたけれども日本が出てくるところはたしか二か所ぐらいしかない。しかも、ジャパンという単独では出てこない。ほかの国と一緒に、ジャパン、インディアとか、ほかの国々と一緒に出てくると。まあヒラリー・クリントンが大統領になるかどうかは分かりませんけれども、やはり日本がこのアフガンのテロとの戦いから離脱しているということは、これはアメリカ議会からもかなり厳しい反応があるんじゃないかなというふうに思いますが、この点について大臣はどういうふうにお考えになりますか。
  234. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) ヒラリー・クリントンさんが選挙活動を目的に論文を書かれたんだと思いますけれども、それについて論評しようとは思いませんが、それはいろいろ広い意味から、同盟国である日本について、この点は頼りになるね、この点は頼りにならないねと、それは当然評価していると思うんですね。日本だって同盟国に対して評価をするわけでありますから、当然、そういう中でプラスの点でないことだけは間違いないと、こういうふうに思っています。
  235. 山本一太

    山本一太君 ありがとうございます。  これ、このぐらいにしたいと思いますけれども、最後にヨーロッパの反応についてもお聞きをしたいと思います。  やはり欧州諸国というのは国際世論を形成する上では非常に大きな影響力があると思いますが、度々申し訳ありませんけれども、ヨーロッパについても高村大臣の評価お聞きしたいと思いますけれども、まずイギリスはこの日本活動についてどう評価をしているか、お答えいただけますか。
  236. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 英国政府につきましては、ブラウン首相が十月の福田総理との電話会談において、日本のこれまでの取組を評価するとともに、継続に対する期待を表明し、英国としては引き続き緊密に協力していきたい旨発言しておられます。  また、旧テロ対策特措法の失効に当たり、マロックブラウン外務省閣外大臣が十一月二日の談話において、海上自衛隊の貢献がテロリストの移動阻止に役立つとともに、アフガニスタン再建を支援する国際社会の努力の重要な一部となっていると考えており、高く評価している、日本がかかる努力への参加を強化する方法を見付けることを期待していると、こういうふうに述べているところでございます。
  237. 山本一太

    山本一太君 ヨーロッパについて最後にもう一つだけお伺いしたいと思いますが、ヨーロッパで非常に大きな影響力を持つ、特に日本の常任理事国入りについても一貫して支持を表明してくれているフランス、まあドイツはG4の共同提案国ですけれども、フランスとドイツの反応はどんなものでしょうか。
  238. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) ドイツ政府については、メルケル首相は、八月に訪日した際の安倍前総理との首脳会談において、我々がテロとの戦いを継続するとの断固たる意思を示していくことが重要である、日本の給油活動を高く評価するとともに、これが今後とも継続することを期待する旨述べました。メルケル首相は、十月の福田総理との電話会談においても、補給活動継続に向けた貴総理の取組を高く評価する旨述べておられました。  また、九月の私とシュタインマイヤー外務大臣との会談でも、私から補給活動を継続できるよう努力すると述べたのに対して、是非そうしていただきたい旨の発言がありました。旧テロ対策特措法失効後も、外交ルートで日本の貢献が重要であり、補給活動が早期に再開することを望むとの期待が表明されております。  フランスからの評価でありますが、フランス政府からは、九月二十三日、クシュネール外務大臣が当時の町村外務大臣に対して、日本の海上自衛隊による洋上補給活動を高く評価するとともに、今後とも日仏を含む国際社会が一致してテロとの戦いに取り組んでいくことが必要であり、日本による海上補給活動が継続されることを期待する旨述べる等、海上自衛隊の補給活動を高く評価し、活動の再開の期待が表明されているところでございます。
  239. 山本一太

    山本一太君 大臣、何度も何度も本当に御答弁、御苦労さまです。  つまり、まだまだあるんです。大臣に一つ一つ区切ってそれぞれの政府の反応を話していただいているだけで、国連はもちろん、アメリカもイギリスもフランスもドイツも、そしてここには今日はお聞きしませんがイタリアも、さらにはインドもサウジアラビアも、こういう各国政府から日本のインド洋におけるこの海上自衛隊のオペレーションに対して評価をする、高く評価をするというふうに言っていると。つまり、この活動は極めてコストパフォーマンスが高いという、それ以外の私は結論はないと思います。  こういう今までの、随分高村大臣に何度も御答弁をいただきましたが、この状況を見て、福田総理、改めてどんな感想をお持ちでしょうか。
  240. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 私も今、高村外務大臣から御紹介申し上げたように電話会談を首脳と随分いたしましたけど、この自衛隊活動については、これは大変皆さん評価してくださっておるということは、これはもう明らかであるというふうに思っております。  それだけに、この活動を法律が期限切れだということで活動できないというのは本当に残念なことだと思っていますので、是非この法律をこの会期中に上げてくださるようにお願いしたいと思っております。
  241. 山本一太

    山本一太君 今、主要国、あるいは支援を受けている当事者であるアフガニスタン政府日本活動に対する評価についてお聞きをしましたけれども、ちょっと側面を変えて、それでは主要国各国のメディアがこの日本活動をどういうふうに取り上げているのか、特に日本がこのインド洋における海上自衛隊のオペレーションを中断したということについて各国の主要メディアがどういう論評をしているのか、このことについて、誠に申し訳ありませんが、もう一度外務大臣にお聞きしたいと思います。
  242. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 中断したことに対して、例外なく、今までの活動を評価し、中断したことは残念だと、こういうことを言っていますが、その中で特に厳しく言っているものをちょっと取り上げますと、その停止についてウォール・ストリート・ジャーナルは、日本に対する信頼を減ずると、こう言っております。ワシントン・タイムズ紙は、国際社会及びテロリストに悪いメッセージを与えると、こういうふうに言っております。また、イギリスのエコノミスト誌は、厳しい軍事的任務を恥ずかしげもなく他国に任せる昔の日本に戻ってしまうのか、こういうふうに言っております。パキスタンのザ・ネーション紙は、海上自衛隊の補給活動停止は、他のコアリション各国の行動に影響を与えかねず、国際社会とのテロとの戦いにとっては非常に衝撃的なことであるとする専門家の見解を報じております。それから、アフガニスタンのカブール・タイムズ紙は、日本が早期に海上阻止活動において再び重要な役割を果たすことを期待するとのパキスタン外務省報道官の言葉が報じられました。  日本の海自撤収を歓迎するような論調には全く接しておりません。
  243. 山本一太

    山本一太君 ありがとうございます。  今日、残りの三十分、何度も外務大臣に御答弁に立っていただきましたけれども日本のこのインド洋における海上自衛隊のオペレーションが国際社会であるいは世界の主要メディアでどんな評価を受けているか、このことだけは今日はっきりさせることができたというふうに思っています。  最後に、一つ石破防衛大臣にお聞きをしたいと思います。  私はこの質問の冒頭で民主党の対案のことについて言及をいたしました。これについてはまた同僚の佐藤議員の方からいろいろとあるかもしれませんが、一つ大臣にお聞きしたいことがあります。それは、私は、法律にはなっていませんが、対案骨子というものが出てきて、その中で民主党の考えるその考え方の一端というものを理解することができました。いろいろ個々に見ていけばいろいろ疑問点はありますが、対案骨子が出てきたということは、これは評価をしたいと思いますし、民生支援をしなければいけないという、その考え方もこれは私は評価できるところがあると思っているんです。  ただ、もし、先ほどこの質問の冒頭に私が申し上げたとおり、民主党の方も、例えばインド洋でのオペレーションは彼らの考え方からすると、民主党の考え方からするといけないと。しかしながら、アフガニスタンには日本は世界第二位の経済大国として何かしなきゃいけないと。インド洋のオペレーションが駄目ならば、例えばその骨子案なるものに出てくる民生支援をしなければいけないと、こういう考え方はいいとして、つまりこういうことが現時点で実際にできるかどうか。  法律、憲法上の問題もあると思いますが、アフガニスタンの国内情勢からいって、考え方はもちろん検討の余地がいろいろあると思いますけれども、いわゆるアフガンの国内に入っていろんな、自衛隊が国内でいわゆる骨子案に出てくるような民生支援みたいなものが現時点でできるのかどうか、可能なのかどうか、そこについて防衛大臣としてコメントを最後にいただきたいと思います。
  244. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 骨子の中ではいろんなプランが示されておると承知をいたしております。それは党として責任を持ってお出しになったものだと承知をしています。  まず、海上自衛隊活動についても、国連の決議があった場合には法的措置も含めて別途検討するということで、全部否定をされているとは私は承知をいたしておりません。そうすると、日本の要請により国連の決議を取るということが国際社会においてどうなのかという議論がまさしくこの場でなされるべきものだというふうに私は骨子案を拝見して思いました。  そして、自衛官であれ、あるいは民間人であれ、民生支援を行う仕組みについてここに触れてございます。私は、民生支援も必要です、あるいは実力による抑止というものも必要ですし、テロリストの排除というものも必要でしょう。そういうものが全部複合的になって初めてテロとの戦いというのは成り立つ。民生支援やらなくていいなんて私は申しません。ペシャワール会が何をやってきたか、あるいはDDRにおいてJMASが何をやってきたか、そのこともまた議論をさせていただきたいと思います。  ただ、例えば韓国のキリスト教団体の方が本当に善意に基づいてあの地域の困っている人たちを助けに行きたいといってアフガニスタンに行きました。誘拐をされ、二人は殺され、脅迫を受けた。本当に善意でやろうとしても、テロリストは善意だとかそんなことは関係ない、すべて取引の材料ですから。  だとするならば、日本人が自衛官であれ民間人であれどこに行くのか、それをだれが決めるのか。先ほど総理から答弁がございましたが、サマーワを見付けるのがどれほど大変だったか。探して探して探して、どこであれば一番喜ばれ、どこであれば一番安全にできるかと。あのサマーワを選ぶときの大変さは、委員も一緒にやっていただいたからよく御案内のとおりです。  どこでやるのか、それをだれが決めるのか、その地域の治安はどうなのか。日本人はいろんな民生支援します、ですけど、そこの安全はどうぞほかの国の皆さん方守ってくださいと、それは本当に通ることなのか。そこの場合において、じゃ、どこが、アフガニスタンも今主権国家です。じゃ、アフガニスタン政府と、そしてほかの国の部隊と、それがどのように分担して日本人の安全を確保するのか。我々の国民です、主権のまさしく中心は国民の命なのです。それをだれがどのように守るのか、どこでやるのか、そのことが私は最も肝要なことであって、民主党さんもそういうような案を示しておられる。是非、どこでやる、だれが安全確保する、あるいは海上自衛隊がやるとするならば、国連の決議が必要であるとするならば、どのような法的措置がある、そういうような議論があって初めて一致点というのが見いだせるのではないか、私は議会というのはそういう場ではないかと思っておる次第でございます。  以上であります。
  245. 山本一太

    山本一太君 終わります。ありがとうございました。
  246. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 次に、関連質疑を許します。佐藤昭郎君。
  247. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 自由民主党佐藤昭郎でございます。  十一月二十三日に海自の自衛艦「ときわ」が四か月にわたる正に命懸けの任務を終えて帰国しました。十一月二十二日には護衛艦「きりさめ」が佐世保に帰港しておりましたから、これをもってこの六年間にわたる海自の活動というのが終了しました。六年間にわたって一万一千人の隊員、十一か国、計七百九十四回補給をしたわけですね。十月二十九日の最後の補給相手パキスタン艦船は、自由のための燃料、ときわ、ありがとうと横断幕で感謝を伝えたと報道されています。  この活動のどこが憲法違反なのか、なぜ米国の戦争に加担しているだけと決め付けるのか、またこれに代わる自衛隊派遣の方法は優れたものがあるのかどうか。こういった正に小沢代表がおっしゃられます基本的な問題点だとする憲法問題とか自衛隊の派遣についての代替案については、衆議院においてはこれほとんど論議を民主党さん回避されたんですよ。  しかし、参議院では私はそうはいかないと思います。参議院ではこれ第一党の責任政党ですから、この法案を葬り去ったり廃案に追い込むことできるわけです。ですから、それをもし想定されるならば、やはり私は、この基本的な問題という論点について、この参議院の委員会の場で正々堂々と問題を提示されて論議していただきたい、これを私、強く望みたい。そして、このことは、正に成熟した先進諸国の二大政党制、政権交代もあり得るわけですね。そういう立法府の在り方として、私は国益を見据えた外交安保政策の在り方の試金石として実はこの法案意義付けられている、極めて大事だと、こういうことをまず冒頭申し上げたいと思います。  総理に、まず最初、これが参議院で始められたと、この決意を伺ってスタートしたいと思ったんですけれども、もう十分午前中、そして山本委員質疑に答えていただきましたので、これは私スキップさせていただいて、二番目の点ですよね。自由民主党とそして民主党が基本的な問題で意見が違う憲法問題と国連との関係どうするかというこの二点について、私、総理の明快な見解を伺いたいと思います。  総理は、十月三十日の会談以来、小沢党首と計三回会談持たれましたね。主要なテーマというのは、この法案を是非成立させてほしいといろんなことで要請された。本当に辞を低くして請われたんですね。しかし、小沢代表の方は、この法案というのは基本的な点で憲法など問題があるといって拒絶されたんです。  私はこのときに実は心配したんですよ。このテロ特措法との成立と引換えに、我々政府自民党の重要な外交安保政策なり、例えば小沢さんが言っている国連中心主義、それから憲法違反の問題、これをあやふやなまま剛腕小沢に取り込まれるんじゃないかと思って心配したんですが、しかし総理は明快にこれを拒絶されました。  そこで、今日はテレビも入っておりますから、小沢代表、民主党との間で一番の論点となった憲法違反、インド洋における給油が憲法違反であって武力の行使であるというこの論点、そして国連中心主義。国連については小沢代表はこう言っておられるんですね、民主党も。国連の活動には積極的に参加することは、たとえそれが結果的に武力の行使を含むものであっても、何ら憲法に抵触しない、むしろ憲法の理念に合致する、私が政権を取って外交安保政策を決定すべき立場にあればISAFへの参加を実現すると言うんですね。  この二つの論点について、総理のお考え、国民に向かって御説明いただきたい、このように思います。
  248. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) まず、自衛隊によるインド洋における補油それから給水活動、これは撤退をしたわけでありますけれども、この活動が武力行使に当たる、したがって憲法に違反するということをおっしゃる方もおられるようでありますけれども、それは全く見当違いの話であるということでありまして、その懸念は全くないということをまず申し上げます。  そもそも憲法第九条で言っております条項に該当する活動でない、国際的な平和協力活動の一環であると、こういうふうなことでありますので、その点は是非誤解のないようにしていただかなければいけないと、こういうふうに思っております。  もう一つ、ISAFの問題ですか、これは正に治安維持ということにおいて武力行使を伴うことなんですよ。ですから、いわゆる戦闘行為というようなものも含まれるということでありますので、これは我が国の憲法に抵触をするということになっております。  ですから、我が国はアフガニスタンの地上における活動ができないんです。いろいろ、何というんですか、人道的な活動とかそういうことをしてもいいじゃないかという話ございますけれども、残念ながら、今のアフガニスタンの地上においては、そういう活動が一般の方々、若しくは武器を持たないで何かしようという状況にはないということなんです。  ですから、我々日本としてもやりたくてもできないというのが実情でありますので、いろいろ支援活動をしておりますけれども、それはあくまでも国際機関に頼るとかほかの方々にお願いするということがほとんどであるという状況でございます。そういう地域において活動をするということは正に我が国憲法で言う武力行使に当たるということですから、これは厳に慎まなければいけないというのが我々の考え方でございます。
  249. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 ありがとうございました。  党首会談の結果、自民党と内閣支持率、下がったんですよね。ちょっとまあ誤解があるかもしれません。私はぷっつん発言とか辞任騒動で向こうが下がるんじゃないかと思ったら、逆にこっちが下がったんです。これやっぱり国民というのは、何かこう、そういう党首会談、これ私は、ねじれ国会で長いスパンを考えれば、これは僕は政治のプロとしては当然私は選択肢なんだけれども国民全体、一般の方から見るとまだ古い密室談合をやったんじゃないかというようなイメージが先行して分かりにくくなった。  ですから、これは総理お願いです。今日、今テレビではっきり総理のお考え言っていただいた。私は、やはり党首討論、これ基本政策小委も全然開かれていないです、今年ね、今度。十二月五日水曜日が定例日ですけれども、これも何か相手側の都合で駄目になって十二日を予定しているんですけれども、こういう党首会談の場でありますとか、総理が記者会見を開いていただいて、これもう四日しかありませんね、会期末までに委員会を開くのが。こういう大事な時期ですから、この問題について、違いはこうなんだと、私はこう思うんだということをお述べになって、世論の方、国民によく知っていただく。  私は、先ほど山本委員が、例えば国会承認なんかで法令の修正協議や修正の呼び掛けがありましたね、こういうやはり何とかしていこうという、盛り上げるためには世論を味方に付けるのが大事だと思いますので、どうか総理、機会あるごとにそういう点において国民に向けて話し掛けていただきたい、このように思いますので、よろしくひとつお願いいたします。  何かよしということ、決意を伺えればお願いしたいと思います。
  250. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 先般、民主党の小沢代表と党首会談をいたしました。それが誤解も招いているということもあろうかと思います。  ただ、私どもは、あらゆる機会をとらえて、別に連立とかいうことだけでなくて、政策協議をするとかいったようなことはしていかなければいけない、そういう考え方を持っているということは示していかなければいけない、そのように思っております。そうしないと、結局、国会でもって一体何をしているかといったような、そういう批判を招く可能性あるわけでございます。  今いろいろ大事な課題というのはたくさんあるわけですから、そういう課題を一つ一つ国会の場を通じて議論をして、そして結論を出していくということが求められている。しかし、それは国会に持っていってもなかなか通らないんだよなんというふうなことになったら、これは本当に国民に迷惑を掛けることだというふうに私ども思っておりますので、できる限り話合いの場ができるような努力はしていくべきだというふうに思って、今でも私はそういうふうに思っているところでございます。  党首会談をしてその中身がよく分からない、それは思ったようにいかなかったということでありますから、ですからその中身について申し上げることは私は控えるべきだと思います。それは一つの過程の話ですから、そこですべて決めようという話じゃないんですよ。そこで一つの秩序をつくっていきたい、そういうことを思って行ったわけでございます。そしてまた、これは何も私どもから申し込んだというだけのことでない。ですから、あうんの呼吸と、こういうふうに申し上げているんですよ。  なかなか、そういうようなことで、分かりにくいというふうに言われればそのとおりだと思います。しかし、これは一つの過程の中の、プロセスの中の一段階だというように理解をしていただきたいと思っております。
  251. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 ありがとうございました。安心いたしました。  それで、次は、この法案の重要性についての国民への広報というか、啓蒙というんですか、これについてちょっと官房長官に伺いたいんですけれども、やはり我々の悩みというのは、今日も某紙の世論調査出ていましたけれども、五〇からなかなか上がっていかないんですよ。それで、山本委員が御質問されたように、国際社会の評価についてはかなりいろんな点でできました。  我々も、自由民主党の全国幹事長・政調会議というのが十月にありまして、いろんな課題についてお話ししたんですけれども、内政問題、地方活性化、農業問題、これはみんながっと反応があるんですけれども、このテロ特措法の、新テロ特措法の問題に関してはやはり明らかに地方の関心が落ちるんですよ。これはやはりいろいろ理由があると思いますけれども、やはりもう大変なんですね、地方は。日々の次の生活というのが大変なんで、そこはもう、どうこの新法と結び付くかよく分からない。油は使っていますよ、たくさん。だから、中東の油の九割はインド洋からここを通じて来るんですから、これは非常に大事なんだけれども、ここら辺まで結び付いていかない。  これ自民党の、今日テレビ入っているんですけれども、これ広報紙なんですね、こういうの。(資料提示)よく分かりやすいです、これ。四十か国が参加しているんですね。どれだけ我が国の国益に向けていいかということをPRしているんですが、政府の広報が、なさっているんでしょうけれども国民になかなか届いてないという私は感じがするんですよね。  もういよいよ大事な時期に来たわけで、どういうことをなさっておって、それから国民の皆さんがテレビ見ていてもっと知りたいなというときに、こういうことにアクセスすれば分かりやすいんだというようなことをひとつPRしていただきたい。お願いします。
  252. 町村信孝

    国務大臣(町村信孝君) 国民の幅広い御理解の下にこうした給油活動が行われることは大変大切なことだと私どもも思っております。  すべての新聞社のデータがあるわけじゃございませんが、大体八月から九月上中旬までは反対が多うございました。それが大体九月下旬から十月、十一月、賛成が、すべての新聞社の世論調査で賛成が多いという姿に変わってまいりました。これは、やはりいろいろなこの国会での議論が報道される、あるいは今委員がお示ししたような自民党あるいは公明党の皆さん方の党内での御努力、政府の方も福田内閣のメールマガジンでありますとかあるいはパンフレット、セミナー、防衛省でもホームページを開き、そこを開いていただければどういう活動をやっているのかというのが分かるようになっております。様々なメディア、媒体を活用してそうした周知徹底を図っているようでございます。  ただ、なかなかこれは現実、日々、ああ今日灯油が十円高くなった、ガソリンが五円高くなったという話と遠いインド洋での補給活動というのはなかなかこれ国民の皆さん方には実感を持ってぴんとくる話ではないという、そういう制約があるということは残念ながらもどかしさを感じているところでございますが、今後とも、できる限り幅広い国民理解を得るように努力をしてまいりたいと思っております。
  253. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 ひとつしっかり取り組んでいただきたいと思います。  この広報紙は、これ、自由民主党の各地方区の先生方の事務所にきちんとありますので、国民の皆様もまだ来ていないようですと問い合わせいただきたい、このように思います。  次の質問は、テロとの戦いにおける国際社会の取組と評価ですけれども、これはもう山本委員が本当にしっかりやっていただいた。だからこれ私質問しませんけれども、私の実は心配をちょっと申し上げたい。  私は、いろいろありましたけれども、実は、しかし国際社会、特に同盟国である米国や、それからコアリッション、一緒に活動している各部隊の現場では、正直なところ我が国の反応にこれちょっとうんざりしているんじゃないかという私は実は個人的に思います。もう石破大臣それから防衛省、大変な御苦労いただいて、例の給油問題、三万ページに及ぶ資料を米軍あるいは各国の軍隊に要求されて、それ全部解明して、どうしてこういうのが必要なんだと、いや、こうなんだという大変な労力をお願いして、その結果どうなったかというと、いまだにこの問題が続いておる。  シーファー駐日米国大使、これ非常に慎重な方なんですけれども、こんな発言しておられますね。日本の給油はOEF作戦の七%、一〇%行ってないですね、程度であると、政治的理由から説明に決して満足しない人たちがいると、こういうことをおっしゃっておられるんですね。  ですから、私は、国際社会も町内会も自治会も同じだと思いますよ、似ていると思いますよ、これ、極端なことを言うと。何かやろうとすると文句は付けて、ではどんな案があるかというと代替案も示さないというような、そういう自治会や町内会、一番嫌われるんですよね。こういう人に私は国際社会で日本がなりかねないという。  信用という問題というのは、非常に僕は、大臣がおっしゃいましたように見えにくい、しかしこれ、私は毀損されているんじゃないかと、日々、そういう心配がありますので、しっかりまた対応をひとつよろしくお願いしたい。これは私の要望です。  次に、石破長官にこのテロとの戦いの難しさ、本質について伺いたい。  これは石破長官が適当ではないかもしれませんけど、長官は六年前に、九・一一の直後に、自民党の政調副会長として大変な努力されて、これとにかく急がなきゃいけなかったですね、テロとの戦い。そして、これをまとめ上げられた私は実施者です。その経験踏まえて、六年たって、テロというのはやっぱりあの当時思ったとおりだなと、難しいなと、こう実感されると思うんですけど、国民に向けて、このテロとの戦いというのは本当に大変なんだという点についてちょっと国民に訴えていただきたい。
  254. 石破茂

    国務大臣石破茂君) どうも、テロも大変です。伝統的な戦争も大変です。  ただ、どこが違うかといえば、テロは、いつ、どこで、だれが、だれから、なぜ、どのようにして攻撃を受けるかというのが分からない、いつ、どこで、だれが、だれから、なぜ、どのようにして。九・一一がそうですね。あそこで、朝行ってくるよと言って出掛けたお父さん、お母さん、お兄さん、お姉さん、ワールド・トレード・センターで何で自分が死ななきゃいけないんだか、何でアルカイダからやられなきゃいけないんだか、何で今日なんだか、何で飛行機が突っ込んできて、そんなの全然分からない。普通の戦争であれば、どっちも良くないですよ、ですけど、なぜ、どこが、どのようにして、いつ、ある程度予測が利く。オウム真理教だってそうですよね。この霞ケ関の地下鉄で大勢の人が死んでいった。全く理由も何もないわけ。テロって、それが一つの特徴だと私は思います。そして、そして、ある意味で自分が死ぬこと、殉教することがもっと幸せだと思っている、そういう勢力に対しては抑止力が利かないということがございましょう。  もう一つは、普通の戦争であれば総力戦ですよね。全力を尽くして戦いますよね。ですけど、テロの怖いのは、弱いところにじわじわと攻撃を仕掛けていく。弱いところ、弱いところ、弱いところをねらって、何で私がやられるのという恐怖を連鎖させて社会が動揺することによって己の目的を達しようという、それが正規の戦争と全く違うということだと私は思います。  そして、戦争であれば、宣戦布告があって平和条約で終わる、今違法化されていますから少し違いますが。ですけど、テロって、始めもなければ終わりもない。なぜならば、これで終わりだという主体がはっきりしないからです。主体は国ではない、だとするならば、国と国との戦争の概念が成り立たない。  そして今、弱いところに、民衆に紛れて、そこが難しいんだと思います。民衆に紛れて、だれが敵だか分からない、いかにも味方のような顔をして民衆の中に紛れて、そしてそれを攻撃することで更に民衆を巻き込んでしまう、その恐ろしさがあるんだと思います。    〔委員長退席、理事浅尾慶一郎君着席〕  ですから、私は、貧困とか圧制とか、そんなものを取り除けばテロがなくなるか。私はちっともそうは思わない。人々の幸せ、民主主義、自由、基本的人権、信教の自由、それをすべて否定してでも自分のやろうとすることを遂げるためには手段を選ばない、それがテロだとするならば、イラク戦争に反対したフランスやドイツも、世界四十か国が、何で自分の国の若者の命を落としてでもこれと戦おうとしているのか。それは、我々が本当に共通の価値として共有する自由であり、民主主義であり、人権であり、信教の自由であり、それをすべて否定して自分たちの思いを達成しようとする卑劣な行為だからこそ全世界が戦っている、それだけ難しいものであるからこそ全世界が、私は、世界の多くがこれと戦っている、そのような認識を持っております。
  255. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 ありがとうございました。  次に、この法案審議において、先ほども、午前中も榛葉議員、また白議員も触れていただいた、そして山本議員も触れていただいた対案ですね。先ほど、ある委員の、対案に関して、いや、これはテロ特措法を廃止するものは対案だという、まあある意味私は極論だと思いますが、それがありましたが、しかし、もう私は、この国会の会期、あと二週間ですよ。そして、参議院ではこの新テロ特措法が、与党少数党ですから、これ否決されるおそれもある。そのときに国民が、我々が、政府・与党が提案した今の法律よりもいいものがあって対案だというやはり私は説明責任はあるだろうと思います。その意味で、白議員の質疑でも、いや、実は対案は作っているんだということで、私はこれは民主党の骨子案だと思うんですね。骨子、これ、骨子を中心に要綱が作られて法案が出て行きますから。これは私どうして手に入れたかといいますと、これマスメディアを通じてなんですね。マスメディアにはこの骨子案が発表されておられるんです。しかし、正式に政府の方には行っていないと思います。しかし、もうこういう時期ですから、私はこの民主党の骨子案というものを私なりに理解して、それに対して、これを、対案よりも政府の方が優れているんだという点を私は政府に伺いたいと思うので、そういう仮定で、前提を置いて質問させていただきます。(発言する者あり)  まず最初に外務大臣に伺いたいんですけれども、この停戦合意を、ある時期にその地域で活動するという骨子案が提案されているんですね。私はそういうふうに思うんですけれども、停戦合意が成立している地域又は停戦合意が成立していないが民間人への被害が生じないと認められる地域で実施するというふうになっているんですけれどもね。果たして、(発言する者あり)果たしてこのアフガニスタンにおいて停戦合意というものが……
  256. 浅尾慶一郎

    ○理事(浅尾慶一郎君) 速記止めてください。速記を止めてください。速記を止めてください。    〔速記中止〕
  257. 浅尾慶一郎

    ○理事(浅尾慶一郎君) 速記を起こしてください。
  258. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 それでは、こういう考え方がある。これ私の、私がこう考えたときに大臣はどう思うかということでひとつお答えいただきたい。民主党の骨子案とは直接関係ないです。  停戦合意を成立したところ、そこにおいて活動する、我が国が、こういう考え方、私の考え方、これはどのように理解されますか。(発言する者あり)いや、外務大臣。もう一遍言いますよ。停戦合意が成立している地域又は停戦合意が成立していないが民間人への被害が生じていない地域というのはアフガニスタンにあるのかどうか、停戦合意というのが実現の可能性があるかどうか、それを伺いたい。
  259. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 現在、停戦合意があるという地域があるとは承知をしておりません。  停戦合意が将来得られるかどうかということでありますが、だれとだれの停戦合意かということでありますが、今、例えばアルカイダとの停戦合意とか、あるいはアルカイダと全く一体に活動しているタリバン中枢との停戦合意というようなことは非常に考えにくいと、こういうふうに思います。  一方で、カルザイ政権も和平を進めようということで、正にタリバンの中の中枢でない人たち、そういう人たちに投降を呼び掛けていると。三千数百人の人がそういうことがあるということがありますが、それはいわゆるアルカイダとかタリバン中枢との停戦ということは全く考えにくいと、こういうふうに思っております。
  260. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 この法案では、そうすると、実施する業務について伺いたい。  我々の旧法では、業務、いろいろありましたね、復興支援業務、油の補給以外の。今回はそれどういうのがあったかというと、ある考えでは農業や農業施設、この農業関係、かんがい施設ですね、これかんがい施設、私の専門ですからよく知っています。それから、医療、あるいは様々な物資の補給、こういう輸送業務がありましたけれども、今回、政府はそういう業務を全部ある意味では整理して、インド洋の給油活動のみに集中したんですね。これ、私は理由分かるんですよ。  外務大臣の見解を伺いたいんですけれども、例えば私が専門としているかんがい用水路ですね、この普及。これ、実は二〇〇二年の一月のアフガン支援会議を受けて、二〇〇四年から八年まで、参加型農業農村復興支援対策調査として現地へ行っているんですね、バーミアンに。以下五地区に、五か所についてずっと行ったんですけれども。しかし、どういうことをやったかというと、集中豪雨で崩壊したかんがい水路を農民参加で直して、これ一つのモデル事業ですから、非常に喜ばれた。大体四か月から六か月、専門家の方が五、六名でチームを組んで、構成して直したんですね。ここで成功すればこれアフガン全土に広げていこうやということで実はやったわけですけれども。  昨年、今年と、特に今回、韓国人の方が誘拐されましたね。首都カブール、バーミアン始め五都市は、これ渡航延期勧告から外務省は退避勧告にこれ引き上げられたんですね。実質的に民間のコンサルもここへ行けなくなっているんですよ。そういう状況の中で、あるいはもう一つ紹介しますと、これは藤田議員が代表質問で紹介されたんですけれども、昨年の自爆テロによる被害というのは、アフガンでは千四百人、地雷やクラスター爆弾による被害者は八百人だと。比較的治安が安定した北部でも、自爆テロで最近五十人以上死亡したと。  こういうところで、私はこの農業とか医療とかそういうものは、現にODAで実施できますから、これ新法を作らなくてもできると思うんですけれども、しかし、現実問題として、今直ちにアフガン復興支援のためにそういったところに、ODAでもいいです、この新法でもいいけれども、人を出すということは可能なのかどうか、外務大臣に伺いたい。
  261. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) この法案を補給、給油、給水に絞ったのは、現実に六年間、この法律に基づいてやってきたのは、それしかなかったし、それだけやればいいんじゃないですかと、こういうことなんだろうと、私、この法案の提案責任者じゃありませんけれども、そういうふうに理解をしているわけであります。  それで、今まで、今すぐに日本人がアフガンの中に入って、幅広く、技協、無償でODA展開していくというのは、それは全土が退避勧告になっておりますので非常に難しいと。今、NPOの人たちにもできるだけアフガンから出て遠隔操作的にやっていただきたいと、そういうことをお願いしているわけで、JICAの人たちはかなりまとまって安全対策講じながらやっている面もありますが、非常に今、日本人が入って幅広く展開していくというのは難しい状況にあるということは一般的に言えると、こういうふうに思います。
  262. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 もう一つ、自衛隊の派遣の形態について防衛大臣に見解を伺いたいんですけど、自衛隊の派遣のやり方というのはいろいろありますね。このような洋上補給で派遣していく、イラクの復興支援のようなサマワみたいに出ていってやる、あるいは、これは先ほど総理からも明確にちょっと無理じゃないかと、憲法上と、ISAF本隊に自衛隊を派遣する。しかし、小沢代表はこれをやりたいと、こう言ったというんですけれどもね。  この自衛隊の派遣の形態で、ISAF本隊に派遣する、あるいはサマワのような、ちょっと問題が違うかもしれない、サマワのように自衛隊が出ていって、今、高村大臣から、しかし山本さんも触れていただきましたけれども、おっしゃったようなODAを中心とする日本の様々な復興支援活動をその中に一緒に入って自衛隊がやる、あるいは一緒に入った文民の方々を警護しながら、まあ屯田兵みたいなものですかね、やっていくという、こんなこの自衛隊活動というのは今のアフガニスタンで考えられるでしょうかね。
  263. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 私はそれはできないことはないのだと思います。  ただ、どこを選ぶか。先ほどお答えしたように、サマワを選ぶときに、我々がどれだけ調査を行い議論を行い、議論の末にサマワを選んだ。まずどこを選ぶか、そして何をやるのか。そして、サマワにおいて、我々は自分の部隊は自分で守るけれど、それはもう行かれた佐藤議員が一番よく御案内ですよ。だけども、現地の治安はオランダでありイギリスでありオーストラリアであり、現地の治安は他国に任せ自分たちの部隊を守るということをやってきた。  では、今回、仮に出すとしてその治安はどの国が守ってくれるということだって議論しなきゃいかぬことでしょう。そして、正直申し上げて、私はサマワよりもアフガニスタンの国内の方がより危険な地域が多いのではないかと思っております。そのときに、それでは日本がいろんな民生支援をなさるのでしょう。私どもがその日本の地域の安全をお守りしましょう、そういうところが本当に出るのかということもちゃんと議論しなきゃいかぬでしょう。  更に加えて、自衛官と民間の人が出たとしますね。民間の人が例えば拉致された、殺害されそうだ、我々日本自衛官がそこにいて何にもしないということが本当にあっていいのかと。我々の国民が拉致され誘拐されているときに、自衛官たちが何もしないで、あとは皆さん、ほかの国の皆さんお任せね、そんなことをうちの自衛官にやらせるのか。駆け付け警護というのが今認められていませんね。その点をどう考えるか。    〔理事浅尾慶一郎君退席、委員長着席〕  さらには、武器の使用権限をどうするのかという議論はきちんとしていただかなくてはなりません。私どもの武器使用権限は、国際的には相当に抑制的なものになっております。じゃ、任務遂行、これが妨害されたときに武器は使用できるか、武器の使用も、威嚇射撃、あるいは片や足をねらって撃つというような致命的ではない射撃、あるいは武器を構える、それと比例との原則をどう考えるのか。私は、自衛官を海外に派遣するときに、ましてや危険な地域に派遣をするときに、そこの議論をきちんとせずに派遣をすることがあってはならないと思います。そして、総理からも答弁ありましたが、ISAFではたくさん人が死んでいる、OEFもたくさん人が死んでいる、そのことを我々はきちんと認識をしなきゃいけない。  だけども、先ほど答弁申し上げたように、自由も民主主義もすべて否定をする、そのようなものに対しては断固として戦うんだというのが、先ほど委員が我が党の機関紙をお示しになりました。あそこに、どの国が何に参加しているかという、そういうマル・バツが全部示してある。G8で、日本とロシアを除くすべての国が地上においてOEFに参加し、ISAFに参加し、PRTに参加している。地上においても海上においても一切何もしないという国が、G8の中で日本、そしてソ連時代にアフガニスタンと戦ったロシア、これだけになっている。  本当にこの日本でいいのかという議論とともに、今申し上げましたような、どこで活動するか、どのような武器使用権限を与えるか、他国との関係はどうか、そういう御議論がなされて初めてそういうISAFとかそういう議論になるものだと私は承知をいたしております。
  264. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 速記止められた関係で時間がもうあと十分ぐらいしかありませんので、少し、最後の質問行きますが、一つの考え方として、今中断しております洋上補給、これを再開するときに新たな安保理決議などで国連の決議がやはり必要なんじゃないかという考え方もあるわけなんですが、この給油、補給活動の再開に当たって何がしかの国連からのお墨付きというのが必要なのかどうか。これ代表質問で伺いましたけど、今日、国民の方にちょっと説明していただきたい。
  265. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 海上補給活動でありますが、これは国際法によって認められた活動でありまして、安保理決議がなければ憲法違反になるというようなことはそもそも全くないわけであります。ですから、そういう必要ないわけでありますが、安保理決議が、お墨付きが必要だということであれば、一七七六で評価し、やってくださいということですから、これはある種のお墨付きはもう既にあると私は思っております。そういうふうにも考えられるのではないかと民主党の議員も投稿して言っておられた方もおられるわけであります。  その上でさらに、国連が安保理決議で結成するようなそういう国連決議という意味であれば、そういうものをもう既に何の問題もなく六年間活動してきて高く評価されていることについて、日本の国内事情で、そのためだけにそういう安保理決議を新たに一つつくってくださいというのは甚だ困難であるし、みっともないといえばみっともないことであるし、要するにそういうことだと、こういうふうに思います。
  266. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 今いろいろな考え方、ずっと伺いましたけど、やはり私自身、今政府が出しておられるインド洋での海上補給活動、これは国際社会も望んでいるし六年間の実績もある、しかも我が国自衛隊、特性をよくつかんでいる私は提案だと思います。これに代わる地上、陸自を出したりいろんなことをする提案というのが、まだ会期まで時間がありますからいずれ出てくるかもしれませんけど、今のところやはり私はこれはベストじゃないかと、こんなふうに思います。  次に、防衛省不祥事についての解明について山本議員も質問されたので私も述べたいと思うんですけど、この問題というのは正に常軌を逸した事案でありまして、単にこれ防衛省だけじゃないですよ。あらゆる公務員、霞が関全体にも衝撃を与えたんですね。  私は二つあると思いますよ。人事管理と調達事案、この二つあると思うんですけれども人事管理。普通、事務次官になるような人というのは、課長補佐、課長、局長、上がっていく段階でどの組織でも大体淘汰されていくんですよ。良い子、悪い子、普通の子というのは三ついるんです、大体。悪い子は大体上に行くときに必ず淘汰されていくんですよ。それが利かなかった。これはやはり、私も率直に、やっぱり防衛省全体の人事管理、そしてそれを許してきた政府・与党の責任はやはり大きい。これは歴代の防衛庁長官もあるし、場合によってはこれ官邸筋もあるかもしれない。これはやはり深刻に反省しなきゃいけない、これを解明していく。  そして、一方の調達事案、これも防衛省の特殊性です。何かほかの霞が関の調達官庁と異なったやはりシステムというのが必要なのかなと。もう山本議員が何回もこれ触れられましたね。私はやはりそれだけの大きな問題である。  ただ、申し上げたいのは、これ国内問題なんですよ。ですから、さっき冒頭、朝の質疑でも、このうみを出すのが先で、国益を懸けたこの新テロ特措法の審議がこの後だというのは私は承服しかねますけれども、並行して、私は、この問題というのはこの国会だけで終わりませんよ。三か月で例の協議会、結論出すんですけど、これでも終わらない。今、国家公務員法の改正やっていますけど、これ自衛官の早期退職制度も含めて、年金の問題も含めて大きな問題なんですよ。ですから、これは並行してじっくりやらなきゃ駄目なんです。  そう思いますが、防衛大臣、官邸に組織つくられたということですけど、改革協議会の、防衛大臣の決意を伺います、この問題に、解明について。
  267. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 現在、捜査当局においていろんな解明が進んでおり、私としては省内に対して全面的に協力しなさいということは申し上げておりますし、省内でも明らかになることは徹底して明らかにしなければいかぬ、山田洋行水増し請求なぞというものではなくて、私はあれは詐欺であるというふうに思っております。告発する方向で担当当局と相談を始めておるところでございますが、そういうものはもってのほかで、きちんとした、断固とした処置はとります。  しかし、今まで防衛装備品というのは、国家機密だから、防衛にかかわることだからということで明らかにしてこなかった部分が余りに多くないかということが一つあります。そして、冒頭、榛葉委員から御提案がありましたけれども国会の場でそういうことをきちんと議論する、そういう仕組み、そういうものがあって、我々もきちんと情報を開示する、それがなければいかぬだろう。  同時に、諸外国は全部そうですが、事が事でございますので、機密を守るというルールが議会においてどのようにできているかということです。防衛装備品の性能から価格から全部明らかにしているような国は世界じゅうどこにもありません。その機密保持体制が政府及び国会においてどのように担保されるかということも必要なことなのだと思っております。  委員は農業の御専門家でいらっしゃいますが、結局、私、思いますのに、自衛隊にとってお客様というのはだれなんだという話だと思っているんです。つまり、農林水産省であれば、農業の方、漁業の方、林業の方、いらっしゃいますよね。あるいは、国土交通省であれば、道路利用者であり、鉄道利用者であり、飛行機の利用者であり、各会社である。ところが、防衛省自衛隊の場合には、お客様というのが実はいない、評価の対象にさらされることがない。それがさらされて実は駄目だったというときは、祖国の独立と平和に大きな影響が与えることであるにもかかわらず、お客様の目にさらされることがないという現状であるならば、チェック体制をよほど厳しくしなければいかぬのだろうというふうに私は思っております。  そして、調達の方法については、これはまた議会でも御議論いただき、省内でも、官邸でも議論いただきますが、調達にかかわるセクションに我が国の場合には六百人ぐらいしかおりません。他国の場合には何千何万という人間が調達部門におります。では、我々二十七万の組織において、それでなくても現場に人が足らないという状況は委員も政務官やっておられたからよく御承知ですが、それでは調達部門にどれだけの人を割くか。人さえ割きゃそれでいいというもんじゃなくて、この性能はどうであり、そして商慣習はどうであり、この価格は妥当であり、それが全部見抜けるだけの組織がどれぐらいつくれるか。これ私、委員指摘のように、相当長い期間掛かるだろうと思います。  ただ、私は、ここはまた野党の方々にもおしかりをいただくのかもしれませんが、多少のお金が掛かってでも、きちんとしたものを公正で透明なプロセスの下に取得をするということに私は配意をしてみたいと思っておるのです。人員も含めましてどのようにしたらいいか、また委員会における御議論を賜りたいと存じます。
  268. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 質問を終わりたいと思いますが、一万一千人のこの海自の隊員諸君、正に命懸けで任務を遂行したこの海自の隊員の諸君に本当心から敬意と感謝を申し上げ、そしてこの海上補給活動の再開が一日も早いことを、法案の成立が一日も早いことを私祈念いたしまして、質問を終わります。  ありがとうございました。     ─────────────
  269. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) この際、委員異動について御報告をいたします。  本日、榛葉賀津也君委員辞任され、その補欠として徳永久志君が選任されました。     ─────────────
  270. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 次に、浜田昌良君。
  271. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。  いよいよ本日から参議院の外交防衛委員会でテロ対策補給新法が審議されるわけでございますけれども、この審議をより実質的に、また迅速にしていくためにも、また国民の皆様方にこの法律の必要性を御理解いただくためにも、まずこの原点、法律を作る原点に立ち戻りたいと思います。  それは、皆さん御存じのあの二〇〇一年の九月十一日、同時多発テロでございます。当時、私は夜十時ごろ自宅に帰りましてテレビの画面を見て唖然といたしました。ニューヨークの世界貿易センターの北側のビルに飛行機が刺さっているという。まさかこれは映画の一シーンかなと思って右を見ると、ライブとありました。解説を聞きますと、現地時間の朝八時四十五分、ボストン発ロサンゼルス行きの飛行機がハイジャックされてワールド・トレード・センターの北側のビルに追突した、自爆テロされたということでございます。そしてさらに、えっと思って見てみると、この十八分後、九時三分でございますけれども、今度は南の棟に同じボストン発ロサンゼルス行きの旅客機が追突をしたわけでございます。で、解説をいろいろ聞いていくうちに、一時間たったころだと思いますが、現地時間の十時三分でございますか、十時五分ですね、南側のビルが砂でできたビルのようにざざっと崩壊をしたわけです。そしてさらに、その二十三分後にも北側のビルがざざっと大きな噴煙を上げて倒れていった。今までになかったというか、今までにあってはならないことが起きたと。私は戦慄を覚えました。私だけでなかったと思います。怒りに震えたわけです。  この国際テロによりまして、二千九百七十三名の方が亡くなった。日本人の方でも二十四名亡くなっています。その中で、Aさんは、北海道生まれで四十八歳でございました。二十四歳でアメリカに渡られて、そして当日、出張でボストンに行かれてロサンゼルスに帰る途中にこの惨事に巻き込まれたわけでございます。娘さんたちとの別れがこういう形になるとはさぞ無念であったと思います。そのような日本人の方々が夫婦のきずな、また親子のきずなを断ち切られた。本当に残された家族の方々は、六年たった今でも心の傷跡がいえていないのではないでしょうか。さらに、世界市民という立場で見れば、正に二千九百七十三組ものこういう方々、無念に思う方々がおられる。こういうものに対して断固たる決意で国際テロは許してはならないということを我々は決意しなきゃいけないと思っております。  そこで、最初に福田総理にお伺いしますが、六年前になりますが、この同時多発テロの場面を見られたときの最初に思われたお気持ちと、そして今、一国の、日本総理として国際テロに立ち向かわれる決意を国民に分かりやすくお伝えいただきたいと思います。
  272. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 今、浜田委員から二〇〇一年九月十一日のあの夜の光景を説明いただきまして今いろいろと思い出しているところでございますけれども、本当に衝撃的な事件だったと思います。  一機、二機、ワールド・トレード・センターに突っ込むということがありました。これは、二機目でこれはテロだなという感じはしましたけれども、その後にペンタゴンにもう一機突っ込んだという話を聞きまして、これはもう戦争かなと一瞬思ったくらい大きな衝撃を私も受けたんです。米国人はそれはやっぱり相当大きなショックを受けたんじゃないかというふうに思いますけれどもね。しかし、それは米国で起きたからというだけのことでなくて、日本人も二十四人亡くなっているんですね、本当にお気の毒なことであったと思いますけれども。そのような二十四人亡くなったということであれば、これはそのことだけでも大変なことですよ。  そういうテロによって被害者が出るんだということ、それがいつ起こるか分からない、どこで起こるか分からないというそういう性格のものだということで、それは日本だって起こらないわけではないということで、相当あのときは緊張しました。国内でもいろいろな重要施設ございます。そういう警備についても特別な体制を組むとか、それから入出国の管理も厳重にするとか、いろいろなことをしました。  そういうことで、もしああいうことが、それからもう一つ申し上げますと、あの事件が起きた翌日ですか、株価が暴落したんですね。そして、最初はアメリカ、その次にヨーロッパで暴落しました。我が国もこの株の暴落があるかもしれないということでもって、その対応策に実は真夜中追われておったんですよ。株式市場も一時、三十分か一時間取引開始を遅らせるとかいうような対策を取りましたけれどもね。  まあ、おかげさまと申しますか、それほど大きな波乱はなかったということでございましたけれども、そのぐらい、今や国際社会、一つニューヨークで起こったというだけでもって全世界にいろんな影響を与えるということもあります。場合によっては、そのことによって国際経済が乱れてしまうとか、取引が一時中断するとかいったような、そういうふうなこともあるかもしれない。すべての面に影響を与える可能性があるということでございますから、これはなかなか許し難い行為だと思いますよ。  そういうことを防ぐためにどうしたらいいかということは、やはりこれは断固として立ち向かうしかないというのが国際社会の共通認識ということでもってアフガニスタンに対するいろいろな抑制活動というものは起こったわけですね。ですから、このテロはニューヨークで起こったことだけれども、しかし我々もこれを他国で起こったこととして扱うわけにはいかない。全国際社会が、国際社会すべての国が一致協力して初めて効果を現す、そういう性格のものだと思います。今、大分時間がたちましたけれども、なおかつ、なお今その対応に追われているというのが現実だというふうに思っております。この活動に対して手を緩めるということはしてはならないというふうに私は思っております。
  273. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 断固たる決意の御答弁ありがとうございました。これからこの法案について審議がこの委員会でされるわけでございますけれども、あの九・一一のあの国際テロに対しては決して許さないという点だけは与党、野党、共通に持って審議をさせていただきたいと思います。  その上で、この審議をする上で、国民の期待を裏切らずにしっかりと議論するという点で、一つの社説を紹介したいと思います。  これは十月二十九日付けの読売新聞の社説で、参院では本格的議論を聞きたいということでございます。一部、あっ、本質的です、済みません、読ませていただきますが、日本がテロとの戦いにどう取り組み、国際社会の一員としての責任をいかに果たすか。参院では、この本質的な論議を聞きたい。  ちょっと飛ばしますが、真ん中の段ですけれども外交防衛委員会での法案の実質審議は来月十五日の会期末まで四日程度しかできない見通しだ。与野党が今、最優先で議論すべきは、給油活動を再開するのか、給油に代わる方策があるのか、という点だ。それには、民主党が現実的な対案を早期に示すことが前提となる。  民主党は、既にまとめられた法案骨子を法案要綱にする作業中としているが、問題は、その内容だ。  法案骨子は、自衛隊活動として、農地整備、医療、輸送などを例示しているだけで、アフガニスタンのどの地域で何を行うか、全く示していない。  活動は、停戦合意が成立しているか民間人への被害が生じないと認められる地域で行うという。こうした条件を満たす地域は今、アフガンにはない。日本は当面、何の人的支援もしないのが民主党の基本姿勢ということになる。  給油活動は、国連安全保障理事会決議一三六八などを踏まえており、国際社会が早期再開を希望している。民主党の小沢代表は給油を憲法違反と断じているが、新法案の衆院審議で同様の主張をした民主党議員はいなかった。  やはり給油活動の早期再開こそが日本の国益に最も資する選択肢であると。  こんなふうにあるわけでございますが、こういう指摘に対して総理から御所見をいただきたいと思います。
  274. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) そのことにお答えする場合に、やはりこのインド洋における補給・補油活動、補油、給水ですね、このことがやはり大事な活動なんだという認識を持たなければいけないと思いますね。  そういう意味においては、私は、ほかの国は、じゃなぜ多くの国々が今そういう活動をしているのかということも考えなければいけないと思います。別に洋上だけではありません、陸上においてもっと厳しい活動をしているわけですね。時には命を失う、時にはどころじゃない、もう本当に大勢の方々が命を亡くしながら、しかしそれぞれの国は頑張っているんですね。  例えば、フランスは十一人、ドイツは二十五人、そしてカナダは七十人、イギリス八十一人と、こういう方々が亡くなっているんですよ。にもかかわらず忍耐強く今でも活動を続けているという、この意味をやっぱり考えなければいけない。それは、先ほど私が申しましたように、テロを何とか撲滅したいということ、これが根源にあるわけですね。そして、今やアフガニスタンにアルカイダの、タリバンの勢力を放逐して、そしてそこに平和な社会を築こうと。幸いにしてそういう部分ができているわけですね。社会が解放され、そして経済も以前に比べて活性化しつつあると、こういうふうなことで、女性も解放されたと、こういうふうなこともありますし、その効果はやっぱり大きく出ているんだというような認識をいたしております。  そういうみんなが活動しているところに我が国はどうしてしてはいけないのかという、そういうことはまた非常に単純に考えてもなかなか理解できない。そして、我が国活動というのは、我が国自衛隊が海外に行って活動すると、その場合には憲法第九条に違反するかしないのかといったようなことは常に議論になりますけれども、そういう違反する行為ではないということも、これも再三御説明申し上げておるとおりであると。  そして、そういう地域というのはなかなかありません、はっきり申し上げまして。そういう憲法九条に違反しないような形でもってアフガニスタンの平和のために貢献すると、活躍するという、そういう仕事というのはそんなにあるわけじゃないんですよ。そういう非常に限られた分野で我が国が今までやってきた、そしてそれを法律のためにやめなければいけない、そしてまたそれを再開したいと、こういうことなんであって、これはごくごく自然であり、国際社会からも当然のことだと、当然の活動だというふうに見られておるわけでございますから、私どもは、是非この法律を十二月十五日の会期末までに御審議願い、そして成立させるように御尽力いただきたいと思っているところでございます。
  275. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございました。  済みません、読売新聞の社説を読みましたが、もし現時点での骨子と内容が変わっているのであれば、その点はおわびしたいと思います。  次に、国際テロというものを戦争とは違うという、先ほど石破大臣の答弁でもございました。まさしくこの国際テロの時代にあっての平和観というものについてお聞きしたいと思います。  テロ集団というのは、別に地域が限られているわけではありませんので、外交努力で何ともなるわけでもございません。また、武器や麻薬のシンジケートを持っているわけでございますので一国の防衛力で対応できるわけでもありません。正に必要なのは、国際的な協力、地球的な協力によって国際テロをいかに封じ込めるかという点だと思っております。そういう意味では、一国平和主義ではなくて、地球平和主義という前提で取り組むということがまず一点重要と思っております。  もう一点は、テロというのはまたイデオロギーでもないと、東西冷戦のときのようなそういう発想でもないということから、平和、平和とこう論議をして何か守れるものでもない、具体的に自衛力を持って、何かを防いで、外交努力をして動かないといけない。そういう意味では私は行動的平和主義と呼んでおりますが、そういうものが求められていると思っております。  そういう意味で、福田総理に御質問したいと思いますが、この国際テロ時代になって、より一層地球平和主義、いわゆるまた行動する平和主義、これが重要と思いますが、御見解はいかがでしょうか。
  276. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 御指摘のとおりでございまして、今国際社会は一致していろいろの問題解決に当たるという、そういう活動が好ましいと申しますか、それでなきゃ実行力がないと、こういうことでもあろうかと思います。  ですから、我が国もそういう、我が国自衛隊というのはこれ武力行使できませんから、ですから平和的に協力をするというような形でしか活動がなかなかできないということでありますけれども、正に日本の独特な国際社会への貢献の仕方というふうに思っています。  ですから、そういう活動がどこにどういうものがあるかということは常々いろいろ調査をし、そして適当な活動の場面があるんであればそこには積極的に参加するということは私は好ましい姿だというふうに思います。  今地球環境の問題もございますし、大分最近流行を始めたインフルエンザなんかもあります。みんな国際社会の協力の下にこれを撲滅するということは必要なんでありますし、テロもそのうちの一つだというふうに思っております。
  277. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 一部の議員からスーダンに行ったらどうかとかいうそういう御意見もございましたが、日本が憲法の範囲内でできることは各国と協力しながらやっていくのが日本の責務だと考えております。  次に、核軍縮の在り方についても考え方が大きく変わってくると思っております。従来は、いわゆる抑止力という発想で、自分が攻撃をした場合それ以上の報復を受けるという場合は思いとどまるというのは前提でございますが、テロ集団は自爆テロするわけですから、決して抑止力で対応できるわけじゃないわけですね。また、自国の国民の中に隠れている場合もある、反撃もできない。よって、こういう時代においては、今までの核は必要悪で抑止するという抑止論ではなくて、核自身はもう廃絶していくということの考え方が重要性が高まっていると思います。  そこで、実は福田総理が政権誕生のときの九月二十五日の自公連立協議の中で、このテロとの戦いの継続だけではなくて、核軍縮・不拡散体制の維持強化を推進し、核廃絶を目指し、世界をリードするという、こういう一文を入れさせていただきました。今年はサミットもあります。そういう中で福田総理がこの核廃絶を目指す、世界をリードする、その在り方について御決意をいただきたいと思います。
  278. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 核廃絶については、日本は非常に熱心だと思います。  ですから、毎年国連におきまして核軍縮決議案を出します。そして、これは毎年採択されております。明後日はニューヨークの国連総会本会議において我が国の決議案が、これ例年やっているんですけど、例年どおり多数の支持を得て採択されるということになろうと思っております。そういうことを期待いたしておりますけれども。  我が国は唯一の被爆国ですから、そういう核について非常にまあ神経質というか、その恐ろしさというものを大変体験しているわけですね。そういう立場であるから、そういう核廃絶について努力をするということは当然だと思います。どこかがやらなければいけない、日本はそういう中にあってやっぱり最右翼で一生懸命引っ張っていかなければいけない、そういう立場じゃないかと思います。  ただ、今の現実というのは、必ずしもそういうことはすぐ許されるかというような状況じゃないんですね。核を持つ国がある、そうした核抑止の理論というものが生まれてくる、そういう世の中なんです。しかし、この核抑止にしましてお互いにレベルダウンしていくという努力をまずしなければいけないと思います。そして、その向こうに、本当の核廃絶ということに持っていかなければいけないと思いますけれども、なかなか難しい問題もありますけれども、これは忘れずに努力していく課題だと思っております。
  279. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 正になかなか難しい問題ではありますが、国際テロ集団に核の物質であったり兵器が手に渡る可能性がだんだん高まってまいります。旧ソ連であったりとかまたパキスタンであったりとか北朝鮮であったりとか、そういう国からの拡散というのも危惧されるわけでございます。そういう意味ではこの廃絶をより現実的に進めていただきたいと思います。  次に、このテロ対策新法で民主党の皆さんと政府案で意見が食い違っている点があるわけです。一つは、自衛隊海外派遣が踏まえるべき国連安保理決議があるのかないのかという点でございます。これにつきましては、民主党の議員の方々は、それはないと、よって新たに作る必要があると主張されています。我々与党としては、九・一一の翌日に全会一致で合意された決議一三六八、また自国内への通行の禁止や資金の凍結など具体的な各国支援を決めた九月二十八日付けの決議一三七三、こういうもので十分ではないかと考えているわけですが、なぜこのような主張の違いが出るのかということをよくよく考えてみますと、派遣する自衛隊が何をするのか、その目的によって基づくべき決議も違うんじゃないかというわけでございます。  つまり、小沢民主党が月刊「世界」の十一月号でこのように言っておられます。国連の平和活動は国家の主権たる自衛権を超えたものです、したがって、国連の平和活動は、たとえそれが武力の行使を含むものであっても日本国憲法には抵触しないというのが私の憲法解釈ですと。つまり、国連決議があれば自衛隊は海外で武力行使できると考えているからでございます。これは今までの与党の考え方、つまり海外に派遣された自衛隊は武力行使はもとより武力行使と一体となる行為は行わないというものと大きく懸け離れているんじゃないでしょうか。私は違和感を覚えます。  そこで福田総理質問いたしますが、この民主党小沢代表の月刊「世界」で書かれた憲法の考え方についてどのようなコメントを持たれるでしょうか、お願いします。
  280. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 民主党の小沢代表は、国連の活動であれば武力の行使を含むものであっても憲法に抵触しないというお考えでございますけど、政府はこの考え方は取っておりません。武力行使は日本の憲法に抵触するという考えでございますので、この考え方は私どもとしては取っていない考え方でございます。
  281. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 あくまで国連決議の対象となる自衛隊の行為、目的を議論するために引用したものでございます。  ただ、私は驚きましたのは、小沢代表の御意見かなと思っていたところが、先週のこの外交防衛委員会でイラク廃止法を議論させていただきました。そのときにもこの問題を取り上げさせていただいたところ、私の質問に対して民主党委員はこう答弁されました。民主党のマグナカルタに書いてある、外交政策の基本的な理念、考え方というものとこの小沢代表が月刊「世界」十一月号で書かれた内容というものは、全く理念のところは一致していると、こういうふうに答えられたわけでございます。そういう意味では、民主党の方々の主張は、自衛隊を海外で武力行使させるには与党が挙げている決議の一三六八、一三七三では不十分だということでございます。それは当然なんです。  次のパネル、お願いします。(資料提示)御存じのように、国連憲章七章の四十二条に規定する武力行使を伴う実力行使を加盟国に要請するためには、国連決議文は三つの要素が必要なんですね。一つは国際の平和と安全に対する脅威の認定、二番目には国連憲章七章の下に行動するという文言があること、そして三番目にはあらゆる手段を取ることを認めるという文言があること。この決議一三六八は一の要件は満たします。また、決議一三七三は要件の一と二は含まれていますが、三つそろっているわけではありません。  しかし、それは当然なんです。先ほども答弁ありましたように、政府・与党は自衛隊を海外で武力行使させようとは全く考えているわけではありません。武力行使とも一体化しない給油活動をさせる際に基づくものとしては決議一三六八、決議一三七三で十分と判断したわけであります。私はこういう判断は妥当だと思っております。  例えばPKO、あれは何章に基づくのかと言われると、あれは七章ではなくて、また六章の紛争の平和的解決とのちょうど中間じゃないかということで六章半と言われるんですね。これは第二代の国連事務総長ハマショルドさんが言われた言でございますけれども。  このように、武力行使には一定の制限にある我が国が多様な国際協力形態に対して積極的に貢献していくためには、国連などの国際機関、地域機関との決議や要請を柔軟に考慮して、我が国憲法の下で主体的に判断していくことが適切であると考えます。そういう考え方に対して、是非福田総理の御所見をいただきたいと思います。
  282. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 海上自衛隊によります補給活動は、国連加盟国に対してテロリズムの防止等のために適切な処置をとることを求める、ただいま委員もおっしゃっておられる安保理決議第一三六八号を始めとする累次の安保理決議に示されている国際社会の意思を反映して行う活動であるという考え方であります。  国際平和協力活動への自衛隊の関与の在り方については、国連決議のある場合、ない場合など、いかなる国際的枠組みの下で活動することが適当なのかという国民的な議論を踏まえて検討し、そして主体的に判断していくべき課題であると、こう考えておるところです。
  283. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございます。  そういう意味では、基づく国連決議がないということでこの給油活動を反対するというのは、私はおかしいと思っております。  次に、それでは、海上ではなくて地上の支援の仕方、これについてどうだろうという話でございます。これにつきましては、既に各委員から質問があったとおり、日本は相当な支援をしております。金額でいえば、海上阻止活動、給油活動については約六年間で六百億円の活動をしておりますが、陸上においては約一千四百億円という二倍以上の活動をしているわけでございます。ただ、その活動の主体は国際的なユニセフやそういう国際機関を通じて、また直接もありますが、NGOの方々にいろいろ協力をいただいているわけでございます。  一方では、一部にISAF、PRTという部隊があります。これは欧米の部隊が使っているものでございますけれども、国際治安部隊という、軍隊と文民が合同でPRT、つまり地方復興チームをつくるというものでございますけれども、これについて、NGO主体の人道復興支援、また軍民複合体による人道復興支援、どちらにメリットがあるのかを考えてみました。  私は、実際にアフガン現地で人道復興支援を取り組んでいる日本のボランティア団体五団体の代表と意見交換をいたしました。そのときに言われた第一点はコストの観点。実際PRTを使った場合には、その軍自身は自分で工事をするわけじゃありませんので、請け負わせますので、高くなるんですね、数倍ぐらい高くなるという点。もう一点は安全の観点なんですが、これは非常に予想に反したんですけれども、いわゆる軍民複合体でなる方が逆に文民と軍との境目が不明確となって援助関係者の中立性が脅かされる、つまりテロの対象となる可能性があるという御指摘があったわけでございます。じゃ、どうやって自分たちの安全を確保するんだと、こう聞きますと、自分たちは住民の中に溶け込むんだと、住民によって守ってもらう、また最近では衛星の携帯電話やインターネットによってあるタイミングごとに所在地を知らせると、こういうことによって安全を確保しているボランティアの方が多くおられました。  そこで外務大臣にお聞きしたいと思いますけれども、このアフガニスタンで活動するNGOがPRTという軍民複合体による人道復興支援を必ずしも望まないという、そういう動向がPRT派遣国の欧米にも現れていると聞きますが、その状況はいかがでしょうか。そういうのを踏まえた上で、日本として憲法の枠内で自衛隊のPRTへの参加は可能なんでしょうか。答弁をお願いします。
  284. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 委員がおっしゃるように、軍事と援助を混同することは良くないという主張をしているNGOの方たちがいることもよく承知をしております。一方、現在アフガニスタンではISAF参加国を中心に二十五か所のPRTが展開されて、NGOとも連携調整しつつ復興支援が行われていることも現実であります。また、国連安保理決議第一六二三号では、更なるPRTの設立を歓迎する旨述べられてもいるわけであります。  我が国としては、一般論として、PRTのような民と軍との連携協力の重要性認識しているところでありますが、アフガニスタンの厳しい治安情勢においては、危険な事態に対応せざるを得ないような状況も排除されないわけでありますから、憲法九条との関係とか要員の安全確保とか、日本として効果的な貢献ができるか、そういったことを総合的に判断して自衛隊を出す場合は行かなければいけないんだろうと思います。  いずれにしても、洋上における補給支援活動を可能な限り早期に再開すべきであると、そういうふうに考えております。
  285. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 洋上の給油活動を前提という点は私も同じでございまして、その上で陸上での支援をどういう形で貢献することが我が国にとって最も望ましいかという点については、憲法の制約の中でしっかり考えていきたいと思います。  また、ボランティアに聞いた話なんですが、現地の治安の悪化というのは決してイデオロギーによってできているものではないんですと。農民の方々が、いわゆるケシ畑を焼かれて、言わば憂さ晴らしにタリバンの側に入ってそして何かをしていると。一方では、ケシの生産量、アフガニスタンはケシから作るあへんの世界の九三%を作っているという実態があります。その売上げの七五%、約二千五百億円が毎年密売人やタリバンに入って資金源になっているという状況があるわけでございます。  そういう意味で、治安改善のために必要なことは、いわゆる治安部隊を送るだけではなくて、それよりも必要なのは、ケシ栽培に代わる農業を中心とした大規模な雇用開発が重要と思いますが、この点について日本の取組についてお聞きしたいと思います。
  286. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 農業の再生が重要であることは委員がおっしゃるとおりであると思います。就労人口の七〇%が農業に従事している国であります。この国の持続的経済発展に農業の再生というのは直結するわけでありますし、また、委員がおっしゃったように、ケシの代替生計支援にもなるわけであります。それから、非合法武装集団の社会復帰、そのためにも受皿として農業は大切であると。  この国の安定化に正に必要なことだと思っているわけでありますが、こういう認識政府は前々から持っておりまして、農業・農村開発を実現するための総合的な取組である地方総合開発、そして農業かんがい事業及びコミュニティー開発に対してこれまで一億八千万ドルの支援を行ってきているわけであります。また、農業分野の技術協力として、これまで延べ百三十三名の日本人専門家を現地に派遣をして、六十五名のアフガン人研修員を日本に受け入れてきているわけであります。  今後とも、積極的に農業分野への支援を行っていきたいと考えているところでございます。
  287. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今までも取り組んでおられますが、引き続きこの分野については力を入れてお願いしたいと思います。  最後に、最後のパネルでございますが、武器使用権限、武器使用基準という問題について質問したいと思っております。  これは、先ほどのPRTに参加するかしないかという点でも大きく関係する問題だと思いますけれども、現在のこのテロ対策補給新法では、旧特措法と同じように、自己又はその職務に伴い自己の管理下に入った者の生命、身体の防護のため、つまりいわゆる人間として当然備えているべき自然権的権利というものとしてこの武器使用権限を規定しているわけでございますけれども、一方では、例えば福田総理が以前官房長官時代に主宰されました国際平和協力懇談会におきましては、これは明石元国連事務次長が座長をされておりましたけれども、四十項目の提言の一つに、この平和協力業務の武器使用基準として、国際基準を踏まえて警護任務及び任務遂行のための武器使用というものも提言されているわけでございます。  そこで、まず質問させていただきたいのは、旧特措法の範囲の中で、六年間のいわゆる給油活動の中で、現在の自然権的武器使用基準で日本が武器が使えなかったがゆえに危険な目に遭ったと、こういう事態はあったでしょうか、防衛大臣にお聞きします。
  288. 石破茂

    国務大臣石破茂君) そのような不測の事態に遭遇をしたことはございませんでした。
  289. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 分かりました。そういう意味では、今までのこの基準についてはそういうことはなかったと。  それでは、今後の法律でございます。この新法の中で同じ基準を今挙げてあります。ただし、多分同じ活動であれば同じということなのか、今後そういう事態は変わるのか、またあわせて、更に言えば、先ほど議論がありましたPRTみたいなものが対象に入ってきた場合にはどういう武器使用権限であればいいのか、そこら辺について防衛大臣の見解をお聞きしたいと思います。
  290. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 仮にこの新法をお認めいただき、補給活動に限るということになった場合には、現在の武器使用基準で支障はないものというふうに私ども判断をいたしております。したがいまして、法律案にもそのように書かせていただいておるところでございます。  では、委員指摘のように、陸上においてPRTのようなことを行うとしたらどうなのか、その場合にだれが参加をするのかということもあるのだろうと思います。どういう地域を選ぶかということもあるのだろうと思います。  イメージとして、サマーワで自衛隊が行ったような活動がややPRTに近い、完全に一致はしておりませんよ、その辺はまだ佐藤正久委員からそういう御議論をいただければと思いますが、と考えた場合に、現場の部隊の安全を守るためだけであるならば自然権的なもの、それをやや拡大した管理の下に入った者ということでいいのだと思いますが、仮にNGOがいた、それが誘拐をされたという場合に、それではと現地の治安機関と協力して捜索にも行かなくていいのかという問題は私はあるのだろうと思います。  あるいは、食料を保管してあるそういう倉庫に盗賊が入ってどんどん物を盗み出していると、そういうときに何ができますかというと、今の法律ではやめろやめろというふうに叫ぶ、それが精一杯なのであって、では本当にそれでいいのか、そうすると任務遂行妨害に対抗するための武器使用はどうなんだという議論が出てまいります。  その辺りは、より、もし仮に地上においてやるとするならば、御議論をしていただくに値することではないだろうか、憲法上との関係は、相手がどういう者であるかという状況によってもかなり大きく変わるものではないかと考えております。
  291. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ただいま御答弁いただきましたように、NGOを守る、いわゆるPRTという形態をもし日本が取った場合には、現行の武器使用権限では危険な状況が生じる可能性が高いということでございます。そういう意味ではこれは両方リンクする話で、一緒に考えていかなきゃいけないということが分かりました。  それで、最後に福田総理にお聞きしたいと思うんですが、この会期の中では四回、定例日では四回しかございません、今日を含めて。できれば我々は定例日以外でも審議をしたいと思っておりますが。その中で、まあ民主党の骨子案というものはよく分かりませんのでどういうような歩み寄りがあるか分かりませんけれども、例えば、今までの議論を見ますと、一つはいわゆる国会の承認規定をどうするかという問題もあるでしょう。また、今言った陸上の部隊の支援を入れるか入れないか、PRTみたいのを入れるか入れないか、さらにはまた、それに伴って武器使用権限というものも入ってくるかどうか、そういういろんな点についてこの参議院の中で審議をしていく経過の中で修正が出されていく可能性について、可能かどうかについてお答えをいただきたいと思います。
  292. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 会期は限られているわけでございますので、短い期間ではございますけれども、日数はあるわけでございますから十分な御審議をいただきたい、結論を早く出していただきたい、そのように思っておるわけであります。  そういう中で、今おっしゃられたような問題についてどうするかということは、これは正にこの議論を通して結論を出していただきたいんでありますけれど、残念ながら、今のところまだ民主党から正式な提案がないんですよ。正式な提案ないと、そういう話合いもここで議論もできないんだろうというように思いますので、是非、野党の方にも、民主党を中心とする野党の方にもその対案を出していただくと、具体的な形で出していただきたいということを期待いたしておるところでございます。
  293. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 是非、定例日は四日しかありませんが、できれば定例日以外も精力的に審議させていただいて、この参議院としての調和する点を探していきたいと思います。  私の質問を終わります。
  294. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 井上哲士君。
  295. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  今日から新テロ特措法の審議へ入りました。しかし、守屋事務次官逮捕で浮き彫りになった防衛利権の問題は、果たして今の防衛省に憲法にかかわる法案を出す資格があるのかということを問うております。  そこで、私は、今日はこの問題について総理質問をいたします。  守屋氏が収賄の疑いで逮捕をされました。容疑は、この間、二百三十一億円に及ぶ発注、これに備品調達などで便宜供与をしたと、その謝礼と自覚をしながらゴルフ接待などを受けたと、こういうものであります。同時に、山田洋行は、防衛省から天下りを受け入れ、政治家にはパーティー券や接待をやっていた、こういうことであります。  国民は、今、こういう構図の下で税金が食い物にされてきた、このことに怒りを燃やしているわけでありまして、防衛省事務方トップが逮捕された、この事態に対しての総理の御認識をまず伺いたいと思います。
  296. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 国の防衛国民信頼なくしてはなし得ません。事務方のトップでありました前防衛事務次官が収賄容疑により逮捕されたということは、防衛行政に対する国民信頼を大きく損なうものでございます。極めて遺憾な事態と思っております。  防衛省は、幹部を初めとする職員の綱紀粛正を徹底して、そして国民信頼回復に向けて全力で取り組まなければならないと考えております。
  297. 井上哲士

    ○井上哲士君 賄賂や接待をしていた山田洋行が受注した防衛庁の契約がどうなっているのか表にしてみました。(資料提示)  防衛省の契約実績は、中央調達分で、この間、百五十六件二百三十一億円。大半が随意契約でありますけれども、そのうち落札率が一〇〇%以上が十九、九九・九%以上が九十三件。イラク派遣に至っては、その伴う契約に至っては、落札率一〇〇%が四十三件と、そのうち三十件は見積書も出てなかったと、こういう事態でありまして、言い値で契約していると言われても仕方がない状況だと思います。  私は、今後、山田洋行の契約のすべてについて水増しやそして便宜供与がなかったのか、徹底して調査をすべきかと思いますが、この点、いかがでしょうか。
  298. 石破茂

    国務大臣石破茂君) この山田洋行とのこういうような過大請求事案、私は中には詐欺もあると考えておりますが、極めて遺憾なことであります。取引停止処分も行うとともに、さかのぼることができるすべての契約につきまして徹底的に調査を行っておるところでございます。  なお、サマーワの物品につきましての御指摘がございました。見積りも取ってないではないかというお話でございますが、例えばほうきでありますとかまくらでありますとかシーツでありますとか、そのようなものにつきましてなかなか見積りがその状況の中で取りにくかったということは過日御説明をいたしたとおりでございます。
  299. 井上哲士

    ○井上哲士君 一方で特殊だから随意契約と言いながら、一方でシーツなどだから随意契約、見積りも取らないというのは、私は理屈が通らないと思っております。  守屋氏は、この間、自衛隊のイラクの派遣、それから在日米軍の再編、ミサイル防衛構想、そして防衛省の昇格、言わば防衛政策の大転換の中心にいた人物なんですね。そして、山田洋行は、こういう一連の事業に参入をして利益を上げていたわけです。そして、今後、米軍再編によるグアムへの海兵隊の移転事業、そして普天間飛行場の移転に伴う事業にも参入をしようとしていたと、こういうことなわけですね。  ですから、この間の主な防衛政策の大転換にかかわる事業がすべてことごとく利権の対象になっていたんじゃないかと、こういう疑惑が掛かっているんです。私は、これはこのまま防衛予算編成してもいいんだろうかと、このまま中期防を続けていいんだろうかと、こういうことも問われるようなことだと思うんですね。ですから、山田洋行にかかわる契約だけではなくて、こうした守屋氏がかかわってきた大転換、政策転換にかかわる事業について私は総点検をして国会にきちっと報告をしていただきたいと思いますけれども、これは、総理、いかがでしょうか。
  300. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) できるだけの努力をいたします。
  301. 井上哲士

    ○井上哲士君 本当に国民怒りにこたえる気持ちがあるのかということを、今の答弁、私は疑わざるを得ません。  そして、この山田洋行が急速に事業を伸ばす中で、宮崎元専務は、軍需情報をつかむ、そして政治家などとのつながりをつくると、こういうことで、ある組織を大変重視をいたしました。それが日米平和・文化交流協会と言われる社団法人であります。  会長には瓦元防衛庁長官、理事には久間前防衛大臣を始め、過去の理事には額賀氏、石破氏など歴代の防衛庁長官が並ぶという、こういう組織であります。そして、国防族と呼ばれる与野党の議員、それからアメリカの国防関係者も理事に連ねますが、それだけじゃありませんで、三菱重工、川崎重工、さらには山田洋行も含めまして、多くの軍需企業が並ぶと、こういう組織です。正に日米の軍事の関係者と議員、軍需企業が一体となったこういう組織なわけですが、この専務理事を務めておるのが秋山直紀氏であります。そして、この団体には、今回の守屋氏と山田洋行との収賄事件に絡んで東京地検も先日捜査に入りました。  そこで総理にお聞きをするんですが、総理も今年の四月までこの協会の理事を務めていらっしゃったと思いますが、一体この協会というのは何をやる組織なんでしょう。
  302. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 私も、実はこの協会がどういうものかそれほどよく知らないんです、実は。  二〇〇〇年にだれかの議員の方からお勧めをいただいて、そして入ってくれということだったので入会いたしました。その後、一度米国に行く調査団に加盟しないかということがありまして、私もちょっと忙しかったので二日間だけワシントンでお付き合いをしました。それから、あと勉強会というものにも一回出ました。これ、キャピトル東急で昼の時間だったと思います。それからさらに、勉強会というのに声が掛かりまして、これは行ったけれども、時間がなかったのでもう一分もいないですぐ引き上げたということであります。それから、官房長官時代に、主催するレセプションがあると、外国からお客さんが来ると、こういうふうなことでキャピトル東急に行ったことがございます。これはスピーチ、まあ二、三分のスピーチをしてすぐ帰りました。  それからその後、二〇〇五年に、これはある議員から電話で理事に就任してくれという要請がありました。まあ別になっても支障はないかなと思って承諾しましたけれども、二〇〇七年の三月末に退会をしました。それは、理事になったけれども何もしていない理事でございまして、実際問題言って、この会が何をしているかということもよく承知していない、先ほど申しましたぐらいの接触しかないということでありますので、退会をしました。  以上がこの会との接触したことであります。
  303. 井上哲士

    ○井上哲士君 この協会には国のお金も入っているんですね。正に社団法人でありまして、その理事をやっているということは、これは大変なやっぱり責任があるんです。よく分からないからやったということはこれは通用しませんし、ちゃんと事業報告は理事会で認めているんです。  そして、定款を見ますと、「日米両国の文化の交流を行い日米両国民の親善を図ることを目的とする。」と、こうなっているわけでありますけれども、どうもやっている活動は違うんじゃないかと。  この交流協会と表裏一体の組織として日米安全保障議員協議会というのがありますが、この二つの団体の主催で、毎年二回、日米安全保障戦略会議という会合が行われております。今年の十一月に行われました第十回会議のプログラムを持っておりますけれども、例えば、まず瓦氏があいさつをしたということになってございます。当初の来賓あいさつには石破大臣や久間前大臣の特別講演ということも入ってございます。そして、これ見ますと、日本の将来の防衛構想についてと題して、ロッキード、グラマン、ボーイングと、こういうアメリカの軍需会社がプレゼンテーションをすると。さらには、ミサイル防衛と日米防衛技術協力という題名で、三菱重工や川崎重工を始め日本の軍需産業がパネルディスカッションをすると、こういうことになっているわけですね。  ですから、言わば軍需企業と政治家とそして防衛当局が一堂に会して今後の言わば防衛政策について議論をすると。さらに、兵器の展示会まで行われているわけですね。ですから、企業からすれば、今後の防衛政策の行方が分かり、兵器の売り込みができると、こういう場になっているんです。  私は、こういう場を政治家と軍需企業、防衛省の受注を受けているこういう企業が一緒にするというのは、私は適切でないと思うんですが、総理、いかがお考えでしょうか。
  304. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 私は、この会のこと、実は正直申しまして分からないんですよ、知る方法もなかったんですけれども。理事引き受けましたけれども理事会に出たこともないし、会合にも一切出てないんです。ですから、まあ名目だけと言えば名目だけなんですけれども。ですから、そういうこともあって退会を私の方から申し出てしたと、こういうことで、内容は一切分かっておりません。私も、そういう今企業云々というふうなお話ございましたけれども、そういうふうな会にも出たことはございません。
  305. 井上哲士

    ○井上哲士君 明確に理事になっていたんです。そして、事業報告もされているんです。それを知らなかったということで逃げることは私はできないと思うんですね。  今申し上げたようなこういう在り方が適切なのかどうなのかと、その見解を聞いているんですから、お答えいただきたいと思います。
  306. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 申し訳ありませんけれども、事実を知らないんで、何もコメントすることはできません。
  307. 井上哲士

    ○井上哲士君 これは私、無責任だと思いますよ。全くかかわっていないどころか、ちゃんと理事をされていたんです。これは明確に残っているんですから。それは問題だと思いますよ。  じゃ、その総理自身の事実関係についてお聞きしますが、この日米安全保障戦略会議は毎年ゴールデンウイークの時期にアメリカでも開かれております。先ほど総理も一度行ったというふうに言われました。これ、アメリカでやる際には日本から国会議員が参加をしておりまして、今年の日程を見ますと十泊十一日ですから、大体百数十万の費用が掛かるんではないかと思います。秋山事務局長は、我が党の議員の質問に対して、議員からは二十万円いただいているけれども、残りは協会から出していると、こういうお話でありましたけれども総理が訪米されたときの費用はどうなっていたんでしょうか。
  308. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 私の訪米したのはもう七年前なんですよ。ですから、その七年前のことを思い出せと言ったってなかなか難しいんですよね。私も、まあ少なくたって五回、多きゃ十回以上外国には毎年行っております。ですから、その中の一回ですからね、そのときにどういうふうな費用負担だったという、覚えておりませんけれども。しかし、私は、この会から何か恩恵を受けたとか、そういう記憶ありませんので、恐らく私自身で払っていると思います。
  309. 井上哲士

    ○井上哲士君 恩恵を受けたかどうかということを私は問題にしているんじゃないんですね。防衛省から受注を受けている企業とそして大きな影響力を持つ政治家がこういう形で一体の組織をつくりやっているのがいいのかどうかと、こういうことを問うているんです。  この協会は大変大きな資金を持っておりまして、軍需産業からの寄附、会費は〇二年から〇七年で二億四千万ということになっております。渡航費用の一部には国の助成金も入っているわけでありますが、こういう軍需企業からの寄附や会費が渡米の費用の一部に回っていることは、これもう間違いないと思うんですね。  ですから、政治家が、国の防衛予算から受注をする防衛企業のお金で、言わばお抱えという形で訪米などをしたりして今後の防衛政策を議論をすると、その場では兵器の売り込みの場もあると、こういうことを私は一体どういうふうに思っているんだろうかと思うんですが、総理、改めて聞きますけれども、こういう関係というのは適切とお思いでしょうか。
  310. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 委員は事実に基づいておっしゃっているんですか。事実ですか。
  311. 井上哲士

    ○井上哲士君 そうです。
  312. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 私は、そういう事実、全く知らないんですよ。先ほど申しましたように、そういう軍事物資を造っているようなメーカーと一緒の会合とか、そういうふうなものには出たことはありませんので、まあパーティーは別ですよ、パーティー一回出ましたけれども、それは別ですけれども、それ以外ございませんからね。ですから、その会が何をしているか、それは分からないんです。
  313. 井上哲士

    ○井上哲士君 総理自身が理事をされていて、そしてこの会には、先ほども申し上げましたように、東京地検の捜査も入ったということなわけですね。こういう関係を今やっぱり国民は癒着と見ているんですよ。ですから取り上げているんです。(発言する者あり)そして、私は、なぜ企業側が多額の寄附や会費を払って参加するのかと。憶測ということを言う人がいますが、やっぱりメリットがあるんですよ。  この日米平和・文化交流協会の会員企業が防衛省からどれぐらいの契約をされているかというのは、総理、御存じでしょうか。
  314. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 全く知りません。
  315. 井上哲士

    ○井上哲士君 お手元に資料があるもので見ていただきたいんでありますが、これは六年間の積算をしてみました。  この日米平和・文化交流協会の主な会員企業の受注金額を見ますと、三菱重工の一兆六千九百五十一億円、川崎重工の七千九百三十五億円を始め、合計しますと六年間で四兆七千九百七十九億円と、こういう巨額になっております。この中には山田洋行もありまして、こういう商事などと、三菱や住友商事と並んで上位にランクをされていると、こういうことになっているんですね。  ですから、こういう巨額の受注を受けている、しかも防衛庁からの受注というのは、この会議に参加をしているかだけではありません。一番たくさん受注を受けている三菱重工は防衛庁からの天下りを三十八人受け入れて、そして自民党への献金は一億二千九十七万円です、六年間の合計。川崎重工は十八人の天下りを受け入れて、自民党への献金は千二百五十九万円等々、たくさんの受注を受けた企業が防衛省から天下りを受け、そしてそういう企業が自民党政治資金団体である国民政治協会に多額の献金をしている。その総額は十二億七千二百七十万円と、こういうことになっているんですね。ですから、一方で防衛省の天下りを受け入れる、そして一方で政治家に様々な献金やパーティー券の購入も行う、そういうところが多額の受注を受けていると。  私は、最初にこれを示しましたけれども、正に山田洋行防衛省守屋さん、政治家にやった同じ構図がここにあるじゃありませんか。私は、ここがこうした問題の温床になっていると思うんですね。ここにこそ、総理、メス入れるべきじゃないでしょうか。その決意をお聞きしたいと思います。
  316. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) まあ、そういうようにすべては関連しているかのごとく説明しますとそのように思いますけど、しかし、そういうことが本当に事実かどうか、それを究明しなきゃいかぬでしょう。今、司直の手によってもそれは究明されているわけです。そしてまた、防衛省でも行われています。そしてまた、官邸においても防衛省改革会議を立ち上げたんです。そういうことも含めて調査をすると。そして、原因究明し、それを立て直さなければいけない、そういうことでやっているんですよ。改善に向かって努力をしている最中であります。
  317. 井上哲士

    ○井上哲士君 私は、今示したような構図が今起こっている利権の温床になっているんじゃないかと、その仕組みを正すべきだという、それが今、国民が求めていることだということを申し上げております。自民党の総裁なわけですから、責任があります。  私は、この問題の解明のために、この秋山直紀氏、それから守屋氏の証人喚問の際に秋山氏と同席をしたという久間前大臣山田洋行の宮崎元専務、それぞれ徹底解明のために証人喚問を改めて求めたいと思います。よろしくお願いします。
  318. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 委員長に対してですか。
  319. 井上哲士

    ○井上哲士君 委員長です。はい。
  320. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) この件については、後刻理事会で協議をいたします。
  321. 井上哲士

    ○井上哲士君 終わります。
  322. 北澤俊美

  323. 近藤正道

    近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。  守屋氏は、〇三年の八月一日付で事務次官に就任をいたしました。福田総理は当時、小泉内閣の官房長官として閣議人事検討会議を主宰しておりました。この検討会議で、識見を有する清廉な人材、清廉な人材として守屋氏を事務次官に自主的に推挙、任命をしております。福田総理自身の任命責任をどういうふうに考えておられるのか、お答えください。
  324. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) これは……
  325. 近藤正道

    近藤正道君 総理総理。早く答えてください。
  326. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 恐らくは、この防衛事務次官人事のときには私が官房長官をしていたと思います。そういうことで、その責任がどうこうというお話でございますけど、まあ、そのときに今のような事態が分かっていればよかったんですけど、残念ながら分からなかったということであります。基本的には、各省の人事というものは、よほどのことがない限りそのとおり承認するというようなことになっております。よほどのことあれば別ですけれども、それは官邸でもって、人事検討会議でもって異論を挟むということはあるわけで、また指導もすることも必要でございます。  さて、そこでもって、今その責任云々というように言われましたけれども、正にそのところは、その任命した石破大臣もそうです、私も、それを追認した私の立場もそうでありますけれども、そういう問題をいかにして改善させるかということ、事態究明をし、そしてこういうことが二度と起こらないようにするかということに専念すべきである、そしてそれをきちんとやり遂げるというのは私ども責任だというように心得ております。
  327. 近藤正道

    近藤正道君 報道によりますと、今ほど来議論がありました外務省所管の社団法人日米平和・文化交流協会、これは今総理が、単に名前だけの理事だと、中身は全く分からぬみたいな、こういうお話をされておりましたけれども、この交流協会に対して東京地検が防衛省の疑惑の問題でどうも家宅捜索をしたようでございます。  法務省、どういう容疑でやったんですか。
  328. 大野恒太郎

    政府参考人大野恒太郎君) ただいま捜索容疑ということでお尋ねがございましたけれども、法務当局といたしましては、捜索の有無も含めまして、捜査機関の具体的な活動内容にかかわる事柄につきましてはお答えを差し控えさせていただいております。
  329. 近藤正道

    近藤正道君 私の調査では、この協会の常勤理事であり、日米軍需利権のフィクサーとして何度も名前の出てきた秋山直紀氏は、任意団体の安全保障議員協議会の事務局長や協会に附属する安全保障研究会の所長、さらにはアドバック・インターナショナル・コーポレーション日本支社、以下アドバック社というふうに言いますが、この顧問を兼ねております。  〇六年六月二十八日言い渡しの東京高等裁判所の判決の中で、アドバック社では顧問の肩書を持つ秋山直紀がすべてにわたって実権を握って取り仕切っていると。秋山が理事を務める日米文化振興会、これは後に日米平和・文化交流協会になるんですが、この所長を務める安全保障研究会はいずれも被控訴人が勤務していた本件事務所を所在地としており、本件事務所ではアドバック社やこれらの団体の業務が混然一体として行われていたと、こういうふうに認定しております。つまり、平和・文化交流協会と安全保障研究会とアドバック社は混然一体と、こういうふうに裁判所が言っているわけであります。そして、このアドバック社というのが安全保障議員協議会の仕事をやっていたと、こういうこともこの判決文の中で明らかでございます。  そこで外務省にお尋ねをいたしますが、所管官庁として当該協会から今回の捜索の容疑について報告を受けておりますか。もし受けていないんなら、早急に調査をして報告をするように求めるべきだというふうに思っておりますが、大臣、いかがでしょうか。大臣、知らないんですか。
  330. 山本忠通

    政府参考人山本忠通君) お答えいたします。  報告は受けておりません。また、当協会からは毎年事業報告書を受けておりまして、内容はそういうことで把握しております。
  331. 近藤正道

    近藤正道君 いやしくも総理がこの間まで理事長をやっていた、あるいは現職の閣僚がこの間まで理事をやっていた、そういうところが捜索を受けた。幾つかの新聞が報じていますよ。だから、その真否についてはしっかりとやっぱり報告をしていただきたい、こういうふうに思っております。  また、報道によれば、山田洋行はこの協会の福岡県の苅田港の毒ガス弾処理事業の受注に絡んで秋山氏が実権を握るアドバック社に業務協力費として約一億円を出したと、こういうことが報じられております。こうしたお金が政界工作に使われたと疑念も指摘されているわけでございます。  この平和・文化交流協会の登記簿によりますと、先ほど来総理は分からない分からないと連発をしておりますが、平成十七年の七月の十五日、協会の理事に総理は就任されておる。本年三月三十日に辞任をされております。石破大臣もそして額賀財務大臣もこの間までこの協会の理事を務められておりました。総理が理事在任中の平成十七年の九月の二十八日に外務省からこの協会の前身である日米文化振興会、ここに対して八項目の改善命令がなされているわけでございます。  総理はこのことを承知しておられますか。あるいは理事としてどのように責任をこのことについてお取りになられるんですか。理事なんですから答えてください。
  332. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 二千何年ですか。七年の九月ですか。
  333. 近藤正道

    近藤正道君 答えてください。
  334. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) その二〇〇七年九月に、何か言っていましたね。
  335. 近藤正道

    近藤正道君 あなた理事じゃないですか。分からないんですか。
  336. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 二〇〇七年九月、理事じゃありませんから。
  337. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) ちょっと質疑者と答弁者に申し上げますが、委員長の前でバイパスはやらないでください。それぞれ挙手をして、許可を得て発言してください。
  338. 福田康夫

    内閣総理大臣福田康夫君) 二〇〇七年三月に私理事辞めているんです。同時に退会しているんです。ですから、その後のことは私全然知りません。その前のことも知らないですけどね。
  339. 近藤正道

    近藤正道君 全く、理事になっておりながら実態が分からない、実に無責任な態度だというふうに思っています。  入手した資料によりますと、本年四月二十七日から五月七日にかけて行われました安全保障議員協議会、この訪米プロジェクトでは、日米平和・文化交流協会が丸抱えしているわけであります。実費が百数十万円掛かっているというふうに言われておりますが、このうち議員が負担した額は二十万円、まあ先ほど来お話がありました。また、滞在中はロッキード・マーチン、ボーイング、ノースロップといったアメリカの軍需産業から夕食会の名目で接待を受けている。その日程表も私は見ているわけでありますが、このような日米軍需利権の窓口団体を隠れみのにして政治家が接待や旅費の肩代わりを受けていたという事実は、非常に私は重大だというふうに思っております。  石破大臣にお尋ねをいたしますが──いいです、待ってください。二〇〇五年、二年前、二〇〇五年十月十一日、国会近くのキャピトル東急、お分かりですよね。この京都の間というところで秋山直紀氏とボーイング社幹部とお会いになっているはずであります。ボーイング社は戦闘機や大型輸送機の製造メーカーであり、アメリカの三大軍需企業の一つであります。この会合は航空自衛隊戦闘機の後継機の選定や大型輸送機の売り込み工作ではなかったのかと、こういう指摘がなされておりますが、いかがですか。
  340. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 具体的な日付まで分かりませんが、そういう会合はあっただろうと思います。  で、私、さっきから委員が接待であるとかいろんなお話をなさいます。私も何年か前に四、五日参加をしたことがございます。あるいは、先般少しお答えを間違えてしまいましたが、二年前に三日か四日参加したこともございます。そこで本当に接待みたいなものがあり、これを食べさせてあげるから、ここを見せてあげるからこれを買ってねというようなことは全くございませんでした。それは天地神明に懸けて間違いございません。  そして、ボーイングとも確かに会ったでしょう。しかし、そこでこれを買ってくれあれを買ってくれ、ではFXのことをおっしゃっておられるんだと思いますが、ボーイング社製のものはF15もF18も同じボーイング社製です、商社は違いますがね。これを買ってくれなぞということを言われたことは全くございません。  そういう機会を通じてあれを買えこれを買えと請われたことはございませんが、実際に現場を見て、これは一体どんな飛行機なのか、どんな性能を持っているか、日本安全保障にそれは適合するのかしないのか、そういう質問は何度もしたことはございます。それは、やはり現場を見て、それがどういうものなのかということを知ることは安全保障議論する上において非常に大切なものだと思っておりますし、これは自由民主党のみならずほかの政党も参加をしているものでございます。
  341. 近藤正道

    近藤正道君 キャピトル東急での秋山直紀氏と一緒でのボーイング社との会合、これはどうもお認めになっているようでございます。このような軍需産業との癒着が疑われる大臣の下で装備調達や米軍基地再編が行われるということに私は大変大きな問題を感じざるを得ません。  装備調達の在り方についてお尋ねをいたしますが、判明した山田洋行のチャフ・フレア・ディスペンサー水増し請求、約一億九千万、ひどい金額だというふうに思っています。私は新潟選挙区でありますが、新潟県中越沖地震の経験からいきますと、この一億九千万あれば約百四十世帯の全壊家屋の復興ができる。こんなでたらめが何のおとがめもなし、こんなことは到底許せないというふうに思っています。  この事件では、山田洋行が海外の製造元が発行する見積書、これを偽造して金額を水増ししてそのコピーを提出をしたと、こういうケースでございますが、防衛省に、大臣にお尋ねをいたしますが、お聞きいたしますが、商社が提出する製造元の見積書については、この際原本を提出させる、少なくとも原本と照合する、そういう制度を私は早急に創設すべきではないかと、こういうふうに思いますが、いかがですか。
  342. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 商売としては極めておかしなことですね。ですけれど、私もそこまでやらなければ駄目なんだろうなと思っております。つまり、原本をわざわざ持ってくるというわけにいきませんが、この見積書は本当でございますかと言って電話掛けて、あるいはメール打って、本当だよというのを確認する、実に不思議なことです、ばかげたことです。ですけれども、実際にこの見積書を偽造し、サインも偽造しということですから、そういうこともやらねばしようもあるまいということであります。  同時に、恐らく委員から後ほど御指摘があるのかもしれませんが、これやっぱり高過ぎるんじゃないということがきちんと見抜けなければやっぱりいかぬのだろうと思っています。そういう能力を持たねばなりませんが、当面まず即効性があるのは、本当に変な話だと思いますけど、この見積書本物ですか、この金額適正ですかということを聞かざるを得ない、私はそう思います。
  343. 近藤正道

    近藤正道君 原本を出させる、あるいは原本、これが間違いないか、コピーは間違いないか、この制度をやっぱりつくるということに今大臣前向きな御答弁をされたというふうに受け止めさせていただきます。  次に、この種の問題の正に温床的なこの背景でありますけれども、天下りのことについてお聞きをしたいというふうに思っています。  防衛省はこう言っております。自衛官の多くは若年定年制が取られて、六十歳定年である一般職の公務員よりも早期の退職を余儀なくされていると。このことを理由に、再就職支援として省として天下りを支援している、私はそういうふうに認識をしております。  防衛省の納入企業への再就職、先ほども議論がありましたけれども、二〇〇〇年の七月から〇六年の十二月まで合計六百九人、これは課長級の一佐以上でございます。六百九人に上ると。うち山田洋行へも四人が天下りをしているということでありますが、これは年平均で九十四人になります。一方、一般職の公務員の各省庁合わせての天下りでありますが、これは年七十人。全体で防衛省だけで年九十四人。他の省庁全部合わせて年七十人。この数字から見ると、やっぱりこの防衛省自衛官、これは異常だというふうに思っています。このような軍需産業と防衛省自衛隊との癒着が、随意契約が約九割にも達する防衛調達の腐敗を私は生み出している土台になっているんではないかと、こういうふうに思います。  防衛省の資料を見させていただきました。平成十八年にその納入企業、営利企業へ天下りした者は合計で七十八人おりました。うち四分の三の五十九人が若年定年制の適用のない将官クラス以上であります。ところが、装備調達のその透明性という点からしますと、私はこの将官クラスが問題なんだろうというふうに思っています。ここをやっぱりきちっと規制をしないと駄目だと。若年定年制で辞める人ではなくて、正に偉い人、将官クラス、この人たちが天下って、そして営利企業に入って、そして自分の部下の防衛省あるいは自衛官の自分の部下たちに様々の関係を持つ、ここが透明性という観点からいくとやっぱり問題だと、ここをやっぱり規制しなければならないというふうに思っているんです。  こういうような実態にかんがみますと、退役直後の関連企業への再就職、天下りでありますが、これは若年定年制が適用される者に限定すべきだと、将官クラスはこれは禁止すべきだと、私はそういうふうに思えてならない。防衛庁改革に熱意を燃やす石破大臣、どういうふうに思われますか。この将官クラスを規制しないとやっぱり意味がないんじゃないですか、どうですか。
  344. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 将官クラスで本当に知見があって、経験があって、国のためにこうあるべきだという人たちをどうやって生かすかということは考えなきゃいかぬ。原則として全部禁止ということに私は賛成はいたしません。しかしながら、もう何も仕事しなくていいと、あなたみたいな偉い人が来てくれて、そして顔を利かせてくれりゃそれでいいということになるとするならば、これは人材の有効活用というのとは少し違うのだろうという気を私は持っております。  私は将官で辞められた方々で民間企業に再就職されて、それはそれなりの審査の過程を経た上での話でございますよ、立派な仕事をしておられる方もたくさんあることも知っています。しかしながら、世に言うように、本当に何もしなくていいから将官クラスを抱えて、そしてそれによって仕事を取ってというようなことがないようにするためにどんな工夫があるだろうかという、そういう問題意識は実は委員と共有をしているところがあるような気が私はいたします。ただ、若年はいいと、しかし将官クラスは全部禁止ということには私はならないと思う。  そういう人たちの人材をどうやって活用するか。じゃ、その期間を、再就職できない期間を延ばせばいいのか、それとも仕事の内容というものをチェックをするのか、もう退官した人に対して、我々防衛省が企業に対してそんなことが言えるのかというと、これは極めて難しい。私は全部禁止ということには賛成できません。  ただ、どうすればいいのかという問題意識について、もし委員の方からこういうやり方があるのではないかということであれば真摯に承りたいと存じます。
  345. 近藤正道

    近藤正道君 基本的な問題意識についてはお分かりいただけたかなと、こういうふうに思います。  私がいろいろ聞いたり調べたりしている範囲では、大体将官クラスは顧問という肩書で納入企業、営利企業の方に天下っていると。だから、具体的な仕事がなくて、正に顧問ですから顔を利かせるというところが仕事の中心ではないか、これが大宗だというふうに聞いております。そういうことであるならば、私はやっぱりこの際、正にこれだけの大失態を犯したわけですから、私はここにきちっとやっぱりメスを入れる、原則禁止、原則禁止ぐらいのことは私は考えるべきではないかというふうに思います。是非、これはもう時間がありませんのでやめますけれども、そのことを御検討いただきたいというふうに思っています。  最後に、委員長に申し上げたいと思いますが、先ほども秋山直紀さんについて証人喚問の請求がありましたが、私もこの秋山さんの証人喚問を請求をしたい、理事会で検討いただきたい、そのことを申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  346. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) ただいまの近藤正道君の御要請につきましては、後日理事会で協議をいたします。  本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会をいたします。    午後五時二分散会