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2007-10-25 第168回国会 参議院 外交防衛委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十九年十月二十五日(木曜日)    午前九時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         北澤 俊美君     理 事                 浅尾慶一郎君                 犬塚 直史君                 藤田 幸久君                 佐藤 昭郎君                 山本 一太君     委 員                 喜納 昌吉君                 佐藤 公治君                 徳永 久志君                 白  眞勲君                 牧山ひろえ君                 柳田  稔君                 秋元  司君                 浅野 勝人君                 木村  仁君                 小池 正勝君                 佐藤 正久君                 浜田 昌良君                 山口那津男君                 井上 哲士君                 山内 徳信君    国務大臣        外務大臣     高村 正彦君        防衛大臣     石破  茂君    副大臣        外務大臣    木村  仁君        防衛大臣    江渡 聡徳君    大臣政務官        外務大臣政務官  小池 正勝君        防衛大臣政務官  秋元  司君    事務局側        常任委員会専門        員        堀田 光明君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       鈴木 敏郎君        内閣官房拉致問        題対策本部事務        局総合調整室長        内閣大臣官房        拉致被害者等支        援担当室長    河内  隆君        外務大臣官房審        議官       梅本 和義君        外務大臣官房審        議官       本田 悦朗君        外務大臣官房参        事官       伊原 純一君        外務省北米局長  西宮 伸一君        外務省中東アフ        リカ局長     奥田 紀宏君        外務省中東アフ        リカ局アフリカ        審議官     目賀田周一郎君        外務省国際協力        局長       別所 浩郎君        外務省国際法局        長        小松 一郎君        外務省領事局長  谷崎 泰明君        文化庁文化財部        長        大西 珠枝君        環境大臣官房審        議官       黒田大三郎君        防衛省防衛参事        官        小川 秀樹君        防衛大臣官房長  中江 公人君        防衛省防衛政策        局長       金澤 博範君        防衛省運用企画        局長       高見澤將林君        防衛省人事教育        局長       渡部  厚君        防衛省経理装備        局長       長岡 憲宗君        防衛省地方協力        局長       地引 良幸君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○外交防衛等に関する調査  (アフガニスタン情勢に関する件)  (補給支援活動特措法案に関する件)  (海上自衛隊補給艦給油量取り違え事案に関  する件)  (前防衛事務次官倫理規程違反に関する件)  (文民統制に関する件)  (六者会合に関する件)  (北朝鮮による日本人拉致問題に関する件)  (核軍縮・不拡散に関する件)     ─────────────
  2. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) ただいまから外交防衛委員会開会をいたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  外交防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官鈴木敏郎君外十九名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────
  4. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 外交防衛等に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  5. 犬塚直史

    犬塚直史君 民主党・新緑風会の犬塚直史でございます。おはようございます。  今日は、本題に入ります前に、まずは防衛大臣にお伺いをいたしますが、次期輸送機CXエンジンの購入問題についてであります。  これは、守屋事務次官が衆議院においては証人喚問をすることになったようでありますけれども、一つの商談が一千億円という、私も家に帰って家内と話して、一千億なんといっても全然見当が付かないと、そういう防衛予算防衛関連予算というのは物すごい予算になっているわけでありまして、例えばSACOの予算、これも守屋事務次官が深くかかわっておったというこの予算が三兆円、そしてMDシステム予算全体、市場で十兆円市場と言われているような、こういう非常に言わば天文学的な国民の税金を使うということですので、是非、大臣もリーダーシップを発揮していただいて、これは徹底的に究明をしていただきたいというふうに思います。  そこで、一つ質問なんですが、日本ミライズ山田洋行、このトラブルに守屋事務次官が深く関与していたという報道があるんですが、これは事実なんでしょうか。
  6. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 今、CXエンジン調達につきましていろいろな報道がなされておる、そのことについてどのように考えるかというような御質問をちょうだいをいたしました。  今年度のCXエンジン調達につきましては、会計法原則あるいは政府方針であります公共調達適正化について、このようなものにのっとりまして一般競争入札手続を行うなど、会計法令関係制度等に定められたところに従ってこれまで適正に進められておることでございます。本年八月中に二回、一般競争入札の公告を行い、応札者がいなかったことから公募を行い、現在はその結果を踏まえ、装備施設本部において所要の手続を行っておるところでございます。  本件は、いずれにいたしましても、いまだ手続の途上にございまして、契約相手がどこということは決定を見ておりません。したがいまして、前次官の個々の言動について必ずしもすべて掌握をしておるわけではございませんが、少なくとも前次官の何らかの言動によって調達結果に影響が生じたものではございません。  現状がそういうことになっておりまして、まだ調達先は決まっておらないということでございます。
  7. 犬塚直史

    犬塚直史君 いずれにしましても、前事務次官という最高位のポジションにある人が、この調達を行っている商社の責任者と年に数十回にもわたってゴルフの接待を受けていたということがあるわけですから、これは徹底的に国民の前に明らかにしないことには、やっぱりこれは信頼失墜につながりかねないということですので、委員長にお願いを申し上げます。  当参議院におきましても、守屋事務次官、そして日本ミライズ宮崎社長、そして山田洋行山田正志相談役、この三名の証人喚問を要求いたします。
  8. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) ただいまの犬塚君の御要請につきましては、後刻理事会協議をさせていただきます。
  9. 犬塚直史

    犬塚直史君 そこで、本題に入りまして、外務大臣にお伺いいたします。  武力行使正当性についてお伺いをしたいと思うんですけれども、今回、我が民主党イラク特措法廃止法案提出をしたわけでありますけれども、このイラク武力行使関連をいたしまして、高村外相が前回の外相だったときに、あの例のNATOによるコソボ空爆があったときに、外相コメントとしては、法的な判断が下せないというコメントをされたわけなんです。非常に類似の状況米軍を中心としたイラク侵攻が始まったときに、今度は、イラク侵攻に対して我が政府が、理解を示すということを通り越して積極的な支援小泉総理が表明したわけですけれども、国際法上、このコソボ空爆時とイラク侵攻時の違いをまずは御説明お願いします。
  10. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 他国の武力行使に関する我が国の立場を判断するに当たりましては、従来より、個別具体的な事案に応じて、国際法との関係のほか、外交政策上の観点も併せて総合的に判断をしてきております。その結果、対応が異なることはおのずからあるところであります。  その上で申し上げれば、NATOによるコソボ空爆は、武力行使を容認する安保理決議はありませんでしたけれども、当時私が外務大臣談話で述べているとおり、人道上の惨劇を防止するためにやむを得ずとられた措置であったと、こういうふうに理解をしているわけであります。  一方で、米英によるイラクに対する武力行使については、国際の平和と安全の維持を確保するために安保理決議に基づき取られた行動我が国として支持したものであると、こういうことであります。
  11. 犬塚直史

    犬塚直史君 私が今問題にしたかったのは、安保理決議の後に取られた我が国協力行動ではなくて、安保理決議がある前に行われた侵攻について私は質問しているわけであります。  このコソボ空爆にしてもイラク侵攻にしても、これは自衛権行使でもなければ、憲章七章下の集団安全保障でもない。では何なのかという非常に国際法上微妙な判断を迫られる問題について我が国が全く両極端判断を示したこと、この根拠を聞いているわけでありますが、いま一度いかがでしょうか。
  12. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) コソボ空爆についても、私は支持するとは言いませんでしたが理解すると、こう言っているわけで、今おっしゃったように必ずしも両極端ではないと、こういうふうに思っております。  コソボ空爆については、安保理決議がないことは明確でありました。ただ、国際法社会人道的介入人道上の侵害がすさまじいときは人道的介入が許されるんだという、そういう考え方がかなり強く国際社会の中にあったことも事実でありまして、必ずしも国際法というのは、いつの時点でそういうことが認められたか認められないか、国連憲章に書かれたか書かれないかということと離れて、当時そういうことが許される許されない、そういう国際社会の中で両論があった。そういう中で、我々はその当事者ではないから、必ずしもそれが許される許されないと断定はしないけれども、正に人道上の惨劇が行われているようなときには、それについては支持するとまでは言わないけれども理解すると、こういうことを申し上げたわけであります。  イラクのときは、累次の国連決議があったというふうに我が国政府は考えていたと、そういうことであります。
  13. 犬塚直史

    犬塚直史君 累次の国連決議武力容認武力行使を容認する決議ではなかったということは明らかだと思うんですけれども、いずれにしても、人道的に介入をしたときであれ、あるいは国連決議解釈の問題であれ、我が国がこれを行うときにはやっぱりしっかりとした原則がなければいけない。あるときは理解を示すけれどもあるときは支持をするんであれば、その裏にある我が国原理原則といったものをはっきりとふだんから私は討論しておかなきゃいけないし、しなきゃいけないと思うわけであります。  そこで、今回のアフガニスタンにおけるOEF我が国協力後方支援をしているOEFなんですけれども、これは御存じのように、当初は九・一一後の米国による自衛権発動として行われたわけです。ところが、部会やあるいはその他の審議の場において聞いておりますと、外務省の方で、アフガニスタン政権発足後は、これは武力自衛権行使ではないというようなことを言いまして、私がこれは質問主意書を送ったところ、このような答えが返ってまいりました。領域国同意に基づく治安回復維持の補完であって、つまり、アフガン政府発足後のOEFですね、国際法上の武力行使には当たらないと政府解釈すると、こういうふうに書いてあるわけですね。  私はこれを見て非常に不思議だと思いましたのは、アルカイダとタリバンの掃討作戦OEFは今陸上でやっているわけですね。これがある日急に武力行使ではなくなるというような解釈で本当によろしいんでしょうか。
  14. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 二〇〇一年十二月二十二日にアフガニスタン暫定政府が成立した後に同国領域内で行われている不朽自由作戦下米国等活動でありますが、国際法上は、基本的には、領域国であるアフガニスタン同意に基づいて、同国警察当局等機関がその任務一環として行うべき治安回復及び維持のための活動の一部を補完的に行っているものと観念されるわけであります。このように観念される活動は、国際法上は、国連憲章第二条四項で禁止されている武力行使には当たらず、自衛権による違法性の阻却を論ずる必要はないものと考えております。  取りあえず、以上でございます。
  15. 犬塚直史

    犬塚直史君 それが答弁書に書いてあったことなんですけれどもね。  最近のISAFOEF、どちらの軍がやったかちょっと定かではないんですが、ビデオを昨日私は見せていただいたんですが、大変な機関銃の撃ち合いをやって、民家に手りゅう弾を投げ込んで、正にドンパチやっているわけですね。最近は、ヘリコプターでは撃ち落とされるので戦闘機による空爆によって二次被害が大変多く出ているというような事態も起こっていると。  先ほど来、アフガニスタン政府同意の下にということをおっしゃっているんですけれども、今年になってカルザイ大統領自身が、アフガニスタン政府と連携をしない軍事行動は望まないとはっきりした声明を出しているんですよね。これでもアフガニスタン政府同意を得た、武力行使ではない、治安維持の一部を補完的に行っていると強弁されるんでしょうか。
  16. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 国内治安回復維持することは、領域国政府責任を負う活動であるわけであります。こうした治安回復維持は通常は警察任務でありますが、治安が特別に悪化している状況の中では、このような任務軍隊が担うということはあり得るわけであります。さらに、自国の軍隊が著しく脆弱であるために、領域国外国軍隊に要請してこのような国内治安回復維持のための活動を行ってもらうことはできないことではないわけであります。  カルザイ暫定政権が成立した後に、領域国であるアフガニスタン同意に基づいて行われている不朽自由作戦下米国等活動は、常時そのような警察当局等機関がその任務一環として行うべき治安回復及び維持のための活動の一部を補完的に行っているものと観念されるわけであります。そして、一部、カルザイ大統領が行き過ぎたと考える活動はあるかもしれませんが、それは総体的には同意を得た活動である、その中でこれはやり過ぎじゃないのと、こういうことを言うことは、それはあり得ることかと思います。
  17. 犬塚直史

    犬塚直史君 こういう国際法上の論点をいろいろやっていくといろんな解釈もあるし、いろいろな個別の事例に基づいてやらなきゃいけないと思うんですが、そういうことではなく、先ほど来申し上げている別紙の一、提出資料の「集団安全保障発動の六原則」というのを見ていただきたいんですけれども、こういうものが今いわゆる国際社会では検討中であると。これは実は二〇〇〇年の九月にカナダ政府によって設置された介入国家主権に関する国際委員会、ICISSと言われるものが作成した報告書に基づいて提議されて、二〇〇五年の九月の国連首脳会合成果文書で認められた六つの原則であります。  当たり前のことしか書いていない。理由の正当性が必要であると。代替手段の不在、あらゆる外交的、非軍事的手段を追求した上で初めて取っているのかと。権威の正当性憲章七章、八章に基づくものであるのかと。意図の正当性、体制の転覆ではなく住民を害する能力の無力化が目的になっているのかと。手段均衡性。合理的な見通し、本当にこれ、作戦が成功する見通しの下でこうしたものが行われているのかと。こういう、たとえ後方支援であっても、前方で行われている作戦が少なくともこのような国際基準になりつつあるものに照合してどういうものであるかということを少なくとも我が国としては判断基準一つとして設けていただきたいと思うんですけれども、外務大臣、いかがでしょうか。
  18. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) このカナダ政府が提案している集団安全保障発動の六原則というものについて国際的な議論が行われていることは承知しておりますが、これを提唱しているカナダ自身OEFにもISAFにも参加しているということは、当然カナダ政府もこれに抵触していないと、こう考えていることは明らかだと思います。  そして、今、後方支援であってもとおっしゃいましたが、後方支援についてここでどういうふうに述べているのか、私はちょっとよく分かりません。
  19. 犬塚直史

    犬塚直史君 カナダ政府がPRTにも参加をしておると、カンダハルだと思いますが、そこで大変な住民の反対を受けて、被害も出て、二次被害も出て、そしてカナダ国内においてもカナダ軍は撤退させるべきだという大きな世論の盛り上がりもある。その中でカナダは出して頑張ってやっておるという非常に大きなジレンマを抱えた中で、カナダ政府自身が将来にわたってこういうものをしっかり検討するべきではないか。国連安保理お墨付きがあれば何でもいいんではないと。国連安保理が、議論をするに当たって、こういう原則に基づいてお墨付きが与えるべきではないかという働き掛けをやっているわけですから、私は、前方後方を問わず、国際的に武力行使を行うときにはしっかりとした原則を持って行うべきだと、日本もこういうことにかかわっていくべきだということをお願いしているわけですが、いかがでしょうか。
  20. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 国連安保理決議さえあれば何でもやってもいいんだということは日本国政府は取っていないわけでありまして、御党の代表がむしろそれに近い考えを持っているのではないかと、こういうふうに認識をしております。  ここに書かれている以上のことを日本国憲法制約の下において日本はいろいろ考えて、そういう中で日本が海外において実力を行使することということはないようにしているということは是非御理解をいただきたいと、こう思います。
  21. 犬塚直史

    犬塚直史君 我が党の党首は、しっかりとした原理原則を踏まえて、その枠組みの中で我が国がどういうふうに取り組んでいくかについては我が国独自に判断をしていくと、当たり前のことを言っているだけであります。  次に、アフガニスタンにおける外務省防衛省の取組について質問を進めてまいります。  二ページ目をお開きください。これは、UNDSS国連が出しておりますアフガニスタン全土リスクマップであります。赤いところが危ないところ、グリーンのところが安定をしているところ、それ以外の色が、まだら模様になっていますが、その中間ということになっております。こういうものが定期的に発表されているわけなんですが、しかしながら、こういうものが発表されているにもかかわらず、外務省が本年七月の二十五日にアフガン全土を真っ赤にしたわけですね。アフガン全土からの退避勧告を出したということなんですけれども、まず外務大臣伺います。  UNDSSリスクマップ以上の情報に基づいて出されたと想像を私はしているんですが、どういうところから情報を取ってこられたんでしょうか。
  22. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 外務省が発出している危険情報は、在外公館が独自に入手した対象国地域テロ誘拐一般犯罪などの治安情報や各国から得た特殊情報等に加え、対象国地域政治経済などの国内情勢等を総合的に勘案した上で発出をしております。  国連がどのような情報に基づいてリスクマップを作っているのかは十分承知しているわけではありませんが、御指摘のUNDSS国連安全保障局によるリスクマップは、国連安全担当部門が策定する安全措置をとることを前提として、国連職員当該国の各地域で安全に活動するための基準として作成されたものであると承知をしております。在留邦人一般邦人渡航者対象として作成している我が国渡航情報とは性格を異にするものだと、こう考えております。
  23. 犬塚直史

    犬塚直史君 今の外務大臣のおっしゃり方ですと、いわゆるバックパッカーとか観光客とか、あるいは本当にNGOでも初めてに近いような方たちを対象にして、取りあえず危ないから出ていってくださいと言っているように聞こえるんですけれども、実態は全くそうではありませんで、アフガニスタンで本当に長年活動をしているNGOが、この退避勧告以降はアフガニスタンの外に出されて遠隔操作でやらざるを得ない状態になっている、これは日本だけの特殊事情であります。  ほかの国のNGOは、このリスクマップに基づいて、こんな大ざっぱなものではなくて、例えば、週に二回行われるセキュリティーブリーフィングというものに基づいてぎりぎりの判断を行いながら、今まで長年やってきたことをこの場でやめて撤退するのかどうかという判断をやっているわけであります。  どうして我が国経験のあるNGOが全部真っ赤にされたマップの下に出ていかなければいけないのか、撤回を要求いたしますが、外務大臣、いかがでしょうか。
  24. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 現下アフガニスタンは、カブールを含めほとんど全土において武装グループによる外国人を標的とした誘拐テロ事件が発生するという極めて危険な状況にあるわけであります。  NGOには様々な団体があり、安全確保を講じた上で復興支援に大きな役割を果たし得る団体もあると認識をしておりますけれども、現下状況にかんがみれば、一般的にはNGOに対しても日本人職員退避を呼び掛けざるを得ないわけであります。  七月二十五日、アフガニスタンに対する外務省渡航情報全土退避勧告に引き上げられたことを踏まえて、ODAを活用している事業を実施している日本NGO邦人職員に対しては、アフガニスタンより退去し、外国から遠隔操作方式事業を行うように要請しているところであります。こうしたNGOを含め、独自に十分な安全対策を講じて活動を続けているNGOに対して、事業の中止まで要請しているものではありません。
  25. 犬塚直史

    犬塚直史君 ジャパン・プラットフォームを始めとしまして、ODAの使い方も含めて、やっぱり外務省の言うことには逆らいにくいという経済的な状況もあり、また独自に資金集めを行おうと思ってもやっぱりこれは税制上の我が国独自の制約もあり、なかなか厳しい状況にあるということはまず御理解いただきたいと思うんです。  その上で更に申し上げますと、このアクセスマップ国連が作ったから全能ではありません、もちろん。しかし、例えば私の狭い経験ですが、例えばダルフール地方に行ったときには、週に二回、OCHAという国連の事務所に関連する活動家がみんな集まって、セキュリティーブリーフィングを口頭で受けるわけですね。それは週に二回ですからかなり細かいものが、今週はこんなことがあったということが出てくるわけです。そういうものがまとまっていってやっとここまで来るわけですから、これに基づいて専門家行動しているというのがインターナショナルスタンダードである。  ところが当時の、これは悪口言うわけではありませんけれども、ハルツームの日本大使館の方で南部のニヤラに行ったことがあるという人は一人もいませんでした。しかし、ニヤラで活動している人たちはセキュリティーブリーフィングを受けて撤退するか継続するかの判断をしなければいけない。そのときの判断の基になるのはこれでありまして、そこに外務省が違う判断基準全土を真っ赤にして遠隔操作でやってくださいということは、今まで長年やってきたこの努力というものをそこでいったん断ち切ることになってしまいますので、これは是非御再考お願いしたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  26. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 先ほど申し上げたように、すべてのNGOに強制をしているわけではなくて、一般的にこうしてくださいということであります。  我々は、例えばそういう善意でやって、残ってやっていただいている方たちが仮に誘拐等のことにでも遭った場合には日本政府自体として十分な対応をしなければいけないわけでありますから、我々としては我々の危険情報というものを出して、そしてそれには参考にしていただくと。全員に強制しているわけではない、しかるべき安全措置がとり得るNGOの方たちは現に残っている方もいると承知をしております。
  27. 犬塚直史

    犬塚直史君 御検討いただきたいと思います。  次に、アフガニスタンのSSRについて伺います。  御存じのように、OEFにしてもISAFにしても、これを成功に導くためには、どうしても多国籍軍がアフガニスタンの領土の上にいる事態からアフガニスタン政府自らの手による治安改革、治安構造にバトンタッチをしなければ、これは決して出口はないということであります。この分野に関しては、幸い、我が国が二〇〇三年から二年間を掛けて、よく御存じだと思いますが、武装解除、動員解除、社会復帰、六万人規模の成功に導いたという成功体験に基づいて、今、今度は非合法武装集団の武装解除に我が国がリード国として取り組んでいると理解をしております。  そこで伺います。在アフガニスタン日本大使館のDIAG班の担当者と人数を教えてください。
  28. 奥田紀宏

    政府参考人(奥田紀宏君) 現在、アフガニスタン日本大使館で専属としてDIAGに携わっているDIAG班名は、DIAG班の班員は二名でございます。
  29. 犬塚直史

    犬塚直史君 是非頑張っていただきたいと思うんです。しかしながら、なぜか、この我が国がせっかくあれだけの成功を収めた、評価はいろいろあるかもしれませんが、成功を収めたその成功体験の上にDIAGをオールジャパンで取り組む時期だと思うにもかかわらず、いま一つこれに対する関心というか議論が喚起されていないように思います。  その一つの例が今おっしゃった二名しかいないという現地大使館の体制なんですけれども、DIAGに対する取組、ひいてはSSRに対する我が国の取組、外務大臣及び防衛大臣の決意を伺います。
  30. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 我が国治安分野改革、SSRでありますが、これは大変重要であると認識をしております。  アフガニスタンに持続的な安定をもたらすためには、アフガニスタン政府自身が治安活動責任を担うことが不可欠との観点から、二〇〇二年四月に開催されたG8治安会合において、アフガニスタン政府による治安分野の改革努力をG8各国が支援することが決定されました。  具体的には、アメリカが国軍再建、ドイツが警察再建、イギリスが麻薬対策、イタリアが司法改革を主導して支援しており、我が国国連との協力の下、武装解除分野を支援してきたわけであります。  我が国がリードしてきた元兵士の武装解除、動員解除、社会復帰、いわゆるDDRでありますが、これについては、約六万名が武装解除され、その多くが社会復帰を果たすに至り、昨年六月末をもってそのプロセスを完了したわけであります。DDRにおける我が国の取組は、アフガニスタン政府はもとより、国際社会から高く評価されているのは委員がおっしゃるとおりでございます。  他方、DDRでは対処されなかった非合法武装集団は、引き続きアフガニスタンの平和と安定の脅威であり、非合法武装集団の解体、今御指摘になったDIAGでありますが、現在の課題の一つとなっているわけであります。  我が国は、DIAGを成功させるために、本年六月に東京でアフガニスタンの安定に向けたDIAG会議を開催したほか、現地においては在アフガニスタン日本大使館の大使以下総力を挙げて取り組んでいるわけであります。先ほど二名と言ったのは専属としてしているのが二名で、大使以下総力を挙げてやっているわけであります。また、DIAG以外の治安改革分野においても我が国は積極的に取り組んできております。  短くしろということですから、これで終わります。
  31. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 外務大臣が答弁されたとおりだと思いますが、私は、テロとの戦いにおいて、実力のみにおいてこれが終息するなんて全く思っていません。  しかしながら、民生の安定も治安の安定も、これは車の両輪のようにどうやってかみ合うか、そして、日本だけでやるわけではなくて、各国がそれぞれ得手とする分野でやっていくことになるんだろうと思っています。そのときに、これは将来的な御議論かもしれませんが、やはりDDRにしてもSSRにしても、あるいはISAF的なものにしても、憲法との整合性、あるいはだれがそこの安全を守るのか、そこにどこの国のだれが行くのか、仮に自衛隊が行くとすれば、その場合の武器使用基準は今のままで本当にいいのだろうかということも含めまして、一回包括的な議論をする必要があるんだろうと思っています。  これは、将来的に一般法というものをどう考えるか。そのときそのときにどうするかどうするかという議論ではなくて、やはり包括的な枠組みというのをつくっておいて、そういうのを子細に検討して、まさしく委員おっしゃるように、こういう場合にはどの枠組みで対応するのかというようなことを我が国として検討しておく必要があるのではないか、私はそのように思っております。
  32. 犬塚直史

    犬塚直史君 基本的には同じなんですけれども、私は、その一般法の議論の前に民と軍の関係についてもう少し成熟した議論をするべきだと思うんですよ。  つまり、民の活動というものは、人道的空間、いわゆる自らの安全がある程度確保されている空間においてでしかできないわけですよね。そこにはやっぱり、場合によっては軍のプレゼンスというものが必ず必要になってくると。それでは、そういう空間において民と軍の関係がどういうふうになっていくのかということについては、これは始まったばかりですから、やっぱりここでしっかりとした議論をしておく必要があるなということなんですね。  そこで、やっぱり議論の土台となる、ちょっと話を飛ばして恐縮ですが、議論の土台となる事実確認ということについて今我が党が問題にしているわけなんですけれども、今まで参議院のいろんな議論をしてきても、当委員会においても新聞を読んだ方が早いぐらいの答弁しかもらえないことが多かったんですよ。そういうことではやっぱりお互いに時間の無駄ですから、なるべく情報は公開していただきたい。  加えて、前回の石破大臣の二十万ガロンと八十万ガロンを錯誤して当委員会で発言された、長官時代のあの発言ですけれども、やっぱりああいうものは、長官、当時の長官の下にしっかりとした事実が上がってきていなかったということであれば、私はこれは組織の掌握ということについては非常に問題があると思うんです。特に当委員会の場でしたから、まずは当時の長官として私は謝罪するべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
  33. 石破茂

    国務大臣石破茂君) この場において、長官当時、私が二十万、八十万を誤って答弁をした。今委員は錯誤というふうにおっしゃいましたが、これを錯誤と評価するか、いずれにしても誤った数字を答弁申し上げたことは歴然とした事実でございます。そのことについては本当におわびを申し上げねばならぬ、そのとおりでございます。申し訳ございません。  問題は、そこの課長さんが判断した、それが上に上がらない、この仕組みは一体何なんだ。そして、私は文民統制というのは文官統制とは違うと思っているのですね。文民というのは選挙で選ばれた我々を指すのであって、国会議員あるいは国務大臣内閣総理大臣を指すのであって、私は、文官統制ではない、そのように文官統制とおっしゃる方もありますが、それは違うと思っているんです。  そのときにおいて、じゃ内局の関与の仕方はどうか、そして政治の関与の在り方はどうなのか、そのことが問われなきゃいけないと思うんです。基本的に公開できる情報はきちんと議会に出していくということだと思っておりますので、何を出すのか、出せないとすればその理由は何か、そのことをきちんと明らかにすることは、委員の御指摘のとおり、大変肝要なことだと思っております。
  34. 犬塚直史

    犬塚直史君 そこで、大臣のリーダーシップにお願いをしたいんですけれども、我が党が部門会議の中で防衛省外務省の方たちに繰り返しお願いをしてまだできていないことがあるんです。それは何かというと、情報が出せない、あるいは出しにくいということであれば、まず情報公開法に基づけば出すのか、あるいは時期が来れば出すのか、あるいは相手国の了解が取れれば出すのか、あるいはこれを国政調査権で求めれば出すのか、あるいはそのどれにも当てはまらないその他なのか、そしてこの情報を扱う担当部課名と担当者名はだれなのかということを、何しろ、AからEまでに区分分けして、お互いに議論を進めるために時間の無駄ですから、こういうところに不毛の時間を取らずにきっちりと整理してやらせてくれと言っているんですけれども、いまだに出てこないんですよ。その部分については、大臣にまずお願いをしておきますので、後でお調べいただいて是非進めていただきたいと思います。  時間がなくなってまいりましたので、官房に伺います。  最後の資料をごらんになってください。これは、テロ特措法のいわゆる新法の説明のときに我が党の部門会議に官房が持ってきた資料の概略であります。この目的の部分二行はいいとしても、その次のところですね、国連安保理決議一七七六はというところがあるんですね。これはいわゆる感謝決議と言われている。感謝決議でも何でもないんです。これはISAFの一年延長決議ISAFの延長決議の中で中核で言われていることは、ISAFは一年延長するけれども、これからはやっぱり現地の政府に特にセキュリティーの分野を橋渡ししていくことが大事だから、各国にこれを要求をすると、協力をしてくださいねというのがこの一七七六の一番大事なところなんですよ。  私は、これ行数数えてみました。三ページですよ、三ページの国連決議で、英文で百六行。いわゆる感謝決議と言われている日本の、日本とも出てないんですよ、OEF協力として、マリタイム・インターディクション・コンポーネント。MIOとも書いてないんですよ。この部分についての表記は〇・五行ですよ、半行ですよ。いいですか。百六行分の半行ですよ。つまり、〇・五%しか書いていない。しかも、前文の一番端っこ、主文でもないことをこの官房の資料に取り上げて、わざわざこんなにでかくして、あたかもこれに基づいて我が国が新法の根拠にしているかのような説明は、私は、正にこそくなPRであり、針小棒大にこんなことを使うというのは許せない、こう思うんですけれども、撤回を要求します。官房、いかがですか。
  35. 鈴木敏郎

    政府参考人鈴木敏郎君) 今御指摘の部分は、確かに内閣官房の方から新法の概要説明資料としてお配りした中の一部でございます。  御指摘のとおり、ここで引用しております安保理決議の一七七六号でございますが、これは、アフガンに展開するISAFの権限、任期を延長するということを決定する、そういった目的の決議であることはそのとおりでございます。  ただ、その前文におきましては、先生の資料でも引用されておりますように、前文の段落十九においてここにございますような文言が盛り込まれていると。そこで、もう一回読ませていただければ、NATOにより提供される指導的役割並びにISAF及び海上阻止の要素を含むOEF連合への多数の国による貢献に対する評価を表明したと。これは安保理の表明であるわけです。  そこで言っておりますOEFの海上阻止の要素というのは、これは具体的にはOEF—MIOであるとか、あるいはOEF—MIOの参加艦船に対する支援、補給支援を指すものでございます。また、海上阻止の要素を含むOEF連合への多数の国による貢献の中には、当然、海上自衛隊の活動を通じた我が国の貢献が含まれているというふうに考えているわけでございまして、これは繰り返しになりますが、一七七六の目的は先生おっしゃったとおりでありますけれども、あわせて、安保理としてのそういった評価の認識というものが明確にここで表明されているということでございますので、新法を提出するに当たりその目的部分において引用させていただくと、それは新法の目的にもかなったものであるというふうに考えております。
  36. 犬塚直史

    犬塚直史君 この件については、切り張りして誤ったイメージを与えるようなことについては、引き続き追及をしてまいります。  これで終わります。
  37. 白眞勲

    ○白眞勲君 民主党・新緑風会・日本の白眞勲でございます。  まず、両大臣高村外務大臣そして石破防衛大臣、御就任おめでとうございます。  さて、石破大臣にまずお伺いしたいと思いますが、防衛省においては、この七月に久間大臣の突然の辞任に引き続きまして、大臣がこの十月までの間に、四か月ぐらいですかね、の間に小池大臣、そして今外務大臣でいらっしゃる高村大臣、そして石破大臣、三人の大臣が交代され、就任されたわけなんですけれども、もちろんこれは防衛省になってからは初めてだし、また防衛庁の時代からもこういうことというのは異例の事態じゃないかなと。  これ、対外的に余りいいイメージじゃないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、また逆に、日本防衛行政が混乱しているようなイメージというのを対外的に与えているんではないかという懸念もあるんですけれども、この件について、まず石破大臣、どうお考えなのか、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
  38. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 私も報道以上のことを存じておるわけではございませんし、憶測に基づいて物を言うことはあってはならないと思います。  ただ、一般論として申し上げましたときに、これ私、前、防衛庁長官になったときに、防衛庁ができて四十八年目ではなかったかと思いますが、私は第六十五代の防衛庁長官でございました。これは他国に例を見ない話なのだろうと思っております。余計なことかもしれませんが、文民統制ということを行う場合に本当にこういうことでいいのだろうかという思いはございます。もちろん、今委員がお挙げになった方々、皆さん能力、識見極めてすばらしく、尊敬しておる方々でありますけれども、やはり文民統制という観点からいってこれは少しどうなのかなという気を、私は当時、四十八年目で六十五代と言われたときに、ううんという感じがした覚えはございます。  この在り方については、また広く御議論をいただくべき問題ではないかなと思います。
  39. 白眞勲

    ○白眞勲君 高村大臣、横にいらっしゃって何か話したそうな顔もしていなくはないような感じがするんですけれども、何か、この件について何か御見解ございますでしょうか、前の防衛大臣でもいらっしゃいましたし。
  40. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 全然話したいことはありませんけれども、あえて、あえて聞かれれば、一般論として防衛大臣の任期はもう少し長い方がいいなと、こういう感じはしております。
  41. 白眞勲

    ○白眞勲君 さて、お辞めになった小池大臣について、まあ石破大臣にお聞きするのもどうかとは思うんですけれども、ただインドで辞任表明をされているわけなんですね。この理由が、かつての情報漏えい事件でだれかが責任を取らなければいけないとの理由だったわけなんですけれども、ちょっと分からないのは、もしそうであるならば、不祥事が起きるたびにだれか責任取る、その後にでもだれかが責任取らなきゃいけないのかという、そういう論理にもなってしまうわけですし、別に当時、この情報漏えい事件が盛り上がっていたと、まあある意味、最近の言葉で言うと鎮静化していたような状況の中で何でこういう、大臣が突然その責任を取って辞めなければいけない論理も、そうしたら、今の厚生労働大臣の舛添大臣もそろそろお辞めにならなきゃいけないのかなという感じもするし、今の、まあ大臣、大変恐縮ですけれども、そろそろ大臣も危険水域に入ってきたみたいな、そういうような感じになってくるんじゃないかなとも思うわけなんですが、これ、何で辞めたのかということについてちょっとお聞きしたいと思うんですけれども。
  42. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 私は小池大臣、元大臣ではないから本当のことは分かりません。本当のことは分からないので、あれこれ憶測を交えて物を言うことは不適切かと思います。  ただ、小池大臣は、私が報道で知る限りにおいて、だれも取っていないから私が取るんだというようなおっしゃり方をなさったという記憶はいたしておりまして、それはそれで元大臣一つの御見識かなというふうには推察をする次第であります。推察で申し訳ありません。
  43. 白眞勲

    ○白眞勲君 大臣一つの御見識として辞めるとしても、それはやっぱり国民としては余り納得いく部分では私はないというふうに思うんですけれども、その辺についてはいかがでしょうか。
  44. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは国民の皆様方が御判断になることです。私がとやかく申し上げるのは良くありません。  ただ、私よく印象に残っているのは、でもだれかが取らなきゃね、だれも取ってないでしょうということ。それは、責任の取り方というのは、だれがいつやるのだということについて、この日本の中ではいろいろと混乱があるような気はいたしております。組織の長たる者が、自らの過失あるいは故意に基づくものではなくても責任を取るという責任の取り方もございましょう。あるいは、その原因というものをきちんと取り除くまでいかなる指弾を浴びようともそれをやり遂げるんだという責任の取り方もありましょう。責任の取り方とは何なのだということについて、私、日本社会というのは何か一つの考え方というのが確立をしていないような、これは御質問とは正面から答えることになっていませんが、そこのところはどうなのだろうかということを日々考えておるところではございます。
  45. 白眞勲

    ○白眞勲君 この議論になっちゃうと堂々巡りになってしまいますけれども、そういう中で、最近話題になっている守屋事務次官との一連の防衛専門商社との関連についてちょっとお聞きしたいと思うんですけど。  まず、報道によりますと、守屋事務次官がゴルフをしたときに何か一万円を払っていたということなんです。この一万円ってどういう意味なんだろうかなというのが本当私はよく分からないんですけれども、大臣はどういうふうにお考えですか。
  46. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これも、私も守屋さんではありませんので分かりませんが、ただ話全体のニュアンス、また私が聞き取った者から報告を受けた感じから申し上げれば、自分でお金もちゃんと払ったよと、丸抱えではないんだよということはやはりきちんと行われたのだということだと思います。  ただ、割り勘だろうが何だろうが、そういう方とゴルフをしてはいけないというのが決まりでございますので、払ったからいいだろうという話には全然なりません。ですから、それはエクスキューズとして成り立っているとは私は全く思いませんし、当然のことですが、ただ、それが丸抱えとか全額向こう負担ではなかったのだということの意味だとしか思えません。
  47. 白眞勲

    ○白眞勲君 普通、例えば民間企業等、いわゆる民間企業同士の接待といった場合には、当然トップからいろいろその下の幹部、そして担当者まで、いろいろ飲食とか贈物とか、そういったことをするというのはあり得ると思うんですよね、そういう接待というのはあり得ると思うんですけれども。  また、今回の報道によりますと、課員、課員というのは課長の課ですね、課員の自宅に一斉に高級牛肉が送られてきた、けど返したとは言っているんですけれどもね、とか、元専務が使える交際費が年間一億円以上という記事も出ているわけです。  大臣として、今回の一連の件について、前事務次官はもとより、現職そのほか幹部、担当者に対して何か話というのは聞いていらっしゃるんでしょうか。
  48. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これも、そういうものを受け取ってはならないことは当然であります。これは、そういうものを受け取ったことがあるかどうか、あるいはあなたは返しましたかというところまでまだ悉皆的に調査を掛けたわけではございません。  ただ、報道されておりますように、カニでありますとか牛肉でありますとか、そういうものが送られてきたら、それはやはり返すべきものでしょう。そういうことが今後、いや、何というんでしょうか、送られてきたら返せという話なんだと思いますね、送料向こう持ちで。返すべきものだと思いますですよ。それは当然のことでありますが、過去そういうことがあったかどうか、どういうような聞き方をするのが適当かも含めまして、検討してみたいと思います。  ただ、これから先そういうことが絶対にあっちゃいかぬということは、もうこれはこれで、今回のことでそれはもうみんな分かっただろうと。これで分かっただろうというのも悲しい話なんですけれども。ただ、そういうことが今後起こらないようにどうするかという、すごく小学生の道徳みたいな話で悲しいのですが、それも考えなきゃいけない。  ただ同時に、この全体的な調達の在り方というのはどうなのという議論、それはそれでまた別途ちゃんとしていかなきゃいかぬことだと私は思います。
  49. 白眞勲

    ○白眞勲君 今まだ調査はそう掛けていないということですが、やっぱりこれは私は調査をすべきだというふうに考えていますけれども、その辺についてはいかがでしょうか。
  50. 石破茂

    国務大臣石破茂君) その辺、倫理規則とも照らし合わせながら、どういう形で調査をするのが望ましいのか、どのクラスまでを対象とするのか、何か、新聞報道しか存じませんが、一斉に送り付けられてきたということですが、どこまで一斉に送られたのか、私も全然知りませんのです、私のところには少なくとも何も来ませんし。とするならば、どこの範囲まで、そしてどのようなやり方によって調査をするのかも含めて、委員の御指摘を、委員から御指摘もいただきましたので、省内で検討はいたさせます。
  51. 白眞勲

    ○白眞勲君 今、調査については省内で検討するということなんですけれども、やっぱり海外関係においても何かいろんな話がやっぱり報道としてあって、海外に出張した方が出張先においていろいろな接待を受けているんではないかというような話もあるわけなんですね。  そういったことも含めますと、やっぱりこれはきちっと、まあどこまで調査できるかと、そういったやり方というのはあるかなと思いますけれども、調査をしないということはないんではないかなと、あり得ないんではないかなというふうに思いますけれども、それについてはいかがでしょうか。
  52. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 海外も国内も、それは同じことだと思います、基本的にはですね。ですから、これは、調査について海外、国内は問わないことだと思っております。
  53. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、調査をするということですね。
  54. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは、これ以上は受け取ってはならない、あるいは細かい規則といいますか、基本的な規則につきましては正確なことは官房長からお答えをした方がよろしいのかもしれませんが、その場合に、例えば届け出ねばならない、受け取ってはいけない、いろんなものもございます。あるいは、例えば飲食にしてもそのスタイルをどうするかとか、これ事細かな基準があるわけです。あるいは、委員も御案内かもしれませんが、その基準が実に細かくて、そのたびに何かメモを持っていて、これはいいんでしょうかとかこれはいけないんでしょうかとか、座っちゃいかぬが立ったらいいとか、何だか私は、何というんだろう、基本的に精神はどうなんだというところからやらなきゃいかぬのだろうと思います。そして、倫理規程にいたしましても非常に大部なものでございまして、もっと分かりやすくならぬのかということもございます。  そこも含めて調査は、調査というか検討はいたさせます。やらないなどとは申しません。どういう形が一番いいか、そして今の規程との照らし合わせ、それをどう行うか、あるいはこの規程というのもどのように変えていってどうすればちゃんと周知徹底できるのかも含めて、これは省内で新しいといいますか、反省そして教訓、今後の在り方、それは早急にまとめねばならぬものだと思います。
  55. 白眞勲

    ○白眞勲君 今、早急にまとめるという話ですけれども、まとめるためには今まで実態としてどういうことが行われてきたのかということをきちっと把握することが必要じゃないかなというふうに私は思うわけですね。  そういった関係からすると、その方法はどうであれ調査をやはりして、やっぱりそこに対してきちっとした、どういう規程、それは送り返したら送り返したでいいから、それはちゃんとやっぱり報告してくれぬかということはやるべきだというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
  56. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは倫理規則の徹底という意味からいえば、私は委員がおっしゃるとおりあるべきものだろうと思います。私も民間企業にいたことはありますが、民間企業においてはそういう一つの商慣習というのか、そういうものがあるのでしょう。  ただ、公務員において、あるいは自衛隊員においてなぜそれが駄目であり、なぜ厳しい決まりがあるのかといえば、それは公の行政の信頼ということが守られねばならないことだからだということだと思います。したがって、煩雑だとかそういうようなことは、それは公の信用を守るがためには劣後すべきものだと私は思っておりますので、どのような形でやるか、それは調査、それから今後の在り方、そういうことも含めて前向きに検討はいたしますし、実現方努力はいたします。
  57. 白眞勲

    ○白眞勲君 今、いろいろ御答弁をお伺いしましたけれども、守屋さんについては本人ではないからよく分かりませんとかいうこともありましたし、またいろいろな報道も今出ているということを考えますと、やはり全然実態が今のところはまだ分からないという中で、今回のこのいろいろな、何というんでしょうか、このいろいろな関係について。ですから、これやはり国民の血税との関係で非常に極めて、金額面でも極めて大きい、これは同僚の今の犬塚議員からもそういう話もありましたけれども、やはり本人たちに国民の前でこの問題を是非きちんと説明をしていただきたいというふうに思っております。  先ほどの犬塚委員と同様に委員長にお願いをいたします。  守屋防衛事務次官、それから山田洋行のオーナーの方、それから山田洋行の元専務で現在日本ミライズの社長の三名を証人としてお呼びしたいと思いますので、よろしくお取り計らいのほどお願いを申し上げます。
  58. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) ただいまの御要請につきましては、後刻理事会協議をいたします。
  59. 白眞勲

    ○白眞勲君 お願いいたします。
  60. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 念のために、姓名をおっしゃっていただけませんか。
  61. 白眞勲

    ○白眞勲君 姓名、よろしいですか。  姓名は申し上げるのは申し上げてもいいんですけれども、まだ報道では全部元専務というような形になっているということからして、ちょっと差し控えたいなということで、私自身はそういうふうに思って、今申し上げておりません。
  62. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 先ほどの犬塚委員からの要請では、前防衛事務次官守屋武昌さん、日本ミライズの社長は宮崎元伸さん、山田洋行の相談役であります山田正志さん、こういうことでございますが、よろしゅうございますか。
  63. 白眞勲

    ○白眞勲君 はい、そうです。
  64. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) この件につきましては、先ほど申し上げましたように、後刻理事会協議をいたします。
  65. 白眞勲

    ○白眞勲君 今、お手元の方にお配りいたしました「国際テロの根絶と世界平和のために」というパンフレット、実はこれ、これですけれども、カラーで出ているものですが、予算関係上白黒でコピーをいたしましたんですけれども、これとDVDが防衛省から発行されているわけなんですけれども、私の質問主意書によりますと、この作成費に四百七十二万五千円とのことですけれども。これ、大臣にお聞きいたします。この表紙のページ見ていただきたいと思うんですけれども、何か不自然なところがあるとお感じになりますか。
  66. 石破茂

    国務大臣石破茂君) この表紙、これは上のカラーの写真が補給に携わる海上自衛官たち、下は私どもの補給艦、これは「ましゅう」型よりも一つ前のタイプだと思います。それと、この船はパキスタンの船かしら、船の特定がちょっといたしかねますが、そういうような通常行われておる場面であるというふうに私は認識をいたします。
  67. 白眞勲

    ○白眞勲君 実はこの艦の、今もおっしゃいましたが、パキスタンの船かどうか分からないという今の御答弁なんですけれども、正にそこなんですね、艦の側面に記入されている艦番号が全部消されているんですね。これ、なぜ消されているんでしょうか。
  68. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これ、私どもの艦番号はきちんと記載をいたしております。これは、どこの船か不正確なことを申し上げることはできませんが、一つは、必ず私どもの船のように艦首前方側面に記載をするものとそうでないものと、艦番号の記載の仕方は各国によって異なっておるのは委員御案内のとおりでございます。  もう一つは、これ、艦番号を特定するということについて、これ、私どもの納税者に御説明をするものでございますし、私どもの艦番号が明らかになるのは当然のことでございますが、他国の船について艦種、艦番号、そこまで特定することについて良いのかどうかという判断もあるいはあったのかもしれません。それは、今ここでお答えするだけの知識を私は持ち合わせませんが、お答えをすることは十分可能だと思います。
  69. 白眞勲

    ○白眞勲君 このカタログそれからDVDを見ますと、すべての艦番号が消されているんですね。どこにも書いてありません。側面にはどこにも書いてないのも一杯あります。そういったことを聞きますと、これはやっぱり加工をしたというのが私は常識じゃないかなというふうに思うんですけれども。でも、普通加工をするならば、当然モザイクを掛けたり、加工をここしているんですよと、特にお役所の皆さんよくお得意の黒マジックでここは消しているんだというふうにするのが当たり前でして、このようなきれいに加工をしているというのは、ちょっとこれ、私の感情からすると、そうですかとはなりにくい部分も私はあるというふうに思うんですね。  ちょっと事務方の方にお聞きしたいと思うんですけれども、この各国の軍艦というのの主権はどこにありますか。──だれでもいいですよ。
  70. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) お答えいたします。  船の主権というのはそれぞれ、それぞれの旗国が持っているということでございます。
  71. 白眞勲

    ○白眞勲君 そのとおりだと思うんですね。  つまり、ここは、この軍艦というのはこれ、相手国の主権の及ぶ範囲ですね。言うならば、これは大使館の写真から看板を勝手に消しているようなものなんですよ。ですから、これ、日本が独自に勝手に消すということは、当然相手国に対して、相手国が消してくれと求めない限りは消してはいけないものだというふうに私は判断するんですが、いかがでしょうか。
  72. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) お答えいたします。  テロ対策特措法に基づきます私どもの活動につきまして、例えば補給を実施した日時がいつであるとか、その相手先の補給艦がどうであるとかというようなことにつきましては、それぞれ、それぞれの国の事情によりまして対応をしていると。ですから、私どもが実施した補給活動であって、その内容が具体的に把握している場合でありましても、相手国との関係で、もしそのまま公表すれば信頼関係を損ねますとか運用に影響が出るというような場合においてはそういった事情を考慮しているところでございますので、今回のことについて、具体的にどうこうということではございませんけれども、一般的に相手国の事情を考慮して、そういった情報について差し支えのない範囲にするということはあることでございます。
  73. 白眞勲

    ○白眞勲君 それは、今、日本側からの事情であって、相手国からの要請があってこれは消すべきものであって、相手国からの要請があったかどうかを私は聞いているんです。それについてお答えください。
  74. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) 今までの……
  75. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) ちょっと挙手をしてください。  高見澤局長
  76. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) はい。  その点につきまして、今具体的にパキスタンとの関係あるいはアメリカとの関係、それぞれ十一か国相手国がございますので、それぞれの事情に応じてやっているものでございますので、今回、具体的にどういった状況でこういうふうになっているのかにつきましては確認をさせていただきたいと思います。
  77. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、確認をするということでいいですね。確認して報告してください。
  78. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 確認をして御報告を申し上げます。
  79. 白眞勲

    ○白眞勲君 もう一つお手元に配付しました議事録を見ていただきたいと思うんですけれども、これは石破大臣の平成十五年五月十五日の答弁で、いわゆるその二十万ガロン、八十万ガロンの部分の御答弁でございます。  今の同僚犬塚議員のときにもおわびをされまして、何かまた傷口に塩を塗るようなことをしているように私も思えてならないんですけれども、ちょっとそのおわびなんですけれども、二十万と八十万ガロンの取り違えだということをおっしゃっていたんですけれども、下から上への、何でしょうかね、この報告の経路が問題だったというような内容のことをおっしゃっていたんですけれども、この文章を見ますと、つまり、アメリカに確認を私どもがいたしましたところではと答弁をして、八十万ガロンの燃料を受けたということを確認しておるわけですというふうに言っているわけなんですね。ということは、この答弁ではアメリカに八十万、二十万、それぞれ確認したことになっている。つまり、実際にはこれアメリカには確認していなかったということですよね。
  80. 石破茂

    国務大臣石破茂君) ここの読み方でございますが、朗読調で恐縮です、アメリカに確認を私どもがいたしましたところでは、キティーホークへの米艦艇による補給についての追加的情報を受け、キティーホークが不朽の自由作戦に従事中の二月二十五日に米補給艦から八十万ガロンの提供の燃料を受けたということでございますということでございます。その点について確認をしております。これが一つのセンテンス。他方、同日には、海上自衛隊の補給艦が当該米補給艦に二十万ガロンの燃料提供を実施しておるということを確認している。  ここのところの数字というものがそもそも取り違えでございまして、補給艦に、これは話が複雑なのですが、私どもの補給艦からアメリカの補給艦とアメリカの通常の戦闘艦、これに戦闘艦に八十万、補給艦に二十万、これが全然違っておったという話なんです。ひっくり返っておって、戦闘艦に二十万、補給艦に八十万でしたと、そこが誤りなわけでございます。  何が誤っておるかといえば、同日には、補給艦が当該米補給艦に二十万ガロン、ここのところのそもそもの伝票は正しかったにもかかわらずデータが誤っておったということでございまして、そこのところの誤りを申し上げておるわけでございます。
  81. 白眞勲

    ○白眞勲君 ですから、私が申し上げているのは、そのアメリカに確認をしているというふうに言っているわけですから、当然これは燃料の量をアメリカに確認したというふうに取れるんじゃないかなということであるわけなんですね。つまり、そのアメリカに確認していないということなんじゃないんですかということなんですよ。
  82. 石破茂

    国務大臣石破茂君) そのときに、この燃料というものがOEFに使われたかどうかということについての確認ということをいたしました。そのときに、アメリカの補給艦、アメリカの補給艦がですよ、アメリカの補給艦がアメリカの空母に八十万ガロンということはきちんと確認をしたということでございます。  それが他方、私どもの補給艦がアメリカの補給艦あるいはアメリカの戦闘艦に幾ら補給をしたかということは、これは私どもの資料で十分確認ができるお話なのでございます。我々の方からアメリカに幾ら補給したかというのは、それはアメリカに確認するまでもない、当然のことで、私たちが補給しているわけですから。それを確認というのは、当然私どもの資料で確認をすることになるわけですが、それが八十万と二十万というのをデータ、つまり見ましたデータそのものに誤記載といいますか取り違え記載が起こっておったということでございまして、我々の補給艦が米補給艦に幾ら補給をしたかということについて、これはもう我々の資料として残っておるわけでございます。そしてまた、伝票も送られてきておるわけでございます。  したがいまして、このことについて、私どもの船が幾ら補給をしたかということについて確認という要は、そこにおいて当然生ずるものではございません。
  83. 白眞勲

    ○白眞勲君 ですから、今防衛大臣がおっしゃるのは、結局、この二十万ガロンの数字について別にアメリカに確認したわけではないということをおっしゃっているわけですよね。  ところが、これを見ると、どう考えたって燃料提供を実施しているということを確認というふうに言っているわけですよ。つまり、その燃料の量を確認しているということを言っているじゃないですか。だから、これは違うんじゃないんですかということを申し上げているんですよ。
  84. 石破茂

    国務大臣石破茂君) この二十万ガロンにつきましてはアメリカに確認したものではなくて、自らが、いいですか、ですから、もう一度申し上げますよ。ですので、先ほどセンテンスを分けてというふうに申し上げたのですけれども、アメリカに確認を私どもがいたしましたところでは、キティーホークへの米艦艇による補給についての追加情報を受け、キティーホークが不朽の自由作戦に従事中の二月二十五日に米補給艦から云々と、こういうことになっている。つまり、アメリカの補給艦からアメリカの航空母艦たるキティーホーク、これが幾ら受けたかは、私どもで伝票とかそういうものは全くないわけですね。これは確認をしなければ分かるはずがないものなのです。  事の発端は、キティーホークの司令官が日本から提供を受けてありがとうと言ったことから事は始まっておるわけでございまして、そのことの確認をアメリカにきちんと行った。必要なのはそのことであって、日本の補給艦がアメリカの補給艦に幾ら補給したかは、これは我々のデータをもってすればアメリカに確認するまでのこともそれはないのでございます。
  85. 白眞勲

    ○白眞勲君 まあ、どう考えても、これはやはり二十万ガロンの燃料提供を実施を確認をしているということは、アメリカに確認をしたというふうにしか取れないんですよ、これは。ですから、それはちょっと、まあ見解の違いだというんだったらば、まあもうちょっとここら辺はまた議論をしたいと思いますけれども。  もう一点ちょっと聞きたいと思います。  航海日誌を誤って破棄した問題についてお聞きします。  報告によりますと、「とわだ」の乗組員が、管理責任者である艦長の許可を受けずに、過去の航海日誌とともに裁断機で裁断をしたということなんですけれども、本来、保存は地方総監部にあるわけですから、艦長が処分の許可を出すというのはおかしいんじゃないんでしょうか。
  86. 石破茂

    国務大臣石破茂君) ごめんなさい、最初の点についてもう一度よく読んでいただきたいのですが、当たり前のことですけれども、日本の補給艦がアメリカの補給艦に補給をした、それは委員が、委員が仮に私の立場であられたとしても、そのことについてアメリカに確認をするという必要があるだろうか、そもそもそれはないわけです。ここの読み方はそういう読み方なのです。事実と、そしてこの言い方、何について確認するかということを考えたときに、この言い方がもし委員のおっしゃるようであれば、このことにつきましても米側にというような言葉が入ることになるわけでございまして、じゃ言葉が足りなかったのかと言われれば、それはそうですとしか言いようがない。そういうようなつもりで申し上げたし、そういうような認識で申し上げたものでございます。  そして、後段の、本来の御質問にお答えをするとするならば、それは艦内において、艦内においてその書類を管理する責任者は艦長であるということでございます。したがって、この誤破棄をいたした者がだれに対してきちんと許可を得るべきであったか。その状況からしてみれば、艦内においてその許可を求むるべきは管理責任者であった艦長であるということを申し上げております。
  87. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうしますと、この「とわだ」の乗組員は、要するに艦長も何も許可を得ないまま、要するに、廃棄してもいいものまで全部廃棄をしちゃったというのは、つまり艦長の許可も得ないまま廃棄をした、廃棄自体が艦長の許可を得ていない、つまり艦長に話をしないままやっちゃったということなんでしょうか。
  88. 石破茂

    国務大臣石破茂君) そのような認識でございます。
  89. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうすると、二つポイントがあるわけですね。つまり、これは総監部が廃棄するものですよね、元々。そこについてまずちょっとお聞きしたいと思います。
  90. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは、この時点において総監部、つまり一年間は艦内でしたかしら、その後は総監部、都合四年ということでございます。ただ、艦内に書類があります限りは、その書類の責任者、管理責任者は艦長ということになるのだと私は思います。
  91. 白眞勲

    ○白眞勲君 先日の民主党外交防衛部会で高見澤局長さんが、この件については多々あるんだという内容のお話をされまして、それでよろしいですね、まずそれをちょっと確認します。
  92. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) 白先生から、外務防衛部門会合を、火曜日だったかと思いますけれども、具体的に、本来、規則によれば一年は艦内だけれどもそれ以降は総監部で保管するということになっていたから、この時点で四年前あるいは四年足らずのものが廃棄されているというのは規則に照らしておかしいのではないかと、そういう御指摘がございました。  それに対して私の方から、規定ではこういった一年間ということになっておりますけれども、例えば航海の途中でありますとか、そういうことで、必ずしもすべての艦艇から規定どおり一年たったら総監部に移っていると、そういうことでは必ずしもないということは申し上げました。そういった実態については、文書管理の現状についてきちっと調べるようにというような事務次官通達もございますし、大臣の指示もありまして、そういった状況調査してはいるというようなことを申し上げた経緯がございます。
  93. 白眞勲

    ○白眞勲君 ですから、多々あるんですね。
  94. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) それを正に含めて実態を、今管理状況を調べているということでございます。
  95. 白眞勲

    ○白眞勲君 今、多々あるというふうにあの部会でおっしゃったじゃないですか、それはお認めになりますね。
  96. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) そういった状況があるということは……
  97. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 指名を受けてから発言をしてください。
  98. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) はい、失礼しました。
  99. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 高見澤局長
  100. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) そういった事実があるということで、そういった認識に基づいて数がこれだけではないということは申し上げたかと思います。
  101. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、それ文書管理なってないということじゃないですか、これずさんだということだと思いますけれども、大臣、一言御見解をお願いします。
  102. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 全部調べるようにということを私は申し上げました。これは当然のことながら何十万件ということになります、書類はですね。ただ、それ面倒くさいとかなんとか言っていてもどうにもならぬので、とにかく管理の実態についてどうなっているか。どのような管理規則になり、例えばこれは船のお話なのでございます、今のはね。じゃ、船でも大きな船から小さな船まであります。じゃ、陸においてはどうなのか、空においてはどうなのか、内局においてはどうなのか、このことの管理状況についてすべて調べるようにということ、これを指示をいたしました。現在、その作業を行っておるところでございます。  ずさんという御指摘は、それはそれを全部見た上でないと確定的なことは申し上げられませんが、本当に管理がきちんと行われていたのかどうか、それは文民統制の一翼を担います私として、きちんと調べ、掌握し、直すべきは直す義務が私にはあると思います。
  103. 白眞勲

    ○白眞勲君 防衛大臣、今、別にお言葉を返すようじゃ申し訳ないんですけれども、何十万件といっても、船の数しか航海日誌の数というのは、当然、しかないわけですから、それはそんなに、通達として今艦内に残っている文書はどれぐらいあるのと聞くのは、そんなに難しい話ではないというふうに思っております。  この件についてはもうあとは水掛け論みたいになっちゃいますので、その先に進みたいと思いますけれども、北朝鮮の核開発についてお聞きをしたいと思います。  六か国協議において、すべての核計画という点、これはいつもこれが何を意味するのかというのが当然問題になるわけなんですけれども、高濃縮ウランと濃縮ウランの違い、これは当然問題となる核兵器の原料となる高濃縮ウランの申告ということなんですけれども、これ二〇〇五年の共同声明ではすべての核兵器という文言も入っていたんですけれども、核兵器の文言もなくなったり、高濃縮ウランはどうなっているんだという部分もあるんですが、この件について、大臣、どういうふうにお考えでしょうか。
  104. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 我が方とすれば、すべての核兵器あるいは濃縮計画も入ると、そういうふうに考えております。
  105. 白眞勲

    ○白眞勲君 拉致問題についてお聞きをしたいと思います。  福田総理は九月十五日の記者会見で、交渉しようという姿勢、意欲が向こうに伝わる方法がないか工夫しなければならないと、こうおっしゃっているわけですね。あるいは、十月十一日の予算委員会では、交渉の仕方というのは、これは継続していかなければならないというふうに答弁されています。  北朝鮮側との交渉に際して大臣としてどういう姿勢でこれから臨まれようとしているのか、簡潔にちょっとお答えいただきたいと思います。
  106. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) ですから、日朝間にあるすべての懸案を解決する、拉致、核、ミサイルの問題を解決する、そして不幸な過去の清算をする、そして日朝の国交正常化を果たす、そういうふうに具体的な行動を両方が一歩一歩取っていくと、こういうことが必要だと。そのために、日本政府とすれば対話と圧力と、こういうものを適切に使いながらそういうことをやっていきたいと、こういうふうに思っております。
  107. 白眞勲

    ○白眞勲君 そこの、正にそこの部分だと思うんですね、対話と圧力。そういった観点からすると、この前、北朝鮮の宋日昊大使が、福田首相は圧力より対話を重視する姿勢を明確にしていると評価した、さらに、我々は注目に値すると思っていると評価したとのこれ報道があるわけなんですけれども、高村大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
  108. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 安倍政権から福田政権に替わったからどう変わるという話ではなくて、対話にしても圧力にしても、これは北朝鮮の側が日朝関係を進展させるためにどう具体的な行動を取るか、それが目的でありますから、それを取らせるために対話もあるし圧力もあるので、状況に応じてそれをバランスよくしていくということであります。そして、もし安倍政権の時代から福田政権において変わったとすれば、北朝鮮側の対応が少しでも柔軟になったということであればそういうことは十分あり得るわけであります。  ですから、宋日昊氏がそういう発言をすること自体が日朝関係を今までよりは進めようという意欲が表れてきたのかなと取れないことはないと、こういうふうに思っています。
  109. 白眞勲

    ○白眞勲君 米朝の関係の中でテロ支援国家の解除という部分があるわけなんですけれども、これちょっと以前とは大分変わってきているかなという、その米朝の関係が、テロ支援国家の解除という関係においてですね。その中で拉致問題の進展というのも大きなポイントとなると思うんですけれども、高村大臣、この進展は何をもって進展だというふうに思っていらっしゃいますでしょうか。
  110. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 具体的に申し上げるのはなかなか難しいわけでありますが、拉致の解決に向かって進むことを進展とこう言うと、まあ極めて抽象的なお答えで満足されないと思いますけれども、そういうことでございます。
  111. 白眞勲

    ○白眞勲君 朝日新聞のインタビュー、平成十九年九月十六日に中山首相補佐官は、二、三人で取引することや、よど号犯の帰国は進展にならないと、こうおっしゃっているんですけれども、こういうことでよろしいでしょうか。
  112. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) よど号犯と拉致の問題は必ずしも直接関係しないんだろうと思います。ただし、数人の方が帰ってきたということは、帰るということは、それで解決というわけにはいかないと思いますが、進展にはなり得るかもしれません。
  113. 白眞勲

    ○白眞勲君 時間ですので終わります。ありがとうございました。
  114. 徳永久志

    ○徳永久志君 民主党・新緑風会・日本の徳永久志でございます。この七月に初当選をさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。  現在、補給艦「ときわ」の給油量取り違え問題に対しまして、福田首相は、とんでもないことをしてくれたと、私まで疑われるという御発言がございました。その怒り、ごもっともではありますけれども、事態はそれ以上に深刻ではないかというふうに思います。文民統制は機能しているのかどうか、そういう根源的な疑問さえ投げ掛けられている、そういう状況だと思っております。したがいまして、私は、この文民統制と在り方について何点か質問をさせていただきたいと思います。  まず、今回質問が決まりましたときに、石破大臣がかつて、長官を辞められた後でしょうか、「国防」という御本を出版をされまして、もう一度読み直してみました。その際に、自衛隊のユーザーは国民であるという表現がございました。  これは大臣文民統制についての考え方の一端を示されたのかなというふうに読ませていただいておりますけれども、まずは大臣文民統制について基本的な認識について伺いたいと存じます。
  115. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 私は、文民統制もいろんな文民統制があるんだろうと思います。  ただ、日本型の、これも民主主義でも大統領制の国と議会制民主主義の国で違いますので、あるいは、じゃ、かつてのソビエトに文民統制がなかったかといえば、私はそうではないと思っているんです。一党独裁であり議会というものが実質的に我々と同じような機能を果たしていないとしても、委員もあるいはレッド・オクトーバーという映画をごらんになったことがあるかもしれません。あれの一番最初の場面で、命令書を開けるときに、いわゆる軍人の艦長と政治将校の艦長と、二人のかぎを両方合わせないと命令書が出てこないという場面がありました。つまり、そういう政治が軍事に優先するのだということが一つ文民統制の基本の在り方だと思います。  では、その政治とは何かといえば、それは、かの映画では共産党の政治将校であったと。私どもでいえば、一つは、憲法に国務大臣は文民でなければいけないという文民条項がございます。文民であるということ、まあそのときに軍人がいたかどうかという議論はさておいて、でなければいけないということ。そしてもう一つ大きな、この国会というものがどういう機能を果たすのかということだと思います。  私どもの国において、ある意味軍事の素人であるかもしれない、大臣というのがですね。かつて自衛官であった者はほとんどいないわけですね。にもかかわらず、それがなぜ文民統制の一翼を担うのか、そして議会がなぜそれを担うのかといえば、私は理由はたった一つだと思うんです。それは、主権者たる国民の審判によって当選も落選もする、政権も替わり得る。結局、主権者に基礎を置くものは国会であり、そしてまた文民たる国会議員、防衛大臣、そして内閣総理大臣、私はそういう理解をいたしております。
  116. 徳永久志

    ○徳永久志君 大臣も今ほど述べられましたように、日本国憲法では、文民統制に関する明文的な規定というのはわずかに国務大臣の文民規定を有するのみということであります。ただ、憲法上の一般的な制度として、特に国会による統制ということについては、立法権や予算承認権、条約承認権、あるいは両院の国政調査権、そういったものも含まれるんだろうというふうに思います。  こういったことを平たく私なりに言ってしまえば、自衛隊は国会、ひいては国民の監視の下に置かれるのだというふうに私はざくっと理解をしているんですが、こういう私の理解について大臣は共有をしていただけますでしょうか。
  117. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 基本的に共有をいたします。そうあるべきものだと思います。  ただ、その監視の実をどう上げるかというのは、これはかなり考えていかねばなりません。つまり、国会がきちんとした軍事的な知識を有しているか。使い方を知らない人が使うと物は壊れます。そこのところをどう考えるか。  だから、使い方を知らない、私は、このそれぞれの国において、実力においてほかの何も向かえないわけですね。警察が束になって掛かったって、あるいは海上保安庁が束になって掛かったって、自衛隊の実力には全く及ばないわけです。これをどう使うのかというそのことにおいて、国会あるいは、もちろん国会がそういう機能を果たすのは委員御指摘のとおりです、しかし同時に、内閣総理大臣、そして防衛大臣という者がどれだけの知識を持っているのかということもまた大事なんだろうと思います。そこは、それが素人であるかもしれないというリスクを凌駕するものが、それが国民の投票に基礎を置く議会であるのだということだと思います。  ただ、そこのリスクをどのようにして回避をするのかということも併せて私は文民統制を語る際に議論されねばならないことだと思います。
  118. 徳永久志

    ○徳永久志君 私の理解に対しては共有を基本的にはしていただけるということでありました。  監視という言葉がいいかどうかは別にいたしまして、その自衛隊を国会の監視の下に置くという、そういう観点から見ますと、国会承認をどう考えるのかという問題は当然出てくるんだろうと思っています。  特に、自衛隊を海外に出す場合については、事前承認、事後承認、あるいは両方とも、そういった部分が私は必要不可欠なんだろうというふうに考えておりますが、まずは一般論としてこの国会承認ということについてどのようにお考えでしょうか。
  119. 江渡聡徳

    ○副大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。  自衛隊を海外に派遣する際の国会の関与ということだと思いますけれども、国会の御議論も踏まえながら、それぞれの活動の趣旨とか目的、そのことにしっかりと照らしながら、現状での個別の法律において国会の承認とかあるいは国会への報告というものがきちんと規定されているところであるわけです。ですからこそ、その法律の中できちんとされることによってシビリアンコントロールというのは私はきちんと保たれると、そのように考えております。
  120. 徳永久志

    ○徳永久志君 今おっしゃっていただきましたところは基本的には理解をします。  特に、外国には軍を動かす場合は憲法で規定をしているところもある。しかしながら、我が国の場合は、建前上軍はないということになっておりますので、そういう明確な規定というのが憲法にはない以上、特に自衛隊を動かす場合、出す場合というのは根拠法で国会承認というものを得ていく、そういう慎重な手続が必要だと。だから、何重にも慎重な手続を重ねていって、国会全体でオーソライズをしていくことが、一つはこの立法府による統制に大きな柱になるというふうに思っておるんですけれども、この辺りの認識は同じくしていただけますでしょうか。
  121. 江渡聡徳

    ○副大臣(江渡聡徳君) 先ほどもお話しさせて……
  122. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 指名を受けてから発言をしてください。
  123. 江渡聡徳

    ○副大臣(江渡聡徳君) 済みません。
  124. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 江渡防衛大臣
  125. 江渡聡徳

    ○副大臣(江渡聡徳君) 先ほどもお話しさせていただいたわけでございますけれども、その法律あるいは規定等々の中身の問題だと私は思っているところでございます。その法律において事細かにきちんとした形のものが書かれてあって、そのこと自体で国会においてその法律が承認されたということになりますと、おのずと私はその段階でシビリアンコントロールというのはきちんと保たれているのであろうというふうに考えております。ですからこそ、国会承認を何でもかんでもというのは私はいかがかなというふうに考えているところでございます。
  126. 徳永久志

    ○徳永久志君 国会承認を何でもかんでもやっていくということがおかしいということは、これはどう理解すればいいんですかね。それは文民統制の根本から狂ってくるんじゃないですか。
  127. 江渡聡徳

    ○副大臣(江渡聡徳君) 済みません、言葉が足りなかったかもしれませんけれども。  国会承認を受ける受けないという部分におきましては、その法律の中身によることだと私は思っているところでございます。そして、その法律の中身において、内容自体によりますけれども、例えば現法の、今のテロ特措法というのは、今まで各委員会におきまして大臣等がるる御説明しているとおりでありますけれども、メニュー法なわけでございます。どの形のどのような行動をどうやっていくかと、そのことのメニューがあって、その中身をどうするかということにおいて、その中身を決定する段階において国会に承認いただくという形になるわけでございますけれども、そうじゃないような中身の形、つまりきちんといろいろ全部事細かに書かれている法律であれば、その法律が通った段階で国会の承認云々ということではなくて、私はきちんとその段階で認められたと、そのようなふうに考えております。
  128. 徳永久志

    ○徳永久志君 よく分からないんですけれども、自衛隊を海外に例えば出すという根拠法を作りましたよと、これについて国会で承認をされましたよと、その根拠となる部分については承認をしたけれども、具体的なオペレーションの部分についてはもう一度国会で議論をして承認を得る手続を取っていきましょうという、こうした慎重な手続の流れが一つ立法府による統制を担保するものではないかと思うんですが、いかがですか。
  129. 江渡聡徳

    ○副大臣(江渡聡徳君) ですから、ここのところの流れなわけでございます。その法律の部分、先生のおっしゃりたい意味は十二分に御理解しますけれども、きちんとした細かい規定まで全部書き込まれた法律、そのことが委員会、国会の中において議論がなされて、そしてそのことが可決したということになると、私はその段階で承認が得られたというふうに考えておかしくないというふうに思っているところでございます。  ただし、現在のテロ特措法のように、いろんなメニューがありますねと、その中で具体的にどのように自衛隊を海外において活動させるかということにおいては、やはりきちんとしたその中身から活動の部分を取り出してお諮りしなきゃいけないという形になるわけでございます。このときにおいては、その活動の中身ということを更にお諮りするわけですから、国会承認というものが必要であろうというふうに思っております。
  130. 徳永久志

    ○徳永久志君 メニュー法として、具体的な中身について書かれているやつは法の承認をもって国会承認とみなすみたいなことをおっしゃいましたけれども、じゃ、どういう場合に具体的な中身まで法律の中に書き込む、どういう場合には書き込まない、その辺のところというのはどう判断をしていかれるんでしょうか。
  131. 石破茂

    国務大臣石破茂君) ただいま副大臣から答弁申し上げたとおりですが、もう一度申し上げますと、このテロ特措法というのを今から六年前に作るときに、私も委員でございました。さんざん議論をいたしました、どういう法律がいいのだろうか。そのときは、何が一番日本にとって良いのかというのが分からない状況でした。しかしながら、湾岸戦争の教訓等々もあって、よもごもたってから行ったのではこれは駄目だと、やはり早くやらねばならないということが一つの要請でございました。そして、役に立つものをやらねばならないということでした。  そうしますと、あのときのことを私思い出すんですけれども、メニューを幾つか作っておこうと。その中でどれをやるか。取りあえずこれをやってみて、ほかにも必要なものがあるかもしれない。あのときは、委員も御案内のとおり、同意を得たる他国の領域というのも入っていたわけですね。そうすると、ひょっとしたらアフガニスタンの陸上で被災民を救援をすることがあるかもしれない。あるいは、パキスタンでそういうことが起こったらば、被災民というものがもし仮にいるとするならば、それもやらなければいけないかもしれない。  しかし、あの九月の、十月の非常に混乱した状況の中にあってメニューを作りました。それが協力支援活動であり、捜索救助活動であり、被災民救援活動、このメニューを三つ作りました。このメニューの中でどれかをやりますということが今のテロ特措法なのです。副大臣がメニュー法と申し上げましたのはそういう意味でございます。  その中で、じゃどれをやるのだということを閣議で決定をした、これが基本計画です。そして、それに基づきこれをやりますという実施の措置について、活動を開始した日から二十日以内に国会に付議してその承認を得るという仕組みになっておりました。  つまり、今のがなぜ事後承認という形を取っているか、そしてなぜこういう形で国会の関与をしているかというと、それがメニュー法だからです。メニュー法の中で政府が閣議でこれをやりますということを決め、それをやることについて、実施の措置について国会の御承認をいただくと、こういうことになっておりました。  ところが、今度の法律の場合には、いろんなメニューはあったけど、給水、給油というものが一番いいと、これに絞りましょうということが一点、それからどこでやりますかということも全部書きましょう、つまり、閣議決定した基本計画の事項のほとんどの部分、条文になじむほとんどの部分を法律に落とし込みました。言い方が適切でもないかもしれません、落とし込みました。  そうだとすると、この法律が可決、成立すること、すなわち、何をやるか、どこでやるか、そういうことについて国会のお許しというのか、承認というのか、いただいたということになります。これは、ロジカルに言えばそういうことになるのでありまして、メニュー法なのか実施法なのか、その法律の立て方の相違に基づくものでございます。  これを、国会の承認がないのだ、国会の承認を省略しているのだ、そういう議論がございますが、今副大臣が答弁を申し上げましたように、この法律を可決、成立させていただくこと、していただくこと、それがすなわち国会の承認なのだという考え方でございます。
  132. 徳永久志

    ○徳永久志君 よく分からないんですね。  ですから、これ、内閣の恣意によって、ある部分については法律の中に、いわゆる大臣の言葉で言うと、落とし込んでいって国会承認でそれで当ててしまう、ある部分については国会承認は根拠法の中に入れていくという、その辺が恣意的にやられてしまうことというのは、一つその手続を簡素化してしまっていることになるのではないんですかね。
  133. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 今のテロ特措法で国会承認を受けているのは、今のテロ特措法の中でどこで何をやるかということを内閣の裁量によって決めて、それがいいですかということを承認受けているわけです。  今度の法律は、どこで何をやるかまできっちり決まっちゃっているわけです。政府の裁量の余地ないんです。ですから、この法律が通ることがシビリアンコントロールそのものだと、もう単純なことでありまして、この法律でどこで何をやるかということで、政府の裁量の余地がない部分について更に承認を受けろというのは、正に日本語で普通言う屋上屋と、こういうことです。
  134. 徳永久志

    ○徳永久志君 屋上屋とおっしゃいましたけれども、やっぱり状況は刻々変化するわけでありますから、その時々に対応の変化があるわけですから、状況の変化が、ですから、そこはしっかりと二重の意味で国会承認を求めて何か不具合なことでもあるのですか。
  135. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 今の外務大臣からお答えをいただきましたが、この法律は何をやるのか、どこでやるのかまで決めている法律なわけでございますね、今度の新法というものは。そうすると、何をやるかについても、どこでやるかについてもこの法律を可決していただくことによって国会のお許しいただいた、その上に何が国会の承認というか国会の関与が必要になるのだろうかということなのでございます。  何をやるか、どこでやるかについても法律の条文に定め、それを御審議いただき、仮に御理解をいただいて、よしとして成立をさせていただいたとします。これに加えて、いかなる国会の関与が更に必要なのだろうか。こういう関与が必要だという点がもしあれば御教示賜れれば幸いでございます。
  136. 徳永久志

    ○徳永久志君 ちょっと時間もなくなってきましたので、ちょっと見方を変えまして、同様の観点になろうかと思いますけれども、今衆議院と参議院でねじれていると言われています。政府・与党内では、参議院で否決をされても衆議院の三分の二の多数で再可決すべきだとの強硬論があるようであります。憲法の定められた手続に従っているまでだと言われてしまえばそれまでですが、結果として一院の意思だけで自衛隊を海外に出すという決定をするということは、立法府の統制という観点からはどのようにお感じになられますでしょうか。
  137. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは、必ずしも私がお答えするのが適切かどうか、所管であります内閣官房の方からお答えするのが私はふさわしいのかと思いますが、あえて申し上げれば、私どもとしては、今参議院で否決をされたらどうなるかということを想定したり、あるいはその場合には衆議院で三分の二などということを申し上げる立場には政府としてございません。それは、憲法の規定はそのとおりでございましょうし、それは淡々と日本国憲法にいろんな考え方があって決まったものでございます。  しかし、私ども、まだ、衆議院におきましてこの新法の提案理由を説明をさせていただいた、そういう段階でございます。これから先、誠心誠意、衆参両院においてこの法律の意義あるいは今疑問を呈していただきました文民統制の在り方につきましても御説明を申し上げ、何とか衆参において御理解を賜り、可決、成立をさせていただきたい、そのことのみでございます。
  138. 徳永久志

    ○徳永久志君 やはり私は、一院の意思だけで自衛隊を海外に出すという前例をつくってしまうことは非常に危険が伴うのでは、今後のことに対しても危険が伴うのではないかというふうに思っています。  次に、自衛隊を国民の監視の下に置くという観点からしますと、今回の場合に当てはめますと、自衛隊がインド洋で一体何をやっているの、どういう活動をやっているのといった部分についての情報国民の前にしっかりと開示をされる必要があるというふうに思っています。  そういった観点から私たちは様々な情報の開示を求めてまいりましたが、政府の対応としては私は非常に不満に思っています。例えば、当初は国連決議日本語訳すら提出をされませんでしたし、ないと言っていた資料が突然見付かったと言われてみたり、保管すべき航泊日誌が破棄されていた、はたまたデータが間違っていたなどなどであります。  また、先日も防衛省が作成した「諸論点に対する防衛省の考え方」という資料をいただきましたが、その中には、部隊運用に支障を来すおそれがある情報関係国との信頼関係が損なわれるおそれがある情報、個人に関する情報、これを当てはめていくとほとんどすべての情報になるのではないかと思うんですが、こういった部分については開示には限界がありますよと書いてありました。  こういう状況では、本当に国民が知りたいと思う情報あるいは国民に伝えるべき情報というものが明らかにされることはもう不可能に近いのではないかという思いもするわけですけれども、大臣は、現状の情報開示の在り方についてこれで十分だというふうに思っておられるんでしょうか。
  139. 江渡聡徳

    ○副大臣(江渡聡徳君) 十分かどうかということにつきましてはいろんな御議論があるところだと思っているところでございますけれども、しかし、私どもはできるだけ、自衛隊の活動等々におきましてはですけれども、国民の方々の理解をしっかりと得ていかなきゃいけないと。そのためには、やはり種々の情報というものも開示していかなければいけないというふうに考えているところでございます。  他方、先ほど委員からお話がありましたとおり、ある程度の範囲ということは、やはり情報開示する上において我々も考慮しなきゃいけないという部分がございます。ですからこそ、その辺のところの観点を考えながら、どこまで情報開示できるかということで我々も努力しているところでございますけれども、先般、大臣の方からも、いろんな垣根はあるかもしれないけれども、できるだけ情報開示するような努力をしていただきたいというお達しがございまして、その流れの中において私ども、情報開示に努めるように、できるだけ可能な限り努めれるようなということで今努力している最中でございますし、また、今までも、急に出てきたというような先ほどお話がありましたけれども、そうではなくて、関係機関等々と調整させていただきながら、例えば補給実績の公表やあるいは種々の情報開示ということで努めてきたわけでございまして、これからもできる限り、可能な限り情報開示していくように努めていきたいと、そのように考えているところでございます。
  140. 徳永久志

    ○徳永久志君 是非とも、先ほど石破大臣文民統制の総論の部分で、軍事に関する知識を十分に知っていることが大切だと、政治の側がですね、ということもおっしゃいましたので、その前提となる情報の開示というのはやっぱりその大前提だと思いますので、一層積極的な開示を求めておきたいというふうに思います。  次に、補給艦「ときわ」の給油量の取り違え問題についてであります。これはもう私は、文民統制の根幹を揺るがす大問題というふうに思っています。  そこで、まず、担当課長さんはその誤りに気付いていたが、キティーホークへの間接給油問題が鎮静化しつつあったことを考えて上司に報告をしなかったということだそうです。これ、当時もこのキティーホークへの間接給油問題、政治問題化していたわけでありまして、この政治問題化していたことについて鎮静化しつつあるというふうに考えて報告しなかったというけど、これは立派な政治判断を行っているということになるのではないんですかね。政治介入とまでは言いませんけれども、これはもう立派な政治判断ですから、これはもう文民統制の視点からすれば一番やってはいけないことではないのかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか、大臣
  141. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 私は、今ここに三年ぶりに座りまして当時のことをありありと思い出しているのですが、私自身、鎮静化しつつあるなんて認識全くなかったですよ、それは。先ほど、犬塚委員からでしたか白眞勲委員からでしたか、その当時の議事録についてのおただしがありました。そのことを思い出しますと、鎮静化しつつあるなんて全く思っていません。それはもう私自身、本当にどうやってきちんとした答弁を申し上げるかということで本当に日々もう悩んでおったというのか、そういうような時期でございます。そのときに担当課長さん、これが鎮静化しつつあったなどと判断をされてたまるか。そんな判断をしていいはずがない。そして、国会において誤った数字が述べられている。統合幕僚長がそういう数字を述べ、官房長官が述べ、その辺りで気が付いたにもかかわらず、それからまた防衛庁長官が誤った数字について答えている。気が付いたのに上に言わない、そんなばかなことがあってたまるかと私は本当にそう思います。これは文民統制という観点から絶対にあってはならないことであって、それはもう正直言えばとんでもない話だと私は思います。  政治判断かどうかは別にして、そんな判断をそのレベルで行っていいことでは全くありません。
  142. 徳永久志

    ○徳永久志君 大分怒りに満ちた御答弁があったわけでございますけれども、是非そういった対処をしていただきたいと思います。  にもかかわらず、防衛省全体の危機意識というのは本当に高まってきていて、しっかりしないといけないという思いになっておられるのかどうかという部分なんですが、新聞報道によりますと、防衛省が作成をした当初の報告書では、今設置をされております文民統制を確保するための検討委員会の設置が盛り込まれていなかったと、ある政党に指摘をされて慌てて盛り込んだんだということが報道されておるわけなんですけれども、これは事実でしょうか。
  143. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 与党であります公明党の御指摘、あるいは自由民主党からも指摘をちょうだいをしたことは事実でございます。  危機意識がなかったかといえば必ずしもそうではないんですが、私は、これは相当に組織的、構造的な問題だということを申し上げてまいりました。事実をきちんと掌握をした上で関係者を処分すればそれでおしまいなんぞという生易しいお話だと正直言って思っていません。これは防衛省の、防衛省・自衛隊の組織論の問題だと本当に私は思います。それをきちんとするためには、そう一朝一夕にできることではない。  今回の再発防止委員会みたいなものであれば、それはもう、何というんでしょう、その場でやるのは当たり前のことだと思って書き込まなかったものです。公明党さんからの御指摘も自民党からの御指摘も、もっと本質的なものをちゃんと正せと、文民統制の在り方をちゃんと正せと、そういうような御指摘かと思って、私もそれだったらこういう、何というのか、大上段にかぶったような、構えたようなネーミングかもしれませんが、あえて文民統制どうあるべきかという委員会を立ち上げたのはそういう理由に基づくものでございます。危機意識は物すごく持っています。ですけれども、その場で、そのときが過ぎれば事成れりみたいなことは絶対に駄目だ。  是非国会における御議論も私たち聞かせていただきたいのですけれども、もう一つは、情報をどうするかというときに国会の関与をどうするかということだと思うのです。委員も地方議会の経験長くていらっしゃいますが、じゃ、海外の議会において、一般に開示してはいけないけれどクリアランスを得た議員だけはアクセスしてもいいって、そういう仕組みを普通の国は持っていますね。我が国は基本的にないですね、参議院規則の一部にあるだけですね。本当にそれでいいだろうかということも含めて、我が省の問題、文民統制のいろんな主体において何が共有されるべきか、その場合に守るべき秘密は何か、その場合に課されるべき義務は何か、そういうことまで含めて、是非こういう場でこうあるべきだ。私どもで委員会を立ち上げました。しかし、与野党、野党からこうあるべきじゃないかという御指摘は是非ちょうだいをしたいと思っているのです。
  144. 徳永久志

    ○徳永久志君 是非一緒に議論をさせていただきたいというふうに思いますし、また、この検討委員会は、報道によりますと、内部の方々を中心ではないんですかね。
  145. 石破茂

    国務大臣石破茂君) それは私その場で申し上げました。外部の方もお呼びをすると、内部だけでこれでおしまいということにはならない。ただ、委員ということにしますとまた身分を伴うことでございますので、外部の有識者の方、むしろ防衛省の在り方、防衛行政について今まで非常に批判的なことをおっしゃっておられた方、そういう方をお招きしてきちんとした議論を聞くべきだということを私は会議の席で申し上げました。  是非国会でも御意見を拝聴できればとても幸いであります。
  146. 徳永久志

    ○徳永久志君 日本文民統制は、どちらかといえば文官統制といいますか、内局官僚による文官統制の側面が強いという指摘もなされているわけであります。今回の検討委員会、是非、気が付いてみれば文官統制が強化されたというようなことにならないように是非ともお願いをしておきたいと思います。  以上で質問を終わります。
  147. 山本一太

    ○山本一太君 高村外務大臣石破防衛大臣に御質問をさせていただく前に、一言だけお話ししたいことがございます。  私もこの外交防衛委員会かなり長くなりまして、過去は委員長も務めさせていただきましたし、理事も何度もやらせていただきました。この外交防衛委員会、かなり様変わりをいたしました。両大臣御存じのとおり、七月の参議院選挙で参議院の方は民主党が野党第一党になったということで、(発言する者あり)この野党第一党、ごめんなさい、第一党になったと。失礼いたしました。  ということで、ある意味未体験ゾーンの国会になっているわけなんですが、先ほども民主党の委員の方からお話ありましたけれども、衆議院と参議院でねじれが生じまして、これはまあ与党にとっては、また政府にとってもそうですが、かなり厳しい政権運営を強いられるということなんですけれども、私はこれを前向きにとらえていきたいというふうに思っています。  それは、この五、六年ずっと外交防衛委員会におりまして、質疑をしていく中でも、これは法案審議についてももちろんそうなんですけれども、与野党という視点よりもどうも政と官の議論の色彩が強いというような、こういう感じがしておりましたけれども、今国会で衆議院と参議院がねじれたことによって、これは正に物事を決めていく上で与野党協議でやっていかなければいけないと、こういう状況がつくられたわけです。  参議院は、ある意味でいうと、新たにこれはもう議論の府として再スタートをすると、こういう意気込みでやっていきたいと思いますし、外交防衛委員会は諸外国に例もない外交と安全保障を一緒にやっちゃおうという恐るべき委員会でございまして、ここが参議院の新しい議論の中心になると思いますので、そういう意味でしっかり議論をさせていただきたいと思いますので、両大臣におかれましても、もちろん全身全霊で大臣を務められておられると思いますが、新たなお気持ちを持って是非質疑に御参加をいただければと思います。  さて、質問に入りたいと思いますが、現時点での日本外交、そして安全保障の最も喫緊で重要な問題は、これはもう間違いなくテロ特措法の問題だというふうに認識をしております。政治は生き物ですから、国会情勢はどんどんどんどん変わっていくと。しかも、参議院で第一党である民主党が現時点ではこの法案に反対をしているということで、なかなかこの法案を成立させるということは簡単ではないと思いますが、しかしながら、これはもう両大臣予算委員会等々でも答弁をされているとおり、この法律を通すことは日本の国益にとって極めて重要であると私も強く考えております。  これはもちろん国会の状況にもよりますけれども、町村官房長官も先般、政策集団の昼食会で、今国会で成立させるために不退転の思いで臨むというふうにおっしゃいました。是非、両大臣、もちろん国会の情勢等々ありますけれども、この法案の重要性を踏まえて、今国会で是非この法案を成立させるという御決意を高村大臣石破大臣にそれぞれいただきたいと思います。
  148. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 自衛隊の海上補給活動国際社会から期待されて、また日本の国益にもなることでありますから、どうも中断せざるを得ないような可能性が高まってきておりますが、仮に中断するにしても、その期間、中断する時間はできるだけ短くする必要があると思います。是非今国会で成立さするべく、石破大臣に倣って懇切丁寧に誠心誠意説明をしていきたい、そして国民と野党の皆様に御理解を賜りたいと、こういうふうに思っております。
  149. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 先ほど文民統制議論がございました。シビリアンコントロールというのを考えるときに、今までは、どうやって軍隊が、普通の国で言う軍隊が実力をもって政治に対して何か行動を起こすことがないようにするかという考え方がシビリアンコントロールだったんだと思うんです。だけれども、これからは実力組織を使ってどう日本の国益を確保するか、実力組織を使ってどうやって国際社会のために責任を果たすかという意味での管理するという概念から、使う、先ほどの御質問にまさしくありましたように、ユーザーは国民なのです。我々がこの自衛隊の能力を使ってどんな国益を確保するのかという議論がなされるべきだと思います。そこをずっと、テロ特措法を成立させたときから、これが日本の国益であり、日本の果たすべき国際的な責任である、そしてこの活動日本の海上自衛隊の高い能力をもって初めてなし得るものであって、ほかにこんな能力を持った国はたくさんないのだと、だから日本がやるのだという議論だったはずです。  これから先、じゃ、もうそれは要らないのだとするならばなぜなのか、そのことをきちんきちんと議論をしていただいて、私たちはこれが必要だと思っています。ですから、不退転の決意で臨むのは国益の観点からして当然のことだと私は思います。
  150. 山本一太

    ○山本一太君 ありがとうございました。  この新しいテロ特措法の話は、参議院に法案が送られてきた時点で私も徹底的に質疑をさせていただこうというふうに思います。今日は細かい点は触れるつもりはありません。衆参の予算委員会でも相当議論をされてまいりましたし、石破大臣と浅尾ネクスト防衛大臣議論も、日本記者クラブ主催の会の議論も読ませていただきましたけれども、細かい点はともかくとして、この新しいテロ新法について、私は二つだけちょっと両大臣の御見解を伺いたい点があるんです。  一つは、この新しいテロ特措法の議論を通じて浮かび上がった民主党の小沢党首の考え方、特に私がちょっと違和感を覚えるのは、小沢党首の国連至上主義といいますか国連原理主義的な考え方なんです。  よく野党の方からも議論が出てくるんですけれども、これは安保理決議に書いていないとか安保理決議ではっきりここを言っていないとか、そういう話があるんですけれども、どうもその小沢党首の考え方を拝見をさせていただくと、どうも安保理決議が一種の神の御託宣であるかのような、そういう御認識を持っているんじゃないかと思うときがあるんですね。  私もニューヨークの国連機関に勤務したことがあります。これは安全保障の分野ではなかったんですが、国連の雰囲気というものをずっと三年間感じてきたんですが、正に国連は各国が国益を懸けてせめぎ合う場所であって、別に国連という平和の殿堂があるわけじゃなくて、加盟国によっていい子にも悪い子にもなるということなんだと思うんです。ましてや、安保理決議はもうぎりぎりの状況でメンバー国がそれぞれの国の事情とかあるいは国益を懸けてせめぎ合ってまとめると。つまり、妥協しながら作っていくものであって、私は、例えば安保理決議においてある国が経済制裁の決議をやっているときに、いやいや、実はうちの国の事情でこういう企業とこういう企業を外しましょうみたいな議論をしながら最後に出てくるのが安保理決議だと思うんです。  つまり、安保理決議において、もうこの安保理決議を見れば一〇〇%こういう行動しかないとかこの解釈しかないということ自体が、実は私はあると考える方が不自然であるというふうに思っているんですが、この件について高村大臣石破大臣の御意見を伺いたいと思います。この国連至上主義的な、場合によっては安保理決議日本国憲法の上位に位置されるかのようなこの考え方についてどう思われるか、それぞれ御意見を伺いたいと思います。(発言する者あり)あっ、代表、失礼しました。小沢代表。訂正いたします。済みません。
  151. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 国連に代わるべき機関というのは今ないわけでありますから、私も精一杯国連を尊重してまいりたいと、こう思っているんですが、ただ、そうだからといって、国連決議があれば武力行使、海外での武力行使も可能だとか、あるいは国連決議がなかったら後方支援も一切駄目なんだとか、そういう考え方は少なくとも日本国政府が一貫して取ってきている考え方と相入れないということは、これは客観的な事実だと思います。  小沢代表の考え方は考え方として、日本国政府が取ってきた考え方、これも三年前とか五年前から取り始めた考え方じゃなくて、もう何十年も前から一貫して取ってきた考え方と全く相入れないということは言えるんだろうと思います。典型的な意味の国連軍でもできた暁にはいろんな考え方があると思います。いろんな考え方があると思いますが、ただ、国連決議があったから主権国家日本がそれにすべて拘束されてしまうとか、あるいは我が国の憲法のエクスキューズになるとか、そういうことには、まあ普通の法律的センスからいえば、なり得るはずがないと私は思っています。
  152. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 昨日、中華人民共和国人民解放軍の佐官級の方々が三十人ぐらい大臣室を御訪問になりました。これは毎年、日本と中国のいわゆる制服組が行き来しているものでございます。そこでこういう議論をいたしました。ユナイテッドネーションズを日本では国際連合と訳していると。中国ではどう訳しているか。御存じの方も多かろうと思いますが、中国ではそのものずばり連合国と訳しているのでございます。国際連合とは訳しておりません。フランス語におきましてもスペイン語におきましても、主権国連機関的な訳がなされておるはずでございます。で、それを国際連合というふうに訳した。これは一体どういうことなのかはつまびらかではございませんが、それは世界政府ではないのだ、あくまでユナイテッドネーションズなのだという正確な理解をしないと私は誤ることがあるのだろうと思っています。  そして、EUというような組織と、じゃ国際連合、それは国連憲章とEUの規約がどう違っているか、そしてEUと各国との関係、主権がどのように制限をされるか、それはどのような条約に基づくものであり、各国の議会においてどのように批准をされているか、そこまで精緻に議論をしないというのは、私は国連中心主義を唱える我が国であればこそ精緻な議論をしないと事を誤るもとになるのだと思います。  外務大臣が答弁されましたように、じゃ、我が国の主権はどうなるのだ、国連がこう言っているから、じゃ、いいのだというような、もちろん理想はそうなのでしょう。ただ、それを可能あらしむるための精緻な議論というのをまさしく議会において私ども真摯に謙虚に承りたいと思っておるところでございます。
  153. 山本一太

    ○山本一太君 ありがとうございました。  私は安保理決議は、もちろんある意味でいうと国際社会のコンセンサスであって、できるだけ尊重しなければいけないと思いますが、この安保理決議の中身に沿ってそれぞれの国がそれぞれの事情で、国益を踏まえながら、やれるべきことはやるというのが、これが正しい安保理決議理解の仕方だと思っております。  さて、もう一つ、実はこのテロ新法の議論の中で大臣の御見解を伺いたいことがあるんですけれども、私は長い間国際貢献に携わってまいりました。政治家になる前も援助の仕事をやっておりましたので、かなり長く国際貢献のことを考える時間があったわけなんですけれども、国際貢献にもやはり私は費用対効果というのがあると思います。やはり限られた外交リソース、安全保障のリソースの中で、何をやったら最も効果的なアピールができるかと、こういうことも十分実は考えていかなければいけないというふうに考えています。  高村大臣のたしか御答弁だったと思いますが、この海上阻止活動ですか、このインド洋での海上自衛隊の補給活動はローコスト、ローリスク・ハイリターンであると、こういうふうに高村大臣がおっしゃいました。これ、民間の企業で例えれば、このくらいローコスト、あっ、ローリスク・ハイリターンのプロジェクトがあって、それをやめるということになると、これは株主が文句を言うんじゃないかと、こんなふうにおっしゃった。すなわち、比較的安全な海域といいますか地域で貢献をし、しかもそれが国際社会に高く評価をされていると。  恐らくこの海上の阻止活動に使っているお金は六百億とか七百億とか、そういう単位だと思いますけれども、あの湾岸戦争のときは、新しい税までつくって一兆円以上のお金を使って感謝されなかった。やはり国際貢献とこのコストパフォーマンスという言い方はなかなかそぐわないようにも思いますけれども、そういう観点からこの活動高村大臣がどうとらえておられるのか、石破大臣がそういう観点からこの活動の意義をどのように考えておられるか、御答弁をいただきたいと思います。
  154. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 湾岸戦争のときは、あのときはわざわざ新しい税をつくって、国民一人当たり、赤ん坊からおじいさん、おばあさんまで一万円以上集めて、こういうことをやった国は世界にないわけでありますが、一兆円を超えるお金を拠出したと。しかし、クウェートが大きな感謝広告を出したとき、各国の国旗があったけれども日章旗はどこにもなかったと。リスクはともかく、ハイコスト・ローリターンの正に国際貢献であったかと思います。  今度の海上給油活動は、比較的リスクは高くない、日本の技術をもってすれば比較的リスクは高くない、コストも二百億円ぐらいだと私は承知しておりますが、そういう中で、日本にとって物すごく大切なインド洋を平和の海にする、テロリストの自由の海にさせない。テロリストの自由の海というのは、テロリストがインド洋を通って世界に拡散する、あるいは逆に、武器をインド洋を通って自由に調達する、ケシからできるあへんを自由に売って資金を調達する、テロリストが。そしてタンカーにテロを仕掛ける、そういったことを自由にさせない、そういう海上阻止活動に対する基盤をつくっているんですね、補給。  こういうことで、我が国自身のタンカーが日本に来るために我が国に直接的な国益にもなるし、そして世界から高く評価されている、これは中長期的な国益にもつながっていくと。これだけ高いリターンがあってリスクは低い、コストもそれほど高くない、そういう、正に民間事業でいえばもうかっている。もうかっている事業をやめて、よく分からない事業、リスクも高いし、もうかるかどうかも分かんない事業を始めましょうよと言ったら、民間企業の株主はとても許さないだろうということを前にテレビか何かで申し上げたことはあるんですが、今でもその気持ちに変わりはございません。
  155. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 何をリスクとして計算し、何をリターンとするかという一種の貸借対照表的なイメージをどうするかというのは、またいろんな御議論があるものだと思います。お金に換えられないものもあるでしょうし、そういう価値もあるのだろうと思います。  ただ、私は今年も去年もインド洋行ってまいりました。それはもう、温度は四十五度、百葉箱の温度計で測って四十五度ですから、体感温度といったらもう五十五度とか六十度の世界ですよね。甲板は七十五度に焼けているわけですね。海の上ですから湿度は物すごく高いんで、不快指数は一〇三とかそういう世界でありまして、私も結構体力派のつもりなのですが、もう一時間立っているだけで足下がふらつくような、そういうところでこのオペレーションがなし得る海軍、私どもでいえば海上自衛隊、これ、世界じゅうにそんなにないなということは本当に実感ができます。  そして、船は補給しているときが一番弱いわけですよね。ホースでつながっているし、何せ燃料を補給しているわけですから、ちょっとでも火の気があれば両方吹っ飛んでしまうような物すごく危険な状況の中で何時間も補給ができるという能力は、世界数か国しか持っていない。  そういうことがどれだけこの全体のオペレーションに役に立っているかというのは、フランスの船、去年見ました。今年はパキスタンの船でした。それ、本当にありがとうというのが本当に伝わる、それは、日本がやるべきことというのはこれなんだということが本当に実感をできました。  ローリスクかハイリターンか、それは計算の仕方によるでしょう。ですけれども、これが本当にこの全体のテロとの戦いの中で大きな役割を果たしているものであり、日本の自衛隊がまさしくなし得るものだということは、私、実際に見てきた者として本当に実感として申し上げられることでございます。
  156. 山本一太

    ○山本一太君 ありがとうございました。  この新しいテロ特措法の議論は、この委員会に法案が来たときにじっくりやらせていただきたいと思います。ちょっとこれで時間を取り過ぎちゃったんですが。  防衛関係の問題は次に質問に立つ同僚の浅野委員の方からいろいろとあると思いますので、ここからは少し外交を中心に高村大臣にお聞きをしていきたいと思います。  大臣外務大臣に御就任をされたと。安倍前総理は、外交というと価値観外交ということをよくおっしゃったというふうに記憶をしています。高村大臣の前任の麻生太郎外務大臣は、自由と繁栄の弧でしたでしょうか、こういう構想をかなり大々的に打ち出された。高村大臣は、たしか新聞のインタビューとかテレビの報道番組で、余り何か自分は大上段に何かをかざしていくタイプではないと、あんまりそんなにキャラが立ってないというようなことをおっしゃって、どちらかというと静かな外交かなというふうにおっしゃったんですが、高村大臣外交を一言で言うとどういう外交でしょうか。高村外交はどういう外交でしょうか。
  157. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 高村外交はどういう外交だと大上段に振りかぶらない外交でありまして、日本外交って昔から、例えば経済協力するにしても、ある国にどういう国になってもらいたいという気持ちがあってやっているわけですよ。それは不自由な国より自由な国になってもらいたい、民主的な国になってもらいたい、市場化を進めてもらいたい、基本的人権大切にしてもらいたい、そして我が国と仲良くやってもらいたい、国際社会の中でみんなと協調してやってもらいたい、そういう国になってもらいたいと思って経済協力なんかをやっているわけですね。  ただ、それをあんまり、それぞれの発展段階においてそれをどういうふうに言うかによって内政干渉と感ずる国もあるわけです、段階によって。だから、なるべく内政干渉と感じていただかないような方法で我々の期待を実現していくということが大切なのではないかなと、こういう感じを前々から持ってましたんで、自由だとか民主主義だとか基本的人権だとかあるいは市場化だとか、そういった価値観はもちろん持つんですが、それをどこまで声高に言うか言わないかという形はあると思うんです。  だから、安倍総理が主張する外交ということをおっしゃって、私は主張する外交、結構なことだと思いますが、日本には日本流の主張の仕方があると、余り声高でない静かな主張の仕方があるというのが私の感じ方であります。
  158. 山本一太

    ○山本一太君 今月の外交専門誌のフォーリン・アフェアーズだったと思いますけれども、今、アメリカの大統領選挙で民主党候補の指名レースのトップを行くヒラリー・クリントン上院議員が、大統領になったときの政策についてこのフォーリン・アフェアーズの中で発表されています。  昨日ちょっとその原文をずっと英語で読んでみたんですが、日本という言葉がほとんど出てこないと。その代わりにヒラリー上院議員が言っているのは、新しい世紀においては米中関係こそ世界で最も重要な二国関係であると。これ、何か昔聞いたせりふなんですけど、どこかの大使がおっしゃった覚えがあるんですが、そういうふうに明言をして、アジア政策の基軸は中国だというふうに少なくともこのヒラリー上院議員は考えている。日本が出てくるのは二か所ぐらいで、中国と日本とか、あるいはインドとオーストラリアと日本とかいう形になっていまして、よく最近ワシントンの議会のスタッフの友達なんかと話しても出てくるんですけれども、どうもワシントンでは日本がマージナライズされていると、すなわち日本の問題というのはかなりもう極小化しちゃって、中国がどんどんどんどん話題に上るようになっているということをよくみんなが言います。  これはもちろん、アメリカには民主党だけじゃなくて共和党もあるんであって、共和党のジュリアーニ前ニューヨーク市長とかマケイン上院議員とかは、大体、演説をしたり政策を発表すると日米関係というものが出てくるんですけれども、全体的な流れからいってこれからなかなか日米関係のかじ取りは難しいなと、場合によっては、アメリカと中国という二つの大きな極の中で日本がどうやって外交関係を進めていくのかと、正に正念場が来ていると思うんですが、高村大臣はこういう状況を受けて、中国の台頭という、これは抑えることのできない時代の流れだと思いますけれども、こういう中で日米関係をどうやって強化をして維持をしていくかということについて、大臣の御見解を伺いたいと思います。
  159. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) かつてある大使が、世界の中で最も重要な二国間関係は日米関係だと、こうおっしゃったころは恐らく日米で貿易摩擦なんかがあったころじゃないかと思うんですね。だから、今中国が台頭している中で、この台頭する中国とうまくやっていかなきゃいけないということと、やっぱり厄介な点があるねと、だから、これは本当、下手をすると困るねということで、非常に大きなアメリカにとっての外交課題という面もあるんだろうと思うんですね。    〔委員長退席、理事浅尾慶一郎君着席〕  日米関係というのは、非常にもうある程度お互いに空気とか水みたいなもので、これからまた水もまた空気もいろいろ問題になってくることもあるかもしれませんが、新たにプラス面もそれほどない、どんと大きくプラスに転ずる点もないかもしれないけど、ひどいことに日米関係がなる可能性もないねというと、外交課題としてはどうしても小さくなるかもしれない。  私は、むしろ今、当面心配しているのは、日米の摩擦が幾つか当面、新たな摩擦が出てくるのではないかということを大変危惧をしています。例えば、このテロ特措法が中断した、それがまた新しい新法も通らない、自衛隊の活動できない、そして海上阻止活動をやっている前に日本のタンカーだけがどんどん通っていく、同盟国としては日本は何やっているんだと、国際貢献もしないのかと、そういう感じが、この問題だけじゃなくて幾つかの問題で、私は、アメリカの関心が今取りあえず中国に向いているということを心配する以上に、変な関心が出てきて日米関係がおかしくなることをとても心配していると。  長い目では日本よりも中国の存在が大きくなってくる、中国の存在が大きくなること自体は止められないにしても、日本の存在が小さくなるということは、それは何とか日本が頑張って、国際社会の中でやるべきことをやって、そして日本自身も経済力その他の文化発信力、その他いろんな力を付けて、そして日本日本の存在を小さくならないようにしていくということは、これはやっていかなければいけない話だと、こう思います。
  160. 山本一太

    ○山本一太君 高村大臣は日中議員連盟の会長もなさっているということで、中国のことよく御存じだと思いますが、中国の方も今度の党大会で新しい指導部が決まったということで、いわゆる第五世代と言われている方々の中から二人が政治局の常務委員に抜てきをされると。ここら辺から次の新しいリーダーが出てくるんだと思いますが、新しい中国とまた日本は向き合っていかなければいけないわけですけれども、少し中国の問題をお聞きしようと思ったんですが、時間が随分なくなってきましたので、また改めて中国の問題をいろいろと対中政策についてお聞きをすることにして、北朝鮮問題について一つか二つ高村大臣に伺っておきたいと思います。  先ほど白委員の御質問の中にもありましたけれども、北朝鮮に対して対話と圧力のアプローチをやっていくということはこれは不変だと、これはもう維持するんだというふうに高村大臣はおっしゃっています。よく、対話と圧力どちらかに重きを置くという問題ではないと。基本的に、圧力を掛けるのも、別に北朝鮮をいじめる目的ではなくて、北朝鮮から譲歩を引き出すためなんだというのはそのとおりなんだと思うんですね。  ただ、私は実は、日本政府は対話が先なのか、それともまず圧力に重きを置くのかということを言うことは実は外交的に大きなメッセージがあると、これは違うというふうに思っています。安倍政権ははっきり言って、どちらかというと圧力を前面に出して対話を引き出すという姿勢だった。福田政権になってから、どちらかといえば対話路線を充実させていきたいと、こういうメッセージが見え隠れをする。その日本の側のメッセージに対して北朝鮮が反応しているわけなんで、改めてお聞きしたいと思いますが、高村大臣は、対話と圧力、もちろん両方必要だと思います。状況によって対話が先になるときと圧力が先になるときというのはあると思います。しかしながら、感覚として、安倍政権の時代に比べてもうちょっと対話を押し出した方がいい時期だと思われるのか、それとも、麻生前外務大臣がおっしゃっているように、やはりまず圧力ありきでなければ対話はなかなか引き出せないと、そういうお立場なのか、そこら辺、いかがでしょうか。
  161. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 余り最初からそう決め付けない方がいいと思うんです。どっちが、どっち優先だと決め付けない方がいいと思うんですね。圧力が必要なときは圧力を掛けざるを得ないし、掛けなくてもいいときはすんなり対話に入っていけばいいと。そして、日朝間の諸問題を解決する方向に具体的な行動を取ってもらうように促す、そのためにどっちがいいかという話だと思うんですね。  ただ、大きな観点からいうと、大きな観点からいうと、ちょうど十年前だと思うんですが、私が外務政務次官だったときに、拉致問題の解決なくして国交正常化なし、国交正常化なくして経済協力なしと。多分これは私が最初に言った言葉だと思うんですけれども、ほかにもっと先に言った人がいるかもしれませんが、そういうことを言ったと。その当時のことを考えれば、拉致問題という問題を日朝の協議で出した途端に相手は席を立って帰っちゃうような状態のときなんですね。そういうときに、やはり相手が、北朝鮮側がのどから手が出るほど欲しい過去の清算としての大型経済協力というのは、この問題解決して国交正常化なくして絶対駄目なんですよと。だからそれを、この過去の清算としての大型経済援助をてこに彼らに少しでもそれを進めさせようということで言った言葉なんですけれども、それだけじゃなくて、拉致問題を解決するてことしてじゃなくて、福田総理の場合はもっと積極的に、日朝国交正常化したいんだと、不幸な過去も清算したいんだと、こういうことを押し出すことによって北朝鮮のインセンティブを、拉致問題解決したい、拉致だけじゃなくて核もミサイルもなんですけれども、そういうインセンティブをより強めるように今、福田総理はしておられるんだと思うんですね。  だから、そういう大戦略の中に入って私も行動していきたいと、こういうふうに考えております。    〔理事浅尾慶一郎君退席、委員長着席〕
  162. 山本一太

    ○山本一太君 今外務大臣の方からインセンティブという話がありました。北朝鮮問題は、特に核の問題を含めて六か国協議でやるという流れになっているわけですけれども、それでは、日朝の間の交渉を考えてみたときに、北朝鮮にとって日本と交渉するためのインセンティブは何だろうと、やはり余り材料がなくなってきているんだと思うんですね。  一つは、高村外務大臣国連の演説でもおっしゃった過去の清算、これは大型経済協力のことだと思うんですけれども、こういうものはあるんですけれども、どうも今の六か国協議状況を見ると、日本の交渉力、バーゲニングパワーというものが落ちている気がしてならない。  そういう中で、日本が直接決定を下せない問題ではあるとしても、これも先ほど質問の中で出ていましたけれども、北朝鮮が強く望んでいるアメリカのテロ支援国家指定、これについて是非外務大臣の御意見を伺いたいんですが、先般の合意文書の中では、テロ国家指定を外す期限は明記されなかったと。大臣も、これはアメリカ側が日本に配慮をしてくれた結果だというふうにおっしゃっているんですけれども、どうも全体の流れを見てみると、やっぱりアメリカはテロ支援国家指定を解除する方向に動いていくんじゃないだろうかと、こういう気がしております。これは、議会のレベルでも、これは当然議会の同意が必要な局面になってくると思うので、いろいろと働き掛けていきたいと思うんです。  このテロ支援国家指定が安易に外れることは、これは日本にとっては一つ交渉材料を失うということだと思うんですけれども、そこら辺の高村大臣の御認識と、政府としてこのテロ支援国家指定解除の問題にどうやって取り組んでいくのかということを最後にお聞きをしたいと思います。
  163. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 私自身、ライス国務長官に、この問題は、日朝関係を進める上でも、我々がこのテロ支援国家指定の問題をてこに使わせてもらっているんだから、これを安易になくしちゃうと日朝関係は進む正にてこがなくなってしまうんだと、だからそこは、拉致ということ自体は国家テロなんだし、そういう理屈はともかくとして、日朝を進めるためにもこのことを安易に解除しないことが大切なんだということを申し上げました。それに対しては、日本の立場はよく理解していると、そういうことを言っておられました。  今も佐々江局長がアメリカに行っていろいろこの問題も含めて話をしているところですが、私たちとすれば、あくまで、今までアメリカが言ってきた核の問題を、非核化作業が進むことが大事だと、それと同時に日朝関係も考慮すると、こういうことを言っているわけでありますから、その言葉どおりちゃんとしてくださいねということは言い続けたいと。今、言い続けたいというよりも、言い続けております。  アメリカは、やはり一番、非核化を進めたいという、それにこれをバーゲニングパワーとして使いたいということで、現に使いつつあるということはそれは事実なんですよ。それと同時に、拉致の問題を含む日朝関係を進めるためのバーゲニングパワーとして日本にも使わせてほしいというのがアメリカに対する我が方の要求であり、要請であり、アメリカはそれについては配慮はすると、こういうことを言っているというのが今の現状であります。
  164. 山本一太

    ○山本一太君 是非この問題については外務大臣のリーダーシップでアメリカに働き掛けていただきたいと思います。  終わります。ありがとうございました。
  165. 浅野勝人

    ○浅野勝人君 先ごろまで私は外務大臣の職にありましたので、外交案件について質問するのはまだ生々しくて、自分の顔につばする思いがしますので、今日のところは防衛省の問題に限らせていただきます。  外務省でも防衛省でも同じなんですが、私は、公の機関ないしは公の立場にある個人に対する物差しは、一般社会の常識、しゃばの常識を基準にせよと、しゃばの常識を基準にしなけりゃ駄目だと言い続けてまいりました。その意味では、今回の守屋氏の行動は、違法行為の詰めは捜査当局にゆだねるにしても、世間の人々は、税金を使って仕事をしているという意識がまるでないことにあきれております。防衛庁・自衛隊は国家の存立を死守する、余人をもって代え難い仕事をしているから膨大な税金を使うことが許されているのに、事務方のトップがそのことをないがしろにして権力の座に安住していたのでは話になりません。立法府と行政府と立場の違いはありますけれども、同じ公人としてざんきの念に堪えません。  石破大臣の思いを重ねて確かめておきます。
  166. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 私、委員と全く同じ思いであります。  私、三年前、防衛庁を去りますときに、たしかこんな訓辞をしたような覚えがあるのです。防衛庁・自衛隊というのは、委員おっしゃったように、国民最後のよりどころなのだと、最後に国の独立と平和を守るのは防衛庁・自衛隊なのであり、さればこそこの組織は日本国にあるありとあらゆる組織の中で最も規律厳正であり、最も信頼に足るものでなければならないのだということを私は申し上げた記憶がございます。  そして、この報道されているようなことが行われました時期は、我々において有事法制が審議をされ、イラク特措法審議をされ、そしてイラク特措法に基づいて陸上自衛隊をサマーワに派遣をしていた時期であります。航空自衛隊をクウェートに派遣していた時期であります。そして、海上自衛隊はまさしくインド洋において過酷なオペレーションを行っていた時期なのです。私も、そしてまた副長官あるいは政務官、圧倒的多数の背広、制服を問わず自衛隊員たちが、本当に不眠不休で歯を食いしばって、土日返上で昼夜も分かたず働いておった時期なのです。正直言って、その時期に何ですかという憤り。  本当に、事に臨んでは危険を顧みず、身を挺して職務の完遂に努め、もって国民の負託にこたえるという自衛隊員の、委員も政務次官をお務めであったからよく御案内かと思いますが、私どもの防衛省・自衛隊というのは、背広、制服を問わず自衛隊員なのです。事務次官も自衛隊員なのです。服務の宣誓をしているのです。そのときにその宣誓をした人が、私は残念でなりませんし、正直言えば悔しい思いがいたしています。  国民の皆様方に本当に申し訳のないことだと思っております。
  167. 浅野勝人

    ○浅野勝人君 出来事というのはきっかけがあるものです。今回の問題は、CXエンジンをどこの企業が輸入して防衛省に納入するかをめぐる商戦のあおりだと私は思っております。  守屋氏が二十年来の付き合いと述べている相方の人、防衛省からA級競争入札業者の認定を受けている山田洋行から独立して日本ミライズという会社を立ち上げた山田洋行の元専務のこの方は、かつて航空自衛隊に在籍していた経歴がありますか。
  168. 江渡聡徳

    ○副大臣(江渡聡徳君) 御指摘の山田洋行の元専務でございますけれども、かつて航空自衛隊に在籍しておりまして、そして昭和四十年に退職しているところでございます。  なお、それ以上の細かい経歴等におきましては、この御当人の元専務の了承も得られておりませんので、現時点におきましては、個人のプライバシーの問題もございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
  169. 浅野勝人

    ○浅野勝人君 それで結構です。  守屋氏が内局の航空機課長をしていたときとこの人が航空自衛隊の幕にいたときとオーバーラップしているのかなと思って聞いたんですけれども、年齢の差から判断すると、ダブってはいないでしょう。この人が航空自衛隊を辞めて山田洋行に転職してから何らかのきっかけで付き合いが始まったんだろうなと想像をします。  したがって、今回の出来事もこれまでと同じように公務員と民間業者との関係が問われていますが、特に防衛省・自衛隊の場合は、内局と各幕とのありよう、別の言い方をしたら、文民統制に対する隊員の意識に強い疑問が投げ掛けられていることになるんです。  大臣、これは重大な問題提起ではありませんか。
  170. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 副大臣から。
  171. 浅野勝人

    ○浅野勝人君 副大臣、お願いします。
  172. 江渡聡徳

    ○副大臣(江渡聡徳君) よろしいでしょうか。  お答えさせていただきたいと思いますけれども、先ほど大臣の方からもお話がありましたけれども、守屋次官とそしてただいまの山田洋行元専務のゴルフあるいはそれらのお付き合いということ、本当に自衛隊の倫理規程に違反しているというふうに考えておりまして、正に先ほど大臣からもお話がありましたけれども、国防という観点あるいは国家の生存の最終ラインをとにかく守るんだという、その責務を有している防衛省の幹部、しかも事務次官であった人間がこの倫理規程に違反するような行為を起こしたということは大変遺憾でありまして、不適切な行為だというふうに私自身も考えているところでございます。  そして、御指摘の文民統制の観点につきましてですけれども、正に防衛省におきましては、この文民統制の主体たる防衛大臣が自衛隊を管理するに当たりまして、この内局が政策的観点からいろんな形を大臣の方に御示唆する、そして各幕僚監部が軍事的観点からひとしく同じように補佐していくという、そういうようなことがなされているわけでございますけれども、その各々がしっかりと不正を排していく、そして大臣への補佐を十分に行っていくと、そのことがある意味で文民統制が確保されていかなければならないというふうに考えております。内局であれあるいは各幕僚監部であれ、自衛隊員はこのことをしっかりと自覚をしていかなければならないというふうに考えております。  ですからこそ、そういう観点から、今回のようなこういう不祥事というものがあった、そのことで我々はもう一度考えなきゃいけないだろう、そして文民統制の徹底ということを図る、そのような観点から抜本的な措置を講じなきゃいけないだろうということで、大臣が、去る十月二十二日ですけれども、大臣を長といたしまして文民統制の徹底を図るための抜本的対策検討委員会ということを立ち上げたわけでございます。そして、今後、精力的に検討しながら所要の措置を講じていこうというふうに今しているところでございます。
  173. 浅野勝人

    ○浅野勝人君 今日もこの委員会で度々例の給油量を間違えた問題が質疑の対象になりました。  四年五か月前、当時の石破防衛庁長官がこの委員会で間違った数字を答弁した因縁がありますので、この際きちんと、もう一回きちんとおさらいをしておきたいと存じます。  平成十五年二月二十五日に補給艦「ときわ」が実施した給油の提供実施報告が艦長の藤田民雄一等海佐から海上幕僚長あての電子メールで届いております。  それによりますと、ユニット、キロリットル。クオリティー、数量、三千。バレル、一万八千八百七十。これはUSネイビー、ペコスに給油をしたという報告書であります。およそ八十万ガロンが補給艦ペコスに給油をされたという報告であります。  同じ日に、USネイビー、ポール・ハミルトン、これは駆逐艦ですけれども、八百十二キロリットル、この報告書ではUSガロンに直して二十一万四千五百とコマンディングオフィサーのサインと一緒に記録がございます。  この補給報告に間違いはありませんか。
  174. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) 今先生がお話しになられたとおりでございます。  それで、厳密に一ガロンを計算いたしますと、この八百十二キロリットルというのは今おっしゃったように二十一万四千五百三十ということでございまして、ここに書いております概算の数字とほぼ一致をいたします。それから、三千キロリットルというのも計算いたしますと七十九万三千ガロン程度でございますので、それぞれ約二十万、約八十万ということで一致をいたします。
  175. 浅野勝人

    ○浅野勝人君 この二十一万四千五百ガロンが今改めて質疑の対象になっている、高見澤局長、約二十万ガロンと言った例の二十万ガロンのもとであります。  このころ、日本の補給艦がまずアメリカの補給艦に給油をすると、その後はアメリカの補給艦が空母キティーホークに燃料を供給しているから、イラクに参戦している可能性のある空母に日本が間接的に給油をしていることになるのではないかと。この議論が盛んだった折に石破長官がそのことを問われてこの委員会で、海上自衛隊の補給艦が当該補給艦に二十万ガロンの燃料提供を実施していることを確認しておりますと答弁しています。つまり、「ときわ」はペコスに二十万ガロン給油しただけですよという答弁とも受け取られかねないのが今日の議論のもとになっている側面もあります。  ところが、この二十万ガロンはこの電子メールによる報告によると駆逐艦のポール・ハミルトンに給油したもので、冒頭確認したとおり、補給艦のペコスには八十万ガロン給油しています。ですから、二十と八十と数字を取り違えて答弁をしたことになります。  これまでのいきさつはこのとおりですか。
  176. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 結果的にそういうことでございます。  ただ、経緯は今、浅野委員御指摘になったとおりで、現場から、「ときわ」から海上幕僚監部に送られてきました受領証を添付いたしましたというか貼付いたしましたというか、添付いたしましたEメール、これはポール・ハミルトンに二十、ペコスに八十と正確に報告は現場から上がってまいりました。それを集計するときにそれをひっくり返した。それをそのまま上に上げ、訂正もせず、私が結果として、結果としてというのは自分の責任を回避しているわけではございません、誤った答弁をしたということは御指摘のとおりでございます。
  177. 浅野勝人

    ○浅野勝人君 なぞ解きの答えを大臣今先におっしゃったわけですけれども、なぜ石破長官が数字を取り間違えたのかなと私は思っていたんですね。  そのなぞは簡単に解けました。海上幕僚監部の担当者が、これも入手した資料にあるんですけれども、海上幕僚監部の担当者がテロ特措法にかかわる協力支援活動実績にインプットした集計表があるんですね。  これを見ますと、給油をした回数百七十六回目のところに、二月二十五日、「ときわ」、補給艦ペコス、アラビア海北部、八百十二キロリットル、その下の欄の百七十七回目の欄には、二月二十五日、「ときわ」、駆逐艦ポール・ハミルトン、アラビア海北部、三千キロリットルと打ち込まれているんですよ。実施報告を集計表にインプットする際に、ペコスの数字をハミルトンに打ち込んじゃって、ハミルトンの数字をペコスに間違えて、いやいや、そうだね、ハミルトンの数字をペコスに間違えて打ち込んだことが明白に記録に残っているんですね。  打ち間違え集計表に基づいて、当時の石川統幕議長も福田内閣官房長官も記者会見で二十万ガロンと述べ、石破長官も五月十五日、参議院外交防衛委員会で、アメリカの補給艦への給油量は二十万ガロンと答弁しちゃった。データが間違っていることは知る由もありませんから、これにはめられた石破大臣、とんだ迷惑、たまらないですよ、これでは。(発言する者あり)こんなことはあってはならないことですけれども、人間のやることですから、データの打ち間違えというのはあり得ることです。  許せないのは、今、場外発言があったけれども、そこ重要なポイントで、許せないのは、海幕内部では五月九日には間違いに気付いていた、それなのに上司への報告も内局への報告もせず、訂正の措置もとらなかったことなんですね。石破大臣が答弁した六日前には誤りが分かっていたことになります。海幕はほとぼりを冷ますことしか考えず、ほっかむりして防衛庁長官に恥をかかせたことになります。シビリアンコントロール以前の問題ですよ。  石破大臣、誠に私も残念に思います。この体質、何とかなりませんか。
  178. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 本当に、何とすれば何とかなるのか。まあ変な日本語ですが。  要は、先ほど来答弁しておりますが、気付いたにもかかわらず、鎮静化したとか勝手に判断をして課長さんのレベルで止まっちゃったと。課長レベルで止まるはずねえだろうがという御指摘もあるんですけれども、ある意味これの恐ろしいのは、そこで止まって上に上がらなかったのはなぜなんだということ、これが逆に恐ろしいことだと思うんです、私は。  何で上に上がらなかったのか。ここのところはもうそれはモラルの問題と言ってしまえばそれまでです。もう鎮静化したと勝手に判断した。あるいは、もう統合幕僚会議議長が言っちゃったものを今更訂正するということになれば、その資料を作ったのはだれだということになって責任追及されるのが嫌だったとか、いろんなことがあるのかもしれません。何にしても、そこへ公という意識はないんです。  大臣が恥かくかかないはどうでもいい、どうでもいいというか、私個人はどうでもいいのですが、国会において誤った数字が述べられるということは絶対にあってはならないことなのです。気付いていた者がそれを直すのは義務なんです。その義務に違反したという人は一体どうすればいいのかというのが処分になるわけですが、ただ、それで本当にみんなが心を改めて変わっていけばいいのか、それはそうなのでしょう。  ただ、もう一つは、委員も御指摘になった内局の関与というのをどうするか。そして、海上幕僚監部でも、防衛部長あるいは海上幕僚長まで上がらなかったとしたときに、ちゃんと上げているのかというチェックシステムをどうするのか、その幾つかの方面からのチェック体制というものをつくっていかなきゃいかぬのだと。個人の意識改革というのに最後終わらせてしまうと、また何年かたてばいいやいいやという人が出てくるわけで、そうすると、システムとしてのチェックをどうするかというのが防衛省の組織論になってくるんだと思います。
  179. 浅野勝人

    ○浅野勝人君 防衛大臣と元政務次官がお互いに傷をなめ合っていても始まりませんので、ちょっと法案の中身について一点だけ確かめておきます。  私個人の考えとしては、たとえ油を提供したからといって他国の艦船のオペレーションに口出しする立場に日本政府はないと思いますが、法案は給油、給水もありますね、まあ今日は油に限りましょう。給油に限って、しかも給油する海域を法律できちんと指定する、この意味合いというのは、同時に補給を受けた艦船がほかの海域へ移動して戦闘行動などに加わらないことを前提にしていると受け止められますが、どの艦船がどこへ移動したかしないか、どうやって確かめるんですか。
  180. 高見澤將林

    政府参考人(高見澤將林君) お答え申し上げます。  基本的に、補給活動を実施するに際しましては、バーレーンにおきまして、いわゆる司令部のあるところでございますけれども、そこで相手国のいろんな補給、行動状況等を確認いたしまして、そしてまたどの程度の行動日数その後見込まれるか、そういったことを確認いたしまして調整の上、具体的に決定をしておるということでございます。
  181. 浅野勝人

    ○浅野勝人君 よう分かりませんが、今日のところはそこでおきます。  しかし、これはやっぱり法案が出てきた中でかなり論議の重要なポイントになるのかなと、書き込んである言葉とその目指す趣旨というところの整理をきちんとしておく必要がこの点あるかなという思いがしたんで、ちょっと確かめました。  最後に、石破大臣、所信のあいさつで、読みますよ、新たな脅威や多様な事態に実効的に対応すべく、多機能で弾力的な実効のある防衛力を整備していかねばなりません、そのためには、法制、装備、運用、そのすべての面からの検証が必要であることは言うまでもありませんと述べておいでです。これは、中期防ないしは防衛大綱の見直しが頭の中にあっての示唆ですか。
  182. 石破茂

    国務大臣石破茂君) この大綱の留意事項にこのように定めました。大綱に定める防衛力の在り方は、おおむね十年後までを念頭に置いたものであるが、五年後又は情勢に重要な変化が生じた場合には、その時点における安全保障環境、技術水準の動向等を勘案し検討を行い、必要な修正を行うと、これが大綱に書いてあるわけですね。  つまり、五年後というのが一つあって、もう一つは、情勢に重要な変化が生じた場合には必要な修正を行うと、こうなっているわけです。こう定めたので何ら見直しもせずそのまま行きますというやり方は、私は絶対にあっていいとは思わないのです。必要な修正は行わなければいけません。そして、情勢というのは他律的に変わる部分が相当にございます。周りがどう変わったのかということがあります。あるいは、今年の常会において本来任務になったということがございますよね、国際活動が本来任務になった。付随的任務から本来任務になった。だとすれば、一体どのような装備が必要なのかという議論は、法的に位置付けが変わったとするならば、それはなされなければならない可能性を持っているのではないだろうか。中期防においてもそうでありまして、三年後には、その時点における国際情勢、情報通信技術を始めとする技術水準の動向、財政事情等内外諸情勢を勘案し、この計画に定める所要経費の総額の範囲内において必要に応じ見直しを行うと、こうなっているわけです。  私は、これが日本の中で自己完結をしているわけではございませんので、日本の中の状況も変わりますので、必要な見直しを行うことによって初めて実効的な防衛力は確保されるということだと思っています。それは今、いつ見直しを行うということを申し上げるわけでは全くありませんが、決めたからそれでおしまいということは私はかなり不誠実な態度だと思っています。
  183. 浅野勝人

    ○浅野勝人君 ありがとうございました。終わります。
  184. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。  この外交防衛委員会では初めての質問でございます。今までは立って質問をしていたんですが、この委員会では座って質問ということで、リラックスさせていただいて質問させていただきます。  私は本日、核軍縮また核廃絶という問題を取り上げたいと思っております。  なぜかならば、我が党はこの福田政権の下でも連立に参加をすると、その前提として連立合意をいたしました。その中には、この外交防衛の分野においては、テロの対策の継続という問題とともに次のような一文を付けております。それは、核軍縮、核不拡散体制の維持強化を推進し、核廃絶を目指し、世界をリードすると、これが連立合意になっております。立派な一文だと思っております。  いわゆる核軍縮のみならず、世界の核廃絶を目指すと書かれているわけでございますが、実は高村大臣大臣所信を拝見させていただいて、いわゆる核、軍縮・不拡散体制の維持強化と、こういう表現はされておるわけでございますが、核廃絶という言葉までは入っていなかったわけでございます。そういう意味では、この与党合意を実現するというだけではなくて、私は今こそこの核の廃絶というものが本気になって世界が取り組むべき時代となっていると、そういう考えからこの点を質問させていただきたいと思います。  御存じのように、戦後また冷戦までの間、いわゆる核の抑止論というものがあったわけでございますけれども、冷戦が終わりまして、戦争というものが国と国との争いではなくて、国と国との争いであれば、もし核の先制使用をした場合には相手からの報復が来るだろうと、よって思いとどまるという、こういう理性的な判断がされる部分があったわけでございますが、もはや冷戦が終わりまして、相手が非国家集団、テロ集団かもしれないと、そういう場合にあっては彼らは報復を恐れないわけですね、自爆テロもするわけでございますし。また、そういう集団を、どこにいるのかという、見付けるのも大変と。もしかすると自国の領土内にいるかもしれない、そうすれば報復もできないと。こういう事態になってきますと、いわゆる今まで抑止論で核というのは必要悪であったという時代から、もはや核はもう絶対悪であると、よって廃絶を何としても目指さなきゃいけないという、こういう時代に来ているんではないかと思うわけでございます。  残された時間、テロ集団に核のいろんなものが移っていく、その拡散する時間はそれほどたくさん残されていないかもしれない。そういう点から、この核抑止論ではなくて核廃絶論というものに日本もしっかり力点を置いて対外発信をしていくべきだと思いますが、それがまた唯一の被爆国であります日本の役割でもあると、こう考えておりますが、まず高村大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  185. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 我が国は唯一の被爆国としての立場から核兵器の廃絶は極めて重要であると認識をしておりまして、核兵器のない世界で、安全な世界の一日も早い実現を目標とし、これに向けて核軍縮・不拡散のための様々な外交努力を行っているところでございます。  一方で、現実の国際社会におきましては、依然不透明な要素や緊張関係が存在し、また、いまだ核戦力を含む大規模な軍事力が存在しているわけでありまして、そのような厳しい安全保障環境の下で我が国として安全保障に万全を期するためには、核を含む米国の抑止力に依存することが必要であるとも考えているわけであります。  政府としては、核廃絶という目標と核抑止を必要とせざるを得ない現実の状況の差を縮めるべく、核軍縮・不拡散のための現実的かつ着実な努力を粘り強く続けていきたいと考えているわけであります。  本年三月には、浜田外務大臣政務官に、ジュネーブの軍縮会議において我が国の軍縮外交の重点事項の一つであるカットオフ条約の早期交渉開始を呼び掛ける演説を行っていただきました。また、我が国国連提出している核軍縮決議案は毎年圧倒的多数の支持を得て採択されており、このような我が国外交努力に対しては国際社会からも大きな支持があると考えているところでございます。我が国としては、今後とも、与党連立合意も踏まえて積極的な核軍縮外交に取り組んでまいる考えでございます。
  186. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 高村大臣には、私の前歴まで紹介していただきましてありがとうございます。  正におっしゃるように、核廃絶という問題とアメリカの下での核の傘の下、この間をいかに埋めていくかというのが非常に現実の問題としてステップを進めていく、重要だと思っております。  そういう意味で引き続き、具体的なアクションについてはこの後お聞きしたいと思いますが、その前に、このテロとの戦いを進めておられます石破大臣に、こういう核というものの拡散がどういうタイミングで広がっていって、日本としてもこの核軍縮を、抑止論ではなくて、廃絶論として取り組んでいく必要性があるかどうかについて御所見をまた賜りたいと思います。
  187. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 委員のお考えに全面的に私は賛成であります。  防衛担当者として申し上げますと、抑止力も幾つかに分かれるのだろうと思っております。委員まさしく御指摘のように、自爆テロとかそういうような勢力に対して懲罰的あるいは報復的、こんなことをやるとこんなにその報いがあるよという、これがほとんど機能しない、これがテロの恐ろしさだと認識をいたしております。  だとしますと、拒否的抑止力というふうに私どもは申し上げておりますが、それをやっても意味がないのだという意味での抑止力、従来の抑止力とは違った概念でございます。例えば、ミサイル防衛なぞというのは、これ、撃ったって撃ち落とされるわけで、向こうが撃たなきゃこっちは迎撃ミサイル撃たないわけで、撃ったって何の意味もないんだからやっても仕方がないね。あるいは、これは国民保護法制のときに議論をしたことでございますが、ミサイルが飛んでくるまでに何分か掛かる、その間に避難というものをすれば相当に人的な犠牲を少なくすることができる、これも拒否的抑止力でございます。そういうように、従来のように核には核という考え方ではなくて、ましてそういうテロリスト、テロ集団がそれを持つということもあり得るわけですから、できる限り拒否的抑止力において、絶対に核兵器を持たない我が国がなし得ることがたくさんあるのではないか。  そして、核の拡散防止ということについては、これはもう北朝鮮問題もそういうコンテクストで語られるべきものですし、恐ろしいのは、NBCと申しますが、Nだけではない、バイオもケミカルも同じように大量破壊兵器であり許されないものであります。テロとの戦いというのはまさしくそういう観点からも議論せられるべきものと私は考えております。
  188. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今防衛大臣より、核のその抑止力じゃなくて拒否的抑止力、これが重要だという御説明がございました。私自身も、ミサイル防衛始めこういう分野について日本がしっかり注力しているというのは重要と理解をしておりますので、引き続き御尽力をお願いしたいと思っております。  それでは、核軍縮の具体論について少しお話をしたいと思います、お聞きしたいと思います。  先ほども既に白委員、また山本委員から、いわゆる北朝鮮の核の脅威の話がございました。この北朝鮮の核の問題につきましては六か国協議の下で議論が進められているわけでございますけれども、北朝鮮、朝鮮半島の核をどうするか、非核化をする、その作業部会とともに、東アジアの平和及び安全のメカニズム、これを検討する作業部会がございます。この後者の作業部会においては、単に、形式上は朝鮮戦争が終わっていないわけでございますんで、休戦から正式に終わるという問題にするだけではなくて、もう一段踏み込んだ議論が必要ではないかなと思っております。  といいますのは、いわゆる核の問題について言いますと、核保有国は、一九九五年にNPTが無期限延長したときでございますけれども、このときには非核国には核は使わないということを約束しているわけでございまして、これはその後国連安保理決議の九八四ということで形作られているわけでございます。  一方、非核国におきましては、いわゆる非核地帯構想というのが広がっておりまして、最近では二〇〇六年の九月の中央アジアを含めますと六地域ですね、南極、中南米、南太平洋、東南アジア、アフリカというものが広がっているわけでございます。  このような核保有国、非核国のこの流れの中で、この東アジア、北東アジアをどのような形に考えるかということで一つ御提案したいと思いますのが、この北東アジアの非核地帯構想というものでございます。これは何かといいますと、いわゆる核保有国でありますアメリカ、中国、ロシア、こういう国については非核国に対しては先制使用しないと。これも既にNPT時に宣言しております。そして、今回の北朝鮮の非核化が進んだ暁には、日本、韓国、北朝鮮という国は、これは非核三原則を守っていく、持たず、作らず、持ち込ませずを守っていくと。そういうことによって、この北東アジアの安全保障を進めていくと。これは逆に言うと、非常に、北朝鮮が非核化する上でも安心感を与える上でも非常に重要な問題だと思っております。  こういう北東アジアの非核地帯構想について、六か国協議の作業部会の中で御議論賜りたいと思いますが、外務大臣の御所見を賜りたいと思います。
  189. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) いわゆる非核地帯構想につきましては、一般的に申し上げますと、世界の当該地域の平和と安定に資するものであること、それから核兵器国を含むすべての関係国の同意が得られること等の適切な条件が満たされるものであれば核拡散の防止等の目的に資すると思います。  だが一方で、北東アジアにおきましては、依然不透明な要素や緊張関係が存在していること、現実に核戦力を含む大規模な軍事力が存在すること等から、非核地帯構想の実現のための現実的な環境はまだ整っていないんじゃないかと、こういうふうに考えております。御指摘の東アジア非核地帯構想を我が国として提案するには、残念ながら時期尚早なのではないかと考えております。  六者会合は朝鮮半島の非核化を目標とするものでありますが、御指摘のとおり、六者会合の下には北東アジアの平和と安全メカニズムの作業部会が設置され、これまで二回行われております。北東アジア地域における安全保障環境を踏まえて、信頼醸成及び北東アジアの平和と安全のための協力をどのように図っていくかについて議論が今行われているわけであります。  我が国としては、この作業部会においては、引き続いて北朝鮮の非核化の進展状況をよく見極めながら、朝鮮半島を中心に地域の安全保障環境の向上や信頼醸成のための議論を着実に進めていく必要があると、こういうふうに思っております。  具体的には、北東アジアの平和と安定を確保していくために、日米安全保障条約を堅持しつつ、二国間及び多国間の様々なレベルの対話を通じて域内の信頼醸成を促進していくとともに、大量破壊兵器及びその運搬手段の拡散防止のための現実的な努力を続けていくことが大事であると考えておりまして、今後ともこのような努力を継続していく考えであります。  委員がおっしゃったようなことを提案できる時期が来ればいいなとは考えております。
  190. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 高村大臣が、そういう時代が早く来ればいいなということなんですが、それほど私は時間が残されていると思っていないんですね。パキスタンを始めイラク、イラン、またいろんなそういう灰色国からの核の拡散というのは現実に起こりつつあるんだろうと。  そういう中で、確かに今おっしゃいましたように、この東アジアには不透明な部分、また強大な軍事力、それぞれ北朝鮮と中国を意味しておられるんだろうと思うんですが、あるのは事実でございます。しかし、先ほど申しましたように、非核地帯というのはその三か国の問題でございますし、その三か国の、例えば中国について言えば、九五年のNPTの無期限延長の際には、核を持っていない国に対して使用はしないということを明言をしているわけです、幾ら軍事力を持っていたとしてもですね。あわせて、今回六か国協議の中で北朝鮮の非核化ということを徹底して進めていくわけでございますし、私はこの六者が集まっているタイミングというのは非常に絶好の検討する場ではないかと思っているんです。  そういう意味で、先の問題ということじゃなくて、もう少し近未来として御検討いただくことはできないでしょうか。もう一度大臣に御答弁をお願いします。
  191. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 近未来をどのくらいの幅で考えているか、ちょっとよく分かりませんが、私としてもそういう時代が絶対に来ないと言っているわけではなくて、今の六か国協議を進めながら、朝鮮半島の非核化を進めながら、そして周囲の全般の状況を見ながら、この六か国協議というのは、これは場合によっては将来ともこの地域の安全保障のために存続するということはあり得る話、今の課題だけじゃなくてですね、そういう話だと思っておりますので、中長期的な課題として考えさせていただきたいと、こういうふうに思います。
  192. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 是非、この北東アジアの非核地帯構想についても頭の片隅に置いていただきまして、確かに一年や二年で実現する問題ではないと思っております。ただ、NPTのいわゆる締約国会合といいますか検討状況会合が二〇〇五年で何も結果を出せなかったという中で、今後二〇一〇年、二〇一五年に向けて何を目標に進んでいくのか、そういうものを考える上でそういうものをしっかり見詰め直していただいて、実現に一歩一歩前進をお願いしたいと思います。  次に、CTBT、包括的な核実験の禁止協定について御質問させていただきます。  これにつきましては、既に日本を含めまして百三十七か国がもう既に批准をしているわけでございますけれども、いわゆる中間国の中で十か国がまだ批准をしていないと、それがゆえに発効していない状況があるわけでございます。十か国というのは中国、インド、パキスタン、北朝鮮、インドネシア、アメリカ、イスラエル、エジプト、イラン、コロンビアと、こういう国なんですが、よくよくこれ見ますと、近隣国とあるんですね。インド、パキスタン、中国とか、イスラエル、そしてイラン、またある意味ではアメリカという、一種の相手国が批准しないから自分も批准しないんだと、こういう消極の連鎖というのがあるんではないかと思うんですね。  そういう意味では、我が国は冒頭申し上げましたように唯一の被爆国であるわけでございますので、この消極の連鎖というものをいかに取り除いていくかということを提案しなければならないと思っております。特に、この中でもよくよく見れば、アメリカも中国もインドもパキスタンも核実験を自主的に中止する、モラトリアムは宣言しているんですよ。そういう意味で、後は枠組みの問題かもしれない。  そういう意味で、是非、このCTBTの早期発効に向けて、二年後に次回CTBT発効促進会議がございます。これまでには、近隣国の未批准を自国の未批准の理由とする消極の連鎖を断ち切る包括的な加入案を、是非、被爆国であります我が国が提案すべきと考えますが、大臣の御所見を賜りたいと思います。
  193. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 我が国はCTBTを、核兵器不拡散条約、NPTを礎とする国際的核軍縮・不拡散体制を支え、核兵器のない世界を実現するための現実的かつ具体的措置の重要な柱ととらえておりまして、その早期発効を極めて重視をしてきているわけであります。そのため、我が国としては、未署名、未批准の発効要件国に対する直接の働き掛けを含めて、CTBTの早期発効に向けた働き掛けを精力的に行ってきているわけであります。  このような働き掛けの一環として、貴委員が本年三月に外務大臣政務官としてジュネーブの軍縮会議にて行われた演説においても、CTBTの早期批准を訴えていただきました。  また、CTBTの早期発効に向けた機運を高めるため、CTBTフレンズ外相会議を主催しているほか、インドネシアやコロンビア等の未批准国の代表を我が国に招待して早期批准を働き掛けているところでございます。  これら発効要件国がCTBTを批准していない理由はそれぞれの地域的情勢や国内事情により異なり、包括的に批准を求めることはそれほど容易ではないと考えますけれども、政府としては、貴委員の御指摘も参考にしつつ、これらの国々に対して粘り強く早期批准を働き掛けていきたいと考えております。
  194. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございました。是非粘り強く、かつスピーディーにお願いしたいと思っております。  それで、CTBTのより具体論の質問をさしていただきますが、地球温暖化防止という観点から、いわゆる原子力の発電、原子力発電というのは見直しをされています。具体的に、インドのように原子力の平和利用のために国際協力を求めると、そういうCTBT未批准国ですね、これが今後増えるんではないかと思っておりますが、核廃絶の観点からすれば、そのような協力の見返りに、民生分野でのIAEAの保障措置の実施のみならず、現在モラトリアムという自主的措置となっている核実験禁止に対して拘束力を持つCTBTの批准を求めていくことが私は重要だと思っていますし、一つの進めていくムーブメントになっていくんじゃないかと思っております。  具体的には、インドとアメリカとの間で二〇〇五年七月の合意以来、民生用原子力協力の具体化が進められているわけでありまして、既にアメリカでは本協力を可能とする国内法が二〇〇六年十二月に成立いたしました。そして今後は、我が国を含むIAEAの原子力供給国グループが合意をするかというのが大きな節目になっているわけでございます。  そこで、この原子力供給グループの一員である我が国のスタンスについて外務大臣にお聞きしたいと思いますが、私はIAEAの原子力供給グループが、インド・米国民生用原子力協力を承認する条件として、核実験のモラトリアムの継続だけではなくて、数年以内のCTBTの正式加入を条件とすることを我が国は提案すべきと思いますが、いかがでしょうか。
  195. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 民生用原子力協力に関する米印合意につきましては、我が国として、今後のインドとIAEAとの保障措置協定交渉の進展を注視しながら、引き続き国際的な核軍縮・不拡散体制の影響等、様々な要因を注意深く検討していきたいと考えております。  インドとIAEAの保障措置協定交渉が進んでいるとは承知していないわけでありますけれども、同協定の合意後には原子力供給国グループ、いわゆるNSGにおいて米印合意について様々な観点から議論がなされると考えられているわけであります。  我が国としては、国際的な核軍縮、核不拡散体制の維持強化を重視する立場から、今委員が御指摘になった点も踏まえて、このような議論に積極的に参加していく考えでございます。
  196. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございます。  CTBTの発効を一日も早く進める上でいろんな機会をチャンスとして進めていただければと、それが日本の平和外交として重要と考えております。  最後に、いわゆる核軍縮の本丸でありますNPTについてお聞きしたいと思います。  このNPTにつきましては、二〇〇五年の再検討会議では何も成果を出せなかったという非常に残念な結果になったわけでございます。非核国は核保有国の軍縮が進んでいないと批判をし、また核保有国は非核国の不拡散体制が不十分として非難をすると。しかし、そういうことを二〇一〇年には繰り返してはいけないと思っております。  今後、先ほど言いましたように、テロリストに核のいろんなものが渡っていく、拡散する時間はそれほど残されていないわけでございますので、二〇一〇年また二〇一五年というのを、割とこのタイミングに何を実現するのかということを明確にイメージしながら日本としては交渉に臨んでいく必要があると思っております。  具体的には、二〇一〇年の検討会議に向けては、核保有国が今まで不十分であったこのNPT六条義務ですね、いわゆる核軍縮義務、これについての何らかの行程表を作ってほしいと。それは数字まで入れるかは別にしまして、そういう提案ができないかと。  また、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮といった灰色国を先ほど言いましたように非核国として迎えるということを目指すような大胆な目標設定をしなければ、私は、このテロリストにいずれ核物質なりいろんな装置が渡っていくんではないか、こういう危惧をするわけでございます。  そういう意味で、少し大胆ではございますが、大胆ぐらいの目標を持ってこの二〇一〇年の再検討会議に臨んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  197. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 我が国といたしましては、唯一の被爆国として核兵器廃絶を目指す上で、核兵器不拡散条約を基礎とする軍縮・不拡散体制の維持強化が重要と考えているわけであります。他方で、NPTを基礎とする国際的な核軍縮・不拡散体制は、御指摘のように、NPT非締約国の問題のほか、北朝鮮の核問題、テロリスト等の非国家主体の手に大量破壊兵器が渡る危険性等、種々の課題にも直面しているわけであります。  このような状況を踏まえて、我が国としては、NPT体制の維持強化を図るために、二〇一〇年NPT運用検討会議に向けた取組が極めて重要だと考えております。本年、我が国の天野ウィーン代表部大使の議長の下で、同会議の第一回準備委員会が成功裏に開催されました。政府としては、NPT運用検討会議の準備プロセスにおいて核兵器国に対して一層の核軍縮努力を求めるとともに、NPT体制の維持強化の必要性を強く訴えてまいります。
  198. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 最後になりますが、所信表明の中で高村大臣は、サミットに向けては、地球環境問題のみならず、核不拡散を始めとする問題に関してリーダーシップを取っていくと、こう表明されておりました。  私は、今みたいなNPTの大胆な提案をする上で重要なのは、世界の国々の人々の国民レベルの連帯だと思っております。そういう意味では、その一環でございますけれども、例えば、核廃絶に向けての世界の民衆の行動十年という、そういうものを国連等の場で提案していただきたいと思いますが、これを最後に聞きまして、私の質問を終えさせていただきます。
  199. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 核兵器のない平和で安全な世界を目指す上で市民社会が果たす役割は重要であると思いますし、我が国国連総会に毎年提出している核軍縮決議案においても、核軍縮・不拡散の促進に向けた市民社会の建設的な役割を奨励しているところでございます。また、核廃絶を実現するためには、それを支える幅広い世界市民の理解支援が必要でありますし、NGOや若い世代との交流を通じた軍縮・不拡散教育の取組が重要だと考えております。  そのような観点から、唯一の被爆国である我が国は、国内及び海外において被爆の実相を伝えるための活動や軍縮・不拡散について市民の理解を深めるための取組を支援してまいりました。我が国としては、核軍縮・不拡散を促進するための市民社会の建設的な役割をこれからも奨励してまいりたいと考えております。
  200. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 終わります。
  201. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  インド洋での給油量に関する誤った当委員会での答弁について朝から議論があります。配付されておりました当時の議事録見まして分かりますように、これは当時の我が党の小泉親司議員への答弁だったわけでありまして、この誤った答弁には厳しく抗議をするとともに、しかも事実の隠ぺいが行われていたと、このことの徹底した事実解明を求めておきたいと思います。  その上で、時間も限られておりますので、守屋事務次官をめぐる問題について防衛大臣にお聞きをいたします。  守屋氏に対する接待問題について事実関係調査大臣の下で行われております。相手は大物事務次官と言われた人でありますから、一体だれが直接話を聞いているのか、そして、どこまで事実が明らかになったとお考えなのか、さらに、今後更に何を明らかにしようとお考えなのか、まずお願いしたいと思います。
  202. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 前事務次官が在任中、山田洋行の元専務とゴルフなどを行っていたと、今御指摘の件の調査につきまして、私が指示をいたしまして、担当でございます官房秘書課、この担当者が守屋氏と接触をいたしております。  電話でありますが、事実関係につきまして聞き取りを行い、その結果につきまして大臣官房長から守屋氏に確認を取った上で、私が報告を受けるということでございます。これは数度にわたって行っておりまして、この点はどうなのか、この点については更に確認せよというようなことを私の方から指示を出しまして、その都度行っております。現在のところ、官房長が確認を取っているという状況でございます。  事実につきましては、これはもう既に記者会見で申し上げたことでございますが、ゴルフは、山田洋行の元専務と、事務次官に就任した平成十五年八月以降も含めて行っていたということでございます。具体的には、昨年の秋までプレーをしていた記憶がある、回数については確認する材料がなくコメントができない、プレー料金についてはプレーの都度一万円を元専務に渡すことになっておったということであります。  二十年以上前この元専務と知り合いになり、それ以来家族ぐるみの付き合いをしておったと。同時に守屋氏は、平成十二年四月にこの自衛隊倫理規程が施行されたものでありますが、この下では仮に割り勘であったとしても利害関係者とゴルフをしてはならないということは承知をしていたと。しかし、長年にわたる個人的な付き合いがあったことから、この倫理規程の施行後もこのような付き合いをやめることができなかったということまで確認をいたしておるところでございます。
  203. 井上哲士

    ○井上哲士君 本人は当初マスコミに、次官になってからゴルフは行っていないと言っていたようでありますが、この間の調査では認めておられます。倫理規程違反自身は極めて重大でありますけれども、果たしてそれにとどまるんだろうかということが問題でありまして、CXエンジンの問題で会社側に便宜を図っていたんではないかという疑いがあります。  大臣も記者会見で、組織に迷惑を掛けたというような問題以上に重大な事案だと、こういうふうに述べられておるわけですね。そうであるならば、これはやはり国民の前に徹底した事実解明が必要であります。  今、回数を明らかにする材料がないという本人のこともあったわけですが、どうも、手帳などないとは私には信じられないわけでありまして、しっかり資料の提示を求めることが必要だと思いますし、さらに、接待をした側である山田洋行側にも問い合わせをして資料の提供の協力を求める、こういうことも必要かと思うんですが、この点、いかがでしょうか。
  204. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これはどういう形で聞き取りを行うことができるか、いわゆる捜査という形を行うという段階ではございません。もちろん、いろいろな、今委員御指摘のようないろいろなことが報道で指摘をされております。しかし、事件として捜査をする、そのために手帳を、押収という言葉が正しいかどうか知りませんが、私どもの方からそれを見せてくださいというふうにお願いをして、そういうのはどういうような方法が最も適切なのか、私どもとしてのできる範囲はどこまでなのかということもよく注意をしながら今日まで行っているところでございます。  委員から言っていただきましたように、これは組織に迷惑掛けたなんというような話じゃございませんので、私どもの立場でできる限り正確な調査をし、御報告ができるように今後とも努めてまいります。
  205. 井上哲士

    ○井上哲士君 やはり、接待をした側からも含めて、しっかり事実を解明をするという点では、今、限界もあるようなお話もございました。もっとやっていただきたいと思いますが、その点でも国会に課せられた任務は大きいわけでありまして、私からも、守屋武昌前事務次官、そして山田洋行の元専務の宮崎元伸氏、そして山田グループオーナーの山田正志氏の証人喚問を当委員会で求めたいと思いますので、委員長、よろしくお願いをいたします。
  206. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) この件につきましては、複数の御要請がありますので、後日理事会で検討をさせていただきます。
  207. 井上哲士

    ○井上哲士君 さらに、この守屋氏個人にとどまるのかという問題があります。  この山田洋行防衛省への接待攻勢を掛けていたという報道がございます。高級牛肉やカニなどを防衛庁の多数の職員に一斉に送り付けていたと、これも一回だけではなくて盆暮れに送っていたという報道もあるわけですね。  民間の調査機関によりますと、同社の年間交際接待費というのは九千二百十五万円、それから海外交際費は千三百十四万円と、さらにこの元専務が役員報酬の名目で捻出をした資金を裏金としてプールをしていたという報道もありまして、一億円ぐらいの接待費をこの元専務が使っていたという報道もあるわけですね。そうしますと、これは守屋氏以外にも同社から接待を受けていた者がいるんではないか、様々な物品をもらっていた者がいるんじゃないかと考えるのが国民的には自然でありまして、先ほど、他の人も含めて調査をすることは検討するという答弁が朝ありましたけれども、これは是非、検討したけどやらなかったとかいうことじゃなくて、必ずやるということについて是非お約束をいただきたいと思います。
  208. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 防衛省・自衛隊あるいは防衛行政の信頼にかかわることでございますので、可能な限り実施をする方向で、ただ、その手法、範囲等々につきまして検討さしていただきたいと思います。  これは信用にかかわる問題でございますので、きちんとした調査を行いたいと思います。
  209. 井上哲士

    ○井上哲士君 是非、きちんとした調査を強く求めます。  同時に、同社と防衛庁、防衛省との関係は、この接待とともに天下りという問題があります。  現在、同社に在籍をする防衛省のOBは何人で、それぞれ最終役職はどうなっているのか、いかがでしょうか。
  210. 江渡聡徳

    ○副大臣(江渡聡徳君) 現在、防衛省を離職した隊員が現時点で山田洋行に何名在籍しているかということは、これ詳しくは把握しておりませんけれども、自衛隊法の第六十二条に基づく防衛大臣等の承認を得て同社に再就職した方は四名でございます。
  211. 井上哲士

    ○井上哲士君 現在在職している人がよく分からないという答弁だったんですが、私はおかしいと思うんですね。  去年の十一月に、衆議院の決算行政監視委員会が衆議院の調査局に予備調査を命じております。その結果が今年の三月に出ているんですね。これは調査局が防衛庁にも問い合わせをしてその調査票に基づいた集計でありますが、二百七社について出ております。この中に山田洋行もあるんです。  そして、この中では、二〇〇六年四月一日現在で十三人が在職をし、そのうち八人が常勤だということがちゃんと出ているんですね。これ、事実ですか。
  212. 中江公人

    政府参考人(中江公人君) 申し訳ございません、今委員御指摘の数字についてはちょっとよく調べてみたいと思います、今ちょっと手元に資料がございませんので。
  213. 井上哲士

    ○井上哲士君 これは先ほど言いましたように、衆議院の調査局が各省庁に調査票を送って、それに基づく回答で作られているんです。そこでちゃんと、当時十三人在職、こういうふうに言っているわけですね。それが今こういう問題になっているときに、既に明らかにしたものも出さないというのは、私はここにも物事を隠す体質があるんではないかということを指摘せざるを得ないと思うんです。  それで、この調査で見ましても、当時の山田洋行の天下りは、社員数百四十六人に対しまして十三人ですから、八・九%と非常に突出しているんですね。同社の元専務自身が防衛省OBであって、OBを継続的に受け入れる、さらには防衛省幹部の家族らの親族の採用も指示をしていたと、こういうふうに言われております。こういうOBが営業活動に同行して顔つなぎをする、OBは元幹部ばかりですので、現役の自衛隊幹部は大先輩が来れば会わないわけにいかないと、こういう証言も報道されているわけで、ここに癒着の構造が見て取れるわけですね。  先ほどの、組織的、構造的な問題まで踏み込んでこのようなことがないように全体を見直したいという大臣の会見からいいますと、こういう天下りを通じた癒着構造にもメスを入れることが必要かと思いますが、いかがでしょうか。
  214. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 私が構造的な問題だとこれをとらえておりますのは、何かを調達いたしますときに必ず商社が出てくるわけですね。総合商社というのはなかなか英語になりにくくて、もうそのままソーゴーショーシャと、もう最近はこれが英語化しておるわけでございますが、これ、ある意味日本に特有の存在なわけです。これを介さないと物が買えないのかという、実はそういう本質的な問題まで私はこれ行き当たるものではないかと思います。軽々にこれを論ずることはできないのですが、もちろん、じゃその総合商社の高い能力、それぞれの担当の人たちはそれぞれいろんな見識、知識も持っています。人脈も持っています。じゃ、それを外した形で直接いろんなものを買うとした場合に、だれがそれを補うのか、官で補うのか、今その知識、知見はあるのかといえば、そこはどうなのだろうということもあります。これ、すぐこうしますとかなんとか、そんな簡単な問題だと私は思っていません。  ただ、先般の調達に関する委員会というもの、これ今まで防衛省にありましたが、特別に寺田政務官を長といたしますそういう組織も立ち上げました。調達のそもそも論から議論してみなければいけないのではないか、モラルの問題、倫理の問題ということに帰すということは、私はある意味そこにだけ頼ると同じことが起こってしまうのではないかという感じを持っています。  どうすればいいのかということを、諸外国の例、あるいはそれに掛かるまさしく費用対効果みたいなものも併せて、とにかく癒着とかそういうことが起こらないような、しかし、じゃ自衛官の、若年定年制を取っておりますし、それも含めて、じゃ国のために一生懸命働いた者が第二の人生どうしてやっていくのかということも含めて、私は大きな問題だと思っているのです。是非この委員会におきましてもこうすべきだという御議論を賜れれば、私ども、本当に真摯に聞かせていただきたいと存じます。
  215. 井上哲士

    ○井上哲士君 間に介在をすることによって一層様々な不透明なことが起きるということもあると思います。その点も含めてやはり構造的にメスを入れていただきたいんですが、こういう結果、山田洋行防衛省との契約について、この間の金額とそのうちの随意契約の割合がどうなっているのか、明らかにしていただきたいと思います。
  216. 江渡聡徳

    ○副大臣(江渡聡徳君) お答えいたします。  防衛省と株式会社山田洋行との間で締結いたしました、守屋防衛事務次官防衛局長に着任いたしました平成十四年の一月十八日から昨年までの契約は、中央調達におきまして、契約件数百五十一件、契約金額約二百二十九億円でございます。また、そのうち随意契約は百四十六件、約二百十九億円であります。  なお、この随意契約におきまして、入札を行った結果、落札者がなくて随意契約をしたもの、不落随契と言いますけれども、この件が十九件ございまして、約三十四億円が含まれております。  済みません、昨年じゃなくて、昨日までの間です。申し訳ございません。
  217. 井上哲士

    ○井上哲士君 民間の調査機関によりますと、同社は、航空機器部品及び防衛関連機器業界では国内有力企業の一社であるとしつつ、防衛関連では数十億円となる装備品を扱うこともあって、この受注の有無で業績が大きく変動することがあると、こう指摘をしておるわけですね。正に、防衛庁に依存をして随意契約をどれだけ受注するかに社の命運が懸かっているという中で様々な接待攻勢や天下りの受入れというこの癒着という問題が起きていると思います。  この問題まで踏み込むことが必要だと、そのことも申し上げ、そのためにも証人喚問が必要だと改めて申し上げて、質問を終わります。
  218. 山内徳信

    ○山内徳信君 各党からずっと指摘をされてまいりました給油量の取り違いの件と、二点目は守屋次官について質問をいたします。そして最後に、今、辺野古の海域を対象にした新基地建設のアセスメントについて私は質問をしたいと思います。  まず最初に、細かいことを申し上げる時間がありませんからはしょって質問いたしますが、二十万ガロンと日本側は国会に対し、国民に対して発表してあったが、それがアメリカ側からの、アメリカ軍の司令官の記者会見を通して実は八十万ガロンであったと、こういうことが明らかになったわけです。防衛大臣はもう今朝からずっとそのことについての弁明あるいは陳謝の言葉でございますが、私はやはり、防衛施設庁時代から今日まで、防衛省の機構として、組織としての体制をやはり改めてメスを入れていく必要があると思います。  私は、読谷の基地の村の村長を六期やってきましたから、那覇局の動き、六本木の動き、今の防衛省のその動きも大体知っておるつもりであります。そして、各党回っての皆さん方から説明のために配った文書がありますが、それを一読して、私は責任体制についての深刻な表現はあの文章からは受け取れないんです。全部責任が転嫁されていくような表現です。大臣あるいは関係者の皆さん、じっくり読まれていただきたいと思います。  そして、入力ミスという、これも説明ありました。そして、保存すべき期間であるのに、また航泊日誌も裁断機に掛けて、後、焼却処分をしていくと。これも昨日聞きましたら、そういうシステムになっておると、こういうことを事務方は言っていました。私はそうかなと思ったんです。したがいまして、このことにつきましては、防衛省責任の取り方、それについて大臣は、機構とか組織、思い切ってそこら辺から検討せぬといかぬだろうと、こういうふうにおっしゃっておりました。  そして、私は、やはりこれだけの国費を使う防衛省が、そのお金を目当てに関係業者が甘い砂糖にアリが集まってくるような状態になっていないかどうか。逆に今度は、防衛省に働いている、地方局に働いている職員たち含めて、そこに来る人、企業とかその他関係者、市町村に対しては殿様みたいになっていないかどうか。弱肉強食みたいな感じさえ私は受ける場合がありました。  したがいまして、そういうところも含めて、思い切ってその体質を立て直していくことが必要だろうと思います。どうぞ。
  219. 石破茂

    国務大臣石破茂君) おっしゃるとおりだと私は思います。何度も同じことを申し上げて恐縮です。  私はいつも言うのですよ。事務次官以下みんな自衛隊員だと。事に臨んでは危険を顧みず、身を挺して職務の完遂に努め、もって国民の負託にこたえる、それは背広も制服も一緒である、そのことをずっと私は言い続けている。それを本当に拳々服膺していたとするならば、今委員御指摘のような責任逃れであるとか殿様的な振る舞いであるとか、そのようなことがあるはずがない。だけれども、委員御指摘のようなことがあるとするならば、この自衛隊員の心構えを拳々服膺していないか、全然読んだことも、まあ読んではいるんでしょうな、読んではいるんでしょうが、それを自分のものとしていないというところがあるのだろうと思います。  それは、あえて申し上げれば、防衛省・自衛隊はほかの官庁とは違うのだと。なぜならば、その服務の宣誓をした者が事務次官、統合幕僚長以下自衛隊員だからだ。ほかの役所の、ある意味で日本におけるありとあらゆる官庁組織の範たらねばならぬというのはそういうことであって、それをもう一度きちんと徹底したい。  ただ、精神論を申し上げるつもりは私はなくて、それがシステムとしてそうなのか。人間ですから過ちもするでしょう。あるいは、よこしまなことを考える人だってないとは言えない。それがきちんとチェックできるシステムというのは、防衛省の組織というのは制服、内局も含めてこれでいいのかということをもう一度問わねばならぬ。省になったからといってこれで事成れりというのは明らかに誤りである、私はそう思います。
  220. 山内徳信

    ○山内徳信君 時間ありませんから二番目に移りますが、守屋事務次官の一連の問題についてお伺いしたいと思います。  私は、新聞に出ましたときに、ついに出たかという印象を受けました。そして、権力は必ず崩壊をしていくと。守屋さんは権力者になっていたんです、守屋さんは。したがいまして、自ら事務次官だというその職責の重大さ、あるいは倫理規程さえも自ら否定をした。その結果、結局、地位を利用して業者と癒着をし、結託をし、そして醜い実態が連日、今報道されております。国民はその姿を見て、日本政府は一体これでいいのか、そして防衛省はこれでいいのか、その他厚生省もずっと新聞に出ております、テレビにも出ておりますが、日本政府全体としてこれでいいのかと、それが今問われておると思います。  そして、私は、守屋さんが次官であった期間の上司の方々がいらっしゃいます。大臣もおれば副大臣も政務官も、そして周囲には部長、局長、一杯おるわけです。そういう人が一杯おるのに、どうして事務次官が、それはもう二百回近いゴルフに行っていたとか、あるいはその他飲食とか、一杯言われておるわけですね。それ、どうして防衛省の中におる彼の部下、職員たちもそれをいさめることもできなかったのか。そこには上司もおれば部下もおるわけです。そういうもう腐れ切った、そういう職場になっておるわけです。したがいまして、石破防衛大臣は、この体質、この機構をきちっと直していく、その責任があるわけです。大臣さえも二十万ガロンと言わせた、その体質が大臣の周囲にあるわけです。今後もそういうことが起こらないとは限らないわけです。  そして、少し皮肉を込めてお伺いするんですが、東京かいわいのゴルフは二人でやるんですか、四名一組ですか、マージャンも二人ですか、四名とか、そうでしょう。ですから、周囲をもっと洗い直してやはりきちっとやってほしいということを、私はそういう表現をして皆さんに訴えておるわけであります。  そういうふうなことで、国民の納得のいくような、そういう防衛省全体としての一連の事件をめぐる責任体制をつくり上げてほしい、そしてそれを国民に公表してほしい、そのことが必要だと思いますが、大臣はどのようにお考えですか。
  221. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 守屋氏から聞きましたところによりますれば、守屋氏は、山田洋行の元専務とのゴルフについては個人的な付き合いと認識をしていたので、現防衛省、前の防衛庁の現役職員を誘ったことは一度もないと、現役職員が参加したこともないというふうに守屋氏本人からは聞き取っておるところでございます。  いろいろとその上司とか周りにもおったではないかと、何事であるかということは本当にそのとおりです。申し訳ありません。私が、どうなんですか、あなた、日曜日、業者さんとゴルフしてないでしょうねと言って、これを聞かなかったのがおまえの責任であるといえば、それはそうかもしれません。そして、だれかから聞いていれば、私は間違いなく、そんなことをしてはいけませんと言ったと思います。ですから、私にそういうことを言う人がいなかったということ、あるいは私が、これはなかなか期待可能性の薄い話だとは思いますが、まさかあなた、日曜日にゴルフしてないでしょうねというふうに聞かなかったこと、それはもう本当に、私、今また大臣の職にありますが、よく反省をしてみたいと思います。  ただ、今一点だけ申し上げれば、腐り切っているとおっしゃいました。私は、九九・九%の防衛省あるいは自衛隊員は、その自衛隊員は服務の宣誓に基づいてきちんと仕事をしているというふうに信じています。それがトップにあった者が何であるか、そしてまた、つかさつかさにあった者が何であるか、もちろん九九%だれがだれなんて申し上げるつもりはありませんが、私は、もうほとんど圧倒的多数のまじめに一生懸命働いている隊員のためにも、このことは明らかにせねばならないことだというふうに思っておるところでございます。  やはり服務の宣誓をした者同士、あるいは大臣、副大臣、政務官も、宣誓こそしていませんが、同じ思いで働いている、その思い込み、それが強かったのかもしれません。だから大丈夫なんだ、同じ思いだから大丈夫なんだと思った点は、私もよく反省をいたします。
  222. 山内徳信

    ○山内徳信君 あと三分というメモが入っておりますから、次ののは、私は、ラムズフェルド元国防長官と石破大臣との認識を問いたいと思っていましたが、これはまた次の機会にしたいと思います。  今、私の手元に、辺野古で行われております、こういう環境アセスメントの方法書があります。私はこれ、一読しております。もう一つは、ペンタゴン、いわゆるアメリカの国防総省関係者から手に入れました辺野古の環境アセスをめぐってアメリカ側の見解がまとめられた文書であります。それに基づいて申し上げたいわけでありますが、私は、この辺野古沿岸域における今回の新基地建設計画に向けての環境影響評価方法書と今申し上げました米国のこの資料を見ましたときに、結論として、やはり今回のこの方法書は沖縄側ではこれは不法なものであると、いや、違法なアセスであると、それから不適格なアセスというふうに専門家は言っております。アメリカの国防総省関係者の軍の方も、これは不十分で目的を果たしていないという指摘をしております。  したがいまして、例えば幾つか項目を挙げますと、新機種の問題が漏れております。オスプレーが漏れておるということです。それから、機能だとか騒音コンターの問題、それから埠頭、岸壁ですね、それから飛行機の洗浄場所の問題等々が、これはアメリカ側と日本側も意見の一致は見ていないというふうに私は二つのものを読んで受け止めております。  そして、非常に重要なものがこの方法書に出ていないということは、これは大変なことです。これは悪く言いますと、今言ってはいかない、知らしてはいかないものはもう県民には知らさぬ方がいいと、こういうふうな受け止め方もできるわけです。
  223. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 山内委員に申し上げます。  時間が来ておりますので、質疑をおまとめいただきたいと思います。
  224. 山内徳信

    ○山内徳信君 そういう問題点を指摘をして、私はさらにまた後日この問題をただしていきたいと思います。  今日は、少し時間過ぎまして申し訳ありませんでした。以上で終わります。ありがとうございました。
  225. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会をいたします。    午後一時二分散会