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2007-12-14 第168回国会 衆議院 本会議 第16号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十九年十二月十四日(金曜日)
—————————————
平成
十九年十二月十四日 午後一時 本
会議
—————————————
○本日の
会議
に付した案件
会期延長
の件 午後一時三分
開議
河野洋平
1
○
議長
(
河野洋平
君) これより
会議
を開きます。 ————◇—————
会期延長
の件
河野洋平
2
○
議長
(
河野洋平
君)
会期延長
の件につきお諮りいたします。 本
国会
の
会期
を
平成
二十年一月十五日まで三十一日間
延長
いたしたいと存じ、これを発議いたします。 本件につき
討論
の通告があります。順次これを許します。
三日月大造
君。 〔
三日月大造
君
登壇
〕
三日月大造
3
○
三日月大造
君
民主党
の
三日月大造
です。 私は、
民主党
・
無所属クラブ
を代表し、
ただ
いま
議題
となりました三十一日間の
会期
再
延長
に
反対
の
立場
で
討論
をいたします。(
拍手
)
理由
を申し述べる前に、
福田総理
初め
政府
・
与党
の
皆様方
に二点申し上げたいことがあります。
政治
がこんなに心ないことでよいのでしょうか。 昨日、
大阪高裁
が、
薬害肝炎訴訟
に対して
和解勧告案
を示しました。付された所見・
説明書
には、全員、一律、一括の
和解金
の
要求案
は望ましいと記されています。命の重さを差別されるのかと落胆され、治療のための一刻の猶予もない患者の
皆様
の悲痛な叫びを受けとめ、長年の苦痛を一刻も早く解消するための
福田総理
の早期の御英断、
政治決断
を強く求めます。その上で、問題多き
薬事行政
を
根本
から見直す契機にしようではありませんか。 また、政党や
政治家
が述べる言葉や約束がこんなに軽くてよいのでしょうか。 例えば、
年金記録
の問題は、
国民
の
生活
にかかわる、
政治
や
年金行政
の根幹を揺るがす、
信頼
を揺るがす大問題です。だからこそ、私
たち民主党
は、長
妻昭議員
を先頭に、早くからこの
問題点
を指摘し、
選挙
や
政権
に
関係
なく、まず
実態全容
を徹底解明すること、その上で、各
自治体等
に保管されている
紙台帳
と
コンピューター記録
との
突き合わせ
による
緊急対策
を講じること、あわせて、一元化、
消費税投入
による
財源対策
、
年金通帳
の発行、
歳入庁
の設置などの
抜本改革案
を
提案
してきました。
平成
二十年三月までをめどに五千万件の
年金記録
の名寄せを実施するとの
公約
は、単なる
選挙
前のスローガン、意気込みだったのですか。
選挙
中だから、年度内にすべてと縮めて言ってしまった。
官房長官
、聞いてください。ほかの人が
大臣
になっても同じ。きわめつけは、
福田総理
の、
公約違反
というほど大げさなものなのかどうか。 このいいかげんな開き直りは一体何なんでしょうか。
政府
・
与党
みずからが偽りを体現されてどうするんですか。やる気がないなら、やめてください。解散してください。
公約
を守れず、いいかげん、その上、簡単に開き直る
自公政権
の継続か、それとも、
政権交代
をして
国民
の
生活
を第一に据える新しい
政府
をつくるのか、総
選挙
で
国民
に問おうではありませんか。 自戒と
決意
、願いと
怒り
を込めて、まず指摘をいたします。 以下、
会期延長
に
反対
する
理由
を申し上げます。
反対
の
理由
の第一は、今回の
会期
再
延長
が、
政府
・
与党
の余りにも無
責任
な
御都合主義
によるものだからであります。 逆転の夏の
参議院選挙
の結果、
参議院
における
議席構成
は大きく変わりました。
自公連立与党
の
政権運営
が行き詰まることは明らかです。
国民
の
意思
により、
立法府
における
歴史的転換
が行われたのだと認識すべきなのです。 にもかかわらず、
安倍
前
総理
は、みずからの
責任
を明確にされることなく
政権
の座にしがみつき、
与野党構成
の異なる
二院制
のもとでの
政策決定過程
の
改革
を行うことなく、
無為無策
、
迷走
に次ぐ
迷走
を重ねました。 八月七日に第百六十七回
臨時国会
が召集されましたが、何もしないまま、わずか四日間で閉会。九月十日に、第百六十八回
臨時国会
、すなわち今
国会
がやっと召集されましたが、
安倍
前
総理
は、
国民
を唖然とさせるような無
責任
な形で
政権
をほうり出し、三週間にもわたって
国会
を
開店休業
、
機能不全状態
に陥れました。
福田内閣
がようやく発足し、ようやく
国会
が動き出したのが十月になってからで、
政府
・
与党
は、
参議院選
後二カ月間もの貴重な時間を
ただ
ただ
いたずらに浪費したのであります。 今、また
会期
を再
延長
してほしいなどと、みずからの
責任
を棚に上げた無
責任
な
御都合主義
の
提案
をよくもまあできるものだと思います。顔を洗って出直せというのが
国民
の真の声であります。
反対
の
理由
の第二は、
会期
再
延長
の
目的
が、
防衛省
に対する
国民
の
信頼
が失われているにもかかわらず、何ら有効な
対策
を講じないまま、新
テロ対策特措法案
を強引に
成立
させることにあると繰り返し主張されている点にあります。 四年間という長期間にわたって
防衛事務次官
を務めた
守屋武昌容疑者
が、
防衛専門商社山田洋行
の
接待漬け
であり、その
見返り
として数々の
便宜供与
を行っていたことが、連日のように報道されています。
山田洋行
からの
ゴルフ接待
は何と三百回。現金の授受まで明らかになりました。その
見返り
として、
次期輸送機CXエンジン選定
で
便宜
を図ったり、ヘリコプターの
装備品
をめぐる
水増し請求
をもみ消したのではとの
疑惑
もあります。
額賀
元
防衛庁長官
に対する
問責決議案
が可決される
原因
となった九八年の旧
防衛庁調達実施本部
の
背任事件
、昨年の
防衛施設庁官製談合事件
、今回の
山田洋行事件
、加えて、昨日
関係者
が逮捕された
イージス艦
の
情報流出事件
、
防衛省
をめぐる
不祥事
は後を絶ちません。 また、
税金
の
無駄遣い
である
水増し請求
は、九八年十一月以降、発覚しているだけで十二件、調査中の事案を除いた
損害賠償金額
は五百九十七億円にも上っているとの答弁もなされています。
守屋容疑者
の口からは、
証人喚問
という厳粛な場において、
山田洋行
との会食の席に、
久間章生
、
額賀福志郎
の二人の
防衛庁長官経験者
も同席したことがあるとの証言がなされました。 問題の核心は、
額賀大臣
らと
山田洋行
や
宮崎容疑者
らとの不適切な
関係
の有無です。その
説明責任
をまず果たすべきではないでしょうか。 一例を挙げれば、
額賀防衛庁長官時代
の二〇〇五年十月から二〇〇六年九月までの間、旧
防衛庁
と
山田洋行
とは、
中央調達分
だけで二十一件、計五十一億円の
契約
を結び、しかも、そのすべてが
随意契約
だったという異常な
状況
があります。この点について、
額賀大臣
からはいまだに
説得力
のある
説明
がありません。 言うまでもなく、
防衛省
は、四兆八千億円という巨額の
予算
を握る
巨大官庁
であります。国防という大切な
役割
を担っています。この巨大な
防衛利権
の奥に深く黒いやみが存在することは、
国民
の
生命
と財産を守る
防衛省
の
使命
、
現場第一線
でまじめに
任務
、訓練に励む
自衛隊員
の
方々
の御
努力
、そして、
税金
の
無駄遣い
という観点からかんがみても、断じて許されるものではありません。 さらに、新
テロ対策特措法案
の
審議
の
過程
で、旧
テロ特措法
に基づき
海上自衛隊
が給油した燃料が
米国
の
イラク戦争
に転用されていたとの
疑惑
も浮上いたしました。
米海軍補給艦
への
給油量
を取り違えたとされる問題については、
海上幕僚監部
の幹部が誤入力に気づきながら故意に訂正しなかったり、
航泊日誌
が破棄されるなど、
シビリアンコントロール
が機能していなかったという重大な事実も発覚いたしました。 そのような中、
政府
は、
防衛機密
を盾に真実を覆い隠すばかりであります。油を出すよりうみを出せ、これが
国民
の率直な声であります。
反対
の
理由
の第三は、
会期
再
延長
の果てに姿をあらわすであろう、
巨大与党
による数の
横暴
を容認するわけにはいかないからであります。
さき
の
通常国会
において、
自公連立与党
は、この
衆議院
において十四回もの
強行採決
を繰り返しました。伝えられるところによると、
政府
・
与党
は、新
テロ対策特措法案
が
参議院
で
否決
された後、数の力をもって
衆議院
で再
議決
する方針であるといいます。 数の
横暴
に対する
国民
の
意思
は、
参議院
でも明確に示されたとおり、
ノー
であります。
政府
・
与党
は、なぜ、新
テロ対策特措法案
について、
疑惑
解明不十分なまま、
説明不足
のまま、かたくなな
姿勢
をとり続け、
民主党
の主張に耳を傾けず、
国民
の不安にこたえようとしないのでしょうか。異常です。 繰り返しますが、夏の
参議院選挙
の結果、
立法府
の
意思決定過程
は
根本
的に変わったのです。
国会
の
会期
の再
延長
、
衆議院
での再
議決
という、
こそく
でその
場しのぎ
、無理、無謀な手段を使い、ばたばた慌てて強引に押し通すのではなく、一
たん廃案
にして、これまでの経過や効果をしっかりと検証しながら、
日本
の
防衛
や
国際貢献
の
あり方
、
日米同盟
の
あり方
を
根本
から
議論
し直そうではありませんか。
河野洋平
4
○
議長
(
河野洋平
君)
三日月
君、
申し合わせ
の時間が過ぎましたから、
結論
を急いでください。
三日月大造
5
○
三日月大造
君(続) 重ねて問います。 今回の
会期
再
延長
は何のために行われるのですか。消えた
年金
、宙に浮いた
年金
の
記録
を
手書き台帳
も含めて点検、回復させるためですか。
農業政策
を見直し、
収入減少
にあえぐ農家を規模にかかわらず
戸別
に所得補償する
法案
を
成立
させるためですか。
参議院
で可決され、
衆議院
に送付された、
イラク
における
自衛隊部隊
による
対応措置
を終了させるための
法案
を
審議
、
成立
させるためですか。
河野洋平
6
○
議長
(
河野洋平
君)
申し合わせ
の時間が過ぎました。
結論
を急いでください。
三日月大造
7
○
三日月大造
君(続) よもや、
防衛省
で相次ぐ
接待
・
契約疑惑
や
水増し請求
を隠ぺいしたまま、
国民
や
国会
への
情報開示
も不十分、
シビリアンコントロール
も保障されないまま、
米国追随
の
給油活動
を強引に続けるためだけなのでしょうか。
防衛省
の問題も、
政治決断
ができない、心ない
薬害肝炎
の
対応
も、そして、その
場しのぎ
で
公約違反
の消えた
年金記録
問題への
対応
も、すべてに共通しています。
河野洋平
8
○
議長
(
河野洋平
君)
三日月大造
君、
申し合わせ
の時間が過ぎましたから、
結論
を急いでください。
三日月大造
9
○
三日月大造
君(続) 官僚や建前を守り、
国民
の
生命
や
生活
を守る
政治
ができないのなら、
省庁役人
をまともに監督できないのなら、
政権
の座に居座ることだけに固執せず、解散し、
国民
の
審判
にゆだね、まさに信を問い、さっさと
政権
をゆだねてください。 以上、
会期
再
延長
に
反対
する
理由
を申し述べ、
同僚議員
の
皆様
の
良識
ある御判断を賜らんことを呼びかけ、
討論
を終わります。(
拍手
)
河野洋平
10
○
議長
(
河野洋平
君)
吉川貴盛
君。 〔
吉川貴盛
君
登壇
〕
吉川貴盛
11
○
吉川貴盛
君
自由民主党
の
吉川貴盛
であります。 私は、
自由民主党
及び
公明党
を代表し、
ただ
いま
議題
となりました今
国会
の
会期
を
平成
二十年一月十五日まで三十一日間再
延長
する件につきまして、断固
賛成
の
立場
から
討論
を行います。(
拍手
) 去る九月十日に召集されました
国会
におきましては、
我が国
が直面する内外の諸問題に的確に
対応
するため、数々の重要な
法案
が提出されてきました。
臨時国会
は、限られた
会期
の中で、特定の
法案
を
審査
することを最大の
目的
としております。我が党の事情で
実質審議
のスタートがおくれたということにつきましては、まずおわびした上で、最初の三十五日間の
延長期間
も含め、本
会議
や
委員会
の場で真摯な
議論
を続けてきた
議員各位
に対し、まずは深甚なる敬意を表するものであります。 言うまでもなく、
立法府
に与えられた
使命
は、
国民生活
に密接に
関係
する
予算案
や
法律案
を
審査
し、その
成立
を期することであります。その論議の場をつくり、
全力
を挙げて諸問題の
解決
に取り組むべきは、この議場に席を有するすべての
議員
にとって何ら疑問を差し挟む余地のないところであります。
自由民主党
と
公明党
は、国政を担う
責任与党
として
懸案事項
の
処理
に
全力
を尽くす
決意
であり、
会期
を再
延長
した上で、
論戦
を深め、
国民
の
負託
に十二分にこたえることこそが
議会人
の真の
良識
であると考えております。 現在、
国会
に提出されている
議案
には、既に
審査
中の
法案
や、これから
審査
入りする
法案
が残っています。とりわけ新
テロ対策特措法
については、
国際社会
において高く評価されてきた
日本
の
給油活動
に対する
議論
が
参議院
で既に深まりつつあり、
我が国
の
国際貢献
という重要な
役割
を考えたときに、あしたにでも採決してもよいと私は考えるものであります。
野党
の
諸君
は、対案も提出せず、
ただ
不祥事解明
を
優先
とし、根拠不明な
情報
をもとに
質疑
を繰り返しては、肝心の
法案審査
をおくらせてきました。
我が国
の国益をしっかりと踏まえ、
政局
と切り離したさらなる
議論
の場が必要であり、この際、
法案成立
が確実な
会期
を確保することはやむを得ないものと考えるものであります。 また、
与野党
の
協議
を積み上げてきた
政治資金規正法
は、
国会対策委員長会談
での
合意
に基づいて今
国会
中の
処理
を目指しており、一日も早い
成立
が
国民
から強く期待されているところであります。
肝炎対策法
についても、
委員長提案
を目指して、
与野党
の
協議
が進行中であります。 さらには、
民主党
が
参議院
に提出している
議案
のうち、数件が
衆議院
に送付され、現に
農林水産委員会
では
農業者戸別所得補償法
を
審査
中であります。ほかにも、
民主党
が提出し、その
審査
を希望している
議案
が残っており、我々は、
立法府
の
責務
として、これらの現実をしっかりと受けとめなければなりません。 また、
会期
末の十二月十一日になって、
民主党
と社民党の
議員
は
臓器移植法
を提出いたしました。その
議員
の
方々
は、みずから提出した
法案
の
成立
を真剣に望むのであれば、
会期
の再
延長
に同意すべきではないでしょうか。 このように、
与野党とも
に
審査
すべき多数の
法案
が残っている
状況
にあっては、
会期
を再び
延長
し、開かれた
論戦
を通して
国民
の不安や将来に対する懸念を解消していかねばなりません。
被災者支援法
、
借地借家法
、振り込め
詐欺救済法
、
鳥獣被害対策法
、
放送法
、
厚生年金保険特例法
など、
国民生活
に関連するさまざまな
懸案事項
につき、私
たち
は、
与野党
の枠を超えて
協議
を重ね、歩み寄り、
政策合意
を果たし、
成立
に導いてきたではありませんか。言論の府をもって鳴る
国会
が、その権能を放棄してはいけません。
野党
の
諸君
に
良識
があるのならば、ともに
議論
を続けてまいりましょう。 さらに申し上げるならば、
委員会
によっては、
会期
の再
延長
を前提に次回の
審査日程
を内々
協議
しているところもあると聞いているのであります。これは、
野党
の
諸君
の中にも
質疑
を希望している方がいるという、
議会
の
健全性
のあらわれではありませんか。 我々
与党
が
政治生命
をかけるのは、
党利党略
の
政局
や権力ではなく、ねじれという
状況
の中においても混乱を避け、国家の一大事や
国民
の安全、安心という
国民生活
を守るために命をかけるのであります。 以上申し上げましたように、
議長
の発議に賛意を表し、
立法府
の当然の
責務
として
国民
の
負託
にこたえるべく、三十一日間の
会期延長
がぜひとも必要であると強く主張して、私の
賛成討論
を終わります。(
拍手
)
河野洋平
12
○
議長
(
河野洋平
君)
佐々木憲昭
君。 〔
佐々木憲昭
君
登壇
〕
佐々木憲昭
13
○
佐々木憲昭
君 私は、
日本共産党
を代表して、
会期
を三十一日間再
延長
することに
反対
の
討論
を行います。(
拍手
)
福田内閣
と
与党
が求めている
会期
の再
延長
は、
自衛隊
を
インド洋
に再派遣する新
テロ特措法案
を何が何でも
成立
させるためのものであり、断じて認められません。 この間の
審議
を通じてはっきりしたことは、十一月一日をもって撤収した
海上自衛隊
を再び
インド洋
に派遣する必要はどこにもないということであります。
政府
は、
自衛隊
の
インド洋
での
給油活動
をやめれば、
日本
の
国際貢献
が問われると繰り返してきましたが、とんでもありません。 新
テロ特措法案
は、これまでと同じように、
米軍
などによる
報復戦争
、
掃討作戦
を
補給
支援
するものであります。
海上阻止活動
を行う
艦船
への
補給
に限定すると言いながら、実際は、対
アフガン任務
を兼ねていれば
イラク空爆
を行う
米艦船
でも給油できるというものであります。まさに
憲法違反
の
海外
での
米軍戦争支援法
であることは、
審議
ではっきりいたしました。 しかも、
政府
は、この六年間のまともな検証を行っておりません。そればかりか、
イラク戦争
への転用問題では、都合の悪い資料を
組織ぐるみ
で隠ぺいし、
国会
と
国民
に虚偽の
説明
をしてきたことさえ明らかとなりました。 さらに、重要な問題は、新
テロ特措法案
がアフガニスタンの
和平
の探求に逆行するものだということであります。
テロ
に対し
報復戦争
で
対応
してきたことが新たな憎しみと暴力を生み、
アフガン情勢
の
泥沼化
をつくり出したことは、この六年間で明らかとなりました。
戦争
で
テロ
はなくならないのであります。
カルザイ政権自身
が、平和と
和解
の
プロセス
を探求し、
テロ
リストではないタリバンを含む反
政府勢力
との
政治的対話
の道を模索しております。
アフガン国会
は、
和平
を進めるために、
米軍
などによる
軍事掃討作戦
の中止を求める
決議
を採択いたしました。 今、
日本
がなすべきことは、こうした
アフガン
の
和平
を促進する
外交努力
であります。その障害となっている
軍事掃討作戦
を中止せよと
アメリカ
にきっぱり言うことではありませんか。
総理
が
和平プロセス
の推進は重要だと答弁しながら、
民生支援
と
掃討作戦
は車の両輪だと言うのは、全く矛盾しています。殺しながら助ける
支援
などあり得ないのであります。 そもそも、今
臨時国会
は、
さき
の
参議院選挙
における
国民
の
審判
にどう向き合うか、これが問われた
国会
でした。
国民
は、
安倍政権
がことしの
通常国会
で幾つもの
重要法案
を
与党単独
の
強行採決
で押し通した
問答無用
の
暴走政治
に
ノー
を突きつけ、貧困と格差の拡大をもたらした
構造改革路線
の見直しや
アメリカ追随外交
の
転換
を期待したのであります。しかし、
安倍総理
は、この
国民
の
審判
を省みることができず、結局、前代未聞の形で
政権
を投げ出しました。
福田総理
は、
国民
の目線と言いながら、実際は、
安倍政権
を踏襲してきたのであります。 師走の冷たい風が吹きすさぶ中、
国民
は
石油
などの
生活物資
の値上がりに直撃され、寒さに耐え、灯油を節約している
高齢者
の
怒り
の声が聞こえてまいります。
石油
は
米軍
に
ただ
で供給するより
国民
にこそ供給すべきだ、この声に耳を傾けるべきではありませんか。 また、繰り返される増税や医療、介護、
年金
の
サービス低下
と
負担増
など、塗炭の苦しみをなめているのであります。その上、消えた
年金
の
解決
も見えてきません。来年三月までに
解決
するという
選挙公約
は、完全に踏みにじられました。 今、
政府
が最
優先
で取り組むべき仕事は、
国民
の暮らしを守る
対策
であります。
国会
を再
延長
し新
テロ特措法
をごり押しすることでは決してありません。 今回の大幅かつ越年という異例の
会期
再
延長
は、もし
参議院
が新
テロ特措法案
を
否決
するか、六十日以内に
審議
を終了しなければ
否決
とみなし、
衆議院
の三分の二の多数で
成立
させることまで考えたものです。 新
テロ特措法案
は、
参議院
で
徹底審議
の上、
廃案
にすべきであります。
国民世論
を無視して、
憲法違反
の
海外派兵
を何が何でも強行するという
横暴
な
姿勢
をとるべきではありません。
会期
再
延長
は、
我が国
の
議会政治
に重大な汚点を残すことを厳しく指摘し、
反対
の
討論
を終わります。(
拍手
)
河野洋平
14
○
議長
(
河野洋平
君)
日森文尋
君。 〔
日森文尋
君
登壇
〕
日森文尋
15
○
日森文尋
君 私は、社会
民主党
・
市民連合
を代表して、
ただ
いま
議題
となりました
会期延長
の件につきまして、
反対
の
討論
を行います。(
拍手
)
理由
の第一は、
与党単独
の
会期延長
は、土俵際に追い詰められたら勝手に土俵の幅を広げようとするものであり、
会期制
という
国会
の
基本ルール
に反するからです。積み残しの
法案
は、
審議未了
、
廃案
にして仕切り直しをすべきです。どうしても
延長
が必要だというのであれば、
与野党
で
全会一致
の
合意
を図るべきです。 第二は、再
延長
が、
憲法違反
の悪法である新
テロ特措法
を
成立
させるためのものだからです。
アメリカ
に義理立てするための
御都合主義
の
延長
は断じて認められません。 第三は、大幅再
延長
は、
衆議院
による再
議決
やみなし
否決規定
の活用のためであり、直近の
民意
である
参議院
の
意思
を否定し、
参議院
の
審議権
を剥奪することになるからです。 第四は、
政府
・
与党
が
重要法案
だとする新
テロ特措法案
の
審議
時間が
不足
をしているのは、そもそも
安倍首相
の突然の退陣による
自民党総裁選
、
首班指名
、
所信表明
のやり直しと
防衛省不祥事
の噴出に
原因
があるからです。十一月九日に、
野党
の
反対
を押し切り、三十五日間の
延長
を
議決
したことへの
責任
も反省すべきであります。 最後に、
防衛省
問題の
真相究明
に背を向け、
年金記録
の
公約違反
のごまかしを図ろうとする
政府
・
与党
の
姿勢
は断じて許せません。
アメリカ
の
戦争
に協力し、
ただ
で給油する
法案
をごり押しするのではなく、
原油高騰
にあえぐ
国民
に対してこそ低価格の油を提供すべきだと思います。
参議院選挙
で示された
民意
を無視し、
国民生活改善
に
無為無策
のまま三カ月を空費してきたのは、
政府
・
与党
の
責任
であります。私は、
福田政権
と
与党
の理不尽な
対応
を厳しく弾劾し、今回の
会期延長
に断固
反対
であることを表明して、
討論
を終わります。(
拍手
)
河野洋平
16
○
議長
(
河野洋平
君) これにて
討論
は終局いたしました。
—————————————
河野洋平
17
○
議長
(
河野洋平
君) 採決いたします。
会期
を
平成
二十年一月十五日まで三十一日間
延長
するに
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
河野洋平
18
○
議長
(
河野洋平
君)
起立
多数。よって、
会期
は三十一日間
延長
することに決まりました。 ————◇—————
河野洋平
19
○
議長
(
河野洋平
君) 本日は、これにて散会いたします。 午後一時三十三分散会