○田島(一)
委員 基本法としてつくり上げるのか戦略としておまとめになられるのか、これは
意味合いとしては随分大きく違うと思うんですね。今度締結国
会議の議長国として立候補されるのであるならば、その体制を整えていくこと、
日本としての野生
生物また
生物多様性確保についての姿勢をきちっとした法律で示していくことが何より大事ではないかというようなことを考えて、
提案をしているものであります。恐らく、局長のレベルではまだそのようなことを
思い切ってお答えできないのかもしれませんけれども、私は、国家戦略だけに満足していただくようでは、他の省庁との
関係等々から見てもまだまだ大変弱いというふうに思っております。
その
一つ、鳥獣の保護管理について、例示を示しながら申し上げたいというふうに思うんです。
大臣も、鳥獣の保護管理については、広域的な管理や担い手の確保などの
取り組みを強化していくということを所信の中でも盛り込まれました。クマにしてもイノシシにしても、自然との共生として、
環境関係者側からすれば保護管理ということになるわけですが、農林業
関係者からすれば害獣、いわゆる駆逐、駆除という対象になりがちであります。こういった折り合いをつけていくことが大変大きな
課題として私ども受けとめておるわけでありますが、残念なことに、今この
流れは、必ずしも、
環境省なりが国家戦略をおまとめになろうとしている、その
流れに沿っているとは言いがたい
状況があります。
せんだって報道で知りましたが、自民党の有害鳥獣議員連盟が鳥獣
対策で特別措置法を
検討しているという、そんなニュースが入ってまいりました。実りの秋に入り、それこそクマや猿、シカ、イノシシが、冬眠を前にして、いわゆる農林業に従事されている方々の田畑、そして森林にかなり多くの
被害を及ぼしている、この
被害を拡大させているという認識は、私のみならず皆さんが御理解をされているところだというふうに
思います。
ただ、現状の背景を探るというような
努力、言ってみれば、生息
環境の把握であるとか野生鳥獣の生態の把握、また、
被害対策の
専門アドバイザー等々を育成するというような
対策が不十分なまま、この自民党の有害鳥獣議員連盟は、中山間
地域での野生鳥獣農作物
被害の拡大の
対策として自衛隊を出動させろというようなことをおっしゃっているというふうに聞き及んでいるところであります。
私は、この中山間
地域での鳥獣
被害対策をするのは、これは農林水
産業の
分野だけではなく、やはり
環境省も決して黙っているわけにはいかないだろうというふうに考えますし、果たして、自衛隊に出動していただいて、それで一気に鳥獣
被害を駆除してしまおうという短絡的な発想が
環境省として本当に受け入れられるのかどうか。今、この
生物多様性の国家戦略、第三次を作成しようとしている
流れの中で、いわゆる短期的に、一気に駆除してしまえというような非常に乱暴な発想が自民党の中で起こっている、議論されているということに、大変な危惧を持っているわけであります。
大臣がこの議連に所属していらっしゃるのかどうか存じ上げませんけれども、果たして有害鳥獣の駆除が自衛隊出動によって本当に
問題解決になるのかどうか、この点について、派生をした質問になりますけれども、
大臣のお考えをぜひ聞かせていただけないでしょうか。