○山本一太君 大変明快な御回答だったと思います。
今日は、NHKのテレビが入っているということで
国民の皆さんも見ていると。
国民の方々に私は是非理解をしていただきたいのは、
安倍内閣とそれから小泉
内閣は役割がちょっと違うと。小泉
総理は、ぶっ壊す改革ですから熱が出るし、摩擦が出るし、ドラマチックな政局になり、あるいはジェットコースターみたいな舞台になるわけですが、
安倍総理は、ぶっ壊したものから、それも拾い集めて、闘うときは闘いながら、しかしつくり上げていく改革ですから、それは小泉
総理とちょっと違って少し落ち着いて実績を積み上げていく、そういうスタイルなんだということは是非
国民の皆さんに分かっていただきたいと思っています。
さて、
外交問題の方に移っていきたいと思います。
実は、
総理がまあこの六か月間、
総理としていろんな
外交政策をなさった。この
予算委員会の基本的
質疑の二日目だったと思いますが、自民党の片山虎之助幹事長、別にお世辞を言うわけじゃないんですが、片山幹事長がまあ
安倍内閣の六か月間はいろいろと
成果があったと、特に
外交政策については大きな実績を残したというふうにおっしゃいましたけれども、私も全く同感なんですね。何といってもこの六か月間の
安倍外交のハイライトは、就任直後の最初の訪問先として
中国と韓国を選んだ、日中
首脳会談、日韓
首脳会談を再開させたということだと思います。
私は、小泉
総理は
外交政策についてもいろいろと実績を上げられたと思いますが、思いますが、やはりちょっと東
アジア外交については、まあ非常に不幸なことに靖国参拝問題というのがあったものですから、日中、日韓が停滞したと、これは否めない事実だったんですけれども、ここは
総理がいろいろと政治的リスクを覚悟でブレークスルーをやって日中
首脳会談を再開させた。これは私は非常に
日本外交の中では大きく高く
評価されるべきものだというふうに思っています。
さらには、
国連外交について言うと、
北朝鮮の地下
核実験のようなものがあって、その後安保理で制裁決議ができた。これは安保理のメンバーだったこの
日本政府が相当の
リーダーシップを発揮したと。これはもうアメリカ、
イギリス、フランス、安保理のメンバー国がみんな認めている。まあ私、JICAから
国連機関に出向して実は
国連で勤務した経験もありますけれども、
国連の舞台で
日本の常駐代表、大島大使だったんですが、常駐代表がアメリカの
国連大使の横で記者会見をしたということは皆無でしたから、いかに今回この安保理決議において
日本が主導的な役割を果たしたかということが言えると思うんですが、もちろんこれは
麻生外務大臣が不眠不休の
努力をされたということも言っておかないとアンフェアになってしまうと思うんですけれども、まあ
国連外交もあった。(発言する者あり)今、よいしょじゃなくて本当に思っているから言っちゃっているんですけれども。
安倍総理の六か月間の
外交を振り返ってみると、まず九月に就任をして、十月に
中国に行って、韓国に行ったと。十一月の後半にたしかラオスのAPECの
首脳会議に行ったと。年が明けて一月の後半からヨーロッパを訪問して、その足でたしかフィリピンのセブ島で行われた東
アジア・
サミットに行かれたというふうに記憶をしています。
この一連の流れを見ていく中で、私は
安倍外交の一種の哲学みたいなのがある程度明らかになってきたというふうに思っています。さっき
川口外相が
主張する
外交ということを言いましたけれども、
主張する
外交はあくまでも戦略であって戦術だと。
安倍外交の哲学というのは、実は、歴代の政権が口では言ってもなかなか難しかった、つまり
日本外交のウイングを広げるということかなというふうに思っています。
総理、私いつも言うんですが、
日本外交の古くて新しい最大のチャレンジは、
日米同盟を堅固に堅持しながら、あるいは
日米関係を深化させながら、同時に、したたかにしなやかにこの
外交のウイングを広げていくと。どこかの人が日中
関係、
日米関係は正三角形と言いましたけれども、これはピントが外れています。これは無理だとしても、
日米関係を堅固にしながら
中国にアプローチをする、韓国にアプローチをする。あるいはヨーロッパとのミッシングリンクとよく言いますけれども、ちょっと疎遠な
関係から成熟した
関係にすると。あるいはインドを戦略的に見る、あるいはアフリカ援助でイニシアチブを取る、ASEANの
国々の
首脳とその信頼
関係を得る。
こういう
外交のウイングを広げるというミッションに実は
安倍総理は哲学として挑戦をしているんじゃないかなと思うんですけれども、そこら辺の
外交哲学について是非語っていただきたいと思います。