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岡田広君
少年一人に対して
同性の
教官一人という今までの
考え方でありますけれども、今回、これからこれを広めて、男の人は父親代わり、女の
教官は
母親代わりという、そしてさらに
精神科の
医師、
カウンセラーも含めて
チームで
自立更生をしていくという、そういうことで、
家庭的な
雰囲気というものはやっぱりとてもこれは大事なことだろうと思うんですけれども、先日、
少年院と
児童自立支援施設を
二つ、両方見せていただきました。わずかな時間でありましたけれども、その中で感じたことを私幾つか
お話をしたいと思います。
一つ一つ質問すると時間ありませんから、一括して
お話をしたいと思いますが。
一つは、正に今、
家庭的な
雰囲気での
処遇が大事だという、そういうことから考えると、
少年院に、
愛光少年院に入ったときにやっぱりあの
職員の
制服が何となく堅苦しい。そういうことで、
家庭的な
雰囲気ということは
是非、もう少し、恐らく入院している
少年に意見を聞いてもそんな答えが返ってくるんではないかなと思います。こういう点、ちょっと工夫をされたらいいんじゃないかなと思います。
そして、
チームで組むということになりますと、当然この連携大事ですけれども、その中でも、正にこの
指導官の資質の向上というのが最も大事なわけであります。
子供の心を開かせる、
子供を一人の
人間として認める、
存在価値を認める、そして心を開かせるということがとても大事だと思います。
私、これ長くなるからもう話しませんけれども、日本の
漢字の中で心という
漢字が入った字、たくさんあるんです。
児童福祉でも大事なこと、これは
福祉もそうですけれども、愛という
漢字は心を受け止めるという字が組み合わさって言葉ができています。そしてもう
一つ、女という字を書いて、右に口と書いて、下に心、これは恕の心。孔子が
人間にとって一番大切な、最も大切なものは何ですかと聞かれたときに、それは
一言で恕である。思いやり、親切の心だと思います。そのほかにも、
我慢をする、
少年に
我慢をする心、これは忍耐の忍。誠実な心、口と心が離れないように一本くさびを打った字が忠義を尽くすとか忠誠を尽くす。そして、正に大事なのは、初心忘れるべからずというのは、今に心、念願の念という字。まあこの話、もうこれ以上しませんけれども、
是非、こういう心を入れた
指導をしていただきたいというふうに考えるところであります。
二つ目ですけれども、全部見たわけではありませんけれども、感じたこと。
少年院では
蔵書たくさんあるんだろうと思いますが、ぱらぱらと置かれておりました。そして、古い本が多かったということです。それからもう
一つ、
児童自立支援施設では、
夫婦小舎制、これはすばらしい制度だと思うんですけれども、この
夫婦小舎制の
建物の中に入って本はどこにあるんですかと聞いてみたら、
事務室の中に戸棚の中に入っていますということでした。やっぱり、外へ出して
子供たちの目に触れさせるというのはちょっとした気配りではないかなと思います。
本の数もそんなに多くないようです。
予算も、
少年院に聞いてみましたら、なかなか
年間予算が少ない。これについては、
地域の
更生保護の組織もありますし、ライオンズとかロータリーとか、そういうところにもひとつ呼び掛け、企業もそうです、呼び掛けをして、本も少し、まあ寄贈してもらうというのは、やっぱりそれは
少年院やあるいは
児童自立支援施設の役割を
社会に知らせるという、そういうことにもなるんではないかなというふうに考えているわけであります。
そして正に、イギリスのフランシス・ベーコンという人が、談話は機転の利く
人間をつくり、
読書は完全な
人間をつくる、そして物を書くことは正確な
人間をつくると言っています。
読書は完全な
人間をつくる、やっぱり
少年たちに頑張れるような、元気付けられるような新しい本を
購入をして
蔵書としておく、そしてできるだけ本を読ませてということはとても大事だろうと、私はそう思うわけであります。
そして
三つ目ですけれども、
少年院を
視察しまして、
体育館に行きました。プールもありました。
大変環境、
児童自立支援施設もそうですけれども、
大変環境がいい。そういう中で育ち
直しが行われているというのは、非常に私も勉強させていただきました。その中で
体育館だけ、実は
屋根ないんです、そこに行くときには
屋根がない。何で
屋根がないのかと聞いたら、雨が降る、あるいは風が吹くという
自然現象、雨が降ったら傘を差すんだよということも覚えさせるという、そういうことでそこは渡り廊下、
屋根を付けないでということ。
それで、
少年院の
建物の
配置を見てみましたら、
体育館は道路の脇にあるんです。そういうことを考えたら、私は、
地域開放、
体育館、そんなに毎日毎日使っているわけではありません。そういう中で、やっぱり外から入れるようなシステムをつくって、かぎを預けるとか、そういう形で
地域に
開放するということもこれから
検討をされたらいいんではないかなというふうに考えたところであります。
もう
一つ、四点目、感じたこと。それは、
少年院に行って食堂に行きました。朝昼晩というメニューが、現物で
献立が出ていました。大変おいしそうな
献立でした。多分お米七麦三か、八、二か、そんなことを言っていましたけれども、残念ながら
カロリー表示してありませんでした。
児童自立支援施設にも行って聞きましたけれども、十日間の
献立表はちゃんと出て、掲示板、張ってあるそうですけれども、しかしやはり
カロリー表示はしていないということです。
これ、
食育基本法、十七年に成立しまして、去年十一月に初めて
食育白書というのが発表されました。これももう話はしませんけれども、この話をすると長くなるからしませんけれども、
是非、やっぱりそういう
少年院なり
児童自立支援施設の中で
少年の
自立更生の中でも
食育という、例えば
栄養教員だって、これ
全国まだ四十四道府県しか
配置されていません。まだ三つ足りません。足りない県は言いませんけれども。
こういう点、これ
文科省、今日来ていると思いますんで、
是非文科省も
食育の大切さ、欠食、偏食、肥満。やっぱり朝
御飯を食べない、
子供たちだけで食べている人四割とか、中学生の四人に一人は食べない、
孤食とか、こういうことでは、どんなに
学力、
学校を土曜日また少し授業時間数を増やすとか、夏休み少し減らそうとか、それで
学力を上げようとか、それは中教審とか
教育再生会議でいろんな
方々が議論をしています。これはこれで私はいいと思いますけれども、
基本はやっぱり
早寝早起き朝
御飯、
文部科学省やっているんじゃないですか。もう少し
地方にこの
考え方を根付かせることというのはとても大事だと思います。どんなに
学力が上がっても、
家庭のきずながなければ、この
少年法の問題だってやっぱり最終的には
家庭なんだろうと、そう思うわけですから、これは
少年院、
児童自立支援施設で述べた感想として述べさせていただきたいと思いますから、こういう中で少し取り入れる点があったら、
是非ひとつ
検討をしていただきたいと思うわけであります。
以上申し上げましたけれども、この点、もし御回答、簡潔に、もう時間ありませんから
一言でいいです。