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末松信介君 自民党の
末松信介でございます。
昨日の
参考人質疑に続きまして、今日も
質問させていただくことになりました。今日、
警察官房長の方お越しいただいております。ありがとうございます。
まず
最初にお尋ね申し上げますのは、望まれる
公務員像についてということをお尋ね申し上げたいと
思います。
実は、何年か前にこういう話を聞いたことがございます。十年間
日本で生活をしたことがありますある
アメリカ人のジャーナリストが本国に帰って大変困ったそうであります。何に困ったかといいましたら、実はある
言葉を
英語に訳せということで困ったそうなんです。その
言葉というのは、私
たちが日常よく使います
おかげさまでという
言葉であります。この訳し方に大変困ってしまったと。困り果てた末、
英語でどう訳したかといいましたら、こう訳したそうなんです。ビコーズ ウイ アー リビング アンダー ザ シャドー オブ ジャパニーズ ガバメントと。林副
大臣はさすがに、
渡辺大臣も
英語が堪能だからすぐにお分かりになったと思うんですけれども、つまり
日本政府の庇護の
おかげでというように訳したそうなんです。私
たちでしたら、普通、御先祖様とか、あるいは信心深い方だったら神様とか、あるいは御近所の皆様の
おかげでと訳すと思うんですけれども、その方がそう訳されたそうなんです。
しかし、これが絶対おかしいかといったら、あながちそうも言い切れないと。なぜかと聞きましたら、欧米というのは必ず
ヒーローになるのはロビン・フッド、ウィリアム・テル、中国では孫悟空、これは当時の
権力者に立ち向かった
民間人が
ヒーローになるということが特徴なんです。ところが、
日本人で
ヒーローになるというのは、
大岡越前の守、
遠山金四郎、
大石内蔵助、また暴れん
坊将軍、こうした
方々が
ヒーローになるというのは、常に
公務員若しくは
公務員に準ずる方が
ヒーローになるということが、これが
国民性の大きな違いであると。
ですから、私
たち、厳格な
権利認証制度であるとかあるいはいろんな個別の
法律があります、
建築基準法もそうですし、こういったことが実際は憲法の下で、制約の中で本当にこれは有効なのかどうかということについて、違反じゃないかという裁判というのはそんなに起こされないわけなんです。だから、こういった
お上、
公務員というものに対しての尊重、信用、
信頼というのは大変強いものがございます。しかし、その
お上、
公務員というのが随分おかしくなってきたわけであります。それが今回、天下り問題、
官製談合の問題もありますし、時々いろいろなほかの不祥事もあるわけでございます。
この十年、よく
制度疲労ということを耳にするわけなんですけれども、
公務員制度そのものも疲労してきたということは
一つの原因だと思うんですけれども、今回、
国家公務員法等の一部を改正する
法律案提案理由説明を何度となく読みました。こう書いています。
公務員は、戦後レジームの中で、
国家運営の担い手として、
国民と
国家の
繁栄のために積極的な役割を果たしてきた。しかしながら、今日、本来優秀な
人材が集まっているにもかかわらず、その
能力が十分になされていない
状況にあると。文章は続きまして、一方で、予算や権限を背景とした押し付け的なあっせんや
官製談合に対して
国民の強い批判があります。冒頭、このように書かれているわけであります。
かつて、私が在籍をしました議会でも、問題があるたびに積極的に、期待される
議員像というものをみんなで考えてみんなでつくったことがあります。私、いろいろと
思い出があるんですけれども、非常に特徴的な
思い出の話をもう
一つだけさせていただきたいんですけれども。これは
公務員のある省の
トップまで行った方が、
退職後、こういう話をされたんですよ、もう十年以上前なんですけれども。
バブルで
地価が高騰しました。狭い
日本なのに、これは
日本の
地価全体の
価格が
アメリカの全土よりも高くなってしまったという
時代があったんですよ。
最初に、
監視区域をあの当時設定をしました、
土地取引の
届出制度なんですけれども、
価格の指導が行われたわけなんです。それでも
地価は簡単に下がらなかったと。何をしたかといったら、
総量規制を実は行ったわけです。徐々に徐々に
土地が下がり始めてきたわけなんです。下がり始めてしまって、今度は
不良債権の心配が出てきたというときになったんです。みんな
監視区域を外してほしいと思ったんですけれども、
都道府県は、もしか
自分のところが先に外して上がり出した場合に大きな
責任を問われるということで、
国交省もにらむ、
他府県もにらむという
状況が続いていたわけです。そのある役所の
トップの方が来られて、この問題について
お話をなさったと。実は、
参議院の
比例代表にかつてお出になった方なんですけれども、この方がどういうことを演説したかといったら、
監視区域の問題、
役人は始めるのも遅い
代わりに
役人はやめるのも遅いんだと言ったんですよ。私は、
最初拍手を送ったんですけれども、数秒後、何だおかしいなと、それだったらなぜ在職中にそのことを言わないんだというのが私の実は
思いだったわけでございます。
そのことを県の
トップの
会議で申し上げまして、
知事にこういう話があったんですということを言いました。要は、私は、
役人というのは、官僚というのは個人の
発想と集団の
発想というものが異なるというところ、やはり省益、
局益というものが常に頭にあるんだなということを思うんですけれども。そのときに、
知事にどう
思いますかと言ったら、今は
参議院議員で当時
総務部長でありました
森元恒雄さんが横におられて、
森元君どう思うということを言ったんですけれども、
森元恒雄さんがどう答えたかということは
選挙前なので
お話し申し上げませんけれども。
知事はそのときに腕組みをして言ったことは、やっぱり保身かなというそういう
言葉を使われたわけでございます。
私は、期待される
公務員像ということ、
国民に明確なメッセージを送る
意味で、改めて期待される、あるいは
理想の
公務員像というものを
大臣から
是非お答えをいただきたいなと。昨日も
参考人の方から、これからの
公務員というのはやっぱり幅広い
知識と同時に、
国際競争力で勝っていく、こういうセンスというのは大事であるということを言われていましたので、その
理想の望まれる
公務員像についてお尋ね申し上げます。