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2007-05-15 第166回国会 参議院 内閣委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十九年五月十五日(火曜日)    午前十時二分開会     ─────────────    委員異動  五月十四日     辞任         補欠選任         松井 孝治君     尾立 源幸君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         藤原 正司君     理 事                 秋元  司君                 鴻池 祥肇君                 朝日 俊弘君                 工藤堅太郎君     委 員                 佐藤 泰三君                 鈴木 政二君                 田村耕太郎君                 竹山  裕君                 林  芳正君                 山谷えり子君                 尾立 源幸君                 木俣 佳丈君                 風間  昶君                 白浜 一良君                 亀井 郁夫君    事務局側        常任委員会専門        員        鴫谷  潤君    参考人        中央大学商学部        教授       根本 忠宣君        全国商工会連合        会会長      清家  孝君        毎日新聞論説委        員        北村 龍行君        慶應義塾大学経        済学部教授    木村 福成君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○連合審査会に関する件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○株式会社日本政策金融公庫法案内閣提出、衆  議院送付) ○株式会社日本政策金融公庫法施行に伴う関係  法律整備に関する法律案内閣提出、衆議院  送付)     ─────────────
  2. 藤原正司

    委員長藤原正司君) ただいまから内閣委員会開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨十四日、松井孝治君が委員を辞任され、その補欠として尾立源幸君が選任されました。     ─────────────
  3. 藤原正司

    委員長藤原正司君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。  株式会社日本政策金融公庫法案及び株式会社日本政策金融公庫法施行に伴う関係法律整備に関する法律案について、財政金融委員会からの連合審査会開会の申入れを受諾することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 藤原正司

    委員長藤原正司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 藤原正司

    委員長藤原正司君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  6. 藤原正司

    委員長藤原正司君) 次に、連合審査会における政府参考人出席要求に関する件及び参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  両案審査のための連合審査会政府参考人及び参考人出席要求があった場合には、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 藤原正司

    委員長藤原正司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  8. 藤原正司

    委員長藤原正司君) 株式会社日本政策金融公庫法案及び株式会社日本政策金融公庫法施行に伴う関係法律整備に関する法律案、両案を一括して議題とし、参考人方々から御意見を伺います。  本日は、中央大学商学部教授根本忠宣君、全国商工会連合会会長清家孝君、毎日新聞論説委員北村龍行君及び慶應義塾大学経済学部教授木村福成君に参考人として出席をいただいております。  この際、参考人方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。  参考人方々から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、今後の審査参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  それでは、議事の進め方について申し上げます。  まず、根本参考人清家参考人北村参考人木村参考人の順序でお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員質疑にお答えいただきたいと存じます。  御発言をいただく際は、その都度委員長の指名を受けてからお願いいたします。  また、各委員質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いいたします。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、根本参考人からお願いいたします。根本参考人
  9. 根本忠宣

    参考人根本忠宣君) 中央大学商学部根本でございます。よろしくお願いいたします。  本日はこのような機会をいただきまして大変ありがとうございます。私の方からは、実はお手元の方に簡単なメモ書きペーパーを用意さしていただいたんですけれども政策金融改革意義課題ということで、今後のこの改革意義そして今後の課題ということについての簡単な論点について説明さしていただければと思っております。  時間が十五分というふうに限られておりますので、ペーパー前半側はその必要性有効性ということの教科書的なお話なので、この辺は少し省略をさしていただきたいというふうに思っております。  今回、政策金融改革が行われて、一番私自身が最初に感じたものは、縮小という行革の一環ですから、縮小ということが当然その前提になるというのは分からなくはないんですけれども事中小企業金融に関連して言わしていただければ、なぜその縮小ということがその前提になる必要性があるんだろうかということについてはいささか疑問を持っております。  それはどういうことかというと、政策金融有効性というのはそれなりに認知されておるということと、これまでの中小企業金融公庫なり国民生活金融公庫の実績というのもそれなりに高いパフォーマンスを上げてきているということを私なりにも確認しておるんですけれども、そういう状況にあってなぜ縮小かと、この点についてはいま一度確認しなければいけないのではないかというのが私の率直な感想でございます。  その点についてどのように展望すればいいのかというと、これはペーパーでいえば、四番目の今後も政策金融は必要かという点に関連するんですけれども、果たして民間サイドの今非常に活発に行われているイノベーションということによって、果たして従来の形のものから抜本的に改善するんだろうかということについてのこの期待値というものをより詳細に検討することが必要なのではないかというふうに思っております。この点に関して、その縮小という議論の中で果たしてその詳細なる検討があったのかということについて、この点について実は私自身は若干疑問を持っておるという次第です。  もちろん期待値の非常に大きい人から見れば、全面的に廃止をしてもいいと。私自身も知っているアメリカの例えばFRBの人々なんかは、アメリカのSBAという信用保証でさえも全面的に廃止していいという、こういうドラスチックな意見を述べる人がいるということも存じております。しかし、果たしてその理由というものについて問うと、果たして本当だろうかということについてはいささかの疑問なしと言えないということです。  具体的にどういうことかというと、民間の側の行方ということを展望してみると、確かに競争活発化をしてきているということで、アクセスが非常に容易になってきているという点は一点があるかと思います。さらに金融イノベーションということが非常に進展しておりますので、いわゆる信用金庫等も含めて高い審査能力というものの蓄積が徐々に進んでいるということも事実です。それに対応してリスク対応型のプライシングということも徐々に検討されて、それが実地に導入されようとしていることも事実でございます。  さらに補完代替調達手段としてノンバンク、エクイティー市場ないしは証券化と呼ばれているような代替的な市場が発達したことによって、いわゆる間接金融と直接金融連続性というのをかなりの高いレベルで実現しようとしていることも事実だというふうに認知しております。  しかし、これらが果たして実現したとして、中小企業金融というものが従来以上に大きく民間市場によって改善していくんだろうかということについては、かなりやっぱり慎重な議論が必要であろうし、少なくともここ数年の動向というのを見る限りにおいては、そんなに急速にいわゆる運営レベルにおいてこれらのイノベーションというのが改善というものをもたらしているかどうかということについてはそんなに拙速な結論は出せないんではないかというのが私の率直な感想のまず前提です、議論前提ということで理解していただければと思っております。  第二点は、今後も政策金融は必要かという点について言うと、長期的な日本経済動向ということを予想した場合に、これはペーパーでいえば七ページに相当するんですが、競争激化によるダンピング競争、こういったものがもたらす例えば過剰投資。それから第二点としては、リスク対応型プライシングが、これはなかなか実は浸透していないんですけれども、浸透した場合に発生するであろう金利格差。それから、審査機械化ということが浸透した場合に生じるであろう交渉余地の欠如。あるいは、地域金融機関経営上の格差というものがもたらす地域間格差という問題。企業サイドから見れば、事業承継というのがこれから潜在的に非常に大きくなってくると思いますけれども、その事業承継の失敗による廃業の増大と。  こういった問題というのは、単純に予測しても非常に大きな問題として出てくるんではないかということが予想されるわけですけれども、これらに果たして先ほどのイノベーションというのが十全に対応できるんだろうかということですね。この点についてのやはり詳細なる説明がいま一つ足りないんではないかというのが率直な感想です。したがいまして、それらを踏まえた上で、今回の政策金融統合ということについては多少の検証が必要ではないかというのが私の認識です。  もちろん、では政策改革が必要ないのかというと、これについては、私も必要であるということについては全く異論がありません。なぜ必要なのかというと、それは縮小ということが前提なのではなくて、いわゆる業務見直しということがやはり有効性ということを担保するためにはこれはもう適宜行っていかなければいけないということですね。この点に尽きるというふうに思います。  その意味でいうと、今の現状の組織を分けた状態でそれぞれ業務見直しというのは非常に困難であるというのは、これは否めない部分だというふうに思います。つまり、組織のそれぞれのセクショナリズムということで、やはり組織の存続が目的になるという部分がどうしても全面的には排除できない以上は、ある程度統合ということを契機にしながら業務見直しを行うということ、この点において今回の改革というのは、その意味においては私も全面的に支持をしたいというふうに思っております。  問題はその中身ということになるわけですけれども、その中身ということについて少しこの後半、議論をさせていただければと思うんですけれども改革というのは正に今世界でもう共通に起こっている話で、その限りにおいては日本改革も粛々と進めていただきたいというふうに思っております。  ただし、注意をしなければいけないのは、他国の状況を見たときに、例えば例としてカナダドイツフランスを挙げさせていただいているんですけれども、これらの国々の改革というのもここ数年急ピッチに行われているんですけれども、必ずしも縮小前提ではないという点ですね。ここを十分に理解をした上で改革を進めていくことが大切だろうというふうに思っております。  改革内容という点について少しコメントをさせていただきたいと思うんですけれども改革内容について、タイミングは、今申しましたように、私はこの時点において統合を進めるということについては基本的に賛成だという点。  第二点としては、政策金融の位置付けとして、民業補完とそして緊急対応セーフティーネットという部分が強調されたという点についても大いに賛成できるというふうに思っております。それ以外については、市場育成、これは証券化を指しているんですけれども、この点についても大いに賛成だということ。ただし、もう一つ、先ほどの地域間格差という点からいえば、実はこの政策金融自体所得配分所得の再分配という部分政策の代替的な機能を果たすという可能性もあるということは、今後是非検討をしていただければというふうに思っております。  第三点目の業務の在り方という点につきましては、業務内容についてはこれから個々検討していくことが必要だというふうに思うんですけれども、余りにその縮小という部分を強調する必要性はないんだろうというのが私の認識です。縮小というのは、結果として縮小することもあるかもしれないけれども、場合によっては拡大の方向に走るということも当然あり得る。それだけやっぱり経済はダイナミックに動いておりますので、ダイナミックに動けば動くほど縮小前提にするというのは、どうもこれは論理矛盾ではないかというのが私の見解でございます。これについては附帯決議というのが今回添付されておりますので、その範囲内でこの業務については適宜見直しをしていくということを是非やっていただきたいというのが私の意見です。  一般付け廃止ということについても大きな議論になっているんですけれども一般付け廃止についても、私は前提としては一般付けというのは廃止していくというのはさして問題はないと。もちろん、それによって縮小前提にしているんだと問題ですけれども一般付け廃止することでむしろ政策目的を明確にすることでその有効性を適宜評価していくということが、この統合後には一番求められるポイントだろうというのが私の認識です。  さらに、統合ということの期待されているポイントとしてシナジー効果ということがよく議論されているようですけれども、そのシナジー効果ということが本当にあるのかということについても、実はここも十分に検証がされているとはちょっと言い難いなというのが私の正直な印象です。シナジー効果ではもちろん間接部門共有化というのは図られるだろうけれども、問題はその業務間のシナジー効果ということなんですけれども、実はこのシナジー効果に関しては、欧米のケースなんかを見ても、必ずしもこのシナジー効果が発揮されているかどうかということについてはやや疑問なしと言えないんではないかなというふうに思っております。  とりわけ日本の各機関動向というのを見ると、やはり私も現場の方で見ていましたけれども現場方々の動きというのを見ていると相当専門性が高いという部分がありますので、これらの専門性というのを生かしていくということでいえば、むしろ業務シナジーというよりは、独立性を担保しながらお互いの共有できる部分を探し合っていくというような視点の方がむしろ効果が発揮できるんではないかというのが私の意見としてあります。  実際に海外事例なんかを見ても、海外でも実はいろんな形で統合が行われていますので、どういう形で統合が行われているのかというと、カナダケースドイツフランス、フィンランドのケースで、ドイツ持ち株ではないですけれども、それ以外についてはほぼ持ち株会社ないしは子会社化をしてそれぞれの専門性を担保するようにしていると。むしろ独立性を非常に確保して、独立性を確保することによってむしろそれぞれの有効性を発揮していくというような方向性が非常に強いんではないかなというふうに思っております。その意味でいうと、場合によっては、これは法律見直しが必要なわけですけれども持ち株会社導入によるそれぞれの専門性の発揮という視点というのが、いずれどの段階かでは検討が必要になろうというふうに考えております。  今後の具体的な課題という点で幾つかコメントをさせていただきますと、ガバナンス体制というのが第一点にあるかと思うんですけれどもガバナンス体制に関して言えば、これはもちろん株式会社ということでの基本的な内部監査をきっちりとやっていくという、セルフガバナンスというのを徹底させる、これはもう議論余地はないというふうに思うんですけれども、もう一点としては、やはり公共性という概念から、いわゆる第三者機関における外部チェックということで、いわゆるその公共性における有効性効果評価効果に対する評価というのを十分にやっていくことが必要だろうと。もちろん、この際の組織的なその中身について、構成については様々な議論があるでしょうけれども、その前提としてはやはり第三者機関必要性というのが当然認められると。事実、海外事例等に依存しましても、それらの第三者機関というのがきっちりと確保され、そして相互チェックというのが行われているという状況でございます。  さらに、重要なポイントとして言うと、いわゆる政策評価の実施というのが今後の重大な課題になってくると思うんですけれども、実はこれはもう既に各個別の機関ごと政策評価が実施されているわけですけれども、これらの基準をどういうふうにしていくのかというのは非常に大きなポイントだろうというふうに私は認識しております。  これは、数値目標を立てるかどうかというのは一つ議論ポイントですけれども数値目標というのはやはり目標値ですから、いわゆる政策目標としてこういう目標があって、それに対してこのくらいのパフォーマンスを期待したいというような、その意味での数値目標というのはこれは立てるべきだというふうに思っております。もちろん、その数値目標自体ノルマという形に化してしまって、そのノルマが無駄な支援を引き出し、民業を圧迫していくという、こういう問題を引き起こしてはいけませんので、その点においては、その数値目標というのはノルマではないという部分の確認は十分に必要だろうというふうに思っております。  さらに、その政策評価において一番重要なのは、いわゆる民間ではないわけですから、いわゆる即座なその効果というよりは、やはり中小企業が特有に持っているその特性というのを生かしながら、やはり時間を掛けて育てていくという視点ですね、この視点についての評価というのが非常に必要だろうと。私自身も個人的にこういう評価というものについて考えてはいるんですけれども、やはり時間を掛けながらその企業を育てていくという点については、いわゆる政府系金融機関の方が民間金融機関よりも正直言うとやはり高いパフォーマンスを上げているというふうに言っていいんではないかというふうに思っております。  その他、やっぱり評価については、定性的な部分での成功事例、ベストプラクティスみたいなものを適宜評価をしながら、いわゆる数値の増分だけではない、その定性的な部分での評価というものを是非ともこの中では取り入れていただきたいというふうに私は思っております。  さらに、今後の課題として何点か挙げさせていただきたいと思うんですが、当然、株式会社という形になっていく以上は採算管理リスク管理体制強化というのが必要になるかと思うんですけれども、その限りでは、やはり信用リスク評価モデルを構築し、管理会計みたいなものを導入していくということが当然必要になってくるだろうと。これについても、恐らくもう個々金融機関、各組織はもう検討を始めていると思うんですけれども、これをどういうふうに管理会計システム等についての統合を図っていくかということについてはかなり難航が予想されますので、これについての専門委員会というものを早く立ち上げることで、こういったところについての事務、それこそ間接コストシナジー効果を上げるためにはこういったところの整備が必要だろうというのが第一点です。  それから第二点としては、金利設定の方法の柔軟化ということで、当然、株式会社という視点に変わっていきますので、その限りでは、ある程度そのリスクを対応してプライシングという導入もどこかで必要になってくるだろうというふうに思っております。その際には、当然、低利という政策金融意義というものを生かすためには、場合によっては利子補給制度との組合せということを検討することで、リスク対応型プライシング等前提にしながらも利子補給を組み合わせていくということで支援効果を上げていくという、こういった方式の検討も必要だろうというふうに思っております。  さらに、もう一点として言えば、非金利収入検討ということも必要で、これはカナダのBDCなんかはそうしているわけですけれども、いわゆるそのコンサルティング部門中小企業金融公庫なんかが持っている非常に高い相談機能というのがあるわけですけれども、それらの相談機能というものを情報提供型から提案型に変えていくということも非常に検討余地があるというふうに私は考えております。その意味では、これらについてのいわゆる手数料収入というものをどういうふうに考えるのかということも今後の検討課題として挙げる必要性があるだろうというふうに思っております。  さらに、最後地域との連携強化ということについて述べさせていただきたいと思うんですが、これからやはり政府系金融機関という形で新しい体系に変わっていく以上は、やはり地域との連携でどうやってその地域間格差を是正していくのかということに貢献するということが非常に求められると思うんですね。その点でいえば、やはり地域商工会地域金融機関、地方の自治体との連携を図ることで、そのコーディネート役の拠点をこの政府系金融機関というのは是非担っていただきたいというのが私の意見です。  更に言えば、地域金融機関に対するノウハウの移転ということを是非、その協調体制連携体制を取ることで、お互いが競合するんではなくて補完的にお互いノウハウを改善していくというような、そういう体制づくりをしていくことが必要だろうというのが最後に述べさしていただきたいポイントでございます。  時間が来ましたので、私のポイントとしてはこの点で一応終わらさしていただきたいと思います。
  10. 藤原正司

    委員長藤原正司君) ありがとうございました。  次に、清家参考人にお願いいたします。清家参考人
  11. 清家孝

    参考人清家孝君) 全国商工会連合会清家でございます。  本題に入る前に、手短に私ども組織について説明をさしていただきます。  私ども商工会は、昭和三十五年に成立した商工会法に基づき、主として町村の地区に設立された経済団体でございます。全国で二千七十六の商工会が設立されており、会員事業者数は約百万、組織率は六割超となっております。国、県等支援を受け、地域小規模企業者経営相談金融あっせん税務指導を始め、町づくりやイベントを通じて町おこしなど幅広い事業に積極的に取り組んでいるところでございます。御参考までに申し上げますと、平成十七年度に全国商工会の約五千人の経営指導員等が行いました指導相談件数は約三百三十二万件でございます。一年間で経営指導員一人当たり約七百件の指導等を行っております。  時間が限られておりますので、早速本題に入ります。株式会社日本政策金融公庫法案について意見を述べさしていただきます。  まず、政府系金融機関の役割について述べさしていただきます。  全国四百三十万社の中小企業我が国経済競争力を支え、また地域の雇用を支えております。一般には景気は大きく回復していると言われておりますが、業況の回復には地域、業種間で大きな差があり、また大企業との業績格差も広がっており、多くの中小企業は依然として厳しい状況に置かれております。  金融情勢につきましても、最近は金余りの状況にあって借りたい企業には十分な資金が民間金融機関から供給されているというようなことを言う方もおりますが、しかしながら民間金融機関は、経営がうまくいっている企業には幾らでも貸しますが、少しでも調子が悪い企業には非常に冷淡な対応をするという融資姿勢です。バブル崩壊後、それまでとは打って変わって貸し渋り、貸しはがしという仕打ちを受けたことについては、忌まわしい記憶として鮮明に脳裏に焼き付いております。  バブル崩壊後の危機的な状況を乗り越えることができたのも、政府系金融機関が親身に我々を支えてくれたおかげであります。また、創業期や苦しい中で新たに事業にチャレンジしようとしたときに、担保の有無を気にする民間金融機関と違って、事業の将来性を真剣に考えて中小企業の育成を支えてくれたのも、中小公庫、国民公庫など中小企業向け政府系金融機関です。  今回の政策金融改革に当たって、こうした中小企業向け金融機能の良い点が失われることのないように、また統合後の新公庫において中小企業向け金融機能の重要性が低下し、我々中小企業者が切捨てになることのないように、先生方におかれましても中小企業の生の声に耳を傾けていただき、我々の不安を取り除いていただきたいと思っております。  またさらに、これだけ大きな改革を行う以上、現状を維持するだけではなく、今回の改革中小企業向け金融機関が今まで以上に中小企業の役に立つ機関へと変わっていくきっかけにしていただければ、全国中小企業者に向けて改革をやってよかったという大きなメッセージになると思います。  既に、これまでばらばらだった国民公庫、中小公庫、農林公庫の支店を統合し、各支店においてワンストップサービスを提供するといった方針を示していただいておりますが、さらに融資の内容に踏み込んで、例えば担保や保証人に依存をしない融資を一層推進し、新機関では、不動産担保に頼らない融資を大幅に拡充する、第三者保証人は原則として取らないという方針を示していただければと思っております。  次に、新公庫に対する財政処置について述べさせていただきます。  先ほども申し上げたとおり、厳しい貸し渋り、貸しはがしを経験し、大企業との業績格差地域間格差など、依然として厳しい状況に置かれている地域中小企業にとって政府系金融機関の役割は引き続き極めて重要で、新公庫への統合後も中小公庫、国民公庫の機能をしっかりと維持していただく必要があります。  新公庫法案の衆議院での附帯決議においても、中小企業者等の資金需要に質量ともに的確にこたえるものとし、そのために必要な、かつ十分な財政処置等を講ずることとされており、新政策金融機関組織運営に当たっては、中小企業向け金融が今までどおりきちんと実施されるよう十分な財政処置を確保し、しっかりとした支援をお願いをいたしたいと存じます。  また、これまで政府系金融機関については、創業、再創業支援事業再生、セーフティーネットなどに積極的に取り組むようになって、よって中小企業が苦しい時期に一生懸命支えてくれました。その結果として貸倒れや支払の遅れなどが発生してきている状況であります。こうした不良債権については、新公庫が安定的に経営を行っていくためにはきちんと処理をしていく必要があると思いますが、仮にこれを新公庫の収益で埋めていくということになれば、新公庫の経営者が利益主義に走ったり、貸出し金利の大幅な上昇等がなされることになるのではないかという点を大いに心配をしております。  したがって、新公庫発足後、新たに行う貸付けに関するのみならず、これまでの積極的な取組によって発生した政策的に意味のある貸付けに伴うコストについてしっかりと財政的な手当てを講じていただき、新たに出発する新公庫において十分な財政基盤が確保されるよう、中小企業向け金融が今までどおりに実施されるように是非とも御支援をお願いをいたします。  次に、中小公庫における一般付け廃止について述べさせていただきます。  この点につきましては、これまでの政策金融改革の流れの中で決まってきたことと承知をしておりますが、他方、貸し渋り、貸しはがしの時代を経験した中小企業の中には、一般付け廃止されて必要なときに弾力的に貸付けを受けることができなくなるのではないかという懸念を抱いている方々も多くいらっしゃいます。こうした懸念が現実のものとならないよう、新公庫においては新たな政策分野に対応して、機動的な融資制度の創設、拡充等を行い、中小企業に必要な資金がしっかりと供給されるようにしていただきたいと思っております。  次に、新公庫に対する新たな貸付残高削減目標について述べさせていただきます。  最近、政策金融機関の貸付残高の半減するという目標が達成された後に、新たに削減目標が必要ではないかという議論がなされており、大変心配をしております。政策金融内容を不断に見直していくということは必要と考えますが、あらかじめ機械的な数値目標を設定すると、中小企業を取り巻く環境の変化や資金需要に応じた機動的な資金調達に支障が生じかねないことを強く危惧しております。数値目標に縛られて、政策金融機関が貸し渋りを行うような事態は是非避けていただきたいと考えております。新たな削減目標を設けることは是非行わないでほしいと強くお願いをする次第でございます。  最後に、新設される危機的対応制度について述べさせていただきます。  金融危機や災害などの危機時の金融は正に中小企業最後のよりどころとして政策金融の最も重要な役割と認識をしております。危機対応体制については、行政改革法の参議院の附帯決議において、迅速かつ弾力的な発動や完全民営化後の機関が積極的な役割を担えるよう制度上明確化することについて御決議をいただき、新公庫自身が行う危機的対応業務に加え、商工中金等を活用した危機対応業務が新公庫法案に規定したところでございます。  しかしながら、法律上は制度の大枠は決まったのみで、具体的な処置の内容や財政処置など制度の具体的内容が全く見えてこないことについては若干の不安がございます。新公庫に設置される危機対応業務については、これまで商工中金等が行ってきた危機対応と同じ範囲の危機を対象とし、同様の迅速性を持って同水準の条件での対応が可能となるよう体制の整備をしていただく必要があると思っております。このためにも必要な財政処置についても十分なものの確保をしていただきたく、御支援のほどをよろしくお願いを申し上げます。  また、商工中金等が危機対応というリスクの高い金融に積極的に取り組むためには金融監督行政の配慮も必要不可欠であると考えております。政策的な意義を有する危機対応を行った結果、金融庁から自己資本不足を指摘されるなど厳しい監督処分を受けるということは、商工中金等が積極的に危機対応に取り組むことはできません。危機対応については、金融監督行政においても十分な配慮がなされ、柔軟な対応が可能になるよう、よろしくお願いをいたします。  以上、申し上げましたような中小企業の不安を少しでも軽減していただくべく、新公庫の設立に向けて国会の御審議をお願いをして御配慮を賜りますようお願いを申し上げ、私の発言にさせていただきます。
  12. 藤原正司

    委員長藤原正司君) ありがとうございました。  次に、北村参考人にお願いいたします。北村参考人
  13. 北村龍行

    参考人北村龍行君) 今、根本さん、清家さんのお話を伺っていて、中小企業の問題が中心というふうに感じました。  政策金融がなぜ基本的に必要なのかという原点なんですけれども、基本的には公益性とリスクの問題だと考えています。公益性が高くてハイリスクな場合には、これはもう民間では対応不可能ですから政策金融が必要になる。しかし、公益性が低いのであればハイリスクであろうとローリスクであろうとこれは民間でやればいいだろうと。そして、公益性が高くてローリスクであればこれも民間でやればいいというふうな基本的な観点が必要だろうと思います。  つまり、根本さん、清家さんの方から政策金融について民業補完セーフティーネット、危機対応、緊急対応というふうな話があったんですけれども、果たしてそれは本当に政策金融として三つとも適当なのかどうか。その辺については、まあ民業補完というのは当然当たり前なんです、政府系金融が主役になってはいけないわけですから、これは民業補完は当たり前だろうと思います。  セーフティーネット緊急対応、これがどこまでセーフティーネットなのか、緊急対応なのか。セーフティーネットの問題というのは正に民間との役割分担の問題になって、どこまでがセーフティーネットでどこまでが民間なのか、この辺の線引きというのはケース・バイ・ケースなんでしょうけれども、世の中の世論とか経済状況、それによって上に行ったり下に下がったりして一概に線引きはできないものだと思います。緊急度によってセーフティーネットの程度というものが決まっていくものですから、それを余り高いところまで持っていくと、民業補完じゃなくて実質的に政府系金融機関金融を担ってしまうと。結果として、経済の効率性が失われるということがあろうかと思います。  それから、中小企業の話が続いたんでここは少し農林漁業金融公庫の話もしておきたいかなと思いまして、農林漁業関係金融の特質というのが幾つかありまして、一つは生産サイクルが長い。つまり、日銭が入る商売じゃないんですね。稲作だったら、二毛作じゃなけりゃ年に一回。それから、乳牛や肉牛だったら二年に一回。それから、果樹だったら、収穫ができるまで六年とか八年とか。つまり、資本回転率が非常に低いと。だから、長期の金融が農業の場合には必要になるというふうなことがまず特徴としてあります。  それから、これまで日本金融というのは不動産担保を、それから保証人、個人保証、連帯保証という形で融資するというのが当たり前だと思われていたんですけれども、その意味からすると、農林漁業といった場合には、担保になる農地、山林、漁船、そういったものが担保としてすぐ売却できるかというと売れないわけですね。農地法やなんかの制限もありますし、漁船を買う人というのはもう限られているし、山地なんかもそうですし、そういう意味で、従来の金融の担保という金融ではやりにくいところがあると。それから、天災やなんか、疫病とかいろいろあって、通常の製造業やなんかとは違うリスクがあると。そういう意味で、農林漁業に対する金融というのは一般金融とは違うというふうにみなされてきたわけです。  ところが、今年から品目横断的な経営安定対策が始まりますけれども、一方で日本の農業というのは物すごく、先端的な部分は物すごく国際競争力持ち始めていまして、例えば園芸なんかで野菜とか果樹なんかでは通年出荷、一年間毎日何か違うものを出荷していくというスケジュールを組んで、実は日銭商売に近いような農業も生まれてきていると。そうなってきていると、別に農業金融の特殊性というのはそんなに強調することじゃなくて、むしろ問われるべきは従来の地方の金融機関の、地銀、信金といった金融機関の不勉強。現在、日本金融というのは、基本的に地方にあるお金を地方に使うんではなくて、中央のメガバンクに持ってきて、又は世界のグローバルマーケットに持ってきて、そこで利益を上げて、その配当をまた地方の金融機関に戻して、それを地方の金持ちにまた戻すという形の金融が行われているわけです。  それで、日本経済の今の最大の課題というのは地方経済をいかに活性化するかということなんですけど、そのときに地方の金融機関と地方のお金が地方に投資されてないということが最大の問題なんです。そのサイクルをどうつくるか。そのときに、じゃ日本政策金融機関がその役目を果たせるかというと、政策金融機関というのは基本的に中央集権なんです。地方の金融機関がそれぞれの金融機関の活性化をやらなきゃいけない。そういう意味では、政府系金融機関というのは役割はむしろ減退していくべきだし、けれども、そのときに地方の金融機関自体が不勉強であって能力不足であるということが問題になってくるだろうと思っています。  それから、国民生活金融公庫中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫、沖縄振興開発公庫、国際協力銀行の円借款を除いた部分統合というのは、多分ほとんど意味がないだろうと思います。総裁、理事の人数が減るだけだろうと。それぞれの業務はそれぞれ専門化していてコンピューターのシステムも全く別個ですし、例えば農林漁業金融公庫であれば、私がさっき言ったような主張を繰り返して、業務の共通性というものをそれぞれの公庫が認識して協力して統合化していくということは多分行われないだろうと思います。霞が関の役所が、国土交通省だとか厚生労働省だとか巨大な官庁はできたけれども、相変わらず昔のまんま、縦割りのまんまが続いていて、行政の効率化も行われていないというのと同じことが多分この公庫の統合についても起こるだろうというふうに考えています。  それから、あとは、金融機関というのは基本的に、どこで資金調達をしてどこに、どういうところに融資先を見付けて、それで審査をして融資をして金利を取ってという業務なんですけれども、私自身ちょっとよく分からないのは、日本政策投資銀行の完全民営化した場合、一体この銀行はどうやって飯を食っていくんだろうかというのがよく分からないんですが、とにかく店舗が圧倒的に少ないし人員が圧倒的に少ない、これで営業活動できるんだろうか。  日本政策投資銀行の強みというのは審査能力の高さだろうと思います。そういうことであれば、資金調達や営業能力について限界があるんだとすれば、審査能力を生かして金融機関に対するコンサルタント的な業務で生きていくのかなと、コンサルタントによる手数料で生きていくのかなという気がします。そうすると、それは銀行業務というより金融サービス業であろうなという感じがいたしまして、商工中金については、もう根本さん、それから清家さんからお話がいろいろあったんですけれども日本政策投資銀行というのは一体、完全民営化した後どういう銀行になっていくのか。メガバンクではないし、国際競争力のある銀行でもないし、投資銀行でもないし、そのイメージがよく分からないまんま民営化が進んでいるなという印象を持っています。  全体に、今回の政府系金融機関改革統合、民営化については、タブーとされていた政府系金融機関の民営化、統合改革について手を付けたというアリバイ的な印象が強くて、これによって政府系金融機関が一挙に変わっていくという印象は余り持っておりません。  以上です。
  14. 藤原正司

    委員長藤原正司君) ありがとうございました。  次に、木村参考人にお願いいたします。木村参考人
  15. 木村福成

    参考人木村福成君) 慶應義塾大学、木村です。どうぞよろしくお願いします。  私の専門は、経済学の中の特に国際貿易論、開発経済学といった分野でございまして、どちらかというと、実物面の貿易投資を見ているのがふだんの私の研究でございます。東アジアにおける国際的生産流通ネットワークの展開でございますとか、自由貿易協定あるいはWTOを含めた国際通商政策、こういったところが専門でございます。  したがいまして、今回法案で問題になっております金融実務の特に細かい部分については必ずしも専門的な知見を有しておりませんけれども、ふだんから国際経済関係あるいは日本経済外交というものを見させていただいております立場から、特に国際金融関連業務部分ですね、国際協力銀行の中の国際金融部門の部分について意見を申し述べたいと思います。  まず、大前提として、政府系金融機関の再編ということで、今回、とりわけ政府の役割というのを本当に必要な部分だけに限定しようという考え方を取られていると。その点につきましては大いに評価ができると考えております。そのような効果が十分に得られるように制度を設計し、それから実施に移していくということが大変重要だと考えております。  そのことを確認した上で、現在の国際協力銀行、JBICの国際金融業務という部分になりますけれども、その中には政府の関与が国家戦略としてどうしても欠かせない部分があるということ、それから、そういった活動を進めるに当たってはどのような組織形態を取らなきゃいけないのかと、そういった点についてお話をさせていただきたいと思います。  JBICの国際金融業務内容というのは、特にプロジェクトとしては、プラント輸出、資源輸入、資源開発投資、それからインフラ投資と、こういった部分に対する金融サービスを供与するというものになっています。これらの多くは、政府系金融機関であるJBICが関与することによって日本企業がかかわる貿易投資を円滑に進めようというところが目的となっております。  したがいまして、中身をよく見ると、民業圧迫になっている部分がたくさん目に付くというよりは、むしろ民間企業の活動をバックアップするといった役割を持っているものが多いと私は考えております。一つの証拠として、民間銀行との協調融資というような形を取っているものが大変多いということが見られます。  輸出入銀行につきましては、各国このような、これに類する組織を持っています。組織形態はまちまちですけれども、何らかの形で政府が関与しているというものがほとんどだというふうに理解しております。国策に基づいて、それぞれ自国の企業が関与する貿易投資を金融面から支援するというのがそれぞれの目的となっています。ただし、国際的な競争条件を極端に攪乱しないように、自分たちの企業、自国の企業ばかりを優遇するというようなことがないようにOECD等の場で国際ルールが定められています。特に、輸出信用業務につきましては、OECD輸出信用ガイドラインというものがございまして、かなり厳格に融資条件等を制限しているということがございます。  近年の動向を見ますと、この分野では当然のこととして民間企業そのものの資金力も高まっておりますし、また民間銀行のサービス供給力も増強されつつありますから、かつては輸出入銀行の対象となっていたものでも純粋に民間へと移行していった、そういったたぐいの案件も確かに存在します。  一方で、政府系金融の関与が以前にも増して重要になっているという分野もあります。二つほど例を挙げてお話しします。  一つは、資源開発投資です。このところ二、三年の資源価格高騰を皆さん御承知のとおりだと思いますが、それを受けまして世界各国は資源獲得合戦を繰り広げていると、こういう状況にあります。海外における資源関連投資においては、投資金額の巨大さということもありますけれども、それに加えて、相手国の資源ナショナリズムに対応するという意味でも政府の関与が決定的に重要であるケースが多いと考えられます、特に途上国の場合ですね。  資源確保においては、特に我々の一つの脅威となっておりますのは後発の中国であります。中国はOECD加盟国でもございませんので、OECDガイドラインを守る必要は全くないわけでございまして、ある場合にはなりふり構わずと見えるような強力な攻勢を世界じゅうで展開していると、こういう状況にあります。  資源確保というのは、民間企業と協調しながら日本政府も積極的、戦略的に関与していくべきものだと考えます。したがいまして、現在、JBICが請け負っております国際金融業務及び独立行政法人日本貿易保険ですね、日本貿易保険が提供しております貿易・投資保険の業務、こういったものの役割は大変大きいのではないかと考えます。  もう一つ、近年急速に重要性が認識されてきたのがPPPとか言っていますが、官民連携、パブリック・プライベート・パートナーシップに基づくインフラサービス供給であります。インフラ建設及びそのインフラサービス供給というのは、世界的に見ても、かつては当然のこととして政府が行うものと考えられてきました。それが一九八〇年代、九〇年代に入りまして、民間に任せられるものは民間でやるべきだという意見が強くなって、公団、公社が民営化されたり、あるいはPFIとか言っていますが、プライベート・ファイナンス・イニシアチブとか言っていますが、といった形で民間に丸ごと任せると、こういった改革が進みました。それでうまくいった分野あるいは国というのも確かにあったんですけれども、特に発展途上国の状況を見ますと、一〇〇%政府あるいは一〇〇%民間といった極端な形では動かない分野が広範に出てきてしまいました。  そこで、広い意味でのPPP、官民連携というのは、政府の関与する部分民間の役割というのをもっと柔軟に組み合わせて、効率的にインフラ建設、それからインフラサービス供給を行っていこうと、こういうものでございます。特に、アジア地域は、予想される経済成長を踏まえると膨大なインフラ需要がこれから生じてくるというふうに考えられておりまして、PPPの積極的な導入が期待されることとなっております。また、アジアのインフラ部門というのは、日本企業が展開している国際的生産流通ネットワークを更に活性化し、日本及び日本企業競争力を高めるといった意味でも大変重要なものとなってきています。  PPPの対象となり得る分野というのは、これまでもかなり実績のある電力部門のようなものもございますが、それに加えて都市交通、港湾、空港、上下水道、行政サービスなど多岐にわたりつつあります。こういった部分では必ずしも日本企業が国際的な競争力を十分に獲得し得ていない例などもありまして、何らかの意味でそのバックアップが必要だという状況にあります。  こういったプロジェクトを獲得し遂行していくためには、ファイナンスにとどまらず、有能なプロジェクトの設計者というものが必要でございまして、そういった意味でJBICの役割というのは極めて大きいというふうに考えられます。  ですから、現行のJBICの国際金融業務部分というのは、もちろん純粋に民間に任せられるものは任せつつ、引き続き政府系金融機関として関与すべきものを含んでいるというふうに考えます。今回の改編では、組織としての効率性を追及しつつ、本来政府が行うべきことはしっかりとやっていくと、そういったことが重要なんではないかと考えます。  最後に、国際金融業務にかかわる組織形態について一つ申し上げたいと思います。  国際金融業務部分の基本哲学というのは、あくまでも、これは自国の企業をサポートするというのが本音でありつつ、あくまでも国際的な競争環境を攪乱せずに平衡に保っていくんだというところが基本的な哲学となっております。一方で、今回統合される国内の中小企業振興あるいは特定産業振興、地域振興といったものというのは、国内の政治経済を踏まえ、国内的な市場の失敗の認識に基づいてある特定の企業地域を優遇すると、こういったものになっているわけです。  そうしますと、これは単に国内、国際という違いにとどまらず、基本的な哲学がかなり違っているということはしっかりと認識する必要があると思います。それゆえに、今回の統合によって海外から、日本は本来国内にとどめるべき産業政策というのを海外にも展開しようとしているんじゃないかと、こんなふうな不要な誤解を受けるような危険性もあります。そのようなことが起きないように、法案が提案するように、国際金融業務部分についてJBIC、国際協力銀行というその名称を用いることを許容すると、これにとどまらず、もう少し内容的にも、国内、国際の間にしっかりとした業務上、財務上のファイアウオールを設けて、海外から不要な誤解を受けないような工夫をしていく、こういう制度設計が必要なんではないかと考えます。  以上です。
  16. 藤原正司

    委員長藤原正司君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  17. 秋元司

    ○秋元司君 自由民主党の秋元司でございます。  今日は、大変お忙しい中、四名の参考人の皆さんにおかれましては本当に貴重な御意見いただきまして、ありがとうございました。私に与えられた時間は二十分でございまして、狭い時間でございますから、もし全員の方に質問が行かないときはお許しいただけたらと思います。  まず、根本参考人に一点お伺いをさせていただきたいわけでございますが、先ほど、政策評価の実施ということを今後の課題ということでお話しいただきました。その中に、数値目標を設定することで事後的なパフォーマンス評価をというお話の中に、どちらかというと、今回お触れいただいたお話の中では、余り予算を使い切れなかった場合についての心配のことを触れられていただいたと思うんですが、今回の法律案の中では、これ、平成十六年に議論さしていただいた行革推進法で事前に定められましたけれども、この政府系金融機関の、何といいますか、貸付残高のGNPに対する、十六年度が基準年ということでありますが、対GDPを半減させるということを一つ数値目標に掲げるということを明記をさしていただいているわけでありますけれども、これについてどのような御感想おありか、一点お伺いさしていただきたいと思います。
  18. 根本忠宣

    参考人根本忠宣君) GDP目標に対してその半減させるという目標がなぜ立てられたのかということですが、恐らくこれは、欧米諸国等との比較において日本政策金融機関の融資額が突出しているという、そういう認識から恐らく来ているんだろうというふうに考えております。  その限りでは日本のGDPの比率というのは確かに高いということだけはこれはもう事実として受け止めなければいけない。しかし、問題はなぜ高いのかということ。この高いこと自体がそれ以上に大きなコストを生み出していたのかということについての認識がむしろ必要だというふうに私は考えておりまして、高いという事実だけで半減しなければいけないというその根拠がどうも私は希薄ではないかというふうに理解しております。  確かに高いという数字はあるんだけれども、私はそれ以上に、この高かったということが日本経済の改善等に寄与してきたという、要するにパフォーマンス部分というものがそれ以上に大きな効果を生んできたというふうにむしろ評価すべきであって、したがって、半減をするという目標をただ単に国際比較というもとだけで結論付けるというのはいささかちょっと拙速ではないかというのが私の認識です。  したがって、半減をするというよりは、これはだから、先ほどから言いますように、目標値に対してどれだけ達成できるのかということを適宜評価するというその制度を確立することの方が重要だろうというふうに思っております。
  19. 秋元司

    ○秋元司君 ありがとうございました。私も全く同意見であります。  続きまして、清家参考人にお伺いしたいわけでありますが、私もこの政策金融機関意義というのは哲学も含めて大いに必要があるし、この中小企業を、また零細企業を取り巻く金融環境、極めて日本の場合は厳しいものがあるんじゃないかなと思う中に、これからも引き続き政策金融機関に頑張っていただきたいと、そういった思いでありますが。  実体験としてちょっとお伺いしたいんですけれども、よく言われますよね、民間金融機関というのは、雨が降ったら傘を取り上げて、晴れたら傘を出すという、そんなことがよく言われるわけでありますけれども、実態としてそういう御感想おありですか。
  20. 清家孝

    参考人清家孝君) 今言われたとおりでございますんで、先ほどお話をしましたように、景気のいいときはいい企業にはどんどん貸しますけど、悪い企業には全く貸さないというような形で、基本的にはやはり民間金融機関というのは利益に走る利益追求の機関であるというふうに考えております。  それから、再チャレンジ企業とかいろいろな形のもので我々一生懸命零細企業が大きくなろうと今しておるときに、全くそれを支えてくれないというのが民間金融機関じゃないんかなというふうに考えておりますんで、是非、この政府系金融機関をこのまま存続して、やはり中零細企業の支えになっていただきたいというのが私からのお願いでございます。
  21. 秋元司

    ○秋元司君 どうしても、今回の統合議論される中で、何といいますか、民業圧迫ということがよく言われるわけでありますね。私は、決して政府系金融機関がそんなに民業を圧迫しているというふうには思えない立場の一人であります。  その中で、補完というのは当然の原理であるんでしょうけれども、私は、むしろ民間金融機関が踏み込めないというところに対して、特に地方においては、政府系金融機関が踏み込んでくることによっていわゆる協調融資をしてもらって、それが、政府系金融機関が踏み込むことによってほかの民間金融機関も安心して出すとか、そういった呼び水的な役割も政府系金融機関に私はある一部あるんじゃないかなという思いがあるわけでありますけれども、その点についていかがでしょうか。
  22. 清家孝

    参考人清家孝君) そのとおりでございます。  実は、今政府の方も景気底上げ、中小企業の育成という形に随分力を入れておりますけど、民間金融機関は利益に走って、やはりいろいろな新規事業については一切融資をしないという状況でございますけど、政府系金融機関は、先ほどもお話をしましたように、将来性のある企業につきましてはやはり融資を積極的に行って育成をしていこうというような形になっておりますから、この辺については、自由化になればなるだけ一応民間金融機関の締め付けは厳しいというような状況になっておるんじゃないかなというふうな感じがします。
  23. 秋元司

    ○秋元司君 ありがとうございました。  続きましては、ちょっと全員の皆さんにお伺いをしたい点でありますけれども、今はそれぞれが独立して、中小公庫であり国金さんであり又は農林系でありJBICさんであり、それぞれの政策を実現するべく専門性を持った形でお客さんに対して対処していただいているわけでありますけれども、今回統合して組織として一本化になる。先ほど北村参考人におかれましては、まあ名は捨てても実は変わらぬだろうという御指摘もいただきましたけれども、私はやっぱり一番ここは心配しておりまして、この専門性というのが消えていくのが一番心配でありまして、同じ中小企業金融であっても、中小公庫に対するお客さんのレベルと国金さんのお客さんのレベル、これは全然違うというものがありますから、そうなりますと、最初統合された五、六年ぐらいは、何といいますか、旧態の組織のまだそんなに人が融合しない形で進むでしょうから私は心配をしていないんですけれども、数年たちますとどんどん新しい、いわゆる新入社員というものを入れていかなくちゃいけない。そうなりますと、それは統合された、一本化された形の新入社員でありましょうから、専門性の追求はしていくんでしょうけれども、いろんな部署をぐるぐる回る中でいろんな仕事を、業務を覚えていくわけでありましょうから、そうなりますと、どうしても目利きというものが、より高度な専門性を持つということがなかなか難しいんじゃないかなという私は実は気がしている一人なんですけれども、その点の心配について、全参考人の方から、もう短めで結構でございますから、感想をいただければと思います。じゃ、根本参考人からお願いできますか。
  24. 根本忠宣

    参考人根本忠宣君) 私もその点についてはそういう懸念をしているわけですけれども、要するに民間金融機関がなぜなかなか適切なる貸出しができないかという一つの理由としては、やはり民間金融機関というのはもう預金から何からすべてをやらなければいけないと。その中でやはりゼネラリスト的になってしまってなかなか専門性が身に付かないというのが、これ民間金融機関の中にいると本当に実感するポイントなんですね。それに対して、政府系金融機関の特性というのは、それらをしない、専門性に特化できるというところに一つの優位性がありますので、やはりこれらの優位性というのを生かしていくというのが今後は必要だろうというふうに思います。  したがって、やはりこれからの育成ということを考えた場合には、なるたけ適材適所で専門性を高めるような研修システムが必要だろうと。ただし、それぞれの統合一つシナジー効果として言えば、すべての業務を一通り勉強していくというのはそれなりに更に高い専門性に生かす、フィードバックできるという可能性は十分にありますので、早い段階においてはゼネラリスト的にやっていく、途中からそれを育てていくという専門性への転換というのは、十分に制度設計によって可能だろうというふうに考えております。
  25. 清家孝

    参考人清家孝君) 私は将来的にはいろいろ問題が新入社員としてあると思いますけど、現在につきましては、それぞれの分野でそれぞれに適材適所でいろいろな形、業務を行っておりますし、例えば国民生活金融公庫なんかは経営指導員がきちっとした目利きをし、いろいろな業務をやってその内容を的確にやはり報告をし、それで貸出しをしておるというので不良債権も余りできないというような形になっておりますから、それぞれの分野で今の業態としては融資を行っておるというのが状況でございます。  将来的には、やはりこれが一緒になれば、それぞれの分野で勉強をし、いろいろな形のものでどこでも働けるような体制を整えていくということが一番必要があるんじゃないのかなというふうに考えております。
  26. 北村龍行

    参考人北村龍行君) 御質問自体が、それじゃ一体何で統合するんだという基本的な問題になると思います。よく分かりませんね、統合するのが。それが一点。  それから問題は、スペシャリストかどうかというよりも、金融機関としてレベルが低いということなんです。金融技術について、政府系金融機関日本のあの地方銀行もメガバンクもまだレベルが低くて今の先端的な金融サービスが提供できないという、そっちの問題があるわけです。専門性かどうかよりもまず基本的な金融技術を習得しているかどうか、その問題があるわけだと思います。
  27. 木村福成

    参考人木村福成君) 現在の国際協力銀行って元々日本輸出入銀行とそれからOECF、海外経済協力基金というのがマージして、合併してできたものですね。この二つでもかなりカルチャーの違いがあって、彼らも、私はお付き合いありますけど、かなり苦労していたということではあります。  ただ、国際金融部門と海外経済協力につきましては、だんだんとやっぱりその両方をちゃんと組み合わせて、特にアジアにおいて展開していくプロジェクトがたくさんあるという認識も高まっていたのは事実で、内容的にもだんだん一緒にやっている意味が出てきた、やっと出てきたかなというのが今の状況だったと思います。  今度この部分を分離して国際金融部分日本政策金融公庫ということで統合されると。これは正直言って内容的には相当違うと。だから、行政改革の精神としてこういうことをやるんであれば、要するに組織的に効率が上がるようないろんな工夫をしっかりしていくということが極めて重要だと。それから、国際金融部分業務状況としては、むしろ対外的には、国際金融部門とそれ以外の部分がかなりはっきりと分離していると、そういった形態を取ることが重要なんではないかというふうに考えております。
  28. 秋元司

    ○秋元司君 ありがとうございました。  木村参考人にお伺いしたいわけでありますけれども、我が国として海外に対する支援、また海外での事業展開するものの一端として国としてはODAを出しているわけでありますけれども、近年、財政事情等いろんなことから総合的に勘案をしてだんだんODAが減ってきているわけでありますね。その反面、日本におきましては民間企業が成長してきているわけなんで、海外に対する展開としては、ODAに代わる形で民間企業がどんどん海外に出ていって、その企業が現地の国とのいろんな対応の中で結果的に支援という形になったり、又は技術移転、育成ということになってくる、そういった私は時代がいよいよやってきたのかなと、そんな思いがしています。かといって、私はもっともっとODAはODAで果たしていく役割は大事だと思いますし、そんな著しく減らすべきものじゃないという思いがありますけれども。  もう今回、私も実は先日アフリカに行ってまいりまして、JBICさんが活躍していただかなくちゃいけないところはまだまだあるなという思いがあるわけでありますけれども、事中小企業ということに関しまして一つ言わせていただくと、先ほどの根本参考人のお話でありましたこのシナジー効果とかを考えますと、もはやインフラ系を整備する日本企業においては、国内そんなに仕事があるかないかという話になりますとそんなにないわけでありまして、やっぱり海外でアジア地域を含めて展開した方がもっともっと仕事の量的にはあるんじゃないかと。これはまだまだ、進出にはそれぞれ国と国の法律的な問題も、法整備等問題があるでしょうから、著しく日本の同じ法律の中で議論できるかどうかは別としまして、可能性として私は大いにあると思うんですけれども。  そんな中で、今回この政府系金融機関統合をした場合において、今までは例えば中小公庫に来るようなお客さんにおいては海外なんということは余り考えられなかったけれども、しかし、改めて統合する中において、たまたま自分が担当した職員が、実はJBICで長年JBICの政策的な意味を持つ仕事をする中で中小公庫の担当になった場合においては、おたくそろそろ海外進出もどうですかねなんという話になったときに、ああ、そういう面白さがあるんだったら自分も行ってみようと、場合によっては、日本政策金融公庫もしっかり融資で応援しますよという声もあれば、より中小企業海外展開ということも考えて、夢が広がる話になるんじゃないかと思うわけでありますけれども、そういった可能性について、可能性はたくさんあるんでしょうけれども、現実的な話として実りそうな雰囲気というのはあるものなんですかね。お伺いしたいと思います。
  29. 木村福成

    参考人木村福成君) 既にJBICの業務の中で中小企業の輸出及び投資をサポートするというプログラムはあるわけですね。それがどのくらいうまくいっているか、私ちょっとフォローしておりませんが、国内的な中小企業に対する金融サービスとセットにしてそういったものを拡張していく、そういう意味が出てくれば大変結構なことだというふうに考えております。
  30. 秋元司

    ○秋元司君 一点、もう一回北村参考人にお伺いしたいんですが、JBICの専門でいらっしゃると思うので。  先ほど貿易保険という話があったんですけれども、今回、直接この法案とは関係ない話でありますが、この貿易保険の基準がえらい高過ぎて、なかなか本当にこのJBICの制度を利用したいという人にとっては利用しづらいという声が結構あちこちで、海外から聞こえてくるんですけれども、その点、どのような御感想をお持ちですか。
  31. 藤原正司

    委員長藤原正司君) 木村参考人でいいよね。
  32. 秋元司

    ○秋元司君 はい、木村参考人
  33. 藤原正司

  34. 木村福成

    参考人木村福成君) 貿易保険ですか、それともJBICの輸出信用でしょうか。
  35. 秋元司

    ○秋元司君 はい。
  36. 木村福成

    参考人木村福成君) 輸出信用はかなりOECDの方でぎりぎりに縛られておるというのが私の理解でありまして、なかなか自由にならないということなのかなというふうに理解しますけれども、不便なところがあるんであれば、国際的な基準をクリアする範囲で日本企業をしっかり支援できるような体制を取っていくということは基本原則として大事だと思いますから、私、ちょっと事実認識としてそういう問題がどのくらいあるのか分かっておりませんが、そういう努力は不断で続けていくべきものだというふうに考えます。
  37. 秋元司

    ○秋元司君 もう一点、今度は根本参考人にお伺いしたいわけでありますが、話が前後になって恐縮なんですけれども、今日いただいた全般的な話、この政策金融機関についてを非常に論理的に、事前にいただいた資料を見ましても、何といいますか、いろんなグラフ計算とかを出していただきながら非常に論理的に出していただいたのかなという今感想を持たせていただいているわけでありますが。  日本は、どちらかというと今グローバル化に対応しなくちゃいけない。そしてもう一つは、民間でできることは民間にということで、そういった政策的な要素が強い中で国の動きというのが進んでいるということは間違いないと思うわけでありますけれども。  よく日本のこういったいろんな様々な政策議論をするときに、アメリカとの比較、そしてまたヨーロッパとの比較ということをするわけでありますが、事金融に関しましては、当然、何といいますか、都市銀行、いわゆる本当の国際競争力の中で頑張っていく、そういった金融については、より競争力を高めるために極力国は口出さずに大いに頑張ってもらいなさいと、これは私は一つの理論だと思うんですけれども、やっぱり我々はこの国内にいて国内産業というものをそれなりに見ていかなくちゃいけない。そしてまた、先ほどからお話が出ています地域経済というものをより確固なものにしていかなくちゃいけない。これはやはり私、地域経済をしっかり守っていくというのは国の責任であると思うんですけれども。  そういった観点におきまして、政策金融というものを今後、何というか、まあそれはパイ的に縮小して、それでも経済が回っていくのであればいいわけでありますけれども、どんなに国が進化しても、私はこの政策金融機関という、果たす役割というのはそんなに私はパイは縮小することがないと思うんですけれども、その点どのように思われるか、最後にお伺いしたいと思います。
  38. 根本忠宣

    参考人根本忠宣君) その点に関しては、先ほど私の冒頭の意見でも述べたように、正に、それこそ北村先生がおっしゃっているように、民間金融機関がどれだけ果たして今後機能できるのかということに大きく依存してくるんだろうというふうに思っております。  さらに、もう一つは、マクロの状況ということにも当然影響されますので、それらによって、まあ恐らくこれは本当に期待値の問題なんですね。期待値で、恐らく、先ほど挙げたイノベーションというのは、本当に民間金融機関が信用金庫まで含めて十全にそこに完備することがもしできるんであれば、確かに政策金融というのは理論的に考えれば全く不要になってしまうんですね。  だけれども、これは期待値で考えればそういうこともあり得るというふうに言えるんですけれども、現実に本当にそうなるんだろうかということに関しては、私の期待値は実はそれほど高くないというのが正直なところで、その限りでは、やはり政策金融可能性というのは今後も残っていくだろうし、変動はすると思うんですね。したがって、その変動というものをある程度許容していくような制度の導入が必要だということです。  つまり、固定化をさせるような形になるからそこに大きな既得権益のような形のものが生まれてしまうんであって、そこを適宜見直せるようなシステムをちゃんと導入しておけば、それは予算の配分の仕方もそうだと思うんですけれども、そこをちゃんと担保しておけば私はいい問題であって、はなから期待値をもう一〇〇%にして、政策金融が全く不要であるというようなことを議論前提にしてしまうことは大いに問題だろうという、その点を私は強調したいということです。
  39. 秋元司

    ○秋元司君 ありがとうございました。  終わります。
  40. 尾立源幸

    尾立源幸君 民主党・新緑風会の尾立源幸でございます。  今日は、それぞれの参考人の皆様に貴重な御意見を賜りまして誠にありがとうございます。  私自身はふだん財政金融委員会に所属しておりまして、今日は出前でこちらの方に参らしていただいております。  二十分という限られた時間でございますので、質問を若干数多くさしていただこうと思っておりますが、それぞれの参考人に対して個別に基本的にはやらしていただこうと思っております。  そこで、まず木村参考人にお伺いしたいんですが、特に実物貿易の分析等々をやられているということなんですが、今、我が国も各国との間で積極的にFTAやEPAを締結を進めております。そんな中で、日本中小企業や農業に今後どんなシナリオがあるのかということを教えていただきたいのが一点で、また、そのときに政策金融がどのような役割を果たすのか、これを一つ質問さしていただきたいと思います。  もう一点は、アジアには多くの日本企業が生産工場や販売拠点を今設けていると、こういうお話もございました。この活動におけるボトルネックがあるのかどうか。もう既に若干お話しいただきましたが、基盤インフラの不整備など、さらには私ども金融・資本市場ども整備が行き届いていないというのがボトルネックになっておるんではないかと思うわけでございますが、この問題にどのような政策が必要で、そのときに政策金融が果たす役割というものをお教えいただきたいと思います。  三点目は、欧米諸国は、企業海外進出に際しましてトップセールスをしているという、官民一体のこういう戦略でどんどん海外に出ていっているというふうに見受けられますが、我が国でも、これまたお話がございましたが、中東や中央アジアなどでエネルギーの安定供給において重要な地域との互恵的なパートナーシップというのをしっかりと構築をしていかなければいけないんではないかと、このように思うわけでございますが、この分野でのまた政策金融が果たす役割はどんなものかというものを詳しく教えていただきたいと思います。  そして、四点目が、先生がかかわられましたアジア官民パートナーシップに関する報告書、これを読ませていただきましたが、この分野で国際協力銀行、JBICが果たす役割は重要であると、このように述べておられますし、私も再確認いたしましたが、ただ、統合するのであればJICAと統合する方が合理的であるというふうにも読めたんですが、その点いかがということをお聞きしたいと思います。  まず、じゃ木村参考人にお伺いいたします。
  41. 木村福成

    参考人木村福成君) 御質問ありがとうございます。  まず第一点、FTAと中小企業の間のリンクの話ですけれども、どこの国とFTAをやるにしても、関税撤廃の部分が直接的に非常に大きなインパクトを国内経済に与えるということは全般的には余りないというか、期待できないといいますか、恐れる必要もないということかなと思いますけれども、もちろんセクターによっては直接的なアジャストメントは必要になってきますけれども。  ただ、全般的なトレンドとして、だんだんと国境が低くなって国際競争力の中でやっていかなきゃいけないというのは中小企業でも大企業でも同じでございまして、今まで国内にどちらかというと閉じこもってやってきた中小企業ももっと競争にさらされるようになるというのは全般的なトレンドだと思います。ですから、しっかり競争力を高めるという点で特に金融面のボトルネックがあって、それがゆえに競争力を高められないと、そういうふうな中小企業があるんであれば、そこの部分については政策的にある程度支援していくというのは当然の方向かなというふうな気がします。  ただ、大事なのは、やっぱり競争をしっかり使って強くなっていくということなのかなというふうに考えます。その中で出てくる調整費用に関しては、しっかりと社会的なセーフティーネットを張ってあげるということなのかなというふうに考えております。  日本中小企業はたくさん海外にも進出しておりまして、もちろん成功例も失敗例もありますけれども、それも世界的にかなり特殊な状況ではあるんですね。だから、そういったところに対するサポートというのも、これ金融だけではなくて重要かなというふうに考えます。  二番目ですけれども、アジアにおける企業活動のボトルネック、これはたくさん存在しますけれども、ただ国際的生産ネットワークということでいいますと東アジアはやっぱり世界的に見て圧倒的に進んでおりまして、これはやはり、投資受入れ国側の細かい政策手当てというのがだんだん積み上がって投資環境が全般として良くなってきたということを反映しているんだと思うんですね。インフラのところはやっぱり国によって大分違いますけれども、やはりボトルネックとなってくる可能性がいろんなところであります。ですから、当然手当てしなきゃいけないし、それから、東アジア地域全般ということですと、いわゆるCLMVと言っている後発国に対する手当てというのもやはり必要だということで、いろんなところにボトルネックは存在してはいますけれども、今のところ、外資系企業の力もかりながらしっかりと成長しているというのが東アジアの状況なのかなと。  そういった中で、日本民間の投資はもとより、政府のODAもそういったところにたくさん使われて役に立ってる部分があると思いますし、それから、JBICの国際金融部門のところも、例えば電力供給の部分の手当てとかそういったところでかなり役に立っているということはあると思います。ただ、それはもちろんもっと効率を上げて戦略的にやっていくということが必要なんだろうと。  三番目の、トップセールスあるいは特に資源を持っている国とのパートナーシップ、これはもうかなり世界じゅうでこれが激しくなっておりまして、日本も十分これに対応していく必要があると。特に先進国との競争においては、今までもそうだったわけですけれども、こういうところに対する中国の参入というのは大変なやっぱり脅威でありまして、いわゆる先進国で今までやっていたゲームのルールが通用しない方法で入ってきているということになっているわけですね。そういった中で、このところ、ウランの確保ですとかあるいは中東に対する大きなミッションですとか出されて、なるべく官民一体でその国と仲よくしようということを政府も意図してやられているというふうに理解していますけれども、こういったものをもっと展開していくということはやはり重要だなというふうに考えます。  そういった中で、今、日豪FTAの交渉なんかもやっておりますが、これも日本の中にセンシティブセクターがあっていろいろ難しい問題はあると思いますけれども、パートナーシップとしては極めて重要でありますので、日本国全般としては是非ともこういった動きもサポートしていただけたらなというふうに考えています。  四番目、アジアPPPのことをどうも言及していただきましてありがとうございます。  今のJBICの国際金融部門をJICAと統合というのはこれは、まあそうですね、国際金融海外経済協力、OECFのオペレーション、それからJICAというと、大体そういう順番にちょっとずつ違うなという感じにはなっていますね。業務内容の一部はかなりオーバーラップしているところはありますけれども、JICAの方に行くに従ってもう少し社会的な手当ての援助の方に変わっていきますから、そういった意味でちょっと距離はあるかなという気はしますが、あり得ないものではないと。今の統合よりは、もしかしたら内容的には近いかなというのが正直な印象です。  以上です。
  42. 尾立源幸

    尾立源幸君 ありがとうございました。  それでは、北村参考人に二問ほどお聞きしたいと思います。  一つは、もう論文にも書いてございますが、この統合によって、これまでの農林公庫とJAバンクやJA全中、農林中金などとの関係がどう変わっていくのか、あるいはもう変わらないのか、この辺を少しお話をお聞かせいただきたいのが一点でございます。  もう一点は、現在、農林公庫、非常に長期の貸付け、返済期間五十五年、据置き三十五年というような、こういうのもあるわけでございますが、これは当然民間や他公庫と比べてもうはるかに長期であるわけでございますが、この統合によってこの辺がどう影響あるのか。また、融資メニューと財務内容の両面から、この点、もし分かればお伺いしたいと思います。
  43. 北村龍行

    参考人北村龍行君) 公庫とJAとの関係なんですけれども、多分、恐らく金融機関側の要請で変わっていくんじゃなくて、農業自体が急速に変わっていくために金融に対する需要が変わっていって、そこで新しい競争ができてくるんだろうと思います。そこに一般金融機関が参入してくるだろうと思います。  農業についてはほとんど今一般金融機関参入していませんから、全く未開拓の宝庫でして、その一方で、先ほど申しましたけれども、今年から品目横断的な経営安定対策が始まりますけれども、それよりずっと前から日本の農業の先端では、例えば百ヘクタールの米経営とか、リースによって非常に大きな経営形態、それから技術的にも非常に高度な農業がどんどん出てきていますから、その部分についてはもう一般金融機関が十分融資対象に、普通の産業、企業に対するのと同じような形での融資対象になっていかれる、そういう農業もどんどん出てきていると思います。そういう農業が広がっていくと、公庫とJAだけで本当に独占できますかという、違う新しい競争関係ができてくるんだろうと思います。  それから、長期貸付け、融資メニュー、財務内容といったことでは、多分公庫は統合しても何にも変えるつもりはないと思います。だから、今までどおり、それからむしろ一般金融機関との提携をより強くしてやっていくということになろうかと思います。公庫の経験を一般金融機関に植え付けていって、ただ余り植え付け過ぎると公庫の仕事なくなるんじゃないかという心配はありますけれども、そこまで心配する段階では現在ではないというふうに思っています。
  44. 尾立源幸

    尾立源幸君 ありがとうございます。  それでは、根本参考人にお聞きをしたいんですが、先ほど北村参考人からも収益のビジネスモデルをどうしていくんだという話がございましたけれども、この点、先ほどのプレゼンテーションの中でも若干コンサルティング業務というようなことをお触れになっていらっしゃいますけれども、もう少しその辺り、新しい株式会社になるわけですので、その辺りどんなことが考えられるのか、ちょっと教えていただければと思います。
  45. 根本忠宣

    参考人根本忠宣君) この点は、一つは金利の設定をどうするのかということに大いにかかわってくるんだというふうに思います。今まで日本政府系金融機関の特徴としては低利で貸すということが特徴であって、その低利というところが一つ支援になっていたわけですけれども、そこの見直しをどうするのかというのは恐らく議論一つとして出てくると。  つまり、これは国際比較でその議論をするという、ほかの国がやっているから別に日本もそうするべきだということではなくて、国際的な状況で見るとほとんどの国が、実は直貸しを持っているのは今カナダとフィンランドなんですけれどもカナダとフィンランドのケースなんかを見ても、基本的には市場の金利よりも高く貸すということを前提にしているんですね。その高く貸すということで、一定にリスクの高いところに高く貸して採算性を確保していくという、こういう前提でむしろ支援をしていくということなので、金利で支援をするのかどうするのかというところの認識については少し考えなければいけないだろうというのがまず第一点ですね。  したがって、ここについては、場合によっては、先ほど私は信用リスク評価導入することによって政府系金融機関としてのリスク対応型プライシング導入ということを検討すべきだということを申したんですけれども、その辺りの検討がまず第一に必要だろうということです。  それからもう一つは、コンサルティング業務みたいなものを、これを一つ、今まではずっと情報提供型になっていたわけですけれども情報提供型ではなくて、場合によってはソリューション型に変えていくということも十分に検討余地があるだろうと。  これはなぜかというと、中小企業というのは御存じのとおり、例えば著名なコンサルティング会社に有料でコンサルティングをお願いするなんということはとてもできないわけですね。私も以前実は民間のシンクタンクにおったわけですけれども中小企業向けの会員制のビジネスを始めようということを検討したことがあったんですが、年会費十万円で例えばやろうといっても、ほとんど集まらないんですね。十万円を払うということ自体も非常に困難であると。この実態を考えていくと、しかしニーズはすごくあるということがありますので、それに対応するということで非常に安い、低コストでのソリューション型のコンサルティングをやっていくことは必要かもしれないと、これも検討課題として挙げていただきたいと。  この際に、ただ重要なのは、融資部門と併用してコンサルティング業務というのはできませんので、独立性が非常に重要なんですね。つまり、融資をしながらソリューション型のコンサルティングをした場合に破綻をしたときの責任問題が当然生じますので、これは明らかに独立性を担保するという組織的な見直しが同時に必要になってくるということです。  ちなみに言うと、最後に、カナダ事例で申させていただきたいんですけれどもカナダのBDCでは、要するに融資部門と、それからコンサルティング部門と、そしてベンチャー、VCという、三つの組織というのをそれぞれ持ち株会社制度で持っているんですけれども、それぞれ実は収益を上げるという状況をつくっています。ところが、実際見ると、コンサルティング部門とそういうVC部門というのが今赤字になっているんですけれども、融資部門が黒字になっていて、トータルとしていうと採算が合っているというような形で、組織ごとに採算性が割れたときにはほかの部門で補っていくというような、そういうタイプの経営形態を取っているということです。  したがって、その辺りの参考一つのモデルにしながら、やはり収入を得ていく、採算をどういうふうに確保していくのかということについては大いに検討余地があるんではないかというのが私の意見です。
  46. 尾立源幸

    尾立源幸君 ありがとうございました。  私自身も実は小さな会社を起こしたときに国民金融公庫、お世話になりまして大変有り難い思いをした一人でございまして、この政府系金融機関の存在というのは絶対私も必要だと思っている一人なんですけれども、今、景気は回復しているということを全般的には言われておりますが、その中でも大企業と中小零細、製造業と非製造業、更には中央と地方という格差がまだまだ存在している。これは事実だと思います。  そんな中で、政策金融はこの格差是正にどのような役割を果たせるのかという点で、清家参考人根本参考人にそれぞれお聞きしたいと思います。
  47. 藤原正司

    委員長藤原正司君) まず、清家参考人お願いします。
  48. 清家孝

    参考人清家孝君) 今言われたとおりなんで、大変我々は今度の金融改革のこの合併については不安を持っておるわけでございますんで、今一番問題は、地域間格差が随分進んでおりますし、また企業格差もありますし、それを一定なレベルまで持っていくということについては、やはり民間金融機関ではなかなかその支援ができないという実態でありますんで、これを何らかの形で政府系金融機関支援をしていただいて、そしてやはり企業再生をしていこうというのが我々の考え方でありますんで、是非そういう面につきましては、皆さんの御理解をいただいて、そして従前どおりの在り方での支援をよろしくお願いしたいというふうに思っております。
  49. 根本忠宣

    参考人根本忠宣君) 地域間格差政策金融関係ということでいうと、一つは、これから格差問題と言われたときに、その所得保障という、いわゆる所得再分配政策というのがこれからどんどんどんどん例えば縮小していくというそういう方向になっていったときに、いわゆるその再分配効果で実はかなりならされていた部分というのがあって、そこを取ってしまうと純格差というのはかなり大きいわけですね。それらがもし仮に縮小していくということになると、地域間格差がこれから増えていくであろうということは、単純に考えれば大いに予想されることなんですね。  そうなると、じゃどこでそれを補っていくのかというと、これは企業所得部分である地域投資、これを拡大することによって地域経済を活性化していくということが当然論理的に考えれば必要なわけですけれども、じゃ地域の投資というのはどうやって活性化できるのかというと、これはもう企業の投資ということのその前提となるファイナンスの部分が十全に完備されているということが必要になりますので、地域金融機関がそれに十全に対応できるかというところに恐らく話の筋、ストーリーというのはでき上がってくるんですね。  そうなると、これはもうそれこそ、北村先生がおっしゃっているように、そこを絶望的に見るのかどうかというのはいろいろあるわけですけれども、確かに難しい部分というのがあって、それにむしろ民間金融機関イノベーションだけにゆだねてしまうと、むしろ地域投資というものの源泉であるファイナンス部分地域間格差が非常に大きくなっていって、その結果として地域間格差が増えるんではないかという、こういうシナリオも十分に描けるというふうに私は考えております。その際に、政策金融というのがそこの補完をやっていくというのは非常に大きい意味を持っているというふうに私は認識しております。
  50. 尾立源幸

    尾立源幸君 最後に、木村参考人にお伺いいたします。  先ほどもFTA、EPAで、貿易自由化で多大な経済効果が見込まれるということなんですが、今回、米韓FTAのように農業にとっても厳しい内容になることもあるわけなんですが、今回統合した場合、農林公庫部門と国際協力部門の間でFTAをめぐって一種のコンフリクトが生じる可能性があると私なんか思っておるんですが、その点の御認識をお聞かせ願いまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
  51. 木村福成

    参考人木村福成君) ある意味ではコンフリクトが起きるかもしれませんが、やっぱり日本国全体としてどうしていくかということをよく考えないといけないですよね。FTAというのはあくまでも国際通商政策で、農業を含めた国内の手当てと、これはもちろん両方ともその政策目的はあるわけですね。そこで、何らかのやっぱり折り合いを付けていかないとということだと思いますので、対立点はもちろんありますが、しっかりと日本国全体としての戦略を考えなきゃいけないと思います。  私は、個人的には国際通商政策の方を見ている立場にございますので、一番の問題はやっぱりスピード感の違いでございます。農業部門も含めて改革プログラムの内容についてはそれほど大きな開きはないと考えているんですけれども、ただスピード感が相当違う。FTAの場合はこれから一、二年というところがかなりクルーシャルに利いてくる局面にありまして、今までのような、従前のようなペースで改革を進めるとおっしゃってもなかなか政策政策の間の整合性が保てないと、こういうことになるんだと思いますので、むしろこういう新しい公庫の中でそういったことに関する活発な議論が出てくるということであれば大変結構なことかなというふうに考えております。
  52. 尾立源幸

    尾立源幸君 ありがとうございます。  終わります。
  53. 風間昶

    ○風間昶君 公明党の風間でございます。  この法案に役員の方々についての条項が六条から九条、十条ぐらいまであるんですけれども、新公庫の役員について、要するに経営責任の件に関していえば、その責任が発揮できるぐらいの裁量を与えた方がいいのか、あるいは民業補完あるいはセーフティーネットという新公庫であれば経営者の裁量余地は余りないと思うんですけれども、この部分について御所見を四参考人からいただければ有り難いかなというふうに思います。
  54. 藤原正司

    委員長藤原正司君) それでは、根本参考人からお願いします。
  55. 根本忠宣

    参考人根本忠宣君) この点はちょっと私も明確な意見を持っているわけではないんですけれども経営責任といった場合の責任というのは、もちろん収益性の問題ではなくて、あくまでもやっぱり公共性を発揮できているかどうかということのチェック機構を働かせるという、その意味での内部監査の責任者ということだというふうに私は理解しておりますので、その意味では、あくまでもその収益性という部分での監視体制というのを余り強めるということになると、これは本末転倒になりかねないというふうに私は認識しております。その点だけ述べさせていただきたいというふうに思います。
  56. 清家孝

    参考人清家孝君) 私は、この問題につきましては、官民を問わずやはり適材適所の人選が一番必要があるんじゃないかなというふうに考えております。  一応いろいろな問題、責任問題が今出てきたわけでございますので、今、根本参考人から言われたように、やはり監視体制をどういうふうな形でしていくかという問題点があろうかと思いますので、その辺については十分適材な人材をやはり充てていくという形が必要があると思います。  以上です。
  57. 北村龍行

    参考人北村龍行君) 公庫ですからやっぱり公益性が重要だろうと思います。ただ、緑資源機構みたいな、ああいう犯罪性を持ってはいけないというのは当然でして、そういう意味での企業統治ということは必要だろうと思います。  だから、公益性と企業統治、公庫の場合には効率性が求められないという民間企業と違うところがありまして、一体どういう人がやりゃいいんでしょうかね、役人上がりということになるんですかね、ちょっと見当が付かないような人事でして。済みません。
  58. 木村福成

    参考人木村福成君) 新しい組織ができるといつも、それは一体どこの省の所管、あるいは実質的な所管になるのかという問題が出てきますよね。この新しい公庫の場合には元々の主要な所管官庁が全く違うので、一体どういうことになるのかと楽しみにしております。  行政改革のその趣旨としては、そういったものを乗り越えて内容的にしっかりとマネジメントしなきゃいけないということであると思いますので、大変重要な事例になるんじゃないかというふうに考えております。
  59. 風間昶

    ○風間昶君 私もその公庫を選ぶ側にないんですけれども、本当にそういう意味では秘密保持機能とか、きちっと天下りの防止の観点とかが入れていかれるような形に持っていかないと、新しい新公庫というのはなかなか大変なことだなというふうに思っておるところであります。ありがとうございます。  それから、根本参考人から証券化についてのお話がありました。多様なニーズに対応してこの証券化支援としていわゆるCDS契約導入されますけれども、メリットについて、この文章を読みますと、根本参考人は、アメリカにおいても中小企業向け証券化の拡大は極めて緩やかだという御論述でございますけれども導入するからにはやっぱりメリットを何とか生かしたいなというふうに私は思うわけですけれども、もしよろしければ、短期的にはすぐさま効果は出ないにしても、メリットの部分を生かすにはどうしたらいいかということを根本さん、それから、今度、中小企業方々のところにも当然拡大していきますので、清家参考人にお伺いしたいと思いますけれども
  60. 根本忠宣

    参考人根本忠宣君) 証券化につきましては、これはもう教科書的に言うと、非常に重要な役割を果たす、正に間接金融と直接金融をつなぎ合わせていって、その連続性を担保するというものですから、そして、金融機関サイドのリスクシェアリングという機能を高めていくということでいえば非常に重要なんですね。当然、中小企業側にとっても無担保で借りられるというような選択肢が増えるということがありますし、そして金融機関にとってはオフバランス化できるというそういうニーズがそもそもあったと。  それで、教科書的に言えば非常に証券化というのは夢のような話であるわけですけれども、しかし、やっぱりこれは実践になると、特に中小企業の債券化については、なかなか他の先進国であるアメリカケースを見るとうまくいかないんですね。つまり、アメリカは九〇年代初頭に導入して、二〇〇四年にSBAが、それが一つの総括的な論文を出したんですけれども、むしろそこでのタイトルは何か、なぜ進まないのかという話だったんですね。それが進まない理由というのは、一つは、やはりなかなかそのコストが見合わないということで、それほど証券化をしてその企業にとっても、それから金融機関にとってもメリットがなかなか出てこないと。  恐らく日本の今の状況も全く同様の状況にあって、いわゆるコストをどういうふうに下げていくかと。じゃ、コストってどういうふうに下げるのかというと、これはもう中小企業サイドの透明性が高まって、いわゆる適切なプライシングができるという状況ができるということと、そしてそれに対して信頼度というのが高まることで投資家が増えていくという、この関係性が確立しない限りは証券化のメリットというのは当然出てこないんですね。  したがって、その理屈どおりにそれらが果たして浸透するかどうかというのが一つポイントだと思うんですが、アメリカケースを見ると、どうももう十数年たっているけれども、SBAというのは、SBAの保証付き部分だけで見てもそれほど大きい拡大はしていないというふうに理解しています。  あと、CDS等の導入については、これは端的に言えば、オフバランスニーズだったのが、自己資本が少しずつ改善してくればオフバランスニーズがなくなってしまうんで、そこの部分でオンバランスしたまま証券化をするというようなタイプを多様化していきましょうという話ですから、そういった多様化をしていくというのは大いに結構だというふうに思うんですね。  その意味でいえば、民間金融機関といわゆる直接公庫が契約できるようなタイプのCDSへの拡張ということも当然同時に検討していかなければいけないんだというふうに思っております。  したがいまして、証券化はもう本当にこれからやっていかなければいけないし、重点事項であることは全く否定しないし、ここはもうやっていくべきことなんですけれども中小企業金融の改善にこれが急速に寄与するであろうというような期待を大きく持つことは間違いではないかというのが私の認識です。
  61. 清家孝

    参考人清家孝君) ただいまお話がありました証券化支援業務の拡充につきましては、迅速かつ対応が必要な危機対応など、政策金融機関の直接行う貸付けの重要性が失われるということじゃないのかなと、証券化されると。そういう指摘がありますんで、私の考え方としては、基本的に証券化というのは反対をしていきたいというふうに考えております。
  62. 風間昶

    ○風間昶君 ありがとうございます。  四参考人にお伺いしたいと思いますけれども、四つの機関統合することで、今までのそれぞれの公庫の持っている支店数が限られていてそれが統合するということになると、今までもそうでしたけど、地域間というか地方間アンバランスということをどうそれに対応していくかということが新しい、新公庫の全国支店になっても大事だと思うので、そういう意味では専門家というか、その窓口業務をやられていたプロフェッショナルな方々が違う業務に対応せざるを得ないところも出てくることになろうかと思うんですけど、どういった具体的な研修、トレーニングをしていったらいいのかということがこれから実務的に非常に重要になってくると思うんですけれども、その点に関する何かアドバイスをいただければ有り難いと思うんですが。
  63. 藤原正司

    委員長藤原正司君) では、根本参考人から順次お願いします。
  64. 根本忠宣

    参考人根本忠宣君) 基本的に、融資をしていくということについては共通をしているんだというふうに理解すると、融資をするというのは、当然その融資対象である企業というものに対する審査をしていくと。その審査をし、そしてそれを管理をしていく、で、回収をするということですから、やるべき内容というのは実は全部共通しているわけですね。  したがって、やるべき内容の基本である正に企業評価をするという部分についての仕方、あるいは農業なり国際業務についてのそれぞれの特性の違いはあるにせよ、リスク評価していくという点については何ら変わりがないというふうに私は理解しておりますので、リスク評価し、そして管理する、回収するというこのポイントについての共通項というのをきっちりととらえた上で、そこでの研修業務というのは共通化をしていくと。あとは、それぞれの個別の特性というものに見合ったいわゆる専門指導をしていくという形の二段階方式を取れば、これは十分に解決可能な話だろうというふうに私は考えております。
  65. 清家孝

    参考人清家孝君) 私はその点が一番心配でありますので、今度の合併の大きな問題点はそこにあろうかと思いますけど、我々は中小企業の代表でありますので、やはり専門分野できちっとした形の融資その他をしていくということが一番大事であるので、この辺についてはやっぱり十分省庁の方が支援をしていただいて研修の場を持って、的確に中小企業にやはり手を届くような形の指導をしていただきたいというふうに考えております。
  66. 北村龍行

    参考人北村龍行君) 一つ参考になるのが産業再生機構だったかなと思うんですけど、業種はもうあらゆる業種というか非常に雑多な業種なんですけれども、共通しているのは財務諸表を徹底的にデューデリジェンス、精査して、それから業務の実態というものを実際に現場に行って詳しく自分自身も参加して調べて、その上で何が必要か、どういう改革が必要かということを調べて、それで実行していくということを産業再生機構の場合はやったわけですね。  だから、共通部分というのは、根本さんのお話じゃないんですけど、基本的に経営についての共通部分というのはあるんだろうと思います。ただ、その業界業界のセンスというのがありますよね。企業再生ファンドなんかはやっているのは、財務の専門家、それからその業種業種の経営の専門家というのは入れてくるわけですよね。このセンスがないとどうもうまくいかない。産業再生機構的な基本的な経営の基礎、基本というのはあると思う。それに業務の特殊性、においみたいなものをどう付け加えるかと。でも、そんな人間がいたら、こんな公庫に行くよりももっと日本じゅうに役立つ人間になっていくと思います。
  67. 木村福成

    参考人木村福成君) 四つの組織が一緒になって、組織的に節約できるところは徹底的にして、そういう効率を追求するというのは、まず一つの大前提だと思います。  人材に関しては、基本的な金融のトレーニングなんというのはもちろん共有できるでしょうけど、そこから先はもうかなり別々の業務と考えざるを得ないというのが私の見方ですね。ですから、むしろしっかり分けて専門的なトレーニングをしていただかなきゃいけない部分はあると思います。そうはいいながら、いろいろ中で人材交流等はやっていただかなきゃいけなくて、大いにカルチャーショックを感じながら何か共通で見いだせるものができていくことを期待するわけですけど、なかなか難しいんじゃないかなという印象ではあります。
  68. 風間昶

    ○風間昶君 余り今まで政府質問の中でも出てきてないんですけれども、来年の十月、新公庫が発足して、五年たって平成二十四年にいわゆる沖縄振興公庫を統合することになっていますけれども、これ要するに新公庫の状況がどうなっていくかにもよるんでしょうけど、その沖振公庫の統合について、必要性があるのかないのかをまず伺って、五年たってからでなくても、もっと前に必要だとなればやるべきではないかというふうにも思うんですけれども、私自身は。  これから、新しい今度統合法律が出てきますから、どっちにしても、いずれかの時点で。そのときに議論しなきゃならないんですけれども、ちょっと所感を、それぞれ四参考人からお伺いできれば有り難いですが。
  69. 藤原正司

    委員長藤原正司君) それでは、今度は木村参考人からお願いします。
  70. 木村福成

    参考人木村福成君) 沖縄振興開発金融公庫につきましては私、全く知見がございませんので、何も申し上げることはございません。
  71. 北村龍行

    参考人北村龍行君) 何となく、今回の公庫の統合自体がアリバイ的な印象しか持っていませんので、沖縄もまたアリバイが一つ加わるのかなという感じです。
  72. 清家孝

    参考人清家孝君) できるだけ問題の起こらぬような形で基本的にやっていかなければ困るんじゃないかなというふうに思っておりますが。  先ほど私は証券化の問題についてちょっと言い違ったことがありますんで、ここで言っておきますけど、証券化はやはり中小企業の資金調達のためには多様化が必要であるというふうに考えておりますけど、中小企業公庫や国民金融公庫が証券会社にならないようにというのが私の趣旨であったということをここ訂正をしておきます。
  73. 根本忠宣

    参考人根本忠宣君) 沖縄の問題については、やはり政治的な問題が恐らく背景にあると思いますので、その点に関してはコメントはもちろんできないんですけれども経営体として統合していくということでの効率性を高めるという点では、これは統合していく方が望ましいだろうというふうに思います。  ただし、沖縄というのはやはりその他の地域と比較するとかなり特殊なんですね。金融の在り方も相当違いますし、実際にいまだに模合という関係が残っている地区というのは沖縄だけですね。したがって、その島文化の特性というものを加味すると、大分違うやはりファイナンスの形態が存在していると思いますので、その辺りの区別というのはどういうふうにしていくのかというのは恐らく課題としては残るだろうというふうに思います。  それは、ただし、それだからといって経営体を分けておく必要性があるかどうかはまた別問題なので、その辺りを含んだ上での議論が必要だろうというふうに思います。
  74. 風間昶

    ○風間昶君 終わります。
  75. 亀井郁夫

    ○亀井郁夫君 国民新党の亀井でございますけれども、今日は四人の参考人の皆さん、御苦労さんでございます。もういろいろと今お話がありましたが、最後でございますので、もうちょっと待ってください。  木村参考人に聞きたいと思うんですけれども平成十一年に国際協力銀行をつくりましたね。それで、海外経済協力基金と日本輸出入銀行か、あれが一緒になってやったんだけど、せっかく一緒にしたものをまた八年たってこれを分けて、そして国際金融関係は国内金融のものと一緒にすると。だとすると、また何年かたったら、どうもうまくいかぬから分けなきゃいかぬということになる可能性があるんじゃないかと思うんだけど、なぜこんなふうに一緒にしたものを分けなきゃいかぬのかというのが、JICAと一緒になるのが国際経済協力基金だけですから、もう見るのもちょっと間違うぐらいの格好で、そういう状況ですので、なぜこういうことになるのか、お尋ねしたいと思います。  ちょっと声が、街頭演説で痛めているものですから、済みません。
  76. 木村福成

    参考人木村福成君) 国際協力銀行はやっぱりいろいろ難しいことがあったみたいだということは先ほども申し上げましたが、一方でやっぱり必ずしも貧困撲滅とかそういった人道支援みたいな意味での援助だけじゃなくて、もっと経済成長を志向した、もっと経済活動を活性化するようなそういった協力をしていこうというところでは、ODAといわゆる輸銀がやっていたOOFと、両方一緒にやっていくという余地はだんだん出てきたとは思うんですね。そういう意味で、意味をちょっとずつ持ち始めたときにまた分かれなさいということになっているという感じはします。  ただ、組織がどうなっても旧輸銀のOOF、その他政府資金のオペレーション、それから旧OECFの円借款のオペレーション、それからJICAの技術協力と、ここのところはいろんな協力関係をいずれにしても持っていかなきゃいけないという時代になっておりますので、組織がどうであれ、そのプロジェクトによっては一緒に仕事していただくということが必要になってくると思います。  今回の国際金融部分を新しくできる金融公庫の方に統合されるという部分は、内容的には先ほどから申し上げているように、どうしてそこに行くのかというのは私もよく理解できないところがあります。ただし、組織的にいろいろ節約できる部分があるんであればスリムにしていくということはもちろん大事なことでありますから、そういう実を上げるような組織づくりというのをやっていくことが必要なんだろうなというふうに理解しております。
  77. 亀井郁夫

    ○亀井郁夫君 今おっしゃったように、なぜこうするのかが分からないとおっしゃいましたけれども、本当に今度は行政の改革だということで、数を減らせばいいんだという格好でやった面があるような気がするわけで。実際にそうですよね、国内の方を見ても、機関ごとに経理を区分し勘定を設けて、そしてまた主務大臣が別だということですから、主務大臣との調整するだけで大変ですから、本当に主体的なガバナンスをちゃんとやるような公庫になるのかどうかということを疑問に思うんですけれども、そういう意味じゃ、何だか足しただけのことであって全然意味がないんじゃないかという気がするんですけれども。  そういう意味で、ガバナンスという面から見てどのようにこの問題考えていいか、四人の方にお聞きしたいと思います。
  78. 藤原正司

    委員長藤原正司君) 根本参考人からお願いします。
  79. 根本忠宣

    参考人根本忠宣君) ガバナンスについては、その数を合わせただけで、それがちゃんといくのかどうかということに関しては、これはもう政治的な解決の部分できっちりとやっていただきたいというふうにしか私どもは言いようがありませんので、それはもうしっかりやっていただくということ。  それを前提の上でその話をさせていただければ、ガバナンスは、先ほど私も申したんですけれども、基本的にはもちろん内部できっちりと問題がないように管理をするというその部分と、それからやはり公共性のチェックというその二段階のガバナンスをしっかりとつくっていくと。その外部からのガバナンスの構成をどういうふうにするのかというところについて、適切な構成員というのをやはり、その地域も含めた形でのその構成というのを考えていくことが重要ではないかなというふうに思います。  私のコメントはそれだけにちょっととどめさせていただければと思います。
  80. 清家孝

    参考人清家孝君) 私はガバナンスの件については余り詳しくありませんので、コメントを控えさせていただきます。
  81. 北村龍行

    参考人北村龍行君) この統合する公庫は全部お客様が違うわけですね。お客様の文化も社会も価値観も違うわけですね。それで、公庫だけが中で価値観を統一するというのは無理ですね。  ですから、要するに、公庫自体の存在が問われるということは別な問題としてあります、その個々の公庫が必要かどうかは。という問題はありますけれども、こんなの集めて統治なんかできるわけないじゃないですか。これは別々に存続するというだけの話です。
  82. 木村福成

    参考人木村福成君) 組織的にいろんなものをスリムにして効率を上げよう、それからその有効性を高めようというのは行政改革の趣旨だと思いますので、それが実現するように組織づくりをやっていくということになるんだと思います。それがなければこういうことをやる意味はないということになってしまうと思います。
  83. 亀井郁夫

    ○亀井郁夫君 よく分かりました。  どうも私自身がよく分からぬものですから今お尋ねしたんですけれども。やはり、北村さんも今おっしゃいましたけれども、こんなことをやってみても分からぬよとおっしゃいましたけれども、私も分からぬと思います。何年先にはこれまた分けなきゃいかぬということになる可能性だってあるんですからね。  私、これは最後清家さんにお聞きしたいんですが、清家さんは中小企業の問題、いろいろとお話しされて、そのとおりだと思うんですけれども最後に、合併されて一番困るのは中小企業なんですよね。だから、中小企業の立場から、これだけは守ってもらわなきゃ困るということをちょっと話していただきたいと思います。
  84. 清家孝

    参考人清家孝君) 大変有り難いお話でございますけれども、今一番不安を持っておるのが我々中小企業でございますので、貸出し枠のやはり削減とかいろいろな形のものを言われておりますけど、十分に安心して事業ができるような形での支援をするようなシステムに持っていかなければ、今後のやはり中小企業の再生はできぬのじゃないかなというふうに考えておりますので、是非その辺については十分の皆さんの御理解をいただき、又は御支援をいただいて、立派な公庫にしていただくようによろしく御支援をお願いいたします。
  85. 亀井郁夫

    ○亀井郁夫君 どうもありがとうございました。  今日いろいろお話がありましたので、もうこれ以上ありませんので、これで終わらせていただきたいと思います。
  86. 藤原正司

    委員長藤原正司君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、貴重な御意見をお述べいただきまして誠にありがとうございました。当委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時一分散会