○
参考人(
池上清子君)
池上でございます。では、座って
お話をさせていただきます。
私は、
開発途上国にかかわって三十年になります。これで年がばれてしまうという感じもあるんですけれ
ども。
アフリカを始めとして
開発途上国、
アジア、中南米にもかかわってまいりましたけれ
ども、そういったところを、
開発途上国の
現場をNGOとして、そして国連
機関の職員として見てまいりました。その
現場を見たことを
中心に今日は
お話をさせていただきたいと思っております。特に、
アフリカの
人口の問題、そして先ほど
高橋参考人がおっしゃられた
MDGs、
ミレニアム開発目標と、特に保健医療の分野での問題、そして最後に
幾つか提案をさせていただきたいと
思います。(
資料映写)
まず、
世界人口の推移というのを見ていただきたいんですけれ
ども、これを見ていただきますと、
日本と全く
世界の
人口の
状況が違うということが一見してお分かりいただけると
思います。二〇〇七年の六十六億人というのは、つい今朝、国連本部の方で発表がありまして、二〇〇六年度の中位推計というのが発表されたばかりです。それによりますと、二〇〇七年は、年央で六十七億人に、そして二〇五〇年には九十二億人になるであろうという新しい推計が発表されたばかりです。
問題は何かと申しますと、一年間に七千六百万人が今でも毎年毎年増加しているということなんです。そして、その七千六百万人の九六%が
開発途上国で起きているというところで、
開発途上の問題というのと、その
人口の問題というのが明らかになると
思います。
これは、合計特殊出生率、簡単に申し上げますと、一人の女性が一生涯で何人
子供を産むかという数字です。
日本は一・二六という数字が発表されていますけれ
ども、これを見てみますと、どうして
アフリカがこれだけ
人口爆発的に増えているのかというのがお分かりいただけると
思います。ほかの
地域と比べて、
アフリカはこのTFR、合計特殊出生率が下がるのが約二十年ほど遅れています。
そして、何が特に問題になってくるかと申しますと、この六十七億人の
世界人口の中で半分に当たる
人口が二十五歳未満の
人口である。つまり、若い
人口が
世界の
人口の半分を占めているということになります。
これを
アフリカと引き付けて考えてみますと
幾つかの点が、ここに挙げましたけれ
ども、申し上げられます。
最初は、
人口ボーナスという考え方です。これは
アフリカだけではなくて一般的に申し上げられることですけれ
ども、
人口構造の変化、つまり
人口転換が起こる。それは、多産多死から多産少死へ、そして少産少死にというふうに
人口転換が起こりますけれ
ども、その中で、
一つの国でたった一回だけ起きる
人口ボーナスというふうに言われています。
それは何かと申しますと、扶養
人口が非常に少なくて、そして働き手である労働
人口が非常に多いという、こういう時期というのは
一つの国で
人口転換の中では一回だけ起こります。これは産業化、近代化の牽引力となります。六〇年代の
日本が、そして
アジアのミラクルと呼ばれている
国々がこの
人口ボーナスをうまく使ってその国の
成長を遂げてまいりました。
アフリカに考えを及ぼしてみますと、こういった点というのを、つまり
人口ボーナスというのが使い切れていない、又は使えるような環境になっていないというところが言えると
思います。若い
人口は非常に多いということです。若い
人口が多いと、今度は職の問題、つまり雇用の
機会が
人口が増加するほどには増えていない、失業率が高くなっているということ。そして、
アフリカではHIV、
エイズの問題、望まれない妊娠の問題というのがありますけれ
ども、こういったことを予防する保健医療のサービスに恩恵に浴せない人
たちというのが増えてきます。そして、ここが特に若い人
たちが多いということです。教育の問題を見ますと、やはりまだ七十数%しか初等教育が受けられていないというところが問題としては挙げられると
思います。
今日、スライド、パワーポイント作らせていただいていますが、今お手元にありますこのパンフレットもオレンジ色です。UNFPA、国連
人口基金というのは、私
たちのロゴ
自体がオレンジ色なんです。オレンジって何の色かといいますと、若い人の色なんです。今、UNFPAとしては、若い人
たち、
アフリカで特に多いわけですけれ
ども、若い人
たちにどういったサービスができるのかということを
中心に考えております。
事例というところでライフスキル教育と書きましたけれ
ども、これは、例えばタンザニアでライフスキルエデュケーションというプログラムがありまして、職業訓練とそれから保健教育とをパッケージにしたようなそういう教育なんですけれ
ども、このライフスキル教育を受けた若い人
たち、特に十五歳から二十五歳くらいの方
たちを
対象にしていますけれ
ども、そうしますと、HIVの
感染の予防ですとか望まない妊娠の予防のためにコンドームを使うか使わないかという
調査をいたしまして、何の教育も受けていない人
たちが三三%でした一方、このライフスキル教育を受けた若い人
たちというのが五四%使用しているという結果が報告されています。
人口問題というのは、ややもしますと忘れられがちなものなんですけれ
ども、
二つ大きな側面が
開発との
関係ではあると
思います。
一つは、
国家の
安全保障との関連です。急激な
人口の増加や減少というのは、その国の
安全保障を脅かすものにもなります。
人口が急激に増えれば、
人口圧力というものが増してきて、都市化の問題、そして国際
人口移動という形が起きてきますし、また、急激な減少ということになりますと、少子化の問題ですとか
社会保障の難しさというふうなことで
安全保障との関連が出てきます。先ほど
高橋参考人もおっしゃっていましたが、
人間の
安全保障というところでは、やはり個人個人が
自分らしく生きられる、
自分の生活を保障されて、そして
自分らしく生きられる、人権の保障もあるというふうなところでの一人一人の
人間の
安全保障という問題にもかかわってまいります。
そして、もう少し申し上げますと、
開発を進めていく、
貧困を
削減するというときには基本的なデータというものが必要になります。
人口の数を知ることというのは、
開発を進めていく上で、例えばどの
地域に五歳児の
子供が何人いるから学校を
幾つ建てなければいけないというような
開発計画を立てていく上で重要な
資料となります。そういう
意味でも
人口問題というのが重要になると
思います。
貧困削減を
中心に
課題として取り上げたものが、先ほどから申し上げられているような
ミレニアム開発目標、
MDGsです。ここはちょっと写真を見ながらどういった目標が八つあるのかというところを申し上げますと、一日一ドルの話は先ほ
どもうなさいましたけれ
ども、現在でも十一億人の
人間が
貧困人口としてはいると。特にサブサハラ・
アフリカ地域だけで
貧困人口が増加しているということです。こうなりますと、この目標の一というのは、二〇一五年という目標
達成年度までに
達成が難しいのではないかと言われている目標の
一つです。
二つ目は、普遍的な初等教育、少なくとも五年、六年の初等教育は皆さんが受けられるようなことをしたい。
目標の三というのはジェンダーの平等と女性の地位の向上です。これは、
開発を進める上で今まで女性がなかなか
発言をする
機会がなかったというふうなことで、
人口の半分を占める女性
たちの力と
意見を反映していこうということです。
ここから、目標の四、これは
子供の健康の問題、目標の五はお母さんの健康の問題、目標の六というのは
感染症の問題ということで、目標四、五、六は保健医療の関連の問題です。
目標七は環境の問題なんですけれ
ども、この中にも、安全な水というところで保健医療との関連というのがございます。
目標の八というのは、ただ単に
開発を進めるというところでは、
ODAだけではなくて、市民
社会や私企業といったところ全員で
パートナーシップを組んで進めていきましょうという話がされています。
この
ミレニアム開発目標というのは、基本的な理念というのが人権に基づくものであることと、そして
成果主義、どのくらいのインプットがあってどのくらいのアウトプット、結果が出たのかというところが問われるというところが新しいと
思います。単なるキャッチフレーズ、キャンペーンというふうなとらえ方ではなくて、見直しを五年ごとにして、その
成果がどのくらい
達成できているのかというところを見ていくという点です。
もう
一つは、先ほど申し上げましたような保健医療の分野というのが三つ以上入っているというところです。これを受けまして、少し乳児死亡率など保健医療の指数を取ってみたいと
思います。
MDGs、
ミレニアム開発目標では、一九九〇年のデータと比べるということで、それからどのくらい
達成ができたのかということを見ていくわけですけれ
ども、まず乳児死亡率について、バングラデシュでもかなり九〇年と比べますと半減しているということに比べて、タンザニアや南
アフリカ、南
アフリカは多少減っていますけれ
ども、タンザニアでは増えているというのが現状です。同じことが妊産婦死亡率にも言えます。ここ、乳児死亡率、妊産婦死亡率ということでは、
子供とお母さんが亡くなっているということなんですが、
アフリカでなぜこういう傾向があるかと申しませば、やはりHIV、
エイズの問題を抜きに語れないと
思います。
こういった死亡率が高くなるということを踏まえて、平均寿命、出生時の
平均余命ですが、は減ってきています。
アフリカの
一つの国、ザンビアでは平均寿命が三十九歳というところまで下がってきています。これは、十年ほど前までは四十六歳だったというところを考えますと、かなり寿命が減っているということが言えます。
これ最新のHIV、
エイズのことについてのデータなんですけれ
ども、HIVの
感染者は四千万弱、推計ですから全く正しいというわけではないかもしれませんけれ
ども、その中でサハラ以南の
アフリカというところが非常に大きい数字を占めている。一方、女性のHIV
感染者というのを見ますと、
世界では四八%なんですけれ
ども、サハラ以南の
アフリカでは五九%が女性になっています。このように、
貧困というものが
社会的な弱者に最も影響を与えるということがHIV、
エイズでも言えると
思います。
こういうことを踏まえまして、実は二〇〇四年なんですけれ
ども、
MDGsの保健分野に
日本がどういうふうな貢献をしているかという評価がございました。外務省の有識者評価というものだったんですけれ
ども、私もその一員として評価に参加させていただいています。そのときに、すべての一般無償に関しての
プロジェクトを二〇〇一年から二〇〇三年までの三年間のものを検証いたしました。その結果がここにまとめてあるものなんですけれ
ども、二〇〇四年のものだったのでちょっとデータは古いんですけれ
ども、これを見ていただきますと
二つの特色が見えます。
一つは、目標の五、お母さんの健康についての支援がまだほかと比べると少ないのではないかという点。そして
二つ目の点は、その他のところ、一般病棟など、リハビリなどというところで、つまりスペシフィックに
子供、お母さん、
感染症というところの支援ではなくて公衆衛生全般を上げるような、そういった支援がまだ多いということが言えると
思います。
もう
一つ保健分野で言えることは水なんですけれ
ども、水のところについて、
アフリカで、セネガルとカメルーンで見てきたときの
お話をさせていただきたいと
思います。
セネガルでこの共同水資源というのを造っているわけですけれ
ども、これは技術協力と無償
資金協力とが一体になって組み合わさって実施されるという大変
効果的なものだったと
思います。無償
資金でハードの施設が造られ、技術協力で運営管理という体制をつくっていくということになります。
アフリカでは、特に安全な水というのは重要で、
世界的に見ても、六人に一人が安全な水が手に入らないという
状況の中で、やはり保健医療の推進をする、保健医療のレベルを上げるという場合には、水、安全な水をなくして生活の改善というのはあり得ないということが言えると
思います。
もちろん、こういったところで出てきたことというのは、病気や流産が減っているとか、水くみから解放されているので学校に行けるようになったとかということがありますけれ
ども、非常に重要だったと私が
思いますのは、こういった施設というのを造るのは、簡単ではありませんが、できるんですけれ
ども、その後の運営管理、維持管理というのが非常に難しいというところです。これはガバナンスの問題等も含めてなんですけれ
ども、それを、住民の人
たちが水の管理組合というのをつくって、
自分たちで料金を徴収したり、それから維持管理をしているというところが新しかったと
思います。
同じことがカメルーンでも、住民参加型で水管理組合というのができ上がっています。この
一つの井戸、大きな、ここを見ていただきますと輪がありますけれ
ども、その輪を手で回すことによって井戸の水が上に上がってくるという仕組みで、非常に簡単な仕組みです。この
一つの井戸で、この村では二千人の人
たちが安全な水を飲めるようになったということが言われています。
最後に、
幾つか提案と
お話をさせていただきたいと
思います。
国際協力、特に
開発援助について、
人口、保健、医療という面で
世界的な動きと
アフリカの
状況を概観してきましたけれ
ども、ここで重要なことというのは、地球規模の問題、HIV、マラリア、結核などの
感染症ですとか、国際的に
国境を越えて
人口が移動するですとか、先ほど申し上げたような、若い
人口が増えて職を求めて移動する、そういったことも含めた圧力の問題、そして頭脳流出というところまで行っています。保健、そのほかに環境保全ですとか気候変動とか、こういった問題というのは、今のようなグローバルな
社会の中では
日本だけは
関係ないという形で他人事では済まされない、こういった地球規模の問題です。
日本の
安全保障にもつながってまいります。こういう点で、
ODAによる支援というものが非常に重要になってくるのではないかと
思います。
これから少し具体的な提案をさせていただきたいと
思います。
貧困削減の担い手、プレーヤーと書きましたけれ
ども、というのはもちろん
開発途上国の
政府であり、その国の人
たちではあります。しかし、ここに支援国、
ドナー国としての
ODAの
関係機関やNGO、これはローカルの
開発途上国のNGOもありますし、国際的なNGOや支援国のNGOもあります。そして、企業、これも
途上国にもありますし、支援国にもありますし、多国籍企業のようなものもございます。そして、今国連を始めとする国際
機関などがありますけれ
ども、まずこういったプレーヤーの間での
協調というのが必要になってきます。特にNGOとの連携というのがこれからは求められるのではないかと思われます。NGOといっても、特に今
途上国にあるNGO、これは
日本のNGOとの連携を踏まえて
途上国のNGOとの連携ということもあり得るともちろん
思います。先ほど住民組織による水管理というところで
お話ししたとおりですけれ
ども、こういったNGO、住民組織の力ということはこれからの持続可能性との問題では重要になります。
もう
一つ事例を御紹介したいと
思います。
津波が起きましたときに、
日本政府からUNFPAは五百五十万ドルの拠出金をいただきました。そのときのお配りしましたものをちょっと皆様に御紹介させていただきたいと
思います。(
資料提示)こういったバッグに入れまして、それぞれ個人用のキットなんですけれ
ども、ここにフロム・ザ・ピープル・オブ・ジャパンというふうに書いて
日本の人
たちからの支援だというふうなことなんですけれ
ども、中に何が入っているかと申しますと、こういったTシャツ、そして普通の履物、そして下着類、女性用の生理用のナプキン、そしてこういったシャンプーですとか歯磨きというふうなもの。これに加えて
幾つかちょっと、
二つほど皆さんに御紹介したいと思っているのは、これなんですね。これはイスラム教の、アチェ州というのはイスラム教徒が多かったので、これはお祈りをするときに敷くマットなんです。これがないとなかなかお祈りができないという、こういったところもありますし、それからもう
一つ、この、ちょっとかぶらせていただきます。こういうふうになりまして、ワンタッチで髪の毛を隠せるようになります。イスラム教圏では女性は髪の毛が出ていると外に出られないんです。外に出られないと何が起こるかといいますと、すぐそこまで支援の物資が来ていたり水が来ていたり食料が届いていても、それを取りに行くことができないということなので、こういった文化的な配慮のある、何というんですかね、個人的に一人一人にお配りしたものなんです。これは二十三万キット、インドネシアで配らせていただきました。
このときも、フラワー・アチェという、アチェ州に根拠地を置くNGOと一緒にこのキットを作ったわけですけれ
ども、何が必要なのかということの洗い出し、そしてほかの
ドナーから何が来ているからダブらないようにするにはどうしたらいいかというふうなこと、そして配付から漏れている人がいないかどうかというふうなことも含めて、配付をきちんとNGOの方と一緒にさせていただいたということがあります。
また、来年、先ほど来出ていますけれ
ども、G8サミットや、
TICAD、
アフリカ会議が
日本で開かれますが、このときにどういうことがあるのかと、支援として可能性があるのかということを
幾つかリストをしてみました。
最初は、前の首相が
アフリカに対しての支援を倍増するというふうなコミットをおっしゃっていらっしゃいます。ですので、一度こういった
日本がコミットされたことについては
是非履行をしていただきたい、そうでないとなかなか
日本の信頼にもかかわってくるのではないかというふうに
思います。
次の問題なんですけれ
ども、これは戦略的な
ODAを考える上で
一つ二つ今抜けている点があるのではないかということなんです。これは、
ODA大綱という非常に大きな枠組みを示すものはできました。そして、それぞれの国に関しては国別
援助計画というものもできています。ただ、そこをつなぐものというのがないんですね、中間のところを。できればイニシアティブというふうな形で中期的な戦略を示すような、そういったものを新しく打ち上げるということができるのではないかなと
思います。
よく目に見える
ODA支援というふうなことが言われるんですけれ
ども、見える
援助というのは、そこに本当に目で見えて、ステッカーが張ってあるというふうなことで見えるというのも重要だとは
思いますけれ
ども、
日本の
援助が分かりやすいということ、これも見える
援助としては大切だと
思います。重要な分野を示すこと、五年くらいの時間的な枠組みを持って継続した支援をしていくこと、そして、コミットした予算を明示できるというふうなことを通して
日本の
援助の方向性というのを明確にできると
思います。明確にすれば
日本の支援、
援助というのがはっきりと見えてくるのではないかと
思います。
時間的なこともございますのでちょっとあと
幾つかはしょらせていただきますが、三番目の点というのは時間の枠組みというところなんですけれ
ども、これは、どちらかというとあえて申し上げるという形になるんですけれ
ども、単年度予算というのに対するチャレンジというふうに、一言で申し上げればそういうことなんですけれ
ども。
例えば、
一つのことを実施するというときに、特に
アフリカなどでは、時間設定した内容と時間設定の枠組みの中できちんと実行ができればいいんですけれ
ども、
アフリカではなかなかそういったことが今はできていないというふうなことも踏まえて、また
開発援助というのは一年では解決ができないことが多い、継続性が非常に重要だというところがありますので、もし、使い切れなかった又は正当な理由があって使えないというふうなことについては、その正当な理由をよく吟味した上で二年度、次の年度に送るというふうなことが可能なのかどうかということなんです。
下に書きました迅速性というところに関しましては、
現場で見ていますと、
日本の
援助は、よく耳にすることはこういうことなんですが、
日本の
援助というのは決まれば着実にやってもらえる、ただ、決まるまでに時間が掛かり過ぎるという指摘がございます。こういう点からも、
草の根無償というふうに大使館レベルで決められるものというのが非常に早い、時間的にも早い
対応をしているというところで住民の方にかなり喜ばれているのではないかと
思います。この
意味では、
途上国にある
日本大使館の裁量の範囲というのがもう少し広がるといいのかなというふうな感じを持っております。
アフリカ支援に向けて具体的なところというのは、やはり中小企業の振興ですとかマイクロファイナンスといったところによる雇用の創出ということだと
思います。これは
高橋参考人が先ほ
どもおっしゃっていたのでこれ以上申し上げませんが、
アフリカの一人当たりの所得というのは一九六〇年当時よりも現在の方が低いということが言われています。
五番目の点については、
日本が比較優位性を持っていると言われている経済インフラの支援というのがあるんですけれ
ども、そこにやはり必ず
社会開発の
視点を組み合わせてもらいたいということなんです。経済的な
成長を促すという
意味で、例えば高速道路なり主要幹線道路を建設するということは重要だと
思います。しかし、その大きな道路に生活道路、例えば学校に行く道ですとか保健所や病院に行く道を一緒に整備をする、高速道路に組み合わさっている部分ということだと
思いますけれ
ども、そういったことの組合せを
是非考えていただきたいということが
お願いとしてあります。
やはり、
アフリカの支援というのは人を育てるというところ、これも先ほど来言われているので申し上げませんけれ
ども、若い人が
人口の数としても多い、ここにどうにか
能力開発をしていかない限り、どんなに
人口ボーナスがあったとしても経済的なテークオフというのは難しいのではないかというふうに
思います。
国際社会の一員として
貧困削減というものに貢献をし、
途上国の人
たちの生活の質が改善されるような
ODAというのが
日本に求められていると
思います。
ありがとうございました。