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2007-05-31 第166回国会 参議院 国土交通委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十九年五月三十一日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  五月二十四日     辞任         補欠選任         谷合 正明君     山本  保君  五月二十五日     辞任         補欠選任         福本 潤一君     魚住裕一郎君      山本  保君     谷合 正明君      長谷川憲正君     後藤 博子君  五月二十八日     辞任         補欠選任         末松 信介君     金田 勝年君      前田 武志君     池口 修次君  五月二十九日     辞任         補欠選任         金田 勝年君     末松 信介君      池口 修次君     前田 武志君      谷合 正明君     山本  保君  五月三十日     辞任         補欠選任         魚住裕一郎君     風間  昶君      山本  保君     谷合 正明君  五月三十一日     辞任         補欠選任         前田 武志君     谷  博之君      風間  昶君     魚住裕一郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         大江 康弘君     理 事                 末松 信介君                 脇  雅史君                 藤本 祐司君                 山下八洲夫君                 谷合 正明君     委 員                 市川 一朗君                 岩井 國臣君                 小池 正勝君                 藤野 公孝君                 吉田 博美君                 加藤 敏幸君                 北澤 俊美君                 輿石  東君                 田名部匡省君                 羽田雄一郎君                 前田 武志君                 風間  昶君                 小林美恵子君                 渕上 貞雄君                 後藤 博子君    国務大臣        国土交通大臣   冬柴 鐵三君    副大臣        国土交通大臣  望月 義夫君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       藤野 公孝君    事務局側        常任委員会専門        員        伊原江太郎君    政府参考人        公正取引委員会        事務総局審査局        長        山田  務君        総務大臣官房審        議官       門山 泰明君        財務大臣官房参        事官       香川 俊介君        財務省主計局次        長        松元  崇君        財務省理財局次        長        藤岡  博君        国土交通大臣官        房長       竹歳  誠君        国土交通大臣官        房総合観光政策        審議官      柴田 耕介君        国土交通大臣官        房技術審議官   佐藤 直良君        国土交通省総合        政策局長     宿利 正史君        国土交通省土地        ・水資源局長   松原 文雄君        国土交通省都市        ・地域整備局長  中島 正弘君        国土交通省道路        局長       宮田 年耕君        国土交通省住宅        局長       榊  正剛君        国土交通省自動        車交通局長    岩崎 貞二君        国土交通省海事        局長       冨士原康一君        国土交通省航空        局長       鈴木 久泰君        航空鉄道事故        調査委員会事務        局長       各務 正人君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○特定船舶入港禁止に関する特別措置法第五  条第一項の規定に基づき、特定船舶入港禁止  の実施につき承認を求めるの件(内閣提出、衆  議院送付) ○政府参考人出席要求に関する件 ○国土整備交通政策推進等に関する調査  (公共工事入札契約問題に関する件)  (独立行政法人水資源機構入札契約形態に関  する件)  (都市農地の保存・利用に関する件)  (遊戯施設安全確保に関する件) ○タクシー業務適正化特別措置法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 大江康弘

    委員長大江康弘君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、長谷川憲正君及び福本潤一君が委員辞任され、その補欠として後藤博子君及び風間昶君が選任されました。     ─────────────
  3. 大江康弘

    委員長大江康弘君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 大江康弘

    委員長大江康弘君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事末松信介君及び谷合正明君を指名いたします。     ─────────────
  5. 大江康弘

    委員長大江康弘君) 特定船舶入港禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶入港禁止実施につき承認を求めるの件を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。冬柴国土交通大臣
  6. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) ただいま議題となりました特定船舶入港禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶入港禁止実施につき承認を求めるの件につきまして、提案理由及び内容概要を御説明いたします。  我が国は、平成十八年十月九日の北朝鮮による核実験実施した旨の発表を始めとする我が国を取り巻く国際情勢にかんがみ、同年十月十四日より六か月間の期間を定め、北朝鮮船籍のすべての船舶入港禁止する措置実施しておりましたが、北朝鮮が引き続き拉致問題に対して何ら誠意ある対応を見せていないことや核問題を含む北朝鮮をめぐる諸般の情勢といったその後の我が国を取り巻く国際情勢にかんがみ、我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があると認め、特定船舶入港禁止に関する特別措置法第三条第三項の規定により閣議決定された「特定船舶入港禁止に関する特別措置法に基づく特定船舶入港禁止措置に関する閣議決定の変更について」に基づく入港禁止実施しました。これについて、同法第五条第一項の規定に基づいて国会承認を求めるものであります。  以上が、本件を提案する理由であります。  次に、本件内容について、その概要を御説明いたします。  本件は、同法第三条第三項の規定による平成十九年四月十日の閣議決定に基づき、昨年十月十四日より平成十九年四月十三日までの六か月間にわたる北朝鮮船籍のすべての船舶本邦の港への入港禁止実施を決定した従前の閣議決定を変更し、平成十九年十月十三日までの六か月間にわたり、引き続き、北朝鮮船籍のすべての船舶本邦の港への入港禁止実施することについて、同法第五条第一項の規定に基づいて国会承認を求めることを内容とするものであります。  以上が、本件提案理由及びその内容概要であります。  何とぞ、御審議の上、本件につき速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
  7. 大江康弘

    委員長大江康弘君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  特定船舶入港禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶入港禁止実施につき承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手
  8. 大江康弘

    委員長大江康弘君) 全会一致と認めます。よって、本件全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 大江康弘

    委員長大江康弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  10. 大江康弘

  11. 大江康弘

    委員長大江康弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  12. 大江康弘

    委員長大江康弘君) 国土整備交通政策推進等に関する調査議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  13. 脇雅史

    脇雅史君 自由民主党の脇雅史でございます。  今日は一般質疑ということで、私はいわゆる入札契約問題、特に地方建設業実態ということについてお話をさせていただきたいと思います。  非常に多くの政府部署に関係いたしますので、できるだけ考えていただきたいということで今日は数多くお呼びしておりますが、御容赦を願いたいと存じます。  国土交通大臣には途中でお答えを求めることはございませんので、最後に感想といいましょうか御決意みたいなものを伺えれば結構でございます。  そこで、この十年来、あるいはもっと前からかもしれませんが、建設業が非常に傷んでおります。特に一生懸命いい仕事をしてきた良質な業者というのが倒産をしたり、本当にひどい目に遭っております。私はとりわけ各地を回ってそういう方々の声を伺っているものですから、人様以上に強く感じるのかもしれませんが、どこの地域においても良質な建設業というのは、これは必要不可欠なんですね。そして、本当に一生懸命やってくれるいい業者、いい仕事をする人が残ってほしい。役所から仕事をもらって、それなりの利益を出して、将来への投資をして、人材を集めて、そしてまたその人材が育っていい仕事をするという好循環になってほしい。今は、建設業地方で後を継ごうという人いません。おやじの代から、あるいはおじいさんの代から三代続いた、四代続いたといっても、息子にこの苦労はさせたくないから、ほかの業種へ行けと、それが実態ですね。私は非常にゆゆしい問題だと思っています。  これをどうやったら解決できるかということで、入札契約制度というのが、仕組みがありますが、これが悪いんじゃないだろうかということで、二年ほど前になりますけれども、おととしの四月に品質確保法というのを作ったわけですね。これは民主党の皆さんと一緒になって作ったわけです。それは制度の根本を変えよう。  今までは、それまでは会計法地方自治法、これは県でいえば地方自治法、国でいえば会計法ですが、それぞれ同じこと書いてあるので会計法という言い方をしますけれども、会計法というものを基本的な仕組みとして運営されてきた。それは何かというと、競売を逆さにしたような話で、とにかくこの仕事をやりたい人いらっしゃいということで、値段を聞いて、札を入れさせて、札の値段を書いてあるものを見て一番安いところと契約すればいい、それだけの仕組みだったんですね。その値段だけ見る仕組みでも戦後まあまあうまくいって、日本建設業は成長を遂げてきましたが、それは右肩上がりという特殊事情の中だったんですね。  ですから、最近十年間では、この会計法のやり方ではもうどうにもならない。そこで、総合評価しよう。技術力であるとか信用力であるとか熱意であるとか、様々なことを踏まえて、地域の特性を考えた上で、この仕事をするのに一番ふさわしい業者はどこかということを発注者に本当に考えてもらう、それが総合評価なんです。そういう方式に変えようということで品確法を作ったんです。  これ、北澤先生が、なるほどうまいことおっしゃるなと思って私は頭が下がったんですが、脇さん、これはちょっと名前が悪いよと、品確法はやめろと、入札契約特例法じゃないかと、こうおっしゃったんです。さすがやっぱりよく見ておられるなと思ったんですが、おっしゃるとおりなんですね。実は会計法特例法なんです。もちろんそれを品質確保ということを手掛かりにやったんでこういう名前にしたんですが、実態は正に会計法特例法なんです。ですから、今は日本公契約仕組み総合評価に変わっているんですね。  ところが、これがまだ理解されていないことが多いんですね。もう法律ができているのに、おれそんなこと知らないと、おれはちゃんとやっているからいいんだと、総合評価なんかだれかがやっているんだろうというふうに思っている人がいるんですが、これ、県知事、市町村長に至るまで全部義務付けられているんですよ、法律でね、総合評価は義務付けられている。だから、日本契約形式は、安いものと契約するという形式はもう既にないんです、過去のものなんです。  ところが、これまたびっくりしたんですが、この間、NHKの放送を見ていましたら、こういう特集をやったんですね。「クローズアップ現代」、その入札契約問題の特集を見ていたら、我が国契約は、業者が札を入れて、一番安いところと契約する仕組みになっておりますと、まだ言っているわけですよ。これは「あるある大事典」とは違うんだけれど、私はこれは事実誤認だと思います。正確に言えば、仕組みは二年前に変わっています、しかし実態は相変わらず安いところと契約しているものがまだあります、これが実態ではないでしょうかというのが適切な言い方なんだろうと思うんですが。  仕組みは変わっているんです。ですから、今でも何か不祥事があるたびに、日本制度が悪い、仕組みが悪いということを言うんですが、私に言わせれば、そうではないんです。仕組みは変わっているんです。その仕組みを的確に運用しない、運用しない人が悪い。だれだというと、発注者であり、国であり、県であり、市町村長であるわけですね。そこがきちんとこの品確法を運用したら、談合ダンピングは起こらないんです。  今、相変わらずそういう様々な不祥事が起こっておりますが、その様々な不祥事というのが今起こっているように錯覚するんですが、物取りや殺人事件と違って、この種の事件というのは三年前、四年前の事件が今起こったように錯覚しちゃうんですね。ほとんどの事件は、前起こったのが今発覚して今捕まえていると。起こったのは前なんです。だから、私は品確法が的確に運用されたら、二年前からこんな話はもう起こらないはずだと思っているんですが、しかし今のままでいったらまだ起こる可能性があると。それは、発注者が正確に理解していないからなんですね。  一番大事なことは、発注者が自ら、本当に一番いい人に、納税者に成り代わって、この仕事をするのに一番いい会社はどこなんだろうか、値段もひっくるめてあなたにお願いするのが一番いいんだという会社を選ぶことなんですね、本気で。本気で選べば談合ダンピングもないんです。そんなことをやったら忙しくてできないとおっしゃる人が多いんですが、こんな大事なことをやらないんだったら役所要らないんですよ。ほかのことをやめてでもきちんとそれを果たす、その仕事を果たすのが品確法趣旨なんですから。  もう二年余りたって、これだけうまくいかないということであれば、最近私も、幾らいい精神を法で書いても現実にやられないとすれば何がしかの欠陥があるのかなと。だとすれば、立法府として、本当にこれがしっかり徹底できるように変えるか、あるいは精神だけ良くても駄目だからまた何か変えるか、何らかの立法措置が要るのかなというふうにも思っているんですが、最近、国交省を中心として非常に努力をしていただいておりますので、わずかながら希望は見えていると思っておりまして、このまま進めていただきたいと思っているんですが、それが今の我が国契約をめぐる状況だと私は思っているんです。  そして、これを発注者方々によりよく理解してもらう、マスコミもひっくるめて正しく理解をしていかないと話が進まないものですから、この入札契約ということを考えたときに、少し誤解というか、思い込みというか、肝心なことを間違って意識していることがあるので、その幾つかを挙げたいんですが。  まず、予定価、これ予定価をどう理解するかということがこの入札契約問題を適正に、適切に進めるために大きなポイントなんです。そこで、予定価って一体何だろうかと。予定価というのは多重人格でして、いろんな性格を持たされて、みんな都合のいいように使うことがあるんです。  まず第一に、真っ先に、じゃ法令予定価って一体何なんだろうかということで、これは財務省がいいんでしょうかね、ちょっとお答えいただきたいと思います。
  14. 松元崇

    政府参考人松元崇君) お答えいたします。  予定価格法的性格ということでございますが、予定価格につきましては、会計法第二十九条の六におきまして、契約目的に応じ、予定価格の制限の範囲内で最低の価格をもって申込みをした者を契約の相手方とするものとすると規定されているものでございます。
  15. 脇雅史

    脇雅史君 ちょっと何か違うんじゃないかな。予決令のお話はない。
  16. 松元崇

    政府参考人松元崇君) お答えいたします。  予定価格はそういった規定になっておりまして、これが上限拘束性を持っているということでございますが、この上限拘束性を持たせておりますのは、国の支出原因契約国会議決を受けた歳出予算あるいは国庫債務負担行為等債務負担権限に基づいて行わなければならないということでございますので、定められた予定価格範囲内で契約を締結することが、予算範囲内で年度内支出が行われることを統制するためには必要不可欠である等の考え方に立つものでございます。  なお、予定価格作成方法につきましては、予算決算及び会計令第七十九条及び八十条におきまして、仕様書設計書等に基づき、取引実例価格履行難易等を考慮して適正に定めるものとされております。
  17. 脇雅史

    脇雅史君 前段の部分は別にして、予定価作成決定方法というのはその政令で定められているんですね、今、後段で言われましたけれど。  契約目的となる物件又は役務について、取引実例価格、需給の状況履行難易、数量の多寡、履行期間長短等を考慮して適正に定めなさいと書いてある。つまり、これは実勢価格をちゃんと調査して決めなさいよと言っているんですね。それが法令上の予定価の唯一書かれた性格なんです。  だから、法令上、予定価というのは実勢価格なんですよ。できるだけ実勢価格を正確につかみなさいといって、それが予定価の本来の本籍地ですね。じゃ、実態はどういうふうに決められているのか、これは国交省
  18. 佐藤直良

    政府参考人佐藤直良君) 予定価格積算に当たりましては、まず適正な品質確保をするために必要な労務費資材費機械損料、諸経費等工種ごとに標準的な工法を想定して積み上げさせていただいております。この標準的な工法というのは、複数の工事現場で実際に使われている工法、これを詳細な調査実施いたしまして、その実態から決定させていただいております。  また、積算に用います労務費等の単価につきましては、実際に労働者方々に支払われた賃金や、あるいは購入された材料価格などの流通実態を踏まえて、地域別かつ定期的に調査いたしまして、それらの平均値や最頻値から地域ごとに決定させていただいております。  また、諸経費等につきましても、毎年度工種ごとに要した費用の実態調査いたしまして、適宜改定を実施させていただいておるところでございます。  以上でございます。
  19. 脇雅史

    脇雅史君 つまり、実勢価格も相当な調査をして実際に決められているわけですから、そうしますと、例えば幾つ予定価について言われることがあるんです、ちまたで。予定価契約をすると高過ぎて損するんじゃないか。これは、そういう例が全くないわけではないんでしょうが、いつもそう言えるということはあり得ないですね、今の話でいえば。実勢価格調査するんですから、実勢価格契約して何でおかしいんですかと。  ただ、実勢価格といっても、前の実態調査するんですから、三か月遅れたり、四か月遅れたり、一年遅れたり、あるいはひどいものは二年遅れたりということがあるから、現実にこうずっとデフレが続いたりインフレが続いたりすると実態に合わないケースというのはあるんですが、それも、デフレインフレもいろいろあるわけですから、必ずその予定価より安くなるなんということはあり得ないんですね、実勢価格そのものがね。  だから、いろいろあるから、基本的には予定価仕事をするというのはごく当たり前の話で、それが常識にならなければいけないんです。ところが、今はそういう常識は通じません。それが常識だと言うと、あいつ、また業界の味方して変なこと言っているのかと思われるようなばかげた世界になっているわけですよ。  さっきちょっと財務省言われましたけれども、予定価を超えて契約できないって一体これは何なんだろうかと。これは、言われているということよりも、実態がそうなっているんですね。  現在、予定価を超えては契約できません。これは法令の定めなんです。しかし、物の値段というのが契約の売手と買手の交渉で決まるのが、これが市場原理ですね。正しい競争がなされて市場原理で物の値段が決まれば、だれかが予定価実勢価格だからといって決めたからといって、それより下で必ず契約できるなんてことはあり得ないわけですね、実際の契約現場では。国の現場だけなぜ予定価上限拘束性を持たせているのかと。何でなんでしょうか、財務省。  こんな質問すると言っていなかったから、ごめんなさい。
  20. 松元崇

    政府参考人松元崇君) お答えいたします。  予定価格につきましての上限拘束性という御質問でございますが、先ほどの繰り返しになりますが、上限拘束性につきましては、国の支出原因契約国会議決を受けた歳出予算国庫債務負担行為等債務負担権限に基づいて行わなければならない、こういったことでございまして、定められた予定価格範囲内で契約を締結することが、予算範囲内で年度内支出が行われることを統制するためには必要不可欠であるという考え方に立つものでございます。  ただ、仮に予定価格の設定が市場に合っておらず、予定価格の制限の範囲内の入札がなかった場合、こういう場合も考えられるわけでございますが、当初の入札において定めた予定価格等の条件を変更して、再度公告を行って入札をやり直すことができるということになっておりまして、予定価格上限拘束性が適正な価格による契約を阻害しているということにはならないものと考えております。
  21. 脇雅史

    脇雅史君 今言われたように、制度上はちゃんとそうしたことが書いてあって、やはりちゃんとうまく考えてあるんです。だから、制度上の欠陥ではないんです。  だけれども、実勢上は、実態上は上限拘束をもって適切な市場競争を公権力で抑えているという一面はあるんですね。だから、自由主義市場になじまない部分がこれはあるんです、現実の問題として。法的に詰めれば、おかしいときは抜け穴がちゃんと書いてありますから、抜け穴というかそういうケースが書いてありますから、法的な不備ではないんですが、実態がそうなっているということにはいささか注意が要ります。  ですから、これは要するに、予定価に上限拘束を持たせているというのは予算管理上なんですね。我々、一般契約でもそうですけれども、物を買いたいときに、これが欲しいから幾ら用意したらいいかなと、用意したお金以上のものは欲しくても買えないんですよ。買いに行ったら、そのお金より高い金払えと言われたと。それが上限拘束性の意味なんです。そのときどうするんだと。まけろと言うか、もうちょっと私我慢して一ランク下のものにするわと言うか、欲しい数を減らすか。要するに、相手と交渉して決めるんですよ。それが市場というものであって、公的な市場ではそれが自由に許されていないんです。何が何でもやれと、やらないんだったらもう来るなと。公権力を利用して圧倒している、圧迫しているんですね。そういう実態があるということは財務省も理解せねばならない。予定価性格としてはそういうこと。  それから、競争があれば必ず予定価より契約価格が下がるんじゃないかということがありますが、これも今の話と関連しますが、必ずしもそういうことではないですね。実勢価格状況が違えば、幾ら適正な競争があったって予定価より高いところでしか、要するに入札不調が起こることは幾らでもあるわけであって、そういう常識もまた間違っているわけです。競争がないから、正しい競争がないから予定価より高いところで契約しようとしているんだという言い方も当然間違っているわけですね。  そんなことを考えると、その実勢価というのも一つの価であっていいんだろうかと。少し幅を持たせてもいいんじゃないかなという考え方もないわけではないですね。そういう意味で、少し予定価というものを考えてほしいんですね、法令上の位置付けも。単なる参考値としてしまう考えだってあるんですよ。予定価をそれなりに考えながら予算管理をしていったって、契約上は参考値として上限拘束を持たせないという考えだってないわけではないと私は思っています。この辺はまた法的な位置付けをしっかり勉強していただきたいと財務省にお願いしておきたいと思います。  それから次に、落札率ということについて考えてみたいんです。  落札率とよく言われますね。何かというと、予定価の何%で落ちたかを落札率というらしいんです。これは私、落札率という言葉自体が意味を持たないと思うんです。そういう数字はありますよ、でも本質的な意味持たないんです。それなのに、いろんな人が使っていることが実は不思議でならないんですが。  まず、二種類の人がいるとします。予定価は正しいと、正しく実勢価格をつかまえて積算されていると言う人がいる。予定価に信頼感を持っている人がいると、その人にとって落札率はどんな意味を持つかというと、予定価が正しく実勢価格が計算されて積算されているのであれば、当然その近辺で落ちるはずだから落札率なんてことを言うまでもなく一〇〇%に近いところにうろうろしているはずに違いないと、論理的にそうなるわけですよ。だから、予定価積算を信じている人にとって落札率は意味を持たない。  予定価を信じない人はどうかと。あんなものはだれか適当にいい加減に作っているんじゃないかと、世の中の人はそう思っている人がたくさんいる。だとすると、どうなるか。そのいい加減に作った数字を母数とする落札率に何の意味があるんでしょうかと。そうでしょう、数字は二つで割って率が出るんだから、一つの数字がいい加減だったら答えは当然いい加減ですよね。だから、落札率自体が意味を持たなくなるんです。だから、落札率というのは、ちょっと考えただけでも本質的に意味がない。  それが、しかも、九割を超えていたら不正があるんじゃないかとか、ばかげたことを、頭が狂ったんじゃないかと思うようなことを、これはちょっと後で削除されるのかどうか分かりませんが、適切な表現かどうか分かりませんけど、そういうことを、大臣もそうですけど、法曹界というか裁判所の人や検事がそんなことを言うというのが私はおよそ信じられないんでありますが、現実に言っているんですよね。ある四国の方の地裁の判事だったかがそんなことを言ったんですよ。誠に、法を基にして人を裁く人がそんないい加減なことを言っていていいんだろうかと思うわけで、このことについては日ごろから造詣の深い竹歳さんに答えてもらった方がいいかもしれない。  要するに、落札率を九〇より多かったら不正がなされていると見た方がいいなんていうことについてどう思うかと。簡単に答えてください。
  22. 竹歳誠

    政府参考人竹歳誠君) 一般的に、アメリカでは公正な競争が行われていると信じられています。したがって、アメリカでどうなっているかというのを御紹介したいと思いますが。  アメリカの道路工事の三十年の統計を見ますと、実は各州の道路工事の平均値で一〇〇%を超えるときがあります。これは民間が非常に景気がいいときには、役所の積算が厳しいと、それから役所の工事は仕事がいろいろルールが厳しいというので嫌がると。その結果、非常に高くなると。平均で一〇〇%を超えることがあります。それから、アメリカでも景気が悪いと、これは八五%ぐらいに下がるときもあるんです。平均すると九三%とか四%ということで、実は先ほどの御議論の予定価格上限拘束性について見ると、アメリカでは一〇〇%を平均で超える場合もあるということで、落札率というのは動くものであるということだと思います。だから、九〇%を超えれば直ちに談合だとか、そういう結論にならないはずです。  そういう地裁の判決が最近、高裁で逆転されまして、落札率一〇〇%だからといって談合があったと言えないというようなこともありまして、若干そこら辺はいろいろな議論があるとは思います。
  23. 脇雅史

    脇雅史君 そういうことなんでしょうが、要するに、ちょっと気に食わないのは、やっぱり落札率という言葉が出てきたのね。私は、もう役所は落札率なんという言葉は使わない方がいいと思いますね、意味がないんだから。何の意味があるんだと。本当に市場競争にゆだねて値段が決まるんであれば、予定価というのはここへ置いておいて、一生懸命交渉して最終的に一番いいと思った人と契約した率が適正な価格なんであって、それが予定価と比べるなんて大して意味を持たないんですね、市場にゆだねるならですよ。市場は、適正な市場にゆだねるような環境が整ってなければそれはそれなりの措置が要りますが、今、日本では値段市場で決めさせようと、自由に競争させろと言っているんですから、それを最大限進めて、落札率なんていう言葉は使わない方がよろしい、私はこう思っています。  もう余り時間がありませんので、最後に、低入札というのが頻繁に起こっている。五割、ダンピングと言ってもいいのかもしれません、予定価の半分ぐらい、実勢価格の半分ぐらいでなぜ落ちるんだろうかと。  そのときに、特に市町村長さんの契約にそういうのよくあると思うんですが、例えば百万円掛かる仕事が五十万円でやってくれるというと、これは市長としてはうれしいわけですよ。ちゃんと仕事をしてくれるんなら、予定した五十万円もうかったと、これで住民のためにほかの大事な仕事ができるじゃないか、こんないいことないと、良かった良かったと大喜びで胸張って私は五十万円でやらしたぞと言うわけですね。本当にこれ威張っていいのかと。よく中身を見てみればどういうことなんだと、何で五十万円もうかるんでしょうか。  そうすると、もし仮に、このときに原価という概念を導入しなくちゃいけないんだけれど、仮に百万円が原価だったとしますよ。予定価が百二十万ぐらいで、百万円が原価で、その五十万円で落ちるようなケースですよ。百万円が原価だとすると、本当にやった、仕事を取った人は大体百万円掛かるわけですよ。工夫によって安くなることもあるけれど、それは特異なケースで、仮に百万円掛かるとしたらどうするんだと。その五十万円は私が負担しますというから、会社のこれまでの利益を吐き出すのか、自分の給料なしでもいいやと思うのか。場合によっちゃ従業員の超勤はなしにしろとか、賃金安くしろと、いろんなことをして五十万円をここに浮かせるわけですね。だから、五十万円で仕事しますと。  そうすると、市長さんの元に戻った五十万円って一体だれのものなんだろうか。初めから自分で市長は税金で持っていた金だから、税金が安くできて残した金だと思っているけれど、本当は百万円掛かる仕事に出して、何か知らぬけれどもここに五十万円キックバックしたのと同じなんですよ、実態はね。その財源はどこかというと、下手すりゃ労働者の賃金なんですよ、ピンはねだ。何やっているんだと。あんたは住民のため、市民のためと言っているけれど、その仕事をやらせている人からそこのピンはねをしてその五十万円を取って、それをまた市の行政に使おうとしているのか。同じことなんですよ。  でも、これをもう少し、ちょっと私はへそが曲がっているからもうちょっとうがって考えると、私この仕事をやりたいと、ついてはあなたに五十万円を差し上げますと、この仕事を五十万円でやってみせましょうと、こう言うわけですよ。そうすると、市長のところには、仕事ができて五十万円残ると。同じ構図でしょう、意図は違うんだけれど。五十万円上げるからこの仕事をやらせてくれと言っているのと等しいんですよ。これは何だというと、悪い言葉で言うと贈収賄なんですね。動機違いますよ。だけど、起こっていることは一緒なんですよ。だから、本質的にやっていることはそういうことをやっているわけ。  だから、市長さん胸張って、私はこの仕事をこんなに安くやらせていますよとおっしゃっていますが、だれのお金を取ってきたんですか。もう私は労働者いじめだと思いますよ。労働者の搾取。最近そういう労働搾取という言葉ははやらなくなったけれども、もうちょっと野党の皆さん頑張ってほしいんだけれども、最近労働者は搾取されていますよ。しっかり言わねばいかぬ。本当に非常に巧妙に仕組まれたものですよ。それをみんなして安くできて良かった良かったと言って、独り建設業だけ泣いているわけ。建設産業者だけ泣いているわけですよ、建設産業の労働者が。本当に、(発言する者あり)そうそう、タクシーも一緒、本当に私は問題だと思う。それが今の実態ではないかと。  そして、もう一つ言えば、市長さんが、いや、安くできた安くできたとおっしゃるが、じゃ、あなたのところの実勢価格である予定価はどうやって積算したんですか。予定価が例えばさっき言った百二十万だとしたら、そんな高い予定価をやって、今偶然五十万で落ちたからいいんだけれども、本当に五十万でできる仕事なら五十万近くの予定価じゃなくちゃおかしいんですよ。下手な業者が来たら百万ぐらいで仕事されたかもしれない。逆に住民に損失を与えたかもしれない。だから、そんな離れた予定価をつくった人は処分しなくちゃいけない。おまえは何やっていたんだと。  ところが、そっちは完全に口をぬぐって、安くできたからいいんだ。これは、今のとにかく目先の金さえもうかったらいいという悪い風潮に流されたとんでもない話だと。ある市長に言ったら、ああ、そういうことかと言った市長もいて、分かったと、私はこれからそれでいこうと。どうも、高い値段で、予定価近くで仕事すると、おまえは何やっているんだと市長は周りに言われるらしいから、それに対する何かいいことないかというんでこの話をしたら、今度それ使おうと言っていましたけれども、私はおかしいと思うんです、冷静に考えて。  というところで、私ばっかりしゃべって恐縮でしたが、終わりますが、最後に大臣の感想を。
  24. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 最近の問題について、本当に本質的な面、問題を掘り下げてお教えいただいたような気がします。  過日も質疑の中で、嫌な言葉なんですが、平均落札率が、きちっと一般競争入札をやったときに今までとは随分落ちたと、その差額は税金を無駄遣い今までしていたんだと、そう思うけれどもおまえはどうかというお尋ねに対して、私は今、脇委員がおっしゃったような考え方の下に、直ちにはそうは言えないということを言いましたら、そういう考えでおるからこんなことがはびこるんだと、こう怒られましたけれども、私は心底そのように思っております。  予定価格というものは、真剣に実勢価格調査をして、そして役所としてはこれぐらいの値段というものを、これは公示もされているわけですから、それを同じように計算すれば、大体一〇〇%に近いところに行くのが普通だと思うんですね。それが、それはおかしいと、一般競争入札したら八五ぐらいでできているじゃないかと、その一五は税金の無駄遣いやっていたんだということには私はならないというふうに思うんですけれども、なかなかこれ理解していただけないところが現状だと思います。今日のお尋ねで本当に我が意を得たりというような感じがいたします。  それから、ダンピングの問題ですが、我が方のある程度の数の調査によりますと、予定価を八五%を切った落札、いわゆるダンピングだと思いますが、これは急激に下請いじめ、労働者の搾取とか、それから品質確保できていない、それから下請が倒産するというようなことが明らかに統計上出ております。  したがいまして、ダンピングというのはやはりどこかにしわ寄せがなければおかしいわけでありまして、八五%を切るような値段というのはやめてもらいたい。先ほどおっしゃいました、品質確保できない、あるいは工事中の保安業務がおろそかになる、あるいは下請に対して一方的な値引き要求をする、あるいは工事に手抜きが起こるというようなことで帳じりを合わすんでしょうけれども、そういうことを是認するということは許されないと私は思います。  したがいまして、国土交通省としては、立入調査等でそういうものを厳しく調査をした上でダンピングだということが分かりますと、これに対する対応はきちっと取らなければならないと思っております。  ありがとうございました。
  25. 脇雅史

    脇雅史君 ありがとうございました。終わります。
  26. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 民主党・新緑風会の藤本でございます。  今日は一般質問ということでございますので、ちょっといろいろ、話題をちょっと絞り切れませんでしたので、いろんな話をさせていただこうかというふうに思いますが、今、脇先生のお話を聞いておりまして大変やりにくくなっておるんですけれども、実は私も競争入札だとか随意契約お話も後ほどさせていただこうかというふうに思っております。  まず、今回の通常国会の中で、モーターボート競走法改正という法律が成立をしたわけなんですが、そのときに附帯決議で、場外発売場の許可をするときは、その設置を近隣市町村に通知して、ちゃんと近隣市町村が話合いの場を設けてくださいよという、そういった内容の附帯決議を出させていただきました。  それに伴いまして、実は私の地元の方でも場外発売場の設置ということで今進めているところがございまして、正に国土交通省さんの方から、きちっと近隣の影響があるであろうそういう市町村にもちゃんと通知をして、お互いがいいようにやりなさいよという、そういう通知をいただいておるということを私も承知をしておりまして、早速対応していただきまして大変有り難いなというふうに思っております。  その中で、確かに、実際に設置するところとそのお隣、非常に近いところなんですけれども、そこのところの間で今話合いが持たれているというふうに私も認識をしておりまして、地元の方からもそういう話があるんですけれども、実際問題としていえば、私の考え方をすれば、最終的にはこれは地方分権の流れでございますので、そこまで国がいろんな、設置いいよ悪いよというところを最終的には許認可を与えるということですが、その話合いの中で、余り首突っ込まない方がいいのかなというふうに私は正直思っております。  ただ、やはりその流れというのを見守っていただいて、ちゃんとそういう話合いがなされているかどうかというところは確認をしていただきたいというふうには思っておるんですが、具体的にこのボートピアのいわゆる場外発売場の許認可、設置許可について、地元間の必ず絶対にこの合意ができなければいけないものなのかどうかという、その辺りについて御見解をいただきたいと思うんです。  やはりどうしても意見の食い違いというところは出てきてしまう部分があって、必ずお互いに合意できるかどうかというのは、今後いろんなところで多分話合いが不調に終わるということも起こり得るかもしれないなということを前提に考えたときに、最終的にこの合意というのが必須条件になってくるものなのかどうか、その辺りについて御見解をいただきたいと思います。
  27. 冨士原康一

    政府参考人冨士原康一君) ただいま委員からお話がございましたボートピアの問題につきましては、私どももいろいろと話を今お聞きしているという段階でございます。  従来から基本的に地元の自治体ときちんと調整ができるようにという運用をしてまいったわけでございますが、加えまして、さきのモーターボート競走法の一部改正の審議をいただきました際に、先生から御指摘がございましたように、附帯決議として、周辺自治体、重要な影響を受ける場合にはその自治体についても十分な調整を行うようにという御指摘をいただきまして、その御指摘に従って私ども今運用をさせていただいておるわけでございます。  それで、今現状を申し上げますと、必ずしも満足できる状況にはなくて、両方の自治体が意見の対立したままで残念ながら今まで来ているという状況でございまして、この先どうなるのかということにつきましては今後の状況を取りあえず当面我々としては見守りたいというふうに思っております。基本的には地方自治体同士の問題でございますので、国としてそこに入っていって調整をするというような立場にはないというふうに考えておりますが、やはり一方で、そのボートピアの設置によって地域でいろいろ問題が起きるということも我々は望むところではございませんので、そこは話合いが十分に持たれるような環境整備を取りあえず両者に対して行ってまいりたいというふうに思っているわけでございます。  それで、最終的に合意が得られなかったときにどうするのかということについてでございますが、これは正にケース・バイ・ケースであろうというふうに思っております。附帯決議におきましては、近隣市町村の自治体の十分な理解の下で円滑に設置、運営されるようにという御指摘をいただいておるわけでございまして、最終的に完全な合意、多分近隣自治体の中でも様々な意見が恐らくあって、反対一色なのかどうかという問題もございますし、それまでに一体何が問題で合意に至らないのかというところも我々としてはきちっと見させていただかねばならないというふうに思っております。したがって、そこはやはりケース・バイ・ケースで最終的には判断をさせていただくということになるんだろうというふうに理解をしております。
  28. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 はい、分かりました。  本当に附帯決議に沿ってやっていただいているということをまず感謝申し上げたいというふうに思っておりますと同時に、そのそれぞれの自治体がお互い反目し合うようになってはいけないということもございますので、しっかりやり取りをしているというそこのところだけは確認をしていただいて、前に進めるようにというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。ボートピアに関してはこの質問一点でございます。  二点目は、例のジェットコースター、エキスポランドで死亡事故があったということで少しお聞きしたいんですが、今日は、理事会で先ほど配付資料を拝見させていただくと、共産党の小林委員もやられるということでございますので、私の場合はこれさっとマクロ的なところだけ押さえまして、具体的には小林先生にお任せするということになろうかと思いますが。  この前、緊急点検の報告ということを私どもの方にいただいておるんですけれども、この緊急点検の中でまだ実際に点検中であるというところが五十基ほどあるというふうにその報告の方ではいただいておるんですけれども、この五十基について、それから少ししばらく一週間ほどたっておるわけなんですが、全体のジェットコースターの点検に関しての問題点、どういうふうに把握されているのかということと、もう一つはこの五十基について今どういう状況になっているのかという、この二点についてお聞きしたいと思います。
  29. 榊正剛

    政府参考人(榊正剛君) 去る五月六日付けで全国の遊園地にあるコースター、これに類する高架の遊戯施設ということで軌条を走行するようなもので勾配が五度以上のものにつきまして緊急点検をするということを要請しました。五月十八日時点で、三百六施設のうち二百四十九施設が問題なし、七施設が問題ありで、五十施設が点検中との報告でございまして、七施設のうち六施設は是正済みというふうになっておりまして、実はそれ以降、五十施設の点検中のものがどうかという点はまだ上がってきておりません。  その中で、車輪軸における探傷試験の実施状況でございますけれども、設置後一年未満の施設を除きます百十九施設が過去一年以内に探傷試験を行っていなかったと、うち七十二施設が施設の設置以降一度も行っていないと、これが二四%、約四分の一に達するということでございまして、JISの検査標準に基づく探傷試験の実施が徹底されていないということが明らかになったところでございます。  この結果を踏まえまして、五月二十三日付けで、これはちょっとジェットコースター以外も点検した方がいいんじゃないかということがございまして、JISの検査標準に基づく定期検査の報告の実施の徹底ということと、コースター以外の遊戯施設についての緊急点検の実施とその結果報告を要請をいたしまして、七月十三日、夏休み前までにこういった緊急点検実施をやっていこうというようなことで特定行政庁に要請をいたしたところでございます。
  30. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 ということは、夏休み前ということですので、七月の半ばとかそのぐらいまでにはきちっと全部チェックをして、それを指導するものは指導していくという、そういうことで確認でよろしいんでしょうか。
  31. 榊正剛

    政府参考人(榊正剛君) 夏休みの前までということで、まあ七月の十三日までに遊戯施設以外につきましても緊急点検を実施して結果の報告を要請するということにいたしております。  基本的にその遊戯施設の安全性を確保するということでございますので、基本的な改善の方向につきましては、去る五月十日に建築分科会の建築物等事故・災害対策部会を開催いたしまして、JISの検査標準の在り方ですとか定期検査の方法ですとか、そういった今後の抜本改正みたいなところはそこで議論をしていただいて、それを受けて是正をするということにいたしているところでございます。
  32. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 分かりました。  そして、エキスポランドのことと、あと、エキスポランドで事故を起こしたのと全く同種のものについては、五月の半ばに、報道発表によると、何件かあるんですが、一件だけ、これは鷲羽山ハイランドというんでしょうかね、ここのところだけ五月中旬に探傷試験を実施予定ということになっているんですけれども、これは今現状、五月半ばにやったその結果というのはどういうふうになっているのかということがお分かりになるのかどうかということと、もう一つは、エキスポランド、事故があった直後にいろいろこういうことで事故原因ということがあったんですが、それ以降、ほとんど情報が出てこなくて、実際にはこれはどうなったのかなと。今のエキスポランド自体のジェットコースターの事故原因、あるいはその後の指導とか、そういうのがそれ以降余り出てきていないかに思われてならないものですから、そこの二点にお聞きしたいと思います。  一点は、まだ五月半ばには探傷試験をしていなかった、そこについて今どうなっているかということと、エキスポランド自体に対してはその後余り情報が出てきていなかったその辺の理由についてと、現状把握されている点についてお聞きしたいと思います。
  33. 榊正剛

    政府参考人(榊正剛君) 実は、鷲羽山ハイランドにつきましては現在まだ休止中ということで探傷試験は実施されていないというふうに聞いているところでございます。  それから、エキスポランドの今回の事故でございますけれども、六両編成のコースターに二十名が乗車して、二両目の左側の車輪を支える合金製の車軸が折れて車輪がレールから外れて落下し、車体が左側に四十五度傾き、被害者が鉄さくに頭部を強打し死亡に至ったというような報告を受けているところでございます。  事故原因でございますけれども、現在、警察当局において捜査が続けられているというふうに聞いておりますが、吹田市の方でも当該施設の立入調査を行いまして、事故原因の究明、点検、補修等の安全対策の徹底を市で指導しているというところでございます。  なお、当該ジェットコースターについては、吹田市の方にエキスポランドの方から、再開する予定はないというような報告も来ているということの報告を受けているところでございます。
  34. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 じゃ、今警察が入っているのでなかなかそこのところには入り込めなくて、今警察調査を待っているという、そんなような段階だというふうに認識してよろしいわけですね。
  35. 榊正剛

    政府参考人(榊正剛君) そのとおりでございます。  それから、事故原因の分析みたいなところはどうかというふうなことかとも思うんですが、言わば金属疲労に基づいて事故を生じたということになっておりますので、今回の事故という意味でいえば、探傷検査が実施されていないということがきっかけになって現在のような車軸が折れるといったような事故になっているというふうな認識を今私どもとしては持っているところでございます。
  36. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 分かりました。  このエキスポランドなんですが、エキスポランドというのは普通の民間の株式会社だというふうに認識をしておりますけれども、ここで実際に独立行政法人の日本万国博覧会記念機構というのが全体、万博の後、ここの運営というのかな管理会社、管理会社というか管理法人になっているというふうにちょっと認識をしているんですが。そのエキスポランドと独法の万博記念機構との関係、これは独法の方は財務省さんの方の所管だというふうに思いますので財務省の方からお答えをいただきたいというふうに思いますが、そのエキスポランドと万博記念機構との関係はどういう関係になっているのか、お答えいただきたいと思うんですが。
  37. 藤岡博

    政府参考人藤岡博君) お答え申し上げます。  独立行政法人日本万国博覧会記念機構と株式会社エキスポランドの関係でございますが、万博機構は、契約に基づいて、日本万国博覧会記念公園内にある遊園地、エキスポランドの管理運営業務を株式会社エキスポランドに委託しているところでございます。この契約に基づきまして、今回事故が起きました株式会社エキスポランド所有に係る遊戯施設についても同社が管理業務を行っているところでございます。  建築基準法上、遊戯施設の安全管理につきましてはその所有者に義務が課せられているところでございますが、今回の事故に係ります遊戯施設は同社が所有しているところでございまして、今回の事故に関します責任については同社が負っているところでございます。
  38. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 つまり、いわゆる地べたの、地べたというか地面というか土地の部分は、これは独法の所有になっていて、上物、つまりエキスポランドの遊戯施設に関してはエキスポランドの所有そして管理運営という関係になっているから、今回のジェットコースターに関しては独法の責任ではなくて、エキスポランドの責任があるんだよと、そういう解釈でよろしいんでしょうか。
  39. 藤岡博

    政府参考人藤岡博君) 仰せのとおりでございます。
  40. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 分かりました。ありがとうございます。  それで、一つ、そこで、独法の万博記念機構、これをちょっと調べてみました。これは大変厚いものでございまして、衆議院調査局が、いわゆる我々の方、民主党の方から予備的調査で調べていただいた、調べたものの何分冊かあるうちの一か所で万博記念機構のが載っているんですが。今回のジェットコースターの話とはちょっと別でございますが、ここでいろいろ支出の中身というのがずらっと出てくるわけなんですね。やはり独法の万博記念機構からいろんなところに支出をしているという状況でございますが。  先ほど脇先生が、落札率という言葉自体が余り意味がないんではないかという話はありますが、それはちょっと前提に置かせていただきまして、一応ここには落札率と書いてあるものですから、そこに基づいて質問をさせていただきたいんですが、実はこれ、財務省だけでなくて国交省も今回いろいろ見せてもらったんですが、その余り意味のない落札率に星印が付いていまして、この独法の万博記念機構、星印は何かなというと、公表することで事務に支障があるものは星印として表記しているというふうに書いてあるんです。すべての一般競争入札に関連するものが、指名競争入札に関するものかな、これまあすべてと言いませんけど、ほとんどが星印がばあっと付いているんです。  これ、何でこういう星印が付いてしまっているのかなというところを大変疑問に思いましてお聞きしたいと思うんですが、私も、実はこの間の決算委員会で総務省所管のものとか、農水省所管のものとか、実はここ、六分冊ぐらいになっているうちの四分冊ぐらい全部見ておりまして、そこの中で星印が付いている方が圧倒的に少ないんですが、財務省に限っては結構星印が全部の独法にわたっていて、何か、それを知られてしまうと、予定価格が分かると何か事務に支障があるというふうに書いてあって、先ほどの脇先生の話で考えると、予定価格というのはそもそも大体相場というのが決まってくる、ちゃんとやれば相場というものは決まってくるということから考えれば、星印を付けて予定価格が分からないようにするという、分かっちゃうと事務に支障があるというのは、とってもよく逆に言うと分からないんですが、なぜここは星印を付けて公表をしていないのかという、ちょっとそこについてお聞きしたいと思うんですが。
  41. 香川俊介

    政府参考人香川俊介君) 財務省所管の独立行政法人は五つございますが、従来、落札率につきましては、公表したとしても他の契約予定価格を類推されるおそれがないと認められる工事の入札に関しては開示をしてきております。他方、反復継続的に契約を行う原材料等の物品調達や役務等の入札につきましては、従来から慎重な対応をしてきたところでございます。  今回、他の独法の対応を踏まえまして、あるいは国における公共調達の適正化の観点から、原則としてすべての契約の開示を今後所管の法人に対して要請したいというように思っております。
  42. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 今の御答弁で、今後はきちっとその辺は出していけるようにするということでございますので、これ以上ここの問題でやることはやめますけれども、やはりその辺り、ほかが全部出しているにもかかわらずここだけ出していない、財務省さんだけ出してこないというのはちょっとよく分かりにくいところですので、しっかりその辺は前向きに出していただければというふうに思っております。  独法の万博記念機構については以上でございまして、それと同じように、実は国土交通省の所にも、国土交通省の方はたくさんあるので私も全部は見切れていないんですが、たまたま見付けてしまったところがございまして、独法の万博記念機構と同じように、今回、通常国会の中でやはり同じように改正案が出てきたあの自動車検査独立行政法人というのがありまして、ここについてもやっぱり一般競争入札案件が星印になっている。ここのところもちょっと理由がよく分かりにくいなと。財務省さんと同じ理由なのかどうなのかちょっと分かりませんが、ちょっとここの御説明をいただければと。自動車検査独立法人に関することでございますが、お答えいただければと。
  43. 岩崎貞二

    政府参考人岩崎貞二君) 自動車検査独立法人でございますけれども、購入するのはテスターとか、そういう車検のときに使います検査用の機器でございます。この検査用の機器というのはかなり特殊なものでございますので、基本的に仕様も、作っているメーカー、販売しているメーカーも非常に数が少なく、それから検査機器も基本的に全国同一仕様というものでございます。このため、こうしたものについての入札の予定価格につきまして一度公開しますと、他の契約予定価格が類推される可能性が極めて高いということでこれまで非公開にしていると、こういう現状でございます。
  44. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 特殊な機器であるからということで非公開にされているということでございまして、実は、今日は総務省さんがいらっしゃらないので、今答弁を聞いて感じたことなんですが、本当は総務省の行政管理局か何かにお聞きするのが一番いいのかなと思うんですが、横並びで見ていると、実はこの間、農水省のほかの独法に関しまして質問をしたときに、特殊な機器に関しましては随意契約にしていますと、特殊な機器でそこしかできないから随意契約にしていますというふうにおっしゃっていたんですが、今は、逆に言うと一般競争入札をされていて予定価格を公表していないということでございますが、若干、横並びで見ると答弁というか理由というか、その辺りが大分食い違いがあるなというふうに思っておりまして、そこの辺りは、独法のことに関しては総務省さんの方にその辺り聞いてみる価値はあるかなというふうに今ちょっと思ったところでございます。  ただ、今の御説明、御答弁があったんですが、特殊な機器のことだけではなくて、それ以外のいろんな管理業務とかあるいは工事とか、例えばサテライトオフィスの設置及び埋設設置工事なども星印になっていたり、そのほかの改修、検査ピット内の改修工事とか床の改修工事とか、そういうものまで星印になっているということであれば、必ずしも特殊な機器だけをもって星印にしているわけではないなというふうに思うんですが、その点はいかがでしょうか。
  45. 岩崎貞二

    政府参考人岩崎貞二君) 平成十七年の実績でございますけれども、十二億ぐらい調達をしておりますが、そのうちの七五%が今申し上げた検査機器等の物品調達でございますが、御指摘のとおり、残りの二五%については上屋の建設であるとか検査機器以外の物品調達でございますので、こうしたものについて公開ができるかどうか私ども勉強してまいりたいと、このように思っております。
  46. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 ありがとうございます。  国土交通省さんのほかの独法、結構公開をしておるものですから、何か余計目立ってしまったということもありますので、是非、同じように公開できる部分どんどん公開をしていって、情報公開重要ですので公開をしていただきたいというふうに思っております。  そしてもう一つ、独立行政法人の水資源機構なんですが、これは水門工事で今談合の問題がいろいろ報道等々されて、今検査、調査に入っているわけなんですが、その水門工事についてお聞きするつもりはございませんで、その他のところについてちょっとお聞きしたいんですが、独立行政法人のいわゆる会計基準、これがどうなっているかということをちょっとお聞きしたいと思っております。  元々、先ほど、脇先生の話ではありませんけど、会計法というのがありまして、国のものについては、国の発注分に関しては会計法第二十九条の三で、いわゆる指名競争入札、随意契約というのがこうしなければいけないと。基本的には一般競争入札を前提としつつも、ある条件が満たされれば指名競争入札でもいいよと、あるいは随意契約でもいいよというようなことを定めたものがこの第二十九条の三にあるわけなんですが、ただ、独立行政法人の場合は独立行政法人通則法の中で会計基準をそれぞれ決めることができて、主務大臣に届け、承認するという形になっていると思いますので、この独立行政法人水資源機構に関しての会計基準というのがいわゆる会計法とどのような違いがあるのかどうかをちょっと教えていただきたいと思います。
  47. 松原文雄

    政府参考人松原文雄君) お答えを申し上げます。  ただいま先生お話しになりましたとおりでございまして、水資源機構、独立行政法人でございますが、独立行政法人通則法第二十八条という規定に基づきまして業務方法書を各独立行政法人が定めることになっております。この業務方法書は主務大臣の認可を受けるということになっておりまして、水資源機構の場合には国土交通大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、経済産業大臣の四大臣が認可をいたしております。  その中で、内容的には国の会計基準に準拠をいたしまして定めております。随意契約につきましては、契約の性質又は目的が競争を許さない場合、あるいは緊急を要する場合、予定価格が少額である場合に随意契約を取ると。それから、指名競争入札については、契約の性質又は目的により競争に加わるべき者が少数である場合や、あるいは一般競争に付することが不利と認められる場合に行うと。原則的には、その他すべての場合に一般競争入札を原則とするということで、ちょっと書きぶりや文言の使い方は多少違っておりますけれども、内容的にはイコールでございます。
  48. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 ということは、基本的には一般競争入札をやるんだよということが前提になっているんだろうというふうに思います。  何でこんなことをお聞きしたかというと、実はこの間、先ほども申しましたように、決算委員会で総務省の情報通信研究機構であるとか、農水省の関係で幾つか、緑資源機構も含めてなんですが、であるとか、農業・食品産業技術総合研究機構、水産総合研究センター、こういったところについて質問をしたんですが、その一般競争入札、前提となっている一般競争入札で、脇先生いらっしゃいませんね、一〇〇%の落札率、予定価格に近づく九九とか九八ならおかしくないだろうという話ありましたが、ぴったり一〇〇%というのが結構数があったんですね、総務省の情報通信研究機構は。一般競争入札が二百十七件のうち、一〇〇%が四十三件もある、ぴったり同じというのが四十三件。なかなか確率論からするとぴったり一〇〇%が四十三も多分出ないだろうなというふうに思っているんですが。また、農水の関係でいうと、農業・食品産業技術総合研究機構という非常に長い名前の独法は、一般競争入札が三百十九件のうち、一〇〇%が四十七件、水産総合研究センターは百四十八件一般競争入札があって、そのうちの三十三件もぴったり予定価格と一緒だということです。  きちっと仕様書ができ上がっていれば意外とそれに近づくということも起こり得ることだと思いますけれども、一〇〇%ぴったりになるのがちょっと余りにも多過ぎるんじゃないのという話をしたところ、菅総務大臣も、ちょっとこの問題については全独法で考えないといけないですねというような御答弁はいただいてはおります。なかなか確率論からいくとそこまでは行かないんだろうなというふうに思ってはおりますが。  先ほど脇先生もいろいろ契約に関しましてお話がありましたので、私も、予定ではなかったんですが、それを聞きまして幾つお話をさせていただきたいというふうに思っているんですが。  実は私は、随意契約というのは必ずしもいけないことだと思っていないんです。随意契約の中にはちゃんとした企画コンペというのが入っておりますので、全くの随意契約ではなくて、ちゃんと何社かを呼んで企画コンペをやって、その結果の中でどこどこ一社に決めてそこと契約をすれば、これ随意契約に入っていますので、随意契約が多いイコールいけないよということにはならないんだろうというふうに思っております。  私も実は、その企画コンペを参加をしてきた人間として申し上げると、実はある地方自治体の例なんですけれども、ある調査をしましょうと、するに当たって相談事をずっと事前から受けまして、何度も何度も足を運んで、こういう調査をやったらいいと、この調査はちょっと相当金額掛かって難しいですよとか、いろんなアドバイスを何度かやりながら、私どもの方で仕様書を一緒に作った。さあ作って、さあそれを契約にしましょうかといったときに、いや、これは随意契約ができませんから指名競争入札にさせてもらいますということで、そこの担当と違うところのいわゆる契約課の方からお声が掛かりますよということで、そういうふうに言われたんですが、仕様書を作ったもので、一件、二件じゃないんですけど、声が掛かったことがなかったんですよね。  要するに、一生懸命こっちで相談をしながらこういう調査がいいですよということをやっていたにもかかわらず、声が掛からなかった。つまりこれは、厳格にその契約を、契約というか、の形態を守らなければいけないので、おたくとは随意契約はできませんから指名競争入札にさせてくださいということであったんだけれども、その指名競争入札である、一般競争入札ではありませんから、そのときは、指名競争入札のいわゆる業者にすら入れてもらえないので応札しようもないという、そういう状況があった。だから我々側からすれば、ここまで何度も、一か月も二か月も一緒に作ってきたものを一切やらせてもらえないのはこれは搾取じゃないかと、さっきの言葉じゃないですけれども、というふうに思ったこともあったし。  あるいは、あるところで総合計画を作りますと、総合計画を作るにおいて結構細かくスペックが決まっていまして、印刷物に関しては何百ページのオールカラーですよとか、こういう紙を使いなさいとか、そういうところまで全部決まっていて、さあ入札をしましょうといったところで、私どもも含めて大手のところというのは基本的には高くて、具体的に言うと三千万だ三千五百万だという、要するに調査も含めてだったんですが、ある一か所が数百万でそれを持っていっちゃうわけですよ。これは何でそうなのと言ったら、そこは財団法人だったんです。財団法人だから、いや、うちは利益を上げなくていいんですと、もうけなくていいんですよという話で、そんなところとどうやって一緒に競争するんだいという話になって、我々としては、これが本当に公平なものなのかということで、予定価格のやっぱり五〇%を切ってそこが持っていっちゃうわけなんですね。  そういうことを考えると、先ほど、脇先生がいらっしゃらなくてとても残念なんですが、後で話をしておきますが、正に必ずしも低い金額イコール正しい契約だということにもならないし、実際に私ども積算をしたときに、印刷代だけで一千何百万掛かるという、要するに外部発注して、カラーが何枚と決まっていますので、それだけで一千何百万なのに、数百万で持っていっちゃうというようなところがあるということを考えると、先ほど建設業、建築業の話をされていましたけれども、それ以外のところでもそういうことが起きているということを考えると、必ずしも随意契約がいけないとか一般競争入札だけが正しいとか、そういうことではないのかなというふうに私は正直思っております。  そんな中でちょっとお聞きしたいと思うんですが、水資源機構について言うと、実はこれは運営費交付金ではなくて補助金で運営されているところではあるんですが、ここの水資源機構に関しましては平成十七年度の数字でお願いしたいと思うんですが、補助金そして運営費交付金はそれぞれ幾らずつ国から入っているんでしょうか。
  49. 松原文雄

    政府参考人松原文雄君) お答え申し上げます。  十七年度の数字でございますが、交付金、補助金合わせまして約七百九十六億円ということでございます。  内訳でございますが、国土交通省の方から治水関係用途に係る交付金といたしまして約五百五十億円でございます。農林水産省の方からかんがい排水の用途に係る補助金といたしまして約百三十四億円、厚生労働省から水道の用途に係る補助金といたしまして約百七億円、経済産業省の方から工業用水道の用途に係る補助金といたしまして約五億円が交付されております。
  50. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 予備的調査の数字でいきますと今の数字とは大分違っておりますが、これは国土交通省だけでなくてほかの農水とかそういうところから入った分でその金額だということでよろしいんでしょうか。
  51. 松原文雄

    政府参考人松原文雄君) 今申し上げましたのは、機構の方に入ります要は収入の一部でございますので、そういった数字を申し上げたものでございまして、予備的調査と今先生おっしゃいました、申し訳ございません、どの数字を指すのかちょっと私定かには分かりませんが、支出の方の数字をごらんいただいているのだと思いますが、そごがあると思います。
  52. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 この問題で聞くつもりじゃなかったので、そこはまた後ほど確認をさせていただきたいと思うんですが、実はこの水資源機構に関して言うと、先ほどの会計基準でいえば当然一般競争入札が前提になってきて、随意契約、指名競争入札というのをある意味特例としてやることができるというふうになっているんですが、ここの水資源機構に関して言うと、契約形態だけで申し上げると、水資源機構から外部、そのほかの団体等々に支出されている件数でいきますと、件数が、全件数が二千三百四十六件あるんです。二千三百四十六件のうち一般競争入札は実はわずかの十二件しかない。それで随意契約が六百六十三件、指名競争入札が千六百七十三件、つまり七割が指名競争入札で約三割が随意契約で、わずか〇・五%が一般競争入札になっているというふうにこの資料では載っているんですが、それで間違いないでしょうか。
  53. 松原文雄

    政府参考人松原文雄君) 今先生の方からお話しになりました数字でございますが、一か所だけ、私どもの方で承知しております指名競争入札の数字が千六百七十一件というふうに私ども二件、ちょっと違っております。  金額ベースの数字はよろしゅうございましょうか。金額ベースの……
  54. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 金額もお願いします。
  55. 松原文雄

    政府参考人松原文雄君) 金額ベースを申し上げますと、一般競争入札百五億四千七百万余ということでございまして、率にいたしますと一一・四%ということでございます。指名競争入札が五百五十三億弱ということでございます。シェアにいたしまして五九・八%ということでございます。随意契約でございますけれども、二百六十六億超ということでございまして、率にいたしまして二八・八%でございます。
  56. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 先ほどの会計基準によると一般競争入札が前提になっているんですが、わずか十二件しかないというと、要するに特例的な措置がたくさんあるよということなので、会計基準どおり実行していくとこんな低い数字にならないんじゃないかなというふうに単純に疑問に思うんですけれども、その点について何か明確な理由があれば教えていただきたいと思います。
  57. 松原文雄

    政府参考人松原文雄君) 一つ一つの発注に当たりましてどの契約形態を選ぶかということでございます。件数といたしまして、少額のものですとか、あるいはそれ以前から特定の事業者実施をいたしておりますものについて追加的な契約を行いますような場合に、これは随意契約を使うことが多うございます。  それから、水機構の場合には、実はかなり現場が山奥の場合が多うございまして、そういったところで発注をいたします場合にはどういたしましても人の確保、資材の確保、それから地元の業者さんですとか、そういった観点から、特定の、何といいますか、方じゃないと元々できないというようなことで、随意契約ないしは指名競争入札という形を取らざるを得ないというところがございます。  それから、一般論でございますけれども、工事につきましてでございますが、ダムの工事、かなり特殊なものをかなり多く含んでおりますので、そういった観点から、それについての技術力を持っているところ、しっかりした実績のあるところということに安心して任せられるというような観点から、そういった業者を指名競争入札で選ぶという方向で、個々に契約形態が選ばれているものと承知をいたしております。
  58. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 その中で、二千三百四十六件全部あるのをずっと、最近老眼で見にくくて老眼鏡を掛けながら見ておるんですけれども、見てみますと、何点かあれと思うところが出てきちゃうんです。それが正しいのか正しくないのかというのは具体的にちゃんと調べないと分かりませんが、ちょっと今日は指摘だけさせていただいて終わりたいとは思いますけれども、あれ、おかしいな、これどうしてこんなになっちゃうんだろうなと思うのが何件かあるので、指摘をさせていただきたいと思うんですが。  実はこれは普通の、普通のと言っちゃおかしいな、株式会社なんですが、アクアテルスという会社がございまして、ここの会社が指名競争入札で、全体の二千三百四十六件支出しているうちに、二百七十六件ここが受注をしているんですね。二百七十六件というと、まあ一〇%を超える件数を受注をしていて、そのうちの、二百七十六件のうちの随意契約、先ほどおっしゃっていた特殊なことであるとか特殊な場所であるとかという、いわゆる随意契約に多分そういう場合はなるんでしょうが、そこが十一件、残りの二百六十五件が指名競争入札になっているんです。これ、ほかのところ、ほかの業者さんと比べると断トツ多いものですからどうしても目にとまって、この分厚い、この中で四ページ、五ページにわたっているものですから、これを見逃すというか、目立ってすぐに分かるというところが、容易に分かってしまうところなものですからね。  ちょっとここのアクアテルスという会社について教えていただきたいと思うんですが、ここについては、ここのやはり同じように予備的調査の中から、独立行政法人水資源機構から副社長として再就職をされているんですが、そのほか中央省庁から再就職者、いわゆる天下りと言われる再就職者がいらっしゃるかどうかお聞きしたいと思います。
  59. 松原文雄

    政府参考人松原文雄君) アクアテルスでございますが、この会社実施をいたしております業務でございますけれども、これはかなりの部分が実は庁舎の清掃ですとか環境整備、それから山奥等でございますので、いろんないわゆる賄いと言われるような業務、そういった業務を行っていただく方々をパートで雇い入れまして、そういった仕事に従事をしていただいている。  それから、それ以外にかなり大きな部分といたしまして、それぞれの現場が車を持っておりますので、その車両の管理。具体的に言いますと、運転業務ですとか、そういったものを機構の方からアウトソーシングをしているその受皿ということでございます。  それから、パトロール巡視、こういった業務もかなりの程度実施をいたしておるところでございまして、先ほど申し上げましたが、ダムの現場、もちろん都市部もございますけれども、かなりの部分が山奥等でございますので、その地域で実際に業務をやっていただく民間の受皿がなかったという、そういった経緯にかんがみましてこういったところで仕事をやっていただいておるということでございまして、またごくごく少額のものでございますとか、あるいは追加的な仕事の場合には随意契約ということで随意契約の形を取っておりますけれども、そうでない場合にはできる限り指名競争入札の形で発注をするということにいたしておるところでございます。  それから、機構等からの再就職者の状況でございますけれども、水資源機構、それからアクアテルスに確認いたしましたところ、平成十九年四月時点でのアクアテルスの役職員のうち、水資源機構及び水資源開発公団の退職者は四十名、国土交通省の退職者が三名、このうち一人は重複しておりますので、実人員で言いますと四十二名在籍ということでございます。
  60. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 ちょっと最後の方、分からなかったんですけど、いわゆる独立行政法人水資源機構から四十名ですか。中央省庁からは二名。
  61. 松原文雄

    政府参考人松原文雄君) いえ、三名です。中央省庁から、中央省庁といいますか、国土交通省から三名でございます。ただ、そのうちの一人の方は国土交通省から水機構に行って、水機構から行かれているものですから、実際の人数といたしましては一人減らしまして四十二名というふうに。
  62. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 独法からは何人行っているんですか。
  63. 松原文雄

    政府参考人松原文雄君) 独法からは、独法から行かれている人が四十名でございます。
  64. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 はい、分かりました。  業務の中身はそういう御説明があったんですけれども、でも、これ一般競争入札にしていない理由というのがやっぱりよく分からないなと思って、指名競争入札というのは、基本的には一般競争入札は広く公告をしてそれで募るわけなんですが、実際には指名競争入札にされているんですけれども、そこの理由にはならないんじゃないかなと思うんですが、なぜここは一般競争入札じゃなくて指名競争入札になるんでしょうか。
  65. 松原文雄

    政府参考人松原文雄君) 基本的に、一般競争入札といいますのはいろんな手続、それから審査等かなりの日時を要しておりますので、手間、それから時間、そういったものを勘案いたしまして、そこまでの必要がなかろうと、それから仮に一般で公募したとしても応募がそれほど見込まれないという場合には指名競争でやった方が有利ということで指名競争入札を採用しておるところでございます。
  66. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 よく分からないんですけど、というのはこれ全部、ここだけ、この水資源機構だけ見ているとそれほど不思議に思わないのかもしれないですけど、私さっき申し上げました四分冊ぐらい見ていると、一般競争入札がこんなに少なくて、さっき数字言いましたが〇・五%で、あとはほとんどが随意と指名競争入札、しかも指名競争入札が七割超えているというのはほかはないんですよ。だから目にとまっちゃったというところ正直あるんですけどね。何か、ここだけ何か特殊な状況なのかどうかというそこの辺の納得性が得られないとそこの理由はちょっと分かりにくいんですけど。
  67. 松原文雄

    政府参考人松原文雄君) 先ほどお答え申し上げました、指名競争入札を採用してきたことについての考え方を御説明申し上げましたが、ただいま先生の方から御指摘のありましたとおり、各方面で契約の一層の競争性を高めるというような方針も打ち出されておりまして、この水資源機構の方でも平成十九年度から、今年度からでございますけれども、車両管理、それから厚生福祉、それから文書処理の役務業務でございます、アクアテルスが正にメーンとしております業務でございますけれども、こういったものについても一般競争入札を導入をしたと、始めるということでございまして、まだスタートしたばかりでございますけれども、そういった方向に踏み出したということでございます。
  68. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 ということは、今までがやっぱりちょっとおかしかったんだということをお認めになるというふうに思うんですが、もう一点だけ。  ここから財団法人水資源協会というところにも約六十件が発注されていまして、ここはすべて、今度ここは、先ほどは指名競争入札だったんですが、ここはすべて随意契約になっています。では、この独法からこの財団、同じ水資源と書いてあるので分かりにくいんですけど、独法の水資源機構から財団法人水資源協会に幾らぐらいの支出があるのかということと、独法からその財団へのいわゆる再就職というのがどういう状況になっているのか、お答えいただきたいと思います。
  69. 松原文雄

    政府参考人松原文雄君) 初めに、再就職の状況の方についてお話をさせていただきますが、水資源協会に確認をいたしましたところが、この四月時点でございますけれども、水資源協会の役職員のうち、水資源機構及び旧水資源開発公団の退職者が十一名、国土交通省の退職者が三名でございます。先ほどと同様に重複者が二人おられますので、実人員で十二名在籍しているというふうに聞いておるところでございます。  それから、独法水資源機構の方から水資源協会への発注額でございますけれども、平成十七年度の数字でございますが、金額で九億五千八百万円ということでございます。
  70. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 やはりこれも天下りという構図がどうしてもあって、特に旧建設省から、独立行政法人の水資源機構の理事長は旧建設省から行っておりまして、その理事長がその次には財団法人水資源協会の理事長になっているという、こういう流れというかがあるんですよ。  こういうのを見ると、あれって思わない方がおかしいぐらい、何かあるよ、あるのかなと、あるとは言いませんが、あるのかなと思わざるを得ないような状況にあって、今度逆に言うと、ここの独法の副総裁あるいは旧副総裁、今の副理事長というのは農林水産省から来て、今度そこが財団法人競馬・農林水産情報、難しいですね、競馬・農林水産情報衛星通信機構の会長になっているという、こういうちゃんと流れがきちっとでき上がっているということを見てしまうと、何かここもおかしいぞと思わざるを得なくなってしまうものですから、ちょっとここのところについては冬柴国土交通大臣にもちょっとお伺い、最後にしたいと思うんですが、この間の決算委員会で私どもの同僚、多分尾立議員だったと思いますが、緑資源の話もありで、独法全体やっぱりチェックした方がいいんじゃないですかという話をさせていただいたときに、確かに国土交通省所管のところがたくさんあるし大規模なところがあるので、冬柴大臣からは、やはり問題があると、あるいは疑わしいという何らかの端緒がなければ、やっぱり全数調査は難しいんだよというお話はあったと思います。  それはそういうこともあるんだろうと思うんですが、この水資源機構に関して言うと、今、水門工事の件で談合の問題もありますし、今申し上げた、これちょっと指摘だけにとどめさせていただいておりますけれども、こういうあれっと思うような、普通に考えるとあれっと思うようなことも幾つかあるのかなというふうに思っておりまして、水門工事のことだけの調査ではなくて、もう少し広げて、水資源機構、本当に構造的に大丈夫なのかと、ちゃんとしているのかということの調査を私は進めた方がいいのかなというふうに思っておりますので、ちょっとその御所見をいただきたいと思うんですが。
  71. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 水資源機構については、確かに非常に多い契約が一般競争入札ではなしに行われたということは今御指摘のとおりでございます。  ただ、その点について担当の方からレクを受け、説明を聞いたところでは、山奥のダムの工事が非常に多い。したがって、一般の場所ではいろんな業者がこれについていろんな競争入札をやれば参加できるけれども、そういう山奥でなかなか地元へも下りてくるというにも随分時間が掛かるようなところでは、要するに一般競争入札をやっても応札する人が限られてくるということ。それから、ずっと長い期間事務が続くものですから、一年限りではなしに仕事が続くので、今までやっている人たちというものが一番有利な立場に立つというような特殊事情があるようでございます。  しかしながら、先ほどもちょっと言い掛けておりましたけれども、疑惑を、疑念を受けることがないようにしなきゃならないということから、水資源機構におきましては、より一層の競争性とか透明性の向上の観点から、一つ、平成十七年七月から、実施が可能な公益法人が複数存在すると考えられる業務については、二社以上から企画提案を求めて企画競争を行う方式の導入を行う。二番目は、平成十九年二月、今年の二月ですが、特定の公益法人の知見等が必要と考えられる業務について、他の参加者の有無を確認する公募方式を導入する。それから三番目には、平成十九年四月ですから、ついこの間ですが、車両管理、それから厚生福祉、それから文書処理の役務関係業務については一般競争入札の導入を行うということにしたということでございます。  弁解がましいんですけれども、ダム等に係る場合には、地理的あるいは専門的な知見、広範な知見というような部分が要求されて、非常に業者が少ないといいますか、そういうような特殊性があるという説明でございますが、この点について今日御指摘をいただきましたので、調査をしてみます。
  72. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 ありがとうございます。それではどうぞよろしくお願いいたします。  時間があと三分ほどになってしまいました。実は航空行政と観光の話をお聞きしようと思ったんですが、一問だけにとどめさせていただいて、航空行政についてちょっとお聞きしたいと思っておりますが。  この前の五月二十七日に全日空の予約発券システム障害があって、多くの、約七万人に近い方の足に影響があったという報道なんかがあるんですけど、最近、全日空のボンバルディアの安全の問題とかいろいろございまして、ただ単に予約発券システム障害が七万人弱の影響があったよということだけでは多分済まないのかなと、航空行政全体として。日本航空行政としてそれだけでは済まないのではないかなというふうに私は思っておりまして、もっと大きな意味でこの発券システムの障害はどういう影響があったのか、日本航空業界にとって、あるいは航空行政にとってどういう影響があったのかという点についてひとつお聞きしたいということと。  あわせて、もう一点は地方空港のことについてなんですが、ちょっと併せて質問させていただきますけれども、地方空港というものの経営ということが大変厳しい中で、いわゆる航空会社が路線を廃止するよと。航空会社も大分経営が厳しくなってきているということもあって、路線廃止、採算性が取れるところだけに絞ってくると、だんだん地方空港というのも経営状況が悪くなるということになってくる可能性というのが非常に高いというふうに思いますので、その辺りについては、やはり航空会社の判断に全面的にお任せする、もう任せたということになってしまうのかどうか。そして、地方自治体の経営のいわゆる地方自治体空港なんかの場合は、地方自治体の責任だけで、国土交通省は、もうしようがないじゃないかと、地方の判断なんだからということで済ませることになってしまうのかどうか。  これはちょっと全般的な日本航空行政に関係することですので、その二点についてお聞きしたいと思います。
  73. 鈴木久泰

    政府参考人鈴木久泰君) まず最初にシステム障害の関係について御説明をさせていただきます。  五月二十七日に全日空の国内線の予約搭乗手続などのコンピューターシステムに障害が発生いたしまして、二十七日だけで百三十便が欠航、一時間以上の遅延便が三百六便発生した結果、六万九千三百人の利用者に御迷惑を掛ける事態が発生いたしました。原因についてはただいま調査中でございますが、全日空においては利用者の混乱を最小限にすべく欠航の判断を順次行ったということでありますが、結果として多大な利用者に御迷惑を掛けたということは残念と言わざるを得ません。  これは直接運航の安全に影響を及ぼすものではありませんけれども、コンピューターシステムの高度化が進みまして、インターネットの予約だとかチェックインの電子化だとか、大変利用者へのサービスが向上が図られる中で、逆にいったんシステムにトラブルが生じると、もう手動、マニュアルではとても対応できないということで、大きな問題となるということが明らかになった事案でありまして、これの再発防止に向けて、あるいは徹底した原因究明に向けてしっかり取り組むように私どもの方から全日空には申し上げたということでございます。
  74. 藤野公孝

    大臣政務官藤野公孝君) 藤本先生御指摘の地方空港がいわゆる航空路線の廃止等によりまして経営状況が悪くなったとき国が何か支援できないのかと、この点でございますが、御高承のとおり、平成十二年に規制緩和ということをやりまして、そういう意味では、国内航空の路線、便数、これにつきましてはエアライン、航空会社が需要動向を勘案して経営責任、経営判断によって決定するということになっておりまして、その結果として地方空港を発着する路線が廃止されるということがあるということは事実でございます。しかし、それをただ放置しておくのかということに関しましては、国土交通省といたしまして、地方空港発着のネットワーク、航空ネットワークの維持、場合によっては拡充と、これは非常に重要なことであるという認識は持っております。  このために、地方自治体が管理いたします地方空港に対しまして直接財政支援ということは建前上というか立場上できないものの、地方空港と結ばれております国の管理、羽田もそうですけれども、着陸料、これにつきましては引下げをするというようなこと、あるいは国内線の航空機に対します固定資産税、これの軽減措置等を講じておるということでございます。  また、アジア・ゲートウェイ構想、去る五月十六日に取りまとめられましたが、この中でも地方空港につきまして、観光振興等、こういうもののために、地域振興のために既に始まっておる自由化交渉を促進したり、あるいは交渉が妥結するその前でありましても航空会社に、外国航空会社ですけれども、これに対しましては乗り入れ、増便というのを暫定的に認めるというようなことで、現実的に地方空港の国際ネットワークの充実化というふうなことは図っております。  また、地方空港の発着路線の維持、充実のためには、何よりもやっぱり地元に裨益するものでございますので、地元による需要喚起、これは大臣も以前答弁をなさいました、これが非常に重要だと国土交通省としても考えておりますので、この地方路線の維持拡充のために国としても今後とも支援を行ってまいりますけれども、地方として何ができるか、こういうことにつきまして関係者間で検討をしていただきたいと、このように思っておる次第でございます。長くなりましたけれども、そういうことでございます。
  75. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 時間ですので一言だけ申し上げたいと思いますが、空港自体に支援するということだけではなくて、やはり物流、国際物流であるとか、観光立国推進基本法も成立いたしましたので、国際観光振興というそういう側面から、人の動き、物の動き、こういうものでの国土交通省全体での支援というのを考えていただくということが必要なのかなというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  終わります。ありがとうございました。     ─────────────
  76. 大江康弘

    委員長大江康弘君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、前田武志君が委員辞任され、その補欠として谷博之君が選任されました。     ─────────────
  77. 大江康弘

    委員長大江康弘君) 質疑を続けます。
  78. 谷合正明

    谷合正明君 公明党の谷合です。  本日は、都市空間におきます諸課題のうち、都市農地の在り方の問題と、また踏切対策について質問をさせていただきたいと思います。  まず、都市農地の問題であります。特に、都市計画法上の市街化区域内に存在します農地についてでございます。  この市街化区域は、基本的に市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とされておりまして、市街化区域内に存在する農地に関しましては宅地化が原則となっております。例外的に、保存すべき農地として新しい生産緑地制度平成四年に、ちょうどバブルの景気が終わったときでございますけれども、平成四年に施行されたということでございます。  それ以前は、都市農地の宅地化など開発を基調としたまちづくりが必要だった時代だったと私も認識しております。また、地価高騰を招きましたバブル景気によりまして、税の面で優遇されている都市農家に対しての風当たりというものが非常に強かったというふうに当時のその議事録見ても分かるわけであります。  しかし、時代が大きく変化をいたしまして、人口減少時代に入り、また都市環境に対する住民の要求というのも大きく変わってきておりまして、まちづくりに対する考え方の転換が求められているのではないかと思っておるわけであります。例えば、東京では八割以上の住民の方が都市農地を保存すべきであると、あるいは大阪でも、アンケート調査を行ってもやはり九割以上の方が都市農地であるとかそういった緑を保存すべきであるというように答えているわけでございます。  私、最初に質問させていただきたいのは、この都市計画の考えでいわゆる農地を宅地化にするというこの原則、この考えというのはこれ時代に合っていない考えではないかと、そのように思うわけでありますが、その見解についてお伺いいたします。
  79. 中島正弘

    政府参考人中島正弘君) 今委員からいろいろお話ございましたように、我が国が都市化していく中で、基本的には平地部で農地や林地を宅地に変えていくというプロセスで都市化が進行しまして、その過程でいろいろな問題があって、昭和四十年を挟んでいろんな議論をして新しい都市計画法ができまして、今御指摘があったような都市計画法のフレーム、つまりその市街化区域を定めて、その中は一応農転をフリーに、届出だけでできるようにして、その外は規制しようということで一応大きな線を引いて、なおその中に改善の余地が残るじゃないかという問題が次の問題として出てきまして、それをどうするのかということで、原則は宅地化するという中で保全すべき農地もあるんではないかと、いや、それは農家に対する優遇ではないかとかいう、まあ今もおっしゃったようないろいろな議論がございました。  平成四年に、市街化区域であっても保全すべき農地はあると、生産緑地という考え方はその前からあったんですけど、税制と泣き別れになっておりましてうまく活用できなかったんですが、税の方と足並みをそろえて新しい制度がスタートしまして、そもそもその線引きの考え方そのものがどうなんだと、これはまた大議論でございまして、ただ、人口全体の動向とかを見ますとこれは議論しなきゃいかぬことだと思います。確かに思いますが、地域地域でまだまだ跛行性がございますし、まだ増えているところもございますし、そうでないところもございますし、全体として制度をどうするかというのはもうちょっと時間を掛けて、その実態を見ながら議論をしていかなきゃと思いますが、問題意識は持っております。御指摘の点は重要な指摘だと思います。  ただ、現行の枠組みの中でやはりやるとすれば、生産緑地をうまく使うというのが基本かなと思いまして、一番問題意識を持っておりますのは、生産緑地、平成四年にやりましたときにそこでもう大議論をして、農地を二つに分けるんだという感じで議論を、ただ、制度上はその後も状況に応じて生産緑地の追加の指定というのは可能でございますので、私どもその追加の指定の考え方を、追加していいんだよということは言っておるつもりでございますので、その辺を更に指導しながら、もちろん御本人の同意が要るという仕組みでございますので行政だけの自由になりませんけれども、コンセンサスのできるところを、残すべき農地を生産緑地の仕組みをうまく使って、あと市民農園なんという制度もございますけれども、残していくべきではないかというふうに思います。
  80. 谷合正明

    谷合正明君 ありがとうございます。  そもそも論として、線引きの問題が市街化区域と調整区域、なかなか実態に合っていないのではないかという声が現場からあるわけでありますが、その議論をするとちょっと大きくなって、今日、私は都市農地に絞って議論させていただきたいわけでありますが。  先ほど生産緑地制度を活用するというお話がございました。昨年成立いたしました住生活基本法では、都市農地を保全を視野に計画的に利用するとしております。これは基本的に今答弁いただきました生産緑地制度を活用するということでよろしいでしょうか。    〔委員長退席、理事山下八洲夫君着席〕
  81. 中島正弘

    政府参考人中島正弘君) 御指摘のとおり、やはり住生活基本法の中でも、基本計画の中でも農地と住宅が調和したまちづくりなど言われておりますが、やはりその場合も、市街化区域で農地を残す場合はやはり生産緑地が基本になると思います。
  82. 谷合正明

    谷合正明君 生産緑地制度を活用していくということなんですけれども、現在三大都市圏におけます生産緑地、この生産緑地に指定された緑地はほぼ横ばいで推移しております。一方で、宅地化農地はほぼ半減しております。ただ、このままいくと、生産緑地に指定された農地さえも相続を契機に切り売りが進むのではないかという懸念を私も持っているわけであります。  生産緑地制度を活用するのであれば、この制度をいかに使いやすい制度にしていくかということが問われるわけであります。ただし、現場からは、なかなかいろいろな経緯もあり、元々税制面での問題もあり、この制度についてはかなり農家も、分かるんだけれども、例えば終身営農の規定であるだとか、あるいは農地面積の下限面積が五百平米で指定されているだとか、制度の利用しにくさが問題になっております。  まず、生産緑地制度は今五百平米というのが下限面積の面積要件になっているわけでありますが、その根拠についてはどういうことなのかと。恐らく公共施設等の敷地の用に供する土地という条件があるんではないかなと思うんですが、そういうことであれば、例えば市民緑地の下限面積である三百平米の要件であるとか、特別緑地保全地区の面積要件なしという規定があるわけでありますが、そういった柔軟な対応というのはできないのかなと。見解をお伺いいたします。
  83. 中島正弘

    政府参考人中島正弘君) 平成三年の生産緑地法改正によりまして、平成四年から施行されたわけでありますが、その前の生産緑地はもっと規模が大きくて、一ヘクタール、二種というのがございますが、これは〇・二ヘクタールですが、それでも〇・二ヘクタール、二千平米でございました。当時、大変議論ございまして、片方で税を厳しく、厳格にやるということと、農地として営農を継続するということを厳しく求める一方で、やっぱり規模を思い切って引き下げようということで、一挙に二千平米を五百平米まで下げました。    〔理事山下八洲夫君退席、委員長着席〕  そのときの考え方は、都市計画、率直に申し上げまして、都市計画でむしろ面積が付いている方が珍しくて、ほとんどのものは都市計画を決定する人が合理的に決めるというのが建前、原則でございまして、むしろ珍しいんでありますけど、やはり税のサイドの要請もあり、あるいは営農困難になったときに、買取りを申し出て、最後公共施設で受け止められるかというところが制度の構成になっておりますので、今ちょっと仕組みが変わってしまったんですが、当時は都市公園で、どんな公共施設、一番最後に、小さくてもばらばら出てきても受け止められる公共施設はやっぱり公園かなということになりまして、公園で受け止めるとしたら、補助の一番下限が五百平米だった時代がございまして、まあ五百かなと。今はもうずっと上がってしまいまして、ただ、辛うじて特別な中心市街地の一部の区域とか、そういうところでは五百平米でも一応補助金が付くことになっておりますので、まあ何とか五百でもっていると。  それを更に下げるということにつきましては、市民緑地というのはあくまで所有者が持った状態で公共サイドと契約で管理するという仕組みでございますので、生産緑地の解除のときのように売りたいという場合に、ちょっと制度として合わない面があるんじゃないかと思います。  そういう細かい点はともかくとして、更に下げるところにつきましては、いろんな各方面の合意といいますか、税がそれに付いてくるということが何よりも前提でございますので、その辺の税負担の公平性の観点から、関係省庁あるいは広く国民全体の合意みたいなことが必要になるのではないかと、このように思います。
  84. 谷合正明

    谷合正明君 分かりました。  生産緑地制度、面積を変えたとしても租税特別措置法の方が付いてこなければしようがないよという、これが本当に大きな悩みであるわけであります。  先ほど、買取り制度についてお話しいただきましたけれども、受皿としては公園があるのではないかと。そこで、五百平米になったということでありまして、この買取り制度、市町村が特別の事情がない限り買い取ることとされているわけでありますが、実際に買い取った実績というのはどれくらいあるんでしょうか。
  85. 中島正弘

    政府参考人中島正弘君) 公園が受皿になるという答弁をした後で大変答えにくいんでありますけれども、実績を申しますと、買取りの申出が、取りあえず三年間調べましたんですが、十六年、十七年、十八年で買取りの申出が全部で五千六十七件ございました。そのうち実際に買い取られましたのが二十九件、五千六十七件あって実際に買い取られたのは、公共団体が買い取ったのは二十九件でございます。  公園はまた三件でございまして、その他、ちょっと内容は分かりませんが、公共事業の用地となったのが十九件、代替地になったのが六件、その他一件、計二十九件、これが実績でございます。
  86. 谷合正明

    谷合正明君 本来の法律目的にかなった適切な管理が実際のところされていないということなんですね。これは、農家サイドにとってみればどう使われようが、売れればいいというか、買い取られればいいんですけれども、ただ、実際、農地、緑地が消えていくという現実があるんではないかなと。  先ほどちょっと御説明もいただいたわけですが、都市緑地法にも買取り制度があると。この制度は、市町村が買い取る際、補助が出るわけでありますが、生産緑地制度にはこういったものがないがゆえに財政的な問題で市町村が買い取れないという見方があるわけでありますが、この農地、緑地を残していく、計画的に利用していく、保全を視野に入れていくという思想からすると、この農地、緑地を維持することを促進する施策というのがちょっと必要なんではないかなと私は思うんですが、その点いかがでしょうか。
  87. 中島正弘

    政府参考人中島正弘君) 補助金につきましては、片や補助金改革という流れもございまして、なるべく小さな補助金はもう廃止してという片方には流れもございまして、実は公園に対する補助金もどんどん面積要件が上がっていっている状況でございます。  ただ、そういう中で、都市と緑をどう守るかというのは大変重要な課題でございまして、公共で買い取らないまでも、先ほど先生が言われた市民緑地なんかもそうですが、民間で持っていただいたまま公共がある程度契約で施設整備だけするとか維持管理だけするとか、そういった形で活用する制度でありますとか、あるいは市民農園的に活用していくとか、農地ともう一つ屋敷林というのもございまして、これもまた町中では随分議論になりまして、なるべく立派な林や森を残したいわけでありますが、昔農家は農地をお持ちでかつ雑木林をお持ちで自分のおうちがあるという、そういう構成であったんだろうと思いますが、平地に結構、東京の西の方なんか中心に残っておりまして、こういったものをどう残していくかというのは大きな検討課題だと思います。  予算制度あるいは法律制度、いろいろ課題ございますけれども、どっちにしましても何らかのお金といいますか、売る方は動機があって、そこを止めるという話でございますのでなかなかうまくいきませんが、持てる制度を活用して、あるいは必要があれば新しい制度も視野に入れて、いろんな方の御意見聞きながら進めなければいけない課題だというふうに思っております。
  88. 谷合正明

    谷合正明君 是非、鋭意検討していただきたいと思うわけでありますが、本当に国土交通省だけでできる話じゃない、農林水産省であるとか、財務省も絡んでくるでしょうし、税の話になってきますと。その辺がこの都市農地の問題のネックになってきているということはさんざん指摘されているわけでございます。  踏切の質問もしなきゃいけないんで、ちょっと一つ質問を飛ばさせていただいて、大臣に、今ちょっと細かい議論もしてきたわけでありますが、それはさておきまして、都市農地の意義というんですか在り方、これからの都市環境の中にあってどういう存在意義があるのかということを大臣の御見解を聞きたいわけであります。  また、先ほど申し上げましたとおり、これは国土交通省だけで全部できるかという課題ではなくて、農林水産省であるとか、との連携が必要であると。これは前の北側国土交通大臣国会の中でそう答弁されていらっしゃるわけでありますが、是非ともこの都市農地の保全また計画的な利用が前進できるようなことを進めていただきたいと。最後に、この問題についての大臣の御見解をお伺いいたします。
  89. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 緑とオープンスペースというのは都市生活者にとっては大変重要なものでございます。緑地があるということ、それからまた防災の面で、防災空間としても大変重要でございますし、それから体験といいますか、都市生活者にとりましても、一坪農園で休日に夫婦であるいは子供連れで野菜や花や、そういうものを作るという楽しみ、これ非常にニーズ高いわけですね。そういう意味でも、私はやはり快適で豊かな生活というものを保障する意味において、都市の中におけるこのような農地が必要だと私は思っております。  ただ、農業者にとって農地というのは事業資産ですよね。ですから、その人が亡くなったときにそれが相続税の対象になってしまいますと、もう都市農地は非常に高い値段ですので、それだけでもう相続税を納めれば農地は売らなきゃならないと。これはもうはっきりしているわけです。したがいまして、それを売らないようにするためにはどうするのかと。  他の中小企業者の、例えば商工業者にとっても、例えば新宿通りのようなところでしにせが店を構えている。このときに社長が亡くなったら、これは全部相続財産と言われたら、これはそのなりわいはもう成立しなくなってしまうわけで、そういう租税と、相続税とそれからそういうような事業用資産をどう扱っていくのかという非常に大きな問題がそこにあるように思われます。  私は、このような困難な中で農業政策と、谷合委員も言われましたように、それから租税の問題どう考えるのか、それからそういうような農業者とか中小企業者、商業者、そういう人たちの事業用資産の承継というときに租税とどう絡めてこれを解決していくのか、非常に大きな問題がある。そのいろんな知恵がそこに絞られたのが生産緑地制度というような形でしているわけですけれども、それは面積要件が大きいんじゃないかとか、あるいは三十年間も営農しなければならないと、それでその途中で売ればバックペイされるということは非常に大きいとか、いろんな意見がここに絡んでいると思います。  私も冒頭申し上げましたように、都市空間にこのような緑地が必要だということを前提に考えて、今のるる申し上げた困難な問題にも挑戦をしていかなきゃならないというふうに思っています。一つの方法としては、一坪農園のような形で都市内にある農業地を残していくような方法はないのかなというような考えもありまして、いろいろ、東京のある区では何々方式というような形で、そういうような工夫もしているところもあります。こういうことをヒントにやはり考えていかなきゃならないと思っております。
  90. 谷合正明

    谷合正明君 大臣の前向きな答弁と、また問題の本質をついた御指摘もいただきまして本当に有り難いなと思っております。税の話については、ほかの公平性の観点もありますので、この都市農地だけの問題じゃなくて、中小企業の事業承継の話であるとか、一体的に考えなきゃいけない課題であると思っております。  次に、最後、ちょっと残りの時間をいただきまして、踏切対策についてお伺いいたします。  我が国は大変踏切の多い国でございまして、東京二十三区内に踏切が約七百か所ある一方、パリには二十か所しかないというか、本来東京が多過ぎるんだという指摘があります。  まず、その踏切にもいろいろあって、今年の四月に全国の踏切を交通実態総点検されたということで、約二千か所が緊急対策が必要だと、ピーク時に四十分以上閉まるいわゆる開かずの踏切が六百か所、歩道が狭い踏切が六百か所というのがあると。  踏切対策につきましては、連続立体交差だとか、それが本当に抜本対策として必要なんですけれども、これはもう経費あるいは時間といった問題でなかなか目に見えてこないと。そう考えますと、一方で開かずの踏切対策、この速効対策という、いわゆる速効、歩道橋を造るだとか本当に歩行者の安全を考える対策を取るだとか、そういったことは必要だと思うわけでありますが。  ちょっとまとめて質問させていただきますが、まず国交省としては平成十八年から二十二年までにこの一千二百に関しては速効対策を講じるとされておりますけれども、現在までの進捗状況と、私はこの平成二十二年までに目に見える形でしっかり全部対策を講じていただきたいと思うわけでありますが、その見通しについて見解をお伺いいたします。
  91. 宮田年耕

    政府参考人宮田年耕君) 御指摘のありました千二百か所、速効対策をやるべき箇所ということで調査結果をまとめさせていただきました。  五か年で全部速効対策をやるということでやっておりますが、現在のところ、千二百か所のうち約半分、五百六十三か所について整備計画が策定されております。大体市町村道というところが多うございますので、市町村の方に整備計画を立てていただくということでございます。十八年度はその一割、百二十一か所で事業を実施しております。事業費は九十五億円でございます。平成十九年度は約四割の箇所、ダブるところも出てきますから継続事業もございますが、約四割の箇所、五百か所で、事業費は百四十五億円でございます。  大体半分のところが整備計画ができているということでございますが、残り半分、これはまず整備計画を立てていただく、その後事業ということになりますので、立てていただくことが肝要であります。踏切道調整連絡会議というのを私ども、鉄道事業者と道路管理者でつくっていただきますので、そういう場を活用して整備計画の立案、策定、そういうのを強めてまいりたいと思っております。  速効対策、五か年で全部できますように、いろんな働き掛けをやってまいりたい、あるいは財政的な措置をやってまいりたいと考えております。
  92. 谷合正明

    谷合正明君 終わります。
  93. 小林美恵子

    小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子です。今日は、まず航空の安全問題で質問いたします。  私は、四月十七日の本委員会で空港の地上作業事故について質問いたしました。羽田空港での航空機損傷事故をJALは未報告で、国交省も事故把握ができていなかったことが明らかになりまして、報告の改善を求めました。国交省は、五月十五日付けで飛行場運用業務指針の一部を改正され、すべての事故を国交省に報告するということにされました。  私は、機敏に対応していただいたことをまず感謝をいたします。しかし、羽田の事案のように航空会社が未報告になるということは問題ですよね。航空会社が改正指針に基づいて通報、報告するということは極めて重大になってまいりますけど、この点での周知徹底、十分されるのでしょうか。
  94. 鈴木久泰

    政府参考人鈴木久泰君) お答えいたします。  本年四月十七日に開催されました本委員会での御議論、小林委員からの御質問も踏まえまして、私どもは、まず四月二十日に航空局から飛行場管理者に対して文書を発出いたしまして、ランプ内の事故の通報につきまして迅速かつ確実に飛行場管理者へ報告がなされるように空港内の航空会社等事業者を指導するというような文書を通知いたしました。現在、各飛行場管理者において、その通知に沿って航空会社を始めとする空港内事業者等の指導を行っておるところでございます。  それから、先生今お話がありましたように、飛行場運用業務指針というものを改正いたしまして、今まではランプ内事故について空港管理者に報告が上がってくるわけでありますが、そのうち重大なものだけ本省に上げていただく、報告してもらうということにしておりましたが、これをすべて本省に報告させまして、これに基づいて情報の共有とかあるいは事故の原因分析とか、それをしっかりやっていこうということで進めておるところでございます。
  95. 小林美恵子

    小林美恵子君 航空会社にもう指導を徹底していくということですね。  そこで、大臣に伺います。この改正指針の措置によりまして国交省はすべての事故報告を直接把握するということになります。となりますと、国としての責任はこれまで以上に私は増してくると思いますけれども、そこで事故把握の体制、事故分析、再発防止の対策、今後どのように対応されるのか伺います。
  96. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 航空会社に対しましてその安全管理体制をチェックする運輸安全マネジメント評価を進めるとともに、運輸、整備等の業務に関し、安全監査を充実強化していくというところでございます。今後とも、これらを通じて厳正に監視、監督を行ってまいります。  それから、小林議員の質問を契機に、このランプ内事故というものについての報告を細大漏らさず私の方で把握させていただくということでございますから、それ把握しただけじゃしようがないわけでありまして、これらの事故情報に基づきまして航空会社始めとする各航空関係者あるいは航空局関係部署との情報共有を図ってまいります。そして、全般的な事故分析、再発防止策の検討などを実施しまして、地上作業の安全確保に努力をしてまいりたいと、このように思っております。
  97. 小林美恵子

    小林美恵子君 是非進めていただきたいと思うんですけれども、私は今日、一つ触れておきたいことがございます。  そうした地上作業事故の背景に航空会社によりますコスト削減、人員削減、人件費削減があるということも指摘をしたいというふうに思うんです。これはANAもJALもそうでございますけれども、とりわけJALは二〇〇五年度から二〇〇七年度の中期計画に羽田再拡張までに一千億円の収支改善として人件費効率化が出されました。〇二年度比で地上職員五千九百人削減とあります。さらに、最近出されました二〇一〇年度までの再生中期プランにも四千三百人の削減と。そして、業務委託の推進が掲げられておりまして、中でもJALグランドサービスに一年間に三十四億円の経費削減というのがございました。ANAもそうでございますけれども、そうした下で現場ではどういう状態かということを是非大臣にお聞きいただきたいと思います。  例えば、ANAグループでは千歳空港での社員の賃金を一五%引き下げまして、〇六年四月には一千八百三十九時間の労働時間を二千三時間に延長しています。伊丹空港、福岡空港では二〇〇五年の四月に千八百七十八時間を二千時間に延長しています。一人一人の労働者に負担が掛かっているということですね。JALグループはいわゆる千歳、伊丹、福岡空港での下請会社の社員が更に孫請に、そしてまたJASの千歳、伊丹、福岡空港の社員も下請会社から孫請にと。成田空港では下請が一社千五百五十二人、孫請は四社で一千三十七人だと。とにかく下請から孫請へと、こういう形ですよね。  こういう中で、同じような業務をしながらも昇給などの格差がつくられていくと。労働者が将来をなくして辞めていくと。航空連によります地上作業労働者へのアンケートを見ますと、技術の低下不安が四八・三%になっていました。私は、経費削減とか人件費削減、そういう合理化先にありきでは現場労働者の労働条件を悪化をさせまして、ひいては技術継承もできなくなると、これは本当に安全が担保されなくなるというふうに思うんです。航空のこういう安全といいますのは、地上作業における問題も安全のかなめはやっぱり人だと思います。そこで、安全が担保されないような労働者の犠牲というのはやっぱり問題だと思うんですけれども、大臣はこの点どうですか。
  98. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 大変難しい問題でございます。  人員削減とかコスト削減、そういうものにつきましては航空会社の経営に関する問題でございまして、我々がそれに対してコメントをする立場にはないというのがこの自由主義経済に立ったときに、これは大前提だろうと思います。  しかしながら一方、交通、運輸機関におきましては安全が第一番です、安全が。それについて我々はそれが脅かされるようなことはあってはならない、そういうところで何よりも優先すべき課題でございます。  したがいまして、行き過ぎたコスト削減とか人員整理というようなものがもし安全に影響すると考えられる場合については、我々としても厳正に監視、監督をしていかなければならないと思いますが、ただその労働条件についても論及がありましたけれども、それについてはやはり労働法規等がありまして、その範囲内で行われて、それが出ればこれはもうもちろん厚生労働省と我々とが共管でそういうものについても監視は強めなければなりませんけれども、一定の限度はありますが、そういうものが安全というものを脅かさないように我々としても監視を強めていきたいと思っております。
  99. 小林美恵子

    小林美恵子君 私は航空会社がこうしたコスト削減とかいうことを打ち出していくそもそもの背景に、〇三年八月に国交省がお出しになりました航空事業経営基盤強化総合対策、この中に航空会社のコスト構造改革の促進、人件費削減というのをしっかり明記されています。私はこうしたことも問題だということを今日は指摘をして、次のコースターの質問に移りたいと思います。  コースターの質問でございますけれども、国交省はエキスポの事故を受けまして全国の遊戯施設の緊急点検をされました。先ほどの御答弁の中でその結果についてお話がございましたけれども、車軸の探傷試験を過去に一度も試験しなかったのが七十二基と、そして探傷試験を過去一年以内にしていないのが百十九基あるというふうにお話がありました。さらに、JISの検査標準に基づいて検査をすることを徹底をしていくんだというお話もありましたけれども、私はここで改めて大臣に伺いたいと思うんです。  五月十四日の決算委員会で私はこの問題を取り上げさせていただきました。大臣はその際に、探傷試験とか聞いたこともない話ですけれども、これは聞けば聞くほど大事ですと、そういうものについての建築基準法上の位置付けがあやふやだと気付きましたと述べておられました。さらに、五月十日に開かれました専門部会での様々な方の御意見を紹介されて、定期検査の項目、方法、基準、報告内容の御検討をされていることがありまして、最終報告をいただいて建築基準法上明確な位置付けをしたいと答弁をされました。是非明確な位置付けを私はしていただきたいと思いますけれども、ここで一点、確認したいと思います。  エキスポの事件で本当に大きな問題になりましたあのいわゆる探傷試験ですね、法令点検の際の探傷試験をやっぱり義務付けると、大臣の、お考えになっているかどうか、どうでしょうか。
  100. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 車輪軸については義務付けなきゃならないと私は思っています。しかし、専門家の意見、私は単なる情報とか今回までの知見で、探傷試験という言葉も知らなかった人間でございますから、しかしながらいろんな議論を通じこの部分についてはやはり義務付けなきゃならないんではないかというふうに思っています。しかし、今諮問をしてそのような専門家が議論をいただいておりますので、その結果を待たなきゃなりませんけれども、今の時点で私の意見を聞かれれば、私は義務付けなきゃならない事項であろうというふうに思っています。
  101. 小林美恵子

    小林美恵子君 全体ではないですけれども、いわゆるその軸については義務付けなくてはならないというお話でございました。それはまあエキスポでああいう事故があったということを踏まえてのことになると思うんですけれども、私はここで、遊戯施設とかコースター事故というのは今までになかったわけではないというふうに思うんです。  同じ決算委員会で、大臣は、昭和三十四年に建築基準法の中に取り入れられているわけですけれども、五十年こういうものを使ってきて、それなりにこういう大きな事故でクローズアップされなかったという、そういう経過があったんだろうというふうにお話をされました。  そこで私、国交省に伺いますけれども、国交省としましてはコースターなどの遊戯施設の事故はこれまで把握をされていなかったのかどうか。把握されていたんでありましたら、遊戯施設の事故件数、死傷者数、そしてまたその全体とコースター別にお答えいただけますか。
  102. 榊正剛

    政府参考人(榊正剛君) 建築基準法に基づきます定期検査の対象といたしまして特定行政庁により指定されております遊戯施設の件数が、平成十八年九月現在で二千五十三件となっておりまして、このうちコースター関係二百八十六件というのが実態でございます。  この遊戯施設の事故でございますけれども、当方で把握しているところでは、昭和五十二年九月から平成十九年五月までの約三十年間でございますけれども、死傷者数が三百七人になっておりまして、このうち死者数は二十七人となっております。それから、コースター施設での事故でございますけれども、死傷者数が百三十八人、このうち死者数六人という形になっておるところでございます。
  103. 小林美恵子

    小林美恵子君 今御説明をいただきました。  私は、お手元の資料に、国交省の所管でございます財団法人の日本建築設備・昇降機センターさん、そのところが遊戯施設の運行管理者、運転者等に対する講習会を行っておられますテキストから、事故例というのがございまして、それを抽出をいたしまして、皆さんのお手元のところにはコースターだけの事例を配付をさせていただきました。  今、数につきましては局長がお答えになりましたけれども、既に今までもお亡くなりになられた方がコースター事故でいてはったということですよね。それで、エキスポのように、私はこういう事故例を拝見をしますと、車輪の脱落とか、軸が折れるといういわゆる金属疲労にかかわる事故もここにはありました。いずれも乗客が重傷を負ったというふうに、私が見ました財団法人のそのセンターのテキストの中にはそういうふうに記載をされていましたけれども。  私、今局長さんが事故を把握されていた件数等をお話しされましたけれども、では、そういうときに国交省としてはどういうふうに対応されてきたのか。今回こういう事故があって、探傷試験のことが随分問題になって、大臣も義務付けが必要だというふうにお答えがありましたけれども、そのときにそういう判断になぜならなかったのかというのを悔やまれてならないんです。こういう点についてはどのようにお考えだったんでしょうか。
  104. 榊正剛

    政府参考人(榊正剛君) 事故が起きました場合の建築行政の対応でございますけれども、まず、建築物、工作物などの所有者から特定行政庁の方に対して通報がございまして、特定行政庁から都道府県に対して報告があって、都道府県から私どもの方に報告が来るという形になっておりまして、その中から事故の再発のおそれがあるような場合につきましては、私どもの方から、同様の製品の仕様ですとか同様の設計をやっているようなものにつきまして特定行政庁に対して連絡を、通知をするといったような体系で事故が起きた場合には対応してまいったことでございます。
  105. 小林美恵子

    小林美恵子君 でも、その対応が結局私は不十分だったから今回のような事故が起きたんだと言わざるを得ないというふうに思うんです。  それで、改めてお伺いしたいと思いますけれども、大阪府からも事故についての要望が出ております。例えば、国が運用している、利用者、使用者からの直接事故情報を収集する建築物事故情報ホットラインによる情報や、各自治体が条例などで独自に収集をしている事故情報について、国において集約、分析をして、その結果と対応策を地方公共団体を含め広く共有化できるように仕組みの確立というのがございました。  本当に事故情報の共有というのは再発防止にとっても重要だというふうに思うんですけれども、この点、大臣、どう対応されますか。
  106. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) 今審議を、そういう意味でも審議をしていただいておりますので、そこで出たものについて的確に行われるように行いたいと思います。
  107. 小林美恵子

    小林美恵子君 次に、私質問させていただきたいんですけれども、先ほど紹介しましたこの財団法人日本建築設備・昇降機センターですね、ここが主催をしています講習会について質問します。  その講習会、運行管理者、運転者に対する講習会と、それこそ大臣が認定される遊戯施設の検査資格取得の講習会が二通りあると思います。毎年、東京、大阪で行われているそうでございます。その講師の選定基準と、〇四年度から今日までの講習会で、事故を起こしましたエキスポの社員ですね、しかもエキスポ社長が会長を務めます遊戯施設の開発する企業がございますけれども、その泉陽グループ、この関係者でだれが講師しているか、お答えいただけますか。
  108. 榊正剛

    政府参考人(榊正剛君) 日本建築設備・昇降機センターが実施しております登録昇降機検査資格者講習の講師でございますけれども、建築基準法の施行規則第四条の二十三に定めます登録機関としての要件の中に次のとおり講師の要件が定められております。  一つは、建築基準適合判定資格者の資格を有する者又は昇降機検査資格者。それから、大学若しくはこれに相当する学校の外国におきまして建築その他の登録調査資格者講習事務に関する科目を担当する教授若しくは助教授であって、若しくはこれらの職にあった者、建築学その他登録調査資格者講習事務に関する科目の研究により博士の学位を授与された者。若しくは建築行政に関する実務の経験を有する者。それから、今まで申し上げました一から四までに掲げる者と同等以上の知識及び経験を有する者の中から昇降機センターが依頼をして定めるという形になっております。  それで、次に、昇降機センターでの具体の講師の依頼でございますけれども、平成十六年度で二十一名、十七年度で二十四名、十八年度で二十一名の方を講師としてお願いしておりますが、いずれの年度におきましても二名ずつ関係の方がおられます。エキスポランド理事、施設管理部理事の建部淳さん、それから泉陽機工株式会社技術顧問の馬場圭司さん、この方が十六年度も十七年度も十八年度も講師をされているところでございます。  それから、昇降機センターが独自に実施しております遊戯施設の運行管理者、運転者等の講習会でございますが、ここの講師依頼につきましては、平成十六年度につきましては八名中三名ということで、エキスポランド相談役の小川さん、エキスポランドの営業部の置田さん、泉陽機工の技術顧問の馬場圭司さん。それから、十七年度は十名の方の依頼をしておりますが、そのうち三名ということで、先ほど申し上げたエキスポランドの施設管理部長の建部さん、それからエキスポランド営業部次長の置田さん、泉陽機工の馬場圭司さん。平成十八年度は十名中二名でございまして、先ほどの建部さんと馬場さんという形になっているというふうに聞いておるところでございます。
  109. 小林美恵子

    小林美恵子君 ありがとうございます。  今御説明いただきました点を皆さんのお手元に一覧表にして資料として配付をさせていただきました。ごらんいただいたらお分かりになりますように、エキスポランドの面々が講師として、どちらの講習会にも講師としてなさっているということが一目瞭然だというふうに思います。  それで、決算委員会でも局長がお答えになっておられましたけれども、探傷試験がJISの検査標準に明記されていることを講師が知らないということはないと、知らないというのは遺憾だというふうに局長はお答えになっておられました。  さらに、私は、運行管理者の講習会テキストにも先ほどお示ししました事故例がありまして、金属疲労があるような事故があるということをしっかり書いてあります。そういうふうにいきますと、目視検査では不十分になるということは講師なら分かることだというふうに思うんです。  そこで、私は大臣に伺いたいんですけれども、そうした講師が所属するエキスポ、またエキスポの社長が会長となっています泉陽グループの関係者ですね、そういう人が探傷試験をしていない、エキスポが探傷試験をしていないというのは大変重大な問題で、そういう方々が講師をする講習会そのものも信頼が崩れていくというふうに思うんです。この事故でということではなくて、これまでも探傷試験を先送りしていたということが明らかになっていますから、ずっとこの講習会がここのエキスポさんがやってきたということは、この講習会は一体何なんだというふうに言われても仕方がないような、信頼を損なわれていると思います。  そこで、検査資格取得というのは正に大臣が検査員として認める重大要件でございます。こうした講師の選定も極めて重大で、これを例えば全日本遊園協会でしたかね、この関係の協会に任せるだけでいいのかということがあるわけでございますけれども、この点、大臣の見解をお聞きをしたいと思います。
  110. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) もう全く小林委員がおっしゃったところと同じ気持ちです、私も。けしからぬことだと思います。したがいまして、こういう極めて問題の人を講師に選んでいたということは誠に遺憾であります。  したがいまして、私どもはこれに対して、こういう人を選ぶことではなく、特定行政庁の職員、あるいは学校で教授をやっておられる方、准教授をやっておられる方というような人たちに、どなたが聞いても見てもふさわしいという人たちを選んでいただくように私は指導をさせていただきたい、このように思っています。  この件は全く不適当な人だったと私は思います。
  111. 小林美恵子

    小林美恵子君 是非、全体の遊園施設の安全にかかわる問題でございますから、そこはしっかりと改めていただきたいということを強く申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  112. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。  遊戯施設の関連について引き続き質問をさせていただきますが、国土交通省の省令によりますと、構造物であるジェットコースターの車両は可動部分、機械部分などに含まれ、ほかの部品と一括で強度が決められています。これは、乗り物である列車の車軸などが重要部分としての個別に日本工業規格、JISで設計基準を定められているのとは非常に好対照的でありまして、同じ乗り物なのになぜジェットコースターが建築基準法の対象になっているのでしょうか。ジェットコースターの遊戯が建築基準法で規制されるようになった経緯と、なぜ旧建設省が所管になったのか、お伺いいたします。
  113. 榊正剛

    政府参考人(榊正剛君) 遊戯施設は昭和三十四年の改正によりまして建築基準法の対象とされたところでございまして、その経緯につきまして、当時の記録が十分に残っていないために正確なところは実は定かではないんですが、当時実は、私の小さいときもそうだったんですが、デパートの上に遊園地みたいなのがありまして、東京都がそういった遊戯施設についてチェックが必要だろうということで昇降機安全条例というのを昭和二十三年に作りまして、そのときに一部の遊戯施設について設置時の許可手続を定めていたということと、当時、煙突とか広告といったような工作物を建築基準法の対象といたしておりまして、そういったようなものにつきましても基準法に基づきます構造上の安全性の確認を行っていたということと、それから、全国展開ということもございまして、建築主事による建築確認検査制度を活用することによりまして全国的に遊戯施設の設置段階での安全確保を担保することが可能と考えられたということから、基準法の対象とされたものというふうに承知をいたしております。  ただ、当時の議論では、消極的権限争いの結果、私どもの方の改正というふうにいわゆる伝えられておりまして、なぜそういうふうになったかと言われると、確かにそういう結果なものですから、実は当時の記録が十分残っていないということでございます。
  114. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 では、当時やはり遊戯施設単独の法整備を検討したことがあったのかどうかということと、当時の建設省建築指導課員で、後に建築指導課長も務めた前川喜寛さんが退職後、九一年、関連法人の機関誌に寄稿した論文で、運行管理を主体とした遊戯施設単独の法整備が必要というふうに指摘をされているんでございますが、その点、省として何らか検討されたかどうかお伺いをいたします。
  115. 榊正剛

    政府参考人(榊正剛君) 実は、先ほど申し上げましたように、三十四年の法改正でこういったような遊戯施設が基準法の対象になりましたが、これまで、私どもの方で申し上げますと、基準法の体系の中で、政令、告示の中で遊戯施設の構造に関する安全基準も制定いたしまして、設置時における主事等の確認、完了検査を受けることを義務付けると同時に、定期検査ということの報告を義務付けて、遊戯施設安全確保に取り組んだということでございます。  単独の法整備につきましての御質問でございますけれども、これにつきましても、省という形で検討をしたかどうかについて実ははっきりした記録がありませんが、ただいま申し上げたような技術的な観点に加えまして、遊戯施設については日常の維持保全や運行管理も安全確保の観点から重要な要素であるといったようなことから、関係団体の協力を得まして、遊戯施設の維持保全、運行管理に関する手引を作成していただきまして、これらの手引に基づきまして的確な維持保全、運行管理が徹底されるように全国の特定行政庁及び遊園地所有者等に対して周知を図ってきたところでございます。
  116. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 遊戯施設であるからにはやはり安全性等が最も大事なことではないかと思うんでありますが、やはりジェットコースターと普通の自動車、電車とは性格が基本的に違うわけでございますけれども、しかしスピードを出してやることについては安全をやはり確保しなきゃならないと思うんですが、やはりこれらの遊戯施設も、ただ単にスリルを売り物にしていることは間違いないんですけれども、やはり公共輸送機関並みの安全チェックというのは私必要ではないかというふうに思うんでありますが、建築基準法というのはあくまでも最低基準でありまして、管理者責任を負う事業者の経営責任をやはり明確にすべきではないかと思います。遊戯施設法のような単独の法の樹立が必要ではないかと思うんですが、これからも建築基準法の枠内でいくのかどうか、その点お伺いいたします。
  117. 榊正剛

    政府参考人(榊正剛君) 今回のような事故の発生を未然に防ぐといった意味では、遊戯施設の維持保全、安全な運行管理が確保されているということが重要だというふうな認識でおります。ただ、これらは一義的にはその遊戯施設の所有者の責任において適切に実施されるべきものだろうというふうに認識をいたしております。  国土交通省におきましては、こうした考えに基づきまして、先ほど申し上げましたような維持保全や運行管理する手引を関係団体に作っていただいて、これらの手引に基づきまして的確な維持保全や運行管理が徹底されるように、全国の特定行政庁及び所有者に対して周知徹底を図ってきたということでございます。  法規制を新たに検討するといったような場合には、一般論として、御指摘のような事業法の制定のほかに、基準法若しくは政令といったような感じの改正とか運用強化が考えられますけれども、事業法の制定ということになりますと、遊戯施設の維持保全、安全運行管理の確保に関する規制だけではなくて、事業者の経営の在り方にまで影響を及ぼす規制が創設されますとか、そもそも認可体系に入るとかいうようなことが多くて、そのような規制に公益性、合理性があるかどうかということについては慎重な検討が必要ではないかというふうに考えておるところでございます。  じゃ、基準法令ではどうかということもあるわけですけれども、現在、社会資本整備審議会建築分科会建築物等事故・災害対策部会ということで、そこの中で遊戯施設の総合的な安全対策の在り方について御検討をいただいているところでございまして、その結論を踏まえながら、こういった言わば維持保全や運行管理についての何らかのアプローチが基準法令、法体系の中でできるかどうかということについても検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  118. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 今回の大阪の遊園地のジェットコースターの事故については、金属疲労であったことが主な原因であったというふうなことで起きた事故だと思っておるところですが、国土交通省は、点検の実施と結果の報告を受けて、特定行政庁への緊急点検の実施依頼と遊戯施設の車両、車両軸の探傷試験実施の徹底等を要請をしましたが、重要なことはやはり安全技術教育の確保にあると私は思うんです。  そういうまた専門家の意見もあるところですが、安全技術者の確保、育成についてどのように考えられておりますか。また、大型遊戯をメンテナンスするための資格制度が必要ではないかと思いますが、その見解はいかがでしょうか。
  119. 榊正剛

    政府参考人(榊正剛君) 実は、遊戯施設について適正な維持保全を行うという所有者責任を徹底させる観点から定期検査が義務付けられているというふうに私ども思っておりまして、定期的に一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者に検査をさせて、その結果を特定行政庁に報告させると、こういう制度になっておるというふうに考えております。  この昇降機検査資格者になるためには、一定の学歴なり実務経験を有するなど建築に関する知識及び経験を有して、かつ大臣の登録を受けた講習を修了するということが必要になります。この講習では、定期検査制度なりJISの検査標準について講義を受けた後に、必要な知識及び技能を修得したかどうか判定する修了考査を受けまして、合格した者が昇降機検査資格者というふうになると、これが現行の体系になっております。  ところが、今回こういったような講習を受けていながらも四割の施設において探傷試験が行われていないというようなことがありまして、そういったことで必要な知識を修得していないという可能性がございまして、問題であるというふうに思っております。  また、この資格者でございますけれども、実は国土交通大臣が定める資格を有する者というのが法律の書き方でございますので、実は法律に基づく資格ではなくて、国土交通省令で定められた資格者ということになっております。したがいまして、粗雑な検査が明らかになった場合など、そういったような場合に処分とか罰則、罪刑法定主義というのがございまして、省令に基づく資格であるがゆえに罰則が掛けられないと、こういったようなのが現行法体系ではないかというふうに思っております。  したがいまして、先ほども何遍も申し上げておりますが、この社会資本整備審議会の中におきます建築物等事故・災害対策部会の中で、この検査資格者に対する処分、罰則の在り方なり、それから講習内容や修了考査の見直しとか定期的な講習の実施が要るかどうかということについて検討をしていただいておるところでございまして、その検討結果を踏まえて適切な対応を行ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  120. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 十分検討していただきたいと思います。  そこで、この際、やはり法令や規則で決められないと守らない、安全を無視されるということが実証されたと思うんであります。そこで、この際、ですから法令規定を見直して策定をする必要があると考えるんですが、その点いかがでしょうか。
  121. 榊正剛

    政府参考人(榊正剛君) 実は、この検査制度仕組みというのが本来ならば基準法の中の政令、省令若しくは告示で書けばよかったのかもしれませんが、特定行政庁が定める細則に預けられている部分で、なおかつその細則を見るとマニュアルを見ろと書いてありまして、そのマニュアルの中に探傷検査といいますかJIS規格の検査をやれと、こういうふうに書いてあるということもございまして、実はその探傷検査なりJIS検査標準といったようなものが基準法体系の中で位置付けが非常に不明確な形になっているというので、先ほど来問題になっております探傷検査が実はやってないという実例も出てきているということかと思っております。  したがいまして、これをより明確に位置付けるということにいたしたいと思っておりますが、どういう形で位置付けるかというところにつきまして、政令なのか省令なのか告示なのか、どれが一番ふさわしいのか、いずれにしても明確な形で位置付けたいという方向で検討を行ってまいりたいと思っておるところでございます。
  122. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 やはり安全管理が大事なことですから、そこら辺はひとつしっかりやっていただきたいと、このように思っています。  次に、角度を変えまして、長崎電気軌道の路面電車が五月の十九日と二十四日に、長崎市魚の町の公会堂前電停そばの交差点で右折しようとして脱線事故を起こし、市民や修学旅行の観光客等に大変多大な御迷惑を掛けました。国土交通省としては、航空鉄道事故調査委員会調査官を現地に派遣をいたしました。事故調は、路面電車の脱線事故については死傷者五人以上を出動の要件としていますが、同じ場所で連続した事故の重要性を重く見たのだろうと私は思いますが、十九日の事故は、脱輪防止のために設けられているガードの継ぎ目に施工不良の部分があり、引っ掛かった前輪が脱輪をして、二十四日の事故では、前輪は右折したものの後輪が直進の軌道に入ってしまったために後輪が脱線をしたと聞いております。  現時点での事故原因はどのようにお考えになっておられるのか、また事故原因を特定する見通しは一体いつごろになるか、お教え願いたいと思います。
  123. 各務正人

    政府参考人各務正人君) お答え申し上げます。  ただいまの先生の御指摘にございましたように、路面電車における車両脱線事故でございますが、通常でございますとそれだけでは調査委員会としても調査対象にしていないところでございますけれども、長崎電気軌道の車両脱線事故につきましては、お話のございましたように、今月の十九日、二十四日と続けて同じ場所で車両脱線事故が発生したということで特に異例と認められるものとして、同日、二十四日に国土交通省の方から通報がございました。これを受けまして、事故調査委員会として調査を開始したところでございます。  具体的には、事故が発生いたしました翌日二十五日に調査官二名を現場に派遣いたしまして、軌道や車両の状況等についての調査に着手いたしますとともに、関係者からの口述を取ったということでございます。  今後、これらの内容を分析して事故原因の究明を行ってまいりたいと思っているところでございますけれども、現時点ではまだ着手したばかりでございますので、現時点での今後の見通しということは申し上げる段階にはなっていないということでございます。
  124. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 私は、この両事故はお互いに関連しているというふうに思っているんですが、事故現場では会社が今月の十日までにレールの内側にある脱線防止用のガードレールと呼ばれる部品を交換をしております。このことが事故原因への影響ではなかったかと思われます。  十九日の事故後、ガードレールの継ぎ目に問題があると判断をして補修作業をして、翌日に運行を再開をしましたが、一度目にきっちりと調査をしていれば二度目にこういう事故は起こらなかったと思うんでありますが、その点、いかがお考えでしょうか。
  125. 各務正人

    政府参考人各務正人君) ただいま御指摘ございましたように、同じ場所で連続して起こったということでございますので、当然事業者が具体的にどのような対応をしていたかということにつきましても、今後の事故調査の中で必要な場面に応じて調査をしてまいりたいと考えているところでございます。
  126. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 路面電車で事故調が入るなんてめったにないことでございますので、そこはしっかり、こんな事故を起こしちゃいかぬと思いますけど、やっていただきたいと思います。  次に、国土交通省はトン数標準税制導入に伴う減税効果を日本人船員の確保につなげようという新制度を考えられておるようでございますけれども、導入されるトン数標準税制の減税の効果はどのくらいあると試算されているんでしょうか、お伺いいたします。
  127. 冨士原康一

    政府参考人冨士原康一君) 委員御承知のとおり、現在検討されておりますトン数標準税制はいわゆる外形標準課税でございます。船会社が運航する船舶のトン数に応じて課税額を決めていくということでございまして、したがいまして、年々の収益にかかわらず一定の税額を納めるということになるという意味で、非常に景気の悪いときにはむしろ増税になることもあり得るということでございます。そういう意味で、簡単に減税額幾らというふうになかなか言えない税制になっているわけでございますが、一方で諸外国は非常に低いみなし利益率を適用しているということでございまして、通常減税効果が発生するということであります。  平成二十年度の税制改正要望でどういう税、税率を要求するかということにつきましては、平成十九年度の与党の税制改正大綱、あるいは現在安定的な海上輸送の在り方について交通政策審議会で審議をいただいておるわけでございますが、その審議会の検討結果を踏まえながら今後検討をしていくという予定でございます。  したがって、現段階において、正確にこのトン数税制の導入によってどれだけの減税効果が出るかというのをはっきりとお答えできるような段階にはないということでございます。
  128. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 一部報道では、減税分の使い道を船員確保に限ることについては外航各社や経済界から慎重論があり、国土交通省としては考慮されたとありますが、私はやはり船員確保を実効あるものにするためには、減税分はすべてやはり船員確保のために充てるべきだと思うんでありますが、その見解はいかがでございましょうか。
  129. 冨士原康一

    政府参考人冨士原康一君) トン数標準税制を導入した場合に、日本籍船の増加あるいは日本人船員の確保、育成等によりまして安定的な国際海上輸送の確保を図っていくという、そういう施策の実現に向けて大きく踏み出すというのは、これは間違いないというふうに考えております。また、そのために役立てていきたいというふうに私ども思っておるわけでございますが、一方で外航海運は非常に熾烈な国際競争をやっているという状況でございます。国際競争力の維持確保の観点も踏まえながら検討を進めるべきだという、そういう意見もあるという状況でございます。  いずれにいたしましても、現在交通政策審議会の海事分科会でその今後の安定的な海上輸送の在り方について総合的な御審議をいただいておるという状況でございます。それを踏まえまして、来年の通常国会にはこの日本籍船あるいは日本人船員の確保、育成のための法案を提出し、御審議をお願いしたいというふうに考えているところでございます。
  130. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 次に、スキーバスの事故についてお伺いしますが、事故発生から三か月が経過をいたしまして、事故原因についても分析は終わったことだと思います。  そこでお伺いをいたしますが、今回発生をしましたスキーバスの事故の原因はどのようなものであったか、お知らせ願いたいと思います。また、再発防止に向けてどのような対応をされておられるのか、お伺いをいたします。
  131. 岩崎貞二

    政府参考人岩崎貞二君) あずみ野観光バスの事故原因でございますけれども、まだ警察でいろんな書類なんかが押収されている状況でございますので、正確なことはまだ私どもも引き続き調査をしている段階でございますけれども、過労運転がなかったかどうかということに注目をしてやっておるところでございます。  それから、対策でございますけれども、一つは重点的に監査をしようということで、四月にこうしたツアーバスを中心に貸切りバスについて重点的に地方運輸局で監査をいたしました。それから、ツアーバスにつきまして、少し直せるものは直そうということで、告示なり通達なりで安全規制について考え方を整理して、今その作業もやっているところでございます。  あわせまして、検討会を設けまして、バス事業者あるいは旅行業の関係者の方にも集まっていただいて、この貸切りバス、ツアーバスに対しての安全性をどういう形で考えていけばいいのかというのもこの六月から発足させていきたいと、このように思っているところでございます。
  132. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 私は、運行計画に無理があったのではないかと思っております。無理な運行計画はだれが強いたのか、その点なども明確にひとつよろしくお願いを申し上げます。  私は、再発防止のためには、バス事業者だけでなく旅行業者に対しても無理な行程を組まないように監督指導すべきだと思います。また、以前も指摘をいたしましたが、運行計画、行程が事故原因となった場合は旅行業者に対してもその責任の一端を負わせるべきではないかと思いますが、そういう点について検討される用意があるかどうか、お伺いをいたします。
  133. 柴田耕介

    政府参考人柴田耕介君) バスの運行の安全の確保につきましては、一義的にはバス事業者の責任だというふうには考えてございますが、旅行業者も募集型の企画旅行などを行う場合につきましては、旅行業者と旅行者との間で旅行契約に基づく責任を負っているということでございます。  具体的には、標準約款によりまして、旅行業者の故意、過失があった場合には、当然のことながらその損害の賠償に責任を任ずるという形になっておりますし、また、特別補償といたしまして、旅行会社の故意、過失を問わず、旅行者が事故に遭った場合については、不幸にして亡くなられました場合には一千五百万円という特別補償を取るというような今制度になっております。  ただ、これまでも、バスの安全確保につきましては、自動車交通局からの要請を受けまして、旅行会社に対して、バス会社に対して長時間労働を強いるといったことのないようにこれまでも指導をしてきたところでございます。
  134. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 まあそれはまたの機会にいたします。  次は、労働安全問題等について、厚労省だけではなく、主に建築関係、それから運輸関係に労働災害が多く発生をしておりますので、安全問題について質問をするようにしておりましたが、皆さんの約束事により時間が参りましたので、通告をしておきながら大変失礼になりますが、お許しをいただきたいと思います。  これで終わります。
  135. 大江康弘

    委員長大江康弘君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  136. 大江康弘

    委員長大江康弘君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、風間昶君が委員辞任され、その補欠として魚住裕一郎君が選任されました。     ─────────────
  137. 大江康弘

    委員長大江康弘君) 次に、タクシー業務適正化特別措置法の一部を改正する法律案議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。冬柴国土交通大臣
  138. 冬柴鐵三

    国務大臣冬柴鐵三君) ただいま議題となりましたタクシー業務適正化特別措置法の一部を改正する法律案提案理由につきまして御説明申し上げます。  タクシー事業は、ドア・ツー・ドアの機動的、個別的公共交通機関として重要な役割を果たしてきております。急速な少子高齢化の進行により、我が国が人口減少社会を迎える中で、個別輸送サービスを提供するタクシーに対する期待は大きくなってきており、多様な利用者のニーズにきめ細かくこたえ得る交通機関として、過疎地における高齢者等の生活に密着した移動手段として、また、鉄道やバスとともに総合的な公共交通体系を構築する交通機関として、その社会的重要性は更に高まるものと考えられます。  一方、タクシー事業においては、厳しい経営環境等を背景に、特に運送の引受けが専ら営業所以外の場所で行われているいわゆる流し営業中心の地域において、輸送の安全性、利用者の利便性の低下が懸念される状況となっており、タクシー運転者の質の確保、向上を図ることにより、輸送の安全、利用者利便をより確実に確保していくことが喫緊の課題となっております。  このような状況を踏まえ、このたびこの法律案を提案することとした次第です。  次に、この法律案概要につきまして御説明申し上げます。  第一に、タクシー業務適正化特別措置法の対象となる指定地域について、現行の利用者利便を確保する観点に加え、輸送の安全を確保する観点を追加し、その拡大を図ることとしております。  第二に、指定地域のうち、特に利用者利便を確保する観点からタクシー事業の業務の適正化を図る必要があると認められる地域を特定指定地域とし、特定指定地域においては、適正化事業実施機関が適正化業務を行うこととしております。  第三に、指定地域におけるタクシー運転者の登録要件として、輸送の安全及び利用者利便の確保に関する講習の修了を追加することとしております。  第四に、タクシー運転者の登録の取消し要件として、重大な事故を引き起こしたとき等を追加することとしております。  以上が、この法律案を提案する理由です。  この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
  139. 大江康弘

    委員長大江康弘君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時三分散会