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山本孝史君 公的
年金制度を考えますと、
民間の銀行だとかあるいは損保、生保と同じだと私は思うんですね。銀行でいえば、定額に預金をしていって、それで一定年齢に達すればそこでお金を引き出すことができるというか戻ってくる。結局、公的
年金も同じ話で、
保険料を積んでいって、そして二十五年たつともらえるようになるよ、年齢に達するとそこから毎月一定額が戻ってくるよという話ですね。
そんなことを考えていますと、ここしばらく、
村瀬さんはよく
御存じのとおりに、生保、損保で支払をしなかったというケースが一杯出ているわけで、そういう会社の社長さんたちはみんな
辞任しているわけですね。あれと比べると、今度の公的
年金のこの問題についての厚労省なり社保庁の姿勢というのは全く甘いと私は思うわけです。
だから、お客様からお金を預かっていますという、口ではおっしゃっているけれ
ども、それは違いますよ、もっと重たいです、この話は。だって、この公的
年金の
保険料は強制徴収でしょう。そういう意味でいくと、
民間金融機関よりもやっぱり
保険料の保護だとか管理ということについてはもっとしっかりしていなければいけないし、
国民とのそれだけ強い信頼
関係が要りますし、我々はこの銀行が駄目だったらこの銀行を選べるけれ
ども、我々は公的
年金制度は選べないわけですよ、
一つしかないから。そういう意味において私は
責任は非常に重たいと思うわけです。
今度も、
保険料の流用はしないとおっしゃってきましたけれ
ども、
年金教育・広報、
年金相談、情報提供ですか、そういったものは使えるということになっていて、これは
保険料が流用されるということで、結局歯止めが掛からない、どんどん広がっていく。事業費という中でそこにぽんと出てくれば、何をやっていてもそこでみんな通ってしまうと。これはやっぱり私は、
保険料が事業の
運営に使われるのは私は是認する姿勢ですけれ
ども、しかしながら、このように、何というか、大枠でくくって出せるという仕組みにしてしまうとやっぱり歯止めが利かなくなると私は
思います。だから、この案には
反対。
ここまで
保険料納付についての疑惑が深まってしまうと、私はやっぱり回復しようがないと思っていて、制度が複雑過ぎる、分からないです。
後で聞きますけど、今度やられるこのねんきん定期便という、皆さんのところにお配りしていますよね。このねんきん定期便をもらって、ここに書いてある
内容が読めるという人、分かるという人は私はいないと思うんです、実は。
大臣ですらここに何が書いてあるか分からないですよ。普通の人が標準報酬月額だとか
保険料率だとかって言われて、すぐ分かるのは多分ここにいる
委員だとか
年金問題を勉強してきた人だけであって、一般の人に私はこれを理解しろというのはほとんど無理だと
思います。唯一理解できるのは最後のページのこれまでの
年金加入履歴。これまであなたは何に入ってきて、それは何か月でしたという、ここは分かるけれ
ども、それに基づいて幾らもらえますよという計算の
内容は私は多分無理だと思う。
だから、これはもうちょっとこれを受け取る人の
意見を聞いて、莫大なお金掛けてやられるんだから、これが本当に、加入者というか
年金の被保険者にとって利益になるものなのか、分かりやすいものなのかというのは、それこそ事前に
調査をされた方が私はいいと
思います。
そういう意味で、制度の簡素化というのは非常に重要で、事務費を軽減するということからも、かねてから私はやっぱり基礎
年金は
税方式にすべきだと。そうすると、これ徴収事務がなくなりますし、そこにおける三号の被保険者の問題もなくなりますし、事務が非常に簡素化されるし、制度が簡素化されて、今のように半額免除、四分の一免除、四分の三免除なんてやってきたら、もうほとんど分からない、みんな。そうじゃなくて、やっぱり一階、二階をちゃんと分けて、二階はやっぱり自助努力で積み上げてくれというのが一番私は正しいと思うんですね。
そうすると、やっぱり所得捕捉が非常に重要になって、午前中も出ていましたけれ
ども、偽装倒産ですとか、あるいは公的
年金の適用逃れですとか、あるいは法人税を逃れるといったような人たちが出ないように現況
調査をやって、それでしっかり押さえていくということが重要になるんで、そこにやっぱり人が必要になると。
だから、社保庁の人たちをそういったところで教育をして、そういう
現場にも出てもらって、やっぱりこれからの社会は公平公正な負担というのが非常に重要になりますので、それを担保するために社保庁業務を楽にする、制度を簡素化して、そこで出てくる人たちをそういう業務に回ってもらう。そこで勉強しない人、あるいは何ぼ勉強しても、申し訳ないけれ
ども、知識が届かないという人は、それは違う業務に就いてもらうということしか考えられないけれ
ども、そういう
対応が僕は必要だというふうに思って、
民主党としては歳入庁を提唱したし、制度の改正も言ってきたわけです。
年金合同
会議のときもそのように申し上げて、
大臣もいろいろと御
発言をいただきましたけれ
ども、
税方式という方式は別にして、一階
部分については今の方式を変えて、税でやるとすればそれは一律、高額所得者にも同じような税で補てんするというわけにいきませんから、これはやはり傾斜を付けたような形の制度にして、しかしみんなで公平に負担をするということを制度的に考えたらどうだろうかと。
百年
安心だからもう制度は一切変わらないんだというような硬直化した話ではなくて、今度の件を
一つの例にすれば、やはり制度の簡素化、事務の合理化のためにどうしたらいいのか。だから、
年金局が勝手に制度を考えて、それを現業の人たちがそんな難しい制度をやれませんよと言っていて、ここの間が分かれているような状態は駄目なんであって、そんなことも考えると、私はやっぱりそういう
年金制度本体ももう一遍考えてみるべきじゃないか。
というふうにして、今申し上げた、これは私の考えなり
民主党の考え方でしたけれ
ども、
大臣としてどのようにお考えになっているのか、この点についてお伺いしたいと
思います。