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柳澤光美君 民主党・新緑風会の
柳澤でございます。
今回は二回
質問に立つチャンスがあるということで、どういうふうに
質問を配分しようかということで今悩んで今日は立っているんですが、実は私、何回か
厚生労働委員会で
質問に立たさせていただいて、
柳澤大臣の方にも私の
考え方をいろいろ話させていただいてきました。今同僚の林議員からもありましたように、この
パート労働法を審議をする中で、事この
パート労働法だけでは済まないというのが
ポイントだろうというふうに思っています。
労働者全体の働き方をどのようにしていくのか、また我が国はどういった働き方を目指すのかという本質的なことを議論をしなければならないだろうなと。
実は、今回は
労働国会あるいは雇用国会ということで大きな枠組み、
法案も幾つか出てくる。ただ、実際こうやって議論を始めてみると、それぞれが非常に小粒になってしまって、大変失礼な言い方なんですが、何か重箱の隅をつついているような感覚に私はちょっとなっておりまして、今日はちょっと時間をいただいて、私の
考え方を少し述べさせてもらって、
柳澤大臣に少し率直な御意見と、私の
考えが間違っているのであれば御
指導もお願いをしたいというふうに思っています。
最初に、今感じていることを簡単にお話しさせていただきたいと思うんですが、私の政治信条は、無駄にしません、汗と税ということで、まじめに働く人が報われて、正直者がばかを見ない社会を実現したいというのを常に言いながら国会の
質問に立たさせていただいているんですが、私は、残念ながら、バブル崩壊以降のこの十五年間、我が国の雇用
政策においては、実態の後追い、実態が先に進んでしまって慌てて後を追っ掛ける、あるいは対症療法、後からその場しのぎの手を打つといった、その都度そういうことを行ってきたという感覚が否めないんですね。
厚生労働行政のその対応のスピードの遅さというのにも私は大変危惧を感じていまして、特に人に関する問題というのは早く手を打たないと、人の問題というのは取り返しが付かなくなってくる。例えば、こんな例え言っていいかどうか分かりませんが、少子化対策だって、今すぐ女性の方が子供を産んだと、これは幾ら毎日朝から晩までミルクを上げても二十歳になるには二十年掛かるんですね。あるいは、働いている人が氷河期の中で人生のスタートをつまずいてしまう、そのまま十五年たつ、それをどうするんだ、その十五年というのはどう取り返せるんだろうという思いがしています。
もう
一つ例を挙げさせてもらえば、私、今回の規制改革の中で一番大きな問題だと思っているのは、戦後、職安法で禁止してきた
労働者供給、人を物のように供給をしていくというこの派遣法が、現場での派遣
労働者が増えてきたということをもう仕方がないということで後から立法化して認める、そうすると、そこに急激に
労働者がたまっていってしまう。このことは最大の問題だと思っているんですが、今日、円議員の方からもありましたけれども、これに関してはまた次の機会にきっちりその議論をさせてもらえる機会を持ちたいというふうに思っています。
その
意味でいきますと、
パート労働法においても実態の後追い、それと対症療法というのが続いてきている、根本的な対応というのがなかなかなされない。今後のことでいえば、私はきっと外国人
労働者問題も同じような対応になっていってしまうんではないかという強い危惧を感じています。
私は、
労働というのは、
労働者にとっては単に生活の糧を稼ぐということだけではなくて、社会への参加の第一歩であり、人生設計の基本だというふうに
考えています。また、企業にとっても、
労働者、人というのは機械の部品ではなくて、その雇用した人をどれだけ育てていくのか、そして雇用した
労働者の社内での
教育訓練あるいは人事
制度を通じて
労働者の職業能力の向上、そしてまた人格形成にどう取り組むのか、それが企業としての競争力を付けることになるんだと。私は、そのことが日本の企業の成長の源泉だったというふうにとらえています。
しかし、バブル崩壊以降、確かにグローバル化の中で、先回、先々回でしたか、
大臣の方からもありましたけど、国際競争力を持たなければいけないという大きな変化があったということは決して理解しないわけではないんですが、それを理由にして
労働者を機械の歯車のように採用したいときに採用して辞めさせたいときに辞めさせたいという感覚で、私は全国いろいろ歩いてきて、その使い捨てをしている現状というものを見ながら、本当にこのことが日本にとって大変なことになるんではないかという強い危機感を持っています。
私は、長期的なトレンドでいえば、我が国はこれからますます少子化が進み、
労働人口は減ってくる、これは認識は同じだろうというふうに思っています。それ以上に私は問題だなというふうに思って訴えさせてもらっているのは、
労働人口の量の問題ではなくて、
労働者の質の問題なんですね。
ですから、この前も言わせていただきましたけど、ニートと呼ばれる方が四十万から六十四万人になっている、あるいはフリーターと呼ばれる方が二百万人を超えている。この人たちがだんだん三十代に入ってきている。ところが、ほとんど社内における教育も、いわゆる人材育成の機会にもなかなか恵まれていないという中でこの十五年がたってしまう。将来はこの若者たちが日本の国を支えていかなければいけない。この十五年間のツケというのは私は本当に大きいと。これ、今すぐにでも手を打っていかないと、
労働力、量の問題ではなくて質の問題。経済成長戦略大綱でも、日本は人財立国にするんだと、人財というのは、ザイは材料の材ではなくて財産の財だと。これはやはり私は日本の国の最大の使命だろう、またそれをしなければ日本という国はもたないだろうというふうにとらえています。
一方で、恐らく、
パートを含めて全
従業員の
労働条件を全般に改善をしたり、人材育成の努力を怠っている企業は必ず私は滅びると思っています。これは、
一つはもう必ず人材が集まらなくなってくる。これは企業にとっても大変大きな危機だろうと。これはもう現実に少し起こりつつあるんですが、今こそ政治といわゆる企業と
労働組合と
労働者と本当にそのことを真剣に
考える必要があるんではないかなと。
もっと言わせていただければ、この昨今、いわゆる、今、今回、
パート労働法で議論になっていますが、
通常の
労働者と呼ばれている
正社員の
労働の実態は、長時間
労働が長期化して、いわゆる常態化して、さらには
賃金不払のサービス残業がはびこっている。過労死や過労自殺、ましてやうつ病まで起きている。ぼろぼろになるまで働いている。このまま
通常の
労働者になりたいかって聞いたら、職場で
通常の
労働者の大変さを見ている短時間
労働者の人はなりたくないと言うかもしれないですね。この前、介護福祉士の問題で、フィリピンの協定で海外から入る。私に言わせれば、日本の介護
労働条件を見たらフィリピンの人も来たくないと言うんじゃないですかというお話もさせていただきました。これは本当に私は異常な状態だというふうにとらえています。
今求められているのは、経済活動最優先の企業経営の行き過ぎに警鐘を鳴らさなきゃ駄目だと。適正な
労働環境の中で
労働者個人が能力を最大限発揮できるために、国の雇用
労働政策をはっきりもっと根幹から指し示す必要があるというふうに思っています。
そこで、
柳澤大臣にお伺いしたいのですが、簡単に
説明しろと言われても大変難しいというふうには思うんですが、少し時間取っていただいても結構ですから、今後の我が国の雇用
政策の進むべき方向、具体的にはどういった雇用形態で、またどういった働き方を目指すのかということを率直にお話しいただければなというふうに思います。