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2007-05-09 第166回国会 参議院 決算委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十九年五月九日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  四月二十七日     辞任         補欠選任         松下 新平君     松井 孝治君      大門実紀史君     小林美恵子君  五月一日     辞任         補欠選任         尾立 源幸君     藤末 健三君      大久保 勉君     高橋 千秋君  五月八日     辞任         補欠選任         高橋 千秋君     伊藤 基隆君  五月九日     辞任         補欠選任         藤末 健三君     大塚 耕平君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         泉  信也君     理 事                 小池 正勝君                 中島 眞人君                 吉田 博美君                 直嶋 正行君                 柳澤 光美君                 弘友 和夫君     委 員                 岩井 國臣君                 岡田  広君                 岸  信夫君                 小泉 昭男君                 西島 英利君                 山谷えり子君                 朝日 俊弘君                 伊藤 基隆君                 犬塚 直史君                 大塚 耕平君                 神本美恵子君                 津田弥太郎君                 福山 哲郎君                 藤本 祐司君                 松井 孝治君                 加藤 修一君                 山下 栄一君                 小林美恵子君                 又市 征治君    国務大臣        総務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣地方分        権改革))    菅  義偉君        国務大臣        (内閣官房長官) 塩崎 恭久君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣沖縄及        び北方対策、科        学技術政策、イ        ノベーション、        少子化男女共        同参画食品安        全))      高市 早苗君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣経済財        政政策))    大田 弘子君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(防災)        )        溝手 顕正君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣規制改        革))      渡辺 喜美君    副大臣        内閣府副大臣   大村 秀章君        財務副大臣    富田 茂之君        国土交通大臣  渡辺 具能君         ─────        会計検査院長   大塚 宗春君         ─────    政府特別補佐人        人事院総裁    谷  公士君        内閣法制局長官  宮崎 礼壹君        公正取引委員会        委員長      竹島 一彦君    事務局側        常任委員会専門        員        桐山 正敏君    政府参考人        内閣審議官    山中 伸一君        内閣審議官        兼行政改革推進        本部事務局審議        官        原  雅彦君        内閣参事官    安藤 友裕君        人事院事務総局        総括審議官    川村 卓雄君        内閣大臣官房        審議官        兼公共サービス        改革推進室長   中藤  泉君        内閣大臣官房        審議官        兼計量分析室長  齋藤  潤君        内閣府政策統括        官        柴田 雅人君        内閣男女共同        参画局長     板東久美子君        宮内庁次長    風岡 典之君        総務大臣官房総        括審議官     久保 信保君        総務大臣官房技        術総括審議官   松本 正夫君        総務省行政管理        局長       石田 直裕君        総務省行政評価        局長       熊谷  敏君        総務省自治行政        局長       藤井 昭夫君        総務省自治行政        局公務員部長   上田 紘士君        総務省自治財政        局長       岡本  保君        総務省総合通信        基盤局長     森   清君        財務省主計局次        長        鈴木 正規君        国税庁長官官房        審議官      荒井 英夫君        文部科学省初等        中等教育局長   銭谷 眞美君        文化庁文化財部        長        土屋 定之君        厚生労働大臣官        房地方課長    及川  桂君        厚生労働省職業        安定局次長    鳥生  隆君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    中村 吉夫君        林野庁次長    石島 一郎君        国土交通省道路        局長       宮田 年耕君        環境省自然環境        局長       冨岡  悟君    説明員        会計検査院事務        総局次長     石野 秀世君        会計検査院事務        総局第一局長   諸澤 治郎君        会計検査院事務        総局第二局長   千坂 正志君        会計検査院事務        総局第五局長   増田 峯明君     ─────────────   本日の会議に付した案件平成十七年度一般会計歳入歳出決算平成十七  年度特別会計歳入歳出決算平成十七年度国税  収納金整理資金受払計算書平成十七年度政府  関係機関決算書(第百六十五回国会内閣提出)  (継続案件) ○平成十七年度国有財産増減及び現在額総計算書  (第百六十五回国会内閣提出)(継続案件) ○平成十七年度国有財産無償貸付状況計算書(  第百六十五回国会内閣提出)(継続案件)  (皇室費内閣内閣府本府及び総務省の部)     ─────────────
  2. 泉信也

    委員長泉信也君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日までに、大門実紀史君、松下新平君、尾立源幸君及び大久保勉君が委員辞任され、その補欠として小林美恵子君、松井孝治君、伊藤基隆君及び大塚耕平君が選任されました。     ─────────────
  3. 泉信也

    委員長泉信也君) 平成十七年度決算外二件を議題といたします。  本日は、皇室費内閣内閣府本府及び総務省決算について審査を行います。     ─────────────
  4. 泉信也

    委員長泉信也君) この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これら決算概要説明及び決算検査概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 泉信也

    委員長泉信也君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  速記を止めてください。    〔速記中止
  6. 泉信也

    委員長泉信也君) 速記を始めてください。     ─────────────
  7. 泉信也

    委員長泉信也君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 中島眞人

    中島眞人君 自民党の中島でございます。  今日は、皇室総務省という省庁についての決算審議をさしていただくわけでございますが、それに関連をして、その省庁以外の大臣、御多忙の中をも御出席を賜りましたことに厚く御礼を申し上げます。  まず、平成十七年度の会計検査報告特徴について会計検査院にお伺いをいたしたいと思います。  不当事項が著しく増加しているようであるが、全体の件数及び不当事項指摘が多くなった理由等についてお伺いしたい。また併せて、今後の検査取組方針について、会計検査院にまず基本的な問題について御答弁をいただきたいと思います。
  9. 大塚宗春

    会計検査院長大塚宗春君) それでは、まず、平成十七年度の会計検査報告特徴について申し上げたいと思います。  会計検査院平成十七年度の検査報告特徴的な点は四点ほど挙げられるかと思います。  一つ目といたしましては、合規制観点から厳正な検査を行い、厚生労働省都道府県労働局における庁費謝金旅費等に関し百件、指摘金額計六十億余円の不正事項を掲記するなど、不正な会計経理、不正な請求について多数の指摘を行ったということでございます。  二つ目といたしましては、有効性観点から掘り下げた検査を実施し、目的が達成されていないなどの事態を幅広く掲記したというものでございます。これにつきましては、実施された事務事業について、その継続必要性にまで言及した指摘もございました。  三つ目といたしましては、一昨年、会計検査院法を改正していただきましたが、これについてはまず、国が二分の一以上を出資した法人の事務受託者の、その契約に関する会計について検査権限が拡大されたことに関しては、その権限背景当該事務受託者事業所に実地に赴くなどして検査をいたしまして幅広く指摘を行っております。また、国会及び内閣に対して随時に報告できることとされたことに関しては、これまで五件の報告を行い、その概要等につきまして決算検査報告にも掲記しております。  四つ目といたしましては、国会法第百五条の規定による会計検査要請を受けて検査を実施し、会計検査院法第三十条の三の規定により検査の結果を報告したものにつきまして、その概要を計七件掲記したということでございます。  これらはいずれも参議院決算委員会からの御要請によるものでございまして、会計検査院としては、国会から会計検査要請がありました場合には、今後とも法の趣旨を十分踏まえて取り組んでまいりたいと考えております。  また、平成十七年度の決算検査報告におきまして不当事項が著しく増加しているという点についての御質問でございますが、平成十七年度決算検査報告に掲記した事項等の総件数は四百七十三件でありまして、委員指摘のとおり、平成十六年度決算検査報告に比べまして八十七件の増となっております。また、不当事項について見ますと、件数は三百九十件、指摘金額は百四十一億余円と、平成十六年度決算検査報告に比べ、件数で九十四件、指摘金額で四十三億余円の増となっております。  このように全体の件数が増加いたしましたのは不当事項件数が前年度に比べ大幅に増加したためと考えておりますが、不当事項件数指摘金額とも増加いたしましたのは、先ほども申し上げましたとおり、合規性観点から厳正な検査を行い、厚生労働省都道府県労働局における庁費謝金旅費等に関し百件、指摘金額計六十億余円の不当事項を掲記するなど、不正な会計経理、不正な請求について多数の指摘を行ったためと考えております。  会計検査院といたしましては、今後とも厳正に検査を実施してまいりたいと、このように考えております。
  10. 中島眞人

    中島眞人君 前年度よりはいわゆる指摘、いわゆる不正な支出が行われたり、そしてまたそれが全国的な規模にも上がっておるというふうな会計検査院報告でございますから、今日は官房長官が御出席をいただいておりますので、それらの旨ひとつ官房長官から各省に対してもそういうひとつ御注意をしていただきたい。  そこで、官房長官にお聞きしますが、まず、公共調達による問題の発生が昨今目に余る、今年は特に目に余りました。特に随意契約による高コスト等について批判されておりますが、各省が実施した平成十七年度の随意契約件数官房長官御存じでございますか。
  11. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 中島先生お尋ね平成十七年度の随意契約状況でございますけれども、約十万件、三・九兆円というのが十七年度でございます。取りあえずそこでよろしゅうございますか。
  12. 中島眞人

    中島眞人君 その実態を受けて、今年一月の随意契約見直し計画について行ったわけでありますけれども、それはどういう一つ方針を打ち出しているのか、官房長官にお尋ねいたします。
  13. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) ただいま十七年度の各府省によります随意契約、数字を申し上げたところでございますけれども、その中にあって、随意契約契約全体の中で約五五%、そして金額では五三%と、こういうことでございました。  随意契約というのは、国会での御指摘を含めて、国民の納得が得られるように透明化適正化にこれはやはり政府を挙げて取り組まなければならないということで、実は昨年の二月に公共調達適正化に関する各省省庁連絡会議というものを内閣官房に設置をいたしました。  一般競争入札というのが調達の原点だということで見直しを続けてまいりまして、今御指摘の本年一月の取りまとめでございますけれども、これは、これまでの競争を行っていなかった随意契約、これが平成十七年度実績ベースで約三・四兆円のうち金額にして約六割強の二・一兆円をこれ一般競争入札などの方式に改めるとの内容随意契約見直し計画を今年の一月にまとめたというところでございます。  当然のことながら、今後この見直し計画を着実に実施をして推進をして、そして公共調達透明化適正化を努めていくということが極めて重要だというふうに我々も考え、この計画推進に努めてまいりたいと思っているところでございます。
  14. 中島眞人

    中島眞人君 官房長官の話で、今年の一月に公共調達の入札問題について一つの通達を出されたと。平成十九年度にはきっといい、国民が納得できるようなそういう成果が出てくるであろうと期待をしながら、官房長官に更にこの問題について、一過性のものでなくて、常に戒めを持ってひとつ対処していただきたいということを強く要望しておきたいと思います。  さあそこで、今日は関連省庁ではありませんけれども、就任以来、自動車でいうとトップで走り出した渡辺大臣に、公務員改革の問題、制度改革まで入ってきておる問題でございますけれども、公務員制度は憲法に付随する基本的な法制度であると。体系性が求められ、できるところから手を付けるという改革では制度そのものを壊す方向に行く可能性が高いとか、再就職という出口だけを規制する制度をつくれば人材確保はより難しくなるという声も、最初のころは渡辺大臣改革についてエールを送っておったマスコミの論調が最近は少し走り過ぎ。世の中というのは不思議なものでして、やればやったで行き過ぎだと言うんですけれども、そんなことの流れをどのように今お受け止めになっておりますか。
  15. 渡辺喜美

    国務大臣渡辺喜美君) 実は今回の公務員制度改革は、中島先生案内のように、私が着任する以前から相当程度大枠は固まっていたものでございます。小泉内閣のときでございますが、能力実績主義を導入をしようという試みが行われたのは御記憶のとおりでございます。二回ほど公務員制度改革試みがあったわけでございますが、残念ながら閣議決定にも至らなかったということでございます。  小泉内閣の一番最後のころだったと記憶しておりますが、中馬プランというのができ上がりました。これは、官民の垣根をできるだけ低くしようということだったわけでございますが、例のクーリングオフ規定を撤廃するというところだけがクローズアップされて批判を受けたわけでございます。そこで、能力実績主義に加えて天下り規制をきちんとやろうというのが安倍内閣の当初の方針として打ち出されたわけでございます。  昨年の十二月の七日だったと記憶いたしておりますが、財政諮問会議において、言ってみれば安倍改革の一枚目のカードとしてこの公務員制度改革が打ち出されたわけでございまして、そうした中でもう既に路線が敷かれていたと、たまたまその後で私が登場することになったということでございまして、私の役回りは、安倍総理から言われましたミッション、すなわち後世代にツケ回しをしないよう徹底した合理化効率化を図ってほしいということを私としては実践をしてきたつもりでございまして、それ以上でもそれ以下でもないということでございます。
  16. 中島眞人

    中島眞人君 大臣が言うように、国民だれしも天下りという問題については、これは日本の独特な一つの形であり、これがいろいろな形の弊害を起こしているという形で、これに手を突っ込んでいかなければいけないというのは歴代の内閣の大きな課題であったと。そういうことはそれとして私はいいんですけれども、果たしてその天下り方式が今の渡辺プランで実現できるんだろうかという点が第一点。  第二点は、そのうちに公務員制度改革の中へ例えば能力実績主義とか評価方式とかというようなものを入れて、いわゆる職員をそういう形で評価をしていくというような問題も論議が出てきた。  そこで私は、公務員には本来は労働基本権というのがあるんですね。その労働基本権という問題を、公務員というのはいわゆる国民の公僕であるので労働基本権をそのまま発揮することではなくて、いわゆるその代わりに人事院というものを設けて、それで人事院がそれに代わっていわゆる適正な判断をしていくという、そういう流れ公務員に対する流れなんですけれども、どうも内閣でやっている一つ渡辺大臣等の発言をしていく過程の中で、天下りの問題についてはまあ大丈夫なのかなと、いけたらいいがなという願望がありながらも、公務員について、その問題についてどういう対応を人事院担当大臣話合いをしているんですか、人事院総裁からまずお聞きします。
  17. 谷公士

    政府特別補佐人谷公士君) ただいまの公務員制度改革、これは現在、法案を提出されておりますけれども、そのほかに全般的にわたる改革検討も行われようとしているところでございますが、これらにつきましては現段階では政府主導という形で行われておりまして、私どもが直接この法案内容、この改革内容について政府とお話合いを進めていくということにはなっておりません。ただ、必要に応じまして具体的な問題について意見を交換させていただくという形でございます。
  18. 中島眞人

    中島眞人君 総裁政府主導というところに人事院の埋没があるんですよ。やっぱり公務員一人一人の労働基本権というものを代わってあなたのところでそれを要求をしたり調整をしていかなければいけない役割であるのに、政府主導で、はたの方から今見ているんで問題があったら意見を言おうかなと思っているなんていうことでは、公務員は安心して、まあ最近は、まだ言うなれば政治家は何をやっても一番悪いと、その次は公務員だと、その次は教員だとバッシングがあるんですけれども、全部が全部の公務員教員やそういう人たちが悪いんじゃないんです。一部の人がそういうふうなことを起こすことによってそのイメージをダウンしている。  今の人事院というのは、置かれた経過からいって、私はやっぱり、政府のやっていることを今見ているところだと、これじゃ人事院に対する期待は、私はやっぱり、何のために人事院というものがつくられたのかという歴史的な背景もないのではないかと、こう思うんですけれども、渡辺大臣、これからこの労働基本権を持つ公務員に対して、一応、公務員制度改革の中でどういう形でいくのか、人事院とどういう形で交渉していくのか、そういうふうな問題についてのスケジュールがおありになったらお話をいただきたいと思います。
  19. 渡辺喜美

    国務大臣渡辺喜美君) 労働基本権につきましては、御案内のように佐々木毅座長の下で専門調査会というものがつくられ議論をしていただいております。ついせんだってでございますが、四月二十四日、これは第九回目の会合が行われたわけでございます。そこで私の方から申し上げましたのは、協約締結権争議権を一定の範囲で付与する方向で御検討をいただきたいということを申し上げてございます。  その当日、四月二十四日の会議において、佐々木座長の方から中間的な意味合いを込めたペーパーが出されたところでございます。その佐々木先生ペーパーにおいては「公務員制度について、国民の視点にたって改革すべき点が多々ある。労働基本権を含む公務員労使関係の問題についても、改革方向で見直すべきである。」と、こういう中間的な御報告をいただいております。  このペーパーを基に、今月以降も引き続きこの問題については精力的に御議論をいただく予定になっております。そして、今年の秋ごろ、十月ぐらいを目途に最終的な結論を出していただきたいというお話も私の方からは申し上げているところでございます。
  20. 中島眞人

    中島眞人君 懇談会というのは、大臣、これは特異な有識者会議ですか。いわゆる政府責任者でなくて、よく使われる有識者会議に似たようなものですか。
  21. 渡辺喜美

    国務大臣渡辺喜美君) この基本権に関しましては、政労協議というのがその前にございました。たしか去年だったかと思いますが、この政労協議専門調査会という形にバージョンアップされたと聞いております。  この専門調査会は、座長佐々木毅先生座長代理清家篤先生、そのほか学者の先生とか弁護士、労働界委員の方、それから経済界の方、マスコミの方等々で構成をされておりまして、こういう方々を有識者と言うのであればそうであろうかと存じます。
  22. 中島眞人

    中島眞人君 私は、先ほど言っているように、天下りの問題については、国民の疑惑とか不正の温床とかといういろいろな問題がありましたから、どんどんひとつこれは改革をしていっていただきたい。しかし、人材プランというものが果たしてそれで解消できるのかどうかという問題については、私はまだまだ不安感が残ると。しかし、今度はそれが輪を広げて公務員制度改革という問題に入ってきたら、有識者という特異な会をつくらずに、政府対、言うなれば使用者側とそして労働者側公務員ですね、そして人事院、この三者が集まって、そして本来持つべき労働者としてのいわゆる基本権はどうするのかというところの、まずそこからスタートをしていかなければ、ここからやったここからやった、やれるところからやっていこうでは、私は本当の公務員制度改革というのはできないと。権利権利として与えなさいと、そして義務義務として守ってもらうことについては守ってくださいと、そういうことをやっていく一つ人的管理でないと私は成功していかないんではないかと、こんなふうに思いますが、よろしくひとつ、大臣のことですからそういう問題も十分配慮してなさるだろうと思いますけれども、ひとつその点について、また教育再生のときにも触れる、後で質問をしますけれども、触れますので、このぐらいにしておきたいと思います。  ありがとうございました、今日は忙しい中出てきていただきまして。どうぞ御退席してください。ありがとうございました。  大臣が出ちゃったからじゃないけれども、人事院公務員一人一人の労働基本権というものを背中に背負っているんだと、そして今まで来たんだという歴史的な一つ背景というものを背負い込みながら、呼ばれたら行きます、遠くからのぞいていますなんというような、そんな消極的な人事院であっては、いわゆる公務員は安心して生活できませんよ。しっかりしてやってください。自民党の国会議員が労働基本権の問題を人事院の方に檄を飛ばすなんというのは珍しいと思いますけれども、みんな基本的にはそういう考え方を持っているんだということだけは十分理解をしておいていただきたい。  次に、プライマリーバランス黒字化への具体的方策についてお尋ねをしたいと思います。  政府は従前より、二〇一一年度に国と地方を合わせたプライマリーバランスを黒字化するとの目標を打ち出しているところであります。この黒字化に必要な額について、平成十八年七月閣議決定の骨太の方針二〇〇六では約十六・五兆円程度と試算し、歳出歳入の両面から改革に取り組むこととしております。  そこで、国と地方のプライマリーバランスの今後の見通しについて内閣府にお伺いをいたしたいと思います。
  23. 齋藤潤

    政府参考人(齋藤潤君) お答え申し上げます。  本年一月に公表いたしました日本経済の進路と戦略、これの参考試算におきましては、マクロ経済に関する二つのシナリオ、それから歳出改革に関する二つのケースを設定して、合計四つのパターンについて今後五年間における経済成長率やその下での国、地方を合わせた基礎的財政収支等の中期的な姿をお示ししているところでございます。  マクロ経済に関するシナリオといたしましては、一つには、進路と戦略に沿って我が国の潜在成長力を高めるための政策が実行され、その効果が十分に発揮される場合の姿を示した新成長経済移行シナリオ、それからもう一つには、リスクの顕在化により成長率が低くとどまる場合の姿を示しました成長制約シナリオを想定しております。  それから、歳出改革につきましては、基本方針二〇〇六において示されました歳出削減幅を踏まえまして、十四・三兆円の削減に対応するケースA、それから十一・四兆円削減に対応するケースBという二つのケースを想定しております。  試算の結果によりますと、高い経済成長率が実現する移行シナリオと、五年間で十四・三兆円程度のより大きな歳出削減を実行する歳出削減ケースA、この二つの組合せの場合においてのみ国、地方を合わせた基礎的財政収支が二〇一一年度に若干の黒字になるということが示されております。  これに対しまして、削減ケースAであっても経済成長率が低い制約シナリオの場合、あるいはマクロ経済のシナリオにかかわらず歳出削減が十一・四兆円程度にとどまる削減ケースBの場合、これらの場合には、いずれにありましても国、地方を合わせた基礎的財政収支は二〇一一年度において赤字が残る姿となっております。  今御説明しましたケースのうち、黒字が達成されることになります高い経済成長の実現、それと五年間で十四・三兆円の歳出削減を実現するというこの二つの組合せ、すなわち今申しました移行シナリオと歳出削減ケースAの組合せというものは、実現することは決して低いハードルではないというふうに考えております。  今後とも、経済成長を維持しながら歳出歳入一体改革に取り組んでいくことが不可欠であるというふうに考えております。  以上でございます。
  24. 中島眞人

    中島眞人君 プライマリーバランスの黒字化に向かって進んでいる、けれどもハードルは決して低くはないんだと、そういうことの答弁のようでございますけれども、しばしばこれらのデータが内閣府や財務省においては違う数字が出てくることを二、三私も体験をしております。  私は、大蔵政務次官もやらさしていただきましたし、内閣府の副大臣もやらさしていただきました。そういう点で、財務省はどういう、内閣府と全く同じような考え方でいいのかどうか、財務省の方から御意見をお聞かせいただけませんか。
  25. 富田茂之

    ○副大臣(富田茂之君) 内閣府の試算につきましては今内閣府の方から御説明がございましたが、我が国の厳しい財政状況を踏まえますと、子供や孫の世代に負担を先送りしないためにも、まずは二〇一一年度までに国、地方のプライマリーバランスを確実に黒字化することを目標に、歳出歳入一体改革に着実に取り組む必要があるというふうに考えております。  歳出改革につきましては、先生先ほど御指摘いただきましたが、昨年七月に閣議決定された基本方針二〇〇六におきまして、名目経済成長率三%程度の前提の下で、二〇一一年度に国、地方のプライマリーバランスを黒字化するために必要となる対応額を十六兆五千億円と試算した上で、経済社会情勢の変化に適切に対応しながら、社会保障、公共事業を含めたあらゆる分野におきまして、今後五年間にわたる中期的な歳出改革内容が定められております。  このような各分野での取組を通じて、歳出改革計画的に実施してまいりたいというふうに考えております。
  26. 中島眞人

    中島眞人君 今副大臣から財務省の見解をお聞かせいただきましたけれども、それは各省庁にとっては五か年の歳出計画というのは本当にきついものですね。厚生労働省なんかでは、自然増だけで一兆円、それを更に五年間で一兆二千億減らせというんでしょう。そして、そのツケはどこへ行くかというと、介護保険の療養病床あるいはいろいろな方々のところへ波及をしていかざるを得ない。  そういうことから考えて、私は、ここでプライマリーバランスの黒字化が実現できたとしても、これは債務の増大に歯止めを掛けたことということであり、財政健全化の第一歩にすぎないと思っています。国と地方を合わせた長期債務残高は平成十九年度末で約七百七十三兆円に上ると見込まれている、その返済の道筋についてはいまだ明確になっていないとの認識を私は持っているんですけれども、また報道もそういう認識だと思います。  プライマリーバランス黒字化実現後の債務残高の圧縮方策について財務省にお伺いしたいと思います。
  27. 富田茂之

    ○副大臣(富田茂之君) もう先生が御指摘のとおり、二〇一一年度にプライマリーバランスを黒字化したとしても本当に財政再建の第一歩にしかすぎないというふうな認識はもう全く先生と同じでございます。  このプライマリーバランスを黒字化したとしましても、利払い費を含む財政収支は依然として大幅な赤字が続きますし、国、地方の長期債務残高も引き続き極めて高い水準にあると見込まれるなど、財政健全化はまだ道半ばであるというふうに認識しております。  そのため、日本経済の進路と戦略におきましては、二〇一〇年代半ばに向けて、国、地方を通じた収支改善努力を継続し、一定のプライマリーバランスの黒字幅を確保して債務残高対GDP比の発散を止め、安定的に引き下げることを確保することを目指すこととされております。したがいまして、二〇一〇年代半ばに向けた債務残高対GDP比の安定的な引下げ等の目標を念頭に置きまして財政健全化に取り組んでいく必要があると考えておりますが、そのためにも、まずは当面の目標である二〇一一年度におけるプライマリーバランスの黒字化を確実に実現しなければならないと考えております。  こうした観点から、成長なくして財政再建なしの理念の下、経済成長を維持しつつ、歳出歳入一体改革にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
  28. 中島眞人

    中島眞人君 副大臣、今年の三月までの税収はどのくらい。秘密にしているようですけれども、どうです、決算委員会で、初めて、大体このくらい増えたと。減ったとは言いませんから、増えておるでしょうから、どのくらい増えたか、事務当局の責任者ですからお分かりになっているだろうと思いますんで、ちょっと概略をお述べいただきたいと思います。
  29. 富田茂之

    ○副大臣(富田茂之君) せっかくのお尋ねですが、法人税収等がまだ確定しておりませんので、税収がどのぐらいになるかという確定的な数字をこの場で申し上げることはできません。大変申し訳ございませんが、そういう状況でございます。
  30. 中島眞人

    中島眞人君 財務省のいつもの手でございまして。いや、増えているんだよ、かなり。増えているんだよ、税収は。しかし、それがまだ法人税等の確定がというような形で延ばし延ばしいって、そして最後は玉手箱の中からこれだけありましたというような形でいくんだけれども、少なくとも我々国会議員ですから、新聞へ報道される前には、おおよそ昨年度に比べて今年度はどのくらい税収の伸びがありますか。
  31. 富田茂之

    ○副大臣(富田茂之君) 新聞報道される前にもう議員の先生方にはきちんと知らせるように配慮してまいりたいと思いますが、残念ながら、現時点ではやっぱりちょっと確定的なことは申し上げることできません。
  32. 中島眞人

    中島眞人君 まあそれが財務省の体質なんですな。そして、削る方は五か年計画でどんどん削れと、こう。財務省は、非常に好景気の中での税収の問題についても、現時点でも三月までの税収の見込みは言えないと。財務省の体質で、もうこれは歴代役人の皆さん方が守り続けたことですけれども、ぽろっとでも言うのかなと思ったら言わなかったんで、これは決算委員会の総括くらいまで、総括ぐらいにはひとつ出してくださいよ、一応、あらあらの数字でいいですから。大体大まかでいいですから、出してください。答弁ありますか。
  33. 富田茂之

    ○副大臣(富田茂之君) 今、中島先生指摘の総括までにはということですが、六月に総括がされると思いますが、その時点でどこまで確定できているか分かりませんが、もう最大限の努力はさしていただきたいと思います。
  34. 中島眞人

    中島眞人君 御期待を大いにいたしております。  次に、国の財政状況という問題もさることながら、地方財政の問題、これ、私は、東京という一つの都市が一極集中で非常に潤っている。あえて言えば、東京を中心とした太平洋ベルト地帯、その次は内陸、あるいは東北、北陸、山陰、北海道、いわゆる地方財政というのは非常にばらつきがひどくなってきている。  そういう状況の中で、十七年度地方自治体の決算では、都道府県と市町村を合わせて二十六団体が赤字決算を計上しています。財政の硬直度を示す経常収支比率は、都道府県、市町村とも九〇%を超える値となった。借入金残高についても十七年度末約二百一兆円となり、十五年度、十六年度に引き続き高止まりをしている。また、自治体が独立採算で運営している病院、上下水道などの公営企業決算では、累積赤字が十七年度約四・七兆円に上ると伝えられるなど、地方財政の悪化は深刻な状況となっているのではないか。  こういう実態を総務大臣、どのように受け止めていらっしゃるか、御答弁をいただきたいと思います。
  35. 菅義偉

    国務大臣(菅義偉君) 今、中島委員から御指摘のあったとおり、極めて私ども地方財政も厳しい状況にあります。  例えば、十九年度の地方財政は四・四兆円もの巨額の財源不足を抱え、債務残高全体として百九十九兆円に上る見込みであり、御指摘のとおり極めて厳しい状況であると同時に、やはり東京に法人二税が集中する中で、地方との税のバランスが非常に崩れている。こういう状況でありますので、私自身はこの東京の法人二税についての問題というものを諮問会議等で指摘をし、そして最終的には偏在の少ない地方消費税で地方財政の根幹にしたい、そういう思いを持ちながら今様々な発信をしているところであります。
  36. 中島眞人

    中島眞人君 ところで、地方財政においては景気低迷による財源不足により交付税特会から借入金が累積し、平成十八年度末の借入金残高は地方負担分が約三十四兆円となっております。平成十九年度は地方税収の増加と歳出抑制努力の効果が現れたことにより地方の償還計画が策定をされた。再び償還が開始されたところでありますが、今後の財政状況は、大臣、これが格差なのかなと思うように各県のばらつきがございますわね。  そういう問題について、私は、政府が地方活性化のための取組として頑張る地方応援プログラムを推進して、何とかしなきゃならぬと、そしてその頑張る地方にはひとつ交付税算定に反映をさせていこうと。私、これは何か子供に頑張れよ、頑張ればあめ玉やるからなと、そんなふうに取れるんですが、地方からは制度が複雑過ぎるとの声や、頑張り度合いを国が評価するのは地方分権の精神に反するのではないかとの不満の声も見られます。  交付税算定に当たっての具体的な判断指標及び地方側の批判に対し、この頑張る地方に応援をしてあげるという、これはどういう一つの尺度で頑張る地方、頑張っていない地方、お決めになるんですか。
  37. 菅義偉

    国務大臣(菅義偉君) 私、大臣に就任をしまして、地方に活力がない、安倍内閣の基本方針というのは地方の活力なくして国の活力なしでありますから、そういう中で何とかして地方に活力を取り戻したい、活力ある地方をつくりたい、そういう中で地方にはそれぞれ特徴があって魅力があるわけですから、そうしたものをうまく引き合いに出す政策が必要じゃないかなというふうに実は思いました。そういう中でこの頑張る地方応援プログラムというのを作らさしていただきました。  で、二つの段階にありまして、一つは、どんな地方でも取り組むための資金というのは必要でありますから、これについて資金手当てをする、そしてまた、この取り組んだものについて九つの指標を作りまして、それについて一定以上の評価のあるところについては客観的な指標も用いて地方交付税の割増し算定を行うということでありますので、これはすべてガラス張りにして発表しますから、総務省でここが頑張ったからということでなくて、一定水準を超えたところについては自動的に頑張り度合いをその交付税に算入しようということでありますので、国が頑張った頑張らないを決めるものではありません。  それと同時に、例えば、従来ですと、行政改革を地方自治体が取り組む、行政改革に取り組んで経費が浮いた場合、その分だけ交付税が減るという、地方団体からそういうふうに様々批判がありましたので、そうしたことも、その行革指標というんですか、そういう形で見るとか、九項目のそうした客観的な指標を用いてこれは対応していくものでありますから、そういう意味において、国が判断をするとか、そういう複雑性だとか、そういうことには当たらないというふうに思っています。
  38. 中島眞人

    中島眞人君 大臣、頑張る地方ということで、頑張っても頑張っても成果が出なかったと、みんな地方自治体、四十七都道府県、東京都を除けば別ですけれども、みんな自分の県が、自分のところが豊かになるようにということで一生懸命頑張っているわけですよ。そういう、この頑張る地方プランということで、九項目の指標を決めたというけれども、これは人間がやることですからね。言うなれば、とかく昔、古い時代に、国から補助金をたくさんもらってきた政治家がいるとかいないとか、そういうような形でいわゆる取り扱われては困るという、あくまでもやっぱり交付税というのは国民の税金なんですから、本当に必要なところへ必要な分をやっていくという形で、もう少し、頑張れ地方、九の指標をもう一回見直して、そして本当に頑張って成果が出てきたのは、これは当然でしょう。だけど、頑張っても頑張っても駄目な地域というのはあるんですよ、それは。それでも頑張らなければならない。そういうところにもやっぱり元気を出せよと言って応援をしてあげるのが私は政治であり、安倍内閣の私は使命であろうと、こんなふうに思うんですけれども、いかがでしょう。
  39. 菅義偉

    国務大臣(菅義偉君) 全くそのとおりであるというふうに思いまして、私どもも、今回の頑張る地方応援プログラムというのもそういう趣旨に基づいてこの政策を行っているということを是非御理解をいただきたいと思います。  例えば、財政力指数が〇・五の非常に、以下の弱いところについてもその頑張り具合というのは当然あるわけですから、そういう中で、例えば二つの町があって、一つの町は一生懸命行政改革をやっている、そして一方は何もやらない、しかし、今の仕組みというのは、行政改革やったところというのは交付税が減る仕組みになっていますから、そういうことも客観的な仕組みで、例えば〇・五の場所と〇・八を比べるんじゃなくて、そういう以下のところもきちっとした形で、それも客観的指標で評価できるようなそういう仕組み、あるいはそれぞれの都会と地方の人口交流だとか、そういうのに取り組んでいる地方って一杯ありますから、そういう中でも、頑張ってきたところについてはやはりその分のインセンティブを与えるという、そういう仕組みを考えておりますので、そしてそれも客観的な仕組みにしたいと思いますので、それは是非御理解をいただきたいと思います。
  40. 中島眞人

    中島眞人君 まじめな菅大臣に御期待を申し上げて。とかく、言うなれば役所参りが、いわゆる交付税増やしていただきたい、あるいはそういうふうな形で役所参りがいわゆる起こってこないような、そして普通にやっていれば普通に元気が出ていけるような、そういうひとつシステムをつくっていただきたい。そして、それでもなお駄目なら、地域なら今考えている道州制というようなものを総合的に考えていって、地域の私は一概に格差という言葉でひっくくってしまうほど単純ではない問題があると思うんですよ。そういうふうな問題を長期的に取り組んでいただきたいと、こんなふうにお願いをしておきたいと思います。  そこでもう一つ、道路整備に伴う経費の地方負担分軽減措置の問題。  道路公団が民営化後の新会社による道路整備を補完する手法として、国と地方が資金を協力して建設する新直轄方式が導入されています。費用は、原則として国と地方が三対一の割合で負担することになっていると理解しております。  昔のように道路公団が、私は山梨県ですから、あの中央高速という高速道路ができたおかげで、あそこの山梨県の桃が本当に日本一の、ブドウも含めて果樹王国になった。今は亡くなった橋本総理の前で私が桃を出して日本一の桃ですと言ったら、橋本先生が日本一の桃は岡山だと、こう言うから、いや、味もいいし量も山梨の方が上なんですよと。これはやっぱり、いわゆる中央高速という道路がそのような形で地域を活性化さしたんですよ。  そういう中で道路公団の民営化という問題が起きて、四分の三が国、四分の一が地方、そういう方式で、新直轄方式やいろいろな公にされているつかみでない形でいわゆる配分をされていることも承知しています。  ところで、聞くところによると、報道なんかで見ているんですけど、広島県では、広島の方怒らないでください、減らせと言っているわけじゃないですから、広島のように増やしてやったらどうかということを言いたいがために言うことですから。広島県では、この方式により整備された路線で県の負担率が、地方交付税の特例措置によって約四百二十五億円から約十九億円に軽減されたというニュースがあるんです。これじゃ新直轄方式じゃないじゃないか。そして、山梨に中部横断道というのが出たんですけれども、これも新直轄で出た。これ百八十億円の負担だと。  どうしてそういうことができたのかなと不思議でしようがないんですけれども、総務省、この交付税の、総務省が配分したんですね。総務省でお答えをいただきたい。
  41. 岡本保

    政府参考人(岡本保君) お答えいたします。  新直轄方式によります高速道路整備に要する経費は、今委員指摘のように、その四分の一を地方団体が負担をするというふうにされております。また、財政力が低い都道府県につきましては、後進地域特例法に基づき国負担の割合のかさ上げ措置が最大二五%までされるということになっておりますので、地方団体の負担は、仮に財政力の低い団体につきましてはその四分の一の負担割合に負担割合のかさ上げ措置を講じたもの以下ということになるわけでございます。  そして、新直轄方式の導入に伴いまして地方負担が増加をするわけでございますので、その導入に際しまして、マクロベースで重量譲与税の地方への税源移譲などの措置を講じまして、平成十五年度からその税源移譲をスタートして財源の確保を図ったというのがマクロの措置でございます。また、ミクロのそれぞれの地方団体の負担に対しましては、地方債を九〇%充当するというほかに、その元利償還金の一定割合を事業費補正により交付税措置いたしますほか、その残りの費用につきまして一般的な交付税の標準的な措置の中で対応するということで制度をスタートさせました。  しかし、新直轄方式によります高速道路の事業実施箇所といったものは非常に地域が偏在をいたしておりますので、マクロベースでは財源措置がされておりますが、個々の団体を見てみますと、実質的な地方負担に著しい差が生じているということが判明をいたしました。先ほど申し上げましたように、この制度を導入いたします際に譲与税を国から地方へ税源移譲したという趣旨を踏まえますと、個々の実際負担する団体の実質負担をできるだけ小さくする方がよいということ、また、新直轄の整備といったものはほかの一般的な道路に比べますとその整備費が非常に高いということ等を踏まえまして、新直轄高速道路の道路延長に対する割合が全国平均の二倍を超えるような団体に対しましては基準財政需要額の割増し算定を行うということで、その改正を十七年度にオープンにして改正を行ったというものでございます。その結果として、割増し算定を受けております団体は、平成十八年度の算定では山形県と広島県がその割増し算定の対象になっております。
  42. 中島眞人

    中島眞人君 山梨は、もう一回慎重に考えたら何かの方法で減らす方法はありませんか。
  43. 岡本保

    政府参考人(岡本保君) 新直轄方式の算定に、各地方団体の負担といったものにつきましては、先ほど申し上げましたように、その制度の導入に際しまして税源移譲をしてやったということでございますから、その個々の地方団体の負担といったものをできるだけ軽減していきたいということはその必要があるというふうに考えております。  山梨県からもいろいろ御意見はいただいております。今後どのような交付税算定を行っていくかにつきましては、それぞれの新直轄によります各団体の地方負担の状況といったものの事情も伺いながら、私どもとしては検討してまいりたいというふうに考えております。
  44. 中島眞人

    中島眞人君 君ね、一番悪い癖だよ、期待を持たせるような発言をして。じゃ、何とかなるのかい。はっきり言って、直轄方式の図式で見れば、少なくとも七五%に掛けて、山梨の財政の実態からいって一・〇八。そういうものから算定していけば、そのうち五〇%はいわゆる交付税で見てくれる。それ、百八十億ですよ。検討するということは、下がる前提を示唆しているの。そんなことしたらあなた、全国至るところからもう一回検討をしてくださいという形になるけれども、そういうふうに受け止めていいんですか。
  45. 岡本保

    政府参考人(岡本保君) 新直轄方式に伴いますその地方負担の議論でございますとかいうものについて、いろいろな県からもいろいろな御意見をいただいておりますので、その御意見を踏まえながら検討していくという意味でございます。
  46. 中島眞人

    中島眞人君 それは、今後新直轄をやる分について考えるのか、今までの新直轄でした分も含めて一緒に検討する、どっちなの。
  47. 岡本保

    政府参考人(岡本保君) 先ほど申し上げましたように、現在行っております方式は、それぞれの各地方団体の地方負担の九〇%につきまして地方債を導入いたしまして、その地方債の元利償還金の五〇%を事業費補正方式で算入するというやり方、それから残りの経費につきましては、当該事業年度の経費につきまして普通交付税の単位費用の算定の中で補正を行ってやっているものでございます。  したがいまして、仮に制度の改正を行いました場合には、例えば事業費補正方式を改正すれば過去の行ったものも対象になるわけでございますが、基本的に事業費補正方式は五〇%というのが上限だろうと思いますので、当該年度の部分が改正をされていくということになりますので、過去の分にさかのぼるということにはそういう改正を行った場合にはならないというふうに考えております。
  48. 中島眞人

    中島眞人君 余りおいしいものが食べれるような雰囲気の話はこの財政硬直化した時代には駄目ですよと。いや、それは努力してやってみますと、そういうスタッフが答えないと、淡い気持ちを持って最後はぶくだなんていうのは、これは大変国民をいわゆる不信に落とすものですよ。  同時に、こういう意見がある。非常に山梨県に百八十億円、負担が高い。けれども、これは国土交通省になるのかな、中部横断道六郷―富沢インター間は国と県で費用負担する新直轄方式で整備することが決まっている。総事業費約二千億円のうち現在の県負担額は百八十億円とされているが、更に軽減を図ることを続けていきたいと。そして、更にこういうことを言っているんですよ。一方、国交省には、県負担額を減らすため中部横断道新直轄区間の工法を工夫し総事業費を削減するよう求めると。言うなれば設計変更して安く造るようにしろと。  国土交通省さん、そんなことがあり得るんですか。
  49. 渡辺具能

    ○副大臣渡辺具能君) 委員指摘の道路整備等の公共事業のコスト削減につきましては、財政事情が大変厳しいということを踏まえまして、社会資本の整備を進めていく観点からは、国土交通省としてもこのコスト削減ということは重要な課題だというふうに考えております。したがって、道路事業におきましても、計画や設計の段階からいろんな工夫をしたり知恵を出して、あるいは新しい技術を活用するとか、あるいは入札契約制度見直し等を通じてコスト削減に努めているところであります。  先生指摘の中部横断自動車道でございますが、これにつきましては増穂―双葉間におきまして橋梁構造を工夫をいたしましてコスト削減をした例もございます。しかし、こうした取組は、道路の種類や計画交通量等から求められるサービス水準をこれは確保しなきゃいかぬという前提の下で、またその道路が建設される当該地域の地形条件ですとか自然条件を踏まえまして可能な範囲で行われるものでありまして、自治体の負担軽減の観点だけで工法の変更を行うものではありません。  いずれにしても、道路整備に当たりましては、安全で円滑な交通の確保を図ることが大前提でございまして、その大前提の上に立ちましてできるだけのコスト削減に努めていると、こういうことでございます。
  50. 中島眞人

    中島眞人君 よし、そのつもりでやりなさいよ。いわゆる安物買いの銭失いになるような、それで使えないような道路を造っては駄目ですよ。  特に中部横断道の今度新直轄になったところは、皆さん御存じのように日本列島を横断する糸魚川―静岡構造線の断層地帯なんです。かつて山梨県に僕らの先輩の金丸信先生がいらっしゃって、あの地域に一千数百億円の地すべり対策をしてもまだ止まらないというような状況が随所に見られるんです。ましてやそんなところを、コストを削減をして安物で出てしょっちゅうしょっちゅう問題が起こってくる。それなら、やっぱりそういう危険性をなくすために、素人考えでいけば、いわゆる金は掛かるけれども、いわゆるトンネル、ほとんどトンネルでしょう、トンネルにならざるを得ないと、こう思うんですけれども、その辺についてもお聞かせください。
  51. 渡辺具能

    ○副大臣渡辺具能君) 委員指摘の考え方は私どもも全くそのとおりでございまして、あくまでも与えられた技術的条件あるいは自然的条件の範囲の中で壊れないもの、安全なものを造っていきたいというふうに考えております。
  52. 中島眞人

    中島眞人君 それと、最後に、こういう意見もある。中部横断道は静岡から山梨、長野と行く。余りにも山梨県の負担分が多いから、静岡も利用するから静岡からもらったらどうだと、こういう意見があるんですけれども、しかし私は、長野県の佐久では、佐久、長野県が単独でやっているんで、その辺のところもお聞きしておいた方がいいのかなと思うんだけれども、それどうなんですか。
  53. 宮田年耕

    政府参考人(宮田年耕君) お答え申し上げます。  県別に先ほど御質問がありました県の負担率というのは四分の一と決められておりますので、そこの県間の行き来というのは、これはあり得ないことであります。
  54. 中島眞人

    中島眞人君 それ以上やりますと何か時間が終わってしまいそうですから、ともかく百八十億という問題については、なるべく、例えば一山梨県だけが減るんじゃなくて、減らすときには全国あまねく同じように減らしてやってほしいと。それで、道路工法については、工法については、やっぱりあの断層地帯、そして言うなれば東海地震の地域でもありますので、いわゆる工法を安くして上げるというみみっちいようなそんな考え方でなくて、立派なものを造っていただきたいということを心から御期待をしながら、質問を次に移ります。  またかと言われるような郵政民営化の問題です。  私は、百六十三回国会における郵政民営化法の成立に当たってはいろいろな論議がございました。国民の貴重な財産である、生活インフラである郵便局ネットワークが維持され、万が一にも国民の利便に支障が生じないよう万全を期すこととの附帯決議がなされて、参議院ではそれでありながらも否決をされてしまった。そのときに、参議院が出した附帯決議の中に、我が党が公明党、与党とそして各党にも呼び掛けて、一つの修正案に値するようなそういうものの一つの中に、郵便局は、特にサービスは過疎とか離島とかそういうものを含めて現状よりは悪くしないと。そして、民ができるところは民がやり、官がやるところは官がやるという、小泉改革の言うなればとりでだという形で、私どもは本当に悩みましたよ、苦しみましたよ。しかし、結果的には選挙が行われて、郵政民営化が今年の十月から行われるようになるんですね。大臣、今進んでいますね。  日本郵政公社の再編計画によると、郵便集配を行っている約四千七百局のうち千四十八もの局で集配を取りやめることが明らかにされました。いやも応もないんです。特に、山梨県の過疎地であるという、高齢過疎地だという早川町では、それは日本一広い面積を持った町なんですけれども、役場の職員が、これでは郵便の届くことが遅くなってしまうからということで役場の職員が手伝っているという実態もあるんです。こういう現実というものは、何だ、あれはうそだったのかと、そういう感じが民営化前の現在、実は私にもその不信感が芽生えてきそうですよ。大臣、この点についてどう思いますか。  特に、年賀郵便の遅れ、昨今ではあした来るものが一日延びてしまうというような郵便の遅配が目立っている。そういう状況をどういうふうに大臣、受け止めていますか。
  55. 菅義偉

    国務大臣(菅義偉君) 郵政民営化法案審議において附帯決議というものが出されました。全国あまねく一定水準のサービスを維持する、これは国民の財産であることは申し上げるまでもありません。私自身の仕事も、こうした附帯決議というものを常に念頭に置きながら、やはり国民の皆さんに不安のない中で十月一日の郵政民営化を行っていくと、これが私の役割であるというふうに私自身は考えております。  今委員から御指摘がありました集配再編の実施でありますけれども、これによって役場の職員の皆さんが手伝っておるということについて、私、個別に聞いておりませんでしたので、こうしたことのないように、当然これは日本郵政公社として責任を持って行うことでありますので、ここについてはしっかりと対応させていただきたいというふうに思います。  また、この集配再編の実施に当たっても、郵便局自体は引き続き存続させる、そして地域住民への十分な説明を行ってきめ細かいサービス水準の維持を図るという、そういうことで私どもは説明を受けております。しかし、今委員の御指摘のあったように、実際は役場の職員がという話もありましたので、そういうことも含めてしっかりと対応させていただきたいというふうに思います。  また、年賀状のお話がありました。これにつきましても、私ども総務省としてこれは大変な問題であるということで報告書を実は求めました。  いずれにしろ、年賀状というのは、これは日本国民のある意味では文化であり、また私も歴史であるというふうに思っております。元旦に多くの人が年賀状を届くのを待っているわけでありますから、そういうこともしっかりと対応できるようにしたいなというふうに考えておりますし、ただ、年々、年賀状を出される方が遅くなって出してきているということも、これ事実であります。しかし、約束したことはきちっと守れるように、これはしっかり取り組んでいきたいと思います。
  56. 中島眞人

    中島眞人君 是非、国民が注視の中で、民営化のまずとりでは郵政だと、しかし国民の皆さん方には迷惑を掛けませんと、サービスは落としませんといってやさき、集配局が無集配になってしまった、そして遅れているということ、これは一つの政治不信につながる行為だと思うんで、是非、先ほどから申し上げておるように、常にまじめに、真摯に、積極的に取り組んでいる大臣、ひとつこの点についても実情を御理解をしながら対応していただきたいと思います。  さて、環境省、来ていますか。  外来生物の禁止という法律は、具体的に言うとどういう法律ですか。
  57. 冨岡悟

    政府参考人(冨岡悟君) 先生お尋ねの法律は、特定外来生物の飼養、輸入等について必要な規制を行うとともに、野外等に存する特定外来生物の防除を行うこと等により、特定外来生物による生態系、人の生命若しくは身体又は農林水産業に係る被害を防止するための法律でございまして、特定の外来生物につきまして輸入や飼養を規制し、また防除を行うと、このような法律でございます。
  58. 中島眞人

    中島眞人君 どうも地元のことばかり言って申し訳ありませんけれども、まあ地元といえば地元かもしれませんが、富士山の文化遺産が今、文科省で取り扱っているようですね。しかし、富士山の周辺の湖には正に外来生物そのものと言われるブラックバスがいるんですよ。そして、このブラックバスが正に、水の中にどういう生態系があるのか分かりませんけれども、生態系を壊していることも事実ですね。そういうものを抱えながら文化遺産としての資格があるのかどうかということについてちょっと、文科省かな、御意見を聞きたい。
  59. 土屋定之

    政府参考人(土屋定之君) お答え申し上げます。  今先生質問のお答えの背景といたしまして、先生今御指摘のとおり、富士山につきましては、日本の文化の基礎を成す名山ということで世界的に著名であること等から、顕著な普遍的価値を持つ可能性が高いという評価をし、これを受けて、富士山につきましては、我が国として世界遺産の候補を一覧表にしたユネスコ世界遺産暫定一覧表に記載することが適当であると判断し、この暫定一覧表に本年一月に記載したところでございます。  それで、今の御質問関連してでございますが、今後、次の手順でございます登録推薦に向けて、世界遺産として求められる条件を満たすよう、その価値の証明でありますとか、また文化遺産に関する保全措置といったようなことの準備をこれから進めることが必要でございまして、富士山の自然環境、生態系については、文化遺産としての富士山の価値を構成する大切な要素であるというふうに考えており、今後、その保存管理体制を構築する中で、自然環境あるいは生態系の問題につきまして関係機関と連携協力を図りながら取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
  60. 中島眞人

    中島眞人君 官房長官がいる間にお尋ねしたいこともあるんで、その辺は私、友情に厚いものですから、質問をはしょりますけれども。  一つだけ、官房長官あるいは文科省にお聞きしたいんです。中央省庁再編後の内閣の政策意思決定と実施関連各省との連携の在り方。  まず、たくさんございますけれども、教育再生会議。野党の方にはどちらかというと初等教育をやった方が多いんです。私は高等学校の教師をやりました、私と馳さんぐらいなものだろうというふうに思いますけれども。この教育再生会議というのが生まれた、論議も注目をして見ていた、そして今度出てくる法案を見た、何かおかしいと。  一つは、日本の戦後六十年間の歴史を見ると、教育委員の公選制というのがあったんですよ。しかし、教育委員の公選制というのは、教育の政治からの中立というために県単位で行われた教育委員、市町村にもあった。ところが、三十年になるとそれが知事の任命になる。教育長の任命承認ですか、任命承認も四十年代くらいまでは文科省がやったけれども、地方分権に合わないといってこれを廃止した。  ところが昨今、一つ教育再生会議とかそういう、山谷先生がそこにも専門家でいらっしゃいますけれども、言うべきことはやっぱり同じ、中でも言わなきゃいかぬと思うんですが、何か逆行しているんじゃないかと。  そして、私は教育再生会議に、官房長官、大きな期待を持っていたんですよ。はっきり言って、いじめとか家庭教育とかそういうふうなものは、現状の文科省や教育委員会や学校が一丸となって取り組んでいく課題なんです。教育再生会議というのは、私はもっとマクロな教育問題を論議してくれるものだと思った。  例えば、現在の就学年齢が妥当なのかどうか。私どもが小学校へ入学するときには、大体自分の名前とあいうえおが書ければ勉強ができる子であると。今はもう小学校へ入ってくる子供は絵本をみんな読むんですね、体力もある。この就学年齢の検討というのは、いわゆるどこでもやっていないのか。同時に、現在の小学生の体力というものを見れば、中学校の中高一貫化と同じように、小学校の中でも一年生と六年生では随分物の考え方とか体力が違う。  この義務制九年というものを分けた形の一つの編成をしていく中で、そして教育制度というものを考えていかなきゃいかぬと私は思っておったんですけれども、どうも教育再生会議は、秘密会議にしてみたり、そして出てくることは面白おかしく、やっている方は真剣でしょう、のように新聞で書かれたりすることについて、官房長官、どう思います。
  61. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 中島先生の教育に懸ける情熱については、私が参議院にいたときから十分勉強させていただいたところでございますが、今、教育再生会議のことについてお話がございました。  マスコミがどう取り上げるかは、余り何というか本質的なことではないと思います。むしろ、再生会議のメンバーが一生懸命議論してくれている実態をもう少し私どもとしても知っていただかなきゃいけないなという反省をするわけでありますが、先生おっしゃったように大きな議論期待をしていたということでありまして、閣議決定、去年の十月十日に教育再生会議の設置についていたしたときの趣旨というのがございますが、そこには、二十一世紀の日本にふさわしい教育体制を構築し、教育の再生を図っていくため、教育の基本にさかのぼった改革推進する必要がある、このため内閣教育再生会議を設置すると書いてあるわけであって、決してその文科省のカバーをしていることだけについてやろうというわけではなくて、むしろ原点に立ち返って、先生がおっしゃるように大きな議論をしていただこうと、こういうことであったかと思います。  実際、そういう気持ちでメンバー十七名の有識者プラス総理と文科大臣と私といるわけでありますし、また山谷補佐官がこのお世話をしていただいているわけでありますけれども、取りあえず、しかしそうはいいながら、危機的な状況にある日本のこの教育を何とかせないかぬと。これは少なくとも審議会、正式な審議会ではなくて、中教審というのが義務教育に関してちゃんとあるわけでありますから、この場では本当にこだわりのない、そしてもうすべてにわたっての議論をしていこうということでありますけれども、やはり目の前にある問題を片付けるためには法改正もしなきゃいけない。  ちょうど教育基本法ができて、それに従って今教育三法を御議論いただいておりますけれども、そういうようなことについてもやはり当然言っていかなきゃいけないということで、第一次報告が一月に出ました。ここに、社会総掛かりで教育再生をやろうということで、目先に迫っているこの教育関係法案を出さなきゃいけないというときの考え方、これについて公教育で事が足りるようにしようじゃないかと。原点に立ち返った正に議論をしていただいて、そして今第二次の報告書を目指してもう少しスコープを広げて、大学、大学院を含めた、あるいはもう少しゆとり教育の見直しをどう具体化をしていくのかというような突っ込んだ問題も目の前の問題としてやっぱりやらなきゃいけないということであります。  しかし、仮にこの二次の報告が出た後でも、今度は三次の報告というのが年末にまた出る予定になっておりますけれども、だんだんにこのスコープを広げながら、しかし、目の前に迫っている問題で十七名の有識者の皆様方に一緒に考えていただいて、こうすべきだというお考えを出していただくための議論を今していただいているわけでございますので、多少、最初から大きな議論というものを御期待されていただいているのは大変有り難いことでありますが、目先に横たわっている大きな現実的な問題、それに対する対応もこの再生会議からいただきたいということで今御議論を賜っているわけであります。  しかし、先生のおっしゃるように大きな議論をすべきだということは間違いのないことで、家庭そして地域そしてまた学校、学校も今おっしゃったように就学年齢を含めてやはり教育を幅広く考えてこれから議論を更に進めていただきたいなと我々も思っていますし、山谷補佐官がこれは一生懸命回しをやっていただけるんではないかというふうに期待をしているところでございます。
  62. 中島眞人

    中島眞人君 後の方に、まだ予定時間ありますけれども、バトンを渡したいと思います。  一言だけ申し上げておきますけれども、国民に分かりやすいようなひとつ形のものを、中央省庁等の会議とか法案には入れておいていただきたい。一例を言いますと、私も高等学校、中学校の教員免許状持っているんです。免許状を十年で更新すると。党の総務会に出まして、十年で更新するという職種はほかに何があるのと言って聞いたら、水先案内人だけですと、こう言うんです。じゃ、何で十年で区切るのかという理論設定が国民には分からないということです。反対ではありませんよ、分かるようにしなさいと。  同時に、教員のいろいろな行動をチェックする場合も、人事院、各県にある人事委員会、これの責務も重大だということを指摘をしておきながら、それぞれの場に担当をしている人が萎縮をしなくて堂々といわゆる自分の職務を全うできるような教育現場をつくり上げていただきたいということを強く期待をして、私の質問を終わります。
  63. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。  今日は決算委員会省庁別審査ということで、いろいろやりたいことがあったんですけれども、時間の関係がありますので、内閣府の抱える問題について集中的に少し議論をしてみたいと、こういうことで質問を取り上げさしていただきました。  まず、質問に入る前に、今皆さんのお手元にお配りした資料の一枚目をごらんいただければと思います。  内閣府に設置されている重要政策会議、特別の機関及び審議会等と、こういうことで、内閣府にこれだけの会議というか機関というか審議会というのが設置されていると。しかもこれ、括弧のところに書いてありますけど、何とか何とか推進本部とかいうのは除いているんですね。だから、これにさらに何とか推進本部とか何とか対策会議とかいうのが入ってくるんですね。  こういうふうにいろいろ総合的に物事をとらえて対策を講じていこうというのは筋としては分かるんですけど、果たしてこれがちゃんと機能しているのかな。どうも見ていると、十分機能し切れていないんじゃないか。今日は幾つか、これ全部やるわけにいきませんので、幾つか私の得意な分野に関連するところの問題を引っ張り上げて、果たしてこれでいいのかという問題提起をしたいと思います。  そこで、質問に入りたいと思いますが、まず最初の質問は、この決算委員会において平成十六年度決算に関する措置要求決議というのが取りまとめられました。その中で、内閣府が担当している幾つかの課題のうち、例えば少子化社会対策とかあるいは男女共同参画推進という課題について内閣府が取りまとめを行っているわけだけれども、具体的に予算をどう使ってきたのかというそれぞれの関連する施策の決算についてまできちっと把握していないんではないかと。ここは、様々な対策の企画立案から総合調整からやっていこうとすれば、予算だけじゃなくてちゃんと決算も把握して、きちんと評価をして、その結果を国会報告するなり検討すべきではないかという措置要求が出された。  それに対して政府の方は、今年の一月に回答をお示しになった。前文は省略しますが、今申し上げたような少子化社会対策なりあるいは男女共同参画推進について内閣府は、当該予算の重要性にかんがみて、その使用実績についても取りまとめることとし、その評価国会への報告の在り方について検討していると、こういう回答を、これたしか今年の一月にお示しになった。ですから、問題意識は受け止めましたと、具体的にどう評価してどう報告したらいいのかを検討したいと、こういうのが一月の時点でのお答えだったと思います。  今もう既に五月に入りました。どのように検討されて、どのようにされようとしているのか、まずこの問題から入りたいと思います。
  64. 高市早苗

    国務大臣(高市早苗君) 少子化社会対策関係の予算と、それから男女共同参画推進関係の予算につきましては、参議院決算委員会平成十六年度の決算審査措置要求決議を踏まえまして、その使用実績について取りまとめるということにいたしております。そして、もう実際にその作業に掛かっております。  まず、平成十七年度の少子化社会関係予算の使用実績、現在精査中なんですが、現段階では、決算額を把握できるベースで、予算額が一兆七千二百六十億円に対して決算額は一兆六千七百五十六億円でございます。また、平成十七年度の男女共同参画社会関係予算につきましては、これは各府省の協力を得ながら集計中でございますが、現時点の概数は、予算額が約三兆七千百億円に対して決算額は約三兆五千九百億円となっております。  いずれにいたしましても、更に精査しました上で、取りまとめ次第公表したいと考えております。基本的には何とか今月中にこの作業が仕上がるようにと今努力をいたしております。  それから、使用実績の評価ということでございますけれども、これも少子化対策予算につきましては、今年の二月に発足いたしました「子どもと家族を応援する日本」重点戦略会議の下に点検・評価分科会を設けました。この中で、子ども・子育て応援プランの平成十七年度の進捗状況などを中心といたしまして、この少子化対策関係施策の点検と評価を行っております。ここで問題の所在を突き止め、今後の方向について検討を進めております。  男女共同参画関係予算につきましても、平成十七年度の使用実績を踏まえて各府省で予算要求を行うものなんですけれども、男女共同参画会議でこの男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況の監視を行っております。  そして、国会等への報告でございますけれども、これは今月中にきっちりとまとまりました段階で私どもの方から財務省に報告をいたしまして、また財務省の方からこちらの決算委員会の方に報告がなされると思います。それからまた、ホームページへの掲載ですとか、それから会見も行おうと考えております。  そして、少子化の方も男女の方も白書に掲載をいたすわけでございますが、今までは予算額の関係の掲載でございましたが、次回発行の白書からは決算も載せて出すという方向で今検討をしています。少子化白書は去年も十二月に発行されましたので、今年の十二月にはそういった形の白書になると思います。男女の方は大体六月の発行ですので、ちょっと先になります。平成二十年の六月からの掲載になるかと思います。
  65. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 今御説明があったように、それなりに努力をされているということで、アウトプットがまだこの手元にないのが残念なんですが、きちっと報告をいただいたところで改めて検討させていただきたいと、こう思うんですが。  ただ、特に少子化対策の方については、具体的に予算だけではなくて、そしてそれに伴う決算だけではなくて、その施策がどう実績を上げたかという意味で評価も加えていくというスタンスは非常に大事だと思います。是非その作業をきちっとやっていただいて、施策の中で特に強化をしなければいけない部分とか、いや、ここはちょっともう少し抑えてもいいということを含めて評価をしていただきながら、次の予算編成への足掛かり、手掛かりをお示しいただけるようなものを作っていただきたい。これは是非お願いしたいと思います。また出てきたところで検討をさせていただきたいと思うんですが。  今お尋ねした少子化社会対策の問題なり男女共同参画推進の問題については、それなりに検討作業に取り組んでいただいているということなんですが、さて、じゃ、ほかの分野はどうなんだろうかというのが私の今日の問題意識。つまり、内閣府が所管、所掌している施策はほかにもたくさんある、先ほどお示ししたような表を見ていただくと随分たくさん。  そこで、その中でまず最初に取り上げたい問題は、内閣府に設置されている十八の審議会等、審議会等と一番右の四角の中にありますが、その中に中央障害者施策推進協議会というのがあります。この中央障害者施策推進協議会という協議会が設置された経緯と構成メンバーと今日までの会議の開催状況について御説明ください。
  66. 柴田雅人

    政府参考人(柴田雅人君) 今お話のございました中央障害者施策推進協議会でございますが、昭和四十五年に制定されました心身障害者対策基本法に基づきまして、障害者に関する基本的かつ総合的な施策の樹立について必要な事項などを調査審議するということで、最初は名前は中央心身障害者対策協議会ということだったんですけれども、昭和四十五年の九月に昔の総理府に設置をされました。その後、平成十一年でございますが、中央省庁改革に伴う審議会の整理合理化という中で廃止されましたけれども、また再び、平成十六年の障害者基本法の改正において、障害者基本計画の策定に関して内閣総理大臣意見を述べることを任務として内閣府に設置するということとされまして、十七年の四月から設置をされたものでございます。  構成につきましては、障害者基本法第二十五条に定めるところによりまして、障害者、障害者の福祉に関する事業に従事する人及び学識経験のある人、三十人以内で組織されると、このように規定をされております。そして、もう少しその中身を見てみますと、その同法の二十五条二項では、様々な障害者の意見を聴き障害者の実情を踏まえた協議を行うことができることとなるよう配慮されなければならないという規定がございまして、このような規定を踏まえて、今の委員の半数は障害のある方本人又はその家族の代表が任命されているということでございます。  開催状況につきましては、平成、先ほど申し上げましたが、十七年四月に設置されたものでありますけれども、平成十七年の五月と平成十八年の七月に開催していると。この協議会自体はその二回開催をされているということでございます。
  67. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 今御説明いただいたように、歴史をさかのぼると古いんですが、新たに協議会という形で再スタートしてから三年なんですね。ところが、一年に一回開いて、しかも何をやってきたかというと、ちょっと主要な議題を引っ張り出してみたら、第一回目は中央障害者施策推進協議会の運営規則案についてと、第二回目は去年の七月に行われて、障害者基本計画に基づく施策の進捗状況についてと、こんな形なんですね。これでいいのかねと。口の悪い人は、これ、要するに一年に一遍意見を聴いて、ちゃんと聴きながらやっていますよという単なるアリバイづくりじゃないかと、こういう指摘をする方もあるわけですね。  私は、せっかく障害者基本法の改正の中で改めて、いったんは中央省庁再編成でなくなっちゃったところをもう一遍やっぱり必要だということで協議会を設置し直したわけですよ。だとすれば、もっと積極的に開いて、関係者の、とりわけ当事者やその家族の皆さんの意見をきちっと受け止めるという努力をもっとすべきなんじゃないかという気がしてならないんですね。年に一回の開催でこれでいいのと聞きたいわけです。  特に、更に付け加えて言えば、去年、おととしと障害者自立支援法が制定されて制度ががらっと変わっているわけですよ。それについての必ずしもその担当省庁からの説明が十分であったかどうか。御理解が必ずしも得られていないという状況がある中で、制度が大きく変わるときであればあるほど、この中央障害者施策推進協議会はもっと頻繁に開いてしかるべきではないかと思うんですが、事務方の方に聞きますと、いや、この協議会は基本計画に関することだけの協議会だからそういうわけにはいかないという説明をしきりにするんです。そんな姿勢で本当にいいのか。どう思っていますか。
  68. 高市早苗

    国務大臣(高市早苗君) 特に今年は、うんと私もお知恵を賜りたいと思っております。  現在、障害者基本法の九条に定められている内容では、この中央障害者施策推進協議会の本来の役割というのが障害者基本計画の策定又は変更に当たっての意見具申ということになっていることから、計画の実施段階にある現在におきましては、その施策の進捗状況等を報告したり将来の計画策定について御議論をいただくということで年一、二回という形になっているようでございます。  しかし、平成十九年度は、障害者基本計画の実施計画でございます重点施策実施五か年計画、これが最終年度を迎えますので、その見直しが課題となってまいります。これは非常に大きなテーマでございますので、できるだけ早い時期からこの協議会委員の皆様から意見を伺う機会を設けたいと考えまして、それで現在、たくさんの人数ですから、意見を言っていただきやすいように人数を分けての懇談会という形で四月から五月にかけて合計三回開催するということにいたしました。前回、四月二十三日に開かれております。そして五月九日、五月十四日と開催の予定になっております。
  69. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 少しほっとしました。年一回の型どおりの開催で、これでよしと言われたらどうしようかと思ったんですけど、それではなくて、もう少しきめ細かく、懇談会という形式も加味しながらということだと思いますが、加味しながら意思疎通、意見交換を図っていくということについては是非積極的に進めていただきたいと思います。  また、もう少し具体的な話は後でお尋ねしますが、さてそこで、一方、内閣府には障害者施策推進本部というのがあるんですね。この表には載ってないんです。この表には、重要施策に関する会議とか特別の機関とか審議会等ということで、基本的には、御説明によると、法律にきちっとそれなりの根拠が示されているものについてはこの中に入っている。だけど、障害者施策推進本部というのはこの中には入っていないけれども内閣に設置されているということなんですが。  私よく分からないんですが、例えば、昨年、自殺総合対策の基本法ができて、その総合対策会議というのが設置された、あるいは、後で申し上げますけれども、高齢社会対策会議というのも設置されている。これは内閣府の組織としての特別の機関だと。一方、障害者対策推進本部というのは何なんですか、どう違うんですか。ちょっと御説明してください。
  70. 柴田雅人

    政府参考人(柴田雅人君) 障害者施策推進本部の設置経緯等々も少し含めながら説明を申し上げたいと思いますが、まず障害者対策推進本部、これは今の本部の前身でありますけれども、昭和五十六年に国際障害者年がありまして、それを契機としまして五十七年の三月に障害者対策に関する長期計画が決められたということを踏まえまして、その総合的かつ効果的な推進を図るために閣議決定によって五十七年の三月に障害者対策推進本部が設置されました。それから、今の障害者施策推進本部でありますけれども、これは今申し上げました対策推進本部を引き継ぐものでありますけれども、平成十二年の十二月二十六日の閣議決定によりまして十三年一月六日から設置されたものであります。  ここでも申し上げますように、この表に載ってないのは、閣議決定内閣に置かれているということでございますので、整理上、この表は内閣府に設置されている重要政策会議、特別の機関等々ということですのでこれには載っておりませんが、位置付けは、閣議決定により内閣に置かれたものでございます。  それから、メンバーでございますけれども、内閣総理大臣を本部長としまして、内閣官房長官とそれから障害者施策を担当する内閣府特命担当大臣、今でいえば高市大臣でございますが、を副本部長とし、他のすべての国務大臣を本部員とすると、こういうふうになっております。  それから、本部会議は、更にその下には次官から成る幹事会とか、各省庁課長から成る障害者施策推進課長会議というのがありまして、機動的にいろいろ議論ができるような形を取っているということでございます。  開催状況でございますが、平成十三年三月に第一回会合が開かれて以来、五回本部会合が開催されておりますが、近日中に第六回の会合を開催する予定だということでございます。  組織の位置付けは、先ほど申し上げましたように、先生の御指摘にもありましたように、法律により内閣本府に設置された特別の機関ではありませんが、閣議決定により内閣に設置された本部だということで、その根拠が違いますけれども、やっている機能につきましては、総合的な企画調整と施策の実施を推進するという観点からは、これは基本的には一緒だということでございます。
  71. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 同じものであるならば、同じように会議の名前も位置付けもした方がいいと思いますね。これはちょっと宿題として指摘しておきますが。  ただ、ちょっと今の説明で分かりにくかったんですけれども、内閣に設置された何とか何とか推進本部と内閣府に設置された何とか対策会議と、これ、どう違うんですか。
  72. 柴田雅人

    政府参考人(柴田雅人君) 内閣に設置されるということは、内閣というその行政の最高意思決定機関である合議体、そこに直接ぶら下がるということです。それから、内閣府に設置されるということは、内閣の下に、内閣府が一段高い形で、各省横並びからすると一番高い形でありますが、それから各省が並んでいると。その内閣の下の、何といいますか、内閣府に今先生がお配りになったこの重要政策会議とか特別の機関というのが置かれているということでございます。
  73. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 ちょっとまだよく分からないんで、もう少し勉強してみますけれども。  ただ、多分、いろいろ聞いてみると、過去の経緯とか法律の作り方によって、こっちに行ったりこっちに来たりしているような感じなんですよ。だから、それは過去の経緯を無視していいというわけじゃないけれども、これから内閣府のあるいは内閣の機能を強化しようとすればするほど、その位置付けを明確にしておかないとぐじゃぐじゃになると思うんですね。だから、一度これは大臣、お答えは結構ですけれども、そういう問題があるということはちょっと認識をしていただいて、機会があれば、あえて申し上げればその存廃も含めて、きちっと検討し直す必要があるんじゃないかと私は思っていますので、あえてそういう指摘をしておきたいと思います。  さてそこで、先ほどの問題に戻って中央障害者施策推進協議会、これは障害者基本法に基づく障害者基本計画の策定にかかわって意見を聴くという形で位置付けられていると。  さて、障害者基本計画、二〇〇二年に策定をされて、これはたしか十か年計画だったと思いますね。それを前期と後期とに分けて障害者プランと名付けて、正確には重点施策実施五か年計画というのがあって、それの前期と後期とに分けていると。前期が二〇〇三年から二〇〇七年までなので、ちょうど、先ほど御説明があったように今年で切れる、だから次の後期の五か年計画、障害者プランを作らなければいけないという時期になっていると、こういう今時期だと思います。  そこで、後期五か年計画、これは障害者プランと引き続き名前を使われるんだと思いますが、私もこの障害者プランを作るときにはかかわった一員ですので大変ある種の愛着を持ってこの障害者プランという言葉を使っているんですが、今年度中にこの後期の障害者プランを策定されることと思うんですが、どういう手順で策定されていくおつもりなのか、ちょっとその手順、プロセスの概略についても改めて御説明をいただきたいと思います。
  74. 高市早苗

    国務大臣(高市早苗君) やはり、この残りの計画期間におきましても引き続きしっかりと施策を実施していくという意味からも、平成十九年度中に必ず新しい重点施策実施計画策定しなければなりません。  今後の策定手順なんですけれども、先ほど柴田統括官から答弁がありましたとおり、近々、障害者施策推進本部が開催されますので、ここで策定方針を定めた上で取組を進めてまいります。
  75. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 念のため確認をしておきますが、先ほどちょっと触れられたので簡単で結構ですが、当然この計画、後期の計画を策定していくに当たっては、先ほど来問題としている中央障害者施策推進協議会の皆さんにも議論をいただき、検討をいただき、意見をできるだけ反映させた形で計画を作るというふうに考えてよろしいですね。
  76. 高市早苗

    国務大臣(高市早苗君) もちろん、そのために今お知恵をいただいているところでございます。
  77. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 是非、十分意見を受け止めていただきたいと思います。  あえて付言すれば、さっきもちょっと指摘しましたけど、やはり、去年から今年にかけて具体的に障害者自立支援法が動き始めていまして、その自立支援法に変わったことによる不安感というか心配というか、随分強いものがあって、一つは当事者団体、もう一つは各サービスを実施する事業者側の人たちがこれからどうなるんだろうかという非常に先行き不安といいますか、先がよく見えないということをしきりにおっしゃっていますので、ここはひとつできるだけ丁寧に、その懇談会も含めて意見集約をしていただければ有り難いと思いますので、是非よろしくお願いします。  さてそこで、皆さんのお手元にお配りした資料の二枚目、三枚目をごらんいただきたいんですけれども、新しい五か年計画を作る作業の一環として、これまでの五か年計画の進捗状況について取りまとめられました。ペーパーそのものはもう少し分厚いペーパーなんですけれども、その一番最後のところに進捗状況についての一覧表が載っていまして、特にこの障害者プランでは具体的に数値目標を決めております。もちろん数値目標を決められないところもあるんですけど、できるだけ項目的に数値目標を示すことが可能な施策については数字で示していこうと、こういうことでやってきたわけですね。  その数値目標が設定された主な事項の進捗状況ということについて、お手元に資料が二枚あると思います。細かい点は省略をいただいて結構ですが、まずこの進捗状況に関する中身について概要を御説明ください。
  78. 柴田雅人

    政府参考人(柴田雅人君) お答え申し上げます。  内閣府では、障害者基本計画におきまして、重点施策実施計画を策定したときはその進捗状況継続的に調査して公表するということが定められておりますので、これを踏まえまして、毎年度、前年度までの実績を取りまとめ公表するとともに、ホームページ等に掲載をしております。今先生がお配りになった資料もそれの一部でございます。  重点施策実施計画の進捗状況でございますが、項目ごとに違いはあるものの目標を上回る水準で達成されているということで、全般的にはおおむね順調に推移していると考えております。  目標達成の度合いが高い項目のうち、十七年度における伸びが大きかったものとしましては、生活支援にかかわるものとして、ホームヘルパー、それから障害児通園、児童デイサービス事業ですね、それからグループホームなどがありますし、生活環境整備にかかわるものとして、鉄軌道車両やあるいは航空機のバリアフリー化、福祉タクシーの導入などが挙げられるということでございます。  非常に大ざっぱな説明でございますけれども、以上でございます。
  79. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 結構です。詳しくはまたこれをごらんいただければと思うんですが。  そこで、いよいよ決算委員会としての本題の質問に入るんですが、せっかくこういうふうに数値目標が設定された事項について、実績ベースも含めて数値目標、どこまで進んだのかということを示していただいているわけですから、ということは、具体的に予算がどうでどれぐらいあって、その中でさらに補正予算があれば補正予算がどれくらいあって、障害者関係の予算は毎年毎年年度末になると足りなくなって補正予算を組んでいますから結構大きな額になると思うんですが、その補正予算があって、そしてそれを使った結果としてこれだけの数値目標を達成できて決算としてはこうだという、予算、決算も当然これに付いていていいんじゃないかと私は思うんですが、どうですか。
  80. 柴田雅人

    政府参考人(柴田雅人君) 今までの進捗状況は、先ほど申し上げましたように、サービスの利用の人員数とか施設整備の箇所数、こういうものを具体的な目標値との関係で進捗状況の把握を行っているということでございまして、先生今御指摘ありました決算額について今把握しているかというと、正直申し上げまして今の段階では把握をしておりません。  それで、まず予算の方は、毎年度概算要求時と当初予算が決められたときに予算について取りまとめて公表する、あるいは情報提供を行うということでありますが、決算額につきましては今申し上げましたように必ずしも把握していなかったということではあります。ただ、男女共同参画とか少子化でもそのような決算額をきちっと押さえろという御指摘もありますし、関係省庁の協力を得て、十七年度決算額からその把握にしっかりと努めたいというふうに思っております。
  81. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 本来でしたら、これ十七年度決算の審査ですから、そこに出てきて、それを併せて見せていただくと大変有り難いわけですが、まあ正直にお答えになって、今までは決算きちっと取ってなかったと。しかし、今日の冒頭にもお尋ねしたように、少子化社会対策等についてやっぱり決算もきちっと取っていこうと、さらにはその実績を評価していこうと、それをまた次の政策展開にどう生かそうと、こういうある意味では当たり前の話がようやく動き始めたところなので、是非この障害者のプラン、計画の実施状況についてもそういう手法を今後から取り入れていただきたいし、さっきもちょっと言いましたけど、結構補正予算もばかにならぬ額になっていますから、予算から補正予算、それから決算という数字とこの進捗状況とを並べて見ると非常にその進行状況がよく分かるんじゃないかというふうに思います。  なかなか大変な作業だということは推測しつつ、しかし、是非やっていただきたいということをお願いしたいと思いますが、これは大臣から答えを聞いておいた方がいいかな、大臣、これやっていただけますか。
  82. 高市早苗

    国務大臣(高市早苗君) 今回の御指摘を踏まえて、しっかりと検討させていただきます。
  83. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 それじゃその次に、この障害者基本計画と密接に絡む話だと思うんですが、どうもその関係がよく分からないのでお尋ねしたいことがあります。  先ほど来再々指摘しております障害者自立支援法が去年四月、十月と施行段階に入りました。障害者自立支援法には、障害福祉計画を策定しろと、こういうことになっています。  この障害福祉計画についてちょっと御説明をいただきたいんですが、これまで聞いていた話によると、障害者自立支援法に基づいて基本指針が示されて、その基本指針を踏まえて、何か障害福祉計画というのは三年を一サイクルにして計画を、数値目標の設定を行われる、そのための基礎資料というか、基礎データを市町村なり都道府県に策定してほしいということで求めていると、こういう御説明を伺っているんですが、この障害福祉計画概要について、及びそれの策定に向けての準備状況について、これは厚生労働省の方にお尋ねしたいと思います。  あわせて、その障害者福祉計画と今まであった障害者基本法に基づく障害者計画との関係はどうなるのかということについて、内閣府の方から説明をいただきます。
  84. 中村吉夫

    政府参考人(中村吉夫君) お答えいたします。  障害福祉計画は、障害福祉サービスにつきまして提供体制の整備を促進するため、障害者自立支援法におきまして各自治体に策定が義務付けられたものでございます。  市町村及び都道府県におきましては、将来に向けて計画的にサービス提供体制を確保するため、国の基本指針に即し、障害者の地域生活への移行や一般就労への移行などに関する目標を設定しつつ、必要なサービス量を見込むこととされております。  第一期障害福祉計画につきましては、平成十八年度中に作成することとされておりまして、都道府県の障害福祉計画については厚生労働大臣に提出されることとなっております。現在のところ、半数弱の都道府県より提出をいただいているところでございます。  今後とも、策定が進みますように促しますとともに、策定されている状況について把握をしてまいりたいというふうに考えております。
  85. 柴田雅人

    政府参考人(柴田雅人君) 障害者計画についてお答えを申し上げたいと思います。  まず、障害者計画は、その基となるものは、平成十六年の障害者基本法の改正によりまして、要するに障害者基本法の体系の中での計画だということでございます。この平成十六年の改正におきまして、都道府県、政令都市に対しては平成十六年の六月から、それから政令指定都市を除く市町村に対しては平成十九年の四月から、この障害者のための施策に関する基本的な計画として障害者計画を策定することが義務付けられたところであります。  この計画の中身は、ですから障害者の支援全般にわたる内容でございます。これを踏まえまして、全国の都道府県、市町村では障害者計画が策定されまして、一部の都道府県、市町村では、併せて、国でいいますと国の重点施策実施五か年計画に相当するような実施計画を策定されているところもございます。  障害者福祉計画につきましては、今ほど障害者自立支援法の体系の中での計画だということで厚生労働省から説明がございました。じゃ、この障害福祉計画とそれから障害者計画はどういう関係にあるんだということでございますけれども、この障害者計画、都道府県や市町村における障害者計画は、障害福祉計画との間では、先ほど申し上げましたように障害者計画というのは障害者を支援するためのいろんな分野が含まれているわけですけれども、その分野のうちの生活支援の関係について、その中心となる福祉サービスに関する実施計画的な意味を有すると、障害福祉計画はそういう意味を有するというふうに考えております。  それから、障害者自立支援法におきましては、障害福祉計画は、国が定める障害者基本計画を基本にして、都道府県、市町村が定める障害者計画と調和が保たれたものでなければならないというふうに規定をされているということでございます。  要するに、両計画は調和が保たれたものでなければならないということで、法律上求めているということでございます。
  86. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 ちょっと説明聞いていても分かりにくいので、もう少し説明しやすい図表でも作ってちょっと説明していただけませんか。  ちょっとその前に、厚生労働省にちょっと確認します。障害福祉計画の中に盛り込まれる様々なサービスは、高齢者に対する介護サービスを含んでいますか、含んでいませんか。  つまり、高齢者介護の問題は、介護事業計画ということでまた立てろと、こうなっているでしょう。障害福祉計画の中身はどうなっています、高齢者の問題は。
  87. 中村吉夫

    政府参考人(中村吉夫君) 障害福祉計画につきましては、障害者を対象にしたサービスということで策定をお願いしております。
  88. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 障害者の約六割は高齢者のはずなんです。だから、高齢者サービスについての計画も盛り込んでいるんですかということを確認したかったんですけれども。
  89. 中村吉夫

    政府参考人(中村吉夫君) 介護についての計画については盛り込まれておりません。介護保険と自立支援法の適用関係につきましては、介護保険が優先適用になるということで整理をされております。
  90. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 分かりました。  そうすると、こういうことなんですよ。大きくは障害者基本法に基づく基本計画があるんですね。その中のより具体的な障害者福祉に関する部分については障害福祉計画というのを作っていこうと。ただし、高齢者の部分については介護保険の方が優先されるから介護事業計画の方で書くと。こういう、いかにもきちんとしていそうで、実はばらばらで非常に分かりにくいという、そういう中身になっているのが現実だと思うんですね。自治体はかなり困っているというか、苦労しているんですよ。  だから、一度、これは多分突き詰めていくと、介護保険の対象年齢をどうするかという議論に行き着かざるを得なくなっちゃうから、今日はこれ以上やりませんけど。しかし、これだけばらばらと幾つかの計画があることについての分かりにくさというのは指摘せざるを得ないし、もう少し整理しておく必要があるのではないかということだけは指摘しておきます。  そのことを指摘した上で、今度は高齢社会対策の話に移ります。もう一遍、最初の資料に戻ってください。内閣府に設置されているという特別の機関の中に、真ん中、四番目辺りに高齢社会対策会議というのがあります。  そこで、この内閣府に設置されている高齢社会対策会議の設置の経緯、構成メンバー、そして開催状況について説明をください。
  91. 柴田雅人

    政府参考人(柴田雅人君) お答え申し上げます。  高齢社会対策会議は高齢社会対策基本法、これは平成七年の法律でございますが、この法律に基づきまして高齢社会対策を総合的に推進するために平成七年の十二月に設置されたものであります。そこでは、高齢社会対策大綱の案や国会への年次報告の案の作成などを所掌することとされております。その会議では、内閣総理大臣が会長を務めまして、全閣僚を委員として構成されています。  それから、この会議でございますが、最近では平成十三年十二月に大綱の見直し案を作成しましたけれども、それ以降は平成十四年から十八年までの間は、毎年各一回、国会への年次報告を作成するため持ち回りということで開催をしているということでございます。
  92. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 内閣府に設置されている特別の機関、高齢社会対策会議平成十三年に大綱を作るためにきちんと開かれたけれども、それから以降五年間は持ち回りで白書を作るためにやっていると。  これ、大臣、どう思います。初めて知ったんじゃないですか。
  93. 高市早苗

    国務大臣(高市早苗君) これは、今回、先ほど柴田統括官が答弁しましたとおり、この対策会議なんですけれども、基本法の十五条に基づきましての設置でございます。その仕事の内容ということで、高齢社会対策大綱の案の作成ですとか、国会への年次報告、いわゆる白書の作成などのため、必要に応じて適時適切に開催ということになっております。  このところ毎年一回、それも持ち回りでという開催であった理由なんですが、特に、白書、年次報告の作成というのは事前に各省庁間で十分に協議、調整を行っていると。ですから、その年次報告の案を議題としてきたということによります。  今後、この会議が大活躍をする、フル稼働するような場面として想定されるのは、やはり高齢社会対策の基本方針審議するような場合、例えば高齢社会対策大綱そのものを時代に応じて見直していくような点はないのかと、こういった議論が出てくるということを想定しますと、必要に応じて適宜適切にこの会議を開催してまいりたいと、そのように考えております。
  94. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 今おっしゃった高齢社会対策大綱というのは平成十三年に作られて、平成十三年ですよ。今年平成十九年、もう既に五年以上経過している。別に五年ごとに見直すというふうに決めてはいないけれども、ただ、私が理解するところでは、二〇〇五年というのは日本は明らかに人口減少社会に入った。そういう意味では非常に大きなエポックというか、なんですよ。  だから、平成十三年のときに作った大綱があるじゃないかと、これ結構中身いいんですけど、だから、そのことはそのことで後で触れますけど、しかし非常に日本の経済社会の状況が大きくターニングポイントを経過しようとしているときに、この五年間ずっと持ち回りだったというのはどうしても解せない。あえて言ってしまえば、そんなんだったらやめてしまえと。  しかし、大臣おっしゃったように、いや、そうはいっても、大きな基本方針議論するときにはこういう会議も必要なんだと、改めて大綱を見直すということもあり得るんじゃないかと、こういうお話でしたが、するつもりありますか、大綱の改定を。
  95. 高市早苗

    国務大臣(高市早苗君) これは朝日委員の熱心な、そしてまた適切な御指摘を伺いまして、私もこれまで心の中で温め、また秘書官などにも検討につきまして相談をしてきたことなんですが、確かに大綱につきましては、その時代の変化、特に情勢の変化によって私は見直されるべきものだと考えております。  一つは、先ほど朝日委員おっしゃいましたように、二〇〇五年にかなり見込みより早く人口減少局面に入ったという環境の変化もございますし、それから私自身は、今、介護疲れによる無理心中というもう本当に悲しい、本当に悲しい事件が起きるたびに、もっともっと適切に行政のサービスと高齢者をつなぐ方法がないのかとか、今の広報体制、広報啓発体制が十分なのか。今の大綱でも配慮はされているけれども、地域の参加、支え合いということが十分なのか、いろいろな問題意識を持ってまいりました。骨太に、政策につなげていくためにはやはりそういった見直しということは十分に視野に入れております。  現在なんですけれども、今後のこの中期的な課題ですとか、大綱の見直しの是非も含めた対策の方向性を検討するための会議を開いているところでございます。特に、今後の高齢社会対策の在り方に関する検討会という会がございまして、六月に白書が出ましたら、七月からちょっとこの会議での検討を本格化させたいなと、今このように考えております。  ちなみに、こういった形で思いを披露するのは初めてなんですけれども、朝日委員がお持ちのような問題意識に近いものを私も持っております。
  96. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 同じ問題意識を持っているというふうな点では非常に有り難いお答えなんですが、半分、ちょっと本当かいなと思ったりしてお聞きしているんですが。  さっきちょっと言いましたけど、平成十三年にできた大綱では、細かい点はちょっと省略しますけど、例えば、大綱の基本姿勢の第一番は、旧来の画一的な高齢者像を見直しをすると。その更に具体的な課題のところに行くと、年齢だけで高齢者を別扱いする制度や慣行を見直すと。いいこと書いているんですよ。  ところが、そういうことを大綱で示しておきながら、実は実際の施策では、介護保険制度は六十五歳から。新しくできた高齢者医療制度は、前期高齢者は六十五歳から、後期高齢者は七十五歳から。さらに、ついこの間、皆さん御存じだろうか、道路交通法の改正があって、まだ衆議院で成立してないんですけど、参議院で、七十歳からもみじマークを努力義務で付けなきゃいけない、七十五歳になったら義務で付けなきゃいけない、付けなかったら罰則で二万円と。こういう、要するに年齢で輪切りにしている制度がどんどんどんどん進んでいるんです。平成十三年に高齢社会対策大綱では、年齢だけで高齢者を別扱いする制度、慣行等は見直さなきゃいかぬと言いながらそういう法律ができている。  私は、やるんなら、もう一遍ちょっと改めて位置付け直してきちっとやらないと駄目だと。要するに、白書を作るための高齢社会対策会議だけでは駄目だと。やるんならもう一遍基本方針から、大綱から見直しをきちっとやって、もっとより具体的な、総合的な高齢社会対策会議を組織し直すというぐらいのつもりでやらないと駄目だと。そのために必要ならば法改正もしなきゃいかぬ。  実は、あの法律は参議院の調査会が立法した法律なんですよ。だから、法律上若干の弱点があったかもしれない。とすれば、そこを補強して、これは我々の課題だと思うんだけど、やらなきゃいけないんじゃないかというふうに私は思っている。だから、共同作業ができると思う。要するに、国会政府とがこの高齢社会対策会議についてもう一度位置付け直しをしようじゃないかということになれば、それはそれで必要な法改正も含めてやるべきだというふうに私は思う。  そこで、最後に、もう時間がなくなっちゃったから大臣に聞きます。  もしこのまま、年に一度の持ち回り会議で、しかも大綱は五年前のままで、予算についてもきちっと、決算などをきちっと取りまとめて報告をしているわけでもなし、総合的な施策をきちっとまとめてさっきの障害者プランのように報告をしているわけでもない。このままでしたら、内閣に設置されている高齢社会対策会議の存在意義そのものが問われると思うけれども、どうですか。
  97. 高市早苗

    国務大臣(高市早苗君) 私は、高齢社会対策会議、総理が会長で全閣僚が委員であるというものの存在というのは、いざ新たな取組をしようとか、それから、もう全部のやはり省庁で協力をして本気で取り組まなきゃいけないといった事態が起きた場合に、これは、それぞれがやっぱり閣僚が委員として責任を取っていくという意味では大事な枠組みだと思います。  しかし、今日、朝日委員から御指摘を受けた点について、例えば決算ベースで把握してなかったということももっともだと思いますんで、これは確実に変えます。しっかり決算ベースで報告ができるようにしますし、それから大綱の点も、私自身も問題意識を持って、去年就任して早い時期に、幹部や秘書官とこの点をどう扱うかということで話合いをいたしました。ちょうど先ほど申し上げましたような検討会、今年の七月からまたお知恵をいただくところでございますので、今年やれるとか来年やれるとか必ずというお約束ができる段階じゃありませんけれども、確かに、この時代の変遷の中で見直すべきテーマが、さらに、もしかしたら踏み込むべきテーマがたくさんあるんだろうと思いますので、これはできるだけ努力をしてまいります。  そして、そういった大綱の検討ということになったときに、非常に強力にこれを推し進めていくという形でこの高齢社会対策会議というものが機能するんだろうと思っておりますので、しばらく内閣府の中で十分に議論をさせてください。知恵も集めさせていただきたいと思います。
  98. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 終わります。
  99. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 民主党・新緑風会の藤本祐司でございます。  今、朝日委員からは内閣府中心に質問をしていただきましたので、私の方は総務省を中心に質問をさせていただきながら、その周辺情報とか周辺のことにつきましては財務省、内閣官房、そして会計検査院の方々に質問をしたいと思います。  今日、一応用意をしているのが、四つぐらいのテーマがございまして、一つは電子申請、オンライン利用、これがなかなか進んでいないということがございまして、これが一点目でございまして、二つ目が独立行政法人、全般の話と、あとは総務省の所管の独立行政法人についてのことと、あとそれに付随しまして三つ目が、それに関連して財団法人であるとかいわゆる国家公務員の再就職、天下りという部分について、そして最後は指定管理者制度、指定管理者制度の実態、この四つについてお聞きしたいと思いますが、時間の都合で後ろの方は少しはしょることになるかもしれませんが、その点は御容赦いただきたいと思います。  まず、オンライン利用促進についてなんですが、これは平成十八年の十月、昨年の十月に会計検査院法に基づく報告書として、この決算でいろいろ指摘をしてきた経緯もありまして、「各府省等におけるコンピュータシステムに関する会計検査の結果について」というのが出されたわけなんですが、ちょっとこれは確認事項として会計検査院にお聞きしたいんですが、これは平成十六年度のお話になろうかと思いますが、手続の申請についてちょっとお聞きしたいと思います。  確認として、まず汎用システムと専用システムがあると思いますが、申請可能な手続数、全手続数は全部で幾つあるんでしょうか。
  100. 増田峯明

    説明員(増田峯明君) お答えを申し上げます。  お尋ねのありました電子申請等関係システムの利用状況につきましては、ただいま御指摘がありましたように、参議院から御要請を受けて検査した結果を昨年十月に取りまとめました各府省等におけるコンピューターシステムについての報告書の中に記述しているところでございます。  私どもが検査をいたしました結果、電子申請等関係システムにおきまして電子申請が可能となっている手続数は、十六年度末におきまして、汎用システム一万二千七百九十九手続、それから専用システムにつきましては一千四百二十六手続となっております。  以上でございます。
  101. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 この平成十六年度の会計検査院報告によりますと数は若干それよりも少ないわけなんですけれども、平成十六年度で利用率がわずか〇・九四%と。そして、開発・運用経費が百五十二億というこれは結果として出ているわけなんですが、百五十二億円、百五十億も掛けてわずか一%だということで、これは大変だということで恐らくその後いろいろ施策を講じてきているんだろうと思いますが、前の決算委員会で高市大臣も、うちの藤末委員質問の中で、平成十七年度に関して言うと、平成十七年度末でその利用率は〇・九四から一一・三%まで上がったということで、努力の跡が見られるというお話もあったわけなんですけれども。  その十七年度もそうなんですけれども、この十六年度の段階で〇・九四%。このうち、全申請可能手続のうち全く一件も利用されなかった件数と、五十件未満の件数と、それらが全手続に対しての割合、何%ぐらいなのかというのをちょっと会計検査院に確認をお願いしたいと思います。
  102. 増田峯明

    説明員(増田峯明君) 今お尋ねのありました点につきましては、十六年度における書面による申請も含めました全申請件数について見てみましたところ、汎用システムにおきましては、電子申請が可能な一万二千七百九十九手続のうち申請の全くないものは六千七百十六手続でございまして、一件以上五十件以下のものにつきましては二千八百八十二手続となっております。両者を合わせました五十件以下の手続数は七四・九%を占めております。  それから、専用システムでございますが、電子申請が可能な一千四百二十六手続のうち、申請が全くないもの、これは三百三十八手続、一件以上五十件以下のもの、これが四百二十七手続となっておりまして、両者を合わせた五十件以下の手続数は五三・六%を占めている状況となっております。
  103. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 これトータルで大体七割から七割五分ぐらいが五十件以下ということだという話なんでしょうが、こういう状況でIT新改革戦略というのが平成十八年の一月十九日にIT戦略本部で決定をして、世界一便利で効率的な電子行政の目標ということで、利便性、サービス向上が実感できる電子行政を実現して、国、地公体に対する申請、届出の手続におけるオンライン利用率を二〇一〇年、平成二十二年度までで、五〇%以上とするということを定めたわけなんですが、それを受けて、各オンラインの利用対象手続について、現状どうなっているのか、あるいは今後の目標としてどうなるのかということについて、オンライン利用促進のための行動計画というのを策定をして、まあこれは一部抜き出してきたものなんですが、こういったものを作って、その事務局として総務省内閣官房があるということでございますが。  これを、そのオンライン利用促進のための行動計画に基づいてちょっと質問をさせていただきたいと思うんですが、これ総務省のホームページから取ったものなんですが、これ内閣官房総務省と両方のホームページにこの行動計画載っているのかなというふうに認識をしているんですが、それでよろしいんでしょうか。そしてまた、それぞれ総務省内閣官房の最新データというのは、これは全く一致しているものかどうか、まず確認をさせていただきたいと思います。  内閣官房総務省、それぞれお願いしたいと思います。
  104. 安藤友裕

    政府参考人(安藤友裕君) お答え申し上げます。  今委員指摘のオンライン行動利用促進計画につきましては、内閣官房のホームページに全体の取りまとめたものを掲示させていただいております。
  105. 石田直裕

    政府参考人(石田直裕君) お答えいたします。  私どもといたしましても、内閣官房と協力をしてオンライン行動促進計画を策定いたしたものでございます。
  106. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 その行動計画を見てちょっと質問をしたいんですが、これ財務省の関係、これ全省庁の多分調査をされていると思いますので、それ全省庁やるのはなかなか大変なものですので、ちょっと財務省のことだけ質問をしたいんですけれども。  この行動計画、お配りしました配付資料の、これ表裏ありますが、横で見ていただく方の財務省オンライン利用率と目標利用率と書いてあるタイトルのものを見ていただきたいんですが、全体の中から幾つか国税の関係のところだけを抜き出したものがこれだけございます。これをぱあっと見ていますと、実はこれ、それぞれの手続ごとに全部実績値と目標というのが書いてあって、方策というのが書いてあって、非常に分かりにくいのでそれを抜き出したものなんですが、これ見ていただくと、目標利用率を見ていただきますと、この一から三十、全部これそれぞれ違う手続なんですが、利用率が平成十六年度、十七年度載っていまして、ゼロというのとか、一番上の納税証明書の交付請求というのは利用率が〇・〇三%、平成十七年度が〇・〇一%。目標利用率が、平成十八年で二%、十九年で三%、平成二十年で八%と。これ一番右側は枠を取って網掛けをしておりますけれども、この三十の手続全部が、全部これ目標が二%、三%、八%になっているんですね。こればっと見ると、何で全部一緒なのかなと。全部手続が違うのにどうして一緒なのかなという素朴な疑問があったんですけれども、その辺りについて明確な理由というか、なぜこうなっているのかというところの理由をお示しいただきたいと思うんですが。
  107. 荒井英夫

    政府参考人(荒井英夫君) お答えいたします。  国税関係手続のオンライン化に当たりましては、運用開始時期や利用手順、それから認証基盤の普及拡大を前提としていることなど共通しているため、オンライン利用行動計画の各手続につきましては一律の目標を定めているところでございます。
  108. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 一律の目標を定めているから全部二、三、八でいいと。そういうことであるならば、よく分からないのは、この二〇一〇年までに、平成二十二年度までに全部五〇%というのであれば、全部同じようにばっとすべてが同じようになってもおかしくないのかなというふうに思うんですけれどもね。  これ手続全部違って、しかも年間の平均申請件数が、もう多いところで二百二十九万というところから少ないところで二千というところまで含めて、現状もゼロから〇・〇八%という、〇・〇八というと数字上非常にちっちゃい数字ですけれども、それが全部同じにしているというのは、何か普通に考えるととっても違和感があるなと思うんですけれども、ちょっとそこのところ、ちょっと目標を示して設定しているからこれでいいんだというのであればこんな調査は要らなくて、全部二、三、八で、全部すべてこれでおしまいというんで済んじゃうんじゃないかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうかね。
  109. 荒井英夫

    政府参考人(荒井英夫君) オンライン利用行動計画につきましては、御承知のように十八年の三月の段階で決めたものでございまして、その段階で、この数字を見ていただくように、国税関係手続のオンラインの利用率というのは非常に低いような状況でございました。  そういう中でオンライン行動計画を作ったわけでございますけれども、先ほども御説明しましたように、国税手続のオンライン化につきましては開始した時期というものがみんな同じでございます。十六年の六月から全国拡大するという手順でやっておりますし、それぞれの手続につきましての利用の方法もまた同じでございます。それから、先ほど御説明しましたように、認証基盤が必要になってきまして、その認証基盤の普及度合いによって手続の普及が大きく影響されるということも同じでございまして、状況としては各手続同じような状況の中で、また行動計画を作った段階では利用率が非常に低いところで行動計画を作ったということでございますんで、各手続一律な目標を定めたということでございます。
  110. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 何か分かったような分かんないようなお話なんですけど、多分これ、二が正しくて二・五が正しくないとか、そういう話には多分なりにくいということで一律にだっとやってしまったのか、あるいは平成二十二年度を五〇%ともう固定にして、そこから曲線で流したらこのぐらいになったとか、何かもっともらしい数字を作ったという、何かそんな感じにしか見えないんですね、これ。  そもそも、今これだけ、〇・数%とか、このいわゆる国税関係に関して言うと非常に低い。この低い理由、その原因を取り除かないと、多分五年後の五〇%というのは達成できないんだろうというふうに思うんですが、その低い理由、原因となっているもの、その障害を取り除く、その障害を乗り越える、そのものというのは何なんでしょう。つまり低い理由は何かということなんですがね、簡単に言ってしまえば。
  111. 富田茂之

    ○副大臣(富田茂之君) 低い低いと御指摘ですが、十八年度は頑張りまして、後に述べるように目標を達成しております。  今のオンライン利用促進のための行動計画に基づきまして、税理士の先生が関与した場合の納税者本人の電子署名の省略とか、還付申告書の処理期間を六週間程度から三週間程度への短縮をしたり、また確定申告期の二十四時間受付などの施策により、国税電子申告の普及拡大にこれまで取り組んできたところであります。  この結果、オンライン利用促進対象手続の利用件数は、二〇〇五年度、平成十七年度ですが、十二万七千件に対しまして、二〇〇六年度、平成十八年度は百五万七千件と、前年比で約八倍の増加となりました。行動計画初年度の利用率二%の目標を達成したところであります。  国税庁また財務省挙げてこの促進に取り組んでおりまして、議会の先生方にも是非e―Taxを利用していただきたいというお願いもしてまいりましたし、私自身も三月十日に電子申告をいたしました。e―Taxの利用拡大を図ることは、利用者利便の向上、行政の簡素化、効率化観点から重要と考えており、今後とも関係機関や税理士会などの関係団体との協力を図りつつ、e―Taxのより一層の普及に努めてまいりたいというふうに考えております。  また、十九年度以降、所得税額の特別控除制度を創設いたしますし、医療費の領収書とか給与所得の源泉徴収票等の第三者作成書類、これまでこの添付が必要だったんですが、平成二十年一月からはこれを要らないというふうにしますので、今後、e―Taxの利用がますます普及されていくというふうに考えております。
  112. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 この数字のことをずっと詰めていても多分余り意味がないと思いますが、お配りしました配付資料でもう一個だけ、ちょっとだけ何か変だなと思うのは、この十九番、二十番、二十一番、二十二番、これ大体不動産の関係での取引で、年間申請件数が二百二十九万一千件なんですが、二十四番、二十五番も二百二十九万一千件で、利用件数もそれぞれ四千二百十件で、これ全く違うものなんだけど、これは偶然の一致で数字が一致しちゃってるんですかね。この数字が全然別物でこういうのができているというのが何か不思議でならないんですけど。
  113. 荒井英夫

    政府参考人(荒井英夫君) この手続につきましては、書類の様式が同じものになっておりまして、事実上これを個々に区別することができないということになっていますので、トータルの利用件数を割り込んで入れているという形になっているのでこういう数字になっているということでございます。
  114. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 何と言ったらいいのかな、ちょっとそういう、実際のことを考えると、この手続でこの件数というのは多分合わないのかなというふうには思うんですが。  そもそも私が申し上げたいのは、これは財務省さんがいけないとかいいとかという話というよりは、これ見るだけでも物すごい大変だったんですよ。これ作っている側は相当、コピー・アンド・ペーストしているかもしれませんが、方策が大体同じなのでコピー・アンド・ペーストしているかもしれないんですが、これは作る側としても相当大変だったんじゃないかなと思いまして、ある意味、行革というのは、こういう作業の非効率なところをもっとうまく効率よくしていく。  例えばこの国税のことで言えば、今おっしゃったように、二%、三%、八%、平成二十一年度が二二%、平成二十二年度は五〇%、ぐっと上がるわけなんですが、これ全部同じですよというふうに言っているんであれば、これ何十ページもになっているわけなんで、これを一個ずつ作っているということ自体が何か機会損失が起きているような気がしてならなくて、これはむしろ、財務省さん、こんなことをやっていていいのかなというのも逆にあるのと同時に、こういうフォーマットで内閣官房あるいは総務省がこれは共管で一緒にやっていると思うんですけれども、何かもっと手間を掛けないで分かりやすいものを作るというのが普通の民間の企業だったら発想するんですが、その辺りの工夫というのをやっぱりしていくことによって、相当なコストというのは、いわゆる人件費コストも含めてなんですが下がってくるんじゃないかなというふうに思うんですが、これは事務局であるとすれば内閣官房さんが事務局なんですが、その辺りについて、ちょっとこれは工夫をすべきだというふうに指摘をしたいと思いますが、いかがでしょうかね。
  115. 安藤友裕

    政府参考人(安藤友裕君) お答え申し上げます。  委員指摘の点でございますけれども、このオンライン行動利用促進計画につきましては、利用者の立場に立って、利用者の件数が多い百七十五手続、当初ですね、を選定いたしまして、それぞれの手続の特性に応じた利用促進策を基本的には検討していただくという基本的な考え方に立ちまして、当初こういう形で、各手続ごとにそれぞれの手続の特性に応じた的確な利用促進策というものを各担当府省において御検討いただくという観点から、こういう形で様式を定めて手続ごとの利用促進策をまとめていただいたということでございますが、結果といたしまして、その手続の特性が似通ったものについて申し上げますと、その促進策も基本的には同じような手続になるというものも出てきておりまして、そういうものが財務省さんのオンラインの対象手続の中で、こういった先ほど委員指摘のような形で一部表れているという点はあろうかと思います。  いずれにしましても、別段こういった形で個々に作ること自体が目的ではなくて、実際に利用者の立場に立った的確な利用促進策というものが講じられていくということが基本的な私どもとしての念願ではあるわけでございまして、そこら辺が事務効率との関係でどういう形がいいかというのは、今後、毎年これは改定してまいりますので、その改定のプロセスの中でしんしゃくさせていただければ幸いだと思います。
  116. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 やっぱりちょっと仕事の効率性ということを考えて、ちょっと無駄なことが余りにも多過ぎるような気がしてならないので、ちょっとそこのところは、今後、多分毎年やってフォローしていかれると思いますので、そこのところで考えていただきたいなと、御検討いただきたいと思います。  そして、このオンラインのシステムに関しては、平成十六年度の措置要求決議と講じた措置ということで、地方自治体、独立行政法人におけるITシステムの見直しというのがございまして、共同アウトソーシングを進めましょう、進めなさいよということを地公体に対して総務省さんが多分これ出されているんだろうと思いますが、地方自治体におけるITシステムの見直しということで、類似の業務システムについての共同調達、これを推進するということになっておりますが、この共同調達推進具合についてちょっとお聞きをしたいと思います。  二〇〇五年十一月二十二日にこの共同アウトソーシング推進協議会第二回企画運営部資料というのが、これは総務省の方から出されておるわけなんですが、そこの中で都市間の比較をしています。人口が例えば三万五千人から五万五千人ぐらいの規模、そして産業構造が非常に類似しているというところの中で、財務管理システムの初期構築費用と運用・保守費用という比較が出ているんですが、それによりますと相当なばらつきが見られておりまして、財務管理システムの中で、例えば千葉県の館山市というところがございまして、千葉県の館山市と北海道の石狩市というところを比較すると初期構築費用と運用・保守費用が相当違うんですが、それぞれ館山と石狩の初期構築費用、運用・保守費用が幾らずつになっているか、まずお答えいただきたいと思います。これは総務省ですね。
  117. 久保信保

    政府参考人(久保信保君) 申し訳ございません。今御質問があった資料、ただいま用意しておりませんので、また後ほどでも御報告させていただきたいと思います。
  118. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 昨日、通告の中でこの資料をわざわざ私は示しまして、相当なばらつきがありますよと、これについて質問したいということは申し上げていたというふうに思いますが、それでも今は手元にはないんでしょうか。
  119. 久保信保

    政府参考人(久保信保君) 個別の、今御指摘があったところについて資料を今持ち合わせておりません。ただ、もちろん規模によって、一般論として言いますと、小規模の自治体ではコストが高くなっていくということは私ども行った調査で明らかに出ております。
  120. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 私、そんなこと一言も言っていなくて、同じ人口規模で比較をしてくださいという話をしておりますので。  いや、これ、ちゃんとこの資料があればそこの中にちゃんと載っているので、持ち合わせていないというのはよく分からないんですが。  ちょっと御紹介しますと、千葉県館山市の、まあこれレンジがありますのでぴったりの金額は出してないんですが、初期構築費用が一千万円以下のところでグラフの中であります。運用・保守費用は百万円以下です。館山市は初期投資が一千万円以下で、保守点検費用が百万円以下です。石狩市、初期費用が一億二千八十万円、これ館山が一千万以下ですから、ちょっと幾らか、八百万か九百万か分かりませんが、石狩市は一億二千万、保守点検費用が七百万を超えていると。例えば、また逆に、青森県三沢市は初期費用はゼロなんですね。これは点検、メンテナンス費用に組み込んでいますのでゼロなんですが、運用・保守費用は二千二百七十四万円と、もうこれ断トツ。これだけばらつきがあるんですよ。  ということは、要するに、共同調達というのが余り進んでいなくてまだまだばらついていると見るしかないのかなというふうに思っておりますが、その共同調達推進具合、いわゆる共同調達というのは共同開発であるとか共同アウトソーシングということになろうかと思いますが、その辺りについて総務省は自治体に対してどういう評価をされて、あるいはどういう指導をされているのか教えていただきたいと思います。
  121. 久保信保

    政府参考人(久保信保君) 御指摘のように、自治体間ではばらつきがございます。そして、先ほど私が申し上げましたけれども、一般的には規模が小さいところでコストが割高になるといった傾向も顕著に現れております。  したがいまして、私ども総務省におきましては、複数の団体が共同してシステムの構築や運用を実施する共同アウトソーシングの推進などによりまして御指摘のように情報システムの構築、運用の効率化を図っていこうと、こういうふうに考えておりまして、具体的には、共同アウトソーシングのためのモデルシステム、これを開発、実証いたしまして地方公共団体に無償で提供をいたしております。また、専門家を派遣するといったような形で人材面での支援も行うということにしております。さらには、共同アウトソーシング導入の手引というものを作ってそれを配付をするといった取組を行っております。  その結果、例えばでございますけれども、電子申請システム、これにつきましては、平成十八年度末で三十都道府県におきまして当該都道府県と管内市町村による共同アウトソーシングが行われているということに現在なっております。そして、共同アウトソーシングの導入によりまして、例えば人口十二万人規模の自治体におきましてはほぼすべてのシステムにおいて六〇%以上のコスト削減の効果が見込まれてございます。  こういった形で、共同アウトソーシングの効果というのはかなり大きいものがございますので、私どもは今後とも情報システムの構築、運用、特に共同アウトソーシングの推進といったことに向けて地方公共団体に対し必要な助言、支援を続けてまいりたいと考えております。
  122. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 このオンラインシステムに関しては、国あるいは地方公共団体両方とも、やはりせっかくお金を掛けたらちゃんと使えるような仕組みをつくらないといけないし、まだまだPRも少ないのかなというふうに思っておりますので。  ちょっとそこで最後に高市大臣と菅総務大臣にそれぞれ、これを、電子申請システムを今後もっと活用していく、そのための意気込みといいますか、その辺りをお答えいただければと思います。
  123. 高市早苗

    国務大臣(高市早苗君) 確かに利用率まだまだ低い。このままで終わってしまっては税金の無駄遣いになるかと思います。  このオンライン利用促進のための行動計画、先ほど委員が御指摘あったものでございますが、これは昨年三月に策定した上で、今年の三月にも追加措置を盛り込んで計画の改定をいたしました。それから、電子政府評価委員会でかなり各省庁の取組について厳しい評価もいただいておりますので、改善策も提案していただいておりますので、この評価を踏まえまして、利便性の向上、それから今お話しになりましたような効果的な周知広報に努めてまいりたいと思います。
  124. 菅義偉

    国務大臣(菅義偉君) 私ども、正にこのⅠCT立国を目指す中で、実際、政府、地方団体の中で非常にまだまだ利用率が低いということを私ども非常に深く反省をいたしておりまして、高市大臣と連携をしながら、今なぜ使われていないのか、様々な障壁がありますので、そうしたものをできるだけ早く取り除いて、またインセンティブも与えるなどして、こうした方向をしっかり定着させるようにしていきたいと思います。
  125. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 オンラインのことにつきましてはこれでおしまいにいたしますので、高市大臣、どうもありがとうございました。もう退出なさって結構でございます。  それでは、独立行政法人のことについてお聞きしたいんですが、まず全般的な話として総務省に簡潔にお答えいただきたいと思いますが、独立行政法人の予算とか決算とか、それを見ますと、必ず出てくるのが運営費交付金、それと、あと目的積立金というのが出てくるわけなんですが、この独立行政法人の運営費交付金、そして目的積立金というのは、具体的にはどういう定義があってどういう中身なのかを、まず簡潔にお答えいただきたいと思います。    〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
  126. 石田直裕

    政府参考人(石田直裕君) お答えをいたします。  まず、運営費交付金でございますけれども、通則法四十六条で、独立行政法人に対しましては、政府として、その業務運営の財源に充てるために必要な金額を運営費交付金として交付するとされておりまして、この運営費交付金につきましては、使途の内容を特定せずに渡し切りの交付金として措置するということとなっております。  また、もう一点の目的積立金でございますが、独立行政法人においては、利益が生じた場合には、まず繰越損失を補てんし、なお残余があるときには積立金とすることが原則ではございますけれども、ただし、経営努力による利益として主務大臣が承認した額につきましては、中期計画にあらかじめ定めた使途の範囲内で翌年度以降の使用が可能であるとされておりまして、これを目的積立金と称しております。
  127. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 今度は財務省にお聞きしたいんですが、この「国の財務書類」という、この間の大久保委員質問したときに全員に配付してもらったこの国の財務資料によりますと、平成十六年度なんですが、独立行政法人への運営費交付金が一兆五千四百六十一億円あるというふうに記されております。それで、これが平成十六年度なんですが、じゃ逆に平成十八年度の場合、予算としてどのぐらい計上されていたのかを教えていただきたいと思います。
  128. 鈴木正規

    政府参考人(鈴木正規君) その間に新たに独立法人化されたものもございますけれども、そういうものも含めまして、平成十八年度予算におきましては一兆七千四十八億円でございます。
  129. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 一兆七千四十八億円ということは、約一千五百億強、一千六百億ぐらいが増えていることになるんですが、今御答弁で数も増えているということだったんですが、幾つから幾つに増えているんですか。
  130. 鈴木正規

    政府参考人(鈴木正規君) 済みません、ちょっと根っこの数字があれなんですが、新たに増えた独立法人が四法人ございます。
  131. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 四法人で約千六百億増えたということだと思いますが、逆に言うと、既存の法人、その四法人を除いた分としては運営費交付金は増えたでしょうか、減ったんでしょうか。減ったとしたら幾らぐらい減っているんでしょうか。
  132. 鈴木正規

    政府参考人(鈴木正規君) 新たに独法化したものを除きますと、平成十六年度との予算比でマイナスの二百四十二億円という減少になっております。
  133. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 ということは、全部で今百一ですか法人数、百前後だと思いますけれども、それ以外で約二百億円ぐらいの経営努力をして減ることになったという解釈でよろしいんでしょうか。
  134. 鈴木正規

    政府参考人(鈴木正規君) 運営費交付金の場合には、研究法人の場合など新たに研究のニーズが出ているものもありますので、そういうふうな中では運営費交付金が増えている法人もございますけれども、そうしたことを含めましても、全体として二百四十二億円の節減ができているということだと考えております。
  135. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 多分、独立行政法人によっては増えているところと減っているところが個々を見ていくとあるんだろうと思いますが、トータルで約二百億円ほど減っていると、そういう認識だというふうに思いますが。  先ほど目的積立金の話が出ました。これはやはり主務大臣が承認をするということで、最終的にはそれが目的積立金となるかならないかというところが決まってくるんだろうというふうに思いますが、実際にこの目的積立金制度、これはある意味インセンティブ制度だというふうに思いますが、これ効果的な役割を果たしているかいないかというところについては議論が分かれるところなんだろうと思うんですが、これについては財務省としてはどのように、要するにインセンティブ制度として非常に効果的な制度かどうかということなんですが、それについてはどのように評価をされているんでしょうか。
  136. 鈴木正規

    政府参考人(鈴木正規君) 独立法人化を図りますときに、やはりできるだけ各独法によります運営の効率化をお願いしたいということで、制度のつくり方としましては、一定の効率化の努力をされたところについては今おっしゃられたような形でインセンティブを与える必要があるんじゃないかという御議論の中で出てきた制度だと考えておりまして、そういう意味では一定の役割を果たしていただけているんではないかというふうに考えております。    〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
  137. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 平成十六年度決算においていわゆる独立行政法人で利益を出している法人が八十一法人で、約それが利益額が八千七百七十八億円という数字が出ておりますが、そのうち、八千七百七十八億円、八十一法人のうち目的積立金の実際に承認を受けているのは何法人の幾らぐらいなんでしょうか。
  138. 石田直裕

    政府参考人(石田直裕君) お答えいたします。  平成十六年度におきましては、十三法人、十九・六億円が経営努力認定を受けております。
  139. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 十九・六億円。で、利益がもっともっとたくさんあるわけですよね。ということは、これ主務大臣によって承認されていない金額の方が非常に多くて、実際には余りこれは目的積立金として主務大臣が承認をしていないと。その辺の基準は、どういう基準でするしないというのは決まっているんでしょうか。
  140. 石田直裕

    政府参考人(石田直裕君) 委員指摘の利益ということでございますが、私どもとして認めております目的積立金につきましては、私どもの定義上、当該独立行政法人の経営努力による利益として承認した額というふうになっておるわけでございます。
  141. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 経営努力によらない利益というのは、じゃ逆に言うとどういうものがあるんでしょうか。
  142. 石田直裕

    政府参考人(石田直裕君) 経営努力認定基準について御説明いたしますと、まず法人全体の利益が計画予算を上回っているということで、従来の計画よりも上回っている必要がございます。さらに、その上回っている利益が原則として前年度の実績額も上回っている必要があると。様々な条件が付いておるわけで、若干の差が出ておるということでございます。
  143. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 ちょっとこれだけやっているわけにいかないので、次に進みますが。  総務省所管の独立行政法人情報通信研究機構についてお聞きをしたいと思いますが、これは平成十六年度と十七年度の比較において、独自財源からの収入額というのが約五十億。四十七億円減少して、ここは運営費交付金は実は十八億ちょっと増加をしているんですが、すべて補助金とか委託費とかひっくるめて、この独立行政法人情報通信研究機構には幾らぐらいの公費が投じられているんでしょうか。
  144. 松本正夫

    政府参考人(松本正夫君) 情報通信研究機構、NICTにつきましては、運営交付金を中心としまして約四百六十億円程度の運営交付金が交付されておるところでございます。
  145. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 そうですね、約四百五十億円前後ということで、若干報告書によって数字が最後の細かなところは違っているんですが、まあ大体四百億円以上はそこに入っているんですが、これ運営交付金が増加をしているんですが、この運営交付金が増加をしている主な理由というのは何なんでしょうか。
  146. 松本正夫

    政府参考人(松本正夫君) お答えいたします。  毎年度の予算、運営交付金、交付されたお金がございますが、その分の年度末というか、その年度で使う予定だったものが使えない場合に翌年度に繰り越す場合がございます。その繰り越したものを翌年度に計上いたしますと形式的に増加したというようなことになる場合がございます。
  147. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 これは、ただ運営費交付金だけじゃなくて、補助金とか、あと施設費とかというのがあるんですね。この施設費に関して言えば、これは施設を造るということで、前の年できなかったものをもう一回繰り越しているというのは実際にこの独立行政法人ではあるんですが、運営費交付金とはそれ多分別物だと思うんですね、施設費は。運営費交付金も、やはり同じように、予算立てをしていたものが使わなかったから来年に回して、来年で増やしたということになるんでしょうか。ちょっとそこの仕組みがよく分からないんですけど。
  148. 松本正夫

    政府参考人(松本正夫君) 今手元に具体的な予算、運営費交付金、毎年度どうなったかというのを持ち合わせておりませんが、そういう場合もあるということを承知しておりますが。
  149. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 でも、予算と決算で、予算額と決算額とがまた微妙に違ったりしているものですから、これ中身をちょっと見てみないといいとも悪いとも、おかしいともおかしくないともちょっと言えないなというふうに思うんですが、本題がまだ後なので、またちょっと時間があったらこの問題については戻りますが。  一般論としてちょっと財務省さんと会計検査院にお聞きしたいんですが、この独立行政法人で非常に問題視されているのが随意契約が多いということで、新聞等々で約六割が全体で随意契約だというふうに言われるんですが、随意契約と一口で言っていますが、いろんな随意契約があるんだろうと思いまして、随意契約、指名競争入札、一般競争入札、この定義をまず確認をしたいと思うんですが、財務省さんでよろしいんでしょうか。
  150. 鈴木正規

    政府参考人(鈴木正規君) 一般的な定義でございますけれども、一般競争入札というのは、公告によりまして不特定多数の者から申込みを受けさせまして、それにより競争を行わせ、その申込者の中から国に最も有利な条件をした者を選定し、その者と契約を締結する方法というふうに言われております。  他方、指名競争入札というのは、国の場合には限定的に認めておりますが、例えば、契約の性質又は目的により競争に加わるべき者が少数である場合とか、一般競争入札に付すことが不利と認められる場合に、特定の者を指名しまして競争を行わせ、その申込者の中で最も有利な条件を出した者をもって選定し、その者と契約する方法というふうに言われております。  他方で、随意契約というのは、これもやはり国の場合には限定的に認めておりますが、契約の性質又は目的が競争を許さない場合、緊急の必要により競争に付すことができない場合、競争に付すことが不利と認められる場合などに、競争によることなく資力、信用などのある特定の者を選定して、その者と契約を締結する方法というふうに言われているというふうに承知しております。
  151. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 じゃ、ちょっと一般競争入札についてもう一度財務省にお聞きしたいんですが、いわゆる落札率というのがありまして、よく言われるのは、九五%だとか九七%だとか九九%というのは談合の疑いがあるんじゃないかというふうによく言われるんですが、これ一般論ですよ、一般論として、確率としてゼロとは言いませんが、いわゆる競争入札で落札率が一〇〇%となるということは起こり得るんでしょうか。起こり得るといえば起こり得るんでしょうが、頻繁に起こるとお考えになりますでしょうか。
  152. 鈴木正規

    政府参考人(鈴木正規君) 個々の状況はよく分かりませんが、予定価格の算定方式がかなり公開されているようなケースもありますし、一概ににはなかなか言えないとは思いますけれども、最近の状況からいいますと、一般競争入札に付した場合には予定価格を下回る例が多いというふうには聞いております。
  153. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 会計検査院さんにもちょっとお聞きしたいんですが、今の随契、競争入札の定義、そして一般競争入札として落札率が一〇〇%になることが起こり得るかということの財務省のお答えですが、それ会計検査院も同じような答えでよろしいんでしょうか。
  154. 増田峯明

    説明員(増田峯明君) それぞれの契約についての定義といいますか、につきましては、先ほど財務省さんの方から御答弁がありましたとおり、私どもも同じ認識でございます。  それから、落札率一〇〇%ということにつきましては、一般論として申し上げるわけでございますけれども、起こり得ないということは言えないわけですが、頻繁に起こるとは考えられない、それは委員おっしゃるとおりだと思います。
  155. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 今日の新聞なんかでも、談合防止でこの一般競争入札を全面的に導入しようというような話があるんですが、実は、この予備的調査を衆議院の方でやられた。この総務省の独立行政法人情報通信研究機構さんのこれを見ますと、全部で支出件数、支出件数というのは、独立行政法人からどこかほかの第三者、民間であったり財団であったり社団であったり、いろいろなところに支出している件数が全部で千九百三十四件、随意契約が千七百二件あるんですね。約八八%が随契なんです。逆に言うと、一般競争入札件数は何件あるか御存じでしょうか。
  156. 松本正夫

    政府参考人(松本正夫君) 私どもが把握している数字では、全契約数が千九百十九件でございまして、そのうち一般競争入札によるものが二百十七件、それから随意契約によるものが千七百二件というふうに承知しております。
  157. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 お手元にお配りをしました、今度は縦長のところを見ていただきたいんですが、これは予備的調査を全部見たんですが、実は、一般競争入札二百十七件のうち四十三件が落札率が一〇〇%なんです。  これ、確率からいくと、一個や二個が交じっているということは、これは全く問題ないというか、たまたま当たるということは起こり得るんですが、四十三件も落札率が一〇〇%のものがあるということがちょっとにわかに信じ難くて、これはどういう原因でこういうことが起こるんだろうかということなんですが、その理由が明確であれば教えていただきたいと思います。
  158. 松本正夫

    政府参考人(松本正夫君) お答え申し上げます。  今委員指摘のように、二百十七件の一般競争入札のうち落札率が一〇〇%のものが四十三件ということでございますが、四十三件の数字が多いかどうかというのは、ちょっと私どもまあ申し上げることはないんですが、一般的に言って、どういうケースにこういうことが起こり得るかということを申し上げますと、一つには、我々が予定していた予定価格、入札する側の予定価格というのがございまして、これと入札される側の入札額というのが、入札額が高い場合がございます。そうしますと、一回の入札ではそれが落札できないということで、何回か繰り返して入札をやって、最後にその予定価格が一致するかあるいはそれを下回った場合に落札するというケースがございます。  そういうケースが一つあるのかなというのと、それから、毎年間同じような業務を委託している場合がございまして、そういう場合につきましては前年度の実績を予定価格ということにする場合がございます。そういう場合に、前年度の落札者が大体幾らで落札されているかというのは公になっておりますので、それを踏まえて入札するということになりますと全く同額の入札、一〇〇%ということになり得る場合があるというようなことを聞いております。  そのほかに、カタログ商品的なものがございまして、それは一般の市場で売られている値段が決まっているようなものについてもそういうケースがあるというふうに聞いておるところでございます。
  159. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 何か言い訳にしか聞こえなくて、二百十七件のうち四十三件ですよ。十件やそこら、四件とか五件とかというんだったらそういうことがあり得ることかなというふうに思いますが、二百十七のうちの四十三件もそういうことがあるということは、よっぽど予定価格の立て方がおかしいということになってくるんじゃないでしょうかね。だから、ちゃんとした予定価格を立てていればこういうことは起こり得ないし、ということは、業者さんが泣いているということですよね。  本来であったらば、例えば一千万円のもので、みんなが一千万円以上で、一千百とか一千二百万円で応札をして、それが駄目だから、何とかここで一千万でやってくださいという話になるわけですよ。となると、普通の感覚でいくと、ここのところ二百万泣いてもらったから、こっちの分随契で出しますからこっちでもうけてくださいという、そういうことが起こり得ることになるんです。  だから、一般競争入札にしましょうねとよく言うんですが、実は、一般競争入札というのも非常に落とし穴があって、これをやればすべて何か丸く収まるというような発想というのも、やっぱりちょっとここも逆に言うと危険だと思いますし、随契の中でも、随契の中でちょっと先ほど説明なかったんですが、いわゆる企画コンペとかというのは入っていると思いますし、その企画コンペというのも、例えば五社、A社B社C社D社E社が参加をして、その名前が分かっているのであれば、その企画どこがいいというふうにやったら、これはもう多分ほとんど随契と同じ、随契というか、競争ということではなくて、A社がいいなとかB社がいいなともうそれ分かっていると、実はそこでもう恣意が入ってしまう、恣意的に選ぶことができるわけですね。だから、その辺りのことを考えていかないと、一般競争入札だったら安全で随意契約だったら危ないとか、そういう話というのは実はそんな単純な話ではないんだろうというふうに思うんですが、ただ、ここの四十三件というのは、余りにも一〇〇%の四十三件というのは多過ぎるということを考えると、この独立行政法人の情報通信研究機構の多分価格設定というのが非常に甘いと。甘いというか、いい加減というか、実態が分かっていないというか、そういうことにしかならないんですね。  これ実際にもっと調べますと、落札率九五%以上、一〇〇%も含めて九五%以上のものと随意契約のもの、この二つを合わせたものを全体から引く、つまり九五%未満で競争入札をしたものというのは全体の三・三%しか残らないんです。だから、二千件近くあって、わずか六十件とか六十五件ぐらいしかまともな入札なり契約をしていないということになってしまうというふうに思うんですけれども、これについては、大臣、ちょっと今のいろいろ答弁を聞いていていかがでしょうか。
  160. 菅義偉

    国務大臣(菅義偉君) 私も、今の藤本委員とうちの局長の答弁を聞いていまして、これはかなり問題があるというふうに思っております。私自身、この質問まで全くこの件について知り得ておりませんでしたので、これはしっかりと精査をして、きちっとした形の入札が行われるように対応をさせていただきたい、そう思います。
  161. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 今たまたま、たまたまと言っちゃあれですけど、独立行政法人の総務省所管のものを一つだけ見てこれだけなんですが、これ全独立行政、百一多分あると思うんですが、これを全部精査するとなると相当大変。これは多分総務省さんが所管、管轄になってくると思いますけれども、その辺りは、総務省の所管のことだけではなくて、やっぱりこの辺り全体を指導なさっていただきたいなというふうに思います。  それともう一つ、ちょっと最後、指摘だけになってしまいますけど、時間の関係で。  農水省の関係の緑資源機構なんかも、結局、独立行政法人があって、そこから財団法人に行って、この財団法人が民間に丸投げしているものがあるという構造がありまして、これは農水だけではなくて、実はこの独立行政法人情報通信研究機構からその後の財団法人に再就職をしている方々がいるとか、あるいはそこからまた同じ財団法人へ調査なり委託をしているとかいうことになってくると、この天下りあるいは仕事とお金の流れが、総務省からこの独立行政法人だけではなくて、今度更にその先の財団法人に行っているというような構造というのは、緑資源機構だけではなくて、同じようなことが多分出てくるんじゃないかと。  これ予備的調査を見ますと、再就職の人が何人いてとかというのは、全部見ていくとこれ全部つながっていってしまいますから、この辺りやはり抜本的な独立行政法人改革をしていくか、経済財政諮問会議が言っているように、本当に必要なものだけに絞り込んで民営化していくとか廃止をしていくということを考えていかないといけないのかなというふうに思いますけれども、その件に関しては、菅大臣、いかがでしょうか。
  162. 菅義偉

    国務大臣(菅義偉君) 実は私ども、これ全体としても所管をしておりますので、そういう意味において今委員指摘のことをやはりきちっとやっていくという、そのことは極めて大事だというふうに私自身も思っていますし、また、私ども所管をしているこの情報通信研究機構ですか、今いろいろ指摘されましたけれども、自らやはり襟を正す意味で、まず私ども所管のことはしっかりとこれはもう一度調査をし直すと同時に、さらに他省庁の所管のものについても私ども所管をいたしておりますので、より一層透明になることと同時に、無駄なものはやはり民営化をしていく、民間に任せるという、そういう方針に私もこれは対応していきたいと思います。
  163. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 この独立行政法人だけではなくて、今日実は質問したかった指定管理者制度に関しても、結局は従来の、従前のいわゆる公的機関であるとか、そういったところが受託しているというのが圧倒的に多くて、民間企業、これはまあ地方の話になりますけれども、民間企業の受託というのは全体の一一%になってしまっているということを考えると、民間に委託できるもの、あるいは公的団体を廃止するとか、その辺りのところは国だけではなくて地方自治体も含めてやはり考えていっていただかないといけないかなというふうに思っております。  これで終わりにします。ありがとうございました。
  164. 山下栄一

    ○山下栄一君 官房長官がちょっと記者会見からまだお戻りじゃございませんけれども、今日は官房長官、それから総務大臣、あと人事院検査院に質問させていただきたいと思います。  最初に、地方公務員の福利厚生事業につきまして、これはたしか今年の三月にも総務大臣にお聞きした問題でございますが、検査院に国会法百五条要請に基づいて決算委員会要請した中に、地方財政状況についてという、特に地方交付税交付金が従来計画ベースと決算ベースで乖離があると、公共事業また人件費を中心としたそういう経費についてということがございまして、その背景にこの福利厚生事業というのがあるのではないかということから、決算委員会として百五条要請を行いまして、あれは去年ですね、去年の十月に、これ本格的な地方財政についての検査院の検査というのは初めてであったのではないかと思いますけど、十月に報告がされました。十一月に、総務省の方で福利厚生事業についての調査結果も発表されました。  それで相当改善されまして、特に共済組合に基づくものではなくて、要するに互助会、職員互助会等に公金が投入されておる福利厚生というのは様々な問題があるのではないかと、大阪市の厚遇問題が非常に典型的な例でございますけれども、これは大阪市だけじゃないと、全国の都道府県、市町村にということでございます。  大分、もう公金投入ゼロにした県も十県ほどございますし、大阪市はもうゼロにしたわけでございますが、昨年総務省が調査結果を公表しまして、また今年度もフォローアップして発表するとお聞きしておりますけど、どういうスケジュールになっておるか、予定になっているか、お聞きしたいと思います。
  165. 上田紘士

    政府参考人(上田紘士君) 先生今おっしゃいました地方公務員の福利厚生事業関係で、特に互助会の関係を昨年、おっしゃるとおり十一月に調査をさせていただきました。こうした問題、しばらくフォローアップが必要だと思いまして、本年度もこのフォローアップの調査を考えております。  基本的には、今度は十八年度の決算とそれから十九年度の事業の予算というか、そういうことを調べますので、決算がまとまるのが大体六月とか七月とかになるかと思いますので、今から準備をしまして、夏の間に各団体の状況をまとめていただいて御報告をいただくということを経て、我々が取りまとめを作れるのは、数字だけの問題であれば秋口にはできるかと思います、支出額幾らかというのは。ただ、その中身でどういう事業をどう直したとか、こういうことにつきましては若干お時間が掛かると思いますので、昨年十一月ですから、そのくらいの時期にその分析内容を含めて我々が御報告をするというような形ができようかというふうに思っております。
  166. 山下栄一

    ○山下栄一君 検査院の調査は、全都道府県と政令市全部と、全部ってその時点での全部ですけれども、一般市町村は抽出調査でございました。総務省につきましては、昨年の調査は県を通してですけれども、全市町村、当時の市町村の数、変わってきておりますけれども、千八百幾つ調査されたわけでございます。  これは、全市町村については、総務省の体制からいいましても非常に実は大変なんですということをお聞きしてあるわけでございますけれども、県を通してやる場合に、非常に不正確というか、また総務省の指導を無視したようなことも実際情報公開の部分でも出ておりますし、特にインターネットにおける公表はそういうものもございます。  そんなことも含めて、やっぱりきちっと市町村についての調査も、やはりこれだけ国民の公のお金の使い方の厳しいまなざしが光っておる状況もございますので、特に地方財政厳しい状況もございますし、地方交付税という国税が投入されていることもございますので、きちっとやっていただきたいと思いますけれども、その調査についてはどのような体制、お考えなのかということを改めて、前回も総務大臣、前向きに答弁いただいたんですけれども、お聞きしたいと思います。
  167. 菅義偉

    国務大臣(菅義偉君) 昨年のこの福利厚生事業の調査においては、都道府県及び指定都市については総務省において個別ごとの状況を調査、公表をするとともに、一般市町村についても互助会等に対する公費支出やその見直しの概況について総務省で調査、公表しました。  今年度につきましては、総務省において一般の市町村の概況について調査、公表を行うことに加えて、さらに個別の市町村における福利厚生事業、この具体的な状況について各都道府県において団体間で比較できるような形、そういう中で公表するようにそれぞれの都道府県に私どもからも強く要請してまいりたいと考えております。
  168. 山下栄一

    ○山下栄一君 今から言う問題は、今年でしたか、うちの草川副代表も指摘された問題ですけれども、地方公務員等共済組合法なんですが、一部の自治体で、共済組合じゃなくて、要するに健保、健康保険組合という形で民間と同じようにやっている自治体が今もあると。共済組合は組合員と公といいますかが半々、半分半分負担になっているんですが、健保組合の場合は半分以上と、特に大阪の場合なんかでしたら六六・七%も負担していると。これについても非常に批判があるわけですけれども、そろそろもう法制定四十年以上経過しておるわけでございまして、この地方共済組合の附則の例外規定はそろそろもう廃止すべきではないかと思いますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。
  169. 菅義偉

    国務大臣(菅義偉君) 地方公務員の健康保険組合の在り方については、学識経験者などで構成をする地方公務員の医療保険制度に関する懇談会において、昭和三十七年の法施行時の経過措置であることを踏まえて、関係者の合意を得ながら地方公務員共済組合に移行するという方向で早期に取り組むべきであると、そういう意見がまとめられております。  これを受けて、総務省として、昨年の七月の通知によって、健康保険組合を組織する地方公共団体に対し、地方公務員共済組合の移行に向けた取組を早期に行うように実は要請をしてまいりました。現在、関係地方公共団体においては共済組合の移行に向けた検討を進めているという報告を受けております。既に大阪市においては、本年十月に健康保険組合を廃止し、共済組合に移行することを決定をしたところであります。  総務省として、それぞれの団体が廃止の方向で移行に向けて協議しているという報告を受けています。そうしたものが実際行われるのかどうか、それを見ながら、できなければ法律改正にも検討をしてまいりたいと、こう思っています。
  170. 山下栄一

    ○山下栄一君 官房長官、まだお戻りじゃございませんけれども、もうそろそろだとは思うんですけれども、済みません。  前回取り上げさしていただきました地方労働局問題、今度、懲戒処分中心に総務省人事院にお伺いし、また官房長官、特に公務員改革にもう陣頭指揮で取り組んでおられますので、お聞きしたいと思います。  まず、人事院にお伺いいたしますが、今回の、今回というか、平成十五年度、十六年度、十七年度、三年連続で決算検査報告指摘されたこの地方労働局問題、特に十六年、十七年度の二年間で全労働局、四十七労働局全部を悉皆調査、重大な決心を持って臨まれて調査されたと。  懲戒処分なんですけど、懲戒処分が、これ対象は厚生労働省職員の六割を超える二万三千人の方が地方労働局に勤務されておるわけでございますけれども、今回のこの検査院の報告、本当に読めば読むほど考えられない状況指摘されておるわけですけれども、懲戒処分が、内規による口頭処分はそこそこあるんですけど、懲戒処分が極めて少ない、本省に至ってはゼロだということでございます。すべての労働局にわたる不正経理、不適正経理なのに、ちょっとよく分からない状況になっておるわけでございます。これは、検査院も懲戒処分を要求することができる、検査院法三十一条。しかし、これは昭和二十七年以降一回も発動したことがないと。各省庁がやるだろうと、ということでやっていると。  それで、人事院にお伺いしたいのは、国家公務員法八十四条なんですけど、八十四条は、懲戒権者は基本的に任命権者だと、しかし自ら人事院が懲戒できるという規定が八十四条二項にございます。  それで、今回の厚生労働省のもう調査もされてますし、特定監査ですか、二回もされていますし、特別チームをつくって一生懸命調べられたけれども、川崎当時の厚生労働大臣も自ら、去年ですか、調査の不十分さというのは認めておられるわけで、厚生労働省の内部調査体制そのものも検査院が問題を指摘されておりますが、監査体制ですね、要するに、一部自ら指摘されて、兵庫県なんかそうですけれども、厚生労働省が自ら指摘されて懲戒免職になった事例もあるわけですけど、ところが検査院の調査では、それ以外にも同じ兵庫労働局でもまた別の問題が出てきている。兵庫労働局だけでなくほかの局でも出てきたというようなことがあって、もうこの内部調査の限界を自ら大臣も認められておるわけでございます。  そんな状況の中で各担当省庁にお任せしても実効性のある懲戒処分はできないと思うわけです。全労働局が不正、不適正と指摘されているにもかかわらず、本省の方は一人も懲戒対象になっておらないということに典型的に表れておるわけですけれども。  人事行政の公正性を死守する、そういう役割の人事院が、なぜこの八十四条二項で自ら、こういう事例、事案除いていつ発動するんですかと、八十四条二項は。今まで一度も、国家公務員法が昭和二十二年施行以来一度も発動されていないようでございますけれども、八十四条二項はこんなためにあるんじゃないかと。厚生省は期待できない、担当省庁といっても。だから、公正中立性を保つべき、とりでとなるべき、国民の側に立ってとりでとなるべき人事院がそれでもお任せするというふうなことを私は考えられないんですけれども、御所見をお伺いしたいと思います。
  171. 谷公士

    政府特別補佐人谷公士君) 先生案内のとおりでございますが、職員の個々の非違行為に対しまして懲戒処分を行うかどうかということ、また行う場合における懲戒処分の種類及び程度の選択につきましては、第一義的には部内の事情に通暁し、事実関係を十分に承知し得る立場にある任命権者が非違行為の動機、対応及び結果等の諸般の事情を総合的に勘案いたしまして判断することとなっております。  ただいま御指摘いただきました国家公務員法八十四条二項、これは人事院が自ら懲戒処分を行うことができるという規定でございますが、この規定の意味につきましては、昭和四十九年の最高裁判所の判決におきまして、任命権者が懲戒権を行使すべくしてこれを行使しない場合に任命権者に代わって自ら懲戒権を行使し得ると解されるとされているところでございまして、言わば伝家の宝刀でございます。  今回の事案におきましては、厚生労働省におかれまして必要な措置がなされておると考えておるところでございますので、私どもが自ら懲戒権を行使するケースではないと考えている次第でございます。
  172. 山下栄一

    ○山下栄一君 伝家の宝刀はもう完全にさび付いていると、死文化していると思いますね。だから私、公正性と言ったんですよ。これ公正性期待できますか。本省の方も、裏金で、虚偽の公文書偽造行使によってつくった裏金で接待受けているというふうに書いてあるわけだから、検査報告に。そんな状況でどうしてまともな処分できるのかと。だから一人もされていないんですよ。  大阪の場合なんかはね、大阪は裏金の問題、大問題になりました、これ。知事自ら、だから懲戒処分ですよ。総理大臣じゃないですよ、知事ですから。トップですよ、だから大阪府の。だから、これは今雇用行政、前も言いましたけれども、大事なところですのでね、これは私は人事院の今もう存立が脅かされている背景があると思っています、私は。いやいや、この問題違いますよ、公務員改革の中でです。中央人事行政の中のね、今まで人事院が中心だったけれども、もうそういうのどうなんだというふうなことを、私はもう中立性、公正性保つべき人事院の役割は物すごく大事や思っています。だけれども、その使命を果たされておられないと、こんなときに果たさぬでいつ果たすんだと私は思うんです。  八十四条発動しにくい理由はあるんでしょうか。
  173. 谷公士

    政府特別補佐人谷公士君) ただいま申し上げましたように、一義的には事情を知悉しておられる立場にあられる懲戒権者がお考えいただくということで、本件につきましても、先ほど先生指摘のように、かなり大々的な調査をなされまして、地方労働局長を含めた懲戒処分がたくさん行われております。もちろん、本省につきましても一般的な監督責任は当然あるわけでございまして、ただ、懲戒処分につきましては行われておらず、指導措置としての訓告がなされているだけだというふうに承知いたしておりますが、それは恐らく、労働局以下についてこれだけの処分が行われておりますことを考えますと、全体的な行為の内容、それから責任の所在、それを総合的に判断された上での結果であろうかというふうに考えているわけでございまして、そういう意味で、私どもとしては厚労省に行われた措置がそういったことをすべて御勘案の上での措置だというふうに考えている次第でございます。  それから、この措置、私どもに認められたこの措置が使いにくいところがあるかどうかということでございますが、このことについて、先ほど申し上げましたように、各懲戒権者において懲戒処分を行わないということがはっきりしましたときの最後の手段であるわけでございます。  確かに規定の仕方がやや抽象的であるということで、じゃ具体的にどういう場合にどうしてということについての詳細な規定はございませんで、後に定められました倫理関係の法令におきましてはそういった制度がかなり詳細に決められておるということで、それに比較いたしますと確かに具体的な措置が明らかでないということはございますが、ですから、できないとまで言うべきではないと私は思っております。
  174. 山下栄一

    ○山下栄一君 今回も懲戒処分はしてないことないんですね。ただし、地方止まりなんですよ。労働局長も懲戒処分されている人がおりますけど、だけど本省は一人もおらないということはちょっと考えられないなと、すべての労働局ですからね。  だから、発動しやすいように、倫理法のように、あれ、倫理法は議員立法ですよね、だからやりゃいいと思うんですよ、発動しやすいように。その権限人事院持っていると思うんです。国家公務員法第十六条ですか、自ら人事院規則を制定することができると書いてますやん。それをちゃんと自分で手続法、人事院規則で定めて、それでこの八十四条二項が発動しやすいように自らもできぬことないわけだし、意見具申もできるわけですから、法律制定の、そういうことを腹くくってやるべきではないかと思いますけど、どうですか。
  175. 谷公士

    政府特別補佐人谷公士君) 倫理関係につきましては、対象を絞りまして具体的な手続を定めております。非違行為全般につきましてこういうことが発動できるようにいたしますと、それはもう非常に二重の手続ということで膨大な事務量を要することとなります。しかし、その中で何を選ぶかということも、またこれは非常に難しい問題でございます。  ただ、先生指摘ございましたように、会計検査院指摘をしたような事例についてどうかということにつきましては、検査院法の中にも一定の規定があるわけでございまして、そういう意味で御指摘ございますので、私どもといたしましては、検査院が必要な措置を講ずべきだと御判断なりまして人事院に通知されるという手続ございますので、そういうようなことが行われました場合に、現在この関与の具体的な仕組みは決められておりませんけれども、任命権者によって適正な処分が行われるように、まずは関係の府省との連携を図るために現行の法律の運用上どのようなことが可能かどうかということについて検査院とも御相談して検討してまいりたいと考えます。
  176. 山下栄一

    ○山下栄一君 済みません、ちょっと時間の都合で飛ばしまして、検査院にちょっとお聞きしたいと思いますが、官房長官総務大臣もちょっとちゃんと聞いていただきたいんですけどね。  検査院の調査はもう総力を挙げた、それは重大な決心を持って当時の増田局長自ら厚労委員会で、今日いらっしゃっておられますけど、決意を発表されて、本当に綿密な公金の帳じり合わせ、帳じりといいますか、お金がどのように虚偽にカウントされ、それがどのように使われていったのかというようなことも調査されているわけですけど、だけど強制調査権ありません、任意調査です。要するに各それぞれの了解を得ながらやるしかないということで、限界が私は露呈されていると思うんですね。  その分かりやすいあれですね、この検査報告に書いてあるわけですけれども、七十八億にかかわる今回の指摘でございますけれども、その中で、要するにお金の使う使途ですね、お金の使途、どんな使われ方したのかと、裏金のお金ですわ。これ、使途不明のままの状態になっているお金もあります。  それで、とにかく目的外使用した、夜食とか接待とかタクシー代とか、いろんな使い方、自ら調査されて、向こうがちゃんとしゃべったとか証拠書類があったとかに限っては分かるけど、証拠書類も廃棄されたり、保存期間内で廃棄され紛失しているというようなこと、検査が入る直前に廃棄されたり、そういうことがもう堂々と行われているということも全部書いてあるわけですけどね。そんな状況の中で調査は限界あると思うんですよ、任意調査ですし。このようにおっしゃっています。「ただし、これらの別途経理資金」、別途経理資金はまあ裏金のことだと思いますけれども、「使途等は関係職員の申告によるもので、その裏付けとなる関係資料は既に廃棄されているとのことであり、その詳細について」は「正確に確認することはできなかった。」と。  これは要するに、七十八億とおっしゃいますけど、任意調査によってもう全部やったんだけれども、捜査をやっているわけじゃありませんからね、本当にこの金額なのかというようなことは分からぬわけです、真実は分からない。だけれども、ここまで調査されたということはすごいことやと思いますけど、限界があるというふうにもう自らおっしゃっているんですけど、検査院も歯がゆい思いしながらやっておられると私は感じたんですが、重大な決意でやったけれども。その辺の実情をお聞きしたいと思います。
  177. 千坂正志

    説明員(千坂正志君) お答え申し上げます。  委員の御指摘は、十七年度決算検査報告の特定検査対象に関する検査状況において記述しております一連の労働局の会計経理に係る会計検査の結果、労働局等において不正支出等により捻出した資金を別途に経理していたものについてのお尋ねと存じます。  その別途に経理した資金の使途等につきましては、関係職員の申告によるもので、その裏付けとなる関係資料は既に廃棄されていたため、その詳細についてまで正確に確認することはできなかったことは委員の御指摘のとおりであります。会計検査院といたしましては、与えられた権限の中で関係資料等に基づき検査を実施して、不正な支出等を行っている事態を指摘し、検査報告として取りまとめたものでございます。
  178. 山下栄一

    ○山下栄一君 繰り返しの部分もございましたが、要するに検査院の検査は任意調査であるし、限界があったけれどもここまでやりましたと。それを内閣総理大臣に提出されました。提出された検査報告国会に、内閣国会に提出しました。それで今検査やっております。内閣の中には厚生労働省もありますし、総務省も入っているわけで、厚生労働省に提出したんじゃなくです、内閣全体に提出されているわけですからね。  それで、総務大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、会計検査院の調査は会計経理中心の調査なんですね。事前に私、総務省の方とやり取りしたら、ここまでやったらもう余りやることないとおっしゃったんです。私はそれはおかしいと思うんです。総務省は行政監察の、行政監視委員会って決算委員会とは別に参議院にありますけれども、その行政監察というのは非常に重要な仕事を今までされてきました。しかし、この労働行政と地方労働行政に対する監察というのは、行政評価、行政監査ですか、ほとんどされてこなかったと思うんですね。それがまた今回の背景、責任を取れというわけじゃないんですけれども、にもあるのではないかと思うんですが。  会計検査院会計検査の限界の中で一生懸命仕事されていると。総務省も、総務省設置法の第六条で勧告及び調査、「その調査を拒んではならない。」というふうな規定もありますし、勧告をした後の報告を求めることができる。意見を具申することも内閣にできるとまで書いてあります。そういう権限を使って、今回の経理以外の業務そのものが物すごく滞っている、というよりも法令遵守なんて、九十八条、国家公務員法の法令遵守義務なんてさらさらもう守る気ないんですよ。会計法に基づかなくて、会計担当でないそれぞれの部署が直接発注して偽造書類一杯作ってやっているという考えられないような実態になっている。行政の効率性なんてとんでもないと。  一番大事な雇用行政、労働保険行政、労働基準行政、職業紹介、ジョブカフェ、その他大事な行政一杯やっているはずのところが実態はどうなっているんだと。業務全体の調査をやっぱりこういうときにすべきだと私は思うわけですけれども、総務大臣の御決意をお聞きしたいと思います。
  179. 菅義偉

    国務大臣(菅義偉君) まず、このような不正経理というのは絶対あってはならないゆゆしき問題であるというふうに思いますし、この件については会計検査院報告のとおり、既に問題の所在が明らかになって、現在、厚生労働省が再発防止策に今取り組んでおります。  私どもも、まず厚生労働省の対応というものを重大な関心を持ちながらまず見守っていきたいと思いますし、今委員から御指摘のありました私どもとしての対応について、この行政評価・監視について、私どものこれ正に大事な仕事でありますので、そうしたことを踏まえながらこれから検討させていただきたいと思います。
  180. 山下栄一

    ○山下栄一君 もう検査院が指摘しておられましてね、監査体制も全く不十分な体制でしかできない体制になっていると、もう限界を明確に書いてあるんですよ。そんなこともあり、厚生労働省の対応を見守るのもいいですけれども、何遍もやっているんですよ、平成十六年も省を挙げて、それでも全然駄目だったという話なので私申し上げたわけで、是非今の御答弁も大事にしたいと思いますので、総務省自らの調査を期待したいと思います。  官房長官に、今回の問題、私は基本的に検査院も人事院ももうこれは自らの限界を、それぞれできるんだけれども、検査院法三十一条も発動しないし、三十三条の検察への通告もしないし、人事院も懲戒処分を自らできるけれどもやらない状況になっておるわけです。厚生労働省も自らも調査の限界を認めておられる状況の中で、今回は短い、大変お忙しい中でも読んでいただいたと思うんですけれども、この決算検査報告ですね、おびただしい数の偽造、偽造書類というのはもうちょっと今日は時間の都合で言えませんけれども、物すごいですよ、それは。虚偽の雇用、虚偽の旅費、虚偽の物品購入その他、それから公文書廃棄、紛失、使途不明金も分からぬままですからね、今。業者も巻き込んで堂々と業者から虚偽の請求書。もうずっとだから長年にわたって、長期にわたり、長年にわたり組織ぐるみで慣行として行われてきたとここに記述されています、長期にわたり慣行として組織ぐるみで。  だから、これは、私は省庁がかわいそうやと思うんですわ、もう。特に地方労働局の問題にしろ、つい最近始まりました社会保険庁も私同じ構図やと思いますけれども、社会保険庁は解体的出直しをして、今回、年金機構法を提出した。私は、これはもう解体以外にどないしてこれは立ち直れるのかなと。繰り返し繰り返し再発防止なんて言っても馬耳東風ですわ、それは、いや本当に。十六年、連続で全部やると言っていても裏金をそのまま金庫に置いたまま労働局は助かったわけですからね。全部書いております、この検査報告に。私も検査報告を読んで驚いたんですけれども。  こうなっていくと、内閣の今度は、それでも内閣省庁にお任せということでいくんですかと。もうこれは内閣を挙げてこの問題に取り組まずして、私は公務員改革なんというのは何が再就職支援ですかと、再就職支援する前にこの労働局問題解決せずして、みんな見ておられますから、ほかの省庁かて。あの程度で、ここまで指摘しても会計検査院が、これは内閣に提出し、国民全部に公表されているわけですから、それでもどこも動かないと。  総理大臣陣頭指揮で、憲法第七十三条、内閣は、法律を誠実に執行しと書いてある。法律を誠実に執行するなんていうような体制全然ないわけですから、堂々と法令違反しているわけですからね。公務員の法令遵守義務公務員法九十八条なんて罰則ないそうですけれども、法令遵守なんて何もないんですよ、いまだに使途不明金そのままですし。だって僕は、法務省も動かし、本当にこれは、何人か例外的に逮捕され裁判も判決下りておりますけれども、そういう例外的に懲戒処分され、例外的に一部のもうどうしようもないやつだけ逮捕されている。コンピューターを思いっきり領得しても、自分のものにしても起訴もされない。全部指摘しているんですよ、検査院は。だから、検査院は検察に通告しているみたいなものですわ。直接やっていなかったかて、内閣に言っているわけですから、内閣の中に検察もあるわけでしょう。それなら、これだれがどうするんですかと、これは。  だから、行政各部を指揮監督する、内閣府法の、また憲法に書いてある、その条文で指揮監督してこの問題を全力を懸けて内閣の、再就職支援は総理大臣の仕事だと、再就職支援は総理大臣の仕事だと今回、公務員法提出に書いてあります。それは大事なことだか分かりませんけれども、その前に、これはもう内閣の仕事として、この地方労働局問題はその省庁の問題じゃないと、内閣自身が問われていると。これでもやらぬかったら行政もうだれが信用するかと。公務員改革のリーダーシップを取っておられる官房長官にその覚悟のほどをお聞きしたい。  これやらぬと、私はもう、ここまでしてやらぬかったら、もう検査院もやらぬようになると思いますし、私は何ぼ再発防止言っても何にもこたえないと、そういう状況になっていくと思います。いかがでしょうか。
  181. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) この平成十六年に言わば発覚をした広島、兵庫の労働局の不正経理事案につきましては、懲戒処分かどうかは別にして、処分者二千八百九十名、本省がうち百二十名という本当に未曾有の不正が組織的に行われていたということで、改めてこの数字を見て、山下議員御指摘のような深刻度合いというものを痛切に感じるところでございます。  厚生労働省が四名告発をしておりますけれども、今先生は、法務省も人事院会計検査院も皆やっぱり総動員で動かなきゃいけないじゃないかと、こういうことでございます。今回は会計検査院及び厚生労働省で事実関係を調査をした、そして厚生労働省において、関係者の行為の内容と責任に応じた処分を人事院の定めている懲戒処分の指針を参考にしながら、さらには国家公務員倫理審査会とも協議をして処分をしたと、こういうことでございます。  また、総理からは、今先生指摘のように、内閣として挙げてやらなきゃいけないじゃないかということでありますが、平成十八年の十一月十四日の閣僚懇で、会計検査院検査報告の活用についてというタイトルではございますが、改めてこの適正な会計処理の徹底について各大臣が率先して取り組むようにということで指示を出したところでございます。  しかし、いずれにしても今先生が憤っておられるように、三千人になんなんとする者を処分をしなければいけないことがずっと続いていたということは本当に我々でも信じられないことでありますが、これが今回の公務員制度改革と直接的には関係ないにせよ、こういった体質をはらんだ国家公務員の組織であることは余りこれは看過できることではないと思います。  したがって、このコンプライアンスの仕組みがどうなっているのか不断の見直しをしながら、こういうことが長い間組織ぐるみでやられながら摘発をされないということ自体に制度的な、何というか、足りないところがやっぱりあるんだろうというふうに私も個人的に感じておるところでございますので、そういった点に特に着目をしながら再発がなされないような体制づくりに励んでまいりたいと、このように考えております。
  182. 山下栄一

    ○山下栄一君 体制づくりは懲戒処分をちゃんとやることやと思いますわ。  今二千何人おっしゃったけど、それは一部なんです、懲戒処分は。ほとんど口頭注意、内規による処分ですからね。本省は一人も懲戒処分ありませんから。そんな問題ですかと、これは。そこに象徴的に表れていると思うんですよ。それで、偽造してお金動かしたら詐欺だということを分かっていても、元々動かないんですから、それは。そんなんは信じられないですね、私。だから、私はもう、覚悟がもうちょっと欲しかったなと思うんですけどね。  公務員改革は、これやらへんかったら、総理大臣が陣頭指揮で再就職支援の責任者なんていうようなことは、全然物すごい懸け離れた話ですわ、いや本当に。私はそう思います。そんなんで官民交流したら民が腐っていくわけで、その最高責任者が総理大臣なんていうような法律は、私はもうそんなん何を言っているんですかと。この問題をちゃんとやはり省庁挙げて、この問題の、何でこんなことになっているのかという、私は、もう犯罪性が高いのにほとんどメスが入らないという、懲戒処分の対象が一杯あるのにほとんど懲戒もされない、本省だってだれもされない、そこに象徴的に表れていると。そこに食い込まずして体制見直しと何ぼ言っても、これは厚生労働省の労働局だけの問題じゃないと思います、国民の信頼をかち取ることはできないということを再度申し上げまして、質問を終わります。
  183. 小林美恵子

    小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。  今日は官製談合に関して質問をいたします。  二〇〇五年以降でいきますと、鋼鉄製橋梁談合事件、そしてまた二〇〇六年、成田空港電気関連工事談合、防衛施設庁談合事件、そしてまた自治体であります福島、和歌山、宮崎の談合事件、そして今年、国交省水門談合がございました。本当に国民の怒りを買っていると思うんですね。  そこで私、公正取引委員長にまずお伺いをいたします。  こうした談合のオンパレードというのは本当にゆゆしき事態だというふうに思いますけど、委員長としての御見解、いかがでしょうか。
  184. 竹島一彦

    政府特別補佐人(竹島一彦君) 私ども、独禁法違反事件を取り締まる役所でございますので、入札談合事件が御指摘のようにたくさんあるということ、これは独禁法をきちっと定着させるという立場から申しますと残念なことであるというふうに思っております。回り回って税金の効率的な使用というものを阻害しているということでもございますし、何よりも、こういうことばかりやっていますと、業界それ自体の競争力も向上しないということでございますので、私どもは非常に残念に思っております。
  185. 小林美恵子

    小林美恵子君 大変残念だというふうにおっしゃっておられますけれども、さらに今いわゆる林野庁所管独立行政法人緑資源機構の林道工事における談合疑惑が国民の更なる怒りを買っています。  そこで質問させていただきたいと思いますけれども、報道でいきますと、公正取引委員会は緑資源機構の独禁法違反容疑で緑資源機構に家宅捜査、強制捜査に入ったと、そして受注側の公益法人なども調査をしていると報道がございます。これは事実ですね。
  186. 竹島一彦

    政府特別補佐人(竹島一彦君) 建前を申し上げざるを得ないのは恐縮でございますけれども、新聞ではいろいろと報じられておりまして、それに、それは違うというようなことは私ども言っておりません。そういう形でしか今の御質問にはお答えができませんので。  いずれにしましても、我々違反事実に関連する情報を得ましたら、独禁法を厳正に施行するという立場から、その行政調査のみならず、犯則調査権限、改正法でせっかく導入さしていただきましたので、それにふさわしい事案についてはその権限を行使するということでやっております。
  187. 小林美恵子

    小林美恵子君 今私が紹介しました新聞報道については、違っているというふうには言えませんというふうな御説明でございました。大変明快だと思います。  それで、この点について林野庁にお伺いをします。  緑資源機構では、そうしたこともありまして、慌てて入札制度を一般競争に変えるというふうにされておられます。つまり、これまで指名競争入札だったと。農水省、いわゆる林野庁の林道工事の概要ですね、質問なんですけど、林道工事の概要、今疑惑が持たれているものの概要、そしてまた指名競争入札の有資格業者数、そして二〇〇三年四月から昨年十月までの三年半における発注金額をお答えいただけるでしょうか。
  188. 石島一郎

    政府参考人(石島一郎君) 緑資源機構の緑資源幹線林道についてのお尋ねであるというふうに思います。  林野庁が所管しております独立行政法人緑資源機構におきましては、地域の幹線的な林道といたしまして、緑資源幹線林道の事業を行っておるところでございます。  有資格者の関係でございますが、指名競争入札の仕組みも含めまして御説明をさしていただきますと、緑資源幹線林道の測量・建設コンサルタント業務と申しますのは、事業の実施に必要な測量や設計、環境調査などを行うものでございます。この業務に関してこれまで行われておりました指名競争入札は、緑資源機構の内規によりますと、競争参加資格の審査を経たものの中から、事業所の所在地といいますような地理的な条件や技術的な特性などの条件を基に指名をされた者が競争入札を行いまして、最低の入札金額で応札した者を落札者とするものでございます。  御質問の指名競争入札の有資格者数でございますが、随時審査が行われておりますが、平成十七年四月十四日時点で申し上げますと千七十四社であると承知をいたしております。なお、緑資源機構では、測量・建設コンサルタント業務を始めといたしまして、原則としてすべての業務におきまして一般競争入札を実施することとしていると承知しております。  また、発注金額についてのお尋ねございました。緑資源機構におけます林道の先ほど申し上げました測量・建設コンサルタント業務につきまして、平成十五年四月から平成十八年十月までの発注金額は合計で約三十七億円と承知をいたしております。
  189. 小林美恵子

    小林美恵子君 指名競争入札のいわゆる有資格者数が一千七十四社というのがございました。実際に指名するのは、例えば報道によりますと四%に当たっているとかいうお話もございますけれども、この数字、四十六社になるかと思いますけど、これは間違いないですか。
  190. 石島一郎

    政府参考人(石島一郎君) 手元の資料で申し上げさしていただきます。  緑資源幹線林道事業の、先ほど来申し上げております測量・建設コンサルタント業務に係ります平成十四年度から十八年度までの指名業者のリストは全部で五十社、五十団体となっておるところでございます。
  191. 小林美恵子

    小林美恵子君 私がいただいた資料によりますと、二〇〇三年四月から二〇〇六年十月の間で四十六社というふうになっておりますけど。
  192. 石島一郎

    政府参考人(石島一郎君) 大変恐縮でございます。ちょっと私ども、それと同じ資料、今手元にございませんもので、ちょっと確認ができないところでございます。
  193. 小林美恵子

    小林美恵子君 まあどちらにしても余り変わらない数字でございますけど、一千七十四社が、いわゆるそちらは五十社、私がいただいたのは四十六社でございますけど、まあ四%ぐらいでしょうね、四%か五%ぐらいということでしょうね。  それで、今発注額三十七億円というお話がございました。改めてお伺いしますけど、そのいわゆる緑資源の幹線林道事業費ですね、その費用事業額と国費の割合を二〇〇五年度から二〇〇七年度までお答えいただけますか。
  194. 石島一郎

    政府参考人(石島一郎君) 緑資源幹線林道につきまして、事業費に占める国費の割合でございますが、二〇〇五年度が約八一%、二〇〇六年度が約八〇%、二〇〇七年度が約七九%となっております。
  195. 小林美恵子

    小林美恵子君 事業費額おっしゃいませんでしたけれども、事業費額を言いますと、二〇〇五年度でいきますと全体で百四十九億円、二〇〇六年度百四十六億円、二〇〇七年度百四十一億円で、国費の割合が今御説明があったとおりでございます。  それで、緑資源機構というのは独立行政法人でございますけれども、お伺いしますと、他の独法とは違いまして運営費交付金の形式を取っていないと、補助金の形式を取っておられるということでございます。しかも、その林道事業費用が、先ほどの御説明がありましたように全体の八割が国費でございまして、つまり国民の税金でほとんど賄われていると言っても過言ではないと私は思います。  そういうふうにして国民の税金を投入しているこの事業ですね、改めて伺いますけれども、農水省所管の公益法人六法人、ここの受注額を法人ごとにお答えいただけますか。
  196. 石島一郎

    政府参考人(石島一郎君) 緑資源機構の測量・建設コンサルタント業務を受注しております林野庁所管の六つの公益法人につきまして、二〇〇三年四月から二〇〇六年十月までの受注額を申し上げますと、財団法人林業土木コンサルタンツが約七億円、財団法人森公弘済会が約五億円、社団法人日本森林技術協会が約三億円、財団法人林業土木施設研究所が約八千万円、財団法人林野弘済会が約四千万円、財団法人水利科学研究所が約二千万円であったと承知いたしております。
  197. 小林美恵子

    小林美恵子君 今発注額が三十七億円とおっしゃっておられましたので、この六法人が受注している額を考えますと四四%に当たる額というふうになるわけでございますね。私は、こうした要因といいますのは、やはり公益法人に対する農水省、林野庁からのやっぱり天下りがあるということを指摘せざるを得ないと思います。  そこでお伺いしますけれども、この六法人に対する天下りを農水省は把握をされているのか、そしてまた、把握されておられるなら、公益法人ごとに天下りの実態をお答えください。
  198. 石島一郎

    政府参考人(石島一郎君) 緑資源幹線林道事業の測量・建設コンサルタント業務を受注しております林野庁所管の六つの公益法人には、まず合計で申し上げますと、平成十八年四月時点で国家公務員退職者が二百十七名在籍をいたしております。  内訳を申し上げますと、財団法人林野弘済会が百十八名、社団法人日本森林技術協会が三十九名、財団法人林業土木コンサルタンツが三十七名、財団法人森公弘済会が四名、財団法人林業土木施設研究所が十名、財団法人水利科学研究所が九名となっております。
  199. 小林美恵子

    小林美恵子君 今説明をいただいたものを皆さんのお手元に資料として配付をさせていただきました。三年半の受注金額が一覧表でなっていると思います。同時に、今説明していただきました天下りといいますのは役職員数でございまして、それが全体で六法人で二百十七名です。そのうち、総数に占める比率は二七%なんですけれども、うち、天下りの役員数ですね、例えば財団法人林業土木コンサルタントでいきますと、三十七名の天下り役職員数のうち天下り役員数は十名という形になっています。  これはごらんいただいたら分かるかと思いますけれども、六法人合わせまして五十二名の役員の天下りでございますね。その役員の総数に占める比率が四二%です。要するに、役員のところに天下りがかなり行っているということが現実になっているということでございますね。  それで、その最終官職を私は拝見をしましてもう大変怒り心頭でございますけれども、最終官職が、林野庁長官筆頭にございまして、北海道、東北の森林管理局や、そしてまた緑資源機構経理担当理事も最終官職だったんですけれども天下りをされているということでございます。要するに、こうした天下りネットといいますか、こうした天下りネットが談合を生む仕組みだと私は思うんですね。  そこで農水省にちょっと伺いますけれども、林道談合疑惑について、先ほど公正取引委員長も、強制調査に入ったということは、報道されていることは違うとは言えませんというふうに御答弁がございましたけれども、要するに公取が入っているわけでございますが、農水省としては、いわゆる所管庁としてどういうこういう問題について対策を取るんですか。
  200. 石島一郎

    政府参考人(石島一郎君) 今回、緑資源機構、また受注法人が独占禁止法違反の疑いを受けているということは極めて遺憾であるというふうに考えておるところでございます。  このため、農林水産省といたしましては、五月前半をめどに農林水産省、緑資源機構などと関係のない第三者によります委員会を発足させました上で、緑資源機構、林野庁、そして受注法人の事業のやり方、人事システム、組織の在り方を含めました抜本的な再発防止策を検討していただくこととしているところでございます。あわせまして、林野庁、そして緑資源機構から問題となりました受注法人への再就職の自粛、また林野庁及び緑資源機構による発注事業の一般競争入札への切替え、これを進めていくこととしておりまして、一刻も早く国民に対する信頼の回復を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
  201. 小林美恵子

    小林美恵子君 更にお伺いしたいと思うんですけれども、こうした官製談合には、先ほども申し上げましたけれども、役所からの天下りと受注というのが連動していることがやっぱり問題だというふうに思うんですね。この仕組みにメスを入れることなしに根を絶つことはできないと思います。  林道工事に見られる官製談合をどうやったら根絶できるかということでございますけれども、政府が四月二十四日の臨時閣議で国家公務員法改正案を閣議決定されて、中央省庁による天下りあっせん禁止を柱とする対策を打ち出されました。その中身は、内閣府に官民人材交流センター、いわゆる新人材バンクですね、これを新設すると。安倍総理は、臨時閣議の後で、公務員制度改革は六十年ぶりの大改革だ、この改革によって談合は根絶されると胸を張られたと報道がございました。  省庁との間で人事情報の提供など、新人材センターと必要に応じて協力するという仕組みはありますよね、これ、この構想の中に。そこで質問なんですけど、これは農水省に質問ですけれども、この新人材バンク、そういうことで今回の緑資源機構の談合疑惑のように天下りが本当になくなるというふうに思われますか。これは農水省にまずお聞きをします。それから大臣に聞きますから。農水省。
  202. 石島一郎

    政府参考人(石島一郎君) 今国会に提出されております国家公務員法等改正法案におきましては、各府省などによる再就職のあっせんが禁止されまして官民人材交流センターに一元化することとされております。また、このセンターは、職員の離職に際し行う離職後の就職の援助に関することなどを行うこととされております。したがいまして、官民人材交流センターへの一元化が実施されれば、各府省などの再就職あっせんはなくなるものと考えておるところでございます。
  203. 渡辺喜美

    国務大臣渡辺喜美君) 今回の我々の案が国会でお認めをいただきますと、官製談合、天下りは根絶されます。
  204. 小林美恵子

    小林美恵子君 はっきりと申されましたね。しかし、省庁は人事情報の提供などで人材センターと必要に応じて協力するという仕組みが盛り込まれていますよね。こういうことで本当に天下り、根絶できるんですか。
  205. 渡辺喜美

    国務大臣渡辺喜美君) これは、結論からいけば本当に根絶されるんです。  つまり、今天下りというのは、各省が予算と権限背景にして人事の一環としてあっせんを行っているわけですね。したがって、送り出す方も送り出される人も、これ人事の一環ですから有無を言わせず行っているわけですよ。そうすると、受ける方の受皿は、これはまあ言ってみれば子会社みたいな感覚になるわけですね、独法にしても公益法人にしてもですね。そういうシステムでやっているわけですから、正にその癒着の温床みたいなことが起こっているわけでございます。  今回の法案では、先ほど石島次長の解説にもあったように、各府省庁のあっせんは全面的に禁止されるわけであります。もしこの禁止を破ってあっせんしたりいたしますと、懲戒処分という公務員にとっては大変に厳しい処分が待っているわけでありますから、これはなくなるということが言えるわけでございます。  一方、官民交流人材センターというのは、これは正に中立的な機関なんですね。予算や権限背景にしない中立的な機関であって、ここは再就職支援と、人事の一環じゃないんですよ。再就職支援なんですから、これは受ける受皿の方も、ああ、この人は要りませんと断りやすくなるわけですね。癒着の温床が絶たれるということでございます。  それだけではありませんよ。再就職等監視委員会というチェック機関をつくるわけですから、これは厳しいですよ。口利き規制まで入れちゃうんですからね。これ刑事罰付きですから、これ。今はそんなことやっていませんから。ですから、こういう二重三重の体制を取る。だから、あれだけ猛反対があったんですね。しかし、我が安倍総理の威令が行われまして、総理の御決断の下にこういう法案閣議決定をしたということでございまして、法案だけではなくて、政府・与党合意というのも併せて閣議決定をしたわけでございますから、官製談合も天下りも根絶されるということでございます。
  206. 小林美恵子

    小林美恵子君 えらい胸を張って大きな声でおっしゃられますけれども、今回の改革では、現行の退職後二年間、退職前五年間に就いた職務と密接な関係のある営利企業に就職できない事前規制を撤廃すると。で、事後規制として新人材バンクが一元的に再就職をあっせんすると。その事前規制を撤廃して、それで大臣、胸を張って言えるんですか。
  207. 渡辺喜美

    国務大臣渡辺喜美君) これは、お隣の山下先生からもいろいろ御意見をいただきまして、すぐに撤廃はいたしません。完全に一元化をされる、そのときに撤廃はいたしますが、しばらくの間はこのクーリングオフ規制は残るわけでございます。  いずれにしましても、現在の国家公務員法がいつごろできたかというところは、昭和二十二年なんですね。当時の日本人男性の平均寿命が五十歳ですよ、女性は五十三歳。今はもう三十年も長生きするようになっちゃったんですね。だから、人生五十年の時代には役人は死ぬまで役人だと、こういう制度が通用したんだけれども、今の御時世に公務員の再就職を認めないと、これはちょっと時代錯誤じゃないでしょうかね。
  208. 小林美恵子

    小林美恵子君 私は天下りの問題を問題視をしているわけですよね。すり替えないでくださいね。  それで、今日の日経新聞にこういう記事が載っておりました。「新・人材バンク 官製談合抑制「効果なし」」というのがございまして、大臣も恐らく見ておられると思いますけれども、企業の意識調査でございます。対象二万社、回答数は九千六百五十社のアンケート結果でございますけれども、それを見ますと、新人材バンクを設置しても官製談合の抑制につながらないと回答したのが五四%になっています、つながると答えたところは一二%でございますけれども。しかも、その抑制につながらない理由が、新人材バンクの運用への懸念だというのが六七%もあります。大臣はそういうふうにおっしゃいますけれども、こういう指摘があるわけでございます。  こういう指摘というのはしっかりと受け止めるべき必要があるんじゃないですか、どうですか。
  209. 渡辺喜美

    国務大臣渡辺喜美君) この資料、私も拝見しまして、今委員が御指摘の二万七千社というのは、言ってみれば一般の会社なんですね。天下りを受け入れていないところが大宗だと聞いております。したがって、新人材バンク、まあ我々の言葉で言う官民人材交流センター、こういうスキームの、何というのか、イメージがよくまだわかないんだと思うんです。  しかし、私の話を聞けばこれはすごいことだということが分かるわけであって、残念ながらまだPRの機会がないものですからね、一般の方々にはなじみが薄いのかもしれませんけれども、まさしくこの官民人材交流センターは天下り根絶センターであるということが言えるわけでございます。
  210. 小林美恵子

    小林美恵子君 私はこういう、二万社ですよね、二万社。回答が約一万近いですよね。こういう指摘を、私の説明が分からないからとか余り行き渡っていないからとか、そういう言い方でお返しになるのは国民の意識動向をやっぱりきちっと直視しない姿勢だというふうに私は強く指摘しておきたいと思います。きちっとこういう指摘はしっかり受け止めて政策判断をしていくというのが大臣の立場というものじゃないですか。その姿勢に対してだけお答えください。
  211. 渡辺喜美

    国務大臣渡辺喜美君) 一方、この帝国データバンクはもう一つ別の調査もやっているんですね。それは、天下りを受け入れている企業にも聞いているわけですよ。そうすると、そっちの方は、相変わらず受け入れるというところは三四・八%、一方、削減、自粛を検討するというのが三六・四%なんですね。ですから、ほぼ拮抗している数字が出てきております。自粛、削減を検討する理由として述べている最大のものは、メリットがない、六三・六%と、こういう結果が出ているわけでございまして、中には非常に率直な御意見なんかもありますね。見返りが期待できない、天下りがいないと指名に影響するが費用対効果は非常に悪いなどという御意見もあったりするわけでございまして、これはなかなか面白い調査だなと思って私も拝見をいたした次第でございます。
  212. 小林美恵子

    小林美恵子君 しかし、受け入れるというところもあるということでございますから、大臣はなくなるというふうに言いますけれども、なくなるわけがないということの示しでもあるということを申し上げておきたいと思うんです。  最後になりますけれども、私はやっぱり公務員の問題を考える際にも、五十歳前後で天下りするような慣行こそやっぱり改善をすべきだと。定年まで働くことができる、本当に国民全体の奉仕者としてしっかり働くことができる、そういうことを考えることの方が本来いい改革だというふうに私は思いますけれども、この点を指摘をして、質問を終わります。
  213. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  昨年、行革法及び公共サービス改革法の論議において、官民競争入札、すなわち市場化テスト制度について、従事してきた公務員労働者の処遇が不透明なまま強引に法制化をされてしまったという経緯があります。行革特別委員会などで度々論議をいたしましたけれども、当時の中馬大臣は当該の公務員の行く先が大問題になるために明確にこの点はされなかった、こう思います。  そこで、この点でまず大田大臣の見解を伺ってまいりますが、市場化テストそのものは最終到達点としてその対象業務の完全民営化を目指しているのかどうか、この点まずお聞きしたいと思います。
  214. 大田弘子

    国務大臣(大田弘子君) 市場化テストは民営化とは異なりまして、あくまで政府政府の責任において行う業務について、必ずしも公務員でないものもございます、それについて、官と民、あるいは民間同士、サービスの質と価格を競って、民間事業者が受託した、落札した場合は委託されるというものです。官が落札すれば、官がそのまま実施いたします。  ただ、公共サービス改革法では、その見直しの中で、国の責任においてやることが不要だと判断される業務がありましたら、それは廃止、民営化ということになりますが、基本はあくまで政府がやるものについて民間が委託するということになります。
  215. 又市征治

    ○又市征治君 つまり、官と民の健全な競争を数年置きに繰り返すというのが目標だということですが、そうすると、次の入札までの数年間、官の側に余剰人員となってくるその部門の公務員の雇用とノウハウを引き続き何らかの形で、つまり応札ができる状況というものが、残さなきゃならぬということになるわけですね。つまり、業務を再開し得る状態で維持しておかなきゃならぬということになるわけですが、その維持のためのコストというのはどういうふうに計算をされて、役所の中のどんな部門で負担をしていこうというお考えですか。
  216. 大田弘子

    国務大臣(大田弘子君) 官民競争入札を行いまして民間事業者が落札するということになりますと、これはその実施は公務員でなくてもよいということが認められたということになりますので、その余剰となった組織を維持することは適当ではないと考えております。公務員はやはりどうしても公務員でなければやれない業務に特化していくと、集中化していくということが国民の利益にもかなっていると考えております。したがいまして、その業務を実施していた組織や定員というものは廃止、縮減されることになると認識しております。  ただ、ノウハウにつきましては、全国多数の事業所がある場合について市場化テストがなされるということが多くございますので、その場合は全部の事業所を市場化テストにかけるということでありませんで、最初は一部の事業所について市場化テストを行うと。そうしますと、残された事務所においてはノウハウは維持されます。そもそも政府部内にどのようなノウハウや知見を維持すべきなのかということについては、それぞれの事業の特性を踏まえて適切に判断すべきものと考えます。  それから、その業務に従事していた職員の処遇ですけれども、昨年の公共サービス改革法の御審議におきまして、「公務員の雇用の確保に配慮し、政府部内での配置転換と新規採用の抑制により対応することを基本とする」という附帯決議をいただいております。こうした決議を踏まえまして、適切に対応してまいりたいと考えております。
  217. 又市征治

    ○又市征治君 今おっしゃったことをもう一度再確認の意味で言い方を変えますが、いずれにしましても、ポスト廃止になった場合、それを理由に当事者を分限免職にするなどという、こんな理不尽な、つまりは一般労働法にすら違反するようなことは、これはないということですね。
  218. 大田弘子

    国務大臣(大田弘子君) そういうことはございません。
  219. 又市征治

    ○又市征治君 市場化テスト、民営化の是非というのは別にして、今、大田大臣がおっしゃった政府の考え方については一応理解をいたします。  そこで、現状は今までに七つ実施をしているわけですが、いずれも民同士の入札にしたものですね、これ。官と民を競争させた国の事業の例はないということです。  そこで、市場化テストを試行した言わば最大の例であります厚生年金の加入促進事業の試行結果については、先般、私は四月二十三日、この委員会で取り上げました。当局は成功したかのように言われるんだが、報告をよく読むと、実は価格面ですら問題だらけだと、こう言わなきゃならぬですね。特に最大の欠陥というのは、公正さが失われるということが非常に大きな問題だというふうに思うんです。報告を見ると、民間受託企業は加入勧奨さえすれば契約上はオーケーだと、難しい相手企業には積極的な取組を行わない方が利益が上がると、こう書いてある。つまり、従業員に取りやすい企業からだけ取らせるからと、こういうことなんでありますね。つまり、職員と同じ公正さを求めるというのは、これは民間に任せた場合にこういうのは無理があるということを証明しているわけですね。  また、国民年金の収納の場合の報告書でも、反省として、到達目標を適正にすべきだと、ノルマをもっときつくしないと業者は働かないと書いてある。つまり、現場労働者に過重な労働を押し付ける営利主義の仕組みに公共サービスを合わせようとしているというふうに見ざるを得ませんね。  そこで、質問なんですが、去る三月、求人開拓事業市場化テストで入札に掛けたけれども、高知と佐世保では応札企業が現れず、また旭川では応札が予定価格より高くて不調に終わった。企業はできませんと、こう言うわけですね。雇用情勢が冷え込んでいるこれらの地方で求人を探す仕事は企業ベースではコストが掛かり過ぎるということでしょう、この地域の問題を見ますと。しかし、応募する企業は、利潤を上げるために、そうすると賃金を下げるか契約額を上げさせるか手抜きをするか、これは資本の当然の論理だろうと思うんですね。  このケースを見て、公平、公正さが求められる公共サービスを低コストで企業にやらせようという発想には限界があるんじゃないのか、これは一般的な問題としてですよ。この点について、大臣の認識をお伺いしたいと思います。
  220. 大田弘子

    国務大臣(大田弘子君) 求人開拓事業については、御指摘のような入札不調がございました。  この原因につきまして、私どももしっかり受け止めなくてはいけませんので、今ヒアリングをして調査しております。  一年間の事業であったというようなことがございますし、同じ地域で三つの市場化テスト、同種の事業がありまして、求人開拓以外に求人プラザですとか三つの事業が行われて業者が分散してしまったというようなこともございます。この事業については、入札不調の原因をしっかり調べて改善していきたいと思っております。  先生指摘のコストの点ですけれども、もちろんコスト削減だけを目的にして安かろう悪かろうになるということは厳に避けなくてはならないと考えております。やはり国民の立場に立って、安いだけではなくて、良いサービスの質が確保されるということが重要なポイントです。このポイントに立って改革を不断に行っていきたいと思っております。  安かろう悪かろうとならず、公共サービスの適正かつ確実な実施を確保するために、まず入札参加資格を設定しております。それから、公共サービスの実施に当たって確保されるべき質の明確化及びこれを前提とする落札者の決定を行っております。それから、国による監督も行っております。  こういう問題点につきましては、私どももしっかりと受け止めて、改めるべき点は改めながら、民間事業者の創意と工夫が生かされる市場化テストにしていきたいと考えております。
  221. 又市征治

    ○又市征治君 何となくお言葉でそういうお話になると分かったような分からぬような気がするんですが、大変めり張りのあるお言葉で分かりやすいんですが。  もう一つ観点変えて言いますと、公の仕事を官と民の間で価格競争で行うという、これは競争なんですからそういうことなんでしょうね。しかし、片や公益性、片や利潤、こういう異なる社会原理で動いている官と民を同列に比較するというのは非常に難しい、こう思うんですね。それを無理にやろうということになるわけで、その場合、企業の優位性というのは、じゃどこに出てくるのか。  結局は、今あなたがおっしゃったけれども、私は、民の優位性の実態というのは、公務としての公正さその他を捨象して、極めて狭い意味のコスト、中でも低賃金労働を使うことによる人件費削減にほかならないんではないのかと、こう思うんです。これは、公共サービスの質の低下を招いたり、役所が要求して低賃金を民間に波及させるということになっていく、社会にとって大変大きな問題をもたらす。このことの実例が、JRの正にあの西日本の惨事、あるいは建築確認を、これを民間に任せる、一部任せるということによって耐震偽装が生まれてきた、見抜けなかった、こういう問題、あるいは埼玉のあのプールの民営化によっていたいけない少女の死亡事故が起こってくる、こういう問題などを呼び起こしているわけですよ。  そういうやっぱり利潤利潤ということになっていくとこういう問題をもたらすということについて、先ほどあなたは価格だけの問題じゃないというふうにおっしゃったわけだが、こういう問題を本当にやっぱりきちっと見抜いて、どうしていくのかという問題があるんだろうと思うんだが、その点についてもう一遍改めてお答えをいただきたい。
  222. 大田弘子

    国務大臣(大田弘子君) 二つの点申し上げたいと思いますが、市場化テストは、繰り返しになって恐縮ですが、民営化ではありませんで、政府政府の責任の下において行う事業、それを実施を公務員ではなく民間事業者に委託するということですので、そのサービスの質については随時監視いたします。そして、監視して不適切な対応があった場合には指示をしたりあるいは契約解除を行うという事後チェックの仕組みはしっかりとできております。  それから、官が行っていたものを官と民が競争入札やる場合には、サービスの質とコストを両面比較いたします。それから、民間同士が競争入札を行う場合には、官がそれまで掛けていた人員、設備、それからコストというものを計算いたしまして、それを実施要項の中で明らかにしながらチェックして競争を行います。したがいまして、民間は、民間競争入札の場合も間接的に官とサービスの質とコストを競うということになりますので、そういう意味でサービスの質の維持は確保されていると考えております。  もう一点付け加えますと、この実施要項の中で、これだけのサービスの質は確保しなければならないというのは定量的に目標を掲げて、これだけの質はだれが受託してもやらねばならないということは確保されるようになっておりますので、公共サービスの質は確保される仕組みが担保されていると認識しております。
  223. 又市征治

    ○又市征治君 そういうふうにいい方向ばっかりおっしゃるんだが、現実に社会保険の問題はもう既に施行されて、そういう問題がありましたよというのは、これ総務省報告でまとめられたのかな、そういう格好になっているわけで、そういう点もしっかりとやっぱり見てほしいということを申し上げておきたい。  そこで、もう一つこの問題について大田大臣には申し上げておきたいのは、これは御回答要りませんが、ハローワークについては、このILO八十八号条約で、職業安定組織については公務員が従事し、全国ネットワークで行うというふうに定めているわけでありまして、市場化テストの対象とすべきじゃないんだろうと私は思うんですね。一部にそれは昔のことだという論議があるようですけれども、リクルート社などの職業紹介広告が、広告主つまり就職先企業の雇用条件のうそをそのまま掲載をした、そして労働者が苦しんだ例というのがこれはもう随分と出されたわけですね。現在、派遣労働では三〇%ピンはねも普通だと言われながら、そんな派遣業者に、労働者が職がないからそこに頼っていかざるを得ないという労働者の実態、こんなこともあります。こうした格差を改めさせる上でも、ILO条約のうたう公共による職業安定機能というのはセーフティーネットとして守るべきだと、こう思うんで、その点についてはこれは意見として強く申し上げておきたい。  あと、大臣、何か御都合があるようですから、御退席いただいて結構です。  そこで、次にコンピューター関係の問題に移らしていただきます。  先ほど、IT関係については藤本委員からもかなり突っ込んでお話がございました。私も、昨年のこの決算委員会質問を何回かいたしまして、参議院の措置要求決議にも盛り込まれたところであります。また併せて、参議院は会計検査院検査要請を行って、これを受けて会計検査院が昨年十月に単発の検査報告を出されて、更に詳細に問題点を指摘をされているわけですね。  そこで、まず検査院にお伺いをしますが、ほとんどが随意契約だったIT関係の委託契約ですね、この点についてですが、昨年私は、内閣府の調査で、データに制約がありましたけれども、その中からおよそ一億円以上の契約全般の中ではもう七割から八割が随意契約じゃないのか、特に随契が多いのはIT契約だということを指摘をいたしました。  十月の検査報告ではどういう格好だったか、簡潔にこれは御説明いただきたい。
  224. 増田峯明

    説明員(増田峯明君) 私どもの検査の結果について申し上げます。  十六年度の支払金額三百万円以上の契約、二千八百七十三件、支払金額四千七百三十二億円について見ますと、随意契約の割合は、件数でいうと八〇・八%、金額で九六・三%となっております。中でも、データ通信役務契約につきましては随意契約の割合が一〇〇%になっております。  また、十六年度の年間支払金額が一億円以上になっている三十一省庁契約について見ますと、一社の契約相手方で支払金額の五〇%以上を占めている省庁は十三省庁ございました。  それから、下請又は再委託についてでございますが、支払金額一億円以上の請負契約又は委託契約、二百十八件ございますが、このうち、下請等が行われているものは百五件、四八・一%、それから行われていないものは九十三件、四二・六%となっておりましたほか、下請等の有無を発注者が把握していないもの、これが二十件、九・一%となっておりました。  また、下請等が行われている百五件の契約のうち、下請等に係る金額を発注者が把握している七十八件の契約について見ますと、国の支払金額に対する下請等に係る支払金額、いわゆる下請率でございますが、その割合が五〇%以上となっておりますのが七十三件、九三・五%となっていたところでございます。
  225. 又市征治

    ○又市征治君 そこで、高市大臣にお伺いをしてまいりますが、お聞きのとおり大変な、随意契約がもう膨大に上っているということでありまして、その後、会計法や予算決算令に立ち戻って一般競争入札にせよという指示が各省庁に出されたわけですけれども、しかし、様々な理由を設けて、例外と称して随契がやっぱり続いているようですけれども、随契をなくす手法というのは既に明らかにされているのですから、数値目標などを立てて、期限付きでやっぱり各省庁にこのことを御指示なさるおつもりはございますか。
  226. 高市早苗

    国務大臣(高市早苗君) 今各府省で策定されております随意契約見直し計画に従いまして、徐々に随契から競争入札への見直しは進められております。  特に、私の関係ですと情報システムに係る調達なんですけれども、各府省が締結している随意契約のうち、大規模情報システムに関しましては従来から業務・システム最適化計画を各府省で策定をいたしております。  この中で、時期、まあ時期というよりも期限というんですか、そういったものを切ってという御指摘でございますけれども、この各府省で策定しております計画の中に設計、開発などの時期を示した最適化の工程表が明示されておりますので、これに従ってしっかり計画的に行っていただくということをチェックしたいと思います。  さらに加えまして、今年の三月のCIO連絡会議におきましてこの各府省での情報システム調達に係る統一的なルールを定めました。情報システムに係る政府調達の基本指針というものを策定いたしましたので、これに従って、しっかり仕様書の記載内容の具体化ですとか分離調達の促進を行ってまいります。
  227. 又市征治

    ○又市征治君 随意契約をなくす手法なんというのはもう示されているわけですからね、この中身そのものは私もそれでいいと思うんですよ。ただし、個々の契約の金銭的な整合性を点検するだけではこれは不十分でして、システムそのものの必要度を疑ってみるべきでもあろうと思うんです。  ここのところは藤本さんも御指摘になりましたけれども、その最も顕著な例というのが、全府省に作られたわけですけれども、国民の利用がほとんどない電子申請システムですね。とりわけ、そのうち汎用システムは、利用率の平均が〇・〇二%、正に顕微鏡的小ささというか、低さというか、こういう話なわけで。  さて、検査院は、このようにほとんど利用されていない理由をe―Japan計画との関係でどういうふうに分析をなさったんですか。
  228. 増田峯明

    説明員(増田峯明君) お答え申し上げます。  今委員がおっしゃいました利用率が非常に低調になっているということにつきましては、その背景一つとして、e―Japan計画等におきまして、国民等と行政との間の実質的にすべての申請・届出等手続を二〇〇三年度までのできる限り早期にインターネット等で行えるようにするとされたことなどを受けて、各省庁が原則としてすべての手続をオンライン化したことがあるのではないかというふうに私どもは考えているところでございます。
  229. 又市征治

    ○又市征治君 つまり、元々申請件数が年間に五十件以下といった頻度の少ない手続、九千六百件までも委細構わずオンライン化したからと、こういうことなんでしょう。その根っこにあるe―Japan計画という号令自体をやっぱり私は疑ってみる必要があるんだろうと思うんですね。これが各府省におけるIT企業の言いなりの不必要なシステムを強制をしたわけです。行政のIT化というのは、IT企業の繁栄のための、むしろこじつけた需要創出、利権ばらまき政策であるのかと疑われてもしようのないこういう事態を招いた、こういうことだと思うんです。  そこで、高市大臣、この検査院の報告を本当にしっかりと受け止めて、この肥大化したIT計画、e―Japan計画というものも見直すところがあるんじゃないですか。その点についてはどうお考えですか。
  230. 高市早苗

    国務大臣(高市早苗君) システムをそれぞれ省庁で導入されるときに、利用者の利便性向上ですとか、行政事務の効率性の観点ですとか、システム全体としての効果ですとか、そういったところを考慮したというふうには聞いておりますけれども、しかし、政治は結果でございます。実際に利用率がこういう状況であるというのは、大変な無駄が発生したということは否めません。私も大変残念に思います。  そこで、ちょうど先月、四月に電子政府評価委員会で報告書が出まして、これをIT戦略本部の方でも御報告いただいたんですが、やはり欠けていた点というのは、利用者の目線の業務、サービスがちゃんとできていないと。例えば、ワンストップサービスが徹底できていないばっかりにいろんなところに結局出向かなきゃいけないとか手間が非常に掛かるというような点はあるかと思いますし、それから、利用者のニーズをじゃ正確に把握していたのかといったら、それも不十分だったんだろうと思います。  それから、やはり費用対効果の高い利用促進策というのをこれはきちっと展開しなきゃいけない、広報啓発も不十分であったろうと、行政の方の職員の意識も向上させなきゃいけない、いろんな御指摘をいただいたところでございますので、今後、国と地方の枠を超え、なおかつワンストップというものをできるだけ実現していくような、利用していただきたいような体制を整えていきたいと思っております。
  231. 又市征治

    ○又市征治君 いずれにいたしましても、汎用システムと専用システム、合計で二十省庁四十一システム、三百二十九億円もつぎ込んでいるわけですよね。だから、そういう点を含めて、やはり本気にしっかりと見直すところは見直していくべきだと、本当にこれは一面で無駄遣い、IT産業をそれこそもうけさせるだけ、こういう批判を招かないようにしっかりと取り組んでいただきたいと、こう思うんです。  そこで、次に財務省にお伺いしますが、ITの再下請、再委託は、契約の上で禁止をしている件数は一一%しかない。そして実際にも、調査対象のうち四八%で再下請があるし、再下請の有無すら役所がつかんでいないものも九%ある。さらに、九四%において再下請額が半額以上を占めている。つまり、丸投げに近いという結果が出ていますね。  再下請、再委託は、昨年、全府省にわたり随契を入札に改める中で禁止の方向が出されたわけですが、その後どういうように改善をされたのか、お伺いします。
  232. 鈴木正規

    政府参考人(鈴木正規君) 今お話がありましたように、一昨年の、十七年の二月に、再委託につきましては、各省庁に対しまして、一括再委託を禁止すること、再委託を原則承認制とすること、再委託の承認を行うに当たっては、再委託の合理性があるか、随意契約によることとした理由との間に矛盾や疑念が生じないかといった点を確認するようにということを通知してございます。  こうした通知を踏まえまして、十七年度からは各府省において取組が進められているものと承知しております。
  233. 又市征治

    ○又市征治君 いずれにしても、こんな問題、しっかりと、実際もっとしっかり点検をしてほしいと、こう思います。  総務大臣、申し訳ありませんでした、時間が来てしまって。大変忙しいのに来ていただきましたが、質問できないことを大変残念ながらおわびを申し上げて、これで終わりたいと思います。
  234. 泉信也

    委員長泉信也君) 他に御発言もないようですから、皇室費内閣内閣府本府及び総務省決算についての審査はこの程度といたします。  次回は来る十四日午後一時から開催することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十六分散会