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2007-04-09 第166回国会 参議院 決算委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十九年四月九日(月曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  三月十六日     辞任         補欠選任         松下 新平君     高橋 千秋君  三月十九日     辞任         補欠選任         那谷屋正義君     神本美恵子君  三月二十三日     辞任         補欠選任         犬塚 直史君     広田  一君  三月二十五日     辞任         補欠選任         柏村 武昭君     矢野 哲朗君  三月二十六日     辞任         補欠選任         岡田  広君     太田 豊秋君      小泉 昭男君     大仁田 厚君      広田  一君     犬塚 直史君  三月二十七日     辞任         補欠選任         大仁田 厚君     小泉 昭男君      太田 豊秋君     岡田  広君  四月六日     辞任         補欠選任         神本美恵子君     大久保 勉君      高橋 千秋君     那谷屋正義君      松井 孝治君     松下 新平君      小林美恵子君     大門実紀史君  四月九日     辞任         補欠選任         加藤 修一君     鰐淵 洋子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         泉  信也君     理 事                 小池 正勝君                 中島 眞人君                 吉田 博美君                 直嶋 正行君                 柳澤 光美君                 弘友 和夫君     委 員                 岩井 國臣君                 岡田  広君                 岸  信夫君                 西島 英利君                 藤井 基之君                 山谷えり子君                 朝日 俊弘君                 犬塚 直史君                 大久保 勉君                 津田弥太郎君                 那谷屋正義君                 福山 哲郎君                 藤末 健三君                 藤本 祐司君                 松下 新平君                 山下 栄一君                 鰐淵 洋子君                 大門実紀史君                 又市 征治君    副大臣        内閣府副大臣   林  芳正君        総務大臣    大野 松茂君        財務大臣    富田 茂之君        国土交通大臣  渡辺 具能君    大臣政務官        財務大臣政務官  椎名 一保君    事務局側        常任委員会専門        員        桐山 正敏君    政府参考人        内閣審議官        兼行政改革推進        本部事務局次長  大藤 俊行君        内閣審議官        兼行政改革推進        本部事務局審議        官        鈴木 正徳君        総務大臣官房審        議官       榮畑  潤君        総務省行政管理        局長       石田 直裕君        総務省行政評価        局長       熊谷  敏君        財務大臣官房参        事官       香川 俊介君        財務省理財局次        長        小手川大助君        中小企業庁次長  加藤 文彦君        国土交通省住宅        局長       榊  正剛君    説明員        会計検査院事務        総局第一局長   諸澤 治郎君        会計検査院事務        総局第三局長   高山 丈二君        会計検査院事務        総局第四局長   鵜飼  誠君        会計検査院事務        総局第五局長   増田 峯明君    参考人        国民生活金融公        庫総裁      薄井 信明君        農林漁業金融公        庫総裁      高木 勇樹君        中小企業金融公        庫総裁      安居 祥策君        公営企業金融公        庫総裁      渡邉 雄司君        沖縄振興開発金        融公庫理事長   松田 浩二君        国際協力銀行総        裁        篠沢 恭助君        日本政策投資銀        行総裁      小村  武君        独立行政法人住        宅金融支援機構        理事長      島田 精一君        独立行政法人住        宅金融支援機構        理事       吉井 一弥君     ─────────────   本日の会議に付した案件平成十七年度一般会計歳入歳出決算平成十七  年度特別会計歳入歳出決算平成十七年度国税  収納金整理資金受払計算書平成十七年度政府  関係機関決算書(第百六十五回国会内閣提出)  (継続案件) ○平成十七年度国有財産増減及び現在額総計算書  (第百六十五回国会内閣提出)(継続案件) ○平成十七年度国有財産無償貸付状況計算書(  第百六十五回国会内閣提出)(継続案件)  (政府関係機関の部)     ─────────────
  2. 泉信也

    委員長泉信也君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日までに、柏村武昭君、小林美恵子君、松井孝治君及び加藤修一君が委員辞任され、その補欠として矢野哲朗君、大門実紀史君、大久保勉君及び鰐淵洋子君が選任されました。     ─────────────
  3. 泉信也

    委員長泉信也君) 平成十七年度決算外二件を議題といたします。  本日は、政府関係機関、すなわち国民生活金融公庫住宅金融公庫農林漁業金融公庫中小企業金融公庫公営企業金融公庫沖縄振興開発金融公庫日本政策投資銀行及び国際協力銀行決算について審査を行います。     ─────────────
  4. 泉信也

    委員長泉信也君) この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これら決算概要説明及び決算検査概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 泉信也

    委員長泉信也君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  速記を止めてください。    〔速記中止
  6. 泉信也

    委員長泉信也君) 速記を始めてください。     ─────────────
  7. 泉信也

    委員長泉信也君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 小池正勝

    小池正勝君 自由民主党の小池正勝です。  政策金融機関決算について御質問をさせていただきます。  この政策金融機関につきましては、官から民へ、民間にできることは民間に、そして集めたお金は有効に使う、民間にゆだねて有効に使うという大方針の下、これは政策金融機関統合するということが政府として決定をされているわけでございまして、その法案もこの国会に出ているわけです。商工中金は民営化政投銀民営化等々、いずれにしても民営化という形で政府の方は方針を決められて法案も出されていると、こういう状況に今あるわけです。  法案自身は別の機会に審議していただくということですから、ここでその法案の云々という話をするわけではないんですが、ここで統合するということになりますと、当然統合がうまい具合に進んでいかなければならない、二十年の十月に統合して日本政策金融公庫として発足するという予定になっているわけですから、うまくこれが機能していかなければならない、正にそれはそういうことだと思いますし、その方向は私も大賛成なんですけれども、そこで、であればこそ、まず、統合する今の機関がきれいな形でなければならない、そう思って今回の決算書を見させていただくと、政府系金融機関赤字というのが三つほどあるということが指摘されておるわけであります。  ここに新聞の切り抜きがあるんですが、これ日経新聞ですけれども、「不良債権処理の増加などで中小企業金融公庫農林漁業金融公庫住宅金融公庫の三機関最終赤字だった。九機関平均不良債権比率は五・〇%に高止まりし、大手銀行や地方銀行平均を上回った。」と、こういう記事がございます。やはりこの統合をうまく進めるということになりますと赤字というのをどう考えるのかということが大きな問題になってくるし、この赤字の解消に向けてどのように取り組むか、あるいは不良債権をどうするかということも大きな課題として残っているんだろうと思うんです。  そこで、順次お伺いしたいんですが、まず中小企業金融公庫さんからお伺いいたしますが、まず十七年度の決算、いかがだったんでしょうか。
  9. 安居祥策

    参考人安居祥策君) 今の収支につきましてお答え申し上げます。  中小公庫は六勘定区分経理をしておりますが、その中で、まず融資勘定信用保険等業務勘定につきまして御説明申し上げます。  まず、融資勘定でございますが、先ほどございました期間損益で四百五十二億円の赤字となっております。これに対しまして、収支差補給金三百三十三億円を受け入れまして当期損益ゼロということでございます。この赤字の要因でございますが、金融システム不安発生時に政府系機関といたしまして積極的にセーフティーネット機能を果たしましたということから、近年、多額の貸付金償却、十七年度で六百八十四億円でございますが、を余儀なくされているということでございます。  今後につきまして、中小企業の景況は改善傾向にあるということもございまして延滞発生は落ち着きを見せておりますが、融資に当たっての適正な企業審査及び融資後の経営改善指導にも更に努力していくつもりです。  それから、信用保険等業務勘定でございますが、これの公会計におきます当期損益というのは千六百三十五億円の赤字でございます。この理由でございますが、信用保証協会から収納いたしました保険料及び回収金の収入三千五百七十七億円に対しまして、信用保証協会に対する保険金支払、これが五千二百五十三億円ということでございます。そういうことで、中小企業信用保険収支が千六百七十六億円の赤字ということでございます。  今後につきましては、信用保険事業の健全かつ持続可能な運営を図っていくために、平成十八年度から保険料率弾力化を図る等、収支改善に向けて今取り組んでおりまして、その効果を見極めていきたいというふうに思っております。  以上でございます。
  10. 小池正勝

    小池正勝君 今のお話は、政府の方で貸し渋り対策とかいうことを行って、中小企業金融安定化特別保証でしたか、様々な形で公庫さんがおやりになったということで、赤字といいますか、回収がうまくいっていない部分があるんで赤字になるんだと、こんな御説明だったんだろうと思うんですが、このことは後ほど各論の方で詳しくお伺いしようと思いますので、これ自体はここに置いておいて、とりわけ中小公庫さんの不良債権比率が高いという指摘があるんですが、まず、不良債権比率、どうなっていますか。
  11. 安居祥策

    参考人安居祥策君) お答えいたします。  中小公庫不良債権比率及びその削減策でございますが、平成十七年度末の中小公庫不良債権比率が一三・七%になっております。  中小公庫は、民間金融機関リスクを取ることが困難な中小企業者に対して積極的に長期資金を供給するということを目的にしております。これまでも、セーフティーネット事業再生、新事業といったリスクの高い分野への貸付け、あるいは融資先資金繰りが一時的に悪化した場合の貸付金償還条件変更等によりまして政策性の発揮に努めてまいった次第でございます。このため、民間金融機関と同じ基準で不良債権比率を算出いたしました場合には、先ほど申し上げたように非常に高い水準になっております。  近来、融資に当たりましての適切な企業審査融資後の経営改善支援に従来にも増して力を入れておりますことから、不良債権残高は着実に減少しております。また不良債権比率も、貸出し残高が減ってきておりますのでその改善値はやや小幅でございますが、着実に改善はしてきております。そういうことで、今申し上げたように、これからも改善に努力してまいりたいと思います。  以上でございます。
  12. 小池正勝

    小池正勝君 今、一三・七%というお話をいただいたわけですが、大手民間都市銀行不良債権比率、御存じですか。
  13. 安居祥策

    参考人安居祥策君) はい、大体五パー以下でございますし、最近は非常に皆さん頑張って改善されていることを承知しております。
  14. 小池正勝

    小池正勝君 ここに新聞に書いてあるんですが、大手民間銀行一・八%という数字になっております。一・八に比べて一三・七、余りにも高くありませんか。
  15. 安居祥策

    参考人安居祥策君) 先ほど申しましたように、もう非常に私も高いと思います。ただ、貸付けについての先ほど申しました中身が相当違うというのが非常に大きな理由でございますし、政策金融機関として都市銀行とすぐに同じレベルでということにはなかなか難しいと思います。  特に、ちょっと御説明しますと、先ほど申しました貸出し条件緩和債権でございますが、従来は、十五年まではこれはいわゆる不良債権に計算してなかったわけでございますが、金融庁からのお話もございまして十六年度から入れたという格好もございまして、若干その点は、いわゆる短期資金繰り短期付けはできませんので、それの絡みでそういう条件変更をしているということで、若干そこは違うところも一部ございます。
  16. 小池正勝

    小池正勝君 今おっしゃったように、高いんだと、一三・七%は民間に比べてはるかに高いということをおっしゃっている、政策金融だからそういうものなんだと、こういうことをおっしゃっているわけですが、しかしこれ民営化するわけですからね。民間銀行と同じようになっていくわけですから、余りにも高いのがしようがないという話になると、これは具合悪いんですよね。どうされますか。
  17. 安居祥策

    参考人安居祥策君) 要するに債務残高不良残高等も含めまして、統合に絡んで評価委員からきちっとデューデリジェンスをしていただいて、それをもって統合へ持っていくと、こういうことになっておりますので、そういう格好でいくと思っております。
  18. 小池正勝

    小池正勝君 それでは、せっかく今日は総裁もいらっしゃるわけだから、総論だけではなくて各論の方も御質問をさせていただこうかと思いますが、中小公庫さんがおやりになっている中で、中小企業金融安定化特別保証制度というのがあります。これは、貸し渋り対策として、中小企業資金繰りが悪化したことの対策として、平成の十年から十三年でしたか、にやったという制度なわけですけれども、当初では三十兆円の保証枠ということで制度設計がされたわけです。  まず、制度設計がされたときの事故率回収率、何%として想定されたんですか。
  19. 安居祥策

    参考人安居祥策君) 当初の想定では一〇%の範囲内に収めるということでございました。失礼、当初の想定は五〇%でございました。
  20. 小池正勝

    小池正勝君 それでは、想定五〇%でしたが、現時点で何%ですか。
  21. 安居祥策

    参考人安居祥策君) 現時点一三・一%でございます。
  22. 小池正勝

    小池正勝君 五〇%という想定でありながら一三%と極めて事故率回収率が非常に、回収率が低いという状況になっているわけですね。これが、この回収ができていないということがこの赤につながっていくんだろうと思うんです。  この五〇%という想定が一三、これについてどう考えますか。
  23. 安居祥策

    参考人安居祥策君) 今の回収率と同時に、代位弁済の問題と両方実はこの赤字の方ございまして、代位弁済につきましては、当初の想定が、先ほどちょっと間違えましたが、一〇%でして、それに対して八・四%ということで、こっちの方は非常にうまくいっております。そういうことで、特にこの回収率というのが、第三者保証人が原則としておりませんので、そういう点でやはりなかなかこの回収率が難しいということだと思っております。
  24. 小池正勝

    小池正勝君 代位弁済の方はおっしゃるようにほぼ想定どおりで動いていると、これは御説明をいただいたんですが、問題はその回収率の方なんですね。これが極めて悪い。五〇でありながら一三だということで、極めて悪いわけです。悪いというのは今お認めになったわけですけれども、これは何も今回だけの話ではないんですね。  ここで、会計検査院の方がいらっしゃると思いますが、会計検査院にお伺いしますが、この中小企業公庫回収率が悪いということで、その向上に向けて再三、何回も会計検査院報告指摘をしていると思うんですが、いかがですか。
  25. 増田峯明

    説明員増田峯明君) お答え申し上げます。  特別保証制度につきましては、私ども、十年度から十二年度までの決算検査報告におきまして、特定検査対象に関する検査状況として掲記をいたしておるところでございます。  その中で、特別保証制度創設以降の保証承諾あるいは代位弁済回収等状況、それから収支状況等について分析しております。特に、回収につきましては、無担保で第三者保証人を徴しないということが特別保証では多いことによりましてなかなかその回収が難しいということで、今後、協会における回収業務の増大が見込まれるということで、その体制強化も含めて事務処理効率化等による機能強化が望まれる旨を記述しているところでございます。
  26. 小池正勝

    小池正勝君 今お話があったように、十年度、十一年度、十二年度と何回も会計検査院から指摘がなされているわけです。しかし、五〇%が一三%と極めて低い、指摘があるにもかかわらずこういう状況だと、これをどう考えますか。
  27. 安居祥策

    参考人安居祥策君) 私どもといたしましては、全国信用保証協会様と、その先で実際にお金を貸しておられる銀行様と、こういう段階で回収ということになるわけでございますが、全国信用保証協会といろんな形で今、今までもそうでございますが、特に最近いろんな形で回収強化ということをお話進めております。  それからもう一つは、今年からでございますが、いわゆる保証料の料率についても、今まで一律でございましたが、これを少し今後の問題ということで変えようとしております。そんなことで何とか少しでも損を減らしていこうというふうに努力しているつもりでございます。
  28. 小池正勝

    小池正勝君 努力しているというのは分かるんですが、十年度の決算で既に指摘されて、十年度も十一年度も十二年度もずっと指摘されてきておりながら、想定の五〇ではなしに一三だと、ほとんど変わってない、それをどうお考えになるかということをお伺いしているんです。
  29. 安居祥策

    参考人安居祥策君) 非常に低い数字だと思います。ただ、いわゆるその赤字でございますけれども、一番ピークの平成十二年には六千六百億ぐらいの赤字でございました。それをいろんな形で努力しまして、十七年度は千六百億ということでございまして、そういう意味では少しずつですけれども良くなってきているというふうに思っております。
  30. 小池正勝

    小池正勝君 十年度から再三にわたって指摘されても一三%だというのをどうお考えになっているかというのを再三聞いているんですが、どうも変わってないということをお認めになるだけで話が進みませんから先に進みますが、こういうふうに回収率が悪いがために、先ほど総裁おっしゃられた保険収支も悪くなってきていると、これはまあそういうこと、当然連動しますから、そういう話になるんだろうと思うんですね。  そこで、今、累積赤字額は何ぼになっていますか。
  31. 安居祥策

    参考人安居祥策君) 保険収支累積赤字額は、今年の一月末までで一兆四千九百二十億でございます。
  32. 小池正勝

    小池正勝君 一兆四千九百億というお話でございました。今、公庫政府からの出資金が一兆一千五百億ですね。それを超えているんですね。どう考えますか。
  33. 安居祥策

    参考人安居祥策君) これにつきましては、いろいろ政府の御協力も得て、一つ資本金という形、もう一つはいろんなこういう差額についての御協力をいただいております。
  34. 小池正勝

    小池正勝君 御協力をいただくというのは分かるんですが、そもそも政府出資金を超えるということは想定範囲内だったんですか。想定範囲内でないとした場合、ではどうするんですか。
  35. 安居祥策

    参考人安居祥策君) 当初の計画の中での想定一応内、内というとちょっとあれですけれども、余り変わってないというふうに私は理解しております。
  36. 小池正勝

    小池正勝君 今のお話は、政府出資金を超えるという前提だったとおっしゃっているわけですか。
  37. 安居祥策

    参考人安居祥策君) いや、そういうことじゃなくて、損の話なんですけれども、ここに、先ほど申し上げましたように、いわゆる代位弁済の方は低くなっているんで、何とか回収銀行さん、最終的には銀行さんが回収されるわけですけど、できるだけお願いしてということで、これをもう頑張るしかないということなんですけれども。
  38. 小池正勝

    小池正勝君 総裁が頑張るしかないとおっしゃられると、もうこれ以上は言いようがないんですが、いずれにしても、政府出資金よりももう超えてしまっていると、累積赤字額が。やはりここは具合が悪い。まして、これ民営化しようとしているわけですからね、これは非常に具合が悪い話だろうと思うんですよね。そこを一生懸命頑張るとおっしゃるんであれば、それはもう頑張るというのをもう一年見させてもらうという話にしかなりませんけれども、いずれにしても、ここはかなり危機的な状況だという御認識をお持ちいただかなければならないんではないかということを申し上げたいと思っております。  そこで、この統合に向けて、総裁に最後の御質問をさせていただきますが、当然、業務合理化人件費であるとか支店統廃合であるとか、様々なことをお考えになっていると思いますが、具体的に、正に民営化するわけですから、どのような形でこの業務合理化をしていこうとなさっているんでしょうか。
  39. 安居祥策

    参考人安居祥策君) 今の統合に向けた合理化策についての御質問にお答え申し上げます。  新公庫への統合に際しましては、政策金融改革に係る制度設計ということにございまして、管理部門等の共通する業務を一元化していくとか、さらに、同一地域に複数の支店が存在する場合に、店舗統合する等により機関としての合理化を進めて経費の節減を図るということが非常に重要であるというふうに思っております。このために、同一地域に所在する店舗につきましては極力統合していくという方針の下で、この十九年度から順次店舗統合ということを進めていくつもりでおります。  また、職員数につきまして、行政改革推進法におきまして、国家公務員に準じて平成十八年から五年間で五%以上の削減というのがございますが、更に努力をして、それにプラスといいますか削減率を上げていきたいと思います。  それから、中小企業公庫としましては、新公庫の中でいわゆる効率的な組織というのを片っ方でやると同時に、お客様への利便性を上げるという両方のニーズがございまして、それをできるだけ頑張ってやっていきたいというふうに思っております。
  40. 小池正勝

    小池正勝君 今のお話店舗統廃合であるとか定数を削減するとかという努力をされるんだというお話がありまして、それはそれでいいことだと思うんですが、賃金はどうなりますか。
  41. 安居祥策

    参考人安居祥策君) 賃金につきましてはまだ最終的には固まっておりませんのですが、これから四つの公庫の間で議論をして決めていくことになると思いますが、上げるとか何か、そういうことは私自身は考えておりません。
  42. 小池正勝

    小池正勝君 いや、上げるんでなしに、国家公務員よりも高いという指摘がなされているわけですが、どうお考えになるかということをお伺いしているんです。
  43. 安居祥策

    参考人安居祥策君) 確かに、比率はいわゆる国家公務員よりは高い形になっております。それは二つ実は理由がございまして、一番基本的には、金融で特に貸付けをするということから、専門性といいますか、そういうのが非常に重要だということで大学卒の比率が非常に高うございます。そういう意味で、一般の公務員の場合よりは、たしか三〇%近かったと思いますが、違いが出てきております。それともう一つは、二年に一回ぐらいの形、あるいは場合によっては三年ということですが、転勤が非常に多くございます。そんなこともございまして、一般の公務員さんよりはやや高くなっているというふうに理解しております。
  44. 小池正勝

    小池正勝君 赤字は出して、一方で賃金は高くてもしようがないというのは、国民の理解得られますかね。
  45. 安居祥策

    参考人安居祥策君) いわゆる民間的におっしゃっているお話だと思いますし、そのとおりと思いますが、ただ、やはり公務員に準じた組織でございますし、そういう意味で公務員と基本的には同じような考えで賃金というのは考えていかなくてはいけないと思っております。
  46. 小池正勝

    小池正勝君 今のお話は公務員並みに引き下げるということをおっしゃったんですか。
  47. 安居祥策

    参考人安居祥策君) いや、先ほど申し上げたように、いわゆる大学卒の比率が違いますので、そういう意味で、基本的にはそんなに変わらないんじゃないかと思いますが、細かい分析は僕正直言って分かっていませんけれども、やはり大学卒である比率が非常に一般の、一般というか全体の公務員との比率が違いますので、そういう意味で結果として高くなっているという御説明を申し上げたつもりでございます。
  48. 小池正勝

    小池正勝君 赤字は出しているけれども高くても仕方ない、その理由は転勤が多いからだと、こういう理由はなかなか一般の国民の皆さんの御理解が得られないと思うんですよね。是非この賃金ということについても下げるということを御検討いただきたいというふうに、これは平行線で何回議論してみてもしようがありませんから、ということを申し上げておきたいと存じます。  それでは続きまして、住宅金融公庫さんにお伺いしますが、住宅金融公庫さんもこの決算、十七年度の決算赤字というふうに報じられておりますが、まず決算の概要をお伺いします。
  49. 吉井一弥

    参考人(吉井一弥君) お答え申し上げます。  平成十七年度の行政コスト計算書民間企業仮定損益計算書というものを出してございますが、ここにおきましては当期損失金として七百七十六億円発生しております。
  50. 小池正勝

    小池正勝君 不良債権比率はどうなっていますか。
  51. 吉井一弥

    参考人(吉井一弥君) 住宅金融公庫平成十七年度末の不良債権比率、いわゆるリスク管理債権の比率で申し上げますと、十七年度末で七・〇六%となってございます。  これにつきましては、主に返済困難者対策ということで返済継続のために返済条件を緩和したいわゆる条件緩和債権が増加したことがかなり大きな要因となってございまして、この分を除きますとリスク管理債権の比率は二・二七%という数字になります。  なお、返済条件の緩和は平成十五年をピークに減少に転じておるところでございます。
  52. 小池正勝

    小池正勝君 今もう不良債権比率の方は下がってきているんだというお話でしたが、決算相変わらず赤字だというお話でございました。  まず、原因はどこにあるとお考えですか。
  53. 吉井一弥

    参考人(吉井一弥君) 先ほど申しました当期損失金の発生の主な原因でございますが、これは貸倒引当金の繰入れでございます。十七年度におきましては、債権の延滞等の傾向を踏まえまして、自己査定の結果でございます貸倒引当金の計上が増加しておりまして、貸倒引当金繰入れが千二百二十三億円発生いたしております。
  54. 小池正勝

    小池正勝君 住宅金融公庫さんはもう既に四月の一日から独立行政法人という形になっているわけですから、もう一歩ほかの金融機関に比べれば先んじているわけですけれども、そんな中で、民間になったといいますか、民営化に一歩進んだ公庫としてこの業務合理化というのはどのように考えておられますか。
  55. 吉井一弥

    参考人(吉井一弥君) ただいま御説明いたしましたいわゆる赤字と申しますか当期損失金につきましては、住宅金融公庫が住宅金融支援機構に変わります際に、業務の抜本的見直し、それから最大限の自助努力ということで経営改善計画を立てさせていただきまして、これを前提として財政融資資金に繰上償還を実施させていただいております。これによりまして、既往債権につきましては金利の収支差が大幅に改善しつつございまして、平成二十三年度、独法の第一期と定められております独立行政法人の第一期までに補給金に依存する体質から脱却することとしております。  業務の抜本的見直しの内容といたしましては、これまで住宅金融公庫の主な業務でございましたマイホーム融資とか、いわゆる直融、直接融資と申しておりましたが、基本的な住宅金融公庫としての住宅ローンの貸出しの業務から原則的に撤退いたしまして、災害復興住宅等の融資等を除きまして原則的に撤退いたしまして、民間の行う長期固定の住宅ローンを支援する証券化支援事業ということに業務の重点を移しておるところでございまして、また公庫時代から組織でございますとか大幅に見直して、機構として更に合理化を図っていきたいと思っております。  また、機構として新たに行います証券化支援事業等の事業につきましては、事業の推進と改善に努めまして平成二十三年、先ほど申しました独立行政法人の第一期の中期計画の時期までに黒字化を達成したいと思っております。単年度の黒字に転換したいと思っております。
  56. 小池正勝

    小池正勝君 せっかく理事長さんお見えになっておられますので、理事長さんに一言お伺いしたいんですが、今も中小公庫さんにお伺いしましたが、店舗統廃合であるとか、それはもちろんされるんでしょうが、定数削減もされるんでしょうが、賃金の問題どうお考えになりますか。
  57. 島田精一

    参考人(島田精一君) 賃金につきましては、既に私ども下げる方向で考えておりますが、中期計画で平成二十二年度までの四年間で四%、対十八年度比四%以上の削減を行う予定でございます。それから、平成十六年度からもう既に平成十八年度までに職員の本俸を平均六%引下げを実施しております。
  58. 小池正勝

    小池正勝君 もう公庫さんの場合は既に四月一日から独法になっているわけでございますから、先ほど直貸しはもうしないんだということをおっしゃっておられまして、新しい形で一歩前進したわけでございますので、今後の動きというのを見させてもらおうかと思っております。  それから、引き続き指摘されておりました政府系金融機関赤字として、農林漁業金融公庫さんも赤字だというふうに指摘がなされておりますが、十七年度決算どうなっているんでしょうか。
  59. 高木勇樹

    参考人(高木勇樹君) お答え申し上げます。  行政コスト計算書上は五億円強の赤字ということになっております。特殊法人等会計処理基準にはございません退職給付費用などをこの行政コスト計算書上は計上するということで、五億円の赤字ということにはなっております。
  60. 小池正勝

    小池正勝君 まず、赤字になった原因はどこにあるとお考えですか。
  61. 高木勇樹

    参考人(高木勇樹君) ただいま申し上げましたように、特殊法人等会計処理基準にはございません行政コスト計算書上の計上すべきものがございまして、行政コスト計算書上ですと、退職給付費用とかそれからソフトウエアの償却費、そういったものを計上したということでございます。
  62. 小池正勝

    小池正勝君 今のお話は、赤字ではないということをおっしゃっているんですか。
  63. 高木勇樹

    参考人(高木勇樹君) 行政コスト計算書上の赤字について御説明をしたわけでございます。  実は、特殊法人等会計処理基準で私どもは損益計算をしておりまして、平成十七年度でございますと、一般会計から補給金という形で三百七十八億受け入れて、損益はゼロということになっております。  この原因は、御案内のとおり、私どもに対する政策要請といいますか、農林水産業に対する長期低利の資金の融資ということでございまして、そういうことから、農林漁業は非常に自然条件の影響を受けやすい、それから生産に長期にわたるといったようなこと等から、また零細経営も多いということから、どうしても長期かつ低利の資金の融通ということになりますと、利差が出たり、それから業務委託の手数料等々ございます。そういったものについては私ども独自ではそれを調達できませんので、一般会計から補給金という形で受け入れているということでございます。
  64. 小池正勝

    小池正勝君 今のお話は、補給金があるから赤字ではないんだと、こういうお話なんだと思うんですが、これから民間に行くんですよね。補給金をカウントして赤だ、黒だという議論はおかしいんじゃないんですか。
  65. 高木勇樹

    参考人(高木勇樹君) 確かにおっしゃられるとおりだと思いますけれども、私どもの政策要請といいますか、政策の目的を私ども政策金融という形で達成するということが役割でございます。そうしますと、先ほど申し上げましたように、農林水産業の自然に影響されやすい、それから生産が長期にわたる、そういうことで長期低利の融資ということが必要であるということで、そういうものを私ども担っているわけであります。民間金融機関でなかなかできないという金融部門を担っているということでございまして、そういう意味ではどうしても、さっき申し上げましたように、利差とかそれから業務委託に伴う手数料とか、そういうものを自己賄いできない、その部分を一般会計から補給金という形で受け入れているということを申し上げたわけであります。  私どもとしては、当然のことながら業務の効率化ということはいろいろな形で対応をしているつもりであります。補給金そのものはだんだんと減ってきております。ただ、先ほど申し上げましたように、これをなかなかゼロまで持っていくというのは、政策の要請にこたえるということになりますと難しい面があるということを御理解いただきたいと思います。
  66. 小池正勝

    小池正勝君 それでは、今のお話は、補給金があってしようがないんだと、補給金を入れて赤か黒かを判断するんだと、こういうお話をおっしゃっているわけですが、そうなると民営化という話との関係はどうなるんだと、こう思うんで、なかなか理解が私にはできないんですね。  今、その補給金お話をされて、一方で補給金に見合う業務合理化をしますと、こういうお話だったんですが、ではどんな業務合理化をしているんですか。
  67. 高木勇樹

    参考人(高木勇樹君) 私どもといたしましては、十七年度からでございますが、三年の計画で自ら経営基本計画というものを立てまして、その中で間接業務の部門を中心に効率化に努めております。  一つは、いろいろな支店に対する旅費の支給事務とか、それから住宅の維持管理業務とか、そういったこと等につきましてでございますけれども、住宅維持管理業務については十八年度にこれはアウトソーシングをいたしております。また、旅費支給事務そのほかいろいろな事務関係、間接業務でございますが、これについては支店業務を本店に一元化するというようなことで合理化に努めているつもりであります。
  68. 小池正勝

    小池正勝君 農林漁業金融公庫さんには後ほど分収林の関係でちょっと詳しく今の補給金との絡みのことについて御質問させていただこうと思うんですが、今日は偉い総裁方がお待ちでございますので、余り待たせてはいけませんから、後ほど農林漁業さんはまた別にやらせていただきます。  それから次に、国民生活公庫さんにお伺いしますが、ここも不良債権比率が非常に高いという指摘がありますが、何%で、どのようにお考えになっておられるんでしょうか。
  69. 薄井信明

    参考人(薄井信明君) 私どもの公庫の金融再生法開示債権ベースでの不良債権残高は、十七年度末で八千二百十九億円になっておりまして、開示債権合計残高に対する比率は九・一%となっております。この水準についての御質問と伺いますが、この不良債権九・一%の中身を見ますと、貸出し条件緩和債権を中心とする要管理債権が約四割占めております。四%弱になります。この比率は民間金融機関に比べて大きくなっております。  貸出し条件緩和債権と申しますのは、御存じのように、私ども小さな企業に御融資いたします、商店街のお店などに融資します。そうすると、どうしても売上げがうまくいかないというときに、当初の条件を緩和してほしい、返済条件を緩和してほしいという御要請があります。これに対しては私ども、元々融資額がそれほど大きな額ではございませんので、ここは貸出し条件を緩和することに柔軟に対応しようということでやってきております。その結果、事業の方は、お店の方は仕事を続けられる、そして返ってくる比率も高いということで、この四%がかなり高い、民間に比べて高いがゆえに九%という数字になっているというふうに承知しております。  この四%を除いたものが五%、九引く四で五%でありますが、これは、私どものお客様の規模が、事業規模として従業員四、五人程度の小さな企業が六割、七割を占めている。そういった小事業者ですから、そういった方々に対する融資としては、民間の例えば信用金庫、信用組合等と比べても遜色はないのではないかなと思っております。
  70. 小池正勝

    小池正勝君 国民公庫さんには昨年もこの場でお話を承りましたので、これはこの辺にしておきますが。  次に、沖縄公庫さん、不良債権どうなっているでしょうか。
  71. 松田浩二

    参考人(松田浩二君) お答えいたします。  沖縄公庫平成十七年度の不良債権比率でございますが、これは八・五%となっております。沖縄公庫は、沖縄県内の社会的あるいは経済的環境の変化等に対応いたしまして、民間金融機関リスクを取ることが困難な中堅・中小企業及び零細企業等に対して積極的に長期資金を供給することを目的といたしております。これまでもセーフティーネット事業再生、あるいは新規事業等のリスクの高い分野への融資融資先の実情に応じました経営再建を支援するための償還条件変更等の取組を進めてまいっております。このため、沖縄県内の民間金融機関に比べると高い水準になっていることは事実でございますけれども、平成十六年度の当公庫の比率、これは一〇・六%でございましたけれども、これに比較しますと二・一ポイント改善いたしております。  沖縄公庫といたしましては、これまでもそうでございますけれども、信用リスク管理体制の強化に努めてきておりますけれども、適切な融資審査のほか、企業に対する経営改善等の支援強化、債務者の実情に応じました適切な対応を進めることによりまして、今後とも政策金融機関の使命を踏まえつつ適切なリスク管理に努めてまいりたいと、このように考えております。
  72. 小池正勝

    小池正勝君 先ほども申しましたように、民間銀行は一・八%なんですよね。それが八・五%というのは極めて高いと思うんですが、今は、そのおっしゃったのは政策的なあるいは中小零細に貸しているからと、こういう説明をされるわけですが、それだけの理由で一・八が八・五というのをなかなか正当化するのは難しいんだろうと思うんですね。  そこで、まず統廃合に向けてどのような形で業務合理化考えておられますか。
  73. 松田浩二

    参考人(松田浩二君) お答えいたします。  もう既に御案内のことかと思いますけれども、私ども沖縄公庫行政改革推進法第十一条によりまして、平成十四年度を初年度といたします十か年の計画であります沖縄振興計画が経過した後において新政策金融機関統合されるとされているところでございます。その間、私ども公庫では、業務合理化につきましては、職員数削減につきましては閣議決定に基づきまして定員の純減計画を作成し、平成十八年度から五年間で五%以上、人員にいたしますと十二名でございますけれど、これの定員純減を行うこととしております。また、国の給与構造改革に準じた人件費削減計画を策定しまして、これを、具体的にもう既に着手しておりますけれども、人件費削減に取り組んでいるところでございます。
  74. 小池正勝

    小池正勝君 どこの公庫さんも一生懸命やっていると、こういうことをおっしゃって、あるいは赤字であってもこれから頑張るんだとおっしゃるわけですから、これは頑張ると言われればそれ以上のことは言いようがないわけですから、またその成果を見さしてもらおうかと思うんですが。  そこで、これはもうそればっかりやってもしようがありませんから、次の話へ進みますが、今度は貸倒引当金のお話であります。  これも日経の記事ですが、民営化などの改革を進めている九つの政府系金融機関が積み立てている貸倒引当金は、民間基準に換算すると二〇〇四年度決算で一兆六千二百三十六億円不足していることが分かったと、こういうふうに新聞で報じられております。これは会計検査院の報告でもあるわけですけれども。その中でこの不足していると指摘されているのが住宅金融公庫中小公庫日本政策投資銀行というのがここで指摘されておるわけでございますが、まず住宅金融公庫さん、どうなっていますか。
  75. 吉井一弥

    参考人(吉井一弥君) 先生御指摘のとおり、平成十七年度の先ほど申しました民間企業仮定貸借対照表によりますと、金融検査マニュアルに準拠した自己査定結果を基に計算いたしますと、貸倒引当金、公庫の場合は六千七十八億円必要ということになってございます。先ほどもございましたように、今年の四月一日に独立行政法人住宅金融支援機構に移行したわけでございまして、今後は、独立行政法人会計基準に基づきまして金融検査マニュアルに準拠した自己査定結果を基とした貸倒引当金を計上する予定でございまして、この措置につきましては、未収財源措置等の対応によりまして的確に計上したいと思っております。
  76. 小池正勝

    小池正勝君 的確に対応するというお話ですが、政府出資金で対応するというようなことはよもやあり得ないんでしょうね。
  77. 吉井一弥

    参考人(吉井一弥君) 貸倒引当金とか、こういう要素で政府出資金を要求するつもりはございません。  ただ、独立行政法人になりましても、特に新しい先ほど申しました証券化支援事業等につきましては、今後の事業の展開によりまして、今年度、十九年度予算におきましても政府出資金六百六十億円追加していただいておりますが、事業と見合った出資金はまた今後ともお願いしたいと思いますが、今先生御指摘のような形でのことは考えておりません。
  78. 小池正勝

    小池正勝君 次に、中小企業公庫さんも不足しているという指摘があるんですが、現状どうなっておるんでしょうか。
  79. 安居祥策

    参考人安居祥策君) 今の貸倒引当金の問題についてお答え申し上げます。  現在、当公庫の法定財務諸表、これは公会計でございますが、その貸倒引当金は十七年度決算で六十三億円ということで、千分の〇・八でございます。これは、公庫の国庫納付金に関する政令第一条第四項の規定に基づきまして、年度末貸付残高の千分の六の範囲内で計上するということとされておりまして、そういう意味では〇・八ということになっております。  ただ、問題は、民間企業の仮定財務諸表、この引当金ということでございますが、金融庁の検査マニュアルに基づきまして自己査定を行いましたところ、十七年度の貸倒引当計上額というのは三千七百八十五億というふうになっております。そういうことになりますと、資本金が四千六百四十三億でございますので、それを、貸倒れを計上すると自己資本は五百八十五億円になるという今の状況でございます。  ただ、最近は、非常にその融資に当たっての企業審査ですとか経営改善の支援等を行っておりまして、そういう意味ではこの貸倒引当金の必要額はやや減少してきておりますので、今後それが改善していくんじゃないかというふうに思っております。  以上でございます。
  80. 小池正勝

    小池正勝君 今のお話は、今は不足している、民間基準に直したときに不足しているけれども、それはどんどんどんどん減ってきているんだと、だから心配ないんだと、こういうお話と伺ってよろしいんですか。
  81. 安居祥策

    参考人安居祥策君) いや、そういうことじゃございませんで、現時点で計算しますと、十七年末でございますが、五百八十五億円ということでございます。その状態を更に改善すべく努力をしておりますということでございます。
  82. 小池正勝

    小池正勝君 その改善するのは、先ほども住宅公庫さんにお伺いしましたが、政府出資金でなんということはお考えになっていないんですね。
  83. 安居祥策

    参考人安居祥策君) 今の引当金の問題は、貸すときにどういう貸し方をするかということに絡んでまいります。もちろん、政策金融でございますので一般の市中銀行と同じようなことはもちろんできませんけれども、やはりその融資をするに当たっての企業審査のやり方、これはいろいろ今コンピューターも使ってやってきておりますが、それを更に進めるということと、もう一つは、融資しました後もコンサルタントといいますか、そういう経営改善に向けて一緒に協力するというような形で引き当ての必要な金額を減らしていくと、こういうことでございます。
  84. 小池正勝

    小池正勝君 民間に移るわけですから、民間基準での貸倒引当金を用意しなければならない、これはもう当然だろうと思うんですが、その際に政府出資金で対応するなんてことをお考えになると、結局それは国民の損失というお話になっていくわけですから、是非そのようなことはお考えになってもらっては困るということを申し上げておきたいと思います。  そこで、最後に、今日は政府高官も来ていただいておりますので、政府高官にも御質問させていただきたいと思うんですが、この統合する金融機関が二十年の十月から日本政策金融公庫として誕生するわけです。今のままの状況でいくと、当初の融資残高が二十八兆円になるというふうに報じられております。これは大手銀行のりそなグループに匹敵する数字なんだと、非常に大きな数字なんだということが、これは各新聞に報じられているわけですけれども。  民間に任せることは民間に任せる、官から民へと、もうこれは正しい方向だと思うんですが、その民間に任せることは民間にということになりますと、二十八兆円という融資残高は余りにも大き過ぎる、この融資残高削減すべきだというお話は、これはもういろんなところから指摘されているわけですけれども、この融資残高削減、その新公庫のスリム化ということを政府御当局はどうお考えになっているんでしょうか。
  85. 林芳正

    ○副大臣(林芳正君) 小池委員も実は自民党の行革本部に入っていただいておりますが、そのときの大きな議論を今委員質問をお聞きしながら思い出しておりましたけれども、あのときに、今委員が御指摘になりましたように、官から民へと、政府でしかできないことを政府に残して、民間でもできることは民間に出していこうと、そういう大原則の下で議論をさせていただきました。  その結果、この日本政策金融公庫に残す、今御議論いただきました農林公庫中小公庫、それから、もう一つが国民金融公庫でございますが、それとJBICの一部が来ると、こういうことでございますけれども、それ以外の商工中金、それから政策投資銀行、これはもうそのまま民営化していただこうということでございます。  一方、この政策金融公庫の方は、形態はガバナンス等のために株式会社にいたしますけれども、全額政府出資ということで、政策金融という政策のツールとしての機能を残していこうということで、言わば民間の手法を取り入れた官製の株式会社と、こういうような位置付けになるわけでございまして、そのときに、当初から議論がございましたのは、いわゆる貸付残高、今委員の御指摘になられました、GDP比率にしますと諸外国に比べても大変に大きいということがございましたので、全体としてこの政策金融の果たす役割、今後の金融の状況等もかんがみて、この貸付残高を二分の一にしようという目的で改革をやったわけでございまして、今御指摘のあった二十七、二十八という数字は、既にその二分の一の目標はクリアをしておるわけでございます。しかし、今御指摘のあったように、民間のいろんな銀行も随分統合して大きくなってまいりましたけれども、そういう大きくなった銀行と比べましても大変大きいということは御指摘のとおりでございます。  一方、今御議論いただきましたように、政策金融としてのツールとしての機能というのは残してまいらなければなりませんし、また、機能別に全部議論をして残しましたけれども、そのある機能のところのニーズが経済の状況、いろんな社会の状況によりまして増えたり減ったりするわけでございまして、非常にいろんな精緻な議論をしなければいけないというふうに思っております。  もとより、政策金融は補完でございますから、民間金融機関やっていただければこちらは引っ込むと、こういうことでございまして、そういう要素もかんがみて、今後はこの目標をどうしていくのかと、こういうことを考えてまいらなければならないわけでございます。  そういった考え方でやっていきたいと思っておりますが、実は政府行政改革推進本部というのがございまして、そこの下に行政減量・効率化有識者会議というのを設けていただいております。ここは、政策金融だけではなくて、今御議論のありました政府全体の人件費ですとか定数、また独立行政法人全体の審議もいただいておるところでございますが、ここに専門のワーキングチームというのをつくりまして、新公庫業務統合プロセス等、また今委員が御指摘になりました新しい、それでは貸付残高、二分の一までは来ましたけれども、その後どうするんだということも、専門的な見地から、今申し上げました政策金融のニーズ、また民間金融機構の動向等を踏まえて専門的に御検討いただきたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
  86. 小池正勝

    小池正勝君 今の副大臣お話は、融資残高の減、スリム化に向けて、〇四年度から〇八年度まで半減するという目標を既に達成して、これはもう民営化しているわけですからもう達成してしまったと、これは正にそのとおりだと思うんですね。ですから、この目標自身はもう空振りに終わっているわけでございますので、新しい目標というのを作って、正にこれは官から民へというふうに言っているその方向は正しいわけでございますから、是非このスリム化に向けて新しい目標を作って、そしてスリム化に一層の努力をしていただきたいと思うんですが、正にその決意のほどをもう一度副大臣にお伺いします。
  87. 林芳正

    ○副大臣(林芳正君) 大変大事な御指摘だと思っております。正に今御議論を聞いておりまして、例えば会計基準を変えて、退職給与引当金というのは今までは政府の特殊法人の基準では入っていなかった、しかし今度はそれが入るんで赤字になってくると、こういうことでございますが、むしろ新しい基準に合わせてどうなるか、民間の基準に合わせればどうなるのかと、こういうことをきちっとやっていただきまして、その下でこの政策金融というツールをどうやって生かしていくのかと、この議論をまたやらなければいけないと思っております。その上で、今委員が御指摘になったように、二分の一の目標は、まあ空振りといいますか、もう達成してしまったということでございますから、次なる目標に向けて、これは量的な目標だけにとどまるのか、質的な目標というものも入ってこようかと、こういうふうに思っております。  我々、もとより、政策金融が今限定さしていただきまして、例えば一般貸付けなんというのをやめましたけれども、新しい政策金融の分野というのが今から全く出てこないということでもないのかなと、こういうふうに思っております。ですから、そういうことも考えに入れて、現段階で二分の一の次は四分の一だと、こういう粗っぽい議論をするんではなくて、新時代におけるツールというのはどういうものが必要になるのかという質的な議論もした上で、しかしながら、今委員が御指摘になっていただきましたように、官から民への大きな流れがございます。民間の方の金融機関の動向も、今委員が御指摘になったように、不良債権がこういう数字になるというのは、五、六年前なら予想し得なかったようなことが起きておるわけでございますから、正にスリム化という方向に向かってきちっと我々も行革としての仕事をやってまいりたいと、こういうふうに思っておるところでございます。
  88. 小池正勝

    小池正勝君 ありがとうございました。  今までの御質問で残されたのは農林公庫さんの御質問だけでございますから、ほかの方はもう御退出していただいて結構でございます。ありがとうございました。  それでは、農林公庫さんについて引き続き御質問をさせていただきます。  これは、林業公社の分収林事業に対する貸付けということを公庫はやっているわけですけれども、この分収林事業というのは、林業公社で木を植えて育てて売ってお金を借りたやつを返していくと、こういうお話なわけですね。ところが、これが今のところうまく機能をしていないと。  まず、林業公社の経営状況、これはどうなっていますか。
  89. 高木勇樹

    参考人(高木勇樹君) ただいまの御指摘の林業公社でございますが、昭和三十年代から四十年代、拡大造林の推進とか造林事業ということによって山づくりを行う、また、それとともに山村地域の振興を図るということを目的としまして、社会経済条件が不利な地域の森林、それから低位利用のまま放置されていた森林、比較的零細な所有者の森林を、森林所有者の力だけでは森林の整備が進み難い、そういうことで、分収方式で造林事業を行うということで、各県がこういった公益法人を設立して取り組んできているということであります。  まず、都道府県、都府県の取組でございますが、極めて公共性が高いということで、もちろん林業公社の設立に直接かかわっておりますし、それから運営にも深く関与しておられます。事業に必要な資金の直接貸付けとか公庫資金を借り入れる場合に損失補償を行うということで強力な支援体制を組んでいるわけであります。  こういった取組の結果、これまで四十万ヘクタール強の森林が造成されました。今先生が御指摘になられましたように、伐採収入で最後の帳じりを合わせると、こういう仕組みでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、今設立が大体昭和四十年代というのが中心でございますので、まだ伐期が来ておりません。来ているものは少ない。齢級でいえば四、五齢級のものが多いと思います。そういうことで、植林のための事業費、それからその後の保育等の事業費は掛かるわけでございまして、それを補助金ということと、それから最長五十五年の超長期資金である公庫資金というようなもので賄ってまいったということであります。  公庫資金の融資残高は、私ども三十九先に林業公社お貸ししていますけれども、合計で約四千億円、一公社平均では約百億円ぐらいでございます。今申し上げましたように、本格的な伐採収入がほとんどないということでございまして、今の管理費等の財源というのは県からの支援を受けざるを得ない。総借入額は公庫からの借入金、先ほど四千億円強と申し上げましたが、含めて約一兆円で、一公社平均では約二百六十億という状況になっております。今これら林業公社は、経営改善ということで事業方法の見直しとか経費削減などの経営改善に取り組んでおられます。私どもとして、今のような状況を踏まえていろいろな対応をしているということでございます。
  90. 小池正勝

    小池正勝君 分収林事業というのは、木を植えて伐期が来たら切って売って、それでもってお金を返していくというやつですから時間が掛かる、これはよく分かる話なんですね。先般公庫さんからいただいた資料を見ますと、今現在では伐期に来て切って売って入ってくる収入は全体の〇・五%、収入の〇・五%しかない、もうほとんど収入がないと言ってもいいような状況だと。これは長期で見なければいけないというのは確かに分かるんですが、しかし余りにも長期なもんですから、その間どんどんどんどん公庫からの借金とか都道府県からのお金とか、どんどんどんどん負債が膨らんでしまっているわけですね。いただいた資料を見ると、今現在で、十七年度現在で既に一兆一千八百億円ももう負債があると、公社の方に、という数字をいただいておるわけですが、長期であるのは分かるんですが、極めて大きくなってきています。  そこで、この一兆一千八百億円というのをそもそも伐採して売って返していけるという計画になっているんですか。
  91. 高木勇樹

    参考人(高木勇樹君) ただいま御指摘のとおり、大変長期でございます。特に日本の森林・林業が今大変厳しい状況に陥っておりますのは、これは林業公社だけではございません。一般の民有林も同じような状況に陥っています。ただ、一般の民有林の場合はもう少し林齢構成がいいところが多いわけでございますが、林業公社の場合は、先ほど申し上げましたように林齢構成が非常にまだ若い、伐期に至るものがまだない、したがって、先ほど御指摘のような伐採収入にとどまっているということでございます。  そしてまた、輸入材との対抗上、長伐期化して、そして対抗せざるを得ない。昔は大体四十年から五十年で伐採をして、そして収入を上げる、こういうことが可能だったわけでございますが、今は四十年、五十年は間伐でございまして、まだ収入になりません。本格的な収入は八十年から百年と、こういうことにならざるを得ないわけでございます。  そういう中で、今御指摘の、それでは将来、今林業公社が植林した森林が成長して、そして切ったときにうまくいくのかというと、これ、材価の見方というのが非常に大きく響きます。これから四十年、五十年後の材価をどう見るかということになるもんですからなかなか難しいところはございますけれども、私どもが過去五年の平均というようなことで勘定しますと、過半の林業公社はやはりなかなか難しい、いわゆる伐採収入をもってしても赤字になる可能性が高いと、こういうふうに計算をしております。これはいろんな計算がありますので、今私どもがしたのは、一応、過去五年の平均というような材価を将来実現できるであろうと、こういうふうに見てのことであるということであります。
  92. 小池正勝

    小池正勝君 今のお話は、そもそも分収林事業というのは長期間掛かる、これは仕方ないわと、しかし、いずれの時期にかは伐期が来て木を切って売れば収支は相償うんだということで進んできているんですよね。  今の総裁お話は、これはもう無理なんだと、こういうことをお認めになったということですか。
  93. 高木勇樹

    参考人(高木勇樹君) 無理だということではございませんが、今のようないろんな前提を置いて収支をはじかざるを得ないんですけれども、前提の置き方、今の過去五年の材価の平均ということであるとそういうふうになると。しかし、この材価が例えば一%、二%将来上がったと、上がるとすると、それはまた全く違う収支結果になると思います。  といいましても、そういうことで、それじゃ先頼みでいいのかということになりますので、私どもとしては、林業公社のそれぞれの経営状況というものをそれなりに試算をいたしまして林業公社にお示しをして、そしていろいろな検討に役立たせていただいておるということでございます。
  94. 小池正勝

    小池正勝君 ここに会計検査院の文書があります。これ読み上げますと、林業公社の十六年度決算に基づく公庫の長期収支計画を見ると、分収林事業が終了するまでの収入から支出を引いた長期収支は三十九林業公社のうち過半の林業公社において損失が発生し、将来の伐採時の木材販売収入では公庫や都道府県等からの借入金を償還できない見通しとなっていると、こう指摘がなされていますが、これはお認めになるということですね。
  95. 高木勇樹

    参考人(高木勇樹君) ただいま申し上げましたように、いろいろな試算の仕方はあると思います。ただ、余り材価を高く見るという見方もこれは余り現実的でないとすれば、相当厳しい状況にあるという御指摘だというふうに受け止めております。
  96. 小池正勝

    小池正勝君 お認めになるということになると、これは話がそれで済んでしまうんですが。  更に進めて、こういうことを会計検査院は書いてあるんですね。分収林事業に係る長期収支計画は、林業公社が自ら作成していたり、都府県の包括外部監査人が作成していたり、また全く作成していなかったり、作成している場合でも、各林業公社の間で長期収支計画の試算の方法は区々となっている、これらは公庫が作成した長期収支計画と整合性が取られていないと、こういう指摘もあるんですが、これもお認めになりますか。
  97. 高木勇樹

    参考人(高木勇樹君) お答え申し上げます。  ただいま申し上げましたとおり、私ども林業公社ごとに長期収支計画といいますか、私どもなりの前提を置いて試算をしお示ししているのは、これは経営改善、林業公社の経営改善の促進のための指針ということでお示しをしているわけでございます。いろいろな公社の、林齢構成とかいろんなことがございますが、私どもとしては、その基本的な林齢構成とかそういうものは把握をした上で比較検討ということが行えるように一律の試算方法で、また木材価格も一応私どもが先ほど申し上げましたような価格を前提に算出をしているわけでございます。  具体的に申し上げれば、公社が最初に植栽をして、最後にその木を伐採する、これを一経営期間というふうにとらえておりまして、その間に掛かった必要な直接、間接事業費、これを控除する、木材販売収入等から控除すると、こういうことで算出をしております。これが私どもの林業公社の経営改善を促進するための指針ということで作成しているものでございます。  各公社はそれぞれ各県の御事情等があると思います。今委員も、先生もおっしゃられましたように、自ら作成しているところとか、外部の監査人が作成しているとか、また作成していないというようなところもあるわけでございますが、それぞれの試算方法、前提条件に基づいて算出をしているということでございます。
  98. 小池正勝

    小池正勝君 いや、お伺いしているのは、公庫が作成している長期収支計画と整合性が取られていないという部分をお認めになるのかというのをお伺いしているんです。
  99. 高木勇樹

    参考人(高木勇樹君) これは、整合性を取るという意味でございますが、私どもが公社に対してこういう方法で計算をしなさいと言うことはできません。あくまでも指針としてお示しをするということでございます。今申し上げましたように、各公社においてはそれぞれの視点からいろいろな前提を置いて、例えば木材価格の場合でも過去十年を取る、こうすると高いところも入ってまいります。先の価格はかなり高い価格で売れるというふうな計算になると思います。  いずれにしてもそういった点がありまして、私どもとしては、整合性という点からいえば、各公社は各公社のそれぞれの分析、いろいろな前提条件を置いての分析をされているというふうに理解をいたしております。ただ、私どもとして、林業公社それぞれが試算をしております収支計画というものは私どももしっかりと受け止めて、私どもが取り入れられるようなところがあればそれを入れて、参考としての指針でございますけれども、そういうものを作って林業公社に対して更なる経営改善促進の指針というようなことでお示しをしていきたいと、こういうふうに思っております。
  100. 小池正勝

    小池正勝君 冒頭総裁おっしゃったように、これは短期考えてはいけない、長期で考えなければいけない、これはそのとおりだろうと思うんですね。ですから長期収支計画が必要だと、これもそのとおりだと思うんです。ところが、それを長期収支計画を作らして、それを前提にお金を貸していると、これもよく分かるんですが、それが公庫考えているものと違うという指摘があるんですよ。それでも経営は心配ないんですか。
  101. 高木勇樹

    参考人(高木勇樹君) 私どもが試算している各公社の経営改善といいますか長期収支計画は、経営改善を促進するための指針ということで作成をしてお示しをしているということであります。各公社の作成している長期収支計画はいろいろな前提条件を置いてやっておられる、そうすると、それぞれの県なり公社において私どものお示ししたものと比較をして恐らく御検討をなさっておられる、私どもは私どもの指針というものを前提に林業公社とのいろいろな意見交換を行っている、こういうことでございます。
  102. 小池正勝

    小池正勝君 そこのところはもう何回言っても平行線ですが、それではその前段に申し上げた、公庫、都道府県等からの借入金を償還できない、将来の伐採時の木材販売収入では償還できない見通しとなっているという指摘の部分についての御質問をもう一回伺いますが、このように指摘をされて、それをお認めになるというお話でした。さらには、今度は任意の繰上償還というのも公庫はお認めになろうとしている。現にもうやっているわけですね。ますますますます公庫にとっては不利になるといいますか利息収入が来なくなるわけですから、ますます収支は悪くなる方向に今進んでいるわけですが、それをどうお考えになりますか。
  103. 高木勇樹

    参考人(高木勇樹君) おっしゃられるように、先ほど申し上げましたように、林業公社のこれからの経営状況というのは大変厳しい状況にあると認識しているというふうに申し上げました。それから、そういう中で、県、公社の方からは、任意の繰り償というようなことが求められてきております。それには、しっかりと経営改善が行えるというような状況を確認しながら、真に必要と認められる場合に限って応じております。  通常の場合ですと、繰り償があれば、これは私ども食品産業に対してはそうでございますが、いわゆる得べかりし利息収入の部分についての手数料というものをいただきます。ただ、今のこの公益性、公共性の高い林業公社につきましてそういう対応がいいのかどうか。これは十八年度から私どもそういう利息収入減を賄う金利上乗せという措置をとって、とらざるを得ないということでとっておりますけれども、このことは結局、私どもの経営の改善というのはそれなりにできますが、逆に林業公社の状況というものが厳しくなる、更に厳しくなるということを招来いたしますので、私どもとしてはかなり痛しかゆしの対応でございます。  そういうこともありまして、この検査院の報告にも指摘がありますけれども、書いてございますけれども、私ども、異例ではありますけれども、私ども公庫と林業公社等にかかわる県の、県、二十府県でございますが、との間で金融問題検討会というものを十七年度に開催いたしまして、政策的な提案というものを行ったわけでございます。  まだこの政策提案は実現、日の目を見ておりませんけれども、私どもとしては、この森林資源、それからこれまで投入した資金が、このままですと森林整備水準が非常に悪くなる可能性があるわけでございまして、森林整備水準をこれからも一定水準に維持するということは国民的な大事なことだと私は思いますし、県の公社、県も含めて、そういうことで日本の山を守ろう、日本の森林を維持しよう、整備水準を確保しようということでこれまで営々として投資してきたわけですから、そのことが無駄にならないようにということでこの金融問題検討会を開催し、政策、林野庁、農林水産省に提案をいたしました。  まだ実現はしておりませんけれども、そういった私ども対応も林業公社を抱える県の皆さんとやっております。そういう状況でございます。
  104. 小池正勝

    小池正勝君 今のお話は、そもそもこの分収林事業について将来の伐採時の木材販売収入では償還はできないと、これもお認めになった。さらには、任意の繰上償還等を始め、公庫にとっては不利になるけれども、これは林業公社の経営を考えると、あるいは公益性を考えると、公庫にとっては損というか減るんだけれども、これもやむを得ないんだというお話でした。それは公益判断というのは一つあり得るんだろうと思うんですが、ただ、公庫総裁というお立場からして、経営者、言わば社長さんとしての御質問をしているんですけれども、こうなってきて、では、それで損した、損した分って減った分ですね、収入の減った分をどこで吸収するのか。まさか、だからそれは補給金に頼るんだよということにはならないんだということを再度お伺いしたいと思います。
  105. 高木勇樹

    参考人(高木勇樹君) 当然でございまして、私ども決して安易に繰り償とかそういうことを多用してきたわけではございません。いろいろな資金、借換え資金等を用意する中で、そういうことによってできるだけ利子負担を軽減するということを、これは当然政策当局の御指導もあってやってきたわけでございます。それでもなかなか厳しい状況にあるという実態の中で、先ほど申し上げましたように、これまで投入してきた資金というものが今の林業公社の森林づくりになっているわけですから、その整備水準というものを何とか引き下げないようにしていかなきゃいけないということであります。  私どもに繰り償があれば、これは当然貸付資金として活用、貸付の原資として運用いたします。私どもとしては、当然補給金で私どもがこれを安易に埋めるというようなことは毛頭考えておりません。
  106. 小池正勝

    小池正勝君 民営化するわけですから、この補給金なんというのは基本的にはなくしていくということでなければならないと思うんですよね。ですから、この補給金というものについて、もちろんすぐにできないというのも分からないことはありませんけれども、補給金については削減していくんだということを、総裁、おっしゃっていただけますか。
  107. 高木勇樹

    参考人(高木勇樹君) これは当然私どもは、先ほど申し上げましたように、政策要請にこたえての機能、役割を果たすと、その限りにおいて必要なお金はいただかざるを得ないと思いますけれども、しかし、今の水準でいいとは決して思っておりません。できるだけ、補給金業務効率化等々いろいろな努力で、そこのところはしっかり対応していきたいと思っております。
  108. 小池正勝

    小池正勝君 終わります。
  109. 大久保勉

    大久保勉君 民主党・新緑風会の大久保勉でございます。  本日は、政策金融機関に関する質問をさせていただきます。  まず、塩川元財務大臣の有名な言葉に、母屋でおかゆをすすり、離れではすき焼きを食べているという言葉があります。私はこれに付け加えまして、地下室がありまして、地下室ではどんちゃん騒ぎをしていると、こういうことを是非とも伝えたいと思います。この地下室というのが恐らくは政府系金融機関とか独立行政法人じゃないかということを明らかにしたいと思います。  まず最初に、住宅金融公庫に関しまして質問したいと思います。  こちら、ディスクロージャー誌というのがございまして、「住宅金融公庫は、平成十九年四月に「住宅金融支援機構」に生まれ変わります。」というのがございます。本日、島田理事長がいらしていますから、まず、通告はしておりませんが、理事長はこのディスクロージャー誌を読まれたことはございますか。
  110. 島田精一

    参考人(島田精一君) 読んでおります。
  111. 大久保勉

    大久保勉君 島田理事長は、元は大手商社出身、これまで数々の経営をされておりまして、非常に立派な方ということで、私も非常に尊敬しております。是非こういった経験を生かしまして、この新しく誕生する独法を改革してもらいたいと思います。  じゃ、最初に質問いたしますが、このディスクロージャー誌を読まれまして、この会社はどういった問題点があるか、思われたことを、感想だけでも聞きたいと思います。もし、ありましたらお願いします。
  112. 島田精一

    参考人(島田精一君) 問題点は、私、一年八か月前に民間の方から総裁で参りまして、今までの住宅金融の在り方全体につきましては時代の変化とともにいろいろな変化がございました。従来は、住宅金融公庫がないと住宅金融ができないような状態が戦後かなり長く続いたんですが、この十年ぐらいと申しましょうか、特にこの五年ぐらいでは、かなり民間金融機関さんが住宅金融の分野に進出されているというようなこともあって、我々を、住宅金融公庫をめぐる環境は大きく変わったわけであります。  そういう中で、過去、住宅金融公庫が多額の補給金あるいは資金源といたしましては財投資金を使ってやっていたというような問題がございましたけれども、これは過去においてはそれなりにやむを得ない事情、むしろ積極的にそういう政策でやってきたわけでございますが、官から民への流れの中で大きく変えなければならない、抜本的な改革が必要だということで、今度、この四月一日から独立行政法人に変わったということでございます。
  113. 大久保勉

    大久保勉君 私も基本的には同じ認識です。例えば、このディスクロージャー誌を読みまして一番最初に気になりましたのが、やはり不良債権の比率の高さであります。こちらは五十兆円の融資のうちリスク管理債権が三・五兆円、全体的には七%に達しているということです。これは前の質問者の方で質問がありましたので省略しまして、こういった実態があるということをまず指摘したいと思います。  続きまして、こちらの経営を見ましたら非常に放漫経営である、若しくはリスク管理が適切になされていないという状況もあるのじゃないかなと思っております。  実際に、過去五年間で毎年三千六百億から四千四百億円、五年間の合計だけでも二兆円の国庫補助金を一般会計から受け入れているんです。それでも足りませんで、財政融資特別会計から期限前弁済をしました。そのことによりまして約一兆円の補償金の免除を受けているんです。ですから、五年間で合計で三兆円のいわゆる税金、血税の投入がなされています。これは大変な問題だと思うんです。このことに対して、国土交通省と住宅金融公庫の責任を問いたいと思いますが、まず国土交通省の副大臣質問いたします。
  114. 渡辺具能

    ○副大臣(渡辺具能君) 住宅金融公庫は、国民の住宅の取得を支援する観点から、平成八年度までは、住宅取得者の負担を軽減するために、貸出金利の水準を財投金利以下に抑えるいわゆる逆ざやの金利体系としておりました。また、二十三年という長期固定金利資金を財投から借り入れる一方で、消費者からの繰上げ返済を補償金なしで認めてきたわけであります。こういうことによりまして、平成十六年以前に申込みを受け付けた貸付けにかかわる金利収支上の、先生御指摘のとおり、赤字が発生してまいりました。  国といたしましては、当該金利収支差を補てんするための補給金及び交付金を、平成十三年度から十七年度までに、正確に言いますと一兆九千六百二十四億円を措置してまいったわけであります。これらの補給金措置の目的でありますが、国民による住宅の建設及び購入支援という政策の目的のためにはどうしても欠かすことができないというふうに考えております。  しかし、住宅金融支援機構がなるべく早く自立経営ができますように、十七年度以降は財政融資資金の繰上償還を実施して、既往債権にかかわる金利収支差改善を図ってきているところであります。また、新たな事業については、金融技術の発展を踏まえまして、証券化に取り組むとか、それらを活用して、金利リスク及び期限前償還リスクを負わない事業方式にすることによりまして、既往債権管理勘定以外につきましては新たな補給金は発生しない構造にいたすことにしております。  結果として、独立行政法人第一期中期目標期間の最終年度であります平成二十三年度までには既往債権にかかわる所要の補給金を措置した上で、平成二十四年度以降は補給金に依存しない財務構造へ転換を図られる見込みであります。  なお、財政融資資金の繰上償還がなかった場合補給金がどうなったかということを仮に計算しますと、二兆円から最大三兆円に見込まれていたわけでありますが、繰上償還を実施しまして、その補給金が一兆円台半ばに抑えることができました。したがいまして、財政融資資金として免除される補償金相当額である一兆円とほぼ見合っておりまして、問題はないんではないかというふうに考えております。
  115. 大久保勉

    大久保勉君 私は問題がないとは思いません。つまり、一兆円財融特会から渡したわけなんです。贈与したんです。ですから、財融特会が負担を引き受けていますから、国土交通大臣が私は問題ないと言っても、財務大臣にとっては問題があるはずなんです。  ちょっとこれ、財務大臣、何かコメントございますか。
  116. 富田茂之

    ○副大臣(富田茂之君) 突然のお尋ねですが、今国土交通大臣の方で御説明したとおり、先生が問題にされている意味は分かりますが、政府としては問題ないというふうに御答弁せざるを得ないと思います。
  117. 大久保勉

    大久保勉君 分かりました。政府としては問題ないということですが、国民の税金でありますから、この一兆円、国民の税金を使ったということで、是非とも問題にしてほしいです。もしこの一兆円がありませんでしたら、この一兆円は一般会計に繰入れするか若しくは国債整理基金に繰り入れることができますから。その一兆円がなくなったんですよ、しっかり受け止めてください。  じゃ、島田理事長、お願いします。
  118. 島田精一

    参考人(島田精一君) 機構といたしましては、副大臣からの答弁でもございましたように、早期に自立的な経営に移行できますよう、十七年度以降は、民間で取り組んでおります直接融資を機構としては、住宅金融公庫ですが、原則廃止するなどの抜本的な事業の見直しや、あるいは既往債権管理勘定を設置するなどを前提にいたしまして、財政投融資資金の繰上償還を実施し、既往債権に係ります金利収支差改善を図ってまいりました。さらには、住宅金融支援機構業務の柱として行います証券化支援業務と既往債権管理勘定以外については新たな補給金は発生しない構造といたしまして自立的に行うことといたしております。また、組織、人員のスリム化等、最大限の経営合理化による自助努力を現在進めているところでございます。  また、先日、国土交通大臣及び財務大臣から中期目標の御指示をいただきましたが、その際、改めて国土交通大臣から経営の一層の合理化により、自立的経営を行うよう強く御指示をいただいたところでございます。その実現に向けて、組織の総力を挙げて今後努力していく所存であります。
  119. 大久保勉

    大久保勉君 分かりました。平成十九年四月に独法になるということで、じゃ、本当に独法になれるかと、若しくはなった場合にどういうふうな問題があるかということで質問したいと思います。  こちら、平成十七年度の財務諸表しかありませんが、債務超過なんですね。平成十七年度の繰越損失額が六千百億円あります。その結果、資本を食いつぶしまして三千九百億円の債務超過です。いわゆる民間金融機関でしたら破綻しています。そういった状況で独法化していくんです。  じゃ、こういった損失は独法化することによってどうやって処理するんですか。つまり、政府の補償金とか、もう一回期限前弁済をして補償金免除とか、若しくは補助金をもらうとか、そういったことをしてこの損失を埋めるんですか。このことに関して質問します。
  120. 榊正剛

    政府参考人(榊正剛君) 特殊法人等の会計処理基準による場合には、実は私ども、貸倒引当金の計上が企業会計原則では異なっておりまして、その場合でいきますと、貸倒引当金というのは百六十二億円というようなことになっております。そういう形でいきますと、実は債務超過になっていないということなんですが、先生の御指摘のとおり、企業会計並みの原則というような形で貸倒引当金を計上いたしました場合には、平成十七年度決算ベースで確かに債務超過になっておるところでございます。  独立行政法人への移行後ということになりますと、企業会計原則による貸倒引当金を計上するということになってまいります。そういう場合には、ということで、資産として未収財源措置予定額を計上することによりまして債務超過にならないという予定でおるところでございます。そういうことでございます。
  121. 大久保勉

    大久保勉君 まず質問を、多分次の質問を答えていますが、まず企業会計、これから独法になりますから、企業会計原則だったらどうなるか、厳しく見ていかないと独法化している意味がないと思います。ですから、そこに関しては厳しく指摘したいと思います。  まず、先ほどの質問は、国土交通大臣に確認したいんですが、この独法はどのような形で損失を処理するんですか。
  122. 渡辺具能

    ○副大臣(渡辺具能君) 欠損金につきましては、住宅金融支援機構におきまして、既往債権にかかわる金利収支差改善、あるいは証券化支援事業を始めとする各事業の適切な推進に加えまして、一般管理費を削減しますとか、経営の合理化を通じまして単年度収支改善を図ることにより解消していきたいというふうに考えております。
  123. 大久保勉

    大久保勉君 三千九百億円の赤字ですから簡単な合理化ではできないはずなんですね。だから、これはマジックがありまして、さっき答弁されましたが、実はこの独法はこの債務超過を埋めるために財源措置予定額というのを入れます。つまり、政府の方が数年間にわたりまして補助金を入れるんです。それを来るもんだということで資産に計上しているんです。そういうマジックを行っているんです。これは一般企業の企業会計では認められていません。独法マジックです。いわゆる粉飾なんです。  このことを是非指摘したいんですが、財源措置予定額が資産計上できるということは、ある意味では国会を冒涜しているんです。つまり、来年の予算、再来年の予算、全部通ってしまうんですよ。つまり、政府が決めたものは通りますよと。だから、これは資産ですよということで計上していますから、三権分立に反すると思うんですね。また、国土交通省が勝手に決めたとしましても、財務大臣が了承するかどうかも分からないんですよ。こういった会計処理が認められていること自身、私は問題だと思います。  この会計処理を認めていますのは実は財務省ですから、財務大臣にこのことに対して御質問いたします。
  124. 富田茂之

    ○副大臣(富田茂之君) 今三千九百億の欠損があるという御指摘でしたけれども、住宅金融支援機構における未収財源措置予定額が、同機構の中期計画の資金計画において平成十九年度から二十三年度の五年間に措置することと見込んでおります金額が三千七百八十九億円ございます。  先生は、これもう決まっているんだというふうに今御質問でしたが、この未収財源措置予定額は会計処理上の整理にすぎませんで、実際の独立行政法人に対する財源措置の額は各年度の予算編成過程で精査され、また国会の審議を経て決定されることとなっておりますので、もう全部決まっているんだという御指摘は当たらないというふうに考えております。
  125. 大久保勉

    大久保勉君 それでしたら、未収財源措置というのを資産計上するのは会計処理上おかしいはずなんですよね。それを認めているという独法会計というのがおかしい、このことを是非指摘したいと思います。  こういういい加減なことをやっていますから、この国の不良債権問題は解決しませんし、独法自身が、いわゆる地下室と言いましたけれども、地下室でどんちゃん騒ぎをしているんです。だれもチェックしていないんです。損が出ましたら一般会計から補助金をもらう、特別会計から補助金をもらう、こういった状況があります。さらには、独法化するときに政府出資金と相殺するということをしているんです。実は、財政金融委員会で尾身大臣質問して明らかになったことは、過去五年間で、九機構が独法化することによりまして、大手、トップファイブだけで九兆円の政府出資金がなくなっています。つまり、九兆円の損失を政府出資と相殺しているんです。ここに関してはだれもチェックしていないんです。  こういったことを是非決算委員会でチェックしていった方がいいと思います。これは是非御指摘したいと思います。  そこで私は、名前こそ独立行政法人といいますが、実は政府から独立して独り立ちしていないという印象がします。引き続きいろんな名目の補助金がありまして、ミルク補給を行っています。いわゆる独立していないんですね。だから、独立という独立行政法人の名前が泣いています。このことを指摘したいと思います。  では次に、財政融資特別会計から一兆円の補助金免除を受けた際に、業務運営の改善、効率化、財務内容の改善が前提になっていたはずです。債権放棄をお願いした経営再建中の公庫が損失を負担した国よりも高い給料をもらっているのはおかしいと思います。つまり、財政再建中なんです。ところが、この住宅金融公庫さらには住宅金融支援機構国家公務員よりも高い給料をもらっているんです。おかしいんじゃないですか。それも、どのくらい高いかといいましたら、一三五%、一・三五倍高いんです。これは私は納得いかないんですね。  じゃ、平成十八年度以降どうなるか。平成十九年、二十年、当然ながら、債権放棄をお願いしたんですよね、でしたら、国よりも給料下げるのが普通でしょう。ラスパイレス指数が一〇〇以下であるということを是非この場でコミットしてください。理事長、お願いします。
  126. 島田精一

    参考人(島田精一君) ただいま御指摘の点でございますが、平成十七年度給与にかかわりますラスパイレス指数は一三五でございますが、これは、当公庫の大卒者職員の比率が高いこと及び大都市部に勤務地が所在することがラスパイレス指数が高い原因の一つになっているものと考えております。  こうした状況の中で、公庫におきましては、財政融資資金の繰上償還を認めていただくに当たりまして平成十七年の七月に経営改善計画を策定いたしまして、給与面におきましては、平成十六年度に比べ平成十八年度までに職員の本俸を平均六%引き下げるということを実行いたしました。また、平均昇給率を国家公務員の二分の一程度に抑制する給与体系を導入することもいたしまして、いろいろな取組を独法化に先駆けて実行したところでございます。さらに、こうした取組によりまして平成十八年度はラスパイレス指数は一三〇程度となると予測していますが、今後とも更に一層の引下げに努めていきたいと思います。
  127. 大久保勉

    大久保勉君 本当にあきれています。つまり、引き下げましても、六%下げるといいましても、元々一三五とか一四〇あるのを六%下げましても国家公務員よりも非常に高いんですよね。先ほど大したことないと言いました。一兆円血税を投入しているんですよ。私は大したことがあると思います。その一兆円債権放棄したのにもかかわらず、引き続き一三〇、国家公務員よりも一・三倍の給料をもらっていること自身おかしいですよ。大卒とおっしゃいましたが、いずれにしても、大卒であっても適切な仕事をしていないからこういった損失が出ているんじゃないかという指摘もありますから、もう一度きっちりチェックしてください。  では、続きまして、どうして給料が高いか。マジックがあります。例えばこちらに、まあこのディスクロージャー誌は、実は評価します。きっちり書いていまして、役員報酬等の支給とか役員の退職手当の支給状況とか全部付いていまして、非常にこれは評価できると思います。  これを調べましたら、平成十七年度の退職金一覧を見ると、総裁の退職金、前の総裁の退職金が三千九百二十万円であります。この総裁は、国土交通省の事務次官を経験されまして、八年間在職されました。この八年間の経営の無策が原因でこの公社は経営再建をしていると思うんです。だから国から一兆円の債権放棄をお願いしているわけでしょう。じゃ、給料はどうかといいましたら、退職金が先ほどの三千九百二十万、年収は二千二百万ありますから、合計八年間で一億六千万円ももらっているんです。会社をつぶして一億六千万、これこそ地下室でどんちゃん騒ぎですよね。そのツケをだれに請求しているかといいましたら、母屋、一般会計に請求しているんです。こういった実態が私は問題だと思うんです。  この点に関しまして、是非、財務大臣及び国土交通大臣の御所見を伺いたいと思います。じゃ、財務大臣からお願いします。
  128. 富田茂之

    ○副大臣(富田茂之君) 今先生の方から会社をつぶして一億六千万も給料をもらっているという御指摘がありましたけれども、今回の独立法人化は、これまで旧住宅金融公庫が主に長期固定金利の住宅ローンの供給という役割を果たしてきたところでありますけれども、民間にできることは民間にゆだねるとの考えの下、平成十三年十二月十九日閣議決定されました特殊法人等整理合理化計画に基づいて、この公庫を廃止しまして民間金融機関による長期固定金利の住宅ローンの供給を可能とするための証券化支援を主な業務とする新たな独立行政法人住宅金融支援機構が四月一日に設立されたところでありまして、会社がつぶれたからこうなったという御指摘は当たらないというふうに思います。  また、旧住宅金融公庫総裁の給与等の支給基準につきましては、旧設立根拠法上、社会一般の情勢に適合したものとなるよう定めることとされておりまして、旧住宅金融公庫におきまして、職責、能力、民間企業等における処遇の実情、業務の公共性等に配慮して適切に決定されているものと承知しております。
  129. 大久保勉

    大久保勉君 じゃ、それでしたら、どうして一兆円の補助金免除をするんですか。ちゃんと返してもらったらいいじゃないですか。どう思いますか。
  130. 富田茂之

    ○副大臣(富田茂之君) 先ほど来から一兆円の補助金免除、免除とおっしゃっていますけれども、これは将来得べかりし金利の分が取れなくなったから先生の観点から見るとこれは免除してるじゃないかという御指摘だと思うんですが、先ほど国土交通大臣の方から説明がありましたように、そこは免除しているというふうに政府としては考えておりませんので。
  131. 大久保勉

    大久保勉君 そういう認識が甘いんです。世界はもう発生主義でできてます、会計処理は。それを、百年ぐらい前の帳簿を使っていますから。複式簿記で発生主義が主流なんです。つまり、本来もらうべきものをもらってないということは、その分は時価評価をして損失に上げないといけないんです。こういうことが分かってない、若しくは、こういうことが分かっているんだけど実は隠しているんです。つまり、一兆円の損失が出ましたら自分たちが責任を取らないといけないと、だから、将来得べかりし利益が来なかったということで、あいまいにして国民をだましているんです。これが私が言う地下室なんです。  じゃ、国土交通大臣に。
  132. 渡辺具能

    ○副大臣(渡辺具能君) 先生御指摘の問題につきましては、そもそも住宅金融公庫の機能等についても考えなければいけない問題ではないかというふうに思います。  住宅金融公庫というのは、平成八年度までは住宅取得者の負担を軽減するために貸出金利の水準を財投金利以下に抑える逆ざやの金利体系としていましたこと、あるいは二十三年等の長期固定金利資金を財投から借り入れる一方で消費者からの繰上げ返済を補償金なしで認めてきたことに起因いたしまして、平成十六年度以前に申込みを受けました貸付けにかかわる金利収支上の赤字が発生してまいりましたけれども、これは国民の計画的かつ円滑な住宅取得を支援する住宅政策の一環として必然的に生じたものであるわけであります。その一方で、住宅金融システムが公庫の直接金融中心の枠組みから市場機能を重視した枠組みに徐々に変化してきたことを背景にしまして、公庫は独立行政法人に生まれ変わるわけであります。  さっきおっしゃっていました役員の待遇の問題ですが、公庫の役員の給与及び退職手当につきましては、住宅金融公庫法の規定に基づき、公庫が社会一般の情勢に適合したものとして支給の基準を定めましてこれを公表してきたところですが、前総裁の給与及び退職手当につきましても、当該基準に基づきまして、有識者から成る委員会で業績勘案率を評価した上で適切に決定されたものと承知しております。
  133. 大久保勉

    大久保勉君 法律があります。じゃ、どういう形で評価するか。これがまたまた問題なんですね。  退職金が非常に高いということで、私は調べました。退職手当はどうやって計算するかといいましたら、退職日における俸給月額掛ける〇・二五掛ける業績勘案率掛ける在籍期間と。これ重要なのは業績勘案率なんです。これは総裁が別に定める委員会がゼロから二の範囲で業績に応じて決定すると。私は、債権放棄とかという状況が発生しているんだったら、これは業績評価というのはもうほとんどゼロ、せいぜい〇・二とか〇・三と思いますが、この前総裁は一もらっているんです。一なんです。  いろいろ聞きましたら、じゃ、これ質問したいのは、この過去の業績勘案率で一以外のものは、事例はありましたか。イエス、ノーで答えてください。
  134. 島田精一

    参考人(島田精一君) 過去に一以外のものはございません。平成十七年度以前に決定されたものも一だということでございます。
  135. 大久保勉

    大久保勉君 問題なんですよね。つまり、形だけは業績評価すると言っても、実際は運用は一なんです。ですから、国民がちょっと見ましたら、いや、ちゃんと業績評価をしているんだなと言いますが、見えないところで一ということを使っているんです。これが問題なんです。これをだれがつくっているかといいましたら、総裁なんです。総裁が自分でつくっていますから、全くお手盛りなんですよね。  こういう状況は是非、民間出身の島田理事長、変えてください。このことをお願いします。どうぞ答弁をお願いします。
  136. 島田精一

    参考人(島田精一君) 今やっておりますのを御説明いたしますと、公庫の役員の退職金は、独立行政法人、特殊法人及び認可法人の役員の退職金についてという閣議決定がございますが、公庫の業績に応じまして〇・〇から二・〇の範囲で決定する業績勘案率を反映して算定することとしております。業績勘案率は、外部の有識者で構成される住宅金融公庫の業績評価等に関する委員会を設置し、各年度ごとに当該委員会が決定することといたしております。  そういうことでございますが、今後とも、これ評価委員会にも的確に業績を評価していただくように私としてもお願いしていただきたいと思っております。
  137. 大久保勉

    大久保勉君 是非お願いしたいのは、ずっと一というのはやめてほしいんです。  じゃ、続きまして、まだまだ問題点一杯ありますよ、ここは。  これを見ましたら、給与や期末手当に調整手当、さらには特別調整手当というのが払われています。例えば東京勤務の場合は期末手当に〇・一三か月の俸給月額が付加されます。大阪勤務の場合は〇・一一です。役員は、東京に住んでいたら〇・一三か月、大阪だったら〇・一一か月加算されます。  じゃ、役員の中で東京、大阪以外に住んでいる人は何人いるんですか、何%いますか。理事長、お願いします。
  138. 島田精一

    参考人(島田精一君) 平成十八年度におきましては、東京に八名、大阪に一名と役員が在勤しております。その他の地域に在勤する役員はおりません。したがって、九名中、八名が東京に在勤して、大阪に一名ということでございます。
  139. 大久保勉

    大久保勉君 そういうことなんですよね。つまり、全員が東京、大阪に住んでいるんです。ですから、これはやみ手当なんですね。つまり、見えない形でどんどんどんどん給料をもらっているんですよ。だから借金が増えるんです。だから、これがいわゆる地下室でどんちゃん騒ぎをしているということなんです。  じゃ、もう一つ質問しましょう。  これ、ちなみに総裁の年間の手当は、年間百七十七万円です。これは民間企業のボーナス並みですね、隠れボーナスなんですね。おかしいでしょう。是非これは廃止してくださいよ。  続きまして、じゃ、公用車で自宅まで送り迎えをしているのは総裁以下どこまでの役職が対象か、このことに対して質問します。理事長、お願いします。
  140. 島田精一

    参考人(島田精一君) 社用車、公用車で自宅まで送迎しているのは理事長と副理事長でございます。
  141. 大久保勉

    大久保勉君 ああ、そうですか。まあ理事長もお忙しいですから、夜は遅かったり朝も早いですから。ということは、通勤はしていないんですね。でも、ここを見ましたら、平成十七年度十四万九千円、通勤手当が支給されているんです。これ何でしょうか。つまり、公用車に乗ったら非常に大変だから通勤手当を出す必要があるんですか。このことに関して質問します。
  142. 吉井一弥

    参考人(吉井一弥君) 恐れ入りますが、過去の話ですので私の方からお答えさせていただきます。  現在の島田総裁には通勤手当等一切支給しておりませんが、前の総裁の場合、自宅が遠うございまして、朝は電車で通っていただいておりました。その分を計算して通勤手当を出させていただいております。
  143. 大久保勉

    大久保勉君 当然領収書はもらっていますよね。
  144. 吉井一弥

    参考人(吉井一弥君) 旅費法の規定によりまして正規の適正な通勤手当をお支払いしております。
  145. 大久保勉

    大久保勉君 ということは、領収書をもらっていないんですかね。といいますのは、実はこれは次の質問につながります。つまり、どういう形で領収書を取得しているかというのが非常に疑問なんです。  例えば、こういうものがありました。平成十八年度のパーティー券の購入金額を聞きました。そうしたら、三十四万三千五百十円ですということです。つまり、政治家のパーティー券を購入しています。明細もありますが、ここでは明らかにしません。じゃ、平成十七年度、平成十六年度はどうですかと。といいますのは、独立行政法人になったのが今年です。二年ほど前に議論されていますからそれなりに政治家に目配りをしているのかなということで、平成十六年、十七年はどうなんですかと聞きましたところ、いやパーティー券といいますのは交際費なんだと、交際費関連の領収書は保存期間が一年だということなんですが、まず、このことは事実かどうか、イエスかノーかで、理事長、答弁お願いします。
  146. 島田精一

    参考人(島田精一君) 一年ということで今までやってまいりました。
  147. 大久保勉

    大久保勉君 そうですか。でも、こういったことでしたら、決算委員会とか若しくは、チェック利かないですよね。会計検査院の検査なんかこれで大丈夫なんでしょうか。  ちょっとこれは通告していませんが、会計検査院、このことに関して一年の領収書で大丈夫なんですか。
  148. 高山丈二

    説明員(高山丈二君) お答えを申し上げます。  住宅金融支援機構につきましては、その前身でございます住宅金融公庫の時代から院法第二十二条に規定いたします必要検査対象ということで、また貸付金額が多額に上っていることなどから重要な検査対象と位置付けて、資金の貸付けは適切に行われているか、あるいは債権の管理は適切に行われているかということに重点を置いて検査をしてきたところであります。  委員質問の領収書の保存の件につきましてでございますが、検査院といたしましては、事実関係を十分に把握した上で検討し判断するものであると考えております。ただ、決算年度だけでなく過去の年度にさかのぼって検査する必要が生じる場合もございますので、機構におかれては、このような場合において検査の実施に支障が生ずることのないよう、証拠書類等を適切に保存、管理していただきたいと考えております。  以上でございます。
  149. 大久保勉

    大久保勉君 ということは、領収書がなかったらどうするんですか。適切に管理していないということでしょう、この住宅金融公庫は。非常に問題ですね。  もう一度、会計検査院、おかしいですね。
  150. 高山丈二

    説明員(高山丈二君) その点も含めて事実関係を詳細に調査したいと思っております。
  151. 大久保勉

    大久保勉君 早急に調査をお願いいたしたいと思います。  続きまして、平成十七年度の債券発行諸費、いわゆる証券化業務に関しては費用が百億円ということです。つまり、住宅金融支援機構になりましても証券化業務には力を入れるということで、この手数料というのは非常に大きいです。機構にとりましては百億円の手数料ですが、証券会社にとりましては百億円の収入なんです。ですから、これは極めて大きい収入源なんです。  そこで、平成十七年度、十八年度の引受手数料の支払が大きい上位五社の証券会社の名前とその金額を教えてください。
  152. 吉井一弥

    参考人(吉井一弥君) 数字をお答えさせていただきます。  住宅金融公庫当時、平成十七年度の債券発行諸費でございますが、総額で七十二億五千四百万円ほどでございます。このうち上位、金額の大きい証券会社ということでございますから順次申し上げます。野村証券十一億五千万円弱、ゴールドマン・サックス証券九億七千万余、大和証券SMBC九億五千万円余、みずほ証券八億九千万円余、日興シティグループ八億八千万円余。十八年度は総額で七十七億二千六百万円ほどでございますが、上位五社を申し上げますと、野村証券十一億二千万円余、みずほ証券十億七千万円余、ゴールドマン・サックス十億一千万円余、大和証券SMBC十億円余、日興シティグループ証券八億六千万円余と、以上のような状況でございます。
  153. 大久保勉

    大久保勉君 これは証券会社にとりましては、十億円の手数料が入りますから、相当大きい手数料ですね。この手数料をもらうためには、引受けの主幹事になるとか若しくは副主幹事になるということが重要なんです。これを選んでいるのが住宅金融公庫であります。  では、どういう基準で証券会社の引受社を選んでいるんでしょうか、質問します。理事長
  154. 島田精一

    参考人(島田精一君) MBSと申していますが、モーゲージバックセキュリティーの発行にかかわる委託先につきましては、第一に、毎月の発行を円滑に行うということが大変重要であるということ、第二に、MBSの流動性向上を図るということも大事でありまして、投資の参考になる指標を市場に提供するのに必要な取扱業者数を確保するということも、委託先の選定に当たってこの二点を重要視しております。  引受主幹事候補会社を各年度あらかじめ公募した上で決めております。十七年度は、ちなみに十三社、十八年度は十五社でございます。  第二としまして、毎年度の引受主幹事候補会社の選定に当たりましては、一つは投資家への販売体制がどうであるかということ、第二といたしましては仕組み債であるMBSのキャッシュフローの分析評価及び投資家への説明に関するノウハウがどうであるかと、こういうような引受主幹事の一つの能力を十分配慮した上で、我々の方で設定いたしました要件に基づきまして書類審査やヒアリングを行いまして、機構内部に設置いたします委員会の審議を経て決定しております。  また、入札による選定が機能しにくい我が国の社債市場の現状を踏まえまして、各起債における引受主幹事証券会社については、候補会社について、販売力、起債運営能力、市場拡大に向けた貢献度などをしんしゃくして選定しております。この際にも、内部委員会の審議に掛けることによりまして多面的なチェックが働く仕組みで運営しております。  このように、機構におきましては、年度ごと、そして発行時ごとの二段階の検討作業を経ることによって、引受主幹事会社選定に適正を期しているところでございます。
  155. 大久保勉

    大久保勉君 是非そういうふうに実行してもらいたいんです。もしそうだったら私はこの質問をしませんが。  一つ質問したいことがあります。  じゃ、現在、証券会社からの出向者で給与等が相手持ちになっている人は何人いますか。それはどこですか。つまり、証券会社がただで使ってくださいと人を出しているところはどこか。端的にお願いします。
  156. 島田精一

    参考人(島田精一君) 今、平成十九年三月末時点で公庫として常勤の派遣者を受け入れておりましたのは、みずほコーポレート銀行から二名、野村証券及びゴールドマン・サックス証券から各一名でございます。  このうち、ゴールドマン・サックス証券の方に関しましては三月末で受入れを終了し、平成十九年四月以降はクレディ・スイス証券から一名の派遣者を受け入れています。  また、いずれにつきましても、派遣者本人に対する給与等は派遣元企業から支払われておりますが、機構は派遣元企業との間で覚書等を締結しまして、アドバイザリー業務の提供に関する相応の対価を支払っているところでございます。
  157. 大久保勉

    大久保勉君 それって利益供与ですかね。つまり、給与は相手持ちですね。相応の対価を払っているというのは、その相応の対価というのは何ですか。
  158. 島田精一

    参考人(島田精一君) それは、一種のいろんなコンサルタントを受ける一環として人員を派遣していただくことが契約の覚書の中に入っておりまして、そのコンサルタントフィーとしての対価を払っているところでございます。
  159. 大久保勉

    大久保勉君 いや、その対価は何ですかと。じゃ、それは談合ですか。談合の費用ですか。
  160. 島田精一

    参考人(島田精一君) いや、我々はあくまでそれぞれの証券会社に対価を払って、それぞれの会社から人材も派遣していただいているということでございますが。
  161. 大久保勉

    大久保勉君 整理しますと、要は、みずほ証券から二名、野村から一名、GSから一名。実は、さっきの平成十八年度の手数料の支払額、野村証券十一億、みずほ証券十億、ゴールドマン・サックス十億、ぴったし一致するんですよね。つまり、給料はただといっても実際は十億払っているようなものですよね。  何が問題かといいましたら、ここで競争入札をさせないと最終的な証券の発行コストに影響します。これは一千億とか二千億証券を発行していましたら、〇・一%、〇・二%金利が高いか低いかによって数十億、数百億のコストは簡単に変わってくるんです。ですから、一見、人を派遣してもらって安上がりに見えますが、実はとんでもないコストを払っているんです。  こういった実態に関して、問題があるとは思いませんか。理事長の御所見を伺いたいと思います。
  162. 島田精一

    参考人(島田精一君) それは人材、今ちょっと大久保先生の御発言で訂正させていただきたいのは、みずほ証券からではなくてみずほコーポレート銀行から二名派遣していただいています。  それから、それぞれの都度、発行時に、リードマネジャーといいますか、主幹事銀行三社とそのほかのサブマネジャーを選定しているわけでございますが、それはその時々に、先ほど申し上げましたような内部で決めた基準で、一番公正かつ適格な証券会社を選ぶという形でやっております。派遣者がどこから来ているかとか、そういうことは特に配慮、全く配慮しておりません。
  163. 大久保勉

    大久保勉君 配慮していないと言いますが、事実としてはこういった非常に強い連関性があるということを指摘したいと思います。また、みずほ証券とみずほコーポレートは違うとおっしゃいましたが、いわゆるみずほグループとして一体的に運営しているケースもありますから、必ずしも別会社とは言えないと思いますから、この辺りは疑われないようにきっちりチェックしてください。むしろ、ただほど高いものはないんですよね。このことは是非忠告したいと思います。  じゃ、続きまして、証券会社による経営陣や発行業務関係者への過剰な接待、タクシーチケットの供与、情報ベンダー、ITソフト等の費用の供与、その他一切の利益供与があるのかないのか、この点に関してまず質問したいと思います。また、どういった組織によってこういったガバナンス、コンプライアンス上のチェックをしているのか、このことに関して御質問いたします。
  164. 島田精一

    参考人(島田精一君) その点に関しましては、大久保先生おっしゃるように、私ども多額の、年間二兆円を超える証券を、MBSをここのところ発行しておりますし、今年度も三兆円を超える証券を発行する予定であります。そういうある意味での証券発行の大変大きなオリジネーターでありますので、いろんな業界との癒着であるとか、いろんなそういう問題については最大限の注意を払っておりますし、私もここに参りましてから特にこの件につきましては徹底的に組織内で注意を喚起し、私自らの行動もビヘーブしているところでございます。  公庫時代から役職員の職務に関します倫理の保持を図るために遵守すべき基準、倫理規程を整備しております。それから、役職員が証券会社等の関連事業者から金銭などの授与を受けたり供応接待を受けることを一切禁じております。また、これらにつきましては、コンプライアンスの取組の中で節目節目に私自ら関係者全員に注意喚起を行うことによりまして、全職員に周知徹底を図っております。また、監査室による監査におきましても、毎年これらの徹底について確認を行っております。このように厳しく取り組んでおりますので、御指摘のような証券会社からの利益供与その他の接待は一切ございません。
  165. 大久保勉

    大久保勉君 分かりました。  このディスクロージャー誌を見ましたらいろんな問題点がありますが、もう時間がありませんので、住宅金融公庫に対する質問はこれで終わります。退席されても結構です。  続きまして、国民生活金融公庫に対して質問したいと思います。  まず、企業会計原則で算出した貸借対照表によりますと、未処分損失金が四千七百六十四億円であります。資本金が三千六百九十四億円しかありませんので、民間銀行でありましたら一千億円以上の債務超過でデフォルトです。経営改善の努力がなされているのかどうか、このことに対して質問します。  また、この損失は税金により最終的に埋められることになりますが、経営者として説明責任、さらには結果責任が果たされているのか、この点に関して御質問します。
  166. 薄井信明

    参考人(薄井信明君) 私どもの公庫財務状況、法令に基づきまして財務諸表を作っているわけでございますが、私どもに求められている法定財務諸表におきましては資産の方が多いということになります。ただ、御指摘のように、民間であると仮定して民間企業会計原則を適用いたしますと、これは公表しておりますが、御指摘のようになります。  このように両会計制度でなぜ差異が生じるかは、申し上げるまでもなく、当公庫に適用されている法律あるいは特殊法人等会計処理基準、これが民間に適用されている企業会計原則と異なっているということによるものでございます。例を挙げますと、私ども……
  167. 大久保勉

    大久保勉君 簡潔にお願いします。
  168. 薄井信明

    参考人(薄井信明君) はい。当公庫には、不急の、急がない財政負担は避けてほしいということで、国の予算制度はそうなっております。必要のない、今要らないものは使わないでほしいと。そこで、例えば貸倒れ等の損失が生じた場合は、それが損失の生じた段階で措置すると、これが国の会計制度とのリンクでなっております。したがって、貸倒引当金の引き当て率は上限が逆に設けられております。千分の六以上積んではいけないとなっております。また、退職給与引当金も積めない仕組みになっております。あわせて、仮に利益が出ても、我々は自分で蓄積することができない法体制の下で運営をさせていただいております。  なお、御指摘ありました収益面ですね、どういう努力しているかということですが、幸い平成十三年に財政投融資法の改正がありまして、これに基づいて私ども工夫いたしておりまして、平成十五年度以降、収支差補給金ゼロということでやってきております。また、フロー面の収支民間企業仮定の損失計算書におきましても改善してきておりまして、十七年度は百三十二億円の黒字となっております。
  169. 大久保勉

    大久保勉君 特殊法人会計基準というのを持ち出しまして、だから自分たちは赤字じゃないと言いましても、それでは通用しませんよ。といいますのは、今特殊法人改革をしようとしていますのは、これまでの基準だったら結局はさっきの地下室なんですね、どんちゃん騒ぎをしていて、赤字を垂れ流して、最終的には一般会計とか特別会計の方に負担を強いているから、こういった状況ではまずいということで今改革しようとしているんです。そのことが全く分かってないと思うんです。逆に分かりたくないんでしょうね、もし分かってしまいましたら自分たちの責任を取らないといけないということで、問題だと思います。  じゃ、次の質問に参りますが、このディスクロージャー誌によりますと、平成十七年のラスパイレス指数は一三三・四です。これは、国民生活金融公庫というのは、民間基準でいいましたら、いわゆる信金、信用金庫若しくは信用組合と同じ業務をやっています。それに比べまして非常に高いんじゃないかと私は思うんです。例えば、こちらにディスクロージャーがありまして、常勤職員は四千二百七十五人います。平均年齢は四十・一歳、平均給与は八百二十九万四千円です。この年収八百二十九万四千円というのは、実は資料をいただきました。これは各銀行のディスクロージャー誌から出されていますから公表できると思いますので、あえて名前を言いますが、三井住友銀行が七百七十一万、千葉銀行が七百六十七万、これに比べまして、これは都市銀行大手及び地方銀行大手です、それよりも、信金、信組と同じ業務をやっているところが高いというのは非常におかしいんじゃないかと思います。このことに関してどういう御認識でしょうか。
  170. 薄井信明

    参考人(薄井信明君) 民間金融機関が公表しておりますデータについて、お示ししたとおりですが、これは一部の資料でございまして、私ども、おおむねメガバンクよりは低く、地銀よりも高い水準に私どもの給与水準があるのかなと思っております。  先ほど信用組合、信用金庫等の例を出されましたが、私どもの仕事は、確かに融資の対象者は地方の方々でございますが、私ども、多分信金さんよりもずっと小さな商店街のお店の方々に融資するというようなことをやっておりまして、御存じのように、帳面も余りない、その人を目利きで調査するというようなことをやっております。これにはやはりかなりの能力が要ると。そんなこともありますし、また、全国に百五十二の支店を設けておりまして、百三十万のお客さんに融資をさせていただいております。このために職員は単身赴任を、私が言うのもおかしいですが、強いられております。そういったことも考えたときに、優秀な職員を採用するにはある程度の金額が必要であるというふうに思っております。
  171. 大久保勉

    大久保勉君 私はそう思いませんけど。いわゆる貸手は非常に小さい商店主に貸しているという、この業務こそが信用金庫とか若しくは信用組合が行っている業務なんですね。毎日店舗に行きまして、そこで目利きをしながら人物本位で貸し出していると。これはいわゆる信用金庫のビジネスモデルです。その辺りは、私も金融機関におりましたので、このことはもう議論はしたくありません。むしろ私には、信用金庫と給与を比較されるのが嫌だということで、あえて別のことを言っているんじゃないかという気がします。  じゃ、もう一つ質問しますが、これは電話交換手という方が三人いらっしゃいまして、平均給与が六百四十七万、自動車運転手が六百十四万、私は非常にいい会社だなと思います。ただし、税金を使ってなかったらということです。このことに関してどう思います。
  172. 薄井信明

    参考人(薄井信明君) 私ども、四千七百人の職員がいると申しましたが、その中で自動車運転手は十名、また電話交換手は三名でございます。かつてはもっとおりました。これは、御指摘のような点も私どもあると思いまして、年々、退職不補充ということを続けてまいりました。今現在の数字がこういうことになります。  そういうことでございまして、確かに職員の年齢がもう高くなっております。平均年齢が、この十三人ですか、五十七、八になっているかと思いますので、どうしても給料が高くなってしまっているということは御指摘のとおりでございます。
  173. 大久保勉

    大久保勉君 実際、こういうこともありますよね。調べてみましたら、課長以上の方が千二十五人、つまり、全体の四千人ちょっとのうち四分の一が管理職ということです。非常に頭でっかちですね。もう少しスリム化をすべきじゃないかと思います。こういったもろもろのことが積み上がりまして非常に給与水準が高いと。で、生産性が恐らく低くて、そのしりぬぐいをいわゆる税金の投入という形で運営されていると。国民生活金融公庫業務に関しては私は必要性を感じます。残していくためには、それなりに血を流して効率化をしない限りは、血税を投入するに値しないと私は考えているんです。是非、経営改善をしてほしいんです。  じゃ、最後ですが、財務大臣に御所見を賜りたいんですが、先ほど言いましたように、母屋でおかゆ、離れですき焼き、そして地下室でどんちゃん騒ぎと、こういったことが国民生活金融公庫にも当たると思います。非常にチェックが入りにくいんです。国の財政を預かる立場から、是非ともここは財務省に頑張ってもらいたいと私は思います。  このことに関して財務大臣の御所見をお尋ねしたいと思います。
  174. 富田茂之

    ○副大臣(富田茂之君) 財務省といたしましても、毎年の予算編成を通じまして法人の業務等に関して厳しい見直しを求めてきているところであります。特に特殊法人等向け財政支出につきましては、特殊法人等整理合理化計画に基づきまして平成十四年以降の五年間で実質的に一・八兆円の削減を行うなど、歳出改革を徹底してきているところであります。  特殊法人等に関する透明性の確保が重要であることは、もう先生御指摘のように言をまたないところであるというふうに認識しております。財務省といたしましても、今後とも、予算編成の過程などを通じまして特殊法人等の健全な財政運営が確保されるよう努めてまいる所存でございます。
  175. 大久保勉

    大久保勉君 国民生活金融公庫に対する質問はこれで終わります。どうもありがとうございました。  続きまして、日本政策投資銀行に関して質問したいと思います。  こちら、私は金融機関統合する若しくは民営化する場合にどういった機能を持っていくかというのが重要だと思います。ですから、例えば給与水準に関しましても全く同じでいいとは思いません、安ければいいとは思いません。やはりその機能に応じた仕事をしているのか、生産性を上げているのかということで量っていくのが重要だと思っています。  実は、政策投資銀行に関しましてラスパイレス指数を調べましたら、一六〇近くあるということなんです。これは大手都市銀行に比べても群を抜いて高いと思います。これが高いんじゃないかという批判もあるかもしれませんが、必ずしもそうは私は言えないと思います。といいますのは、職務の属性がいわゆる投資銀行、経営コンサル、投資ファンドなど金融のプロ中のプロの業務もかかわっていますから、質が高かったらそれはそれで私はいいんじゃないかと思います。  じゃ、もし今の政策投資銀行民営化した場合に、プロ中のプロと伍して戦っていくだけの能力があるのか、若しくは民営化して将来不安を感じましてごっそり人が、若手が抜け出すことはないのか、このことに関して御質問したいと思います。
  176. 小村武

    参考人(小村武君) 御指摘のように、私どもの給与のラスパイレス指数は一六〇でございます。政府系機関としては高い方に属します。ただ、民間金融機関と比べますと、それほど高い水準にあるとは考えておりません。民間金融機関は、ちなみにラスパイレス指数というのはございませんのですが、平均給与額等を見まして、民間より特段に高いという水準ではございません。  先生御指摘のように、これから新たに民間金融機関として伍していくにはやはり優秀な人材が必要であります。そういう面で心配がないかという御質問でございますが、私どもは、やはりこれからの金融機関は二十代、三十代においていかに優秀な人材を抱えているかというのが勝負だと思っております。量よりも質という時代が必ずこの金融界に現れてまいります。そういう意味におきまして、優秀な人材の確保をするためにこれからも努力をしてまいらなければならないと思います。  ただ、給与の面だけで我々につないでおくということは、それは無理でございます。やはり民間金融機関あるいは外資系の金融機関に比べますと、まだまだはるかにその水準は劣ります。ただ、私どもの職員は、やはりこれまで培ってきた志、DNA、これを大切にしながら、やはり社会的価値の創造に向けて生きがいを感じている者も多うございます。そういう者が安心して働ける環境にする、これが経営者の責任だと考えております。
  177. 大久保勉

    大久保勉君 ちょっと時間がありませんので飛ばしまして、民間銀行不良債権問題は金融再生プログラム等によりまして厳しい資産査定が行われ、そのことによりまして、またその後の経営改善努力によりまして解決しました。  私は、今後の問題は公的部門の不良債権問題の解決であると考えています。そこで、政策投資銀行のディスクロージャー誌を見ましたら、こちら監査法人が中央青山監査法人ということなんです。これは、中央青山監査法人といいますのは、過去に多数のところで粉飾決算に関与したということで、いわゆるお取りつぶしになったということなんです。ということは、平成十八年度以降の会計監査法人に関してはどの監査法人を使うのか、このことに関して質問したいと思います。  特に、中央青山は、比較的資産査定若しくは貸倒引当金、保全の処理等に関しまして非常に甘いという見方もあります。別の会計監査事務所でしたら非常に厳しく査定されまして大幅に引当金の積み増しの可能性があるかもしれませんし、もしかしたら、財務内容が余り良くなくてだれも監査法人として引受けをしない、いわゆる監査難民になる可能性がありますから、このことに関してこういった状況はないか、質問します。
  178. 小村武

    参考人(小村武君) 中央青山監査法人の監査を受けているがために私どもの監査の内容が甘いとか、そういうことは一切ございません。これはトヨタ自動車でも、新日石も中央青山監査法人であります。  私どもは、過去、民間財表ベースによって一足先に他の政策金融機関に先駆けて、平成十二年度から監査法人の監査を自主的に受けております。監査証明もいただいております。政府系金融機関ではこれは三社に限られております、現在。私どもは、その上に金融庁の検査、会計検査院の検査、厳しい検査を受けております。そういった面で、我々の財務内容についていささかも非難されるところはないと信じております。  それから、私どもの不良債権問題も、メガバンクが八%、九%という不良債権抱えている時代でも私どもは三%ちょっとでございました。現在、大手行で大体平均一・八%、不良債権比率、私どもは一・六%でございます。そういう面におきまして、最も内容的にも健全な金融機関一つとして金融庁からも評価をされていると、こういう状況でございます。  それから、監査法人が、確かにみすず監査法人が解散になります。したがいまして、来期の中間期から別の監査法人を選定しなければなりません。監査難民になるんじゃないかという御指摘でございますが、現在複数の監査法人からいろいろな御提案がございます。私どもは、副総裁を中心に、財務担当、資産担当の役員も入れまして監査法人選定委員会を設置して、今鋭意検討をいたしております。監査法人からは、私どもの銀行の監査法人になるということは大変名誉なことだということで多くの提案をいただいていると、こういう状況でございます。
  179. 大久保勉

    大久保勉君 先ほど不良債権は少ないということがありましたけれども、不良債権が少ないというのは、本当に少ないというのと、不良債権とみなしているのが少ないと、本当は多いんだけれども、不良債権をいや正常債権だとみなしているケースもあります。  この辺り、もう少し精査しないといけませんので、調べました。いわゆる金融再生法に基づく開示債権ということで開示されていまして、破綻先、実質破綻先が百九十六億円、破綻懸念先が九百六十四億円、要管理、要注意先が八百六十六億円あります。これを合計しました金額がすなわち不良債権でありますが、これが二千億円になっています。二千億円というのは非常に少ないと思いますが、よくよく見ましたら、最近、日本航空、JALというのがよく話題に出ています。報道等によりますと、政策投資銀行は日本航空に対しまして三千億超、三千二百億円程度融資されていると伝えられています。ということは、不良債権が二千億ですから、当然JALというのは不良債権に入っていないということが証明できますね。これは、この理解で正しいですね。
  180. 小村武

    参考人(小村武君) 私どもの決算におきまして、金融庁の検査も受け、監査法人の監査証明までもらっております。私どもの不良債権の分類がおかしいとか、どういう根拠でそう言われているのか大変疑問でありますが、適正に会計処理をなしているということでございます。
  181. 大久保勉

    大久保勉君 イエスかノーで答えてください。不良債権は二千億円です。JALに対する融資が三千二百億円です。ですから、合理的に考えましたらJALは不良債権に入っていないと、少なくとも平成十七年度末には入っていないはずですが、このことの確認です。再確認します。イエスかノーかでお願いします。
  182. 小村武

    参考人(小村武君) 個別の企業についてどういう位置付けであるかということは、その企業にとって大変な信用問題になります。したがいまして、どこの銀行もそういう開示はいたしておりません。私どもも個別の事案についてはコメントを差し控えたいと思います。
  183. 大久保勉

    大久保勉君 では、別の質問をしますが、一債務先に対して、もちろん無担保無保証の債務先に対して三千億あります、この三千億が、一部が破綻懸念で一部が要注意とか、一部が正常先と、こういった分類は理論的にはできませんが、こういう理解でよろしいですね。
  184. 小村武

    参考人(小村武君) 一般論で申し上げますと、私どもは長期の設備資金をお貸ししております。そういう意味におきまして無担保ということはあり得ません。  それから、私どもの融資につきまして、その健全性等々については、内部における資産査定及びそれをまた監査する監査法人、さらに金融庁のチェックを受けて決算を発表していると、こういうことでございます。
  185. 大久保勉

    大久保勉君 無担保無保証ではないといいましても、その担保がほとんど価値がないとか、経済価値がないというケースもありますから、ここはもう議論しませんが、これはもう金融の常識としまして、三千二百億円の貸出しがあります、不良債権が二千億円でしたら、当然ながらJAL向けの融資は正常債権ということになっているはずです。  どうしてはっきりおっしゃれないか。私は、こういうこと、うがった見方をしましたら、先週発売されました週刊ダイヤモンドによりますと、経営再建中の日本航空向け債権について、メガバンクである三菱東京UFJ銀行と三井住友銀行の二行が債務者区分を見直し、破綻懸念先に引き下げる方向で調整に入ったということです。年明けから行われていた金融庁検査の指摘によるもの、つまり金融庁がここはもう破綻懸念先にしなさいということを言っているということです。  これは事実かどうか分かりませんが、少なくとも経済誌として定評があります週刊ダイヤモンドはそういうことを報道しています。  金融再生法の実施においては、同一先に関しては同一の区分、いわゆる横ぐしが刺さりますから、メガバンクにおいて破綻懸念先でしたら、別の例えば政策投資銀行でも若しくは地方銀行でもJAL向けの融資は破綻懸念です。こういうことに遅かれ早かれなるはずです。もしそうでしたら、三千二百億円の融資が破綻懸念になりまして、少なくとも、担保がないもの若しくは保証がないものに関しましては一〇〇%の引き当てを積むように少なくともディスクロージャー誌には書いています。  ということは、三千億円超のうち担保でカバーされていない分が数千億ありますが、それが引当金を積むということでしたら相当経営的にも大きな影響があるんじゃないかと私は思いますが、このことに関して御質問します。  これは特定先に関しては言えないことかもしれませんが、この政策投資銀行にとりまして極めて大きい経営問題です。この委員会は、このことに関して知るべき権利があります。そうしませんと新たに血税を投入する必要が出てきますから、ここに関しては一般論でもいいですが、三千億円超というところが破綻懸念になった場合、経営上の問題が、どういう問題が起こるのか、このことに関して質問します。
  186. 小村武

    参考人(小村武君) 今るるおっしゃいましたが、金融庁が特定の企業に対する資産査定の内容をお話をするということは考えられません。私どもは、各銀行がどういう資産査定をしているのかも私どもは知るよしもないわけで、こういった点についてコメントをすることもまた適切ではありませんし、私ども自身のそういう考え方に対しても、マーケットに大変な影響があるということでコメントを差し控えたいと思います。  それから、経営の問題でございますが、これは私どもが責任を持って各融資案件について審査をし、それを決定しているわけでありまして、政府からの命令とかそういったものは一切ございません。私どもの責任において処理をしていく問題であろうかと思います。
  187. 大久保勉

    大久保勉君 政府からの命令じゃなくて、決算委員会できっちり決算に関する質問に答えてくださいということです。私どもはどうしろこうしろとは言いませんで、国の資産が劣化することに対して非常に危惧をしています。  じゃ、一例で言いますと、三月二十九日にJAL向けで政策投資銀行及び民間銀行がシンジケートで五百九十五億円の協調融資を行いました。報道によりますと、そのうち四百五十億円が政策投資銀行からの融資であるということです。七五%は政策投資銀行です。  これは、実を言いますと、政策投資銀行が出さないとJALは資金繰りに厳しいと、だから政策投資銀行が渋々出したんじゃないかという報道もあります。逆に、政策投資銀行お金を出したんだから政府が暗黙の保証をしているということで、JALの再建はある程度、資金繰りはしっかりしているという状況もあります。それはそれで政策的な意味合いがあるかもしれませんが、私の質問は、どうして五〇%を超えて政策投資銀行融資できるかということです。  政策投資銀行の貸付基準には、最大五〇%なんです。もちろん例外はありますが、それは地域再生支援とか環境対策、経済支援と特別な項目がありますが、それに該当しておりません。どうして私は七五%も融資しているか非常に疑問に思っています。もしすぐに破綻懸念先になりましたら四百五十億円どぶに捨てるようなものですから損失になります。このことに関して政策投資銀行質問します。
  188. 小村武

    参考人(小村武君) 一般論としてお答え申し上げます。  私どもの融資比率というのは、各金融機関と合わせた額の半分だとか三〇%だとか、そういう決め方ではございません。ある一定の設備投資等々がございましたときに対象事業というのがございます。その対象事業の中の何%かというところで融資比率が決められております。  したがいまして、金融機関からの借入れ以外に社債の発行をする場合もありましょうし、あるいは自己資金で賄うときもあると思います。我々は、あくまでもその対象事業に対する比率をもって融資比率と定めております。
  189. 大久保勉

    大久保勉君 対象事業という、ここにきっちり書いてますよ。これ、ここは時間がありませんから議論しませんが、非常にここは疑問点があります。  ここに関しましては別途議論したいと思いますが、非常に、ここで質問したとしましても、個別の事案に関してはお話しすることができませんということで、事実上はここでは議論しても時間の無駄なんですね。ただ、きっちりと融資基準に従って融資しているのか、このことは是非とも守ってほしいんです。そうしませんと、JAL向けの融資が焦げ付いた場合は経営責任を問われると思います。  是非、焦げ付いた場合の経営責任を取るということで確認したいと思いますが、総裁の御所見を聞きたいと思います。経営責任を取るか取らないか。
  190. 小村武

    参考人(小村武君) 一般論として申し上げますが、私どもは、先ほど申し上げましたように、政府からの命令、個々の指示、そういったものを受けて融資をしているわけではございません。自らの判断において融資の決定をいたしております。したがいまして、私どもの融資に関しては私が責任を取ると、持つということは当然であります。
  191. 大久保勉

    大久保勉君 分かりました。責任を取る場合に、退職金の業務査定に関しては、一ではなくて当然ながらもう少し低い数字を使ってもらいたいと思います。是非とも、そこの辺りはきっちり経営責任を取ってください。  ちょっと時間がありませんので、ガバナンスに関して最後の質問をします。  政策投資銀行に関して、ガバナンスに関しては非常にしっかりしていると評価はします。例えば、外部の運営評議委員会というのをつくりまして外部チェックが働いていまして、ここは評価ができるんです。ところが、制度はつくったが実質的に機能しているかというのが問題なんです。実際、このことに関して質問したいんですが、外部から厳しいチェックが入るのをどうしても避ける傾向がありまして、著名人とか有力者をそろえて、実際の運営は事務局が取り仕切っているということだったら全く意味がないと思います。  そこで質問しますが、社外取締役会に相当する運営評議会の構成メンバーは、貸出し先やその他取引先の経営者が多く就任しております。利益相反がないのか、また、どのような基準で選んでいるのか、このことに関して質問したいと思います。  ちなみに、委員は、三菱東京UFJ銀行の相談役であったり、トヨタ自動車の名誉会長、住友金属工業の名誉会長、東京急行電鉄の相談役、こういった方がいらっしゃいまして、利益相反上問題がないのか、この点に関して質問します。
  192. 小村武

    参考人(小村武君) 私ども、政策金融機関として真っ先にこの運営評議委員会を導入いたしました。言わば、社外重役会という位置付けであります。会長に、座長に豊田章一郎様をお迎えいたしております。財界から三名、金融界から一名、学者先生が二名、それからマスコミ等の有識者が二名と、こういう構成でございます。  財界代表者を含め、皆さん公正な意見を吐いてくださっております。また、金融界代表の方は非常に、民間金融機関からの立場から見て我々の銀行がどうあるべきかと、こういう意見を率直に述べてくださっております。
  193. 大久保勉

    大久保勉君 じゃ、実質審議、会議時間というのは何時間ぐらいですか、一回当たり。若しくは年何時間ありますか。
  194. 小村武

    参考人(小村武君) 原則として、私の記憶では三か月に一回、あるいは二か月に一回開催をいたしております。その都度、皆さんお忙しい方々でございますが、御出席をくださいまして、率直な意見を述べてくださっております。
  195. 大久保勉

    大久保勉君 何時間、何時間、時間。
  196. 小村武

    参考人(小村武君) 約一時間半から二時間の論議でございます。
  197. 大久保勉

    大久保勉君 一時間半から二時間だったら、事実上はほとんど議論できないと思うんですね。いろんな説明を聞きまして、で、様々な問題を議論しますから。  例えば、資料として配っております、「中期政策方針」ということでディスクローズがされておりますが、これは内容を見ましたら、これ事務局が作ったんじゃないかと思います。例えば、三ページに「自立型地域創造」ということで、「意見等」で、白い丸がありますが、非常に共感できる、一つ下で、評価できる、注力すべきである、一行下がりまして、同行の貢献を評価したい、最後は少子化云々に関して期待したいと。いわゆる事務局が作ったんじゃないかと疑われるような内容なんですね。  本当に社外取締役会とかでしたら、もう少し突っ込んだ議論をすべきです。数字が使われていないんですね。政策投資銀行不良債権比率は本当にいいのか、査定は甘くないのか、若しくは企業水準はどうかと、若しくは人材育成はどうであるかとか、ガバナンスはどうであるか、細かい指摘が来るんですが、少なくとも、こういった資料若しくは議事録も要求したんですが、ほとんど厳しいチェックは入っていないんじゃないかと私は思いました。  まあ、あくまでも一歩前進ですから、是非内容を充実させるようにしていただきたいと思います。このことを指摘しまして、私の最後の質問とします。  じゃ、最後に御所見を伺います。
  198. 小村武

    参考人(小村武君) 豊田会長を始め皆さんには、厳しい御指導をということで引き続き要請をしてまいりたいと思います。  それから、ディスクロ誌に書いておりますのはまだ経過報告書でありまして、本格的な三年間の集大成をしたものは、これから財務大臣に報告した報告書等々がございます。この内容につきましてはホームページでも公表いたしております。かなり詳しく書いておりますのでごらんいただきたいと思うんですが、例えば出資期間、出資をする場合も単に短期間の出資をして外資がもうけるようなそういうビジネスをしてはならないとか、あるいは財投機関債をもっと増やせとか、いろんな御意見をいただいております。  そういう意味におきまして、せっかくの立派な方をお迎えしておりますから、充実した会議にいたしたいと思っております。御忠告ありがとうございました。
  199. 大久保勉

    大久保勉君 以上で終わります。
  200. 藤末健三

    ○藤末健三君 民主党・新緑風会を代表しまして質問申し上げたいと思います。  私は、国際協力銀行、JBICにつきまして二つのこと、一つは二〇〇四年度、二〇〇五年度の会議費の使用について、そしてまた情報のディスクロージャー、公開についてお話ししたいと思います。  まず、国際協力銀行の二〇〇四年度分、二〇〇五年度分の会議費につきまして、情報公開法に基づきまして情報公開を要求いたしました。対応していただきまして、五千五百件の会議費の中でも千五百件につきまして情報を開示していただいております。これは本当にお礼申し上げたいと思います。  ただ、一つ一つ情報を人海戦術で見てみますと、幾つか何かおかしいんじゃないかなというものがございますんで、それにつきましてまず御質問申し上げたいと思います。  先ほど同僚の大久保議員からもお話がございましたが、何か見ていますと、非常に、もうほとんど黒で塗りつぶされて、だれと会議したか分からないというものがございます。その中で、これは新聞にも書かれてございますが、政治家の、国会議員の人と会食をしたと思われるんではないかというものがございまして、そういうものがあるかないかということをお答えいただけませんでしょうか。お願いいたします。これは総裁お願いいたします。
  201. 篠沢恭助

    参考人(篠沢恭助君) お答え申し上げます。  私どもの国際協力銀行におきましては、業務の実施上必要な外国政府機関、国際機関の要人あるいは国内のいろいろな有識者などとの情報、意見交換などを行って業務の遂行上必要なことを、情報を得ているわけでございますが、相手先の氏名あるいは会議内容等の詳細につきましては公にできないという前提で有益な情報や意見の交換を行って、それを踏まえた当行業務をしているわけでございますが、その中で、行政機関に属する国家公務員のように一般の慣行として氏名を公にすることとされている場合を除きましては、議員の場合を含めまして、相手先名や相手先名を類推させるような情報、これを公にいたしますと相手先と当行との信頼関係が損なわれて率直な意見交換、情報収集等に影響を及ぼしてくるというふうに考えておりまして、情報公開法の中の不開示事由に該当するものとして不開示にしているわけでございます。
  202. 藤末健三

    ○藤末健三君 政治家の方がいるかどうかをイエスかノーかで答えてください。一言です。お願いします。
  203. 篠沢恭助

    参考人(篠沢恭助君) 不開示としている情報に関する内容を申し上げることにつきましてはお許しをいただきたいと思います。
  204. 藤末健三

    ○藤末健三君 総裁、多分あなたは独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律を読まれていませんね。  総務省さんが多分これ所管されていると思うんですけれど、この法律の第三条、あと五条において情報開示の例外というのがございます。国家公務員等、地方公務員等については情報開示をしなくてもいいという情報開示拒否の対応の例外と、除外になってございまして、国家公務員は、その国家公務員の中でも特別職という扱いになっているはずでございますが、どうでしょうか、情報公開、開示すべきだと思うんですが、いかがですか。これ、総務省さんだと思うんですが、お伺いします。
  205. 石田直裕

    政府参考人(石田直裕君) 事実関係でございますので私の方からお答えさせていただきますが、先生御指摘の五条の第一項に個人に関する情報については公開しないということでございますが、一定のものについては除外がございますが、その同じ条項でもほかの条項で不開示の事由も規定されているところでございますので、これらを全体的に判断して開示請求を受けた法人が適切に判断されているというふうに理解をいたしております。
  206. 藤末健三

    ○藤末健三君 それでは、あれですか、各法人が勝手に判断してこの法律を解釈してやっていいということなんですか、総務省さん。
  207. 石田直裕

    政府参考人(石田直裕君) 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律によりますと、第五条で独立行政法人等が開示すると書いてございますけれども、これはそれぞれの独立行政法人等におきまして事実の当てはめを行っていただくということでございます。
  208. 藤末健三

    ○藤末健三君 そうしますと、もう法律の意味がないじゃないですか。その法律、五条の中に独立行政法人等はとは書いてございますけれど、公務員等、国家公務員、地方公務員等類する者は情報公開の除外対象にしちゃいかぬって書いてあるわけですよ。  ついでに申し上げますと、五条の二項のロ、当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるものについては公開しなきゃいけない。  ついでに申し上げますと、これ是非、総務省さん、これを見てください、公益上の理由による裁量的開示というのがございまして、公益上必要があると認めるときはきちんと開示しなきゃいけないという独立行政法人等の義務が書いてます。この七条に照らしてどうなんですか。独立行政法人が国家公務員と会食をしますと。今正にJBIC、機構を変えようとしている、そして今、内閣委員会で新しい法律を議論しようとしています。株式会社日本政策金融公庫法案、議論されようとしている。  こういう中で、独立行政法人の方が国会議員と食事しましたと、会議費使って飲みましたと、でも情報は開示しませんと、開示する必要がないと私が思うからですということを総裁御自らおっしゃっているわけですよ。  総務省さん、それはどうですか、七条に関して。公益上の問題です、これは。
  209. 石田直裕

    政府参考人(石田直裕君) 今先生御指摘の第七条でございますけれども、第七条によりますと、独立行政法人等は一定の理由がある場合は開示することができると書いてございますけれども、これはあくまでも独立行政法人等の長が判断をされるということでございます。
  210. 藤末健三

    ○藤末健三君 じゃ、会計検査院さんにお聞きします。  これガイドラインか何か作ってください。是非お願いします、これは。独立行政法人が勝手に適用できるんであれば、総裁みたいな方が一杯おられたらみんな開示しませんよ。全部しませんと、やりたくないですと、それで済むじゃないですか。何のための法律かよく分からない、こうなると。いや、本当に。  申し上げたいのは、会計検査院にお聞きしたいんですけれど、会計検査院から見ていかがですか、この状況は。まず、会計検査院からお答えいただけませんか。お願いします。
  211. 諸澤治郎

    説明員(諸澤治郎君) お答え申し上げます。  国際協力銀行についてのお尋ねでございますが、私ども、国際協力銀行につきましては、国が資本金の二分の一以上を出資している法人でございますので、検査対象として検査を実施しているところでございます。同行からは、計算証明によりまして毎月収支計算書、総合合計残高試算表の提出を受けておりまして、その添付書類といたしましては、貸付けや出資の内訳を示す書類等がございます。  また、同行本店におきましは、例年、年二回程度ではございますけれども、会計実地検査を実施しております。実地検査では、限られた時間と人員の中で、円借款でございますとか国際金融の貸付けとか出資の事業を中心に検査を実施しておりますが、一般経理につきましては、金額の大きい契約などを抽出して検査を実施しているという状況でございます。  お尋ねの会議費につきましては、支出に至った経緯等の詳細な事実関係を承知しておりませんので、個別のことにつきましては現時点で私どもちょっと判断を申し上げることができませんけれども、そういう状況でございます。
  212. 藤末健三

    ○藤末健三君 会計検査院の方にお聞きしたいんですが、国際協力銀行、独立行政法人が政治家と会食をしましたと、それ自体会計の適正な執行に当たるかどうかということをイエスかノーかでお答えください。お願いします。
  213. 諸澤治郎

    説明員(諸澤治郎君) お尋ねの事実関係につきましては、そういう事実関係を承知しておりませんので、現時点ではその適否を判断することはできないと考えております。
  214. 藤末健三

    ○藤末健三君 一般論としてお聞きします。  ある独立行政法人が特別職の国家公務員である国会議員と会議費を使って、国の金で、会議費を使って会食をしましたと、それが会計上の適正な執行、会計の適正な執行に当たるかどうかということをお聞きしています。一般論としてお答えください。お願いします。
  215. 諸澤治郎

    説明員(諸澤治郎君) 一般論としても、どのような前提で、あるいは支出に至った経緯等のそういう事実関係が前提になろうかと思いますので、この場で、一般論としても、適否の判断というのはちょっと差し控えさせていただきたいと思います。
  216. 藤末健三

    ○藤末健三君 会計検査院に頑張っていただかなきゃこれはいけないと思うんですよ。大きな金は、事務費で大きな金はチェックしていますけど小さいお金はしていませんとおっしゃいますけど、小さなお金でもきちんと積み重ねたらすごい金額になりますよ。  ちなみに、国際協力銀行のこの二〇〇四年、二〇〇五年度の会議費って大体お幾らか教えていただけませんか。一言でお願いします。
  217. 篠沢恭助

    参考人(篠沢恭助君) 平成十六年度、平成十七年度の会議費の実績額でございますが、それぞれ約八千三百万円、約七千六百万円でございます。
  218. 藤末健三

    ○藤末健三君 小さな額じゃないということはもう御理解いただけたと思います、会計検査院の方には。チェックしていただきたいです、はっきり申し上げて。  なぜかと申しますと、これだけ分厚いやつをチェックして分かったことは何かというと、会議費というと、普通、会議室に弁当取ってやるという感じじゃないですか、我々の常識というか、普通の常識では。ほとんどが夜に、何かまあ料亭かどうか分かりません、店は。多分、何かお酒を飲むところじゃないのかなと推測できるような店でなされているんですよ。それが大体計算しますと九割近いんです、八割ちょいです。  なぜ会議費をそれほど飲み食いの、会議室で会議しないで外部でやらなきゃいけないかというのが非常に不思議でございます。これは聞きません、もう情報開示されないとおっしゃってますんで、総裁は。ただ、異常な状況であることは事実です。私の事務所でこれ調べました、一つ一つ。その状況の中で、なぜ会議室で弁当取ってやればいいのにやらないのかということは非常に疑問でありますんで、会計検査院が是非チェックしていただきたいんですが、そこについてはいかがですか。会計検査院、お願いします。
  219. 諸澤治郎

    説明員(諸澤治郎君) 今後の検査に当たりましては、ただいまの御議論も念頭に置いて検査に当たりたいと考えております。
  220. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非お願いします。  そして、是非お願いしたいのは、監督官庁である財務省から見られていかがでございますか。年間八千万円とかいうような巨額の会議費があると。その会議費がどう使われているかというと、外部の方と飲み会とか、あとパーティーへの出席とかあるんですよ。もうこれ質問したいというか、お聞きしません。パーティーも、出版パーティーに出られてますけど、政治家のパーティーかどうかというのは本当はお聞きしたいんですけどね、それも。だけど、それはもうお聞きしません。  そういう状況で、もう一億円近い会議費を、国のお金を使いながら、それもほとんど食事ができるところに、外部にわざわざ行かれていると。そして、だれとやった、食べた方も公開されてない、ほとんど黒塗りです、これ。本来、独立行政法人の情報公開法にのっとれば、独立行政法人の職員の名前さえも消しちゃいけないはずなんですよ。これは多分総裁の御判断で消されているんですよね、きっと、独立行政法人の判断で消せますから。これも開示要求しません。だから、このような異常な真っ黒な書類を提出していただくということは何なのかということを問いたいです、私は、正直申し上げて。    〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕  財務省として、このような会議費の使い方についてどう思われるか、そしてどう直すべきかということを是非財務省から、財務大臣、よろしいですか、お答えいただければと思います。お願いします。
  221. 富田茂之

    ○副大臣(富田茂之君) 国際協力銀行におけます会議費の支出方法につきましては、当該銀行の方で支出基準を決められて、先ほど総裁の方で個別に判断して支出されているというふうに理解しておりますし、また先ほど来先生の御質問にあります情報公開につきましても、同行におきまして個別の事案ごとに適切に判断されているというふうに財務省としては考えております。
  222. 藤末健三

    ○藤末健三君 いや、副大臣にちょっと本当にお話ししたいんですよ。  監督官庁である財務省はもうお任せしています、国会の予算委員会には情報公開できません、自分で判断します、会計検査院さんは大きなお金しかやりませんと言ったら、だれが国のお金をチェックすればよろしいんですか。いかがですか。財務省がやるって、財務省もやってください。お願いします。その一つだけお答えください。やると言ってください。
  223. 富田茂之

    ○副大臣(富田茂之君) 質問の御趣旨がちょっとよく分からない、もう一度、何をやってくださいと。
  224. 藤末健三

    ○藤末健三君 財務省として、監督官庁である財務省としてこういう一億円にも近い会議費の使われ方はやっぱり管理していただかなきゃいけないと思うんですが、いかがでございましょうか。管理していただきたいんですよ。お願いします。
  225. 富田茂之

    ○副大臣(富田茂之君) 先ほども御答弁しましたように、支出基準については同行において決められて個別に適切に判断して支出していると思いますので、監督すべきものは監督いたしますが、先生の御趣旨のとおりできるかどうか、その点については明確に答弁はできないですね。
  226. 藤末健三

    ○藤末健三君 僕はここで余り議論してはいけないと思うんですけど、やっぱり政治の主導で変えていただきたいですよ、正直申し上げて。是非ともそれはお願いさせていただきたいです。  小さな額かもしれませんけど、積み重ねるともう年間八千万円とかになる。そのお金を使われて、実際に、もう質問はしませんけれど、国際協力銀行会議施設を二か所持っているんですよ、曙橋会館というのと麻布会館というのを。私、実は見に行きました、すばらしいところです、はい。これをなぜ使わないで、いろいろ書いてございますけど、いろんな中華料理屋とか、あと、もしかしたら料亭じゃないかなというところございますけれども、なぜそういうところに行かれるかというのは非常に不思議です、私は。そして、もう一つ申し上げたいのは、なぜ会議室でなされないのか、会議を。昼の会議、非常に多いんですよ。わざわざ外に出て会議されているんですね、それで。会議費なのか食事費なのか分からないと。ついでに申し上げますと、一人で例えばいろんな会合なんかに出たとき、それも会議費で落としているんですよ、出版パーティーとかなんですね。  僕はもうちょっと最後に、総裁にちょっとお聞きしたいんですけれども、総裁もお一人で何かの会合に出られたときの費用を会議費で落とされているんですよ。一つありました、見たら一つありました。    〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕  私はむしろ、総裁はやっぱりいろんな手当もらわれていると思うんですよ、正直申し上げて。そういう一人で何かの講演会とかに出られるお金というのは手当の範囲じゃないかと思うんですが、その点いかがですか。もう総裁にせっかくだからお聞きします。
  227. 篠沢恭助

    参考人(篠沢恭助君) 幾つか御質問いただいたように思いますが、会議費の支出が多過ぎるという点につきましては、私ども、国内、海外にわたって広く国際金融業務、それからODAの円借款業務、これらに関するいろいろな打合せを含めまして各方面の方々と会議を重ねながら業務を行っているわけでございますが、やはり公務員を含めてでございますが、相手方の御都合によりまして、業務時間外の時間も私どもとしては、私どものような立場の者としては使わざるを得ないわけであります。それで……
  228. 藤末健三

    ○藤末健三君 じゃ、お昼はどうなんですか。
  229. 篠沢恭助

    参考人(篠沢恭助君) 個別の会議の開催に当たりましては、その目的や金額等の妥当性を確認する。そして、別に夜だけということではございません。モーニング、朝の会合もございます。それからワーキングランチもございます。ワーキングディナーもございます。  それから、一人での会議費という点でございますが、これは国内、海外のケースとも、会費制で開催される複数の参加者が集まる意見交換会などへの当行からの出席者の会費を会議費で負担をしているものでございます。私の個人的な理由によるそういう会費制の出席ということであれば、もちろん私、自分のいわゆる自腹で出席をするわけでございますが、本当の業務関連ということでありますと、そのように一人での会議への出席についての会議費支出があるわけでございます。  それから、先ほど政治家のいわゆる励ます会といったようなことへの出席ということもございましたが、私どもはそういうものに対して公費支出は一切しておりません。
  230. 藤末健三

    ○藤末健三君 パーティーは、パーティーと申しますか、出版記念会には出られてないかもしれませんけれども、食事は多分あったんじゃないかという気はします、その歯切れの悪さからすると。推測せざるを得ないと思います、正直申し上げて。  私、お願いしたいのは、まず会計検査院にはきちんとこのような会議費の使い方を是非チェックしていただきたいと思います。なぜかと申しますと、会議室で弁当を取ってやっている会議ってほとんどないんです。先ほどランチ、ブレックファスト、朝とか言いますけれども、夜がやたら多いです、正直申し上げて、時間外。昼であれば、僕はまさしく会議室でやっていただきたいし、夜であっても、わざわざ、JBICさん、国際協力銀行さんは二つの会議所を持っているんですよ、ちゃんと。自分たちでお持ちなんですよ。そこを僕は使うべきだと思います。  ということをまず会計検査院さんにお願いしたいし、あと総務省の方々にお願いしたいのは、やはりこの法律はざる法ですよ、そうなると。皆様がお答えされたように、独立行政法人の考えによって情報開示をしていいかどうかというのが決めれるということは、もし今の総裁みたいなお答えをいただければ、私がしたくないからしませんと言ったら、もうすべて終わりじゃないですか。この七条の公益の問題、五条の不開示の例外措置、何の意味もないですよ。是非ともこれは議論を今後していきたいと、しなきゃいけないと思います。  以上をもちまして、最後は自分の意見を申し上げましたけど、発言を終わらさしていただきます。ありがとうございました。
  231. 弘友和夫

    弘友和夫君 公明党の弘友和夫でございます。  本日は一時からもう三時間半になって、ほとんど、私もいろいろと通告をいたしておりましたけれども、かなり重複する部分もございますが、いろいろ先ほど来の議論をお聞きしておりまして、なかなかこれは難しいなという部分が非常にあるんです。  というのは、今回のこの方針で、従来のような政策金融の役割は基本的に終わった、今から民の補完でやっていくんだという考え方で整理されているわけですね。この機能を大幅に絞り込む、また貸付残高はGDP比の半減をすると、一つの組織へ五機関統合して、一機関を廃止、二機関民営化するということでこの法案が今国会に提出されるわけですけれども、これは、この場は法案審議の場ではございませんので、こういう流れの中で、私、まずちょっとお聞きしたいんですけれども。  いろいろ今、先ほど来指摘されたような問題も含めて、もうこの際、やはり今までの政府系の貸付残高も多過ぎるというようなことから、これを縮小していこうという方針方針としてあるわけなんですけれども、そういう流れの中で、今日は要するに統合されるそれぞれの機関総裁がおられて、今後どうしていきますよというのはなかなか答えにくいんじゃないかと思うんですよね、今後うちはこうしてやるんですよとかいうのは、統合するわけですから非常に難しい部分があるということで。  この統合に当たってのいろいろ議論が中であっていると思いますが、こういう点は懸念されるというか、まあ懸念と言ったらあれですけれども留意点というか、うちはやはり今までこういう政策金融やってきた、今回統合に当たってはこれがなくなるんじゃないかとかどうだとかいう、そういう懸念される部分というのを、皆さんにお聞きしたいんですけれども、ちょっと時間がありませんので、中小企業金融公庫安居総裁、農林の高木総裁国民生活金融公庫の薄井総裁、お三方にちょっと問題点というか、もうこういうことを是非今後の制度設計に当たっては留意してもらいたいというような部分がございましたらお答えいただければと思います。
  232. 安居祥策

    参考人安居祥策君) 今の統合に対する問題点という御質問でございますが、私ども中小公庫にとりましては一般貸付けがなくなるということになっております。ただ、特別貸付け、いわゆる政策金融という部分は非常に重要な金融でございますが、これがきちっとした形で更に頑張っていくということになっておりますので、そういう意味できちっとした格好で新機関に承継されるというふうになるんだろうと思っております。  それからもう一つは、私どもの今やってきております中小企業の育成というのは、これも非常に重要な政策だと思っております。そういう意味で、これからもいろんな環境変化に伴いまして必要な制度が次々につくられるといいますか、主務官庁、皆さんと御一緒になって、あるいはそういういろんな制度を整備して我々やっていくということが必要だろうと思います。  それからもう一つは、担保あるいは保証人に過度に依存しない融資というのを今進めているわけでございますが、これを更に拡大していく、あるいは強化していくということをやっていかないといけないんじゃないかというふうに思っております。  以上でございます。
  233. 高木勇樹

    参考人(高木勇樹君) 私どもの政策金融に対する政策からの要請といいますかは、一つは、農業分野ではいわゆる農政改革が今進められておりまして、いわゆる担い手というものをしっかりとつくっていく、育成をしていく、それを政策金融というツールで支援すると。  それから林業も、大変森林・林業厳しい情勢にありますけれども、やはり我が国の環境とそれから森林資源をこれからもしっかりと維持するという点においては、これも非常に超長期の金融が必要な分野でございますが、これについてもこれからしっかりやらなければいけない。  それから漁業でございますが、なかなか最近は漁船漁業大変厳しい状況でございます。この点もこれから私どもの対象分野としてはしっかりと、なかなか民間が出られない分野でございますのでしっかりやっていかなければいけないと思います。  そういう中で、一番私どもこれからの大事な課題としては、そうはいっても民間金融機関がこの農林漁業分野にしっかりと出てきていただくことが大事であります。そういった点で、いわゆる民間金融機関がこの分野に、農林漁業の金融分野に出てこられるように私どもとしてこれまで、今もいろいろな対応をしております。いわゆる民間金融機関との業務協力を締結していろいろなノウハウを提供するとか、いろんなことをやっておりますけれども、まだまだそういった点では民間金融機関の農林漁業金融分野への進出というのは十分でないと思います。そういった点で、私どもがこの点においてしっかりと新しい組織の中でもやっていくということが私は一つの大きな課題だと思っております。
  234. 薄井信明

    参考人(薄井信明君) 今回の政策金融改革におきましては、それぞれの機関の機能というものを洗い直していただきました。その結果として、国民生活金融公庫が担ってきております小企業向けの小口融資等の機能が今後とも政策金融として必要であり、残すべきものとして認められ、承継されることになったことは、地域経済を支える小企業の皆様にとって朗報であったと思いますし、私どもこれを担う立場としてはその責任の重さを感じている次第です。  平成二十年十月に四機関統合される予定ですが、当公庫の専門性の維持強化を図ることによって、小企業等の皆さんに引き続き質の高い融資機能を発揮してまいりたいと思っております。  ただ、この論議の中、あるいは現在も含めてですけれども、お客様の中には、統合することによって効率性を追求すると規模の大きな企業に貸すことに傾斜するのではないかということを心配するお客様がいらっしゃいます。私どもは、専門性を維持、確保するから大丈夫ですということを申し上げておりますが、これが私ども注意しなければならない点だと思っております。  もう一点は、先ほど、ほとんどの機能が承継されると申し上げましたが、教育ローンにつきましては、現在も一定所得金額以下の方には御融資しないという形を取っておりますが、貸付対象を更に縮小するよう指示されております。私ども、それを平成二十年十月の統合に向けて考えていくわけですけれども、民間金融機関からも借りられない、あるいは我が方、国民生活金融公庫からも借りられない世帯、母子世帯などもいらっしゃいますし、そういう空白が生じないようにどこまで手当てしたらいいのか、これはきちっと関係省庁と相談しながらきめ細かく対応しなければいけないと思っております。
  235. 弘友和夫

    弘友和夫君 それぞれの本当に、全部お聞きして、今貴重な御意見もあったんですけれども、統合してどういう姿になるのかというのがよく分からない部分というのがあるんですね。制度設計で機能と規模の実質的な縮小や人件費削減が不透明である、統合される新機関に旧組織の縦割りが温存される可能性があるのではないか、民営化組織のビジネスモデルが明らかではない、それから、民営化あるいは廃止される機関政府出資金や引当金の扱いが不透明といった問題点も指摘されているわけですけれども。  林副大臣、今、例えば国内店舗が二百四十超あって、その支店統廃合をどうするんだとか、役員を含めて八千人いらっしゃるのはどうなるのかとか、具体的には今からかもしれませんけれども、ただ一つになるだけでは、一つになって、それが役員だとかそれがいなくなるというだけでは一つになった意味がないわけですよね。  ですから、どういう、きちっとした何というか、理念の下にやるのかという、今まででもいろいろな機関統合したりなんかしたケースがありますけれども、ただ統合しましたよ、先ほどの独法にしても結構そういうのがあるんじゃないかと思うんですけれども。だから、きちっとした縦割り行政をそのまま残したままではそういうふうになると思うんです。ですから、もっとやはり違った観点からきちっとした理念というのが必要なんじゃないかと思いますけれども、副大臣、どういうふうに。
  236. 林芳正

    ○副大臣(林芳正君) 弘友委員おっしゃるように、ただ一緒にしたというだけでは、これは形式的な統合にとどまるということでございまして、民間銀行がいろいろ一緒になったときも、虎ノ門かいわいにそれぞれの支店があって、新しい三つの銀行が一緒になった銀行がそのまま三つの支店が残ったなんというのがあったことを私も記憶しておりますが、そういうことではいけないのであって、この国民公庫が今百五十二、それから中小が五十九、農林が二十二で、今おっしゃったように二百三十三店舗がございます。六十地域で複数ですから、二つの公庫があったり、若しくは三つともある、こういうことでございますので、今御指摘があったように、これを統合していこうということでありますが。  まず、今支店があるところがこの統合によってなくなっちゃった、これはやっぱり極力ないようにしていこうと、こういうことがまず一点でございますし、また、せっかく一緒になるわけですから、主要な支店等におきましてはすべての金融サービスがワンストップで受けられるようにする、これをやっていこうと、こういうふうに思っております。  また、一緒になりますと、来られた方が中で迷われちゃいけませんから、よく病院であるように、廊下にテープなんか張って、農林の方はこっちですよみたいなことを、病院でやっているようなところありますが、こういうところにも細かく気を砕いていかなければいけないと思っております。  また、実は私の地元でも随分御陳情あってそのときもお話ししたんですが、例えば農業の関係で法人でやっていらっしゃる方もいらっしゃる。法人の中で気の利いたことをやろうという人は、実は中小公庫が持っていらっしゃるようなノウハウというのは、今度法人として経営していこうという方にはこのノウハウを一緒になって提供していただくというのは一つ統合のメリットではないかと、こういうふうに思っておりまして、そういう業務に関するノウハウの共有等によって、新規の新しいことをやってみるとか、再生支援とかですね、こういったものも連携して取り組んでもらうことによって、一足す一が二ではなくて三にも四にもなっていくような取組を行ってまいりたいと思っております。  これはいい方でございますが、冒頭に申し上げたように、今より不便になるということがまずないように、そして足し算が掛け算になっていくように、こういうふうに取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っているところでございます。
  237. 弘友和夫

    弘友和夫君 今副大臣お話しのような方向性でなければいけないんではないかと思うんですけれども、ただ国金は零細企業ですね、五人以下、零細企業、それから中小企業公庫中小企業、それから農林漁業という、いろいろ対象も非常に違うわけですよね、今までは。ですから別にあったんだと思うんですよ。  それが同じところに入って、じゃワンストップでやるということになると、なかなかこれは勉強しても難しい部分がある。ところが、完全に分けていたら分けていたでまた何のために一緒になったのかという部分があると思うんですよ。ですから、非常にいろいろお聞きして難しいなとは思うんですけれども、是非これ成功する方向で行っていただきたいと思います。  ただ、何といいますか、私はやっぱり政策金融、政策の金融というか、そういうものというのは、是非、これは何のために残ったかというと、それは必要だから残っているわけであって、民間と同じようにきちっとただ判断してやるというのであればこれは必要ないんだと思うんですよ。  さっきちらっと出ておりましたけれども、例えば住宅金融公庫、一兆円の赤字つくったじゃないかと、こういう話がありましたけれども、あの当時、あの長期固定金利でやっていた、金利が高いのを借りていた、民間の金利は安くなった、それを是非ここで一括返済をしてやりたいという国民の皆さんの声が物すごくあったわけですよね。ですから、じゃそれを、今の基準が非常に低いんだから、それを一回返して低いのに合わさせてもらいたいと。最初は公庫にしても国交省にしても、これは駄目だと、それは昔高い金利で公庫そのものを借りているんだからという論議であったんだけれども、これは多分超党派だったと思いますけれども、やっぱりこれは一回返済ができるようにしないといけないということで、まあ公庫の方にそういうことをしたわけですよ。  だから、それで赤字も相当できたという。だけれども、これは政策として必要だからやったわけであって、別に無駄遣いをしたわけではないというふうに思うんですね。ですから、給料が高いとか人が多いとかいろいろなことはやはり是正していかないといけませんけれども、政策金融というのはそういう要素というのは必ずあるんだという理解でないと何のために政策金融でやっておるのかという話になるわけですので、そういう中で、(発言する者あり)透明性が必要、それはそのとおりだと思います。ですから、そういう何のためにやっているかということは是非御理解を、私が御理解していただきたいと言う必要はないんですけれども。  そういう中で、例えばさっき、私が懸念するのは財政支援については今収支差の補給になっているわけですね、収支差補給になっている。足りない分があったらそれは補給しますよと、これではやはりどんぶり勘定というか、だから、今度は事業ごとに政策コストを把握して必要な場合に限り支援を行うということを基本とするということになっているわけですけれども、そうなってくると、どんぶり勘定というかそういうことではいけないけれども、かなり今度は査定、一つ融資のあれが厳しくなるんじゃないかなという懸念があるんです。  そこで、補給金が全体の八百億のうち農林公庫が三百七十八億円、中小企業が三百三十五億円、これが縮小されていけば大変融資そのものが厳しくなるというふうに考えますけれども、それぞれ、今後の話ですけれども、総裁にお尋ねしたいと思います。
  238. 安居祥策

    参考人安居祥策君) 今のお話で特に三百三十億どうしていくかという御質問でございますが、平成十二年ごろには非常に厳しいときにいろんな安定化の貸付けをやりまして、それの影響がまだ残っているというような面がございます。  私どもとしては、やはり貸付けについてきちっとデータを見て、将来性があるところをやはり中心に考えていかないといけないと思いますのと、もう一つは、お借りいただいた後もいわゆる経営支援といいますかコンサルティング機能を果たしてできるだけうまくいっていただくようにやっていくと、こういうことで、そういうのは減らしていきたいというふうに思っております。
  239. 高木勇樹

    参考人(高木勇樹君) お答え申し上げます。  私どもの政策金融の役割といいますか機能、これを発揮するために、私どもに対して今度の法律、今御審議中の法律では「農林漁業の持続的かつ健全な発展に資する長期かつ低利の資金」と、こういうことでございます。これは農業の分野で申し上げれば、非常に生産が長期にわたるということがございます。また、自然の影響を受けやすいということもございます。したがって、リスク評価がなかなか困難だというようなことで、先ほども申し上げましたけれども、民間金融機関がなかなかこの分野には参入しにくい、そういう状況があるわけであります。  私どもとしては、民間金融機関ができないような分野にしっかりと限定をしてこれからもやっていくつもりでございますけれども、今申し上げましたように、政策の要請にこたえて、例えば農業の分野でいえば、農政改革に対応して担い手の育成に政策金融のツールを使う、長期かつ低利の資金ということになりますと、どうしても利差が生ずる場合がある。それから、私どもは業務委託ということで、私どもの少ない人員でできない部分を業務委託ということで、その手数料もございます。それから、実際に行う業務費がございます。それに伴う人件費がございますが、そういったものが今の補給金の中身でございまして、私どもとしては、先ほどもお話ありました政策コストということでしっかりとそこのところを検証して、必要な政策金融に必要なコストというものはこれはこれからも恐らくいただいていかないとこの政策目的そのものが果たせないと思います。  今申し上げましたように、しっかりと政策コストということをよく見てこれから、これまでもそうしてきましたが、これからは一層そういう点にしっかりと視点を置いてまいりたいと思います。
  240. 弘友和夫

    弘友和夫君 先ほどお答えがありましたけれども、例えば中小企業金融公庫は一般貸付けをやめるというんですね。国金はそれは一般、五人以下というか、小さなところ、国金は残るわけですよ。  じゃ、中小企業金融公庫が対象としていた一般貸付けを何で全面的にやめるのかと。じゃ、それは民間に全部代え得るのかという懸念があると思うんですけれども、これは方向性そうなっているからしようがないということじゃなくて、是非ここら辺は、場合によっては一般貸付けであって一緒になるわけですから、そこら辺の垣根というのはないはずなんですよね。ですから、それは一般貸付けもやるべきところはやってもいいんじゃないかというふうに思いますけれども、これどうですかね。これ副大臣ですか、どなたか。
  241. 鈴木正徳

    政府参考人(鈴木正徳君) ただいま先生から御指摘ございました一般貸付けでございますけれども、この一般貸付けは量的補完であり、国全体として資金不足であった高度成長期とは異なり資金余剰になっているので中小企業といえども量的補完は国が行う必要はなくなっており撤退すると、これは平成十七年に閣議決定しました行政改革の重要方針でございますけれども。  昨今のまたこの中小企業金融公庫融資の実績を見てまいりますと、やはりこの一般貸付けの割合というのが約一四%、一五%弱というところまで低下をしてきております。またあわせまして、これは経済財政諮問会議におきまして民間金融機関からヒアリングしましたところ、一時期とは違いまして十分対応できるような状態になってきているというような発言等もございました。これを踏まえまして一般貸付けについては廃止をするということでございまして、私ども、今後も引き続き、民間金融機関のこの貸出し状況、これをしっかりとチェックをしていきたいというふうに考えております。
  242. 弘友和夫

    弘友和夫君 今ちょっとよく分からなかったんです。今、地域経済、それこそ格差だ格差だと言われる地域、地方に行ったら大変な状況なわけですよね。そういう中で、本当の零細は残しますけれども、じゃ十人のところは駄目なのかとか、従業員十人のところ今の中小企業公庫で貸していたのは駄目なんですかとか、そういう垣根はないんじゃないですかと。  地方に行って、やっぱりじゃ人数だけで決められないわけです。五人しか使っていないでも、もう今ITとかいって物すごい売上げのあるところだってある。たくさん雇用して、だけれども利益率が悪くてもう非常に厳しいところもあるというような。だから、人数とかそんなんでは決められないんじゃないかと。  ですから、是非、全部残せとは言いませんけれども、そういう部分も残す必要があるんじゃないかというふうに思いますけれども、お答えいただきたいと思います。
  243. 林芳正

    ○副大臣(林芳正君) 正に今委員がおっしゃったように、一般貸付けそのものは、今答弁がありましたように仕切りとして外しましたけれども、正に人数とか外形的なすぱっと切るんではなくて、この部分はやっぱり要るんじゃないかというところは必ず残るわけですね。そのために特定貸付けというところの固まりは残しておりまして、ここをどういうふうに設計していくかと。もう何でも一般貸付けでどんどんどんどんやるというんではなくて、こういうところに中小企業政策としてはやっぱり必要であるという、正に先ほど委員が御指摘になったような政策金融をするという意味で、しからばその特定貸付けの中にどういうメニューを入れるのか、こういう議論でそこでやっぱりやっていくと、こういう整理をして、それは現場を一番よく知っている、総裁もお見えですけれども、公庫やまた中小企業庁の方でよくよく考えていただきたいと、こういうふうに思っておるところでございます。
  244. 弘友和夫

    弘友和夫君 それと国金ですけれども、先ほど教育ローンのお話がございました。それで、一か月ぐらい前に私、相談があったんです。  というのは、民間銀行では教育ローンが借りれなかったんですよ。国金でこういう制度があるということで借りられるようになったんです、どうしてそうなったのかちょっと聞いておりませんけれども。ですから、民間で救済できない、多分高校中退をして、何かそういうことで民間の基準に合わなかったんだと思うんですけど、だけど国金では借りられたと喜んで報告がありましたよ。  ですから、やっぱり教育ローン等はもうやめますよという、縮小しますよというんじゃなくて、やっぱりこういうことこそ政策金融じゃないかと思うんですけれども、いかがですか、そこら辺は。
  245. 薄井信明

    参考人(薄井信明君) 民間金融機関さんも教育ローンをやっておられますので、そういう意味では競合しているんですね、業務としては。ただ、民間金融機関さんは当然のことですがコマーシャルベースで御事業されると。そうすると、例えば百万とかいう少額ですね、少額の融資をすることの採算性みたいなものを考えざるを得ないんだと思います。したがって、なかなかそこのところは対応できない。そこで、私どもは民間でなかなか借りられないところは私どもで対応しましょうということになっておりまして、教育ローンはやっぱり主役は民間である、しかし、民間でできないところは私どもでやっていくということであろうと思います。  したがって、今はサラリーマンであれば九百九十万円という所得の上限を設けておりまして、それ以上の世帯には私ども御融資しておりません。ただ、今回の改革によりましてもうちょっとそれを下げられるんではないか、あるいはほかの工夫で対象を縮小できないかということを指摘されておりますので、先ほど申し上げましたが、空白地帯が生じないように慎重に考えて対応していきたいと思っております。
  246. 弘友和夫

    弘友和夫君 もう一つは信用補完制度なんですけれども、これは直接関係ないかもしれませんけれども、責任共有制度ですね、部分保証、これ導入しましょうというふうになっている。そうしたら、今までは一〇〇%保証があったけれども、半分は今度は民間が保証してくださいよと、半分しかうちは保証しませんよというふうになったら、半分何かのときは負担しないといけないということになると、それはうちはできません。今までは一〇〇%やってくれていたから銀行もうんと言っていたけど、半分じゃできませんよとか、そういう問題も起こってくると思うんです。  だから、これはどうです、中小企業庁ですかね、やっぱり零細の企業にとって今までの信用保証制度というのは非常に助かった部分というのはあるんですけれども、これは全面的に導入されるわけですか、そういう中小企業について。
  247. 加藤文彦

    政府参考人加藤文彦君) お答え申し上げます。  信用保証の分野におきます部分保証、責任共有制度でございますが、原則として金融機関融資額の二〇%について責任を負ってもらうという制度を本年十月に導入する予定でございます。これは、平成十七年六月の中小企業政策審議会の提言を踏まえまして、関係の金融機関あるいは中小企業団体等とも十分な調整を行った上で導入するものでございます。  ただし、先生御指摘のように、本制度の導入に際しましてセーフティーネットあるいは小規模な企業に十分配慮することが必要だと認識しておりまして、当面、災害や取引先の倒産等により一時的に経営が悪化した中小企業向けのセーフティーネット保証、あるいは従業員が二十名以下の小規模企業を対象として、既存の保証付き融資残高を含めて千二百五十万まで適用する小口の零細企業向け保証などにつきましては引き続き一〇〇%保証とする予定にしてございます。
  248. 弘友和夫

    弘友和夫君 今の御答弁は大変中小零細企業にとっては有り難い御答弁だと思うんです。セーフティーネットもそうですし、小規模の、今千二百五十万ですか、以下のものについては一〇〇%ということでありましたんで、是非これは実行していただきたいというふうに思います。  それからもう一つは、ちょっと時間がございませんけれども、私ども、資金繰り円滑化借換保証制度とか売掛債権担保融資制度、今まで不動産担保だとそういうのばっかりだったので、これはなかなか中小零細企業は大変だと、何かほかに手だてがないのかということで、売り掛け債権等も導入していったわけですよ。  それで、この利用も、資金繰り円滑化の方は十七年度で約二十万、金額で三・二兆円、売り掛け債権担保融資は二千六百八十億円というのが実行されているわけでございますけれども、これは民間銀行ばっかりがやっているんですね。国金はこれゼロですよ。中小公庫でも実績はわずかしかないと。  私は、こういうのこそ、何というか、政府がやるというか、政策金融の最たるものじゃないかと。政府がこういうことを進めていこう、中小企業のために進めていこうという、つくって、広めていっているわけですから、これを民間だけに任せるんじゃなくて、むしろ政策金融としてこれ積極的に進めるべきじゃないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
  249. 安居祥策

    参考人安居祥策君) 今の御質問にお答えします。  資金繰り円滑化借換保証制度ということでございますが、実は私どもは、これについては信用保証協会が保証いたしまして、私どもが実はそれを保険という形でリスクを受けております。そういう観点から、保証協会の保証を利用するということは、ちょっと、何というかな、二つを一つでやるというような形になりますので、基本的にはそれは余りやらないというような形で今まで来ております。  今のお話資金繰り円滑化借換保証制度の絡みで申しますと、中小公庫は長期の資金を主に借りていただくという形になっておりまして、資金繰りの問題のときは、長期の貸付けをしているお客様の場合にはいわゆる返済条件を変えるという形で対応しているということでございます。  それからもう一つの売り掛け債権担保の保証制度でございますが、これはどちらかというと短期運転資金ということでございまして、我々としては長期資金ということで、そういう意味で少ないということでございます。  あと、中小公庫としましては、担保の問題の弾力化、それから不動産以外に、担保につきまして機械設備ですとかあるいは入居保証金、ソフトウエア等のいわゆる知的財産でございますとかあるいは在庫と、この辺までは担保という形で今進めつつございます。  以上でございます。
  250. 弘友和夫

    弘友和夫君 是非そういう部分を、もう一つになるわけですから、うちがやるというだけじゃなくて、いろいろな今それぞれの部門でも、部門というか、統合された機関の中で、新しい機関の中で今お話しの動産担保についても、また知的財産担保についても一緒に進めていただきたいと、これは要望させていただきたいと思います。  ちょっと時間になりましたので、最後に、せっかく国際協力銀行総裁おいでになっておりますけれども、KEDOへの出資状況ですね。四億ドルの融資をやっているわけですけれども、これ北朝鮮が返済をしなかった場合は国の負担となると。それは国としてはずっと、何というか、催促というか、していくわけでしょうけれども、ただ、これ移管する場合はじゃどういう、銀行として、国が保証してくれるからいいという、これ、移管する場合にどういう処理をするのかなというふうに、まあ素朴な疑問ですけれども考えましたので、最後にお尋ねして終わりたいと思います。
  251. 篠沢恭助

    参考人(篠沢恭助君) お答え申し上げます。  私どもの銀行は、日本政府がKEDO、朝鮮半島エネルギー開発機構との間で締結をしました協定に基づきまして、私どもからKEDOの方へ千百六十五億円の融資をするという契約を締結しまして、その中で、先ほど先生おっしゃいました約四億ドルといいますか、四百七十三億円、貸付けを行ったわけでございます。  この資金供与協定につきまして、KEDOは日本政府に対して、必ず国際協力銀行の方へ返済を確実にすると、こう約束をしているわけでございます。そして、そのほか、先生おっしゃいましたように、閣議決定がございまして、日本政府としても、この国際協力銀行債権の償還確保については万全の措置を講ずるというふうにしていただいているところでございます。  ということで、今回、このKEDOの事業が終わってしまいました後、KEDOとしては、北朝鮮との協定に基づいて、当然、KEDOが被った金銭的な損失ということで北朝鮮に支払を要求をするということになると思います。恐らく、そういうことが行われているんだと思いますが、その際、我が国政府としても、このKEDOの努力に対していろいろ協力をしようという立場であるわけでございます。  現時点では、北朝鮮がまだその支払を拒否するということを前提にした御質問にはお答えできないのでございますが、いずれにしましても、今申し上げたような形で、私どものKEDO向け債権の償還につきましてはいろいろ万全の措置を講じられているという形になっておりまして、そういう形だものですから、これにつきましては貸倒引当金も計上しないで来ているわけでございます。  私どもといたしましては、そういう状況でございますので、この状況のままこの統合を迎えるのか、あるいはそれ以前に何らかの補てん措置が行われるのか定かではございませんが、統合との関係におきましては、このKEDO分について格段の心配をする必要はないというふうに考えているところでございます。御心配を掛けましたことを、大変有り難く思っております。
  252. 弘友和夫

    弘友和夫君 終わります。
  253. 大門実紀史

    大門実紀史君 大門でございます。  政策投資銀行に絞って質問いたします。  政策投資銀行については、ファンドの出資の問題含めて様々な問題点を当該委員会で何度も質問して、厳しく指摘をさしていただいてきたところでございます。小村さんとも何度も質問をさしていただいておりますけれども、これから完全民営化されるということでございまして、私はなくすことには大賛成でございますけれども、その完全民営化というのが何なのかというのが、場合によっては国民に損失を生む、国民負担を生むということもありますので非常に疑問を持っているところですが、その前にやっぱり今までやってきたことをきちっと総括をされるべきではないかという点もありますので、今日は法案の審議ではありませんから、その前提として幾つかの今までのことも含めて質問したいと思います。  まず、政策投資銀行が何をしてきたかという点ですけれども、資料をお配りいたしましたけれども、融資先資本金別に分けてみました。要するに、申し上げたいのは、百億円以上の大企業に七三・一%、一億円以上で見ますと、合わせますと九四%の融資をしていて、一億円未満はわずか五・九%というところでございます。これは、戦後の経済復興期ならともかく、今どきこういう大企業中心に巨額の低利の融資を続けているということは何を意味するかということなんですけれども、民間では既にもう長期信用銀行、長銀がそういう役割終えて、政府機関としてこういう役割を引き継いできたといいますか、いまだ行ってきたのが政策投資銀行でございます。  大企業というのは、今や社債発行を含めて自分で調達が可能でございます。そういうところに巨額の融資をしてきたという意味は何を意味するかといいますと、大企業が社債あるいは市場から調達できる市場金利と政投銀融資をする低利の融資政投銀の低い金利、この差額を財投資金、つまり国民のお金が埋めてきたということに変わらないわけでございまして、これは言い換えれば補助金のばらまきと言われても仕方がないことだと思いますが、その辺の認識はいかがでしょうか。
  254. 小村武

    参考人(小村武君) 私どもの銀行は特定の政策目的、これにかなうプロジェクトについて融資をいたしてまいりました。たまたま資本金が大きい企業はございます。これは、例えば原子力発電、あるいは電線の地中化というような電力会社、あるいは鉄道、私鉄、こういった会社は非常に長い資金が必要であります。しかも、開かずの踏切対策だとか特定の政策目的に着目をいたしましてお金をお貸しをしているということでございまして、大企業だからお金を御融資すると、そういう関係ではございません。
  255. 大門実紀史

    大門実紀史君 申し上げていることがお分かりになってないんですか。大企業とか言っているわけじゃないんです。大企業ほど資金調達がしやすいときに、自分でできるときに、今どき、戦後の復興期ならまだ分かりますよ、今どきこういうことをやっているというのは差額を埋めているということになりませんかと。これは一種の補助金に、これは国民のお金使っているわけですから、財投資金ですね、補助金のばらまきと言われても仕方がないんですかということを申し上げているわけですけれども、その辺の認識、結果としてそうなっているというのは間違いないと思いますが、いかがですか。
  256. 小村武

    参考人(小村武君) 今や大企業は自らの力で資金調達をする能力というものは相当付いてまいりました。先生おっしゃるように、マーケットにおいては社債を中心に調達をするようになってまいりました。私どもも、いつまでも重厚長大とかそういう産業金融の中心を果たしてきた時代からは変わってきております。  ただ、過去の景気対策等々、あるいは国の政策等に基づいて、私どもの金融というのは非常に長期の期間リスクを取るという特色がございます。したがって、残高としてこうした金額がまだ積み上がっていることは確かでありますが、フローで見ますとむしろ返済の金額は多いという、だんだんそういう傾向になってくると思います。
  257. 大門実紀史

    大門実紀史君 フローは関係ないんです。申し上げているのは、こういう融資の、何を生んでいるかということでございまして。  いろいろ政策目標とおっしゃいましたけれども、これは古くなりますけど〇二年の会計検査院の報告でも、このときはちょうど貸し渋り対策ということで政投銀も動員されて金融環境対応融資制度というのをやられましたけれども、これも後で会計検査院指摘をしておりますけれども、中堅中小企業対策として行われたはずなのに、結局は十億円以上の大企業に八二%の貸付けがあったと。これはもう会計検査院が、私が申し上げるまでもなくそういう結果になったということも指摘されているわけでございます。  あるいは、私、投資ファンドの問題も再三指摘しましたけれども、そんなにきれい事ではないというふうに思いますし、民営化の前提として第三セクターの融資、これも会計検査院が過去に、〇四年ですね、検査報告で指摘をしています。政投銀不良債権の半分以上が第三セクターだったと。  私も、政投銀があちこちにお金出して破綻した北海道の石狩新港、マイカルも含めて見てきましたけれども、相当あちこちに不良債権をばらまいた、そういう手助けをしてしまったと。今、不良債権が少ないというのは、債権放棄とかあとは自治体に押し付けたとか、いろんなことで今自治体がかなり政投銀を恨んでいるといいますか、不満を持っていまだ思っているところはたくさんあります。  この問題もまた時間があればやらなきゃいけないんですけれども、ちょっと聞きたいのは、この第三セクターへの不良債権の総額とか、あるいは今まで債権放棄をした総額とか、先ほど大久保委員のとき、個別のことには答えられませんとおっしゃいました。個別ではなくて結構です。第三セクター全体としてどれぐらいの不良債権があって、どれぐらい債権放棄をしたのか、お答えいただけませんか。
  258. 小村武

    参考人(小村武君) 私どもの役割は、貸し渋りのときも中小企業に金を貸さなかったじゃないかという御質問もありましたので、この場をかりましてお答えいたしますが、中小企業については中小公庫で対応する。私どもの分野については、特別の立法において、例えば日産自動車に対する緊急融資等々を図ったわけであります。  それから、御質問の第三セクターの問題でありますが、確かにバブルの時期に、地方経済あるいは地方公共団体の財政力というものについて、大変皆さん楽観視したことも確かであります。私どもの銀行もまた反省すべき点は多々あったと思います。新銀行になりまして、第三セクターのそうした融資を引き継ぎました。引き継いだ結果、バブルの崩壊に伴う地方財政の困難化によりまして第三セクターが行き詰まった。そういったものについて所要の措置を講じたわけであります。  十七年度の決算におきまして、個々の債権放棄につきましては財務大臣の御承認を得なければなりません。この承認を得て、貸付金あるいは出資金、これは第三セクターだけではございませんが、総額、貸付金については六百八十六億円、出資金については十八億円の償却を行いました。このうち第三セクターがどの程度かというのは、これは金額を言いますと個別の企業を類推されることもありましょうが、約、今申し上げた金額の過半が第三セクターであると御理解いただきたいと思います。
  259. 大門実紀史

    大門実紀史君 ありがとうございます。  相当の金額の債権放棄を行うような今までの投融資をされてきたということだと思います。  私、このさっきの大企業の、いまだ大企業に対するああいう低利の巨額の融資をやっているということは形を変えた補助金のばらまきだと言われても仕方がないことだと思いますし、開銀時代のリゾート開発とか、北東公庫の苫東とかむつ小川原とかいろんなことがあったわけで、余り大してろくなことをされてこなかったんじゃないかというふうに政投銀というのは思っておりますから、なくなってもいいなと私は思っているわけですけれども。  ただ、さらに今、多分後でおっしゃると思いますけど、環境とかエネルギーとか地域再生とか、何かもっともな名前を付けてやっていらっしゃいますけれども、これも一つ一ついろいろ問題を抱えておりますし、別に政投銀が何かもう存在意義が薄れてきたからといって、そんな取って付けたようにいろんなことをやらなくても、必要な案件ならばほかの公的な機関でやればいいと私は思っておりますので、と思うんですけれども、ただこれから出てくる完全民営化法案もよく分からないといいますか、何もはっきりしないような法案が出てくるというふうに思います。  基本的な方向だけ今までの経過と関連するので聞いておきたいと思いますけれども、その前に、私資料を見ていてちょっとびっくりしたんですけれども、天下りの問題でちょっと聞いておきたいと思います。  小村さん含めて政投銀総裁というのは、歴代財務省の、大蔵省の事務次官級がなられておりますけれども、なぜそういう事務次官級でなければ総裁はいけないんでしょうか。
  260. 泉信也

    委員長泉信也君) どなたに伺ったことですか。
  261. 小村武

    参考人(小村武君) 私がやはりお答えする立場ではないと思います。私は、これまでも職務について自らポストを求めたことはございませんし、また拒否したこともございません。任命権者が御判断いただいたことと存じています。
  262. 大門実紀史

    大門実紀史君 間違えました。財務省に聞こうと思ったんですけれども。じゃ、ついでに聞きますけど、財務省来ておられますね。  政投銀総裁、副総裁理事が、十六人中六人が天下りでございます。これは小村さんに聞いた方がいいかなと思いますけれども、どうして、この天下りでも、海上保安庁長官とか防衛庁の参事官、これ何で政投銀に関係があるんですか。こういう理事をなぜ総裁は、総裁が任命されているんですね、理事は。いかがですか。
  263. 小村武

    参考人(小村武君) 海上保安庁長官は最終ポストであります。それまでには航空局長あるいは鉄道関係の仕事をいたしておりまして、私どもの業務と大変密接な関係があります。それから、防衛庁参事官の者は、これは経済産業省に長く勤めておりまして、主としてエネルギーあるいは経済産業省所管の各種の業界においてその事情を通じた者でございます。
  264. 大門実紀史

    大門実紀史君 またその問題を深くやりたいと思いますが、これは今度、特殊会社になりますけれども、そのときにはこういう天下りは排除されるんでしょうか、財務省。
  265. 香川俊介

    政府参考人(香川俊介君) 特殊会社になった後に完全民営化するわけですが、完全民営化した後は、その新しいビジネスタイプの、ビジネスモデルの会社にふさわしい方をその民間の会社の判断でやられることとなると思います。  特殊会社の間は、必要と認められる識見及び能力を有する者のうちから適材適所で選ばれるということで、今法律におきましても、特定の公務の経歴を有する者が固定的に選任されることがないよう十分に配慮するという方針で選ばれると思います。
  266. 大門実紀史

    大門実紀史君 そうすると、特殊会社の間は五年から七年と言われていますが、天下りは排除されないというふうに理解を取りあえずしておきます。  あと、この政策投資銀行が完全民営化のときには株式の売却と、つまり売られるわけでございますけれども、財務省としてこの政策投資銀行の売却収入、どれぐらい見込んでおられますか。
  267. 香川俊介

    政府参考人(香川俊介君) 平成十八年三月に経済財政諮問会議に提出しました財務大臣資料によりますれば、平成十七年三月末の純資産額ベースで機械的に算出しまして、一・九兆円という数字を出しております。また、この数字平成十八年三月末におきましては約二兆円となっております。ただ、当該純資産額に該当する政府保有株式の処分収入の実際の見込みにつきましては、株式市場の動向等にも左右されるものであり、現時点でお答えすることはできません。  いずれにせよ、政府が保有する政投銀の株式につきましては、市場の動向を踏まえつつ、おおむね五年後から七年後を目途としてその全部を処分するとともに、処分に当たっては、企業価値の向上を図りつつ円滑な処分と処分収入の適正な確保を図ることが重要と考えております。
  268. 大門実紀史

    大門実紀史君 つまり、今の政投銀の売却のときに、幾らか分かりませんが純資産額が一つの目安になると。それ以上で、民営化の企業価値が高まって株価が上がればそれ以上で売れると、しかし、そうでない場合は、逆に国民の損失といいますか負担になるという可能性もあると、両方あると思うんですけれども。この構想は国民負担を生まない、損失を生まないということが確約できるような案でございましょうか、財務省。
  269. 香川俊介

    政府参考人(香川俊介君) 処分に当たりましては、先ほども申し上げましたが、企業価値の向上を図りつつ処分収入の適正な確保というものを図ることが重要と考えておりますが、実際に幾らで売れるかということにつきましては、株式市場の動向等がございますので現時点ではお答えすることはできません。
  270. 大門実紀史

    大門実紀史君 いや、幾らかとか聞いてないんです。つまり、この案がうまくいかない。つまり、この企業価値を高める完全民間会社と、これがうまくいかなかったら純資産で売っても私は損失だと思いますが、純資産以下と、つまり国民負担、国民損失になる可能性があるわけです。そうならないような案かどうかと聞いているわけで、幾らで売れるかなんて聞いていませんから、ちゃんと質問を聞いて答えてくれますか。
  271. 香川俊介

    政府参考人(香川俊介君) 幾らということは言えないということは別としまして、処分収入の適正な確保を図るように企業価値の向上を図っていただきたいと。企業価値の向上を図れば、処分収入の適正な確保は可能であると考えております。
  272. 大門実紀史

    大門実紀史君 だから、それができなければ損失になるということだと思います。  小村総裁、国民負担、国民損失を生まないというふうな、この構想でですね、それは確約できるんでしょうか。
  273. 小村武

    参考人(小村武君) 新しい会社の経営者がどういうビジネスモデルを持って臨むかという際に、私どもは今考え得る最善の策を考えております。  株主がどういう株主になるかによって、そういうまたビジネスモデルを否定されるかもしれません。ただ、今私どもが作成しつつあるビジネスモデルに理解のある方々が株主になっていただければ、きちっと民営化会社として経営をできるように、そういう仕組みをつくるというのが今私に課せられた仕事であろうと存じております。
  274. 大門実紀史

    大門実紀史君 そのビジネスモデルですけれども、資料の三枚目に政投銀が出しておられるのを書きましたけれども、私はこれ抽象的でよく分かりません。四つのDNAというのは何なのか全然、余り昔のDNAなんか引き継がない方がいいんじゃないかと私は思いますけれども。要するに、何をやろうとしているのかがさっぱり分かりません。幾つか、長期的な視点と行動とか、長期的視点からのアドバイス、出資と融資が一体ととか、これは何も、今までと何が変わるのかというふうに思ったりもいたします。  もう一つ申し上げたいのは、もう一枚最後の資料を付けておきましたけれども、いろいろ言っても今までは政府保証の資金を使ったからいろいろできたわけでございますが、利ざやと資金調達コスト、ROE、すべて民間に比べてこういう状況でございます。これが民間になったときに、いろいろここに書かれているような、こんなことができるのかというふうにもう素朴、率直な疑問を抱くわけでございます。  それともう一つは、日本経済センターが推計をしておりますけれども、今の政投銀の純利益ですね、これは民営化されれば二分の一から三分の一になるという試算も出ております。こういう企業を買う、本当に売れるのかと、どこが買うのかというふうに思いますが、いかがですか。
  275. 小村武

    参考人(小村武君) 今、私どもは政府系金融機関であります。利益を上げることを目的とするよりも政策目標の達成、これは財政資金、税金を使うよりも、金融という手段をもって政策を実現するということでその使命を果たしております。  ただ、私どもの場合には、収支相償という原則であります。これは、収益を上げるということだけではなしに、また損失を出して政府から税金で穴埋めをしてもらうと、そういう銀行であってはならないということで、収支相償が今原則であります。おっしゃるように、民間ベースになれば収支相償では経営はいたしかねます。やはり収益性というものを加味をしていかなきゃいけない、今のままのビジネスモデルでもつはずがありません。  ただ、これまで五十年間培ってきたこの四つのDNA、長期的な視点を持って行動する、中立性を維持する、パブリックマインドを持つ、信頼性の高い組織にする、この要素、四つのDNAは私どものこれからのビジネス展開をする上においても大変重要な視点であり、だからこそお客様が付いてきてくださると思います。簡単に、例えばどこかの外資と組んで短期の利益を追い、どこかで相場を張るなり、株式の買占めをして売り飛ばしてもうけるとか、そういうことはしないで、民間金融機関として真っ当な機関としてやっていこうということがここに書いております我々のビジネスモデルであります。  もちろん、これまでも制約は非常に多うございました。長期の、五年以上の資本形成でないと金は貸しちゃいけないとか、短期のものを貸してはならない、あるいは短期の借入れもしてはならない、大変制約の多い中で今日運用をしてまいりました。そういう制約がなくなるという意味においては白地に絵をかくところがありますから、我々のビジネスチャンスもまた広がってくると思います。
  276. 大門実紀史

    大門実紀史君 私は、そのDNAはもうお捨てになった方がいいんじゃないかと、それを引きずっているから、引きずって考えているからこういうモデルしか出てこないんではないかと思います。  私は思うんですけれども、政投銀これからどうなるかと。一つは、純資産以下にたたかれて売却、つまり国民負担、国民損失を生むと。これは銀行グループの傘下とか、払下げ同様にどこかに売却されると、これは国民の損失を生みます。二つ目は、話が出ておりますが、郵貯銀行と合併をすると。これもあながち、かなり可能性も低くないと私は思っております。しかし、これはもう郵貯銀行と一緒になるなんてことは、財投の入口と出口が民営化後にまた一緒になっちゃうという、もう全く笑い話のような、ばかにされる話になりますですね。三つ目に思うのは、やっぱり財務省の管理下で、五年から七年といいますけれども、ずるずると生殺し状態でいくと、更に更に損失を生むという形。  この三つの、余り暗いことばかり考えたくありませんけれども、今の案を見ていると、この三つの方向、三つのような形しかないような非常に危険性を感じるわけですけれども、そうならないと言えるだけの材料がないんですけれども、総裁いかがですか。
  277. 小村武

    参考人(小村武君) 大門先生、私どもの銀行に大変御理解がこれまでもあると私は信じております。励ましの言葉として私今受け止めておりますが。  確かに、私どもの銀行は現在預金機能も決済機能も為替機能もございません。大変低い金利で預金を集めてそれで利ざやを得るという、先生お示しのこういう表でも表れておりますが、そういうビジネスモデルではございません。したがって、調達金利の問題とかいろんな問題抱えておりますが、これを一つずつクリアしていかなけりゃなりません。  先ほどの日本経済研究センターでございますか、の研究も、ただ調達金利のところだけを修正をして利益が半減するとかということでありますが、私どもの銀行は、民営化後株式会社になった後は今までと同じようなことをしていては確かにそういう問題がございます。したがいまして、新たに例えば国際ビジネスに乗り出すだとか、いろんなビジネスのチャンスがございます。あるいは、投資業務に重点を置いていくとか、いろんな課題がこれからございます。  そういう面において、大変御心配を掛けて申し訳ございませんが、私どもも先生の御心配を常に頭に置きながら、きちっとしたビジネスモデルをつくって、皆さんの、マーケットの評価に堪え得るようなものにしていきたいと、こう考えております。
  278. 大門実紀史

    大門実紀史君 終わります。
  279. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  政府系金融八機関、いろんなことをお伺いしたいんですが、今日は私は公営企業金融公庫一本に絞ってお伺いをしたいと思います。  いわゆる小泉改革の中で八機関統廃合が出てきたわけですけれども、我々は元々、国民生活金融公庫を始め一般庶民のための低利の金融制度を縮小することには反対だということを申し上げてきました。他方で、国際協力銀行、JBICについて言えば、元来発展途上国に貸し付けるという目的をすっかり逸脱をしてしまって、米軍のグアム移転のために法を曲げてまで出資増及び貸付けを活用しようとしている、とんでもない改悪もやられようとしていると、こういう問題があると思うんです。  そこで、財政融資資金による貸付けがルーズだ、だから政府系金融機関を縮小するのが良いんだ、こういう短絡的な論理が一面まかり通っているわけでありますけれども、もとより私たちも、旧財投制度であるとか今の財政融資制度が、乱造した天下り法人を通じて無駄な投資であるとか回収不能な投資、また天下り特権官僚を媒介とした利権的な事業の乱発をもたらしたことは厳しく批判をしてまいりました。しかし、財政融資の縮小そのものが改革だという、こうした新自由主義べったりの金融政策論にはこれはくみするわけにはいかない、こう思います。  見掛けの政府資金縮小政策というのが金融・証券界の自由を拡大するだけで、公庫や国民の資金にとっては危険な選択の側面があるということを申し上げておかなきゃならぬと思うんです。このことは、前回のこの委員会で、特別会計法案の中にある財政融資資金の債権の証券化に対して私は指摘をさせていただきました。証券化論という誤った政策は、いずれ今日問題にします公営企業金融公庫にも降り掛かってくるかもしれない、そういう点で注意しておかなきゃならぬ問題だろうと、こう思うわけであります。  それにしても不可解なのは公営企業金融公庫のこの扱いでありまして、なぜ不可解かといえば、この公庫には財政融資資金は全く使われていない。つまり、今紹介した縮小論者の論議にすら該当しない仕事をやっているわけですね、実情ですね。まず、この点について総務省、確認を願いたいと思いますが、特に公営企業金融公庫事業の原資は一体何と何か、お答えください。
  280. 榮畑潤

    政府参考人榮畑潤君) 公営企業金融公庫の貸付原資はすべて債券発行で調達しているところでございまして、そのうちの約半分強が政府保証債となっておるところでございます。
  281. 又市征治

    ○又市征治君 そのことを確認した上で、次に公庫決算などについて伺ってまいりたいと思いますが、まず原資の借入れと貸出しの利ざやについて、これは総裁に伺いたいと思うんですが、公庫の基本的な意義は、利率を逆ざやに設定することによって地方自治体に低い利率で資金を貸し出すことにあると、こう思うわけですけれども、ところが、損益計算書で起債に対して支払う利息と貸付けの利息収入の推移を比べてみますと、一九八六年度以降ずっと収益の方が多くて、利ざや、まあ順ざやとも言うんですか、これが入ってきているわけですね。その理由と、併せて今後の見通しについて述べていただきたいと思います。
  282. 渡邉雄司

    参考人(渡邉雄司君) ただいまの質問にお答え申し上げます。  私ども公営企業金融公庫は、地方公共団体が行う上下水道ですとか交通、病院といった住民の生活に密着した事業を対象といたしまして長期低利の良質な資金を供給して、公営企業の健全な運営あるいは地方財政の負担軽減に努めてまいっております。  御質問決算状況でございますけれども、当公庫の貸付けの金利につきましては、その時点時点では最も借り手にとって有利な低金利で貸付けを行っているわけでございますけれども、貸付期間が平均約二十五年という超長期でございまして、それに対しまして資金調達の方が期間十年を中心といたします債券発行によって行っております。  このところ、非常に長期にわたって趨勢的にも金利が下がっているものでございますんで、債券の方が低利の借換えによって資金調達コストが下がっております。その結果、貸付金利息の収入の方が債券利息支出を上回る、いわゆる順ざやという状況になっているというものでございます。  今後の収支の見通しでございますけれども、これは今後の金利情勢によるわけでございますけれども、仮に金利が上昇した場合には、先ほど御説明したのとちょうど逆の高利の債券への借換え、これによる調達コストの上昇ということが起こりまして、債券利息の支払の方が貸付金利息の収入を上回る、いわゆる逆ざやという状態になることもあり得るというふうに考えているわけでございます。  このため、当公庫では、かねてから債券借換損失引当金というものを積み立てておりまして、これによって金利上昇によるリスクに対して的確に対応できるというように、万全を期しているところでございます。  以上でございます。
  283. 又市征治

    ○又市征治君 公庫の目的はきちっと果たしているけれども、なお金利の時間差で今は利息の収支が黒字だという、こういうことですね、簡単に言えば。  じゃ次に、基本的なことですが、そもそも公庫が貸付対象としている地方公営企業は今どんな状況にあるのか、これは総務省にお尋ねした方がいいんだろうと思いますが、決算の概要等絞って、下水道、交通、病院事業債務残高公庫の比重をちょっと紹介していただきたいと思います。
  284. 榮畑潤

    政府参考人榮畑潤君) まず下水道事業でございますが、企業債残高が三十二兆九千百七十億円、そのうち公営企業金融公庫は三一%、十兆三百一億円でございます。交通につきましては企業債残高が四兆四千四百三十八億円で、そのうち公営公庫資金が三四%、一兆四千九百三十一億円、病院につきましては企業債残高が四兆八百三十三億円、そのうち公庫資金が一一%、四千三百六十億円となっておるところでございます。
  285. 又市征治

    ○又市征治君 地下鉄にしろ下水道にしろ、設備投資が一巡したと、こう言ってもいいんだろうと思いますが、それでも債務の返済は、先ほどありましたように、平均して二十五年、超長期と、こういうことになるわけですし、また病院の設備投資というのは常時更新が求められてくるわけでありますね。  そうした中で、公営企業の中には経常収支赤字はもとより累積債務がかさんでいる公営企業体もあるわけでありまして、公庫としてそのような企業体に対する債権回収というのはどのように確保できるのか。夕張市をきっかけに自治体本体の破綻法制の強化が言われる昨今でありますけれども、私はそのことにはもう大変反対なわけでありますが、公庫としては回収不能になることはないのかどうか。  これは制度の問題ですから、金融公庫ではなく、公庫ではなくて、総務大臣からこの点についてお伺いしておきたいと思います。
  286. 大野松茂

    ○副大臣(大野松茂君) まず、地方債についてですけれども、地方財政計画の策定、あるいはまた地方交付税制度、早期是正措置を備えた地方債協議制度等によりまして、この償還確実性が担保されているところでございます。そして、地方公営企業におきましても、赤字が一定限度を超えた公営企業に対する早期是正措置といたしまして、地方債の許可制度や財政再建制度などによりまして地方債の返済が不能になることはないと、こう考えているところでございます。  そうした中で、公営企業金融公庫につきましては、地方債に対し貸付けを行っているところでありますから、今後とも確実な債権回収がなされるものと、こう考えております。
  287. 又市征治

    ○又市征治君 不良債権になることはないんだと、許可された起債の枠の中でということですね。しかし、累積債務は大きいし、今後も設備更新のための新規投資は発生するわけでありまして、公庫による低利融資の役割は絶対欠かせない、こういうことだと思います。  この後、五月になるのか知りませんが、公庫を引き継ぐ新しい機構の法案説明資料を見ました。これによりますと、十年後に見直して民間金融の補完役だけにすると、つまり機構の貸付けは縮小するかのように説明されているわけでありますが、しかし、今の申し上げたような地下鉄や下水道、病院などの累積債務は十年たったから劇的に減るというものではなくて、これは続いていくわけですよね。  そこで、副大臣、改めてお伺いをしますが、将来にわたって公庫融資の規模、あるいは地方債全体に占める割合というのはいたずらに縮小すべきではもう当然ないことだろうと思うんですが、この点についてどうお考えなのか。ちなみに、今年の地方債計画では、公庫の役割は一般会計を含めた借入全資金の一〇%、また企業債のうちでは公庫が二九%になっているわけですが、こうした点は縮小すべきではないんじゃないかと、こう私は思いますが、その点についてお答えください。
  288. 大野松茂

    ○副大臣(大野松茂君) 御指摘のように、政府が十年後をめどに行う見直しにつきまして、地方の意見や状況を踏まえずに貸付規模の大幅な縮減を図ろうとするものではありません。地方六団体の意見を十分聴取した上で、業務の重点化を図ることの重要性に十分留意しつつ、機構の自主的、一体的な経営を確立する観点から、業務の在り方全般を検討をいたしまして必要な見直しを行うものとしております。  その見直しに際しましては、将来における機構の具体的な姿について検討がなされるものと考えておりますが、総務省といたしましては、機構が将来にわたって地方公共団体の資金調達の補完という役割を的確に果たすことによって地方財政の健全な運営に寄与していくべきものと、こう認識しているところでございます。
  289. 又市征治

    ○又市征治君 ところで、民間金融が地方公営企業に貸すようなことになることがあるのかどうか。この点で注目したいのが国際金融資本の動向でありますけれども、フランス、ベルギー資本のデクシア銀行というのが昨年日本に進出をしてきまして、この銀行は、日本から見るとえらい風変わりでありますが、国内、国外の自治体の債権を長期にわたって保有するんだというふうに言っているわけですね。デクシア銀行とこの日本での動きについて、総務省の方から説明してください。
  290. 榮畑潤

    政府参考人榮畑潤君) 私どももこのデクシア銀行業務全般に統計とかデータあるわけではございませんけれど、私どもが承知しておる限りでおきますと、山形県がこのデクシア銀行から、二十年債の五十億円分を引き受けたということはお聞きしておるところでございます。
  291. 又市征治

    ○又市征治君 そうなんですね。山形の、日経新聞に大々的に載りましたが。  デクシア銀行は、元々は正に今問題にしている公営企業金融公庫のような生い立ちでもあったようですけれども、一定程度腰の据わった融資をするという、こういうふうに伝えられております。しかし、一般には外資は、ハゲタカファンドという言葉もあるぐらいに、そういう意味では心配がないわけではないというふうに思うんです。それこそ、出身のフランスでは水道事業民営化したら途端に料金が跳ね上がったという例もあるくらいでありまして。  いずれにいたしましても、政府公庫に対する関与というのは新機構になると大分軽くなるんでしょうが、だからといって地方公営企業の低利の金融を可能にしている今のシステム、すなわち政府保証債を放棄してよいということにはならないわけだと私は思います。その意味で、総務大臣政府の責任の果たし方を明確に示していただきたいと思います。
  292. 大野松茂

    ○副大臣(大野松茂君) 基本方針の二〇〇五の中にも示しているとおりでありますが、郵政の民営化政策金融改革、資産・債務改革、こうしたことを進める中で資金の流れを官から民に変えるということが重要な課題になっております。地方債につきましても、市場化を推進いたしまして民間からの資金調達を拡大してきたところでもございます。  こうした背景の中で、住民生活に密着した水道、交通、病院、下水道、こうしたことの整備に対しまして、民間からの資金調達では限界のある長期、低利の資金を融通する組織として地方公営企業等金融機構の設立を図ることといたしておりまして、そのために必要な法制度及び財政基盤を整備することとしたところでございます。
  293. 又市征治

    ○又市征治君 ところで、この公庫の収入の一部は公営競技の収益金からも得られているわけで、公営企業健全化基金として蓄積されておりますね。二〇〇四年度、平成十六年度の納付額は九十億円、累積残高八千七百四十億ですか、約九千億近い。しかしながら、公営ギャンブルは売上げ、収益ともに一九九一年をピークに落ち続けているわけですね。現在は、売上げはピーク時の半分以下、収益は二十分の一、こういう実態にあるようです。そのために、現場では解雇や賃下げを始め労働者に大変厳しい条件が出されている、こういう実態がずっとあるわけですね。  そこで、事業そのものをどのようにしていくのか。また、その際、労働者の雇用と暮らしをどう守っていくのかということは大事です。時代の変遷に伴う中で、そういう意味では、公庫の基金、先ほど申し上げたような約九千億に近いこの基金を積み立てているわけですが、まさか今日こういう状況になると思っていたわけじゃない。そういう点では順調に積み上がってきたというふうに思っているんでしょうけれども、むしろ、今こうした事態に立ち至っているわけですから、これはむしろその法律を改めてでも一部をやはりここに放出をして、これを稼ぎ出した競技事業の労働者の雇用対策、あるいは、そういう意味で、何だろうと、賃金や一時金、また削ってしまう、こんな状況などということに対してむしろ還元すべきじゃないのか。こういうことを私もあちこち行ったときに自治体の首長さん方からも、いや、まるでもう納付金取られてしまうんで、これ何とかならぬものでしょうかと、こういう話が、よくお聞きをするんです、そういう場所では。  この点について、副大臣総務省の中でどういう議論をされているのか、私はこれはやっぱり法改正を含めて検討すべき時期、そういう状況に来ているんだと、こう思うんですが、この点についてお伺いをしておきたいと思います。
  294. 大野松茂

    ○副大臣(大野松茂君) 公営競技の実態につきましては御指摘のとおりでありまして、それぞれの地域で大変な御苦労をされております。  本来、公営競技は地方財政への貢献を主なる目的として運営されてまいりました。そして、公営企業健全化基金によりまして、公庫の貸付利率の引下げ等によりまして地方財政全体にも大きく貢献をしてきたところでございます。  近年、御指摘のような背景の中で、全般的に売上額の減少傾向が続いておりまして経営状況は大変に厳しい状況にあると、こう認識をしております。総務省といたしましては、このような状況にかんがみまして平成十八年度から貸付利率の引下げに支障が出ない範囲で納付率の引下げや、また基礎控除額の引上げなどの負担軽減を行いますとともに、経営改善を支援しているところでございます。  御指摘のありました公営企業健全化基金の取崩しでありますが、取崩しは禁止されております、法律の上で。また、基金は地方公共団体に対する資金の貸付けに充てられておりますことから取り崩すことは大変難しいわけでありますが、公営競技の経営健全化には総務省としてもできる限り支援してまいりたいと、こう考え、対応しているところでございます。
  295. 又市征治

    ○又市征治君 副大臣、御存じだと思うけれども、公営ギャンブルの善しあしというのはこれは別にして、現在まで多くの人たちがここに雇われて働いている。それで、じゃ収益が減ったからって、その人々が一遍に減らせるというわけじゃ、これまたないわけですね。この地域では、それぞれ夫を亡くした女性であるとか、中高年女性などに貴重なやっぱり働く場を提供しているわけですよ。元来、公営競技の上がりで積み立てたこの基金ですから、事業縮小がやむを得ないのであれば、本当にこの人たちの雇用あるいは退職保障のために、むしろ一部を活用しても窮状を打開すべきであると、私はそのことを訴えたい。だから、禁止されてますと言うから、逆にそのことの法改正は今、こんなこと元々想定をしてなかった、法律を作った時点は、そういうことがある。  もう一つは、今おっしゃったように運用として納付金を、そういう意味では率を下げます、これは取崩しやらないわけだから、こういうことはありますわね。だから、その両面含めて、やっぱりしっかりと是非検討をしてほしい。その点について御検討いただけますか。
  296. 大野松茂

    ○副大臣(大野松茂君) 御指摘のような背景にありますことを私どもも十分承知をいたしているところでございます。その状況の中でこの十八年度からこうした対応をしているところでございまして、今それぞれの公営競技がいろいろな形で改革をしておりますが、その中で一番大事なことは、そこで働いている皆さん方にどういうような保障ができるかということでありますし、それぞれの公営競技もまたそういう角度から検討を加えておりまして、私どももそうしたことを支援していきたいと、こう思っているところであります。
  297. 又市征治

    ○又市征治君 もう一つお伺いしておきますが、公庫はいわゆる地方三公社に対しても貸出しを行っておられますよね。新機構ではこれはまあ廃止ということなんでしょうかね。  ところがこの三公社は、まず経営状態では、去る十二月の総務省の調査によりますと、三公社で千二百二十七法人のうち四六・五%に当たる五百七十一の公社が経常収支赤字であり、その赤字額は合計で三百四十四億円、前の年の赤字が二百八十四億円でしたから、一年で二一%増えている。また、資金収支では、土地などの不良資産を多く抱えておって利払いなどに苦しんでいるという状況のようであります。三公社のうち欠損法人は六十二法人、正味財産のマイナス額は千三百七十五億円、これが前の年は六百十四億円でしたから、二・二倍に膨らんでいると、こういう実態のようです。  そこで、本日の公庫の立場ですけれども、地方三公社の貸付けは、主に道路公社で貸付残高二千二百十七億円だということですけれども、その中に赤字の公社への貸付けも含まれているだろうと思うんですが、その点はどうか。赤字の公社への貸付けは幾らあって、それらの公社の事業の見通し、更には返済の見通しはどうなのか、この点を伺っておきたいと思います。
  298. 榮畑潤

    政府参考人榮畑潤君) 公営企業金融公庫から今お話しの地方三公社の中で貸し付けておりますのは、地方道路公社に対してだけ現在貸し付けているところでございまして、その残高は、今御紹介のとおり二千二百十七億円の融資残高がございます。そのうちで、赤字の地方道路公社に対する残高が三十三億円となっておるところでございます。  ただ、しかしながら、この地方道路公社に対する貸付けに際しましては、設立の地方公共団体の債務保証を付けることを条件としていただいておるところでございまして、この債権回収不能にならないものと考えておるところでございます。
  299. 又市征治

    ○又市征治君 自治体本体を連帯保証人にしているから心配ないんだと、こういうことですな。ただ、公庫の貸付先に限れば道路公社だけでありまして心配ないとのことですけれども、三公社のうち土地開発公社あるいは住宅供給公社は四割が赤字団体です。住民にとって不良資産の処分などで今後とも重大な問題を抱えていることは再確認しておかなきゃならぬと、こう思います。  時間が参りましたから、あと新機構の執行機関の構成であるとか政府の関与を減らす仕組みだとかなどの課題はありますけれども、これはまた法案審議の中で行いたいと思います。  終わります。
  300. 泉信也

    委員長泉信也君) 他に御発言もないようですから、政府関係機関決算についての審査はこの程度といたします。  次回は来る十六日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十七分散会