運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2007-03-15 第166回国会 参議院 経済産業委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十九年三月十五日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         伊達 忠一君     理 事                 加納 時男君                 小林  温君                 藤末 健三君                 渡辺 秀央君     委 員                 魚住 汎英君                 倉田 寛之君                 保坂 三蔵君                 松田 岩夫君                 松山 政司君                 岩本  司君                 小林 正夫君                 直嶋 正行君                 広野ただし君                 若林 秀樹君                 弘友 和夫君                 松 あきら君                 田  英夫君                 鈴木 陽悦君    国務大臣        経済産業大臣   甘利  明君    副大臣        経済産業大臣  山本 幸三君        経済産業大臣  渡辺 博道君    大臣政務官        経済産業大臣政        務官       松山 政司君    政府特別補佐人        公正取引委員会        委員長      竹島 一彦君    事務局側        常任委員会専門        員        世木 義之君    政府参考人        農林水産大臣官        房審議官     吉田 岳志君        経済産業大臣官        房地域経済産業        審議官      福水 健文君        経済産業大臣官        房商務流通審議        官        松井 英生君        経済産業省貿易        経済協力局長   石田  徹君        資源エネルギー        庁長官      望月 晴文君        資源エネルギー        庁原子力安全・        保安院長     広瀬 研吉君        中小企業庁長官  石毛 博行君        中小企業庁事業        環境部長     近藤 賢二君        環境省地球環境        局長       南川 秀樹君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○経済産業貿易及び公正取引等に関する調査  (経済産業行政基本施策に関する件)  (公正取引委員会業務に関する件)     ─────────────
  2. 伊達忠一

    委員長伊達忠一君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  経済産業貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会農林水産大臣官房審議官吉田岳志君、経済産業大臣官房地域経済産業審議官福水健文君、経済産業大臣官房商務流通審議官松井英生君、経済産業省貿易経済協力局長石田徹君、資源エネルギー庁長官望月晴文君、資源エネルギー庁原子力安全・保安院長広瀬研吉君、中小企業庁長官石毛博行君、中小企業庁事業環境部長近藤賢二君及び環境省地球環境局長南川秀樹君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 伊達忠一

    委員長伊達忠一君) 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 伊達忠一

    委員長伊達忠一君) 経済産業貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、経済産業行政基本施策に関する件及び公正取引委員会業務に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  5. 小林温

    小林温君 おはようございます。自民党小林温でございます。  今日は、我が国IT政策グランドデザイン、今後の方向性について、甘利大臣始め経済産業省のお考えを伺いたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。  国家政府、あるいは企業にしても、ITをどう取り入れるかということはもう大きな課題になっているんですが、アナログからデジタルにするという電子化時代はもう過ぎまして、仕事の中身自体を見直して、そこにITを導入することによって経営革新を行うところが勝ち組になっているというのが国際的に見ても今の流れなんだろうというふうに思います。そう見たときに、我が国IT政策も、かなり強力なリーダーシップがあって初めてこのIT政策推進することができるだろうというふうに思います。  その中で、まず一つ目質問IT政策を担う組織体制在り方についてさせていただきたいというふうに思います。  情報通信省創設という構想、これはかなり前から見えたり隠れたりしているわけですけれども、安倍総理も、省庁再々編を進める中で、この情報通信省創設ということにかなり熱心だというお話も聞いております。例えばアジアでも、韓国やシンガポールなどのようにITに関連した行政を一元化した組織で進め、かなりの成果を上げている国もあるわけでございます。  私は、我が国IT政策の将来像を考える上では、この情報通信省創設という構想一つの重要な論点として提起をされるのではないかというふうに思っております。しかし、この議論を進めていく際にやはり必要な視点としては、規制振興バランスをいかに取っていくかということが重要になってくると思います。  米国の例を取れば、振興を担当する組織とは別に、FCC、連邦通信委員会という独立した機関が規制にかかわっている例もありますし、その他の国でも規制振興を分離している例は多々見受けられるわけでございますが、そこで是非大臣自身としては、我が国全体のIT行政を進めていく組織及び体制はどうあるべきかということについて御意見をいただければと思います。
  6. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 御指摘のとおり、情報通信省というこの構想は、一つ問題提起ではあると私も受け止めております。そこで大事なのは、安倍内閣でも、イノベーションの創造とか、あるいは国際競争力強化するというこの視点が大事と主張しているわけでありますから、まず、どういう機能が必要でどういう機能を集約させることが大事かという機能論から入って組織考えるというたどり着き方が正しい在り方だというふうに思っております。おっしゃいますように、規制振興、この考え方をよく整理することが大事だと思っております。  例えば、規制振興一つに取りまとめちゃったという形は発展途上国にはよくある形式なんでありますけれども、それが先進国になっていきますと、振興振興でまとめて、規制規制官庁とか委員会とかいうことで担当しているわけでありまして、今アメリカの例を引用されました。アメリカでは、おっしゃるとおり、規制振興を分ける形で行政組織が編成されていると。この辺の、つまりスタートからあらまほしき姿に向かうという形態が国際社会の中でどういうふうに形成されているかということを検証しながら日本の進むべき道を見いだしていくということがいいんだと思います。  その点で大事な視点は、おっしゃるように、振興規制を分離するという視点が極めて大事だと思っております。規制官庁振興をさせるということは、やっぱり規制をされる方としては、顔色を見ながらですから言いたいこともなかなか言えないと。情報通信世界は、いかに自由濶達にその能力を伸ばしていくかというところが極めて大事でありますから、怒られちゃうところに向かってこういうのをやってくれという、恐る恐るということでない方が私はいいんではないかというふうに思っております。そういう視点情報通信省構想を私自身はとらえております。
  7. 小林温

    小林温君 規制振興バランスということ、それから機能論をまず整理すべきだというお話もいただいたわけでございます。  今大臣お話にもありましたように、ある分野においては、やはり日本規制が過剰過ぎて競争力を阻害している部分もあると思いますし、一方で、国際標準化へ乗り遅れた結果、なかなか日本産業が育たないという分野もこのIT分野の中ではあるのではないかと私は常々思っているわけでございます。  そこで、経済産業省振興行政を現在も担っておられるわけですが、IT産業生産性向上させると、ひいては、後ほどまた議論させていただきたいと思いますが、我が国競争力を高めて、いわゆるイノベーションを大きく現実のものとしていく上でこれまでも、あるいはこれからも極めて重要な機能を担っていただかなければいけないというふうに思います。  そこで、今後IT産業振興考える際に、あるいは国家としてのIT化というものを進めていく上で経産省に求められている役割というものはどういうものだという御認識をお持ちでしょうか。
  8. 山本幸三

    ○副大臣山本幸三君) 御指摘のようにIT産業、大変重要でございまして、今我が国国内生産額の約六十兆円、約二百八十万人の雇用を支えておる基幹産業でございます。しかし、欧米のみならず、アジア勢との厳しい競争にも直面しているわけでありまして、そういう意味で、我が国の将来を支えるIT産業発展を図るためにその国際競争力強化する取組を積極的に進めていく必要があると考えておりまして、具体的には、例えば海外とのイコールフッティングを確保するための国内設備投資環境整備、あるいは研究開発支援技術流出防止を始めとする知的財産保護等取組推進を図る。あるいは、グローバル市場の開拓のために、EPAやWTOを通じた戦略的な通商政策推進、そして省エネルギーの実現、製品安全の確保等に対する産業界取組支援、こうしたことを経済産業省として積極的に取り組んでいるところでございます。  また、IT活用は特定の産業にとどまらず、製造業サービス産業など幅広いユーザー産業競争力強化、あるいは生産性向上に資するものでございます。こうした観点から、我が国企業九九%以上を占める中小企業是非IT活用していただいて、そして生産性を上げていただく。産業競争力強化のための、そのための税制情報基盤強化税制等ございますけれども、そうした税制活用も促進をしているところでございます。  そうした意味で、今後ともIT産業ユーザー産業の一体としての産業競争力強化に向けて、積極的に取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
  9. 小林温

    小林温君 ありがとうございます。  六十兆円、二百八十万人という数字がございましたが、まあこれはまだまだ小さい数字だと思いますし、今後の我が国経済力国際競争力の核としてやはりこの数字を更に大きく伸ばしていく必要があるんではないかというふうに私は思います。  次の質問は、国民生活におけるIT利活用経済成長という観点から質問させていただきたいと思うんですが、昨年、自民党でシンクタンク二〇〇五というのをつくったんですが、その中で、ノーベル経済学賞受賞者であるクラインさんというペンシルバニア大学の教授をお招きして、日本経済の三%成長への経済政策という研究を行っていただきました。  生産性向上のためのIT政策に焦点を当てたものだったわけですが、この結果は、我が国経済潜在成長率は、いろんな実証分析によって少なくとも三%はあると。そして、その潜在成長率現実のものとしていくためには、我が国において社会としてITの効用をいかに受け入れて活用していくかが課題であるというふうに提言がなされたわけでございます。アメリカの例でまた恐縮ですが、例えば国民全員が持っているソーシャル・セキュリティー・ナンバー、社会保障番号、あるいはクレジットカードを使うことのアレルギーを取っ払って、いろんなことを現金を使わずに行う、あるいは電子政府推進によっていろんな公と民間とのやり取りを電子化する、そういうIT革新によって経済への影響を更に大きくするような環境整備が必要だということがその中で提案をされているわけでございます。  こういうことも含めて、ITというものを国民生活社会生活全体で受け入れていくということ、こういう観点から、経済産業省としてはどのような取組を行われていますでしょうか。
  10. 山本幸三

    ○副大臣山本幸三君) 正に御指摘のとおり、IT活用して生産性を上げていくということがこれからの日本経済成長を支える重要なポイントになると思います。アメリカでは、正にIT革命生産性が大変向上いたしました。アメリカと比較いたしますと、我が国IT投資生産性向上相関係数が低くて、特にサービス産業において低いわけでありまして、サービス産業、非製造業において低いわけでありまして、この辺をいかに高めていくかがこれからの勝負だというように思っております。  そういう意味で、政府全体としては、総理本部長とする内閣IT戦略本部がございまして、これを経済産業大臣、副本部長としてしっかりと支えて、関係省庁、多くの省庁施策と密接に連携をしながらIT活用を進めていきたいというように思っておりますし、あるいは貿易管理あるいは特許申請等に係るそうした電子政府システム構築等も進めているところでございます。  それから、特に中小企業あるいはサービス産業活用していただかなきゃなりませんので、各地域に、IT専門家に委嘱をいたしましてIT経営応援隊というのをつくっております。こうした方々にいろんな経営者研修をやっていただいたり、あるいはIT経営百選を認定するというようなことで、そうしたベストプラクティスの収集、普及を図っているところであります。  それからまた、IT民間事業者ITキャラバン隊というのを組織いたしておりまして、このIT経営応援隊一緒になりまして今全国を回って、ITを使うとどういうふうに経営効率化図れますよというようなことを普及しているところであります。私自身もこれまでに二回、そのITキャラバン隊経営応援隊研修に参加させていただいて、今年一年かけて約二百か所、IT経営キャラバン隊は全国回るということでありますので、是非また先生方応援をいただきたいなと思っているところであります。
  11. 小林温

    小林温君 ありがとうございます。  ゆっくりとした経済成長が続いているわけですが、この一つの要因としては、IT産業経済全体に占めるシェアを拡大してきたということがあるというふうに思います。これ六十兆円、二百八十万人という数字でございましたが、一方で先進国、例えば米国なんかと比べると、ユーザーとしてIT活用する企業産業側に、IT経営革新生産性向上のツールとして十分に生かし切っていないんではないかという分析もあるわけでございます。  例えば、アメリカの有名なディスカウントストアのウォルマートは、電子タグを用いて流通効率化を図って収益性向上させたというふうに言われているんですが、これはのみならず、小売業生産性向上自体が、このウォルマートの先端的なIT活用事例が他社に広まった結果だというふうにも言われているわけでございます。先ほど申し上げたように、我が国企業IT活用してのイノベーションがまだまだ途上にあるというのが事実だろうと思いますし、これは反面、今後、経済全体の生産性押し上げ効果がこの部分政策が効いてくれば期待をできるということだと思います。  そこで、企業生産性向上させていく上で、IT活用についてどのような取組が必要だというふうにお考えでしょうか。
  12. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 御指摘のとおり、ITはそれ自体産業としての無限のポテンシャルがあるんですね。それと同時に、ITがそれ以外の分野革命を起こすということなんです。ですから、IT革命というのは、自身産業として大変なポテンシャルがあるということと、それからそれを使って既存の産業が革新的になっていくという、この両方の相乗効果があるんだと思います。  今、ウォルマートの話がありました。電子タグという言葉が出始めたころ、数年前、私は直感的に、この電子タグというのは経済社会の新しいインフラになるぞと、これに積極的に介入しろということを相当きつく私は言いました。というのは、ある意味、サッカーでいえばピッチですから、アウエーになるかホームになるか、この違いは大きいから、電子タグというのを日本ホームとせよということで、積極的にその規格等の問題で介入していけということを強く主張した次第であります。  今ITは、なかなか日本では部門の壁にとどまって企業内で共通したプラットホームになっていないと言われます。アメリカ委員は引き合いに出されましたけれども、アメリカ部門の壁どころか企業間で、企業の壁を越えて言わば共通のインフラになっているわけです。これをどうやって達成するかということが課題でありまして、そういうことを積極的に今指揮を取っているところであります。  特に、電子タグは商売を効率的にする、確かに流通革命が起きます、電子タグを導入すれば、ウォルマートはそれ既にやっていますけれども。それだけじゃなくて、企業間、企業の壁を越えてどういう情報をこれに持たせるかということを仕組んでいって、そうすると、製品安全とか含有する化学物質管理とか省エネとか、あるいはリサイクルにまで電子タグは全部活用できるわけですね。ですから、経済社会革命が起きるというぐらいの大変なことになるわけであります。  ですから、スタンダード、プラットホームをどうしていくかということに対しては、どんどん積極的に日本リーダーシップを取っていくべきだと思っております。
  13. 小林温

    小林温君 ありがとうございました。
  14. 魚住汎英

    魚住汎英君 自由民主党の魚住汎英です。  委員長にある書籍の写しを配付することをお許しいただきたい。    〔資料配付
  15. 魚住汎英

    魚住汎英君 大臣、この書籍に書いてあることをちょっと読んで御参考に供したいと思いますが、今の日本人口分布からすると、田中角栄さんの均衡ある国土の発展政策によって、地方人口が多過ぎたままの状況になっていると思います。例えば、北海道人口は約五百七十万人ですが、これほどの人口規模になると、政府に頼って需要を常につくり出さないとみんなが食べられません。となると、政府に頼って需要を常につくり出さないとみんなが食べられませんということになると、北海道のような気候風土ならば、二百万か三百万人程度であれば、非常に豊かに住むことができます。無理やり均衡ある発展などと言わずに自然に任せておけば、二百万なり三百万人という均衡点に落ち着くものなのです。一方、東京二十三区の人口は約八百万人ですが、ここを例えば倍の人口が住める町に改造することができれば、これは大変効率が上がります。と同時に、大変な投資も必要になります。もう少し所得配分を自然にゆだねることで、恐らく過疎地人口は徐々に町村等中心地に移動し、また、地方中核都市が更に発展するようになり、最後に東京中心とする首都圏、京阪神の関西圏等世界に対する情報発信基地としての役割を担い、経済効果は格段の向上を見せるはずです。こう書いてあります。  これは、とりもなおさず、政府で十五年間、規制緩和財政諮問会議等々をリードされた方の書籍の中の著述の一部であります。  大臣は、今回所信表明をされるに当たって、そういうことではあってはならない、どういう人であろうともちゃんと生活ができていってこそ初めて日本国民である。この所信表明を見て、甘利大臣の日ごろの政治的な姿勢というものを高く評価する中で、前政権までは力の弱い者には冷たかった。自民党においても同じようなスタイルであった。これは党議拘束という名において、反対をした人たち役職停止をしました。現に、かく言う私も二年間役職停止でありました。昨年十一月までであります。  自由濶達議論ができることが民主主義基本であると、私はそう思っております。いかなる党においても、自分の考えを述べることができないような党であるならば、それは政党の体を成さない、そういう思いでおるわけでありますが、今回いろいろな事柄を反省をされて、いいですか、反省をです、これらのことを見られて、この十五年間、とりわけ前の政権の五年間にいかに地方が疲弊したかということを、どうぞ物理的に各方面での検証をしていただいて、次のこの委員会で、金融問題あるわけですから、御発表いただきたいと思います。  私はたった十分間の時間しかありませんから、私だけの意見を述べておきたいと思いますが、その中で、例えば中小企業金融公庫総裁任命権者はあなたです。副総裁任命権者総裁です。経歴を見てみますと、それぞれの経歴というのは、これは職責上そういう形にしてあるんですけれども、公庫総裁はあなたと財務大臣の所管になっております。経歴を見ましたら、前任者と今度の方は全然違います。一度お会いして、その経綸をお伺いをしようということを考えておるわけでありますが、なかなかタイミングが合いませんから、それはこちらに置くといたしまして。それを補佐する立場の副総裁、もう既に四年になるんですけれども、何の実効性も上がってない。ただ単に置いてあると言っても過言でない人であるということを申し上げておきたいと思います。  そういうことをしていくことが、政治の公約としていろいろのことを申し述べ、そして国民に対して理解を求め、協力を求めるという基本的な姿勢でありながら、実際国民のサイドから見た場合には、極めてそのとおりになっていないところに今日の政治不信があることをどうぞひとつしっかり思い付いていただきたいと思います。  選挙の前になると、いろいろ、まあ表現は適当でないかもしれませんが、馬にニンジンをぶら下げるような形で目の前に置きます。ポスターや何かを見ると、活力ある国をつくろうと書いてあります。今までのやつを、改革という名の化け物を踏襲していったとするならば、私は、必ず地域社会はなくなります。  今の例の一つとして、それぞれの国民が一番よって立つ行政単位市町村であります。その市町村の中に、これは熊本県の恥を持ってまいりましたけれども、この財政投融資資金の高い金利の分のやつを見てください。これだけ多額の借金があります。  そこで、私は政治活動の中の一つとして、世間はゼロ金利時代でありながら、こういう財投資金、また公社、そういうやつの借入金金利がそのまま据え置かれているのはおかしいじゃないかと。既に民間借入金においては、政府補正予算を組んで、三年間で五%超については、これはお支払をし、補助を出しましょうと、こういうことで我々は皆さん方一緒になってやったことを思い出します。ところが、こういう公的資金というのはまだ依然としてそのままの状態にして置かれておりますから、今度国会において新たなる法律を作っていただくようになった。  ところが、問題はここからです。何の法律もそうですけれども、政省令の書き込みの中で、その法律の精神と違う形で現場が受け取る姿というのが山ほど出てきておる。例えば、昨年の四月一日に施行された自立支援法なんというのは、正にそのいい例でありまして、結果としては悪いんですよ、いい例でありまして、書いてある、我々が議論をする、そしてそれを成文化して法律にしていく。だけれども、実際で執行していく中においては、現場においてこんな乖離がある。例えばもう、今まで施設やってたんだけれども、やめなきゃならぬようになりましたと。ああそうかと、どこがどうなんだと聞いてみると、正にそのとおりに書いてある。  ですから、これだけ立派な所信表明をされたんですから、施行令その他、政令、政省令等においてもその意思が十二分に伝わって実行ができるようにお話を進めていただくように、お考えがあるかどうかということをお願いをしておきたいと思います。  もうわずかな時間ですから、本当に申し上げたいことの万分の一しかありませんけれども、地方を切り捨てて何で国の発展があるんですか。中央だけが栄えて何の国の発展があるんですか。今やっていることは全部間違っていますよ。規制緩和、国際競争をやらなきゃならぬと、これは当然の話じゃないですか。これは何も地方や中央を問わずの話であるわけでありますけれども、こういうことだけをはやし立てて、しかも日銀総裁が、こういうことを言った人たちのバックアップを基として投資をして、村上ファンドというところに投資して、自分で恐らくサインしただけだろうと私は思っておりますが、その真実をいろいろと言おうとは思っていませんが。  そういうことが正義であって、毎日毎日つめに火をともすようにして努力をしておる、それぞれの分野で自分の特技を表そうとする、そういうような人たちに対する思いやりのない政府であれば、政府の必要ないんです。是非ひとつ、政府というものを国民の英知の中でつくっておる以上は、そのことをしっかり押さえて、いわゆる皆さん方に与えられた行政経済産業行政でありますから、その中にもうちょっと後ろからでもちょっと押してやれば、十二分にその人の持つ能力を社会に役立ついろんな活動の中に生かすことができる、そういうことに対してしっかりバックアップしていただく決意があるかどうか、その一点だけをお伺いしておきたいと思います。
  16. 甘利明

    国務大臣甘利明君) まず、先生が冒頭御引用になったこの書籍からのお話であります。  この話は、一つ大事な視点が欠けているんだと思います。今の政策地域の自立性、自主性を高めていくと。つまり、地方分権の思想からいえば、中央がこの地域はこれぐらいにしなさいとか、この地域はこれが適正規模というんではなくて、それは地域がどう発展するかで決まることでありますから、要は政策として、資源配分政策、税の配分政策ももちろん大切でありますが、もう一方で自立政策、そこの地域に雇用と税収を生み出すそういう政策をどう施行していくかということが大事で、その視点がこれの中には欠けているんではないかというふうにまず思います。  それから、時間もあれですが、公庫の人事であります。  安居総裁を、私はこの方が適切という指名了承したわけでありますが、帝人のOBで、帝人の立て直しをされたと、中興の祖と言われている方であります。会社の再建とか事業の再建に極めて高い見識を持っていらっしゃるということで、もちろんその過程で取引中小企業との円滑な事業再建の協議も当然されてきた方でありますから、中小企業政策あるいは中小企業の再建にとって極めて知見を有する方であると思いました。それに、期間が大変短うございまして、来年十月に新組織になるというところまででありますから、そういう視点で最適任と思った次第であります。  副総裁の件に関しましては、その任期が、かつての閣議決定で六年以内という、で、どうしても事情がある場合には、しかしその場合でも八年というふうに決められております。来年の十月には新組織に変わってしまうということもあって、短い期間の再任ということになったわけであります。  先生の御指摘の件は拳々服膺して、しっかりと経済産業政策に取り組んでいきたいと思っております。
  17. 魚住汎英

    魚住汎英君 もう時間が来ましたので長々と申しませんが、例えばどうぞひとつお調べをいただきたい。こういう提言をなされた方が、床屋さんの自由化をして、三千円大体一般的に取っておるそういう床屋を、駅前で千円で、しかも一千軒以上を自分の傘下に収められておること。これは両面物の見方がありますけれども、それはやはり社会全体ということから考えていくと極めて異常なことではないか。だれしも生活をしていかなきゃならぬ、だれしもそこで生きていかなきゃならぬ、そういうような思いからすれば、その思いを片一方から強権をもって崩していくような形のものはこれは社会ではない、私はそう思っておりますんで、お調べをいただいて、次回にまたもっと突っ込んだ質問をさしていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  18. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 続きを聞きたいような質問でございましたが、私も今日幾つか用意していますので、質問をさしていただきます。  最初に、公正取引委員長、三月八日に公正取引委員会から排除命令が出されました国土交通省、それから水資源機構等の水門設備工事の談合問題についてお伺いをさしていただきたいというふうに思います。  今日は経済産業委員会の一般質疑ですんで、詳細な内容についてはまた改めて機会を見て御質問もさしていただきたいと思っていますが、ちょっと私、今回のこの排除命令を拝見さしていただいて気が付いたことが一つございまして、それは、談合を行った民間企業に対する排除命令が出て、官製談合ということで国土交通省、水資源機構、水資源機構はないのか、国土交通省に対して改善措置要求が出されています。その後に国土交通省及び水資源機構に対する要請ということで、こんな形の要請を私ちょっと初めて目にしたんですが、非常に長文で、しかも事実関係を丁寧に書いた上で、これはそれぞれの役所のOBがこの官製談合にかかわっていたということであるわけですが、これらのOBの行為が各違反行為を誘発し助長したものと認めるということで、こういうことがないようにという要請を厳しくされているということであります。  こういうことをあえて今回これで付け加えられたわけですが、そのことの意味合いとか、あるいはなぜこういうことをお付けになったのかというお考えをまず最初にお伺いをしたいというふうに思います。
  19. 竹島一彦

    政府特別補佐人(竹島一彦君) 御指摘のとおり、改善措置要求に加えまして要請書を提出をいたしました。  その理由というか事情というか、考え方でございますが、OBが、OBになってから、いわゆるチャンピオンといいますか受注予定者について天の声みたいなことを発していたり、又はこういう割り振りでいかがでしょうかというものを見せられて、まあよかろうということでお墨付きを与えたというような事実関係が我々の調査によって分かってきたわけです。  このOBについては、もう委員が御案内のとおり、今の官製談合防止法というのはOBは対象になっておりません。そこで、その官製談合防止法に基づく措置はとりようがないわけでございますが、実態は今申し上げたようなことでございましたので、やはり公益法人ないしは水資源機構という独立行政法人でございますので、国土交通省が指導監督する立場におありになるわけで、こういうことがあった以上は、その指導監督権限に基づいて、こういうことが再発されないようにしかるべき指導方を要請したと、そういうことでございます。  仮にこれらのOBが民間企業に行ってからそういうことをやっていたという場合だったら、これは公正取引委員会も要請のしようもないことではあるかと思いますけれども、公益法人なり独立行政法人でございましたので、今申し上げたような趣旨で要請をいたしました。
  20. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 今委員長お話のように、公益法人等に行っているOBがこういう役割を果たしているということでありますが、今公務員制度の問題がいろいろ議論されていまして、やはりここに公益法人であるとかあるいは天下りの問題であるとか様々なことが、制度的な問題もはらんでいるというふうに思うんですが。  今日はむしろ独禁政策の面で次にお伺いしたいんでありますが、このOBの方々がそういう一定の役割を果たしていると。で、先日ですか、去年、官製談合防止法をより強化しまして改正されました。そこで、従来はなかった現職公務員に対して五年、二百五十万円という罰則規定も新たに付け加えられましたし、談合幇助罪という、そういうものも改正で織り込まれたわけであります。しかし、今委員長が御指摘あったように、残念ながら、この対象にOBはなっていないと。民間企業へ行った方は対象になると、何らかの形で罪を問われることになるわけですが、官の側にいらっしゃるOBの方はそういう対象になってないということになってきますと、一方で刑罰が強化されて、しかもいろいろ目が厳しくなってくるというと、最近の談合の摘発もそうですが、結構OBの皆さんが陰で役割を果たしているというケースがたくさん出てきています。ますますそういう傾向が、一つの逃げ道じゃないですけれども、強くなってくるんじゃないかなということが、私自身もちょっと懸念をしておりまして、場合によっては法律そのものも考え直していかなきゃいけないのかなという感じも持っておりますが、この点、実際運用されているお立場から見て、委員長はどういう御所見を持っておられるか、お聞きしたいと思います。
  21. 竹島一彦

    政府特別補佐人(竹島一彦君) OBが、とにかく卒業した後、公益法人であろうが営利法人であろうが、そういうところに行かれて、なおかつOBの立場を利用して、現役と相通じてといいますか、現役を介して官製談合にかかわっていたというようなケースであれば、これは当然、当然といいますか、現役は官製談合防止法によって処分されるということになりますが、その際に、そのOBも言わば共犯であるという形で、特に昨日から施行された改正官製談合防止法の場合には直罰も入ったわけですが、それに該当するような行為が現役においてあったと、それにそのOBもかかわっていたというような場合には、そういうことで、共犯というようなことで改正談合防止法を適用するということもあり得ると思いますが、そうでなければ官製談合防止法というわけにもいきません。  ですから、その事件が刑事告発なんということになりますと、その中で訴追されるような役割を果たしたOBは当然そちらでもって処罰されるわけでございますが、水門の工事の談合の場合は刑事告発いたしておりませんので、結局は、そういうOBに対して、今申し上げた要請なんということでとどめざるを得ないといいますか、そういう現状にあるわけでございます。
  22. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ここから先の話はむしろ国会で議論すべきことかもしれませんが、私自身は、今委員長がおっしゃったんですが、やはりいろいろ抜け道があるということを考えると、法律そのものもやはり再度吟味しなきゃいけないのかなというような思いを持っておりますが、また後で藤末委員の方からこの問題も御質問あるかもしれません。私の方は、以上、ちょっと公正取引委員長に御質問をさせていただいて、あと、経済産業大臣の方を中心にしまして、エネルギーの問題について残る時間質問させていただきたいというふうに思います。  昨年の暮れも質問させていただいたんですが、新エネルギーについて今日も質問させていただきたいと思いますが、その問題に入る前に、まず大臣に、ポスト京都議定書、いよいよこの京都議定書の後国際的な枠組みをどうするかということで、先日ナイロビ会議が開かれたというふうにも聞いておりますが、このポスト京都議定書について御所見を伺いたいと思うんですが。  今の京都議定書は、残念ながら最大の排出国である米国が離脱をしていると、それから中国、インドは、これは途上国ということでもありまして削減義務を負ってない。実は、直近のデータを見ると、この米国、中国、インドだけで世界のエネルギーの四四%を使っていると、こういうことでありまして、逆に言うと、日本も議定書に参加をして削減義務を負っているわけでありますが、この参加国、議定書参加国の全部合わせても世界のエネルギー消費量の二七、八%だったと思いますが、三割に満たない数字しかないということでありまして、本気でこの地球環境問題を改善していくということを考えるのであれば、やはり大量に排出をしている今申し上げた三か国も取り込んでいくと、こういうことも含めて、やはり枠組みをこれからつくっていかなきゃいけないと思うのでありますが、京都議定書以外に、米国、中国、インド、その他含めましてアジア太平洋パートナーシップということで、削減に努力しようということで取組も進んでいるわけでありますが。  まず最初に大臣にお伺いしたいのは、このポスト京都議定書の地球温暖化防止の枠組みづくりにどういう態度で取り組んでいくのかと。例えば、今の議定書のような法的な義務を課していくのか、あるいは私が今お話し申し上げたような大消費国である途上国も含めてどういうふうに彼らを取り込んでいくかと、この点についてまず御所見を伺いたいと思います。
  23. 甘利明

    国務大臣甘利明君) ただいまの先生が御指摘をされた点は、ポスト京都に向けて極めて大事な点だと私は思っております。  御指摘のとおり、今の枠組みでは、CO2、全世界の三割の分の対策しかないと。これは、それ以外の排出国の排出量は今の伸び率でいうと恐らく世界の七割からたちまち八割になってしまうと。そうすると、世界の二割の枠組みだけで決めたって地球環境ちっとも良くならないわけであります。でありますから、最大の課題というのは、アメリカや中国やインドに加わってもらう枠組みをつくるということが最大の課題というか、最大の取り組むべきテーマだと私は思っております。  そこで、京都の枠組みのまま更に深掘りをするということになると、またその国たちを置いていっちゃうわけでありますから、新しい仕掛けをつくらなきゃいけないと常々思っています。ただ、その点については日本はもっともっと政府全体でリーダーシップを取っていかなきゃいけない、あるいはアメリカや中国やインドに働き掛けていかなきゃいけないと。まだまだ私は、政府全体での動きがまだ弱いんじゃないかというふうに思っております。  このままEU主導でいきますと、またアメリカが途中で脱落をする、中国やインドは我関せずになる、途上国は門外漢ということになりかねないと。そうしたら地球全体としてはこれは危機的なことがやってくると思いますから、もちろんその第一約束期間の約束を果たすこと、これは大事なことであります。全力でやっていかなきゃならない。しかし、新しい枠組みを、全員参加、主要排出国は全員参加、せめてそういう枠組みをつくらなかったら、正に自己満足だけで終わって、地球環境上は何のプラスにもならないということになってしまう、それを一番懸念をいたしております。
  24. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 私も今の大臣お話の御趣旨には賛成でございますが、今般作られたエネルギー基本計画の中に、このポスト京都の部分も多分意識してということであろうかと思うんですが、将来の国際的な枠組みづくりを主導するという表現がこの基本考え方の中に入ってございます。そういう意味でいうと、今お話があったように、アメリカはもちろん参加してもらわなきゃいけない。  それから、先日のナイロビ会議なんかの状況をちょっと私もレポートを拝見しますと、やはり途上国の削減目標設定であるとか、そういうものについて物すごく抵抗があったと、特に中国が激しい抵抗を示したというようなことも言われております。確かに、そういうレベルになってくると、環境担当の大臣が集まって、分かった、やりましょうというふうにはなかなかいかないと思うんです。やはり中国とかインドでも、国のトップが決断をしてそこに参加をしてもらうということにやはり最終的にはなってくるのかなと。  そういう意味でいいますと、私は、やはり日本がそういう中で優れた省エネ技術も持ってますし、やはり果たせる役割があるんじゃないかと思うんですが、この辺の日本役割という部分について、大臣はどういう御所見をお持ちでしょうか。
  25. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 要するに、各国ともその体力に見合って努力をするということを決めなきゃいけないんですね。体力を超えた努力をみんなに強制するといったら脱落する人が出てきて、結局、少数国の、何といいますか、自己満足で終わってしまうと、自己満足にもならないかもしれません。ですから、全員参加、少なくとも大量排出国が参加できるような仕組みを考えるということが大事で、これはやっぱり私はエネルギー原単位の向上を図るということが大事だと思います。その際に、日本は省エネ技術は世界一の省エネ技術を持っているわけですから、その技術を供与していくと、それから具体的に支援をしていく、で、具体的なプロジェクトをどんどんつくっていくということが極めて大事だと思います。  中国に対しても、中国やインドに対しても、省エネということはエネルギーコストを下げるんだから経済的にもあなたにとって有利ですよ、これからその調達コストはどんどん上がってくるんだから、しかも地下資源は有限なんだから、この争奪戦になればべらぼうなコスト高になる、それを極力少なくしていくという努力は理にかなっているでしょうという、この省エネ技術と絡ませて説得をしていくと。我々も協力するから、だからあなた方もその努力目標を作ってくれと言うことは極めて有効だと思うんです。最初からキャップを掛けて、もうどういうやり方にせよ勝手にあなたは考えなさいと、だけどこれが強制的な命令ですと言ったら、中国やインドは乗ってこないですよ。彼らが乗ってこなければ地球環境はもたないんだということをもっとこの主導する人たちは危機感を持ってもらいたいと私は思うんですね。  だから、全員参加、少なくとも大量排出国は必ず参加できるような仕組みをつくると。もちろん、努力をたくさんできるところはたくさんできる仕組みでいいんです。無理難題を強いると外れちゃいますから、彼らがまず乗ってくるという仕組みですね、いきなりお湯の温度を熱くしておいてそれに飛び込めと言ったって飛び込む人はいませんから、ぬるい中からだんだんみんなが入って温めていくという方式を取らないと、地球全体では成果が上がる枠組みはできないというふうに思っております。そのことを私は日本が主導しろということを極めて強く主張しております。
  26. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ありがとうございました。  続きまして、今度はこのエネルギー基本計画の中で、いろいろうたわれております中で、次に新エネルギーの導入についてお伺いをしたいというふうに思います。  この中にも、新エネルギーについては「長期的にはエネルギー源の一翼を担う」と、こういう表現なんですが、当面は補完的な役割と、こういう整理になっているんです。実はこれは、ちょっとさかのぼって見てみますと、元々この新エネルギーがいろいろ言われ出したのは一九七〇年代の石油ショックのころぐらいからでありまして、実はその当時から、長期的にはエネルギー源の一翼を担わせるんだけれども当面は補完的なんだと、こういう整理でずうっとやってこられているわけですね。考えたら、三十年間ずうっと補完的だ補完的だと、こう言い続けてきたわけですね。もちろん、そうなったにはなったなりの事情があるんでしょうが、私はやはり、本当に将来的に自立的でかつ環境適合、さっき議論さしていただいたような環境適合エネルギーとして考えていくということであれば、やはりもっと思い切った政策を行わないと、いつまでたっても補完的エネルギーで終わっちゃうんじゃないかなと、そういうことを危惧してます。  それで、例えば経済産業省のこの予算をちょっと調べさしていただいたんですが、平成十九年度予算は千四百億強になってます。これは新エネルギー関係の予算を私の方で計算さしていただきました。去年はどうだったかというと千五百六十億、おととしは千六百六十億ぐらいということで、実はこの三年しか見てないんですが、三年間、新エネルギー関係の経済産業省の予算は減少し続けているわけです。三年間で一割ぐらい下がってます。ですから、こういうこともやはり政府姿勢として、一向にこの新エネルギーが伸びてこない。  去年の議論で、二〇一〇年の目標の三%は本当に大変なんだと、しかし何とかやりたいんだと、こういうふうに大臣の御決意を伺ったんですが、やはりこのままではいけないんじゃないかと、もう相当思い切ったことをやはりやっていかないと駄目なんじゃないかと、こういうふうに思うんですが、この点について、まず御所見、お伺いしたいと思います。
  27. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 一次エネルギーに占める比率が現状では二%弱、二〇一〇年で三%、これは恐らく先生の感覚からすれば極めてシャビーな、みすぼらしい数字だというふうに映るかもしれません。EU等では新エネという概念よりも再生可能エネルギーという概念ですから、それに水力や地熱が入ってきます。水力、地熱が入りますと、二〇一〇年で恐らく七パーぐらいになるんだと思います。  新エネルギーというのをどうとらえるかと、新エネルギーは環境負荷が極めて低いということなんですが、不安定ということをどう克服するかということだと思います。予算や税制推進していくのと併せて国民意識ですね、グリーン電力の購入とか、消費者が電気料金に上乗せで払うとそれが新エネ開発に向かうとか、あるいはグリーン電力証書とか、そういう意識改革をして国民運動として伸ばしていく面と、それから予算、税制で伸ばしていく面と両方でやっていかなきゃならないと思います。  私自身は、将来エネルギーは日本の技術で環境負荷を与えない、例えば水素社会みたいなものを到来させるということが本流になってくるんだと思います。そういう点での技術開発を進めていくということで、これは原子力で水素を造るというつながりになってくるわけでありますが、新エネがわき役から主役になるか、つまりキャパの問題でですね。これは正直な話なかなか困難が多いかと思いますが、有力な補佐役にしていくということが大事。ただ、水素社会が到来すれば、これは相当強力なクリーンナップを担当できるんではないかというふうに思っております。  でありますから、その不安定さをどう克服していくか、それから国民運動としてどう取り組んでいくかということが課題だというふうに思っております。
  28. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 今、正におっしゃったその国民運動というんですかね、積極的な広報活動というのが次に私が申し上げたかったことなんですが。今回も、いわゆるこのRPS法の新しい義務量の策定の話合いがありましたが、ちょっと私が聞いている範囲でいうと、当初、経済産業省の方は二%ぐらいという数字をお考えだったようですが、やはり電力会社から相当反発も強かったということで、最終的には一・六%ぐらいでしたかね、の数字に落ち着いたというふうに聞いています。やはりその電力会社が反発する背景には、今大臣がおっしゃった、そのことによって値段が上がるということについて消費者の理解が得られてないと、だから、おっしゃった不安定な部分をカバーする役割だけを押し付けられて、余り消費者から良く思われないことをやはり企業としてはやりづらいと、こういう思いが多分あったんじゃないかなというふうに私は推察をしたわけですが、正にそういう意味で、大臣がおっしゃった、その国民運動をしっかりやっていくということが一方で非常に重要なことではないかなというふうに思っていまして、この点で何か具体的なことをお考えのことがあればお伺いしたいと思うんですが。
  29. 望月晴文

    政府参考人望月晴文君) 先ほど来先生御指摘いただきましているように、国民の理解と協力、あるいはその意欲というのをどうやってかき立てるかということはなかなか困難なことではございますけれども、やはりその基本は、この現時点における新エネルギーをめぐる様々な情報をいかに的確に国民の皆様にお伝えをし、それをやることの意義あるいはやることの手段などについても御理解をいただくということは非常に大事だと思います。したがって、私どもとしては、一口に、国民各層への理解と協力を得るための広報を大いにやるということがまず一つ基本になるんではないかと思っております。  例えば、ここ数年来、展示会やあるいはシンポジウムなどを繰り返して全国で行っておりますけれども、毎年百回ぐらいのシンポジウムを全国で行って、数千人のオーダーで御参加をいただいております。  それからもう一つは、子供たちに理解をしていただくということも非常に大切なことではないかと思いまして、小中学校における新エネルギー教室なども大いに開いていこうということで、本年度の予算などでも全国で百か所ぐらいの教室で小中学生に新エネルギーについての理解を広めていただくと、こういうことであろうと思います。  それから、政府だけが広報していてもいかがかということもございますので、例えば、今ちょっとお話も、関係あるお話があったかと思いますけれども、電力会社が運動としてやっておりますグリーン電力証書などにつきましても、これは電力会社自身がその利用者の皆様方に広報しながら進めているわけでございますけれども、これも国民全体で新エネルギーを考えるという上では大変重要なことでございますので、政府もその広報について協力をしてやっていくというようなことも含めて、まあ広報予算でございますから、お金という面ではそんなに何百億も掛かる予算ではございませんけれども、官民挙げての広報をしていきたいということが基本ではないかと思っております。
  30. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 なかなか妙案はないんでしょうが、やはり先ほどの国際的な枠組みではありませんが、やはり国民一人一人が、ちょっとまあそういうことなら乗ってみようかという気になるものを訴えていかないといけないということだというふうに思っております。  続きまして、バイオエタノールについて次にお伺いをしたいというふうに思います。  今回、この見直された基本計画を拝見しましたが、運輸部門のエネルギーの多様化ということで、その取組一つの目玉というんですかね、これがバイオ燃料の利用ということでうたわれているというふうに思っています。このバイオについては様々な問題があろうかと思うんですが、やはり産業であるとか燃料インフラであるとか、規制在り方であるとか、徴税システムも含めた最も適切な形態ということを検討していかなきゃいけないというふうに思いますが、今ちょっと政府の中で私が気になっているのは、意見が割れているんですが、このバイオエタノールのガソリンへの混入方法について、従来から経済産業省はETBE方式と、こう言われています。これは経済産業省だけではなくて、実際にガソリンスタンドを動かしている石油業界なんかもそういう御意見であります。  一方で、環境省さんとかあるいは農水省は直接混入すると、こういう方法でいきたいと、こういうお話でございます。私はやはり、本当にこういう基本計画に織り込んできちっとやっていこうということになると、やはりまずこの議論をみんなが力を合わせてやっていけるように整理をしなきゃいけないと、こう思うんであります。したがって、今日はちょっと忙しいところ環境、農水両省の方にも来ていただいていまして、まずエタノール三%の直接混入ということで御主張されている両省から、なぜそうなのかということについてちょっと聞かしていただこうということでございます。
  31. 南川秀樹

    政府参考人南川秀樹君) お答えいたします。  御指摘のとおり、ガソリンへのバイオエタノール混合には二つの方法がございます。いずれの方法でも、現在三%までのエタノールの混合ということは制度上認められておりますし、いずれも私どもとしては地球温暖化対策として有効だというふうに認識をいたしております。  政府の目標達成計画の中では、二〇一〇年度に原油換算五十万キロリットル、これはエタノールにすると物すごく多くなりますけれども、原油換算で五十万キロリットルのバイオ燃料の導入目標を掲げておりますし、是非それを達成したいと考えております。そのためには、現在私ども伺っているところではETBEで二十一万キロリットルの原油換算相当を手当てしたいということでございますけれども、それに加えてE3の導入も不可欠だと考えております。E3につきまして、自動車の安全面、排気ガス、あるいは流通システムのいずれにおいても問題はなく使用可能であります。また、その導入は政府の目標達成計画あるいは経済成長戦略大綱においても関係府省共通の方針として位置付けられておるというところでございます。  また、このエタノールの直接混合方式でございますけれども、世界はE10あるいはE25といったところに進んでおります。これらを視野に入れて、我が国も長期的な戦略の下で導入を進めていくことが必要だと考えております。
  32. 吉田岳志

    政府参考人吉田岳志君) バイオエタノールの混入方式についての認識のお問い合わせでございますが、まずバイオエタノールなどのバイオマスの利活用につきましては、地球温暖化の防止、地域の活性化、雇用の促進に加えまして、農林水産業の新たな領域を開拓するものであるという認識をしておりまして、そういった意味で、農林水産省といたしましても、国産バイオ燃料の生産拡大に取り組んでおるところでございます。  先月二十七日には、関係府省で取りまとめましたバイオ燃料の大幅な生産拡大、これを図るための工程表を総理に報告したところでございますが、バイオエタノールの混入方式につきましても、工程表を踏まえて、どのような方法が良いのか、関係者と十分話し合いながら進めてまいりたいと、このように認識をしております。
  33. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 それじゃ、続きまして、経済産業省の方からお考えをお伺いしたいと思います。
  34. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 我が省はETBEに決めちゃっているということじゃないんです。ETBEも石油業界が研究しているのを支援していますし、E3についても農水、環境両省と一緒研究をやっております。  技術的に言いますと、自動車のエンジンというのはどちらも使えるんだそうであります。ただ、そのメリット、デメリットといいますかね、それはいろいろあるようであります。E3はそのまま混入するわけですから、どこでもできるわけですよね。元売のところでもできるし、スタンドでもできるんでしょう。ただ、逆に言えば、それは今度、脱税防止をどうするんだということになります。だから、メリット、デメリット。  それからあと、石油業界がなぜETBEにこだわるかというと、ガソリンの管理をE3だと相当しっかりしないといけないと。今でもガソリンに給油中水が混ざったり、雨の日とかですね、混ざる。しかし、それは水の方が重いから下に沈殿しますから、ガソリンの部分が終わればあとは水になっちゃいますからエンジンは動かなくなるから、それはそれでちゃんと使えるんですけれども、E3の場合だと化合しちゃうんですね、水が、分離すればいいんですけれども。そうすると、燃料として使えなくなっちゃう。だから、水が入らないような厳重な管理が必要で大変だということを石油業界では言っているというところなんであります。  だから、メリット、デメリット、双方にあると思いますから、外国でもどちらがいいという結論まで出てないと。EUはETBEが中心アメリカはE3とかE10ですか、ということで、世界的にこっちがいいということになってない。言えば、両方使えるということになるんでしょうから、両方の技術開発を応援をしていって、しっかり見極めたいというふうに思っております。
  35. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ちょっと一つ、私ちょっと質問通告してなかったんですけど、今の議論の中で整理しておきたいんですけど、例えばアメリカなんかはいわゆるガソリンに対する税の掛け方というのは、例えば今の議論の中で出てきたのは、徴税の問題ですよね。軽油は、軽油引取税は特に脱税が多いんですよね。アメリカなんかは今E10とかE20なんて言っているんですけど、この辺は何か、もし、分からなければ結構です、お分かりになるようでしたらちょっと教えていただきたい。  それで、今ヨーロッパは逆にETBEを物すごく主張して、それに取り組んでいるわけですが、こちらは多分ガソリンの税金が非常に高いんですよね、ヨーロッパは。ちょっとその辺、もし知識があれば教えていただければと思います。
  36. 望月晴文

    政府参考人望月晴文君) 済みません、うろ覚えで申し訳ありませんけれども、日本の揮発油税は基本的には蔵出し税で、精油所から出てくるときにきちっと掛かるということがガソリンには掛かっております。米国の場合は物品税的なものでございまして、したがって課税段階が、ちょっと今正確ではありませんけれども、蔵出しだけではなかったような気がします。ちょっとそこのところは正確にあれさせていただきますが、いずれにしても、揮発油税そのものの税率が相当高い、国際的に見れば高い部分がございますので、したがって、その徴税の公平性とか確実性とかいうことについてはより神経を使わなければいけないというのが日本国の事情ではないかというふうに思っております。(発言する者あり)
  37. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 今いろいろ声も出ていますが、今のだから御答弁を聞いている限りは、取りあえずは両方やっていくと。  この間ちょっと新聞に出ていたんですけど、経済産業省がエタノール混合ガソリンの製造から給油まで実証実験をされたという、これ日経かな、十三日の日経新聞に出ていたんですが、これは別に経産省が直接混入をかなり進めていこうということではないんですよね。
  38. 望月晴文

    政府参考人望月晴文君) 先ほど大臣からお答え申し上げましたように、私どものところではE3とそれからETBEと、技術的な観点から申し上げれば、その双方について補助事業と委託事業ですかで支援をしていくということで現段階では調査をしております。  それからもう一つ、ちょっとこれは本来大臣がお答えしていただいた方がいいのかもしれませんが、この燃料全体について、先ほどの徴税問題も含めまして次世代自動車燃料イニシアティブというのを大臣のイニシアティブをさせていただきまして、その中で利用拡大に当たって幾つかの原則を考えて、きちっと制度をつくらなければいけないと。例えば消費者優先であるとか、安全、安心、公正だとか、エネルギーの安全保障だとか、イノベーションだとか、そういうことをきちっと考えた上で最適な方法とそれからあれでやらなければいけないということを議論をしないと、本格的に日本全国にこれを導入していくためには、まだまだ議論をしなきゃいけないことがたくさんあるだろうということでございます。  その中で、制度上の問題として徴税の問題というのももちろんございますし、それからちょっと余計なことで恐縮ですけれども、ガソリンというのはいろんな石油会社が全国展開しようと思えばスワップで供給をしたりするわけでございます。ですから、A社が供給するものとB社が供給するもの、極端に違うものが、しかも管理できなくて流通するということになると、これはむしろ、消費者との関係ではいろんな問題が生ずるということでございますので、そういった問題を十分に検討した上で全国展開は考えなきゃいけないということでございます。  ただ、先ほどの例えばE3でやるような場合に、ローカルで、非常にローカルエネルギーとして使うような場合があるわけでございます。私どもも、環境省、農水省と一緒になって宮古島でE3の実験をやるようになっていますけれども、こういう限定されたところでローカルでやるような場合には、ある種の全国展開でやらなきゃいけない場合とまた若干違う問題が、問題点が少なくない部分もございますので、そういった面もいろいろ考えながら、これから日本のバイオエネルギーの利用について考えていかなきゃいけないことが数多いということでございます。にもかかわらず、現時点でまずやらなきゃいけないのは、技術的な課題というのは全部クリアしておく必要があるだろうということでございます。
  39. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ですから、この基本計画の中にもかなり織り込まれているわけですよね。運輸部門一つ政策としてやっていこうということでありますから、是非そういう、今E3がいいのかETBEがいいのかという議論じゃなくて、制度的なことも含めて、やはりちょっと政府内の足並みもそろえていただくと。これは課税当局の問題も当然掛かってくるわけでありますから、是非そういう努力をお願いしたいなというふうに申し上げておきたいと思います。  ただ、ちょっとそれに水差すようですが、実は私はちょっとこのバイオエタノールについて一部疑問も持っているのは、最近アメリカとかあるいはブラジル等でバイオエタノール、E10とかE20、今E20までありますかね、そういうことでどんどん推進しようということで、特にアメリカは積極的にやっているんですが、その一方で今度は、これは新聞で報道もされていますが、トウモロコシの価格が暴騰するということが起きていますし、何かブラジルではいわゆる一般庶民が食べるトウモロコシから作ったパンが値上がりをしちゃってデモまで起きていると、こういう話もちょっと報道されております。  つまり、これは食料と燃料とのやはり綱引きというんですかね。いずれにしても、エネルギーも将来供給が問題だと、こう言われているんですけど、食料もやはり同様ですよね。そうすると、余りバイオ、バイオで走っちゃって、本当に今度は食料の方は大丈夫なのかなと。特に、日本のように食料も輸入に依存している国にとってはなかなかこれは難しいんじゃないかなというような感じも持っているんですが、こういったところについては、本音の話をして、これからバイオを、何というんですか、一瀉千里じゃないけど、どんどん進めていって本当にいいのかなというふうに思うんですけど、この点どうなんでしょうかね。
  40. 甘利明

    国務大臣甘利明君) おっしゃる点も大事な点であります。  食料もいずれ人口が増えていく中で食料供給がタイトになるんではないかという一つの要素があります。そういう中で、食料に向かうべきものあるいは飼料に向かうべきものが燃料に向かったら、その分だけ食料やあるいは飼料が減るわけですから、そこの価格が高騰すると。  実は、いろんなアングラ情報が流れていますけれども、穀物メジャーはむしろそれをねらっているんだという話もありますし、この間、ブラジルに移民をされた日本人の方が日本に戻ってこられて話をしていましたら、正にそれですよと、穀物価格を引き上げるための仕掛けなんですからねなんてその方は私に言われましたけれども、穀物とバッティングしない方法は何かということも考えなきゃいけないと思います。  アメリカは、セルロース系で木材からとか、食料とバッティングしない方法での技術開発が大事だと言っていますけれども、日本もその視点もしっかり見据えて、地球環境のために片方は拡大したけれども、実は食料は大変なことになっちゃったという副作用が出ないようにやらなければならないと。それから、輸入国、国内生産もそうですけれども、それだけで賄い切れない部分を輸入する場合に、世界じゅうから一国に集中するというようなことになってはかえって不安定になるとか、いろんな問題はあると思います。  それを全部含めて技術的な検討と併せて、そういう他のリスクもしっかりと検討して、正しい選択をすべきだというふうに思っております。
  41. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ですから、いろいろ検討していかないと、本気でこれをどんどん進めていくということになると、例えば今、石油が非常に中東依存が高いと、こう言われているんですが、今大臣もちょっとおっしゃったように、例えばバイオも、いわゆるセルロース系のものではなくて、今実際に大量に作っているのはアメリカとブラジルぐらいですから、輸出余力があるといったらそういうところぐらいですから、結局、これも輸入に頼ると石油と同じ現象が出てしまうということでありますから。  まあ率直に言えば、一方で、この中にもうたわれていますが、例えば運輸部門について言うと、燃料をもうちょっと思い切ってディーゼルシフトさせるとか、そういう政策を取る方がむしろ効果的じゃないかなという感じもするんですが、こういったこのバランスのところはどうなんでしょう。
  42. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 先ほど資エ庁長官が答弁いたしましたとおり、次世代自動車燃料イニシアティブというところでは、将来の運輸燃料の在り方、技術の課題等々いろんな問題を全部含めて、関係業界と我が省との方でいろいろ協議、議論をしていくという場を設けました。その場でもしっかりと先生の御指摘を受け止めて議論をしていきたいというふうに思っております。
  43. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 私の方はもう時間が来てしまったんで、あと、申し訳ありません、ちょっと二、三問やり残したんですが、私の時間は終わりましたので、藤末さんの方に今度バトンタッチしたいと思います。
  44. 藤末健三

    ○藤末健三君 民主党・新緑風会の藤末でございます。  私、甘利大臣の所信演説、そしてまた、我々が二月二十七日に経済産業委員会の方で新潟の方に視察をしましたので、新潟の視察に関する質問をさせていただこうと思っております。  まず、新潟の視察につきまして御質問申し上げたいと思います。  我々、新潟に伺いまして、新潟の地場の産業、繊維産業や、またいろんな商工会の方々、そして自治体の方々からお話を伺ってきました。私は、本当に強く感じましたのは、この繊維産業、もうこの十年間ぐらいで産業規模はどんどんどんどん小さくなり半分ぐらいになっていると。そういう中で、地場の企業がもう一生懸命努力していただき、いろんな製品を開発し、そしていろんな企業と連携をしていただき、本当に頑張っていただいている姿を拝見させていただきまして、何らかの形でやはりこの繊維産業をもっと活性化していただくことはできないだろうかと思いました。  我が国の高度経済成長を支えていただいたのも繊維産業でございます。そして、今産業構造の転換の中で繊維産業はもう古い産業というような見方があるわけではございますが、やはりその中で一生懸命新しい製品を作り、そして事業をつくっておられる方がおられますので、是非とも経済産業省として、そういう地場の繊維産業、またほかの産業でも結構でございますが、地元できちんと雇用を生み出し、そして売上げを上げている企業産業の育成についてどのようにお考えかということを大臣に伺いたいと思います。お願いいたします。
  45. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 時代時代にリーディングインダストリーというのは確かに変わっていくわけであります。    〔委員長退席、理事加納時男君着席〕  産業政策としては、新しい牽引役の産業を探し出す、育てていくということはもちろん大事でありますが、かつてのリーディングインダストリーであった産業、それを単に斜陽産業としてとらえてしまうんではなくて、その再興を図るといいますか、バージョンアップをするということも大事な政策だというふうに思っております。特に、それが地場産業でありますと地域の雇用と経済を支えているわけでありますから、その良さをもう一度見直してブラッシュアップをしていくということが極めて大事だと思います。  今先生は繊維産業を例として出されました。地域の牽引役であった繊維産業が今や大変厳しい状況にあります。これをもう一度、まあ主役と言えないまでも、強力なわき役にしていくことができないかということで、一つITをいかに導入をしていくかということであると思います。これは市場とのクイックリスポンス体制をどうIT活用してつくっていくかということ。  それから、実は繊維産業は言わば一種の感性の価値でもあります。日本のファッションが見直されているということ、これは日本の感性価値が見直されているんだと思います。これを大きく国内外にプロモートしていきたいというふうに思っております。今、東京日本ファッション・ウィークというのをやっております。これはファッション情報の発信を集中的にまとめてやっていこうということでございます。ファッションショーもありました、私もモデルを務めたんでありますが。  できることは全部やっていこうと思っておりまして、かつてのリーディングインダストリー、今斜陽という一くくりにしないで、もう一度再興していくというための施策にいろいろ取り組みたいと思っておりますし、現実に今国会にも、地域の資源を活用して、これを商品、製品、サービス化していくという政策も提出をさせていただいております。
  46. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非大臣のイニシアチブでこういう繊維産業、まあ古い産業かもしれませんけれども、やっぱり個別に見ていると新しい技術を開発されておられたりしておられまして、例えば糸に、何というんですか、まだら模様の染色をするとか、いろんな技術を開発されておりますので、是非とも、日本でしか作れないようなやはり繊維というのはあると思います、そういうものを是非経済産業省として後押しをいただければ、やはり今国際競争、もう非常に厳しくなってございますんで、一つの地場産業支援をするモデルになるんではないかと思いますので、お願いしたいと思います。  そしてまた、新潟でいろいろな商工会議所の方々、そして地方自治体の方々とお話をさせていただきまして、一つ気になりましたのが、昨年この経済産業委員会でも議論させていただきましたまちづくり三法のその実施の話でございます。現在、認定実績は青森と富山と二つだけの都市になっているわけでございますが、聞くところによると、もう三十か四十ぐらいの都市が申請の準備をしているという話も伺っております。  実際に計画策定に向けた自治体の動きはどう把握されているかということを一つお聞きしたいということと、もう一つございますのは、非常にこの認定の基準が高いんじゃないかということをお聞きしております。大体、数十万人クラスの都市でなければ申請はできないんじゃないかということをおっしゃる商工会の方々、あと自治体の方もございまして、その基準がちょっと高いんじゃないかということについてどうかということ。  そして、もう一つございますのは、これは新潟でお聞きしてきた話でございますけれど、原則一つの市から一か所しか申請ができないようになっていると、町づくりの活性化について。逆に何が起きているかというと、合併しちゃって申請できなくなっちゃったという話を伺っているんですよ。  実際、調べてみますと、原則一自治体が一か所ということになっておりまして、そういう、合併をすると逆に損するような制度になっていることについて大臣はどのようにお考えかということをちょっとお聞かせいただけますでしょうか。お願いいたします。
  47. 甘利明

    国務大臣甘利明君) まず、現状でありますが、今年の二月に富山と青森、第一号認定がこの二つの都市で内閣総理大臣によって行われたわけであります。それから、二市に続いて中心市街地活性化協議会が設立されたのは全国で三十四の地区であります。それから、三十を超える自治体が認定事務を担当する内閣府に事前相談を行っております。極めて関心は高いと思っております。  それから、一つの市、一つの町で一か所ではないかという御懸念でありますが、原則はそうかもしれませんが、これは複数で手を挙げられても結構でございます。
  48. 渡辺博道

    ○副大臣渡辺博道君) 現在のまず詳細について御説明をさせていただきます。  中心市街地活性化法の要件というのは、特に限定をされておりません。人口が何万人以上とかいうことが決められているわけではございません。そしてまた、原則一ということでありますけれども、実際にはそれも要件ではございません。  実際には、昨年の九月に、中心市街地活性化を図るため、基本的な方針というものが閣議決定をされております。その内容を申し上げます。合併市町村や政令指定都市等、同一の市町村の中にあっても、地域によって異なる課題を持っているなど、地域の実情により中心市街地とすべき地域が複数存在する場合も考えられるということで、こういう場合についても一つの市から複数の地域が認定申請を行うことができるというふうになっております。
  49. 藤末健三

    ○藤末健三君 もう一つあるのは、やっぱり、一つの市から複数申請できるという方針は伺ったんですけど、まず一つお願いがございますのは、実は新潟の方はそれを御存じなかったんですよ。そして、実は私が直接いろいろ話をお聞きした方でそれを御存じの方はいなかったです、正直申し上げて。私は思い込んでいました、原則一自治体一か所なんだと。それをちょっと徹底していただきたいということと、もう一つは、ハードルが高いということをお聞きしているんですよ。非常に指針でいろんな条件があって、そのハードルが高くて例えば小さな町とか村はなかなか申請できないねと、もう初めからあきらめておられるという感じがございますので、その点についてはいかがでございましょうか。(発言する者あり)
  50. 加納時男

    ○理事(加納時男君) 松井商務流通審議官、お答えください。
  51. 松井英生

    政府参考人松井英生君) お答えいたします。  その辺の我々の方針が十分に関係者の間に徹底されていなかったという点があると思いますので、あした全国の関係者をお集まりいただいてシンポジウムを開きます。そういう場所等々を通じまして、今先生が御懸念になっているような点をしっかりと関係者の方に御説明をして、意欲ある自治体の取組を積極的に掘り出していきたいと思います。    〔理事加納時男君退席、委員長着席〕  そのほかも、経済産業省の職員が各自治体に回りまして、なるべくいい計画を出すように側面から御支援をしていきたいと、こういうふうに思っております。(発言する者あり)  ハードルにつきましては、この改正法がなされる前は、余りにも逆にそのハードルが低うございまして、実質、意味のある計画がなされなかったという反省もございますので、我々といたしましては、なるべく多くの方がちゃんと申請できるようにしっかりと御支援をしていきたいと。  特に人口の点で先生御指摘がございましたけれども、人口につきましては、現在、基本計画の作成が進められている市町村の中には人口数十万の都市もございますし、また、人口五万人に満たない自治体もございまして、市町村の規模にかかわらず、地域の実情を踏まえた町づくりが進められると、こういうふうに承知をしております。
  52. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非、条件などの徹底をしていただきたいと思います。多分、本当に皆さん厳しい、厳しいとおっしゃる方が多いんですよ、私が聞いていると。中小企業団体の方もちょっとおっしゃっていました、そういうことを。ですから、是非ともその条件等をきちんと徹底をしていただきたいと思います。  そしてまた、話がちょっと変わりますけれど、新潟に伺いましたら、新潟の県知事やあと首長の方からだったか一つ言われましたのが、一つございますのは、原子力発電所のデータの改ざんについて話がございました。やはり地元の新潟、原子力発電所が多数ございまして、この原子力発電所のデータ改ざん、安全の確保、非常に重要であるということを受けました。  その翌日に、私は驚きましたのは、東電のデータ改ざんの話がまた新聞に載っていたんですよね、実は。  私、お聞きしたいのは二つございます。  一つは、東電のデータ改ざん、これは二〇〇二年以前のものでございまして、なぜ二〇〇二年の原子力の総点検のときに調査できなかったかという話が一つございます。これは、あれだけ大きな事故を起こし、総点検を行ったと言ったにもかかわらず、二〇〇二年以前のデータ改ざんが今分かるということが一つ、なぜかということ。  そして、もう一つございますのは、先ほど申し上げました新潟の視察の翌日に東電の報告の内容がマスコミに漏れたということがございまして、その安全情報管理、非常に重要だと思います。原子力の安全、きちんと担保されなければこの原子力行政が非常にうまく進まないという懸念がございまして、安全情報管理、それをもっと徹底しなければならないんではないかと考えますが、その点について松山務官、いかがでございましょうか。お願いいたします。
  53. 松山政司

    大臣政務官松山政司君) お答えします。  昨年の秋以降に電力会社でデータの改ざんが相次いで発覚したことを受けまして、昨年十一月三十日に、電力会社の体質を改善していくことが重要であるということで、全電力会社に対しまして今までの問題をすべて洗い出すように大号令を掛けました。この総点検の結果は、三月末までに報告をさせるということにしておりますが、東京電力の場合には原子力の検査データの改ざんもございまして、先行して取り組んでいる内容が随時報告をされているところでございます。  一点目の御質問の、二〇〇二年の総点検でなぜ調査できなかったのかという点でございますが、東京電力が今回の総点検で現在までに報告してきている原子力データ改ざん等はすべて二〇〇二年の総点検より前のものでございます。二〇〇二年の総点検では、原子炉本体を中心に、昭和六十三年までさかのぼりまして記録等の調査中心に行ったものでございます。  一方で、今回の総点検は、調査の徹底を図るために、設備や期間を限定せずに行っております。これまで検査に携わった全社員及び社員退職者等からのインタビュー、聞き取り調査をやりまして、改ざん事例の抽出を行って、その事実を裏付ける社内資料を調査した結果、新たに確認されたものであると承知をいたしております。  二点目の情報管理の問題でございますけれども、三月一日に東京電力が当省に報告されるべき内容である原子炉自動停止の件が前日に報道されたということに関しましては、原子力安全・保安院から情報が外部に出てないと認識をいたしております。情報を適切に公開をし、原子力の安全を確保することは重要と考えますが、必要な情報については引き続きしっかりと管理を行ってまいりたいと思っています。
  54. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非松山務官に頑張っていただきたいと思うんですが、ちょっと一点腑に落ちないのは、三月一日に東電が報告するデータ改ざんの内容が前日にマスコミに流れたということでございまして、実は東電の方にもお聞きしたら、東電からは漏れていないのは調査済みですよとおっしゃっている。そして今日、保安院からも漏れていないという話をお聞きしているわけでして、どこから流れたかというのがちょっと分からないんです。僕、責任追及するつもりはありません、これは。  ただ、何を申し上げたいかというと、原子力の安全というのはもう非常に大事な話だと思うんですよ、本当に。今、この安全の問題が表に出て、世論がどんどんどんどん原子力に批判的になれば、そのダメージは恐らく環境問題、あとエネルギーの安全保障、そしてやはり我が国のエネルギー産業に大きな打撃を与えるんじゃないかということを懸念しておりまして、これはもう責任追及とかじゃないです、正直申し上げて。きちんと情報管理していただかなければ、僕はこの原子力安全行政の基盤だと思うんです、これは。いや、本当に。ですから、是非とも徹底した調査をお願いしたいと思います。別に、悪いところを直していただくだけでいいと思うんですよ。それは是非お願いしたいんです、私は。  何となく流れて、新聞やマスコミにどんどん書かれて、で、見ていると、やっぱり正確な情報は流れていないんですよ、正式な発表じゃないんで。見出しだけが流れて、原子力でまた問題が起きたということしか流れていないんで、この情報管理は徹底するように是非ともお願いしたいと思います。それがなければ、僕は安心して検査する方も検査できないでしょうし、あとやっぱり世論の原子力に対する見方がおかしくなってくるんじゃないかということを懸念しておりますんで、もしよろしければ政務官、何か御意見いただければと思いますが、いかがでしょうか。  じゃ、大臣、お願いします。
  55. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 正確な情報が開示されるということが一番大事であります。きちんとした取りまとめ、報告、検証がない中でこの情報がリークされて、それが疑心暗鬼をあおったり、エネルギー政策に重大な影響を与えるということは、極めてゆゆしき事態でありますから、そこの管理はきちんとやっていきます。  どこからどう漏れたかということについては、省内の話なのかどうか、それはきちんと検証させます。
  56. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非お願いしたいと思います。  私、保安院の方々は非常に一生懸命この安全ということを意識して活動していただくというのは本当に分かってる、分からさしていただいているつもりなんですけれども、やはり一つお願いがあるのは、世論に対してきちんとやっぱり情報を提示する、理解していただくという努力がもっと必要だと思うんです、私は。きちんと検査をしていると、その中身をきちんと提示しなければ、やはり今回みたいな漏えいだけ、情報が事前に流れるようなことがあると、もう新聞の見出しだけがもうどんどんどんどん流れていって、また原子力発電所で問題が起きたかという本当に世論の誤解を生みますんで、是非とも今回のリークがないようにしていただきたいし、また、もう一つありますのは、やはりこの世論に対してどうやって情報を提供するかというところも、より一層の工夫がしていただければということをお願いしたいと思います。  そしてまた、今回のデータの改ざんにつきましては、私はやはり先ほど申し上げましたように、この我が国のエネルギー安全保障という意味、あと環境問題という意味で非常に大きな問題があるんではないかと思って、いろいろな話をお聞きしております。ただ、一つ感じますのは、やはり現場で発電所の運用などを行っている方の話もお聞きしますと、一つ検討していただきたいのは、実際にこの規定されているいろんなルール、それと、その現場のオペレーションにちょっとそごが生じているんではないかという気が少しします。何かと申しますと、例えば東京電力の原子力発電所の自動停止があったことを報告しなかったという件でございますが、あれは、オペレーションサイドには問題はあるとは思うんですけれども、なぜ報告しなかったかということをお聞きしますと、報告をしてまた原子炉が、発電所が止まると、それが非常に困るというようなやっぱり問題もあったようなんですよ。  まず、安全が第一ではございますけれども、やはり原子力発電所の稼働率を上げるという観点も必要ではないかと私は思っております。例えば、今、韓国やアメリカの原子力発電所の稼働率を見ると、もう九割近くになっているという状況でございます。一方で、日本の原子力発電所の稼働率を見ると、この数年でどんどん落ちて、もう今七割ぐらいになっていると。この二割の差というのは、もうやはりCO2の排出という意味、また我が国のエネルギーの安定という意味では、私は少しマイナスではないかと思います。  安全と、そして環境問題、エネルギーの安全保障確保という意味で、まあバランスではございますけれども、そのバランスをもっとうまく取っていただきたいと思うんですが、その点につきましての大臣のお考えをちょっとお聞かせをいただければと思います。
  57. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 私は、昨年末にすべての電力会社に、ありとあらゆる過去にさかのぼってデータ改ざん等がないか洗いざらい調べてくれということを大号令を掛けました。なぜこういうことをしたかといいますと、今お話がありました、ささいなことで、原子力安全に全く問題がないのに発表して騒ぎになって、稼働率が落ちたりすることを懸念して発表しないという体質が若干残っていると思います。それを払拭をしたいと思っております。  きちんとその開示をすると、そしてその評価をちゃんとするという文化を定着をさせないといけないんだと思うんです。つまり、小さなことで開示することによって大きな動揺に走るからやめちゃおうということが続くと、重大なことも開示しないということになりかねません。ですから、ちゃんと開示をして、これはこういう原因でこうなんですと、この影響はこの程度で心配ありませんということをきちんと報告できるようにした方がいいと思うんであります。そうしないと、小さなことを隠す体質は大きな事故を隠すということになりかねませんから。だから、開示体質にして、その評価をちゃんと客観的にできるというようにすれば、これは原子力の先進国、まあ日本先進国ですけれども、で行われているちゃんと客観的評価、この事象はレベルこれだけです、心配ありません、この事象はこのぐらいですからきちんとした対処が必要ですという客観評価がちゃんと定着すると思うんです。日本はその評価は作りましたけれども、信頼性といいますか、国民の安心度がいま一つ定着していきません。そこに問題があるんだと思っていまして、まず通常のデータをはみ出たことがあったら報告をすると、そしてそれの評価をちゃんとするという、その文化をちゃんと定着をさせたいということで今やっているわけであります。  それから、稼働率の問題、確かにそうです。稼働率を上げなければいけない、安全を推進しながら稼働率を上げていくという方法が必ずあるはずであります。欧米では運転期間は日本よりも長いです。で、検査期間は日本より短いです。日本は運転期間が短くて検査期間が長い、ですから稼働率が下がります。技術的に検証しながら稼働率を上げる、つまり安心をちゃんと確保させながら、安全性の向上を図る中で、科学的、合理的な検査制度の改善ということはできるはずでありますし、動かしながら検査をできる部分だって当然ありますから、そういうことを相まって、安全を犠牲にしないで稼働率を上げるという方法を模索したいと思っております。
  58. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非、原子力発電所の安全の確保と、そして稼働率の向上を、是非その両立を図っていただきたいと思います。  これは新潟県知事から言われた話なんですけど、保安院をエネ庁から分離すべきだということをおっしゃっていたんですが、私はそうは思いません、絶対。やはり保安院はエネ庁と一緒にやるべきだと思っております。これは私の個人の意見ですけど。  ただ、やはりきちんと、なぜ一体化が必要かと申しますと、先ほど申し上げましたように、原子力の安全とともにやはり原子力発電所による地球環境問題への対応や、あとエネルギーの安定供給ということにつながっていきますので、エネルギー行政一つとして是非とも徹底した安全というものを構築していただきたいと思います。  そしてまた、新潟について最後の質問でございますが、実際に新潟を拝見に伺って、一つ私が印象的だったのが、各工場に天然ガスボイラーが入っているんですよ。それは、内容を伺いますと、経済産業省の方のいろんな推進策、政策で入れていただいて、もう本当に工場のスペースが小さくなるし、あと燃料代がもう半分ぐらいになっているという話をいただきました。ただ、もう一つ感じましたのは、そのような推進策でございますけれども、もっとやっていただけるんではないかと。  ですから、我が国、新潟以外にも天然ガスなどの資源の産出地域ございますが、そういう資源の産出地域に対するいろんな政策を多角的にやっていただきたいと思うんですが、エネ庁長官はこういう我が国のエネルギー産出地域に対するいろんな地域おこしみたいな政策についてどのようにお考えかということについてお聞かせいただけますでしょうか。お願いいたします。
  59. 望月晴文

    政府参考人望月晴文君) 先生御指摘のように、資源の大部分を輸入に頼る我が国において、国内に資源があるということは大変重要なことだと思います。  こういった観点から、国内のそういった資源についての開発の重要性ということにかんがみまして、私どもとしては、例えば天然ガスについて申し上げれば、探鉱事業に対する補助金であるとか開発資金に対する低利融資などを行って、天然ガスのまず開発を行う事業者を一生懸命支援をしているところでございます。  また、この天然ガスの利用に当たって、先ほど先生御指摘になりましたような利用のためのエネルギー多消費型設備を天然ガスに転換してその推進をするというような補助金というものも支給させていただいているところでございます。  こういったことに加えまして、是非こういう天然ガスがあるということが地域にとってもメリットがあるようにということで、その地域自体の活性化のために、例えば、私ども、直接的にはなかなかできませんけれども、地域の天然ガス、今先生おっしゃったように、その料金というものもきちっと下がっている、平均で申し上げますと一割から三割ぐらいは地域のガスの料金というものも低い水準にあるということでございます。地域にとっては自らの資源を活用して地域の活性化につながるという意味ではメリットを感じていただけているところもあろうかと思いますし、加えて、余り指摘はされませんけれども、鉱産税とか固定資産税とか、そういった面で産業としても意味のあるものではないかというふうに思っているところでございます。
  60. 藤末健三

    ○藤末健三君 この国会におきまして中小企業地域資源活用化促進法という、地域の観光資源やいろんな技術力などを使って中小企業が活動するようにしようという話がございますが、是非とも、我が国は余り資源はございませんけれど、そういう地域で資源が産出されるところにつきましては是非ともそういう産出される資源に着目した町おこしみたいなことを、エネ庁の方に申し上げるのもおかしいかもしれませんが、是非とも考えていただきたいと思います。  やっぱり、税制とかあと融資、いろんな幅広いメニューがあると思うんですよ。それにつきまして、もしよろしければ、大臣、お答えいただけますでしょうか。お願いします。
  61. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 今回提出をします法律、法案の一つ地域資源活用企業化促進法というのがあります。これは、地域の産地の技術であるとか農林水産品であるとかあるいは観光資源、これを活用して新たな商品やサービスを生み出していくと、それを市場にどう売り込むかということも含めてトータルに支援をしていこうと。もちろん、試作品を作ったりすることの支援とか、あるいは展示会に出品するための応援とか、いろいろやっていきます。地域にそのサポーター制度というのをつくりまして、そういうその地域資源を活用して地域おこしをやってくださるという方を大臣要請でサポーター指名をしまして、その人たちの力を使って、地域会議所や商工会等々と連携を取って、地域のそうした各種資源を見いだして商品化、製品化していくという政策を提出をさせていただいております。  それと併せて、企業立地新法といいますか、企業がその地域に立地するための総合的な施策、これ六省庁連合体制というのを取りました。先ほどの地域資源も六省庁体制でやっていきますが、そういう各省連携で、しかもワンストップサービスでこれをしっかりやっていきたいというふうに思っております。
  62. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非大臣、力強く推進していっていただきたいと思います。  我々の、委員の中も恐らくこの問題関心ある委員がおられると思いますんで、また御質問があると思います。  私、次に、甘利大臣がなされた大臣所信表明演説についてお話ししたいと思うんですが、私が非常に関心がありますことをおっしゃっておられまして、医療・健康関連産業発展のために基盤整備を推進するということをおっしゃっていただきました。  私は、やはり今この我が国産業というものを見た場合に、輸出型の産業は非常に力があると思いますが、一方で健康、医療という部門については非常に生産性が低いんじゃないかと、国際競争力が低いんではないかと思っております。今回、甘利大臣がイニシアチブを取っていただき、健康、医療に関する産業発展のための関係閣僚とまた産業界、製薬業界や研究機関との集まりをつくっていただき、革新的創薬のための官民対話というものができております。一月三十一日に第一回目の会合を開催されたと聞いています。私は、このような省庁の壁を越えた連携、これを是非行っていただきたいなと考えております。  私、今から四年前ぐらいにフィラデルフィアというアメリカの町にいたわけでございますが、そのとき感じましたのは、日本の製薬企業のほとんどがフィラデルフィアに研究所を持っているんですね、実は。何をやっているかと申しますと、日本で新しい薬品を開発しても、申請して認可を取るのに非常に時間が掛かると。結局アメリカに持っていってアメリカ研究して、アメリカで認めてもらって日本で次に申請をするということをもうほとんどの企業が行っているということを目の当たりに見まして、これは本当に何か根本的な問題があるんではないかと。結局は我が国で作られた薬品技術がアメリカで実用化されているという状況でございまして、私は技術の流出があるのではないかと思っております。  こういう状況につきまして、大臣はどのようにお考えかということをちょっと教えていただけませんか。そしてまた、今回つくっていただきました革新的創薬のための官民対話、これを今後どういうふうに運営するかということについてお考えをお聞かせください。お願いします。
  63. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 先生は気付いていただいておりますけれども、実はマスコミはこの今回の官民対話の重要性を余り認識していただいておりません。これは実は相当画期的なことなんであります。今まで革新的な創薬への技術開発をしていくと、しかしその治験とか審査体制が極めて脆弱であるし、よく分からない規制が一杯あって遅々として進まないと、幾ら頑張っても成果に結び付かないということが指摘されてきました。  私、直接厚労大臣と直談判をやりました。そのときに、厚労省の言い分は、例えば拙速な認可等をして副作用が出たと、その責任は一手に我々が負わなきゃなりませんと。つまり、日本人の命の最後のとりでで預かるから、だからどうしても憶病になるのは致し方がないと理解してくれという話でありました。しかし、だからその治験を遅らせるとかクイックリスポンスをしないということにはならないと思うんですね。きちんとした体制を取って迅速な結論を出すということは、何も審査を甘くするということではないわけでありますから。そこで、大臣リーダーシップを求めましたら、柳澤大臣は分かったということで、画期的なこの官民対話ができたわけであります。  そこで、厚労省と経産省とそれから文科省、それから民間開発製薬会社の方々が相互対話して問題点をあぶり出して、それを、解決の処方せんをちゃんと書いていくという極めて有意義なものができました。  これを、創薬だけでなくて、例えば再生医療の問題点もいろいろあります。規制があってできない、あるいはむしろ、その分野規制を想定していないために全面規制になってしまっていて手が出せないと。例えば、再生医療を研究するのに病院の中での監視下でなきゃできないとか、ベンチャーに委託するのに医者がちゃんと監督しなきゃならないと。医者がその再生医療のプロとは思いませんが、アマチュアがプロを監視するような変な体制を取らなきゃならないとか、いろんな問題点が、非現実的な問題点があります。  そういうのを、安全をしっかりと見極めながらイノベーションが進んでいくということのために、これを是非てこにしたいというふうに思っております。
  64. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非大臣のこのイニシアチブ、どんどん発展させていただきたいと思います。  私も、実は医薬品産業には非常に興味がございまして、過去、この十五年ぐらいの新薬の承認数を見てみたんですよ。そうしますと、九〇年頭ぐらいでエイズ事件が起きたときから突然ぽんと減っているんですよ。そのまま、低いままずっと来ていると。それで、我が国で新薬を開発する努力がどんどんどんどん落ちてきているんではないかと思います。  実際に我が国の医薬品産業を見ると、もう一番大きいところでさえももう株価が非常に低い。恐らく、外国のトップファイブに入っている企業であれば、株式交換で簡単に私はもうMアンドAできると思います、これは。やはり、我が国のこの医薬品産業を守るということ、やっぱりバイオテクノロジーの最後の出口だと私は思うんですよ。  ですから、やはり経済産業省産業という観点から、この医薬の問題、是非取り組んでいただきたいと思います。もう時間が僕はないんじゃないかと思うんですよ、今回、会社法改正されて。何らかの形でテクノロジーを進めていただき、日本企業をもっと強くしていただくことが、やはり日本企業をある意味守るということにつながると思いますんで、是非やっていただきたいと思いますし。また、私が今回のこの官民対話、非常に興味を持って拝見させていただきましたのは、やはり経済産業省が、ほかの生産性が低い、正直申し上げて生産性が低いビジネスに対応するための一つのモデルになるんではないかと思っております。  医薬品の生産性も低いわけでございますけれども、ほかにもやはり、私は農業の問題、農業の生産性をどう上げ、食料自給率を上げ、そしてやっぱり国際競争力にどう勝っていただくか。将来的には、自由貿易協定の展開などを考えた場合、僕は農業の生産性向上はもう喫緊の課題だと思います、私は。  それもやはり、経済産業省は乗り込んでいき、展開していただきたいと思いますし、また、あえて申し上げれば、教育の問題にも、最終的な人材、活躍していただくのは産業でございますので、その産業界から見た教育の在り方みたいなものも、是非経済産業省から乗り込み、議論を進めていただきたいと思いますんで、是非とも、甘利大臣のイニシアチブをまたほかの分野でもやっていただければと思います。  次に、私がお話ししたいのはエネルギー問題でございます。  直嶋委員から非常に環境の問題、エネルギーの問題議論いただきましたが、私も非常にこのエネルギーの問題、関心がございます。大臣所信表明でおっしゃいました中に、エネルギー資源の自主開発と申しますか、安定確保を進めていくという話がございました。私自身、この今エネルギーの問題、直嶋委員がおっしゃるように環境の問題とエネルギーの問題、そしてエネルギーの産業の問題、三つの問題があると思うんですが、私が特に関心が高いのが、石油の需要はどんどんどんどん今伸びていると。  昨年、一バレル七十ドル近くまで行き、一時期は百ドルを超すんじゃないかと言われた石油の価格でございますが、IEAなどの予測を見ますと、石油の需要が二〇三〇年に現在の一・五倍になるんではないかという予測がございます。その一・五倍になる増加分の中で、何とアジアの増加分が五割と。そして、そのアジアの増加分の中でも中国が六割を占めると。ですから、世界の石油の需要の増加のうち三割が中国が占めるというデータがございます。  特に重要なことは何かと申しますと、その増加分のほとんどが中東に頼るんであるという予測でございまして、このアジアの石油需要の増加、そして中東依存の増加ということがございますが、私はもう正直申し上げて、資源の確保を私はもっと進めるべきではないかと思っております。  今、イラン、イラクの問題、またロシアとの問題ありますが、基本的に民間がやっているというスタンスを取っているように私はちょっと横から見ていると見えまして、国を挙げてやはりこの二十年後、三十年後を見据えて資源確保を進めるべきではないかと思っておりまして、そのためにはやはりある程度ODAを使う、五千億もあるODAをどう使うかという議論、あと、今回貿易保険で新しい資源確保のためのメニューを作っていただきましたけど、それをもっと充実させる、あと、政府融資、民間ファンドなどの優遇措置など、いろんな多角的な政策を用い、我が国の資源確保を進めていただくべきではないかと思いますが、その点についていかがでございましょうか、お答えください。
  65. 甘利明

    国務大臣甘利明君) ODAに関しては、戦略的ODAという視点で今ODAの設計をし直していこうという話が進んでいるわけであります。  資源確保に関しましても、円借や技術協力をそのツールとして取り組んでいく。もちろん、資源国は豊かな国があって円借が使えない国もありますけれども、使えるところは使ってやっていくと。それから、FTA、EPA交渉でも、資源の確保と安定供給という点もしっかりと資源国に対しては主張していくということが大事だというふうに思っております。  それから、私は就任をしてすぐ、民間任せの資源開発、資源調達ではいけないと、もっと国がコミットするべきだということを主張をさしていただきました。その一環として、JOGMECの出資、債務保証割合を増やしていくと、あるいは貿易保険に新しい貿易保険商品、資源開発に向けてのですね、をつくっていくという等々もその一環として策定をさせていただいたところであります。  直接、間接、国が相手の資源国に対して物を言う、民間の後ろ盾としてきちんと位置付けがなされるということは極めて大事だというふうに思っております。これからも、御指摘の点をしっかりと受け止めて、資源外交、資源開発、資源調達に努めたいというふうに思っております。
  66. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非、エネルギー外交を力強くやっていただきたいと思います。  私自身、一番思っていますのは、アフリカに一度出張させていただいたことがございまして、そのときにいろんな我が国のODAを見たわけでございますけれど、もう中国の方がやたらおられるんですよ。やたらって失礼な言い方ですけど、非常に多くおられまして、もう会う方々は日本人じゃなくて中国人かというふうに間違えられる。  実際に調べてみますと、何と日本の方がODAの支出は多いんですよね、まだ、アフリカにおいて。ただ、中国の方々はどんどん進出してアフリカの資源保有国に集中的にODAを投下しているという状況でございまして、それが正しいかどうかということはありますけれど、やはり我が国もきちんとした資源確保のために政府が力を入れていただきたいと思います。  そのためには、現在、政府系金融の民営化の議論がございますけど、やはり資源というような国の基盤であるものについては政府系金融機関が支援をするような仕組みをきちんと維持していただかなければいけないと思いますし、また、民間のファンド、今非常に多うございますが、そういうファンドの力を使った仕組みなども是非考えていただきたいと思います。  そしてまた、これは一つお願いなんですが、今、資源エネルギー庁に国際部門がございますけれど、私から見ると非常に人数少ないんじゃないかなという気がしております、正直申し上げて。皆さん、もう徹夜、徹夜で働いておられるような感じがします、私が見ていると。是非とも、エネルギー外交を進めるに当たりまして体制強化なども併せてお考えいただければと思います。大臣が本当に努力していただき、FTAにこの資源確保の条項を入れる動きとか新しい動きをつくっていただいていますので、それを支える組織的な下支えも含めて御検討をいただければと思います。  そしてまた、エネルギーにつきましては、先ほど原子力発電所の問題を申し上げましたけれど、やはり原子力というものは非常に大きな位置付けになるんではないかと思います。大臣所信表明におかれましても原子力エネルギーの環境への対応みたいなことをおっしゃっていただいておりますが、私が一つお願いしたいのは、今、我が国の原子力技術、国際的にも非常に強くなっていると私は思います。ヨーロッパ、アメリカが原子炉を造らない中で、我が国は原子炉の設計、設置をやってきた。やはり、いろんな方のお話を聞いていますと、日本の原子力技術、世界でもすごい高い水準にある。そしてまた、今企業がどんどんどんどん海外の企業と連携を深め、国際展開を始めているわけでございますが、私は是非ともその原子力の、日本の原子力産業のメーカーの国際展開をエネ庁としてサポートをしていただくようなことを考えていただきたいと思っております。  例えば、具体的なことをもう一つだけ申し上げますと、今原子力につきましては国際的に環境対応という意味では余り評価されておりません。例えばCDM、あと共同実施といった他国における環境対応がその国の地球環境対応として評価されるような仕組みございますが、そのCDM、JI、共同実施といったものにつきましてはまだ原子力が対象になっていないという状況でございます。  なぜかと申しますと、国際的に原子力発電が地球環境問題に貢献するという評価にはまだ行き着いていないという状況でございまして、是非とも私はお願いしたいのは、我が国の原子力産業が国際展開をする上で、原子力エネルギーというものが地球環境問題に貢献するということを明確に位置付けていただきたい。具体的に言えばCDMや共同実施、JIなどの対象に原子力を入れるということをやっていただきたいと思うんですが、その点についてお答えいただけないでしょうか。お願いいたします。
  67. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 私、京都会議時代から原子力が地球環境保全、CO2に関しては極めて有効だということをずっと主張してきたんですが、どうしてもその枠組みに入れてもらえませんでした。  近年、原子力発電への回帰をするという現象が少しずつ起こってきました。EUでもそうであり、アメリカでもそうであります。ただ、まだ現時点で、おっしゃるようにCDMとかJIの方にカウントできないと。ただ、二〇〇五年のIEAの閣僚理事会でも、やっぱり原子力を推進することが温暖化ガスを減らすことに極めて有効だという共通の認識が得られる、だんだんだんだん環境整備がなされつつあります。この勢いを加速をして、原子力というものをきちんとそうした枠組みの中に位置付けるその後押し、主張をしっかりとしていきたいというふうに思っております。  前にも申し上げたかどうか、最近は環境学者が地球温暖化を救うのは原子力しかないということを言い出してきています。環境団体で有名なのがあのグリーンピース、かなり過激な行動を取るのでも有名ですけど、このグリーンピースの理論的な後ろ盾になっているのがジェームズ・ラブロックという博士、環境の権威者でありますけども、このラブロック博士が、たとえ変節をしたと言われようとも地球環境、CO2、地球温暖化を救うのは原子力しかないと、変節者と言われようとも自分はこの主張をするというふうにグリーンピースの後ろ盾だった環境学者が近年宣言をしているくらいでありますから、本当に温暖化を心配する方々からそういう発言が出てきたということは、少しずつ原子力の認知度が上がってきたんではないかというふうに思っております。
  68. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非甘利大臣のお力で原子力の国際的な位置付けを明確にしていただきたいと思います。  大臣が、たしか一月だったと思うんですが、アメリカに行かれて、向こうのエネルギー庁長官お話しされて、議事録も読ましていただきました。ああいう動き、アメリカとの連携などを是非大臣にお進めいただければ、我が国のエネルギーの産業がもっと発展していくんじゃないかと思いますので、是非頑張っていただきたいと思います。  最後に、私、公正取引委員会についてお話しさせていただきたいと思います。  私が、思いますと、独禁法の改正担当さしていただきまして、非常に大幅な改正を竹島委員長のイニシアチブの下にやっていただき、そして今実際の運用を拝見していますと、本当に大きく公正取引委員会の活動は私は進んでいると思います。  直嶋議員からもお話がございましたが、ただ、まだもっと仕事をしていただきたいと私は思っておりまして、例えば今話題になっています官製談合防止の問題、直嶋委員からも話がございましたけれど、発注官庁による内部調査を現職の職員、現役の職員だけにするんじゃなくてOBに拡大するということが必要じゃないかという話、また、これは私の意見でございますが、今は各省庁の内部調査でいろんな調査を行っているということでございますけど、やはりこれは第三者の調査にすることが必要だと考えますけど、そういう官製談合の防止に関する新しい取組についてどういうふうに考えておられるかということを委員長からお聞かせいただけませんでしょうか。お願いいたします。
  69. 竹島一彦

    政府特別補佐人(竹島一彦君) 官製談合防止法はこれは議員立法で制定されて改正もされたわけでございまして、その内容について私が余り私の立場で御説明するのはいかがと思いますが、せっかくの御質問でございますので個人的な意見ということになろうかと思いますが。  二点ございまして、OBを規制の対象にすべきではないかと。これは、職員が関与していれば、そのことを公取がその所管省庁大臣にお伝えをして、それで改善措置をとってくださいということをやるという仕組みになっているわけですね。したがって、その受け止められた大臣が辞めてしまったOBに対してどこまで物が言えるのかといえば、これは、恐らくそれは言えないということだと思うんです。したがって、現行の今のような枠組みでは、その改善措置要求の対象にするという意味ではそれは難しいと。  しかしながら、昨日から施行された改正官製談合防止法、これで、職員が入札に関与した場合、もちろんこれは、もちろんでなくて、唆しとかなんとかという話がありまして直罰規定が入ったわけですね。入札談合の関与行為、これをやった場合には、直罰規定が入った、五年とか二百五十万とかいうことが入ったわけですが、このケースに当たる場合にはその現職職員がそのOBと関係していればこのOBも共犯であるということで立件する可能性は十分にあると思うんですが、そうでない場合に大臣に改善措置を要求するというのは、これはちょっと問題があるんではないのかというふうに思っています。  一方で、公務員制度の改革の中で、天下り規制との関係でOBに対して行為規制を掛けてはどうかというお話が検討されているというふうに私は承知しておりますが、例えば接触してはいけないと、自分の出身官庁に一定期間接触してはいけないとか、ましてや口利きとかそういうことをしてはいけないということを取り締まろうという話があると思います。そちらの方が実現をすると今の問題は解消されるのかなと思います。いずれにしても、その前に、今でも外部からOBを含めて口利きみたいなことがあった場合には文書にして報告してということになっていますので、そういう意味でまあ秩序が保たれるのかなということも思っております。  二点目の、事件が起きた場合の職員を指定して調査をさせるということでございますが、これは今の枠組みでも第三者をもって調べてもらうということはできるようになっております。したがって、特別それを第三者にしなきゃならぬという改正の必要性はないのかなと。かつ、改正の官製談合防止法で調査の結果を公表することになりましたから、したがって、その調査結果が甘いということになれば、その公表されたものを見て世間の批判を浴びるということになりますので、そこでも牽制が働いているのかなというふうに考えております。
  70. 藤末健三

    ○藤末健三君 ちなみに、第三者の調査というのを私は強制すべきだと思うんですよ。国交省なんかの調査委員会を見ると、内部の方々が集まって調査をしていますんで、あれでは私は信用が得られないんではないかと思います。ちなみに民主党のその官製談合防止法案のポイントでは、我々はOBまでを対象にしましょうという話でやっていますし、また第三者の調査を義務付けるという方向で考えております。  委員長にもう一つお聞きしたいのは、次期独禁法の見直しが迫っているわけでございますが、その進捗状況はどうなっているかと。  外部で議論している話で委員長が直接はタッチされていないかもしれませんけれど、その中で私が一つ委員長にお聞きしたいのは、優越的地位の濫用、大企業中小企業など下請企業に非常に圧迫をするような状況がございますが、その優越的地位の濫用に罰則を設けることなども私は検討すべきじゃないかと思いますが、その点いかがでございましょうか。
  71. 竹島一彦

    政府特別補佐人(竹島一彦君) 今御指摘の点は平成十七年の独禁法の改正のときに大変御議論がありまして、当委員会でも御議論があって、附帯決議にもその旨が盛り込まれておって、それを反映して平成十七年の夏から内閣府に独禁法基本問題懇談会というものが設けられておりまして、大きな三つのテーマについて議論しておられます。そのうちの一つが今おっしゃった優越的地位の濫用とか不当廉売といった不公正な取引方法に課徴金を導入できないかということでございます。まだ結論は出ておりませんが、内閣府の基本問題懇談会は今年の夏を目途にまとめるということになっていまして、いよいよこの春からそれぞれの課題について集約するべく実質的な議論に入っておられます。  それを踏まえて考え、我々としても対応していきたいと思いますが、下請法というものは現に存在していると。それ以外、それにはまらないような優越的地位の濫用というものに対して課徴金を導入できるかというのは、平成十七年の改正のときにも、今言いましたようになかなか難しい問題があるということは事実です、法律問題として。公正競争を阻害するおそれ程度で課徴金なり罰金の対象にできるのかというそもそも論がありますので、単純に課徴金の対象にするということは非常に難しいという自体は変わっておりません。しかしながら、せっかくの附帯決議もいただいておりますし、衆議院からも同じような御意見もいただいていますので、もうしばらくお時間をいただいて、基本問題懇談会の結論を踏まえて我々としても引き続き勉強していきたいと思っております。
  72. 藤末健三

    ○藤末健三君 経済産業省また公正取引委員会の皆様方におかれましては、本当にこの一年間いろんな活動を進めていっていただいていると思います。是非とも前向きに我が国のために役立つような政策を進めていただくことを祈念しまして、私の質問を終わらさせていただきます。  ありがとうございました。
  73. 弘友和夫

    弘友和夫君 公明党の弘友和夫でございます。  まず、北朝鮮問題に関しましてちょっとお伺いいたしますけれども、大臣はこの所信の中で、「我が国及び国際社会の平和と安全に対する重大な脅威である北朝鮮に対しては、引き続き、経済制裁を厳格に実施し、誠実な対応を促します。」と、このように述べておられるわけでございますけれども、三月八日にあのハノイで開かれました北朝鮮の核問題をめぐる六か国協議の日朝の作業部会におきましては、日本側が改めて拉致問題を提起したわけでございますが、北朝鮮側は拉致問題は解決済みだというこの立場を崩さなかったということで議論は平行線に終わったわけでございます。  それに対するお考えと、次のも一緒にお聞きしますけれども、今朝、未明ですかね、アメリカが金融制裁を解除したという報道もありましたけれども、日本も一部には拉致問題を前面に押し出すのではなく多角的な外交をするべきではないかと、こういったような意見も聞かれるわけですね。このままいっていたら何か置いてきぼりにされるんじゃないかというような話もちらほら聞きますけれども、政府といたしましては、拉致問題が解決しない限り国交正常化は実現しないと、拉致問題の進展がエネルギー支援又は経済支援の前提だという日本政府の方針があるわけでございますけれども、こういう声、それからまた先日の平行線に終わったものに対して大臣はどのように考えられているか、お聞きしたいと思います。
  74. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 先般の協議におきましては、残念でありますが、拉致問題あるいは不幸な過去の清算をめぐっての議論について日朝間の立場が依然として大きく隔たっているということが明らかになったわけであります。北朝鮮側から拉致問題の解決に向けて誠意ある対応が示されなかったということは誠に遺憾であると言わざるを得ないわけであります。我々としては、引き続き粘り強く我が国基本方針にのっとって交渉を続けていきたいというふうに考えております。  それから、こういう中でエネルギー支援の対応をどうするかという話でありますが、先般の六者会合では、北朝鮮の核放棄に向けた具体的な行動を受けまして北朝鮮に対して経済・エネルギー支援が行われることというふうになっております。でありますが、日本としては、拉致問題の進展が見られない限り北朝鮮に対するエネルギー供与については参加しないという立場を取っておりまして、これは他の国に理解をいただいているわけでありまして、こういう姿勢に変更はないということであります。
  75. 弘友和夫

    弘友和夫君 それで、北朝鮮に対する制裁措置の一つとして、先国会、百六十五国会で、外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づきまして北朝鮮からの貨物につき輸入承認義務を課する等の措置を講じたことについての承認を求める件というのがございました。  我々がこれを審査をして成立をさせたわけでございますけれども、この承認案件によりますと、対応措置の期間というのは二〇〇六年十月十四日から今年の四月十三日の間なんですね。四月十三日にはその制裁措置の期間が終わってしまうということなわけですよ。もう今三月ですから、四月。聞くところによりましたら、三月十九日に六か国協議がまた行われ、再度日朝作業部会が開かれるというふうには聞いておりますけれども、無論こうした次の作業部会の会議の進展を見なければならないわけですけれども、十三日にこの期間が終わってしまうという、それまでに国会承認もまた必要じゃないかと思うんですけれども、そういう中で、拉致について進展がなければ今までどおりの制裁措置は続けるんだと、このように考えてもよろしいかどうか、お聞きしたいと思います。
  76. 甘利明

    国務大臣甘利明君) お話しのとおり、この制裁措置は一応期限が半年でありまして、その半年のときに次はどうするかはまた考えるということになっているわけであります。そこで、その半年が四月の十三日であります。これが近づいてきていると、そこでどうするんだということであります。  北朝鮮に対しましては、御案内のとおり、対話と圧力という考え方で対応するということにしておりまして、それが重要なわけでありますが、まず、北朝鮮が我が国及び国際社会の要請について誠意ある対応を取るかどうかを見極めていくということが必要であります。その上で、圧力である輸入禁止措置の取扱い、それ以降もどうするかということについて決めるわけでありますが、これは、相手の対応そして国際社会の動き等も踏まえて政府全体として総合的に判断をしていくということになろうかと思います。
  77. 弘友和夫

    弘友和夫君 いずれにしても、やはり毅然とした、所信に述べられているとおりの態度を取っていただきたいというふうに思います。  次に、エネルギー・環境問題についてお尋ねしますけれども、先ほど来議論があってございましたけれども、エネルギー基本計画、先週の金曜日に初めての改定がされて、三年ごとに見直すことになっているわけですけれども、されました。  今回のこの改正というか、前回と違う重要部分の背景、そしてまた前回の基本計画との主な変更点等につきまして、簡単で結構ですけれども、お答えをいただきたいと思います。
  78. 甘利明

    国務大臣甘利明君) エネルギー政策基本法の中にエネルギー基本計画を作って、そして国会に報告をするということが規定をされているわけであります。エネルギー基本計画は、先十年を見通して三年ぐらいで見直していくということで、ちょうどその期間が来たわけであります。  変更点は何点か、変更点といいますか、前回の基本計画からの変更点は何点かございます。  まず第一点は、資源確保に向けた取組。その取組として、首脳や閣僚レベルでの資源外交や、あるいはODAの戦略的活用などを明確に位置付けたと。二点目としては、原子力推進取組を拡充をしたということでありまして、高速増殖炉サイクルの早期実用化、エネルギー安全保障の確立と地球温暖化の問題を一体的に解決する原子力、これを推進をしていくということであります。それから、三点目としては、日本世界に冠たる省エネ技術、この戦略の構築、省エネルギーのための新たな取組を盛り込みますとともに、地球温暖化問題における実効ある国際的な枠組みを主導していくということとしたわけであります。  それらが主な改正点でありますが、エネルギーの安全保障とそれから地球温暖化と、この双方に全力で取り組んでいきたいというふうに思っております。
  79. 弘友和夫

    弘友和夫君 それで、今回の基本計画の前提として新・国家エネルギー戦略は昨年五月に発表されましたけれども、二〇三〇年までに原油の自主開発比率を四〇%程度にすると。今まで一五%であったのを大幅にこれ伸ばして自主開発比率を四〇%にするんだと。また、今回の基本計画でも、今もお答えがありましたけれども、資源開発国との戦略的、総合的な関係強化等うたっているわけですが。  昨年、日本はイランのアザデガン油田開発の権益、今まで七五%持っていたのが一〇%に減ってオペレーションシップを失ったと。自主開発化率は一五%から四〇%にしますよという大きな目標があり、それから、そういう戦略的、総合的な資源開発の強化をするという方向性に対して、個別のいろいろな問題、例えばこのアザデガンにしてもそうだと思うんですけれども、少し挫折しているんじゃないかなという気がするわけですけれども、こういう目標に対して具体的にどう進められようとしているのかお答えいただきたい。
  80. 甘利明

    国務大臣甘利明君) イランの問題は安全保障上の問題が絡んでいて極めて言わばタッチーな案件でありました。民間企業とはいえ政府出資の会社でありますし、これがどういう対応を取るかというのは、資源外交だけではないいろいろ波及をする問題がありました。そういう形で、七五パーを一〇パーまで引き下げて、しかし糸はつないだということで、なかなか厳しい中での最善の選択だったというふうに思っております。  ただし、御指摘のとおり、今の一五%をどう四〇パーにするのかと。個別案件については厳しいニュースがたくさん入ってきたわけであります。サハリンの問題についても落ち着いて形が整ったわけでありますけれども、しかし一時はどうなるかというような話がありました。  その際にも、国がただ傍観をしているだけかという御指摘を随分いただきました。決してそうしていたわけではありません。水面下での作業はあったわけでありますが、私が就任をしまして、もっと資源開発に国がコミットした方がいいと。日本アメリカやEU、ヨーロッパ諸国が持っているようなメジャー、大資本の石油開発会社というのを持っておりません。そういう中で政府がしっかりとかんでいくということが大事でありますから、そういう点で、先ほど来資源外交という話がありました。首脳外交もそうでありますし、FTA、EPAもそうでありますが、併せて、資源機構の出資比率を引き上げるとか、あるいは貿易保険に資源開発の新たな商品を作っていくとか、あるいはJBIC、新政府系の機関に統合されてもJBICがJBICとしてその名前を使ってきちんと国際舞台で活躍できるようにするというもろもろの政策を、しっかりと取り組み、官民を挙げて資源戦略を進めていくということが極めて大事でありまして、それをもってできるだけ四〇%に近づくような努力を続けていきたいというふうに思っております。
  81. 弘友和夫

    弘友和夫君 それで、次に省エネ対策でございます。  先ほど直嶋先生も御質問がありましたけれども、まず省エネ対策、今回はセクター別ベンチマークアプローチを新たに導入すると、こういうふうに。まあ大臣は御存じでしょうけれども、この言葉自体が、今からそういう意識も含めて各企業とかそれぞれにやっていかないといけないときに、セクター別ベンチマークアプローチを新たに導入すると、この言葉自体がまず、何でこんな言葉を、まあ専門家の皆さんは常識かもしれませんけれども、もっと分かりやすくやっていただきたいなと思うんですけれども。  それで、先ほど直嶋先生の質問の中で大臣は、京都議定書はやっていかないといけないけれども、アメリカや中国、インドなんかを含めた新しい枠組みが大事なんだと。それは当たり前、その次の段階で、次というのか、今からもやっていかないといけないでしょうけれども、そういうのを引っ張り込んでやらないと実効性もないということはもうそのとおりだと思うんです。ただ、何かこうお聞きしておりましたら、次が大事で、今の京都議定書はこれはもうなかなか難しいなみたいなニュアンスが、まあ私の思い過ごしかもしれませんけれども、伝わってくるというか。  私は、京都議定書、この六%、八%、一四%、これは、その枠組み、アメリカが入っていない、いろいろあるかもしれないけれども、これは実現する、約束を達成するという、これはやはり経産省としても強い覚悟を持って、これは政府全体で持っていただきたいなと思うんです。それは、これだけではもちろん地球が救えるかどうかは分からない。だから、本当に全世界がこのそういう意識にならないといけないんですけれども、まずこの京都議定書をやるんだという、これはあらゆる省庁、特に経産省もそういう、大臣、意識を持っていただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
  82. 甘利明

    国務大臣甘利明君) まず、ベンチマークのことであります。  ちょっと分かりづらいということですが、要するに省エネというのを客観的に測る指標ですね。自分のところとよそのところを比較して、同業他社を比較して、あっ、この点がまだうちは足りないとか、この点は頑張っているとかいうのが比較しやすい、目に見えやすい指標を作って努力をしているということであります。  それから、京都議定書の達成に関してであります。  これは、結論からいうと、全力で達成しなきゃならないと思っておりますし、そのための努力をしてまいります。今、基準年に比べて八・一%、基準年から六パー下げるということを考えれば、今から一四・一パー下げなきゃならないと。ただし、ここには東電の原発が止まってCO2が石油、火力等々をたいて出ちゃったという分が二・三ありますから、正確に言えば五・八、五・八と六ですから一一・八下げなきゃならないということであります。これは、目達計画に従って、あるいはその経団連の自主行動計画も更に深掘りをして、達成するために全力を挙げてまいります。
  83. 弘友和夫

    弘友和夫君 さっきもありましたけれども、省エネ対策の予算がだんだん少し減ってきていると。例えば、太陽光発電の補助金も伸びてきたら減らすわけですよ。で、全部減らして、今度は全部打ち切ってしまったというような、これ、今こそそのどっとこう普及するというか、大事なときに減らしていっている。  私、新潟視察したときに、先ほど藤末先生から話ありましたけれども、重油から天然ガスに切り替えたと。ある工場は去年だけで八千万ぐらい浮いたというんですね、まあ重油も高かったんでしょうけれども。もう一つのところは今年一年で投資したすべてを回収したと、こういう効果があるわけですよ。だから、むしろ、私は素人考えでも、あそこ、新潟は天然ガス出るから、あれも安いんでしょうけれども、これはもう一気にこの全国、あるいはCO2だって削減できるし、中小企業対策よりも、毎年何千万も浮いてくるような話は、これはやるべきじゃないかなというふうに、だからそれを大胆に何かそういうのをやっていただきたい。これ、少し進めば、それは補助金やめるとかそんなことじゃいかぬのではないかなというふうに思っております。  もう時間が参りましたので、あと、メタンハイドレードという、この日本、この近海に百年分の、この天然ガスの消費量の百年分に相当するものが埋まっていると、こういうものだとか、またCO2の回収を地下にやれば、これも百年分ぐらいの回収が貯蔵できるというようなこともありましたけれども、時間が参りましたのでまた別の機会に質問させていただきたいと思います。  以上で終わります。
  84. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 鈴木でございます。  先日の大臣の所信を受けまして、大臣の所信多岐にわたっておりましたが、今日は一つの大きなくくりの中で質問をさせていただきたいと思います。  そのくくりと申しますのは、格差でございます。格差といってもいろいろあります。大企業中小企業、正規雇用、非正規雇用、それから輸出関連産業と内需関連、様々ありますが、ここで私が大きく取り上げたいのは、都市と地方でございます。この地域間の格差について大臣考えを伺いたいと思います。  今朝のちょうど新聞に統一地方選首長アンケートというのがありまして、この中でのアンケートの中で、一番その関心がある、ひとつやってほしいというのがトップが福祉でございますね、福祉政策。二位、三位が地方財政の再建、そして地域経済の活性化。これが、都市部はこの福祉政策が多いんですけれども、地方の首長さんたちはどうしてもその地域の活性化、地域間の格差を何としても是正してほしい、こうした願いがアンケートの中にも見られるわけでございます。  今月の六日、内閣府で平成十六年度県民経済計算を発表いたしました。この調査の中から四十七都道府県の地域間格差、拡大している傾向が明らかになっております。一人当たりの県民所得、最も多い東京都が四百五十五万円、これは大ざっぱな数字でございますが、四百五十五万。前年度比が一・二%増。最も少ない沖縄が四十七番目で百九十九万円、この差が二百五十七万円でございます。数値化した変動係数が一五・五七前の年よりも拡大している、これが実情でございます。小泉政権が誕生した平成十三年度の一三・八二%から三年連続で拡大をしています。東京都と沖縄の格差、十八万円もこれは広がっているわけでございます。ちなみに、秋田県も順位を、ランクを一つ、四十一位から四十二位に下げました。  こうしたように、様々な経済指標の中で、我が国のその全体の経済は引き続き拡大しているというのは分かるんですが、国民の皆さんが本当にその景気回復を実感できるような状況にはないと思います。特に、地方国民の皆さんの目線からすれば、緩やかな回復、景気拡大ではなくて、グローバル化の進展で、賃金は下がってしまった、十五年余りの不況が続いて格差が拡大し続けている、これが景気回復を実感できない地方の皆さんの実感ではないかと思います。  そこで、所信演説では、なかなか時間の制約等、それから紙面のスペース等、制約があったと思うんでございますが、言及できなかったと思うんですけれども、この地域間の格差につきまして、東北地域経済の実情も踏まえて大臣の方から現状の認識を伺えればと思います。
  85. 甘利明

    国務大臣甘利明君) おっしゃいますように、日本全体で取りますと緩やかな景気拡大でありますが、地域間格差がかなりあるということであります。  東北地域経済全体、全体でいえば、やはり緩やかであるけれども改善していると。しかし、雇用とか個人消費の動きは必ずしも強くはないと。一人当たりの県民所得を見ても、東北地域のこれはすべての県で全国平均を下回っていると。ですから、東北地域の全体の底上げはまだまだと。しかも、その中で更にばらつきがあるということであります。雇用動向で見ますと、山形、宮城、福島、南の三県と比べて、青森、秋田、岩手、北の三県は依然として改善の動きが弱い状況ということであります。  ただし、明るい兆しも見えていると。TDKが秋田に立地をした、NECが山形、鶴岡ですか、に投資をするということで、新規の民間企業設備投資も行われつつあるといういい材料も少しずつ見えてきているのではないかというふうに思っております。
  86. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 少しずつ明るい兆しもあるというお話をいただきましたが、地域間格差是正のためには様々な方策が必要だと思います。  そこで、現状認識をいただいた上で、さあ、ここで何が必要かというところを大臣に伺いたいと思うんでございますが、私も経済産業委員会、三年所属いたしまして、様々な意味地域の活性化、地域の頑張りをいろんな形で質問をさせていただきました。  その中で、今まで法案でも様々な支援策、地域頑張れという支援策が出てまいりました。言ってみれば、お医者さんに行って細かい治療薬を一杯もらいました。目の前にずらっと並びました。ところが、これが地域の活性化、地域間格差の是正のためにどれが一体特効薬なのかなと選ぶのにちょっと苦慮してしまう。また、改正されて変わってしまった法案もあります。  いろんな細かい張り合わせもありますけれども、そういったものじゃなくて、今度は是非、太い方針の、細かな方針はたくさんあるんで分かるんですけれども、鉄砲の弾はちっちゃいんですが、大砲の弾のような大きなものをひとつ経済産業省として撃っていかなきゃいけないんじゃないか。これこそが地方の、地域の頑張りを応援する起爆剤になるんじゃないか。  先ほど、お話出ました経済戦略大綱関連三法案、これは八省庁もありますし、六省庁連携するということで甘利大臣がこの六省庁リーダーシップ的な立場をお取りになっているということも伺いました。そうした意味では、省庁間の壁を越えた連携も必要でありますし、様々な方策の中でも太いもの、これぞ経済産業省の方針である、地域頑張れ、応援する、そうした意気込みというのは必要だと思いますが、その辺の地域活性化の具体的な大臣の御決意を伺えればと思います。
  87. 甘利明

    国務大臣甘利明君) 一番私が大事だと思っていますのは、その地域ごとに雇用とかその地域の税収を生み出す仕組みをどうつくっていくかということが大事だと思うんですね。もちろん、財政の豊かなところから税収が上がって、それを国が再配分機能で財政事情の厳しいところに交付税その他で配分をしていくということはもちろん大事なことでありますが。  あと、地域の自立という意味では産業立地、企業立地政策が一番大事だと思うんです。今までもいろいろやりました。やりましたけど、決定的になっていないのは何だろうかと。実は熱心な知事さんとか熱心な市長さんは企業に、あなた方にとってこの地域にもっと投資してもらうことに関して何が必要ですかという御用聞きをしていらっしゃる方もあるんです。そういう中で、企業側からもアンケートを取ってみますと、やっぱり行政のクイックリスポンスですね。つまり、何か行政に許認可申請をするときにたらい回しになっちゃったり、又はこれはあっち、これはあっちでその連携が取れていなかったり、そういうのが嫌になっちゃうんですね。  ですから、インフラ整備も大事なんですが、工業団地を造って工業水道を引いて道路云々というのも大事ですが、要は行政がワンストップで全部対処するという姿勢が大事。それから、企業立地、産業集積にとって必要な例えば人材をどう供給するかをちゃんと企業と連携を取ってやれると。その地域に、近所にある工業高校や高専とどう行政が連携を取りながら期待される人材を供給していくか、あるいは授業のカリキュラムにそういうものを入れていくかという、そういう連係プレー、連係プレーの下にワンストップでできるということが大事なんですね。  そういう体制をしこうというふうに思って六省庁体制をしきました。中央の六省庁体制もワンストップでありますし、地域の六省庁体制もつくってワンストップでできるようにしました。次は、県や市がワンストップでやってもらいたいんです。そういう連係プレーができるような仕組みを出したいと思っています。  あわせて、企業立地が進んで税収が上がってきたと、そうしたら交付税減らされたと、頑張ったら褒美が減ったという今仕組みですからね。これを何とかしなきゃならないということで、就任してすぐ総務大臣と相談して何か考えてくれということで、それで特別交付税、特交でその減り方を少なくすると。つまり、手元に残る部分が多くなるようにするという仕組みを総務省と連携してつくってもらいました。これも本邦初だと思いますが。  そうやって、努力が形になるような企業立地、地域振興策を取っていきたい。それ以外に、もう一つ地域資源を活用して新しい商品、サービスをつくっていく、それを応援するという、この二本立てで行きたいと思っております。
  88. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 大臣、ありがとうございました。  各法案につきましては、またいろんな形で私も地域活性化、地方の事情を御説明しながら質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  ありがとうございました。
  89. 伊達忠一

    委員長伊達忠一君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後零時五十五分散会