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2007-06-12 第166回国会 参議院 外交防衛委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十九年六月十二日(火曜日)    午前十時三分開会     ─────────────    委員の異動  六月七日     辞任         補欠選任         小泉 昭男君     南野知惠子君  六月八日     辞任         補欠選任         南野知惠子君     小泉 昭男君      松村 祥史君     福島啓史郎君      犬塚 直史君     櫻井  充君      白  眞勲君     山本 孝史君  六月十一日     辞任         補欠選任         櫻井  充君     犬塚 直史君      山本 孝史君     白  眞勲君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         田浦  直君     理 事                 岡田 直樹君                 山本 一太君                 浅尾慶一郎君                 柳田  稔君                 高野 博師君     委 員                 浅野 勝人君                北川イッセイ君                 小泉 昭男君                 櫻井  新君                 関口 昌一君                 犬塚 直史君                 喜納 昌吉君                 佐藤 道夫君                 榛葉賀津也君                 白  眞勲君                 浜田 昌良君                 緒方 靖夫君                 大田 昌秀君    国務大臣        外務大臣     麻生 太郎君        防衛大臣     久間 章生君    副大臣        外務大臣    浅野 勝人君        防衛大臣    木村 隆秀君    大臣政務官        外務大臣政務官  関口 昌一君        外務大臣政務官  浜田 昌良君        防衛大臣政務官 北川イッセイ君    事務局側        常任委員会専門        員        泊  秀行君    政府参考人        外務大臣官房審        議官       佐渡島志郎君        外務大臣官房審        議官       本田 悦朗君        外務大臣官房審        議官       猪俣 弘司君        外務省アジア大        洋州局南部アジ        ア部長      渥美 千尋君        外務省北米局長  西宮 伸一君        外務省中東アフ        リカ局長     奥田 紀宏君        外務省経済局長  小田部陽一君        外務省国際協力        局長       別所 浩郎君        農林水産大臣官        房参事官     小山 信温君        水産庁漁政部長  竹谷 廣之君        水産庁資源管理        部審議官     五十嵐太乙君        経済産業省製造        産業局次長    内山 俊一君        防衛省防衛政策        局長       大古 和雄君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○新たな時代における経済上の連携に関する日本  国とシンガポール共和国との間の協定を改正す  る議定書締結について承認を求めるの件(内  閣提出衆議院送付) ○戦略的な経済上の連携に関する日本国チリ共  和国との間の協定締結について承認を求める  の件(内閣提出衆議院送付) ○経済上の連携に関する日本国タイ王国との間  の協定締結について承認を求めるの件(内閣  提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 田浦直

    委員長田浦直君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  現在、本委員会に付託されている条約の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務大臣官房審議官佐渡島志郎君外十二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 田浦直

    委員長田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────
  4. 田浦直

    委員長田浦直君) 新たな時代における経済上の連携に関する日本国シンガポール共和国との間の協定を改正する議定書締結について承認を求めるの件、戦略的な経済上の連携に関する日本国チリ共和国との間の協定締結について承認を求めるの件及び経済上の連携に関する日本国タイ王国との間の協定締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。  まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。麻生外務大臣
  5. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) ただいま議題となりました新たな時代における経済上の連携に関する日本国シンガポール共和国との間の協定を改正する議定書締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  新たな時代における経済上の連携に関する日本国シンガポール共和国との間の協定は、平成十四年十一月に発効しました。その後、平成十八年四月に、物品及びサービス貿易の更なる自由化及び円滑化を目指して、改正交渉を開始することが決定されました。  交渉の結果、改正議定書案文について最終的合意を見るに至ったので、平成十九年三月十九日に東京において、我が方安倍内閣総理大臣先方リー首相との間でこの議定書署名が行われた次第であります。  この議定書は、現行の協定の内容を部分的に改め、我が国シンガポールとの間で物品及びサービス貿易を更に自由化及び円滑化するものであります。  この議定書締結により、両国経済が一段と活性化されることが期待されます。  よって、ここに、この議定書について御承認を求める次第であります。  次に、戦略的な経済上の連携に関する日本国チリ共和国との間の協定締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  平成十八年二月以来、両国間で本協定締結交渉を行ってきた結果、平成十九年三月二十七日に東京において、私と先方フォックスレイ外務大臣との間でこの協定署名を行いました。  この協定は、両国間において、物品サービス及び資本の自由な移動を促進し、知的財産保護を確保し、競争、ビジネス環境整備等分野での協力を強化するものであります。  この協定締結により、幅広い分野において両国間の経済上の連携が強化されます。そのことを通じ、両国経済が一段と活性化され、また、両国関係全般がより一層緊密化されることが期待されます。  よって、ここに、この協定について御承認を求める次第であります。  最後に、経済上の連携に関する日本国タイ王国との間の協定締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  平成十六年二月以来、両国間で協定締結交渉を行ってきた結果、平成十九年四月三日に東京において、我が方安倍内閣総理大臣先方スラユット首相との間でこの協定署名が行われた次第であります。  この協定は、両国間において、物品及びサービス貿易自由化し、資本の自由な移動を促進するものです。また、知的財産保護を確保し、ビジネス環境整備人材育成中小企業等の幅広い分野での協力を強化するものです。  この協定締結により、幅広い分野において両国間の経済上の連携が強化されます。そのことを通じ、両国経済が一段と活性化され、また、両国関係全般がより一層緊密となることが期待されます。  よって、ここに、この協定について御承認を求める次第であります。  以上三件につき、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いを申し上げます。
  6. 田浦直

    委員長田浦直君) ありがとうございました。  以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  7. 犬塚直史

    犬塚直史君 おはようございます。民主党犬塚でございます。  今日は、ただいま趣旨説明がありました東アジアシンガポールタイ、そして中南米のチリと、この三本のEPA締結について質問いたします。民主党は基本的に賛成でありますけれども、今日ここに、これほとんどシンガポール資料は入っていないんですけれども、この二本の経済連携だけでもこれだけの資料を用意しなければならないと。大変な作業だと思うんですが、これを今後とも積極的にやっていただきたいと。民主党は基本的には賛成立場であります。  しかし、今後この東アジア南アジア、特にASEANとのEPA締結まで視野に入れておるということで、例えば今、内閣府の経済社会総合研究所川崎博士試算によると、ASEANとこの経済連携を結んだときには日本実質GDPの約一・三兆円増加を見込んでおるというような試算さえあるぐらいですから、是非積極的にやっていただきたいと思うんですが、一方では、いったんこの経済連携を結んだとしても、その経済連携を結んだ地域紛争地域に陥ってしまうようなことがあれば、これは逆に物すごい経済的な損失になって経済連携どころではなくなるということもこれまた事実でありまして、そういった視点から今日は、平和構築ツールとしての経済連携という視点で今日は質問をさせていただきたいと思っております。  そういった平和構築ツールというふうに考えますと、我が国が長年経済支援を行ってきたスリランカ、そしてフィリピン、この辺に関する質問からまずは始めさせていただきたいと思っております。  そこで、スリランカなんですけど、御存じのようにスリランカは、戦後我が国に課せられた賠償を他国に先駆けて自発的に放棄をした伝統的な親日国家であります。二十年以上にわたってスリランカ政府LTTE、タミル・イーラム解放のトラという武装勢力の間で内戦が続いておりましたが、これはノルウェーなど主導した枠組みで二〇〇二年に停戦合意に至ったと。  ノルウェーの、例えば私も会ったことがあるんですが、ノルウェジアン・リフジー・センターなどというところは、これは大変な活動を長年やっているところであります。我が国も、和平構築日本代表として明石国連事務次長を任命をすると。さらには、二〇〇三年に我が国で五十一か国の参加を得てスリランカ復興開発に関する東京会議をやったと。ここには、日本、米国、ノルウェー、EUも参加をして開催をされたということなんですけれども。  ここで配付をした資料を見ていただきたいんですが、「スリランカ人道危機」というこの資料を見ていただきたいと思います。  ①が国内避難民、IDPと言われている国内避難民が三十万五千人、約三十万五千人とここに書いてあるんですが、ちょっと注意していただきたいのは、これが二〇〇六年の四月から二〇〇七年の三月までの一年間だということなんですね。UNHCR、国連難民高等弁務官事務所によれば、現在、累計では四十六万五千人の国内難民がいるという報告になっておるんですね。経済連携以前の問題に国が陥りつつある、いや、もう陥っているのかもしれないという状況だと思うんですが。  そこでまず質問をしたいんですが、実は明石代表スリランカに、スリランカ政府武装勢力との和平交渉再開を目指して現地に入っていたと。六月九日、現地記者会見で、当事者スリランカ国民である、国民らが決意を固める必要がある、どんなに強力であったとしても部外者は忍耐強くならなければならないというコメントを発表しているんですね。  私は明石代表にこの委員会出席要請をしたんですが、かなわなかったんですが、まず出席要請に応じられなかった理由を聞かせていただけますか。
  8. 渥美千尋

    政府参考人渥美千尋君) 渥美でございます。  明石代表は、六月の初めに十四回目のスリランカ訪問をいたしまして、日本政府スリランカ和平並びに復興についての代表として、先方政府その他いろんな方々と協議して帰ってまいりました。  明石代表につきましては、従来、政府からお願いして何回も行っていただいてはおりますけれども国会等の場につきましては、私ども政府の方から直接お話しさせていただくということで、ずっとこういう場には来ないということになっておりましたものですから、恐縮でございますけれども、今回、それから御本人も時間的にも余り時間がなかった、相当直前の御依頼であったこともあり、今回は失礼させていただきました。
  9. 犬塚直史

    犬塚直史君 今二つのことを言われたんですね。直前依頼であるから応じられなかった。確かに、この依頼をしたのは昨日でありますので、時間的に間に合わないということだったらまだ分かるんですけれども、その前におっしゃったのは、こういうところには来ないことになっておるということをおっしゃるんだったらば、やっぱりこれは納得できないわけですね。  これだけ、今日も新しいニュースが入るぐらいいろいろ事態が動いているときに、これから自由と繁栄の弧といって本当に日本平和構築に関してベストプラクティスをどうやって積み重ねていこうかというときに、やっぱり現場のことを一番よくお分かりになっている方に委員会に是非来ていただきたいと思ったんですが、来ないことになっているというのはどういう意味なんですか。
  10. 渥美千尋

    政府参考人渥美千尋君) 失礼いたしました。  言い方を少し誤解を招いたかもしれませんけれども、私ども、本省、外務大臣の下、スリランカに対する政策を決めると。もちろん、政府全体としてもやっていますが、その先の責任者といたしましては担当局担当部がやっていますので、そういう意味で、私どもがお願いして行っていただくと、そういうことなものですから、実際にやったことにつきまして、実際の行動につきましては担当の部局から御説明させていただくというのが基本かなと思っております。
  11. 犬塚直史

    犬塚直史君 それでは、具体的に昨年の十一月、子ども武力紛争に関する国連特別代表顧問アラン・ロック氏という方の報告を受けて、この配付資料に出ている④の拉致・強制失踪、これは千人と書いてあるんですけれども、よく分からないんです、約千人と。この国連特別代表報告によると、この多くが政府が支配する地域で起こっている強制失踪であると。しかも、政府軍協力関係にあるカルナ派が行っておる、場合によっては政府軍もこれにかかわることがあると、こういう報告が出てきたのを受けて、スリランカ政府及び大統領がこれに関する調査を去年の十一月に約束したとなっておるんですけれども、その後の進展をお知らせください。
  12. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) 事実関係ですから、私から答えさせていただきます。  犬塚先生指摘のように、政府軍LTTEとの間の大規模な軍事衝突が発生した去年七月以降、虐殺事件強制失踪事件が多発をいたしておりますので、スリランカ政府は、国内法律専門家人権活動家などから構成される事実調査委員会設立をしております。この委員会では十六件の人権侵害事件に関する現地調査を順次実施していると承知をしております。  それから、スリランカ政府は、この事実調査委員会活動が国際的な基準に沿って行われることを担保するため、この活動を監視する機関として、様々な国や国際機関が推薦する専門家で構成される独立国際有識者グループ設立をしております。日本からはこの国際有識者グループ横田洋三中央大学法科大学院教授派遣をしておりまして、事実調査委員会による調査が適切に進展されるように、それから人権侵害問題へのスリランカ政府の取組がきちんと対応するようにという働き掛けをしているところであります。
  13. 犬塚直史

    犬塚直史君 ということは、ここに大変信頼できる日本人先生参加をしておられるIIGEPですか、これの調査信頼を今しておる状況だということですね。それでよろしいでしょうか。
  14. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) 当面はスリランカ政府がこうした調査委員会、そしてそれがきちんと調査をすることを担保する国際的な有識者グループ設立してこのことと取り組み始めたところですから、これを信頼して進展状況を見守ってまいりたいと思っております。  それから、付け加えますと、犬塚委員先ほど指摘のあった明石政府代表は、政府代表になってから十四回目になりますが、スリランカ訪問、十四回目になりますが、六月五日から九日間スリランカを訪問した際に、ラージャパクサ大統領、それからサマラシンハ人権大臣と会談をいたしまして、強制失踪事件などについての日本政府の懸念を伝達をするとともに、人権状況の改善のための努力を改めて要請をしております。  これに対して、ラージャパクサ大統領から、徹底した捜査により真相を解明する努力を懸命にしてまいりたいという発言があったと報告をいただいております。
  15. 犬塚直史

    犬塚直史君 もう一度確認しますけれども、例えば国連人権高等弁務官のルイーズ・アーバー氏、あるいは先ほど来お話の出ております超法規的殺害に関する国連特別報告者フィリップアルストン氏その他が国際人権監視団派遣提案をしておると。こういう国際人権監視団派遣することによって、例えばネパールなんかでは人権侵害抑止力になった例があるということなんですけれども政府は今のところこれを支持していないと、これでよろしいですか。
  16. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) 私どもも、二〇〇五年の十一月から十二月にかけてスリランカを訪問したフィリップアルストン国連特別報告者が、これはやはり国連スリランカで本格的な国際人権監視団設立すべきだという提言をしていること、その他、その必要性国際機関の様々な立場の人が言及していることを承知をしております。そして、その必要性がないので支持をしないなどと今考えているわけではございません。  せっかくスリランカ政府が自らこういう努力を、先ほど申し上げましたようなこういう努力をして事実の解明に当たりたいといってスタートをさせたところでありますから、まずその成果を見守りたいと。そして、将来、その進展具合によっては国連人権監視団派遣必要性が具体的に議論をされてくるという事態になりましたら、日本政府としても当然その必要性について真剣に対応することになります。
  17. 田浦直

    委員長田浦直君) 犬塚君、ちょっと待っておってくださいね。  ちょっと速記を止めてください。    〔午前十時二十二分速記中止〕    〔午前十時四十二分速記開始
  18. 田浦直

    委員長田浦直君) 速記を起こしてください。  委員会を再開します。
  19. 犬塚直史

    犬塚直史君 もう一度最後質問を繰り返しますが、副大臣の答弁で、取りあえずこのスリランカ人権状況については、スリランカ政府が約束をしている調査の、せっかく自分の国でやっているんだから、この調査結果が出てくるのを待ちたいと。それからもう一つは、国際独立有識者グループIIGEPですか、こちらにも日本代表する横田洋三先生が入っているから、取りあえずその国際的な人権監視団派遣というのはちょっと待てよと、こういうお話だった。そこまで行ったと思うんですけど、それでよろしいですか。
  20. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) 繰り返しますけれども国連人権監視団が必要ないと考えているわけではありません。せっかく自らの手で事実関係調査して明らかにしていきたいという自助努力の表明がありますから、その進展具合を見守りながら、先ほどのアルストン国連特別報告者の意見などを基に、どうもその結果が思わしくないと、やはり国連から人権監視団派遣する必要があるのではないかというような議論が将来出てきた場合には、日本政府としては当然それに対応をして考えていくという意味であります。
  21. 犬塚直史

    犬塚直史君 私はそこのところがよく分からないんです。どうして日本政府はあたかもはれものに触るようにこの調査を、そもそも当事者であるスリランカ政府がやろうとしている調査、まあそれはやらないよりやった方がいいに決まっているんですけれども独立、中立している機関がしっかりと調査をしないことには国際社会信頼は得られないと。どうしてそこで一歩引いてしまうのかなというのが私は分からないんですね。  特に、報道によれば、政府LTTE、この武装勢力ですね、双方による挑発行為、これはもう脅迫、超法規的殺人、公共の場での死体遺棄というところまで発展をしておると。しかも、人道援助物資は、官僚手続の障害、アクセス欠如援助従業者への攻撃などによってますます被害者に届かなくなっていると。去年の八月には、アクション・コントル・ラ・ファム、これはフランスの団体ですが、この団体構成員が十七名が殺害をされておりまして、ここで言われているのは、ここで停戦監視を行っている、ノルウェー等がやっているスリランカ監視団があるんですけど、ここで何言われたかというと、これはもう政府責任だと、このノルウェーがやっているスリランカ監視団によって政府責任だと断定をされているんですね。  こういう、もう事態がここまで来て、しかも、先ほどの国連アルストン氏なんかは二〇〇五年のレポートで、警察や軍によって行われる拷問や虐待、また様々な武装集団によって行われる組織的殺害というのをこれ報告しているわけですね。  事ここに至っては、もうその自助努力を任せるって、自助努力に任せるというのは、自助努力をして経済的な発展ですとかあるいはインフラの整備なんかやるのを、自助努力やっているのを一生懸命手伝うというのは分かるんだけど、本来中立的な団体が来てレポートをしなけりゃいけないのに、そこはちょっと待てと、自助努力しているからって、これはどう考えても理屈に合わない。  特に、先ほど来副大臣が言っておられるIIGEP日本人横田先生も入っているこのグループが昨日何と言ったかといいますと、この部分読みますので。コミッション・オブ・インクワイアリーと国際独立有識者グループ、これは横田先生が入っているところですね、国内国際人権監視団を含むより強力、効果的な手段の代替かのように言うべきではないと、横田先生自身が昨日そう言っているわけですね。つまり、例えば、例は悪いかもしれないけれども、イランの核疑惑があると、自分のところはやっていない、やっていないと言っていると、しかし、それだったらばIAEAの査察を全部受け入れてくれと、そういうことによってこの核疑惑は晴れるんじゃないかと同じことですよ。  中立の国連の国際的な人権監視団派遣をこれだけあちこちから提案されているのに、どうして日本はこれを支持できないんですか。もう一度お答えください。
  22. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) 繰り返しますけれども支持をしないと、必要がないと日本政府が考えているわけではありません。犬塚先生度々御指摘のように、この国連による人権監視団が、やはり現地でそれぞれ相当のきちんとした、スリランカ政府とそれからそれにかかわる調査委員会有識者懇活動をまた国連としてきちんと見守りながら、自らも役割を果たしていくという必要性十分認識をした上でお答えをしております。
  23. 犬塚直史

    犬塚直史君 今の意味がよく分からないんですが、ということは、日本政府としては提案をされている国際人権監視団派遣賛成するとおっしゃったんですか。
  24. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) 事態成り行きによっては、当然その必要性支持するという意味を含みます。
  25. 犬塚直史

    犬塚直史君 事態成り行きというのはどういう意味なんでしょうか。
  26. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) このスリランカ政府の自らこうして調査をしていくという、その進展具合を申し上げております。
  27. 犬塚直史

    犬塚直史君 それでは先ほどの質問に戻ってしまうんです。スリランカ政府だけがやっているのではやっぱりこれは中立性に欠けるから、やっぱりIIGEP日本人横田先生が入っているところにもお願いをしておるという話だったじゃないですか。その上で、このIIGEP国際人権監視団派遣を代替するものではないと、やっぱりこれは行うべきだということをその一回目のレポートで発表しているわけですよ。これをもって、日本国際人権監視団派遣にこれをもって賛成をするという立場になると、そう考えてよろしいですか。
  28. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) 犬塚委員の御指摘を十分踏まえさせていただきます。
  29. 犬塚直史

    犬塚直史君 今年の二月に訪日をしまして、麻生大臣スリランカ政府のラージャパクサ首席顧問が面談をいたしました。外務省のホームページ、これ載っておるんですけれども、このラージャパクサ首席顧問が何と言っているかというところを読ませていただきますと、貴大臣、これは麻生大臣です、貴大臣が提唱されている自由と繁栄の弧の考え方を共有する、スリランカ政府としても対話による解決を目指す考えである、やむを得ず軍事的手段を使う場合であっても注意深い対応を取っており、一人の犠牲者も出さないようにしているという話をしたということは外務省のホームページに載っているんですね。  しかし、今回の明石代表が訪問中、正にこれ先週の話ですけれども、この訪問中にもタミル系の住民数百人を警察当局が銃で脅して収容所に移送するという事件が起きた、また九日にも国防省がLTTE戦闘員三十人の殺害を発表するなどした、これはもうすべて明石代表が滞在中の短い期間の間の話であります。  我が国は、今年の二月、スリランカに対する大コロンボ圏都市交通整備計画など三案件計三百九十二億円の円借款供与を正式に決定しているんですけれども事態がこういうことになっておりますので、この円借款供与はしばらく凍結すべきではないでしょうか。
  30. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今、一連、浅野大臣の方からお答えをしておりますけれども、この問題につきましてはラージャパクサと何回やりましたかね、二回か三回この話をしたと思いますが、経済発展というものを目指していくんだったら国内の治安が安定しなければ駄目ですよと、それが絶対条件なんであって、それができないところには民間からのいわゆる入ってくる投資なんということは期待せぬでくれという話は、もう二回ともその話はしてあります。  その意味では、今我々としては大いなる努力をしている真っ最中という話でありましたので、今、私ども最後に会った日ですが、そのときにも同じ話がしてありますので、そういった意味では、目下努力をしている。  少なくとも、昨年の七月の一連のあれで一応停戦という形になって、かなりな部分は、東部の辺、それから北部の辺と分かれておりますけれども、東部の辺に関しては一応のものが落ち着きつつあったり、これは場所によって違うんですけれども、昔というか、それは七月前の状況に比べればかなり状況は、治安として、テロとして、そういったものからいうと落ち着いてきているというのは、去年の七月以前に比べての話ですよ、そういうのに比べれば改善はされてきつつあるという、部分部分には今言われたようなことはほかにも幾つもあるんだと思いますけれども、そういった努力を見守った上で、それでもうまくいかないというのであれば、これは停戦のいわゆる合意の話が全然実行されていないではないかとか、いろんな形で、また改めて国連の話やら、またそういった話がその段階で検討しなくちゃならぬことになるんだと思っております。  ただ、少なくとも今始まってやっておる真っ最中、現実は前に比べては減ってきておりますので、そういったところは、やっぱり基本的にはこういうのはその国の人によって行われるのがこれは常識的には正しいんであって、それらの国々の話の内容に部外者がなかなか入っていって難しいのはどの国の例でも同じことです。そういった意味では、今努力が行われているのをもう少し見守っておかないと、部分部分を見たら僕は多分幾つもほかにも、今言われたもの以外にももっとあり得るんだと。私どももその点に関してはそう思っております。
  31. 犬塚直史

    犬塚直史君 いや、そこのところを今日伺いたかったんですけれども、当該政府が自国民を守る、守るというか、こういう大規模な殺害とか国内難民の発生なんかが去年一年間だけでもこれだけ出ていると、三十万ですからね。そういう中にあって、明石政府代表が先週現地に行ったけれども、少なくとも武装集団代表者とは会えなかったと。そもそもこの二つを併せて、停戦合意のために行ったと報道されているんですけれども、一方の相手とは会えてないと。しかも、その滞在中の短い期間にいろんな事件が勃発しておるというようなことなわけですね。これはもう明らかにスリランカ政府が自国民人権状況を守る能力がややここは欠けているんではないか。あるいはその意思の問題、この人権状況を絶対守るんだという意思の問題にしても、中立的な機関が国際監視団によるこういう人権状況レポートを拒否するというこの考えというのは、どう考えても国際社会から見たら理解されるような話ではないと私は思うんですね。  これから日本がこういうところにもう少し積極的に、より効果的にかかわっていくとすれば、もう無条件にODAの供与を決めてしまうのではなくて、状況によっては凍結することがあるんだよ、少なくとも公平な人権調査団は受け入れなさいよぐらいは言ってもよろしいんじゃないでしょうか。
  32. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは今後の話の仕方次第だと思いますけれども、基本としては、全然ODAが来ないと、いやいや、おたく治安が悪いからとても出せないんですよと、自然とそうなっていくという。  いろんなやり方があると思いますが、少なくとも、今言われましたように、私どもとしては、明石さんがいるからわんわん騒ぎを起こすということもありますからね、明石さんに目立つようにしなくちゃならないから、それはいろんなことは向こう側もこちら側も、政府側も反政府側もという意味ですが、そういったことは考えると思いますので、明石さんが行った短い期間だから起きたというところも我々みたいな立場からすると考えにゃいかぬところですから、そういったことを含めてこういった問題は検討しておくというので大事なんであって、今言われる点はよく分かりますけれども。  だから、これやって、じゃいつ再開するんですかと、何人になった場合、百人までは駄目だけれども五十人ならいいんですかと。なかなか難しいと思います、基準が。したがって、いや、治安が良くならない限りはうちはODAはなかなか出せないんですよという話が自然となっていくという方の方が効果としてはでかいかなという感じはします。
  33. 犬塚直史

    犬塚直史君 自由と繁栄の弧というものを本当にこれからやっていく上で、ベストプラクティスの積み重ねということだと思うんですね。おっしゃるように大変難しい問題であると。  明石さんがいるからやったというようなことがあるかもしれないですね。もしそうだとすれば、今回の明石代表による停戦調停というものはやっぱり戦略を少し変えた方がいいのかなと。もう少し、対話と圧力という形でやるのであれば、停戦合意もできないようなところにインフラ整備の円借款をやるというのはどうかなと、当然おっしゃるようにそういう方向になっていくと思うんですね。じゃ、こういう形で政府軍とゲリラ軍がやり合っているところであれば、我が国代表が行ったのにその面前でこういうことをやるんであれば、経済的な支援よりもむしろDDRみたいなことを我が国は考えなきゃいけないのかなと。  いろいろな考えがあるとは思うんですけれども、少なくとも、今までの対応を見ていると一体何やっているのかなと思うのは、あたかもはれものに触るがのごとく、中立的な国際監視団についても日本政府賛成をできないというのは、私はどうしてもここは分からないんです。その辺はどうですか。
  34. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 度々浅野大臣の方から御答弁を申し上げておりますように、少なくともこの問題に関して、日本はいわゆるそういった中立的な組織ができ上がることに反対などとしたことはありません。一回もないと思います。  ただ、今、目下ラージャパクサのところで一応協定ができ上がって、今進行をしているという最中でもありますし、前に比べれば明らかに騒動の数の絶対量が減っておりますから、ということを考えて私どもとしてはODA等々をスタートさせておるということだと思っております。  基本的には、こういったものの効果の大きいのは、やっぱり貧困とか、インフラがきちんとされますと、貧困というものに対しまして大きな効果があるのはもう御存じのとおりです。したがいまして、この種の話は、これはタミル人との話とかいろいろありますんで、向こうの北の方とかなりこちら側の方とは元々人種が違うと、生い立ちが違うと、あれが違うと、昔からの話はもう一杯ありますんで、そういった話ですから、私どもとしてはそこらの方が全然、貧困から将来に対して絶望、それは結果としてテロにつながっていくということを考えるときに、基本として経済発展するようにいろいろ考えるというのが基本と思っております。
  35. 犬塚直史

    犬塚直史君 一つこの資料を今日お持ちしたのは、以前と比べて良くなりつつあるという状況にはないということがこれで指摘できると思って作ったんですけど。  要は、二〇〇六年の四月から二〇〇七年の三月ですから、本当に直近の一年間で三十万五千人という国内難民が出てきたわけですよね。これは別に一か所だけから取った資料ではなくて、UNHCRと、それから国連人道問題調整部、OCHA、それから国連のプレスリリース、そしてヒューマン・ライツ・ウオッチ、これを全部一応まとめて、もちろんきっちりしたのは出ないんですけど、トレンドとしては、全部で四十六万五千人いると言われている国内避難民のうち三十万五千人は、まあ約ですけど、この一年間出てきているわけなんですよ。決して状況は良くなっているわけではないと。そういう中にあって、もう少し日本政府として圧力を掛けて、金も出すけれども口も出すよという形でやっていただきたいということを指摘したいと思います。  今年の一月に、コロンボ開催のスリランカ開発フォーラム、ここでEU、世銀、アメリカなどが今後の援助は和平交渉進展に懸かっているということを宣言をいたしました。日本もこれを一応サポートしたわけです。そして、五月十日、今度はアメリカが一部援助を差し止めたと。五月初旬、今度はイギリスも未執行の三百万ドルを停止をしたということなんですね。  やっぱり、我が国我が国のやり方でいいと思うんですけれども、ODA大綱というものがあると、やっぱりこれは人権状況をしっかり見なきゃいかぬというとき、やっぱりスリランカへの支援停止は検討すべきではないか。支援停止といっても、人道援助は停止すべきではないんです、もちろんですね。しかし、今やろうとしているインフラ整備などの支援は、円借款については停止を検討すべきじゃないかと。対話と圧力って何回も総理も外相も言っておられますけど、当該政府が自国民に対してしっかり手当てをしないときは、日本は決して目をつぶって協力するわけじゃないんだよというメッセージを是非出していただきたい。  もうこの件についてはこれで最後にしますが、一言外相からお願いします。
  36. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今言われたことは、基本的に日本政府のこれまでの態度です。ずっとこれは基本的にそういう態度で、おたくのところではきちんとしなきゃ駄目ですよと、我々の言い方を使わさせていただければ、治安というものがきっちりしない限りは、日本として今後とも援助はしづらくなりますよ、なぜなら経済発展にはつながらないからですと、我々はおたくの経済発展を支援しているんであって、そういったところが基本ですからというのが、我々としてはずっとこれはもう一貫して日本側がこのODAを、少なくとも私がここに、外務省に来てからこの方、このやり方が基本になっておりますんで、今言われたようなメッセージは基本的に向こうに伝えていると思っておりますが、更なる努力をさせていただきます。
  37. 犬塚直史

    犬塚直史君 次に、今度はページをめくっていただいて、フィリピンの人権状況の話をさせていただきます。  これ、フィリピンは二枚あるんです。フィリピンの人権状況、同じ二〇〇一年から二〇〇六年の人道危機の数字なんですね。これ数字が全然違うわけです。一方はNGO、現地のNGOが出している、場合によっては私は一番現地に近い人たちが集めた数字だと思うんですね。この数字は非常に大きい。強制退避だけでも一万五百六十一名と書いてあるわけですね。もう一方が、やっぱりこれスリランカと同じアルストン氏のフィリピン訪問で作った予備的ノート、アムネスティ、それからアメリカの国務省なんかの数字に基づいて作ったものです。大分違うんですけど、こういう非常に把握しにくい状況にあると。しかし、全体としてフィリピンの人道的危機というのは大変重大な状況にあるということをまず指摘させていただいて、外務大臣に伺います。  フィリピンとは既に昨年、経済連携を行っているわけですね。十二月、フィリピン・セブ島で麻生大臣から第二十七次円借款の検討について説明するとともに、左翼活動家やジャーナリストに対するいわゆる政治的殺害への日本国内での非常に高い関心を伝えて、その結果、ロムロ長官からフィリピン政府への実態解明への努力説明を受けたとされているんですけれども、その後の進展を伺います。
  38. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 政治的殺害の話がなかなか一般には分からぬところだと思いますが、政治的殺害という意味が分かっていただけるという前提で。  いわゆるこの問題につきましては、これまでも何回ありましたでしょうか、ちょっとロムロ外務大臣、また安倍総理との間の、アロヨ大統領との間等々において、この問題については度々日本側の懸念を伝えてきております。かなりこれは、商売でやっている話から本当に官憲が絡んでいる件から、実は一概に殺害された背景がよく分からぬという部分があるのはもう御存じのとおりだと存じます。  五月の二十三日に行われておりますが、これは日本とフィリピンの首脳会談、アロヨ大統領と安倍総理との間で、この問題に対して具体的な措置というものがやってもらわないとという話を安倍総理の方から言われて、これに対してアロヨ・フィリピン大統領から、昨年十二月以来の措置として、事態解明のための調査への資金の投入、また特別法廷の設置、これは今までありませんでしたから、特別法廷の設置、それから軍関係者についての軍事裁判の実施、そして人権侵害被害者に対する経済支援等について説明があっております。我々としては、こういった措置が実際的にどういう具合に効果を上げるのかというのをよく見ておいて、今後の判断にさせていただきたいということであります。
  39. 犬塚直史

    犬塚直史君 今大臣おっしゃったことは、確かに国連報告者も一歩前進だという資料を、レポートを書いているわけですね。その上で更に憂慮すべき事態として、読みます。例えば、フィリピン上院の正義・人権委員会委員長は、アルストン氏との面談で、殺害は既に処罰されるべき犯罪であるから新規立法の必要はない、議会が果たすべき役割はないと主張したと、こうレポートに書いてあるんですね。彼は公然と議会は行政府の法執行に関して積極的に監督する役割を否定したと、こうレポートに書かれてしまいました。また、国軍において人権侵害の嫌疑を広く掛けられている者の昇進は、任命委員会というのがあるんですが、任命委員会により止められることはなかったとこの委員長が語ったというんですね。  議会でこの行政府のやっていることをきっちりチェックしないと、委員長自身がそういうことを言っている。やっぱりこれは問題ではないかと。本当にこういう言い方をしたかどうかはちょっと確認する必要はあると思いますが、少なくとも国連報告者のしっかりしたレポートの中にそう書いてあるわけですから、やっぱりここは我が国として更なる実態解明を求めて、事態の好転がなければ第二十七次円借款の供与は延期すべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  40. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 基本的に今言われました話は、これはアルストン国連特別報告者調査報告というのだと思いますけれども、これは御存じのようにメロという委員会も同じくあると思いますが、これに対して対応策というものを発表したこと等々は、これは少なくともフィリピン政府として事態の解明に向けてそれなりの努力を払っている、じゃなきゃこういう委員会できませんので。  いずれにいたしましても、日本としては、こういったフィリピン政府の、この五月二十三日の大統領、安倍総理の会談の話を受けまして、私どもとしては事態の推移を見守らにゃいかぬところなんですが、少なくとも基本的人権とかそういう最も基本的な話ですから、そういったところに注意を払っているかどうかというのが一番問題なところであります。何せ大統領候補者が射殺される国ですから、なかなか我々の考えておりますレベルとは全く次元が違うといえば違っております。ミンダナオ島等随分良くなったとはいえ、なかなか問題、もう御存じのとおりですから。  そういった状況の中にあって、少なくともここは日本と違って大統領制であって、議会制とは少し違いますので、この大統領の権限というのはもう明らかに強い。そのアロヨ自身の言葉ですから、私どもとしては、そのアロヨ自身がどれだけリーダーシップがあるかどうか別にして、アロヨ大統領自身の言葉として安倍総理に直接言ってきておられますので、私どもはその言葉を受けて、まだ五月二十何日の話ですから、それ以後どうなっていくか、今後の話として見守っていかにゃいかぬところだと思いますが、少なくとも今言われましたような点については二十七次をやるに当たりまして十分配慮してやらせていただきたいと思います。
  41. 犬塚直史

    犬塚直史君 少なくとも日本は見ているんだよと、こういうことが改善しない限りは幾ら金を投資したって元のもくあみだと、治安状況が悪くなるようなところにはなかなか出しにくいんだよということをやっぱりしっかりと秋に向けて言っていただきたいと思います。  先日、この当委員会におきまして、陸上自衛隊情報保全隊の活動につきまして同僚委員が、民間人の情報収集をしておったということが議題になりました。実はフィリピンでもこれが非常にこの国連報告書で問題になっております。  フィリピンの超法規的処刑に関する特別報告報告によると、フィリピン国軍、AFPは、左翼活動家、ジャーナリストに対して、通常は軍事情報機関が使用するオーダー・オブ・バトル、OOB、このOOBアプローチを行っていると聞くと。つまり、一般に敵の情報をしっかりと集めておくと、これをOOB、簡単に言うとそういうことらしいんですけれども、その中に自国の一般人やジャーナリストや左翼活動家や政治に関係する者が入っておったという、フィリピンの場合はそうだったらしいんですね。  一般的に軍事組織が民間人に対してOOBを作るということについて、防衛大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
  42. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) OOBのことについて私は余り詳しくは知りませんけれども、軍事組織であれ軍事組織でない場合でも、自分と敵対することについての情報を集めるということは、それはあり得ると思います。  フィリピンの場合、問題なのは、そういうふうにリストアップした者に対して超法規的に殺害まで行ってしまうという、そういうしかも法律にない形で一方的に相手をやっつけるという、そういうことでありますから、単に情報を集めるということだけの問題じゃないんじゃないかと思っておりますので、私たちが情報収集するのとこのフィリピンの国軍がやっているのとイコールの次元で議論すること自体がちょっと誤解を与えるんじゃないかなという、そういう気もいたしますので、その辺については注意していかなきゃいけないと思います。
  43. 犬塚直史

    犬塚直史君 フィリピンの場合は大変ひどいことになっておりまして、このレポートで第一の原因にこれが挙げられているんですね、OOBが。中傷、レッテル張り、あるいは連座として様々に表現されたものの左翼陣営の大半の集団は、民主主義の破壊を目指す武装集団の前線組織とみなされたと。このため、人権活動、労働組合オーガナイザー、ジャーナリスト、教員組合、女性グループ、先住民組織、宗教グループ、農地改革推進活動家などが前線として、国家の敵としてこれ分類されてしまったということなんですね。  この約百十ページにわたる文書がありまして、この情報活動を基にして、国軍が非合法とみなす組織のメンバーと分類された何百もの集団及び個人を列挙しているわけですね。国軍ないし警察が関係している事件で殺害されたかなりの数の被害者と、こうここでは言われているんですが、がこの戦闘対象序列に載っているというフィリピンの状況なんですよ。  そこで、私は昨日来のこの委員会配付された資料を私も見たときに、非常にこれはまずいなと思いましたのは、陸上自衛隊情報保全隊のあれは資料だと大臣もお認めになったと思うんですけれども、基地を出て、正門を出て、出たところである新聞社の記者だという女性が身分証明書を提示せずに隊員に対してインタビューをしたと。そのインタビューの記事が翌日新聞に載ったという詳細がここに出ておったと。その上のタイトルが何かと見ますと、反自衛隊活動というタイトルだったわけですね。私はこういう分類をするということ自体は、大臣は余り、情報収集当たり前だというようなニュアンスでのお答えだったんですけれども、ここはやっぱり違うんじゃないかなと。二〇〇三年のあのイラクの反対があったという状況を考えても、やっぱりここはもっともっと、武装集団なんですから、気を付けて、こういうレッテルを張るということ自体は大臣からやっぱり厳重注意をすべきじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  44. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) 今おっしゃられましたそういうような分類の仕方については、私は今までのやり方が果たして良かったかどうか、そういうのについてやっぱり少し検討する必要があるんじゃないかなと思っております。情報収集すること自体は、どういう意見がどういうふうに攻撃的になされたかというのは、それはやってもいいと思いますけれども、分類の仕方については少しどうかなというような気持ちは私自身も持っております。  先ほどフィリピンの例として言いましたけれども、ああいうことについても、戦前の我が軍のやり方等でも似通ったことあったじゃないかというようなことを、過去の歴史において私たちは反省すべきところは反省しなければなりませんから、そういう意味では、やっぱり日ごろから拳々服膺、それはしていかなきゃいけないと思っておりますので、今回の件についても、先ほど、私はここで認めたというわけじゃございませんが、そういうような情報収集をやっていたこと自体は、今もやっているわけでありますから、ただ、やって、それをレッテルを張るようなやり方については誤解を受けないように、分類の仕方等については今後少し研究をしてみたいと、そういうふうに思っているところであります。
  45. 犬塚直史

    犬塚直史君 終わります。
  46. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 タイチリEPAについてまず質問いたします。  タイ側とチリ側の関税譲許表の中で、バーゼル条約上有害廃棄物であるとされる品目数はどうなっているでしょうか。
  47. 小田部陽一

    政府参考人小田部陽一君) お答えします。  バーゼル条約上におけます有害廃棄物は、同条約が規定する廃棄物のうち、条約上列挙されている有害な特性を有しているかどうかということを個別に判断した上で特定する仕組みになっております。したがいまして、通関上の分類に基づく日タイ、あるいは日本チリとの間のEPAの譲許表においてどの品目がそのバーゼル条約上の有害廃棄物に該当し得るかを一律に特定することは極めて困難でございます。
  48. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 有害廃棄物質については、安倍総理が両国外相に対して、我が国は輸出しないことを伝達していると聞いております。環境NGOなどから輸出促進相手国の担保措置の信頼性などについて多くの懸念が表明されたところでありまして、有害廃棄物は国内処理の原則を厳格にすべきであり、途上国との関係においてもやはりきちっとした形で解決すべきだということを確認しておきたいと思います。  それで、次に、陸上自衛隊の情報保全隊の問題について質問いたします。  止めてください。
  49. 田浦直

    委員長田浦直君) ちょっと速記を止めてください。    〔速記中止
  50. 田浦直

    委員長田浦直君) 速記を起こしてください。
  51. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 情報保全隊が日常的に国民監視の活動を行っていたことについて、今全国で、自衛隊が市民監視に慄然としたとか、大きな衝撃、驚き、怒りが広がっております。しかし、久間大臣は、こうした情報保全隊の活動実態について先週私が質問をした際、公開の場で、出掛けていって事実として把握するだけの話だと答弁されました。また、我が党が示した内部文書についても秘密文書でないと否定されました。  そこで、改めてお尋ねしますけれども、情報保全隊の情報収集活動が秘密裏でもこそくのものでもない、集めた文書も秘密でも何でもないというのであれば、現在保管しているものを提出することに何の不都合もないと思いますが、いかがですか。
  52. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) いや、必ずしもそうは言えないわけでありまして、何もこそくな手段じゃなくて堂々と集めたものでも、その集めた資料をやっぱり出すか出さないか、内部の資料をどう判断するかは自衛隊が判断するわけでありますから、それを、集めた資料は全部出せという、そういうことにはならないんじゃないでしょうか。
  53. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 大臣は、もう繰り返し三週間で破棄していい文書だと、そういうふうに言われてきました。その一方で、大臣は前回の答弁で、全部が全部三週間できちんと破棄するという形の指示があるわけでもないと、そうも答弁されております。それならば、明確な調査の意思さえあれば調べられるんじゃありませんか。
  54. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) いや、そうじゃなくて、共産党さんが発表されました文書の中には三週間で破棄するというふうに書いてある文書もありましたので、だからそういったようなことが書いてある文書についてはもう三週間で破棄されているんだろうと思いますし、ほかの文書についてはどうなっているのかは、要するにこちらとしては何もないわけですよね。  自衛隊の関係者からもらったと言われるんだけれども、どういう形で出てきたのか、うちの方にはそういう文書は残っているわけじゃないわけですから。ちゃんと保存文書ならあるわけですけれども、そういうたぐいでない、そういうのを共産党さんが一方的に発表された、これが本物かどうか調査しろと言われましても調査のしようがないんで、そこのところは本当に正直言ってどうしようもないんですね。
  55. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 破棄されただろうとかね、だろうというふうに、そういう……
  56. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) いや、だろうじゃなくて……
  57. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 話しているんです。  だろうとか、そういうふうに言う。それで、三週間で破棄する、あるいはそのぐらいで破棄すると繰り返しおっしゃられた、前回ですね。そうしたら、そうした破棄するということについて指示した明確な根拠というのはあるんですか、ないんですか。
  58. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) 共産党さんが発表された文書の中にそういうことが書いてある文書があったから言ったんですよ。三週間で破棄すると書いてあるから、書いてあるというのが、これが言う以上はそういうふうに三週間で破棄することになっているんじゃないでしょうかね。何かそういうふうな共産党さんの、全部が全部これは書いてないんですよ。そういうふうに書いてある文書がその中に混じっているわけですね、おたくが発表された文書の中に。
  59. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 三週間で破棄するなんて書いてないですよ。日付があって、いついつまで保存と、そういう形で書かれているだけでね。  それで、ですから、私はここで大事なことは、こうした、あなたが言っている三週間云々という、そういうことというのは何に基づくものなんですか。ペーパーなんですか、口頭なんですか。
  60. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) 共産党さんが入手されて発表された資料には、その中の一部に十六・二・五まで保存という記載があるわけですね。ということは、それまで保存しなさいということですから、それ以降は捨ててもいいし破棄してもいいということなんじゃないでしょうか。
  61. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 ですから、語るに落ちているんですよ。あなたは、この文書を基にして、そして計算して、日付の文書とそして保存の文書を計算して三週間と言われているんですよ。それを繰り返し述べたんですよ。私はそういうことを言っているんですよ。別にこの中に三週間とないんですよ。  それで、ですから私はここで言いたいのは、いいですか、大臣
  62. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) 委員長委員長
  63. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 違います。発言中です。  私がここで言いたいのは、繰り返し三週間ということについて述べたその三週間という根拠というのはあるのかないのかと尋ねているんです。はっきり言ってください。
  64. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) 私自身は、三週間というのは、そのはっきりした文書に、ルールは見ておりません。ただ、出した日付と何日まで保存と書いてありますので、それまでは保存しなさいという意味で、その日数を取りますと三週間になりますから三週間、三週間というふうに言ってしまっているんで、私の言い方が不正確なら何日まで保存という、その期間は三週間だったから、三週間たったら破棄しなさい、あるいは保存しなくても結構ですよという文書だというふうに理解しておりますから、残っておりませんということを言っているわけですね。  だから、ほかのやつについては日付がないから何日までというのはどうなっているか分かりませんが、少なくとも、これから類推すると、ほかの文書についてもその三週間が限度なんだろうなと、それ以上は保存しておく義務はないんじゃないかなと思って三週間、三週間ということを言っているわけですから、私の言っているやつはあながちうそじゃないんじゃないでしょうか。
  65. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 いずれにしても、我々が出したこの文書を基にして、そして発出された日とそして保存の日の指定、それを三週間と言われてきたということが分かりました。  それではお聞きしますけれども、我が党が示した文書、これですね、情報資料についての表紙を見ますと、東北方面情報保全隊長から各派遣隊長あてとなっております。また、配付先を示すと思われる配付区分には、情報保全隊長、東北方面総監部調査課長、仙台派遣隊三部、北部、東部、中部、西部の各方面情報保全隊長と記されております。これらの文書の発翰者や配付区分にあるものには確認したんですか。
  66. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) 防衛省が自ら対外的に明らかにした文書については、これはその内容等についても明らかにしなければなりませんけれども、おたくが入手した文書について、こちらがそれについてどうこう論評すること自体はそういう情報収集の在り方等についてコメントする格好になりますので、それはこちらとしては今後の活動にも支障が生じますので、そのおたくの文書を前提としてそれについてコメントするわけにはいかないという、その辺の事情については御理解いただきたい。  私の方で対外的に発表した文書なら責任を持ってこちらとしても調査して発表しなければなりませんけれども、共産党さんが入手した文書がそれ自体が本物かどうかというのもまだ分かっていないわけでありますから、それを前提にしていろんなことについて調査しろ、報告しろと言われましてもそれはできかねるという、そういうことを申し上げたいわけであります。
  67. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 実際上この文書については、私は否定できるかと伺った、前回。それについてはできないと言われたんですよ。確認できないと言われた。そうすると、確認しなきゃいけないんですよ、これだけ大問題になっている。それについて調べたのかと私は聞いているんですよ。調べたかどうか、はっきり言ってください。
  68. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) 私は肯定もしないし否定もしておりません。  要するに、私の方の文書じゃ、私自身が、私自身じゃない、防衛省自身が出した文書じゃありませんから、共産党さんが入手された文書が正しいとか正しくないとか、そういうのを調べて、おたくが入手したのは正しかったと言う必要もないんじゃないかと思っているわけです。
  69. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私はその確認を求めているんですよ。だって、こういう大きな問題になっているときに、この文書が自分たちのものかどうかということについて確認しようがないと、前回。ですから、ほかの方法があるんじゃないかと、そういう、各方面に聞いたのかと、確認したのかと聞いているんですよ。
  70. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) 先ほどから言っていますように、防衛省が出した、防衛省の責任において出した文書ならばそれが間違っていないということを、それをまた確認しなければなりませんし、確認する義務もございますが、共産党さんがよそから、自衛隊の関係者からもらったんだといって持ってこられた文書を、これ本物かどうかと言われてそれを確認するこちらは責務はないんじゃないでしょうか。
  71. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 ありますよ、社会的にこれだけ大きな問題になっているんだから。  いいですか、ここに陸上幕僚長の取扱上の注意を要する文書等の取扱いについてに関する通達があります。  情報保全隊については、別紙事項で、本部付情報保全隊、方面情報保全隊、方面情報保全隊派遣隊、基地通信中隊派遣隊の各隊長を指定したものとなっております。  通達には、この文書の配付先及び配付数は必要最小限のものにとどめるものとして、配付する場合には一連の番号を付し、配付先を記録しておくものとすると定めております。このことからも、文書の配付先の記録、これは保存されているんじゃないですか。見たんですか。
  72. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) おたくから見せられた文書しか見ておりません。こちらの方は先ほど言いますように保存文書はないわけですから、ないものを見れと言われてもそれは無理なわけでありまして、それは何らかの格好でそういうやつを、残っている場合もそれはあるかもしれませんが、それは偶然残っているかもしれないことであって、保存文書ならそういう保存文書として確認できますけれども、それでないやつについては確認しようがないわけです。
  73. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私が聞いているのは、文書の配付先の記録は保存されているのかと聞いているんです。通達にあるでしょう、保存。
  74. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) 保存の義務がないものについて配付先を、だれだれに配付したかという記録を求めるというのは無理だと思うんですよ、やっぱり。保存文書だったら、それをちゃんと保存の期間中、だれにどういうふうな文書を出したかという記録は取らなきゃなりませんけれども、ちょうど政治資金規正法も、過ぎた場合は、保存期間が過ぎた場合には、それは幾ら求めても取れないのと一緒だと思うんですよ。
  75. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 この通達には、文書の配付先の記録、これについては保存するとなっているわけですよ。それについて私が尋ねたのに対してあいまいな答えをされた。そして、文書は残っているかもしれないし残ってないかもしれない、可能性の話としては。  大臣、やはりこれだけ大きな問題になっているときに、文書について大臣責任持って、あなたの直属の部隊のやったことなんだからきちっと調べるべきじゃありませんか、はっきりしてください。
  76. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) 先ほどから何度も申し上げておりますように、防衛省・自衛隊が保有している資料と共産党が入手した資料の対応関係について述べることは、我が方の情報活動の内容を明らかにすることにつながりかねず、自後の活動に支障を生ずるおそれがあることから差し控えたいと思います。  ということは、はっきり言って、その内容と、もしうちの方で調べた内容と違っていた場合には、また合っていた場合には、それぞれ、こちらの文書の処理の仕方、あるいはまた情報の取り方、あるいはまたその後の扱い方、そういうことについて非常にまた問題があるわけですから。
  77. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 大臣は今非常に重大なことを言いましたよ。合っていた場合もあるという、そういう仮定を述べられた。合っていた場合は重大だということを述べた……
  78. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) ない場合、ない場合。
  79. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 発言中です。  そういうふうに述べられた。  私は、この問題について、可能性を尽くさない、調べる方法があるのに、各方面に行っている文書、そしてまた記録を調べればどうかということが分かるのに、大臣はそれについてはっきり明言されなかった。私は本当に、こうした問題についての、また社会問題になっているときに、大臣は無責任だし、その対応、立場というのは極めて重大だということを思います。  委員長、本委員会に、この文書に記載されている発翰者の東北方面情報保全隊長、及び配付先と思われる情報保全隊長、東北方面総監部調査課長、仙台派遣隊三部、北部、東部、中部、西部の各方面情報保全隊長の参考人招致を求めます。
  80. 田浦直

    委員長田浦直君) ただいまの御意見は、後ほど理事会で検討をさせていただきます。
  81. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 もう一つ聞きます。  この通達によれば、注意と表示された文書は、当該事務に関与しない職員にみだりに知られることが業務の遂行に支障を与えるおそれがあるものと定められております。間違いありませんね。
  82. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) それに限らず、注意文書についてはそうであります。
  83. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 間違いないと確認いたしました。  すると、この通達からも、我が党が示した注意表示のある文書は、防衛省の職員ばかりか、当該事務に関与しない職員、つまり情報保全隊の中であっても情報収集に関与する一部の職員しか知ることのできない極めて限定された文書となるじゃありませんか。
  84. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) みだりに外部の者に渡しちゃいけないことになっているわけですからね、注意と書いてある文書は。それに、その話じゃないですよ、注意という書類についてはそういうことになっているわけですから。その注意文書がもしそういうほかの人に渡ったということは、それは余りいいことじゃありませんね、良くないことですね、管理の仕方として。
  85. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 通達からこの文書の性格というのは明白なんですよ。注意の指定がある。だから、文書の中身が問題になるんですよ。  文書には自衛隊と無関係の例えば年金者組合のことが記されている。平成十六年二月二十一日、六名で十一時から十二時十二分の間、事細かですね、青森市内で年金改悪反対の街宣、署名活動及びビラ配布を実施した、こう書かれている。また、平成十六年一月十一日、宮城県の多賀城市の成人式の際に、たった二名で行われた街頭宣伝のことが記されている。そして、そこには参考情報として、前年も同一人物、同一要領による取組を実施したとあるんですよ。  つまり、こうした調査内容というのは、日常的、系統的なターゲットを定めてマークしていない限り把握できないことなんですよ。わずか六週間に二百八十九団体、個人の調査が行われている。  守屋事務次官は、こうした文書は本来は手のうちのものであって全く表に出るべき資料ではないと会見で述べられました。それは、自衛隊の調査、関心、ターゲット、調査のやり方、つまり手のうちが全部分かってしまうからじゃありませんか。どうなんですか、大臣
  86. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) 手のうちが分かってしまうかどうかは別としまして、そういう情報収集した資料をむやみに他の人に渡すということはあってはいけないというようなことで注意文書にしておるわけでありますから、それを共産党さんにもしだれかが持っていったとすれば、その態度は、もし隊員内だとすれば良くないことですね。
  87. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 そんな問題じゃありませんよ。そもそも、こういうことをやること自身が、自衛隊という実力部隊が市民をターゲットにして、そして調査をする、事細かに系統的にそういう調査をする、それ自身が憲法違反だと私も前回申し上げました。そして、こうした自衛隊という実力部隊が市民生活に入り込んで市民の動向をマークしている、このことを国民は恐ろしいと言っているんですよ。  今、大臣もお読みだと思います。全国各紙が大きく取り上げて、そして社説が一杯出ていますよ。これ、わずか一部です。その中には、例えば舞台となった河北地域の河北新報の社説、自由の国で気味が悪い、何とも薄気味悪く背筋がぞっとした、今どきこんなことが組織的に、日常的に行われていたのか、そういうものがあります。あるいは北海道新聞は、戦争に反対し、平和を求める市民の活動が自衛隊に監視されていた、これは事実関係調査して国民に開示すべきだと社説で述べている。  私は、こうしたことを自衛隊が行っている、このことが極めて重大だと思うわけです。ですから、こうした問題について、大臣は、大したことがない、日常のことをやっているんだ、そういうことをさんざん前回述べられた。イラク自衛隊に関することだって、こんなことを自衛隊が調査する、市民をマークする、動きをいろいろやってターゲットを定めて情報を蓄積する、とんでもないですよ。それに加えて、みんな恐ろしいと思っているのは、年金、消費税、医療、そういうところまでやっているんですよ。大臣はついでなんて前回言われましたけれども、とんでもない話ですよ。  要するに、自衛隊という実力部隊が明らかに日常的に、系統的に市民や政党、団体、これをターゲットにして様々な情報を取っている、これが重大だと私は述べているんですよ。時間になりましたのでここまでになりますけれども、もう過ぎてしまいました、大分。  私は、大臣、この問題は極めて重大だということを改めて申し上げ、そして大臣が前回、大したことないと言った文書、それがこうした注意指定の文書で、注意指定といっても、今私が述べたように、そういう性格の文書なんだということをはっきり指摘して、質問を終わります。
  88. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 日本シンガポール経済連携協定改正議定書と、日本タイ及び日本チリの各経済連携協定には、基本的に賛成です。  幾つかの質問をしたいと思います。  まず、外務省にお願いいたします。  二〇〇二年の日本シンガポール経済連携協定では、日本の輸入額ベースで全品目の九三%が関税ゼロとなり、今回の改正議定書によってそれが九五%に高まると報じられています。  そこでお伺いしますが、タイ及びチリとの経済連携協定では、日本の輸入額ベースで結構ですが、それぞれ全品目の何%程度が関税ゼロとなるのか、また、段階的に関税を撤廃する品目は三協定それぞれ全品目の何%ほどを占めているのか、教えてください。
  89. 小田部陽一

    政府参考人小田部陽一君) まず、日タイ経済連携協定でございます。  結論から申し上げますと、日本タイから輸入する品目につきまして九二%が関税撤廃ということになります。具体的には、全九千二百六十五品目のうち、即時撤廃する七千四百七十五品目を含め十年以内に関税撤廃する品目は八千七十七品目となります。  次に、チリとの間の経済連携協定についてお答えいたします。  日本チリから輸入します品目のうち九〇・五%が無税ということになります。具体的には、全九千二百五十五品目のうち、即時撤廃する七千四百十九品目を含め十年以内に関税撤廃するものは八千五品目ということになります。  最後に、シンガポールとの経済連携協定でございますが、今回の改正によりまして、現在の協定で関税が撤廃されていない二千百八十四品目のうち、関税を即時撤廃する四百四品目を含め十年以内に関税を撤廃するものは七百六十七品目となっております。この結果、現行協定での関税撤廃と合わせますと、九千百四品目のうち七千八百二十三品目での関税が撤廃されます。それをパーセンテージにいたしますと、日本側、シンガポールから輸入する物品のうち九五%が無税ということになります。
  90. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 外務大臣にお願いいたします。  去る三月十九日、安倍首相が訪日したシンガポールのリー・シェンロン首相との間で日本シンガポール経済連携協定の改正議定書署名し、日本ASEANによるEPAについて締結を急ぐことで合意しました。  今年の一月にフィリピンのセブ島で開かれたASEAN日本、中国、韓国の首脳会談において、東アジア域内の貿易自由化などの経済連携について、中国と韓国がASEAN日本、中国、韓国を含む十三か国の貿易自由化構想を提唱したのに対し、日本はインド、オーストラリア、ニュージーランドを含めた十六か国とすべきだと提案しました。なぜ十六か国が望ましいのですか。
  91. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) この議論の大本になった、一月、セブで行われた一連のASEAN外相会議麻生大臣の代理で私が出席したものですから、お答えさせていただきます。  東アジア・サミットでは、東アジアとアジア太平洋地域における今御指摘地域ワイドの経済連携の在り方を検討していこうという意義については各国の見解が一致をいたしております。  日本政府のスタンスですけれども、これはこの地域で様々なイニシアチブを示しながら、当面、ASEANのインテグレーションを目指してリーダーシップを発揮していくという立場にあります。そのためには、やはり御指摘ASEANプラス日中韓三国、それにインド、オーストラリア、ニュージーランドを加えたASEANプラス6、アジア太平洋地域全域においてこの地域ワイドの経済連携を検討していくことがベターであろうという見解に立って、この一月のサミットで安倍総理がASEANプラス6構想を示して民間研究の実施を提案しております。  今の段階では中長期的なアイデアを議論したり研究していくところにありますけれども、これから議論を進めていく上での重要な要素は、国境措置だけではなくて、投資、サービス知的財産といった日本が重視しているルールづくりを確保できるか、日本にとって利害得失のバランスをどうとらえていくか、各国との調整をしながらの研究の進展が重要だと受け止めております。
  92. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 その日本の十六か国の提案に対して他の国々はどのような受け止め方だったんですか。
  93. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) この地域において地域ワイドの経済連携の在り方を検討していくことについて異存はございません。
  94. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 外務大臣にお願いいたします。  ASEANと日中韓の十三か国の首脳会談ではまた東アジア経済統合を目指す東アジア共同体についての議論がなされ、その実現に向けて日本、中国、韓国とASEANが牽引力になることを確認したと報じられています。  外務大臣東アジア共同体構想についてどのようなお考えでしょうか。
  95. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは元々、一昨年の十二月にこれは日本提案したのが、元々のが、EASと訳しておりますけれども、イースト・エイシア・サミットと訳しておるんですけれども、そういう言葉でこれは元々日本提案をいたしております。  そういった意味では、オーストラリア、ニュージーランド、インド等々いろいろ、アジアと言われるところで今急激に伸びていっている国も含めますと、少なくとも中国対日本というような対立するような軸を、簡単に言うとASEANプラス3でよく出てくる話ですので、そういった意味ではニュージーランドとかオーストラリアとかインドとかそういったところを入れてきた方がより地域と全体をカバーすることになると思っておりますし、先行きそちらの方がよほど芽がありますし、資源はありますし、いろんな意味で何となくオリエンタルだけ、アジア人だけでまとまってほかの国を阻害しているというイメージにもなりませんし、いろんなことを考えてこちらの方がいいと。  基本的には私どもそう思ってこの案を提案しているのが一昨年の十二月ですが、あの当時、いろいろ反対のところがありましたけれども、昨年のときにはこれはもうすっと全員こっちの方がいいということになってきておりますので、そういった意味では平和とか安定とか繁栄とかいろんなことを考えたときにはこういった地域の方のより広がりのある方がいい、しかも、皆、今経済で伸びてきておりますし、双方必要とし合っているもの、我々は資源、向こうは技術、向こうはソフト、こっちはハードとか、いろいろ分けられておりますので、そういった形ではこの方がいいなと、基本的にはそう思っております。
  96. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 そのほかに、経済提携のほかに、東アジア共同体として、例えば軍縮の問題だとか平和の問題、あるいは人間の安全保障の問題、環境の問題等々のそういう問題についてもお考えでしょうか。
  97. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今、まずは経済のところからスタートして、基本的に皆、経済発展というのが非常に、生活水準の向上、経済発展というのがどうしても今言われた国々、オーストラリアとかニュージーランドは別にいたしまして、そういった国々は基本だと思いますので、そこらの国々は経済発展ということになりますけれども、ただ、将来的にいきまして、例えばマラッカ海峡の海賊の話とか、この間インドネシアで起きました津波の話とかいろんなものが、今防災とか災害とか、また今海賊の話等々を含めまして安全保障の話、そして今言われました人権の話等々、今後そういったものの方に発展をしていける、あのEUが、ECがだんだんだんだん発展していったのと同じような形になり得る可能性というものを将来の希望としては持っております。
  98. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 通告はしてございませんで恐縮ですが、大変重要なことですので、お許しをいただいて確認させてください。  防衛大臣にお願いいたします。  今朝の新聞に次のような報道がなされております。先日、十一日の集団的自衛権に関する政府の有識者会議、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会の第二回の会合で、公海上での自衛隊艦船による米軍艦船防護の可否について検討した結果、政府が従来は憲法解釈で禁じてきた集団的自衛権の行使と位置付けた上で実施可能にすべきだとの意見が大勢を占めた、これによって同懇談会は、秋までにまとめる予定の報告書で、少なくとも米艦船防護に関して集団的自衛権行使を容認するため憲法の解釈変更や改正を求めていく方向となったと。これは事実でございますか。
  99. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) いや、まだ私は一昨日の懇談会の内容等についてつまびらかに聞いておりませんので、これに論評するわけにもいきませんし、注意深く見守ってまいりますけれども政府のいろんな解釈も今までの積み重ねがありますから、そういった解釈との関係がどう整理されるか、これからいろいろとまた、政府政府としてまた議論しなきゃならないし、今は有識者懇の形での意見だと思いますから、それがイコール政府だというふうに考えられるのは少し早いんじゃないかと思います。  ただ、私も非常に気にしておりますのは、一緒に共同訓練をしたり何かしているときに、その相手方に攻撃があったときにこっちは知らないよといって済ませられるような関係はどうかなという、そういう思いはいたしておりますから、やはりそこで、共同訓練をやったり共同で何か作業をやっているときに攻撃があったときに、そっちのやつはやらないよという選択肢はなかなか難しいんじゃないかと思います。それを、ただ、今までの憲法解釈との関係でどう整理していくか、これやはり現在的な時点で国民世論がそこをどう判断するかも踏まえながら議論はしていかなきゃならないなという、そういうふうな個人的な見解は持っております。
  100. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 今の、ゆっくり私の考えを述べる時間がないので控えますけれども、少なくとも、現行憲法というのがどういう経緯を経て誕生したかということについては是非真剣にお考えいただきたいと思います。  次に、防衛省にお伺いしますが、二〇〇三年三月に、陸海空各自衛隊の調査隊を充実強化させるために、問題になっております調査隊を改編して情報保全隊が発足したわけですが、調査隊と現行の情報保全隊とはどこがどう違うのか、御説明ください。
  101. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) 後から詳しくは事務方から聞いていただいて結構ですけれども、やっぱり機密漏えいというようなそういう問題も起きてきましたので、漏えいにつきましては罰則を強化するという、そういうことをやったわけですね。そのときに、その保全もきちんとしようということで、今までの調査隊をそういう機密の保全についてもやれるような形で保全隊をつくったわけであります。  だから、今までの調査隊がじゃなくなったのかといいますと、調査隊のやっていた仕事はそのまま引き継いだ上で情報保全隊という形に広げたというような、そういう認識でございまして、だから、この間、緒方先生から機密漏えいについては自衛隊員だけじゃないかという話をされましたときに、そうじゃありませんよと、今までの情報収集の仕事はやっているわけですから幅広く情報収集はできるんですよということを申し上げたので、調査隊よりも幅が広くなったというふうに私自身は理解しております。
  102. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 情報保全隊の目的と任務について簡潔に御説明ください。
  103. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 情報保全隊につきましては、部隊等の情報保全業務のために必要な資料及び情報の収集、整理等を行うことを任務としております。この情報保全業務という点につきましては、秘密の保全、隊員の保全、組織行動等の保全及び施設、装備品等の保全並びにこれらに関連する事務を言います。
  104. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 防衛大臣にお願いします。  海上自衛隊の出動について、前回何度も繰り返し申し上げました辺野古の環境調査との関連ですが、海上自衛隊の出動について現地では今も反発が強まっておるわけなんですが、その法的根拠について御質問しましたら、国家行政組織法の第二条の二項だと説明されました。しかし、自衛隊法においては、例えば同法百条では、自治体の要請による土木事業への支援協力にしても、政令の定めによってというただし書があるように、内閣が関与するなど派遣要件が厳格に決められていると理解しておるわけなんですが。  そこで、いま一度確認させてください。自衛隊法の第何条の規定によって派遣されたのか、明確にしてください。
  105. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) 自衛隊法というよりも、防衛省設置法第四条第十九号に規定する事務を所掌する防衛施設庁が実施する現況調査に対して、国家行政組織法第二条第二項の規定の趣旨を踏まえて防衛省内の一機関であります海上自衛隊が行ったということであります。
  106. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 そうすると、百条にある政令によってという規定は別に問題にならないということですか。
  107. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) 百条の規定は、それは地方自治体からの要請があった場合の手続を書いているわけでありまして、国家行政組織法上の規定については、政令で定めるところじゃなくて、それは、国家の行政機関からの依頼がある場合にはそれはやれるということを書いているわけであります。だから、政令に委任していないわけですね。
  108. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 そうすると、防衛大臣は、要請がなくても自由に御自分の判断で派遣すること可能ということになるわけですか。
  109. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) いや、そういうわけではありませんで、やっぱり国家行政組織法は、他の省庁の場合からは正式な依頼があった場合です。今度は、防衛省の中でありましても、一応そういう形で形式的には防衛施設庁から海上自衛隊に対する依頼が今度の場合はあっております。  今度は、防衛施設庁がなくなった場合にはどうかというのは、それは次の問題ですけれども、それは防衛省内の内局でございますが、やはり一応内局の局長から形としてやはり依頼をする形を取るべきだ、要するに要式行為は行うべきだというふうに私は思っております。
  110. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 防衛省にお願いいたします。  五月三十一日付けの現地の新聞に、この六月に離任する在沖縄米軍トップのジョセフ・ウエーバー在沖縄米四軍調整官が離任あいさつで沖縄県庁を訪れたときの記者団に対する発言について報じられております。それによりますと、米軍再編計画全体は現在多くの研究を進めているところで、マスタープランはまだ完成していないと、できるだけ早い計画の実行に向けて引き続き取り組みたいと述べたと報じられていますが、普天間移設に伴う代替施設の建設計画や嘉手納基地以南の六施設の返還等も米側ではまだ煮詰まっていないということになりますけれども、日米間の協議ではその辺は一体どのような状態になっているんでしょうか。
  111. 久間章生

    国務大臣(久間章生君) 私の理解しているところでは、まずキャンプ・シュワブに造るということが決まって、それが実現可能になって初めて海兵隊はグアムに移転することになるわけですね。だから、作業としては進んでおりますけれども、キャンプ・シュワブへの普天間の移設が成りませんと海兵隊はグアムにも行かないわけです。グアムに行かないということになりますと、嘉手納以南のやつは計画は作れても具体的な今度は移動しないことになりますから、どういう部隊がどういうふうに出ていくかということが決まらないと対応できないわけでありますので、全部が関連しているわけでありますので、だからこれを、全部を並行的に作業は進めていかなければならない、そういう状況にあるわけであります。その現実を御理解いただきたいと思います。
  112. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 終わります。ありがとうございました。
  113. 田浦直

    委員長田浦直君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べいただきます。
  114. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私は、日本共産党を代表して、日本シンガポールEPAの改定議定書賛成日本タイ日本チリの両EPAには反対の意見表明を行います。  一般にEPAは、政治経済のグローバル化という世界の流れの中で、互いに主権を尊重しつつ諸条件をよく考慮して進めるならば、互恵の政治経済関係を深めることができると考えています。今日、我が国ASEAN及びほかの諸国との間の多面的な友好協力関係を基礎とした相互の繁栄を築いていくことが重要であることは言うまでもありません。  しかし、今回のタイチリとのEPAにおいて、政府は、国内の産業分野の痛み分けと称して、国の本格的な対策がないままに、農林水産物や畜産品、食料加工品、軽工業品等の関税撤廃措置をとっています。今回の関税撤廃又は軽減措置を実行すれば、地域農業はもとより、関連する中小零細企業等、ひいては地方経済にも与える影響が危惧されます。  また、両国の附属表にある有害廃棄物の無税輸入措置は、受入れ国の安全保障の信頼性などについて多くの課題が指摘されています。  我が党は、有害廃棄物の国内処理原則の一層の厳格を求めるとともに、関係国との約束の履行状況などを今後も注目していくものであります。  以上をもって意見表明といたします。
  115. 田浦直

    委員長田浦直君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  まず、新たな時代における経済上の連携に関する日本国シンガポール共和国との間の協定を改正する議定書締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  116. 田浦直

    委員長田浦直君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、戦略的な経済上の連携に関する日本国チリ共和国との間の協定締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  117. 田浦直

    委員長田浦直君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、経済上の連携に関する日本国タイ王国との間の協定締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  118. 田浦直

    委員長田浦直君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、三件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  119. 田浦直

    委員長田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二分散会