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2007-05-17 第166回国会 参議院 外交防衛委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十九年五月十七日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  五月十一日     辞任         補欠選任         神取  忍君     福島啓史郎君      又市 征治君     大田 昌秀君  五月十四日     辞任         補欠選任         犬塚 直史君     岡崎トミ子君  五月十五日     辞任         補欠選任         岡田 直樹君     若林 正俊君      岡崎トミ子君     犬塚 直史君      遠山 清彦君     浜田 昌良君  五月十六日     辞任         補欠選任         福島啓史郎君     荻原 健司君      若林 正俊君     岡田 直樹君      犬塚 直史君     郡司  彰君  五月十七日     辞任         補欠選任         荻原 健司君     野村 哲郎君      郡司  彰君     犬塚 直史君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         田浦  直君     理 事                 小泉 昭男君                 山本 一太君                 浅尾慶一郎君                 柳田  稔君                 高野 博師君     委 員                 岡田 直樹君                 荻原 健司君                北川イッセイ君                 櫻井  新君                 関口 昌一君                 野村 哲郎君                 犬塚 直史君                 郡司  彰君                 佐藤 道夫君                 榛葉賀津也君                 白  眞勲君                 浜田 昌良君                 緒方 靖夫君                 大田 昌秀君    国務大臣        外務大臣     麻生 太郎君        防衛大臣     久間 章生君    副大臣        防衛大臣    木村 隆秀君    大臣政務官        外務大臣政務官  関口 昌一君        外務大臣政務官  浜田 昌良君        防衛大臣政務官 北川イッセイ君    事務局側        常任委員会専門        員        泊  秀行君    政府参考人        外務省アジア大        洋州局長    佐々江賢一郎君        外務省北米局長  西宮 伸一君        外務省国際法局        長        小松 一郎君        財務省主計局次        長        鈴木 正規君        防衛省防衛政策        局長       大古 和雄君        防衛省運用企画        局長       山崎信之郎君        防衛施設庁長官  北原 巖男君        防衛施設庁施設        部長       渡部  厚君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○派遣委員報告駐留軍等再編の円滑な実施に関する特別措置  法案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 田浦直

    委員長田浦直君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日まで、又市征治君、神取忍君及び犬塚直史君が委員辞任され、その補欠として大田昌秀君、荻原健司君及び郡司彰君がそれぞれ選任されました。     ─────────────
  3. 田浦直

    委員長田浦直君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  駐留軍等再編の円滑な実施に関する特別措置法案審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務省アジア大洋局長佐江賢一郎君外七名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 田浦直

    委員長田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 田浦直

    委員長田浦直君) 駐留軍等再編の円滑な実施に関する特別措置法案を議題といたします。  まず、先般、当委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員報告を聴取いたします。小泉昭男君。
  6. 小泉昭男

    小泉昭男君 それでは、委員派遣について御報告を申し上げます。  本委員会田浦委員長柳田理事北川委員関口委員喜納委員白委員遠山委員緒方委員及び私、小泉の九名は、去る五月十四日及び十五日の二日間、駐留軍等再編の円滑な実施に関する特別措置法案審査に資するため、沖縄県に派遣され、沖縄県知事名護市長東村長及び恩納村長意見交換を行ったほか、キャンプ・シュワブ及び普天間飛行場視察を行いました。  以下に概要を御報告いたします。  第一日目は、名護市に赴きまして、島袋名護市長伊集東村長及び志喜屋恩納村長意見交換を行いました。  まず、島袋名護市長からは、日米安全保障体制は現在の日本にとって必要な体制であり、その負担国民が等しく負担すべきものである、再編交付金等再編を受け入れる地域に対する支援は、地元の望む支援を行うよう議論していただきたい、再編交付金再編を受け入れた段階で支給されることに懸念している、普天間飛行場代替施設に関するV字案基本として可能な限り沖合に寄せるという名護市の提案は、昨年四月の防衛庁との基本合意書趣旨に沿ったものであり正当な主張である、将来にわたって代替施設と向き合う地元に対し、安全性の向上や航空機騒音軽減等住民生活影響を及ぼさない施設とするよう配慮するべきである、政府においては、名護市及び地元の意向、普天間飛行場移設に係る経緯等を踏まえ、誠意を持って対応していただきたいとの趣旨意見が述べられました。  次に、伊集東村長からは、東村は、普天間代替施設との関連では隣接市町村である、再編にかかわる多くの問題点が出てくると思う、東村財政は厳しく、財政力に乏しいが、今後検討し協力するところは協力していきたい、東村には北部訓練場があり、SACO合意によりその過半が返還されることになっている、北部訓練場にはヘリ練習場があり、集落上空進入ルートや早朝・夜間民間地周辺騒音問題について検討をしてほしいとの趣旨意見が述べられました。  最後に、志喜屋恩納村長からは、恩納村にはキャンプ・ハンセンが所在し、金武町及び宜野座村にもまたがっており、三町村は足並みをそろえて対応したい、再編関連としては陸上自衛隊による共同使用問題があるが、どのような影響が出るかなど詳細は承知していない、再編交付金については大きな意義を持つと考えており、今回の再編に伴い、沖縄県全体の振興等について、国、県、他の市町村等と話合いをしていきたいとの趣旨意見が述べられました。  これらの意見に対し、派遣委員から、防衛省騒音調査環境アセスに対する地元自治体認識名護試案普天間飛行場移設協議会における取扱い、代替施設建設による騒音問題と漁業等に対する具体的影響再編交付金に対する地元自治体考え方米側地元自治体住民との関係等について質問がなされるなど熱心な議論が行われました。  第二日目は、米海兵隊普天間飛行場代替施設建設予定地であるキャンプ・シュワブ及び普天間飛行場視察した後、沖縄県庁において仲井眞沖縄県知事等意見交換を行いました。  まず、キャンプ・シュワブでは、普天間飛行場代替施設建設予定地である辺野古崎の視察を行い、那覇防衛施設局から建設予定地の概況、騒音影響を受ける地域建設予定地周辺海域調査概略工程等について概要説明を聴取しました。  次に、普天間飛行場では、米海兵隊基地司令部より、同飛行場役割任務所属部隊等について概要説明を聴取した後、派遣委員より、沖縄国際大学への海兵隊ヘリ落下事件に対する改善措置普天間飛行場代替施設に対する米海兵隊認識米新型輸送機オスプレー配備予定有無等について質問が行われました。その後、同飛行場施設視察を行いました。  最後に、沖縄県庁では、仲井眞知事から、米軍基地我が国及び東アジアの平和と安定の維持に重要な役割を果たし、沖縄がその根幹を担ってきたと認識している、日米安全保障体制が安定的に維持されるため、県として、県民の過重な基地負担軽減に取り組んでおり、また、日米地位協定の抜本的な見直し及び米軍基地運用に伴う事件・事故の防止等日米政府に強く求めている、普天間飛行場移設問題に関しては、同飛行場危険性の除去と騒音軽減政府に求めているところであり、地元名護市からは移設について可能な限り沖合に寄せてもらいたいとの要望もある、移設問題が早期に進展することを期待しているとの趣旨意見が述べられました。  これらの意見に対し、派遣委員から、沖縄県の振興等今後の在り方、普天間代替施設建設に関する地元との合意環境面への配慮、仲井眞知事の主張する三年目途の閉鎖状態政府案及び名護試案に対する認識防衛省代替施設建設予定地周辺海域調査地元防衛省との調整の状況代替施設建設における今後の県と国との協議見通し等について質問等が行われました。  なお、沖縄県知事から、在日米軍再編在日米軍基地問題解決促進等に関する要望書が出されました。同要望書につきましては本日の会議録末尾に掲載されますよう、お取り計らいをお願いいたします。  以上が今回の派遣概要であります。
  7. 田浦直

    委員長田浦直君) ありがとうございました。  以上で派遣委員報告は終了いたしました。  なお、ただいまの報告の中で要請がございました沖縄県からの要望書について、これを本日の会議録末尾に掲載することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 田浦直

    委員長田浦直君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  9. 田浦直

    委員長田浦直君) 次に、駐留軍等再編の円滑な実施に関する特別措置法案について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  10. 柳田稔

    柳田稔君 おはようございます。  今日は基本的なことを最初お伺いをさせていただいて両大臣のお考えを教えていただければと、そう思って質問させていただきます。  まず最初に、日本独立国家なのかなと、時々そういう思いがいたします。その理由は、独立国家要件というのはいろいろあるかと思うんですけれども、その中の一つとして一番大きなテーマというのは、やはり自分たちの国は自分たちで守る、これが独立国家一つ要件じゃないかと私は思っています。ところが、我が国には他国軍隊がいるわけですね、それも強大な。そういう日本というのは、堂々と胸を張って日本独立国家ですと言えるんだろうかと私は時々疑問に思うんですけれども、両大臣のお考えを教えてください。順番はどちらでもどうぞ。
  11. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 自分のことは自分でやる、自分の国は自分で守るという基本的な姿勢は正しいと存じます。当たり前のことだと存じます。日本の場合はその点がいわゆる戦争、いわゆる一九四五年に戦争に負けてこの方占領国になって、それから、独立をいたしました昭和二十七年四月の二十八日以降今日までの間、いわゆる当初のうちは朝鮮事変等冷戦構造というのがこの地域で顕著であったという時代がありました。経済復興に専念をするという意味からも、池田・ロバートソン会談、いろいろ歴史を見ますとありましたけれども、そういったものが続いておったのが変わりましたのが、多分一九九〇年のいわゆるソ連邦の崩壊、それに伴います冷戦構造崩壊と存じます。  ただ、この巨大なユーラシア大陸の東の方には、御存じのようにいわゆる民主主義というのではなくて一党独裁の国が幾つかあるというのはもう御存じのとおりです。そういった意味におきまして、それらの地域におきましては依然ミサイル脅威とかまた大量破壊兵器の話等々、いろいろあります。そういった状況の中にありましては、我々としては、日本一国だけでこれらの脅威対応できるであろうかという問題点一つ。そして、我々としては、現実的に考えていった場合に、それらの核を保有している国若しくは保有しようとしている国というのがそこにあるという現実を考えたときに、我々としてはきちんとした自国を防衛するために他国一緒になって同盟を結ぶというのは、独立国として我が国の地位と何ら矛盾するものではないと、そのように考えております。
  12. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 我が国の意思によって、すなわち我が国主権に基づいて選択をすることによって駐留軍を受け入れるということをやっているわけでありますから、それはもう独立国として何ら恥じることではございません。
  13. 柳田稔

    柳田稔君 歴史的な経過、そういうことがあって米軍日本にいると、今までいたと。まあ、麻生外務大臣の話をちょっと今繰り返しているんですけれどもね。その後、米ソの和解というか、ベルリンの壁が崩れて、それから世界の状況は一変しました。  その後、じゃ日本はどういうふうに米軍考えているかというと、先ほど出ましたように、ミサイルとか大量破壊兵器とか一党独裁国家とか、いろんな要素を挙げられましたけれども、独立国家というのはやはり自分たちの手で自分たちを守る。どれぐらい守れるか、それは各国が決めることじゃないのかなと、私はそう思っているんですね。例えば、日本という国が、今はこれだけの経済大国になりましたけれども、我が国にとってこれぐらいの防衛力は必要だと、しかしここまでやるとできないというのもありますよね。それは政権担当しているところがいろいろ考えながらやっていけばいいことであって、それに対して、ミサイルが飛んできます、大量破壊兵器がありますという状況はあるかもしれませんけれども、あるんでしょうけれども、だからといって、我々はそれに対応できないので他国軍隊日本に駐留させますと。ちょっと私は違うような気がするんですけれども、どうでしょうか。
  14. 久間章生

    国務大臣久間章生君) ソ連が崩壊した後、我が国を取り巻く環境が変わったかどうかということで、今委員がおっしゃったようなそういうような視点も含めまして、橋本・クリントン会談がハワイで行われたわけであります。そして、引き続き安保条約を堅持するかどうかについて、我が国我が国として検討いたしました。  そのときの我が国を取り巻く環境からいって、現在の安保条約をそのまま堅持することの方が我が国国益にとっては望ましいという、そういう判断の下に時の政府として決定をして、そしてまた、同じ安保条約に基づくそういう米軍を受け入れるということで、その必要性を感じるならばもう少しそれを機能的にきちんとした方がいいということで新しいガイドラインの取決めをしたわけでありまして、そういう意味では、我が国我が国主権に基づいて我が国判断しながら在日米軍を置いておくということの方が我が国の現在からいって望ましいという判断をしたわけでございますから、独立国として何ら恥じることではないと私は思っております。
  15. 柳田稔

    柳田稔君 議論をするつもりは余りありませんので、いろいろ教えていただければと思うんですが。  では、ちょっと別な角度で、今の総理は戦後レジームからの脱却という言葉をよくお使いになりますよね。米軍日本にある歴史的な理由というのはよく分かります。しかし、もう六十年たったんですよね、戦後から。六十年たって、これだけの大きな国になって、なぜ今でも他国軍隊日本にいるんでしょうか。戦後レジーム脱却とおっしゃるんだったら、その他国軍隊というのを、もう結構ですよと、我々は独立国家として自分たち自衛力で守っていきますと言ってもよろしいんじゃないかと思うんですけれども、私はですよ。なぜ戦後六十年たっても、今でもなぜ他国軍隊が、それも少々じゃありませんからね、大変大きな強い軍隊があるんでしょうか。
  16. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それぞれ皆さん方が、いろんなことを国民皆さん方考えるのは私はいいと思いますけれども、何が一番いいかというのを最終的には選択する必要があろうかと思います。  そして、我が国の場合は、憲法によって、防衛については許されるけれども、攻撃力については非常に制約が加わっておる。そういうことを考えますと、これだけ南北に長い、しかも我が国周辺を取り巻く環境というのは必ずしも安定していない、こういう状況で、どこまで我が国独自でやったら防衛力を必要とするか、そういうことについての検討も必要だろうと思います。  そういうことを総合的に考えたときに、米軍との日米安保条約を締結して、引き続きこれを維持することの方がいいんじゃないかというような、そういうような判断政府としては行っているわけでありまして、これはまた我が国国民世論も、いろんな世論調査やってみても安保条約を引き続き堅持することがいいというのが圧倒的に多いということは、やはりそういう選択の方が国益としては総合的にかなっているという、そういう判断をしているんじゃないかなと思っておりますから、政府としては間違った選択をしていないと思っております。
  17. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今、久間大臣が述べられましたように、これは、柳田先生、自らの自衛力若しくは国防力のみでは今の我々の置かれておりますこの北東アジアのいわゆる状況というのを考えた場合に、日本一国のみで、核を保有している若しくはしようとしている国々三つ隣国に持っているという状況下にあって、少なくとも我々は自分だけでそれに対応できない、少なくとも攻撃はできないという憲法の下ではこういった状況対応が極めて難しいと、そういった状況をいわゆる軍事的に考えたものが一点。もう一点は、しからばそれに対応できるだけの攻撃力を持つ、それに対応できるだけの武力を持つことに掛かりますコスト。三つ目は、多分それによって隣国が感じます反応、隣国脅威と感じるであろう対応等々を考えて、今の段階、我々としては先ほど久間大臣が述べられましたような結論に達しておる。したがって、ここにアメリカ軍一緒にという抑止力を維持するという方法が最も我々としては現実的ではないかというのが結論なんだと存じます。
  18. 柳田稔

    柳田稔君 核を保有している国が近くに三つあると、そのとおりですね。ただし、そのうちの二つ大国ですよね。日本がどれだけ頑張ったって対等に軍事力を整えられるということは到底考えられません。その国とどうのこうのするというふうにしますと、日米安全保障の枠を大幅に超えないとできないんじゃないかなというのが私の感じですね。  で、三つのうちの一つに対しては、今の日本自衛隊能力であってもちゃんと対応できるんじゃないのかなと私は思うんです。だから、大国二つに対する対応と、小国とは言いませんけれども、もう一つの国に対する対応我が国の取り得る防衛力というのは考え方が変わってもしかるべきじゃないのかなと。  もっと言いますと、大国に対して日本は何をやったって無理ですからね。だからといって、じゃ他国軍隊日本にいればそれが対応できるかというと、そうでもありませんよね、大国に対しては。で、もう一つの国に対しては日本だけでもできるんじゃないかと、そう思いますと、極東地域のことを考えても、今でも本当に他国軍隊日本に必要なのかなと私は思うんですけれども、私の考えに対してはどうでしょうか。
  19. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 本当に柳田委員がそういうふうに考えておられるか。どんな小国であっても、こちらが攻撃力を持たないときにそれに対して今の日本で十分対応できるか、ミサイル等開発等が行われておりますし、また、まだ初期の段階とはいえ核実験等も行ったと発表をしておるわけでありますから、そういうときに我が国攻撃力を持たずして果たして国の安全が守っていけるという自信があるかどうか、その辺についてはやはり疑問を持たざるを得ないわけであります。  さりとて、今度はそのために我が国日米安保条約を結ぶかということになりますと、これまたそうとも言い切れないことがありますので、やはり在日米軍が、要するに、米軍のプレゼンスがあるということが、戦後六十年間、これだけこの地域戦争我が国を取り巻いてなかったということについての思いを寄せたときには、現在の状況を続けることの方がいいんじゃないかと。大国といえどもこれがまたこちらとしては対抗できないから、もう何かあったときはあきらめますというような、そういうことを国民に対してメッセージを送った方がいいのかどうか。それよりも、米軍安保条約を結ぶことによって、そういうようなことについてでも対抗できる体制を取っておりますよということによって抑止力になっているんじゃないかと、そういうことも考えながら今やっておりますと、やっぱりこの方策が一番現在の与えられた状況ではベターではないかなという、私はそういうふうに思っておりますし、それが現在の政府姿勢じゃないかなと思っております。
  20. 柳田稔

    柳田稔君 ミサイルがある、ミサイルに核兵器ももしかしたら載っているかもしれない、それに対して日本攻撃力は持ってないんで、その補完を米軍にしてもらっていると、そういうふうに聞こえたんですけれども。  ちなみに、もしミサイルが撃たれた場合、発射された場合、防げるんですかね、ミサイルを。
  21. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それを防ぐためにミサイル防衛システムを導入しようとしておるわけでありまして、これが一〇〇%とは私も言いません。しかしながら、少なくとも我が国ではそういうミサイル防衛システムで防御する態勢を取りながら、アメリカのまた抑止力、そういうのに頼るという、そういう選択は許されるんじゃないでしょうか。
  22. 柳田稔

    柳田稔君 ミサイルを防ぐんでしたら地上の部隊というのは要らないんですよね。例えば、今回沖縄に行きましたけれども、普天間を見ました。ヘリコプター基地ですよね。ヘリコプターが幾らあったからといってミサイル対応できるわけではないんですよね、実は。今大臣おっしゃられたように、ミサイルには、今一生懸命開発中の防衛迎撃ミサイルですかね、そういうものを開発しようとされているのはよく分かるんですが、そのことと米軍日本にいることと、私はイコールじゃないと思っているんです。  例えば、じゃジェット戦闘機がありましたと。神奈川の方で夜間離着陸訓練をやっていますよね、真夜中。あれとミサイルが何の関係があるんだと、大量破壊兵器と何の関係があるんだと言われたら、大臣、どう答えるんですか。
  23. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 先ほどはミサイルの例を言ったわけでありまして、ミサイルに限らず、あらゆる事態に対処して、想定して構えなければなりません。そのためには、我が国に対する着上陸作戦あるいはゲリラ等特殊部隊による攻撃、いろんなこともやっぱり併せて考えておかなければならないわけでありますから、そういうようなことも全部想定しながら、米軍日本と、役割任務能力というのをどういうふうにそれぞれが受け持つか、これから先も、今検討作業を続けておりますけれども、そういうようなことをしながらやって、そして総合的に我が国の平和と安全を守る、そういうことの方が一番いいんじゃないかと。  そして、我が国で、もし今のような言い方をされますならば、我が国に対してそういうことの侵略等がないんなら自衛隊はなくしてしまえという議論と似てくるわけでありまして、そこのところの、自衛隊を置かなきゃならない、しかしながらその自衛隊攻撃に耐えられなくてもいいということになるといけないから耐えなきゃならない、米軍を頼らずに耐えようとしたらかなりの経費も掛けなきゃならない、人的要素も必要になってくる、そういうことになったときに、これから少子化その他があるときに、米軍と手を組まずして我が国の平和と安全が本当に守り切れると国民に向かって言えるかどうか。  そういうことを考えますと、柳田委員が私のこの立場に置かれたら、ちょうど私が考えているのと同じようなことをやっぱり考えながら、ただ、米軍が駐留することによる負担の重いところに対してはどういう配慮をするかという、そういう思いを寄せながらも、やっぱり避けては通れないんじゃないかなという選択をされるんじゃないかと、私はそう思うんですけれども。
  24. 柳田稔

    柳田稔君 なぜこういうことを思ったかといいますと、先ほどの派遣報告がありました。普天間を見に行きました。大変静かなんですよ。なぜかと聞いたら、ほとんどのヘリコプター始め部隊がイラクに行っておりますので、今ここにいません、だから静かなんですとおっしゃっていました。  もう一つ考えてみると、じゃ沖縄からイラクにヘリコプター部隊を行かすときに、ヘリコプターは自力で飛んでいけませんよね、当然。輸送艦か輸送機に載っけて行くんでしょうね、どれぐらいの期間掛かるか分かりませんけれども。といいますと、何を言いたいかといいますと、現実にイラクがあったらいないじゃないかと。もし今何か起きたらいないんですよ、米軍は。すぐ帰ってこいと言ったって簡単に帰ってこれませんよね。  ということは、何を言いたいかというと、日米安全保障日本を守るためにいるのだろうかと。もしかしたら、日米安全保障考えの概念以外のことをするために米軍日本にいるんじゃないかと。そう思うと、じゃ、日米安全保障日本を守ってくれるために米軍はいるんだ、日本軍事力をどんどん付けていくと経済的に大変だ、だからいるんだと言われても、ちょっと説得力がないと言っちゃ失礼なんで、僕は理解がしかねるんですけれども。
  25. 久間章生

    国務大臣久間章生君) そういうような完全な空白ができたらいけないけれども、ある程度海兵隊が減じたとしてもいいんじゃないかというような判断から、米軍が今回八千人沖縄から減ってもいいという判断をしたわけであります。  しかしながら、一方、我が国から見たら、今のような状態でずっと未来永劫いいかどうかになると、やっぱりいざというときにはそれに対して応援ができるような、そういう体制も必要だと。そうしますと、もう米国本土に行ってしまうんではなくて、近いグアムならグアムにその部隊が、いざというときには活躍できるようなそういう部隊がおるということは非常に心強いという、そういうような気持ちからグアムへの移転をこちらとしてもお願いをしたわけでありますから、そういう点では、今までみたいに一万八千人の、一万九千人の海兵隊が日本に常時いなければならないというようなことについては、アメリカ自身が米軍再編考えたというのも私はうなずけるんじゃないかなと思います。
  26. 柳田稔

    柳田稔君 ミサイル一つの例だと大臣おっしゃいましたけれども、それ以外の問題があるから米軍がいるんだとおっしゃったんで普天間状況をちょっと話させてもらったんです。  だから、ミサイル対応する、核兵器に対応する、それはヘリコプターだろうとほかの戦闘機だろうと対応能力ほとんどありませんよね。だけど、そのミサイル以外の何かがあったときのためにいる、必要だとおっしゃったから、でも現実はいなかったんですよね、沖縄に。どこ行っていたのと聞いたら、イラクですと。どれぐらいまでいるんですかといったら、これは分かりませんよね。もう既に何年たっていますかね、空白が、あのイラク戦争が始まってから。ちょっとやそっとの期間じゃないですよね、もう。これからもどれだけ掛かるか分からないわけでしょう。それでいざというときに対応できるというのは、私は分からない。  大臣がそれは十分だとおっしゃるんだったら、何でかなという気がするんですけれども。
  27. 久間章生

    国務大臣久間章生君) いや、私は十分と言っているわけじゃございませんで、アメリカ自身も、イラクにあんなふうに長期間海兵隊を含む米軍がかかわるということは想定していなかったんじゃないかなという思いもいたします。しかし、結果としてそうなったと。そのときに、こちらでそういうようなもし万一のことが起きた場合には、確かにせっかく今まで日米安保条約によってやっているのに大変なことになるということについての懸念がないわけじゃありませんで、だから一日も早くイラクのああいう紛争といいますか、混乱状態が収まってくれることを我々としても期待しておるわけでございますが。  しかしながら、やっぱり米軍も、そういうような短い、四年間か五年間という経験かもしれませんけれども、そういう経験の中で、沖縄に海兵隊を今までみたいに置いておく必要はないという判断から、むしろそういうような司令部機能をグアムならグアムに置いて、沖縄からは八千人移動させてもいいと、そういうふうな判断をしたわけでありまして、私どもも渡りに船と、沖縄負担軽減しながら抑止力を維持するにはその方がいいということで、応分の負担をしてでもそういう減らすことについて協力しようという形になったわけであります。
  28. 柳田稔

    柳田稔君 要は、なぜ他国軍隊が、ここまで強い軍隊日本にいるんだと、必要なんだということを考えたときに、ミサイルとか核兵器とか大量破壊兵器とかその他のこととかいろいろ考えた。それにつけても本当に必要なのかなと実は思ったものでいろいろ尋ねさせてもらったんですが。  ちなみに、ミサイルをどうにかしようといったら、迎撃するようなミサイルを置きさえすればいいんですよね。置いてもまあ多分命中率はほとんどないんで、大分地上に落下するとは思うんですよ、私は、今の技術であれば。PAC3でしたっけ、配置した、じゃあれが一〇〇%命中するかと、あり得ませんよね。まあ答えられないと思うんですが。何%の命中率ですって大体防衛省だったら御存じだと思うんですけれども、答えられませんよね。ただ、湾岸戦争のときの話をいろいろ聞いたときには、相当命中率低いなという話は聞いたことがありまして。  そうして考えていくと、じゃ、ミサイルとか大量破壊兵器対応するためにこんな軍隊要らない、その他のことがあったときに必要だと。だけど、必要なんだろうと思ったら、現実はある戦争があって日本にいないと。それも短期間じゃなくて現実もう長期間ですね。それでもいいんだと言われても、ううん、なかなかだなと。そうしたら、本質的に他国軍隊はなくても今の自衛隊の力でも、能力でもやっていけるのかなと思ったりしています。  ただ、答弁を聞いていますと、日本には攻撃する権限がないんで、そのために米軍が必要なんだという御答弁もありましたね、さっき。でも、それは日米安全保障考えの中に入るんですかね。
  29. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 日本は、よく言われておりますように、盾の役割はするけれども矛の役割は持っていないと。これは前から言われているわけでありまして、そしてまた矛を持とうとしますと、この攻撃力の場合は先へ先へ結構広がる可能性もあるわけでありますから、独自で防衛力を維持するということになりますと、まあそういうふうにかなりこれもこれもという、やっぱり不安になりますとこれもこれもとなりかねないわけでありまして、現に、世界各国の防衛力を見たときに、GDPの一%ということとそれ以下で収まっているということは、我が国は非常にいい選択を戦後やってきたという、そういうようなことについても考えていただきたいと思うわけでありまして、余りそれを言いますと、今アメリカサイドからもいろいろ言われますように、もう少し防衛力を増やせ増やせと、防衛費を増やせというような話にもなりかねませんので余り言いませんけれども、特に我が国だけで防衛をやろうとしたならば、かなりの予算あるいはマンパワー、これを突っ込まなければいけないんじゃないかと。それが我が国にとって得策かどうか、そういう国全体のそういう仕組みからも考えを持っていただきたいと私はお願いしたいんです。
  30. 柳田稔

    柳田稔君 最初質問にまた戻るんですけれども、独立国であるんだったらその国の責任においてやればいいわけですよね、それは、基本的に。ただ、日本選択は歴史から考えたときにいろんなことがあったんで米軍の力を頼ってますと、だから経済発展しましたというのもよく分かるんですが、これから先々考えたときに、日本を取り巻く環境がどう変わるかも分かりませんよね。いつまでもいつまでも米軍に頼るわけにも、頼っていいのか悪いのか分かりませんが、いつまでもいつまでもこの状態が続くとも思えませんよね。  そのときに、いろんな要望もあるかも分かりませんけれども、僕は基本に一回返って考えてもいいんじゃないかなと。何回も言いますけど、我が国の守りは我が国の手でやれと、自分たちの手でやったらどうかと、その基本に立ち戻って、一回今後のことを考えてもいいのかなと思ったりもしているんですけれども。
  31. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 我が国の取り巻く環境というのをどう見るか。もう未来永劫戦争なんてない状態なんだと、そういう状態としてとらえて、国民皆さん方もそうだというふうになって、それが崩れたときにはみんながもう共倒れで死にましょうという、そこまでの覚悟ができておれば私はいろんな選択ができると思うんです。  しかしながら、我が国は、ちょっと不安材料がありますと、何やってんだ、何やってんだ、何でそんなの持たないんだ、何で航空母艦を持たないんだというような、そういう話になりかねない、そういう危険性我が国国民性としてはあるわけでありますから、そういうことも考えながら今までの政府はいい選択を私はしてきたんじゃないかなと、そう思うわけでありまして、そういうようなことから私は、日米安保条約というのは結構いい機能をしていたと、そういうふうに思いますし、現在もそれは必要じゃないかな、そういうふうに思います。  だから、柳田委員がおっしゃられるような意見国民の大多数が持つようになったら、あの安保条約はいつでも国の意思としてやめることができるわけですから、しかしながら、そういうような選択をやっぱりしてないということは、国民皆さん方が私のような今の考えを大多数が持っているんじゃないかなと、私はそういうふうに思っております。
  32. 柳田稔

    柳田稔君 私は、日本軍事力は要らないとは言ってないんです。必要だという立場で、どこまでやるかは独立国家として考えて実行していったらどうですかと、それがベースじゃありませんかと。それは、過去は戦争以降いろんなことがありましたから、過去については分からぬでもありません。だけれども、ベルリンの壁が壊れて以来、いろいろ変わってきましたよね、世界が。また、最近、この極東の状況も変わってきましたよね。  そういうことを踏まえたときに、もう一回基本に返って、自分の国は自分たちの手で守るように努力されたらどうですか、これが基本じゃありませんかと。アメリカとの協力関係は同じようにやればいいと思うんですよ。ただ、日本の中に他国軍事力があるかないかの違いだけで、必要があればいろんなことで協調してやっていけばいいだけだという考えも成り立つんじゃないのかな、これからは、と思ったりもしているんですけれども。
  33. 久間章生

    国務大臣久間章生君) アメリカでも国内ではいろんな意見があろうかと思います。しかしながら、日米安保条約に基づいて日米同盟関係ができ上がって、今までのずっとつながりがあるからそれを大事にしようというわけでありまして、ここで、もう日本からアメリカ軍は帰って結構ですよ、日本日本独自でやりますよというようなそういうことを日本が態度として示した場合は、ああ、そうですかという話になったら、これは大変だとなったときに、同盟を結んでくださいといって、果たして、いや、ちょっと考えさせてくださいというふうなことだってあり得るわけでありますから。やっぱり同盟とまで、ここまで深いきずなができ上がったというのは、これまでのつながりが長く続いてきて、そして余りそれが変なことにならずにいい方向に来たという、そういうようなことも考える必要があるんじゃないかと思うんです。  だから、そうなってまいりますと、私は、これ今、例えば中国の今度第四世代の戦闘機なんかが結構増えてまいりまして、日本自衛隊の数ではもう圧倒的にこちらが負けますけれども、在日米軍を入れた場合には今のところはその数がやや拮抗しておりますけれども、これとてもまたアップされてくるというようなそういう状況下の中で、アメリカ日本に置かなくて結構ですと、もう三沢も結構です、沖縄も結構です、アメリカ本土に帰ってくださいという選択を果たして防衛大臣としてできるかという、そういうことも考えていただきたいわけでありまして、そういう立場になってみれば、やっぱりそれなりの国民の不安感、そういうのをどうやって大丈夫ですよということについて維持できるか、それが大事であります。  それと、先ほどPAC3について言われましたので、これも間違ってもし伝わったらいけませんから言いますけれども、SM3とPAC3と両方ですけれども、PAC3にしてもSM3にしても、PAC3は、特に湾岸戦争最初のときのやつは大変失敗といいますか確率が悪かったのは事実でありますけれども、かなり改良されまして今は精度は上がっております、数字を言うわけにまいりませんけれども。私もアメリカに行くたんびにいろんな実験の映像その他見せてもらいまして、ああ失敗した、ああ今度はうまくいったとか、そんなのをずっと見てまいりましたけれども、かなり精度が上がっておりますから、そういうことで踏み切って配備にしたわけでありまして、そういう点も国民に不安を余り与えないように、一〇〇%とは言いませんけれども、ミッドコースとそれから最後のラストコースのこの両方の組合せでかなりの精度が上がっておるという、そういう点についても少し言わせていただきたいと思うわけであります。
  34. 柳田稔

    柳田稔君 日米安全保障の担保と言っちゃ言葉はちょっと変かもしれませんけれども、維持するためには米軍日本にいる必要があるんだと、何かそういうふうに聞こえちゃったんです、私は。  そうすると、じゃ日本以外の国を見たときに、例えばヨーロッパですよね、米ソが大変なときには米軍はいましたよね、NATOの地域に。ところが、ベルリンの壁が壊れた後引き揚げましたよね、ほとんどが。引き揚げましたよね、ほとんどは。少しは残っているかもしれませんけれども、ヨーロッパにね。引き揚げちゃったんで、じゃアメリカとヨーロッパの安全保障関係はおかしくなったのかなとは私は到底思えないんですよ。それは、二国間の信頼関係があって、必要があればともに行動を起こすという信頼関係さえあればおかしくならないんじゃないかと。  もし先ほど久間大臣がおっしゃったような理屈でしたら、じゃヨーロッパとアメリカ関係おかしくなっていますよね、当然今だったら、引き揚げちゃったんですから。
  35. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 私は、先般、2プラス2の後ベルギーに行きまして、NATOの事務総長と会ってまいりました。  やっぱりヨーロッパの場合、NATOが果たしてきた役割というのは結構大きかったわけですけれども、そのNATO自身がソ連との対抗軸で、ワルシャワ条約機構との対抗軸であって、それにはアメリカが入っておったわけですけれども、今EUという形ででき上がりまして、それと同時にNATOがやっぱり機能しておりますから、そういう点があるわけでありますけれども、我が国の場合は、我が国が単独で国の安全保障を語っていかなければならないわけですね。アメリカを抜きにした場合に、我が国我が国だけでやれるかどうか。その点、ヨーロッパの場合は、アメリカが力をかなり引いたとしても、そこのところがNATOがかなり機能しておるという、そういう点もあります。  だから、そういうような、やっぱりいろんな比較するときに、その与えられた環境がどうなのか、我が国の場合、北東アジア地域において果たしてヨーロッパと同じような環境かどうかというのを考えなきゃなりませんので、そう考えたら、現段階アメリカとの同盟関係在日米軍の駐留、それをやっぱりなかなか排除することができないんじゃないかなと、そう思っておりまして、私は現在の体制の方が非常にいろんな点考えたときにいいんじゃないかなと思っておるわけです。
  36. 柳田稔

    柳田稔君 今回の法案の中身見ますと、グアム移転に対して三十年ですかね、五十年掛けて返してもらうと。ほう、三十年先、五十年先までも今と同じような考えを持ってやっているのかなと、違うんじゃないのかなと。どう変化するか分かりませんよ、極東地域が。どう変化するかも分かりませんけれども、今の体制がなければ三十年先も五十年先もやってられないということではないと思うんですね。  とすると、だから僕が言っているのは、過去はよく分かっていますと、でも将来はどうなるか分かりませんと。分からないんだけれども、今後考え基本は、自分の国は自分で守ったらというのを基本に据えて一回考えてみたらどうでしょうかと。ただし、日米関係というのは基軸だというのもそれもよく分かっていますから、これは維持しながら、問題は米軍という大きな力が日本に存在しないとやってられないんですかというのが僕の疑問なんです。だから、今と同じようにやっていけばこれはそれでいいんだというのもどうかなと実は思ったもので、ちょっと質問をさせてもらいました。  次に、先ほど来から出ています抑止力米軍日本にいるのは抑止力、これがあるからだ、一つの要因だとおっしゃっていましたけれども、では、今の日本には自衛隊がいますね。実力行使ができる力を持った自衛隊がいます。それにプラスして米軍がいる。それが抑止力だとおっしゃる。では、両大臣は、抑止力というのはどこまで持てばいいと思っているんですか。どれぐらいの力を持てば十分な抑止力だと思っていらっしゃるんですか。
  37. 久間章生

    国務大臣久間章生君) この抑止力というのは、基本的には、武力攻撃したり、要するに侵略をしたときに耐え難き損害を自分が被るという、そういうようなことが、その脅威感が抑止力になるわけですから、相手方の意識によっては抑止にならないことだってあるわけですね。少々の被害を受けてもいいからやってやろうというようなことで、それを平気でやるようだったら抑止にはなっていないわけでありますから、だから、そういう点ではこの抑止力というのは相手との関係で比較せぬといけませんから、それが抑止にこちらはなると思っておってもならぬ場合だってあるわけですね。  しかしながら、少なくとも今の米軍日本自衛隊とが組んでやれば、そうすればこれにとっては日本に対する侵略をした場合、武力攻撃をした場合はかなりの被害が出るぞということが歯止めになるわけでありますから、だからそういう点で私は抑止力を持っているというんで、抑止力がどこまで効くか効かないかというのは、相手に対する与える心理面でのあるいはまた制度面での担保とか、そういうものを含めて、まあ日本抑止力があると思っているけれども、アメリカがそんなに反応するはずないと、日本自衛隊だけだと思ったら、それが非常に相手から見れば抑止にならない、抑止が軽い形になりますから、だから私たちは今回も、北朝鮮がミサイル実験したりあるいはまた核実験をやったときに、いち早くアメリカがコミットメントを出して、もうどんなことでも対応するぞというふうなそういうコミットをしてくれたということは、大変抑止力の点からも有り難いという思いがしたわけであります。
  38. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 抑止力というのは、基本的には不安定化させない力を称号してディターレンス、抑止という言葉を使われて、これ大体、三木武夫内閣が最初だったと思いますが、あのときから使われ始めた言葉だと、これは私の記憶ですけれども、あのころだったと思います。余り聞き慣れない言葉だったものですから、当時、非常に記憶があるんですが。  今、抑止力はどれくらいかと言われて、いい御質問なんだと思うんですが、基本的にまず抑止力三つ一つは力です。これ、力がなければ話になりません。問題は、その力を持っているということを知った上で、それをどう使う、若しくはきちんと日本が何かあったときにそれを使うという国民合意、意思です。三つ目は、そういう力もあり意思もあるということを相手国に知らせておく。この三つ足して多分抑止力ということになるんだと存じますが。  今、日本の中において、少なくともこの抑止力というのは、日本の持っております世界第二の経済力、いわゆる工業力、アメリカの持っております工業力を足して約世界の四割を持っております工業力一位二位同士の国が同盟関係を結んでいるというこの現実は、近代戦ということになりますと工業力は非常に大きな要素を持ちます。  したがいまして、そういう状況下において、一、二位が組んで日米同盟といういわゆる同盟を結んでいるということ自体が、隣国でこちらを攻めようという意思のある国にとりましては非常な大きな抑止力になっておるということなんだと思いますんで、それを、先ほど防衛大臣からも御答弁のあったように、相手がそれをどう感じているかというのは、これはなかなか、柳田先生、ちょっと向こうの感じ方までは分かりませんけれども、少なくともこの二つ、いわゆる、申し上げましたように、工業力とかそういったものがくっ付いた、一、二位の国がくっ付いた同盟関係の存在というものが、隣国をして日本に対してのいわゆるちょっかいを出してくるのにためらう、それが抑止力なんだと思いますので、おれはそんなのは気にしないで、とにかくしゃにむに一発撃っておれはもうそれでいいんだというのが出てくると、これはなかなか、どんな力を持っていても抑止力にはならないということになろうと思います。
  39. 柳田稔

    柳田稔君 日米関係が強固であればそれも抑止力になるんですよね、当然の話ですけれども。それの中で、日本にいる、駐留する米軍抑止力に利いているとおっしゃるんで、じゃどれぐらいの米軍がいれば、麻生外務大臣、力も必要だとおっしゃいましたけれども、どれぐらいの米軍の力があれば抑止力として両大臣は満足されるんですか。今の米軍能力では足りるというのか、いやいや、もっと少なくて済むよと。判断しないといけませんよね、当然、我が国独立国家ですから。  だから、ちょっとお伺いさしてもらったのは、米軍の、日本に駐留する米軍抑止力、どれぐらいの力が必要だとお感じになっているのかを教えていただきたいんですけれども。
  40. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは、柳田先生、定型的に、定量的に言うのはなかなか難しいと存じますが、軍事技術の進歩というのは著しいものがあるんだと思います。  そういった意味で、今回、海兵隊というものの作戦指導部等々がグアムに移転するということになっても、いわゆるIT技術の進歩とかいろいろ軍事技術の進歩によってグアムからでもそれは対応ができるという判断日本もし、アメリカもし、そしてそれは結果として沖縄負担軽減につながるという判断から、抑止力は維持されつつ負担軽減になるということから、今回の在日米軍再編の問題若しくは米軍再編につながっていった背景だと存じます。  したがいまして、状況というものを考えた場合に、少なくとも日本におけます米軍が何万、何千、何百いればとか、航空母艦がとかなんとかいう話は、ちょっと定量的に申し上げるのはなかなか難しいのではないかと存じます。
  41. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 私は、現在の状況は現在の状況でいいと双方が判断しているから現在の状況が保たれているわけでございますが、これから先、やはり米軍が、今度の海兵隊もそうですけれども、米軍が減ったときに、そしてその場合を日本自衛隊がどこまで自分でカバーするかということについてはアメリカだってやっぱりいろいろ考えているわけでありまして、だから米軍自衛隊との役割任務能力についてとにかく共同作業を早く展開させようじゃないかということを非常に強く言われております。  それは米軍だってこういう分野でもう少し引くということがあり得るわけですから、そのときに自衛隊で本当にリカバリーができるかという、そういうことについての詰めがまだできていないというそういう点もありますから、共同でその作業を今やっておる。海兵隊が八千移動することについてもそうですし、あるいはまた、横田に今度空軍の両方の機能が一緒になって情報を共有しながら展開することになったときにどうなんだというような、そういうことについてもやはりそれは常時検討していくことにはなろうかと思いますが、少なくとも現在では、このロードマップで示されましたようなこういう再編でやっていくと、これが現時点では非常に望ましい姿であるというような、そういう認識を持っているということであります。
  42. 柳田稔

    柳田稔君 私の質問は、日本に駐留する米軍抑止力があると、だからいるんだという御答弁だったんです。軍隊というのは量ですからね、力ですからね、あくまでも。力がないと軍隊じゃないわけだから。その力は、量は答えられないとおっしゃいましたけど、量なんです、全部。  だから、日本にいる米軍抑止力はどれぐらいが必要だと今両大臣考えていらっしゃるんですかと。それは何かないと、じゃ、今御答弁になったように、自衛隊をもっとこの辺を強くしないといけないとか、ここは頼ってもいいとか、いろんな計画もあるはずですね、自衛隊の中においても。そうすると、米軍抑止力の数も把握しておかないと、将来こういうふうな方向性に自分たちは持っていくつもりだから自衛隊もこういうふうに変えていきます。でも、あしたから、あさってからしろというわけじゃないですよ。方向性を持ってやらないと自衛隊だって大変ですよね。あしたどうのこうのしろといったってできませんよ、これ。何年も掛けて変えるわけでしょう。  とすると、じゃアメリカ軍抑止力というのはどう考えていらっしゃるのか、ちゃんと持っていないとおかしいんじゃないかと思うんですけど。
  43. 久間章生

    国務大臣久間章生君) だから、それは現在の状態で、この量といいますか力といいますか、現在のこの在日米軍の持っている力、それから自衛隊が持っている力、これによって現在は非常にそれが抑止力として機能していると。しかしながら、これから先変化があるであろうから、それに対してはやっぱりまた変化することだってあろうと思いますけれども、少なくとも現時点で言うならば、現時点の量が、それが必要最小限といいますか抑止力として機能していると、そう判断しているわけであります。
  44. 柳田稔

    柳田稔君 あくまでも相手もおりますし、自力の能力もありますよね、先ほど麻生大臣もおっしゃってくれましたけど、技術改良していくわけですから、どんどんどんどん変わってくるわけですよ、我が方も。変わらないとまたおかしいですからね。  そうしたときに、一体抑止力をどこまで考えるのか。また、本当に米軍というのが日本にいないといけないのか。これから、もしあったら不幸ですけど、戦争を想定したときに、米軍日本にいないといけないのか。それを相当まじめに考えてもらう時期に来たんじゃないかと実は個人的には思っているんです。  ある時期、中国との関係は非常に冷たくなっていましたけど、何か最近、中国も入れ替わりがあって、日本を見る目が大分温かくなって、先日も来られましたよね、国会で演説されましたけど。そうして考えていけば、もう抑止力も要らないのかなと思ったりせぬでもないんですけど。
  45. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 各国との関係は、その時点だけで判断するんじゃなくて、向こう三十年、五十年の間も、あるいは百年たってもどうかということも、絶えず国の安全というのを考えたら考えておかなきゃならないわけでありまして、十年前、私が防衛庁長官のときは、私が向こうに行って向こうの国防大学で講演までしました。向こうの国防部長もこちらに来てもらいました。しかしながら、ああいう途中で、その間の十年間の間ではデモがあってみたり、あるいは向こうの原子力潜水艦が我が国の領海内を突っ切ったりとか、いろんなことがありました。だから、国と国との関係は、その時点だけを今見て、これでもうそういう不安はなくなったんだというふうに一方的に言ってしまうんじゃなくて、どういう事態になってでもやれるような状態で、なおかつしかし友好的な関係をお互いが結びながら、やっぱりお互いが抑止力をちゃんとバランスを取っておくということがいいわけでありまして、お互いが軍拡へ走ったらまた大変ですし、お互いがまたそれはもう何もないからということで手を引いてしまったら空白にもなるわけですから、そういうこともやっぱりしちゃいけない。  だから、各国で軍隊を持たない国がないというのは、私はそういうところにやっぱり国民の不安を持たさせないようなことを政治としてはやらざるを得ないという一面があるんじゃないかと思うんです。だから、もう非武装中立論なんというのが日本でやっぱり成り立たなかったのはそういうことじゃないかなというふうに私自身は思っております。  原爆にやられたときは、もうとにかく日本軍隊なんて要らないよと、そういう機運になったのかもしれませんけれども、さりとてそうもいかぬだろうというような、やっぱり抑止力、空白はつくっちゃいけないという、そういう思いが今日をつくっているんじゃないかなと思いますと、今日の状態を維持することに一生懸命やっぱりやるということは大事なことじゃないかなと思っております。
  46. 柳田稔

    柳田稔君 繰り返しますけど、僕、非武装中立なんて一回も唱えたことありません。自衛隊は要るんだという立場なんです。  ちょっと気になるところがあった。どんな事態にも対応できる状況をつくっておかないといけないと今、久間大臣がおっしゃられましたけど、どんな事態にも対応できるといったら今の米軍でも足りませんね。自衛隊でも足りませんよね。いや、どんな事態とおっしゃったから。
  47. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 今の米国を上回る軍事力を持っている国は世界ではないんじゃないでしょうか。その米国がコミットしてくれているということは、日本にとっては大変有り難いんじゃないかなと思っております。  それと、日本がもっとハワイあるいはそっちの方に地勢的にアメリカに近ければ、在日米軍はいなくても米軍がコミットしているだけで私は可能かもしれません。しかしながら、逆にこちらのアジア大陸の方に日本はぐっと近いわけでありますから、そういうことを考えますと、やっぱり駐留米軍というのは必要なんじゃないかなと、国民はその辺は分かっているんじゃないかなというふうに思いますので、私は現在の政府の立場で、態度でいいんじゃないかなというふうに思っております。
  48. 柳田稔

    柳田稔君 だから、抑止力はどれぐらい考えていらっしゃるんですかと聞いたんですよ。  今、日本自衛隊能力って、大臣、掌握されていますよね、ちゃんと。分かっていますよね。当然、在日米軍能力もある程度御理解されているんですよね。その上に立って、米軍抑止力というのはまだ必要だと思われるんですか、これで足りるんですかと。必要があるんだったらもっと来てくれと言えばいいし、もうこれちょっと考えよりも超えているから、じゃもう、少し要らないよと言えばいいわけで、だからアメリカ軍抑止力というのをどこまで必要なんだろうと今考えていらっしゃるんですか。
  49. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 現在の状況で私はいいと思っております。これから先、それが減ずることがあればなおいいと思います。しかしながら、その減ずるためには、取り巻く周りがどうなっていくか、その辺を絶えず見ながらやっていかないといけないんじゃないかなと思いますから、それを間違った場合には、もう抑止力は減っても結構ですよと、アメリカの方の抑止力は減ってもいいですよというふうなことを日本が言ってそうなってくれればいいわけですけれども、そうならないときに、もうちょっと抑止力を増やしてくれというふうにお願いしたときに、果たして向こうは対応できるかどうか、そういうこともやっぱり絶えずこの軍事の面では考えないと、ある時点だけじゃなくて、今までの積み重ねを、これを私は大事にしておきたいなという、そういう思いがあります。  過去、やっぱり何十年と日米安保条約によってやってきまして、今一番日米関係もうまくいっているときじゃないかなと。そしてまた、日本を取り巻く環境も、日米の同盟関係があるということを少なくとも意識しながら、それに対してそれほどの異議を唱えないで、それはもう与件として考えているような現在の状況、これは、私はむしろそれをそのまま置いておいた方がいいような気がいたしまして。
  50. 柳田稔

    柳田稔君 私の持ち時間もだんだん終わりに近づいてきたんですが、いろいろ今日はお話を伺っていまして、大変難しい質問をさせてもらって申し訳なかったと思うんですけれども。  ただ、現実をちゃんと理解されて掌握して将来に備えないといけないというのは当たり前のことなんで、そのときにさあどうするんだと、基本的な考えは何を持っていた方がいいんだろうかというような思いがあったもので質問させてもらいましたけれども、私どもは日本自衛隊は必要だと、当然だと思っています。日米の協力関係も当然必要だと、それは基本だと思っているんです。ただ、それを具体化するときに、じゃ日本米軍は一体どうなんだろうか、どこまであればいいんだろうか、どうすればいいんだろうかというのを考えないといけないと思っているんです。  今答弁を聞かせてもらって思ったのは、相手の国もあるし、我が国の技術開発力もあるし、米国の技術開発力、兵器の性能も変わってくるでしょうからね。そういうことを加味したときに、果たして本当に日本米軍が要るんだろうかと、要るんだったらどこまで要るんだろうか。だから、抑止力とかおっしゃるんで聞かしてもらったんですけれども、また機会があったらいろいろと教えていただきたいと思いますので。  今日はありがとうございました。
  51. 白眞勲

    ○白眞勲君 民主党・新緑風会の白眞勲でございます。  先日、普天間基地キャンプ・シュワブに当委員会視察で出掛けていったわけですけれども、それに関連しまして幾つか御質問したいと思います。  まず、アメリカ軍普天間基地移設工事に伴い実施される海域現況調査について質問したいんですけれども、防衛省は協力するということですけれども、この状況について御説明願いたいと思います。
  52. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 防衛施設庁に対して協力するという意味ですか、協力するというのは。
  53. 白眞勲

    ○白眞勲君 ええ、防衛省施設庁からの依頼を受けて協力するということですね。
  54. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それは防衛省自体の問題でもありますので、防衛施設庁といえども防衛省の機関でありますから、防衛施設庁に任せるんじゃなくて、防衛省挙げてこの問題とは取り組まなきゃいけないと。  といいますのは、キャンプ・シュワブに移るということを前提として普天間も返ってきますし、また海兵隊もグアムへ八千人移動する、これが全部リンクしておりますから、だから、普天間代替施設キャンプ・シュワブに造るという、これがもうキーでございますから、これについては防衛省挙げて取り組みたいと思っております。
  55. 白眞勲

    ○白眞勲君 そういった中で、海上自衛隊の掃海母艦の「ぶんご」が協力するということでよろしゅうございますね。
  56. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 「ぶんご」が協力するということではなくて、とにかく防衛省挙げて取り組んでおりますから、あらゆる機関が協力することについてはやぶさかでございません。
  57. 白眞勲

    ○白眞勲君 海域現況調査については協力するんでしょうか。
  58. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 海域現況調査もそういうキャンプ・シュワブのこれから先の建設のための前提として必要な調査でございますから、これにつきましても防衛省挙げて協力していこうと思っております。
  59. 白眞勲

    ○白眞勲君 そこの中に「ぶんご」が入るかどうかを聞いているんですけれども、いかがでしょうか。
  60. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 「ぶんご」が入るかどうか、海上自衛隊がどうするかと、これにつきましては、まだこれから先のいろんなオペレーションその他もあろうかと思いますが、私は否定はしませんけれども、今ここでそれが協力すると言い切るかどうかはちょっと控えさせていただきたいと思います。
  61. 白眞勲

    ○白眞勲君 でも、沖縄では大分この件について盛り上がっておりまして、控えさせていただきたいと言っても、いずれは、まあやるやらないは別にしても、何か出てくるわけですから、今どういうことを考えているんですよということをやはり国民に知らせるべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  62. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これから先、私たちの希望としては、混乱なく民間に委託した、請け負ってもらった業者が調査ができればいいわけですけれども、かつてのいろんな調査のときに、とにかく混乱といいますか妨害があったわけでありまして、そういうことを考えますと、あらゆる事態が想定されますから、そういう場合のいろんなことに対して協力できるように万全の体制を取っておるわけであります。
  63. 白眞勲

    ○白眞勲君 混乱なくとか妨害があった場合に万全の体制を取るために掃海母艦の「ぶんご」が出ていくというのも何かちょっと違和感があるような感じがするんですけれども、大臣はどうお考えですか。
  64. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 部内でやる、海上自衛隊もそうですけれども、部外であります漁協を始めいろんなところにも協力をお願いをしております。だから、もう部外にお願いするぐらいでありますから、部内でも協力することについての万全の体制を取っている。どういうようなことがあるか分からないわけでありますので、そこで人命救助の場合もあるでしょうし、いろんなことを想定しながら、そういうどうなった場合でも対応できるようにこれを万全の体制を取りたいと、そう思っておるわけであります。
  65. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうしますと、当然、海上保安庁とかなんかにも依頼はしたんでしょうか。
  66. 久間章生

    国務大臣久間章生君) もちろん、海上保安庁にも官庁間協力として依頼をしております。  だから、やっぱりこれについては、先ほどから言いますように、混乱が起きないように、それが一番の私のねらいでありますけれども、混乱が起きた場合でもいろんな危険も起きないように、そういうことも含めましてとにかく万全の体制を取りたいと、そう思って海上保安庁にももちろんお願いいたしております。
  67. 白眞勲

    ○白眞勲君 いわゆる混乱がないように万全の体制を取っていきたいと、そういうことですと、「ぶんご」が海洋調査に直接かかわるということはないということですか。
  68. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それもないとは言い切れないと思います。  とにかく、民間に委託しているから民間がまずそれをやるわけでありますけれども、そういう人たちが、まあこういうことはないかもしれませんけれども、とにかく拘束されるとか、妨害する人からですね、そして調査ができないとか、そういうことになったらいかぬわけでありますし、そうでなくても、非常に妨害されて調査が、拘束まで行かぬにしても調査ができない場合とか、いろんなことがあるわけですから、そうなった場合でも我々としてはとにかく調査が可能なような状態にどうやったら持っていけるか、そういうようなことを念頭に置いておりますけれども、とにかく混乱のないようにしたいと思っております。
  69. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、民間だけですと拘束とかあるいはいろいろな妨害工作によって円滑に調査ができなくなる可能性があるから、そういった関係からすると「ぶんご」の部隊の、何というんですかね、隊員がその代わりに調査をするということも可能性としては視野に入れているということですね。
  70. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それを否定するわけではありません。
  71. 白眞勲

    ○白眞勲君 その場合の法的根拠というのはどうなんですか。
  72. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 先ほどから言いましたように、よそからの、ほかの省庁からの依頼を受けて官庁間で協力することもできるわけでありますから、ましてや防衛省の一組織がやるときにそれをやるために防衛省としては万全の体制を取り得るわけでございますから、私はそれは現在の法制の中で可能だと思っております。
  73. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうすると、民間が仕事をしているところに防衛省の艦船が入って国がやるということに対する法的根拠はいかがでしょうか。
  74. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 民間を排除するといいますか、民間を押しやってやるというようなことは考えておりません。
  75. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、共同でやるということなんでしょうか。
  76. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 必ずしもそういうようなことではございませんで、民間でやれない場合もあり得るから、やれない場合にはそういうこともあり得るということであります。
  77. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、民間がやらない場合にやるということですね。
  78. 久間章生

    国務大臣久間章生君) やらない場合よりもやれない場合というふうに取っていただいた方がいいんじゃないかと思います。
  79. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、何かちょっと細かくて大変恐縮なんですけれども、民間が一〇〇とした場合に、一〇〇がゼロになった場合に自衛隊がやるということなんでしょうか、それとも一〇〇が五〇になったらやるということなんでしょうか。その辺はいかがなんですか。
  80. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 一〇〇が五〇あるいはまた七〇しかやれない状態が出た場合に、あとの三〇はほっぽらかしていいかとなると、そうはいきませんので、それはやる場合があるということであります。
  81. 白眞勲

    ○白眞勲君 次の質問に移りたいと思いますけれども。  またまた普天間の話なんですけれども、せんだって行った折に、普天間基地アメリカ軍の方々が、オスプレーについて私が質問をしたところ、今配備されている機種の後継機種であるというお話をされました。この配備は、今後キャンプ・シュワブの新しい基地ができた折にはそこにオスプレーも配備されるというふうに認識してよろしいんでしょうか。
  82. 久間章生

    国務大臣久間章生君) オスプレーそのものがまだ配備が決定しているわけではございませんで、世界的にも米国の中でもオスプレーの配備がないわけでありますから、それを後継機としてアメリカ開発してきたのは事実でございますけれども、これを今沖縄に配備するというふうなことは具体的には聞いておりません。
  83. 白眞勲

    ○白眞勲君 ただ、その滑走路というのは、一種の半永久的なものでもあるわけですから、当然そのオスプレーというものに対してこれ視野に入れていかないと、今の機種がずっとそのままあるわけじゃないと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
  84. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これも正式には私は聞いておりませんけれども、仄聞しますと、イラクにオスプレーを置くというような、そういう計画を持っているという話は聞いておりますけれども、イラクにおいてもまだ配備されておりません。だから、オスプレーについての配備計画が具体的にまだなっていないと、そういう認識であります。
  85. 白眞勲

    ○白眞勲君 私は、もちろんそうなんです。今、もちろん計画がないから何とも申し上げようがないという、その大臣のお話というのは分かるんですけれども。  当然、今後、まあこれヘリコプターのみならずどんな兵器でも、これがどんどんどんどん老朽化をしていって新しい機種にどんどん入れ替えられるわけで、そういう中で、今普天間に配備されているその兵器、何というんでしょうかね、機種の後継機としてこのオスプレーがあるならば、当然これはシュワブに今度新しい基地ができたらそれも視野に入れていくのが必要なことではないのかなというふうに私は思うんですけれども、その辺についてはいかがなんでしょうかということなんです。
  86. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これは米軍運用にかかわる問題ですから、私よりもむしろ外務大臣に聞いていただきたいと思いますけれども。  今の普天間に現在ありますれば、それを前提として、キャンプ・シュワブでこれを前提としてやらなければなりませんが、将来普天間に置く後継機として置くということだからキャンプ・シュワブもそれを前提としてやっているのかというと、私どもはキャンプ・シュワブの計画を立てましたときにはオスプレーを前提とはしていないわけであります。  しかしながら、オスプレーがじゃ離発着が不可能かというと、私はそれは不可能ではないと思いますけれども、それを前提としては私どもは計画は作ってなかったと。あのロードマップ作りますときには、現在の普天間の中から、例えば空中給油機はこう行きますとか、そういうことをやりながら現在のことを想定しながらプランを作ったということであります。
  87. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうすると、そのオスプレーは今のところは考えていないということでよろしいんでしょうか、それとも今後は分からないということなんでしょうか。どちらでしょうか。
  88. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 今後は分からないということでございまして、米軍運用上の問題だろうと思いますので、私の方では答弁はこれ以上できないということであります。
  89. 白眞勲

    ○白眞勲君 今、オスプレーを前提として計画を立てたわけではないというお話でしたけれども、そうすると、この当初の計画から滑走路を延ばしていますよね。その延ばした理由は何なんでしょうか。
  90. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これは詳しくはまた事務方から聞いてもらっても結構ですけれども。普天間飛行場というのは、御承知のとおり、いろんな機種が、空中給油機もそうでございますし、いろんな機種がありますから、二千七百メートルぐらいあるわけですね。ところが、重立った飛行機については、これはほかの地区に移っていきますから、それほど長いことは必要ないんじゃないかと。そうしますと、小さな飛行機で離発着することはあり得るということで、千六百メーターあれば十分じゃないかということで双方が折り合ったということであります。
  91. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうすると、最初千三百だったと思うんですけれども、何で千三百だったと、それは同じような考え方だと思うんですけれども、その辺はいかがなんでしょうか。
  92. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) SACO合意のときは、先生のおっしゃるとおり、滑走路の長さは千三百メートルでございました。このときは、ヘリの発着のほか固定翼の連絡機等も使うということで滑走路の長さを決めた経緯がございます。  今回につきましては千六百メートルということで滑走路の長さを考えておりますけれども、これについては、その後の情勢の変化で固定翼連絡機についても滑走路の距離の長いものが必要になったということで聞いております。
  93. 白眞勲

    ○白眞勲君 ちょっと、その後の情勢の変化での後ちょっと何て言ったかもう一回言ってください。
  94. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 固定翼の連絡機について、SACOのときに比べてより長い滑走路が必要のものが米軍は保有していると、こういうことでございます。
  95. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、固定翼の連絡機があるから長くしたんだということですか。
  96. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) そのとおりでございます。
  97. 白眞勲

    ○白眞勲君 ただ、それって千三百メートルのときから固定翼の連絡機っていうのはあったんじゃないんでしょうか。
  98. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 米軍につきましては、国内に横田だとか、それから普天間もそうですけれども、何機か固定翼の連絡機を持っておりまして、その機種が変更されたというふうに聞いております。
  99. 白眞勲

    ○白眞勲君 何から何に変更したんですか。
  100. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) ちょっと突然のお尋ねだったんで、ちょっと機種名は覚えてないんですけれども、千五百メートルを超える滑走路が必要な固定翼連絡機が横田に配備されているということでございます。
  101. 白眞勲

    ○白眞勲君 では、その機種を後で教えてください。
  102. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それともう一つ考えていただきたいのは、日本における国内の飛行場で千三百というのはないんですよ。みんな千五百以上なんです。だから、そういう意味では、まあ何かの場合でも、千五百というのがほかでもあるわけでありますから、千六百あればいろんな対応ができるというようなこともありまして、私は、千三百というのはあのとき確かに聞きましたけれども、やっぱりどこかのトラブルがあったとき、日本の飛行機が着陸しようとした場合でも千三百だったら本当に中途半端になってしまうという、そういう思いもありますから、やっぱり千五百は最低限必要なんじゃないかなという、そういう思いを個人的にはしております。だから、千六百あればその点が大丈夫じゃないかなというふうに思っております。
  103. 白眞勲

    ○白眞勲君 滑走路は長い方がいいに越したことはないと思うんですよ、それは、もちろん。それは四千メートルぐらいあればなおさらいいでしょうけれども。  ただ、一つ聞きたいんですけれども、ちょっと突然の質問で申し訳ないんですが、木更津基地は何メートルですか、滑走路。
  104. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) ちょっと手元に資料がないんで、ちょっと調べます。
  105. 白眞勲

    ○白眞勲君 千三百以上ありますか。
  106. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 木更津の飛行場につきましては、滑走路の長さは千八百三十メートルということ……
  107. 白眞勲

    ○白眞勲君 千八百。
  108. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 千八百三十メートルでございます。
  109. 白眞勲

    ○白眞勲君 次の質問にちょっと移りたいと思うんですけれども、今回の法案に関しまして、北朝鮮の動向というものについてちょっと外務大臣にお話を聞きたいと思います。  外務大臣の前にまずちょっと、防衛省の方にまだちょっと、もうちょっとお聞きしたいと思うんですけれども、軍事パレードの件でちょっと私この前御質問しましたけれども、新型のミサイルが公開されたのではないかという私の質問に対して、大古局長さんは、北朝鮮も公開しているわけじゃありませんし、我々の情報能力との関係がありますので、いろいろ調べて情報を把握しておりますが、ちょっとこの場では、どういうミサイルがパレードに出たかということについて防衛省の観測については答弁を差し控えたいと思うというふうに御答弁されているんですけれども。  一方、二〇〇七年五月十六日の読売新聞には、防衛省が新型のミサイルが公開されたと確認となっておりまして、これちょっと、国会答弁では差し控えたいと言っておいて記者会見では認めちゃうという、何かちょっとこれ、どういうことなんですか、お話しください。
  110. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) その質問を受けたときもお答えしたかと思うんですけれども、新型のミサイル開発されていることは防衛省としても情報に接しております。この新型ミサイルには二つございまして、一つは短距離の弾道弾でございまして、これについては固体燃料だというふうに承知しております。もう一つにつきましては中距離の弾道弾であると、新たに開発中であるというふうな情報には接しております。  そういうことを記者会見で確認したんだと思うんですけれども、今回の北朝鮮の軍事パレードでどういうミサイルが公開されたかについては防衛省としてはお答えを差し控えたいというスタンスは変わっておりません。
  111. 白眞勲

    ○白眞勲君 こういうミサイルをムスダンというふうに命名されているというふうにも聞いているんですけれども、韓国でのニュースでの、この最近の軍事パレードで公開した新型ミサイルというのは、過去に旧ソ連が潜水艦発射用として開発したSSN6を改造したものであるとの報道もある。射程がテポドン1よりも長くてテポドン2よりも短い、これは新型中型ミサイル、IRBMとみなしていいんでしょう、それを把握されているということでしょうか。
  112. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 基本的に、防衛省の接している情報につきましては、その中距離弾道弾については先生のおっしゃるとおりでございます。
  113. 白眞勲

    ○白眞勲君 在韓アメリカ軍司令官が先月アメリカの上院軍事委員会で、北朝鮮はグアムとアラスカにある米軍基地攻撃できるIRBMを開発していると証言したそうですが、これはムスダンミサイルと呼んでいいわけですね。
  114. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 射程から考えてそういうことだと思っております。
  115. 白眞勲

    ○白眞勲君 北朝鮮がイランでミサイルの発射実験を行ったという報道もありますけれども、その情報はいかがですか。
  116. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) イランにおけるミサイル開発については、北朝鮮がいろいろ技術的支援をしているんではないかということは情報として持っておりますけれども、個々の具体的な協力状況については把握しておりません。
  117. 白眞勲

    ○白眞勲君 北朝鮮が十八基ミサイルをイランに輸出したという情報もありますけれども、その件について防衛省はいかがですか。
  118. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) そういう報道は承知しておりますけれども、防衛省の把握している情報すべてについてはちょっとこの場でお話しするのは差し控えたいと思います。
  119. 白眞勲

    ○白眞勲君 恐らくお答えいただけないと思うけれども、性能はどれぐらいだということで、言える範囲内で答えてください。
  120. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) イランにつきましては一般に、千キロ級の弾道弾とか、そういうのは保有していると言われておりますし、その長射程化についても鋭意研究しているということでは承知しております。
  121. 白眞勲

    ○白眞勲君 大臣にちょっとお聞きしたいんですけれども、これに関連して、北朝鮮のミサイルの高性能化というのが行われていると。それで、SM3の件では比較的中高度の高度までしか届かないだろうと。ですから、これからは高高度、つまり高い高度に対しての研究というものもアメリカ一緒にやっていかなければならないんじゃないかということを、記者会見でそんな内容のことをおっしゃったということなんですけれども、つまり、日本でも今後こういったミサイルの共同開発を研究する必要性についてはどうお考えでしょうか。
  122. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 高高度という場合は、大抵は遠くに飛ばすために高高度というのはあるわけですけれども、それと同時に、高高度から落下してくる場合にはスピードも速いわけでありますから、だから高高度のやつについて手が出せないということで果たしていいのかどうか。現在は、日本をねらうならばノドンで十分なわけですから、ノドン以上のものを開発する必要はないじゃないかという議論もあるかもしれませんけれども、高高度のやつがもしできた場合に、それに対しては中高度まで降りてこないと、あるいはまた中高度で上がっているときでしかこちらとしては迎撃できないということになるといけませんから、やっぱりあらゆることについて研究はやっぱり進めていく必要はあろうかと思います。
  123. 白眞勲

    ○白眞勲君 また、防衛省は五月十二日に、ミサイル迎撃のための高出力レーザー兵器の研究や開発に着手する方針を決めたというふうな報道があるんですけれども、具体的にはどういったものを考えているんでしょうか。
  124. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 防衛省といたしましては、一般的にいわゆるレーザー兵器に関しまして基礎的な研究は実施しております。ただ、報道にあるようにこれを来年度から開発に着手することを決めたとか、そういうような事実はございません。
  125. 白眞勲

    ○白眞勲君 いろいろな種類のいろいろないわゆるミサイル迎撃のためのシステムというのはいろいろあるから、当然これもいろいろな面で、分野で研究をされていくんだとは思うんですけれども、そういった中で、例えば航空機搭載のレーザー、ABLというレーザーです。何か、ジャンボ機の一番てっぺんのところの鼻先からチューチューチューと何かレーザー光線を出してミサイルを何か吹っ飛ばすという機械らしいんですけれども、機械というのは兵器らしいんですけれども、それについても当然研究としては考えていくんでしょうか。防衛大臣、ちょっとお答えください。
  126. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 考えるかどうかは別としまして、私はおたくの党の皆さん、一部の人と一緒にそのエアボーンレーザー、現在かなり成功しているということで、実際見てきました。  それで、これの場合は、いろいろ問題ありますのは、やっぱりかなり相手の領海に入っていかなきゃならないという問題がありますから、日本の場合にそれを開発したからといって現在使えるのかなという、そういう問題が基本的にあります。  だから、そういうような状況の中で、この問題に正面から取り組むかどうか、その辺はやや議論のあるところでありまして、やはり私たちはそういう問題を含めながら、そしてまたそれの精度と、あるいはコスト、いろんなことを考えながら、ただ、技術的にはレーザーで対応するという、そういうようなことについて、これは破壊力はありませんけれども、ある部分をあれしたら、ブースト段階だったらこれが、そこを爆発させることによって機能を失わせるという、それも否定はできないわけでありますんで、そういうこともいろいろ考えながら、研究することについては、レーザーの研究をすることについてはやぶさかではありません。
  127. 白眞勲

    ○白眞勲君 結局、集団的自衛権の絡みが出ていると、ABLについては、そういう認識なんですよということでしょうか。
  128. 久間章生

    国務大臣久間章生君) いつも言うように、私は、集団的自衛権という言葉が法律上もないのにこれを使うのについてはいつも控えさせてもらっているわけですけれども、我が国憲法との関係から、我が国の領域を超えてよそに行ってアタック兵器をどこまで使えるか、そういう問題との絡みもないわけじゃありませんということを言っているわけであります。
  129. 白眞勲

    ○白眞勲君 実は私、以前この外交防衛委員会で、これは平成十七年の四月の十九日の日に、大野防衛庁長官のときだったんですけれども、この集団的自衛権の絡みでお聞きしたことがあるんですね。恐らく、大臣、議事録も読んでいらっしゃらないからあれだと思うんですけれども、ちょっともう一回、ここら辺のちょっと、私言いますと、例えば日本を通過して、まあちょっと例があれかもしれませんがというふうに、こう議事録書いてあるんですけれども、シアトルにあるアメリカ軍基地をねらっていたミサイルがちょっと外れてシアトル市街に落ちるんだと、これはもう当然発射の時点である程度の着地点は、着弾点は分かるから、それが分かっているというふうになった場合に、そこが、もしかしたら着弾点に幼稚園があったりして、そこでみんなでお遊戯をしている男の子とかちっちゃい子がいて、これ間違いなく落ちるって分かれば、これはもう死傷者が出ることは間違いないだろうと。そういった場合に、これはそのときに防衛庁、大野さんは、いや、できませんとおっしゃっているんですね、これは、そういったものを撃ち落とすことはできませんと。  ただ、やっぱりこれ自分自身も悩んじゃうんで、この集団的自衛権という観点からしてこれは一体どうなんだというのは私もあるんですよ、これは。例えば、大臣が、目の前にちっちゃい女の子がいて、我々のこのミサイル防衛システムというのはいわゆる盾の役目、今、先ほどもおっしゃったように、専守防衛だと、これは民主党としても当然これは賛成ですから、このミサイル防衛のシステムについては民主党も賛成だと。そういう中で、暴漢に、そのちっちゃい女の子に、子供に向かって何かナイフで刺そうとしたときに、突進してきたときに、それは自分の目の前で、盾を持っている自分が、大臣でもいい、やめなさいと言うのはこれは当たり前だと、あっ、この子外国人だからといってやらないわけにはいかないだろうと。だから、これって人道的な観点からすると、これやるのは当たり前だと。  そういった場合のことを考えると、一体、まあ例がどうかというのは別にして、何かちょっと悩んじゃう部分があるわけなんですね。その辺というのを、何か私はまた別の観点から、集団的自衛権という観点ではなくて、物騒なものを持っているのがいたら駄目よみたいな、そんなものが日本の上を飛んできた場合には撃ち落としゃいいんだという考え方というんでしょうかね。だから、そういったことも考え一つとしてはあるんじゃないかなと思うんですが、長官、その辺どうお考えなのか。それから大臣、もしあれでしたら、麻生大臣、ああ、長官じゃない、済みません、久間大臣、そして麻生大臣、もしよろしければちょっと御見解を聞かせていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  130. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 憲法で禁じている集団的自衛権、これがどういう、今までの政府見解でいきますと、憲法で禁じている集団的自衛権がどういうものなのかということについてのやっぱり研究をしたらいいという総理の今回の発案に対して私が、何というんですかね、賛意を表しているのは、結局、そういう今おっしゃられたことまで含めて、憲法上、集団的自衛権の名の下に禁じられているがごとき議論がされているんじゃないかと。しかし、個別的なケースについてもっと研究をして、こういうことは許されるんじゃないかというようなそういうような研究をしていこうということで有識者会議を設けられておるわけですから、私はそういった議論の推移を見守ってみたいと、そう思います。  余りにも今までの言い方は、集団的自衛権と個別的自衛権と二つがあって、その片一方は行使できるけどこっちは行使できないんだという、そういうような整理の仕方で来た。非常に分かりやすくて整理がしやすいから政府もそれを踏襲してきておりますけれども、個々具体的なケースではこういうことについてしないでじゃいいのかという、そういう問題をみんなが持ち始めたんじゃないかというようなことから現在の懇談会の設置になったんじゃないかなと思っております。
  131. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 白先生、基本的には、主権国家である以上、当然自衛権は持っているのは当然です。当たり前の話なんだと存じます。その上で、いわゆる憲法第九条によってどの程度まで許容されるかされないかというところがずっと過去まあ六十年近くいろいろいろいろ論議がされてきたなと思って、必要最小限度の範囲にとどめるべきなんであって、今のシアトルの話がそれは必要最小限度を超えるか超えないかという話になるんだと思いますが、それは超えておるというんであれば憲法上許されないという議論が今までされてきたということなんだと思います。  今、防衛大臣からお話がありましたように、それに対して今よく例に引かれます、例えばインド洋上で給油艦がNATOの軍に対して給油をしているというときに、そのときにいきなり日本の給油艦が攻撃を受けた場合、周り、給油を受けている側はそれを守るというのは、これは当然の行為として通るわけですが、反対側に、給油されている側のアメリカの艦船がいわゆる攻撃された場合、日本はそこから逃げろというような解釈でいくというのが果たして常識的な範囲を超えているのではないか、そんな話は世間に通るかという話やら何やら、具体的な例を引いて出してこないと、なかなか今の時代、話だけ言っていると分かりませんので、今シアトルの話や幼稚園の話が出ましたけど、そういう具体的な話が出てくると初めて何となくビジュアル、ビジュアルというか視覚というか、見える感じになってくるんだと思いますので。  こういったことに関して、いろいろな話で、今度、何でしたっけ、座談会、何とかの懇談会というのを立ち上げられるということになりましたんで、そういった中でいろいろ議論をされていくということは、いろいろ余り考えてきたことがなかったのが、これまで、どうやら隣でノドン六発連続ほぼ目的地点に着水させているという技術がある国が出てきて、その上に大量破壊兵器というのは、何もNに限らずBもCも、Nというのは、核だけじゃなくてバイオもケミカルもありますんで、そのBもCもあるとなれば、こっち落とされるという確率というのは、我が方の場合はその確率としては、隣国の中じゃ最も落とされる若しくは撃たれる確率の高いという覚悟を国の防衛を預かるものとしては持っておかねばなりませんので、その点からいきますと、今言われたような議論というのは今後真剣にされておかないと国の安全を保てない、国民の安全を保てないということはあり得る、私はそういう前提に立って考えられてしかるべきものだと存じます。
  132. 白眞勲

    ○白眞勲君 正にその部分というのは私が今申し上げた部分であるんです。つまり、今までみたいに、プロペラ機の時代で戦闘機が向こう飛び立っても、なかなかここに来るのにしばらく掛かるというときにどうするんだというのと違って、あっという間にミサイルが出る、いわゆる科学技術の発展とともにその概念というのもこれも変化していかざるを得ない部分というのは私はあると思うんですね。  そういう中で、逆に言えば、でもやはり専守防衛をきちっとしていくんだという、そこの部分についてもはっきりしていかないと、今言った有識者会議でしたか、何か懇談会でしたか、そういったものができたとしても、疑われる可能性だってあるわけです、どんどんどんどん何か日本の兵隊さんがどんどん行くんじゃないかという。だから、その辺をはっきりと、両方をきちっとやっていかないと、今言ったような輸送艦の問題、あるいは何か日本を守りに来た船をどうするんだとか、そういった問題についてと同時に、個別具体的な例もそうだけれども、そうじゃない、こんな危なっかしい議論もあるよねというのも含めて議論をすべきだと思いますが、その辺は、大臣久間大臣、じゃどうでしょうか、いかがでしょうか。
  133. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 有識者会議で出た話が即それが実行されるわけじゃありませんで、それは非常にいい意見としてみんな国民がそれを採用していく方向になるとすれば、場合によっては法律の必要性も出てくるでしょうし、法律じゃなかったとしても、政府がそれを採用する場合には国会等でもいろいろ議論がされると思いますから、私は、日本のこの国会を中心とするシビリアンコントロールというのは結構やっぱり国民世論を反映して結論が引き出されるんじゃないかなという、そういう期待を持っておりますので、私は間違った方向には行かないんじゃないかなと思っております。
  134. 白眞勲

    ○白眞勲君 それでは、次に北米局長にお聞きします。  アメリカとの軍事情報一般保全協定、GSOMIAについて、先日の私への答弁で、日本の現行法令範囲内で行われるのでGSOMIAがほかの国とは違うとおっしゃっている。具体的にどの部分が違うんですか。
  135. 西宮伸一

    政府参考人(西宮伸一君) GSOMIA、米国は六十数か国と締結していると承知しておりまして、その一々について私ども有権的に解釈する立場にございません。
  136. 白眞勲

    ○白眞勲君 じゃ、逆に聞きますけれども、日本の特徴は何ですか。
  137. 西宮伸一

    政府参考人(西宮伸一君) アメリカ日本アメリカとの間で我が国が締結しようとしているGSOMIAにつきましては、我が国としては我が国の国内法令の範囲内で実施可能な内容とすることとしておるということでございます。
  138. 白眞勲

    ○白眞勲君 その実施可能な内容で、実施不可能な内容との違いはどこにあるんですか。
  139. 西宮伸一

    政府参考人(西宮伸一君) 国内法令の範囲内でできることをやるということでございまして、具体的には、秘密軍事情報として定義される情報のやり取りなどの手続的な面を定めておりますけれども、保護の水準などにつきましては、これはあくまでも日本の国内法令の範囲内にとどまるということでございます。
  140. 白眞勲

    ○白眞勲君 前回の私への答弁で、我が国日本の国内法令に改正などが行われた場合におきましては、アメリカ側にその改正の内容を通報しとおっしゃっていますけれども、これは通報する義務はあるんですか。
  141. 西宮伸一

    政府参考人(西宮伸一君) 通報、お互いの国内法令の範囲内で実施するということを考えておりますので、その各国内法令が変わった場合にはそれぞれ相手方に通報するということを考えております。
  142. 白眞勲

    ○白眞勲君 これ通報するというのは約束したわけですね、じゃ。
  143. 西宮伸一

    政府参考人(西宮伸一君) 実質的にそういう考え方でおります。まだ最終的な文言とかいう意味では決まっておりませんが、実質的には合意しております。
  144. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 白先生、これは義務ではありません。通報する義務ではありません。通報するのを我々としては義務を負っているというわけではありません。  変更しましたよと、こういうように変更しましたよと。別に向こうに要求されて変更したわけじゃない、こっちはこっちの都合で変更したわけですから、こういうように法律が変わったというのを知らせるというのは一般的にあり得るというのであって、義務として我々としてはそれを必ず通報せねばならぬというように向こうと約束しているというような具合ではないということを申し上げております。
  145. 白眞勲

    ○白眞勲君 義務ではなければ通報する必要もないわけですよね。
  146. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 協定上することになっているというように理解している、協定上することになっていると御理解いただいたらいいんじゃないの。
  147. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり協定に書いてあるということなんですか。
  148. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 書こうとしているということであります。──書こうとしております。
  149. 田浦直

    委員長田浦直君) じゃ、ちょっと外務省小松国際法局長、ちょっと説明してください。
  150. 小松一郎

    政府参考人(小松一郎君) 恐縮でございますが、この協定につきまして、まだ最終的に条文が固まりまして署名をされているという段階にないわけでございます。  したがいまして、今御説明できることは、アメリカとの間で大体こういう内容を、もちろん具体的な条文も念頭に置いて今まで議論をしておりますけれども、大体こういうことでまとまるであろうという話をしているわけでございますので、今大臣の御答弁にございました通報義務があるのかどうかという点につきまして、今あるのかどうかといいますと、まだ署名されていないわけでございますので、それは規定されているとは言えないわけでございますが、この取決めの実施のためにお互いの国内法がどうなっているかということを同盟国間でお互いに認識を常に新たにしておくということは非常に重要なことでございますので、そういうお互いに知らせ合うということが前提とするような条文を考えているというふうに御理解いただきたいと思います。
  151. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、そうしますと、将来はGSOMIAが改正される可能性もありということなんでしょうね。
  152. 小松一郎

    政府参考人(小松一郎君) もちろん、これは今繰り返し御答弁を申し上げておりますように、今の現行法令の範囲内でできる約束をするという前提で今交渉しているわけでございますので、その後の情勢の変化により、また国内の変化によりまして、必要があればそれは改正等は理論的可能性は排除できるものではございません。
  153. 白眞勲

    ○白眞勲君 理論的な可能性を排除できるものではないとおっしゃっても、これ場合によっては協定の改正につき検討するように協議するといった段取りになってくると言っているんですよ、北米局長、前回の答弁で。おかしくないですか、これ。
  154. 小松一郎

    政府参考人(小松一郎君) そもそも論で恐縮でございますけれども、外国と法的な約束をするという場合に、もちろん国会の御意思も縛るという内容であれば国会にお出しをして国会の御承認をいただく必要があるわけでございます。  今、繰り返し申しておりますのは、今アメリカとの間で交渉しておりますこのGSOMIAにつきましては、もう既に国会がお定めになって、現行、日本にある今の法律の範囲内で約束ができる範囲にとどめた取決めを結ぶということを考えているということを申し上げているわけでございます。  そういうことは、この取決めができましても、立法府である国会が国会御自身の意思に基づきまして現行法を、法律を改正をされると、これは両方の方向があると思いますけれども、そういうことはもちろん排除をされないわけでございまして、そんな、そういう国会の御意思をあらかじめ改正がされないように縛るというような内容であれば、これは国会の御承認を当然必要とするわけでございますので、北米局長が申しましたことは、理論的に、国会が立法府の御意思としてこの法律を改正をして、それが取決め、現行法令の範囲内で約束をするというものと両立をしないということになった場合に、それはそのままにしておくことはできないであろうという当然のことを述べたものと私は理解しております。
  155. 白眞勲

    ○白眞勲君 長々お話ししていただいているのにさっぱり分からないんです、私。  この中で北米局長さんはこうおっしゃっているんですね。協定下で影響を及ぼすような改正が行われた場合には、アメリカに通報の上、あり得べき協定の改正につき検討する用意があるというふうに言っているが、このあり得べきというのは何ですか、局長、北米局長おっしゃってください。
  156. 西宮伸一

    政府参考人(西宮伸一君) この協定が締結されました後に我が国関連の国内法令の改正があった場合についてお尋ねがあってお答えしたわけでございますけれども、そうした場合には、米国政府に通報し、あり得べき協定の改正につき検討するために協議することとなろうと申し上げました。ただし、それは実際に国内法令が改正されて、本協定の改正が必要となるかどうかにつきましては、国内法令の改正等の中身などによると思いますので、一概に申し上げることはできないと思います。
  157. 久間章生

    国務大臣久間章生君) この話につきましては、前から私もGSOMIAを締結、必要だと。包括協定を結んでないと一件ごとに今全部ペーパーでやって、やっている。そういうのは、これから先、リアルタイムでいろんなことをやるときに非常に問題あるから、もっと包括的に、アメリカ日本もそういうふうな、各国と同じなんだということを認識してもらいたいということでGSOMIAのことを言っておりましたのでちょっと言いますが。  今みたいな協定が結ばれた後、法律がもし変わることになりますと、現在ある日本国内法令を前提としてこのGSOMIAは結んでおりますね。そうしますと、変わったときに向こうに対してやっぱり教えてやらないと、あっ、そういう内容だったらちょっと困るよというようなことになったら、GSOMIAそのものをそれだったらやっぱり変えるということだってあり得るわけですから、GSOMIAをですね。だから、現在の各国がそれぞれの法令下でやりますよという前提にしていて、そしてやっている。  ところが罪が、極端な言い方をすれば、十年あるやつがぐっと軽くなってしまったとか、五年のやつがやっぱり普通の公務員と同じような一年の刑になってしまうと。そういうことなら、これは軍事情報としてはちょっと扱いが軽過ぎるんじゃないかと、そういうことは困るとか、いろんなケースが出てくるんで、現在のことを前提としている以上は、制度が変わったときには向こうに対してやっぱりちゃんと報告するということは、法的義務じゃないにしても、こちらとしてはやっぱり伝えぬといかぬだろうと。伝えたときに絶対この協定が、各国内の法令に基づいてやるんだからいいよという形になっているけれども、そのまま維持できるかどうかということは、これはやっぱりそのときの状況にもよりますから、そういうことまでも否定するものじゃないというふうなことを言っているわけでありますから、私は逆のそういう方向にはむしろならないとは思いますけれども、そういうふうなことは可能性としては否定はできないんじゃないかなと思う。
  158. 田浦直

    委員長田浦直君) じゃ、ちょっと、小松局長
  159. 小松一郎

    政府参考人(小松一郎君) 恐縮でございます。あり得べき改正についての御質問でございましたので、申し上げておりますのは、先週のこの外交防衛委員会で白先生から御質問があって、現行法が改正される場合、いろんな場合があるわけでございますけれども、例えばこの罰則が強化されたという場合にどうなるのかという御質問をなさっているわけでございます。  この例を一つ例を取りますと、今国家公務員法でございますとか自衛隊法でございますとかMDA秘密保護法とか、それぞれ秘密を漏らす行為に対する罰則がございますけれども、これが例えば強化されたと、今の懲役刑が強化されたと、そうしたら今考えられているような取決めは維持できなくなるかというと、私は維持できなくならないとは考えておりません、多分ですね。  したがって、その法律の改正の内容によりまして、今現行法令の範囲内で考えている取決めが、その改正の、国会の御意思によって改正された内容によって両立しなくなる場合もあるかもしれませんけれども、そうでない場合もございますので、あり得べき改正ということを同僚政府参考人は申し上げたというふうに理解をしております。
  160. 白眞勲

    ○白眞勲君 そこははっきりしていないんですよ。つまり、強化された場合どうなんですかといった場合に、あり得べき改正の方向といったら、それは強化されるに従ってGSOMIAもどんどん改正をしていかなきゃいけないようなニュアンスに取れるということなんですよ、私が言っているのは。別にそうじゃないんだと言うんだったらば、そういう答え方はしないでほしいんですよ。
  161. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) より格調高い日本語で私の方から説明させます。  今これは一般的に、白先生、基本的に、例えばこのあれでは、先ほど久間先生の逆の例で、刑が五年から三年ではなくて五年から十年になったというようなときにこの種の話は起きないんだと思います、基本的には。より厳しくなるわけですから。しかし、それが厳しくなったときにおいては相手側にこれは通報はいたします。厳しくなりましたよという、実態では知らせるということを申し上げているだけなんであって、私どもとしては問題は、軽くなったときは先ほど久間大臣が言われたとおりで、ちょっと待てと、それじゃこのGSOMIAはとても認められぬと向こうが言ってくる。厳しくなったときは別に文句は言わないと。常識、当たり前の話だと存じますが、問題は、いずれにしてもその法案を改正するときはこれは法律の改正になりますんで、そのときはここで審議をしていただく、ここというのは国会で審議をしていただくことになります。で、成った法案に基づいて、改正がこうなりました、ああなりましたということを向こうに通報するということを言う、それだけの話。  ですから、ああいう言い方になりますと物すごく話が針小棒大というか難しくなりますけれども、私も聞いていて分からぬなと思って聞いていたんですけれども、基本的にはそういうことを申し上げております。
  162. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、その中に段取りって書いてあるんですね。つまり、段取りになりますよと。つまり、改正について、もう一回ちょっと読みましょう。場合によっては協定の改正につき検討するように協議するといったような段取りになると思いますというふうに書いてあるから、これはもう改正を強化した場合にそういうお答えをされたんですから、強化して、そういう段取りで改正の段取りをしていくんですよということを言われたからおかしいじゃないですかと言っているんですよ、私は。二十四ページ。
  163. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) この議事録には……
  164. 田浦直

  165. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) はい、済みません。  この議事録に段取りっていうことが……
  166. 白眞勲

    ○白眞勲君 書いてあります、二十四ページ。
  167. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) どこに出てくるのかな。議事録がない。私どもの持っている紙にはその種の言葉がないんで、少し違うのかなと思ってはいたんですけれども。(発言する者あり)ああ、なるほど、この紙。済みません、私が持っているのとちょっと違いまして……
  168. 田浦直

    委員長田浦直君) はい、どうぞ、麻生大臣
  169. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 協定が、仮に罰則が下がった場合、五が三に下がった、五年が三年に下がったような場合はともかく、少なくとも三が五とか十に上がったときにおいては、まず協定の改正などまず起こりませんから、まず基本的には。上がったときには、より厳しくなったときにはそういったことはまずあり得ないと存じます。  それから、仮に五が三に下がった場合においては、向こうに通報した場合においては、それはちょっと待てと、それじゃ公務員並みじゃないかと、そんなことは認められぬと向こうが言ってくる可能性はあります。そうなったときには改定につき検討するということになり得るということを申し上げたんだと、そういう可能性があるということを申し上げているんだと存じます。
  170. 白眞勲

    ○白眞勲君 そこには、その前の、お手元にある議事録もう一回見ていただきたいと思うんですけれども、その前に、私の質問は、実質的に強化される可能性もあるということですねという問いに対して、西宮局長は、場合によっては協定の改正につき検討するように協議をするといった段取りになっていきますって、こう言っているんですね。  つまり、私は弱められたときのことを聞いているんじゃないんですよ。はっきりと強化されたらどうなるんだって聞いているんですよ。それに対して、改正するように段取りになっているっていうのは、これはそういうことじゃないんですかということなんです。
  171. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) おっしゃるとおりだと思いますね。内容も、実質的に強化される可能性もあるという御質問なんだと思いますんで、強化された場合においては、今申し上げたように、いわゆる改定というような形にはなり得る可能性はほぼないと存じます。
  172. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、これは間違いですね。この答弁は。
  173. 小松一郎

    政府参考人(小松一郎君) 度々恐縮でございますが、この罰則が強化された場合、それから仮に弱まった場合、それぞれ自動的に、取決めのその改正のプロセスが自動的に始まるというようなことになっているわけではないということをあらかじめお断りをしたいと思うわけでございます。  と申しますのは、先ほどから申しますように、この取決め上約束をしていることは、日本につきましては、日本の現行法に基づいて秘密保護を行うということだけを約束しておりまして、その取決め上の義務と両立をしないような法律の改正が行われると、これは立法府の御意思であるわけでございますから、これを縛るわけではないわけですので、そういうことになりました場合にはその改正の可能性というのは排除されないと。ただ、自動的に現行法の改正が行われたら直ちに取決めを改正しなければならないという前提で今考えているわけではございません。
  174. 白眞勲

    ○白眞勲君 ですから、これは矛盾しているじゃないですかと聞いているんです。私も時間の無駄ですから申し上げたくないんですけれども、段取りになっているっていうふうに書いてあるから、そういうプロセスってことでしょう。そういうプロセスっていうのは段取りでしょう。だから、段取りになっているというふうにここに書いてあるからそれはおかしいじゃないですかといって、矛盾じゃないですか。今の答え全然違いますよ。おかしいよ、これ。止めてください。答えがなってないよ。
  175. 西宮伸一

    政府参考人(西宮伸一君) 段取りという言葉で誤解を招いたようでありましたら……
  176. 白眞勲

    ○白眞勲君 誤解じゃないですよ、これ。
  177. 西宮伸一

    政府参考人(西宮伸一君) いや、私の説明で、段取りという言葉を使ったことで誤解を生じたようであれば、訂正させていただきたいと思います。
  178. 白眞勲

    ○白眞勲君 じゃ、これは間違いですね。
  179. 西宮伸一

    政府参考人(西宮伸一君) 訂正させていただきます。
  180. 白眞勲

    ○白眞勲君 次の質問にちょっと行きたいと思います。  北朝鮮に関してお聞きしますけれども、日米首脳会談で、拉致問題の解決はアメリカのテロ支援国家の指定に関して解除する条件にはなっていないというふうに何か先日下村官房副長官が認めたということなんですけれども、そうすると、ブッシュ大統領が考慮すると言ったこととはちょっと違うと思うんですけれども、これ解除するのか解除しないのか、これどちらなんでしょうか。
  181. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 先般行われました日米首脳会談に関しましては、先ほど、これは新聞にも一部出ておりましたように、テロ支援国家指定解除の問題については拉致問題を考慮に入れるとの立場の表明があっております。そして、その後の共同記者会見においてもこの問題に関する議論が、拉致問題に関する自分の強い意思を弱めるようなことがあってはならないとの発言もあっております。続きまして、日米外相会談におきましても、ライス長官の方から日本政府の立場に対する変わらぬ支持の表明がありまして、テロ支援国家指定解除の問題について、指定解除の検討に際して拉致問題が十分に考慮されるとの立場の確認がライス長官からもされておるというのが事実であります。
  182. 白眞勲

    ○白眞勲君 何かちょっと混乱しているような感じがするんですが、その辺いかがでしょうか。
  183. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 下村発言というものが話をこじらせているように思いますけれども、私から聞いていると。私は、この種の話がその現場であった内容、ちょっと直接会談でありますので、ブッシュ、安倍、コンドリーサ・ライス長官との間の直接交渉の話でありますので、この種のところでしゃべられた内容が外に漏らすというような話はそもそも大体あってはならぬ話なんだと思ってはおりますので、そういった意味では、そういう発言がコンドリーサ・ライス長官からあったかどうかを含めて、ちょっと私の方としては、私はなかったというように聞いているんですけれども、何かあったかのような話になりますと、大体それは元々話しちゃいかぬ話なんじゃないのというのが正直なところかしら。
  184. 白眞勲

    ○白眞勲君 それでは非常に国民も混乱するんですよね。これについて、きちっと内閣としてどう、やっぱり本当のことを言ってほしいと思うんですけれども、その辺いかがでしょうか。
  185. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 御指摘の点につきましては、アメリカ側から、テロ支援国家指定の基準は国際テロに対して継続的に支援を提供していること、つまり、御存じのように、大韓航空とかラングーンとかいろいろございましたけれども、そういった意味で、国際テロに対して継続的に支援を提供しているということがテロの対象であるということが前提でありまして、テロの対象が米国であるということが前提になっているわけではない、米国が仮に攻撃を受けないでどこか他国の国がテロを受けたとしても、そのテロを支援している国はテロ国家であるということだという説明を正式に受けておるという意味であります。
  186. 白眞勲

    ○白眞勲君 最近また、BDA問題について話を聞くのもなんでございますけれども、一昨日でしたか、朝鮮中央通信は、送金問題については資金を第三国にある我々の銀行口座に送金するための作業を現在進行中であるというふうに言ったかと思うと、これもまた朝鮮中央通信かな、資金送金が実現すれば我々は直ちに核施設の稼働中止措置を取る用意があるとまで言い切っていると。ところが、片や日本の報道では、BDA問題では、アメリカ検討しているアメリカの金融機関を通した送金が法的規制から実現の見通しが立っていないということで正反対の報道もあって、何が何だか分からないというのが実情なんですけれども。何か動そうとはしているなというのは分かるんですけれども、どうなんですか、この辺は。
  187. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 白先生、これは似たような状態がかれこれ二か月ぐらい続いていますので、三日以内なんという話はもう二週間前も聞きましたし、その前も聞きましたので、私どもの方ははなからそんな簡単にいくはずがないと思っていましたので、外務省の中としては、これはそんな簡単にいく話ではありませんよと、凍結解除したらその金どうやって運ぶんですかという話から、必ず問題起きますよと、その種のことを少々知識ある者から言わせていただくと、簡単にいくはずがないと言っておったとおりになっていますので、外務省としては別に予測の範疇なんであって、むしろこれは引き延ばしのために使っているんじゃないのかというように疑って掛かった方が堅いということをずっと言っておりましたので、むしろ圧力を強めることも考えないと、これこのままにいかされる可能性はあるよという話から、安倍総理・ブッシュ会談のときに安倍総理の方から、これに対して、更なる圧力について双方で検討する必要がある等々の話がいろいろなレベルでも今話が進んでおるというので、ブッシュ・安倍会談等々、電話でもその種の話がされておるというのは現状であります。  したがって、これは白先生御存じのように、その次、十五日の日には、今度は、同じスポークスマンが、送金が実現した場合、初期段階の措置を実施する一方、従来のように資金を自由に送金することができるようにせよというのが我が方が最初から要求した制裁解除だと、またレベルを上げたわけですよ。  だから、ハードルをどんどんどんどん上げていっているのは引き延ばしじゃないのかというような点も我々としては注目をしているところであって、いずれにしてもこれは、この種の話は言葉じゃなくて行動が大事だと思っておりますんで、その行動ができてくるまではなかなかうかつには、我々としては対応は、我々の対応は言いにくいというのが基本です。
  188. 白眞勲

    ○白眞勲君 最後質問ですけれども。  せんだっての私の質問で、麻生大臣には、中国はいろいろ協力しているということで、この経済制裁の関係で、上から見ていて通ります列車の数等々も明らかに減っているということをお話しいただいて、へえと思ったんですけれども、私。まあ、どんなものが運んでいるか、それは分からないかもしらぬけれども、タンク車があれば分かるわけですし、その辺についてもうちょっと具体的に何かありましたらお話しいただきたいと思いますけれども。
  189. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) この前の件が少々しゃべり過ぎていますんで、あれですらしゃべり過ぎましたんで、ちょっと差し控えさせていただきます。
  190. 白眞勲

    ○白眞勲君 終わります。
  191. 田浦直

    委員長田浦直君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午後零時七分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  192. 田浦直

    委員長田浦直君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、荻原健司君が委員辞任され、その補欠として野村哲郎君が選任されました。     ─────────────
  193. 田浦直

    委員長田浦直君) 休憩前に引き続き、駐留軍等再編の円滑な実施に関する特別措置法案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  194. 小泉昭男

    小泉昭男君 それでは、午前中に引き続きましての質疑に入らせていただきますが、大臣、大変、2プラス2、お疲れさまでございました。大変な作業であったと思いますけれども、大変なお骨折りをいただきましたことに改めて感謝申し上げたいと思います。  今月初めに行われました2プラス2は一年ぶりということでありまして、大変重要な内容になったんじゃないかなと、こういうように思います。安倍政権が発足してから初めてのことでもございました。そういう中で、日米同盟関係の更なる強化に向けて大変な内容の濃い御議論をいただいたということを伺っております。  今回の2プラス2で注目されました中の一つに、北朝鮮の弾道ミサイルの、その一つには、昨年2プラス2が行われる以降に、今回の2プラス2との間に北朝鮮が弾道ミサイルを発射したり強硬に核実験を実施したりということがございまして、大変事態を重く受け止めた時期がございました。そういう中で、日米間において北朝鮮の脅威を共有するだけでなく、米国の拡大抑止についてのお話をされたということでありますが。  昨年の十月でありましたけれども、ライス米国務長官が訪日した際、麻生大臣とも会談されたわけでありますが、当時、日本では核保有についての論議が少しあったような記憶をいたしておりまして、そのことを意識してか、ライス長官からは、米国は日本に対する抑止と安全保障のコミットメントをあらゆる形で履行する意思と能力を有しているとの発言があったと聞いておりまして、当時、この表現では不十分じゃないかという意見も聞いたように記憶しております。  今回、この共同発表で、核及び非核の双方の打撃力及び防衛力を含むあらゆる種類の米国の軍事力が拡大抑止の中核を形成し、日本防衛に対する米国のコミットメントを裏付けることを再確認するということであったわけであります。  この問題について、閣僚間での議論、どの程度まで行われたのか、またその内容について久間大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
  195. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 今委員がおっしゃられましたように、内容的にはそういうことであります。全くおっしゃるとおりの内容で、それ以上の特別の言葉はございませんが。  いずれにしましても、米国の国務長官が、国務長官はそのままですけれども、国防長官が交代して、私どもの方でも防衛庁長官、今度、防衛大臣になりましたけれども、防衛大臣が交代して、そして初めて二人が出て2プラス2をやったわけでございまして、今までのいろんな基本的な考え方が変わらないんだということをこの2プラス2で確認し合ったというところに一番意義があります。  さっきおっしゃられましたように、ライスさんは来られまして麻生外務大臣とお会いされて、またシーファー大使も官房長官と会われて同じようなことを言ってこられましたが、向こうの国防長官も交えた2プラス2において、核を含む米国のあらゆる抑止力が従来と変わらずきちっとコミットするんだということを確認をし合ったという、そこのところが一番大事だと思いますので、こちらも非常に再確認できたということは喜んでおるところであります。
  196. 小泉昭男

    小泉昭男君 防衛省は、先月二十五日、北朝鮮で、朝鮮人民軍創建七十五周年記念パレード、午前中も白委員からこのことに触れられましたけれども、新型の中距離弾道ミサイルが公開されたと、確認したということでありまして、これは米本土には届かないけれどもグアムの米軍基地には届くということを聞いておりますが。  こうなりますと、先月、アメリカ・ワシントンで開かれました日米防衛相会談でのゲーツ国防長官の発言が気になるわけでありまして、米国をねらった北朝鮮などの弾道ミサイル日本防衛ミサイルシステムで迎撃できるように集団的自衛権行使の容認を迫ったとの報道もございました。同席したシーファー駐日米大使も、集団的自衛権に触れまして、米国への弾道ミサイルを迎撃できなければ日米同盟が変質しかねないと日本を牽制する発言があったと聞いておりますけれども、この点について大臣の御見解を伺っておきたいと思います。
  197. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 私はその場に居合わせたわけでありまして、そういうような話はあってないんですよ。  そして、先ほど、この間のパレードにおいても、そのような新型ミサイルがあることを確認したというような、そういう報道だと言われましたけれども、それもそういう言い方は、たしかそれは守屋次官がそういう会見したというふうに言われているかもしれませんが、そうじゃなくて、北朝鮮が新型ミサイル開発しようとしているということについては我々もそういう情報は得ているし、確認していると。しかし、それができ上がってパレードに参加したということを確認したとは言っていないんですね。だから、あの報道を前提にして話をされますと非常にエスカレートしていく。その原点に、特に2プラス2の場合は私自身が出ていますから、そういう話はありませんでしたよということをはっきりほかの各社には言いましたけれども、ある新聞だけがそれを書いておりました。  だから、こういうのについては、言ったのを、おまえ間違っているじゃないかと、そういうことをなかなか言いにくい点もございますけれども、あの場にいた私がそういうことを耳にしていないわけですから、まあ通訳を介しての話ですけれどもね、もちろん、私は直接の、それでも大体分かりますよ、それで合っていますよ、それは。
  198. 小泉昭男

    小泉昭男君 大臣がそういうふうにおっしゃるんであればそれが正しいわけでありますから、これからの日米関係につきましての御尽力を一層進めていただきたいと、こういうふうに思います。  続きまして、先ほども午前中にお話ございました、また、私も御一緒しまして、沖縄普天間キャンプ・シュワブ、見てまいりました。そういう中で、今回、この再編に伴って地元負担軽減抑止力の維持、この二つがキーワードであるというこういうことで、地元でもこのことについては認識をされた上での発言もあったかに記憶しております。  名護市長は、私、以前からのお付き合いがございまして、かなり事前にもお話を伺っておりましたけれども、どうしても沖合の方に出してもらった方がいいんだというお考えでありまして、滑走路ですね。これも、この件については、先ほども議論ありましたけれども、これも一つの希望でありまして、今のV字形のところで造る、そしてまた沖合に出す、どっちも結論に至ってないというふうな認識があるようでありまして、この点について、大臣、どういうふうにお考えなのか伺っておきたいと思います。
  199. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 基本的にはV字形の案は、名護の市長も入れてというよりも、名護の市長がむしろ集落の上を飛ばぬようにしてくれということから、前額賀長官のときに名護市長さんも入れて決めたわけであります。一方、名護の市長さんは、V字案がいいんだけれども、V字案でももうちょっと沖に出ぬかと、遠ざかったほど騒音が落ちるんだということを盛んに言っておられるわけでありまして、それもよく聞いております。  ただ、修正という形になってまいりますと、これは正直言いまして、ああ、それならもう一回修正しようかというようなことでアメリカ側もまた言い出すと、これまたもう一回また議論をする形になりますから、だからその辺余り修正という言葉をもう使いたくないけれども、環境アセスをしながら、騒音がどの程度、遠くなればどれぐらいあれなのか、余り遠ざかっても、それほど影響ないじゃないかとか、いろんなことをこれから検討しながらやっていくわけでありますから、そういう過程においていろいろと名護の市長さんが言っておられることも取り入れながら、私たちとしてもよく意見を聞いてやっていこうと思っておりまして、最終的には県知事さんや名護の市長さんたちのそういう意見を聞きながらうまくまとめていきたいと思っておりますが。  余り修正、修正と言いますと、じゃうちの方も修正するぞという話になりますと、また、せっかく大体基本的にまとまっている話がゼロからということになりますと時間が掛かってしまう。そうすると、沖縄の知事さんが言っているように、できるだけ早く、もう三年以内にできれば危険性の除去を普天間からしてもらいたいというふうなことを言っていることも踏まえながら、これからの対応が遅くなってしまうので、だから、そういうことも考えながら非常に苦慮しているところでありますので、どうかその辺の事情もお酌み取りいただきたいと思います。
  200. 小泉昭男

    小泉昭男君 今大臣がおっしゃった部分で、やはり地元意見を大事にされているということについては、私は一番大事な部分ではないかなと、こういうように思います。  これは午前中にも大臣のお話にもございましたけれども、二〇一四年、これがリミットだと思っておりますし、私も。これまでに何とかすべての工程をすべて完成させなきゃいけないようなスケジュールだと思いますが、この概略工程表を拝見いたしましたけれども、二〇〇七年から二〇〇九年半ばまでに環境影響評価の手続をするというのに、これはまだ手付かずの状態なわけですね。それと二〇〇九年、これは埋立て申請手続、二〇一〇年から二〇一四年には埋立て工事と飛行場の建設工事、その後、併せて二〇〇九年から二〇一二年の間には辺野古ダム周辺の造成工事、そして併せて二〇〇七年の末から二〇一四年までの間に隊舎等の建築物の建設工事と、こういうことになっておるようでありますが。  普天間飛行場代替施設等の完成とスケジュール、これかなり、だんだんタイトになってくるんじゃないかなと、だんだん厳しくなってくるんじゃないかなというような気がするんです。これ、最初環境影響評価の手続、この部分で地元合意を取っていかにスムーズに事を運ぶかという部分が一番のポイントじゃないかなと、こういうふうに思いますので、この辺のところにつきまして、二〇一四年に向けての大臣のスケジュール的なお考えを伺っておきたいと思いますが。
  201. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 二〇一四年を目指して今取り組んでおりまして、今そういうふうにおっしゃられましたけれども、それほど厳しくはなっていない。むしろ、この間から、まず現場を確認して、どこにどういうようなものを下ろしたらいいかというようなことについての現場の確認をさせてもらいました。そして、県に対して、現況調査をする、そのための、事前の現況調査をするための公有水面の使用といいますか海面の使用許可を出しまして、そのときは名護の市もそれから漁協も賛同してもらいまして、そして県の方からも同意を得ました。環境について配慮してもらいたいという何項目かの、十五項目ですか、これについての配慮規定はありますけれども、それについて一応そういうのを付けながらも許可をもらいました。  そして、詳細について、その項目ごとにこうすればいいですかというようなことを今内部で詰め合わせしておるわけでございますから、私は比較的順調にいっているんじゃないかなと思っておりますので、むしろ、二〇一四年というよりも、できるだけ早く完成させる、それが普天間の移転につながってくるわけでございますので、そういうような気持ちでやっておりまして、そんなにスケジュールが遅れるような危機感を今持っているわけではございません。
  202. 小泉昭男

    小泉昭男君 大臣の御発言で少し安心した部分も感じますけれども。  この間、五月の十五日は沖縄が本土復帰三十五年ということでありまして、ちょうどその日に私ども九名で現地入りをさせていただいたというのは、何か将来に向けてのぴたっと事が進むような気がしたわけでありまして。  ただ、沖縄の場合には、失業率も高い、そして県民一人当たりの所得は聞くところによると百九十九万ということでありますから、かなり全国的には厳しい所得なのかなと、こういうふうに思いますし、今回現地を拝見しまして思ったのが、普天間に勤務している方々、そういう方々がキャンプ・シュワブまで通えるのかどうかということがありますね。  そういう部分で、県知事から全体を合わせると五千人ぐらい基地関係で働いているんだというお話聞きまして、こういう方々の何人がそちらに移動するのか。また、基地の中を見せていただいて、独身用の宿舎は準備されているけれども、妻帯者、結婚されている方々の宿舎は別なんだというお話もありまして、これが向こうにまで全部、その辺のところから結婚されている方々も通い切れるのかどうかという問題がありますし、宿舎の問題から、それとまた失業率に輪を掛けるような結果になっても困るという発言もありましたので、この辺について、大臣、また御見解を伺っておきたいと思いますが。
  203. 久間章生

    国務大臣久間章生君) やっぱり八千人、家族を含めますと、家族が九千人ですから、それだけ減るわけですから、影響がないということはうそでありまして、必ず影響は出てくると思います。  しかしながら、特に働いている人たちについてはその影響が最小限になるように私たちとしても努力していかなきゃなりませんから、職業転換を始めとしてそういうこともいろいろと配慮をしていこうと思っておりますが、まだ具体的に、海兵隊のどういった階層がどういうようなところで減っていくのか、そして仕事の、そこで働く従業員の内容等についてもまだ詳細が、そういう形でプランが示されておりませんので、どういうような、今言われる、独身が移動するのか、家族を持った人が移動するのかも含めてまだ出てきておりませんので、これから先、具体的な向こうの移動計画なりなんなりが出てまいりますと相談しながらやっていこうと思いますが、私たちとしてもできるだけ影響のないようにそれはしていこうと思いますが、基本的にはやっぱり従業員数も減るというのはあり得ることでございますので、全部残すというようなことはやっぱりできないんじゃないかなと思っております。
  204. 小泉昭男

    小泉昭男君 大臣おっしゃったとおりでありまして、現地で伺ったところによると、基地関係で働く方の就職の競争率というのは物すごい高いということですね。それだけ雇用の関係で、沖縄の経済関係も含めて、ともに何かの施策を講じていかなくちゃいけないな、こんな気がいたしました。  これは、二〇一四年というのは、例えば厚木から岩国へ艦載機の移動、これも含めてすべてがそこに、再編のところに懸かっているような気がするんですね。そういう中で、沖縄普天間基地キャンプ・シュワブの問題についてはこれから、大臣が先ほどお話しいただきましたとおり、なるべく前倒しで事が完成するようにこれからも御努力いただきたい、こういうようにお願いを申し上げておきます。  それと、今お話ししましたとおり、厚木から艦載機の移転が計画されている、この件につきまして、NLP、夜間の飛行訓練ですね、これが五月の十日、十四日、十五日、三日間実施されたということでありまして、大体硫黄島では二千五百回ぐらい飛んでいるのに厚木では二百五十回だから少ないんじゃないかというような、こんな内容の御発言も一部にあったかに聞いております。  しかし、大変な騒音でありまして、今朝の報道を全部引き合いに出すわけじゃないんですが、今朝のちょっと目に留まったものを見ましたら、高度を二倍に上げたがために音が余計遠くまで飛んでしまったという、地元の人たちには配慮したんだけれども、逆にそれが音が広範に広がってしまったという、こういう内容のことがございました。  これ、ちなみにこの数字を見てみますと、基地周辺の苦情の順番でいきますと、大和市、藤沢市、相模原市、綾瀬市、町田市、そして、以前にはなかったと言われた横浜市にまで音が飛んでいるわけでありまして、私、東名道路の東京料金所の近くに住んでおりますが、前に防音壁がなかったころは音がクリーンでありまして、音がさあっと抜けちゃったんですね。それが、防音壁ができたら今度は音がこもるんですね。それで、近くに落ちるんです、音が。  そんな関係がありますので、さっきのキャンプ・シュワブの滑走路の計画につきましても、沖合にただ出せば、出すだけで音が飛んでこないということはないと思うんですね。この音については、かなりいろんな角度から検討をし、また調査しないと、結論にもならないでしょうし、そしてまた、夏は南風、冬は北風、場所によっては西、東も吹くということになりますと、音がどういうふうに飛んでいくのかというのはかなり複雑な問題でありますので、私は今回、厚木基地のこの夜間飛行訓練、これは何で硫黄島で全部できないのかどうか、これ大臣にちょっと見解を伺いたいんですが。
  205. 久間章生

    国務大臣久間章生君) NLPは硫黄島でやるということで米軍も計画しておったわけであります。そして、うちの副大臣も初めてのNLPを目の当たりにしようということで出掛けていったわけでございますが、その日ですね。ところが、天候が悪くて中止になってしまったわけですね。それで、それぐらいやっぱり米軍もやる気であって、うちの方でもそういう把握をしておりました。しかしながら、天候が悪いためにできずに、ところが空母艦載機の場合は必ず出ていく前に訓練をしなきゃならないというのが義務付けられておりますから、どうしてもどこかでやらなきゃならない。そうしますと、やっぱり厚木でやらざるを得なかったというのが今回の実情でございまして、もう直前でございますから、ほかのところに分散して、三沢とかいろんなところでやるというわけにいかなかったという、そういうことでございます。  いずれにしましても、厚木は、御承知のとおり、あの周りが結局もう周密な住宅地帯になっておりますから、あそこでこれから先もやむを得ない場合とはいいながらもNLPをやるということはやっぱり非常に苦痛を与えることになりますから、だから今回岩国の飛行場沖合に出されることによって、海上だったらかなり違いますので、そういうことで厚木から向こうに持っていこうとしているわけで、岩国の方々には大変な御迷惑を掛けることになりますけれども、どこかでやらなければならない。空母艦載機が日本で要らないような状況になればともかくとして、おる以上はやはり今の規定どおり発着前に訓練をしなきゃならないという実情も考えますと、やらなきゃならない。硫黄島でせっかく施設は造っておりますけれども、あそこに出掛けていったとき天候が悪いということになるとやれない場合がございますので、そうしたときにはやっぱりどこかでやる。そのときに、厚木ではもう限度を超え掛かっていると。実際、訴訟でも国側が負けているわけでございますから、限度を超えているわけでありますので、それで今回の米軍再編でこれを検討させていただいて、岩国の方に持っていこうというロードマップに従ったやり方を考えているわけであります。
  206. 小泉昭男

    小泉昭男君 今、大臣、現状をよく御理解いただいているようでありますけれども、これまた硫黄島でやろうとしたらまた状況が悪くてやむなく厚木でやったって、こういうことが繰り返されちゃうとこれ大変なことになりますので、今後、まあ二〇一四年までに岩国の方に例えば艦載機が移動したとしても、それまでの間まだ結構な年数あるわけでありますから、今の大臣のお話ですと空母が出る前に訓練しておかなくちゃいけないという、こうなりますとまた実施されないとも限らないわけですね。この点については、大臣、今度また実施されることがあるということですか。
  207. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 最近は気象条件の予測その他も大分精度が良くなってきておりますので、硫黄島での予定なりなんなりを立てるに当たっても、かなりそれは精度が高いので、従来、昔と比べますと厚木でのやるケースは減ってきております、今度も何年かぶりだと思いますけれども。しかし、これから先も、まだ岩国なら、岩国もNLPやりませんから、新しい場所を見付けてそこでやらせるように、その候補地を二十一年度までに我々としては探そうと思っておるわけでございますが、そういうのができるまでの間にはどうしても、二〇一四年ですね、仮に岩国に移ったとしても、現在の場所でやる場合もあり得る。しかし、そういうことにならぬように一日も早くこっちも候補地を探して、硫黄島に代わる施設を、やっぱり硫黄島遠いんですよね。行ってからやれなくなったんじゃどうにもなりませんので、そういう点で検討をして、できるだけ早くやろうと思っておりますけれども、厚木でないかと言われますと、ないことはないとしか正直なところ言えないわけであります。
  208. 小泉昭男

    小泉昭男君 相模原の市長が防衛省を訪れて硫黄島に全面移転を要請したということでありますけれども、これは、大臣のお話のように、以前にもそういう方向で進められてこられたということでありますが、これ、またいつやるか分からない。これだと物すごく住民の方々は、今回七年ぶりと言っていますけれども、物すごい爆音ですから、もうこの七年間、比較的そういう騒音に遭わなかった方々、越してきてから一年、二年の方々はびっくりしているわけですね。  私もそういう音の中に入ってみましたけれども、物すごいです。もう電話もできない、もう話し声も、隣にいても話もできないと、こういう状況でありますから、これは何としても、努力はいただくことはもうこれ当然続けてお願いしたいんですが、今後これを厚木でやらないように、大臣の方からアメリカ側にきちっと申し入れておいていただいた方がいいんじゃないかなと思うんですが。
  209. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それは、アメリカだってできるだけ避けたいと思っているわけでございますけれども、先ほど言いましたように、出航前に訓練をしなきゃならない、硫黄島が使えないというときに、ほかの場所でじゃやれるかとなると、ほかの場所でもやれない、そうなったら、厚木でやらないということは本当に断言できないと思うんです。だから、できないことを求めるというわけにもいきませんから、極力やらないように、そのまま硫黄島でやるようにしてもらいたいと。そのためには、非常にスケジュールも、天候その他も測りながら、今度みたいにやろうと思っておったのが急にやれなくなったという、そういう場合がないとは言えないと思いますけれども、やっぱりそういう努力はしてもらいたいということは申し入れたいと思いますけれども。  やはり今度でももう本当に硫黄島でやる予定しておったのが急遽取りやめになったというのは、意図的にやめたわけじゃございませんで、そういう点で七年ぶりにやったということでございますから、最近はほとんどやっていなくてうまく機能しておったんですけれども、今から先もないかというと、天候が最近は予測どおりにいかないのが結構、最近の天候不順というのはそうなのか知りませんけれども、もう今度は七年ぶりにとにかくそういうのが、予定が狂ったんじゃないかなと思っております。
  210. 小泉昭男

    小泉昭男君 大臣がそういうふうになるべく米側に努力していただきたいという、こういうお考えであるということを確認させていただきましたので、地元の方々は大変にこの言葉に期待をするんじゃないかな、こういうことも考えます。  あと、横須賀の空母なんですけれども、これは地元でも大分理解が深まったようでありまして、改めてこの安全性について大臣の方からいま一度PR方お願いしたいと思います。
  211. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これについて私たちも絶えず関心を持ちながら、安全性が十分担保されるといいますか、確保されるように、必要以上のもう十二分のぐらいの対応をお願いしていきたいと思っております。  ただ言えますことは、アメリカの国内のいろんなところで空母は入っておるわけでありまして、そこはとにかく、そこと比べて日本に来たときはルーズにするなんてことあり得ないわけですから、だから日ごろからいかに安全性に配慮されておるかということについても理解をしていただきたいと思うわけであります。
  212. 小泉昭男

    小泉昭男君 今大臣のお話の流れで期待をしておきます。  終わります。
  213. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。  午前に引き続き、外務、防衛大臣に、駐留米軍再編等に関する特別措置法案に絡みまして質問をさせていただきたいと思いますが、尊敬する自民党の小泉昭男先生が先ほど議論の幕を開けていただきましたので、若干この点に私の方からも触れさせていただきたいと思うんですが、集団的自衛権の問題についてアメリカのゲーツ国防長官が行使容認を迫るというような報道がございました。  どういう内容かというと、ゲーツ国防長官が先月末にワシントンで開かれた日米防衛相会談で、アメリカをねらった北朝鮮などの弾道ミサイル日本ミサイル防衛、MDシステムで迎撃できるよう、政府憲法解釈で禁じている集団的自衛権の行使の容認を迫っていたことが分かったと、複数の外交筋が明らかにしたと。同席したシーファー大使も集団的自衛権の問題に触れまして、米国への弾道ミサイルを迎撃できなければ、かぎ括弧で、日米同盟が変質しかねないと日本側を牽制したという報道でございます。  先ほど大臣は、私がそこにいて聞いてないんだからそんなことあるわけないじゃないかとおっしゃったんですけれども、記事の内容はさもありなんなんですね。全くタイムリーな議論なんですよ、これは。なぜかというと、海上自衛隊の二等海曹がイージス艦中枢情報の資料を隠し持っていた事実、これに関連して、ゲーツ氏が中国を名指しして軍事機密の漏えいに強い危機感を表明していた、当然のことでございます。正に危機感を持っていて当たり前であります。この話が出るに決まっているんです。  そして、加えて、集団的自衛権に関する米側の要求として、軍事的に台頭する中国への抑止力強化を目指す国防戦略を反映すると同時に、憲法解釈の変更で集団的自衛権行使の一部容認を視野に入れる安倍晋三への期待感を示したと。正にタイムリーであります。こういったもので議論するに決まっているんです、せっかく二人が会っているんですから。しかもこういった内容は、QDR二〇〇一、二〇〇六、そして長官もよく知っているアメリカのシンクタンクである外交評議会、こういった外交評議会等の報告書とも全く一致する、極めてタイムリーで大切な議論であるはずであります。  本当になかったんでしょうか。
  214. 久間章生

    国務大臣久間章生君) その席には外務大臣も、2プラス2の場合だったら外務大臣も、そしてうちの大古局長もおりましたので、お二人に聞いてもらっても結構ですけれども、2プラス2でそんな話は本当に出ていません。それと、今言われたイージス艦の問題についても、その前の前日の防衛首脳会談で、私の方からこの情報の問題については、今まで出た問題について、そしてどういう対応を取ってきたか、それを私の方から説明をして、そして向こうは聞いていただいて、ほとんどその内容についての話も出ておりません。  だから、本当に、講談師、見てきたような何とかを言いという話じゃございませんけれども、本当にみんなが見たら、さもその席でそんな話が出たかのように書かれておるというのはこちらとしても非常に心外ですけど、それは一緒に同行した記者ももちろん違うと思いますけれども、どこ発なのか、その辺をこっちも知りたいなと思うぐらいであります。
  215. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 新聞によりますと、かぎ括弧付きでゲーツ長官が、日本はMDで極めて重要なパートナーであると、そして相互に防衛し合う関係が必要であって、日米アメリカ領土をねらった弾道ミサイルを撃ち落とせるようにすべきだと述べたと。私はこれもっともだと思いますよ、アメリカ側だったら当然こういうことを言うに決まっているんですから。しかも、この二つの情報漏えいの問題とMDの問題、正に今、日米の安全保障問題で一番コアな部分であります。センシティブであり、コアな部分である。そしてこの問題が語られた。私はもっともだなと思います。  記事の最後に、久間大臣が、日本が現在計画しているMDシステムの技術ではアメリカ領土への弾道ミサイルを迎撃することはできないと説明して、技術的にも可能となるようアメリカに一層の協力を求めた、ここのところは分かりません、ここのところは大臣が一番よく分かっていらっしゃると思うんですが、全体像として、私はもっともな議論があったんだなと思っています。  私は正直、こういったことをアメリカが水面下でいろんな議論をすることは当然、外交若しくは防衛の世界の話ですから、あろうかと思います。  ただ、私も若干のアメリカ政府、とりわけ国防省やアメリカ大使館にも友人はおります。しかし、こういった友人たちは非常に今怒っているんですよ、憤っている。怒っているということは、私は、ああ、あったんだなと、こういう議論がですね。なぜ怒っているかというと、なぜこういう大事なカンバセーションが漏れるんだ、なぜこういう大切な非常にセンシティブかつ重要な問題が平気で日本の新聞に載るんだと物すごく怒っているんですよ。ですから、日本の役所の中でも今いろんな議論があると思います、慌てていらっしゃる方々もいるでしょうし。  しかし、私は、このアメリカの態度であるとかアメリカの要求、そして集団的自衛権の問題が云々と言う前に、やたらとこういう日米間の、最も大切な同盟関係にあると言いながらも、非常に重要な会話がこのように記事になってくるということに、私は今の体制が一体どうなっているんだろうか、これで本当にアメリカとの信頼関係つくれるのかと。この問題に対してアメリカ政府が怒るのは当然でありますよ。
  216. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 逆に、私は今まで榛葉先生からいろんな情報漏えいについての指摘がありまして、それに対して、これは本当にいかぬ、けしからぬと言ってまいりました。  しかし、今の話は、あったのにこちらからそれを漏えいして出たんじゃないわけですよ。ないのにあったかのようにアメリカ発で出されているわけですよ。むしろ、そっちの方が私としては逆になぜなんだろうと、そういう思いがしますよ。だから、先生が聞かれた相手がどこから聞いたのか、そういうことを聞いてくださいよ、そして教えてくださいよ、そうしたらこちらも用心しますから。それは本当に私はおったんですから、だから分かりますよ。  それは違うところでそういう話は私はしたことありますよ。上に飛んでいくやつを技術的に応援してもらいたいと、技術的にこちらも研究したい、それは別のところでしましたけど、2プラス2でそんな話は絶対出ておりません。
  217. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 私も、野党でありますが、与党や政府の揚げ足を取るためにこの質問をしているつもりはありません。  とても大切な話ですから、今大臣アメリカ側からこの情報が漏れたんだと……
  218. 久間章生

    国務大臣久間章生君) アメリカとは言わないです。
  219. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 大変重要な……
  220. 久間章生

    国務大臣久間章生君) アメリカとは言っていません。
  221. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 向こう側からですね、相手側から漏れたという話が……
  222. 久間章生

    国務大臣久間章生君) アメリカからとは言ってないんです。こちらから出ていった、一緒に行った同行記者団じゃなくて、ほかのところからが出ているんじゃないかと僕は類推するということを言っているわけでありまして、うちの方から、周りから出ている、情報漏れがあったというんじゃなくて、情報はないわけですから、そこのところは是非本当のところを理解していただきたいと思います。
  223. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 私は、我が国の国会議員として今の大臣の発言を当然信じたいというふうに思っておりますので、誤解を解くためにもこの問題を取り上げさせていただいたと御了解をいただきたいと思います。  次に、ただ、大臣、なぜこういうことを言うかというと、一連、まあ衆議院であったんですけれども、大臣の発言で若干いろんな誤解をされる方がいたというのも事実なんですね。  私は静岡県遠州の出身ですけれども、私の大先輩に遠州森の石松というのがおりまして、見受山鎌太郎から百両もらったのをうっかりしゃべってしまって都鳥一家に殺されてしまったと。正に口は災いのもと、舌は災いの根ということわざを私よく小さいころから広沢虎造の浪曲で聞かされたわけでありますけれども。  正に大臣、先日の衆議院の議論で、訂正はされたとはいえ、テロ対策特措法はアメリカ戦争支援する法律だと大臣おっしゃった。これは、大臣、やっぱり誤解されますよ。これ、再三再四にわたってこの発言を繰り返されている。例えば、四月二十七日の内山委員質問に対しまして、これイラク特の議論なんですが、アメリカの自衛権に基づく戦争、そして国連もそれを認めた戦争、それに対して我が国はあのとき、法律を作って支援しよう、その代わり武力行使で一体化にならない範囲でやろうということでインド洋上にやったわけでありましてとか、それとか、戦争することについて、これは支援する法律に実はなっております、そういう点では、ゴラン高原に行っている、あるいはまた今東ティモールに行った、カンボジアに行ったとか、そういうのと違いますから、こんなに長くなるとは実はあのとき、法律を作った時点では想定できなかったわけでありましてというふうなことをおっしゃっているんですが。  このテロ特措法の問題は、国連の安保理決議に伴って、我が国が正に国際的なテロリズムの防止及び根絶のために国際社会の取組に積極的かつ主体的に取り組んだ、寄与することを目的とした法律であって、これをいろいろ後から説明を長々と言ったらできるんでしょうが、これはアメリカ戦争支援する法律ですと言ったら、これ非常に誤解を受けかねないと思うんですが、口は災いのもとじゃないんでしょうか。
  224. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それはおたくの、衆議院でありますけれども、長島委員がいみじくも分析されましたけれども、あの分析の仕方は全く私は正しいと思っております。  要するに、私の言葉で非常に誤解を受けるかもしれませんと言ったのは、戦争という言葉をテロとの戦いに置き換えなきゃいかぬのを戦争と言ってしまったために、戦争というのは自衛権の発動であっても自衛権の行使であってもこれは今国際法上戦争というのは全部違法なんだと、そういうふうに言われていますよというようなことをおたくの原口さんから指摘されたわけであります。  だから、私はその後の訂正の中で、アメリカが自衛権の行使として行ったテロとの戦いに対する我が国支援、軍事上の支援というようなことに言葉を訂正させてもらったわけでありまして、一般的に分かりやすく言うために言葉を使ってしまったのが非常に誤解を生むかもしれぬと思って言っているわけですけれども、そういうようなテロ撲滅のための戦いに対する支援であることには変わりないわけです、本質は。だから、そこのところを、私は本質論を間違えたわけじゃなくて、言葉の使い方を非常に適切さを欠いたんじゃないかと私自身が思って、その後は戦争という言葉は言っておりませんが、しかしながら、先般の附帯決議では戦争という言葉が使われておりましたので、委員会で附帯決議で戦争という言葉を使っているけど、ここは戦争という言葉でいいのかなと思いながらも私は黙って聞いておりました。
  225. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 我が党にもいろんな考えがあるわけでございますけれども、実はここが一番の境目だと思うんですね。  私は大臣の心の中まで入っていけませんから推測はできないんですけれども、思いは間違っていないと、私誤解を恐れずに申し上げますと、思うんです。というのは、だからこそ我が党はこれに賛成できなかった。実質は、我々、大臣は大変正直な方でいらっしゃいますから、ぽろっと本音が出たんだろうと、後から整合性が付くように説明しなければなりませんが、そのときは恐らく胸の内が正直に出られたんだ。  しかし、私たちも思いは分かります。しかし、これは様々なこのイラクの流れを考えても、これはいかがなものかなという理由で我々はこの法律の延長に反対するでしょうし、今そういう議論をしているはずであります。ですから、そこのところは、言った言わないとか、なぜこんなことを言ったんだと言っているわけではなくて、ここのところが実は一番のポイントであって、これは今後特措法の延長の際に議論したいと思いますが、これは、大臣、本音が出たと素直におっしゃった方がいいんじゃないでしょうか。
  226. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それは、政調会長が、そのとき麻生外務大臣が政調会長で、私は政調会長代理で、なおかつテロ特の理事をやって、おたくの皆さん方議論をしておって、法文についてはほとんど意見は一致しているわけです。最後に、結果として確かに反対になっておりますから、うちはその理由で反対したんだとおっしゃるかもしれませんけれども、あの当時おられた方はそんなことありませんよ。聞いていただきたいと思います。  最後に決裂したのは、とにかく自衛隊が出ていくのに事前承認するか事後承認するか、それを小泉さんと党首との間で最後は決めてもらいましょうというときに、小泉さんがけられました。その以前は、とにかく陸上輸送は外すということでこっちが提案してそれを納得してもらって、ほとんど法文的にはすり合っていたわけですから、だから、そのときの議論に加わっていないからといって、賛成できなかったからといって、私たちが認識したそれまで間違っておったというふうに言われますと、あれはそうじゃないんです、絶対に。
  227. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 参議院ではこの米軍再編の問題が重要広範議案で、テロ特措法の延長が重要広範になっていませんが、是非この問題もしっかり時間を取っていただきたいなと理事の先生方にも要求をしておきたいと思いますが。  次に、情報漏えいの問題について若干議論をさせていただきたいと思いますが、例のバッジシステムですね、このバッジシステムで収集した情報が今、四月下旬から防衛省の航空総隊司令部システムを在日米軍、これは横田ですけれども、横田のシステムと接続して、今までもやり取りやっていたんですが、四月ごろからもう瞬時で、リアルタイムで情報が取れるようになっているということだったんですが、実は、大臣、四月からこのシステムが接続しているということを御存じだったんでしょうか。
  228. 久間章生

    国務大臣久間章生君) ここでそういうことを申し上げていいのかどうか分かりませんけれども、アメリカ日本とのこれから先情報を共有しなければならないということでいろんなやり取りがありました。こちらも向こうの情報欲しい、向こうからもこちらのやつが、つないでもらいたいという、そういう中でやっとある合意点に達しましたというようなことでの報告がございましたので、合意したんならそれでやってもらって結構ですという話を四月に言ったのは事実であります。
  229. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 そうすると、今四月にやったのは事実だとおっしゃいましたが、火曜日の白委員質問では、大古さんがこれからスケジュールを組んでやっていくというふうに言っているんですが、もう四月からやっているってどういうことですか、これ。
  230. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 正確に申します。  現時点では常時リアルタイムで情報を提供しております。ただ、御質問の時点で私がお答えしたのは、適宜日本のバッジ情報を米側に提供することとしておりますというふうに答えたかと思っております。そういう意味で、この問題については、事の性格上、いつから提供しているというのは差し控えたいところがございましたので、そういう言い方を取らせていただきました。
  231. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 大古さんの答弁はそういう答弁になっておりません。今後、正に2プラス2の中で、委員御指摘のように、日米間の、米軍自衛隊運用協力を深める上で情報協力が重要であるということで合意しました、その関係で、今後、この情報提供についてもちゃんとロードマップを作って相互にどういうふうに提供していくかについて認識していこうということになっております、そうなっているじゃないですか。
  232. 久間章生

    国務大臣久間章生君) その点については、私は、アメリカに行きましたときに私から提案しまして、これから先どういう情報をどういう形でやっていくか、ロードマップを作ってやっていきたいという話はしました。  だから、バッジシステムの話と違って、これはまた、それを含めて全体的な情報の共有の話をしているわけでして、バッジシステムについての話をロードマップを作っていくということじゃないわけですから。
  233. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 いや、バッジシステムの情報でこれをアメリカに提供するつもりですねということで白先生は聞いていらっしゃって、それに対して政府参考人である大古和雄さんが答えていらっしゃるんですから、それはおかしいですよ。  四月からやっているんでしょう。
  234. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 御質問の点については、具体的にどういう情報交流をしていくかというお尋ねがございました。まず、私の方はこのお尋ねに対して、日米双方の情報の関係もございますので、細部は明らかにできないということをまず言いました。その後に、例えばという形ではございますけれども、航空自衛隊の保有するバッジ情報についてはアメリカ側にも提供していくということで考えておるところでございますと、こういう答え方をしております。
  235. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 結論は四月から情報提供しているということですね。
  236. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 先ほど大臣の方から四月末に話を聞いて提供することについては了承するという御説明がございましたけれども、現実にいつから情報提供しているかについては、事の性格上、差し控えたいと思っております。
  237. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 ということは、四月末に情報提供の約束はし合ったけれども、情報提供はまだ始まっていないという解釈でよろしいんですか。
  238. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 冒頭に申しましたように、現時点では常時情報提供をしております。ただ、いつから始めたかについては時期を明らかにしたくないということで先ほどから述べているところでございます。
  239. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 どうして時期を明らかにできないんです。
  240. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) バッジ情報については今回初めて提供するというわけではありません。今までも必要に応じて提供はしてきております。  今回、2プラス2で述べておりますのは、常時リアルタイムで提供するという話です。ただ、これはバッジ情報に限ったことではなくて、日米双方が持つ情報についてはできるだけそういう形で情報共有していこうという合意があったわけです。
  241. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 ですから、いつから情報提供、リアルタイムでするようになったか、その時期すら言えないというのはよく分からないんですけれども、なぜその時期も言えないんですか。
  242. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 先ほど申しましたように、バッジ情報については、今回の2プラス2で初めて提供するということになっているわけではございません。従来から必要なときには提供しておりました。
  243. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 しっかり答弁してください。  ですから、リアルタイムで、私も先ほど言いました。バッジ情報は以前から情報提供し合っています。しかし、リアルタイムで瞬時にできるようになったのはいつからですかと聞いているんです。  なぜかというと、それを白先生が聞いた際に、そのリアルタイムで提供できる時期についてはこれからどうやっていくか検討していくというふうにおっしゃったんですが、もうそれが始まっていると。四月末にこの議論が始まって、今五月十七日ですから、いつから始まったというのはすぐ言えるんじゃないんですか、そんなこと。秘密にするような内容じゃないんじゃないですか。
  244. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 先ほど、今後検討していくというお話をしたのは恐らく、どのときに聞かれましたか、ロードマップの関係だったかと思うんですけれども。
  245. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 いや、バッジシステムです、答弁書を読むと。
  246. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) はい。
  247. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 はいで終わっちゃうと困るんですけれども。  なぜこれを言うかというと、いろんな防衛省にかかわる、若しくは情報にかかわる問題が面白おかしく報道で出るんです。だから、言えることはしっかりと言って誤解されないようにした方がいいんじゃないですか。それが国民との信頼醸成であり、もっと言うと同盟国との信頼であり、余計な不信を同盟国同士で持たれないように、報道するのは自由ですから、しかしそういうふうな誤解を得るような記事が出る可能性もあるし、実際出ていますから、それについて大古さんの答弁と事実が違っているんじゃないですかということです。
  248. 久間章生

    国務大臣久間章生君) まあ、どの程度いろんな話をしていいかどうか分かりませんけれども、バッジシステムという中でもいろんな内容があります。先生も御存じ思いますね。そのうち航跡、これについては現在リアルタイムでなっているわけですね、今度しているわけですよ。  しかしながら、それ以外を含めてどうするかについては、お互いが情報を共有しなければならないような状況だけれども、また一方、我々もまた向こうから全部もらえるかとなると、そうでもないわけですから、お互いがそういうことをやっぱり手のうちを持ちながらやっていく。そのためのやっぱりロードマップは必要なんで、だから、もう既にバッジシステム全部についてリアルタイムでぱあんと渡ってしまっているようなそういうとらえ方をされると、それはまた誤解を生みますので、これから先の検討も含めながらその辺については余り細かい、したくないという点もありますので、ひとつよろしくお願いします。
  249. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 今大臣のおっしゃったことはよく分かります。  ただ、このバッジシステムの共有、私もとても重要だと思うんですよ。重要だと思うんですが、一部の方々でこれが集団的自衛権の問題を考えると若干議論の余地があるんじゃないかと言うような方もいるんですが、私は実はそう思っていませんが、こういった疑念を持っていらっしゃる方々の疑念を払拭する必要もあると思うんですが、それに対してはどうでしょうか。
  250. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 委員の御指摘は、いわゆる情報提供することによって武力の行使の一体化の懸念があると、こういうような話かと思うんですけれども、従来から情報につきましては、自衛隊任務遂行のために収集した情報を一般的な形で例えば同盟国である米軍に提供することについては武力行使の一体化のおそれはないという言い方をしているところでございます。
  251. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 ありがとうございました。  そしてもう一点、情報に関する違う話をしたいと思いますが、これも私はインターネットのニュースで知ったわけでございますが、世界的に有名な動画投稿サイト、ユーチューブというものがありまして、アメリカにある動画サイトだそうでございますが、これに陸上自衛隊第一空挺団の教育訓練用と見られる映像が出ていたと。今、幕僚監部がこの事実関係を調査しているということなんですが、秘密情報ではありません。部外秘指定の内容ではないんですが、ナイフで相手を倒すとか、そういった具体的な戦闘の訓練のビデオだそうでございまして、この事実関係について分かる範囲で我々に教えていただけないでしょうか。
  252. 山崎信之郎

    政府参考人山崎信之郎君) 御指摘の訓練ビデオは、先生御指摘のとおり、部外インターネットの投稿サイト、ユーチューブに投稿を掲載されたものであると考えておりまして、我々もそれを確認をしております。  訓練ビデオ自体は、陸上自衛隊の第一空挺団が部内参考用に作成したビデオでございまして、対遊撃行動訓練という題が付いているというふうに聞いております。これについても、正確性を期すためまだ陸上自衛隊で調査中でございますが、これは平成十二年に作成をされたビデオだというふうに聞いております。  それがユーチューブという投稿サイトに掲載をされたのが、確認をいたしましたのが、昨年の十二月の初旬に部外者のメールで陸上自衛隊の方は承知をしたという話でございます。  現在のところ、産経新聞の報道で我々も承知をしまして、陸上自衛隊に問い合わせたところ、今申し上げたように、昨年十二月の初旬には承知をしておったということでございますが、部外秘を含まないということでそのままの状態にしておいたという報告を取りあえず受けております。  私どもとしては、やはり投稿されたビデオが秘密に該当する事項は確認はされておりませんけれど、部内資料がこういう形で外部に流出することは非常に好ましくないと考えておりまして、事実関係について更に調査を行いまして、同種事案の再発防止、あるいは適切な対策を、あるいは処置をとっていきたいというふうに考えております。
  253. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 平成十二年に作られたビデオでこの時期に分かったと。いつごろ漏れたというふうに今の調査段階で推定されるのでしょうか。加えて、このビデオはどういった方々が持っていらっしゃるビデオなんでしょうか。
  254. 山崎信之郎

    政府参考人山崎信之郎君) いつごろ掲載されたかについては、現在調査中でございまして、確認ができておりません。陸上自衛隊が承知をしたのが昨年の十二月だというふうに聞いております。  それから、このビデオそのものは第一空挺団の訓練用に作成をしたビデオというふうに聞いておりますが、この配付先についても現在調査中で、確認をされておりません。
  255. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 何で配付先が確認中で調査できないんでしょうか、防衛省防衛庁内のことであって。
  256. 山崎信之郎

    政府参考人山崎信之郎君) これは、先ほど申し上げましたように、平成の十二年に作成されたビデオでございまして、ちょっと若干古いということもございまして、その資料自体について現在調査をしている最中でございまして、なかなかはっきりしたことは分からないというような状況でございます。
  257. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 私は、このビデオが、内容が機密情報であるとかそうでないとかというよりも、この情報が漏れた時期が少なくともイージス艦とかウィニーの前であってほしいというふうに思うわけでございますけれども、今正に省内の指揮徹底を図っているところで、もう再発防止に万全を期すという御答弁は何十回、何百回も聞いているわけでございますから、その経緯を私たちはしっかりと見守り、立法府の側からもこれは応援しなければならないんですが、大臣にお伺いしたいと思うんですが、額賀大臣のときに、この調査チームを、政務官の高木政務官でしたっけ、あのときは、が議長になりましてつくっているわけですね。情報流出対策会議ですか、情報流出対策会議というのをつくっている、前に、ウィニーの際に各省庁のトップが集まりましてこの会議をつくったわけでございます。そうです、機密電子計算機情報流出等再発防止に係る抜本的対策の具体的措置ということで対策チームをつくったんですが、当時の高木防衛庁長官政務官を委員長としてつくったということですが、今回ショッキングなイージス艦の情報が出たということで、今度は大臣をトップにいたしまして情報流出対策会議をつくられたということで、私たちからしますと、決して、何回も言いますが、野党だからこういうことを言っているわけではありません。高木政務官がやられたときも、できるだけ応援をしようということで、情報を漏れないようにしようと。しかも、政務官、政治家がトップになって、事務次官を始め長官官房長や運用局長であるとか防衛局長であるとか人事教育局長であるとか、すべての局長防衛大学の関係者も全員委員に入って、もう絶対出さないということをやった、にもかかわらずまた出たということで、今度は政務官から大臣が議長になったということで、確かに政治家としての気概というか、政務官が、今度大臣がやるわけですから、確かに重たくなったのかなという気はしますが、一体前回と今回は何が違うんでしょうか。
  258. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 前回、そういうのをつくってやったにもかかわらず、その後も徹底していないということが分かりましたので、いま一度とにかく徹底させようということで、その対策会議だけではなくて、具体的にも指示、命令も出しまして、もう一回きちっと徹底を繰り返してくれと。これはもう繰り返す以外にないと思うんです。特に、自宅に持ち帰って、それの中からは全部取り外したかって言って、取り外しましたと、もう破棄しましたというふうに答えているにもかかわらずウィニーに出ていってしまっているじゃないかという、そういうようなことでございますんで、いま一度そういうようなことについて徹底する。それと、一日も早くソフトの開発がきちっと徹底されてそれが使用されるように、まだ十分ではありません点もありますから、それもやらせたいと思っておりますが。  今回、今言われたやつは、それと、逆に言えば、秘密情報についてそういう徹底を図れ図れと言っていますので、秘密でないやつについて、ビデオについてはまだ、ついおろそかになりかねないので、それはまた違った意味で、秘密じゃなくても内部資料を勝手に持ち出すのはいかぬという、そういう士気の緩みといいますか、そういうことのないように、その点も今回改めて言おうと思っております。これがいつだったのか、今から調査しておりますので、ちょっと分かりませんけれども、かなり古い時点で出ていったんじゃないかなということは言えるかもしれませんけれども、それが最近投稿されたというのはどういうことなのか、それも含めて今調査をしております。  いずれにせよ、そういう秘密情報に限らず、そういうような内部の資料が外に出やすいということは絶対あってはならないことでございますから、これから先も留意していこうと思っております。
  259. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 確かに防衛省に関する情報はたくさんありますから、それを守るためにいろんな秘密のランクを作って情報を守る。そうでない情報もあるわけで、特にこのビデオはそうではない情報であって、ただ、それが出ることによって報道がされ、そして、またかというようなイメージが実は国民や対外的にもあるということで、今正に大臣がおっしゃってくれました、これは秘密情報でない、しかし、これからもそういった情報がなるべく漏れないように気を付けなければならないが、いろんな報道やネットでの情報等、今情報発信の媒体がたくさんありますから、我々もやっぱり惑わされずに、どれが本当に漏れていけない情報だったのかということを理解しておく必要があるということだけは指摘をしておきたいと思います。  それでは、本題の米軍再編の問題についてお伺いしたいんですが、先日の本会議質問で私が、ロードマップや本法案で予定されている在日米軍の全容であるとかその経費総額、それからグアムへ移転する海兵隊の移転経費であるとか日米負担の額や案分、こういったものを分かる範囲でできるだけ詳しく教えてもらえないだろうか、またその根拠を教えてもらえないだろうかと言いましたら、両大臣から、現在、日米検討しているところであって、具体的に申し上げる段階ではない、今後精査していくというような答えでした。まああの本会議場ではそういう答弁になるんでしょうが、今の段階でも分からないかもしれません。しかし、あの段階で分かっていなくて今分かっているもの、そして、今分からないけれども今後いつごろまでには精査をしてこういったものを出していきますというようなある程度の方向性をお示ししていただきたいと思うんですが、大臣、どうでしょうか。
  260. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) まず、お尋ねのところの米軍再編全体の日本側の経費負担という話でございますけれども、これにつきましては、従来から申し上げておりますとおり、現在、再編案の詳細な計画等につきまして日米間で検討しているところでありますので、具体的に申し上げる段階ではありません。今後いつ明らかになるというお尋ねに対しても、今の段階でいつ明らかになるかの見通しは得られていないということでございます。  それから、グアムの関係でございますけれども、沖縄からグアムに移転する関係では、我が国の分担額、これについては約六十億ドルということで既にお示ししておりますけれども、これについては検討段階の米国の見積りでございます。あくまでも概算です。それを前提に合意したものでございますが、これについても、細部の仕様等につきましては今米側検討中でございます。これについても、例えば隊舎とか庁舎とか、そういうものの具体的規模がいつ明らかについても、現時点では見通しは得られていないと、こういう状況でございます。
  261. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 ですから、それが今後もう少し具体的に、これ日本の税金使う話ですし、大変重要な話で、期間も長い話ですから、今国会で恐らく採決に持っていくんでしょうから、これやっぱりある程度の、それこそロードマップじゃないですけれども、全体的な絵をお示しいただかないと、今までの五五年体制ですと、そういうのはもう、というような話になるのかもしれませんが。  私がなぜこういうことを言うかというと、我が党の中にも、この法律はいろいろ問題がある、問題があるけれども、これからの沖縄負担であるとか米軍との関係であるとか安全保障を考えると大切な法律じゃないかと真剣に考えている仲間もたくさんいます。そして、そういった仲間が、やはりある程度具体的な情報と、こういうステップで、こういう段階でいくんだなということを示していただければ、野党でございますけれども、私たちも真剣にこの問題を考えようとしている。そしてやはり、この安全保障や国の守りという問題でそう与野党の差が自分はあるべきではないと思っておりますし、多くの方が反対する理由をつくってほしくないというのが正直な気持ちでございます。  だからこそ、もう少し具体的に、今すぐどれだけだということは言ってくれとは言いませんが、もう少し、私たちもある程度腑に落ちるというか、納得できる説明をしてもらえないでしょうかという私からのお願いでございますが、大古さん、どうでしょうか。
  262. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 先ほど申しましたように、再編関連措置については、具体的なところは今、詳細な計画などについては日米間で検討中でございます。  こういう中で、十八年度補正予算、それから十九年度予算では、本体工事の準備のための各種の調査費、設計費なども計上しております。再編経費の中では、経費の大半を占めるのは本体工事費ということになりますけれども、その確定のためには、今言いました調査なり設計等を踏まえまして、引き続き日米間あるいは地元などで調整が必要でございまして、こういう事情があることは御理解いただきたいと思います。  それから、再編関連措置に伴う地域振興策ですけれども、この具体的な内容につきましても、今後、地元と相談しつつ関係省庁との間で調整されます。そういう意味では現時点では決まっていないということで御理解いただきたいと思います。
  263. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 では、財務省にお伺いしたいんですが、先ほど、今、大古局長がおっしゃった再編交付金の五十一億円、予算ですね、これはどういう内訳で、どういう積み上げで五十一億になったのか、財務省の方から説明願えませんでしょうか。
  264. 鈴木正規

    政府参考人(鈴木正規君) 再編交付金の平成十九年度予算額につきましては、沖縄負担軽減のための事業に関して交付されてきておりますSACO交付金を参酌しつつ、対象となり得る市町村に対する負担の増加等の状況、あるいは再編事業の進捗状況の見込み等を勘案して積算されております。  内訳につきましては、交付金が五十億三千九百万円、現地での調整等に要する経費千二百万円を加え、合計五十億五千百万円ということになっております。
  265. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 その五十億の交付金の中の、今言ったその見立てですか、その中身をもう少し、どういう積立てで五十億交付金か、それ詳しく教えてもらえないでしょうか。いきなりぼんと五十億って出るわけじゃないでしょう。いろんなものを積み上げて五十億、頭のいい財務省さんですからやっているはずでございますから。
  266. 鈴木正規

    政府参考人(鈴木正規君) 防衛省の方からは、今関係市町村との間で米軍再編に関する理解と協力を求めているという状況下ですので、個別の市町村の内訳を明らかにいたしますと、これら関係市町村との間で混乱を惹起しかねないというふうに伺っております。
  267. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 その見込みでございますが、では、具体的にでなくても、ある程度、款項目どういうふうになっているのか分かりませんが、交付金五十億です、だけでなくて、もう少し交渉の障害にならない程度でありながらも、実は内々、実は大まかにはこういう積立てになっていますよという説明を我々立法府にはできないんでしょうか。
  268. 鈴木正規

    政府参考人(鈴木正規君) 交付金五十億の積算というのは今申し上げたとおりなんですが、中に経費の内訳があるというわけではなくて、交付金は一本でございます。
  269. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 私がなぜこういうことを聞くかというと、やはり国民の皆さんの理解がないと、この法律、成立だけではなくて、実行することは極めて難しくなってくるということでございまして、少しでも多くの地元の方々に理解を得るためにも、やはり丁寧な、交渉の障害にならない範囲、まあ難しいかもしれませんが、説明は数字の提示というのが必要ではないだろうかという私の考えであります。  そして、本法案の第三条の二項に、駐留米軍等の再編に対する幅広い国民の理解が得られるように配慮されなければならないって書いてあるんですね。この国民の理解が得られるような配慮というのは一体何なんでしょうか。どういう配慮をするんですか。  少なくとも今、本会議始め委員会議論をして、我々が説明してくださいというものに対しては、国民と納税者の代表として今ここで議論をしていますが、その配慮があるようには私は感じられないんです。ですから、どういう配慮を防衛庁はされようとしているんですか。
  270. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 御指摘の条文の言葉の趣旨ということで御説明させていただきますが、三条二項に規定する幅広い国民の理解が得られるよう配慮とありますのは、まずはその駐留軍等再編による負担軽減を十分な形で行う、他方、新たに負担を受け入れる地元に対しまして措置を適切に行う、こういうことで、地域住民の理解は得るという必要がまずございます。  それから、地元に対する環境の、負担がある場合に交付金等を支払いますので、その場合については財政負担を伴いますので、そういう意味では幅広い国民全体の理解も必要であるということで、全体のバランスをよく見詰めまして、幅広い国民の支持を得られるよう配慮するという趣旨でございます。
  271. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 心に留めておきたいと思います。  次に、若干抽象的かもしれませんが、外務大臣にお伺いしたいと思います。  これも本会議で聞いたことですが、そもそも、日本国外であるグアムに移転する海兵隊の費用、これをなぜ日本負担しなければならないのか。本会議でも申し上げましたが、若干午前中の柳田先輩の議論にも関連するかもしれませんが、ドイツや韓国等では、アメリカ軍の移転について、しかもアメリカ国内への移転について、これ経費を負担していないわけでありまして、なぜ日本だけが負担するのかということを御説明いただきたいと思います。
  272. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 海兵隊のグアムの移転につきましては、基本的に在沖縄の海兵隊の移動なんですが、その前提に立っておりますのは大きく分けて二点。まず、地元負担軽減という点は、これは沖縄から、前々からもう長きにわたってずっと続いている話である点が一点。それから、今の我々の周囲を取り巻く安全保障の環境考えるときには、軍事力のいわゆる技術向上があるとはいえ抑止力が維持と、この二点が一番大事だという点が大事であります。  私どもとしては、昨年の五月の2プラス2でこの合意に達しましたときには、私どもはやっぱり地元軽減負担というところが、これは早い時期ということを考えておられましたので、在日米軍に限らず、米軍全体の再編の中にこの沖縄の海兵隊の移転の分が含まれるということは、これは沖縄を抱えております我々としてみれば非常にタイミングよく、我々はこれを減らせるのではないかという話はいろいろしてはおりましたものの、なかなか折り合いが付かなかったところが、向こうからこの種の話が出てきましたので、そういった意味では、我々としてはこの話に応分の負担をしてもおかしくないのではないかと。少なくとも、これ応分の負担をしなければずっと今後とも、ちょっと表現が難しいですね、居座られるという表現は正しくないね、そこにずっといられるということは、そこにずっといられるということだから沖縄負担の分はそのままずっと維持されるわけですから、そういった意味では、我々は沖縄負担軽減考えますと、移転が速やかに行われるということはおかしくない、応分の負担をしてもいいじゃないかという考えが私どもの考え方の第一点。  もう一点は、これはいわゆる日米の安全保障条約、そういったものに関係して、これを財務省的というか法律的に言えばこれが法律違反かということになるかという点をもう一個考えたんですが、その点につきましては、外国政府施設ということになればこれは日本にないわけですから、それを整備するということを駄目だといって禁じている規定は国内にはないということだったので、財政法上ですよ、財政法上ないということだということでしたので、これは可能ではないかということからこの案を考えたというのが背景です。
  273. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 午前中の柳田委員質問に対しても久間大臣から、日本が移転をお願いしてこれ現実に至った、加えてアメリカの事情もあり、大臣のお言葉をかりれば渡りに船という表現もございましたが、私は正にそうであって、持ちつ持たれつという言葉もあるかもしれませんが、そういう状況にあるかと思います。  ただ問題は、その費用対効果とバランスの問題でありまして、私もやはり沖縄負担を減らし、そして、しかもグアムが移転後も海兵隊の任務としては依然日本防衛という問題も入っている、そしていかにして沖縄負担を減らしていくかという問題と、アメリカ、九・一一以降のQDRで明確に書いてあるように、冷戦崩壊後の北東アジアのパワーバランスの変化であるとかアメリカの国力の変化であるとか中東の問題であるとか等々で、アメリカそのものも北東アジア重視の姿勢を少しずつシフトしていかなければいけないというお互いの利害が一致したと思うんですけれども、そのバランスというか比率はどうかという、これ非常にレベルの低い質問かもしれませんが、五対五なのか六対四なのか、なかなか数字では表せないのは当然なんですけれども、私が思っているのは、確かに日本側からすると日本が要求したんだからということになるし、沖縄軽減されるんでしょうが、私の感じている様々な文献を自分なりに学ばせていただいた思いは、やはりアメリカは、日本要望も当然あったけれども、正にアメリカにとったら渡りに船であって、アメリカの世界全体の戦略や北東アジア全体の戦略を考えた上で、むしろアメリカの都合の方が、アメリカの事情の方がウエートは大きかったんではないかと、私自身はそう感じているわけでございますが、両大臣、どうでしょうか。
  274. 久間章生

    国務大臣久間章生君) アメリカの方がというよりも、私は、今外務大臣が言われたように、両方にとって非常にこれがいい決着じゃないかなと。そして、決まったやつを見てみましても、まあ数字はまだこれからですので上限ですから下がってくるにしましても、日本財政負担で約三割、そしてアメリカも約三割、残りの三割を融資でやる、融資はそのうち返ってくるというふうに、三、三、三と三分の一ずつ分けたというのは、まあまとめ方としては、私が就任する前の話ですけれども、うまいまとめ方したんじゃないかなと私は思っておりますので、原則これでいっていいんじゃないかなと思っております。
  275. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 私は、沖縄軽減を早く減らさなければいけないし、日本の国も守らなければいけない、しかし余り高い買物というか足下を見られたくない、しかしやることはやらなきゃいけない、このジレンマがあると思うんですが、今の大臣の三、三、三という話は、私はいろいろ思いはありますけれども、大臣考えとしてお受けしておきたいと思います。  具体的な点を一点お伺いしたいんですが、グアムに司令部機能が移転しました、海兵隊の。このグアムに司令部機能が移転した海兵隊に、今までの、従来の任務同様に我が国防衛に当たる根拠というのはどこにあるんですか。これ何か文書で取り交わしているんでしょうか。
  276. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 沖縄の海兵隊をグアムに移転するに当たりましては、先ほどから申し上げていますように、まず日本政府の方から沖縄負担軽減という観点からの要請をいたしました。  そういう中で、地元負担軽減ということについては、それは米側としても理解するということではあったわけですけれども、他方、抑止力の維持ということもございまして、この場合の抑止力というのは日本防衛のための抑止力の維持ということでございますけれども、その観点から、移転するに当たっては、米国に移転するとしても、アメリカ本土なりハワイではなくて、日本から地理的に近いグアムがいいだろうということで日米間で合意した経緯がございます。  そういう中で、米側としても、やっぱり日本抑止力を維持する観点から、海兵隊をグアムに移転した後もそういうことについては視野に入れるというふうなことで議論はしておりました。  そういう意味で、委員のお尋ねのように、真正面でそういうことを交わしたとかということではございませんけれども、アメリカとしてはそれを意識しているという話合いがございました。
  277. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 今のはちょっと大臣に答えてほしかったんですが、じゃ大古さんに引き続きお伺いしたいんですが、在日米軍、この在日米軍というものの定義は何でしょうか。
  278. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 在日米軍というのは日本にいる米軍ということになりますので、通常から常駐しているもののほか、一時的に日本に寄る場合についても、日本にいる間は在日米軍になるというふうに理解しております。
  279. 田浦直

    委員長田浦直君) 麻生大臣、何か御意見があるようですが。
  280. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 榛葉先生、基本的に、今言われたその前の質問ですけれども、アメリカによります対日防衛義務というものは、これは在日本アメリカ軍のみによって行われるというわけではなくて、これはハワイであろうと、第七に限らず第四艦隊であろうと何であろうと、少なくとも、太平洋軍を含め米軍全体で対日防衛義務というのを日米安全保障上で書かれておりますので、沖縄にあります司令部が仮にハワイであろうとグアムであろうとどこに移ろうとも、この日本に対する防衛義務というのは変わらずあるという、これは日米安全保障条約の大前提であります。
  281. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 分かりました。  次に、またこの話は後ほどというか後日議論をさせていただきたいと思っております。グアムにいる米軍日本防衛する義務があるという大臣の答弁を今担保しておきたいと思います。  最後に、残り五分になってしまいましたが、全部質問できなくて大変申し訳ないんですが、事前協議の問題について若干お伺いをしたいと思うんですけれども、昭和三十五年、岸内閣のときに覚書を取り交わした事前協議の話でございますが、いわゆる日本から、日本基地から行った場合にはしっかりと事前協議を、米軍が行った場合は事前協議をやらなければならないという議論なんですけれども、今回の再編で、沖縄に引き続き駐留する海兵隊が実際に日本以外の戦闘地に投入された場合、これはいわゆる事前協議というのはされるんでしょうか。
  282. 西宮伸一

    政府参考人(西宮伸一君) お答え申し上げます。  在日米軍を構成します部隊、艦船などが日米安保条約の目的達成のための役割に加え、それ以外の任務を有して移動することは、日米安保条約上問題はないと考えています。
  283. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 グアムに行くから協議しろということじゃなくて、私が聞いているのは、日本に残った海兵隊が戦地へ行くわけですね。そのときに事前協議、戦闘作戦行動についての覚書によると、事前協議をやらなければいけないということが書いてあるんですが、今後、司令部はグアムに行きました、海兵隊は日本に残っています、一部。その一部が戦地に行くとき、戦争に行くときにしっかりと事前協議はされるんですねという話であります。
  284. 西宮伸一

    政府参考人(西宮伸一君) 事前協議の主題となります日本国から行われる戦闘作戦行動のための基地としての日本国内の施設・区域の使用、そこでいいます戦闘作戦行動とは直接戦闘に従事することを目的とした軍事行動を指すということでございまして、米軍運用上の都合により米軍部隊等が我が国から他の地域に移動するということは事前協議の対象とはならないというふうに考えております。
  285. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 私が聞いているのは、今度グアムに移転する第三海兵機動展開部隊の司令部隊がグアムに行きました、一部は沖縄に残ります。別々に作戦を展開することもあるでしょうが、一緒に展開をすることもあるはずであります。その一緒に展開した際に、当然日本米側で事前協議をするんですねと。例えば、今までイラクに行ったときはやっていません。やっていません。それはもう大田先生と川口前大臣の際にさんざん議論をして、全くかみ合ってない議論だったんですけれどもやられていました。  しかし、今後、グアムと沖縄の海兵隊が一緒に行動して、直接沖縄からいわゆる、どこか分かりませんが、今後可能性のあるいわゆる戦地、戦争に作戦上行った場合、当然事前協議がされるんですねという、極めて普通の質問だと思うんですけれども。
  286. 西宮伸一

    政府参考人(西宮伸一君) 繰り返しになるかもしれませんけれども、我々が考えております戦闘作戦行動というものは直接戦闘することを目的とした軍事活動を指すものでございまして、米軍部隊等が我が国から他の地域に移動するということは事前協議の対象となっておりません。
  287. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 それは、局長、分かっております。ですから、それに当てはまった場合は事前協議をやりますねというお話でございます。
  288. 西宮伸一

    政府参考人(西宮伸一君) 直接戦闘作戦行動として考えておりますのは、直接戦闘に従事することを目的とした軍事行動、それから戦闘作戦行動の典型的なものとして考えるものは、航空部隊による爆撃であるとか空挺部隊の戦場への降下など、地上部隊の上陸作戦などでございます。  このような典型的なものをお示しいたしましたけれども、それ以外の行動につきましては、個々の行動の任務、態様など、具体的な内容を考慮して判断する必要があると思います。
  289. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 今、長く丁寧に御答弁いただきましたが、今説明をされているだけであって、私が言っているのは、仮にやった場合しっかり事前協議をやってくださいますねと。やってもらわないと困るわけですから、直接戦闘行為に走る場合はですね。  なぜこういうことを言うかというと、横須賀を母港とする空母キティーホーク戦闘群のミサイル巡洋艦カウペンスというのがイラク戦闘に行ったり、同じく空母のキティーホーク群所属のJ・S・マッケーンなんかも行ったり、海兵隊も八千人ですか、今、行っているんですが、事前協議やられてないんですね。私は、このときやるべきかやるべきでなかったのかというのは、いろんな議論が分かれるところだと思います。大切な議論大田先生と川口大臣のときにされているんですが、非常に基準があいまいというか明確でないというか、という気がいたしました。  私はグレーなところはきっちりと事前協議をやっておいた方がいいのではないかと思うときもありまして、ですから今後、様々な解釈がありますから、これは沖縄基地から直接作戦行動に行っているわけじゃない、一度移動してやっているんだと、いろんな議論あるんですが、今後司令隊とグアムの海兵隊が分かれますから、今後一緒に作戦等展開することがあり得るとますますグレーが黒に近いグレーになってきたり、いろんな議論が今後ある可能性があるんで、少し整理しておいた方がいいのではないかという思いであえてこの問題を指摘させていただきましたが、私はなるべく分かりやすくルールはつくっておくべきだということを指摘をして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。     ─────────────
  290. 田浦直

    委員長田浦直君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、郡司彰君が委員辞任され、その補欠として犬塚直史君が選任されました。     ─────────────
  291. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 前回に続きまして、米軍再編措置法について質問いたします。  政府は、再編案を取り決めた日米合意に関し、関係自治体や住民の理解が得られるよう説明し、誠心誠意努力すると言ってきました。この立場は今も変わりありませんね。
  292. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 変わりありません。
  293. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 最終報告に基づく再編案の閣議決定から一年近くが経過いたしました。再編を受け入れられないとする自治体も多くあるのが現状なわけですけれども、そういう中でこの法案が今審議されているという、そういうふうになると思います。  法案の第一条、目的に当たるところは再編の円滑な実施をうたっておりまして、その目的のために措置を講ずると述べています。この円滑というのは一体どういう意味なんでしょうか。交付金等を設ければ再編がどのように円滑になるとお考えなのかお尋ねいたします。
  294. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 交付金を設ければとおっしゃいますが、負担の増加する市町村がやっぱり再編を進めてもらうというときに、自分たちもせめてこういうようなことについて事業をやりたいという思いも一方にはあるわけでありますから、そういうことについて国としても真摯に受け止めるというようなことで、両者の意見が一致すると非常に再編がスムースにいくであろうというようなことからこういう制度を設けたわけであります。
  295. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 ちょっと聞き方を変えますけれども、交付金制度によって関係自治体の再編への理解が得られ計画が進みやすくなる、そういうことを考えられているわけですか。
  296. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 原子力発電所の設置等についても法律上そういう交付金が設けられましたが、やっぱり似たような考え方で、それはよそと違ってうちになぜそれをつくらなきゃならないか、うちがそれを受け入れるんだからうちの方でこういう計画があることについて国も認めてくれというようなことで、それが原子力発電なんかの設置についてスムースにいっておるというようなことを考えますと、こういう制度があるということは円滑に進む一助になるんじゃないかなと思っております。
  297. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 例を出されましたけれども、私が述べたように、計画を進みやすくする、促進するためにあるという、そういうことですよね。
  298. 久間章生

    国務大臣久間章生君) そういうことです。
  299. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 それで、こういう中で関係自治体の中からいろんな意見が出ております。その中には、もう大臣御承知だと思いますけれども、新聞にも報道されているように、厳しい批判あるいは反対、そういう意見もございます。例えば神奈川県の座間市市議会は賛成多数で意見書を採択する、その中には、交付金で賛成へ誘導させようとするもので大きな怒りを禁じ得ない、これ引用部分ですけれども、そう書かれているものもある。あるいは、星野市長御自身が単に日米合意を推進するためのあめとむちだという批判もあります。その他その他たくさん例はありますけれども、こういう批判があるわけですけれども、現状を見る限り、やはり法案の交付金制度が関係自治体の理解を得られているというふうには余り思えないわけですね。  こういう指摘に対して大臣はどのように考えられておりますか。
  300. 久間章生

    国務大臣久間章生君) こういう指摘といいますと。
  301. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 今私が引用したような、各関係自治体の批判とか、あめとむちとか、いろんなことが、自治体の市議会の意見書とか、あるいは市長自身が述べているという言葉の中にあるわけですけれども。
  302. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 私としては、とにかく理解を得られるようにできるだけ市町村に働き掛けて御理解を得ていきたいと、そう思っておるところであります。
  303. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 大臣の願望は願望なわけですけれども、しかし、こういう形の意見が、あるいは批判が出るということは、関係自治体との間での円滑な実施ということにはなっていない、そういうことになるんじゃありませんか。
  304. 久間章生

    国務大臣久間章生君) かつて私が防衛庁長官のとき、一〇四号線越えの実弾射撃を各地区で受け持ってやってもらいたいということで回りましたときに、その前任者である臼井さんが、全自治体から反対なんですよと、これが一番頭痛いですよということでした。私はその後各自治体にお願いをして回りましたけれども、各自治体もなかなか賛成していただけませんでしたけれども、最終的には、沖縄の痛みをみんなで分かつならしようがないねという形で受け入れていただきました。  だから、今度のやつも、まあ米軍再編でございますから、負担が増えるところもある代わりに減るところもあるわけですね。減るところの実情等も説明をしながら、やはりできるだけ受け入れてもらうように努力をしていきたいと思っております。
  305. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 そういう努力方向は努力方向として、しかし円滑な実施という点ではやはり必ずしもそれはうまくいっていない。  それはちょうど、先ほど報告がありましたけれども、ちょうど今週、沖縄委員会派遣がありまして行ってまいりました。そこで、やはり国への協力の用意を明らかに表明している関係自治体からやはり防衛省に対して、強い不満とかあるいは憤りとか頭越しとか、そういう言葉で、これは何も密室の中の話じゃなくてマスコミがみんないる中で、我々の前で話が出るわけですよね。やはり私は、そういう現状自身が正に国と関係自治体のそごが表れていると思いますし、またそういう現状にやはり、最初に誠心誠意とおっしゃられましたけれども、その点で欠けているものがあるんではないかと、そういうことを感じた次第です。  以下、交付金について具体的に幾つかお伺いしたいと思います。  まず、法案が定める再編交付金の規模ですけれども、毎年どのくらいの規模になると想定されておりますか。
  306. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) この交付金につきましては、平成十九年度予算においては五十一億円を計上しているところでございます。  ただ、今後につきましては、法施行後に防衛大臣が指定する再編関連特定周辺市町村に対して交付するものでございますけれども、要するに、今後につきましては年度ごとの予算の範囲内において再編実施に向けた措置の進捗状況等に応じて交付することとしておりまして、現時点で二十年度以降の予算規模とか全体の総額とかをお答えすることは困難でございます。
  307. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 年度ごとの予算の範囲というのは当たり前の話なんですよね。  ですから、私が伺いたいのは、要するに、その再編交付金というのは一体どのくらいのイメージの額になるのかということなんですよ。つまり、既存の交付金等がいろいろあります。その額と比較してどういう規模になるのかということをお伺いしたいわけですね。  例えば、これ調査室の資料を見ますと、その中には、二〇〇六年度の予算のものとして、周辺対策事業補助金が約六百六十八億円、あるいはSACO関係補助金が七十八億円、あるいは基地交付金と調整交付金が三百二十億円となっておりますけれども、大体、そういう金額に照らして大体どういう規模で考えられているのかと、その点をお伺いいたします。
  308. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 他の基地関係の交付金ということで申しますと、平成十九年度につきましては、防衛施設庁の所管する特定防衛施設周辺整備調整交付金につきましては百三十六億円、それから総務省の所管します基地交付金……
  309. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 いや、そんなこと聞いているんじゃなくて、再編交付金が幾らになるのかと聞いているんですよ。イメージです。
  310. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) はい、分かりました。  基地交付金、調整交付金は三百二十五億円でございますけれども、平成二十年度以降この再編交付金が幾らになるかについては、現時点でお答えすることは困難ということで御理解いただきたいと思います。
  311. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 そんなんじゃ本当、審議できないと思いますよ。だって、大体どのくらいの規模になるのかとか、一体どうなる、イメージわかないじゃないですか、大臣
  312. 久間章生

    国務大臣久間章生君) この法律が通りますと、各、今度は市町村と、具体的に市町村がどういう希望を出されるのか、うちの方からどういう施設の展開をお願いするのか、そういうことの話が進んでいくわけでありまして、それに基づいて交付金の金額が出てくる。そして、それを今度は予算のこの委員会で、予算委員会になると思いますけれども、予算の委員会に提出して、そして各年度のこういう根拠に基づいてこういうふうになりましたということをお諮りして支出権限を与えてもらうわけでありますから。  具体的に言いますと、そういうふうな具体的な内容が固まってきた段階では金額がはっきり出てくるわけで、この法律によって支出権限を付与するとか、あるいはまた支出の義務を付与するとか、そういうことにはなりませんで、財政出動の場合はきちんと国会にお諮りしてやるわけでございますから、それはこの法律を通したからといってもうフリーパスというわけではないわけでございますので、御安心いただけるんじゃないかと思います。
  313. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 法律の仕組みは分かりますけれども、やはり一体どういう規模で何を考えているのかという、それを私は知りたくて質問しているわけで、よく分からないということにならざるを得ません。  防衛省説明資料には、交付金の交付額については、米軍再編に伴う負担に応じた額を交付する、そういうふうに書かれております。この負担を測る基準というのは一体何なんですか。
  314. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 住民生活の安定に及ぼす影響の増加の程度等を考慮しましてということでございますけれども、この影響の程度につきましては、例えば防衛施設面積自体が増加するかどうか、それから、施設整備を伴う場合にどのような施設整備を行うのか、例えば飛行場なのか司令部施設なのか、それから、どのような装備が配備されるのか、例えば戦闘機が配備されるのかヘリコプターが配備されるのか車両なのかというようなこと、それから、どの程度の規模の人員が増加するのか、どのような内容の訓練が行うのかというような点を考慮しまして基準を設けたいと考えているところでございます。
  315. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 基地負担にかかわる従来の交付金等を見ますと、騒音被害の程度とか、あるいは基地の占有面積とか、固定資産税の相当額などとか、これ一定の客観的な物差しがあったと思いますよ。そういう算定ならばよく分かるわけですよね。今回の再編交付金については、こういう物差しという点ではどうされるんですか。
  316. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 今申し述べた点が物差しということでございますけれども、防衛省の制度としてはこれを点数化することを考えておりまして、客観的な基準を作った上で交付金の算定をしていきたいと、こういうふうに思っているところでございます。
  317. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 点数化ということなんですが、様々な異なる負担を測る基準、テーマがあるわけですよ。そういうものから点数化、これどういうふうにやられるんですか。
  318. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 具体的には今後検討しますんで現時点で詳細は明らかにできないんですけれども、ただ、先ほど言いましたところで言いますと、飛行機が来るか車両で来るかであれば、当然飛行機の方がそこの関係では点数が高くなるとか、そういうことについて考えていきたいと、こう思っているところでございます。
  319. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 そう言われますけど、再編一つ一つ見ても、訓練移転もあれば、全く新しい装備とか、あるいは航空機の配置、そういうのもある、あるいはその他様々ある。だから、負担といっても、この点数を高くする、こうする、そういうことをされるというふうに今言いましたけど、本当に訳が分からないんですよ。やっぱり、それで一つの客観的な基準というのは作れるんですか。
  320. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 今度の場合、これにこの法律によって交付金を出す場合でも、やっぱり国民の皆さんから見て、ああ、ここはやっぱり負担がひどいから、それはそれなりのやっぱり助成というのはしようがないなというふうに納得してもらえる、そういうようなやっぱり気配りも必要でございますし、それと同時に、交付金を今度はもらう方の側でも、あそこよりうちの方が何で低いんだというような、そういうような不満も残らないようにせぬといけませんから、やはりそういうのはある程度の客観的な基準を作らなきゃいかぬだろうと思います。それで、今点数化をしてそういうことでの客観性を持たしたいというふうなことを局長が言っているわけでございますんで。  確かに、異質なものを点数化するというのは難しい点もございますけれども、そこは厳密にはできないかもしれません、きちっとした、そういう。けど、やっぱりある程度それを点数化した上で、みんなに対する説明責任を防衛省としては持つべきだと思いますので、その辺は公平になるように、何かそういう物差しを作ってみたいと思っているところであります。
  321. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 その物差しは今はないと、これから作るものだということはよく分かりました。  同時に、明確な基準がなければ、やっぱり交付が適正かどうかという判断もだれもできないということになります。そのことを指摘しておきたいと思います。  さらに、まず上限を決め、交付は進捗に応じて段階的に出していくとされておりますけれども、各自治体に対する上限額というのは、一度決めたら変えないんですか。
  322. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 今回の法案では再編事業の進捗に応じて交付金を交付することになっておりまして、そういう意味で、上限ということで申すれば、再編実施された場合には交付が上限額になると考えております。  ただ、その場合に、更に再編実施されてほかの基地住民負担が増えるということは、今回の交付金につきましては、米軍再編というものを法律上定義しまして、アメリカとの合意でもこの事業をやるということで決まっておりますので、現実に住民の生活の影響が、それぞれ基地ごとについて再編実施された場合の上限額を超えて更に交付する必要は生じないと、こういうふうに思っております。
  323. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 最後が聞こえなかった。
  324. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 要するに、再編実施された場合に交付が上限額になりますけれども、更にこの上限額を上回る額を交付することは考えられないと、こういうことでございます。
  325. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 要するに、長い答弁でしたけれども、上限額は一度決めたら変えないと、そういうことですよね。
  326. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) はい。
  327. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 それで、じゃ、その途中で、大臣負担が増えたらどうするんですか。段階的に交付し始めて、その後で新しい負担が増える、そのときも増やさないんですか。
  328. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 建前論を言って恐縮ですけど、今度の場合は、ロードマップで決めた内容を着実に円滑に実施していくためにこういう制度をつくっているわけでありますから、負担が増えるという、途中で負担が増えるということは考えられないわけですね、論理的に。ロードマップを完成させるというのが目的ですから。  だから、このロードマップに従ってこの事業をこういうふうにやりますよということで上限を決めていると。それを超えるということは論理的に出てこないから変えないということを言っているわけでして、まあ事情変更といいますか、ロードマップ自体を、もし全く違った形でもう別のロードマップを作るとなれば、そこはまた別の配慮が出てくるんじゃないでしょうか。  だから、この再編法案は、あくまで昨年決めましたロードマップに従ってそれを円滑にやっていくためにこの法律を作って交付金を出すという制度ですから、それに決められた、上限をもし決めたとすれば、それを超えるということは論理的に出てこないということであります。
  329. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 大臣のお言葉ですけれども、論理的には考えにくい、しかし現実的にはあり得ると思うんですよね。それがある意味じゃ米軍じゃないですか。  例えば、F15、これを使用し続けるというふうに言っていて、F22が来ると、あるいは本土展開も否定されていないという状況がありますから、新たにそういうことになってくればこれはまた全く違った話になるわけですよね。ですから、そういう、上限額はこうですと、これは動かさないと、しかし新しい事態がその間に起こると、十年というのはそういう時代ですよ。やっぱりその中で新しい負担が来たときに、あるいは新しい事態が起こったときに、そんな話は聞いていないと、おかしいじゃないかということが出てくる可能性もある。ないですか、大臣。いや、現実的に考えてくださいよ。
  330. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 今大臣が申しましたように、再編交付金につきましては、昨年の五月一日に2プラス2で確認されたロードマップに限定されるものでございます。ただ、別途、空母の、艦載機を載せる空母の関係もございますけれども、それに限定されると思います。  ただ、先生御指摘のとおり、他の要因で当該防衛施設において負担が増えるということはもちろんあり得ないわけじゃないと思います。ただ、その場合につきましては、総務省の基地交付金、調整交付金若しくは施設庁の調整交付金、こういうもので、その趣旨になじめば交付金が出ることはあり得るかと思います。
  331. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 あり得るんですよ、局長が言われたようにね。本当にあり得るんです。  なぜならば、大臣、なぜかというと、どういう航空機、どういう装備を配備するかというのは専ら米軍運用の問題であって、防衛庁に聞いたって、それは米軍運用ですから関知しませんという話がしょっちゅう返ってくる、あるいはそれは知りませんという話返ってくる、そういう話なんですよ。そういう世界の話なんですよね。ですから、そういったことは起こり得るだろうと、現実的にはそうなんだということを私述べているわけでね。ですから、今局長の話で、別の仕組みを使うということの話だったと思います。  それで、再編後の負担考えるんであれば、そこから移転しない限り負担は続く。しかし、そもそも交付期間を十年と限定したのはなぜなんですか。
  332. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) ロードマップにおきましては、完了時期につきまして主要な措置が二〇一四年ということで、例えば普天間飛行場代替施設関係、それから岩国飛行場への空母艦載機の移駐の関係、それから沖縄海兵隊のグアム移転の関係、これがいずれも二〇一四年ということになっております。この完了時期を勘案いたしまして、法律の期限をおおむね十年間ということで、平成二十九年の三月三十一日までということで制定したものでございます。
  333. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 要するに、局長の御答弁からよく分かることは、負担というよりも再編実施、これが最大の眼目だということですよね。  それで、再編交付金は、先ほど大臣がおっしゃられましたけれども、電源立地地域対策の交付金制度ですか、それを参考にしたということでしたけれども、原発に係る交付金を参考にしたという理由、改めて端的にお伺いいたします。
  334. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 電源立地対策交付金制度のことかと思われますけれども、これについては、発電用施設の設置を受け入れた地元に対する支援策として、法律に基づき交付金制度が創設されているものでございます。そういう意味では、今回の米軍再編と同じように、負担を受け入れる地元に対する国として取り組む方針が明確になるということで、今回の再編交付金制度を検討するに当たっては防衛省として参考にしたものでございます。
  335. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 法案の第六条は、再編交付金について、進捗に応じた交付にするとしております。これについて大臣は、第一段階としては地元の市町村さんなりの受入れの表明があるということを要件として考えたいと答弁されておりますけれども、なぜ受入れの表明を要件とされるんですか、大臣
  336. 久間章生

    国務大臣久間章生君) やっぱり再編交付金というのは国民の税金でございますから、国民のみんながこの法律の趣旨に従って、これを受け入れてくれるといいますか、負担が増えるところについては、それは税金を投入してもいいんじゃないかなというような、そういうようなことで国民の理解を得られると思っているわけですね。  そういうときに、反対だと言っているところでそれに交付金を出すということについては、そういう国民皆さん方から見たときにやっぱり違和感があるんじゃないかなと、そういうふうに思いますので、まず受入れを表明していただいたところにまず出すというのが一番自然じゃないかなと思って、表明した自治体に対して第一段階では出すというふうにしたわけであります。
  337. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 反対だということだけではなくて、政府の案にそのまま同意できないという場合にも出ないわけですよね。  先ほどこの本委員会の冒頭で委員派遣報告が行われましたけれども、その中で、島袋名護市長の言葉がその中で紹介されていました。再編交付金再編を受け入れた段階で支給されることに懸念を持っているという、そういうものでしたけれども、やはり私は、つまり受入れ前提の仕組みにすることによって関係自治体の態度を変えさせると、そういう意図があるからこういう表明になるのかなと思うわけですけれども、そういうことはないんですか。
  338. 久間章生

    国務大臣久間章生君) やっぱり円滑にこの米軍再編がいくということが目的でございますから、それに沿うように持っていきたいという思い政府としてはあります。また、国民皆さん方もそういうことならそれに対して税金の投入もいいというふうに理解してもらえると思いますから、そういうような視点から見ていただければいいんじゃないでしょうか。
  339. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 米軍再編を目的と、いみじくもしていると言われました。正にそのための法案だと思いますよ。同時に、国民異議と言われますけれども、やはり地方の人たちが、あるいは地方自治体が、あるいはその首長が述べていることの方がやはり道理があると。やはり地方自治は地方自治として尊重してほしいという強い声もあるわけですから、大臣が今言われたことは容易には認められないと私は思います。  この際、大臣に確認しておきたいんですけれども、政府関係自治体の受入れ表明がない限り個別の再編案は実施できない、実施しないと考えているんですか。
  340. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 私は常々ほかの委員会でも言っているわけですけれども、地方自治体の首長の表明というよりも地方自治体が受入れ体制を取ってくれるかどうか、そこが大事だと思っておりますから、受入れ体制を取ってもらえれば一定の評価をしていいんじゃないかなと思っております。
  341. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 私がお伺いしたのは、政府は自治体の受入れ表明がない限り再編案はそこには持っていかないという、そういうことなんですか、それともそれに関係なく持っていくんですかということです。
  342. 久間章生

    国務大臣久間章生君) いや、再編案につきましてはロードマップで決めておるわけですから、それは一つ政府としての方針は決まっておるわけですから、それは持っていくわけですね。それを受け入れてもらえるかどうか、その辺がこちらとしては大変大事なことでございますので、再編案そのものについてもちろん地方自治体の意見を聞きますけれども、こちらとしては主体的に、ある程度のやっぱりアメリカの意思もあるでしょうから、それと調整しながら再編案というのをやっぱり政府としては持つべきですから、持ってそれを地元に提示するということであります。
  343. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 要するに、地元が受け入れられないと、受入れには同意できないと言っても、日米合意したその案をその関係自治体で実施するということですよね、つまり自治体の反対とかなんとかという意思とはかかわりなく。
  344. 久間章生

    国務大臣久間章生君) かかわりなく強引にやるんだというような、そういうとらえ方してもらうと困りますので、できるだけ地元合意を得られるように最後まで努力をしていこうと思っております。
  345. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 その努力は大事なんですけれども、要するに、自治体が最後まで受け入れなかったときにはあきらめるんですか。
  346. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 国の政策の場合、やっぱりそこのところは全体の利益と個の利益とのその辺の調整をいかに図るかという、そういう問題はあるわけでありまして、だからそこのところは、やっぱり場合によってはここはもう理解してもらうという形でこちらが強くお願いすることはあろうかと思います。
  347. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 要するに、自治体が受け入れなくても日米合意どおり実施することになるという、そういうことになりますよね。
  348. 久間章生

    国務大臣久間章生君) そこで合意どおりと言われますとそこにはまた語弊があるかと思いますので、日米合意を前提として提示しますけれども、地元の御意見等を聞いて、そこに納得する理が、こちら側が納得する理があれば、またそこは別の話であります。
  349. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 そうすると、日米合意したロードマップ、そして関係自治体への対応、それを今後変えることもあり得るわけですか、自治体の対応によっては。
  350. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それはないとは言えませんけれども、そのためにその合意した内容自体が、計画が非常に遅れてしまうとか、とんざするとか、そういうことはあってはならないと思っております。
  351. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 大臣が要するに米軍再編を推進するのが目的だとさっきおっしゃられました。この法律もそうです。交付金もそうです。そうすると、自治体が幾らそれに異議を唱えようと、あるいは反対しようと、政府の計画そのとおりやらないということになった場合、やっぱりそれを遅らせてはならない、そして米軍との関係がある、あるいは安全保障の問題というのは個別の自治体の利益より上回るという、そういう論理でやはりそれを遂行するということになるんじゃないですか。
  352. 久間章生

    国務大臣久間章生君) どうも抽象的な話をしていて、先生の頭には、例えばキャンプ・シュワブをイメージされておられる、私の頭では岩国を念頭に置いている、そこの違いがどうもちょっと言葉のやり取りの中から感じられますので、私は今まで言ってまいりましたのは、どちらかというと、それが遅れれば今度は厚木の地域住民の方々が騒音で大変悩んでおられるという、そういう問題があるわけですね。キャンプ・シュワブの場合は、今度は普天間の返還が遅れるという、そういう問題がございます。だから、イメージの仕方でいろんな言い方がちょっと違ってきているかもしれませんけれども、先ほどからのやり取りの中で、私たちはやっぱりそういう点で急がなければならないというように思っているわけであります。
  353. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 別にイメージの違いじゃなくて、大臣の言われたことは非常に明確だと思いますよ。つまり、もう既に合意した米軍再編の案は、この決定はやらせていただくということですよ。  例えば座間市の場合には、先ほど紹介しましたように、市議会の大多数は反対です。市長も反対しております。そういう中で、結局市が受け入れないということが様々な努力を続けた結果あった場合、その結果、じゃ座間への計画、つまり米軍の司令部の移転とか、あるいは自衛隊部隊の移動とか、共同ヘリ運用とか、そういうものというのはあきらめることはあるんですか。
  354. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 座間につきましては、やはりこれもロードマップで示しましたように、これから先の日米間の非常に意思疎通を良くしていくためには必要なことだと思っておりますので、これも地元合意を得るべく努力をいたしましてとにかく実行していきたいと、そう思っているところであります。
  355. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 最後一つ。  結局、大臣のおっしゃられることは、日米合意どおり米軍再編やらせていただきますと。言葉は柔らかだけれども、結局、全部それをひもといていくと、問答無用でそれをやっていくよという話にならざるを得ないんですよ。  ですから、私は、新聞の社説やあるいは様々なところで言われているように、これはやっぱり本当に地方自治を壊すし、国の本ですよ、そういう非常に大きな問題があるということを指摘しておきたいと思います。  時間ですので、終わります。
  356. 大田昌秀

    大田昌秀君 質問に先立ちまして、一言おわび申し上げたいと思います。  ちょっと体調を崩して委員会を休んで御迷惑お掛けしたことをおわびいたします。  さて、質問に入りますが、防衛庁長官、若干個人的なことで恐縮ですけれども、もしお差し支えなければ、去る戦争中に大臣はどういうことをなさっておられたか、お聞かせいただけますか。
  357. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 私は、戦争当時は四国の新居浜というところにおりまして、近くの何か線路に、線路というかトロッコがあって米軍の捕虜がそれを押していた、米軍だったか、要するに外国人の捕虜がそれを押していたのをかすかに覚えていることと、空襲があって防空壕に駆け込んだ、そういうのを、まだ小学校前でございますから、そういうようなことを印象に残っているぐらいで、戦争そのものについては余り大きな記憶はございません。
  358. 大田昌秀

    大田昌秀君 麻生外務大臣、お願いいたします。
  359. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 先輩に見えますけれども、こちらの方が年下ですから。  私の場合は家が丸焼けになりましたんで、博多の大空襲のときに丸焼け。それから、当然家がなくなるわけですから、飯塚の家の方にいましたんで助かったんですが、翌日行きましたら千代町から浜の町の家まで全部海が見えましたんで、ああ、全部丸焼けになったんだなあというのがすごく印象にあります。とにかく全部海の向こうまで見えましたんで、そこに家が一杯立っていたはずですから。  あれがちょっと正直強烈な印象だったのと、翌日でしたか、今度は小倉の空襲がすぐ後にあったんだと思いますが、何かえらく、筑豊というところは西が福岡、北が北九州市だったんですが、あのときあそこは小倉の大空襲でしたんで、何かえらく夜赤々と燃えたんで、もう花火並みにきれいだったなというのが目としては印象。  それから、最後の終戦の勅語が出ますときに、雁ノ巣の飛行場に向けて、最後の空中戦というのが行われた日、一機が、雁ノ巣飛行場に帰るときに私の家ぎりぎりの超低空飛行で帰っていった飛行機が、出ていったその直後が玉音放送でしたんで、何かおやじとおふくろが戦争が負けたという意識が、おやじのおふくろ、済みません、おやじのおふくろに、私から見ればばあさんですけれども、それに呼ばれて何か正座させられて玉音放送、ジャージャージャージャー、よく聞こえませんでしたけれども、それが戦争中というものの記憶としてはあって、防空壕に入れられるなんというのはもうほぼしょっちゅうでしたから何ということはありませんでしたけれども。  その三つはやっぱりちょっと強烈な印象として残っているんじゃないでしょうか。
  360. 大田昌秀

    大田昌秀君 通告してないので恐縮ですが、大事なことですのでお許しをいただいて伺いたいと思います。  防衛大臣、今御説明のような御体験のようですが、沖縄戦についてスタッフから説明を受けるか、あるいは沖縄戦について書かれた図書とか、そういうのをお読みになったことございますか。
  361. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 正直言ってそういう具体的な説明は余り受けていませんし、またスタッフにしても沖縄戦のことについてそんなに知っておるかどうか。私自身、私よりもみんな若い連中ですから知らないんじゃないかなと思います。だから、読んだり聞いたりしたことを伝えるぐらいだと思いますので、余り私、また、本自身も私はそんなに読んでおりません。
  362. 大田昌秀

    大田昌秀君 麻生大臣はいかがでございましょうか。
  363. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 本は何冊か、ちょっと正確な名前までは覚えていませんけれども、沖縄戦とか、あるいはひめゆりの塔の話やら何やらの話以外はちょっと。戦史ものとしての本を正確に読んだ、ちょっとよく覚えておりませんが。  私の沖縄戦のことに関して言わせていただくと、先生、私の元の職業はセメント屋なものですから、いわゆるドイツに落ちた爆弾のトン数と日本に落ちた爆弾のトン数からいきますと、向こうの方が十倍ぐらい多い。しかし、死者の数は国民の比率で割りますとそんなに違わないと。何でこんなに、十分の一でこんなにこっちは亡くなったのかというと、基本的には私は、あっちは鉄筋コンクリートで、こっちは木造だったから焼夷弾でざあっといかれたのかなぐらいにしか、学生時代、イギリスのときにそういった授業をよく受ける機会がありましたので、習ったんですが。そのときに実は、ここは戦争が激化するからここは退避せいという、国民をあらかじめそこの地域から退避させるという法律が戦前はなかったということを知ったのが沖縄のことなんです。沖縄では、これはあらかじめここがあるんだから、全部退避させてどこか逃がしていればあれほどのことはなかったんだと。これはイギリスの学校で習った話。  それが、今回いわゆる政調会長代理を久間先生と二人でやったときに、いわゆる国民保護法というとき、僕はあっちの方が先にやられるべき法律だと思っていたんだけれども、結果的に順番は少し逆になり、有事法制と順番が逆になった形になった。まあ、でも、通りましたけれども。あれをきちんと通さないと沖縄の二の舞という意識が私には、その学生時代の、イギリスの学校にいるときの記憶があります。そこが多分一番沖縄に関して物を読んだという意識があります。
  364. 大田昌秀

    大田昌秀君 久間大臣にお伺いしますけれども、沖縄戦の教訓というものがもし大臣に何か一つでもおありだとすれば……
  365. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 教訓ですか。
  366. 大田昌秀

    大田昌秀君 はい。沖縄戦から何を学んだかということを、もし何か特別なのがございましたら教えていただけますか。
  367. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 私自身は沖縄戦からの教訓という、そういうのはございません。それよりもむしろ負けるような戦争をすることがいかに愚かかということだけは、これはもう沖縄に限らず言えるんじゃないか。もう負けるようだったらもう戦争しないと、早く降参した方がいいと、そういう思いであります。
  368. 大田昌秀

    大田昌秀君 なぜこういうことをあえてお伺いしたかと申しますと、私の考えでは、やはり国防問題、防衛問題とか、あるいは基地問題とか、あるいは脅威の問題とか、あるいは抑止力の問題とかということを考える場合に重要だと思うからでございます。  皆さんよく御承知だと思いますが、二〇〇八年度から使用される高校の歴史教科書の検定で、沖縄戦の集団自決に旧日本軍が関与したことを示す記述を文部科学省が削除いたしました。その結果、今、沖縄の各種の団体や地方自治体の議会などでは、けしからぬと、これを撤回せよというような意見書なんかが次々と出てきております。  そういう意味でとても大事なことだと思いますので伺ったわけですが、防衛庁にちょっとお伺いしますけれども、防衛施設庁にお伺いしますけれども、どなたでも結構ですが、一般に有事体制になった場合、つまり戦争体制とかそういうときになった場合に、軍隊の命令を民間の方に伝えるときにどういうふうに伝えるというふうにお考えですか、自衛隊でも結構ですけれども。旧日本軍は、軍隊が民間に対して、例えば有事法制、国民保護法制みたいなものができていて、そのときに、敵が来たらこうせよああせよといって命令しますね、あるいは指示を出しますが、そのときにどういう形態をもってなすとお考えでしょうか。どなたでも。
  369. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 現在では、地方自治体に連絡をして、地方自治体と協力してそれを徹底する、それがやっぱり一番いい方法じゃないかと思います。
  370. 大田昌秀

    大田昌秀君 それは文書でなさるんですか、口頭でなさるんですか。
  371. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 国民保護法制ができまして、消防庁を始めとする各行政機関と地方自治体とがいろいろやっておりますし、また、それを受けまして、各地方自治体と自衛隊との関係で共同の退避のいろんな訓練等もやっておりますから、今、結構、地方自治体とそこの地方の自衛隊との関係での連絡は密にいっていると私は思っております。
  372. 大田昌秀

    大田昌秀君 有事法制、戦争状態になった場合に、軍の命令は、法律があって一応文書にしてやるとか、そういうことも書かれている場合もありますけれども、実際に戦乱状態が起こると文書でやったりできない場合があって、伝令を使うとか電話でやるとか口頭でやるとかということになるわけなんですね。  皆さんよく御承知だと思いますが、今、ノーベル賞作家の大江健三郎氏が裁判に訴えられていますね、つまり戦時中に軍命があったかなかったかということをめぐってですけれども。私などはこの問題について非常に重要なことだと考えております。  防衛省、若しくは施設庁でも結構ですが、旧日本軍とかあるいは現在の自衛隊が、兵器ですね、兵器をどういうふうに保管しておりますか。小銃とか機関銃とか大砲とか、それの保管、保管体制というのはどういうふうになさっておられるんですか。
  373. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それは、防衛省が、それからまた防衛省における自衛隊の各部隊がそれぞれの責任においてそれは保管しております。そして、それは民間にゆだねることは現在の制度ではありません。
  374. 大田昌秀

    大田昌秀君 これも非常に大事なことだと思っておりますが、実は集団自決は軍命があったかなかったかということを問われておりますけれども、旧日本軍の場合、兵器担当というのがおりまして、軍隊の中にですね、小銃一丁までもきちっと記録していて物すごく厳重に管理しているわけなんですね。  ところが、慶良間諸島なんかの集団自決の場合には、防衛隊とかあるいは村の職員を通して手りゅう弾が配られているわけなんですね。手りゅう弾が配られている場合に、普通には、例えば学生隊ですと戦場に行く場合、私なども、個人的なことで失礼ですが、戦場に出ました。そのときに、二発ずつ手りゅう弾を配られたわけです。一発は敵に対してやれと、そして負けそうになったら一発は自決しろということで命令があったわけなんです。この命令というのは、決して文書であったわけではなくて、口頭の命令であったわけなんですね。ですから、今、軍命令が文書であったかというような問題とか、すったもんだしておりますけれども、これは国防問題あるいは防衛問題を考える場合に、私は多くの国民が真剣に考えるべき問題だというふうに思うわけです。まあちょっと余計なことになりますが。  次の質問に移らせていただきます。  防衛大臣もそれから外務大臣も、よく地元負担軽減抑止力の維持というのを、この二つの目的を達成するとよくおっしゃるわけなんですが、今、実は軍事評論家なんかの論文を読んでおりますと、沖縄の海兵隊というのは決して抑止力の機能を果たしていないという説が多く目に付くわけなんですが、ここで改めてお伺いしたいのは、今の久間大臣がお考え抑止力というのはどういうことを意味されるんですか、在沖米軍抑止力という場合ですね。
  375. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 在沖米軍にかかわらず、米軍抑止力というのは、自衛隊だけでは取り返しの付かない損害を受けると相手が思わないけれども、米軍一緒になって日本の安全を守るという体制を取っておると、日本に対する武力攻撃侵略等をした場合はもう取り返しの付かない損害を自分たちが被るという、そういうような認識を相手方が持つであろうというのが抑止力だというふうに理解しております。
  376. 大田昌秀

    大田昌秀君 そうしますと、その相手というのは現在のところ何かどこか特定の国が想定されるわけですか。
  377. 久間章生

    国務大臣久間章生君) いや、特定の国を想定するわけじゃございませんで、日本自身が安全であるためにそういう抑止力を持っているということが、すべての国に対して、もちろん同盟でありますアメリカは別でありますけど、すべての国に対して日本に対する攻撃をそういうことで思いとどまるであろうということでございますから、どこか特定の国を意識しているわけではございません。
  378. 大田昌秀

    大田昌秀君 今、防衛大臣が念頭に入れておられる在沖米軍抑止力、これは一体どれくらいの規模があれば抑止の機能を果たせるとお考えでしょうか。
  379. 久間章生

    国務大臣久間章生君) どれぐらいという量で測ることはなかなか難しいし、相手がまたどう思っているか、それとまた日米のきずながどの程度か、それによっても違ってくるわけでありまして、やはりそこのところは一概に言えないと思います。  それと同時に、ある一定の時点だけをとらえて、この時点では抑止力は必要ないじゃないか、もっと軽くていいじゃないかということもあるかもしれませんし、また時代が変われば、事態が変われば抑止力がそれでは足らないじゃないかというふうなことにもなりかねないわけでありまして、だからそういう意味ではそういうふうに非常にフレキシブルなものだろうと、本来は、そう思います。しかしながら、過去の歴史をずっと振り返りながら、戦後のですね、状況を振り返りながら、現在のような状況であればそういうような安定が続くんじゃないかと、そういうような見方をしているわけであります。  それともう一つ大事なのは、日本にとっての安全の問題であると同時に、日本を取り巻く地域全体が安定しているという、これが日本の戦後の経済発展にも非常にプラスだったということを考えますと、単に日本が平和であるということだけではなくて、日本を取り巻く環境自体も安定してもらいたいという、それが非常に大きい。そのためには、在沖米軍のプレゼンスというのは、このアジア太平洋の、特に北東アジアから南にかけてのこの地域の心理的には非常に寄与しているんじゃないかなという、そういう気がいたしております。
  380. 大田昌秀

    大田昌秀君 それじゃ、防衛省若しくは防衛施設庁にお伺いしますけれども、在沖米軍の海兵隊員の本来の編成の数と、現在沖縄にいる海兵隊の数と、御説明ください。
  381. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 今回、沖縄の海兵隊を八千人グアムに移転するに当たっては、米側と調整の中で、今アメリカ沖縄にアサインしている海兵隊の定数は一万八千人であると、この中から八千人を削減するということで聞いております。  ただ、現実に今沖縄に何人いるかという話につきましては、米側のポリシーとして、個々の基地なり場所ごとに今現実にいる兵隊の数は言わないということでございますので、その点についてはお答えを差し控えたいと思います。
  382. 大田昌秀

    大田昌秀君 在沖海兵隊の本来の編成表の数からいいますと三万九千六百人が沖縄におるべきはずなんですが、現実に沖縄におる海兵隊の数は一万八千九百人くらい、つまり半分以下しかいないわけなんですね。そうしますと、これで抑止力の機能が達成できるとお考えですか。
  383. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それは、今も大古局長から言いましたように、今度の米軍再編に当たってアメリカ軍は、海兵隊は一万八千の定数を持っているけれども一万人でいいと、八千人は減らしていいというような判断をしたわけでありますから、一万人までの定数でもいいという判断をしているということは、周りの環境その他いろんなことからいって、それで、その代わりに自衛隊に対してある程度の役割任務能力を高めてもらいたいという、そういうような要求はもちろんありますけれども、そういうのをうまくやっていくならば、一万八千人のうち八千人は減らしてもいいという判断をしているわけでございますから、今おっしゃられたような数字からだんだんだんだん減ってきているのも事実であります。
  384. 大田昌秀

    大田昌秀君 軍事評論家の中には、沖縄の海兵隊は二千人でもいいと、十分に機能できるというようなそういう言い方をする人たちもいるわけなんですが。  先ほど外務大臣が、沖縄の海兵隊を八千人グアムに移すのは、これは沖縄負担軽減になるので、それだけ応分の負担として税金から賄ってもいいじゃないかという趣旨の御発言がありました。私は、辺野古に代わりの基地を造らなければ正におっしゃるとおりだと思うんですが、実は普天間代替施設というのを辺野古にこれから造るわけなんですね。それに随分費用が掛かるわけです。  橋本総理のときに、海上基地を造る場合の、浮体基地としてのときに、日本政府としては五千億から七千億くらいということを出していましたが、アメリカの記録では一兆円から一兆五千億掛かるだろうということが書かれていたわけなんです。  ですから、そういう意味で、今八千人の費用を日本政府沖縄米軍負担を軽くするために出すのは当たり前だと、応分の負担として考えてもいいんじゃないかという趣旨の御発言は、代わりになる基地沖縄の北部の方に造らないということを前提にしてですと分かるわけなんですが、これから一体どれぐらいの費用を掛けて普天間の代わりになる基地を造ろうとなさっておられるんですか。
  385. 北原巖男

    政府参考人(北原巖男君) いわゆる普天間代替施設につきましてでございますけれども、今現在、具体的な計画を策定をしている中でこういったものが決まっていく状況でございまして、現時点においてどのくらい掛かるといったことは、確たることは申し上げられない状況でございます。
  386. 大田昌秀

    大田昌秀君 今、環境のアセスメントの事前調査を始めていると聞いているんですが、具体的にどういう器具を使って、どのような調査をなさって、どういう範囲でもって調査をなさっておられるか、簡潔に御説明いただけますか。
  387. 北原巖男

    政府参考人(北原巖男君) 現在、私どもの所掌事務に基づきまして現況調査に着手をしておるところでございますが、これからやろうとしているものは、キャンプ・シュワブ周辺におきます海域のサンゴ、海藻草類、ジュゴン、海象などの調査のほかに、陸域におきます大気、騒音、振動、動植物などについて幅広く調査をまず行うことといたしております。  それから、調査期間につきましては、来年二十年の十月三十一日までとしておりまして、これは四季を通じた調査をしっかりとやろうと考えております。  それから、面積につきましては、これは先般、知事との間で協議を行い同意をいただいておりますけれども、おおむね四千平方メートルでございまして、先生御指摘の使用する機材等でございますが、これはサンゴの着床有無、それから海象機器、パッシブソーナーあるいは水中ビデオカメラなどを考えているところでございまして、しっかりと、また円滑に進めて、一日でも早く実現してまいりたいと思っております。
  388. 大田昌秀

    大田昌秀君 今朝の東京新聞によりますと、海上自衛隊沖縄派遣するというような、艦船を派遣するというような趣旨のことが出ておりますが、これは事実でございますか。
  389. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 海上自衛隊はいろんな活動をやりますけれども、その一環として、官庁間協力として、施設庁から要請を受けましたときに対応できるように準備はしていると思います。  これから先、混乱なくスムースに民間での調査が行われれば一番いいわけですけれども、どういうような妨害等があるか、非常に不測の事態も考えられますので、人命救助も含めいろんな対応はできるように、これは海上自衛隊だけではございませんで、海上保安庁もあるいはまた近隣の漁協等にもいろんなお願いをしているところでございます。
  390. 大田昌秀

    大田昌秀君 そうしますと、海上自衛隊派遣する目的というのは、地元住民普天間代替施設を辺野古沿岸に造るということに対して反対すれば、それを排除する目的で派遣するということでございますか。
  391. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 排除するようなそういう目的は持っておりません。そして今、地元住民がとおっしゃいましたけれども、地元皆さん方はあらかた賛意をいただいております、辺野古地区の皆さん方を始めですね。やはり反対される方々は、そういう方々ばかりではございませんので、それで非常に用心をしているところであります。
  392. 大田昌秀

    大田昌秀君 最近、復帰後三十五周年ということで、地元二つの新聞が世論調査しておりますが、その県民の世論調査の結果をごらんになったことございますか。今の普天間代替施設を辺野古に造るということを大方が賛成していますか。
  393. 北原巖男

    政府参考人(北原巖男君) 先般、地元の新聞が世論調査をしたことについては承知しております。それで、その大半の方々が県外あるいは国外移設を求めているということも承知しております。辺野古への移設については、たしか十数%だったかと思います。  いずれにいたしましても、私どもといたしましては、オール・オア・ナッシングの手法ではなくて、とにかくこの沖縄の皆さんに負っていただいておる過重な負担、これを何とも目に見える形で軽減していこうということでこのロードマップができたわけでございますので、一日も早くその着実な実施、すなわち普天間につきましては辺野古に新しい代替施設を造っていくよう努力してまいりたいと、そのように考えております。
  394. 大田昌秀

    大田昌秀君 二〇〇六年の五月十六日のこの本外交防衛委員会で私が外務大臣にお伺いしました。「在日米軍再編の最終報告の共同発表文の最後の部分に、日米安保条約及び関連取決めを遵守しつつ、この計画を速やかに、かつ徹底して実施していくことを確約したとあります。」と。この徹底してということは、それまでの文言には、文書にはなかったことですが、これは武力を用いてでも、あるいは警察権力を用いてでもやるということですかとお伺いしましたところ、麻生大臣は、これはソロー・インプリメンテーションという意味であって、そうではないという趣旨の御答弁でしたが、今の御説明ですと、自衛隊派遣していくということになると、この徹底して実施するという意味がほぼ分かり掛けたような気がして、これは非常に残念なことだと思います。どうかひとつ、波立てないようにお願いしたいと思います。  終わります。ありがとうございました。
  395. 田浦直

    委員長田浦直君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時三十分散会