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2007-05-10 第166回国会 参議院 外交防衛委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十九年五月十日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  五月八日     辞任         補欠選任         鰐淵 洋子君     高野 博師君  五月九日     辞任         補欠選任         福島啓史郎君     松村 祥史君  五月十日     辞任         補欠選任         松村 祥史君     神取  忍君      浜田 昌良君     遠山 清彦君      大田 昌秀君     又市 征治君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         田浦  直君     理 事                 小泉 昭男君                 山本 一太君                 浅尾慶一郎君                 柳田  稔君                 高野 博師君     委 員                 浅野 勝人君                 神取  忍君                北川イッセイ君                 櫻井  新君                 関口 昌一君                 松村 祥史君                 犬塚 直史君                 喜納 昌吉君                 佐藤 道夫君                 白  眞勲君                 浜田 昌良君                 緒方 靖夫君                 又市 征治君    国務大臣        外務大臣     麻生 太郎君        防衛大臣     久間 章生君    副大臣        外務大臣    浅野 勝人君        防衛大臣    木村 隆秀君    大臣政務官        総務大臣政務官  土屋 正忠君        外務大臣政務官  関口 昌一君        外務大臣政務官  浜田 昌良君        防衛大臣政務官 北川イッセイ君    事務局側        常任委員会専門        員        泊  秀行君    政府参考人        内閣官房内閣参        事官       下川眞樹太君        内閣法制局第一        部長       山本 庸幸君        外務大臣官房参        事官       伊原 純一君        外務省北米局長  西宮 伸一君        外務省国際協力        局長       別所 浩郎君        財務大臣官房審        議官       佐々木豊成君        財務省主計局次        長        鈴木 正規君        財務省国際局次        長        玉木林太郎君        防衛省防衛政策        局長       大古 和雄君        防衛施設庁長官  北原 巖男君        防衛施設庁施設        部長       渡部  厚君        防衛施設庁業務        部長       伊藤 盛夫君    参考人        国際協力銀行理        事        星  文雄君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○委員派遣承認要求に関する件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○駐留軍等再編の円滑な実施に関する特別措置  法案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 田浦直

    委員長田浦直君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、鰐淵洋子君及び福島啓史郎君が委員辞任され、その補欠として高野博師君及び松村祥史君がそれぞれ選任されました。     ─────────────
  3. 田浦直

    委員長田浦直君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 田浦直

    委員長田浦直君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事高野博師君を指名いたします。     ─────────────
  5. 田浦直

    委員長田浦直君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。  駐留軍等再編の円滑な実施に関する特別措置法案審査のため、五月十四日及び十五日の二日間、沖縄県へ委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 田浦直

    委員長田浦直君) 御異議ないと認めます。  つきましては、派遣委員等決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 田浦直

    委員長田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  8. 田浦直

    委員長田浦直君) 政府参考人出席要求に関する件及び参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  駐留軍等再編の円滑な実施に関する特別措置法案審査のため、本日の委員会に、政府参考人として、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官下川眞樹太君外十一名の出席を求め、その説明を聴取することとし、また、参考人として国際協力銀行理事星文雄君の出席を求めることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 田浦直

    委員長田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────
  10. 田浦直

    委員長田浦直君) 駐留軍等再編の円滑な実施に関する特別措置法案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言をお願いします。
  11. 犬塚直史

    犬塚直史君 民主党の犬塚でございます。  この法案の審議に先立ちまして、昨年の夏、機会をいただきまして、米太平洋軍のハワイの司令部を訪問する機会をいただきまして、ちょうどリムパックという演習の真っ最中でございまして、相手は大変忙しかったと思うんですが、大変丁寧に御案内をいただきまして、特にカネオヘの八千名いるという海兵隊基地も詳細に御案内をいただきました。非常にオープンで、好印象を受けて帰ってまいったわけなんですけれども。  昨年の五月の、2プラス2ですか、一日発表された2プラス2のこの資料を見ておりまして、そのときの麻生外務大臣額賀防衛庁長官、そしてライス国務長官ラムズフェルド国防長官と四人でそろって記者会見の発表をしたこの資料を昨日から読んでいたんですけれども、皆さん同じ価値観を共有していると、そしてグローバルという言葉があちこちに何度も出てくるわけですね。  そうした中で、一番最後にラムズフェルドが言っているこの演説にはグローバルとか共通の価値観というのは全然出てきませんで、彼が何を言っているかというと、太平洋での持続可能な米軍前方展開と。持続可能な太平洋での、まあ地球の半分をPACOMでやっているわけですから、太平洋で持続可能な米軍前方展開能力日本に置くんだということもはっきり言っているわけですね。自衛隊については、米軍再編を補完する形で自衛隊再編すると。それ、逆じゃないですよね。自衛隊専守防衛能力を補完する形で米軍が来てこれを調整したという、そういう言い方ではなくて、米軍再編を補完する形で自衛隊再編していると、こうはっきり書いてあるわけですね。  この表現は非常に分かりやすいと思うんですけれども、これで本当にいいのかなという疑問もわくわけなんですが、その場におられました麻生大臣のまずは御見解を伺います。
  12. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは、今のこの英語のところの、サステーナブル・US・フォワード・プレゼンスという例のあれを今から五分ぐらい前にちょうだいしましたんで、前の日からいただいておくともう少し答弁がきちんとできると思いますんで、きちんとした答弁を求められるんでしたら、ちょっと前の日にお願い申し上げます。  これ、今のは、このプレゼンス・イン・ザ・パシフィックという、ここのところなんだと思うんですけれども、米軍前方展開ということについては、これは今後も防衛にとりまして、これは日本防衛にとりましては、これは死活的な重要な問題なんだと思っております。したがって、自衛隊米軍というのは、この日米安全保障条約によってそもそもこれは補完的な関係に双方であっておりますんで、特に、だからといって、相互関係になっておりますんで、ラムズフェルド長官発言が特にこれで問題になるというような感じは正直いたしません。
  13. 犬塚直史

    犬塚直史君 昨日、質問のブリーフィングをしまして、その中でいろいろなやり取りをして、また夜、家に帰っていろいろ読んでいる中でいろいろ出てくるものですから、遅くなったことは、今後もっと早くするようにいたしますけれども。
  14. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) よろしくお願いします。
  15. 犬塚直史

    犬塚直史君 はい。  ただ、今おっしゃったその太平洋での持続可能な米軍前方展開、まあ当たり前だと思うんですね。それではなくて、その後に書いてある、米軍再編を補完する形で自衛隊再編すると、逆ではなくてですね。米軍再編を、全世界的な米軍再編を補完する形で日本自衛隊再編をしたんだよということをこの2プラス2の記者会見で言っているというのは、私はちょっと逆じゃないかなという、ちょっと引っ掛かるものを感じるんですけれども、大臣はどういうふうに感じられますか。
  16. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは、ウィー・ハブ・インコーポレーテッド・リアライメント・イン・ザ・ジャパン・セルフディフェンス・フォースィズというので、ここのところの主語が逆になってなくちゃおかしいという意味に言っておられるんでしょうか、今の意味は。  今の表現というのを、そこだけ見るとあれでしょうけれども、全体の文章の中でいくと、これはそんなに大問題になるような文だとは思いません。思いませんけれども、相互補完関係にありますんで、まあ米国側国防長官立場としてはこういう言い方をするかなという感じがします。
  17. 犬塚直史

    犬塚直史君 向こうの正直なことを正にラムズフェルドがさっと言ったと思うんですけど。しかし、この米軍再編という中で日本資金を負担していくんだと、向こう資金を負担するんだと、だからお互いの再編努力をやりながら一つのものをつくっていくという一つ交渉ですので、これをその四人で発表するときに、米軍再編の中のこの動きを、この中に日本自衛隊を入れるということを言わせてしまうというのはちょっと交渉能力が落ちる。むしろ逆に、繰り返しになりますが、今、グローバルないろいろなテロ等々、変わっておりますので、日本自衛隊の自主的なこの再編の中に米軍再編も組み込んでいったんだよという主語に私はするべきじゃないかと、こういうふうに思うんですけど、いかがでしょうか。
  18. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 私はその場にいませんでしたけれども、今度アメリカに行って痛切に感じたのは、日米防衛首脳会談のときに感じたんですけれども、やっぱり役割任務能力について引き続き検討してもらいたいというのがありまして、それはやっぱり米軍が、全体的な米軍再編で手薄になった部分については自衛隊もきちっと役割を担ってもらうんだよということですから、ラムズフェルドさんがそのとき言ったのは、それが再編が終わったんじゃなくて、これからそういう作業を検討してもらいたいという思いを込めて言ったんじゃないかなという、そういう感じがいたします。  だから、これはそういうような流れの中での発言だなと、今聞きながら、あながちそれは偽りじゃなくて、正直な言葉を言ったんじゃないかなというふうに思っておりますので、米軍再編に合わせて、日本の方も役割任務能力については今一緒になって共同作業を続けておりますので、そういうような流れとして受け取っていただいた方がいいんじゃないかなと思っております。
  19. 犬塚直史

    犬塚直史君 正におっしゃるとおりだと思うんです。特に、ここの中で麻生大臣アフガニスタンイラクについても言及されていますので、やっぱりああいう形で物すごい金の掛かることになってしまったと、現状ですね。  そうした中で、やっぱり今CIMICとかいって民軍連携、要は軍だけではこれは収拾付かないと、やっぱり紛争の原因のところまでさかのぼって、イラクアフガニスタン人たちを立てて、そこの地域の復興というようなものも日本の戦後の復興の、何というんですかね、実績をもっと前面に出して、どうなんだと、CIMICみたいなことをやるんだったら、日本の今までの実績あるいはこれからの能力というのは絶対に外しては考えられないじゃないかというようなことをもっと、単に民主主義だ、あるいは自由だ、そして法の支配だというような同じ価値観を共有していて、米軍再編の中に日本自衛隊が組み込まれて出ていくんだよということではなくて、それはそれで米軍はそうでしょうけれども、日本としてはやっぱり軍事の力は物すごい落ちるわけですし、米軍に比べたら。しかしながら、イメージも違いますし、戦後の復興という物すごい実績もあるわけで、そこのところをもっと強調して、少なくともアフガニスタンイラクという話を出すときには日本協力なければこれから難しいんじゃないかというぐらいの表現はしていくべきじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
  20. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 二つなんだと思いますが、一つは、例の自衛隊再編の、今の何でしたっけ、ジャパン・セルフディフェンス・フォースィズ・ザット・コンプリメント・US・リアライメントというこの言葉なんだと思いますけれども、これは自衛隊再編ですから、これは日本主体自衛隊再編をやるんでして、米軍再編とうまいこと組合せをやっていくということなんだと思いますので、取り方の違いなんだと思いますが、日本自衛隊再編というのはこれは日本主体でやりますので、日本のことをある程度尊重しているという発言とも理解できないこともないんじゃないのかなと思って今もう一回読み返しておりました。  それから二点目の、アフガニスタンイラクの例を取られましたけれども、これはおっしゃるとおりで、やっぱりそこに出てくる復興に携わってくるのがやっぱり日本人ということになりますと、これは戦った相手とは全然別のが出てくるわけなんで、そういったところはまず感情的に難しさが大分、何というの、理屈じゃ分かっても感情としてはなかなかというところが人間だれでもありますので、その感情面が随分、はなから違うのが一つです。  二つ目は、やっぱりこの種の復興作業イラクのあれで、フランスの国防省が毎月出しております「今日の軍隊」という月刊誌がありますけれども、あの中で、やっぱりなぜ日本のセルフディフェンス・フォースィズだけがイラクで成功したのかという長い文章があるんですけれども、やっぱり今言われたように、日本だけがイラクをして人道復興支援のために来てくれたということを思わせた唯一の軍隊であると、大体そういう表現になっております。理由がずっといろいろ書いてあるんですが、簡単に言えば一緒に働いてくれたということが書いてあるんですね、あの話は。  そういうことになっておりますので、今言われましたように、やっぱり日本の持っております、これ自衛隊が持っているというより日本人が持っている資質なんだと思いますけれども、一緒イラク人たちと働いて技術移転やって帰ってきたという形になっておりますので、そういった意味では、復興支援とか、また日本の場合、戦後の復興というのも含めましてそういった知見とか経験というのはかなりなものがあるというのはもっとアピールしていいのではないかという御指摘は正しいと存じます。
  21. 犬塚直史

    犬塚直史君 この原稿をどなたがお書きになるか私もよく知りませんけれども、やっぱりこれは機会あるごとにもっともっと強調していくことが、やっぱり米軍にとっても大変有り難いことだし、日本交渉力が強まっていくということだと思うんですね。  この四人の文章を見ると、やっぱり基調としては民主主義だと。民主主義ということは大変結構なんですけれども、受け取る人によってはデモクラシーの帝国みたいな受け止め方をする場合もあるでしょうし、日本立場は、言ってみればEUNATOにとってみればトルコみたいなものじゃないかなと思うんですね。というのは、NATO軍には入っていますけれども、EUには入っていないんですね。軍事同盟たる日米同盟の中ではしっかりと役割を担っていくと、しかし、例えば東アジア共同体構想みたいなものはいま一つ進展がはかばかしくないと。  そういう意味で、もう少し、まあドイツのような言わばEUの一員たる役割をしっかり担って、その上でNATOにも参加をできるような、やっぱり日本価値観といいますか、余りデモクラシー言わないで、もう少し日本じゃなきゃ言えないこと、まあ戦後の復興なりあるいは武器輸出の制限なりということをもっともっと強調していただきたいと思うんですけれども、大臣、いかがですかね。
  22. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 武器輸出の話とか、今いろいろ我々にとってこの種の、ほかの国がやっていることで我々がやっていないところというのは幾つもありますので、そういったものとか、集団自衛権の話とか、憲法九条の話とか、いろんなこと全部関係してくるところなんで、どこまでがどうやれるかというのはなかなか難しいところで、おたくの党首でいえば普通の国という表現がありますけれども、そういう普通の国の定義というのがこの種の問題が入っているのかどうかつまびらかにしていませんけれども。  そういったものを含めまして、今、犬塚先生言われましたように、まあドイツも苦労していろんな形で枠外協力、域外のことまでドイツが出てくるようになった経緯等々いろいろありますので、少し時間が掛かるかとは思いますけれども、いろんな意味でこういったものの実績を積み上げてくることによって信頼が得られるということになっていくだろうと思いますが、その実績を積み上げるということは、やっぱり自分の得意な分野というのがあろうと思いますので、そういった意味では、戦後の経済復興等々はこれまで日本の最も経験なり知見を有しているところだと思いますので、今のところは我々として今後検討を大いにしていかねばならぬところだと存じます。
  23. 犬塚直史

    犬塚直史君 はい、分かりました。  我が党の党首が言っている普通の国というのは、相手の国と全く同一化してしまうということではなくて、おっしゃるように今までの知見なり経験を生かして新しい世界をつくっていくというふうに理解しております。  ということで、この法案の本題の方に入ってまいりたいと思います。本法案の第五章の駐留軍等労働者に係る措置について質問をいたします。  今回の米軍再編において、一つには、ここでどういうものをつくってどこにどういう部隊を置いていくのかということに最も生活がそのままダイレクトに影響されていくのが駐留軍で働く人たちだと思うんですけれども、四月二十四日の当委員会久間大臣が、基地従業員国内法の例外ではないということははっきりとおっしゃっていただいたと思うんですけれども、この日本法令にのっとっていないという点をあのときに私、五点申し上げまして、一つは、平成十七年四月一日施行の改正育児介護法、子が一歳六か月に達するまでの育児休業の規定、これが第一点。二点目が年次有給休暇の翌年繰越制度、そして三点目が母性保護にかかわる有害業務の禁止、四点目が労働安全衛生委員会の未設置、五点目が就業規則の未作成という五点を前回申し上げたんですけれども、ひょっとしたらもっと違う、日本法令が遵守していないというのはほかにあるかもしれませんけれども、あれから二週間以上たったわけなんですけれども、大臣がこの法令遵守に向けてどのような指示をされたのか伺います。
  24. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これは、我が国だけで決められることでもありませんので、外務省が中心となって各省庁一緒作業しながらアメリカに強く申入れをしておるところでありまして、この間答弁したような方向で強く話を今進めております。かなり前進がしつつあるというふうに思っておりますけれども、一部についてはいまだにやっぱり意見が必ずしもうまく食い合っていないなというそういう点もございまして、こちらとしてはそういう問題については、アメリカ国内法ではじゃどうなんだというような、そういうことも調べながら押していったらいいんじゃないかということを言っております。  基本的に言えますことは、要するに、最初にああいう条約ができまして、それを受けて労務提供する労務契約を結んだ、そのときの後になってできた法律に基づいて事後法で変わってしまっているやつについてどうなんだということになりますと、そう言われたって、向こうもこういうような労務提供契約でやられたんだからそれでやってきたじゃないかというようなことを言うわけでありまして、本来なら法律作るときにそういうやつの整理も併せてやっておくべきだったんだと思いますけれども、まあそれはそれとして、国内法を遵守するという条約になっておりますから、守るべき義務は向こうにあるじゃないかということで強く今出ておるところでございますが、かなり前進できるんじゃないかなという感触は受けておりますけれども、これはやっぱりそういう場がつくられておりますので、そこで今鋭意やっておりますので、もうしばらく時間をかしていただきたいと思っております。
  25. 犬塚直史

    犬塚直史君 この間からこれを申し上げているのは、やっぱり実際の労務管理を担当している独立行政法人がその基地内にまず事務所を持っていないわけですよね。やっぱり一番身近にいて労務管理総務のことをやる担当者に会うことでさえも、やっぱり職場から離れて、ゲートを出て外に行かないとそういう相手と相談をできないというような状況に一つはあると。  もう一つは、今度は米軍から見ると、この独立行政法人自体交渉の窓口にはなってないんですよね。ということは、実際にその場で従業員人たちと相対して総務業務を行っていく人間が、一方では使用者側からは担当者として認められてないと。これはどうしたって政治の場で、今度は自治体も入ってこれませんので、やっぱりこれは大臣のリーダーシップで、このままほうっておいたんでは私は日本人従業員のためには決してならない立場に今追い込まれていると思うんですけどね。  是非、大臣の、もう一度、具体的にどういう指示を今出しているのか聞かせていただけますか。
  26. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 例えば一歳六か月ですね、これなんかはもう日本国内でほとんどほかがそうなっているのにおかしいじゃないかということで、こういうことについては向こうも今度はきちんとしましょうとか、あるいは妊婦についても同じじゃないかというふうなことで、これもそうしましょうとか、そういうふうなことについては結構言っているわけですね。  それともう一つは、難しい点もあるのは、実は時間外労働なんかについて、日本制度アメリカ制度と、結構日本の場合は有給休暇をずっと何年も持ち越すことができますけれども、向こうは一定の幅でしか繰越しができないとか、そういう国内制度との違いもあります。  そういうことについて向こうは、だから自分国内法を前提としながら従来やってきておったと、そういう形で協定は結んでおった、契約も結んでおったと。それが後になって法律日本の場合は変わっているというような、そういうこととか、そういう細かい点では、まあ日本国内なんだから国内法に従ってくれよと言いますけれども、向こう向こうとしての前提が今まであったのが、それが急に変えられるということになると、そこはやっぱりちょっとどうしようかという話で、時間を掛けながら交渉していく。そのときに、こちらの側の方のあれも、組合といいますか労働者の方も本音はどうなんだという話をしますと、そこはまたいろいろあるものですから、そこのところは無理して押し切ってしまって、こちらの働く方から見れば実質そのゲットを得た方がよかったのにという思いもないわけじゃないとか、いろんなことが絡んでおりますので、その辺はよく詰めながらやっておりますけれども、概して言えば、こちらの主張はかなり認められつつあると思っておりますので、そんなに時間は掛けないでできるだけの前進をさせたいと、そう思っているところであります。
  27. 犬塚直史

    犬塚直史君 是非よろしくお願いいたします。  イタリアの例なんかを申し上げると、昼、昼寝の時間帯は飛行機飛ばしちゃいかぬというようなことまで、何というんですかね、住民の代弁して、政治の多分力だと思うんですがやっているわけですので、少なくとも国内法令を遵守させるぐらい、ほかの国内の小さな会社が守っていないという話とはちょっと次元が違う話であって、交渉する当事者はやっぱり政治の場で大臣がリーダーシップを取っていただく以外ないと、特殊な事情だと思いますんで、是非ここのところはよろしくお願いしたいと思います。  それでは、配付をした資料をちょっとお手に取って見ていただきたいんですが、これは、今度のグアムにおける民活事業のイメージであります。  日本政府が赤い四角で、国際協力銀行に出資等を行うと。この国際協力銀行自体は来年から株式会社になるということなんですけど、ここから事業主体、SPEというところにまた出資を行っていくということなんですけれども、まず伺います。SPEというのは、これは何の略なんですか。これは財務省ですかね。
  28. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) スペシャル・パーパス・エンティティーの略でございます。
  29. 犬塚直史

    犬塚直史君 スペシャル・パーパス・エンティティーと。要は事業主体であると。株式会社になるのか、特殊法人になるのか、米国法人になるのか、日本法人になるのかも分からないと、そういうときに使う言葉として、SPEと言っておけば、まあそのどれになっても事業主体としていいだろうと。事業主体という言葉だということでいいんですか。
  30. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 訳としては事業主体ということで表現させてもらっております。
  31. 犬塚直史

    犬塚直史君 ちょっと今のよく分からなかったので、もう一回お願いします。
  32. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 事業主体ということで考えております。
  33. 犬塚直史

    犬塚直史君 この点線で囲んである、要するにこの事業主体の手前までが今回の法案の範囲なわけですね。言わば丸投げに近い形で事業主体に事業を出すと。事業主体が一体どういうものになるかというのは今全く決まっていないという状況なわけですね。  まず、お伺いします。  特別措置法の十八条、特別勘定というのがあるんですけれども、これは、会計基準、当該事業はほかの業務の経理と区分し、特別勘定を設けて整理しなければならないと、こう書いてあるわけですね。国際協力銀行は、さっき申し上げたように、来年、平成二十年から株式会社日本政策金融金庫に改組をされるわけですね。このブルーが株式会社になると。黄色のところがどうなるかまだ分かってはいないということなんですが、まずこのブルーの方を聞きますけど、当該金融事業についてはどのような会計基準を採用するんでしょうか。
  34. 星文雄

    参考人(星文雄君) お答えいたします。  現在、本国会にて審議いただいております株式会社日本政策金融公庫法案及びその関連法案が成立いたしますれば、平成二十年の株式会社移行後は駐留軍再編促進金融勘定にも企業会計基準が適用されることになると私どもは理解しております。
  35. 犬塚直史

    犬塚直史君 企業会計基準を今でも国際協力銀行がディスクロージャー誌等々でバランスシートを明示をして一生懸命やっておられると。その延長で今度はもっと透明性を高めてディスクロージャーをきちんとしていくんだと、株式会社として頑張っていくんだということだと思うんですけれども、それでは、その株式会社になるという一大改組を直前にしてこれだけ大きな出資を事業主体に行うわけなんですけれども、目をつぶってこれやっていいというわけではないと私は思うんですが、取りあえず家族住宅の家賃収入、インフラ使用料の収入見込み、固定資産の償却年数、そして維持管理運営経費、この見込みを伺いたいんですが。
  36. 星文雄

    参考人(星文雄君) 現在、この家族住宅、基地インフラ事業、いずれにつきましても日米政府間で協議をしておりまして、いかなるスキームが適切かというものを含めて協議中と理解しておりまして、今先生の御質問について、私どもは今答えられる状況にはございません。
  37. 犬塚直史

    犬塚直史君 この紙の一番上に書いてあるんですけれども、グアムにおける民活事業のイメージなわけですよね。要は、民間の活力を入れると、特に国際協力銀行も株式会社化して透明性高めて事業主体に出資をすると。  民活やるということですから、これは言わば倒産と隣り合わせになって一生懸命仕事していくんだと、その代わり、いろいろなリスクを自分で負うけれども、事業展開のチャンス等々、海外でこういう事業をやっていろいろなチャンスが出てくれば、SPEとしても自己の裁量でどんどん仕事を伸ばしていけるんだと、伸びることもできるけれども倒産とも隣り合わせなんだと、これが民活だと思うんですけれども、そこのところがまだはっきりしていない民活というのはいかがなものなんですかね。  これは本当にJBICとしては、こういう投資をこのまま指をくわえて防衛省の決断を待っているというような状況でよろしいんですかね。
  38. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これはJBICの方では答えにくいと思いますけれども、といいますのは、ここの事業主体、確かにSPE、民活を利用する格好になりますけれども、これから先調査をして、どれぐらいの金額でやるかというのは今から正に詰めていかなきゃならないので、今政府同士で決めておりますのは、上限をこれぐらいは、最高いってこうですよというようなことの大枠を決めておりまして、今度は、こういうようなスキームといいますか、こういう、国際協力銀行を使ってよろしいという今度の法律が通りますと、それを前提にして、事業費はどれぐらいで、そして融資の方はどれぐらいで、出資はどうするかということを、そういう事業費を詰めながら、今言った上限からどんどん下げる方法をやってくるわけでありますから、そういうので最後に国際協力銀行とこれでどうでしょうかという話をする。国際協力銀行は、出資をもう少し増やしてもらわないと困るとか、そんな話にもなるかもしれませんが、そうしたら、それはそれでまた国会に諮って、予算のときに出資を幾らにするというようなことを決めていかなければなりませんので、正にこの全体的な方向が決まってこれから作業が始まると、そういうようなことになろうかと思いますので、今の段階でJBICがこれで大丈夫かと言われて、うちは大丈夫ですと、政府を信用しておりますと、そこまでしか言えないんじゃないかと思いますので、私があえて答弁させていただきました。
  39. 犬塚直史

    犬塚直史君 そこはよく分かるんですが、ただ国会の審議が、集中してこうして衆知を集めてできる絶好の機会は今しかないわけですから、今の時点で法案の範囲がここまでだよと、あとは外に出しちゃうんだよと、外に出したものについては何も決まってないんだと、あとは法案通ってからだと、これはやっぱりいかがなものかと思うんですね。  この特別措置法の十六条一項三号に調査についてというのが書いてあります。ここにJBICの業務の特例として、当該事業に係る出資に必要な調査を行うという旨がこれ規定されているわけですが、それじゃ、一体いつからどのような調査を行うつもりなのか、お聞かせください。
  40. 木村隆秀

    ○副大臣(木村隆秀君) 今大臣が御答弁いただきましたように、これから法案が通り次第、手当て等々で回収可能になるためのコストやら事業主体、どうしたらいいかと、そういう決めていくための調査をJBICにおいて行っていただけるものだと理解をしております。
  41. 犬塚直史

    犬塚直史君 法案が通った後に調査すると、それで決めていくんだということなんですけれども、決めるのは一体これはだれが決めるんですかね。
  42. 木村隆秀

    ○副大臣(木村隆秀君) 種々の調査をして、そのデータを基に恐らく政府間での協議になっていくのだろうと、アメリカ政府と日本政府。この法案提出させていただいておりますのは防衛省と財務省でありますから、関係する省庁が連携を取りながら政府としての決定をしていくということになるのではないかと思います。
  43. 犬塚直史

    犬塚直史君 今、日米でも調整しながらやっていくというお話だったんですが、私は違うと思うんですね。日米がこれは利害がこの事業に関しては相反しているわけですよね。  この表を見ていただくと分かると思うんですが、住宅の提供をSPEがする、その見返りとして家賃をもらうと。米側にしてみれば家賃は低ければ低いほどいいわけです、当たり前ですね。日本側にしてみれば高ければ高いほどいい。その下もそうです。土地のリースを受ける、サービスをSPEが提供する、使用料は米側からいただくと。これはもうどう見たって交渉をこれからしなければいけないわけですから、交渉の中身は日本側で決めて、先手必勝で有利な状況に持っていくということを今からやらないと遅いんじゃないですか。
  44. 木村隆秀

    ○副大臣(木村隆秀君) 今先生おっしゃるように、沖縄の例なんかを見ますと、一戸当たり三千万ぐらいで提供しているわけでありますから、今の見積りというのは少々高いのではないかと、私どももそう思っています。ですから、できるだけ安くしていくためにどうしていくのか。そのための交渉をするためにはある程度の資料が必要でございますので、この法案を通していただきましたら、直ちにその調査をJBICにおいてしていただいて、しっかりと交渉できるための調査をしていただきたいと、こう思っているわけであります。
  45. 犬塚直史

    犬塚直史君 少なくとも、今回の法案のスキームとして民活でやるんだということは決めているわけですよね。その大きな流れを決めたのはいいんですけれども、民活でやるからあとはやれと、法律ではここまで通すからあとはやれということではやっぱりうまくいかないと思いますよ。少なくとも、住宅を提供して家賃を取るんですけれども、これ所有権はどちらが持つことになるんですか。
  46. 木村隆秀

    ○副大臣(木村隆秀君) 今いろいろなスキームを協議中でございますから、確たることを今言うことは非常に困難でありますけれども、ただ、イメージとして申し上げれば、建設後の維持管理をどこにおいて行うかというのが一つ所有権のところの大事なポイントになってくるのではないかと思います。  そんな中で、真水の部分、財政出動をしてやらさせていただく事業というのは、米側の方が維持管理をするということからすると、所有は米側の所有になるのではないだろうかと。出資の部分については、土地は米側から長期借りるわけでありますけれども、上の建物についてはSPEが行うわけで、維持管理を行っていくわけでありますから、恐らくそういうSPEが所有をして管理をしていくということになるのではないかと今思っております。
  47. 犬塚直史

    犬塚直史君 そのSPEが、じゃ維持管理をして家賃を取るんであるから所有権はSPEが持つべきではないかと、そんなイメージを持っておられるというお答えですけれども、それでは、このSPEが事業主体として少しでも利益を高めていこうということで、この住宅を抵当に入れて現地の金融機関から借入れをして、もう少し建て増すとかあるいは違う不動産の管理業務を行っていくだとか、そういうようなことは可能になるというイメージをお持ちですか。
  48. 木村隆秀

    ○副大臣(木村隆秀君) 全体のスキームについては政府間で協議をしていくわけであります。その後、今大臣がお話を、御答弁があったわけでありますけれども、JBICとの間には、政府との間でJBICがしっかりと事業が行っていけるための在り方が当然議論になってくるわけであります。出資、そして無利子融資等々どうなるのか、まだ全く今決まっていない状況ですから分かりませんけれども、これからの協議、調査をした上での協議の中で採算性が取れるように、JBICとの間でどうしていくのかということを話していくことになるのではないかなと、こう思っております。
  49. 犬塚直史

    犬塚直史君 いや、少なくとも、大臣、どうですか、株式会社かあるいはそういう営利目的にしないただ単なる事業主体にするのか、日本の企業にするのか米国の企業にするのかというぐらいは決めてやらないと、示唆も何も、そもそも方向性が、本気で民活やるのかどうかというところに話が行っちゃうわけで、その辺ははっきりと決めてやらないとこれはまずいんじゃないですか、大臣
  50. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 事業主体を含めまして、このスキームをつくるときには、やっぱり国が財政を入れているわけでありますし、税金を突っ込んでいるわけでありますから、そういう部分がきちんと保全される、担保されるというような、そういうことは考えなきゃならないと思っておりますから、いわゆる民活ですべて任せてスタートという、そういうわけにはいかないだろうと思います。  だから、これはやっぱりこれから先の決め方をきちっとしなければ国民の皆さんに対してもいけないわけですから、そしてまた国会に対してもそういう説明責任もございますので、進捗状況に応じて、少なくとも第一回の出資だ何だというときには、全体のこういう形でいきますということがきちんとできた上で、この委員会といいますか、予算委員会かもしれませんけれども、国会の方に提出して、そこで御審議していただいて、そういうことについての心配がないということをはっきりさせると、それはもう我々の責任だろうと思っております。  だから、ただ今の段階でこれが純粋の民間法人なのか、そしてアメリカ日本とがどういう形で、出資はするけれども、日本籍の法人にするのかアメリカ籍の法人にするのか、その辺はやっぱり、場所がアメリカでありますだけに、入ってくるのもアメリカ軍人が入るわけでありますから、やっぱりアメリカ国籍の法人になるのはそれは私は避けて通れないんじゃないかなと思っておりますが、そこをどういう形で契約上、あるいは両国政府が関与しながら債権保全が担保されるか、その辺はこれから先決めるときにしっかり留意しながらやっていこうと、そういうふうに思っております。
  51. 犬塚直史

    犬塚直史君 どちらかというとアメリカ国籍の会社ではないかというような趣旨の御説明だったんですが、財務省に伺います。  もしこれが、SPEがアメリカ国籍の会社であったとした場合、例えばSPEが日本の金融機関に対する金利の返済、金利の支払にはどんな課税がされるんでしょうか。
  52. 佐々木豊成

    政府参考人佐々木豊成君) お答え申し上げます。  仮に、米国法に基づくSPEが設立されて、そこから日本法人である金融機関に利子が支払われたというケースでございますけれども、ちょっと話がやや複雑になるんですが、このグアムの地域につきましては日米租税条約は適用外になっております。ただ、米国の国内法におきましてグアムの特例というのがございまして、租税条約を受け入れると、その限度税率を、租税条約に定められました限度税率が適用されるというふうになっておりますので、結果的に金融機関が受け取る利子につきましては、条約に従いまして免税ということになります。
  53. 犬塚直史

    犬塚直史君 法人税は何%ですか。
  54. 佐々木豊成

    政府参考人佐々木豊成君) 法人税につきましては、グアムの準州は連邦法人税を準用することになっておりまして、三五%でございます。
  55. 犬塚直史

    犬塚直史君 固定資産税は何%ですか。
  56. 佐々木豊成

    政府参考人佐々木豊成君) グアムの準州におきましては、法人に対する資産税は存在しないと聞いております。
  57. 犬塚直史

    犬塚直史君 法人税だけでも三五%。要するに、他国の領土の上に他国の軍人が住むためのものを我が国が税金を使って建ててあげると。その上で、そこで家賃をもらうときにやっぱりSPEは三五%の税金を取られて、それを他国の国庫に入れるということになるわけですね。  私は、先ほどからお話を聞いて、もしこれが日米政府の信頼関係の上に成り立っている通常のいわゆる民間の投資事業とは違うんだよということであれば、要するに民間並みのリスクとチャンスをここにもうフリーハンドで与えるということでないんであれば、このSPC的な民活ではなくて、正に非営利のSPEということにして、むしろグアム準州の免税をさせた方がいいんじゃないかと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
  58. 久間章生

    国務大臣久間章生君) こういう形で民活でやった方がアメリカ国内における今までのやり方から見ていても非常に安く宿舎を提供していると、例えばほかの地区でですね。そういうようなことから、こういうようなスキームの方がいろんな税金とかそんなことを考えても安くなり得るというようなことで、アメリカ日本双方にとってコストダウンになるだろうというようなことでこういうスキームを念頭に置いたわけでありまして、だから私はこれは一つの、かえって安くなるんじゃないかなというふうに期待しているんですけどね。それはまあ見方の違いかもしれませんが。  日本の場合でも、住宅公団みたいな公団でやった方がいいのか、けれども最近はもう民間のどんどん企業が出てきてやった方が安くなったじゃないかというようなことから、公社、公団というのをできるだけもう民間法人に切り替えていってしまったという、そういうこともありますが、外国ではむしろそっちの方が先行していて、民活をやった方が安いという、そういうような話も出ておりますので、そしてアメリカの例からいってこれを民活でやっていこうというような、そういう話になって、今回、昨年のロードマップ決めますときにはそういう前提で話が進んだというふうに聞いておりますので、私はそれはそれでいい選択だったと、私自身今でもそう思っております。
  59. 犬塚直史

    犬塚直史君 民活で行くという大きな方向性はもう出しているわけですから民活で行くということなんでしょうけれども、その割には細部が全く決まっていないと。どういう方向性でこれ詰めていくかなというのも、昨日の質問レクの中で余り見えてこないという状況なんですけど。  じゃ例えば、今戸数三千五百、軍人八千名で家族が九千名ですか、の住宅をグアムに造ろうとしているわけですね。その分、今沖縄にあるわけですけれども、今沖縄にはそういった住宅は何戸あるんでしょうか。
  60. 北原巖男

    政府参考人(北原巖男君) 犬塚先生に御答弁申し上げます。  昨年八月でございますが、私ども在沖米軍の施設、それから区域内に所在いたします、今先生御指摘の家族住宅の総戸数につきまして米側に確認をいたしておりますが、トータルでおよそ八千三百戸あると、そういった説明を受けております。
  61. 犬塚直史

    犬塚直史君 この八千三百戸が十年間でどういう感じで減っていくんですか。
  62. 北原巖男

    政府参考人(北原巖男君) 先生御指摘のように、グアムに今三千五百戸程度造る計画をしているわけでございますので、今私が申し上げました在沖米軍の施設・区域内においては、住宅の所要が減少するといったように認識しているところでございます。ただ、具体的に今、十年後どうなるのかといった点等につきましては、この時点で具体的に申し上げることはできません。  御承知のように、トータル沖縄での戸数その他を考える場合には、今のグアムの話、それから昨年五月のロードマップ、そこには嘉手納以南の六か所の土地の返還等が入っております。今これらにつきまして、具体的に沖縄に残す能力、機能、あるいは移設先をどうするんだ等々につきまして幅広く今米側と協議をしているところでございます。  さらに、これまで沖縄の負担軽減ということで、SACOでの住宅統合計画なども進行しているわけでございまして、これはまたロードマップの中では見直しの可能性があるといったこともございます。これらのものを我々慎重に今検討しておりまして、こうした中で所要の数等を導き出していきたいと、そのように考えております。
  63. 犬塚直史

    犬塚直史君 今の回答、よく分かりません。  というのは、実際に沖縄の米海兵隊員が八千名グアムに移転するわけですよね。家族九千名移るわけですね。今その人たちは沖縄に住んでいるわけですね。どうですか。
  64. 北原巖男

    政府参考人(北原巖男君) おっしゃるとおりであります。
  65. 犬塚直史

    犬塚直史君 その住んでいる人たちが十年間掛けて今度はグアムに建設をしている住宅に移っていくわけですよね。この計画にどうしてほかの基地再編全体の計画が関係してくるんですか。
  66. 北原巖男

    政府参考人(北原巖男君) 先ほど私御答弁申しましたとおり、三千五百戸、隊員が八千名、家族九千名という形で移転するということに伴って、三千五百戸程度グアムに建設が予定されているわけでございます。したがいまして、要するに、今申しました在沖米軍の施設・区域内にある八千三百戸につきましては、これは所要が減るという認識は立っていることは当然でございます。  ただ、そうした中で、我々といたしましては、今後のその家族住宅の在り方については、米軍再編トータルとして私が申し上げたような点を踏まえながら慎重に今協議をしているところでございます。大きな方向として減ることは間違いないと、それは申し上げることができると思います。
  67. 犬塚直史

    犬塚直史君 大臣、大きな方向として減ることは間違いないけれども、十年間でどのぐらい減るかというのは分かってないんですよね。どう思われますか。
  68. 久間章生

    国務大臣久間章生君) はっきり言って、三千五百戸分は減るんだろうということは言えるわけですけれども、ただ、八千五百から、八千ですか、それやるのに、どこのクラスがどういうふうに移動するか、アメリカも早く詳細計画を作ってくれよというようなことをこちらも言っているわけですね。そして、その残された分のそれをどういうふうに集約するのか、そしてどこを要らなくなるのか、それをはっきりしてもらうとこちらもまた返還されたところをどうするのか早く計画が立てられるからということで、今年の三月末までには詳細計画を作りますという話でしたけれども、向こうもまだどういう部隊をどういうふうにこちらにおるやつを移していくかが、まだこれから時間もあるからということもあるんでしょうけれども、提案されておりませんので、戸数は減るのは間違いないにしても、どこの部分が減って、あるいはそれをどうやって集約して一か所に集めてしまうのか、その辺の計画がいまだこちらの方も立っていないということでありますんで、今この時点で何戸になるかということは、おおむねそのぐらいの戸数は減るのは引き算からして当然のことでありますけれども、どこの地区がどういうふうに減るかというのは、なかなかまだ言いにくいというか、分からないというのが正直な本音じゃないでしょうか。
  69. 犬塚直史

    犬塚直史君 三月に出るはずだった詳細計画がまだ遅れているということで言いにくいというのは分かるんですけれども、これは私やっぱりはっきりしておかないとまずいと思うのは、日本米軍再編の八千名の海兵隊のグアム移転にお金を出しているわけで、グアムに別荘を造ってどっちに住んでもいいよということに金を出しているわけではないんですね。でも、いや、大臣、僕は笑い事じゃないと思うんですよ。  こういう形で八千三百戸あるものがこっちにあると。間違いなくこの人たちは八千名こっちに移るんだと。ほかのことは関係ないわけですから、こちらはいついつまでにできるということは分かるわけですから、それが増えるに従ってこっちは減らしていくという、これは当たり前の話だと思うんですが、それができないんだったら、両方持っていて米軍としてはどっち使ってもいいよということになるんじゃないですか。
  70. 久間章生

    国務大臣久間章生君) いや、そういうことはあり得ませんので、というのは嘉手納以南のそういう返還予定地をちゃんとこれはもうリストアップしているわけですから、かなりの部分が返しますよということで。やっぱり返すということは、こちらはなくすわけでありますんで、その辺は、向こうも造る、こっちも残しておくという、そういうことは考えられませんので、そこはもうアメリカ軍の方、アメリカ当局を私たちも信用しておりますから、返すといったやつは返すわけですから。  ただ、具体的にその返す部分を早く提示してくれと。今度は、実は向こうの2プラス2の前の防衛首脳会談でも詳細計画が遅れているんで早くしてもらいたいということは言っておきました。だから、向こう向こうの事情もあって遅れているんだろうと思いますので、その辺については、まあ建ててもらってこっちは残すよという、そんな話には多分、そこまで疑う必要はないと思っております。
  71. 犬塚直史

    犬塚直史君 そういうことにならなければもちろん一番いいわけですが、一応こういうことを決めるときには最悪の事態もきちんと想定してやらなきゃいけないと思うわけです。  特に私は、今回のこの民活事業のイメージについては、一番私は大変なのはこのSPEだと思うんですよ。やっぱり物を建てたのはいいんだけれども、それからこれを十年以上にわたってしっかりと管理運営していかなきゃいかぬと、それも外国の地でやらなきゃいかぬと、そういう中にあって、余りにも今回の法案の範囲からこの一番中核の部分を外してしまって、今回の法案の中核と言えるべきものがここでしっかりと審議できないというような状況には大きな疑念を感じざるを得ません。  民活民活と言っておきながら、結局はだれかが決めるだろうと、決めるのは、防衛省も財務省も、あるいはこのSPEの主体であったり、あるいは国際協力銀行であったり、結局だれも責任取らない、丸投げしてしまったと、結局はこの事業自体も前向きなことにならないということに私はなってしまう気がするんですけど、大臣、もう一度いかがですか。
  72. 久間章生

    国務大臣久間章生君) いや、そうはならないわけでありまして、何回も言っておりますように、今度のこの法律というのは、とにかく国際協力銀行の業務が現在の法律のままではやれないから、そういうことを、国際協力銀行にそういう能力を付与するという、そういうのが実質的な法律事項でありまして、それ以外のやつは予算措置等でやれるわけですね。ところが、予算措置等でやることになりますと、米軍再編に絡んでいろんなことが進められるときに、そのときそのときの政府の都合によって予算措置でやめたと言われたら対象となった地方自治体は大変なので、今度は交付金制度できちんと法的にそれを担保しますよという、そういう仕組みにしているわけでありますから、だからそういう意味では、こういうようなスキームをやる場合でも、今度の法律であるわけだからここまで規定せよということにはならないと思いますので、そこはひとつ御理解を賜りたいと思うわけです。
  73. 犬塚直史

    犬塚直史君 もうこれで終わりにしますが、昨日JBICの人といろいろ話をしていまして、大変な投資になるわけですよね。しかも株式会社になると。その大変な出資をする先がどういうものになるかということについてはJBIC自体は法案が通るまで一切発言権はないという、そういう事態になっているわけですね。本当であれば、こんな枠組みが決まる前にはしっかりと、デューデリジェンス・スタディーというものをしっかりとやって、事業主体に入り込んでやる人間が、本当に自分の我が身としてどういう会社形態にするのか、どういう契約内容にするのか、どういう権利関係にするのかというのは、私は、もう今からJBIC自体が入り込んでやらない限りは、とてもじゃないけどこんな出資いきなり任されても大迷惑すると思うんですよ。
  74. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 確かに法律でこういうふうにJBICの能力に付与しているわけですから、JBICがそのときになっておれはやらぬよということは事実上できないとは思いますけれども、法律上はそういうことができるという規定でありますから、JBICがこれじゃ困りますよと政府に対してだって強く言えるわけでありますから、政府の一般的な監督権はあるかもしれませんけれども、JBICに安い値段でこうやってやれということを無理やり押し付けるわけにはいかないと思います、それは。  しかしながら、その反面、私たちにしてみれば、できるだけコストを下げて、家賃も向こうもやっぱり下げようと思うでしょうから、やっぱり建設コストについてもできるだけ下げるようにこれから先あらゆる努力をしていって、やっぱり財政的な負担あるいはまた融資にしたって、返ってくることを考えますと、やっぱりコストを下げていくという努力はしますので、そうなってくると事業主体のSPEのスキームをつくるときにかなりきつく政府としては言わざるを得ません。  そうなると、このSPEも非常に厳しくなるなという思いはしますけれども、これはやっぱりその辺も考えながら、国際協力銀行としても積極的に主体的にそういう調査に、これから先この仕組みができましたら自分の問題として取り組んでもらえるんじゃないかなと思っております。
  75. 犬塚直史

    犬塚直史君 遅過ぎるんではないかという懸念をもう一度表明して、私の質問を終わります。
  76. 白眞勲

    ○白眞勲君 民主党・新緑風会の白眞勲でございます。  まず、この米軍再編特措法を質問する際に、当然、先日の2プラス2とか、あるいは日米外相会談が極めて重要な意味を持つというふうに認識しているわけでございます。今回の再編の際には北朝鮮の動きというのもまた気になるところでもあるということは確かだと思うんですけれども。  一昨日の当この参議院外交防衛委員会で、私の質問に対して麻生外務大臣が例のBDAの問題に関してはとても興味深いお話をしてくださったわけでして、その中で、凍結解除したら今度は送金だと、送金くらい自分でやれと言ったら送金もそっちでやってくれと、どんどんどんどん北朝鮮の要求が上がってきている状況をつぶさにお話しくださったわけでして、非常に有り難いなと思いました。その中で、最後は、引き出して自分で現金輸送したらどうだと言ったら盗まれるかもしれないなんというようなことまで言われたと。そういった現状は非常にこの前の説明で分かったわけなんですけれども。  一方、昨日の衆議院の外務委員会麻生外務大臣が、あと一週間くらいでアメリカといい加減にしなきゃいかぬなという話をしなければならない時期が来ると、こう答弁されたそうですが、私も、まだ議事録が上がっていない状況なんでもしかしたら同じ質問をするのかもしれませんけれども、この場合、やはりBDA問題の解決というのが前提であるというふうに思えるわけなんですね。  その中で、日本側の圧力をどんどんレベルを上げるという中で、この前提は前提として、具体的には、昨日もアメリカといろいろ検討してどうすべきか話は詰めているとお話をされて、北朝鮮からの輸入を止めるだけではなくいろんなものがあるということをお話しされたわけですけれども、これは具体的にはどのようなものを指すんでしょうか。
  77. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) まず最初の御質問のところからですけれども、基本的には今、御存じのように、二週間ぐらい前もあと三日ぐらいでという話をしておりますからね。昨日の御質問答弁にも答えたんですが、今回も数日と言うから、二週間か三週間前も同じことを言うとったじゃないかと、今回は数日って保証は何だと言ったら返事がありませんでしたので、それほど、アメリカとの交渉じゃなくてアメリカと北朝鮮との交渉ですから、なかなか相手相手なものですから、正確な話がころころ変わったりするという嫌いはもう間違いなくあろうと存じます。  したがって、今回も、2プラス2の場でも同じような質問が出たときに、今回確かという保証はないんだからという話をしたんですが、終わった後、しかし何の変化も対応もないというんだったら、もう四月の十三日が期限の六十日でしたから、これはもう五月の十三日となればこれはさらに三十日延びることになるんで、一月超えて何もないというのではちょっといかがなものかということになりはせぬかというんで、一月後の五月の十三日ということになりますんで、今日が五月の十日ですか、したがって来週ぐらいには、いろんな、何にもないじゃないかということになっていくだろうと。時間的には六十日プラスの三十日というように御理解いただければということで一週間ぐらいかなと申し上げましたし、先方ともそういった話を、非公式にその話はしたことは事実です。  もう一点の方の話は、どういうような方法があるかというのは、これはむしろ外務省よりこれは内閣府で日本の場合は担当していろいろやっておられますんで、これは日本で言うと財務省の話とか国土交通省の話とかいろいろありますんで、ちょっとそこらのところの内容を今やっておられるのは官房長官の方でやっておられますんで私どもがつまびらかにしていないというのが一点と、もう一点は、これをやりますという手を今のうちから先に言うのもいかがなものかということに存じますんで、その内容を、全部が全部知らない、知っているわけでもありませんし、全く知らないわけでもありませんけど、その内容をちょっと今この段階で手のうち見せるようなことは避けさせていただきたいと存じます。
  78. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうしますと、いずれにしましても、現在日本が独自に制裁をしているというもののレベルを引き上げるのはあと一週間ぐらいをめどであるということでよろしゅうございますね。
  79. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今、万景峰を始めいろいろな入ってくるものの禁止等々いろんなことをやっておるのは事実ですけれども、これを来週からとか来月からとかいって、この時期をいつにするかということにつきましても、同様に今の段階でちょっと答えられるときにはないと存じます。
  80. 白眞勲

    ○白眞勲君 これは以前から大臣もお話しされていることなんですけれども、日本だけではなくて、具体的には日米間で詰めているということになりますと、当然アメリカがどうなのということにもなると思うんですね。アメリカはBDAを緩めながら、逆に言うと、どんな圧力を今後加えていくというふうに大臣は見ていらっしゃいますでしょうか。
  81. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは、例の国連決議文書に参加している国等々、一七一八でしたか、あの文書によってこれはアメリカ以外にもいろいろな国がこれに参加をしております、中国を含めまして出てきておると思いますんで、こういった国々が今どれくらいのことをやっておるかというのは私どもとして大変興味があるところでもありますんでこういった話をずっとさせてきていただいておりますけれども、今この段階で私どもとしてアメリカとこれやります、アメリカはいろいろ金融でやって、金融にこれほど効果があるとは思っていなかったのは確かだと思いますね。それが現実問題として極めて効果が上がったと今判断をしていると思いますんで、ほかにもいろいろ考え方はあるという表現は、これでこれだけ効果があるならほかにもっとあると今アメリカが思っているということだけは確かです。
  82. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、それはやはり金融という観点からしてその効果がありそうだということをアメリカが言っているということでよろしゅうございますか。
  83. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) アメリカの国際競争力の最も強いものの一つは金融関係のネットワークだと存じます。それを利用しようと考えてもおかしくはないと存じます。
  84. 白眞勲

    ○白眞勲君 そういう中で、アメリカの中にもまた慎重論というものもあるだろうと。ライス長官の真意について、意気込みがその辺どのぐらいあるんだろうかというのをちょっと気になるところなんですけれども、相当本気になっているんでしょうかね。
  85. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは御存じのように、財務省、国務省と意見がかなり違っているなという感じはもう御存じのとおりで、強硬派、ハードランディング派が多分財務省ということになって、これは国内法上の話であって、これは国際法上の話ではないと、したがってこれ一個のためだけに何で国内法を乱用して緩めないかぬのかということに関する不満はかなりのものがあります。それに対して、何というか、総合的に考えて、核の一連の話を放棄に追い込むとしては、これはどうしてもこれが必要だとする国務省との間に意見がかなり違ってきておりましたし、今でもかなり、財務省がかなり譲ったとはいえ、国務省とはかなり意見が違いがあると思います。  ただ、核というものをどうしてもきちんと決着をしておきたいというのは、これは我々にとりましてもそれは思いが強いのはもう正直な、一番被害の多そうなところですから、確かですけれども、しかし、このバンコ・デルタ・アジアの話をやったら本当にちゃんと約束どおり初期段階の措置をやるという保証があるかと言われると、これまでの経緯からいくとなかなかそこも信用できないじゃないかと。二月十三日の約束を二か月したらこれだけなったじゃないかと、またぞろという思いは国務省はもちろん我々もそこはありますんで、ここらのところは今、やる気はあるけれども、これやらせた結果こっちの所期の目的が達せられなかったら、財務省と掛け合ってやらせてこっちもうまくいかなかったらという思いがあるというので、そこらのところは一番悩みが深いところかなという感じはします。
  86. 白眞勲

    ○白眞勲君 正に今大臣がおっしゃいました中での、その初期段階の措置の期限からやっぱり一か月はもうたってしまったわけですね。北朝鮮にとってみたら、この北朝鮮の立場からすると、別に困ることは何もないどころか、どんどん核開発もどんどん行えるんじゃないかと、このままでもいいんじゃないかというふうな感じもあるのかなとちょっと思えるわけなんですね。そういう中で、ヒル次官補の対応が余りにもちょっと稚拙なんじゃないかというようなこともあったりして、これ韓国ではオオカミ少年じゃないのというようなことまで言われているようなことを言われているんですが、大臣はどうお考えですか。
  87. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) ちょっと他国の中の国務省と財務省、また国務省の中の人事評価までなかなか私どもとしていかがなものかと存じますけれども、いろいろ彼自身は悩み深いところ、交渉の直接担当者ですから。今のアメリカの国務省の中で、アジアにいて韓国大使をやった等々、アジアのことに関して、今度ネグロポンテが来ましたけど、それ以外はアジアに詳しいのは彼一人ということに基本的にはなりますので、ここに負荷が猛烈に掛かってきているので、しんどいところであろうなと同情半分、しっかりやれというのが半分ぐらいのところかしら。
  88. 白眞勲

    ○白眞勲君 また、当然中国に関しても、この制裁強化ということになると当然関係してくるわけなんですけれども、麻生大臣が四月十日のこの委員会で、中国がかなり国連制裁に間接的、直接的にいろんな形で協力してもらっていることは確かであると、こうお答えになっているわけで、ただ、余り日本には伝えられていないのも確かなんですね、我々一般国民にとって。  これ具体的にどの程度協力的なのか、ちょっとお答えいただけますでしょうか。
  89. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) なかなか言いにくいところですけれども、上から見ていて、通ります列車の数等々は明らかに減っております。
  90. 白眞勲

    ○白眞勲君 BDA問題が解決しない以上六者会合も開かれない感じだと思うんですけれども、こういう中でなかなか予想するというのも果たしてどうなのかというのはあるんですが、そうはいっても、これ六者会合開かれないのもちょっと心配なところなんですが、大臣としてはいつごろ開かれるというふうにお思いでしょうか。
  91. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) いつごろ開かれるというのは、本来でしたら六月には六者の閣僚会議をやる予定にするぐらいが二月の時点でしたので、そういった意味では、このまま何の進展がないという前提で考えるのと、何らかの進展があって一挙にというような話になった場合と、ちょっと二通り考えにゃいけませんと思いますが、何らかの進展があったとなった場合は、来月ぐらいにはその種の話があってもおかしくないと存じます。
  92. 白眞勲

    ○白眞勲君 逆に何の進展もない場合にはどうなっちゃうんでしょうか。
  93. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これはまたいろいろシミュレーションというか予想が立てられるところでしょうけれども、これによって当然圧力を更に強化していこうとする日本アメリカと、それに同調するかしないか分からぬ国がありますので、そことの間の交渉に、かなり打合せ、根回し等々にそれ進んだ場合と進まないときでは差があって、こちらの方が遅れるであろうなという感じはしますけれども、意外ともういいと言って乗ってくる可能性がゼロとはしませんので、ちょっとうまくいかなかった場合のときの予想の方がなかなか付きにくいかなと思っております。
  94. 白眞勲

    ○白眞勲君 今回沖縄にF22、これ防衛大臣にちょっとお聞きしたいんですけれども、が一時的に来ていたということですけれども、このステルス機と武器輸出三原則との関係で、大臣、この前、先日の私への答弁で、戦闘機なんかでも、例えば日本のこういう素材を使ったら非常に吸収力もあってステルス性が高いと御発言されているわけでして、ということは、今までBMDは武器輸出三原則の適用除外ということなんですけれども、今後は戦闘機の素材などを使った共同開発をしていくことも視野に入れて検討していこうということでよろしいんですね。
  95. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 別に、視野に入れると言いますと、何かそういうことについて前向きみたいな姿勢が取られるので、非常に最近は言葉を選びながら言っているんですけれども、要するにいろんな研究を日本としてもするべきだと思うんですよ。  ステルス性というのはどういうわけでステルス性なのか、要するに電波等を吸収しやすい素材を持っているからステルス性だと。そうすると、そういう素材の開発について日本としては考えなくていいのかとか、そういうようなことについてやっぱりもっと研究しないと日本の産業が遅れてしまうんじゃないかという、そういう心配がありまして、今はそういうことを言うことすらいかぬというんだから、そうじゃなくて、それは武器輸出三原則を変えるとか変えないかは、これは総合的に内閣として、あるいは政府・与党として決めていけばいいわけですけれども、そういうようなことの研究についてはもっとやってもいいんじゃないかという空気を、やっぱりみんなで議論し合うというのは必要じゃないかなと思っておりまして、それで私はあえてああいうようなお答えをしたわけであります。
  96. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうしますと、BMDのときのように、例えば、もしそれで開発ができて、猛烈に性能が良くて、ステルスの素材とか何かがですね、それで共同開発をしようじゃないかというふうに結論になったとしたら、第三国への輸出なんかも可能になってくるということについてはどうなんでしょうか。
  97. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これは先般、この委員会じゃなかったかもしれませんけれども、私がかつて防衛庁長官をしていたときに、中国に行って国防大学で講演をしたときに、向こうの教官から質問があって、日本がBMDを専守防衛のために造る、そしてそのときにアメリカ共同開発して造る、これはまあいいんですよと、しかし造られたやつがあちらこちらの国に売られていくということになると軍拡につながっていくんじゃないかという懸念を持つんですよと、そうおっしゃられましたから、我々としては、あくまで専守防衛のために今共同開発をしようとしているし、武器輸出三原則を堅持してやっておりますから、そう簡単に外国に共同開発したやつをオーケーですということにはなりませんから、まあ心配しないでくださいとそのとき答弁したんですけれども、そういう今おっしゃられたような問題も結構将来の問題としては出てくる可能性もありますから、だから慎重にしなけりゃならないという思いは非常にあります。  さりとて、日本がそういうような研究を単独だけでやれればいいですけれども、やっぱり実際使われているような国と一緒になって研究しないとそういう開発については遅れてしまうという、そういう心配もありますから、そういうような心配性を吐露したのが先生に対するこの間の答弁だったと、そう理解していただければいいわけで、今直ちにそういうような方向に向かっていきたいということをはっきり言っているわけじゃないということもあえて言わさせていただきます。
  98. 白眞勲

    ○白眞勲君 そう言いますと、共同開発を仮にした場合には、海外、第三国への輸出はこれは別問題としまして、いわゆる安く戦闘機も買えるじゃないかということなんですよね、結局は。
  99. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それは、共同研究したりあるいは共同開発しますと、その分については少なくとも知見といいますか知的財産権というのは我が国も持つわけになりますから、それは非常にコストダウンにはつながってくると思っております。
  100. 白眞勲

    ○白眞勲君 ずっと御答弁の方を聞いていますと、やはり緩和に向けた発言での問題提起というふうな位置付けなのかもしれませんけれども、片や官房長官は繰り返し慎重姿勢ということを崩していない。それに対して、久間大臣は私への答弁で、前回、私が官房長官の立場だったら同じような発言をしたと思いますねと、こうおっしゃった。  ということは、今は官房長官は言えるけど防衛大臣だから言えないんであって、何かこれってちょっと閣内の不一致のような感じもしなくはないんですけど、その辺はどうなんでしょうか。
  101. 久間章生

    国務大臣久間章生君) いえ、決してそうじゃなくて、内閣の方針としては、武器輸出三原則を堅持しますという、そういう方針を今でも持っていますし、私も閣僚の一人としてはそういうような立場でおるわけであります。  しかしながら、研究とかそういう研究開発に向かってのいろんな議論とか、そういうのをしていいかどうかという話はまた別でありまして、ちょうど集団的自衛権の問題も含めた自衛権の問題についての議論をやっぱりやるということと、現在まで取っている政府の解釈を変えるかどうかの話は別ですから、それと同じように、研究する分については、議論する分については私はしていいんじゃないかというふうに思うわけです。  議論することによって、例えば核保有論についての議論をすると、それは誤ったメッセージを与えるから、それは私はすべきでないという本音はありますけれども、そうじゃなくて、こういう問題については議論はやっぱりしないと、さっき言ったように、我が国の基礎産業といいますか、産業の技術力といいますか、そういうのがよその国に比べて遅れたらいかぬという、そういうことが気になるわけです。十年前に技術研究をしましょうよと、ミサイルについてはということでやり出して、それから開発まで行ったのは五年ぐらい掛かっているわけですから、十年は最低、配備したのも十年後ですから、そういうふうなことを考えますと、そのときになって研究しようと言ったのでは遅いというような気もいたしますから、私は素材産業を含めて、いろんなことをやっぱり議論をすることはいいんじゃないかなと思っております。
  102. 白眞勲

    ○白眞勲君 確かに、何か今後F22も買うとなったら物すごい金額だと。この前イーターのことでここでやったときにも一千億ぐらい、一千億もすごい金額なんですけれども、F22の台数にしたら四機ぐらいしか買えるかどうかという金額になるわけですから、どう安く武器を購入するのかということについての研究ということについてはやはりこれからもしていくべきだとは思いますけれども、それは単に共同開発ということもあるかもしれませんけれども、私が前から申し上げているような、いろいろな安く海外からの調達をするための工夫というものも同時に並行してやっていきながらこういう御発言をされた方がいいんじゃないのかなというふうに私は思うんですけれども、その辺いかがでしょうか。
  103. 久間章生

    国務大臣久間章生君) このポストにおる間はもう発言しちゃいかぬということになりますと、そういう新しい技術の芽の分野において、芽が出ようとしているような分野において研究が遅れてしまっていいのかという、そっちの思いがございます。  だから、ステルス性の問題もそうですけれども、例えばNBC、バイオなんかの関係でも、やっぱりもっともっといろんな無害化するような技術とかいうのを日本が開発したならば、それについてはもっと先へ進めていいんじゃないかというふうな、そういう思いもあります。あるいは、例えばある大学で純度が九九・九九の鉄を作り出したところが、それは物すごい効果を持っていると、しかしながら一トンぐらいしか今できないという話でございますけれども、これもしかし場合によっちゃ武器として潜水艦なりなんなりに使うとすればどうなんだということになってくると、そういうような研究をするとほかの民生のいろんな形に将来は転用されていくようなこともあるだろうと。  そういうような研究について日本だけでやらなきゃならないというふうに縛りを与えてしまっていいんだろうかという思いが根っこにありますので、私は、議論は皆さんもっとやったらいいんじゃないでしょうかということを提供しているわけでありますんで、そこのところの真意を知っていただきたいと思うわけです。
  104. 白眞勲

    ○白眞勲君 それでは、この法案の具体的な条文についてちょっとお聞きしたいと思います。  今お配りした紙があるかと思います。これは、もちろんこの第一条、正にこの法律の第一条の目的の部分をばっとコピーしてお渡ししました。  まず、防衛大臣にお聞きしますけれども、私驚いたんですね、趣旨説明は元々この第一条とほとんど同じような文章だったわけですけれども、失礼ながら、私、よく大臣がこれちゃんと読めるなと思ったんですね。というのは、読んでいて気付きませんか、これ。大分読みにくいんですよ、これ。句読点の中の丸ないんですね、これ。これ第一条、この文章、これ第一条と今趣旨説明文章と同じなんです。文章的に丸がない文章ってほとんどおかしくないですか、これ。大臣、どう思いますか。
  105. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これは確かに文章的には簡明でないかもしれません。というのは、法律を作るときにどうしても法制局と一緒になって議論しますけれども、今度の場合は、このいろんな掛かってきます言葉が、例えばこの当該周辺地域を含む地域の一体的な発展に寄与するための特例の措置を講じという、これを説明するためにずっと長くそれまでに行くというような、そういうことになりまして、本当にそういう点では読みづらい文章になったんじゃないかなと思っておりまして、我々としても申し訳ないと思っております。
  106. 白眞勲

    ○白眞勲君 これは四月一日の日本経済新聞の第一面の一番下の部分の「春秋」という、あのいわゆる「天声人語」みたいなところにこの文章のことが書いてあるんですね。ちょっと読みますね。在日米軍再編特別法案という名前の法案が国会に提出されている。中身を読むと驚く。第一条の条文の長さだ。点を含めて三百四十以上の文字が続く。ちょっとはしょりまして、とても一息では読み通せない悪文である。仮に今日そんな文章を、四月一日ですね、ここに書けば、エープリルフール用で何か魂胆があるのではないかとすぐに見透かされてしまうと書いてあるんですよ。分かりにくい法文をわざと書く官僚たちには当然ながら魂胆がある。法案を審議する国会議員を煙に巻き、自分たちが法律の解釈権を握るねらいだというふうに書いてあるわけなんですね。  正に私、こういう法案、それは法案はいろいろ難しい法案あるにしても、やっぱり国民に分かりやすい法案を作るのはこれ当たり前だというふうに思うわけなんですね。  じゃ、丸と点の付け方が何でこんななんだと。私、ここに小学校二年のこの「たんぽぽ」という教科書を持ってきたんです。これ国会図書館で頼んだら、何でこんな小学校二年の教科書を持ってきたんですかと言われたんです。でも、ここには、学習指導要領には句読点やかぎの役割を知り、使い方に注意すると書いてあるんですよ。小学校二年なんですよ、これ教えているのが。  つまり、防衛省の文章能力というのは、これちょっとお聞きしたいんです、小学校二年以下なのか、あるいは日経新聞の指摘にあるように、法案を審議する国会議員を煙に巻くために自分たちが法律の解釈権を握るねらいがあるのか、これどちらなんでしょうか。
  107. 久間章生

    国務大臣久間章生君) そのどちらでもありません。
  108. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうすると、こういう文章はもう今後やめてほしいと思うんですが、いかがですか。
  109. 久間章生

    国務大臣久間章生君) やめれればやめるにこしたことないんですけれども、これは別に煙に巻くためでもなくて非常に幼稚なためにこうなったわけでもありませんで、非常に丁寧に説明しようとするとこういう形になってしまっているわけでありまして、この第一条の目的を丁寧にといいますか、分かりやすく言うと非常に誤解を受けまして、実はそういう点が非常に困るわけですが。  ここの場合はとにかく、寄与するための特別の措置を講じ、あるいは国際協力銀行の特例等を定めて円滑な実施に資することという、この二つだけなんですね、これは。特別な措置を講じることと国際協力銀行の特例措置を作る、この二つによって円滑な実施に資することを目的としますと、これだけなんですけれども、その特別の措置というのは何かということをだっとやっぱり丁寧に法律家に作らせますとこういう文章になってしまうということでありまして。  だから、そこのところは、分かりやすく言うと、はしょってしまうと逆に誤解を呼ぶものですから、丁寧に、法制局的に言わせればこういうような書き方になったということでございますんで、そこはひとつ、余りできのいい文章じゃないと思いますけれども、やむを得なかったというふうに御理解していただきたいと思うわけであります。
  110. 白眞勲

    ○白眞勲君 できのいいやっぱり文章を作っていただかないと、法案というのはよくないと思うんですよ、私は。確かに今大臣の今の説明はすごい分かりやすいんですよ。ですから、そういう言い方を、ちゃんと点と丸をきちっと付けて読まないと、私一回これ、いやこれ日経新聞に書いてあるからじゃないですよ、私。読んでみて分からないんですよ。だから、親切に書こうと思ってそういうふうにやったのかも知らぬけれども、結果的に分からなければ分からない文章になっちゃうんです、これ。やっぱりそこはよく推敲していただきたいなというふうに思うわけですけれども。  その中で、JBICさんにお聞きいたします。  今回の駐留軍再編促進金融業務に関して、どれぐらいの人員と予算を付けるおつもりなんでしょうか。
  111. 星文雄

    参考人(星文雄君) まだその辺については、法律が通ってから検討させていただくことになると思います。
  112. 白眞勲

    ○白眞勲君 でも、何か付けるでしょう。何人か付けるわけですよね。何か予算は付けるわけですよね。全くゼロということじゃないですよね。
  113. 星文雄

    参考人(星文雄君) 私どもとしては、適切なそういう予算措置がとられるよう政府にはお願いしていく所存でございます。
  114. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、必要だということですね。人員と予算は必要だということでよろしいですね。
  115. 星文雄

    参考人(星文雄君) 今後その法律を見て、最終的なスキーム等を見さしていただいて、それからそういう措置が必要かどうか考えていきたいと思っております。
  116. 白眞勲

    ○白眞勲君 ということは、今後考えていくんであって、予算ももしかしたら人員も必要ないということもあり得るということでしょうか。
  117. 星文雄

    参考人(星文雄君) こういう事業をやっていくということが国会で決定された場合には、全く何も要らないということにはならないと思います。
  118. 白眞勲

    ○白眞勲君 私は当たり前だと思うんですね、事業をやるんだから。当然何か必要だと、それをおっしゃっていただけりゃ私はいいと思うんであって、余り難しい話をしなくて私はいいと思うんですよ。いや、それは何か必要ですよということだと私は思うんですね。  ところで、そのJBICは何のためにあるんですか。
  119. 星文雄

    参考人(星文雄君) 私どもは、我が国の対外的な政策金融を担う一元的な機関として投資、輸出、輸入等の金融をやっております。
  120. 白眞勲

    ○白眞勲君 その目的は何ですか。
  121. 星文雄

    参考人(星文雄君) 日本からの輸出、それから日本への必要な物資の輸入、それから日本企業の海外への投資の支援、それから資源の確保、そういうことを主たる目的としております。あと、もう一点申し上げますと、国際金融秩序安定のための融資も行っております。
  122. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、国際協力銀行法の第一条の目的に沿ったことをやっているということでよろしゅうございますね。
  123. 星文雄

    参考人(星文雄君) はい、そのとおりでございます。
  124. 白眞勲

    ○白眞勲君 今回の法案を見ますと、その第十六条に、JBIC法の第一条の規定にかかわらずと書いてあるわけなんですね。これ、今正にJBIC、星さんおっしゃったように、このJBICの第一条が目的であるわけですよ。その第一条の目的に対して、今回のこの法律は、第一条の規定にかかわらずと書いてあるんですね。  これ、一番大切な第一条を抜いちゃったら、JBICとしての意味なくなるんじゃないんでしょうか。JBICさん、お答えください。
  125. 星文雄

    参考人(星文雄君) これは私が答えるべき性格のものかどうか、法律上の問題でもあり、ちょっと判断いたしかねます。
  126. 白眞勲

    ○白眞勲君 じゃ、防衛省、お答えください。
  127. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 従来のJBICの目的に新たにこの分を付与したという、そういうようなことでありますから、従来持っていたJBICの目的外であると、今度の事業はですね。それをJBICに付与したというような、そういう法律の特例だと、そういう認識を持っております。
  128. 白眞勲

    ○白眞勲君 今、法律の特例だというふうに大臣おっしゃったんですけれども、JBICの業務の特例といっても、これ、大臣の御発言では五十年ぐらいのスパンで貸していくんだということになりますよね。つまり、半世紀ですよ。JBICとともにこの特例というのは半世紀もあるということは、これはもう特例じゃないんじゃないかと私は思うんですね。JBICの本来のもう業務の目的になっていくのが普通なんじゃないんでしょうか。これ、特例じゃないと思いますけど、いかがでしょうか。
  129. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 本来、事業主体というのは一般的なことをやるわけですけれども、特別の仕事としてそれを与えられて、そしてそれをやったその後の維持管理あるいは回収をやるというのを別経理でずっと特例としてやっていく場合は、それは特例であったとしても年数が続くのは、これはやむを得ないことじゃないでしょうか。
  130. 白眞勲

    ○白眞勲君 防衛省にお聞きいたしますけれども、駐留軍移転促進事業で資金の貸付けが行われるんだと思うんですけれども、利子はどれぐらい取る予定でしょうか。
  131. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) その点についても、いろいろ住宅の建設とかその中身によって、今後、JBICの監督の下、SPEなりが、JBICがまた判断されていろいろ決めていくと思いますので、現時点で利子がどの程度かというのはお答えできないという状況でございます。
  132. 白眞勲

    ○白眞勲君 無利子のケースというのは想定されていますか。
  133. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 基本的には利子を取るということにはなるかと思うんですけれども、SPEとの関係で、SPEの会社の性格というのをいろいろ勘案した上で現実には決められることになるかと思います。
  134. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、利子を取らないケースもあるということですね。
  135. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 状況で、現時点ですべて利子を取るか利子を取らないケースがあるかについては断定できないわけですけれども、いずれにしても、今後日米間で調整して住宅建設の具体的な状況が決まったときに、そういう利子の問題についても整理されることになると思っております。
  136. 白眞勲

    ○白眞勲君 私が聞いているのは、利子を取らないケースがあるかどうかを聞いているんですけれども、イエスかノーかぐらいでしか答えられないと思うんですので、いかがですか。大臣、お答えください。
  137. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 利子を取らないといいますか、要するに無利子融資ですね、無利子融資のケースもあり得るという認識はありますけれども、財務省とはこれから先またこの問題については詰めなきゃなりませんから、あるとかないとか今の時点では答えられないというのが防衛省としての立場であります。
  138. 白眞勲

    ○白眞勲君 JBICさんにお聞きいたします。  JBICの業務の中で利子を取らないで貸し出している例はありますか。
  139. 星文雄

    参考人(星文雄君) 現在ございません。
  140. 白眞勲

    ○白眞勲君 財務省にお聞きします。  世界の銀行で無利子で貸し出している金融機関がありますでしょうか。
  141. 玉木林太郎

    政府参考人玉木林太郎君) 適切な例か分かりませんが、例えば国際開発協会、これは国際開発金融機関ですが、第二世銀と言われている国際開発協会は、貧困国に対して無利子で貸し付けております。ただし、その場合〇・七五%の手数料を徴収している例があると承知しております。
  142. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうしますと、アメリカは貧困国ですか。
  143. 玉木林太郎

    政府参考人玉木林太郎君) ただいまの例で申し上げた第二世銀の場合には、もちろんアメリカは融資の対象国では元々ありませんので、その対象にはなりません。
  144. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、私が聞いているのは、アメリカは貧困国ですかということです。
  145. 玉木林太郎

    政府参考人玉木林太郎君) この世界銀行の定義に従えば、貧困国ではございません。
  146. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうすると、貧困国じゃない国に、あるいは企業でもいいですけれども、世界的に見た場合に、これは局長さんの今の知識でいいですよ、銀行で無利子で貸している例はありますか。
  147. 玉木林太郎

    政府参考人玉木林太郎君) 今申し上げた例は国際機関の例ですが、それ以外の民間の金融機関が貸し付けているケースについて私は十分知識を持っているかどうか疑わしいんですが、恐らく極めてまれなケースだと思います。ほとんどあり得ないケースだと思います。
  148. 白眞勲

    ○白眞勲君 財務省さんの知識で、局長さんの知識でほとんどないと言うんですよ。  じゃ、もうちょっと財務省さんに聞きたいんですけど、じゃ無利子で五十年間融資するのは世界的に見て非常識でしょうか。
  149. 玉木林太郎

    政府参考人玉木林太郎君) ただいま申し上げた第二世銀の例、IDAといいますが、国際開発協会の例で言えば、これは貧困の撲滅、削減という政策目的に沿って、無利子で四十年間の貸付けをしております。
  150. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、ですから、国際的な貧困の解消じゃなくてもいいですから、五十年間無利子というのは常識的にあり得るんでしょうかということを聞いているんです、私は。
  151. 玉木林太郎

    政府参考人玉木林太郎君) 常識的という意味がちょっと測りかねますが、政策目的次第ではあり得るのかと思います。
  152. 白眞勲

    ○白眞勲君 その政策目的というのは貧困国に対しての政策目的だと思いますけど、今まで例はあるんでしょうか。
  153. 玉木林太郎

    政府参考人玉木林太郎君) 少なくとも私の知る限りで現実の制度となった最も長い例がこのIDAの四十年ではないかと思っております。
  154. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうしますと、今回五十年の無利子で先進国に融資するということになると、これは初めてのケースだと。財務省さんの局長さんの考えではそういうふうになるわけですね。
  155. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 今五十年という話が出ましたけれども、JBICに対して五十年ということを決めているわけじゃありませんで、アメリカの例では、住宅に入っている人から回収するのに、日本で言う住宅資金ですね、そういうのが五十年で返還をしている例があるということを言っているわけでありますから、この貸したやつをどういう、早く、そんなに五十年は持てないと、三十年で回収するとか、そんなのも含めてこれから先はいろいろ議論するわけでありますから、そのときに、今みたいないろんな例を念頭に置きながらこれから先詰めていくわけで、我々としてはそういうような可能性を全部否定するんじゃなくて、そういう可能性の道は残しておきますけれども、それがどういうふうに詰まっていくかはこれから先の国内での交渉であり、また国外のいろんな例とのバランスの問題、そういうことも考えながら、それと同時に、今度の場合はこういう特例まで作ってある目的を達しようとする目的との関係でどうなのか、そういうことについてまた議論をしていただきながら決めていこうと思っておりますので、スキームが決まった段階ではきちっとした方法を出せますし、そのときはまたそういうことについての説明もしなきゃならないと思っております。
  156. 白眞勲

    ○白眞勲君 大臣のお答えというのは極めて当然だと私は思っております。  今のスキームで私たちの認識している例ですと、例えばの話ですけど、五十年ぐらいの長さのスパンで無利子の融資をすることもあり得るんだというふうにも取られかねないんですよ、これは。それについて、どう見ても、今財務省さんからのお話ですと、財務省さんの知識を超越した内容になっているわけで、これはちょっとやっぱり常識逸脱しているんだと、それを踏まえてこれからもやってもらいたいというのが私の気持ちなんですよね。  ですから、その中で、JBICさんにちょっとお聞きします。今後、これから株式会社になりますよね。株主だれになりますか。
  157. 星文雄

    参考人(星文雄君) 政府でございます。
  158. 白眞勲

    ○白眞勲君 これ、株式会社って、これは会社法による株式会社ですよね。
  159. 星文雄

    参考人(星文雄君) そのとおりでございます。
  160. 白眞勲

    ○白眞勲君 一般的に言って、銀行が無利子で貸す、これって完全に損害を出すわけですよね、無利子で貸した場合には。これ、株主怒りますよ、これ、普通は。会社に損害を与えるということでいえば、会社法で言うと背任や株主代表訴訟にはなりませんか。株主に対して損害を与えるということは、ひいては日本国民に対して損害を与えることになりませんか。JBICさん、お答えください。
  161. 星文雄

    参考人(星文雄君) 先生の理屈でいくと、確かに利益は、利益というか損失が出ることになります。したがって、意図的に損失を出したということであればそういうこともあるかと存じますけれども、その辺は、政府が株主でございますんで、最終的には政府の御判断になるかと思います。
  162. 白眞勲

    ○白眞勲君 今非常に重要なことをおっしゃいました。意図的に損失を出した場合には、正にそうだと思うんです、私は。これ、意図的に損失を出す可能性があるんですよ、無利子の場合は、JBICがやった場合に。これ株式会社ですからね。それについて、大臣、どういうふうにお考えになりますか。
  163. 久間章生

    国務大臣久間章生君) JBICに対してまた出資をする場合もありますので、そういうようなこととの絡みでJBICに赤字を出させるようなことのないようにしなけりゃならないと、それは思っております。
  164. 白眞勲

    ○白眞勲君 出資をするといっても、最終的にJBICが無利子の融資をした場合には、これは赤字になるのは間違いないんですよ。出資ということと、それは無利子で仕事をさせているわけですから、それで赤字にしてしまったら出資とは関係ないわけなんですね、これ。それを補てんさせるということになったら、やっぱりそれは税金で補てんしている形になるんじゃないんでしょうか。
  165. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 今回のことにつきましては、政府がJBICを利用するという形を取っておりますけれども、JBICにこれは赤字を負担させるというわけにはいきませんから、そこは政府の責任で償わなければならないわけでありますんで、だから、その出資の部分とあるいはまた融資の部分の、融資なら融資の利息の部分とあるいは回収する利息の部分、そういうやつの全体の仕組みをどういうふうに構築していくか、それがこれから先我々に課せられた、我々だけではなくて財務省も含めて、あるいはJBICも含めてみんなで考えていく問題だと思っておりますし、そのためには、さっきから何回も言っていますように、そのコストを、建築コストをやっぱり下げていくという、これについて努力をしなければいけないというふうに思っております。
  166. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうしますと、やっぱりその辺のスキームきちっとして、これ株式会社なんですよ、JBICは。JBIC、株式会社になるんだったら、その辺ちゃんと黒字化になるような形でやっていくのがこれは筋だと思いますけど、その辺はいかがでしょうか。
  167. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 政府の関係する、株式会社に将来なるとしましても、今の段階では政府の関係銀行でございますんで、黒字にしなきゃならないということまでは言えないかもしれませんが、赤字にさせちゃいけないと、これは言えると思います。
  168. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、これは赤字にさせるとか黒字にさせるとか、それは当たり前ですよ、黒字にさせるのは。企業になるんですから、これは。ですから、収支とんとんにしていく程度にしていかなきゃいかぬといっても、結果的にはこれは赤字になるんですよ、普通、お金だけ見ると。というのは、人件費とか電話代とかいろいろなものが絡んでくるんです、これは。JBICがやるということになれば、JBICの中で。今も最初にJBICの星理事がお話しされているんですから、それはやっぱりよく検討していただきたいというふうに思います。  もう一つ、ちょっとこの前の御答弁で、GSOMIAについてお聞きしたいと思いますけれども、そのとき北米局長の御答弁では、この協定は我が国国内法令の範囲内で実施可能な内容とすることとしておりましてというふうに言っているんですね。これ、締結に当たっては国会の承認が必要となるような条約とすることは想定していない。そうすると、GSOMIAの中で現行法で対処できる部分しか協定は結ばないという意味合いなんですか、この御答弁は。
  169. 西宮伸一

    政府参考人(西宮伸一君) ただいまの点についてお答えいたしたいと思います。  本協定は秘密軍事情報の取扱いの方法であるとか提供のための具体的な手続を明確化することを目的とするものでございまして、その内容につき大体実質的な意見の一致を見たものでございますけれども、我が国の既存の法令法律、政令、省令を前提として、その範囲内で締結するといった内容になるということでございます。
  170. 白眞勲

    ○白眞勲君 ということは、ほかの国と今回結ぶGSOMIAの内容は違うんですね。
  171. 西宮伸一

    政府参考人(西宮伸一君) GSOMIAは、アメリカが様々な国、六十か国ぐらいだというふうに存じておりますけれども、締結している協定でございますけれども、日本が締結するものとしてはアメリカとの一つだけでございますので、なかなか比較はできないと思います。
  172. 白眞勲

    ○白眞勲君 それは変な答えですよ。ほかの国と結ぶGSOMIAと日本とのGSOMIAは、アメリカがほかの六十か国と結んでいるGSOMIAと比べて違うんですかということを聞いているんですよ。
  173. 西宮伸一

    政府参考人(西宮伸一君) 日本の現行の法令の範囲内で結ぶということでございますので、その意味では内容的には違ってくると思います。
  174. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうしますと、今後、仮に現行の国内法令でいう、例えば日米相互防衛援助協定ですか、に伴う秘密保護法とか自衛隊法、国家公務員法などによる守秘義務規定や罰則が、これ、仮にですよ、国内法上強化されたというふうにいった場合には、それに伴ってGSOMIAの内容も実質的に強化される可能性もあるということですね。
  175. 西宮伸一

    政府参考人(西宮伸一君) 仮定の質問でございますけれども、今のGSOMIAの締結がされた後に、この協定の目的でありますところの秘密軍事情報の保護に影響を及ぼすような国内法令、今の御質問の場合でいいますと、我が国の日本国内法令に改正などが行われた場合におきましては、アメリカ側にその改正の内容を通報し、場合によっては協定の改正につき検討するように協議をするといったような段取りになってくるのではないかと思います。
  176. 白眞勲

    ○白眞勲君 それ、すっごい問題だと私思うんですね。つまり、まあこれちょっと悪く思えばですよ、国会承認をしたくがないために、今のところは現行法令の範囲内でGSOMIAの締結をしながら、今後、日本法律の内容を強化したら、それに伴ってGSOMIAの内容も実質的に強化していくということじゃないですか。今そういうふうにお答えになっているわけですよ。これはつまり、国会承認条約の基準、昭和四十九年のいわゆる大平三原則の形骸化につながりませんか。
  177. 久間章生

    国務大臣久間章生君) いや、そういうふうに取られますとまた非常に、逆に今度のGSOMIAが強化につながっていくと取られますんで、そうじゃないんであって、国内法を変える場合は、このGSOMIAを結んだから変えるんじゃなくて、ほかの要因でいろいろと、例えば今国家公務員の罰則が軽いんじゃないかとかいろんな話がされておりますから、そういうのについて強化されたときに、また国内法に従ってこのGSOMIAは、何といいますかね、それにのっとってやるだけの話ですから、こっちをやったから強化されるということにはならないわけで、そこのところの誤解のないようにしていただきたい。  今、先ほどの答弁ありながら、そういうふうに誤解されるおそれがありゃせぬかなということを大変気にしました。今度のやつはそういうことにはなっておりませんので、このGSOMIAの場合は手続とかそういうことをむしろ今までとちょっと変えるといいますか、もっとそれを一般化するということでありますんで、内容については、刑罰規定については従来の法令、省令も含めてそのままですので、そこのところはひとつ誤解されないように注意しないといけないと思っております。
  178. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、それ、今のお話ですと、やっぱり同じなんですよ、内容は。つまり、今の現行法の中でのGSOMIAだけれども、現行法がこれ別の要件で強化されたら、それに伴ってGSOMIAを上げると今言ったでしょう。そういうふうに局長さんおっしゃいましたよ。ですから、それ、今全然誤解なくないですよ、それ。問題ですよ、それは。どういうことなんですか、これ、大平三原則を逸脱したことになりませんかって聞いているんですよ。
  179. 西宮伸一

    政府参考人(西宮伸一君) 国内法を改正するという予定があるというふうには承知しておりませんけれども、GSOMIAは、あくまでも日本が持っている国内現行法の範囲内で、日米で秘密軍事情報のやり取りの仕方、例えば相手国と同等の保護を与えるであるとか機密指定をそろえるとか、そういった手順を定めたものでございます。  他方、仮に国内法の改正が行われるということであれば、それは当然国会の御審議を経てその部分が変わるというふうなことだと思います。
  180. 白眞勲

    ○白眞勲君 ですから、同じことを答えていらっしゃるじゃないですか。今北米局長さんがおっしゃったのは、今も私が申し上げたように、国会承認を、悪く言えばね、したくがないために現行法の範囲内に今のところはとどめておいて、今後法律の内容を強化しつつ、GSOMIAも実質的に強化していこうじゃないかということにつながらないのかということなんですよ。つまり、国会承認条約の基準の昭和四十九年のいわゆる大平三原則の形骸化につながりませんかということを私は言っているんですよ。それに対して全然答えていないじゃないですか。いや、それは国内のあれがむにゃむにゃだからその場合は何とかだという、結局そうじゃないですか。
  181. 西宮伸一

    政府参考人(西宮伸一君) 今申し上げた現行法令という、範囲内というのは、現行法令というのはもちろん取決め締結時の現行法令のことを申し上げているわけでございます。  他方、御質問でGSOMIAの改定後に何らかの国内法令の改正がなされた場合の考え方ということでございましたので、協定下で影響を及ぼすような改正が行われた場合には、アメリカに通報の上、あり得べき協定の改正につき検討する協議をすると。
  182. 白眞勲

    ○白眞勲君 極めて問題が大きいというふうに私は思いますけれども。  ここで防衛大臣にちょっとお聞きしますが、GSOMIAはこれすべて公開するんですよね。
  183. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それは公開、行政協定ですから、秘密協定じゃありませんので、公開すると思います。
  184. 白眞勲

    ○白眞勲君 それでは、次にちょっとお聞きしたいと思うんですけれども、2プラス2を見ると、グアムの環境アセスメントに対するコメントというのはあるんですね。ところが、日本の普天間についてはないような感じなんですね、この2プラス2の文書の中にですね。これはなぜですか。
  185. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 今回の防衛首脳会談、あるいは2プラス2でも具体的に個別の話はほとんど出ていないわけです。進捗状況について触れた部分はございましたけれども、昨年のロードマップに従ってやってもらいたい、やりましょうという、そういう合意でありまして、普天間がどうだとか岩国がどうだとか、そういう中の話については一切話は出ておりませんので、そういう意味で、ちょっと報道等についてのあれが、言い方がちょっと違っているなという感じを受けましたが、そこに書いているとおりであります。
  186. 白眞勲

    ○白眞勲君 もう一つ、この2プラス2においてミサイル防衛の状況というののロードマップ、記載されておるわけですけど、これ、どのように今後肉付けしていくつもりなんでしょうか。
  187. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これは情報共有、あるいはその前提としての情報の提供、これについて日米双方でもう少し具体的なやり取りをしていこうじゃないかと、それをある程度スケジュールを追いながらやっていこうという、そういうことを私の方から提案したわけでありまして、今具体的にこうだということはございませんけれども、これから先、やっぱり特にミサイル防衛等については、あるいはミサイル防衛だけではありませんけれども、情報の交換というのは非常に必要になってくるんじゃないかなと思っております。
  188. 白眞勲

    ○白眞勲君 大臣は、バッジシステムの情報、これをアメリカに提供するおつもりだということを聞いているんですけれども、どのような情報で、どのようなスケジュールでお渡しする予定なんでしょうか。
  189. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 今後、正に2プラス2の中で、委員御指摘のように、日米間の、米軍自衛隊で運用協力を深める上で情報協力が重要であるということで合意しました。その関係で、今後、その情報共有についてもちゃんとロードマップを作って相互にどういうふうに提供していくかについても確認していこうということになっております。  ただ、今御質問の具体的にどういう情報交流の仕方をしているかというお尋ねに対しては、日米双方の情報の関係もございますので、ちょっと細部は明らかにできないんですけれども、適宜、例えば航空自衛隊の保有するバッジ情報についてはアメリカ側にも提供していくということで考えておるところでございます。
  190. 白眞勲

    ○白眞勲君 大体、今、大古さんは検討をしているんだということだと思うんですけれども、検討検討じゃなくて、大体いつごろぐらいまでに大体この辺りのロードマップというのを決める予定なんでしょうか。
  191. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 具体的にいつまでにこのロードマップを決めるかということについても、今後日米間で話し合っていきたいと思っております。  ただ、航空総隊の司令部が今の府中から今、横田に移るということが決まっておりまして、その中で統合調整のための施設を造ることになっておりますので、そこの中で日本防衛のためなりに情報協力の共有というのはちゃんとする必要があると思っていまして、そういう時点が一つのめどかなと思っているところでございます。
  192. 白眞勲

    ○白眞勲君 今、バッジシステムの提供という関係もありましたけれども、当然それはアメリカに対して見返りと言っちゃなんですけれども、やっぱりアメリカからもいろんな情報をいただく必要性というのが私はあると思うんですね、これはギブ・アンド・テークというのが日米同盟の基本であるわけでしょうから。そうすると、まさかということじゃないんですけれども、ミサイル情報をもらうためにバッジシステムの情報を渡したということではないですよね、これ。
  193. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これをもらうためにこれをやったということじゃなくて、日米双方がこの日本を取り巻く安全環境の中でこれから先どういうふうにやっていくのか。先ほどのほかの質問に答えましたように、役割任務能力というのについての今この共同作業をやっておりますが、その一環として情報についても双方で一体的な運用はしていくべきじゃないかという、そういう流れの中で話をしているわけでございますので、いろいろ、まだ今のバッジシステムだけじゃなくて、ほかの細かいこともあろうかと思いますので、特に航空については航空総隊が今度は横田に移りますから、そして一緒になってそのそばで統合運用を、まあ統合運用と言ったらまた誤解があるかもしれませんが、両方が協力を密にして調整をやっていこうとしますと、それに必要なものについては相互がやっぱりお互いもう共有するというようなことになっていかないとうまくいかない点があろうかと思いますので、その辺、その移る、その辺の時期を念頭に置きながら詰めていきたいなと思っております。
  194. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうしますと、今後、航空の分野で、アメリカの戦闘機と日本の戦闘機が編隊飛行してどこかに飛んでいくということはまさかないとは思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
  195. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 今でも共同訓練というのはやっているわけでありまして、日本国内あるいは日本の領空、そういったところでのいろんなことはあるかもしれませんし、あるいはアメリカの領空でやることはあるかもしれませんが、とにかく、今、白先生がどこを念頭に置いて言われたのか知りませんけれども、そういった他国に行って共同で編隊飛行をするということはまず想定しにくいんじゃないでしょうか。
  196. 白眞勲

    ○白眞勲君 最後の質問になりますけれども、大臣の訪米時に何かアメリカからこんなものを提供するよと、こういった情報は提供していくよ、これから、というようなことが、新しいもの何かありましたか。
  197. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 特別それはございませんでした。
  198. 白眞勲

    ○白眞勲君 終わります。
  199. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 午前中、あと二十分ですから、国際法上の関係を少し伺ってまいりたいと思います。  まず、2プラス2、先ほど議論が出ましたロードマップということですけれども、これは国際法上どういう文書になりますでしょうか。
  200. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 国際法上というお話でしたけれども、これはいわゆる国際的な約束事ではありませんので、これは日米両国政府の意図というものを表明したという文書ですので、いわゆる国際公約とか約束とかいうものではありません。  したがって、このロードマップによって、何というんですか、国際法上の権利とか義務というのを負うというわけではございません。
  201. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 権利義務は負っていないということで、政治的な信義的な義務があるというようなことになるわけですね。ロードマップで書かれていることには今国際法的には義務がないけれども、政治的、外交的な信義誠実の原則に従って守っていかなければいけないと、そういう文書だという理解でよろしいですか。
  202. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 基本的に、今おっしゃったように、いわゆる両国政府の意図を表明し合ったということでありますので、今そのことが政治的というんであれば、今、浅尾先生のおっしゃったということになろうと存じます。
  203. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 このロードマップにいろんな数字書かれていますけれども、これ上限だと様々な委員会で御答弁をしていただいておりますけれども、上限とされるその根拠というのはどういうところ、根拠はどういうところにあるんでしょうか。
  204. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは日本がいわゆる、何というか、第三海兵隊か、第三海兵機動展開部隊と言われるもののグアムの移転に関して、グアムに移転しますと、グアムにおけます施設とかインフラの整備のためにいわゆる直接的には二十八億ドルを財政支援しますという話で、六十・九億ドルを提供する旨の意図を表明したということでありまして、いわゆる財政支出の真水と言われる、よく表現の、上限が二十八億ドルということになっておるということにつきましては、これは昨年の五月のたしか2プラス2において確認をされておるということであります。
  205. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 いや、私の質問は、それが上限だというところの根拠は何かあるんですか、それ以上増えないという。
  206. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは、たしか私の、今、これ正確な記憶ではありませんけれども、その現場にいたときには、これはもう三十何億ドルからスタートして、品のいい表現じゃありませんけれども、小切ったというのが正確な表現なんだとは思いますけれども、二十八億ドルまで、ずっとあったものがだんだんだんだんこうなって二十八億ドルが限度だと、ここまでだというのであの話をして共同でどこかで発表したんで、文書に残してはいないと思いますんで、私ども事あるごとに二十八という話はよく向こうに、忘れられたり人が替わると困りますんで、あの二十八という数字はよく使う数字であります。
  207. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 その二十八億ドルにしてもさんざんいろんな、予算委員会等で指摘をいたしておりますが、かなり高いというふうに思います、中身に対してですね、造るものに対して高いということ。まあそれは後ほどやりますが。ですから、それを上限とするということは、かなり高い上限があるなということだけは指摘をさせていただきたいと思います。  次に、この今回の法律に基づいても、具体的な金額というのがなかなか出てきていないということだと思いますが、先ほど白委員質疑の中で出ましたいわゆる大平三原則というものがあります。  大平三原則というのは、国会の承認を要する条約とは何かということを定めたものが大平三原則でありまして、まず、ロードマップは国際約束ではないから大平三原則に定められる条約にはならないということになるんだと思いますね、論理的に言えば。ただ、その三原則は、第一に、国会の立法権に制約を課する内容を含む国際約束、それから第二に、国会の議決を経た予算又は法律で認められていない財政支出義務を含む国際約束、第三に、我が国と相手方との間あるいは国家間一般の基本的関係を法的に規定するという意味において政治的に重要な国際約束であって、それゆえに発効のために批准が要件とされている国際約束ということなんですが、ロードマップで定められていることは国際約束ではないというふうに先ほど御答弁をいただきましたが、しかし、そこで決められていることを守ろうとすると予算あるいは立法権に制約を課すようなことが数多くあると。だから、現に、国際協力銀行法の中身を少し変えるようなことも含めたことを今回の法律の中で規定しているわけでありますが。  このロードマップを国際約束としないことが、言い方を変えると、少し逃げ道的に使われているんじゃないかなと。つまり、守らなきゃいけない国際的な義務はないよと言いつつ、しかし信義誠実に従って守らなければいけないんですということ。しかし、それを国際約束にすると、それ自体が審議の対象になってしまうんで、それを審議の対象にしないで駐留軍等再編の円滑な実施に関する特別措置法案という非常に長ったらしい、そして中身が非常に、かなり苦労をされた跡は見えるんですが、久間大臣の顔を見ながら申し上げていますが、苦労をされた跡は見えるんですけれども、しかし非常に、例えば、後ほどしっかりと質疑をさせていただきますが、無利子でJBICに融資をさせるために政府が無利子でJBICにお金を貸すというようなこともこの法律の中に入っていますけれども、そうであれば直接政府がやればいいだけの話のようなことも含めて、その苦労をしたものをまとめた法律ということになっているんだと思いますけれども、ロードマップと大平三原則という観点で言うと、国際約束としないということによって国会の関与を一歩減らすような枠組みになっているんではないかというふうに思えるんですが、その点は、麻生大臣、どのようにお考えになりますか。
  208. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 最初に申し上げましたように、これは国際公約でも約束でもありませんで、両政府の意図を明らかに証明をし合っているということで、双方の信頼の上に成り立っておると存じます。  それから、今予算とかいろんな話が出ておりましたけれども、これは、この法案のことに関しましてはここで審議をされることになりますし、これは予算が決まれば当然のこととしてこれは国会で審議の対象ということになろうと存じますんで、その予算の面、いわゆる支出、歳出の面につきましてはきちんとした対応がなされると理解をいたしております。
  209. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 今後、最終的にいろんな具体的な金額も米軍住宅について決まってくると思います。それは、いわゆる国際約束として交換公文も含めた文書で合意されるつもりなのか、その点を伺いたいと思います。
  210. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) 在沖海兵隊のグアムへの移転については、今後、我が国の支援にかかわる具体的なスキームなどについて更に詳細に検討していく必要があるということ、先ほどから度々防衛省からも説明のあるところでございますので、関係省庁と相談しながら、国際約束の締結が要るかどうかを含めて整理してまいります。JBICと先方との契約だけで済むのか、あるいは政府間の取決めが要るのか、具体的な中身を決めていく過程及びその結果でどうするかを検討するということになります。
  211. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 繰り返しになりますけれども、私は国際約束という形で結び、それを国会で批准をする形を取った方が手続としていいんではないかというふうに思いますので、そのことを申し上げていきたいと思いますが、例えば国会の承認にかからないような形で国費を外国政府等に支出した例というのは具体的にありますか。
  212. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) 単年度予算主義を取っていますので、基本的には複数年度にわたって外国政府などに支出することを内容とする国際約束を締結する場合には国会の承認が必要になります。  ただし、単年度予算主義の例外として、国庫債務負担行為として国会の議決を経た予算の範囲内で複数年度の支出を行うことも認められておりますので、行政府限りの取決めによって行うことができます。  例えば、平成十八年、去年七月二十五日にインドネシアとの間で橋の建設に必要な資金として、日本関係法令、それから予算に従うことを条件に、十八年度から二十年度にかけ、三年間にわたって合計七億九千四百万円贈与することを決めた交換公文に署名しています。当然のことながら、この贈与についても国会の議決を経た予算の範囲内で行われることは、大臣が今申し上げたとおりです。
  213. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 今、国会の決めた予算の範囲内、単年度という二つのキーワードをおっしゃったわけでありますけれども、今回の米軍再編、なかんずくグアムに造る海兵隊の住宅というのは複数年度に当然またがるわけでありますし、金額としても、インドネシアの橋の場合七億円ですよね。米軍住宅の場合は何十億ドルと、二十何億ドルと。ですから、二けたあるいは三けた単位が違うと。そうなるとすれば、これは当然、国会承認が必要な国際約束を結んで、それを国会の場でもう一度審議をした方がいいと私は思います。  なぜならば、この法案の中では、まだ具体の金額が全然決まっていないというふうに再三再四御指摘をしていただいているわけでありますが、その点について、久間大臣そして麻生大臣、どのように考えるか、お伺いしたいと思います。
  214. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 私は、今、浅尾委員がおっしゃられましたことは非常に大事だというふうに認識しております。  といいますのは、日米双方が、政権が交代したときに、あるいは議会の承認が得られないからといって、向こうの分担あるいはこちらの分担が、この年はやめる、この年は出る、そんなことになったら一つの計画が台なしになりますから、やはり決めたことは、政権が替わろうとも議会が未承認であろうとも、もう決まったことはやってもらうという、そういうことをしないと非常に両国にとって大変困ることになろうかと思いますから、そういう意味からも今おっしゃられる意味はよく分かります。
  215. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今おっしゃいますように、前半の部分は久間先生と同じなんですが、今回のように約束を表明したいわゆる双方の意思を実現をしようと思ったら、予算の議決というのはこれは必ず要ることになります。二十八億ドルに限らず、何でも要ることになろうと思います。したがって、仮に国会で予算の審議がバツになった、通らなかったということになれば、これは政治的な責任が当然出ることにはなるというのは当たり前ですけれども、これは法的に国会の意思というものを拘束していることにはならないというのは当然のことだと存じます。
  216. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 ですから、今、久間大臣が言われたことは私も大変重要なことだと思います。私は何度も予算委員会等で、現段階の二十八億ドルは客観的に高いと思いますが、それが妥当な範囲になるということであれば、それをその段階で固めておくということは非常に重要なことではないかなというふうに思います。それは国際約束、国際条約という形になりますから、そうすればそれ以降の政権も当然縛ると。  しかし、今御指摘がありましたように、そうでない形になった場合には毎年毎年の予算の中で処理をしていくと。この法案の中にもありますが、予算の中で処理をする中で例えばSPEがうまく回らないとなれば、無利子の貸付金を政府からJBICに出して、JBICから無利子の貸付金がSPEに行くように追加でやらなければいけない事態も出てくるかもしれない。あるいは、SPEが経営がうまくいかないということで出資をJBICがしなければいけないとなったときに、その原資も政府が出すということになっていますから、それが否決されるということも当然出てくるわけでしょうから、そういうことも含めて、プランができた段階で国際約束という形で議会の承認を求めるというのが筋としてはいいんではないかというふうに思いますが、改めてその点についてどれぐらいの決意で最終的にはこれを別途条約的な国際約束として国会承認を求めるつもりがあるかどうか、伺いたいと思います。
  217. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これに基づいてこの大きな方向性を示すことによって今度調査したりなんかして固めていくわけでありまして、固まった段階でどうするか。それから先は単年度で勝負していくようなことにするのか。やっぱり決まった以上はこの金額でいこうという形でそれを縛るのか。私は、その時点での政府が判断することになろうかと思いますけれども、しかし、私は、すべきであるというふうに私自身は思っております。
  218. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 国際約束を所管される麻生大臣はどういうふうに考えますか。
  219. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 決意のほどはというように伺いましたので、これは今、久間大臣の方から言われましたように、基本的には単年度主義の日本の国会というか日本の財政のルールになっておりますので、単年度ということになりましたときにどういうようなことが起こり得るかという危険性は確かに考えておかねばならぬのはもう御指摘のとおり。これは相手側も多分同じだと思いますが、そういうことだと思っておりますが。  しかし、私どもとしては、これはどういった決意でいくかというと、これは物すごく大きな全体の流れの中できちんと話をした上で両国首脳で決めた話でもありますし、2プラス2でその細目いろいろ詰めつつあるというところでもありますので、私どもとしては、これをきちんと表明をした上で、きちんと額を決まった段階で今度は予算をお願いする、予算というか法案の、予算の審議をお願いするという形になろうと思いますので、今おっしゃる意味、分からないわけではありませんけれども、どういった決意でやるかと言われれば、これはもうきちっとしてこれをまとめ上げるという決意で臨まねばならぬものだと思っております。
  220. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 この議論をしてもあれですけれども、私は、繰り返しになりますが、両国間で最終的に決まったものを国際約束として国会の承認を経るべきだというふうに思いますということを申し上げておきたいと思います。  次に、特措法の条文について伺っていきたいと思いますが、この第十六条は、国際協力銀行がいろんな業務ができるという規定になっています。先ほどの議論の中で、できるということだからやる義務がないというふうにも取れるというお話がございましたが、国際協力銀行の判断で出資や融資を取りやめるということができるというふうに考えてよろしいですか。
  221. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 法律的にはそうなっておりますけれども、これはやっぱり政府の監督の下にありますから、事実上はそう簡単にはやめることは、政府の意に反してやめるということはできないんじゃないかなと思います。
  222. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 次に、出資によって国際協力銀行が取得する議決権の行使の範囲というのは、特措法に基づくものとそれから国際協力銀行法に基づく行使の範囲と、両方あるんだと思うんですが、両方あるという理解でよろしいでしょうか。
  223. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それは両方あると思います。  というのは、現在の国際協力銀行法で与えられている範囲内のものは従来のあれですし、それ以外の今度付与されますものについては今度の新しい特措法に基づく権限でございますから、両方あるというふうに認識しております。
  224. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 今半分御説明いただいたんだと思いますが、両方あるとなると、現在の国際協力銀行法に基づく議決権の行使範囲と、それからどういうものが特措法に基づく議決権の行使範囲になるのか、少し御説明いただきたいと思います。
  225. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これを私の方が答えるかどうかあれですけれども、現行のJBIC法で読めない業務、グアム移転事業に係る出資等ですね、これは特措法で規定して、それ以外のものは基本的には現行法を適用することになりますから、議決権についてもどちらによるのかと言われたときには、そういうような大きい大枠での分け方になってくるんじゃないかなと思います。
  226. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 出資した財産の保全とか貸付金返済を確保する義務は当然国際協力銀行にあるというふうに理解しますが、それでよろしいですか。
  227. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それはもうそのとおりです。やっぱり出資した以上は、あるいは融資した以上はその返済の、ただ、その前提として政府間できちんとしたスキームをつくってやる必要があろうかと思います、それは。
  228. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 家賃が出資あるいは融資の回収の主な原資になるわけですね。米軍の軍人さんが払う家賃が主な原資になるわけですけれども、その家賃あるいはサービス使用料の交渉はSPEが行うんですか、それとも政府が行うんですか。
  229. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 最初はスキームを決めてこれでいきますということでやるわけですから、スタート時点ではどっちが行うというよりも、その決まった内容でやっているわけですけれども、途中で家賃の単価を上げるとかそういうことになってきたときには、これはSPEだけでは、あるいは銀行だけでは対応できない場合だって出てくるんじゃないかと思うんです、ほかの物価から比べて非常に安過ぎるじゃないかとかいう話になってきたときに。そういう場合にはやっぱり政府が表に出ていって米国政府と交渉するという場合も必要になってくるかもしれませんので、これは当事者だけでやらせるというそういうふうな決め方は、そういうふうに決めてしまうというわけにはいかないんじゃないかと思っております。
  230. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 スタート時点は政府が行うということでよろしいですね。
  231. 久間章生

    国務大臣久間章生君) スタート時点では、全体のスキームをどうするか、そのときに家賃収入がどれぐらいあるか、どういう年数で返してもらうのか、だれがその資金はまずは責任を持って回収するようなことにするのか、そういうことについてはやっぱり政府が向こうの政府と一緒になって決めて、その上でSPEに任せるという形になってくるわけでありますから、最初の段階では政府がそういうスキームづくりについては、もちろんJBICと一緒になってやりますけれども、かなり表に出なければいけないんじゃないでしょうか。
  232. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 午前中最後の質問にしますが、政府が交渉するということに私はならざるを得ないだろうなと。先ほど申し上げた国際約束といったときに、日本側の義務だけではなくて、米側が最低、例えば大尉だったらこれぐらいの家賃を支給しますということは国際約束の中で規定しておかないとこのスキーム全体が回らないだろうなと思いますが、その点も含めて、米側の最低保証家賃というのが入れたスキームで交渉されるかどうか、その点を伺って午前中の質問を終わりたいと思います。
  233. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 実はこれは、これに似たようなケースが我が国でも行われておりまして、例えば私の地元の佐世保の場合ですと、民間会社がビルを、ビルといいますか、造りまして、そして米軍は保証はしないんですけれども、そこは米軍が優先的に紹介しますよと、そのときに、今住宅手当が幾らだから幾らの値段でみんな払いますよというようなことを開示してくれるわけですね。そして、米軍施設の中でその隊員がサインしてくれるという、そういうようなことをやっておりましたので、このグアムについてもこれも頭に入れたらいいぞということを言った経緯がございますから、そういうのもひっくるめながら、これから先いろんなスキームづくりのときは検討していこうと思っております。
  234. 田浦直

    委員長田浦直君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。    午後零時二十三分休憩      ─────・─────    午後二時開会
  235. 田浦直

    委員長田浦直君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、大田昌秀君及び松村祥史君が委員辞任され、その補欠として又市征治君及び神取忍君がそれぞれ選任されました。     ─────────────
  236. 田浦直

    委員長田浦直君) 休憩前に引き続き、駐留軍等再編の円滑な実施に関する特別措置法案を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  237. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 国際協力銀行にかかわる部分について午前中に引き続いて質問をいたします。  午前中の質疑で、基本的には家賃やサービスの使用料の交渉は政府が最初のところはやっていくと。ただ、午前中の最後の久間大臣の御答弁では、大体の位に応じて支給される家賃のレベルが開示されて、米側は幾つかの選択肢の中からこういうところがあるよという紹介をしてくれるというような形になるんではないだろうかというようなお話がございましたが、そういう可能性がグアムにおいても強いということでよろしいですか。
  238. 久間章生

    国務大臣久間章生君) いや、そういうことではございませんで、それは、現在佐世保でやっているやつとかはそういうような例もありますから、そういうようないろんな形で関与することはあるんじゃないかなというふうに思ったということを言ったわけでありまして、これからのやつは、全体のスキームを決めて、かなり大掛かりでございますから、これはやはりこれから先やるに当たって、両政府間でスキームを決めて取り組んでいくことになろうかと思いますので、ちょっと小さい、百戸とか二百戸の、現在国内における米軍のあっせんの状況とは若干違うんじゃないかと思っております。
  239. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 それでは、具体的に伺ってまいりたいと思いますが、スキームを決めるに当たって、日本側が住宅を造ると。それは米側の要請に応じて造るわけですから、当然それを、そこの住宅がまずは満室になるような義務を米側に負わせるべきだと思いますが、その点についてはどう考えますか。
  240. 久間章生

    国務大臣久間章生君) やっぱり造りましたものが空き家では困りますので、造る前にも需要をきちんと見込んだ上で、どういう地域に何戸、どういう地域に何戸という形で向こうと詰め合わせていくことになろうかと思いますから、それはやっぱり造る戸数は需要を十分満たすような内容になってくるものと思っております。
  241. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 三千五百戸というのは、そうすると最大限というふうに考えればいいですか。
  242. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それは最大限でございまして、順次造っていくという形になろうかと思いますが、それを全部を造るのか、あるいは部分的に造っていくのか、これもこれから先調査をしながら、優先度の高い地区を優先して先に造っていくことになるかもしれませんし、それはむしろ米側の要請といいますか、ニーズといいますか、そういうのをこれから先調査していかなければいけないんじゃないかなと思っております。
  243. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 調査をするのは日本政府ということでよろしいですか。
  244. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これは日本だけでなくて、これから先アメリカもこの問題について取り組んでいくときに、米国だって、住宅については、家族住宅については日本側がお金を出すわけですから日本側が中心になるかもしれませんが、やはり利用するのは米海兵隊、その家族でございますから、向こうの方も一緒になってやっぱり調査しなければいけないんじゃないかなと思っております。
  245. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 事業主体、SPEは調査に携わらないという理解でよろしいですね。
  246. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これから先スキームの作り方でございますけれども、まずSPEを先につくってそこにある程度の権限を持たせるのか、それとも、両政府がもういろんな配置から何から全部決めて、そしてSPEをその後に立ち上げるのか、これもこれから先のスキームの決め方じゃないかと思っております。
  247. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 そのSPEが権限を持って、そして実際に事業として回るということであれば、SPEに調査をさせるというのは私は可能性としてあると思いますが、とても今のような価格で造った場合には、これはプロジェクトとして収支が回らないだろうというふうに思いますから、そうだとすると、日本政府がやるべきだというふうに思いますが、その点はいかが考えますか。
  248. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 現在アメリカ国内において造られております例でいくと、民間に公募した形で手を挙げさせて、そして何か米軍が、米国か米軍か分かりませんが、一割持っておいて、そして発言権を確保しておいて、原則はそのSPEといいますか事業主体がやっていくけれども、米軍がきちんとコントロールできるような仕組みをつくっているというような話も聞いておりますので、これから先どういう形になるかちょっと分かりませんけれども、何らかの形で米国の方はかんでくるというふうに思いますから、我が方もそれに対してやっぱりかめるような形にしておく必要があるんじゃないかなと思っております。
  249. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 ちょっと根本的な質問をさせていただきますけれども、家賃でもって基本的に回収するという計画ですよね。家賃でもって基本的に回収できるということであれば、日本の政府が造らなくて米国の普通の事業者が造ればいいんではないかというふうに思いますが、どうしてそういうふうにならないんでしょうか。
  250. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 確実性という点で、やはり日本のJBICを利用すれば、JBICじゃなくて民間の銀行でもいいということに建前はなっておりますけれども、出てこなかったら先へ進まないわけでありますから、最低とにかくきちんとできるという体制だけはやっぱりつくっておきたいということで、このJBICが出ていけるようにしようとしているわけであります。
  251. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 ちょっと質問の趣旨を御理解いただいてないみたいなんで、例えば年間五十万円という、それは例えですから、五十万円という家賃が十年間入ってくるということが確定していれば、四百万円ぐらい払って建物を造る業者がアメリカにもいるでしょうと、確定、分かっているのであればですよ。普通の米軍の住宅はそういう形で民間事業者が造って、そこに今おっしゃったように、米国あるいは米軍が一割ぐらい持つという形で行われているというような答弁だったんだと思いますが、それがなぜ本件においてできないのかということなんです。  つまり、そこで勤務する海兵隊の人数も大体分かっているし、海兵隊の例えば少尉さんだったら月額幾らという家賃収入も分かっていると。それを見ながら、普通であれば民間の事業者が行ってやるんでしょうけれども、なぜ今回は政府がかまないとできないのかという質問です。
  252. 久間章生

    国務大臣久間章生君) やはり、米国本土あるいは最低ハワイ等ならまだ類推が、先生のおっしゃるような類推もできるのかもしれませんが、グアムという、今の人口も非常に少ない、そういうところで短期間に三千五百戸を一度に造るという、そういう形になっていくわけでありますから、米国の企業が果たして出てきてやるという、そういう確実性があるかどうか、その辺を考えますと、JBICがやれるという仕組みをやっぱり取っておきたいということでこの法案になっているわけであります。    〔委員長退席、理事山本一太君着席〕
  253. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 昔、十何年か前に会社に勤めていたときに、いろんな国際的なプロジェクトのアドバイザーとかもやったことがあるんですが、そこに住んでいる人が何人ということよりかは、収入の確実性ということがまず一番大事になるんですね。本件でいえば、三千五百戸の住宅に住む要素を持っている人が何人ぐらいいて、その人たちが払える月額の家賃が幾らというのが出てきますから、そこからおのずと逆に言えば建築費は割り出せると。その建築費よりも安く造れるという自信があるのであれば、民間が全部やってそこで収益を上げるということなんだと思うんです。  しかし、それがそうなってこないというのは、多分、いろんな理由があるのかもしれませんが、一番大きな理由は、日本側が見積もっている価格が高過ぎるから、高い投資をしたってその家賃収入では回収ができないから民間ではやれないと、したがってJBICをかませると。JBICをただ単にかませるわけではなくて、JBICに無利子でお金を付けてあげて、その無利子のお金を転貸するという形を取らないとできないということなんだろうなと思います。  これは、もう少し厳しい言い方をしますと、米軍再編ということだけではなくて、今は特殊法人、独立行政法人あるいは公益法人の問題が様々出てきていますけれども、JBICという組織がさらに出資をしてSPEという、聞こえはいいですけども、まあ形を変えて言えば孫会社みたいなもの、政府からいえば孫会社を造ると。ですから、そこが仮に、仮にというか、これは前に予算委員会でもやりましたけれども、一般のグアムで造るものの四倍ぐらいのコストを掛けて物を造ります、収益性は関係ありません、赤字が出ても最終的にはこれ区分別会計だからJBICそのものは責任を負いません、しかも無利子のお金が付いてきますということになれば、逆に言うと、何というんですかね、高いコストをいとわない経営主体が出てくるんではないかと。  なぜ高いコストをいとわないかというと、かつて特別養護老人ホーム、埼玉でも、補助金が付くから高いコストで造ってそれをキックバックでもらっていたというようなケースもありましたけども、国際的にもそういうことがあり得るんではないか、あってはいけないと思いますけど。  だからこそ、逆に言えば相当厳しくやった方がいいんではないかなと。むしろ、それ民間でできるというようなレベルまで当然その計算すれば出てくるわけですから、そういうことを今からでも考えられたらいかがなんですかという趣旨の質問です。
  254. 久間章生

    国務大臣久間章生君) いや、おっしゃる意味はよく分かりますし、またそういうふうにやっていかなきゃいけないというふうに、それも思います。しかしながら、グアムという非常に限られた島で、資材にしてもあるいはまた労務者にしても非常に限られているところで短期間に三千五百戸という、そしてその三千五百だけじゃなくて、それに合わせてインフラの整備から何から一度にだっと入るわけですから、そういうときにどれぐらいなるのかというのをなかなか想定できないので、取りあえずアメリカの見積りではじいた。  だから、それはしかし、これは上限ですよと、これは、あなたの言っているのは上限ですよということを額賀長官があえて議事録に残るような形で確認をしたという、そういう経緯もございますから、やはり向こうから出てきている見積りが結構高いというのも事実でございます。だから、高いからこそJBICをかませて、無利子融資も場合によってはするぐらいのつもりでこの準備をしておかないと、民間がなかなかやってくれない、やってくれないからこれはできませんでしたでは済まないので、こういうような制度をつくったということでございますので。
  255. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 短期間でというふうにおっしゃいますが、三千五百戸は何年間で造られる予定ですか。
  256. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 五年間ぐらいの間で造らなければならないということであります。
  257. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 ということは年間七百戸ぐらいの供給ということなんですが、グアムの規模でいうと、年間七百戸ぐらいの供給というのは私は必ずしも極端に大きい規模ではないというふうに思います。  それから、これは前も指摘をさしていただきましたが、資材は確かにグアムで造られていないかもしれません。しれませんが、これは大臣もよく御存じのことだと思いますが、実は船会社に鉄骨その他の資材を載せて運ぶと、日本国内を東京から北海道まで行くまでよりも安い値段で東京からグアムまで行くわけですよ。ですから、そうだとすると、資材が造られていないから資材費が高くなるという説明は私は当てはまらないだろうなと思いますが、その点はどういうふうに考えますか。
  258. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 当てはまらないかどうかは、これはこれからですけれども、例えばうちの長崎県の離島の例えば対馬なんかは明らかに高いですよ。だから、向こうの方が島だから船で運ぶから安いというような、そういう想定で掛かるというわけにもいきませんから、高いこともあり得るということをやっぱり念頭に、その上限をだから決めているわけで、まとめ買いしますからそれは安くなる点はあるわけでありましてですね。
  259. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 それは、実はこれ、ここは規制改革の委員会じゃないんですが、外航海運と内航海運で規制の状況が全然違うんですね。内航海運はある種規制で守られている部分があるので運賃が高いんです。だから対馬に行くのは高いと。しかし、外航海運が使えるグアムまで行くということは、これは先ほども言いましたけども、東京からグアムじゃなくて、例えば東京からサンフランシスコに物を運んだ方が東京から北海道に物を運ぶよりも安いんです。それは外航海運は規制がない、国際競争の世界ですから。ですから、東京—グアムはこれ外航海運の世界なんで、そこは資材費ということでいえば安くなるはずだろうと。  もう一つの労働力ですが、労働力については、それは確かにグアムだけでその労働力を雇おうとすれば一時的に高くなる可能性はあるかもしれないと。しかし、そこは米側との交渉で、労働力についても、それは日米お互いのためにこれをつくるんだということで海外からその期間のビザについても認めるというような交渉をされれば労働力についても下げることができるんじゃないかと思いますが、ビザ交渉等はされる予定はございますか。
  260. 久間章生

    国務大臣久間章生君) こういう形でまだ具体化する前に、私は自民党の役員をしておりましたときに、米国から高官が来ましたときに、やっぱりこのビザの問題、これが一番割高になりますよと、だからビザを、確かに、今こういうテロの問題があってたくさんの労働者を入れることについて抵抗あるかもしれないけれども、このビザについてやってもらうことは米国と日本と双方にとって安くなるんだから、そういう努力をしてもらいたいということを言って、向こうもそれは考えてみようというようなことは言ってくれました。  しかしながら、米国の場合、最賃法とかいろんなやつがありまして、それは日本でも一緒ですけれども、それとの絡みで、フィリピンから、そのとき具体的にはフィリピンなら英語もできるからフィリピンでいいじゃないかということまで私はその当時言いました。けど、やはりその辺とのフィリピンの今の労務単価で果たして米国内で雇用が可能かどうか、その辺の問題もありまして、向こう向こうで検討せぬといけませんねというようなことをその当時言っておりましたから、問題意識としては今先生がおっしゃるような意識を私自身も持っております。だから、このコストは下げることは可能であると私自身は認識しているわけであります。
  261. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 できるだけコストを政府の責任において下げていただくということをやっていただいた上で、最終的に日本の国民のお金がJBICに出資金という形で行って、そのJBICから出資がされてSPEがつくられる。あるいは、この法律によりますと、日本国政府からJBICにお金を貸し付けてそれがまた貸し付けられるという仕組みですから、出資金、出資財産とかあるいは貸付金そのものが、しかもこれ区分経理されていますから、すべて国民のまずお金だという理解でよろしいですか。
  262. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 私もそういう認識をしております。  ただ、JBICのお金ができるだけ少なくて民間資本が、民間の銀行の金が使う道も残されておりますから、そういうような方途が可能な場合もあるんじゃないかなと思っております。
  263. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 JBICのお金については国民のお金だということになりますと、その出資した財産の保全や貸付金の返済については当然政府が責任を負うべきだと思いますが、そういう理解でよろしいですか。
  264. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それはやっぱり国民の貴重な税金の一部がそういう形で行くわけですから、政府としては責任があると思います。
  265. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 法律上、政府のその出資財産保全、貸付金返済に対する責任が明記されていませんが、それを明記しなかった理由というのはどこにあるんですか。これは質問通告してある。
  266. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 先ほどから話が出ておりますように、今度具体的に事業計画がきちんと固まって、SPEも含めてこういう形で行きますよと、それで向こう五年間なら五年間で仕上げて向こう何十年か掛かって回収しますよというような、そういう全体のスキームができたときに、初めて政府間同士の具体的な話になってくるわけですね。そのときに、きちっとその内容が、回収できるような内容が担保されているかどうか、それがやっぱり審査の対象になるんじゃないかと思うんですよ。今の段階で、まだ具体的なことは決まっていない段階で法律に書き込むような内容じゃなかったものですから、あえてこの法律事項としてはJBICを使うという、そういう趣旨だけをこのグアムについては規定したわけであります。
  267. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 具体的な内容が固まった段階においては当然のことですけれども、政府の責任を法律的に明記をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  268. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それは、法律でやるか法律以外の形でやるかはともかくとして、何らかの格好でやっぱり政府としてはその責任をきちんとせぬといけないと思います。
  269. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 次に、この法案の中身について伺ってまいりますが、まず第一条、目的のところに駐留軍等再編の実現が我が国の平和及び安全の維持に資すると書いてありますけれども、再編の実現が平和及び安全の実現に資するというのはどういう意味なんでしょうかと。つまり、海兵隊の人数は沖縄から、まあそれは負担は減るというのは理解できますが、平和が、平和あるいは安全の維持が強化される側面もその中であるということなんでしょうか。
  270. 久間章生

    国務大臣久間章生君) この第一条のところ、その海兵隊のことだけで書いているわけじゃございませんから、これはむしろそれ以外のところの方が、海兵隊が出ていく方が負担の軽減になるわけでありまして、むしろそれ以外の岩国とかそっちの方がむしろここでは念頭に描かれた方が適切じゃないかと思います。
  271. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 岩国は厚木からの移転ということになりますね。
  272. 久間章生

    国務大臣久間章生君) そうです。
  273. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 ですから、日本全体でいえば数は変わらないということなのかなと思いますが、そうすると、座間に来る司令部が増えることによって平和及び安全の維持が維持されるということになるんですか。
  274. 久間章生

    国務大臣久間章生君) やはり、座間にそういうふうに向こうの陸軍の司令部が来る、あるいは我が国の即応集団の司令部が座間に行ってそこで一緒に共存する、そういうような再編をすることによってそういう全体が我が国のやっぱり平和と安全に寄与するという、そういうようなことを念頭に置いているわけであります。
  275. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 次に、第一条で言っている負担、あるいはその法律の中に影響という、まあ負担という言葉と影響という言葉が出てくるんですが、これ同じ意味のようなんですけれども、あえて法律の中で違う言葉を使われる理由はどこにあるんでしょうか。
  276. 久間章生

    国務大臣久間章生君) この辺は、先ほどの第一条の書き方が、巧拙、要するにまずいんじゃないかということを先ほどの委員の指摘でもあったわけですけれども、やっぱり非常にこの表現、まあ同義語ではあるんですけれども、住民の生活の安定とかそういう生活といったら影響になりますし、住民負担の何とかの軽減というときには負担という形になりますから、そういうようなことで使い分けたということでございまして、それほどの内容的な違いは僕はないんじゃないかなと思っております。  ただ、表現の仕方として、どうしてもそういう形で影響と言ってみたり、負担の軽減のときは負担というか、影響の軽減というのは何かぴんとこないんですね、負担の軽減というような、そういうようなことで、やっぱりこの辺はむしろ法制局に呼んで聞いてもらった方がいいんじゃないかと思いますけど、内容的にはそれほど違いはございません。
  277. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 内容的に違いがないものは法律であれば同じ言葉を使った方が誤解がないんではないかなというふうに思いますんで、負担なら負担で統一された方がいいんではないかというふうに思います。  次に、第三条で、我が国を含む国際社会の安全保障環境の変化に的確に対応し得るよう配慮されなければならないと、これ、駐留軍等再編実施に当たってはというふうにあるわけでありますが、この安全保障環境の変化に的確に対応し得るというのは具体的にはどういうことを想定されていますか。
  278. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 現在の米軍が駐留しております対応、対応といいますか態様といいますか、その仕方は、やっぱり最初のスタートは冷戦でスタートして、それに応じる形でやったわけでございますけれども、やっぱり国際環境が変わってまいりまして、非常に多機能といいますか、非常に複雑な敵といいますか、そういうのに対応するような形が必要になってまいりますので、そういう意味では、そういう即応できるような態勢とか、いろんな意味で安全保障環境の変化に的確に対応し得るような態勢をつくっていくというのが必要でございますので、そういうような変化があった場合でもやれるというような意味でここに書いておるというふうに理解していただきたいと思います。
  279. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 あった場合でもやり得るというのは、今の国際環境というのは、恐らく認識としては国家というよりかは、ある特定の、まあテロ集団という言葉がいいのかもしれませんが、必ずしも国家でないものが場合によっては同時多発的に特定の施設等々をねらって行動をすると、それに対して安全保障上の脅威を感じて対応していくという理解なんだと思いますが、そういうことがまた更に変化をして、例えばかつての冷戦時代のように国家対国家という形になったときには、またそれはそれで的確に対応できるような再編にしなけりゃいけないという趣旨で書かれているんでしょうか。
  280. 久間章生

    国務大臣久間章生君) いや、そこまで、将来の先のことまで、また後戻りすることまで想定しているわけじゃなくて、現時点で、今までのような状況から変化が起きてきているんじゃないかと。その変化に対応できるように、これから先数年掛けて国内の体制も、米軍も、国内だけでなくて米軍は世界的に変えようとしている、だから我が国もそういうような米軍国内の配置についても対応できるようにしようという、そういうことと負担の軽減との両方を考えたわけでありますが、ここで言っているのはそういう変化に対応できるようにしようということであります。
  281. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 次に、第三条二項の幅広い国民の理解ということについては、直接負担が増減する地域に限らず一般的に全国民の理解が必要だということだと思いますけれども、具体的には全国民の理解を得るためにはどうされるということですか。
  282. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 具体的にといいますと、それはなかなか難しいわけですけれども、こういう負担が増加する、影響が大きくなる、そういう地域にこういう交付金をやったり、あるいはこういう事業を実施したりしてもそれはやむを得ないなと。広く国民がそれを支持したり理解してくれるような、そういうことを得ながらやっていきましょうという趣旨でございますので、具体的にどうするかは別として、やっぱりそこの負担が非常に増加するんだというようなことについてはやっぱり広報その他で理解を皆さん、ほかの、そこの地域以外の人にも理解をしてもらう必要はあるんじゃないかなと思っております。
  283. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 この委員会でもあるいはその他の委員会でもいろいろと議論をさしていただいています。例えば、私自身はかなり高いと思っておりますアメリカのグアムへの日本側の負担というものも含めて全国民の理解ということでいいわけですよね。
  284. 久間章生

    国務大臣久間章生君) いや、だから、あの二十八億ドルがそのままですと国民の皆さん方もちょっと高過ぎるんじゃないかということで、そこはまだ理解が得られないんじゃないかなと思いますから、我々としては理解が得られるようにコストダウンについても努力せんといかぬなと思っております。
  285. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 当然努力されるんだと思いますが、これ、理解を得られない場合はどうするんですか、理解されない場合は。
  286. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 国民の理解が得られない場合は、我々がそのプランを具体的になったときに、ここの予算だと、あるいはまた条約だ、あるいは国際約束だという形で、いろんな形で出したときに国会で通らないというふうに思いますから、私は国会でちゃんと通るように、国民の理解が得られるように努力すべきだと思っております。
  287. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 この法案の中を見ますと、様々な重要事項を政令にゆだねているんですが、政令にゆだねるということは、委員会の中でそれはまだ決まってないとかということになりますから、国民の理解を得るということとは逆方向の対応なんじゃないかと思いますが、それはなぜ政令にゆだねているんでしょうか。    〔理事山本一太君退席、委員長着席〕
  288. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 政令にゆだねる場合は、非常にある意味では国会に対して失礼に当たる場合もあろうかと思いますが、その反面、非常に変化をしやすいようなものについては政令にゆだねている方が国民から見た場合は対応が非常に早くて済む場合がございます。  こういう事業をといったときに、次期国会が始まるまではできませんとか、そういうことにはならぬわけでありまして、だから地域指定なんかについても、やっぱりこれはだれが見てもここは入れてやるべきじゃないかとなったときには政令の変更で対応できるわけでありますから、そういう意味では政令は二面性を持っているわけでありますんで、その辺は政府をある程度信用していただく、よっぽどこれは絶対に法律じゃないと駄目だというようなことをもし必要ならばあれですけれども、そうでなければやっぱり間違ったことを政府がそうやるわけじゃないということで、政令にゆだねている方が対応しやすいという一面もございますので、その辺の兼ね合いの中でこの法律を作ったわけであります。
  289. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 次に、第六条の再編交付金について伺っていきたいと思いますが、ここでは再編交付金を交付することができるという書き方になっていますけれども、この再編交付金については、答弁では、地元市町村の受入れ表明が必要という答弁がありますが、法律上はその受入れ表明というのはないんですけれども、その根拠はどこにあるんでしょうか。
  290. 田浦直

    委員長田浦直君) ちょっと速記止めて。    〔速記中止〕
  291. 田浦直

    委員長田浦直君) じゃ、速記を起こしてください。
  292. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 私は、市町村の受入れ表明という言葉は、たしか表明という形で使ったかどうか、私はたしか使ってないと思うんですよ。表明まで絶対法的要件として必要かどうかということじゃなくて、この事業が円滑に進むために事実上市町村が受入れ態勢をしてくれているなということができればいいという頭が私自身にはございますので、表明という表現は使ってないと思うんですけれども、どこかの委員会で議事録に残っているんでしょうか。
  293. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 どこかの、ちょっと後でその議事録を読み上げますけれども、受入れ表明が必要だというような答弁があったというふうに理解しておりますが、ただ、今の大臣答弁法律上の根拠はない、これ読むとないことになっていますんで、その受入れの準備があればいいということになるんだと思いますが。  例えば、何をもってその受入れの準備とするか。これは質疑通告の二十三番に書いてあるところですけれども、首長が議会又は記者会見等公式の場で、反対だけれども国の防衛のために受入れはやむを得ないと発言するというのは受入れ表明になるんでしょうか。
  294. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 私の念頭には、そういうようなやむを得ないと言っただけでいいということじゃなくて、事実行為としていろんな、例えばやむを得ないという言葉の次に建築確認を認めてくれるとか、いろんな形で事実行為が伴うと思うんです。だから、そういうようなことを一体として見て、米軍再編がこれだったらスムースにいくという、そういう態度だということが分かればいいというふうに思っております。
  295. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 そうすると、例えば議会は反対の決議をして、これは拘束はないとして決議をしているけれども、首長の方が事実行為を含めた受入れの姿勢を示せばそれは条件が整ったということで、理解でよろしいですか。
  296. 久間章生

    国務大臣久間章生君) そういう場合もあろうかと思います。どっちもが賛成してくれれば一番、一〇〇%間違いないわけですけれども、議会は反対決議をやったと。しかし、一回やったけれども、その後は首長がいろんな行為をやるのに対して不信任案を出すわけでもないし、それは黙って受入れを議会としても認めてくれているというふうな、そういう状況も場合によってはありますから、それらを総合的に判断して米軍再編がスムースに円滑にここはいっておるという形になるならば、その首長の表明というのは受入れだというふうに理解していいケースが多いんじゃないかと思います。
  297. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 次に、この再編交付金をもらいますと、地方交付税というのは減額されるんでしょうか。
  298. 土屋正忠

    大臣政務官(土屋正忠君) お答えを申し上げます。  地方交付税は標準的な行政運営を行う場合に必要な経費でありますので、このような国の防衛というような特定の目的のために支出される特定財源は、再編交付金が交付されたとしても、交付税が減少することはございません。
  299. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 じゃ次に、再編交付金というのは交付税とは別のカウントになるということですけれども、国からいろんな種類のお金が来るということになればその地域の国庫依存度が高まるというふうになると思いますが、その点はどういうふうに考えておられますでしょうか。
  300. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これは原則として十年間でございまして、恒久的に来るわけじゃございませんから、そのお金に頼るわけじゃなくて、これにはこの期間の限定されているんだというような意識が残りますので、私は国庫依存を強めるということにはならないんじゃないかなというふうに思います。
  301. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 次に、再編交付金の新設というのは、そうすると、三位一体改革の趣旨と時限措置だから反しないというふうに判断するのか、そこはグレーというふうに考えるのか、総務省、どういうふうに考えておられますか。
  302. 土屋正忠

    大臣政務官(土屋正忠君) 三位一体の改革というのは、基本的には、国の役割と地方公共団体との役割分担を明確にして、それに伴って税財源と、また補助金、交付金、また地方交付税、この三つを一体として調整するという趣旨のものでございます。基本的には国と地方公共団体との役割というところに着目をした改革であります。  一方、今回の基地交付金、再編交付金は、国の根幹的機能であります国防に関する専ら国の事務に執行する交付金でございますので、さきの三位一体の改革とは全く別の枠組みと、このように御理解をいただければと思います。
  303. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 先ほどの受入れ表明のところの議事録、ちょっと今見付けましたので読み上げさしていただきますと、大臣はそれが絶対条件というふうに言っておられるわけではありません。「これは、首長さんが受け入れの表明をしてもらうのが一番手っ取り早い話でございます。しかし、そういうような表明をされない場合であっても、その市議会がいろいろな決議をするとか、あるいはまた一定の請願を採択するとか、そしてまた、事実上いろいろなそういうものを受け入れたと思われるような動きがあるとか、いろいろなことがあって、我々としては、それをもって、その市町村はこの法律の趣旨に従って米軍再編の円滑な運営に資する方向で動いているということが確認されれば、私はそれでもいいような、そういう感じがいたしております。」という発言を……
  304. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 今も変わりません。
  305. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 ええ、発言をされています。  私はここは、しかしその客観的に明確な基準があった方がいいんではないかなというふうに個人的には感じております。つまり、建築確認をする、出してくれるというのが一番明確なんですが、要はその市町村側からすると、お金がぶら下がっていて、客観的に明確な基準がないとなれば、かなり踏み込んだところまでやらないとお金もらえないのかなと思ってしまうんではないかなというふうに思いますので、少なくとも指針ぐらいは法律が通った後に出されたらいかがかと思いますが、その点についてはどのように考えますか。
  306. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 政治というのは難しいわけでして、選挙のときにこう言った手前、それからまだ半年もたっていないのにそんなことは言えないと、しかし気持ちは分かったというようなことだってあり得るわけでありまして、そういうときにその真意をどういう形でつかまえるかというのは非常に難しいわけでありますから、幅広くそういう、まあ確定的なものじゃなくて、幅広く事実上受入れをしてもらうというようなことが何かの形で確認できればいいんじゃないかと。  一方、やっぱり税金でありますから、国民の皆さんに対してはこの法律の趣旨に従ってこうなっていますよということの説明のできるぐらいの内容はやっぱり持っておかないと、今度はこちらの立場としてその法律の趣旨と違うじゃないかと言われたら困りますので、そこのぎりぎりの選択をやっぱりしなければならない、そういうケースもあろうかと思いまして、それであの国会の答弁のときにもああいう言い方をさせてもらっておりますし、これから先も私自身はそういうような幅を持って対応する方がいいんじゃないかなという基本的な気持ちを持っておりますが、一方、交付金というのは税金でございますから、税金の使うやり方としてはもう少し厳しくしなきゃいかぬという先生の御趣旨もよく分かりますので、その辺、何かメルクマールをうまくつくれればつくりたいというふうに思います。
  307. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 時間が参りましたので終わりますけれども、おっしゃっている、選挙で振り上げたこぶしを落としたいけど落としづらいという趣旨もよく分かるんですが、逆から言うと、何となく防衛省と交渉していてだんだんだんだんハードルが上がるなと首長さんが思うんじゃかわいそうだなと。ですから、そういう意味でハードルが上がらないような指針を出していただきたいという趣旨であります。  終わります。
  308. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 私は民主党・新緑風会の喜納昌吉と申します。  私は、何というんですかね、米軍再編には基本的には賛成しておりませんから、今後の外務省の行方と防衛省の体質について質問していきたいと思っております。  まず、戦後レジームからの脱却について質問をします。  麻生外務大臣久間防衛大臣も安倍内閣の閣僚ですから、安倍総理の唱える戦後レジームからの脱却という考え方に賛成しているものと思います。そのとおりですか、レジームとして。
  309. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 戦後レジームというののいわゆる定義というのはいろいろあろうと思いますけれども、少なくとも戦後というものはやっぱり冷戦構造でスタートしておりますので、冷戦構造というのを前提にしていろいろな形でつくり上げてきたものというのは一杯あります。そういった意味では、いろんな形で冷戦構造を前提とした戦後レジームからの脱却という考え方は基本的に合っていると思います。    〔委員長退席、理事山本一太君着席〕
  310. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 どうぞ、久間大臣も同じように。
  311. 久間章生

    国務大臣久間章生君) もう戦後六十年もたってまいりますと、その当時でき上がった枠組みというのが必ずしもうまく機能しないんじゃないかなという思いもございます。さりとて、その間にだんだんと定着していったものもありますから、そういう中で、残すものは残すし、改めるものは改めるというような形で、柔軟に対応するのがいいんじゃないかなと思っております。
  312. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 戦後六十年たって機能しないと言われていますけれども、一般的に言って、レジーム、政治体制の脱却は、普通は政治体制の変更を意味するんですね。  日本の戦後体制は民主主義ですが、安倍政権は、民主主義はやめて戦前のような天皇制、軍国主義の全体主義体制に変えようという考えもあるのか、両大臣、答えてください。
  313. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 最後のところが、喜納先生、ちょっとよく聞き取れなかったんですけれども、天皇陛下……。
  314. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 天皇制、軍国主義の全体主義体制に変えようという気持ちがあるのか。
  315. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今、安倍政権の中で、いわゆる戦前の旧憲法、旧帝国憲法によってでき上がっておりますいわゆるレジームに戻そうという発想は基本的にはないというように理解しております。
  316. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 体制は全体主義に変えるのではないとするなら、旧憲法の世界に戻ることではないとするならば、どのような新体制を考えているか、大体。お二人とも重要な閣僚ですから、答えてください。
  317. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 基本的に、今の段階でよく言われておりますのは、旧憲法と比べて幾つも、新憲法というか、今、現行憲法との間にいろいろと差異があるのは御存じのとおりだと存じます。  その中で、今の憲法というものの中でなくて昔はあったもの、今もない、昔もない、だけど今は必要といったようなもの、実はいろいろあろうと思います。それは、九条であってみたり、環境という問題につきましても、戦前の旧帝国憲法の中に環境という言葉はなかったと記憶をしますので、同じようなことだと思いますので、定義というか、分け方はいろいろあろうと存じます。
  318. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 私は、現在の憲法は昔の憲法の反対的な立場で書かれたからかもしれませんが、やっぱり社会をつくっていくときに、権利はもちろん必要ですけれども、権利の章典というのが憲法でしょうけれども、やっぱり国民としての義務もある程度やっぱり必要だと思います。    〔理事山本一太君退席、委員長着席〕  そのときに、現在の憲法では、義務とはとにかく納税の義務だけでありまして、ほかのところについては何も書かれておりませんが、やっぱり公共社会を一緒に形作っていく、守っていくといいますか、そういうのはやっぱり国民に課せられた一つの義務じゃないかなと思いますんで、そういう点についてももう少し何かあっていいんじゃないかなとか、そういう思いとかいろんな思いがありますから、やっぱりこれから先、我が党は、私の所属する自民党では憲法原案を出しておりますけれども、各党でそういうような立場から新しい現在の体制をどうつくったらいいのかをもっともっと検討していったらいいんじゃないかなと思っております。
  319. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 過去にもない、今にもない、新しいということなんですが、それは環境問題ならば非常にすてきだな、すばらしいなと思うんですけど、今のような流れを見ていくと、それと反対の方向に向かっているんではないかという私は感がするんですけどね。  麻生大臣は、さきの外交演説で、ユーラシア大陸外周部に生まれている新興民主主義諸国を帯状につなぐ自由と繁栄の弧を日本の積極的関与でつくるという考えを打ち出してますよね。私から見ると、押し付けがましい米国のネオコンの考え方に似ていると思いますけれども、麻生大臣、いかがですか。
  320. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 全然違うと思います。根本的概念が全く違っていると私は思っておりますけれども。  私どもとしては、少なくとも一九九〇年、ベルリンの壁崩壊若しくは冷戦構造崩壊から今日までかれこれ十七年たっております。その間、少なくとも旧ロシア、旧ソ連邦の中から十五の国が新しくでき上がり、ユーゴスラビアも同じようにという形で、いろんな国々がこのユーラシア大陸の周辺に新しい民主主義とか、新しい自由とか価値とか、そういった基本的な我々の持っております概念と似たようなものを持って、少なくとも市場経済、それまではほとんど社会主義経済ですから、そこらの国々から分かれたところがあり、またベトナム、ラオス等々含めまして、このユーラシア大陸の周辺に今自由とか繁栄とかいうものを求めて勃興しつつある国、決して新興国家とは申し上げられませんよ、ウズベキスタン等々五千年の歴史のある国がありますんで新興国家とは申し上げませんけれども、新しい基本的な価値観というものを持ってでき上がってきた国々というのが今正に走り出そうとしておるというのが現状だと存じます。  そういった国々にとって今何が必要であろうかということを考えたときに、これらの国々がやっぱり繁栄をしていくという背景には、経済的な繁栄というのは大きな理由に、理由というか目的になろうと存じます。少なくとも、繁栄とか経済的なものがある程度はきちんとしたものがないと、その国の繁栄というのはなかなかおぼつかない。そういったものを、やっぱり日本という国は六十年前はほぼゼロですから、そういったところから起き上がってここまで来た国というのはほかにそうございませんから、そういった意味では、資源もない、こちらもないわけですから、そういった資源のない国で、少なくとも自国の文化というものをそこそこ維持して、そして世界第二の経済大国までのし上がった日本という国の持っております経験知見というのを一緒にやろうという話であって、我々はこれを、これが価値観だと言って押し付けるつもりはありません。向こうの持っておる価値観とこちらと同じところでやろうと申し上げております。
  321. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 分かりました。  独裁体制を民主化とするという体制変化を掲げてイラクを侵攻したブッシュ政権はすっかり行き詰まっているような感じがするんですね。ブッシュ大統領、今現在は私はレームダックという状態にあると思っています。ネオコンはしかしまだあきらめずに悪あがきしているような感じがするんですけど、ネオコンの発想が時代遅れであることは明白だと、ネオコンのやり方というのは時代遅れであることは明白だと思うんですね。対象になるその……
  322. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 地雷、地雷ですか。
  323. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 時代遅れ、時代遅れね。
  324. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) ああ、時代遅れ。地雷を踏むと聞こえたもので。
  325. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 時代、時代。ごめんなさい、ちょっと発音が悪くてね。  この麻生大臣が言われる新興民主主義国家であってもなくてもいいんですけれど、日本政府は積極的関与をしてほしいと頼まれたことはあるんですか、その国々から。
  326. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) この自由と繁栄の弧というのを演説した後、いろいろな国々に行く機会がございましたけれども、例えば中央アジア含めてGUAM、GUAMっていうのはグルジア、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドバのことですけれども、こういったGUAM諸国とか、またバルト三国等々、いろいろな方々が日本にお見えになることがありました。またこちらが行ったこともありますが、いずれもこの自由と繁栄の弧についての協賛というか、賛成を得たというのは事実であります。
  327. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 それは大臣の方から話を出した、その興味をもらったということですか。
  328. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 向こうの方から自由と繁栄の弧について、是非我々もその自由と繁栄の弧の中に入れてもらいたいという意欲があったり、またトルコのようにこの中に入れてもらったことに感謝されたり、いろいろ例はございます。
  329. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 それは、お話聞きますと世界の半分なのかなと思ったりするんですけどね、分かりました。  日本の戦後レジームは平和憲法を背骨に持つ民主主義の成長過程であり、依然日本社会は成長しつつあると私は思っております。それから脱却するとは私は愚かな考え方だという考え方を持っておりますね。やっぱり平和憲法と民主主義を二十一世紀に奥深く発展させることこそ政府が真っ先に取り組むべきことではないかと私は思っているんですけど、麻生大臣はどう思います。
  330. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 民主主義というものを基本とするという戦後の考え方の基本になりましたものの一つですけれども、そういった自由とか民主とか、そういった基本的なものというものは今後とも大事にされてしかるべき普遍的な価値観を持った概念だと私も存じます。  ただ、日本にとって、今あります現行憲法が、それにとってどういった更なる自由、更なる繁栄、そういったものを考えていったときに、今の現行憲法というものは、これは不磨の大典ではありませんから、そういった意味では我々としては憲法というものは国の国体、国体というのは国の体質ということですが、国の国体を成す一番の根本だと存じます。そういった意味で、その憲法が今の時代、日本という国を取り巻く国際環境、いろいろなものにあって日本の国益に資しているか、最も資しているかという、いろいろな意味での比較検討というのは常にされてしかるべきものだと存じております。
  331. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 ならば、憲法九条と前文に対してどういう御見解をお持ちですか。一項、二項含めて、この憲法九条と前文の理念に関してはどういう御見解なんですか。
  332. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 憲法の前文というものの中で、いわゆる隣国等々からの正義というものを常に信じていくという大前提があそこに書いていると思いますが、友邦国が必ずしもジェントルマンであるという保証は全くないということは今我々の置かれている環境というものを見てお分かりのとおりだと思いますんで、前文に適したような国がすべての隣国なり世界じゅうの人たちの正義というものだけを信じてやるような状況であるほど今は簡単な状況ではないと、私はそう思っております。
  333. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 戦後レジームからの脱却という言葉を僕は安倍総理は使い間違えているのかなと思うときがあるんですね、どこかでね。もし戦後レジームからの脱却という言葉にしがみ付くのならば、いっそのこと沖縄を軍事植民地状態から解放すべきではないか、沖縄こそ典型的な戦後レジームの犠牲者ではないのかという思いがあるんですけど、両大臣、是非よろしく。
  334. 久間章生

    国務大臣久間章生君) まあそういうふうに言われる方もいらっしゃいますが、私はまた必ずしもそういうわけではなくて、現在の我が国のいろんな状況の中でやむを得ない形で沖縄の皆様方に負担が非常に掛かっておると、そういうような理解をいたしております。だから、戦後レジームが沖縄に残っておるんだというような、そういうこととはちょっと言えないんじゃないかなと思っておりまして、いろんな歴史的な経緯の中で沖縄に基地が非常に多くできているということはそれは言えますけれども、しかしそれだけではなくて、やはり我が国の置かれたいろんな環境の中でやっぱりやむを得ない点もある、それが非常に沖縄の人には気の毒だなという、そういう思いを併せて持っております。
  335. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今、久間防衛大臣が言われたのと基本的に同じでありますけれども、少なくとも沖縄の置かれております地理的な状況、地政学的に見ました地理的、日本の最南端に位置する等々の地理的な状況が一つ。また、いわゆる沖縄というのに、米軍が最初にそこに上陸してきております、本土としては。そういったところに関しまして、沖縄に、いわゆる日本が昭和二十七年に独立を回復いたしました四月の二十八日以降も、少なくとも沖縄にそういう状況にはなかったというのはもう先生御存じのとおりであります。  加えて、そこに基地等々のものが存在をしておるということに関しましては、沖縄県民という方々の人口比でいきましたら、米軍基地若しくは日本基地というものの比率が極めて高いということから負担を掛けているという現実はもう間違いない事実だと思って、これはみんな、他の県民というか国民も同様に理解をしているところだと存じます。  しかし、それだからといって、沖縄だけが戦後レジームの中でというような感じで、そこだけと言われると、これはほかの基地のあるところ、いろいろ皆それぞれ、その地域地域におきましては非常にいろいろ御負担をいただくところもお持ちですし、私どもも福岡というところにおりますんで、そこには、ずっと米軍基地の多くはあったところにおりましたんで、板付、築城、雁ノ巣、いろいろございましたんで、そういった意味では私どももそういった状況が分からないわけではありませんけれども、だけど、沖縄だけが戦後レジームから脱却してないかと言われることに関しましては異論があります。
  336. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 私は、だけという考え方を持っていますけれどもね、実際はね。  やむを得ないとか、地政学上南にあることが、それはだれが勝手に決めたかと私は思うんですけれどもね。やはり、沖縄に対する基地の負担というのは、あるいは基地があった今までの歴史から見ると、これは、特に長崎の出身である防衛大臣ならば、本当に長崎の悲劇を感じるのを持っていらっしゃるならば別の答えを出せると私は思いますけれども、どうですか。
  337. 久間章生

    国務大臣久間章生君) やっぱり基地というのは、やっぱりそのときのある必要性というのを念頭に置きながら配置するわけでありまして、やっぱり戦後ああいう形で沖縄が占領されておったという、それは事実としてありますけれども、それだけではないわけでありまして、それだけであるというよりも、それ以外の要素の方が強いわけでございまして、余りここでいろんなことをつまびらかに言うわけにいきませんが、昔から委員会等で言っているのは、要するに、現在の沖縄の位置の縦深性、縦に深いという縦深性が、ほかの地域と比べたときにどうしてもあそこに選択せざるを得ないという、そういうような意味があるんだという、そういうのを十年前、防衛庁長官に就任しましたときにるる説明を受けたことがございます。その状況は今でも私は変わってないというふうに認識しております。
  338. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 あそこでしかできないということをるる教えを受けたというのは、だれからですか。
  339. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 自衛隊の幹部が、また沖縄についての米軍からの説明と、双方を私に説明したわけであります。
  340. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 まあそれは、米軍自衛隊ならば納得しますけれどもね。  若干南にあるということをさっきお話しなさったんですけれども、南ならちょっとぐらい長崎にずらしたらどうですか。私はそうすればすべて流れはうまくいくと思います。どうですか、久間防衛大臣
  341. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 長崎にも御承知のとおり米海軍の佐世保の基地がございます。  ただ、それはありますけれども、やはり、また、ある意味では、長崎の方はある国から非常に近過ぎるという点もございまして、やっぱりいろんなことで、さっき言った縦深性、縦に深いというそういう意味をどういうふうに理解するか。まあ、これ以上は申しませんけれども、やっぱりそういういろんな要素が絡まっているということも御理解賜りたいと思います。
  342. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 次は、まあこの話はそこまでにしておいて、次はネオコン政策について聞きます。ネオコンね、アメリカの。  米国でネオコンは末期症状というのかな、たそがれどきにあるのに、安倍政権がネオコンまがいの政策を打ち出せば打ち出すほどに日米間の認識の格差が深くなり、政策の食い違いが多くなると思っています。麻生外務大臣はこの点をどう考えていますか。
  343. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 安倍政権がネオコン的性格という前提になってしゃべっておられるという理解、今の御質問はそういうことをおっしゃりたいように伺いましたけれども、安倍政権がネオコンというようなイメージを私自身は持ってまずおりません。  それから、今のブッシュ政権の中にあって、いろいろな外交政策というものの基本というものは、今までは少なくとも外交特別補佐官コンドリーサ・ライスという人がその権限を多く持っていたと思います。今でも国務長官、そして後任のハドレーはコンドリーサ・ライスのときの部下というのがたしか、系列からいくとそういうことになろうと思いますので、急激にそれが変わるとも思えませんし、また民主党が上下両院で多数を占めたからブッシュ政権のイラク政策が急激に変わったかといえば、少なくともイラク・スタディーグループと言われたISGのいろいろな提案等々は受け付けることはありませんでしたし、また、下院の撤退決議案もいわゆるビトー、拒否権を使って排除という形になっておりますので、少なくとも、今ネオコンというものがなくなったから急激に変わるという状況にあるだろうかというと、私は少なくとも、これまで約六年半ぐらいになりますけれども、その基本的政策が大幅に変わったという意識はありません。それは少しは変わっているとは思いますけれども、急激に根底から変わったという状況にはないと思っております。
  344. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 例えば北朝鮮外交ですが、ブッシュ政権は昨年の中間選挙で負けて以来、北朝鮮に対しては対話路線を明確にし始めているんですよね。それを今日まで続けていますけれども、日本は北朝鮮と首脳外交を演じた小泉総理の後をずっとそのまま継いでいるような感じがするんですよね。やっぱり拉致問題を前面に掲げて北朝鮮に対して強硬路線を維持しているように見えるんですけど。  ひとつこの脱ネオコンの、もう私はアメリカは脱ネオコンと見ているんですけれども、脱ネオコンの米国と安倍政権には一種のねじれ現象が起きているんではないかと思っていますが。だから、日米政府間で明らかに立場が、立場に開きが出てきているような感じがするんですけれども、麻生大臣はその辺はそういう認識はありませんか。
  345. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今、日本の政府とブッシュ政権との間に北朝鮮政策に対してねじれがあるかという御質問ですか。
  346. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 そうです。今、アメリカは私流に言えば脱ネオコン、ネオコンからの離れがあるんですけれども、しかしまだその古いものを追い掛けているという、アメリカはもう体制が変革し始めているのに日本はいつも後追いをしてしまっている、ねじれがあるんではないかという。
  347. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 具体的な話じゃないものですから、どこをもってねじれになっておるのかというところが分かりませんし、向こうの政権の変化について云々するという、コメントするという立場に私どもとしてはないんですが、少なくともこのたびの安倍・ブッシュ会談、六時間少々の間で北朝鮮問題というのを最も長く討議をされておりますが、その中で、今この北朝鮮政策に関して安倍、ブッシュという両政権のヘッドにいる人たちの間に少なくとも大きなねじれがあるという感じは私は全くありません。
  348. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 かつて台湾を承認していた日本政府は、米国の頭越しの対中外交交渉実施によって冷や水を浴びせられた歴史がありますよね、大恥をかいたというのか。日本が今のような強硬路線を続けていると、米国と北朝鮮がまた同じように頭越しに国交を正常化させるという事態に私はなりかねないと思うんですけれども、麻生大臣、どうですか。
  349. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 全くないと思います。
  350. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 その全くないという自信はどこから来るんですか。
  351. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 安倍・ブッシュ会談、これまで少なくとも両国の総理と大統領がほとんどバイみたいな状況で六時間にわたってこの北朝鮮問題を延々と語った後、いきなり向こうが政策を変更するというような状況は、私としては少なくとも考えづらいと思っておりますんで、そういった意味で直ちに頭越しに北朝鮮と国交が回復して日本だけ置いてけぼりになるなんということは、ちょっと私の想像力を超えております。
  352. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 大臣はしっかり今の考え方をアメリカに通すような力を持ってくださいね。  これまで日本防衛当局は北朝鮮の脅威を意図的に過大評価し、日本の軍備拡大に利用してきた節が感じられます。米国の軍産複合体と気脈を通じる日本の軍産複合体ないし防衛関連産業は北朝鮮の脅威を必要以上にあおって、それを利用しているのではないでしょうかという、久間大臣、そういう私は疑問があります。
  353. 久間章生

    国務大臣久間章生君) そういうような意図は全くございませんで、ただ日本としても備えることは備えておかなければならない。アメリカ日米安保条約があるからといってアメリカに全部任せるというわけではなくて、自らやっぱり担わなければならない役割とか任務とか、そういうのについてはやっぱりこちらとしても能力を付ける必要があるという、そういう認識を持っておりますので、必要以上にあおって、それに乗じて不必要なものをやるというようなことは毛頭考えておりません。
  354. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 アメリカはもう近いうち、やがて北朝鮮からテロ支援国家というものも肩書も外すと思うんですけれどもね。国交を早く正常化させ、北朝鮮の脅威を取り除く方が、私は巨額な軍備予算を消費するよりもはるかに賢い選択だと思いますが、そのような選択の方向に意識を向けた方がよいのではないかと私は思うんですけれども、麻生大臣
  355. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) その種の考え方は昔からあると思います。その種の考えに対して、我々の提案に対して全く応じてこなかったのが先方でありますんで、外交というのは常に相手側のある話ですから、こちら側の一方的な都合だけで向こうが収まるわけではないというのは、もう喜納先生よく御存じのとおりなんであって、これまでも我々、たんびたんびいろいろな話をしたのに対して、何ら拉致含めて誠意のある態度はこれまで全くなかったというのが我々の実感をいたしておりますんで、したがって、対話と圧力という表現をこれまで取り、そしてそのとおり実行してきたというのがこれまでの歴史だと存じます。
  356. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 言わんとしていることは分かるんですけれども、ただ日本の外交が下手ではないかと私は思っていますね、あの自民党の外交がね。この辺はどう思いますか。
  357. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 具体的に言っていただいた方が分かりやすいと思いますが。
  358. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 アメリカならばこういう形で、アメリカならばうまく六者協議に参加させながら核を廃棄させるということをとんとん拍子で持っていけるんですけれども、日本一つも進展がないというのは外交能力に問題があるのではと私は思っているんですけれどもね。どう思いますか。
  359. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 何をもって外交能力がないと言っておられるかがよく分かりませんけれども、少なくとも過日の、昨年七月のロケット、ミサイルの実験、十月の国連におけますいわゆる核実験に対する全会一致によります制裁決議等々は、いずれも安保理事会におけます非常任理事日本がすべてをリードし切ったと、少なくとも七月のミサイルのときにはそう思っておりますし、十月の核実験のときには六日間で全会一致ということになっていったこれまでの関係等々を見ましたときに、私は、少なくとも日本の北朝鮮に対する外交能力がないというようなことを考えておることはございません。
  360. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 私は、こんなすばらしい外交力もあるんですけれども、それは、常に私が思うことは、アメリカのレジームに対して合わしている外交であって、日本のオリジナルのそのレジームという、もしレジームを唱えるならば、一番近い国を説得していくところから外交をしないと安全保障も成り立たないというふうに私は思っているんですね。その辺はよろしくお願いします。  次は、人間を守る安全保障の確立について質問します。  沖縄は第二次大戦末期の沖縄戦で多大な害を被りました。広島、長崎もしかりです。東京を始め全国の都会は空襲で焼け野原にされました。幾多の尊い人命が損なわれたか、言うまでもありません。また、日本軍はアジアを始め多くの国々を侵略し、たくさんの外国国民を殺りくしました。加害という歴史的犯罪を乗り越えた反省から、人間の安全保障という考え方が広がってきました。  ところが、戦時の日本軍の被害者である従軍慰安婦や強制連行労働者は裁判のたびに敗れ、無念の思いを募らせながら亡くなっていきます。このようなことを解決できない自民党中心の政権が人間の安全保障などできるわけはないと私は思っています。憲法を改悪し、米国に戦争に巻き込まれる国に変えられ、また同じような過ちを犯す歴史を繰り返してはいけないと思っております。  久間大臣人間の安全保障をどう理解していますか、よろしくお願いします。
  361. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これ、人間の安全保障というときはやっぱり外務省マターで大体やるわけで、私の方の立場人間の安全保障というのをどう進めたらいいかと言われましてもちょっと答えようがないので、困ったなと思っているところであります。
  362. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 だから私は、防衛大臣ですから、やっぱり人を殺す武器を扱うんですから、人類を殺す武器を扱うんですから、人間の安全保障に対してどういうことか分からないと言っちゃ非常に困るんですね。もう一回考えてください、よろしく、久間大臣
  363. 久間章生

    国務大臣久間章生君) いや、おっしゃっている意味がよく分からないんで、私は北朝鮮との関係でも、やっぱり国交正常化をして、とにかくテーブルに着かせて話をしながら解決していくという、そういう姿勢というのはこれは非常に大事だと思っておりますので、それはもうどういう形でやっていくか。ただ、相手がそういうようなことに全く意に介さなくて、こっそり隠れて核兵器をどんどん造る、ミサイルをどんどん造る、そういうやつをやっているときに、じゃどういう形でそれを引っ張り出すのか、ここのところが難しいから我が国の外交でも非常に苦労しているんだなというふうな、そういう思いを持っているわけであります。  やっぱり相手のあることでありますから、相手の波長がこっちと全く合わないときにどうやってそれを合わせようとするか。余り合わせると向こうのペースになってしまいますので交渉も難しいわけでございますんで、その辺が我が省、防衛省としての立場じゃなくて、外務省は苦労しておられるんだろうなと思っております。
  364. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 自民党、確かに相手の体質もあると思いますけど、また相手の体質を砕くときには何も自公だけで外交するんではなく、共産党も社民党も民主党も使うぐらいの腹を持ったらいい方向に行くんではないでしょうかね。まあ勝手な考え方です。  文科省は、去る三月三十日、二〇〇八年度教科書検定で、沖縄戦時の集団自決について、日本軍に強制されたとか、日本軍によって追い込まれたとかいう記述を修正させたことを明らかにしました。これは問題の本質を覆い隠し、軍の命令や軍の介入と責任を隠ぺいするねらいからでしょう。それによって沖縄戦や日本軍に対する伝統的な暗いとらえ方を打ち消すことには成功すると思っているんでしょうが、しかし真実は、軍隊日本の国民を守ることができず、人類を犠牲にする以外のものではない。過去を反省しつつ未来に目を向ければ、二十一世紀の日本が憲法にうたわれているように国際社会で名誉ある地位を得ることは可能でしょう。そうなりたいならば、軍事偏重に走らずにあらゆる平和の知恵を使って人類全体のために尽くす大方針を打ち出すことだと私は思っています。  久間大臣、文科省のさきの集団自決に関する決定を的確だと思っていますか。集団自決の、文科省の。
  365. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 一閣僚としてほかの省庁の、あれが適切か適切でないか、そういうような判断をする立場にはございませんので、今この場でそういうような判断を求められても個人として述べるわけにはいきませんので、政府の一員としてここで出席しておりますので、その問いに対してはお答えを控えさしていただきたいと思います。
  366. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 ほかの省庁とおっしゃるんですけれども、これは自公政権の役割ですから、そんなこと、沖縄問題に関しては、あれは名護の問題ですからそこは言えませんから、是非答えてください。よろしくお願いします。それはよその省庁の問題と逃げないでください。
  367. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それでなくても教科書のいろんな検定の問題についてはいろいろ意見が分かれるところでございまして、役所としては、各省庁、特に文科省が責任を持ってそれに対する公的見解を出しているわけでございますから、防衛大臣としてそれに対してどうだこうだというふうな、そういう論評をする立場にはございませんので、これについて余り私自身は検討しておりません。
  368. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 ただ、安倍総理がアメリカに行ったときにはしっかり、従軍慰安婦のことに関してはある程度言葉を選んで謝っているんですけれども、沖縄のように弱いところ、押し込めばできるところにはぽんぽんぽんぽん変えていくというのは、この国の未来は果たしてそのような形でいいものなのかという疑問があります、私は。  今度は日米同盟について聞きます。  安倍総理は世界のための日米同盟を主張してきました。その同盟関係を直接の責任者として担う外務大臣防衛大臣に聞きたいのですが、一体だれが日米同盟を世界のためのものにしてほしいと安倍政権に頼んだのか、答えてください。
  369. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 日米同盟を世界のための同盟にしてくれとだれが頼んだかという御質問ですか。  私は、基本的にはだれが頼むとかだれが頼まれたという話は、これは世界とアジアのための日米同盟という考え方は、基本的には日本の外交のかなめの一つだと思っております、基本的に。だれに頼まれたからとかいうのではなくて、日本の外交にとってはかなめです。  日本という国をめぐります国際環境とか安全保障の環境というものは、少なくとも大量破壊兵器とかミサイルとかいうものを持ち、そして拉致などという非合法な手段を行い等々、いろいろ危なっかしいのが隣、近くにいることは新聞等々で毎日のごとく御存じのとおりだと思っております。加えて、テロというものがいろんな形で私どもの周辺、アジアの周辺でこのテロというものがいろいろ出てきております。地域紛争がアジアのあちこちで多発しているというような状況を見ますと、少なくとも冷戦終結後の今の方がこの種の紛争とかまたいろんな騒ぎというものは多発していると思いますね。  私は、そういった状況というものに対応して、日本という国の平和とか安全とかいうものをきっちり守っていくというためには日米同盟というものは一層強化されてしかるべきだという判断に関しましては私は賛成であります。
  370. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 ただ、私がなぜそういうことを聞くかといいますと、よく時のファシズム政権を見渡してみると皆誇大妄想が多いからね。その辺から出たならちょっとまずいなと思ってですね。  安倍総理は、最近、集団的自衛権、すなわち日米共同軍事行動を認める権利を研究する懇談会をつくりました。憲法解釈に関する一大重要問題であるにもかかわらず、法律専門家はごく少数で、全員が総理のイエスマンばかりという批判があります。麻生大臣久間大臣は、こっけいな総理の万歳懇談会とやゆされていることをどう思われますか。よろしくお願いします。
  371. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) この安全保障の話の論議というものを広くさせるという話は、これは安倍政権ができる前から言っておられた話を政権発足後これは実行に移されたというのが半年した今の状況だと思っております。少なくとも我々の周辺というものは、朝鮮半島、台湾海峡等々、この地域、北東アジアの地域というものはまだまだ不安定ということははっきりしておるという状況下にあって、いわゆる日米安全保障条約という条約の下で、少なくともこの条約が確実に実質的に実効あらしめるためには、今いろいろな、こうなった場合はという問題提起がいろいろなところでなされておりますのは御存じのとおりであって、それに我々はどのようにして今対応できるかという件に関しましては、少なくとも安全保障の法的基盤というものの再構築に関する懇談会という名前を立てておりますが、ここにおいていろいろな話が、有益な、なるべく幅広い議論が行われるということは大変いいことなんではないかと、私はそう思っております。
  372. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 それは、防衛大臣はいい、それでいいです。  幅広い話をするということは分かるんですけど、内容の問題があって、それで憲法改正でも九条をなくすには時間が掛かるから、手っ取り早い方法として、憲法解釈によって集団的自衛権を確保したように思えるんですね。  やっぱり、度重なる世論調査では憲法九条はそのままでいいという話なんですけれども、何せ総理大臣は若いですからね、何か突っ走るんではないかという危うさを感じるという。ちょっと私にある人が訪ねてきたんですけれども、総理にちょびひげを付けるとヒトラーに似てるという、ヒトラーに似てきているという言い方するんですね。僕はその直観は無視できないと思うんですね。僕は、何というのかな、安倍総理に麻生大臣は、総理は絶大な力を持っているからもっと自信を持ってやれと進言されたという話を聞いて、だから総理の暴走は外務大臣のところから発したのかなと思っているんですけれども、どうですか。
  373. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今のお話ですけれども、少なくとも私どもはきちんと自民党党員並びに議員によって選ばれた自由民主党の総裁というものを持っております。話合いで選ばれたのではありません、党員含めて総裁選挙で選ばれておりますから。私出て負けた方ですから、勝った方が代表になるのは当たり前のことです。その人が自信を持って進めなくてどうするんですか。私どもはそういう人たちを選んだんですから、選んだ人というものは自分たちなんで。私は入れていません、票を、私に入れていますから。だけど、そういった前提に立って話をしていただかないと、いかにも、ひげ付けたから、似ているから気に入らないとかいうような、そういった情緒的、主観的な話に賛成することはありません。
  374. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 いや、選ばれたことは確かですけれども、確かに、いや、ヒトラーだって選ばれたからね。その後の、周囲がだらしないからああいう方向に行っちゃったんですけれどもね。それじゃ私は、周囲がしっかりしておれば安心だなという、麻生大臣から感じました。私も非常にポジティブです。  集団的自衛権とは簡単に言えば日米間の軍事共同展開だと言えるでしょう。例えば、米国が二〇〇一年の九・一一事件のような一大テロ攻撃に遭遇した場合、日本政府が集団的自衛権は確立されているとの立場を取っておれば、米軍の報復行動に自衛隊は参加しなければならないことになりかねない。そうなれば、日本領土も国際的なテロ組織の攻撃対象として浮上することになると私は思っています。ブッシュの番犬と、ちょっと口は悪いですけれども、ブッシュの番犬と呼ばれたブレア首相がしっぽを振ってイラクにはまり込んだ英国は、不幸にもテロ攻撃に巻き込まれた事実があります。一たび集団的自衛権を確立すれば、日本はテロ攻撃の明確な対象になることは避けられないでしょう。  麻生大臣久間大臣、よろしくお願いします。
  375. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 何をよろしくお願いされたのかよく分かりませんけれども、質問をちょっと分かりやすく言っていただけませんか。
  376. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 集団的自衛権を持ってしまうとテロの攻撃目標にされるんですよ。そのことをどうお思いですか。アメリカに参加してね。
  377. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 私はかねてからいろんな委員会でも、憲法調査会でも発言する機会がありましたから言っておりますけれども、要するに、自衛権という概念についてもう少しいろいろ議論してもらいたいということを言っているわけです。  集団的自衛権と個別的自衛権と二つがあって、とにかくどこかと条約を結んで同盟になっておったら、自分の自衛権でないけれども、その国の自衛権のときでも自衛権として、集団的自衛権として言われるけれども、果たしてそうなのかと。我が国の自衛権が集団的か又は個別的かであって、よその国が、同盟を結んだ国がどこかと戦争をし始めたからといって、我が国の自衛権としてそれに参戦するというふうに自動的になっていくのかどうか、そこのところはきちんと区別ができるんじゃないかということを前に憲法調査会で述べたことがございます。  私は今でもそういう気持ちは非常に強いんで、先般、民主党さんが自衛権の概念について、今までみたいな集団的か個別的か、二つの自衛権があるというのはどうなのかというようなことを言われましたときに、私自身も、まあそれはいい機会を得たなというふうに思いましたので、今回、今回のやつはちょっと違うんで、集団的自衛権で個別的なケースについてどうなのかと、憲法で禁じている集団的自衛権に該当するかどうかを検討してもらうということですから、私がさっき言ったようなこととは若干違いますけれども、戦後六十年たっているわけですから、六十年前の概念でいいのかどうかというのはやっぱり研究する時期に来ているんじゃないかなというふうに思っております。
  378. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 是非研究して、沖縄も喜ぶような方向で考えてくださいね。  久間大臣米軍再編についてのその特措法の正式な呼び名の頭には駐留軍等という言葉が付いています。この「等」は何を意味するのか、よろしくお願いします。
  379. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 駐留軍等の「等」は、自衛隊を含むという意味で、駐留軍だけではなくて駐留軍等というような言葉でくくっております。
  380. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 自衛隊も含むということですね。  日本に駐留していなくても、日本に立ち寄る、あるいは日本を通過する米軍も含まれていますか。
  381. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 駐留軍と言うときには、これは日本国にある米国軍を指しますから、経過していく、途中立ち寄った軍隊駐留軍という概念に入ると思います。
  382. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 ああ、そうかな。もう歯止めが利かないんだね、これはやっぱり。  沖縄絡みですが、那覇空港沖に建設予定とされてきた同空港の二本目の滑走路を緊急時に米軍が使用できるようにしたいという要望が一九九六年十一月ごろ米空軍嘉手納基地の第十八航空団からあったことを示す文書が、つい最近、琉球新報によって報じられていますが、久間大臣、この空軍文書の存在、知っていますか。
  383. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 先般、報道等でそういうようなものがあって、そういうことについての記事を読んだことはございますけれども、それを私として正式に認識したわけじゃございません。それは、外交文書その他、どういうふうに今公表されているのか、私自身は見ておりませんので、それについての確認は取れておりません。
  384. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 それでは、この文書の存在を、内容を早く表に明らかにしてくれますか、もしあるんならば。
  385. 久間章生

    国務大臣久間章生君) いや、防衛省にはそういう文書はございませんので、私自身が見ているわけではございませんで、報道で知ったということでございます。
  386. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 アメリカに問い合わして取り寄せることはできないんですか。
  387. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それは、しかし、これは防衛省としてもう本当に知り得る立場にありませんので、こちら側がそういうのを問い合わせるというようなそういう立場でもございませんので、そこはちょっとできかねると思います。
  388. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 だから、沖縄に関しては、さっき沖縄は地政学上であるとか南にあるとか、どんなことを言ってもいいんですけれど、それならば、堂々と沖縄と話をして隠さずに進めていくという方法をしないですか、久間大臣
  389. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 先ほどから言っていますように、防衛省、当時は防衛施設庁ですね、要するに防衛施設庁は基地を提供する、その基地の問題については確かに施設庁マターでありますけれども、どこが、アメリカが何に使うかどうかということは、これは防衛庁マターじゃないわけですよ。だから、防衛大臣としてその中身について知り得べき立場じゃございませんでしたので、これについてはどういうふうになっているのか把握していないということを言っているわけであります。
  390. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 それで、今後それを細かく沖縄に説明してくれますか、沖縄県民に。
  391. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 先ほどから何回も言っていますように、今の各省設置法でこの仕事はどこの省かということは決まっているわけでありますから、その中身については、米軍とのいろんな、事実上のいろんなやり取りはあるとしても、それは事実上の運用の原則とかいうのを決めるのは外務省で決めるわけでありますから、防衛省としては違うわけですよね。
  392. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 それならば、外務大臣、よろしくお願いします。
  393. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 私も、回ってこないで何で防衛庁に行くのかなと思って聞いていました。
  394. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 ああ、そうでしたか、失礼。
  395. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 御指摘の報道というものが出ておりましたが、あれは琉球新報でしたかね、何か出ておりました。米軍内のいろんなやり取りのことについて書いてありましたので、それを御存じのように我々はコメントする立場にはないということであります。それが一つ。  一方、普天間飛行場の移設というのに伴って、いわゆる緊急時にどのような施設を使用するかというような研究の必要があるということは、これは今から十年以上前のSACOの最終報告においてもこれは明記をされておると記憶します。したがって、このような経緯を踏まえて、昨年の五月に行われました2プラス2においても、民間施設のいわゆる緊急時における使用の改善というものについては日米間で検討しようという話が出たことまでは確かです。しかし、現時点で、今言われました那覇空港ですか、那覇空港の使用といった点を具体的に詰められたことはございません。
  396. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 沖縄はいつもそういう、大臣はいつも同じお言葉掛けるんですけど、後でふたを開けるとそのとおりになっていたということがありますからね。  久間大臣、あなたは自衛隊で使われている隠語の共食いという言葉を知っていますか。──共食い。
  397. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 何と何の共食いですか。
  398. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 共食い。知らない、隠語。──共食い。
  399. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 共食いというのは、いろんなことで共食いと言いますけれども、何の共食いですか。
  400. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 実際はもう古くなった戦闘機をわざと海に落としてなくすとか。
  401. 久間章生

    国務大臣久間章生君) いや、そういう意味での共食いというのは知りませんでした。
  402. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 ああ、そうですか。それじゃ。  ステルス戦闘機が沖縄に配備されたことがありますよね。そのとき、このステルス、F22を欲しくて、よく、いつも選挙前になるといろんな戦闘機が落ちて、沖縄で落ちてなくなってしまうからね。どうですか、これ。
  403. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それはないと思います。  今までも、確かに事故で戦闘機が破損したり、あるいはまた海中に落ちたり、それはありますけれども、わざとそういうことを、人命にもかかわることですから、そういうことをするはずはないわけでありまして、冗談にもそういうことをこういう場で言っていただくと、さもあるかのように誤解されたら大変でございますから、そういうことは断じてないということを申し上げておきます。
  404. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 断じてないということをしっかり調査してくださいよ。なぜならば、やっぱりこのステルス戦闘機、一機で二百五十億円もするからね。これだけを人間の安全保障に使えばどんなに人類が喜ぶか、私はそう思って、なるべくならば節約して、共食いもせずに古い機種はどこかにうまく保管して整備して使うとか。まあ、そうしたら負けるかもしれませんけれども、戦争はね。  やはり、一番大事なことは、僕は防衛省よりも外務省が大事だと思っているんですよ。今のような形で見ると、どうも外務省防衛省の子分ではないかと思ったりして。これはどう思いますか、これ。
  405. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 私が久間章生の子分かと言われたいわけですか。  言いたい気持ちも分からぬではありませんけれども、お断りしておきますが、こっちの方が老けて見えますが、こっちの方が年が若いということもお忘れなく、お願い申し上げます。
  406. 久間章生

    国務大臣久間章生君) やはり国の安全というのは外交がやっぱり第一であるというのは、もう私も認識は同じであります。  やっぱり、外交努力によってそういう雰囲気をつくらない、いかにして相手との信頼関係をつくっていくか、これが一番でございまして、最悪の状態が国防だと、そういうふうに理解しておりますから、それについては私も気持ちは同じです。やっぱり外交努力によってできるだけそういう緊張状態をつくらないように日ごろからやっておくという、これが一番大事でございますから、外務大臣には大変努力しておられるようでございますので、こちらはその後を付いていこうと思っております。
  407. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 いや、なぜかといいますと、やっぱり久間大臣アメリカに文句を言って、またアメリカからしっぺ返しを食らうというふうなことの中で、ちょっと弱気になって、かみそりを送られるという訳の分からないことがありますよね。やはりそういう暴力社会を直していくためにも、我々はもっともっと大きい、何というのか、理念を持たなくちゃいけないと思いますね。私の方にも来ますからね、脅迫電話というのは、もうこの二、三年。政治家にならなければよかったなと思うときもあります、私も。  だから皆さん、是非、久間さん、強い信念を持って、麻生大臣麻生大臣は将来は大臣かもしれぬけど、麻生外務大臣の、何というんですか、外交にもっともっと比重が掛かるような交渉をしてくださいよ。そうすれば、沖縄もいつかはきっと平和な国が来るんではないかという期待も持っていますけど、防衛大臣アメリカにびくびくしたらこれは困るなと思っておりますが、どうですか。
  408. 久間章生

    国務大臣久間章生君) やっぱり言うべきことは言いながら、しかしながら協調するところは協調しながら、日米の同盟関係がしっかりないとやっぱりそこにすきができるわけでありますから、それは非常に大事であると思います。  それと、日米同盟というのは、やっぱり私は、その日米同盟がしっかりしていたからこのアジア太平洋地域全体で平和がずっと続いてきたという、こういうことについても、東南アジアからずっとこの方、東アジア、東北アジア、全部理解してくれているわけでございますから、日米同盟というのはやっぱり大事であるということについては、国民全般でももう少し理解をしてもらったらいいなという思いも一方ではございます。
  409. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 やっぱり外交、防衛も、外交だって防衛だと思っています、私は。やはり外交力というのはこれは非常に大きい知性に裏打ちされると思っていますので、是非、中国をけっ飛ばすときはアメリカもけっ飛ばすぐらいの、あるいは北朝鮮をけっ飛ばすならば、あるいは、まあ何というんですか、ある友好的なところもけっ飛ばすぐらいの、やはり地球規模、人類規模でけっ飛ばすぐらいの力を持ち得てやはり外交するぐらいのアイデンティティーを私は備えれば、この日本はすばらしい国になると思っているんですね。やはり日本が持っている知性というんですか、知識の技術、技術の知識というんですか、それと富、勤勉な富を戦争の方向にも使われることは非常に不幸なものだと思っているんですね。だから、是非、日本のこの勤勉な汗の結晶である富と知性の結晶である技術を平和のために使うように、いつか防衛省を改めて平和省に切り替えてください。よろしくお願いします。  これで、時間はまだありますか。もうないか。ああ、あと二分ぐらいある。  それで、どうですかあれは、あと二分ありますが、今日はもうないと思って、私、今止めたんですけど。
  410. 田浦直

    委員長田浦直君) あと一分ですね。
  411. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 はい、ありがとうございます。  伊藤一長のあの銃殺問題はテロと思っていますか、それとも単なる事件だと思っていますか。
  412. 久間章生

    国務大臣久間章生君) あれは単なる事件ではなくて、やっぱり行政に、何といいますか、最近いろんな圧力が掛かってきている、暴力的な圧力が掛かってきている、そういうのが表に表れた一つのケースじゃないかなと思って、やっぱりこれは油断できない傾向にあるというふうに思いますので、これから先ああいうような行政組織暴力といいますか、こういうことについては真剣にとらえていく必要があるんじゃないかなと思っております。
  413. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 そうですね。是非あの……
  414. 田浦直

    委員長田浦直君) 喜納君、簡単にひとつまとめてお願いします。
  415. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 はい。  この暴力社会の台頭というのか、行政にやくざが入ってくるとか、これはある意味じゃ基本的には政治の腐敗から生まれてきますから、是非、松岡大臣の心も開いて真っ当な人間になるように、是非真剣によろしくお願いします。  どうもありがとうございました。
  416. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 米軍再編特措法は、日米合意に従って米海兵隊のグアム移転経費を日本が負担するための仕組みをつくるというものだと思います。政府の説明によりますと、グアム移転経費は百二億ドルとされ、そのうち六十億ドルを日本が負担するということです。この米国内への移転経費の負担というのは、日米安保条約及び地位協定等の関連取決めに照らせば、どちらが負担すべきものなんでしょうか。
  417. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 米軍再編に伴う海兵隊の移転、グアムへの移転ではありますけれども、かねてから、沖縄県からとにかく海兵隊をよそに移していく、減らしていくという、そういう要望を我が国としては行っておったわけであります。これが国内で、もし海兵隊が沖縄から仮に北海道なら北海道に行くということになりますと、それは全額こちらが持つことになりますけれども、今度の場合はそれがグアムという米国領でもありますから向こうの方が持つ点もありますし、我が国としても沖縄の負担がそれだけ軽減になるから応分の負担はいたしましょうと。  そういう形で、真水の部分で約二十八億ドルを政府としても財政支出します、出動しますし、そしてまた融資の点でも面倒見て、その代わり融資した分は返ってくるという形で、それをカバーするという形でやろうとしたわけでありまして、そういう意味では、その負担のちょうどいい案分といいますか、その金額自体は先ほどから言っていますようにもっと下げる努力を今からいたしますけれども、応分の負担をすると決めた昨年の五月の決定というのは、私はまあまあいい決定だったんじゃないかなと思っております。
  418. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私が端的にお伺いしたいのは、本来、安保条約及び関連取決めに従えば、その負担というのは、日本が負担する取決めはあるものですかということですが。
  419. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 安保条約それからその取決めによって決まるんではなくて、それによって駐留している米軍日本国内で減って、日本国内で沖縄から北海道に行くんならば安保条約の取決めで全額負担せにゃいけません。ところが、今回のやつは、日本国内での移転じゃなくて、八千人が向こうに移転するということだからどういうふうに負担するのかということですから、新たな決め方じゃないかなと思うわけであります。  だから、これを、先ほどからの委員の指摘もありますように、これを具体的に最終的に決まったときには、それを、何らかの取決めを両政府間でしなければいけないんじゃないかなという浅尾委員の指摘のように、私自身もそれは、金額が固まった段階では何らかの格好で国会の承認を得るようなことが必要なんじゃないかなと思っております。
  420. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 大臣がおっしゃるように、新たな取決めなんですよ、これは。新しいことなんですよね。そうなんですよ。つまり、在日米軍駐留経費に関するルールには、これまであったルールには収まらない、そこが今度新しい点だと思うんです。そうすると、グアム移転は日本国内の移転ではない、北海道に移るわけじゃありません。移転後は駐留米軍でもなくなります。  最も基本的なことをお伺いしますけれども、そうすると、なぜ特例的に我が国が経費を負担することになるのか、その理由について挙げていただきたいと思います。
  421. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これはやっぱり沖縄からのそういう、沖縄の負担の軽減を図ろうという、我々、我々といいますか、我が国のいろんな要望が、要請も今まであったわけでありまして、その一環としてそういうふうに移るということにもなるわけであります。  卑近な例でちょっと申し訳ないかもしれませんけれども、隣同士でいろいろあったときに、この施設はあなた向こうに移してくれぬかと一生懸命頼んでおったと。いや、それは経費も掛かるから嫌だと言ったけれども、じゃ、自分も移ろうかとなったときに、頼んでいた方が幾らかうちも負担するからということだってあるわけでしょう。  それと同じで、沖縄の希望が、そういうふうに移ってもらいたいという希望があったわけでございますから、米軍再編の一環ではありますけれども、やっぱり我が国としてはそれは応分の負担はしようということで、それが全体の中で二十八億ドルは、まあ上限としてではありますけれども、出してもいいというような、そういう判断をしたということであります。
  422. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 この際ですから、沖縄軽減という理由は分かりました、伺いました。この際、根拠になり得る理由、根拠となる理由ですね、それを列挙していただけます、すべて。  つまり、日本が経費を負担する理由、それは沖縄の軽減ということは今答弁でおっしゃられました。そのほかの理由があれば言ってください。
  423. 久間章生

    国務大臣久間章生君) そのほかの理由はないと思います。米軍のそれは減ると、今度はまた嘉手納以南のいろんな米軍施設、今まであったやつは返ってきて、返還されるわけでございますから、それの分に出している分は今度は返ってくるわけですね。  だから、そういう点では負担がこれから先は減るわけですから、それはずっと沖縄に置いておけばその分はずっと続くわけでございますけれども、その分は減るから、日本政府としても減る分は、それを利息還元もしすれば結構な値段になるかもしれませんけれども、そういうことを考えると、応分の負担してでも向こうに行ってくれるということは非常にプラスであるという、そういうような計算が立つわけですから、それが理由だと思いますね。
  424. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 そうすると、その大臣の御答弁で、要するに日本が負担をする、応分の負担をする理由というのは沖縄の負担軽減のみということになりますか。
  425. 久間章生

    国務大臣久間章生君) そういうことですね。
  426. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私の手元に防衛省からいただいた「在沖米海兵隊のグアム移転について」という、そういう資料がございます。この六ページに日本も経費を分担する理由とありまして、幾つかあるんですけれども、その中に、今回は海外に移転しますが、海兵隊任務には依然として我が国の防衛が入っています、したがって、移転先が日本国内ではないから負担はしなくていいということにはならないと考えますという、それが理由の一つとして述べられております。  大臣、これは理由になるんですか。
  427. 久間章生

    国務大臣久間章生君) いや、私もこれを読んだとき、果たしてそうかなと、正直言いまして。これは私が就任する前に作られた文書でありますけれども、そうかなと、そういう思いがいたしました。  やっぱり、我が国が負担するというのは、海兵隊の機能が我が国の防衛上守ってくれるから負担するんだとなりますと、それはグアムじゃなくても、よその地区でも、いざというときには日本のために飛んで来るんだとなれば、それについては一部出していいじゃないかという理論につながっていって、いろいろ言われるんじゃないかなという気がしますからね。  私はやっぱり、はっきりと沖縄の海兵隊が、やっぱり海兵隊を、負担を減らしてくれというようなことをかねてから言っておった、米軍再編の一環として移っていく、それなら応分の負担はしますよということで、せめて家族住宅については、今度はそれについては融資してもいいから、あるいはまた、向こうに行く分についてのいろんな必要なやつの幾らかは日本としてもその負担の軽減につながるから減らすんだという、はっきりそういうふうに言った方が説明が付きやすいんじゃないかなというふうに私自身は思っておりますが、従来から今おっしゃられるような言い方も確かにしておったのも事実でございます。
  428. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 確かに大臣がおっしゃられるように、この文書というのは、グアム移転後も任務日本防衛があるから日本も払う必要があるという、そういう理由なんですよね。そうすると、大臣はこの部分については不適切と、自分は同意しないというお考えですか。
  429. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 不適切かどうかは別として、その理由で日本が金を出さなきゃならないという義務を負うのかなという、そういうような、何といいますか、そういう、日本防衛をそこで、グアムでも分担するんだから日本も出しなさいよと言われて、はい、そうですといってすとんと落ちないというのが私の今の気持ちであります。
  430. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 そうすると、大臣自分の就任前に作られた文書といっても、これは日付を見ると平成十九年二月、平成十九年二月となっています、ええ。ですから、大臣の在任中に作られているんですよね。  大臣はこれをごらんになっていないわけですね、要するに。
  431. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それは前のやつを新しく作ったんだと思いますので、私はその原稿をチェックしたわけじゃございません。
  432. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 大臣がそうかなとか、これはちょっとまずいと、すとんと落ちないと、いろいろ表現されましたけれども、そういうものを我々国会議員が読んで、理由として聞かされたわけですよね。  それじゃ、役所の方にお伺いしますけれども、これは明確な理由ですか、役所。役所、役所に聞きます。
  433. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) いつから使っているかというのはちょっと私の方も正確に覚えていないんですけれども、昨年ぐらいからいろいろ、沖縄の海兵隊のグアム移転に伴って日本が経費を負担するということについていろいろなところに説明する際に、この資料説明しておりました。
  434. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 大臣が今そうかなと、すとんと落ちないという答弁をされましたけども、あなた御自身はこれは正確だと確信されていますか。
  435. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 今回、沖縄の負担を減らすために海兵隊をグアムに移転するということになったわけですけども、日米間の協議の中では、最終的に八千人の移転が決まるまでの間の協議の……
  436. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 端的に言ってください。
  437. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) はい。  の中では、日本防衛のために抑止力も維持するという観点からの議論がございました。その中で、現実に海兵隊が移転する先については、米本土でもなくハワイでもなく、グアムに決まった経緯がございます。そういう意味で、米側、米軍としても、海兵隊がグアムに行っても日本防衛というのは視野に入っているというふうに我々は認識しております。そういう観点からこういう表現を使わしていただきました。
  438. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 それでは大臣にお伺いしますけども、そういう説明なんですけれども、大臣御自身は防衛省の責任者として、こんな説明したという思いがあると思います、あるいはこんな紙を配りやがってという思いがあるかもしれません。そこで、これについて、やっぱり大臣御自身が、大臣が責任者なわけですから、これについてやはり問題があるというふうになれば、これはやはり撤回するとか、これは、この部分はこの説明から削除するというふうに指示されるべきじゃありませんか。
  439. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 沖縄から海兵隊が減るということは、沖縄の人にとっては負担が減るということでいいんですけれども、その一方では、我が国の抑止力が足らなくなる、米軍がそこから遠ざかることによって我が国の方に空白ができるんじゃないかという心配する人もおるわけですよ。そういう人たちとの気持ちの兼ね合いの中で、グアムならいいということでグアムを選んで、そこに八千人が移るということになったということは、ある意味じゃほっとしているという点もありますね。だから、そういう人たちへの説明からいきますと、そういうことでグアムにしたんだから、アメリカも、ハワイだったら既存の施設を使えるけれども、グアムに新設をするんだから、その基地を建設するにはコストも掛かるんだから、だから日本も応分の負担していいじゃないかということを向こう向こうとして言うと思うんです。だから、そういうような兼ね合いの中からも幾らか負担するという気持ちもあるかもしれません。  しかしながら、私は、そういう説明よりも、沖縄から移ることによってこれだけの施設が掛かるから、それについて出しましょうという方の方が説明がしやすいんじゃないかというふうに思っておりますから、そういう言い方で余り強く出るとどうかなという気がするということを言っているんで、その言い方が間違っているかというと間違っていないと思うんですけれども、余り強調するような言い方はどうなのかなという、そういうような気持ちがあります。
  440. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 大臣はいつも率直に話をされるのでよく分かりますよ、感じは。しかし、やっぱり大臣が適切でないと、強調しない方がいいということが、理由は三つしか挙がっていないんだけども、その一つに、二番目に書かれているわけです、ここでは。やっぱりこういうものというのは責任ある審議をする上でまずいんじゃないですか。
  441. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 一つの理由であると思うんですよ。  よく、一時、このグアムじゃなくてフィリピンに米軍基地を造って、そこでやるから日本が負担してくれよという話を、フィリピンから話が来たことがありました。これは私の、政府としてじゃなくて、党の役員しているときですね。そのときに、それも、なるほどそんな考え方もあるんだなというようなことも思ったことがあります。  そのときはどこが出すのかなと思ったら、沖縄にある基地向こうに持っていくんだから、丸々それは日本が出して、そしてそこでアメリカさん使ってくださいよというようなことになるとすれば日本が負担することになるのかなという、そういう思いがしました。  しかし、それも、実際はそのときフィリピンから来られた知事さんに私が言ったのは、フィリピンには米軍は余り、そっちの関係を先に詰めてから持ってきてくださいよと言ったことがございますから、そういういろんなことが、こう考えますと、まあ理由の一つとして挙げていることについてはあれだけど、余りそういうような、それが抑止力を持つから負担するんだという言い方よりも、もっとストレートに、沖縄の負担が減るからやっぱり応分の負担してもいいんじゃないかということで、昨年五月に決めたときの言いっぷりの方が私は通りがいいなと今でも思っております。これがだから間違っているということを言っているわけじゃないんで、すとんと落ちないというのは、もっと今言ったように沖縄の負担軽減のために応分の負担をしますというふうに言う方が分かりやすいと思います。
  442. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 それならば、これは審議するために防衛省が作ってくれた資料ですよ。我々はこれを読んで、これを基に議論するわけですけれども、この部分、肝心なこの負担の理由について、大臣の、まあ間違いではないけれどもすとんと落ちないと、強調しない方がいいということがやはりここにどんと書かれているわけで、やっぱり適切な形に書き直していただくと、それが必要だと思います。
  443. 久間章生

    国務大臣久間章生君) こういう考え方がないわけじゃないわけですから、それをここに書いておくことがいかぬわけじゃなくて、むしろ書いてなかったらこういう言い方をしているじゃないかということでおしかりを受けるわけですから、書いているけれども、この三つの理由のうちのこれが大きいのかどうかという、そういうようなことでいうと、私は第一番目の、一番上に掲げたのがやっぱり一番のウエートが高いんじゃないかなと。しかし、この二番目、三番目もないわけじゃないという、そういうことで並べているという、そういうふうに理解していただきたいと思います。
  444. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 こういう大臣がはてなと思う資料が配られて今審議されていることについて、私は極めて不正常だし、おかしいということを述べておきたいと思います。  ちょっとこの問題を角度を変えて、じゃアメリカの側からどうかということを考えてみたいと思うんですよね。  伺いますけれども、アメリカはグアム移転について日本の負担を求めてきましたけれども、そのアメリカは、日本による費用負担の必要性と日本防衛との関係についてはどう認識しているんですか。いいですよ、政府委員でも。
  445. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 米側としても、昨年の五月一日に2プラス2が行われたときにおきまして、そのときの共同発表の中の表現として、沖縄を含む地元の負担を軽減するとの日米双方の決意を示すという記述がございまして、これに同意しているところでございます。
  446. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私、米軍の会計監査を担当するペンタゴンの監察長官の報告書ですね、三月十二日付けですけれども、米太平洋軍における部隊体制の変更に関する報告書、それを読みました。  その中で、海兵隊グアム移転の費用問題についていろいろ述べているんですけれども、グアムの米軍任務日本の費用負担に関連して大変興味深い記述があるわけですね。ちょっと長くなりますけれども読み上げますね。大事なところですからね。  二〇〇五年の十月二十九日の日米合意の第一義的なコンセプトは、米国が日本周辺地域の事態を抑止し、それに対応するのみならず日本防衛のための前方展開部隊を維持するということ、この合意は、海兵隊のグアム移転に対してのみ特有のものだ。すなわち、海兵隊をグアム以外のどこか別の場所へ移すなら日本防衛のための前方展開部隊とはもはやみなされなくなるため、日本の六十億ドル支援は取り消されるだろうと、そういう記述なんですよ。  要するに、日本が六十億ドル出すのは、日米合意においてグアムの米軍に限り日本防衛のための前方展開部隊とみなすからだと、これがアメリカの認識だということなんですけれども、この認識は日米両政府一致しているんですか。
  447. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 基本的にアメリカ軍の抑止力というものを維持しつつ、沖縄の負担を軽減するというのが主たる目的でありますから、その意味においては今の六十億という表現はいろいろ、そのときの、たしか私の記憶ですけれども、全体一〇〇として三分の一、三分の一、三分の一ぐらいで、真ん中の三分の一、米軍負担が三分の一、日本側負担三分の一、真ん中の三分の一はローンと、ローンというのは金を貸すと。だから、我々は貸しているんであって、そっちは借りているんだからちゃんと返してもらうよという意味においては、これはこっちの負担かと言われれば、貸している点では負担ですけれども、こっちはそれに対して、しかるべきアメリカという国に金を貸して取りっぱぐれるという前提でちょっとなかなか考えにくい国でもありますので、そういった意味では、そこのところの負担を、向こうはこっちがしてもらったと感謝してもらえば有り難いものですけど、我々はその金は返してもらうつもりですから、そういった意味では双方で負担をするという形で理解をしたというのがあのときの経緯だったと記憶しています。
  448. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 久間大臣にお伺いしますけれども、要するにグアムの米軍に限って日本防衛のための前方展開部隊とみなす、つまり日本防衛のために役立つからということをアメリカ自身は述べているんですけれども。要するに、この点でアメリカ政権の立場久間大臣の考えというのは一致するんですか、先ほどの経緯から見て。
  449. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それは一致するかどうかは分かりません。この数字を決めますときも、後から聞いた話ですけれども、ラムズフェルドさんと額賀さんがかなり深夜まで議論をして、そしてもう最後に決めたという話もありまして、向こう向こうでやっぱり議会に対する説明が、どういう形が一番やっぱりリーズナブルなのかということもあるかもしれませんし、我が国としては我が国の立場としてやっぱりリーズナブルな内容じゃないといけませんから。だから、それぞれの立場が背景が違うだけに、全くぴたっと一致しているかどうか、その理由付けがですね、それは私もつまびらかじゃございません、そのときの。けど、最後にとにかく数字を、ラムズフェルドさんと額賀さんとでこの数字で決めたというのは後刻聞きました。
  450. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 一致しているかどうかつまびらかではないという、この問題というのはやはり僕は日米合意の合意事項における最も重大な、重要な問題だと思うんですよ。つまり、向こう日本の負担の根拠として日本防衛をすると言っているわけですから。ですから、そういう点で担当の大臣御自身がこの問題についてアメリカとの関係で一致しているかどうかということではっきりしていないということ自身はやはり私は非常に大きな問題だと思うんですよ。つまり、アメリカの報告書の認識というのは、この防衛省の資料に書かれているように、国内でないから負担しなくていいということにならないという理屈とぴったり符合するんですよ。そうじゃありませんか。
  451. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 国と国とが決めるときに大事なことは、積み上げのいろんな背景の心理的な描写なりなんなりじゃなくて、その数字が幾らかというのがこれ大事だと思うんですね。だから、いろんな理由付けをもし大事にするとその数字自身が動くことだってあると思うんですよ、そういう理由だったらこれは駄目だとかですね。そうじゃなくて、やっぱり交渉事というのは決まった結果が大事なわけですから、だからその結果を大事にしながらどうそういうのをきちんと理屈付けるかの話だと思いますんで。  私はあのとき結構苦労しながら数字を決められたんだなというのを聞いておりますだけに、やっぱり我が国としては、抑止力を維持しながら、なおかつ、しかし、我が国から要求をしてアメリカ海兵隊の沖縄での人数を減らしてもらいたいと、そしてその代わり抑止力は大事にしてもらいたいという、そういうような二つの要素を取り入れて決まったと。そういう経過から我が国も応分の負担をしましょうという。そのときやっぱり負担軽減というのが大きかったというふうに私自身の認識としては思っていますけれども。
  452. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 まあ数字の問題はともかく、考え方、理由なんですよ。アメリカ日本防衛のために役立つから日本が負担するということを理由の一つに挙げているわけですよね。まあ沖縄の軽減とは言っていないですよ、アメリカ側は積極的に。この理由ですよ、専ら。そういうときに、防衛大臣の御認識とアメリカのそういう考えということについて合っていない、むしろ大臣はちょっとおかしいなとかこれを後ろに引っ込めた方がいいということを先ほどから言われていた。私はそこにやはり非常におかしさを感じるわけですよ。  そもそも、グアムの米軍がほかと違って特別に日本防衛のための前方展開部隊だと言い得る合理的な根拠、どこにあるんでしょうか。
  453. 久間章生

    国務大臣久間章生君) いやもう、グアムはハワイと比べて非常に我が国に近いから、いざというときにはそこが、第三機動展開部隊でもありますけれども、すぐさま対応できるという、そういう点でグアムは我が国としてもそこなら非常に助かるという、そういう思いがありますから、我が国のために役立ってくれると思いますね。
  454. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 説明になっていないと思うんですね。つまり、日本防衛する義務を負う米軍というのが在日米軍に限らないとなると、グアムだけではなくあちこちから来る、来援するという、そういう理屈になるんですよ。そうすると、すべての米の部隊に経費負担が可能だという理屈になってしまう。そうじゃありませんか。ですから、私は、やはりこの問題というのは非常に大きな根本的な問題だと思うんですね。  その問題で、理由ですよ、理由について、先ほどから防衛大臣が繰り返し、アメリカが一番主張している理由について、それはどうも違うとか、おかしいとか、余り強調しない方がいいとか、そうおっしゃられている。私は、この際、日米でどういう合意をしているのか、今この話を聞いて訳が分からなくなったですよ、正直言って。もっとぴたっと合意しているのかと思った。あるいは、もっと詰めていると思った。しかし、そういうふうには受け取れないんですね。  そこで、委員長にお願いしますけれども、随分この時間、この問題、長く掛かってしまいましたけれども、この問題で、やはりアメリカ立場等々の文書、それはありますので、それをよく検討して、次回までに政府の明確な見解を示していただくことを取り計らっていただきたいと思います。
  455. 田浦直

    委員長田浦直君) それは、後日理事会で検討させてもらいます。
  456. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 結構です。  次に、海兵隊の資産の問題なんですけれども、次にグアムへ移転する在沖米海兵隊は八千人とその家族九千人とされますが、それは間違いありませんね。
  457. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) そのとおりでございます。
  458. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 八千人の海兵部隊に対して、現在、住宅提供、光熱負担を始め従業員給与など、様々な駐留経費を日本が沖縄で負担しているわけですけれども、この移転部隊に対する日本の負担額は毎年幾らになるんですか。移転する相当の部隊の額。
  459. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 沖縄の海兵隊の八千人の削減については、一部司令部につきまして部隊名が出ておりますけれども、機動展開部隊の司令部とか出ておりますけれども、最終的にどこの部隊から何人ずつ削減するかということについては今米側の方で検討しているところでございます。したがって、この八千人に見合って日本政府が今駐留のために負担している経費についてはちょっと分からないところでございます。
  460. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 それで、大臣にお伺いしますけれども、この八千人の海兵隊というのはグアム移転後は在日米軍ではなくなりますね。
  461. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それは在日米軍でなくなります。
  462. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 在日米軍でなくなれば、これまで日本が負担してきた経費は支払わなくていいと、そう考えてよろしいでしょうか。
  463. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 大ざっぱに言いますと、その人数比率で減るものと私たちは理解しております。
  464. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 先ほど取り上げた監察長官の報告書によると、海兵隊は、二〇〇六年五月の日米合意で負担分担が決まった約百三億ドル以外に、移転に伴って毎年輸送経費など四億六千四百七十九万ドルが必要だと試算して、その予算の手当てがないと、そういうふうに述べております。  そこで伺いますけれども、移転後の海兵隊がグアムから沖縄や日本国内のほかの場所に移動したり物を運んだりする場合、その輸送費を負担することはあるんでしょうか。
  465. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 基本的にはその輸送費を負担する立場にはないと思っております。
  466. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 基本的にはない。しかし、例外もあるんですか、特例は。
  467. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 今現在でも在日米軍は、例えば訓練する際に、地元負担、沖縄の県道越えの射撃がそれで典型でございますけれども、沖縄で訓練するのは地元の負担になるんで、この地域で、本土の訓練場でやってくれというような場合につきまして、訓練の際の移転費用については日本政府が負担しております。  そういう意味で、グアムに行った海兵隊が一般に移動するについては日本政府は何ら負担する立場にはございませんけれども、日本政府の地元市町村との関係で要請するような場合には日本政府が負担することもあり得るという意味で言いました。
  468. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 あり得ると。これはやっぱり重大ですよね。こういうこともあると。  監察長官の報告書によると、こう書いてあるんですよ……
  469. 久間章生

  470. 田浦直

  471. 久間章生

    国務大臣久間章生君) ちょっと勘違いしないでください。  グアムに行って、グアムと例えば嘉手納とが一緒になって向こうでやるときに、こちらから沖縄に駐留する米軍機が行く場合の費用負担についてはそれはあり得るかもしれぬということでありまして、向こうから来るのはもう在日米軍じゃないわけですから、その経費は原則としてないわけですね。しかし、基本的には、基本的にはとさっきから言っているのは、何か例外があったときに、また、ないと言ったじゃないかとしかられるから、それで基本的にはということで予防線を張っているわけですけど、原則としてそれはないはずですよ。
  472. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 大臣の御答弁、よく分かりましたよ。予防線を張って、そういうことがあるときのために言っているわけですから、本当に正直な話だと僕は思いますよ。本当に正直な話だと思いますよ。ですから、やっぱりこういう危険性があるんですよ。  それで、先ほどの監察長官の報告書によればこう書いてあるんですね。海兵隊は、二〇〇六年五月の日米合意で負担分が決まった百三億ドル以外に云々ということで、手当てが付かないと言った上で、内訳ですが、施設改修近代化費用九千三百四十七万ドル、施設維持費九千百三十万ドル云々ですね、これずらっと並んでいますよ。その合計が四億六千四百七十九万ドルなわけですよ。こういう経費について、今後日米協議においてアメリカ日本側の負担を要求してくる可能性はあるんでしょうか。
  473. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今、久間防衛庁長官の言葉を拝借させていただければ、基本的にはないと思います。(発言する者あり)済みません、防衛大臣
  474. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 基本的にはないと、これも同じことだと思いますね。絶えずそういうことで、この議論だって、米軍再編だって、もういつもいつもここで聞いても、何も明かさずにぱっと出てくるという、そういう形でやってきたわけで、私はその点で、この基本的云々という話というのは、要するに特例はあり得ると。そもそも、外国に基地を移転することに対して日本が金を払うということは本来想定外だったわけですからね。  ですから、私はそういう点からも問題になるだろうと思いますし、それから、更に言えば、六十億ドルだって、日本が負担しなければグアム移転というのはあり得ないわけですよ。そういう経過ですよね。同時に、この四億数千万ドルについても予算の手当てがないとアメリカが言っているわけですよ。じゃ、それどうしてくるんだと、どうやって維持するんだという話になったときに、同じ論理になる。私は、そういうことを大変危惧するところであります。  私は、そのグアムの移転の費用はもちろん、移転後の費用についても日本が負担する理由など一切ないと思いますけれども、一切ないと、大臣、言えますか。
  475. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それは基本的にないと思いますね。
  476. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 もう基本的にということは何度も繰り返されました。この問題については、一体どういう形になっていくのかということについては、やはり日米協議、その中でどういう問題が出てくるのか、これはなかなかこういう場で聞いても出てきません。  しかし私は、アメリカのそういう要求というのは、その点では極めてどん欲であるというふうに感じてきておりますし、その点でやはり情報公開もきちっとやって、そういったものに対してはやはり支出してはならないということをはっきりと述べておきたいと思います。  次に、日本の負担の中身についてお聞きしていきたいんですけれども、真水で建設するという司令部庁舎、教場、学校等生活関連施設はどういう米軍部隊が使用するんでしょうか。
  477. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) これは、正に今沖縄にいます海兵隊でグアムに移転する部隊に直接限った施設になりますので、沖縄にいる海外に移転する部隊が使うことになります。
  478. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 グアムに移転する部隊に限る、限って使用するという、つまり、アメリカとの間で使用者を限定するとかそういう何らかの取決めをするんでしょうか。アメリカとの間に何らかの使用者を限定するという取決めをするんでしょうか。
  479. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 最終的に細かい具体的な計画が決まって、それから日本側の財政負担も決まったときに、アメリカとの関係でどういうふうな整理をするかについては午前中の審議でも外務大臣からお答えしていますけれども、それはそのときの整理の仕方によると思います。
  480. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 出資、融資で造る家族住宅、基地内のインフラはどうなるんでしょうか。使用者制限はするんでしょうか。
  481. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 家族住宅というのは、例えば現時点で今三千五百戸程度ということになっていますけれども、日本側が資金負担をして融資をして造った部分につきまして、ずっと海兵隊の八千人分だけが入っているということでは必ずしもなくて、全体で合理的な使い方をアメリカ軍はすると思うんですけれども、あくまでもその三千五百戸というのは、沖縄の海兵隊がグアムに行くことによって新たに戸数として必要になるものを建設するということになると思っております。
  482. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 これから米軍がいろいろ決めていくことでしょうし、同時に日本は、やはり沖縄からグアムに移転するその部隊が使用するという、それが当然の目的になるわけですから、それについて厳格にそこをチェックする必要はあると思います。しかし、それを実際行うという上での何か担保というのはどうなるんでしょうか。
  483. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) これは前から申し上げていますように、アメリカ側の八千人の移転について、沖縄のどの部隊から何人移転して、具体的にどういう施設をグアムのどこに造るということが決まりましたら、我々としても当然、日本側の資金負担をなるべく抑制する見地から十分に精査をして、当然のことながら、必要最小限の日本側の負担にとどめたいというふうに考えているわけでございます。
  484. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 常識的に言って、区分して使用者を、要するに、沖縄から行った海兵隊の部分とほかのところを混在している可能性もあると思います、場合によっては。それを区分するというのは非常に常識的に言って難しいと思うんですけれども、その点はどういうふうに考えているんでしょうか。
  485. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これはとにかく、現実にはそこがもう、向こうでも転勤があってみたりいろんなことをするかもしれませんから、沖縄から行った人がずっと向こう何十年間か使い続けるという、そういうことを縛り付けるということに私はならないと思うんですよ。  ただ、我が方としては、八千人が向こうに行くから、そのうちの三千五百戸分はうちの方で手当てしましょうということで造るわけですから、だからその後の問題について、ずっと縛り付けて、向こう五十年間償還が終わるまでずっと縛り続けるかというと、そうじゃなくて、うちの方でもまた、建てた分については、五十年じゃなくて、もっと早く返してくれというようなことをこれから先交渉もせぬといけませんから、そういう中でやり取りは決まってくると思いますが。  我々としては、八千人がとにかく沖縄から向こうに移る、そのためには住宅も要るだろうから、その住宅については造りましょうということで造りますという、そういうようなコンセプトといいますか、それでスタート、スタートというかこういう建築をするという、そういうような考え方で整理しているわけであります。
  486. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 実際上、区分するというのは非常に難しいと思うんですよね。そのとおりですよ。  それで、結局どういうことになるかというと、グアムの米軍基地、それが効率的に機能するということを結局助けていくという、そういうことにもなってくると思うんですよね。そういう可能性は排除できませんよね、大臣
  487. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それはやっぱり、グアムでの海兵隊を中心とするその部隊が機能してくれないと我が国の抑止力が落ちるわけですから、おたくらとそこがちょっと基本的に考え方が違うかもしれませんが。やっぱり日本における抑止力を維持するという、そういうことを強く望んでおられる人たちもおられるわけで、負担の軽減と同時に、先ほども言いましたように、抑止力がそこで穴が空いてしまったら困るというようなそういう人たちのためには、グアムにおいて十分機能します、機能させますという、そういうことも大事でありますんで、その両方をやっぱり併せ持つ必要があろうと思っております。
  488. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 そうすると、グアムというのはどういう機能を持っているかというと、防衛省の資料、大変分かりやすいんですよね、この地図が。やはり、グアムから東京まで二千五百キロ、沖縄まで二千四百キロ、台湾まで二千八百キロ、フィリピンまで二千六百キロという、正に要衝の地にあるわけですよ。その中でやはり戦略的な地点を占めているところで非常に効果的な配備をしているわけですね。正にハブの役割ですよ、こうなっているようにですね。  ですから、そういう中で、結局、そこに日本が国税を投じてそして造るものが、インフラや住宅やその他が沖縄から移るそれ以外の部隊にも使われてしまうという可能性が排除できないという問題はやはり全体にとって大きな問題であるということを指摘して、時間になりましたので終わります。
  489. 田浦直

    委員長田浦直君) 又市先生、いいですか。
  490. 又市征治

    ○又市征治君 まだ大臣がいないから。
  491. 田浦直

    委員長田浦直君) じゃ、ちょっと速記、止めておいてください。    〔速記中止〕
  492. 田浦直

    委員長田浦直君) じゃ、速記を起こしてください。
  493. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  初めに、この法案再編交付金からお尋ねをしてまいりますが、再編交付金は、基地交付金や調整交付金あるいは基地周辺地域への対策経費などと違って、全く新しい形の補助金、こういうふうに理解をしますが、現行の交付金、補助金を将来的に再編交付金に一元化することも念頭におありなのかどうか、防衛大臣からお伺いします。
  494. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それは考えておりません。
  495. 又市征治

    ○又市征治君 そこで、この本法案は二〇一七年三月まで続くということですが、一方で沖縄振興法はそれよりも五年早く、今から五年後の二〇一二年三月末で切れますね、これ。  防衛省の提案している再編交付金は、基地を受け入れれば交付金が増え、基地を受け入れない自治体であるとか米軍再編にかかわりのない自治体は、沖縄振興法が切られた後は知らないということになってしまうわけですね。時の政府の軍事外交政策への服従いかんで自治体を差別するという、こういう意味をこれは持っているわけでありまして、この再編交付金というのは。それと、この長い間、米軍の占領、その後も基地で苦しめられてきた沖縄全土を対象とした沖縄振興法等による地域全体の底上げ政策とは大変矛盾した法体系ということにこれはなるわけでありますが。  そこで、財務省に聞くんですが、この国の財政政策としてどちらを優先をするお考えか。自治体への財源移譲によって自立を進めて、他方で特定目的の交付金あるいは補助金は削減するという三位一体の改革、これを唱えてきたわけでありますから、この特措法、差別的交付金の新設というのは新たな出費になるわけでありますけれども、改革の趣旨に反するということになりませんか。
  496. 鈴木正規

    政府参考人(鈴木正規君) 交付金と申しますのは、一般的に申し上げまして、国の特定の目的に対しまして交付する給付金ということでございます。法律に基づくものもございますし基づかないものもございますけれども、法律に基づくものは法律に定めた目的に沿って給付するということになろうかと思います。  いろいろな種類がございまして、例えば地方交付税交付金のように地方の財源調整のために交付する交付金もございますけれども、本交付金につきましては、我が国の平和と安全のために米軍再編の負担を受け入れる市町村に対し、その貢献に国としてこたえ、もって米軍再編を円滑に実施するという目的で支出するということが法律に定められているものというふうに理解しております。
  497. 又市征治

    ○又市征治君 続いて防衛大臣にお伺いをしてまいりますが、本法案の第六条で、再編実施に向けた措置の進捗状況及びその実施から経過した期間に応じ再編交付金を交付することができるとありますが、政府は、衆議院での質疑等では、再編の受入れ、環境影響評価の実施、事業の着手、事業完了という四つの段階に応じて交付するんだというふうに明らかにされていますね。その進捗状況の判断であるとか交付金の額及び支給の決定というのはだれがどのようにして行われるのか、お伺いします。
  498. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 具体的な進捗状況の判断とか交付金の金額の決定等につきましては、法律ができまして、その施行後に制定される政令その他の関係規則に基づきまして、客観的な基準により、防衛大臣の指揮監督の下、防衛省職員が行うということになると思っております。
  499. 又市征治

    ○又市征治君 政令で定めるというお話でありますが、最終的には防衛大臣の判断と、こういうことですね。そうだとすると、この自治体との間で深刻な紛争が生じかねないという気がしてならぬのですね。  これは私、先般も決算委員会防衛大臣とこういうやりとりしましたが、その先取りの例が岩国市の新庁舎建設に関する国の補助金問題じゃないのかと、こう申し上げました。  岩国市は、芸予地震で市庁舎の耐震性が低下したために新築することになって、その建設費の一部を防衛施設庁の補助金で賄うことにして、約八十一億円のうち四十九億円を見込んで工事を始めた。これに対して国は、二〇〇五年度に三億円、二〇〇六年度十一億三千万円を補助をしたということなんですが、まずこの補助金の支出の法的な根拠について御説明をいただきたい。
  500. 北原巖男

    政府参考人(北原巖男君) 又市先生に御答弁申し上げます。  今御指摘の岩国市の庁舎建設の補助でございますが、これにつきましては、平成八年十二月のSACO最終報告に関します閣議決定を踏まえまして、SACO最終報告に盛り込まれましたKC130の岩国飛行場への移駐による騒音の影響の緩和とともに、SACO事業の円滑な処理に資するということから、SACO関連補助事業といたしまして、これは環境整備法第八条の考え方を使用いたしまして、予算措置によりまして、今先生御指摘をいただきましたけれども、平成十五年度から実施をしてきたものでございます。
  501. 又市征治

    ○又市征治君 今おっしゃったように、SACOの合意に基づいてということでありますが、二〇〇七年度、防衛省はこれを打ち切ったわけで、しかし、そもそも岩国市庁舎建設に関する補助事業は、今お話があったように、SACO最終報告で決まった普天間基地からの空中給油機の岩国基地への移駐を市が受け入れるという合意に基づくものでしたね。だとすると、今回の米軍再編とは全く関係がないはず、こういうことになると思うんです。  補助金の打切りは、SACO合意の事案を容認した岩国市に対する国側のそういう意味では裏切り行為ということになりませんか。また、現にそういって現地は言っているわけですけれども、大臣、これもう一度お答えください。
  502. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 確かに、SACO合意でやりました内容が変わったというその理由は、岩国市が何かの原因で変わったわけじゃございませんで、国の全体的な流れの中で米軍再編の一環として内容が変わってきたわけであります。  しかしながら、そういう変わった状態の中で、今までどおりの内容が、向こうは今度変わってきて、移ってくる予定のやつは、そこのKC130というのはほかの方に行くわけでありまして、今度は厚木から来るわけでありますけど、KC130が来るということで補助金を予算要求して、取って、それを出しているというのが、内容が変わってきたわけですから、それをそのまま、さも続いているかのようにして予算を出すということ自体も、今度は、防衛省、防衛施設庁としては、やっぱりそこはいかがなものかという、税金を扱う立場からいうと、これは併せて、今度の米軍再編の一環としてそれがどういうふうに推移するかを見ながら出すべきであるというふうに判断して予算要求をしなかったわけでありますから。そこは、気持ちとしては、今先生のおっしゃる、委員がおっしゃるような気持ちがないわけじゃないし、こちらとしても気の毒だなと思う点はございます。しかし、中身が変わってきているわけですから、やっぱり交付金を扱うこちらとしてみれば、今度の全体の流れの中でそれにうまく乗っけていけるならば、改めて国民の合意を得て補助金をまた付けていったらいい。  だから、打ち切るということじゃなくて、今その経過途中であるということでありますし、そして、今までは全部予算が単年度主義でございましたから、約束をしてないわけですね、岩国市と国と防衛施設庁の間では、合意文書がないわけですよ。だから、今度のこういうような法律に基づく交付金の場合は、受け入れたらどうだ、ここまでいったらどうだ、こういうのは全部今度は法律で規定されますので、そういう意味では、こういう立法によってやるということは私は前進だと思っておるわけでありまして、これは岩国じゃないですよ、ほかのところ全般にですね。今までだったら全くそのときのそのときの予算の都合で、予算が付かなかったら駄目という形になって、国の責務が全然伴わない。  そういうようなことでありますので、岩国もそれだけ、四十九億をもらうという前提で臨んだときに、市議会あるいは外に対して、記者会見では国はこの約束はしておりませんということをはっきり市長も言っておられますから、その辺についての基本的な理解は一緒だったわけですね。
  503. 又市征治

    ○又市征治君 いずれにしても、こうした米軍再編に関する国の考え方や施策が国民や関係自治体に十分理解をされて共感されてこそ初めて確固とした我が国の安全保障体制を築くことができるんだと思うんですね。  ところが、今お話があったように、単年度でと言われたってこれは困る話でもあるわけで、何か出来高払のようなやり方というのは、言わばもう自治体の首長のほっぺたを札束でたたくようなやり方にこれは一方では見えるわけでありますから、自治体の反発はあっても理解を得ることというのは困難じゃないのかと、こう思うんです。ここのところをもう一度きちっとしていただきたい。この点についてはどうですか。
  504. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 今度のこの米軍再編に伴って負担の増える、増加する自治体に対しては、そういうようなことのないようにもうきちっと法律で、政令で、その市町村あるいはその周辺市町村、あるいは特定事業、こういうのを政令で定めて、そして表明するときに客観的な基準をある程度作って、ここまで来たら何割とか、ここまで来たら何割とか、そういうことをきちんと示していこうと思っておるわけでありますから、だからそういうことのないように、国民の理解を得るような形で今度の法律をやったということで、これは厳密に言いますと、法律がなくてもやれるんですよ。しかし、それは無責任じゃないかと私は言って、法律できちんとしないと、まあ岩国じゃないけれども、受ける方の市町村がそのときそのときでまた大変困るというような気持ちもあって、法律事項として挙げたわけでございます。
  505. 又市征治

    ○又市征治君 先般、五月八日付けの読売新聞は、米軍再編に関して元アメリカ海兵隊太平洋軍の客員研究員で、現在、大阪大学准教授のロバート・エルドリッヂ氏とのインタビュー記事を掲載をしています、見られたんだと思うんですが。エルドリッヂ氏は、その中で、交付金を段階的に支給するようなやり方は、沖縄普天間飛行場や岩国など基地の移設問題に関し、あめとむちをちらつかせて地方自治体との溝を深めただけだ、政府は住民の理解を得ようとするプロセスを大事にしていない、政府の取組は評価できないと、こう述べられているわけですね。  れっきとした米軍関係者から、日本政府はアメリカ一辺倒で住民をないがしろにしているという、こういう批判が語られているという事実を、今大臣いろいろとおっしゃいましたが、ここはしっかり重く受け止めて対応をされていくべきだということを重ねて申し上げておきたいと思います。  そこで、次に、空母艦載機の問題について少しお尋ねをしてまいります。  本法第二条の横二の項に今回の米軍再編の定義があって、航空機を含む部隊の場合はそれを搭載する艦船の配置の変更も含むとありますが、このくだりはどういうことを意味しているのか、御説明いただきたいと思います。
  506. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 御案内のとおり、今回は厚木の艦載機が岩国に移転することを予定しているわけですけれども、正に艦載機というのは空母と運用が一体でございまして、他方、同じ時期に空母、横須賀の空母になりますけれども、これを原子力空母に替えるという話があります。そういう中で、そういう意味で、今回法案の中で米軍再編という定義を設けまして、この空母の原子力空母への交代につきましては、昨年の五月一日の2プラス2で合意しましたロードマップ自身には入っておりませんけれども、今回の米軍再編の定義の中には入れて措置したということでございます。
  507. 又市征治

    ○又市征治君 これ、大臣にお伺いしますけど、大変何か矛盾した話ですよ。今あったように、横須賀への原子力空母の配備をさすような中身だと私は伺ったんだが、そうだとすれば全く御都合主義だと、こう言わざるを得ませんね。  元々、原子力空母の横須賀母港化というのは日米間で合意した米軍再編とは関係なく協議されてきたものでしょう、これは。米軍再編計画の中には入ってない。それなのに、なぜ米軍再編特措法の中に、今入れるとおっしゃったが、入れることができるのか、その理由を、大臣、明確にしてくださいよ。
  508. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 米軍再編のやっぱり一環であるというふうな認識を示しております。というのは、空母艦載機、今度のやつは、グアムへの移転もそうですけれども、グアムへの移転は普天間からキャンプ・シュワブへ、それができるのを待ってグアムへ移転しますよという、そういうことになっておりますし、また、艦載機も岩国に厚木から移ってきますよと、岩国の、負担軽減するために移りますよという、岩国はその分増えるわけですけれども。ところが、その艦載機というのは、横須賀に今度空母が、原子力空母が入るわけですね。そうしますと、横須賀に、一番元っこになります横須賀に入ることについては何ら対象にならないのかと言われますと、それはやっぱりかなりあそこも影響があるわけですから、それもやっぱり今度の一連の流れの中で、やっぱり基本的な米軍再編の一環だと位置付ける方が妥当じゃないかというふうなことから、横須賀を対象外にするんじゃなくて、横須賀も対象にしようという、そういう判断をしたわけであります。だから、あえてこの法律の中にそれを取り込んだわけであります。
  509. 又市征治

    ○又市征治君 横須賀への原子力空母母港化、これは決まったんですか。
  510. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これは、地元の同意を得て決まっております。
  511. 又市征治

    ○又市征治君 それじゃ、本当はこれもう少し議論したいんですが、時間の関係もありますから次に移りますが。  そこで、この横須賀の空母母港化に関連して外務省にお尋ねをいたしますが、CQと呼ばれております米軍の空母着艦資格取得訓練については、豊島実さんという方の著作「米空母キティホーク」と題する本の中で、米空母の場合、通常空母艦載機のパイロットは、空母の出港前七日以内に一人四十五分間のNLP、つまり夜間発着訓練を最低四回行わなければならない規定になっている、こういうふうに紹介をされているわけですが、だとしますと、米軍再編に基づいて米海軍厚木基地の空母艦載部隊が山口県の米海兵隊岩国基地に移転することになっても、横須賀を母港とする米空母が出港する前には厚木基地を使って空母艦載機の夜間を含むCQ、つまり発着訓練が行われることになるんではないのか、再編後も厚木での夜間も含む着艦訓練が続くことになるのかどうか、この点をひとつ明確にしていただきたいと思います。
  512. 西宮伸一

    政府参考人(西宮伸一君) 昨年五月に発表されましたロードマップにおいて、空母艦載機が厚木飛行場から岩国飛行場に移ることとされております。今般の2プラス2においても、再編を合意どおり着実に実施することで一致しています。  他方、空母艦載機の岩国移駐後の艦載機の運用の在り方につきましては、米側と今協議を行っているところであり、現時点で具体的にお答えできる段階には至っておりません。
  513. 又市征治

    ○又市征治君 今年の二月八日付けの朝日新聞によりますと、米海軍厚木基地司令官のジャスティン・クーパー大佐は、朝日新聞のインタビューに答えて、着艦資格取得訓練は空母の出港前に昼間と夜間、実際の空母で発着する試験であって、現在は相模湾沖で実施していると説明をして、米軍再編後は岩国基地でCQを実施するのは難しい、厚木基地が理想的だ、こう述べているわけですね。  ということは、やはり厚木での空母艦載機の訓練は続くということじゃありませんか。
  514. 西宮伸一

    政府参考人(西宮伸一君) 繰り返しになるかもしれませんが、岩国移駐後の艦載機の運用の在り方につきましては、米側と協議を行っているところでございまして、具体的にお答えできる段階にはございません。
  515. 又市征治

    ○又市征治君 何か、いつまででもこんなことばっかり繰り返して、これ都合悪いとみんな協議中協議中とまともにお答えにならない。大臣、ここらのところ、ちょっときちっとしてくださいよ。これ以上のこと、こんな話していると全然進まないんで。  久間防衛大臣、手を挙げておられますから。
  516. 久間章生

    国務大臣久間章生君) NLPにつきましては岩国ではやらないということで岩国市にも説明しておりますので、私どもはこれを、候補地を探して、とにかく、厚木はとにかく密集地でありますから、そこで艦載機を岩国へ移すわけでありますから、厚木でもやめたいという気持ちはあるわけですね。だから、少なくともNLPについてはやめようと思って、その場所を今鋭意探しているところでございますので、もうしばらく、また向こうアメリカとの関係でも時期を、時間をもう少しもらっておりますので、二〇〇九年の夏ぐらいまでに候補地を選びますというようなことを言っております。
  517. 又市征治

    ○又市征治君 そこで、引き続き久間大臣にお伺いをいたしますが、五月二日付けの東京新聞では、去る一日、大変御苦労なさって行っておいでになりましたが、ワシントンで開かれた日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2について、両国は米軍再編計画の着実な実施を確認したが、改めて実施を確認しなければならないほど再編は進展していないのが実情だというふうにこれ報じているわけですが、これは新聞の報じ方ですから両大臣がそう確認されたことじゃないんだろうと思いますが。  さて、米軍再編のロードマップが合意されてから一年たちましたけれども、今回、米側との間で米軍再編の進捗状況はどのように確認なさったのか、この点をお答えいただきたいと思います。
  518. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 向こうもゲーツ長官に替わりまして、こちらも私に替わりましたので、あとの外務大臣国務大臣は替わっておりませんけれども、2プラス2で従来決めたロードマップに従って粛々とやるということを再確認したいというのはありましたので、そのとおり再確認いたしました。  そして、我が方としては、その後、例えばいろんなやつについて、沖縄なら沖縄の普天間についても現況調査等に着手しようとしているとか、そういう話等について、進行状況について話をしたところでございまして、予定どおり進行しているということでございます。
  519. 又市征治

    ○又市征治君 総理や防衛大臣始め関係閣僚の皆さんがこの間、米軍再編は沖縄の基地負担を軽減するものであると何度も繰り返しおっしゃってきたわけですが、しかしこの間、合意に基づいて実施された事案が果たして負担軽減につながっているか、どうも大いに疑問だというのが現地からいろいろと言われることでもありますし、むしろ逆のケースが増えているんではないのかと、こう言われています。  例えば、再編の一環である米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機の本土移転訓練の期間中の三月六日、北谷町に設置した騒音測定器が、三月としては最高、今年に入って二番目となる百十五・六デシベル、つまり二メートル前方の自動車の警笛に相当するような騒音を記録したということが報じられておりますし、さらには三月六日、嘉手納基地実施された最新鋭のステルス戦闘機F22Aラプターなどの離着陸訓練で、同じ北谷町の測定調査は、午前九時二十三分、百十五・六デシベル、午後三時四十一分には百十一・九デシベルをそれぞれ記録をし、この日に発生した騒音の平均値は九十八・九デシベルとなっており、一週間前の二月二十七日の平均値を上回ったと、こんなふうに報告をされているわけですね。  これ、大変な騒音ですよね。クラクション、二メーター手前でクラクション鳴らされたものが、ワーンと一般のところで住居に聞こえる、こういう話ですよ。沖縄ではこの間、ラプターが嘉手納基地に一時配備されて、米陸軍のPAC3の部隊六百人が配備されるなど、基地はこれまでよりも増強されている、こういうことでありまして、一体どこが基地負担の軽減になっているのか、もう少し具体的に、逆にこういうことが報じられているわけですから、お示しをいただきたい。
  520. 久間章生

    国務大臣久間章生君) ある一定の期間だけのその測定をして増えている、変わっていないというような、そういう議論のされ方というのはいかがかと思うんです。訓練を皆さん方にお願いして、三沢を始め各地にお願いをしてやっと全国で引き受けてもらって、もう既に始めたわけです。築城ですか、この間は。今度また次はどこというように始まるわけですから。その訓練期間が、訓練時間というのは明らかに年間通して減るわけですから、その時間数はその減った分をまた沖縄で強化されれば別として、その同じパイロットがそんなに、北海道に、青森に行ってやった、そっちでやったのがまた沖縄で繰り返すということはないわけでありますから、だから年間通じてそういうような回数がどれだけ減ったかを今後カウントしていただきたいと。明らかに、それはもう六地区で受け持ってもらったわけですから、その回数分は少なくとも減るのは間違いないわけでありますんで、どうかひとつそういう報道は報道としながらも、その回数がそれだけ沖縄の嘉手納では減るということについては我々は自信を持って低減につながっていると、そういうふうに思っておりますから。
  521. 又市征治

    ○又市征治君 余り、さっき申し上げたように、車、いや、私とあなたとの間どころの騒ぎじゃないんですよ、二メーターですよ。それが少し回数が減ったからそこで軽減なんだという話になるのかどうか。ここのところが私、ちょっと擦れ違いがあるような気がしてならぬのでね、この沖縄県民の皆さんとの感覚が。それは、例えば百回あったものが、いや八十回に減ったじゃないか、しかしこのデシベルの数値見て自分たちがそれやられたらどういうことになるのかというところに私はずれがあるような気がしてならない。まあそんな論争をやってもしようがないんで、いずれにしても、大変な過重な負担になっているということですよね。  そこで、外務省に次にお伺いしますが、五月五日付けの琉球新報では、SACO最終報告の策定中の一九九六年十一月、米空軍が返還される普天間飛行場の滑走路機能に代わって緊急時には那覇空港を使用できるように日米両政府と沖縄県との間で合意すべきだとの趣旨の要望を文書で行っていたというように報じております。ついこの間、五月五日。  政府は、米政府あるいは米軍からこのような要望を受けていたというのは、事実があったのかどうか、この点お聞かせください。
  522. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは先ほど喜納先生の御質問にもお答えをしたところなんですが、これは米軍部内のやり取りの話がそこに書いてあるんだと思いますんで、それを私どもとしてコメントする立場にないというのは当然のことだと存じます。
  523. 又市征治

    ○又市征治君 要請は受けてない。
  524. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) したがって、もう一点、普天間の飛行場の移設に伴いまして、緊急時のときのいわゆる施設の使用という研究の必要があるんじゃないかと、いわゆる普天間移った場合に。そういうことで九六年、今から十一年前のSACOの合意のときにこの点は研究せねばならぬということはもう既に文書で明記をされております。  そして、昨年の五月、あの2プラス2、これは額賀長官でしたけれども、2プラス2におきましても、民間施設の緊急時における使用というものに関しましてこの改善を日米間で検討するという話をそのときもしておりますが、今に至る現時点で那覇空港の使用といったような話は、琉球新報でしたか、書いてありますけれども、そういったようなことを日本に対して要求があったとか、文書でもって提案があったとか提示があったということはございません。
  525. 又市征治

    ○又市征治君 もう一遍、大臣、確認ですが、ちょっと聞き漏らした。このロードマップでは民間施設の緊急時における使用を改善して普天間飛行場の返還を実現するために適切な措置がとられるというふうにあるんですが、これは普天間を返す代わりに米空軍に那覇空港の緊急時の使用を認めるという、こういう措置ではないという。
  526. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 研究をするということを、当然緊急時ですから、そういったことをしょっちゅうしょっちゅうやるという話じゃなくて、緊急時にそういったことをしておく、研究をする必要があるという話が合意されたことは間違いございません。間違いありませんけど、それで直ちに那覇空港をどうのこうのという話は一切ありません。
  527. 又市征治

    ○又市征治君 それじゃ、次に移りますが、まず内閣法制局にお伺いしますけれども、少し昔、大分昔ですが、一九四八年八月、米国国際法学会でユダヤ系米国人で法学者のハンス・ケルゼン氏が講演をして、その中で、集団的自衛権は自衛権の概念には入らないとの趣旨の話をされているというのがありました。  そこでお聞きをするんですが、自衛権及び集団的自衛権とは何か、そして政府は、この間、憲法上集団的自衛権は禁じられているとの統一見解を示してきたわけですが、なぜそのように言えるのか、改めて見解を内閣法制局、お聞かせをいただきたい。
  528. 山本庸幸

    政府参考人山本庸幸君) 御指摘の点でございますが、政府としては、従来から、憲法第九条は外部からの武力攻撃によって国民の生命や身体が危険にさらされるような場合には、これを排除するために必要最小限度の範囲で自衛権を行使することまでは禁じていないというふうに解してきております。  他方、集団的自衛権とは、国際法上一般に、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止をすることが正当化される権利というふうに解されておりまして、その行使は憲法上許されないと解してきたところでございます。
  529. 又市征治

    ○又市征治君 そこで、政府は、これは内閣官房にお伺いをしますが、来週、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会を発足させるというふうに報じられておりますけれども、その目的がただの自衛権行使の範囲の研究ということであれば、それはそれで理解ができないわけじゃないんですが、集団的自衛権についての研究というのならば、集団的自衛権に係る過去の政府答弁との整合性を一体どうするか、どうなるのか。つまり、集団的自衛権の解釈を変更しようということなのか、解釈の変更となれば、同懇談会の答申と首相の一存だけで歴代内閣の定着した解釈を変更できるのか、ここのところはどういうふうにお考えになっているのか、お伺いをしたいと思います。
  530. 下川眞樹太

    政府参考人下川眞樹太君) 総理は、かねてから、日本をめぐる安全保障環境が大きく変化する中で時代状況に適合した実効性のある安全保障の法的基盤を再構築する必要があるとの問題意識を表明されてきております。このような問題意識の下で個別具体的な類型に即して集団的自衛権の問題を含めた憲法との関係の整理につき研究を行うために、今般、御指摘ありましたように、内閣総理大臣の下に安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会の設置ということを発表したところでございます。  御指摘ございましたように、この懇談会は五月十八日に第一回会合を開催する予定でございまして、本年秋をめどとして検討の成果をまとめ、総理に報告していただきたいというふうに考えているところでございます。  懇談会の目的につきましてはたった今申し上げたとおりでございますけれども、この懇談会におきましては、外交防衛の実務経験者、政治、外交、国際法、憲法等の幅広い分野の学界関係者、経済界の民間有識者等、各界を代表する委員の方々にお集まりいただいておりますので、結論を予断することなく、様々な観点から検討していただくこととなっております。  そういうことでございますので、十八日に第一回会合を開催する懇談会でございますので、それ以降の政府の対応について現段階で申し上げる段階にはないというふうに考えておりまして、まずは先ほど申し上げたような各委員の方々に率直な議論を行っていただくことを期待しているところでございます。
  531. 又市征治

    ○又市征治君 今、御丁寧に各界各層いろんな人々入れてと言っているけれども、反対の人おられます、中に。みんな、あのメンツ見たらみんな賛成の人ばっかりじゃないですか。集団的自衛権の行使を認めようというメンバーばっかり集めて何が有識者会議か。本来、有識者というのは、様々ないろんな、このことに異論を唱える人も含めて入って初めて有識者会議というのであって、そういう答弁というのはなっていないんです、それは。役人の答弁としてもう駄目ですね、これね。注意だけ申し上げておきましょう。  いずれにしても、今申し上げたような格好で、現実にはお答えになっていない、あなたには答えるのはちょっと無理があるんだろうかもしらぬが、こういうのを何回かやって、もう結論が見えている中身で解釈を変更しようなどという動きというのは本当に許し難い問題だということは、率直にこの場でも申し上げておかにゃいかぬと思います。  そこで、ちょっと時間が余ったんで、通告してないんですが、両大臣に、大変2プラス2で御苦労なさっているわけですが、昨年のあの2プラス2終わった直後に、日本の新聞でラムズフェルドさんが、日本ほどの経済大国が防衛費がGDPの一%というのは少な過ぎるじゃないか、したがってその四倍ぐらいに、四%ぐらいに、GDPの四%ぐらいにすべきだということが日本の新聞で、ラムズフェルドさんが当時の額賀さんにそういう話をされたというのが載りました。そのことについて、そういう意味では久間防衛大臣なり麻生外務大臣、何かそんなことをアメリカ側から言われたということはおありかどうか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
  532. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 防衛首脳会談でもそういうような話は一切出ませんでした。
  533. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) ラムズフェルドという人は結構ようぺちゃぺちゃ、何というのかな、今度のゲーツという人と違って議員上がりですから、お役人上がりと違いまして議員上がりだからようしゃべる、基本的に世界じゅう大体似たようなものだと思って間違いないんだと思いますけれども、ようしゃべる人ではありましたけれども、私、何回かやった記憶で、その種の話が出たことは一回もないと記憶します。
  534. 又市征治

    ○又市征治君 四月二十六日、去年のですよね、去年の四月二十六日に額賀さんが2プラス2のその下段取りに行かれたときにそういう会談でそういう話があったというのは日本の新聞で報じられたということでしたから、両大臣がその後何かお聞きになったかということをお伺いしたわけです。  今日はちょっと時間が余りましたが、この程度にしたいと思います。
  535. 田浦直

    委員長田浦直君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時五十七分散会