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松岡国務大臣 福岡先生、冒頭にお話ございました台風災害といいますか、被害のことにつきましては、本当に佐賀県は大変であったと思います。作況指数四九、もう全国の最低ライン、半分以下というのはいつのときからかなと思うんですが、本当にそういった、今までにない歴史的な被害を受けられた。その中で大変御苦労されたということにつきましてはお見舞いも申し上げますし、それから、先生方はもちろんですが、古川知事を先頭に、また町村長さんも皆さん陳情にも参られまして、これに対する
対策をということでございました。
我々も、あらゆる、可能な限り
最大限の
対策をして、先生がおっしゃいましたように、これによって挫折をしてもう
農業をやめてしまう、こういったことのないように、またもう一遍元気を持って、よし、頑張ろう、こういったお気持ちになっていただくように、そこが一番のポイントでございまして、私どもは、そこに一番意を用いて、なおこれからも一生懸命、復旧に向け、また新たな
取り組みに向けて、頑張りに向けて私たちも精いっぱい努めてまいりたい、このように思っております。
そこで、今
お尋ねの件でございますけれども、通商にどのような姿勢で臨むのか。私はもともと、基本的には、
日本農業の将来の発展ということのためには、大きく外に打って出る、これも非常にこれからの
方向として必要だし、重要だと思っています。特に、
日本農業のお得意さんということになりますと、それは当然
日本の国内の消費、こういうことになりますので、
日本の胃袋、
日本人の胃袋、これがやはり一番のお得意さん。ところが、なかなかこの
日本人の胃袋というものが、減ることはあってもふえることはない、こういう中で、どうやって
生産を拡大し、そして販売を増大させていくということができるのか。そういうことになりますと、どうしてもやはり外に向かって大きく展開をしていくということも、これから
日本農業の発展していく道として私は必要だ、こう思っております。
そこで、それぞれ得手、不得手があって、大きさとか、こういうスケール的な点では
日本はなかなかよそに勝てない。しかし、物のよさという、品質ということで比較をすればどこの国にも負けない。したがって、自分たちの一番利点、長所、強さを生かして大きく勝負をしていこう、これが大きな
方向であります。
そこで、具体的には、では豪州、オーストラリアが相手の場合どうなのか、こういうことでございますが、これはもう人口も二千万でございますし、例えば
中国の十五億とか、
アメリカの二億とか、EUの数億とかいうところとは全然、市場も小さい。一方で、
農業の規模ということになりますと、
世界で一番というぐらい大きい。圧倒的な
農業大国だ。得るものは少なく、取られるものは多いんじゃないか、こういうことで皆さんが心配をされておられます。
そこで、この交渉、まだ入っておりませんけれども、臨むに当たって、私どもが
政府内において、
農林水産省の立場としてどのような取り決めをしたかといいますと、私も麻生外務
大臣とひざ詰めで協議をいたしまして、それぞれ事務方のトップも一緒にひざ詰めをいたしまして、そして、とにかくオーストラリアとの交渉に当たっては、段階的
削減、再協議、そして除外、あらゆる柔軟性の選択肢をすべて確保して、その上で臨む。今までにない形で、今までEPA、FTA交渉をやったときに、いろいろな国とやりましたが、それまでにない形で、城壁でいうなら最も高い城壁をこちらもしっかりと用意して、築いて取り組もう、こういうことでございます。
先般、
日本の
農業団体の代表団がオーストラリアに行かれてトラス貿易
大臣とお会いになった、私もダボスで会ってきましたけれども、お会いになった。そこで、トラスさんは、いやいや、あらゆる品目を例外なくテーブルにのせるんだ、向こうはそう言っている。こっちは、あらゆる守るための選択肢をすべて確保しておる。こういうことでございますから、もうこれはぶつかり合い。それはもうしっかりやり抜くしかない。したがって、私は、対オーストラリアの場合は何といっても、攻めるよりもまず守る、そういう基本でこれは臨もうと思っております。そのことについては外務省とも十分協議の上、今言いましたような、あらゆる柔軟性の選択肢が活用できる、そのすべてを取りそろえてというか、それを構築した上での交渉、そういうことになっています。
そして、総理を初め、このことにつきましては
政府一体となって御
認識をいただき、御了解をいただいた上での交渉でございますので、タフな交渉になると思います、それはもう本当に大変な交渉になると思いますが、ここにきょうは
山本副
大臣、それから福井政務官、御一緒をいただいておりますけれども、あと国井副
大臣も永岡政務官もおりますが、我々政治家はもとより、役所としての総力を挙げましてこれは頑張ってまいりたい。そして、必ず重要品目についてはしっかりと守り抜いてまいりたい、このような決意で交渉に臨むつもりであります。