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冬柴国務大臣 いろいろと
伺いました。
まず、紛争について何か機関を持つべきではないかというものについては、自賠責保険・共済紛争処理機構というものがありまして、それに対して、被害者あるいは保険会社からでも紛争処理について申し立てをすれば、そこが保険金支払いトラブルについて調停を行う、そのような制度を持っております。
それから、保険会社が、重要事案、死亡事案とか重傷事案につきましては、保険金支払いについて、いわゆる
国土交通省、国へその旨を届け出ることを法律上義務づけておりますので、そのような事案については掌握をさせていただいております。また、支払い
基準違反等の場合には、国から保険会社に対して直接必要な指示を行いまして、そして公表あるいは命令ということを行うようにもしてあります。
それから、
先ほど来いろいろな
お話が出てきました損害保険料率算出機構というもの、これにつきましても、我々としては、できるだけ利害
関係のない、そのような人たちを選んでいるつもりですけれ
ども、保険会社から調査の依頼を受ければ、調査をして、その結果を保険会社に報告するというような形をとってきたわけでございます。これは、今までの再保険制度というものをなくならせた後、
平成十四年の七月一日からそのような紛争処理機関として指定してきたわけでございます。
私も長い間、二十二年ほど弁護士をやっておりました。そういうことで、
交通事故というのは、今百万件を、残念ながら百四十万件近く起こるわけでございますから、どうしても一件一件が、その人にとっては、被害者にとっては、加害者にとってもそうですけれ
ども、その人生を左右するような大きな出来事なんですね。
したがいまして、それは事件が多いからということで、これを定型的に処理するということは決して許されることではないわけでございますが、しかしながら、日本弁護士連合会もそうですし、各地の弁護士会も毎年、
事故の態様とその損害をできるだけ定型化して、損害額が算出できるような
基準をつくって公表もしております。損害賠償ですから、一々個性的で、本当にいろいろな、定型化することはできないんですけれ
ども、百万件となりますと、これはなかなか、そういうふうにしないとできない面もあるわけでございます。
したがいまして、こういう重大事案で被害に遭った方が保険査定で再び損害を受ける、そういうことがないように国が頑張ってまいらなければならないと思っております。
ちょっと余談になりますが、二月十七日に、私は、千葉の療護センターという、聞いたことがないと思うんですけれ
ども、
交通事故に遭われて、本当に反応のない植物人間、そういうふうになった人を療養するというか、亡くならないんですね、普通おいておいたらすぐ亡くなるんですけれ
ども、そこに入って手当てを受けると、植物人間のままですけれ
ども、三十年生きていられる、そういう方がいらっしゃるんですね。そこを私はお見舞いいたしました。
献身的な医療が行われています。そして、そこで患者さんにお会いし、ちょうど土曜日でしたから、親族の方が多くの患者のところへ、奥さんである場合もあればお母さんである場合もあるんですけれ
ども、その方たちが見舞いに来て、そしてそこで、ベッドのそばでいられました。
本当に感動いたしましたし、その姿を見て、
交通事故というのは突然襲ってくるものでございまして、人生が一変するわけですから、こういうものが起こらないようにするということが、
道路整備その他でこういう
交通事故というものが起こらないようにするということが非常に大事だし、また、起こってしまった場合に、それを何とか回復するための保険制度というものを、自賠責が充実したものになり、今、郡議員からいろいろ
指摘いただいたような悲しい事案が一件でも少なくなるような行政をしなければならないとつくづく感じたわけでございます。
今後も、
国土交通省、そういう
意味で、国民の安全と安心というものを担う官庁でありますので、その面でも努力をさせていただきたいと思います。