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篠原委員 民主党の
篠原孝でございます。
予算委員会で久しぶりに質問させていただきます。
今、資料を皆様方の手元にお配りしておりますので、それをごらんになりながらお聞きいただきたいと思います。
地域間
格差、いろいろ問題にされております。今、
岩國委員は、教育
格差を中心にいろいろ御指摘なさったかと思います。
格差はいろいろあると思います。
安倍総理がいろいろおっしゃっておられるように、個人のところにいろいろ
格差があっていいんだ、仕方がないんだ、これは私はそのとおりだと思います、いろいろあると。
それから、
格差がどうなっているかというのは、年代に応じてちょっと変わってきているというのが僕はあるんじゃないかと思います。年によって違ってきている。例えば、よく言われることですけれども、生活保護世帯が五、六年前は八十万ぐらいだったのに百万を超えた。それから、貯金なしの家庭も一八%ぐらいだったのが二三%を超えたというのがそれじゃないかと思います。貧しい
人たちがふえている、片方でお金持ちもふえているということ。
資料を用意いたしましたので、まず、資料を見ていただきたいと思います。
「大都市と
地方(農村)の
格差」。まず、一ページの一般経済です。これはもう皆さん聞き飽きておられると思いますけれども、まずは県民の一人当たりの所得です。これは何回も問題にされていると思いますけれども、東京都が一人当たり四百二十七万円、それに対して沖縄は二百四万円、倍半分違うということ。前の方に
パネルのコピーがありますが、すっ飛ばしてページを見てください。ここに、有効求人倍率とか最低賃金とかいうのがあります。ちょっと気になる県がいろいろ出てきます。右側の方が下位の五県です。
地域間
格差が確実にあるんです。これは年を示してありませんけれども、年ごとに拡大してきているんです。それをまず頭に入れていただきたいと思います。
それから、二ページ。
地方は農村だけではありません。しかし、やはり農業が中心のところが多いんじゃないかと思います。農業の占める割合、ここは、農村度、田舎度がどれぐらいかという、全世帯に占める農家の割合、総生産に占める農業生産の割合、それから人口の占める。それから、逆ですけれども、第二次産業とか第三次産業がどれだけ多いかというのですね。この田舎度を、右側の方を頭に入れていただきたいんです、この県がいかにほかの県と比べて
格差があるかというのを。
ちょっとユニークなのでは、長野県。第三次産業就業比率のところを見ていただきたいんです。長野県、一番少ないのを私はこの
数字を集めて初めて知りました。つまり、どういうことかというと、第一次産業、農林業や製造業ですね、諏訪あたりの製造業、つまり、物づくりに一番一生懸命になっているのが我が長野県人だというのをこういうところで初めて知りました。まあ、こんなことを言っては悪いんですが、横から横へ流して、人のふんどしで生きているのが東京都の人じゃないかと思います。
次、子供・人口、これは大切です。次の三ページを見ていただきたいんです。
ここになってくると、またいろいろおもしろい
格差が出てまいります。一番問題になっておりますし、柳澤
厚生労働大臣を悩ませております合計特殊出生率、ここは沖縄が一番高い、東京が一番低い。その下、婚姻率。結婚しているかどうか。東京が一番高いんです。一番高いのにもかかわらず、子供は産んでいない。沖縄は、婚姻率が上から三番目で、お子さんもいっぱい生まれておるというのですね。それから秋田県、菅
総務大臣のふるさとですけれども、婚姻率が非常に低いんですね。結婚したがらないというのじゃなくて、これは
数字のからくりでして、高齢者率が一番高いところで、結婚するような人がいなくて、もう結婚しちゃった人ばかりだということです。これは
数字もいろいろからくりがありまして、見方は難しいわけですけれども。
ですから、年少人口割合も、秋田県は非常に少ない。東京は、先ほどの
岩國さんのお話にもありましたけれども、働く
人たちがいっぱい集まってくるから、若い
人たちは少ない、働き盛りの人が多いということ。
次、人口動態の純増減、これは
総理、よく見ていただきたいんです。神奈川県、愛知県、埼玉県、ここは都市近郊で、人口がどんどんふえているところですね。右側、減っているところ、これは絶対数です。北海道、新潟、秋田、山口、青森と続く。(発言する者あり)秋田、多いですよね。北海道、新潟は、それぞれ母数が大きいんです、五百六十五万人、二百四十三万人。それで、秋田県、山口県になると母数が少ないですから、人口比、一万人当たりで割ると秋田が一番、山口が二番なんです、人口流出が一番大きいのは。
総理の地元から人がどんどん減っているということ。まあ
総理を輩出しているぐらいですから、いっぱい外に出てきているんだろうと思いますけれどもね。
次に、教育の問題。これは、先ほどの大学の数というのもあるんです。それは
岩國さんが触れられましたので、やめました。どの
数字が適当かというので、象徴的な
数字を選ぼうと思ったんですが、余りちゃんとしたのがなかったんです。
就学援助率というもの、これはよく東京都の足立区の区長さんが怒っておられるそうですけれども、やはり大阪、東京が多いんですね。それに対して、静岡とか山形とか栃木とかは少ないんですね。まじめに一生懸命やっておられる方が多いんだろうと思います。教育にはちゃんとお金を出すというのです。山口県が意外と高いんです、二三・二%。東京、大阪は都市部で、こういうことを一生懸命やられる人がいたりしてという事情があるんだろうと思います。
それから、次の二つはすっ飛ばしていただいて結構です。
高校生の県外就職率、これは、さっき大学のこともいろいろおっしゃっていましたけれども、上位五県、県内の就職率が高いのは愛知県なんです。やはり調子のいいところなんだろうと思います。ほとんど太平洋ベルト地帯ですね、富山県を除けば。それで、問題は右側です。農村度が高い県、仕事がない県、半分がみんな県外に出ていかざるを得ない、こういう問題がございます。
次、医療。一応全部ちょっと見てください。人口十万当たりの医師の数、
文部科学大臣、おられなくなっちゃいましたけれども、そのゆがんだ、画一的な政策がこの
数字によくあらわれてきているんです。
人口十万人当たりの医師数が、何で徳島県が一番多いか、鳥取県が一番多いか、すぐおわかりになりますね。医学部の定員がどこの県も、東京みたいに人口が多いところも、どこでもみんな百人ぐらいであります。それで、徳島県なんて人口は少ないです。鳥取県も人口は少ない。そこに六年、大学にいて、大学院に行く。それは、顔なじみになったり縁ができるから、そこに居つくようになる。だから、この結果、徳島と鳥取は得しているんです。わかりますか。東京、京都は、医学部なんかいっぱいあるから。
それで、右側は、埼玉、茨城、千葉などというのは、都市近郊で人口がふえているところ。学校や何か、インフラが間に合わないのと同じように、病院も間に合わないということなんですね。
それから次の、もうここは言うのをやめますけれども、二年前の
予算委員会でやりまして、麻生当時の
総務大臣から非常にいい指摘をいただいた点ですけれども、一人当たりの老人医療費、長野県が一番少ないんですね。まじめに働いて、死ぬまで働き続けて、ぴんぴんころりで死んでいくということなんです。隣、
福岡県が一番高齢者の医療費が高いというようなことですね。
ここで何でこれを申し上げたかというと、やはりみんな
数字が物語っているんです、社会の状況を。つまり、
地域間
格差は絶対あると思うんです。
格差という言葉、
総理、お嫌いなようでして、ないというようなことをよくおっしゃっているんですが、この
数字をごらんになって、
地域間
格差、やはりある、問題だと思われるでしょうか。