○
山下(栄)
参議院議員 御指名いただきました参議院の法務
委員長を務めさせていただいております
山下と申します。よろしくお願いいたします。
ただいま議題となりました
配偶者からの
暴力の
防止及び
被害者の
保護に関する
法律の一部を
改正する
法律案につきまして、提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
配偶者からの
暴力の
防止及び
被害者の
保護に関する
法律、いわゆるDV
防止法は平成十三年に参議院共生社会に関する調査会で超党派によってつくられた
法律でございますが、平成十六年の
改正の際、法施行後三年を目途とした見直し規定が設けられていたところでございます。DV
防止法が施行されてから六年、この問題に対する一般の理解も進み、
被害者や関係団体から一層の対策の充実を求める声も高まっております。この
法律案は、こうした
被害者の声にこたえるべく、各党の検討を踏まえて、取りまとめたものでございます。
以下、この
法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、市町村の基本計画の策定であります。
現行法では、基本計画の策定は都道府県のみに義務づけられておりますが、今般、市町村において行われる
被害者に対する自立支援施策の充実などが求められている現状にかんがみまして、市町村におきましても、基本計画の策定を努力義務とするものであります。
第二に、
配偶者暴力相談支援センターに関する
改正であります。
現行法では、市町村は、その設置する適切な施設において
配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たすことができることとなっておりますが、市町村におきましても
被害者の
保護に対する取り組みを一層進めていただくため、これを努力義務に改めることとしております。
また、
配偶者暴力相談支援センターの業務として、緊急時における
被害者の安全の確保を行うことができる旨を
法律上明記することとしております。
第三に、
保護命令
制度の拡充であります。
まず、一点目として、
保護命令の対象となる
被害者につきまして、新たに
配偶者から生命身体に対する脅迫を受けた
被害者を加えることとし、その
被害者について、将来、生命身体に対する危害が生ずるおそれが大きいと認められるときにも、
保護命令を発することができることとしております。
二点目として、
被害者への接近禁止命令の実効性を確保するため
被害者に対し、電話、ファクス、手紙、電子メールなどにより面会を求めること、著しく粗野または乱暴な言動を行うこと、子の急病の場合その他の緊急やむを得ない場合を除いて連続電話、夜間の電話をすることなどについて、禁止命令を発することができることとしております。
三点目として、同じく、
被害者への接近禁止命令の実効性を確保するため、
被害者の親族や関係者への接近禁止命令を発することができることとしております。なお、その際は、親族等の同意を要するものとしております。
第四に、
保護命令の発令直後における
被害者の
保護の必要性にかんがみまして、
裁判所から、
配偶者暴力相談支援センターに対して、
保護命令の発令に関する通知を行うこととしております。
第五に、この
法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行することとしております。
以上が、この
法律案の趣旨及び主な内容でございます。
何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。