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岩國委員 私は悲観的過ぎるかもしれませんけれども、
人間のやること、こうしたA
省庁とB
省庁、大きな官の世界の中で、貸し借りの関係の中でやられれば、今と五十歩百歩、縦割り、
押しつけ型の
天下りというものが結局、透明化されたような幻想を振りまくことによってこれからも継続されるということではないかと思います。そういう偽装された、
言葉はきついかもしれませんけれども、人材ロンダリングのためのロンダリングセンターとしてこれが活用される。結果的には、A
省庁とB
省庁で裏の方で意思の疎通が十分に図られて、そして、
国民にはいかにも透明で公平であるかのごとく偽装されて、これからこの制度が温存、継続されるということになるのではないかと思います。
それと、
大臣にお伺いしますけれども、人材活用、人材交流、これはあくまでも、官の世界に入る優秀な人たちのそういう素質、
能力というのを国全体のためにお役に立てよう、これは
大臣も何度もそういうことはおっしゃっていますし、私も一〇〇%、その点においては賛成です。
この
法案とは別に、この交流センター、まがいもののこの交流センターとは全く別個に、現行
体制の中でもできる人材の育成あるいは活用というものはもっともっとあるんじゃないかと思うんです。
行政改革を担当される、
公務員制度を担当しておられる
大臣として、どういう新しい発想を持っておられるのか。今までの官の世界になかったこういう制度を取り入れる、そういうことが、何も
法律も要らない、発想を変えるだけによってできるのではないかと私は思います。
例えば、上級
公務員の採用を一括プール化する。これは、時々そういう構想というのは出ておりますけれども、いまだに
各省庁ごとの採用というものが行われている。入り口が別々だから、
最後まで別々、出ていくときも別々。縦割り、
天下りの
一つの温床になっているのは、私は、そういう採用の仕方にもあるんじゃないかと思います。まず入り口からきれいに変えていく、そういうことはできるのかできないのか。断行するお
考えはあるのかどうか。
二番目に、
能力の
評価の問題。これは
寺田委員が五月三十日の
質問でも取り上げておられるし、人材確保については五月二十三日の
委員会でも
質問しておられますけれども、私は、こういった
公務員の
能力評価というものは非常に大切であり、
評価の仕方によって、
人間は伸びることもあれば、伸びないこともある。
ですから、今のような縦割り、そして、個人で、一人で
評価する、課長なら課長だけが
評価するのではなくて、私が勤務しておった外国の企業では、複数によって
評価される。ある課で働いているけれども、その課と密接な関係の別の課長、部長からも
評価される。そういう形によって、独断、偏見による
評価というのをできるだけなくして、
本人を納得させる公平な
評価というのをしようとしています。
これが現在の官の世界で行われているかどうか。私は行われているということを聞きませんけれども、行われていないとすれば、そういう複数
評価ということを取り入れるお
考えはあるのかどうか。
そして三番目。これは出雲市
役所の中でも私は実行しましたけれども、
人事異動を控えたある時期に、
役所の中でスカウトをさせる。外部からスカウトされるんじゃなくて、実際に働いている生の二十代、三十代、四十代のスタッフを、よその課でも、自分の課にあの人を欲しい、自分の部にはこの人を欲しい、そういうのを私のところへ
提出させて、そして、複数のところから声がかかる人もあれば、全く声がかからない職員もあります。
しかし、
人事異動のときに、どこの課長がどういう点に目をつけて、どういうふうに使おうとしているのか、これを実際に知るということは、
人事の責任者にとって非常に大切なことだし、また、働いている
人間にとっても恐らく意欲が上がることではないかと思うんです。プロ野球のスカウト制に一面似ているわけですけれども、庁内で、省内でそういったスカウト制というのを
人事の中に大胆に取り入れることによって、みんなのやる気を出させる。そして、透明性と公平性を高めるような
人事というものが、三十年、四十年の
公務員の生活の中に非常にみずみずしい活力を与えるんじゃないかと私は思います。
以上三点、私の提案もありますけれども、
大臣として、こういうことをおやりになる気はあるのかどうか。要するに、出口のところだけの
改革ではなくて、入り口から
改革する。そして、途中の、三十年、四十年の長い
公務員生活の中の毎年毎年の
評価の体系から、
人事異動の体系から、根本から改める。私は、これが本当の
公務員制度の
改革ではないか、そのように思います。御意見があればおっしゃってください。