○萩生田
委員 自由民主党の
萩生田光一でございます。
昨年も私は
NHKの
予算質疑に立たせていただいて、当時は
総務委員会の
理事でもございましたし、また
改革三年
計画の元年でもありましたので、
橋本会長以下、役員の
皆さんに熱いエールを送ったつもりでいるんですけれ
ども、率直に申し上げて、この一年間、冷静に一
NHKの応援団としても見てまいりましたけれ
ども、この一年の
取り組みを、良識ある
国民の
皆さんの声を代弁するならば、
NHKはよくやっていると、この場でとても言える
状況にはないというふうに私は思います。エールを送ったわけですけれ
ども、ある意味では裏切られた感がしてならないわけであります。
この一年間を振り返って、
NHKが一体、何がどう変わったのか、非常にわかりづらいと私は思うんです。この一年間も、子会社を含め、複数の
不祥事がございました。綱紀粛正の
徹底あるいは職員の危機感がある意味では感じられないんじゃないか。
委員会や党に配られる資料には、
コンプライアンスですとか
ガバナンスですとか
受信料収入の
回復に全力ですと、言うならば言葉遊びのように毎回同じ言葉が使われるわけですけれ
ども、年末の紅白のDJオズマの件をもっても、言葉がないというふうに私は思います。
公共放送の使命と役割を明確にして、
NHKならではの
放送に徹すべきだと昨年申し上げ、そのことを
期待してまいりましたけれ
ども、まだまだその
改革の実は上がっていないんじゃないか、私はこう言わざるを得ないというふうに思います。
先ほど
鈴木理事は、夜、
NHKのチャンネルをつけるといい
番組をやっていてほっとする、こういうお話がありましたけれ
ども、私は最近、夜帰ってチャンネルをつけると、どこが
NHKだかよくわからない。色遣いですとかあるいは出演者、こういったもので、何か
NHKが、視聴率ばかりを意識して民放と同じような
番組構成になっているんじゃないか、こんなことも感じずにはいられないわけです。
私は、やはり
NHKは、たとえ不採算であっても、
国民に有益な
情報あるいは映像、視聴率に振り回されない
番組制作を心がけるべきだというふうに思っているところでございまして、そういった意味で、若干厳しい指摘を申し上げながら、
質疑を進めてまいりたいと思います。
受信料の不払いが
改善しつつあるという御答弁が先ほどからございました。確かに
収入が三年ぶりに増加をしますけれ
ども、多くの
委員から指摘がありましたように、
受信料の徴収
コスト、これは相変わらず一二・四%という大変大きな数字であります。そして、本来、
回復にあるんだと言うのであれば、
平成十五年度ベースに戻さなくてはいけない、こういう大きな使命があるというふうに思います。
私は、この一二・四%というのは異常な数字だと思うんですけれ
ども、ずっと過去の資料を見ますと、
不祥事以前からこの比率というのはほとんど変わっていないんですね。一二・七、一二・六、一二・九。ですから、
回復傾向にあると言いながら、やっていることは
不祥事前と変わらないと言わざるを得ないというふうに思うんです。そこから
回復傾向にあるという数字を引くと、では一体だれがどんな
努力をして
受信料を支払っていただく方がふえてきたのか、この辺が疑問でならないわけであります。
先ほどから、六千億を集めるのに約八百億をかけている、
大臣からもこんな
発言がありました。
契約者の八割が
口座振替を活用いただいているのに、未払いと未
契約への新規加入等促進のために、千二百十八人の営業スタッフに加え、五千六百人の
地域スタッフが働いていらっしゃる。この人たちは平均年収が五百十万ということです。一人当たり四百二十件の
契約を大体とっていらっしゃるということです。そうしますと、五千六百と四百二十を掛けますと、年間二百三十五万二千件の
契約をとっていることになるんです。
本来でしたら、これだけのパワーで前へ進むんだったら、未加入も解決できると思いますし、また、
支払いを拒否している
皆さん方の解消にも必ずつながるんだと私は思うんです。ところが、残念ながら、数字の上では余り変わっていない。すなわち、先ほどお話があったように、自動振替をしていない人たちのところを順番に回って四百二十件の担当を持っている、こういう
状況にあるんじゃないかと言わざるを得ない
状況にあります。私は、この数値一つをもっても、やはり
NHKのこの一年間の
努力というのは一体何だったのかと言わざるを得ないと思います。
菅
大臣が、
支払いの
義務化と料金の値下げはセットだということを言い張ってまいりました。
橋本会長は、二月六日のインタビューで、その根拠がわからないとおっしゃいましたけれ
ども、私は、今申し上げた、例えば
地域スタッフの
皆さんの頑張り、あるいは本来の営業スタッフの頑張り、またさまざまな
コストの
削減をすれば、この二割という数字は決してでたらめな数字じゃないというふうに思います。根拠として十分確かなものだというふうに思います。こういったことを考えますと、やはり二割程度の値下げは可能だと思いますし、またそれだけの営業
努力はするべきだというふうに思います。
そこで、お尋ねしたいんですが、まず、
橋本会長、この一年間で
NHKは一体何が変わった、こう御答弁ができるんでしょうか。あわせて、今でも二割の根拠というのはわからないという認識なのか、お尋ねしたいと思います。