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麻生国務大臣 これはすごく大事なところなんですが、
猪口先生、
外務省に入ってもしくは国際機関等々において、言葉が二つ三つできるというのは別にそんなに難しい能力とは
思いませんけれ
ども、問題は、その二つ三つの言語を使ってどうやって国際機関において仕事をするかということなんだと思っております。
同じ
外務省という大きな組織に入っても、やはり国際機関で働くのに向いている者、また、会社用語では支店ですけれ
ども、
大使館に行ってそこの現地で働くのに向いている人、しかも先進国向き、発展途上国向き、これは僕はいろいろあろうと
思いますね。そして、同時に、忘れちゃいかぬのは、やはり国内において財務省と
予算の
交渉をやるとか、やかましい国
会議員の相手をするとかいうのは全然別の能力を要求されていると
思いますよ。これは、大きく分けて少なくとも四つ。
全然向いていない者を
日本に持ってきて国内対策なんかをやらせると、その対策の後始末は
外務大臣でやらないかぬなんというのは、ばかばかしくてやっておられませんので、だから、そこのところをうまくやれるようなのを、ちょっとおまえ、国内向きじゃない、おまえは国内に向かないから国際機関向きといって、それはもうずっと国際向きで養成していった方が人物経済的にはいいんじゃないかな、私は率直にそう
思います。
したがいまして、一番育てるのが難しいのは国際機関向きというところが一番難しいと
思いますので、これは、ある程度国内事情もわかっておかないかぬ、加えて言葉が
一つじゃとても足らぬとか、いろいろなことになろうと
思いますので、そういうのは、長く国際機関向きのを育てていこうということを、私
どもとしては、この一年半ぐらい、随分、国際機関向きの人を育てることを考えた方がいいんじゃないかという話をして、今やらせております。
もう
一つ考えておかないかぬのは、なかなか、国際機関に行きたいという人を他
省庁において、例えば、私が前におりました総務省で、ITUという、いわゆるテレコミュニケーションユニオンというんですけれ
ども、国際電気通信連合、ここはいわゆる通信協会で古い歴史のある協会なんですが、この事務総
局長を二期、
日本人がしております。これは総務省というか旧郵政省の役人なんですけれ
ども、極めて評価が高かったと存じます。
こういうのというのは、実は他
省庁の中にもいるのであって、私
ども今、そういった人
たちを育てるに当たって、少なくとも
思いつきで持ってくるなと。こういう人
たちを、選挙があるというと、大体今から十年以内に、三年間で百幾つ国際機関の選挙がありますので、そういったものに出す人間を各
省庁で、ITUならITU、UPUならUPUに出す人間はこれで、何年後に入れかえ選があって、何年後にこれをしてというのはちゃんと決まっているはずなんだから、それをおれ
たち外務省に出せ、我々が選挙対策本部をやる、こういうのは
思いつきでぱらぱらやるとどこかの党の選挙みたいなことになっちゃうから、ぱらぱらやるな、系統立ててやれということで、各
省庁全部出せという話で、今調整をして国際機関の選挙対策本部というのをやっと先週立ち上げたところでもあります。
人を育てるためにはある程度長期間を考えないとできないという御
指摘は、私
ども全くそう思っております。