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細野委員 私のここのところの持論なんですけれども、とにかく原子力を
日本は国内問題と考え過ぎている。もちろん、東洋町の問題も大事ですし、国内でどうエネルギーを回していくかというのが重要だというのはよくわかるんですが、もう世界はやはりそういうところから離れていて、国益のぶつかり合いになっていますし、安全保障の問題の裏表にもなっていますから、そのことをぜひ御
認識いただきたいと思いまして、今その話をいたしました。
もう一つ、
大臣、これは余り明確に通告していないんですが、この間も少し
質問をしていますので、引き続きということで御理解をいただいて答弁をいただきたいんですが、
日本の周りには原子力を持っている国が三つあります。中国と韓国と、国ではないですが台湾が持っています。原子力は持っていないけれども核武装していると言われている国が恐らく北朝鮮、ちょっと離れますが、インドも核武装しています、パキスタンも核武装しています。そういう国々があるわけですよね。
原子力発電をしている国は、ウラン濃縮ができない、再処理ができない。北朝鮮は、もう既にプルトニウムと濃縮ウランを持っていますから、これはどこかで再処理をしなきゃならない。仮に作業をとめてもこれは残るわけですから、どこかで何とかしなきゃならない。そういう問題があるわけですよね。
そういう問題も含めて、では、
日本は再処理を国内でどうしていくのかというスタンスが必ず必要だと私は思うし、フランスはもうそれをやっているんですが、そういう諸外国の、近隣の諸国の状況について、
日本は、
技術協力をしますよとか、ウランのフロントエンドについてちょっと
協力しましょうよみたいな話は言っているんですが、包括的な枠組みは提示をできていないんですね。
一つだけ、ちょっとエピソードを
紹介しますと、恐らく
大臣は御存じだと思うんですが、フランスのアレバの再処理
工場とMOX燃料
工場では、アメリカの廃棄した核兵器のプルトニウムから原子力発電の燃料をつくっています、MOX燃料。彼らは、MOX・フォー・ピースと言っていまして、おもしろいキャッチフレーズだなと思ったんですよ。ただ、私、フランスの原子力庁の担当者にちくっと言ったんですが、他国の核兵器を再処理して燃料にするなら、自分のところもあるんだから、自分のところの核兵器をまず燃料にしてからやったらどうですかというふうに言ったら、いや、フランスは少ないからいいんだと言っていました。それはおいて、MOX・フォー・ピースという意味では、
日本はフランス以上に説得力を持つわけですよ。
この図に戻るんですが、この四番と七番、ウラン濃縮と再処理は
基本的には核兵器を持っている国しかほとんどできなかった。それを
日本が今やっています。ただ、やっていることは何かというと、国内の燃料を回すだけにきゅうきゅうとしてやっているわけですね。ですから、何か
日本が場合によっては核武装を考えているんじゃないかとか、国内でいろいろな平和を求める団体とか
環境団体からも反対をされて、今えらいことになっているわけですよ。
日本は、やはりそういう国内のきゅうきゅうとした議論から少し脱皮をして、国際的に、平和の問題と核不拡散、核兵器の削減の問題とエネルギー需要にこたえる枠組みを
提案するんだ。例えば、再処理とMOX燃料は、アジアでつくれるのは
日本だけなんだとすれば、では、これは枠組みを超えてやろうじゃないかという、
大臣、それぐらいの強いメッセージを打たないと、原子力の議論というのは、非常にマイナスのスパイラルというか、そこから脱し切れないんじゃないかというふうに思うんですね。
長々と
質問しましたが、ここですべて答えていただけるとは思いませんが、
大臣、そういった考え方についてどういうスタンスでこれから臨まれるか、御答弁いただきたいと思います。