○
鈴木寛君 ありがとうございます。正にそういうスタンスで、これ大事な問題ですから、
議論をしていかなきゃいけない。
で、やっぱりここを、今日このことを是非
質問させていただかなければいけないなと思ったのは、やっぱり
通信と
放送の在り方に関する懇談会報告というのが今、
伊吹大臣のおっしゃったような配慮がやっぱり少し欠けていたというか、丁寧さがですよ、という、これはまあ前内閣のときに前
大臣同士の中での
議論でありますので。是非、今おっしゃったようなことで、改めて安倍内閣全体としてこの問題を
議論する上でのこの重要性といいますか、どこに慎重な配慮と熟慮をもって臨まなければいけないのかというのは、これは是非御
確認をいただきたいということでございます。
で、実はこれは、これ
権利義務というのは別にだれの肩を持つものでもないんですね。いたずらな
放送概念の拡大というのは、実は
放送事業者の首をも絞めかねないという
お話を少しさせていただきたいと思いますが。
今、WTOという条約があります、枠組みの中で、要するに、基本的に物の取引というのは自由でなければいけないと、こういうことであります。しかしながら、昨今、サービス貿易というものが非常に規模が拡大をしておりまして、サービス貿易については様々な留保がなされております。とりわけ、
放送とかあるいはオーディオビジュアルといった、国民の、まあ何といいますか、文化的生活あるいはいろいろな生活様式に対して影響力の強い
放送とか映画とかあるいはそうした
デジタルコンテンツというものについては、相当、各国ともいわゆるWTOの一般ルールの適用を留保しているといいますか、まだそれはちょっと早いですよというスタンスを取って、で、WTOの加盟国であっても、その
放送とか
デジタルコンテンツとか映画については独自の国内
法制でもってある種の
規制を行われているのは、これは事実、現実でございます。特にヨーロッパなどはハリウッドの映画ががんがん入ってきてもらったら困るとかいう、いろんな理由とかございます。これは、例えば中国とかアジアの国においても同様のことがあるわけであります。
じゃ、翻って我が国はどうなっているかといいますと、我が国も
放送についてはWTO一般ルールの適用を留保しているわけであります。で、今これはビジネスチャンスだけではなくて、日本とアジアが一体になっていこう、仲良くなっていこうという中で、政府も推進をされていらっしゃると思いますが、日本初の
デジタルコンテンツを広くアジアの方々に楽しんでいただこう、あるいは日本初の
情報をアジアの方々にお届けをするということは、これは知財本部中心に一生懸命推進されているわけで、これは非常に望ましいことだと思います。
そういう大号令の下に、様々ないい
情報を作りそれを発信しようという志のある方々が、対アジア向けのサービスを企画したり、あるいは一生懸命既に開始されようと準備をされたりしていらっしゃいますが、これ、
放送概念というものがどんどんどんどん日本がそうした
放送に関する
規制とかというものを広げていきますと、結局アジアの諸国が日本初の様々な
情報発信を中国とかASEAN、アジアの国々が受けるところで
規制をするということに対して、ある
意味での口実と言ったらおかしいですけれ
ども、これはまあ
大臣も御承知のとおり、これはレシプロカルですから、基本的には。
そうすると、日本だってやっているんだからということで、もちろんそれだけがそのすべてを決めるというわけではありませんが、今、全体としては日本発のコンテンツをアジアに広めようということに、その少しでも障害は取り除いていくというのが、これは日本の
デジタルコンテンツを発信するという政策でありますから、それの例えば障害になる可能性というものもこれあるという
懸念を私は思っております。
現に、そういうことを心配をしておられる
放送事業、一見便益を受けるであろう
放送事業者あるいは
放送事業者にいろいろなコンテンツを提供されているクリエーターの方々からもいただいておりますので、是非
総務省には、やっぱりこういうこともきちっと見据えて、だからやっぱり
権利義務を確定するというのは、本当にいろんなところに思いをめぐらして制度設計していかなきゃいけないんで御配慮をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。