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大門実紀史君
日本共産党の大門でございます。
先ほど自民党の
山下先生も触れていただきました
インドネシアのコトパンジャン・ダムについて
質問いたします。
参議院の
調査団がコトパンでいかにひどい目に遭ったかというのは、この前の
委員会で報告をさせていただいたところでございます。まあすさまじい体験をしたわけですけれ
ども、
委員会で報告するだけでは腹の虫が収まらないという方もおられますので、
大臣に苦言を一言申し上げることも含めて
質問したいと思います。したがって、今日は我が党の
質問というよりも、
調査団全体の気持ちといいますか、超党派の立場での
質問ということで、御
答弁もそういうふうにお願いできればと思います。
したがって、派遣報告書に基づいて
質問したいと思いますけれ
ども、要するに、
参議院ODA調査団に対する
外務省、JBIC、
JICAあるいは現地の大使館の姿勢についてまず申し上げたいことがあるということでございます。
インドネシアのコトパンジャン・ダムは、御存じのとおり、約三百十二億円の
日本からの円借款で建設されたダムでございます。ただ、現地の住民の移転がありまして、その補償についてうまくいっていないということで、
インドネシア
政府には補償が足らないということで訴訟が起きておりますし、
日本政府には事業そのもの、あるいは精神的な損害ということで
日本政府も訴えられているということでございます。
調査団は、
日本政府の立場、あるいは住民の立場とか、余り色眼鏡を付けないで、とにかく現地へ行って両方の
意見を聞くと、そしてこの
委員会に報告をするということで
調査に行ったわけですから、両方の
意見をありのままに聞きたいということが
調査の目的でございました。ただ、現地で起きたことは、特に現地大使館とJBICの問題点は集約すると二つではないかと、この報告書にも書いてありますが、思います。
一つは、
調査団の安全確保が十分にされなかったという点ですね。これは、ダムサイトに千人の抗議集会が行われているとか、実際には三百数十人でございましたけれ
ども、いずれにせよ、現地に着いてから私たちが警察の配備をお願いするとか、現地の大使館とかJBICは危ない危ないと言っておろおろするだけというようなことがございました。そういう
調査に行くときに安全がきちっと確保されなかったという問題点が
一つでございます。
もう
一つは、ヒアリングをするわけですけれ
ども、
最初に聞いた村長さん、村の村長さんですが、ダムに賛成派の方でございました。もちろん賛成派、反対派、両方聞きたかったわけですが、その村長さんのお話を聞いて、ダムができて感謝をしていると、何でほかの住民が訴えているのか分からないと、そういうことまでおっしゃいまして、まあそれはそれで
一つの
意見かなと思って帰ろうとしたら、この前の
委員会でも申し上げましたけれ
ども、手に隠して現金を十万ルピー、JBICの現地コーディネーターがその村長さんに渡すということがございました。したがって、私たちの聞いた話がどこまで信憑性があるのかというふうに疑うような事実がございました。
個々には既に抗議をしておりますし、謝罪も受けておりますけれ
ども、
是非大臣として、今後こういうことがないように、
参議院の
ODAの
調査団の位置付けをしっかりと現地大使館あるいはJBIC等々に徹底していただいて、今後こういうことがないようにしてもらいたいと、指導してもらいたいと思います。
まず、
大臣のその辺の所見をお伺いしたいと思います。