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2006-10-26 第165回国会 参議院 外交防衛委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年十月二十六日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  十月二十五日     辞任         補欠選任      榛葉賀津也君     広田  一君  十月二十六日     辞任         補欠選任      福島啓史郎君     岸  信夫君      喜納 昌吉君     千葉 景子君      浜田 昌良君     谷合 正明君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         柏村 武昭君     理 事                 岡田 直樹君                 山本 一太君                 浅尾慶一郎君                 柳田  稔君                 遠山 清彦君     委 員                 浅野 勝人君                 川口 順子君                 岸  信夫君                北川イッセイ君                 小泉 昭男君                 櫻井  新君                 関口 昌一君                 犬塚 直史君                 佐藤 道夫君                 千葉 景子君                 白  眞勲君                 広田  一君                 谷合 正明君                 緒方 靖夫君                 大田 昌秀君    国務大臣        外務大臣     麻生 太郎君        国務大臣        (内閣官房長官) 塩崎 恭久君        国務大臣        (防衛庁長官)  久間 章生君    副大臣        防衛庁長官   木村 隆秀君        外務大臣    浅野 勝人君    大臣政務官        防衛庁長官政務        官       北川イッセイ君        外務大臣政務官  関口 昌一君        国土交通大臣政        務官       梶山 弘志君    政府特別補佐人        内閣法制局長官  宮崎 礼壹君    事務局側        常任委員会専門        員        泊  秀行君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       鈴木 敏郎君        内閣官房内閣情        報調査室内閣衛        星情報センター        次長       茂田 忠良君        防衛庁防衛参事        官        富田 耕吉君        防衛庁長官官房        長        西川 徹矢君        防衛庁長官官房        衛生監      安達 一彦君        防衛庁防衛政策        局長       大古 和雄君        防衛庁運用企画        局長       山崎信之郎君        防衛庁人事教育        局長       増田 好平君        防衛施設庁長官  北原 巖男君        外務大臣官房審        議官       長嶺 安政君        外務大臣官房審        議官       田辺 靖雄君        外務大臣官房参        事官       梅田 邦夫君        外務省北米局長  河相 周夫君        外務省欧州局長  原田 親仁君        外務省中東アフ        リカ局長     奥田 紀宏君        外務省国際法局        長        小松 一郎君        外務省領事局長  谷崎 泰明君        外務省国際情報        統括官      竹内 春久君        海上保安庁次長  藤井 章治君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国におい  て発生したテロリストによる攻撃等に対応して  行われる国際連合憲章目的達成のための諸外  国の活動に対して我が国が実施する措置及び関  連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関  する特別措置法の一部を改正する法律案内閣  提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) ただいまより外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、榛葉賀津也君委員辞任され、その補欠として広田一君が選任されました。     ─────────────
  3. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) 異議ないと認めます。  それでは、理事遠山清彦君を指名いたします。     ─────────────
  5. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章目的達成のための諸外国活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官鈴木敏郎君外十八名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章目的達成のための諸外国活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言をお願いします。
  8. 犬塚直史

    犬塚直史君 民主党犬塚でございます。  今日は、テロ特措法一年延長反対の立場から質問をさせていただきますが、昨日の質問ブリーフのときに、今日使う資料をこれすべてコピーをお渡ししてありますので、まあ新聞記事とかあるいはNGOのレポートとかいろいろあるんですけれども、もし内容について真偽が、ちょっとおかしいんじゃないかとかいうことがあったら昨日のうちに知らせてくれというふうに通告をしておきましたので、多分大丈夫だと思うんですが。  実は、昨日、通告ブリーフをやった後に、また新聞記事のインターネットの配信が二件ほどちょっと気になるものが出てまいりまして、この分についてのみはちょっと通告していないんですが、まずは御意見をひとつ伺いたいんですけれども、これも新聞記事でございます。  これはニューヨークのザ・サンという新聞なんですけれども、これによりますと、NATOイギリス軍ですね、アフガニスタン展開をしておるNATOイギリス軍、これが現地のタリバンと独自に地域人たちの長老を仲介として停戦協定を結んで撤退をしたという記事があるんですね。場所はムサカラという町だそうですが、これに対してアフガニスタンにおりますアメリカ大使ミスター・ニューマンが、これについては非常に疑問だというようなコメントを同日発表をしているようなんです。  今日、これ昨日通告できなかったのでちょっと失礼かもしれませんが、今日はしかし事務方の方もアフガニスタン専門家の方そろっておると思いますので、まずこの記事について御存じかどうか確認したいんですが。
  9. 奥田紀宏

    政府参考人奥田紀宏君) 現時点でその報告には私ども接しておりませんでした。
  10. 犬塚直史

    犬塚直史君 官房の方ですよね。──中東アフリカですか。  御存じの方、ほかにどなたかいらっしゃらないですかね。別に秘密の資料でも何でもなくて、普通の新聞記事なんですけれども。しかも内容的には、イギリス軍が独自に停戦協定を結んで撤退してしまったという非常に重大な内容なんですが、どなたも御存じないですか。
  11. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) どなたがお答えになりますか。
  12. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今の現実の段階で知っておる者はおりません。
  13. 犬塚直史

    犬塚直史君 こういうふうになるとは私は思いませんでしたので、ちょっと驚いておるんですけれども。  おとといもお話し申し上げたと思うんですが、麻生大臣、同意していただいたと思うんですけれども、例えばアフリカ五十二か国ですか、そのうちに日本大使館があるのは半分以下であると、しかも人数も足りないと、そういうような状態で一体どうやって現地情報を収集していくのかと。日本が主体的に、かつ自らの判断を持ってこういう海外の平和協力活動にこれからやっていこうという時期に、現地情報が余りにもこれではないがしろにされていると。少なくとも金の使い方として、もう少し現地に配分をしていくというようなことがどうしても必要だと思うんですけれども、官房長官、御所見お願いします。
  14. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今のサンというのはアメリカ新聞ですか。
  15. 犬塚直史

    犬塚直史君 イギリス新聞です。
  16. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) イギリス新聞ですか。  イギリスアフガンから引くというお話記事かと思いますけれども、それについては、当然その新聞自体はロンドンの日本大使館は見ているんだろうと思います。報道でありますから、その報道がどこまで正しいのかというのは当然政府レベル確認をする筋合いのものであって、ただいま現時点では知らないというのは、知っている者はいないというのは、東京で必ずしもそれを知らないということだと思いますので、現地では当然それは見ているんだろうと思います。  一方で、アフリカの今お話がありました。私も麻生大臣の下で副大臣を務めさせていただきましたが、五十三か国のうちの二十四か国たしか日本は出ていたと思いますが、そういった面で、情報が十分に、より十分にするためにはこれから外交力を強化しなければいけないということで、与党もそれから外務省も今挙げて何ができるのかということを考えているところだと思いますし、もちろん財政厳しき中でありますからおのずといろいろな制約はありますけれども、その制約の中で最大限日本としての情報収集力を高め、なおかつ外交的な交渉が十分できるような体制をどうやったらつくれるのかということは当然これからまた考えていかなきゃいけないと思いますし、これは与野党を超えて、やっぱり国家の、国益の問題でありますので、犬塚先生にも御一緒にひとつ応援をしていただきたいなというふうに思っております。
  17. 犬塚直史

    犬塚直史君 今、現地の方は多分知っているだろうと。私もそれがただの新聞記事だったらここでいきなり持ってきたりはしないんですけれども、ただ、アメリカ大使が、アフガニスタンの、大使がきちんとこれに対して発言をしておる記事まで載っておりますので、これは間違いないだろうと思うんですけれども。正に、現地の人は多分知っていると思うんですが、しかし、我々はこうしてこのアフガニスタンにかかわる話を外交防衛委員会で、与野党、しかも専門家そろえてやっているわけですので、その専門家人たち官房長官にこういう情報を上げてきてないということが私は非常に大きな問題だと思うんです。  その点についてはいかがでしょうか。
  18. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 一般論として、重要な情報は上がってくるというのが望ましいことは間違いないと思います。
  19. 犬塚直史

    犬塚直史君 それと、国防に関することは、やっぱり与野党を問わず、国益にかかわるから、是非我々も参加をしてどんどんやっていきたいと思っているんですが、いつも、この件に限らず、我々がいろんなことを聞いても、まあ私かもしれませんけれども、新聞記事よりも少ない情報しか出してくれない。それはちょっと機微な情報であるというような形で、特に部門会議やなんかでは情報がほとんど出てこない、本当に同じ国の国会議員として一緒にこのことを考えていこうというどうも体制にはどうしてもなっていない。与野党という意味では多分差があると思うんですけれども、この辺もう少し議論ができるぐらいは情報公開をしていただかないとかみ合っていかないと思うんですけれども、この辺はいかがでしょうか。
  20. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 一般論として、外交はやっぱり国を挙げて国益実現のためにやることでありますから、情報が共有されるということは好ましいことだとは思いますが、私、麻生外務大臣の下で副大臣をやらせていただいたこと申し上げましたが、やはり物によって麻生大臣御存じでも私は知らないということは何ぼでもありましたので、やはり外交を遂行していく際に、いろいろな情報があって、それぞれにその守秘をどこまでやるのかというのは、それはケース・バイ・ケースでいろんなことがあろうと思いますが、やはり全般的に皆でこの国益を実現していくということについてはそのとおりだと思いますので、そういった面で情報は、共有できるものは共有していくべきだと思います。
  21. 犬塚直史

    犬塚直史君 私、事務方皆さんにはもう少し情報を、現地情報あるんだったら担当大臣にしっかり上げていただきたいと思うんですけれども。  麻生大臣アフガニスタンでこういうことがあったという情報大臣のところに上がってきてないということについて何かコメントいただけますか。
  22. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) サンていう新聞はどこの新聞ですかと言われるようなのが普通の日本人の感覚だと思いますね、私イギリスに住んでいましたからサンがどの程度の新聞かというのを知らないわけじゃありませんけれども。それがタイムに出てたといったら、それはちょっと考えにゃいかぬかもしらぬとは思いますけれども、ただし、いわゆるマスコミ情報というものに関して裏も取れずに全部どんどん切り抜きを上げてたら、それはとてもじゃないけどという感じになろうと思いますんで、それを精査するまでには、直ちに緊急を要するような情報かというんであれば、イギリス軍撤退するかもしれないというサン記事を基にしたのは、今日、明日とか焦眉の急の情報とも思えませんので、裏の精査をよくしてからというように考えてもおかしくないのではないかと思っております。  しかし、いずれにしても、情報というのが確実に上がってくるにこしたことはありませんけれども、その情報信憑性につきましては、私どもに関しては、アメリカ大使も否定をしておられるみたいですから、その点に関しましては今直ちにというような話ではなかったと現地判断したと思っても不思議ではないかなと存じます。
  23. 犬塚直史

    犬塚直史君 この記事はもうこのまま事務方の人に渡しますので、是非信憑性を早急に調べていただきたいと思うんですが。撤退するかもしれないという記事ではなくて、撤退をしたと、撤退したということに対してアメリカアフガニスタン大使が非常に心配をしておると、現地はどうなるんだというような記事ですので、是非これは確認をしていただきたいと思いますが。  この件についていかがでしょうか、防衛庁長官、こういう情報が少なくともメジャーな新聞に載った、アメリカ大使館もコメントしている、これが耳に入らないという事態をいかが思われるでしょうか。
  24. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 私たちは、この有事法制とかいろんなことを議論するときに民主党議員さんと一緒に諸外国を回りまして、上がってきた情報をどういう形で評価して、オーソライズして、それをこれは正しい情報としてキャッチして、しかも大事にせぬといかぬという、そういう判断を下すのを各国はどうしているんだろうかという、そういうふうな研究をしたことがございます。そのときに、イギリス評価委員会というのがつくっていて、そこで警察関係外務省関係防衛関係、まあいろんな公安関係、そういうのが上がってきたのをそこで評価して、そしてこれはということを内閣の中枢に上げるという、そういうようなことをやっておるんで、カナダもたしかそうだったと思いますが、何かそういう形で、情報全部を、もうそれぞれ上がってきたのを全部入ってきたんじゃ、日本の場合だったら官房長官も大変だろうと。  だから、それを何かコントロールというかオーソライズする、そういう機能をどこかで持つべきじゃないか、それはやっぱり官邸じゃないかというようなことをその当時民主党皆さん方とも一緒になって研究したことがございますが、その後きちっとそれができてないので、今度安倍内閣になってそういうことをやろうという動きが出ているということは非常にいいことでございますんで、そうなるとみんなも自分のところでかちっとせずに、上がってきた情報をどんどん上げながらそこでオーソライズしていくというような、そういうことが大事なので。  サンの場合、私もたしか前、防衛庁長官やっているときに、サンに載った情報というのが、果たしてどれだけサンというのが価値があるのかということで非常に迷ったことがございます。そのときも結果として正しかったかどうか今でもちょっと覚えてませんけれども、そういうこともございますので、出たのを大使館なりなんかでも全部上げるかどうかというのは、そこはやっぱりちょっとちゅうちょする場合がございますので、今度のやつもその辺分かりませんけれども、そういうようなことをやっぱり日ごろから心掛けながら、いいそういうふうな検討の場をつくっておく必要はあるんじゃないかなと思っております。
  25. 犬塚直史

    犬塚直史君 大変大事なことだと思います。  今おっしゃっていただいたように、このサンという新聞に載っている情報自体が信用に値しないと、だから官房長官に上げなかったんだということを今事務の人が言ってくれれば全く心配ないわけでありまして、そうではなくて知らなかったということはやっぱり問題ではないかなと私は思うわけであります。  そこら辺についての官房長官の思いといいますか、今後のお取組というのをもう一度聞かしていただけますか。
  26. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 先ほどの記事の中身は、一地域からイギリス撤退をするというお話だったと……
  27. 犬塚直史

    犬塚直史君 したという話。
  28. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) したというふうな報道だというふうにお聞きをいたしました。  NATOも含めてアフガン展開している中で、イギリスが本格的に全面撤退をするというような重要な判断をするということであるならば、それは当然国際的なフレームワークの中で外交当局間でも話合いがなされる、そしてその上で決定をされるか伝達をされるかということだろうと思うんです。  しかし、今のお伺いをしたところでは、その記事は限定的な地域からの撤退の問題を報道しているわけでありますから、それがどれだけの意味合いを持つのかということを恐らく大使館考えた上で、直ちにその記事自体を上げるということについての価値を見いださなかったというようなふうに私は受け止めておりますので、重大な国家としてのアフガンに対する政策を根本的に変えるというようなことであることを私に上がってこないということになれば、これは重大な問題があると思いますけれども、今のことについては評価が分かれることかなというふうに思いますので、今回そういうことであるかどうかということは、もちろん先生からの御指摘にもございますから確認をしたいと思いますが、それはそれなりの判断の上で現段階ではまだ上げる情報ではないのかなという判断をしたのかなというふうに今推測をいたしているところでございます。
  29. 犬塚直史

    犬塚直史君 私は別にアフガニスタン専門家ではございませんので、こういう新聞報道を読んで感じることを申し上げているわけなんですけれどもね。  例えば、それじゃ、サンは余り当てにならないということだったら、ドイツのシュピーゲルという大変有名な新聞があるんですけれども、それに載っておりましたのは、アフガニスタン北部南部があると、特にドイツ軍は安全な北部にばかりいると。それに対して、南部で頑張っているアメリカ軍カナダ軍オランダ軍から非常に、どうにかしてくれという要望が来ておるというような状況についての記事も昨日出ておったんですけれども、こういう状況についてはブリーフィングといいますか、情報は上がってきているんでしょうか。
  30. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) それはもう前からの話でして、最初からその配置のときから既に問題が出てましたでしょうが、BBCもやってましたしCNNもやっておりましたし、当然ブリーフィングは受けておりました。
  31. 犬塚直史

    犬塚直史君 それでは、これも最近なんですが、カナダがこのオペレーション・エンデュアリング・フリーダムですか、今までの予算、決算を見て九割は軍事に使っておると、一割が開発に使われていると。こういうやり方で本当にいいのかと、こんなやり方南部はとてもじゃないけど平和構築していくことができないというような議論も今出ているようですけど、それは御存じだったですか。
  32. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) それもう前から、前からというか、今年に入ってからぐらいじゃないでしょうか、そういう記事が出始めるようになり始めたのは。知っております。
  33. 犬塚直史

    犬塚直史君 そこで、各国はそういう中で頑張っているという状況の中で、今日は官房長官にお伺いしたいんですけれども、このテロ特措法の一年延長議論する中で、私大変気になりますのは、自衛隊が行っている補給活動、これが大変各国から高い評価を得ていると。確かに大変な業務だということは私も想像するしかないんですけれども、しかも日本海上自衛隊が大変よくやっているということは何か分かるような気がするんですが、しかし、この補給活動に対する評価の高さをそのままテロ特措法を一年延長に結び付ける、つまり、この一年延長論拠にするというのは、やっぱりこれは違うんじゃないかな。  例えて言いますならば、町のレストランがお客さんに対しておいしくて安いものを出すということと、そのレストランにいる調理人が、いや、おれは大変いいものを作っているんだと、きれいに作っているんだというものとはやっぱりおのずと違うんじゃないかと。補給活動はやっぱり見えないところの部分でありまして、アフガニスタン人たちがどういうふうに感じるかと、もう一回食べに来てくれるかと、あるいは平和になるかということはおのずと違うと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。論拠になるとお考えですか。
  34. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) やはり一番大事なことは、我が国がこの国際社会の責任ある一員としてこのテロとの戦いに主体的に積極的な関与を、寄与をしていくということが基本的なベースの方針であると思います。  このテロ特措法に基づく海上自衛隊給油活動についての高い評価というお話がございましたけれども、これは海上阻止活動全体の実施上不可欠な基盤であるということはもちろんそのとおりでありますし、また、それもあって今回は延長をお願いしているわけでありますけれども、基本的には、やはりテロとの戦いというものを主体的に日本が行い続けていくんだということが一番大事なことではないかというふうに思っております。  刻々と世界の情勢、テロとの戦い、この展開の仕方というものも変わってくるわけでありますから、今回一年間というふうにしたのも、その時点でまた国会の御審議を得て、次どうするのかというようなこともまた議論していかなければならないということで一年ということでお願いをしたと、こういうことでございます。
  35. 犬塚直史

    犬塚直史君 主体的に我が国が決めていくという、そういう議論が今余りにも少ないのでこうして伺っているわけなんですけれども。  議論内容がやっぱり、例えば先ほど申し上げたカナダなんかは、九割が軍事で一割が開発だと、このバランスはアンバランスだから何とかしなきゃいけないという議論があったり、あるいは先ほどの例ですと、イギリスなどは、やっぱりドンパチ、物すごい、物すごい勢いでやって、お互いに死傷者を出して、やっぱりここは現地のいわゆる族長といいますか、長老の人たちの仲裁を受けて何とかこの地域をまとめていこうという、そういう私は議論もあるやに推察をするんですね。  ところが、日本のこの国会議論の中で、そういう実際にアフガニスタンの平和をどうやってつくるかという議論よりも、我々がやっている活動自体の話しか出ていないと。それをもって主体的な論議というのはやっぱり私は納得できないんですけど、もう少し突っ込んで御答弁いただけますか。
  36. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今先生御指摘の、地域の言ってみれば自治にゆだねて地域づくりというか平和構築を行っていくというような考え方が大事だというのはそのとおりだと私も思います。  私も二〇〇一年の十二月にアフガニスタン北部、マザリシャリフに参りまして、その地域、当時はドスタムという将軍が押さえていたわけでありますけれども、その地域を見てまいりましたけれども、そういうところをどう、国家としても、そういった地域地域が一まとまりの国家として成り立っていくのかということを我々として支援できるのかということが大事だと思います。  そうなると、今回はこのテロ特措法の一年延長をお願いをしておるわけでありますから、この議論を集中的にやっているわけでありますけれども、対アフガニスタンの復興支援ということに関しては、外務省を中心にODAでかなりいろいろな多層にわたる支援を日本としてはかなりやってきているところでございます。第一回目の支援国会合は東京で開催されたわけでございますが、以来これについてはかなり日本としてはコミットしておりますし、それからジャパン・プラットフォームを通じて日本のNGOもずっとあそこに入りっきりでやっているところもあるわけでありまして、決して給油をすることだけがアフガニスタンの国づくりになるなどというような単純、短絡的なこういう考え方で我々はやっているわけではなくて、幅広くやっぱり国づくりをどうバックアップしていくのかということが大事だという基本的な認識を持ちながら、一方でテロへの主体的なかかわりをどうするかという中で主体的な判断として今回また一年間これについては延長をお願いしたいと、こういうことでございますので、御理解を賜れれば大変有り難いと思います。
  37. 犬塚直史

    犬塚直史君 現地でのODAですとかあるいはジャパン・プラットフォームとか、我が国の取組が評価をされているということもよく知っておりますし、一生懸命やっていることも知っているつもりなんですけれども、ただ問題は、やっぱり人間が少ないと。アフガニスタンの、一昨日の議論で初めて聞いたんですが、アフガニスタン日本大使館、二十数名しかいないと。これだけのことが起こっているのに、言ってみれば中小企業の人数ぐらいしか現地にはいないと。  そういうような状況の中で、やっぱりODAと、じゃ給油活動は全く関係ないかというと、関係ないわけじゃないわけでありまして、給油活動やって、じゃ平和な地域を少しずつ増やしていくと。そこにODAが入れるようにするというようなことを一体的にやっぱり官房としては把握して、予算もきっちり振り分けていただいて、もうちょっと現場主義でやっていかないと、とてもじゃないけど主体的な我が国の戦略を持ってやっていくというふうにはなっていかないと思うんですけど、いかがでしょうか。
  38. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今アフガニスタンには外務省から十八名、それから専門調査員一名、派遣員一名、それから草の根の委嘱員三名と、こういう体制で、約二十数名の体制で今やっているわけであります。もちろん、それは人数が多ければ多いほどいろんなことができるという一般的な真実はあろうかと思いますけれども、今外務省としてもこの人数の中で最大限の努力を払ってくれていると思っておりますし、なかなかカブールでも決して安全な環境でもないという中での頑張りを私としては高く評価したいと思っております。  しかし一方で、幅広い活動をするためには、厚みのある活動をするにはやはり人がそれはいた方がいいということでありますが、これは何分にもこれまた定員の問題、予算の問題があって、これについてはまた犬塚先生の御支援もいただかなければ、いわゆる日本外交力の足腰をどう強くしていくのかということをもう少し考えないと、安保理の常任理事国入りを目指すという我が国の方針としても、これから更に踏み込んだ外交力強化をやっていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思います。
  39. 犬塚直史

    犬塚直史君 もう是非、現地地域専門家を増やしていくという御努力をもう一度お願いしたいと思います。  もう一点が、一昨日も話が出たんですが、例えば企業で契約を結んでもそれが本当にそのとおりに履行されるかといったら、そんなことはないと、場合によっては契約が破棄されてしまうと、やっぱりふだんのお付き合いが大事だという話があったわけなんですけど、例えば、今回でOEFに協力することが、反対に我が国が北朝鮮の脅威があるときに、じゃあ米国がこれを守ってくれるかというときに、やっぱりふだんのお付き合いが大変大事だと。つまり、海上でこういう給油作業のようなことを一生懸命やってふだんのお付き合いをして、だから北朝鮮の脅威があったときにも頼りがいのあるパートナーになるというような論調もあったんですけどね。私はそれはちょっと楽観的過ぎるんじゃないかと思うんです。  やっぱりアメリカが、たとえ日米安保があったにしても、最終的にフルフレッジで、フルレンジでやるといっても、最終的に決断するときにはアメリカもやっぱり国益で動くわけでありまして、ふだん、じゃあ補給活動をやってるからこれだけやってくれるんじゃないかという認識はやっぱり甘いんじゃないか、ちょっと一方的な議論ではないか、日本側の議論でしかないんじゃないか。逆に、アメリカにとってこの北朝鮮の問題、どういうふうに一緒に今後やっていくかという議論をしないと、義理と人情の議論ではちょっとこれは心もとないと思うんですけど、官房長官、どういうふうにお思いですか。
  40. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 先ほども申し上げましたように、今回のこの法律の一年間の延長をお願いをするに当たって明確にしておかなければならないことは、テロとの戦いについて、我が国活動を支援する、あるいは自らが活動するということについては、あくまでも日本の主体的な判断を行っているということであって、アメリカの歓心を買うというような発想はみじんもないと私は思っています。テロとの戦いという問題意識は自らが持っている問題意識であって、それにどう協力するかという主体的な判断をこのテロ特措法という形で行い、また今回も延長するということだろうと思います。  一方で、北朝鮮の問題が極めて緊迫をしているということも御指摘のとおりでありまして、これに関しては、今回のテロ特措法も明確にしていることは、やはり我が国の国を守るということに支障がない範囲内での活動を前提にお願いをしていることでもございますので、その点について、何というか、てんびんに掛けるようなことはあり得ないというふうに思っております。
  41. 犬塚直史

    犬塚直史君 給油活動と北朝鮮の脅威に対する協力とは別だということをおっしゃったと理解しましたけど、麻生大臣、いかがですか。
  42. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 基本的に申し上げて直接直結しているわけではありません。しかし、国連の決めた一連の行動に日本としてこういった活動をする等々は、信頼関係の醸成には極めて大きな役に立っておるというのは当然のことです。  したがって、ふだんの人間関係というのと同じようなものなんであって、いろいろな活動をするに当たって、少なくともこの九・一一に端を発したあのニューヨークの事件の中には、あれは日本人も二十四名死んでおるわけですから、ほとんど日本人の人は言わないけど。あれは、日本人は二十四人死んでいるんですよ、あの中で。そういったことも考えて、いかにもアメリカの話だけであって、ニューヨークで起きたからアメリカと、あの中に日本人がいたということは忘れていただいては困るところなんであって、私どもとしてはテロ活動というものに関して長期的な問題を持ってやっていかねばならぬというのが本来のこの目的だと思います。しかし、そういったものにきちんと協力する国か協力しない国かによっていざというときの起こす判断の一つの基準になるということもまた忘れちゃならぬ面だと思っております。
  43. 犬塚直史

    犬塚直史君 基本的にはこういう国際平和協力活動テロとの戦い我が国が協力することと北朝鮮の脅威というのは分けて考えるということだと思うんですけど、防衛庁長官、いかがですか。
  44. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 今のお話をいろいろ聞いておりまして私は感じたんですけれども、あの当時、とにかくアメリカが攻撃されたと、そしてそれに対して国連も、全体が、八十か国がとにかくこれはゆゆしきことだということで決議をして、日本の国としてもどれだけのことができるか、これはまた民主党さんと我が自民党、公明党さんでいろんな議論をしながら、やっぱりアフガン本土には出せないけれども、そしてこれはアメリカの戦争に加担する行為であるけれども、やっぱり日本としてもこれは今までのやらなかった第一歩を踏み出すべきじゃないかということで、まあ海上ならいいじゃないかということで絞って、ほぼ合意した形で、中身についてはですね、スタートした経緯がございます。  だから、あのときの雰囲気の中でいきますと、やっぱり日本としても、これがもし日本に対してやられたときにどうするかと、そういうことを考えると、世界各国がこれをこの際押さえ込もう、テロとの戦いをやっぱりしようという形で踏み切ったときに、やっぱりやるべきだということでほとんどが一緒になってやろうとなったわけです。ただ、今の憲法の制約、いろいろがありまして、そして本土には行かないということでやったわけですね。  それで、三十七か国が今でも治安部隊としてアフガンに行っている、その連中が残ってやっている、そのときに我が国としてはやっぱり海上での海上阻止行動に対する補給活動はやっぱり続けるべきじゃないかという、そういう思いがありまして、延長をやっぱりしてでもこれは続けたいという、そういう思いで今度法律を出しているわけでございますんで、どうかその辺のできたときの背景その他も是非想起していただいて、これを今やめることが国際社会としていいのかどうかを考えた上で、一年延長にできれば賛成していただきたいと、そう思っておりますので、どうぞ御理解賜りたいと思います。
  45. 犬塚直史

    犬塚直史君 そういう形で、テロとの戦いに対する協力と、そして我が国の防衛、今は北朝鮮が話題になっていますけど、これは全く別だと。まあ関係することはあるかもしれぬけど別だと。だから、こちらのテロとの戦いに対しては言うべきことははっきり言うんだと、日本の立場としてですね。  よく、まあ考え方が違うんでしょうけれども、何かというと手術をしたがる、何かというと劇薬を飲ませてすぐに対症療法をやりたがるというお国柄があると。日本はやっぱりそうじゃないと。やっぱり日本の立場として、テロ対策をやるんだったらばもうちょっと違うやり方があるんじゃないかということを日常的に発言をしないと、その三十数か国ある中で日本の貢献にはならないと思うんですよ。言われるから、お付き合いだから燃料補給活動をしていますと、それだけではやっぱり、子供の使いじゃないんですから、言うべきことはちゃんと言うと。  例えば、これ資料、昨日お渡ししているんですけれども、例えばこのアフガニスタンの空爆が始まって三日後に、二〇〇一年の十月七日、米爆撃機は目標がないために攻撃をしないで帰還したということを参謀長であるリチャード・マイヤーさんが、これは将軍なんですけど、記者の前で認めたというんですね。つまり、三日もやったら、アフガニスタンというのはああいうところですから、軍事目標がなくなってしまったと、で、爆弾を落とさないで帰ってきたと。これを言ったときにラムズフェルドがその隣にいまして、いや、軍事目標が少なくなることはないんだと、アフガニスタンが目標なんだと言って記者を笑わせたという記事があるんですけどね。  私は、こういうやり方、やっぱり本当にビンラディンを捕捉してテロからアメリカを守る、あるいはこの拡散を防ぐという意味で、アメリカやり方は分かるんだけど、そういうことに対してやっぱりきっちりと物を言っていくべきだと。今回は少なくとも、言ってみれば漢方薬的なやり方をもっと重視しない限りは補給活動しないぐらいのことは言わぬと通じないと思うんですけど、いかがでしょうか。
  46. 久間章生

    国務大臣久間章生君) あの当時の米軍が国民世論の高まりの中でどういうような態度を取るのか、まあ当事者じゃございませんから私自身には分かりませんけれども、やはりこれはもうアルカイーダを全滅させなきゃならないという、そういう思いの中でもう全力を挙げて取り組んだんだろうと思います。  それがその後ずっと五年続いて、現在の状況の中でそのときの作戦をそのままいいのかどうか、これまたいろんな判断をすると思いますし、そして現にアメリカでも、もうやっぱり国際治安部隊の方にだんだん移っていこうというような、そういう動きもあるというようなことを聞いておりますので、だからそういう点ではやり方もこれから先変わってくるんじゃないかと思いますが。  いずれにしましても、私たちは、その補給活動を通じて海上阻止行動というのがやはりこういうテロとの戦いでは非常に有効であるというような、そういう判断各国もしているし、我が日本としてもそうだと思っておれば、これはやっぱり、三十七か国が治安を中心とした部隊編成をして出ていっているときに日本はもうやめますというような、そういう選択肢はないだろうと私は思いますので、だから、今も言われたように、ほかの方法でも、もっといろんな援助の仕方も考えていいんじゃないかという、そういう御指摘は御指摘としてまた各省庁が踏まえながら、私たちは、やっぱり自衛隊の立場としては海上阻止行動にやっぱり参加してその補給活動を続けるというのは意義あることじゃないかなと思っておるわけでございますので、どうかひとつその辺については、自衛隊活動に対して御理解を賜りたいと思うわけであります。
  47. 犬塚直史

    犬塚直史君 アメリカにしますと、やっぱり自国の本土にああいう形で攻撃を受けたと。当初は、九・一一の後はやっぱり自国防衛のためにやらなきゃいかぬと、それはもちろん自衛権の行使で分かるんですけどね。  以来五年がたって、どうもこの作戦、特にアフガニスタンでは効果が非常に疑問であるというときに、私はやはりはっきりと日本から、この作戦自体はやっぱり集団安全保障、テロとの戦いの枠組みの中でもう一回考えるべきじゃないかと、日本としては、これ以上海上封鎖活動をしても、アフガニスタンのあへんですか、麻薬の栽培から輸出、そしてそれがまた資金源になって還流するということについては、今はどんどんどんどん増えていく一方ということをかんがみても、この辺で一回やめて違う方策を日本考えるんだと、ついてはこういうことを考えるんだと私は言う時期だと思って質問をさせていただいているんですけれども。  ちょっとそれはこっちに置いときまして、今度のOEFのアフガニスタンのこの作戦によって民間人の死傷者の数、これは公式の数字というのはあるんでしょうか。
  48. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) どなたに質問ですか。
  49. 犬塚直史

    犬塚直史君 これは官房ですね。
  50. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 民間人の死傷者については、アフガン政府や米国政府が公式な統計を発表しているというふうには承知をしておりません。したがって、私どもが持っている情報としては、非営利団体、アメリカの非営利団体のMIPTというところが公表しております数字を見ますと、テロによる死者数、この作戦の期間中千三百三十三人というふうに発表しているようでございます。
  51. 犬塚直史

    犬塚直史君 民間人の死傷者を数えるというのは大変難しい仕事だと思うんですけど、まあ統計によっては千三百であったり三千七百であったり三千二百であったりというような数字なんですね。それは、じゃ千、二千違ってどういうことかというと、やっぱり民間人が誤爆によって、あるいは何かの流れ弾で亡くなってしまったときに、一体これに対してどういうその補償をするのか、どういう手当てをしていくのかということをやらない限りは、やっぱりこの暴力の連鎖というのはなかなか収まんないだろうなという気がするんですね。  私は大変これ感心した記事を昨日お渡ししたんですけど、これアメリカ人の女性が自ら、この方は二十八歳で今年亡くなったんですけど、自らそういう民間人の犠牲者を自分で一人一人数えて歩いたんですね。この彼女が数えたのが二千まで行ったらしいんですけどね。同時に、アメリカの上院議員を説得して、この人たちに対する補償金十七億、まあ約二十億円ですか、補償金を米議会を通じて出させて、現地で、アメリカ人の女性ですよ、活動をしているわけなんですね。  私はやっぱり、大きな国ですからいろんな人がいると思うんですけれども、日本の役割というのはやっぱりそういうところにあるんじゃないかと。つまり、直接は参加はできないけれども後ろで燃料を補給するという時代は終わったんじゃないかと。もう既に現地人たちの生活を細かく見て、少なくとも民間人が何人死んだかという統計さえないような状況なんですから、これどんなに軍事作戦やっていってもやっぱり先は見えないと思うんですね。この辺の判断のしどころがもうここなんじゃないかなと私は思うんですけれども。  これ最後の質問ですので、三大臣にコメントをお願いします。
  52. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) アフガン現地日本大使館は、日本NGOとの定例の会合の機会を通じて現地の治安に関する情報を細かく今提供を、きめ細かく提供をしております。それから、具体的な脅威情報があれば、在留邦人の連絡網を使って随時安否の確認を行っております。  御指摘の活動中に亡くなった方に対する政府の方策ですけれども、日本のNGOが政府の資金を活用して危険な地域で緊急人道活動を行っている場合、それから対人地雷除去の活動をしている場合については、戦時特約傷害保険料を全額政府が補助することにしております。最近のアフガンの例では、NGOのこの戦時特約傷害保険の申請がなかったこともありまして、適用例がございませんので、NGOの関係者に更に周知して、今後もこの補助を続けていく考えです。
  53. 犬塚直史

    犬塚直史君 アフガニスタン人に対する補償のことです。
  54. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) 時間が来ておりますので、手短に答弁をお願いしたいと思いますが。  では、塩崎内閣官房長官
  55. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) アフガンの国づくりにつきましては先ほど申し上げたとおりで、多層、多重なプログラムを持って、ODAも提供して、十一億ドル以上の資金を投じてやりつつあるわけでありまして、やはりこの国づくりというのはそう容易ではないということは先生御指摘のとおりでありますが、粘り強くこれはやっていかなきゃいけないと思っております。  一方で、テロとの戦いについては、アフガニスタンが問題の根源であるという側面はもちろんあってこそこういうことをやっているわけでありますが、テロとの戦いというのはアフガニスタンだけではなく、またテロのネットワークというのもありましょうから、そういう面で、日本としては主体的に積極的な貢献をしながら世界が安全な場として暮らしていけるようにしていく努力をしていかなければならないと思っております。
  56. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) 犬塚先生質疑時間は終了しておりますが。
  57. 犬塚直史

    犬塚直史君 はい。
  58. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) よろしいですか。  それでは、犬塚先生は終了します。  岡田直樹君。
  59. 岡田直樹

    ○岡田直樹君 自由民主党の岡田直樹でございます。  テロ特措法の本論に入る前に、麻生大臣に一つお伺いしたいと思います。  私、お世辞を言うつもりはないんですけれども、麻生大臣お話はいつも大変面白いなと思って感心をしているんです。前の自民党総裁選挙でも度々お話を伺いましたけれども、常に本音で物事をおっしゃる。それが国民の間にも麻生人気というのが高まってきた理由ではないかなと思うわけであります。  世の中でタブーと思われていることについても包み隠さずに開けっ広げにおっしゃる。本音でおっしゃる。国会の答弁もそうでありまして、私、以前に予算委員会で台湾のことをお尋ねしたときも、大臣、そこまでおっしゃっていいんですかというほど、びっくりするほど踏み込んだ御答弁をいただいて、非常に私もうれしく思った記憶がございます。  ただ、核保有の問題、非核三原則の問題でありますけれども、前回の委員会でも質疑がありまして、大臣は、言論封殺をしない、なぜ核を持たないかという理由をきっちり議論しておいた方がいい、こういうふうにおっしゃいました。その姿勢には全く賛成でありまして、間違っていないと思います。  ただ、青二才が老婆心で申し上げて大変恐縮なんでありますけれども、世の中には揚げ足取りといいますか、挑発的な質問というものも多くございますので、是非それには乗らないようにお願いをしたいなと思うわけであります。  前回、久間大臣もおっしゃいましたように、今のタイミングで内外の疑心暗鬼を招かないように、非核三原則の議論は行うとしても、これを非常に慎重に行った方がいいと、こういうふうに考えるのが妥当ではないかと思うわけであります。  言論封殺はすべきではない、しかしまた、世の中に議論していけないということはないと、これは大臣と同様の考えでありますけれども、しかし、非核三原則の議論というものは極力慎重に行うべしと、こういうふうに御答弁いただければいいのではないかと。この辺り、大臣のお考えをもう一度お伺いをしたいと思います。
  60. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 国家の安全保障の在り方というものにつきましては、これはもう岡田先生おっしゃるように、それぞれ時代の状況も変わります。したがって、明らかに今こういった議論が出てきた背景というものは、北朝鮮という隣国、日本にとっての隣国が核を保有する、しかもそれを搬送するミサイルは既に実験から実戦配備の段階、訓練ができるまでになったというのは、今年の七月のあのミサイルの状況を見ても明らかということになっておるという状況は、全く新しい状況になってきております。そういった状況の中にあって、この非核三原則の話というものは当然話題になってきておかしくない。  ただ、何回も申し上げてきましたように、この非核三原則という原則、これはたしか佐藤栄作内閣ぐらいのときにさかのぼるんだと記憶しますけれども、この原則を今の政府として変えるというようなことはないということはもう累次にわたって過去の内閣もこの安倍内閣も同様なことを申し上げて、堅持していくということを申し上げております。加えて、これ原子力基本法という法律もありますし、NPT条約というものもありますし、そういったものも考えて、基本的なことはないと、そういったことは変更はないんだということはもう何回となく申し上げてきたということだけは御理解いただかないと、何となくその後ろの話ばっかりがわあっと出てくる。ところが、まあ大体そういうものですけどね、世の中というのは、そちらの方ばっかりが出てくるんですけれども、最初に言った前提の話は全然なさらぬというと、これをした上でという話を申し上げたと思いますので、岡田先生の御指摘というものを重々大事にして対応してまいりたいと存じます。ありがとうございました。
  61. 岡田直樹

    ○岡田直樹君 はい、了解しました。  それでは、本論に入りまして、テロ特措法に基づく海上自衛隊の協力支援活動についてお伺いをしたいと思います。  先ほど、同僚委員から、町のレストランがおいしくて安いものを出していると、そう自慢しているだけでは駄目だと、こういうお話もありましたけれども、しかし、安くておいしいものを作り続けていればやがて評判になってみんなから認められてということはあると思うんです。日本にできる仕事、これはおのずと限界がありますけれども、それをしっかりとやっていれば、世界の信頼を得て、またいずれはアフガニスタン人たちからも感謝をされるようになると、そういうふうに思うわけであります。  防衛庁長官あるいは防衛庁の方に、海上阻止活動に対する給油、給水支援、これ本当に地道にこつこつと続けてこられたわけでありますけれども、その成果はどうであったか、お伺いをしたいと思います。
  62. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 防衛庁あるいは自衛隊がやっているのは補給活動なものですから、補給活動でどれだけの成果が上げたかという、そういうことになりますと、それは要するに補給活動を通じて海上阻止活動が非常に円滑に行われた、海上阻止活動によって武器の移動とかあるいは兵士の移動とか麻薬等の密輸等が止まったとか、あるいはそこを使ってそういうような行動の自由が制約されたということでありまして、補給活動そのものがどれだけ成果が上がったかということになりますと、それは今言ったような海上阻止活動をやっている軍艦とか、そちらの方の結果がまあ喧伝といいますかPRされるのであって、補給活動そのものについては非常に地味なわけですね。だから、そこのところがどうも、一生懸命PRをやっているけれども、これだけの成果が上がりましたと我々が言うような内容ではないというところはひとつ御理解賜りたいと思うんです。  だから、いつもこういう委員会での答弁、今までのいろんなことを聞いていますと、やっぱりそういうような成果物としては、海上阻止行動によってどうだったということを、やれ麻薬が五百億円相当分を押収したとか、そんな話が上がっておりますけれども、私はそれよりも、補給活動日本がやることによって海上阻止行動がこれまで五年間にわたってずっとやられてきた、そのせいでかなりの制約テロ組織に加わっておったということが、これが一番の成果じゃないかと思っておるわけであります。
  63. 岡田直樹

    ○岡田直樹君 私もそういう下支えの、本当にふだん国民の目に映らない、そういう努力を海自が営々と続けてきたことを本当に高く評価をしたいと思います。  どうしてもイラクに派遣をされた陸上自衛隊の方に注目というか脚光が集まりまして、海自のこの活動は洋上で、海の上でやっているせいもあってなかなか国民の目に映らない、どちらかというと陸自の陰に隠れがちでありましたし、今イラクから陸自が撤収をしたと、そうするともう自衛隊の海外での活動は一段落したのかなと、こういうふうに思っておる国民も多いと思うわけであります。この辺り、余り自衛隊というところは宣伝は好まないのかもしれませんけれども、もっと国民に対してPRをする努力があってもいいのではないかなと、こう思いますが。
  64. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 防衛庁にしても自衛隊にしても、結構広報活動はやっておるわけですけれども、要するに洋上なものですから、一般の民放のテレビ、あるいはNHKも含めて要するにそういうテレビ、あるいはまた記者、そういうのが現場に行って取材して報道するような、そういうチャンスというのはなかなか難しいわけですね。どうしてもそういうところが手薄になるものですから、何か地味な、一生懸命やってあの炎天下の中で本当に苦労している割には報道されていないという、そういうもどかしさを私自身も感じておりまして、もう少し何か国民の皆さんにも、これだけのことをやって、これが海上阻止行動として、そしてテロとの戦いで効果を上げているんだということを何かもっと効果的な方法はないのかなと思いますけれども、なかなか難しい点も実はあるわけであります。
  65. 岡田直樹

    ○岡田直樹君 各国評価というものもこれは大事な基準だと思いますが、外務大臣、いかがでしょうか。
  66. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 各国評価ということに関して言わせていただければ、日本の取組ということについては、アフガニスタンのカルザイという大統領がこの間来たときも直接私また総理に対しても言っておりましたように、NATOの加盟国の理事会というのに初めて日本の閣僚として出席をさせていただきましたけど、みんなが言うのは、もう感謝、これだけです。もう今日、海軍を派遣している国は、もう全員このおかげで我々はあそこで活動、海上阻止行動ができると述べておりますので、このことに関しての評価は、あそこに艦船を派遣している国は極めてそこらに対する感謝の念というのはもう非常にはっきりしておりまして、逆に言えばこれしか言わないというぐらいな感じであるというのは事実だと存じます。
  67. 岡田直樹

    ○岡田直樹君 今お伺いしておりましても、この海上自衛隊活動の必要性というものは依然として存在をする。必要性がなくなってきた、あるいは減ってきたんじゃないかと言う人もいますけれども、私はそういう考え方にはくみしないわけであります。むしろ、北朝鮮の核実験によって新たに大きな意味合いというものが加わったのではないか。このインド洋での活動と北朝鮮の脅威というものを切り離して考えるべきであるというお話もありましたけれども、私はこれは密接に関係をしておって切り離すことはできないと思うのであります。  北が仮に核の開発に成功して、それが小型のものであれば万一テロリストの手に渡らないとも限らない、そういった危険性についてはアメリカが厳重な警告を既に発しておりますけれども、この意味でも海上阻止活動というものは粘り強く続けていく必要があるし、海上自衛隊補給活動も依然として重要であり、また新しい意味合いが加わった、そういうふうに思いますが、防衛庁長官の御見解というものをお伺いしたいと思います。
  68. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 今おっしゃられているのが、インド洋での活動が北朝鮮との関係でも重要になったとおっしゃるのか、それとも北朝鮮との関係で我が国が対応することがもっと我が国周辺で増えてくるからそれとの絡みでどうなのかという、どちらの問いなのかちょっと分かりませんが。
  69. 岡田直樹

    ○岡田直樹君 両方。
  70. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 私たち考えておりますのは、やっぱり海上阻止行動というのはテロとの戦いで非常に効果を上げておると、そういう認識をしておりますし、しかも今、アフガン自身でも、他国が三十七か国も参加して、今、治安部隊として、国際部隊として活躍している、アメリカは掃討作戦みたいなことをやっていますけれども、そういうときに、やっぱり我が国としても海上阻止行動については引き続きやっぱりやるべきであるというふうに思っております。  しかしながら、その一方で、我が国周辺でもこれから先どういうふうに推移するかによっては、かなりいろんな海上阻止行動みたいな、あるいはそれを、我が国自身が海上阻止行動はできないわけですけれども、いろんなことをやってきたときに、こちらの方にももう少し重点を移すべきではないかという状況が生まれるかもしれないという、そういう意味では十分そこは頭の中に入れているわけであります。  幸いなことに、補給艦がこのインド洋に派遣した当時は三隻だったわけですね。そのうちの二隻を向こうに持っていった、それを一隻に減らした、そのうちまた補給艦が五隻に増えたので、いわゆる二隻は維持管理と、あるいは訓練等に余裕を持っておるわけでございますから、そういう意味では直ちにどうなるということにはなりませんけれども、我が国周辺の状態がもっと複雑に緊張を要してきた場合には、場合によってはそれはそっちの方に、主たる任務ですから、主たる任務の方に力を注がざるを得ないというそういう状況は出るかもしれませんが、今のところはまだこちらの我が国周辺の問題についてその推移を見ている段階でございますので、やっぱり今やっておるインド洋の問題について全力を挙げて取り組んでおるというその状況はこの当分の間は変わらないというつもりで、今この法案の延長をお願いしているところであります。
  71. 岡田直樹

    ○岡田直樹君 今の長官の話、よく分かりました。  仮定の話でありますけれども、もし北朝鮮のこの核の脅威というものがもっと深刻化するような場合には、この北朝鮮周辺で船舶検査ということになるかもしれないし、米軍その他に対する補給というような事態になるかもしれない。そういったときのそのインド洋の方と北朝鮮周辺、日本に近いところと両面作戦ということにならないとも限らない。もう既にそういった御検討も内々にはしておられると思いますけれども、その辺り、是非緻密に今のうちから御検討いただきたいと思っています。  先ほども、どうしても海上自衛隊補給活動は地道であってなかなか認識が得られないと、こんな話がありました。先日も参議院の本会議で、我が国はガソリンスタンドではないと、こういう御質問も出たわけで、これはこれが初めてではなくて、以前から自衛隊は無料のガソリンスタンドをやっておるんではないかと、こんな話があるわけですけれども、これは余り自衛隊にとってもいい気持ちはしないし、ガソリンスタンドの方でも、そこに働く人たちも何か仕事を低く見られて嫌な思いがするんじゃないかなと、こんなふうに思ってきたわけであります。  海自の活動、我々は、さっき言葉が出ましたけれども、ドンパチをやるわけにはいかないわけでありますから、後方からしっかりと支援をしていく、そういう活動我が国にふさわしい仕事であろうと、こう思います。こんな意味でガソリンスタンド云々と言われることはもうやめていただきたいと、そういう言葉は不適切ではないかと、これが私の思いでありますが、防衛庁長官外務大臣、どのようにお考えになるかお伺いをしたいと思います。
  72. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 一般の方は、補給をするというのはまあ非常にいとも簡単な、ガソリンスタンドで補給するようなそういうイメージを持っておられるわけですけれども、なかなか洋上で、しかもインド洋というあの中で補給するというのは、先般、与野党先生方も一緒に行かれたようですけれども、なかなか大変なわけですね。  それと、とにかく炎天下で、条件が非常に悪いところなものですから、そういうところでやっているというそう状況のイメージがなかなかわかないわけで、各国のいろんな評判がいいというのは、それはもちろん補給をしてもらっているというそれもあるかもしれませんが、補給技術が非常にうまくて、スムーズに短時間で補給ができるというそういうことに対する評価もあるわけでありまして、その辺を洋上のガソリンスタンドだというふうなことで言われますと、隊員のみんなに対しても私は非常に気の毒な感じがいたします。  だから、余りそういう言葉は使ってもらいたくないなという思いはあるんですけれども、これはもう使う人の勝手ですから、さっきの話じゃないけれども、言うなとは言えないわけですけれども、どうか状況はそうじゃないんだということで、あの洋上での補給は補給をやっている間が一番ある意味では弱いんですよ。そういう弱いところを攻撃されるために、上で絶えず哨戒しながら、その情報をキャッチしながら、いざというときには反撃するような、そういう状態を保ちながら補給しているというそういう現実、その辺についても、日本評価が高いというのはそういうことも含めての、非常に補給技術が高いということについての評価も是非先生方にもしていただきたいと思うわけであります。
  73. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) ガソリンスタンドの話も、先ほどの私の核の話と同じで、言論封殺をするつもりはありません。言う人はその程度の認識の人もいますから、それは、それによって隊員の士気が落ちるというようなことに配慮がないという方もいらっしゃいますから、それは、それに対して、まあそういう人もいらっしゃると思っております。  ただ、ヨーロッパの艦船からいくと、神の手、ゴッドハンズというんですけれども、とにかく船を寄せてから、いわゆる船を並航、走らせて、あの荒れた海の上で合わせるというのはかなりな技術が要るんですが、それはもうとにかく、すっと寄せる技術は、もうとにかく神の手というのが言われるぐらいあっという間にやってのけるという、普通は給油している時間より合わせる方に時間が掛かるぐらい不器用なところもありますので、慣れていなきゃそういうもの。それを短時間にあの一番襲われやすい状況をやってのけることに関しては、もうただただ感謝というところも極めて多いというのが、いわゆる海軍に従事しておられるこの種の職業軍人さんの一様の評価というのも確かであります。  加えて、隊員の士気、規律が極めて高いというところも、これは寄港しております港で全員言うところでもありますので、そういった意味では、海外におけるこの海上自衛隊補給活動評価というのは国内より海外の方がはるかに高いというのは、先ほど岡田先生言われましたように広報活動に難があるのか、ちょっとそこらのところはいま一つ研究してみなきゃいかぬところかなと思ってはおります。
  74. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) 三年前、私はオマーンの沖合で現場を見てきておりますので、今、両大臣の答弁、身にしみて同感いたします。
  75. 岡田直樹

    ○岡田直樹君 先ほど外務大臣がおっしゃったように言論封殺はすべきでないので、こういう言葉を使うか使わないかはむしろ良識の問題であろうと、こういうふうに思うわけであります。  先ほど、浅野大臣、現場を御視察になったお話をされました。ほかに行かれた方からお伺いをしましても、この補給艦の甲板に卵を割って落とすとすぐに目玉焼きができてしまうという、それだけの灼熱というか酷熱の中での大変厳しい作業なわけであります。また、クーラーはあることはあるけれども温風器のようであったと、こういうお話もありました。  そうした厳しい条件の中で長期間奮闘しておられる隊員の心身の負担というものはどういうものであるか、まあ大体察しが付くわけでありますけれども、またそのケアというものをどうしておられるか、防衛庁にお伺いをしたいと思います。
  76. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これまでに十八名だったと思いますけれども、やっぱりそういう帰ってきた隊員がおります。やっぱり行くときも健康チェックをして、また向こうでも健康チェックをして、帰るときにも、途中でも健康チェックをしておりますけれども、やっぱりどうしてもそういう状況が出ますが、やはりこれから先も隊員のケアについては注意を払っていきたいと思っております。  やっぱりそういう過酷な状況でございますんで、なかなかそういう病気にならないというわけにもいきませんので、本当にこれは注意しながらやっておりますけれども、そういう過去の間にそういう傷病者が出たというのは非常に残念ですが、それに対しても十分なことをやっていこうと思っております。
  77. 岡田直樹

    ○岡田直樹君 是非、万全を期していただくようにお願いをしたいと思います。  先ほど補給艦保有隻数が三隻から五隻になって、若干その運用にも余裕ができてきたというお話を伺いましたけれども、やはり自衛隊にとっていろんな装備が必要なんでしょうけれども、この補給のようなロジスティックスというのか、後方支援のその能力というものがこれから一層重要になるんではないかと思うわけであります。国際平和協力が本来任務になるとすると、ある意味でいうと、後方こそその前線になるというか、後方こそ正面の活動になると、こう申し上げてもいいんじゃないかと思います。  海上自衛隊は、発足の当初から対潜水艦戦を重視して多くの護衛艦や潜水艦あるいは対潜哨戒機といった装備をそろえてきたわけであります。今後もロシアや中国の潜水艦には備えなくてはいけないし、あるいはイージス艦、ミサイル防衛にとって重要でありますが、しかしそれと同時に、同時にというよりは実際には働く機会の多いのはこういう補給艦のような後方を支える装備ではないかと思います。  こうした自衛隊の今後の装備あるいは編成の在り方について、久間大臣、お願いをしたいと思います。
  78. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 確かに補給艦の果たす役割というのも大きくなってきておりまして、防衛大綱上は昔も五隻になっておりまして、今も五隻でございますが、中身としてはかなり充実させてきたつもりでございます。これから先もこの五隻体制でうまくローテーションを組みながら、いわゆるそのうち一隻はどうしても維持補修でローテーションでやっていかなきゃなりませんが、そういうようなことでやっていこうと思っておるところでございます。  まあ防衛装備も、やはり今は限られた財政なもんですから、その中でどういうようなものから優先的にやっていくか、それを切り詰めながらやっておるわけでございまして、補給艦が重要であるといっても、早急にじゃミサイル防衛の前倒しとどちらをするんだとなりますと、六隻目を要求するよりはやっぱり五隻体制でいってミサイル防衛の方にシフトしていくというような、そういうことを取らざるを得ない現況も御理解賜りたいと思います。
  79. 岡田直樹

    ○岡田直樹君 以上、いろいろとお伺いをいたしまして、このテロ特措法に基づく海上自衛隊の協力支援活動というものは依然有意義であり、期間の延長というものは必要であると思いますが、しかし、もちろん早く目的を達成をして区切りを付けることができればそれにこしたことはないわけであります。しかし、このテロとの戦いというものはなかなか簡単には終わりそうにないわけであります。  私、アメリカ日本にとって掛け替えのない同盟国であると思いますし、北朝鮮の核実験によってその日米同盟の重要性というものは更に大きくなったと思っています。この九・一一に端を発するアメリカテロとの戦いを粘り強く支援することが同盟国に対する信義の上でも重要であると思うわけであります。しかし同時に、イラクやアフガニスタンの現状を見るとき、アメリカが本当に泥沼にはまっていくのではないかという危惧というものはやはり強く感じざるを得ないわけであります。  イラク戦争は、フセインのあの軍事独裁政権を倒したと、これだけでも成果があったと思うんですが、しかし、ブッシュ政権の政策全体が全体として適切であるかというと、必ずしもそう言い切れない面もあるんではないかと。もし、麻生大臣がブッシュ大統領やライス長官のような立場にあったらどういうふうに考え、行動をされるか。日本が同盟国としてアメリカに助言あるいは直言をすべきことも多いと思いますが、この辺り、少し大局的、本質的なお話でありますけれども、麻生大臣のお考えというものをお伺いしたいと思います。
  80. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今、戦争が終わった後のいわゆる統治、治安というのが大きな課題になったんだと思っております。少なくとも今、イラク、アフガニスタンで実行をもうちょっと早くからスタートさせれば良かったと思いますが、いわゆる現地人に、いわゆる治安、いわゆる軍ではなくて警察、これ治安は軍の仕事ではありません。警察と軍というのは似て非なるものであって、警察というものはその住民の中に入って一緒に生活した中からいろいろ、軍は軍で完全に独立したものでありますから、これは一面似ておりますけれども、本質が違います。したがって、警察活動というものの方が非常に大きな要素を持っていると、治安の面においてはそう思っておりますので、一日でも早くアメリカ人若しくは外国人からイラク人に、外国人からアフガニスタン人に治安というものを、その実体を移すということを早く強化すべきと、私自身は基本的にそう思っております。  したがって、これはもう既にアメリカの、もう大分前に、総務大臣のときでしたかね、アメリカにもそういうものなんではないのかという話をしたことありますけれども、外務大臣になってからもこの話を事実しておりますけれども、確実に今その方向でアメリカはイラクの軍隊並びに警察を猛烈な勢いで拡大し、今それが訓練、これは訓練が要りますんで、基本的なところの訓練も今開始がされつつあるというのは一つのいい傾向かなと思っておりますけれども、これはもっと早くやるべきと基本的にはそう思っておりました。
  81. 岡田直樹

    ○岡田直樹君 アメリカ始め各国が苦労している背景には、どうしても宗教の問題、イスラムとキリスト教、ユダヤ教といった、こういった宗教対立というものも一つの原因になっておると思うんです。日本は幸い、キリスト教国というわけではなくて、その対立の局外にあると言っていいと思いますし、また帝国主義の時代に、イギリスのようにこういった地域を支配したと、あるいは強い影響下に置いたということもなくて、この地域に関しては日本は言わば手を汚していない。そうした日本なればこそ果たし得る役割というものがあると思います。それは、先ほど同僚委員も言われたその多面的な、言わばNGOとか民間とかそうした方々も参加をしてのアフガンの国づくりということであろうと思いますけれども、この点について外務省はいかにお考えか、お伺いしたいと思います。
  82. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) 元々、ODAを有効に活用して紛争の平和的解決とか開発途上国の安定した経済成長だとか貧困対策とかイスラム穏健派との関係強化とか、様々な課題と積極的に取り組んでいくのがテロとの戦いの基本だとは思いますけれども、岡田議員指摘の、日本はキリスト教社会ともイスラム教社会ともどちらにも属していない、そういう立場からもう少しテロとの戦いで貢献ができることはないだろうかという指摘と受け止めました。  確かに、日本がそういう文明間対話を促進するというのは大切な役目だと存じておりまして、例えば対中東文化交流・対話ミッション、これには既に三回派遣をしておりますし、イスラム世界との文明間対話セミナーにも四回、大体中東を中心に開催をされておりますけれども、参加をしておりまして、御指摘のとおり、日本らしい外交努力を引き続き模索し、続けてまいりたいと存じます。
  83. 岡田直樹

    ○岡田直樹君 この極めて難しい相互理解の橋渡し、日本が果たせるように、どうか御努力をお願いしたいと思います。  この特措法もだんだんと長期化をしてまいりまして、二年刻み、一年刻みで延長を重ねてきたわけでありますけれども、これが終わったとしても、あるいは北朝鮮の船舶を検査する活動、その後方支援をしなくちゃいけないといった、そういう事態が生じるかもしれない。何か事あるごとに次々と特措法を作って対応をしていくというのには限界があるのではないかと、こういう意見も強まってきておるように思います。  国際平和協力が自衛隊の主要な任務になりつつある今日、一般法、恒久法という形での検討に入る時期がそろそろ来たのではないかと、本会議でこういう質問が出まして総理の御答弁もありましたけれども、いま一歩踏み込んだ形で外務大臣、また防衛庁長官の御見解もお伺いしたいと思います。
  84. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは御存じのように、日本の場合は平和ということによって恩恵を被っているという点に関しましては、これは、ほとんど自然資源に恵まれていない、それから加工貿易によって成り立っている国ですから、そういった意味では通商が、通行が自由に行われるか否かというのは、これは、その地域が戦闘状態になりますとそれは非常なハンディを被ることになる。したがって、国際の平和というものに関しましては、これは日本の繁栄と直結しておりますんで、今後とも日本としては引き続きこの国際協力とか平和の協力とかいうものに関して積極的に実施していくというのは、僕は日本として今後欠くべからざる方向になりつつあると思っております。  冷戦時代は余り考えなくてよかったと思いますが、今、冷戦が終わってこの十五年間、明らかに地域紛争、宗教戦争等々は前より増えておるというのが実態であります。したがって、今の状況の方がより争乱、動乱というものが起こり得る可能性が各所に見られるというのは、これは日本にとっての国益を損なうということになろうと思いますんで、そういった意味ではこの平和協力に対して我々がどうやってかかわっていくべきかということに関しまして、今おっしゃったように、たんびたんび特別法ではなくて一般法としてという御意見というのは、これは最初にこの法案が出たころからもう既にあった話だとは思います。  したがいまして、今、政府内でもいろいろ、また与党の中にもいろいろ御議論が行われておりますし、またマスコミ等々においても、一般の中でもこの種の話は特にこの数年出てきたかなという感じがいたしておりますんで、こういった国民の議論というものを十分に踏まえた上でこういったものを真剣に検討されていってよい時期になりつつあるのではないか、そんな感じがいたしております。
  85. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 一般法という形で、具体的にどういう内容かによって非常に難しい点が実はあるんじゃないかと思うんです。  私はかねがね言っているんですけど、例えばこのテロ特措法というのは非常に希有な例で、アメリカが戦争をやる、それに日本としても、武力行使はしないけれども、やはりできるだけの協力はするという形で法律を作ったわけでございまして、こういう例が一般法としてそう出てくるかという、そういう気がいたしております。  一方、復興支援のイラク特措法だったら、これはいわゆる国連決議に基づいて参加する形になりますし、あるいはPKO法もそういう点では一般法としてのあれはあるんですけれども、テロ特措法まで含んだ形の一般法となるとこれは非常に難しいなという感じがしますので、私は、あってくれた方がその都度その都度立法せぬでもいいから防衛庁としては助かりますけれども、立法技術として、それまで含んだ、このテロ特措法みたいな法律体系といいますか、これを含んだ形の一般法というのが果たして技術的にできるんかなと、法制局も踏まえて閣法でやろうとするとなかなか難しいなという、そういう思いがしますので、割と慎重な意見を出しているわけであります。
  86. 岡田直樹

    ○岡田直樹君 それでは、残り時間わずかでありますけれども、ちょっと話題を変えまして、これまでとも関連をすることでありますけれども、弾道ミサイル防衛についてお伺いをしたいと思います。  北朝鮮の核実験の結果は定かではありませんけれども、昨日、長官は講演をされて、近々その判定ができるのではないかと、こういうふうにおっしゃったとも新聞報道で見ておりますけれども、しかし、相当大きな爆発があったということは事実でありますし、小型の核弾頭というものを積んだ弾道ミサイルが日本に向けられるという、そういう懸念というものも否定できない。そして、あの国の独裁者や軍部がどういう方向に暴走するかということも分からない。  そうした現状の中で、日本周辺では、アメリカ海軍のイージス巡洋艦、シャイローというんでしょうか、その一隻しか北朝鮮のミサイルに対応できない、それもどのぐらいの確率で迎撃ができるか分からないわけであります。極めて心細い状態であります。  日本のイージス艦はいつになったらその対応ができるのかと、例えば地元でこういうお話をしますと質問を受けることがあるわけでありますが、その性能向上を前倒しにしても、一隻目の改修が終わるのは来年の末と、こういうお話であります。  もう少しスピードアップができないのか、これは技術的な問題があるんでしょうか、あるいは、予算の問題であれば、例えば補正を組むとかあるいは予備費を使うといったようなことができないのか、この辺りについてお伺いをしたいと思います。
  87. 久間章生

    国務大臣久間章生君) ミサイルの問題にお答えする前に、昨日、核実験が行われたということを日本も間もなく言うんじゃないかというようなことを言ったという報道ですけど、ちょっと違うんです、正確には。  アメリカはその確証を持ってやったというふうなことを発表しておると。我が国としてはそういう事実をつかんでいない。これからも、つかめるかどうか努力はしているけれども、情報収集やっているけれども、できないかもしれないが、アメリカがそういうことを発表しているという内容等を把握しながら、あるいは世界各国がやっぱりやったんじゃないかというようなことを言っているときに、日本としてもやっぱりそれを何らかの形で、まあこれだけの確信を持って言っているならばそうだろうというような、そういう認識は持つに至るんじゃなかろうかというような、そういうことで言っているわけでございますんで、どうかひとつ誤解のないようにお願いしたいと思います。  それから、ミサイル防衛については、やはり物理的に急がせてもなかなか難しい点が実はございます。こういう状況でございますから、できるだけ前倒ししてやりたいという思いはございますし、またそのためには、予算も十九年度で要求をして前倒しをお願いしていますけれども、やっぱりPAC3についても十九年の末になるだろうし、あるいはまた、SM3についてもその翌年になるんじゃないかと。しかし、私たちの気持ちとしては、できるだけ前倒しで可能なものならばやらせたいと、そういう思いで今取り組んでおるという、そういう点について御理解賜りたいと思います。
  88. 岡田直樹

    ○岡田直樹君 もう一つの迎撃手段でありますペトリオット、PAC3の方でありますが、大都市、首都圏を始めとする日本の中枢を守るために四か所、これはいずれも太平洋側に配備をされるということであります。  私どもは石川県で日本海側なんですけれども、どうしても心理的な脅威というのは、日本海側、まあわずかなことでありますけれども、朝鮮半島と向き合って、強いわけであります。日本海側にこうしたPAC3配備されることを検討されますか。
  89. 久間章生

    国務大臣久間章生君) このPAC3は、日本全国で十六基ほど、しかしイージス艦等については三隻ほど、そういう配置をしますが、日本海等にはやっぱりイージス艦等の配置もあるわけでありまして、そうしますと高射群があるところに、高射隊があるところにPAC3を置いて、そしてそれは移動可能でありますから、そういう状況の中である程度の移動はするという、そういう体制でやっていきますとまあかなりの分野はカバーできるんじゃないかというふうなことで、今そういう配置を考えているわけでありまして、決して日本海はもう放置しているというわけじゃございませんで、そういうイージス艦の配置等もありますし、全体の配置の中で見ていこうと思っているわけであります。  そして、幸いなことに、沖縄については米軍がPAC3を置いてくれました。だから、沖縄の方までは我が国の今の予算の中で追い付かない点を先にやってくれたわけでございますから、むしろ沖縄の人は喜んでもらいたいと私は思っているわけであります。
  90. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) ほとんど時間が来ております。
  91. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 失礼しました。イージス艦は四隻でございます。
  92. 岡田直樹

    ○岡田直樹君 質問を余しましたけれども、これで終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  93. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) 以上で岡田君の質問を終了します。  白眞勲君。
  94. 白眞勲

    ○白眞勲君 民主党・新緑風会、白眞勲でございます。  テロ特措法についてお話をお聞きしたいというふうに思っておりますけれども、この運用において、私、海上自衛隊の対象地域、つまりそのどこで給油活動を行っているのかというのを地図上で具体的な場所を明示するように求めてまいったわけなんですね。ところが、防衛庁さんからは、一日以上待たされた上、今皆様にお配りした紙が一枚送られてきたわけなんですね。  ここで、ちょっとOEF—MIOのこのおよその活動地域を示しているこの真ん中の地図なんですけれども、これ、どこの部分だということなんでしょうか、教えてください。
  95. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 従来からこのたぐいの話になりますと、まあ、いつも非常に問題があるからということでこういう大ざっぱな話なんですよ。しかし、私が内部で言っているのは、確かにここで具体的に出しますと議事録としても残りますし、あるいは資料として出しますと、資料として配付されて公になってしまうものですから、そういう点があるわけですけれども、やっぱりこの辺については理事会等で協議していただいて、これじゃ大ざっぱ過ぎると私自身も思っているわけでございますが、ポイントで出しますとそこがまたターゲットになる可能性もございまして、非常に機微に触れますので、まあ、とにかく理事会で、先生質問でもございますので、先生に対してどこまでやったらいいかというようなことで共通の認識を持ってもらって、そして資料提供をしたらいかがなものかなと思っておりますので、委員長においてその辺お諮りいただきたいし、また私が言っている意味も理解していただきたいと思うわけであります。  資料として出ますと全部オープンになってしまいますから、それで細かく言うともうピンポイントになってしまいますので、そうしますとやっぱりそこは非常に問題があるということもひとつ御理解しておいていただきたいと思います。
  96. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議することにいたします。
  97. 白眞勲

    ○白眞勲君 正に私の言いたいことを全部、久間長官が全部言ってくださいましたので、私もどうやってこれからやっていこうかなというのもあるわけなんですけれども。  ただ、ちょっとこの紙見ていただきたいと思うんですけれども、私はともかく、これ、本当再三にわたって、これ、実は事務所の方からお願いしてやっと出てきた資料がこれなんですね。  それで、まず見てください。この真ん中に何か薄く青く何か海のところにこう出ているこれなのかなというのはおおよそ予想は付くんですけれども、これなんでしょうか。それを、ちょっとこれについての説明をお願いします。
  98. 山崎信之郎

    政府参考人山崎信之郎君) 先生のところからお配りをされたカラー付きの資料だと思いますが、正に先生がおっしゃられるとおり、非常に薄く白い線が書いてございます。インド洋の北部地区、それからアラビア半島沿岸沿いに沿って、アフガニスタン、下、イラン地区の方に至っている大まかな白い線で囲まれた地域先生にお示しをしました我が方がOEF—MIOを行っている作戦海域でございます。
  99. 白眞勲

    ○白眞勲君 私も多分そうだというふうには思っていたんですけれども、普通、それでしたら、何か線をここだというのを持ってくるとか何かしないと、何となく、何か小学生がこの辺に落書きしたような感じで書いてあるわけですよね。これ、どういうことなのかなというのをもう少しこの辺誠実を持っていただきたいなというのはあるんですね。  それで、それにもかかわらず、もう一つ私申し上げたいのは、この仮に青い線かなとは私も思いました。この薄く白く、白いんだか青いんだかよく分からない線だと思うんですけれども、イエメンのところ見てください。これ、陸地に上っちゃっているんですよ。その陸地に上って、これちっちゃい地図だからあれですけれども、陸地に上っているけれども、これ大体、私測ってみると、五百キロ入っているんですよ、陸地に。これ海上の、その何ですか、阻止活動にもかかわらず、陸上の上まで乗っかっちゃっているって、水陸両用車でもあるまいし、こういう、もう本当誠実に欠ける、これでも食らえみたいなそういう書類を出されちゃうと、私もこれ正直どうなんですかということなんですね。先ほど、何ですか、ガソリンスタンドがどうだっていって大分お怒りの委員もいたけれども、そのガソリンスタンド以上にこういう書類を出されちゃうと、こちらとしても、これ審査できるんですかという話になってくるわけなんですよ。その辺いかがですか。
  100. 山崎信之郎

    政府参考人山崎信之郎君) お示しをしました白線につきましては、非常に私自身も自ら見ながら分かりにくいなと。先生の御指摘のとおりで、非常にその点、誤解を与えるような、不誠実な印象を与えるような図をお示しをいたしまして、誠に失礼をいたしました。改めて分かりやすい図をまた別途先生のところに御説明に伺い、お示しをしたいと思います。
  101. 白眞勲

    ○白眞勲君 不誠実な印象ではないんですよ。これ不誠実そのものですよ。こういうことを、国民の皆様にこういう陸地にまで上っちゃったものでこういうことを出されちゃうと、一体何ですかこれということになるわけでして、シビリアンコントロール何だかんだといったって、これシビリアンコントロールも何もないですよ、こういう書類を出されたら。もう一度ちょっとお答え、長官、どう思われますか、ちょっとお願いします。
  102. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これは白い線がそうだとは私は思わないんで、これさっき言ったように、この枠内だということで言っているわけで、精一杯広くここを取っているわけですね。だから、もう少し具体的に、やっているようなところを、ポイントじゃなくても、ある程度の広がりで、やったようなところを理事会の御協議を得た上で報告をさせてもらった方がいいんじゃないかと思いまして。要するに、余り今までがこういうこのたぐいのやつになると作戦上の問題がありまして、という形で何もかも出さないというような、そういうことがございますけれども、やはり国会与野党先生方を超えてこれはやっぱり共有せにゃいかぬわけですから、これについては我が党も知らないわけですよね、具体的には、そういうことで全部断っていますから。  だから、そういう点で、もう少しある程度の中身については、ポイントじゃなくていいから、ピンポイントじゃなくていいから、ある程度、こういう形でやっているということを報告するようにさせたいと思いますので、是非ひとつ、これならいいだろうという御判断をいただけるまで出していきますので、多分出せば御理解いただけるんじゃないかなと思います。
  103. 白眞勲

    ○白眞勲君 長官の非常に誠意を持ったお答えに非常に私も感銘を受けておるところなんですけれども。  ただ、精一杯広げましたというのはうまくないわけでございまして、精一杯広げて陸地まで掛かっちゃったら、これは精一杯の、広げた、そんな陸地にも掛かっちゃって精一杯広げられても困るわけですから、その辺は是非、ちょっと精一杯広げるにしても、陸地までは掛からないようにしていただくぐらいの配慮は必要なんじゃないかなというふうに思うわけでございます。  それで今、正に長官がおっしゃったんですけれども、やはりこういった問題について全然今まで一切答えてないわけなんですね。やっぱり、こういったものというのは私たちは何のためにこの法律の延長幅を一年に延長しているのかといえば、この活動内容について立法府において判断を求めるんだということなわけですから、当然、そうしたらその活動の基となる、つまり基本的にどこ、どこで何しているんだという説明をしていただかないと、立法府の判断のしようがないわけなんですよ。  ですから、そもそもこちらの要求と異なる資料これ出しているわけですね。これはOEF—MIO、MIOの話であって、私が申し上げているのは、私が要求したのは、自衛艦がどこで給油しているかというところなんですよ。これはOEF—MIOの話でして、別ですよね、これは。ですから、その別の部分についても出していただきたいと思いますけれども、その辺について久間長官、いかがでございますか。
  104. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これは給油活動をやる地域としてのあれですけれども、給油をどこでやっているかということについて、それを私は、さっき言ったように、理事会等に諮っていただいて、まあピンポイントまでは出ないにしても、この地域だということをもう少し具体的に、この辺でやっているんだなという判断ができるぐらいのことはやっぱりすべきであると思っておりますので、それは誠意を持って対応したいと思います。
  105. 白眞勲

    ○白眞勲君 この辺りというと、またこんな陸地に掛かったような図、書類を持ってこられても困るわけでして、私は、やはりきちっと精査するためにはどこでというのをある程度プロットしていただきたいと私は思っているわけなんですね。そうしないと、これ判断しようがないんだと私は思うんですよ。その辺についていかがでしょうか。
  106. 山崎信之郎

    政府参考人山崎信之郎君) 大臣から御指示を受けまして、なるべく分かりやすい図、それから絞れるものについては、可能であれば絞った図は出せるかどうかについてちょっと内部で検討をさせていただきたいと思いますが、他方、個々具体的な給油地点等を出します、お示しをしますことは、我が方の海上作戦におきます詳細な活動がやはり外部に出るということによりまして、我が国だけではなくて給油を受けている相手国との関係もございますので、この点については、例えば何度何分、何時にどういう給油活動を行ったということまでの詳細は公表は差し控えさせていただきたいというふうに考えております。
  107. 白眞勲

    ○白眞勲君 ちょっと久間長官が何か御不満そうな顔しているんで、久間長官、ちょっとお願いします。
  108. 久間章生

    国務大臣久間章生君) いや、プロットといいますときに、今みたいに何度何分のこの地点といって点まで出すということになると問題があるから、点じゃなくて、もう皆さん方も含めて、我々も含めて、まあこの地域だなという、そういうのが、さっき言ったように陸地まで掛かるようなそんな広い範囲じゃなくて、ある程度納得できるような範囲のお示しができればいいんじゃないかと。まあ、先生もそこまで、点まで言っておられるんじゃないというふうに思っておりますので、点ということになりますと、そこに照準を合わせることが可能になってきますから、いつもここでやっているんだなということになると問題ありますけれども、ある程度のそこら辺は、いわゆるミサイルの誤差の対象ぐらいの範囲内ならいいわけでありますから、だからそういう点で少し余裕をいただきたいという意味で言ったわけであります。
  109. 白眞勲

    ○白眞勲君 正にそういったことだと思うんですけれども、私は、できましたらもっと本当に正確な地域というものをある程度、大体この程度というか、この辺りを中心にどこどこどこどこやっているんだということをしっかりと出していただかないと、やっぱりこれ判断のしようがないんですね。  まあ何度も申し上げるんで恐縮ですけれども、そもそもこちらの要求した資料と全く異なる資料を出してきて、かつ資料内容も陸地に掛かるような資料まで出してくるというこのでたらめさというのは、これじゃ審査しろったって審査しようがないんですよ。  ですから、もし公開するのがあれでしたらば、例えば委員長、ここでちょっと要求したいんですけれども、秘密会ということはどうなんでしょうか。ちょっとお願いしたいと思うんですけれども。
  110. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) この件につきましても、後刻理事会で協議したいと思います。
  111. 白眞勲

    ○白眞勲君 ただ、今日採決しようかなとも思っているわけですけれども、今日できる、今日はできないんでしょうか。お願いします。
  112. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) ちょっと速記録止めてください。    〔速記中止〕
  113. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) 速記を起こしてください。
  114. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 先ほどから申し上げておりますように、非常に微妙な問題等もございますので、是非理事会等でお諮りいただいて、どの程度の資料ならいいのか、それで要求していただければ私たちとしては応じなきゃならないと思いますが、その辺のやっぱり……
  115. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) ちょっと待ってください。速記を止めてください。    〔速記中止〕
  116. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) じゃ、速記を起こしてください。
  117. 久間章生

    国務大臣久間章生君) その辺についてのあらかたの御理解がいただければ、採決までに資料理事会の方に提出さしていただきたいと思います。
  118. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) はい、了解いたしました。
  119. 白眞勲

    ○白眞勲君 是非その資料、しっかりとした資料を出していただきたいなと。そうしないと、これ手挙げろったって手挙げようがないんじゃ、まあどうせ反対だろうと言われりゃそうかもしれないんだけど、でも、やっぱり自民党の皆さんにも手挙げる気持ちを、やっぱり挙げたくないなという気持ちにさせていかなきゃいけないなと私は思っておりますんで、是非その辺誠実に、こんな陸地に掛かるような資料を出すようなことしないようにお願いしたいというふうに思うわけでございます。  そこで、ちょっと長官にお聞きしたいんですけれども、先ほど同僚議員から、給油している最中は結構危険なんだと、上に哨戒機も飛んでいるんだというようなこともありましたけれども、どの程度の危険性を伴っているというふうに認識しているんでしょうか。
  120. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これは具体的な危険性があるということではなくて、給油している最中が一番弱いので、そういう点で上からヘリコプターでその周りを哨戒するという、そういう態勢を取っているということを言ったわけであります。
  121. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうしますと、やはりそれほどの危険性はないということなんですか、それともそれほどの危険性があるということなんでしょうか。
  122. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 危険性はやっぱりあるわけでして、相手はテロ集団ですからいつ襲ってくるか分からないという、そういう危険性があるからこそそういう警戒をやっぱりしているということであります。
  123. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうしますと、それは戦闘地域になっちゃうんじゃないんですか。
  124. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 戦闘地域というのは、戦闘が行われており、なおかつそれが継続するような地域を戦闘地域と従来から言っているわけでありまして、波静かなところでどこで襲われるか分からないというふうに警戒態勢を持っているということと戦闘地域とはまた別なわけであります。
  125. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうしますと、今後、今周辺事態等の論議というのは今盛んに行われている中で、仮に認定した場合、これは何度も同僚議員の方からも質問があったわけなんですけれども、日本周辺において自衛隊の補給艦によるアメリカ軍艦への給油ということをしなければならないわけですから、ということは、その時点でインド洋に展開している自衛艦を呼び戻すかどうか。長官は周辺事態の認定があったからすぐに撤収だということにはならないというふうに先日も御答弁されているわけなんですけれども、でも、やっぱり急がないと大変なんじゃないのかなというふうに思うんですけれども、長官はいかがお考えでしょうか。
  126. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 自衛隊法で御承知のとおり、我が国のこの平和と安全が一番主たる任務として重いわけでありますから、それに支障のない範囲でこういう補給活動もやることになっておりますので、そういう点ではその支障があるかどうか、そのときの状況判断しながら撤収するかしないかは判断さしてもらうということに論理的にはなろうかと思います。
  127. 白眞勲

    ○白眞勲君 事務方で結構ですけれども、船がインド洋から戻るのに、日本近海まで戻るのに何日掛かるんでしょうか。
  128. 山崎信之郎

    政府参考人山崎信之郎君) 約三週間ぐらいでございます。
  129. 白眞勲

    ○白眞勲君 三週間ということは二十日以上掛かるわけでして、そういうことを考えますと、周辺事態といっても相当に、もう周辺事態に認定される事態というのは相当な事変が、事態が急迫しているような状況にもなっているわけですし、その時点においてはもう、当然もう計画は立てているんじゃないかとは思いますけれども、帰るということもある程度考えなきゃいけないんじゃないか。  特に、帰ってきたからといったって、空の補給艦ですから当然これもう一度その燃料も補給しなきゃいかぬだろうし、場合によってはメンテナンスを掛けなきゃいかぬかもしらぬということも考えますと、相当にやはりこの辺は最初に考えて行動していかなきゃこれからならないんではないんだろうかというふうにも思うわけなんですけれども。簡単に言うと、あんまりのんびりできないんじゃないかということなんですね。  官房長官にちょっとお聞きしたいんですが、その辺どうお考えですか、政府として。
  130. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 先ほど防衛庁長官からも答弁申し上げたように、今回のこのテロ特措法に基づく活動については、自衛隊法上の自衛隊の任務遂行に支障の生じない範囲内でやるということになっているわけでありますから、当然オペレーショナルにも、今言ったような三週間時間が掛かるということを含めて計画を立ててやっていることでございますので、我が国の周辺で我が国の安全を守るということに関して支障が出るようなことはないというふうに考えております。
  131. 白眞勲

    ○白眞勲君 官房長官にもお聞きしたいんですけれども、テロ特措法とそれから周辺事態による活動を比較した場合、どちらが優先順位が高いというふうに認識していますか。
  132. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) いずれもそれは重要だというふうに考えております。
  133. 白眞勲

    ○白眞勲君 いずれももちろん重要なんですけれども、どちらを重点に置いているんでしょうか。
  134. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) それは順番を付けられるような問題ではない、そういうふうに思います。
  135. 白眞勲

    ○白眞勲君 ちょっとそれは私は変じゃないのかなと思うんですね。やっぱりこれは、日本の周りで何か起きたときが重要に決まってんじゃないかなというふうに私は思うんですね。  法律の、純法律的な立場からすれば両方とも同等の法律の位置付けかもしれませんけれども、やはり日本国民の生命と安全を守る官房長官が、それはテロ一緒だよ、テロ特措法一緒だというふうになると、それちょっと変じゃないのかなと思うんですけれども、その辺どうなんですか。
  136. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) そのようなことを申し上げているわけではなくて、先ほど申し上げたように、テロ特措法自衛隊が自らの任務を果たすのに支障のない範囲内でのテロとの戦いへの主体的な活動展開すると、こういうことでありますから、それは自国を守るということが重要であることはもう当然のことでありますけれども、事はまあ順番を付けるということではなくて、総合的に安全保障の政策としてやっていくべきことを我々は粛々とやっていくと、こういうことだと思います。
  137. 白眞勲

    ○白眞勲君 当然のお話を当然のようにお話をされたわけですけれども、それでもやっぱり日本が重要だということをもっと強調されるようなスタンスでお話をされた方がいいんじゃないのかなというふうに思うんですけれども、いかがですか。
  138. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 何度も申し上げますように、日本自衛隊がその任務を遂行するのに支障のない範囲内でということは、それはもう当然日本の国を守るということが大事だということを指し示しているわけであって、その範囲内でテロとの戦いも精一杯やっていきますよと、こういうことだろうと思います。
  139. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうしますと、やはり今、久間長官にもお聞き申し上げましたけれども、やはり日本の周りでそういう周辺の事態が発生した場合というのは、インド洋での展開している艦船というものはやはり帰国の準備というものも念頭に置いてやっていくということでよろしゅうございますね。
  140. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 先ほども申しましたように、我が国は五隻の補給艦を持っております。そのうちの三隻が稼働して、一隻は維持管理といいますかね、そういうメンテナンスに回ることもありますし、一隻は練習艦として使っていることもございますから、それだけの余裕は実はあるわけであります。  そういう中で、我が国の周辺でもし周辺事態が起きた場合にどうするかとなりますと、一隻は向こうに行っておりますが、あとの二隻で対応できるのかできないのか、その辺も考えながらやりますけれども、もうどうしてもぎりぎりってなってきたときには我が国の平和と安全に重要な影響を及ぼす事態でございますから、それは先ほど言いましたようにそういうことも考えなきゃならないケースも出てくるかもしれません。  しかしながら、それはそのときの事態になってみなきゃ分からないわけでありますし、今ここで、あのインド洋の方はこちらの周辺に起きた補給活動と比べては要するに低いんだと、まあ必要性が低いんだと言いますとこれは士気にも影響するわけでございますので、やはりそれぞれが任務に就いておるわけでございますから、その辺も考えながら、その辺の事態の推移を見ながら、緊急、どうしてもこちらにもウエートを移さなきゃならないとなればそれはこっちの方が、先ほど言いましたように法律上は最終的には我が国の防衛上の必要性に支障のない範囲でございますから、こっちに必要性が生じて、そういうふうになったらもう向こうのやつを持ってくることを考えますけれども、それを今ここで認定するのはなかなか難しいので、先ほど言いましたようにどちらも重要なんだという、そういう話をしているわけでございますので、その辺もちょっと御理解賜りたいと思います。
  141. 白眞勲

    ○白眞勲君 官房長官にじゃお聞きしますけれども、今長官からは士気にも影響するし今のスタンスは変わらぬということだと思うんですけれども、やはり三週間船が戻るのに時間が掛かる、何だかんだすりゃ四週間近くになってしまうだろうと思います。そういったことを考えますと、やはりテロや周辺の事態というものが、これがあった時点でもうそれはある程度予測して行動する必要性も出てくるのではないかというふうにも私は思うわけなんですね。  ですから、その辺は、そのときの事態は分かりません。その時点での、つまりインド洋に船が展開している時点で周辺事態が起きたときに今後どうなるかは確かに分からない。分からないということは、二つに一つで悪くなる例もあるわけですし、当然それを念頭に置いてこれは仕事をするということだと思うんですけれども、官房長官の見解はいかがでしょうか。
  142. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 国連安保理の決議を受けて日本が何ができるのかということを今各国とも連携をしながら緊密な打合せをしているところでありますが、今先生御指摘のように、日本が何をするかというときには当然、先々何が起こり得るのかということは念頭に入れながら行動していくのはごくごく当然のことだろうと思います。
  143. 白眞勲

    ○白眞勲君 ですからどうするんですかと聞いているんです。念頭に置くのは分かりましたけれども、ですからどう、どう、どう行動するんですかということです。
  144. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) それはですから、先ほど申し上げ……
  145. 柏村武昭

  146. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 失礼。  その中身については今いろいろ検討しているところでありますので、総合的な判断をするということで、今そのインド洋からどうするこうするというようなところまでコメントすることは差し控えたいというふうに思います。
  147. 白眞勲

    ○白眞勲君 そのいわゆる北朝鮮の今国連決議というのは、今長官の方からお話ありましたけれども、先日アメリカが、今回の北朝鮮が核実験を行ったと断定していると、それからまた韓国政府も、昨日でしたっけ、北朝鮮、核実験を行ったと発表している、そういう中で、日本政府としては現在どのように判断をしているんでしょうか。
  148. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) これにつきましては、もう核実験が行われた可能性は高いとは思っておりますけれども、引き続き、これが本当にそうであったのかどうかということは、様々な情報を今集めながら、そしてまた米国等と意見交換をしながら判断を、事実確認に努めていっているところでございます。
  149. 白眞勲

    ○白眞勲君 今回の北朝鮮への独自制裁の中で、先日の外交防衛委員会で、私、経済産業省にお聞きしたんですけれども、何で輸出は止めなかったのかと聞いたところ、もう麻生大臣久間長官も覚えていらっしゃると思うんですけれども、高木大臣政務官が、政府におきましては諸般の情勢を総合的に勘案した結果だと答えて、これじゃ答えになっていないんじゃないですかと言って、じゃ諸般の事情って何ですかと聞いたところ、今度は経済産業省の貿易管理部長がこう答えているんですよ。正に諸般の状況ということでと、内外の状況を総合的に踏まえてということでございますと。こういう何か答えになってないような感じがするんですね。  今日、ちょうど官房長官がいらっしゃるんですけれども、外務大臣にお聞きしたところ、当時、直接この輸出をなぜ止めなかったという経緯をちょっとよく知りませんと、こう大臣もお答えになっているんで、官房長官がいらっしゃるんで、ちょうど、何ででしょうか。
  150. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 北朝鮮に対する我が国の基本的な外交スタンスというのは、対話と圧力だということはもう繰り返し申し上げているところでございます。  これは何のための圧力なのかというと、これは元々対話をするための圧力であって、圧力のための圧力ではないわけであります。したがって、どういう圧力を用いるのかというのは、様々なことを考えながらやるのはごくこれまた当然のことでございまして、その手のうちを明らかにする理由もありませんし、これは北朝鮮と我が国との間の我慢比べであり、そしてまた国際社会と北朝鮮との間のこれはやっぱり引っ張り合いがあって、我々としては、国際社会の一致した声として今北朝鮮に対話の場に、すなわち六者協議に無条件で帰ってこいと、こういうことを言っているわけでありますので、その圧力の掛け方については様々あり得るということだと思います。
  151. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうしますと、当然、今後は輸出も止めるという選択肢もありということですね。
  152. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) それは、北朝鮮がどういうふうにこれから国際社会とのコミュニケーションを取る意思があるかというところに懸かってくるんだろうと思います。
  153. 白眞勲

    ○白眞勲君 ですから、輸出を止めることもありということですね。
  154. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) それは、どういう手を取るかというのは、我々がまた総合的にそれこそ判断をしなければならないことだと思っています。
  155. 白眞勲

    ○白眞勲君 もう一回お聞きします。輸出を止めるかどうかを聞いているんです、私は。
  156. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) それを含めて総合的に判断をしていきたいと思っております。
  157. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうしますと、昨日、おとといですか、当外交防衛委員会での、日朝平壌宣言について遵守しているところはどこかと梅田さんにお聞きしましたところ、うやむやだったんですよね。じゃ、ちょっと今度は逆に違反しているところは文言上どこだか教えてください。
  158. 梅田邦夫

    政府参考人(梅田邦夫君) お答えいたします。  例えば、日朝平壌宣言におきましては、我が国及び北朝鮮は、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動を取らないこと、それから、朝鮮半島の核問題包括的解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守すること、核問題を含む安全保障上の問題に関し、関係諸国間の対話を促進し、問題解決を図ることの必要性を確認したことが明記されております。  それと、あとミサイルの発射のモラトリアムなんかもありますけれども、こういう今申し上げた点も含めまして北朝鮮は違反しておるということでございます。
  159. 白眞勲

    ○白眞勲君 外務大臣にお聞きします。  拉致問題はどうでしょうか。違反しているんでしょうか。
  160. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 拉致問題に関しましては、その後、誠意ある対応が見られないというのが率直なところで、新たに拉致が発生しているという認定をしているわけではありません。
  161. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、その後の誠意が見られないという部分においては違反しているということで見ていいですね。
  162. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 誠意のない対応が続いていると理解しております。
  163. 白眞勲

    ○白眞勲君 ですから、そこが違反しているということなんでしょうか。どうなんでしょうか。
  164. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 政治的にこれは極めて意味のある文書ではありますけれども、したがいまして、この文書に関して誠意ある対応を行っていないのが直ちに違反かと言われると難しい、意見の分かれるところだと思います。
  165. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうしますと、遵守しているというふうにも言えないということですか。
  166. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 私どもは、平壌宣言を遵守していない部分が極めて、核の話を含めていわゆる、その紙をお持ちなんだと思いますけれども、二番のところ以外、一、三、四のところは極めて遵守しているとは思われない部分が多いというように理解しておりますが。
  167. 白眞勲

    ○白眞勲君 先日、北朝鮮の貨物船四隻が、十月九日の核実験以来、北朝鮮西海岸の港を出港して日本海から対馬海峡を経て東シナ海に行ったという報道があるんですけれども、それについてどの程度政府として把握されていますでしょうか。
  168. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) 北朝鮮籍と思われる船舶が三隻、対馬海峡へ向かったとの報道は、これは承知していませんが、別に、北朝鮮の核実験実施発表以降、四隻の北朝鮮船籍船が韓国領海の済州海峡を、チェジュですね、海峡を通過したという報道があることは承知しています。  ただ、この報道も韓国領海内を通過した船舶に関する報道でございまして、事実関係をしたがって日本政府は確認をしてはおりません。
  169. 白眞勲

    ○白眞勲君 ところで、そうしますと、いわゆる対馬海峡だと思うんですけれども、今の話というのは。その対馬海峡の幅というのは何海里ですか。
  170. 小松一郎

    政府参考人(小松一郎君) 事実関係でございますので、御説明をさせていただきます。  対馬海峡の幅、これは全体幅でございますが、これは釜山と九州本土との間を測った幅と御理解いただきたいと思いますけれども、約二百キロ。一海里が千八百五十二メートルでございますので、約百八海里でございます。  それから、対馬と韓国との間のいわゆる対馬海峡西水道、この幅が約四十三キロ、海里で申しますと二十三・二海里、対馬と壱岐、日本の領土でございます壱岐との間の東水道の幅は約四十六・三キロ、約二十五海里となっております。
  171. 白眞勲

    ○白眞勲君 元々、日本が批准した国連海洋法条約におきますと十二海里ということですから、そうすると、対馬海峡東水道の一番狭い壱岐と対馬との間は領海法によると、対馬海峡などはそのまま当分の間三海里を適用するということになっているわけでして、この海峡に公海、公の海が存在するということですから、例えば今回のようなケースにおいて、もし韓国側を通らなくても東水道を通って、つまり北朝鮮の船が西海岸の港を、北朝鮮西海岸を通って日本海から東シナ海に向かう場合に、いわゆる東水道の公海を通って行くこともできるということになると思うんですけれども、これって結局、いわゆる筒抜け状態。  元々十二海里だったらいいんじゃないかなと思うんですけれども、ここを通さない方法って検討してみたらどうかと思うんですが、官房長官どうですか。いや、官房長官に聞いているんだ、官房長官答えてください。
  172. 小松一郎

    政府参考人(小松一郎君) 国連海洋法条約の御質問でございますので、私から御説明をさせていただきたいと思います。  国連海洋法条約上、領海は十二海里まで設定することができるということになっておりますが、ただいま委員が御説明になりましたように、対馬海峡を含めまして日本の周辺のいわゆる五海峡でございますが、そこにおきましては領海を三海里としております。したがいまして、その領海の間に排他的経済水域というのが残っているということは事実でございます。  御質問が、そこを閉じて通らないようにしろと、する工夫をしたらどうかという御質問かと理解いたしましたが、まず仮に領海になったといたしましても、領海の中ではいわゆる国際法上は無害通航という権利も認められておりますし、領海にしたらそこが通航を阻止することができるということには国際法上ならないわけでございます。
  173. 白眞勲

    ○白眞勲君 国際法上なり得ないと言っても、逆に言えば船舶検査もできるんですよね、じゃ、国際法局長、お聞きしたいんですけれども。それは自由にできますよね、今の現行法上で。
  174. 小松一郎

    政府参考人(小松一郎君) 船舶検査でございますけれども、これはもちろん安保理決議千七百十八号での貨物検査ということを念頭に置いての御質問かと理解をいたしますけれども、それはあの決議に書いてございますように、国際法及び各国の国内法令に従って協力行動を取るということが呼び掛けられておるということでございます。  したがいまして、それでは、我が国の領海内で例えば海上保安庁のような法執行機関の船が何ができるかということにつきましては、我が国の法令に違反があるかというような観点から検討をする必要があると理解しております。
  175. 白眞勲

    ○白眞勲君 さっぱり言ってることが分からない。もっと手短におっしゃっていただきたい。領海において船舶検査ができるかどうかということを聞いているんです。
  176. 小松一郎

    政府参考人(小松一郎君) 日本の法令に従ってできる場合がございます。
  177. 白眞勲

    ○白眞勲君 官房長官、できるわけですよ、ですから領海を三海里から十二海里にすれば。それは今、昭和五十二年に施行されているこの、何ですか、領海法で附則、附則って附属の部分、附則でその三海里にするという部分が出ているわけなんですね。それを取っちゃえばいいわけです、簡単に言えば。そんなに複雑な法律の手続でも改正でもないんですよ。  そういうことによって、船舶検査というものも、周辺事態何とかということを考えなくてもできるんではないのか、少なくともその対馬の部分においては。ということについて、官房長官のお考えをお聞きしたいと思います。
  178. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) 外務省小松国際法局長
  179. 白眞勲

    ○白眞勲君 何で、官房長官なのに。
  180. 小松一郎

    政府参考人(小松一郎君) その前に、法的な部分について簡単に御説明をさせていただきたいと思います。  対馬海峡を含みます日本周辺の五海峡で領海が三海里となっているという点でございますが、この点につきましてなぜそうなっているのかという点について、今まで何度も国会で御議論がございました。  海洋国家、先進工業国家たる我が国にとりましては、国際交通の要衝である海峡においてタンカーを含みます船舶の自由な航行を確保することが国益の観点から必要でございます。このため、我が国自身も諸外国が重要な海峡における重要な航行を維持又は強化する政策を取ることを促すという必要がございますので、国際航行の要衝たる対馬海峡を含むいわゆる特定海峡、五海峡でございますけれども、外国船舶の自由な航行を保障することが適切と考えておりまして、そのような観点から領海部分を三海里としている次第でございます。
  181. 白眞勲

    ○白眞勲君 官房長官、お願いします。
  182. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今の御質問は船舶検査についてのお話であったかと思いますが、何度も申し上げますように、今回の国連決議一七一八に書いてあることは、国内の権限と国内の法律と国際法にのっとって行われるということが期待をされているわけでありますので、我が国も現在の国内法上の権限及び国内法令に従って、かつ国際法に適合する範囲内で関係国と緊密な連絡を取りながら総合的に何ができるのかということを今考えていると、こういうことであります。
  183. 白眞勲

    ○白眞勲君 私のお聞き申し上げているのは、この対馬海峡において三海里を十二海里にすればいいじゃないんですかということを言っているわけなんですね。  ですから、そうすれば、別に今自民党の皆さん考えているような特措法とかなんとかとかいろいろな意見というものも、比較的穏やかな形でこれ検討できるんではないかなということについてどう官房長官としてお考えになっているか、検討してみる可能性は私はあると思うんですけれども、その辺はいかがでございますか。
  184. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 繰り返し申し上げますように、ここのところはやはり総合的に様々な要素を考えながら、また各国が何をするのかということを含めてやっていきたいと、こう考えて今検討を深めているところでございます。
  185. 白眞勲

    ○白眞勲君 今、国際法局長さんの方からお話があったんですけれども、何か三海里、三海里というのが世界の常識みたいなことをおっしゃっているようなんですけれども、それだったらなぜ、その前にちょっと一つ聞きましょうか、韓国はこの部分、何海里に設定していますか、対馬海峡の部分。
  186. 小松一郎

    政府参考人(小松一郎君) 対馬海峡西海道、東海道とある、東海峡、水道があるわけでございます。対馬と韓国との間、ここにつきましては、我が国の対馬の沖三海里、韓国も三海里ということとなっております。
  187. 白眞勲

    ○白眞勲君 そこで、もう一つちょっとお聞きしたいと思うんですけれども、私は今回の国連の制裁決議が朝鮮戦争の折に結ばれた休戦協定との関係をきちんとクリアして制裁を科すべきであるというふうにも思っているわけなんですね。その辺大丈夫なのかなと。  つまり、休戦中の国家に対して国連が制裁を科すという兼ね合いをどのようにクリアしているのか、官房長官にお聞きしたいと思います。
  188. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 我が国は、まず第一に、朝鮮半島の休戦協定の当事者ではないということから、この協定を有権的に解釈する立場にないということはまず申し上げないといけないと思っています。  なお、国連憲章の第二十五条というところに何が書いてあるかといいますと、もう御案内だと思いますけれども、この加盟国は、安全保障理事会の決定をこの憲章に従って受諾し履行することに同意すると、こう書いてあります。また一方で、国連憲章の百三条というところに、加盟国のこの憲章に基づく義務と他のいずれかの国際協定に基づく義務とが抵触するときは、この憲章に基づく義務が優先をするというふうに規定をしているわけであります。したがって、国連安保理の決議、今回の一七一八号に基づく加盟国の義務というのは朝鮮半島の休戦協定上の義務に優先をするということは明らかだと思っています。  したがって、国連に加盟をしている北朝鮮、加盟をしているわけでありますから、安保理の決定に基づく制裁措置について、その性質のいかんを問わずこれを受諾する義務というのがあって、北朝鮮はこれについて休戦協定違反の違法な措置であるとは主張し得ないというふうに考えているところでございます。
  189. 白眞勲

    ○白眞勲君 非常にクリアなお話をありがとうございました。是非それをしっかりとやはり国民の皆さんお話をしていただくことも必要なんじゃないかなというふうに思っております。  それで、外務大臣にお聞きしたいんですけれども、日本は安保理事会の今議長国として、また前回のミサイル発射のときと同様に相当なイニシアチブを取ったということで、今回の安保理事会の制裁決議の策定に関与されたというふうに認識していいわけですね。
  190. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 議長国でありますから、前回のいわゆるミサイルのときは、あれはいわゆる議長国ではありませんでした。したがって、立場は違うとは思います。  しかし、勘違いをされておられる方が多いんですが、あのときは日本が最初に安保理において制裁決議案をリードしたのは一理事国である日本。しかし、今回の場合は、核の実験ということに関しましては、ほとんどの国が最初から制裁という話でスタートしておりますから、前回のときとは安保理事会における雰囲気は全く違っておりましたんで、リーダーシップを発揮されたというところになりますと、今回の方がむしろリーダーシップは発揮することなく、多くの国々が、より多くの国々が賛成をすることが多かった。したがって、十一日も掛からず六日間ででき上がったというように御理解をいただかないと、今回も前回と同様、日本が全部反対するのをまとめていたというわけではないということを御理解しておいていただきたいと存じます。
  191. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうしますと、今回七章、その中には四十一条、四十二条というのも検討の中にあったというふうに思うわけですけれども、今回としては日本はその四十二条も含めて第七章については盛り込むように働き掛けを積極的に支持したのかどうかというのをお聞きしたいんですけれども。
  192. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 御存じかと思いますが、国連ができてから四十二条を適用してまとめた例は過去に一回もないと思います。したがって、今回は最初から四十一条でスタートしております。
  193. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうしますと、前回、八月十一日の外交防衛委員会でのミサイル発射の際の、中央公論に、麻生大臣が私の質問に対していろいろお答えになっているわけなんですけれども、そのときに、七章というものが文言が盛り込まれた当初の米国案に積極的に支持したということというと、それはやはり今回も同じように武力行使が入ったということを認識していたということでしょうか。
  194. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 武力……
  195. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) 白眞勲君、いいですか。
  196. 白眞勲

    ○白眞勲君 はい。もう一回、もう一回聞きますね。  要するに、今回のいわゆる制裁決議において、やはり七章というものも入るということで日本は積極的に関与もしていたということでしょうから、当然それは武力行使も認識していたということで考えていたということでしょうか。
  197. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 七章というのは拘束力を持つというのが一義的なものでありまして、四十二条に武力、四十一条は経済制裁というように御理解いただいていると思いますんで、武力行使が最初から入っていたというわけでは全くありません。
  198. 白眞勲

    ○白眞勲君 終わります。
  199. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時十分まで休憩いたします。    午後零時十九分休憩      ─────・─────    午後二時十分開会
  200. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章目的達成のための諸外国活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言をお願いします。
  201. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。  各地でいろんなテロが起きておりますけれども、まず最初の質問は、何がそうしたテロ行為を起こさせる、あるいはテロ行為に加わるような決意をそのテロリストたちにさせるのか、もっと言うと、何がテロリストに変わるきっかけなのか、どういうふうに考えておられるか、官房長官に伺いたいと思います。
  202. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) そもそもテロとは何かという、この定義の問題も多分あると思いますが、広い意味でテロということで申し上げてその原因は何だと、今御質問がございました。  九・一一のときの実行犯あるいはロンドンの地下鉄でのテロの実行犯などを見てみると、千差万別、貧困家庭から来ている人、あるいはそうじゃなくて裕福な家庭から来ている人、いろいろあると思います。そして、そうなると一般論としては、やはり政治、民族、宗教、思想等の対立等によるものと考えられ、また今申し上げた貧困や経済開発の遅れ等がテロを助長していると、こういう指摘もあると思います。原因というのはそういうところかなというふうに思います。
  203. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 たまたま昨日、ここにいられる緒方委員も御一緒でしたけれども、複数の国会議員一緒に、いろんな国の学生がいる中で、慶応大学で講演をさしていただきました。  そのときに、非常に面白いな、示唆に富んだと思ったオランダから来られた人の発言を聞いたんですが、社会からある種疎外されるという思いが結構テロ行為に走らせるんじゃないかなと。例えばオランダにいる、まあ具体的な国は別として、イスラム系の人たちがオランダ社会に受け入れられているとなればそういうことはないんだろうけれども、一つの原因として必ずしも、今官房長官おっしゃいましたように、貧困ということだけではなくて、社会が受け入れないということがある種の絶望感になってテロ行為に走るんじゃないかと、そんな発言をオランダ人の女性の学生でしたけれどもしていまして、非常に示唆に富むなと。  ですから、貧困対策と同時に社会に受け入れていくような仕組みをつくっていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っておりますということを申し上げさしていただきまして、次の質問に移らさしていただきたいと思いますが。  よく北朝鮮をテロ支援国家というようなくくりで表現をすることもありますが、そうすると、何となく北朝鮮そのものがいわゆるテロリストなのかなというふうに思われる方もいると思いますが、今申し上げたような、社会から拒絶して個々人がテロリスト集団に加わって活動するのと特定の指導者がいるのとは大分違うんだと思いますが、これは通告してありますけれども、テロリストと北朝鮮の指導者との類似点があるとすれば類似点、そして違う点はどういうところかという点を官房長官に伺いたいと思います。
  204. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) テロリズムとかテロリストとかいう概念について、一般的な国際法上の定義などはないんだろうというふうに思いますけど、一般的にはやはり、テロリズムとは特定の主義主張に基づいて国家等にその受入れを強要し又は社会に恐怖を与える目的で行われる人の殺傷行為等であるというふうに物のいろんな本には書いてございます。  他方、北朝鮮については、北朝鮮当局が拉致という国際法上許されない行為を実施したのみならず、この拉致プラス核、ミサイルといった、そういった懸案の解決に向けて誠実に、先ほど来、麻生大臣も言っておられますけど、誠実に対応してこないという行動に出ていると。  こうした北朝鮮をめぐる諸懸案について、我が国としては対話と圧力ということでずっと一貫した基本的な考え方を取ってきているわけでありまして、包括的な解決に向けて粘り強く取り組んでいるところでもありますので、現時点で、今お話しのこの北朝鮮指導者とテロリストの差異がどこにあるのかというようなことを云々するのは余り意味はないかなというふうに思います。
  205. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 確かに意味のある議論ではないというのはそのとおりかもしれません。今申し上げたかったのは、北朝鮮が行った行為をテロ行為ととらえるかどうかということの観点でちょっと拉致とかですね、質問させていただいたんですが、御指摘のように、そのそれぞれの事象をどう名付けるか、ネーミングをするかというよりかは、その事象事象に対応していく方がいいということはそのとおりだと思いますので、次の質問に移らさせていただきたいと思います。  これは外務省通告させていただいておりますことの、通告でいうと三番、四番の通告を一遍に聞かせていただきたいと思いますが、アフガニスタンにおける治安の状況というのをどういうふうに把握しているかという中で、特にタリバンが最近その勢力を拡大していると。これは新聞にも若干出ておりますけれども、九月二十九日の読売新聞にそういう報道もありますが、そういうことも言われていますが、実際のところ、タリバンが本当に勢力を回復しているのか、そのことが治安に与えている影響というのがあるのかないのか、そのことも含めて外務大臣に伺いたいと思います。
  206. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) アフガニスタンの治安状況というのは、基本的には浅尾先生、依然不安定だと思っております。特にパキスタンとの国境を接しておりますいわゆる東部、南東部、南部と言われるところは、タリバン、今御指摘にありましたタリバンの状況の活発化など、やっぱりいわゆる懸念すべき状況にあると思っております。  加えて、今年の九月に国連事務総長のいわゆる報告が出ておりますが、本年三月以降、アフガニスタン南部、南東部、東部を始めとして暴力が急増し、タリバーン政権崩壊以降情勢は最も厳しいと、こういう具合にこの報告は述べております。  これが現状だと思いますが、他方、この数年間の間、正確には今年からで見ましても、アフガニスタンにおけます、いわゆる政府ができて正規軍というものをきちんとスタートさせて訓練をさせ、これで約三万五千。それから、いわゆる警察官というのは、治安の対象はこれ警察ですんで、警察の訓練というのをやり始めて、これが約六万五千というものがそれぞれスタートをいたして、そこそこ訓練が始まっております。  また、いわゆるタリバンの掃討なんというのも加えまして、いわゆるDDRという、ディスアーマメント何とかという、まあ、簡単に言えば昔でいう太閤秀吉の刀狩りみたいな話ですけれども、こういった武装解除とかいったようなものを、日本がこれは主にかかわったところですけれども、これで社会復帰を含めて約六万人。こういったものが、ある程度前向きなもので事が進んでいるというのも、北の方では特に、カンダハルというか、上の方でははっきりしていると思います。  したがって、今、日本としては、このアフガニスタン政府が一生懸命努力をしてここまで来ておりますので、日本としてはこのカルザイ大統領、いろいろ日本はこれまで支援してまいっておりますし、今でもやろうという意欲もまた上の方、上の方という、北部の方はそこそこに行っておりますんで、私どもとしては積極的に支援をしてまいりたいと思っております。  タリバンの件につきましては、副大臣の方から説明をさせます。
  207. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) タリバンの詳細な勢力規模は不明でございまして、その勢力の拡大について明確なことを申し上げる情報とデータを持ち合わせておりませんが、例えば、タリバンの司令官の一人は、今年五月、アフガン南部の四県で一万二千人の兵力が指揮下にあると、自分一人の指揮下にあると述べています。  また一方、九月には、ジョーンズNATO最高司令官は、タリバンには常時三千人ないし四千人の中核戦闘員に加え、給料を得て戦う一時的な戦闘員、ウイークエンド戦闘員と言うんだそうですけれども、それがかなりの数存在していると。それらのことを総合してみますと、かなり情勢は厳しい環境の中にあると、浅尾先生御指摘のとおりであります。
  208. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 今お話しいただきましたウイークエンド戦闘員というような言葉も出てまいりましたが、いろんな情報によりますと、アフガニスタン南部は特に失業率が高いと。その失業率が高い中で、タリバーンは麻薬を資金源にしながらかなりアフガニスタンとしては破格の給与を、その麻薬売買で得た資金を回すことによって兵士を、ウイークエンドかフルタイムか分かりませんが、雇っているというようなことも報じられております。  そういうふうに考えると、何と申しますか、失業対策、まあ貧困対策と言ってもいいかもしれませんが、これが慢性的な形での治療策としては効くのかなと。もちろん急病期は、先ほど麻生大臣が言われた正規軍や警察軍で対応しなきゃいけないでしょうけれども、その根っこから断つとしたら貧困対策、失業対策ということなんだと思いますが、これはどのように進めていくか、その点について伺わせていただきたいと思います。
  209. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今言われましたように、これはいろいろ、国連が出しております資料とかいろいろあるんですが、これは確かにGDPの半分ぐらいが麻薬の売上げというような計算になりますんで、その数字が本当かどうか確証があるわけではありませんけど、通常そう言われております。  そして、この麻薬の生産に代わって、非常に土壌が極めて良くないところでありますんで、ここは日本ではいろいろソバ、どうというんでソバを植える。そうすると、あのソバの花は白いんですけど、あそこに植えるとその花がピンク色になるというようなもの、これ既に幾つかのNGOやら何やらでやらせておりますが、ソバの売上げと麻薬の売上げではもう全然これはもう、利幅という言葉が適切かどうか知りませんが、利幅がもうまるきり違いますんで、そういった意味では、このソバじゃなかなか食えぬというと、どうしても手っ取り早くケシの実の方に行くというのが実態としてあります。  したがいまして、ここのところは農業従事者が約全人口の七〇%から七五%と言われておりますから、どうしても農業で何とか飯が食えるようなことを考えてやらねばならぬというのが、基本的に政府としてはこの対策を考えていくときの一つのことであります、商売よりはいわゆる農業と、一次産業ということに偏っておりますんで。そういったことがないと、これ貧困対策をきちんとやらないと、やっぱり先行き希望がないというのはテロに一番走りやすいということに、そこでまたあおるのが一人いると、アジテートされるとそこまで行きやすいということになりますんで、そういったものを含めまして、食えるようにするためのいわゆる職業を訓練してやる、そういったようなものが大切で、傍ら学校に行ったりなんかしているのが随分増えておりますし、女性の地位も随分タリバーンの時代とは変わりましたし、そういった意味では、少しずつうまくいっているところ、そうでないところの差がかなり北と南では違うかなという感じが今率直な実感であります。
  210. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 是非今おっしゃったように、食べていける、そして、まあ何というんですかね、失業じゃなくてフルタイムで食べていけるような、そういう体制を国際協調の中でつくっていただければと思いますが。  一方で、先ほど申し上げました犯罪に絡むところにおいては、正規軍、警察ということですけれども、海上阻止でこの麻薬の摘発というのもあり得るんだと思いますが、米国等のその海上阻止活動はそういう観点でいうとどの程度効果があるというふうに思われますか。
  211. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これはいわゆるアメリカとかアフガンアメリカ軍とかアフガン軍とかパキスタン軍といろいろ連携を、アメリカ軍は連携をしつつ、いわゆる大規模な掃討作戦というのを確かにやっております、もうよくテレビなんかに出てくるあれですけれども。そういったように努めておるんですが、海上交通というものは、あれ、実際アフガニスタン自体に海があるわけではございません。その南のパキスタン抜けて海に出てくるんですが、これまでの五年何か月間に及びますこのアルカイダ及びその関連組織のいわゆる海上交通、海上交通によってイエメンに抜けたりいろいろしてきますんで、そういったものを断固阻止するという意味で海上封鎖というのは非常に大きな効果が上げたんだと思っておりますが、いずれにいたしましても、テロの脅威の減少には間違いなく貢献していると考えております。  昨年の十月でしたか、当時のアブドラという外務大臣がいたんですが、町村前大臣に送られた書簡の中で、海上阻止行動への海自の積極的な参加が最も重要と、これには物すごく感謝の文章を送っておられますんで、私も拝読いたしましたけれども。  また、今年の七月、カルザイ大統領が日本に来日をしておられますが、このときも最初にこの話から入ってこられまして、たまたまそのとき北朝鮮のミサイルの話とちょうど同じ時期だったんですが、とにかくこれが最も言いたいことだと言って感謝の念を述べておられましたんで、そういった意味では、現地の有力紙、アウトルックという本もありますけれども、この海上自衛隊の行動、活動に関してなかなか、先ほど久間長官も言われましたように、海の上でなかなか見えないところ、本当にこれのおかげで助かっておるという話をされて、最も頼りになるパートナーは日本であると社説全体を費やして書いた文章もございますんで、私も定量的にどれだけというのはなかなか海上の分だけ言えないところではありますが、かなりな効果が上がっていると、これらの総合的判断で言えると存じます。
  212. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 それでは、法律案について伺わしていただきたいと思いますが、この法律の第十二条の解釈ということを官房長官に伺いたいと思いますが、第十二条で言うところの武器というものはどのようなものでしょうか。
  213. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) テロ特措法の十二条、今御指摘ありましたが、これに言う武器とは、火器、火薬類、刀剣類その他直接人を殺傷し、又は武力闘争の手段として物を破壊することを目的とする機械、器具、装置をいうということであります。  具体的にどういうものが同条、十二条による武器に含まれるかについては法文上明記はされておりませんけれども、使用できる武器の種類というのは、その事態に応じ、合理的に必要とされる範囲のものに限られているというふうにされておるところでございます。
  214. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 今おっしゃった合理的に使用できるものに限られているということなんですが、仮に合理的に使用しないと困るような事態があった場合には、護衛艦が積んでいる、護衛艦に積んでありますいわゆる大砲、ミサイルあるいは、まあ戦闘機が行くということはないと思いますが、仮に戦闘機が行っていた場合は戦闘機も含まれるのかということも伺いたいと思います。
  215. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今御指摘のこの護衛艦とか戦闘機という例示でございますけれども、恐らく法理論上は排除されないということだろうと思いますけれども、このテロ特措法に基づく活動を想定しているこの活動については、一般的に今御指摘のようなものは想定されてないということだと思います。
  216. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 一昨日の当委員会質疑で、久間防衛庁長官は、これは周辺事態の場合ですが、日本周辺で護衛艦と米軍が一緒に行動していて米軍が攻撃された場合には、護衛艦がそれはその場で、これは個人の見解だけれども、対応しなきゃいけない場面も出てくるだろうというような発言をされました。私の質問は、これは日本の自衛艦だけの話かもしれませんが、日本の自衛艦、給油艦が仮に何らかの、敵という表現がいいかどうかは別として、何らかの艦船から攻撃された場合に、警備中の護衛艦が大砲、ミサイルで反撃ができるかどうか、この点について伺いたいと思います。
  217. 久間章生

    国務大臣久間章生君) ここで言う武器の使用と同じような規定がほかにもございますけれども、そういうような武器の使用というよりも、自衛艦が攻撃された場合は武器等防護の規定で、そちらで対応するのが妥当じゃないかと。武器の使用の場合は、この十二条の場合は、あくまで個人を中心とした、それを守るという概念から導かれてくる法理論でございますんで、やっぱり船そのものが攻撃されているときはこの十二条で対応するのはちょっと無理なんじゃないかと思いまして、武器等防護の規定で対応できるというふうな答弁をしたのであります。
  218. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 官房長官も今の防衛庁長官の御答弁と一緒ですか。つまり、十二条ではなくて、仮にインド洋で給油中の給油艦が攻撃された場合には、武器等防護でもって一緒にいる護衛艦が反撃することも可能だという理解でございますか。
  219. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今、防衛庁長官から、武器等の防護ということで九十五条を指しているんだろうと思いますが、この御指摘がございました。  このテロ特措法十二条にしても、それから九十五条にしても、いずれにしても相当の理由があって、なおかつ合理的に必要と判断される範囲内での武器使用が許されるということでありますから、基本的には防衛庁長官のおっしゃったことは私も同じ考えでございます。
  220. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 そうすると、例えば武器等防御でやるといった場合に、合理的に必要と判断される場合には防御をするためには相手を沈めないと防御し切れないという場合もあるでしょうから、敵の艦船を撃沈することもできると判断してよろしいでしょうか。
  221. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 理論的にはそれはあり得ると思います。ただ、要するに合理的な範囲で最小限の武器の使用になるわけでありますから、撃沈させなくてもそれを阻止することができる状態でそこまでやるかどうかというのは、これは憲法上のどうだという問題と違って法が予定した範囲を超えるんじゃないかという、そういう指摘は当たるんだと思います。
  222. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 確認させていただきますが、憲法上の問題はない、後ほど法制局にも伺いますけれども、憲法上の問題はないけれども法が予定していることを超える可能性があるということですね。
  223. 久間章生

    国務大臣久間章生君) その事態に応じ合理的に必要とされる限度でというのは、この十二条にも書いておりますけれども、この考え方は武器等防護を適用する場合も同じでございまして、やはりその限度を超えて武器を使うということについてはそれはやってはならないという、そういう原則が働いておりますから、撃沈までしなくても対応できるのに撃沈をするというようなことに最初から意図してやるっていうのは、それは法の予定した範囲を超えておるということを言っているわけであります。
  224. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 確認いたしますと、結果として撃沈してしまうことは致し方がないということでございますね。
  225. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それはあると思います。
  226. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 それでは、法制局に伺います。  憲法九条が禁じております武力行使とこの法律十二条、あるいは今の武器等防御の場合も含めて、による武器使用というのはどういうふうに違うというふうにお答えになるのかなと。要するに必要性と合理性ということなんだと思いますが、必要性と合理性というものをどう定義されるかも含めてお答えいただきたいと思います。
  227. 宮崎礼壹

    政府特別補佐人(宮崎礼壹君) お尋ねにつきましては、かねてから政府が累次答弁しているところでございますけれども、憲法第九条第一項によって禁じられております武力の行使、これは基本的には我が国の物的、人的組織体による国際的な武力紛争の一環としての戦闘行為をいうのだというふうに説明してきております。  しかしながら、我が国の公務員によります武器の使用がすべてこの九条によって禁じられている武力の行使に当たるのかというと、そういうわけでもないという説明をずっとしてきており、また、その考え方で累次の立法も積み重ねてきているわけですが、そこを御説明いたしますと、御指摘のテロ特措法第十二条が例えば規定いたします武器の使用のように、自己又は自己とともに現場に所在する我が国要員等の生命、身体を防護するということは、言わば自己保存のための自然権的権利とも言うべきものというふうに考えられておりまして、そのために必要な最小限度の武器の使用はその相手方のいかんを問わず武器の使用には当たらないというふうに解してきたところでございます。  そこの自己保存のための自然権的権利と言うべきものという性格を持っているかどうかと。そういうものに当たれば、それは武力の行使という範疇に入らないというふうに考えてきておるところでございます。
  228. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 ちょっと質問を別の観点からさせていただきますと、必要性と合理性がある場合ということが一応の定義になるんだと思いますが、仮に、じゃ必要性と合理性がない武器使用があった場合は、これは憲法に言う武力行使と考えていいかどうか、これを伺いたいと思います。
  229. 宮崎礼壹

    政府特別補佐人(宮崎礼壹君) 先ほど申し上げましたとおり、言わば自己保存のための自然権的権利と言うべきテロ特措法第十二条等が規定いたします武器の使用、あるいは自衛隊法九十五条に規定します武器の使用につきましては武力の行使に当たらないというふうに解してきておりまして、このような意味で御指摘の必要性や合理性があるものというふうに考えておりますが、他方、言葉の使い方の問題でもございますけれども、そのような性質のものを離れまして、例えば国の政策を遂行する上で必要があるとか合理的であるとかというふうな判断をして、そのいかんによって結論が決まるというふうなものではないというふうに考えております。
  230. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 ちょっともう少し簡潔にお答えいただきたいんですが、私はそのお答えいただいたことの反対側を聞いているわけでありまして、いわゆる自然権的権利に当たらない場合の武器使用の場合はこれは武力行使に当たるかどうかという質問なんですが、当然答えはそうだということになるんだと思いますが。
  231. 宮崎礼壹

    政府特別補佐人(宮崎礼壹君) これは累次国際的な必要性等に当たりまして考えてきたその結果、自己保存のための自然権的権利と言うべきものというふうなものとして類型化できるものについて、これは武力の行使というふうに考えなくてもよろしいであろうというふうに考えて法案を提出し、国会の御決定を得ているわけでございます。したがいまして、それ以外のものは全くないのかどうかといいますと、そこはそう頭から断言してはおりませんけれども、なかなかそういったものについて今すぐ、その想定ができるとかというか、こういうものならいいというふうなことを申し上げるのは難しいということでございます。
  232. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 ちょっと私の質問の趣旨が分かっておられるかどうか分かりませんが、要は、この法十二条や九十五条は武力の行使に当たらないと、それはなぜならば、今言われた自然権的権利とかあるいは必要性、合理性に基づいて最小範囲だということで当たらないということですから、単純に考えれば、必要性と合理性がない武器使用が仮にあった場合はこれは憲法違反になるというふうに考えるのが筋ではないかと思うんですが、その点についていかがですか。
  233. 宮崎礼壹

    政府特別補佐人(宮崎礼壹君) 先生は必要性と合理性というのを前提なしでおっしゃっておられますものですから、なかなかそのぴったりしたお答えはできないわけですが、やや繰り返しになりますけれども、これまでこういうものは武力の行使という範疇から外して類型的に考えてよいというふうに考えてきたものが累次できてきているわけでございます。そういうものはもうないのかという御質問であれば、そこは今すぐそんなものがあるというふうに、これなら大丈夫というものを想定、頭の中でできておりませんけれども、そうかといって、それとある意味で並ぶような必要性と理屈が付けばそれは将来そういうものが考えられないわけではないんだろうと。ただ、そこはなかなか想定が難しいかな、難しいだろうなというふうにこれまでも言っております。
  234. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 もし私の質問が分かりにくいんであれば、例えば特別措置法、今議論しておりますテロ特別措置法の十二条で言うところのこれは必要性、合理的に必要と判断される限度ということですから、合理的に必要と判断される限度を超えた場合はこれは憲法に反するというふうに考えていいというふうに言えますよね、この事態に限って言えば。
  235. 宮崎礼壹

    政府特別補佐人(宮崎礼壹君) お尋ねのように、そういう場面設定をして、それを超えたものがどうかということであれば憲法に反する疑いが、疑いといいますか、そういう問題が生ずるということは言わざるを得ないと思います。
  236. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 それでは、その合理的に必要と判断するのは、多分護衛艦の場合は艦長がするんだと思います。十二条の書きぶりは、これは「上官」と書いてあって、「現場に上官が在るとき」と、「上官」と書いてあるので、上官というのは最終的には艦長がいれば艦長ということなんですが、その艦長に対して判断基準というのは示しておりますか。今、法制局長官が言われたように、判断基準がない中で、単に合理的に必要と判断される限度といって、それを超えたら憲法違反だと言われても、その基準がなければなかなか艦長としても困るだろうなと思いますので、そういう基準は示されておりますか。
  237. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) どなたがお答えになりますか。
  238. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 これは防衛庁長官です。
  239. 柏村武昭

  240. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それにつきましては内部規定を設けております。
  241. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 その規定そのものは委員会に、別にそれは機密ではないと思いますが、公開、資料を出していただくことは可能ですか。
  242. 久間章生

    国務大臣久間章生君) これはやっぱり、どういう場合に撃つか撃たないか、ここまでだったら相手は撃てないことになっているということを相手に教えることになるわけですから、それはやっぱりちょっと微妙な問題がございますので、ちょっと差し控えさせていただきたいと思います。
  243. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 そういう基準を作っておられるということは護衛艦の艦長にとっては大変有意義なことだと思いますが、仮にその規定に反して憲法に反した場合の措置というのは、官房長官、何か考えておられますか。
  244. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 先ほどから申していますように、武力の行使は憲法上禁止されておるわけですけれども、その武力の行使にならない武器の使用というのはあるわけでございまして、その武器の使用をしたときに、これが合理的な範囲を超えていることによって憲法上禁止する武力の行使に該当するかどうかについては、これはまた違うわけでありますから、憲法上の違反じゃなくて、法律に規定されている範囲を超えて違反なことをやったということでの処分の問題は出てくると思います。
  245. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 それでは、このテロ特措法に関しては以上とさせていただきまして、少し先般の北朝鮮に係る国連制裁決議について伺っていきたいと思いますが、この一七一八号の和文はまだ官報に掲載されていないんですけれども、いつごろ掲載されますか。
  246. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) 安保理の決議は様々な分野でいろんな形で引用をされまして、各種の国内措置がとられてまいります。したがって、広い分野に具体的な影響が及び得ることも踏まえて決議の和文の訳語を確定していくわけでありますけれども、例えば同じ用語、語彙でも、過去の決議案との整合性その他を一つ一つ精査をしてまいりますのでかなり手間取っておりますが、一七一八については一両日中に、遅まきながら一両日中に精査を終えまして官報掲載の手続に入ります。
  247. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 十月十四日、現地時間ですけれども、に採択をされた決議で、五ページですから、五ページのものを訳すのに一両日中というと約二週間掛かるわけで、それはかなり時間が掛かっているんじゃないかなと、率直に思います。  ちなみに、過去に安保理でそうした決議が採択されてから官報掲載までの日数はどれぐらい掛かっていますでしょうか。
  248. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) 例えば、北朝鮮の弾道ミサイル発射に関する決議案、これは一六九五でございましたけれども、二十三作業日、作業日というのは土日祝日を除いて二十三日、作業日、テロ行為への資金供与防止に関する決議案一三七三は十四作業日、大量破壊兵器の不拡散に関する決議案一五四〇号は三十日作業日、コートジボワール制裁に関する決議案一五七二については二十五作業日でございまして、浅尾議員指摘のように、二週間、二十日というのが、例えば先ほど申し上げましたような精査をして、その後官報掲載のための印刷を含む技術的な様々な手続を入れるとそのぐらいは掛かるのかなとは思いますけれども、二十五日とか三十日というのは、これはいささか私も掛かり過ぎるのかなと、どうかなという感じがいたしまして、できるだけ早く今後督励をしてまいります。
  249. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 先ほども申し上げましたけれども、この一七一八というのは五ページなんですね。五ページのものを、しかもこれは法的拘束力が決議ですからあるわけですから、それをそんなに時間を掛けて、まあ確かに過去の言葉と違ってはいけないとかといろいろあるかもしれませんが、もう少し機動的に訳せるような体制をつくった方がいいのではないかというふうに思いますが、その点について、外務大臣、どういうふうにお考えですか。
  250. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) 御指摘の点、私も同感の部分がございまして、督励をいたします。
  251. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 この決議を読みますと、実は三十日以内にこの決議に従ってどういう手続を取ったかということを安保理に報告をしなきゃいかぬと。三十日以内に報告しなきゃいけないんだけど、日本語が二週間ちょっと掛かって、それからそれを見てということになると相当、まあ全部政府の中でやるから英文の仮訳があるからいいんだということなのかもしれませんが、少しいささか問題があるのではないかなというふうに思います。  で、その今の報告と絡めて、この決議は貨物検査というものを求めておりまして、インスペクション・オブ・カーゴと書いてあるかな、何か書いてあるんですが、その領海と接続水域での貨物検査はどのように実施するんでしょうか。国土交通政務官お越しですから、お答えいただけますか。
  252. 梶山弘志

    大臣政務官(梶山弘志君) 国連安保理決議一七一八号への対応につきましては、現在、政府として米国等の関係国と密接に連携をし、あらゆる観点から今後いかなる措置が必要かを具体的に検討しているところであり、その上で政府として適切な措置を講じることとなると承知しております。
  253. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 官房長官に伺いますが、今指摘をさせていただきましたように、十月の十四日から三十日後にはどういう手続を取ったかということを安保理に対して報告するというのが決議の中に規定されております。しかし、今その検討中ということになると、なかなかその検討中という報告を三十日後にするのか、こういう手続を取りましたよという報告をするのか、大分国際社会に与える影響も違ってくるんじゃないかなと。日本として、特に日本近隣の事態ですから、三十日以内に日本はこういうことをしましたと言えるようにした方がいいんじゃないかなと思いますが、今検討中というのは少なくとも十月十四日から起算して三十日以前に検討結果、こういう手続を取りましたというところまで行くのかどうか、その点を伺いたいと思います。
  254. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 三十日以内に報告をするというのは、この船舶検査、インスペクション・オブ・カーゴだけではなくて、全体について何をしてきたのかということを報告するようになっているというふうに理解をしております。したがって、その時点で我が国がとった措置について、つぶさに国連安保理に報告をするということになるのかというふうに思います。
  255. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 つまりは、この一七一八で規定されていることで三十日以内にまだ我が国として対応が決まっていないものもあるし決まっているものもあるという、例えば戦車の輸出なんというのは元々しないわけですから、そういうものはしませんということは報告できるんでしょうけれども、恐らく船舶検査については、そうすると三十日の中でどういう対応をしたかというのは決まらない可能性もあるということで今の御答弁を聞いておけばよろしいですか、伺いたい。
  256. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今申し上げたように、三十日の時点でやってきたことを報告をするということに尽きると思います。
  257. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 先ほども申し上げましたけれども、この一七一八の決議は、日本の大島大使が議長をしておりまして、割と中核的に取りまとめたということを少なくともマスコミでは報道がされております。自分の国が中核的にまとめたことについて、そこの決議の中で規定されていることについて、少なくとも、何というんですかね、こういうところまでやりましたと、決議でうたわれていることについて、まだ決まっていないことについてはこういう方向で考えているぐらいの報告はした方が、日本として諸外国に対する、何というんですかね、影響を考えるといいんではないかなと思いますが、その点についていかが思われますか。
  258. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 大島大使に恥をかかせないような報告をしたいと思います。
  259. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 分かりました。  それでは、ちょっと時間の関係で幾つか質問を飛ばさせていただきたいと思いますが、これはちょっと法制局に事前に質問通告をさせていただいておりますが、国連憲章の七章四十二条ですね、七章、今回四十一条ですが、仮に事態が推移して七章四十二条も敷衍するような新たな制裁決議が出た場合、今回のケースに限らずですけれども、その武力制裁決議に加わることは我が国の憲法に反するというふうに考えてよいかどうか、伺いたいと思います。
  260. 宮崎礼壹

    政府特別補佐人(宮崎礼壹君) お尋ねは、このまま事態が推移してということでございますので、いまだできておりません国連軍のことではなくて、例えばいわゆる湾岸多国籍軍のような、そういったタイプの多国籍軍の活動というものを国連決議がした場合というふうに伺ってお答えを申し上げます。  要するに、憲法九条が禁じておりますのは、我が国が武力攻撃を受けていないのに武力行使をするということでございますので、我が国が加わることはいかがかというお尋ねにつきましては、端的に申し上げれば、武力行使に当たりますようなこと、これは憲法に触れると思いますが、その余のいろいろな支援活動というものは様々工夫し参加する可能性、参加というか、行うことができる余地があると、かように思います。
  261. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 分かりました。  時間の関係で最後の質問にさせていただきたいと思いますけれども、今議論されておりますその国連の安保理決議の中で、船舶検査というのが様々言われておりますが、仮に今の法律の中でやるとすると、周辺事態法に基づく船舶検査活動しかないのかなと、周辺事態と認定して船舶検査をするということだと思いますが、そこには強制力がその法律の中ではないということですが、これ船舶検査、新たな法律を制定した場合に、船舶検査等に自衛官がいいのか。海上保安庁、まあ海上保安庁の場合は元々強制力があるというふうに考えた場合に、自衛隊員に強制力を付与する場合、検査に対する強制力を自衛官に付与するような形で法律を制定した場合、これは憲法違反になるかどうか、その点をまず法制局に伺いたいと思います。
  262. 宮崎礼壹

    政府特別補佐人(宮崎礼壹君) 国際平和協力のためのいわゆる一般法の議論にもこの問題が関連すると思いますが、安倍内閣総理大臣は、十月二十三日の参議院本会議におきまして、我が国が国際平和協力として行うことが適当な業務の範囲、それから、これに必要な各種権限の在り方等について、現時点で政府の考え方を具体的にお示しする段階にはないのだけれども、政府としては、世界において責任ある役割を果たす国になるという観点から、国民的議論を十分に踏まえた上で幅広い検討を進めてまいりたいというふうに述べられているところでございます。  そこで、このような検討の中で仮にお尋ねのような構想が問題となります場合には、またこれは一般法ということでなくて、お尋ねのような場面でもそうだろうと思いますけれども、そのような場合におきましては、船舶検査活動について、御指摘の強制力の付与によりまして憲法九条が禁止する武力の行使に当たるおそれがないかどうか、それはいわゆる旗国との関係の問題もございますし、また制裁対象国と言われる国との関係もございます。そのようなものにつきまして慎重な検討を行うこととなる、かように思います。
  263. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 ということは、今のお答えでいうと、その強制力を付与した場合でも憲法に違反しないと判断される場合もあり得るということでよろしいですか。
  264. 宮崎礼壹

    政府特別補佐人(宮崎礼壹君) 強制力という御表現の中でどのようなものが考えられているかということに正によるわけでございますので、ちょっと一概にはお答えがしにくいところでございます。
  265. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 じゃ、分かりやすく申し上げますと、先ほど申し上げた周辺事態法の場合は船長の了解というのも必要でしょうし、旗国の了解も必要でしょうけれども、それがなくても検査ができるというような法律を作った場合に、これが憲法九条に反するのか反しないのかということをちょっと伺っておるところであります。
  266. 宮崎礼壹

    政府特別補佐人(宮崎礼壹君) 現在の船舶検査法におきましては、仰せのとおり、いろいろな要件が掛かっております上に、使えます船舶検査の活動の言わばメニューというものが厳格に制限されております。  したがいまして、今の御指摘は、その船長の同意というふうなものを外した場合にどうかというようなことでありますなれば、それは今一概にこうだということを申し上げられませんけれども、憲法の範囲内でなお現在の船舶検査活動の要件を外す余地というものは全くないというふうには考えておりません。
  267. 浅尾慶一郎

    浅尾慶一郎君 終わります。
  268. 柳田稔

    ○柳田稔君 今日は事前に三つほどテーマを選んで通告をしておりましたけれども、急に衆議院の方で本会議が入りましたんで時間を短縮することに相なりました。  そういう理由で、今日は三番目に通告していました核兵器の議論に、これについて質問をさせていただきたいと思います。  先日、火曜日の当委員会質疑を聞いておりまして、外務大臣の方から、核兵器の保有について議論するのは自由だという答弁を聞きまして、これは聞き捨てならないことだなと思ったんで、真意を聞かせてもらいたいと、そういう目的で質問させてもらいます。  外務大臣防衛庁長官官房長官、お三人にお聞きしたいんですが、核兵器の議論についてどういうふうにお考えなのか、端的にお答え願いたいと思います。
  269. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは度々御答弁を申し上げていると存じますが、一般論として、国の安全保障の在り方というものは、それぞれの時代状況、いろいろ時代が変わってまいりますんで、そういった国際情勢を踏まえた上でいろいろ国民的議論があり得る、当然なことだと存じます。  少なくとも、いわゆる非核三原則というものを作られましたいわゆる佐藤栄作内閣時代、あの時代の話と今とでは、冷戦構造も終わっておりますし、いろいろ状況も違い、隣の国には核を保有していると自称しておられる国が登場してきた。しかも、それを搬送するミサイルというものの技術も、実験段階から実戦配備ができるほど、少なくとも七月には未明にかなり着弾点もしっかりしたノドンというものを連射できるということになっておられるというような状況というものを考えますと、いろいろなことを国民的議論はあり得ておかしくないのではないか。  ただし、今、日本として核兵器をいわゆる持たないという通称非核三原則と言われるものにつきまして、直ちに今この内閣においてこれを変更するというような話はありませんし、歴代の内閣が累次にわたってずっと説明してきたというか堅持してきたということの立場に全く変わりはないという点が度々申し上げておるとおりです。  もう一点、原子力のものにつきましては、これは原子力基本法という法律が、いわゆる原則と、非核三原則という原則と違って原子力基本法という法律があります。この法律によって、日本は平和目的にこれは限定をされておるというものがもう一点ある。  加えて、これNPT、いわゆるノン、ノンというのは、核兵器の不拡散条約というものに非核兵器国として、いわゆる我々としては核兵器の製造等々を行わないという義務をこれはトリーティー、条約によって持っておりますので、このような観点から見ても、今、日本が核兵器を保有するということはないということがこの間ずっと申し上げてきた話であります。
  270. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) この問題につきましては、総理も、いわゆる持たず、作らず、持ち込ませずというこの非核三原則については国是としてこれからも守り続けると、そしてまた政府で議論することはないということは明言しているところでございます。したがって、この原則について、政府としては今後ともこれを堅持していく立場に全く変わりはないということでございます。
  271. 久間章生

    国務大臣久間章生君) こういう議論をするなと言われましても、例えば委員会質疑等があれば議論せざるを得ないわけでありまして、先般も予算委員会で、憲法上は核兵器は持てるのか持てないのかと、そういうふうに聞かれますと、私としては、法理論としては持てますと言わざるを得ないわけですね。  ところが、そういうような議論をすることが非常にほかのいろんな誤解を与えるようなことになりかねないので、そういう点で余り議論を今のこのホットな時期にすべきでないというようなことを申し上げておるわけでありまして、私は、やっぱり日本としては核兵器を持たず、作らず、そして持ち込ませずという非核三原則を堅持しながらやっていくという姿勢を堅持しておるわけでありますから、そういう方向でできるだけ意見をもう集約していくように努めたいと思っているところであります。
  272. 柳田稔

    ○柳田稔君 外務大臣の答弁で国民的議論っておっしゃったんですが、国民的議論って一体何なんだろうかなと。  例えば、外務大臣議論は妨げないという発言をされますと、ああ、じゃあ外務省の中では議論するんだなと、議論してもいいんだなという感じに受け止めますし、自民党の政策のトップである政調会長が議論はおかしくないんだとおっしゃると、自民党の中で堂々と議論が始まるのかなというふうに受け止めるんですね、私は。そういうふうに感じますので、外務大臣が今国民的議論は妨げないと、この国民的議論というのは一体何なんですか。
  273. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 内閣としてというのは申し上げておりますので、外務省というのはその内閣の中の一部でありますので、私は外務省の中というようなことで取られるといかがなものかと存じます。  また、国民的議論というのは、国会議員であれば、これは国民の代表として、選良として選ばれてきておられますので、そういった方々がいろいろな場面で、例えば党内で議論をされるということに関しては、これも議論をするなというのはいかがなものか、私は基本的にそう思っております。  少なくとも、持たないとか、作らないとかいう話、持ち込ませないというようになった経緯をもう知っておられる国会議員というのは現職で何人おられますかね、今。私は、ほとんど何となくその話を言われているのをそのまま言っておられるんだけれども、どうしてこうなったかという、どうして今そうするんだという経緯をどれくらいの国会議員が知っておられるんだろうかと、私は率直に疑問に思っております。  したがいまして、こういった話をきちんともう一回議員の上でされた上で非核三原則を堅持するという話をされる、それをしないでただただ非核三原則だけ言っていても、私はそれは余り現実的ではないのではないかということを思いますので、いろんなところで議論をされる、その上で納得をしていただくというような手間暇、そういった場は断固つくられないと、ただただ言われたとおり非核三原則ですと言っているよりは、よほどきちんと自分の腑に落とした上でやられた方がよろしいのではないか、私自身はそう思います。
  274. 柳田稔

    ○柳田稔君 ということは、自民党の中で核兵器保有についての議論はこれは自由だと、されることについては自由だと、どういう話になるか分かりませんけれども自由だというふうに聞こえたんですが、それでいいんでしょうか。
  275. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 何となく話を聞いて、これは民主党の中でも自由なんだと思っていますんで、私どもは何も自民党に限った話をしているわけではございませんので、どこのどの場においても、そこらのいろんな方々が会社の中でいろいろな話をしているときにこの種の話がされて、私ども特に九州なんかにおりますと、向こうの方が近い、東京に来るより向こうの方が近いものですから、結構現場は深刻です。そういった意味では、普通の方がこの種の話をされるというのが今の感じだと、私自身は選挙区からそういう感じもいたしますので、自民党の中に限らずどこでもそういった話をされた上で、納得した上でやられるというのが私はよろしいのではないかと申し上げております。
  276. 柳田稔

    ○柳田稔君 御存じのとおり、私も委員長も広島県選出でございまして、核兵器の保有という議論は多分皆さんよりも敏感に響くもので、外務大臣の姿勢というか考えを伺っておかなくちゃいけないという趣旨でございます。  ちなみに、外務大臣は広島に何回か来られたと思うんですが、平和記念資料館ってごらんになったことあります。
  277. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 三回ほどあります。
  278. 柳田稔

    ○柳田稔君 実は私も行きました。一回行ったら、もう二回目はあの階段を上るのがちょっとしんどい思いをしまして、というのは怖いんです、入るのが。それほどあの資料館を見たら怖さが分かる。あれを、怖さを見れば核兵器を保有するということの恐ろしさが感じられるんじゃないかと私は思っているんですね。まあ、大臣が三回ほど行かれたということは大変いいことなんですが。  私は、国の状況、海外の状況、いろいろ変化がある、それは大臣のおっしゃるとおりでしょう。ただ、その前に、それと同等以上に、核兵器が使用されたらこれほど怖いということもはっきりと皆さんが分かるようにしてほしいと思っているんです。その怖さが初めて分かって核兵器の保有の議論、それは自由にされるのは、私はそこまで止めるつもりはありませんけれども、ただ、あの怖さを知らずに自由に議論するというのはいかがなものかなと私は思っているんですが、大臣、私の考えについてどう思われます。
  279. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 唯一の被爆国家として、久間先生、長崎ですし、唯一の被爆国家としていろいろな観点から私どもとして核のないという世界というのを希求しているというのは、これはもうずっと変わらないところだと思いますし、積極的な努力をしておるところです。また、広島やら長崎に御存じのように人類、まあ日本人に限らず人類に対する記憶としてこれをとどめるというのはこういった観点から極めて重要なんであって、広島の原爆記念館というのはそういうもので、あれは世界の遺産にも残ったということだと、私どもはそういう具合に理解しておりますんで、海外の原爆展等々にも積極的に支援を取り組んできておりますし、こういった努力というのは引き続きされる、日本政府としてそういった企画に対しては積極的に支援してしかるべきものだと思っております。
  280. 柳田稔

    ○柳田稔君 ですから、非核三原則がだんだん経緯が分からなくて勉強しなくちゃならないとか、だから議論をするんだ、今大臣おっしゃったのは、被爆国だというのはみんな知っている、そしてあの悲惨さも知っている、知っていれば十分じゃないですかと私は言いたいんですね。  時間が二分しかないんですが、久間防衛庁長官、長崎県選出として、この核の議論、どうお考えになりますか。
  281. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 今おっしゃられましたように、もう核の恐ろしさというのは大分世界的に風化されてきているんじゃないかと、核は持っているけれどもその後使われていないからですね。ところが、今の原爆とか水爆とかそういう核というのは、あの広島、長崎のあれよりもはるかに大きい力を持っているわけでありますから、その威力たるやどれだけのものかということについては、もっともっと世界的にも国内でもやっぱりみんなに知ってもらう必要があると、私はそう思っております。  そういう意味では、そういうようなことについてのPRといいますかみんなに教育するということは、これは世界的にも非常に大事なことでございますんで、そういった角度からもっと話を広げていってもらいたいと思っております。
  282. 柳田稔

    ○柳田稔君 最後に官房長官にお聞きしたいんですが、自民党の政調会長も議論は自由だとおっしゃっていましたけど、内閣から自民党に対して、その発言、多分聞いていると思うんですが、どういうお考えをお持ちなのか、お聞かせ願いたいと思います。
  283. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 私も委員会で答弁してまいりましたけれども、内閣としてこういった議論はやるつもりは全くないということを繰り返し言ってまいりました。  閣外の政治家の方々はやはり説明責任を負って説明をきちっとするのが政治家としての立場だろうということを申し上げてきているわけでありまして、それぞれの立場の政治家は説明責任を負いながら自らの行動を決めていくと、こういうことだろうというふうに思います。
  284. 柳田稔

    ○柳田稔君 ということは、じゃ、自民党の政調会長がおっしゃったことはどうぞ御随意にと、それが内閣の姿勢だと聞こえるんですけど。
  285. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 公党のリーダーは国民に対して責任を負っているので、その説明責任を負いながら行動を取るべきだということを言っているだけでございます。
  286. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) よろしいですね。  柳田稔君の質問を終了します。  続いて、緒方靖夫君。
  287. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 テロ特措法改正案について質問いたします。  自衛隊が給油支援を始めて五年たちますけれども、この間、海上阻止活動の成果は変わってきております。政府の説明文書には、参加艦艇数や給油回数は一定レベルで推移している、活動の有効さは減じていないとある一方で、実態については、不審船の減少、無線照会数が大幅に減少、テロリスト等の攻撃も最近は発生していないとあります。  そこで、防衛庁長官に伺いますけれども、周辺海域での、インド洋及び周辺海域でのテロの発生件数と、テロリストの捕縛実績の年ごとの件数はどうなっているのか、お尋ねいたします。
  288. 久間章生

    国務大臣久間章生君) もし細かいことが必要でしたら事務方から聞いていただければ結構ですが、私は前にも言いましたように、そういう捕縛件数が増えたとか減ったとか、まあ減ってくれば、逆に言えばそういうテロリストが横行するのが減っているわけでありますし、また武器等の押収が減ったといえば、そういう武器をあの地区で運ぶのが減っているわけでありますから、そういうような意味では海上阻止行動が成功している証拠じゃないかと思うわけでありまして、よく、まあ毎年毎年増えていくというようなそういうことだったら、逆に言えば何のために海上阻止行動をやっているんだということになるわけでありまして、むしろ件数が減ってきているということの方はそれだけの効果が上がっているんじゃないでしょうか。
  289. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私は件数をお尋ねしております。
  290. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 件数なら事務方から聞いてください。
  291. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 二〇〇四年四月一日から二〇〇五年二月二十八日の合計で、無線照会四万一千回、乗船検査九百五十回です。同じく、それが二〇〇五年の二月一日から二〇〇六年一月三十一日の合計では、無線照会一万四千回、乗船検査千回。  したがいまして、最近の一年間でこうやって見ますと、無線照会、最近の照会というのは二〇〇五年の八月一日から二〇〇六年の七月三十一日までのこの一年間で見ますと、無線照会七千五百回、乗船検査二百三十回ということになります。
  292. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 一年前のやはり派遣延長の際に、私は当委員会で、米中央海軍司令官が昨年の九月の時点で、最近は洋上で大した発見もないし、外国人戦闘員もさして発見していないと、そうして述べたことを取り上げました。まあ一年たって、政府もその数を示しながら、それが減ってきているということを認めるようになったと、そういうふうに理解いたします。  同時に、いわゆる減ってきたということは効果を上げているということを防衛庁長官はおっしゃられましたけども、私はこの活動について、どういう形でこれを終わりにしていくのかということも同時に考えていく必要がある、そういうふうに考えます。  この海上阻止活動をMIOと呼んでおりますけれども、米軍はもっと大きい海上活動のくくりとしてMSOという、そういう言葉で呼んで整理しております。このMSOに関連して幾つかお伺いしたいんですけれども、バーレーンの米中央海軍基地にはMSOのための調整所がありますけれども、ここはどういう業務をしているんでしょうか。
  293. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 第五艦隊司令部が所在していろんな調整をやっているというふうに聞いております。そして、我が自衛隊も連絡調整要員として、いろいろ情報収集等のために二名出しております。
  294. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 連絡将校を置いている国はどういう国で、連絡将校を置いている国と国名は分かりますか。
  295. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 各国状況はつかんでおりませんけれども、我が国からは二名の、二等海佐とそれの下の一等海曹と、二人を出しております。
  296. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 その連絡将校は日常的に机を並べて、他の国の将校と机を並べたり、あるいは会議に参加したり、そういう仕事を一緒にしているんでしょうか。
  297. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 連絡室というのがありまして、そこでは机を並べていると思いますけれども、出掛けていって会議にも出ておりますから、会議に出たり、いろんな情報の収集といいますか連絡は取り合っていると思います。
  298. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 フロリダ州のタンパにはコアリションビレッジがあり、自衛隊も連絡官を配置していると聞いております。バーレーンの調整所が持つ役割と機能、それとタンパのコアリションビレッジとはどう違うんでしょうか。
  299. 久間章生

    国務大臣久間章生君) タンパはこれは米中央軍司令部がありまして、この中東の、ここだけではなくて、第五艦隊のこと、ここだけではなくて、もっと広い範囲のいろんな軍のオペレーションをやっている、連絡調整をやっていると思っております。
  300. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 米国防総省の発表によりますと、ここにその資料がありますけども、米中央軍が管轄する地域の多国籍軍による海上作戦の任務部隊、タスクフォースですね、それは三つに分かれていると。一つは、ペルシャ湾北部でオイルターミナルを防護するCTF58、それからペルシャ湾中部及び南部をパトロールするCTF152、それとオマーン湾、北アラビア海、インド洋の一部、アデン湾及び紅海をパトロールするCTF150、これがあるわけですね。前者の二つというのは、その活動範囲はペルシャ湾。そして、三番目のCTF150については、昨年、大野長官の答弁で、自衛隊の給油先がそこなんだということをお認めになっております。そのことが確認されております。  午前中、同僚の白眞勲議員質疑の中で防衛庁局長は、給油先部隊の活動地域にペルシャ湾が含まれる旨、そのことを答弁されました。で、午後になって配付されたこの地図ですね、ここにも文字のところではペルシャ湾を含むと、そう書かれております。  そうだとすると、この給油活動というのは、自衛隊がこの法律に定められて行っているその活動というのは、CTF58やCTF152、この活動にも給油していることになるわけですね。
  301. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 第五艦隊司令部というのは海上阻止活動以外のこともやっている可能性はあります。それはまた米国人のいろんな生命とか財産の、国益の保護とかいろんなことがあるんでしょう。それはやっておりますけれども、少なくとも私たちが今給油している、その活動に携わっているのは、いわゆるこのテロとの戦いでのアフガンの戦争のその後を受けましたアフガンでの活動を阻止するための、そういうのに限定した形で給油を行っているということでございまして、イラクとかその他のことについてはここの給油活動では対象にはしておりません。
  302. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 もう一度確認したいんですけど、ペルシャ湾はその活動地域に含まれると先ほど答弁がありました、局長から。それは間違いはないわけですね。
  303. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 法律上は確かにペルシャ湾は、法律を作ったとき、法律上は区域としては入っておりますけれども、実際やっているのはこちらのア首連というんですか、何かこちらの方なんで、ペルシャ湾は入っておりません。ペルシャ湾での活動はやっておりません。
  304. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 そうすると、先ほどの局長の答弁は不正確だったということだと、まあ後で議事録を見ましょう。  そうすると、米軍が行っているCTF150、これには紅海が含まれているんですけれども、紅海というところまでは行くんでしょうか。
  305. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 紅海は入っておりません。
  306. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 いずれにしても、この地図を見ましても、それから先ほどからの答弁を聞いていましても、米軍の方は各任務部隊の担当地域、これはくまなく中東からインド洋まで、紅海まですべて押さえるという、そういう形になって漏れなくテロとの戦いを進めるという、そういう形で手分けしてカバーするという、そういう体制しかれていると思います、米軍の体制は。そう理解してよろしいですね。
  307. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 米軍自体がどういうオペレーションをやっているか、私もつまびらかでございませんので、ここでそうですと答えることもできませんけれども、米軍は第五艦隊が幅広く自分の任務としてやっている分野はあるんだろうと思います。ただ、テロとの戦いでいいますならば、私どもは、そのうちアフガンとの関係で米艦船あるいはまたイギリスその他の各国の艦船にやっておる。それはあくまでもアフガン戦争の延長としてのテロとの戦いでの、このテロ特措法に基づく行動に限定しているということで理解していただきたいと思います。
  308. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 その中で、結局、日本が米軍のその活動、すき間のないそういう体制を取った活動の中で協力しているのはCTF150ということになるわけですよね。その区域だけを見ても非常に広いわけですよ。  この地図でも示されておりますけれども、正にインド洋、ペルシャ湾、そしてオマーン、アラビア海、そういうところまでずっと含まれているわけですね。しかも、先ほどペルシャ湾は入っていないと言ったけれども、ここにはペルシャ湾まで入ると。まあ、これは訂正されたのか知りませんけれども、書かれている。そうなるわけです。そうすると、これを全部見てみますと、じゃ十二か国、そして六千マイルの海岸線に接しているそういう広大な地域活動していることになります。  自衛隊の支援先の任務部隊は、この十二国間のテロリストの移動を阻止する任務ですから、アフガン、パキスタン以外の国同士の間の移動も当然阻止することになると思います。しかし、自衛隊活動というのはあくまでアフガン、パキスタンから流れてきたテロリスト、その流出を阻止する、その脅威を除去する、そこにその眼目、目的があると思います。任務部隊の活動日本の目的の範囲に収まらないんじゃないか、そう思えるわけですけれども、その点いかがでしょうか。
  309. 久間章生

    国務大臣久間章生君) この先ほどお示ししましたペーパーでも書いておりますように、二についてということで一番下に書いておりますけれども、私たちの国が行っている支援というのは交換公文に基づいて相手国との信頼関係の下で、また我々ができるのは法律に基づいてこれしかできないということはアメリカは知っているわけでありますから、それ以上のことを要求することはないと、そういうようなこと、相手を信頼して、ほかのオペレーションのために使うということはしないというような確信の下にやっていると、そういうふうに理解していただきたいと思います。
  310. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 信頼というのは大変大事なことだと思います。物事の根本だと思いますけれども、しかし、それだけでもう法律の履行が担保されるのはどうか。非常にその点が実態と合わせて考えてみたときに問題になるなということを痛感するわけですね。  具体的に言えば、十二か国、そしてその六千マイルの海岸線、それだけあるわけですから、アフガン、パキスタン、これを出入りしなくても、第三国のテロリストの移動も当然考えるわけです。そういうケース日本の油が本当に使われないのか、そういうことを考えていったとき、やはり任務部隊の任務内容に照らしてこれはやはり実態に合わないと、しかしそれについて、今防衛庁長官はそれは信頼関係で進めておりますと、いつもこの議論をすると信頼関係になるんですけれども、私はそれで済むのかと、そのことを問題提起したいと思います。
  311. 久間章生

    国務大臣久間章生君) それはアメリカ以外の相手国ともやっぱり交換公文を交わしてやっているわけですから、そのやった相手がその内容と違うことをやっているかもしれないぞと、そういうような、もうそこまで疑って掛かればもう何もできないということになるわけでありますから、交換公文を交わしてやっぱりやるという、そこでは、しかも相手国というのが変な国じゃなくて一流のやっぱりそれぞれの国なんですから、そこと交換公文を交わしているときに、おまえらだまされているぞという式でこういう席で言われますと、本当にちょっと心外になるわけでありまして、それはその相手国に対しても失礼なことになるんじゃないかなという気がいたします。
  312. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 だまされているというふうに言っているんじゃなくて、結局そういうことだけで、信頼関係ということだけで物事が済まされるのかという問題を提起しているんですよ。  私は、先ほどバーレーンでの調整所の問題を取り上げました、あるいはコアリションビレッジの話もいたしました。そこでいろんなことが伝えられるわけですよ。米軍のニュースにもいろいろ書かれている。同僚の日本の調整官に対して、こう給油してほしい、ああしてほしい、そういうことをやると、ああ分かった、いいよという形で話が進んでいく。それが下から上に上がっていって、そして実行されるという、非常に気安くそれができるようになっているという、そういう実態がアメリカ軍のそういうニュースからも流れている。そのことを私は見たものですから、それで信頼関係だけで済むのかという問題を提起しているんですよ。  やはり、例えばアメリカとの間でも信頼関係に基づくことはたくさんあると思いますよ。それからまた交換公文も十二か国ですか、交わしている。だから、これでいいんだということだけで、これだけ広い範囲の中でオペレーションをやっているわけですから、そこのところはやはりきちっと法律が担保できるような形で示していただく、それが大事だと思います。
  313. 久間章生

    国務大臣久間章生君) いずれにしましても、私たちは相手国と交換公文を交わし、そしてまた相手が目的どおりに行動している、そういうような、全部が全部目を光らせてという、そういう監視をしているわけじゃありませんけれども、そこはやっぱり信頼しながら、変な動きがないというのを確認した上で、確認というのは今言いましたように全部監視するわけじゃありませんけれども、そういうふうな日常の活動状況からいってそのとおりやっていると、交換公文に従ってやっているという、そういうふうに信頼を得た上でやっておると。決して変なことはやってないんだということを国民の皆さん方にも知っていただきたいと思うわけです。
  314. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 こういう議論をするといつも、防衛庁長官が替わっても、いずれにしてもと、それで信頼関係という話になるんですよね。そこはやはりウイークポイントですよ。やはり、米軍のニュースに、今手元に持ってきてませんけれども、イラクの作戦をやっている艦船に給油をしたと、そういうことが出たことがあるんです、委員会で問題になりましたけれどもね。  ですから、そういうことがあるわけですので、確かに大臣おっしゃられるように全部チェックできないんですよ。ですから信頼関係ということを言わざるを得ないと思うんですけれども、私はこれだけ大きなオペレーションを進めている、そういう場で、広範囲のところで、そのときにやはりきちっとした形で法律の執行が担保できる、そういうものがきちっと求められてしかるべきだということを指摘しておきたいと思います。  そして、塩崎官房長官にお伺いしたいんですけれども、一つは、海上でのテロリスト活動が低下している、冒頭述べました、それでまた答弁がありました。それから、給油先部隊は活動アフガン、パキスタンからのテロリストの流出にとどまらない、広い地域を対象として活動している。そして、法律に基づく給油の実施について、今述べましたように担保がない。そういう説得力のない説明で成り立っている活動をいつまでも続けるというのはやはりおかしいのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
  315. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今防衛庁長官から信頼関係のお話がありましたけれども、あくまでもこのテロ特措法というのは我が国が主体的にテロとの戦い、そしてまたアフガンの復興に役立つための、言ってみればテロとの戦いの一環として独自の判断でもって決めていることでございます。  今回、一年間延ばすことについても、これはテロとの戦いを国際的にもまだ皆が続けている中で、私たちとして日本は何ができるのかということを考え、今お話がありましたいろいろな、例えば無線照会の数が減っているというのは、言ってみれば、裏返してみれば抑止力が十分まだまだあるということがあってこういう数字になってきているということで、じゃ、これをやめたときにどうなるのかということは容易に想像できるところでございます。  したがって、あくまでも日本政府としては主体的な判断基準でもってこれを今回一年間延ばさしていただくということで国会審議をお願いをしていると、こういうことでございます。
  316. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 主体的判断とおっしゃられますけれども、自らの活動終了のやはり基準がないのではないかと。そして、米国の活動、それをやはり基準にして、対テロ戦争が続く限り支援を続けていくと。そういうことになれば、結局いつまでも派遣を継続することになると、そういうふうに思います。実際、五年間それをやってきたわけですけれども、その姿勢が今も続いている。相手次第とすれば、相手が新たな要求を出してきたときにはどうするのかということにもなると思うんですね。  例えば、アメリカからは、例えばクラウチ大統領副補佐官は、二十三日、ワシントンで開かれた講演で、自衛隊の対テロ戦争への貢献には目覚ましいものがあるがまだ控え目だ、そう言っているわけですよ。そして、能力を強化しイラクで行ったような派遣のプロセスを続けてほしいと、そう言っているわけですね。ですから、これだけやって控え目だと、そう言われるわけですが、官房長官、やはりこういう評価については率直にどう受け止められますか。
  317. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今のクラウチ副補佐官の指摘は依然として控え目だというお話を今取り上げたわけですけれども、どういうことをお話をされているのか、私どももちょっと講演の要旨を取り寄せてみますと、まず自衛隊テロとの戦いにおける活躍が目覚ましいということをまず言っているわけでございます。これまでの過去六十年間、日本が世界の安全保障政策の中での貢献というのと比べてみると、これはもう極めて大きな動きだということも同時に指摘をしているわけです。  それに対して、アメリカアメリカ判断として、こういったテロとの戦いの中で日本が受けるだろう恩恵の大きさ、あるいは安全保障政策のあるべき姿と比べてみればというアメリカ考えの下で今言ったように依然控え目だということを言っているだけの話であって、それは私たちは私たちなりの判断をしていきますし、このインド洋での活動だけがそのテロとの戦いの我々の政策でもないし、あるいはアフガニスタンの復興に関してはこのインド洋での活動ですべての復興がなし得ると思っているわけではさらさらないわけでございますので、総合的なやはり日本外交姿勢の中で、この法律に基づいて行う活動というのはそれなりに日本として意味があるという判断をしていると、こういうことでございますので、御理解を賜れれば有り難いと思います。
  318. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 アメリカは長い戦争と言って、やはりテロ戦争、対テロ戦争をそう位置付けているわけで、その中でやはり日本に対して控え目だと、もっとやってほしいと、そういうことが来るという中で、私たちは物事をよく考える必要があるということをきちっと指摘しておきたいと思います。  次に、私、前回、核保有論について質問をいたしましたけれども、改めてこの問題について官房長官にお伺いしたいと思うんですけれども、麻生大臣は核保有の議論について、非核三原則を変える話は政府内にはない、そうしながらも言論は封殺するべきではないと、そういう議論の必要性を述べられているわけです、今も述べられました。  そこで伺いたいんですけれども、閣僚が核保有の議論が必要だと促すことは、非核三原則の見直しはあり得るということになるわけです。麻生大臣はおとといの答弁の中でも、議論の中で核を持つ持たない、非核三原則堅持するしないという話が議論としてあって当然だと、そういうふうに述べられているわけですよね。そうすると、核武装の選択肢を議論しようということにもなる。この提起は、日本が国是としている非核三原則を変えるということを意味すると、そういうことにもなってしまうというふうに思うわけですけれども、その点の官房長官のお考えをお伺いしたいと思います。
  319. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) まず、繰り返して申し上げなきゃいけないのは、内閣の責任者であります内閣総理大臣が、この問題については直ちに政府として非核三原則は国是であってこれは守り続ける、そして政府として議論することはないということを明確にいたしました。今、麻生大臣お話が出ましたけれども、これは御本人からまた御説明があろうかと思いますが、内閣総理大臣がそういう意思もないし、そしてまた同時に麻生大臣も、政府としてあるいは内閣としてこの問題を議論することはないということを明言しておられるわけでありますから、それ以上でも以下でもないというふうに思っております。
  320. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 政府としてないということが明言されました。しかし、政府の中で、しかも重要な地位にある外務大臣委員会で公に繰り返し核論議について述べられているわけですよね。長官御自身、閣僚がこういう議論をするということ、政府の中でするという意味じゃありません、国民的議論をという、先ほどおっしゃられました。ですから、そういうことを促すということについて、その行為そのものについては長官御自身はどうお考えですか。
  321. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 麻生大臣が国民的議論を促しているということはないんではないのかなというふうに私は思っております。  閣僚として大事なことは、その閣僚の立場で、政府として、内閣として議論するかどうかが一番これ大事な話であって、政府が持っている原則を変えないということを明言をしている、そのことで政府の立場というのも明らかになっているというふうに思っております。
  322. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 官房長官御自身はこういう議論に、自分で提起されることということですか。
  323. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 私は、こういった、その点についての発言は政府のスポークスマンとして政府の立場を繰り返し述べているところであります。
  324. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 そうすると、私、外務大臣がこういう発言をするということについて、ああ、こういう影響があるんだなということを痛感したことがあるんですね。  それは、十九日に麻生大臣が訪韓されました。その前の委員会でこの答弁をしたわけですね。で、十九日、三者の会談、それから二十日、韓国との会談が行われた。そこで、盧武鉉大統領に対しても、あるいは大臣のカウンターパートに対しても非核三原則は守ると明言しているわけですよ。公式の場で公式に強く言っているわけですよ。  しかし、その三日後にその外交通商部の高官が懸念を表明する。カウンターパートの役所からそういう声が出るということは、やはり外務大臣がそういう発言をされるということがいかにこういう問題にとって有害かということを示していると思います。せっかく安倍首相が訪韓して新しい関係のスタート台に立ったそのときに、やはり日韓関係を多少とも不安定にするような議論外務大臣がつくるということはやはり国益に反するんじゃないかと私は思うんですけれども、その点について官房長官はどう思われますでしょうか。
  325. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 外務大臣外務大臣の御判断で御発言をされているというふうに思っております。  大事なことは、政府として、内閣として非核三原則を変えない、政府としても議論をしないということを明確にしながらそれを実行していくことが一番大事なことだというふうに思います。
  326. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 もういろんな情報に接していると思いますけれども、まあ韓国だけじゃない、マレーシア、東南アジア、もちろんアメリカで、ヨーロッパで、このことが大変広く報道されているわけですよ。そして、例えばマレーシアの有力紙は、結局この問題について日本が濁り水を流すようなことをすれば、必ず隣国に不安を引き起こし、アジアに核軍拡競争を誘発しかねない、だから心配だと、非常に率直に述べているわけですね。これはやはり偽らざる声だと思います。  ですから、日本は被爆国だと、それからまた国連で毎年非核決議を上げる提案者になっていると。採択されていますよ、毎年。そしてまた、今北朝鮮に対して、国連決議によって国際的一致でその先頭に立ってその決議の履行を進めている。そのときにやはりこういったことを述べるということ、それはやはり日本の立場、日本の掲げている大義をやはり弱めることになるのではないか、そういうことは思われませんか。
  327. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 緒方先生の御懸念は御懸念として拝聴いたしますが、繰り返し申し上げておりますけれども、麻生大臣は政府としての立場を曲げているわけでも何もなく、原則を守り通すということをおっしゃっておるわけでありますから、あとはまあ政治的な判断でもって麻生大臣は御発言をされているものというふうに私は理解をしております。
  328. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 麻生大臣に伺いますけれども、私は人間はすべて平等だと思っておりますよ。そして、言論は自由だし、封殺されてはならないということを強く確信持っておりますし、そのためにこれまでも働いてきました。しかし、すべての人間は平等でありますけれども、しかし外務大臣という職にある者が言っていいことと言って悪いこと、当然それはあると思いますよ。ですから、そういう問題をやはり分別を持ってやはりこの問題に当たるということが正に必要だと思います。  したがって、私は、やはりこの問題については、大臣に、大臣だというその点ですよ、その点から、やはりこうした発言は繰り返してほしくない、そうしてこれまでの発言についても撤回すべきだということを要求したいと思います。
  329. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 度々お答え申し上げておりますんで、柳田先生にお答えしたのと同じことをもう一回言いますんで、よく聞いていてください。  この間の話を申し上げましたが、一般論として国の安全保障の在り方というものにつきましては、それぞれの時代状況というものがあります。持たず、作らず、持ち込ませずといったものを作った時代はいわゆる佐藤内閣のころで、冷戦構造の最中でありました。今は冷戦構造は終わって一極構造になり、隣に核を保有し、それを搬送する能力を持ったノドンというミサイルを実戦配備させ得るまでの国が隣国に登場してきたという状況を踏まえて、日本の防衛というものを考えてみるというのは当然ではありませんかと。その中に非核三原則というものもあります。これが国是ということも分かっております。しかし、状況が違ったということに関していろいろな議論が出てくるということを封殺するつもりは私どもにはありません。これはずっと申し上げてきている。  ただし、我が国が非核三原則というものを、これまでも歴代の内閣が累次にわたって説明をしてきております。この内閣においても、安倍内閣においても同様の発言がされております。したがいまして、これを堅持していくという立場に変わりはないということも度々申し上げました。うちは共産党と違っていわゆる自由にしゃべれますんで、そこは間違えぬでくださいよ。その自由にしゃべれるというところまで封殺され、封殺されるのだけは断固認められぬという意見を申し上げておるんであって、自由のために我々は働いております。  また、法律上いっても問題だということも、原子力基本法というものもありますと。また、条約の上からもNPT条約というものにも加盟をしておるという現状を追ってみますと、日本の核兵器ということに関しては保有することはありませんということをずっと申し上げてきたのであって、そういった議論が起きるということを私はあおっているわけでもありませんし、ただ言論封殺というのに加担するつもりだけはありません。
  330. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) 質疑時間は終了しております。
  331. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 最後です。  我々は、やはり自由に討論するって当たり前なんですよ。しかし、職分を考えてほしいと、立場と国益をしっかり考えてほしいと、国際的影響をきちっと考えてほしいと、そのことを申し上げているんですよ。  ですから、これだけ述べても同じテープレコーダーのような答弁をされますけれども、私はこの問題は極めて大きな問題ということを指摘して質問を終わります。     ─────────────
  332. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、喜納昌吉君及び浜田昌良君が委員辞任され、その補欠として千葉景子君及び谷合正明君がそれぞれ選任されました。     ─────────────
  333. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) それでは、質疑に行きます。  遠山清彦君。
  334. 遠山清彦

    遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。  塩崎官房長官は御退席されるんですかね。と聞いておりましたけれども、もし、よろしいですか、されるんなら、どうぞ。  今日はテロ特措法が議題でございますが、後ほど、賛成の立場ではございますけれども、何点か御質問をさせていただきたいと思います。  その前に、二日前の私の一般質疑のちょっと積み残しの質問がございますので、若干、外務大臣防衛庁長官にお伺いしたいと思いますが。  まず最初に、外務大臣にお伺いします。  予算委員会でも話題になりましたけれども、今、安倍新政権になりまして官邸の機能強化というものが図られておりまして、外交の分野でも、首相補佐官が五名任命され、特にその中で小泉内閣大臣としてキャリアの長い小池百合子氏が日本国家安全保障会議の担当の首相補佐官に御就任をされていると。また、新聞の首相動静欄を見ても、安倍総理が海外の要人と電話会談されていると大体、小池補佐官と広報担当の世耕補佐官が同席をされているということが報じられているわけでございますが、今年の初頭のODAの司令塔の議論でもございましたけれども、外交の一体性、一貫性、これを堅持しながら政府総体で外交力強化をしていかなきゃいけないということを麻生外務大臣、いろんな形でおっしゃっていたと思うんですが、今普通にはたから見ますと、機能強化された官邸が日本外交の中でもかなり存在感を増してきているという中で、外務大臣としては、官邸主導の外交というものと外務省があくまでも一義的に外交政策を担当している政府の中の省庁であるというこの関係性をどういうふうにごらんになっているのか。いわゆる二元外交になっちゃうんじゃないかという批判というか指摘があるわけですが、それを念頭に御見解を伺いたいと思います。
  335. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) この種の新しいのができると、大体遠山先生、皆何となく二元外交にしたいものですから何となくこの種の話がよく出てくるのはもう先生御存じのとおりだと思いますが、今少なくとも約一月弱たっておりますけれども、これまでの間に二元外交っぽくなったことはただの一度もありません。  それから、今、官邸の機能を強化するというのは、私はいいことだという面もあると思いまして、特に外交の場合はスタッフの絶対量が不足しているというのはもう御存じのとおりですんで、そういった意味では、官邸には今、安藤ほかいろいろおりますけれども、そういったものを含めまして、これは政府と一体となって外交政策を追求していくというのは何となく話が早いし、全然分からない人がただただ充て職みたいに来られると困るんですけれども、少なくとも話は一応通じる方が来ておられますんで、そういった意味では私どもとしては、話が詰まるといったり、どこか別のところが、別のがということはこれまでのところ少なくともございません。
  336. 遠山清彦

    遠山清彦君 今、大臣お話ですと、適材適所でしっかり対応すれば、官邸が外交上の機能を強化しても、それは二元外交にはならないということだと思います。外務大臣御自身が総理とメル友ですから、そういう報道がありましたけれども、そこでもまたホットラインでやっているんだと思いますが。  次に御質問申し上げたいのは、一問だけですけれども、これはテロリストも処罰の対象になり得るところですが、国際刑事裁判所、ICCの件でございます。  これはもう大臣、何度かいろんな場所で御答弁されているように、来年の通常国会で加盟への手続を取ると。そのICC加入によって日本政府に分担金が発生するわけでございますが、それにつきまして、今ICCは米国が加入しておりませんので、機械的に分担率を、日本の分担率計算すると、大体二八%になる、約三割ですね。外務省が来年度の予算で計上している十九億八千万円というのは、この二八%の分担率で半年分払うお金を出しているわけですけれども、実際、日本が国連のいろんな機関あるいは国連事務局本体にお金出すときにシーリング、上限シーリングが二二%になっているわけです。  私は、やはり日本は、ICTYとかICTRとか、ルワンダとかユーゴスラビア、旧ユーゴスラビアの司法裁判所の方にも両方合わせて毎年五十数億円のお金を拠出しているわけでして、ICCに加入した場合に、またこの二八%、三割近い予算を全部日本単独で負担するというのはいかがなものかという思いがありまして、是非この二二%の上限シーリングを日本がICCに加盟したときも適用されるように、外務省として今からEU代表部とかヨーロッパ諸国とかに公式に言うべきではないかと思っていますけれども、御見解を副大臣
  337. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) 遠山議員の指摘どおりに既に頑張っており、これからも踏ん張ります。  御指摘のように、ICC加盟国の分担率は国連における通常分担率を基本として決められておりまして、通常分担率には、遠山委員おっしゃるとおり二二%のシーリングが設けられているわけですね。で、国際機関の中でも、国際海洋法裁判所やエネルギー憲章条約の分担金については、日本に二二%のこのシーリングが適用されているわけです。したがって、来年、将来日本がICCに加盟しても、当然このシーリングは適用されるべきものと日本政府は判断をしております。  主要締結国のヨーロッパ各国に既にその主張をしておりますし、これからも、私は遠山議員の今の御指摘は心強い応援演説だと有り難く思っておりまして、政府はそこのところは頑張ってシーリングを堅持してまいりたいと存じます。
  338. 遠山清彦

    遠山清彦君 浅野大臣、ありがとうございます。  続きまして、ちょっと東チモールのことについてお伺いしたいと思います。  本来は今日の日付で国連安保理、国連の安保理でアナン事務総長から最終報告書が出て、東チモールの新しい国連ミッション、国連東チモール統合ミッションというのが設置されるはずなんですが、昨日外務省に聞きましたら、二十八日にずれ込むということでございますけれども。  私自身、東チモールに四回ほど足を運んでおりまして、二回目に行かせていただいたときは、自衛隊の隊員の方六百数十名、施設部隊の方中心におりまして、私も当時の中谷防衛庁長官と御一緒のタイミングで行ったものですから、激励をさせていただいた、現地でですね、記憶があるわけでございますが。この国連東ティモール統合ミッション、UNMITというものが新たにこれからできまして、特に東チモールの国内では、まあアフガニスタンの話は後でお聞きしますけれども、治安状況、治安維持の問題がすごくあるわけですけれども、そういった文民警察部門とか、あるいは現地の警察訓練を担当する部門、まあ日本アフガニスタンではDDRを主導した国なわけですけれども、そういう知見があるわけですね。  また、仮に、これは防衛庁長官にお伺いしたいと思いますけれども、PKO部門が新たにこの東チモールで設けられた場合に、日本政府として人的貢献、人を送るということについてどのように現段階ではお考えか、外務省防衛庁さん、それぞれお伺いをしたいと思います。
  339. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今御指摘のありましたUNMITという、UNMITのいわゆる人的貢献につきましては、東ティモール政府から正式に期待が表明されております。これはもう正式にそう言っておりますが、今言われました治安等々関連情報というものの収集を今やっているところなんですが、今後日本の法律上の要件とか安全面とかいろいろ配慮しなくちゃいけないところが幾つかあろうと存じます。文民警察官の派遣というものも含めまして、今、日本としていかなる支援が可能かということにつきましては、今検討をさせているところでもあります。  これまで東ティモールに、PKOに対して自衛隊で二千三百四名、また文民警察官で三名、選挙監視員で二十七名、これまで派遣をするなど、貢献をさせてきていただいておりますけれども、今後とも、これは東ティモールに対してできるだけの支援を行っていきたいと考えております。
  340. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 前回出しましたときは中谷防衛庁長官がたまたま行きませんでしたので、私が調査団長として、公明党さんも一緒になって出掛けていきまして、それで、PKO五原則がきちんと守られているという、そういう前提の下で調査報告をして、そして出ていったわけであります。  それで、一応帰ってきたわけでありますけれども、現在検討されておりますのは、そういうPKO五原則に基づいて軍事部門で出ていくんではなくて、むしろ今言われましたように治安関係で今いろいろ検討されておるようでございまして、自衛隊が出ていく要件がそろっているかどうか、そういうことも踏まえながら、ただ防衛庁としても国際協力業務に協力しなければならないという気持ちはございますので、できるだけ積極的に協力しようと思いますけれども、どういうミッションになるのか、その推移を見極めた上で、しかも法的要件がきちんとクリアできるかどうか、そういうのを見極めながら対応しなければならないと思っているところであります。
  341. 遠山清彦

    遠山清彦君 両大臣から前向きなお答え、ありがとうございました。  私も外務省の政務官やっておったときに国連に参りまして、今国連では注目を集めている事案としては、レバノン、それからスーダン、それからこの東チモールと三つでございます。  両大臣御存じのとおり、日本政府は、年によって若干の違いはありますけれども、大体毎年一千億円程度PKOだけの分担金で拠出をしておるわけでございます。しかしながら、現段階ではゴラン高原に出しております四十数名の自衛隊員しか人的貢献はしてないということで、お金は相当支払っているわけですが、プレゼンスとしては非常に反比例的に低い状況の中で、私も今、久間長官おっしゃったように、いろいろ国内的に基準がありますので何でもかんでも出せばいいということではないと思いますが、例えば今、麻生外務大臣がおっしゃったように、警察、文民警察に対する期待というのは、常にやっぱり日本の警察は評価高いわけですので、私も現地へ行きましたけれども、インドネシアのブカシというところの警察署に日本の警察官が七名ぐらい入って指導をした結果、三年ぐらいで非常に検挙率も上がって、警官の汚職も減ったという事例もあるわけです。  ですから、例えば外務省の方から警察庁や内閣府の方にお話をいただいて東チモールへの関与を強めていただきたいと個人的に思っておりますし、また、防衛庁さんの方は、省へ移行する法律の話が直近に迫っておるわけですけれども、やはり国際平和協力業務を本来業務の方に格上げていくという流れの中では、PKOでも参加できるものは積極的にやっぱり御検討をいただきたいなというふうに要望として申し上げたいと思います。  次の質問で、テロ特措法の関連質問に移りますけれども、外務大臣、最近また報道いろいろ出ておりますけれども、ロシアのサハリン1、2のプロジェクトについて双方いろんな報道がございます。  サハリン1の方は、先週末の報道で、日本政府もこれ出資しているわけでありますが、産出される天然ガス、サハリン1から出てくる天然ガスの全量すべてを中国に輸出するという仮契約をこの事業の主体者でありますエクソン・モービルが中国側と結んだという報道がございまして、これは外務省としてどういうふうに評価をしているのかというのをまずお聞きをしたいと思います。その後サハリン2について聞きます。
  342. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) サハリン1のコンソーシアムとCNPC、今先生御指摘の中国石油天然気集団公司との間で天然ガスの売買契約に向けた覚書が作成され、今後正式な売買契約の締結を目指して交渉を進めるということになったと承知をしております。  ところが一方で、コンソーシアムの交渉責任者であるエクソン側は、今回の覚書は他の需要家との交渉を妨げるものではないと言っておりまして、日本の需要家との交渉は続けるとの立場であると承知をしております。  したがって、政府としては、日本の関係企業の需要にもよりますけれども、エクソンと日本の需要家との間の話合いが進展することを期待して見守ってまいります。
  343. 遠山清彦

    遠山清彦君 このサハリン1から出てくる天然ガスはLNG化されてませんので、パイプラインで直のですから、日本側としては余りマーケタビリティーないのかなというふうに思っていますし、石油の方はちゃんと担保取れてあればさほど問題ないんだろうと思いますが、新聞なんかはちょっとあおって書きますんで、確認の意味で聞きました。  それから、サハリン2の方ですが、こちらもサハリン1とは別の日本企業が四五%共同出資をしておるわけですけれども、最近、ロシアの天然資源省が環境保全法令違反を根拠に事業許可の取消しを検討してきたわけですね。そうしますと、当初のスケジュールどおりのこの二〇〇八年にサハリン2から天然ガス等の資源を供給される予定だったんですが、それは本当にうまくいくのかどうかと不安視する声があるわけでございます。  ただこの問題では、私がこれ質問通告外務省にした後、直後から、ラブロフ外務大臣がサハリン2の事業取消しをすることはないという否定を言ったり、昨日、トルトネフ天然資源相はプロジェクトの全体を止めるのは正しくないと、ちょっとよく分かりませんけれども、そういうコメントをして、若干日本側への配慮を見せているような気配もあるんですが、しかし、私もちょうど九月にロシアのイルクーツクに行ってこの問題ロシア側と議論した経過あるんですけれども、何かここまでサハリン2の事業進んできて突然環境問題で事業を取り消しますよという、見方によってはちょっと脅しみたいなやり方に出ているのは、私はこれは余りロシアにとってもメリットないんじゃないかなと。  つまり、国際社会がこれから好況を呈しているロシア市場にどんどん投資をしようと思っているときに、何か突然事業が道半ばというか、もうちょっとそれよりも後ろへ行ったところで事業取消しするかもしれませんよと言われてしまうのは、かなり信頼を損ねていることではないかなというふうに思うんですけれども、外務省としてどういうふうにごらんになっているか、お願いいたします。
  344. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) 実は、麻生大臣が自ら電話でラブロフ外務大臣と掛け合っておるものですから、麻生大臣がお答えする方がいいかと存じますが、私が細かく聞いておりますので、私から御報告をさせていただきます。  委員おっしゃるように、我が国の企業が参画、関与四五%という非常に大きなウエートを占めているものですから、石油、天然ガスの供給源を多角化をしていくという方針からも有意義な、大切なプロジェクトだと政府としてはその円滑な進展に関心を払ってきたわけです。  委員御指摘のような、ちょっと環境問題を中心にどうなってしまうのかなという不安に感じるような動きがロシア側にあったものですから、麻生大臣、直接電話で先方の外務大臣と話をいたしまして、重要なのは、事業を一方的に停止してしまうと、そういうような、話合いをすることが大事で、一方的な行動というのは納得できるものではないと。これに対してラブロフ大臣は、環境保護に関する問題であって、政治問題化するつもりはないと、当事者間の協議を通じて環境問題をこなしていけば解決されるんだという趣旨の返事がありました。したがって、環境問題を含めて、プロジェクトにかかわる事業者、ロシア側関係当局が協議をこれから進め、詰めていくということになると承知をしております。  政府としては、重大な大きなプロジェクトでもございますので、企業関係者の意見を踏まえつつ、ロシア側に対し適正かつ透明な手続、それからプロジェクトの円滑な実施の確保に必要なもろもろの手段、手を打ち、求めていく所存でございます。
  345. 遠山清彦

    遠山清彦君 是非、麻生外務大臣の強いリーダーシップをこのロシアのエネルギー問題ではお願いをしたいと思います。  私、詳しくは申し上げませんけれども、ロシアは今大変財政状況もこの五年間で好転をして、原油高に支えられた強い経済の下、若干外交姿勢も以前と違うのかなと、どう違うのかあえて言いませんけれども、思っておりまして、なかなか難しい相手でございますし、北方領土の問題等もございますので大変な国でありますが、隣国の一つでもありますので、是非しっかりとした対応、浅野大臣も含めてお願いしたいと思います。答弁は結構です。
  346. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) しっかり大臣のねじを巻いてまいります。
  347. 遠山清彦

    遠山清彦君 残り約三十分あるので、テロ特措法アフガニスタンの問題でお聞きをします。  まず最初に、簡潔に外務大臣防衛庁長官、それぞれに伺います。  私も私の会派も、一年間の支援の継続は賛成の立場なわけですが、外務大臣防衛庁長官、それぞれのお立場から、この支援を継続することによって得られる日本国益上の利益、これを国民の皆さんに簡潔におっしゃられるとしたらどうおっしゃるか、お聞きをしたいと思います。お願いします。
  348. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) まず基本的には、二〇〇一年の九月の十一日の日にいわゆる九・一一という事件が起きておりますが、このときにアメリカでは二千九百七十三人、通称三千人という話ばっかりが外に出ていますが、この中に日本人が二十四名一緒に巻き込まれて死んでおります、亡くなっておりますというこの事実というものが私どもとしては何となく忘れられて、アメリカの話みたいに言う人がやたら多いんですが、二十四名一挙に日本人が亡くなっておるという事実は是非我々は記憶にとどめておいていただかねばならぬと思っております。  テロというものの戦いというものは、これはずっとやっていかないかぬ大事なところであって、日本自身も直接国内のテロがないような話をする人が一杯いますが、これまた霞が関でオウム真理教によって約五千人からの人が影響を受けたというサリンの事件というのはあれはテロ以外の何物でもありませんから、そういった意味では、我々にとってはこのテロというものに対しては非常に身近な問題なんだと思っております。  しかし、この五年間ぐらいの間に、いわゆるオサマ・ビンラディン始め、いろいろ多数のテロリストというのは、依然、少なくともその存在というものが逃亡中、少なくとも遺体は確認されておりませんから、そういった意味では逃亡中と思っておりますので、そういった中にあっては、このいわゆる不朽の自由作戦と言われるこの作戦というものは、これは世界じゅうがこれを応援して継続をしているということだと思っております。  その中にあって、日本としては、このアフガニスタンに関して言わせていただければ、海上において、海上にいわゆる逃げ出してくる、若しくは海上から入ってこようとする、また海上を通じて麻薬の売買等々、いろいろなアフガニスタンテロリストに対する資金源というものを断つという点に関しましては、海上封鎖というのが最も効果があると。その効果をあらしめるためには、そこにいわゆる艦船をずっと監視し続けておかせるということが必要。  その中にあって、少なくとも日本の補給、油の補給というものは極めて大きな効果を上げていると思っておりますので、このことに関しては、NATOのいわゆる各国で艦船を派遣している理事国はもろ手を挙げてこのことに感謝をしておるという事実を踏まえますと、我々は、このテロとの戦いの一端というものに大きく我々は寄与していると思っております。
  349. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) 続いて、久間防衛庁長官
  350. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 私は、世界各国国際社会の連帯の下にテロとの戦いをやっており、アフガンに直接入っている部隊もおりますし、あるいは、アフガンに直接入っていなくても、海上阻止行動としてそれを支えている国があるわけであります。  そういう国々が参加しているそういうミッションに我が国としても参加するということは大変意義のあることでありまして、だから、そういう意味では、引き続きやること、これ、やること自体が非常に我が国国益に合っていると、そういうふうに思うわけであります。
  351. 遠山清彦

    遠山清彦君 ありがとうございます。  次に、麻生外務大臣外務省、お聞きをしたいんですが、今アフガンの治安状況というのは残念ながら悪化してきているわけです。自爆テロも増えてきております。また、現地の治安支援部隊のISAFとタリバンの残存武装勢力との間で激しい戦闘も起こっているわけですが、この背景は何なのかと。  麻生外務大臣は、かなり明確に衆議院の議論でも貧困の問題を強調されておりまして、貧困対策の重要性というのを強調されておられるわけですが、アフガニスタンへの日本の支援というのは既に、先ほどもありましたけれども十一億ドルを超えておりまして、つまり一千二百億円とかそういうレベルに行っておりまして、さらに、今年のロンドン国際会議のプレッジ額が四・五億ですから、まあ合計すると十五億ドル以上のお金を支援をしているわけです。  そのうちどの程度貧困対策に割り当てられて、どの程度のプロジェクトを実施し、特に今日ここでお伺いしたいのは、簡潔で結構ですけど、その効果、つまり日本が、麻生外務大臣がおっしゃる、この貧困を何とかしないといかぬと言っているわけですけれども、その貧困対策として日本がどういう、その十一億ドル以上の貢献の中でどの程度の貢献をしてどういう効果があったと自己採点されておられるのか、ちょっと簡潔に御答弁いただければと思います。
  352. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) これまで、御指摘のとおりアフガニスタンには、アフガニスタンテロと麻薬の温床にしないという決意の下に、約、合わせて十五億ドルの支援をプレッジして、既に十一億ドルぐらい実施しております。委員の指摘どおりであります。  そこで、貧困克服対策にそのうち幾らくらいが回っているかということでございますけれども、これは人道支援、治安の改善、復興支援などの分野で、全体でおよそ七百件の無償資金協力プロジェクトや技術協力の支援を行ってきております。このおよそ七百件の支援のほとんどが直接若しくは間接的にアフガニスタンの貧困対策に資するものとなっておりますので、幾ら幾らという数字を申し上げる、内訳は申し上げることは困難でありますけれども、その大半が復興支援の六百二十件を、七百のうち六百二十が復興支援ということになってまいりますと、人道支援の三十、政治プロセス・ガバナンス支援の二十、治安改善支援の三十と、いずれも直接、間接の貧困対策と存じております。  それを数値でどういうふうに表すかというこれはデータを持ち合わせておりませんけれども、七月にカルザイ大統領が日本においでになった際も、これらの支援をトータルとして繰り返し感謝の意の表明をいただいておりますので、アフガニスタン政府と国民から高い評価をいただいているものと受け取っておりまして、今後も貧困対策に成果を上げるよう努力をしてまいりたいと存じております。
  353. 遠山清彦

    遠山清彦君 ありがとうございます。  まあ確かに具体的な額で効果を示すというのは難しいのかもしれませんが、私の問題意識は、これ、次もし可能であれば外務大臣にまとめてお答えいただければと思いますけれども、日本が十一億ドル、全世界でアフガニスタンにこの五年間程度で投じた額、これはプレッジした額だけで言いますと二兆六千億円を超えているんですよ。二・六兆円。まあ執行されていない分六千億ぐらいあるとしても、二兆円、国際社会はもうつぎ込んでおるんですね、アフガニスタン。  ところが、一番最近の国連のアフガンのレポート見ても、アフガニスタンの全人口の七〇%が栄養失調と。そうすると、別に日本外務省だけ責める気持ちは全く私ないわけですけど、要するに二兆円のお金を、まあ人口が二千万ぐらいですかね、アフガニスタンの国に二兆円のお金をこの五年間いろんな形で投じても、栄養失調の人が人口の七割という現状です。  これ恐らく、治安状況の改善がなかなかされないので支援ニーズの高いところに物資を届けられないとか、そういうことが十分あると。ところが、じゃ治安がなぜ改善されないんですかというと、それは貧困が背景にあって、自爆テロの志願者だとか仕事のない若者が武装勢力へ入ってしまうとか、そういう問題があると。  そうすると、典型的な卵か鶏かの議論になって、鶏を治安状況の改善、これもなかなか取れない。貧困対策も、卵の方ですけど、これもなかなかうまくいかないと。鶏が先か卵が先かといって、一生懸命二兆円、国際社会は投じてきたけれども、結局は両方取れない。両方取れないでこのまま数年間行きますと、国際社会が多分疲れてくるのかなと。そうすると、エードファティーグになって、もうこれだけやってもなかなかうまくいかないからアフガニスタンから撤退しましょうよという話になりかねないなと私はちょっと懸念をし出しております。  じゃ、これ解決するにはどうするかといえば、一つは、軍事プレゼンスをアフガニスタンで強化して治安維持をもう全土でやってしまうということを確保するという、やや強硬路線のやり方がありますけれども、これは恐らく、アフガニスタンの地形とか気象条件の厳しさとかゲリラの強さ考えると、アメリカでさえ人的犠牲の大きさに恐らく取り得ない選択肢だと思うんですね。  そうしますと、私の頭の中では、これはもう今、反政府武装勢力と言われている複数の軍閥とかあるわけですけれども、そういうところともう何らかの交渉のテーブルにアフガニスタン国内で着かせていかないと駄目な段階に来ているんではないかなというふうに思いますけれども、もし、外務大臣の率直な御見解を、今後の見通しも含めてお聞きできればと思います。
  354. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 確かに、今おっしゃるところは私は正しいと思っております。  現実問題として、今ここのアフガニスタンにおいて、いわゆる緒方貞子を取って緒方イニシアティブと言うんですが、これによって少なくとも、マザリシャリフとかカンダハルとかそれからジャララバードとか、あの辺のところにおいて少なくとも仮設住宅四万世帯というのが造られて、そこらのところではかなりなものが落ち着いてきた。これはもうはっきりしてきていると思っております。  また、学校やら何やらというものがスタートをしておりますんで、今までは考えられなかったんですが、男女共学で学校が始まってみたりいろいろな意味で、上級学校が新設されてみたり、そういったようなところで少なくとも学校の先生だけでも一万五千人ぐらい、そういったような人たちが新たに出てきたりと。そういったところは、間違いなく、うまくいき始めつつあるところは間違いなくあります。  ただ、今よく新聞やらテレビに出てくるのは、大体そういううまくいったところは出ませんから。大体うまくいかない話ばっかりが一杯出てくるんで、今、バック・ツー・スクール・キャンペーンというのをずっとやっておりますので、そういった意味では、少なくともこの国における初等教育、まあ義務教育とは言いませんが、初等教育というのは、二〇〇〇年にスタートしたときには全部の一九%しか学校に行っておりませんけれども、今では約八九%まで上昇はしておる。だから、そういったところは、これは全然外に出てこないところですけれども、そういったところは、子供に対するポリオワクチンの接種とか、いろんなものも含めまして随分進んだとは思っております。  しかし、だからといって、この中において、南部の方と北部の方との民族的なものとか、あそこのところに、パキスタンとの間のところにいわゆる部族が、パシュトゥン族という、全然国境がどこだか分からないぐらいの部族が同じところにおりますので、このパシュトゥンのところの話やら何やら、なかなか南の方のカンダハルの方に行くと話が非常に入り組んでいるというのが状況だと思っております。  したがって、おっしゃるように、エードファティーグという、援助疲れというようなものがこれはもう五年も続いてくるとなかなかなんで、これはブッシュ大統領も、自らがとにかくテロとの戦いはかなり長く続くということを言わざるを得ない、私もそうだと思いますし、先ほどどなたか言われましたが、これは貧困がもとというのもありましょうけれども、やっぱり希望がないんだと思うんですね。  豊かな人で、例えばオサマ・ビンラディンなんというのは結構金持ちのせがれですから、こういった人でもやっておるわけなんであって、貧しいからなっているということだけではありません。貧しくても立派な人は一杯中にいるんであって、そういった中で入りやすい、そういったものに流れていきやすい、麻薬に手出していきやすいなんとかという、そういう状況っていうのをうまくするというのには結構手間暇掛かる話なんだと思うんですが、ただ、一次産業が七五%、いわゆる農業が七五%ぐらいという人口比率の中にあって、あちらこちらに地雷が埋めてあって、そこを耕したらいきなりボンという状況の中で、なかなか事は進んでいかないというのが現実問題だと思いますので、気長くこれはもうやっていかざるを得ないなという感じだけはいたしております。
  355. 遠山清彦

    遠山清彦君 それで外務大臣、続けて気長にやらざるを得ないという御指摘は、貧困対策とか国づくり全体としてはそのとおりだと思うんですね。ただ、アフガニスタンの場合、気長にやってられない問題が一つありまして、これはもう大臣よく御存じの麻薬の問題でございます。  これは数字を挙げた方がお互いに分かりやすいと思うのでちょっと挙げたいと思うんですけれども、私は、インターネットで公開されていますけれども、国連薬物犯罪事務所、UNODCの最新情報を見て、昨晩も見てたんですけれども、かなり驚いています。まず、アフガニスタンは世界全体のあへん生産量の九二%、六千百トン生産しています。これは表を見ますと、九・一一テロのあった二〇〇一年はがくんと落ちているんですね。ところが、そこからウナギ登りに上がってきまして、二〇〇五年が四千百トンだったのが今六千百トンに、二千トン上がっているわけですね。あへんの原料であるケシの作付面積も十六万五千ヘクタールありまして、これも前年比で五九%増えているんですが、世界全体のケシの作付面積の八二%なんですね。アフガニスタンの人口の一二・六%に当たる約二百九十万人がその栽培に従事していると。  で、ここの二百九十万人のアフガニスタン人が十六万五千ヘクタールで上げる六千百トンのあへんの価格ですけれども、国連のデータによると、卸値で七・五億ドルなんですね。これはまあゲートバリューって、英語でゲートバリューって書いてあるんですが、末端価格に行く前ですね。で、末端価格で幾らぐらいこれ行っているのかというと、五掛けとか何かなるんですが、問題は、このUNODCの指摘によれば、この六千百トンのあへんが生産されていて、そこから麻薬の取引によって稼ぎ出されるやみ資金、これが大体年間二十三億ドル、約二千五百億円。これが複数の軍閥や武装勢力の手の中に入っておるというんですね。  これは、ですから、二千五百億円ですから、毎年ですからね。これ、今あへんの生産量増えているわけですから、この額もまあ当たり前のように増えていくわけです。そうすると、武器の調達とかあるいは戦闘要員の調達は極めて容易な状況に武装勢力はあるわけで、ISAFはいろんな国が参加していますけれども、人数は合計で一万八千人程度ですね。一万八千人の国際軍、多国籍軍で、この二千五百億円の資金で強化している武装勢力相手にずっと戦い続けるというのは、やっぱりこれも五年、十年ともし続いていくと、泥沼化するのかなというふうに思っております。  あともう一つ、外務大臣、これ、衆議院でも出てたかどうか分かりませんが、アフガニスタン人自身で麻薬中毒者、増えているんですね。現状でこれ全国で九十二万人と言われておりますが、カブールだけでも例えば七千人のヘロイン常用者、一万人のあへん常用者、二万四千人の大麻常用者がいると言われておりまして、生活苦とか家族の死などのストレスで貧困層の女性を中心に麻薬使用していると。しかも、麻薬の生産量が上がっていますから、値段は、国内で手に入れる値段下がっていると、難民キャンプでも麻薬売られていると、こういう状況なんですね。  それで、いきなり外務省のプロジェクトの話ですけれども、六百五十万ドル、今までのこの十一億ドルのうち麻薬対策に外務省使っているということなんですけれども、まあこの巨大な数字を前にどの程度の効果を上げているのか、自己分析を伺いたいと思います。
  356. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) 御指摘のように、アフガニスタンでの今年のあへんの生産は前の年に比べて五〇%増えておりまして、その他、今、遠山委員の指摘した数字、驚異的な数字は私どももすべて承知している数字でありますので、麻薬をめぐる状況は依然厳しいものと認識をしております。  これらの資金は、アフガニスタンの健全な経済発展を脅かしているだけではなくて、ヨーロッパへ大量に輸出されたり、おっしゃるようにこれを栽培、販売するために特殊な、タリバンその他の組織の庇護を求めて、それへの反対給付として資金提供などをしている実情がありますから、テロ活動の資金源になっている疑いは極めて強くて、大きな問題であります。  日本は、これまでに国際社会と協力しながらアフガン政府の麻薬取締り能力の強化、それからそれに代わる代替生計支援としての雇用の創出、アフガン人自身の麻薬の需要を減らしていくためなどに、御指摘のとおりおよそ六百五十億ドル支出をして……
  357. 遠山清彦

    遠山清彦君 六百五十万ドル。
  358. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) 六百五十万ドル支出をしてまいりましたが、それに加えて今年六月に開催されたアフガニスタンからの麻薬取引ルートに関する国際会議で、アフガン政府が目指す麻薬管理戦略の実施を支援するために、麻薬対策信託基金に新たに五百万ドル拠出をしております。さらに、アフガンの各地方の実情に応じた地方総合開発支援を実施してきておりまして、これはケシの栽培地域に対するそれに代わる生計支援の側面を持っております。  今後とも、世界各国と協調しながらアフガンの麻薬問題には積極的に取り組んでまいります。
  359. 遠山清彦

    遠山清彦君 官房長官も戻ってこられたので、次の質問で私、終わりたいと思いますが、外務大臣、ちょっと二つ、私、要望があります。  一つは、このアフガニスタンの麻薬の問題というのは、先ほども申し上げたとおり、あへんの全世界の生産量の九二%、もうアフガン一国ですから、要するにミャンマーとかあっちで昔ゴールデントライアングルと言っていたのは、あれはもう数%以下と。中南米ですらもうアフガンと比べたら全然ケシの作付面積なんてないに等しいんですね。だから、アフガニスタンというのはもうテロ対策というだけじゃなくて、麻薬によって巨額のやみ資金が、恐らく累計で言うともう何十兆円という単位で出入りしていて、そこに、ですからアルカイーダがアフガニスタンに拠点を置くというのは、ただ単に捕まりにくいとかそういうことだけじゃなくて、麻薬取引を通じて巨額のダークマネーが入るという最大の利点があるわけですね。だからもう非常に賢いわけです、あそこに拠点を置くということは。しかも山の中ですから。で、もう恐らく、恐らくですよ、スイス辺りの銀行に入れているんでしょう。それ使って世界的なテロのオペレーションもできますし、場合によっては兵器も買い付けすることができるという状況がまだ続いているんだろうと私は思うんです。  外務大臣、お願いは、一つはこのアフガンの麻薬問題、特にその代替作物とかですね、いわゆるケシに代わって何かを作らせないと、やはり生活がアフガニスタン人ができないという面がありますから、ここはもう国際社会総掛かりでやらなきゃいけないと。これを外務大臣にいろんな場面で言っていただきたいというのが一つです。  ちなみに外務大臣、フランスのシンクタンクは、アフガンのケシの栽培を合法化すべきだともう言っちゃっているんですね。医療用の鎮痛剤の原料にすれば合法で売れると、ケシをですね。そういうことまで言っているんですが、これはアフガニスタン政府は否定をしております。  もう一つの外務大臣、お願いは、パキスタン政府に対して、ムシャラフ大統領に対して、もうパキスタンにも日本は相当ODAしていますから、強く言っていただきたいのは、例のアフガニスタンとパキスタンの国境付近のトライバルエリア、政府直轄部族地域がもう非常に無法地帯で、ここのルートで麻薬とか武器の密輸が行われているわけですね。先ほど外務大臣、冒頭に海上封鎖で麻薬とか武器とかの取引チェックしているっておっしゃっていましたが、私もそれはやった方がいいんです、海上封鎖やった方がいいんですが、陸路でかなりすかすかなんだろうなと私は思っていまして、実は、もう詳しく時間ないので申し上げませんけど、ムシャラフ大統領が最近あの地域からもうちょっと手を引いて、まあどうぞ御自由にという状況にどうもなっていると、そういう協定も結んでいると。  それから、タリバンが、これ十月二十三日付けのパキスタン英字新聞のドーンという新聞によると、北ワジリスタン地域、北ワジリスタン地域というあの部族地域の一角でもう行政事務を始めたという報道があるわけですね。  ですから、これはちょっとパキスタン政府に麻生外務大臣の方から強烈にもうちょっとここ取締りをちゃんとやったらどうかとおっしゃっていただかないと問題の根っこは解決しないのかなと思いますけれども、いかがでしょうか。
  360. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今、パキスタンの外務大臣はスパンタというんですけれども、この間、日本、中央アジアとの外務大臣会合というのをやりました。そのとき、アフガニスタン外務大臣から今遠山大臣と言われたと同じような要望が上がっておって、北のところはほぼ、いわゆる学校行ったりなんかいろいろ始まっているんだと。問題はこのパキスタンとの国境のいわゆる部族でいえばパシュトゥン族、ここのところが一番問題なんだと。それをパキスタン側である程度協力してもらわない限りは事が進まぬというんで、何とかしろという話がありましたんで、私どもも当然のこととしてパキスタン側にその話は言ってあります。  ただ、ここのところが一番彼らも余り触りたくないところで、もう一番言ってほしくないところであるんですが、まあ私のことですからすぱっと、そこをやってもらわない限りは話にならぬと。だから、これをやらない限りは、だって、おたくらが世界の麻薬の九割、当時は九割と言っていたんですけど、九割やっているんじゃないかという話になってそのとき話をしたことがあるんですが、これは、向こうはよう分かっておるけれども、何となくおっかないとか、いろいろなところがあるんだと思いますが、国内のテロ組織やら何やらと直結している部分があります。  御存じのように、これは一九七九年、アフガニスタンというところはソ連が侵攻して失敗したところでもありますんで、こういったところは歴史的に見てもいろいろ、このアフガニスタンというところは昔にさかのぼれば幾らでも、このアフガニスタンという地政学的な名勝の地ですから、名勝という、重要地点ですから、そこのところを取り合ってきたという長い歴史がありますんで、ここの人たち、いる人たちの抵抗もなかなか部族ごとにすさまじいものがあるというのも含めた上でどうするかということだと思います。  それから、代替食料の話というか代替栽培物の話については、たしか二〇〇二年だったかな、ここでたしか川口大臣に言われた話で、たしか中国の薬の話をされて、ああいったいわゆる高価なものになり得る、私は見ても分かりませんけど、高価な薬に化け得る、化け得るじゃ正しくないな、こうした薬になり得る薬草とか、そういったようなものの栽培というものに切り替えたら付加価値が上がるんじゃないかという御指摘があったと伺っておりますんで、そういったところも含めて、これは何か付加価値の高いものを付けない限りはとてもじゃないんで、ソバの花がきれいだぐらいじゃとてもじゃないなと。もう私最初からこのソバの花に反対したんでちょっと記憶があるんですけれども、是非そういったところを含めてやっていかねばならぬと思います。  先ほどスパンタと言いました。スパンタはアフガニスタンの方のあれがスパンタという人で、済みません、ちょっとあれは間違えました。
  361. 遠山清彦

    遠山清彦君 終わります。
  362. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 朝から長い時間の御審議でお疲れと思いますが、もう最後ですので、是非よろしくお願いいたします。  通告していない質問で恐縮でございますけれども、ごく基本的なことですのでよろしくお願いします。  まず外務省にお伺いしますが、どなたでも結構でございますのでお答えください。  二〇〇一年九・一一以来、現在までに世界でテロによる攻撃事件がどれくらい起こっているでしょうか。テロによる攻撃事件は減少しつつありますか、それとも増大しつつありますか。
  363. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 急な御質問ですが、これはアメリカ国務省、余り信用されてないでしょうけど、アメリカ国務省のテロの年次報告で、そこの出た死者数を読み上げます。二〇〇〇年、テロの事件数で四百二十六、死者四百五が、二〇〇五年では一万一千百十一、そして死者数は一万四千六百二という数字になっておりますから、これはかなりな倍数が増えておると思って間違いない。この六年間の数字であります。
  364. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 現在、国際社会は不朽の自由作戦、OEFの一環として、アフガニスタン国内でテロ掃討作戦やインド洋において海上阻止活動に従事しておりますが、現在、この不朽の自由作戦に何か国が参加し、何か国がアフガニスタン本土に軍隊を派遣し、何か国が日本同様に海上阻止活動に従事していますか。御存じでしたら教えてください。
  365. 奥田紀宏

    政府参考人奥田紀宏君) OEF、不朽の自由作戦に関する御質問だと思いますけれども、これまでのところ、OEFにつきましては、アフガニスタン本土に部隊、将校等を派遣している国といたしまして約二十か国が数えられております。  それから、海上阻止活動、いわゆるOEF—MIOでございますけれども、こちらの方は八か国が参加しております。
  366. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 内閣官房長官にお願いいたします。  政府は、テロ対策特措法第一条で取り上げられている国連安保理決議一三六八は当時のタリバン政権に対する国連加盟各国の武力行使を容認したと解釈されておられるのかどうか、お考えをお聞かせください。
  367. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) ただいまお尋ねの国連安保理決議一三六八号、これは二〇〇一年の九・一一の米国におけるテロ攻撃を国際の平和と安全への脅威と認めておることはもう御案内のとおりであります。その上で、国際社会に対してテロ行為を防止し抑圧するための一層の努力を求めているものであると思います。しかし、この本決議自体が武力の行使の法的根拠となるものではないというふうに考えております。
  368. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 今の御説明で分かりましたが、では、米国とNATO加盟諸国が今アフガニスタンに軍隊を送り込んでいますけれども、その法的根拠についてはどのように御理解しておられるでしょうか。
  369. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 今のお尋ねは、例えば米国の自衛権の行使を認めるものだったかどうかというようなことでもあろうかと思いますけれども、そういう意味においては、国連憲章に基づく自衛権が各国固有の権利であることが言及をされているということであって、その意味で、同時多発テロに対応して米国等が個別的又は集団的自衛権を行使し得ることを確認したものと考えられるものだと思います。
  370. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 では伺いますが、自衛隊艦船のインド洋への派遣は決議一三六八によるものですか、それとも、米軍を始めとした多国籍軍の支援、つまり軍事的支援として派遣されているのでしょうか。
  371. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) このテロ特措法に基づく自衛隊活動の根拠ということかと思いますが、この九・一一のテロ以降、このテロとの戦いというものを一丸となって国際社会がずっとやってまいりました。その中で、我が国がこのテロ特措法に基づく協力支援活動の一環として海上阻止活動参加艦船に対する給油支援をやってきておって、約五年に及ぶ活動の結果、かなり、先ほど来ずっと出ているように、アルカイーダ等の、あるいはその関連組織の移動や活動というのはかなり下がってきているわけで、そういう意味では、非常にこれまでやってきた活動が抑止効果があったということはよく理解できていると思います。  我が国が本法、つまりこのテロ特措法に基づいて行う対応措置の対象となる諸外国の軍隊等は国連憲章の目的の達成に寄与する活動を行っているものであって、したがってそのような我が国の対応措置もまた国連憲章の目的に合致したものということで、この国連憲章が重要なものだというふうに考えております。
  372. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 研究者たちテロ対策に関する論文なんかをいろいろ読んでおりますと、多くの方が一致して言っていることは、パキスタンやイラクを攻撃したことによって、むしろイスラム過激派を刺激して欧米諸国を攻撃目標とするようになったと指摘しておりまして、そして、そのテロが発生する要因をきちっと理解して把握した上でそれへの対策を取らない限り、先ほど外務大臣のお答えがありましたように、テロ撲滅といいながら、実際にはテロが増えているわけなんですね。ですから、その解決につながらないということで懸念する声が非常に強いわけなんですが、政府として、先ほども似たような質問がございましたけれども、テロの発生するその要因を把握して、一体どのような対策をお取りになるおつもりでしょうか。
  373. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) これは、先ほど来何人かの先生方の御質問にお答えをしてまいりましたけれども、ただいま御審議をいただいているテロ特措法で行う活動は、私ども日本として、テロとの戦いあるいはアフガニスタンの復興支援という観点から見てみると、ごく一部の活動だと思います。このテロリスト掃討作戦のような武力による直接的な脅威の除去だけではなくて、先ほど来アフガニスタンの国づくりというのも随分先生方からの御指摘の中にもございましたように、テロを生み出すものは一体どういう土壌なのか、社会的な原因はどこにあるのか、あるいは経済的な背景というのがあるのかないのか、そういった諸問題をやはり分析した上で解決を総合的にやっていかなきゃいけないというふうに思っています。  ですからこそ、こういった海上での給油支援活動を中心とするテロ特措法に基づく活動に加えて、政府開発援助、特に社会の再構築、先ほど来麻薬の話が随分出ていますが、まだまだ道半ばという感じではございますけれども、国際的な連携の下でこういった大本を直すということについてもやってきていることでありますけれども、しかし、このテロ特措法につきましては、私ども日本としての、日本政府としての独自の判断で主体的にこれはやっぱり取りあえず一年間また延ばさせていただこうと、こういうことでございます。
  374. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 アフガニスタンの復興支援と関連いたしまして、外務省にお伺いします。  去る二十四日の本委員会で、アフガニスタン難民について同僚議員質問に対し、外務省はその数はまだ三百五十万人に上っているとお答えになりましたが、アフガン難民が増えている理由、あるいはその背景についてどのようにお考えでしょうか。
  375. 奥田紀宏

    政府参考人奥田紀宏君) アフガニスタンの難民の数でございますけれども、確かに本年九月の国連難民高等弁務官事務所、HCR発表によりますと、アフガン難民の数は約三百五十万人となっておりまして、この前申し上げたとおりですが、他方、昨年、二〇〇五年のHCR資料、数字で見る難民情勢というものを見ますと、二〇〇四年十二月時点でアフガン難民の数は約三百九十八万人となっておりまして、したがって、我々としてはアフガン難民は少なくともこの一年間に限っては減少していると思います。しかしながら、更なるアフガニスタン難民に対する取組というものも必要であろうというふうに思います。  アフガニスタンに対しては、二〇〇一年九月以降、HCRを通じまして、人道支援及びアフガニスタンの難民、避難民の帰還が多い地域、例えば南部のカンダハルでありますけれども、そういう場所における帰還民の再定住のための支援を合わせまして、これまで総額約一億五千万ドルの支援を行ってまいりましたけれども、今後ともアフガン難民の帰還を積極的に支援していかなければならないと考えております。
  376. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 ペシャワール会の中村医師によりますと、アフガン難民が減らない、逆に増えていることについて、アフガニスタンは大干ばつが続いて、難民が帰郷しても郷土は砂漠と化して再び難民にならざるを得ない、だから難民が増えているというふうに述べておられます。しかし、国際的にこの農村の砂漠化というものが大きな問題として取り上げられてこなかったということが一つには難民が増えている理由として挙げているわけですが、二〇〇六年は史上最悪の干ばつになる可能性があると予想なさっています。  そこで、ペシャワール会はこの間、アフガニスタン東部において大規模なかんがい事業に取り組んでいるわけですが、政府はこのような活動にこそもっともっと力を入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  377. 浅野勝人

    ○副大臣浅野勝人君) アフガンでは、大田委員おっしゃるように、長い間の内戦と干ばつで農業インフラが破壊されていて、深刻な状況にあるのは御指摘のとおりのようであります。就労人口の七〇%以上が農業に従事しているということでありますから、農業の再生はアフガンの安定化に不可欠だと同感いたします。  そういう中で、日本政府としては、農業政策の総合的な取組として、地方総合開発、およそ一億三千八百万ドルを支出するほか、御指摘のかんがい事業、それからコミュニティー振興に対する支援、それらのことを通じて農業再生に貢献をしてまいります。  農業分野の技術協力として、これまで延べ八十三人の日本専門家現地に派遣し、三十八人のアフガン人の研修員を日本に受け入れておりまして、まだまだ数としては誇れるような数字に至っておりませんけれども、今後とも、農業分野への支援というのは極めて重要な側面と認識して、積極的に取り組んでまいります。
  378. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 次に、イラク問題との関連で外務大臣にお伺いいたします。  一昨年の七月に、米国の上院特別委員会が米議会に対し、イラク戦争開戦の大義とされたイラクの大量破壊兵器の開発、保有はなかったのに開戦に踏み切ったと報告いたしました。それに続いて、去る九月八日、旧フセイン政権とアルカイーダの連携を否定する報告書も提出されました。続いて、米政府は九月二十六日、機密報告書、国家情報評価を公開し、その中で、イラク戦争がイスラム世界への米国の干渉に対する深い恨みを生み、地球規模のイスラム過激派への支持を拡大させたと分析しています。  アメリカ政府、議会の調査によって米国のイラク戦争の大義が否定されましたが、大臣はこの点についてどのようにお考えでしょうか。
  379. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今、一連の大田先生の話は、これこそこの国の実に言論が封殺されていないいいところで、議会の中においても堂々といろいろな政府の批判が言えるというところがアメリカのすごいところだと、私は正直そう思います。  その上で、アメリカとしては、今そういったような状況にはあるけれども、つい昨日、おとといでしたか、ブッシュのあの演説を聞いておりますと、少なくともアメリカ政府としては、今、今回のイラクにおける現状というのが、厳しいものではあるけれども、間違いなくいわゆる権限の移譲というものが、日本が最初でしたけど、次にイギリスというように権限の移譲が今イラク政府に行われたり、憲法ができ、それによって選挙が行われ、それによって選ばれた内閣ができというような形ででき上がりつつある部分も間違いなくありますので、そういった意味におきましては、この戦争というか戦いというものの本来の目的からいきますと、少しずつではありますけれども、情報が間違ったところとかいろいろなところは確かにあったにしろ、結果としてそういったものができ上がりつつあるということに関しては一つの進歩だと。  私どもは、アメリカ政府が言うのと同じように、我々も少なくとも独裁者からそこに別のものができてきつつあるという点は評価されてしかるべきだと存じます。
  380. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 外務大臣防衛庁長官にそれぞれお伺いします。  北朝鮮の核実験の事態を受けて、一部で周辺事態法を発動すべしという意見が出ていることについて、まず防衛庁長官からお考えをお聞かせください。
  381. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 周辺事態とは、そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれがある事態など、我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態というのが法律上の定義であります。  したがいまして、核実験を行ったというだけで周辺事態になるかどうかについては、やや私は慎重に判断すべきだと思いますけれども、この事態の推移というのは非常にいろいろと変わっていくわけでありますから、これから先の緊張の高まりその他を見ながら、また各国がどういう体制でそれに対応するか、そういう流れの中で総合的に政府としては事態を認定して、そして必要な対処行動を取るものだと、そういうふうに思っているところであります。
  382. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 外務大臣、お願いします。
  383. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 法律の解釈につきましては、今、官房長官じゃなかった、防衛庁長官が言われたとおりです。  いかなる事態かは別にして、ある事態がいわゆる周辺事態に適用、該当するかしないかという点につきましては、これは日本にとりましての周辺事態安全確保法でしたかね、安全確保法に基づいていかなる対抗措置、対応措置をとるかということにつきましては、これは日本という国がその時点で総合的に勘案して、かつ日本政府が主体的に判断するというものだと思っております。したがって、その条件とか具体例というのは、あらかじめちょっと包括的にこういう例だったらこうとかとお示しするというのは極めて困難だと思っております。  その上で、先般の北朝鮮による核実験というものの実施の発表、これはまだ政府としては正確に確認したわけではありませんので、北朝鮮政府の実施の発表とあえて持って回った言い方をしておりますけれども、あの北朝鮮の核実験の発表というものを受けて、政府としてはいかなる対応をするべきかという点につきましては、これからまだ二回目をするのかしないのか、このまま話がだんだんなくなっていくのか、これいろんなことを考えないかぬところであろうと思いますんで、あらゆる観点からこれを検討していかねばならぬところだと思っております。
  384. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 官房長官にお願いいたします。  先日、二十四日の本委員会内閣法制局に周辺事態法についてお伺いしましたけど、まだちょっと納得し難いものですから長官に改めてお伺いしますけれども、周辺事態法で言う周辺事態の認定はだれがどこでどのような手続を経て行うのか、法的な解釈も含めて簡潔に教えてください。
  385. 塩崎恭久

    国務大臣塩崎恭久君) 先ほど防衛庁長官から法律の条文も引用してこの周辺事態法についての御説明がございましたけれども、やはりある事態が周辺事態に該当するかどうかというのは、一つ二つの条件だけで判断できることではなくて、やはりその時点の状況を総合的に判断をしなければいけないんだろうと思っております。  そして、我が国国益を確保する観点から日本独自の判断をするわけでありますけれども、どこでいつというお話でありますが、それは最終的には安保会議で、そして閣議で、この基本計画を内閣総理大臣が閣議にかけるというプロセスを経て安保会議審議を経て閣議の決定を求めるということになってくるわけであります。  周辺事態法上のある事態が周辺事態に該当するか否かというのは、最終的には、この周辺事態の対応措置を定めた基本計画を閣議決定をした時点で認定をされるということになるわけであります。  いずれにしても、政府としては、今回の北朝鮮の行動、行為については、安保理決議を受けて米国等関連国と緊密に連絡を取りながら、一方で事態は先ほど来お話が出ているようにいろいろと流動的でありますので、常にあらゆる状況を勘案しながら、いかなる対応が可能かということをあらゆる観点から検討していると、こういうことでございます。
  386. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 海上保安庁、いらっしゃいますか。お願いいたします。  質問通告はしておりませんが、本日午前中の審議の中で、船舶検査活動を行い得る範囲に関連して領海三海里のお話が出ていました。我が国は、国際海洋法条約の批准の際、国内法として、領海法を一部改正し、排他的経済水域及び大陸棚に関する法を制定して、従前の領海三海里についての考え方の整理が行われたのではないかと理解しております。領海及び接続水域の幅は一体どれくらいなのか、その定義等を改めて教えていただきたいと思います。  また、海上保安庁が国内法に基づいて船舶検査活動を行うとすれば、どの範囲の海域まで可能なのか、簡潔に御説明ください。
  387. 藤井章治

    政府参考人(藤井章治君) 私ども海上保安庁として条約の解釈まで立ち至るのはいかがかと思いますけれども、一般に私ども海上保安庁の警察機関としての法令執行につきましては領海十二海里、また特定の法令につきまして、例えば海洋法条約第三十三条でございますが、通関とか財政とか出入国管理、衛生にかかわる国内法令違反の防止のための措置、こういったものについては領海基線から二十四海里までの、領海の外側からいえば十二海里になるわけですが、そこの水域、接続水域を設けているところでございまして、先ほど申し上げたような国内法令に基づく海上保安庁の巡視船艇に基づく立入検査も可能なところでございます。  私ども、いずれにいたしましても、海上保安庁の警察機関としての立場から申せば、先ほど申し上げた領海なり、あるいはまた接続水域なりにおいて、国内法令の違反の防止のために船艇の立入検査と、こういうことが海上保安庁法上可能とされているところでございます。
  388. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 いま一つお願いします。  自衛隊の船舶検査活動法と同様に、海上保安庁も海上保安庁法によって船舶検査活動に当たるように定められています。海上保安庁法第十七条で、その船舶検査活動の態様が規定され、また第二十条で、相当の理由があるときに武器を使用することができるとあります。ここで言う相当の理由とは具体的にどんなときなのか、簡潔に御説明ください。
  389. 藤井章治

    政府参考人(藤井章治君) 海上保安官がまず武器を使用する場合でございますが、海上保安庁法の第十九条に基づきまして海上保安官が職務を執行するためにまず武器の携帯ができると。さらに、武器の使用については、その次の庁法第二十条第一項によりまして準用される警察官職務執行法第七条に従って適正に行われることが基本だと考えております。
  390. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 防衛施設庁長官、いらっしゃいますか。お願いします。  先日二十四日の本委員会において、外務省に対し、沖縄の嘉手納基地への米陸軍PAC3部隊の配備の件で、配備先の関係自治体にどのように説明されたのかお尋ねしましたところ、外務省は、七月二十日に関係先を回ったとの御答弁でした。その際、沖縄を訪問なさったのは北原長官であると伺っておりますけれども、地元関係自治体の了解は得られましたでしょうか。また、地元自治体の御意向をどのようにお受け止めになったのか、簡潔に御説明ください。
  391. 北原巖男

    政府参考人(北原巖男君) 今、大田先生御指摘のとおり、私、この嘉手納基地等に配備します米軍のPAC3の配備につきまして、七月の十九日に米国政府から日本政府に通報がありましたので、直ちにということで、翌日の七月二十日に私、参りました。そして、沖縄県を始めといたします嘉手納町等三連協等関係の自治体を訪問いたしまして、それぞれ知事さんあるいは首長さん等に嘉手納飛行場へのPAC3の配備の意義、あるいは移転する部隊はどういう部隊か、またその規模はどのくらいか、さらに、配備の場所、またその配備の今後の日程といったことなどにつきまして御説明をさせていただきました。  また、その際に、地元の人たちが御懸念される電波の問題はどうかとか、あるいは音の、音は出ませんけど、音の問題はどうだとか、そういった私としても考えられる限りのことを御説明し、また質問に答えてきたところでございます。  その際、関係の自治体からは、首長さん等からは、嘉手納の飛行場からの訓練移転などのその基地負担の軽減が具体化されていない中でこれが、その配備が先行するといったことにつきまして遺憾である、あるいは反対であるといった御趣旨の御意見をいただいたところでございます。  この点につきましては、PAC3というのが御承知のようにあくまでも弾道ミサイル脅威から我が国、特に今回のPAC3については沖縄を防護し、国民の生命、財産を守るために配備される、これは純粋に防御的なシステムでありますと。そして、我が国に対する武力攻撃を抑止することに大いにこれは貢献することでございますといったお話をさせていただいたわけでございまして、この点について是非とも御理解を賜りたいといったお話をしてまいりました。  そして、その際、私今触れましたが、嘉手納基地での負担軽減が見えない段階でといった点についてでございます。私がお伺いした段階ではまだまだ、例えば訓練移転につきまして、全国、本土にあります六つの航空自衛隊の基地に移転をしていこうということを考えているわけでございますが、七月二十日の段階ではなかなかまだ御理解をいただけませんでしたが、今日現在の段階を申し上げますと、関係する自治体が本土全部で二十二の自治体に及びますが、今日現在、そのうちの二十の道県市町までこの沖縄の負担軽減といったことにつきまして御理解をいただいているところでございますので、私どもといたしましてはこれからも本当に沖縄の方々の目に見える形での負担軽減といったことにこれからも全力で努めてまいりたい、そして地元の皆さんの御理解を得てまいりたいと、そのように考えております。
  392. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 あと一点だけお願いいたします。外務省に伺います。  去る二十四日の本委員会において、外務省の御答弁ではPAC3の配備の目的について、米側より日本の安全と国民の生命を守るためとの説明を受けたということでありましたが、実際は米軍基地を守るためであって、周辺住民を守ることは念頭にないのではありませんか。  いずれにしても、兵員六百人、その家族九百人という陣容を新たに配備するということは、再編問題との絡みで沖縄の基地を削減すると言いながら、これはちょっと納得いき難いですが、今回の配備を撤回するように要求すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  393. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) 外務省河相北米局長、時間がもう来ておりますので、簡潔にお答えください。
  394. 河相周夫

    政府参考人(河相周夫君) 先般から御説明しておりますとおり、パトリオットのPAC3の配備というのは、弾道ミサイルの脅威から我が国、特に沖縄を防護するために配備をするということで米側から説明を受けておりますし、政府としてもそういう理解をしているところでございます。
  395. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 終わります。ありがとうございました。
  396. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。     ─────────────
  397. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) 先ほど理事会協議となりました白委員要求の資料の件につきまして、政府側から理事会に資料が提出されました。  理事会で協議の結果、これをもって了解することといたします。     ─────────────
  398. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、福島啓史郎君が委員辞任され、その補欠として岸信夫君が選任されました。     ─────────────
  399. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  400. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私は、日本共産党を代表して、テロ特措法に基づく自衛隊の派遣を一年延長する法案に反対の討論を行います。  テロ特措法は米国の報復戦争に協力するために作られた法律であり、この米軍を支援する自衛隊活動を継続することは日本国憲法に照らして認められないものであります。  戦争開始から五年が経過しました。しかし、テロが根絶されるどころか、状況は開戦後最悪の事態になっております。国連の報告によれば、テロ活動の大幅な増加により、死者数は今年前半だけで二千人を超えており、アナン国連事務総長も、アフガニスタンがこれほど厳しい脅威にさらされた時期はないと警告しております。  米軍が開始した戦争は、無差別の爆撃や掃討作戦によるおびただしい数の一般市民の犠牲を出してきました。こうしたやり方が国際的なテロ対策の正当性を損ない、テロ増長の口実を与えています。戦争がテロを拡散させ、状況を悪化させてきましたし、戦争によってはテロをなくせないことは明白であります。  政府は、この戦争を支援する自衛隊部隊を直ちに撤退させ、別の形でテロを根絶する国際的な努力を強める道に進むよう強く求め、討論を終わります。
  401. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章目的達成のための諸外国活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  402. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  403. 柏村武昭

    委員長柏村武昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時七分散会