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遠藤(乙)
委員 長官の御意向、よく
理解をいたしております。
我々も、核には絶対に反対、基本的に反対という姿勢で来ておりますので、特に
我が国の核
拡散に対する強い姿勢、これはやはり常に表明していかなきゃならない。しかし、今回の
北朝鮮の場合には、それプラス今おっしゃった地政学的な要素、私は、
北朝鮮のさまざまなビヘービアが非常に不信を与えるということがあるかと思います。
特に、
北朝鮮の意図に関して重大な問題点は、パキスタン、インドの場合には一貫してNPTに参加しないと言って、自分たちの論理を、自衛のために必要だ、また、印パのお互いに
抑止力として必要だということを言って、それなりの論理は一応あったように思います。もちろん我々はそれを認めるわけではありませんけれども、そういう一応一貫した姿勢はあった。
ところが、
北朝鮮の場合には、枠組み合意を結んでは破り、また、NPTを一たん入って出る、保障
措置もまたやめる、それからまた日朝合意も破棄する、それから南北の非核化合意も破棄する、あらゆる形で約束を守って破ってという繰り返しであって、今までのそういった実態を見ると、そういう合意はあくまで核開発を進めるための見せかけ、隠れみの、時間稼ぎにすぎないという、これは大変厳しい問題だと思っておりまして、この点はきちっと
認識をし、
脅威の
分析の中に入れる必要があるんだろうと思っております。
また、核の技術をいろいろ持ってくるためのさまざまな裏取引といいますか、麻薬取引とかあるいはにせドル問題とか、さまざまなそういった不法な手段をもってやっていることもそういったことに加味しなければなりませんし、そういった意味で、
脅威の
認識ということについて、非常にある意味では緻密な
分析をした上で、意図、能力、
国民にわかりやすくここら辺を
政府としてもう一度きちっと説明していただくことが大変重要かと思っておりますので、この点ひとつよろしく
お願いをしたいと思っております。
続いて、この能力に関して
一言申し上げたいんですが、結局この
北朝鮮の核開発は一貫してやってきたということは明確でありまして、もしこのままの状態でいきますと、この能力は時間とともに向上していくことは間違いない。それに対する抑止は、
日米安保体制がありまたミサイルディフェンス等もあってそれなりに努力はしますけれども、いつかこれが対処し切れなくなる時期も来ることは間違いないわけでありまして、そういった意味では、この能力に対してどのようにブレーキをかけていくかというのは大変重大なテーマだと思います。
意図については、これはもちろん対話、六者協議、また
国連新事務総長が行くというような話もありますし、いろいろな角度から、この意図については、これを覆すことを努力していくのは当然でありますけれども、特に能力について、この客観的な能力をどうやって、今全くなくすわけにはいかないかもしれませんけれども、どうやってブレーキをかけ、スローダウンさせるかということは重大な戦略目標になるかと思っております。
特に、核の能力につきましては、やはり資金の問題、それから資材、技術、人材等、こういった問題が非常に重要でありますし、また、逆に
北朝鮮の核能力がほかの国へ
拡散するという問題もあって、これは非常に現実的な差し迫った問題だというふうに思っておりますので、余りやはり
北朝鮮の核が、一発ぐらい
核実験をやったからまだ
脅威ではないということはないと思いますので、むしろ、そこら辺の能力の時間とともによる成長とその
拡散に対する強い危機意識を持って、どう
国際社会として実際にブレーキをかけるかということは、真摯にこれは考えなければならない問題だと思っておりますので、その点も含めてよろしく御
検討を
お願いしたいと思っております。
続いて、
国連決議一七一八に関してであります。
これは
北朝鮮の実験表明後、わずか六日後ですか、非常にスピーディーにやったということ、内容的にも従来の
安保理決議に比べまして非常にバランスがとれ、いろいろな問題がかなり幅広く加わっておって、私は非常にこれは、特に
日本が議長国として取りまとめ、高く
評価すべき点だと思っております。
また、単に制裁ということのみならず、そういった
決議をめぐる論議においても、対話への道も開かれていることは明確でありますし、
決議のみならず、その周辺的ないろいろな発言等を考えますと、
北朝鮮が核を放棄、検証可能な形で核を完全に廃棄して対話に戻れば、それに対する経済
支援も行う、また決して
体制を覆すものではないということも明確に出ておりまして、こういった
国際社会の意思を明確に
北朝鮮側に伝えていくことは大変重要なことだと思います。
特に大事なことは、
北朝鮮が長期的に
体制の存続に悲観的になって短期的な冒険主義に出て、追い込んでいく、これが一番危険な状況であります。これを逆転させて、短期的な軍事的冒険主義は絶対に効果はない、むしろ自分たちが破滅に向かう道であるということを、強く抑止し、これをくじいていく姿勢、他方、長期的に、本当に核を放棄して
国際社会に
協力すれば、いろいろな国が発展に向けて、
国民生活の向上に向けて
支援する、そういう長期的な
期待感を持つようになれば、これは非常に大事なことであって、それに向けてしっかりと抑止と対話を組み合わせながら粘り強く進めていくということが大事だと思っております。
そういった中で、今回の
国連安保理決議に対する
評価、また今後
我が国としてこの具体的なそれぞれの項目についてどのように取り組んでいくのか、その
決意をお聞かせいただければと思います。これは
麻生大臣に
お願いいたします。