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国務大臣(二階俊博君) ただいま
佐藤議員から、経済のグローバル化に伴いこれから
環境問題がいかに重要かという御指摘であったと
思いますが、我々もそうした視点に立って対中国問題、エネルギー消費の急速な増大は
環境問題に深刻な影響を及ぼすであろうということを懸念をいたしておりますので、中国との間には粘り強くこの問題についてお互いに協議し、またその中で日本がもし貢献できることがあれば
協力していくことが、これは中国のためだけではなくて、日本のためにも重要だという
認識に立っております。
我が国は、省エネルギー、公害の問題で、議員も御承知のとおり、過去大変な
努力を重ねてきた。単なる
努力じゃなくて、むしろ苦しみを味わってきた。そうした中で、お互いに編み出した英知を結集して、今日、省エネルギー、
環境の分野では自他ともに世界一と言われるところまで技術や知見が発展してまいりました。このため、私は、この隣り合う日中の両国がこうした分野で共通の利益を見いだしていくということでお互いに意見交換を積極的にやっていくということは極めて重要であり、意義のあることだと考えておりました。
したがいまして、ちょうどいい機会に、昨年、WTO、さらにAPECにおきまして薄熙来商務
部長とバイの会談をする機会がありましたので、私の側から、日中省エネルギー・
環境総合フォーラムを開催する、それは日本で、中国で交互に開催していくということの提案をいたしました。
いずれも、提案の当初の段階から賛意は表しておりましたが、このことになりますと、国全体の理解、
協力がなければ薄
部長もこれに対して直ちに行動を起こすということは私は困難な政治情勢にあるのではないかということを心配をしながら機会をうかがっておりましたが、先般、お許しをいただいて中国訪問の機会を得ました際に、この問題に対しましては薄
部長とは十分突っ込んだ意見の交換をすると同時に、さらに唐家センあるいは温家宝総理等、中国の首脳部に対しても、我々は閣僚レベルでこういうことで
合意に達しておると、
政府挙げて
協力を願いたいと、その日は、そのときは是非、薄熙来
部長にも日本にお越しを願いたいということを申し上げましたら、積極的に
協力をするという首脳のお返事がありましたので、私
どもは今、五月の適当な時期に開催をするということで具体的な詰めをこれから役所レベルで相談をさせていただくということに相なっております。
今後、このフォーラムの成果は、単に日中間の
協力に終わることなく、このことを、先ほど
佐藤議員もお話しのようなことで、国際的な分野で貢献をしていくためには、日本と中国とのフォーラムはこのような成果を得ることができた、あるいはこのような
合意に達することができたということを私はできるだけ多くの各国の関係者にお伝えする、そういう
努力を日本が先導的な
役割を果たしていかなくてはならないのではないかというふうに思っております。
また、東シナ海の資源問題につきまして、今回の訪中におきまして中国要人との間で、東シナ海のこの海をお互いに対立の海として日中間がこれをもって緊張しておるということは私は得策ではない、したがってこれはお互いに
協力の海とすべく対話を迅速に始めていく必要があるということを主張したわけでありますが、これについて中国の首脳部も全くそのとおりだということで、具体的に三月の上旬にというお話でありましたが、その後、外交
ルートで御承知のとおり日程が決まりまして、三月の六日、七日、
外務省と
経済産業省の代表が中国に参りまして、いわゆる第四回目の
局長級レベルの、
局長級の会談が行われたわけでありますが、ここで何もかも結論に得るというところにまでは至っておりませんが、第五回目の会合を日本でやると、東京でやると、同時にできるだけ早くやろうということに相なっておりますので、できれば私の希望としては少なくとも今月の終わりか来月の初めぐらいに、今までのように時間を置くというんではなくて、やはり問題点をお互いに共有するというところまで議論を詰めていく必要があるというふうに考えております。
まあ、この本問題につきましては日中両国がお互いに
努力をしなければならぬわけでありますが、また日中両国にそれぞれ立場の違いがあることも当然であります。我々は、そうしたことを踏まえて、日本の国益を考え、我が国の主権的権利というものを確保に万全を期しながら、同時に東シナ海を
協力の海とすべく、極めて難しい交渉になりますが、それはそれでやはり英知を結集して対応すべきだというふうに考えております。
エネルギー・
環境問題は、先ほ
ども申し上げましたが、日中双方だけではなくて、これは世界的に重要な意味合いを持つ。中国の例えば公害は直ちに我々の空にも及んでくるわけでありますから、中国のことだというんではなくて、ある意味では日本のこととしてとらえていかなくてはならない。こんなケースが世界じゅうにもうたくさんの、各地でそういう状況に相なっておると
思います。
我々も、それらの点につきまして、世界規模で問題を解決することができるかどうか、懸命に取り組んでまいりたいと考えておる次第であります。